宇宙人のハリマオ漬け


 

宇宙人のハリマオ漬けお買い上げ説明書


「宇宙人のハリマオ漬け」お買い上げ説明書

この度は宇宙人のハリマオ漬けをお買い上げいただきましてありがとうございます。この商品は南極でとれた希少なオキアミを使用し、私どもが丹精込めて手作りした秘伝のたれに漬け込んだ逸品です。

宇宙人のハリマオ漬けは、そのファンタスティックな味わいがお客様の想像力を刺激します。この漬け物はまるで宇宙人のようにユニークで、他に類を見ない特別な味わいをお楽しみいただけます。

漬け込んだオキアミは南極の冷たい海で育まれた新鮮なものを厳選しました。その上に、特製の秘伝のたれをたっぷりと絡ませました。たれは当社独自のレシピで作られており、宇宙人のハリマオ漬けならではの風味と旨味を引き出しています。

宇宙人のハリマオ漬けは、お食事の際の一品として、またお酒のおつまみとして最適です。ぜひ、お客様の大切な人々と一緒にお楽しみください。

お召し上がりになる際は、開封してから冷蔵庫で冷やし、旨味を十分に引き出すようにお召し上がりください。また、保存に関しては開封後はお早めにお召し上がりいただくことをおすすめします。

宇宙人のハリマオ漬けをご購入いただきましたこと、心より感謝申し上げます。お客様に特別なひとときをお届けできることを願っております。どうぞ、ごゆっくりお楽しみください。 

 

「宇宙人との運命的な出会い」

「約束していたのに、友達が来なくて、連絡したら、スマホの電波を間違って受信した宇宙人が降りてきた。友達にドタキャンされたから、そのまま宇宙人と一日過ごした」という彼女の話を、私は聞いていた。

「そのまま地球に戻ったら、宇宙飛行士として就職しているの?」と私は彼女に問いかけた。

「ううん、宇宙には行っていない。私は行っていない。それに宇宙飛行士は、みんなわかってない。宇宙人に宇宙で何したって言うの。何を言っても聞かない。だから私は行く。誰も私に、宇宙の話なんか聞くわけないだろう。そんなことはわかっている。でも私は、この子と話したい」と彼女は答えた。

「あなたは宇宙の話はしないの?」と私は尋ねた。

「話はできない。でも話してみようかな、って思っただけ」と彼女は答えた。

私は、このように人の内面には、思ったことを行動に移すことができるため、彼女の話に信憑性があるのかもしれないと考えた。そして、彼女の話はその後も尽きることはなかった。

ただ、私は彼女の話を聞いた後、自分の携帯電話にメッセージが入っていることを思い出した。そのメッセージを見て、私は目の前の少女を信じざるを得なかった。
次の日の学校、彼が教室に入るとスマートフォンがメッセージの着信音を鳴らした。

「もしもし?」と彼が電話に出ると、私が声をかけた。

「もしもし、星子君? あの後、どうだったの?」彼は心配そうに尋ねた。

「うん、すごく心配してくれたんだね。でも大丈夫! 今、学校帰りだよ」と私は彼が心配してくれていることに嬉しくなり、同じことをもう一度言った。

「そっか、よかった。でも学校はどうだった?」彼が尋ねる。

「うん、今日は休んだの」と答えた。

「そっか。まぁ、無理しないようにね」と彼が言った。

「うん、ありがとう……」私が言うと、次の瞬間、彼の言葉が理解できなくなった。

「どうしたの? こんなこと」と私が尋ねる。

「え、いや、なんでもないよ。今、学校帰りなんだ。じゃあ、また明日」と彼は言い残して去っていった。

「ごめん、ちょっと変かもしれない」と私がつぶやいた。彼の笑顔を見ると、不安が再び押し寄せた。

「私、今、大丈夫かな? 本当に学校に行かなきゃだよね。あの子のこと、何も言わずに」と私が言うと、彼が答えた。

「うん、大丈夫だよ。俺は君の彼女じゃないかもしれないけど、ただの友達として、なんでも言うこと聞いてあげるよ」と彼が言った。しかし、その笑顔は嘘をついているように見えた。
「じゃあタニヲカ印刷所でウチュウジンを発行してよ」
「宇宙人?」
「ウチュウジンよ」
「なんだそりゃ?宇宙人は宇宙人だろ。つか、発行って何だ? 存在の可否は横においといて『人』を印刷するって何だ?」
「あーっ面倒くさいな。とりあえず『南極のニンゲン』でググってみて。有名なアニメの元ネタだから。ウチュウジンってそれの類よ。」
「……わかったよ。やってみるよ。」
わたし達は、いつものように、放課後の部室で会話をしていた。
彼といると心が落ち着く。
彼の声を聞いてると安心できる。
なのに、なぜだろう。
彼が遠くに行ってしまうような気がするのは……
「ねえ、ウチュウジン、できた?」
「ああ、こいつだろ。おい、入っていいぞ」
彼はカーテンの向こうに呼び掛けた。すると、白い影がさした。
のっしのっしと奇妙な男が入ってきた。
「う、ウチュウジン?!」
わたしはおもわずのけぞった。おしろいを塗りたくったような全裸の男。ただしボディスーツを着ているように起伏に乏しい。目鼻口は付いているようだが顔はまるで覆面レスラーだ。


