【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男


 

プロローグ

 
前書き
隼人の運命。始まります。 

 
   プロローグ




 此処は、第一管理世界ミッドチルダにある時空管理局本局。
 
 時空管理局とは、警察や軍事に裁判を一緒にした様な組織で、管理世界のあらゆるところに局員を配置させて治安を守ったり、貴重な自然を守ったりする重要な組織である。

 その中でも、犯罪行為に対する武力行使部隊。それは、魔法と言う力を持った人間がなる事ができる極めて危険な仕事の一つ。簡単に言えば、魔法の力を使う武装隊だ。

 魔導師なら、子供でも武装隊に入隊できるという不満な個所もあるが人手不足の為、仕方がない事だ。

 管理局の武装隊は幾つもの部隊が作られている。
 陸士隊、航空武装隊、陸上警備隊、救助隊等々。様々な部隊が存在する。

 その中でも、もっとも危険な部隊が一つ。それは、古代遺物管理部という部隊だ。
 その部隊はロストロギアと言う、古代に作られた兵器や遺跡などの、強大な魔力を持った危険な代物を探索・調査・確保する事を任務とした部隊だ。

 ロストロギアの中にある魔力が暴走すれば世界の一つや二つを容易く破壊する程の力を持った物も発見されており、多数の犠牲者が出ている。

 その犠牲者を一人でも救う為に一分一秒でも早く確保し厳重に封印しなければならない。

 それが、俺が所属する部隊である。

 その中でも俺は執務官という役職をしており、俺が中心となって事件を一つでも多く解決させていった。

 俺、高町隼人一等空佐は自分の力を全部使ってでも人々の命を守ってみせると誓った男だ。

 







 

 長い長い時はずっと流れて、俺は管理局に辞表を出した。

 理由は、任務中による負傷で魔力の源のリンカーコアを修復不能な状態にまで傷ついたからである。
 生きているのは奇跡だと医者や友人に何度も言われた。

 それに、その任務も無事に解決した事になっていて嬉しく思った。
 何故か、俺は管理局のみんなから英雄だと言われていた。
 
 そこまで凄い事をした記憶はあまりないのだが。正確には、少しだけ記憶障害になっているだけだが。


「本当に辞めるの?」

「あぁ。悪いな、迷惑をかけて」


 俺は今、故郷の地球に帰るために時空転移ポートまでやってきたが、今までずっと仲間だった友人に引き止められている。
 友人は、目に涙を貯めて必死に俺の事を引きとめようとしている。


「貴方なら、人事部や事務仕事でも簡単にできるでしょ?」


 確かに、魔法を使ってはいけない身体になっても管理局を辞める必要はない。
 だが、俺は此処にいたら絶対にやってしまう。

 それは、


「管理局にいれば、俺はどうしても魔法を使う事になる。そんな事をすれば、どうなるか自分でも判っていながらでも自分の命より他人の命の方が優先させている俺なら……きっと……」

「っ……」


 人の命が救えるのなら、自分の命なんて要らない。
 いつもそんな事を想ってやってきていた。

 だが、それじゃ意味がないと漸く気付かされた。

 俺が死にかけた事で何人もの人が心配してくれた。
 もし、俺が死んでいたらその人たちは悲しむだろう。

 それでは、何の得もない。

 自分の命を救えない様な奴が一人前に人の命を助けるなんてできるわけがない。
 人を悲しませても同じだ。


「悪いな。何時の日かまた会えるさ。俺は、居なくなるわけじゃないんだ」

「……わかった」


 友人は暗い表情で顔を下に向けたまま黙り込んでしまった。

 出発の時くらいは笑顔で見送って欲しかったんだがな。


「会いたくなれば、いつでも此処に戻ってくる。お前も会いたくなれば地球に来てくれて構わない」

「えぇ、その時は、他のみんなと一緒に行くわ」

「そりゃ大変だ。他のみんなって数え切れないほど居そうだが?」

「意地でも行くわ」

「……お茶くらいしか出せないと思うが、それで良いのなら来いよ」


 あいつらがみんな来たら大変だわ。
 コップとか結構買っておかないと足りなくなりそうだな。

 あ、そうだ。こいつはお茶にもう一つ淹れるのがあったな。


「お茶に砂糖入れて待ってるよ、リンディ」

「お茶には五月蠅いわよ、私」

「御口に合うように工夫しといてやるさ」

「ふふ、楽しみにしてるわね」


 俺の友人、リンディ・ハラオウンは先程までの暗い表情は何処かに行ってしまったようだ。
 これで、俺も気軽に旅立てる。

 いや、故郷に帰るだけだがな。


「じゃあ、そろそろ行く。また会おうなリンディ。それと、クライドとさっさと子作りしちまえ!」

「えぇ、って最後のは余計なお世話よ!!」


 俺は、笑いながら転移ポートまで近づいて行く。

 楽しかったよ、これまで。
 いろんな事があったが、良い経験になった。

 名残惜しいが、後悔はしていない。

 じゃあな、ミッドチルダ。

 じゃあな、管理局のみんな。











 俺が生きてたら、また、会おう……。















 鞄の中には、リンカーコアの損傷による心臓へのダメージを和らげる薬をたくさん持って、俺は故郷の地球へと時空転移した。





 俺の命は、もうあまり長くはないかもしれない。







 意地でも、生きてやるけどな。



 
 

 
後書き
お読みくださり、ありがとうございました。

感想、待ってます。 

 

第一話 出会い

 
前書き
隼人のパパ生活、始まります。 

 
 地球の海鳴市に戻ってきてだいぶ時間が経った。

 その間に、久しぶりに姉の高町桃子に会ったり、姉の子供たちと遊んだりした。
 結構、可愛い子ばっかりでよかった。

 姉の桃子はお腹の中に三人目の子供を身ごもっており、もう少しで生まれるとのこと。物凄く楽しみだ。

 それだけではないぞ。

 俺は、使い道がなかった今までの給料を殆ど、ある事に使ったのさ。

 それは、駅前の商店街に三階建ての一軒家を買ったのだ。更に、一階を大改造して、喫茶店にしてみた。
 何故、そうしたのかと言うと、地球に帰ってきたのは良いが、甥達と遊ぶ事しかなかったので、人の役に立ったり、満足させたりする事ができるような事を探してみれば、喫茶店を開いてはどう?と姉の家族に言われて、そうすることにした。

 料理を作るのは得意だったし、そんなに問題はない。
 ケーキとかも、こつこつと練習していたら、我流のケーキが次々と完成していった。

 今では、海鳴市では誰もが知っている喫茶店で有名な『翠屋』となった。

 近くに、小・中・高の学校があり、学校や部活帰りの生徒さん達はみんな常連さんになった。

 まさか、男一人の喫茶店がここまで人気になるとは思ってもいなかったよ……。


「お兄さーん!注文お願いしまーす!」


 店に来てくれた学校帰りの女子生徒さん達に呼ばれたので行く。


「ご注文は何でしょうか?」

「え、えっとぉ……チーズケーキが四つとオレンジジュースも四つでお願いします」

「畏まりました、少々お待ちください」


 言われた注文をすぐにカウンターを抜けて厨房へと入り、言われた品を全部一気に先程のグループへと持っていく。


「ねぇねぇ、何時見てもカッコイイよね!」

「うんうん、私あの人なら私の初めt」

「言わせないよ!!てか言っちゃダメだよ!!」

「イケメンのエプロン姿とか、私得……うふふ」

「一人で何でもできる男の人とか、結婚したら凄い愛されそう」

「むしろ、愛しすぎて愛が身体から溢れちゃうかも!」


 意味がよく判らない事を最近の女子学生は良く言うようになったな。

 時代の変化って恐ろしいな。

 ていうか、上から二人目の人は何を言おうとして止められたのかがさっぱりだ。

 


 まぁ、こんな感じで俺の喫茶店は上手い事繁盛しているのさ。

 前に姉の家族らがうちの店に来て、みんな美味しそうに食べてくれていた事が何より嬉しかったな。

 とりあえず、俺は地球で大成功を遂げたわけだ!















 ある日のこと。俺は、喫茶店を閉めて、店の中を掃除をしていたらいきなり店の扉を開かれた。

 もう閉店時間は過ぎているから、残念だが帰って貰うか。


「すいませんが、もう閉店………士郎さん?」


 俺の目の前にいたのは血相を変えた俺の姉の夫、高町士郎が小さな赤ん坊を抱いて立っていた。

 なんだ、その赤ん坊は!?誘拐したのか?まさか、こいつ!!


「で、何の用ですか?」


 士郎さんに限って、誘拐なんてありえない。
 正義感溢れるこの人が自ら犯罪を犯すなんて思えないね。


「隼人君に一生の願いを言いに来たんだ」

「俺に?まぁ、いいけど」


 士郎さんは抱いている赤ん坊を俺の方に持ってきた。

 状況がいまいち伝わってこない。

 もしかしてあれか?『実は、この子は貴方と私の子なの!』って奴なのか?
 いやいや、相手は士郎さんだ、男だ。んなわけねえよ。

 じゃあ、あれか。桃子姉ぇとやったのバレたのか?

 ………やってないからな。昔の彼女と一回やっただけで他に誰ともやってないからな!

 じゃあ、何だよ?


「どういう事だ?」

「この子は、この前産まれた娘だ」

「娘って、桃子姉ぇ産んだのかよ!速く知らせてくれよ、パーティー開いたのに」

「まぁ、いろいろあってな。報告が遅れたんだ」

「いろいろって何だよ?」


 士郎さんの目が真剣になった。
 もしかして、士郎さんが前に言ってた仕事の事が原因ってことなのか?


「仕事の都合でな、ちょっと厄介な事に巻き込まれて……俺たちは日本に居られなくなった。恭也と美由紀達は大丈夫だが、その子はなのはだけは何も関係がないんだ。だから、隼人君に預けるのが一番安全だと思って、頼む、俺の一生の願いだ。なのはを俺たちの代わりに育ててやってくれ!君しか信用できる人はもういないんだ!頼む!!」


 こんな士郎さん初めて見た。
 一つの頼みの為にここまでして必死になっている男の姿を。

 なのはちゃんかぁ、良く見てみれば桃子姉ぇにかなり似ているな。顔もだが髪の色とか瓜二つじゃないか。ていうか、俺も栗色の髪だから一緒じゃん。

 で、だ。どうする?

 なのはちゃんの面倒を見るか見ないか。士郎さんは冗談を言う様な人間じゃない。だから、嘘ではないだろう。
 今の暮らしには余裕があるから大丈夫だな。

 仕方ない。


「わかった。俺が責任を持ってなのはちゃんを育てるよ」

「本当か!?」

「あぁ、但し条件がある」

「なんだ?」

「一回だけで良い、一分だけで良い、家の外からこっそり見るだけで良いから必ずなのはちゃんが成長した姿を見に来い。本当の父親ならできるだろう?お父さん」

「あぁ!いつか必ず戻って来る。だから、なのはを頼む」


 そう言って、士郎さんは店から出て行った。

 士郎さんと桃子姉ぇの娘、なのはちゃんを俺に引き渡し。


「ほーら、なのはちゃん俺が今日から新しいお父さんだ」


 眠っているなのはちゃんを抱いて、その温もりを感じる。
 その時に、あるものも感じてしまった。


「魔力反応……それもかなりの量……」


 赤ん坊のなのはちゃんから将来有望な魔導師の力を感じた。
 
 もしかすると、俺はまた魔法に関わってしまうのかもしれないな。
 だって、もう嫌な予感がする。

 だが、今はもう俺がなのはちゃんの父親だ。

 絶対に守ってみせる。







 なのはちゃんを抱いて、俺は新たな誓いを立てた。

 心臓の方はだいぶマシになってきたから少しくらいなら大丈夫かもしれない。

 奇跡が起こるのなら、リンカーコアが治るかもしれないな。
 そうなったら、もう一度、管理局に入って仲間とまた世界を守っていきたいな。


「ふぇ、ふぇえええええええええん!!!」

「ちょっ!?いきなりどうしたんだ?なのはちゃん!」


 急に泣き出したなのはちゃんを必死に泣きやませる事にその日は終わった。

 子供育てるのにこんなに苦労するなんて思うのはだいぶ先の話になるだろう。









「ふぇええええええええええええええええええええええええん!!!」








「頼むから泣きやんでくれえええええ!!」 
 

 
後書き
お読みくださり、ありがとうございました。 

 

第二話 子育てと父親

 
前書き
子育て大変だね!!by隼人

弟の面倒見るの大変だね!!by作者

二人の子育て、始まります。 

 
 



 まぁ、いろいろあったが何とか調子を取り戻してくれたなのはちゃんを布団に寝かし、自分も喫茶店のテーブル座席に腰を下ろす。

 士郎さんの仕事は詳しくは聞いていないが、自分の命にかかわる仕事だと聞いた。
 恐らく、産まれたばかりのなのはちゃんは士郎さんの追手の連中には知られていないから、安全な俺のところへと引き渡しに来たというところだろう。

 一応、なのはちゃんとは血は繋がってるし、髪の色とかも同じだから簡単にはバレないだろう。

 桃子姉ぇの弟だから見つかるという心配はない。

 俺は書類上では最近まで死んだか行方不明となっていたからノーマークだろう。
 桃子姉ぇは管理局に入るときに知らせたから俺の事情は知ってるが、行方を晦ましたのは事実だ。

 しかし、簡単に引き受けたは良いが、これからの事をどうするか考えなければならないな。


「う~ん、先ずは服とか食器とかオムツとか買っておかないとな」


 よし、とりあえず子育てに必要な物を明日買いに行くとして、後は育児方法だな、近くの本屋で子育ての基本の本を購入して、いろいろと勉強する事になるな。

 いきなり、こんな事になったからちゃんと育てていけるか心配になってきたよ……。


「兎に角、明日は大忙しになるな」


 それと、明日は店を臨時休業にしなくてはいけないな。
 常連さん達には悪い事をさせてしまうが、許して欲しい。

 













 よし、これで全部買い終わったな。

 俺は、ベビーショップにて赤ん坊用の日用品やオムツを購入した。
 袋いっぱいになった荷物を両手で全部持ち上げながら自分の車へと戻る。

 一応、本屋で先に本を数冊買って、勉強してから来たからミスはしていない筈だ。


「ばぁー、きゃ!きゃ!」


 背中に亀の甲という赤ちゃんをおんぶする時に使う布に包まっておんぶされているなのはちゃんが元気よく俺の髪の毛を引っ張る。


「いたたた、ちょっと千切れるぅ」


 赤ん坊の握力って結構高し、手加減なんて知らないから非常に痛い。

 髪の毛を何本か千切られながらも、自分が乗ってきた車に漸く到着。後部座席に荷物を放り込んで、なのはちゃんを助手席の赤ちゃん用シートに座らせてからベルトを締めて固定させる。


「ふぅ、管理局ではこんな事一回もしてないから疲れるな」


 戦闘や封印はずっとやっていたが、子育てや大量の買い物の経験はあまりない。あると言えば、リンディに無理やりバーゲンセールで買った品の荷物運びをやらされたくらいだな。

 
「きゃっ!きゃ!あぅぁぁ」


 なのはちゃんは未だに元気よくしてくれているので何も問題なし。

 それと、なのはちゃんは買い物に付き合ってくれたからご褒美をやらないとな。


「なのはちゃん、家に帰ったらケーキとミルク食べさしてあげるからなぁ」

「きゃあ!あうあうあうぅぅ!!」


 何だか、物凄く嬉しそうな顔になったな。
 俺の作った料理を気に入ってくれたって事で良いのかな?

