超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~


 

 第一話 激突!断罪王アイン 対 断罪王ツヴァイ‼ 戦慄!フロントガラスを素手で叩き割る無職‼高齢者ドライバーは人類の未来と平和のために全員運転免許証を返納しろ‼自分達の国に自殺者が出ていることを知りながらも、なぜ人びとはセッ●スをやめることができないのか?自分たちの子供がその自殺者の中の一人になってしまう可能性があると、なぜ想像できないのか?そもそも自殺者の出るような世界に生まれてくることを望む子供がいったいどこにいるというのか?

 
前書き
設定解説
断罪王… 地球防衛軍メサイアが富士山から発掘した究極の人型兵器。
地球防衛軍メサイア… 断罪王を使って地球外生命体ユーマから人類を守っている組織。
地球外生命体ユーマ… 宇宙の意思が永遠に争い続ける人類と人類を生んだ地球を全宇宙にとって危険な存在と判断し、滅ぼすために生み出した地球外生命体。
 

 
 俺、19歳無職で自称アルティメットバイリンガルでオホーツク海の王子、小室キエイは股間がかゆかった。
 だから‼
 前から走ってきた自動車に向かって全力疾走で突撃、昔テレビで見た鷹酢(たかす)クリニックのCMソングを歌いながらフロントガラスに何度も正拳突きをぶちこんでやった!
 「ヘイ?パディントゥーン?レッツゴーヘイ?パディントゥーン?ファンタスティックゴー‼ドリーミングナーヴ‼」
 「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
 自動車のフロントガラスを俺に素手で破壊された女性高齢者ドライバーが恐怖に叫ぶ。
 「レッツフィールユアーマイッ?レッツフィールユアセルフッ!レッツパディントゥーン!パディントゥーン!フレッシュユアーフィッシュ?ビューティーフォーカミングオアフィッシュ?ビューティーフォーカミングオアフィッシュ?」
 俺はフロントガラスがぶっ壊れた自動車の車内から恐怖の雄叫びを上げる女性高齢者の運転手を両手で掴んで外にぶん投げる。
 そして、自動車ババアの顔を何度も殴る。
 「痛い!痛い!痛い!一体私が何をしたっていうんですか?」
 自分の立場が分かっていない女性高齢者ドライバーの耳元で俺は大きな声で怒鳴る。
 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいッ!年寄りが車なんて運転してんじゃねぇよ!バカ野郎!あぶねぇだろ!」
 ほぼゼロ距離で放たれた俺の怒鳴り声に右耳の鼓膜を爆砕された女性高齢者ドライバーの腰を俺は蹴る!蹴る!蹴る!蹴る!
 泣きながら右耳を抑えている女性高齢者のズボンのポケットから財布を盗む。
 「高齢者が車なんて運転してんじゃねぇよ!普通に考えてあぶねぇだろ!おめぇら無思慮なシルバードライバーのせいであと何人、人が死ねばおめぇらは気が済むんだ!あと何回コンビニに突っ込めば気が済むんだ!自分だけは平気だとか思ってんだろ?んなわけねぇぇぇぇぇぇぇだろぉぉぉぉぉぉぉッ‼おめぇらは寄生虫だ!働かずに国からもらった金で贅沢しているくせに若い連中に偉そうにしやがる役立たずの老害だ!高齢者が生きてんじゃねぇよ!高齢者は六十過ぎたら全員収容所にぶち込んで全員ボケる前ブレイクダンス踊ったまま毒ガス浴びて切腹しろ!うああああああああああああッ!」
 俺の魂のシャウトに女性高齢者の左耳の鼓膜が爆砕する。
 「はい俺の完全勝利~‼あ~お腹減った今日はユッケでも食いに行くか~!」
 暴行現場にいた人々が満身創痍の高齢者ドライバーを見て、救急車を呼び、警察に通報する。
 人びとはまだ知る(よし)もない、その判断が自分たち地球人類を滅亡の危機に陥れることに。
 小室キエイは女性高齢者の血で汚れた手で股間をかきながら、焼肉酒屋あびすに向かう。
 焼肉酒屋あびすでユッケを食っていると急に腹が痛くなってくる。
 腹痛に悩まされている俺を警察官数人が取り囲み両手に手錠をかける。
 (なるほど、あの自動車ババアか周りの目撃者が警察に通報しやがったのか...)
 「俺ユッケ食ってるんですけど食中毒で死んだらどうしくれるんですか?」
 「うるせぇ!意味不明なこと言ってんじゃねぇよ!器物破損に暴行罪に窃盗罪でお前を逮捕する!」
 「そんなら、おめぇらは不敬罪だ‼バカ野郎‼シンゴォォォォォォォォォッ‼」
 小室キエイが断罪王の変神に必要な呪文を叫んだ次の瞬間、小室キエイの衣服がビリビリに破ける。小室キエイが全裸になる。
 そしてそれと同時に焼肉酒屋あびすが爆発した。
 焼肉酒屋あびすの外で待機していたパトカーの運転手が突然の出来事に、増援と消防隊を要請する。
 爆発した焼肉酒屋あびすから爆炎と共に深紅のボディが特徴的な巨大人型兵器が出現する。
 深紅の巨大人型兵器、断罪王アインの右手のひらには俺を冤罪で逮捕しようとしていた税金泥棒クソバカ公務員共の死体が握られていた。
 「俺に法律が適用されるわけねぇだろ!このクソバカ公務員共が‼」
 当たり前だが死体は何も言い返してくれない。
 「どうせ変神しちまったんだ...このまま大暴れしてやるよぉぉッ!」
 断罪王アインに変神した俺は岡山県内の教育施設を次々と足で踏みつぶしてゆく。
 「俺はハイパー少年革命家なんだよ!小室キエイなんだよ!学校なんてこの国には必要ねぇんだよ!」
 俺に踏みつぶされる少年少女とお勉強ができれば人生全てうまくいくと思っているクソバカ教師公務員どもの悲鳴が聞こえる。
 特に少年少女の奏でる美しい悲鳴は俺にここがまるで合唱コンクールの全国大会の会場なのではないかと錯覚させるほどすばらしかった。
 しかし人々の悲鳴に陶酔する俺をあざ笑うかのように背中に激痛が走る。
 「痛ってぇな...お前...ユーマだな!」
 俺に喧嘩をふっかけてきたのは人類と地球を消滅させるために宇宙から飛来してきた侵略者ユーマだった。
 断罪王アインの背中をビームで狙撃したのはイソギンチャクに両足を生やした姿をしたユーマだった。
 「また新種のユーマか...まあいいだろう、ユーマが現れればきっとアイツらも現れる!」
 小室キエイの予想通り、上空から群青色のボディが特徴的な断罪王ツヴァイが岡山県内に着地する。
 「断罪王ツヴァイ、目標を二体確認」 
 全身に重火器を備えた断罪王ツヴァイが砲撃の照準を断罪王アインとイソギンチャクユーマに合わせる。
 「たとえ断罪王であっても人類を恐怖に陥れるのであればユーマと共に消滅させる!」 
 地球防衛軍メサイアによって断罪王ツヴァイの操縦者に選ばれた美少女専業主婦でカレー大好き小林マスミは決意の言葉と共に断罪王アインとユーマに向かって全身に装備された重火器を一斉発射させる。
 俺は近くにいたイソギンチャクユーマの体を盾にして断罪王ツヴァイからの攻撃から身を守る。
 俺の代わりに断罪王ツヴァイの一斉射撃によりハチの巣にされるイソギンチャクユーマの腹部から出産予定であったと思われるセミ人間が大量に流出して岡山県内の人間を襲い始める。
 セミの体に人間の四肢を生やしたようなその奇怪な姿をした生命体が岡山県内の人間を襲い、男女問わず交尾し始める光景を見て、俺は思わず吐きそうになってしまう。
 「私は...ユーマの作戦に手を貸してしまったというのか...」
 断罪王ツヴァイが全身に装備された重火器の銃口をセミ人間に向ける。
 カレー大好き小林マスミは照準を人々を襲うセミ人間に合わせるものの、近くに人間がいては巻き添えにしてしまうことに気づき、断罪王ツヴァイの銃口を断罪王アインに向ける。
 「おいおい、地球防衛軍メサイアのおめぇがセミ人間に襲われている人間どもを見捨てちまっていいのか?」
 「黙れ!もとはと言えばお前がユーマを盾にしたからこうなったんだ!私は悪くない!」 
 「それを言ったら、まず最初に俺とユーマに攻撃してきたお前にも原因があるんじゃないか?」
 小室キエイの挑発に対してコックピット内の小林マスミの指が重火器のトリガーを引く。
 断罪王ツヴァイの全身から一斉に放たれた銃弾が断罪王アインを襲う。
 断罪王アインはまたもイソギンチャクユーマの体を盾にして断罪王ツヴァイの攻撃を防ぐ。
 イソギンチャクユーマの体から血しぶきと共に今度はエビに人間の四肢を生やしたような生命体が大量に飛びだし、セミ人間同様に地上の岡山県内の人々を男女問わず襲い交尾し始める。
 すでにセミ人間に襲われた岡山県民の人々の腹部が妊婦のように膨らみ始める。
 セミ人間に襲われた岡山県民の人々の腹を突き破って全身血液まみれのセミ人間が大量に出現して周りの人々を襲い始める。
 「このままでは人類が絶滅してしまう....」
 カレー大好き小林マスミはこれ以上セミ人間とエビ人間による被害を拡大させないために地上で暴れているセミ人間とエビ人間と、セミ人間とエビ人間に襲われている全ての人々に重火器の照準を合わせる。
 「おやおやいいのか?正義のスーパロボットである断罪王が人間を大量虐殺するなんて、メサイアの親父たちに知られたら処刑ものだぜ?」
 「うるさい!私はこの世界と家族をユーマと貴様のような裏切り者から守るためなら手段は選ばない!砲撃開始!」
 断罪王ツヴァイが岡山県民とセミ人間とエビ人間に向けて放った砲撃が岡山県内に降り注ぐ。
 そして断罪王ツヴァイは今度は上空に向けて重火器一斉射撃を放つ。
 爆撃がセミ人間とエビ人間と岡山県民だけではなく俺と、火元である断罪王ツヴァイ自身にも襲いかかる。
 「ちくしょう!小林マスミめ、自分のミスに動揺して断罪王ツヴァイごと俺とユーマ共を道ずれにするつもりか...」
 「たとえこの身を犠牲にしても私は人類の平和を守る!」
 断罪王ツヴァイの重火器一斉射撃から逃れたわずかなセミ人間とエビ人間が岡山県から全力疾走で脱出を始める。
 「逃がすものか!」
 自らの放った攻撃の影響で全身ボロボロの断罪王ツヴァイが岡山県から脱出しようとしているセミ人間とエビ人間に銃撃を放とうとした次の瞬間、断罪王ツヴァイの全身に断罪王アインの全力のタックルが直撃する。
 「おっと!俺のお楽しみを邪魔すんじゃねぇよ!」
 「貴様!それでも人類と地球の平和を守るメサイアの断罪王なのか?自分や自分の大切な人があの怪物共に襲われ孕まされても貴様は平気なのか?」
 「うるせぇ!とっとと銃撃をやめやがれ!必殺!狂撃の断罪インパクト!」
 断罪王アインの右手のひらから放たれた衝撃波が断罪王ツヴァイに直撃する。
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 カレー大好き小林マスミの脳内に頭痛と共に意味不明の文字と声、その名も『狂撃波動』が大量に流れ込んでくる。
 「うあああああああああっ!頭が痛い!気がおかしくなる!」
                *
 気がつけば小林マスミは全裸の状態で真っ暗な空間の中にいた。
 そして目の前には全裸状態の小室キエイが両目を閉じて空中で座禅を組みながら聞いたことのない言葉を念仏のようにつぶやいている。
 「これが狂撃の断罪インパクトだ」
 カレー大好き小林マスミの脳内に小室キエイの言葉がテレパシーのように直接流れ込んでくる。
 「この空間に連れてこられたお前にはもう勝ち目はない、だからあえて聞かせてもらう。お前達、専業主婦どもはなぜ自分達の旦那の収入で生活しているくせにフリーターを生活能力がないとバカにするんだ?お前たちだって結局のところ旦那の収入に依存して生活しているだろう、そんなヤツがなぜ、低収入のフリーターをバカにすることができるのか?俺がお前に真実を教えてやるよ!専業主婦よりフリーターのほうが社会的地位は上なんだよ‼いいか、わかったかバカ野郎!」
 「意味不明でふざけたことを言うな!専業主婦は外で働かない代わりに家事や育児をしている‼つまり、低収入のフリーターよりも専業主婦のほうが社会的地位は上なんだよ‼バカはお前だ大バカ野郎!」
 「では低収入のフリーターと家事育児しか能がない無収入の専業主婦、収入面ではいったいどちらのほうが上かな?」 
 「それは...」
 「どう考えても家事と育児を理由に外で働かない無収入の専業主婦よりも低収入のフリーターの方がえらいんだよ!いい加減理解しろよ!バカ野郎死ね!」
 「では小室キエイ、そういうお前はフリーターなのか?」 
 「んなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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 「うああああああああああああああッ!頭が痛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
 空中で座禅を組んだ小室キエイの放つ狂撃波動に脳を破壊されたカレー大好き小林マスミは鼻と両目から大量の血を流して死んでしまった。
 「無収入の専業主婦より低収入フリーターの方がえらいんだよ!まぁ...俺は家事も育児もアルバイトも死ぬまで絶対にしないけどな!アッヒャッヒャッ!合掌」
                *
 空襲から生き延びたセミ人間とエビ人間が焼け野原と化した岡山県内から全力疾走で他県へ移動を開始した。
 操縦者が脳死した断罪王ツヴァイは焼け野原になってしまった岡山県内に仰向けに倒れている。
 「はい俺の完全勝利。ああ~腹減った~寿司が食いたい」
 変神を解いた小室キエイは全裸のまま、寿司屋に向かう。

次回予告
第二話 断罪王アイン 対 断罪王フィーア!考えろ!人の心とその言葉‼女が寿司を握ってんじゃねぇよ‼寿司握る暇があるなら俺のチ●コ握るんだよ‼命とは死に至る病である!自分が死ぬのが嫌で子供にも死んでほしくないのであれば最初から子供なんか作るんじゃねぇよ!バカ野郎!子供だって最終的には死の恐怖に怯え苦しみながら死んでいくんだぜ!自らの欲望を満たすために罪なき命に死を伝染させるセッ●スは人殺しと同じなんだよ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二話 断罪王アイン 対 断罪王フィーア!考えろ!人の心とその言葉‼女が寿司を握ってんじゃねぇよ‼寿司握る暇があるなら俺のチ●コ握るんだよ‼命とは死に至る病である!自分が死ぬのが嫌で子供にも死んでほしくないのであれば最初から子供なんか作るんじゃねぇよ!バカ野郎!子供だって最終的には死の恐怖に怯え苦しみながら死んでいくんだぜ!自らの欲望を満たすために罪なき命に死を伝染させるセッ●スは人殺しと同じなんだよ!


 断罪王ツヴァイの操縦者カレー大好き小林マスミに完全勝利した俺は焼け野原と化した岡山県から徒歩で大阪府に移動して『しゃかりきアニサキス』とかいうふざけた名前の寿司屋に入店した。
 寿司屋といっても、そこら辺の能なし専業主婦が働いているようなクソ雑魚百円寿司ではなく、ちゃんとした職人が握っている寿司屋である。
 しかし俺は入店から二秒であることに気づいてしまった。
 寿司を握っていたのがなんと女だったのだ!
 俺、小室キエイは怒りのあまりその寿司屋しゃかりきアニサキスで寿司を大量に食った後に食事代の支払いを拒否してしまった。
 「お客様、お金はしっかり払ってもらわないと困りますよ」
 「女が握った寿司は寿司じゃねぇ!つまり俺は寿司は食ってねぇ!寿司屋なのに客に寿司を提供しないおめぇが悪い!あとなんだしゃかりきアニサキスって」
 「そんなのあんまりです、アタシは北朝鮮の親方のもとでちゃんと修行して寿司職人になったんです!お金を払わないのであれば、警察に通報させていただきます」
 北朝鮮で修業してきたらしい美少女寿司職人が泣きながら俺にガチギレしてきた。
 「レッツ!ア~ン?ビーテクマ~イン?ビンビンビクビクビーテクマ~イン?」
 数秒後、サイレンの音と共に数人の警察官が全裸の俺を取り囲む。
 「じゃあ、ちょっと警察署までついてきてもらっていいですか?」
 キャバ嬢に二百万円ぐらい貢いでいそうな顔をした童貞丸出しの警察官の一人が俺の腕をつかむ。
 「なぁ、岡山県の焼肉酒屋あびすが爆発した事件の犯人、誰か知ってるか?」
 「い、いきなり何を言い出すんだ?」
 「その犯人俺なんだよ」
 もう、遅かった。
 「シンゴォォォォォォォォォッ!」
 寿司屋『しゃかりきアニサキス』は突然爆発を起こし、炎の中から深紅のボディが特徴的な巨大人型起動兵器・断罪王アインが出現する。
 断罪王アインの足元には爆発から瞬時に避難したと思われる美少女寿司職人が立っていた。
 自分の店、『しゃかりきアニサキス』を十九歳で無職の俺にぶっ壊されて悔しいのか、美少女寿司職人は下から憎しみのこもった表情で断罪王アインを睨みつけてくる。
 そして次の瞬間、美少女寿司職人が断罪王変神の呪文を大きな声で叫ぶ。 
 「シンゴォォォォォォォォォォォッ!」
 新川アワビの服がビリビリに破けると断罪王アインの前にピンク色のボディが特徴的な断罪王フィーアが出現する。 
 「これはたまげたなぁ~まさか美少女寿司職人のおめぇがあの、新川アワビだったとはな。寿司職人の制服と帽子のせいでまったく気づかなかった」
 「たまげたのはこちらも同じよ、あなたがメサイアを脱走した、あの小室キエイだったとはね...なぜ多くの人々を守ることができる断罪王の力を持ちながらメサイアを裏切ったの?」
 「メサイアを裏切っただと?俺はこの断罪王のすげぇ力をユーマ相手だけにしか使わないあのつまらねぇお利口ちゃん共に忠誠を誓ったことは一度もないぜ!」
  「アタシの夢は自分の握った寿司でみんなを笑顔にすることよ!その夢を叶えるためなら北朝鮮の親方の厳しい修行にだって耐えられたし、結果的には自分の店も持てた!なのに、あなたは女性が寿司を握っていたのが許せないとかふざけたことを言って、結果、私の店は潰れてしまった。アタシはあなたを絶対に許さない!」
 「誰がおめぇに許してくれって言ったんだバカ野郎‼とにかく女は寿司を握るな!握るなら俺のチ●コにしろ!」
 「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
 一瞬で百体に増えた断罪王フィーアが四方八方から断罪王アインを攻撃してくる。
 「クッ...百対一だと...卑怯者!お前それでも人間かよ!」
 「あんただけには言われたくないわよ!」 
 総勢百体にも及ぶ断罪王フィーアの予測不可能、回避不可能の攻撃に断罪王アインはろくに反撃も出来ないまま、地面に仰向けに倒れる。
 「ダメだやっぱ...でも一回あたりの攻撃で発生するダメージは大したことないぜ‼」
 「でも、ひとつも()けられないんじゃ、意味ないでしょ‼」
 断罪王フィーアの攻撃が再開される。
 断罪王フィーアのパンチとキックが四方八方からとどめとばかりに断罪王アインに襲い掛かる。
 全身に襲い掛かる激痛にお花畑を何度も直視する小室キエイ。
 しかし、全身を襲う激痛がそれまでなにもなかったようにいきなり停止した。
 よく見ると、目の前にいる断罪王フィーアが動きを止めていた。
 そして地球の守護神である断罪王アインと化した小室キエイの五感がユーマの出現を感知していた。
 「近くに間違いなくユーマがいるはず...なのになぜ視覚で捉えることができないんだ?」 
 目に見えないユーマの存在に小室キエイは困惑を隠せない。
 そして、突如動きを止めた断罪王フィーアの背中から左右に四本ずつ、合計八本の腕が出現する。
 「うああああああああああああッ!そんな...このアタシが目に見えないユーマに寄生されたというのか...」
 断罪王フィーアから放たれた美少女寿司職人・新川アワビの言葉に偏差値8の小室キエイは状況を理解する。
 「まさか、目に見えないユーマが断罪王フィーアの体に寄生して内側からコントロールしているというのか...‼俺はユーマに助けられたのか?」
 断罪王フィーアの胸部中心からテレビのバラエティー番組でおバカキャラが特徴的な宗教シンガー下地働助の顔が現れる。
 全部で十本の腕を持ち、胸部から下地働助の顔面が飛び出た断罪王フィーアの全身に無数の穴が開く。
 ユーマに寄生された断罪王フィーアの全身にできた無数の穴から上半身が下地働助で下半身がケンタウロスになっている生命体が奇怪な叫び声を上げながら飛び出して地上の大阪府民を襲い始める。
 「ブンシャカァァァァァァァァァッ‼」
 「セミ、エビの次は下地働助とはな」
 大阪府民を襲う下地働助に注意をそらされていた俺に向かってユーマに支配されている断罪王フィーアの十本の腕が伸びて襲い掛かってくる。 
 「ダメだやっぱ」
 小室キエイは全身に突き刺さる断罪王フィーアの手刀から断罪王アインを支配しようとする目に見えないエネルギーが体内に侵入してきたことを察して絶望する。
 このままでは断罪王フィーア同様に断罪王アインもユーマに寄生され内側から支配されてしまう。
 「相手が肉体を通して俺を支配しようとするなら俺も同じことをするまでだ!いちかばちか!くらいやがれぇッ!狂撃の断罪インパクト!」
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 断罪王フィーアが俺の体に突き刺さした十本の腕を通して俺は狂撃の断罪インパクトによる狂撃波動をユーマに寄生された断罪王フィーアの全身に注入する。
 「ブンシャカァァァァァァァァァッ!ブンシャカァァァァァァァァァァッ!」
 狂撃の断罪インパクトにより脳が破壊された断罪王フィーアから頭の悪そうな叫び声が上がる。
 地上では大量の下地働助ケンタウロスが健常者なら絶対に襲わなそうな見た目をした大阪府民の女性高齢者を襲って交尾している。
 「ユーマに寄生にされた断罪王フィーアだけじゃねぇ!この際、大阪府民の女性寿司職人共も全員皆殺しにしてやるぜぇぇぇぇッ!くらえよッ!狂撃のぉぉぉッ!断罪インパクトォォォッ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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 断罪王アインの全身から放たれた狂撃の断罪インパクトによる狂撃波動が大阪府内全ての女性寿司職人の脳内に流れ込み、鼻と両目から大量の血を流して死んでしまった。
 「どうして...女性が寿司を握っちゃいけないのよ...」
 ユーマにすべてを支配されてしまったはずの断罪王フィーアの操縦者で美少女寿司職人の新川アワビから祈りにも似た言葉が漏れる。
 「うるせぇ!総理大臣と寿司職人はな!女がなっちゃいけねぇんだよ!」
 断罪王アインはとどめとばかりに断罪王フィーアの胸部中心に出現した下地働助の顔面を右手で掴むと、そのまま引っこ抜いて握りつぶした。
 ユーマに寄生された断罪王フィーアが太陽光をあびたアイスのように溶けていく。
 「ブンシャカァァァァァッ!っていったいなんなんだよ‼」
 小室キエイの叫びに応えてくれる者は大阪府内には一人もいなかった。
  地上では破壊と殺戮の限りを尽くした下地働助ケンタウロスがよその県を支配するために移動を開始していた。

次回予告
第三話 断罪王アイン 対 断罪王ズィーベン‼特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドが爆発‼欲しいものはすべて他人の金で手に入れる!三次元の女は何度裏切っても二次元の女は絶対に裏切らない!そんな俺たちの日常を伝えたくて書きました‼令和の童貞は強いぞ‼世界最高民族日本人から仕事を奪うクソバカ不法入国者は今すぐ0歳児が操縦するドクターヘリに乗って日本列島から出ていけ‼

  
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第三話 断罪王アイン 対 断罪王ズィーベン‼特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドが爆発‼欲しいものはすべて他人の金で手に入れる!三次元の女は何度裏切っても二次元の女は絶対に裏切らない!そんな俺たちの日常を伝えたくて書きました‼令和の童貞は強いぞ‼世界最高民族日本人から仕事を奪うクソバカ不法入国者は今すぐ0歳児が操縦するドクターヘリに乗って日本列島から出ていけ‼


 「腹減ったな~」
 俺、小室キエイは大阪府から徒歩で京都府にやってきた。 
 世界最高民族日本の魂が形になったかのような街並みと風景に俺は感動する。
 そして全裸のままで京都内を歩き回っていた俺の前に不法入国者みたいな一人の美少女が現れる。
 「お久しぶりですね、ニャットです。服を着ないと警察に捕まってしまいますよ」
 おそらくへドナムからの不法入国者であろう美少女ニャットがビニール包装してあるシャツと下着とズボンを俺に突き出してきた。
 「警察が来ても俺には勝てんぜ」
 俺は不法入国者へドナム人美少女ニャットが俺のために買ってきてくれた衣服を手に取ると思いっ切り地面に叩きつけて、歌を歌いながら何度も裸足で踏みつぶしてやった。
 「ソーセージッ‼ウインナーッ‼た・ま・ご・や・きッ‼」
 「ひどい...!」
 「ひどい?ひどいのはてめぇのほうだろ?どうして不法入国者が世界最高民族日本人の魂の故郷である京都府に足を踏み入れてるんだ?とっととへドナムに帰れバカ野郎‼日本人から仕事を奪ってんじゃねぇよ‼この寄生虫が‼なんで俺たち世界最高民族日本人が日本国内不法入国者ランキング2位のお前たちへドナム人のために飢え死にしなくてはいけないんだ‼フォーでも食ってろバカ野郎‼」
 「私、不法入国者じゃありません‼」
 突然泣き出した不法入国へドナム美少女ニャットは携帯ですぐに俺のことを警察に通報する。
 「おめぇら女はいつもそうだ!泣きゃあ、相手と周りから同情してもらえると思ってる‼」 
 すぐにパトカーが一台、俺と不法入国へドナム美少女のもとにやってくる。
 パトカーから降りた警察官が全裸の俺の手に手錠をかける。
 「公然わいせつ罪で貴様を逮捕する‼」
 「裸になって何が悪い!シンゴォォォォォォォォォッ‼」
 俺は断罪王変神の呪文を唱えるが、俺の体はなんの変化も起こさない。
 「お腹が減って力が出ない~」
 そう、先程の断罪王フィーアとの死闘で広範囲に狂撃の断罪インパクトを放ってしまった小室キエイはエネルギー不足で断罪王に変神できないのだ。 
 つぎの瞬間、俺の目の前は真っ暗になっていた。
                *
 目を開けると俺は見知らぬ個室のベットの上にいた。
 個室を出ると、そこには痴呆老人と思しき生産性のない税金泥棒共が談笑したり、本を読んでいたりテレビを見ていた。
 そして俺の目の間に介護士の制服を着た女性が姿を現した。
 「小室キエイ十九歳無職さん、ご気分はいかがですか?」
 その美少女介護士は俺を冤罪で警察に通報した不法入国へドナム人美少女ニャットだった。
 「刑務所や精神病院ならまだわかるが、なぜ、俺が老人ホームにいるんだ?俺は無職だがまだ十九歳だぜ?」
 「どうやら日本全国の精神病院はかくかくしかじかで全て満室らしいです。なので警察の方々がから、あなたをこの特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドに入居させるように指示がありまして」
 「うるせぇよへドナム人!よくわからんがこの際この状況を利用させてもらう!断罪王に変神するからメシよこせ‼」
 「ご飯はあげません。残念ながらあなたを断罪王に変神させるわけにはいきません、このまま飢え死にしてもらいます」
 「なんだと!」
 「あなたにはこの特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドで飢え死にしてもらいます」
 「ならこちらにも考えがある!」
 俺は美少女へドナム人介護士のニャットの体を全速力で横切ると、特別養護老人ホ―ム・バロムジェノサイドの痴呆老人共の頭と首と手足を噛みちぎり、断罪王の変神に必要なエネルギーを補給する。
 「痛てぇぇぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁッ!誰か助けてぇぇぇぇぇぇッ!」
 「痛い痛い痛い痛い痛い‼痛いって言ってんだろぉぉぉぉぉぉッ‼」
 美少女へドナム人介護士のニャットは上着のポケットから取り出した拳銃の銃口を小室キエイに向ける。
 「今すぐ、無意味な殺戮をやめなさい!やめないとあなたが断罪王に変神する前に射殺します‼」
 美少女へドナム人介護士ニャットの卑劣な脅しに俺はまだ一口も口をつけていない女性痴呆老人を盾にする。
 「もし、お前が俺を断罪王に変神する前にその銃で撃つなら、俺はこの税金泥棒を床のゴミクズ共みたいに食い殺すぜ‼」
 特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドの床には全身の肉を小室キエイに噛み千切られた血塗れの痴呆老人の死体が散乱している。
 「あなたは人を殺してもなんとも思わないんですか?」
 「フン!どうせここにいる痴呆老人共は働きもしないくせに税金を健常者から搾取し、介護士の心まで腐らせる寄生虫だ‼俺が殺してるのは人間じゃない‼寄生虫だ‼虫を殺してなにが悪い‼この糞雑魚底辺職の不法滞在者が‼収容所で毒ガス浴びながら切腹すると同時にブレイクダンスしろ‼」
 「なら小室キエイ十九歳無職!あなただけを狙撃させてもらいます‼」
 「させるかよぉ!シンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼」
 特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドが爆発する。
 焼け野原と化した特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドに小室キエイが変神した深紅のボディが特徴的な断罪王アインと美少女へドナム介護士のニャットが変神した黄緑色のボディが特徴的な断罪王ズィーベンの巨体が向き合っている。
 「断罪王に変神した俺から自分の身を守るために老人ホームバロムジェノサイドの痴呆老人共を見捨てて断罪王に変神したのか...介護士失格だな!」
 「利用者のみなさんを殺したのは私じゃない‼全部あなたのせいよ‼」
 「でも、お前が俺に変神に必要な食料を与えればこんなことにはならなかったかもしれない...ま、俺は国に寄生する害虫を殺して食っただけだ、むしろあの痴呆老人共はニートのくせに最後に俺に食い殺されることで生産性を得ることができたんだ‼介護スタッフと遺族にはむしろ感謝してほしいよな‼アッヒャッヒャッヒャッ‼」
 「貴様ァァァァァァァァァッ‼」
 断罪王ズィーベンが手に持った大剣が蛇のように伸びて俺に襲い掛かってくる。
  「なるほど、剣とムチ、両方の性質を持った武器か、おもしろい!」
 俺は断罪剣を異次元から出現させ手に持つと、断罪王ズィーベンの剣撃をかわして、断罪王ズィーベンに接近、斬撃をぶち込む。
 「無駄だ!十九歳無職‼」
 断罪王アインの斬撃は断罪王ズィーベンの体から発生した目に見えないバリアに弾き返される。
 自らが放った斬撃が断罪王アインに跳ね返り、断罪王アインの全身を切り裂く。
 「くっ...反射効果がある絶対無敵のバリアに伸びる大剣...どうやって戦えばいいんだ‼」
 悩んでいる間にも断罪王フィーアの伸縮性のある大剣が俺を襲ってくる。
 「まずい...よけるので精いっぱいだ...しかし!これならどうだ!狂撃のぉぉッ!断罪インパクトォォォォォォッ‼」
 「無駄だ!十九歳無職‼」
 俺の放った狂撃の断罪インパクトが断罪王ズィーベンのバリアによって断罪王アインに跳ね返ってくる。
 「狂撃のぉぉぉぉぉぉッ!断罪インパクトォォォォォォォォッ‼どりゃああああああああああああッ‼」
 俺は跳ね返ってくる狂撃の断罪インパクトに対してさらに狂撃の断罪インパクトを放つ。
 狂撃の断罪インパクト同士がぶつかり合うことで発生する狂撃波動が京都府内に広がっていく。
 「し、しまった!これでは京都府内の人々の頭がおかしくなってしまう!」
 俺はそのあとも断罪王ズィーベンの攻撃を避けて断罪王ズィーベンに狂撃の断罪インパクトを放ち、バリアによって跳ね返ってきた狂撃の断罪インパクトに対して新たな狂撃の断罪インパクトを放ち、狂撃波動を特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドを中心に京都府内に広げていく。
 「さあ!どうする!このままだと京都府から最終的に全世界の人々が狂撃波動を浴びて頭がおかしくなるか、目と鼻から血を流して脳死してしまうぞ!人類に全滅されて困るのであれば、いますぐバリアを解除して俺の狂撃の断罪インパクトをその身に受けろ!」
 「わ、わかった...だが忘れるな!メサイアが所有する断罪王はあと四体もある...お前に勝ち目はない....」
 「うるせぇよ...だいたいてめぇら介護士は毎日毎日、家族に捨てられた痴呆老人のウンコ見ていったい何が面白いんだ?」
 「うるさい!十九歳無職のお前に!働きもしないで親戚の収入で生活している貴様に!介護士を馬鹿にする権利はないんだよ!」
 「言ったな!へドナム人!狂撃の断罪インパクトォォォォォォォォォォォォッ‼」
 フルパワーの狂撃の断罪インパクトが断罪王ズィーベンに向かってくる。
 全世界の人々の命と尊厳を狂撃波動から守るために美少女へドナム人介護士のニャットは断罪王ズィーベンの絶対無敵のバリアを解除した。
 「メサイアのみんな...あとはたのみましたよ...」
 小室キエイが操縦する断罪王アインから放たれたフルパワーの狂撃の断罪インパクトが断罪王ズィーベンに直撃した。
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 美少女へドナム介護士ニャットの脳内に気が狂いそうな狂撃波動が流れ込んでいく。 
 「パパ!ママ!助けてぇぇぇぇぇッ!頭が!頭が痛いよぉぉぉぉぉぉッ‼」
 「ざまぁ!ざまぁ!ざまぁ!ざまぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
 爆発炎上する断罪王ズィーベンを見て小室キエイがつぶやく。
 「今日は炭酸飲料でも飲むか...」
 その日、全ての京都府民が目と鼻から血を流して死亡するという不可解な事件が発生した。

次回予告
第四話 断罪王アイン 対 断罪王ドライ‼戦慄‼フォレストフレンド学園‼俺達無職は犯罪者予備軍じゃねぇ‼無職や人間の出来損ないを人間扱いしない極悪卑劣な教育機関をぶっ壊せ‼戦争も環境問題も人類が抱える全ての問題は人類そのものが滅びれば全て解決する!真の倫理とは全人類が地球という天然自然の奇跡の星のために自らの手によって滅びる勇気を持ち、それを実行することである! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

 第四話 断罪王アイン 対 断罪王ドライ‼戦慄‼フォレストフレンド学園‼俺達無職は犯罪者予備軍じゃねぇ‼無職や人間の出来損ないを人間扱いしない極悪卑劣な教育機関をぶっ壊せ‼戦争も環境問題も人類が抱える全ての問題は人類そのものが滅びれば全て解決する!真の倫理とは全人類が地球という天然自然の奇跡の星のために自らの手によって滅びる勇気を持ち、それを実行することである!

 
 京都を出た俺は全裸のまま徒歩で東京都に移動した。
 今は亡き京都府の時のようにエネルギー切れの隙を敵に突かれないように俺はホテルの従業員と客を全員食って個室のベットで休憩する。
 しかし、少々派手にやりすぎたせいかパトカーのサイレンの音が俺の眠りを妨げる。
 俺はホテルの屋上から付近のマンションの一室に不法侵入して、その部屋の住人だと思われる女性を食ってなんとか難を逃れた。
                  *
 夢を見ている。
 懐かしい夢。
 そうだ、おれの妹の予言でユーマの存在を知った父さんと母さんはユーマから地球と人類を守るために断罪王を遺跡から発掘して地球防衛軍メサイアを設立したんだ。
 父さんと母さんが言うには断罪王はかつて地球を悪しき生命体から救済したっていうけど、俺にはなんかしっくりこないんだよな。 
 そう、父さんと母さんにモルモットにされた俺は断罪王アインの操縦資格を得たんだ。 
 断罪王アインとリンクして俺がわかったことは断罪王が地球上から人間を滅ぼそうとしていることだった。
 だから、予知能力のある妹に夢中で俺の存在を無視したり、俺をモルモットにしたり、断罪王を間違った使い方をしている父さんと母さんを信用できなくなって俺はメサイアの基地を出て親戚の家に住むことになったんだ。
 親戚の人たちは父さんと母さんと違って俺にやさしかった。
 俺が十九歳無職でもうるさいことは何一つ言わない。
 それは、単純に俺を愛してくれているのか、それともただの無関心なのか、それとも、俺が断罪王の力を持っていることを知っているからなのか、親戚のいる自宅に帰れば答えはすぐにわかるかもしれない。
 でも、俺はもう父さんと母さんと妹が指揮しているメサイアの断罪王を三体も倒してしまった。
 それに俺のせいで岡山も大阪も京都もただの廃墟になってしまった。
 俺はただ許せなかったんだ、高齢者が車を運転していること、専業主婦がフリーターや無職を馬鹿にしていること、女が寿司を握っていること、痴呆老人のために国のお金が無駄使いされていること。
 だから俺は怒りに任せて、焼肉酒屋あびすを、寿司屋しゃかりきアニサキスを、特別養護老人ホーム・バロムジェノサイドを破壊した。
 俺は十九歳にもなって自分の感情をコントロールできない哀れな無職なんだ。
 だから俺は自分のやりたいように生きる。
 それのなにが悪い。
 人間だろうがユーマだろうがメサイアだろうが俺は自分の気に食わないものは全部、断罪王アインで破壊してやる。
 人を殴って何が悪い。
 人を殺して何が悪い。
 人を食って何が悪い。
 裸になって何が悪い。
                *
  目を覚ますと俺の目の前にメガネをかけたスーツ姿の美少女がいた。
 「俺は小室キエイだ」
 「ねぇ、あなた空き巣なら私の妹を知らない?」
 妹...ああ、そうか、俺が昨日食った女はコイツの妹だったのか。
 「知らない、とにかく俺はここで休憩させてもらう」
 「それはちょっと困るわね、なんなら警察呼びましょうか?」
 「ここ最近、奈良と大阪と京都が壊滅した事件は知っているか?」
 「ええ、ニュースで見たわ。あとエビとセミと下地働助みたいなユーマが各地で暴れているってこともね」
 「それは全部俺の仕業(しわざ)なんだ、俺は断罪王アインに選ばれた十九歳無職なんだ、だから死にたくなかったら俺を怒らせない方がいい」
 「それなら私も言わせていただくけど、私はメサイアに断罪王ドライの操縦者に選ばれた教師の大保方バルゴよ」
 「もしかして、あの大保方バルゴなのか...お前、昔はメガネかけてなかったよな」
 「メサイアの代表であるあなたのお父さんとお母さんはあなたの悪行に関しては随分と寛大よ。でも私は私の妹を殺したあなたを許せない...」
 「なるほど、お前は妹の仇をとりたいがメサイアに裏切り者として処罰されるのが怖くて俺を殺すことができない。それでは戦士失格だな...」
 「私をあまりナメないほうがいいわね、それよりメサイアの代表、つまりあなたのお父様とお母さまからあなたにちゃんとした教育を受けさせて更生させるためにとある学校に入学させるように言われているわ」
 「なるほど、お前はそこの教師なんだな」
 「察しがいいわね、なら今すぐ私についてきなさい」
 俺は大保方バルゴに案内された都内の学校フォレストフレンド学園の校舎に全裸のまま足を踏み入れる。
 校舎の中には主に十代から六十代までの社会に適応できない無職と人間のできそこない共が学ランに身を包んで授業を受けていた。
 「このフォレストフレンド学園はね、社会に適応できない大人をあらゆる教育方法で社会に適応させることを目的とした施設なの」 
 「つまり、親に見放された無職や引きこもりを拉致してここで監禁しているわけか」
 「だって仕方ないでしょ、無職や引きこもりはこの国じゃ立派な犯罪者予備軍なんだから、親に捨てられ一般社会から隔離させられるのは当然のことよ」 
 「なるほど、俺みたいな無職やコイツらみたいな引きこもりやできそこないは最初からこの世界に産まれてこなければよかったと、お前は教育者でありながらそう言うんだな」
 「勘違いしないで、ここはあくまで社会不適合者を社会適合者にステップアップさせるための場所よ、閉鎖病棟じゃないわ」
 「同じだよ、働かなくてもここである程度の生活が保障されるなら、ここの出来損ないどもはあえて、社会に出ずにこの学園にずっと引きこもってるさ、そのほうがお前たちみたいな社会に適応している奴らにとっても都合がいい」
 「ま、確かにそこが最近問題になってるのは確かだけどね。でも野に放つより、ここで隔離しておけば少なくとも犯罪抑止力にはなるわ」
 「フフ...無職はみんな犯罪者か、まるでマスメディアだな...お前の子どもがせいぜい無職にならないように気をつけるんだな」
 「全力でそうさせてもらうわ」
 俺は全裸のまま、教室に入る。
 授業中にもかかわらず、学ランに身を包んだ四十代のハゲのおっさんが下半身を露出したまアイドルの歌を歌いながらチ●コをシコっている。
 周りの教師や生徒はもう見慣れてるのか、大したリアクションもせずに授業が再開される。
 そして数秒後、今度は生徒の一人であるメガネ君がいきなり奇声を上げながら教壇に立っている若い女教師の胸を両手で揉みはじめた。
 それを見たシコシコハゲジジイ四十歳のチ●コをしごく手の動きが速くなる。
 奇声おっぱい星人のメガネ君に両胸をもまれていた女性教師がスーツポケットの中に手を入れて何かのスイッチを押すとすぐに教室内に全身黒ずくめの特殊部隊が侵入してくる。
 特殊部隊に麻酔銃で撃たれた奇声おっぱい星人のメガネ君は担架に乗せられてどこかへと連れていかれる。
 それを見ていたチ●コシコシコハゲジジイ四十歳がチ●コをしごくのをやめていきなり上下にジャンプし始める。
 授業が再開される。
 太ったデブ女おそらく三十代がアニメソングを歌いながらブレイクダンスを踊り出す。
 教室に特殊部隊が突入する、授業中にブレイクダンスを踊っているデブが麻酔銃で撃たれて気絶する、担架でどこかへ運ばれる。
 授業中にガリガリメガネおそらく四十代が一人でカードゲームのバトルを開始する。
 教室に特殊部隊が突入する、カードゲーム大好きガリガリメガネおそらく四十代が麻酔銃で撃たれて気絶する、担架でどこかへ運ばれる。
 三十代と思われるチビデブハゲが教卓の上に登って呪文を唱えながらズボンとパンツを脱いでウンコし始める。
 教室に特殊部隊が突入する。教卓の上で呪文を唱えながらウンコし始めた三十代と思われるチビデブハゲが麻酔銃で撃たれて気絶する担架でどこかへ運ばれる。
 授業中にいきなり席を立った女性おそらく二十代がその場で側転をし始める。
 教室に特殊部隊が突入する。
 側転女が麻酔銃で撃たれて気絶する、担架でどこかへ運ばれる。
 授業中におそらく十代と思われる美少女が大声で世界の終わりを宣言し始める、麻酔銃で撃たれる、担架でどこかへ運ばれる。 
 授業中に交尾し始めた高齢カップルが
 授業中に席を立ってジャンプしているおっさんが
 授業中にイマジナリーフレンドと話しはじめたおっさんが
 授業中に幽霊と話しはじめた美少女が
 授業中にギターを引き始めたおっさんが
 授業中にラップバトルをし始めたおっさんと美少女が
 授業中にいきなり戦争の愚かさを唱え始めた美少女が
 授業中に突然、楽器でジャムセッションし始めたお兄さんとお姉さんが
 授業中にとうとう気が狂って泣き叫び始め暴れ出した女教師が
 特殊部隊に、麻酔銃で撃たれて、気絶して、担架で運ばれる。
 授業終了のチャイムが鳴る。
 俺は全裸のまま、教室を出る。
 俺は廊下に立っている大保方バルゴに問いつめる。
 「全裸でもおとなしくしてれば、特殊部隊に麻酔銃で撃たれないんですね」
 「それに関しては法則性はないわ、特殊部隊を教室に投入する判断基準はスイッチを持った教師の気分によって違うからね」
 「とにかく、これだけは言わせてせてもらう、たとえどんな理由があろうと俺たち社会不適合者は人間だ‼しかし、ここで行われているのはあまりにも人道に反している‼」
 「だったらどうするの?」
 「お前たち教師も、このフォレストフレンド学園とかいうふざけた名前の学校も俺が破壊する」
 「今、この学校を破壊すれば、ここの寮で生活している生徒もみんな死ぬわよ」
 「どっちにしろ、ここの生徒は皆、親に捨てられ、社会に居場所がない出来損ないどもだ、このまま人間扱いされずにここで生き続けるよりも、今ここで死んだ方が出来損ないどものためになる‼」
 「なら、私はここの生徒をあなたから守るわ!」
 「違うな!お前はそれを理由に妹の復讐をしたいだけだ!」
 「シンゴォォォォォォォォォォォォッ!」
 小室キエイと大保方バルゴがほぼ同時に叫んだ。
 フォレストフレンド学園が爆発した。
 瓦礫の山と化したフォレストフレンド学園に深紅のボディが特徴的な断罪王アインと黄色のボディが特徴的な断罪王ドライの巨体が向かい合っている。
  両手にカギ爪を装備した断罪王ドライが超高速移動で断罪王アインを翻弄する。
 小室キエイの視力では断罪王ドライの動きを捕らえることができない。
 だから。
 気がついた時にはもう断罪王ドライのクロー攻撃によって小室キエイの全身に何度も激痛が襲う。
 「ダメだ、やっぱ」
 狂撃の断罪インパクトを放つにしても敵が高速移動をしているのでうまく狙いを定めることができない。
 「おい、大保方バルゴ!今すぐ攻撃をやめないと断罪インパクトを世界中に向けて放つぞ‼」
 「フン、そんな脅しが私に通じると思っているのか?お前が断罪インパクトを放つ前に私がお前を殺してやる‼」
 気がついたらもう、大保方バルゴが操縦する断罪王ドライのカギ爪が断罪王アインの胸を貫通していた。
 断罪王アインの操縦席にいる小室キエイの口から大量の血が流れる。
 「あなたの家族には悪いけど妹の仇は打たせてもらうぞ...‼」
 断罪王ドライのカギ爪が断罪王アインの首を切り裂こうとした瞬間。
 断罪王ドライの両手が鮮血と共に宙を舞う。
 小室キエイと大保方バルゴの目の前に、二人とも見たことがない銀色の断罪王が姿を現す。
 「そんな...遺跡から発掘された断罪王は全部で八体のはず、メサイアの私ですら知らない九体目の断罪王が存在していたなんて‼」
 『我が名は...断罪王ヌル...』
 断罪王ヌルから発せられたと思われるテレパシーが虎夢路キエイと大保方バルゴの脳内に流れる。
 「断罪王ヌルだと....人類の守護者である断罪王に仇なす断罪王など...私は...私は認めないぞ!」
 両手を失った断罪王ドライから超高速で放たれるキックが断罪王ヌルを背後から襲う。
 しかし、断罪王ヌルは一瞬で断罪王ドライの背後に移動して、手刀で断罪王ドライの首を切断してしまう。
 「つ、強すぎる...‼」
 東京都内に断罪王ドライの首が転がる。
 断罪王ドライを超える機動力をもった断罪王ヌルの性能に小室キエイは圧倒される。
 「つ、次は俺が殺されるのか?嫌だ!俺はまだ...死にたくない、誰か、誰か助けてくれぇぇぇッ!」
 断罪王ヌルはボロボロの断罪王アインをしばらく凝視すると何もせずに、姿を消してしまう。
 「メサイアでも知らない断罪王...ヌル...いったいなんなんだよ...アイツは...」
 虎夢路キエイは突如、現れた謎の断罪王の存在に戦慄しつつも全てを終わらせるためにメサイアの本拠地がある静岡県へと移動を開始した。

次回予告
第五話 断罪王アイン 対 断罪王フュンフ!断罪王ゼックス!断罪王アハト!そしてついに爆誕!超覚醒!断罪王Ω〈オメガ〉‼ バカの話は長い!バカの話はわかりにくい!おい、おめぇらよぉ!人間同士で傷つけあうこんなクソみたいな世の中に親の都合で無理矢理誕生させられて、本当に満足なのか!答えろ!答えろって言ってんだよぉぉぉぉぉぉぉ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第五話 断罪王アイン 対 断罪王フュンフ!断罪王ゼックス!断罪王アハト!そしてついに爆誕!超覚醒!断罪王Ω〈オメガ〉‼ バカの話は長い!バカの話はわかりにくい!おい、おめぇらよぉ!人間同士で傷つけあうこんなクソみたいな世の中に親の都合で無理矢理誕生させられて、本当に満足なのか!答えろ!答えろって言ってんだよぉぉぉぉぉぉぉ!