「な、なんで裸?」
「服を着てるように見えるのか?」
「服くらい、あんたが買ってあげなさいよ」
「金がないんだよ。俺んち貧乏だし。つか、せっかく印刷してやったんだぞ。礼ぐらい言ってくれ。それと諸経費」
彼は手のひらを前に出した。
「ふーん、あっそ。」
わたしたちは気まずくなって黙りこんだ。「ねえ、これってどんな宇宙人?」
「ああ、こいつは宇宙人というより妖怪に近い。宇宙の果てからやってきた。」
「宇宙の果てってどこ?」
「知らん。」
「知らないの?」
「いや、だってこの宇宙の外側とか外側の外の世界なんて誰も見たことがないんだから仕方ないじゃん」
「そんなもんかね」
「ああ、だいたい宇宙って無限に続くわけじゃない。いつか終わりが来る。それはもうすぐそこまで来てる。」
「え?」
わたしは少し怖くなった。
「いや、だから、その宇宙の終わりってのが来そうな予感がするのよ。」
「へぇー。で、どうなるの?」
「この世界も終わる。多分」
「マジで?! そんなことしたらみんな死んじゃうじゃない」
「ああ、でも俺たちには関係ない。」 

 

「宇宙飛行士の夢と秘密の交流」

「そうかな? 宇宙が終わって地球が終わるとき、わたしたち、どうなっているの?」
「わかんねぇ。でも、どうせ死ぬなら今のままでいたほうが幸せじゃないか?」
「そうね。」
「そういえば、お前の彼氏どうなった?」
するといきなりい宇宙人が口を挟んだ。
「貴方の彼氏、酷い人。タニヲカ印刷で働いてる。宇宙飛行士の夢、挫折した。貴方の彼氏、私をいじめた。貴方の彼氏、最低のニンゲン」
「は? 何言ってんだ、おまえ」
「え? どうゆうこと?」
「えっと、つまり、コイツが言うには、お前の彼氏が彼女を虐めたせいで、彼女が学校に行けなくなったらしい。それで、今、彼女は不登校になってる。」
「え?! ちょっと待って! どういうこと? それ」
「いや、俺に聞かれても……」
「私は、貴方の彼女を助けてあげた。だから、今度は私の番。」
「ちょっと待て、話が見えない。助けたってなんだ?なんでウチュウジンが関与している?」「だから、私が彼女に教えてあげた。」
「何を?」
「ウチュウジンについて。」
「え? ちょっと、ウチュウジン、アンタ一体なんの話をしているの?!」
「ウチュウジン? ああ、彼の名前ね。」
「名前なんかどうでもいいわよ。それより、どうして、わたしが彼に振られたこと知ってるの?!」
「だって、あの後、彼女、泣いてた。でも、彼は慰めなかった。」
「そりゃそうだろ。だって俺は彼女の彼氏じゃない。」
「そうだけど、ウチュウジンにも人権はあるだろ。名前ぐらいつけてやれよ。…そうだな。『シロ』はどうだ?」
「シロ、犬みたいですね。でも気に入った。そう、私は今日からウチュウジン・シロ。よろしく」

「ああ、よろしく」
「ちょっと、勝手に話を進めないでよ」
「だって、君が言ったんじゃないか。」
「え? あ、あれは言葉のあやっていうか」
「あの時、君はこう言った。」
「あのとき?」
「『ねえ、宇宙人のあなたに聞きたいことがあるの』って言った。」
「ああ、確かに言いましたけど……」
「そして、宇宙人が言ったのは、君と友達になりたいということだった。」
「うん、そうね。……え?」
「そして僕は言った。その申し出を受ける代わりに、宇宙人のことを話して欲しいと」
「あ、そうね。」
「だから、俺らは宇宙人の秘密を知ることになった。」
「ええ」
「でも、それだけでは秘密は不十分だと思ったので、俺らも、自分の秘密を教えた」
「……うん」
「そうして、お互いのことを教え合った。それが、今朝のことだ。」
そう、確かに今朝そう言った。でもわたしの求めていた回答とは違った気がする。
そしてわたしはこのウチュウジンの言葉に妙に納得していた。なぜかわからないが……
今朝の宇宙人との会話を思い出しながらわたしは言った。
宇宙人って本当にいるんだ。それも身近なところに。わたしはそのことが信じられないと同時に、嬉しかった。だって、宇宙人と友達になれたんだから。
わたし達は、それからしばらく話し込んだ。わたしの質問に対して、宇宙人……シロちゃんと、彼は楽しそうに話してくれる。わたし達三人(?)の関係は不思議な関係だったが、それでも、楽しい時間は過ぎていった。わたし達は、すっかり仲良くなっていたのだ。
ただ一つだけ問題があるとしたら、わたしの胸の中に、シロの事が気になっている自分がいることだけだった。

***
しかし、わたし達の幸せな時間は長く続かなかった。突然、ドアが開いた。
そこには彼が立っていた。
彼は怒りに満ちた表情を浮かべている。彼はずかずかと入ってくると、わたしの手首を掴んだ。
痛い。
彼はそのままわたしを引きずるようにして部室を出た。
部室の外に連れ出されたわたしは、彼の手を振り払った。
彼は無言のまま、睨みつけてくる。
怖い。こんなに怒った彼は初めて見る。わたしは恐ろしくて声が出せなかった。
彼は何も言わずに歩き出す。わたしはその後をついていくしかなかった。
彼はどんどん歩いていく。学校を出て、商店街を抜け、繁華街を通り過ぎ、公園についたところでようやく足を止めた。そして、ベンチに座った。わたしも隣に座るよう促された。
沈黙が続く。
わたしは、何か言わなければと思った。でも言葉が出てこない。
やがて彼が口を開いた。
その声は震えていた。
わたしは、彼が泣いていることに気がついた。彼は、静かに泣いていた。その姿を見て、わたしは彼を抱きしめたくなった。でも、できなかった。わたしは彼に触れることができなかった。触れてはいけないような気がしたから……
「ごめん、星子君」
彼は泣きながらそう言った。
「私、星子君のこと好きだった」
「うん」
「本当は、今日、告白するつもりだったんだ」
わたしは黙っていた。彼は言葉を続けた。
「でも勇気がなくて言えなかった。」 