 それなら、ケーキを作る腕がなるな。


「よぉし、一気に帰るか!」


 全力全開でアクセルを踏んで、猛スピードで家まで帰った。












 家に帰って来ると、買ってきた物を出して、必要な物と今はまだ要らない物とでわける。
 服や、オムツは成るべく取り出しやすい場所に保管しておいて、危ないものはなのはちゃんの手が届かない所に置いておく事にした。

 これで終了だ。

 先程、なのはちゃんにおやつを食べさせたから今はぐっすりと眠っていらっしゃる。

 これが、寝る子は育つというものか。見てて胸が暖かくなってくる。

 家の片づけをして、なのはちゃんの物も片付けても時間が余ったので、2階のリビングに置いてあるベビーベッドで眠っている我がお姫様の頭を撫でてやる。

 良い夢を見ますようにとおまじないの様なものを心の中で言いながら。


「このまま良い子に育ってくれよ。それで、本当のお父さんを見返してやるんだぞ」


 何時かは、俺が本当の父親ではないと言う日が来るだろう。
 その時のなのはちゃんの心のショックは大きいかもしれない。

 それなら、言わない方が良いかもしれない。

 だが、士郎さん達が戻ってきたらなのはちゃんを本当の家族の下に帰してやらなければならない。

 
「今からそんな事を考えてたら、お別れの時に大泣きするかもな、俺が」


 あり得そうで怖いと小さな声で出しつつ、なのはちゃんの頭を再び撫でる。


「おやすみ、なのは。明日からは俺がずっと見守っていくから、立派な大人になるまで」


 それまで、俺の心臓が壊れずにいたらな。
 
 

 俺は、ミッドで貰った薬を水と一緒に飲む。
 この薬を飲んでいれば、リンカーコアを治癒する効果と損傷による心臓への影響を抑える効果を持つ薬だ。

 まだ15年分もある。それだけあればその時にはリンカーコアも元に戻ってたりするかもしれない。

 今は、可能性を信じるしかないか……。







 

 なのはちゃん、1歳のお誕生日おめでとう!!



 と言う事で、俺はこの日の為に作ったなのは専用の隼人スペシャルケーキ(チョコクリーム)をなのはに祝いのプレゼントと今までありがとうという意味を込めてのクマのぬいぐるみ(手作り)もプレゼントした。

 二人っきりだったが、最高の思い出になった。
 勿論、写真も50枚以上は撮ったと思う。

 いやぁ、子供が一つまた成長したと思うと嬉しくなってくる!







 なのはちゃん、お父さんと公園デビュー!!ヒューヒュー


 
 これは特に良かったのは、ご近所さんの子供となのはが仲良くなってくれた事が一番嬉しかったな。

「珍しいですね、男性の人が子育てするなんて」

「へへ、まぁ、家族なら当然でしょう」

「あぁ、私の旦那と入れ替わって欲しいわぁ」

「え?ごめん、旦那さん、なんかごめん」


 俺もご近所の奥様達と仲良くなりました!!
 ママ達のお茶会にも誘われました。どうして、俺が?っていう質問は皆スルーでした……。

 ママ友は増えて行くが、パパ友がごく僅かしかいない。男同士で子育てについて語り合いたい。


「ふん、貴様の娘より私のマイエンジェルの方が10倍可愛いぞ!」

「黙れ屑。我が姫の方が美しい……あぁ、それはまるで聖母の様な瞳……吸い込まれてしまいそうだ……」

「何が聖母だ!一番はミーの金髪幼女だろ!!見ろ、この凛々しい洋幼女の姿を!!」

「「素晴らしい!!」」

「ほほう、貴様らは見た目は可愛いと言ってる様だが、中身までは何も言ってないな」

「貴様、それはどういう意味だ!!」

「答えによっては、貴様を滅する!」

「言おう、私の娘には名前も凄い可愛くしたのだ!!その名は『ゆずは』だ!!」

「「「「「………エロゲのヒロインの名前かよ………」」」」」


 うん、俺のパパ友はまともな人間が一人もいなかった事に泣きそうになったよ。
 あ、でも、金髪幼女は興m


「未来からトライデントスマッシャー!!」


 とある事情により、隼人は欠席です。









 なのはちゃん、2歳のお誕生日おめでとう!!


 この日は、だんだん大きくなってくるなのはに大喜びしながら、ご近所さんの奥さん達を翠屋に招いてのパーティーを開いた。

 大盛り上がりだったが、大忙しでもあったとだけ記しておく。

 プレゼントは髪を結ぶ時に使うリボンや髪留め。







 なのはちゃん、3歳の誕生日おめでとう!!あれ?目から汗が出てくるよ?



 無事になのはが3歳を迎えてくれた事にみんな大喜び!!
 ご近所の子供たちもなのはに負けないくらいに成長している。
 
 みんな仲良く、パーティーを楽しもう。

 まぁ、この年はなのはが熱をだしたり、行方不明になったりと大慌てする事が多かったな。
 
 それと、完璧に自分の力で走る事ができるようになった。記念の撮影は勿論!
 意味がわかっている言葉もどんどん増えてきているみたいだ。








 桃子姉ぇ、士郎さん。

 なのはは3年間で物凄く成長したぞ!
 この調子だと、立派な大人になるな!





 一つ気になるのは、身体が成長していく度に魔力量がとんでもない程増えているのだが?

 そこだけは俺似なのかもしれないな。

 将来は管理局で執務官とかになってほしいな。



 
 

 
後書き
うほ、楽しい!by作者

お読みくださり、ありがとうございました。 

 

第三話 平穏って素晴らしい!!そう思わないか?

 
前書き
平穏ってすばr(ry by隼人

平(ry by作者

俺だけ、酷くね?

兎に角、始まります。 

 
 無事になのはが5歳になった。我が娘のように育ててきた甲斐がある。
 
 最近では、近所のお友達と公園で良く遊んでいるのを見かける。
 みんなに優しく笑顔を絶やさない女の子に育ってくれてありがとう。

 思わず、感謝の気持ちをなのはに言ってしまう。

 今でも楽しそうにお友達と鬼ごっこをしているらしい。
 なのはが鬼で他のみんなは逃げているようだ。

 なのはは必死に追いかけているが中々追いつけずにずっと鬼のままだった……。
 
 どうやらなのはは運動が苦手なタイプになってしまったようだ。残念。


「ほら、帰るよ~」


 ご近所の奥さんが子供たちを集めて帰宅していく。

 まぁ、もう夕方だし俺たちも帰ろう。


「なのは~、帰るぞ~」


 なのはに聞こえるように大声を出す。
 なのははすぐに此方に気付き、大急ぎで向かってくる。


「やっべ……」


 俺は、慌ててなのはに近づいて行く。
 理由は簡単、良く転ぶ女の子だからな。


「わわっ!?」


 言わんこっちゃない。

 予想通りに転んでくれたなのはを優しく受け止める。
 ビックリしたらしく、少しだけ震えている。


「ほら、大丈夫大丈夫。行くよ、なのは」


 なのはの頭を撫でて、一度抱き上げて地面に立たせる。


「むぅ……だっこ!!」


 甘えん坊だな、こいつ。どこで育て方を間違えたんだ?
 
 決して、甘やかしすぎるなんて事はしていない。
 元からこういう性格なのだろうか?


「だぁめ。自分で歩く」

「やぁだ!」

「だぁぁぁめぇぇぇ」

「やぁぁぁだぁぁぁ」

「こいつ~!」


 なのはの柔らかいほっぺをクリクリする。
 以外にこういう事をするとなのはは大抵の事は忘れて、嬉しそうにしてくれる。


「きゃはは!くすぐったい!」


 ある程度やると、立ち上がりなのはに手を差し出す。
 手を繋いで帰るのは当たり前だろう。


「流石にもう遅い。続きは家に帰ってからだ」

「わかったのー!」


 手を繋ぎながらなのはは歌を歌いだし、我が自慢の歌姫の歌を聞きながら帰路に就いた。


「そうだ!ねぇ、パパ!アイス買って!」

「ん?アイスか……。家にこの前買ったやつがあるからそれを食べな」

「んー……今たべたい!」

「今食べたら晩御飯食べれなくなるぞ?」

「むぅ、わかった……我慢なの」

「良い子だ」


 最後になのはの頭を撫でて、駄菓子屋さんの前を通過して家に帰る。
 その時のなのはがアイスを我慢する時の顔が面白かった。

 
 家に帰って来ると、すぐに晩御飯の支度をする。
 
 なのはも、ちゃんとした料理を食べれるようになり、俺手作りの御飯を美味しそうに食べてくれる。

 
「ぱぁぱ、まだ~?」

「もうちょい」

 
 料理中になのはは二階の台所まで来て、俺の隣でいつも同じ言葉を発する。
 
 ごはん、まだ~?

 もうこれは、口癖の一つにでもなってるんじゃないか?
 嫌な癖がついたな。大人になるまでに治ってくれてると嬉しい。

 野菜を切り、炒め、皿に盛り、テーブルに持っていき、味噌汁を入れ、白いごはんを入れて、次々にテーブルへと持っていく。

 
「ほら、なのははお箸を持っていって」

「はぁい♪」


 もうすぐ食べられるからって楽しそうに手伝いをしてくれる。
 
 危ない物は俺が運び、大丈夫な物はなのはに運んで貰っているので手間があまり掛らない。
 これも、良い子に育ってくれたなのはに感謝だ。

 テーブルに並んだ今日の晩御飯を前に椅子に座っているなのはの隣の椅子に座り、合掌。


「いただきます!」

「いっただっきまーす!」


 ガツガツとまではいかないが、美味しそうにおかずを取っては食べていくなのはを横で見つめながら、俺も腹を満たしていく。

 ほっぺにご飯粒を付けながらも食べているなのはを見ていると自然に微笑んでしまう。

 まぁ、行儀が悪いからご飯粒は取る。


「ご飯粒付いてるぞ」


 そう言ってなのはのほっぺに手を伸ばし、ご飯粒を取り口へ放り込む。


「へへ、ありがとうなの」

「どう致しまして」


 数分して、全部食べ終わったら食器を二人で台所に持っていき、俺が全部綺麗に洗う。

 なのはは、先程あげると言ったアイスを食べながらテレビでアニメを見ている。










 なのはと風呂に入って、なのはをパジャマに着替えさせてリビングのソファで俺の膝の上を占領したなのはと一緒にテレビを観ている。
 中々面白い番組でなのはも俺もさっきから笑いっぱなしだ。

 
 prrrrrrr


 と、家の電話が鳴った。
 なのはを膝の上から持ち上げて退かし、電話の下へと行く。

 受話器を取る。


「もすもすぃ?」


 ふざけているように見えてるだろう?

 当たり前だ、ふざけてるのだからな。


「一々イラつくわ、それ」

「それは褒め言葉だ、桃子姉ぇ」


 電話の相手は桃子姉ぇだ。
 今は何処にいるのかは知らないが、偶にこうやって電話をかけてくる事がある。

 今回は半年ぶりだな。


「で、そっちの方は良い旅を満喫中?」

「えぇ、車を猛スピードで走らせたり、鉛玉が飛んでくるアトラクション付きよ、やる?」

「それは面白そうだな。是非、やってみたいものだ」


 危ない事やってるんだなぁ。
 まぁ、向こうには士郎さんがいるし、頼りになる子供が二人いるしな、大丈夫だろうな。
 

「そっちの方は順調?なのは、風邪とかなってない?」

「大丈夫だ、問題ない。なのはなら、今テレビの前で爆笑中だ」

「そりゃ、よかった」


 何だか、なのはの話になると暗くなるなこの人。
 なのはの声でも聞かせてやるか。

 なのはの方にサインを出して、こっちに来るように手招きする。
 それに気付いたなのはは、?を付けながらやって来る。


「パパどうしたの?」


 良い感じに電話の相手にも聞こえるようになのはが喋ってくれた。


「っ!?……なのはの声?」

「当たり前だ、それ以外の声なら、危ない人になってるわ」

「あぁ、もっと聞きたいわ」


 その願い、確かに受け取った!!