 地球防衛軍メサイアの基地は静岡県の富士山にある。 
 メサイアが設立されてすぐに富士山そのものが改造されて八体の断罪王を所有する軍事基地になってしまったのだ。 
 そのメサイアの断罪王も小室キエイの断罪王アインを含めてあと四体。
 先日、小室キエイの目の前に突如出現した謎の戦士、断罪王ヌルも含めれば、今この日本には全部で五機の断罪王がいることになる。
 しかし、五機の断罪王が激突し、一体の断罪王が生き残ったところで宇宙からの侵略者ユーマとの戦争が終るわけではない。
 小室キエイは断罪王同士の戦いが人類にとって無益な戦いであると知りながらも、あえて全ての始まりの場所でもあり最終決戦の地でもある、静岡県の富士山へと足を踏み入れた。
 静岡県は地獄と化していた。
 岡山県から逃げ出したセミ人間とエビ人間。 大阪府から逃げ出した下地働助ケンタウロス。
 この三体のユーマが静岡県内に集合し、静岡県民を犯したり、食い殺していた。
 そして大量のセミ人間、エビ人間、下地働助ケンタウロスは自らの敵であるメサイアの本拠地へと向かっていく。
 その数の中にはこれまでに各都道府県でユーマに犯された人間から誕生したセミ人間、エビ人間、下地働助ケンタウロスも含まれている。
 「なんだよ...あいつらも俺と同じでメサイアを潰しに来たのか...それより、あの断罪王ヌルとかいうやつ...!」
 (断罪王ヌル...あいつは俺の味方なのか?それとも敵...?)
 どちらにせよ静岡県は今、世界で一番危険な場所になってしまった。
 「シンゴォォォォォォォォォォォォォッ‼」
 断罪王アインに変神した俺はメサイアの本拠地である富士山に向かって右手のひらをかざす。
 「狂撃のぉぉぉぉッ!断罪インパクトォォォォォォォォォォッ‼」 
 断罪王アインの右手のひらから放たれた断罪インパクトが富士山に直撃、爆発が起きる。
 小室キエイが放った断罪インパクトが開けた穴から無数のセミ人間とエビ人間と下地働助ケンタウロスがメサイアの軍事基地に侵入して内部のスタッフを犯したり、食い殺している。
 突如侵入してきた、異形の襲撃にメサイアの本拠地は阿鼻叫喚と化す。
 内部で怒号と悲鳴が飛び交い激しい銃撃戦となっている状況が断罪王アインと化した俺の超聴力を通して伝わってくる。
 「これは思っていたよりも早くけりが着きそうだな...」
 「それはどうかな」
 その言葉が小室キエイに向けて放たれたのと同時に富士山が突然、大噴火を始める。
 富士山の山頂から流れ出した溶岩が山を削る、溶岩は俺が狂撃の断罪インパクトで開けた穴にも流れ出して軍事基地内部のセミ人間、エビ人間、下地働助ケンタウロスと、それらと戦っていたメサイアのスタッフの肉体を超高熱で溶かしてしまう。
 「妹のビザビドには確か予知能力があったはず...なのに、なにもせずに..スタッフを囮にして基地ごと大量のユーマ共を破壊するつもりなのか!どうなんだよ!人として!」 
 噴火を始めた富士山頂から三体の断罪王、小室キエイの父親・小室ガゴが操縦する茶色のボディが特徴的な断罪王フュンフ、母親・小室マゴが操縦する紫色のボディが特徴的な断罪王ゼックス、妹・小室ビザビドが操縦する水色のボディが特徴的な断罪王アハトが出現する。
 「どうもなにも、ビザビドの予言通りだよ、なぁ、マゴ?」
 「ええ、そうねガゴさん。それにしても随分と派手な帰宅ね、キエイ。ビザビドちゃんもきっとよろこんでいるわ」
 「久しぶりに会えてうれしいよ兄さん...また一緒にブルーギルを釣りに行こうね」
 「ビザビドの予知能力があればこうなることがわかっていたはずだ!なのにお前たちは、あの気色悪いユーマ共を全滅させるために、あえて基地のスタッフを避難させずに囮にしたのか?」
 「その通りだよキエイ、でも我々はビザビドの予言のおかげでこうして基地から脱出して愛する息子と再会できた‼」
 「それにこの事態を招いた原因はあなたにもあるのよキエイ」
 「なんだと‼」
 「母さんの言う通りだよ、兄さんが焼肉酒屋あびすや寿司屋しゃかりきアニサキスでガチキレして断罪王アインに変神していなかったら、セミ人間、エビ人間、下地働助ケンタウロスが日本中で暴れることもなかった...」
 「ビザビドの言う通りだよ...キエイ、そろそろ私たち家族のもとへ帰ってきなさい。新しい基地ならまた別の場所に作ればいい、それにユーマに唯一対抗できる断罪王を所有している我々家族はこの国では無敵の人だからね、今回のスタッフを囮にしてユーマを殲滅したことも国は見て見ぬふりをしてくれるから安心しなさい」
 「それに断罪王ドライにも勝てないあなたの断罪王アインでは私たちが操縦する三体もの断罪王に勝てるわけがないわ!」
 「うるせぇよ‼俺は今日、お前らをぶっ殺すためにここに来たんだ‼俺は何物にも縛られない‼俺は自由だ‼俺は神だ‼俺が最強なんだよぉぉッ‼くらえッ‼狂撃のぉぉぉッ‼断罪インパクトォォォォォォォォッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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  断罪王アインの手のひらから放たれた狂撃の断罪インパクトが断罪王フュンフ、ゼックス、アハトに直撃する。 
 「やったぜ‼」
 狂撃の断罪インパクトの直撃を受けた断罪王フュンフ、ゼックス、アハトとその操縦者である小室ガゴ・マゴ・ビザビドは狂撃波動を脳に受けて死亡する...はずだった。
 しかし、つぎの瞬間、小室キエイは狂撃の断罪インパクトを放つ直前の時間軸に飛ばされていた。
 「なに?時間が巻き戻ったというのか‼」
 「その通りだよ、兄さん。僕の断罪王アハトは時間を巻き戻すことができる。僕は未来予知能力で相手の行動を未来予知できるし、仮に未来予知と違う現象が起きたら断罪王アハトの力で時間を巻き戻してなかったことにすることもできる‼」
 「とりあえず、聞き分けのわるい子にはお仕置きだな‼」
 「そうね、あなた‼」
 小室ガゴの操縦する断罪王フュンフの全身に装備された無数のレーザービーム砲から放たれたビームのシャワーが断罪王アインに降り注ぐ。
 「うあああああああああああああッ!」
 小室マゴの操縦する断罪王ゼックスの全身に装備された無数のドリルミサイルがビームのシャワーを浴びせかけられている断罪王アインに直撃する。
 「ぐあああああああああああああッ!」
 「兄さん、もう降参しなよ、僕たち人類の敵はユーマなんだ、今は人間同士で争っている場合じゃない」
 「基地のスタッフをセミ人間共と道ずれにしたお前たちにそんなことを俺に言う資格があるのか?」
 「そういう兄さんだって怒りに身を任せてこれまで大勢の人間を傷つけて殺して食ってきただろう?僕達人類は何も犠牲にせずに生きることはできないんだよ‼」
 「ならそうならないように、お前が断罪王アハトの力で時間を巻き戻せばいいだろ‼」
 「兄さんも知っているだろ?断罪王の力を使うにはかなり体力を使うことを。だから一日に何度も時間を巻き戻せるわけじゃない」
 「ビザビド、しゃべりすぎだぞ‼」
 「あなた、今のうちにキエイにとどめを‼」
 「残念だよ、兄さん...これでお別れみたいだ...」
 断罪王フュンフの無数のビーム攻撃と断罪王ゼックスの無数のドリルミサイル攻撃を同時受けた断罪王アインの巨体は黒焦げになり、全身穴だらけになった状態で地面に仰向けに倒れている。
 「ダメだ、やっぱ...俺は家族に殺されるのか...」
 その時、断罪王アハトを操縦していいたビザビドは空から落ちてくる雷を見た。
 そして、その雷が断罪王アハトに直撃して爆砕する未来を予知したビザビドはすぐさまその未来を回避するために断罪王アハトの力で時間を巻き戻そうとする。
 しかし、すこし遅かった。
 光の速さで頭上から突撃してくる雷は断罪王アハトの時間を巻き戻す能力が発動するわずか一秒前に断罪王アハトに直撃していた。
 「ビザビド‼」
 「ビザビドちゃん‼」
 鉄くずと化した断罪王アハトの上に断罪王ヌルが立っている。
 小室ビザビドの操縦する断罪王アハトを爆砕したのは雷ではなく断罪王ヌルだったのだ。
 「やはり来たか...断罪王ヌル!」
 「誰が操縦してるのかは知らんが、我々メサイアに無断で断罪王を使い、ビザビドまで殺しおって..貴様だけは絶対に許さんぞ‼」
 「断罪王ヌル...あなたの正体も目的はもわからないけれど...ビザビドちゃんの仇は絶対にとらせてもらうわよ‼」 
 小室ガゴの操縦する断罪王フュンフの全身から放たれた無数のビームと小室マゴの操縦する断罪王ゼックスの全身から放たれた無数のドリルミサイルが断罪王ヌルに向かって一斉に放たれる。
俺は父さんと母さんの意識が断罪王ヌルに向いている隙を突いて、満身創痍の断罪王アインの狂撃の断罪インパクトを断罪王フュンフと断罪王ゼックスに向けて放つ。
 「もう時間を巻き戻せる断罪王アハトはいない‼くらえぇッ!狂撃のぉぉぉッ‼断罪インパクトォォォォォォォォォォッ‼」
 満身創痍の断罪王アインから放たれた全力の狂撃の断罪インパクトが小室キエイの両親が操縦する断罪王フュンフと断罪王ゼックスを直撃する。
 「キ、キエイ...お前は...親を殺すのか...!」
 「キエイ...ああ...あなたさえ産まれてこなければ...!」
 「お前たちだって俺を殺そうとしたじゃないか...‼それに俺は自分で選んでお前たちのもとに産まれてきたわけじゃない‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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                *
 狂撃波動を脳内に受けた小室ガゴと小室マゴが目を覚ますと目の前に暗闇が広がっていた。
 暗闇の中で小室キエイが全裸のまま空中で座禅を組んでいる。
 そして小室キエイの声が頭の中にテレパシーのように聞こえてくる。
 「俺はずっと父さんと母さんとビザビドのことが憎かった。父さんと母さんはビザビドが生まれてビザビドに未来を予知する能力があるとわかった時から俺の存在なんてまるで最初からなかったみたいに無視して、ビザビドだけに愛情を注ぎ込むようになった‼そして嫌がる俺を無理矢理モルモットにして断罪王アインの操縦者にした‼だから俺はそんな家族に嫌気がさしてメサイアの基地から脱走してあなた達から距離を置いた‼」
 「そうよ...あんたさえ産まれてこなければ、こんなことにはならなかった‼」
 「やめないか、マゴ‼すまなかったなキエイ。我々はビザビドの予知能力と断罪王の力に魅せられて、親として、人として大事なことを忘れてしまっていたのかもしれない...でもキエイ...これでこの世界に存在する断罪王はお前のアインとヌルの二体だけになってしまった...お前たちだけで果たしてこれから地球を襲ってくるユーマに勝てるのか?」
 「父さんは俺のことを心配してくれてるんだね...ありがとう...でも大丈夫だよ、断罪王アインがね、変神するたびにいつも教えてくれるんだ、断罪王は地球の味方であっても人類の味方ではないって、地球に危険をもたらす存在がたとえ人類でも断罪王は地球から人類を滅ぼすんだって...俺にそう教えてくれるんだ」
 「わかっていた...わかっていたはずなのに...現に、遥か太古の昔に環境破壊を続ける人類は地球の意思の代弁者である黒の断罪王によって一度、滅びていた...私はそれを断罪王フュンフから教えられていても、断罪王をユーマから人類と家族を守るための盾にしたかった...」
 「父さん...」
 「宇宙の意思は我々人類が宇宙軍事開発を始めたことで宇宙全体に戦争が広がることを恐れて、宇宙からユーマを地球に投下して宇宙軍事開発を実行した人類と人類を作った地球を滅ぼそうとしたんだ」 
 「つまり、果てしなく争い続ける俺たち人類と人類を生んだ地球はもう、宇宙全体にとって必要のない存在なんだよ」
 小室ガゴと小室マゴの目の前に突然、大量のセミ人間とエビ人間と下地働助ケンタウロスが出現する。
 「父さん...母さん...さようなら...」
 大量のセミ人間とエビ人間と下地働助ケンタウロスが小室ガゴと小室マゴを取り囲み、体を触ってくる。
 「父さん...母さん...この特別な異次元空間で元気なユーマの子供を産んでね...」
                *
 そして現実の小室ガゴと小室マゴは黒こげになった断罪王フュンフと断罪王ゼックスのコックピットの中で両目と鼻から大量の血を流して死んでしまっていた。
 小室キエイは両親を殺して、地球防衛軍メサイアを壊滅させた。
 謎の戦士・断罪王ヌルは断罪王アインに何もせずにただ見つめている。
 しかし、激戦で大きなダメージを負った小室キエイと断罪王アインに断罪王ヌルと戦う力は残っていなかった。
                *
  断罪王ヌルがテレパシーで俺に聞いてくる。
 『お前は人間でありながら人類と断罪王を悪用していた人間たちを滅ぼそうとしていた』 
 「なんだ...?頭の中で声がする...」
 『だから、宇宙の意思が生み出した、断罪王ヌルはお前を助けた』
 「なるほど...なら断罪王ヌル、宇宙の意思が生み出したお前の目的は地球と人類の滅亡なんだな...」
 『その通りだ。人類であるお前には人類と地球を滅ぼす覚悟が本当にあるのか?』
 「その覚悟が俺になかったらお前は俺をどうするつもりなんだ?」
 『他の断罪王と同じく、滅ぼす』
 「なら安心しろよ!人類だろうが、地球だろうが俺が気に食わないものは全部俺がぶっ殺す‼」
                  *
 次の瞬間、断罪王ヌルと満身創痍の断罪王アインが光に包まれて一つになる。
 地球の意思が生み出した断罪王アインと宇宙の意思が生み出した断罪王ヌルが一つになる。
 小室キエイの全身にこの宇宙全ての力と情報がみなぎってくる。
 そうか...そういうことだったんだな...!
 そう、断罪王ヌルのヌルはドイツ語でゼロを意味する。
 ゼロは終わりでもあり始まりでもある。
 つまりゼロは可能性。
 断罪王ヌルは無限に進化する。
 小室キエイが全身にみなぎる無限の可能性に興奮する。
 やがて一つになった断罪王アインと断罪王ヌルを包んでいた光が消え、金色のボディが特徴的な新たな断罪王が地上に君臨する。
 「断罪王Ω〈オメガ〉...これが俺の新しい力...」
 俺は金色に光り輝く断罪王Ωの右手のひらを海の向こう側に向けてかざして叫ぶ。
 「狂撃のぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼断罪インパクトォォォォォォォォォッ‼」
 俺は断罪王Ωの超感覚によって海の向こうで狂撃波動を浴びた人びとの不幸を感知する。
 そして、すぐに全人類に対して敵対的な存在とみなされた断罪王Ωを破壊するために、各国の所有する謎の人型起動兵器12260機が日本に集結して断罪王Ωに一斉に襲いかかってくる。
 (なるほど...海外のやつらは断罪王が地球から一人残らずいなくなった時のことを考えてアレを開発していたのか...しかし‼)
 俺は断罪王Ωの右手のひらを謎の人型機動兵器12260機に向けてかざす。
 そして叫ぶ。
 「狂撃のぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼オメガ‼断罪インパクトォォォォォォォォッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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 その時である、宇宙の意思そのものである断罪王Ωの誕生に導かれるように宇宙から大量のユーマが地上に向かって降下してきた。
 人類に逃げ場、ねンだわ。

  この物語はフィクションです。実在する人物及び団体には一切関係ありません。 
 

 
後書き
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!小室キエイの物語は今回でおしまいですが、次回からは、今回の話にもちょっとだけ出てきた黒の断罪王の物語「超地球救済戦記G断罪王」を皆様にお届けしたいと思います。次回もお楽しみに! 

 

第六話 超地球救済戦記G断罪王! 戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!極悪非道な人類から宇宙船地球号を守れ!自分の子供を餓死および虐待死させるような人間は恋愛もセッ●スもするな!ペットの餌を買う金がねぇのにペット飼うバカがいったいどこにいるんだよ?なぁ‼なぁ‼なぁ‼

 
前書き
 たび重なる戦争、環境破壊を繰り返す人類はもはや地球にとって危険な存在になってしまった。
 地球の意思は自らを守るために人知を超えた力を使い、人間とあらゆる生命体を人食い生命体アンノウンに進化させることで人類を滅ぼすことにした。
 しかし、人類はアンノウンから身を守るために人類の防衛を目的とした組織、至高天を結成し、環境破壊を繰り返し人型機動兵器・銀装天使を開発してアンノウンを次々と撃破していく。
 これに対して地球の意思は戦争の長期化による人類の環境破壊を一刻も早く終わらせるため、約束された終末に抗う愚かな人類にさらなる鉄槌を下すために究極の社会不適合者、石川マサヒロに神に等しき力を持つ黒の断罪王の力を与え、至高天が開発した銀装天使に対抗するのであった。
 これは人類を滅ぼすために地球の意思が生み出した究極の人型起動兵器・断罪王とやがて人類が滅びることを知っていてもなお、地球環境を破壊し尽くしてまで生き延びようとする愚かな人類が作り出した人型起動兵器・銀装天使との戦いの物語である。 

 
 人類は今、滅びようとしている。地球上に増えすぎた人類は己の欲望を充足させるために自然を破壊し続ける。
 人びとは地球の住人でありながら自らの生活に必要不可欠な住居を破壊し続けているのだ。
 わかりやすく言えば自分の家を自分たちで破壊しているようなものである。
 ではその結果どうなるか?
 自然破壊により人間の住むことができなくなった地球上で人類は絶滅するしかない。
 人類が絶滅すれば、確かに自然破壊は止まるだろう。 
 しかし、人類が一人もいなくなった地球上には破壊尽くされた自然とその愚かな人類が残した建造物だけが残されるのだ。
 生命体の命と同じく一度失われた自然は二度と元には戻らず、人類が自らのために作り上げた建造物は人類が絶滅した地球上では存在価値がない。
 そして自然環境が破壊し尽くされた地球上には人間以外の動物や昆虫も無論、生き延びることは不可能である。
 つまり、地球上で今一番必要ない生命体は自然破壊が悪と知りながらそれを止めることができない人間である。
 そして、命の危機を感じた地球は自らの命を人間達から守るために地球上に存在するあらゆる命をおよそ人知を越えた力で人間を遥かに超越した生命体に進化させた。
 人類はその生命体の名をアンノウンと名付けた。
 地球上のあらゆる生命体、つまり人間を含めた命あるすべての生命体は地球そのもの意思により人知を超えた方法でアンノウンに進化してしまう。
 ミミズだってオケラだってアメンボだって人間だってみんなみんなアンノウンに進化して人間を殺し、食い尽くす。
 そして人類に生息するすべての人類を食いつくしたアンノウンはやがて栄養失調でみんな死ぬ。
 地球そのものを怒らせた人類に逃げ場なし、生きる資格なし!
 しかし、アンノウンの正体と約束された終末を知りながら人類はあらゆる知恵を兵器を使って人類防衛組織、至高天を結成して環境破壊を繰り返し人型起動兵器・銀装天使の開発に成功する。
 人類はアンノウンから身を守るために銀装天使を操縦して世界中で不定期に出現するアンノウンを撃破することで愚かにもまだ生き延びようとする。
 なんの目的もなく、ただ生きていたいそれだけのために、このお金では買うことのできない自然という命で満ち溢れた母なる星、地球の平和をアンノウンから守ると称し、自らの家である地球を破壊し続ける。
 人類は自分たちが絶滅すれば食料である人間を失ったアンノウンもまた絶滅すると知りながら、今も多くの自然を犠牲にして対アンノウン兵器である銀装天使の開発を続けている。
                 *
 平日の午前中から一人の成人男性が大量の汗を流しながら住宅街の道で竹刀を両手にもって素振りをしている。
 その男は地球上の全ての人類に対してアンケートをとったら地球上の全ての人類が醜悪と認めるであろう姿をしていた。
 そう、俺、石川マサヒロ身長170センチ以下で二十二歳無職童貞ニートの前にある日突然、アダルトゲームに出てきそうな美少女が空から降ってきたんだ。
 早朝のテレビニュースで見た天気予報にはないアクシデントに俺は驚愕と若干の期待を覚えられずにはいられなかった。
 そう、この俺、身長170センチ以下で二十二歳無職童貞の石川マサヒロはずっと待っていたのだ。
 この終末とアンノウンの進化におびえ続ける糞みたいな日常をぶっ壊してくれる何かを。 
 そしてそれは空から降ってきた。
 アダルトゲームに出てきそうな完璧完全美少女の姿をしたそれは、空から降ってきたというのに痛い顔せずに二本の両足でしっかりと地面に立っていた。 
 例えばその美少女について具体的にどんな容姿なのかと問われても、その人間によって美少女の物差しは違う、つまりこの地球上に寄生し続ける愚かな寄生虫地球人類の数だけ、その人間の美少女像は異なるので、あえて細かくは説明しない。
 上空から突如飛来してきた美少女の容姿についてはこの作品を呼んでいる諸君のご想像にお任せしよう。 
 「そこの美少女!空から降ってきたのにどうしてそんなに平気そうな顔をしてるんですかっ!足痛くないんですかっ!」
 「我が名はメシア、人類からこの星を守るために地球に創造された救世主である」
 ほれ見ろ!俺的完璧完全美少女は俺が名前をたずねたわけでもないのに自らの名をメシアと名乗った。
 もしかすると地球上で愚かな人類を食い殺しているアンノウンとなにか関係があるのだろうか?
「俺の名前は石川マサヒロだ!俺は今、人生がうまくいかなねぇ!ついでに地球上で人類の平和を守るとか言って巨大人型兵器・銀装天使でアンノウンをぶっ殺している地球人類が許せねぇ!その銀装天使の開発のせいで多くの自然が犠牲になるからだ!アンノウンを地球上から滅ぼしたところで俺達愚かな糞人類はいずれ自らによる自然破壊のせいで絶滅してしまう!お前は救世主なんだろ?だったら今すぐ、なんとかしてくれよ!」
 俺は俺的完璧完全美少女であるメシアに土下座しながらガチギレした。
 「だからこそだ…身長170センチ以下で二十二歳で無職童貞ニートの石川マサヒロよ、地球の意思は愚かな人類から地球を守るために私を創造し、地上に投下した。そして私とお前が一つになり地上に断罪王〈ダンザイオー〉が誕生する」
 どうやら地球の意思とやらは平気で他人のプライベートを詮索するのが好きらしい。
 「断罪王〈ダンザイオー〉…?」
 「そう、断罪王。地球の自然を破壊する愚かな人類を断罪する究極の巨大人型兵器。いいからコレを読め、その本の名は終末黙示録」
 メシアは俺に向かって辞書のようなものを片手でぶん投げてきた。
 そしてその辞書のようなもの、終末黙示録が俺の顔面に直撃した瞬間、俺の脳内にあらゆる情報が流れ込んできた。
 「そうか…そういうことだったのか…」
 俺の脳内に流れ込んできた情報について俺はどう説明すればいいのかわからない。つまり説明はできないが、確かに理解したのだ、全てを、そう俺は全てを理解した。
 「そうか…やはりそういうことなんだな?」
 「そうだ…そういうことだ…では始めなさい」
 「シンゴォォォォォォォォォォォォッ!」 
 俺は先程まで竹刀で素振りをしていた住宅街の道で終末黙示録に記されていた呪文を叫んだ。
 そして次の瞬間、俺の身に着けていた衣服は一斉に全部切り裂かれ、目を開けると全身真っ黒な巨人と化していた。 
 そして足元を見ると、俺の両親が住んでいる家や近所に住んでいる学生時代好きだったメス、ミサキちゃん、学生時代に俺を苛めていたヨシキの家もぺしゃんこになっていた。
「よっしゃあっ!ざまぁみろ!バーカ!死ねバーカ!イエイ!イエイ!イエイ!イェェェェイッ!ハァァァァァァッ!」
 断罪王と化した俺の足がかつて俺に対して極めて失礼な態度をとった俺の両親とミサキとヨシキと俺と何の関係もないクソ野郎どもの命と家族と居場所を踏みつぶしていたことを確認した俺は歓喜の呪詛を青い空に向かって放った。
 「自分の親やなんの罪のない人間たちの命を奪ったというのに石川マサヒロはずいぶんと平気そうですね…」
 俺の脳内に俺と一つになったメシアが語りかけてきた。
 「平気?ああ、平気だぜ!母さんも父さんもあの大多数の認識を共有することが正しいと思ってる馬鹿どもが開発した四角い電子機器から放たれる少数派の人類がこの世で生きていくのを否定するような思想を強制する呪詛に心を蝕まれ今の俺を否定し続けた!血のつながった家族なのにな!ミサキちゃんは俺のことを好きになってくれなかった!一つになってくれなかった!ヨシキは言葉と暴力で俺の存在を否定した!強制的に終末黙示録を学習させられた俺は全てを見た!全てを悟ったのだ!断罪王と化した俺は神だ!それが過去であろうと未来であろうと、神である俺を否定するものはみんなぶっ殺してやる!そうだ断罪してやるんだ!俺は断罪王!俺が馬鹿で愚かでクソみたいな人類を地球上から一人残らず滅ぼしてやるぜ!そう…この地球のためにな」
 全身が黒色の超巨大ロボット断罪王と化してテンションマックスな俺は勢いででんぐり返しを繰り返し、付近の住宅と住民を破壊し続ける。
 「ぼあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんあッ!」
 新世紀の神にして断罪王である俺が気持ちよくなっていると、足元で血塗れで体から内臓が飛びだしている母親の死体を抱いた少年が急に叫びだした。
超先進国日本に生きる他の連中の奏でる美しい悲鳴や罵声と違い、そのクソガキの叫び声だけが発展途上国モンゴルの国民が歌うホーミーみたいに聞こえたので俺はなぜか不機嫌になる。
そして次の瞬間にはクソガキホーミーの肉体は崩壊し、中から最近地球上で人間を食い殺しているので有名な巨大生物・アンノウンが現れた。
 「あのクソガキ…神であるこの俺の許可もなくアンノウンに進化しやがった…もうぜってぇ許さねぇっ!」
 「どうしてお母さんを殺したんだ!お前は何者なんだよ!」
 俺の脳内に俺に母親を殺されたクソガキの声が響いてくる。なんということだ!あのクソガキはアンノウンに進化してしまったというのに自我が残っているではないか。
 しかし俺の抱いた疑問は事前に超速学習させられた終末黙示録の情報補足によってすぐに解決することになる。
 「なるほど…進化に決まった形はないというのだな、ゆえに大多数の価値観で構成された形こそが人のあるべき形であることを強制する今の人類は滅ぶべきであると…ふむふむ…つまりこの世界にルールなんて必要ないということか!そうだ…この天然自然の極楽浄土である地球上に人間のバカげた精神論が産んだこの社会なんて必要ねぇんだ!所詮この世は弱肉強食、弱い者は死に強い者だけが生き残る!それが自然の法則!そして、この断罪王である俺だけが神!この世で生きるにふさわしい生命体は神であり断罪王である俺!石川マサヒロただ一人!」
 「あたまがおかしいのかぁ!貴様ぁッ!」
 アンノウンに進化したクソガキのパンチが断罪王である俺の顔面に向かってくる。
 断罪王と化した俺はクソガキパンチを片手で受け止め、クソガキの拳を粉々にした。
 「まあああああああああああああッ!痛いよぉおおおおおッ!ママぁぁぁッ!」
 「くく…ママか…お前もしかしてマザコンか?気持ち悪い、死ねっ!」
 「なんだと…お前こそ!大人のくせして自分のケツも自分で拭けないくそ野郎じゃないか!」
 「なんだと貴様ァッ!俺は断罪王だぞッ!」
 「有名だからな!この近所で無職で童貞で身長170センチ以下で毎日、家の前で竹刀で素振りしているニートの石川マサヒロの噂はな!僕の隣のミサキお姉ちゃんもお前のことを学生時代のころからキモイって言ってたぜ!」
 俺はクソガキの暴言に応える代わりにアンノウンと化したクソガキのケツの穴に思いっきり断罪王の拳をぶち込んでやった。
 「うあああああああああああああああああああああ、お尻が、お尻が痛いよぉぉぉぉぉぉ!」
 「当たり前だァ!俺がてめえのケツの穴に正拳ぶち込んでやったんだからなァ!」
 巨大なアンノウンに進化したクソガキのケツから流れる大量の血液と糞がその真下にある住宅街を真っ赤に染める。
俺はケツから大量の血を流し続けるクソガキアンノウンに向かって、空間を切り裂き異次元から呼び寄せた必殺剣・断罪剣を右手に持って正面から振り下ろす。
断罪剣により真っ二つになったクソガキアンノウンの体内から吹き出した血液がかつて俺の故郷で会った埼玉県さいたま市を真っ赤に染めた。
 「さよならかがやくさいたま」
 「どうやら、もうすでに手遅れだったみたいだな…」
 上空から巨大な何かが俺の目の前に落下してきた。
それは人類が自然を破壊し尽くし、アンノウンを破壊するためだけに開発した正義のロボット銀装天使のうちの一機、シェムハザだった。

次回予告
断罪王 対 銀装天使シェムハザ!どうせ離婚するなら最初から恋愛も結婚もセッ●スも出産もするな!身勝手な両親の消費期限付きのくだらねぇおままごとのせいで人間同士が死ぬまで争い続けるこんな不平等でくだらねぇ世の中を強制される子供たちの気持ちを考えろ! だいたい結婚式場でご祝儀投げ銭した大勢の親族や友人の前で神に誓ったんだろ?いや、ちょっと待てよ?でも離婚するってことは結局、神なんて最初からいねぇってことだよなぁ?どうなんだよ!そこんとこォ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第七話 断罪王 対 銀装天使シェムハザ!どうせ離婚するなら最初から恋愛も結婚もセッ●スも出産もするな!身勝手な両親の消費期限付きのくだらねぇおままごとのせいで人間同士が死ぬまで争い続けるこんな不平等でくだらねぇ世の中を強制される子供たちの気持ちを考えろ! だいたい結婚式場でご祝儀投げ銭した大勢の親族や友人の前で神に誓ったんだろ?いや、ちょっと待てよ?でも離婚するってことは結局、神なんて最初からいねぇってことだよなぁ?どうなんだよ!そこんとこォ!

 
前書き
設定解説
石川マサヒロ… 主人公、身長170センチ以下の無職童貞ニートで究極の社会不適合者。
断罪王… 約束された人類の滅亡に抗う愚かな人類を粛正するために地球の意思が生み出した究極の人型兵器。
メシア… 地球の意思によって生まれ、断罪王の操縦者に選ばれた存在を真理に導く使命を持つ美少女。
アンノウン… 人類による度重なる環境破壊に身の危険を感じた地球の意思が人類を滅ぼすために人間や動物を強制的に進化させた巨大生物。人間を食べないと死んでしまう。
至高天… 人型起動兵器・銀装天使を開発し、約束された終末から人類を救うためにアンノウン、断罪王と戦っている組織。


 

 
「私の名はマルヤマ!この銀装天使シェムハザの名において、私は人類の敵である貴様を断罪する!」
 「天使…?断罪?くくく…ちがうな…断罪されるのは貴様の方だ!」
両手が剣になっているシェムハザの二刀流斬撃攻撃が断罪王である俺に襲いかかってくる。
俺は異次元から2本目の断罪剣を地上に召喚して左手に持ち、その攻撃を受け止める。
 「お前…フェミニストだな…おまけにまあまあ美少女だ!」
 「貴様…なぜわかる…」
「俺は終末黙示録を読んだからな、今の俺に不可能はない!お前の夢は完全な男女平等である。しかしだァ!もしこの世界が完全な男女平等世界になり果てたら、銭湯もトイレもスポーツも徴兵もすべて男女で共有しなければならない!つまり、銭湯やトイレで貴様らフェミニストが男に暴行されても、お前たち薄汚ぇ!三次元の雌豚どもはなんの文句も言えねぇ…いや!神である俺が言わせねぇ!」 
 俺は眼力だけで異次元から地球上空に三本目の断罪剣を召喚して銀装天使シェムハザの頭部に向けて超速落下させる。
 「何、上から剣が降ってくる!」
 シェムハザは上空から突如、降ってくる断罪剣を回避するために右に移動する。
しかしその結果、クソガキの血と便で真っ赤に染まった埼玉県さいたま市内の住宅街に巨大な断罪剣が突き刺さってしまう。
 「おい!おい!おい!お~いっ!いいのか!フェミニスト?お前が俺の断罪剣を回避したせいで本来お前が守るはずの一般市民が断罪剣に串刺しにされて血まみれになっちまったぜェェェェッ!断罪剣ツインブレェェェェェェードッ!」
 俺はシェムハザが上空から飛来する三本目の断罪剣を避ける隙を狙ってシェムハザの背後に超速移動していたのだ。
そして背後からの俺の攻撃、二刀流断罪剣ツインブレードがシェムハザの背中に直撃した。
 「くっうああああああああああああああああああああああああああああっ!」
 「いい声してやがるぜ!銀装天使のパイロットよりエロゲ声優のほうが向いているんじゃないか?」
 「黙れ!この大量殺人鬼の無職が!無職の貴様に人の職業を馬鹿にする資格はない!貴様のような自分のケツも拭けない生活能力ゼロの無職は死ねぇ!」
 「うるせぇ!俺を誰だと思ってる!俺は新世界の神!断罪王石川マサヒロだ!」
 二本の断罪剣に串刺しにされたシェムハザの背中が風船のように膨らみ始める。
 「マルヤマ!お前は一体何を始める気だ!」
 「銀装天使は世界最高民族日本国の人類防衛部隊である至高天が機械工学でもって開発したスーパーロボットなんだ!無職なんかの貴様にフェミニストである私が負けるわけがないんだ!」
 蝉が脱皮するようにシェムハザの背中を突き破って美少女マルヤマの顔をした全身白色の巨大なアンノウンが出現する。
しかしその全身には高齢者男性と思われる顔が無数に浮き出ており。俺は断罪王の口から嘔吐してしまう。
クソガキアンノウンの血と便で汚れきった埼玉県さいたま市に新世界の神・断罪王の吐しゃ物が滝のように直撃する。
 「この…新世界の神である断罪王石川マサヒロを嘔吐させるとは…ふふふ…しかし今この瞬間、終末黙示録と繋がった俺にはすべてがわかる…貴様の全身に浮き出たクソジジイの顔は全て同じ顔をしている!そうだ貴様はあの日!世界の滅亡が予言されていた1997年の7月に人類の滅亡が来なかったことに絶望したオカルト教団の教祖である義父に暴行されたんだよ!貴様は今も生活のために義父に思うがままにされた自分を許せない、そしてかくかくしかじかでフェミニストになった!」
 「それが一体なんだというのだ!私はたとえこの身が人類の敵アンノウンになろうとも人類を滅ぼそうとする断罪王と女を玩具としか思わない男たちを地球上から滅ぼしてやる」
 「黙れェェッ!マルヤマァァァァァァッ!愛してるぅぅぅぅうッ!」
 アンノウンに進化してしまったマルヤマの全身に浮き出した無数の丸山の義父の顔の口から一斉に歪んだ愛の叫び声が発せられ、それと同時に無数の触手が放出される。
俺は断罪王の両胸の装甲版を展開、断罪ビームで俺に向かってくる触手を消滅させる。
 「マルヤマァァァァァァッのことがスキダカラァァァァッ!」
 マルヤマの全身から浮き出た義父の人面からは義理の娘への歪んだ愛が一昔前に世界最高民族日本の女性高齢者の間で流行した韓流スターのような声の超音波になって断罪王に襲いかかってくる。
 「なるほど物理的な攻撃が断罪王に効かないことを知り、感覚的な攻撃に切り替えたか、賢いな、だがしかし!俺には終末黙示録が見せてくれた真理がある!貴様の歪んだマルヤマへの愛は俺が打ち砕く!断罪フラッシュ!」
                *
 一九九七年七月×日
 「おいおいおいおいお~い!教祖様!俺たちは今日、この日に人類が滅亡すると信じてあんたに高い金を払い厳しい修行に耐えてきたんだぜ!なのに世界の終わりは来ない!一体どうしてくれるんだ!」
 「そうだ!金返せ!このインチキ教祖!」 
 「そうだ、そうだ!」
 「ボアしてやる!」
 マルヤマの通う聖バディグディ中学校の体育館内で大勢の信者に糾弾されるマルヤマの義父は驚愕と絶望でなにも言葉にすることができない。
 大勢の元信者がボアの曲を歌いながらマルヤマの義父である教祖をボコボコにリンチする。 
 元信者がいなくなった聖バディグディ中学校の体育館にはマルヤマとその義父だけが取り残される。
 「私はパパのこと信じてる…いつかかならず人類が滅びるって…世界中のみんながパパの敵でも私だけはパパも味方だよ!」
 「お前は私を慰めてくれるのか…」
 「え…?パパ…何するの…」
 まだ幼いマルヤマに覆いかぶさるマルヤマの義父…その後のことはあえて語るまい。
 「なるほど…これがマルヤマのトラウマだったのか…こうしてマルヤマはかくかくしかじかで男性に対して強い嫌悪感を抱きフェミニストに覚醒してしまう…」
 「メシア…すごいな…断罪王は…こうして他人の精神世界に干渉できる!」
 「断罪王は神。この世のあらゆるものは神が想像し、創造した、そう時間でさえも…」
 俺は時間をマルヤマの義父がマルヤマに暴行をする寸前に巻き戻す。
 「そのくらいにしろロリコン!」
 「なんだ貴様は!」
 「俺の名は断罪王、未来から来た。でも未来じゃもうアンタもアンタの娘も死んでるぜ」
 そうだ、あと数日後に自分の子どもをマルヤマに中絶され発狂したマルヤマの義父はアンノウンに進化して高校生のころ俺の愛の告白を断ったハルカの操縦する銀装天使バラキエルに破壊される。
 そしてマルヤマは自分を救った銀装天使に強いあこがれを抱く。
 マルヤマの通う聖バディグディ中学校の体育館の屋根を突き破ってマルヤマの精神世界で断罪王になった俺はマルヤマの義父を片手で握り潰した。
                *
 そしてマルヤマの精神世界からもとの時間軸の世界に帰還した俺の頭の中にある一つの疑問が浮かぶ。
「しかし…なぜあの時間軸にハルカが存在するんだ…?」
俺の目の前にいるアンノウンに進化したマルヤマの全身にあったマルヤマの義父の顔は全て消えていた。
 「マルヤマ…お前が義父に暴行された事実は俺がこの世界から消した…」
 男性への恐怖と憎しみから解放されたマルヤマの顔をしたアンノウンは満面の笑みを浮かべて直射日光を受けたアイスクリームのように溶けていく。
 クソガキの血液と便と新世界の神、断罪王の吐しゃ物に塗れた俺のふるさと埼玉県さいたま市をアイスクリームのように溶けていくマルヤマアンノウンの肉体が全ての汚れを浄化する様に真っ白に染め上げていく。
 俺は断罪王の背中に生やした断罪ウイングで飛翔して茨城県つくば市を目指す。
次回予告
第八話 自分の子供に大人になったら親から自立しろとか言ってんじゃねぇよ!てめぇのケツから出したクソは死ぬまでてめぇでちゃんと処理するんだよ!ペットの面倒は死ぬまで見るくせに大人になった自分の子供には自立を促す心無い親は収容所で毒ガス浴びたまま念仏唱えながらブレイクダンスでも踊ってろ!自分の子供に経済的に苦しい生活を強制した結果、急に倒れたらいったい誰が救急車呼ぶんですかね?大多数の固定観念で構築されたクソみたいな社会常識と自分の子供の命、どっちが大事なんだよ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第八話 自分の子供に大人になったら親から自立しろとか言ってんじゃねぇよ!てめぇのケツから出したクソは死ぬまでてめぇでちゃんと処理するんだよ!ペットの面倒は死ぬまで見るくせに大人になった自分の子供には自立を促す心無い親は収容所で毒ガス浴びたまま念仏唱えながらブレイクダンスでも踊ってろ!自分の子供に経済的に苦しい生活を強制した結果、急に倒れたらいったい誰が救急車呼ぶんですかね?大多数の固定観念で構築されたクソみたいな社会常識と自分の子供の命、どっちが大事なんだよ!

終末黙示録とリンクした俺はあることに気づいてしまった。
 俺が断罪王に覚醒したあの日、ついうっかりぺしゃんこにしてしまった我が家に俺の父親である自称冷静沈着の石川タカユキは不在だった。
 そう、石川タカユキは俺が断罪王に覚醒する前に中国人の若い愛人キンカイとホテルでセッ●スしていたのだ。
 そして終末黙示録によれば今、石川タカユキは俺の母の死を確認してわずか五秒で中国人で愛人のキンカイと再婚していたのだ。
 俺は自らの足で踏み殺した母さんの無念を晴らすためにマルヤマの操縦する銀装天使シェムハザを破壊した後に石川タカユキとキンカイの住居があると思われる茨城県つくば市に断罪ウイングで超速移動した。
 俺は復讐をより面白かっこよくするために一度、変神を解いて人間体に戻った。
「ここが石川タカユキの家か…」
 石川タカユキがキンカイと共に第二の人生を始めるにあたって新築した二千万円のNEWホームの標識にはアルファベット大文字でISHIKAWAと書かれていた。
 「日本人の癖に表札に英語なんて使ってんじゃねぇよッ!死ねッ!バ―カァッ死ねぇーッ!」
全裸の俺は世界最高民族日本国の国民でありながら表札に我が国、日本に原爆を投下した米国がこの国に広めたアルファベットを使用している志の低いわが父に向けて呪詛を吐きながらインターホンに正拳突きをぶちかましてやった。
 新世界の神であるこの俺の正拳突き・断罪拳を正面から授かることに成功したその宇宙一運のいいインターホンからは二十二年も生きていれば聞き飽きるであろう音を発して二秒もかからずに一瞬スパークを見せた後にすぐに爆散した。
 インターホンの音と外から聞こえたまるで血のつながりなどないかのような俺の呪詛とインターホンの爆砕音に気付いたキンカイが玄関のドアを開けて出てきた。
「石川マサヒロ…?」
 玄関から出てきた若い女、二十代の若い女は小首をかしげて全裸状態の現存神の名をつぶやいた。どう考えても五十代の石川タカユキと二十代のキンカイが付き合い結婚できるのはおかしい。
 この二人の間にあるのが愛ではなく金と肉欲と虚偽に塗れた薄汚いビジネスライクな関係であるのは神に選ばれたこの世界最高民族である我が日本人の全人口約一億人が一億人見ればわかるであろう。 
 俺はまるで俺のことを異界から来た不審者のような視線で凝視しながら首を傾げているキンカイの顔を凝視し返しながらノールックでアルファベットでISHIKAWAと書かれた表札を外壁から剥ぎ取り、膝で真っ二つにして窓ガラスに向かって両手でぶん投げた。
 神の膝によって真っ二つにされたアルファベットの表札、ISHIを一階の窓に、KAWAを2階の窓に向かってぶん投げる。
 自ら世界最高民族日本国民であることを否定する様なデザインの標札が直撃したガラス窓二枚が割れる耳触りのいいデュオが俺の鼓膜を満たしてすぐに窓から石川タカユキと見たことがないクソガキの顔が現れた。
 石川タカユキと見覚えのない未確認クソガキのまるで異界の魔獣の肛門から出たばかりの汚物を見るような失礼極まりない視線に俺は魂のシャウトを上げる。
 「おい何神を見下したような目で神を見てんだこのクソガキとエロジジイッ!」
 新世界の神である石川マサヒロ二十二歳無職童貞の魂のシャウトをあざ笑う低知能な非国民共の失礼極まりない不敬罪な視線に対して俺は奴らの家族の一員であるキンカイの首を両手で絞めることで反撃してやった。
 「おい!このクソバカ女に死なれたくなかったら俺の質問に今すぐ嘘偽りなく答えるんだ!まず一問!デーデッ!おいそこの未確認クソガキ!てめぇはいったい誰だ?1!2!3!は~い残念ッ!俺はたった今、終末黙示録とリンクしてその答えにただどりついてしまいましたぁ~ッ!おめぇの名前はカズキ9歳キンカイの前の交際相手との間にできた子供ッ!しかし!かくかくしかじかでキンカイと交際相手は破局。作るもんだけ作ってペットの餌も買えないほぼ無一文のてめぇの母ちゃんキンカイはてめぇの学費のために俺の親父とズッコンバッコン!ということで俺の質問に3秒以内に応えられなかった罰としてキンカイは死刑!異論は認めねえっ!ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤッ!ハァッ!」
 新世界の神である石川マサヒロ二十二歳無職の両手が小学校の帰りのホームルームの前にある掃除の時間の水に濡らした雑巾を絞る様にキンカイの首を両手でねじり上げるとキンカイは目に涙、口からは中国語で呪いの言葉を吐きながらその短い人生を終えた。
 大切な家族を己の無知と無礼が原因で失ったカズキと石川タカユキは涙と鼻水を出して泣いていた、俺も終末黙示録から流れてきた俺と母親の目を盗んで行われていた疑似家族3人の心温まるエピソードについ庭に植えられているハナミズキを見ながらもらい泣きしてしまった。
 「お前は一体誰なんだ!どうして石川タカユキじゃなくて僕のママを殺したんだ!」
 割れた窓ガラスから自らの母親の理不尽な死を嘆くカズキ。
 カズキの言葉に含まれた毒に、涙と鼻水塗れの石川タカユキの表情が一瞬固まった。
 そりゃそうだ。
 カズキにしてみればキンカイは自分の学費のためにエロジジイである石川タカユキに体を売っていたのだ。
 そして見事キンカイの色仕掛けに騙された石川タカユキは二千万の家を買わされてからキンカイに前の交際相手との間にできた子供、カズキがいたことを知らされる。
 自らの学費のためにエロジジイに体を売っていた誇り高き中国売女であるキンカイはカズキにしてみれば素晴らしい母親であることに違いはない。が、しかしだ!
 「新世界の神である俺が馬鹿を殺して何が悪い!いいか!てめぇのママはイカれた馬鹿野郎だ!大した金もないくせにガキなんか作りやがって!よく考えろ!ペットの餌買う金もないのにペット飼う馬鹿がどこにいるんだぁ?おい!しかしびっくり実際いるんだよなぁ~そういう馬鹿な飼い主がよぉ~っ!どこのどいつか教えてやろうかぁ!てめぇの母親じゃあボケェッ!クソ馬鹿死ねボケェッ!ヒャッハー!」
「あ?えおえおえおえおええおえおえ…」
 俺の目の前では先ほど殺したはずのキンカイが奇怪な呪詛を吐きながら立ちあがり始め、その両手両足はコキコキと音を鳴らしながら本来向いてはいけない方向へと曲がる。
 「ちっ…始まりやがった…」
 「お…おかあさんが生き返ったよ…や、やった…」
 「カズキ…あれはお母さんじゃない…あれはおそらく…」
 「そうだ…てめぇの母親は死んだ!新世界の神であるこの俺の手でな…さあ…始まるぞ…世界の破壊者アンノウンへの進化がなぁ!」
 「イオイオイオイオイオイオイオイオーン」
 肥大化したキンカイの肉体は人の形を失いサンゴ礁のようなカラフルなアンノウンへと進化した。
 そしてサンゴ礁から放出された黄色い粒子が近隣住民やつくば市内の野良ネコ野良犬ホームレスを人面恐竜型のアンノウンに次々と進化させてしまう。
 「ククク…これは面白い…」
 「おい、石川マサヒロ…お、俺はまだ死にたくない…た、たのむ断罪王の力で俺だけでも助けてくれないか?」
 まるでカズキなどはじめから存在していないかのように命乞いをしてくる石川タカユキに不快感を感じた俺の人差し指が無意識のうちに石川タカユキの右目を貫いていた。
 「うぐあああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
 「いいだろう…お前には色々と聞きたいことがあるからな…」
 

次回予告
第九話 子育てしたい奴らは自分たちの血筋にこだわらずに両親のいない子供たちを優先して施設から引き取り養子にするべきだ。将来大人になって貧困に苦しむ孤児を減らせば、その数だけ自殺者が減るかもしれないからである。とりあえず自分のことを男より頭がいいと思ってる女は生ユッケ食いながら北朝鮮でラジオ体操でも踊ってろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第九話 子育てしたい奴らは自分たちの血筋にこだわらずに両親のいない子供たちを優先して施設から引き取り養子にするべきだ。将来大人になって貧困に苦しむ孤児を減らせば、その数だけ自殺者が減るかもしれないからである。とりあえず自分のことを男より頭がいいと思ってる女は生ユッケ食いながら北朝鮮でラジオ体操でも踊ってろ!