 

「メッセージの意味と友情の確かめ合い」

わたしは何も言えない。言えるわけがない。だって、それは本当のことなのだから……
「ごめん、こんな女々しいやつでごめん」
違う、そんなことないよ。そう言いたいのに声が出ない。喉に何か詰まってしまったかのように苦しくて、わたしは泣きそうになるのを必死でこらえていた。だから、彼の顔を見ることもできなかった。
「さよなら」
彼は立ち上がると、その場を去っていった。
わたしは追いかけることも、声をかけることもできなかった。ただ、その場にうずくまって、嗚咽を漏らすことしかできなかった……
もう戻らない時間のことを想って泣いたのは生まれて初めてだった。もう、二度と戻ってこない時間を惜しむように泣いたのも初めてのことだった。そして、今だけは泣かせて欲しいと、そう思った。だって、泣くのは今しかないのだから……。
「おねーちゃん」
誰かが呼んでいる声が聞こえる。でも、目を開けたくない。もう少し眠らせてほしいのに……
「おーい、起きてよー」
ゆさゆさと体を揺さぶられる。わたしは眠い目をこすりながら体を起こした。そこは学校の教室で、目の前には知らない女の子が立っていた。
いや知らないはずはない。この子の名前は知っているはずで……あれ?思い出せない?自分の名前さえも……
目の前の女の子が口を開く。
「……だれ?」
***********(前編)終わり******
「こんばんわ。はじめまして。私、谷岡印刷の宇宙人です」
アーモンド状の黒い瞳が光った。肌の色は青白くまるで雪のように真っ白だ。髪も同じ色をしておりショートカットで毛先は外ハネしていてどことなく犬を連想させる髪型である。年齢は10代後半だろうか、幼さが残る顔立ちをしているもののどこか妖艶な雰囲気を感じさせる少女だった。
「……はあ?」
わたしが返事をするよりも早く、隣で本を読んでいた親友が顔を上げた。「あら、宇宙ちゃん。いらっしゃい」宇宙と呼ばれた少女は、ぺこりとお辞儀をした。そして、わたしの方を向くと言った。
「貴女が噂の女子高生探偵さんですね?お話伺ってます」そう言って彼女は微笑んだ。
彼女の名前は『田淵星子』というらしい。どうやら彼女もここの常連らしく、毎日のように通っているそうだ。そして、
「まあ、そんなところかしらね」と彼女は返事をした。「でも残念、私は名探偵じゃないわよ」そう言いながらも彼女はまんざらでもない様子だった。きっと憧れの眼差しで見つめられたのが嬉しいのだろう。
「さすが宇宙人探偵!素晴らしいネーミングセンス!」と少女が言う。彼女は興奮した様子でぴょんぴょんと飛び跳ね
「私も宇宙人になりたーい!!」と言うと窓の外へ飛び出した。
次の瞬間、ドーンという爆発音とともに窓ガラスが一斉に割れてしまった。割れたガラス片は宙を舞い、キラキラと輝いて地面に降り注いでいく様子はまるで映画のワンシーンのようだった。幸い窓の近くに人がいなかったため怪我人は出なかったようだがもし近くにいれば大騒ぎになっていたことだろう。いや、そもそもこれは偶然なのか? わたしにはどうも彼女が意図的に行った行為としか思えなかった。彼女は、割れたガラスの破片の上を踊るように歩いている。その様子はまさにサーカスの道化師さながらであり見ているこっちまで楽しくなってしまうほどだ。だが、当の本人はとても痛そうだった。スカートがめくれている。
「あいてててっ!お尻打っちゃっいましたぁ〜」と言いながらも笑顔を浮かべているところを見ると、見た目以上に頑丈なようだ。
「まったく何やってるのよ……」と言って呆れているのは隣の席の親友、鈴木麻衣子だ。彼女は呆れたようにため息をつくと、彼女に近づいていく。
「危ないから早く降りてきなさい」と言い、手を差し伸べた。
ところが少女は、その手を取ることなく自力で飛び降りると何事もなかったかのように立ち上がった。そして笑顔で答えた。
「これくらい平気ですよ」「でも、スカート破れてるわよ」
麻衣子が指摘した通り、彼女のスカートには裂け目ができており、そこから白い下着が見え隠れしていた。よく見ると足の部分に血のようなものがついているのが見えた。かなり痛々しい様子だが本人は全く気にしていないようだった。それどころか嬉しそうな表情を浮かべているように見えるのは私の気のせいだろうか?それとも、そういう趣味なのだろうか?だとしたら少し引くな……
そんなことを考えているうちに少女の体はみるみる縮んでいき身長130センチほどの幼女の姿になってしまったではないか。これにはさすがに驚いたようで、麻衣子も目を丸くしている。 

 

「謎の宇宙人印刷所と新たな存在『ウチュウジン』」

「すごーい!」思わず感嘆の声が漏れた。こんなことが起こるなんて信じられないと思いつつも、目の前で実際に起きているのだから、それを認めるしかないだろう。宇宙人の仕業かもしれない?宇宙人って変身できるのかな?と考えているうちに、その変化は進んでいく...。あっという間に小学生くらいの子供になり、次に中学生くらいの姿に成長し、高校生くらいになると大学生くらいになり...。最後には女子大生くらいに成長し、完全に元の体型に戻っていた。なるほど、そういうことか。私は納得した。

