銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏!


 

予告編

 
前書き
銀河英雄伝説の世界に転生したが、門閥貴族・・・だか家はボロボロで雨漏りさえしている!
この小説は「らいとすたっふルール2004」にしたがって作成されています
********************************************
 

 
予告編

主人公が仕事後にPCで二次小説を閲覧中に、ブラックアウト気がついたら三歳児???
なぜか転生?? 
ここはどこだかさあ大変!
聞こえる言葉は、ドイツ語だから、ここはドイツか?オーストリアか?リヒテンシュタインかも知れないと思ったが、大違い!!!
銀河帝国だってー、スター・ウォーズかエリアルか銀河英雄伝説か?
両親が話しているのを聞けば、銀河英雄伝説の世界かよー!!!
銀河帝国の門閥貴族に生まれたが、なぜだか家はボロボロで雨漏りさえしている、なんだってーー!


 
 

 
後書き
************************************************
次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 第一話 転生したら三年で貧乏   赤字の家計簿がまた一ページ
 

 

第1話 転生したら三年で貧乏

 さてと、仕事から帰り遅い夕食を取り、PCを起動させながら、溜まったTV番組を見始めた。
 メールチェックしたが、広告か迷惑メールばかりじゃないか。
 さっさと削除して二次小説をチェックしますかな。
 ネギま!?なのは、銀英伝は外せないね、早速ココア閣下を見ますかな、新章upされてるな・・・・ふむふむ、おもしろいな、さすがはココア閣下外さないねー・・・・・・・・んんーーーーーー眠いな・・・・・・・・・・・パタ・・・・・

 ん????なんか体が窮屈な感じが目を開けようにも開けられない、これが金縛りかな?けど暖かい感じがするし、なんか心音が2つ聞こえる感じがするんだけどな?外の方からなんか声らしき物が聞こえるんだが、よくわからないな、誰か酔っぱらって道で騒いでいるのかな?けどまた眠くなってきたな、目覚ましセットしてないが、明日休日だから朝寝坊万歳だこのまま寝ちゃおう〜〜〜〜〜〜♪

 こんにちは、ラミディアです、まさか金縛りだと思ったのが、母の体内だったとは今更ながらびっくりです。
 此所は銀河帝国首都星オーディーンの郊外にある貴族の邸宅が建ち並ぶブロックです。
 我が家も此所にあるんですよ、家も貴族で男爵だってびっくりですね、男爵じゃ髭男爵とかエロ男爵とか男爵いもしか思い浮かばない現代日本人が男爵家令嬢ですってどんな夢か、幻かと疑った日々もありました、壁に頭ぶつけ、たんこぶ作って母様にしかられたりとか、アー兄ちゃんにしっぺしてもらって、あまりの痛さに泣き始めて、アー兄ちゃんが父様に折檻されたり、アー兄ちゃん、巻き込んですみませんです。

 なんかで聞いた話では、魂がいくつか集まって新しい魂を作るらしいが、そのとき前の記憶は消されてしまうて書かれてたんだけど、記憶があるんだよね不思議だね、生まれた時はよくある転生者みたいに赤ん坊の体に大人記憶とかなかったんだけど、だんだん記憶が混載していくっていう感じに三歳ぐらいで前の記憶を思い出したんだよね.
それまですごく普通に両親や兄姉の話聞いていたんだけど、ん?って思って、これドイツ語じゃないかとその頃は家が貴族とは思わなかったし、転生して記憶が整合したのが三歳だからね、ドイツ語圏に生まれたんだなおもって、何処だろうと推測したんだよ、ドイツとオーストリアとリヒテンシュタイン、スイスあたりかなーと思ってTV見たり、両親の会話を聞いてみると、銀河帝国とか言ってるし??よく見れば空に月がないし・・叛徒とかいってるし・・・・・まさか・・・スター・○ォーズかエ○アルか銀河英雄伝説?????

 恐る恐る、アー兄ちゃんに現在の皇帝陛下の名前教えてって言ったら、不思議そうな顔をしながら(フリードリッヒ4世)だって教えてくれた。
 はいありがとうございました、決定ですこの世界は、銀河英雄伝説の世界だったのです、焦りますよ、銀英伝ですよ、下手すれば死亡フラグ満載じゃないですか、いやしかし、女の子に転生したのだから、軍にとられることもない、同盟なら徴兵あるけど、帝国では女性は後方事務だ安心だ、このままいても、ベスターランドとかイゼルローン近辺の焦土作戦地帯に住まなければ、オーディーンに居れば、死亡フラグは殆ど無いじゃん、万歳ーーーーー

 そう思っていたときもありました・・・・・・そうなのです、家はなんと門閥貴族だったのです、男爵だけどね、フレーゲル男爵とかキンメル男爵とかヴェストパーレ男爵夫人とかと同じなんですね、こりゃあ困った、このまんまだと、リップシュタットで流刑星送りじゃないか・・・・こうなれば、ラインハルト側に付いて生き残るしかないか。

 いやね何是門閥貴族か気がつかなかったって言うと、家見ればわかるんだけど、ボロボロなんだよ、壁紙は煤けたまま、庭木は伸び放題、窓ガラスなんか、割れたところをビニールで塞いであるし、雨漏りはするし、何処のお化け屋敷ですかって感じ、この家見て、門閥貴族で男爵様の邸宅とは思わないでしょ。聞くところによると、お爺様が怪しげな投資に引っかかって財産すったらしい、士族の商法はだめだねX。

 取りあえず食事だけはまともに三食でるから、お父様の稼ぎのたまものだそうです。
 お父様は、典礼省で課長をしているそうですが典礼省自体が暇な省なので仕事も暇らしく、しょっちゅう私の事でTV電話をかけてくるんですよ、親ばかだね、けど両親やお婆様や兄様姉様から可愛がられています。
 
 時々、お父様の弟で軍人のアーデルベルト叔父様やお母様の弟で同じく軍人のリシュアン叔父様がやってきて、遊んでくれます、アーデルベルト叔父様は一番家が貧乏なときに、食うために軍人になったそうで、少将になった今でも放言しているそうです、リシュアン叔父様は大尉で駆逐艦艦長だって。いつか乗せてほしい物です。
 
 

 
後書き
************************************************
一部修正しました。
オーディーン、フリードリッヒ4世、ベスターランドはあえて間違ってます。

次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 第二話 先人の知恵は超大切   赤字の家計簿がまた一ページ
 

 

第2話 先人の知恵は超大切

 
前書き
一部人名、地名等に誤記がありますが、わざと誤記としております。
 

 
 ラミディアです、転生し記憶が整合して、やり始めることと言えば、覚えている限りの、原作&漫画&OVAの人物や事件、作戦、年号などですよね。
 いろんな方々は、他人に読まれても良いように、色んな言葉を使うようですが、私はどうしましょう。
最初に考えたのは、ゼントラーディ文字で、ニチモのマク○ススタンプで、慣れ親しんだのですが、スタンプ無いから書き辛く断念。
漢字、カタカナ、ひらがな、は読まれるかもしれないので、これも断念。
結局は、先人の知恵に頼り、ローマ字で書くことにしました。

 まず地名と戦役だね、オーディーン、アムリッツァ、アスターテ、ヴァンフリート、アルレスなんとか、パランテア、アルテナ、ベスターランド、書き込んでいきます。

 人名は、フリードリッヒ四世、ラインハルト、ロリエンタール、ミッターマイヤー、ケンプ、ケスラー、ミュラー、黒猪、ルッツ、ファーレンハイト、メルカッツ、次々と書きのみです。

 やばい、某教団やFの黒狐は、事件だけ書いて、紛れ込ませます。

 戦略に関しては、できる限り、ヤンとラインハルトの戦法を詳しく記載し、双璧や他の提督等の作戦も覚えている限り、書き綴りました。

 また、ココア閣下やパプ○ブルグ公、ヘ○ン伯、ルー○ィア、 デ○ーラー中将、方々の推理、戦略、事件なども、何かの役に立つと記録しました。

 ある程度書けたら、家の書庫を浚って、銀河帝国全図や銀河大辞典を発見し、それらを、見ながら、答え合わせしたら、出るわ出るわ、間違えのオンパレードでした。
 しかし、さすがに貧乏だったからか、古い本ばかりです、発行年度見たら460年とかでしたからね。

 んんーー、三歳児の脳に成ったために、覚えるのは楽なんだが、頭の引き出しの使い方が、年相応に成ってることが判明、修正をし始めました。
 オーディーンは、オーディンだし、ベスターラントは、ヴェスターラントだし。
人名だって、フリードリッヒ四世は、フリードリヒ四世でした。
耳で聞くのと字で書くのって違うし、原作のうろ覚えとかもあるからだめだね。

 それら資料を、時間をかけ二部ずつ作成し、各所に隠しました、原作知識情報の秘匿が、勝利への鍵というわけです。


 転生してから、もうすでに四年が過ぎました。
この一年で、実家の情報や世界の情報を仕入れつつ、これからの自分の行く末を、計画しております。
 三歳くらいだと、自分の家の名字とか、あんまり気にしないでしょう、自分もそのままうっかりしていたんですが、父上にきたダイレクトメールを見て、びっくりしたよ、アンスガー・フォン・ファーレンハイトと書いてあるのです。
 とことは、あの食うために軍人になった叔父さんは、アーデルベルト・フォン・ファーレンハイト少将と言うことですか。

 我が家が、ファーレンハイト男爵家と言うことですが、ん?て思いました、いろいろな資料を見ても、ファーレンハイトは、ラインハルトより貧しい、帝国騎士出身なはずだが、男爵家出身になってる。
けど次男だし、分家だから、帝国騎士なのかと納得。

 ファーレンハイトなら、アスターテでラインハルトに、ナシ付けておいて、リップシュタット戦役では、原作と違い最初からラインハルト側に、付くように説得すれば、取りあえず、流刑星行きや、ガイエスブルグ要塞で、平民に嬲り殺される事は無いはずだ。
 
 安心したので、ラインハルトと、オーベルシュタインに、怪しまれない程度の極秘情報を選択しようと作業開始、一週間かけて、選択し別の綴を作成し、隠匿終了。
 なんと言っても、オーベルシュタインは、全く信頼できない猛毒だし、ラインハルトは、自己顕示力と自意識過剰、我が儘、シスコン、2億人飢えさせても平気、200万人核で見殺し、10歳以上の男子を処刑と言う、考えれば、ルドルフと殆ど変わらない気がする。
ボロを出さないように、気を付けて対処しないとだめですな。
 
 さすがに疲れたので、今日は寝よう。おやすみなさい。

 
 

 
後書き
************************************************
次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 外伝前編 いきなりアスターテ星域会戦??   赤字の家計簿がまた一ページ
 

 

外伝前編 いきなりアスターテ星域会戦??


外伝前編 いきなりアスターテ星域会戦??

帝国暦487年 2月   

■アスターテ星域 ローエングラム艦隊旗艦バルバロッサ

 「閣下起きてください」副官のシューマッハ中佐の声で起こされた。

 ラミディアです、いや参りました、この前のパーティーで、最近しつこく愛人になれと、誘ってくる、フレーゲル男爵を、巴投げの後、腕ひしぎ十字固めで絞めたら、逆恨みされまして、ドラ○もん何とかしてよ〜って感じで、ブラウンシュヴァイク公に泣きついて行ったんですね。
 それで暫くしたら、ローエングラム伯爵家を継いだのだから、それなりの武勲をたてなければ、成らないと、貴族連中が騒ぎ出したんだよね。
 まあ、フレーゲルの策略だけど、乗ってやろうじゃないの、その策略に!!

 と言うわけで、ラミディア・フォン・ファーレンハイト、改め、ラミディア・フォン・ローエングラムと成りました。
 ラインハルトはどうしたかって?第四次ティアマト会戦でドジ踏んで、移動中にバカバカ打たれて、壊滅状態なり、未だに大将です。降格はされませんでしたが。
 どうやら、同盟にも転生者が居るみたいな感じですね。

 なんだか知らないけど、わたしは、皇帝陛下には受けが良いらしく、女だてらに、前線で武勲をあげて、今じゃ銀河帝国軍大将ですよ、簒奪する気が全くないのに。
 それでもらった旗艦が、ココア閣下と同じ、原作ならキルヒアイスが貰うはずの、改ブリュンヒルト級1番艦バルバロッサですよ、派手です、真っ赤っかですよ、けど乗り心地は最高です♪
 艦長は、ドゥンケル大佐ですよ、原作なら、サラマンドルの艦長になるかたです。船体下部にかぎ爪付けたい!

 艦隊数は21000隻と原作ほぼ同じ、艦隊幕僚は、皇帝陛下の勅命で好きな人材を連れて行けと言われたので、豪華キャストです。
 双璧とメックリンガーとシュタインメッツはラインハルトが、唾付けてるんでだめでした。

 人事録と睨めっこで、決めました。

 艦隊司令官     ラミディア・フォン・ローエングラム大将  
 副官        レオポルト・シューマッハ中佐
 副艦隊司令官    コルネリアス・ルッツ少将     
 参謀長       ウルリッヒ・ケスラー少将
 副参謀長      ナイトハルト・ミュラー准将     
 参謀        フォルカー・アクセル・フォン・ビューロー中佐         
 参謀        ハンス・エドアルド・ベルゲングリューン中佐
 参謀        ホルスト・ジンツァー中佐 
 第1分艦隊司令官  アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト少将
 第2分艦隊司令官  フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト少将
 第3分艦隊司令官  アウグスト・ザムエル・ワーレン少将
 第4分艦隊司令官  エルンスト・フォン・アイゼナッハ少将
 第5分艦隊司令官  カール・グスタフ・ケンプ少将

 各分艦隊3000隻
 どうですか、豪華布陣でしょう、これほどのモノは中々無い、皇帝陛下に感謝です。
 
 同盟軍は、原作同じ、第2艦隊パエッタ中将、第4艦隊パストーレ中将、第6艦隊ムーア中将、3個艦隊、合計40000隻で、ダゴン星域会戦の焼き直しの包囲殲滅戦を企図してるのは、ありありな布陣です。
 作戦前に、各分艦隊司令官達集めて各個撃破で行くからよろしくって、伝えてあるし、先鋒が、ビッテンフェルトとファーレンハイトですから、それを左右から、ルッツ、ワーレンが、フォローする体制、ケンプは、ワルキューレ母艦を一手に牽きいらせて、空母機動部隊を指揮させます。アイゼナッハと旗艦部隊が全体フォローで攻撃です。
 
 早速第4艦隊退治開始〜♪ 
 ビッテンフェルトとファーレンハイトがすごい勢いで、敵食っていきます、まさに猪突猛進、ルッツ、ワーレンは堅実に、つぶして行ってます、第4艦隊旗艦レオニダスが、爆沈するのが、スクリーンで確認できました。   ワルキューレは敵空母を仕留めていくので、わずか3時間で、組織的戦闘終了。
 残存艦隊無視は、お約束。
 原作道理に、食事とタンクベット睡眠を取らせて、休憩させます。

 次は、第6艦隊ですね、お約束はしないと駄目ですから。
 1時間早く第4艦隊を退治出来たので、4時半方向じゃなく6時方向からの攻撃と相成りました。
ボッコボッコです、フルボッコですよ。そうしてる内に、旗艦ペルガモンが見えたんで、エンジン部分だけ破壊して、沈めずに、ガン無視、ムーアなんか要らんし、ラップ君が可哀想だからね。

 第6艦隊もほぼ壊滅したので、これからどうしますかと、ケスラー参謀長に言われたんで、元々ヤンを英雄にしたくないし、元々第2艦隊は、無視して帰るつもりだったから。
 2個艦隊をほぼ壊滅させて、エネルギー、弾薬、将兵の疲労が大きいからと、撤退を宣言、ビッテンフェルトは、未だ暴れ足りないようだけど、宥めて帰還。
 無事に、イゼルローンへ帰還。どんなもんだい、フレーゲル!
 
 今回転生者が、入り込む余地がなかったようです、つまりは、同盟の転生者は、それほど高位の階級じゃ無い可能が高い、その辺を調査して、気をつけないといけませんね。

帝国暦487年 5月   

■帝都オーディン

 オーディン帰ったら、上級大将に昇進で、宇宙艦隊副司令長官職に親補されてしましました、9個艦隊の指揮権もらえたので、今回参加した7少将が中将になったので、原作のように、艦隊司令官に成ってもらいました。1個余ったので、ラインハルトにあげました、すごく睨まれました。屈辱感じたみたいです。
赤毛のノッポも、親の敵のように、睨んでくるんですよね、こわこわ。

 フェザーン経由で、同盟軍の損害と人事を見たところ、案の定、ムーアとラップは生きていました。
ヤンは准将のままですね、これで、イゼルローン攻略作戦が、発動されなければ良いのですが。
 内乱の目もあるし、何ともいえないんですよね、フォークの馬鹿が動くんだろうけど、ラインハルトにイゼルローンで籠城でもさせるかなと、思う今日この頃。

 まあ、考えてもしょうがない、明日にしよう明日に。


************************************************
次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 外伝後編 ラミディア散る?   赤字の家計簿がまた一ページ
 

 

外伝後編 ラミディア散る?

外伝後編 ラミディア散る?

帝国暦 487年 9月 1日  

■オーディン 宇宙艦隊司令部  ラミディア・フォン・ローエングラム上級大将

 本日、自由惑星同盟でクーデターが起こったと連絡が入る、主導者は統合作戦本部長シドニー・シトレ元帥で、実戦部隊の大半を手中に入れたらしい、ビュコック爺さんとか、ヤンは反対しそうだけど。


帝国暦 487年 9月 20日  

■オーディン 宇宙艦隊司令部  ラミディア・フォン・ローエングラム上級大将

 クーデターが終わったらしい、シトレが勝ったそうだ、結局反対したのは、パエッタ、ドーソン、ロックウエルぐらいらしい、第2艦隊は、壊滅したそうです、サンフォードとかトリューニヒト達は、人民法廷で、戦争に対する罪、人道に対する罪、汚職等で、アーレ・ハイネセン銅像前で、絞首刑にされたらしい。

 これから、同盟の巻き返しがはじまるのか憂鬱だ。


帝国暦 487年 12月 3日  

■オーディン 宇宙艦隊司令部  ラミディア・フォン・ローエングラム上級大将

 今日事務をしていたら、いきなり、ラインハルト、キルヒアイス、オーベルシュタイン、ロイエンタール、ミッターマイヤー、何故だかアンスバッハもだが、部下連れてやって来ました。
 アポ取ってないんだけどな。強引に入ってくるし。 
 しかし、オーベルシュタイン、いつの間にか、ラインハルトの部下に成ってたんだ。
 取りあえず、用があるか聞くかな。

 「何か、用がありますか?」
 おいおいなんかしゃべれよ、だまってちゃらち開かないぞ。
 おい!ブラスター抜いて何んすんだ!
 「今まで散々な屈辱今はらしてくれよう」
 「ラインハルト様の覇業の為、私とアンネローゼ様の為には、あなたが邪魔なのです」
 「閣下の存在は、この世界にとってのイレギラーでしかないです」
 「俺の誘いを、断った報いだ」
 「エヴァと俺の子の為に、死んでいただく」
 「エリザベート様のため、閣下には御自害いただきたい」
 「ザビーネ様のために、死んでいただく」

 「クーデターですか、利口なやり方じゃありませんね、孤立しますよ」
 
 「ブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム候と連合を組むことにした」 
 「ミューゼル大将、卿は、門閥貴族を憎んでいたのでは?」
 「フロイライン・ブラウンシュヴァイクとフロイライン・リッテンハイムと結婚することにした」
 「よく公と候が首を振りましたね、帝国騎士出身で蛇蝎のごとく嫌われていたはずですが」
 「グリンメルスハウゼン文書で、我が母、クラリベルが、フリードリヒ4世陛下の娘だと解ったので、それからは簡単だった、母上を轢いた、ゲスな貴族は、皇女陛下殺害の大逆犯として、一族皆殺しだ。」

 「これにより、次期皇帝は、私、ラインハルト・フォン・ゴールデンバウムだ。」
 「グリューネワルト伯爵夫人についての、恨みはないのですが?」
 「皇帝陛下は、姉上を孫だと知り、大事に守ってくれていたのだ、とんだ逆恨みだった」

 「オーベルシュタイン准将、卿は私がイレギュラーだと言ったが、どう言うことですか?」
 「言うことのままですが」
 「卿が、私と同じと言うことですか?」
 「いいえ私ではありません」
 「今回の、立役者を、お呼びしよう」
 
 扉を開けて入って来たのは

 「卿はヤン ウェンリー」 
 「やはり、私を、ご存知でしたか」
 「ヤン ウェンリー卿が私と同じか」
 「いえ 私じゃありません」 
 「僕が転生者ですよ。」

 ヤンの後ろから声がする。
 「卿は、ユリアン ミンツ 」
 「ご存じですよね、転生者さん」
 「僕は、ヤン提督の大フアンです、その提督を危険にさらす方は、許せなかった」
 小さめな声で。
 「あまりいじられると、カリンと会えなくなるじゃないですか!」
 本音が出たか。
 「僕が、転生後、ヤン提督を訪ねて、時間はかかりましたが、納得して貰ったのです」
 「それでか、第四次ティアマト会戦の変化は」
 「最初は、あなたが居るかは、あやふやだったのですよ、けどアスターテで、解ったんですよ、転生者が、ラミディア・フォン・ローエングラムだということを、それから、ヤン提督と共に、シトレ本部長達を巻き込んで、クーデターをしたんです、ブロンズ中将からオーベルシュタイン准将へ連絡し、今回の計略を立てたんです」
 
 「ミューゼル大将、よくその話を信じましたね?」
 「最初は半信半疑だった、しかし調べれば調べるほど、真実が見えてきたので、信じたのだ」
 「で、皇帝になった後、宇宙を統一するのですか?」
 「身の程を知ったからな、半分は、ユリアン・ミンツ達が、支配する権利があるだろう」
 「劣悪遺伝子排除法も廃止される、不妊治療も同盟からもたらせる」
 「もうお喋りはいいだろう、さらば、異邦人よ」
 まぶしい光と共に、意識が無くなっていった。

************************************************
まだまだ、続きます。

次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 第三話 ラミディア夢の痕   赤字の家計簿がまた一ページ

 

 

第3話 ラミディア夢の痕


夢落ちでした。
********************************************
第3話 ラミディア夢の痕

帝国暦470年11月30日

■オーディン ファーレンハイト邸    アンスガー・フォン・ファーレンハイト

 娘の寝顔を、写しに寝室へ、かわいい寝顔でつい、頬ずりしたくなるが、此所は我慢。
カメラを構えて、シャッターを切る、フラッシュが点る。
いいね、次々にシャッターを切る、しまった、娘が起きてしまった。
「やあ、おはよう・・・・」
「父様でも、レディの部屋に入り込むのは、ルール違反ですー」
「ゴメンゴメン」
謝ってから退散した。

帝国暦470年11月30日

■オーディン ファーレンハイト邸     ラミディア・フォン・ファーレンハイト

ラインハルト達に撃たれたのか、瞑った目から閃光が見える、はっと目を開けると、父様が、写真を撮っていた。
父様がばつの悪そうな顔をして。
「やあ、おはよう・・・・」
というので、「父様でも、レディの部屋に入り込むのは、ルール違反ですー」
と言ったら。
「ゴメンゴメン」
謝ってから退散していった。

 おはようございます、ラミディアです、いやー、とんでもない夢を見てしましました、アスターテですよ、宇宙艦隊副司令長官職ですよ、ラインハルトを顎で使えるんですよ、あげくに暗殺ですよ、厨二病みたいです。
今まで、読んできた2次小説を、チャンポンにしたような内容でした。
気分が悪いので、夢の内容も、保管しました。ほかに転生者が居るのかなー?