俺は終末黙示録から得た知識を使い、人間のまま空間に異次元へと繋がる穴を両手で開けた。
俺は右人差し指で石川タカユキの右目を串刺しにしたまま、異次元に放り込んだ。
 そして石川タカユキに続いて異次元へと侵入しようとする俺のあとに続いてカズキもついてきた。
 「なぁ冷静沈着の石川タカユキちゃんよぉ…お前どうして俺を作ったんだ…」
 「め…目がぁぁぁぁぁぁぁッ!痛い痛い痛い痛いーッ!フミコママッー助けてぇーッ!」
 「俺の質問にとっとと答えろ!じゃないと左目もぶっ潰すぞぉコラッ!」
 石川タカユキを罵倒する俺の横でカズキは巨大なサンゴ礁になり、つくば市内のありとあらゆる生命体を人面恐竜に進化させている母親の姿を俺が異次元にわざわざ創造してやったテレビを通して見ていた。
 やさしい。
 「どうだ!自分の母親が世界を終わらせようとしている、この光景を!見てて苦しいだろ?」
 俺の挑発にカズキは何も答えない。
 ただ黙々と異次元内に俺が作ってやったテレビの画面を見て沈黙しているだけだ。
 「けっ…母親が化けものになって気でも狂ったか…おい!石川タカユキ!どうして俺を作ったんだ!教えろ!」
 俺は右目から滝のように血を流す石川タカユキの顔を何度も踏みつける。
 「俺はもう終末黙示録を通して全部知ってるんだぞ!お前には兄ノブタカがいた。一家の長男だった兄ノブタカはお前の母親フミコと父親ケンタロウの期待を一身受けて受験勉強にのめり込み最終的には夜中に自室のラジカセから洋楽を大音量で流しながら木刀を振り回す気狂いになってしまった。
 そしてその半面、両親であるフミコとケンタロウから特に何の期待もされていなかったノブタカの弟、石川タカユキは両親への愛に飢えていた。そして両親への愛に飢えていたお前は俺の母親や愛人たちに自分の母親の影を投影して交尾を繰り返すことでそのマザーコンプレックスと体内回帰願望を満たそうとした。
 そして光のある場所に闇が生まれるのと同じで俺はお前のマザーコンプレックスと体内回帰願望を満たす課程で俺の母親の体内に宿った。
 しかしだ!俺は別に誰に作ってくれとも産んでくれとも望んでもいない!頼んでもいない!なのに!母親、父親の子どもが欲しいという人の命の重さと尊厳を無視した極限に無神経な自己満足欲求を満たしたいがためにこの糞みたいな世の中に俺は!産み落とされた!
 その糞みたいな世の中で死の恐怖に怯えながら生きていかなくてはならない地獄の日々を強制されたッ!父は自分の性的欲求を満たすため、だそれだけのために、そして母は母性欲求を満たすただそれだけのために本来何の罪もない俺はこの地獄で生きていかなくてはならなくなった。
 だから俺は自分達の邪〈よこしま〉な願いを成就させるためだけに俺を作ったお前ら両親が許せない!なのにお前たち両親はその地獄みたいな現代社会に適応できず自宅に引きこもる俺をまるで人間の出来損ないであるかのように侮辱した!
 自分たちの身勝手な欲求を満たすためだけに俺を作ったくせに、このイカれた現代社会という地獄を無理矢理俺に押し付けたくせに、あたかもセッ●スしてやった、産んでやった、育ててやったことに感謝しろと恩着せがましく説教をしてきた!
 そして石川タカユキ!お前は俺をさんざん馬鹿にしておいて、裏で若い女キンカイと不倫の限りを尽くしていた!俺はお前が憎い!どうしてよりによってお前達みたいな失敗作から誕生してしまったのだろうか?俺には!子供には!これから生まれてくる命には!一体こんな地獄を体験する義務が本当にあるのだろうか?死ね」 
 「マサヒロ、それが自然の摂理なんだよ…それがこの現代社会の常識なんだよ。この社会は大多数の価値観を受け入れることができない人間は必ず不幸になるように出来ている。だからみんな大多数の価値観に疑問を抱きつつも自分が幸福に生きるために仕方なく大多数の価値観に魂を蝕まれることを受け入れる。石川マサヒロよ、お前が何度、断罪王で地球上のあらゆる命を滅ぼそうと地球はまた何度も新しい命を創造するだろう。そこには倫理も道徳もなくあらゆる生命が自然の摂理に基づいて生殖行為を行い続ける。つまり不倫セッ●スは自然の摂理だ。お前に言っていることはただの子供の屁理屈だ。お前が新世界の神なら時間なんて簡単に巻き戻せるのだろう?なら、今すぐ愛する妻、キンカイを世界をすべてを元通りにしておくれ!」
 「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇッ!わかった…終末黙示録を見た俺はお前の言う通り新世界の神だ。時間を巻き戻すなんてお茶の子さいさいだ。でも一つ条件がある。石川タカユキ!お前がカズキと殺し合うことだ!」
 「お、おかしな話だ…い、いったいどういうつもりなんだ!時間を巻き戻してくれるならわざわざ殺し合う必要はないだろ?」 
 あのなぁ…貴様ごときただの現代人類の願いを新世界の神であるこの俺が聞き入れること自体がまずおかしな話なんだよ!わかるか?とにかく意味があるとかないとかじゃねぇんだよ!いいからとっとと殺し合えやぁ!愛するキンカイを生き返らせたいんだろう?このエロ糞ジジイ!ホイッ!早くする」 
 「カズキ、さっきの話聞いていただろう?悪いが俺はたとえ時間が巻き戻ることがわかっていても死ぬのは痛いし怖いし嫌なんだよ!お前の母さんのために一度俺に殺されてくれぇ!」        
 石川タカユキの両手がカズキの首に回されようとする。
 石川タカユキの接近に気づいたカズキは正面から石川タカユキの頬を右手でぶん殴った。
 き…貴様ぁ!血は繋がらずとも、育て親に向かって拳を振るうなど、この身の程知らずが!いったい誰の金で学校に通えると思ってるんだ!おとなしく俺に殺されればお前の母親も平和な生活ももとに戻るんだぞ!」
 「うるせぇエロジジイッ!俺はママにもおめぇみたいなエロジジイにも学校に行きたいなんて頼んでないよ!学校なんかにいくより俺は家でずっとゲームしていたんだ!」
 「なにをバカげたことを言ってるんだ!学校にいかなきゃ、お前はこの社会では生きていけない!学校に行かないということはこの社会では生きる権利がないのと同じなんだ!」
 「じゃあ聞くけど、四捨五入!みはじ!方程式!平方根!歴史人物の名前が社会に出て一体何の役に立つんだ!いつどの場面で役に立つというんだ!勉強は学校の先生になりたい奴だけすればいいんだ!俺は勉強が大嫌いだ!自分の好きなことだけずっとできればそれで満足なんだ!エロジジイはパソコン見ながら自分の右手でチ●コシコってればそれでいいんだ!」 
 「貴様ァッ!こっちはもともと好きでお前の面倒を見ているわけじゃないんだぞ!俺はお前の母親に騙されたんだ!お前の母親キンカイは最初、子供はいないと言っていたんだ!それがどうだ、婚姻届けに判を押してお前の母親のために二千万もする家を買ってやったとたんに実は子供がいると言ってきやがった!だからあえて俺はお前を人質にとってやったのさ、お前の母親に俺の言うこと全てを聞かなければカズキの面倒も学費も払わないと言ってな!」
 「そもそもお前みたいなエロジジイに俺のママみたいな若い女が金目当ての目的以外に近づくわけがないんだ!お前はただのエロバカジジイだ!」
 「うるせぇクソガキ!俺はこう見えても会社では冷静沈着の石川さんって言われてるんだよ!俺は馬鹿じゃねぇッ!」
 「若い女の色仕掛けに騙されて二千万の家買わされてるエロジジイの一体どこが冷静沈着なんだ!いいからエロジジイは死ね」 
 「くくく…それにしてもお前の母ちゃんの体はとても産経婦とは思えないほどなかなか味わい深かったぜぇ…」
 「貴様ァァァァァァァッ!俺のママを侮辱するなァーッ!」 
 「うるせぇ!ガキがいるくせに金目当てに俺に近づいてきたお前の母ちゃんのほうがよっぽど俺のことを侮辱してるぜ!とっとと中国に帰れこのクソガキ!ロクな貯金もなしに作られ産まれたおめえは所詮誰にも望まれてねぇ命なんだよ!」
 石川タカユキの両手が異次元を駆け回るカズキの首を捕らえ締め上げる。
 そしてカズキは石川マサヒロが窓ガラスを割った時にたまたまズボンのポケットに入ってしまった窓ガラスの破片を右手で取り出して石川タカユキの喉を切り裂いた。
石川タカユキの首からまるで噴水のように血液が飛びだし新世界の神であるこの俺が作りだした異次元の床を汚した。
 「い、いやだ…このあと時間が巻き戻ることがわかっていても俺は死にたくない!フミコママ助けてぇぇぇぇぇッ!」
 「おい!石川マサヒロ二十二歳無職童貞!お前の言う通りに石川タカユキを殺したぞ!だから時間を巻き戻してママとつくば市を元通りにしてくれ!」
 「ダメだ」
 「え?」
 「俺は最初から時間を巻き戻す約束を守るつもりはなかった。俺はただお前と石川タカユキが本音をぶつけあって殺し合うのを見たかっただけだ。カズキ…お前はもう用済みだ…死ねバーカ死ねぇぇぇッ!バーカ!死ねぇぇぇぇッ!」
 神世界の神である俺の念力によってカズキの体は粉々になった。
 「でも…なかなか面白かったぜ…お前たちの限界バトル」
次回予告
第十話 断罪王 対 銀装天使バササエル!ベガ!ダネル!アラキバ! アイドル、女優の妊娠・出産を世間に発表するということは、そのアイドル、女優がセッ●スしたことを全国に広めることと同じである! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十話 断罪王 対 銀装天使バササエル!ベガ!ダネル!アラキバ! アイドル、女優の妊娠・出産を世間に発表するということは、そのアイドル、女優がセッ●スしたことを全国に広めることと同じである!

俺が異次元からつくば市上空に出ると、つくば市ではキンカイが進化した巨大なサンゴ礁型のアンノウンを中心にして無数の人面恐竜と銀装天使数機の死闘が繰り広げられていた。その光景はまさに地獄絵図と言っても過言ではない。
 つくば市上空を全裸のまま浮遊していた俺の背後にはいつの間にか超絶美少女のメシアが立っていた。
 「これで両親を二人とも殺してしまった断罪王石川マサヒロに帰る場所はなくなった。つくば市内は放っておけば銀装天使とアンノウンとの戦いで勝手に崩壊すると思いますがどうなさいますか?」
 「愚問だな、銀装天使だろうがアンノウンだろうがそこ命がある限り俺が全て断罪してやる!」 
 俺は全裸のまま、つくば市上空から付近の公園に着地して断罪王召喚の雄叫びを上げる。
 「シンゴォォォォォォォォォォォォォッ!」
 次の瞬間、俺は地球にあまねく全ての命を闇に葬り去る完全無敵の究極神・断罪王に変神していた。 
 戦場と化したつくば市内に突如出現した断罪王に市内で暴れ回る無数の人面恐竜型アンノウンと戦っていた銀装天使バササエルのパイロット、オオヤマはすぐに他の銀装天使たちに断罪王の出現を報告した。
 「こちらバササエル!つくば市内にシェムハザを撃墜したヤツが出現した!誰かこっちに加勢してくれ」
 しかし、その瞬間にはもう断罪王の断罪剣が背後からバササエルを真っ二つにしていた。
 「あえて仲間を呼ぶ必要はないぜ!どのみち全員この俺、断罪王の方から闇に葬り去ってやるんだからな…」
 「こちらオオヤマ…シェムハザを撃墜した奴の名は断罪王…」
 爆散したバササエルの破片がつくば市内のあちこちに突き刺さる。
 そして上空からダネル・アラキバ・ベガの三体の銀装天使が断罪王を円で囲む様に舞い降りてくる。
 「こいつかシェムハザとバササエルを撃墜した断罪王…」
 ダネルのパイロットである美少女保育士ヨウコはダネルの背部双翼に搭載された無数の天使の羽根の形をした斬撃兵器を全て断罪王に向けて射出した。
 「目的は不明だけど銀装天使を使う私たち至高天に喧嘩を売るってことは人類の敵だ!みんな油断するな!」
 アラキバのパイロットである美少女ОLサナエはアラキバの全身に搭載された全ミサイルを断罪王に向けて射出した。
 「そんなこと言われなくてもわかってる。録画したアニメ見たいからとっと終らせてあげる…」
 ベガのパイロットである美少女腐女子ユーコはベガの両手に搭載された大型バスターライフルを最大出力で断罪王に向けて発射した。 
 3人の美少女が操縦する銀装天使三体から無数の羽根型斬撃兵器にミサイルに二本の極太ビームが一斉に断罪王に向けて発射される。
 「無駄だぁ!断罪フラァァァッシュ!」
                *
 目が覚めた俺の顔をベガのパイロットである美少女腐女子のユーコが覗き込んでいた。
 「あ、お義兄ちゃんやっと起きた!早く起きないと学校遅刻しちゃうよ」
 「なんだここは…?」
 周りを見渡す限り、ここは誰かの子供部屋に違いない。
 見たことろベットがもう一つあるので俺はこの部屋を血のつながらない妹であるユーコと共同で使用している可能性が高い。
 血のつながらない妹、ユーコと手をつないで一階に降りるとダネルのパイロットである美少女保育士のヨウコがエプロンを着用してキッチンで朝ごはんを作っていた。
 「あらマサヒロ君おはよう。昨日の夜は上がだいぶ騒がしかったけど大丈夫?」
 「ちょっとヨウコお姉ちゃん!変な言い方しないでくれる?サナエお姉ちゃんに誤解されちゃうでしょ?」
 美少女保育士のヨウコの言葉にユーコは俺とつないだままの手をぶんぶん上下に振り回しながら頬を赤らめて必死に反論する。
 「ま、マサヒロとユーコは血がつながってないからね~そんなに恥ずかしがることはないんじゃないか?」
 スーツ姿のアラキバのパイロットである美少女OLのサナエがタバコ片手にユーコに話しかけた。
 「もうサナエお姉ちゃんもへんなこと言ってからかわないでよぉ~」
 ユーコはそう言いつつも先程よりも俺の手を握る力を強くした。
 思い出した…!
 俺は昨日の夜…血のつながらない妹であるユーコが俺の脱ぎたての下着の匂いを嗅ぎながら自慰行為をしていた場面に遭遇してそのままいきおいで…。
 俺は急に気まずくなったのでとりあえずユーコとつないでいた手を離して洗面所に行くことにした。
 「ほら、ヨウコお姉ちゃんとサナエお姉ちゃんがからかうからお義兄ちゃん照れてどっか行っちゃったじゃん!」
 洗面所で顔を洗い終え、だれもいない廊下に出るとユーコと再会してしまった。
 「昨日のことは二人だけの秘密だよ」
  ユーコは頬を赤らめて恥ずかしそうにそう俺に向かって小声でつぶやくと速足で洗面所に入ってしまった。
 義母のヨウコと義姉のサナエと義妹のユーコと共に朝食を摂り終えると高校の制服に着替えた俺はそのままユーコと一緒に家を出た。
 「お義兄ちゃん高校卒業したらどうするの?」
 「え?う~ん、俺はまだなにも決めてないけど…」
 「だめだよそれじゃあ、今のうちに自分のやりたいこと決めておかないと大人になったあと色々大変なんだから!」
 「そういうお前は高校を卒業したらいったい何になるつもりなんだ?」
 「私はもちろんお義兄ちゃんのお嫁さんかな♪」
 「お、お嫁さん?」
 ユーコの問題発言に驚愕した俺の腹部にユーコは思いっきり正拳突きをぶち込んできた。
 「な~んてね!冗談に決まってるでしょ!それじゃ、私、先に学校行ってるね!」
 ユーコはそう言い終えるとすぐに全力疾走でミニスカートをなびかせながら学校に向かって走って行ってしまった。
 その際にスカートの奥からミントグリーンのショーツが一瞬見えてしまったのは内緒だ。
 いったい誰に。
 「これだから素人は…あれはね~わざと見せてんだよ、わ・ざ・と!」
 背後から通勤途中のサナエ義姉さんがOLの制服姿のまま話しかけてきた。   
 「うわっ、びっくりした!サナエ義姉さん…急に驚かせないでくださいよ!」
 「あの日…あんたがあんたの父親、タケヒコからユーコを助けてからユーコも私たちも本来背負わなくてもいいものを背負うことになってしまった…。ちゃんと責任とってやりな…」
 あの日…?思い出した…っ!
 俺はヨウコ義母さんと再婚した自分の父親、タケヒコがユーコに性的ないたずらをしようとするのを阻止するためにタケヒコを金属バットでぶん殴って殺してしまったんだった!
 そしてそれを知ったユーコとヨウコとサナエはタケヒコの死体をバラバラにして冷凍庫に閉まった…そうだ…俺達家族は自分たちの生活を守るためにタケヒコ殺害を誰にも知られるわけにはいかないんだ。
 「おい…マサヒロ…急に頭なんか抑えてどうしたんだ?具合でも悪いのかい?」
 そりゃそうだ。タケヒコの死体…つまり人間の体をバラバラにしている最中の光景なんて思い出して体調を崩さない奴のほうがどうかしている。

 そして目を開けると自室の天井が俺の視界全体に広がっていた。
 上体を上げるとすぐに俺を看病してくれていたヨウコさんが慌ててこっちに駆け寄ってきた
 「あら、やっと目が覚めたのね!急に道端で倒れちゃったってサナエちゃんから電話があって急いで二人で家まで連れ戻したのよ」
 「すいません…なんだか急に気分が悪くなって…」
 「いいのよ別に無理しなくて…あんなことがあったんだから…まだ心の整理がつかなくて当然よ…」
 そう言ってヨウコさんはいきなり自分の唇を俺の唇に重ねてきた。  
 「ヨウコ…さん?」
 「ユーコをあの人から助けてくれたお礼よ…安心して…まだあの二人が返ってくるにはまだ充分時間があるわ」
 俺はそのままヨウコさんにされるがままだった。
 誰にも言えない秘密がまた一つ増えてしまった。

 シャワーを浴びた俺はこれが悪夢であることを確かめるためにキッチンの奥にある冷蔵庫の二段目にある冷凍庫をゆっくりと開けてみた。
 やはりそこには想像通りのものが六等分されてクレラップに包まれて置いてあった。
 気が付くと背後からシャワーを浴び終えたヨウコさんがバスタオルを一枚体に巻いたままの状態で立っていて、ゆっくりと冷凍庫を閉めてしまう。
 「だめよあんまり深く考えちゃ…ダメになりそうな時はまた今日みたいに慰めてあげる…」
 俺に耳元でそう呟いたヨウコさんはそのボリューミーな体格の割には静かな足跡で俺から離れて行ってしまった。
 もう朝なんてこなければいいと思った。
 誰にも言えない悩みがあることがこんなにつらいとは正直思わなかった。
次回予告
第十一話 学校の生徒から自殺者で出た時点であらゆる教育機関の授業は全国リモート授業にしろ!生徒の中から度重なる自殺者を出すような教育機関で行われる「教育」とは果たして本当に「教育」と呼べるのか?登校拒否児童を無理やり登校させ死なせるか?それても引きこもらせて、かけがえのない命を救うのか?ただこれだけは確かである、死んでしまった命を「教」え「育」むことは誰にもできない!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十一話 学校の生徒から自殺者で出た時点であらゆる教育機関の授業は全国リモート授業にしろ!生徒の中から度重なる自殺者を出すような教育機関で行われる「教育」とは果たして本当に「教育」と呼べるのか?登校拒否児童を無理やり登校させ死なせるか?それても引きこもらせて、かけがえのない命を救うのか?ただこれだけは確かである、死んでしまった命を「教」え「育」むことは誰にもできない!

次の日、学校に登校すると朝のホームルームで転校生の紹介があった。
 転校生の少女の名前はメシア。
 メシアの容姿を日本語で表現するとずばり美少女である。そんな美少女メシアの席は俺の隣で、メシアは俺の目も見ずにいきなり小声でそっと呟く。
「あなたには誰にも言えない秘密がありますね…六つのタケヒコ…三人の魔女…」
 なぜメシアが俺の悩みを知っているのだろうか?
 俺の心は足元が崩れそうになる恐怖とやっと自分の悩みを他人に相談できそうな期待感の両方を感じていた。
   放課後、俺の携帯にメシアからメールが来ていた。俺はメシアにメールアドレスを教えたことは一度もないというのに。
 その疑問を解明するためにも俺はメシアからのメールの内容通りに屋上に向かう。
 頭上に茜色の空が広がっている。
 放課後の屋上のフェンス越しにはメシアが立っていた。
 「ごめん…待たせたね。それで話って何?」
 「話があるのはマサヒロ君の方では?」
 「そうだ!メシアはなぜ俺のメールアドレスを知っているんだい?」   
 「メールアドレス?ああ…そういうことですか…正確に言えばメールアドレスではなく終末黙示録と言った方が正しいですね」
 「終末黙示録?」
 「そうです、終末黙示録。私は終末黙示録というこの世界の始まりと終わりが記された本の全ての情報と一つになりマサヒロ君の携帯にメールしました。どうやら…本当に全てを忘れてしまったようですね…」
 「忘れてしまった?終末黙示録?君はさっきから一体何を言っているんだい?」
 「とにかく、それ以外に私がマサヒロのメールアドレスを知る方法がありますか?」
 確かに今日この高校に転校してきたばかりのメシアが俺のメールアドレスを知る方法は信じたくないけれど、終末黙示録とやら以外考えられない。
 「マサヒロは今は悩みを抱えていてる。血のつながらない妹を守る為とはいえ、自分の父親タケヒコを殺してしまった罪悪感。そして自分の犯した過ちのせいで血のつながらない妹とその血縁者達を証拠隠滅に巻き込んでしまったこと。そしてその者たちと体の関係をもってしまったこと…」
 「君はいったい何者なんだ?ボクを脅してお金もうけでもするつもりかい?」
 「私の名はメシア…その名の通り救世主です。間違った種から地球の平和を守る断罪王を導く者…」
 「断罪王…?」
 激しい頭痛と同時に俺の目の前は真っ暗になる。

 気がつけば今度は風呂に入っていた。風呂の湯には使い終えたと思われるピンク色の避妊具が五つ浮いていた。
 「お母さんから聞いてたけど、キミって案外すごいんだね」 
  サナエ義姉さんがシャワーで体を洗いながら避妊具が五つ浮かぶ湯につかる俺に向けて言う。 
 「ええ…まぁ…でも…どうして…」
 「どうして?細かいことはいいのよ、とりあえず嫌なことがあったら気持ちいいことして全部忘れちゃえばいいのよ」
 「そうだ…気持ちいことして全部忘れてしまえば…でもサナエ義姉さん…父さんは…いや、タケヒコはあの時…自分が気持ちよくなるためにユーコを…ユーコを…」
 「浮気者!」
 気付けば浴室には右手に包丁を持ったパジャマ姿のユーコが入ってきていた。
 「ユーコ…えっとこれは…」   
 「サナエお姉ちゃん言い訳しても無駄だよ…声、上までちゃんと聞こえてたんだから…というかお風呂に浮かんでるソレでバレバレだし…なによ私の時よりも使ったゴム多いじゃない!お義兄ちゃん!」
 「は…はい!」 
 「お仕置き…だね…」
 次の瞬間、俺は下腹部に強い痛みを感じると同時に風呂の湯が真っ赤に染まった。
 「ユーコ!よしなさい!」
 サナエの静止もむなしくユーコは包丁で俺の身体のあらゆる部位を切り裂いていく。
 「お義兄ちゃんが悪いんだからね…お義兄ちゃんがタケヒコを殺したせいでこうして人肉をバラバラするの癖になっちゃったんだから!」
 泣きながら笑って俺を包丁で切り裂くユーコ。そして風呂の鏡を見ると、なぜかそこにはいないはずのメシアが鏡の中で何か俺に向かってなにか喋っている。
 「シ…ン…ゴ…」
 「ちょっとユーコちゃん!なにやってるの!そんなことしたらマサヒロ君死んじゃうわよ!」騒ぎに駆け付けてきたヨウコさんが包丁で俺を切り裂くユーコを俺から引き離そうとする。 
 サナエ義姉さんは浴室で尻もちをついたまま失禁してしまっていた。
 そして俺はメシアに言われた通りに叫ぶ。
 「シンゴォォォォォォォォッ!」
 次の瞬間、浴室内の鏡をぶち破って出てきた断罪王の巨大な手が俺の体を掴んだ。
                * 
 気がつけば俺の目の前には巨大サンゴ礁、あの後妻業もどきのキンカイが進化したサンゴ礁型のアンノウンが放出する粒子が原因で炎の海と化したつくば市が広がっていた。
 「なるほど…さっきの幻覚が貴様ら三人の過去ということか…ククク…銀装天使とは名ばかりに義父に義兄、人を二人も殺めているとはな…貴様らに殺されたマサヒロと俺の名前がたまたま一致していたせいで殺された方の石川マサヒロの過去を追体験させられてしまっていたようだな…なかなか刺激的で強烈なビジョンだったぜ!」
 メシアが殺されてしまったほうのマサヒロの通っていた高校の転校生としてあの三人の過去に干渉してくれなかったら俺は自らの放った相手の過去に干渉する断罪フラッシュにより魂の抜け殻になっていたかもしれない。
 断罪王と化した俺の目の前には断罪王に向かって一斉攻撃するダネル・アラキバ・ベガの三体の銀装天使がまるで時間を止めたように静止していた。
 しかし、時間を止めようと止めまいと断罪王には意味のないことだ。
 俺は時間停止を解いた。
 俺に、断罪王に向けて無数のミサイルやビームが直撃した。しかし断罪王に直撃したミサイルもビームも断罪王の体に吸収されてしまう。
 「そんな…攻撃が吸収された…一体何がどうなってるんだ」
 ダネルのパイロットであるヨウコが断罪王の力に驚愕している隙に俺は超高速移動でダネルを背後から断罪王で抱きしめた。
 「サナエお姉ちゃん!ヨウコお姉ちゃんが捕まっちゃった!」
 「言われなくてもわかってる!」
 サナエはアラキバを高速移動させてダネルを抱きしめている断罪王の背後に超至近距離で無数のミサイルを一斉発射させた。
 しかしアラキバの放ったミサイルは全て断罪王の背中に溶けていくように吸収されてしまった。
 そして断罪王の背部装甲がドアが開くように縦に解放されると無数の触手がダネルとアラキバを捕らえ、コックピットを突きやぶってヨウコとサナエに接近してきた。
 「ちょっとあんたお姉ちゃん達に一体何する気?」
 ユーコは断罪王の背部装甲が開いている部分、無数の触手が放出している部分にほぼゼロ距離でベガの大型バスターライフルを最大出力で発射しようとした。
 しかし断罪王の背部から放出される無数の触手はベガの大型バスターライフルそのものを貫き爆砕すると、そのままベガのコックピット内に侵入してしまう。
 ダネル・アラキバ・ベガ、地球の平和を守るために結成された至高天に属す三体の正義のスーパーロボットのパイロット達は断罪王の触手に捕らえられ、その触手がパイロットスーツを破ってパイロットスーツの内側からヨウコ、サナエ、ユーコの体内に侵入してしまった。
 「ちょっと何よコレ…ダメ!変なところ触らないでっ!」
 ヨウコはパイロットスーツの内側から侵入してきた断罪王の触手の感触に不快感とどこか懐かしい高揚感を覚える。
 アラキバに侵入してきた断罪王の触手はサナエの全身をパイロットスーツの内側から捕らえ支配する。
 そして一本の触手がサナエの目の前で動きを止め、その形を変えていく。
 「う…嘘でしょ…」
 一方、ユーコの搭乗するベガのコックピット内でもアラキバのコックピット内で行われているのと同じ現象が起きていた。
 「ダメ!お願い…お願いだから…それだけはやめて!」
 サナエと時と同じくユーコの目の前で一本の触手が形を変えていく。
 真っ赤なお風呂、サナエの失禁、ヨウコの悲鳴。 
 そう、触手はユーコに快感と絶望の両方を与えた忘れたくても忘れられないあるものに変形していく。 
 それがこの世からなくばればそれこそ人類は滅んでしまうに違いない神聖な槍に。
 「おちん●ん…」 
                *
 ユーコがそうつぶやいた次の瞬間、ユーコは自分が殺した義兄が立っている白い部屋の中にいた。ユーコも義兄も全裸だった。
 「久しぶりだねユーコ」
 「久しぶりお義兄ちゃん…私っ!」
 「そうだ、ユーコは人殺しだ。人殺しの癖に至高天に入って銀装天使を操縦してアンノウンから人類の平和を守ってる。ユーコは人殺しの癖に自分のことを正義の味方だと思ってる頭のおかしい腐女子。ユーコは卑怯者だよ、俺のことを殺したくせに、正義の味方面して何にもなかったかのように今も生活している」
 「なによ!悪いのは浮気したお義兄ちゃんでしょ!確かにお義兄ちゃんは私がタケヒコに変なことされそうになったとき助けてくれた、殺してくれた!その時からお義兄ちゃんはわたしの中で白馬の王子様になった。そしてそれと同時に私はお姫様になったの!王子さまはお姫様のことだけを大切にしなきゃいけないの!どんなおとぎ話でもそうよ!でも白馬の王子様であるはずのお義兄ちゃんは私を裏切った!お姫様が寝ている間に他の女と…サナエお姉ちゃんとセッ●スしてた!だからお姫様を裏切った王子さまは死刑にされて当然なのよ!」   
 「サナエさんだけじゃなないよ…ヨウコさんともセッ●スしてたよ」
 義兄の告白を聞いたユーコは正面から憤怒の形相で義兄の首を両手で思いっ切り絞める。
 「サナエさんはユーコより上手だったし…ヨウコさんはゴムなしでもしてくれた…」
 ユーコは義兄の首を絞める手に先ほどよりも力を込めた。それでもユーコに殺されたはずの義兄は薄ら笑いを浮かべて笑っている。
 「どうしてよ…どうして死なないのよ!」 
 「俺が死んで君はスッキリしたのかい?」
 「するわけないでしょ!大好きなお義兄ちゃんを殺してバラバラにしてから私は何度も泣いた、泣いて泣いて泣いてお義兄ちゃんの代わりの人を見つけては何度も交わった。でも私の心にお義兄ちゃんは戻ってこなかった。死んだ人間は生き返らないんだってことがよくわかった。だから私は教祖様に全てを捧げて至高天に入った。そして人類のために銀装天使でアンノウンと戦うことを決意した」
 「でも無駄だよ、ユーコみたいな人殺しのクズには誰にも救えない。ほら、現に今もこうしてユーコは俺をもう一度殺そうとしている」
 コキという音と同時にユーコに首を絞められていた義兄は白目をむいてしまった。
 「お…お義兄ちゃん…また…死んじゃったの…?」
 義兄の死を悟ったユーコは義兄の首から手を離す。義兄の体はなんの抵抗もなく地面に仰向けのまま倒れた。
 「俺はユーコのことが好きだった…」 
 義兄の死体がいきなり話し始めた。
 「俺はユーコのことが好きだった。ユーコを守るためなら世間から人殺し扱いされても構わないと思った。だから俺は血のつながらない妹の命を守るために血のつながっている父親を、タケヒコを殺した」
 「結局、俺もユーコも人殺した。人間のクズだ…」
 「なにが…言いたいのよ…」
 地面にしゃがみ込んだユーコが何度、義兄の体をゆすっても義兄が目を覚ますことはなかった。ユーコはもう義兄の体をゆするのをやめた。
 「さようならマサヒロお義兄ちゃん…」
 ユーコはまだ自分の体にもう一つの命が宿っていることを知らない。
次回予告
第十二話パワハラ野郎の特徴。大多数の固定観念に囚われ、同調圧力に屈した結果、家庭を持ち、家庭を守るという理由がなければ自分の人生に意味を見出すことができず、結果的に会社に自分を含めた家族の未来を人質に取られ、自分の精神が社会生活に追い詰められていることを知りながらも家庭を持ってしまったが故に逃げる場所もない。そしてそういった連中の怒りの矛先は当然、自分より立場の弱い人間になり、自分より弱い立場の人間に理不尽な怒りをぶつけることでしか自らの精神状態を安定させることができない。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十二話パワハラ野郎の特徴。大多数の固定観念に囚われ、同調圧力に屈した結果、家庭を持ち、家庭を守るという理由がなければ自分の人生に意味を見出すことができず、結果的に会社に自分を含めた家族の未来を人質に取られ、自分の精神が社会生活に追い詰められていることを知りながらも家庭を持ってしまったが故に逃げる場所もない。そしてそういった連中の怒りの矛先は当然、自分より立場の弱い人間になり、自分より弱い立場の人間に理不尽な怒りをぶつけることでしか自らの精神状態を安定させることができない。

「お前…一体何が目的なんだ?」
 ユーコと同じく白い部屋に連れてこられた全裸状態のサナエは同じく全裸状態の石川マサヒロに問いつめた。
 「目的…?そういうあなた達の目的はなんですか?」
 「話にならないな。しかし、これだけはわかる…お前はマサヒロの姿をしているがマサヒロではない!」
 「僕にもわかりますよ、あなた達3人が人を殺して、しかもその死体をバラバラにして冷蔵庫に閉まっちゃうクズだってね…」
 「お前…どうしてそのことを…でも殺したのは私じゃない…」
 「でもバラバラ殺人に加担していたのは事実ですよねぇ~。あなた達はどうして警察に自首せずにこうして銀装天使に乗って正義の味方ごっこができるんですか?いったいどういう神経をしてるんですかねぇ~」
 「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!私は…私達はただ幸せになりたかっただけなんだ!それのどこか悪い!幸せになるために人を殺してバラバラにして冷蔵庫にしまって何が悪い!私たち3人はこうして至高天に志願して銀装天使で人類の脅威と戦うことで自らの罪を償うと決めたんだ!教祖様だって私たちの思想を認めれくれた!」
 「教祖様…ね。サナエ義姉さんがどうして今こんなに苦しんでいるかわかりますか?答えは簡単ですよ、この世界からルール、つまり法律を失くしてしまえばあなた達三人はこんな目に遭わずにすんだ…だってよく考えてください法律がなくなれば義父と俺の殺害に関わったあなた達三人がこうして自ら犯した罪に苦しむこともない」
 「そんなこと今更…言ったところでいったい何がどうなるんだ!ではお前は一体どうやってこの世界から法律をなくすというんだ?」 
 「簡単ですよ、法律ではなく、法律で他人を支配している人類と世界そのものを破壊してしまえばいい。人間のいなくなった世界にはもはや法律は意味をなさない。人類の一部である、あなた達三人も死ねばもう辛い思いをしなくて済みますよ」
 「しかし、それでは人類の一部である、お前も滅びることになるぞ!」
 「今、この空間と状態が果たして人類に作り出せると義姉さんは思いますか?もう、本当は気づいているはずだ。あなたの義弟のふりをしているこの俺が人間を超越した最高神であることを」
 「黙れ!この世で神を名乗っていいのはただ一人、教祖様だけだっ!」
 「我が名は断罪王…俺が神である証拠にたった今、あなたの体の中にちょっとしたプレゼントをしました…」
 断罪王の指摘に対して体になにか違和感を感じたサナエは両手で腹部を抑えた。
 「断罪王…お前一体、私の体になにをした!」
 「サナエ義姉さんだけではありません、ユーコにもヨウコさんにも同じものをプレゼントしました」
 全身を駆け巡る苦痛にサナエは急にしゃがみ込んでしまう。
 「痛い!痛い!痛い!痛い!痛い…なんだ…何かが体から出ている…産まれる…のか?」
 サナエがしゃがみ込んだ地面は血で真っ赤に染まっている。
 そして全裸姿のサナエは自分の性器からもうすでにこの世には存在していないはずの人間の頭が出てきてこっちを向いているのを痛みにより反射的に確認してしまった。
 「タケ…ヒコ…さん」

 一方、断罪王に作り出された異次元空間でユーコとサナエと同じくすでに故人とかしてしまった方のマサヒロのふりをしている断罪王と対峙させられている全裸姿のヨウコは激しい痛みと同時に自分の性器から出てきた本来であれば死んでしまったはずの元再婚相手のタケヒコの姿を見て発狂してしまう。 
 発狂しているヨウコをまるで血の海から出てきたように全身ヨウコの血液と体液で塗れた状態のタケヒコはなぜか満面の笑みを浮かべている。 
 「どうして…私の体の中からタケヒコさんが出てくるの…?」 
 「全部ヨウコが悪いんだよ…ヨウコが僕と一つになるのを拒否し続けるから僕はユーコちゃんと一つにならざる終えなかった。なのに僕は息子に殺されてしまった。どうして僕のお嫁さんなのに僕と一つになるのを拒否したんだい?答えは簡単だ。ヨウコは僕のお金目当てで僕と結婚したんだ。だから僕みたいな見た目の悪い高齢者とは一つになりたくなかった。本当は若くて顔のいいマサヒロのような男と一つになりたかったんだよね。でもそれはよくないよ、マサヒロと君たち三人の生活を守っているのは僕のお金なんだから…僕の言うことを聞いてくれないのはダメなんだよ…」
 「それで…どうして私の中から出てきたの」
 「僕は君に愛されたかったんだ。だからヨウコがお腹に痛みを感じて産んでくれた僕ならヨウコは愛してくれると思ったんだ…」
 「お願い…こないで!断罪王様…お願い!わたしを助けてください!」
 俺はヨウコの懇願を無視した。
 一方、全裸姿のタケヒコは全裸姿のヨウコに上から自分の体を重ねた。
 「生まれてくるのは男の子かな?それとも女の子かな?」
 「嫌…やめて!」
 「僕たちの子供の名前、なににしようか?」  
 「お願い!本当にやめて!」

 サナエもヨウコと同じく、タケヒコを出産させられていた。  
 サナエは自ら産んだタケヒコの姿を見て何度も嘔吐していた。
 「ひどいなぁ…人の顔を見て吐いちゃうなんて…そういう礼儀のなっていない子にはお仕置きだね」
 サナエは自分に顔を近づけてくるタケヒコに向かって盛大に嘔吐した。
 しかしタケヒコは顔中サナエの吐しゃ物に汚れてしまっているというのに、そんなことはまるで気にしていないかのようにサナエを正面から抱きしめて押し倒した。
「うーん♪吐瀉物のイタリアンなスメルがたまらんね♪始めようか新しい命の創造を…」
 サナエは目の前が真っ暗になってしまった。
 
 出産後の痛みにまだなれないユーコの目の前にも他の二人同様、全裸姿のタケヒコが立っていた。
「どうして…あんたがいるの…?」
「リベンジセッ●スしに来ました。それにしてもひどいなぁ…ユーコちゃんは、僕の息子を二回も殺すなんて…これじゃあもう、僕に何をされても文句は言えないよね」
 「なによ…!お願い!来ないで!」
 「これでようやくユーコちゃんと一つになれる。いやね、本音の部分を言うと前からずっとユーコちゃんのこと狙ってたんだよね。それにきっとマサヒロより僕のほうがずっとユーコちゃんのこと愛してるよ。うん、自身があるね、ほら僕の体を見ればわかるだろ?ヨウコがなかなか一つになってくれないからね、もう…たまっちゃってたまっちゃってね…」
                *
 現実世界の茨城県つくば市では断罪王の背部から放出された無数の触手に捕らえられたダネル・アラキバ・ベガの三体の銀装天使が股の間から大量の巨大タケヒコを出産していた。巨大タケヒコは巨大サンゴ礁から放出された粒子のせいで人面恐竜に進化してしまったつくば市民と死闘を繰り広げていた。
 人面恐竜と戦っていた他の銀装天使たちは突如仲間の銀装天使から生まれた巨大タケヒコの出現に戸惑い、機体のエネルギー切れを心配してつくば市から撤退してしまった。
 「ククク…自らの命の惜しさにつくば市を放棄したか…しかしそれでいいのか至高天?キンカイが進化したあのアンノウン・巨大サンゴから放たれる粒子がこのまま世界中に広まれば人類のアンノウンへの進化は加速する。そして断罪王があの三人のメス豚を通して三体の銀装天使から出産させている巨大タケヒコの増殖を止めることがきなければ、この人類はあと一週間もしないうちに滅びるぞ!」
 結局、ダネル、アラキバ、ベガの三体の銀装天使は断罪王の触手から開放されてからも局部から巨大タケヒコを出産し続けた。
 俺は茨城県つくば市に巨大サンゴと無数の人面恐竜と巨大タケヒコを放置したまま、断罪王の状態で世界最高民族日本の心臓と言われる東京都へと移動を開始した。
次回予告
第十三話 断罪王 対 銀装天使アルマロス!親が子供に作ったこと、育ててきたことを恩着せがましく説教してんじゃねぇよ!子供は生まれてくる環境も親も選べねぇんだぜ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十三話 断罪王 対 銀装天使アルマロス!親が子供に作ったこと、育ててきたことを恩着せがましく説教してんじゃねぇよ!子供は生まれてくる環境も親も選べねぇんだぜ!

東京都に着いた断罪王をアルマロス・タミエル・サルタエルの三体の銀装天使が待ち構えていた。
 アルマロス・サルタエル・タミエルの三体の銀装天使が断罪王を囲んだ瞬間、断罪王の足元になにやら魔法陣のようなものが浮かび上がり、その魔法陣から出現した光の檻が断罪王の動きを封じてしまう。
 「なるほど…国界議事堂を破壊しにきた俺の動きをとめるつもりか…だが…」
 しかし次の瞬間、石川マサヒロの目の前は真っ暗になってしまう。
 気がつけば石川マサヒロは人間の姿に戻っている。そして隣には石川マサヒロの理想の美少女メシアが立っていた。
 「メシアッ!これは一体どういうことだ?」
 「石川マサヒロ、これはまだあなたが完全な神ではなく人間である証拠です」
 「なるほど…そう言われてみれば、のども乾くし、腹も減る…ククク…つまりエネルギー切れということだな…」
 「そういうことです、どこかで休息をとりましょう」
 俺は渋々、メシアの意見に賛成することにした。
 疲労により身体が元の人間のサイズに戻ってしまったが、そのおかげでアルマロスが作り出した光の檻の柵と柵の間を通り抜け、全裸のまま光の檻から脱出することに成功した。
 「ククク…今頃、銀装天使の奴らは大慌てだろうな…」
 「石川マサヒロ…笑っている場合ではありません。今このタイミングで命を失えば断罪王もおしまいです」
 「うるさい!そんなことはわかってる…」
 メシアに激怒する俺の目の前には懐かしい人間、学生時代に俺の愛の告白を断ったミサキがメイド服姿で立っていた。
 「石川マサヒロ君…?」
 「そんなミサキ…お前…実家を出ていいたのか…?」 
 「そんなの当たり前でしょ?私もう二十二歳だよ、まぁ、就職活動には失敗しちゃったんだけどね…そんで今もこうしてメイド服着てビラ配ってるってわけ。ところで石川マサヒロ君はなにやってるの?」
 「俺は…」
 ふと横を見るといつの間にかメシアの姿が消えていた。
                *
 目を開けると見知らぬ天井が見える。
 「ここは…どこだ?」
 「あら、やっと起きたのね石川マサヒロ君」
 「ミサキ…?ここは一体どこなんだ?」
 「ここは私の家だよ。ほら、石川マサヒロ君が全裸のまま私の家でいきなり気を失うもんだから、こうして家まで連れてきたってわけ」
 「すまんな…なんかいろいろ…」
 「今、カレー、ご飯にかけて暖めるね、具はないんだけど…」
 テーブルに置かれた具無しカレーライスから就職活動に失敗してメイドカフェでアルバイトをして生計を立てているミサキの苦労が伝わってくる。
 「ごめんね…こんなものしか出せなくて」
 「いや…俺の方こそいろいろごめん…俺は君の…」
 君の実家ごと君の家族を断罪王で踏み殺したなどと言えるわけもなく、俺は全裸の状態で具なしカレーライスを食べ続けた。
 「うん、意外といける」
 「そうでしょそうでしょ!一人暮らしてると実家に住んでいたころに比べて苦労も多いんだけど、一人暮らしならではの発見もいろいろ多いんだから!」
 ミサキは笑っていた。でも、その笑顔が心の底からの笑顔じゃないことぐらい今の俺に
は終末黙示録の力の影響でお見通しだった。それでも俺は全裸のままであえて聞く。
 「どうして家出たんだ?」
 「私…実はアイドル目指してるんだよね…でもお母さんに反対されちゃってさ、それで口喧嘩した勢いで家出してそのまま東京都に来たんだ。でもどこのオーディション受けても落選続きでね…なんかもう疲れちゃうよね」
 「いや、立派だよミサキちゃんは…俺なんか高校卒業してからずっと家に引きこもってた…」
 「そっか…なんかさ、歌の歌詞で人生色々ってあったじゃない?」
 「うんうん…」
 「子供のころはその歌詞の意味よくわからなかったけど、大人になってみるとなんか色々しっくりくるのよね」
 「そうだな…ミサキのこと見てると本当にそう思う」
 「なによ!自分は親離れもできないひきこもり君のくせに~!ごめん…言い過ぎた…怒ってるかな?」
 「いや…怒ってないわけじゃないけど…別にそんなに気にしてないよ…」
 「そっか…よかった!でも、本当に大変よ一人暮らしって、生きていくのがこんなに大変だなんてどうして学校じゃ教えてくれないんだろうね」
 「うん、その通りだよね、学校の科目に人生っていう教科を付け足したほうが絶対にいい」
 「そうそう!その通りよ!よし!あしたはバイト休みだし、今日は朝まで飲もう!」
 ミサキは座っていた椅子から急に立ちあがると冷蔵庫から缶ビールを二本出して、勢いよくテーブルに置いた。
 「ほい、それでは…久々の再会を祝って乾杯~!」 
 全裸の俺は自分の分の缶ビールをもってミサキが突き出してきた缶ビールに軽くぶつける。
 「乾杯」
 「ぷは~っ!本当、辛いときはビールが一番!これも東京都で一人暮らしするようになってからわかったことなんだけどね」
 「そっか…うん、なんか苦いね…」
 「もしかして石川マサヒロ君ビール初めて?」
 「うん…でもなんか喉乾いてたから多分、大丈夫…」
 「そうそう、どんなにダメな時でも表向きは大丈夫って思ったり、言ったりできるのがこの社会では結構重要だったりするんだから」
 「なんか嫌だね…そういうの…聞いてるだけでこっちがつらくなってくる…」 
 「ダメだね~石川マサヒロ君は!そんなんじゃ何年経っても社会復帰できないぞ~」
 「ハハ…返す言葉がありません…」
 そう呟いた俺にミサキは自分の顔を全裸の俺の顔に近づけて笑顔で一言。
 「ならさ、私が石川マサヒロ君の社会復帰を手伝ってあげるよ」
 「酒…飲みすぎだよ」
 「まだビール一杯目なんですけど」
 よく見るとミサキはTシャツの下にブラジャーを付けていなかった。
 「今、おっぱい見てたでしょ」 
 「いや…どうして見る必要があるんですかね…」
 次の瞬間、俺の唇はミサキの唇に塞がれていた。
 とてもうれしかったけれど…俺はミサキの両肩に両手を置いて、自分の顔からミサキの顔を離した。
 「ごめん…嫌だった?」
 「いや…うれしかったけど…ほら、ミサキアイドルになるのが夢なんだろ?だったらもうちょっと自分の体は大事にしたほうがいいと思う…」
 「この臆病者!引きこもり!童貞!」
 ミサキはそう俺を罵倒すると、ビール缶を一気飲みした。  
 「ごめん…さっきのは私が悪かったかも…」
 ミサキは急に泣き始めた。目もとを拭うミサキの右手首にはリストカットの跡と思われる傷があった。この子の親を殺してしまったという罪悪感が今更ながら俺自身を追い詰めてくる。
 そしてテレビニュースでは茨城県つくば市の人面恐竜と巨大タケヒコの一部が県外へと移動を開始したことを緊急速報で報じていた。
 もっと早くミサキと再会できていればきっとこんなことにはならなかっただろう。しかし俺が断罪王になっていなければミサキと再会することもきっと出来ていなかったはずなのだ。
 俺はなにも考えずに缶ビールを一気飲みするとミサキの作ってくれた具無しカレー食った。
 アルコールの影響で睡魔に襲われた全裸の俺は具無しカレーを食べ終わるとそのまま近くにあったクッションに横になって寝てしまった。

 次回予告
第十四話 パワハラで会社から自殺者が出ていることを知っていながら、自分の子供に社会参加を一般常識として強制してんじゃねぇよ!自分の子供が会社に就職して出勤してパワハラ受けた後に自殺して骨になって帰宅してくるのが一般常識なわけねぇだろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十四話 パワハラで会社から自殺者が出ていることを知っていながら、自分の子供に社会参加を一般常識として強制してんじゃねぇよ!自分の子供が会社に就職して出勤してパワハラ受けた後に自殺して骨になって帰宅してくるのが一般常識なわけねぇだろ!