ちなみに、元のサイズに戻った彼女を見て、改めて思った。彼女は結構可愛らしい顔立ちをしている。いわゆるロリ顔と言えるだろう。おまけに巨乳でスタイルも良く、非の打ち所がない完璧な美少女と言っても過言ではないかもしれない。

しかし、その一方で彼女の性格はあまり良くないというか、ちょっと...いや、はっきり言ってしまうとクズっぽい感じがする。しかも、どう見ても高校生には見えない外見だ。

私が「あなたは何者ですか?」と尋ねると、彼女ではなく彼が答えた。

「あ、こいつ宇宙人だよ」と彼が言った。

それを聞いて私は驚いた。そして、私たちは彼のマンションへ向かった。
部屋に入るなり、わたしは彼から、あの後あったことを詳しく聞いた。わたし達を襲った化け物、それを追って来た別の奴。そいつらに捕まったとき、目の前に現れたのは宇宙人。その男、その女が言った。「君たちを助けよう。代わりに私の願いを聞いて欲しい。」「わかったわ。あなた達のお願いを聞きましょう。」……
わたしはその話を疑わなかった。だって、彼が信じろと言うんだもの。信じるしかないじゃない。わたし達が襲われたのは、どうやらあの二人が関係していたらしい。
わたしは、彼に自分の考えを話した。
「つまり、おまえは宇宙人とコンタクトをとったのか?」
「うん、まあね。」「それであいつらは、俺達を襲うように頼んできたってわけか?」
「えーっと、それはわからないけど……」
「わからないじゃねえよ!こっちから見れば宇宙人なんて敵以外の何者でもないんだよ!」
彼は怒鳴り声をあげた。
その時だった。突然、背後から何者かに襲われ、わたしは意識を失った。
気が付くとわたしは、病院にいた。隣では彼も寝ていた。
その日を境にわたしは、彼と疎遠になった。
数日後、彼は死んだ。
彼の葬儀に出席しようと家を訪ねると玄関先で警官に止められた。
彼は自宅で殺されたらしい。しかも犯人はまだ捕まってないということだった。
わたしは警察に事情を説明したが取り合ってはくれなかった。それどころか事情聴取を受けただけで解放されてしまった。
翌日、新聞を見てわたしは愕然とした。そこには彼の死亡記事が載っていたからだ。
わたしは、すぐに彼の実家へ連絡を入れた。
彼の両親は、ひどく悲しんでくれた。
わたしは、彼の両親を安心させるためにも、事件解決に向けて動き出すことにした。
わたしは、早速、彼の通っていた高校へと向かった。
職員
「ああ田淵君のことね」
「はい」
「そういえば最近見かけないわね」
「どこにいるかご存知ありませんか?」
「さあ……どこに行ったのかな」
「わかりました」
次に彼が所属していた部室に向かった。そこで彼をよく知る人物
「田淵ならもういないぞ」
「どういうことです?」
「さあな、やめたんじゃないか?」
「やめる?どうして?」
「さあ、そこまではわからん」
「そうですか」
「それより、お前さんが噂の女子高生探偵かい?」

「まあ一応」
「ふーん、まあいいや。ところでうちの部員のことなんか聞いてないか?」
「いえ、特に何も……」
「そうか……」
「何かご存じなのですか?」
「いや、別にいいんだが……」
「教えてください」
「まあいいか……ちょっと長くなるから座ってくれ」
部長の話によると、少し前に部室で殺人事件があったらしく、それ以来みんな怖がって部活を辞めたり休んでいるそうだ。
「もしかすると、その殺人が動機かもね」
わたしは思ったことをそのまま口にした
「う〜む……どうだかな」
「他に思い当たることあります?」
「いや」
「ちなみにどんな事件が起きたんですか?」
「さあな。詳しくは知らない」
どうやら詳しいことは、話してくれないようだ 仕方なくわたしは退散することにした そして、
「探偵さん」
「はい?」
「頑張って真相を見つけてくれ」そう言ってわたしは去っていった。
**(中編)終わり**
(前編を読んでいない人はこちらを先に読むこと推奨します)
* * *
「はじめまして。宇宙人探偵の星子です」

「あ、ど、ども、鈴木麻衣子といいます。こっちは……」と言って麻衣子が隣にいる男の子を指した 

 

「彼との安心感と遠くへの不安」

「谷岡印刷のタニヲカくんです!」そう言って彼女は胸を張りドヤ顔をしている。そしてタニオ君は「どーも!」と言いながら頭を
「よろしくお願いしまーっス」と言いながら頭を下げている。なかなか礼儀正しい。ただ少し不愛想というべきか人見知りという べきだろうか……いやむしろこの子の方が普通なのかも……そんなことを考えていると彼女が話しかけてきた。
「貴女方、私に会えて嬉しいでしょ?」
と、いきなりそんな質問をしてきた。正直に言うとあまり嬉しくない。そもそもわたしは、なぜここに連れられて来たのだろう?それに、なぜ彼女はこんなにも偉そうなのだろう?わたしには理解できなかった。
だが、ここで下手なことを言うとまずいことになる気がしたので、わたしはとりあえず彼女の問いに答えることにした。
麻衣子も同じことを考えたようで、二人同時に同じ答えを返した。
すると彼女は、ニヤリと笑みを浮かべた。
そして、彼女は言った。
私は宇宙人だ。

