チートな転生者の奏でる『俺の転生物語』原作どこいった!?


 

『プロローグ』

 
前書き
ここから物語が始まります。 

 
人生の転機というのはある日突然に訪れる。

それは誰もが予期せぬ形で訪れる。

あの日俺は友人と一緒に食事をした後にいつものように帰路についていた。

「ふ~やっぱあの店の食事は美味いよな~」

満足気に言葉を漏らす俺に、

「値段も結構安いしな」

言葉を返す友人。

「今度は何時会う?」

いつものように他愛のない会話をしてお互い帰路につくハズだった。

だが……この後の出来事が俺の人生を変えるとはその時は微塵も思わなかった。

「そうだな……ん?」

友人は突如明後日の方向を凝視する。

「どうした?」

「おい……あの車……コッチに向かって来てないか?」

「え?」

俺が友人に言われた方向を向いて見たものは。

グオォォォォッ!!

凄まじい轟音を発しながら此方へと向かってくる暴走トラックだ!

「逃げるぞ!」

「あぁっ!」

二人は慌てて逃げるが、

グオォォォォッ!!

トラックは減速などせずまるでホーミングミサイルのように正確に俺達を狙って走る。

「くそっ!」

そして……

「クソッ! 轢かれる!」

追いつかれ暴走したトラックに轢かれそうになる友人を、

「危ない!!」

ー押ー

俺はとっさに友人を突飛ばし、

「■■■■ーー!!」

友人が俺の名を呼ぶ……

この瞬間時間がまるでビデオのスロー再生をした時のように遅く感じ、

トラックがゆっくりと近付いて来るのを確認する。

「あぁ……こりゃ助からんな……」

俺は叫ぶ友人の顔を見ながら、

「アバヨ……■■……」

どこぞのアニキよろしくなセリフを吐き。

ー突ー

ドゴッ!!

トラックに跳ねられ俺の身体は宙に舞う。

それを最後に俺の意識は闇に沈む。

そしてどれほどの時間が経ったのかは分からないが俺は闇に沈んでいたはずの意識が再び浮かび上がるのを感じ目を覚ます。

「ん……ココどこ?」

目を開けた瞬間に映ったのは……空に浮かぶ島々、澄んだ空気、その島々を繋ぐ虹の橋。

何故か俺は神話とかで出てきそうな幻想的な世界に存在していた。

「いやいや なんでさ! 何で俺こんなとこにいんの?」

あまりの出来事に思わず某正義の味方志願者の口癖がでちまったZE!

「とりあえず もちつけじゃなくて落ち着け俺 Cool になるんだまずは落ち着いて呼吸を……」

ヒッヒッフー ヒッヒッフー

規則的な呼吸をするが。

「って! コレ ラマーズ法じゃねーか!!」

何を産む気なんだよ俺!?

ヤバい……大分テンパってんな俺。

「あれ? そういや俺って生きてんのか?」

テンパりつつもなんとかCoolになった俺は自分の記憶を辿る。

「俺って確か暴走したトラックからアイツを庇って車に跳ねられたよな?」

その後……あれ?

よく思い出せ無いぞ?

もしかして記憶飛んだ?

俺が頭を抱えていたその時。

「あの〜ちょっと良いですか?」

背後から突如誰かが俺に話しかけてくる。

「はい?」

そいつは、

「え〜と■■■■さんでよろしいですね?」

何かを言ったようだが俺は聞き取る事ができなかった。

そう……まるでその部分だけ意図的に抜き取られたかのように。

「え?」

今なんて言ったんだ?

「まずいですね名前が消えてしまいましたか……」

てかコイツかなりのイケメンだなオイ!

キーッ!! 妬ましい!!

などとパルりながらも、

「てか アンタ誰?」

このイケメンが誰なのかを尋ねる。

「申し送れました 私は貴方達で言うところの神という存在です と言っても下級神ですがね」

「そーなのかー☆」

俺はつい某宵闇の幼女もとい妖怪のセリフを言ってしまった。

「あの〜できればその イタイものを見る目はやめてもらえませんか?」

いやいや……無理じゃね?

「いや いきなり言われてもさすがの俺でも展開についていけないし!」

大抵の物事は受け入れられるんだけど……流石にねぇ?

「とりあえず■■■■さん貴方死にましたよ」

あっさりと俺に死亡通知を告げる神。

「へー やっぱ死んだんだ俺」

アレはなぁ……流石にね?

「あれ? 随分と落ち着いていますね」

不本意ではあるけどさっきのラマーズのおかげで……頭が冷えたよ。

「いや さすがに内心は穏やかじゃねーんだけど」

「実は貴方にお話しがあります」

「お話し?」

お話しと聞いて某白い魔王さまを想像してしまった俺はダメかもしれない……色んな意味でオワっとんな。

つかアレは O・HA・NA・SHI だよな……

「実は本来なら貴方は死なないはずだったのですが……」

「へ?」

もしかして俺がよく読んでいた二次小説のよくあるテンプレ的な……アレ?

「実は上司の方が貴方の書類に抹茶ミルクを零してしまって………」

ちょい待てや!?

何故に抹茶ミルク!?

普通ソコはテンプレ的にコーヒーだろ!?

いや 俺も大好きだけどさ! つか抹茶で死んだの俺!?

「というわけで着いて来てもらえますか?」

「OK OK ちょっと待とうか……」

落ち着け俺 落ち着くんだ俺 Cool になるんだ、

そうだこういう時は素数を数えるんだ 1と自分でしか割れない孤高の数字……某神父さんも言っていた俺に勇気をくれる数字。

さぁ 1 2 3 4 5 ってこれ自然数だろ!?

「そろそろよろしいですか?」

「あぁ なんとか落ち着いたよ」

落ち着くというより呆れて冷静になれたわ。

「そうですか では行きますよ」

「ああ」

俺はソイツの後について行き……

「コチラです」

なんかすごくでかい扉 つか門の前にいる俺。

コレ 真理の門じゃないよね?

見た目とかまんまアレそっくりなんだけど?

「………」

「どうしました?」

「いや 何でもない」

そんな俺を無視し、

ー開ー

ギギィィィィッ!
重々しい音をたてながら門は開き……

門が開いたその先には……

「やっほ〜 やっときたね」

何故か見た目が某有名STGに出てくる鬼にそっくりな幼女がいた。

角はないけどね。

「何この幼女?」

どこからみても素敵な幼女様ですねありがとうございます。

「幼女ゆーなー!」

ぷんすかと怒る幼女。

「幼女様この方がアナタの被害者です」

下級の神にすら幼女扱いされる幼女。

「だから幼女ゆーなー!」

ぷんすかと腕を回しながら怒る幼女。

「だからダレ?」

「私はアテナだぁ〜!!」

「アテナって戦いの女神だよな? なんで幼女? つか死人関係って冥界の仕事では?」

ってかアテナって神話の本の中じゃ成人した女性か高校生くらいの美女の姿をしてるよね?

「いや〜 お恥ずかしい話し 人の増えすぎによって神も人手不足なんですよ」

あっけらかんと言い放つ下級神。

「まぁ 生命を扱うのだから下級神にやらせるわけにもいかないから私みたいな高位の神に仕事が回ってきたのよ」

という事は、

「ほぅ そして俺はオマエに殺されたと」

これがおっさんやクソイケメンだったら俺は瞬獄殺をかましているところだぞ!

「あぅ〜 たまたま下界にあったあの緑の飲み物を飲んでたら手がすべったのよ〜」

なんつ〜テンプレ的な理由な事ですこと。

「ホゥ なるほど だから人間がここにいるわ

けなのか?」

「ダレ?」

いつの間にかご立派な白髭を携えたどこぞの無敵超人のようなムキムキマッチョなご老人がいた……

「げっ! お父様!?」

「ゼウス様!」

いきなり現れたゼウスに動揺する二人。

「話しは全て聞かせてもらった」

「えぇ!」

「まずはアテナ お前はお仕置きじゃ!!」

ゼウスはアテナを抱え膝の上に乗せ、

パシンッ! パシンッ!

アテナにおしりペンペンを始めた。

「イタイ! イタイ! 恥ずかしい~!!」


アレはさすがに年食ってからやられんのは勘弁だなぁ~

痛みよりも羞恥心的な意味で死ねるよ。

つか俺空気化してね?

それからしばらくし、

「あぅ~」

叩かれ真っ赤になった尻をさする涙目なアテナと、

「まったく 次からは気をつけるのだぞ!」

そんなアテナに念を押すゼウス。

「ふぁ~い」

「ところで俺いつまで待ってたらいいんだ?」

さっきから隅っこでずっと三角座りで待ってんだけど?

「おぉ スマン スマン」

「ところで俺はこの後どうなんの?」

復活できんの?

「実はのぅ 残念ながらお主の身体はすでに火葬されてしまったから同じ身体での蘇生はできなくなってしまったのじゃ」

「マジっすか!?」

「スマン そこでものは相談なのじゃが」

「はい?」

「実はワシは最近人間界の携帯小説とやらにハマっておってな」

この展開はもしかして……、

「その中でも 転生ものとやらに興味があってじゃな お主 二度目の人生に興味はあるか?」

キターーーーッ!!

「それって漫画や小説やアニメやゲームの世界もOK?」

俺はダメ元で聞く。

「もちろんじゃ」

「つか そういう世界ってほんとにあったんだ」

パラレルワールドみたいなものか?

「お主ら人間の凄いところは時には世界すら創ってしまうところじゃな」

「どゆこと?」

「つまり人間は色々な形で世界を創りだし そこからさらに他のもの達が if の世界をつくっていく ある意味 我々 神という存在にせまるものがあるぞ」

「へぇー」

意外に凄いのね人間って。

「さて お主には娘が迷惑をかけた詫びにお主が行きたい世界とは別に願いを3つだけ叶えてやろう」

神龍ですかアナタは……。

それはともかく。

「なら 1つ目の願いは俺が望む通りの身体だ」

設定としてはで凄まじく頑丈で再生力が高く、

もう死にたくないし……、

あんな痛いの嫌だ!

見た目は銀髪のイケメンで、

身長は大人になったら 180cm代で、

全部のステータスはかなり高めで。

あとの細かい設定は略。

「ふむ……ならばワシの名に賭けて最高の身体を用意しよう」

「よろしく!」

「ちなみに予定では原始分解でもされん限りは再生するし便利な身体じゃぞ」

「どんな身体になんだろ……」

なんか気になるぞ……。

「オヌシに解りやすく言うならばサイヤ人並みの頑丈さと蓬莱人並みの再生力じゃ」

「何故にドラゴンボールと東方!?」

「ワシの趣味じゃ!」

マジかよ!?

「まぁ 蓬莱人と言っても疑似的なものじゃがな」

「さいですか……」

まぁ 気を取り直して……。

「2つ目は俺が知っている全てのアニメやゲームや漫画や小説の技及び魔法 能力の使用+アカシックレコードへのアクセス権」

東方風なら『記憶の中の能力を使う程度の能力』かな?

「欲張りなうえにかなりのチートじゃな ついでにお主の書いていた小説の主人公の能力もつけてやろう」

「さすが ゼウス 気前がいい!!」

そこに痺れる!

憧れる〜!!

「ただし……アカシックレコードはある程度制限が入るからな……元々人には過ぎたる力じゃしな」

「了解」

デスヨネ〜。

「最後の願いはなんじゃ?」

「俺専用のデバイスと平行世界を渡る力」

別の世界って行ってみたいしね。

「まぁ いいじゃろ デバイスはどんなものじゃ?」

「ユニゾンデバイスで見た目は東方の八雲 藍の髪を長くした感じ 能力は俺に見合うもの」

武装はあっちで造ればいいしね。

「では創るぞ」

ゼウスが右腕を伸ばし意識を集中させた次の瞬間!

ー光ー

まばゆく神々しい光が一カ所に集まり。

「できたぞ」

そこに現れたのは、

「貴方が私の主様ですか?」

黄金に輝く九本の尻尾を携え同じく黄金に輝く長い髪と女性として完成されたプロポーションをもつ美しい女性がそこに存在した。

「あぁ」

「この者の名を決める前にお主自身の名をきめてみてはどうじゃ? お主の生前の名前はもうすでに無きものとなっておるしな」

なら昔に書いた小説の主人公の名前を使って。

「俺の名は……黒帝 零(クロミカド レイ)だ!」

「ではこやつの名は?」

「こいつの名は……千歳……黒帝 千歳だ!」


「素敵な名前をありがとうございます」

「よし 次はコレをやろう」

俺はゼウスから大きな宝石で出来た長剣をもらう。

「お主の知識の中にあった宝石剣とやらをワシが改造したのじゃコイツの真名解放をしながら行きたい世界をイメージして刃を降り下ろせばゲートが繋がりその世界へと行けるぞ」

「ところで今更なんだが俺が行く世界って大丈夫なのか?」

ホントに今更だけどね。

「まぁ その世界の抑止力が多少邪魔をするかもしれんが……まぁ……大丈夫だろぅ……それとお主が行くのは『並行世界』 所謂 『if』の世界という世界だから原作ブレイクなどをしても大丈夫じゃ」

抑止力ってのが気になるんだけどまぁ今はいいか。

「そうか……なら最後の願い 俺が願う世界は 『なのは』の世界だ! 時期は無印の数年前だ!」

「よかろう」

パチンッ!

ゼウスが指を弾くと、

「へ?」

「え?」

突如俺と千歳の足元に穴があき………
「ちょっ! 待てや〜!?」

俺達はひ○し君人形よろしく没シュートされる

「主らの活躍を楽しみにしておるからな〜」

落ちる二人を見送るゼウスだが、

「しまった! ワシとした事が力を込めすぎて奴の新しい『身体』を強化しすぎてもうた!」

となにやら不安の残るセリフを吐くゼウスであった。

こうして俺の新たな人生にして物語が始まる。


 
 

 
後書き
この作品はにじふぁんから移転してきました。

更新が遅いですがどうか暖かい目で見守ってください。

あとアドバイスなどをいただけるとうれしいです。 

 

『始まりは唐突に』

 
前書き
始まりはいつも唐突に始まりを告げる。 

 


え~画面の前の皆様突然ですが私 黒帝 零は何故か……。

上空数百メートルから落下しております!!

気分はまさに某紅い弓兵だよ!

「なんでさ~~~!?」

叫びながらもなお地面へと落ちるスピードが加速する。

ギャグ補正掛かってるならまだしも普通にこのまま地面に落ちたら俺ミンチになるよ!?

「とりあえず能力を使って飛ぶことをオススメします」

20cmくらいにミニマム化した千歳が冷静な判断を告げる。

「と とりあえず『空を飛ぶ程度の能力』発動!」

俺は必死に自分が空を飛ぶイメージをすると俺に掛かる重力から解放される。

某守銭奴な楽園の巫女さんの能力が発動した瞬間に俺の落下は止まりその場でふよふよと身体が浮く。

「ふぃ~ なんとか止まった~」

発動したてのせいかあまり安定せずにフラフラとよろめきながら空を移動する。

「主様 夜の空とはいえ誰かに見つかる前にどこかに下りましょう」

「そうだな」

とりあえず俺は知識の中にあった認識阻害の魔法を使いながら近くの公園に下りる。

「あの ジジイ覚えとけよ」

直死の魔眼で点を突いたろか?

つぅか……なんか妙に目線が低いような気がするんだけど?

気のせい……なのか?

まぁ 確認は後ででいっか。

「そういえば主様あの方よりお手紙を預かっておりますよ」

「へっ?」

千歳は尻尾から1枚の手紙を取り出し俺はそれを受けとる。

手紙に書かれた内容は、

『この手紙を読んでいるという事は無事に転生出来たようじゃのぅ』

上空数百メートルからのダイブが無事と言えるか!?

『それはさておき実はお主の『身体』の事なのじゃが……』

えっ? 俺の身体が何!?

『お主の新しい身体を創ったのはいいのじゃがちぃっとばかり力を込めすぎてじゃな半不老不死になってしもうたんじゃ』

なっ! ナンダッテ~!!

『簡潔に言うとじゃな老いる事が無くなりまた高い再生力で身体を粉々にせぬ限りは再生し、簡単には死なぬ身体となってしもうたのじゃ』

オィィィッ!?

何してくれやがるんですか~!?

なんつー重い十字架を背負わせやがるんですかー!?

『その代わりと言ってはなんじゃが身体は常に最高の状態を維持するようになりまた、主には他人を不老にし主よりは劣るが再生力を与える力を宿させたので頑張ってくれ』

マジですか?

『ちなみに方法はいくつかあるから千歳に聞いといてくれぃ……あと主の見た目に関しては最近の流行りとやらを参考にしたぞい』

もぅ……なんも言わんぞ……

『それでは新たな人生を楽しんでくれ……』

まぁ 手紙の内容はアレだがここは素直に感謝しておこうかn、

『PS この手紙は読み終えると爆発するのでできるだけ速く処理をするようにな by ゼウス』

前言撤回じゃー!!

俺はもはや神速とも呼べる速度で手紙を丸め空えと全力投球する。

ー投ー

投げられた手紙は、

ー爆発ー

空中で大爆発を起こしビリビリと大気を震わせ周囲に響き渡るほどの轟音をたてる。

本来ならば消防車やパトカーが来ても可笑しくはないのだが幸いにも千歳がいつの間にか辺りに防音結界が張っていてくれたおかげで事無きを得た。

うん……気遣いのできる従者でホントに良かったよ。

「主様 この後はどうなされます?」

息を荒げる零とは対照的に冷静に今後の予定を聞いてくる千歳。

「その前に俺のことは名前で呼んでくれ」

その呼び方はやっぱりなれないんだよね。

「では 零様とお呼びします」

「よろしくな千歳」

「はい」

「今は夜か……とりあえず夜明けまで少し能力の練習でもするか……」

俺は千歳に頼み公園に隔離結界を張ってもらい能力を試すことにした。

ー隔離ー

空間隔離結界が張られた事によって自分達のいる場所が世界から隔離され色彩が変わる。

「小手調べに錬金術から試すか」

よほど変な錬成をしない限りは危険性が少ない錬金術から試す事にし、

両手を合わした事によりパンと乾いた音が鳴り、

続いて合わせた両手を離し勢い良く地面に手をつき頭の中でしっかりとイメージをしながら錬金術を発動させる。

すると、

錬成反応による音と光をだしながら土の案山子を造る。

「おっ! マジでできた!」

興奮した俺は右腕を突き出し、

「ファイヤーボール!」

ファンタジー世界では馴染みのある呪文を叫び右腕から火球を放つ!

火球は真っ直ぐ案山子に向かい、

ー轟ー

ボッ!!

火球を受けた案山子は砕け火球の熱量により一部が炭化する。

初級呪文にしては威力が妙に高くないか?

それとも俺の魔力が高いせいか?

魔法って術者の魔力しだいで威力が変わるってどっかで聞いた事があるけど。

「千歳 ユニゾンも試してみたいんだが」

一応千歳は俺のために創られたユニゾン・デバイスだから問題なくユニゾンが出来るとは思うが、

やはり未体験の出来事故に一抹の不安が残るが俺はあえてユニゾンを試す事にする。

「仰せのままに」

千歳は頷き、

「いくぞ」

「「ユニゾン・イン!!」」

千歳は光の玉となり零の身体へと入り、

俺が千歳とユニゾンすると、

「なんか目線が高いような」

何故か目線の高さが先程よりも上がっており。

「身体も変わってる!?」

髪は銀髪から金髪に変わりさらに九本の黄金の尻尾が生え、

足は狐のようなしなやかな獣の足になっており、

両腕の爪はまるで剃刀のように鋭く、

身体を黄金に輝く毛皮が覆う。

「スッゲー!」

本当に姿形が変わるんだな!

「グゥッ!?」

自分の変化に驚いていた俺の頭に突然頭痛がはしると同時に頭の中に俺の能力に関する全ての知識が入ってくる。

「ぐぅぅぅぅッ!」

その知識の多さのせいなのか凄まじい頭痛が俺を襲いその痛みに悶絶する。

体感時間は物凄く永く感じたが実際は精々数十秒程度だろう。

「ふぅ~なんとか終わったか……」

知識のダウンロードが終わり痛みが引いた事によりなんとか平静を取り戻す。

「へぇ~狐の形態になったり手は自由に変えられるんだ」

その後ユニゾン形態の知識を得て身体を色々と変化させたりと、そんなこんなで色々やっているうちに、

「あ 夜明け……」

いつの間にか夜が明けていた。

「とりあえず千歳ユニゾン・アウトだ」

「はい」

俺の身体から千歳が出たことによって元の身体に戻る。

「とりあえずは まぁ 拠点探しだな」

資金については黄金律使って宝くじでも買えばいいしな。

「ところで千歳」

「はい?」

「耳や尻尾は隠せるのか?」

俺はふとした疑問を千歳に聞く。

「はい 耳は隠せますし尻尾は見えなくすることができます」

意外と便利な身体みたいだな。

「なら 頼む 人目につくとめんどうだからな」

「はい」

「さて まずは腹ごしらえでもしますか」

今『王の財宝』漁ってたら何故か財布がはいってたし(中身は何故か諭吉さんが20枚)

「そうですね」

「今の時間帯ならファミレスぐらいだな」

そして俺達は近くにあったファミレスに入り食事をする事にした。

「とりあえず まずやることは」

1 資金の調達

2 身分の確保

3 拠点を探す

4 なのはと接触する

5 能力の確認

⑨ 作者もとい自分

「なんか電波が……」

1 黄金律の使用で解決できるが近いうちに何か商売を始める事を考えておく

2 ネット喫茶のパソコンからハッキングしてデータを捏造または最悪裏で買う

3 候補地としては原作でフェイトが住む予定の高級マンション辺りが妥当

4 とりあえず公園で待ち伏せ そして歪みの阻止 その過程でアリサとすずかの誘拐の阻止または救出

5 管理外世界か惑星に結界を張りなおかつそこの原生生物との戦闘によって確認

⑨ 手遅れ

「やかましいわ!!」

「零様!? どうかなされましたか!?」

突然の俺の叫びに驚く千歳。

「すまない 何か変な電波を感じて……」

「はぁ……」

「とりあえずメシを食い終わったら昼まで町を散策しようと思うんだ」

「資金や拠点はどうなされます?」

「資金については俺の能力でどうにかするし 拠点については候補地がある」

まぁ 最悪 錬金術で黄金錬成して質屋に売り飛ばせばいいだろ。

「そうですか」

「まぁ 原作介入まで少しは時間があるから準備はしっかりしておくか」

そしてその後しばらくは町の散策をしていたがデパートが開いたのでそこの宝くじ売り場でスクラッチを数枚とロトを買う。

結果は 200万 50万 30万 10万と高額当選が連続で出るという奇跡が起こる。

正直 黄金律 侮ってました………黄金律ハンパねぇ~。

「とりあえず変身魔法で姿変えとこ………」

「それが妥当ですね」

俺と千歳は変身魔法で姿を変えてうっとうしい金の亡者どもを無視して金を受け取り。

金を王の財宝にしまってから変身を解きネット喫茶にはいってハッキングをする。

その際に『答えを出す者』を使いその際に提示される選択肢な内最も危険の少ない方法を選択する。

「『答えを出す者』はやっぱすごいな」

『答えを出す者』によって作業はかなり簡単に終わったが、

「次は拠点だな」

問題はまだまだ山積みであった。

「マンションは場所がまだ分からないし買うとなれば足りないからとりあえずホテルにでも泊まるとするか」

「はい」

とりあえず金はそれなりにあったのでその日は近場にあった高級ホテルに泊まる事にしました。

 
 

 
後書き
原作はまだですが次でヒロインと遭遇します。

こんな駄作ですが、アドバイスや感想常に待っています! 

 

『孤独な少女との出逢い』

 
前書き
お待たせしました。

遅筆ですいません。 

 
一夜明け、

俺が目を覚ますと身体に柔らかいベッドとはまた違った柔らかな何かに包まれる感触を感じ……。

俺が目をあけるとそこには……。

「…………」

穢(けが)れのない白い肌に輝くような黄金の髪を携えた一糸纏わぬ……、

スッパテンコー様がいらっしゃりました。

「なッ!?」

生前にこんな美女の裸体を拝んだことの無い俺は慌ててベッドから離れてしまう。

「う……ん……零様? おはようございます」

目を覚ました千歳は起き上がり背伸びをする。

その際に見事な双子山がプルンと震える。

「………」

その光景に俺は思考が追い付かずフリーズしてしまう。

「どうかしました?」

「イエ ナンデモアリマセンヨ チトセサン」

なんとかフリーズが解けたもののつい片言で喋ってしまう俺。

「?」

千歳は不思議そうに首を傾げる。

もうやめて!

私の精神力はもうゼロよ!!

てか 藍様を基にしたからスッパテンコーまで引き継いだのか!?

ゼウスGJ!!

「とりあえず 千歳 服を着てくれ」

俺の精神力 ていうか理性がもたないから。

「はい」

俺は千歳が服を着るまで後ろを向き天井を仰ぎながら首もとを軽く叩き興奮を抑える。

「………」

「終わりました」

着替え終わった事を告げる千歳。

「そうか」

「今日はどうなされますか?」

千歳は身嗜みを整え今日の予定を聞く。

「早いところ拠点を見つけて準備を始めたいところだな」

それに対し俺は予定と希望を言う。

「そうですね」

「とりあえず腹ごしらえをしてその後考えるか」

腹が減っては戦は出来ないって言うしね。

「はい」

「その前にちょっと顔洗って来るよ……」

俺は洗面所に向かい顔を洗い鏡で自分の顔を見たその時、

「なっ! なんじゃこりゃ~!!」(松田○作風)

俺は自分自身の顔を見て叫んでしまう、

だって……、

「これが……俺の顔なのか?」

まんま fateのイリヤなんだもん……。

今流行りの男の娘ってやつですか!?

不覚にも一瞬自分の顔に見惚れてしまう俺。

「鬱だ死のう」

本気で死にたくなった……。

ちくそう…… Orz

俺の身体から力が抜け膝から倒れ地に伏してしまう。

「なんでイリヤなんだよ……そりゃ好きなキャラだけどさ……他にカッコイイキャラいるだろ……」

某死神の二つ名を持つ賞金首とか某最終幻想7の元最強のソルジャーとか……。

ちくそう……あんにゃろ覚えてろよ。

心の中で俺はゼウスを何度も罵倒した後、

「さっさとメシ食って拠点捜そ……」

なんとか立ち直った俺はその後、

下の階のレストランに下りなかなか豪華な朝食を食べ終わり。

優雅に食後のコーヒーを楽しみながら新聞の宝くじの発表を見ると、

見事に当たっていましたよ 一等 しかもキャリーオーバーで6億がね。

「黄金律A 恐るべし……」

そして再び変身魔法を使ってから金を受け取り王の財宝にしまったあとに拠点となるマンションを探しに出るが、

結論からいうと割と簡単に見つかった。

「近くかよ」

何故なら泊まったホテルの近くにあったからでした。

「なんかとんとん拍子に決まっていくな」

「そうですね」

とりあえず細かい契約とかは千歳に任せ、

俺は町を散策する事にして外に出る。

「さ~て どういう風に原作介入しようかな?」

個人的にはあの組織は信用も信頼もしてないから極力席は置きたくはないんだよね……。

あの厄介な砂糖の化身と真っ黒クロスケはなんらかの対処をするとして、

まぁ、悪い人間ではないんだろうけどねぇ……。

とりあえずはなのはに接近だな。

「おっ! 公園発見!」

俺が公園に入るとそこには、

「あら?」

いましたよ 未来の魔王様がね。

「ここまでくると運命すら感じるよ」

俺はうずくまる少女もとい幼女に近づき、

「どうしたの?」

出来る限り優しく声をかける。

「ふぇ?」

突然見知らぬ人間に声を掛けられたせいなのか驚き困惑の声をあげる幼女。

あかんてマジでかわええわ!

などと俺は心の中で悶えながらも、

「どうしたの?」

再び優しく声を掛ける。

「えと お姉ちゃん誰?」

へ? お姉ちゃん?

誰が……って俺!?

そういや今の俺って見た目まんまイリヤだったの忘れてた……。

俺……泣いてもいいよね?

「俺は男だよ」

いくら顔がロリ顔でも男だからね!

「ふぇ!? そうなの!?」

驚愕の事実に驚きの声をあげるなのは。

「君の名前は? 俺は 黒帝 零っていうんだ」

泣きたくなる心を胸の奥に仕舞い込みなのはに俺は自身の名を明かす。

「えっと……高町 なのは なの」

それに応え少女自身の名前を名乗る。

「なら なのはちゃんだね」

「えと 零お兄ちゃん?」

グハッ!!

幼女の上目使い+首かしげ

なんて破壊力だ!!

「どうしたの?」

「なんでもないよ それよりなのはちゃんはなんで一人でいるの?」

俺がそう聞くと泣きそうなくらい悲しい顔をし、

「なのはのお父さん 病院に入院してるの お母さんとお姉ちゃんはお仕事で忙しいの お兄ちゃんはお父さんが入院してからずっと恐いの だからなのははいい子でいないとダメなの」

子供故の詳しい説明などが足りない拙い説明をする。

ちぐはぐで解りづらいものの大体の事は理解した。

しかし恭也よいくらなんでもダメだろこんな小さな子を恐がらすとか。

一度 O HA NA SHIをする必要があるな……(主に肉体言語で……)

士郎さんの方は解析魔法でケガの具合を解析して回復魔法をかけておくか。

というかこれってさネグレストだよね?

いくら仕事で忙しいとはいえこんな小さな子供を放り離しってどうなの?

「そうか なのはちゃんは偉いね」

俺はそういってなのはの頭を撫でる。

そこには邪な思いなどなく純粋にこの子の事を褒めたいという思いがあった。

「ふぇ?」

突然の事に驚くなのはだが、

「ふにゅ~」

まるで猫のように気持ち良さそうに頭を撫でられていた。

「でもね 今は我慢しなくていいよ」

俺の言葉を皮切りに、

「ふぇぇぇ……」

なのはの瞳から涙が止めどなく流れ出し、

「うわあぁぁん!」

遂に涙腺が決壊をむかえたなのはが泣き出し俺の胸のあたりに顔を押し付ける。

「なのは…は…なのは…は……いい子で……いな……きゃ……ダメ……なの……でも……淋しいのはもう嫌なの!」

なのははその愛らしい顔を今は涙で濡らしながら溜まった感情を吐き出すかのように悲しみの言葉を紡ぐ。

そして……そんな彼女を……、

「そうか 頑張ったな」

俺は……あやすようになのはの頭を優しく撫でる。

そしてこの時……俺は心からこう思った。

「でもな もう一人で溜め込まなくていいぞ」

「え?」

「今日から俺が友達になるよ それならもう一人じゃないだろ?」

俺がこの子の支えになろうと、

俺は転生してこの世界にいるが……俺自身はまだこの世界の事を物語として見ていたんだろう。

現に彼女も最初は好きなキャラクターとしてしか認識していなかった……。

だが……

「いいの?」

涙を流し俺の胸に顔を埋めてすがるこの子を見て気がついた。

これは現実だ……俺がこの世界(ばしょ)に居てこの子も現実に存在する。

切っ掛けはどうあれ縁(えにし)が出来た……

俺はこの子……なのはとの出逢いに感謝をしよう……。

そしてたとえ自分のエゴを押し付けるだけの行為であっても俺はこの子を護りたい……。

今のこの思いに嘘偽りは無い。

「なのは…は……独り……じゃないの?」

小さな幼女が涙目で俺を見る、

すみません……とてもシリアスな場面なのですが……。

あかんてもう!

お持ち帰りしたくてしょうがないです!!

某鉈女の気持ちがよくわかるZE!!

「かわいいなぁ……」

俺はつい言葉を漏らす。

「ふぇ? ////」

俺の呟いた一言に反応し顔を赤らめるなのは。

「そうだ 今からなのはちゃんのお父さんのお見舞いに行こうか」

今の士郎さんの状態も見たいしね……。

「え? 今から?」

「うん なのはちゃんが行くことでよくなるかもしれないよ」

病は気からとはよく言うしね。

まぁ……この場合は怪我なんだけど……。

「本当!?」

「うん」

「だったら行くの!」

俺はなのはに案内され病院へと向かう。

「この病院なの!」

「そうか」

病院に着いた俺達。

「お父さんの病室はこっちなの!」

なのはが先頭に立ち俺を案内する。

「今行くよ」

なのはの案内で病室に入るとそこには全身に包帯が巻かれ点滴や色んな機械を付けた男性がいた。

「お父さん……」

父親の状態に悲しみの声をだすなのは。

「少し解析してみるか……」

俺は解析魔法を使い士郎さんの身体を調べる。

「うわ~ よくこれで生きてるな流石は御神の剣士ってところだな」

なんというか生きてるのが不思議なくらいの怪我だった。

この辺りの士郎さんの仕事事情や過去の話は残念ながら俺は詳しく知らないのでどうこうは言えないが、

確かSPかなんかの仕事で大怪我をしたというのは聞いた事があるんだけどなぁ~。

「とりあえヒールとリジェネをかけておくか」

一気に治ったら疑われそうだしな。

俺は士郎さんに回復魔法と回復促進ように持続回復魔法を使う。

その際に零の両手から淡い光が漏れだしその光景をなのはが見ていた。

「う……ん」

先程まで辛そうな呼吸だったのが安定しゆっくりとだが規則正しいリズムを刻む。

「とりあえずはこれで一安心ってとこかな?」

「零お兄ちゃん今なにをしたの!?」

零の行動を見ていたなのはが驚き何をしたのかを尋ねる。

「早く良くなるおまじないさ」

「お父さんよくなるの!?」

「たぶんこれから快方に向かうはずだよ」

俺がそう言うと、

「ありがとうなの!」

なのはが嬉しそうに笑いながら俺に抱き着く。

「どういたしまして」

俺はこの子の悲しみをたとえほんの少しでも取り除けた事に嬉しさを感じ自然となのはに微笑む。

「にゃっ!?」

それを見たなのはは何故か顔を赤く染める。

さて 次はあのシスコンだな……。

「さぁ そろそろ帰ろうか長居するのはお父さんの身体に障るしね」

「うん」

まだ顔は赤いが最初よりも元気な返事を返すなのは。

「お家まで送ってくよ」

「本当!」

「うん」

再びなのはが先頭に立ち案内をするが、

俺は士郎さんの手を握り、


『貴方の大切な娘さんが悲しみに耐えながら貴方が目覚める事を望んでいますよ』

別れ際の一瞬で士郎さんに念を送ってからなのはの後を追う。

その後なのはの案内によってたどり着いた場所は。

「ここなの」

「結構大きいな?」

道場のある和風な家だった。

「ただいま~」

「なのは! どこに行ってたの!?」

なのは 母 登場!

うわ~やっぱ若け~!

どうみても三人の母親とは思えないな。

「先程まで俺と一緒に病院にいたんです」

俺はなのはが叱られないようにフォローする。

「あら? アナタは?」

「最近この近くに引っ越してきた 黒帝 零といいます」

俺は桃子さんに自己紹介をする。

「そう……」

桃子さんは少し安心した顔で返事を返す。

「なのはちゃんとは公園で会いました」

「そうなの!」

「あらあら 仲が良いわね」

ふふふと笑う桃子さん。

「そうですね」

「よかったらお礼と挨拶を含めて好きなケーキをごちそうするわよ」

「よろしいのですか?」

「えぇ 実は私達は翠屋っていう喫茶店も営んでいるからそれの宣伝もかねてね」

忙しいのは分かるんですがもう少しだけでもなのはを構ってあげてやってくださいよ。

「ありがとうございます」

などと本音を隠しつつお言葉に甘えケーキを選ぼうとしたその時、

「母さん! なのはは帰って来たのか!?」

シスコン登場!

「お兄ちゃん……」

なのははどこか暗く沈んだかのような表情で力なく兄の名を呼ぶ。

「なのは! こんな時間までどこに行っていたんだ!」

いきなり怒鳴る恭也。

オイオイ心配なのはわかるがなにも怒鳴らんでもいいだろ?

どうやらSSでよくある方の恭也らしいな。

「ごめんなさい……」

小さな手でスカートを握り暗い顔をしながら謝るなのは。

「帰ってきた妹にいきなり怒鳴るのは関心しませんね」

「なんだお前は!?」

鋭い視線で俺を見る恭也。

若干殺気も混じってんぞこのシスコン……。

というか自分の妹の表情の変化くらい気付いてあげなよ……。

「どうも なのはちゃんの友達になった 黒帝 零といいます 貴方がなのはちゃんを恐がらせているお兄さんですか?」

ニッコリスマイルで毒をはく俺。

「なんだと!」

それに激怒する恭也。

沸点がかなり低いな。

「なのはちゃんがかなり恐がっていましたよ」

「なんだと!?」

「一家の大黒柱たるお父さんがケガで入院とはいえ、幼いなのはちゃんを恐がらせているのはいかがかと?」

まぁ 家族の事を大事に思っているのはわかるんだけどね~。

「お前に何がわかる!?」

怒りにまかせて俺を怒鳴る恭也。

「兄の役目は弟や妹を守る事でしょう? その兄である貴方が妹であるなのはちゃんを恐がらせてどうするんですか?」

そんな恭也に俺は追い討ちをかける。

「キサマー!!」

激昂した恭也だが、

「やめなさい!!」

それを桃子さんが止める。

「チッ! ならばお前になのはが護れるとでも言うのか!?」

そう叫ぶ恭也に、

「少なくとも己自身を見失って幼い少女を泣かしている今の貴方よりは自信がありますよ」

俺はそういい放つ。

「なら俺に証明して見せろ! 道場で待っている!」

そういって先に行く恭也。

「恭也!!」

桃子さんが止めるのもきかずさっさと行ってしまう恭也。

「やっぱこうなったか……」

俺ってやっぱこういう所はガキのまんまだな。

売り言葉に買い言葉というか相手の状態を分かってなおケンカ売っちまうとか……。

「零お兄ちゃん……」

心配そうに俺を見つめるなのは。

「大丈夫」

そう言ってなのはの頭を撫でる。

「ところで道場はどこですか?」

「なのはが案内するの!」

「よろしくね」

俺はなのはに案内され道場へと向かう。

道場に着くと、

「………」

身体から殺気を出し憤怒の表情をした恭也がいた。

「逃げずに来た事は誉めてやる」


どこぞの三下のようなセリフをはく恭也。

「勝てる戦いから逃げるバカはなかなかいないでしょう」

それに対し挑発する俺。

「減らず口を!!」

「では 始めましょうか?」

「お前の得物はなんだ!?」

「では この木刀を使わせてもらうとしましょうか」

俺は近くにあった木刀を使う。

「そんな付け焼き刃で俺に勝てると思うな!!」

「御託はいいからさっさと掛かってきたらどうですか?」

「ぬかせ!!」

恭也は短い木刀を二本使い俺へと切り掛かるが、

「………」

俺はひらりとかわす。

「なっ!?」

かわした後も攻めてくるが。

「遅い遅い」

この程度の速さなら今の身体の身体能力だけで避けれるんだよね……。

まさにチート万歳。

「スロー過ぎてあくびが出る」

ケン○ロウの真似をしてなおも挑発する俺。

「クソッ!」

「それで終わりですか?」

「確かにお前は強い……それは認めよう……だから俺も本気を出させてもらう!」

突然恭也の速さが上がる、

「速さが上がった?」

「これが俺の切り札『神速』だ!」

たしか一時的に人間の身体のリミッターを外して体感速度と身体の速度を上げる技だったかな?

確かに普通の人間の動態視力では見えないほどの速さだが……、

相手が悪かった!

「なかなかだが 俺には見える!!」

神により創られたこの異常なまでに強化されたこの身体の動体視力なら見えるんだよ!

俺は鉄甲作用を付加した木刀を恭也に向かって投げる、

ー投ー

投げられた木刀を恭也は2本の木刀で受けるが衝撃に負け2本の内の1本を弾かれさらに体勢を崩す。

「なっ!?」

そこへ間髪いれず、

「『魔神拳』!!」

拳から衝撃波を出し強引に恭也を怯ませ、

「ぐはっ!」

「まだまだ逝くぞ!!『殺劇舞荒拳』」

ー撃、拳拳蹴拳、蹴蹴拳蹴ー

高速での乱舞をお見舞いし、

「これでトドメだあー!!」

トドメの一撃で壁へと吹っ飛ばす!

「ウボァァァッ!!」

どこぞの皇帝のような叫びをあげながらぶっ飛ぶ恭也。

「少しは反省しろこのシスコン」

一応打ち身と打撲で済むように手加減はしたからね。

「…………」

「返事がないただシスコンのようだ」

などと某竜の探求風のボケをかます零。

「え? 今なにがあったの?」

あまりにも高速の乱舞だったせいか何が起こったのかを理解出来ないなのは。

「ただ 殴りまくっただけさ ほっとけば目を覚ますよ」

「本当!?」

一応加減はしたしね。

「もちろんさ」

「よかったの……」

自分を恐がらせていたとはいえ兄である恭也の状態に安心するなのは。

うん……ほんとに優しい子だな。

「さて 時間も時間だし そろそろ桃子さんに挨拶してから帰るよ」

「えっ! 零お兄ちゃん 帰っちゃうの!?」

「まぁ 俺の帰りを待ってるやつがいるからね」

「わかったの……」

しょんぼりとして頷くなのは。

「良い子だ」

俺はなのはの頭を撫でる。

「ふにゃ~」

そして恭也はそのままにして俺は桃子さんに挨拶をしに行く。

「とりあえず今日はおいとまさせてもらいます」

「あれ? 恭也は?」

「道場で寝ているはずですよ」

「アナタ強いのね……」

「まぁ それなりには」

「そう……」

「じゃあね なのはちゃんまた明日」

「うんっ!」

俺は帰路につく。

ちなみに恭也はというと……。

「う……ん……」

残念ながら妹にも忘れられているようです。

そして俺が帰路についている途中で千歳から念話がくる……。

『零様 マンションの契約などは全て完了しました』

『そうか 今そっちに向かっているところだ』

『そうですか では お帰りをお待ちしております』

『あぁ』

そして念話を切る。

「とりあえず なのはの歪みを出来る限りは無くしていきたいが上手くいくかな?」

一人で抱え込んでどうにかしようとする危うい部分をなんとかしたいな。

それが原因で未来で大怪我する事になるしな。

まぁ 今回の出会いで多少は改善されたとは思うが油断はできないな。

所謂バタフライ効果という現象や世界の修正力がどこで掛かるかがわからないからな……。

「俺が知るイベントで次は……確か誘拐イベントだったっけ? 正直あんまり覚えてないんだよね」

記憶が混じっててちょっとあやふやなんだよね。

まぁ どうとでもなるか……。

多分……きっと……メイビー。

「さて とっとと帰りますか」

そして俺は帰路を急ぐ。

 
 

 
後書き
今回の話ですが恭也ファンの方はすみません他の二次SSの影響が強いせいかこうなりました。

一応原作とウィキとSSを参考にしているのですが矛盾などが生じたりしているところがあったりします。

こんな作者ですがどうか暖かい目で見守ってください。 

 

『転生者VS転生者』

 
前書き
お待たせしました。

今回はチート転生者同士の戦いとなります。 

 
試合を終わらせ俺が帰路に着いていると不意に殺気を感じ。

ー避ー

反射的に俺はその場からすぐに飛びのくと、

ー刺ー

俺がいた場所には一本の剣が深々と地面に刺さっていた。

「誰だ!」

声をあげながら辺りの気配を探る。

「へぇ~ 結構感が良いじゃん」

俺は声の発信源に目を向けると、

そこにいたのは、

「折原 臨也?」

とある小説に出て来る登場人物 折原 臨也とそっくりな奴がいた。

「んん~ 正解と言いたいところだけど ハズレ~ 俺の名前は 竜神 煉也」

こんな奴原作にはいない……ハズだよな?

「まさか!」

そこから行き着く答えは、

「そっ! 俺もあんたと同じ転生者ってやつなんだよ」

やはり俺と同じ転生者か!

「あの幼女またやったのか!?」

よりによって同じ世界に転生とか。

「幼女? 俺はいかついオッサンだったけど?」

あれ?

「まぁ いい その転生者が俺になんの用だ?」

まぁ だいたい予想はつくがな。

「簡単だよ邪魔者を消しに来たのさ」

「邪魔者?」

「そう 今日のイベントだって本当なら俺が介入してなのはを俺好みに教育するはずだったのにあんたがいたせいで出来なかった」

「はぁ?」

コイツ何言ってるんだ?

「なのはだけじゃないフェイトもはやてもヴイータも俺好みの雌d「黙れ」 あん?」

ふざけるな!

「ようはお前はなのはをいやアイツらを自分のものにしようとしてるのだろう」

俺も人の事をどうこう言えるような立場ではないが……俺は少なくともコイツのように人の人生や生命を弄ぶ事をするつもりはない!

「そうさ あのオッサンからもらったこの力で俺はこの世界をいやっ! 全てを手に入れる! だからさぁ あんたは邪魔だからここで潰す!!」

見た目があいつだけになかなか狂ってるな。

「ゼウスめ覚えてろよ」

推測でしかないが恐らくコイツは俺と戦わせるためにゼウスがこの世界に送ったんだろうな。

放っておけば確実に世界を破滅させるか歪ませる存在だ。

「ちょっとは楽しませてくれよ!!」

ソイツは虚空から数本の剣を造り出し零に向かって放つ。

「チッ!」

ー撃墜ー

俺は即座に白と黒の双剣を創り向かって来る剣を打ち落とす。

「へぇ そんなちっさい身体でやるじゃん」

うっさい!

俺だって好きで小さい訳じゃないわ!

「なめんなよ」

俺は双剣を敵に向かって投げる。

「げっ! まさか!」

「『壊れる幻想』!!」

ー爆発ー

双剣に内包された魔力が暴発し爆煙を撒き散らす。

「やりやがったな!」

煉也の視界は煙りで塞がれる。

俺はその隙を逃す事無く呪文の詠唱を始める。

「メギド・フェルド・アルデヒャルド・クライシス 来たれ雷精 風の精 雷を纏いて吹きすさべ 南洋の嵐『雷の暴風』!!」

詠唱終了と同時に雷を纏った暴風が敵に向かって放たれる。

雷を纏った暴風はコンクリートの壁や地面を砕きながら対象に向かって真っ直ぐ突き進む。

ー轟ー

「チィッ!」

煉也は右腕を前に突き出し幻想の盾を召喚する。

「『熾天覆う七つの円環』(ロー・アイアス)!!」

朱き花弁の如き七枚の盾が現れ俺の放った魔法を防ぐが、

ー破壊ー

「マジかよ!?」

所詮は急場凌ぎの必要工程を幾つも省いた盾は脆く魔法は盾をどんどん食い破り最後の一枚まで数を散らす。

「チィィィッ!!」

煉也は足を踏ん張り盾を強化するが。

「クソが!!」

魔法は最後の盾をぶち抜き煉也に迫る。

「ガァァァッ!!」

暴風が直撃し吹っ飛ばされ壁にめり込む煉也。

「まぁまぁかな?」

込められた魔力のせいか急場凌ぎとはいえアイアスの盾を破壊する魔法の威力は異常と言えるだろう。

「クソが……」

「お前の能力はアーチャーだけか?」

見てる限りでは『投影』を使っているが断言は出来ない。

「んなわけないだろうが」

壁にめり込んだ筈の煉也だがなんとその身体にはほとんど傷はなかった。

「まさか!」

「そうさ バーサーカーの『12の試練』(ゴッドハンド)さ!」

第五次聖杯戦争の方かよ。

「また めんどくさい能力を……」

「俺は一部のサーヴァントの能力を使えるんだよ」

人の事を言えた義理ではないが厄介だな。

「他は?」

「自分で確かめてみな!」

突如煉也の背後の空間が歪み。

ー現ー

「『王の財宝』(ゲート・オブ・バビロン)」

無数の武器が現れ、

「死ね!」

俺へと襲い掛かる。

「チッ!」

武器が俺へと向かって来るその刹那、

「ッ!?」

突然俺の頭の中にある幻想が浮かび上がり、

気付けば俺は右腕を前に突き出しその名を唱えていた。

「『改・熾天覆う七つの円環』(ロー・アイアス)!!」

本来なら朱き花弁を模した七枚の盾だが目の前に現れたのは、

「黒いアイアスだと!?」

闇夜の如き漆黒の盾が現れ襲い掛かる無数の武器を防ぐ。

「友より贈られしこの盾を簡単に壊せると思うな!!」

漆黒の盾は一枚も欠ける事なく武器の大群を防ぎきる。

「クソッ!」

「次は俺の番だ!」

俺も『王の財宝』を開く、

開いて解った事だが俺と奴の『王の財宝』は能力としては同じものだが繋がっている空間は別のものであり中身は俺が能力のせいなのか元々のものよりも増えていた。

俺は『王の財宝』より八卦炉を取り出しそれを持った右腕を前に突き出し。

あの技を叫ぶ。

「恋符『マスタースパーク』!!」

魔力が解放された八卦炉からは巨大な閃光が奔り、

放たれた閃光が敵を飲み込む。

「ガァァァァッ!!」

閃光が過ぎ去った跡には、

「ガハッ!!」

先程とは違い全身傷だらけで大量の血を流した煉也がいた。

「ガヒュッ! ちくしょ! 俺を3回も殺すとかありかよ!?」

宝具の効果により回復を始める煉也の身体だが、

「創造」

動けないその隙を逃さず、すぐさま光の御子の使う紅き魔槍を創り、

「その心臓貰い受ける!!」

四肢を地につけそこからスプリンターのように駆け全身のバネを使い跳躍し、

その真名を解放し投擲する。

「『刺し穿つ死翔の槍』(ゲイ・ボルグ)!!」

槍は紅き流星の如く敵に向かっていき。

ー刺ー

「グハッ!!」

心臓を貫き身体を壁に縫い付ける。

「『壊れる幻想』!!」

さらに槍に込められた魔力を暴走させ爆発させる。

「ガァァァッ! チクショオォォォッ!! 何故だ!? 何故俺はお前に負ける!? 何故だ!? 俺は力を得た! 誰にも負けない力を!!」

槍が爆発したことによって心臓の部分が抉れ爆発によって身体の一部は吹っ飛んだ事によってかなりグロイ状態となった煉也だが。

「何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ!?」

狂気に駆られた言動を繰り返し、

傷ついたその肉体は宝具の効果によりまるで巻き戻されるかのように再生していく。

「お前は邪魔だ!! コロス!! おマえヲ殺しテスベテヲてに入レる!! そウだ全テヲてニ入レるンだ!!」

煉也はしだいに狂い始め。

「■■■■■ッ!!」

もはや声にならない雄叫びをあげ。

「■■■■■■ッ!!」

巨大な岩の塊のような斧剣を造り俺に襲い掛かる。

「■■■■■ッ!!」

徐々に煉也の肌が鉛色へと変化し、

「■■■■■ッ!!」

再び声にならない雄叫びをあげ。

全身から血管が浮き出て、

その瞳からは完全に光が消え、

かわりに狂気を宿したまるで鬼火のような不気味な輝きをその眼に宿す。

「■■■■■ッ!!」

巨大な斧剣を零に向かって振り落とす。

「クッ!」

俺はすぐさまその場から飛びのきかわすが、

ー砕ー

コンクリートで固められた地面は煉也の一撃で粉砕され破片が飛び散る。

「クゥッ!!」

破片が俺に向かって飛び視界を狭める。

「■■■■■ッ!!」

その際に出来た隙を煉也の横薙の一撃が襲う。

「ッ!!」

俺は咄嗟に双剣を創りさらに自身に強化魔法を掛け防御する。

ー撃ー

咄嗟に双剣をクロスさせ一撃を防ぐが、

ー粉砕ー

「ガッ!?」

ー弾 飛ー

パワーと質量の差から防げるわけもなく双剣は粉砕され、俺の身体はいとも容易く弾き飛ばされ壁に叩きつけられる。

「カハッ!」

俺は叩きつけられた際の衝撃で肺から空気を吐き出し、

さらに身体に受けたダメージで吐血する。

「この身体の頑丈さと強化魔法のおかげでそんなたいしたダメージではないが……」

強化された肉体があったからこそ吐血する程度で済んだが、実際に普通の人間が喰らっていたなら背骨は砕け飛び散った血が消えない壁の染みとなっていただろう。

「■■■■■ッ!!」

再び零に向かって斧剣を振り落とそうとする煉也。

「クッ!」

俺はすぐにその場から離れる。

ー粉砕ー

煉也の一撃が零の居た壁をまるでガラスでも砕くかのように粉砕する。

「狂化した事によって理性がなくなり宝具は使えないがその力はやっかいだな」

しかも『12の試練』(ゴッドハンド)を持ってるから尚更だな。

「あと七回」

生半可な威力では意味がない

ならば!

「本気でお前を殺しにかかるまでだ!!」

「■■■■■ッ!!」

「愚かな転生者よ命の貯蔵は十分か!!」

「■■■■■ッ!!」

「斧剣に対抗して俺はコイツだ!!」

俺は自分の背丈を裕に超える巨大な斧を創る。

生前よくやっていたゲームに登場するロボットの武装であり、

それは永劫の時の狭間で戦う事を運命付けられた戦士達が乗るマシンの使う武装。

「ゲッタートマホーク!!」

迫り来る斧剣を俺は創った斧で防ぐ。

「■■■■■ッ!?」

斧剣を防いだ事により煉也に隙が出来る。

「ハァッ!!」

その隙を使い斧を振り落とし、

「■■■■■ッ!?」

重量とその切れ味で煉也の右腕をぶった切る。

瞬時に高く跳躍し、壁や電柱を蹴って空へと飛び。

「ハァァァッ!!」

俺は魔力を両掌に集め練り上げ・圧縮し、

莫大な魔力が圧縮されたソレは小さな太陽となり、

「オレ式『偽・ストナーサンシャイン』!!」

俺はソレを放つ。

ズゥゥゥンッ!!

着弾地点を強大な爆発が包み込む。

「■■■■■■ッ!!」

爆発に飲み込まれた煉也は、

「■■■■■ッ!!」

四肢の殆どが欠落し皮膚が焼け爛れていた。

「■■■■■ッ!!」

「アレ喰らってまだ生きてんのかよ」

再び煉也の身体は超高速で再生を始める。

「もう回復しやがった!?」

「■■■■■ッ!!」

煉也は斧剣を構えバーサーカーが唯一放つ事の出来る技を放つ。

「『射殺す百頭』(ナインライブズ)!!」

巨大な斧剣による神速の九連撃が零に放たれる。

「チィッ! 『The World』!!」

叫んだ瞬間俺の背後に男性の姿をした何かが現れたその瞬間、

「      」

全ての時間が停止する。

「あっぶね~」

ギリギリセ~フ。

『The World』使ってなきゃ俺は今頃ミンチになってたな。
「ヤバッ! あと 三秒しかもたない!」

俺はすぐさま煉也から離れあのセリフを言う。

「そして時は動き出す」

セリフを言った次の瞬間世界が再び時を刻み動き出す。

「■■■■■ッ!!」

「終わらせる!」

俺は友より託された一つの幻想を具現化させる。

その名は、

「『改・約束された勝利の剣』(エクスカリバー)!!」

勝利をもたらす黄金の剣。

「『改・約束された勝利の剣』(エクスカリバー)!!」

具現化された黄金の剣から放たれた光の斬撃が煉也に当たるその瞬間、八条の光に分かれ四方八方から襲い掛かる。

「ガァァァッ!!」

襲い掛かる光の斬撃によって『12の試練』(ゴッドハンド)の残り回数が最後の一つとなると同時に煉也の狂化が解ける。

「さて 残すところあと一回と言ったところだな」

「チクショウ! 一体どんだけ能力もってんだよ!?」

「さぁね?」

多すぎて数えられないのよね(笑)

「な なぁ もう なのは達にちょっかいださないから見逃してくれ!!」

マンガでよく出てくる三下のようなセリフを吐く煉也だが俺は、

「だが断る!!」

許す事はしない。

何故なら前世でもいたがこういうタイプは当たり前のように約束を破るから信用は一切しない。

「なっ!?」

「お前みたいな奴を生かしておくとたいていは後悔する事になるからな」

後々で俺だけならまだしもなのは達に危害を加えられてはたまったものではないからな。

「お 同じ転生者のよしみで た 頼む!!」

命乞いをする煉也だが、

「答えは全て いいえ だ!」

俺はバッサリと切り捨てる。

「頼む! お願いだ!!」

尚も情けなく命乞いをする煉也を俺は凍るような眼差しで見つめ、

「い いやだ! まだ死にたくない!!」

「魔眼解放」

直死の魔眼を解放しナイフを創り構え、

「ヒッ!!」

「永久にさようなら」

ー刺ー

煉也の額にある黒い塊のような『死の点』にナイフを突き立てる。

「ハギャァァアッ!!」

その腐った魂ごとこの世界から『殺す』。

そして世界からは 竜神 煉也 という存在は完全に消え去る。

「終わったん……だよな?」

俺……人を殺したんだよな……。

倒した事に安堵するがそれと同時に遅いくる罪悪感に押し潰されそうになった次の瞬間!

ー変・化ー

突然世界が変わるのを感じ俺はナイフを構える。

「そう身構えずともよいじゃろう」

声の発信源にいたのは、

「ゼウス!?」

俺をこの世界へと送ったゼウスだった。

「うむ」

「何でこの世界に……いや 調度良い あんたに聞きたい事がある」

推測はしているが一応確認のために聞こうとするものの……、

「竜神 煉也に関する事じゃな」

先に聞きたい事を言い当てられる。

「!?」

「なに……驚く事はない ワシもその事について話しに来たのじゃ」

「なら聞かせてくれ 結局 あいつは何だったんだ!?」

「実はのう 冥界の王であるハデスの書類ミスによって今回の事は起きたのじゃ まぁ 厳密には奴の部下のせいなのじゃがのぅ」

「またかよ……」

もしかして流行ってんの?

「めんぼくない」

「まぁ いい 続きを」

「それで まぁ お主には劣るが能力を与えて転生させたのじゃが……」

ゼウスは苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべ、

「奴の思考を読んだところ善からぬ考えをもっておったので転生させる際に儂が細工し、お主のいるこの世界に転生させたのじゃ」

なるほどな。

だいたいは予想どおりだな。

「それで今回の事が起きたと……」

「うむ」

「まぁ いいさ、それに俺も気をつけないとアイツみたいになる可能性があるしな……」

力に呑まれてしまえば俺も第二のアイツなってしまうからな。

「そうじゃな」

「ところで また 今回みたいな事は起こらないよな?」

今回はアイツが自分の力に酔って本来の力を発揮できてなかったから助かったが次はキツいな。

「ウムッ! この世界はもう転生者の受け入れはできないようにしたから大丈夫じゃ」

「いや……それもそうだが もっと根本的な問題からなおそうよ」

俺の場合はチート転生ものに憧れていたなら別にいいけど、

他の人はそうもいかんだろ?

それに前世においての俺は満たされない日々を送ってきたから今の生活は始まったばかりとはいえ楽しいしいが、

皆が皆そういうわけにはいかないだろうしな。

「それもそうじゃな」

「あのね……」

ホントに大丈夫か?

「まぁ それはともかく今回の件で迷惑をかけた詫びとして何か一つだけ願いを叶えてやろう」

願いか……それなら!

「ならば死者蘇生を許してくれ! どうしても救いたい奴がいるんだ!!」

今よりも過去に介入していれば救えただろうが、そうする事によって生まれるはずの命を理由に俺は見捨てた……、

だからたとえあの子の死は必然であっても俺は救いたい。

これは俺のエゴだが俺はそれを貫きたい!

「死者蘇生か!? しかし う~ん 人数にもよるな」

そういえば医療の神であるアスクレイピオスも死者蘇生の咎によってゼウスの雷によって殺されたな。

「今は一人だけだ!!」

「わかった 今回は許そう ただし! 次は認められんぞ! 次に行えば儂の雷がお主に堕ちる事を覚悟しておけ!」

「ありがとう!!」

これであの子を救える!!

「では ワシはもう行くぞ」

「あぁ ありがとうな」

「お主は見ていて楽しいからな」

「そうか……」

「あっ! それと一応この辺りは修復しておいたから心配せずともよいぞ」

アフターケア万全ですか。

「さいですか」

「それとな……今回の件においてお主には辛い事を押し付けてしまいすまなんだ」

「…………」

流石は神……どうやら今の俺の状態もわかっているようだ。

「仕向けた儂が言える義理ではないがお主に罪は無い……恨んでくれてもいい……すまなんだ」

神としてではなくまるで孫を心配する祖父のような表情で零に謝るゼウス。

「いや……今回の事は俺がこの世界に関わる以上何時かはありえた事だ……むしろ今回の件で覚悟は決まった……」

表の世界とは違い裏に関わるのなら人を殺すという事は何時かはありえた未来なのだろう。

たとえあんな狂った奴とはいえ平和な世界で育った以上禁忌感や嫌悪感がある……、

だが……今回の事で覚悟は決まった俺は俺のエゴを押し通す。

それが見知らぬ誰かを殺す事になろうとも……な。

「そうか……願わくばお主が魔導に堕ちぬ事を儂は望むぞ」

「もしも……そんな事になってしまったら俺を殺してくれ」

誰彼関係なしに傷つけるような殺人鬼になるくらいなら死んだ方がマシだ!