 今朝起きて、何気なく父上が買ってきた雑誌の年号見たら、ええええええーーー、帝国歴470年でした、うわーーー、盲点だった、幼児の思考で、すっかり年号確認を忘れてた。
 今年ラインハルト何歳なんだ? 帝国暦467年生まれだから、3歳・・・・・・・・私が4歳・・・・・それで、学年が9月から6月までだから・・・・・・・・・同学年じゃん!
 と言うことは、あと1、2年で、母親が亡くなると、それを防げば、ラインハルトの覇業が始まらないんじゃないか?
 
 問題は、何処に住んでるんだか、全く解らない、探しようがないじゃん。
 ラインハルト・フォン・ミューゼルじゃあ、解らないし、父親の名前なんだったけかな?
なんとかチャンかンだった気がするが、クリスチャン違うな、アグネスチャン違う! アウシタン違いすぎ、チャンリンシャン洗剤じゃん! 
解らないです、折角のチャンスなのに、手をこまねかねばならないとは、残念です。
頑張って、思い出せるようにしよう。あと一年はあるんだから。 

************************************************
次回 銀河英雄伝説〜門閥貴族・・・だが貧乏! 第四話 平行世界?   赤字の家計簿がまた一ページ
 

 

第4話 平行世界?

すみません。銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません 
と両方書いているので、毎日投稿、難しいので、更新速度が遅くなります。
プロット事態は、490年代まで出来てるんですが、文章化が難しく、仕事との兼ね合いで、書いていきます。
********************************************
第4話 平行世界?

帝国暦470年12月7日

■オーディン ファーレンハイト邸     ラミディア・フォン・ファーレンハイト
 

 まさか、ラインハルトが、3歳児だとはいえ、やはりあの生意気な状態なのだろうか。
あの性格は、早くに育児放棄され、姉の庇護下で育ち、守られ、マザコン&シスコンで、ある程度の我が儘も聞いて貰ったから、ああなったんだろうな。

 あれから、一週間考えたが、父親の名前がさっぱり判らないので、お手上げ状態だ。
 
 第一原作では、職業すら、載っておらず、オーディンに住んでいる以外は、住所も書いてない。
母親が死んだ後、飲んだくれになり、財産を完全に擦って、キルヒアイス邸の隣へ引っ越す訳だが、その住所も、無いしなー。
アンネローゼが後宮へ入れば、その情報で、家がわかるが、手遅れだし。
第一そんな時に没落しているとは言え、門閥貴族の男爵令嬢が、会いに行ったら、逆上しそうで、余計な逆恨みを喰いそうだ。 
フレーゲルに憑依した、2次みたいに、殺すのなら、そのとき可能だけど、するわけ無いし。
それに、すぐに幼年学校に、入校してしまうし。
幼年学校だと、全寮制だし、外出時に、偶然を装って、知己を得るしかないか。

 そう言えば、ミューゼル家は没落したとは言え、帝国開闢以来の帝国騎士の家だし、宮内省か典礼省で調べれば、名簿とかに載ってるんじゃないかな?
父様に聞けば、判るかも知れない。
しかし、4歳児が、いきなり帝国騎士ミューゼル家の住所を、教えてと言ったら、不思議がられるし。
住所が判っても、この年じゃ、外出許可が下りないよ。
 
 八方ふさがりだー!
 せめて、アベル兄様や、フェア姉様、みたいに学校へ行っていれば、動けるんだけど。
小学校入学まで、自由に外出もできないし。

 んー、しかし帝国暦470年か、資料みてみるかな。

ふむふむ、帝国も同盟も今年は大規模な事がなかったみたいだな。

 主要キャラの年齢とかは、どうだろうな。
ラインハルトとキルヒアイスが467年生まれで3歳
アンネローゼが462年で8歳
ロイエンタールが458年で12歳、何人女居るんだろう。
ミッターマイヤーが459年で11歳、未だエヴァと会ってない頃だな。

ケスラーが452年で18歳 士官学校2年生かな。この頃も、ロリなのかな?
ルッツが456年で14歳 白衣好きだったりして。
ワーレンが458年で12歳
ビッテンフェルトも458年か、ガキ大将って感じなのかな。
メックリンガーが454年で16歳今年入学したのか。授業中にデッサンとか、内職してそう。
アイゼナッハが457年で13歳、無口なんだろうな。

ミュラーが461年で9歳か、会ってみたいな。
ヒルダが468年で2歳か、見てみたいな。
男爵夫人が、アンネローゼより2歳上だな、10歳でも男勝りなのかな?
ケンプが453年で17歳なんだけど、今でも老けて見えるのかな。
義眼が453年か、屈折した少年時代おくったんだろうな。
Mrレンネンが483年に29歳だったから453年あたり・・・・17歳・・・・・・
なにか? 490年頃は37歳?老けすぎだろう、あの顔、どう見ても50代だ、苦労したんだろうな、結構執念深いし。

ヤンが、ロイエンタールと同じ年だから、12歳、今は宇宙船の中で、旅ガラスか。
ユリアンなんか、影も形もないな。
フレーゲルは、ラインハルトが18ぐらいの時20代前半だったから、5歳プラスぐらいで、アンネローゼと同じ歳と考えよう。夢の中とは言え、しつこかったから、会ったら、張り倒しそうだ。

待ってました、ファーレンハイト、まさか、叔父さんとは思わなかったよ、けど、今少将なのに、487年のアスターテでも、少将・・・・・・・17年間出世なしですか、ドンだけ、人事に嫌われているんですか、皮肉と放言が効いたのかな。
しっかし、若作りだね、叔父さん確か、435年生まれだから、今年35歳、17年後は52歳、全然そう見えない、まあ、ラインハルトが、アスターテで、老人共と言ってるから、正鵠を射ているのかも知れない。
 
 あれれ?? 
 なんか変だ、確かファーレンハイトは、ルッツと士官学校同期のはず?
んで、原作一巻アスターテの時、31歳だから、456年生まれじゃないとおかしい??
 ただ、食えないから軍人になった、と放言する、ファーレンハイトなんて、他に居るとは、とても思えないんだけど・・・・・・。
それに、前にも思ったが、原作のファーレンハイトは、爵位もない、食うや食わずの、赤貧帝国騎士生まれのはず、我が家も、食べられなかったそうだけど、爵位持ちの男爵家、矛盾してるよね。

 それに、叔父さんは、アーデルベルト・フォン・ファーレンハイトで、向こうは、アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト・・・・・・・・・・(Adelbert)と(Adalbert)で、(a)と(e)の一字違い、別人ですね、これは。
 うげー、計画が、ガラガラ崩れていくー、叔父さんの、伝手で、ラインハルトに付く予定が、駄目じゃん。
 親戚に、アーダルベルト・フォン・ファーレンハイトが、居るか、調べないと駄目だ。居ない場合、平行世界かも知れない。 
お母様は、その辺詳しくないから、聞いても無駄だし、こんな時に限って、地方貴族の、相続争いで、お父様が、現地の星へ出張だし、帰ってくるのが、早くても6ヶ月後って何よ。
 こんな時に相続争いするんじゃないよー!!

『お嬢様、御就寝の御時間です』
母様の家から、母様に付いてきた、メイドのリーゼロッテが来た。
「うーん。あと少し」
『お・じょ・う・さ・ま』 
 ロッテ怖いんだよね。
仕方ない寝ますか。
「おやすみなさい」
『お休みなさいませ』

************************************************
リーゼロッテですが、猫耳でも、人形遣いでもありません。
 

 

第5話 兄の名は

一月振りの更新です、もう一つの方が書きやすくて遅れてます済みませんです。
********************************************
第5話 兄の名は

帝国暦471年1月1日

■オーディン ファーレンハイト邸     ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 うーん困った。
どうしよう、アーダルベルト・フォン・ファーレンハイトが実在しない様な感じになってきた。
しまったな生き残り計画が非常に危なくなってきた。
うちの親戚って何処と何処なんだろう。

下手にリヒテンラーデ侯とかブラウンシュヴァイク公とかリッテンハイム候とかだと即死フラグじゃん、
困った困った。
此処はアンネローゼと仲良くなって男爵夫人みたいに、
旨く生き残る道を考えよう、それなら親戚に誰が居てもアンネローゼが守ってくれるはずだ。

良し其れしかない其れがベストだ、
そうなればアンネローゼには寵姫になって貰わないと困るから、
邪魔するのは止めよう。

そうすると会いに行くのは477年が一番良いな男爵夫人しか友達が居ないときに、
私が会いに行けば仲良くして貰えるし其れを梃子にしてラインハルトと仲良くしよう。
姉上のお友達ならきっと良くしてくれるはず。

キルヒアイスも怪しまないだろう、
門閥貴族とは言え殆ど実力もないド貧乏貴族じゃ軍事力もないし役立たずだが、
未来への知識と同盟の知識、提督とかの知識もあるから、
ラインハルトにヒルダより早くくっつく事も可能だ。

ヒルダの場合ラインハルト死後にエカテリーナとか西太后みたいに悪政をするんじゃないかと心配だな。
所詮上流貴族のお嬢様だし、知謀があっても同盟側の政治家なんて使い切れないでしょ。
たとえ7元帥が居たとしてもどうなるか判らないし、あの後内乱が起こっても不思議じゃない。

疑心暗鬼に陥る絶対君主は功臣でも平気で粛正するからね。
ベルゲングリューンの最後の言葉が思い出されるよ。
まあラインハルトが駄目でも婦持ちや双璧以外なら幾らでもたらし込めばいい訳だけどね。

ミュラー、ワーレン、ビッテンフェルトしか居ないじゃん確実な独身は。
ミュラー狙いで行きますか。
第一目標アンネローゼとお友達になる。
第二目標ラインハルトをゲットする。
第三目標ミュラーをたらし込む。
よし此で行こう。

しかし計画を練り直さないと成らないな、
今までは他力本願だったけど今回は自力でアンネローゼへたどり着かないと駄目だ。
社交界へ行けるだけの資金があるんだろうか我が家には?

しっかし、アーダルベルト・フォン・ファーレンハイトが居ないんだもんな。
アーデルベルトが居てアーダルベルトがい無い。

アーダルベルト。
アーダルベルト。
アーダルベルトか。

「おい、ラミディア呼んだか?」
「はっ?」
アベル兄様が後ろにいました。

「いや俺呼んでただろう」
「いえアベル兄様は呼んでませんが」
へんな兄様です、幻聴が聞こえるのでしょうか。

「さっきから、アーダルベルト、アーダルベルトと呼んでいただろう」
「えっ??」
「アベル兄さんですよね」

「ん?」
「いやアベルって言ってないんですが」
「いやアーダルベルトって呼んでるじゃん」

不思議そうな顔をする兄様、
困惑です。

「えーと兄様の名前はアベルですよね」
「あああそうかアベルは愛称だ、本当の名前はアーダルベルトだよ」
「・・・・・・・・・・」

えっ落ち着けよく考えよう、兄様が自分の事をアーダルベルトだと言った、
アベルは愛称だと言い、アーダルベルトが正式な名前だと言った。
つまり兄様がアーダルベルト・フォン・ファーレンハイトと言う事になる。

よく見れば確かに映画版で見た面影があるし声も速水さんだ、
ぐわー灯台もと暗し、兄様の誕生日は456年だったわ。

「おいどうした?」
「あっびっくりしただけです、伯父さんと一字違いなんですね」
「ああ爺さんが面白がって付けたらしいんだ、
紛らわしくてしょうがない」

しかし迷惑な爺さんです、しかし兄さん幼年学校も行ってないし軍隊入らないのかな?

「兄様、兄様は将来何になるんですか?」
「3歳でも気になるのかい」
「うち貧乏だし」

「んーそうだな最初は親父みたいに官吏を狙ってたんだけど、
帝文の試験集見たら難しすぎて駄目だと思ってさ、
けど上級学校行くに金掛かるし、
伯父さんに相談したら士官学校なら只で勉強できるからと其れで行こうかと思ってるのさ」

おーアーダルベルト・フォン・ファーレンハイト上級大将が出来るのですね。
計画を再度練り直しだ。

「すごいです、兄様がんばってください」
「ああ頑張るさ、伯父さんの様な台詞をはいてやるぜ」

兄様は外へ行きました。

いやはや驚きましたね自分の兄があのファーレンハイトですよ。
食い詰め提督です。
あとは最初からラインハルト元帥府へ登用されるように、
私もアンネローゼとお友達になりましょう。

計画その1アンネローゼとお友達になる
その2ラインハルトに兄様を引っ張って貰う
その3ラインハルトをゲットする
その4兄様を戦死させない
その5ミュラーをたらし込む。

此で決まりだ、あとは自分を磨こう全知識をフル動員してラインハルトからスカウトされるようにしよう。
いそがしくなるぞ、けど生き残るのだ。




 

 

第6話 叔母の秘密


一ヶ月ぶりです。

********************************************
第6話 叔母の秘密

帝国暦471年9月10日

■オーディン ファーレンハイト邸     ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 やっと父様が帰宅して、早速聞きましたよ。
ライヒスリッターのミューゼル家の事を。
どうしたかって言えば、近所の友達の友達が行方不明で可哀想だからと嘘ついて探して貰うことにしたのですよ。

けど親父の名前がわからんので、
ラインハルト・フォン・ミューゼル。467生まれと、アンネローゼ・フォン・ミューゼル。462年生まれの子供がいる家と頼んだのです。
父様私には滅茶甘なので調べてきてくれましたよ。

そして昨日結果を教えてくれたのです、本当なら守秘義務違反だしプライバシーを侵害してるけど、
この世界有るか判らないしね。

そして結果として、典礼省のリストには有りました。
父親セバスチアン・フォン・ミューゼル。
母親クラリベル・フォン・ミューゼル。

ありましたよ。所がです、住所不明だそうです。
なんでも帝国開闢以来470年も立つと爵位持ち貴族ならいざ知らず、
帝国騎士の価値もだだ下がりで。

江戸時代のように騎士の位を裕福な平民に売ってしまう者達が続出してる事と、
同盟との戦闘で帝国騎士位を乱発しすぎた為、
典礼省でも記録に対してかなり乱雑になっているそうです。

まだ軍人なら、軍務省に記録があるそうですが、彼は軍務に着いたことが無いようで、
事業をしていたようですが、それに失敗して移転してしまったようだとのことです。
所謂夜逃げですか?

ラインハルトの生まれた467年には住所が判っていましたが、その後はプッツリです。
アンネローゼが9歳ですから小学校の記録を見れば判るのでしょうが、
私じゃ探すことは不可能です。よほど皇帝とか大貴族じゃなきゃ探せないですね。

仕方ないですよ。やはり計画のようにアンネローゼが後宮へ入った後で会いに行くしかないです。
まあいよいよ来年472年にアー兄さんが士官学校受験ですから其れからです。
476年6月に卒業ですから其処から動きましょう。

帝国暦473年7月8日

■オーディン ファーレンハイト邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト
    
 あっという間に1年が経ちました。
やることがないですからね、何とかしようと動こうにも、
未だ6歳ですから外にも自由に出られません。

9月からは小学校入学なので自由がある程度出来ますけどね。
通うのは帝国騎士や下級貴族の学校ですから、
もしかしたアンネローゼやラインハルトに会えるかも知れませんね。

アー兄さんは確り士官学校合格して本日入校です。
昨夜はパーティーしましたが、相変わらずの貧乏さですよ。
メインが鳥肉のソティーですが、パッサパッサの冷凍物でしたから、
まあ贅沢は言いませんよ。

最近は、アー兄さんが伯父さん達から貰った古い士官学校教科書や戦術書なんかを貰って読んでますよ。
色々読んでいると面白いですね、戦法を足したいので色々書き足したりしています。

しかしこの時その書き込んだ教科書を、
もう一人のメイド、リーザアリアが逐一読んでいたとは気がつきませんでした。

帝国暦473年8月1日

■オーディン 某所

「今月のラミディア様御成長の御記録が届きましたぞ」
「そうか、してどのような状態じゃ?」
「映像をだしまする」

「おお、2ヶ月ぶりに見るとまた成長しておるの、
今年から小学生じゃ楽しみじゃの」
「全くでございます」
「リーザアリアで有ったか、彼の者は良く尽くしてくれる」

「あの者が聞けば喜ぶでしょう」
「厚く用いてやるのじゃ」
「はっ」

「しかし、クラーラによう似てきた」
「そうでございますな」
「クラーラが18歳の時であったか。
儂の元へ侍女として仕えたのは」

「そうでございましたな」
「儂もついついクラーラに手を出してしまったの」
「手が早うございましたから」

「そうよ、しかしクラーラには気の毒なことをした」
「他の女達に睨まれ、あの子が出来ながら宿下がりさせるしか無かったのじゃからな」
「しかし、そうしなければ、害された事は確実でしょう」

「そうじゃの、しかし産後の肥立ちが悪くクラーラは亡くなってしもうた」
「しかしラミディア様はお生まれになりました。其れだけが救いで有りましょう」
「アンスガーには苦労懸けるの」

「妹の子でありますから分け隔て無く育てているそうです」
「そうか、甘やかしてはおらんのだな」
「はい実子同然に育てております」

「よい事じゃ、甘やかして育てては、息子や娘達の様になってしまうからの」
「ラミディア様ですが、最近は伯父達が今年士官学校へ入校した兄の為にもたらした、
士官学校教科書や戦術書を読んで、注釈や戦法を書き足しているそうです」

「ほう僅か6歳でそんなことをしておるのか?」
「驚く無かれ、コピーを専門家に見せましたが理にかなったモノだそうであります」
「ほう此は面白い事じゃ、その方面へ勧めてやるのも良いやもしれん」

「まあそうするとしても10歳になってからじゃ」
「そうでございますな」
 

 

第7話 赤毛との遭遇


今年度最後の作品かな。

********************************************
第7話 赤毛との遭遇

帝国暦472年3月15日

我が家に妹が生まれました、エーリカって言うんですよ。


帝国暦473年9月1日

■オーディン オーディン トゥルム小学校

 私は遂に小学校へ入学です、取りあえずは又小学生をやるのですが、友達作っておこうかとお思いますよ、人材と人脈は大事ですからね。
この小学校は、我が家のような余りお金のない貴族と下級貴族や官吏とか小金持ちの平民の子弟が入る学校だそうです。

まあこの時代にどんな暮らしをしていたか判るキャラなんてラインハルトかキルヒアイスぐらいですからね。あとは精々ケスラーですが、年齢が段違いだし出身地も違いますからね。
大体小学校で会う年齢が467〜462年ですから、バイエルラインがギリギリですね。
ランズベルク伯は個人教授だろうから、居るわけないし余り付き合いたくないですからね。取りあえずは母様と入学式にでますよ。

いやはや、何時の時代でも校長先生の訓辞は長いものです。
途中で貧血で倒れた子が何人もでましたからね、酷いモノですよ。
私は無事乗り切りましたよ。

クラス分け表を見たら私は1年B組でした。
早速行くと、ごく普通のクラスですね。
ザワザワとしていて、これぞ小学一年生というキャラばかりです。

机に名札があるのでそれぞれ見ていきますが、知ってる名前は無いですね。
まあ原作キャラに会える可能性なんて、中々無いですからね。
30人クラスですが、男女15人ずつで、フォンが付くのが18人居ますね。

此からの6年間どうなりますやら、楽しみですね。
そう言えば、ラインハルトもキルヒアイスも今頃は何処かで入学してるんだろうな。
ピカピカのラインハルトか、想像できないな。



帝国暦474年10月1日

■オーディン オーディン トゥルム小学校

 早いモノでもう1年が経ちました、小学生時代の事なんて早いですからね、
最近は諦めモードでラインハルト探すのは駄目ですね。
キルヒアイスは父親が財務省の官吏だから、調べれば判るかも知れないんですが中々小学生じゃ調べられないんですよね。

今日は運動会です。前世で卒業以来初めてですよ、去年の運動会は台風が来て中止になってしまったんですよ、それで今年が我ら472年度入学生には初運動会です。
私は50m走に出るのです、前世も短距離走は得意でしたからね、今のところクラス一番です。

クラスは爵位を持つ貴族は私だけですが、帝国騎士が17人いて、その他が12人ですからね。
別段虐めとかはないですね、私は大人しくしてますし、喧嘩なんかはしませんからね。
よっし出番です、A組からH組まで8人出ますが、男女混合ですが足早いので絶対に勝ちますよ。

放送委員が選手の名前を呼びますね。
「此より、2年生の50m走を始めます」
「A組バルツァー君。B組ファーレンハイトさん。C組グナイゼナウ君。D組ハルツェンさん。E組ハネス君。F組クナップさん。G組キルヒアイス君。H組ミルデンブルクさん」

へー、キルヒアイスか、同じ名前が居るもんだ。
本人かな?けど向こうに隠れていて、姿が判らないや。
おっともう時間ですから、走らないといけませんね。

「位置に付いて、ヨーイドン!」
走ります、ジャンジャン走ります、独走ですね。
ん??横を素早く走る影が見えるんですが、赤毛の影が。

「ゴール」
うへ負けた、赤毛のランナーに鼻差で負けた、うへーショック。
赤毛は誰だろう?

「ただ今の結果、一位G組キルヒアイス君。二位B組ファーレンハイトさん。三位C組グナイゼナウ君。・・・・・・」

あーーー、赤毛のキルヒアイスが一位????
ジークか?ジークなのか??
取りあえず並んで待っている時ジーッとキルヒアイスを見ていたら、向こうから話しかけて来た!!

「やあ、君早いね。僕の名はジークフリード・キルヒアイスって言うんだ」
ぎゃーああああ。本人と遭遇だ!!うわわわ驚いた。原作キャラに遭遇だー!!
てか兄もそうだけど、期待度が段違いだ!!