宇宙で犯罪を犯したと彼女は自信満々に答えたが、麻衣子は納得していなかった。

「でも、あなたの行動は明らかに法律違反よ」と麻衣子が言った。

「それがどうかしたの?」彼女は反論した。

「あなたは人の心を操るような能力を使って他人に悪事をさせたんでしょう」と麻衣子が言った。

「違うわ」と彼女は答えた。

「じゃあ、どうやって?」麻衣子が尋ねた。

「それは言えないわ」と彼女は言った。

「どうして?」麻衣子が問い詰める。

「だって、まだ証拠がないでしょう」と彼女は言った。

「まあまあ、落ち着いてください」と私が言った。「麻衣子の言いたいこともわかるよ。でも、今は彼女の話を聞こう」

「わかったわ」と麻衣子が言った。

「それじゃあ続きを話すわね」

「一つ聞きたいことがあるんだけど」と私が言った。

「なに?」彼女が尋ねた。

「あなたは宇宙人なんでしょう?」と私が尋ねた。

「だから、何?」彼女は答えた。

「じゃあなんのために地球に来たの?」と私が続けた。

彼女が答えようとした瞬間、麻衣子が割り込んできた。

「まさか、地球人の調査とかじゃないよね?」と麻衣子が言った。

「違うわ」と彼女は答えた。

「ほんとに? 怪しすぎるんですけど」と麻衣子は言った。

「あなたたちには関係ないわ」と彼女は言った。

「えーっと、そのぉ... 実は僕も宇宙人なんですけど...」とタニヲ君がおずおずと手を上げた。「あら! あなたも?」

「はい、そうです」と私は答えた。
「そっかぁ……あなた宇宙人なんだぁ」と宇宙人少女が嬉しそうに言っている。どうやら二人は知り合いのようらしい。
「あ、そういえば自己紹介がまだだったわね。私は星子、よろしくね」
「あ、はい。僕はタニヲっス。よろしくっス!」
「それで、さっきの話の続きだけど……」
「ええ!?無視ッスか!」という声が聞こえたが、あえてスルーしておくことにした。
「それでね、私が地球に来た理由はね、ある調査のためなの」
「調査?」
「そう、あなた達にもあるんじゃない?」
「何が?」
「例えば、夢とか」
「は?」
「あなた達は、何か叶えたい願いがあるからここにいるんでしょう?」
「えっと……何の話をしているのかわからないのですが」
「実は南極大陸のニンゲンを捕獲しに来たんだ」
と、突然、背後から男性の声が響いた。振り返ると、そこには全身黒い服に身を包んだ男性が立っていた。わたし達は驚いて、その男から後ずさった。
その男は、わたし達から数歩離れたところに立ち止まった。
「驚かせてしまったみたいだな。申し訳ない」
彼は、ゆっくりとこちらへ近づいてくる。
わたし達は動けなかった。なぜなら彼がとても恐ろしい目をしていたからだ。彼が近づくにつれて、なぜか身体中に寒気を感じた。まるで氷水に浸かっているかのように冷たい空気を肌で感じた。
わたしは恐怖のあまり身動きが取れなくなっていた。「驚かせてしまってもうしわけない。私は合衆国政府メンインブラック局の者なんだ。この近辺に宇宙人が潜んでいると聞いてね。それでやってきたんだよ」
「あの……」とわたしは震える声で尋ねた。「宇宙人って……」
「君たち二人のことだ」と彼は即答した。
「あ、あの……」とわたしはさらに質問しようとした。しかし、彼の視線に圧倒され言葉が出てこなかった。
「あ、あのぅ……」と麻衣子もなんとか声を出したようだが、すぐに口を閉じてしまった。どうやらわたしと同じように声を出すことができなかったらしい。
彼は、わたし達が怯えていることに気づくと「あー」と少し考えた後に、
「ちょっと待っててくれ」と言い、突然、
「UFO召喚!!」と叫んだ。わたし達の思考は完全に停止した。
**(後編)終わり** **(前書き) 

 

「奇妙な宇宙人とのやり取り」

(前回に引き続き中編を読んでから読まれることを推奨します。読まないと多分意味不明だと思う……)

* * *
突然、目の前に真っ白な物体が現れた。わたしと麻衣子は驚きすぎて何も言えなかった。ただ呆然とその物体を見つめていた。すると、物体の中から一人の可愛らしい少女が現れた。年齢は十代前半ぐらいだろうか。

「う〜ん……あ〜……あれぇ?」と少女が言いながら目を覚ました。彼女はわたしを見て不思議そうな顔をした。そして麻衣子を見ると、さらに不思議そうな表情を浮かべて首を傾げた。しばらく二人で見つめ合っていた。

すると、物体は消え去り、先ほどの男性が姿を現した。

「やあ、待たせたね」と男性が言った。

「あ、いえ……」

「う〜ん……」と少女が言って目をこすりながら起き上がった。そして再びわたしの方を見るなり、

「あー!!」と叫んで指を差してきた。

「え?」

「あー!!あー!!あー!!!」と彼女が叫びながら、わたしの体をペタペタ触り始めた。

「ちょ、ちょっと……」と困惑していると、彼女が急に抱きついてきた。

「ああーーーーーーーー!!!!」彼女は大絶叫していた。彼女はいったい何をしたいのだろう?彼女は誰なんだろうか?考えているうちに彼女はわたしから離れ、今度は麻衣子に抱きついた。