「わかった……じゃがそうならん事を願う」

「あぁ そうだな……」

「では さらばじゃ」

そういって光となり空へと帰っていくゼウス。

「あっ! そういや俺も早く帰らないとやばいなぁ~」

俺はすぐに家に向かって走るが、

「零様!! こんな遅くまで何をしていたのですか!?」

案の定たっぷりと叱られました。

トホホ……

「泣けるぜ……」

 
 

 
後書き
今回出てきた一部の宝具は以前コラボさせていただいた錬鉄者さんからいただいた物です。

 

 

『キャラ説明&ステータス』

 
前書き
今回は主人公とパートナーの設定や能力などの紹介です。 

 
名前

黒帝 零(クロミカド・レイ)

CV 門脇 舞以

性別 男の娘(笑)もとい男

年齢

11歳(無印開始時なのは達より2歳年上)

身長
幼少期 145cm(無印~As)
青年期 180cm(sts)

見た目

幼少期 イリヤ

青年期
アチャ子をちょっ と男ぽくした感じ

趣味

読書、執筆、料理、道具や技術開発、ネタ技開発

特技 マッサージ

ステータス

筋力 A+(S)魔力 EX
耐久 A(S)俊敏 A(S)
幸運 A+ 宝具 E~EX

()は魔力や気、感卦法などによる強化時のステータス

特殊スキル

『幻想の創造者』(イマジン・クリエイター)(EX)

能力説明

幻想(想像、妄想、考え)を魔力を媒介にし具現化させる

具現化された物質は基となった物質と成分こそは近いがこの世界では存在しない第五元素や架空元素エーテルなどに近い物質となっている。

創造する対象のある程度の構造や原理、材料を知る必要がある

ちなみにこの能力は応用すれば空間も創る事が可能


(わかりやすく言えば UBWと空想具現化を合わせたような感じです 実際はちょっと違いますが)

創ったものは創造者の意思で消すか物理的に破壊されるかでしか消えません

また世界の干渉も受けないので劣化することはない

『万能進化細胞』(EX)

血肉はもとより骨や内臓器官などあらゆる身体の器官へと変化しかつ常に進化をし続ける特殊な細胞であり、

零の身体の8割~9割はその細胞で構成されているために超速再生や心臓や他の臓器を破壊されても修復が可能。

ただし常に進化と再生が行われているためにエネルギー消費が一般人よりも高く進化により消費を抑えても燃費があまりよくない。

擬似的な不老不死であるがそれは主にこの細胞のせいである。

ただし例外として完全に消滅したり脳の中にある核を破壊された場合は死ぬ

男の娘(笑)(A)

本人が望む望まないにしろ強制的に魅力にプラス補正が掛かる。


備考

元々は平凡な空想好きの青年であり満たされない日々に不満をもつ青年だったが神であるアテナの書類のミスによって起きた事故で友人を庇い死んでしまった青年。

性格は基本的には優しいが自分の大切なものを護るためなら自分を犠牲にしてしまうふしがある(本人無自覚)

また場合によっては冷酷な手段を取る事も覚悟はしている。

ちなみに実は前世で恋愛をした事がないので恋愛については疎いが好意などは理解できていたりする。

あと他人の恋愛は割りと解るタイプでもある。

ちなみに容姿に関しては創造した神(この場合はゼウス)が最近の流行りを取り入れたために所謂男の娘になってしまったが、本人は某最終幻想7の銀髪や世界最強の賞金首の蒼の魔導書を使うオッドアイな主人公の容姿に憧れていたので女扱いされる事に悩んでいる。

青年時代は女版アーチャー(同人誌のアチャ子)を少し男ぽくした感じの見た目となる。

目下の悩みは翠屋の手伝いでのコスプレ(強制)や服を買う際に女性陣に着せ替え人形にされる事や男にナンパされる事。

趣味が料理で長年やっているのと熟練度の成長が速いのでかなりの腕前。

ちなみに名前に関しては作者が昔書いていたオリジナル小説の主人公の名前を使っています。




名前

黒帝 千歳(クロミカド・チトセ)

CV ゆかな

性別 女

年齢 ?(生まれて間が無いので)

身長 165cm

見た目

東方の 八雲 藍 の髪をロングにした感じ

趣味

主人観察、数式開発、料理、ショッピング、読書、

特技

暗算(億の位なら誤差無しで1、2秒で出来る)、計算、演算、家計簿、

ステータス

筋力 A 魔力 EX
耐久 B 俊敏 A
幸運 A 宝具 ??

保有スキル

妖術(A)

妖力を使用する事により妖術の使用が可能

妖術は基本的に攻撃よりも 幻術 補助 に向いている

霊視(A)

人の魂をみたり霊体から情報を把握できる。

このレベルなら魂のレベルや輝き、強さが把握できる。

演算能力(EX)

ユニゾンデバイスでもあり基にしたキャラの特性を引き継いでもいるので演算能力は他に比べて桁違いに高い

レベル的にはスーパーコンピューターどころか量子演算コンピューターに匹敵する。

天狐(EX)

妖狐よりも上のランクに位置する天狐であるために殆どの 神獣・魔獣 は従える事も可能であり自然と動物にも好かれやすい体質でもある(ちなみに主である零にもこのスキルと同じく好かれやすい体質となっている)

スッパテンコー(笑)

八雲 藍の特性? を引き継いでいるため極限まで興奮したりまたは特殊な状況になるとスッパテンコーになってしまう事がある


備考

ゼウスが創った 零 専用ユニゾンデバイスでもあり零のパートナーでもある

能力は零に合わせたのでかなり高い高性能を誇る

また 八雲 藍 を基にしているので従者としての能力はかなり高い

基本は主至上主義だが間違った事をしようとする場合などは敵対してでも止めようとする。

本人曰く唯従うだけが従者ではなく主が間違った方へ進むのを止める事もまた従者の義務ですとの事。

趣味の料理は事和食に限れば零よりも美味く超一流の料亭に出してもおかしくない味である。

また計算が得意で趣味で新しい数式を開発しては匿名でネットに発表しておりそれを見た数学者は血眼になって彼女をさがしているらしい。

また身体はただの機械ではなくそのほとんどが生体部品で創られているので人と同じように生理現象などがあり、また食べ物を食べれたり、子を成す事も可能である。

ちなみに着痩せするタイプであるため服を脱ぐとスタイルが変わって見える。 
 

 
後書き
キャラクターの能力が増えたらまた書く事があります。 

 

『異世界旅行は夢いっぱい危険もいっぱい』

 
前書き
今回は短いです。 

 
前回の転生者との戦いから数日後。

俺は自分の能力を使いこなせてない事を自覚し、

「そうだ! 異世界に行こう!」

異世界に修業をしに行く事を決意する。

「いきなりどうしました?」

お昼の用意をしている千歳が尋ねる。

「いや~ 俺ってまだ自分の能力を完全に把握してないから宝石剣の試運転を兼ねて修業でもしようかなっと思ってね」

あの転生者もそうだが、俺の場合は能力が多すぎてまだあんまり使いこなせていないんだよな。

欲張り過ぎた弊害だよね……まぁ 自業自得なんだけど。

今はまだなんとかなるが、これから先闇の書や管理局を相手に戦う上では力不足だ……自分の大切なものを護るためにはたとえ……与えられた力であっても自分の力だ、制御出来ない力なんて危険意外の何物でもない。

「そうですね」

「とりあえず メシ喰ってから行こうか」

「はい」

ちなみにお昼はきつねそばでした。

うどんも好きだが俺はそば派だ。


しばらくして、

「さて……」

食事俺達はマンションの屋上へと上がり。

千歳に簡易認識阻害の結界を張ってもらい俺は宝石剣へと魔力を通す。

俺の宝石剣は一見すれば黒水晶のようであるが水晶特有の透き通る透明感がしっかりとあり宝石剣特有の特殊なカッティングが施されているために太陽の光を黒い刀身が吸い込み、

吸い込んだ光が刀身の内部反射し幻想的な輝きを見せる。

また見た目の優美さとは裏腹に魔術的な処理もされており実戦でも武器として使えるようにもなっている。

そして俺は宝石剣に魔力を送り込む。

宝石剣に施された特殊な魔術的加工によって内部の魔術回路がまるで万華鏡のように輝き魔力に満ちた刀身を上段に構え、

「開け次元の扉!!」

ー斬・開ー

宝石剣によって切り裂かれた空間がまるで扉のように開き零と千歳の身体が光に包まれる。

「さて、異世界に行きますか」

俺達は次元の扉を通り異世界へと行く。


そして次元の扉をくぐり辿り着いた場所は、

「見事に砂ばっかだな」

見渡す限りどこまでも広がる砂漠でした。

「ここならどんなに暴れても大丈夫だな」

周りは岩と砂しかないから強い魔法や能力を使っても大丈夫だな。

「これからどうなさるおつもりですか?」

「とりあえず能力の練習をしたいから適当な敵を探すか」

「でしたらここから 1km程先に大きな魔力反応があります」

千歳の魔力探知によって敵の場所を特定し向かう事にした。

「ならそこに向かうか」

千歳の指示した場所へ向かうと、

「なにアレ?」

なんかすっごくでかいミミズのような怪虫がいました。

正直キモち悪い……虫苦手だから余計にキツイな。

「砂虫(サンドワーム)ですね」

何故か俺達のいる場所を凝視する砂虫(目 無いけど)。

「コッチみんな!!」

俺達を獲物と見定めた砂虫はその巨大な口を限界まで開き、

「キシャー!!」

獲物を飲み込まんと襲い掛かる砂虫。

「虫酸ダッシュ!!」

ー蹴・撃ー

俺は魔力を込めた右足でおもいっきり砂虫を蹴り飛ばす。

「ギシャーッ!?」

蹴りの衝撃によって砂虫の巨体が折れ曲がり強烈な勢いで砂虫の身体が砂の上に落ちる。

「『世界焼き尽くせし厄災の枝』(レーヴァテイン)!!」

その隙を逃す事なく王の財宝から刀身が紅い宝石のような剣を取り出し、

真名を解放する事により巨大な炎の剣へと変化させ、

「チェストォォォッ!!」

天を突く炎の巨剣を縦一文字に一気に振り下ろす

「ギシャーーーッ!!」

超高温の炎の斬撃により砂虫の巨体は切り裂かれものの数秒で灰へと変わる。

「あ~ 気持ち悪かった~」

ほっと一息をつくが、

「零様! 新たな反応が!!」

ゴゴゴゴゴッ!!

突如砂が山のよう盛り上がり、

「へっ?」

そこから現れたのは、

「ギャオーッ!!」

巨大な龍と亀のが混ざったような生き物だった。

「デカーッ!!」

目が飛び出さんとばかりに目を見開き現れた生き物の見つめる。

その大きさはまるで山のようであった。

「ラ○シャン○ン? もしくはガ○ラ?」

どちらにせよこれSFのモンスタークラスのデカさだよ?

「おそらく岩龍(ロックドラゴン)の最上位種だと思われます」

「どうしろと?」

「あの外殻は見た目通りかなりの強度をもっているので生半可な攻撃ではダメです」

「なら!」

俺は黒塗りの弓と螺旋をえがく捩曲がったドリルのような剣を創り弓につがえ、

「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!」

真名を解放し放つ!

放たれた矢は蒼い光となり岩龍の甲殻に命中し、

ー爆・砕ー

「壊れる幻想」(ブロークン・ファンタズム)によって武器に込められた魔力が暴走し大爆発を起こすが、

「マジ!?」

矢と爆発によって一部の甲殻を吹き飛ばしてはいたがあまり効いた様子はなかった。

「オォォォォッ!!」

岩龍は零の攻撃に怒りをあらわにし口の中にエネルギーを溜め始める。

「はい?」

「グオォォォッ!!」

岩龍から巨大な炎のブレスが放たれる。

ー開・取ー

俺は瞬時に王の財宝から一つの指輪を取り出し能力を発動させる。

「『火除けの指輪』(アズュール)」

ー命中・爆炎ー

炎のブレスが零に命中し零は爆炎に包まれる。

「風よ」

突然吹いた強風が煙を吹き飛ばし、風が吹き煙が晴れた場所には、

「ケホ ケホ 煙い!」

煙にむせているが無傷の零達の姿があった。

「大丈夫か千歳?」

「はい」

「あんにゃろ~」

「あの硬い甲殻を破るのは難しいですね」

「ならコイツはどうだ!」

俺は右腕を天に掲げ、

『喚ぶ』

「『召喚』!!」

零の声に呼応するかの如く上空に巨大な魔法陣が描かれ。

「海神龍『リヴァイアサン』!!」

魔法陣からまるで巨大な蛇のような龍が現れ。

「押し流せ!!」

「キシャーーッ!!」

リヴァイアサンの咆哮と同時に砂漠で起こるはずのない巨大な津波が発生し岩龍を押し流していく。

「グオォォォォッ!!」

咆哮をあげながら津波に流される岩龍を零達は見送る。

「ありがとな」

俺がリヴァイアサンの頭を撫でて礼を言うと。

「グルルル」

嬉しそうに喉を鳴らして元の世界へと還って行った。

「今のうちに別世界に渡るか」

この世界は流石にまだ速いと思い俺は宝石剣を構え、

「開け!」

再び次元の扉を開き異世界に渡る。

次に渡った世界は、

お米の砂漠や酒の湧き出る泉や8本足のワニなどの地球の生体系では考えられない風景が広がっていた。

「これなんてトリコ?」

ちなみにその後この世界の生き物や植物を手当たり次第別荘に放り込んで別荘の生体系が狂うのはまた後日の話しである。


- 
 

 
後書き
実は一部が先の展開に関係がある伏線だったりします。

感想やアドバイスお待ちしています。 

 

番外編『根源に至りし錬鉄者との出逢い』

 
前書き
今回はにじふぁんでお世話になっていた錬鉄者さんとのコラボの回です。

 

 
時間軸は異世界での修業が終わってから数日後。

「あれから色んな世界を廻ったけどどれも大変だったなぁ~」

あれから俺はトリコだけでなく fate、魔法世界、モンハン、シャナ……etc

などの複数の世界を廻った。

「宝石の肉とりにいったらマンモスに喰われるわ 転移ミスって学園に入ったら正義バカどもには襲われるわで大変だったなぁ~」

宝石の肉を採るためとはいえマンモスの中に入るのは大変だったし……。

とある世界では襲撃者に間違われてバカがいきなり襲って来るわ……。

かなり大変な目にあったな~。

「私としては好物の油揚げをつくるための材料が手にはいったので嬉しいですが」

好物である油揚げの材料が手に入ったおかげなのか終始上機嫌な千歳。

「そうか」

そんなほのぼのとした空気を……。

「零! 緊急事態じゃ!」

神という名の一人の乱入者がぶち壊す。

「いきなりなんだよ!?」

のほほんとした空気が一瞬で破壊されたんですけど!?

「お主がこの前に殺した転生者の魂の残りカスがココとは別の平行世界に入り込んでしまったのじゃ!!」

そんな俺の心境をガン無視して自分の用事を喋るゼウス。

「ちょっと待てゐ!? ヤツは魂ごと完全に殺したはずだぞ!?」

俺は確かに『直死の魔眼』で奴の存在を……『死点』を突いたハズだぞ!?

「どういうわけかはわからんがヤツの魂の残りカスが完全に消える前に平行世界の扉をくぐり逃げたようじゃ!」

ホントにどうやってわたったんだ?

俺でも出来ないぞ。

「あれでも完全に死んでなかったのかよ」

どんだけしぶといんだよ……。

生命力は台所とかに出る黒いアイツよりも上ですか?

「今のヤツは欲望と本能の塊じゃ! しかもお主にやられたせいか能力はほとんど使えんみたいじゃがな」

最初とあんま変わらん気がするのは俺だけか?

それはともかく……。

「わかった!」

今回の事件の原因は俺にもあるために俺はゼウスの討伐任務を受ける事にした。

「スマン……」

申し訳なさそうに謝るゼウス。

「謝るよりも先に俺達を送ってくれ!」

ヤツが行った世界が大変な事になってなきゃいいんだが……

「うむ!」

「千歳! 準備はいいか!?」

「はい」

「では主達を送るぞ!!」

パチンッ!!

ゼウスが指を弾いた次の瞬間。

ブゥンッ!!

足元に黒い穴が現れ、

「って! またかい!?」

「え?」

再びひ○し君人形よろしく没シュートされる俺達。

「後で覚えてろよ~!!」

黒い穴の中に落ち世界を移動する二人。

「ふ~む あやつにばかり押し付けてしまうのはしのびないがせんなきことなのかの~」

一人呟くゼウスの姿には哀愁の色が見える。


ちなみに同時刻の二人が落とされた黒い穴の中では……。

「あんのジジイ……とりあえず帰ったら一発殴る!!」

世界の移動方法に腹をたてた零は一人ゼウスに報復を誓う。

「零様」

突如千歳が主である零に呼び掛ける。

「どうした?」

「どうやらそろそろのようです」

千歳の言うとおり黒い空間に終わりが見えた次の瞬間俺達は……、

「またかい……」

また上空にいました。

「はぁ~ なんでまた上空数百メートルから始まるかね~」

などと愚痴りながらも俺は千歳と共に飛行魔法を展開し夜の上空を飛翔する。

俺どんだけ上空に縁があんの?

飛行能力なかったら大変な事になってるよ?

「零様 魔力反応を察知しました!」

千歳が魔力を感知し場所を告げる。

「わかった 急いで向かうぞ」

俺達は速度を上げ魔力反応のあった場所まで急ぐ。

「見つけた!」

そこには紅い外套を纏った少年らしき人物と金髪の女の子がいた。


シロウ Side

「クッ ヤツは何者なんだ!?」

身体を数本の剣に貫かれつつも少年はまるで猛禽類の如き鋭き視線で目前の敵を睨む。

「オイオイ ちっさい エミヤシロウにセイバーってんのはなんの冗談だよ!?」

それに対し相対する敵は紅い外套を纏った少年の様子にまるで嘲るような言動を投げ掛ける。

「クッ 二本の聖剣の直撃を受けても死なないとは!」

視線は厳しいままだが若干の焦りを見せる少年。

「シロウ!」

金の糸で紡がれたかのような黄金の髪の少女が少年の名を呼ぶ。

「大丈夫だ セイバー まだ戦闘はできる」

シロウと呼ばれた少年は己の名を呼ぶ少女に大丈夫だと言う。

「しかし!」

「オイオイ 敵の前でイチャつくなんて随分と余裕だなぁ! オイッ!!」

なおも嘲るような態度を崩さない男。

「クッ 奴も転生者なのか!?」

「心配すんな さっさと てめぇをぶっ殺してフェイトやなのは達は俺好みの牝奴隷に調教してやるからよぉ!!」

男は全身に狂気をみなぎらせながらも下卑た言動を発する。

「フェイト達には指一本触れさせはしない!!」

男の言葉にシロウは激怒し声を荒げる。

「この世界ならあの邪魔なアイツもいない! 俺の世界だ! 俺の時代が来たんだ! まさに俺センチュリー」

男は意味の解らない言葉を発しさらにその身から狂気を滲み出させる。

「キサマッ!!」

フェイト達をあのような腐った奴の好きにはさせてなるものか!

「シロウ! 新たな魔力反応が!?」

今このタイミングでだと!?

私がセイバーの示した方向を向くと、

「な なんだと!?」

新雪のような純白に近い銀髪の少女? がこちらに近づいてくるのを確認した。

「まさか!?」

向かって来るのは……、

この身体の本来の持ち主と縁の深い人物であり義理の姉であった少女に酷似した人物であった。

「イリヤ!?」

シロウ Side end


零 Side

「見つけた!?」

俺の視線の先にいたのは……、

「シロウ!?」

身体を数本の剣に刺された紅い外套の少年だった。

だがその姿はあまりにも自分の知る人物に似ているためについ声を荒げてしまう。

「何故この世界に!? いや! 今は考えてるヒマはない!」

俺は虚空に数十本の剣を創り敵である 竜神 煉也に向かって放つ。

己に向かってくる剣群に気付きすぐに回避する煉也。

「なっ!? てめぇは!!」

驚く煉也を無視し俺は少年のすぐそばまで下りる。

「大丈夫か?」

少年のすぐそばに近づき話し掛けると、

「イリヤ!?」

今のこの身体の基となった少女の名を呼ぶ少年がいた。

あ〜 今の俺の外見ってまんまイリヤになってんからなぁ〜。

「残念ながら俺の名前は黒帝 零だ ちなみに男だ!」

男だからな!

「なんだと!? グッ!」

驚くと同時に傷の痛みで膝をつく少年。

「とりあえず『ヒール』」

俺は少年の身体に回復魔法をかける。

「傷が!?」

突然の回復魔法に驚く少年。

「シロウ!?」

突然の事に驚き少女が少年の名を呼ぶ。

「まさか エミヤ シロウ?」

「何故君が私の名を!?」

俺のつぶやきに反応したシロウと剣を構えるセイバー。

「詳しい説明は後だ! それよりも今はあのクズを倒すのが先決だ!」

「クッ! しかたあるまい」

「また てめぇか!?」

黒く濁り憎悪に満ちた目で零を睨む煉也。

「それは俺のセリフだ! お前は俺が殺したはずなのに他の世界で迷惑かけやがって!」

「俺の野望を叶えるまで死ねるか!!」

「事情はよくわからないが どうやらキサマはここで倒した方が良いみたいだな」

「てめぇにできんのかい!? 正義の味方さんよぉー!?」

なおも嘲るような態度を崩さない煉也。

「キサマ!!」

その態度と言動に怒りを顕にするセイバー。

まぁ 彼女のような高潔な精神を持つ騎士である以上煉也のような人をバカにしたような態度をとるものに怒りを顕にするのは無理もないだろう。

「落ち着け セイバー!」

怒りを顕にするセイバーを宥めるシロウ。

「しかし!」

「シロウの言う通りだ怒ったところで意味はない だが……それ相応の報いは受けてもらうとしよう」

「そうだな」

お互いに頷き合い、

「千歳 援護は頼んだぞ!!」

「はい お任せ下さい!」

己が従者に指示を出す。

「では 私達も行くとするか」

「はい!」

「いくぜ!!」

俺は白と黒の双剣を創り構える。

「ハッ!!」

シロウは俺と同じ双剣で敵の攻撃を必要最低限の動きで捌き、

「ハァッ!!」

セイバーは魔力ブーストを使いスピードとパワーを上げて戦い。

「セイッ! ハッ!」

俺は自身に強化魔法を使いスピードと手数で敵を翻弄する。

「チッ! チョコマカとウザイ ヤツめ!!」

「アナタも人の事はいえませんよ」

千歳は狐火や妖術で煉也の隙をついて零達の援護に徹する。

「クソが!!」

煉也はその手に再び巨大な斧剣を造り力任せに薙ぎ払う。

ー粉 砕ー

巨大な斧剣が高速で薙ぎ払われた事によって地面がえぐれその衝撃でコンクリートの破片が飛び零達に襲い掛かる。

「『粋護陣』」!!

俺は千歳の前に立ち防御技でこちらに向かって来る破片を防ぐ。

「『プロテクション』!!」

シロウはセイバーの前に立ち防御魔法『プロテクション』を使い破片を防ぐ。

「喰らえ! 『王の財宝』!!」

煉也は『王の財宝』を使い虚空から無数の武器を零達に向かって展開し放つ。

「クッ!!」

「このままでは!」

「零様!!」

「全員俺の後ろに!」

俺は全員を後ろに行かせ、

「コイツはどうだ!」

俺はとある一つの鞘を創りその真名を解放する……、

その名は……、

「『全て遠き理想郷』(アヴァロン)!!」

かつて騎士王と共にあり過去において失われし聖剣の鞘。

その名は理想郷を意味し所有者には癒しと最強の護りを与える。

真名解放により数百のパーツに別れたそれは対象をあらゆるものから遮断する最強の護り。

向かって来る無数の宝具はその護りに遮られその全てが跳ね返される。

「アヴァロンだと!?」

跳ね返された宝具は自らの所有者に襲い掛かる。

「『熾天覆う七つの円環』(ロー・アイアス)!!」

とっさに造られた紅き盾は必要な工程をいくつもすっ飛ばしたために脆く。

「ギャアァァァッ!!」

身体をいくつもの武器が貫きダメージによって膝をつく煉也。

「今のうちに畳み掛けるぞ!!」

「同調開始〈トレース・オン〉」

シロウはその手に一つの聖剣を造る。

それはかつて騎士王が所持していた聖剣。

「ハァッ!!」

そして騎士王の力と姿そして想いを宿した彼女は同じ剣を掲げ……。

「「『約束された』(エクス)……」」

今二振りの聖剣が振り下ろされる。

「「『勝利の剣』(カリバー)!!」」

二つの光の斬撃は重なり愚者を十字に切り裂き、

光の奔流によって愚者を焼く。

「ガァァァッ!!」

光によって断罪された愚者の身体はそれでもなお生を求めて足掻く。

「千歳 ユニゾンだ!」

「はい!」

「「ユニゾン・イン!!」」

俺は千歳と融合《ユニゾン》し九つの尻尾をもつ金毛白面九尾の狐にへとその姿を変え。

ー開 眼ー

「今度こそ完全に終わらせてやる!!」

直死の魔眼を解放し、

「シロウ 俺にナイフをくれ!」

シロウにナイフを要求する。

「あ あぁ」

若干どもりながらもそれに応えるシロウ。



シロウ Side

「「ユニゾン・イン!」」

私は目の前の光景に驚きを隠せなかった……。

確かに知識としてはユニゾンデバイスが存在するというのは知っていたが、

「ここまでとは……」

このように完全に姿形が変わるものは知らず私は驚愕する。

「しかし……」

私は目の前にいる狐を見てこう思わざるをえない。

そう……ただ一言、

「美しい」

と……。

目の前にいる九本の黄金の尻尾を優雅にたゆらせその細く美しい身体は妖しさだけでなくどこか神聖さをも感じさせる。

「シロウ 俺にナイフをくれ!」

その姿に見惚れていた私を零の言葉が現実に戻す。

「あ あぁ」

私はすぐさま強固な一本のナイフを造り零になげる。

シロウ Side end



零 Side

俺はシロウからなげられた一本のナイフを口にくわえ。

「今度こそ終わらせる!!」

俺は全身のバネを使い走る。

「クッ! クルナー!!」

すでに精神的にも肉体的にも限界を超えた煉也はただがむしゃらに魔法弾や宝具を撃ってくるが、

「そんなものが当たるか!!」

俺は迫り来る全て攻撃の軌道を見切り、最小限の動きでかわし一直線に煉也へと迫る。

「これで……終わりだー!!」

ー刺 突ー

俺はナイフを煉也の胸の中央に存在する『死の点』に突き立てる。

「ギャアァァァッ!!」

ナイフを突き立てられた煉也は悶え苦しみながら獣の如き断末魔の叫びをあげる。

「死にたくない! 死にたくねぇよぉ! まだ俺は! まだなんにも俺の願いを叶えてねぇのに!! こんなところで!!」

しぶとくあがく煉也。

「これで本当の最後だ!!」

俺はナイフを蹴りさらに深く刺す。

「アァァァッ!!」

ー灰塵ー

煉也の身体が崩壊を始め細かな粒子となって飛散していく。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だーーーーー!!」

末期(まつご)の叫びをあげながら今回は魂ごと完全に消滅するのを確認する。

「最後の最後までやかましい奴だったな」

零 Side end


シロウ Side

「まさかあの力は……」

煉也と呼ばれた男の胸の中心にナイフが刺さった瞬間私は何か違和感を覚え男をよく見ると……、

「なにっ!?」

身体が灰のように細かな粒子となって崩壊していくのに気付く。

「あの力はまさか……『直死』……」

シロウ Side end



零 Side

「ユニゾン・アウト」

零の身体が光に包まれ身体から千歳が出た事により元の身体に戻る。

「今度こそ終わったな」

「はい 魂の消滅を確認しました」

「そうか」

「ところで……いい加減説明してくれないか?」

シロウが説明を求める。

「そうだったな」

俺は煉也に関する事と自分に関する事の一部をシロウに教える。

「というわけなんだ」

「なるほど」

「次はシロウの事を教えてくれないか?」

何故この世界にエミヤ シロウがいるのかも気になるしな。

「そうだな」

俺はシロウが根源に至りそこで出会った存在と自身に関する事を教えてもらう。

「私自身未だにわからない事が多すぎる以上詳しい事はいえないんだ」

「お互いに奇妙な縁があるものだな」

今の俺の姿がイリヤであるだけにエミヤ シロウの姿をした者が違う世界であるとはいえなにやら奇妙な縁を感じるな……。

「ふむ 確かに」

「そういや千歳は何を……」

俺が千歳の方を向くと……、

「なかなかでしょう」

「いいですね」

主そっちのけでなにやら談笑している二人。

「特にコレなどどうです?」

なにやら写真のようなものを見せる千歳。

「これは!」

何故か顔を赤くしながら驚くセイバー。

「なに……やってんのアイツら……」

「何故かわからんがああいう手合いには関わらん方が良いと思うぞ」

「「ハァ~」」

二人は同時にため息を吐く。

「ところでよければ私達の家に来ないか? 私の家族も紹介したいのだが」

「いいのか?」

「あぁ もちろんだとも」

「なら お言葉に甘えるとするか」

俺はシロウの言葉に甘え家へと案内してもらう。

それから数分後……。

「ここが私達の家だ」

シロウに案内されて俺は家につく。

「ただいま」

シロウが扉を開けた次の瞬間、

「シロウ! お帰りなさい!!」

金色の髪の少女がシロウに抱き着く。

「ふ フェイト!?」

突然の事に驚きながら少女の名前を呼ぶシロウ。

それを見た俺は……、

「あっつあつだねぇ~」

シロウを茶化す。

「茶化すな!」

「え? 誰?」

「シロウの友達の 黒帝 零っていうんだ」

「千歳と申します」

「え あ あの私はフェイト・テスタロッサです」

突然の事に困惑しながらも礼儀正しく挨拶をするフェイト。

「詳しい話しはリビングで行うとしよう」

俺達はリビングへと移動し、

「実は……」

シロウは事のあらましを全員に説明する。

「というわけなんだ」

「平行世界から来たなんて……」

プレシアは俺の説明を聞き平行世界から来た事を信じられないと言った顔をしながら俺達の顔を見る。

「零って強いの?」

フェイトと瓜二つの姿をした少女アリシアが零の強さを聞く。

「まぁ それなりにね」

ウソです……本当はやりようによっては世界の一つや二つぐらい滅ぼせます。

やらないけどね!

「ところで 気になってたんだけど」

「はい?」

「あなた 女の子?」

プレシアが零の性別をたずねる……。

またかよ……。

見た目だけを言えば雪のような白い髪の少女にしか見えないので仕方がないと言えよう。

「残念ながらりっぱな男の娘です」

ウソは言ってないよ……不本意だけど……。

「あら 残念ねぇ~」

いや 何が残念なの!?

「零って男だったの!?」

零が男だと知り驚きの声をあげるアリシア。

「そうだよ」

「そんなにかわいいのに!?」

「いや 俺より君達の方がかわいいから」

てか……かわいいとか言わんといて……泣きたくなるから。

見た目はともかく中身は男だからかわいいとか言われても反応にこまるんだよね……。

「「本当!?」」

「え?」

二人そろって驚きの声をあげる。

「冗談はよく言うけど嘘はつかないよ」

「私ってかわいいの!?」

「もちろん」

というか人の美的感覚はそれぞれだがこの二人をブサイクと言う奴はそんなにいないだろう……。

つか居たらはっ倒す!

「わ~い」

可愛いと誉められた事に喜ぶアリシア。

その姿は無邪気な笑顔とも相まってとても眩しく見える。

「ふむ 仲良くしているみたいだな」

そんな光景を見守るシロウの姿があった。

なんか父親みたいだぞ?

キュ~グルルル!

突如誰かの腹の音が鳴る。

「シロウ お腹が空きました!」

腹ぺこセイバーさん降臨!

「なら 何かつくるとしようか」

やれやれといった感じでエプロンをつけながら台所へと向かおうとするシロウ。

「俺も手伝おうか?」

そんなシロウに手伝おうか?と声をかける零。

「いいのか?」

「料理はけっこう得意だしな それに………」

俺は王の財宝を展開し中から……、

「なんだそれは!?」

普通の生体系なら見るはずのない食材が現れる。

「俺が巡った世界のうちの一つの世界でとった食材たちだ 全て味は保証するぞ」

「世界を巡る?」

「あぁ 俺は特殊な改造を施された宝石剣を持っていてな それの力でいろんな世界を巡ったんだ」

「ほぅ」

シロウは俺の持つ宝石剣に興味を示す。

「なかなか興味深い話しね」

プレシアも次元世界だけではなく平行世界すら渡る宝石剣の存在に興味を抱く。

「まぁ それはさておき……料理ができるまでコレでもつまんどいてくれ」

俺はあるものをプレシア達の目の前に置く。

それは……、

「コレは苺?」

房がフサフサした苺だった。

けしてシャレではないのであしからず。

「まぁ 食べたらわかる」

「それもそうね」

プレシアは苺を一つとり口へと運ぶ。

たっぷり実の詰まった苺が潰れる音が響く。

「味はおいしいけど普通ね」

しかしこの時すでに変化が起きていた。

「プレシア! か 髪が!?」

プレシアの変化に驚きの叫びをあげるシロウ。

「髪がどうかしたの?」

何故シロウが髪を見て驚いているかがわからないプレシアに俺は手鏡を手渡す。

「えっ!?」

手鏡に写っていたのは……、

「髪が綺麗になってる!?」

普通では有り得ないほどに髪が綺麗になったプレシアだった。

「なにコレ?」

「この苺はキューティクルベリーっていって食べたら髪が最高クラスの髪質へと変わり肌も綺麗になるんだ」

文字通り輝くようなキューティクルにな。

「こんなのがあるなんて」

「まぁ 普通じゃ有り得ないしね」

「お母さん綺麗~」

「母さん凄い……」

「これはまだ序の口だから期待しててくれよ」

「うん!」

「このような食材があるとは」

シロウはまるで新しい玩具を与えられた子供のように眼を輝かせながら零の出した食材を見つめる。

「シロウの料理人魂に火がついたようだな」

「あぁ! このような珍しい食材を調理する機会などそうはないだろう!」

真剣な表情で眼光鋭く食材を一つ一つ厳選するシロウ。

「なら始めますか」

「お手伝いします」

途中から千歳も参加する。

「腕がなるな!」

零達が台所に行き調理が始まる。

何故かその過程でシロウの雄叫びのようなものが聞こえたがそれはあえて無視しよう。

そして……、

「ちょっと………」

「これは………」

「やり過ぎたな………」

零達の眼前には大量の料理群がところせましと並んでいた。

「とりあえず運ぶか」

「そうだな」

大量の料理をリビングへと運ぶ。

それを見たセイバーは……、

「おぉぉぉ!!」

歓喜の叫びをあげる。

その背後にデフォルメされた獅子が見えるのは気のせいだと信じたい。

アレってスタンドじゃないよね?

「凄い量ね」

若干呆れているプレシア。

「すご~い」

「すごい」

フェイトとアリシアの二人はその量に驚く。

「興がのってつくりすぎた」

「さすがにやりすぎたね」

流石にヒートアップし過ぎたか?

「そうですね」

「シロウ! 食べていいですか!?」

今か今かとまるで餌を前にした犬のように眼を煌めかせながらシロウに問うセイバー。

「そうだな 食べるとするか」

そんなセイバーの姿にやれやれといった感じで食事を始めるシロウ。

「では」

「「「「「いただきます!」」」」」

全員が料理を口に運ぶ。

「おいしい!」

「凄くおいしいよ」

アリシアとフェイトの二人は笑顔で料理を食べる。

つくった人間としてはやはり料理で笑顔を見せてくれるのはとても嬉しい事だ。

「くやしいけどおいしいわね」

プレシアは若干悔しそうな顔をしつつも料理に舌鼓をうち。

「シロウ! おかわりを!」

早ッ!? 早すぎるよッ!

セイバーは大量の料理を高速でたいらげる。

正直な話その小さな身体のどこに納めているのかを小一時間ほど問いただしたいものだ。

「少しは落ち着きたまえ」

シロウはそんなセイバーに若干呆れながらも注意をする。

そんなこんなで若干宴会のようになってしまった食事会だが。

これはこれでなかなか楽しいのでありだと俺は思う。

それからしばらくして……、

「うわ~ あれだけあった料理がもうほとんど無いよ」

文字通り山のような料理の数々はすでにテーブルからその姿を消していた。

「さすがはセイバーといったところか」

実際彼女がほとんどの料理をたいらげていた。

「あの細い身体のどこにはいってんだろ?」

ちなみに他の女性陣達はデザートの虹の実ゼリーのとりこになっていました。

「シロウ 少しいいか?」

「どうした?」

「ここじゃなんだからシロウの部屋に行っていいか?」

「わかった」

俺達はこっそりと部屋をでるが……。

「シロウ?」

一人気付いたフェイトが後を追い掛ける。

フェイト Side

私はシロウと零が部屋を出て行くのを見て不思議に思い後をつける事にした。

「なにをしてるんだろう?」

私が部屋の扉に耳をつけ会話を盗み聞きすると。

「シロウってけっこう………」

「そうか?」

「フェイトには内緒だね」

えっ! 何が!?

「うぅむ」

「ここなんてこんなに硬くなってるじゃないか」

「コラ! あまりペタペタ触らないでくれ!」

ホントになにしてるの!?

その時……、

ドサッ!

何かが倒れる音がし、

「シロウってば大胆だね」

「スマンッ!!」

シロウが慌て零に謝るその言葉をかわきりに私がシロウの部屋へ押し入ると。

「「あっ!」」

何故か上半身裸のシロウが零を押し倒していました。

「シロウのバカー!!」

フェイト Side end



零 Side

「シロウ お前さっきの戦闘のダメージがまだ残ってるだろ」

「気付いていたのか!?」

「動きが若干変だからな」

本人は普通にしているつもりだろうが若干動きがぎこちないところがあるのが見てとれた。

「ふむ まぁ たいしたことはないのだが内部にまだ若干のダメージが残っているようだ」

「治療してやるから服を脱げ」

「なっ!」

「こういうのは早めに治療しといた方がいいだろ?」

「クッ! 確かにそうだが……」

「善意は受け取っとけ」

「ふむ ならば頼むとしよう」

零の言葉に従い服を脱ぐシロウ。

「シロウってけっこう筋肉ついてるんだな」

見た目はそこまでではないが触ると固くしなやかな弾力を帯びた筋肉の感触がわかる。

かなり鍛えてるな。

「そうか?」

俺は解析魔法を使いシロウの身体を調べる。

「まだ けっこうダメージが残ってるぞ」

体内にダメージが残っておりそこまで酷いものではないが何も処置をしなければ後々響いてくるだろう。

「そうなのか?」

「フェイトには内緒だね」

俺は回復魔法を使いながら言う。

「うぅむ」

「しかしシロウってけっこう筋肉が固まってるとこがあるな 家事疲れか?」

「まぁ それもあるかもしれないな」

「ここなんてこんなに硬くなってるじゃないか」

俺はシロウの筋肉を触って硬さを確かめる。

「コラ! あまりペタペタ触るな!」

シロウが身体を動かした次の瞬間。

ドサッ!

零の身体が押されベッドに倒れると同時にシロウの身体が覆いかぶさるように零の上にのる。

「シロウってば大胆だね」

「スマンッ!」

構図としてはシロウがイリヤを押し倒しているのを想像するとわかりやすいだろう。

その時……、

ー開ー

突如扉が開きそこからフェイトが現れた。

「「あっ!」」

運悪くこの光景を見たフェイトが取った行動は……、

「シロウのバカー!!」


バルディッシュを展開し泣きながらシロウへと殴り掛かる。

「フェイト!? 落ち着け! 落ち着くんだ! 落ち着こう! コレは事故だ!?」

おぉ! 見事な三段活用!

「うそつき~!!」

「話しを聞いてくれ~!!」

なんか浮気現場を押さえられた男みたいだな。

「なんで私にはしてくれないの~!?」

「待て! 論点がズレているぞ!」

「問答無用!!」

「零からもなんとか言ってくれ!!」

そんなシロウの要求に、

俺は小悪魔のような笑顔を向け。

「フェイト フェイト」

俺はフェイトの動きを止め耳打ちする。

「ゴニョ ゴニョ」

「えっ!? そんな!? 恥ずかしいよ!」

「まぁ ものは試しで」

「うぅ~ ////」

フェイトは顔を真っ赤に染めながら口を開く。

「し シロウは わ 私以外にこんなことしたらダメなんだからね!! 罰として私を抱きしめなさい!!」

顔を真っ赤に染めながらツンデレっぽいセリフを言うフェイト。

「零ー!? お前いったい何を吹き込んだー!?」

「ん? あえていうなら男の浪漫?」

「意味がわからん!?」

美少女を抱き締めるのって男の浪漫じゃなイカ?

「は 早く私を抱きしめなさい!!」

「なんでさー!?」

シロウの叫びが部屋に木霊する。

時間を少し K・クリムゾン して数分後、

そこには……、

「むふふ~」

顔を赤らめながらもシロウに抱きしめられ幸せそうなフェイトと、

「…………」

どこか疲れ果てた顔をしたシロウの姿がそこにあった。

「ムフフ 我ながら良い仕事をしたぜ そして 俺は Cool に去っていく」

俺は静かに部屋を出る。

「おい! 私を置いていくな!!」

シロウは部屋から出ようとする零を引き留めようとするが、

「サラダバー!」

そんなの関係ねぇとばかりに部屋を出る零。

俺が部屋の外にでると、

「あら? もう終わり?」

何故かプレシアがいた。

「ありゃいつの間に?」

「フェイトが叫んだ辺りからよ」

「さいですか」

「ありがとう」

突然零に向かって礼を言うプレシア。

「へ?」

「私の大切な家族を助けてくれて」

「いや もとはといえば俺のせいみたいなものだから………」

不本意ではあるがある意味俺のせいでもあるんだよな……。

「それでも礼をいわせて 私と私の家族を救ってくれた彼を助けてくれたのだから私からも感謝するわ」

「どういたしまして」

俺はプレシアの礼を素直に受け取る事した。

「フフ 良いもの見れたし今日は楽しい夢が見れそうね」

「そうだね」

そんなこんなで結局俺はシロウ達の家に泊まり。

翌日の早朝……。

「世話になったな」

「ふむ 気にしなくていい」

「また会う機会がありましたら存分に語り合いましょう セイバー」

「はい 千歳」

お互いに固い握手を交わす二人。

あの夜に一体何があったのやら……気にしない方が良いか?

「あの二人はなにがあったんだろう………」

「さぁな」

「まぁ それはさておきシロウ」

「なんだ?」

「管理局なんかに負けんなよ」

どうやら昨日のシロウの話を聞くとこの世界の管理局と対立しているようだ。

俺はそんなシロウに負けるなとエールを送る。

「当たり前だ!」

それに応えるシロウ。

ぜひとも彼には管理局に打ち勝ってほしいものだ。

「それと彼女を大切にな」

「わかっている! お前こそ大切にしろよ」

「あぁ まだ俺の世界では なのは以外とは出会ってないが必ず護ってみせるさ」

そう……原作に関わると決めた以上いつか俺もアイツらに出逢うはずだ……。

その時にどんな事があろうとも護ってみせるさ。

「そうか」

「俺の力が必要な時は喚んでくれ」

たとえ世界は違えど友のためならどんな所にも駆けつけるさ。

「頼りにさせてもらうよ」

「あぁ」

俺とシロウはコツンとお互いの右手を会わせる。

「そろそろだな……」

俺は『王の財宝』から宝石剣を取り出し構え、

「開け次元の扉!」

宝石剣に内包された膨大な魔力が万華鏡のように煌めき剣を降り下ろすと剣は空間を先他世界への扉を開く。

「じゃあな!」

「いつかまた会いましょう」

俺達は次元の扉を潜り元の世界へと帰る。


「行ったか………」

シロウは零達が消えた場所を名残惜しそうに見ながら言う。

「ねぇ シロウ」

「どうしたアリシア?」

「また会えるかな?」

アリシアがシロウに彼らと再び逢えるか?と問う。

「あぁ いつかまた会えるさ」

そんなアリシアに対して柔らかな笑みを浮かべながらまた逢えるとシロウは答える。

「なんだか シロウ 嬉しそうだね」

そんなシロウを見てうれしそうだと言うフェイト。

「どうだろうな」

「さて 私達も零達に負けないように頑張るわよ」

「あぁ」

は~い」

「うん」






遠く離れた世界で錬鉄者は己の物語を紡ぎ

九尾を従えた転生者もまた 始まったばかりの己の物語を紡ぐ

本来ならば交わらぬ道が再び交わり新たな物語を紡ぐのはまた別の話

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後書き
感想やアドバイスをお待ちしております。 

 

『高町家』

 
前書き
うっかり投稿するのを忘れていた話です。

よかったら見て下さい。 

 
異世界での戦いから数日後。

俺はなのはに公園に来てほしいと連絡を受け公園でなのはを待っていると……、

「ん? 来たか」

パタパタと忙しなく足音をたてながらコチラへと向かってくるツインテールの少女の姿があった。

「零お兄ちゃん!」

「ん? どうしたの?」

「お父さんが退院したの!!」

嬉しそうに輝かんばかりの笑みを見せながら父親が退院した事を告げるなのは。

それと同時になのはのツインテールがピコピコと上下に動く。

何あれ? 見間違いじゃないよね? 犬や猫の耳みたいにピコピコ動いてんだけど?

まぁ それはさておき……そうか……シロウさん回復したのか……よかった。

「そうか よかったね」

俺はなのはの頭を撫でながら笑顔で答える。

「うん!」

なのはは嬉しそうに顔を綻ばせる。

そして再び嬉しそうに動くツインテールを俺は無視する。

「ところで今日はどうしたの?」

「お父さんの退院のお祝いをするの! 零お兄ちゃんも来てほしいの!」

退院祝いに俺も来て欲しいと言うなのはに、

「いいのかい?」

家族ではない俺は行っても良いのかを尋ねる。

「うん!」

当然とばかりに答えるなのは。

「なら お言葉に甘えるとしますか」

俺はなのはに手を引かれ翠屋へと歩く。

それから数分後、俺達は翠屋に到着し……、


「あら いらっしゃい」

桃子さんから歓迎の言葉をもらい。

「どうも」

「お前は!」

声を荒げながら俺に敵意を向ける恭也さん。

「なにか?」

「前回は負けたが今日こそ決着をつけてやる」

「以前負けたのに?」

つい……売り言葉に買い言葉で返してしまう俺……、

俺ってやっぱこういう部分がガキだな。

精神の方が身体に引っ張られてるのかな?

「キサマ!!」

そんな一触即発の状態を、

「やめないか! 恭也!!」

店の奥から現れた男性が止める。

「父さん!!」

「せっかく来てくれたのにすまないな」

父親である 高町 士郎が現れる。

「いえ こちらこそすいません」

つか夫婦揃って若っ!!

ヘタすりゃ恭也さんだけじゃなくなのはの兄妹でも通るぞ!?

高町家の者達は化け物か!?

「君が零君だね?」

「はい」

突然俺の名前が呼ばれた事に内心驚きながらも俺は返事を返す。

「なのは達から君の事は聞いているよ」

「え?」

どういう風に言われてんだろ?

「なのはの事をかまってくれた事や恭也に勝った事を聞いたよ」

「そうですか」

「その礼も兼ねて今日はゆっくりしていってくれ」

柔らかな笑みだがほんの一瞬だけ向けられたコチラを探るような鋭い視線を俺は感じる。

「ありがとうございます」

笑顔で返すが一瞬とはいえ向けられた視線が気になるな。

若干気まずい空気が流れる中……、

「オイ! 後で俺と勝負だ!」

そんな空気を壊すかのように勝負を持ちかける恭也さん。

うん……今だけありがとう……正直なんか気まずかったから。

「恭也……どうやら説教が足りなかったようだな……」

士郎さんの一言に恭也は身体を震わすが、

「俺はまだ納得してない! 父さんがなんと言おうと俺と戦え! 負けっぱなしでいられるか!」

引き下がる事をしない恭也。

「はぁ……しょうがない……零君」

士朗さんはため息を吐きながら零の名前を呼び、

「はい?」

「恭也は私が宥めておくからよかったらなのはと少しの間遊んであげてくれないかな? 準備の方ももう少しかかるようだからね」

士朗さんの言葉に、

「はい わかりました」

これ幸いとばかりに俺は返事を返し、

「それじゃあ なのはちゃんしばらくの間俺と遊ぼうか?」

そうなのはに聞くと、

「うん! じゃあなのはおままごとしたいの!」

うれしそうに俺の手を引っ張り自分の部屋へと連れて行こうとするなのは。

「何っ! なのはの部屋にだと!」

それを止めようとする恭也だが、

「まぁ 待ちなさい恭也」

「父さん!?」

それを止める士朗さん。

「桃子から恭也と零君の戦った経緯は聞いたぞ……確かに私のケガのせいではあるがなのはを怖がらせた事はお前にも責任がある」

「だが俺は……」

なのはを怖がらせた事に負い目を感じ口ごもる恭也。

「なのはを独りにしてしまったのは私達にも責任があるがなのはを救ったのはあの子だ……」

「………」

士郎の言葉に押し黙る恭也。

「しかし……まだ未熟者ではあるといっても恭也を倒す実力を持つあの子は一体何者なんだ?」

今の恭也の実力ならそこいらの人間には負ける事なんてないのだが……

「一度あの子とは話し合いをする必要があるな……」

あの子の言動やなのはのなつきようを見る限りは悪い子ではないはずだ……

「恭也 準備ができたからなのはと零君を呼んで来てくれないかしら?」

張り詰めた空気を緩和するかのように桃子が恭也に二人を呼ぶように指示をする。

「わかったよ……」

渋々ながらではあるが恭也はなのはの部屋へ向かい、

「なのは入るz……」

扉をノックしようとしたその時恭也の目に映ったものは、

なのはが零に口づけを交わしているところであった。


時間(とき)は遡り……

「どんな事をして遊ぶんだい?」

なのはに手を引かれ部屋に入った零は尋ねる。

「なのは おままごとがしたいの!」

元気よく自分がしたい事を言うなのは。

「別にいいけど俺はなんの役をやるんだ?」

自分がなんの役をやるのかをなのはに零は問う。

「なのはがお母さんをするからお兄ちゃんはお父さんをしてほしいの!」

「いいよ」

俺は与えられた役を承諾する。

「それじゃあ道具をだすの」

なのはは棚に仕舞われたままごとの道具を引っ張り出そうと手に力を込めるが、

「キャッ!?」

勢いあまって足を滑らし転ける。

「あぶない!」

なのはが転ける前に俺が後ろへと回り込み庇うが、

「うわっ!?」

運悪く落ちていたおもちゃのコップを踏んでしまい足を滑らせなのはの下敷きになる形で床へ倒れる。

ー柔ー

その際に零は口に何か柔らかな感触を感じる。

それは……、

「ん? (何か柔らかい感触が……)んん!?」

なんと目の前にいるなのはの柔らかな唇が零の唇と合わさっていたのだ!

ー開ー

そして突如開かれた扉から現れたのは……、

「なのは入るz……」

恭也さんでした……。

って! 今のこの状況マズイよね!? 事故とはいえこれヤバいよね!?

俺が頭の中で絶叫していると恭也さんは、

「どうやら……今日の俺は阿修羅すら凌駕する存在のようだ!」

全身から怒気をみなぎらせてどこぞのハムの人のセリフを吐いていました……

「ちょっ! こ これは事故でs」

事故だと説明をしようとするが、

「モンドウムヨウ」

物凄い重低音(ダークボイス)かつ片言で問答無用と遮る。

「ちょっ! な、なのは!」

俺はなのはに説明と弁解を頼もうとするが、

「うにゃ~」

茹で蛸のように顔を真っ赤にしながらオーバーヒートしていました。

「ダメだこりゃ……」

「サァ 逝クゾ……」

俺はそのまま首根っこを掴まれ引きずられながら連行される、

気分はまさに売られていく子牛さ。

「うにゃ~」

何故かなのはも一緒に。

そして……、

俺たちは道場に連行されて、

「という訳でして……」

一応士郎さんに事のあらましを説明する。

「う~ん 事故ならしょうがないな」

のほほんとした雰囲気で笑う士郎さんに、

「父さん!」

声を荒げる恭也さん。

あれ? 怒んないの? 正直士郎さんのお怒りを受けるのも覚悟はしてたんだけど?

「ちなみになのはの唇はどうだったんだい?」

若干ニヤニヤとした表情を見せながら聞いてくる士郎さん。

「すごく……柔らかかったです……」

てか事故とはいえアレってこの世界の俺ではファーストなんですけど。

まぁ それはお互い様か……、

「まぁ 私も恭也を倒した実力を見たいから戦ってくれないか?」


顔は笑顔だがよく見ると眼は俺を見極めようとしているのを見てとれた。

「わかりました」

俺は恭也さんとの戦いを承諾する。

「武具は好きな物を使ってくれて構わないよ」

士郎は道場の荷物置き場からいくつかの武具を取りだし零の前に並べる。

「なら俺はこの二本の木刀と具足を使わせてもらいますね」

並べられた武具から同じ長さの木刀と具足を選び装備する。

「ほぅ 二刀流を使えるのかい?」

「えぇ それなりに」

士郎さんの問いに俺は多少誤魔化しながら答える。

「では手合わせ願います」

「今回は勝たせてもらう!」

二人はお互いに得物を構え……

「始め!」

士郎さんの合図と同時に仕掛ける!

「はぁっ!」

「でゃあぁぁ!」

ー激突ー

二人の武器がぶつかり合いとてもではないが木製の武器同士が放つ音とは思えない音が道場に響く。

「やるな!」

「それはどうも!」

怒っているせいか振るわれる剣の力は強いがその反面剣筋は荒い。

俺は恭也さんの気迫に若干圧されつつも攻撃を弾くと同時に後方に向かって瞬時に飛び退き距離を空け、

「魔神剣!」

アッパースイングのような動きで地面を鋭く切り上げる事により地を這う斬撃を放つ。

「なっ!?」

恭也は突然の事に驚愕しつつも斬撃をかわす。

「斬撃を飛ばしただと?」

零の放った技に対して驚きつつも冷静に技を分析している士郎。

「今度はコチラからだ! 喰らえ! 虎乱!」

恭也は離れていた零との距離を一気に詰め高速の連撃を放つ。

「さすがに速いな!」

放たれる高速の連撃を捌きつつも再び恭也から距離をとる零。


「信じられないな……まだまだ甘いところがあるとはいえあの恭也の技を苦もなく防ぐとは……」

士郎は信じられないと呟きつつもその鋭い眼光を二人に向ける。

「よくわからないけど二人とも凄いの!」

なのはは二人の攻防を凄いと言いながらしっかりと見続ける。

「魔神剣・双牙!」

先程放った地を這う斬撃を2発飛ばし、

「くっ! 2発だと!?」

恭也は一発目を避け時間差で襲い掛かる二発目の斬撃は掬い上げるかのような斬撃で相殺して防ぐが、

「喰らえ! 剛・魔神剣!」

恭也が技を防いだ僅かな時間を利用し縮地を用いて距離を詰め木刀を降り下ろす。

「くぅっ!」

恭也は剣が降り下ろされる前に鍛えられた反射神経と身体がガードの体制を取るが、

ー砕ー

恭也の二本の木刀内の一本が真ん中から真っ二つに粉砕される。

「くっ!」

得物を片方壊されつつも恭也はすぐさまに距離を空け木刀を構え直す。

「これは!」

士郎は折れた木刀の刃先を拾い壊れた部分に驚愕する。

「木刀を粉砕しただと?」

木刀の折れた部分は凄まじい衝撃を受けたせいか攻撃を受けた場所が文字通り砕かれていた。


「あの小さな身体でこれほどの力をもつとは……」

「次はコチラの番だ!」

ー投ー

恭也は折れた木刀を零に向かって投げつける。

「せやっ!」

零は反射的に飛んでくる木刀を叩き落とすが、

「御神流 虎切!」

いつの間にか抜刀術の構えをとっていた恭也が技を放つ。

零は咄嗟に二本の木刀でガードするが、

ー折ー

二本の内の一本がへし折れ刃の部分が道場の床に転がる。

「あちゃー やっぱさっきの剛・魔神剣で耐久性が落ちてたか~」

剛・魔神剣を放ったせいで耐久性が落ちてたとはいえある程度気で強化していた木刀をへし折るとは、

さすがは御神の剣士といったところか。

「…………」

二人の攻防を険しい眼差しでじっと見続ける士郎。

「ふぇ~ もう何がなんなのかわからないの~」

困惑した表情で言うなのは。

「くっ!……腹立たしいがやはり強い……」

まるで苦虫を噛み潰したかのような顔忌々しげに呟く恭也。

「お褒めにあずかり光栄ですね」

そんな事知った事かとばかりに受け流す零。

「だがここからは俺も出し惜しみはしない!」

恭也の目付きが鋭いものに変わり身体から発するオーラも強いものとなる。

「小太刀二刀御神流 裏・奥技之参『射抜』!」

ー突ー

放たれる変幻自在かつ超高速の突きの連撃。

それを零は、

「『閃光烈破』!」

ー撃突ー

文字通り閃光と化す突きの連撃をもって相殺させる。
「なにっ!?」

お互いの超高速の突きの連撃が撃突し合いお互いの木刀に罅が入る。

「『虎切』!」

抜刀術で攻める恭也だが、

「『幻狼斬』!」

恭也の木刀が振り抜かれるよりも疾くに零の突きが恭也に命中すると同時に背後へと回り込み切り払う。

それを反射的に木刀で防いだ恭也だが、

ー砕ー

「ぐぁっ!?」

木刀は耐えきれずに砕ける。

「くぅっ!」

零はその隙を逃す事無く、

ー閃ー

「閃け! 鮮烈なる刃!」

眼にも止まらない速さで恭也を一閃し、

ー斬撃ー

「無限の闇を鋭く切り裂き!」

もはや常人の眼ではその姿を追う事のできない神速の速さで上下左右の高速連撃を恭也に叩き込み、

「仇なす者を微塵に砕く!」

恭也の身体に今までの高速連撃により蓄積された力が、

ー解放ー

「漸毅狼影陣!」

最後の横凪ぎの一閃により解き放たれる!

「ぐあぁぁぁぁっ!?」

恭也はもはや成す術なく壁へと吹っ飛ばされ、

恭也は壁に激突しそのまま意識を失う。

ー砕ー

それとほぼ同時に零の木刀は最後に放った技の威力に耐えきれずに砕け散る。

「しまった! やり過ぎた!?」

俺は直ぐ様恭也さんに駆け寄り状態を確認する。

「……………」


脈拍や身体の状態を確認したが鍛えこまれた身体と獲物が木刀だったのが幸いし少し強めの打撲と壁に身体を打ち付けたための軽い打ち身くらいだった。

「とりあえず『錬気治癒功』」

気功術で俺の『氣』を送り込み傷ついた恭也さんの身体を回復させる。

技が効いたのか壁に打ち付けられたために痛みで顔を歪めていた恭也の表情が和らぐ。

「とりあえずはこれで大丈夫だな」

「まさか……『氣』まで使えるとは……」

士郎さんがなにかを言いかけたその時。

「零お兄ちゃん! すごいの! 恭也お兄ちゃんすっごく強いのに!」

突然なのはが俺に抱き着きながら言う。

「なのはがこんなに懐くなんて……」

士郎さんは寂しそうでありどこか嬉しそうな矛盾を孕んだ表情で零を見つめ、

「零君これからもなのはと仲良くしてやってくれるかい」

最初のような猜疑心の宿った眼ではなく優しげな表情で零に語りかける。

「もちろんです」

俺は何をか認めて貰えたように感じる。

「そうか……君ならなのはを頼めそうだな」

「え?」

今なんと? 何故か上手く聞き取れなかったんですけど?

それからしばらくしてもといた場所へと戻り。

「今日はすまなかったね」

「いえ こちらこそ」

「恭也には後で僕がしっかりと説教しておくよ」

うわぁ~ さすがに哀れだな~

一応事故とはいえ俺にも非があるので若干哀れみつつこの後の恭也の無事を祈る。

「よかったらお土産にケーキはいかが?」

桃子さんからケーキの入った箱が渡される。

その箱には色とりどりのケーキが納められていてそのどれもが美味しそうで食欲をそそる。

「そんな! こちらこそご迷惑をかけたのに!」

いゃぁ~事故とはいえ恭也さん叩きのめしてしまったんですけど?

「いいのよ」

「しかし」

「そうね~ だったら今度お店のお手伝いを頼んでもいいかしら?」

「はい」

その時俺は気付かなかった桃子さんの瞳が怪しく光ったのを、

そしてこの件で俺が後悔する事になるのはまた別の話しになるであろう。

「では 今日はありがとうございました」

「零お兄ちゃん またね!」

若干頬に赤みがさしたなのはだが笑顔で零を見送る。

「また来てね」

「今度は私と手合わせしない?」

眼鏡をかけた女性美由希さんが今度手合わせをしないかと問う。

「今日はありがとう」

「はい では また」

そして帰路につく俺

ちなみに後日談ではあるが翠屋を訪ねた俺に、

「今日こそお前に勝つ!!」

再び戦闘をしかけてくる恭也であった。

「シスコンって死んでも治らないのかな?」


 
 

 
後書き
戦闘描写をもっと上手く書けるように頑張ります。

これからも応援よろしくお願いいたします。 

 

『手合わせ』

 
前書き
大変長らくお待たせいたしました。

久しぶりの投稿です。

 

 
前回の士郎さんの回復パーティーから数日が経ち……、

遊びに来ていたなのはが千歳の作ったおやつの豆大福を頬張りながら口を開く。

「あのね今日お父さんがお兄ちゃんに家に来てほしいっていってたの」

その内容は士郎さんが俺に用があるから来てくれないかというものだった。

「別に良いけど何で?」

今日は別に特に予定はないから良いけど、俺なんかした?

「ん~とね……お父さん長い間入院していて身体が鈍ったからお兄ちゃんに相手をしてほしいんだって」

ま~結構長い事入院していたから当然なのかな?

「じゃあそれ食べ終わったら行く?」

未だに豆大福を美味しそうに頬張る彼女を見つつ問う。

「わかったの!」

頬に餡をつけながら答えるなのは。

「ほっぺにあんこがついてるぞ」

そんな彼女の頬についた餡を指で取りペロりと舐める。

「うにゃ!」

その行動に恥ずかしかったのか顔を赤くする。


「あらあら 仲が良いですね」

そんな二人の姿を見て口元を隠しながら上品に微笑む千歳。


「あぅ~」

「まぁ とりあえず行くとしますか」

なのはが食べ終わったのを見計らい出かける準備をする。

「待って~」

そんな俺の後ろをトテトテと駆け足で追いかけて来るなのは。

「ほら 急に走ると危ないぞ」

以前も何もないところで転けたので手を差し出しお互いに繋ぐ。

「うぅ~大丈夫なの~」

なんだかんだ言いつつも二人は手を繋いだまま目的地へと歩いて行く。

暫く歩いたところで、

「着いたの!」

目的地であるなのはの家へと着き今度はさっきとは逆に彼女に手を引かれながら道場へと案内される。


「お邪魔しま~す」

一応礼儀として入る際に礼を告げるが、

「早く早く~」

普段の運動神経はあまり高くないはずのなのはに手を引かれ……というか引きずられながら道場へと連れていかれる。

この子のどこにそんな力があるのかを問いたいものだ。

「おや? 来てくれたんだね」

「どうも~」

俺達の存在に気づいた士郎さんが声をかけてくる。

「いや~今日は無理を言ってすまないね~」

にこやかに笑いながら歓迎をしてくれるがその身体には覇気が満ちていた。


やる気満々ですね。

「やっほー 零君 今日はよろしくね~」

眼鏡をかけ髪を三つ編みにした女性が話かけてくる、

彼女の名前は高町美由希、なのはの姉だ。

「えぇ こちらこそ」

俺は彼女に礼を返す。

「それじゃあ お父さんの準備運動が終わる前に私と手合わせお願いできないかな?」


ウキウキと楽しそうにハシャグ美由希さん。

アンタもバトルマニアなんかい!