 受話器を抑えて、相手に話が聞こえないようになのはに耳打ちする。

「なのは、俺の話し相手は叔母さんなんだ。だから、なのはも叔母さんに挨拶して」

「わかったの♪」


 嬉しそうに返事をしたなのはに受話器を向ける。


「おばさん!こんばんわ!」

「ブハァッ!?」


 なのはが挨拶した瞬間、血を吐きだした様な音が聞こえた。


「ふぇ!?ぱ、パパ!メイディック!」

「了解!衛生兵!電話の向こうに負傷者だ!!」


 そう言ってから、なのはにありがとうと言ってリビングに帰らせると、受話器を耳に当てる。


「大丈夫か軍曹?傷口は浅い筈だ」

「……えぇ、でもね、心の傷はだいぶ深いわ」

「そりゃ、大変だ。実の娘にそれもまだ5歳の女の子におばさんって言われるのは、ねぇ」

「隼人、こっちに来い」

「場所教えてくれたら行く」

「地獄だわ……覚えてなさい、必ずこの借りは返すわ」

「それって、いつも言うよね。何?口癖になった?」

「そうかも知れないわね。でも、必ず!」


 いやぁ、怖い怖い。
 銃の弾とかすっごい飛んできそう。

 マジでやばかったらプロテクション使おう……。


「そろそろ時間だわ。じゃ、切るわね」

「おう、またな桃子姉ぇ」

「なのはを頼むわね」


 そう言って、通話が切れる。

 てか、マジで忙しそうだな向こう。
 本当に大丈夫かコレ?

 まぁ、気にしたら負けって事で何も考えなくて良いか。

 テクテクと歩いてリビングに戻って来るとなのはが飛びついて来た。


「おばさん、大丈夫だった?」

「大丈夫さ!あれは愛が耳から口へと漏れただけだからな!」


 親指をグッと立てて、笑顔でそう答える。
 いや、だいたいはこれで合ってると思うしな。

 視界の隅に写った時計を見ると、九時を過ぎていた。
 良い子は寝る時間だ。


「ほら、なのはももう寝る時間だろ?」

「えぇ、もう寝るのぉ~?」

「早く寝ると将来美人になるって言ったろ?」

「……わかったの、パパと一緒に寝る!」

「そう来ましたか、俺は明日の店の準備が……」

「いつもみたいに朝にやれば?」

「それは、毎日なのはと一緒に寝かされてるからだよ……?」

「ぐずぐず言わない。男なら黙ってやる!」


 手を引っ張られて、俺の部屋のベットに無理やり寝かされる。
 なのはは、俺の腕を枕にして眠りに就いた。
 てか、テレビに影響されてる!?

 しばらくの間はこうしといて、時間が経てば、一階に下りて明日の準備をしないと……。

 朝にやると、開店ギリギリまでやる事になるからな……。
 今のうちに準備しといて、朝になったらケーキを作る方が楽ですぐに終わるからな。





「おやすみ、なのは」
















 隼人が居なくなった後で一人で眠るなのは。


「むにゃ……パパだ~いすき♪」


 笑顔で幸せな夢を見ているなのはの姿があった……。



 
 

 
後書き
お読みいただき、ありがとうございました。

平穏っていいね。 

 

第四話 やべぇ、俺危険!

 
前書き
何が危険なのよ?by隼人

君の人生だよ……by作者

危険な人生、始まります。

どこも危険じゃないね!by隼人 

 
 朝早くに店で出すケーキを作り終えると、なのはを起こし、顔を洗って髪を整えてやるとリボンでツインテールにして幼稚園の制服に着替えさせると朝食を食べさせる。

 今日のメニューはサンドウィッチと紅茶だ。

 少々、身体がいつもより重く感じながらもなのはに幼稚園の準備をさせる。


「ティッシュとハンカチもちゃんとカバンに入れたか?」

「ばっちりなの!」

「良い子だ」


 褒めながら頭を撫でてやると「にゃふふぅ」と言いながら気持ち良さそうに身体をクネクネさせるなのは。
 それを見て身体が一瞬だけ元に戻ったがすぐに身体がダルくなった。

 もしかして風邪か?

 そう思いながらも、店の事やなのはの幼稚園への送り迎えの事もあるから身体を休ませる訳にはいかない。
 近所の誰かに頼もうとも思ったが迷惑だろう。


「パパぁ?大丈夫?」


 おっと、なのはに心配をかけてしまったな。
 
 すぐに笑顔を作り、なのはの頭を撫でる。


「大丈夫大丈夫♪なのはの可愛い顔を見てたら平気になったさ」


 今も頭を撫でてはいるが、嬉しそうではなく、本当なの?って顔でこちらを見つめるなのは。


「ん、もうそろそろ時間だな。ほれ、送ってやるから先に車の前で待っといてくれ」

「……はーい」


 とてとてと可愛らしい効果音を発しながら走っていくなのはを見送ると、急いで車のキーを取り、家の鍵と財布を持って自分も車へと向かう。



 幼稚園に到着すると、なのはを前で降ろし、手を振って別れる。


「先生の言う事は守って、友達と仲良くなぁ」

「うん、わかってるの♪」

「オーケー、じゃまた迎えに来るからな」

「はぁい、バイバーイ♪」


 なのはがちゃんと幼稚園の中に入って行くのを見かけると、すぐに車を発進させて家まで戻る。

 家に戻ると、玄関……まぁ、喫茶店の入口だな。
 
 この家は、三階建てで一階が喫茶店『翠屋』で二階から三階が我が高町家の家だ。
 つまり、この家の玄関は一階にある店の入り口だ。後は、裏にある車を止めておくスペースに繋がる出入り口くらいだ。

 兎に角、店に入ると『本日のおすすめメニュー』と書いたミニ黒板の看板を店の入り口の前に出し、軽く店の中を掃除し、テーブルやカウンターを雑巾で拭いて、レジや注文を受ける『注文カウンター』を綺麗にし、メニュー表や小銭をレジに補給する。

 次に、厨房へと入り、冷蔵庫の中にあるケーキを一つ一つ確認し、次に他のメニューの食材やドリンクを確認する。
 全部、問題なし。

 開店は9時からだ。まだ、20分もあるので厨房の奥にある休憩室に入り、椅子に座る。

 朝早くから起きて、昨日の晩に準備しておいた物を使い、ケーキを大量生産してからここまで休憩無しでやるのは流石に疲れる。

 だが、今回は何時もと違う。

 今日は身体がダルく、頭ではなく胸が痛いというか苦しい。
 もしかすると、リンカーコアの損傷による心臓への悪影響がまた出始めてるのかもしれない。

 今のうちに薬を飲んで気分を落ち着かせよう。

 ミッドで貰った薬と栄養剤を飲み、休憩室を出て、店の入り口の前に置いてある準備中の看板をひっくり反して「準備中」から「営業中♪」へ変更する。

 ふぅ、今日も忙しくなりそうだ。






 カランカラン

 と、扉を開けられると鐘がなり、店に人が入ったり出たりした事を教えてくれる。

「いらっしゃいませ。二名様でよろしいでしょうか?」

「あ、はい」

「お席はカウンターかテーブルどちらにいたしますか?」

「テーブルで」

「では、あちらにどうぞ」


 女性二人をテーブル席へと誘導し、後からすぐに水を持って来る。
 
 本当にこの店はよく人が来るよな。
 俺しか店員いないのに、飽きもしないで良くこれるな。

 まぁ、とっても嬉しいから口には出さないし、言っちゃダメだろう。

 
「あ、あの?」


 店の中を徘徊していると先程の女性二人組に声をかけられたのでそちらを振り向く。


「何でしょう?」

「し、写真……一緒に撮ってくれませんか?」

「はいぃ?」


 意味がわかない。
 カメラを俺が持って、女性二人で写真を撮るのなら判るが、俺と一緒に撮りたいって、何だよ?
 
 こう言う時ってどうすれば良いのか?


「ダメ、ですか?」

「いえ、構いませんよ」

「あ、ありがとうごじゃいます………はぅぅ」


 喜びながら喋るから噛んでしまったようだ。恥ずかしそうに顔を真っ赤にさせている。
 
 俺はと言うと、何をどうすれば良いのかわからない状況。


「よかったね、真帆!」


 一緒に来ていたもう一人の女性が先程の女性、真帆さんに声をかけて復活させた。

 
 それから、一緒に写真を撮り、握手までしたら満足そうにケーキを何個も食べて、イチゴタルトを4個もお持ち帰りなされた。

 1時くらいになると、珍しく人が少ない。
 この時間でも10人はいつも居たのだが、今日は二人組みが二組いるだけだった。

 他の客が座っていた座席の食器を片づけて、厨房へと持っていき、皿やホーク等を洗っていると扉を開けた時になる鐘が鳴った。

 手を水で洗ってタオルで拭き、急いで注文カウンターまで向かう。


「いらっしゃいませー」


 朝からずっと重たい身体を引っ張りながらも笑顔を作って客を御もてなしする。


「あら、礼儀正しいわね」

「え?」


 聞き覚えのある声だと思って相手の顔を良く見てみると。


「リンディ……おひさぁ」

「ふふ、久しぶり。会いに来たわ」


 俺が引退するまで同じ仕事をしていた仲間であり、親友であり、命の恩人の女性、リンディ・ハラオウンが立っていた。

 ミッドで別れてから何年も経つのにちっとも変ってないな。
 この人って歳とらないのぉ?


「あぁ、久しぶりだな。どうだ?管理局の方は」


 リンディの今の恰好は私服だから恐らく休暇の真っ最中なんだろう。

 
「ミッドと管理局の英雄がいなくなって最初は大変だったけど、今はもう全部元に戻って今までどおりの事をしているわ」

「そっか、そいつはよかった」


 リンディはカウンター席に座り、イチゴケーキと砂糖がたっぷり入ったお茶を注文した。

 約束通りに、工夫しておいてやった。


「あら、何コレ?美味しい」

「お茶に入ってる砂糖はイギリスの名家から取り寄せてる物だからな、そりゃうまいぞ」


 見ているこっちも美味しそうに味わいながら飲むリンディ。
 俺も喉が渇いたので、ミネラルウォーターをコップに淹れて飲む。

 一気飲みして、すぐにコップを洗う。


「で、クライドとはどんな調子なんだ?」

「………………」


 あ、地雷踏んだのか?俺。
 もしかして、今ケンカ中?何でさ?何があったのさ!!

 何処からどう見ても、暗い!暗すぎる表情になったリンディさん。


「悪い、気に障ったみたいだな……」


 ここは違う話にしよう。
 何か、良い話しがあったらいいのだがな……。

 ていうか、今の俺ってさリンディとクライドの仲を取り戻す鍵になれるんじゃないのか?

 いや、しかしな暗いよ、リンディが暗いんだよ。


「ねぇ、隼人?」


 俺が考え込んでいると、急に話しかけてきた。
 一度、思考を停止させて話を聞く。


「何だよ?」

「大事な宝物を失った時ってどうすればいい?」

「大事な……宝物?」

「えぇ」


 俺にとっての大事な宝物は、家族かな。
 それと、この家だな。

 なのはとこの今住んでいる家が俺の大事な宝物だ。

 で、リンディの話は、その大事な宝物を失ったらそうすればいいのかって話。


「どうして失ったのか。何が原因だったかを知りたいな。それから、また大事な宝物を求めれば良いんじゃないかな?失ったら俺だって嫌だ。立ち直るのは無理かもしれない。でもさ、何か残ってるだろう?失った物が残していった物」

 
 俺の場合は、なのはが俺の為に作ってくれた花の髪飾りや、俺を絵にした紙とか、なのは本人の何度見ても飽きないあの笑顔とか。

 
「お前にもあるんじゃないのか?何を失ったかは知らないが、あるだろう」

「ぁっ!……」


 何かを思い出したように目を見開く。


「なら、失った物の分、残していったものを大事な宝物にすれば良い」

 
 失えば、悲しいままだが、残された物があるかぎりは失ったものを忘れずにずっと思い出せる。


「失った物の分、残していったものを大事にしてやればいいんじゃないのか?」


 あくまで俺の考えだがな。


「えぇ、それもそうよね。何時までも悲しいままじゃ、どちらも報われない」

「あぁ、そうだ」

「ありがとう、隼人。少しは元気が出たわ」

「どう致しまして、お前の力になれて光栄だよ」


 そう言って、リンディの頭に手を伸ばし、いつもの癖で頭を撫でる。

 なのはにいつもやってきた事だから、癖になってしまったのかもしれないな。


「わ、悪い」


 慌てて手を退けようとしたが、阻止された。リンディに。

 リンディは俺の手を掴み、ずっと頭の上に乗せたままにしている。


「お願い、このままでいて。少しは楽だから……」

「あぁ、わかったよ」


 リンディの弱い弱い、悲しそうな暗い声が聞こえた。
 俺は、ただ撫でるだけでいた。

 一体、リンディに何があったのか……。











「本当の事を言うわね」

「無理はしなくてもいいんだぞ?」

「言わせて、今、言わないときっと後悔しそうだから」


 





「今から、7年前にクライドは……亡くなったわ」









 
 

 
後書き
よっしゃ、無事生還!by隼人on作者

お読みくださり、ありがとうございました! 

 

第五話 あれから、何年?それと、息子いたの?