次の日の朝、目が覚めた俺の目に映ったのはパジャマを着たまま踊るミサキの姿だった。
 どうやらミサキがアイドル志望というのは本当のことらしい。
 「ありゃ?おこしちゃったかな…」
 「いや、いいよ別に…でもまだ五時か…。それにしてもあんなに飲んだのに随分と元気なんだな…」
 テーブルの上には中身が空っぽだと思われるビール缶が六つほど置いてあった。
 「そりゃ、今日バイト休みだし♪そうだ!コレ!」 
 ミサキが引き出しから出して俺に見せたのは履歴書だった。
 「今日は私が一緒に石川マサヒロ君のアルバイト捜し手伝うの付き合ってあげるよ!」
 「でも…求人誌とか…俺持ってないし…」 
 「そんなのコンビニでもらってくればいいんだよ!どうせタダだし!よっしゃ、私今からコンビニ行ってくる!」
 ミサキはそう言ってパジャマ姿のまま裸足にサンダルで早朝のコンビニへと出かけて行ってしまった。
 やっぱりなにかがおかしい。
 なぜ、俺みたいな無職童貞ゴミクズ野郎にいきなりキスをしてくるのか?
 なぜ、自分はフリーターのくせしてホームレスの俺の社会復帰を手助けしようとするのか?
 そして手首にあった傷跡。今のミサキは俺の知ってるミサキとは違う。
 そりゃ、もう長い間会っていなかったのだから何かしら変わってしまうのは当然なのだが、なにか納得いかない。
 俺の知ってるミサキ…俺が学生時代に告白したミサキと今のミサキは何かが違う。

 「ただいま、ほい」
 ミサキは海鮮風味のカップヌードルが入ったレジ袋から求人誌を取り出し、それを全裸のままクッションに座っている俺に向かって投げる。
 「このカップ麺、最強なんだから!」
 「知ってる」 
  全裸の俺はそう言ってすぐに求人誌を両手でビリビリに破いて電気ポッドの沸騰ボタンを押したミサキに向かってぶん投げた。
 「ちょっと、あんた!なんで破っちゃうのよ!ふざけんじゃないわよ!」
 怒ったミサキは俺の両肩に手を置くと何度も揺さぶってきた。泣いていた。 
 「ごめん…こうしたらミサキがどんな反応するのか急に気になっちゃって…気になっちゃって…」
 俺も全裸のままでなぜか泣いていた。
 「石川マサヒロ君…ごめん…そうだよね…石川マサヒロ君の気持ちを確かめないまま無理矢理社会復帰させようなんて…よくないよね…私…よかれと思ってはしゃぎすぎちゃったね…」
 「俺もごめん…俺…働きたくないって言ったら…きっとミサキに嫌われると思ったから…それで…どうしようって思って…それで…気付いたら…なんとなく…求人誌破いてた…」
 「ラーメンにお湯入れるね…熱湯」
 ミサキはレジ袋から出した二人分の海鮮風味のカップヌードルを両手に持って俺から足早に離れていく。
 全裸の俺は床に散らばった、さっきまで求人誌だった紙くずを拾い始める。
 「いただきます」
 「いただきます」
 三分後、俺とミサキは両掌を合わせて、海鮮風味のカップヌードルを食べ始めた。三分前の気まずさがまるで嘘みたいにおいしかった。
 「うん…うまいよ」
 「言ったでしょ!最強だって!」
 俺はさっきミサキを傷つけた。なのにミサキは海鮮風味のカップヌードルを称賛する俺に目元を泣きはらしたまま、ほほえんでくれる。
 俺はミサキからもらった履歴書の名前を書くところににマジックペンで働きたくないでござると記入してミサキに渡した。
 するとミサキはマジックペンで履歴書の志望動機の欄に働かざる者食うべからずと記入して俺に渡して口を開く。
 「ここにずっといるんだったら家の掃除ぐらいはきちんとやってよね」
 「うん…わかった…」
 ミサキの言う通り俺は本当にここにいていいのだろうか。
 朝食を摂り終えたミサキは電子ピアノを引きながらなにか歌い始めた。
 「どう?この曲」
 「い、いいと思うよ、歌もうまいし楽器も弾ける、ミサキはいつか必ずアイドルになれるよ」 
 「そうだといいんだけどね。ほら、最近、意味わかんない化け物がいろんなところで暴れまわってるっていうじゃない?なんかさ、そういうニュース見るとさぁ、もうすぐ人類が滅びちゃうかもしれないのにアイドルなんて目指す意味あるのかなぁ~なんて思っちゃうのよね」
 「だ…大丈夫だよ…そうならないように至高天に所属している人たちが毎日、銀装天使に乗ってがんばっているんだから!」
 「そ、そうよね、銀装天使が、正義のスーパーロボットがいればなんとかなるわよね?よし!練習練習!」
 ミサキは再び歌い始める。昔からミサキは人前で歌うのが好きな女の子だった
 クラスメイトの誰もがミサキが将来、アイドルになることを信じていた。
 でも俺の目的が人類を滅ぼすことである以上、そんなミサキのアイドルになりたいという夢が叶うことはないのかもしれない。
 俺が自分の道に迷って入ると、ミサキは携帯から鳴り響いてきた着信音にいったん歌と演奏をやめてしまう。
 携帯に耳を当てていたミサキはなんどかあいまいな返事を繰り返して携帯の通話の切った。
 「警察からね…お母さんとお父さんがアンノウンと銀装天使の戦いに巻き込まれて死んじゃったってお知らせがきたの…でもめんどくさいから、そっちでなんとかしてくださいって言って切っちゃった!」
 「それでミサキはいいのかい?」
 「うん…だってお母さんもお父さんも自分の娘の夢を馬鹿にするような人たちだったし、そんなの親でも何でもないよ」
 「それはミサキのことを心配して…」
 「そう、そこなのよ!私の両親は自分達が安心したいから私にアイドルになってほしくないだけなの!自分たちが安心するために、私に夢を諦めて、結婚して子供作って平和に暮らしてほしいっていうそういう考え方の人たちなのよ!
 普通、親だったら最後まで娘の味方でいるべきなのよ!だってそうでしょ?私、別に両親にも誰にもこんなくだらない世の中に産んでくれなんて頼んでないんだから。
 両親の勝手で産んでおいてそれで、今度は両親のために自分の心を殺して夢をあきらめろですって!そんなの私は認めない!いつかかならずアイドルになってあのクソ親共に謝罪させてやるんだから!でも…でも…」
 自分の意見を俺に向かって声高らかに語っていたミサキは急にしゃがみ込んでうなだれてしまう。床に涙が次々とこぼれ落ちていく。
 「ごめん…やっぱ…つらいわ…」
 そうだ、全裸の俺にはミサキにちゃんと説明する義務がある。
 実はミサキの両親が死んだのは全部俺のせいなんだ…。俺の目の前に糞ラノベに出てきそうな美少女が突然現れてさ、それで俺はその美少女と契約して地球の平和のために人類を地球から滅ぼす巨神、断罪王になったんだよな…それでその巨大化した時に、断罪王の足でがミサキの実家を踏みつぶしていたんだよ…そのせいでミサキの両親は死んでしまった…」
 「やさしいね…石川マサヒロ君は…でも、その作り話…意味不明過ぎて説得力なさすぎ…」
 「作り話なんかじゃない!本当の話さ!」 
 「ごめん…ちょっと外の空気吸ってくるね…」
 ミサキはそのまま、走って自宅から出ていってしまった。
 ミサキの手首に出来ていた傷を思い出した俺は、全裸のまますぐにミサキの後を追いかけた。でも自宅アパートを出て、どの方向を見ても走り去るミサキの後姿は見えなかった。
 一体どういうことだ?瞬間移動でもしたのだろうか?そして全裸の俺はあることに気付いた。
 ミサキの自宅アパートにすぐ近くに大きなサンゴ礁が立っていることに。
 その巨大生物を見た俺はふと頭によぎった最悪の可能性を否定するために自分の主観を全て捨ててあえて終末黙示録にリンクしてその生物の生態について調べた。
 終末黙示録にはこう記されていた。
 地球が人類から自分自信を守るためにあらゆる生命体を強制的に進化させた人食い人間および人食い人間に進化させる粒子をばら撒く生物のことを人類はアンノウンと呼んでいる。
 「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
 タイミング的にはおそらく…そうなのかもしれない…でもよりによって…どうしてこのタイミングでミサキが…やっと…俺の居場所ができたと思ったのに…どうしてよりによって…ミサキがアンノウンに進化してしまうんだ…。
 次回予告
第十五話 断罪王 対 銀装天使アルマロス!タミエル!サルタエル!金目当ての結婚なんてしてんじゃねぇよ!金が欲しけりゃ自分で稼げ!金目当てで成立した婚姻関係に愛なんてあるわけねぇんだよ!本当に相手を愛しているなら相手の貯金残高とか収入なんて気にせず結婚出来るよなぁ!金目当てに婚活してるやつは全員、立ち食いそば屋でペペロンチーノ食いながら落雷に打たれろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十五話 断罪王 対 銀装天使アルマロス!タミエル!サルタエル!金目当ての結婚なんてしてんじゃねぇよ!金が欲しけりゃ自分で稼げ!金目当てで成立した婚姻関係に愛なんてあるわけねぇんだよ!本当に相手を愛しているなら相手の貯金残高とか収入なんて気にせず結婚出来るよなぁ!金目当てに婚活してるやつは全員、立ち食いそば屋でペペロンチーノ食いながら落雷に打たれろ!

「そこまで絶望する必要はありませんよ石川マサヒロ…アンノアンノウンは地球を浄化するために人間を殺し捕食する。むしろアンノウンは断罪王の味方と言っても過言ではありません」
 「メシア…お前…今までどこに行っていたんだ?」
 「いましたよ、ずっと…石川マサヒロのそばに…。それよりここにアンノウンが出現したということは、至高天の銀装天使もここにくるかもしれませんよ、ほら来た」
 「銀装天使どころじゃねぇ…周りの人間がみんなミサキが進化したサンゴ礁のアンノウンがばら撒いた粒子で次々とアンノウンに進化していきやがる…どうして…どうしてこうなっちまうんだ…俺はただ…ミサキと…好きな女の子と一緒に居たかっただけなのに…」
 以前、疲労で石川マサヒロに戻ってしまった断罪王を取り逃がした銀装天使アルマロス
・サルタエル・タミエルは各々の武器でミサキサンゴ礁がばら撒く粒子によってアンノウンに強制進化させれられた東京都民を殺害していく。
 そしてタミエルの大剣がミサキサンゴ礁を一刀両断しようとしたその瞬間、タミエルの大剣はタミエルの機体ごとマサヒロが変神した断罪王の断罪剣に真っ二つに斬殺されていた。
 「たとえアンノウンでも!ミサキは…俺が守る…!」
 断罪王の断罪剣により爆発したタミエル。
 しかしサルタエルの発射した無数のニードルガンの銃弾が爆風をつらぬいてミサキサンゴ礁に向かって放たれる。
 断罪王はサンゴ礁型のアンノウンに進化してしまったミサキを守るために自分の体を盾にして無数のニードルガンの直撃を受けてしまった。
 「うふふふ…馬鹿な坊やね…」
 サルタエルのパイロット、マナカは自分の体を盾にしてアンノウンになってしまったミサキを守る断罪王石川マサヒロをあざ笑う。
 「好きな女の子を守ってなにが悪い!」
 「だから、それが馬鹿だって言ってんのよ」
  サルタエルはミサキサンゴ礁に向けて何度もニードルガンを放つ。
 そのたびに石川マサヒロは断罪王の体を盾にしてニードルガンの直撃を体に受ける。
 「やっぱり…具無しカレーと海鮮風味のカップヌードルだけじゃ…体力は完全に回復できていなかったようだな…でも…そのおかげで…ミサキのおかげで…俺は…まだ…戦える!」
 断罪王は残り全ての少ないエネルギーで時間を巻き戻し、断罪王が全身に受けるはずだったニードルガンの銃弾すべてを念力でサルタエルに向けて放った。
 自らがミサキサンゴ礁に向けて放った攻撃を全身に受けたサルタエルは爆散した。
 「うふふふ…これでチェックメイトよ…」
 マナカが死に際に放った言葉を聞いた断罪王石川マサヒロは背後に光の檻を作り出す銀装天使アルマロスの姿を確認する。
 「残念だがまたエネルギー切れだ…お前の巨大な檻では人間体の俺を捕らえることはできない」 
 光の檻が断罪王を取り囲んですぐに、断罪王は人間体、つまり石川マサヒロの状態に戻っていた。
 「くっ…身体がもう…思うように動かん…。もっとエネルギーを補給できていれば…時間を巻き戻してサルタエルの攻撃を跳ね返すだけでなく…サルタエルに受けたダメージもなかったことにできたのにな…」 
 石川マサヒロの目の前には無傷のミサキサンゴ礁が全身から人間をアンノウンに強制進化させる粒子を放っていた。
 「ごめん…俺…もう体が動けない…アルマロスから…ミサキを守ってあげることができない…本当にごめん…」

 「安心して石川マサヒロ…今度は私が守ってあげるわ…」
 全裸のまま地面にうつ伏せに倒れている石川マサヒロの頭上からアンノウンになってしまったはずのミサキの声が聞こえる。
 そして頭上を見上げるとそこにはアルマロスのコックピットから外でに出たミサキが倒れている石川マサヒロに向けて銃を向けていた。
 「どうして…ミサキが銀装天使に…?」
 「私が移動できないサンゴ礁型のアンノウンに進化したって石川マサヒロ君が勘違いすれば、断罪王になった石川マサヒロ君はサンゴ礁型のアンノウンを守るためにサルタエルの攻撃に対して自分の体を盾にするしかない」
 「そんな…じゃあ…今までのは全部…この時のために…」
 「そうよ…私が石川マサヒロ君に好意を抱いているように見えたのは全て演技。具無しカレーも海鮮風味のカップヌードルも神に等しい力を持つ断罪王をエネルギー切れにして生きた状態で捕獲するための餌にすぎない」
 「そ、そんなぁ…じゃあ…それだけのためにタミエルやサルタエルのパイロットは…自分の命を犠牲にしたっていうのか…?」
 「そうよ!人類を守るためなら自分の命も何のためらいもなく犠牲にする!人類を守るためならどんな手段も選ばない!それが至高天に選ばれた戦士の使命!悪いけど…石川マサヒロ君…いや断罪王!あなたにはこれから我ら至高天の基地で罰を受けてもらうわ!」
 「そんな…そんな…嘘だ!お前はミサキの偽物だ!そうだ!絶対その通りだ!じゃあ!あの俺がミサキだと思っていたサンゴ礁型のアンノウンはいったい誰が進化したっていうんだ?」
 「あれはつくば市でサンゴ礁型のアンノウンが放出した粒子を我々が回収して、近隣住民に投与することで意図的に発生させたサンゴ礁型のアンノウンよ」
 「お前たち至高天は…自らを人類を守る組織と言いながら一般市民を無理やりアンノウンに進化させたというのか…どうなんだよ!人として!」 
 「言ったはずよ、至高天に選ばれた戦士は人類を守るためならどんな手段も選ばないと…とにかく、断罪王!あなたを基地まで連行します!」
 「ちくしょう…ちくしょう…やっと…やっとこのくそったれでできそこないの世界にやっと自分の居場所を見つけることができたと思っていたのに…」
 「働かざる者食うべからず…悪いけどこの世界は石川マサヒロ君みたいなニートで無職で露出狂の人殺しに居場所を与えるほど甘い世界じゃないの。それに正直アンタキモイのよ、アンタみたいなキモイ男なんか死んでしまえばいいのよ!どうしてこの世界に産まれてきたのよ!多くの人々と私の両親を殺しておいて殺されないだけ、ありがたいと思いなさい!」
 「嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!お前はミサキじゃない!ミサキはそんなこと言わないんだよぉ!お前はミサキの偽物だ!うおおおおおんっ!シンゴォォォォォォォォォッ!ダメだ…エネルギー切れで断罪王に変神できない…そうだ…メシアはメシアはどこだ?」
 泣きながら笑うミサキの放った麻酔銃の銃弾が全裸のままうつぶせで泣き叫んでいる石川マサヒロの背中に直撃する。
 その瞬間、石川マサヒロは目の前は真っ暗になる。
                *
 ミサキの操縦するアルマロスは気絶した石川マサヒロを右手で掴み、飛翔すると左手のひらから出したビームの鞭で一般市民を無理矢理進化させたサンゴ礁型のアンノウンを爆散させると至高天の基地に向かった。
                *
 目を覚ますと俺は全裸のまま檻の中に閉じ込められていた。
 目の前にはコップに入った水と食パンが一枚あるだけだった。この程度の食料では断罪王に変神してこの至高天の基地から脱出するのにおそらく百年はかかるだろう。
 至高天の奴らがなぜ俺を生かしたのかについては不明な点は多いが、今俺にできることはとりあえず食料を摂取して生きることだけだ。
 「石川マサヒロ、ようやく起きたみたいですね」
 俺が食パンを食っていると、いったいいつからいたのか、無表情のメシアが隣で体育座りをしながら知恵の輪で遊んでいる。
 「メシア!お前はなぜ俺を助けなかったんだ!」
 「助ける必要がないからです。つまり、この状況を石川マサヒロに身をもって知ってもらうためにはこうするしかありませんでした」
 「一体どういうことだ?」
 「どこの世界に空腹と栄養不足が弱点の神様がいますか?」
 「そ…それは…」
 「つまりまだ、黒の断罪王は完全体ではないということです」
 「完全体?お前はいったい何を言っているんだ?」
 「とにかく石川マサヒロが人間をやめればいいんです」
 「人間をやめるだと?断罪王に変神できる俺がまだ人間だというのか?」
 「そうですよ、だから石川マサヒロは今、至高天の基地の檻の中にいる」
 「なるほど…なら俺はいったいどうすればいい…」
 「これを食べてください」
 メシアが地面に右手をかざすと地面に浮かんだ魔法陣から俺の母親が出てきた。
 「どうして地面から母さんが出てくるんだ…その前になぜ生きている?俺が初めて断罪王に変神した時、断罪王の下敷きになってしまったはず!」
 「どうやら奇跡的に無事だったので私がここに連れてきました。血のつながった自らの母を殺し、喰らう。これが果たして人間のすることでしょうか…?さぁ、どうしますか、母親を喰らうことで人間を捨て完全究極神となるか。このまま不完全な神として銀装天使に断罪されるか」
 「俺は…」
 「マサヒロ…生きていたんだね…よかった…本当によかった…」
 俺の身の安全を確認した母さんは泣いていた。
 お腹を痛めて産んだ子供が、ずっと死んだと思っていた子供が生きていて、喜んでいる…まるで…自分の命より我が子のほうが大事だと言わんばかりに。
 でも俺の脳裏を駆け巡るのは俺が他者から受けたいじめの数々だった。
 そしていじめがきっかけで学校と職場に行くのをやめれば、母さんや父さんは俺を出来損ないの臆病者と侮辱した。
 そうだ…俺自身が産んでくれと望んだわけでもないのに、どうして大多数の固定観念が作り上げた幻想の世界・現代社会に適応できないだけで俺ばっかりがこんなに苦しい思いをしなければいけないのだろう?

 どうしてもっと綺麗な顔に産んでくれなかったのか?

 どうして不細工な人間が子供を作ってしまうのか?

 どうして?どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてぇぇぇぇぇぇぇなんだよぉぉぉぉぉッ! 

 気がついたら手錠につながれた俺の両手が大好きだった母さんの首を絞めていた。母さんは自分の息子に殺されようとしているのになぜか笑顔だった。
 「母さん…ごめんなさい…こんなダメな息子で…でも俺…今度はちゃんとした神様になるから…母さんを食べて立派な神様になるから…」
 そのあとのことはもう何を覚えていない。
 いや、思い出したくもない。気付いたら俺の体は至高天の基地の天井をぶち破っていた。
 俺は自分が殺した母さんを食べてメシアの言っていた完全究極神グレート断罪王に変神していた。
 そして目の前には俺を再び捕らえにきたミサキが操縦するアルマロスが立ちはだかっていた。
 「一体どういうことだ!あの、エネルギーが残り少ない状態からいったいどうやって断罪王に変神したというんだ!」
 「黙れ…俺は身長170センチ以下で無職で童貞でニートの完全究極神だ…」 
 次の瞬間、ミサキは腹部に強烈な痛みを覚える。
 「こ…これは一体どういうことだ?」

 「おめでとう」

 「貴様…何をした…?」
 「俺とミサキの愛の結晶をミサキの子宮の中に創造しただけだよ。残念ながら俺とミサキが結ばれる世界はどのパラレルワールドにもなかった。だから俺は超能力、つまりある方法で自分の精子をミサキの卵子に無理矢理送りつけて受精させた」
 お願い…お願い…誰か殺して…あんたみたいなキモイニート無職のガキなんて出産するくらいなら今すぐ死んだ方がマシよ!嫌ぁぁぁぁぁッ!誰か助けてぇぇぇぇえっ!」
 アルマロスのコックピットの中のミサキは制服のポケットから出したカッターナイフで何度も自分の手首を切り裂く。
 しかし、ミサキの腹部はどんどん膨らんでしまう。
 「俺の精子はね、応募者全員サービスだからね、だからね、俺とミサキの子供ができればね、きっと天国のお母さんも喜んでくれるからね…」
 「う…産まれる…産まれちゃう…い…嫌…絶対嫌ァァァァァァァァァァァッ!」
 そして石川マサヒロの子どもをスピード出産したミサキは下半身を血塗れにした状態で白目をむいて気絶してしまった。
次回予告
第十六話 グレート断罪王 対 銀装天使ハスデヤ!コカビエル!この世の中には容姿が醜い人間には許されずイケメンや美女になら許されることが多すぎる!容姿が醜い両親から生まれた容姿の醜い人間は生まれながらに呪いをかけられたようなものである! 顔がよけりゃぁなにしてもいいのか? 何しても許されるのか?んなわけねぇだろぉぉッ!人間の価値を顔でしか決められねぇやつは黄色ブドウ球菌手についた寿司職人が素手でにぎった寿司を食いながらスポーツチャンバラでもしてろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十六話 グレート断罪王 対 銀装天使ハスデヤ!コカビエル!この世の中には容姿が醜い人間には許されずイケメンや美女になら許されることが多すぎる!容姿が醜い両親から生まれた容姿の醜い人間は生まれながらに呪いをかけられたようなものである! 顔がよけりゃぁなにしてもいいのか? 何しても許されるのか?んなわけねぇだろぉぉッ!人間の価値を顔でしか決められねぇやつは黄色ブドウ球菌手についた寿司職人が素手でにぎった寿司を食いながらスポーツチャンバラでもしてろ!

「アルマロスが倒れた…一体何があった?」
 グレート断罪王の出現により現場に緊急出撃したハスデヤのパイロット、ヨシキは敵からなんの攻撃も受けていないアルマロスが突然倒れたことに困惑する。
 「次はお前か…」
 「き…貴様!俺のミサキに何をした!」
 ハスデヤがグレート断罪王に向かって両手で突き出した槍をグレード断罪王は指一本で受け止めてしまう。
 「精子を卵子に着床させた…ただ、それだけ」
 石川マサヒロの言葉が終ってすぐに何もない空間から突如出現したハスデヤの槍数千本がハスヤデの四肢を貫く。
 「くっ…これでは動けない…貴様…なぜ俺を殺さない!」
 「お前は今、ミサキのことを俺のミサキと言った。そう、俺は今さっきあらゆる平行世界に干渉してミサキと俺が結ばれる世界を探し、今俺がいるこの世界との融合を試みようとした。ところが、どうだ!どの平行世界でもヨシキ!お前とミサキは愛し合い結ばれていた。
 だからだよ!俺はわざわざ超能力を使って自分の精子をミサキの卵子に完全着床させた!そして、ミサキはアルマロスの中で俺の子ども出産した!そして俺は子供が苦手だ。つまりヨシキ!お前は残り少ない人生の中でミサキと共に俺とミサキの子どもを育てるんだ!
 そしてお前とミサキは俺とミサキの子どもを見るたびに絶望する!つまり俺はお前たちを苦しめるためにお前とミサキを生かすんだ!」
 「い、意味がまったく理解できない!貴様…それでも人間か!」
 「お前はこの俺、完全究極神グレート断罪王の姿を見ても俺がまだ人間だと思っているのか?超能力で精子を女性の卵子に着床させることのできるこの俺が人間であるとお前は本気で思っているのか?」
 「確かに貴様のしていることは人間離れしているが、貴様の行動原理はただの嫉妬だ!自分の好きな女が自分の相手をしてくれないから超能力で無理矢理受精させる、貴様の行動原理は極めて人間的だ、人間に嫉妬する神がいるものか!」
 「貴様ァッ!失礼だぞ!いったい自分が誰の情けで生きていられるのか?いったい誰がお前の愛する女を生かしているのか?貴様ら二人の人生!この完全究極神グレート断罪王の掌の上で転がしてもらえることをもっとありがたく思えやぁぁぁぁッ!」
 ハスデヤと共に出撃したイタオの操縦する銀装天使コカビエルの両掌から放たれた無数のエネルギー弾がハスデヤの動きを封じている槍数千本を粉々にした。
 「いまだヨシキ!同時に断罪王に攻撃を仕掛けるぞ!」
 イタオの指示通りにヨシキは自由に動かせるようになったハスデヤで槍をグレート断罪王の頭部に狙いを定めて投擲した。
 しかし、ハスデヤがグレート断罪王に向けて放った槍は一瞬消えるとイタオの操縦する
コカビエルのコックピットに直撃していた。
 「イタオさぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!」
 ヨシキの操縦するハスデヤが放った槍に串刺しにされて爆散するコカビエル。
 そう、ハスデヤの放った槍の動きはグレート断罪王の念力によって変えられていたのだ。
 「断罪フラッシュ…!」
 愛する女性をグレート断罪王に妊娠させられ、自ら放った槍が固い友情で結ばれた戦友の命を奪ってしまった厳しすぎる現実にヨシキはショックで目の前が真っ暗になってしまった。
                * 
 気がつけばヨシキは都内を歩いていた。  
「あれ?もしかしてヨシキ君?」
 都内を歩いていたヨシキに話かけて来たのはビラを配っていたメイド服姿のミサキだった。
 「ミサキ!お前も埼玉を出て東京都に来てたのか?」
 「う、うん…まあね、ぶっちゃけ家出だけどね…それより、もうちょっとでバイト終わるからさ一緒に飲みに行かない?」
 「ああ、いいぜ」
 お互いの携帯電話の電話番号を携帯に登録し終えたヨシキとミサキはいったんその場で別れるとすぐに待ち合わせ場所のレストランで食事をしながら昔話に花を咲かせた。
 「それにしても驚いた、あのヨシキ君が東京都でスーパーの店員をしているなんて!」
 「ああ、昔から食品でみんなの笑顔と明日を作るのが俺の夢だったからね」
 「私はぶっちゃけヨシキ君ってイケメンで学校でも運動神経抜群で成績優秀だったから将来はスポーツ選手か芸能人になると思ってたよ」
 「ハハハ…正直僕はあんまり目立つのは好きじゃないからね…」
 「でも学生の時はイケメンで運動神経抜群で成績優秀だったからヨシキ君にめちゃくちゃ目立ってたしモテモテだったよね~。でもどうしてスーパーで働こうと思ったの?」
 「ミサキは人の明日に必要なものってなんだと思う?」 
 「人の明日…?う~ん、あ、そういうことか!食べ物!」
 「正解!食品がなければ人に明日は来ない。いい思い出も芸能界もスポーツのどんな記録も経済発展も食品から始まっているんだ!食品業は人の幸せをつくる最高の職業なんだ!」
 「へぇ~なんかヨシキ君の話って昔から聞いてるだけでこっちも幸せになっちゃうよ~」
 「ハハハ…大げさだよ…。それでミサキはどうしてメイドカフェでバイトしてるの?」
 「え、私?う、うん…じつは私アイドル目指しててさ…それで親に反対されて喧嘩してそのまま東京都に来ちゃったの…でもオーディションとか何回受けてもあんまり結果が出なくてさ…それでとりあえずアイドル目指しながら生活費のためにメイドカフェで働いてるって感じかな」
 「ふ~ん…そっかぁ…でもミサキ可愛いからさ、きっといつかアイドルになれるよ!俺、絶対信じてる!ミサキがアイドルデビューしたら俺が真っ先にファンクラブ会員一号になってあげるよ!」
 「うん…ありがと…でもヨシキ君…結婚してて子どももいるんでしょ?」
 「う、うん…大丈夫!大丈夫!俺のカミさん産経婦だからねアソコも心もガバガバなんだ!あはははは!」
 レストランで食事を終えたヨシキとミサキはそのまま談笑しながらお互いの家のある方向に向かって歩き始める。 
 「へぇ~ヨシキ君の家って、私の家と結構近いところにあるんだね~」
 「本当!俺もミサキの話聞いてびっくりしちゃったよ~もしかしたら今までも気づいてないだけでどこかですれ違っていたりして」
 いつのまにか二人はミサキの住んでいるアパートの前まで来ていた。
 「ヨシキ君さ…こういうこと言うのは反則なんだろうけど…私、実はヨシキ君のことが学生時代からずっと好きだった…」
 「ミサキ…酒…飲み過ぎだよ…」
 「私、お酒飲んでないんだけど…」
 「そ、そうだったな…でも」
 ヨシキの次の言葉はミサキの唇と舌に塞がれてしまった。
 ヨシキも勢いでキスしながらミサキの体を抱きしめていた。
 気がつけばヨシキは全裸の状態でミサキの家のベットの上にいた。そして隣には全裸で汗だくのミサキが気持ちよさそうに寝ていた。
 よく見るとミサキの手首にはリストカットと思われる傷跡がたくさん残っていた。
 「んん…ヨシキくん?もう起きちゃったの?ああ…ごめん…変なものみせちゃって…」
 「ごめん…俺の方こそ…」
 「こっち来てからかな…なんか色々うまくいかなくって…たまに死んじゃいたくなっちゃうの…」
 「ミサキ…大丈夫…俺がミサキのそばにいるから…だから死んじゃいたくなったら…おれがいつでもミサキの傍に駆け付けるから…」
 「ヨシキ君…でも…ヨシキ君には奥さんと息子さんが…」
 「大丈夫!ミサキに比べたら嫁も息子もゴミクズみたいなもんさ!」
 「ヨシキ君…愛してる…」
 「俺もだ…ミサキ愛してる…」
 翌日、ヨシキは会社をミサキはアルバイトを休んでセッ●スしまくった。
 そして数日後、ヨシキの嫁が第2子を妊娠した。
 「よっしゃあっ!これはめでたい!今日も仕事頑張ってくるからな!よっしゃあっ!行ってきまぁ~す!愛してるぜ!」
 「うん、帰ったら三人で一緒に子供の名前考えましょうね!いってっらっしゃ~い」
 しかし、その日がヨシキの家族の最後の日になってしまった。
 家を出たヨシキの行先は会社ではなく東京都内のラブホテルだった。
 そうヨシキは嫁に休日出勤と偽り、ラブホテルでミサキと待ち合わせをしていたのだ。
 そしてヨシキとミサキがラブホテルで愛し合っている間に都内に突如、東京都民が進化したアンノウンが発生し大暴れしていた。
 そのアンノウンと銀装天使バラキエルの戦いに巻き込まれたヨシキの自宅は全壊全焼、
もちろんヨシキの嫁も息子も死亡してしまい、まさにゴミクズになってしまった。
 翌日、自宅に朝帰りしたヨシキは真っ黒な瓦礫の山と化した自宅と嫁と息子の焼死体を見て泣きながら何度も嘔吐した。
 ヨシキは泣きながらその場を立ち去り、人差し指でミサキの家のインターホンを高速で連打した。
 何事かとアパートのドアを開けたミサキをヨシキは玄関内で押し倒した。
 大泣きしながら体を求めてくるヨシキをミサキは何の事情も知らないまま、ただ受け入れるしかなかった。
 行為の後、いったん落ち着きを取り戻した全裸のヨシキから事情を聞いた全裸のミサキはヨシキの胸の中で抱きしめられながら泣いていた。 
 全裸のヨシキとミサキは互いの体を抱きしめ合いながら泣き続けた。
 そして泣きながら再びお互いの体を求め合った。
 
 それから数日後、テレビのコマーシャルでアンノウンと巨大ロボットで戦う秘密結社、至高天の存在を知ったヨシキとミサキは罪滅ぼしのために至高天に志願した。
 そして至高天での軍事訓練を終えたヨシキとミサキは人型機動兵器・銀装天使のパイロットになり、アンノウンを人類から絶滅させるために戦い続けた。
                * 
 「そうだ…、平行世界を巡っても、俺とミサキが結ばれる世界は存在しなかった…なぜだかわかるか?それはヨシキ!全部お前のせいだ!どの平行世界を巡ってもミサキは必ずお前と結ばれていた!そして今、グレート断罪王の力を使ってお前の世界に干渉してよくわかった…ヨシキ!俺の名前を言ってみろ!」
 断罪フラッシュにより、自分のこれまでの人生を他人の視点から見せられ、体感させられたヨシキは突如、目の前に現れた人物に驚愕する。
 「石川マサヒロ…じゃあ…断罪王の正体はあの石川マサヒロなのか…」
 「そうだ!学生時代、お前にいじめられていた、あの石川マサヒロだ!」
 「俺もびっくりしたぜ!まさか、俺を苛めていた男が俺の最愛の女ミサキと不倫していたなんてな!なぁ!ヨシキ!お前、死んだ嫁と息子に会いたくないか?会いたいだろう?」
 「貴様…一体何を言っている…死んだ人間が生き返るわけがないだろ!」
 「ああ、そうだ。死んだ人間は生き返らない。でも、グレート断罪王の力を使えば時間を巻き戻すことができる…もう遅い!味あわせてやる!グレート断罪王の力をな!」
                * 
 石川マサヒロの言葉が終った瞬間、ヨシキは都内の道を歩いていた。そして、視線の先にはメイド服に身を包んだミサキがビラ配りをしていた。
 「そうか…そういうことか…俺はミサキと不倫する直前の状態にタイムスリップしてしまったのか?」
 「すこし違うな…」
 下から聞こえてきた声の方向に顔を向けると、ヨシキのズボンのチャックが見えない力によって強制的に下ろされる。
 そしてその中から石川マサヒロの顔が出てきた。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
次回予告
第十七話 グレート断罪王 対 バラキエル!職場で本人にわざと聞こえるような悪口なんて言ってんじゃねぇよ!そうやって俺を精神的に追い詰めて自主退職させようとしてんだろ?そんなガキみてぇないじめしてる暇があるなら手動かせよ!時間で金が発生してるのに客が喜ばねぇようなことしてる給料泥棒は今すぐ紛争地帯で全裸のまま前転しながら地雷撤去でもしてろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十七話 グレート断罪王 対 バラキエル!職場で本人にわざと聞こえるような悪口なんて言ってんじゃねぇよ!そうやって俺を精神的に追い詰めて自主退職させようとしてんだろ?そんなガキみてぇないじめしてる暇があるなら手動かせよ!時間で金が発生してるのに客が喜ばねぇようなことしてる給料泥棒は今すぐ紛争地帯で全裸のまま前転しながら地雷撤去でもしてろ!

「確かに俺は断罪王の力でヨシキを過去にタイムスリップさせた。このまま、お前がミサキと再会して不倫をしなければ、お前の嫁と子供は死なずに済むだろう…しかしそうはさせねぇ!」
 ヨシキの体は自分の意思とは関係なく、メイド服姿でビラ配りをするミサキの方向に歩いていく。
 「身体が勝手に…一体何が起きたんだ!」
 「俺がお前になっただけだよ」
 ヨシキの右目から石川マサヒロの顔が飛びだし、ヨシキは自分の体がなんらかの方法で石川マサヒロに操られていることに気付いた。
 「よ、よせ石川マサヒロ!俺はミサキを無視して嫁と息子の命を守りたい、頼む!人生をやり直させてくれ!」
 「ダメだ!俺はお前の体を使って今度こそミサキと一つになる!」
 そしてその日、石川マサヒロに体をのっとられたヨシキはミサキと再会し、不倫した。
 
 行為の後、ミサキのアパートのトイレの中でヨシキは頭を抱えていた。
 「石川マサヒロ…どうしてだ…せっかくタイムスリップできたのに…ミサキと不倫しなければ嫁と息子の命を救えるかもしれないのに…」
 「その通りだよ、お前はすでにミサキと不倫している最中に家族を失うという経験をした。その経験をもとに、お前は嫁と息子が死んでしまうはずのあの日ミサキと不倫せず、嫁と息子と一緒に東京都の外に避難していれば、お前は家族の命を救える。でも、それは俺が認めない。俺はお前にチャンスを与え、そしてそのチャンスをお前が掴む直前で破壊する。
 分りやすく言えば、お前の目の前にあるテーブルの上に置かれた御馳走の乗った皿をお前が食べようとした瞬間に俺が皿ごとその御馳走を地面にぶちまける。そうしてお前の精神に苦しみを与える。お前の望みが叶う寸前にその望みを断ち切るっ!それが俺のやり方なんだ!そしてお前の体を使ってミサキを味わい、最終的には妊娠させる…最高だな!」
 「なるほど…そういうことか、ミサキが妊娠していたのは…お前が俺の体を使ってミサキを妊娠させていたからなのか…」 
 「その通りだ!お前の体を直接支配した状態の俺がミサキと一つになる。ミサキが先ほど出産した子供は表向きはヨシキとミサキが不倫してできた子供だが、その事実は俺がヨシキの体を支配したことで生まれた事実!つまり、ミサキが白目むいて股を血塗れにして産んだガキは遺伝子学的にはヨシキとミサキの子供だが、真実を言えは俺に支配されたヨシキとミサキの子どもだということになる!
 つまり、この悲劇を生んだのは全ての平行世界でヨシキとミサキが結ばれていたのが原因!そして俺がお前の体を内側から支配することで全ての平行世界でミサキと結ばれた全てのヨシキの魂は俺になるということだ!
 つまりお前とミサキが不倫したのは今から全部俺のせいになったということだ!つまり、全ての平行世界で見た目がヨシキの俺はミサキと結ばれるが、すべての平行世界のヨシキの嫁と息子は見た目がヨシキの俺とミサキがラブホテルで愛し合っている最中にアン
ノウンが原因で焼き殺される!
 いいか、ヨシキ!全ての平行世界でお前の全てを支配し奪い、本来ならば俺と結ばれる運命にないミサキと一つになり、愛の結晶を創造する!それが俺の復讐だ!」

 つまり、ミサキが卵子に着床した精子は生物学的に言えばヨシキの精子であるということだ。
 石川マサヒロはミサキとセッ●スするためだけにグレート断罪王の力を使いヨシキの過去に干渉した。
 ヨシキの過去に干渉した石川マサヒロはグレート断罪王の力で魂だけの状態になりヨシキの体に侵入、支配する。
 石川マサヒロに体を支配されたヨシキはグレート断罪王の力で嫁と息子が生きている時間軸の世界に戻ることに成功するも、身体を石川マサヒロに支配されてしまっている。
 嫁と子供の命を救うために未来を変えようと願うヨシキと違い、ヨシキの体を支配している石川マサヒロはヨシキの体を使って愛するミサキと何度もセッ●スがしたいだけだ。
 結果的に、ヨシキは過去に戻るも嫁と息子が死ぬ未来は変えられず、石川マサヒロに体を支配された状態でミサキと不倫してまう。
 当然、ヨシキの嫁と息子はアンノウンと銀装天使の戦闘に巻き込まれ死亡。
 
 つまり、過去にタイムスリップしたところで石川マサヒロのミサキとセッ●スしたいという願いだけが叶えられ、ヨシキは過去に戻ることができても、何もできずに石川マサヒロに体を支配された状態で家族を失うということだ。
 そして石川マサヒロがグレート断罪王の力でヨシキの過去に干渉、肉体を支配、ヨシキの体でミサキと何度もセッ●スした結果、アルマロスのコックピット内でミサキはスピード受精、スピード出産。出産した子供は遺伝子学的に言えばヨシキとミサキの遺伝子を受け継いでいる。
 しかし、グレート断罪王の力でヨシキの過去に干渉し、ヨシキの体を支配した石川マサヒロがミサキとセッ●スしたという過去改変が成立してしまっているため、ミサキが白目を向いて血を流しながら出産した子供は生物学的にはヨシキとミサキの子どもであるが真実では石川マサヒロとミサキの子供ということになるのだ。

 そして、それがあらゆる平行世界において真実となるのだ。
                *
「じゃあ、石川マサヒロに過去を改変されたせいで石川マサヒロに体を支配された俺は…今の俺は一体なんなんだ?」
 ハスデヤのコックピットの中で意識を取り戻したヨシキは自分自身に向かって問いかけた。 
 すると頭の奥から石川マサヒロの言葉が返ってくる。
 「今、お前は迷っているよな、それすらも、もうすでに俺の思い通りってことだ。お前が自分自身で決めて行動したと思っていることも、今、息をしているのも全部、お前の体の持ち主である俺が決めたことなんだ」
 「俺は…俺はこれからどうすればいいんだよ!」
 「ミサキと一つになり子孫を残せた今となっては、お前はもう用済みだ。大体、いじめなんかするやつは地球に必要ない。というよりヨシキよぉ、お前どうして産まれてきたんだ?いじめとかで人に迷惑かける奴なんかが産まれてきていいわけないだろ!正直なんの意味もねぇんだよ!なぁ?お前、どうして産まれてきたんだよ!はっきり言って、いじめとかで人に迷惑かけるなら産まれてくるんじゃねぇよ!馬鹿野郎!生まれてくるな!バカ野郎!死ね!」
 「お…俺だって…俺だって好きで産まれてきたわけじゃないんだよ!」
 「そうだ!俺に許可なくこの世界に産まれてきたお前も悪いが、俺に許可なくお前を作った両親も悪い!そもそもお前が産まれこなければお前の嫁は死なずにすんだ!お前が産まれたせいで何の罪のない女が死んだ!本来であれば断罪王の名においてお前を誕生罪で死刑ししたいところだが、お前には俺に心と体を支配された状態で俺とミサキの子どもの面倒を見てもらうために生かしておいてやる!お前はこの先死ぬまでミサキと共に俺とミサキの子どもを育てるのだ!」
 「あ…ありがとうございます…」
 ヨシキはハスデヤのコックピットの中で自分の体を内側から支配している目には見えない石川マサヒロに向けて感謝の気持ちを伝えた。  
 その口から出た言葉が最初から石川マサヒロによって仕組まれていたことも知らずに。
 グレート断罪王の精神汚染攻撃によりハスデヤはアルマロスと同様に動きを停止した。

 「久しぶりね、石川マサヒロ君…」
 アルマロス・コカビエル・ハスデヤの三体の銀装天使を倒したグレート断罪王の背後にはいつの間にかマルヤマとヨシキの過去に垣間見た銀装天使バラキエルが立っていた。
 「バラキエル…貴様、ハルカだな…ミサキと同様に俺の愛を拒絶したこの狂人女が…しかし今となってはもはや人間かどうかも怪しいがな…」
 「あら失礼ね、私は人間よ。私が人間なのは学校が同じだった石川マサヒロ君が一番知ってるでしょ?」
 「それだよ!お前は俺と同い年でありながらマルヤマの過去にバラキエルを操縦した状態で出現した。つまりマルヤマが幼少期の時点から銀装天使を操縦できたハルカが俺と同い年であるわけがない」
 「あら失礼ね、私が幼少期からバラキエルを操縦できた可能性だってあるかもしれないわよ?」
 グレード断罪王が両手で持ったグレート断罪剣がバラキエルに向かって神速で振り下ろされる。
 バラキエルは全身から黒いバリアを発生させ、グレート断罪剣の攻撃を防ぐ。
 「ハルカ…貴様はいったい何者だ!」
 「そんなこと…私に聞かなくても断罪王の力を使えば簡単にわかると思うんだけど…そ
れとも…もしかして断罪王の力でも私のことがわからないのかしら♪」
 「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇッ!」 
 バラキエルが全身から放つ黒いバリアはグレート断罪王のグレート断罪剣の斬撃を何度喰らってもびくともしない。
 「どうやら図星みたいね。なら味わいなさい、私自身を」
 バラキエルが全身から放つ黒いバリアがグレート断罪王を飲み込む。
                *
 気がつけば俺は父親の石川タカユキが運転する車の後部座席に座っていた。
 そうだ、俺は高校を卒業して介護系の短期大学に進学して老人ホームに就職するも、そこを三ヶ月で退職したのだった。
 いや、俺は逃げ出したんだ、責任から。
 自分のミスのせいで利用者の、誰かの命が失われるのが怖かったんだ。
 全ては自分の将来に関してなにもかも中途半端にしか考えてなかった俺が悪い。
 だから俺は精神的に不安定な状態のまま、その老人ホームに電話で一方的にもう出勤したくないと言い放ち、それから二度とその職場には出勤しなかった。
 そして後の手続きは全部、母親に任せた。
 職場を自らの個人的な理由で退職し、身も心も疲労困憊していた俺はなぜか当時、母親が通っていた心療内科を勧められた。
 そう、当時俺の母親は婚活サイトで知りあった年収一千万の交際相手の男がスキューバダイビングの練習中に海でおぼれて死んだことでかなり落ち込んでいた。
 それもそのはず、その交際相手の男にスキューバダイビングを勧めたのは俺の母親だったからだ。
 そして交際相手の男が事故死したことに強い責任感を感じた俺の母親は大学時代の友人である信号機(あだ名)に勧められた心療内科に通い始め、いつの間にか俺もその心療内科に通わされていた。
 その心療内科の先生に俺は強迫性障害と診断され、薬をもらっていた。
 その薬を水と一緒に飲むと、あら不思議まったく眠れない、射精できない。

 ある意味、地獄だった。

 俺の母親が勧めた心療内科の薬で体調を悪化させられた俺の体を心配した俺の母親はなぜか離婚した元夫で俺の父親でもある石川タカユキに相談した。
 石川タカユキと電話している俺の母親はなぜか泣いていた。
 そりゃそうだ、自分が勧めたスキューバダイビングのせいで恋人を失い、お腹を痛めて産み、浮気性の父と離婚して女手一つで育て、多額の学費を払ってきたにも関わらず、外で働かず、心療内科の薬のせいでひたすら寝たきり状態の息子を見続けていれば気がおかしくなるに決まっている。
 母親からもらった電話の受話器から石川タカユキの声が聞こえてくる。
 石川タカユキは今自分が年の若い交際相手と暮らしている茨城県つくば市に建てた家に
一緒に住まないかと言ってきた。
 俺は気分転換にとりあえず母親のもとを離れ、石川タカユキの家に行くことにした。
 後に石川タカユキはこの時泣いていた俺の母親のことを病気だと言っていた。俺はそのとき自分の父親に初めて殺意を抱いた。
次回予告
第十八話 女は集団でクラスや職場で孤立してる男の悪口を言っていじめるのはやめろ!自分の主義主張があるのなら一人で正々堂々、そいつに悪口を言え!自分の言いたいことも一人で言えねぇ臆病者のウジ虫女どもは全員、俺と結婚して世界一幸せな家庭を築け!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十八話 女は集団でクラスや職場で孤立してる男の悪口を言っていじめるのはやめろ!自分の主義主張があるのなら一人で正々堂々、そいつに悪口を言え!自分の言いたいことも一人で言えねぇ臆病者のウジ虫女どもは全員、俺と結婚して世界一幸せな家庭を築け!