「はぁ……まぁ いいですよ」

「ありがとね~それじゃあ向こうでやろうか」

俺の返事など知ったことかとばかりに腕を引っ張りズルズルと引きずられながら稽古場へと連行される。

何故か頭の中でドナドナド~ナと売られていく子牛の歌が聞こえる気がするよ。

ダレカタスケテー。

「さぁ 始めるよ~」

木刀を構えながら楽しそうにハシャグ美由希さん。

このバトルマニアめ!

「はい」

二人は互いに得物である木刀を構える。

「始め!」

いつの間にかいた士郎さんが審判となり開始の合図を行う。

「はぁッ!」

「でやぁッ!」

ー激突ー

互いの木刀が激しくぶつかり合い鈍い音をたてる。

「てりゃ~!」

軽い掛け声と共に高速の連撃が襲い掛かる。

「せやッ!」

襲い掛かる木刀を二刀で全て撃ち落とし、

「『魔神剣』!」

撃ち落とすと同時に掬い上げるような斬撃で衝撃波を美由希さんへと飛ばす。

「なにゃ~! 斬撃を飛ばすなんてそんなのアリ~!?」

とかなんとか言いつつも確りかわす美由希さん。

「これはオマケですよ!『魔神剣・双牙』!」

高速で木刀を振り抜き地を這う衝撃波を時間差で放つ。

「くぅ! 御神流『虎乱』!」

迫り来る衝撃波を二刀から放つ連撃で相殺し、

「今度はこっちからだよ!」

木刀をまるで刀を鞘にしまうかのような動作で腰に構え抜刀術の構えを取る美由希さん。

「受けてみて! 小太刀二刀御神流 奥義之六『薙旋』!」

右の抜刀から始まる必殺の四連撃が放たれる、

抜刀での一撃を始めとし、別軌道から放たれる斬撃が零目掛けて迫る!

御神の剣士の奥義ともいえる神速を併用しているのかその斬撃を全て見切るのは困難を極める。

「見えないなら薙払うまで!」

剣を下に構え、

「『断空剣』!」

上へと上昇する回転斬りで迫る全ての斬撃を打ち払うと同時に接近していた美由希さんを斬撃で浮かせたその瞬間に追い討ちをかけぶっ飛ばす。

「きゃあッ!」

美由希さんは追撃され悲鳴をあげながら床へとぶつかる。


床へとぶつかりながらもすぐに受け身をとり木刀を構え戦闘体勢を取る美由希さん。

先ほどの攻防で解ったが彼女は恭也さんよりパワーが劣るがスピードではかなり勝る。

先ほどの神速を併用した奥義は普通の人間や魔導師では回避不可だろう。

相手が熟練の手練れか俺のような異常な身体能力を持たない限りはね。

「アイタタタ まさか打ち落とされただけじゃなく追い討ちまでされるなんて予想外だよ~」

彼女は痛がりつつもこちらの出方を窺い構えを崩さない。

「人生何が起こるかわからない方が楽しいと思いませんか?」


軽口をたたいて挑発をしつつも美由希さんから視線を外さず俺は虎視眈々と挙動を窺う。


「まぁ 人生に潤いって必要だよね~」

俺の軽口を余裕そうに返すが結構ダメージがあるのか足が震えていた。

「次で決めませんか?」

次は士郎さんとも手合わせをしなければならないので次で決着をつける事を提案する。

「それでいいよぉ」

提案に是の意を示す美由希さん。

「では先に忠告しておきます 次の技は全力でかわすか防ぐかをしてくださいね」

そう言い放ち俺は、左腕を真っ直ぐに伸ばし相手を捕らえる標準とし、木刀を持った右腕は後ろへと引き刀身を左手に添え、身体を倒し斜めに固定する。

足首をしっかりと地面に固定し何時でも突撃できる体勢をとる。

「なんかヤバそうだね」

俺の発する威圧感を感じたのか美由希さんは冷や汗を流してコチラを見つめる。

「この一撃受けきれるか!」

ー突撃ー

一言言い放つと同時に足の裏から気を放出しまるでミサイルの如き勢いで突進し、

「『牙突』!!」

一撃必殺の突きを放つ!

「きゃあぁぁぁぁっ!?」

わざとギリギリでハズしたその突きはカスった木刀を粉砕し、その余波だけでも凄まじい衝撃を周りに振り撒く。


「イタ~ お尻打った~!?」

牙突の余波で吹っ飛ばされた時に打ったのか尻もちをつきながら痛がる美由希さん。

「とりあえず俺の勝ちでいいですか?」

先ほどの技で砕けた木刀を捨て無事なもう片方の木刀を首筋に突き付けながらいう。

「うぅ~木刀も2本とも砕かれちゃったし私の負けだね」

彼女はあっさりと負けを認めて両手を上げ降参の意を見せる。

「ありがとうございました」

そう言って木刀を脇に抱え空いた手を美由希さんに差しのべる。

「いや~話には聞いてたけど本当に強いね~」

美由希さんは俺の腕を取り立ち上がり満足げな笑みをうかべる。

「いえいえ まだまだですよ」

「ちなみにさっきの技ってなんだったの? 『射抜』と少し似てたけど威力は桁違いだし……」

「それは僕も気になるな」

美由希さんの台詞に続くように突如先程まで恭也さんと準備運動をしていた士郎さんが口を挟む。

剣士としての性なのかどうやら先程の『技』に興味津々なようだ。

「『牙突』ですか?」

「ほう……先程の技は『牙突』というのかい?」

「元は新撰組の土方歳三が考案した片手平突きを基礎に三番隊隊長 斎藤一が編み出した必殺の剣です」

まぁ この世界ではどうかは知らないけどね、元ネタはマンガだし。

「元となった片手平突きと同じく横薙ぎの剣への軌道変化はもとより4つの形態が存在します」

「一つの技に4つの形態が!?」

驚く士郎さんを見つつも俺は説明を続ける。

「まず通常の弾丸のように真っ直ぐ突撃する壱式・上に飛んだ敵への対空迎撃用の弐式・そしてそこから地上へと突き下ろす参式・そして相手に密着した際に上半身のバネのみで放つ零距離専用の零式の4つです」

「すごいな……威力も家の流派の奥義を上回るな……先程の一撃も手加減をしてくれたのだろう?」

士郎さんの台詞に固まる美由希さんをスルーしつつも答える。

「えぇ 本気なら道場の壁を粉砕しています」


今の俺の強化された身体能力ならコンクリくらいまでなら余裕で粉砕できる、まぁ 斎藤さんみたいに鋼鉄製の門はまだ粉砕できないけどね。

「ちなみに君がたまに使う加速術は今の技や家の流派とはまた違った技術体系なのかい?」

加速術? あぁ 瞬動術のことか、

魔力核(リンカーコア)は特定の人間しか持たないが気は生きる者には必ず存在するものである以上使い方さえ解れば誰でも使える技術だ……まぁ それ相応の才能や身体はいるけどね。

恭也さんや美由希さん達の動きを見てわかったが彼等も微弱ではあるが無意識のうちに気を使い身体強化をしているので使い方さえ解れば今よりも強くなれるだろう。

「えぇ あの加速術は縮地法と言い足の裏に気を纏わせ一気に放出させる事で圧倒的なスピードを得ます」

「こんな風に……」

俺は足の裏に気を纏わせさらに足首を決まった角度で固定させ、

ー身体・射出ー

足の裏から一気に気を放出させ銃口から放たれた弾丸が如く残像を発生させながら一直線に高速で壁際まで移動する。

「え?」

士郎さん意外のなのはを含めた人達が一斉に驚く。

「速度を売りにしている家の流派だが今のは……」


今の瞬動術のスピードを追いきれなかったらしく驚く士郎さん。

「零君……今の技は……瞬動術というのは一体誰に習ったんだい?」

彼は驚愕と困惑の入り混じった顔で聞いてくる。

「千歳ですよ」

そう……何を隠そうと実は千歳に効率の良い魔力運用の仕方や術式構築その他にも気の使い方や体術を教わり、

瞬動術も彼女に見本を見せてもらった事で使えるようになったのだ。


今の独白からわかるように俺の師匠は千歳であり彼女は自分の知り得る事を色々と教えてくれた。

「彼女が!?」

彼にとっては意外なのか千歳の名を聞き驚く。

まぁ 普段の千歳は気や魔力などをかなり抑えているから普通の一般人に思えても仕方がないのかな?

「えぇ 千歳は色々と物識りですが体術も強いんですよ」

彼女の場合は元々の人外故の運動能力に加え体術なども達人級の技術をもちそこら辺の不良やヤクザぐらいならいくら束になろうと触れる事すらできないだろう。

「今度手合わせ願えないかな?」

「さぁ? どうでしょうね」

彼女も最近は色々と趣味を楽しんでいるからどうだろうな?

俺としても彼女が自由に楽しく生きてくれると嬉しいな。

「まぁ それはさておき……待たせたね」


2本の少し短めの木刀を持ちコチラを闘気のこもった瞳で見つめる士郎さん。

「イイエ 大丈夫ですよ」

先ほどの戦闘で壊れた木刀から同じ長さの2本の木刀に持ち代え構える。

「それでは御相手願おうか」

「こちらこそ」

二人はお互いに木刀を構え合図を待つ。

合図を頼まれた美由希さんが右腕を真っ直ぐと上げ……、

「始め!」

降り下ろされる!

「御神流 虎乱!」

2本の木刀から高速の連撃が放たれる!

その速さは以前同じ技を使ってきた恭也さんよりもさらに速くそして洗練されたものだった。

「龍巣閃!」

高速の連撃に対しそれをさらに超える高速の連撃を持って相対する。


本来ならば一本の刀で行う技だが今回は2本の木刀を用いての乱撃となる。

互いの斬撃はぶつかり合い相殺されるが次第に零の繰り出す連撃が士郎の連撃の速さと数を上回り士郎へと迫る……、

しかし士郎もまた御神の剣士として長年に渡り鍛えられた剣士としての腕前と達人の域へと到達した人間としての勘が自分を上回る身体能力を持つ零の攻撃を綺麗に捌いていく。

「くぅ!」

やはり恭也さんとは違い身体能力だけで押し込めるような人じゃないな!

端からみれば俺が押しているように見えるかもしれないが実際は違う。

確かに身体能力だけは俺が勝っているが士郎さんは俺の斬撃を最低限かする程度に抑えているが俺の動きはまだまだ粗く拙い部分が目立つ。


決して恭也さんが弱いわけではないのだが今の彼ならばなんとか身体能力だけで押し込めるが士郎さんが相手では今の俺の技術では勝てない。

年期と潜った場数が違うのが原因だろう。

「瞬迅剣!」

間合いをあけるために強引ではあるが踏み込みながら強力な突きを放つ。

「クッ!」

士郎さんは常人では見切る事など出来ない速さの突きを予備動作の段階で理解し木刀の腹で受け止めつつ自ら後方へ跳び衝撃を減らす、

与える筈だったダメージを上手く逃がされたが俺の目論みは間合いを空ける事だったので結果は上々だ。


「蒼破刃!」

地を這うような斬撃を飛ばす魔神剣とは違い真っ直ぐに飛ぶ斬撃は士郎目掛けて迫る。

「セイヤ!」


鋭く振り抜かれた木刀によって斬撃は凪ぎ払われた。

「今度はこちらから行くよ!」

木刀を構えながらこちらへ向かって突撃してくる士郎。

「御神流 裏『花菱』」」

目にも止まらぬ高速の連撃が零に迫る!

速いだけのただの斬撃なら自慢の身体能力だけでかわせるがフェイントを使った虚実の入り交じった連撃に零は翻弄されてしまう。


「クッ!」

斬撃自体は見えるがこの速度で虚実の入り交じった攻撃は辛い!

目ではなく直感に頼り自分に迫る斬撃を全て捌く。

直感Aは伊達ではないのだよ!

「今のを全て捌かれるとは……」

さすがに今のを全て捌かれるなは予想外だったのか驚く士郎。

「お返しだ!『魔神双破斬』!!」

魔神剣と虎牙破斬を組み合わせた奥義 魔神双破斬を放つ。

「なっ!」

地を這う衝撃波を木刀で防ぐが浮かし効果のある衝撃波が木刀に着弾したと同時に士郎の身体を浮かせる。

僅かな間だが身体が浮き上下に切り上げる技である虎牙破斬を受け士郎の身体は道場の天井まで跳ね上げられる。

「ぐぁっ!」


天井まで跳ね上げられながらも身体を捻り体勢を立て直そうとするが、

「裂空斬!」

士郎さんのいる場所目掛けて前方宙返りのような感じで飛びながら木刀で切りつける、

イメージ的には高速で回転する扇風機の羽を横から見た時の状態を想像するとわかりやすいと思う。

「グゥッ!」

空中での不安定な状態にも関わらずしっかりと木刀でガードをする士郎さん。

まさかここまで防がれるなんて予想外にも程があるよ!?

人の事は言えないがこの人ホントに人間!?

「今のは流石に危なかったな」


「いや……今の全部防ぐとか貴方も十分人間離れしてますよね?」

まだ本調子じゃないのにここまで凄いなんて……なんでこの人大怪我負ったんだ?

「いやいや正直僕もかなり危なかったよ」

本人はそう言うがその顔にはまだまだ余裕があるように見える。

「ここからは本気でいかせてもらう」

先ほどまでの笑みは消え鋭い剣士としての顔へと変わる。

「『神速』」

そして先ほどとは比べ物にならない程の速さで零に襲い掛かる。


「くぅ!」

最初の展開とはうって代わり零が押される。

「一撃一撃が重い上にこの速さ! キツイな!」

神速の領域へと入った事で更なる速さを得た士郎の剣が迫る!


籠手、上段、胴、袈裟斬り、逆袈裟をそれぞれなんとか直感で反応し防ぐ。

眼で見て追えて、身体もついてはいくが如何せん一つ一つの動作の切り返しが速い上に隙がほとんど無いために攻めあぐねる。

「『虎乱』!」

二刀での連撃、初歩の技ではあるが神速の領域へと入った事により通常とは比べ物にならない程の速さで繰り出される高速の連撃は容赦なく零に襲い掛かる。

「『閃光裂波』!」

それに負けじと高速を超える超高速の突きの嵐で迎撃する。

「ぐぁっ!?」

高速の連撃に対して放たれた閃光の突きは手数で競り勝ち数発が士郎に命中し距離を空ける事に成功する。

「さすがに身体が鈍っていると辛いな……」

いや……これで鈍ってるとか……ホントに貴方人間ですか?

「だが……だいぶ感が戻って来たよ」

「そうですか……」

士郎さんは余裕ありげにそう言うがお互いに疲労しているのは他の人間が見ても一目瞭然である。

「なら次で終わりにしませんか?」

俺はこの手合わせを早々に終わらすために次で決める事を提案する。

流石に連戦は辛い。

「そうだね 僕もそろそろキツイからそうしよう」

そう言うとお互いに距離を空け、木刀を構える。

零は先ほどの攻防でヒビの入った木刀を捨て残った木刀で抜刀術の構えをとる。

対する士郎も抜刀術の構えをとる。

「御神流 奥義之六」

「閃く刃は勝利の証!」

ー抜刀ー

「『薙旋』!」

「『白夜殲滅剣』!」


右の抜刀から始まる高速の四連撃!

それに対するは突進しながら始まる高速の抜刀術による連撃!

お互いの剣がぶつかり合い最後の剣撃の一閃を振り抜きお互いが背を向け……、

「グゥ……」

地に膝をつく士郎。

「この勝負……」

突如立っていた零の姿が揺らぎ、

「俺の負けです」

ゆっくりと膝から崩れ地に倒れ伏す。


「え? なんで?」

「速すぎてほとんど見えなかったの……」

「神速を使ってやっと見えるとかどんだけだよ」

この決着に周りはざわめく。

「ふぅ……なんとか勝てた……さて……零君 大丈夫かい?」

ある程度回復した士郎が倒れ伏す零に声をかける。

「ちょっと気を失ってました……」

地に這いつくばった状態から立ち上がるが、

「クッ!」

途中で力が抜けて膝をつく。

「まさかあの『奥義』を使わされるとは思わなかったよ」

「こちらこそ競り勝ったと思ったらまさかあんな業を使われる何て思いもしませんでしたよ」

そうお互いの抜刀術のぶつかり合いの時俺は突進しながらの神速の6~7連撃を放つ抜刀術である『白夜殲滅剣』を放ち士郎さんの『薙旋』を全て迎撃し勝ったと思ったのだが……、

「あの技は何だったんですか? 人間が出来る動きを超えていましたよね?」

そう……アレを受けた俺でもよくわからないあの動き……少なくとも頑丈さにはかなり自信があるのだがあの『技』は俺の防御力を抜いて俺は僅かな間とはいえ気絶した。


というかトラックの直撃くらっても痛いですます自信のある俺の防御力を抜いてくるとかどんな技なんだよ?

「いやぁ~自分自身でも驚きなんだけどね あの技は家の流派の最終奥義なんだ」

士郎の言葉を聞いた零を含め周りの人間は一斉に言葉を失う。


「俺……そんなん食らったんだ……」

頑丈な自分の身体に感謝だな。

「ははは しかし……ホントに君の身体は呆れるくらい頑丈だね?」

「えぇ まぁ 『気』を纏っていたおかげでもあるんですけどね」

全力じゃなかったけど気を纏っていたおかげで気絶程度ですんだよ。

気を纏っていなかったら……おお怖い怖い。

「零君……もし良かったら君の技を教えてくれないかい? 教えてくれるなら僕も御神の技を全て君に教えるよ」

剣士としての性か未知の技と技術を持つ零に興味をもつ士郎。

「そうですね」

別に教えてそこまで困るもんじゃないけど今でさえ強いのにこれ以上強くなると生半可な奴じゃ止めれないな。

まぁ この人達なら大丈夫だと信じてるから教えてもいいかな?

俺も御神の技には興味があるし。

「いいですよ」


「僕から言い出した事だけどいいのかい?」

「えぇ 俺も御神の技には興味があるので ただ……俺もまだ技が使えるだけで極めているわけじゃないですよ それでも良いですか?」

俺自身気を使った技や剣撃を飛ばす系統の技を使えるがまだ完全ではなくまだまだ荒い部分が多い。

「いやいや此方から無理を言っているんだし、それに君は十分強いよ」

「そうですか?」

恐らく普通の人間相手なら無双出来るかもしれないが士郎さんみたいな達人級(マスタークラス)相手と闘うにはまだまだ力不足だ。

それはこの闘いでわかった、俺は能力(チカラ)はあってもまだ全然使えてないから宝の持ち腐れだ。

この期に士郎さんみたいな達人級の人間に教えてもらえるなら願ったり叶ったりだな。

「うん まだまだ荒い部分はあるけど時間を掛ければ解決していくさ」

「それではよろしくお願いします」

「うん よろしくね」

「ねぇねぇ 零君 私もいいかな?」

今まで黙っていた美由希さんが話し掛けてくる。

「別にかまいませんよ ただ……さっき言ってたように俺自身まだ未熟者ですから上手く教えられるかわかりませんよ?」

「大丈夫私もまだ弱いから一緒にやろうよ!」

「わかりました」

美由希さんにも教える事となったが大丈夫かな?

「なのはもやるの!」

先ほどまでずっと道場の隅で見ていたなのはが自分もと名乗り出る。

「別に良いけど大丈夫か? 慣れるまで結構キツイよ?」

「できるもん! なのはだってできるもん!」

少し涙目になりながらも自分もやると聞かないなのは。

「わかったよ 一応千歳と一緒にメニューを考えておくよ」

流石に自己流じゃ不味いからね。


彼女スパルタだけど教えるの上手いんだよね。

「うん!」

「恭也さんもどうですか?」

「年下の子供に教わるのは悔しいが……頼む」

以外にも頭を下げて頼んでくる恭也さん。

この人シスコン抜いたら良い人だな。

「では近いうちに……とりあえず今日は帰りますね」

千歳とプランを組みたいし……あと身体痛いから休みたい。

「うん それじゃあ千歳さんにもよろしくね」

「はい」

とりあえず一応の修行の方針と内容はできたからこれからだな。

「よろしくね~」

「お兄ちゃんまたね!」

そして美由希さんとなのはに見おくられながら帰路へとつき、

家につき千歳とみんなの修行プランを組む事となった。

そしてその後……『気』を使えるようになった高町一家が本格的に強くなりすぎるのはまた別の話……。

 
 

 
後書き
この小説を読んでくださっている皆様。

大変長らくお待たせいたしました。

久しぶりの投稿です。

最近は仕事と学校の両立が上手くいかずなかなか更新できずにいました。

いつかは必ず完結させるのでそれまでお付き合いをお願い致します。

こんなダメ作者ですがこれからも応援よろしくお願い致します。 

 

『日常編』

 
前書き
遅くなりましたが、

今回は入学式です。 

 
桜舞う春の季節、

それは、出逢いと別れの季節。

人はそれを何度も繰り返す。

そしてここにも一人新たな出逢いと環境に胸踊らせる一人の少女の姿があった。

「ついに今日から小学生だね」

「御入学おめでとうございますなのはさん」

まだ若干の堅さを残す新品の白い制服に身を包んだ彼女の姿がここにあった。

「うん!」

出逢ったばかりの時のような自分を押し殺したような笑顔ではなく心から喜んでいる少女の眩しい笑顔があった。

「なのは そろそろ入学式が始まるわよ」


桃子さんの言葉に反応し、

「いっけな〜い!」

校舎へと駆け出すなのはだが、

「いきなり走ると転けるぞ」

零がなのはに忠告をするが、

「だいじょu…キャアッ!」

忠告したにも関わらずなのはは足元の小石に躓き前のめりに倒れる。

その際にスカートがめくれ薄いピンク色の布が見えたのは事故である。

迫りくる地面に反射的に目を塞ぐなのはだが、

「だから危ないって言っただろ?」

なのはが感じた感触は地面特有の硬い感触ではなく人の柔らかな暖かい感触だった。

「やれやれ(瞬動が間に合ってよかったよ)」

なのはが倒れた際に俺は足の裏で気の放出を行いなのはが地面に倒れるよりも速く回り込み抱き抱える事に成功できた。

「うにゃ~!」

自分の置かれた状況を把握したなのはは顔を真っ赤に染め上げまるで猫のように零の腕の中でじたばたと動きまわる。

ただし嫌がっている訳ではなく恥ずかしいのと今の状況に慌ているだけであり、

少し時間がたてば何時ものように零に頭を撫でられ顔を朱くしながら大人しくなる。

「なんか前にも似たような事があったな……」

以前にも似たような事があったのに若干呆れている恭也。

以前は目の敵にされていたが度々高町家にお邪魔しているうちに色々と言葉を交わした事によって今は前程悪い関係では無くなっている。

まぁ だからと言って完全に打ち解けた訳ではないのだが……。

やっぱ戦いを挑まれて返り討ちにしているのがダメなのかな?

「うぅ〜ん なのはをあげるから零君家に来てくれないかな?」

先ほどの零の瞬動術を見て溢す士郎。

残念ながら俺の地獄耳(ヘルズイヤー)にはしっかりと聞こえていますよ。

いや すんごく嬉しいけどね!

「さて そろそろ入学式が始まるから行こうか?」

「うん!」

なのはの手を引いて入学式の行われる会場へと向かう。

「え〜では〜これから私立聖祥大附属小学校入学式を始めます!」

司会役の先生の号令で入学式が始まる。

「では最初に校長先生のお話です」

「皆さん御入学おめでとうございます これから始まる学校生活は大変なものでありますが…………」

校長先生の眠りを誘う長い話(スリーピングボイス)がこの場にいる全員に襲い掛かる。

なんでこういう偉い立場の人達の話って長いんだろう?

異世界でも共通なのか?

校長の長い話(スリーピングボイス)の効果なのかあちらこちらで寝息をたてる子供達の姿がちらほら……ってよく見たらなのはも寝てるよ!

しかし……俺も眠い……なんでこんなに眠くなるんだ?

俺はなんとか気力を振り絞り眠気と戦う。

「だから大根はゆっくりコトコト煮るのが一番で〜」

なんか急に話題が変わってんぞ!?

「え〜話が進まないので次は先生方の紹介となります」

あまりにも話が長く進まないので司会役の先生が校長の話を切って次へと進める。

「え〜まずは体育を担当してもらう……」

司会役の先生が担当の先生を紹介しようとした次の瞬間、

「フハハハッ!」

突如会場全体を揺るがすかのような笑い声が木霊する。

ちなみにこの笑い声で寝ていた生徒達は全員飛び起きました。(無論なのはもね)

そして現れたのは陽の光を受け輝く頭、頑強な鎧を連想させる筋肉そして彫りが深く一度見れば忘れる事の出来ない濃い顔をした男……否! 漢がいた!!

「ワシが男塾塾ちょ……ではなく体育を担当する江田島 平八である!」

って! まてゐ!!

何故に魔法少女の世界に塾長が居る!?

いくらなんでも合わなすぎだろ!?

これも世界の歪みなのか!?

違うよね! 違うよね!? 誰か違うって言ってよ!?

「ワシは本来ならばワシの経営する男塾にて教鞭をとっているのじゃがこの学校の校長とは古い知り合いでな! 短い間だが貴様ら男子どもの軟弱ぶりを叩き直すためにワシ自らが貴様らを鍛え直してやろう!」

塾長のその言葉に男子生徒全員がムンクの『叫び』のような顔になる。

うん……男子生徒には気の毒だがなのはに関係なくてよかった。

「では続いて美術担当の……」

「地院家若美よ~下から読んじゃダメよ~」

腰まで届く長い髪のオネェ系な人が現れた……ってまたかい!

何? 何なの!? 何ですの!? この学校! 何でこんな濃い人ばっかいんの!?

って三段活用!?

てか……下から読んだら某芸能人になるよな?

「私も短い間だけどよろしくねぇ~チェリーボーイ達~?」

その瞬間俺を入れた全ての男子達の背に悪寒がはしる!

ダメダ……眼ヲアワセチャ……喰ワレル!

あの時の俺達男子を見る眼は完全に捕食者の眼だった……。

まぁ……短い間だって言ってるしなのは達女子には関係無いからいいよね!?

というかさっきから男子の扱い悪すぎないか?

何か怨みでもあんの!?

「え~続いて」

まだ居んの!? もう俺の精神力(ライフポイント)はゼロよ!?

「え〜皆さん人と言う字はお互いが支え合って出来ているのです」

ここで伝説の先生かよ!?

確かに良い先生だけどさ!

「ではこれにて先生の紹介を終わります」

やっと終わった……なんか一気に体力と精神力持ってかれたぞ?

どんだけ濃い入学式なんだ……これも歪みなのか?

絶対違うと思う……てか思いたい!

かなり混沌(カオス)な入学式を終えた俺達は、

「なんと言うか……」

「かなり独特な入学式だったね?」

苦笑をもらす千歳と士郎さん。

「あはは……それはさておきなのは」

「なぁに?」

トコトコと可愛らしい足音をたてながら俺に近付いてくるなのは。

「はい 入学祝だよ」

零は小さな箱をなのはに手渡す。

「これは?」

「前になのはが俺の着けているリボンを欲しいって言った事があるだろ?」

「うん」

俺の問いに頷くなのは。

以前になのはが今俺の着けているリボンを気に入り欲しがった事があるので今回入学祝として新しく創って手渡す事にした。

「ほら 開けてごらん」

なのはに箱を開けるように言う、

その箱の中に入っていたものは、

「きれい……」

陽の光を受け柔らかな白銀の色を放つ銀に近い純白のリボンだった。

ちなみに今俺が着けているリボンは吸魔のリボン(黒)と言い以前にとある人物から貰ったもので効果は魔力を無限に吸収し貯め、持ち主の任意で解放や供給が出来るのだ。

さらにその貯めた魔力の内微量の魔力を使い常に自動修復を行うので常に綺麗な状態を保つ事も出来る。

「早速着けてみるか?」

「うん!」

力強く頷くなのはに近付き、なのはの髪を縛るリボンを外す、

シュルッ! という音と共にリボンはほどかれ、その際に女性独特の甘い薫りを感じながら亜麻色の髪を優しく束ね純白のリボンで縛る。

「痛くないか?」

「大丈夫」

リボンは若干の緩みを持たせて縛る。

「はい完成」

何時もしている髪型であるツインテールにして纏める。

「う〜なのはもお兄ちゃんみたいな髪型にしたいの〜」

どうやらご不満のようだ。

「もう少し髪が伸びてからだな」

今の俺の髪型は腰まで届くポニーテールであり多分なのはよりも長いな。

一度髪を切ろうとしたら千歳となのはが涙眼になって止めて来たのでまだ切れていない……手入れが面倒なのに……何故?。

「もう少し髪が伸びたらお兄ちゃんみたいな髪型にしてね!」

なのはのポニーテールか……そんなの……絶対に可愛いじゃないか!!

「うん……髪が伸びたらやろうな!」

俺……実はポニテ派なんだ。

「うん!」

俺の言葉に頷き返すなのは。

今から楽しみだな。

「う〜ん 男の子と家の娘がイチャついているというより女の子同士でハシャいでいるように見えるのは何故だろう?」

一連のやり取りを見ていた士郎が呟く。

「アイツ……ホントに男だよな?」

呟く恭也さん……見た目はともかく性別は男だよ!

「なんか色々言われてる気が……」

別に悪口ではないよね?

「そういえば零君は学校には行かないのかい?」

「学校ですか?」

「あぁ 零君の歳なら普通は学校に通うはずだよね?」

まぁ 普通なら……そうなんだけど、

「う〜ん 今は通う気は無いんですよね 一応大学卒業してますから」

零のこの一言に場の空気が凍る。

「え?」

「零君?……今何と?」

「実は以前海外の大学で卒業資格と博士号を取ったんですよ一度ニュースとかに出たらしいですよ」

実はこの世界で企業を起こす為にも肩書きという箔が欲しかったので多少ズルをしたが持てる能力をフルに使い一年という短期で大学卒業資格を取ったのだ。

「冗談だよね?」

「残念ながら本当です」

「そういえば一時期名前は伏せられていたけど子供がMITを卒業したって話題になっていたわね」

桃子さんが思い出したかのように呟く。

「あっ! それ俺ですよ」

「すごいわね~」

「まぁ そういう訳で学校に通うかは当分は保留なんですよ」

「え? お兄ちゃん学校行かないの!?」

なのはが残念そうに尋ねる。

「当分はね、まぁいつか気が向いたら行くかもね」

「わかったの」

「ハハハ まぁ それはさておき今日はなんか美味しいものでも食べに行こうか」

「そうね」

「零君達も一緒にどうだい?」

「いいんですか?」

「あぁ もちろんさ それに……」

ふと見ると零の服の裾を引っ張り若干眼を潤ませたなのはの姿があった。

「お兄ちゃん 一緒に行こうよ!」

こんな姿見せられたら頷かずにはいられまい!

「では ごちそうになりますね」

「あぁ 歓迎するよ」

柔らかな笑みを見せる士郎さん。

「ありがとうございます」

それに対して精一杯の微笑みを返す零。

ちなみにその姿を見た周りの人達は、

「うにゃ!」

「はぅ!」

「「クッ!?」」

「あらあら」

何故か顔を朱く染めるなのはと千歳に鼻を抑える士郎さんと恭也の姿があり、

桃子さんは口に手を当てながら微笑む。

「どうかしました?」

「い いや 何でもないよ(無自覚なのか?)」

「すみません 御相伴に預ります」

ペコリと頭を下げ礼を述べる千歳。

「いえいえ 何時も零君や千歳さんには家のなのはがお世話になっていますから」

「そうですよ 私達は仕事を理由に中々あの娘をかまってあげられないので親としては少し複雑ですが千歳さんと零君には感謝していますよ」

「そうですか」

「さぁ 何時までもあの子達を待たせるわけにはいかないからそろそろ行きましょうか?」

「はい」

話を終えた士郎達は先に行った者達の後を追う。

「しかし……(あの混沌な入学式は置いといてついになのはが小学校に入った事で物語が進むな……)」

あと2年……その間に俺に出来る事をしよう。

たとえそれが俺のエゴだとしても貫かせてもらうぞ!

「お兄ちゃ〜ん 速く行こうよ〜」

動きの止まっていた零の服を引っ張るなのは。

「あぁ ごめんごめん今いくよ」


なんとも締まらない終わり方である。 
 

 
後書き
お久しぶりです!

作者です!

今回は大変遅くなってしまって申し訳ありません!

学校と課題、仕事で忙しかったのもありますが、

出来上がった原稿を数字キーを押し間違えてしまい削除してしまったのが一番響きました。

次の話を速く上げれるようにがんばります。

どうか暖かな眼で見守って下さい!

また常に感想やアドバイス応援をお待ちしております! 

 

『出逢いと誘拐』

 
前書き
大変遅くなってしまい申し訳ありません。

編集しなおしたら一万字を超えてしまいました。 

 
前回からまた時間がたちなのはは学年が上がり順調に成長をしており、

俺はというと……、

「零様 前回造られた記録媒体ですがかなり好評のようです」

「そうなの?」

「開発部の人達からの報告ですが部品の低コスト化も今のところはめどがたったようです」

「へ~」

「社長……桜華の報告では業務成績は快調のようです」

「さすがだな」

あれから俺は株取引と自分の持つ技術を駆使しながら小さな会社を立ち上げたのだ。

一応最初はパソコン関連に特化した会社を立ち上げ、

この世界ではまだ主流だったフロッピー式の記録媒体からCDへと変え特許を取り、

活動資金を稼ぎ、そこからさらに手を広めた。

黄金律の恩恵と持ち前の技術力によって会社設立からあっという間に大企業の仲間入りを果たし今では様々な分野に手を延ばし世界有数の企業になったのだが……

基本俺はこういうのはめんどくさがりなところがあるので俺の能力やアカシックレコードをフルに活用しガイノイドを創って俺の代わりに経営とかをしてもらっています。

ちなみにCOSUMOSUと茶々丸をモデルにしました。

あのキャラ好きなので、

名前は桜華です。

ちなみに会社名はナイン・テイル・フォックス(九尾の狐)。

パートナーである千歳が九尾の狐でありまた中国の一部の地方では幸せを運ぶ存在とされているので採用しました。

もちろん社章は名前通り九尾の狐です。

基本 経営は桜華に任せ俺は会社の経営方針やここぞという時は俺が決めています。

「ところで先程から何をつくっていられるのですか?」

冒頭から居間の机でカチャカチャと何かを弄くる零に何をしているのかを尋ねる千歳。

「ん? コレか? キーホルダーに似せた護符(タリズマン)だよ なのはに渡そうと思ってな」

「護符ですか?」

「居場所の感知と簡易結界を張る程度だがな」

最近は物騒なので保険としてなのはに渡すつもりだ。

「そうですか……そういえばそろそろお出掛けになる時間では?」

「え? もうそんな時間?」

作業に没頭していたせいか時間に気づいていなかったようだ。

「なのはさんと会われるのですか?」

「ん? あぁ なんか小学校で友達ができたらしいからその子達を紹介したいんだとさ」

まぁ 十中八九あの二人だと思うがな。

「そうですか」

「じゃあ 俺はそろそろ行くよ」

「いってらっしゃいませ」

千歳に見送られながら俺はいつもの公園へと向かう。

そして……向かった先には、

「あっ! 零お兄ちゃん!」

「やぁ」

公園に着きなのはを見つけ挨拶をすると。

「あなたがなのはの言っていたお兄さん?」

「はじめまして」

二人の少女が俺に挨拶をかえす。

その二人はというと、

一人はツンデレに定評のあるくぎゅ〜ボイスなどこか勝ち気な印象を与える少女と、

もう一人は紫の髪の大和撫子という言葉の似合う大人しそうな少女だった。

「はじめまして 黒帝 零 です」

「私の名前は アリサ・バニングスよ!」

「私の名前は 月村 すずかです」

二人がそれぞれ自己紹介をする。

「よろしくね」

俺はそんな二人にニッコリと笑顔でこたえる。

何故か顔を赤らめる三人。

何故に?(無自覚&天然)

「む〜(少しうらやましいの)」
餌を溜め込んだハムスターのように頬をぷくりと膨らませるなのは。

「てりゃ」

俺はそんななのはの頬を軽くつついて萎ませる。

「ふに〜」

顔を赤らめながらも何故か若干嬉しそうななのは。

「あぁ 忘れていた なのは ちょっと来てくれるかい?」

そんな姿をよそに俺はなのはを呼び寄せる。

「なぁに?」

トコトコとかわいい足音をたてながらなのはが俺に近付く。

「こんなの作ったんだけどいらないかい?」

俺はなのはに綺麗な紅い石のはまった長方形の板を渡す。

「わぁ〜 きれ〜」

護符に付いている紅い宝石に目が釘付けになるなのは。

「なのはちゃん いいな〜」

「なによそれ?」

二人もやはり女の子であるためになのはに渡した物に興味を示す。

「お守りみたいなものさ 趣味でね たまにこういうのを作るんだ」

「ありがとうなの!」

俺の腕に抱きついてお礼を言うなのは。

「素敵なご趣味ですね」

「なのはばっかりずるいわね」

「なら いつか君達にも作ってあげようか?」

立場的に持っといた方がいいだろうしね。

「いいんですか!?」

目を輝かせながらたずねるすずか。

「お安いご用さ」

「どうしてもっていうならもらってあげるわよ」

おぉう ナイスツンデレ。
「ありかとう」

「べ 別にあんたのためじゃなくて!し しかたなく そうよ しかたないからもらってあげるんだからね!!」

これぐらいのツンデレならまだ可愛いものだな。

「そうか」

「だ だから勘違いなんかしないでよね!」

「了解 そういえば少し喉がかわいたね 自販機で何か買ってくるけど何がいい?」

「私は紅茶!」

「なのはとすずかちゃんは?」

「わ 私も紅茶でお願いします」

「私もなの」

皆紅茶好きだね~、

俺緑茶派だけど……。

「はいはい」

俺は三人から離れ少し離れた自販機へと行き飲み物を買う。

「さて 戻りますか」

俺は三人のもとへと足を進めると。

「ちょっと! 離しなさいよ!!」

「や やめてください!!」

「離して!!」

そこには先程までなかった黒いワゴン車があり、

数人の男達が三人を捕まえ車へと押し込み、

「よし! ズラかるぞ!!」

車を急発進させこの場から逃げる。

「クッ! 誘拐だと!?」

俺はすぐさま追うがすでに車の姿はなくなっていた。

「クソッ!」

自分の不甲斐なさに怒りを通り超しもはや殺意すら湧くが、無理矢理腹の底に押し込め、

俺は千歳に念話を飛ばす。

『どうなされました?』

『千歳! 緊急事態だ! なのは達が誘拐された!』

『えっ!?』

普段冷静な彼女だが流石に今回は驚きを隠せないようだ。

『とりあえず俺はなのはに渡した護符の魔力の波長を辿るからお前は俺の魔力を辿って合流してくれ!』

『わかりました!』


「護符の魔力を探知……」

俺は意識を集中し護符の魔力の波長を辿る。

自分の身体から無数の糸を伸ばすようなイメージで魔力の波長を捉える。

「見つけた!」

俺はすぐさま強化魔法を使い身体能力を上げ、

「待ってろよ! すぐに助けに行くからな!」

自分に認識阻害をかけて高速で移動する。



なのは Side

「ココどこ?」

私が目を覚ますと、

さっきまでいた公園から薄暗い工場みたいなとこに変わっていたの。

「なのは 気がついたの!?」

「なのはちゃん!」

二人の声のする方へと目を向けると、

そこには……、

縄で縛られた二人の姿があったの。

「おっ! 起きたのかい?」

突然男の人の声が聞こえ、

「だ 誰!?」

私が声のした方に目を向けると、

「お嬢ちゃん達を誘拐した犯人だよ」

怖い顔をしたおじさん達がいたの!

「誘拐!?」

「そうだよ」

「用があるのは私だけでしょ! なのはとすずかは離しなさいよ!」

アリサが怒鳴るように声を張り上げる。

「そうもいかねぇんだよ クライアントの命令でな」

「クライアント?」

「確かランだったかな?」

「アニキ確か『龍(ロン)』だったはずですぜ」

「そう それだ!」

「その龍とかいうのが私達になんの用よ!?」

「ん〜なんでも日本の中で自由に動くために有名なお嬢ちゃん達が必要なんだとさ」

「なによソレ!?」

「さぁな? おっ! 噂をすればハゲってな」

「アニキ……影ですぜ……」

的外れな答えに呆れる子分。

「ウッセー! シャレだつーの!」

下手な漫才擬きを続ける二人を他所に、

「困るなぁ……不必要な事をべらべらと喋られては」

いかにも悪役らしいといった格好をした三人の男達と青竜刀をもち中華風の服装に身を包んだ男の人達が現れた。

「まぁ いいじゃねぇか どうせ調教して精神ぶっ壊して俺らの操り人形にすんだからよぉ」

「どうせなら今やろうぜ」

「うはっ! お前ロリコンかよ!」

「せっかく良い顔してんだからやるっきゃね〜だろ?」

「そうだな」

「あ〜 俺らもいいッスか?」

「お〜 やれやれ」

「勝手な事をするな……」

突如中華風の服装の男が口を開く。

「火龍(フォロン)さん?」

男達が火龍と呼ばれた男を見る。

「キサマらは喋り過ぎだ」

「す、すみません!!」

「それに拐うのならそこの小娘一人で良いはずだが余計なものまで拐い無駄な手間を掛けさせるな」

アリサを指差し言い放つ火龍。

「で、ですがこの二人は月村と高町のガキです! 利用価値はあります!」

「ほぅ……高町……なるほどな……」

なのはの名字である高町の名を聞いた火龍は声色を変える。

「ククク……なるほど……奴には少々借りがある……奴の娘を辱しめて奴の前に曝すのもいいだろう……」

火龍は愉悦に染まった表情で楽しそうに言う。

「では……」

「あぁ……やれ」

「ヘヘヘ……悪りぃなお嬢ちゃん」

「たっぷり楽しませてもらうぞ」

男達は下卑た笑いをしながらなのはに手をのばす。

「イヤッ! やめて!!」

助けて零お兄ちゃん!!

私が祈ったその時!

ー結界・弾ー

紅い宝石が光を放って輝いたの!

「痛ッ!?」

「な、なんだぁ!?」

薄い光の膜がまるでなのは達を護るかのように覆い被さる。

「結界術? まさか今の時代の日本にこれ程の結界を張れる奴など……」

そして……、

「薄汚い手でなのはに触れるな」

私が求めた人が来てくれたの。

なのは Side end




零 Side

あれから俺は魔力を辿って移動をしていた。

「零様!」

その途中で千歳と合流し、

「なのは達はおそらくこの先の廃工場だ!」

魔力の波長の源である場所を突き止める。

「潜入開始」

俺は認識阻害や隠蔽魔法そしてダンボールを使い某蛇も真っ青な潜入し、

「ただの誘拐にしては装備や人員が整っているな……」

不自然な程に整った人員と装備に疑問を抱く。

「ん? 誰かいるのか?」

見回りの人間に見つかりそうになるが俺は気配を可能な限り消し、音も無く背後へと回り込み、

ー掴 捻ー

相手の頭と顎を掴むと同時に無理矢理捻る! 「ガッ!」

血の混じった泡を吹きながら倒れ伏す男。

「零様……殺したのですか?」

暗い表情の千歳が恐る恐る聞く。

「いや……一応手加減はしたから生きてはいる……まぁ 頸椎を無理矢理捻ったから一生ベットの上の生活だがな……」

幼い子供を拐うようなクズには情けをかける気は無い。

「そうですか……」

若干ホッとした表情を見せるが零にこのような荒事をさせた事に対して複雑な表情を見せる千歳。

その後もダンボールを被り人目を欺きつつ見張りや護衛と思われる者達をCQCなどを使って無力化させなのは達の捕われている場所へ着くと。

「ランだったな」


「アニキ確か『龍』ですぜ」

「そう それ!」

おいおい なんであの組織が関わってんだよ!?

この世界ってとらハまで混じっているのか!?

「困るなぁ~」

新たに現れた四人の内三人の男達の下卑た会話と誘拐犯の会話で頭に来た俺は魔法を解き、

「薄汚い手でなのはに触れるな」

犯人達の前に姿を現し、

「己が欲望のために幼き生命を喰い物にする者……人それを外道と呼ぶ」

「誰だ!?」

「悪党に名乗る名などない!!」

俺は○ム兄さんのまねをし、

「『凄把龍昂』!!」

目の前の男を垂直に蹴り上げさらに空中でサマーソルトをかます。

「ぐげっ!?」

凄まじい勢いのせいか男はまるでギャグ漫画のように天井に頭が突き刺さる。

「さて お仕置きの時間といこうか」

全身から殺気を漲らせて威嚇する。

「はっ! こっちには人質が……っていねぇ!?」

男達はなのは達を盾にしようとするがすでにその場にはいなく、

「残念ながらなのはさん達は私が保護させていただきました」

すでに千歳がなのは達を抱え、距離を取っていた。

「千歳 なのは達を頼む」

「はい!」

千歳になのは達の護衛を任せる。

「さぁて 死ぬ覚悟はできてる? まぁ 答えは聞いてないけど」

「ふざけんなガキ!!」

ー発砲ー

一人の男が拳銃を零に向け放つが、

「温いわ!」

それを零は素手で弾く。

弾かれた弾丸は壁に当たりチュインッ!という音をたてる。

「ハァッ!?」

「とある女子高生町長は言いました 銃弾なんて横からマッハ3で叩(はた)けば簡単に反らせると」

と言い放つ零だが、

「「「「(イヤイヤ!無理だから/です!)」」」」

誘拐犯とアリサ、すずかの心の声がピッタリ重なる。

それに対して、

「お兄ちゃん凄いの…」

どこかウットりとしたまるで憧れのヒーローを目の前にした子供のような眼差しのなのは。

今よりも幼い時から零の身体能力の高さを目の当たりにしてきたなのははあまり動じてはいなかったようだ。

「また身体能力が向上されたようですね」

零の身体能力が上がった事に言葉を漏らす千歳。

「なっ? へ?」

普通ならばあり得ない事態に混乱する男達だが、

「『魔神拳』!」

そんな暇など与えられず、

ー拳 貫通 ー

真っ直ぐストレートに振るわれた拳から拳圧が飛び銃を持った男の鳩尾(みぞおち)を貫く。

ー潰ー

「ゴッ! ゲェッ!?」

拳圧の衝撃によって胃が潰れたために血ヘドを吐きながら地獄の痛みにのたうち回る。

そんな男の姿をまるで害虫でも見るかのような眼で見た後、

「懺悔は十分? 遺書は大丈夫? 部屋の隅でガタガタ震えながら豚のように泣く準備はOK?」

最終宣告を告げる。

「クッ! ガキがぁ!」

男が拳銃を零に向けようとするが、

「ムダだあの小娘の相手は我(オレ)がしよう」

中華風の服装の男が青竜刀を片手に前に出る。

「アンタは?」

「ただの処刑人だ……火龍と呼ばれている」

さっきの雑魚とは比べ物にすらならない実力があるのは明白だ。

「ふぅん……あと訂正しとくけど俺は男だ」

その瞬間時が止まる。

「冗談だろ?」

誘拐犯が呟く。

「男だよ!」

その呟きに間髪いれずに返す。

「ふん……まぁいい……先程の戦闘技術そして符術にその容姿キサマを持ち帰れば奴らも文句は言うまい……」
「奴ら?」

なんか気になるワードが聞こえたぞ。

「貴様らには関係無かろう……さて……始めるか……」

火龍は普通の物よりも大きな青竜刀を鞘から抜き放つ。

その際に刀身がギラリッ!と妖しい光を放つ。

「お兄さん逃げて!!」

「速く逃げなさいよ!」

抜き身の刀身と素人目でもわかる程に危ない雰囲気を放つ火龍と対峙する零に逃げろと叫ぶすずかとアリサ。

そんな二人に対して零は、

「大丈夫」

と優しく微笑みながら短い返事を返す。

「楽しませてもらうぞ」

火龍が青竜刀を袈裟斬りに振り降ろす!

その一撃は鋭く洗練されたものだった

それに対して零は、

「ハァッ!」

ー 一閃 ー

けたたましい金属どうしのぶつかり合う音が木霊する。

「ぬ?」

突然響いた音の発信源を辿ると零に行き着き、

その零の手には白と黒の双剣が握られていた。

「まさか……その剣は!」

零の持つ白と黒の双剣に心当たりがあるのか感極まるとばかりにうち震える火龍。

「御察しの通りこの双剣の名は干将・莫耶」

黒い刀身に紅い亀裂模様の男剣干将、

白い刀身に水波模様の女剣莫耶、

古代中国の伝説の剣であり雌雄一対の夫婦剣。

そして正義の味方を目指した男が愛用していた剣。

「何故それほどの剣を持っているかは知らんがそれもいただくぞ」

餌を前にした狂犬の如き顔で良い放つ。

「できるものならな」

それに対し暗にやってみろと皮肉を込めて挑発する零。

「ぬかせ!」

横一閃! とばかりに青竜刀を振り抜くが、

「何!?」

干将の刃で火龍の斬撃を弾き、直ぐ様莫耶で逆袈裟に斬りかかる。

「クゥッ!!」

服を浅く斬られるも肉までは達せず、後方に跳躍し距離をとる火龍。

「逃がすか!」

零は地面スレスレにまで身体を傾かせ地を蹴り地面を疾走する。

「甘い!」

ー投ー

懐から棒手裏剣を取り出し向かって来る零に向かって投擲する。

「チィッ!」

干将を横薙ぎに振るい向かって来る棒手裏剣を全て弾き再び距離を詰めようとするが、

「覇ァッ!」

まるで突き刺すかのような鋭い垂直蹴りで零を迎え撃つが、

「チッ!」

莫耶の腹で受け止めると同時に後ろへ自ら飛び衝撃を逃がす。

「やるな!」

「蒼破刃!」

地を這うかのような魔神剣とは違い疾風の斬撃を飛ばすこの技は真っ直ぐに火龍へと向かい、

「ムッ!」

ー裂ー

火龍の右頬を切り裂き鮮血を飛ばす。

「烈破掌!」

右頬を切り裂いた際に出来た隙を逃す事無く瞬動を用いて懐へと入り氣を込めた掌を腹部に押し合て爆発させる。

「ゴハッ!」

爆発の衝撃によって身体は宙に浮き一瞬とはいえ衝撃のせいもあり完全に無防備になったその身に、

「虎牙破斬!」

流れる様に火龍を上下に切り上げた後拳に力と体重を乗せ地に叩き落とす!

「ガァッ!?」

処刑人の名は伊達ではなく咄嗟に受け身を取り転げながらも距離を取る火龍。

「フゥ〜 その歳で恐ろしい戦闘の才能と動きだな」

受け身を取ったものの完全には防げず受けたダメージによって息を荒げながら良い放つ火龍。


「お褒めに預かり光栄だね」

「ふん……しかし……まぁ……こんな小娘と化物のために健気なものだ……」

「化物?」

ふと火龍の漏らした言葉が妙に耳に残る。

「ッ!!」

そして『化物』という単語に異常なまでに反応するすずか。

まさか……ここでもあの設定が生きているのか?

俺の頭の中に忘れかけていた記憶が一部浮かび上がる。

「ふん……何も知らんのもまぁ無理も無い……そこの小娘……月村は……」

「やめて! 言わないで!」

瞳から大粒の涙を流して叫ぶすずか。

「人の生き血を啜る化物……吸血鬼だ」

そんなすずかをよそに淡々と語る火龍。

「あ……あぁ……」

そしてすずかの顔色はまるでこの世の終わりでも来たかのような絶望の色に染まる。

そしてすずかの正体を知った零は、

「随分とまぁ 可愛い吸血鬼もいたもんだな 」

まるで全く気にしていないかのように軽く言い放つ、実際彼は全く気にしてはいないだろう。

「なッ!? キサマ正気か!?」

零の言動は火龍にとっては予想外だったのか驚きの声をあげる。

「彼女は確かに人在らざる者かもしれない……だが……それが何だ?」

零の言動を信じられないものを見るような瞳で見つめるすずか。

「どちらかと言えば自分の欲望のために平気で人を喰いものにするお前らの方が化物だと思うがな?」

理性を持ったまま人を殺す事に馴れたり罪も無いものを喰いものにするような人種の方が遥かに化物だと思う。

「ほぅ……」

「それに俺はちょっとばかり『気質』などに敏感な質(たち)でな仮に彼女が人に害を及ぼすような存在ならすでに気がついているさ」

実は俺の持つスキル『直感A』はそういったものにも反応するのだ。

「ほぅ…『気質』まで読めるのか……」

「まぁ そうゆう事……という事でとっとと決着(ケリ)をつけるぞ」

双剣を構え、全身に闘気を漲らせ、

「「いくぞッ!!」」

二人はほぼ同時に地を蹴り駆ける!!

「噴ッ!」

今までのどの攻撃よりも重く鋭い斬撃が零に襲い掛かる。

その斬撃は……無情にも零を切り裂く、

「「イヤーッ!」」

それに悲鳴をあげるすずかとアリサだが、

」「大丈夫だよ/です」」

なのはと千歳が顔色一つ変えずに言う、その表情は焦燥や悲観などなく穏やかなものだった。

「ぬぅっ!?」

切り裂いた時の手応えは確かに切った感触はあったがまるで物体の無い幻影を……まさに質量のある残像を斬ったと言わんばかりに実体感が無かった。

「幻狼斬!」

そして残像が切り裂かれると同時に後ろから現れた零が火龍を切り払い、
「続けていくぞ!『天狼滅牙』!」

切り払いからの逆袈裟、上下左右と流れる様な連撃へと繋ぎ、もはや目にも写らぬ神速の剣撃を叩き込み、

「トドメッ!『戦迅狼破』!!」

闘気を纏わせた右腕を勢い良く振り抜き狼を模した闘気の塊を叩きつけ重い大人の身体を軽々と吹っ飛ばし壁へと叩きつける。

「ガハアァァァッ!」

いくら極限まで鍛えられた身体であっても強力な衝撃には弱く文字通り骨の髄まで響く威力に流石の火龍も白目をむきズルズルと壁を伝って地に沈む。

「ふぅ……」

戦いが終わり一息つき、

「さて……まだやるのか?」

鋭い眼光で残ったチンピラ達を睨み付ける。

「ヒィッ!」

裏組織の実力者を倒し銃弾すら弾くような化物染みた強さを見せつけた事もあり汚い悲鳴をあげながら走り去る。

「さてと……みんな乱暴はされていないか? どこか痛いところは無いか?」

「大丈夫なの!」

元気よく返事を返しながら近づいた零に抱きつくなのは。

「ごめんな……恐かっただろ?」

先程までの張り詰めた空気は既に無くまるで悪さをして叱られた子犬や子猫の様に悲しげな顔をして問う。

「ううん 絶対助けてくれるって信じていたから大丈夫」

穏やかな笑顔で答える。

「そうか……」

ほっと一息はきながら抱きつくなのはの頭を撫でる。
「うにゃ〜」

いつものように撫でられてご満悦になるなのは。

「二人は大丈夫か?」

未だポカーンとした表情で地べたに座るアリサとすずかに問い掛ける。

「あ……」

問い掛けられたアリサが僅かに口を開き……、

「あ?」

まるでオウム返しのように零も同じ言葉を繰り返す。

「アンタ何者よ! 銃弾素手で弾いたりどっからか剣出したり! 映画みたいな動きしたり! あんなヤバい奴倒したりアンタどこの超人よ!!」

まさにマシンガントークと言っていいほどに速く口から言葉を繋ぎさらにアリサの背後からはデフォルメされた虎がガオーッ!と吠えている幻影が見える。

「一応人間だからね! ちょっと鍛えているのと身体能力が(異常に)高いだけの人間だからね!」

「ウソつけー!!」

零の反論を問答無用とばかりにバッサリと否定しさらに吼える小さな虎と化したアリサ。

チビ虎アリサ此処に爆誕!

「まぁまぁ アリサさん落ち着いてください」

未だ怒り心頭とばかりに吼え続けるチビ虎アリサを千歳が宥める。

「さてと……後が恐いけどまぁ……それはさておき」

零はゆっくりと歩を進め地べたに座るすずかの前に着くと、膝をつき目線を合わす。

「さて……色々あったけど大丈夫かい?」

「あの……」

まるで絞り出すかのようにか細い今にも消えてしまいそうな小さな声ですずかは零に問う。

「ん?」

「貴方は……恐がらないのですか?」

「何を?」

「私は……人じゃないんですよ……あの人が言った様に私は……私は……『吸血鬼』なんですよ」

今にも消え入りそうなそれでいて悲痛な叫びにも似た声を張り上げる。

「…………」

零はただ腕を組み、それを黙って聞き続ける。

「私は化k「それは違う!」え?」

「化物なら涙なんて流さないだろ?」

そういって細くしなやかな指をすずかの目元へと近づけ大きな瞳から溢れる涙をぬぐう。

「あっ……」

「それにさっきも言ったけど俺は君の事を化物だなんて思わないよ」

「どうして……ですか?」

まるで何かにすがり付くかのような眼差しを向けるすずか。

「戦っている時も言ったけど本当の化物は涙なんか流さないし、自分の欲望の人の命を軽く奪える奴こそが化物だってね」

人の生命の重さを知っていてなお人を喰いものに出来る奴が本当の化物だと言えよう。

少なくとも俺はそう思う。

「ッ!!」

「それにアイツが剣を取り出した時に俺に逃げろって言っただろ? 打算的な考えの化物なら奴に俺を始末させて口封じをしたりするハズだけど君は俺の身を案じただろ」

「それは……私のせいで誰かが傷つくのが嫌で……」

「その考え方ができる時点で君は優しい人間さ」

俺みたいな奴と違ってね……。

誰にも聞こえないような小さな声で呟き一瞬だけ自嘲気味な笑いを浮かべる。

「あの……」

「ん?」

「貴方は……私を受け入れてくれますか?」

瞳を潤ませ幼い容姿でありながらもどこか妖艶さを感じさせる表情ですずかは問う。

「こんな可愛い『吸血姫』なら喜んで」

ニコりと微笑みながら無意識にキザなセリフをほざ…ゲフン ゲフン、言うこの男の娘(笑)

いつか後ろから刺されないといいね。

「ありがとう……ございます」

少し遠慮がちにだが確り腕に力を込めて抱きつくすずか。
「いえいえ こちらこそ」

すずかの言葉に答えたその時、

ー殺気・震ー

不意にゾクッ!と背筋に悪寒がはしり殺気の飛んで来た方を向くと、

「アンタ達……アタシ達をほっといて随分とたのしそうねぇ〜」

目を爛々と光らせ再びデフォルメされた虎を背景に投影させたアリサと、

「すずかちゃん一人だけズルいの!」

小さな猫の幻影を背景に投影し涙目でこちらを睨むなのは、

「零様……あまり無自覚なのもいけませんよ」

静かな言動で主たる零を諌める千歳だが少しばかり怒っているのか雰囲気がちょっと恐い。

「え〜と……その……ですね……」

じりじりと近づいて来る三人から逃げるように後ろに下がるが壁まで追い詰められてしまい、

「「「少し頭冷やそうか」」」

制裁を食らってしまう。

「みぎゃーー!!」

ー少年制裁中ー

少年の精神保護のために描写は省きます。

『見せられないよ!』




しばらくして……、

「いくらなんでもこの扱いは酷くない?」

制裁を受けた零の姿は……あえて言うまい……。

「フン! アンタが悪いのよ!」

頬を紅くしながらフン!と息巻くアリサ。

「ちょっとやり過ぎたの…」

流石にやり過ぎたのか少し落ち込んでいるなのは。

「鈍感なのも行き過ぎると罪ですよ」

「お前らな〜」

だからってコレはやりすぎだろ……ギャグ補正無かったらヤバいぞ。

「まぁ 怒ってスッキリしたからアンタの事はもう良いわ」

こういうアッサリとした性格は彼女の美徳と言えよう。

「それよりもすずか!」

アリサがすずかの名前を強く呼んだ事によりビクッ!っと身体を震わせ怯えるように零の腕にしがみつく力を強める。

「アリサちゃん……」

ズンズンと勢いよく足音をたてながら近づいて来るアリサ。

「アンタねぇ〜アタシに隠し事をした事後悔しなさいよ!」

アリサが取った行動は……、

ー抱ー

「え?」

「バカ……全部は無理でも少しくらいは相談しなさいよ……何のためにアタシ達友達やってんのよ……」

殴るでも怒鳴るでもなくアリサが取った行動は抱きしめる事だった。

「そりゃアタシだって話せない事があるけどそれでもね、アタシやなのはは友達でしょ? 少しくらい信用しなさいよ!」

「ごめんね……」

アリサの暖かな言葉に涙するすずか。

「すずかちゃん……ここは謝るとこじゃないよ」

「はい……アリサちゃん……なのはちゃん……ありがとう」

綺麗なサファイアのような蒼色の瞳から大粒の涙を流しながらも心から微笑む彼女の姿がそこにあった。

「よかった」

その光景を見守っていた零は問題に一段落ついた事に安堵し優しい微笑みを見せる。

「さてと……千歳警察に連絡を……」

「もう既に連絡はいれましたよ」

指示を飛ばすよりも速くに行動を起こしていた彼女に脱帽だ。

「速いな……」

「それほどでもありませんよ」

そう言って謙遜する千歳。

「さてと……コイツらは警察に任せて俺達は一足早めに帰るとしようか……」

誘拐犯の事を警察に任せて帰ろうとしたその時!