「えーと、どうしたの?」
あやばい。返事しないと心証が悪くなる。
「うん。ご免なさい。私の名前は、ラミディア・フォン・ファーレンハイトです」

「僕も早いと思っていたけど、同じぐらい早いんだね」
「走るのが大好きなんですよ」

「おーいクラスに戻るように」
ちっ先生め余計なことを言いやがって。
「あ先生が呼んでるね、じゃあまたね」
「キルヒアイスさん、又お会いしましょうね」

うへへへへ。キルヒアイスと知り合えたぞ、知り合いと言うほどでもないが。
此からキルヒアイスに積極的にアタックしてアンネローゼが来る前に落とすか。
んーそれとも友達になって家に遊びに行きまくって、ラインハルトと幼なじみになるか。どっちかにしようっと、早速作戦を練らねばならないな。


色々考えてた結果、キルヒアイスが入っている陸上部へ入ることにしました。
動機が不純ですがね、まあ以前から誘われては居たのですが面倒くさくて帰宅部だったのです。

「本日から入部するファーレンハイトさんだ、みんな仲良くしてあげるように」
「ラミディア・フォン・ファーレンハイトです、皆さん宜しくお願いします」
キルヒアイスも居ますね。にこやかに挨拶してくれましたよ。

しかし、クラブ舐めてました、辛いー。
まあ私は短距離ランナーですから、未だ良いんですけどね。
長距離ランナーは超地獄ですね。

休憩時間にキルヒアイスの所へ行こうとしても、
女の先輩達に先を越されてキルヒアイスは揉みくちゃですね。
話をしようとしても先を越されてしまいますよ。
結局2年生では殆ど話をすることが出来ませでしたよ。

家は家で相変わらずの貧乏暮らし、多少は良くなったらしいけど。
それって兄が士官学校へ行って食費が掛からなく成ったからじゃないかと思うんだけどね。
父さんも母さんも、マイペースだから仕方が無いのかなー。
こっちも10歳までにはキルヒアイスの家に出入りできるように成らないと駄目ですから、大変ですよ。



帝国暦475年9月1日

■オーディン オーディン トゥルム小学校

 やりました、万歳ークラス替えで、キルヒアイスと同じクラスになりました。
3年B組です、金八先生じゃ無いですよ。
早速、挨拶に行きますよ。

「キルイアイス君。おはよう、同じクラスになったね」
「ファーレンハイトさん。おはよう、そうだね此から2年間宜しくね」
「そうだね、宜しく」

「なになに?ラミィー彼氏?」
「同じクラブの友達だよ」
「ええ、クラブが一緒なんですよ」

ワイワイガヤガヤと話す連中も良いクラスメイトになれると良いなと思うね。

翌日から結構、キルヒアイスとは話すようになったしね。
「ジーク、この問題なんだけど」
「ラミィー此はこう解くと良いよ」
「ありがとうね」

「マルティン君もどんな感じ?」
「もう少しかな、僕は文学は得意なんだけどさ」
「数字は苦手なのね」

大部打ち解けてファーストネームの渾名で話すようになりましたよ。
まあ今のところは、仲の良い仲間集団の1人としてですけどね。

お昼とかはみんなで仲良く食べています。
「ジークのお父さんは財務省に勤めてるんだね、家は典礼省だよ」
「典礼省なんだね」
「ラミィー。家は統帥本部だよ」
「うちは。商店してるんだよ」

みんなでワイワイしてますです。
けど、未だ家に行けない。
あと1年一寸でラインハルトが来るじゃないか。



帝国暦476年1月14日

■オーディン キルヒアイス家

 やりましたよ、キルヒアイス家へ進入です。
て言うか、ジークの誕生日なので誕生会に招待されたんですよ、
目一杯おめかしして、参加ですよ。

お姉ちゃんのお古ですけどね、仕方がありませんがね。
「「「「「「ジークフリード君、お誕生日おめでとう」」」」」」
「みんな、ありがとう」

「ジークもこんな可愛いお友達を連れてくるようになったのね」
お母さんが私を見て言ってくれますよ。
このまま嫁に来るかな、ジークもの凄くいい人なんですよ。

ぶっちゃけ、ミュラー計画より率が良さそうな気がするんですよね、
けれどアンネローゼが来たら速攻で振られそうだからなー、考え物だね。

「お母様、凄く美味しいです、ジークが羨ましいな♪」
「あらそれなら、ラミディアちゃん、家にお嫁に来る?」
「はーい、お嫁にきます。ジークお願いね」

「えー私もお嫁に来る」
「僕はお婿に来ます」
「ハハハ。ジークはモテモテだな」

お父さん笑ってフラグ折らないで下さい。
このままズルズル居着く予定なんですから。
「けど、ラミューの家は貴族だろ、平民へは嫁には来れないんじゃない?」

マルティン!余計なことを言うなよ!
「そうなの?」
「えーと、貴族と言っても貧乏男爵です」
「それは申し訳ないことを」

お父さんお母さんいきなり畏まらないで下さい。
「貴族って駄目なんでしょうか?涙《グッスン》」
「そんな事無いわよ」
「そうそうそんな事はないよ」

「本当ですか?」
「本当だよ」
「本当よ」

此処はにっこり笑って。
「ありがとうございます。又遊びに来て良いですか?」
「ええ喜んでお迎えするわよ」
「ジークママ大好きです」

抱きつきましたよ、優しく頭をなでてくれます、ホッとしますね。
「じゃあ。ジークのお嫁さんは私に決定だよ」
まあ反古にされることは判ってますがね、少しでも印象づけるのが肝要ですからね。
その日以来よく遊びに行くような成りました。

 

 

第8話 原作乖離

やっちまいました、迷走開始。
********************************************
第8話 原作乖離

帝国暦476年10月10日

■オーディン ファーレンハイト邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 本日は私の誕生日です。ジークは何回か来てますけど、今日は何人もの友達がやって来ます。
家の古さは相変わらずですけど、料理だけは今回は奮発しましたよ。
父さんが、典礼省書記局次長に昇進したので若干の余裕が出来たので、
家の修理は未だですけど、食事の内容は向上したのですよ。

お昼前に、ジーク以下のお友達がやって来ました。
「初めまして、こんにちは、ジークフリード・キルヒアイスと申します。
この度はお呼び頂きありがとうございます」

皆が来て挨拶してくれます。
早速パーティーが始まります。

アリーヌ母様が腕によりをかけてくれた料理が並びます。
フェリシア姉さんもお手伝いしてくれました。
みんな、喜んでくれれますよ。

ジークが姉さんを見てボッーとしていますよ。
やっぱ年上趣味なんですかね。
私は父さん譲りの銀髪ですが、姉さんは母さん譲りの金髪なんですよね。
と言う事は、ジークは金髪年上趣味だったのか、アンネローゼもそうだったから。
グファ、身内がライバル。

早いモノであっという間に夕方です、此処でお開きです。
みんなを門まで送っていきます。

「みんな今日はありがとうね」
「よかったねー」
「ワイワイ」

しかし此処でKYな奴がいた!!
「けどさ、お前ん家、貴族なのにボロッチイな」

みんな、引いてますよ、判っていても誰も言わなかったことをあっさり言いやがった。
おい、マルティンお前はそれだからOVAで社会秩序維持局にあっさり捕まる目に遭うんだ!
もう少し話し方を考えた方が良いぞ。

「まあね・・」
苦笑いするしか無いですよ。
みんなは、阿呆という顔でマルティンを見てますけどね。

結局ジークが引きずって帰って行きましたよ。
あー疲れたですよ。


帝国暦477年になりました。
今年から情報収集しながらラインハルトが来るのを待ちます。
今年は兄さんの卒業もありますからね。

大体OVAとか見ると春の絵が出てますから、
3月か4月ぐらいにラインハルトが引っ越してくるのかと思っていますよ。
更に父さんの伝手で宮内省の新寵姫探しが始まったら教えて貰えるように頼みましたよ。

その時の父様はビックリした顔で、『陛下でも10歳児は求めないと思うぞ』って、
父様その言動、不敬入ってますよ。
寵姫に立候補なんかじゃ無いと言っておきましたけどね。

アンネローゼって買い物中に宮内省官吏に車から発見されて、
後に連れ攫われたんだよね、それどうしようかな。
ラインハルトとアンネローゼの性格見てから考えよう。

帝国暦477年3月になりました。

 ラインハルトの家になる予定の家を観察しながら、ジークパパの蘭を観察しています。
前世の知識のお陰で花とか植物に詳しいので話が合うんですよね。
最近は学校の帰りに必ずジークの家に寄ってから帰るようにしています。


遂に遂にその日が来ました、OVAで思い出して確か休みの日にジークが庭から隣を覗いて引っ越してきたラインハルトと会ったことを、その為土日も遊びに来るようにしました。

その努力が実って本日3月10日、ジークとジークパパと庭弄りしていたら隣りに引っ越ししてきたんですよ。きっとラインハルトです。パパに聞いたら隣りに帝国騎士が引っ越してきたと言ってくれました。
この辺がOVAとの違いになってますね。

「ジーク、隣りはどんなひとなんだろう」
「そうだねラミィー」
「見て見ようか」

「柵越しなら平気かな」
「行こう行こう」
完全に誘導しててますよ、会わないと始まらないじゃないですか。

いるかな、いるかなーと思いながら覗いていると出たーー!!
ドアが開いて出てきた、ラインハルトだ!!

「誰だ!」
「隣の家の者です」
「友達です」

「名は?」
「ジークフリード・キルヒアイス」
「ラミディア・フォン・ファーレンハイト」

「ジークフリード、俗っぽい名前だね」
「ラミディアは響きが良いね」

「だけどキルヒアイスって名字はいいなとても爽やかな感じがするよ、
高原を吹き抜ける風のようだ。僕は此から君のことをキルヒアイスと呼ぶよ、
ラミディアはラミィーと呼ぶよ」

「でも」
「君達は僕と友達になりに来たんだろう、僕はラインハルト・フォン・ミューゼル、宜しく」
「あっ宜しく」

ジークに握手を求めてきた。
しかしこの頃から生意気だな、礼節を知らんぞ、何しているアンネローゼ!
次に私にも握手か。
「宜しくね」

「ラインハルト」
姉が出てきた。
「あ、姉さん紹介します、。ジークフリード・キルヒアイスとラミディア・フォン・ファーレンハイトです、たった今友達になりました」

「私はアンネローゼ、ジーク、ラミィー弟と仲良くしてあげてね」
天然だけあってジークが一発で陥落だー。
「あっはい」
「はい」

ジークが逃げていったよー!
一目惚れですね、負けた!!
私は残ってますよ。

「どうしたんだ彼は?」
「さあ」
「ああ、ジークは一人っ子だからお姉さんに見とれちゃったんですよ」

「まあ」
「そうなのかい?」
「そうだと思うよ」

「恥ずかしがり屋なのね」
「お姉さんが綺麗すぎるんですよ」
「姉さんは綺麗だものな」

「まあ2人とも」
「所で、お二人はおいくつなのですか?」
「私は15歳よ、弟は10歳なのよ」

「では、同級生ですね」
「まあ弟と学校で一緒になったら宜しくね」
「了解です」


こうしてファーストコンタクトは成功裏に終わった。
それからラインハルトが転校してきて、OVAの様に喧嘩するんだもんな。
仲裁に入る私を見てついた渾名が、弁護士だよー。

流石に石で殴るのは禁止させましたよ。
ラインハルトも家に来るようになったんですけど、やっぱKYですわ。
男爵でも貧乏ですから、家の古さに呆れてましたね。

アンネローゼはいい人ですね、家に呼んで姉と意気投合しましたしね。
姉と一緒にケーキ焼いたりしています。
夏が過ぎて秋が来てっ歌じゃないけど秋が来ました。

未だにラインハルトとキルヒアイスはため口です。
完全にキルヒアイスはアンネローゼに首ったけです。
まあ仕方が無いと最近は諦めモード。

ただねーラインハルトも最近は丸くは成っているんでよね。
アンネローゼに少々チクリまして修正したらしいんですよね。
2人には気づかれませんでしたよ。

アンネローゼと私の秘密ですから。
ラインハルトとは親友に近い状態にまでいけましたね。
アンネローゼの親友になりましたから。

そうこうしている内に10月になり、遂に父様から情報が入りました。
皇帝の新たなる寵姫を探すという命令が宮内省で発せられたと。
アンネローゼをこのまま見殺しにするのも何なんですが、

後宮行かないと銀河英雄伝説が始まらないのですよ。
スゲー悩みますよ、けどアンネローゼの優しさを考えた結果小細工をすることにしました。

ラインハルトとキルヒアイスに重大な話があるとキルヒアイス家に集まりました。
「ラミィー、重大な話ってなんだ?」
「そうだよ、何か有ったの?」
「アンネローゼ姉様の事です」

「姉さんがどうかしたのか?」
「何か有ったの?」
「未だ決まった事じゃ無いけど」

「なんだい?」
「うちの父が宮内省の友人から聞いた話だけど、
皇帝陛下が15歳ぐらいの新しい寵姫を市井から求めているんだって、
それを探す宮内省の職員が車で回って物色するそうだよ」

「なんだって、姉さんが危ないのか」
「アンネローゼ姉さんが危ない」
もう怒ってるよ2人、瞬間湯沸かし器か少しは落ち着け。

「アンネローゼ姉様ははっきり言って美人だし目立つから絶対危険だよ!」
「どうすればいいのだ」
「なにかないのか」

「任せて、此までの寵姫の傾向を調べたわ。
その結果、眼鏡女性は誰も寵姫になっていない!」
「眼鏡か」
「眼鏡」

「そう、アンネローゼ姉様に此から暫く眼鏡とマスクをして生活して貰おう!」
「大丈夫かな」
「やりましょう」

「いいか!アンネローゼ姉様の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ!!」
「ラミィー逞しいな」
「ラミィーが凄い」

「女は、こういう時には強いんだ!!、アンネローゼ姉様に談判にいくぞー!」
「おー」
「おー」

こうして隣のミューゼル家に突撃した。

「あら、勢いよく3人ともどうしたの?」
「姉さん実は…」
「ラインハルト、私に任せて」

ラインハルトじゃ旨く言えないだろうから私が説明するのだ。
「ラミィーどうしたの?」
「アンネローゼ姉様、此は極めて重要な話です、心してお聞き下さい」
アンネローゼが3人の気迫に身を正したね。

「父の友人からの話ですが、宮内省が皇帝陛下の新たな寵姫を市井から求めるそうです。その際の決めるモノが15歳ぐらい、金髪、美人と来ています。つまり姉様がドンぴしゃなんですよ」

「けど、私が見初められる事はそれこそ万に一つの確率でしょ?」
「姉上、そんな事言っていないで」
「アンネローゼお姉さんそうです」

「いえ、情報によると、宮内省下級官吏が車でハンティングしている状態だそうです」
「姉さんですから」
「けど、家にいるわけには行かないわよ」

「そこでです、姉様は私の許可が出るまで、髪を染めて、眼鏡とマスクで変装して貰います」
「そこまでしないと駄目なの?」
「姉さんお願いです」
「アンネローゼ姉さんお願いします」
「姉様一生のお願いです」

考えてるな、けどしてくれないとそのまま、寵姫だよ!
「判ったわ、みんながそんなに必死なら変装しましょうね」
「やったー」
「万歳ー」
「よかったー」


早速その日の内に持ってきた毛染めで髪を黒く染めて、ぐるぐる眼鏡と風邪用マスクをした、アンネローゼが誕生しました。もの凄く恥ずかしがってるけどね。

10月中旬、危険なのでアンネローゼと私で買い物中です。
確か買い物の帰りに見つかったんだよね。私もだて眼鏡かけてますよ。
ん?OVAで見た宮内省仕様の黒塗りの車が近づいてきたぞ。

「姉様、恐らく宮内省です、気を付けてね」
「ええ。判ったわ」
ここまで行くとアンネローゼも警戒しましたね。

近づいてきたな、横に並んで此方を観察している。
じろじろ見てるな、ん諦めたのかな、帰って行ったが。
危険だから、遠回りして家へよってから帰るようにしよう。

「姉様、危険ですから一旦我が家によってから帰りますよ」
「ええ、判ったわ」




宮内省官吏コルヴィッツは自らの出世の為に新たな寵姫を探していた、
市井の者を探しまくりながら半月経つが未だに探せられなかった。

あー今日もめぼしい少女がいない。
ん?彼処の2人の少女はどうだろう?
「運転士、あの娘達の横へ並んで顔を確かめたい」
「はっ」

ん?黒髪か、小さいのは銀髪か次善の策だな。
顔はどうだ、あー眼鏡か。此では駄目だ、仮に寵姫が子供を産んだとして遺伝的に眼鏡は駄目だ。
「運転士、仕方ない今日は諦めるぞ」
「はっ」



帝国暦477年11月

 父様からお話がありました。皇帝陛下の新寵姫が決まったそうです。
おー此でフラグが折れたのか?
話を聞くと、ライヒスリッターの娘だそうです。

名前とかを教えて貰いました。
アンゲリーカ・フォン・ミルデンブルクで、金髪だそうです。
でグリューネワルト伯爵夫人の称号を貰ったそうです。

弟はいなく、兄が士官学校4年にいるようです。
そういや、アーダルベルト兄さんは無事士官学校を卒業して任官しました。
これで、完全に原作を壊してしまいましたね、後のことが全く判らなくなりましたね。

早速アンネローゼに連絡ですよ。
ミューゼル家へ行って挨拶です。
「アンネローゼ姉様」
「あら、ラミィーちゃんいらっしゃい」

思わず笑いそうになってしまいます、未だにぐるぐる眼鏡の姿ですからね。
「あの件が終わりました」
「本当に」

「ラインハルトは?」
「ジークと買い物に出てるわ」
「で、寵姫が決まったので安心だと思います」

「良かったわ」

「姉さんただいま」
「アンネローゼ姉さんただいま」
「お帰りなさい」
「おかえりー」

「「ラミィー」」
「フフフ、作戦成功だよ。寵姫が決まりました」
「やったー」
「よかったです」

「ラミィーのお陰で姉さんが助かった、ありがとう」
「どういたしまして」
「危なかったわよね」

「そうそう、車からジロジロ見られたんだよ」
「良かった良かった」
「じゃあみんな、ケーキを焼いたわ食べてね」

「「「はいー」」」

まあ歴史が変わったが、後は2人が徴兵されたりしないように、
家の事業を何とかして全員を雇って家の子にすれば、取りあえずは徴兵逃れが出来るから、
頑張って事業が出来る様に考えよう。

昔爺さんが騙されて買った、不毛の恒星系があるからそこで何とかでないか考えよう。
 

 

第9話 原野商法

親の正体がわかりますが、本人は未だ知りません。


********************************************
第9話 原野商法

帝国暦478年3月15日

■オーディン ファーレンハイト邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 アンネローゼの代わりに誰だか知らない人が寵姫になりました。
最近は、ラインハルトとジークと3人で連むことが多いですね。
アンネローゼとも遊んでいますよ、ケーキとかの焼き方を習っています。

アンネローゼがグリューネワルト伯爵夫人にならなかったので原作乖離してしまい、
自分の行った事ながら、此で原作知識があやふやになりました。
さあ、どうしようかと思いながら、昔爺様が原野商法で騙されて買った星系の資料を見ています。

その昔、爺さんがレアメタルが出ると有り金ははたいて購入したんですけどね見事に騙されました。
確かにレアメタルが出てる惑星はあるんですけど、採掘出来るかどうかの問題なのですよ。
星系は6個の惑星と小惑星帯から成り、その内の4個がガス状惑星で衛星にもまともな資源がない。
残りは地球型惑星なんですが、1個は恒星に近すぎて灼熱の大気もない星で使えません。

残りの惑星が程よいところに有って、酸素と窒素と二酸化炭素なども有り人間も住めるのですが、
液体としての水が表面上に無いのです。固体の水なら極地に10億Km3ほど固まっているのですけどね。
その為に、完全な無人星系になっています。

その極地の氷塊の下にレアメタルが有るようなんですが、氷塊が4000mの厚みに有りましてね、
掘れるわけがない!しかもレアメタルは有るから詐欺とは言えないのですよ。
その為に我が家はお宝はあるのに、ド貧乏でいるわけですよ。

そのレアメタルを何とかして掘れれば、我が家の財政状態は劇的な改善を迎えられるのです。
そしてそれを掘る為の会社を作って、ラインハルトやキルヒアイスを社員として登録してしまえば、
一応は門閥貴族なので政府の徴兵からは完全にのがれられる訳ですから必死ですよ。

星系名はパラディースで楽園という命名だけどね、完全な原野商法ですよ。
惑星名が家の名前にしていて、ファーレンハイト星です、恥ずかしいですね。
ファーレンハイト星の地質図を見ながらハタと気がつきました。

極地の標高は高く、赤道直下はマイナス10000mの亀裂やマイナス4000m級の窪地が多数有る事が判ります。つまり極地の氷を溶かして窪地へ流し込めれば真水の海が出来て極地も乾くのでは無いかと考えました、ヴァンフリート4−2の極地でやった、持続性融合弾を叩き込めば氷が溶けて流れるんじゃないかと思うのですよね。

所が困ったことに、我が家には私設軍隊なんて金のかかるモノは有りませんから、何処からか核融合弾とそれを撃つ艦とその後勝手に掘られたりしないように駐留員が必要になります。
まあ駐在員はラインハルトの父さんを充てれば仕事を与えられますからね。
あと法務関係にキルヒアイスの父さんを充てればいいでしょう。

あとは艦船がないんだよなー。叔父さん達が軍人だから船かして貰えないかなー。
数日考え込んでハタト気がつきました、アーデルベルト叔父さんは少将で地方駐留艦隊の司令官をしてたのです。貴族が指揮している艦隊なら割合自由が利きますから。

それなら演習目的で射爆場代わりに惑星にミサイルや艦砲を撃って貰って、排水路と反応弾による極地氷河の融解が出来るのではないかと思うのですよね。
家族会議にかけて見ることにしました。

帝国暦478年4月1日

 地球ならエイプリルフールのこの日、ファーレンハイト家の家族会議を行いました。
出席者は父アンスガー、母アリーヌ、伯父アーデルベルト、姉フェリシア、そして私です。
兄はイゼルローンにいるので不参加です。