石川タカユキの運転する車が見知らぬ家の車庫に入っていった。
 車を降りて家の中に入ると五十代の石川タカユキの年齢より二十歳近く若い交際相手、中国人女性のキンカイとその息子、カズキがいた。 
 カズキは石川タカユキの子ではなく、どうやらキンカイの連れ子らしい。
 ちなみに石川タカユキは長い間、キンカイに子供がいることは知らなかったらしい。
 それもそのはずだ、二十代の若い女が石川タカユキのような五十代のおっさんに近づくのになにかそれなりの思惑があるに決まっている。 
 おそらくはキンカイが石川タカユキに近づいたのは全て、自分の子どもであるカズキの将来のために違いない。
 女手一つで子供を育てるのが大変なのは俺も知っている。
 しかし、俺の母親が女手一つで俺を育てなくてはならなくなったのは石川タカユキが浮気性のせいで離婚したのが原因だ。
 その石川タカユキが今や、若い交際相手の女性の連れ子の面倒を見ている。
 そして俺がなぜツカバ市の家に住むことになったのかについてカズキに聞かれた石川タカユキはその理由について俺と俺の母親が病気だからと答えた。
 死んでしまえ。
 一体誰のせいで俺の母親は一人で俺を育てなくてはいけなくなったのか。
 
 死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。

 俺が小さいころは全く母の料理の手伝いもしなかった石川タカユキはキンカイと共に豚しゃぶの準備をしていた。
 みんなで昼食の豚しゃぶを食べていると石川タカユキが俺にいつも家で働かずになにをしているのかと聞いてきたので、俺は素直に家で読書をしているといった。
 石川タカユキは俺が家で働かずに読書をしているという発言に対して、きっぱりと現実逃避だと言ってきやがった。
 では石川タカユキが好きな酒とタバコは現実逃避の内に入らないのか?
 ちなみに心療内科で俺がもらっていた薬は酒とタバコをやめることができない石川タカユキに取り上げられてしまった。
 「体に悪いからその薬は飲まない方がいい」
 石川タカユキが偉そうに俺にそう言った。俺にしてみれば酒とタバコのほうがよっぽど体に悪いと思うが。
 その日から地獄が始まった。心療内科でもらっていた薬を飲まなくなった俺は一日中、乗り物酔いのような不快感と頭痛と強い吐き気に襲われる。
 気付けば俺は目からたくさんの涙を流していた。
 石川タカユキが二千万円払って立てた家の二階の空き部屋に用意された布団の上で俺は
一日中、死にたくなるような不快感とホームシックにひたすら泣き続けた。 
 泣いている時はなぜか母親の顔が脳裏に浮かび母親に対してなぜか理由のわからない申し訳なさを感じていた。
 俺が苦しんでいる最中、キンカイは鹿のウンコみたいな固形物をお湯と一緒に飲めと俺に勧めてきた。俺はもうとにかくこの苦しみから解放されたい一心で鹿のウンコみたいな薬をお湯と一緒に飲み込んだ。味ははっきり言ってまずかった。でも鹿のウンコはきっとその薬の何億倍もまずいと俺は思った。

 「バディグディンバベブディグディブボブンバ」
 俺の隣の部屋にあるカズキの部屋からは母親のキンカイと石川タカユキに放置されたカズキが一人でおもちゃ遊びをしている声が聞こえた。
 すると石川タカユキはクライマックスに向けて白熱している一人遊びをしていたカズキに対してうるさいと怒鳴った。
 それから、カズキは自室の床に脱ぎ終わった靴下を放置していたことについて、なぜか石川タカユキに家から出て行けと大きな声で怒鳴られていた。
 カズキの母親であるキンカイはそれを見て見ぬふりをして夕食の準備をしていた。
俺が石川タカユキに心療内科でもらった薬を取り上げられ、苦しみはじめてから二週間が経った。
 二週間も経てばさすがに乗り物酔いのような不快感や頭痛や吐き気はなくなっていた。心療内科でもらっていた薬を飲んでいたころと比べて世界がかなり美しく感じた。
 それにしてもおかしな話だ。
 母親に勧められた心療内科でもらった薬を酒とタバコをやめることができない父親に取り上げられ、死にたくなるような苦しみを味わったものの、薬の効果が完全に体から抜けたことで以前より世界を美しく感じることができるようになった。
 本当におかしな話だ。

 もう、みんな本当に死んでしまえばいいと思った。

 体調が回復した俺は外で働かずにつくば市内にある複合スポーツ施設の中にある運動場で早朝から昼までひたすらに走り続けていた。

 そして運動場にあるベンチにはいつも白い半袖Tシャツに青いジーパンを身にまとった髪の長い少女が座ってた。
 その少女はとくになにをするでもなく、ただベンチに座っていた。
 何度か話かけようと思ったのだけれど、俺はこわくて見て見ぬふりをするのが精一杯だった。
 石川タカユキの家に帰ると夏休み中のカズキがキンカイが俺のことを親殺しと言っていたことをわざわざ報告してきた。
 どうやらキンカイの価値観では無職やニートはみんな親殺し予備軍だそうだ。
 親より先にカズキとキンカイを殺してやろうと思ったが、そんなことをしてもあまり得
しないのでやめておいた。

 俺にしてみれば、子どもなんか作る人間たちはみんな人殺しと同じだ。

 なぜなら子供は、親が子供が欲しいという理由から、ただセッ●スがしたかったから、強姦まで、結局は男と女の自分勝手なおとぎ話を盛り上げるためだけにこの世界に産み落とされ、多く不幸に悩まされ、いずれ死の恐怖に苦しみながら死んでいく。
 子供をつくる人間たちは自分たちが原因で生まれた子供たちがやがて死んでしまうのを知っていて、それでも自分たちの欲求を満たすために子供を作り出産する。
 もっとわかりやす言えば、子供を作る行為というのは死体を作るのと同じということだ。自分達が死ぬとわかっている男女が自らの幸福のために自分たち同様にいずれ死ぬとわかっている命を創造する。
 自分が死ぬと知っていて生まれてくる命がこの世界に存在するわけがない。
 つまり、人殺しは俺ではなくカズキをこの世に誕生させたキンカイのほうである。
 つまり人殺しに人殺しと言われる筋合いはないし、石川タカユキみたいなエロジジイ頼らなければカズキにご飯も食べさせられず、学校にも通わせることができないような貧乏女が子供を作るほうがよっぽど人殺しに近いと俺は思う。
その日、つくば市にある石川タカユキの家にキンカイの友達が娘を連れてやってきた。
 キンカイの友達と言っても日本人ではなく中国人である。
 キンカイの友達が連れてきた娘は世界最高民族の日本人農家の夫の間に生まれた日本人と中国人のハーフらしい。
 自分の家の中を大声を出して走り回るキンカイの友達の娘を見て五十代の石川タカユキはキンカイにこれから子供を作るから、その時は女の子が欲しいと言っていた。
 五十代のくせに二十代の女との間に子供を欲しがる俺の父親石川タカユキは正直、気持ち悪いと思った。
 
 死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。

「親のことをそんなに悪く言ってはいけませんよ」
 背後から聞こえてきた声に後ろを振り向くとそこには複合スポーツ施設の運動場のベンチにいつも座っているあの不気味な美少女の姿があった。
 「君は…複合スポーツ施設の…どうして石川タカユキの家にいるんだ…?」
 「私の名前はメシア…」
 後ろ向いてメシアと話している俺に対して周囲の人間たちはまるで何事もないかのように食事や談笑を続けている。
 「そうだ…俺はこのつくばの家では異物みたいなものなんだ…石川タカユキやキンカイやカズキの三人にしてみれは、俺は母さんが三人の生活を壊すために送り込んだ邪魔者みたいなものなんだ…」
 「そんなことを言ってはいけませんよ。石川マサヒロが邪魔者なら、なぜキンカイは石
川マサヒロに食事を作り、衣服の洗濯をしてくれるのですか?」
 「そんなの全部カズキのために決まってるだろ!キンカイは一度、息子のカズキの存在を偽って石川タカユキを裏切ってる!だからキンカイが俺に食事を作ったり優しくするのは、そうすることで石川タカユキに忠誠心をアピールしているに違いないんだ!全部…カズキの将来のために決まっている!石川タカユキはカズキの将来を人質にして若いキンカイを自分の思い通りにしている!大人は汚いぜ!」
 「あなただって大人でしょう?」
 「うるさい!」
 俺はコーラの入ったコップをメシアに向かって投げた。しかし気付いた時にはコーラの入っていたコップは俺の目の前のテーブルの上に置かれていた。
 「そんな…俺は確かにコップをメシアに向かって投げたはずなのに…」
 すると今度はテーブルをまたいだ俺の前の席にメシアが座っていた。
 「では実際に私にコップを投げたらいったいどうなっていたと思いますか?」
 「俺は間違いなく精神異常者として、この家から追い出されて精神病院送りだろうな…」
 「石川マサヒロの実の父親である石川タカユキが本当にそんなことをすると思いますか?」
 「ああ!するさ!あいつは…離婚する前に、実際に俺の母親に暴力をふるっていた!あいつは、石川タカユキは人間じゃない!それに…メシア!お前はいったい何者なんだ?」
 「私はこの世界を美しく感じている、または愛しているものにしか見えない精霊みたいなものでしょうか…」
 「精霊?」
 「ええ…石川マサヒロは心療内科からもらっていた薬を服用することをやめて地獄を味わった。でも、その地獄を乗り越えて以前より世界を美しく感じれるようになった。だから私は石川マサヒロの前に現れた」
 「言っていることの意味がわかるような…わからないような…」
 「つまり、地獄のような日々を乗り越えた人は地獄を味わっていない人よりも世界を美しく感じることができる。私は地獄を乗り越え、この世界を美し感じ取れる人にしか見えない精霊みたいなものなのです…」
 「とにかく…頭で考えても無駄みたいだね…でもとりあえず、石川タカユキに薬を取り上げられてなかったら俺は君と会えてなかったということだ。それで君の目的は?」
 「目的?それはつまり私の願いということですか?」
 「ああ…ふざけているのか?」
 「別にふざけていませんよ、私はただ、せっかく世界を美しく感じ取れる才能を持っている石川マサヒロがまるで自分から世界を憎んでいるように見えたので助言をしに来ただけです」   
 「俺は世界を憎んでいるんじゃない!俺に許可なく俺を作った自分勝手な母親と父親石川タカユキと汚い大人たちを憎んでいるだけだ!」
 「人があり世界があります。つまり人なしに世界はありません。人を憎むということは世界を憎んでいることと同じことなのですよ」
 「だから…俺に石川タカユキを!母さんを!汚い大人たちを!この矛盾に満ち溢れた世
界を愛せと君は言うのか」
 「現に石川マサヒロは心療内科の薬の苦しみから解き放たれたとき、この世界を美しく感じれたはずです。私が石川マサヒロの目の前にいるのが何よりの証拠。そして無理に世界を愛さなくてもよいのです…まずはこの世界を受け入れることから始めてみては?」
 「お前に…お前にいったい俺の何がわかるんだ!」
 「まずは外部と関わりもつことです。労働を通して誰かの幸福のために生きるのです。あなたの労働の上に誰かの幸福が創造されます、そしてその幸福はあなたの生まれてきた意味になると同時にあなたが死んだ後も目に見えないあなたの存在を証明する足跡になる」

 つまり、メシアが言っていることの意味を分かりやすく説明すると俺が外で働くことが他人の幸せに繋がり、それが俺の生まれてきた意味になる。
 そして仮に俺がいつ死んでも、俺の労働の上に発生した他人の幸せとやらが俺がこの世界に存在していた目に見えない足跡になるということだ。
 「確かにメシアの言っていることは素晴らしいよ。本気で心の底からそう思えるやつは幸せ者だ。でも、俺には無理だよ…他人の幸せのためだけに俺は死ねない」
 「別に永遠に労働を続けろとは言いません。自分のペースで自分らしく生きればよいのです」
 「でも自分のペースで生きていくのは今のこの世界ではメシアが思っているより難しいんだよ…自分らしく生きてる人間はみんなから嫌われる…だってそうだろ?自分らしく生きるってことは自分勝手に生きることと同じ意味なんだ。この世界に自分勝手な人間の居場所はない…。メシアの言っている方法じゃ労働を通して自分の生きた証を残せても、長生きはできない」
 「別に長生きする必要はありません。人生の目的は長生きすることではなく。どんなに短い時間でも自分の生まれてきた意味を理解することであったり、一度でも労働を通して他者の幸福に貢献することができればよいのです。労働を通して自分の存在価値を理解するのはあくまで自分の生まれてきた意味を見つける数ある方法の一つでしかありません」
 「じゃあ、俺は働かずに自分の生まれてきた意味を見つけることにするよ。働いたところで、人類はいずれ至高天とアンノウンとの戦争で滅亡する。俺の労働のおかげで幸福になった人々もみんな戦争で死んでしまう」
 「では石川マサヒロは働かずにどういった方法で自分の生まれてきた意味を見つけるおつもりですか?」

 「俺が断罪王になる。断罪王になって人類を滅ぼす」

 「しかし、それは本来アンノウンの生きる意味であり、あなたの生きる意味ではありません」
 「うるせぇ!俺の生きる意味は俺が決めるんだ!至高天だろうとアンノウンだろうと俺の邪魔をするならぶっ殺す!俺は断罪王になってこの地球から人類を一人残らず滅ぼすんだ!そして俺を断罪王にしたのはお前だ…メシア…」
 「私はあなたの知っているメシアではありません」
 「ではお前は何者だ?お前の生きる意味はなんだ?」
 「私の目的はあなたにもう一つの未来を経験させ、あなたを断罪王になる未来から遠ざけることです」
 「なるほど…ではここでの…石川タカユキ達との暮らしはつまり、俺が断罪王にならなかった場合の一つの可能性の世界ということか…」
 「そうです、しかし、どうやら無駄だったようですね…」
 「いや、無駄じゃない…ちょうどムラムラしてたところなんだ…」
 俺は俺の知らないメシアを押し倒した。
 「なにをするおつもりですか?」
 「どうせ、俺をもとの世界に戻すつもりはないんだろう?ならこのパラレルワールドを思いっきり楽しんでやるさ!」
                * 
 俺の拳が俺の知らないメシアの顔面に直撃した瞬間、現実世界で意識を取り戻した俺の目の前にいたバラキエルが粉々になっていた。そして粉々になったバラキエルの中から白いグレート断罪王が現れた。
 「なるほど…もう一つのメシアがいれば…もう一つの断罪王がいてもおかしくないということか…これで俺と同い年のハルカが俺やマルヤマやヨシキの過去に干渉できたのにも納得がいく」
次回予告
第十九話 黒のグレート断罪王 対 白のグレート断罪王!正社員が非正規雇用の労働者をバカにしてんじゃねぇよ!正規雇用だろうと非正規雇用だろうと俺たちは同じ色の血が流れる人間だろ!俺たち人間がするべきことは自分より生活能力のない人間を見下し傷つけることではなく、互いに手を取り合い相互理解を深め共に社会を発展させることだ!非正規労働者をいじめる正社員は全員痴漢の濡れ衣を着せられろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第十九話 黒のグレート断罪王 対 白のグレート断罪王!正社員が非正規雇用の労働者をバカにしてんじゃねぇよ!正規雇用だろうと非正規雇用だろうと俺たちは同じ色の血が流れる人間だろ!俺たち人間がするべきことは自分より生活能力のない人間を見下し傷つけることではなく、互いに手を取り合い相互理解を深め共に社会を発展させることだ!非正規労働者をいじめる正社員は全員痴漢の濡れ衣を着せられろ!

「石川マサヒロ君はどうしてそこまでして人類を滅ぼそうとするの?」
 「ククク…ハルカ…お前、俺と同じ断罪王のくせに、面白いこと言う…俺は俺以外の人間が嫌いなだけだ!それにわざわざアンノウンが手を下さなくてもどうせ人類は自滅し地球は壊れる。ならそうなる前に俺の手で人類を滅ぼし、地球をこの人類という間違った存在の支配下から解放し救済する!それがグレート断罪王!石川マサヒロだ!」
 「黒の断罪王を止められるのは白の断罪王だけ…私は黒の断罪王が石川マサヒロ君の中に覚醒するまで白の断罪王の力で何度も時間旅行をして苦難を乗り越え至高天を結成し、銀装天使を開発してアンノウンと戦ってきた…でも私は一度も人間を嫌いになんてなれなかった…私には石川マサヒロ君が理解できない…」
 「ならなぜ、俺の愛の告白を断った?ハルカが俺の心の居場所になってくれれば俺は人類への憎悪から断罪王に覚醒せずに済んだかもしれない。ハルカ!なぜ俺を拒んだ?」
 「そんなの石川マサヒロ君が気持悪いからに決まってるからでしょ?」
 「おやおや言っていることが矛盾しているな~さっきハルカは何度も時間旅行をして苦難を乗り越え俺と戦う準備をしていても一度も人間を嫌いになれなかったと言っていたはずだ!」
 「私は別に石川マサヒロ君のことが嫌いなわけじゃない…ただ恋人にはなりたくなかっただけ…」
 「それだよ…ハルカ…そこで大人になって俺を愛してくれれば…こんなことにはならなかった…ハルカは結局、俺の愛を受け入れるのが嫌になって至高天を作り、銀装天使を開発したんだ…」
 「違う!私はこの人類を滅ぼすために存在する白の断罪王の力を利用してアンノウンや
黒の断罪王から人類を守ろうとしただけよ!そのために時間旅行の末にこの世界に絶望した人々を銀装天使の操縦者に誘った…そして私が至高天に誘ったみんなは自らの犯した罪を償うため、過去の辛い思い出を乗り越えるために戦ってくれた、今も戦ってくれている」
 「ハルカ!今ならまだ間に合う、俺の愛を受け入れろ!俺の居場所に!俺の真なる母になって共に人類を滅ぼし、新世界のアダムとイヴになろう!」
 「嫌…私はあんたみたいな気持ち悪い馬鹿の母親になんてなりたくない!私はこの白の断罪王で人類を救う!救ってみせる!」
 「お前は俺のママになるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
 黒のグレート断罪王の振ったグレート断罪剣を白のグレート断罪王のグレート断罪剣が受け止める。
 二本のグレート断罪剣がぶつかりあうことで発生した衝撃波が至高天の基地とその周りの市街地を一瞬で塵にしてしまう。
 「ククク…フハハハハハハハ…!なぁ…ハルカよぉ…お前…白の断罪王をいったいどうやって白のグレート断罪王に覚醒させたんだ?」
 「なにが…言いたいのよ…?」
 「俺は自分の母親を殺して食って、断罪王をグレート断罪王に進化させた…お前はいったいどうやって白の断罪王をグレート断罪王に覚醒させたのかって聞いてるんだよ…イヒヒヒヒ…」
 「その様子だと…どうせグレート断罪王の力で私の過去に干渉して見たんでしょ…全てを…」
 「俺はお前の口から聞きたいんだ…」
 「私はあなたとは違う!私は私自身の命を守るために両親を殺した!両親の虐待から私が生きのびるためにはしかたなかったのよ!」
 「一度も人間を嫌いになれなかったお前が実は過去に人間を殺していた…むぅ~じゅんっ!矛盾!矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾矛盾~ッ!」
 「生まれてから一度も人間を嫌いになれなかったといった覚えはないわ!私には両親を殺した過去があったからこそ、至高天のみんなの痛みが、苦しみがわかったの!至高天のみんなも私の痛みに共感してくれたからこそ、一緒にアンノウンや石川マサヒロ君と戦ってくれた…だから私は矛盾なんかしてない!」
 「それはどうかな?もし、それが本当ならなぜそんなにムキになる?俺には見えるぞ…俺のこの黒きグレート断罪王の超終末黙示録を通してお前の心の闇が見えるぞ…」
                *
 テストで満点をとれなかった私は父の命令により、その日の夕食は与えられず、衣服をすべて脱いだ状態で朝まで真冬のベランダに放置された。
 そして朝、目が覚めると母は泣きながらわたしに何度も謝り衣服を着せてくれた。
 そしてテーブルに置かれていたのはコップ一杯の水とテーブルの上に直に置かれたコッペパン一つだけ。
 泣きながら謝る母親に私はどうして父の虐待から助けてくれないのかとは聞けなかったし、母の顔に増え続ける痣を見れば周りの人間に父の虐待について相談できるはずもなく。そしてとうとう母親の両手は私の首を絞めていた。
 「ごめんねハルカちゃん…ハルカちゃんが死んだらママも死ぬから…二人で一緒に意地悪なパパのいない天国で幸せに暮らしましょう…」
 嫌だ…私は死にたくない…天国なんてあるかどうかもわからないような場所なんて私は信じない…だから私は生きる…生きたい!そして気づけばわたしの首を絞める母の背後にあの人が立っていた。
 始めて見るのに初めてじゃない、知っているけど知らないあの人。 

 あの人は自分のことをメシアと呼んだ。
 
 メシアはどうやら人類を滅ぼすために生まれた魔法使いらしい。だから私はメシアに願った、生きていたいと。
 そして気がつけば母は首に包丁が突き刺された状態で死んでいた。
 いったい何が起きたのかとメシアに聞いたら、どうやらわたしが無意識のうちに母に首を絞められる前の時間、つまり過去にタイムスリップして母の首を包丁で突き刺したらしい。
 これで私の命はとりあえず救われた。次は父だ。 
 母の死体を見た父は急に怒り出すと私を何度も殴った。一応母を殺したのは私だし、そのこともちゃんと泣きながら父に説明した。 
 だから何度も殴られて当然だった。それぐらい罪滅ぼししてもいいかな~と私は思ったのだ。

 気がつけば私の大事なところがとても大きくなっていた。

 父は前から見慣れているはずなのにいつも驚いていた。そりゃそうだ、自分の娘の陰部におちん●んが生えていたらみんな驚く。
 おちん●んはどんどん大きくなって気づいたらわたしのおちん●んは父のお●りの穴に突き刺さっていた。父のうんちがおちん●んについちゃったらどうしよういやだな~とか思ってたら私の大きなおちん●んは父のお●りの穴をつらぬいて父の口から飛び出していた、私のおおきなおちん●んは父のうんちとゲロと血液とよだれですごいことになっていた、そしてそのあとすぐにおちん●んからあったかい白いゼリーみたいな水がたくさん出てとっても気持ちよかったです。
 結局、父は死んでしまいました。涙はなぜか出ませんでした。

「この人殺し!」

 血だらけの実家のリビングで呆然と立ち尽くすまだ幼いハルカを石川マサヒロは攻める。
 「この人殺し!どうして産まれてきたんだ馬鹿野郎!」
 「あなたは石川マサヒロ…メシアが言っていた。あなたと私は共に協力して断罪王で人類を滅ぼさなくてはいけないと」
 「この人殺し!うるせぇ!死ね!」
 「さっきからどうしてそんなにひどいことを言うの?」
 「死ね!」
 「私…別に誰かに頼んで産まれてきたわけじゃないのに…お母さんもお父さんもどうして私のこと殺そうとするの?」
 「死ね!」
 「嫌!私は生きたい!」
 「死ね!」
 「私はもうこれ以上誰かに傷つけられたくない…傷つけたくもない!」
 「死ね!」
 「私はこの…断罪王の神のごとき力でだれも傷つかない、傷つけない世界を作って見せる…人類の平和は私が守る!」
 「死ね!俺は人類から地球を守る!死ね!」
 「みんなが死んでも私は死なない…それなら人類が滅びたことにはならない」
 私はお父さんとお母さんの死体をメシアと一緒にバラバラにしてカレーライスの具にして食べた。

 ビーフカレー。

 お父さんとお母さんが一つになったビーフカレー。
 そのビーフカレーと私はきっと同じ。
 そしてお腹いっぱいになったら私の体に言葉では説明できない力がみなぎってきた。メシアはそれを断罪王としての完全な進化だと言った。
 「石川マサヒロ君…あなたも、お父さんとお母さんが入ったビーフカレー食べる?」 
 「死ね!」
次回予告
第二十話 交通事故で毎年何千人も命を落としているのがわかっていながら、なぜ自動車の運転を運送業のみに絞らないのか?電車と船と飛行機と自転車で移動できず自動車でしかたどり着けない場所なんてこの世界にあるわけねぇだろ!飲酒運転してる奴は全員俺に謝罪文と遺書と茶菓子を用意して車内がアスベストまみれの自動車に乗ってフルスロットルで崖から落下しろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十話 交通事故で毎年何千人も命を落としているのがわかっていながら、なぜ自動車の運転を運送業のみに絞らないのか?電車と船と飛行機と自転車で移動できず自動車でしかたどり着けない場所なんてこの世界にあるわけねぇだろ!飲酒運転してる奴は全員俺に謝罪文と遺書と茶菓子を用意して車内がアスベストまみれの自動車に乗ってフルスロットルで崖から落下しろ!

私が突然、実家の中に現れた自称無職童貞グレート断罪王石川マサヒロ君にビーフカレーを勧めても、石川マサヒロ君は満面の笑みのまま私に向かって両手の中指を立てている。
 「死ね!」
 「ねぇ石川マサヒロ君は今いったいどの時間軸から私の過去に干渉しているの?」
 「未来だよ、断罪王に選ばれた俺とハルカが至高天の基地で戦っている未来。ま、もう至高天の基地はなくなっちゃけど…死ね」
 「そんなひどいよ…私がこれから頑張って作ろうとしてたのに…」
 「ああ、これからハルカが何度至高天を結成して基地を作っても俺が必ず破壊してやるよ…約束する…死ね」
 「ねぇ…その私に死ねって言うのやめてくれる。自分がそういうこと言われたら嫌じゃないの?」
 「死ね、何度でも言ってやるよ、約束するよ、死ね」
 「やめて!」
 「死ね」
 「じゃあ、私もグレート断罪王の力で石川マサヒロ君の過去に干渉してやる!」
 「なるほど…本来、ハルカは俺の過去には存在しない人間だったのか…死ね」
 「そうだよ…今まで石川マサヒロ君が私にフラれたと思っていたのは私が今、石川マサヒロ君の過去に干渉して後から作り上げた体験だったのよ。私は本来石川マサヒロ君と同じ学校には通っていなかった」
 「自分からバラしていてくのか…。じゃあ今、俺がハルカの過去に干渉していることがきっかけで俺がハルカにフラれた体験が俺の中で実際に起きたことになっていたのか?では今、俺がハルカの過去に干渉しているのは俺にとっては今だけどハルカにとっては本当に過去だというのか?もしそれが本当なら俺は今、ハルカの過去に干渉して改変してると思い込んでいる、ただの無職童貞だというのか!死ね」
 「そうかな…そうかも。でも今も過去も未来も結局、同じこと。今があって過去になる、過去があるから未来がある…」
 「そうか…じゃあ俺の知っているハルカは本来、俺とは全く無関係の他人なのか…ならハルカは女じゃなくて…死ね」
 「やめて!それ以上言わないで!」
 「ハルカは女みたいな顔した男の子だったのか…?」
 「やめて!それ以上言わないで!」
 「死ねって言ってないよ…」
 「お願い!私の心から出て行って!」
 「さっきは死ねって言ってないのに…俺は優しくしてるのに…どうして出て行けなんていうの?ひどいよ…」
 「お願い!これ以上私をいじめないで!」
 「そっか…ハルカは失敗作だったのか…おちん●ん生えてるのに自分のことを女の子だと思ってる…だから父親からは虐待されて母親は虐待から助けなかった…そりゃそうだよな…自分のことを女の子とだと思っている気持ちが悪い息子のために外で朝から晩まで働くなんて馬鹿馬鹿しいよな…失敗作のためにどうして辛い思いをしなくちゃいけないんだよって…そりゃ虐待するわな」
 「や~め~てぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
 「じゃあ…出て行けなんて言わないでよ…いっしょにずっとここにいようよ…ここでハルカとお父さんお母さんのお肉で作ったビーフカレーずっと食べよう」
 「嫌!私…石川マサヒロ君のこと嫌い!」
 「どうしてそんなひどいこと言うんだよ…」
 「じゃあ、石川マサヒロ君は人に死ねっていう人とお友達になれるの?」
 「死ね」
 「ほら!」
 「死ね」
 「石川マサヒロ君が死ね!」
 「お前みたいな出来損ないは死ね!天国のハルカのお父さんとお母さんもきっとそう思ってる…だから死ね」
 「でも私が死んだら…石川マサヒロ君は私の過去の世界でずっとひとりぼっちになっちゃうよ…」
 「なら今度は過去じゃなくて平行世界に干渉すればいい。そこでまた俺はハルカの心を今みたいに傷つける…死ね」
 「もうやめてよ!私ィッ!もう!頭おかしくなる!」
 「みんなおかしいよ…みんな頭おかしいのさ…どうせ…この世の中に頭のいいやつなんてのは一人もいない。いるのは自分で自分の頭がいいと思っている馬鹿と自分の頭が悪いと思っている馬鹿だけさ…勉強や学歴なんて…百パーセント社会に役立つ保証はない…だってそうだろ?富岡製糸場なんて覚えたってなんの役にもたたない。富岡製糸場について勉強するぐらいならパソコンでエロ動画みてチンコから精子出してたほうが絶対得してるって、気持ちいいし」
 ハルカは俺が富岡製糸場の話をしている間に両親の死体をバラバラにした包丁で俺の腹部を刺した。
 「もう!そういう変な話やめてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
 「無駄だよ」
 「え?」
 ハルカの背後にはついさっき包丁で殺したはずの石川マサヒロが立っていた。
 「ハルカに包丁で刺されたときに、ハルカに包丁で刺される前の時間軸にタイムスリップした。これは時間跳躍とも言うね…何度やっても無駄だよ…」
 「なら私は何度だって包丁で石川マサヒロ君を殺してあげるわ」
 それから石川マサヒロはハルカに包丁で12660回殺され、12661回の時間跳躍をした。
 「なんどやっても結果は同じだよ」
 ハルカの背後には12660回殺害したはずの石川マサヒロが立っていた。
 「そんなことない…あきらめなければ…きっとアンノウンと石川マサヒロ君から人類を救うことができる」
 「俺を殺しても人類は救われない。俺が、黒の断罪王とアンノウンが世界から消えても人類はいずれ自分たちの手で滅びる。今の人類はそれがわかっていても自分たちが生き続けることをやめられない、止められない…だから俺は人類を滅ぼす…この世界から一人残らず…そう、その人類の中には俺も含まれている」
 「それじゃ…石川マサヒロ君も死んじゃうじゃない…」
 「そうだよ…人はいずれ死ぬ…みんな人が死ぬとわかっているのに、自分たちは死ぬのが怖いことだとわかっているはずなのに子供を作ったり育てたりしている…それは狂気だよ。今の人類に生殖機能を与えるには早すぎたんだ…俺達人類は一度滅んで、次の頂点捕食者にこの地球の主導権を譲るべきなんだ…」
 「でも…次の頂点捕食者が今の人類より優秀になる保証はどこにもないわ…」
 「あるさ…現に、ただのサルが一度滅び、たくさんの進化を重ねて原子力のような自分たちの世界を滅ぼす力を手に入れるまで進化することができた。俺達人類が滅んでもきっと次の頂点捕食者、新人類は今の人類より優秀に決まっている。人類の進化がそれを証明している!俺はそう信じているから自分の命も含めて今の人類を滅ぼそうとしている。今の俺にとっては自分も含めて人類は全て悪でしかないんだ」
 「そんなの…そんなの私は嫌だ!私は死ぬために生まれてきたんじゃない!私は幸せに
なるために生まれてきたんだ!」
 「違うよ…ハルカはハルカの両親が幸せになるためだけに生まれてきたんだ」
 「違う!」
 「人はそうやって過ちを繰り返す…大多数の価値観による同調圧力とセッ●スの快楽に負けてね。だから俺はその過ちを正す、俺は俺自身と人類を犠牲にして新人類が作り出す神世界の神になる…」
 「でも…死んじゃったら神様も何もないじゃない…」
 「神はこの世には存在しない、だから俺はグレート断罪王の力でこの世界から人類と俺自身を消すことで神になる。ハルカ…白の断罪王に選ばれたお前にもその資格があるんだぜ…」
 「私は嫌だ…私はそんな救われない神になるのは嫌だ…どうせ神になるなら私は世界一幸せな生ける現存神になる…だってそうでしょ?どうして神様なのに!一番偉いのに、新人類とかいう曖昧な奴らのために死なないといけないのよ!私は白の断罪王で人類を救って幸せになるの!世界一幸せな、生ける神になるわ!ええそうよ、そうあるべきだわ!私が人類を救うんだもの!私が一番頑張ったのなら、私が一番幸せになるべきだわ…」
 「今の人類はみんなそう思っているよ…みんな自分が一番頑張っているから自分が幸せになれないのはおかしいと思っている。でも地球人口約六十億の人間が自分たちの幸福を追及して資源を消費し始めたら、今の地球は壊れてしまう…だから俺達人類の前にアンノウンと断罪王は現れた」
 「石川マサヒロ君のネガティブな終末論なんか私にはどうでもいい!私は絶対に幸せになってやる!」
 ハルカはそう言って12660回俺を刺した包丁で自分の首を切り裂いた。
 「こうすれば私はこの世界からいなくなったことになる…この先の未来では私はもうすでに死人なっているということよ…いくら断罪王の力でもあの世にまでは干渉できない!」 
 今、石川マサヒロがいる幼少期のハルカの世界がどんどん色を無くし、背景が刃物で切り裂かれるように崩壊していく。
 「そんなことをしたら、君は幽霊になって生ける神になれなくなってしまうよ。幽霊になるのが君の幸せなのかい?」
 「うるさい!私はもうここに居たくないだけ!あんたみたいな無職童貞の気持悪い顔を見たくないだけ!」
 背景が全て崩壊し真っ白になった世界に石川マサヒロと死体になったハルカだけが取り残された。
 石川マサヒロはグレート断罪王の力で冷たくなったハルカの死体内に究極精子を瞬間移動、超速受精させて、その世界から現実世界へと戻った。
最終回予告
第二十一話 身長170センチ以下で無職童貞ニートで究極の社会不適合者が人類に下す最後の審判!神様なんていねぇよ!神様が本当にいたら、誰も神様なんて言葉は思いつかねぇだろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十一話 身長170センチ以下で無職童貞ニートで究極の社会不適合者が人類に下す最後の審判!神様なんていねぇよ!神様が本当にいたら、誰も神様なんて言葉は思いつかねぇだろ!

石川マサヒロの目の前には白いグレート断罪王が立っていた。
 「どう?初めてお化けを見た気分は?」
 「ハルカがまだ生きていることぐらい、とっくに予想済みさ」
 「気にならないの?過去の世界で自殺したばかりの私がどうして今、ここにいるのか…」
 「気にしたところでどうせ人類はすべて滅びるんだ…気にする必要がない…それよりプラスチックの原料って石油なんですよね」
 「人を馬鹿にするなぁぁぁぁぁぁッ!」
 いずこから復活した白のグレート断罪王の全身から大量の白い断罪王の顔や手足が飛びだしてくる。
 「なるほど…あまたの平行世界の自分自身と白の断罪王をこの世界に集合させて、一つにしたのか…」
 「そうよ…私は無数にある平行世界の自分自身と白の断罪王をこの世界に一つにまとめた。今ここにいる私はさっきまでいた私はとはまた別人なのよ!平行世界の存在に限りは存在しない!だからこれから先あんたが何度私の過去に干渉しようと私はその度に自殺して別の平行世界の自分と白の断罪王に生まれ変わることができる!」
 「ということはもはやお前と白いグレート断罪王を倒すには無限に存在する平行世界を全て破壊しなければならないということか。ならもうすでにお前にようはない。今からこの世界の人類すべてがアンノウンに進化する前に黒のグレート断罪王の力のみで人類を皆殺しにする」
 白のグレート断罪王との戦いを途中放棄した黒のグレート断罪王は上空に飛び立ち自分自身の体を両手で抱きしめるようなポースをとる。 
 「そうか…その手があったか…」
 「ハルカ…お前や銀装天使どもとの戦いなど所詮は俺が断罪王の力を確かめるための遊びに過ぎない…だが遊びはもう終わりだ。俺は今、この一瞬で無数に存在するすべての平行世界のハルカの体内に射精した。神であるグレート断罪王である俺の究極精子は男であるお前の肉体を変化および超進化させ無数の俺をお前の体に宿すことができる。
 そして出産自体は平行世界に無数にハルカが存在するのと同じく永遠に終わらない。お前は人類が滅んだこの星で無限に出産地獄を味わうことになるだろう。無論、人類が滅んだあとにこの星に新世代の頂点捕食者が誕生しても出産地獄は止まらない。この星で人類を超越した新たな頂点捕食者が繁殖・繁栄している間もお前は白いグレート断罪王と共に透明になった状態、つまり周りから知覚できない状態で出産地獄を味わう」
 「なら…今からのそのふざけた未来を書き換えてやる…」
 「無駄だよ…お前が無限に存在する平行世界に干渉して無敵の存在になった瞬間にそれは過去になる。一度過去になってしまえば、お前と同じ方法でその数秒前の過去に干渉すればいいだけのこと。俺は無限大に存在する平行世界のお前に無限大に存在する平行世界の数だけ干渉し未来を変えることができる。つまり、この勝負は最初からただの我慢比べだったということだ…至高天の基地に監禁された俺が母親を食い、断罪王をグレート断罪王に覚醒させた時点でお前はすでに負けていたんだ」
 黒のグレート断罪王が自分の体を抱きしめていた両手を横に広げると、石川マサヒロとハルカにしか見えない無数の粒子が黒のグレート断罪王を中心にして世界中に広がっていく。
 「この粒子は俺を含めた全人類の体内に寄生して激痛と共に殺す粒子だ。しかし、俺以外のバカな人類はこの正体不明の現象はすべて中国人がばら撒いたことにするだろう。つまり、そうなるように俺がすでに運命を創造した」
 断罪王に選ばれたものにしか見えない死の粒子を体内から放出する黒のグレート断罪王をもはや原形をとどめていない白のグレート断罪王は地上から見上げることしかできない。 
 「もう…人類を救う方法は一つも残っていない…」
 白のグレート断罪王の各部位から飛びだした無数の白のグレート断罪王の顔の両目から滝のように血の涙が流れていく。
 もうハルカと白のグレート断罪王が人類救済のためにできることは祈ることぐらいしか残されていないのだ。
 「本当にこれでいいんですね」
 黒のグレート断罪王のコックピット内に突然現れたメシアが石川マサヒロにそう語りかけてきた。
 「俺に人類を滅ぼせと言っておいて今更なにを言う」
 「そういう意味ではありません。石川マサヒロは人類を滅ぼすと同時に自分も殺し、本当の意味で神になるつもりなのでしょう。しかしハルカが墓穴を掘った今、人類を滅ぼした後でハルカが目指していた生ける神、つまり現存神となる道もあるはずです」
 「俺は人間が子供を作ることが許せないだけだ。人間が人間を作り育てるにはまだ、時間が早すぎた。それを表すように親が子を殺し、子が親を殺す事件が実際に発生している。俺はこの星に新たな頂点捕食者である新人類は今の人類より絶対にすべてにおいて優れた生命体になると信じている、人類進化論がそれを証明している。でも今の人類を滅ぼさなければ人類が自然に滅びる前に新人類の生活の場となる地球はあらゆる生命体が生きることができない星になってしまう。
 だから俺は新しい命の可能性を信じるために今の人類を滅ぼす。そして新人類が生きる場所にはもう俺みたいな古い人類は必要ない。確認する必要もない。もし新人類が今の人類より優れていなかったとしても、その時はまた断罪王に滅ぼしてもらえばいい。優れた新人類が地球に発生するまで何度でも断罪王に滅ぼしてもらえばいい。そう、地球には断罪王がいるんだ」 
 「この世界に神などいない、だから自ら人類を滅ぼし、自ら消えることで本当の意味で神になる。それが石川マサヒロの選んだ答え…」
 「メシア…俺はこんな世の中には生まれて来たくなかったよ…こんな死への恐怖と悲しみだけが広がっていく世界。結局、この国が子供つくるのに賛成的なのはただの税金対策と自分たちが生き延びたいというただの自己満足だ。こんなくだらない世界を罪なき命に無理矢理押し付けること自体が間違っている。子供が欲しい奴らはまず、子供をつくる前に自分たちの世界を今よりもっと素晴らしい状態にしなければいけない。こんな酷く醜い世界を両親の子どもが欲しいという簡単な理由だけでなんの罪もない命に無理矢理押し付け、大多数の価値観で洗脳するのは絶対に間違っている。
 今の人類が行うセッ●スは人殺しと同じだ。みんな死ぬのが嫌なのにどうして子供をつくるんだ?死ぬのが怖い奴らから生まれてきた奴らも結局死んでしまう。自分の嫌なことを何の罪のない子供に押し付けるのは絶対に間違っている。認知症になって自分のことがわからなくなるまで長生きして何の意味がある?意味なんてねぇよ!自殺者が一年に何万人も出るような世界で子供なんて作ってんじゃねぇよ!人間同士が永遠に争いを繰り返す世界で子供なんて作ってんじゃねぇよ。お前らこんな世の中で満足なのか?
 とにかく俺は俺を作って、この世界に産んだ父さんや母さんが憎い。そして父さんと母さんを生んだ奴らも憎い。つまり俺はこの世界が大っ嫌いだ!
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!
 地球上の全人類に向けてそう叫んだ俺を見てメシアは笑っていた。それは俺が見る初めてのメシアの笑顔だった。

 この物語はフィクションです。実在の人物や団体には一切関係ありません。
 
 
 

 
後書き
ここまで読んでいただきありがとうございました。石川マサヒロの物語はこれでおしまいです。
次回からは「超地球救済戦記‼断罪王Σ〈シグマ〉」をみなさんにお届けしたいと思います。次回もお楽しみに! 

 

第二十二話 超地球救済戦記‼断罪王Σ〈シグマ〉‼三次元の嫁がいるやつより二次元の嫁がいるやつの方が社会的地位は上なんだよ!