「「なのは! 大丈夫か!!」」

「「お嬢様!」」

突如壁を破壊して現れたのは士郎さん、恭也さん、あと執事みたいな人とメイドさんだった。

遅いっすよ皆さん……。

「俺達が来たからもう大丈……あれ?」

「どうやら既に終わっているようだな」

周りの惨状を見て呟く士郎さん。

「これを全部お前がやったのか……?」

信じられないようなものを見るような眼で零を睨む恭也。

「えぇ〜と……」

反応に困る零だが、

「そうなの!」

「そうよ! 銃弾素手で弾いたり、剣でそいつ倒したのよ!」

そんな零の事などそんなの関係ねぇ!とばかりに一部始終を語るなのはとアリサ。

「ちょっ!?」

「ほほぉ〜」

何やら怪しい光を宿した眼で零を見つめる高町親子。

「とりあえず皆さん……こんなところで立ち話も何なので一度離れませんか?」

はぐらかすかのように一度この場を離れる事を提案する。

「そうだな外で忍も待たせているしな」

「えっ! お姉ちゃんも来ているんですか!?」

恭也の漏らした一言に驚くすずか。

「ん? あぁ 危険だから外で待たせている」

「そう……ですか……」

「ではそろそろ出ましょうか」

千歳の号令で中に居た人間はぞろぞろと外へ出て行く、その際に未だに気絶している火龍の頭に右腕を当て記憶の読み取り『サイコメトリー』で火龍の記憶を読み取りそれを特殊な魔方陣を刻んだ宝石に写す。

「まさかあの『組織』と繋がりがあるなんてな……」 まさかの出来事に驚愕しつつも千歳達の後を追って零もまたこの場から去る。

ちなみに気絶した奴らは内部に鋼糸を編み込んだロープで縄脱けすら出来ないようにガチガチに縛りあげておきました。

その後は外に出た後恭也さんの彼女であり、すずかちゃんの姉である 月村 忍さんを回収し今いる場所から一番近い高町家へと移動する。

「〜と言う訳でして……」

俺は今回の件を一部誤魔化しつつ正確に伝える。

「まさか……奴らが……」

今回の敵である『龍』について何か因縁があるようだ。

俺は残念ながらとらハの方はさわり程度しか知らないのでこの場に置いては何も言えない。

「知っているのですか?」

「奴らは中国のマフィア『龍』……犯罪と名の付く事ならなんでもやっていると言ってもいい程の組織だ……」

「そして構成員は全員龍の刺青をいれているらしい」

そういや火龍の服を切り裂いた時にちらりとそれっぽいのが見えたな。

「そして私が仕事でとある人物を護衛していた時に起こったテロにも奴らが関係している可能性があった……今となっては調べようがないがな……」

あの大怪我って護衛中に起こった事故で負ったものとしか知らなかったけどまさかそんな因縁があるとはね。

「そういえば……零……お前……いやお前達は月村の秘密を知ったんだよな?」

何時もの兄バカ具合は完全に成りを潜め真剣な表情で零に問う恭也。

「はい……すずかちゃん……いや……月村が吸血鬼である事を知りました。」

今回は茶化す事なく真剣に答える。

「ならお前はこれからどうするつもりなんだ?」

これからと言うのは恐らく契約を結ぶか記憶を消すのかという事だろう。

「そうですね……ですがその前に俺の身体に関する秘密をバラしましょう」

「秘密?」

何の事か解らず聞き返す恭也。

「えぇ……俺のこの異常と言える身体能力ですが……恭也さんも気になりませんか?」

普通の人間ならあり得ないからな。

「確かに気にはなるな…」

「まずは……」

懐から一本のナイフを取りだし……、

ー切ー

「痛ッ!」

人差し指の腹を横一文字に切る。

零の白く細い指からポタポタと紅い血が流れる。

「これからですが……ん?」

切った指の腹の血を拭おうとするのだが……、

「………ゴクッ!」

すずかと忍さんがその流れる血を喉を鳴らしながら見つめる。

「………」

俺が無言で指を右に動かすと……、

それに合わせるかのようにすい〜とすずかの目線と首が動く。

さらに右〜左〜と動かすと追従する。

右、左、右上、下、左上! このコマンドによって、

まさにパクッ!っといった感じで零の人差し指をくわえるすずか。

「ちょっ!?」

口の中の指を舐める舌の動きが以外に激しいんですけど!?

「あ……」

指を引き抜いた際にチュポンという音をたて、さらに指についた唾液が銀糸のアーチをつくる。

「ごめんなさい……我慢出来なくてつい……」

名残惜しそうにかつどこか妖艶な声色で呟くすずか。

ちょっ! 周りの女性陣の視線がヤバいんですけど!?

てかなのはは分かるけど
何でアリサちゃんまで睨んでんの!?

「と……とりあえず今切った指を見てください」

指に付着した唾液を拭き取り、切った指を見せると……、

「傷が無い!?」
その指にはあるべき傷は痕跡すら無く綺麗なものだった。

「万能細胞って知っていますか? 文字通り血肉どころか骨や内臓にも変化する特殊な細胞です……俺の身体の8割から9割は万能細胞で出来ているみたいなんですよ」

厳密には状況に応じて進化する特殊なもので栄養価の高い物を食べたり負荷を掛ければ掛けるほど細胞がそれに負けないように進化するのでどちらかというとグルメ細胞に近い、

違う点をあげると特殊な儀式を踏んだ状態の体液交換でしか他人に適合しないといったところか。

ちなみに万能細胞は一応人の骨髄とかにも存在はするけどあんまり数が無い特殊な細胞なのだ。

「そのせいか身体は常に進化を続け異常な身体能力と再生力をもっているんですよ」

自分で言っててなんだが本当に化物染みているな。

「なるほどな……」

「だから俺の種族は一応人間ですがある意味化物とも言えます」

人間離れしててもまだ人間だからね!

「何故……今この場でそれを話したんだ?」

「意図せずとはいえ他人の秘密を知ってしまった事に対する詫びと……俺自身もまた好きな人達に受け入れてほしいからですよ……」

自分で望んだ力とはいえやっぱり好きな人達に拒絶されるのは恐い……人は孤独に弱い。

「なのは……君はこんな俺を受け入れてくれるかい?」

俺はなのはの方を向きしっかりと瞳を合わせ問う。

正直……今この子に拒絶されるのは嫌だ……俺の身体についてはいつかはバレる事だがそれでも……。

「お兄ちゃん……大丈夫だよ!」

最悪の場合も覚悟していた零だがそれとは真逆の答が返って来た。

「え?」

「お兄ちゃんは昔も今日もなのはを助けてくれたの! なのはが一人ぼっちで辛い時に一緒にいてくれた……だからなのはは嫌ったりしないよ!」

「なのは……」

今の言葉で不覚にも泣きそうになりました。

「ありがとう……」

気がつけば俺はいつの間にかなのはを抱き締めていた。

ちなみにその際にもう地獄の鬼も裸足で逃げ出すような恭也さんの顔は俺は見てませんよ……。

そして少し離れた場所から零達のやり取りを見ていた士郎達はというと、

「なるほどな……確かに身体能力は納得できるがあの武術の腕自体は本人の腕前……恐ろしい才能だ」

「それでもあの子はまだ子供……親としての義務もまともに果たせていない私達だけど娘を助けてもらってきたのだから私達もあの子を受け入れましょう」

「そうだね……しかし……今さら『龍』が現れるとはな」

苦虫を噛み潰したかのような表情の士郎。

「もしもの時は……」

「わかってるさ……」

決意を込めた眼を見せる士郎。

「では……零君……でよかったのよね?」

すずかの姉忍が零に問う。

「貴方は私達と契約を結ぶという事でいいのよね?」

「はい」

「では契約について詳しい話はまた後日でもいいですか?」

「ええ もちろん 千歳もそれでいいか?」

今まで静かに零の背後で佇んでいた千歳に問い掛ける。

「はい」

「では お願いします」

「零君……妹を助けてくれてありがとうございます」

忍は深々と頭を下げる。

「お気になさらず」

「お嬢様を助けていただき この鮫島感謝いたします」

アリサの執事である鮫島が忍と同じように頭を深々と下げて礼を述べる。

「怪我が無くてなによりです」

「一応感謝するわ! ……その……ありがとね」

おぉう ここでデレるとは……。

「どういたしまして」

「それでは私共はこれにて失礼いたします」

再び頭を深々と下げてからアリサを表に停めていたリムジンに乗せて去る。

「それでは私達も失礼しますね」

「はい」

そして月村姉妹も頭を下げ使用人の運転する車で帰路につく。

「それじゃあ 俺達も帰りますね」

そう言って帰路につこうとする零と千歳。

「君が何者でも私達は受け入れるよ」

帰路につこうとする零に小さく囁くように語る士郎。

「ありがとうございます」

零は静かに礼を返し振り返る事無く帰路へつく。

その後警察が誘拐現場に到着し、犯人達を逮捕したがただ一人火龍だけが見つからず斬られたロープの残骸だけが見つかったらしい。

こうして今回の件は終わりを迎える。

後日談ではあるが今回の件が切っ掛けとなりアリサとすずかの二人に懐かれたのは役得だろうか?

 
 

 
後書き
今年初めての投稿です。

遅くなってしまい申し訳ありません。

こんなダメ作者ですが応援よろしくお願いいたします!!

感想やアドバイスは随時募集中です!

 

 

『物語の始まり』

 
前書き
遂に無印編に入りました!

これから物語が進んでいきます。 

 
『誰か……』

夢のなかで誰かが助けを求める……。

『僕に力を……貸してください』

誰かは解らない……。

『魔法の力を……』

俺は………、

『だが断る!!』

『!?』

バッサリと切り捨てる。

露伴先生は俺のジャスティス!




「あ〜 なんか変な夢をみたな」

淫獣(笑)の念話ということはついに無印の始まりということか。

てか正体隠して小学生とはいえ女の子の部屋で生活したり風呂入ったりしてりゃ淫獣呼ばわりされても仕方がないよね?

俺はそんな事を考えながらリビングに向かう。

「おはようございます 零様」

朝食の用意をしていた千歳が俺に挨拶をする。

「おはよう」

「先程変な念話が聞こえましたが 零様はご存知ですか?」

やっぱ千歳にも聞こえたか……。

あんだけオープンチャンネルにしてりゃ当然か。

「あぁ 俺も聞こえたよ」

「場所は特定できておりますがどうなされます?」

「めんどうだからほっといても大丈夫だろ?」

別に関わらなくても物語は進むだろうし。

「それもそうですね」

「それよりも今日の予定なんだよなぁ〜」

手伝い自体は苦ではないんだが……、

「確か本日は翠屋でお手伝いを頼まれてましたよね?」

「そうなんだよなぁ〜」
この前はメイド服、その前はゴスロリ……。


「一応俺男なんだけどなぁ〜」

いくら見た目が見た目だからってアレは無いだろう……。

その内性別が某Fクラスの木下君みたいな扱いにされそうで怖い……。

「(私としては万々歳なのですが)」

何故か顔を赤くさせながらほうける千歳。

「顔真っ赤だけど どうしたの?」

「なんでもありません」

ほんのりと顔を朱に染めながらも頭を左右に振り何でもないと告げる。

「そうか?」

「後で私もお手伝いに行きます」

「ありがとう」

俺がニッコリと笑顔で答えると、

「れ 零さまぁ〜!!」

何故か鼻血を噴き出して俺を抱きしめる千歳。

「え! ちょ! 何故に~!?」

千歳の豊満な母性の象徴に挟まれ息が出来ず零は暫くの間天国と地獄をさ迷う事となる。

それから数分後。


「と とりあえず行ってくるよ」

疲れた顔の俺をよそに発端である千歳はというと、

「行ってらっしゃいませ」

肌をツヤツヤとさせ輝くかのようなとても良い笑顔で俺を見送る。


それからさらに数分後、

俺は翠屋に着き桃子さんと士郎さんに挨拶をする。


「おはようございます」

「やぁ おはよう」

いつものように歓迎してくれる士郎さんと、

「零君おはよ~」

とても良い笑顔で片手には今日俺に着せるであろう服をもった桃子さんがいた。

何故だろう……彼女の背後に獲物を前にした獣の幻影を幻視してしまう。

新手のスタンド!?

「あの~もしかして今日はソレですか?」

「ウフフ 正解!」

ですよねぇ~。

「女装はマジで勘弁してください」

俺の男としてのアイデンティティがもうマッハで削れていくから!

「大丈夫よ今日はコレだから」

桃子さんが俺に差し出した服を受け取り、

よく見てみると……それは、

「何故にコレ?」

燕尾服……所謂 執事服です。

わかる方は某悪魔で執事な人の服を想像して下さい。

「いつもはアナタの可愛さを強調してきたけど今日はあえてかっこよさを狙ってみました!」

ダメだこの人 早くどうにかしてくれ……。

「…………」

そんな強い想いを胸に俺が無言で士郎さんを睨むと、

「アハハ……」

ただ苦笑いを返すだけだった。

オンドゥレギッタンデスカーッ!?

裏切り者〜!?

「スマナイ零君……あぁなった桃子には私では勝てないんだ」

売られていく子牛のような眼をした零をただすまなそうに見る事しかできない店主。

「さぁ 早く着替えて!」

しぶしぶながらも俺は着替え、

何時も着けているリボンで髪を縛りポニーテールにする。

「着替えましたよ」

「お客さんが来たら挨拶は『お帰りなさいませお嬢様』よ」

嬉々とした表情で言う桃子さんに、

「かしこまりました」

完璧な返答を返す。

「!!」

何故か固まる桃子さん。

「どうかなされました?」

「なんでもないわ」

ー鈴ー

店の扉が開き鈴が鳴りお客さんが現れる。

しかも都合よく女性のね。

「お帰りなさいませお嬢様」

「キャー! カワイイ!!」

ちくせう……可愛いなんて言われても嬉しくなんかないやい……。

「お持ち帰りしていいですか!?」



お持ち帰りしてどうすんの!?

「残念ながら非売品です」

「え~ 残念」

「ですが最上級のおもてなしをさせていただきますのでどうぞご堪能下さい」

某悪魔で執事な人をイメージしながら接客をする。

「/////」

顔を真っ赤にしながら何故かぼぉ~とする女性達。


ちなみに今日の売上が記録的な黒字になったのは言うまでもないだろう。


それからしばらくし千歳が手伝いに来たために男性の客が増えたのだが、


「なぁ いいだろ」

ちょっかいを出す男性がいたのだが、

「お客様少し お話ししましょうか……」

少しばかり O・HA・NA・SHI すれば快く帰っていきました(黒笑)

それからさらに時間が経ち、

「ただいまなの!」

「こんにちは!」

「こんにちは」

学校指定の鞄を背負ったなのは達が帰って来たので、

「お帰りなさいませお嬢様」

俺は執事として完璧な挨拶をする。

「にゃ!?」

「えっ!?」

「はぅ!」

予定外な事に驚きつつも三人はそれぞれ反応を示し顔を赤く染める。

「どうかなさいましたか?」

「零お兄ちゃん カッコイイの!」

「あの……似合ってますよ ////」

「ま まぁまぁね!」

三人が口々にそれぞれ俺の格好を見て言う。

「ありがとうございます では こちらのお席へどうぞ」

そして俺は席へと案内する。

「では 少々お待ち下さい」

俺は桃子さんのところへ行き、

「桃子さん 少し休憩をいただいてもいいですか?」

「いいわよ あっ! コレよかったらなのは達と一緒に食べてね」

俺は桃子さんに何種類かのケーキが乗ったトレイを渡される。

「ありがとうございます」

ケーキを乗せたお盆片手に俺はなのは達のところへと向かう。

「お待たせ」

「零お兄ちゃんその服すごく似合ってるの!」

「ありがとう」

自然な笑顔で優しく髪を透くようになのはの頭を撫でる。

「ふにゃ〜」

猫のような声をあげるなのはだが、

突如 ゾクッ!っと何故か突然背筋に寒気がはしる。

周りを見るとなにやら黒いオーラを出したアリサとすずかに睨まれていた。

何故に!? 俺何かした!?

「どうしたの?」

恐る恐る聞いてみはしたが、

「なんでもないわよ!」

「そうですよ」

雰囲気的に聞くなと言わんばかりの刺々しいオーラを出す二人。

正直怖いです……。

「そういえば桃子さんからケーキを貰ったから 食べないかい?」

俺がケーキを出した次の瞬間、

「食べるの!」

「折角だからもらってあげるわ!」

「いただきます」


目を輝かせ眼前のスィーツにすぐさま反応する三人。

やっぱり女の子だねぇ~。

「どうぞ」

それからしばらくケーキを堪能し、

「あのね 今日フェレットを見つけたの!」

フェレットという事はアイツか。

「珍しいね」

「そういえばちょっと変わったフェレットだったわね」

「首に紅い宝石を付けてたね」

「ケガもしてたの!」

三人が件のフェレットを発見した当時の状況を説明してくれる。

「ケガ?」

「そういえばケガしてたわね」

「一応近くの獣医さんに見てもらったので大丈夫だと思います」

「今日お父さんとお母さんに飼ってもいいか相談するの」

「そうか」

俺がそう言った時。

「零君ちょっといいかしら?」

桃子さんからお呼びがかかる。

「ごめんね 今行きます!」

俺はなのは達に謝ってから桃子さんのところに行き、

「急に呼んで ごめんなさいね」

「はい」

「混んできたからお手伝いをお願いね」

桃子さんの言う通り先ほどまではあまり店内には客の姿が無かったが徐々に混みはじめていた。

「わかりました」

それから俺は手伝い時間が過ぎていく。

「今日はありがとう」

「いえいえ」

「コチラこそ(零様の執事服姿が見えましたし ////)」

「よかったら受け取ってくれる?」

俺は桃子さんからケーキの入った箱を受け取る。

箱の中の色とりどりのケーキはとても美味しそうな見た目と匂いをさせる。

「ありがとうございます」

「ありがたくいただきます」

「またお願いね」

「はい」

できればコスプレは勘弁して欲しいんですけど……。

「それは無理ね」

心読まれた!?

「……では……失礼します」

そして俺達は帰路につく。

それから数時間後。

「千歳 俺コンビニに行ってくるわ」

「わかりました」

俺はコンビニへと向かい雑誌と菓子類を購入し外をぶらぶらと歩いていたその時。

魔力の使い方を知らない普通の人間には感じる事の出来ない、

空間が歪むような違和感を感じ結界が展開された事を察知する。

「結界! ということは!」

突如人避けの結界が張られたので俺は急いでその中心点に向かう、

すると、

「キャー!!」

なにやら黒い塊に襲われているなのはを見つけ、

「火葬聖典!」

すぐさま黒鍵を創り聖典の効果を付与し黒い塊に向かって投擲する。

ー投・擲・衝撃・燃ー

投擲されたソレは鉄甲作用が掛かっているために黒い塊に当たった瞬間に衝撃が発生し高威力を発揮しさらに付与された火葬聖典の効果によって燃え上がる。

「グオォォォッ!!」

炎に焼かれているためにのたうちまわる塊。

「なのは大丈夫か?」

荷物を放り投げ直ぐ様彼女へと近づき安否を確認する。

「ふぇ!? 零お兄ちゃん!?」

零が現れた事に驚くなのは。

「まったく なんなんだアイツは?」

何処のオッコ○主様だよ!?

攻撃しても呪われないよね?

「あ あの!」

「ん? なにか言ったかなのは?」

「うぅん なのはじゃなくてこの子が喋ったの!」

そう言ってなのはは地面にいたフェレットもどきを指差す。

「喋るフェレット?」


つか……その位置だとなのはのスカートの中が見えてるだろが。

さすがは淫獣と言われるだけはあるな。

あれって無自覚だよね?

自覚あったらタイーホはされなくても士郎さんと恭也さんに殺されるぞ?

「名前はユーノ君なの!」

「まぁ それはさておきアレどうする?」

俺に向かって敵意を剥きだしにする黒い塊。

「お願いします! 僕に力を貸して下さい!」

緊急事態とはいえ普通なのはみたいな小さな子を頼るか?

「え? 力?」

「お礼は必ずします!」

「礼なんてどうでもいいが早くアレをどうにかしないと大変な事になりそうだぞ」

「どうすればいいの!?」

「コレを!」

ユーノは首に掛かっていた紅い宝石をなのはに渡す。

今更なんだけどユーノって何で自分で使えもしないデバイスを身に付けてたんだろ?

まさかの宇宙意思?

「この宝石に耳をかたむけて! そうすれば後はこの宝石が教えてくれる!」

「わかったの!」

「なら俺がしばらく時間を稼ぐからその間に事をすませろ」

俺はなのはの頭を撫でながら言う。

そして誰にも気付かれないように撮影用のサーチャーを飛ばし、なのはの撮影を始める。

いや、せっかくのなのはの晴れ姿なんだから記録しなきゃもったいないよね!

「うん!」

「さてやりますか」

俺は白と黒の双剣……干将と莫耶を創り逆手に持ち黒い塊へと駆け出す。

「『魔神剣』!」

俺は剣を掬い上げるように振り、地を這う衝撃波を生み出し黒い塊に当てる。

ー激突ー

「グオォォォッ!」

衝撃波が当たり黒い塊が怯む。

「『瞬迅剣』!」

その隙を突き縮地で距離を詰めその勢いを利用し鋭い突きを放ち塊を吹き飛ばす。

そこからさらに双剣を塊に向かって投擲し、

「『壊れた幻想』(ブロークンファンタズム)!!」

ー爆破ー

双剣に内包された魔力を暴走させ爆発を起こす。

そうしてある程度相手の体力を計算しわざと余力を残させ牽制していると、

「レイジングハート セットアップ!!」

なのはの声が聞こえた。


「魔法少女誕生ってか?」


なのは Side

私は零お兄ちゃんが時間を稼いでくれると言ってくれたから、今私にできる事をするの!

零お兄ちゃんが強いのは知ってるけど私は守られるだけなのは嫌!

私もあの人の隣に立ちたい!

役に立ちたいの!

だから私は今『力』が欲しいの!

「ユーノ君どうすればいいの?」

「その宝石に耳をかたむけて! 声を聞いて!」

私は言われた通りに集中する。

すると……私の意思が伝わったのか、

「暖かい」

宝石から暖かい何かを感じ、

『声』が聞こえたの。

「その声に従って呪文を唱えて!」

「わかったの!」

私はユーノ君の指示に従って呪文を唱える。

「我、使命を受けし者なり

契約のもと……その力を解き放て!

風は空に……星は天に

そして……不屈の心は

この胸に!

この手に魔法を!

レイジングハート セットアップ」

『Stand By, Ready,Set up』

突如私の身体が光につつまれたの!

「そのまま自分の身を守る鎧を想像して!」

「ふぇ! いきなりいわれても!?」

その時私の頭の中にいつも着ている小学校の制服が浮かんできたの。

光がおさまった時には、

「ふぇ!? 私の服が変わってるの!?」

「落ち着いて!それは魔導師の身体を守る鎧 BJ(バリアジャケット)だから!」

「う うん!」

「お〜い 大丈夫かぁ〜?」

零お兄ちゃんがこっちに向かって歩いて来るの。

なのは Side Out

「お〜い 大丈夫かぁ〜?」

「うん」

「それなりにダメージは与えたから今は少し弱ってるみたいだぞ」

俺は親指で黒い塊を指差す。

黒い塊は先ほどのような勢いは無くゆっくりと此方の行動をうかがっている。

「す 凄い!?(この子の魔力も凄いけどこの人から感じられる魔力は桁違いだ!!)」

「凄いの!」

「なら今の内に魔法を教えるからそれで攻撃を!」

「わかったの!」

ユーノは俺がダメージを与えた事によって動きの鈍っている黒い塊を倒す術をなのはに教える。

「まずはさっき感じた力を小さなボールにするようなイメージを持つんだ!」

「こう?」

なのはは掌に小さなピンク色の野球ボール位の大きさの球体を生み出す。

「凄い!(普通習ったからってこんなに早くシューターを使えるようになるなんてありえない!)」

なのはの行動に驚愕するユーノ。

実は俺も驚いていたりする。

「それを出せるだけ出して相手にぶつけるんだ!」

「わかったの!」

なのははデバイスである杖をかざし無数の光球を生み出し、

「アクセルシューターッ!!」

黒い塊へと飛ばす。

「グオォォッ!」

先ほどの零との戦闘でダメージを負った黒い塊は避けれず無数の光球に身体を削られる。

「次は魔力を纏めて撃つイメージを!」

「ディバイーン……」

杖に魔力が集束されていき、

「バスターッ!!」

ピンク色の砲撃が黒い塊を撃ち抜く。

「グォアァァッ!」

「あっ! 弱ってる今がチャンスだ! 今のうちに封印を!」

「封印ってどうやるの!?」

「なんでもいいから思い付いた言葉を!」

二人は封印魔法を掛けようとするが黒い塊は異常を察知し、弱った身体を動かしこの場から逃げ出そうと駆けるが、

「そうは問屋が卸さないってね」

俺は直ぐ様頑丈な鎖を創り黒い塊を拘束し、

「なのは今だ!」

なのはに封印をするように急かす。

「リリカルマジカル 封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」

なのはの持つ杖『レイジングハート』から桜色の帯のようなものが複数現れ黒い塊を縛る。

「グルアァァァッ!!」

「リリカル・マジカル ジュエルシード・シリアル XXI 封印!」

桜色の光が黒い塊を包み込みソコから現れたのは、

「コレがジュエルシード?」

番号が刻まれた青い宝石だった。

「お疲れ様」

俺がなのはに声をかけると、

「ふにゃ」

緊張が解けたのかぺたりと地面に座り込むなのは。

「大丈夫か?」

「た 立てないの……」

どうやら初めての戦闘と張り詰めていた緊張の糸が切れた事によって腰が抜けたようだ。

「やれやれ」

先ほどの戦闘によって周りの壁や地面が破壊されたのを嗅ぎ付けたのか、消防車とパトカーのサイレンがこちらに近づいて来る。

俺はなのはに背を向け、

「ほら乗りな」

背中に乗るように言う。

「うん」
俺はなのはを背負い、すぐにこの場を離れる。

「こんな時間だしこのまま送るよ」

そして現場から離れた道でなのはを背負い家へと送る。

「う うん」

若干恥ずかしそうに顔を朱らめるなのは。

「しかし……今更だけどこんな時間に外に出て士郎さんや桃子さんに怒られないか?」

事情があったとはいえ子供が夜に出歩くのは問題があるだろう。

「あぅ〜」

「まぁ 一応俺からも言ってやるから まぁ 心配するな」

「ありがとうなの!」

「気にするな」

それからしばらくし、

なのはの家に着きそろりと扉を開け家に入ろうとする。

「気付かれてない……」

「残念ながらそれはないみたいだな」

俺が指さしたところには……、

「「………」」

いかにも怒ってますよと言わんばかりに怒気を噴出させる二人の修羅がいた。

「……」

「なのは! こんな時間にどこに行ってたんだ!」

「心配したのよ!」

心配しているためか少しキツイ言い方でなのはに詰め寄る二人。

「まぁまぁ」

俺は二人をなだめて上手くごまかしながら説明をする。

「そうか……だがこんな時間に出かけるのは感心しないぞ」

「ごめんなさい」

「次から気をつけようね」

「ところで零君 キミもなんでこんな時間にいるんだい?」

「たまたまコンビニに行った帰りになのはにあったんですよ」

「そうか……」

「俺も帰ります あとあまりなのはを叱らないであげてくださいね」

一応二人にあまり叱らないように釘を刺す。

「ふぅ……わかったよ」

「零お兄ちゃんまたね!」

「あぁ またね」

俺はすぐさま帰路につき今後について少し考える。

「極力早めにフェイトにあいたいな」

そして出来るならあの組織と砂糖の化身に気付かれる前に全てを終わらせたいな……。

「とりあえず今後はどうやって進めるのかが今後の課題だな」

 
 

 
後書き
やっと無印編へと入れました、相変わらず遅筆ですが極力速く進めたいと思っています。

これからも応援よろしくお願いいたします!! 

 

『過ぎた事を気にするよりも前に進め!』

 
前書き


遅くなりましたが新話投稿しました!

 

 
え~ 画面の前の皆様、

突然ですが私、黒帝 零は今とある神社にいます。

何故なら……、

「グルアァァァッ!!」

「零お兄ちゃん ソッチに行ったの!」

ジュエルシードを取り込んだ犬がいるからさぁ!

てかもうアレ犬の大きさじゃないよ!

「コッチくんな!『烈蹴撃』!!」

ー蹴・撃ー

「キャインッ!!」

俺は気を込めた回し蹴りで犬を蹴り飛ばす。

気を込められた事によって強化された脚力による回し蹴りは零の体格を遥かに超える憑依体の身体を容易く空へと押し上げる。

「アクセルシューター!!」

ー魔法弾連発ー

空へと蹴り飛ばされた事によって空中で無防備になったところをなのはの魔法弾の連発で魔力ダメージを与え、

「『貪り喰らう魔狼縛りし荒縄』(グレイプニル)!!」

何もない空間から突然現れた紐によって犬は拘束されたところを、

「ディバインバスター!!」

なのはの放つ桜色の砲撃に包まれる。

「今だ! 封印を!」

なのはの砲撃で弱ったのを確認したユーノが封印を急かす。

「リリカルマジカル ジュエルシード シリアルXVI封印!!」

数本の桜色の帯が犬の身体を拘束し、

蓄積された魔力ダメージによって結合が弱くなり剥がれたジュエルシードがなのはに封印される。

「封印完了なの」

「しかしこの前の思念体だっけ? よりも厄介だな」

なんというか思念体は一応の物体はあるものの基本的に脆い感じがするが、

物体に取り憑いた場合は媒介となったものの特性とかも使って来るから面倒だ。

「ジュエルシードによって得た強大な魔力と身体の変化が厄介ですね」

ジュエルシードの持つ魔力は単体でもかなりのものである上に出力が不安定で原作であったように扱い方を間違えれば簡単に次元震が起こせるだろう。

「たしかになの」

「まぁ なのはも魔法になれてきたみたいだから戦いは楽になってきたけどね」

俺はなのはの頭を撫でながら言う。

正直この子の上達具合は凄い、前回の戦闘からまだ僅かな時間しか経っていないのにもう シューター・バスター・シールド・バリア・封印を自由に使えるようになったのだから。

「にゃはは」

相変わらず猫のような笑い方をするなのは。

「なんか嬉しそうだな?」

魔法を使えるようになったせいなのかとても嬉しそうに笑うなのは。

「だってこんな風にお兄ちゃんと一緒に居られるんだもん!」

そんな事言われたら照れるぞ!

「そうか……さて、時間も時間だから帰りますか」

俺は照れ隠しに帰宅する事を提案する……それにもう時間的にも夕暮れだし。

「あっ! 零お兄ちゃん!」

「なに?」

「今度 お父さんのサッカーチームの試合の応援に行くけどお兄ちゃんも一緒に来てほしいの!」

サッカーか……俺がやった場合リアルで超次元サッカーになりそうだな。

「いいよ」

「ありがとうなの!」

「さて とりあえず帰りますか」

それから数日後。

「こんにちは」

俺はなのはと一緒に士郎さんのサッカーチームの見学に来ていた。

「やぁ こんにちは」

「今日の試合楽しみにしていますよ」

「ハハハ 楽しんでいってくれ」

そうして俺が席に座ると、

「ちょっと! 隣は私よ!」

「ずるいよアリサちゃん」

「アリサちゃんずるいの!」

何故か俺の隣に誰が座るかでもめる三人。

「とりあえず落ち着きなさい」

「「「ヤダッ!」」」

息ピッタリで反対される俺。

席ぐらいで喧嘩せんでもええでしょうに……それに両隣空いてるんだし。

「しかたないな すずかちゃんとアリサちゃんは俺の両隣で……」

俺がそういうと二人は笑顔をで座り、

「う~」

膨れるなのはを、

「ほら なのははこっちだ」

俺はなのはを引っ張って俺の膝の上に乗せる。

「にゃ!?」

「これならいいだろ?」

「うん ////」

なのはを膝の上に乗せたその時に両隣から突然物凄い殺気を感じる。

何か背筋がゾクッ!っとなるんですけど!?

「な なんか悪寒が……」

俺が両隣を見ると、

「フンッ!」

むくれるアリサと、

「ずるいです……」

暗殺者もびっくりな黒いオーラを出す すずか。

「何故に?」

二人にも懐かれてはいる事はわかるけど何で怒ってんの!?

(この野郎……何時か本当に刺されても知らんぞ。)

「あっ! 始まったの!」

ナイスッ!

試合が始まったおかげでなんとか二人の殺気から解放される俺。

「なかなか やるねぇ~」

士郎さん達のチームは若干押されつつも試合は順調に進んでいたのだが、

「あっ! 大変! ケガしちゃったの!!」

士郎さんのチームの一人がケガをしてしまいグラウンドから退出してしまう。

「確かこのチームって人数ギリギリじゃなかったっけ?」

「そうなの?」

アリサとすずかが互いに話し合っているそんな時、

「零君」

突如士郎さんが俺に話し掛ける。

「はい?」

「すまないが僕達のチームに力を貸してくれないかい?」

「一点につきケーキ一つならいいですよ」

無報酬よりもご褒美がある方が気合いがはいるよね。

「よし なら頼むよ」

「了解 なのは行ってくるから降りてくれ」

俺の膝からどくように言うと、

「はぁ~い」

渋々ながらもどいてくれるなのは。

「いい子だ」

俺はなのはの頭を撫でる。

その時に再び殺気を感じるが気にしない事にしよう……うん……俺は気にしない。

「にゃは~」

顔をにぱぁと綻ばせるなのは、なんか鈴の付いた首輪が似合いそうだな……。

「とりあえずコレがユニフォームだよ」

「はい」

俺は士郎さんからユニフォームを受け取り、

控え室に行きユニフォームに袖を通し髪を三編みにしいつも愛用している黒のリボンで髪を結んでとめる。

「さて 行きますか」

俺は控え室の扉を開けグラウンドに向かう。

「応援に来てくれた零君だ みんな仲良くしてくれ」

「よろしく」

「カントクッ! コイツ女じゃないんですか!?」

どこか生意気そうな男子が声を張り上げる。

「失敬な 正真正銘の男の娘だよ」

嘘は言ってないよ……。

「ほんとにサッカーできんのか?」

「まぁ やるだけやるさ」

本気出したら超次元サッカーになるけどね。

そんなこんなで俺達はグラウンドに行き、

「試合再開!」

審判の掛け声で再び試合が再開される。

「さて、いきますか」

「パス!!」

俺はチームメンバーからボールを受け取り、

「いくぜいくぜいくぜー!!」
どこぞの赤いイマジンのマネをしながらドリブルで向かって来る三人を抜き、

「クソッ!!」

「喰らえ タイガシュート!」

ー蹴・突破ー

某サッカーマンガの強力なシュートを決めて点数を取る。

「クソッ! アイツを徹底的にマークするぞ!」

ボールをもった俺に数人掛かりでマークをするが、

「どいてくれないの?」

俺が小動物のようなうるうるとした顔をしながら言うと、

「ガハッ!」

鼻血を吹きながらダウンする敵メンバー。

そんな敵を見ながら俺は悪魔のような笑みを浮かべて、

「あっ! ぬかれた!?」

再び敵のマークを抜けてゴールへとボールを蹴り抜く。

ー突破・貫ー

もはや常人には見えない速さとなったボールは高速で回転しながらゴールへと突き刺さる。

「ぬぁっ!?」

「2点め~」

「チックショ~!!」

次は受け取ったボールを踵で蹴り上げ、

「オーバーヘッドキーック!!」

サマーソルトキックのような体勢でボールを蹴りあげゴールへとぶち込む。

「3点め~」

「クソッ! ヤツは化け物か!!」

「やらせはせん! やらせはせんぞー!!」


「いくぜー!」

俺は脚を振りかぶりシュートを撃つ……、

「と見せかけてパス!!」

俺は近くにいたチームメイトにボールを渡す。

「よっしゃー!!」

チームメイトがシュートを撃つが、

「なめんなー!!」

敵のキーパーがスライディングで強引に割り込みボールがゴールに入る事を防いだ事によってボールは宙に舞う。

「いっただき~」

身体のバネを使い飛び上がったボールよりも少し上の位置に移動し宙に舞ったボールに踵落としを決める。

蹴られたボールは凄い勢いでゴールへと突き刺さる。

「4点め~」

「ヤバイッ! 次決められたら逆転される!!」

「しかも時間がねぇ!!」

「ならば奥の手を使うぞ!!」

「ん?」

ボールを受け取った俺に向かって三人が一列になりながら攻めてくる。

「コレが俺達の必殺技 ジェットストリームアタックだ!!」

「いくらなんでもネタにはしりすぎだろ!?」

しかもかなり古いぞ!

そういいつつ俺はボールを空に蹴り上げ、

「なっ!?」

「お 俺を……」

「無視しただと!?」

あえて向かって来る三人をスルーして落ちて来るボールを取りながら俺は足を大きく振りかぶって、

「これで終わりだー!!」

ボールをゴールに叩き込む、



なのは side

お兄ちゃんがお父さんに頼まれてサッカーチームの助っ人に行ったの。

「あっ! 来たの!」

「アタシ達が応援してあげてるんだから勝ちなさいよ!!」

「が がんばれ~」

やっぱり二人もお兄ちゃんが好きなのかな?

私は何故か胸の中がチクりと痛むのと何かもやもやするのを感じる。

この気持ちは……なんだろう……よくわからないよ。

そんな私の気持ちをよそに試合再開のホイッスルが吹かれる。

あっ! 始まったの!

「ゴール!!」

「零お兄ちゃん凄いの!!」

お兄ちゃんは向かって来た三人の男の子達を上手くかわしてから凄い威力でボールを蹴ってゴールさせたの!

「三人抜きなんて凄いわね!」

「凄いです!」

またお兄ちゃんが囲まれちゃったのその時、

「どいてくれないの?」

突然お兄ちゃんが泣きそうな顔をしたの!

「うぅ~」

「はぅ!」

「あぅ~」

その時の顔がすっごくかわいかったの。

「ガハッ!」

すると突然お兄ちゃんを囲ってた人が鼻血を噴いたの!

その瞬間お兄ちゃんがニヤリと意地の悪い笑いをしながらその人達を抜いて、

「2点め~」

シュートを決めたの。

「凄いけどずるいの」

「ちょっとずるいわね」

「う~ん少しずるいかな?」

三人がそれぞれの考えを出すが似たり寄ったりの答えだったのは言うまでもないだろう。

今のはズルかったけど、でも次のが凄かったの。

「オーバーヘッドキーック!!」

空中に浮かんだボールを宙返りしながら蹴ってゴールにいれたの!

「うぅ~ なのはじゃあんなの無理だよ~」

魔法で身体を強化しても無理かも……。

「あんなのプロでも無理よ!!」

「凄い!」

三者三様の反応を見せる。

「3点め~」

「凄いの!」

「いくぜー!」

シュートを撃つと見せかけて、

「パース!!」

近くにいたノーマークの人にボールを渡して、

「よっしゃー!!」

その人がボールをシュートしたんだけど、

「やらせるかー!!」

ボールは弾かれて宙を舞ったの。

「いっただきー!!」

するとお兄ちゃんが空中でボールに踵落としをしたの!

蹴られたボールが凄い勢いでゴールに突き刺さったの!

「4点め~」

「クソッ! こうなったら」

あっ! お兄ちゃんを囲んでいた人達が突然一列に並んでお兄ちゃんを攻めたの!

「ジェットストリームアタックだ!!」

「いくらなんでもネタにはしりすぎだろ!!」

「お兄ちゃんアレ知ってるのかな?」

なんか電車ゴッコしてるみたい。

「というかあいつらただのバカじゃないの?」

アリサちゃんが呆れたように言葉をもらして、

「なんだろうね?」

すずかちゃんが不思議そうに首を傾けたの。

向かって来た三人をよそにお兄ちゃんが踵でボールを高く蹴って、

「お 俺を無視しただと!?」

向かって来る三人を無視してゴールまで走って、

「これで終わりだー!!」

大きく振りかぶった足でボールを蹴ると、

ボールはゴールネットを突き破るような凄い勢いでゴールに突き刺さったの!

なのは Side end


それからしばらくして俺は翠屋での今日の打ち上げに参加しています。

「いや~ 零君 今日はありがとう 助かったよ」

「いえいえこちらこそ」

「零お兄ちゃん凄かったの!」

「た たしかにちょっとだけ凄かったわね」

「かっこよかったです」

三人が揃って零を誉める。

「ありがとう」

「よかったら正式にうちのチームに入ってくれないかい?」

「それはちょっと遠慮します」

色々忙しいし、それに俺がいたらワンサイドゲームになっちゃうからつまらなくなるだろうしね。

「残念だなぁ」

それからしばらくして打ち上げはお開きなった、

「まぁ もしよかったらまた参加してくれ」

「ははは……」

そんな会話をしていた時、

突如ドクンッ!っとまるで心臓に衝撃がはしったかのような感覚を覚える。

それと同時に突然強大な魔力の発現を感じる。

「では 士郎さん俺はそろそろ帰りますね」

士郎さん達に気づかれないようにポーカーフェイスで帰ると告げる。

「うん じゃあ また今度にね」

「なのはが送るの!!」

なのはも俺の意図がわかったのか付き添って外へと出ようとする。

「ありがとう じゃあ 途中まで一緒に行こうか」

「うん!」

俺はなのはの手を握り一緒に道を歩く。

そして、

「今の魔力の波長は感じたかい?」

あの波長は完璧にジュエルシードだな。

波長が独特だからわかりやすい。

「うん」

「なら 行きますか」

「『レイジングハート』セットアップ!」

なのはが光に包まれ、

「準備完了なの!」

白いバリアジャケットに身を包んだなのはが現れた。

「反応はあっちです!」

いつの間にか居たユーノの指示した場所へと向かうと、

そこには巨大な樹がそびえ立っていた。

「町が樹で埋もれている!」

「たぶん人間がジュエルシードを発動させちゃったんだ」

「どういう事なの!?」

「強い想いをもった人がジュエルシードを発動させると強力な力をだすんだ!」

「あっ!」

思い当たる節があるのか声を張り上げるなのは。

「どうした? 何か心あたりがあるのか?」

「私……気付いていたはずなのに……だったらこんな事になる事はなかったはずなのに!!」

それは後悔……、

なのはは気付いていたはずだとそうであればこのような事態にはならなかったはずだと自らを責める。

「なのは……」

突如なのはの頭に零の手が優しく置かれ、

「別になのはのせいじゃないさ 誰だってこんな事態になるなんて思いはしないさ……」

「でも……でも!!」

自分の不甲斐なさに納得がいかないのか涙ぐみながら尚も声を張り上げるなのは。

「こんなところで後悔なんかしても意味は無い」

そんななのはの嘆きを零はバッサリと意味は無いと言い切る。

「えっ!?」

「反省はしても後悔はしちゃダメだよ 後悔をして立ち止まるんじゃなく前に歩く事によってはじめて意味をもつ事になるんだよ」

後悔なんてどれだけしようと意味なんてないし、その失敗を次に生かす事が一番良い答えだと思う。

「…………」

「なんでもかんでも自分一人で抱え込んじゃダメだ 時には誰かを頼ってもいいんだよ」

「頼っても……いいの……?」

「もちろんさ それとも俺じゃ力不足かい?」

なのは はフルフルと頭を振って否定する。

「なら……今……なのは は何をしてほしいんだ?」

零はなのはに何をするべきなのかを再び問う。

「お願い……私に……力を貸してほしいの!!」

決意を込めた表情でなのはが求める。

「あぁ いくらでも貸してあげるよ」

「ありがとうなの!!」

「さてまずはこれ以上被害を拡げないためにもまず人払いの結界とかを張らないとな」

ー結・界・展・開ー

俺は王の財宝から結界符を取り出し人払いの結界と簡易的ではあるが隔絶空間結界を張る。

結界が張られた事によって現在の空間は異界となり本来の空間から隔絶され世界が変わる。

「とりあえずこれで少しの間はこの空間は完全に隔絶された空間になったからいくら暴れても大丈夫なはずだ」

「こんな複雑な結界を簡単に!?」

驚くユーノを無視し、

「さて、始めますか」

俺はいつも愛用している白と黒の一対の双剣 干将・莫耶を創り構える。

「アクセルシューター!!」

なのはが桜色の魔法弾を放ち迫り来る木々を撃ち落とすが、

「キャッ!」

太い樹の根が地面から現れ槍のように鋭い突きでなのはを襲う。

「チィッ!!」

俺はすぐさま手に持つ双剣を強化し、

強化された双剣は翼を模したような一対の大剣へとその姿を変える。

「ハァッ!!」

大剣を袈裟懸けに振るいなのはに迫る根を全て真っ二つに切り裂く。

「なのは大丈夫か!?」

「うん!」

「しかし厄介だな」

枝と根による波状攻撃は厄介の一言に尽きる。

「核となっているジュエルシードを封印さえすれば収まるはずです!」

「なら俺がアレの動きを封じるからなのははジュエルシードの封印を頼む」

「了解なの!」

「よし 『天の鎖』(エルキドゥ)!!」

虚空より現れた無数の鎖が巨大な樹を縛り上げその動きを封じる。

縛られた大樹は鎖を外そうともがくが鎖はただジャラジャラと金属音を出すだけでビクともしない。

「今だ!」

「お願い! レイジングハート!!」

「イエス! マイマスター!!」

レイジングハートから桜色の帯が大樹の核となる部分へと迫り、

「リリカルマジカル ジュエルシード シリアルX 封印!!」

光の帯が核となった部分に当たりそこから蒼い宝石が摘出され、

物体を構成していた魔力の源が封印された事によって大樹が光の粒子となって消え去る。

俺は大樹が消えた事によって解放され、核となっていた二人の子供の記憶を改竄し外に転移させてから、

「さて、後は町の修復だな」

俺は両手を合わせ円を描き大地に手をつき循環させたエネルギーを放出し、

「錬成!!」

ー修復ー

崩れた町を広範囲の大錬成で元の町並みにへと戻す。

「今の何?」

「ただの錬金術さ」

本来ならば真理を見なければ手合わせ錬成は出来ないのだが、俺は一度死んだうえに、

アカシックレコードにアクセスした事があるので使用条件を満たしているため使用可能だ。

言ってしまえば真理というのは全ての根元であり全ての記憶(記録)それに接続した事によってこのような恩恵があっても不思議ではない。

「錬金術?」


コテンと首を傾げながら尋ねるなのは。

「なのはにはちょっと難しいかな?」

錬金術自体は結構マイナーな存在だしな。

「ぶぅ~ そんなことないもん!!」

両頬をぷく~と膨らませて怒るなのは。

「とりあえず一見落着かな?」

「………(なのはもだけどこの人はもう次元が違う)」
何やら悟りの境地へと達したユーノ。

「さて帰りますか」

「あのね……零お兄ちゃん……」

「うん?」

「今日はその……ゴメンナs」

なのはが何かを言おうとしたその時、

零のデコピンがなのはの額に当たりパチンッ!と軽快なヒット音を出す。




なのは Side

「あぅ~」

私はデコピンの当たった部分を押さえる。

すごく痛くて涙が出るの……。

「ここは謝るところじゃないだろ?」

「え?」

「謝るのは自分が悪いと認めてるから謝るのであって今回は別になのはが悪いわけじゃないんだから謝る必要はないはずだよ」

「でも!」

私がもっと速く行動していれば!

そう言おうとしたら、

また私のおでこにお兄ちゃんのデコピンが当たるの!

「あぅ~」

い……イタいの……。

「デモ も テロ も ストもない!」

なにか違う気がするの……。

「とりあえず俺が言いたいのは反省はしても後悔はするな、一人で抱え込むな、時には人を頼れという事だ」

まぁ 俺が言えた義理ではないかもしれないがな。

「…………」

まだちょっと痛いおでこをさすりながらお兄ちゃんのお話しを聞くの。

「無理に良い子でいる必要はないんだから素直になりなさい」

私はこの言葉を聞いた時には自然と涙が出ていました。

でもね……この涙は痛みで流す涙じゃないの……。

「なのはは一人じゃないよ」

お兄ちゃんはそう言って私の頭を撫でてくれました。

『独りじゃない』……その言葉はきっと私がずっと欲しかった言葉だから……。


なのは Side end





「ふぅ~(とりあえずこれでなのはの考え方を少しは改善出来たかな?)」

そういや次は確かフェイトとの邂逅だったよな?

どうやってプレシアと会うかが問題だな……。

「まぁ 成るようにしか成らないか」

「なにが?」

「なんでもないよ それよりも早く帰らないと士郎さん達が心配するよ」

「にゃ!? そういえばそうなの!!」

「帰り道を急ぎすぎてこけちゃダメだよ」

「なのは そこまで運動神経悪くないもん!!」

「ハハハ なにはともあれ気をつけて帰るんだよ」

俺はまたなのはの頭を撫でながら言う。

なんか最近撫で癖がついてきたな。

「うん!」

俺はなのはを見送ってから自らも帰路につく。

「さて この先どうやって関わるかを考えるかな……」


ー 
 

 
後書き
毎回遅くてすみません。

にじふぁんで連載していた時のストックは無印の終わりまであるのですが、

編集し直していると時間が掛かってしまい遅くなってしまいます。

こんなダメ作者ですがこれからもどうか応援よろしくお願いいたします!!

感想やアドバイスは随時受け付けております!

作者のやる気が上がるのでどうかお願いいたします!! 

 

『金色の髪の少女との邂逅』

 
前書き
どうも!

今回はなんとか早めに仕上がりました。

お待たせしてすみません。 

 
殆どの人間が寝静まる真夜中。

金色(こんじき)の光を放つ満月が頭上に輝く。

そんな時間にビルの屋上で月と同じ金色の髪をもつ少女と……、

「ロストロギアはこの付近にあるんだよね?」

「形状は蒼い宝石……一般名称は『ジュエルシード』」

少女の言葉に答えを返す明るい色をした狼。

「そうだね……すぐに手にいれるよ」

その目に悲しい光を宿した少女はつぶやく……。

そして、

少女の言葉に応えるかのように狼は月に向かって吠える。

?? Side end





「月がきれいだな」

俺は何故か目が冴え眠れず……、

気晴らしにとベランダに出て 月の放つ冷たい光をただ見つめていたその時に……、

オォォォンッ!

「ん? 遠吠え?」

どこからか聞こえてきた犬の遠吠えのようなものに耳をかたむける。

「さて……哀しい運命とやらをどうやって変えようかねぇ……」

純白(しろ)い髪の少年は月を見上げながら想いを馳せる。




なのは Side

今日はアリサちゃんとすずかちゃんにお茶会に誘われたの!

せっかくだから零お兄ちゃんも誘ってなのはと一緒にお茶会に行くの!

「なんかえらく楽しそうだね?」

なのはに尋ねる零。

「だってみんなでお茶会だもん!」

それに元気よく答えるなのは。

「しかし俺も参加してよかったのか?」

「うん! アリサちゃんやすずかちゃんも喜んでたの!」

幼くも整った顔をほころばせ大輪の花のような笑顔で答えるなのは。

「そうか……」

零お兄ちゃんはそう言って笑いながらなのはの頭を撫でてくれました。

くすぐったいけど私より大きなこの手で撫でられるこの時すっごく幸せな気持ちになれるの!

なのは Side end

「やっぱでかいなぁ~」

あれからしばらく歩いているとかなりでかい豪邸が見えた。

「ここがすずかちゃんのお家なの!」

「でかいなぁ~」

なのはがインターフォンを押し、

「こんにちは高町です、すずかちゃんはいますか?」

「はい、少々お待ちください」

インターフォンから返答が返り、

ー開ー

ギィィィ~!と古ぼけた音をたてながら門が開き、

「ようこそ」

一人のメイドが俺達を迎えてくれる。

「こんにちはファリンさん」

礼儀正しく挨拶をするなのはに、

「いらっしゃいませ」

きれいなお辞儀をしながら礼を返すファリン。

「こんにちは」

俺もなのはに習い礼をする。

「え~と零様ですよね? お嬢様からお話は伺っています」

「そうですか」

「ご案内いたしますので私の後に続いてください」

「わかりました」

俺達はファリンさんに案内され、

「こちらです」

「あっ! なのはちゃん 零さん」

「なにしてたのよ! 遅いじゃない!」

すずか達のいる部屋に入る。

「あら? お久しぶりね」

零は部屋にいた女性に声をかけられる。

「こんにちは忍さん」

「えぇ こんにちは」

柔らかな笑みをしながらも零をまるで品定めするかのような視線でみる忍。

信用はしているがまだ信頼はしていないと言ったところだろう。

一応契約は結んではいるが夜の一族の事についてはまだ触りしか説明されてはおらず、

妹のすずかからは信頼されているが忍さんからはこれからの頑張りと言ったところだ。

「俺まで誘ってもらってありがとうございます」

まぁ 嫌われていないだけまだマシなのだろう。

なので俺は特に気にする事なく礼を返す。

「いえいえ 今日は楽しんで行ってね」

「お嬢様」

先程のファリンさんとは違うメイドが忍に話し掛ける。

「あっ! ノエルさん」

どうやら彼女はノエルという名前のようだ……。

ノエルに小さな声で何かを耳打ちされた忍は……、

「ごめんなさいね、私はこれから用事があるから出るけど みんなは楽しんでいってね」

そう言って席を外す。

「はい」


それからしばらくし、

「しかし猫が多いね」

俺は足元にいた猫を抱き上げ喉元を撫でる。

「ニャ~」

猫は喉を鳴らしながら俺に身体を擦り寄せる。

その他にも零の頭の上や肩に乗っているものや膝でくつろぐ猫の姿があった……。

うん……癒されるわぁ~。

「家の猫が凄く懐いてる………」

その光景に驚くすずかと、

「ていうか懐きすぎよ!?」


ツッコミを入れるアリサ。

「キュ! キュ~!」

ユーノはユーノで猫に追い掛けまわされている。

その時、

「お待たせしました~ 紅茶とケーキですよ」

紅茶とケーキを持ってきたファリンさんが現れ、

「キャッ!」

突如現れた足元を走り抜ける小動物に驚き、

「あっ! 危ない!」

体勢を崩し倒れそうになるが、

「大丈夫ですか?」

咄嗟に瞬動を使って俺が割り込み落ちそうになるトレーを片手に持ち、

さらに崩れ落ちそうになるファリンの身体をもう片方の腕で支える。

その際にだがホントに僅かな機械の駆動音が俺の耳に入る。

「は はい!」

何故か顔を赤く染めながら返事をするファリンと、

背筋にゾクッ!っと冷たいものが走るのを感じる。

「なんだ!?」

悪寒を感じとっさに振り向いた先には、

何故か黒いオーラ的な何かを出しながら俺を睨むなのは達の姿があった。

「どうかした?」

「「「別に!!」」」

とりあえず黙っておこう……触らぬ神に祟り無しだ……。

それからしばらくして……、

「ん?」

突然発せられたジュエルシードの魔力を感じ、

「なのは……」

俺は小声でなのはに話し掛ける。

「うん」

その意味を理解したなのはが頷いたその時、

「キュ! キュ~!」

まだ猫に追い掛けられていたユーノが外へと逃げる。

アイツまだ追い掛けられてたんかい?

オモチャか補食対象にでも選ばれたのか?

「あっ! ユーノ君!」

慌ててユーノを追い掛けるなのは、

「やれやれ」

俺も腰を上げ、

「なのはを探してくるよ」

あたかも自然な流れを装いなのはを追い掛ける。

「はい」

「はやく帰ってきなさいよ」

「了解」

二人の言葉に笑顔で返事を返しなのはを追う。

なのはを追って行き着いた先には……、

「にゃ~」

巨大猫がいました。

「デカッ!?」

俺の身体の2~3倍くらいはあるぞ!?

猫の大きさに驚き声をあげる零。

「あっ! 零お兄ちゃん」

それに気付き名前を呼ぶなのは。

「なのは このでかい猫は?」

頭では解ってはいても聞かずにはいられずなのはに尋ねる。

「多分ジュエルシードがこの子猫の大きくなりたいという願いを叶えたんだと思う」

俺の問いに答えを返すユーノ。

「限度があるだろ……」

その返答にあきれる零……。

「ごろにゃ~ん」

そして何故か俺にじゃれつく猫。

敵意は無いけどデカイからしんどいよ!

「このサイズだとさすがにきついぞ!」

その時、

ー魔・法・弾・激・突ー

「にゃっ!?」

突如どこからか飛んで来た魔力弾が地面に当たり驚く猫、

「なんだ!?」

「あっ! あそこ!」

ユーノが指示した場所には黒いレオタードかスクール水着に見える衣装にベルトで止めただけのスカートと、

その上から黒いマントを纏った金色の髪の少女と明るいオレンジ色の狼がいた。

「バルディッシュ」

金色の髪の少女はその手に持つ華奢な身体には似つかわしい大鎌の名前を呼び、

「イエス サー」

名前を呼ばれた大鎌はその声にデバイス独特の機械的な声で答えを返す。

そして……、

大きな鎌のような武器を持った少女がなのはの方へと向かい、

「アンタの相手はあたしだよ!!」

狼は俺の方へと向かって来る。

「とりあえずユーノお前はなのはの援護に向かえ」

「わかりました」

ユーノをなのはの援護に向かわせる。

「あたし達の邪魔をするならガブッ! といくよ!!」

戦意剥き出しの狼が叫ぶ!

「ん~ 俺としては戦いたくないんだけどなぁ~」

「なら おとなしくやられな!!」

突然襲い掛かる狼に向かって俺は、

「なんちゃって秘奥義 ム○ゴロウ式動物愛撫術!!」

俺は某動物王国を作り上げた人物のような手つきで、

「ほ~れほれほれ」

狼を愛撫する……。

「なっ! ちょっ! アンタドコ触ってんだい! ソ ソコは!? いやぁ~ん!!」

狼は迫りくる快楽に甘い声をあげる。

「え~のんか~♪ ココがえ~のんか~♪」

ノリノリで変なセリフをはきながらなおも愛撫を続ける零。

「あっ! ダメェェェッ!!」

俺のムツ○ロウ式動物愛撫術で文字通り骨抜きになる狼。

しかも掌からは気を放出しているから効果は倍増だ!

それから数分後……。

「ら らめぇ~」

仰向けになって腹を見せながらひくひくと悶える狼と、

「楽しかった~」

なにかをやりとげた時のような良い笑顔の零。

「さ~てなのは達の方は………」

俺はなのは達いる場所へと顔を向ける。

「う~ん 苦戦してるなぁ~」

いくら才能があるとはいえまだ魔法に慣れてない上に戦闘経験が少ないためにかなり苦戦しているなのは。
「さてと……」

俺は今の騒ぎで忘れられている巨大猫に近づく。

「とりあえずお前の中にあるジュエルシードはもらうぞ」

俺は右腕を猫に密着させて、

「封印」

右腕の『特殊能力』を使いジュエルシードを封印してから猫の身体から取り除き、

「ほら ココは危ないからあっちに行きな」

「ふにゃ~」

猫を結界の外へと逃がす。

「さて なのはは……って! アレは危ない!!」

俺の目に映ったのは、

金色の髪の少女がなのはに向かって大きな砲撃系の魔法を放つところだった。

「チッ!幻符『The World』!!」

俺はスタンドの方ではタイムラグあるのでスペカの方の『The World』を発動させて時間を止め、

「やれやれだぜ……」

なのはの目の前に立ち、

右腕を前に突き出して……、

「そして時は動き出す」

有名なあのセリフとともに時間停止を解く。

「えっ! 零お兄ちゃん!?」

「そんな! いつの間に!?」

瞬間移動や催眠術なんてチャチなものではなく、

文字通り突然現れた零に驚愕する二人の少女。

そんな少女達を他所に、

俺は……、

「まずはその幻想をぶち壊す!!」

上条さんの真似をしながら迫り来る魔法を右腕の異能『支配者の右腕』で魔法を支配し掻き消す、

この能力知っている人どれぐらいいるのかな?

かなりドマイナーな能力なんだよね。

零の右腕に触れた砲撃魔法はパキンッ!とガラスの砕けるかのような音をたてて消失する。

「物騒だね~」

「いつの間に!? それよりもアルフは!?」

零が現れた事によって自身のパートナーの事を心配する少女。

「アルフ? さっきの狼か?」

俺は焦る少女に聞く、

「アルフはどうしたの!?」

よほど心配なのか息を荒げながら零を問い詰める少女。

「あぁ……それなら」

俺は親指で狼を指差す。

「あそこで悶えてるぞ」

そこには未だに悶えている狼がいた……。

「アルフ!?」

少女はすぐさま狼へと駆け寄る。

「うぅ~ フェイト~」

未だに呂律が回らぬ状態で自身の主の名を呼ぶ狼……。

「ねぇ 零お兄ちゃん………狼さん………アルフさんに何をしたの?」

恐る恐る零に聞くなのは、

「ちょっと揉んだだけだよ」

全身を隈無くね。

「どういう事?」

こてんと首を可愛くかしげながら聞き返すなのは。

「アルフ!?」

「うぅ~フェイト~」

情けない声で少女の名を呼ぶ狼。

「何があったの!?」

「あたし………もうダメかもしれない………」

「う~ん やりすぎたかな?」

「と とりあえずここは退くよ!!」

撤退の準備を始める少女に……、

「ま 待って!!」

なのはが待ったをかけるが……、

「もう私達に関わらないで………」

金色の髪の少女は悲しそうな表情をしながら飛び去る。

「待って!」

「やれやれ面倒な事になったな~」

それからしばらくして、

俺達はアリサ達のところへと戻ると。

「遅かったわね」

不満を言うアリサと、

「ユーノ君見つかりました?」

ユーノが見つかったのかを問うすずか。

「まぁね」

俺はそんな二人にやんわりと答えを返す。

「うん」
それに続くかたちで頷くなのは。

それから再びお茶会を楽しみ、

「今日はありがとう楽しかったよ」

二人に礼を言う。

「いえ こちらこそ」

それに対し柔らかな笑顔で返すすずかと、

「あたし達がいるんだから当然よ!」

当然とばかりにふんぞり返るアリサ。

「にゃはは」

そんなアリサに猫のような笑い方で苦笑するなのは。

「それじゃまた今度ね」

「はい」

「気が向いたらまた誘ってあげてもいいわよ」

「ありがとう」

「すずかちゃん アリサちゃんまたね」

こうして俺達は帰路へとつく、

そして帰り道で……、


「ねぇ 零お兄ちゃん」

ぽつりと小さな声で零の名を呼ぶなのは……

「ん?」

「今日のあの子の事なんだけどね………」

「どうした?」

「あの子とっても悲しそうな顔をしてたの………」

「…………」

「まるで昔の私みたいに……」

独りの悲しみを知っているこの子だからこそ感じられたのだろう。

「私………知りたいの………あの子のお名前となんでジュエルシードを集めてるのかを………」

「そうか………」

「だから………あのね………零お兄ちゃんも一緒に手伝ってほしいの………」

なのはが人を頼るようになったか………良い傾向だな………。

「いいよ」
俺はなのはの頭を撫でながら言う。

「ありがとうなの!!」

俺に抱き着きながら礼を言うなのは。

その後俺はなのはを家に送り届け、

俺も家へと帰る。

ちなみにそれからしばらくし家で千歳と夕食の準備をしていると……、

突如 ピーンポーン♪ と軽快な音をだして備え付けのチャイムが鳴る。

「は~い」

ドアを開けると……、

そこに居たのは……なんと、

「あの………隣に引越して来た フェイト・テスタロッサで………え?」


先ほど戦ったフェイトと呼ばれた少女だった。

「あら?」

これって偶然?