「それでは、家族会議を行います」
「ラミィー、この会議は何を決めるのか?」
「今回は爺様が騙された星の有効活用について考えついたのです」

「あの不毛の星か」
「彼処に有るのは氷の下に有るレアメタルだがあれは掘れんぞ」
「叔父さん、そこはそこで手が有るんですよ」

「どんな手が有るんだい?」
「氷が厚ければ溶かせばいいのですよ」
「そう簡単にはいかんぞ」

「手が有るんですよ、叔父さんの艦隊の手助けが必要ですが」
「俺の艦隊?」
「そうです」

「あの惑星のレアメタルの鉱床は極地氷床4000m下に有ります」
「それは知ってるが、掘れないからな」
「惑星の地形図を見ると、極地は高く赤道付近は低いのです。
つまり極地の氷を溶かして赤道の低地へ流し込めば一気に解決するわけです」

「それは良いが、どうやって溶かすのか、それでどう流すのだい?」
「子供の遊びじゃないんだよ」

「いいえ、叔父さんの艦隊の対地演習を家の惑星でやって貰います。
極地のこの地点からこの地点をミサイルか艦砲で溝を掘ります。
その後、極地に持続性融合弾を叩き込んで、氷床を溶かします。
それにより一気に水が流れ出して鉱床が露呈するはずです」

「うむ、子供の考えだからな、そう旨く行くかどうか」
「兄さん、やってみる価値は有ると思うな」
「アーデルベルト本気か」

「どうせ、再来月演習を行うから、そのついでなら何とか出来ると思うよ」
「うむ、ラミィーは子供の頃から賢いからな」
「ダメ元でやってみるか」

「叔父さん宜しくおねがいします」
「ああ。ファーレンハイト家の積年の恨みを晴らす日が来るかもしれないな」
「ああ、あの星の事で子供の頃から散々馬鹿にされてきたからな」

「あと、見事目論見が成功したら、採掘会社作るでしょ。
そしたらミューゼルの叔父さんを雇ってあげて欲しいのよ」
「ああ、それぐらいOKだよ」

「じゃあ、再来月やろう」


帝国暦478年6月1日

■パラディース星系 ファーレンハイト星

 この日、ファーレンハイト少将率いる。帝国軍第351警備艦隊が演習を開始していた。
「閣下、地上砲撃準備完了しました」
「まずは精密砲撃だ、A地点からZ地点まで、各部隊は順次砲撃せよ」
「了解」

ファーレンハイト少将の指揮の下次々に砲撃が開始される。
「続いて、対地ミサイル発射」
「発射」

次々に発射される艦砲とミサイル。
2時間ほどの砲撃後、地上には長さ2000km幅50km深さ1km程の大亀裂ができあがっていた。それを見た後、ファーレンハイト少将が続いて命令を出す。

「極地氷床に持続性融合弾発射」
「発射」

次々に発射される、ミサイル。
そして、着弾し始め溶け始る氷床、そして次第に大規模な融解がはじまり、
遂に先端に達し大洪水が始まった。

宇宙空間からそれを見ながら、ファーレンハイト少将は自然の猛威を感じていた。
それから1ヶ月ほどこの星系で演習を行いながら、偵察衛星で観察しつつ。
再度惑星を観測した所、極地の氷床の殆どが消え、赤道付近に有った窪地が全て水で満たされていた。

その他の高台は洪水の影響で水が多数残り湿地状態が多く見られた、
そこへ大気圏用装備ワルキューレで白詰め草やクローバーなどの種が蒔かれていった。
その後、現地へ着水して、惑星の検査を行い、人間が住むに適した環境になったことが判り、

また、極地には、レアメタルの鉱床が存在することも実証された為、実家へ連絡を行い。
当主アンスガー・フォン・ファーレンハイトが、国務省及び典礼省に正式に届け出て。
ファーレンハイト家所有惑星の登録が成された。

その後、開発資金を貴族専用信用金庫から借りようとしたが、開発費を出して貰えないことが判った。
それは、リッテンハイム候爵の取り巻き、ヘルクスハイマー伯爵が権利の横取りを狙って暗躍した為である。ヘルクスハイマー伯爵はファーレンハイト男爵家に対して二足三文で惑星を譲れと脅しをかけてきた。

ラミディアが憤り。話を聞いたラインハルトやジークも非常に怒ってくれた。
逆に父親や母親はリッテンハイム侯爵に逆らえないから、諦めろと言う。
所が、事態は思わぬ方向へと向かうのであった。

リッテンハイム侯爵と並ぶ権門のブラウンシュヴァイク公爵が支援しても良いと言ってきたのである。
ラミディアにして見れば、何故ブラウンシュヴァイク公爵が援助してくれるのかが全く判らなかったし、
別に借りがあるわけでもない、更に見返りを求めて来ないのも不気味だったが、
両親が、ブラウンシュヴァイク公爵に支援を求めることにした為に決定したのである。

悔しがったのは、リッテンハイム侯爵とヘルクスハイマー伯爵であるが、ブラウンシュヴァイク公爵が皇帝陛下にまで頼んで、諫めて貰ったため矛を収めざるを得なくなった。

それから、ブラウンシュヴァイク公爵の肝いりで、資金の融資も受けられ、惑星開発会社を設立して社長に父のアンスガーを、法律顧問にキルヒアイスの父上が法務省を退任して就いてくれたのである。
また、ミューゼル父も会社に勤めることとなった。


帝国暦479年1月

 しかし、旨く行きましたね。あれほど旨く行くとは思いませんでしたよ。
OVAの様に強突張りの、リッテンハイムとヘルクスハイマーがしゃしゃり出てきましたけど。
何故かブラウンシュヴァイク公が助けてくれたんですよね、何の見返りもせずに。
陛下にまで頼んでくれたし、何でなんだろう?不気味だね、あとで凄い見返り要求されたりして。

まあそれはおいといて、鉱山の開発や惑星の開発が出来る様になり。
ジークやラインハルトのお父さん達も家に勤めて貰いました、
ジークやラインハルトも工業系高校行って手伝ってくれるっていってくれます。

それにラインハルトのお父さんも、仕事をする気になってくれたようで、
頑張ると言ってくれています。
アンネローゼもお手伝いしてくれるそうです。

何れ、星の環境が整ったら、彼方へ家を建てて、星民1号、2号とかに成ってもらうつもりです。
絶対徴兵には取らせないぞー!!
何よりこれからが楽しみです。



帝国暦479年1月

■オーディン ブラウンシュヴァイク公爵邸

 この日、ブラウンシュヴァイク公爵家では、当主オットーが有る人物と会談していた。
その人物は、70台を越えたであろう、白髪の老人だったが気品のある人物で有る。

「父上、お元気そうで何よりです」
「オットーよ、今回はご苦労で有ったな」
「いえいえ。リッテンハイムの奴にも一泡吹かしてやりましたからな」

「しかし、驚きましたぞ。父上からのカミングアウトは」
「まあ、色々とあったからの」
「14年前の事だったとは」

「あの娘《こ》も大きくなって、あれほど知恵をつけるとは思わなかったわ」
「ほんに、驚くべき知恵ですな」
我が家で育ててはああは、行かなかっただろうな。

「オットーお前の妹として認知してやるわけには行かんが、儂に免じて影から助けてやってくれ」
「父上お手をお上げください」
「我がブラウンシュヴァイクの血を引くのです。何れは世に出してやらねば成るますまい」

「それに、女でありながら、あれだけの知謀は何れ我が家の為になりますぞ」
「頼むぞオットーよ」
「はい父上」
 

 

第10話 悪女グリューネワルト伯爵夫人

先に此方が出来ました。

グリューネワルト伯爵夫人は恋姫無双の袁紹のイメージです。
********************************************
第10話 悪女グリューネワルト伯爵夫人

帝国暦479年3月

■オーディン ノイエ・サンスーシ グリューネワルト伯爵邸
          アンゲリーカ・フォン・グリューネワルト伯爵夫人

 グリューネワルト伯爵邸では館の当主である伯爵夫人が高笑いをしていた。

「オーホホホホ、寵姫というのは何と素晴らしい事なんでしょう。
贅沢し放題、一族は出世し放題ですわ。
わたくし、アンゲリーカ・フォン・グリューネワルト伯爵夫人こそ、
寵姫の中の寵姫ですわ、あんな26過ぎのババアなんぞに負けるわけが有りませんわ!

ベーデミュンデだかベーコンエッグだが忘れましたが、次の皇帝陛下を生むのは、
このわたくし、アンゲリーカ・フォン・グリューネワルトですわ。
オーホホホホ。小うるさい外戚など無視すればよいモノを国務尚書もだらしがないですわ、

陛下に頼んで、父を国務尚書にするように致しますかしら。
それとも兄を宇宙艦隊司令長官にしていただこうかしら。
いっそのこと両方頼みましょうか。それにしても愉快な事ですわ。

陛下から頂いた、グリューネワルト伯爵領は豊ですから、精々平民共から搾り取ってあげないといけませんわね、平民共は生かさず殺さずが基本ですわ、オーホホホホ。
平民共がパンを食べるなんて持っての他ですわ!奴らはフスマでも食べればいいのです」

メイドが紅茶を持って恭しく捧げる。
それを飲む伯爵夫人だが、呑んだ瞬間怒りの顔をメイドに向ける。

「アリーア、なんですかこの味は!温度も悪いし!入れ直してきなさい!!」
そう言ってメイドに紅茶をぶっかけて、カップを投げつける。
カップはメイドの顔に当たり下へ落ちて、割れてしまった。

「アーリア、何故よける!カップを割ったわね!それは皇帝陛下より頂いた大事な品!
お前ごときの命とどちらが大事か判るはずよ!」

震える声でアーリアは誤りまくる。
「ご主人様申し訳ございません。平にご容赦下さい」
伯爵夫人は爬虫類が獲物を狙うような目でアーリアを見ている。

「判ったわ、此が出来れば許してあげますわ」
「何でも致します」
「お前は未だ生娘でしたわね、我が兄の慰めモノになりなさい」

アーリアは、それを聞いて涙を流し始める、何故なら彼女には婚約者がいるのである。
「いやか、いやなら良いのですよ、お前だけでなく家族全員が陛下に対する不忠で流刑にいたしますわよ」
「ご主人様、それだけはご容赦下さい」

「では、兄のモノになるのです」
もはや此までとがっくりとしながら、アーリアは返事をした。
「ご主人様、仰せの通りに致しますから、家族には何もいたさないでください」

「判っていますわ、お前がおとなしくしていれば何しませんわ」
アーリア自身は穢されるぐらいなら、死のうと思っていた、死ねば家族も救われると。
「言っておきますが、死んだりしたら家族を流刑にいたしますわよ」

完全に逃げ道を塞がれたアーリアはもはや人生を儚みながら、
婚約者に別れを告げ伯爵夫人の兄、レオンハルトの玩具として過ごす事になったのである。

「オーホホホホ、兄上も悪ですわね、略奪や寝取りが大好きとは困ったモノですわ、
けれども妾も面白いからの、此からドシドシ罠にはめてくれましょう」


帝国暦479年3月

■オーディン ノイエ・サンスーシ   

 ノイエ・サンスーシでは国務尚書リヒテンラーデ侯爵が苦虫を噛みつぶしたような顔をしながら、
頭の痛い問題の思案に暮れていた。その問題とはグリューネワルト伯爵夫人の事である。

寵姫になる前は、温和しい令嬢に見えたが、皇帝陛下のご寵愛を一身に受け始めると、
途端に本性をさらけだし我が儘放題に政治や人事への介入を始めたうえ、他の寵姫との仲も最悪状態であり、そのすごさは門閥貴族達も憤るほどである。

更に自分の一族を高官に据えるように陛下へお強請りを行い続けている。
また、税金を搾り取るだけ搾り取り贅沢三昧を行っていて、税率が90㌫を超えている星もある。
また、職位につきたい者達から、賄賂を多数集めては売官を行ったりと酷い状態である。
現在の財務尚書カストロプ公爵に匹敵するほどの守銭奴である。

うむ、グリューネワルト伯爵夫人にも困ったモノじゃ、あれでは陛下の評判が悪くなる一方ではないか、このままでは平民の憎悪の対象に成りかねない状態じゃ。
あの者が皇子でも生んだら帝国はお仕舞いじゃ、何とか陛下の興味を他の寵姫に移せないモノかの。

あの者のように馬鹿で強突張りでは困るしの。
聡明で心優しき寵姫は何処かにいないであろうか。
もう一度寵姫を探させるのも一つの手かもしれんな。
ノイケルンと相談してみるか、それしか有るまい。


帝国暦479年3月

■オーディン ファーレンハイト邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 惑星開発会社は順調に活動しています。ラインハルトもジークも勉強の合間に色々手伝ってくれて居るんですよ。流石に2人は優秀ですね、アンネローゼは事務手伝いしてくれています。
最近ジークとアンネローゼが怪しいんですよ、手を繋いだりしてますから。

アンネローゼはショタなんですね。
んで、何故かラインハルトが家の姉フェリシアと怪しい状態なんですよ。
姉がアンネローゼと2人して話しているのを聞いたんですけど、

『年上だって大丈夫ですよ、押し倒せば弟は責任感が強いからそのままなし崩しにいけますよ。私もジークを押し倒したくてしょうがないんですから』

おいおい、姉もショタだったのかよと思いましたけど、まさかやるとは思ってなかったんですけどね。
怪しい雰囲気が漂っていますが、行ったってキス止まりですよね、きっとそうだよね。
アンネローゼがそのような方だとは思いたくないからだーーー!

畜生!ジークだけでなく、ラインハルトを盗られたら、私の行く先がないじゃないか。
ラインハルト達が軍人に成らないから、ミュラーとかに会えないし出会いがないじゃないか”!!

仕方ない、今度庭の整備を数十年ぶりに出来るから、
ミッターマイヤーの親父さんに頼んで、その線から疾風と知り合いになって。
疾風繋がりで友人を紹介して貰おうかな、それしかないそうしよう。

 

 

第11話 寵姫への道

バタフライ効果で大回転。


********************************************
第11話 寵姫への道

帝国暦480年4月

■オーディン ファーレンハイト邸 ラミディア・フォン・ファーレンハイト

 最近ファーレンハイト星への移民が100万人にもなりました。
僅か1年足らずでこの量は異常なのですが、話を聞くとグリューネワルト伯爵領から逃げてきた方々なんですよ、何でも税率90㌫とか、綺麗な女性なら人妻だろうが学生だろうが、領主の兄や父が慰め物にする為に攫っていくそうです、許せませんね!!

その為に何とか逃げ出して、大々的に移民を受け入れている家へ来るそうです。
家の星は開拓したばかりだから、移民は大歓迎なんですからね。
皆さんに新たに土地を配布して開墾して貰ってますから、
取りあえずは農具や家を建てる資材や当面の食料を配布して頑張って貰っています。

皆さん着の身着のままで逃げてきたから大変でしょうが頑張ってくれると言ってくれています。
家も出来る限り支援することに、会社で決めましたけどね。会社も資金的にきつくなりましたが、話を聞いたブラウンシュヴァイク公爵が資金援助をしてくれるそうです。

ビックリですね、何があるんでしょうか?不気味ですよね。
OVAとかのブラウンシュヴァイク公と比べるとイメージが違いすぎるんですよね。
裏の顔があったのかなと思いますよ。

しかし、アンネローゼが寵姫にならない事が此処までバタフライ効果になるとは、
グリューネワルト伯爵領の領民には凄く悪いことをしたと思っていますよ。

しかし、現グリューネワルト伯爵夫人の評判は最悪ですね。
彼処まで酷い人間とは、ブラウンシュヴァイク公より遙かに悪じゃないですか、
きっとリヒテンラーデ侯爵は頭抱えてるんだろうな、気の毒だけど私じゃお役にたてませんから。

レオンハルトという兄も458年生まれでロイエンタールとかの同期らしいけど、
478年の卒業後直ぐに少佐になって前線に出ないでオーディンの軍病院の経理課にいて、看護婦や女医を喰いまくっているそうですよ。
それでも一年ごとに出世して今じゃ大佐だそうですよ、コネ甚だしいですね。
父親は男爵に叙されたそうで、女漁りをしまくっているそうです。


酷い一族だな。こりゃ、リヒテンラーデ侯爵の胃に穴が開くんじゃないか?
悪女伝説にまた一ページが記録されそうな勢いですね。
よく陛下が放置してるなと思いますよ、へんなの?

まあ此方に向こうから逃げた臣民を帰せと。文句が来たんですけど、
此もブラウンシュヴァイク公が突っぱねてくれました。
オットーさん何か悪い物でも食べたのか?それとも死期が近いのかい?

何かにつけて、助けてくれるのがありがたいんですけど、妾になれとか言われたら嫌ですよね。
断りにくいじゃ無いですか。まあアマーリエ皇女が浮気なんか許さないでしょうけどね。通い妻とかじゃ嫌ですから、私は普通に嫁に行くんだ!

全然話が違いますが、アンネローゼとフェリシア姉の性癖がショタだったと言う事が完全に判明しました。ある日、ジークとラインハルトと姉たちや私でハイキングに行ったとき。2人の半ズボン姿を見ながら、よだれ垂らしてるんですよ。

生足最高ー半ズボン最高ーっていいながら、2人して一生懸命録画したり写真を撮っているんです。私は思わず引きましたね。
我が姉とアンネローゼの行為は一歩間違えば犯罪ですよ。
一緒にお風呂へ入ろうとしたりするし、一緒に寝ようとベットに潜り込むこともあるぐらいですから。

私は何処まで原作乖離するんじゃー!!て叫びたい気分ですよ。
今姉とアンネローゼが17歳、私たちが13歳ですから凄すぎます。
ショタはすざまじいパワーなのだな。

先月のクリスマスの翌日、やにアンネローゼと姉さんの肌が艶々で、
逆にジークとラインハルトがボロボロだったのは何なんだろうか?
まさか、大変な事は無いよね、無いと信じさせてくれ!!

話を聞いても、ラミィーには未だ早いわとか言われますから、
ジーク達は、何も言えないて言うか暫く姉たちから逃げ回ってましたよ。
アンネローゼ様一途のジークが逃げたんですからよほどの事があったのでしょうね。
姉たちが怖くて知りたくもないけどね。

そうそう、ミッターマイヤーのパパに庭園の整備をお願いして知り合いになりました。
ついでにお宅拝見して、エヴァンゼリンさんとも仲良くなりましたよ。
464生まれなので、今年16歳で、凄く可愛いかたでした。
何れ疾風に会えると良いなと思いながら待っている状態ですね。


帝国暦481年4月

■オーディン ノイエ・サンスーシ 

 相変わらず、グリューネワルト伯爵夫人一族の我が儘は続いており、
リヒテンラーデ侯爵は胃の痛みに悩まされていた。
新たなる寵姫探しも失敗に終わっている。

何故なら、事もあろうにグリューネワルト伯爵夫人がリッテンハイム候爵と手を結ぶという仰天の事態が起こったからである。両者の話し合いで利害関係が生まれたらしく。
その為リッテンハイム候がグリューネワルト伯爵夫人の後ろ盾として名乗りを上げたのである。

その為、寵姫選びはことごとく妨害の為に失敗し今でもグリューネワルト伯爵夫人が寵愛を受ける状態が続いているのである。その為次第に口出しが大きくなり私物化が進みつつあった。

既に父親は典礼省の次官にまでなっており、近い将来尚書に成ると噂されていた。
また兄は既に少将にまで昇進して我が物顔で取り巻きを引き連れて闊歩していた。
貴族達は憤慨する者も居たが、No2のリッテンハイム候の後ろ盾で益々増長しつつあった。

リヒテンラーデ侯爵は此処は一つもう一方の雄、ブラウンシュヴァイク公に相談するべきだと考え、
公爵邸へと向かうのであった。



帝国暦481年4月

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

 ブラウンシュヴァイク邸では、当主オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクが自ら向かえてくれた。
「国務尚書、何か用ですかな?」
「うむ、公爵は昨今のグリューネワルト伯爵夫人とリッテンハイム侯爵の枢軸をどう思いますかな」
「由々しき事態ですな」

「やはり」
「あのままで行けば、国政の壟断は確実。それが良い方に向かえば良いが,
あの枢軸では悪くなる一方であろう」
「公爵もそう思いますか」

「あの状態で行けば、帝国の存亡に関わる重大事になること間違えないですな」
「どの様にすれば良いでしょうかな」
「聡明で心優しき寵姫を探しだし、陛下の目を覚まさせるしかあるますまい」

「しかし、リッテンハイム侯爵の邪魔が入りましてな、探すことに挫折しているところですわ」
「うむ、それでは難しいですな」
「ブラウンシュヴァイク公の一門の方で程よき姫は居りませんか?」

「んー一門と言っても直接グリューネワルト伯爵夫人と対峙できる姫は居りますまい」
「さようですか」
リヒテンラーデ侯爵はガッカリする。

ブラウンシュヴァイク公がハッと思い出したように言い出す。
「一門ではありませんが、マリーンドルフ伯爵令嬢ヒルデガルドは聡明で心優しき姫だそうですぞ」
「マリーンドルフ伯か」

リヒテンラーデ侯爵は彼の者の顔を思い出しながら考える。
「いかんですな、マリーンドルフ伯のでは無理ですわ」
「それは、いかなる理由で」

「マリードルフ伯の問題ではなく、あの家はカストロプの親族ですからな。
必要以上にカストロプの力が増える可能性がありますからな」
「うむ、カストロプならば、それを利用して更に私利私欲を行いそうですな」

「ハルテンベルク伯のエリザベートでは如何であろうか?」
「あの者は、心が弱いとてもとてもグリューネワルト伯爵夫人に対抗できん」
「ふむ、八方ふさがりですな」
「全くですな」

2人が頭を抱える中、応接室にある人物が入ってきた。
「クラウス、久しぶりだな」
「おうこれは、エーリッヒ此方へ来ていたのか?」
「ああ、先日久しぶりに遊びに来たのさ」

「父上、どうなさいましたか?」
「ん、我が友と息子が頭を抱えているのだ、知恵を授けに来たところだな」
「エーリッヒ、いい手があるのか?」

「いい手がなければ、態々此処へ入ってこんよ」
「まあ確かにな」
「クラウス、ファーレンハイト星の開拓の話を知っているか?」

「無論知って居るが、それがどうした?」
「その原案を作ったのが、若干14歳の令嬢だ」
「なんじゃと、そんな話が」

「信じられないか、しかし本当の事だ」
「なんと」
「その令嬢は、聡明で心優しい娘でな、それに根性を持っている」

「しかし、相手はリッテンハイム侯とグリューネワルト伯爵夫人じゃ高々男爵家では太刀打ちできんぞ」
「クラウス、それなんだがな、あの娘は男爵家の娘じゃないんだ」
「それはどう言う事だ、まさか!」

「そうだ、俺の子だ。俺がファーレンハイト男爵の妹に生ませた子でな。
認知できない理由があってな。そのまま実家で育てて貰っていたのだよ」
リヒテンラーデ侯爵は驚愕する。
「つまりは、ブラウンシュヴァイク公爵家先代の3女と言う訳か」