 
前書き
今回はとくに言う事はない(キリッ by作者


何もないが、始まります。 

 
 俺はリンディの言葉に耳を疑った。
 
 あのクライドが亡くなった?ありえない。あんな優秀な魔導師がそう簡単に死ぬはずが……。


「ロストロギア『闇の書』は知ってるわよね?」

「あぁ、忘れもしないさ。そいつは一番たちが悪い」


 闇の書。俺はそのロストロギアは書類でしか見た事はないが、情報によるととんでもない魔力を持った魔導書で主人を選び、主人の言葉に忠実なんだ。
 
 更に、厄介なのが人からリンカーコアを吸収するというのも判明している。

 闇の書一つで世界がどれほど消えたか数えきれないほどある。


「クライドは、闇の書の護送中に闇の書の『防衛プログラム』が暴走したことによって、護送船を乗っ取られて、他のクルーはみんな避難したけどクライドは最後まで残り、アルカンシェルで闇の書と蒸発したわ」


 クライドの最期を話すリンディの目には光がなく、弱く悲しそうな目をしている。
 
 それで先程、大事な宝物を失ったらどうすればいいのか、聞いたのか。

 俺の知らない所でまたいろんな人が死んでしまったんだな。
 もし、俺が管理局を辞めていなかったら、魔導師として戦っていれば、リンディの大切な人を守る事が出来ていたのかもしれない。

 その場所には、クライドではなく、俺がいて死んでいた。いや、俺なら必ずそうしていた。
 
 クライドは、最後まで自分に与えれられた使命を守り続けた。
 

「……悪いな。今の俺が、何か言う資格はないだろう。だが、これだけは言わせてくれ」

「……」

「クライドは最後の最後までやり遂げたんだ。なら、お前はどうする?」

「…………私は」


 次第にリンディの目から涙が零れてくる。
 俺は、リンディの頭に手を伸ばし頭を撫でる。

 今の俺が何かの力になるのは無理だろう。
 だが、勇気と元気を与えてやるくらいはできる。できなきゃいけない。


「リンディなら、出来るだろう。クライドの分も」

「えぇ、やってみせるわ。あの人の分も私が世界を守ってみせる!大切な家族と一緒に」

「おう、お前ならできる!だから、元気出せ」


 そう言って、リンディの頭を優しく叩く。気合い注入ってやつだ。


「ありがとう、隼人。今の私なら何でも出来そうな気がしてきたわ」


 その言葉を聞いて、俺はすぐにリンディにデコピンする。

 ピチンと音が鳴り、リンディはデコピンされた個所を摩り、涙目で此方を睨む。
 
 おぉ、怖い怖い。


「無理だけはするなよ。ま、俺が言っても何の説得力がないか」


 無理したから、こんな厄介なケガをしたのだからな。
 みんなに迷惑をかけてしまったし。

 無理をすれば、どれだけ周りを救えようが、必ず心配する人が周りに出てくる。
 その人たちを悲しませない為にも、一人ではなく、みんなで協力してやる方が良いんだ。

 立った一人の独断行動で周りに被害をだす馬鹿は俺だけで良い。


「何よ、自分が一番無理してた癖に」

「あぁ」

「自分が倒れた時、どれだけ心配したと思ってるのよ」

「……え?」


 そこでリンディは急にハッとし、顔を俺から反らせた。
 俺が目を合わそうとしても合わせてくれない。すぐに何処かへと向いてしまう。

 
「まぁ、いいや」


 そこで話を切り、違う話題へと変更する。

 そうだな、あれでも聞いてみるか。


「リンディって子供いた?」

「え、いるわよ。一人」

「男?女?」

「男よ。名前はクロノって言うの」


 ほぉ、クロノ君かぁ。良い名前でないか。
 俺の予想、だいぶ魔導師の素質があってすごい真面目そうな子だろうな。

 結構なイケメンだろうな。クライドの息子ならあり得そうだ。


「隼人はどうなの?」

「え、俺?」

「えぇ」


 俺の家族と言えば、なのはが一人だな。

 そう思って、ふと思い出した。

 店の壁に飾ってある時計を見てみる。
 時刻は既に4時を過ぎていた。

 不味い、なのはを向かえに行かないと。


「悪い、ちょっと用事を思い出した」

「え?どうしたのよ、いきなり慌てだして」


 急いで、カウンターを片づけて、店の外に置いてある看板を中に入れてから「準備中」の看板を外に出したままにしておく。

 また店に入り、扉の鍵を閉めて、急いで厨房へ入り階段をダッシュで登って2階のリビングから車のキーを取ってきてからエプロンを脱いで注文カウンターに置く。

 これまで放置していたリンディの事を思い出すと、このままにしておくのも悪いのでご同行願う。


「リンディも来る?」

「どこに?」

「幼稚園にいる娘のお迎えに」

「ええぇ!!隼人って娘いたの!?」

「はぁ!?何だよその反応は!俺にだって一人くらい娘がいったって良いだろうが!!」


 兎に角、リンディの手を引っ張って裏口から出て車に乗り込み、エンジンを掛けてアクセルを踏む。






「で、ここが隼人の娘がいる幼稚園?」

「うむ、そうだが」

「子供が多いわね……」

「当たり前だろう、ここの幼稚園は結構多い方らしいからな」


 とりあえず、車を降りて幼稚園の玄関まで向かう。
 足を五歩くらい前に出すと一度立ち止まる。

 理由は簡単。


「別にお前までこなくて良いんだぞ?」

「別に良いじゃない。せっかくだし隼人の娘さんにご挨拶したいし」


 まぁ、いいか。と声に出してから再び足を前に出す。
 歩いてると俺の横にリンディが来て、偉くニコニコしながら歩いていた。

 玄関の中へと入り、下駄箱の所までやってくると先生が出てくる。


「あら、高町さん、こんにちわ」

「こんにちわ、なのはいます?」

「はい、今連れてきますのでそこで待っておいてください」


 礼を言ってから先生がなのはを呼びに教室まで行くのを見送る。


「なのはちゃんって言うの?」

「あぁ、それがどうした?」

「ふふふ、可愛いって思ってね」

「そりゃ、どうも」

 
 士郎さーん!桃子姉ぇぇ!あんたらが必死で考えた名前、褒めて貰えたぞおお!

 何処か遠くの国へと心の中で叫ぶ。


「パパぁ!!」


 すると、ずっと前から聞いている声が聞こえてきた。
 そちらの方を見ると、カバンに紙やらハンカチを入れながら走って来るなのはの姿があった。

 肩にぶら下げていた水筒が床に落ちて、それに足を引っ掛けてしまったなのはが盛大に転んだ。


「あちゃー」

「あらら、大変」


 俺とリンディは倒れているなのはの下へと来ると、腰を下ろし、手を伸ばし指でなのはの頭を突く。

 生存確認の一種だと思ってくれればいい。


「もしもーし、なのはさん生きてますかぁ?」

「……」

「ただの しかばねの ようだ。 」

「生きてるの!!それに酷いの!」

「くっ、なのはがゾンビになってしまった!!許せなのは、一撃で楽にしてやる」


 目に嘘の涙を溜めて拳を強く握り、思い切りなのはに突きだす。


「ふぇぇっ!?だから、生きてるのぉー」


 寸止めで、なのはの顔の前でやめる。

 
「ちっ、生きてたのか。…………くそっ」

「ちょっと!!どうしてそんなに悔しそうにするの!?パパでも流石に怒るよ!?」

「で、大丈夫か。ケガとかしてないか?」

「いきなり優しくなったの。もう、知らないの」


 大丈夫そうでよかったよ。
 
 兎に角、なのはに水筒とカバンをちゃんと持たせて、手を繋いで一緒に幼稚園から出ていく。


「先生さようならなのー」

「なのはちゃん、また来週ね♪」


 ぺこりと頭を下げて、車へと歩いて行く。


「あ、忘れてた」

「何を忘れたの?パパ」


 後ろを向いて、下駄箱で固まっているリンディを見る。


「リンディ、置いてくぞぉ」


 正気に戻ったリンディが素早く此方へと戻って来る。
 どうしたんだ、こいつ。


「何、固まってんだよ」

「貴方達の遊びに着いて行けなかっただけよ」

「クロノ君とはやってないのか?」

「普通はあまりしないと思うわよ?あれ」


 はっはっは、と笑いながら歩いてく俺と、恥ずかしそうにチラチラと周りを見るリンディと、だれ?この女の人っていう目をしているなのはと共に歩いて行く。

 車に乗って、すぐに我が家へと向かった。




 喫茶店はもう閉めて、店の中をなのはと一緒に掃除してから晩御飯の支度をする。

 どうやら、三日間の休暇を貰って初日からここにいるリンディは行く宛がないとの事で今日は泊まって行くらしい。
 
 クロノ君は良いのか?と聞くと、クロノ君は管理局の訓練校の寮にいるから大丈夫らしい。


「って、隼人ってばまた料理上手くなってる」

「いつも、栄養を考えて作ってきた甲斐があったものさ」

「そう言えば、昔から貴方って料理上手かったわね。いつも、私が負けてたわ」

「あの時は料理が唯一の取り柄だったからなぁ」


 昔の懐かしい、話をしていると良い想いでばかりが頭の中に蘇って来る。

 そう言えば、俺が作ったアップルパイ、リンディは大好物って言ってくれてたな。
 この休みの間に作っておいてやるか……。


「ねぇねぇ、何の話してるの?」

「ふふ、私とパパが若い頃の話よ」

「俺は今でも若いぞ、お前は老けたけどな」

 
 ていうか、誤解を招くような事を話すなよ。リンディがパパっていうとなのはが何を思うか。
 ちらっと、なのはを見ると「良いなぁ、私もパパの若い頃の事知りた~い」と言っているので一安心。

 いや、安心している場合ではない。

 背中がゾクッと冷たい何かが伝わってきた。
 これは良く知っている。管理局にいた頃に良く浴びた気配。それは、殺気だ。

 後ろを振り向くと、漆黒のオーラを出しながら不気味に笑うリンディ様がいた。


「何か言い残す事は?」

 
 俺は冷や汗をだらだらと流しながら言葉を考える。


「セーラー服を一度でも良いから着てみたかった」

 
 どうやら、俺の思考は大変な事になっているらしい。誰か助けて。
 なのはの方を見ると、先にテーブルに並べて置いた料理に夢中になっていた。


「誰が老けてるってぇ?」

 
 リンディ様。


「正直に言ってみなさい」


 リンディ様。


「死刑」

「ええええええ!?どうしてええええ!?」

「若干、念話で聞こえてるのよ!!わざとでしょ!!」


 しまったあああ、念話をオフにするの忘れてたあああああ。

 益々、黒いオーラがリンディの身体中から溢れてきている。
 
 くっ、デバイスさえあれば!!


「アルカンシェルより強力な魔力で葬ってあげるわ」


 すると、リンディの背中から半透明の黄色い羽根が四枚生えた。

 って、おいこら!!ここは家の中でなのはもいるんだぞ!!

 そう思って、一気にリンディへと飛びかかる。


「抵抗するのね、公務執行妨害だわ」


 今、休暇中でしょ?関係なくね?

 あ、やばい。リンディの右手が水色の魔力光で光ってきている。
 あれは、魔法で身体強化しているようだ。

 本気で殺す気みたいだな。


「うおおおおおおお!!」


 俺がリンディへと手を伸ばすと同時に、普通なら目では見えない速度でリンディの右ストレートが飛んできた。
 
 だが、元管理局員ナメンナと言う事で、簡単にそれを受け流しリンディに飛びかかる。
 リンディはバランスを崩し、背中から床に倒れていく、俺もそれにつられて倒れていく。


「あっ……」


 リンディがそう声を出した。

 今の状況は、俺がリンディを押し倒し、リンディの上に乗っかっている状態だ。
 やばい、早くどかねえと。

 急いで体制を元に戻し、リンディから離れる。


「えっと、すいませんでした。ごめんなさい、もう言いません」

 
 兎に角、謝った。

 リンディの方を見てみると、目を回して気絶しているリンディが居た。


「い~けないんだ~いけないんだ~」

 
 なのはのそんな声が聞こえると、俺は正気に戻り、リンディを俺の部屋まで運び、ベットに寝かした。


 はぁ、一応はなのはにさっきのはバレてはいなさそうでよかった。
 
 今日は、いろんな意味で疲れた……。


 
 

 
後書き
仕事仲間に殴られた!!でも、良いもん!

俺が、部長を放置して帰ってきちゃったもん!忘れてただけだもん!

お読みいただき、ありがとうございました。 

 

第六話 私が主人公よ!!(嘘) byリンディ

 
前書き
今回は私の視点ね♪ byリンディ

リンディの可愛らしい一面が見れるよ! by隼人

リンディのえtへぶしっ!? by作者

夢の中の彼と優しい彼、始まります。

↑今回は真面目だな、おい。 by作者on隼人 

 
 広い綺麗な花畑の上に私は立っていた。
 此処は何処だろうか?どうして私は此処にいるのだろうか?

 そんな疑問が頭の中を流れて行く。

 空を見上げると大きな青空と太陽に雲がある。どれも心が落ち着く感じがした。

 周りを見渡せば、先程と同じで綺麗な白い花を咲かせた草木が並んでいた。


「此処って、楽園か何かかしら?」


 とても心地よかった。

 バサッと音を立てながら花の上に大の字で寝転がってみた。
 
 気持ちいい。何もかも忘れてずっとこのままでいれそうな気がする。

 目を閉じ、深い眠りに就こうとした。


「リンディ、リンディ」


 男の声がした。懐かしい彼の声。
 その声の主が誰かと思いだすとすぐに目を開けて、彼を見た。

 管理局の提督が着る制服を身に纏いながら、私を見て微笑んでいる彼。


「……クライド……」


 そう、そこには死んだはずのクライドが立っていた。
 本当に此処は天国とかなのかもしれない。

 彼を見てると、彼が私に背を向けて何処かに行こうとする。

 
「すまない。後は君に任せるよ」

 
 そう言って、そんどん離れていく彼を私は走って追いかけた。

 手を伸ばし、もう失いたくない。悲しませないで欲しい。
 その一心で追いかけた。

 でも、彼はこう言った。


「君にはやる事があるだろう?」


 その言葉を聞いて立ち止まってしまう。


「クロノを頼む」


 そう言って、彼の姿が見えなくなった。
 私は手を伸ばし、もう一度彼と会おうと思って行動した。

 しかし、彼が今までいた所を探っても、彼は戻ってこなかった。

 まだ、話したい事がたくさんあったのに。

 今までのクロノの話をしようと思ったのに……。

 涙が目から零れていく。
 なにも抵抗せずに地面へと涙を落としていく。

 すると、私の頭が柔らかくとても暖かい何かが触れた。

 何かを確かめようとすると、それは声を出して、私の名を呼んだ。


「リンディ、泣いてるのか?」


 その声は、優しい声で私に訪ねてきた。
 だけど、私は返事することなく、黙ってその声を聞いていた。

 すると、何か良い匂いがしてきた。

 何か、香ばしい匂いとリンゴの甘い匂い。その匂いを嗅いですぐに何なのかを判別した。


「アップルパイ?」


 そう、声に出すと先程から聞こえてくる声がまた優しく笑っているかのように「そうだよ」と言った。

 何年か前にあの人に食べさせて貰った時と何一つ変わらない匂いだった。

 私は昔に食べたこのアップルパイを思い出しながら、あの人の事も思い出す。

 私より上手く料理を作り、何より得意だったのはアップルパイを作る事。

 初めてアップルパイを食べさせて貰った時に私はすぐに「貴方の作ったアップルパイ、私は大好き」と言った。

 その時も、確か今と同じような悲しみを背負ってた時だった。
 飼っていた猫が突然死んで、ずっと泣いていた時だった。

 あの人は、猫の分と自分の分そして私の分を皿にアップルパイを乗せていた。

 そして今も、クライドが居なくなって泣いている時にあの人はアップルパイを持ってやってきた。


「お前なら、出来る」


 あの人、高町 隼人 の言葉が脳裏に響く。
 クライドが言った、私に任せる事、クロノの事、全部私が彼の分もやっていくと決めた。

 隼人の御蔭で私はまた力を付けた。

 今までは、ただ悔しくて彼の事を追いかけたくて提督と言う役職をしている。

 次元航行艦船アースラの艦長もこなしてきた。

 でも、もう私は変わったんだ。
 
 私は、クライドを追いかけるのではなく、彼のやろうとした事を引き継いで彼の気持ちをクロノに教えて行く。それが、私が今やることだと気付かされた。


「私、やるわ。ありがとう、隼人」


 そう言うと、私の視界が真っ暗になった。









 