それとも必然?

どちらにしても出来すぎてはいないか?

「え? なんで!?」

予期せぬ事態に驚愕するフェイト。

「あ~ 立ち話もなんだしとりあえずあがる?」

「え~と その……」

突然の事に困惑するフェイト。

「フェイト~ 遅いよ~」

またもや突如現れる犬耳の女性、

「アンタは!!」

敵意を剥き出しにしながら俺を睨む女性に、

「どちらさん?」

素で返す零。

「フェイトに何をする気だい!?」

「お~い 一応言っておくが俺に交戦の意思はないぞ」

一応交戦の意思が無い事を伝えるが、

「そんなの信じられるか!!」

そんなものに意味はなく……アルフに一蹴される。

「まぁまぁ とりあえず落ち着け」

なおも落ち着かせようとするものの俺の言葉は耳に入らず……、

「アルフ……この人は大丈夫そうだよ」

「フェイト……」

主たるフェイトの言葉でやっと牙を納めるアルフ。

「あまり大声をだすと近所迷惑ですよ」

突如台所にいた千歳が玄関に現れる。

「千歳悪いがお茶の用意をしてくれないか?」

俺は千歳に指示をだす。

「わかりました」

千歳はリビングへと行きお茶の用意を始める。

「まぁ 積もる話しもあるからあがりなよ」

俺は二人に部屋へ入るように言う。

「罠でも仕掛けてるんじゃないかい?」

「失敬な」

「アルフ 大丈夫だから」

「わかったよ……」

フェイトに宥められしぶしぶ部屋へと入るアルフ、


「さて まずは自己紹介からはじめようか 俺の名前は 黒帝 零」

「私は千歳と申します」

千歳はフェイト達にお茶を配りながら自己紹介をする。

「あ ありがとうございます」

ぎこちないが礼を言うフェイトと、

「…………」

黙りを決め込むアルフ。

フェイトは出された飲み物に口をつける。

「あ おいしい……」

だってそれ最高級の玉露だもん。

「それはなにより」

「こちらもいかがですか?」

千歳がお茶菓子を進める、

ちなみにお茶菓子は千歳お手製の豆大福とどら焼きです。

「いただきます」

出されたお茶菓子をもふもふと小さな口で頬張るフェイト。

「かわいいな(小動物みたいで……)」

ついつい口が緩み言ってしまう俺。

「ふぇ!?」

そのセリフに驚くフェイト。

「さて 君達に少し聞きたい事があるんだがいいかい?」

俺はできる限り威圧感を与えないように聞く。

「なんですか?」

「まず君達の目的を聞きたいな」

「私達の目的ですか?」

「あぁ 場合によってはコレを君達にあげてもいいよ」

俺は『王の財宝』から回収したジュエルシードを取り出す。

「ジュエルシード!?」

「アンタ!!」

アルフが殺気立つが、

「大人しくしなさい」

千歳がアルフに殺気を飛ばし抑える。

「ひっ!」

千歳が飛ばした殺気に怯むアルフ。

ユニゾンデバイスと化していようとも基となった存在が最上級の妖であり神獣である千歳の殺気は今は使い魔になっているとはいえ元獣のアルフには応えるものがあるのだろう。

「おちつけ」

俺はそんな千歳を宥める。

「はい」

俺が止めた事によりしゅんとなり尻尾などが下がる千歳。

「とりあえず俺に交戦の意思は無いよ」


「ならソレを渡してくれませんか?」

ジュエルシードを要求するフェイトだが、

「悪いがまずは君達の目的を教えてくれ」

俺はそれに答えず目的を聞く。

「………わかりました………」

「フェイト!?」

「私達じゃこの人達には勝てないよ」

どうやら戦闘における直感は中々に鋭いようだ……。

「うぅ~」

彼女が納得しないのも無理はない、

見た目の年齢こそ主たるフェイトと若干の差はあれどそれでも子供が持つには強大すぎる力に猜疑心が芽生えるのは当然だろう。

「じゃあ聞かせてくれるかい?」

「はい……私達がジュエルシードを集めているのは母さんのためです………」

「お母さんのため?」

「はい 母さんが集めてほしいと言ったので……」

今の彼女は良く言えば従順だが悪く言えば自分の考えを持たないと言えよう。

「一体コレをなんのために使うのかは知らないのかい?」

「はい………」

「なら……俺を君のお母さんに合わせてくれないか?」

「えっ!?」

「君のお母さんから納得のいける答えをもらえるなら俺のもつコレをあげてもいいよ」

卑怯なやり方である事は解ってはいるが今回はこのやり方でフェイトに取り引きを持ち掛ける。

「えっと……その……」

「まぁ……すぐには無理そうだから近い内に答えをくれないか?」

「わかりました……」

「そうか……ん? もうこんな時間か……」

ふと時計を見ると時刻は7時を指していた、

「これから夕食にしようかと思うんだけど君達もどうだい?」

「え! いいんですか!?」

「ふん どうせたいしたことはないだろ!」

敵意を剥き出しで吠えるアルフを、

「アルフ!」

フェイトがたしなめる。

「ちなみに今日の夕食は焼き肉だけど」

俺がそういった時アルフの犬耳がわずかにピクリと反応する。

「ちなみに骨付きカルビや特上カルビもあるよ」

今度は耳がピクピクと完全に反応を示すアルフ。

わかりやすいな~。

「ちなみにデザートは期待できるよ」

これには俺を除く全員が反応した、(何故か千歳まで……)

「食べてく?」

「はい!!」

勢い良く反応するフェイトと、

「わかったよ……」

食欲に負けしぶしぶ返事を返すアルフ。

「きまりだね」

そして夕食を食べるのだが、

「ガフガフ! ングング!!」

勢い良く肉を頬張るアルフ、

「おいしい……」

少しずつ食べるフェイト、

そしてデザートの虹の実のゼリーを食べた瞬間、

「うーまーいーぞー!!」

どこぞ料理マンガの如く口から謎の光りを放つアルフと、

「はぅ~」

あまりの美味さにとろけるフェイト。

「美味いのはわかるが驚きすぎだろ 普段何食ってるんだ?」

二人の驚き様に疑問を感じた零が尋ねる。

「聞いておくれよ~フェイトったら何時も冷凍食品かサプリメントみたいなもんしか食べないんだよ~!」

うん……とりあえず……この子の食生活改善は絶対だ!

「な・ん・で・す・と!」

突如机から勢い良く立ち上がる零。

「えっ!? 何!?」

それに驚くフェイト。

「お前を真人間にしてやろうか!」

どこぞの悪魔閣下のような若干ホラーチックな顔で若干アレンジしたセリフを言う零。

「是非とも頼むよ!」

それに対し同調するアルフ。

こうしてフェイトの食生活改善し隊が結成された。

ちなみに余談ではあるが今回の事があったためにフェイト達がちょくちょく夕食などを食べに来るようになったのは言うまでもない。 
 

 
後書き
今回はフェイトとの出逢いです。

いつも遅筆ですいません。

こんなダメ作者ですがこれからもどうか応援よろしくお願いいたします!!

感想やアドバイスをもらえると作者のやる気が上がります。

 

 

『二度目の邂逅』

 
前書き
今回はいつもよりも短い話となっています。 

 
黄金の月が照らす夜の街。

「ヤァッ!!」

空を駆ける金の閃光と化した黄金の髪の少女。

「キャアッ!!」

それに相対するは白き少女。

「子供はいい子にって言わなかったっけ?」

今回は狼の形態ではなく人間の姿を持ってユーノと対峙するアルフ。

「ジュエルシードをどうする気だ!? ソレは本当に危険な物なんだ!!」

「さあね? アンタ達に答える義理はないよ……それにアタシは言わなかったかい? いい子にしてないとガブッ!ていくよってねッ!!」

再び狼の形態となって襲い掛かってくるアルフ。

「やっぱりアイツあの娘の使い魔だ!」

人の姿から狼の姿へと形態を変えるアルフを見て確信を得るユーノ。

「使い魔?」

聞き慣れない言葉に疑問を浮かべるなのは。

使い魔は今では物語の中のマスコットキャラという扱いが多いが、

元は悪魔や精霊等と言った人外の存在を契約などを用いて魔法使いの僕(しもべ)とし、仕事の手伝いなどをさせる存在を指す。

俺のパートナーである千歳も使い魔の定義に当てはまる部分がある。

「なのは! あの娘をお願い!」

ユーノがそう言うと魔法陣が現れユーノとアルフをここから離れたどこか別の場所へと転送する。

「結界に強制転移魔法……良い使い魔をもってるね」

ユーノの事をなのはの使い魔だと思うフェイト。

ユーノが人間の姿をしていればこの考えは変わっていただろうが、あいにくとユーノはフェレットの姿から戻らずにいたためこのような勘違いが起こってしまったのだ。

「ユーノ君は使い魔とかいうのじゃないよ」

使い魔で無いと言うなのはの言葉に若干の驚きを見せるフェイト。

「それで……どうするの?」

驚きこそすれど、その手に持つ武器は依然としてなのはに向けられたままであった。

「話し合いでなんとか出来る事ってない?」

そんなフェイトに対しなのはは話し合えないかと問うが、

「一応集めてるから……あなたもジュエルシードを集めているなら私達はジュエルシードを賭けて戦う敵同士……」

取り付く島もなく提案を否定される。

「だからそういう事を簡単に決めつけないために話し合いって必要なんだと思うよ」

なのははそう訴えるが、

「話し合うだけじゃ……言葉だけじゃ……何も変わらない……伝わらない!!」

強い決意を込めた瞳をなのはに向け言いはなったフェイトが次の瞬間には、

「ッ!?」

一瞬のうちになのはの背後へと回り込み杖を突き付けていた。




零 Side

「話し合うだけじゃ……言葉だけじゃ……何も変わらない……伝わらない!!」

叫ぶかのようなフェイトのセリフには思うものがある。

「お~あのセリフか……」

俺はなのは達の戦いを少し離れたビルの屋上から見学している。

確かに話し合うだけでは何も変わらないかもしれない……だが話し合う事でわかり会えたり、戦う事以外で出来る事はあるはずだと俺は思う……いや……思いたい!

「しっかし……あの歳であんな戦闘が出来る奴らなんてアイツらぐらいだな……」

零の視線の先には、

「ディバインバスター!!」

なのはが桜色の砲撃を放ちフェイトの砲撃を飲み込むが、

「ハアァァァッ!!」

フェイトは上空に飛び迫り来る砲撃魔法をかわし高速でなのはに迫る。



「よろしいのですか?」

傍観していた俺に千歳が話し掛ける。


「ん? あぁ……あの子達の戦いに俺が入るわけにはいかないさ……まぁ危なくなったら助けるがな」

「そうですか……」

渋々といった感じで引き下がる千歳、彼女もなのは達の事を大切に思っているためにあまり危険な事をさせたくはないようだ。

「それに俺が乱入したら即効で終わっちまうしな」

今のまだ未熟な彼女達なら数秒で勝てる自信があるぞ。

まぁ……今後はわからないけどね……。

「それもそうですね」

「どうやら終わりのようだな」

零の見つめる先には、

「うぅ……」

首筋にフェイトの武器を突き付けられたなのはの姿があった。

そしてなのはの持つ杖レイジングハートからジュエルシードが排出される。

「レイジングハート!?」

相棒たるデバイスの勝手な行動に驚くなのは。

「ご主人様思いの良いデバイスだね」


フェイトはジュエルシードを受け取り、

「もう……私達に関わらないで……」

そういってこの場から飛び去る。

その際に俺に向かってウィンクをしながら……。

「やれやれ……慰めに行くとしますか……」

俺はなのはのいる場所に向かって飛び、

「お疲れ様」

頭にポンと軽く手を乗せ声をかける。

「また負けちゃった……」

ションボリとした雰囲気で項垂れるなのは……心なしかなのはのトレードマークであるツインテールもへにゃっと力無く垂れ下がっている気がする。

「そうだね」

「私じゃダメなのかな?」

泣きそうな顔をしたなのはの頭を撫で、

「さぁねぇ……ただ……なのははどうしたい?」

なのは自信がどうしたいのかを俺は問う。

「私は……あの子とお話しをしたいの……」

「そうか……」

「………」

無言ではあるが決意を込めた瞳を見せるなのは。

「なら……今より強くなろうか」

「うん」

「俺もちゃんと手伝うから安心しなさい」

いっそ魔改造してやろうかな?

「うん!」

「じゃあ……今日は帰ろうか」

「わかったの!」

俺はなのはを家へと送り俺も帰路へとつく。


家に着き、リビングに行くと、

「あっ! おふぁえりなはい(お帰りなさい)」

俺の視線の先には千歳がつくったであろうちらし寿司をもきゅもきゅと頬張るフェイトの姿と、

「ガフガフ」

肉たっぷりのをカルビ丼を勢いよく喰らう狼の姿があった。

「とりあえず……食べながら話さない……」

行儀悪いから。

この光景をなのはにみつかったら O・HA・NA・SHI されそうで恐いなぁ~。

「次は温泉か……」

次の事件に頭を悩ませる零であった。 
 

 
後書き
今回はいつもよりも短い話となりましたが、

早めに投稿できました!

次の投稿も速く出来るように頑張ります。

これからも応援よろしくお願いいたします!!

できるならば感想やアドバイスをもらえるととても嬉しいです! 

 

『温泉でゆっくり……できたらいいな』

 
前書き
かなり遅くなってしまってすいません。

何とか投稿できました。 

 
どうも黒帝 零です。

今回もまたなのはの一言から始まります。

「零お兄ちゃん なのは達と一緒に温泉に行くの!」

ある日俺の家へと遊びに来ていたなのはがオヤツの千歳手製豆大福を頬張りながら突如のたまう。

「へ?」

突然のなのはの言動に読んでいた本から目を離しなのはを見つめる。

「温泉ですか?」

そんな中最初に聞き返したのは千歳だった。

「そうなの! 家族みんなで行くの!」

千歳の返答に笑いながら言うなのは。

「へぇ~」

温泉か……日本人として心惹かれる単語だよね。

「お兄ちゃん達も一緒に来てほしいの!」

「いいのか?」

馴染みとはいえ一応部外者なんだが?

「私もですか?」

「うん! 千歳さんも一緒に来てほしいの!」

「ありがとうございます」

そういや温泉にもジュエルシードがあったな。

「ところでいつ行くんだ?」

「明日なの!!」

「早ッ!?」

いくらなんでも急すぎなイカ?

「かなり急だね……」

「ダメ?」

上目使いで俺を見るなのは。

やめて!

そんな目で見られたら俺の精神力がもたないから!

「いや まぁ 別に大丈夫だけど」

できるならもう少し早く言ってほしかったな。

「よかったの!」

「では私は準備をしておきます」

そう言ってリビングから出て旅行の準備に取り掛かる千歳。

「わかった」

「温泉楽しみなの!」

「そうだね~」

事件さえなければね~。

「うん! アリサちゃんやすずかちゃんも一緒だから楽しみなの!」

「賑やかになりそうだね」

「そうなの!」

「ところでなのははもう明日の準備は出来ているのかい?」

「そういえばまだなの……」

オイオイそりゃねーぜセニョリータ。

「ならそろそろ家に帰る? 明日の準備に時間がかかるだろ?」

「う~ わかったの……」

名残惜しそうな顔をするなのは。

「じゃあ家まで送るよ」

「うん!」

俺はこの後なのはを家まで送り桃子さんに着せ替え人形にされそうになりつつもなんとか逃走に成功し、

その後俺自信も帰路についた。

そして家に帰ってからフェイトの部屋を訪ねる。

「フェイトいるか~?」

「はい」

部屋の扉を開けて出迎えてくれるフェイト。

「どうしたんだい?」

「いや 実はな……」

俺はフェイトとアルフに明日の事について説明をする。

「温泉?」

「まぁ ようは地面から湧く自然の風呂かな?」

「この世界ってそんなのもあるんだ」

温泉に馴染みが無いのかとても不思議そうな顔をする彼女。

「一応料理は作り置きして冷蔵庫にしまっておくから電子レンジて温めて食べるんだぞ」

放っといたら適当なもので済ませようとするからちゃんと用意しとかなきゃね。

「はい」

「はい コレが家の鍵だから」

俺はフェイトに家の鍵を渡す。

「ありがとう」

笑顔で鍵を受け取るフェイト。

そして翌日、

「今日はよろしくお願いしますね士郎さん」

「やぁ 零君」

俺は士郎さんに挨拶をし、

「本日はお招きいただきありがとうございます」

「いえいえ こちらこそいきなりですいません」

千歳は桃子さんと挨拶を交わす。

「眠い……」

低血圧な上に寝不足で機嫌の悪い恭也さん。

「恭也……大人気ないわよ」

彼女である忍さんに宥められる恭也、

「あいかわらずね」

「そうだね」




「おりょ? アリサちゃんにすずかちゃんも一緒なんだね」

待ち合わせ場所にいたアリサとすずかの二人を見て問う。

「そうよ! こんなかわいい私達が一緒なんだから感謝しなさいよね!」

フンッ!と胸を張って答えるアリサ。

「はい お姉ちゃんも一緒ですが」

問いに対し姉の方をチラリと見てから答えるすずか。

「そうみたいだね」

それからしばらくし、

「さて……そろそろ行こうか」

士郎さんの言葉に全員が反応する、

忍さんに首を引っ張られて連れてかれる恭也。

うん……しっかり尻にしかれているな。

「し しかし! なのはと同じ車にアイツが「ゴスッ!」ぶらす!?」

話しの途中で鈍器で殴られたかのような音がし、

そのせいか変な言葉を言う恭也。

がぶらすってどこぞの竜か? それとも最終幻想にででくるジャッジマスターか?

「それじゃあ また後でね」

「うん!」

再び恭也の首を掴み車へと連行する。

頑張ってね恭也さん。

「それじゃ僕達も行こうか」

いざ出発と思いきや……、

「お兄ちゃんの隣はなのはなの!!」

「なに言ってるのよ! 私が隣よ!」

「私も隣が……」

美少女達による席争いに巻き込まれる俺。

何故?

「フフ……大人気ですね」

「そうね」

そんな俺達を見ながら笑う二人。

見てないで助けてよ……。

「とりあえずジャンケンで決めたら?」

俺の提案に三人は、

「文句なしの一回勝負よ!」

「わかったの!」

「うん!」

鬼気迫るものすごく真剣な表情で、

「「「ポン!」」」

互いに手を出す。

ちなみに……、

なのは チョキ
アリサ パー
すずか チョキ

という結果となった。

「うそー!?」

一人負けした事に絶叫するアリサ。

「勝ったの!」

「やったー」

勝った二人は嬉しそうに両手を上げて喜びを顕にする。

「う~!」

勝った二人は俺の両隣に座り、

負けたアリサはというと……、

「あっ! そうだ!」

何かを思いついたのか俺の前に移動し、

「なのはが良いなら私も良いわよね?」

「へ?」

惚ける俺をよそに俺の膝の上に乗っかるアリサ。

「あ~!!」

「アリサちゃん狡い!」

アリサの行動に叫ぶ二人、

「なのはだってこの前座ったじゃない?」

「う~!!」

「確かに……」

ジト目でなのはを見るすずか。

「だからこれでお相子よ」

「いいなぁ……」

「俺はおいてけぼりなのね……」

話しの展開についていけずおいてけぼりにされる俺。

俺の扱いひどくない?

ちなみにショボーンとした表情の俺を見ている千歳はというと、

「ハァハァ……疎外感に涙する零様も……」

ちょっと近づき辛い状態になってました。

「コレはコレで良いわね……」

桃子さんの眼が凄く恐いとです。

なに?……このカオスな状況?

それからしばらくの間俺は、

「フフン♪」

俺の膝で勝ち誇るアリサと、

「むぅ~」

「あぅ~」

むくれながらも抱き着く二人。

「あ~う~」

美少女達の甘い香りに酔いそうでした……。

そして、

「到着だ」

温泉へとつき、

「予約していた高町です」

「はい 高町様ですね 伺っております」

宿の受付に話を通す士郎さん。

「はい」

「では お部屋へとご案内いたします」

俺達は店員に案内され部屋へと行く、

ちなみに部屋割りなのだが……、

二人部屋 士郎 桃子

二人部屋 恭也 忍

四人部屋 なのは アリサ      すずか 零

一人部屋 千歳

「ちょい待ち!」

上記の組み合わせに異議を唱える。

「どうしたんだい?」

不思議そうに零を見つめる士郎。

「何故に俺がなのは達と同じ部屋なんですか!?」

男一人に女の子三人はどうよ!?

「え?」

不思議そうに首を傾げるなのは。

「なによ? 嫌なの?」

怒った様子で零を問い詰めるアリサ。

「ダメですか?」

上目遣いで聞いてくるすずか。

「いや男が女の子の部屋で寝るのは……」

いや……さすがに厳しいものがあるのですが……。

「一緒に寝てくれないの?」

瞳を潤わせながら上目遣いで俺を見るなのは。

「ダメなの?」

残念そうな顔で言うアリサ。

「ダメですか?」

しゅんとした顔で言うすずか。

やめてー!

そんな顔で見られたら断れないから~!!

「その……」

「なのは……お兄ちゃんと一緒に寝たいの……」

あ~なのはさんその言い方では大きなお友達が行動を起こしそうですよ。

「アンタはおとなしく私達と寝るのよ!」

「私も……一緒に寝たいです……」

グハッ!!

俺は三人の攻撃に耐える事ができず……、

「わ……わかった……」

三人と同じ部屋で寝る事にしました。

いや……アレ、ガード不可だって……。

「わ~い!」

「ふん! それでいいのよ!」

「よかった……」

いや……アレに抗うのは無理だろ……。

「決まったようだね」

「あらあら仲が良いわね~」

「よかったですね」

見てるんなら助けろよ……

「キサマ~! なのはと同じ部屋だと!?」

女の子三人に対し男である俺が入る事に吠える恭也。

だったら助けてよ……。

「はぁ~」


そんなこんなで、


「さて 温泉に入るとしようか」

俺達は今回の旅行のメインである温泉へと向かう。

そこでまた一悶着ありますた。

「さて 入りますか……」

ー掴ー

突如グイッ!と引っ張られる感覚を感じて振り向くとなのはが俺の服の裾を掴んでいた。

「お兄ちゃんも一緒に入るの!」

「ナニヲイウノデスカナノハサン?」

「お兄ちゃんもなのは達と一緒に入るの!」

「俺……男だよ?」

いくら男の娘でも無理だよ?

「十歳までなら一緒に入れるの」

「俺十一歳だよ……」

そりゃ……身体小さいし顔つきも女よりだけどさ……。

「えぇ~」


アカン……このままやと強制的に入れらてまう……。

あまりの出来事に似非関西弁になってしまう俺。

「……(どうする……どうすればいいんだ! 今の俺の選択肢は……)」

1 諦めて一緒に入る

2 開き直って突撃ラブハート

3 全速前進ダ!

4 覚悟決めてカチコミ

5 ユーノを生け贄にする

6 あ~ばよ~とっつぁん

マトモな選択肢が一つとして無ぇ~!?

まだマシなのが6番だけってなんだよ!?

「きゅ! きゅ~!(助けて~)」

この時ユーノを追いかけまわすアリサが現れそのユーノの声になのはが反応し俺から一瞬だけ目を離す。

俺はその隙をついて瞬動を使いこの場からにげる。

ユーノ淫獣フラグ建ちました。

スマン……ユーノ……。

「きゅ! きゅう~!?(えっ! 零さん!?)」

ジタバタと叫び暴れるユーノ。

「それじゃまた後でね!」

「うぅ~ しょうがないからユーノ君で我慢するの……」

「きゅ! きゅう~!!(ひ 酷いよ~!!)」

ユーノ、マジでスマン……。

そして、

「温泉は良い……温泉はリリンが生んだ最高の文化だよ……」

温泉でとろけながら某使徒の真似をする俺。

「ふぅ~ 良い湯加減だね~」

「そうですね~」

あ~今は何にも考えたくな~い。

「しかしそうして肩まで浸かっていると本当に女の子みたいだね」

「確かに……」

その言葉を聞いた時に俺の頭の中に戦争撲滅組織のある主人公のネタが浮かび俺はソレを実行する。

俺は大きなタオルを身体に巻き、

髪をツインテールにして、

さらに胸を腕で寄せて上げ、

「こうするともっと女の子~♪」

完璧なイリヤボイスでポーズをとりながらネタをかます。

「グフッ!!」

すると恭也が股間部を押さえながら鼻血を吹き出す。

えっ?

今のでダメージ受けちゃうの!?

シスコンにショタコン追加なんて素敵に無敵すぎるよ!?

「忍さーん! 貴女の彼氏が俺みたいな小さな男の娘に欲情してますよー!!」

「なんですってー!? 恭也ー!!」

「し 忍!? れ 零キサマー!!」

「しかもヘルメット被ってますよー!!」

ちなみに大きさでも勝ちました。

「やめろー!!」

「恭也お兄ちゃんの変態!!」

「なのはー!? ち 違う! ご誤解だー!!」

かなりカオスな状態な恭也をよそに……、

「あっ! 士郎さんお背中流しますよ」

「ありがとう零君」

俺は士郎さんの背中を流していたりする。

「誤解なんだ~!!」

今だに喚く恭也が煩いので、

「ソイヤ!」

ー打・撲ー

「グボァ!?」

俺は恭也に当て身をかまして黙らせる。

「露天風呂の方にい~こうっと♪」

黙らせた恭也を放置して俺は露天風呂へと向かう。

「うわ~星が綺麗だね~」

星を眺めながら温泉に入ってると、

「あれ? 零様?」

突然千歳が現れる。

「あれ? もしかして露天風呂って混浴?」

今時混浴なんて中々無いよね?

「そのようですね」

「まぁ いいか」

「ところで先程なにか騒いでいましたが一体何があったのですか?」

「あぁ 実は……」

俺が先ほど起こった事を千歳に説明すると、

「恭也さんだけズルイです!」

涙目になりながら訴える千歳。

「え?」

「私も見たいです!」


千歳に凄い勢いで迫られ、

「一回だけだからな!」

渋々ながらも先ほどと同じ行動をし、

「こうするともっと女の子~♪」

ネタをかますと……、

「クッハー!!」

突如千歳が鼻血を噴き出し鮮血のアーチを形作る。

「ギャー! 温泉がロゼ色に染まるー!?」


白いお湯が鮮やかなロゼ色へと染まり、

「もう我慢できません!!」

次の瞬間、

「零様ー!!」

ルパンダイブでスッパテンコー様が飛び込んで来ちゃいました。

「え!? ちょっ!?」

そして、


\れいさま~!!/

\Nooooo!!/

喰われました。


どんな意味でかは聞かないでください。

それからしばらくして、

「落ち着いたか?」

「はい」

頭が冷え冷静になった千歳に俺の問いかける。

「ところでなのは達はどうした?」

お前一緒にいたよな?

「なのはさん達でしたら先に上がられましたよ」

「何故?」

アイツらあんなに温泉を楽しみにしていたのに?

「確か忍さんが恭也さんとお話しすると言ったら一緒についていかれましたよ」

「…………」

自分でやっといてなんだけど……ご愁傷様……、

というかすみません。

「とりあえず俺も出るよ」

さすがにもうのぼせそうだし。

「では私もあがりますね」

そう言ってお湯からあがる彼女の豊満な身体を一枚の薄布が隠すこの光景はとても蠱惑的だった。

「あぁ また後で」

そして俺は風呂から上がり部屋へと向かうが……その道中で、


「子供はおとなしくって言ってなかったかい?」

浴衣を着た紅い髪の女性に絡まれている三人の姿がそこにあった。

「お~い なのは~」

俺は彼女達の間に入ると同時にアルフに念話を飛ばす。

『なにしてんだよアルフ……』

『まさかアンタがココにいるなんてね……』

お互いにこのような場所でかち合うとは思っていただけに驚く。

『フェイトはどうした?』

せっかくの温泉宿なんだから入って行けばいいのに……。

『フェイトなら今ジュエルシードの探索をしてるよ』

アルフの台詞から察するに彼女がフェイトに温泉を勧めても自分はいいから先に入れと言われたのだろう。

『あまり根を詰めるなと伝えといてくれ』

真面目なのはとても良い事だが、それで損をするのはいただけないな。

『あいよ』

『とりあえずはまた後でな』

どうせジュエルシードの取り合いで会うんだろうしな。

『あぁ』

ここで俺は念話を切り、

「この子達に何か用ですか?」

あくまでも他人を装って話しかける。

「アハハハ……いや~人違いだったみたいだわ ゴメンネぼくちゃん達……」

そうして彼女は立ち去るが、

「これ以上アタシ達に関わるなら本当にガブッといくからね」

なのはとすれ違う際に小さな声で脅しを掛ける。

「今のなんだったのよ!?」

アルフの態度に憤慨し怒気を顕にするアリサ。

「酔っ払ってたのかな?」

そんな彼女とは対照的に酒に酔っていたのかと呟くすずか。

「…………」

無言で押し黙るなのはの頭にポンと軽く手を置き一撫でし、

「さぁ 部屋に戻ろうか 士郎さん達が待ってるよ」

部屋へ行こうと号令をかける。

「そうね」

「はい」

「うん……」

どことなく元気の無いなのはに俺は再び念話を飛ばす。

『あんまり気にするなよ』

『でも……』

納得がいかないのか言い淀むなのは。

『お互いに譲れないものがあるんだから衝突するのはしょうがないさ』

『うん……』

『まぁ なのはのやりたいようにやればいいさ』

俺は彼女達の意思を尊重するつもりだ。

『ありがとうなの!!』

『どういたしまして』

念話でなのはを元気付けて、

「晩御飯はなんだろうね」

旅館の食事は何だろうと場の雰囲気を変える。

「楽しみね!」

「はい」

「うん!」

それから部屋へと向かい全員が揃ったところで晩御飯を食べる。

その際にまたひと悶着があった。

「おっ! この唐揚げ旨いな」

出された食事の中の唐揚げが千歳がつくるものには負けるが中々に旨かった事に声をあげると、

「なのはも一個もらっても良い?」

興味を惹かれたのか一個欲しいと言い、

「いいよ はい あ~ん」

箸でつまんでなのはの口へと持っていく。

「あ あ~ん ////」

照れているのか顔を赤くしながらも彼女は口を開けて唐揚げを受け入れる。

「あ 美味しいの!」

「だろ?」

唐揚げの味に顔を綻ばせるなのは。

その様子を見ていた他の人達は……、

「あらあら 大胆ね~ さ アナタもどうぞ」

二人の行動を見ていた桃子が零の真似をするかのように刺身を士郎の口へと運び、

「うん 美味しいね」

特に恥ずかしがる事もなく食べる士郎。




「アタシ達にも食べさせなさいよ!」

そんな光景に我慢ができなくなったのかアリサが吠える。

「ん? じゃあ あ~ん」

そんな彼女に応えアリサとすずかの口へと運ぶ。

「「あ あ~ん」」

二人とも恥ずかしいのか顔を赤くしながらもなすがままの状態となる。

そんな光景を見た士郎達はというと、

「う~ん 家の娘とその友達が一人の男の子とイチャついているのにどう見ても女の子同士でハシャいでいるようにしか見えないな~」

「そうね~」

「なのはさん達が少々羨ましいですね」

その後食事を終えて、

「零……この後……卓球で勝負だ!」

突如恭也が卓球による勝負を持ちかける。

「いきなりなんですか?」

温泉宿ではある意味お決まりとも言える光景なのだが突拍子もなく突然仕掛けられた事に困惑する。

「さっきの事を忘れたとは言わさんぞ!」

怒髪天を突くとばかりに怒り心頭の様子の恭也。

どうやら先ほどの件でかなり頭にきているようだ。

「じゃあ負けた方が罰ゲームでいいですか?」

「望むところだ! お前にも屈辱を味あわせてやる!!」

いやいや アレに反応したアンタが悪いでしょ?

「お兄ちゃん!」

「じゃあ……罰ゲームはどうしますか?」

っと俺が尋ねたその時、

「なら 負けた人がコレを着るってのはどうかな?」

今まで事の成り行きを静観していた忍さんが何処からか取り出した物を見せる。

それは……、

「その服って……」


「体操服?」

「え?」

それは薄いシャツのような上着と紅い……ブルマと呼ばれる短パンだった……、

どこぞの青狸のようにどこからか取り出したソレを見せる忍さん。

「な なんで体操服なんて持ち歩いているんだ!?」

「しかもそれ女子用ですよね!?」

あまりにも予想外な展開に恭也と一緒にツッコんでしまう。

「乙女の嗜みよ!」

「「嘘だ!!」」

さも当然と言わんばかりの彼女に某鉈女のような勢いと口調で叫んだ俺達は悪くないと思いたい。

「ヤバイ……」

このままじゃロリブルマもといショタブルマにされてしまう。

というか恭也さんが着たらただの変態になるぞ!?

お互いの目を合わせたこの瞬間俺達の思いは見事にシンクロした。

そう……、

「「この勝負負けるわけにはいかない」」と。

恭也はスッと立ち上がり、

「ついて来い!」

卓球がある場所へと移動し、

「勝負だ!」

叫びと共に恭也がサーブを撃つ!

「おりゃ!!」

それを俺はすぐに反応し回転をかけて打ち返す。

「チィッ!!」


それをさらに返す恭也だが回転のかかったボールを無理に弾いた事によって玉は弱々しく宙を舞い、

「残念!」

絶好の瞬間を逃さず鋭くラケットを振るい玉を打つ。

「クソッ!」

驚異的な反射神経で反応するもの玉はラケットにかする事もなく台を跳ね場外へと跳ぶ。

こうして先にポイントを入れる事に成功した零。

「喰らえ! ツイストサーブ!」

俺は某王子様の得意とする技を使う。

「のわ!?」

突然自分の顔面目掛けて跳んでくる玉を反射的に避ける恭也。

そして、

「まだまだだね」

有名なセリフで恭也を挑発する。

「こうなれば!」

再び玉を撃った時に、

「『神速』!!」

突如恭也が加速し、

「しまった!」

先ほどとは逆に得点を入れられてしまう。

「どうだ!?」

「卓球でアレ使うなんて……」

「おとなげないぞ恭也……」

いくら男としての尊厳がかかっているとはいえ流石に卓球で自分達の流派の奥義を使う恭也に呆れる高町夫妻。

そして互いに激しい攻防が続く。

「オォォォォッ!」

神速を使い瞬時に返す恭也に対し、

「チョイサー!」

それと同等の反応速度で返す零。

「まだまだぁぁぁ!」

「ところがギッチョン!」

もはや常人では追う事の出来ない速さでの攻防を続ける二人、

「アンタって人はー!!」

「負けられないんだ~!!」

それは最早卓球と言うよりも超次元卓球とでも言った方がしっくりとくるような光景だった。

「墜ちろカトンボー!」

「まだだ! まだ墜ちんよ!」

ちなみにこの戦いを見ているギャラリーは呆れと戦いの凄さに仰天の2つの思いを持ちながら見ている。

「お前は歪んでいる! 俺がその歪みを断ち切る!」

「できるならやってみるがいい!!」

「俺は明日を切り開く!!」

触れれば切れるような鋭いショットが叩き込まれる!

「クソォォォッ!!」

そして勝敗は決す。


ちなみに今まで黙って見ていた外野はというと、

「なんなのよあの異常な速さは!?」

「私の目でも追いきれなかった……」

「全然見えなかったの……」

「さすが零様です!」

「まさかここまでとは……」

といった感じであった。




「俺の勝ちですね」

なんとか最悪の事態だけは避けれたか……。

「クッ!」

この世の終わりを垣間見たかのような絶望の表情をうかべて地に手をつきOrzの体勢になる恭也。

俺はそんな恭也さんの肩に手を置き、

「頑張ってくださいね?」

今の彼にはある意味絶望を贈る言葉をかける。

声をかけたその瞬間逃げ出そうとするが、

「どこへ行こうとするのかしら?」

どこぞの大佐のようなセリフを言いながらにじりよる忍。

「いや……その……ちょっとトイレに……」

腰が抜けたのか尻餅をついて生まれたての小鹿のような状態でなおも逃げ出そうとする恭也。

言ってはなんだがその姿は情けないの一言に尽きよう。

「あらあら でもその前に……」

悪役も裸足で逃げ出すかのような寒気のはしる笑顔で恭也を見つめ、

「さぁ お着替えしましょうね♪」

「嫌だ~~~~!!」

ムンクの「叫び」のような顔で悲鳴を上げる彼だが一瞬の間に衣服を着替えさせられていた(しかもカツラつきで)

って! いつの間に!?

催眠術や神速なんてチャチなものじゃねー! 月村の恐ろしさの片鱗を味わっちまっぜ!

などとどこぞの奇妙な冒険の真似をしていると、

着替え終わった恭也が虚ろな目をしていた。

勝ってよかった……負けていたらあぁなっていたのは俺なんだ……。

てか美形なだけに意外に似合ってるな。

「さて 零君の方が見れなかったのは残念だけど恭也のを見れたから我慢するわ」

彼女の言葉に反応し全員が一斉に俺の方を見る。

コッチミンナ!( ゜д゜ )

全員の反応具合についAAを使ってしまった俺を許してほしい……でもね全員目が本気で恐いんだよ!!

「し 忍! ちょっと待て! コラッ! 引っ張るな!」

その細身の何処にそんな力があるのか自分よりも体格の良い恭也をズルズルと引きずって自分の部屋へと連れていく忍。

そして捕食者のような怪しい目ををした忍さんが、

「コンヤハネカセナイヨ♪」

カタコトで恭也に死刑宣告が下される。

「うわぁ~!?」

ちなみにこの光景を見ていた全員の反応はというと……、

なにか可哀相なものを見るような眼で恭也を見ていた……。

約二名を除いて……、

「あらあら恭也たらお盛んね……私達も今夜頑張ってみる?」

と艶やかな笑みを浮かべて士郎さんに聞く桃子さん。

「そうだな……久しぶりに頑張ってみようかな」

そういう会話は子供がいない場所でして下さい……。

このままだとなのはに弟か妹が出来てもおかしくないな……。

などと呆れていたその時、

身体に突如ドクンッ!っとまるで心臓の鼓動のような衝撃がはしる!

それと同時に突然強大な魔力の波動が現れる。

『なのは!』

すぐさま俺はなのはに念話を送る。

『うん!』

彼女も意図を理解しうなずきを返す。

「ちょっと汗かいちゃったな」

この場を放れるために俺は自然な動作で浴衣の胸元を掴みパタパタと扇ぐ、

「ハゥッ!」

「ッ!!」

「あぅ~」

「はにゃ!!」

何故かその動作に反応する女性陣。

「どしたの?」

「な なんでもないわよ!」

「まぁ いいや 汗かいたんで少し散歩して来ますね」

そう言って部屋が出てジュエルシードの反応があった場所へと移動する。

「なのはも行くの!」

そしてすぐさま着いて来るなのは。

「あっ! ずるいわよ!」

なのはの行動に怒るアリサを無視して走るなのは。


「さ~て フェイトはどこかな~?」

俺は魔力の波長を頼りにフェイトを探す。

「見つけた!」

俺達はすぐさまフェイトのいる場所へと急行し、

「なのは 紅い髪の方は俺が相手をするからなのはは彼女を」

すぐさま俺はなのはに指示を出す、

「ありがとうなの!」

「あら~子供は良い子にしてなさいって言わなかったかい?」

そう言って襲い掛かるアルフ。

「悪いがお前の相手は俺だ」

間髪いれずに彼女の前に俺が立ち塞がりアルフの相手をする。

「フェイトちゃん! 私はユーノ君のお手伝いでジュエルシードを集めてるの!」

フェイトと激しい攻防を繰り広げながらも問い掛けるなのは、

「…………」

その問いかけに応える事なく沈黙を貫くフェイト。

「教えて! フェイトちゃんがジュエルシードを集める目的を!」

「私は……」

何かを話そうとする彼女だが、

「フェイト! こんな甘やかされてそだってきた奴らに喋る事なんてなにもないよ!」

怒りを露にしそれを遮るアルフ。

「フェイトちゃん!」

なおも呼び掛けるなのはだが、

「…………」

フェイトはただ無言でなのはの首筋に杖を突き付ける。

「もう私達に関わらないで……」

そう言って飛び去るフェイト達。

「待って!」

尚も呼び掛けるなのは。

「なのは……」

「また負けちゃった……」

負けた事に対してなのかそれとも自分の呼び掛けに応えてくれない彼女に対してかはわからないが涙ぐむなのは。

「まだまだ機会はあるさ」

そんな彼女を励ますために俺は声をかける。

今の俺にできる事がまだこれだけしかないのならこうしよう。

そう……まだね……。

「うん……」

「さぁ~て 帰ってもう一回風呂に入りますか」

やはり山の中だけあってすこしばかり肌寒いから身体が冷えてしまったからね。

「なのはも入るの!」

俺達は再び風呂に入り、

「いい月だね~」

俺が露天風呂で月を見ながら温泉を楽しんでいると、

「そうだね~」

何故かなのはがいました。

「なんでいるの?」

てかいつの間に? 俺気づかなかったんだけど?

「だってここ混浴だよ」

そんな俺をよそに至極真っ当な意見を言う彼女。

「そうでした……」

「ねぇ……零お兄ちゃん……」

「ん?」

「フェイトちゃんはなんでジュエルシードを集めてるんだろ」

「………」

フェイトの目的を知っていても伝えられないってきついな~。

「フェイトちゃん……悲しい瞳をしてたの……」

「なのは は優しいね……そんなにも人の事を心配できるんだから」

本当に優しい子だね……。

「そうなの?」

「あぁ」

ー接ー

なのはが俺の肩に寄り掛かる。

「今だけ……お願いなの……」

「肩ぐらい何時でも貸してあげるよ」

「うん……」

少しばかりの優雅な時間を味わってから部屋へと戻ると、

「遅いわよ!」

部屋の戸を開けたと同時に怒号一閃!

「心配したんですよ」

二人に怒られました。

「ゴメンゴメンお風呂に入りなおしてたら遅くなっちゃったんだ」

「なのはちゃんも一緒に入ったの?」

「なんでわかったの!?」


「だって少し石鹸の匂いがするもの」

普通の人よりも身体能力が高いが故に嗅覚も鋭いせいかすぐに見破られたなのは。

「もしかして零と一緒になんか入ってないわよね……」

ジト目で睨むアリサ。

「にゃははは……」

渇いた笑いでごまかすなのは。

「ずるいわよ!」

再びガオーッ!と吠えるチビ虎アリサ。

「まぁまぁ」

「なのはちゃんだけ狡いです……」

ジト~と二人を睨むすずか。

「とりあえず明日も早いから寝ようか」

何とか話題を反らす事に成功する。

「そうね」

「そうですね」

敷かれた布団に入り、

「それじゃあ おやすみ」

「おやすみ!」

「おやすみなさい」

「おやすみなさいなの!」


ちなみに零となのはがアリサ達に怒られていた時、露天風呂では、

「これが零の言っていた温泉……」

「きもちい~ね~ ふぇいと~」

「そうだね~」

なんだかんだとちゃっかりと温泉に入ってたりする二人。


翌朝 朝起きて広間に行くと、

「…………」

何故かカラカラに干からびた全てを絞り尽くされたかのような恭也と、

「うふふ……」

それとは正反対に何故かツヤツヤしている忍。

「いやぁ 昨日は久しぶりに頑張ったなぁ」

「もしかするとなのはに弟か妹ができるかもね」

朝から桃色トークをかます高町夫妻。

だからそういうのは子供達のいないところでしてください!

「………」

そんな高町夫妻を羨ましそうに見ている千歳。

そんな目で見られても身体が成長しきってないから俺まだできないからね……。

その後は辺りを観光してから帰宅する事になった、

「今回はありがとうございました」


「お世話になりました」

俺と千歳はお世話になった高町夫妻に礼を言う。

「いや こちらこそ なかなか楽しかったよ」

「また機会があったら一緒に行きましょうね」

笑顔でまた誘ってくれる高町夫妻。

うん、良い人達だ。

「はい」

「ありがとうございます」

俺達は再び礼を言い、

「それでは」

「お疲れ様でした」

そう言って俺達は帰路につく。


「次は次元震か……」

とりあえずなのは管理局入局フラグは叩き折らせてもらうとしますか。

なのはの撃墜イベントを防ぐための布石としてもね……。

真っ黒クロ助をどうしようかな……。

どうせ戦闘の途中で介入してくるだろうしなぁ~。

それに……、

「あの砂糖の化身をどうにかしないとなぁ~」

正直あの雌狐は苦手だよ。

「?」


やれやれ……やる事は多いな。

まぁ……俺は思うがままに動かせてもらうとしようか……。

たとえ『原作から完全に物語が乖離』(オリジン・ブレイク)しようともな……。 
 

 
後書き
今回もかなり遅くなってしまってすいません。

仕事と学校の課題で時間を取られてしまい遅くなってしまいました。

どうかこんな駄作者ですがこれからも暖かな目で見守っていただけると嬉しいです。

作者は感想やアドバイスをいただけるとやる気が上がります!

 

 

『次元震』

 
前書き
またまた遅くなってしまってすいません。

今回は短めになりました。 

 
深夜のオフィス街。

それは人々が眠り建物から光が消える時間。

しかし今は世界の色が変わり文字通り人の存在せぬ空間と成り果てた世界には存在せぬはずの存在があった。

空間結界により隔離された無人の空間の空でぶつかり合う二つの閃光。

「やぁぁぁ!!」

無数の魔法弾でフェイトを狙い撃つなのは。

「ハァァァッ!」

迫り来る魔法弾をかわしつつ近くへと来たものはその手に持つ大鎌で切り裂き、なのはへと高速で迫るフェイト。

二人はお互いに譲らぬ激しい攻防を繰り広げる。

そして俺は……いつもどおり手を出さず傍観していたのだが、

「アルフか……」

人の姿で近づいて来る彼女の名を呼ぶ。

「アンタは戦わないのかい?」

彼女は問う。

「俺か?」

「女の子に戦わせといて一応男のアンタが戦わないのどうなのさ?」

オイ! 一応とか言うなよ!

俺は立派な男だ!

「う~ん 俺は戦ってもいいんだがなのははフェイトに話したい事があるみたいだしそれに俺が干渉するのもな~」

それは子供の喧嘩に大人がしゃしゃり出るようなものだ。

「ならあたしの相手でもしてもらうよ!!」

そう言って殴り掛かってくるアルフ。

「やれやれ俺はあまり戦いたくないんだけどなぁ~」

迫り来るアルフの拳を捌く、

彼女の戦い方は曲がった事が嫌いな性分なせいか良く言えば真っ直ぐだが、悪く言うとテレフォンパンチと言えよう。

確かに攻撃力は高いがフェイントなどの虚を使う事も無い拳の軌道は格闘の心得のある者ならば容易く読めるだろう。

「ちぃ! ちょこまかと!」

「『天崩流』!」

受けに徹していた事に苛立った彼女の背後に回り込み強力な体当たりをかましアルフを吹き飛ばす。

「グァッ!」

「まだやる?」

「当たり前だろ!」

再び殴り掛かって来るアルフの拳を右手で受け止めると同時に、

瞬時に身体を回り込ませ、

ー掴ー

その際の隙を逃す事なく瞬時に腕を掴み、

「そぉい!」

わざと怪我をしない程度に力を抑えて投げる!

「なぁー!?」

「どうよ」

「チィッ!」

アルフは投げられながらも空中でバランスをとり、

「喰らいな!」

複数の魔法弾を放つが、

「『発』!」

ー爆ー

魔法弾が当たる寸前に身体から闘気を爆発させてその衝撃で魔法弾を全て吹き飛ばす。

「なぁっ!?」

あまりにも予想外な方法で魔法を防がれた事に驚き行動を止めるアルフ。

当然の事ながらその瞬間を逃す事なく呪文詠唱を終え、

「喰らえ!『ピコハン』!」

零が呪文を唱えた次の瞬間、

「え?」

彼女の頭上に突如巨大な赤いハンマーのようなものが現れ、

それはアルフへと迫り、

「なぁぁぁぁっ!?」

頭部に命中した瞬間に発生したピコン♪という愉快な音ともに地面に倒れ伏すアルフ。

「ふぃ~とりあえずこっちは終わったからなのはの方は……」

俺はなのはの魔力の波動を頼りに探りなのは達を見つけてからいつもどおり傍観するが、

「「ジュエルシード封印!!」」

二人のデバイスからほぼ同時に放たれた封印の光がジュエルシードにぶつかり、

「キャアッ!?」

「あぅ!?」

強力な反発を起こしその際に起きた衝撃に弾かれる二人。

ー暴・走ー

そして二人の強力な魔力によって暴走を始めたジュエルシードから膨大なエネルギーが生まれ空間を震わせる。

「マズイッ! このままじゃ次元震が起こってしまう!!」

あれ? 今更だけどユーノいたんだ……。

「次元震?」

聞いた事の無い単語に首を傾げるなのは。

「簡単に言えば空間に発生した地震みたいなものさ」

そんな彼女にも分かりやすいように手短だが説明をする。

「このまま放っておけば何が起こるかわからない!」


「あっ! フェイトちゃん!?」

いち早くフェイトが暴走したジュエルシードに向かって飛んで行き、

「ダメだよフェイト!?」

素手で暴走するジュエルシードを掴もうとするが、

そんな無茶な行動を許すわけなどなく。

「『ノリ・メ・タンゲレ(私に触れぬ)』!!」

「ッ!?」

すんでのところで俺が創造したマグダラの聖骸布で拘束し、

「フハハハ! 美少女をフィーーーッシュ!!」

どこぞの紅い英雄のような台詞を言いながらフェイトを釣り上げ、

「アンド キャッチ!」

両腕で抱き留める。

因みにこの宝具は男性に対しては最悪とも言えるほどの効果を発揮するが女性に対しては少し頑丈な布程度なので怪我をさせる事も無かったのだ。

「ふぇっ!?」

抱きしめたフェイトを地面に下ろし、

「こんのバカチン! あんなん素手で触ったらケガだけじゃすまんぞ!!」

困惑する彼女をよそに説教をかます、

「で でも!」

「デモもテロもない! 女の子が身体に傷をつけちゃダメだろうが!」

あまり真剣に怒られた事が無いのか俺の説教で縮こまるフェイト。

「あぅ~」

「とりあえずアレは俺か封印するから黙ってみてろよ!」

「えッ!?」

「ちょっとまちなよアンタ! さっきならまだしも今みたいな膨大なエネルギーをどうやるのさ!?」


「こうするのさ!」

俺は一本の剣を創造する、
それは……優しき少女が世界の平和のために生み出した力、

そして世界最高の鍛冶屋の鍛えた剣に嵌め込む事によって十の姿を持つ聖剣へと変える剣の内の一つの姿。

「封印の剣『ルーンセイブ』!」

創った剣を手に装備し、

ー翔ー

「ハァァァッ!!」

暴走し膨大なエネルギーが荒れ狂う中へと飛び込み、

「ハァッ!」

襲い掛かるエネルギーの嵐を切り裂きながら、

その台風の目とも呼べる中心にあるジュエルシードへと迫り、

ー刺・封・印ー

「封印!」

ジュエルシードに剣を突き刺す。

剣が突き刺さった次の瞬間先程までの暴走がうそのように収まり、あたりは静かになる。


「えっ!?」

「ウソッ!?」

「暴走が収まった!?」

「ありえない!?」

目の前で起こった出来事に驚くなのは達。


「さて……」

俺は力を封印されただの宝石となったジュエルシードを手にとり、

「今回のジュエルシードは俺が預かるがいいか?」

今回は俺がこの危険物を預かる事を提案する。

「うん! 零お兄ちゃんなら安心なの!」

「わかりました」

素直に納得してくれる二人と、

「しょうがないねぇ~」

「わかりました」

渋々ながらも自分達の手に終えない事を自覚して了解の意を示す二人。

とりあえずなのは達を納得させてからジュエルシードを『王の財宝』の中に仕舞い、

「今日はもう遅いから帰るぞ」

「わかったの!」

「はい」

俺はなのはを家へと送り届けてから家へと帰ると、

「ってまたかい」

フェイト達が千歳の用意したおにぎりなどの夜食を食べていた、

「おかえりなさい」

「おかえりなさいませ零様」

帰った俺に声をかける二人。

「あぁ ただいま」

「零様もお夜食はいかがですか?」

「あぁ もらうよ」

おにぎりを食べながら管理局への対策を考えるが、

「次でたしかあの真っ黒クロ助が登場したっけな」


まぁ あくまでこのまま原作通り進めばの話だけどね。

とりあえずあの真っ黒クロ助にわざと攻撃させてこっちに有利な状況をつくらせてどうにかするか。

「どうせ今回の件であのアホ共にバレただろうしなぁ~」

ムカつくから絶対にあのKYに月詠と魔力消失の呪いをかけてやる。

「まぁ やるだけやりますか」

とりあえずなのは入局フラグは叩き折らせてもらうとしますか。




ちなみにその頃のなのはというと、

「くちゅん!」

うぅ~ いきなりくしゃみが出たの。

「誰かなのはの事 噂でもしてるのかな?」

「どうしたのなのは?」

なのはに話し掛けるユーノ、

「なんでもないよユーノ君」

なんでもないと答える彼女。

「そう?」

「うん それじゃあ おやすみユーノ君」

「おやすみ」

自分の噂に反応しつつも静かに寝入っていった。 
 

 
後書き
今回も遅くなってしまってすいません。

また仕事と学校の課題で時間を取られてしまい遅くなってしまいました。

こんな駄作者ですがこれからも暖かな目で見守っていただけると嬉しいです。

あとよろしければ感想やアドバイスをお願い致します。

 

 

『管理局との邂逅』

 
前書き
かなり遅くなってしまってすいません!

今回も長くなりました。 

 
前回の次元震から数日が経ち、

「さて……どうしたものかねぇ~」

俺はと言うと、

おそらく近日中に起こるであろう時空管理局との邂逅に頭を悩ませる。

「零 どうしたの?」

そんな俺を心配し声をかけるフェイト。

こうしてると普通の優しい子なんだけどね~。

「う~ん この前の次元震は覚えてるか?」

俺の問い掛けに、

「うん」

コクりと頷くフェイト。

「あの規模の次元震なら多分……いや確実にヤツらに知られたと思ってな」

流石にあの規模の次元震ならレーダーとかの機械に引っ掛かるだろうな。

「ヤツら?」

聞き返すフェイトに対して、

「時空管理局だ」

俺は告げる。

原作でも次元震が観測されてたからほぼ確実に来るだろうな、

あの砂糖の化身が……。

「えっ! 零は時空管理局の存在を知っているの!?」

俺の言葉に驚きを見せるフェイト。

「あぁ 以前ちょっとした事件で知ってな」

まさかあんな形で関与しているなんて夢にも思わなかったがな……。

あの事件は歪みなのかな?

もちろんあの事件はしっかり嘘偽りなく記録して保存しているがな。

交渉や脅しに使えそうだし。

「そうなんだ……」

なにやら神妙な顔をするフェイト。

「とりあえずフェイト」

「なに?」

「出来る限り早く君のお母さんに会わせてくれないか?」

とりあえずプレシアの事を気付かれる前に終わらせたいんだよね。

まぁ 無理なら無理で方法はあるから別に大丈夫だとは思うんだけど、

やっぱり保険は欲しいしね……。

「うん……」

「管理局が来たら確実に犯罪者扱いだからな……」

自分で管理外世界とかほざいといて何を言ってんだかね~。

危険物を一ヶ所に集める方が恐いのに、

場合によってはロストロギアを武力で奪っていく時もあるようだし……これじゃどっちが悪なんだかわかったもんじゃないな……。

「わかりました」

不安げな表情で顔を曇らせながらも了承の意を示すフェイト。

「よし」

これでプレシアと逢う事が出来るな。

次はなのはか……、

「士郎さん達に話すべきなのかなぁ~」

もう 誤魔化すのは無理だろうし。

どちらにしろなのはをヤツらに取り込まれるのは防ぐのはかわらんしな。

未来で起こる可能性が高い『あの事件』も防ぎたいしね……。

「まぁいい……」

勝負は今日の夜だ。

「まぁ とりあえずそろそろ時間だしなのはに会いに行くか」

なんか相談したい事があるって言ってたし。

まぁ 一応ある程度予測はつくんだけどね。

「あの子に会いに行くの?」

フェイトが若干寂しそうな顔をしながら俺に聞く、

最初に逢った時よりも表情が豊かになってきたな。

俺としては好ましい事だ。

フェイトやなのはのような美少女達にはやっぱり笑っている顔が一番だね。

「あぁ 約束があるからな」


「そう……」

「そんな顔するな心配しなくても近い内に全部が終わるさ」

あぁ……そうさ……この悲しい物語を絶対にハッピーエンドにしてやるさ!

たとえ世界の抑止力が邪魔をしようともな!

「うん……」

「さてと……俺は行くとしますか……あぁ それと冷蔵庫の中のプリンは食べていいよ」

「本当!?」

先程の寂しそうな顔から笑顔に変わるフェイト、

なんかこの子最近よく食べてるよな?

まぁ 少食で冷凍食品オンリーよかはまだ良いよね?

冷凍食品ってあんまり食べ過ぎると太るし身体にも良くないしな~(まだ日本製なのが救いではあるが)

もちろん太らないようにカロリー計算や栄養配分はしてますよ。

「うん それじゃあ」

「行ってらっしゃい」

フェイトに見送られながら俺はなのはとの待ち合わせ場所へと行くと、

「いい加減にしなさいよ!!」

何故かアリサがいきなり怒鳴っていました。

「え!? いきなり何!?」

俺が驚いていると、

「あっ……零さん」

すずかが俺に気付き近寄って来る。

「やぁ すずかちゃん一体何があったの?」

「実は……その……」

俺はすずかから今日学校で起きた出来事と何故アリサが怒鳴っているのか説明を受ける。

「なるほどね……」

「えと……その……」

もじもじとしながらではあるが何をしてほしいのかがすぐわかり、

「とりあえず二人を止めて来るよ」

俺は二人を止めるべく行動を起こす事にした。


「お願いします」

すずかは申し訳なさそうな顔をしながらも零に二人の事を頼む。

そして俺は二人の所へと向かい、

「だいたいなのははね!」

「ハイハイ そこまでにしようか二人とも」

二人の間に割って入り、

そして二人は突然の俺の介入に……

「零!?」

「お兄ちゃん?」

突然の事に驚く二人。

「何があったからはすずかちゃんから聞いたから大体はわかっているよ」

零がそういうと、

「大体なのはが悪いのよ!!」

声を荒げながら怒鳴るアリサ。

「…………」

ただじっと口をつぐみ押し黙るなのは、

「まぁまぁ なのはが黙っているのも確かに悪いけどアリサちゃんだって人に言えない悩みだってあるだろう?」

俺はそんなアリサを宥めながらも諭すように言葉を紡ぐ。

「うぅ~ 確かにそれはそうだけど……」

納得はしているものの若干バツが悪そうな表情をしながら言うアリサ。

まぁ 頭で納得はしても心まではそう簡単にはいかないのはある意味当然なんだろうね。

人の心は難しいから。

「アリサちゃんはなのはが心配だから聞きたいんだろうけど、なのは は なのはで余計な心配をさせたくないから何も言えなかったんだろ?」

この子も優しい子ではあるんだけどいかんせん気が強いのが少しネックなんだよね。

俺の問い掛けに、

「うん……」

「そうよ……」


コクリと頷く二人。

「まぁ アリサちゃんには悪いけど今回はなのはが自分でどうしたいのかどうするのかを決める必要があるからアリサちゃんには話せなかったんだよ」

「零も関係してるの?」

アリサが俺に問い掛ける。

「まぁね」

俺はそれを肯定する。

「そう……」

「詳しくは言えないんだけどね今なのははある女の子と友達になりたいんだ」

俺は所々をごまかしながらアリサに説明する。

「女の子?」

「とても複雑で重い問題を抱えた女の子でね」

自身の存在も今の在り方も不安定で一歩間違えれば闇へ堕ちてしまっても不思議ではない……、

お節介かもしれないがやはり光射す場所で彼女は生きるべきだ。

「…………」

「どうしてもお互いにすれ違ってしまって傷つけ合ってしまったり、上手く話せなくてどうすればいいのかがわからなくなっているんだよ」

まぁ 単純にフェイトが人とのつきあい方を知らないだけなんだけどね。

「そうなの? なのは?」

「うん……」

アリサの問い掛けにコクリと小さく頷くなのは。

「だから今回のように不安になっているんだ」

「そう……」

「ごめんねアリサちゃん……」

若干涙を浮かせながらアリサに謝るなのは。

「べつにいいわよ……アンタがなんでそんなに悩んでいるかがわかったから……でもね……」

「え?」

「アタシ達は友達でしょ? アタシはね! アンタが何も話さないから怒っているわけじゃないのよ!」

「ッ!?」

「アンタがなんでもかんでも一人で抱え込もうとするから怒ってんのよ!!」

「確かにね……」

原作でもそうだったけど幼少時の一人で過ごさなければならない時間があったせいか、人の悩みなどは聞いても自分の事はなんでもかんでも一人でしょい込もうとする癖が目立つよな。

桃子さん達も翠屋の営業で忙しかったせいでなのはにかまってやる時間がほとんどなかったのも一つの原因ではあるが、

その時の自分は良い子でなければならないという半場強迫観念にすら近いものが幼い精神を苦しめていた事により今でも影響が出てしまっているのは困りものだ。

「前も言ったよな一人で抱え込む必要はないって」

俺が言えた義理ではないが……できるならこの子の重荷を減らしてやりたい。

「…………」

ただ黙るなのは。

「それは確かになのはの悪い癖だよ」

「そうよ!」

「俺にとってもアリサちゃん達にとってもなのはは大切な存在なんだよ、だから頼ってほしいんだ」

俺は諭すようになのはの頭を優しく撫でながら言う。

「だからね、なんでもかんでも一人で抱え込まず苦しいなら頼っていいんだよ」

そんな俺の言葉に、

「ごめん……なさい……」

小さく絞り出すかのようにポツリポツリと言葉を出し、

倒れ込むように零の胸抱きつき顔をうずめながら謝るなのは。

「ハハ……なのはは相変わらず泣き虫だな……」

出会った当初からそこだけはあんまり変わらないな。

「あぅ~」

恥ずかしそうに顔を赤らめながらも零から離れようとはしないなのは。

「まぁ なにはともあれ近い内に全部終わらせようか」

そう……悲劇をハッピーエンドに変えてね。

自分勝手な考えではあるがあの家族は救われるべきだと思っている。

どんな方法であろうともね。

「うん……」

「ちょっとちょっとなのは! なに良い雰囲気になってんのよ!?」

若干シリアスな場面であったのだがそこにアリサが入り場の雰囲気が変わる。

「にゃっ!?」

「アハハ」

「まぁ いいわ 深くは聞かないであげるわよ……」

「ありがとうなの アリサちゃん」

礼を言うなのは。

「そ・の・か・わ・り」

声を荒げながら凄い剣幕で迫るアリサ。

「全部が終わったらアタシ達にもちゃんと紹介しなさいよ」

アリサの一言に、

「わかったの!」

力強く頷くなのは。

「これにて一見落着かな?」

とりあえずこの場が落ち着いたのですずかちゃんを呼ぶとしますか。

俺はすずかちゃんのいる場所へと歩きケンカが終わった事を伝える。

「そうですか」

「まぁ 終わり良ければ全て良しってね」

「フフ そうですね」

俺の言葉に笑いながら相槌を打つすずか。

「まぁ とりあえず近い内に終わるからその時にね」

「わかったわよ……」


その後俺となのははアリサ達と別れてなのはの家に行き、

なのはの部屋にいるユーノを交えて今後の事について話し合う。

「まぁ 今までとやる事は変わりないんだけどね」

「そうですね」

「フェイトちゃんとちゃんとお話したいの……」

その後色々と今後の事を話し合うなか、

「今夜あたりがヤマなのかもな」

俺はボソりと呟く。

「お兄ちゃん?」

そんな俺をなのはが不思議そうに見る。

「なぁ なのは……」

「なぁに?」

「実はな、近い内に士郎さん達に魔法の事を話そうかなと思っているんだ」

流石に隠し続けるのも限界があるし。

何よりもあの人達異様にカンが良いというか……なんというか。

「え?」

「なのはは気付いていないかもしれないがお前が真夜中に抜け出しているのはバレてるぞ」

「本当なの!?」

「何回か聞かれた事もあるしな」

「そうなの?」

「あぁ 上手くごまかしてはいるがバレるのも時間の問題だろうな」

なんとかごまかしてはいるけどなんとなく気づいているのは間違い無いだろうな。

「…………」

「まぁ……その時は俺もちゃんと説明するから心配するな」

「うん!」

「とりあえず今夜も騒がしくなりそうだな」


そして時間は夜へと飛ぶ。

真夜中の海鳴臨海公園にて、

「チィ! 生意気にバリアーなんて張るのかい!?」

アルフは舌打ちをしながら声を荒げて悪態をつき。

「クッ!」

フェイトは応戦しつつも苦し気な声を出す。

結界の張られた空間にてジュエルシードを宿した木の化け物と戦っているフェイト達の姿があった。

「フェイト! 危ない!!」

ー襲ー

フェイトに突然木の枝が襲い掛かる。

「キャッ!!」

突然の予期せぬ奇襲によりフェイトに衝撃が……、

ー斬ー

「間一髪ってやつかな?」

伝わる事はなく突如現れた零の持つ双剣によって枝は全て切り裂かれていた。

「アンタ……」

アルフが何かを言おうとするが、

「話しは後だ……」

俺はすぐさま紅い槍を創り、

槍を振るい迫り来る枝や砂利などを払い落とす。

「とりあえず あの うっとうしいバリアーは俺が壊すからお前達はそのあとアレを仕留めろ」

零が二人に指示をだすが、

「う~ん アレ相手じゃアタシは火力不足だね」

アルフが困ったように言ったその時!