 
前書き
あらすじ
いじめられっ子の宅間セメルは死ぬ寸前にイマジナリーフレンドの美少女・アリスと契約し断罪王Σ〈シグマ〉の力を手に入れる。
これは断罪王Σという人知を超えた力を手に入れた宅間セメルと様々な人々との出会いと別れの物語である。 

 
僕の名前は宅間セメルです。
年齢は37歳、身長は150cm、体重80kg。
顔が醜いので学生時代はいつもいじめられていましたが、いじめっ子たちはとてもおいしかったです。
お父さんもお母さんはもっとおいしかったです。
深夜、僕は散歩をしていました。
僕の目の前には男女のカップルが楽しそうに会話をしています。
「あなた達は今、僕より幸せですね?」
僕の言葉にカップルは一瞬、表情を凍り付かせる。
「な、なんだてめぇ!」
「マジ、キモイんですけど!」
「あなた達は今、僕より幸せですね?」
僕は先程と同じ質問をカップルに繰り返します。
「だったらなんだんだよ!邪魔なんだよ!」
「あんた私たちが世界一幸せだからって嫉妬してるんでしょ?」
女の彼氏である男が僕の胸倉をつかむ。
「ぼ、僕はただ、君たちが僕より幸せそうだから...死刑にしてあげようと思っただけですよ...」
「てめぇ!喧嘩売ってんのか!」
女の彼氏が僕に殴り掛かる。
「シンゴォォォォォォォォーッ‼」
僕が叫ぶと僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆います。
断罪王Σに変神した僕の頬に女の彼氏の拳が直撃します。
「痛ぇよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
断罪王Σの顔を殴った女の彼氏の拳は血塗れになり中の骨は粉々になっていた。
「ば、化け物...!け、警察に通報しなきゃ!」
女が携帯で警察に連絡しようとする。
しかし、次の瞬間、断罪王Σの鋼鉄の人差し指が女の携帯を串刺しにしていた。
「ど、どうして僕を警察に通報しようとするんですか?悪いのどう考えても僕より幸せなあなた達の方ですよね?」
「イ、イカれてやがるぜ!コイツ...!」
カップルが全速力で断罪王Σから逃げていく。
「ちょっと待ってくださいよ!イカれてるのは僕ではなく、この世界ですよ、どうしてあなた達が幸せになれて僕が幸せになれないんですか?」
断罪王Σが泣きそうな顔で全力疾走をしながらカップルを追いかける。
「なぜ、僕から逃げるんですか?僕より幸せそうなあなた達はちゃんと罪を償うべきです!」
カップルの前に超高速移動してきた断罪王Σが立ちふさがる。
「ちゃんと罪を償ってください!」
断罪王Σが泣きながらカップルの頭部を両腕で掴み、握りつぶす。
頭をなくした身体が首から鮮血のシャワーを噴き出しながら、路上に崩れ落ちる。
「ぼ、僕は悪くない!あ、あなた達が悪いんだぞ!あなた達が僕より幸せそうだから!」
断罪王Σが号泣しながら路上に横たわるカップルの死体を食べ始める。
「僕は悪くない!悪いのは僕より幸せそうな僕以外の人間のせいだ!」
お腹いっぱいの僕は全裸のまま深夜の住宅街をさまよっています。
僕は衣服が欲しいです。
僕は他人の家の一階の窓ガラスを素手で粉々にしてしまいました。
僕が衣服を探していると、僕の不法侵入に気づいた女の人がなぜか怒り始めます。
「どうして僕に怒るんですか?」
僕はまた悲しくなって泣いてしまいました。
「泥棒に怒って、いったい何が悪いっていうの?」
「僕は裸なのに、あなたは服を着ています。これはどう考えてもあなたより僕のほうがかわいそうだとは思いませんか?」
「あんた、頭おかしいんじゃないの?」
「どうしてあなたよりかわいそうな僕を怒るんですか?僕は全裸であなたは服を着ています、どう考えても僕よりあなたの方が幸せですよね?」
「今、警察に通報するからおとなしくしていなさい」
「警察に通報したいのは僕のほうですよ!どうしてあなたよりかわいそうな僕が悪者扱いされないといけないんですか?」
僕は素手で女の人から携帯を取り上げる。
「返してほしければ、僕の質問に答えてください。僕の質問に答えてくれれば、携帯を返しますし、警察にも自首します」
「なによ、質問って?」
「あなたは僕より幸せですか?」
「はぁ?そりゃ、あんたよりまともな頭してる私の方がこの世の中では幸せになれる可能性は高いわよね」
「じゃあ、今は幸せじゃないんですか?」
「たぶん幸せなんじゃないの?あんたと違って服は持ってるし、自分の家もあって、もうすぐ大事な家族も増えるし」
「じゃあ、死刑ですね、シンゴォォォォォォォォーッ‼」
僕が叫ぶと僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は女の人のお腹に両手をぶち込む。
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ‼」
僕は女の人のお腹から血塗れのなにかを取り出す。
「あ、あんた...!」
「あれ?おかしいなぁ、冷たいですねぇ?」
「あ、あんた...それ本気で言ってるの?」
「冷たい...!もしかしてぇ!」
僕の目からまた涙があふれ出してくる。
「ど、どうして冷たいんですかねぇ?」
僕の質問に女の人はなにも答えてくれない。
よく見ると女の人はお腹から大量の血を流して死んでしまったようだ。
僕は女の人から奪った携帯のカメラで血まみれの女の人を撮ると、そのまま、旦那の携帯に送る。
僕はもったいないので女の人と冷たいなにかを食べた。
しばらくすると、家に女の人の旦那らしき男の人が帰ってきた。
「貴様ァ!」
男がキッチンからもってきた包丁で僕に襲いかかる。
「奥さんがこんなになっているのにどうしてすぐ帰ってこなかったんですか?」
「残業に決まってるだろ!」
「残業しているってことは仕事できないんですね」
「うるせぇ!」
男が手に持っていた包丁は鋼鉄の皮膚に覆われている僕の腹部に少し触れただけで真っ二つになる。
「旦那さん、落ち着いてください。僕はただ着る服が欲しくてこの家に不法侵入しただけなんです!なのにあなたの奥さんが僕を怒って、しかも僕より幸せだと言ったので、僕はあなたの奥さんにちゃんと罪を償ってほしくって、気がついたら食べちゃってたんです!」
男は泣きながら僕の鋼鉄の皮膚に覆われた体に拳を何度も浴びせてくる。
「あ、そうだ!旦那さんは今、僕より幸せですか?」
「大事な家族をお前みたいな頭のおかしいやつに殺された男が幸せだと思うのか?」
「いや、そういうことじゃなくて、旦那さんが僕より幸せかどうかを質問しているんです」「そりゃあ、お前みたいな見た目も心も醜い人間に比べたら、死んでしまった家族のために泣ける俺の方が幸せに決まっているだろ!」
「大事な家族がいなくなってしまったのに、旦那さんは幸せなんですか?」
「ああ、そうだよ、お前は人の気持がわからないから人にわざわざ幸せかどうか聞いているんだろ?幸せの意味を知っている奴は人に幸せかどうかなんて質問しねぇよ!俺には少なくとも嫁との幸せだったころの思い出がある!幸せの意味がわからないおめぇより俺の方が幸せに決まってる!」
「じゃあ、かなしいですけど...死刑です...」
断罪王Σと化した僕は泣きながら男に頭からかぶりつくとそのまま咀嚼しながら、全身丸ごと食べてしまった。
食事を終えた僕はこの家から衣服を盗み、着用すると、そのまま近くにあったベットで爆睡した。

次回予告 二十三話 断罪王Σと家出美少女リサ。下ネタを言ってる男を非難・否定する女は自分たちがどういった行為によってどこから産まれたのかよく考えろ!セッ●スを否定するということは自分の存在と全ての人類の歴史を否定するのと同じである!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十三話 断罪王Σと家出美少女リサ。下ネタを言ってる男を非難・否定する女は自分たちがどういった行為によってどこから産まれたのかよく考えろ!セッ●スを否定するということは自分の存在と全ての人類の歴史を否定するのと同じである!

 
前書き
設定解説
宅間セメル 主人公。人知を超えた力、断罪王Σ〈シグマ〉の力を持つ無職。

 

 
家主を殺した他人の家のベットで爆睡ののちに目を覚まし、外に出る。
さわやかな朝でとても気分がいい。
家の前には見たことのない制服姿の美少女が体育座りをしていた。
「なによ!」
「君、なにか困っていることがあるのかい?」
「あったらなんなわけ?」
「僕が助けてあげるよ」
「どうして?」
「今の君が僕より幸せそうじゃないからさ」
僕の言葉を聞いてすぐに、その制服姿の美少女は家の中に入る。
「きゃあああああッ!」
血まみれの室内に制服姿の美少女が嬌声を上げる。
「あんたいったいここで何してたのよ」
「ああ、ここの人たちが僕より幸せそうだったから、罪を償ってもらったんです」
「殺したの?」
「ちゃんと食べました」
制服姿の美少女が急いで家から出て行こうとする。
僕は手で制服姿の美少女の腕をつかむ。
「安心してください、僕は僕よりかわいそうな人に罪を償わせようとは思いません」
「つまり、あんたより不幸な人間は殺さないってこと?」
「ひどい言い方だな、僕はただ罪人を法で裁いているだけなのに...」
「法って...?」
「ああ、僕の人生だからね、僕自身が法なんだよ」
「わかった、逃げないからその汚い手を離しなさい」
「名前は」
「離して!」
「名前を教えれくれれば離しますよ」
「リサ!」
僕はリサから手を離した。
命が惜しいのか、リサは僕に家出していることを自分から話した。
どうやら、幼いころ、父親の浮気が原因で両親が離婚してすぐに一緒に生活している父親が浮気相手と再婚、妊娠出産したのが原因らしい。
「家にいずらいのよ、お父さんも義母も私のことを遠回しに邪魔者にして、腹違いの妹のことばっかり可愛がって!」
リサちゃんのぶんだけ朝食や夕食が用意されない。
リサちゃんの洗濯物だけ洗濯してもらえない。
リサちゃんの弁当だけ作ってもらえない。
こんな生活が何年も続き、最終的には腹違いの妹の学費のために、リサちゃんだけ大学へ進学させてもらえないことが家出の決定打になったらしい。
「かわいそうな、リサちゃん。でもこのままだとリサちゃんのお父さんと義母さんと腹違いの妹の思い通りになってしまうよ」
「だったらさっさとこの家から出しなさいよ」
「でも僕から解放されてもリサちゃんがつらいのは変わらない」
「なら、アンタがあの糞親父と糞ババァと腹違いの妹を殺してくれるわけ?」
「リサちゃんはそれでいいのかい?」
「できるの?」
「ああ、話しを聞くかぎり、リサちゃんのお父さんと義母と腹違いの妹は僕より幸せそうだからね、ちゃんと罪を償ってもらわなっくっちゃね」
そして父親と義母と腹違いを食べ終えた後に理沙ちゃんが幸せになれば、今度は幸せになったリサちゃんに罪を償わせることができる。
「じゃあ、お願い」
「いいのかい、本当に?」
「ええ、アンタがあいつらを殺してくれれば、あいつらの遺産は全部私のものになる!そうすれば、大学にだって進学できる」
「じゃあ、行こうか、場所教えて」
                     *
僕はリサちゃんの指示通りにリサちゃんと一緒にリサちゃんの家に到着した。
僕は拳でリサちゃんの家の一階の窓を粉々にぶっ壊す。
「おじゃまします」
「ただいま」
リサちゃんの実家ではリサちゃんの父親が新聞を読んでいる、リサちゃんの義母とリサちゃん腹違いの妹はテレビを見ている。
「きゃああああッ!泥棒!」
リサちゃんの義母が叫ぶ。
「わぁ、とってもおいしそうだね」
「おいしそうって、テーブルには食べ物なんて一つもないじゃない!」
「あるじゃないか、おいしそうな食べ物が三つも」
「リサはともかく、貴様!いったい何者だ!」
「みなさんは今、僕より幸せそうですね?」
「なんだ...コイツ?警察呼ぶからちょっと待ってろよ!」
「無駄ですよ、警察に通報しても、きっと相手にしてもらえませんよ」
「何なのこの人!リサちゃん、あなたの知り合いなの?」
「だって僕はあなた達に罪を償ってもらうためにここに来たんですから」
「罪?罪って一体何の罪だ?」
リサが自分の父親と義母と腹違いの妹から携帯を奪い取る。
「ちょっと、リサちゃんいったい何するの!」
「そんなの決まってるでしょ!アンタ達が私より幸せそうにしてるからよ!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「おじさん、コレ」
断罪王Σに変神した僕にリサちゃんが携帯を三つ手渡してくる。
僕はリサちゃんにキッチンから持ってきてもらったコップをテーブルに置くと、コップのの上で携帯を三つ、右掌でバキボキに粉砕する。
もはや携帯とは呼べない、鉄のかけらがコップの中にたまっていく。
僕は断罪王Σと化した右腕を神速で伸ばしてリサちゃんの腹違いの妹の首を掴む。
「アズサ!」
どうやら、リサちゃんの腹違いの妹の名前はアズサというらしい。
「お父さん、アズサちゃんを助けたかったら、いますぐこのコップの中にお●っこしてください」
「お●っこだと!家族の前でお●っこできるわけないだろ!」
僕はアズサの首を絞める手に力を込める。
「うぐあぁぁぁぁぁぁぁッ!パパ、ママ助けてぇぇッ!」
「アズサ!わかった、お●っこするから少し待ってくれ!」
「洋楽を歌いながらお●っこしてくれるとうれしいです」
「洋楽?わ、わかった」
リサちゃんの父親が粉々になった携帯電話のかけらがたまっているコップに向かって洋楽を歌いながらお●っこする。
娘のために家族の前で洋楽を歌いながら無機物がたまっているコップに向かってお●っこする父親の姿に、リサちゃんと義母は現実から目を背けるように顔を背ける。
「お待たせしました!無機物とお●っこのミックスジュースです」
僕は人間の人体に百億パーセント害をもたらすであろうミックスジュースの入ったコップをリサちゃんの義母の前に置く。
「こ、こんなの注文してないわよ...」
僕はアズサの首を絞めている手にさっきより強い力を込める。
「うぐぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「わ、わかったわよ!」
ゴクゴクとお腹を痛めて産んだアズサのためにリサちゃんの義母は無機物とお●っこのミックスジュースを飲む。
十秒もしないうちに無機物とお●っこのミックスジュースは血液と嘔吐物が混ざった状態でリサちゃんの義母の口から逆流してくる。
「わぁ、真っ赤だね」
「お、おじさん?」
断罪王Σとかした僕の姿、そして目の前で繰り広げられる常軌を逸した光景にリサちゃんは不安げな眼差しを僕に向けてくる。
「安心してよ、リサちゃん。ちゃんと三人ともおいしくいただくからさ」
「そんな!約束が違うじゃないか!」
リサちゃんのお父さんが叫ぶ。
「約束はちゃんと守りますよ。僕がみなさんを食べれば、みなさんは僕の中で栄養になって永遠に生き続けます。なので安心してください」
「アズサぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
断罪王Σと化した僕は伸ばして右手を縮ませて、アズサちゃんを丸ごと口に放り込む。
「パパ!ママ!まだ私死にたくない!助けてぇぇぇぇぇッ!いやぁぁぁぁぁぁぁッ!」
断罪王Σの口内から死への恐怖を訴える叫び声と歯牙がアズサの人体の肉と骨を咀嚼する音が鳴り響く。
「貴様ぁぁぁぁぁぁぁッ!」
リサちゃんの父親が冷蔵庫から取り出したビール瓶で僕に襲い掛かってくる。
それを阻止するためにリサちゃんが両手を広げて父親の前に立ちふさがる。
「お父さん!冷静になって!死にたいの?アズサもいない!もう義母さんも助からない!お母さんと仲直りして、また三人で仲良く暮らしましょう!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ビール瓶を振り上げて僕に襲いかかってくるリサちゃんの父親を僕は鋼鉄の皮膚が覆っている人差し指と中指を伸ばして両目に貫通させる。
「うごあぁぁあッ!」
指を引き抜くとリサちゃんのお父さんの両目から大量の血が噴出し、雨になってリビングを真っ赤に染める。
「リサちゃん、ごめんね。これは正当防衛だから」
「わかってるわよ!結局!お父さんは私よりアズサの方が大事だったのよ!だから、私を無視しておじさんに立ち向かっていった!」
リサちゃんはリサちゃんの父親が死ぬ瞬間に手から床に落としたビール瓶を手に持つと、血塗れの吐しゃ物を吐いてうずくまっている義母の前に立ちふさがる。
「全部、あんたが悪いのよ!あんたがお父さんを誘惑したから!こんなことになっちゃったのよ!」
リサちゃんがビール瓶で義母の頭部を何度も叩く。
リサちゃんの義母の口から痛みに苦しむ呻き声が聞こえなくなる。
リサちゃんの義母は急に全身から力が抜けてしまったかのように、両手両足を広げて床に横たわる。
「おじさん、コレ、死んじゃったから、もう食べていいよ」
「僕もさすがに無機物が混ざった人肉は食べたくないな」
「おじさん、どうしてだろう...わたし、嬉しいのに涙が止まらないよ...」
僕も証拠隠滅のために涙を流しながらリサちゃんの義母を食べた。
                   *
数日後、父親と義母と腹違いを不幸で失ったリサちゃんは母親と一緒に暮らすことになった。
僕はリサちゃんに深夜の公園に呼び出されていた。
「お母さん、再婚して子供までいたのよ、もうびっくり!」
「そっか、それはちょっと複雑だね」
「でも、義父もあの子も前の家の人たちと違って、とっても私にやさしいのよ。大学の学費をだしてくれるらしいし」
「そっか...あなたは今、僕より幸せそうですね?」
「そうね...いろいろあったけど、わたし、おじさんのおかげでこうしてお母さんとも暮らせるようになって、多分、幸せかもね」
リサちゃんはとても、おいしかったです。
「ごちそうさま」
僕はそう言い残して、深夜の公園を出た。

次回予告 第二十四話 断罪王Σと美少女会社員サユリ。大した努力しなくても年なんて誰でも取れんだよ!高齢者は自分たちが高齢者であることを盾にして若い世代を困らせてもいいことを当たり前だと思うな! 自分達が高齢者であることを盾にして若者を苦しませる悪質高齢者は無免許調理師がさばいたフグを食いながらトライアスロンでもしてろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十四話 断罪王Σと美少女会社員サユリ。大した努力しなくても年なんて誰でも取れんだよ!高齢者は自分たちが高齢者であることを盾にして若い世代を困らせてもいいことを当たり前だと思うな! 自分達が高齢者であることを盾にして若者を苦しませる悪質高齢者は無免許調理師がさばいたフグを食いながらトライアスロンでもしてろ!

「ただいま」
僕はリサちゃんを食べたあと、リサちゃんがお母さんと一緒に住んでいる家の窓を素手で破壊して、不法侵入する。
「きゃあああああああああああッ!」
全身をリサちゃんの血液で真っ赤に染めた僕を見て、リサちゃんのお母さんが嬌声を上げる。
「リサちゃんがお母さんと一緒に暮らせるようになったことをとても喜んでいました」
「そ、そう...」
リサちゃんのお母さんが僕に恐怖しながらも、すこしうれしそうに微笑む。
「あなたは今、僕より幸せそうですね」
「え?」
僕はリサちゃんのお母さんの家にお泊りすることになった。
リサちゃんのお母さんと再婚相手と、その間に生まれた子供を食べてお腹いっぱいの僕は衣服を盗んで着替えると、とりあえずベッドで休むことにした。
次の日の朝、僕が趣味の散歩をしていると、高層マンションの屋上に人が立っているのが見えた。
よく見ると美少女だった。
そのおそらく、飛び降りようとしているその美少女はどう見ても僕よりかわいそうだと思った。
僕はエレベーターでマンションの屋上まで行く。
僕はその美少女にそういうことはよくないと注意する。
「あんたは私にそう言う説教をする自分に酔っていたいだけよ!」
確かにそうかもしれない。
「でも、僕は自分より不幸な人間は自分より幸せにしないと気が済まない人間なんだ」
「だったら私を幸せにしてみなさいよ!」
「わかった、僕が絶対に君を僕よりも幸せにしてみせるよ!」
その後で食べちゃうけどね、とはあえて言わない。
美少女は自分の名前と悩みを僕に説明した。
美少女の名前はサユリ。
サユリちゃんは会社で社員の人たちにいじめを受けているらしい。
それで、どうやらマンションの屋上が飛び降りようとしていたらしい。
「つらいなら、会社なんてやめてちゃえばいいのに」
「会社、やめたらどうやってご飯をたべていけばいいの?」
「僕なんてもう、三十過ぎてるけど、働いたことなんて一度もないよ」
「じゃあ、どうやって生きてきたの?」
「自分のやりたいように生きてきただけだよ」
「説明になってないんですけど」
「誰の命令も聞かず、自分の決めたルールの中で生きる、ただそれだけさ」
「でも、それじゃあお金は稼げないわ」
「人間を食べるのにお金は必要だと思うかい?」
「食用の人間なんてどこにも売ってないわよ」
「そうだね、だから僕にお金は必要ないのさ」
「じゃあ、おじさんはいつも人間を食べてるの?」
「ああ、一度あの味を知ってしまうと、もう他の食べ物じゃ満足できなくなるんだ」
「おじさん、そういうギャグで笑わせれば、私が幸せになると思ってるんでしょ?」
「ギャグじゃないよ」
「じゃあ、いますぐ会社に行くから、証明してみてよ」
「いいのかい?」
「ええ、だって会社で私をいじめる奴らをおじさんが食べてくれれば、私はいじめられずに済むんだから」
「でも、そのサユリちゃんをいじめている人たちって、僕より幸せなのかな?」
「そりゃあ、幸せに決まってるじゃない、私と違って仕事はできるし、少なくとも私をいじめてスッキリしてるんだろうから、気分はいいはずよ」
「そうだね、僕やサユリちゃんみたいな社会付適合者に比べたら、社会に適応してるサユリちゃんを苛めている人たちのほうが幸せかもね」
サユリちゃんが頬を赤らめて僕をジト目でにらみつけてくる。
「どうしておじさんと一緒にするのよ!」
「だってマンションの屋上から飛び降りようとするのはサユリちゃんが社会に適応できない何よりの証拠じゃないか」
「でも、私は人間を食べるなんて嘘はつかないわ」
「僕は嘘はついてないさ。でも、ちゃんといじめっ子たちを食べて、サユリちゃんを社会適応者にしてあげるからさ、安心してよ」
僕はサユリちゃんの指示通りに、サユリちゃんがいじめを受けている会社に入る。
僕は受付のおねえさんにサユリちゃんをいじめている社員を食べに来ましたと言う。
「あれ、サユリちゃん、社員の名前なんていうんだっけ」
「イイジマとサエキよ」
「イイジマとサエキを食べたいんですけど」
「は、はぁ?」
受付のおねえさんは笑っているがどう見ても、困惑している。
どうやら、僕のことを頭のおかしい人間だと思っているらしい。
でも笑ってて僕より幸せそうだから、仕方ないね。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「ンナァァァァァァァァァァッ!」
断罪王Σに変神した僕は号泣し、叫びながら人差し指を伸ばして、それを受けてつけのおねえさんの首に突きつける。
「受付のおねえさん、僕はまじめです、はやくイイジマとサエキをここに呼んでください。でないと、でないと僕は...おねえさんを食べてしまうかも知れません」
断罪王Σに変神した僕の姿を見て、僕がウソつきではないことを気づいたサユリちゃんが僕から後ずさる。
「わ、わかりました、わ、わかったから、もう少々、お待ちください!」
受付のおねえさんは泣きながら、電話みたいな機械でイイジマとサエキを受付に呼び出す。
泣きたいのはこっちだよ、こんなおいしそうなおねえさんをこれから食べられるんだから
「ちょっと、おじさん周りの人たちが警察に通報しようとしているわ!」
「大丈夫だよサユリちゃん、僕は今、とてもお腹がすいているからね」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあッ!」
ガブリ!ポキバキポバキ!ゴギュルルルルッ!
受付に来た、イイジマが僕の姿を見て大きな声を出すものだから、びっくりした僕は思わず受付のおねえさんの全身をまるごと食べてしまった。
「うあああああああああああああああああッ!」
僕は伸ばした鋼鉄の人差し指を、叫びながら社外に逃げようとするサエキの右足に貫通させる。
「痛ってぇぇぇぇぇぇよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「ああ、あなたがイイジマさんですね」
「は、はい」
「僕は宅間セメルって言います」
「は、はぁ...」
あなたはサユリちゃんといじめていたそうですね?」
「そ、それは違います、私はただ、仕事でミスをしたサユリさんを指導しただけです」
「ウソよ!イイジマさんは私のことを大きな声で怒鳴ったわ!」
「そ、それは君が同じミスを何度もして、顧客に何度も迷惑をかけたから」
「そうだ!イイジマは悪くない!セメルさん、あんたはサユリに騙されているんだ!」
サエキが僕に向かって泣き叫んできた。
「私はおじさんのことを騙したりなんてしてないわ!それにサエキさんは仕事ができない、同じミスを何度も繰り返す私にこの仕事をやめてしまえって大きな声で怒鳴ってきたのよ!」
僕にしてみれば、サユリちゃんは単純にバカにだけだし、イイジマとサエキもおそらく間違ったことは言っておらず、ただ単純に言い方が悪いだけだと思う、でも。
「でも、サユリちゃんは今日の朝、マンションの屋上から飛び降りようとしていた」
僕の言葉にイイジマとサエキが驚愕の表情を浮かべる。
「もし、あなた達の名前が書いてある遺書を残したサユリちゃんが本当にマンションの屋上から飛び降りていたら、あなた達二人は今頃どうなっていたでしょうか?」
「それは... 」
イイジマが気まずそうに僕から顔を背ける。
「あなた達の名前が書いてある遺書を残したサユリちゃんがマンションの屋上から飛び降りていたら、おそらくあなた達二人もこの会社をクビになっていたでしょう。そうすればイイジマさんやサエキさんだけにとどまらず、奥さんや子供さんも食べるご飯に困るはずです。それが嫌なら、もうすこし社員に対する指導の方法を改善するべきだと僕は思います」
「おじさん...」
「わ、わかった私とサエキが悪かった!だ、だから命だけは助けてくれ!」
「なら、僕の質問にちゃんと答えてください」
「わ、わかった」
「どんなに質問にもちゃんと答えるから、命だけは助けてくれ」
「あなた達は今、僕より幸せですよね?」
「あ、ああ、セメルさんより幸せかどうかはわからんが、幸せだよ!安定した収入、嫁は料理が上手だし、子供達も成績優秀だ」
「ああ、私もイイジマと同じです!」
「なら、イイジマさんとサエキさんは死刑ですね」
ガブリ!ポキバキポバキ!ゴギュルルルルッ!
僕は最初にイイジマさんを、その次にサエキさんを食べた。
「警察だ!」
イイジマさんとサエキさんを食べ終えると、たくさんの警察官が僕を囲んで銃口を向けている。
「ンナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
あまりのごちそうの多さに僕は感動の涙を流しながら奇声を上げる。
あまりの嬉しさに力を制御できなくなった僕の全身からハリネズミのように鋼鉄のトゲが飛び出し、警察官や周りの社員の人たちの全身に貫通する。
サユリちゃんが働いていた会社の一階は人間の血で真っ赤に染まっていた。
大勢の死体の中で、奇跡的にサユリちゃんだけだ呆然と立っている。
「サユリちゃん、よかった生きていて、なんか僕、もう嬉しくって涙が止まらないよ」
力の暴走を制御できない僕の両耳の穴から、クモみたいな姿をした虫、断罪虫がたくさん出てくる。
暴走した大量の断罪虫は死体を食って約一メートルほど成長するとエスカレーターを走って二階に上がっていく。
おそらく、この会社にいる人間を一人残らず食い尽くすのだろう。
断罪虫の一体がサユリちゃんに襲い掛かろうとする。
「サユリちゃん危ない!」
僕はサユリちゃんを襲おうとしている断罪虫を拳で粉々にする。
「よかった、どこかケガはないかい?」
サユリちゃんは目の前の惨状に、泣きながら、苦笑いを浮かべている。
「よかった、サユリちゃんが笑ってくれて、おじさんも嬉しいよ、これで、やっと...」
僕はサユリちゃんがとても幸せそうだったので、食べました。
サユリちゃんを食べ終えた僕は僕のごちそうを横取りした断罪虫を全て殺して食った。
また、着るものがなくなってしまった。
次回予告 第二十五話 断罪王Σと美少女イマジナリ―フレンド・アリス。子供に死んでほしくないとか言ってる奴は子供なんて作るな!人間なんだから死ぬに決まってんだろ!自分勝手な思想を子供に押し付ける奴らはコンセントにつながれたままの家電製品とハグしながらプールでシンクロナイズドスイミングでもしてろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十五話 断罪王Σと美少女イマジナリ―フレンド・アリス。子供に死んでほしくないとか言ってる奴は子供なんて作るな!人間なんだから死ぬに決まってんだろ!自分勝手な思想を子供に押し付ける奴らはコンセントにつながれたままの家電製品とハグしながらプールでシンクロナイズドスイミングでもしてろ!

これはまだ僕が断罪王Σの力を手に入れる前の話しである。
不良たちに学校の校舎裏に無理矢理、連れていかれた僕はいつも通りボコボコにされていた。
不良たちは僕をボコボコにすると満足したのか、へらへら笑いながらどこかへと移動した。「あなたはどうして、あいつらにやり返さないの」
白いゴシックロリータのドレスを身にまとった金髪美少女・アリスが僕に話しかけてくる。
「そりゃあ、やり返しても、やり返さなくてもボコボコにされるからにきまってるだろ」
「なら、私と話さなきゃいいじゃない」
三階の窓から僕以外だれもいない校舎裏で一人で話す僕を見た女子たちが紙くずを投げてくる。
そう、アリスは僕にしか見えない、僕だけの友達、いわゆるイマジナリ―フレンドってやつだ。
たび重なるいじめによって、屈折した僕の心が生んだ美少女、それがアリスである。
親を心配させたくない一心でいじめられていることを両親に黙っている僕にとってアリスは僕の孤独を癒してくれる親友だった。
「友達を無視するなんて僕にはできないよ」
「でも、いじめが激しくなったのは教室で私と話すようになってからでしょ」
「僕は君と話す前からいじめにあっていたからね、どっちかというと、相談相手がいる今の方が僕は幸せなんだ」
「あっそ、なら勝手にしなさい。そのうち不良たちに殺されても私は知らないんだから」
「でも、もしアリスの言う通りになったら僕はこの狂った世界から解放される、集団生活の中で見た目が悪い人間が最優先に嫌な思いをしなければいけないこの世界からね」
「そうなったら、私はどうするのよ」
「どうなるんだろうね、君は僕が作り出した存在だから、多分、僕と一緒にあの世にいくんじゃないか」
「でも、もしそうじゃなかったら私はこの世界でひとりぼっちになってしまうわ」
「そうだね、アリスは僕にしかみえない存在だからね」
「なら、私のために生きてよ」
「そうだね、こんな世界でもアリスのために生き続けみるよ」
三階の窓から、アリスと話す僕を馬鹿にする様にモップが落ちてくる。
モップが僕の頭部に直撃する。
「痛い」
頭部から生暖かい血が流れて、僕の額をつたう。
「ねぇ、セメルは今を超越してみたいとは思わない?」
「また、その話かい?」
「私と契約して断罪王Σの力を手に入れれば、あなたは今を超越した存在になれるのよ」
「でも今を超越したら僕が大事にしていた今はもう二度とかえってこない、そうだろ?」
「そう、時の流れと同じくね」
「でも、それってきっと...いや、なんでもない」
「いいのよ、私のことは気にしないで」
「でも、僕は今が大事なんだ。よく考えてごらん、僕にしか見えない、僕にしか話せない、そんな僕だけに都合がいい友達を持てる幸せ者は世界で多分、僕だけさ」
「でも、このままだとセメルはいつか死んでしまうわ、死んでしまった人には今はないのよ」
「僕は...」
昼休みの終わりを告げるチャイムが校舎裏まで聞こえてくる。
「さ、行きますか戦場に」
僕とアリスは手を繋いで教室に向かう。
三階の窓から罵声と共に僕の教科書や筆記用具が落ちてくる。
「つらくないの?」
アリスが僕に言った。
「僕が思うに不幸な人は自分より幸せそうな人間を見ると、イライラするんだと思う。だからいじめっ子たちにしてみれば、僕とアリスは幸せに見えるのかもしれない」
僕の言葉にアリスが微笑む。
こころが癒される。
いじめられる度にアリスとこのやりとりができる僕は幸福者である。
                    *
次の日の昼休み、僕はいつものように不良たちに校舎裏でボコボコにされていた。
しかし、いつもより人数も多く、いつもより激しい暴力に僕は今までに感じたことのない死の恐怖を覚える。
そして、それと同時に、この暴力の先に永遠の安らぎが待っているという思考が脳内を埋め尽くす。
でも、僕が死んでしまったらアリスは一体どうなってしまうんだろう?
僕はさっき、アリスのために生きてみようと自分の心に誓ったはずなのに。
「セメル、そろそろお別れだね」
「お別れ?ああ、この世界からかい?」
「セメル、事実から目を背けないで」
「いやだ!僕が君と契約して今を超越すれば君は消えてしまう、そうだろ?」
「でも、このままだとセメルが死んじゃうわ」
「いやだ!」
「私と今、契約しないなら私は今、この瞬間からセメルと絶交してセメルの前から姿を消すわ!」
「そんな...」
「私に嫌われて私に永遠の孤独を味あわせて契約せずに死ぬか、私と契約して笑顔で私とさよならするか」
「僕はアリスと契約せずにアリスに嫌われたまま死ぬのはいやだ!でもアリスと契約すればアリスは消えてしまう!」
「早くしないと、死んでしまうわよ」
「僕が死んでしまったらアリスは僕と絶交して、僕のことを嫌いになってしまう」
「そうよ」
「だったら僕は生きて、アリスと笑顔でお別れするほうを選ぶ!」
「シ」
「ン」
「ゴ」
アリスの口が三回動いた。
僕は反射的にアリスの口の動きを真似していた。
「シンゴ...?」
シンゴ、僕がそう唱えた瞬間、 僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
シンゴ、それがアリスとの契約の証であり、今を超越する存在、断罪王Σに変神するのに必要なキーワードだったのだ。
怪物と化した僕の姿を見た不良たちが一斉に逃げ出す。
アリスを失った僕の両目から一斉に大量の涙が流れる。
「ンナァァァァァァァァァァァァッ!」
アリスを失った僕の叫び声と同時に僕の全身から、ハリネズミのように鋼鉄のトゲが大量に飛び出し、そのまま不良たちの全身に貫通する。
続いて、激しい空腹感が僕を襲い、断罪王Σに進化した僕の脳が目の前の不良たちの肉体を食べれば空腹感を満たすことができると体に命令する。
実際、人間の肉はとてもおいしかった。
空腹感もいじめっこたち全員を食べることで満たされた。
でも、アリスを失った僕の心が満たされることはなかった。
                   *
その後、学校の授業は校舎裏で起きた殺人事件が原因で突如、休止となり、校内放送で生徒は皆、すぐに下校するようにとの連絡があった。
断罪王Σの変神を解いて全裸姿で教室に帰ってきた僕なんてそっちのけで、クラスメイト達は校舎裏の殺人事件の話に夢中になっていた。
放課後、体操服姿の僕は制服姿の生徒に交じって校門を出る。
僕がいじめられっ子だったおかげか、殺人事件の犯人に僕の名前が出てくることはなかった。
僕は家に帰ると、殺人事件のことではなく、アリスがいなくなってしまったことを両親に話した。
両親はこれでもう頭のおかしい息子の姿を見ずに済むと、喜んでいた。
僕を思ってのことなんだろうけど、僕には両親がアリスの死に幸福を感じているように見えた。
僕の世界で一番大切な人たちが、ぼくを世界で一番理解してくれていた親友の死を喜んでいる。
僕は叫ぶ。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σと化した僕を見た両親が、僕を化け物扱いする。
僕はお父さんとお母さんを心配させないためにいじめられていたことを黙っていたのに。お父さんとお母さんは今の僕を否定するんですね。
そう、お父さんとお母さんだけではない。
断罪王Σに変神した僕を見た世界中の人々が僕の存在を恐怖を感じ、否定するだろう。
なら、僕がこの地球で生き残るために必要なことはただ一つ、断罪王Σとして僕以外の人類を滅ぼすことである。
僕はお父さんとお母さんを食べた。
その日から僕は僕のルールで生きることに決めた。

次回予告 第二十六話 断罪王Σと引きこもり美少女サツキ。ドラマ見てるやつらがアニメ見てるやつらを馬鹿にするんじゃねぇよ! どっちも同じフィクションだろうが!アニメファンを馬鹿にするドラマファンはアイマスクしたままでエスカレーターを逆走しろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十六話 断罪王Σと引きこもり美少女サツキ。ドラマ見てるやつらがアニメ見てるやつらを現実逃避してるとか馬鹿にするんじゃねぇよ! どっちも同じフィクションだろうが!アニメファンを馬鹿にするドラマファンはアイマスクしたままでエスカレーターを逆走しろ!

サユリちゃんを食べた後、全裸の僕は知らない家の一階の窓を素手で粉々にして不法侵入しました。
僕は断罪王Σに変神して、その家に住んでいる人々を食べて、衣服を盗んで着用しました。
しかし、二階から人が動いていると思われるような音がします。
僕は試しに階段を昇って二階にある部屋の一つのドアを開けてみました。
部屋の中ではとても髪の長い美少女がテレビゲームをしていました。
「あんた誰?」
「僕は宅間セメルっていいます。君のお母さんとお父さん、とてもおいしかったです」
「あっそ」
美少女は親を僕に殺されたのにもかかわらずゲームプレイを再開させる。
「君は今、僕より幸せですよね?」
「ご想像にお任せします」
「名前は?」
「サツキ」
「サツキはちゃんは親を殺されたことよりもゲームを優先するんだね、サツキちゃんは最低のクズ」
「あっそ」
「その、とても長い髪、サツキちゃんはどうせ学校に行ってないんだろ?サツキちゃんは親不孝者の最低のクズ」
「だったら?おじさんうるさい」
僕はテレビの前に立ちふさがってサツキちゃんのゲームプレイを妨害する。
サツキちゃんが下から僕をにらみつけてくる。
「なんのつもり」
「サツキちゃん」
「なに?」
僕はサツキちゃんの右頬を平手打ちする。
サツキちゃんがさっきまでのクールな感じから一転、大声を上げて子供のように泣きはじめる。
「あ、あんたなにすんのよ!」
僕はサツキちゃんの左頬を平手打ちする。
「ちょっと!やめてよ」
「大人を馬鹿にするのはいい加減にしろよ!」
「馬鹿にしてんのはそっちでしょ?」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「僕はお前より強いんだぞ!バカにしてるとぶっ殺すぞ!馬鹿野郎!」
断罪王Σに変神した僕の姿を見たサツキちゃんが部屋から出て行こうとする。
「待てクソ餓鬼ィッ!」
僕は高速移動でサツキちゃんの前に立ちふさがる。
「お、お願い助けて...」
「大人をバカにしやがってこのクソ餓鬼がぁッ! お前なんかが俺から逃げられるわけねぇだろぉこの糞野郎がぁッ!くらぇッ!」
僕は軽いパンチをサツキちゃんの腹部に直撃させる。
サツキちゃんのお腹はとてもやわらかかった。
「お、お願い、助けて...」
「じゃあ、どうやったら助かんだよお前は!」
「お、お願い...」
「この状況からどうやったらお前は助かんだよぉ?なぁ!何とか言ってみろ、このバカ野郎!」
僕はサツキちゃんの両手を握って軽く力を込める。
「痛い!痛ったぁぁぁぁぁいッ!お願い、もうやめて!」
「両手の骨が粉々になっちゃたら!もうゲームできないねぇ!」
「やだ!やだ!ゲームやりたい!痛い、お願い!ゲームやりたいの!」
「なら、学校行くか?ゲームする時間減らして学校行くか?」
「行く!学校行くから!お願い、手ぇ放してぇ!」
僕は変神を解いてサツキちゃんの手から自分の手を離した。
「よく言えたね、サツキちゃん、天国のお母さんとお父さんもきっと喜んでいるよ」
「どうして...どうしてこんなことするの?」
「教育だよ」
「え?」
「僕は学校に行かずにずっとゲームばかりしているサツキちゃんを見て見ぬふりしているサツキちゃんのバカなお母さんとお父さんの代わりに教育しに来たんだ」
サツキちゃんが変神を解除したせいで全裸になった僕を見て、後ずさる。
「その前に、サツキちゃん...ちょっと...」
                     *
サツキちゃんが二階自室の床の上に大の字になって横たわっている。
放心状態のサツキちゃんの両目からは涙が流れていた。
「サツキちゃんがおじさんを怒らせるから...いけないんだよぉ」
僕は盗んだ衣服を身に着ける。
「嫌ぁ...こんなの嘘よ、絶対夢よ...」
「サツキちゃんが生意気だから...生意気だから...行けないんだよぉ」
「どうして、どうしてこんなことをするの?」
「それより、サツキちゃんはどうして学校に行かないんだい?」
「どうして、こんなことするの?」
「サツキちゃん!ダメだろ!おじさんの言うこと聞かなくっちゃ!」
僕は右頬を平手打ちする。
「言うこと聞かないと、ゲームできなくなっちゃうよぉ!」
「が、学校でいじめられるから、学校でいじめられるから、いかないだけだよぉ...うあああああああああああああああんッ!」
サツキちゃんは僕の教育指導のせいで心が壊れてしまったのか、大声で泣き始める。
「大丈夫だよ、サツキちゃん、おじさんの言うこと聞いてれば、サツキちゃんは幸せになれるからね」
                   *
僕はサツキちゃんと一緒にサツキちゃんが通っていた学校に行く。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕はサツキちゃんに言われた通りにサツキちゃんをいじめていた生徒の全員の両足を折って校舎裏に連れていく。
「痛ぇ!」
「痛いよぉ!」
「お父さぁぁん!お母さぁぁん!誰か助けてぇぇッ!」
「お母さぁぁぁぁぁぁんッ!マネーサプラァァァァイッ!」
「死にたくねぇよぉぉぉぉぉッ!」
サツキちゃんをいじめていた奴らの悲痛な叫びと言葉が校舎裏に響き渡る。
「サツキちゃん、よく考えてごらんサツキちゃんが学校に行けなくなっちゃったのは全部コイツらのせいなんだ。あの、時間サツキちゃんがちゃんと学校に居ればサツキちゃんはおじさんのせいであんなひどい目に遭わずに済んだんだ」
「全部、こいつらのせい...」
「そう、だからもし、サツキちゃんが一生歩けなくなったこいつらを殺すことができたら、サツキちゃんはおじさんから卒業できる」
「卒業?私を見逃してくれるの?」
「ああ、これがおじさんがサツキちゃんのためにできる最後の教育だよ」
サツキちゃんが地面に落ちていた大きな石を両手に持つ。
その石には小さな虫がいっぱいくっついていた。
「虫がいっぱい」
「そうだね」
サツキちゃんは僕から解放されたいがために、両手に持った石で自分を引きこもりに追い詰めたいじめっ子たち全員の頭部を殴った。
全身血塗れになったサツキちゃんが役目を終えた大きな石を地面に放り投げた。
「よくがんばったね。これで、サツキちゃんは僕とさよならできるね」
「うん...」
復讐を終え、断罪王Σという脅威から解放されたサツキちゃんが幸せそうに微笑む。
僕はサツキちゃんとお別れしないといけないので、とっても悲しい。
「サツキちゃんは今、僕より幸せそうですね」
「え?」
僕はサツキちゃんの頭にかぶりついた。
サツキちゃんはこの世界から無事に卒業することができた。
よかったねサツキちゃん、これであの世で家族三人で仲良く暮らせるね。
僕は変神を解いて、全裸のまま、学校を出た。

次回予告 第二十七話 断罪王Σと遠距離恋愛美少女ヤヨイ。童貞より非童貞のほうが社会的地位が上だと思ってる女は今すぐ高速道路で反復横飛びしてこい!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十七話 断罪王Σと遠距離恋愛美少女ヤヨイ。童貞より非童貞のほうが社会的地位が上だと思ってる女は今すぐ高速道路で反復横飛びしてこい!

僕は他人の家に不法侵入して衣服を盗んで着用した。
もちろん、家の住人はみんな食べました。
食べた後にすぐ寝るのはよくないっていうよね。
だから、僕は深夜徘徊をすることに決めた。
そして、深夜の公園にベンチに髪が長くて肩だしワンピースにミニスカートの美少女が座っていたんだ。
「君、名前は」
「わ、私の名前はヤヨイです」
「ヤヨイちゃんはなにか悩みがあるんだね」
「どうして、わかるんですか?」
「そりゃあ、こんな夜中の公園に一人でいるなんて、なにか悩みがあるからだろ?」
「実は私、彼氏がいるんですけど、遠距離恋愛なんですよね」
「へ~そんで」
「それで彼氏と最近、連絡が取れないんです。それで最近、私、けっこうイケてる男の人に告白されてしまいして、まだ返事はしてないんですが...」
「ほ~ん、つまり、ヤヨイちゃんは最近告白してきたけっこうイケてる男と付き合いたいけど、彼氏と連絡がつかないから、どうしたらいいのか、わからないんだね」
「まぁ高確率で遠距離恋愛中のヤヨイちゃんの彼氏は浮気してるよね」
「そんな、そういう言い方ひどいです!」
「じゃあ、なんで連絡が取れないのさ?」
「それは!きっとむこうでなんかあったんだと思います!」
「どうしてそこまで、その彼氏を信じるのさ」
「実はその彼氏とは学生のころから付き合っていまして...だから」
「だめだね、それは、もう間違いなくむこうで浮気してる。よく考えてごらんよ、例えばだよ、ヤヨイちゃんがラーメン屋に行きました」
「はい」
「ラーメン屋の店員さんから、ヤヨイちゃんだけこの店では醤油ラーメンしか食べてはいけません、もし他の味のラーメン屋や餃子を食べたら入店禁止にしますって言われたらどうする?」
「そんなのおかしいです!」
「だろ?君の彼氏だってヤヨイちゃんだけじゃなくって、いろんな女の人を味わってみたいのさ」
「いいたいことは何となくわかりますが、なんか例え方が下品ですね」
「だから、ヤヨイちゃんも味わっちゃえばいいのさ、その最近告白してきた結構イケてる感じの男の人をさ」
「でも、もし彼氏が浮気してなかった時のことを考えたら、こう不安で」
「でも、寂しいんだろ?」
「はい...」
「じゃあ、確かめに行こうか君の彼氏がむこうで浮気してるか、してないか」
「でも、もし浮気してたら、私もう、立ち直れなくなりそうで...怖いんです」
「そりゃあ、学生のころから付き合っていた相手に裏切られたら悲しいよね...シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「きゃあああああああああああああああッ!」
僕は断罪王Σの状態で背中から羽根を生やす。
「さ、僕のせなかに乗ってよ」
「あ、あのあなた何者なんですか?」
「そうだね、断罪王Σとでも名乗っておこうかな」
「だ、だんざいおーしぐま?」
ヤヨイちゃんは渋々、僕の背中に乗る。
僕は深夜の上空を飛ぶ。
「うわぁ~夜景が綺麗ですね~」
「怖くないのかい?」
「はい!高いところ好きなんです」
「それで、こっちの方でいいのかな?」
「はい、北海道です」
僕はヤヨイちゃんの指示通りに北海道にある遠距離恋愛中のヤヨイちゃんの彼氏の自宅に到着した。
僕はヤヨイちゃんにコンビニで買ってきてもらった最低限の衣服を着用するとヤヨイちゃんの彼氏の自宅のインターホンを連打する。
「うるせぇ!」
「タケシ!」
どうやら、ヤヨイちゃんの彼氏の名前はタケシというらしい。
「ヤヨイ!お前、女優になるために東京に行ったはずじゃ...」
「うん、でも最近、連絡取れないからさ...」
「ヤヨイこそ、その隣にいるおっさん一体誰なんだ?」
「あ、ああこの人は友達よ、別に彼氏とかじゃないし」
「ふ~ん、まぁ、入れよ」
「うん」
「お邪魔します」
僕とヤヨイちゃんはタカシ君の自宅に入る。
「ねぇ、タカシ、タカシはもう私のこと好きじゃないの?」
「そんなことはねぇよ!ただ、ただ...」
「ただ?」
「俺、実は飲み会で一回酔っぱらって、ヤヨイにそっくりな女の子のことヤヨイと勘違いしちゃって、浮気しちゃったんだ!それで...それで...」
「それで?」
「実は、その浮気しちゃった女の子が妊娠しちゃったんだ...だから俺、どうしていいかわからなくなっちゃって、ヤヨイとどう向き合えばいいのかわからなくなっちゃたんだ」
「そっか、それで連絡が取れなかったんだね。じゃあ、もうおしまいだね」
「でも!俺、本当はヤヨイのことが一番!」
「だめだよ、タカシ君、そんなこと言っちゃ。その浮気相手との子供がかわいそうだよ」
「ヤヨイ...!」
「子供にはお母さんとお父さんが必要なんだから...だから、もう、さよならしよう」
ヤヨイちゃんは泣きながら笑っている。
「おい!おっさん!どうにかなんないのかよ!」
タケシ君が僕の胸倉をつかんでくる。
「そんなこと言われても、おじさん女の子と付き合ったことないんだよ」
「いやだ!俺はヤヨイと別れたくない!ヤヨイ!」
タカシがヤヨイに抱き着く。
ヤヨイもタカシを抱きしめる。
「じゃあ、もう君たちも子供作っちゃえばいいじゃん」
「でも、私には東京で女優になる夢があるから...」
「ヤヨイ...!」
「結局、全部私が悪かったのよ、私が女優になるためにタカシ君は故郷に残してきたのが悪かったの!欲しいものを両方手に入れようとしたから、バチが当たったのよ」
「あ、おじさん、いいこと思いつきました!」
「おっさん!」
「僕がタケシ君の浮気相手を殺すってのはどうでしょうか?」
「おじさん?」
「そうすれば、二人は元通りに幸せなカップルに戻れますよね」
「おい、おっさん、それマジで言ってんのか?殺人だぞ、おっさん!」
「そうよ!そんなのあんまりだわ!」
「あんまりもなにも、僕、そういうの初めてじゃないし」
「じゃあ...おっさん!」
「ダメよ!タカシ!」
「でも、僕は君たちを幸せにしたいなぁ!もし僕のいうことが聞けないなら、君たちが死ぬことになるけどどうする?」
「おっさん!マジかよ!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「この姿を見れば、僕の言っていることがウソじゃないとわかるだろう?」
「おっさん!マジかよ!」
「嫌よ!私死にたくない!」
「おっさん!俺も!」
僕はタカシ君に教えてもらった通りに、浮気相手の家に向かう。
僕はタカシ君の子どもを妊娠しているタカシ君の浮気相手の家に不法侵入する。
たしかに、浮気相手はヤヨイちゃんにそっくりだった。
「あの、おじゃまします」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「いただきます」
僕はタカシ君の浮気相手の頭部を手にもって、タカシ君の自宅に帰宅する。
「ただいま」
「おっさん、手に持ってるソレ、マジかよ...」
「そうだよ、マジだよ」
「おじさん...私達助かるの?」
「ああ、もちろん、これで君たちは恋人にもどれるね」
「ヤヨイ...」
「タカシ...」
ヤヨイちゃんとタカシ君が互いの体を抱きしめ合う。
なんの罪もない命を犠牲にして勝ち取った二人の愛はより強固なものとなるだろう。
僕はそんな二人がイチャつくのを見ながらタカシ君の浮気相手の頭部を口に入れる。
「おっさん!なんか色々ありがとな!」
「おじさん!私、女優の夢をあきらめて、ここでずっとタカシ君と一緒に暮らします!」
「いいのかい、女優の夢をあきらめちゃって?」
「はい!東京に戻れば、まだタカシ君が浮気しちゃうかもしれませんから。それに、今、私とっても幸せなんです!」
「そっか、今のヤヨイちゃんは僕よりとっても幸せそうだね」
「おう、おっさんも俺みたいにはやく彼女作って幸せになってくれよな!」
「そっか、今のタカシ君も僕より幸せそうだね」
僕はずっとこの時を待っていた。
「じゃあ、ヤヨイちゃんもタカシ君も僕より幸せそうだから、おいしく食べさせてもらうね」
「え?」
「え?」
僕はヤヨイちゃんとタカシ君を食べた。
とってもおいしかったです。
 
次回予告 第二十八話 断罪王Σとヤンデレ美少女アオイ。女に手をあげる男が最低なら、男に手を上げる女も最低だ!暴力をふるう奴なんて男とか女とか関係なく最低なんだよ!暴力をふるうやつは全員、シャンプーハットかぶったまま地雷だらけの紛争地域で運動会でもしてろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十八話 断罪王Σとヤンデレ美少女アオイ。女に手をあげる男が最低なら、男に手を上げる女も最低だ!暴力をふるう奴なんて男とか女とか関係なく最低なんだよ!暴力をふるうやつは全員、シャンプーハットかぶったまま地雷だらけの紛争地域で運動会でもしてろ!