 目を覚ますと、私はベットの上で起き上がる。

 此処は何処だろうかと思いながら周りを見渡す。

 特に何もない。あると言えば、壁に飾ってあるいろいろな写真が目に入った。


「この写真に写ってるのって全部、なのはちゃんと隼人……」


 それがわかると胸が苦しくなった。
 理由はわからない。でも、何かが気になる。

 写真に写っている隼人の笑顔を見てると自分も微笑んでしまう。

 でも、どうしてこんなにも胸が苦しいのかがわからなかった。

 隼人に娘がいるって知った時も、幼稚園になのはちゃんを迎えに行った時にもずっと胸が苦しかった。
 迷惑をかけないように無理に笑顔を作って我慢していた。


「どれも楽しそうな物ばかりね」


 見ているこちらも楽しくなってきそうな程だった。

 仲の良い親子の写真は何時見ても良いものだと思う。


「でも、後一人が写ってない」


 そう、家族になら居ても可笑しくない。いや、いないと可笑しい筈の存在がどの写真にも写ってはいなかった。

 母親の姿が見当たらない。

 どの写真を見ても写っているのはなのはちゃんか隼人か二人一緒の写真くらいだった。

 ずっとカメラマンでもやっているのだろうか?
 いや、隼人なら絶対に嫌でも写真の中に入れそうな気がする。

 そう言えば、家の中にも女性なんて居なかった。
 居るとすれば店の客として来ている女性くらいだ。


「どこかにないのかしら?」


 隼人の部屋の隅々まで探してみた。
 クローゼットや机、服や上着のポケット等いろいろ調べてみたけど、母親が写った写真はどこからもでてこなかった。

 もう少し調べてみよう。

 そう思って、クローゼットを開ける。
 隼人が何時も着てる服などがハンガーで綺麗に納められていた。

 腕を伸ばし、奥まで調べてみる。
 その時に隼人の服が顔にかかった。


「………すぅ…」


 いつの間にか、匂いを嗅いでいる事に気付いた私はすぐに腕をクローゼットの中から出した。

 胸が物凄く高鳴っている。心臓が破裂しそうなくらい激しく動いている。
 顔が熱い。きっと、真っ赤になっているだろう。

 ごくりっと息をのみ、もう一度クローゼットの中に腕を突っ込み、顔も一緒に入れる。
 
 これは写真を探すための行動で、決して隼人の匂いを嗅ごうなんて思ってない!


「すぅ……はぁ……すぅぅ……」

 
 こ、これは不可抗力ってやつで決して匂いを嗅いでいにゅわけにゃにゃい!!

 もう、頭の中が可笑しくなってる。
 何も考えれない、何かムズムズしてきた。

 もう耐えられない!!
 
 服を一気に数枚取り、その中に顔を埋めて隼人の匂いを嗅ぐ。

 
 ガチャ


 扉が開いた音がなった。


「………………………………………………わ、悪い。取り込み中だったか」


 長い沈黙の後にそう言って、部屋の扉を閉める隼人。

 もう、言い逃れはできない。

 何故なら、数枚の隼人の服を持ってベットに座り、顔を埋めていたら………ね?


「人生オワタ…………時空管理局提督(笑)オワタ………」


 死にたい、今すぐ死にたい………殺してください。今ならすぐに逝けそうです。














 只今、リビングのテーブルの上に正座して超反省しております。

 隼人はさっきの事は見ていないの一点張りで安堵すれば良いのか、落ち込めば良いのかわからない。


「まぁ、さっきの事は置いといて。悪かったな、酷い事言って」

 
 あれ、何時酷い事言ったの?
 頭の中を探って記憶を確かめていると、老けたなって言われた事を思い出して怒りそうになったが、それより悪い事をした私が怒る価値なんてない……。

 
「良いわ。別に気にしてないから」

「そっか、良かったぁ」


 そう言って胸をなでおろす隼人。
 そんなにも深く考えていたの?

 なんか、自分がやった事が情けなくて、余計に死にたくなってきた。


「あ、そうだ。リンディ、腹減ってないか?」


 そう言えば、今日は地球に来てから何も食べていなかった。


「えぇ、空いています」

「なら、ちょっとそこで待っててくれないか?食べて欲しい物を持って来るから」

「はい」


 隼人はリビングを出て、階段を下に降りていった。

 はぁ、とため息を吐き、どうすれば死ねるかを考える。

 何かないかと思って周りを見る。
 あるのは、ソファやテレビやらテーブルやらカーペットやらで死ねるような物はない。

 壁に貼ってある一枚の紙に目がいった。

 それは、なのはちゃんが描いたと思う、大好きなパパを絵で描いている紙だった。

 かなり上手く描けており、これは凄いと声に出した。

 こんな上手な絵を描いてもらったら嬉しいだろうなぁ、と心の中で思った。


「待たせたな、持って来たぞ」


 しばらくすると、ケーキを入れる箱を手に持って隼人がリビングに帰ってきた。

 箱をテーブルの上に置くと、隼人は自分用のコーヒーと私用のお茶に砂糖を入れたコップを持って来ると、箱を私の方に近づけさせた。


「開ければいいの?」

「うん」

 
 嬉しそうな隼人の笑顔を見て、ドキッとなりつつ箱を恐る恐る開けてみた。

 そこには、出来たての暖かいアップルパイが香ばしい匂いとリンゴの甘い匂いを発しながら食べて貰うのを待っているかのように存在していた。

 先程見た夢を思い出し、涙が出てきた。


「お、おい?何で泣くんだよ?」


 隼人の慌てた顔が目に入ってきた。ラッキー。

 
「覚えてくれてたんだ、私の大好物」

「え、えっと、うん」

 
 恥ずかしそうに頭をポリポリと掻く隼人。
 
 私はそれを見て、微笑んでしまう。

 嬉しくて、勇気が出て、元気を貰えて、幸せをたくさんくれるこのアップルパイが私の大好物だ。

 隼人が包丁で綺麗に食べやすいサイズに切って皿に盛り、私にホークと一緒に渡してくれた。


「いただきます」

「召し上がれ」


 嬉しそうに笑顔で私の事を見ている隼人と目が合い、顔が熱くなった。
 
 やだ、恥ずかしい。

 そう思いながらも、アップルパイを一口食べた。


「美味しいよ、隼人」


 そう言って、また涙が出てきた。

 昔食べた時とまったく変わってない味が私の心を幸せいっぱいに満たしていく。


「俺が作ったアップルパイを美味しく食べてくれるリンディが一番綺麗だな」


 隼人のその言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴った。

 そして、思った。

 人生3度目の恋を私はした。

 一度目の初恋は失敗。相手は隼人だったけれど、管理局の仕事で会う機会がなかった。
 
 二度目はクライド。仕事ではいつも一緒で彼の優しさに惹かれて行って結婚した。でも……。

 三度目はまた隼人。でも、今は仕事で会えない訳ではない。私がすぐに休暇を作って、地球のこの家に来たらいくらでも会える。

 そう思うと、私はもう止まらなくなった。


「なぁ、写真撮らないか?」


 隼人とのこれからの事を考えていたら隼人が良い質問をしてきた。


「良いわね、それ。撮りましょう♪」

「じゃあ、カメラ取って来るよ」


 そう言って、またリビングを出て行く隼人の後ろ姿を見ていると……。


「行ってらっしゃい、あなた」


 思わず、心の中ではなく声に出してしまった。
 
 慌てて口を塞ぎ、隼人の方を見ていると、そのまま何処かの部屋に行ってしまった。

 もし、今の声を聞かれてたら……もしかすると……。

 そんな事をいつの間にか考えていた。

 大事な事はまだたくさんあるのに。

 それは、なのはちゃんのお母さん、つまり、隼人の奥さんはどうしているのかが知りたい。

 でも、それが切っ掛けで嫌な思いをさせてしまうんじゃないかと不安でもある。

 だけど!これだけは聞いておきたい。


「何度もすまない。持って来たよ」

「じゃあ、早速撮ろ♪」


 カメラをテーブルの前に置き、テーブルの上には食べかけのアップルパイを並べて、隼人の椅子の隣に座り、隼人がカメラのタイマーを押すと急いで私の隣に座った。

 隼人の顔を見てみると、嬉しそうに笑っている。

 それが嬉しくて、隼人に私の身体を密着させた。
 腕を組み、自分の顔も隼人の身体に密着させた。

 隼人は一瞬、ビクッとなったがすぐに元に戻った。

 すると、隼人も私の方へと身体を寄せてきた。


 パシャッ


 シャッター音が鳴り、写真が撮られる。
 私と隼人のツーショット写真が。

 
「ねぇ、一つ聞いていい?」

「何だ?」


 隼人に抱きついたままで話を始める。

 一番聞きたかった事を聞く。


「ずっと気になってたんだけど、なのはちゃんのお母さんは?」

「…………」


 黙ったまま、深く考え込むような瞳をした隼人。

 私は待った。


「(悪い、その事については念話で話させてくれ)」※「()」は念話。


 突然の念話に少々驚きながら、返事を返す。


「(良いわよ。もしかして、誰かに聞かれるとまずいの?)」

「(あぁ、すまない)」


 そうして、私はなのはちゃんと隼人のお姉さんの事を知った。

 なのはちゃんのご両親と兄妹はどこか遠くの国で誰かから逃げていて、何も関係していないなのはちゃんだけを、桃子さんの弟の隼人に引き渡した。

 なのはちゃんはその事を知らずに今まで過ごしてきたらしい。

 偶に、他の家族の母親を見るとき悲しそうな顔をするみたい。

 それが、今の隼人の悩みであった。


「なら、私がママになってあげようか?」


 私がそう言うと、隼人は飲んでいたコーヒーを盛大に吐いた。
 咳をして、口を拭い、零したコーヒーを布巾で拭いてから口を開いた。


「あのなぁ、順序ってもんがあるだろ!?」

 
 ごもっともで、何も言う事がないわ。


「それに、お前にはクロノ君がいるだろ?俺なんかより、クロノ君の事を考えてやれよ」

「クロノなら大丈夫よ。あの子なら一人でも大丈夫。だって、私の息子だもの」

「だからな?ちょっとお話をしyむぐっ!?」


 私は、隼人の口を手で塞ぐ。

 あ、口でやればよかった。


「私は本気よ」


 それを言うと、隼人は固まった。

 
「暫くは仕事で一緒になるのは難しいけど、あなたがその気になってくれれば、私は何時だって良いのよ」


 本当に好きな人の事なら、もうどうだっていい。


「隼人、私はあなたが好き。付き合ってくれない?結婚前提で……いや、確実で」

 
 隼人は少しだけ考えると。


「わかった。でも、待ってくれ。なのはに話してみる」

「えぇ、それが一番よね」

「明日、なのはも入れて3人で話そう」


 そう言って、私は残ったアップルパイを隼人と食べて、お風呂に入り、隼人のベットに入った。

 隼人は、なのはちゃんが眠っている私が本来使う筈だった部屋で眠った。





 本当に言っちゃった。
 恥ずかしくて、怖くて、その夜は眠れなかった。

 なのはちゃんに認めて貰えるかが不安だった。

 もし、家族になれたら隼人と一緒に家族で幸せにしてあげたい。





 あ、クロノには隼人がいたら喜んでくれるだろうな。

 クロノは、ミッドの英雄と管理局のエースだった隼人を尊敬してて一度会ってみたいと前からずっと話してたから。




 眠れない……。




 
 

 
後書き
リンディ可愛いよリンディ by作者

老けたな……。 by隼人(死亡フラグ)

作者は見た、黄色い羽を付けた悪魔が隼人を銀河の果てへと飛ばしたところを……。

彼は、素晴らしい戦死を遂げました。 byリンディ

俺は黙って敬礼した……。 by作者

お読みいただき、ありがとうございました。 

 

第七話 え!?パパが盗られちゃう!?こうなったら……byなのは

 
前書き
ここで一つ、アットノベルスから転載してきた理由を言いますね。
実は、何故かは知らないのですが『サーバーエラー』ばかり出て、何度修正してもダメだったので暁さんに転載いたしました。一応、時たまにアットノベルスに入れるのですが、すぐにエラーが出てしまって碌に作業できません(泣)。

暁にもファンの方がいらっしゃっただけで嬉しいです!
これからも、魔導師を辞めた高町家の男をお楽しみにください。

すべては、にじファンがサービス終了してから可笑しくなった……(笑)