「う〜〜〜〜〜」と言いながら彼女は麻衣子を強く抱きしめている。彼女はどうやら感動しているようだ。

「大丈夫だった?どこか痛くない?」わたしは彼女に言った。しかし彼女はまだ興奮冷めやらぬ感じで「うん」とか「うぅん」とか言い続けている。

ふと横を見ると、そこに先ほどの幽霊の姿があった。その姿を見た時、なぜかホッとした自分がいた。

「ごめんなさいね、いきなり変なところに連れてきて」と少女は言った。彼女の名前は【M】と言った。
彼女によれば、ここは学校の中にある部屋で、本来は部室として使って良い部屋ではないのだが特別許可をもらっているらしい。彼女はわたし達に説明をしながら歩き出した。
「ここなら、落ち着いて話が聞けるでしょう?」
「あぁ……」
「ところであなたの名前は?あたしは三谷真希です」
「俺は、高梨勇太だ」
「ふーん。で、そっちの人は?」
わたしは彼女の視線を避けようとしたが
「あぁ、この子は俺の恋人だよ」
と彼が答える。すると、彼女は大きく目を見開いて驚いた顔をしてみせた。
「なんですって!恋人だって!」
彼女は大声をあげると、こちらを睨んできた。わたしは、思わず目をそらしてしまう。
「どういうことよ!説明してちょうだい!!」
どうやら彼女は、怒っているようだ。しかしわたしは困ってしまった。わたしにもわからないのだ。ただ、彼とわたしの間には何かがあったということだけは確かだった。
「あのね……」
わたしは彼女に、今までのことを簡単に説明することにした。
わたし達が付き合い
「なんでよっ!!!」
彼女は大きな声で叫ぶと、机を思いっきり叩いた。あまりの音の大きさに、教室中が静まり返った。彼女はそのまま立ち上がって叫んだ。
「どうして、こんな奴を選ぶの?あなた、騙されてるわ!!こいつはあなたのことが好きなんじゃ無いのよ!ただ遊びたいだけなのよ!!」彼女は怒りのままに叫び続けた。それを聞いたわたしは悲しかった。涙が溢れそうになったが我慢した。
麻衣子は俯いて黙っているだけだった。彼女もきっと悲しいのだろう……そう思った時だった……どこからか笑い声が聞こえてきたのだ……そして笑い声はだんだん大きくなり、ついにはクラス中が爆笑し始めたのだ。彼らは全員腹を抱えて笑っていた……そして口々に悪口を言い出した。やれキモいだのキモくないだの……死ねだとか消えろとか殺すぞとか言っているような奴らもいた……麻衣子は泣いているようだった……わたしも泣きたかったが我慢して堪えていた……そんな中、一人の生徒が近づいてきてこう言ったのだ……あんたなんか死んじゃえばいいのにと……
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。気がつくと私は立ち上がりそいつをぶん殴っていた。相手は倒れたが私は構わず馬乗りになって殴り続けた。周りから悲鳴が聞こえたような気がしたがそんなことはどうでもよかった……私は無我夢中で殴りつけていたのだ。気がつけば辺りは血まみれになっていた……そして、それを見て私は思ったのだ……ああ、またやってしまったと……
****
***
私は自分のしたことを思い出してゾッとした。まさか本当に殺してしまうなんて……相手が憎かったとはいえ、やりすぎたかもしれないと感じた。自分の手を見つめながらそんなことを考えていると、突然後ろから誰かに抱きつかれたような感触があった。驚いて振り返ると、そこに彼女が立っていた。
 

 

「宇宙の果てと終わりへの予感」

彼女は私の顔を見て微笑み、耳元で囁いた。「大丈夫、怖くないわ。安心していいのよ。私がそばにいるからね」と優しい声で言った。その言葉を聞いているうちに、心が落ち着いていくのを感じた。