北海道から深夜の東京に帰ってきた全裸状態の僕は近くに居たサラリーマンの服を脱がす。
「なにすんだよ、てめぇ!」
「着るものが欲しいんですよね」
「やめろぉ!」
僕はサラリーマンから衣服を盗み出して着用すると、全裸のサラリーマンを食べた。
「やっぱり北海道から東京だと、かなりエネルギーを消費するな、人間一人じゃとても足りないよ」
道を歩く人はみな、酒に酔っているのか、男も女もヘラヘラしている。
各店舗に備えられている無駄に多い電飾が目に眩しい。
東京の深夜はキラキラしているが、それが逆にここで生きる人々の心が病んでいることを証明しているように思える。
そして、地面にはピンクのシャツに黒いスカート、俗にいう地雷系ファッションと呼ばれる服に身を包んだ髪の長い美少女が仰向けのまま倒れている。
僕はなんとなく、地雷系美少女の頬を平手打ちする。
「痛い!あんた、いきなり何すんのよ!」
「よかった、生きていて。こんなところで寝てたら凍死してしまうよ」
「うるさいわね!ほっといてよ!あんたもどうせ、私だけのものになってくれないんでしょ?だったら最初から人を誤解させんじゃないわよ!」
おそらく、酔っぱらっているのだろう。
顔は可愛いが、かなりめんどくせぇヤツだなコイツ。
僕は地雷系美少女を放置して移動することにした。
「ちょっと!待ちなさいよ!私に優しくしておいて、逃げてんじゃないわよ!」
「じゃあ、どうすれば君は満足するんだい?」
「ちゃんと責任とって、私が死ぬまで私に優しくしなさい!」
「それって結婚しろってことかい?」
地雷系美少女は急に恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にして僕から顔を背ける。
「そ、そうよ!あんたは死ぬまで私のものになるのよ!」
僕は地雷系美少女の頬をもう一度平手打ちする。
「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!このメス豚がぁッ!この世に全部おめぇの思い通りなる人間なんか一人もいやしねぇんだよッ!人をなんだと思ってんだ馬鹿野郎ォッ!」
「あんた!女に暴力振るうなんて最低よ!罰として私だけのものになりなさい!」
「うるせぇ!てめぇ人の話聞いてんのか!気にくわねぇ奴は女だろうが男だろうが全員暴力で黙らせる!それが僕のやり方なんだ!」
僕は地雷系美少女の腹に拳をぶち込む。
地雷系美少女が気絶する。
「ちょうどいい、この女に僕が社会の厳しさってやつを教えてやる」
僕は地雷系美少女を肩に担いだまま、知らない人の家におじゃまする。
「おじゃまします」
「なんだ君は急に人の家の窓を割って!」
「うるせぇッ!」
僕は激昂すると同時にその一軒家の住人を食べると、地雷系美少女をクッションの上に横たわらせる。
僕は地雷系美少女のバッグから財布を取り出し、身分証を確認する。
アオイ、それがこの地雷系美少女の名前だった。
僕は水道の蛇口を開く。
水道から流れる冷たい水をバケツにあふれるくらいに入れる。
僕は名前も知らない人の家のクッションで爆睡しているアオイちゃんにバケツに溜めた水をぶっかける。
「ぶほっ!ちょっとあんた何すんのよ!服が濡れちゃったじゃない!」
「うるせぇ!この地雷系女!せっかくだから僕がこの社会の厳しさってやつをしっかり教育してやるぜぇ!」
「私は地雷系女じゃないわ!ヤンデレ女よ!」
「どっちも似たようなもんだろうがぁッ!」
「ちがうわよぉッ!」
アオイちゃんはポケットからだしたナイフを僕の腹部に突き刺していた。
「あ、あんただ悪いのよ!わ、私だけのものになってくれないあんたが悪いのよ!」
「い、意味がわからない...」
この女、酔っぱらっているとか以前にそうとう狂っている。
まぁ、それは僕もおなじかもしれない。
「とぼけてんじゃないわよ!私にやさしくしておいて、私だけのものになってくれないとかマジありえないんだから!」
腹部から血がどんどんあふれてくる。
「アオイちゃんに暴力をふるった僕がどうして優しいのかまったく理解できない」
「だってあんた道で寝ている私のこと心配してくれたでしょ?いつも、みんな私のこと朝まで無視するのに...」
なるほど、アオイちゃんはおそらく毎晩、だれかに構ってほしくて、地面にああして仰向けに寝ているのか。
「でもあんたは私に暴力をふるった!私だけの男が私に暴力なんてするわけないのよ!あんたは私にやさしくするだけして、私の心をもてあそんだ!だから、あんたは死んで当然なのよ!」
マジでなんなんだコイツ...つーかもう...あ~ダメだ、教育したい...もう教育したくてたまらないよぉ~。
「シンゴォォォォォォォォッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神すると同時にアオイちゃんに刺された傷口が塞がっていく。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁッ!」
アオイちゃんが僕の腹部に何度もナイフを突き立てる。
しかし、断罪王Σと化した僕の鋼鉄の皮膚に覆われた腹部の前には無力だった。
「そんな...」
「アオイちゃん、女の子がそんな危ないものをもっていたらだめだよ」
僕はアオイちゃんの手からナイフを取り上げると、家の中に飾ってあった家族写真に向かって投擲する。
アオイちゃんのナイフがダーツの矢のように家族写真の中で笑っている女性高齢者の顔に直撃する。
「クソババァが幸せそうに笑ってんじゃねぇぞ!この野郎!」
家族写真に写っている幸せそうに笑う女性高齢者むかっていきなりブチ切れる僕を見て、アオイちゃんが驚愕している。
僕は手ぶらになったアオイちゃんの両手を掴んで僕の腹部に突きいれる。
アオイちゃんの両手が僕の腹部に吸収され、固定される。
「これで、僕はもうアオイちゃんだけのものになったね」
アオイちゃんは僕からもう逃げられない。
「い、いったい何するつもりよ」
「それでは授業を始めます」
「あ、あんた教員免許持ってんの?」
「うるせぇ!」
僕は家の中にあった数学の問題集を手に持って開く。
僕は僕にも解けない数学の問題をアオイちゃんに答えるように命令する。
「わ、わかりません...」
「おめぇ、それでも学校行ってたのかよ!授業料払った親の気持考えたことねぇのか、オイッ!」
僕は問題に答えられなかったアオイちゃんの頬を手の平でたたく。
「ご、ごめんなさい」
僕は何度も僕にも解けない数学の問題をアオイちゃんに解く様に命令する。
アオイちゃんは僕が頬をビンタするたびに、さっきまでの生意気な態度がウソみたいに僕に謝罪してくる。
僕が僕にも解けない問題をアオイちゃんに解くように命令する。
アオイちゃんは問題を解けない。
僕はお仕置きとしてアオイちゃんの頬にビンタを食らわせる。
アオイちゃんが僕に泣きながら謝罪する。
それが、十回以上続いた。
僕はこのパターンに飽きたので、僕の出した問題に解けないアオイちゃんに、お仕置きとしてキスをした。
「や、やめて...わたし、キスされるとやばいのよ...」
僕はアオイちゃんの口につけた自分の口から唾を思いっきり床に向かって吐いた。
「おめぇ、さてはキスするの俺が初めてじゃねぇな!」
「だ、だったらなんなのよ!私のこと好きだからキスしてくれたんじゃないの?」
「うるせぇ!僕の心を弄びやがって!ふざけんなァッ!」
僕は手に持った問題集でアオイちゃんの頬を何度もたたく。
僕の教育でアオイちゃんの顔は青あざだらけになってしまった。
「アオイちゃんの顔、青あざらだけだね、アオイだけにね」
「うん...私、あんたの色に染められちゃった..」
アオイちゃんがそういいながら、どこか嬉しそうに頬を赤らめる。
コイツ...狂ってやがる。
でも、アオイちゃんの顔はどう見ても幸せそうに僕には見えた。
「アオイちゃんは今、僕より幸せそうですね?」
「うん、そうかも。私、こうしてあんたと一つになって教育してもらえてる今が生まれてきて一番幸せかも...だってこのままなら、あんたは私から離れられない...」
「よかったアオイちゃんが幸せになってくれて」
僕はアオイちゃんを食べました。

次回予告 第二十九話 断罪王Σと貧乏美少女ユウナ。人の好きなものをバカにするやつは自分の好きなものをバカにされたときのことをちゃんと考えろ!人の好きなものをバカにするやつはシートベルトをしないままケチャダンスを踊りながらジェットコースターをエンジョイしろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二十九話 断罪王Σと貧乏美少女ユウナ。人の好きなものをバカにするやつは自分の好きなものをバカにされたときのことをちゃんと考えろ!人の好きなものをバカにするやつはシートベルトをしないままケチャダンスを踊りながらジェットコースターをエンジョイしろ!

アオイちゃんを食った僕が二階のベットで休もうとすると、一階から物音が聞こえてきた。「空き巣かな?」
僕は階段を下りる。
「あ!」
一階にはニット帽に分厚いコートを身にまとった髪の長い美少女が冷蔵庫の中を物色していた。
「君は空き巣だね?」
「す、すいません、窓ガラスが割れていたのでてっきり強盗か何かあったのかと思って、つい...」
「いいよ、謝らなくても。その窓ガラスを割ってこの家に不法侵入したのは僕だからね」
「もしかして、家の人はまだ帰ってきてないんですかねぇ?」
「うん、多分、永遠に帰ってこないよ」
そう、一度失われた命はもう、二度と戻ってこない。
「そ、そうですか。あの、冷蔵庫のモノをちょっと分けてほしいんですけど」
「ああ、いいよ、俺、人間の食いものにあんまり興味がないからね」
「た、助かります~」
貧乏美少女が嬉しそうに冷蔵庫から取り出した食料品を小汚いビニール袋の中に入れる。
「君、名前は」
「私はユウナって言います」
「ふ~ん、ユウナちゃんは見た感じかなり若いけど、どうしてそんな汚い恰好をしてるんだい?」
「わ、私、貧乏なので」
「ふ~ん、ならここに住みなよ」
「え?」
「その恰好からすると僕と同じでどうせ帰る家がないんだろ?」
「ま、まぁ」
「実は僕さ、この家の人間を全員食べたんだよ」
「は、はぁ」
「ユウナちゃんは僕に食べてほしいかい?」
「い、嫌です」
「なら、ここで一緒に暮らそう。僕、正直言うとなんか今、とっても寂しいんだ」
「は、はぁ」
僕とユウナちゃんはレンジで加熱したピザを食いながら話をする。
「ユウナちゃんは家出してきたのかい?」
「ま、まぁ、そうですね。ちょっといろいろあって、むむッ!このピザおいしいです」」
「人間の肉はもっとおいしいよ」
「そ、そうですか」
「親と喧嘩したの?」
「喧嘩というか捨てられたんですよね、お母さんに。ちなみに父の顔は見たことがありません」
「なんで?」
「色々とお金がかかるから邪魔らしいんです、わたしのこと。どうやら私の両親、デキちゃった結婚らしくて」
「そっか。でもさ、普通に考えたらね、子供欲しくない人はセッ●スしちゃいけないと僕は思うんだよね」
「おっしゃる通りですね」
「君は憎くないのか、お母さんのこと」
「別に憎くはないです、私が小さい時は優しくしてくれましたし、ただ、どうしても私の学費のせいで生活が厳しくなってしまったので、多分、母は貧しさに心を病んでしまったんだと思います」
「そっか。お金は人の心を豊かにするけど、お金なくなると今度は逆に人の心を壊してしまう。お金は怖いね」
「はい、でも私、今の生活は嫌いじゃないんです」
「なんで?」
「確かにいろいろと厳しいですが、こうなんというか自分の足で立って生きているというか、こう自由な感じがして!特にご飯食べてるときとかはなんかこう、産まれてきてよかったなって感動するんですよね。最近、友達もできましたし!」
「そっか。そんで、その友達って?」
「アオイちゃんっていう子なんです。家はあるらしいんですけど、いつも深夜になると綺麗な服着てるくせに路上に寝ている子なんです。それで理由を聞いてもなんだかいまいち話がかみ合わないんですけど、優しくするとたまにタダでお菓子くれたりするんです」
「そっか」
アオイちゃんこの辺じゃあ、ちょっとした有名人だったのかな?
「アオイちゃんは私と違って男性経験が豊富みたいで、いろいろと面白いお話をたくさんしてくれるんですよ!」
ユウナちゃんが楽しそうにアオイちゃんの話をする。
「あの~アオイちゃんの話しはもういいから」
「あ、す、すいません」
「それよりユウナちゃんがお金持ちになれば、ユウナちゃんはお母さんと仲直りできるかもしれないね」
「は、はぁ」
「僕はいつも人間を食べてるからさ、あんまりお金を必要としないんだけど、もしよかったらコレ使うかい?」
僕はこの家の箪笥から奪い取った、封筒に入った五百万円をユウナちゃんに渡す。
「で、でもこのお金は?」
「ああ、僕がこの家から盗んだお金だよ」
「で、でもそれはいくらなんでも、他人のお金ですし...」
「じゃあ、ユウナちゃんはお金が無くなって飢え死にしそうになったら、そのまま全部をあきらめて死んじゃうのかい?」
「そ、それは!」
「犯罪者になって生き延びるのと、犯罪者にならずに飢え死にするの、ユウナちゃんはどっちの方がマシだと思う?」
「誰だって多分死にたくないんだと思います。でもやっぱり、人に迷惑をかけてまで私は生きていたくありません」
「ユウナちゃん!僕はユウナちゃんを幸せにしたいんだよ!」
「お気持ちは嬉しいですが...」
「じゃあ僕が、このお金を受け取ってお母さんと仲直りしないと、ユウナちゃんのこと殺しちゃうよって言ったら、どうする?」
「そ、そんな私、死にたくないです!」
「じゃあ、この五百万円受け取ってよ!」
「で、でも!」
「このお金があれば、お母さんはきっとユウナちゃんを必要としてくれる、愛してくれる!」
「わたし、やっぱりお金は受け取れません!お金でできた愛なんて私はほしくありません!」
「でも、ユウナちゃんは他人の家に不法侵入してピザ食ったよね?」
「そ、それは!」
「もうユウナちゃんは立派な犯罪者だよ。僕は自分の罪を隠して、ユウナちゃんのしたことを警察に報告する!そうすればユウナちゃんは犯罪者で、ユウナちゃんのお母さんも顔も知らないお父さんも、親戚もみんな犯罪者の家族として社会から居場所を失う。それでもユウナちゃんはこのお金を受け取らないのかい?」
「このお金を受け取れば、私のしたことを警察に黙っててくれるんですか?」
「ああ、もちろん。僕はただ、ユウナちゃんの幸せそうな顔を見たいだけなんだから」
「で、でも!」
「おい、おまえいい加減にしろよ!いいか?金持ってねぇやつがカッコつけたってちっともかっこよくねぇんだよ!金があるやつは長生きできるし、金がねぇやつは早死にするしかねぇんだよ!貧乏人が糞みたいなプライドもってたってその先には金持ってるやつらより早死にする運命しか待ってねぇんだよ!とにかく、この世で偉くてカッコイイやつってのは結局金持ってるやつなんだよ!貧乏人がカッコつけたってただひたすらにむなしいだけなんだよ、おめぇがどんなに偉そうなこといって僕に反論したところで世界中のバカ野郎どもの同調圧力でそういうことになってるんだよ!いい加減目を覚ませ!」
「勝手なこと言うな!このクソジジィッ!人がおとなしくしてれば偉そうに説教しやがって!人の家に不法侵入して住人ぶっ殺して人の金盗んでおいて、なにが目を覚ませだ!なにが人間の肉はおいしいだ!目を覚ますのはお前のほうだ!くだらねぇ犯罪行為する暇があるならとっとと更生して私みたいにみじめでも社会にちゃんと貢献しろ!」
「なら、ユウナちゃんはこのまま二度とお母さんに会えずに死んでしまっても後悔しないのかい?」
「そ、それは!
「自分の魂に自分で嘘ついて後悔するのがユウナちゃんの本望なのかい?君は自分の正義のために自分の魂を殺せるのかい?」
「わ、私は!私だってお母さんにもう一度会いたいわよ!でもお母さんがきっと必要としているのは私が戻ってくることじゃなくて、五百万円よ」
「それでもいいじゃないか、五百万円を犠牲にして君は母親から愛してもらえるかもしれない、そもそも無償の愛なんて言葉は幻さ、結局お金がなければ、君は母親に愛してもらえるために必要な住宅も衣服も食料も買えない。お金で買える愛だって立派な愛なんだよ!大事なことは愛じゃなくって君が母親のことが好きかどうかなんだ!」
「キモイこと言ってんじゃないわよ!この犯罪者!でも、行くわ、私、お母さんのところに!」
「そっか、よく言えたねユウナちゃん」
僕はユウナちゃんの指示通りにユウナちゃんの実家に到着した。
ユウナちゃんがインターホンを押した。
ドアが開く。
ユウナちゃんは他人の家から盗んできた五百万円の入った封筒を母親に手渡す。
「コレ、五百万円入ってるわ」
「ユウナ...おかえりなさい」
ユウナちゃんの母親が五百万円の入った封筒を室内の床に頬り投げると、ユウナちゃんを抱きしめる。
母親に抱きしめられたユウナちゃんが大泣きする。
「どうして!どうして家出した私を探してくれなかったの?」
「だって、あんなにひどいこと言って今更帰ってこいなんて勝手なこと言えないわよ」
おそらく、ユウナちゃんの母親が両目から流している涙は今、娘に五百万円を手渡された
喜びより、娘が無事に帰ってきた喜びから流している涙に違いない。
五百万円がなくてもユウナちゃんのお母さんはユウナちゃんを愛してくれた。
二人の姿に僕はもしかしたら無償の愛は存在するのかもしれないと思った。
それは、それとして。
「二人とも今、僕よりとっても幸せそうですね?」
「うん!ありがとう、おじさん」
ユウナちゃんの泣き笑いに僕ももらい泣きをする。
僕は泣きながらユウナちゃんとユウナちゃんのお母さんを食べた。
とってもおいしかったです。

次回予告 第三十話 断罪王Σと自称魔法使いの美少女カエデ。飼っている犬猫に去勢手術させる飼い主は今すぐ病院で去勢手術して来い!ペットが子孫残すのがそんなに嫌なら最初から飼うんじゃねぇよ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第三十話 断罪王Σと自称魔法使いの美少女カエデ。飼っている犬猫に去勢手術させる飼い主は今すぐ病院で去勢手術して来い!ペットが子孫残すのがそんなに嫌なら最初から飼うんじゃねぇよ!

ユウナちゃんとユウナちゃんのお母さんを食べ終えた僕は五百万円が入った封筒を持ってアオイちゃんをぶっ殺した家に帰宅する。
テーブルの上には食べかけのピザが残っていた。
「もう、寝よう」
ベットに横たわると、とてつもない睡魔が僕を襲う。
美味かったなユウナちゃんとユウナちゃんのお母さん。
人間の幸福度によって、その人間の味は変わる。
幸福度の高い人間の味はおいしい。
幸福度の低い人間の味は味が薄い。
                      *
次の日の朝、起床して一階に降りると、また侵入者らしき美少女が室内を歩いていた。
「だめ、じゃないか人の家に勝手に入っちゃ」
「それはこちらのセリフです。ヨシヒロさんをいったいどこに隠したんですか?」
「ヨシヒロ?」
おそらく僕が食べたこの家の住人の名前だろう。
「食った」
「え?」
「邪魔だから食った、腹も減っていたし」
それより、この美少女、よく見ると黒いマントに木でできた杖をもっている。
まるで、魔法使いみたいだ。
「君、そのコスプレかっこいいね」
「コスプレじゃ、ありません!ヨシヒロさんは今どこにいるんですか?」
「君、名前は?」
「質問に答えてください!」
「だから食ったって、君の名前は?」
「カエデです!魔法研究会のカエデです」
「魔法研究会?」
「ええ、近所の公民館で不定期開催している研究会のことです」
「ふ~ん、面白そうだね。それで、僕の食ったヨシヒロもその魔法研究会のメンバーだったのかい?」
「そうです、代表でした」
「代表?へぇ~そりゃすごい」
「本当に食べたんですか?」
「君、本当に魔法使えるの?」
「質問に答えてください!」
「さっきからずっと言ってるだろ!食ったって!」
「修行中です...」
「え?」
「だから!修行中なのでまだ魔法は使えません!」
「ヨシヒロは使えたの?」
「はい、そりゃあ代表ですから」
「ちなみにさ、その魔法研究会、メンバーは何人いるの?」
「二人です」
「二人?カエデちゃんとヨシヒロだけ?」
「そうです」
「ヨシヒロ本当に魔法使えたの?」
「はい、この家の地下に行けばわかるはずです」
「地下?この家に地下室なんてあったの?」
「ヨシヒロさんの名誉のためにも、ご案内します」
カエデちゃんが室内の本棚を横にずらすと地下へと続く階段が現れた。
「ほんとだ」
「ふふ~ん、すごいでしょう?」
「いや、すごいのカエデちゃんじゃないから」
カエデちゃんが地下室の灯りを点ける。
「地下室というより、研究所じゃないのこれ」
地下室には奇妙な生命体が液体と共に閉じ込めてあるカプセルがいくつも置いてあった。
床と天井には魔法陣のようなものが描かれている。
「ヨシヒロっていったい何者?」
「そりゃあ、魔法使いに決まってます」
「マッドサイエンティストの間違いじゃないの?」
「このカプセルの中に入っているのはとある人体実験で作られた生物兵器だそうです」
「え、これじゃあ生きてるの?」
「ええ、カプセルの中に一時的に閉じ込めてあるだけらしいですから」
「で、このバケモンカプセルと魔法、いったい何の関係があるんだい?」
「実はヨシヒロさんはこの地下室で管理している怪物達と自分の魔法で世界を征服しようとしていたんです」
「え、ヨシヒロ世界征服しようとしてたの?」
「はい、ヨシヒロさんは掌から衝撃波や火炎放射を出すことが可能でした」
「僕が襲ったときは衝撃波も火炎放射もされなかったけど」
「とにかく、ヨシヒロさんがいなくなった以上、あなたには私と共に世界征服をしてもらいます」
「なんで?」
「だって、あなたがヨシヒロさんを殺したんでしょう?あなたにはヨシヒロさんの代わりに私の世界征服を手伝う義務があるんです!」
このカエデちゃんとかいう女、アオイちゃんと同じぐらいやべ―やつな気がする。
「だいたいさぁ、ヨシヒロとカエデちゃんはどうして世界征服したいわけ?」
「私もヨシヒロさんもいまの世の中に不満を抱いているからです」
「もっと具体的に言ってくんない?」
「ヨシヒロさんの場合は自分の人体実験で完成した生物兵器を国に認めてもらえなかったこと、私の場合は成績が悪かったり、好きな男にフラれたりとか...色々ですね」
「ヨシヒロはともかくさぁ、カエデちゃんの動機はしょうもなさすぎない?」
「つまりです、世界制服さえ完了すれば、私とヨシヒロさんがこの国の支配者になるわけですから、今までうまくいかなかったこととかが、色々うまくいくんですよ!」
「でも、その肝心のヨシヒロが死んでしまったんじゃ、もうカエデちゃんは魔法を習得できないんじゃないの?」
「だから、あなたに手伝ってもらうんですよ」
「そりゃあ、僕はもう何人も人を食ってるけどさぁ、あんまり派手に目立ちすぎると、色々面倒なんだよね」
「手伝ってもらえないのなら、私は今すぐ、あなたのことを警察に通報します」
「してもいいけど、あんまり意味ないよ」
「どうしてですか?」
「僕はもう何人も人を食ってるけどさ、この国の警察はなぜか本気になって僕を捕まえよとしないんだ、その証拠に僕は未だに指名手配さえされていない」
「じゃあ、あなたはなにをやっても罪に問われないと?」
「そういうわけじゃないんだけどね、現に警察と戦った時もあるし」
「なら、なおさら、私の世界征服に協力するべきです」
「僕的に言わせてもらえば、成績が悪いのは単純にカエデちゃんが勉強しないのが悪いし、好きな男にフラれるのはカエデちゃんの性格に問題があるからだし。世界征服する前にカエデちゃんが努力すれば全部解決する問題だと思う」
「私は努力するのが嫌なんです!努力せずに楽がしたいんです!いけませんか?それに努力が必ず報われるとは限りません!だから私は世界征服がしたいのであなたに力を貸してほしいと頼んでいるんです!」
「うわーキッツいなぁ~コレ~」
「私がこんなに一生懸命頼んでいるんだから!普通、私の言う通りにするべきです!」
「いるんだよなぁ~こういう女ァッ!」
僕はカエデちゃんの両頬を手で掴む。
「い、痛い!」
「世界征服したきゃ、お前ひとりでやれや」
僕はカエデちゃんの両頬から手を離すと階段のほうへ向かう。
カエデちゃんが僕のせなかに向かって思いっきりタックルをしてきた。
僕はお返しにカエデちゃんの腹部に思いっきり拳を打ち込む。
カエデちゃんがお腹を押さえて魔法陣が書かれている床に嘔吐する。
「あ~あ~ヨシヒロの魔法陣汚れちゃったね~」
カエデちゃんが下から憎しみのこもった目でにらみつけてくる。
「なんだその目は!被害者ヅラしてんじゃねぇよ!」
「先に手を出したのはあなたのほうです!」
カエデちゃんが移動しようとする僕の右足首を手で掴んでくる。
「勝ち逃げなんて...させません」
僕は左足でカエデちゃんの頭部を思いっきり蹴り飛ばす。
顔中血塗れのカエデちゃんは仰向けの状態で轢かれたカエルみたいなポーズのまま痙攣している。
僕は地下室から一階へと戻ってテレビを見る。
地下室からカエデちゃんの泣き声が聞こえてくる。
心配して地下室に戻るとカエデちゃんが木の杖で生物兵器が閉じ込めてあるカプセルを何度も叩いている。
カプセルにひびが入る。
カプセルが割れると、中の液体と同時に人の形をした生物兵器が出てくる。
「あははは...これであなたもこの国もおしまいです」
カプセルから出てきた生物兵器の口から出てきた触手がカエデちゃんの耳と鼻の穴に入る。
生物兵器に体内の栄養と血液を全て吸い取られたカエデちゃんがミイラになる。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
危険を察知した僕はすぐさま断罪王Σに変神して、生物兵器の攻撃に備える。
生物兵器は自らの肉体を変化させる。
そして、生物兵器の姿がカエデちゃんになる。
「その体、あなたはいったい何者なの?」
カエデちゃんの顔をした生物兵器が僕に話しかけてくる。
「それはこっちのセリフだよ」
「私はカエデです、これでやっとフェアな状態になりましたね」
「嘘だ!お前はカエデのふりをしているだけだ!」
「残念ですが本物です、あの生物兵器は私の栄養と血液だけでなく、おそらく精神エネルギーも吸収したのでしょう」
生物兵器と一つになったカエデが僕に襲いかかってくる。
僕はカエデちゃんの手刀を避けると同時にカエデちゃんの腹部に思いっきり蹴りをぶち込む。
カエデちゃんの全身が吐しゃ物塗れの魔法陣が記された床にめり込む。
僕は続けて鋼鉄化した十本の指を伸ばしてカエデちゃんの手足と腹部に突きさす。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「これでもう、カエデちゃんはどこにも逃げられないね。どうして、こんなことするんだい?」
「それを私に聞きたくて、わざと頭に攻撃しなかったの?」
「そうだよ」
「私は、ヨシヒロさんがあなたに殺されたことを知ったとき、とても悲しかった!でもあなたがヨシヒロさんの代わりに世界征服の夢を実現できれば、ヨシヒロさんの死も報われると思った!」
「そっか、君はヨシヒロが好きだったんだね」
「あっさりフラれちゃいましたけどね」
「じゃあ、死ね」
僕はカエデちゃんを食べた。
でも、精神がカエデちゃんでも肉体が謎の生物兵器なので僕は全部魔法陣の記された床の上に吐いてしまった。
「まずい」
魔法陣の記された床の上にかつて自称魔法使いを名乗っていたカエデちゃんの姿をした生物兵器の肉が散らばっている。
地下室にはまだ謎の生物兵器のはいったカプセルが数えきれないほどある。
こんな気味の悪い家に僕はもう済みたくない。
僕はヨシヒロの家を出た。
一週間経ってもテレビでカエデちゃんとヨシヒロの死、そして地下室の大量の生物兵器が世間に公表されることはなかった。
そして、もちろん僕が指名手配されることもない。
静かすぎる。
あまりにも静かすぎる。
おそらく僕の知らないところで、なにか僕にとってよからぬことが動いている。

次回予告 第三十一話 断罪王Σと美少女飼育員アカネ。動物園の飼育員たちはなぜ動物が好きなのに動物を檻に閉じ込めて自由を奪うことに対して見て見ぬふりをするのだろうか? 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第三十一話 断罪王Σと美少女飼育員アカネ。動物園の飼育員たちはなぜ動物が好きなのに動物を檻に閉じ込めて自由を奪うことに対して見て見ぬふりをするのだろうか?

僕はヨシヒロの家を出て、あえてまだ通ったことない道を進む。
目の前に広がる見たことのない景色が僕の心に多少の不安と刺激を与える。
僕は近所に動物園があったので、入園料を支払わずにフェンスを乗り越えて入園する。
なつかしいな、僕も小さいころはお母さんとよく動物園に行ったものだ。
それにしても残酷である。
動物園の中にいる動物園は頂点捕食者である人間たちの心に刺激を与えるためだけに拉致され、監禁される。
おそらく、人間たちの共通認識ではそれは、あたりまえのことなのだろう。
しかし、人間たちは人間が拉致され監禁されたとなると、それを法でもって裁く。
つまり、人間たちは自分たちより知能の低い生命体は人間と同等の扱う必要がないと思っているのだ。
なら、人間を超越した僕が僕より知能も身体能力も低い普通の人間を傷つけ、支配しても全く問題ないということだ。
僕は動物たちが閉じ込められている柵を次々と素手で破壊していく。
今まで人間たちに拉致・監禁されていた動物たちが一斉に園内を走り回る。
ライオン・ゾウ・トラ・キリン・パンダ・サル・クマ・サイ、様々な動物たちが園内で暴れまわり、動物園に僕以外の入園客の悲鳴や不満の言葉が飛び交う。
ライオン・トラ・クマが入園客を襲う。
ゾウは入園客を踏みつぶす。
サイは入園客に頭突きをする。
僕は園内で暴れる様々な種類の動物たちに向かって叫ぶ。
「これでいい、これでいいんだ!君たちは自由なんだ!」
自由を手に入れた動物たちは動物園を今まで自分たちを支配していた人間たちへの復讐を終えると、そのまま脱走して、各々が本能のままにどこかに向かって走っていく。
「あなた!こんなことしていったい何のつもりなんですか?」
ネームプレートにアカネと書かれた、飼育員の制服を着た美少女が僕に話しかけてきた。
アカネちゃんの言葉に僕は周りを見渡すと、園内には入園客と思われる死体が散乱していた。
「こんなこと?それはこっちのセリフだよ、人間ならなんの罪もない動物たちを拉致して監禁してもいいのかい?アカネちゃんが僕に拉致されて監禁されても、アカネちゃんは嫌じゃないのかい?」
「そりゃあ、拉致・監禁されるのは動物だって誰だって嫌です!でも、なんの関係もない入園客が死んでしまうのは絶対におかしいです」
「おかしい?どうしてかな?じゃあ、アカネちゃんは自分を拉致・監禁している人物に対して何の憤りも感じないというのかい?」
「そ、それは」
「動物たちは自分たちのことを動物たちより賢いと思い込んでいる哀れな人類の支配から解放されただけだ。現に人間が本当に動物たちより賢ければ、こんなに多くの入園者が死ぬこともなかった」
「わ、私はただ動物が好きだから!この仕事に就いたのよ!」
「好きだから、拉致・監禁するのかい?それじゃあ、犯罪者の犯行動機と大して変わらないよね、動物たちのことを本当に思っているなら、故郷に返すか、動物園から解放するべきなんだ。つまり君たちは犯罪者だ」
「犯罪者に犯罪者なんて言われたくありません!」
「残念でした、僕は犯罪者じゃないよ。だって僕は人間を超越した存在だからね。人間を超越した存在に人間達のための法なんて無に等しい」
「もう、とっくに他の飼育員たちが警察に通報しているはずよ!」
「あっそ、でもぜんぜんこないですねぇ~警察」
「きっと、外に逃げ出した動物を捕まえるのに大変なのよ!あなたが自分のことをどう正当化しようと、あなたは犯罪者なのよ!私は負けない!」
「私は負けない?じゃあ、どうしたら君は僕に勝てるのかな?」
「あなたが警察に捕まって法で裁かれた時よ!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σと化した僕の姿に、アカネちゃんが恐怖に全身を震わせている。
「この姿を見ても、まだ僕を愚かな人間達の方で裁けると君は思っているのかな?」
「な、なんなのよこれは!こんな動物見たことない」
「せっかくだからさ、警察がくるまで僕のことをアカネちゃんが飼育してくれよ」
「は?」
「だって、アカネちゃんは飼育員なんだろ?」
アカネちゃんが携帯で動物園内のスタッフに連絡を取っている。
「ちょっと待ってなさいよ...ねぇ!いつになったら警察来るのよ!」
「そ、それが、もうとっくに通報したんですが未だ、サイレンの音一つしません!」
断罪王Σと化した僕の超聴力がアカネちゃんの話し相手の言い訳の音声を拾い上げる。
「ほら、僕の言う通りだったでしょう?だから早く飼育しくれよ~」
「なら、条件があるわ」
「なに?」
「私があなたを飼育したら、ちゃんと警察に自首して」
「わかった。わかったから早く飼育してくれよ」
「ちゃんと携帯に音声を録音したからね。それで、飼育って具体的にどうすればいいの?」
「それは、こっちのセリフだよ。アカネちゃんは飼育員なんだろ?いつも動物たちにしてるみたいに飼育してくれればいいのさ」
「はぁ?あなたさっき、自分のことを人間を超越した存在って言ってたわよね?それなのに動物たちと同じように扱ってほしいってこと?もう、意味わかんなすぎ」
僕はアカネちゃんの腹部に軽く拳をぶち込む。
「さっきから、うだうだ言ってんじゃねぇよぉッ!おめぇ飼育員だろ?プロだろ?だったらできるだろうが!とっとと僕を飼育すればおめぇは僕に勝てるんだぜ!わざわざこっちからハンデを与えてんのに、なんだその態度は!この動物園は客に対する態度がなってねぇよ!だから、動物だって脱走するんだ!」
「痛っ... !動物を脱走させたのはあなたのせいでしょ?」
「人のせいにするな!」
僕はアカネちゃんの鼻を手でつまんでねじる。
「入園料も払わずに不法入園した僕に気づけなかった時点で全部、あんた達の責任なんだよ!あんた達が僕の不法入園に気づいていれば、動物たちは客を殺して脱走しなかったかもしれない!そうだろ?」
「お願い!鼻ねじるのやめて!」
「なら、認めろ!今日動物園で起きたことは全部、アカネちゃんと動物園のスタッフのせいだって!認めたら手を離してやるよ!」
「嫌ッ!絶対認めない!だって絶対に私たちは悪くないもん!」
「なら、鼻から手は離さないぞ!鼻が潰れても知らないぞ!」
「勝手にしなさいよぉ!あ、あんたなんかに絶対負けないんだから!」
アカネちゃんが涙を流しながら僕に宣戦布告をしてくる。
僕はアカネちゃんの鼻から手を離す。
「泣いてるアカネちゃんが可愛いから、とりあえず鼻は潰さないでいてやるよ」
「なによ!私を哀れんでいるわけ?」
「ああ、そうさ、だからお礼に僕を飼育してくれよ!」
「だから、具体的にどう飼育すればいいのかわかんないのよ!」
「僕もそんなのわからないよ、ククク...」
「あんた、なに笑ってんのよ!あんた楽しんでいるんでしょ?私に飼育しろとか、自分でも意味のわからない無茶振りを私にして、それに苦悩する私を見て楽しんでるんでしょ?それで、また私に飼育しろって無茶振りするんでしょ?あんた人を馬鹿にするのもいい加減にしなさいよ!」
「ハハハ、よく気づいたね。そうだよ人間を超越した存在である僕はただ楽しみたいだけさ、君たち人間が動物たちを見下し蔑み、笑いものにするのと同じようにね」
「馬鹿にするんじゃないわよ」
「この動物園から脱走した動物たちもみんな同じことを思っているはずだ」
「だったら、とっとと私を殺しなさいよ」
「え?」
「よくわかんないけど、あんたの言う通り警察は来ない、力でもあんたに勝てるわけがない、このままあんたのおもちゃにされるぐらいだったら今すぐあんたに殺されたほうがマシよ!」
「だめだ!アカネちゃん、僕を飼育してよ!」
「もう、やめてそれ!どうせ、正解なんてないんでしょ?これ以上私の心を滅茶苦茶にしないで!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「お願い!もう、それ嫌ッ!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うるさい!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うあああああああッ!」
アカネちゃんが足元に落ちていた大きな石を両手に持って僕に襲いかかってくる。
僕の鋼鉄の腹部にアカネちゃんが手に持った大きな石が直撃して砕け散る。
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「ち、ちくしょうォッ!」
「アカネちゃん、僕を飼育してよ」
「うあああああああああああああッ!」
急に叫びだしたアカネちゃんは足元に落ちていた大きな石を両手に持つと自分の頭に思いっきりぶつけた。
アカネちゃんの頭部から流れていた大量の血がアカネちゃんの顔面を真っ赤に染める。
「これで私の勝ち逃げよ!どうだ!ざまぁみろ化け物!悔しかったらあの世まで追いかけてきなさいよ!」
頭からたくさんの血を流して僕に勝利宣言をしたアカネちゃんが倒れる。
自らを殺すことで、僕から解放されたアカネちゃん。
でも、自らを殺すことは決して勝利なんかじゃない。
言葉でも暴力でも僕には勝てないという現実から逃げるために自らを殺すのはむしろ敗北なのではないかと僕は思う。
冷たくなったアカネちゃんの顔は僕から解放されたせいか、とても安らかで幸せそうな顔をしていた。
だから僕はアカネちゃんの死体を食べて、動物園を退園した。

次回予告 第三十二話 断罪王Σと婚活美少女アヤカ。相手に尽くせば、尽くした分だけ相手から見返りが必ず返ってくることが当然だと思ってる女は俺とラップバトルを繰り広げながらジャズセッションしろ!
 
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十二話 断罪王Σと婚活美少女アヤカ。相手に尽くせば、尽くした分だけ相手から見返りが必ず返ってくることが当然だと思ってる女は俺とラップバトルを繰り広げながらジャズセッションしろ!

動物園を出て街中を歩いていると、ティッシュを配っている女の子がいた。
ティッシュを配っている女の子の横を通ると、当然のごとく女の子がティッシュを僕の眼の前に突き出してくる。
女の子からもらったティッシュには婚活パーティーという文字が書かれていた。
どうやら明日、このティッシュに記されている場所で婚活パーティーとやらが開催されるらしい。
「こんな回りくどいことはせずに、普通にナンパすりゃいいのに」

次の日、僕はヒマだったので白のランニングシャツに半ズボンを着用して婚活パーティーの開催場所に行くことにした。
婚活パーティーの開催は高級ホテルの広い一室で行われており、室内にはナンパする度胸もない臆病者の男女が大勢いた。
まぁ、僕もこの見た目だから女の子をナンパしたことはないんだけどね。
室内には丸いテーブルがいくつか設置されていた。
テーブルの上にはおいしそうな料理がたくさんおいてあった。
アリスと契約する前なら、いますぐ料理に飛びついていたところだが、今の僕には人間の食べ物はあまりおいしく感じないので、ちょっと胸が切なくなった。
「ねぇ、あんた冷やかしでしょ?」
ツインテールが特徴的な黒いドレスに身を包んだ美少女が僕に話しかけてきた。
「よくわかるね」
美少女の胸元につけられたネームプレートにはアヤカと書かれていた。
「そりゃあ、その恰好を見ればわかるわよ」
美少女は僕に指をさして服装のおかしさを指摘してくる。
「アヤカちゃんは僕と結婚したいの?」
「ハァ?そんなわけないでしょ!私はただ婚活パーティーに場違いな服装で出席しているあんたが不思議だな~と思って話しかけてみただけよ、勘違いしないでよね」
「アヤカちゃんはどんな男の人と結婚したいんだい?」
「そりゃあ、もちろん高収入のイケメンよ」
「じゃあ、高収入のイケメンだったら、どんなに性格が悪くても結婚するんだね」
「そうね、どうせ結婚するなら、性格がすごくいいイケメン貧乏人より性格がものすごく悪い高収入のイケメンと結婚するわ」
「そっか、まぁお金は大事だからね」
アヤカちゃんは僕の胸元につけられたネームプレートを興味深そうに見ている。
「ふ~ん、あんた宅間セメルって言う名前なんだ。あんたは今日はここに何しに来たの?最初は料理目当てかな~なんて思ってたけど、料理も全然食べてないみたいだし」
「うん、僕はただ暇だから、ここに来ただけなんだ」
「ふ~ん、ねぇ、セメルさんは特技とかってなんかあるの?」
「どうしたのいきなり?」
「暇つぶしに来たとか、ウソついたって無駄よ、アンタ、本当は出会いが欲しくてここに来たんじゃないの?」
「僕はアヤカちゃんに嘘なんかついてないよ」
「まぁ、とにかくさ、せっかく来たんだから変な意地張ってないでさ、私が練習台になってあげるから、なんか特技教えてよ~」
どうやら、アヤカちゃんは僕のことを婚活パーティーに参加したけど緊張のあまり誰とも話せないから、変な意地を張って自分の殻に閉じこもっているかわいそうな男と勘違いしているらしい。
僕は本当に暇つぶしに来ただけなのに。
でも、まぁ、いいか。
「僕の特技はね、人を食べることかな」
アヤカちゃんの表情が一瞬凍りつく。
アヤカちゃんは僕が冗談を言っていると勘違いしてるのか、すぐに作り笑いをする。
「なにそれ~おもしろ~い!」
「いいよ、そんなにわざとらしくリアクションしなくても」
アヤカちゃんが肘で僕の胸を突っついてくる。
どうやら、今度は僕の方からアヤカちゃんに質問したほうがいいみたいだ。
「アヤカちゃんの特技は何ですか?」
「え~と私も人を食べることかな~なんてね、アハハハハ...」
「アヤカちゃんはなにか勘違いしてるようだから一応言っておくけど、僕は本当に暇だからここに来ただけだし、人間を食べているの本当なんだよ!」
「そ、そうなの?だったらごめんなさい、余計なお世話だったわよね...」
「ごめんね、僕もちょっと言い過ぎたよ」
「いいの、私も実は緊張しててさ、正直あんまり男の人と話したことないのよ、だから会場で一人ポツンと寂しそうにしてたセメルさんを見て、同類だと思って、勇気を出して話しかけてみただけなのよ...」
「そっか僕はアヤカちゃんと同類なのか」
「あ、あまり深い意味はないわよ」
「なら今すぐ格の違いを見せてあげるよ。シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
婚活パーティー会場に悲鳴が上がる。
断罪王Σに変神した僕は近くにいた名前も知らない女性を食べる。
大勢の人々が悲鳴を上げながら婚活パーティー会場の出口に向かって走り出す。
僕は近くにあったテーブルを二つ両手に持つと、婚活パーティー会場の出口に向かって放り投げる。
婚活パーティー会場の出口が大きな二つのテーブルに塞がれてしまう。
僕は高速移動して入口から外に出ようとする卑怯者を食べる。
僕が入口の前に立ちふさがることで婚活パーティーに参加した人々の退路はなくなってしまった。
大勢の男女が出口をふさいでいるテーブルを横にずらそうとしている。
「悪あがきしてんじゃねぇぇよぉぉぉぉぉッ!」
僕は鋼鉄の皮膚に覆われた人差し指を伸ばして、テーブルを横にずらして会場から逃げ出そうしている人びとを、焼き鳥みたいに串刺しにする。
「いいか、僕から逃げようとするやつらは全員、コイツらみたいに串刺しにしてやるからな!」
「セ、セメルさん...?」
「これで僕がウソをついてないことがわかっただろ?僕は君みたいな普通の人間と一緒にすんじゃねぇよ!僕は人類を超越した生命体、断罪王Σなんだよ」
「じゃ、じゃあ、私のせいでこんなことに...」
「そうだね、アヤカちゃんが自分の価値観で僕という人間の価値を決めつけ、哀れみ、同情するから僕は自分の名誉のために断罪王Σに変神して人を食べるしかなかった」
「じゃあ、殺すなら私だけにしてください!関係ない人たちは会場から出してあげてください」
「だめだ、連帯責任だ。どうせ、ここにいるやつらはみんな白のランニングシャツに半ズボンで婚活パーティーに出席した僕を内心嘲笑っていたはずだ!だから、ここにいるやつらは全員きょうここで僕の栄養になってもらう」
婚活パーティーの参加者たちの悲痛に満ちた言葉と互いに争いあう声が会場を満たす。
「いやだぁッ!死にたくねぇよぉ!」
「こんなのあんまりよ!」
「ねぇ、どうして外の人たちは助けてくれないの?」
「俺、さっき携帯で警察に電話したけど」
「私も結構前に警察に電話したわ」
「なら、なんで警察はこないんだ?」
「そんなの私に聞かないでよ」
「婚活パーティーに白のランニングシャツ着て出席するやつを内心、馬鹿にしていったい何が悪いんだよ!」
「そうよ、自分がモテないからってみんなに八つ当たりして、最低よ!」
死の恐怖を前に少し前まで、結婚という明るい未来を夢見て婚活パーティーに参加した人々の心が、どんどん壊れていく光景はとても見ごたえがあって面白い。
僕の心が満たされていく。
自らの死を覚悟した婚活パーティーの参加者たちは床に散らばった皿やフォーク、ナイフなどの食器を手に持つと僕に向かって投げてくる。
「どうせ俺達に助かる道はないんだ!なら、もう何も恐れることはない!」
「そうよ!どうせ殺されるなら、怖いものなしよ!」
「そうだ!俺達がお前の卑怯な脅しに屈するとおもったら大間違いだぁ!」
婚活パーティーの参加者たちが命がけで投げてきた食器や物が僕の鋼鉄の皮膚に直撃する。
しかし、断罪王Σである僕の皮膚感覚はそれを痛みとして認識することはなかった。
婚活パーティーの参加者たちは僕になんのダメージも与えられなかったことを知りながらも、目から涙を流して色々な物を投げてくる。
「僕はただお前たちが気に喰わなかっただけだ!どいつもこいつも異性と喋って幸せそうな顔しやがってよぉッ!いいか?勘違いしてんじゃねぇぞぉ?おめぇらは被害者じゃねぇッ!おめぇらの幸せそうな顔が僕を怒らせ、悲しませた!つまり加害者はおめぇらで被害者はこの僕だァッ!だから加害者のおめぇらが被害者の僕になにされても、僕に文句を言う資格はねぇんだよぉ!」
僕は怒りの言葉を発すると同時に全身から鋼鉄のトゲを生やし、それを全方位に伸ばす。鋼鉄のトゲが婚活パーティーの参加者達の肉体に突き刺さる。
僕は身動きの取れなくなった婚活パーティーの参加者達の肉を少しずつ時間をかけて味わう。
「い、痛いよぉぉぉぉぉぉッ!」
「お、お願い!ゆ、許してぇッ!い、いや痛い痛い痛い痛い!」
「うぐあああああああああッ!痛ってぇよぉぉぉぉぉッ!」
「ど、どうして私たちがこんな目に、痛い!お願い!やめて痛い!」
「外の連中はいったいどうなってる!なんで警察はいつになっても助けにこねぇんだ?」
そして、僕が味わう最後の一人はアヤカちゃんだった。
「アヤカちゃんは僕にやさしくしてくれたからね、一番最後にしてあげたよ」
目の前の惨劇に放心状態になっているアヤカちゃんの口が開く。
「子供のころからずっと...好きな男の人のお嫁さんになるのが夢だったの...でも、大人になるにつれて、お金がないと幸せになれないんじゃとか、イケメンじゃないと長続きしないんじゃないかとか色々考え込むようになって...でも、なんかよくわかんないけど、今になって気づいたわ...私はきっと好きな人がそばにいてくれれば、お金とか顔とはそんなのどうでもよかったのかもしれないってことに...もっと早く気づいていればこんな欲と打算と血に塗れた婚活パーティ―になんか参加せずに済んだのかもね」
「そんなこと言わないでよアヤカちゃん、アヤカちゃんがそれに気づけなかったおかげで、僕は今、こうして美味しい思いができるんだからさ、そんじゃいただきます」
僕はアヤカちゃんを食べた。

次回予告 第三十三話 断罪王Σと美少女料理人マリナ。二次元の嫁がいる人間を馬鹿にする既婚者は買い物の支払いの際にお釣りを永遠に受け取るな! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十三話 断罪王Σと美少女料理人マリナ。二次元の嫁がいる人間を馬鹿にする既婚者は買い物の支払いの際にお釣りを永遠に受け取るな!