「お兄ちゃん速いの~!」

タイミングよくなのはが現れる。

「よし! とりあえずアレは俺が抑えるからお前達でトドメを頼む!」

俺の指示に一瞬お互いの顔を見る二人だが、

「はいなの!」

「うん」

素直に従う二人、

うん 素直でよろしい。

「『破魔の紅薔薇』(ゲイジャルグ)!!」

俺は構えた槍の真名を解放し、

ー投ー

「突き破れ!」

渾身の力で投擲する。

投擲されたソレは敵の張る硬いバリアを、

ー粉砕ー

パリンッ! という薄いガラスでも割るような音をたてていともたやすく貫く。

「ウソだろ!? あんな硬いバリアを簡単に貫いた!?」

驚くアルフを無視し、

「今だ! アイツを撃ち抜け!!」

俺はなのはとフェイトに指示を出す。

ー砲撃ー

「『ディバインバスター』!!」

「『サンダースマッシャー』!!」

桜色の砲撃と黄金の雷が木の化け物に命中し撃ち抜く。

撃ち抜かれた化け物からジュエルシードが現れる。

俺はジュエルシードを持ち、

「さて……ある意味恒例のジュエルシードを賭けた戦いをだが今回は俺が預かっておいてもいいか?」

二人に聞く。

「わかったの」

「今回は零とその子のおかげで倒せたからいいよ」

そう言って二人が納得しかけたその時突如水色の魔法陣が現れる。

出やがったよ、

そう……、

「ストップだ! ココでの戦闘は危険過ぎる」

どこからか突如現れた黒い装備に身を包んだ真っ黒クロ助が現れた。

いや……空気読めよ……、

今戦闘終わって無事に終了するとこだったのに混ぜっ返すなよ!

「僕は時空管理局執務官 クロノ・ハラオウンだ! 詳しい話しを聞かせてもらう!」


叫ぶKYを無視し俺は右目に機械で出来た片眼鏡のような物を着け。

「十万、二十万……まだ上がるだと!?」

とある数値を計る、

それは……

「う 嘘だろ!? 五十三万KYだと!?」

突如片眼鏡から煙りが噴き出し始め、

ー破砕ー

パァンッ!っと片眼鏡が小さく爆発する。

「KYスカウターがぶっ壊れるなんて……」

マジかよ?

コイツどんだけKYなんだよ!?

違う意味で驚く俺をよそに、

「管理局だって!? 撤退するよフェイト!!」

「うん!」

慌てて撤退しようとするフェイト達。

「逃がすか!!」

しかしKYは青い魔法弾をフェイト達に放つ、

青い魔法弾はそれなりの威力のようでおそらくは非殺傷設定にされてはいるであろうがこのまま当たれば怪我をする可能性が高いだろう。

「フェイトちゃん!?」

なのははフェイトの名を呼びその身を案じ。

魔法弾はフェイトに迫るが、

ー砕ー

「危ないな~」

フェイトに迫る魔法弾を俺が放った魔法弾で相殺する。

「アンタ……」

「今のうちに速く撤退しろ」

俺は二人に撤退するように言う。

「ありがとう……」

頭を軽く下げてから撤退する二人。

「貴様!!」

いきなり怒鳴るクロ助。

「なにか?」

「貴様が行ったのは公務執行妨害だ!!」

「ほぅ? 公務執行妨害ねぇ おかしな話しだ、この地球において管理局などという組織は存在しないのだが? そんな組織に公務執行妨害などあるはずがあるまい」

実際問題この世界が『管理外世界』である以上は罪に問われる事は『管理局』という存在この世界が認知されない限りは無いだろう。

というかむしろこいつらの方が犯罪者じゃないのか?

管理外世界とはいえ勝手に侵入して管理世界の管理局がかってに定めた法律を振りかざすのは不味いんじゃないのか?

「ふざけるな! 魔法を使っていて管理局の存在を知らないわけなどあるはずがないだろ!?」

頭に血が上がったのか声を荒げながら言う。

「憶測で物事は語らない方がいいぞ乱入者君」

魔法を使えるからって誰もが知っているわけではないと思うぞ。

それにそれぞれの世界で独自発展をとげた魔法などがあるはずだしね。

「なっ!?」

自分の中の常識が正しいとでも思ってんのかこのクロ助は?

「なんなら公共の場で公務執行妨害だと言い張るか? 放送関連に伝があるから紹介してやろうか?」

わざと嘲るように挑発していると、

俺に向かって剣の形をした魔法弾が飛んで来る、

俺は軽く横にズレてかわす。

「おやおや 言葉で勝てないからといって暴力で答えるとはねぇ、管理局っていうのは随分と物騒な組織なんだな」

経緯はどうあれ仮にも執務官であるコイツから先に攻撃を仕掛けても問題はないのか?

まぁ そうなるように誘導した俺が言えた義理ではないがな。

「これ以上話していても時間の無駄だ貴様を逮捕する」


逮捕ってのは正当な理由がなければ無理だろうが、

だがまぁ。

「フフ この時を待っていたんだよ」

俺は近くで待機している千歳に念話を飛ばす、

恐らく今の俺の顔は某夜神さん家の月君並みに黒い笑顔をしているんだろうな。

正に『計画通り』ってな。

『しっかり記録しているな?』

『もちろんです』

『なら引き続き記録を頼む』

『了解しました』

こちらから先に手を出せば負けだがアチラから先に手を出したなら後々脅しにも使えるしな。

「遊んでやるよ三下」

「ほざけ!」

いくつもの魔法弾を撃ってくるクロ助だが、

「遅い遅い」

俺は双剣を創り、

迫り来る魔法弾を全て切り裂く。

「これが執務官とやらの実力か? 正直がっかりだよ」

俺は心底がっかりしているように大袈裟にジェスチャーを交えながらなお挑発を続ける。

「これなら!『スティンガーブレイドエクスキューションシフト』!!」

無数の魔法剣を造り零に向かって放つクロノだが、

「無駄! 無駄! 無駄ァ!!」

俺は異形の能力である『ザ・ワールド』を出現させ自分に向かって来る魔法剣を全て弾く。

「なぁ!?」

自分の大技を防がれ驚愕するクロノ。

「どうした? それが全力か?」

それをさらに挑発する零。

「ぬかせぇ!!」

怒りをあらわにしたクロノは、再び無数の魔法剣を造り、

「『スティンガーブレイドエクスキューションシフト』!!」

射出されるが……

「狙いがあま……なっ!?」

怒りのあまり狙いの甘くなった数本の魔法剣が目標である零から逸れ、

「えっ!? キャア!?」

なのはのいる場所へと迫る。

「間に合え!」

俺は瞬時になのはのいる場所へテレポートし、

「砕け散れ!」

『支配者』の力を宿した右腕を前に出し迫る魔法剣を全て砕く。

パリンッ! というガラス砕けたかのような音をたてて砕けた魔法剣が地面に落ちた瞬間塵のように消える。

「キサマ……」

俺は明確な殺意を孕んだ視線をクロノに向かって飛ばす。

「俺はともかく無抵抗のなのはに傷をつけようとした以上タダで済むと思うなよ……」

「犯罪者達に僕は義務を行使しただけだ!」

明確な殺意を孕んだ視線を受け若干震えながらも言うクロノ。

いい度胸してんな、

「徹底的に叩き潰すか……」

「なにを言っt」

クロノが何かを言う前に俺は瞬動で近付き、

「オラァッ!」

腕力にものを言わせてバリアジャッケットの防御力を抜いてクロノを殴り飛ばし空中に浮かせ、

「グボァッ!」

「『我に触れぬ(ノリ・メ・タンゲレ)』!!」

マグダラの聖骸布で縛り上げ能力を封じ、

「な! なんだコレは!? 魔法が使えない!」

魔法が使えない事に混乱するクロノを無視し、

俺の眼は普段の紅い瞳から三つの勾玉が組合わさったのような『巴』の形をした眼の『写輪眼』へと変貌し、

そこから更に六亡星の形へと変異し、

「『月詠』」

この眼の時にのみ使用できる瞳術『万華鏡写輪眼』でクロノの精神を幻術空間へと引きずり込み、

「ココはどこだ!?」

朝と昼と夜の空の色が混じり合ったような色の空間に十字架に張り付けにされたクロノが叫ぶ。

「ようこそ我すばらしき幻術空間へ」

「なんなんだこの異様な空間は!?」

「なぁに……たいしたことはない……ただの幻術さ……」

「コレが幻術だと!?」

「ただし……」

突如一本の剣が現れ、

ー刺ー

「グアァァァッ!!」

クロノの腹に突き刺さる。

「痛みなどの感覚はしっかりあるがな」

零がそう言った次の瞬間、

ー現ー

「どこから……そんな……大量の剣を!?」

いつの間にか零の背後には無数の剣群が並んでいた。

「これから24時間の間この剣群に刺し貫かれるがいい」

三日月のように大きく歪んだ笑みで言い放った次の瞬間、

いくつもの剣によって身体を貫かれ続けるクロノ。

「ギャアアアアアッ!!」


現実世界での数秒後では、

何故かクロノは尻を高く上げピクピクと痙攣させながら気を失っていた。

何があったかは語るまい。

そんなクロノに俺は、

「己の不運を嘆くがいい」

某響きあう世界の英雄のキメゼリフをはく。

「あの……零お兄ちゃん?」

「なのは? ケガはないか? どこも痛くないか?」

心配そうになのはに異常が無いかを聞く零。

「大丈夫なの……それより……その子はどうしたの?」

いまだに尻を上げながらぶつぶつと「青いツナギ」がどうとかと呟いているクロノを見てどうなっているのかを聞くなのは。

「さぁ? 悪い『悪夢(ユメ)』でもみてるんじゃないの?」

俺の言葉を不思議そうに首を傾げるなのはをよそに、

「さぁて……いい加減に高みの見物をやめて 出て来たらどうなんだ?」

零がそういった次の瞬間、

ー投影ー

突如空に大きなスクリーンのような物が出現し、

『何故監視している事がわかったのかしら?』

それに映る緑色の髪の女性が質問する。

出たか雌狐が、

俺……この人みたいな計算高い女って苦手なんだよな。

「サーチャーからコチラを見ていた事に気付いていないとでも思ったか?」

まぁ ほとんど『直感』のおかげなんだかな。

『そこまで気付いていたの?』

「これでもかなり勘が鋭いのでね」

『直感A』なら近未来予測に近いからな。

『出来ればクロノ執務官の拘束を外していただきたいのですが……』

「断る! 拘束を外して先程のように襲撃されるの面倒だしな」

『コチラに交戦の意思はありません』

だったら攻撃してきた時にでもクロノを止めればいいだろうが、

まぁ クロノが勝とうが負けようがどちらにせよ俺達の戦力確認という目的は達せられたからある意味アチラの勝ちだとは思うが。

「なら何故先程は攻撃してきたのだ? それともなにか管理局というのは話し合いませず相手をいきなり襲うのが礼儀なのか?」

俺の問いに、

『そ……それは……』

女は言葉に詰まる。

「ましてや偶然とはいえ無抵抗でいたなのはに魔法が向かっても謝りもしないとは管理局とは随分と危ない組織のようだな」

俺はともかく戦闘体制をとっていなかったなのはに危害を加えた時点でアチラに責任はあるはずだ。

『…………』

押し黙る女性。

「そういえばまだソチラの名を聞いていなかったな?」

知ってはいるがここは聞くべきであろうな、

知っているとわかれば面倒事が起きるだろうしな。

『私はリンディ・ハラオウン そこにいる クロノ・ハラオウンの上司であり母親でもあります』

「随分と躾のなっていないようだな?」

『申し訳ありません』

「それは俺ではなく被害者であるなのはに言うべきなのでは?」


『そうですね……なのはさんクロノが迷惑をかけてごめんなさい』

意外な事にすんなり謝るリンディ、てっきりいちゃもんか何かつけられると思っていたんだけどね。

「ふぇ!?」

いきなり謝られた事に混乱するなのは。

『あの……できればコチラで詳しい事情を聞かせていただけませんか?』

「事情を聞くだけか?」

俺は疑いの視線をリンディに向ける。

『もちろんです』

「疑わしいが……まぁ いいだろう……なのはもそれでいいか?」

「う……うん」

「とりあえずはそちらに従うが変な真似をすればどうなるかは覚悟しておけよ」

抜き身の日本刀の如き鋭き視線をリンディに向け釘を刺す。

『わ、わかりました』

そしてリンディに釘を刺した後に、

『千歳 お前は先に戻ってフェイト達の様子を見ておいてくれ』

千歳に念話を飛ばし先に戻るように指示を出す。

『わかりました ところで零様もなのはさん達と一緒に行かれるのですね』

『あぁ さっきの記録したデータはなのはのレイジングハートに転送しておいてくれ俺が必要な時に使うから』

まぁ 牽制として使うつもりだけどね。

『かしこまりました』

念話を切ると同時にこの場から離れる千歳、


しばらくしてから現れた転送ポートのようなものに転送され、

「時空管理局所属艦『アースラ』へようこそ」

リンディから挨拶を受ける。

「とりあえずコレを返すぞ」

俺は肩に担いだクロノを上に放り投げる、

「グホッ!」

放り投げられたクロノは背中から落ち痛みに呻く、

「お兄ちゃん……少しやり過ぎなの……」

なのはに咎められるが、

「俺の逆鱗に触れたこのクロ助が悪いんだよ」

なのはに危害が加わらなければここまでするつもりはなかったんだがな。

まぁ 俺もまだガキだという事だな。

悪びれる様子はなく平然と言う零。

「エイミィ悪いけどクロノをお願いね」

「はい」

エイミィと呼ばれた茶髪の女性がす巻きにされたクロノを引きずって連れて行く。

「ソコの貴方も変身を解いていいわよ」

リンディがそういった次の瞬間、

ユーノの身体が光に包まれ、

「ふぅ……この姿で話すのは久しぶりだね」

フェレットからなのはと同じぐらいの年齢の少年へと姿を変えるユーノ。

「あれ? どうしたの?」

「ユーノ君って人間だったの!?」

予期せぬ突然の事に驚愕するなのは。

「あれ? もしかして初めてだったかな?」

いや……君……ずっとフェレットの状態だっただろ?

「という事は温泉に行った時はユーノは女子風呂に入ったという事か……」

俺が思い出したように言うと、

「えぇっ!? れ、零さん! な、なにを!?」

「ユーノ君のエッチィィィッ!!」

なのはの絶叫が響く。

「な、なのはぁっ!?」

「これからは淫獣ユーノと呼ぼう」

ユーノって二次SSではよく淫獣呼ばわりされとるしな。

まぁ 女の子の部屋で寝泊まりして本人の意思は別にして女湯に入ってりゃある意味当然なのか?

「やめてくださあぁぁぁいっ!!」

腹の底から絞り出したかのようなユーノの絶叫が辺りに響き渡る。

先程のシリアスな雰囲気から急にカオスになる。

「あの……そろそろいいかしら?」

クロノとは違い空気を読んで黙っていたリンディが声をかける。

「ん? あぁ……」

それから艦内を案内されるが艦内クルーの一部が俺達を品定めするかのような眼で見ている事に気づき俺は不快に思う、

なのはもこの視線を感じてはいたがそこまで深くは読めないようで自分たちが注目されている程度の認識しかないようだ。

そんな場所を抜け案内された場所はというと、

「何? この適当にあるもんぶち込んだみたいな部屋は?」

変な所にのれんがぶら下がっていたり、

他にも盆栽などが飾ってあったりなどとかなり適当な配置のされた部屋だった。

「あら? あなた達の住む世界と同じはずなんだけど?」

どこがやねん!

「配置が目茶苦茶だ……」

せめてもうちょい調べてから配置しろよ。

「目茶苦茶なの……」

そんな二人の反応に、

「と、とりあえずお茶はいかが?」

無理矢理話題を変えるリンディ。

そして緑茶を出されたのだが……、

ー砂糖・落下ー

緑茶に角砂糖を数個入れるリンディ。

「「…………」」

その光景をア然として見る二人。

コレが噂のリンディ茶なのかー!?

いや! 緑茶に角砂糖は無いだろ!?

「貴方達はお砂糖は何個?」

「遠慮(する/します)」

「あら? そう?」

まだ抹茶ならわからん事もないが緑茶に砂糖は無いだろ。

たまに麦茶に砂糖入れる人もいるけど俺は無理だな。

「あらいけない、私ったらお茶菓子を忘れていたわ」

まだ糖類を摂るんかい!?

そして出されたのは……、

「最近の私のお気に入りなのよ」

羊羹でした。

よく糖尿病にならんなコイツ。

さすが砂糖の化身。

「とりあえず本題に入らせてもらうぞ」

「わかりました」

「とりあえずはアンタら時空管理局という存在について教えてもらおうか?」

それからリンディは時空管理局がどんな存在かを語るが……、

「………(ほとんど嘘じゃねーか)」

建前や表の活動は評価できるが、

裏で管理局がやっている事の実体を知っている俺からすれば語られる内容は嘘ばかりに思える。

まぁ コレは一部の老害や権力に狂ったアホどものせいではあるのだが……、

「要は世界規模の警察組織のようなものか」

個人的にはあまり納得はできないな。

一つの組織が絶大な権力を持ち強権を振るう……そんなもの納得いくはずもなかろうに。

というか三権分立もなく司法機関が軍事力を持ち政府の発言の低い世界なんて危険極まりないぞ。

「えぇ……簡単に言えばですけど」

「なら、尚更納得がいかないな、説明の中でアンタは俺達の住むこの地球が『管理外世界』だと言ったな?」

「はい」

「『管理外世界』という事はそちらの法律がこの世界に適用されるはずなどなくあのクロノとやらが行使しようとした『逮捕権』や公務失効妨害などは適用されるはずなどないんだがな?」

『管理外』という事はコイツらがこの世界で自由に行動する権利なんて存在しないはずだ。

俺の指摘にわずかに顔色を変えるリンディ。

「その件については不問とします」

何言ってんだコイツ?

「不問? おかしいな先に攻撃してきたのはそちらのハズなんだが? 俺は仕方なく『抵抗』しただけだが?」

「しかし……事実 貴方の攻撃によってクロノ執務官は……」

こちらの過剰防衛を言い訳に自分有利に物事を進めようとするリンディだが、

「レイジングハート……映像を頼む」

『イエス』

俺はレイジングハートに千歳から転送されたデータを映させる。

「動かぬ証拠もあるしな」

どんな状況であれ先に撃った方が負けだしな。

これがまだ俺から攻撃を仕掛けたのであれば話は別だが。

「クッ!」

唇を噛み締めるリンディ。

「さて……ユーノお前からも今回の事について説明するべきじゃないのか?」

「あっ! はい!」

ユーノの口から今回の件について語られる。

「なるほど立派だわ」

関心するリンディ。

「だが無謀でもある」

歩ける程度に回復したクロノが突如現れ呆れる。

回復早えぇなオイ!

アレ喰らったらしばらくは動けないんだがな。

ギャグ補正でも入ったか?

「これよりロストロギア『ジュエルシード』については時空管理局が全権をもちます」

「えっ!?」

リンディの発言に驚くなのは。

「これ以上は君達が関わるべきではないそれぞれの世界に戻って今までと同じ暮らしに戻るんだ」

「でも……」

「次元干渉にかかわる事件だ民間人がこれ以上関わるべきではない」

「まぁ いきなり言われても納得できないでしょうから 今日一晩ゆっくり考えてから後日改めて話し合いましょう」

でたよ俺の嫌いなセリフが!

このセリフってさ……なのはを利用しようとしてるようにしか聞こえないんだよな、

まぁ……それはこれから先に起こる事を知っているからそう思うだけなのかもしれないが、

それはともかく……だいたいなのはのような幼い子供が自分の置かれている立場や自分の行動でどう変化するのかを解るわけがないだろ。

この子まだ9歳だぞ!?

「そうかならば なのは ジュエルシードの事はコイツらにまかせて俺達は帰るとするか」

「お兄ちゃん!?」

俺の発言に驚くなのは。

「えっ!?」

同じように驚くリンディ、

おそらく彼女の頭の中ではすでに俺達が協力する事を前提として作戦を組んでいたのだろう。

まさに取らぬ狸の皮算用といったところだろう。

「それにジュエルシードなんかに関わらなくてもフェイト達には会えるしな」

こうなったら前々から考えていたプランを使うだけだ。

「そうなの?」

「あぁ」

「それならいいの」

意外とあっさり受け入れるなのは。

俺はなのはの手を握り帰ろうとするが、

「待ちなさい!」

リンディが待ったをかける。

「なにか?」

「貴方にはまだ聞きたい事が山程あります、あのクロノを拘束した布やその身体能力について」

俺の能力について問いただそうとするリンディ。

「だが断る!」

いくら俺に大量の能力があるといってもやはりその強さが災いするかもしれない以上は隠しておいた方がいいだろうし、

それに下手したら管理局の連中が来て俺の身体を調べかねんからな、

てか最悪解体されそうで恐いわ。

特にスカさんあたりならやりそうで恐い。

だってあの人マッドだもん!!

「何故!?」

「俺はなのはを利用しようとしたお前を許す気はないぞ! リンディ・ハラオウン!!」

俺の発言に顔を青くするリンディ。

それを理解できないのか首を傾げるクロノ。


「なのはの性格だ……先程のように言えばなのははほぼ間違いなく自ら協力しようとするだろう……」

こんな幼い少女を利用しようとする組織など誰が信用できるか!?

「それに付け込んで協力させようとするような奴に協力する義務も義理もない!」

「それは本当ですか!? 母さん! いや…艦長!?」

「そ、それは……」

さらに顔を青くするリンディ。

「どうせ俺達の魔力を測るような機械ですでに測ってるんだろ?」

そうでもなけりゃなのはのような幼い子供に関わるかどうかなんて聞きはしないだろう。

なのはに魔法の力があっても才能や膨大な魔力がなければおそらくは関わらせる事はないだろう。

「えっ!?」

これにはさすがになのはも驚く。

「そうでもなければ俺やなのはのような子供の手を借りようとは思わない筈だろ?」

この発言でついに青から白へと顔色を変えるリンディ。

「なにか反論はあるか?」

「………」

押し黙るリンディ。

まぁ、俺がここまで策略をぶち壊せばぐぅのねも出ないか。

「じゃあ帰ろうかなのは」

帰ろうとする俺となのはを、

「ま、待って下さい!」


再びリンディが止めるが、

「なのはさんを利用しようとした事については謝ります! 私達としては貴方方のような稀有な才能を持った子を組織に招きいれたいのです……どうか私達に力を貸してください!」

懇願するリンディだが…、

「だが断る!!」

俺はキッパリと断る。

「そんな……」

「幼い少女を利用し自分達の思うように利用しようとした組織に手など貸せるか!」

若干殺意がこもった叫びを放つ零。

いくら万年人材不足だからってな、

こんな少女を使おうとかするなよ…、

本当にヘドがでるよ。

というか今更だがクロノもまだ子供だよな?

「………」

押し黙るクロノ。

「お兄ちゃん……恐いの……」

感受性が強いのか俺の殺気を込めた怒声と気配を恐がるなのは。

俺はなのはを抱きしめ…、

「俺はたとえなのはに恐がられてもなのはを危険なめにあうとわかっている場所に放り込みなどはしない!」

実際原作でも危険地域に派遣されて大怪我してたしな。

まぁ アレはなのは本人のせいでもあるがそれ以上になのはの体調管理を怠った大人達が原因だろう。

「お兄ちゃん……」

抱きしめられた事に顔を赤く染めるなのは。

「じゃあな ユーノお前とはココでお別れだ……」

若干名残惜しいな。
俺はユーノに近付き別れを告げる。

「はい 今まで協力してくれてありがとうございます」

「ユーノ君はアッチに協力するの?」

「うん もとは僕の責任だしね」

「まぁ 無理はするなよ」

今まで関わってきたせいかコイツはそこまで嫌いじゃないんだよな。

「はい」

「あぁ それと……」

俺はクロノに近づき、

「なんだ?」

「なに……先程はなのはに危害が加えられたからとはいえやり過ぎたからなその詫びだ」

クロノに向かって手を突きだし、

「『ベホマ』」

回復魔法を唱える。

クロノの身体が光に包まれ、

「なっ!? 身体が!?」

身体が治療された事に驚くクロノ。

「一瞬で治療されたですって!?」

ほんの一瞬でクロノの身体が完全治癒された事に驚愕するリンディ。

「帰るぞなのは」

「わかったの」

俺はなのはを抱え転移しようとするが、

ー捕・縛・結・界ー

「これは何の真似だ?」

それは突如張り巡らされた結界によって阻まれた。

「危険分子を野放しにするわけにはいきません!」

「か 艦長!?」

予期せぬ母親の突然の行動に狼狽えるクロノ。

どういう事だ? 彼女は計算高い性格をしてはいるが少なくとも突然こんな行動をとるような人間ではなかったはずだ?

突然の事に戸惑いつつも『右腕』を使い結界を破壊する。

「何をしているのですクロノ執務官! 速く彼女達を捕らえなさい!」

「し しかし!」

豹変した母親の指示に狼狽えるクロノ。

「あ~確かクロノとか言ったな?」

「あぁ そうだ」

本来ならばあり得ない状況に困惑しつつも彼の名を呼ぶ。

いや ホントどうなってんの?

「君の母親はこんな性格をしているのか?」

「い いや 違う! かあさ……艦長は普通ならこんな事は……」

言い淀む彼の言葉から思い当たるふしがある事がわかる。

「心当たりがあるんだな?」

「今更だが艦長になった時から少しだけ違和感があった気がする……」

彼は苦々しげに語る。

「クロノ執務官!」

行動を起こさないクロノにイラついたのか声を荒げる彼女。

「精神操作系か? いや……」

まさかとは思いたいが何かの精神操作系が掛かっているとしたら俺よりも千歳を呼んだ方がいいかもな。

とりあえず一度解析してみるか。

その瞬間眼が通常のものから魔眼へと変わる。

ー解析ー

ん? 何だ? 彼女の頭部に何か変な術式が……ん? さらに手に持っているデバイスからラインが繋がっている?

これは……デバイスを媒介に魔法を使う度に術式が自動で魔力回路を伝い精神に影響を及ぼす仕組みか……。

しかも一定条件を満たした時のみ発動するタイプか。

まるでウイルス……いやよくよく考えればコイツらの使う魔法は俺が使う精霊魔法や真の魔法とは違い神秘性が薄くどちらかと言えば科学方面寄りだったよな?

人間の脳も生きたパソコンみたいなものだしさながら精神に寄生するコンピュータウイルスと言ったところか。

「なるほどな……」

解析を終え呟く。

一度千歳を喚びたいところだがこの程度なら術式情報をコピーして今持ってる記録媒体に写せばいいか。

その後に術式の解除か破壊なりすればいいな。

「単刀直入に言う 君の母親精神操作系統の魔法を受けているぞ」

「なっ!? そんなバカな!?」

あまりの出来事に驚きを露にするクロノ。

「まぁ 論より証拠だ」

言葉を言い終わると同時に、

「とりあえず眠れ『ラリホーマ』」

催眠魔法をかける。

「なっ!? なに……を……」

異なる呪文体系故なのかそれとも魔法耐性が低いのか成す術なく床に倒れ伏すリンディ。

「母さん!?」

突如倒れた母親を心配し叫ぶクロノ。

「眠らせただけだ……それよりも……」

俺は『右腕』で彼女の額に触れ、

「鬱陶しい術式だ……」

額に刻まれた術式をデバイスに仕掛けられた術式ごと剥離させて掌に浮かべたままクロノの目の前までもっていく。

「この術式に記されたサインに見覚えはあるか?」

「こ……これは……どこかで……まさか!」

術式の発動刻印として刻まれていたサインに気づくクロノ。

そして術式を適当な記録媒体に記録しクロノに渡す。

「恐らくこの艦の中に裏切者がいるぞ」

俺の爆弾発言で艦内の人間が俺の方を見るが数人ほど反応が遅れた人間がいた。

推測だがそいつらが裏切者というか上層部辺りから派遣された監視と連絡係だろう。

「恐らく今反応が遅れた奴らが内通者だろうな」

「そ そんな……」

「辺境部隊の首輪の監視兼上層部への情報伝達係だろうな」

もうかなり原作とは違う流れだがよくある展開通りならこんなところだろうな。

「まぁ それはさておき」

反応が遅れた奴らに拘束魔法を掛け動きを封じ、


「知っている事をクロノに洗いざらい吐け」

バレないように水魔法『誓約』(ギアス)の魔法を掛けておく。

「後の面倒事はそっちで処理してくれ」

そしてこの後に起こるであろう面倒事を押し付ける。

「じゃあな」

千歳との契約ラインを目印に目標座標を定め側にいるなのはと一緒に力場を拡げ、

「ジャンプ」

空間跳躍を行う。

「バカな!? 時空間に存在するこの船から消えただと!?」

「魔力反応もないなんて……」

「零さんって本当に規格外だなぁ~」

突然二人の姿が消えた事に驚くクロノとエイミィの二人と慣れているのか少し呆れているユーノの姿があった。

そして、

零が瞬間移動をしてから数秒後には、

ー現ー

零の家にいた千歳のすぐそばに移動していた。

「おかえりなさいませ零様」

突如現れたにも関わらず普通に対応する千歳。

「ただいま」

「こんばんわなの」

千歳に頭を下げ挨拶をかわすなのは。

「こんばんわなのはさん」

千歳がなのはに挨拶を返したその時、

「零! 無事だったの!?」

突如フェイトが現れ零の安否を確認する。

「フェイトちゃん?」

突然現れたフェイトの存在に茫然とするなのはと、

「え?」

同じくなのはの存在に驚くフェイト。

やべぇ~! そういやなのはにまだ説明してなかった!

「お兄ちゃん……」

突如なのはから妙な威圧感が現れる、

「ハイィッ!?」

「どういう事かちゃんと O・HA・NA・SHI してくれるよね?」

もしかして魔王フラグたったのか!?

「もちろんです!」

俺はあまりの迫力に何故か敬語で返してしまう。

「フェイトちゃんもいいよね?」

なのはが出す威圧感に恐怖しながら首を縦に振り続けるフェイト。

「とりあえずリビングに行こう」

俺はなのはとフェイトをリビングに連れて行く。

はぁ……大丈夫かな俺? 
 

 
後書き
以前の話を再編集しているうちに大幅に話の内容が変わってしまいました。

もし何かアイデアがありましたら感想にお願いいたします。

次は早めに投稿できるように頑張ります。

感想やアイデアをいただけると作者は狂喜乱舞します。

これからも応援よろしくお願いいたします。 

 

『説明って難しいよね』

 
前書き
少し短めですが早めに仕上がりました。

よかったら見てください。 

 
どうも 黒帝 零です。

ただいま私は……、

「お兄ちゃん……しっかり説明してくれるよね?」

ニッコリと微笑みながら言うなのは。

うん 見惚れるようなかわいい少女の笑顔だよ……

ただ……背景に般若が浮かんでるけどね。

そういや笑顔って元々は相手を威嚇したり攻撃のための表情だってどっかで聞いたな……あながち間違いじゃないかも。

「はい……」

なのはの前で絶賛土下座中です。

ちなみにフェイトはというと……、

「こ……恐い……」

俺の背中で震えています。

「え~と まず事の起こりなんだがな……」

俺はなのはにフェイトとあった日の事を説明する。

「実はなのはとフェイトが初めてあって戦闘になった日なんだけどな……あの後、俺が帰ったらどういう訳かフェイトが家に引越しの挨拶をしに来たのが事の始まりでな」

「そうなの? フェイトちゃん?」

コクコクッ!と物凄い速さで首を上下させるフェイト。

「んでフェイトに俺は交戦の意思は無い事を解らせて、その後は飯を食わせたりとかで仲良くなったんだ」

「なんでなのはに教えてくれなかったの?」

俺を睨むなのは。

正直スマン。

「俺としても教えてやりたかったんだがな ジュエルシードを取り合っている以上どうしても戦いになるのが目に見えていたから教えられなかったんだ……ごめんな」

「そうなの……」

とりあえずはわかってくれたようだ。

「まぁ とりあえず ジュエルシードの件はアイツ等に任せる事にしたからもうなのはとフェイトで取り合う必要は無いから教えたんだ」

「ねぇ フェイトちゃん」

なのはからは先程の威圧感が消え、穏やかな口調でフェイトに尋ねる。

「なに?」

「フェイトちゃんはなんで ジュエルシードを集めてたの?」

穏やかではあるが芯の通った口調で理由をたずねるなのは。

「母さんに集める様に言われたんだ」

それに負けたのかフェイトは理由を話はじめる。

「お母さんに? あんな危険な物何に使うの?」

「わからない……でも……私は……母さんの約に立ちたかったから……」

身体を僅かに震わせながらぽつりと話すフェイトの姿は何かに怯えるようでありまた何かを護るためにも見えた。

「フェイトちゃん……」

「とりあえずその件に関しては俺がフェイトのお母さんに直接聞こうと思っている」

目的は知ってはいるが俺はこのまま悲しい未来なんかに進ませはしない……

あんな悲しい結末なんて俺は認めない!

「お兄ちゃんが?」

「あぁ 目的と真意を聞いて納得出来るなら手伝うつもりだ……なのははどうする?」

「なのはもお手伝いするの! それになのはだけ仲間外れは嫌なの!」

やっぱりこの子は優しいな……。

「了解……フェイトもそれでいいな?」

「本当に良いの?」

フェイトは震えながらもすがるように此方を見る。

「もちろんなの!」

「もとから協力するつもりだったしな」

「あ……ありがとう」

彼女は涙を流しながらも綺麗な笑顔を見せてくれる。

この子のこんな顔初めて見たな。

「気にするな」

「ところでなのはさん」

話しが一段落したところで千歳がなのはに話し掛ける。

「はい?」

「もう夜も遅いので泊まっていかれますか?」

「いいんですか?」

「私は零様がよろしいならかまいませんよ」

コチラをジッと見つめる千歳。

「泊まってもいい?」

上目使いで目を潤ませながら言うなのは。

今夜はオールナイトでお話ですねわかります。

「わかった 桃子さんには俺から連絡を入れておくから その間にフェイトと話し合っておきなさい」

「うん!」

俺は桃子さんに連絡を入れるためにこの場から離れる。




なのは Side

「ねぇ フェイトちゃん」

私はどうしてもフェイトちゃんに聞きたい事があったから私から話し掛ける。

「なに?」

「フェイトちゃんはお兄ちゃんの事どう思ってるの?」

「零の事?」

「うん」

「凄く優しい人だと思う……敵だった私にご飯食べさせてくれたり、協力してくれたりしているから……」

「なのはもそう思うの」

私もお兄ちゃんに助けてもらったから今の私がある……ひとりぼっちで寂しかった私にできた初めての友達。

そして大切な人。

「あなたも零が好きなの?」

「うん……私も零お兄ちゃんが大好きなの!」

「そうなんだ……」

「それとね……フェイトちゃん」

「なに?」

「全部が終わったら言いたい事があるの……」

「わかった……全部終わったら聞かせて」

「うん!」




零 Side


「よかった……仲良くしているみたいで……」

あれから桃子さんに連絡を入れたのだがなのはとフェイトが話し合っていたので俺は空気を読んで部屋には入らずにいた。

「そうですね」

頷く千歳、

「さて……とりあえずなのはに連絡を入れた事を伝えますか」

「そうですね」

俺と千歳は部屋に入り、

「桃子さんに連絡を入れたぞ」

「ありがとうなの」

「あっ! なのはさん フェイトさん」

「なんですか千歳さん?」

「お風呂の用意が出来ているのでよかったら入られますか?」

「フェイトちゃん一緒に入ろ!」

「う……うん」

嬉しそうななのはと突然の事に戸惑いを隠せないのか少し恥ずかしそうなフェイト。

「ごゆっくり~」

風呂に入るなのはを見送ろうとしたのだが……、

「あの……なのはさん? 何故 私の服を掴むのですか?」

何故か服の裾を掴まれる俺。

「お兄ちゃんも一緒に入るの!」

「マジで!? マジなの!? マジですか!? って! 三段活用!?」

って! 画面の前の皆さん石を投げないで~!

ちょっ! 岩はシャレにならないって!!

「お風呂の中でたっぷりお話聞かせてもらうの」

「ふ、フェイトは嫌だろ!? 男が一緒に入るなんて!?」

頼む最後の砦よ!!

「えっ? 零なら別にいいよ」

Oh……神は死んだ……。

画面の前の皆さんお願いですから槍を構えるのは勘弁してください!

つかッ! 一人ロンギヌスぽい物持ってんですけど!?

「流石に恥ずかしいとかもうそんな問題じゃないから!?」

「ダ~メ♪」

「今度なんか俺にできる事ならなんでもするから勘弁してぇ~!!」

「本当に?」

「イエス・マム!!」

「じゃあ しょうがないから千歳さんと一緒に入るの」

「私ですか?」

「うん」

「わかりました」

とりあえず危機は脱っしたか……、

「お兄ちゃん♪」


「ハイッ!?」

「約束忘れないでね♪」

アレ? コレ 俺詰んだ?

「イエス・マム!!」

「じゃあお風呂入ろっか?」

「う……うん」

若干引き攣ったような苦笑を浮かべながら返事をするフェイト。

そんな光景を微笑みながら見ている千歳。

それからなのは達は風呂へと向かう、

「魔王の片鱗を見ちまった気がするぜ……」

そんななのはを見送りながら小さく呟く零。





そして風呂にて、

「うぅ~」

小さく唸りながら千歳に羨ましげな視線をおくるなのは。

「どうかしました?」

首を傾げる千歳。

「千歳さん羨ましいの……」

「なにがですか?」

「だってお肌は綺麗だしお胸も大きいの……」

なのはの言う通り薄く染み一つ無い白い肌はうっすらと桜色に染まり、軟らかく大きな双球はプカプカと湯の中で浮かんでいる。

そして自分のと千歳のを見比べるなのは、

「……………」

そのなのはの後ろで自分のを確認するフェイト、

「なのはさん達も大きくなりますよ」

「本当!?」

「もちろん」

「………(千歳の胸 母さんより大きい)」

などといった乙女トークが繰り広げられていたそうな。




零 Side

「とりあえず アリシアの蘇生に関しては俺の能力と宝具のブーストで能力を上げれば まぁ いけるだろぅ……」

まぁ 心配なのはプレシアのセリフでフェイトの心が壊れないかだな……。

すでに本来の歴史からは乖離を始めているからな……、

「まぁ……よっぽどの事がない限りは大丈夫だろ……」

まぁ 用心にこした事はないか……。

「なんにせよ出来る限りの事をするだけだ」

あんな悲しすぎる結末なんざ変えてやるさ。

 
 

 
後書き
今回は少し短めですが早めに仕上がりました、次も早く書けるように頑張ります。

こんな駄目作者ですがこれからも応援よろしくお願い致します。

感想やアドバイスなどをいただけると作者のやる気があがります。

 

 

『邂逅、説得、甦生』前編

 
前書き
どうも!

遅くなりましたが何とか投稿できました。

今回は長いので前編と後編をわけました。 

 
どうも黒帝 零です。

今日はみんなでフェイトの家に行く事になったのですが……、

「ハンカチもった?」

「あぁ! なのはのお菓子がないの!?」

「フェイト~あたしのオヤツ知らない~?」

自分のオヤツを探す二人。

「アルフ アナタのオヤツはテーブルの上でしょう」

それを指摘する千歳。

「あっ! あった あった!」

正直言おう……。

「遠足か!?」

俺はあまりの気の抜け具合についツッコンでしまう。

「零、どうしたの?」

「お兄ちゃんどうかしたの?」

いやアンタらね……。

「一応ここシリアスな場面なんだけど」

「?」

全員が一斉に首を傾げる。

「まぁ いいや 準備はあとどれくらいで出来る?」

「基本的な準備は終わっていますよ」

千歳が俺の質問に答えてくれる。

「そうか」

「あ~ またあの女にあうのか~」

ぶつくさと文句を言うアルフ、

「アルフ……あんまり母さんの事を悪く言わないで……」

それを諌めるフェイトを見て俺は思う。

たとえ本人に愛されなくとも子が親に愛情を求めるのはある意味当然の事なのかもしれない。

それは人の本能かそれとも魂の渇望なのか……それはわかりもしないが……。

「でもさ~」

「アルフ……お願い」

「うぅ~わかったよぅ」

表情は嫌々なものではあるがしぶしぶ納得するアルフ。

「ありがとう」

「ところでフェイト お土産はもったのか?」

「うん 大丈夫 ちゃんともったよ 零」

俺の問いに翠屋のケーキが入った箱を見せて答えるフェイト。

「そうか なら そろそろ行くか?」

「そうだね」

「なのはも準備はいいか?」

「大丈夫なの!」

「そうか ならまずは屋上に行くぞ」

転移を行うために俺達は屋上へと向かう。

それから俺達は屋上へと移動し、

「それじゃあ フェイト 転位魔法を頼む」

「うん」

フェイトはデバイスを持ち、

「座標……固定……『時の庭園』!!」

転移座標の固定を行い詠唱が終わると、

空間が歪み転移を行う魔方陣が地面に描かれる。

魔方陣から溢れ出す光に陣内にいる全員が光に包まれ屋上から零達の姿が消え、

時空の狭間にある時の庭園へと転位する。

ー次・元・跳・躍ー

時の庭園と呼ばれる場所の広間に魔方陣が現れ、

「着いたよ」

「ふぅ~ココに帰ってくるのも久々だね~」

「ココが時の庭園か……」

「なんか凄いの!」

「何やらずいぶんと淀んだ空気と魔力を感じますね」

千歳の言うとおり普通の場所とは違い空気は淀み若干の息苦しさのようなものと嫌な感じのする禍々しい魔力の波長を感じる。

正直な話人が暮らすにはたとえお世辞でも良い環境とは言えない。

「母さんのいる場所に案内するね」

フェイトが先頭を歩き案内をする。

なのは達もフェイトの後に続き、

「さて……行きますか」

俺も後を追おうとしたその時、

『た……すけ……て……』

ちいさな消えそうなほどに小さな声が聞こえる。

「ん?」

俺は声に反応し足を止めるが声は聞こえず。

「なんだ? 幻聴か?」

そう思い無視しようとすると、

『お……ねがい……します……』

再び……今にも消えてしまいそうな声が聞こえ、

「零? どうしたの?」

「零お兄ちゃんどうかしたの?」

「零様いかがなされました?」

フェイト達が心配し俺のところへと向かってくる。


「いや……なんか声が聞こえた気がしてな……」

「声?」


「んな訳あるはずがないだろ? ココにはアタシ達しかいないはずなんだし」

アルフの言葉を聞いたなのはは、

「え……もしかしてオバケ?」

なのはの顔からは血の気が引き、

「え? ウソだよね?」

ガタガタと震えるフェイト。

「とりあえず声の聞こえた場所まで行ってみるか……」

俺は先頭に立ち声の聞こえた時に感じた魔力の反応を頼りにその場所を目指し歩く。

そしてたどり着いた場所は今は使われていないと思われる実験室のような場所だった。

「ココか……」

「ココは……」

「ん? 知っているのか?」

俺はフェイトに話し掛ける。

「うん……ココは『バルディッシュ』が生まれた場所……デバイスの開発室なんだ」

「そうか……」

さっきの声ってまさか……。

俺が思考しているその時!

『おねがい……します……どうか……』

再び声が聞こえる。

「また……」

「ふぇぇ……まさか本当にオバケなの!?」

流石に幽霊などのオカルト関係には耐性がないのか震えるなのは。

「ちょっと調べて来るよ」

「えっ!? 零!?」

「大丈夫 すぐ戻るさ」

心配する全員をよそに俺は開発室の中へと入る。

「暗いな……『レミラーマ』」

呪文を唱え部屋の中を明かるくする。

「さて声の主は……」

部屋の中をくまなく探していると『あるもの』を見つける。

「こいつか……」

そこにあったのは……、

「猫……いや……山猫か?」

猫と思わしき生き物の亡骸だった。

「コイツがさっきの声の主か?」

『わたし……の声が……聞こえるのですか?』

「聞こえるよ」

今にも消えてしまいそうな声に俺が返事を返すと、

『お願いします! どうか……あの人を……プレシアを助けて下さい!!』

猫の亡骸から幽霊がその姿を現す!

「お前は?」

『私の名前はリニス……プレシア・テスタロッサの使い魔だったものです』

「テスタロッサということはフェイトの親族か?」

やはり彼女俺の予想通りだったか。

『フェイトを知っているのですか!?』

フェイトの名を聞き強く反応を示す。

「あぁ……外にいるぞ」

『あの子は……フェイトは元気ですか?』

「あぁ 最初会った時はあまり健康とはいえなかったが今は健康そのものだ」

本当に最初に逢った頃の彼女は痩せていて血色がわるく、無理をしているのがすぐわかるような子だった。

今は俺と千歳で面倒を見ているから以前とは別人のように元気になっている。

『よかった……あの子が元気で……』

俺の答えに満足したのか安堵の声をもらす。

「ところでさっき言っていたプレシアを助けろというのはどういう事なんだ?」

俺はあえてリニスの目的を聞く事にした。

『プレシアは……アリシアが死んだあの日から変わってしまったのです』

「あの日?」

確か……新型魔導炉開発中に起こった事故……ヒュードラ事件だっけ?

『はい……私も詳しい事は知らないのですが……プレシア達の研究していた魔導炉が突如暴走し……アリシアはそれに巻き込まれ死んでしまったのです』

「フェイトは……あの子はアリシアについては何か知っているのか?」

『アナタにお願いをしてもいいですか?』

「内容による」

『これからお話しする事を聞いてもあの子を……フェイトを嫌わずにいてくれますか?』


リニスの問いに俺が出した答えは、

「わかった 俺の魂にかけて誓おう」

彼女を一人の人間として見る事だ。

『ありがとうございます』

俺はリニスから知っている事を全て聞く。

「なるほどな……」

『これが私の知る全てです』

「自分の大切なものを失ったが故の事か……」

『フェイトをよろしくお願いします』

「お前はフェイトにもう一度会いたくないか?」

『できるならもう一度会いたいです……でも私はすでに死んでいて……

何も出来なかった無念から地縛霊としてココに縛りつけられていたのですが……アナタに思いを託し無念が晴れた以上私がこの世界に留まる事なんて……』

彼女は悲しそうにうつむきながら絞り出すかのように言葉をつなぐ。

「いや……方法はある……」

少しばかり強引な方法ではあるが……方法じたいはある事はある。

『えっ!?』

「まずはお前の魂を何らかの媒体に封印し、この世に留まらせ、次は新しい身体を用意し宿らせれば……いけるはずだ」

『そんな事が可能なんですか!?』

「あくまで理論上はな……」

そう……あくまで理論上での話しではあるがおそらくこの方法が一番確率が高いだろう。

『…………』

「決定権は君にある……どうするかは君が決めてくれ」

考えこむリニス。

おそらくは彼女自身フェイトに逢いたいという想いはあるもの一度死んだ存在である自分が再び現世に甦る事に疑問と抵抗があるのだろう。

そしてしばらくたってから彼女が出した答えは……、

『あの子ともう一度会えるのなら私は……その方法を選びます!』

リニスは再び出逢える可能性のある道を選ぶ。

「わかった……なら俺は今から君をこの宝石に封印する」

俺は『王の財宝』から純度の高い魔力を帯びた紅い宝石を取り出し、

「『術式付加』」

宝石に術式を刻まれ彼女は淡い光の粒子となり宝石の中へと入って行く。

「『封印』!!」

リニスの魂を宝石に封印し一時的に定着させ、

「『安定化』」

さらにその上から術式を刻み魂が劣化しないように安定させる。

「しばらくは不便だが我慢してくれ」

『はい』

そして宝石に保護術式をかけて大事にしまう。

「さて……戻るとしますか……」

俺は部屋を出る、

「あっ! 帰って来たの!!」

「零! 大丈夫だった?」

「何かいたのかい?」

口々に質問してくるなのは達、

「いや……特に何もなかった」

それに俺はポーカーフェイスで何もなかったと答える。

「そうなの?(お化けがいなくてよかったの)」

「そう……」

「ふ~ん」

「時間を取らせて悪かったな」

「まぁ いいさね」

「それじゃあ 母さんの所に案内するね」

再びフェイトを先頭に長い廊下を歩き始める。

『零様』

千歳が念話で零に話し掛ける。

『なんだ?』

『先ほどあの部屋の中で奇妙な魔力を感じましたが何かあったのですか?』

『あぁ……』

念話で先ほどあった事を千歳に説明する。

『なるほど……では今回の件が終わりしだいに準備を始めますか?』

『頼む』

『わかりました』

などと念話で話していると、

「着いたよ」

大きな扉の前でフェイトが到着を告げる。

どうやら話し込んでいるうちに着いたようだ。


「それじゃあ零達の事 母さんに報告するね」

先に行こうとするフェイトを、

「待った 俺も一緒に行くよ 話さなければならない事もあるしな」

一度止めて自分も同行する事にする。

「そう? わかった なら一緒に来て」

「悪いがなのは達は少し待っていてくれ」

「えっ? 何で!?」

意味がわからずきょとんとするなのは。

「あまり大勢で入るわけにはいかないしね それに少し難しい話しもしなければならないしね」

一応の建前としての説明を彼女にする。

「う~ わかったの……」

渋々といった感じで納得するなのは。

「じゃあ千歳後を頼む」

「はい」

そして俺はフェイトの後に続いて部屋の中へと入り、

「母さん……今戻りました…」

入った部屋の先にいたのは、

「フェイト……それと貴方は誰かしら?」

大胆に肌を露出する衣装に身を包むが、顔色が悪く生気の無い肌をした女性だった。

「この人は……」

説明しようとするフェイトの言葉を遮り、

「はじめまして 俺の名は 黒帝 零 故あってフェイトと仲良くさせてもらっている」

「そぅ……そんな事はどうでもいいわ……フェイト……母さんのお使いはどうしたの?」

さもつまらなさそうな顔をしてフェイトに成果を聞くプレシア。

頭ではわかってはいたがやはり現実を目の当たりにするとどこか納得のいかないものがあるな。

「はい……」

フェイトはバルディッシュから集めた数個のジュエルシードを取り出し、プレシアに渡す。

「たったこれだけ?」

プレシアは苦虫を噛み潰したような顔をしてフェイトに聞く、

「ごめんなさい……」

「ダメな子にはお仕置きをしないとね」

そう言ってデバイスを鞭に変化させ、

「私の言い付けを守れないなんて悲しいわよ!!」

フェイトに向かって鞭を躊躇いなく振るうプレシア。

「っ!!」

迫り来る鞭に身体を強張らせるフェイトだが、

ー掌・握ー

振るわれたソレはフェイトに届く事はなく、

「やれやれ……躾とはいえ鞭はないんじゃないかな?」

フェイトへ向かって来た鞭が当たる前に零が右腕で掴み止めていた。

「零……」

彼女は怯えと若干の安堵の混じった声で零の名を呼ぶ。

「フェイト……悪いが俺は君のお母さんと話す事があるから一度外に出てなのは達と一緒にいてくれないか?」

「えっ? でも……」

「頼む」

少しだけ威圧感を込めて言う、

「わ わかった」

威圧感にあてられたのか慌てて部屋から出るフェイト。

「さて……これでゆっくり話しが出来るな」

「貴方……一体何者? ただの子供じゃないわね」

警戒心を剥き出しにして目を細め鋭く睨み付ける。

「そんな事はどうでもいい……自分の子供に鞭を振るうなど親のするべき事ではないと思うのだが?」

子供が虐待されている場面何て見たくも無い。

「私の子供? あぁ あの出来損ない? 冗談じゃないわ」

「出来損ない? ずいぶんな言い方だな?」

一応は産みの親だろ? 何故そこまで嫌う?

「出来損ないは出来損ないよ 私のお使いも満足にできてないじゃない」

「母親のためにと一生懸命頑張っているあの子にたいして言う言葉ではないと思うのだが?」

あの子の記憶が偽りであっても彼女が母親のために頑張っていたのは真実だ。

「私の命令を遂行できてない以上そんなものなんの価値もないわよ!! それにあの子とは違う!」

今のプレシアのセリフでフェイトを嫌う理由が解った……。

「あの子とは『アリシア』の事か?」


俺の一言で場の空気が変わる。

「貴方……何故アリシアの名を!?」

もはや殺気を通り越して殺意のこもった射抜かんばかりの鋭い視線を彼女は零に向ける。

「なぁに とある人物から聞いただけさ」

「そいつは誰よ!?」

プレシアは全身から殺意と怒気を漲らせながら吼えるように言葉を飛ばす。

「そんな事はどうでもいい それよりもアンタの目的はなんだ? フェイトのような幼子にジュエルシードのような危険物を集めさせている目的はなんだ?」

「貴方に話す義理はないわ!」

「内容しだいではコイツを渡してもいいんだがな」

俺は『王の財宝』からジュエルシードを一個取り出し見せる。

「それを寄越しなさい!!」

プレシアはデバイスを起動させ雷の魔法を零に向かって放つが、

「無駄だ!!」

俺は自分に向かって放たれた雷を、

ー掌・握・破・壊ー

『支配者の右腕』で掴み取り魔法を握り潰す。

「なっ!? 魔法を素手で握り潰した!?」

「残念ながら俺の右腕はちと特別でな」

ホントにこの能力はかなり便利だよ。

「クッ!! 厄介ね! でもこれならどう!?」

零を取り囲むように全方位に魔方陣が現れ、

「全方位から放たれる雷ならその右腕がどんなものであろうと意味がないわよ!」

確かにな……だが…甘い!

「『創造』……『千鳥』!!」

俺は『とある』一本の刀を創りあげる、

「ハァッ!!」

ー高・速・回・転ー

独楽のように高速回転をしながら刃を振るい己に襲い掛かる全ての雷を一刀のもとに切り裂く。

「なっ!? 雷を切り裂いたですって!?」

普通ならば切り裂く事など不可能とも言える雷を容易く切り裂く目の前の存在に驚愕する。

「この刀の名前は『千鳥』かつて雷を一刀のもとに切り裂いたという逸話を持つ刀だ」

「どういう事?」

「この刀には雷を切り裂いた逸話から雷を切り裂くという概念が付加され雷を切る事が可能となったんだよ つまりこの刀とアンタの相性は最悪という事だ」

「クッ!! それでも諦めるわけにはいかないのよ!!」

なおも雷系統の魔法を放つプレシアだが、

「無駄だ!」

その全てをことごく切り伏せる。


プレシア side

なんなのよあのガキは!?

あの出来損ないといい、

何故私をこんなにも不快にさせる!?

「いい加減くたばりなさい!!」

ー雷・撃ー

私はあのガキに向かって再び魔法を放つが、

「それは無理な相談だ!」

再びあの片刃の剣で意図も容易く切り裂かれる。

「何故!? なんでなのよ!?」

あれはロストロギアなの!?

「いい加減人の話しを聞け!」

うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!

あの出来損ないといい『アイツ』といいあのガキも何故私をここまで不快にさせるの!?

私はただあの場所に行ってアリシアを甦らせ、再び一緒に暮らしたいだけなのに!?

あのガキに向かって魔法を放とうとしたその時、

「これをくらっ!? うっ! ゴフッ!」

いつもの発作が起こり、

魔法を中断させる。

「ゴホッ!」

私は血を吐き出し床に膝をつく。

こんな……ところで……。

アリシア……私の愛しい娘……。

私はただ貴女と一緒にいたいだけなのに何故……、

何故いつも邪魔がはいるの!?


プレシア side end


零 side

俺の目の前には吐血し、床に膝をつくプレシアの姿があった。

その姿に最初のような威圧感などはなくただの病に侵された病人の姿そのものだ。

「もう止めないか?」

俺は刀をおろし、戦う姿勢をやめる。

「まだよ……私は……あの場所へ……『忘れられし都』……『アルハザード』に行くのよ」

息も絶え絶えに言葉を紡ぐプレシア。

「『アルハザード』……過去に在ったとされる伝説の魔法の都か……」

地球のアトランティスみたいな場所だな……どちらも高度な文明を持っていたが消えてしまった伝説の都という共通点がある。

「私はそこに行き……全てを取り戻す……アリシアを……私の愛しい娘を!!」

それは子を失いし母の嘆き。

「フェイトはどうするつもりだ?」

失ったアリシアだけしかみていないがフェイトも貴女の子供だろう。

「フェイト? あんな出来損ないどうでもいいわよ」

「…………」

俺は無言でプレシアへと歩み寄り、

ー平・手・打ー

プレシアの頬をはたく。

「いい加減にしろ! フェイトにアリシアの幻影を重ねるな! あの子はフェイトという一人の人間であってアリシアではない!」

いくら代わりをつくろうとしても人は物ではないからできるはずがない!