なのは暴走、始まります。

ふぇぇえ!?暴走!? byなのは 

 
 と、言う事で翌日。
 
 俺は今までと同じように朝早くに起きて店の準備をしてから三人分の朝食を作り、2階のリビングのテーブルに並べておく。

 それから一階に降り、店の中を掃除して在庫チェックを済まし、在庫補給のためにパソコンでいつもお世話になっている食品会社に注文しておく。

 今は、ケーキを作っている真っ最中だ。

 昨日の晩はいろいろあって何も今日の準備をしていなかったために開店までの時間がちょっと足りないかもしれない。

 ケーキの生地にクリームを付けてイチゴを乗せて次の生地にも同じ様にしていく作業だ。

 生地作りは、時間がかかるため朝一番からやっておいて正解だった。

 タルトも完成しており、同じように作業していくだけだ。

 ふと、昨日のリンディを思い出す。


「……あっ」


 今までに見た事のないリンディの笑顔を思い出し、手が震えてクリームがはみ出てしまった。

 勿体ない事をしてしまった。
 仕方ないので、これはボツとして朝ごはんと一緒になのはかリンディに食べさせてあげよう。

 それなら二人分作っておいた方が良いかもな。

 イチゴのショートケーキを二人分作り、冷蔵庫に仕舞っておく。

 後は同じ作業の連続で、2時間くらいあれば開店までに間に合うだろう。

 休憩なしでやるともう少し早くできそうだが、ケーキの出来が悪くなる方がダメなので休憩はする。


「すっごい……」


 厨房から二階へと登る階段からリンディの声が聞こえてきてそちらを振り向かずに作業を進める。


「凄いだろう?この量をいつも一人で作ってるんだ」


 出来上がったケーキを置いてある調理台を見ているリンディに話す。

 リンディは「どれも美味しそう♪」と喜ばしい感想をくれた。

 タルトを後10個程作り、後はチョコクリームのケーキとチーズケーキ等のケーキ類のメニューを作っていけば完成だ。


「私も手伝おうか?」


 リンディがいつの間にか俺の隣に来て、作っているタルトを見ていた。
 ちょっとびっくりしたのは秘密だ。


「助かる。じゃあ、休憩室にエプロンがあるから着けてきて。それと、三角布巾もあるから頭に巻いておいてくれよ」

「はーい」

 
 リンディはそのまま休憩室に入って行き、エプロンを着けて戻ってきた。

 調理台の上に置いてあるケーキを冷蔵庫に入れると言う作業だけでもこちらは助かるのでありがたい。

 一度リンディの方を見てみると、楽しそうにケーキを見つめながら冷蔵庫へと運んでいる。
 そんなリンディを見て、良いなと思った。

 昨日の告白は嘘ではなかった。

 あんな真剣なリンディは初めてで最初は焦ったが、今ではもう大丈夫だ。
 俺もリンディの事が好きだ。

 クライドと付き合い始めてからは諦めたが、こうしてまた好きになれた事が嬉しかった。

 それと、リンディにはなのはの事を知っている数少ない知り合いで、俺はリンディを信頼しているからこそ全てを話した。


「パパぁ?」


 とと、ここで我がお姫様のご登場だ。
 なのはは眠たそうに眼を擦りながら厨房へと降りてきた。

 リンディもなのはに気付き、なのはの下へと寄って行った。


「おはよう、なのはちゃん」

「うん、おはようなの」


 こう見てると、親子の様に見えるのはきっと俺だけだろう。
 本当に親子になってくれると、なのはも嬉しいかな?

 ちょっと心配だ。

 なのはがリンディの事を受け入れてくれるかどうかが。


「なのは、上で顔を洗っておいで、それから一緒に朝ごはんを食べよう」

「わかったの♪洗ってくる♪」


 楽しそうに走って階段を上って行くなのは。
 転ばないか心配である。

 リンディは此方を見ながらクスクスと笑っている。


「何か可笑しな事言ったか?」

 
 どこも可笑しな事なかったよな?


「そうじゃなくて、本当に親子みたいでいっつも仲が良いわよね貴方達」

「親子だよ。なのはの父親は俺だ」

「ふふふふ」


 笑うのを止めないリンディ。
 どうせ、親馬鹿だとか考えているのだろう。

 俺は、なのはが成長するまで親馬鹿で居続けてやる。


「ねぇ、ほんとに話すの?昨日の事」


 リンディが俺の隣に来て、話してくる。

 
「あぁ、なのははなんて言うかは判らないが、俺はリンディと一緒にいたいからな」


 あぁ、もう恥ずかしい!!

 これからはあんまりこう言うの言わないでおこう。
 恥ずかしすぎて死ねそうだ。


「ぁ……え、えっと……ありがとう」


 顔を真っ赤にさせたリンディが身体をクネクネさせる。
 それが面白くて、リンディの頭に手を伸ばして撫でた。

 すると、茹でダコみたいに真っ赤になった。


「ははは、これは傑作だ」

 
 と、笑ってやると。
 リンディは怒ってはいないが、此方を睨みつけてくる。

 そんな事もやって、俺とリンディはある程度終わらせると上へと登り、リビングのテーブルの椅子に腰を下ろした。

 キッチンの冷蔵庫から紅茶を持ってきて、みんなのコップに淹れていく。

 今日の朝のメニューはポテトサラダとミネストローネだ。
 ミネストローネは昨日の夕飯の残りものだが、朝に丁度いいので食べる事にした。

 
「いただきます」

「いただきます♪」

「いっただっきまーす♪」

 
 みんなで合掌して料理に感謝の気持ちを込めて食した。

 
「美味しい!隼人の作る料理ってどれも良いわね」

「パパはレストランのシェフにも負けないの!」

「ほんと?それは凄いわね」


 なのはとリンディが美味しそうに朝ごはんを食べているところを見ているだけで俺の心が満腹になってゆく。

 ていうか、この二人かなり仲が良いのな。意外だわ。

 じゃあ、そろそろ良いかな。

 俺は決心し、リンディに念話を送る。


「(今から言うよ)」

「(えぇ、上手くいくと良いわね)」


 何か悪い事する二人みたいになっているが、気にしたら負けって事で良いかな。

 とりあえず、なのはが朝ごはんを食べ終わると同時に話をした。


「なのは、ちょっと良いか?」

「なぁに?パパ」

「あのな、俺がもし他の女の人と結婚するとしたら、なのははどう思う?」


 なのはがピクリと動かなくなった。

 何に反応しているのかはすぐにわかった。


「もしかして、リンディさんと結婚するの?」

「するとしたら、なのははリンディをお母さんだと思ってくれるか?」


 なのはは椅子に座った状態で下に俯いた。
 その様子を見たリンディはなのはに手を伸ばそうとした時、


「ぃ……ゃ………ぃ……ゃ………」


 小さな声がなのはから聞こえて、リンディの手が止まる。


「いや!!」


 すると、叫ぶように否定するなのは。
 それを見たリンディはなのはを落ち着かせようとするが、無駄だった。

 
「嫌だよ!パパが盗られちゃう……そんなの、嫌だよ!!」

「なのは……」

「パパだってママが居ないの寂しいと思うの。でも、結婚したら私の事いらなくなっちゃうんじゃないの?」

「そんなわけない。俺は今まで以上になのはが必要になる」

「違うもん!!」


 なのはの叫びが、高町家に響く。
 
 俺でも、なのはがこんな事を考えてたなんて思ってもいなかった。


「私は、パパだけ居てくれればそれで良いの!!」

 
 目から涙を零しながら、訴え続けるなのは。


「パパが居れば何もいらない!だから、パパが盗られるなんて絶対にイヤなの!」

 
 なのはの想いが直接俺の胸に響く。
 
 俺がなのはが好きと同じようになのはも俺の事が好きなんだ。

 だから、誰かにとられるのが嫌なんだ。

 俺と同じだ。
 俺もリンディとクライドが付き合い始めた時はそんな事を思っていた。

 二人の邪魔をしないためにも後を引いたが……。

 だから、なのはの気持ちが分かるような気がする。


「私を見てくれないパパなんて大嫌い!!」

「見ないなんて事はない。俺はなのはも好きなんだ」

「いやいやいやいや!!大っ嫌い!!パパなんて」


 なのはが俺に何かを言う前に、リンディがなのはの頬を叩いた。

 それからそっと、なのはを抱きしめた。

 なのはは混乱しており、今の状態では碌に話も出来ない状態だった。


「落ち着いて、なのは」


 リンディが優しく名前を呼ぶ。もう、他人ではなく、家族かの様に話をする。

 
「ごめんさい。でも、これだけは言わせてね」


 リンディはなのはを抱き寄せて、自分の身体でなのはを包むように優しく抱いた。

 すると、なのはも少しは落ち着いたらしく、話を聞くようにはなった。

 ここで一言、女ってスゲー。


「私となのはのパパは結婚するの、絶対にね」


 絶対なんですね。
 俺が話してた、もしもの話が崩れ去ったみたいです。

 
「だから、勝負しましょ」

「勝負?」


 勝負?
 っておい、相手は5歳で貴女は大人の30歳でしょうが!

 
「(言っとくけど、念話で聞こえてるから)」

「(サーセン)」


 なのはは不思議そうな顔をしている。


「そう、どちらがパパに相応しいかよ」


 リンディはなのはを自分と目が合うように、じっとなのはを見つめた。

 なのはもリンディの事を見つめている。


「わかったの!絶対勝つの!」

「ふふ、私も負けないわよ」


 え?

 さっきまでの空気どこ行った?
 暗い空気が行方不明に!?

 と、先程までの家の空気がなくなり、二人の熱く燃える空気だけがあった。


「でも、パパに嫌いって言った事を謝りなさい」


 ちょっと怒った表情でなのはに強く言うリンディ。

 なのはは、此方に向いて頭をぺこりと下げた。


「パパ、嫌いなんて言ってごめんさい。私は、パパが世界で一番大好きなの!!」

 
 そう言って、俺の胸に飛び込んできた。

 何が起こったのか詳しく分からないが、解決したと見れば良いのだな。


「俺もなのはが大好きだ」


 なのはの頭を優しく撫でてやる。
 いつも通りに、「にゃふふぅ」と気持ち良さそうにクネクネするなのは。

 見てると何だか笑えてくる。

 リンディも流石に笑っている。


「で、隼人は私の事、どう思ってるのかしら?」

「世界で一番、俺の料理をずっと食べさせたい人」


 そう言うとリンディは嬉しそうに笑うと朝ごはんの続きを開始した。

 
 午前中から忙しかったが、何とか今日を乗り越えられた。

 本日は、休日だったので店に来る客が多く、ウェイトレスとしてリンディが働いてくれた。
 別に休暇の真っ最中なんだから休んでいてくれればいいのに。

 本人は、早めにこの仕事に慣れておきたいとの強い願望であった。

 なのはもリンディに負けないように必死で、俺の作るケーキを真似して厨房で必死にケーキを作っていた。

 出来あがったケーキをなのはに見せられて、クリームが多すぎて生地が見えないイチゴケーキを食べたが美味しかったので褒めてやった。


「お、上手いじゃないか。翠屋の二代目はなのはに決定かな?」

「違うよー、パパ。私とパパの子供が二代目だよ?」


 ははは、パパ苦笑い。

 リンディの目が怖い。
 何だよ、そのゴミを見るような眼は。


 それからも仕事は大忙しで、いつもより客が多くなのはもリンディもヘトヘトになっていた。

 俺が二人に朝作っておいたケーキを持っていき食べさせた。


「はい、手伝ってくれたご褒美。ありがとう」

「え、えぇ。どう致しまして」

「はぅ、パパ、撫でて撫でて!!」

「よかろう、ほれほれ」


 撫でるのではなく、ほっぺをプニプニした。
 最近ではこれがやりたくて堪らなかった。

 なのははくすぐったいのか、きゃははと笑って悶えていた。

 リンディは頬を染めながら、俺たちの事を見つめていた。



 夜になると、リンディとのお別れ会を開いた。

 まぁ、また意地でも来るらしいが、家族そろってのパーティーはきっと楽しいと俺が言ってみんな賛成してくれた。


「と言う事で、おめでとー!!」

「え?何がめでたいのか分からないのだが?」

「え?何何?面白い事?」


 俺となのははリンディに詰め寄る。
 リンディは嬉しそうに口を開いた。


「そりゃ、私と隼人が結婚するからでしょ?」


 ガタタタタ、バタン!と椅子を後ろに蹴飛ばす様に立った俺となのは。

 まだ、結婚するとは一言も言ってないのだが?
 何時の間にそこまで話が進んでたんだ?


「ちょっとまったー!まだ、パパが結婚なんて早すぎるなの!せめて、私が18歳になるまでダメなの!!」

「良いじゃない♪愛と言う物は、自由なのよ」

「じゃあ、私もパパと結婚するー!」

「それは駄目よ!」

「ふぇええ!?どうして!?」

「なのはが隼人と結婚したら、隼人は犯罪者よ?」

「ど、どうしてなの?何か悪い事したの?」

「えぇ、最低の事をね……社会的に殺されるわ」

「大丈夫なの♪そんな事になったら魔法の力で全部消すの!!」

「……。」(うおー、ステーキうめぇ)


 ていうか、魔法の事しってるのでは?なのはさん。

 え?言ったの?っていう顔を俺に向けてくるリンディに首を横に振っておく。
 んなわけ、ないない。

 ていうか、出来ればあんまり魔法に関わると危ないし、俺が。


「そ、そうね……その時は私も協力するわ」

「(なのはを止めるって意味で俺に協力だろ?)」

「(なのはの加勢よ?)」

「(俺、死亡フラグ立った!?)」




 とまぁ、楽しい楽しいパーティーが終わると、なのはとリンディが一緒に風呂に入っている間に食器を洗う。

 洗い終わると、すぐに一階の厨房へと降りて、明日の店の準備をする。




 なのは達が出てきた頃にはある程度終わって、パジャマを着たり髪の毛を乾かしている間に明日の準備は終わった。

 二階に上がって来ると、楽しそうになのはの髪の毛で遊んでいるリンディがいた。


「ねぇ、パパ見て!凄いでしょ!!」

「あ、あぁ。可愛いな」


 ウルトラマンを想像させるような髪型だったとだけ言っておこう。
 後は想像にお任せしたい。

 その後で俺も風呂に入り、パジャマに着替えるとみんなで一緒にデザートを食べた。

 歯磨きをして、みんなで眠る事にした。

 なのはが、3人で寝たいと言って、リンディもそれに賛成で俺も賛成した。

 俺のベットでなのはを真ん中に3人で手を繋いで川の字で眠る。


「なのは、本当に良い子ね」

「当たり前だろう、誰がこれまで育ててきたと思ってるんだ?」


 なのはが眠った後、リンディと一緒に三階のベランダで二人で深夜の星空を観察していた。


「うぅ、寒い」

「そうだな、ちょっと冷えるな」

「ねぇ、ちょっとだけ顔をこっちに向けてくれない?」

「あぁ」


 そう言って、リンディの顔を見ようとするとリンディの顔が目の前にあった。

 リンディはそのまま止まらずに俺に顔を近づけてくる。
 そして、唇と唇が触れる。

 一瞬で身体が熱くなるのを感じた。

 何秒かキスをしていると、リンディから離れた。


「ふふふ、久しぶりよね、二人っきりでこうやって夜空を見るのって」

「そうだな。昔は、よく空の下で一緒に寝たな」

「あの時は楽しかった。嬉しかった」

「あぁ、俺もだ」

「でも、今はそれ以上に最高に幸せよ」

「これから、もっと幸せになるよ」


 それから俺たちは再び抱き合う。
 そして、唇をまた触れさせる。

 すると、リンディの手が俺の下部に触れてきた。

 そこで、俺は正気に戻る。


「待った」


 ふぅ、危うく理性が飛ぶところだった。


「何で止めるのよ」

「まだこれは早い。お前にはまだやる事があるだろう?」


 リンディはその言葉を聞くと、正気に戻ったらしい。

 
「えぇ、ごめんなさい。その場の空気に流されたわ」


 顔を真っ赤にさせながら、恥ずかしそうに話すリンディの頭を撫でる。
 
 
「向こうでもがんばれよ。応援してるからな」

「えぇ、ありがとう」


 そして俺たちはなのはの眠っているベットに戻り、3人一緒に眠った。





 この時から、3人の間には強い愛で固定された。






 
 

 
後書き
えっと、主人公紹介しよう!!