「そう言う事になる」
「それならば、リッテンハイム候とグリューネワルト伯爵夫人枢軸に対抗可能じゃ」
「その通りだな」

「ブラウンシュヴァイク公爵家は全面的に支援してくれるのかの?」
「父上が賛成であれば、私は全面支援を行い、ブラウンシュヴァイク公爵家の末姫として送り出す所存」
「エーリッヒ、賛成してくれるか?」

「俺は賛成するが、ラミディアの意志に任せたいと思うのだがな」
「父上、それでは、断られた場合はどう致しますか」
「そうじゃ、勅命で寵姫にするのが良いのではないか?」

「取りあえずは、今年の10月に15歳になる、それまでに準備を行うしかあるまい、
それと、宮廷にならす為に陛下主催の宴でそれとなく参加させて。
あの子の義行心を擽るのも良いかもしれんぞ」

「判ったわ、それでは夏の宴でもするように陛下に進言致そう」
「うむそれがよかろう」
「ブラウンシュヴァイク公爵、よしなに頼みます」

「お任せ下され、帝国の為ですからな」
「クラウスよ、余り急ぐなよ」
「判って居るわ」

リヒテンラーデ侯爵が帰宅してから、親子2人で話している。

「父上、宜しいのですか」
「うむ、帝国の危機には藩屏たる我が家が動かずしてどうする」
「しかし、妹が不憫でありましょう」

「此もブラウンシュヴァイクの家に生まれた定めじゃ」
「はあ」
「あの子であれば。必ず帝国を守ってくれよう」

「オットー、済まぬが、あの子を守ってやってくれ、儂ではもう守れんからな」
「父上、お任せ下され、必ずラミディアは守りますぞ」
「すまぬすまぬな」
「父上」

 

 

第12話 悪の枢軸

グリューネワルト伯爵夫人とリッテンハイム侯爵の密約の過去話です。
********************************************
第12話 悪の枢軸

帝国暦480年12月

■オーディン ノイエ・サンスーシ グリューネワルト伯爵邸

 今日も相変わらずの悪女グリューネワルト伯爵夫人が有る人物の訪問を受けていた、
いや実際には訪問するように色々と工作を行い訪問を頼んだのであるが、
来た人物が、宮廷医師であったので部外者からはそう見えたのである。

「よくお越しくださいましたわ」
「このような格好をさせて、儂と話があるとはいったい何なのだ?」
「まあ、慌てずに侯爵にも非常によいお話ですわよ」

「伯爵夫人が良い話とはげせんな」
侯爵が怪訝な顔で伯爵夫人を怪しげに見る、
元々侯爵と伯爵夫人は皇帝後継者に対してのライバルなのに話があるというのである。しかも態々宮廷医師に変装してまで話し合いをするというのである。

伯爵夫人がズバリと切り込む。
「侯爵は次期皇帝陛下の父親になる気はございませんかしら?」
「はぁ?」

この女は何を言っているんだ?次期皇帝はルードヴィヒ皇太子であろうに、
次期次期皇帝であれば可能性はあるが、しかし皇太子は病弱であるから継げぬまま終わるやも知れない。
しかし、この女は自ら皇子を生んでそれを帝位に就けると公言している、
ザビーネが皇帝になる為には、邪魔な存在だが何を考えているのだ。

「ザビーネを皇帝にと言うのかね、冗談はよしてくれ」
「あら、侯爵がよく言ってらっしゃるじゃ無いですか、ザビーネを皇帝にと」
この女何処まで知っているんだ。

「酒の上での戯れ言よ」
「まあ、そうしておきましょうかしら」
「ザビーネさんの事ですが、我が兄レオンハルトと婚姻して頂けないかしら」

何を言うのだこの女は!
「何故ザビーネが其方の兄と婚姻しなければならんのだ!もう失礼する!」
「まあ侯爵、短気は損気ですわよ、話をもう少しお聞きになっても宜しいのでは」

無礼であろう,高々帝国騎士の小娘が増長しおって!
「もう話すことなどない」
「ですから、侯爵に次期皇帝の父親になって貰いたいのですよ」

「話が矛盾するではないか、伯爵夫人がご自分の生む子に帝位を望んでいるのは知って居るが、我が子ザビーネを帝位に就けるようでは話が合わん!」
伯爵夫人がニヤニヤと薄ら笑いをしている。

「矛盾しませんわ、私は侯爵に次期皇帝の父親に成って欲しいと言っているので、
ザビーネさんが皇帝になるとは言っていませんわよ」
「ザビーネが皇帝に成らないとはなんだ?」

「ふっ侯爵、判りませんかしら」
伯爵夫人がシナを作って侯爵にしなだりついてくる。
この女まさか。

「こ・お・しゃ・く・わたくしと、皇子をつくりませんか」
「なっ!」
この女そう言う事か、恐ろしい女だ。危険だ逃げねば。

「あら、こ・お・しゃ・く、逃げるなんてい・け・ず・無駄ですわよ既に録画済みですわよ」
この雌狐め!
「伯爵夫人、不敬であろう」

「あら、ザビーネさんを皇位に就けると言う公言も不敬ではありませんの?」
「ぐっ言いたいことを言うモノだ」
「侯爵にも損はございませんわよ」

「うむーーーー」
「どうせ、皇帝陛下はご高齢で4年近く経ちますけど一向に子供を授かりませんわ。
最早枯れてらっしゃるのですわね、私としては皇子を生みたいのですわ。
それで侯爵にお願いしたいのですわ」

何と言うことを言うんだ、しかし受ければ次期皇帝の真の父親として君臨出来る。
思案のしどころと言えよう、もう少し話を聞いてみるか。
「不敬に成るであろう、それに旨く行くかどうか」

「あら、大体皇子が成長する頃には陛下は既に崩御為さっていても可笑しくはありませんわ。そうなれば、誰も文句を言う方はいませんわ。そして侯爵と私で帝国を牛耳ろうではありませんか」
「ザビーネを伯爵夫人の兄の妻にするのもその一環か?」

「ええ、兄にはザビーネさんと結婚して、リッテンハイム公爵家を継いで頂きますわ、
リッテンハイム公爵家が帝国宰相として帝室を補佐するという塩梅ですわ」
「我が家は侯爵だが」

「ええ、我が子が皇帝になれば、皇帝の伯父であるリッテンハイム侯爵家は公爵へ位階が上がるのは普通ですわ、それに両者の敵たるブラウンシュヴァイク公爵を叩きつぶす事も出来ますわよ」
うむそう出てくるか。

「門閥貴族No1と帝国宰相の地位そして、次期皇帝の後見人として、
侯爵には損はありませんわよ、得ばかりですわ。
それに陛下が崩御した後でザビーネさんではエリザベートさんと余り違いがありませんわよ。女同士で外孫より、男で現陛下の子供の方が遙かに有利ですわよ」

「たしかにそうだが、皇太子殿下をどうするのだ?」
「殿下は病弱ですわ、それに奥方は後ろ盾のない子爵家の小娘、
たとえ皇子が出生しても後ろ盾がなければ帝位に就けるようではないですわ。
ウフフフ、それに旨く行かなければ、その時はおわかりでしょう」

この女恐ろしい、殿下の暗殺まで示唆するとは、このまま手を組むしか無いのか。
此処で手を切ってもこの会話だけで、我が家はお仕舞いに成る仕方が無い。

「うむ、伯爵夫人本当に大丈夫であろうな」
「ウフフフ。侯爵も意外と臆病ですわね」
「我が家の浮沈に関わるのだ慎重にも成る」

伯爵夫人は蛇のような目で侯爵をなめ回すように見る。
「私のこの体を楽しめますのよ、皇帝陛下しか触ったことのない、この体にね」
「そう言う事ではない」

「侯爵は私を妊娠させて下されば、良いのですから楽な仕事ですわよ」
「そうかも知れんが、陛下は義父上に当たるからな、道義的に気が引けるのだ」
「あら、そんな事は、些細なことですわよ。
男と女が2人きりで寝室ですることなんかそれほど有りませんわよ」

こうなれば、毒を食らわば皿までだ。
「しかし、ザビーネと夫人の兄との婚約については、夫人が皇子を生んだ後にして頂きたい」
「ええ。宜しいですわよ、私が皇子を生むのは決まっておりますから」
「侯爵、皇子が出来るまでは宜しくお願いしますわ」


帝国暦481年1月

新年早々に発表された、リッテンハイム侯爵が後ろ盾無かったグリューネワルト伯爵夫人の後見人に成ったと言う、仰天絶後の事態が発生した。そして門閥貴族No2が後見に立った以上は、
多くの貴族達が驚きを持ってその事態を受け入れざるを得なくなったのである。

その為国務尚書リヒテンラーデ侯爵が宮内尚書ノイケルン伯爵が計画していた、
新寵姫探しをリッテンハイム侯爵が邪魔をし始めたのである。
その為、リヒテンラーデ侯爵がブラウンシュヴァイク公爵を訪ねる事に成ったのであった。

それが、ラミディア・フォン・ファーレンハイトの人生に違う道を歩ませることに成ったのである。
 

 

第13話 宴へ行こう

第13話 宴へ行こう

帝国暦481年7月7日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

何故か最近ブラウンシュヴァイク公爵が何かにつけて援護をしてくれるんですよね。リッテンハイム侯爵の子分ヘルクスハイマー伯爵が家に突っかかってきて以来ですからね、ライバル心から援護してくれるんですかね?

アンネローゼが後宮に上がらなかったので、歴史が完全に滅茶苦茶になりましたけど、原作道理だとそろそろ皇太子が死ぬはずですから、このまま行けばブラウンシュヴァイクVSリッテンハイムですからね、未だ生まれていない我が儘小僧の目は全く無いはずですね、下手にしゃしゃり出たら人知れず急死すること請け合いでしょうね。

リッテンハイム侯爵はグリューネワルト伯爵夫人と組んでますから、陛下があの年ですから子供は無理でしょうから後宮での協力を得るために仕込んでいるんでしょうね。サビーネ女帝陛下ですか、まあ出来るならエリザベート女帝陛下の方が家にしては宜しい状態になりつつありますけどね。

しかし、態々ブラウンシュヴァイク公から宴への招待状が来ましたけどね。普通は姉上が行くモノなんでしょうけど、何故か私に来いと言う招待状なんですよね。ブラウンシュヴァイク公は奥さんが皇女だから愛人に成れとかはないでしょうけど、他の貴族は有るかもしれないし、フレーゲルは嫌み言われそうで嫌だな。

けど、両親の懇願には敵わないからね。【お世話になっているから挨拶だけでも行ってきてくれ】だもんねー、まあクロプシュトック侯爵が来てたら逃げりゃ良いわけだし、それにブラウンシュヴァイク家の料理ならどれだけ良い物を使っているか判らないからね、どうせ料理も余るからタッパーは常備ですよ。

母様の用意してくれた、精一杯綺麗なドレスを着て、ブラウンシュヴァイク家から地上車が迎えに来てくれましたよ、こりゃ本格的にブラウンシュヴァイク家に売られるのではと邪推しますよ。
地上車からは何と、シュトライト氏が降りてきましたビックリですよ。

「始めまして、小官はシュトライト大佐と申します。ブラウンシュヴァイク公爵家に仕えております。本日、ラミディア様をお迎えに上がりました」

おーシュトライト大佐ですよ、紳士ですね、此がフェルナーなら悪戯されそうですが、シュトライト大佐なら安心です。此方もご挨拶してから地上車に乗り込みます。

「始めまして、ラミディア・フォン・ファーレンハイトと申します、この度は御丁重なご招待ありがとうございます。宜しくお願い致します」

うわー凄く立派な内装ですね、前世でも乗ったことの無いようなリムジンですよ、TVや冷蔵庫がありますよ、開けたいけど開けて良いのでしょうかね?シュトライト大佐に聞くわけにも行かないから、残念ですが我慢することにしましょう。

そんな葛藤を続けること数十分、ブラウンシュヴァイク邸に到着です。同じ帝都内なのにこんなに時間がかかるのは、我が家は郊外なので遠いんですよ。ブラウンシュヴァイク邸はノイエ・サンスーシから比較的近くに有りますからね。

車止めに止まった地上車から降りて、シュトライト大佐に案内されながらブラウンシュヴァイク邸へ入っていきます。流石に煌びやかですね、老若男女がゴテゴテの宝石とかラメとかがギラギラの服着て眩しいやらうざったいやらですね、まあ此方は貧乏男爵の2女ですから、壁の花に徹して料理を食べまくるのです、遠慮はしませんからね。

そう思ったのですが、いきなり、ブラウンシュヴァイク公がやって来ましたよ、しかもアマーリエ様にエリザベート様まで引き連れていらっしゃいました。OVAの姿をリアル風にした姿ですね。流石にアマーリエ様はエリザベス・テーラーがモデルだけ有ってよく似ています。エリザベート様のモデルがブルック・シールズでよく似てますよ。

どうもOVAだと影が薄くて印象が無いんですよね、TVの向こうに人って感じですから、落ち着かないですよ。シュトライト大佐が紹介してくれるようです。ありがとうシュトライト大佐貴方はやっぱり良い人だ。

「公爵様、奥様、お嬢様、ファーレンハイト男爵家御令嬢でございます」
此処はチャンと挨拶しないとですね、色々思うことはありますが。
「公爵様、公爵夫人様、公爵令嬢様。この度はこのように素晴らしい宴にご招待頂きありがとうございます。私、ラミディア・フォン・ファーレンハイトと申します」

礼儀だけは完璧にしますよ、何を考えているかは知らないですけどね。
「早速の挨拶痛み入る。オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクと申す」
「アマーリエ・フォン・ブラウンシュヴァイクですわ」
「エリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイクと申しますわ」

ビックリですね、公爵一家が鄭重に返礼してくれます、益々怪しく感じますよね。
まあ、普段は父さん達に任せればいいからOkですよね。
私がアイデアを出した惑星改造を是非聞きたいというので取りあえずは話しましたよ。

どうせ家の星ほどあの方法が楽な形式は無いでしょうし、どうせ知られるなら先に言ってしまった方が此からの付き合いでも大事ですからね。暫く喋った後でブラウンシュヴァイク公は挨拶の後で他の人達の方へ行きましたね。

しかし、流石ブラウンシュヴァイク家ですね。招待客が半端じゃありません、敵対しているリッテンハイム系貴族は来てないようですが、凄く偉そうに見えるだけの方々が多数居ますね。その為に私なんかは全く相手にされませんから、早速ご飯です。

美味しいですよ。流石にギャル曽根のようには行けませんが、お腹いっぱいです。OVAのラインハルトが食欲にのみ興味を抱いた宴ですが、私も同じようですね。
ん?初老の爺様がやって来ましたね。何か様なんでしょうか?

「失礼するよ、お嬢さん」
「はい?」
「儂は、エーリッヒ・フォン・ブラウンシュヴァイクと言う老人じゃよ」

「ブラウンシュヴァイクと言いますと」
「オットーは儂の子でな」
「前代のブラウンシュヴァイク公爵でありますか」

「そうだな、所で今日は楽しいかね」
「そうですね。ご飯が凄く美味しいです」
「そうか、そうか、ゆっくりして行きなさい」

「ありがとうございます」
んー、身構えたけど人の良い爺様だったからつい本音で言っちゃった。
結局挨拶だけで何も無く家に帰りました。タッパーは役に立てませんでした残念!


■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

宴の終わったブラウンシュヴァイク邸の応接室でこの館の主オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクとその父エーリッヒ・フォン・ブラウンシュヴァイクが話していた。

「父上、ラミディアはどの様でございましたか?」
「よい子じゃな、クラーラによく似ておるな」
「あの子を宮廷のゴタゴタに巻き込むのも不憫ですが」

「仕方がなかろう、このまま行けば帝国は内乱になる、それを防ぐためだ。その為に我ら貴族が居るのだからな」
「父上」

 

 

第14話 皇帝との接近遭遇

 
前書き
お待たせしました、やっと書けました。

プロットがある程度纏まりました。


 

 
第14話 皇帝との接近遭遇

帝国暦481年12月10日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 黒真珠の間 ラミディア・フォン・ファーレンハイト

何故か最近ブラウンシュヴァイク公爵主催のパーテーにお呼ばれすることが多く成ったのです。やはりあのオッさん、アマーリエ皇女がエリザベートしか産めないから、都合のいい女として狙っているのかな。しょっちゅう話しかけてくるし、貧乏男爵令嬢に対する口調じゃないしね。

それで今日は、何とノイエ・サンスーシの晩餐会に招待されました。しかも皇帝陛下主催の晩餐会ですよ。此は素晴らしい料理の山です。上級貴族の方々が多数居る中、私なんかは単なるいらない子ですが、話しかけられることもなく、入口近くで黙々と料理を食べ続けます。

ん、誰か来たが、あのおかっぱ頭はフレーゲルか?まあ私には関係ないのだが、取り巻き連れてこっち来るな!お前等が来るとご飯が不味くなる。

「其処の貧乏人、最近伯父上に取り入って居るようだが、大概にするんだな」
「ファーレンハイト男爵は屋敷すらボロ屋で有名だからな」
「大方、伯父上の愛人の椅子でも狙っているのだろうな」

完全無視で行きますよ。
「何か言ったらどうだ。公爵の愛人は無理でも俺が良い思いをさせてやるぞ」
「中々顔も体も良いようだな、このフレーゲルの愛人にしてやるありがたく思うのだな」

流石に切れても良いですよね。
「あ゛フレーゲル男爵、冗談は顔だけにして頂きたいモノですわね。
余りの情けなさに嘸やご先祖様がお嘆きでしょうね」
「何だと、この女、下手に出ていればいい気に成って!」

「そう言う貴方はどなたかしら。貴族たるモノ名前ぐらい言えないのかしら。
それとも名乗れ無いほど恥ずかしい家なのかしらね」
「何だと!このカール・フォン・サヴィニー子爵を馬鹿にするか!!」

「聞いた事もありませんわ」
まあ、皇帝陛下主催の晩餐会で騒ぎ起こせばえらい事になるのに判ってないな此奴等。
「何だと!ルドルフ大帝以来の武門の家である我が家を馬鹿にするか!」

「フレーゲル様、何を為さっているのですか?彼方で公爵がお呼びですぞ」
「おおそうか、伯父上のお呼びとあれば向かわねば成らん」
そう言いながら、フレーゲルは取り巻きを連れて移動して行った。

「危なきところを、ありがとうございます」
「とんでもございません、主ブラウンシュヴァイクよりお詫びでございます」
よく見れば、シュトライトさんじゃないか。

「それでも、助かりましたわ、公爵によしなにお伝えください」
「御意」

いや、あれほどの紳士は居ないね。よっぽど貴族らしいよ。
家の筆頭家臣に欲しいぐらいだが、忠誠心厚い方だからね。
しかし、ついつい、フレーゲルだから喧嘩売ったけど、今考えると少々やばい行為でしたね、後で仕返しされないか心配だ。


その頃、ブラウンシュヴァイク公爵に呼び出されたフレーゲル男爵は公爵に釘を刺されていた。
「伯父上、何か御用ですか?」
「用も何も無い!」
「お怒りですか?」

普段は余り見ない公爵の態度にフレーゲルはびびる。
「良いか、ファーレンハイト男爵家と令嬢に良からぬ事をしたら、
ヨアヒム。お前と言えども許さぬからそう肝に銘じよ」

真顔のブラウンシュヴァイク公爵に本気を感じたフレーゲル男爵は直ぐに返答をする。
「伯父上、判りました。家銘に賭けてもお約束をお守りします」
「うむ。判ればよい。お前と共に居る者達にも確と伝えるのだぞ」

フレーゲル男爵はブラウンシュヴァイク公と分かれた後考えていた。
何故伯父上は、彼処まであの小娘に執着するのやら、しかし伯父上を怒らす訳にも行かぬな、忌々しいが此処は無視するに限るか。


■オーディン ノイエ・サンスーシ 黒真珠の間  ある人物 

全く、幾ら陛下主催とはいえ、この様な宴は余り好きではないのだがな。しかも妊娠3ヶ月の妻が亡くなって僅か半年しか経っていないのにだ。周りの者達は世継ぎを得るために再婚を進めてて来るが、僅か半年で再婚は辛すぎる。

しかし、参加しているだけで、貴族の娘達がそれ見よがしに寄りついてきて、媚びを売ってきて邪魔でしょうがない、私は静かにしていたいのに、そう思いながら、ふと入り口付近を見た時、私は見てしまった。あの五月蠅いフレーゲル男爵をやり込める、銀髪の少女を。

私は、五月蠅い娘共から逃れるために、部屋の隅に逃れてゆっくりと酒を嗜んでいた時、フレーゲル男爵達が、一人の少女を囲んで『愛人になれと』脅していたのだ。私はあの様な人間が大嫌いなために、思わず助けに入ろうと思ったのだが、私が行く前に彼女が見事に撃退をしたのだ。

あの様な貴族令嬢を私は始めて見た。フレーゲル達を追い返した後で、踊る事もせずに、食事を始めるとは、食べる姿も豪快な事だ、私の廻りに五月蠅く纏わり付く連中と違い興味をそそられる少女だな。彼女の名前は何というのだろう、不謹慎ながら興味がわいてきてしまう私が居た。


■オーディン ノイエ・サンスーシ ラミディア・フォン・ファーレンハイト

フレーゲル達を追い払って貰って、ご飯を美味しく頂いて居ますが、陛下は未だ来てませんね、そろそろ帰りたい気分ですが、陛下が来るまでは帰れないのですよね。そう思っていたら、来たようですね。

古風なラッパの音が黒真珠の間に響く。その音とともに参列者は皆姿勢を正した。

「全人類の支配者にして全宇宙の統治者、天界を統べる秩序と法則の保護
者、神聖にして不可侵なる銀河帝国フリードリヒ四世陛下の御入来」
式部官の声と帝国国歌の荘重な音楽が耳朶を打つ。そして参列者は頭を深々と下げる。

ゆっくりと頭を上げると皇帝フリードリヒ四世が豪奢な椅子に座っていたのです。
それから、参列者が順番にご挨拶に行きます。私は末席なので最後なんですけどね。それまでは仕方ないので大人しく陛下や参列者の反応を見ています。

陛下はやはりロリコンなのか、若い令嬢との話は長いですね。
ハルテンベルク伯爵令嬢エリザベートさんなんか凄く長いですよ、確かそろそろマチウスが処分される頃でしょうから、此から地獄の日々に成るのですから、此が最後の笑顔かも知れないな。

ヒルダも長めですけど、エリザベート程じゃないですね。
やっと私の番です。
侍従が私の説明をしてくれます。

「ファーレンハイト男爵令嬢ラミディア様です」
「皇帝陛下におかれましてはご機嫌麗しく」
ご挨拶すると皇帝陛下が、眼を細めて鷹揚に挨拶をしてくれます。

「御苦労じゃな、そちの噂は聞いておる、此からも頑張るように」
「御意」

えっ。此だけですか?逢ってから1分も経ってないんですけど、エリザベートさん、20分も喋ってましたよ。伯爵家と男爵家の差ですか、そうですね。まあ、顔覚えて貰うだけでOKですけどね。

私が最後だったので、陛下は又エレザベートさんを呼んで話してますよ、狙ってるのだろうか?
まあ、関係ないですけどね、又ご飯を食べましょう。

誰か来ましたね、全然知らない方ですね。何処のモブだろうか?
「其処のお嬢さん、私と一曲踊って頂けませんか?」
うげ、ナンパだよ、姿形は標準だけど、面倒なんだけど、フレーゲルとかじゃなきゃ仕方ないか。此も人付き合いの為ですね。

「私ですか、余り踊りは上手くありませんの」
「私がエスコート致します」
「判りましたわ、お願い致します」

そうして踊りをしてるんだけど、旨いなこの人、よほどの良い先生が付いているのかな?私は相手の足を踏みそうで冷や冷やですよ。そう言えば何故か踊っていると周りの令嬢から嫉妬の目で見られるんですけど、この人ロイエンタール並みの誑しなのかな?