彼女は私の頭を撫でてくれた。「落ち着いたみたいね」と言いながら。その手の触れる感触が心地よかった。

「ねえ、一緒に行きましょうか?」彼女が尋ねた。

「どこへですか?」私は尋ねた。

「ふふっ、それはね」と彼女は笑った。「あなたの心の中ですよ」。

その言葉を聞くと、私は意識を失ってしまった。
**
***

***
目が覚めるとそこは真っ暗な闇の中だった。何も見えない……ここはどこだろう……そう思っているうちにだんだんと目が慣れてきたのか周囲が見えてきた。どうやら部屋の中にいるようだ……あたりを見回してみると、そこには見覚えのある光景が広がっていた。これは……そうだ!思い出した!ここは学校の廊下だ!ということはつまり……私は戻ってきたということか……それにしても、なぜこんなところにいるのだろうか……考えてみてもわからなかったので、とりあえず移動してみることにした。廊下を歩いていくと、やがて階段へとたどり着いた。階段を上っていくと、そこには見慣れた景色が広がっていた。間違いない、ここは2年生の教室がある階だ!やはり戻ってこれたのだ!私は嬉しさのあまり飛び跳ねたくなったが、なんとか抑えた。そんなことをしたら目立ってしまうからだ。幸いなことに今は授業中のようで誰もいなかった。今のうちに早くここから抜け出そう!そう思い早足で歩いていたのだが、その時、背後から声をかけられた。振り向くとそこにいたのは麻衣子だった。
「どこ行くの?」
まずい、見つかってしまった。どうするべきか悩んだ結果、正直に話すことにした。どうせ信じてもらえないだろうし、もし信じてくれても頭がおかしいと思われるだけだと思ったからだ。だから私は素直に話した。本当のことを話したのだ。だが、麻衣子の反応は私の予想とは違っていた。なぜか嬉しそうにしていたのだ。不思議に思って理由を聞いてみると、なんと彼女も同じような体験をしたというのだ!しかも、麻衣子が言うには私とまったく同じ経験をして同じ場所に行ったというではないか!これには私も驚いてしまった。なぜならそんな話聞いたこともなければ見たこともないのだから当然である。そもそも私にはそんな記憶は一切ないのである。それなのに何故そんなことが起こったのだろうか?わからないことだらけだったが一つだけわかったことがある……それは、彼女とは友達になれるということだ。なぜなら私達は似た者同士なのだから……
それからというもの、私達は毎日のように会って話をしたり遊んだりするようになっていた。時にはお互いの家に泊まり合うこともあったほどだ。そんなある日のことだった……いつものように二人で遊んでいた時に、突然麻衣子がこんなことを言ってきたのだ。
麻衣子は、真剣な表情でこちらを見つめてきたかと思うと、ゆっくりと口を開いた。
そして、衝撃的な言葉を口にしたのだ。
(ねえ、私たち付き合わない?)
(えっ!?)
(だめかな……?)
(いや、別に構わないけど)
(ほんとっ!?やったぁ!!)
(じゃあ、今日からよろしくね)
(うん!こちらこそよろしく)こうして二人は付き合うことになったわけだが、実際のところはまだよくわかっていない部分も多いままだった。というのも、お互いに好きあっているのは間違いないと思うのだが、どこが好きになったのかわからないからである。まあ、これから少しずつ知っていけばいいかと思っているところだ。
さて、今日はどうしようかと考えていると、不意に袖を引っ張られたので振り返ってみると、そこには彼女が立っていた。彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめながらモジモジしている様子だった。どうかしたのかと尋ねると、彼女は小さな声で何か言い始めた。しかし、声が小さくて聞き取れない。そこで、彼女に耳を傾けると、なんとその言葉とは……。
その言葉は、私の心を揺るがすものだった。私は思わず彼女を抱きしめていた。だが、すぐに我に返り、慌てて彼女から離れようとした。しかし、それはできなかった。なぜなら、彼女が私を抱き返してきたからだ。そして、私の顔を見つめてきた。私もまた、彼女の顔をじっと見つめ返した。彼女の瞳の奥にある何かを見たかったのだ。しかし、そこには何もなかった。ただ闇が広がっているだけだった。 

 

「宇宙の秘密とこの世界の未来」

と、私が思っているうちに、彼女は私を押し倒した。そして、私の顔の上で馬乗りになると両手で顔を撫で回しはじめた。最初は、頬を、顎を、首筋を、耳の裏を……次第にそれはエスカレートしていき唇へと近づいてきた。その頃になると、私の体中の血液は、全て顔に集まったのではないかと思うほど、顔中熱くなっていた。もうこれ以上我慢できないと思ったときだった。
彼女の指先が私に触れそうになった時、私は咄嵯に手を伸ばし彼女を引き離そうとした。
だが、それは遅かった。次の瞬間、彼女は思いっきり手を振って私の顔を平手打ちしていたのだ。乾いた音と同時に、視界いっぱいに火花のようなものが見えた。
「死ね!」
気づくと出刃包丁を握りしめていた。ちゅうちょなく振り上げ、彼女の胸に思いっきり突き刺す。悲鳴が聞こえた。心臓を一突きにした手応えを感じたがすぐに抜いた。返り血を浴びる前に離れないと。
私は急いで逃げようとしたのだが……。
彼女が私の腰にしがみついてきた。引き剥がそうとしたものの力が尋常じゃない。無理に引き離すとバランスを崩して一緒に倒れ込んでしまった。
まずいと思った時には遅かった。私が上になって彼女を馬乗りにしている格好になっていたのだ。しかも右手はまだしっかりと包丁を握っている状態。どう見ても殺人現場である。言い訳しようにも声が出ない。ただ呆然と彼女を見下ろしているしかなかった。
だが、幸いというか当然というべきか。彼女が急に苦しみ始めたのだ。まるで毒物でも摂取したかのように身体中が激しく痙攣しはじめ、やがて白目をむいて口から泡を吹き出しながら気絶してしまった。私はホッとしたものの、同時に疑問を抱いた。一体どうしてこうなったのだろう?まさか彼女も殺されたのか?だとすると誰が殺したんだ? とにかくこのままではいけない。私は包丁を放り投げると彼女を担いで逃げ出した。途中、何度か人にぶつかりそうになりながらも走り続け、どうにかして自宅まで辿り着いた。
玄関に入ると私はすぐさま自室へと向かった。ドアを閉めて鍵をかけるとベッドの上に彼女を投げ捨てた。そのまま放置しておけば、いずれは回復するはずなので大丈夫だろうとは思う。
さて、一安心したところで何が起きたのかというと……どうやらあの女は死んだようだ。つまりこの私の手で殺ったということらしい。そう考えると少し複雑な気分になった。あんな奴のために自分の手を下すことになるとは……なんだか損をしたような気がする。そんなことを考えているとまたも不安になってきたので私は気晴らしのため散歩に出かけた。すると頭上にアダムスキー型UFOが浮かんでいた。「助けてメンインブラック!」などという叫びはせず素直に中に吸い込まれた。
そこは十畳ほどのお座敷だった。芸妓がいっぱいいて三味線が鳴っている。
「よう来たな」
声のほうを見ると、そこには禿頭の老爺がいた。どうやらこいつが親玉のようである。
「あんたが宇宙人か?」
「いかにも、わしこそが偉大なる宇宙の帝王だ。だが、お前は違うな。地球人だな?」