「アレは所詮アリシアの代わりに造ったクローンよ! アリシアになれない出来損ないなのよ!」

「いくらアリシアの時の記憶があろうとアリシアになれないは当然の結果だ!! 人は自分以外の何者にもなる事はできはしない!」

「ガキが知った口を! 失った事のない貴方に何が解るというのよ!?」

「俺も昔……家族を失った事がある」

産まれてくるはずだった弟をな……。

「だからアンタの気持ちも少しは理解出来る……」

「それでも……アリシアは私の全てだった……あの子のためならなんでも出来た……あの子は私の支えだった……」

愛が深いが故に矛盾や違いに耐えられなかったんだろう。

「アンタはフェイトに辛くあたってはいるがそれはフェイトを通してアリシアを見ているからじゃないのか?」

「…………」

「フェイトの優しさに救われた事はないのか?」

「…………」

「それと残念なお知らせだが……」

俺は再び『王の財宝』を開き、

皮張りの部厚い古ぼけた一冊の本を取り出しす。

「『大魔導書(グラン・グリモワール)』検索 『アルハザード』『死者蘇生』」

本のページがバラバラと勝手に高速で開かれ、

突如ピタリと止まる。

「検索結果はアルハザードにアンタの求めるものは無い……」

「どういう事よ!? そんな汚ならしい一冊の本で何が解るっていうのよ!?」

「この本の名は『大魔導書(グラン・グリモワール)』……こいつ自体は全ての世界の記録が記憶されているアカシックレコードの『魔』に関する記憶に直結している」

「…………」

「つまりは『過去』『現在』『未来』において生まれた『魔』が記憶されている……この中にアルハザードの事もあったが……」

そう……ソレは確かに存在した。

「なによ……」

「アルハザードの中に確かに死者を甦らせる術はあったが……アンタの求めているものとは違う」

「どう違うのよ!?」

「アルハザードにあったのは死者を擬似的に甦らせ傀儡のように操る術だ……」

在ってはならぬ禁じられた外法ってヤツだ。


俺の言葉(残酷な真実)に、

「ウソ……私の求めたものが……」

膝から崩れ落ちるプレシア。

その姿は実年齢以上に老けて見えてしまう。

俺は崩れ落ちるプレシアの身体を支える。

支えたプレシアの身体は軽くその身体は軽く力を込めれば折れそうなくらいに痩せ細っていた。

「病気か?」

「えぇ……もう長くはないわ……」

プレシアはもう全てがどうでもいいと言わんばかりに無気力な返事を返す。

「一つ聞く……」

「何よ……」

「アンタは……本当にフェイトの事を憎んでいるのか?」

「………」

「他人である俺にはアンタの本心なんて解りはしない……だが……俺にはアンタがフェイトの事を本当に嫌っているようには見えない」

フェイトとの会話の時に僅かにだが愛しさと悲哀の感情が彼女から感じ取れた。

「私だって解ってはいるのよ!! あの子はアリシアじゃないって! それでも……それでもアリシアは私の全てだったのよ!!」

それは大魔導師としてのプレシアの言葉ではなく、

一人の母親としての壮絶な叫び。

「優しいあの子は私の支えだった! 私の宝物だった! あの子のためと思えばなんでもできた! だからこそフェイトを見るのが辛いのよ! あの子はアリシアになれなかった! あの子はアリシアになるはずだった!」

現実と理想が噛み合わなかった結果か……。

「…………」

「もうどうすればいいのか解らないのよ!! 私がすがったものは私の思い描くものとは違った! 私はどうすればいいのよ!?」

涙を流しながら叫び続けるプレシアに、

「もし……」

俺は……、

「もし……アンタの望みを俺が叶えると言ったらどうする?」

告げる……。

「え? な 何を言っているの?」

「俺にアリシアの蘇生を出来る可能性があるとしたらアンタはどうする?」

「な 何を言っているの? 死者蘇生の方法が無いって言ったのは貴方のはずよ!?」

「あぁ 確かに『アルハザードには無いと』言ったな」

そぅ……俺は確かに『アルハザードには無いと』は言った。

「だが『死者蘇生』の方法が無いとは一言も言ってはいないが?」

「………」

俺の言葉に声を失い、放心状態となるプレシア。

「お~い 戻ってこ~い」

ペチペチと頬を軽くはたいて放心状態から回復させようとする、

「ハッ!?」

「おっ! 回復したか?」

そう言った次の瞬間、

「本当にアリシアを蘇生できるの!?」

両肩をもたれ乱暴にガクガクとゆらされる。

「ちょっ!? もちつけ! じゃなくて落ち着け!?」

しかし、プレシアは逆にヒートアップし、

「はっきりしなさい!?」

さらに肩を揺さぶるスピードが上がる始末である。

「えぇい!!」

そんなプレシアに俺は、

ー両・肩・掴ー

プレシアの肩を掴み、

「いい加減落ち着かんかい!!」

けーね先生ばりの頭突きをかます! その瞬間にまるで鈍器で殴ったかのようなゴッスン!!という鈍い音が辺りに木霊する。

「きゅう~」

俺の頭突きで目を回しながら轟沈するプレシア。

「うぷ……気持ち悪~ 吐きそう……」

散々首を揺らされたせいか物凄く気持ちが悪かった。

「とりあえず今のうちに治療しとくか」


少し気分が回復してから、

「まずは『ライブラ』」

対象のステータスを視る魔法『ライブラ』でプレシアの身体を解析する。

「え~と……」

免疫力の低下、内臓機能の低下、結核、栄養不十分、運動不足による運動機能の低下、癌……etc

「うわ~ 解析結果からみると余命約4、5ヶ月ってとこか」

予想以上にヤバいな……。

「とりあえず開け『王の財宝』!」

俺は『王の財宝』を開きそこから、

「コレだ!」

一本の蛇が巻き付いた杖を取り出す。

「癒せ!『偉大なる医神の杖(アスクレイピオスの杖)』!!」

杖の真名解放をする事によってプレシアの身体は光に包まれ、

「あ……ぐ……うぅ……」

病気によって死滅した身体の細胞が再構築される反動に苦悶の顔を浮かべるプレシア。

「次はこれか」

俺は再び『王の財宝』を開きそこから一つの小瓶を取り出し、

「『万能の霊薬(エリクサー)』で体力を回復させる」

プレシアの口を開き少しずつ飲ませる。

すると……、

「凄いな」

先ほどまで生気のない顔色と張りの無い肌をしていたプレシアだが、

みるみるうちにその身体に活力が戻っていく。

「これで危険域は脱したな」

そして仕上げに……、

「『目覚めろ』」

『言霊』を使いプレシアを強制的に起こす。

「うぅ……」

「身体の調子はどうだ?」

「何を言って……身体が軽い!? それにいつもの発作が無い!?」

「成功か……」

上手くいって良かったよ。

「貴方……一体私の身体に何をしたの!?」

「『宝具』を使ってアンタの身体の細胞を再構築させて普通の健康な身体にしただけだ」

「しただけって貴方ね……」

あまりの出来事に呆れ果てるプレシア。

「それはさておき俺の質問の答えを聞こうか?」

「本当にアリシアの蘇生が出来るの?」

「方法自体はあるが断言はできん……だが俺の全てを賭けて挑む」

この方法は俺も危険だからな。

「あの死にかけだった私の身体を治した貴方なら信じてみる価値はありそうね」

「それと言い忘れていたがアリシアの蘇生を行う上で俺の要求を呑んでもらう」

「要求?」

「なに……そう難しいものじゃない」

俺はプレシアに俺の要求を話す。

1 フェイトにアリシアを重ねるのを止めフェイト・テスタロッサという一人の人間として見る事

2 フェイトに全てを話し自ら謝る事

3 アリシアが復活した後はフェイトをアリシアの妹として自分の娘としてちゃんと可愛がる事

4 俺の側に付き協力して欲しい

「4はあくまでお願いであって強制ではないから嫌だったら拒んでもいいよ」

プレシアクラスの魔導師兼研究者が協力してくれるならかなり俺の計画が進むだろう。

「フェイトは……赦してくれるのかしら……」

今までの事を省みて悩むプレシア。

母親としては複雑なのだろう自分の娘に辛く当たってきたのだから。

「あの優しい子なら大丈夫だ……だが仲良くしないとアリシアが復活したら確実にこう言われるな」

俺は声帯模写でフェイトの声を真似て、

『私の妹を虐めるお母さんなんて大っ嫌い!!』


アリシアを真似てセリフを言うと、

「イヤァァァァァァッ!! アリシアーーー!! アナタに嫌われるのは嫌ぁぁぁぁっ!!」

発狂したかのように泣き叫ぶプレシア。

「アンタの言うアリシアが本当に優しい子なら確実に言うな」

「やめてーー!!」

まだ叫ぶプレシアに、

俺は迫り、

「つうか冷静になって考えてみろよ、アリシアとフェイトはようは一卵性双生児みたいなものなんだろ?」

アレって実はクローンみたいなものなんだよね。

「だったらあんな可愛い子が二人揃ってアンタの事を呼んだ時を想像してみなよ」

追撃をする。

そして、そう言われ素直に想像するプレシア。

明るくほがらかな笑顔を見せるアリシア、

そしてソレとは対象的に、

もじもじと顔を赤らめ控えめな笑顔で、

『お母さん♪』

『か、母さん ////』

母を呼ぶ二人の美少女。

「良い……」

「さて……俺の要求を呑んでくれるか?」

俺の問いかけに、

「えぇ……アナタの要求を全て呑むわ……私の幸せのためにも!!」

と、良い笑顔で言うプレシア。

「そ、そうか・・・(う~んまさかここまで上手くいくとは予想ガイです)」

「まず……私は何をすればいいの?」


「そうだな……まずはフェイトを探して今までの全てを話した後は必要な荷物を全部纏めてとりあえず俺の家に転送しておくか」

「荷物を?」

「あぁ おそらくアリシアの蘇生をした場合はほぼ確実に『次元震』が起こるだろうからな、それによって『時の庭園』が時空の狭間に飲み込まれてしまう可能性を考慮しての事だ」

「そう……」

「万が一の時はこの時の庭園を破棄してもらってもいいか? 嫌なら別の世界でやってもいいんだが……」

「いえ……別に良いわよ……元々ココはアリシアの蘇生を行うためだけの研究所みたいなものだしね」

娘のためにとはいえ凄まじいな……母の愛って。

「そうかなら……まずはフェイトを探すか……」

俺は契約ラインを通じて千歳に念話を飛ばす。

『千歳聞こえるか?』

『どうかなされましたか零様?』

『あぁ フェイトの母さんとのお話が終わったからちょっとフェイトと話しがしたいんだが今お前達はどこにいるんだ?』

今現在のフェイト達のいる場所を尋ねる。

『今私達はフェイトさんのお部屋にいます』

『そうか なら今からそっちに向かうよ』

『わかりました』

俺は念話を切り、

「どうやら他の皆はフェイトの部屋に集まっているようだ」

「わかったわ」

「さて 行きますか」

俺達は即座にフェイトの部屋へと向かい、

「とりあえずアンタとフェイトを二人っきりにするように話しをしてくる」

話し合いの場を整えるために話をしに行く。

「わかったわ……」

俺は部屋のドアをノックし、

「入ってもいいか?」

確認を取る。

「どうぞ」

ドアのロックが開き俺は中に入る。

「零! 話しは終わったの!?」

「あぁ 実はその事なんだがな」


俺はフェイトにプレシアが二人っきりで話したい事がある事を伝える、

「母さんが?」

「あぁ……」

「あの女がフェイトに何を話すつもりだい!!」

アルフが敵対心丸出しで俺に聞く。

無理も無いだろう……彼女からすればプレシアは自分の大切な主を傷つける敵にしか思えばないのだから。

「大丈夫 今のプレシアなら問題ないさ」

俺はアルフを宥めながら説得する。

「本当だろうね?」

「あぁ」

「アンタが言うならしょうがないから納得してやるよ」

どうやら嬉しい事に俺は彼女と信頼関係が結べているようだ。

「ありがとな」

「なのはも外に出るの?」

「あぁ 悪いけど外で俺と一緒に待っていようか」

「うぅ~わかったの」

「良い子だ」

俺はなのはの頭を撫でてやる。

「うにゃあ~」

猫のような声をあげながら気持ち良さそうにするなのは。

「とりあえず俺達は外に出るとしよう」

俺が先導してフェイト以外の全員を部屋から出し、

「プレシア……中でフェイトが待っている……」

「わかったわ……フェイト……入るわよ」

先ほどのような歪んだ顔ではなく憑き物が落ちたかのような顔をしたプレシアがフェイトの部屋に入る。


プレシア side

今私はあの子……零に言われフェイトの部屋に入ったんだけど、

「か……母さん……」

フェイトの顔はどこか怯えの混じった顔だった。

私がしてきた事のせいというのはわかってはいる……。

あぁ……初めて気づいた……いえ……気づかされた。

私はあの子に言われたようにフェイトにアリシアを重ねて見ていたのね。

私は本当に情けない母親ね。

「フェイト……」

「はい……」

「ごめんなさい……私は……アナタに謝らなければならないの……」

フェイト……確かにこの子はアリシアとは違う……。

アリシアではない。

でも……、

「か、母さん!?」

突然の事に驚きながらもプレシアを心配するフェイト。

あの子に言われて初めてこの子の優しさに気づいた……。

「フェイト……実はね……」

私は自分の行った事を懺悔するかのように全てをフェイトに話した……。

「そ……そんな……私は……」

あまりの事に動揺を隠せないフェイト。

それは当然の反応でしょう……私のエゴで貴女はこの世に生み出されたのだから。

「フェイト……今話した事は全部本当の事なの……謝って赦されるような事じゃないのはわかっているけど……ごめんなさい」

「母さん……」

フェイトはその紅い瞳に大粒の涙を溜めながらもぽつりと言葉を紡ぐ、

「私は……確かにアナタに造られた生き物です……でも……でも……私はアナタの娘でありたい……私をアナタの娘と認めてもらえますか?」

アナタはこんな私をまだ母と呼んでくれるの!?

「フェイト!!」

私はいてもたってもいられずフェイトを抱きしめる。

「フェイト! フェイト! アナタは……私の娘……そしてアリシアの妹……今までごめんなさい! 私は……私は……」

我を忘れ幼子のように泣きじゃくる私を……、

「母さん……母さん!」

強く抱きしめ私を呼んでくれるフェイト。

プレシア side end

零 side

あれからしばらくしてプレシアとフェイトの話しが終わったようで部屋から出て来たプレシアに話し掛ける。

ちなみに覗くなどといった野暮な事はしてませんよ。

「どうだった?」

「アナタの言った通りあの子に……フェイトに赦してもらえたわ……」

「優しい子だったろ?」

「えぇ……そうね……今になってその事が解るなんてとんだ皮肉ね」

人間というのはどうしても一つの事に囚われると視野が狭くなってしまう生き物だからな。

「まぁ……それは……さておき荷物を纏めてくれるか? それが終わり次第にアリシアの蘇生を行うつもりだ」

「わかったわ」

「なるべく手短にな……」

そしてココで、

『キング クリムゾン』!!

時をすっ飛ばす!

場所は変わりとある広い場所。

「荷物はこれで全部か?」

「えぇ 必要な資料や研究記録はこれで全部よ」

「なら とりあえずは先に転送するとしますか」

俺は魔方陣を展開し、

「転送!」

荷物を俺の家の物置に転送する。

「さて……次は……」

「えぇ……そうね……」

プレシアが頷いた次の瞬間、

部屋の奥の部分が開き、

その部屋の先にあったものは、

人のシルエットを映す何かが入ったポッドだった。

その中に浮かんでいるのは……、

「フ……フェイトが二人!?」

フェイトと瓜二つの姿の少女『アリシア』が安置されていた。

「フェイト……あの子がアナタのお姉さん……『アリシア』よ」

冷たい液体の中でまるで赤子のように眠り続けるアリシアを愛しさのこもった瞳で見ながら彼女の名を呼ぶ。

「アリシア……姉さん……」

フェイトは自分の基となった少女『アリシア』を複雑な想いを抱きながら見つめる。

「さて……始めますか……」

世界と理にケンカを売る行為をな!!

「お願い……今一度アリシアを甦らせて!!」

「その願い……全力で叶えるとしよう」

アリシアを一度ポッドから出し、床に敷き詰めた毛布の上に寝かせる。

「ん?」

アリシアの身体を毛布の上に寝かせている時に彼女の首から下げられた宝石のはまったネックレスからは何かの力を感じる。

気になり『解析』してみて解った事は……、

「プレシア……アリシアのつけているネックレスは最初から彼女がつけていた物か?」

ソレは本来ならばあまりにも『あり得ない』物だった。

「えぇ……アリシアがいつの間にかつけていた物よ どういうわけか外そうとしても外れ無いのよ……別に何か害があるわけでもないから気にしていなかったけど……」

プレシアの言葉と宝石に刻まれた術式と『中にあるもの』で俺の頭の中に一つの可能性と仮説が生まれる。

「なるほどな……そういう事か……」

これはかなり厄介だな。

「何か解ったの!?」

「一つだけ言える事はアリシアの蘇生が高い確率で成功するという事だ」
 
 

 
後書き
今回も遅くなってしまい申し訳ございません。

今回は長くなってしまったので前編と後編をわけました。

次の更新も頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いいたします!!

作者は感想やアドバイスをいただけるとテンションが上がります。 

 

『邂逅、説得、甦生』 後編

 
前書き

護ると決めたものがある

護りきれなかったこともある

取り戻すと決めたときに、全部を諦めることになるとは思わなかった

でも手にしたかった

忘れたくなかった

だから今この手を伸ばす

もう二度と離さぬように。

 

 
「一つだけ言える事はアリシアの蘇生が高い確率で成功するという事だ」

何せ最も重要な『モノ』がこの中にあるんだからな。

「どういう事なのよ!」

娘の蘇生が高い確率で成功するという事に驚きつつもその根拠をプレシアは尋ねる。

「プレシアがアリシアの蘇生に失敗した大きな要因はアリシアの肉体しか再現できず最も重要な『モノ』を理解出来なかった事だ」

肉体と記憶だけではまだ不完全であり同じ記憶を持った他人しかなれない。

「最も重要な『モノ』? ソレは何なの!?」

「答えは『魂』だ」

人は大雑把に分けると肉体と精神そしてその大元となる魂でできている。

「『魂』?」

「魂っていうのは人の存在する証でありある意味本体ともよべるものだ」

一度死んだ俺だからこそよく解る。

魂という普通の人では視る事の出来ないものはよく否定されるが同じく視えないが心の無い人間はいないと殆どの人は言う。

ならば心というものはどこにありどのような形をしていると尋ねても完璧な答えを出せる者などおそらく誰もいないだろう。

人は善くも悪くも自分の知っている知識でしか物事を理解できないのだから。

特に科学の発達した現代人はそれが過去に生きる古き者達に比べ顕著である。

人が進化しているのか退化しているのかと議論がかわされる事があるがある意味どちらも正しいのかもしれない。

「科学者からすれば魂の存在や概念を信じれないかもしれないがソレは生き物には必ずある」

精神は肉体に引っ張られるという言葉を何処かで聞いた事はあるだろうか?

肉体は魂を納める器であるために何らかの影響が起こる。

例えば前世の記憶があり自分は男として生きていたが今世が女性であるならば徐々にだが無意識に女性の行動を取る事がある。

ちなみに性同一性障害はこれが原因ではないのかと何処かの医者か研究者が言っていたらしい。

「とまぁ 長くなったがアリシアの蘇生に必要なアリシアの魂がこのアクセサリーの中に封印されているのと肉体の保存状態が良いのもあってかなりの好条件なんだよ」

といってもやはり完全とは言えない状態であり幾つかの内臓部分の損傷の修復作業は必要になる。


そこらへんは今から行う 『魔法』で何とかなるだろう。

「開け『王の財宝』!!」

俺の背後の空間に揺らぎが生じかつてこの世の全てを手に入れた『王の宝物庫』へと繋がる。

そして開いた異空間から光を宿す蒼い宝石を複数取り出す。

「千歳! ユニゾンだ!」

「はい!!」

俺の命に応え千歳の身体が光の粒子へと変わっていき、

「「ユニゾン・イン」」

光と化した千歳が俺の身体へと入る事により俺に変化が起こる。

今回と以前の違いは身体は完全獣化はせず、全体の形は普段の姿のままだが頭には狐耳が姿を現し、

尻の少し上あたりから9本の尻尾が生え、髪と瞳の色は尻尾と同じ光輝くような金色だ。

「『大魔導書(グラン・グリモワール)』!!」


ある『魔法』を『大魔導書(グラン・グリモワール)』で検索する。

『大魔導書』はまるで重力に逆らうかのように浮き上がり、本のページが独りでにパラパラと高速で捲られていき、ある記述の書かれたページでピタリと止まる。

そして俺は自分の指からまるで刃物のように伸びた鋭い爪で指先を軽く切り血を流す。

指先から流れ落ちる血でアリシアの身体に術式を描いていく。

「ジュエルシードよ!!」

宝石に魔力を通す事によりまるで重力に逆らうかのように床から浮かび上がる。

宙を舞う五つのジュエルシードを五芒星の形に並べ魔力のラインを造り膨大な魔力を循環させる。

そして循環させた膨大な魔力を吸収し己が身に宿す。

「創造『天の法衣』!!」

俺自身の能力『幻想の創造者』を使い白をベースに金の複雑な刺繍の入った法衣を造り上げ身に纏う。

肩から下がる赤のマフラーのような長い布と頭には金の冠を被る。

その姿は瀟灑(しょうしゃ)な聖職者にも人を率いる王のようにも見える。

「きれい……」

その姿を見たなのはとフェイトは呟く。

長い金砂の髪と金色の9本の尻尾がゆらゆらとたゆらい所々に残った白が映え幻想的な姿を成す。

「さてまずは……」

アリシアが着けているアクセサリーに魔力を通し、

「我 汝の契約を断ち切り 封ぜられし器より汝を解放する者なり」

アクセサリーの中央に填まった宝石が輝きを放つ。

「汝 アリシア・テスタロッサ 汝を縛るその鎖を解き放つ!!」

宝石から淡い光の球が現れ、紐のような物がその光を縛っているのが見える。

「魂の解放(ソウル・オブ・リリース)!!」

零が呪文を唱えたその瞬間、アリシアの魂を束縛していた鎖が断ち切られ宙を舞う。

そして間髪いれずに零はさらに言の葉を紡ぐ。

「我は天上の杯を戴く者」

零の一言で世界が変わる。

突然零達のいる空間が光射さぬ闇に閉ざされる。

「空間が侵食されたですって!?」

かつては大魔導師と呼ばれただけあってプレシアは逸早くこの場で起こっている変化に気づく。

「其は天より与えられし杯を仰ぎ見る者」

闇に覆われた空間の自分達のいる足場が罅割れていき砕けた闇の欠片は鳥のように羽ばたいていく。

「これは!?」

プレシアは直ぐ様サーチャーを飛ばし探索魔法を使い全体を見渡す。

闇の欠片が羽ばたいて行った事で現れたのは、

「これはステンドガラスなの!?」

サーチャーから送られた映像からプレシアが見たものは荘厳な光を放つ天から与えられた光の杯を仰ぎ見る聖人が描かれた巨大なステンドグラスだった。

「其は識るもの」

零の指先から現れたやわらかな光の糸がアリシアの魂を包み込む。

それと同時に自分達のいる真上に光を放つ新たなセテンドグラスが現れる。

それは中央の円を中心に開かれた花のように鮮やかな装飾の巨大な円形のステンドグラスだった。

詠唱の度に物語を綴った新たなステンドグラスが出現する。

「其は再現するもの」

アリシアの魂の情報から一度死んでしまったアリシアの身体の正常な状態を再現する。 長い年月の間に傷んでしまった体内(なか)が元に戻る。

「其の力は再生にして創生」

過去において断ち切られてしまった肉体と魂を繋ぐ因果の鎖が再び創造される。

今この瞬間アリシアの魂と肉体が繋がる。

そして溢れだした光がアリシアを包み込み光の繭となる。

「其の力は魂を写し器を造り上げる」

光の中のアリシアの身体に生命の火が灯る。

眠っていた細胞が活性化し、

架空元素たるエーテルが物質へと変換され血潮となりその体を駆け巡る。

炉に火をいれるように心臓に熱が灯り、熱い生命の宿った紅き血潮を送り出す心臓。

そして、それは魔力というあいまいな形を通し、エーテルという不確定要素で足りない部分を補われ確定される。

「其は魔法五属にして第三法に属するもの」

確定されたその形は、零から発せられる魔力の輝きという色を失い、その身に色を取り戻す。

そこに在ったのは……、

「其の名は魂の顕現」

【天上の杯を(ヘヴン・スフィール・)戴く者(リヴァイバー)】

柔らかな光に包まれたアリシアの姿がだった。

儀式の最中に浮かんでいたアリシアの身体はゆっくりと地面に下ろされる。

そして地面につく前にアリシアの身体を光の粒子が包み服へと変化する。

「儀式は終了だ……」

零が呟いたその瞬間に全てのステンドグラスに罅が入っていき、

零の身体中から大量の鮮血が吹き出すと同時に世界が崩れ去り元の空間へと戻る。

「お兄ちゃん!?」

「零!?」

血溜まりの中に沈みゆく白の少年を幼き二人の少女達は駆け出し側へと寄り添う。


二人に抱き起こされつつ息も絶え絶えに

「フェイトはあっちだろ……」

零はアリシアの方を指差す。

「で、でも!?」

フェイトはアリシアの方へと目を向けつつも心配そうに血で染まる零を見つめる。

「だ~いじょ~ぶこんなんで死なないから」

ダメージは結構酷いがまだ大丈夫。

「だから今はあっちに行ってきなさい」

俺は身体中に走る激痛に耐えながら精一杯の笑顔でフェイトを送り出す。

「これ以上無理はしないでよ! 絶対だよ!」

「わかった わかった」

彼女は涙を両目に溜めながらこれ以上無理をするなと釘を指してアリシアとプレシアのいる場所へと走る。

ちなみにだが何故俺が今のように全身を血塗れにしているか説明すると、

今回行った『第三魔法』だが実は不完全であり、もし完全であったならば魔力を大量に消費する程度ですんだのだが、

『第三魔法』の術式が不完全でありそれを成功させるために『固有結界』に近い空間を創った事と、

ジュエルシードから発生した莫大な魔力を身体に取り込みさらに本来の機能を無理矢理発動させた事によって『事象改変』に成功するものの……、

今の自分の限界を超えた奇跡の代償とさらに『歪み』を最小限にしたために俺にダメージという形で返ってきたというわけだ。

今の頑丈な身体でなければ全身の神経は焼きつき使い物にならず下手をすれば肉片に変わっていた可能性すらあるな。

などと愚痴る俺をよそに、

「お兄ちゃん!?」

なのはが血塗れの俺の身体を抱きしめる。

「おいおい……服が汚れるぞ」

未だにとめどなく流れ出る鮮血がなのはの服を紅く染め上げる。

「そんなの別にいいもん!!」

「零様!?」

深いダメージのせいで強制的に融合が解かれ俺と分離した千歳がなのはと同じく血まみれの俺の身体を抱きしめる。

「だから……血で汚れるってば……」

「いくら頑丈で簡単に死なないとはいえ無茶をし過ぎです!」

そんな俺の言葉を無視して説教する千歳。

「まぁ そう言うな……アレが見れただけでもやる価値はあっただろ?」

俺はフェイトとプレシアがいる場所を指差す。

そこには、

「スゥ スゥ……」

小さな寝息をたてながら眠るアリシアと、

「あ……あぁ……アリシア……」

「姉さん……」

眠るアリシアを涙を流しながら抱きしめるプレシアとフェイトの姿があった。

「ふ~ そろそろ頃合いかな?」

俺がそう呟いた次の瞬間、

ー激・震ー

突如空間が激しく揺れ始める、

それに続くかのように庭園内の警報が鳴り来訪者が現れた事を告げる。

「次元航行艦の転移反応コレは!?」

「やっと来たか……」

「零!? アレは一体なんなの!?」

突然の事に慌てながら俺に聞くプレシア。

「あぁ アレか? なぁに最後の締めさ」

「最後の締め!?」

「アレは時空管理局のアースラとか言う次元航行艦だ」

「管理局!?」

突然の予期せぬ来訪者である管理局の登場に焦りの色を見せるプレシア。

次元の狭間に漂うこの場所は特定し辛く普通ならば現れるはずの無い存在に危機感を抱くのはしょうがない事だろう。

「ちなみにアレを呼んだのは俺だ」

そう……俺はプレシアがフェイトの部屋に入った後匿名で痕跡を残さずアースラにココの座標と大まかな事のあらましを記した文章を提供した。

「何故!?」

「簡単な事……まず今回の事でプレシアは管理局に目をつけられたのは明白だからな ソレを消すための措置さ」

「貴方……まさか……」

プレシアはまるで信じられないようなものを見るかのような目で零を凝視する。

「そう……今起こり初めている次元震を利用してプレシアの死亡をでっち上げるのさ」

「…………」

「今回の事を調べようにも証拠が無きゃどうしようもないだろ……事実は全て闇の中ってね」

ただでさえ座標特定のしづらい次元の狭間からさらに虚数空間へと落ちれば流石に管理局とはいえどうしようもないだろう。

「よくそんな事を考えつくわね」

若干あきれた目でプレシアは零を見る。

「まぁね……」

あっけらかんと言う俺に若干引いているプレシアだが俺は気にしない。

「………」

「んで……その後は俺らの世界でその履歴や存在を偽造と隠蔽をして終わりさ」

金さえあればある程度はどうにでもなるからね。

「そ……そぅ……」

「あぁ そうそう……」

俺は『王の財宝』から人形のようなものを取りだし、

「プレシア この人形に血を垂らしてくれ」

「えっ? わかったわ」

プレシアは指を魔法で軽く切って血を垂らし零の出した人形につけると、

「えっ!?」

人形がプレシアそっくりの姿へと変化する。

「スキルニルっていうマジックアイテムさ 詳しい説明は時間がないから省くが」

俺は儀式の反動で傷ついた物凄く重い身体を動かし、

「『俺の命令通り動け』」

『言霊』と『幻術』でスキルニルに命令を叩き込む。

人形は光の無い暗い目をしながら頷き返事を返し行動を始める。

「さぁて……ココも本格的にヤバくなってきたからずらかるとしますか……千歳……人形以外の全員を家に転送してくれ」

空間の震えがどんどん大きくなりもうすでに危険域へと到達していた。

「わかりました……皆様一ヶ所にお集まりください」

全員が一ヶ所に集まり、

「『座標固定』『空間接続』」

魔方陣が展開され、

「『転送』!!」

この場から全員の姿が消える。

そして、

時の庭園に転移する時に使ったマンションの屋上に突如魔方陣が現れ、

ー転移ー

全員の姿が現れた、

「ふ~ なんとか無事に着いたか……」

「ところで零……」

「何?」

「あの人形に一体どんな命令をしたの?」

「あぁ 実は最初に会った時のプレシアみたいに狂ったような言動で管理局の裏事情を暴露して散々虚仮にしたあと時の庭園を自爆させて次元の海の藻屑にするように命令したぞ」

「そ、そう……」

どうやら身体が健康になり正気を取り戻したせいか会った当初の自分の行動に若干引いているようだ。

まぁ ある意味黒歴史みたいなものだしね。

「それはさておき早く家に行こう……正直身体が辛い……」

「そうね」

俺は千歳の肩を借り、なのはに支えてもらいながら部屋へと向かう。

ちなみに周りには千歳が人払いの結界や幻術をはっていてくれたので血まみれの俺やなのは達の姿を見た者はいなかった事をここに記す。

そして俺達は家に着き、

「とりあえずアリシアはプレシアと一緒に客間で……千歳……俺の治療を頼む」

「はい」

千歳は俺の服を脱がし、

「やはり……自己修復が働いているとはいえ酷いですね」

どうやら俺のダメージは俺自身の霊体にまでおよんでいるせいか回復が遅かった。

さらに回復魔法の効き目も薄いために自己治癒能力に頼るしかない。

「今お身体をお拭きいたしますね」

お湯で濡らしたタオルで皮膚に付着した血を拭き取り、

その上から回復魔法を掛けながら包帯を巻いていく。

「霊体のダメージ具合と零様の回復速度を計算して……最低でも約一週間は安静にしてくださいね!!」

若干怒気を含めた強い口調で言う千歳。

「了解……」

「まったく」

「そう言えばなのはは?」

「なのはさんならお風呂に入られていますよ」

「あぁ……」

そういや……俺の血で血まみれになってたからな~。

などと考えていると、

「あがったの~」

湯上がりで髪を下ろしたなのはが現れた、

ふむ……髪を下ろしたなのはも良いな。

「あっ! お兄ちゃん!!」

俺を見つけた瞬間、

「お兄ちゃんのバカ~!!」

泣きながら俺に向かって突撃をかましてきました。

「グフッ!」

儀式の反動によるダメージで動けない俺はかわすことなどできず鳩尾に突撃してきたなのはに押し倒され、

「ギャンッ!!」

「お兄ちゃんのバカバカッ!! あんなに血がたくさんでてなのは心配したの!!」

ポカポカと零を殴るなのは。

殴る音も威力も小さいのだが、

「~~~~!?」

声にならない叫びをあげる零。

儀式のダメージで身体が大変な事になっている零には威力は十分だった。

それから数分後、

「マジでやばかった……」

なんとかある程度回復した零であった。

「ごめんなさい……」

悪気があったわけではないとはいえ零の傷が開きかけた事に謝るなのは。

「まぁ 俺も悪いからおあいこってとこだな」

術式制御を両腕でしていたせいか両腕のケガが特に酷いため両腕をだらーんと下げる零。

「ごめんな今両腕があんまり動かないから頭も撫でてやれなくて」

「うぅん……大丈夫なの」

「とりあえず……まぁ 一週間の我慢だな……飯喰うのが大変だな」

「だったらなのはがお兄ちゃんの両腕になるの!!」

「ゑ!?」

なに言うてはるんですかなのはさんや?

「なのはがお兄ちゃんにご飯食べさせてあげるの!!」

「え~!?」

さすがにそれは恥ずかしいぞ!!

「嫌なの……?」

泣きそうな顔で聞くなのは、

「いや……その……さすがに恥ずかしいのだがな」

それにちょっと頑張れば一応動かせるしな。

「それは良いですね」

ちょっ! 千歳!?

「零様のお世話と反省を同時に行えますね」

うぉいっ!?

「ちょっ! 千歳!?」

「零様もしっかり反省してくださいね」

「はい……」

この時の彼女の有無を言わさぬ態度と威圧感のようなものには敵いませんでした。

プレシア side

「アリシア……」

私は千歳という女性に案内された客間で眠り続けるアリシアの頭を撫でつつ、

「姉さん……」

アリシアを見続けるフェイトの頭を撫でる。

「母さん……姉さんはいつ起きるの?」

心配そうに姉であるアリシアを見つめるフェイト。

「千歳さんの話しだと魂と肉体が完全に馴染むまで一週間くらいかかるみたいよ」

「そう……なんだ……」

「早く……目覚めてくれるといいわね」

「うん」

私はフェイトの頭を撫でながら今までの事を反省し、アリシアが目覚めた時にはフェイトとアリシア、二人の娘を大事にしたい。

またやり直せる機会をくれたあの子……零にはいくら感謝をしてもし足りないと思う程に、

だから私の力が必要な時には必ず力になる事を誓うわ。

そんなほほえましい親子の会話を、

「うぅ~ フェイト~ よかったね~」

こっそりと部屋の外から見守るアルフの姿があったとか。

プレシア side end

零 side

「そう言えば零様」

「なに?」

「あの後時の庭園とあの次元航行艦はどうなったのですか?」

「ん? あぁ、人形の最後の記録だと……」

俺は人形が最後に送ってきた記録を読み取る。

「どうやら時の庭園は完全に崩壊し虚数空間に呑み込まれ、あの次元航行艦は沈みはしなかったようだが次元震の余波を喰らってそれなりのダメージを受けたみたいだな」

まぁ と言っても通常航行に影響は無い程度ですんだみたいたが。

「そうですか」

「とりあえず今日は休もう……正直身体中が痛い」

もう身体中ガタガタよ。

「そうですね」

「なのはもお泊まりするの!!」

「では、私は桃子さんに連絡をいれておきますね」

「ありがとうございます 千歳さん」

お泊まりですか。

「とりあえず今日は休もう」

明日からまた頑張ろ。


 
 

 
後書き
どうも!

皆様お久しぶりです。

虚空です!

今回の更新がかなり遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

今回登場した『第三魔法』は私なりの自己解釈や他のSSを参考にしているのでわかりづらかったらすいません。

時間の更新は出来る限り速くできるように頑張ります。

こんな駄目な作者ですがこれからも応援よろしくお願いいたします!! 

 

『夜の出来事』

 
前書き

なんとか次話投稿

もっと早く投稿できるようにがんばります。 

 

その日の夜の食卓にて、

「あの~なのはさん……」

「なぁに?」

彼女は俺の問いに可愛く小首を傾げながら反応する。

「さすがに少し恥ずかしいのですが……」

両腕が上手く動かないとはいえこれは流石に……。

「わがまま言っちゃダメなの!」

「そうだよ零」

今夜の晩御飯であるハンバーグを食べさせようとするなのはとフェイト。

いや……そのね……美少女達に食べさせてもらうのは嬉しいんだけどさ……流石にコレは恥ずかしいぞ!

「あ~う~」

渋々ながらも大人しく食べさせられる俺。

その間、何故かみんなから生暖かい目で見られながら夕食を終える。

そんな目で見ないで!

そしてしばらくしてから零の部屋に来客が現れ、

突如ドアがノックされる。

「どうぞ」

外の人物を招きいれる。

「入るわよ」

入って来たのはプレシアだった。

「どったの?」

「アナタにお礼をと思ってね……」

「別にいいのに……」

「ねぇ……アナタは……何故……自分の身体をそんなにしてまで私達を助けてくれたの?」

救われた身とはいえ見ず知らずの他人である自分はおろか自分の身体を傷つけてなお、娘達を助けてくれた零には疑問を抱かずにはいれないのだろう。

感謝と疑問がせめぎ合い複雑な表情で彼女は零を見つめる。

「強いて言うなら俺が悲しい結末が嫌いだからかな?」

「悲しい結末……どういう事?」

「俺の本質はただの我が儘なガキでね……本来なら起こり得た結末は俺にとって気に入らない結末でね……俺はソレが気に入らないからだな……」

子供の癇癪と変わりないな……気に入らないから本来あるべきものを変える……まさに我が儘なガキそのものだ。

俺の言葉に、

「アナタは……本当に何者なの? あの異常なまでの能力(ちから)といい、まるで未来を知っているかのような行動といい……」

何かに勘づくプレシア、

彼女になら話してもいいかな?

「もし……俺がこの世界の人間ではなく並行世界の人間だとしたらどうする?」

「次元世界じゃなくて並行世界ですって!?」

「あぁ……俺はもと居た世界で事故に遇い死んだはずだったが……どうやら俺の死はイレギュラーだったらしくな……」

俺自身に関する事を一部の設定を変えてプレシアに話す。

流石に自分の死因とかはぼかしてだけどね。

「…………」

「神と呼ばれる者達にイレギュラーであった俺の死の因果律を正すため……転生させられ……この世界で生きるために俺はこの身体と力をもらった」

後になって知った事だが人一人の因果律が狂ったところで世界の修正力で初めから無かった事にされるか都合の良いように改竄される事が多い事がわかったが、

稀に俺のようにやり直しの機会が与えられる事があるらしい。

「…………」

「そして……この世界で起こるとされる未来の出来事の一部を知る事ができたんだ」

この世界は基は創作物の世界とはいえ今は完全に独立した並行世界となっているので実際に存在する。

「普通なら信じられない話だけど……アナタのあの力を見た以上信じない訳にはいかないわね」

本来この世界には無いはずの力を見たせいもあり納得してくれるプレシアであった。

「信じてくれるならいいさ」

「でも……いくつか聞かせて……アナタは何故フェイトや私達を助けてくれるの? 正直な話メリットよりもデメリットの方が多いハズよ?」

まぁ 確かに色々と厄介な事になる可能性はあったが、それでも俺はこの道を選んだ。

「俺にとって損得なんてどうでも良い 俺は俺の心のままに動くだけだ……俺はフェイト達と出会い、短い時間とはいえ俺はあの子達を気に入っている……」

「…………」

「俺はあの子達を身内として認識している……そして俺は身内が困っているなら助けてやりたい……ただそれだけだ」

正直な話俺は身内にはとことん甘いのだが……敵には一切容赦はせず徹底的に倒すタイプだ。

「…………」

「これが理由じゃダメか?」

「いいえ……十分よ……」

「そうか……」

「アナタが優しいのと非常識なのがよくわかったわ」

「確かに非常識だが直に言うのはちょっと酷いな……」

自覚はあるけど……もっとこうオブラートに包んで欲しいな。

「あと俺は優しくなんかないよ……むしろ最低な人間だよ」

なんせ俺は自分の大切な1を生かすためなら9を捨てる事もい問わないんだから。

「それでも……私達にとってアナタは私達を助けてくれた恩人よ」

「ありがとう……その言葉をありがたく受け取っておくよ」

正直……その言葉一つで救われた気持ちになるよ。

「ところでアナタの前の記憶は残っているの?」

優秀な学者である彼女としてはやはり異なる世界の事が気になるのか少し表情を崩しながら問う。

「いや……いくつか断片的なものや大きな事件とかの記憶は残ってはいるが時間が経つ度に少しずつ消えていっている」

これは本当……生まれ変わる事の対価なのかそれとも何かの副作用なのかはわからないが、

かつての俺 ■■■■であった時の記憶はこの数年でほとんど消えた。

能力を使う上で必要な漫画やアニメやゲームなどといった記憶は残っているが、

俺自身に関する記憶はいまだに微かに残っている程度であり、俺の家族の記憶や俺の友達の記憶などはもうあまり残ってはいない……。

その事で時折悩んだり、よくわからない感情が沸き上がってくる事があるがそれは俺が背負うべき重荷だと思う。

一応この後に起きる大きな事件はいくつか覚えていたので忘れないうちに記録してはいるが……、

俺自身の■■■■であった時の記憶はあと数年もしないうちに全部消えてしまうだろう。

「そう……なら私の話はこれで終わりよ……まだ身体が治ってないのに無理をさせてごめんなさいね」

記憶に関する事を聞いたせいか少しばつの悪そうな表情で彼女は謝る。

「大丈夫 俺の身体はかなり頑丈だから」

「そう……でも無茶はしないでね……お休みなさい」

そう言ってプレシアは部屋から出ていく。


「俺も寝るか……」

俺が寝ようとしたその時、

再びドアがノックされる。

「どうぞ」

誰だろ?

「零……入るよ」

部屋に入って来たのはフェイトだった。

「どうした?」

「零……あのね……少し聞きたい事があるの……」

顔を伏せながらぎこちなく話すフェイト。

「なに?」

「零は……その……私の身体の事知ってるん……だよね?」

「あぁ……」

ここで下手に嘘をつけば彼女を傷つけるだけなので俺は正直に言う。

「零は……その……なんで……私が人間じゃなくても優しくしてくれるの?」

消えそうな小さな声を絞り出すかのように己の身体の秘密を話すフェイト。

俺はそんなフェイトに、

「チェリオー!!」

右手でチョップをかます。

「アイタッ!?」

ちょっとだけ痛がるフェイト、

むしろチョップした俺の手の方が痛いよ!

「まったく……何を言うかと思えばそんなつまらない事か」

「つまらないって酷いよ!?」

なけなしの勇気を振り絞った行動を一蹴された事に声を荒げて抗議する。

「あのなぁ……確かにお前の生まれは特殊だけどさぁ……俺からすればそれがどうした? そんな事ぐらいで俺がお前を見る目が変わるとでも思っているのか?」

というかある意味俺も似たようなもんなんだけど……。

今の俺の身体って新しく創られたものだしな。

「そんな事って……」

「どんな産まれ方でも結局お前はお前だ……アリシアとして造られたとしても心があり、考え、行動するならお前はただの人形なんかではなく『フェイト・テスタロッサ』という一人の人間だ」

「…………」

「たとえ誰かが否定したとしても俺が……俺達がお前を人間だと認める、だからな一人で考え込むな、助けてほしい時は呼べ!」

「零……私は……アナタに甘えてもいいの? 頼ってもいいの? 縋ってもいいの?」

「当たり前だ!」

俺がそう言った次の瞬間、

「う……うわあぁぁぁんっ!!」

彼女は突如泣きながら俺に突撃してくる。

「グフッ!?」

普段ならば防げるハズなのだが怪我をしている俺は耐えきれず、

「グボァーッ!!」

変な奇声をあげながら床に倒れ込む。

「うあぁぁぁんっ!!」

そんな零に気づかないのかただ泣き続けるフェイト。

「ぐっ!(傷が開く~! つか泣いてて抱きついている腕の力が強い事に気付いてない!?)」

そんな俺をよそに……、

「私……母さんに私の身体の事を聞いた時……怖かった……私の記憶も身体も造られたものだなんて!」

泣きながら話し続けるフェイト。

彼女は恐らく『他人(ひと)』とは違う生まれ方をしたために自分の存在を否定される事を極端に恐怖したのだろう。

「私に……優しくしてくれた零が……私の身体の事を知って私の事を嫌わないか不安だった! 捨てられないか不安だった!」

「フェイト………」

俺には想像もつかないほど彼女は悩み恐怖したのだろう。

俺はフェイトの頭を撫で、

「大丈夫……さっきも言っただろ? お前はお前だって……俺はアリシアとしてではなくちゃんとフェイトとして見ているから」

俺はフェイトをあやしながら言う。

「零………」

次第に涙声から普通の声色になっていくフェイト。

「落ち着いたか?」

「うん」

まるで憑き物が落ちたかのように顔を赤らめながら笑顔を見せる。

「そうか……なら頼みがある……」

「えっ!? な、なに!?」

「悪いけど……千歳……呼んで来て」

気が緩んだせいか身体の傷が開き巻かれた包帯が赤く染まっていく。

「俺……もう……無理」

俺は意識を手離す。

「キャーッ!? 零ーッ!?」

突然の事にフェイトが叫ぶ。

すると、

「零様ーー!!」

異変を察したのか慌てた千歳が部屋のドアを開けて入って来る。

「千歳! って! なにその格好!?」

突如現れた千歳のその姿に驚くフェイト。

「えっ? ただのパジャマですよ?」

千歳の格好はというと、

まるでレースのカーテンのような薄く透き通る素材でできたネグリジェに、

その下は黒のフリルがあしらわれた下着とガーターベルトだった。

元々の容姿と相まってこの姿を見た者が男ならば必ず魅了されるだろう。

「それパジャマ!?」

「えぇ、本当は私は寝る時は何も着ない派なのですが零様が何か着てほしいとおっしゃられたのでこの服をパジャマ代わりにしています」

何事もなく普通に答える千歳。

「ところでフェイトさん……」

「はい……」

「契約ラインを通じて零様の生命力に異常が生じたので慌てて来ましたが一体何があったのですか?」

てきぱきと手際よく零の治療をしながら彼女は尋ねる。

「え~と……その……」

フェイトは千歳に事情を話す。

「なるほど……」

「うぅ……零怒るかな?」

故意ではないとはいえ自分のせいで再び傷が開き気絶させるまで至ったので流石に怒られるかもしれないと思いフェイトは落ち込む。

「それはおそらく大丈夫でしょう?」

「そうなの?」

「えぇ……零様はお優しい方ですし、身体の方も傷が開いて血がでただけですので」

「うん……」

「後は私がお世話いたしますのでフェイトさんはもう寝てください、夜更かしは乙女の敵ですよ」

「うん……わかった」

そう言われて渋々零の部屋から出ていくフェイト。

「おやすみなさい 千歳」

「はい おやすみなさい」

フェイトを見送る千歳、

「ふぅ……今回は許しますが次からはあまり無茶をしないでくださいね」

ベッドで眠る零の頭を優しく撫でながら千歳は呟く。

「私の主は貴方様だけなのですから」

妖狐特有の妖艶な笑みではなく慈愛に満ちた笑みでそっと呟く千歳だった。

 
 

 
後書き
次の話も速く投稿できるようにがんばります。

これからも応援よろしくお願いいたします!! 

 

『目覚め』

 
前書き
少し速く投稿できました。

ちなみに一部のキャラが崩れています。

 

 
アリシアを蘇生してからついに一週間が経った。

幸いな事に術式そのものには誤りはなく完璧でありアリシアの身体の血色もよく蘇生自体は問題なく完了したと言っていいだろう。

だが……肝心のアリシアは深い眠りにつき未だに目を覚ます事はなかった……。

「今日で一週間………」

プレシアが呟く……。

魔法に長け若くして大魔導師の称号を得た彼女ではあるが娘であるアリシアの蘇生自体は成功している事は理解はしているものの、

やはり理性と感情はそうそう一致する事はなくその顔には不安の色が見えた。

「零……姉さん……起きるよね?」

母であるプレシアと同じように不安を堪えた表情で零にフェイトは聞く。

無理もない……せっかく紡ぐ事の出来た親子の絆だ……、

その絆が再び失われる可能性を捨てきれないのだろう。

「フェイトちゃん……お兄ちゃんなら大丈夫なの!」

と俺を信じてフェイトを励ましてくれるなのは、

この子のこういう優しいところはとても尊いものだと思う。

「千歳……アリシアの容態は?」

俺は千歳にアリシアの容態を聞く、

俺も身体の状態なら把握出来るが魂の状態はさすがに普通の『眼』の状態では把握する事はかなわないので千歳の能力はとても重宝する。

「はい……霊体と肉体の融合は完璧です、肉体の方も損傷や異常は今のところはみられません………」

アリシアの身体を診察した千歳がアリシアの容態について説明する。

「そうか……ならば俺が『起こす』か?」

言霊を使えばすぐに起こせるしな。

「はい……では零様……アリシアさんをお願いします」

「わかった……『起きろ』」

俺は言霊を使いアリシアを強制的に起こす。

「う……うん………」

つい先ほどまでは規則正しい寝息をたてていたアリシアだが、

「う……う~ん………あと5分……」

などとベタなボケをかましてくれて再び眠りにつく。

「はよ『起きろ』!!」

そんなアリシアに俺はもう一度言霊をかけ強制的に起こす。

「う~ん……まだ眠いよ~」

寝ぼけ眼で目をこすりながら渋々起きるアリシア。

「ア……アリシア!?」

起き出したアリシアにプレシアは一目散に駆け寄る。

「アリシア! お母さんがわかる!?」

プレシアが尋ねる、

そしてアリシアから帰ってきた言葉は……、

「オバサン……誰?」

ざ・わーるど

この場の時が止まる……。

俺……使ってないよ……?

「……………」

この場に居た全員がまるで石化したかのように固まる。

そして数秒後…。

「………」

なおも石像のように固まったままのプレシア。

まぁ 今まで必死に生き返らせようとしてたのに知らないとはいえあの一言は……ねえ?

などと…思考を巡らせていると、

ギギギ……とまるで油の切れたブリキのような音を出しながら零のいる場所を鬼も裸足で逃げ出しそうな表情(かお)でプレシアが見つめる。

「零……」

ただ名前を呼ばれただけなのに何故か背中を凄まじい寒気というか悪寒が襲う。

「は はい!!」

豹変したプレシアに内心ビビりながらも返事を返すと、

「お願い! 今すぐ私を若返らせて!!」

プレシアは零の両肩を乱暴につかみ、まるで万力のような力で締め上げながら首をカックン カックンと上下に揺らす。

「ちょっ! 俺まだ病み上がり! や やめて! 傷開いて出ちゃうから! 真っ赤なトマトジュースが出ちゃうからやめて~」

傷はある程度回復し表面の傷口は塞がったもののまだ病み上がりである零の身体ではキツイ。

「か、母さん!? 零が! 零が死んじゃう!!」

「プレシアさん! お兄ちゃんが死んじゃうの!」

慌ててフェイトとなのはが叫び、

「ちょっ! アンタ! 零の顔色が赤から青に変わりかけてるよ!」

「プレシアさん! このままでは零様が危険です! お離しください!!」

アルフと千歳がプレシアから零を離そうとするが、

「私の失われた時間を取り戻させて! お願いよ~!」

二人の頑張りも虚しくさらに力が入るプレシアだった。

ダレカタスケテーッ!!

そして……。

「わ わかった! な、なんとかするから手を HA・NA・SE☆」

「本当ね!!」

ー落下ー

プレシアから解放され零は床に落ちる。

「うぅ~病み上がりなのに酷いよ~(泣)」

一応簡単には死なないとはいえかなりきっついんだよ!?

簡単には死なないって言ったけどこの身体はあくまで不老不死に近いだけだからね!?

流石に限界超えたらいくら俺でも死んじゃうからね!……たぶん……。

「れ、零大丈夫?」

「お兄ちゃん大丈夫なの?」

二人が駆け寄り零を介抱する。

「ちょっと危なかった……」

あやうく逝っちゃうとこだったぞ……。

「さぁ! 早く! 早く私を若返らせて!! ハリーッ! ハリーッ!」

あまりにも追い詰められたせいかどっかの吸血鬼みたいになってんぞ!?

「あ~先に言っておくけど……間違って幼女になっても怒んないでね」

「どういう事よ!?」

突然の幼女化発言にプレシアは驚く。

「とりあえず方法なんだがな、特殊な回復魔法で身体を活性化させ死んだ細胞を甦らせて若返らせるんたが………」

この魔法なぁ………、

「何か問題があるの?」

「魔法の制御が物凄く難しいから失敗する可能性があるんだよ」

この魔法本当に難しいんだよ!?

「失敗するとどうなるの?」

「さっき言ったように最悪の場合若返りすぎて幼女になる可能性がある」

「どちらにせよ若返りはするのね」

なんせ某楽園の少年に出てくる伝説の魔女の魔法だからね……。

ちなみに俺はまだ時間操作系魔法は完全に使えるわけじゃないから今回はつかいません。

まぁ 下手に時間巻き戻すと病気が再発する可能性もあるからだけどね。

「まぁ……それはさておき……少し席を外すぞ」

「わかったわ」

俺とプレシアは一度部屋から出て別の部屋へと向かう。



「お兄ちゃんとプレシアさんお部屋から出て何をするのかな?」

なんか凄い事が起きそうなの……。

「母さん……」

どこか遠い目をしながら部屋のドアを見つめるフェイトちゃん……。

流石にお母さんのあんな姿を見ちゃうとね?

「ねぇ……フェイトちゃん………」

私は……、

「なに?」

フェイトちゃんに、

「アリシアちゃんが起きたらフェイトちゃんは……どうするの?」

一つの疑問を話す事にする。

「私は……姉さんとちゃんと話したい……母さんが私を娘と認めてくれたように……姉さんにも私の事を妹と認めてもらいたいんだ……」

少しだけ顔を曇らせながら応えてくれるフェイトちゃん。

うん……こんな時は『魔法の言葉』なの!

「絶対大丈夫だよ!」

そう……きっと大丈夫……。

「え?」

「昔お兄ちゃんに教えてもらった魔法の言葉なの!」

これは……お兄ちゃんに会って、お父さんを治してもらった後もまたこんな事が起きるんじゃないのかなって不安になった時に教えてもらった魔法の言葉。

ただの気休めかもしれないけど本当に大丈夫だと安心できる私の大切な魔法の言葉。

「だからフェイトちゃんにも教えてあげるの!」

「絶対……大丈夫……」

「うん! きっとアリシアちゃんはフェイトちゃんの事を妹として見てくれるの!」



「絶対大丈夫……」

あの子から教えてもらった魔法の言葉……。

ただの言葉に過ぎないのに何故か少し安心できる言葉……。

臆病な私に勇気をくれる魔法の言葉。

「絶対大丈夫……」

私はこの魔法の言葉を信じる!



「絶対大丈夫……良い言葉ね」

扉の隙間から中の様子を伺っていたプレシアが言う。

だが俺の耳にはそんな言葉は入らず、

「って……何悶えてるのよ?」

プレシアの視線の先には顔を真っ赤にしながら廊下で悶えている零の姿があった。

「……!! ////」

いや! 無理だって!

まさかこんなシリアスな場面で昔不安がっているなのはに教えたあの言葉が出るなんて予想してなかったから!!

スッゲー! 恥ずかしいー!!

厨二病とか言わないでー!!

私のライフ(精神力)はもうゼロよ!?

「まったく……何を悶えてるのかしら?」

お願いだから聞かないでね!

「うぅ~ それはともかく身体の調子はどう?」

俺は話題を反らすべくプレシアに聞く、

「凄いわね……この肌の張りや身体の軽さ……10代の時を思い出すわ」

先ほどとは姿が違うプレシアが言う。

ホントは二十歳ぐらいに若がえらせようと思ってたんだけどちょっと魔力とかの調整ミスって見た目18~19位の若い姉ちゃんになったのだ……。

やっぱあの魔法ムズいわぁ~。

さすがは伝説の魔女……。

「そうか……なら気を取り直して部屋に入るとするか?」

「えぇ そうね」

俺とプレシアはアリシアの居る部屋へと入る。

ー開ー

突如部屋のドアが開かれて誰かが入って来た……、

「え……と……母さん?」

私は母さん(?)に問い掛ける。

「プレシアさん?」

部屋のドアが開いてお兄ちゃんと一緒に若い女の人が現れたの!

でもよく見るとプレシアさんに似ているの……。

「そうよフェイト 私よ」

「母さん!?」

「プレシアさんすごく若いの!?」

ウチのお母さんより若くなってるの!!

「ちょっと魔法の調整ミスってかなり若くなっちゃったんだ……」

お兄ちゃんどんな魔法使ったの!?

「うぅ~ん うるさいなぁ~」

私とフェイトちゃんが驚いていると突如アリシアちゃんの声が聞こえたの!

「アリシア!?」

「姉さん!?」

あわてて駆け寄る二人……。


「アリシア! 今度こそお母さんが分かる!?」

「う~」

寝ぼけ眼をこすりながらプレシアを見たアリシアは、

「あ~ お母さんだぁ~ あれ? でもちょっと若くなってる?」

「アリシア!!」

アリシアの言葉にいてもたってもいられなくなったプレシアは一目散にアリシアに駆け寄り、

「アリシア! よかった! あぁ! 私の宝物!!」

泣きながらアリシアをプレシアは抱き締める。

「うにゅ? どうしたのお母さん? なんで泣いてるの?」

「アリシア~!!」

なおも泣き続けるプレシア。

「あぅ……」

泣き続けながらもアリシアを放そうとしないプレシアを見てフェイトはアリシアのもとへ行こうか行かまいか迷っていた、

「フェイト……」

俺に出来る事はそんなフェイトの肩に手を置き、

「一緒に行こうか?」

そう告げる事だった。

「うん……」

そして俺とフェイトはアリシアへと近付き、

「プレシア……アリシアに言う事があるだろ?」

未だ泣き続けるプレシアに話し掛ける。

「そうね……」

泣くのをやめ目もとを伝う涙の痕を拭いアリシアと向き合うプレシア。

「アリシア……紹介するわ……」

震えるフェイトの肩をプレシアは優しく抱きアリシアの前に立たせる。

「この子の名前は フェイト……アナタの妹よ……」

「私の妹?」

「あ……あの……アリシア……姉さん……その……」

アリシアはベッドからもそもそと起き上がりフェイトへと近付く、

「アリシアだよ よろしくねフェイト」

優しい笑みを浮かべながらフェイトを抱くアリシア。

今ここに姉妹の絆が結ばれたのだった。

「アリ…シア…姉さん……」

小さく呟くかのようにフェイトはアリシアの名前を呼ぶ。

「なぁに? フェイト?」

「うぅん……なんでもない……呼んでみただけ……」

「なにそれ?」

不思議そうに首を傾げるアリシア。

うん……すごく微笑ましい光景だな……。

「ねぇ? ところでアナタはだれ?」

俺となのはを見てアリシアは問う。

「俺は黒帝 零」

「高町 なのは なの!」

「アリシアだよ! よろしくね!」

そう言って立ち上がろうとするが、

「ありゃ?」

アリシアはふらりと体勢を崩し前に倒れる。

「大丈夫か?」

俺はアリシアを抱き止める、

「う~ん 身体が上手く動かないよ~」

「こりゃしばらくはリハビリだな」

まぁ 何年間も狭い場所にはいってりゃなぁ……。

「大丈夫か?」

「うん」

俺はアリシアの背中と膝に手を入れて抱き抱える、

「うにゅ?」

所謂お姫様抱っこである、

「アリシアちゃんうらやましいの!」

「姉さんズルイ……」

なのはとフェイトが羨ましがる。

「とりあえず無理せずゆっくりと身体を慣らせるんだぞ」

「りょ~か~い」

「じゃあ俺は少し席を外すよ」

準備をしなきゃな……。

「あれ? お兄ちゃんどこかに行くの?」


席を外す零になのはが尋ねる。

「ん? あぁ せっかくアリシアが起きたんだから今日の夕食は豪華にしようと思ってな」

「お買い物に行くの?」

「ん? あぁ ちょっと食材を『狩って』くるだけさ」

そう言って零は部屋から出ていく。

「そうなの?(あれ? 今なにか違う気がしたのは気のせいなの?)」

少し考えこむなのはと、

「今日はご馳走……」

俺の言葉に反応し顔が綻ぶフェイト。

「あれ? フェイトちゃんどうしたの?」

なのはが今まで見た事の無いフェイトの表情の変化に戸惑いながらも質問をする。

「零のご馳走はすごく美味しいんだよ!」

年相応の笑顔でフェイトは言う。

「そうなの?」

「うん! この前なんか食べたら7つの味に変化する実のゼリーを食べさせてもらったよ!」

「アタシはこの前食べた肉がうまかったよ! 確か蟹豚の肉だったっけ?」

「え? なにそれ? なのはそんな食べ物知らないよ!?」

「そうなの?」

首を傾げながら問うフェイト。

「なのは7つの味に変化する実や蟹豚なんて名前の食べ物なんか聞いた事もないの!!」

というかそれ本当に地球の食べ物なの!?

「そういえば私も零があの食材をどこで買ってるのかしらないんだ」

「そうなの?」

ますます謎が深まるの……。


それからしばらくし……。

「ただいま~」

零は再び部屋のドアを開け中に入る。

「今から食事の準備をするけどなのはも食べていくだろ?」

「う うん! 食べるの!」

フェイトちゃん達の言ってた事も気になるの……。

「了解 じゃあもう少しまっててね」

「わかったの!」

それからまたしばらくし……。

全員が食卓に着き、

「さぁ アリシアの目覚めを祝って……」

「「乾杯(なの)!!」」

アリシアの目覚めを祝って乾杯をする!

「さぁ みんな好きなものを食べてくれ!」

今回はちょっと頑張ってきました。

「いただきま~す!」

なのはが近くにあった肉料理を口に入れた次の瞬間、

「おいしい~! こんなお肉今まで食べた事ないの!」

凄くあっさりしていて美味しいの!

「あぁ それは蟹豚のローストを羽衣レタスで巻いたものだよ」

「この黒い草みたいなのとこのトマトすっごく美味しい!」

フェイトがサラダを食べながら言う。

「それは黒草とネオトマトのサラダだよ」

「なんなのこの食材は!? こんなの他の次元世界でも食べた事がないわ!?」

ありえない食材に驚きを隠せずにプレシアは叫ぶ。

「おいしい~♪」

おいしそうに骨付きコーンを頬張るアリシア。

「うまぁ~! この肉本当にウマイよ!!」

白毛シンデレラ牛のステーキにかぶりつくアルフ、

そして全員の食事が終わった後……、

「今回のデザートはコレだ!」

全員の目の前に出されたのは…、

「ウソ!? シャーベットの上に虹ができてるの!?」

果汁が蒸発する事により生まれる7色の虹に驚くなのはと、

「きれい……」

シャーベットの上に出来た虹に感動するアリシア。

「もう何でもありね……」

もはや考える事を放棄したプレシアだった。

「やった~! 虹の実だ!」

うれしがるフェイト、


これがフェイトちゃんの言っていた7つの味に変わる実なの!?

凄く良い匂いでお口の中から涎が止まらないの!

ー掬ー

なのははおそるおそるシャーベットをスプーンですくい……、

「いただきますなの」

口に運んだ次の瞬間……、

凄いの! お口の中に入れた瞬間にすっごい甘味がしたと思ったらレモンみたいな酸味に変わって栗みたいな香ばしい味に変わったの!

そしてシャーベットが喉を通った瞬間……、

「ウソ……3つも味が変わったの!?」


最後の瞬間に3つの味へと変わり初めて味わうなのはにさらなる感動を与えた。

「うそ……果汁が蒸発して虹をつくっているですって?」

こんなありえない果物この地球はもちろん他の次元世界にだって存在しないわよ!?