「ありがとうございました、楽しかったです」
「いえ、私も楽しゅうございました」
「又お会いしたいものです」
「機会がございましたら」

社交辞令ですからね、それにこういう時は名前を言い合わないのが礼儀ですからね。
分かれましたよ。バイバイ誰だか判らないプレーボーイさん。
こうして皇帝陛下の顔見せだよね?は終わったのだ。

■オーディン ノイエ・サンスーシ 黒真珠の間  ある人物 

銀髪の少女の名前が、ファーレンハイト男爵令嬢ラミディアだと言う事が陛下の謁見で判った。私は不思議になるほど興味のわいた彼女に近づき、踊りをエスコートしたいと頼んだ所、少し考えた後OKしてくれた、彼女は踊りは旨くないと言ったが、それほど悪くはなかった。只廻りに居る令嬢共の嫉妬の目が非常に不快だった。

しかし彼女との踊りで、気分が晴れてきた。もしかすると彼女が私の新たな運命の人なのかもしれない、彼女のことを調べさせよう、年齢は15歳らしいが、あと一年待てば妻と子の喪も終わるから、それまでに彼女の事を知り、話を進めれれたら良いかもしれん。

ファーレンハイト男爵家は家格に問題が有ると言う者も出てくるだろうが、そんな事を気にする私ではない、亡き妻も子爵家出身だったのだから、必ずや父上を説得してみせよう。しかし、ラミディア嬢がはたして私に興味も持ってくれるであろうか、それが心配だ。

帝国暦481年12月10日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

エーリッヒとオットー親子が話していた。

「それで、皇帝陛下とラミディアの挨拶はそれほど短かったか」
「全く興味を持たれないようで、単に一家臣の娘としか見ていないようです」
「それは些か不味いな、計画が狂ってしまう」

「陛下はことのほか、ハルテンベルク伯爵のエリザベート嬢に御執心で有るように見えました」
「なんと、それは不味い」
「どうしたモノですか」

「未だ16まで1年はある、それまでに陛下の気を惹かせればよかろう」
「はぁ」
「それまでは、虫が付かないようにせねば成らんな」

その話を聞いていたオットーが言いにくそうに父に話す。
「父上、実はヨアヒムがちょっかいを出そうとしておりまして」
それを聞いたエーリッヒの額に皺が寄った。

「なんじゃと、あの阿呆め、この爺が折檻してくれる!」
「父上落ち着いてください。私が釘を刺しておきましたので」
「そうか、只万が一の事もある、護衛は目立たぬように配置せよ」

「はい」

こうして、オーディンの夜は更けていく。
 
 

 
後書き
寵姫フラグが、変な感じになって来ました。
 

 

第15話 後宮入り?

第15話 後宮入り?

帝国暦482年4月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間 

この日、国務尚書リヒテンラーデ侯、宮内尚書アイゼンエルツ伯、典礼尚書アイゼンフート伯、内務省警察総局次長ハルテンブルク伯、フォルゲン伯がノイエ・サンスーシに呼び出された。

ハルテンブルグ伯は妹エリザベートの婚約者にして、サイオキシン麻薬密売組織の胴元であった、カール・マチウス・フォン・フォルゲンをその兄フォルゲン伯と共に謀殺したばかりであったために2人共々呼び出された事に生きた心地のしない状態で有った。無論フォルゲン伯も同じ考えであるようで、しきりに汗を拭きまくっている。

リヒテンラーデ侯が代表してフリードリヒ4世に質問をする。
「陛下におかれましては、本日の招集如何致しましたでしょうか?」
丁重なリヒテンラーデ侯の言葉ではあるが、節々にくだらない事で呼ばないで欲しいという感じが滲み出ていた。

陛下は鈍いのか鋭いのか判らない表情で皆を見回しながら話し始めた。
「先年の宴で、おうた、ハルテンブルグ伯の妹エリザベートは、フォルゲン伯の弟の婚約者で有ったな」
その言葉に、フォルゲン伯、ハルテンブルグ伯の顔色が変わり、リヒテンラーデ侯は苦虫を噛みつぶした様な顔になる。

「御意、しかし我が愚弟カール・マチウス・フォン・フォルゲンは先だって、
最前戦カプチャランカにおきまして名誉の戦死を遂げております」
陛下への答えを青い顔をしながらフォルゲン伯は答えていく。

「そうか、それは気の毒な事じゃ、マチウスは立派に働いたの」
「ありがたき幸せ、弟も喜びましょう」
その掛け合いにリヒテンラーデ侯は本題を言うように誘導する。

「陛下、その事と本日の集まり何か関係が有りますでしょうか?」
「そうよ、ハルテンブルグ伯の妹は婚前未亡人となってそうじゃな」
「御意」

「其処でじゃ、婚前未亡人では辛かろうと思うて、そちの妹にアインツベルン侯爵号を授けようと思うてな、さすれば、エリザベートも少しは心安らぐであろう」

既に呼び捨て状態の陛下の態度に、集まった者達はウツラウツラし始めた典礼尚書アイゼンフート伯以外は、陛下の意図するところを適格に判ったのである。曰く陛下はハルテンブルグ伯爵の妹エリザベート嬢に侯爵位を与える代わりに、自らの寵姫になるようにと命じている事を。

リヒテンラーデ侯はブラウンシュヴァイク公との話し合いで、先代ブラウンシュヴァイク公の隠し子、ラミディアを寵姫としてねじ込む事を計画していたのであるが、あの日の陛下の態度では全く興味が沸かなかった事が在り在りと判ったために計画を再検討中だったのである。しかし、この状態から逆転をするのは難しい状態で有る事を知ったのである。

ハルテンブルグ伯とフォルゲン伯はどうしたらいいか判らなく成っていた。マチウスを謀殺以来エリザベートは生きる気力を失い、日々亡き伏せっているだけなのだから。今のままのエリザベートを陛下にお会いさせたら、どの様な事になるか判らないと混乱に拍車がかかっていた。

そのような思惑も関係なく、フリードリヒ4世の命令により、エリザベート・フォン・ハルテンブルグはエリザベート・フォン・アインツベルン侯爵夫人として後宮に館を与えられる事まで決まってしまった。

「宮内尚書、典礼尚書、アインツベルン侯爵夫人の為の支度を直ぐさま始めるのじゃ、良いな」
普段は仕事も余りしない二人が飛び上がるように返答を行った。
「「御意」」

その陛下の態度に意志の強さを感じたリヒテンラーデ侯は心の中で、エーリッヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク公に詫びていた『済まぬ、儂でも陛下をお止めする事敵わん』と、そんなリヒテンラーデ侯の心も知らずにフリードリヒ4世は命じる。

「国務尚書、エリザベートの後宮入りは、7月までに致すように、ハルテンブルグ伯とよく相談する様に致せ」
「「御意」」

最早返答するしかない、リヒテンラーデ侯とハルテンブルグ伯であった。
リヒテンラーデ侯は計画の狂いをどうしようかと考え。
ハルテンブルグ伯はエリザベートをどう宥めるかを考えていた。

「そうじゃ、フォルゲン伯、そちの弟たち2人とマチウスに特別に子爵号を与えよう、判ったの」
つまり、陛下はエリザベートとマチウスの婚約自体を無かった事にせよとの、ご命令だと、此処は受けておくのが賢明であると考えたのである。

「ありがたき幸せにございます」
「よいよい」

こうして、フォルゲン伯爵4弟カール・マチウス・フォン・フォルゲンとハルテンブルグ伯爵妹エリザベート・フォン・ハルテンブルグの婚約自体が無かった事とされ、エリザベートは婚前未亡人と呼ばれなくなった、まさか陛下の寵姫と成るエリザベートを侮辱する訳にも行かずに貴族社会ではなかった事にされたのである。

ハルテンブルグ伯爵はこの日から3ヶ月近くエリザベートを説得し続け、結局貴族の義務だという論理でエリザベートを説き伏せて、後宮入りさせたのであった。この後ハルテンブルグ伯は直ぐに内務省警察総局長に昇進しているのは、エリザベートを説き伏せた褒美としてであったが、本人としては些か嫌な気分であったろう。彼は実力でそれ以上いける人間なのだから。


帝国暦482年7月1日 エリザベート・フォン・ハルテンブルグ

私、エリザベートは、愛する人カール・マチウス・フォン・フォルゲンの戦死後ズーッと泣きながら過ごしてきました。そんなある日、兄様であるハルテンブルグ伯が非常に思い詰めた顔で話があると言ってきた。

「兄様、いったい何の用ですか?」
兄は済まなそうな顔をしながら話しかけてくる。
「エリザベート、お前に皇帝陛下から、侯爵位を与えると話が来た」

何と仰いました兄様、皇帝陛下が私に侯爵位を与えると言う事は、幾ら私でも判ります、寵姫になれというのですか、確かに昨年の宴で陛下と1時間以上お話ししましたが、それが元因でしょうか、私にはマチウス様が居るのに、彼は私の心の中に生きているのですから、兄様に断って貰います。

「兄様、その様なご無体お断りしてくださいませ」
「そうは言っても、既に陛下の勅命のようなモノだ」
「人妻を寝取るのが陛下なのですか」

「不敬な事を言うでない」
「私は嫌です」

散々兄様に物を投げつけました、兄様はじっとして当たり続けていました。
その時判りましたわ、兄様もお辛いのだと、けど嫌な物は嫌でした。

それからしょっちゅう兄様の説得は続きましたが、私は頑として断り続けました。
けれども、卑怯な事に私とマチウスさんの婚約が元から無かった事にされてしまいました。あの時は本気で兄様を殺したい気分になりました。

けれども、マチウスさんの兄上フォルゲン伯爵が訪ねていらして、マチウスさんの本当の姿を見せてくれたのでした。

私は目と耳を疑いました、マチウスが家のメイドといかがわしい行為に及んでいる映像や他の貴族令嬢を弄ぶ姿が映し出されていたのです。私は己の浅はかさに天を仰ぎました、なんて私は子供だったのであろう、オママゴトのような恋にあこがれながら、実際はとんでも無い男に捕まっていたと言う事を、私は知ってしまったのです。

フォルゲン伯爵は大変神妙な顔で頭を下げられ謝罪なさいました。『エリザベート殿には取り返しの付かない事をして、申し訳無い』と土下座為さいました。此処まで見てしまった以上、マチウスに恋い焦がれていた馬鹿な私は遙か彼方へと消え去っていきました。

私の人生を危うく滅茶苦茶にされるところだった、カール・マチウス・フォン・フォルゲンは死んで清々したと今では考えられる様になりました。此からの人生は皇帝陛下の寵姫として生きる気持ちになりました、陛下は多くの寵姫がいらっしゃいますが、請われて愛して頂けるのであれば、それも運命と受け止める事に致しました。兄様は貴族の義務だという論理で私を説き伏せたと思っているようですけど。

此から後宮に入り私は、アインツベルン侯爵夫人として生きる事に致します。




帝国暦482年7月1日

■オーディン   さる人物

陛下が又新しい寵姫を後宮に迎え入れた、やっぱりあのグリューネワルト伯爵夫人じゃ嫌気がさすんだろうな、まさにやりたい放題の悪外戚だものな、ああ言うのは早めに処分しないと銀河帝国全体に害悪が蔓延しかねないのだから。願わくば新たな寵姫アインツベルン侯爵夫人がまともな方で有るように。

私の方は妻と子の喪が明け、ラミディア嬢が今年の10月10日に16歳になるため、その時を狙ってプロポーズしようと考えているが、未だに接点がない困った。

此処はやはり年の功で、リヒテンラーデ侯にでも相談してみよう。侯爵も私の再婚を進めているのだから、身分の違いはいざとなったら侯爵の養女とでもして貰えば何とかなるはずだからな。

善は急げだ、早速リヒテンラーデ侯を探そう。
恐らくは父上の所であろう。


帝国暦482年7月1日

■オーディン 装甲擲弾兵総監部  ヘルマン・フォン・リューネブルグ

何故だ!俺が国を捨ててまで、欲しかった女、エリザベート・フォン・ハルテンブルグが皇帝の寵姫になるとは、此では俺の野望も潰えるではないか!!
 
 

 
後書き
エリザベートが後宮入りしました。

当初のプロットから、完全に逸脱中です。
 

 

第16話 皇太子妃に成りそうだ!

第16話 皇太子妃に成りそうだ!

帝国暦482年7月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ  クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵

陛下の新たなる寵姫アインツベルン侯爵夫人の入内が終わりホッと一息じゃ。陛下の女好きにも参ったモノだ。しかし本当であればエーリッヒの娘を後宮に入れるはずであったのに旨く行かないモノだ。

それに引き替え、皇太子殿下の潔癖な態度も困ったモノだ、幾ら奥方と御子をお亡くしに成ったとはいえ、皇位継承者が寵姫も置かず、世継ぎも作らずに未だ再婚すらしないで御1人の身だ、このままでは次次代の皇位継承者が居らずに、帝国の内乱を誘発するではないか。

只でさえ、グリューネワルト伯爵夫人の乱行が酷い状態では、帝室の求心力さえ失われかねない。更にブラウンシュヴァイク公、リッテンハイム侯の争い。更に言えば、オトフリート4世陛下の388人の子孫の准皇族の方々も居られる。万が一に成れば相続争いが起こる事は必定なのだ。

その様な混乱の最中に叛徒共に攻められでもしたら目もあてられん、此処は甘いお考えの皇太子殿下に是が非でも新たな皇太子妃殿下或いは寵姫を得ていただけねばならない。前皇太子妃殿下の様に後ろ盾の全く無い貧乏子爵家出身では困りますぞ。

皇太子殿下は恋愛結婚だと言い張るが、皇族としての責務を果たして頂かないと、帝国全体に災いが来るのですから。何処かに本人実家共に野心が無く家柄の良い令嬢は居ないであろうか、筆頭はマリーンドルフ伯のヒルデガルト嬢じゃが、後はカストロプ公のエリザベート嬢か、いかんな親が悪すぎる。

んー何処かに居ないであろうか?
「侯爵様」
「どうしたワイツ?」

「皇太子殿下がお呼びでございます」
「なに、殿下が?」
「火急の御用との事」

何であろう、殿下の事だ、この度の陛下の寵姫についてのご不興であろうな、致し方ないがご説明するよりほかないの。
「判った直ぐ向かおう」


帝国暦482年7月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 

早く来い国務尚書!
皇太子が、少々苛つきながら待っていると、リヒテンラーデ侯が息を切らして部屋にやって来た。
あの様子だと慌てて来たようだし、嫌みを言うのは止めておこうと思うので有った。

「殿下、火急の御用とはいかなる事でございますか?」
皇太子は、私のこの思いを遂げるため、ついでに国務尚書の心配を減らすために相談をするかと思い。
「国務尚書、忙しい所呼び出してすまん」

「臣の責務にございますれば」
「それでな、私は妃を迎え入れようと思った」
その言葉を聞いたリヒテンラーデ侯は喜びと共に少々の不安を顔に覗かせた、所謂また前皇太子妃殿下のように寒門の出なのかと。

「それは大変おめでたき事にございます」
「そこで、国務尚書に頼みが有ってな」
「いかなる事でございましょうか?」

「その令嬢は男爵家の出身でな」
その言葉を聞いたリヒテンラーデ侯は又かと言う感覚に腹の中であきれ果てていた。
「殿下、男爵家の令嬢では皇妃には成れませんぞ」

「其処なのだが、国務尚書の養女として貰えないだろうか?」
皇太子は頼み込むような顔でリヒテンラーデ侯を見る。
「殿下のお頼みとはいえ、身分の差が大きすぎます、上流貴族の方々の賛同も得られませんぞ」

「皆が常日頃から私に后をと申しておるではないか!それなのに私の自由も聞いてはくれないのか?」
「殿下、一平民の結婚ではございません、銀河帝国の次代を背負う御方の后を選ぶのですぞ、我が儘を言っている状態ではございません。前后様で我が儘をお通しに成ったのですから、又我が儘をとは、ご自分の立場をお考えください」

リヒテンラーデ侯は、一歩も引かずに諫言を行い説得をする。
その姿に皇太子もタジタジで有るが、引かずに頼み込む。
「国務尚書、その令嬢は心の強い令嬢なのだ、昨年の宴であのフレーゲル男爵を一撃で退散させた程の令嬢だ。あの姿こそ、我が后に相応しいと感じたのだ、しかも調べさせたが、素晴らしい才媛だぞ」

はて、幾多もある男爵家にその様な才媛が居たであろうかとリヒテンラーデ侯は考えて、2人程該当しそうな令嬢が頭に浮かぶのであった。一人はヴェストパーレ男爵令嬢、もう一人はラミディア嬢。まさかと思いながら殿下に聞いて見る事にした。

「殿下、その令嬢のお名前は何と仰るのですか?」
すると皇太子殿下は嬉しそうに名前をしゃべり出した。
「うむ、ファーレンハイト男爵家令嬢ラミディア殿だ」

リヒテンラーデ侯は思わず天を仰ぎたくなった。選りに選って寵姫計画のターゲットが陛下ではなく殿下に見初められたのだから、しかもブラウンシュヴァイク公爵の妹だ!この事が決まれば、リッテンハイム侯辺りが文句を言ってくるのではないか?

しかし、リッテンハイム侯はグリューネワルト伯爵夫人の後見人だ。それならば寵姫として送るより、遙かに権限の大きい皇太子妃の方が良いのでは無いかと。リヒテンラーデ侯の灰色の脳細胞は年にもかかわらず、冷静に計算を行い続けて結論を出し得た、此は好機だと。

皇太子殿下の后が、ブラウンシュヴァイク公爵家から出れば、皇太子殿下の後見人はブラウンシュヴァイク公爵となる、此ならば皇太子殿下の後ろ盾が強力になり、ブラウンシュヴァイク公も娘のエリザベート殿を皇位に就けようとする野心すら無くすであろうと。

「皇太子殿下、ファーレンハイト令嬢のことならば臣も知っております、中々に優れた人物と評判です」
皇太子はそれを聞いて我が事のように笑顔で頷く。
「であろう、ラミディア嬢であれば、帝室の為にもなると思うのだ」

リヒテンラーデ侯が乗ってきたと思い、皇太子はラミディアの良い点を宣伝する。
「惑星開発であれほどの効果を上げる事や、商社の開発など目に冴える事ばかりをしているのだから」
「確かに才媛はマリーンドルフ伯のヒルデガルト嬢など多くの方がいらっしゃいますが、ラミディア嬢の様に実戦向きの方はいらっしゃいません」

「であろう、是非国務尚書に協力して貰いたいのだ」
リヒテンラーデ侯は、考える振りをして時間をおいてから。
「殿下、此処は暫しお待ちを、臣が陛下にそれとなくお伝えし許可を受けられるように致します」

その言葉を聞いて皇太子は明るい顔でリヒテンラーデ侯に礼を述べた。
「国務尚書、感謝する」
「お任せ下さい」

リヒテンラーデ侯は此は計画を変更して皇帝陛下の寵姫から皇太子妃殿下へと成るかも知れない、ラミディアにブラウンシュヴァイク公がどの様に話をするのかが気になっていた。

そして、此で銀河帝国の内乱の目が一つでも消えればと心から思うので有った。


帝国暦482年7月2日

■ブラウンシュヴァイク公爵邸

ブラウンシュヴァイク公爵の元にリヒテンラーデ侯が密かに訪ねて来た。
「此は此は、国務尚書殿、今回は何の用でしょうか?」
「ブラウンシュヴァイク公もお元気な事で、父上はご在宅かな」

オットーは失敗寸前の寵姫の話しだと察した。
「父は今参ります故、暫しお待ちを」
暫くすると前ブラウンシュヴァイク公爵エーリッヒが現れた。

「クラウス、どうかしたか?」
「どうもこうも無い、陛下が興味を示さん故、寵姫の計画は中止だな」
「しかし、それでは甚だ不味い」

ブラウンシュヴァイク親子とも困った顔をしている。
「いや、転機が来たのだ」
「転機?」

「うむ、転機だ。オットー殿、昨年の宴でラミディア嬢にフレーゲル男爵が絡んだ事があったそうだな」
「年末の宴でそう聞いているが」
「その時、何と皇太子殿下がその姿を見ていたそうだ」

その話にブラウンシュヴァイク親子は、それが原因で寵姫の話が潰れたのかという顔をする。
「嫌違うのだ、その姿を見た皇太子殿下が、ラミディア嬢を是非皇太子妃にと昨日、儂に相談してきてたのだ」
「なんと、それでは、陛下の興味を引かずに、殿下の興味を引いた訳か」

「そうなるな。陛下は只単に金髪が好きなようだから、エリザベート・フォン・ハルテンブルグを寵姫にしたのであろう」
「してどうするのだ?」

「儂の見る限り、殿下は本気だな。儂に養父になってくれと頼んできたぐらいだ」
「なるほど、そうなると全面的にブラウンシュヴァイク公爵家でバックアップしラミディアを皇太子妃にする事にいたそう」
「そうだな、それが良いかも知れん」

「オットーよ、ブラウンシュヴァイク公爵家の全力を持って皇太子殿下とラミディアの身辺を守るのだ」
「判りました。父上」
「クラウス、卿も頼むぞ」
「判って居るわ」



帝国暦482年8月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ  フリードリヒ4世

エリザベートが婚約者を兄たちの保身のために失い悲観しているとグリンメルスハウゼンより聞いた時、儂はエリザベートを不憫と思い、後宮へと招く事にした。それ以前はアンゲリーカの悪行で国務尚書とブラウンシュヴァイクが、新たな寵姫を送り込もうとしておったが、あの娘は思案、行動力などを考えるに儂の後宮へ入るなど勿体なさ過ぎる娘でな。