「ああ、そうだ。俺の名は……」
「言わんでいい。そんなことはどうでもいいのだ。それよりも、わしに何か用か?」
「頼みがある。俺たちを元の世界に戻してくれないか? 頼む! なんでもするから!」
「ふふふふふふふふふ、何でもすると言ったな? ならば貴様らの命を貰おう。そうすれば帰してやるぞ。ただし、他の者は駄目だ。こいつらは貴重なサンプルだからな」
「そんな! 約束が違うじゃないか! それじゃあ、ここにいる連中を助けられない!そんなの嫌だ! みんなが死んでしまう! そんなの俺は認めない! 絶対に許さない! たとえ、おまえを殺してでも……ッ!!」
「ははははははお前には無理や」
「なにおう!」
私は切り札を出すことにした。目には目を歯には歯を、宇宙人には中国人だ。
スマホで広島県の市外局番へかける。
プルルル、プルルルッ、ガチャ、「もしもし?」
俺は親友に感謝した。こんな夜遅くまで起きていてくれるなんて。
「ああ、君か。夜分遅くに失礼いたします。」
すると相手は「そんなことだろうと思ったよ。どうせ宇宙人にでも襲われているんだろ?」
図星である。
「実はそうなんだ。今スグ助けてくれれ。」
「分かった。すぐ助ける」
友人はスマホカメラをUFOに向けるよう指示してきた。
「捉えたぞ」
「じゃあ、スピーカーのボリュームを最大にしろ」
「わかった」
俺は言われた通り音量をMAXにした。
「あー、もしもし? そちらの宇宙人?」
キーンと金属音が響き渡る。
「オーケーオーケー。あー本日は晴天なり」
アダムスキー型UFOは何の反応もない。
「あーもしもし? あなた宇宙人、こちら広島県は中国地方の中国人。アンダスタン?」
友人の説得がむなしく宙に響く。 

 

「宇宙人との関係と新たな冒険への扉」

「わたーし中国人、あなーた宇宙人」
子供にもわかるようにゆっくり説明した。

するとどうだ。「ぎゃふん!」という音がしてUFOが砕け散ってしまった。
つついてバーン♪というフルオーケストラの音色が聞こえた。
「うわーっ! 次は歌のコーナーだ」


友人が叫んだ。
カラオケが始まった。
しかし、画面には誰も映っていない。
BGMだけが流れている。
しばらくして、友人の姿が消えた。
次に私の番が来た。だが、マイクを持つ手が震えていて上手く喋れない。
なんとか歌ったものの、あまりの下手さに自分で笑ってしまい、その拍子に舌を噛んだ。
血が出た。
痛みを感じる間もなく意識を失った。
気づくと真っ暗な空間にいた。
目の前に大きなモニターがあって、そこに私が映し出されていた。
これは夢だと思った。
私の視点なのだから間違いない。
どうなっているのか不思議に思っていると、突然画面の中の私が動き出した。
そして私に向かってきた。
慌てて逃げると今度は後ろから別の私が追いかけてきた。
さらに前方からも私が向かってくる。どうすることもできないまま、私は四人の私に囲まれてしまった。
そこで私は目が覚めた。どうやら悪夢を見たらしい。時計を見ると朝六時を指していた。どうやら三時間以上眠っていたようだ。しかし、妙にリアルな感覚だった。今でも心臓がバクバクしている。きっと寝汗をびっしょりとかいているはずだと思い、部屋を出て洗面所に向かった。すると、鏡に私の顔が映っていなかった。どういうことだ?と混乱しているうちに、だんだん怖くなってきた。そこで私は思いきって自分の顔に触れたがやはり何もなかった。ただ空虚な闇が広がっているだけだったのだ……。
その後、私は病院に運ばれて検査を受けたものの異常は見当たらなかったという診断結果が出て家に帰ることになった。そして次の日に退院することになったのだが、迎えに来てくれた友人にお別れを告げた後、私は振り返ってみることにした。なんとなく、このまま終わりたくなかったからだ。
まずは玄関のドアに手をかけた。鍵はかかっていない。
ゆっくりと扉を開けると……。
なぜかそこは、あの座敷だった。私は恐る恐る奥へと進む。
そこには、親玉がいた。そして私のほうを向くと、にっこり笑って言った。
どうやら無事帰れたようですね。よかった。さて、今日は何して遊びましょうか? こうして私は毎日楽しく暮らしているのでした。めでたしめでたし。
(完)
はいはい皆さんこんにちわ。今回はホラー小説を書いてみたいと思いますよ。ということで書きましたがいかがだったでしょうか? 感想よろしくお願いします!……え?そんなことはどうでもいいから本編を早く書けって?ごもっともですが 

 

お便りご紹介コーナー

「宇宙人のハリマオ漬け」に対する読者からの感想:

「本格的な宇宙人のハリマオ漬けを始めて食べました。美味しかったです。これまで私は冷凍のハリマオ漬けしか食べたことがなくて、正直あまり美味しいとは思っていませんでした。ところがSNSで南極屋さんのハリマオ漬けが美味しいって聞いて半信半疑で購入。大正解でした。これからもリピします。★★★★(ハリマオ漬け大好きさん)」

このような読者からの感想をいただき、大変嬉しく思います。私たちは宇宙人のハリマオ漬けを作る際に、南極の希少なオキアミと特製のたれを使用し、手作りで丹精込めています。その結果、ユニークでファンタスティックな味わいを実現できたようです。

冷凍のハリマオ漬けとは一線を画した、新たな食の体験を提供できたことを光栄に思います。これからもご満足いただける商品を提供するため、努力を重ねてまいります。

「ハリマオ漬け大好きさん」のように、リピーターとなっていただけることを心から嬉しく思います。引き続き、お客様にとって特別なひとときを提供できるような商品をお届けするため、努力を惜しみません。

ご感想をお寄せいただき、誠にありがとうございました。今後も宇宙人のハリマオ漬けをお楽しみいただけますよう、心よりお待ち申し上げております。