私は恐る恐る七色の虹を描く実のシャーベットをスプーンで掬うが、

ー重ー

この重さはとてもじゃないけど普通の果物がもつ重量じゃないわね。

「重い! まるで金の重量みたいね!?」

シャーベットになっているのになんなのこの重さは!?

私は掬ったシャーベットを口の中に入れた瞬間、

「ッ!?」

ウソッ!? 口に運んだ瞬間から味が変わったですって!?

最初は完熟した大量の果物を凝縮したかのような甘味を感じたと思ったら、

「なにコレ?」

レモンなどの柑橘類のような爽やかな酸味が姿を現したわ!

「まるで味のデパートね」


デザートである虹の実のシャーベットを食べ終えてからしばらくし。

「さて今宵の食事は満足していただけたかな?」

「大満足だよ!」

「うん」

「なの!」

上からアリシア、フェイト、なのはの順に答える。

「ねぇ 零…あの食材はいったいどこの世界の食材なの? 私も他の次元世界の食材を食べた事あるけどあんな食材見た事も聞いた事もないわよ!?」

困惑した表情で言うプレシアと、

「そういえばそうなの!」

それに追従するかのように言うなのは。

まぁ 地球上はおろか別の次元世界でも御目にかかれないような食材を目の前にすればそれは当然の行動なのだろう。

「知りたい?」

俺の問いに二人は、

「当たり前よ!」

「なの!」

間髪入れずに答える。

「ん~ そうだな……」

少し考え込み、

「そういえばなのは」

「なぁに?」

「フェイトに負けたあともう一回戦いたいって言ってたよな?」

「うん……でもそれがどうしたの?」

「いや……戦う場所を提供するついでにこの食材のとれた場所を紹介しようかと思ってな」

まぁ あの場所なら被害がでても問題無いしな。

「そうなの!?」

「あぁ」

そう……あの人外魔境ならな。

「気になるわね」

「それに明日は確か日曜だろ? 今日は泊まっていって明日その場所にいけばいいさ」

「わかったの!」

「なら千歳部屋の用意を頼む」

俺は千歳に部屋の用意をするように頼む、

「わかりました」

「とりあえずプレシアとアリシアは同じ部屋にするか? 話したい事もあるだろうしな?」

「ありがとう」

「零…私は?」

一人だけ除け者にされたと思ったのかフェイトは弱々しげに自分の事を問う。

「ん? あぁ フェイトは明日はなのはとの再戦だからなしっかりと対策を練れるようにアルフと一緒の部屋でいいか?」

「うん……」

俺はフェイトに小さく耳打ちし、

「(あとで俺の魔法を教えに行くから今日はアルフと一緒にいてくれ)」

「わかった」

「なのはは来客用の部屋を用意させるからそこでいいか?」

「わかったの」

「じゃあ部屋の案内をするよ」

俺はなのは達をそれぞれの部屋へと案内し。

しばらくしてから……、

「フェイト入っていいか?」

俺はフェイトの部屋のドアを軽く叩き確認をとる。

「いいよ」

「入るぞ」

返答が帰って来たので俺は部屋へと入る。

「明日のなのはとの再戦だがな なのはは前よりも強くなっているから油断するなよ」

時間を見つけて鍛えたからね。

「うん……わかってる」

「あとバルディッシュを出してくれるか?」

「え? うん わかったよ」

フェイトが首にかけた待機状態のバルディッシュを首から外す、

「今からバルディッシュに俺の魔法をダウンロードさせる」

「どんな魔法なの?」

「出の速く接近戦で使える魔法と相手を魔方陣の中に閉じ込めた後に強力な雷を連続で落とす魔法だ」

あの魔法ならなのは相手でも決まれば勝てる可能性はあるだろうな……。

「なんか凄い魔法だね?」


「雷系では恐らく最強クラスの魔法なんだが、発動に時間がかかるのが欠点だな まぁ フェイトなら上手く使えるだろう」

「うん……上手く使って見せるよ!」

「あぁ 頑張れ」

俺はバルディッシュに魔法のダウンロードが終わった後フェイトの部屋から出てそのままなのはの部屋へと向かう。


「なのは入っていいか?」

先ほどと同じように部屋のドアを軽く叩き確認をとり、

「どうぞなの!」

俺はなのはの部屋へと入った。

「明日のフェイトとの再戦で使える魔法を教えておこうと思ってな」

「え! 魔法を教えてくれるの!?」

「あぁ いくらなのはが成長したとはいえ経験じゃあフェイトの方が上だしな……」

まぁ それでも主人公補正とかで勝ちそうだがな……。

「レイジングハートを出してくれるか?」

「わかったの」

なのはは首にかけた待機状態のレイジングハートを外して俺に渡す。

「よし じゃあ魔法をダウンロードさせるぞ」

先ほどと同じように俺はレイジングハートに魔法の術式をデータ化させダウンロードさせる。

「ところでどんな魔法なの?」

「あぁ なのはは攻撃力は高いがスピードはそこまで速くはないだろ? それに防御力も」

普通の魔導師よりはかなり硬い障壁を張れるがまだ柔い。

極力生還能力をあげるためにもここは防御力をあげておきたい。

「うぅ……言い返せないの……」
「スピードよりも防御力を高めた方が良いとおもってな今ダウンロードした魔法は防御魔法だ」

ただし……普通のではないがな……。

「どんな魔法なの?」

「一度に五枚の頑丈で特殊な盾をだす魔法と、特殊なフィールドを纏ってあらゆるダメージを軽減する魔法だ」

この魔法の防御力はかなりのものだしな。

「凄いの!」

「あと……なのは……」

「なに?」

「ついでに言うがそろそろ俺の事をお兄ちゃんと呼ぶのは止めないか? さすがに照れくさくなってきてな……」

俺……別に妹属性なんてないし……。

「えぇ!? じゃあなんて呼べばいいの!?」

「普通に名前で呼んでくれないか?」

いつまでもその呼び方はなぁ……流石に恥ずかしい。

「名前で?」

「あぁ……」

「えっと……零……君?」

もじもじと顔を赤らめながら上目遣いで俺を見ながら呼ぶなのは……、

子猫みたいでかわいいです!

ー抱ー

俺はなのはの行動に耐えきれずに……、

「にゃ!? れ……零君!? /////」

なのはを抱きしめて頭を撫でる。

「ゴメン……なのはが可愛くてつい……」

愛でずにはいられませんでした。

やっぱ可愛いは正義だろ!?

「にゃ!? か 可愛い!?」

「あぁ……」

「にゃあ~~ ////」

顔を真っ赤にし目を回すなのは、

「あれ? なのは?」

「にゃあ~ ////」

「もしも~し? なのはさん?」

「…………」

返事がない……どうやら気絶しているようだ……。

「とりあえず……」

なのはの背中と膝裏に手を回し抱き抱え、

ベッドに寝かせる。

「とりあえずお休み……」

俺は部屋から出て自分の部屋へと向かう、

「はてさて……」

本来の道筋からはかなり乖離したな……。

おそらくAsまでは正史の流れを組めるだろうが、

それ以降はわからんな。

「まぁ とりあえずは明日の二人の戦いを見守るとするか……」

これからどうなることやら。 
 

 
後書き
今回は早めに投稿できました。

次も速く投稿できるようにがんばります!!

こんな駄作者ですがこれからも応援よろしくお願いいたします!!

作者は感想やアドバイスをもらうとやる気が上がります! 

 

『名前を呼んで』

 
前書き
言葉だけじゃ

伝わらない

届かない

響かない

だから私達は間違っていてもこの方法で私達の意思をぶつけあう!

だから私の声を聞いて!



魔法少女リリカルなのは始まります! 

 
一夜が明け、

「さて……みんな準備はいいか?」

俺は全員に準備は出来ているのかを確認する。

「大丈夫なの!」

手を挙げ返事をするなのは。

「うん 大丈夫だよ」

それに追従するように返事を返すフェイト。

「私達も大丈夫よ」

「大丈夫だよ~」

同じく返事を返すプレシアとアリシアの二人。

「あぁ 大丈夫だよ」

アルフも返事を返す。

「みなさん準備はよろしいみたいですね」

千歳が点呼をとり、

「じゃあ 全員俺について来てくれ……」

俺は全員を本来は物置として使っている部屋へ案内し、

「なんだい? ただの物置部屋じゃないか?」

呆れたようにアルフが言うが、

「まぁ お楽しみはここからだ……」

俺は中央に安置された布が被せられた大きな置物のようなものの布を引っ張る。

ー取ー

布は音を立てて、

ー落ー

床に落ちる。

すると姿を現した物は……、

大きな丸いガラスの中に模型のような物が入った物だった。

「なに? コレ? 大きな丸いガラスの中に入っているのは模型? でも……コレからは魔力を感じる……という事はもしかして魔法具?」

プレシアが興味深くソレを調べようとする。

「ねぇ 零……コレなんなの?」

フェイトが現れた物体が何なのかを零に質問する。

「まぁ すぐわかるさ」


零ははぐらかすように言い、

「とりあえず……プレシア……帰って来~い」

学者気質故にソレを調べようとしているプレシアの肩を叩き思考をコチラへと呼び戻す。

「ハッ!?」

急に肩を叩かれたためか正気に戻るプレシア。

「とりあえずみんなこの物体に触れてくれ」

俺は全員に丸い球体部分に触れるように言い、

「行くぞ『転送』」

俺がそう言った次の瞬間、

ー現ー

全員の足元に魔方陣が現れ全員を包む。

「えっ!? なんなの!?」

ー光ー

そして魔方陣が発光し全員を包む。

「さぁ みんな目を開けてごらん」

「うぅ……」


全員の目に最初に映った光景は、

先ほどの薄暗い物置部屋ではなく……、

「えっ? ウソ……お外?」

上には蒼い空が広がり周囲には白い巨大な建物がひろがる世界だった。

「なによコレ……あり得ないでしょ?」

プレシアがありえないという顔をしながら言葉を言い放つ。

「とりあえず全員俺と千歳の後について来てくれ」

俺と千歳は先頭に立ち全員を案内するべく歩きだす。

「零君待って!」

「零待って!」

慌てて後を追うなのはとフェイト。

「フェイト! 待っておくれよ~」

その後を慌てて追うアルフ。

「お母さん早く行こうよ~」

フリーズしたプレシアの頬をぺちぺちと軽く叩いて移動する事を言うアリシア、

「えぇ……そうね……(あの感覚は普通の転位魔法の感覚とは違う……どちらかといえば次元転位に近かった……)」



プレシアは何かを考え、

「まさかね……」

ボソっと呟く。

「お母さん! フェイト達行っちゃうよ!」

アリシアの声で考える事を中断する。

「ごめんなさい すぐ行くわ」

二人は慌ててフェイト達の後を追う。

「うぅ~ なんでこんな高い橋なのに手すりがないの~」

零の服の裾を握りながら涙目で言うなのは、

「一応この橋には事故防止の魔法術式を刻んであるから落ちても風が元の場所へと押し上げてくれるから大丈夫さ」

「うぅ~」

「というか何時も飛行魔法でこれくらいの高さを飛んでるだろ?」

「自分で飛ぶのとはまた違って怖いの!」

そんなもんか?

それからしばらく歩くと、

「はい 到着」

目的地である建物に着き、

「「お帰りなさいませ! 主様!」」

着いたと同時に誰かの出迎えの言葉を聞く。

「「誰!?」」

零と千歳を除く全員が同じ言葉を言い声のした方を向く。

するとそこに居たものは……、

「人と猫!?」

木々を思わせるような深緑の長い髪と陶磁器のような白い肌をしたどこか無機質な人形を彷彿させる女性と、

幼稚園児と同じ位の背丈で一目でわかるほどに整えられた見事な毛並みを持ち腹に肉きゅうのような模様があり二足歩行する猫であった。

「出迎えご苦労」

そして零はそんな二人(?) に礼をのべる。

「本日はどのようなご予定ですか?」

女性が零に話し掛け予定をたずね、

「いつものように狩りですか? それともバカンスですかにゃ?」

猫(?) は腰のポーチから出したメモ帳とペンを持ち器用に文字を書く。

知らぬ人間から見たこの光景はとても現実とは思えぬだろう。

「ね……猫が喋ってる?」

「使い魔……じゃないよね?」

なのはとフェイトが信じられないものを見たためかお互いに疑問を言い合う。

「わ~! 喋る猫さんだ~!」

ー走ー

そんな二人をよそにアリシアは猫? に近付き、

ー抱ー

猫? の両脇に手を入れ抱き上げ、

「にゃ!? にゃにをするんですかにゃ!?」

ぎゅう~と抱きしめる。

いきなり現れた二足歩行で喋る猫を見ても物怖じせずにこのような行動を起こせる彼女はある意味大物なのかもしれない。

「わ~い すっごく気持ち~!」

抱きしめたまま頬擦りしたり、猫の腹や肉きゅうなどをプニプニと突っつくアリシア。

「当然にゃ! 僕は毛並みに自信があるのにゃ!」

そして猫はじたばたともがきながらも自分の毛並みを自慢する。

「う~ なのはも触らせてほしいの!」

「ね 姉さん私も……」

アリシアに触発されたのか二人も猫を抱きしめる。

触発されたとはいえ躊躇い無しによくわからない生物(けしてなまものにあらず)に抱き付ける彼女達も大物になれるだろう。

「あ~ とりあえずコイツらの紹介に入っていいか?」

一応空気を読んでしばらく待っていたのだが一向に終わる気配がないので俺は話を切り出す。

じゃないと話進まないからね!

「え~もうちょっとさわってたぁ~い」


ぶぅぶぅと文句を言うアリシアを尻目に、

「あ~まずこの二足歩行する猫はアイルーっていう獣人種でな 手先が意外に器用で独自の文化を築いているんだ」

猫もといアイルーの説明を始める。

某ハンティングゲームをプレイした方々にはアイルーという存在はとても馴染み深い存在であろう。

狩人達の生活を支えたり、

戦闘においてはどっから出したのかをツッコミたくなるような小型の爆弾を敵に投げつけたり、

あげくの果てはあきらかに身の長に合わない巨大なタル型の爆弾を抱えて巨大なモンスターに自爆特攻をかますという荒業をこなす猫の存在を!

「コイツらは俺が多次元世界を旅した時に会ってな、安全な住処を提供する代わりにこの別荘の管理や掃除及び手入れをしてもらっているんだ」

そう……以前の能力確認の旅の時に偶々モンハンの世界へたどり着き俺は彼らに出会った。

彼らの集落は飛竜によって被害を受けぼろぼろになってしまっていたので俺の別荘を住処として提供する代わりに猫の隣にいる彼女達の手伝いを頼んだのだ。

「そして隣にいる彼女は俺の所有する自動人形(オートマタ)だ」

元々この別荘は『王の財宝』(ゲートオブバビロン)に入っていたものだがどうゆうわけかこの別荘は某魔法先生の話に出てくる真祖の吸血姫の別荘を元に改造された物であったためか何体もの自動人形がしまってあったのだ。

そしてそのうちの何体かを俺が魔改造を施し俺の魔力がなくても動けるように改修したので別荘の管理と維持と調査……etc などを任せている。

「ねぇ 零君……自動人形ってなんなの?」

可愛らしくコテンと首を傾げながら聞いてくるなのは。

それに対し俺は……、

「なのはにもわかりやすく説明すると要はロボットやアンドロイドってところだな」

簡潔に説明する。

「ふぇぇ!? この人ロボットなの!?」

その説明に驚愕するなのはと、

「私の住んでいた次元世界でもここまで性能の良いアンドロイドなんて存在しないわよ!?」

頭を抱えてながら絶叫するプレシア。

「お姉さんロボットなの?」

そんな母親をよそにそんなの関係ねぇ! とばかりに自動人形に近づき話し掛けるアリシア。

「はい 私は自動人形 形式番号 KA-E-DE 通称『楓』と申します お嬢様」

そんなアリシアに丁寧にお辞儀をし挨拶を返すアンドロイド『楓』。

「私の名前はアリシアだよ! よろしくね! かえで!」

にっこりと大輪の向日葵のような笑顔で名前を呼ぶアリシアに、

「かしこまりました アリシアお嬢様」

ほんの少しだけ表情を崩しアリシアの名前を呼ぶ楓。

「姉さんって色んな意味で凄いよね……」

どこか達観した目でアリシアを見るフェイト。

「かえであの子はアリシアの妹のフェイトだよ!」


楓の腕をぐいぐいと引っ張りフェイト達の所へと歩くアリシア。

「フェイトお嬢様ですね? 私は楓と申します」

アリシアの時と同じように綺麗なお辞儀をし、フェイトに挨拶をする楓。

「え……あ……うん……よろしくね楓」

戸惑いながらも礼を返すフェイト。

「あの……楓さん……」

なのはがおどおどとしながらも楓の名前を呼び、

「楓さんってほんとにロボットなの?」

疑問に思っている事を本人に聞く。

「はい 厳密には魔導式自動人形改良型ですがロボットと思っていただいていいですよなのはお嬢様」

スラスラとなのはの疑問に答えながら彼女の名前を呼ぶ楓。

「えっ!? なんで私の名前を知っているの!?」

まだ名乗っていないはずの自分の名前を呼ばれ驚くなのは。

「私達の主である零様よりお話はある程度伺っておりますのでなのはお嬢様の事もお聞きしています」

たんたんと説明をする楓。

「えっ!? 私どんな風に言われてたの!?」

驚きつつも自分がどのように言われているのかが気になったのか楓に尋ねるなのは。

「とてもがんばり屋で優しいけど独りで抱え込んでしまう癖のある可愛い子という風にお聞きしております」

ほんの少しだけ表情を緩めながら説明する楓。

「私が………かわいい…… ////」

顔を赤らめながら言われた事を小さく繰り返すなのは。

ってちょっと待てゐ!!

「オィィィッ!? 何をいきなり暴露してるワケぇぇっ!?」

恥ずかしさのあまりに言葉使いが某騎士さんみたいになりながらも叫ぶ零。

「何をいきなり人の恥ずかしい台詞を暴露してるワケぇぇぇっ!?」

顔をトマトのように赤くしながら楓に問い詰める零。

大切な事だから(ry

「零様が以前言われていた事ですが?」

きょとんと何が悪いのかがわからいっといった表情で返答する楓に、

「恥ずかしいからあんまりそういうのは言わないで……お願いだから」

もう俺の心のライフは0だから!

これ以上は恥ずかしくて死ねるぞ!

「と……とりあえず……今日は前に造った海のステージを使うつもりだから転送の準備を頼む」

気を取り直して楓に命令を言い渡す零。

「了解しました……では転送機にご案内いたします」

零の命令に従って転送機のある場所へと歩いていく楓。

前を行く楓の後ろを全員が追いかけ、

数分ほど歩きたどり着いた場所は……、

「到着いたしました」

床に土台となる機械が設置され、その中央の部分は丸い穴のように若干他の床よりもへこんでおりそこには複雑な転送用と思われるの魔法陣が描かれていた。

「では転送座標を入力いたします」

そう言って楓は何も無い筈の空間にモニターを出現させ、そこからさらに普通の人間の目では追えないほどの速さで指を動かしプログラムを組み上げ、

「ではこれより『海の決闘場』
へと転送いたします 次から転送装置をご利用になる際には音声で認識を出来るようにプログラムを組んでおきましたのでそちらをご利用ください」

転送装置の使い方を簡単に説明し、

「これより転送を始めます」

ー光ー

転送装置の魔法陣が光を放ち、

「では……行ってらっしゃいませ」

楓がそう言った次の瞬間に転送装置から放たれた光が零達を包み込み……、

ー瞬ー

零達の姿が消える。

ー現ー

そして次に現れた場所は……、

「ここ……どこ?」

「海の上?」

「これは……神殿?」

「石の柱とか石の建物以外なんにもないじゃないか?」

各々が思った事を口に出す。

周りは全て海でありその周辺にはいくつも朽ち果てた石の柱が無惨に突き刺さっており、

零達のいる場所は朽ち果ててはいるがギリシャ神話などに出てくる神々の神殿のような石造りの神殿であり屋根や柱などの所々に細かい細工やレリーフなどが刻まれていた。

「此処は海上での戦闘訓練用に造った場所なんだ」

俺はこの場所がなんなのかを説明する。

「此処なら周りは海と石柱だからいくら壊しても大丈夫だし二人とも思う存分戦えるだろう?」

戦闘で周りの物が壊れても問題無い事を言うと、

「うん……確かに此処なら広範囲殲滅魔法や天候魔法を使っても被害がでないね」

「私の砲撃魔法も自由に撃てるね」

二人はお互いに納得したようで魔法による被害が無い事を確認する。

「プレシア達は俺が結界を張った安全な場所へ避難させるから二人はお互いに全力で闘ってくれ」

「「うん!!」」

二人は元気よく返事を返す。

俺は『王の財宝』から以前に使ったものよりも強力な結界符を取り出しそれぞれの方角を護る四神の方角へと配置し4枚の符をプレシア達の四方に張り巡らせる。

「四方結界発動!」

ー光ー

魔力の込められた結界符が光を放ち、

ー張ー

一目でわかるほどに強固な結界が張られプレシア達を覆う。

「なんて強力な結界なの!?」

結界の普通ではありえない強度に驚き声をあげるプレシア。

「それは当然だろうなにせ四神の加護を用いて張る結界なんだからな」

「四神?」

俺が説明した中にあった『四神』という単語に疑問をもつプレシア。

まぁ 多次元世界に住んでいたプレシアには聞き覚えのない単語だろうな、

符術や陰陽術は日本という島国特有のものだしな。

一応この世界には使える人間も多少なりはいるみたいだ……(それも割りと近くにね……)

「この世界の日本という国ではな東西南北をそれぞれ守護する四体の神獣……つまり四神がいて名を『青龍』『白虎』『玄武』『朱雀』と言いこの四方結界は特定の位置と言霊を用いてその加護を得た結界でな結界を張れる範囲は狭いが強度なら次元航行船の防御魔法よりも強いと思うぞ」

「もう滅茶苦茶ね……」


俺の説明に驚きを通り越して呆れるプレシア。

いや……そんな風に呆れられても困るんですけど……。

「それはさておき……なのは フェイト お互いに体調は万全か?」

俺の問いに二人の答えは、

「うん 大丈夫だよ!」

「魔力も体力も万全だよ」

万全であると答えを返す。

「そうか……なら……お互いにデバイスを構えろ……」

俺は片手を上げながら二人にデバイスを構えるように言い……、

そして俺の言葉に二人は従いデバイスを構える。

「敗けっぱなしはいやだから……」

「私も敗けたくないから……」

お互いに敗けたくないと口を開き、

「「だから!!」」

飛行魔法で地面から離れ、

「始め!!」

俺が振り上げた腕を下ろした次の瞬間!

「「私が勝つ!!」」

ー激ー

二人のデバイス『レイジングハート』と『バルディッシュッ』が激しくぶつかり合う!

ぶつかり合った衝撃で火花が散り、

鍔迫り合いの状態となり、

「私のスピードに反応するなんてすごいね!」

自分のスピードに反応出来たなのはに称賛の声をあげるフェイト。

「零君に特訓に付き合ってもらったからね!」

そう、なのはが言ったようにフェイトに敗けてからなのは自身も訓練をしていたのだがフェイトのスピードに対抗させるために暇を見つけて俺が舜動術などの高速移動を見せてある程度の速さになれさせたのだ。

「なら! これならどう!」

フェイトがバルディッシュッを振り上げ、

『アークセイバー』

魔力で形成された大鎌の刃を降り下ろすと、

ー斬ー

大鎌の刃が高速で飛びなのはへと向かう。

「キャアッ!?」

突然自分へと飛来する刃に慌てるなのはだが、

『プロテクション』

ー盾ー

なのはの相棒たるレイジングハートが瞬時に防御魔法を張り迫り来る刃を防ぐ。

「ありがとうレイジングハート!!」

なのはがレイジングハートにお礼を言い。

『イエス マイマスター』

レイジングハートは礼を返す。

そしてフェイトはというと、

「(死角からの攻撃なら!)」

先ほどの攻撃がプロテクションに防がれた事によって起きた爆煙によって視界が防がれたなのはに対し死角からの襲撃を仕掛けるフェイト。

だが……、

死角から振るわれた大鎌の刃は……、

ー盾ー

なのはの張った防御魔法によって防がれ奇襲は失敗に終わる。

「そんな!(今の攻撃は完全に死角を突いたのに!?)」

死角からの攻撃を防がれたフェイトは驚きを隠せずに叫ぶ!


「嘘!? 今のフェイトの攻撃は完全に死角突いていたハズよ!?」

普通の人間では反応する事ができない死角からの攻撃を当たり前のように防いで見せたなのはに驚愕するプレシア。

それに対し俺の答えは、

「なのはの空間認識能力は異常なまでに高い……俺との特訓の時にも今回のような死角を突いた攻撃もまるで来るのがわかっているように防いだからな」

そう映画のコミック版の中でもあったが見えないところからそれなりの速さでアリサに迫ってくるボールをいとも簡単にキャッチする描写があったように、

なのはの空間認識能力はヘタをすると身体能力チートの俺と同等かそれ以上の可能性がある。(直感などの特殊スキルを抜いて)

「おそらく空間認識能力だけなら俺を超える可能性が高い」

冗談抜きでね。

「貴方の空間認識能力も人並み外れているわよね?」

信じられないものを見る目で零を見つめるプレシア。

まぁ 俺の身体能力って人外染みているからなぁ……。

「それよりも次はなのはが仕掛けるようだぞ」

そんなプレシアをスルーして俺はなのはの方を見る。


「今度はこっちの番だよ!」

私は魔力を集中させ、

「アクセルシューター!」

数個の桃色の魔法弾を出現させて……放つ!!

ー飛ー

数個の桃色の魔法弾が高速で空中を飛び交いフェイトへと迫る!

「くッ!?(速い! それに狙いが正確だ!)」

それに対しフェイトは自らの持ち味である高速機動でなのはのシューターをかわし続けるが、

正確な制御のなされた魔法弾は徐々にフェイトを追い詰める。

そして……、

「今なら!」

私はレイジングハートをシューティングモードへと変形させる。

「ディバイーン………」

砲頭に魔力を収束させて、

「バスターッ!!」

フェイトちゃんに狙いを定めて放つ!

ー砲ー

放たれた桃色の砲撃は……、

「うぁっ!?(しまった!)」

ー沈ー

フェイトに当たりその威力をもってフェイトを海中へと沈める。

「くぅっ!(防いだのに抉られた……)」

私はとっさに防御魔法を発動させたのにあの子……高町なのはの砲撃は私の防御を抉り私の身体を海中へと押し込めた……。

「………(初めて逢ったあの時よりも強くなっている)」

あの時はただの素人だったのに今ではあんなに強くなってる。

「………(収束や魔力量だけなら私より上……)」

あの子の魔法をくらってわかった……、

あの子は収束や砲撃に特化した魔導師だ。

火力だけなら私より上だけど……、

「………(速さなら!)」

負けない!

海中へと沈んでいたその身に魔力をみなぎらせ、

ー浮ー

再び飛行魔法を発動させ海中から脱出し空中へと移動する。

「あの時よりも貴女は強くなった……」

フェイトはなのはを強敵と認め……、

「だから……私も本気で貴女を倒す!」

そう言うやいなや……、

ー瞬ー

高速でなのはへと接近し、

「ハァッ!!」

バルディッシュを下から鋭く切り上げる。

ー激ー

フェイトの攻撃を受けたレイジングハートは上に弾かれ防御を崩される。

「くぅっ!?」

直ぐ様体勢を立て直すために距離をとろうとするなのはだが、

ー接近ー

それをフェイトは許さず……、

「バルディッシュ!」

フェイトがバルディッシュの名を呼んだ瞬間、

『イエス・サー』

バルディッシュが詠唱を初める。

「行って!」

フェイトが形成した数個のシューターがなのはを襲う。

「くぅっ!(速くて鋭い! でも……これならなんとか……)」

鋭い機動を描きながらなのはに襲い掛かるシューターをなのははギリギリで避け 当たりそうなのは盾を張り防ぐが……、

「これで!」

詠唱を終えたバルディッシュが『魔法』を発動させる。

「『雷の斧』!!」

降り下ろされた雷の斧が容赦なくなのはに直撃し、

「キャアァァァァッ!!」


魔法が直撃した事によって悲鳴をあげるなのは!

「か……身体が……(痺れて……)」

雷の斧による攻撃はバリアジャケット(以降BJ)の防御力によってそこまで重大なダメージはなかったが高電圧の雷を受けた事により身体が痺れ動きを阻害する。

「くぅ……(ダメ! このままじゃ……)」

なんとか空中から落ち行く身体を立て直すが……、

「『ライトニングバインドッ』!!」

フェイトの属性である雷を宿した拘束魔法がなのはの四肢を縛りその自由を奪う!

「これで決める!」

バルディッシュを上に構え魔方陣を展開させ詠唱を始めるフェイト。

「天光満るところに我はあり……

黄泉の門開くところに汝あり……

堕ちよ! 神の雷!」

ー展開ー

複雑で巨大な魔方陣がなのはを中心に描かれてゆき……、

魔方陣が広がりその形状をドーム状に展開させ、

「『インディグネイション』!!」

本来の色である紫電の雷ではなくフェイトの魔力光である金色の万雷がなのはに襲い掛かる!


フェイトが大技を決めた場面から少し遡り、

二人の戦いを見守る見物人達の反応はというと、

「なによ! あの魔法は!?」

フェイトの繰り出した『雷の斧』に驚愕の声をあげるプレシア。

おそらくは彼女が知る魔法体系とは違うものであるが故の驚きだろう。

「あの魔法は俺が教えた魔法で『雷の斧』っていうんだ」

「『雷の斧』?」

雷系の魔法を得意とするプレシアだが初めて耳にする魔法に困惑する。

「威力は中級魔法の上位くらいだが出が早く詠唱が短い上級魔法だ……フェイトの属性にあっているから教えたがあぁも上手く使うとはな……」

教えたとはいえ難しい上級魔法を上手く使うフェイトも十分天才の域だよね?

そう思いながら二人の戦いを眺めていると、

「フェイトは勝負を決めに掛かるみたいだな」

俺がそう呟くと、

「どういう事?」

プレシアが反応し俺に問う。

「今展開されている魔法は俺の知っている魔法の中でも雷系では最強クラスの魔法だ」

アレが決まればフェイトの勝利だが……、

なのはにも『魔法』は教えてあるからまだ逆転はできる可能性はある。

「あの魔法……私が使う天候魔法よりも強力な魔法よね?」

そう尋ねるプレシア。

「あぁ……手加減なく放たれればおそらく普通の魔導師では耐えれないだろうな」

あの威力は普通の魔導師の張るような障壁では薄いガラス程度でしかないだろうな。

「これでフェイトの勝ちは決まりね!」

娘であるフェイトの勝利を確信するプレシアではあるが……、

「………(プレシア……それはフラグだ……)」

俺は逆転フラグだと思う。


万雷が落ちた事によって辺りに煙が舞い視覚を遮る。

「ハァッ! ハァッ!」

私は大量の魔力を急激に消費した反動で息を乱しなんとか呼吸を整えようとしながらあの子のいる場所を凝視する。

「くぅ……(零から教えてもらった魔法……強力だけど雷属性が得意な私でも大量の魔力を使う……もし……あの子が耐えたら私が危ない……)」

万雷が降り注いだ事により起きた爆発の噴煙によってなのはがどうなったのかを確認できないフェイトだが……、

ー吹ー

突如風が吹き噴煙を飛ばし煙が晴れていき……、

その場所にいたのは……、

「そんな!?」

BJはボロボロになり身体にもかなりのダメージが通ってはいるがレイジングハートをしっかりと構えたなのはの姿があった。

「そんな!? あの魔法をあの状態でくらったハズなのに! 何故!?」

なのはが未だに武器を構え戦闘を続行できる状態であるのを信じられない目で見るフェイトに、

なのはは口を開き……、

「大きな攻撃の時ってバインドって解けちゃうんだね……」

そうなのはは言う。

「どういう事? あの瞬間いくらバインドが解けたとしても貴女のスピードではあの魔法から逃れる術はなかった筈……」

なのはがどうやって防いだのかがわからないフェイトはなのはにどうやって防いだのかを聞く。

それに対しなのはが返した答えは……、

「零君から『魔法』を教わったのはフェイトちゃんだけじゃないんだよ」

そう答える。


「どういう事? あの瞬間いくらバインドが解けたとしても貴女のスピードではあの魔法から逃れる術はなかった筈……」

どうやってなのはがあの魔法から逃れたかを聞いてくるフェイトになのはは、

「零君から『魔法』を教わったのはフェイトちゃんだけじゃないんだよ」

そう言い返す。

「……(あのバインドが解けた時に使ったあの『魔法』がなかったら私は負けていた……)」

そうあの時完成した魔法が放たれる数秒前に私を縛るバインドが解けた瞬間私は頭上からの攻撃を零君から教わった『最強防護』を張ってなんとか雷を防いでいたけど、

いくら『最強防護』とはいえ咄嗟に張った分構成とかが弱かったみたいで次々と割られていく障壁を見て私はもう一つの魔法を発動させた。

その魔法は……、

「『フォースフィールド』……特殊な力場を発生させてあらゆるダメージを防ぐ魔法……零君から教わった魔法なの」

この魔法がなかったら私はまた負けていた。

ありがとう……零君……大好きだよ!

「そんな……」

驚愕するフェイトだが……、

ー縛ー

なんとか距離を詰めようと動くが……それは叶わず。

「バインド!? いつの間に!?」

今度はフェイトが桃色の拘束魔法によって四肢の動きを封じられてしまう。

「今度は私の番だよフェイトちゃん!」

ー集ー

今まで使われ辺りに散らばっていた魔力がレイジングハートの砲頭に集まり始め……、

「これが私の全力全開!!」

それは彼女が独学で編み出した魔法……。

それは咎人を撃ち抜く星の光。

その名は……、

「『スターライトブレイカー』!!」

ー轟ー

収束され放たれた砲撃は極太の光線となりてフェイトへと迫り……、

「う……うわぁぁぁぁっ!!」

ー呑ー

膨大な魔力の砲撃はフェイトを呑み込み尚且つ空へと昇り雲を消し飛ばす。


風が吹き爆煙が晴れていき煙の中より現れたなのは。

「そんな! あの魔法を耐えたというの!?」

先ほどフェイトが使用した魔法『インディグネイション』を耐えたなのはに驚愕の声をあげるプレシア。

「なるほど上手く『フォースフィールド』を使ったんだな」

まさかあのタイミングで『最強防護』と『フォースフィールド』を使うとは……。

やっぱりあの子は砲撃と防御においては天才だな。

「『フォースフィールド』?」

なのはが使った『魔法』をプレシアが零に尋ねる。

「俺がなのはに教えた魔法は人間の張れる最強の障壁を一度に5枚展開させる『最強防護』と特殊な力場を発生させてあらゆるダメージを防ぐ魔法だ」

無印編ではまだそこまで硬い防御魔法が使えた訳ではないので教えてみたがどうやら正解だったようだな。

ちなみに多重シールドよりも『最強防護』の方が枚数は少ないが実際の単純な強度は『最強防護』の方が上をいく。

「そんな魔法が……って! フェイト!?」

突然慌てながらフェイトの名前を呼ぶプレシア。

「今度はフェイトが拘束された?」

これって……やっぱアレだよね?

「えっ!? 辺りに散らばった魔力があの子のデバイスに集まって……」

ー集ー

辺りに散らばっていた魔力がどんどんレイジングハートの砲頭に集まってゆき……。

「これが私の全力全開!!」

ー砲ー

放たれる砲撃は後に白い悪魔……もとい……魔王の代名詞となる魔法。

「『スターライト……』」

それは咎人を撃ち抜く星の光……。

「『ブレイカー』!!」

ー轟ー

放たれた桃色の砲撃は……、

ー呑ー

凄まじい威力の魔砲がフェイトを呑み込む。

「キャアァァァァッ!!」

魔砲に呑み込まれたフェイトが悲鳴をあげる!

「「フ……フェイトォォォォッ!?」」

フェイトがなのはの魔法……もとい魔砲に呑み込まれた事に悲鳴をあげるプレシアとアルフ!

「フェイトがフリーザ様の最後みたいに!?」

アリシアが声を荒げながら言う。

ってちょっとまてゐ!

アリシア! 何故にお前がド○ゴンボールを知っている!?

「零の部屋にあったから読んだよ」

「いつの間に……」

それはともかく……アレ……確実にフェイトのトラウマになったな……。

つか……俺でもなるな……。

「って! ヤバッ! フェイトは気を失っている」

なのはの『スターライトブレイカー』に呑み込まれた事によって完全に気を失い海に向かって自由落下していくフェイト。

流石に無意識の状態であの高さから落ちれば無傷ではすまないぞ!

俺は直ぐ様結界を解き、

「間に合え!」

ー瞬ー

虚空瞬動で空を駆けフェイトの下へと飛ぶ。


「勝った……のかな?」

私の切り札である『スターライトブレイカー』はフェイトちゃんに当たった……。

ー吹ー

『スターライトブレイカー』が命中した事によって生じた爆煙が風によって流され煙の中から現れたのは……、

「フェイトちゃん!」

BJはその殆どを破損しジャッケットはかなり際どい破れ方をしておりまさに満身創痍といった感じある。

「私の……負けだね……」

フェイトがそう呟いた次の瞬間……。

ー落ー

術者が気を失ったためにフェイトの身体は自由落下を始める。

「フェイトちゃん!?」

私は慌てて追いかけようとするけれど……、

ー痛ー

今までのダメージとスターライトブレイカーを撃った反動の痛みで動きを止めてしまう。

「このままじゃ!!」

海に叩きつけられちゃうの!!

なおも落ち続けるフェイトの身体が海へ叩きつけられようとしたその瞬間。

ー瞬ー

突如零が現れ、

ー抱ー

海に当たるスレスレでフェイトの身体を抱き止める。

「間に合ってよかった~」

間に合った事によって安堵の声をもらす零。

「よかった……フェイトちゃんが……無事で……」

あれ? 安心したら……身体の力が抜け……る?

緊張の糸が緩んだせいか身体の力が抜けていくなのは。

そして……、

ー落ー

なのははフェイトと同じように自由落下を始める。

「うぉいっ!? マジですか!?」

ー翔ー

零は慌てながらも虚空瞬動を行い、なのはの下へと翔て行く。

ー抱ー

フェイトを片腕で抱き抱え、もう片方の空いた腕でなのはを抱き止める。

「セ……セーフ……(間に合って良かった~)」

冷や汗をかきながらもなんとか二人を抱き抱える零。

「あれ……零君?」

きょとんとしながら零の名前を呼ぶなのは。

「お疲れ 今回はなのはの勝ちだな」

そう笑顔で話し掛ける零。

「うん!」

それに満悦の笑みで返すなのは。

「とりあえず戻るか……」

ー翔ー

零は再び虚空瞬動を行いプレシア達のいる場所へと翔て行く。

「もどったぜ」

零が着くと同時に、

「「フェイトは大丈夫なの(かい)!!」」

アルフとプレシアが走り寄ってフェイトの無事を確認すり。

「軽く診てはみたが身体には特に異常はないが魔力の使い過ぎと疲労だな」

念のため解析以外にもヒーリングもしたから特に問題は無かったしね。

「ではお二人の治療も兼ねて部屋の方へ移動しますか?」

「そうだな」

千歳の提案により一度別荘に戻り二人を治療する事にした。

それからしばらくし……、

「う……うぅん……」

なのはは目を覚ます。

「知らない天井なの……って……私……何言ってるのかな?」

ある意味お約束なセリフを言った後、

白いベッドからなのはが起き上がりもそもそと出て辺りを見渡す。

「ここ……どこ?」


周りはまるで高級ホテルのように洗練された調度品やしっかりと整理整頓されている部屋であった。

「う……うぅん……」

なのはが惚けていると隣のベッドから声が聞こえる。

「フェイトちゃん!」

「はぅっ!?」

いきなり声をかけられたせいか驚き身を震わすフェイト。

「びっくりした……」

若干涙目になりながらなのはを睨むフェイト。

「ニャハハハ ごめんね~」

それに対しなのはは苦笑さながら謝る。

「ここ……どこだろう?」

「私もわかんないの……目が覚めたらこの部屋だったし……」

この部屋がどこなのかを尋ねるフェイトだがなのはもわからないと答える。

「それに服も変わってるの……」

二人の服は先ほどまでのぼろぼろになったBJや私服ではなくよく病院で入院患者が着るような服へと変わっていた。

「ん? あれ? もしかして着替えかな?」

なのはが辺りを見回すとベッドの隣にあった小さな机の上に丁寧にたたまれた服があった。

「やっぱりこれ着替えだよ」

なのはが置いてある服を一枚取り広げるとそれは薄い浴衣のような形をしていた。

「とりあえず着替えようよ」

そう言ってもう一枚の服をフェイトに手渡しなのはは服を脱ぎ始める。

「コレ……どうやって着るんだろ?」

フェイトは服の着方がわからないのか首を傾げていると……、

「なのはが手伝うの!」

フェイトのベッドの上に移動し、

「自分でやるからいいよ…… ////」

恥ずかしがるフェイトだが、

「問答無用なの!」

なのはは恥ずかしがるフェイトの服を脱がし、

「キャッ!?」

勢い余ってフェイトを押し倒しその上に四つん這いになる形でフェイトの上に覆い被さる。

そんな時……、

ー開ー

突如部屋の扉が開かれる。

「起きたのか二人と……も?」

扉から零が現れたのだが……、

「失礼しました……」


ー閉ー

零はそっと扉を閉めた……。

「「ちょっと待って零(君)!?」」

慌ててそれを止めるため二人は扉へと駆け出し勢いよく開けるが、

「おぃぃぃっ! 二人共服を着ろ!」

「「えっ?」」

二人の姿は下着のまんまだったのだ。

「「キャーッ! 零(君)のエッチィィィッ!?」」

「コレ俺のせいなのかぁぁぁっ!?」


先ほどなのは達を治療してから2~3時間ほど経ち。

「一度あの二人の様子を見に行って来るよ」

「わかったわ……」

俺はプレシア達に二人の部屋へ行くと告げて向かい……、

部屋の扉を開けようとすると中から物音とフェイトの声がしたので起きていると思い開けたところ、

「起きたのか二人と……も?」

俺の目の前にはベッドの上でフェイトを押し倒している下着姿のなのはがいた。

えっ?

何でフェイト押し倒されてんの? つか何で二人とも下着なの?

なのははストライプでフェイトは黒なの?

思考回路がショート仕掛けた俺は……、

「失礼しました……」

そう言って扉を閉めた俺は悪くないと思う。

だが……、

「「ちょっと待って零(君)!?」」

下着姿のまんまで扉を勢いよく開ける二人だが、

「おぃぃぃっ! 二人共服を着ろ!?」

「「えっ?」」

二人はお互いの格好を見て……、

「「キャーッ! 零(君)のエッチィィィッ!?」」

「コレ俺のせいなのかぁぁぁっ!?」

別に望んでないのに何故にこんなラッキースケベが起こる訳!?

理不尽だぁぁぁぁっ!!

数分後……、

「すみませんでした……」

とりあえず二人に土下座で謝る俺。

「あ……うん……なのはもごめんね」

「あ……そのね……別に零なら見られてもいいんだよ? (ちょっと見て欲しいかも……)」

「えっ?」

顔を赤らめながらそんな事を言われたら俺の理性がマッハ!?

「と とにかく……プレシア達の所に案内するからついて来てくれ……」

「うん……」

「わかったの……」

俺はプレシア達のいる場所へと歩く。

それからしばらくし……、

「フェイト! もう身体は大丈夫なの!?」

フェイトを心配していたプレシアは直ぐ様フェイトに走り寄る。

最初とは偉い違いだな……まぁ良い事だと思うが……。

「うん……大丈夫だよ……母さん」

「よかった……」

「まぁ 今日明日と此処で養生すれば大丈夫さ」

「えっ? 零君! なのは明日学校だよ!?」

「あ~そういや説明してなかったな……この別荘はな時間の流れが外界とは違ってな……此処での1日は外の世界の一時間なんだ」

俺がこの世界の時間の流れについて言った次の瞬間……、

「「「えぇぇぇぇっ!?」」」

一斉に驚く一同。

「どういう事なのよ!?」

プレシアが信じられないといった表情で零に問い詰める。

「あ~まずこの『魔法使いの別荘』ってのはな この入れ物の中に別世界を内包させた特殊な魔法具でな、外の世界の時間と中の時間の流れは違うんだ……まぁ 一応時間の流れの設定はできるが基本的には外の世界の一時間がこの世界の1日になる」

「何よそれ……もうコレ自体がロストロギアじゃない……」


確かに言われてみれば……。

まぁ 仮に寄越せとか言われてもやらんがな。

「ただし中の生き物にも時間は適応させられるのであまり使い過ぎると普通の人より早く年をとる事になる」

「それはキツイわね……」

「そこでだ……」

俺はポケットに手を突っ込み、

「時忘れの腕輪~(ド○えもん調)」

一つの腕輪を取り出す。

「今の声は置いといてそれも魔法具なの?」

声に関してはスルーなのね……。

「あぁ この腕輪をはめている間だけは老化という概念時間を止める事ができるんだ」

あくまで『老化』だけだけどね。

「それって老けないって事よね!?

「あぁ この別荘はな俺が旅した世界の生き物やコピーした場所を入れたせいなのか他のフィールドが人外魔境になっててな その中には時間の進み方が異常に速い場所があるからそれを防ぐためにつくったんだ」

どういう訳か入る度にどっかのフィールドの形が変わっていたり新しい場所が生まれたりとまるで不思議のダンジョンみたいになってるんだよねこの別荘。

「人外魔境って……」

「ちなみに昨日食べた食材は全部この別荘で採れた物だぞ」

「なるほどね……」

「それとこの島全体には強い結界を張ってあるから害獣達は入ってこれなくなっているんだ」

古龍クラスでも破れないくらい強力だし。

「へぇ……」

「それはともかく今回はなのはの勝ちだったな」

俺はなのはの頭に手を乗せて撫でる。

「うにゃ~ ////」

猫のような声をあげながら気持ち良さそうにするなのは。

「フェイトもお疲れ様」

もう片方の手でフェイトの頭を優しく撫でる。

「うん……」

恥ずかしそうにしてはいるが嬉しそうに頭を撫でられるフェイト。

「なのははフェイトに言いたい事があるんだよな?」

「うん……あのね……フェイトちゃん」

「なに?」

「なのはと友達になってください!」

顔を真っ赤に染めながら右手を出すなのは。

「えっと……その……ゴメン……私……こういう時どうすればいいのかわからないんだ……」

笑えばry……せっかくの名場面にネタは止めとこう。

まぁ 今まで友達とかつくれる環境じゃなかったしなぁ~。

フェイトの言葉を聞いたなのはは……、

「簡単だよ! お友達になるのにはね……」

おっ! この場面であの名言がでるのか!?

なのは息を吸い少し間を開けてから告げる。

「名前を呼んで!」

なのははそう言って……、

「私の名前は高町なのは……なのはだよ!」

「高町……なのは……なのは!」

小さくなのはの名前を呟き最後に大きな声でなのはの名前を呼ぶフェイト。

そんな二人を少し離れた場所から見守る人影があった。

「よかったわね……フェイト……」

慈愛に満ちた母の顔で涙をこぼしながらプレシアは言い。

「グス……よかったよ~ フェイト~」

大泣きしながら二人を見守るアルフ。

「いいなぁ~」


それを羨ましそうに見るアリシア。

ー撫ー

プレシアはそんなアリシアの頭を優しく撫でる。

「大丈夫……あの子達ならきっと仲良くなれるわ」

アリシアの頭を優しく撫でながらプレシアは言う。

「やれやれ……」

なにはともあれ二人が仲良くなれてよかった。

「ふぅ……(俺がこの世界に存在する事と俺が介入したせいで本来の歴史の流れにはもう戻れないだろうな……)」

いけてAS編が限度だろうな。

良いか悪いかはわからんが俺の行いでこの世界は史実とは違う外史となっていく、

だからこそ俺は自分に誓う……たとえ……彼女達が敵にまわってしまうような事があっても俺は……、

彼女達を必ず護る!!

俺は自分勝手だけど護ると決めたものだけは命を賭けてでも護りたい。

「……君……零君!」

思考の海に潜っていた俺の意識はなのはの声で覚醒すり。

「どうした?」

「それは私のセリフなの! いきなりボーとして心配したの!」

どうやら俺が動かなかった事に心配したようだ。

「あぁ ごめんちょっと色々と考え事をしていただけさ……」

「もう……私達の話し全然聞いてなかったの!?」

「えっ? 話し?」

えっ? なんの話し?

「うん 零君にもね……」

「零にも……」

二人は一呼吸置いて……、

「「私達の名前を呼んで!」」

二人は同時に言う。

「あぁ……そうだな……」

俺は二人の前に背をしっかりと伸ばして立ち。

「これからもよろしくな……なのは フェイト」

二人の名前を呼ぶ。

「「うん!」」

うん良い返事だ。

「今日は二人とも頑張ったから俺も奮発するぞ!」

「わ~い!」

「ホント! だったら私またくりうにのパスタが食べたい!」

「あいあい なんでも好きなもん頼みなさい頑張ってつくるから」

「零君! なのはも!」

「了解」

俺達はプレシア達のいる場所へと歩いて行く。

「さて……色々と聞きたい事はあるだろうがとりあえず今日は楽しまないか?」

「そうね……色々と聞きたい事はあるけど……今日くらいは楽しませてもらうわ」

俺の言葉にプレシアは賛成する。

「さぁて……頑張って料理をつくるとするか…」

「それなら私も手伝わせちょうだい この世界の食材や生物が気になるから」

「了解キッチンはあっちだ」

俺と千歳とプレシアはキッチンへと向かい調理を始める。

調理の最中、

「千歳 お揚げをつくるなとは言わないがいくらなんでもつくり過ぎじゃないか?」

「大丈夫です! お揚げは私の主食ですから!」

千歳が大量の油揚げを使った料理をつくっていたり。

「えっ! この蟹甲殻が宝石で出来てる!?」

プレシアが全身宝石の甲殻でできている蟹ルビークラブに驚いたりなどと色々あったが、

「できたぞ~」


別荘内の大広間につくられた品々がところ狭しとばかりに並べられる。

「わぁ~! すご~い!」

見た事の無い品々に驚きはしゃぐアリシア。

「肉肉肉肉肉肉肉~!!」

大量の肉に興奮しどこぞのゴム人間みたいな表情になりアルフ。

「すごいの! こんな果物見た事ないの!」

地球の生態系ではありえない果物に驚きの声をあげるなのは。

「どうやったらこんな食材ができるんだろ?」

目の前の普通ではありえない食材に疑問の声をあげるフェイト。

「じゃあ……今日は楽しんでくれ!」

零の言葉に、

「「はいっ!」」

全員が返事を返す。

そしてこの宴は夜遅くまで続き、

その後疲れて眠ってしまった なのは フェイト アリシアの三人を一人ずつお姫様抱っこで同じ部屋のキングサイズのベッドの上に寝かせたり。

「もっと飲むの~」

別荘で作っていた酒のボトルを何本も空にして完全に酔っぱらってしまったプレシアを部屋に運んだりと大忙しだった。

その中には度数のかなり高い虹の実のワインもあったのでプレシアがかなりの酒豪であった事がわかる。

ちなみにアルフは満腹になったら狼の姿になって床で寝ていました。

アイツ最近だらけすぎじゃないか?

「疲れた……」

零は疲労の声をもらす。

「お疲れ様です零様」

そんな主人に労いの言葉をかける千歳。

零以上に働いていたはずなのに疲れた表情を見せない千歳はすごいと思う。

「疲れたけど……楽しかったな」

「そうですね……」

叶うのならいつまでもこんな時間が続けばいいのだけど。

「じゃあ 俺も寝るよ」

「おやすみなさいませ」

「おやすみ……」

俺も自分の部屋へと戻り眠りにつく。

「やる事はかなりあるけどやりとげてやるさ……」

絶対にな! 
 

 
後書き
どうも!

何時も閲覧ありがとうございます!

虚空です!

今回はなのはとフェイトの戦闘でしたがいかがでしたか?

まだまだ自分でも未熟なところが多いので上手く出来ているか心配な部分が多いです。

もっと速く書けるようにがんばります。

これからも応援よろしくお願いいたします!

作者への応援メッセージやアドバイスを送ってもらえるととても嬉しいです!

 

 

年末のご挨拶と謝罪

 
前書き
本当に申し訳ありません。 

 
どうもお久しぶりです。

今まで更新が止まってしまい、申し訳ありませんでした。

言い訳にしかなりませんが葬式や学校等の問題があり今まで更新ができず

長い間お待たせしてしまい申し訳ありませんでした、1月中には必ず更新し連載を再開いたしますので、どうか暖かな目で見守っていただけると嬉しいです

蛇足ではありますがなろうの方にて読み切りの短編を書きましたので気が向いた時にでも読んでいただければ幸いです。

こんな駄作者ですが! 皆様 来年もよろしくお願いいたします!! 
 

 
後書き
来年もよろしくお願いいたします!! 

 

『別荘』

 
前書き
遅くなってしまってすみません 

 
二人の魔法少女達の激闘の日から1日明け、別荘は朝を迎える。

「くぁ~……流石にまだ眠いな~」

早めに寝たとはいえ外はまだ暗さを残しており今の時間がまだ早朝である事がわかる。

日も上りきらぬ暁の空を眺めつつ体を伸ばし、その身に纏う服を脱ぎ捨て動きやすい服装へと着替える。

「さて……朝の散歩にでも行くか」

部屋の扉を開け外にでると朝の少し冷えた空気を感じる。


部屋を出て周りを見渡すとあくびをしながらも箒などの掃除用具をもって辺りを掃除する猫の姿をちらほらと見かける。

「おはよう」

俺が声をかけると、

「ニャニャ! ご主人ですかにゃ!」


「あぁ…昨日早めに寝たせいかついさっき目が覚めてね」

「そうですかにゃ」

「とりあえず散歩でもして暇を潰すさ」

「わかりましたにゃ」

俺はアイルーと別れて中央広場で足を運ぶ。

「さてと……とりあえず練習中の『波紋の呼吸』をするか……」

俺はゆっくりと深呼吸をして体内に空気を取り込み、それと並行して体内の『気』の動きも感じる。

最近わかった事だが人間の『気』には一定のリズムがあり、そのリズムに合わせて呼吸する事によって体内に力を発生させる事ができるようだ。

「スゥ……ハァ……スゥ」

身体の中を廻る血液や心臓と気の動きのリズムを感じそれに合わせて呼吸する事によって体内に波紋が生まれる。

両手に波紋の力を集めるが、

「アイタッ!」

バチッ!と電気がスパークするような音と共に両手が弾かれる。

「いたぁ~……また失敗かよ」

波紋を発生させるまではできたけどそれを維持して放出させるのが上手くいかない。

「とりあえずは要練習ってとこだな」

引き出しが多い方が戦闘や他のところでも有利になるから使えるものは増やしておくに越したことはないな。

最初から波紋の呼吸が出来るジョセフはすごいな。

「さてと後は瞬動の練習と技の練習だな」

それからしばらくの間瞬動と技の練習に時間を費やし日も昇ってきたところで一度練習を切り上げる。


そして最後の締めに、

「朝のジョジョ体操で終わるか」


それからしばらくの間ジョジョ体操を続けると、

「ゼェ……ゼェ……かなりしんどい」

普通のラジオ体操でも最後までやるとしんどいのに波紋の呼吸も使ったジョジョ体操は俺でも体力が切れるぞ。

「とりあえず戻ってシャワーを浴びよう」

一度自分の部屋へと戻るべく歩いていくと、

「あら? 早いのね」

廊下でプレシアと会う。

「プレシアこそ早いな 昨日あんだけ飲んだのに大丈夫なのか?」

しかもかなり度数の高い(値段も)酒ばっかり飲んでいたけど大丈夫なのか?

「朝起きた時はちょっと危なかったけど置いてあった薬を飲んだらすぐ治ったわ」

あぁ……そういや念のために渦巻きウコンの漢方薬を置いといたな。

アレを飲めば物凄いスピードでアルコールを分解してくれるから飲み過ぎても大丈夫か。

「そうか……」

「ところでアナタは朝から何をしていたの? そんなに汗だくになって?」

「ん? あぁ……ちょっとね」

俺は朝にやっていた行動を教える、

「ふう~ん 波紋ねぇ~」


「治癒力や身体の強化や特定の敵との戦いでは強いぞ」

まぁ こっちの世界の吸血鬼に効くかどうかはわからんが。


少なくとも魔力だけに頼らない独自の身体機能強化はかなり便利だ。

「あとは波紋の呼吸を極めると極端に老化が遅くなる」


零の一言で突如空気が変わる。

「今……何て……」

「いやだから治癒能力やしんた「その後よ!」ほぇ?」

何故か物凄い勢いで零に迫るプレシア。

「その後よ!」

「老化が極端に遅くなる?」

「それよ!」

「ファッ!?」

今のアナタ物凄く若いのにまだ若さを求めるの!?

「女ってのはね何時だって輝いていたい生き物なのよ!」

「さいですか……」

まぁ……普通はどんなに金を払っても若さは手に入らないからなぁ……。

「まぁ 教えるのは構わないが俺もまだ完全にマスターしてないからね」


「それでもいいわ」

プレシアと波紋の修行をする事を約束し汗を流すために自分の部屋を目指す。

ちなみにその後波紋の呼吸を会得したプレシアの姿を見たなのはを経由して高町家にまで広がる事になるのをこの時の俺は全く想像すらしていなかった。

それからしばらくしてから食堂に足を運ぶと

「零君おはよ~」

「おはよう」

「おふぁよ~」

「おはようございます」

何時もの着物とは違う薄手の洋服を着た千歳と、

薄い半袖半ズボンの服を着たなのはとフェイトが挨拶を言い。

未だ寝ぼけ眼のアリシアは若干はだけた寝巻き姿だった。

「おはよう」

「あらあら アリシアったら、だらしないわよ」

そう言って彼女はアリシアに近づきはだけた服をきれいに整える。

「ふにゃ~まだねみゅい~」


まるで猫が顔を洗うかのようにアリシアは顔を擦る。


「あらあら…困ったネコさんね」

アリシアの行動に微笑みながらも彼女は自分の膝へとアリシアを乗せ、

その柔らかな金糸の髪を櫛で優しく梳いて整える。


その姿はまさに理想的な慈母の姿と言っても良いだろう。

「良いなぁ…」

それを羨ましそうに見つめるフェイトの姿に苦笑しながら、

「あらあら…フェイトもこっちに来なさい」

「うん!」

手招きすると、嬉しそうにトコトコと歩み寄る姿はまるで子犬の様に見える。

そして彼女もアリシアと同じ様に自らの膝の上に乗せ優しく髪を梳いていく。

そんな三人の姿を微笑ましげに見ていると、

「ごはんですよ~」

食事を乗せたお盆を持った千歳が現れた。

「ごっはん~」

解き放たれた猟犬の如きスピードで真っ先に席につくアリシア。

プレシアはそんな娘の姿を苦笑混じりに見ながらもフェイトと共に席につく。

「さて…今日の朝飯は何かな?」

「お腹すいたの~」

昨日の料理を食べたせいかなのはもツインテールをピコピコと動かしながら席につく。

「朝のメニューは黄金ブレットに十黄卵の目玉焼き、カニ豚のベーコン、BBコーンスープ、シーザーサラダですよ」

千歳が朝食のメニューを告げる。


昨日の料理ほどの派手さ事態は無いがそれでも普通の食材とは一線を隔す存在感を机の上にある料理が放つ。

「さぁ いただきましょうか」

千歳の合図と共に全員が食べ始める。

「この苺ジャムおいし~い」

「それは最近別荘でつくったレッドクイーンって言う苺からつくったジャムだよ」

この別荘では特殊な進化を遂げた様々な食材の調理だけでなく既存の物を品種改良したものも作っているのだ。

「ほんと貴方って多芸ね」

プレシアは呆れたように苦笑混じりな顔で呟く。

「別に俺だけでやっているわけじゃないし 俺にだって出来ない事は多くあるさ」

まぁ 出来る事が多いに越した事はないし、力が無ければ生きる事に苦労するのだから。

「まぁ それはさておき朝食が終わったら別荘内の案内でもするよ」


「楽しみにしているわね」

この別荘の本当の広さを知らないプレシアは気楽にしているが、彼女が本当の広さを知ったらどんな顔をするかが見物だ。

そんな事を考えながら徐に近くのパンに手を伸ばしかじる、

口に含んだ瞬間に小麦本来の力強い香りとふわりとした軟らかな食感に優しい甘味が口内を満たすのを感じる。

「うん 旨い」


次々と料理を平らげ食後のデザートの中身がシャーベットになっているシャーベリンゴに舌鼓を打ち終えてから、

「さて 行きますか」

席を立ち全員を誘導し、

前回使用した転送装置を起動させる。

すると装置の上に空間ディスプレイが投影され別荘の地図が表示される。

「これが『今』の別荘の地図だ」

その地図は中央部分に今いる島を示すように赤い光を灯り、

四方に大きな4つの島が存在し、さらにその島を囲うようにいくつもの島が存在した。

「え…うそ…こんな密閉された空間にこんな巨大な世界なんて…」

茫然自失になり虚ろな目でブツブツと何かを呟きながらあり得ないもの見たという表情のプレシアと、

「うわ~ひっろ~い!」

それとは対照的に目を輝かせながら地図を見上げるアリシア。

「この世界は常に変化を続けていてな、入る度にどっかに新しい島が出来たり、無くなったりしているんだ」

まるでどっかの不思議のダンジョンだな。

「ちなみにこの島を中心に四方を囲う島は上の島から時計回りに春島 夏島 秋島 冬島って呼んでいるだ、文字通り一年中名前通りの季節なんだ」

「凄いね! 一年中同じ季節なの!?」

俺のセリフになのはが反応する。

「あぁ そうだよ、今日は軽く4つの島を回って見るつもりだよ」

まぁ さすがに水着とかはないから泳いだりはしないけどね。

「とりあえず…起きろ~プレシア」

機能停止寸前のプレシアに声をかけ再起動させる。

「ハッ!?」

再起動するなり強い視線で此方を見抜くプレシア。

「言いたい事はわかるがとりあえずはあと回しにして移動するぞ」

何かを言いたげなプレシアを制止させつつ全員を転送装置の魔方陣に移動させる。

「じゃあ 転送するぞ」

「は~い」

装置が起動し転送が開始され、

「最初は春島からだな」

零のセリフと共に全員の姿が光と共に消える。 
 

 
後書き
遅くなってしまってすみません、

次はもう少し速くだせるようにがんばります