エリザベートのような娘は後宮に入っても良いが、ラミディアは実力を発揮できる場所こそ相応しかろうと思い、宴でも素っ気なくしたのだ。しかし最近、ルードヴィヒがあの娘を気に入ったらしく、国務尚書に相談を持ちかけてきた。

あの娘は、ファーレンハイト男爵の子とされておるが、実際は前ブラウンシュヴァイク公の第三子だと、グリンメルスハウゼンが調べて来おった。儂の寵姫では、出来る事が無くなってしまうが、ルードヴィヒならば、あの娘の才能を充分に使えるはずで、儂としても許す気になった。

エリザベートを後宮に迎えたのは、アンゲリーカが良からぬ企みをしておるの事への牽制でもあるのでな、あの者がルードヴィヒに何かする前に、新寵姫で行動を出来辛くする計画なのだ。無論エリザベートやルードヴィヒやラミディアに危害を加えられないように、グリンメルスハウゼンに命じておるがな。

此からは、ルードヴィヒと共に歩んでくれるかも知れない、あの娘に期待したい物だ。ルードヴィヒは知らんが、孫ごと皇太子妃を暗殺されておるから、確りと守らせねばならん、ブラウンシュヴァイクもその旨は承知しておろう。

さて国務尚書とブラウンシュヴァイクがルードヴィヒと共に拝謁するとの事だ、そろそろぼんくら皇帝に相応しい態度に改めねばならん、ワインを掻っ込んで酔った振りも大変だが、此も儂の帝国の行く末を悲観した上の演技だから今更改める訳にも行くまい。

 

 

第17話 知らぬはラミディアばかりなり

第17話 知らぬはラミディアばかりなり

帝国暦482年8月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間控え室 ルードヴィヒ・フォン・ゴールデンバウム

ラミディアを皇太子妃にとリヒテンラーデに頼んだ結果、本日父上に拝謁する事に成ったが、拝謁室控えの間には何故かブラウンシュヴァイクまでが先に待っていた。私は余りこの男が好きには成れないのだが、一応アマーリエの夫だから嫌な顔をせずに話はするが、選りに選ってこの日に会うとな。

この男の事だ、ラミディアのことを聞けば、エレーヌの時のように又ぞろ、“寒門出身者は皇太子妃として相応しくない”と言われるであろうな。その後はブラウンシュヴァイク一門から皇太子妃を迎えろと言うに違いない。

本来であれば何処かへ行って欲しいのだが、義兄弟とあれば嫌とは言えんがこのタイミングで一緒とは、誰かが漏らしたので有ろうか。リヒテンラーデは喋るまいから、何処ぞの宮廷雀のお喋りであろうか。願わくば、ラミディアに害無きようにしたいものだ。

「皇太子殿下にはご機嫌麗しく」
先ほどまでご機嫌麗しかったが、卿と会ってご機嫌麗しからずになった。しかし挨拶ぐらいはしないといけないのが公人としての辛い所よ。

「うむ、ブラウンシュヴァイク公も息災なようだな」
「御意」

まあ父上との謁見は私が入室すれば此奴とは顔を合わせずに済むからな。後は父上と共に謁見の間に居るリヒテンラーデとの共闘だ。昨夜から確りと父上を説得する理論武装をしてきたからな、その為には父上の女遊びの激しさも目を瞑る気持ちもあるぞ!

さて時間か、侍従が私を呼びに来た。さあ父上覚悟して頂きますぞ。


帝国暦482年8月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間控え室 オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク

父上とリヒテンラーデ侯に示唆され、皇太子殿下とラミディアの交際についてブラウンシュヴァイク公爵家として全面的にバックアップするよう密かに根回しを続けてきたが、いよいよ今日、殿下が陛下にお許しを得るために謁見なさる。

我が家でもアマーリエが殿下が独身であるのを心配し色々と縁のある令嬢を見繕い始めていたが、余りそれが外に判ると、又ぞろ皇帝陛下の寵姫騒ぎのように有象無象の輩が良からぬ事を企むやも知れんから、父上と共にアマーリエにはそれとなく止めるように頼んで何とか納得して貰ったが。

最初はアマーリエは『弟の幸せのために姉の(わたくし)が動かないでどうすれば良いのですか!』とヒステリックにやり込められそうになって、仕方なく殿下に意中の方がいらっしゃるらしいが、今は未だ陛下にもご報告していないため、表には出せないと納得させたが、ハッキリ言って胃が痛かった。

殿下も私の事をリッテンハイムと同じ穴の狢と考えて居るようで、一緒に居ても胡散臭く見られているが、愚かな甥のフレーゲル達が我が家の権勢を当てにして馬鹿な事をする度に我が家に泥を塗る事に気がつかぬから頭が痛い。

あれも不憫な者で早くに我が妹の夫である父親を失い、男児の居なかった私は、厳しく躾けようとした妹の目を盗んで甘やかしてしまったからな。しかし、最近の言動は目に余るものが出てきている、少しは是正させねばならんだろう、何れはブラウンシュヴァイク公爵家を背負う可能性すらあるのだから。

殿下から胡散臭く見られているのも、フレーゲル達がエリザベートを皇位継承者に擬しているのも原因だからな、全く頭が痛い。皇太子殿下とラミディアに男児が出来れば、あの者達も大人しくなるであろうし、ブラウンシュヴァイク一門も皇太子殿下を全面的にバックアップするのであるから、結果的にブラウンシュヴァイク公爵家の地位の安定に繋がり、銀河帝国の安定に繋がるのあるから、本日の謁見是非に成功させねば成らん。

殿下が先に呼ばれたな、リヒテンラーデ侯との話し合いで、暫くしたら私が入室する事に成っているのだからな。さてそろそろ私の出番か、事実を知った殿下がどう思うで有ろうか。ラミディアを忌諱するであろうか、それだけが心配だが今更悩んでも始まらんな。


帝国暦482年8月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間 クラウス・フォン・リヒテンラーデ

いよいよ陛下と殿下の謁見じゃな、陛下にはお知らせはしているから、齟齬は無かろうが問題はラミディア嬢がファーレンハイト男爵家令嬢ではなく実はブラウンシュヴァイク公爵家令嬢であると言う事だ。陛下は御納得しておられるが、今ひとつブラウンシュヴァイク公に胡散臭さを感じている殿下はその事を聞いたら、ラミディア嬢の皇太子妃を諦めるやもしれんが、そうなれば又有象無象の者達が蠢くであろう。

しかし、殿下の仰ったように儂の養女として痛くもない腹を探られるのも御免じゃし、返ってラミディア嬢の皇太子妃への道を有象無象の輩に邪魔されるじゃろう、全く難儀な事と言えるの、しかし此処が正念場じゃ気を引き締めて旨く行くように頑張るしか有るまい。


帝国暦482年8月1日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 謁見の間

「ルードヴィヒ、よう来た」
「皇帝陛下にはご機嫌麗しく」
「そちも元気そうで何よりじゃ。今日は何用じゃ?」

皇帝の言葉に些か緊張した顔の皇太子が意を決した様に答え始める。その姿を見ているのは事情を知っているリヒテンラーデ侯と事情を知らないクラーゼン元帥であった。リヒテンラーデ侯は子細を知る以上殿下の緊張もよく判るのであるが、何も知らないクラーゼン元帥は殿下の緊張感をさほど感じても居ないようであった。

「実は、私はこの度、新たな后を迎えたいと思いました」
「ほう、そちの眼鏡に叶う令嬢が見つかったか、してそれは何処の娘じゃ?」
知っているにもかかわらず、興味のあるように皇太子に質問する陛下は相当な狸である。

「はい、ファーレンハイト男爵家令嬢ラミディアと申します」
「ふむ。男爵家では皇太子妃として相応しき身分とは言えぬのでは無いか?」
「その様な事はございません。陛下もラミディアの為人をご覧になれば御憂慮もお消えになるでしょう」

此処で皇帝に拒否されたら困るため皇太子も必死でラミディアの良い点をアピールする。
「ふむ。確かに以前の宴で会った事があるが、聡明そうな娘であったな」
「でございましょう、それで国務尚書に頼んで養女にし、リヒテンラーデ侯爵家令嬢として入内させたく存じます」

「国務尚書、その様にしたとして他の者達が騒ぎ出すのではないか?」
リヒテンラーデ侯は皇帝の言葉にそろそろブラウンシュヴァイク公を呼ぶ時期と判ったようでその様な返答を行う。

「陛下、ファーレンハイト男爵家についてブラウンシュヴァイク公が言上したき事があるそうに御座います」
「そうか、ではブラウンシュヴァイクを呼ぶがよい」
「御意」

その言葉に皇太子は些か嫌そうな顔をしたが、陛下の面前で拒否するわけにも行かないために何も言う事がなかった。

暫し待つとブラウンシュヴァイク公が謁見の間へ案内されてきた。
「皇帝陛下にはご機嫌麗しく」
「うむ、公はファーレンハイト男爵家について何か話があるそうじゃが?」

ファーレンハイト男爵家の赤貧さをアピールしラミディアの皇太子妃への道を潰すつもりかとの皇太子の考えとは全く違う話しであった。

「はい、身内の恥をさらすわけでは御座いませんが、我が父エーリッヒには以前メイドに手を出し子が出来た事が御座います」
「なんと、あのエーリッヒがのー、真面目だと思うたが、あの者も男であったか」
自分が思っていた話しと違い、そんな話しをしている皇帝とブラウンシュヴァイク公を呆気に取られながら皇太子は見ている。

「そのメイドはファーレンハイト男爵家の令嬢で御座いましたが、妊娠後実家へと宿下がりの後娘を出産後に身罷りました。その為に我が家で育てるにも不憫で男爵夫妻が育てる事と成りました。この度その娘を我が家にひきとる事と相成りました」

その言葉に皇太子の表情が変わった。
「ふむ、ファーレンハイト男爵家令嬢と言えば、3名おるはずじゃが、してだれ何じゃ?」
「はっ、次女のラミディアと申します」

「公爵、それは本当であろうか?ラミディア嬢がブラウンシュヴァイク公爵家の娘というのは?」
驚いた皇太子が陛下の御前であるにも係わらず、ブラウンシュヴァイク公に詰め寄る。

「事実に御座います。恐れ多くもラミディアの事を殿下が后にお求めなのも判っておりますが、リヒテンラーデ侯爵家養女では五月蠅い貴族に何かと危害を加えられるやも知れません。しかし我が家の娘と知れば手を出すような馬鹿はよほどの者しか出ない事でありましょう」

「皇太子妃がブラウンシュヴァイク公爵家令嬢であれば、他の貴族も納得したしましょう。殿下のお気持ちは家柄で変わるので御座いますか?」

皇太子は、ブラウンシュヴァイク公の言葉にリヒテンラーデ侯がフォローをするに至ってリヒテンラーデ侯と先代ブラウンシュヴァイク公が親しい事を思い出した、全て知られた上での今日であったかと、しかしブラウンシュヴァイクは自らの娘の栄達を望んで居たのではないのかと。

しかしよくよく思い出してみれば、ブラウンシュヴァイクの取り巻きが騒いでいるだけではなかったかと。それに例えブラウンシュヴァイクの娘であろうと、ラミディアの聡明さは得難い事だと考えて居た。

「いや、そうは言わない。私が一目見て惚れたのは、ラミディア嬢の聡明さ剛胆さだ、例え何処の家の生まれであろうとも私の心は変わらない」
皇太子のその言葉に皇帝は頷き、リヒテンラーデ侯とブラウンシュヴァイク公は目配りで安堵を示していた。

「皇太子の言や良し、ルードヴィヒの后にラミディアを迎える事を予は許可しようぞ、ルードヴィヒ、予はそちの見識を嬉しく思うぞ」
「陛下」

「陛下、殿下。ブラウンシュヴァイク公爵家は皇室の藩塀として誠心誠意お仕え致します」
「頼むぞ、オットーよ」
「御意」

皇帝の言葉は皇太子とブラウンシュヴァイク公を家族として名前で呼んで協力を確認するが如くであった。

この日、ゴールデンバウム王朝第36代皇帝フリードリヒ4世嫡男ルードヴィヒ皇太子の妃にラミディア・フォン・ブラウンシュヴァイクが入内する事が決まったが、その発表は今暫く後の事と成るのである、此はラミディアに本当の事を教える時間と、グリューネワルト伯爵夫人対策などを行うための時間が必要だったからである。



帝国暦482年8月1日

■オーディン ファーレンハイト男爵邸

取りあえず雨漏りとガラスを直し普通の屋敷になったファーレンハイト男爵邸では、ラミディアが皇帝と皇太子達が自分を皇太子妃にする話しをしていると夢にも思わずに、ブラウンシュバイク公の口利きで販路を開いたレアメタル輸出による利益で惑星農地開発の資材購入の見積もりを見ながらラインハルト達と喧々諤々していた。

「やっはり、フェザーン産だと質が良いんだけどねー、しがらみで帝国産も一部は買わないと駄目だし」
「そうなると、率的に3対2ぐらいで行くしかないのかな」
「んー、キルヒアイス、それだと資金的に無駄が多いよ」

「ラインハルトは言うけどさ、貴族社会は結構付き合いが大事なんだよね」
「それは判るけど、くだらないよなー」
「ラインハルト、何れ社会に出れば、否応なしに社会の荒波に揉まれるんだからさ」

「キルヒアイスは、人付き合いが上手いもんな。俺なんか下手だから喧嘩になっちゃうよ」
「アハハハ。そうだよね、ラインハルトは睨んじゃうのが欠点だよー」
「そうかな、気を付けるとしよう」

「しかし、フェザーン産だけでやると、万が一の時に困るんだよね」
「それは?」
「例えば、フェザーンがダンピングして帝国の同種の資材生産を出来なくさせた後で、いきなり値上げとか、供給を搾るとかされたら、目も充てられないね」

「なるほど、商売だからそれもあり得るわけですね」
「汚い手だが、理にはかなっているな」
「そうなのよ、だからこそ、供給元は分散しておくのが良いわけだよ」

「そうなると、此方でも商社を作った方が良くないかい?」
「じゃあ、ラインハルトとジークがやってみる?ミューゼル商会なんか良さそうだよ」
「未だ未だ、我々じゃ未熟だよ、未だ勉強する事が必要だし」

「それなら、大学行って経営学を学ぶのも良いかもしれないよ」
「なるほど、確かに有効的ですね」
「商科か、面白いかも知れないな」

この様な話しをしながら楽しそうに3人は未来へのビジョンを語るのであった。
 
 

 
後書き
フレーゲルの両親の話が矛盾して居ましたので変更しました。 

 

第18話 何でこうなった!??

 
前書き
お待たせしました。暁移転最初の更新です。

天災は態とです。誤字じゃありません。


ブラウンシュヴァイク公の回想が第11話と矛盾していますが、前後の話が有って、記憶がごっちゃに成って居るとお考え下さい。 

 
帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

最近何故か社交界へ呼ばれることが多く成った私です。どうも極貧生活からいきなり豊かになった我が家の秘密を知りたいらしく、しきりに我が家へアポを取ろうとしているのが真相のようでして、自分らの政策失敗を何とか出来ないかと思っている様なんですけど。

所謂、地道にやれば儲かる事業も一発勝負でハイリスクハイリターンに賭けるから失敗すると言う事を判っていらっしゃらない方が話してみて多いことが判りました。【やっぱこの世界の貴族って「バカバッーカ」Byルリルリ】です。

あ゛ー!
『失敗したら平民から搾り取れば良い』『皇帝陛下から御見舞金を下賜して頂けばいい』
はぁ!アホか!!
おめーら自分のケツも拭けないのか!!と言いたいが、ぐっと我慢。何と言っても金は出来ても我が家は弱小男爵家、そう何回もブラウンシュヴァイク家のお世話になるわけにも行かないわけですし。

しかし、よくもまあブラウンシュヴァイク家も手伝ってくれるもんだ。それなりに領地開発のアドバイスとかはしてるけど、それ以上に良くしてくれるのは、アニメで見た尊大で自己中心的なブラウンシュヴァイク公と違って、変に感じてしまうのですけど、最初は愛人にでもする気かと疑ったけど。そんな素振りは全く無いから、平行世界のブラウンシュヴァイク公なのかも知れないと最近思うことにしたのです。

まあフレーゲル男爵やリッテンハイム侯爵はアニメのまんまの性格っぽいけど、些細なことと言えるんだろうな。だってエルウィン・ヨーゼフが未だに生まれてないって言うか、流産で母子共に死亡っていったいどう言う事なんだと、聞きたいもんだと思うんだが、皇太子が健在だからきっと別の女性が生むんだよね、此も歴史が変化しているんだろうかと数日考えてみたが結果が出ないので諦めたー!

しかし、宴へ招待されるのは、自分がメインという状態で、普通なら姉さんが行くのが正しいんだろうけど、姉さん曰く面倒臭いから行かないとの事、まあ呼ばれるのが私宛ばかりなのでそれも仕方が無いといわれております。

ラインハルトとジークにその事話したら『天災を見てみたいんじゃないか』とか、『留守の間の事務は任せてね』と笑いながら言う始末。ちょー!其処は嘘でもねぎらって欲しいんだが、阿吽の呼吸で漫才状態、あれが本来のラインハルトとジークの姿なんだなーっと思えるよ。

それで、今日はブラウンシュヴァイク邸へ呼ばれて来ています。思いっきりおめかししろと言われたけど、適当なドレスと化粧をしています。だって瑞々しいピチピチのお肌は無添加の方が良いじゃないですか、だからナチュラルメークで来ています。

行って直ぐに公爵、公爵夫人、公爵令嬢とご挨拶、最近では向こうから話しかけてくれますけど、皇女殿下に皇太孫殿下ですから、気位も高かろうと思うんですが、いやはや期待を裏切られました。アマーリエ皇女殿下は気さくな方でにこやかに接してくれますし、エリザベートさんは積極的に話しかけてくれます。まあ話は御茶とか香水とかの貴族令嬢の必須科目の話なんですけど、ハッキリ言ってあんまり判りませんので、知ってる限りの知識で相づちうちながら話をしています。

「ラミディアさん、ようこそブラウンシュヴァイク家へ、心より歓迎しますわ」
「エリザベート様、丁重なご挨拶ありがとうございます」
「ラミディアさんのお使いになっている、香水はどちらの制作ですか?」

えっエリザベートに聞かれたけど、日本で言う所の100金で買った品だから、強いて言えばダ○ソーか?けどそんな事言えないしなー。

「単なる市販品の安物です」
「まあ、それはいけませんわ、私が何か見繕って差し上げますから」
本当は、おかまい無く何だけど、断ると角が立つから大変。

「はい、何れ」
「ええ、楽しみですわ」
「はぃ」

エリザベートの攻撃にラミディアはMPに400のダメージ!って声が聞こえた気がする。結局暫くエリザベートに引きずられる形になったわけだけど、この後の衝撃に比べたら全然平気なことだったわけでして・・・・・・・・・何でこうなった!??



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ヨアヒム・フォン・フレーゲル

今日は、ブラウンシュヴァイク家にとって大事な発表が有ると、親族一同や叔父上が特に親しくしている貴族を呼んでの宴なのだが、何故かあの小娘が参加しているのを発見してしまった。ラミディア・フォン・ファーレンハイト、この所、オーディンはおろか帝国全土にも名を馳せ始めた小娘だ!

あの小娘は平民にも劣る生活しか出来ない、門閥貴族の恥さらしの家を僅かな期間で帝国でも指折りの富豪に仕立て上げた恐るべき才覚の小娘だ。その為に帝国貴族達は財政の再建為のアドバイスを受けるために、小娘にアポを取ったりしている。

まあそれならば、別に才覚の優れた女性は晴眼帝マクシミリアン・ヨーゼフ陛下のジークフリンデ皇后の様な御方もいらっしゃったのであるから、不思議ではないのだが、あの小娘は、よりによって叔父上に色目を使い愛人にでも成ろうと画策しているらしいのだ!