主人公、隼人がケガをしたのはミッドで暴走したロストロギアを封印する時に負ったものです。
完全回復の見込みはなく、心臓へのダメージを与えているという過酷な事もある。
そのために、本編で何度か薬を飲む隼人の姿がありました。

隼人の過去の話を書くのはだいぶ後になってしまいそうなので、先に言っておきます。すいません。


だが、俺はこうやってなのは達を見守り続けてやる。 by隼人

隼人ェ……。 by作者


お読みいただき、ありがとうございました。 

 

第八話 あぁ!あの有名な人ですか!!……知りません by隼人

 
前書き
ちょっと!どうして私の事を知らないのよ!! by謎の金髪洋幼女

金髪は、素晴らしい! by隼人

隼人は金髪が好きなだけで、決してロリコンではない……たぶん by作者

もう一度、銀河の果て送りにした方が良さそうね♪ byリンディ


金髪幼女、大好きです。

↑真面目に仕事しろおおおおおおおおおお!! by作者onリンディ 

 
 リンディがミッドに帰ってから一週間も経ち、なのはと俺は何事も変わらぬ毎日を過ごしていた。


「ねぇねぇ、ここはどうするのぉ?」


 現在、俺は店で出すサンドウィッチを作っている最中にも拘らず、なのはが俺の身体を引っ張って自分が作ったサンドウィッチを見て貰おうとしているらしい。

 
「そこはだな、レタスを挟んでからたまごを盛って」

 
 と、いろいろ説明をしながら作業を進めていく。

 これまでのなのはは、只俺が仕事をしているところを遠くから見ているだけか、お話を聞かせてくれるかのどっちかだったが、今では俺にべったりと作業に自分も参加している。

 なのはの真剣さに押されて、火を使ったり危ない物を使わないサンドウィッチのみを作る事を許した。

 なのはが作ったものを店に出すのは難しく、結局、全部俺が食す事になる。

 嬉しいのだが、俺の腹を破裂させようとするのだけは勘弁してほしい。


「むぅ、たまご落ちるぅーー!!にゃあああ!!」


 上手くたまごを乗せるのができなくてイライラが爆発したなのは。

 それを見て、笑う俺に怒るなのは。

 でも、どこか嬉しそうなその瞳はとっても良いものである。
 なのはが嬉しいのであれば、俺も嬉しいのだ。


「よし、出来あがった。なのは、店開くからもうお終いだ」

「ふぇぇ!まだ、やり足りないの!」

「充分だよ。なのはの御蔭で早く終わる事ができたよ」


 そう言って、なのはの頭を撫でる。


「にゃふふぅ。どう致しまして♪えへへ」


 嬉しそうに俺の身体に抱きついてくる。
 俺もなのはを抱き上げて、高い高いをしてやる。

 なのはは笑いながら高い所から見た景色を楽しんでいるようだ。

 店の時計を見ると、8時55分だ。
 ちょっと早いが、店を開いても良い時間だ。

 なのはを下ろし、厨房を出て店をオープンしようとするが。


「にゃあ!肩車ぁ!」


 俺の背中にダイブしてきた猫をそのまま肩車する。


「今のは痛かったから時間制限10秒」

「短すぎるっ!?ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

「はいはい、許すから本気で泣こうとするな。嘘がバレバレだ」

「ギクッ!?」


 いやいや、普通は『ギクッ!?』なんて口で出して言うもんじゃないよ?

 まぁ、別に構わないのでそのまま店を出て、『準備中』から『営業中だよ♪』という看板を出す。
 
 なのはは、俺の頭でバランスを保ち外の景色を俺の頭より高い所から見下ろしている。


「みんな背が低いねぇー」

「なのはも低いねぇー」

「にゃあ!!女の子の身体の事を本人に直接話すのは酷いのぉ」


 ぷぅ~、と頬を膨らませて怒っているらしいなのはが俺の視界に映る。

 なのははそのまま身体を動かし、バランスを崩させて来る。
 危ないのでなのはの腰を、腰を手で押さえた。

 大事な所は2回も言う主義なんだ。


「ひゃあ!パパのえっちぃ♪」

「あの、なのはさん?キャラ変わってませんか?」


 最近、いやリンディと出会ってからなのはの性格がひっくり返るほど変わっている気がする。

 もしや、別人では!?と思うこともある。


「そろそろ、本気出さないと盗られちゃうからね~♪」

「なるほど、解らん」


 別に俺が何処かに行くわけじゃないんだからそんな事は気にしなくても良いのにな。

 なのはは、俺の頭に抱きつき、おまけに目隠しまでもして店の外から中に入るのは難しかった。

 店に戻り、なのはを肩車したまま注文カウンターで来客を待つ。

 
「いいな、お客さんが来たら「いらっしゃいませ」って笑顔で言うんだぞ」

「おかえりなさいませ♪ご主人様♪」

「……毎度毎度、何処で覚えてるの?」

「リンディさんがくれた絵本」

「そんな絵本あるかっ!んなもん悪影響になるだけだ!」

「えへへ、ミスしちゃった。ごめんね、お・兄・ちゃ・ん♪」

「よし、なのは。お話の時間だO☆HA☆NA☆SHIしよう」


 リンディのやつ、なのはにとんでもない事を吹き込みすぎだ。
 あれで、本当に提督やってるのか?

 なのはが悪い方に変わらなくてよかったが。
 これはこれで、悪い方に変わっているのでは?と思いがちである。

 だが、客が来たらいつも通りにやってくれないと困る。


「お客さんマダー?」

「……まだ朝早いからな。もう少し待たないと来ないよ」


 なのははずっと俺の肩に乗ったまま欠伸をするなのは。

 流石に肩がだるくなってきたのでなのはを肩から下ろし、関節を鳴らす。

 
「ふにゃ!?」

「ん、外ではそんな事してたら悪いおじちゃんに捕まるぞ?」

「もう私はパパしか見えてないから」


 何気に怖いですよ?なのはさん?

 あれ、なのはさん?

 
「だから、パパもなのはだけ見てくれてたらハッピーなの」

「なのはがよーく見えます!」

 
 どこか目に光がないなのはの言葉を聞いてるとな、5歳児とは思えなくなる。
 なのはは見た目の割に考える事が意味深く、抱え込むと言う癖もある。

 で、今はその抱え込んでいた悩みを全部俺にぶつけてきているみたいだ。

 リンディに奪われたくない一心で。

 俺とリンディの関係は精々恋人関係。
 今は、リンディの仕事で結婚は難しいとのこと。

 まぁ、リンディが言うには「もしもの時は、海賊になってアースラかっぱらって、地球に来るわ♪」ととっても幸せそうな笑顔で言ってた。

 もしや、俺はキャプテン・リンディを生み出してしまったのかもしれない。

 まぁ、提督だしなそんな事はしないだろう…………提督だからこそ、やりそうな気もするがな……。

 
「あ、パパ!見てみて、おっきい車ー」


 なのはが言うように店の前に黒い車が止まった。
 
 リムジンだー、カッケー。

 リムジンからスーツを着た爺さんとなのはと同い年くらいの金髪の女の子が降りてきた。


「なん……だと……!?」

「ど、どうしたの?パパ」


 金髪……ん、可愛いな。


「何か嫌な予感がするの。こう、危ない方面で」


 なのはが何か言っているが気にしない。

 それより、先程車を降りた二人は翠屋の入口から入ってきた。


「いらっしゃいませー!」

「おかえ、いらっしゃいませなの」


 一瞬、おかえりなさいませ♪って言おうとしたな、こいつ。

 なのはは置いといて、客に目を合わせる。


「えっと、お持ち帰りでしょうか?」


 車を前に止めている以上、長居は出来ないだろう。


「えぇ、そうしてください」

 
 と、黒いスーツを着た白髪頭の中年が答える。
 
 その後ろに、隠れるように立っている金髪の女の子は孫かな?


「では、注文をどうぞ」

「お嬢様、どうなさいますか?」


 お嬢様?女の子はそっちの方が嬉しいのか?


「お嬢様、私の店ではチーズケーキに、いちごタルトが大変人気であり、良く売れています。当店では、早いもの勝ちという事で数に限界があり、お早めに買われた方がよろしいかと」


 うん、なんか執事っぽくていいな、これ。

 なのはが、「その発想はなかった」と言っているがスルーしておく。


「ですが、今日の所はお嬢様がお一人目のお客様でございます。今なら出来たての品をご用意できますよ」

「あ、えっと……さ、鮫島?わかんない」

「ふむ、試食は可能ですかな?」


 もちですよ。

 俺は、あらかじめに用意しておいた試食用のタルトやケーキをカウンターの小さな冷蔵庫から取り出す。

 良い感じに冷えており、美味しく食べれそうだ。


「どうぞ、お嬢様」


 と、お嬢様にタルトとチーズケーキを一口サイズにして、爪楊枝で刺したのを皿に置いて渡す。

 金髪お嬢様は悩んだ結果、どちらも食べて試食をした。


「美味しい!」

「ほぉ、これはこれは。お屋敷の者達より美味ですね」

「ありがとうございます」


 ご満足いただけて嬉しゅうございます。

 メニュー表をお二人に見せ、注文を決めていただく。


「鮫島、両方食べたい」

「畏まりました。では、両方をお一つずつ」

「はい、少々お待ちください」


 急いで、厨房へと入り、冷蔵庫からチーズケーキとイチゴタルトを一つずつ取り、お持ち帰り用のケーキを入れる箱に二つを入れて、翠屋のテープを貼ってから注文カウンターまで持っていく。

 カウンターの上に置き、金髪お嬢様に渡す。


「では、合計で445円です」


 男の人からお金を頂くと、お二人はリムジンへとお戻り、家に帰って行った。

 もしかして、鮫島とか言われてた人って執事とかかもしれないな。
 服装も態度も仕草もそのまんまだったから気付いた。

 ていうか、本物の執事初めて見たな。


「さっきのは何処のお嬢様だろうか?」

「お嬢様なら此処にいるよ?」

「おぉ、なのはいたのか」

「……やっぱり、私は空気だったの!?」

「いや、出来る事ないから仕方ないだろ?」

「ちょっとはやろうとしたもん!」

「何を?」

「そこにあったケーキを気付かれないように食べる事」


 なのはが人差し指で指したところを見ると、試食用のケーキを置いてた皿がカラになってた。

 ……それは、只の迷惑だよね?


「はぁ、予備があるから良いけど。おしおきだ」


 そう言って、なのはの頭を小突く。
 

「ふにゃあ……」


 痛そうに頭を摩るなのは。
 力なんて入れてないから痛い訳ないだろうに。

 あんまり痛そうにするから何か不安になってきたな。


「たくっ……折角、可愛いく産まれてきたのに太ったらどうする」

「っ!?……不意打ちと酷い事言うの。意地悪ぅ」

「ぶくぶくなのはか、想像すると寒気がする」

「ダイエットなの!!これから毎朝走るの!!」

「運動音痴なんだから無理しなくて良いんだぞ?いつも通り、ぐぅたらぐぅたらソファでケーキ食べてたら良いんだぞ?」

「なのは、行ってきまーす!!」


 ビィィィィィン!と店を飛び出して行ったなのは。

 少々、意地悪やりすぎたかな?
 まぁ、10分もしたら帰って来るだろう。

 そもそも、朝昼晩のご飯で栄養を考えてるから、そう簡単に太る事はないのだがな。

 まぁ、いいか。


「あ、いらっしゃいませー」











 ------その頃の、なのはーーーーーー




 ダイエットダイエットダイエットダイエットダイエットアルソック!

 ダイエットダイエットダイエットダイエットダイエットアルソック!


「はぁはぁ、キツイ。もう、無理なの……」

 
 そのまま近くの公園へと入り、水の飲み、ブランコに座る。
 
 疲れた、とにかく疲れた。
 日ごろ、幼稚園でもあまり走らないから、久しぶりに走って苦しい。

 息が落ち着いてきたところで、漸くちゃんとした休憩ができる。

 周りを見渡すと、パパと良く来た公園だ。
 
 一緒にボールを蹴ったり、転がしたり、だるまさんが転んだをやったり、といろんな事をした。

 私が他の家族の母親を見て、落ち込んでいる時もいつもパパが私の目の前に来て。


「もっと、遊ぼうか」


 その一言だけ言って遊ぶ。

 それがどれだけ私にとって嬉しかったか。

 もう、どれだけパパが好きになったか覚えてすらいない。
 
 そして、この前にリンディさんというパパの昔のお友達が家に来た時は仲がよさそうな二人を見て、幸せになった。
 あの中に、私も入れば楽しそうだなぁと思った。

 実際、とっても楽しかった。

 でも、パパがリンディさんに取られるのが嫌で必死にパパがしがみ付いた。

 パパを大嫌いと言ってしまった。
 そんな事一つも思ってないのに、酷い事をした。

 それでも、今まで通りに接してくれるパパの事がまた好きになった。

 誰にも渡さない。
 
 相手がどれだけ綺麗なお姉さんでもお胸が大きくたっても私だっていつかリンディさんみたいになるもん。

 未だに小さいままの自分の胸を抑える。
 まだ大丈夫。

 きっと将来はパパの顔が埋まるほど大きくなるもん。

 それで、この前見た絵本であったパフパフというのをしてあげよう。
 きっと、パパも喜ぶはず!


「にゃふふぅ、早く家に帰ろうっと♪」


 パパの事を考えてたら疲れが吹き飛んじゃったの。

 今なら100年は戦える気さえもするの!




 


 ------隼人とバニングスーーーーーー





「と言う事で、貴方には家のデザート職人として、雇ってあげる」

「と、お嬢様が言っております。ちなみに、給料はこちらです」

「なん……だと!?」

  
 あまりの金額に驚いた。

 いや、子供がこんなにお金持ってるのかって意味で。

 それで、興味ないっすよ。

 あぁ、でも勿体ない。
 毎日、お嬢様の金髪が見れるなんて最高じゃないか。

 お嬢様、アリサ・バニングスは胸を張っている。


「悪いけど、おいらはこの店でやっていきたいのでね。その話はなしって事で」

「どうしてよ?私はお金持なのよ?良いじゃない、こんなちっぽけな店でやるよりもっと」


 俺はアリアちゃんの口にいちごを入れる。

 最初は驚いたみたいだが、歯で噛み砕いてから美味しく頂いたみたいだ。


「美味しい」


 笑顔で言ってくれると、作った側からすれば嬉しいものだ。
 因みに、イチゴだけは近くのいちご畑で農家の人たちと共同で作っている。

 みんなの幸せをたくさん入れて作ったいちごだ。
 美味しくないわけがない。

 そうだ、今度そこになのはを連れていこう。


「美味しいでしょ?俺はその味を此処に来てくれるお客さんみんなに教えないとダメなんだよ」


 これだけ美味しければみんなが笑顔になる。
 農家のみんなも俺と同じ気持ちだ。

 その想いを大切に、一つ一つのケーキに愛情を注ぎこむ。

 それが、楽しいのだ。


「だから、ごめんね。君の気持は嬉しいよ、ありがとう」

 
 アリアちゃんの頭を撫でて、お礼を言う。

 この子の御蔭でまた気付いたこともあるしな。


「わっわ、さ、鮫島!帰る!!」

「畏まりました」


 俺が撫でた所を手で押さえて、慌てた様子でリムジンに戻っていくアリサちゃん。
 どうしたのだろうか?

 何か、悪い事でもしたのか?俺……。

 すると、アリサちゃんだけ車から降りてきて再び店の中に入ってきた。

 
「え、えっと、名前……」

「ん、俺か?俺は、高町 隼人。喫茶翠屋の店主だよ」

「わ、私はアリサ・バニングス。また来ます!!」


 自己紹介するだけでそんなに恥ずかしくなるものなの?

 恥ずかしいのかわからなかったが、顔を真っ赤にさせて自己紹介してたアリサちゃんはさっきとは別人の様に可愛かった。

 ぺこりと頭を下げて「あわわわ」とか言いながらリムジンに戻って、そのまま帰って行ってしまった。


「忙しい子だな。また、うちに来たらサービスしてあげよう」


 カランカランと再び鐘が鳴り、新しい客が入って来る。

 
「おかえりなさいませ♪なのはお嬢様♪」

「ゼェゼェ……た、ただいまなの……」

「随分疲れてるな、水いる?」

「マスター、オレンジジュースを」

「畏まり!」


 やれやれ、手のかかる娘だな……。

 なのはにオレンジジュースを渡し、俺もコーラを飲んで一休み。

 明日も、この様な日常が繰り返される日々を過ごすだけだ。

 今までと何一つ変わらないけどな。


「パパぁ~、死にそう」

「わかった、霊柩車呼んでおくね♪」

「もう、だめ」


 がふ~とテーブルに突っ伏したなのは。
 死んではいない。

 なのはは「もう、何もしたくな~い」と言って今日の活動は終わった。


 いやぁ、毎日楽しいね。

 特になのはが!



 
 

 
後書き
うむ、リンディがいなくなると寂しくなるな……。 by隼人

隼人……。ちょっと待ってて!今すぐアースラかっぱらうから! byリンディ

それはダメだろおおお!? by 作者


たくさんの感想、ありがとうございます。

これからも、よろしくお願いします。 

 

第九話 卒園式とはパパが必死に頑張る行事でもある by隼人

 
前書き
なのはあああああああ可愛いいいいいいいい!! by作者

にゃはは…………こいつキモい byなのは

……作者が死んだっ!? byリンディ 

 
 無事になのはが成長し、一段と大きくなったなのはの姿を体育館の後ろの方の椅子に座りながら見つめる。

 今さっき、なのはの幼稚園の卒園式が始まったのだ。
 外には、まだ早い春の桜が咲いており子供たちを見に来た親たちは涙を流し、感動に慕っていた。

 俺は、否、パパ達は全ての力に己の魂を賭けてカメラに注ぎ、娘の写真を一枚でも多く撮る行動をしている。
 それはもう戦争規模で、近くではカメラの場所取り合戦が行われている。

 俺は、朝早くから卒園式の準備を手伝っていたからベストポジションを獲得していた。

 だが、あまりにも多い父親達に押されて、この経験がなかった俺は不利で戦争に敗れ去ったのだ。


「退けええええ!!我が姫の写真が撮れん!!」

「貴様こそ退かんか!!貴様の腐った頭が邪魔でマイエンジェルが見えん!」

「NOおおおおお!!ミーのキャメラがうああああああ!!」

「くっ!?奴の戦闘力は化け物並みか!?」


 おい、いい加減にしろよ!!
 園長先生が軽く涙目になってるじゃないか!

 それに、奥さん達を見てみろ………恐ろしいほどの殺気が溢れてるんだぞ?
 気付いて!!パパ達!!そして逃げて!!

 俺の心の思いは彼らに届くことなく、警備員の活躍によりパパ達はみんな外へと連行されていった。

 正直、あの戦闘に本気で参加していたら死ぬかもしれなかったんだな。

 そう思うと、冷や汗が止まらない。


「みんな可愛くなりましたね」


 俺の隣に座っている奥さんが話しかけてくる。
 俺は、なのはを見て、今までの記憶を思い出して今のなのはと比べる。


「えぇ、立派に育ってくれて嬉しいです」

「はぁ、でも将来は反抗期とかになって苦労するんだなって思うと嫌になりますよね」

「……困りますね」


 反抗期か……うわぁ、嫌だなぁ。
 そんな事になったら生きてきた意味がなくなりそうだ。

 お、園長先生の挨拶も終わり、子供たちが卒園証を取りに舞台まで登って行っている。

 なのはの番になり、園長先生から証を貰い、舞台を階段から降りる時に俺の方に気付いたようだ。

 嬉しそうに笑顔で手を振っている。
 それに答えるように此方も手を振り返す。


「では、これより子供たちによるお別れの歌で最後にしましょう」


 再びなのは達が立ちあがり、みんなで仲良く歌を歌い始めた。
 
 子供たちの綺麗な歌声を聞いていると、とっても落ち着いてくるような感覚になる。

 それと、嬉しさのあまりに涙が出てきた。

 ありがとう、ここまで育ってくれて。
 ありがとう、俺の家族になってくれて。

 これで、桃子姉ぇ達も喜んでくれるだろう。

 きっと、また電話でなのはの成長を俺が話す事になるんだろうな。


 






 卒園式が終わり、幼稚園の前でなのはと一緒に記念撮影をしているところだ。


「パパ!」


 なのはが俺を呼び、なのはの下へと行きカメラで二人の写真を撮る。
 なのはは俺の腕にしがみ付き、嬉しそうに笑顔で写真に写った。

 証書を入れた黒い筒を大事そうに両手で持ち、俺の横でピョンピョン跳ねるツインテールをしたなのはがスキップしながら我が家へと帰宅する。

 
「ねぇ、パパ?」

「なんだ?しょんべんか?」

「違うの!」


 頬をぷんぷんと膨らませて怒っているなのは。
 この顔も随分と見慣れたものだ。

 
「今まで育ててくれてありがと♪」

「なのは……」

「パパ大好き!」


 俺は、今日以上に嬉しかった事はないだろう。
 自分が愛する娘から『大好き』と言われれば嬉しくないわけがない。

 なのはの言葉はこれまで何度も聞いてきたが、今日はいつもと全然違う。
 どんな事を言われても全部嬉しくて嬉しくて、涙が出てきそうになる。

 こうやって、大きくなっていく人の姿に俺は感動した。

 俺も、この世界のみんなも誰かに愛されてここまで育ってきたんだと思えた。

 今までありがとう。

 そう、俺を見てくれた人たちへと感謝の気持ちを贈る。

 そして、これからもよろしく頼むと我儘も思ってみた。

 
「あぁ!パパ泣いてる!」

「ち、違うわい!これは、なのはが苛めてくるからで嬉し泣きとかじゃないからな!」

「ふぇえ!?苛めてないよ!!」


 なのはは俺の事を泣かしてくる。

 なのはを見ていると涙が止まらないのだ。


「うぅ……うぅ……なのはが、なのはがあああああ」

「パパぁ!?だ、大丈夫なの!?」


 涙を堪えて、なのはの頭にそっと手を置く。
 随分と高くなったなのはの頭の髪の毛をふさふさと触る。

 なのははいつも通りの反応で身体をクネクネしており、嬉しそうだ。


「背が伸びたな。髪もこんなに立派になって」

「えへへ、いつもパパに撫でられてるからだよぉ♪」

「そうか、それならもっとたくさんしてやれば良いのかな?」

「うん!」


 昔を思い出す。
 桃子姉ぇの髪を櫛で梳いてあげていた頃の事を。

 なのはは成長していくにつれて桃子姉ぇの面影が強くなっている。

 流石、親子!って思えるほどだ。

 
「パパ!なのはね、パパにプレゼントがあるの!」

「プレゼント?」

「うん♪欲しい?」


 なのはのプレゼントか、今までたくさん貰っていたが今回はなんだろうか?


「しゃがんで!前向いてて!」


 なのはの言うとおりにしゃがみ、前に向いた。

 チュ♪

 そんな音と共に俺の左のほっぺに柔らかい感触を感じた。

 なのはの方を向いてみた。


「なのはの初チューどう?嬉しい?」


 どうやら俺はなのはにキスをされたようだ。
 ほっぺだが充分に刺激的なものだった。


「あぁ、最高に幸せだよ」

「ん~!何だか恥ずかしいよぉ」


 顔を真っ赤に茹であがったなのはを抱きしめた。
 ギュッと力を入れて、なのはの心臓の音が聞こえるくらいに。

 ドクドクドクドクと物凄く波打ってるなのはの心臓の音が聞こえた。

 
「ふにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!?!?!?!?!?」


 ボフンッ!となのはの頭から煙の様な物が出てきた様な感じがした。

 なのはを離してやると、フラフラになっていた。


「パパぁ、ふにゃぁぁ」


 溶けるような甘い声と同時に俺に凭れかかってくるなのはを受け止めて抱き上げる。
 
 少々、やり過ぎてしまったようだ。
 なのはを抱き上げたまま、頭を撫でつつ自分の足を動かし家まで帰る事にした。

 今日は最高の一日だった。

 なのはの成長と、なのはの心の成長が一気に見れたからだ。

 







 それから一カ月。

 なのはは、私立聖祥大付属小学校という学校に入学を果たした。
 その学校は、結構頭が良くて授業の内容が濃いとのことだ。

 それに、入学するのにテストがあったが簡単な物だったらしくなのはでも簡単に合格できた。

 それで、なのはは聖祥の白い制服を身に纏い、鞄を持っている。


「忘れ物はないな?」

「うん!ばっちりなの!」

「よし、行って来い」


 そう言って、なのはは翠屋の入口から出ていき、近くの聖祥行きのバスに乗って学校へと向かった。

 俺は、なのはが転ばないかを後ろから見つめて大丈夫だと判断すると店の中にもどり作業を開始する。

 この店も随分と広く感じるようになってきた。
 住み慣れた、なのはと俺の家。

 
「よし!今日も一日がんばるかっ!!」


 気合いを入れて、エプロンの紐を引き締める。

 厨房に入っていき、ケーキやシュークリームをカウンターまで運び、いい匂いで店の外にいる人たちを誘うようにとスタンバイさせる。

 最近になって翠屋特製のイチゴシュークリームが大人気となり、有名なグルメ雑誌にも載るほどの人気が出たのだ。

 流石に俺も驚いたが、その御蔭で今まで以上に繁盛するようになった。
 忙しさは倍増して、俺一人で店を開いて行くのはきつく感じてきたのもある。

 大きくなった自分の店を眺めてみた。
 人気が急上昇し、随分と大きくなった喫茶翠屋。

 店の中を改造して、もっとたくさんの人が入れる様にしたし、店のすぐ前にオープンテーブルと言う外にもテーブル席を配置させて、街の景色を楽しみながらケーキを食べれる様にもしてみた。

 朝早くから作った翠屋特製シュークリームやケーキを食べるお客さんの笑顔はとても好ましく、嬉しそうに食べてくれていると此方側も嬉しいのだ。

 魔導師を辞めてだいぶと経つが、この暮らしも最高だ。

 魔導師だった頃も良かったが、今の暮らしは何よりなのはという娘がおり、家族と一緒に御飯が食べれると言う事だけで何よりも最高の気分になるのだ。


「いやぁ、翠屋見てるとやる気が出てくるね」


 一人でボソリと言い、厨房の中へと入っていく。

 厨房の中も前までなかったなのはとの写真やリンディと撮った写真が飾られている。
 
 一枚の写真を撮り、眺める。

 笑顔溢れる、大切な家族の写真を。
 
 

 
後書き
お読みくださりありがとうございました。

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