叔父上がその様な小娘に騙されるわけも無いが、それでも頻繁に宴へと呼び、支援を行うなどをしている。このままで行けば、私の危惧が現実になるかも知れない。それはアマーリエ皇女殿下が叔父上との離婚をするかも知れないと言う事だ。

そうなっては甚だ不味い。ブラウンシュヴァイク家が一気に陛下の忌諱を浴びるやも知れない。そうなっては、エリザベートの婿になり、次期ブラウンシュヴァイク公爵、或いはエリザベートが次期皇帝になれば、女帝夫君として帝国を牛耳る事が出来なく成るではないか。その為にはあの小娘を傷物にしてでも叔父上の愛人にしない事だ。

幸いコルプト辺りはあの小娘に興味が有るようだから、ここの所違う取り巻きを使って嗾けているから、直ぐに襲うだろう。襲っても叔父上に罰せられるのはコルプトだからな、あんな蝙蝠はこんな事のためにつきあっているのだからな。善は急げと言うものだ。今夜にでもコルプトが襲うかも知れない、フッ、小娘よ精々良い声で鳴くんだな。



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク

遂にこの日が来たか。実に長かった。思い起こせば、父上からあの子の事を聞いたことが昨日の事のように脳裏に浮かぶが、些か色々なシーンがごっちゃに成って居るな。あれはリヒテンラーデ侯が先であったか?まあ余りに忙しく忘れてしまったわ。

『オットー』
『どうなさいました、父上』
頭を下げる父上に違和感を覚えながら儂は話を聞いた。

『実は、有る貴族を助けてやって欲しい』
『父上がお気になさる貴族とは何方ですかな?』
『ファーレンファイト男爵家だ』

『ファーレンファイト、ファーレンハイトと言えば、最近リッテンハイムとヘルクスハイマーがちょっかいを出していますな』
『そうじゃ、惑星資源の横取りをされそうでな』
『しかし父上とファーレンファイト家にどの様な繋がりが有りましたかな?』

あの時の父上のしどろもどろな姿は今でも目に浮かぶな。あの厳格な父があの様な姿をするとは、滑稽であったし。

『オットー、以前我が家に仕えていた、クラーラを覚えておるか?』
『クラーラですか、んーんー、ん?もしやファーレンハイト家の娘でしたかな?』
『そうじゃ、そのクラーラじゃ、その娘が困っておるのでな』

『しかし父上、たかだかメイドの為に何故その様な事を?単なるノスタルジーでリッテンハイムと事を構えることなど出来ませんぞ』
直ぐに父上が更に困った顔をし始めたのだよな。

『オットー実はお前には更に妹が1人おるのだ。そのクラーラと儂の子が』
『なんですと!クラーラが我が屋敷に居たのは確か14年ほど前、私がアマーリエと式を挙げたころですな、そう言えばいきなりクラーラが宿下がりしたのは結婚でもするのかと思っていましたが、出産の為だったとは』

『クラーラは産後の肥立ちが悪く、子を残して逝ってしまった』
『では、その子はいまいかに?』
『ファーレンハイト男爵が実子として育てている』

『なるほど、我が子の危機にせめてもの救いをと言う訳ですか』
『それもあるが、此を見てくれ』

そう言いながら、父上は私に立体ディスクから映像を見せてくれたが、その子、ラミディアの特異性を見た瞬間、この子こそ天賦の才を持っていると感じたのだ。その後はリヒテンラーデ侯、父上と共に3人で動いてきた。結果紆余曲折はあったが、皇太子殿下に見初められて皇太子妃として求められている。

そして今日、ラミディアを我がブラウンシュヴァイク公爵家へと迎え入れる日と成った。此ほど嬉しい事はない。妻も娘も既に話してあるので、後は一族郎党に発表するだけとだ。無論だがラミディアには話していないが、それもサプライズで良いであろうと、アンスバッハ達の提案だが、此は恐らくフェルナーの考えであろう。さあ壇上へ上がるとするか。



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

それぞれの思いが交差する中、オットー・フォン・ブラウンシュヴァイクが壇上に立った。
「皆、暫し儂の話を聞いて貰いたい」
その言葉に談笑していた人々が一斉に壇上のブラウンシュヴァイク公爵を見る。

「今宵は、皆が集まってくれて嬉しく思う。さて今宵の宴の趣旨を教えなんだが、今より話す事を良く聞いて貰いたい」
皆が皆、何が起こるのかと想像しながら話を待つ。

「我が家に新しき家族が増えることと成った」
その言葉にアマーリエ夫人が妊娠したものだと考えた者達が“おおっ”などの歓声を上げ、口々に公爵や夫人にお祝いを言おうとし始めるが、その動きは公爵の一言で止まった。

「儂に妹がいる事が判ったのだ」
妹という言葉に驚く出席者達、一部のものは“前公爵もお盛んな事だ”とヒソヒソ話をしたりしている。
「公爵、妹御と言いますと、エーリッヒ様のお子様ですか?」

アンスバッハが仕込み通りに質問をしてくる。
「そうだ、父上の三女と言う事に成る」
「おお、それはおめでとう御座います。してその御方は?」

「うむ、その子は、ラミディア・フォン・ファーレンハイトと今は名乗っているが、間違いなき我が妹だ」

「えーーーーー!!」と言う。ラミディアの声が館に響いていた。

そして、「やばいー!!!」と慌てるフレーゲル男爵の姿も見られた。 

 

第19話 フレーゲル混乱する

 
前書き
お待たせしました。今だ宴から抜け出せません。

ラミディアもフレーゲルも慌てまくりです。 

 
帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ラミディア・フォン・ファーレンハイト

ご飯を美味しく頂いていたら、ブラウンシュヴァイク公が壇上に立った。
「皆、暫し儂の話を聞いて貰いたい」
その言葉に談笑していた人々が一斉に壇上のブラウンシュヴァイク公爵を見るから、私も招待されている以上は見ないと失礼にあたるし見ないとですよね。

「今宵は、皆が集まってくれて嬉しく思う。さて今宵の宴の趣旨を教えなんだが、今より話す事を良く聞いて貰いたい」

何を言うのか、原作潰したから全く思いつかないや、クロプシュトック侯とかの事件も違うし、ましてやココア閣下やラインハルトが居るわけでもないから、リッテンハイム侯に対抗して、貴族の連携を高めるとかぐらいかな。

「我が家に新しき家族が増えることと成った」

へー、あのオッさんアマーリエ様が怖いから浮気は出来ないだろうから、きっとアマーリエ夫人が妊娠したんだな、此処まで原作が壊れているとは、最早銀英伝じゃないかも。ヤンがどうなって居るのか知りたいよ、案外エル・ファシルで捕虜になってたりして。そうだ同盟軍のこと殆ど調べて無いや、帰ったら伝手を使って同盟軍の事を調べてみよう。

「儂に妹がいる事が判ったのだ」
ありゃ、公爵の子供じゃなくて、前公爵の隠し子か、やっぱ貴族様には居るんだ、家には関係無いけど。
「公爵、妹御と言いますと、エーリッヒ様のお子様ですか?」

アンスバッハさんも、渋い声で合いの手打つように質問しているな、あれ絶対仕込んでるよ。フェルナー辺りが嬉々として台本書いて演技指導してそう。それにしても、ブランシュヴァイク公爵の姉妹なんて原作にもOVAにも出てこないから、まあ話に入るようなキャラじゃ無かったんだろう。

「そうだ、父上の三女と言う事に成る」
「おお、それはおめでとう御座います。してその御方は?」

「うむ、その子は、ラミディア・フォン・ファーレンハイトと今は名乗っているが、間違いなき我が妹だ」

一寸待て!!ブランシュヴァイク公は何と言った????聞き間違えだよね。
ラミディア・フォン・ファーレンハイトって言ったような気がするが、そんな事はない、絶対に無いはずだ!って言ってる側から、シュトライトさん何故ここに来る?そして何故そんなに丁重なお辞儀をしてくるんですか????

「ラミディアお嬢様、公爵がお待ちです、壇上までお越し下さい」
まて、シュトライト中将、何を言っている、違う中将じゃない!!落ち着け落ち着くんだ、まずは深呼吸を、ヒッツ・ヒッツ・フーってラマーズ法じゃないか!聞き違えだ、シュトライトさんに再度確認だ、ホウレンソウが大事って違う!!!

「シュトライト大佐、つかぬ事をお伺いしますが、公爵様が私にいったいどの様なご用件ですか?」
さああ、シュトライト大佐、悪戯者フェルナーのドッキリだと言ってくれ!!
「御聞こえに為らなかったのであれば、今一度お伝え致しますが、ラミディア様がブランシュヴァイク公爵家の第3公女であることは間違いない事実で御座います。公爵様もお待ちで御座いますので、お願い致します」

ウギャー、なして、なして、私がブランシュヴァイク公爵家の子供なんですか????私はファーレンハイト家の子供でしょうに、橋の下から拾ってきたんですか?貧乏男爵が子供拾うわけが無いじゃないですか、それともお母様が浮気して出来たとか、それだったら家族不和だ!!!

「御混乱なさっているのは重々承知で御座いますが、今日の宴の目的はラミディア様のお披露目で御座います」
「えーーーーー!!」

そのまま、シュトライトさんに連れられて、壇上へ行くはめに為りました。何が何やらさっぱりだ!!



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸  ヨアヒム・フォン・フレーゲル

ラミディア・フォン・ファーレンハイト、確かに伯父上はそう言った。あの小娘が、伯父上の妹だと。お爺様の娘で、伯父上の妹と言う事は、母上の妹と言う事にも成る。つまりは、叔母上と言う事に成るのではないか!

伯父上のお戯れ言ではないことは、此ほどの人を集めた宴で、しかもアマーリエ様、エリザベートも参加しているのだ、その上伯父上自らが満面の笑みで叔母上の名前をお呼びになり、妹であると宣言した事でも判る事だ。此は伯父上はおろか、アマーリエ様もまた、叔母上の存在をお認めに成られた証拠、それに自分は伯父上とは幼き頃よりの仲、伯父上の儀式の際の作り笑顔と違い、今の笑顔は心から喜んでいる笑顔だと判る。

つまりは、ラミディア・フォン・ファーレンハイトがブランシュヴァイク公爵家へ迎え入れられることは、皇帝陛下すらご存じの可能性が高い、どうしたら良いのだ。その上、こんな大勢の中でのカミングアウトだ、つまりは、ラミディア・フォン・ファーレンハイトという存在が、ブラウンシュヴァイク公爵家にとって、非常に重要な存在で有る証拠だ。

もしかしたら、リッテンハイムが後見しているグリューネワルト伯爵夫人の対抗馬として皇帝陛下の後宮に入内する為に呼び戻したのかも知れない。不味い不味すぎる!このままあの小娘、いや娘、いやいや、叔母上をコルプトなんぞが襲いでもしたら、伯父上どころか、お爺様も怒髪天で怒りまくるはず、さらには皇帝陛下の御不興を得る可能性も。

あわわわ、コルプトは馬鹿だから、真っ正直に襲うかも知れない、不味い不味い!!

どうしよう、どうしよう、自分でも冷や汗が流れ始めるのがよく判る。このまま叔母上が傷物にでも成ったら、コルプト自身どころか、コルプト子爵領も間違いなく、伯父上の私兵軍により銀河から消え去りかねん。それなら別に構わんのだが、更に伯父上の事だ、アンスバッハ達に命じて、背後関係を探るに違いない、そうなれば自分が示唆した事が、ばれる可能性が、あわわわ、不味い、このままでは、伯父上とお爺様に殺されかねん。どうしたら良いんだ!

全財産持ってフェザーンへ逃げるか、いや、それは、銀河帝国開闢以来の続くフレーゲル男爵家当主としての誇りが許さない。此処は抜け出して、コルプトに連絡し作戦中止を命じるしかない、いや、それを自分が言ったら、叔母上襲撃計画の立案者として、此も又、伯父上に殺されかねん。

うがー、どうしたら良いのだ。名誉ある死なら望むところだが、阿呆の巻き沿いの犬死には御免だ!

「ヨアヒム、ヨアヒム」
なんだ、自分は考えているんだ、それに名前を気安く呼ぶなど失敬な。
「ヨアヒム、どうしたのです?」

今度は肩を揺すられた、五月蠅い奴だ。いったい何処の誰だ!
「ヨアヒム、お兄様の所へ挨拶に行くわよ」
「は、ははは母上」

其処には我が母、ヘンリエッテ・フォン・フレーゲルの姿が有った。
「どうしたのです。ヨアヒム、青くなったり、顰めっ面をしたり、ブツブツと独り言を言って、我が妹が増えたのです、喜ばしいことなのですよ。早くお父様と、お兄様の所へ行きますよ」

「母上、いやその、少々気分が優れません、飲み過ぎたようで」
此処で、伯父上の所へ行くのは不味い不味すぎる。此処は、別室へ下がらせて貰い、対応策を考えなければ。
「何を言っているのですか!ブランシュヴァイク公爵家に、新たな家族が増えるのですよ。ましてや男児である、貴方が顔を出さない事には示しが付かないでしょう!」

母上が、怒り出した。普段は大人しい母上だが、家族の事となると、人が変わる。やはりご自分も妾の子という事も有るだろうな。我が母ヘンリエッテはお爺様が年若い行儀御見習いに来ていた男爵家令嬢に手を出して生ませた子だ。従兄弟のシャイド男爵の母上と双子であった。そのせいか、母上達は幼い頃は隠されて育てられたそうだ、その後それぞれ、下げ渡されるように一男爵家に嫁がされた。本来であれば、公爵家令嬢の婚姻先は皇室、高位貴族になるのに、そうでなければ、公爵家令嬢が男爵家に嫁ぐはずが無いではないか。

「母上、ラミディア殿の事ですが、如何様にお考えで」
「あら、ヨアヒムは、気になるのかしら?凄く可愛い子ね、でも叔母さんに欲情したら駄目ですよ」
「母上、そう言う事では無く、いきなりの妹が出来たことに驚かないんですかと言う事です」

「父上ならあり得ると思っていたから、別に驚かないわ」
駄目だ、逃げ道が見つからん。このままでは本当に命の危険が、死刑台に登る囚人の感情とはこの様な物なのかと考えなければならないとは、大神オーディンよ助けてくれ!!ロキでもいいから、助けてくれ!!



帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸

ラミディアが壇上に上がると、ブランシュヴァイク公が、目に涙を浮かべながら、抱きしめてきた。
「ラミディア、我が妹よ、苦労かけたな。今日からは我がブランシュヴァイク公爵家一門がラミディアの味方だ、本当に嬉しいぞ」

大げさに見えるが、その言葉に嘘偽りのない様にラミディアが感じる程である。
「ラミディアさん、アマーリエですわ、貴方のご帰還を心よりお祝いします」
「ラミディアさん、叔母さんって呼ばないとですね」

アマーリエ、エリザベートも満面の笑みでラミディアを迎え入れる。
更に、前ブランシュヴァイク公エーリッヒも現れ、ラミディアに話しかける。
「ラミディア、我が娘よ、すまんかった。お前とお前の母クラーラを捨てた、儂を許してくれ」

前公爵が頭を下げる姿を多くの参加者が驚きを持って見ている。そして悟った、ラミディアは嘸や身分の高い人物へ嫁ぐのではないかと、そうでなければ、門閥貴族筆頭とも言えるブランシュヴァイク公爵家が、一庶子の為に此ほどの宴をするわけがないと。

早速彼方此方で、ラミディア嬢の嫁ぎ先は何処に為るのであろうかと、ヒソヒソ話が始まっていた。

それを聞きながら、フレーゲルは従兄弟であるシャイド男爵と共に青い顔をしながら震えていた。2人は母親が双子と言うだけでなく、シャイド男爵の両親が早くになくなり、フレーゲルの母が育ててきた事も有り非常に仲の良い従兄弟であった。

「フレーゲル男爵、不味い、あのことが明るみに出たら、身の破滅ですぞ」
フレーゲル男爵は必要以上に怯えるシャイド男爵を見ながら、平常心を保とうとワイングラスを持つが、小刻みに震えてワインが波打っている。

「直ぐに、あの馬鹿《コルプト》を止める様にすれば、大丈夫だ」
「本当でしょうか?」
「大丈夫だ・・・・・と思いたいが・・・・・」

「連絡は付けたのですか?」
「いや、抜け出せなくて・・・・・」
絶望感が2人に重くのしかかる。

「いっそ、我々が、叔母上を護衛して家に送り届けると言うのは如何ですか?」
シャイド男爵の言葉に光明が見えたフレーゲルは大いに喜び始める。
「それだ、シャイド男爵、素晴らしい考えだ。此で我々は救われる」

「しかし、我々が今までしてきた言動で、叔母上が警戒するかも知れないのが心配です」
「そうか、それがあるか」
フレーゲル達のしてきた事を考えれば、ラミディアが警戒する事の方が大きいことで、又暗雲が立ちこめ始める。

「しかし、実際に色々してきたのは、フレーゲル男爵ですから、私なら大丈夫かもしれません」
シャイド男爵が、全ての悪行をフレーゲルに背負って貰おうという感じで話し始める。
「それは、不公平と言うもので有ろう、我らは同じだ、此処は、潔く叔母上に今までの非礼を侘びで許していただこう」

「ヨアヒム、ハーラルトも居たのね、ご挨拶に上がるわよ」
フレーゲルの母の声で、我に帰った二人は意を決して壇上へと上がって行った。 

 

第20話 二次との遭遇

 
前書き
大変お待たせしました。

実に10ヶ月振りの更新です、最近体調不良等が重なり、詰まっておりました為、中々更新できませんでした。時期を見ておいおい更新して行く予定です。

今回の登場人物はazuraiiru先生のご許可を頂きました。先生ありがとうございました。 

 
帝国暦482年10月1日

■オーディン ブラウンシュヴァイク邸 

母親に急かされるように壇上へ上がりラミディアの前に進んだフレーゲル男爵は引きつった笑顔を見せながら挨拶をする。

「帝国男爵ヨアヒム・フォン・フレーゲルと申します。叔母上様にはご機嫌麗しく」
「帝国男爵ハーラルト・フォン・シャイドと申します。叔母上様にはご機嫌麗しく」

同じ様に挨拶するシャイド男爵だが、彼はごく普通の笑顔で挨拶している。何故なら『自分は関係無いのです、色々やったのはフレーゲル男爵です』と門閥貴族らしく責任逃れの理論武装をしているからである。

フレーゲルとシャイドの挨拶を受けたラミディアは叔母上の所で一瞬眉を動かしたが、至って冷静な態度で応対する。
「フレーゲル男爵、シャイド男爵、何時ぞやの宴ではお世話になりました」

ニッコリと挨拶するラミディアだが内心はあのフレーゲルが嫌みでも言うのかと思っていたところが、緊張しているのか気分が悪いのか青い顔で脂汗をかきながら作り笑いし挨拶してくるのを見て、叔母上の所では『お前より年下だよ!』と思いながらも大人の対応をしようと考える程に冷静になりつつあった。

「はっはい、叔母上と知らずにご無礼の段平にご容赦を」
尊大でプライドの塊のようなフレーゲル男爵が頭を下げる姿にラミディアは驚く。
「いえ、男爵も公爵の事を思ってこそと存じますから」

ラミディアも此処でフレーゲルと一悶着するよりはと、当たり障りの無いようにする。
ラミディアの受け答えに安堵した表情を見せるフレーゲル男爵。

そして、壇上には育ての親と言う事で密かに招待された、父アンスガー、母アリーヌ、伯父アーデルベルト、兄アーダルベルト、姉フェリシアの姿が現れた。

ブラウンシュバイク公爵家の様な門閥貴族トップの御屋敷での宴など、初めての事で緊張しまくる五人を親しく応対する、ブラウンシュバイク公爵の姿が印象的であった。

「ラミディアを今まで育てて頂き、真に忝ない」
先代ブラウンシュバイク公爵に礼を言われて、青くなったり赤くなったりするアンスガーであった。
「とんでもございません……」

「皆、ファーレンハイト男爵は、今話題の惑星新規開発の第一人者と言えよう、皆の所領の惑星で開発不能な物が有れば、話を聞いてみるがよいぞ」

オットー氏の宣伝に、“安請け合いしたら大変じゃない”とラミディアは頭を抱えたくなった。


ラミディアが、悪戦苦闘する中、壇上から降りたフレーゲル男爵とシャイド男爵は、トイレに行く振りをして、辛うじて電話室へ向かい、外で待機しているコルプト子爵弟に連絡する事が出来た。

「コルプト子爵、私だ、フレーゲルだ」
『フレーゲル男爵、宴が終わるのは何時ですか、そろそろ待ちくたびれたのですがね』
映像に映るコルプト子爵弟は暇そうにしている。

「それなのだが、緊急事態が起こった」
『なんでしょうか?』
言うべきか、言わざるべきかと思ったが、言わないと止められないとフレーゲル男爵は考え答える。

「ラミディア・フォン・ファーレンハイトは実は、私の叔母上だったのだ」
『はぁ?????』
映像に映るコルプト子爵弟は怪訝そうな表情で疑問顔をする。

「お爺様の隠し子だったんだ」
『…………』
驚いた様子のコルプト子爵弟。

「と言う訳で、襲撃なんぞしたら、それこそ我々の破滅だ、判ったな」
コルプト子爵弟も事態を把握したのか青くなり頷く。
『フレーゲル男爵、それは真で有ろうな?』

「真も真だ、お爺様、叔父上、御母上から直接お聞きしたのだから」
『判った、この件に関しては、誰にも言わない事にしよう』
「そうだな、そうしよう」

些か心配ではあるが、フレーゲルも此で済んだと思ったのであるが、まさかコルプト子爵弟が返す刀で、リッテンハイム侯爵の元へ、向かい、今回の隠し子騒動を伝えるとは夢にも思わなかったのである。所詮コルプト子爵家は蝙蝠で有った訳で、両家から信用されない家であったが、分別のつかないフレーゲル男爵は頼にも因って、一番仲間にしてはいけない人物を仲間に入れていたのである。





自分に対する、襲撃未遂事件が、消え去った事も知らずに、当たり障りのない話をブラウンシュヴァイク公爵家一門や取り巻きの貴族達と、上級貴族としての話をしなければ成らなかった、ラミディアとしてみれば“そんな絵画だ観劇だって話、うちは貧乏だから知らないよー!”腹の中で舌を出していた。

そんなこんなで、ヒルデスハイムだ、コルプトだ、ラートブルグだとか原作で聞いた事がある連中や聞いた事もない連中が愛想笑いで笑いかけてくるのを相手をさせられてへとへとになっている中で、後にラミディア終生の友となるべく人物と遭遇する事となった。

ラミディアが大まかな貴族と挨拶を済ませ、一息ついていたとき、美しい黒髪の夫人と三人の女児を連れた貴族が挨拶してきた。
「ラミディア様、私はクラウス・フォン・ヴァストパーレ男爵と申します。これは妻のマルレーネ、長女のマグダレーナ、次女のコンスタンツェ、三女のロスヴィータでございます」

ヴァストパーレ男爵夫人と此処で会うとは、ラミディアにしてみれば驚きであった。何故なら、あれだけラインハルトやアンネローゼの味方していた家が、実はブラウンシュバイク公爵家に繋がりが有る家だったのだから。

更に原作の剛胆さが目立つ後のヴァストパーレ男爵夫人が余りにお淑やかにしているのが可笑しく思えたが、それを言う訳には行かずにごく普通に挨拶をする。

「ラミディア・フォン・ブラウンシュバイクと申します。以後お見知りおきを」
一応最初にフレーゲルの母である姉に“ファーレンハイトを名乗らずにブラウンシュバイクを名乗りなさい”と言われたので、挨拶では渋々ブラウンシュバイクと名乗っているのである。

父親の男爵はパッとしないごくありふれた貴族にしか見えないが、母親がエネルギッシュでかかあ天下であることが醸し出されていた。そんな中、ラミディアはマグダレーナと親しく話し始めた。

暫くして、ヴァストパーレ男爵夫人が左右を見回して一人の年若い貴族に手招きをして呼ぶ。
「エーリッヒ、こちらへ来て、ラミディア様にご挨拶なさい」

夫人の声にその少年が気づき近づいてくる。
「ラミディア様、当家の遠縁に当たるリメス男爵家の若当主を紹介いたしますわ」

はぁ?リメス男爵ってココアさんの爺さんの家だよね、二次ではもう廃嫡しているはずだけど、いや原作にリメス男爵なんて出てなかったし、どう言う事だとラミディアは思った。

「ラミディア様、始めまして私はエーリッヒ・フォン・リメスと申します。以後お見知りおきを」
はぁ????其処にいたのは、丁重に貴族風の挨拶を行う黒髪の可愛い感じの少年だった。

驚いているラミディアにマグダレーナが話しかける。
「ラミディア様、エーリッヒは五年前に御両親と御祖父を事故で亡くされて、我が家で姉弟のように育ちましたのよ」

はぁああ??何でココア閣下がこの世界に居るんだ?此処は銀英伝の世界だろ、あれか、ラインハルトが平凡な人生を送るから原作のバタフライエフェクトが起こったのか?それともこの世界は田中先生の銀英伝じゃなく、azuraiiru先生の二次創作銀英伝の世界なのか????