高級ホテル内で開催された婚活パーティー会場から出た僕は高級ホテル内の人々を全員食べた。
僕は高級ホテルのスタッフから奪った衣服を身にまとい、外にでる。
僕はお腹いっぱいなのに、なんとなくレストランに入った。
僕は席に座ると、メニューも見ずに呼び出しボタンを押した。
すぐに僕の席に従業員がやってくる。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「あの、僕はいつも人間しか食べないんですけど、どうしたらいいですか?」
「少々お待ちください」
僕の質問に従業員は首を傾げてキッチンの奥に消える。
しばらくすると、料理人の制服に身を包む、このレストランの責任者と思われる美少女が僕のところにやってきた。
ネームプレートにはマリナと書かれていた。
「申し訳ございません、お客様。本店では人間の肉を使用した料理は取り扱ってございません」
「それは困ったな、あのさ、僕はお客様だからさ、ここでは一応、神様なんだよね」
「大変申し訳ございません」
「申し訳ございませんじゃなくてさ、僕はここじゃあ神様だからさ、やっぱり人間は神様の言うことを聞くのは当然だと思うんだけどさ、そこんとこ、どうなの?」
「大変申し訳ございません」
「とにかく、僕はお客様だし、神様だし、人間の肉を使用した料理を食べさせてくれないなら僕はもう、この店からは出ないよ」
「つまり、人間の肉を使用した料理が出てくるまで、この店からは退店されないということですね」
「うん、さっき言ったじゃん」
「それでは警察に通報させてもらってもよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。どうせ無駄だから」
マリナちゃんが携帯で警察に連絡を取る。
「すぐ、こちらに来るそうなので、もう少々お待ちください」
一時間後。
閉店時間を過ぎた後になっても、警察がレストランに来ることはなかった。
「困ったな~料理も警察も来ないじゃないか」
「もう少々お待ちください」
マリナちゃんは他の従業員に帰宅するように指示すると、再び携帯で警察に電話する。
「すぐ、こちらに来るそうなので、もう少々お待ちください」
「うん」
一時間後。
「やっぱり来ないね、今日は忙しいのかな?たまに来るんだけどね、たまに」
マリナちゃんが僕に土下座をする。
「お願いします、もう帰ってください」
「ダメだよ、僕はお客様だから、神様だから、ダメだよ」
「どうして警察は来てくれないのかしら」
「さっきも言ったけど、たまに来るんだよな、あいつら、ほら、この前会社の従業員と駆けつけた警察官がみんな消えちゃった事件あったでしょ?あの犯人、僕なんすよ!」
マリナちゃんは土下座したまま、顔を上げない。
「とにかく、今日は僕、家に帰らずにここに残ってるからさ、マリナちゃんもおうちに帰ったら?」
マリナちゃんは土下座したままだ。
「お願いします、帰ってください」
「だから、僕がここに残るってさっきから言ってるじゃない。意地っ張りだなぁ~マリナちゃんも」
「お願いします、帰ってください」
「どうせ、僕がここから退店するまで、そうやって土下座してるつもりでしょ?でも、あまいよそんなんじゃ、僕は君が人間の肉を使用した料理を出すまで、この店から退店するつもりはないよ」
「お願いします、帰ってください」
「本当は頭にきてるんだろ?僕のこと、だったら叱ったりすればいいじゃないか、どうしてそういうふうにカッコつけちゃうのかな~」
「お願いします、帰ってください」
「じゃあ、なんでもいいから、なんか料理一つ作って出してよ。それ食ったら、僕は帰るからさ」
僕の言葉を聞いたマリナちゃんがようやく顔を上げてキッチンに向かう。
僕のテーブルにようやく料理が置かれる。
「大変お待たせしました、ミートソースのスパゲティーです」
僕はフォークを手にもってミートソースのスパゲティーを口に入れる。
僕は完食すると自分の指を口の中に突っ込んで完全に消化される前のミートソーススパゲティーを皿の上に吐き出す。
「ああ~!ごめんね~!吐いちゃったよ~!まいったなぁ~!これじゃあ、僕はまだこの店から出られないなぁ~!」
「ど、どういうことですか、先ほどお客様は料理を食べたら、帰ると言いましたよね」
「いや、吐いちゃった時点でこれは食べたことにはならないでしょ」
「そ、そんな」
「さあさあさあ、落ち込んでる暇があるなら次の料理頼むよ、僕も早く帰りたいんだからさ~」
「か、かしこまりました」
マリナちゃんは憎しみのこもった表情で僕をにらみつけると僕の吐しゃ物が乗った皿を手に持ってキッチンに戻った。
それから僕はマリナちゃんが作った料理を十回食べて、十回とも完食して、十回皿の上に吐いた。
「あ~もう口の中が酸っぱいよぉ~水ちょうだい水」
「はい、ただいまお持ちいたします」
「あ、ありがとう」
僕はマリナちゃんに手渡された水の入ったコップを正面の窓ガラスに向かって思いっきり投げつけた。
パリーン。
「ごめんごめん、ちょっと手が滑ってしまって」
「おい、おまえいい加減にしろよ!」
閉店後の店内に私服の男性が現れる。
「レン君、先に帰りなさいって言ったはずよ」
「なんか怪しいと思って外からずっと見てたんですが、窓ガラスを割れられたから、もう我慢できなくって!」
なるほど、このレンとかいうやつはこの店の従業員の一人なのか。
「ひどいな~僕は本当に手が滑っただけなのに、神様であるお客様に向かっていくらなんでも失礼なんじゃないか?ここの店の社員教育はいったいどうなっているんだ!」
「た、大変もうしわけございません」
「店長は本当に警察に通報したんですか?」
「したわよ!したけど来ないのよ!」
「そこのレン君とやら僕に濡れ衣を着せたお詫びとして、とっとと新しい水を持ってきてくれないか?」
「濡れ衣を着せただと?どう考えてもさっきのはわざとだろ!」
「レン君!」
「店長!どうしてこんな奴の言う通りにするんですか?」
「レン君、私達はプロの料理人よ」
マリナちゃんの一言になにか大切なことに気がついたかのようにレン君は水の入ったコップを僕のテーブルに置く。
「大変お待たせいたしました、先ほどは大変失礼いたしました」
レン君が僕に頭を下げる。
「うん、わかってくれればいいんだよ、わかってくれればね」
僕は水の入ったコップを手に持つと思いっきり、レン君の顔にぶっかけた。
「ああ、悪い、手が滑っちゃったよ~」
「お前ぇぇぇぇぇぇッ!いい加減にしろよぉぉぉぉぉッ!」
レン君の拳が僕の頬に直撃する。
「痛いですね~、でもこれで僕の正当防衛が成立しますね」
「て、店長、お、俺...!」
「レ、レン君お客様になんてことを!」
「これでようやく人間の肉が食べられる...シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕はまず、レン君の両手両足を掴んで骨を粉々にする。
「こうすれば、マリナちゃんに苦労させずに調理してもらえる」
「お、お客様のおっしゃっている意味がわかりません!」
「鈍いな~マリナちゃんは、これでレン君の人肉を使用した料理が作れるじゃないですか!」
「店長!お、俺死にたくないよ~!」
「言っておくけどさ、先に暴力振るってきたのはレン君のほうだから、こういうことされてもレン君に文句を言う資格はないんだよ。それにこのまま生き延びても、君の両手両足はもう元には戻らないよ。だから、おとなしく僕の栄養になってよ」
「店長!救急車!早く、救急車を呼んでくれぇ~!」
「全く、これじゃあ、どっちが被害者がわかんないよ。マリナちゃん、早く料理作ってくれよ」
「で、でも!」
「言ったろ?僕はお客様だから神様だって、神様に暴力振るったら天罰が下されるのは当たり前のことなんだ、つまりレン君は自業自得ってことさ」
「た、大変申し訳ございません、私はその、人肉の調理はしたことがないんです」
「いいよ、別に失敗しても、とにかく、早く、レン君を調理して僕の胃袋を満たしてくれよ」
「店長!お願いします!助けてください!」
「レン君さぁ~マリナちゃんに助けを求める前に、僕にあやまるほうが先じゃない?僕の顔殴ったんだからさ~」
「もし、レン君を調理したら、私の命は助けてもらえるのでしょうか?」
「店長!俺を裏切るんですか!」
「そりゃあ、もちろん。僕は最初からここに人間の肉を使用した料理を食べに来たんだから、ちゃんと食べ終えたら帰らしてもらうよ」
「ごめんね、レン君。私はたくさん苦労してやっと自分の店を持てたの!だから、まだ死ねないの!死にたくないのよ!」
マリナちゃんの両手がレン君の首を絞める。
「静かにしないと、料理に集中できないでしょ?」
「て、店長...お、俺もまだ...死にたくないです!」
レン君の体が力が抜けたかのように、弛緩する。
「ごめんね、レン君」
マリナちゃんの言葉にレン君は何も答えない。
いや、もう永遠に答えられない。
「それじゃあ、料理のほう、頼んだよ」
「はい、少々お待ちください」
三十分後。
「おまたせいたしました、こちらレン君の肉を使用した、人肉ステーキでございます」
「それじゃあ、いただきます。ん?う、うまい!まだ、レン君の肉は全部使い終わってないんだろう?」
「はい。後、百皿ぶんはあるかと」
「それじゃあ、レン君の肉、今日中に調理して食べさせてよ」
「かしこまりました」
結局、僕はマリナちゃんが調理したレン君のステーキ百皿分完食した。
「ごちそうさま。とってもおいしかった、お金はどうしますか?」
「レン君がお客様に大変ご迷惑をおかけしてしまったので、お代は結構です」
「いや、でも悪いよ、ちゃんとお金は払わせてくれよ」
「いえ、お代は本当に結構ですので」
「それじゃあ、お金の代わりといってはなんだけど...いただきます」
「え?」
僕は食後のデザートにマリナちゃんを食べると店を出た。

次回予告 第三十四話 断罪王Σとパワハラ美少女マヒロ。道や会社で人にすれ違いざまに悪口を言うやつは交際相手に浮気されてしまえ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十四話 断罪王Σとパワハラ美少女マヒロ。道や会社で人にすれ違いざまに悪口を言うやつは交際相手に浮気されてしまえ!

深夜、レストランを出た僕は知らない人の家にお邪魔した。
家の住人がいきなり叫びだす。
人を見ていきなり叫びだすなんてとっても失礼だよね。
だから、僕は被害者として、僕の顔を見て叫んだ加害者たちを食べた。
僕は被害者だからさ、加害者になにやり返してもいいんだよ。
僕は血だらけのベッドの上で寝ることにした。
次の日の朝。
この家の住人の所有物だと思われる携帯から変なメロディーが流れる。
僕は電話に出る。
「もしもし山田さん?休むならちゃんと電話してくれない?」
電話の内容はなぜ、会社に時間通りに出勤しないのか?こんなに忙しい日なのにサボってんじゃねぇよバカ野郎!という内容だった。
僕は今日出勤する山田の代わりに、僕が出勤しますと言って電話を切った。
僕は山田の勤務先のスーパーのバックルームに入る。
先程の電話相手だと思われる美少女に僕は声をかける。
「すみません、遅刻して。今日は僕が山田のかわりに出勤するので」
ネームプレートにはマヒロと書かれていた。
「あんた、だれ?」
「僕は山田の親戚のセメルです」
僕は適当に嘘をついた。
「ふ~ん、でも本人じゃないと、いろいろまずいのよね~」
「でも、忙しいんですよね」
「ま、まぁ今日だけなら特別に許してあげる、頑張りなさい」
僕はマヒロちゃんの指示に従ってスーパーで今日一日だけ働くことにした。
それにしても、マヒロちゃんは人使いが荒い。
マヒロちゃんはバックルームのパソコンで動画を見ながら僕に指示を出すだけでなにもしない。
「ねぇ、さっき暇つぶしに売り場見てきたけど、ちゃんと私が指示した通りになってないわよ!このバカ!アホ!マヌケ!脳みそついてんのか、このクソジジィ!」
マヒロちゃんの指示通りに動けなかった僕をマヒロちゃんは帽子の上から髪の毛を引っ張ったり、殴ったり蹴ったりしてくる。
マヒロちゃんが動画を見ていたパソコンの横には写真盾は飾ってあった。
写真にはマヒロちゃんとスーツ姿の旦那さんと三人の子供たちが幸せそうに笑っている。
なるほど、共働きで育児もしなくちゃいけないんじゃ、ストレスが溜まっても仕方がないよね。
でも、それが仕事ができない僕をサンドバックにしていい理由にはならないんだ。
「おい、クソジジィ!おめぇ何回同じミス繰り返してんだ!クソジジィ!これじゃあ、パソコンで動画見れねぇだろクソジジィ!」
マヒロちゃんは僕に暴言を吐きながら殴る蹴るの暴行を加える。
周りの社員の人はマヒロちゃんが勤務中にパソコンを見ていたり、従業員に暴力をふるっていても見て見ぬふりをしている。
僕に暴行を加えるマヒロちゃんのポケットから財布が落っこちる。
それと同時に内線が店内に流れ、マヒロちゃんの名前が呼ばれる。
「ちっ、あのハゲ店長!こんなクソ忙しいときに限って!」
マヒロちゃんは財布が落ちたことに気づいていないのか、落ちた財布を拾わずに店長がいる事務室へと向かった。
僕はマヒロちゃんの財布から取り出した免許証からマヒロちゃんの家の住所を確認する。
事務室から帰ってきたマヒロちゃんに僕は財布を返した。
マヒロちゃんはさっきとまるで別人のように僕にお礼を言ってくれた。
きっと、根はいい人なのかもしれないね。
勤務時間が終ると僕はマヒロちゃんにあいさつをしてスーパーの制服を身に着けたまま店を出た。
僕は先程、見たマヒロちゃんの免許証に記された住所をもとに、マヒロちゃんの自宅に向かう。
「ここだ」
僕がインターホンを押すと、女の声が聞こえてくる。
「どなたですか?」
「僕はマヒロちゃんのお友達で宅間セメルって言います。実はマヒロちゃんがおうちに忘れ物をしてしまったらしくてそれを取りに来たんですけど、家にあがらせてもらってもいいですかね」
ドアが開く。
ドアの隙間から美少女の顔が見える。
「その制服、ママのスーパーの制服だ!」
美少女は僕の身に着けている制服を見ると、安心したように微笑み、僕を家の中に入れてくれた。
マヒロちゃんの家の中では三人の美少女がテレビゲームをしていた。
そして、リビングのクッションにはマヒロちゃんの旦那さんと思われる男の人がいびきをかいて寝ていた。
僕は近くにあった金属バットでマヒロちゃんの旦那さんの両足を何度も殴って、僕から逃げられないようにした。
マヒロちゃんの旦那さんは両足を両手でさすりながら泣き叫ぶ。
僕はマヒロちゃんの旦那さんから奪った携帯でマヒロちゃんの旦那さんが泣き叫ぶ様子を動画に保存して、マヒロちゃんの携帯送る。
すぐに、マヒロちゃんが家に帰ってくる。
「おかえりなさい」
「セメル!お前、どうして私の家に!そうか!お前がうちの旦那を!」
マヒロちゃんが僕の胸倉をつかむ。
「まぁまぁ、そう怒んないでくださいよ。わかってるでしょ?僕にそういうことすると、どうなるか?」
僕の胸倉をつかんで激昂するマヒロちゃんをマヒロちゃんの子どもたちが不安そうに見ている。
「おい、お前達はおとなしくゲームしていなさい!」
マヒロちゃんの子どもたちは元気そうに返事を返してリビングに戻る。
「賢い判断だ」
「あんたの目的はいったいなんだ?」
「とにかく、旦那さんは二階に運びました、僕についてきてください」
マヒロちゃんは旦那の命が惜しいのか、僕の指示通りに僕と共に二階に上がる。
「マヒロ!こりゃあいったいどうなっているんだ!」
「ユキヤ!」
どうやらマヒロちゃんの旦那さんの名前はユキヤと言うそうですね。
「マヒロちゃん、旦那さんを助けてほしければ、僕に謝ってください」
「謝る?いったい何を?」
「マヒロちゃんは今日僕に暴言を吐きながら、暴力を振るいましたよね?それについて土下座して謝罪してください」
「わ、私は間違ったことをしたつもりはない!私も新人の時はああやって先輩に鍛えてもらったんだ!私はあんたに立派になってほしいからああやって、厳しい指導を加えたんだよ!」
僕は金属バットでユキヤの両足を殴る。
「うぐあぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「ユキヤッ!」
「マヒロちゃんが僕の言う通りにしてくれれば、僕はこの家から出て、警察に自首します」
「わ、わかった」
マヒロちゃんが僕に向かって土下座をする。
「謝罪の言葉が聞こえませんね」
「す、すみませんでした」
マヒロちゃんが顔を上げる。
「では次に、いますぐ会社に辞表届を出してください」
「ちょっと、待て!約束が違うぞ!私はちゃんとあんたに土下座して謝罪したじゃないか!」
「それだけで終わりにするとは言ってませんよ」
僕は金属バットでユキヤの両足を殴る。
「うぐあぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「ほら、早くするッ!」
「ふ、ふざけるなぁ!ユキヤの給料だけじゃ、子供たち三人を養うことはできないんだぞ!」
「でも旦那さんが死んでしまったら同じことですよね、いいじゃないですか、また別の職場を探せば」
「ち、ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
マヒロちゃんが泣きながら辞表届を書いている。
ユキヤが泣きながら先に救急車を呼んでくれと泣き叫ぶ。
「うるせぇよ」
僕は金属バットでユキヤの両足を殴る。
「うぐあぁぁぁぁぁぁぁッ!」
会社に辞表届を出したマヒロちゃんが家に帰ってきた。
断罪王Σに変神した僕がユキヤの頭部を食べている。
それを見たマヒロちゃんが泣き叫ぶ。
「ちゃんと言われた通りにしたわよ、あのハゲ店長めちゃくちゃ驚いてた...おい!おめぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!約束が違うぞぉぉぉッ!」
「僕は約束を守るとは一言も言ってませんよ」
僕はユキヤを完食するとマヒロちゃんに暴力を加える。
そう、まるで今日会社で僕がマヒロちゃんにされたように。
気がつけばマヒロちゃんは冷たくなっていた。
僕はマヒロちゃんを食べた。
僕は二階からマヒロちゃんの子どもたちがテレビゲームをして遊んでいる一階に移動した...。
しばらくして僕はマヒロちゃんの家を出た。

次回予告 断罪王Σと復讐美少女ツクネ。楽しそうに人の悪口ばかり言っているくせに、自分の悪口を言われると馬鹿みたいに騒ぎ出すやつは、見ず知らずの人間にすれ違いざまに耳元で意味不明な呪文を唱えられろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十五話 断罪王Σと復讐美少女ツクネ。楽しそうに人の悪口ばかり言っているくせに、自分の悪口を言われると馬鹿みたいに騒ぎ出すやつは、見ず知らずの人間にすれ違いざまに耳元で意味不明な呪文を唱えられろ!

マヒロちゃんの家から盗んだユキヤの衣服を身に着けた僕は夜道を歩く。
美少女が公園のブランコに乗っている。
「どうかしたのかい?」
「お母さんがね、死んじゃったの」
「病気かい?」
「お父さんは?」
「ずっと昔に浮気してお母さんと離婚しちゃったのよ」
「君、名前は?」
「ツクネ」
「ツクネちゃんか、面白い名前だね」
「私、今日、お父さんの家に行ってきたの」
「うん」
「そしたら、お父さん離婚の原因になった浮気相手の女の人と結婚してて、しかも子供がいたの。お父さんとっても幸せそうだった」
「むかつくね」
「そうよ、むかつくわ!浮気したのはお父さんのほうなのに、どうしてお母さんと私よりお父さんの方が幸せそうなのよ!こんなの絶対おかしいわ!」
「じゃあ、ぶっ壊そうよ」
「ぶっ壊す?」
「うん、ツクネちゃんが全部ぶっ壊すんだよお父さんの新しい家族を。そうすれば天国のお母さんもきっと喜ぶよ」
「でも、私、実は明日からお父さんの家で暮らすことになってるのよ」
「そっか、でもそれはむしろチャンスだね」
「チャンス?」
「ああ、これ、あげるよ」
僕は自分の耳からピンク色の小さな卵を取り出してツクネちゃんに渡した。
「わぁ~かわいい卵」
「そうだろ、それを大事に温めていれば、いつか必ずツクネちゃんを幸せにしてくれる」
「どうやって幸せにしてくれるの?」
「それはあとでのお楽しみだよ」
僕とツクネちゃんはお互いの携帯の連絡先を交換した。
数日後、ツクネちゃんから電話がかかってきた。
「どうしたんだい?」
「おじさん、大変なの!今すぐ家に来て!」
僕はツクネちゃんに教えてもらった住所の場所に急ぐ。
すると、男二人と女一人が小さな生き物に暴力をふるっていた。
その後ろでツクネちゃんが泣いている。
「お父さんやめて!」
「おい!なにやってんだ!」
「なんだ!お前は!俺達は化け物を退治してるだけだ!」
ツクネちゃんのお父さんと再婚相手とその間に産まれた男子が暴力をふるっていたのは、僕がツクネちゃんにあげた卵から産まれた断罪虫だった。
「ツクネちゃんの言う通りだ!今すぐ、その虫に攻撃するのをやめるんだ!」
「ふざけたこと言うな!害虫駆除してなにがいけないんだ!」
「そうよ、こんな気味の悪い虫の卵なんて隠し持って、最初からツクネなんて引き取らなきゃよかったのよ」
「僕もママの言う通りだと思う」
「おい、お前ら今すぐ、その虫に攻撃するのをやめろ!死にたいのか?」
もう、遅かった。
ストレスで急成長した断罪虫がツクネちゃんのお父さんとお父さんの再婚相手との間にできた男の子を食べてしまった。
「い、いきなり、大きくなった」
そう、死を察知した断罪虫が自分の身を守るために急成長したのだ。
そして、その姿を変えていく。
「ヒロキ...!」
恐らく先ほど断罪虫に食べられた男の子の名前だろう。
ヒロキを食べた断罪虫はヒロキそっくりの姿になる。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「なにが起こっているんだ?ヒロキが虫に食われたと思ったら、今度はヒロキを食った虫がヒロキになってしまった」
「ママ、だっこして」
ヒロキの姿をした断罪虫がヒロキの母親にハグを要求する。
「いやあぁぁぁぁッ!あんたはヒロキじゃないわ!あっちに行って!」
「ママ、だっこして」
「おじさん、コレどうなってるの?」
ツクネが僕に疑問を口にする。
「断罪虫が理不尽な死から自分の身を守るために急激に成長したんだ」
「ママ、だっこして」
「いやぁぁッ!来ないでぇぇッ!うぐああああああッ!」
ヒロキの母親を無理やりハグしたヒロキの姿をした断罪虫の口から無数の触手が飛び出してヒロキの母親の口と鼻と耳の穴に侵入する。
「ママ、だっこして」
ヒロキの母親の体がヒロキそっくりに変化する。
「ママ、だっこして」
ヒロキの顔をしたヒロキの母親がツクネちゃんの父親にハグを要求する。
「死んだはずのヒロキがまた増えた!それに俺はママじゃない!」
「お父さん、とにかく、ここから逃げよう!」
ツクネちゃんが父親の手を取って走り出す。
僕も笑うのを我慢しながらツクネちゃんとツクネちゃんのお父さんの後を追う。
「まさかね、ツクネちゃんにあげたあの卵がこんなことになるなんてね」
「おじさんはこうなることがわかってて、わたしにあの卵をくれたの?」
「なんだと!貴様がツクネにあの気味の悪い卵を渡したのか!」
「僕はただツクネちゃんの護身用にあの卵を渡しただけなんだ」
「うそをつくな!」
ツクネちゃんのお父さんが僕の胸倉をつかんでくる。
「うそじゃありませんよ、大体あなたが浮気せずにずっとツクネちゃんの傍にいてくれれば、僕が深夜の公園でツクネちゃんと出会うこともなかったんだ」
「ひ、人のせいにするな!」
「そ、そうよ!お、お父さんが私とお母さんを裏切らなければ、お母さんを亡くして落ち込んだ私が深夜の公園に行くこともなかった。仮に行こうとしても、お父さんがそばにいれば深夜の外出を引き留めてくれた!」
「おい、お前ら、わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇ!」
「全部、ツクネちゃんとツクネちゃんのお父さんが悪い」
「おじさんの言う通りよ、全部お父さんが悪いのよ!」
「お前らになにがわかるんだよ!いいか?女なんて生き物はなぁ!結婚する前とした後じゃ、ほとんど別の生き物なんだよ!ツクネの母親はツクネが産まれてから、俺と一度もセッ●スしてくれなかった!何回誘ってもテレビが見たいと言って、外で嫁やツクネの生活費を稼いでいる俺を慰めてくれなかった!ツクネの母親は俺の収入で楽するために俺に近づいて、俺と結婚してツクネを出産したんだ!俺はツクネの母親に騙されたんだ!」
「それが理由で浮気したの?」
「ああ、そうだよ、ヒロキの母親はツクネの母親と違ってセッ●スが好きな女だった!俺が会社でつらい思いをしたときも、ヒロキの母親はセッ●スで俺を何度も慰め、癒してくれた!」
「そんな自分勝手理由で私とお母さんを裏切ったの?」
「ああ、そうさ!俺はお前とお前の母親のために一生懸命働いたさ、でもお前の母親は俺がつらいときセッ●スして慰めてくれなかった!お前の母親は俺との愛を育むことよりテレビ番組を見ることのほうが大事だったんだ!」
「お母さんだって小さい私の面倒を見てて疲れてたのよ!お父さんのことが嫌いだったわけじゃないわ!きっと」
「そんなのもう確かめようがないだろうが!」
「一つだけ、確かめられる方法がありますよ」
僕たちの目の前に僕たちを追ってきたと思われる二体のヒロキが現れる。
「こうするんです」
僕はツクネちゃんのお父さんを両手で持ち上げて、二体のヒロキのいる方向に投げる。
二体のヒロキの口から放たれた無数の触手がツクネちゃんのお父さんの口と鼻と耳の穴に入り、ツクネちゃんのお父さんもヒロキに姿を変える。
「おじさん!どうしてお父さんにあんなことをしたの?」
「だってツクネちゃんのお母さんはもう天国にいるんだから、ツクネちゃんのお父さんも天国に行けば、さっき言ってたことの確認ができるだろ?」
「お父さんを、お父さんを返してよ!」
ツクネちゃんが足元に落ちていた石を拾って僕に投げてくる。
石は僕の額にあたって、血が流れる。
僕の中でなにかが破裂する音がした。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は三体のヒロキを食べると、ツクネちゃんを両手で持ち上げる。
「ツクネちゃん、復讐なんて無意味なんだよ」
僕はツクネちゃんを食べる。
「これで、お母さんとお父さんと一緒になれるね」
夕焼けがまぶしい。

次回予告 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十六話 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ!

第三十六話 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ!

深夜の町を歩いていると、綺麗な歌声が聞こえてくる。
歌声の主は美少女だった。
ギターを持って楽しそうに歌う美少女の周りにはたくさんの人がいる。
歌もうまいし、顔もいい。
これだけの人が集まるのは当然である。
美少女は歌が終ると、大きな声であいさつをしてギターをギターケースにしまう。
美少女の周りから、美少女の歌を聞いた大勢の人々が幸せそうな顔をして離れていく。
中にはCDケースを手に持っている人もいた。
CDケースにはルルと書いてあった。
「へぇ~ルルちゃんはCDも売ってるんですね」
「はい、よかったらどうぞ、二百円です」
「いいのかい、そんなに安い値段で?」
「大丈夫ですよ、私、バイトもしてるんで!それにわたし、お金をもらうことよりもみんなに私の曲を聴いてもらえることの方がうれしいんです!」
「そっか、ルルちゃんは歌手になるのが夢なの?」
「はい、一応...そんな感じですね...」
ルルちゃんは先程の笑顔とは一転、急に寂しそうな表情になる。
「また、明日もルルちゃんの歌を聴きに行くよ」
「はい、お待ちしています!」
次の日の深夜。
ルルちゃんは昨日と同じように楽しそうに歌を歌っている。
歌を歌っているルルちゃんの前に黒いフードをかぶった人物が現れ、金属バットを振り上げる。
「あぶない!」
僕は自分の体を盾にして背中に金属バットの直撃を受ける。
「きゃああッ!誰か警察呼んで~!」
ルルちゃんのファンの女性が大声で警察を呼ぶように周りに訴えかける。
黒いフードをかぶった人物は舌打ちをして、その場から全力疾走で逃げた。
「だ、だいじょうぶですか?」
「うん、僕は大丈夫だから...それよりライブを!」
ルルちゃんは大きな声でファンに謝罪すると、路上ライブを再開させる。
ライブの後、ルルちゃんは襲撃事件に関しての状況を警察に説明した。
「すいません、私のせいで」
「いいんだ、別に、これくらい」
断罪王Σに変神していればこれくらいどうってことないんだけどね。
「背中、痣ができてます」
ルルちゃんが僕のTシャツをまくって怪我の心配してくれた。
「ルルちゃんも大変だね、人気者だからさ」
「いえ、アレは仕方ないんです、全部私が悪いんですから...」
「襲撃相手に心当たりがあるのかい?」
「はい、警察にはあえて言いませんでしたけどね」
「知り合いなの?」
「はい、同級生です、学生時代の...」
「なにがあったのかは知らないけどさ、命の危険を感じたらちゃんと警察に話すべきだと思うんだけど」
「私、実は学生時代はいじめっ子だったんです」
「え!ほんとう?」
「はい、だからミキちゃんにああやってやり返されても仕方がないんです」
「さっきの襲撃者、ミキちゃんって言うんだ」
「はい、私、学生時代は家族に色々あって、ちょっとふてくされてたんです。それで、クラスで仲の良かった友達は実はいじめグループのリーダーで、私、自分がいじめられるのが嫌でみんなでミキちゃんのこといじめてたんです、最低ですよね」
「でも、自分の犯した過ちを最低って言える人間を僕は最低だとは思わない」
「それでも私は最低ですよ、ミキちゃん、結局不登校になっちゃったんです」
「そっか、それで、いまでもルルちゃんのことを恨んでるんだね」
「はい。だから私、今度は人を傷つけるんじゃなくて、プロの歌手になって自分の歌で誰かを励ませられるような人間になりたいと思って!」
「そっか、ルルちゃんが歌手を目指すのはミキちゃんへの罪滅ぼしでもあるんだね」
「でも、逆効果だった。私がちょっと有名になってしまったせいでミキちゃんは今日ここに私に復讐しに来た。そりゃあ、そうですよね、自分をいじめていた人間が楽しそうに歌を歌ってみんなから、ちやほやされてたら、絶対むかつきますよね」
「うん、そうだね、むかつくね」
ルルちゃんが泣き出す。
「だって順番がちがうでしょ、それ」
「順番?」
「うん、まずルルちゃんは歌を歌い続けることでミキちゃんに謝罪する前に、ちゃんと言葉で謝罪するべきだと思うんだ」
「そう...ですね、その通りです。私、バカでした、いままでずっと、たぶん心のどこかでミキちゃんと正面から向き合うことを恐れていたんだと思います。私、今度、直接会って謝ってきます」
「ルルちゃんはミキちゃんの家の場所知ってるの?」
「はい、実はミキちゃんの家、私の家の近くなんです」
「そっか、なら僕もついていくよ、一応言い出しっぺだし、ルルちゃんがケガしたら大変だからね」
「あ、ありがとうございます、えっと...」
「宅間セメル、それが僕の名前さ」
「宅間セメル...」
ルルちゃんが僕の顔をじっと見てくる。
次の日、僕とルルちゃんはミキちゃんの家に行った。
ルルちゃんがインターホンを押すと、ミキちゃんはあっさり、家の中に入れてくれた。
「ルルちゃんさ、そのおじさん、ルルちゃんのなんなの?」
「セメルさんは、お、お友達ですね」
「うん、まぁそんな感じ」
「へぇ~がっつり名前で呼んでるのに?」
「そんなことより、ミキちゃんのお母さんとお父さんは今日はどこに行ったんだい?」
「ん?ああ、今日は二人とも仕事。そんで、今日はなんのようかしら?」
「あの、私、学校でミキちゃんのこといじめてたでしょ、それを謝罪しに来たの」
「ふ~ん、なるほど、謝ってやるから、これ以上ライブの邪魔はするなって、つまりそういうこと?」
「ち、ちがうの!私が歌手になろうと思ったのは、ミキちゃんに対する罪滅ぼしでもあるの!だから!」
「だから、なに?じゃあ、あんたがプロの歌手になったら、あんたが私にしたことは全部なかったことになるわけ?ふざけんじゃないわよ!」
ミキちゃんがルルちゃんの肩にパンチをした。
「痛っ!」
「そう、私も痛かったわよ、あんたによくやられてたからね!」
ミキちゃんがルルちゃんの肩に何度もパンチをくらわせる。
まずい、このままだとルルちゃんの肩の骨が骨折して、ギターを持てなくなってしまうかもしれない。
「ミキちゃん、そろそろ!」
「おじさん!いいの!」
「ルルちゃん!」
「さてと、肩の次は喉にしようかな~それも手がいいかしら?」
ミキちゃんが押し入れから金属バットを取り出し、ルルちゃんの眼前に突き付ける。
ミキちゃんはおそらくルルちゃんを二度と歌手活動ができない体にするつもりだ。
僕は路上ライブの時と同じようにルルちゃんとミキちゃんの間に入る。
「おじさん!もういいの!」
「でもルルちゃん、このままだと君はミキちゃんに二度と歌を歌えない体にされてしまう!」
「わかってる!そんなの!わかってるのよぉッ!」
ミキちゃんがフードを上げる。
ミキちゃんの顔は傷だらけだった。
「これでも、おじさんはルルちゃんの味方するの?」
「でも、その傷は全部ルルちゃんが君につけたわけじゃないんだろう?」
「いいえ、ちがうわ!確かにルルちゃんに指示したのいじめグループのリーダーだけど、実行役はルルちゃんよ」
「そんな...!」
「こんな大して美人でもない顔じゅう傷だらけの女を雇ってくれる会社あると思う?」
「それは!」
「おじさん、もういいの!私は今日、ルルちゃんに殺される覚悟でここに来たんだから」
「それを聞いて安心したわ、ルルちゃんも他のいじめグループのメンバー同様、楽にしてあげるわ!」
「ミキちゃん!君は!」
「そうよ、私は人殺しよ!こんな傷だらけの醜い顔の人間に居場所をくれるほど、この世のは甘くないの!だから、私はどうせいつかお母さんとお父さんが死んでしまって飢え死にするくらいなら、いじめグループのメンバーを全員ぶっ殺して死刑になる道を選んだ!そうよ!何もやり返さずに死ぬぐらいなら、私をいじめていたやつら全員に復讐して死んでやる!」
ミキちゃんの覚悟を知った僕は、ルルちゃんの盾になるのを辞めた。
「ルルちゃん、あんたで最後の一人よ」
「ごめんね、ミキちゃん...」
ミキちゃんに謝罪するルルちゃんは泣きながら笑っていた。
ミキちゃんが振り上げた金属バットがルルちゃんの両手を直撃する。
ルルちゃんの悲鳴を上げる。
ミキちゃんが前に突き出した金属バットがルルちゃんののどに直撃する。
のどを潰されたルルちゃんはもう悲鳴すら上げることができない。
僕はミキちゃんに復讐されるルルちゃんをただ見ていることしかできなかった。
「これで最後よ」
ミキちゃんが振り上げた金属バットがルルちゃんの頭部に直撃する。
ルルちゃんの体は何度か痙攣した後、停止した。
「終わったわ、私の復讐が」
ミキちゃんが憑き物は落ちたような表情で笑う。
「おじさん、私、警察に自首するから、巻き込まれるのが嫌なら、はやくこの家から出ていった方がいいわ」
「でも自首したら、ミキちゃんのお母さんとお父さんも、この社会に居場所を失くしてしまうよ」
「いいのよ、どうせお母さんもお父さんも私に復讐なんてせずに前を見ろっていうに決まってるんだから、そんな子供に理解のない親なんて痛い目にあって当然なんだから」
僕はルルちゃんの死体を食べた。
「おじさん!何してるの?」
「他のいじめっ子の死体はどこにあるんだい?」
「庭に大きな花壇があったでしょう、あそこにあるわ」
僕は倉庫からスコップを取り出して庭の土を掘る。
土の中から死体が五つ見つかった。
僕はその死体をすべて食べた。
「おじさん、何のつもり?」
「これで、ミキちゃんが人殺しをした証拠はなくなった」
「なによ!それじゃあ、私、死刑にしてもらえないわ!」
「ああ、その通りだ、君はこれからその傷だらけの顔で一生、生き地獄を味わうんだ」
僕がルルちゃんのためにできることはもう、これしかなかったんだ。
「ねぇ、あんた人を食うんでしょ?なら、私も食ってよ!」
「ごめんね、それじゃあ、意味ないんだよ」
僕はミキちゃんの家を出た。
両手をシャツのポケットに入れると右手になにか固いものが当たった。
ルルちゃんが二百円で売っていたCDだった。
CDのパッケージに写っていたルルちゃんは笑っていた。

次回予告 断罪王Σと不思議系美少女ミドリ。人の仕事のやり方ににブツブツと自分の価値観を押し付けてくるやつはちゃんとヘルメットをして一輪車で会社に出勤しろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十七話 断罪王Σと不思議系美少女ミドリ。人の仕事のやり方ににブツブツと自分の価値観を押し付けてくるやつはちゃんとヘルメットをして一輪車で会社に出勤しろ!

僕は公園のベンチに座ってボーッとしていた。
「おじさん、おもしろい顔してるね?」
白のニットに茶色の長いスカートが特徴的な髪の長い美少女が僕に話かけてきた。
僕の手は反射的にその美少女の頬を叩く動作を開始していた。
僕の手が美少女の頬に直撃することはなかった。
でも、僕の目の前には美少女は存在した。
「残念でした!ミドリの完全勝利!」
幽霊...?
「今、ミドリのこと幽霊だと思ったでしょ?残念でした!ミドリの完全勝利!」
「君は、ミドリっていう名前なのか」
僕はそう言いながら右足をミドリちゃんの顎に向かって振り上げる。
「私に質問しながら攻撃すれば、当たると思ったんでしょ?残念でした!ミドリの完全勝利!」
ミドリちゃんは僕の心が読めるのか?
僕はベンチを持ち上げて時計回りに振り回す。
しかし、ベンチはミドリちゃんの体に当たらない。
攻撃が当たる瞬間だけ、一時的にミドリちゃんの体が透明になってしまうのだ。
「残念でした!ミドリの完全勝利!」
僕の正面にいるはずのミドリちゃんの声が背後から聞こえてくる。
「今、私が目の前にいるのに、どうして後ろから私の声が聞こえてくるんだろうって思ったでしょう?ミドリの完全勝利!」
後ろを向くとミドリちゃんがいる。
前を向くとミドリちゃんがいる。
右にも、左にもミドリちゃんがいる。
僕が新たに出現したミドリちゃんの存在を五感で確認するたびに、ミドリちゃんが増えていく。
十人、二十人、三十人。
僕のいる公園がミドリちゃんでいっぱいになる。
ミドリちゃんは増えるたびに、僕の動揺を指摘して、僕をあざ笑う。
これは、いったい、何がどうなっているんだ?
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は全身の毛穴から超高熱のビームを全方位に発射する。
無数の超高熱のビームが大量発生したミドリちゃんの体に直撃し、公園内が爆炎に包まれる。
しかし、公園内に死体らしきものは確認できない。
そして、目の前の景色が突然、虹色になり、歪み始める。
上からミドリちゃんの声が聞こえてくる。
「さっきのビームあんまり意味なかったね。残念でした!ミドリの完全勝利!」
上を向くと、空がミドリちゃんになっていた。
「うああああああああああああああああッ!」
僕は目の前で起きている現象に恐怖の叫び声を上げることしかできなかった。
木がミドリちゃんになっているのを確認して、地面に目を背けると、今度は地面がミドリちゃんになっていた。
地面から目を背けて遊具に目を向けると、今度は遊具がミドリちゃんになっていた。
「無駄よ、何度現実から目を背けても、おじさんが見るものすべてがミドリになるの。景色も空気も世界そのものがミドリになるから、おじさんがどうあがいても、ミドリの完全勝利なの」
僕は全身の毛穴からまた無数のビームを周囲に向かって一斉発射した。
僕の周りにいる、様々な物体になったミドリちゃんが爆散していく。
「無駄だよ、おじさん。そんなことしても、ミドリにはたどりつけない」
公園は僕の攻撃で焼け野原になっていた。
見晴らしの良くなった公園から見える四方八方の家やマンション、アパートがミドリちゃんに変化する。
僕は全身の毛穴から、無数のビームを一斉発射する。
周りの家やマンション、アパートが爆発する。
瓦礫の山と化した、住宅、マンション、アパートからはミドリちゃんの遺体は出てこなかった。
「はい残念、ミドリの完全勝利!」
瓦礫の山を形成している、家の残骸の数々がミドリちゃんになる。
僕はもう、ミドリちゃんの存在そのものを見て見ぬふりすることにした。
僕は変神を解除して全裸のまま、移動を開始する。
しかし、建物が電柱が自動車が、すれ違う人々がミドリちゃんに変化する。
「無駄だよ私のこと無視しても、現実はなにも変わらない。残念だったね、ミドリの完全勝利!」
現実...?
そうか、そういうことか!
ミドリちゃんは現実そのものだったのだ。
僕は目に見えるすべての景色がミドリちゃんになる現実を拒絶せずに、全て受け入れることにした。
そうすると、それが僕の中で常識化して、いつからか全く違和感を感じなくなっていた。
公衆トイレに写る僕も、もちろんミドリちゃんになっていた。
空気も文字もこの世のありとあらゆる景色と現象がミドリちゃんになったのだ。
それの、なにが悪いんだ!
人の世界と価値観は時間と共に常に変わっていく。
それと同じことだ。
僕はいつしか、全ての理由において当たり前の存在と化したミドリちゃんについて考えるのをやめていた。
当たり前のことは、当たり前のことなのだ。
なぜ地球上に空気があるのか、疑問を抱いても抱かなくても、地球上に空気があるのと同じように、僕はもうミドリちゃんについて考えるのをやめてしまった。
でも、それはミドリちゃんの存在を無視することと同じ意味を持っていた。
目の前のミドリちゃんが悲しそうな顔をしている。
この世の全てにおいて当たり前の存在と化したミドリちゃん。
そして、その当たり前のことについて疑問を抱くことをやめてしまうということは、世界中の全ての人びとがミドリちゃんについて考えるのをやめてしまうのと同じなのだ。
「おじさんも、みんなみたいに私を無視するんだね」
「別に無視なんてしてないよ、ミドリちゃんは人間の血の色がどうして赤いのか知っているかい?」
「そんなの、考えたってどうしようもないわ」
「それと同じさ、ミドリちゃんがこの世界のありとあらゆるものに変化したところで、僕もみんなもいつしかその原因について考えるのをやめてしまう」
「私はただ、みんなに私の存在を理解してほしかっただけなのに、私が話かけた人間はいつも私について考えるのをやめてしまう」
「君はおそらく、幽霊でもなければ、超能力者でもない、この世界の人間の概念では説明できない存在。故に誰からも理解されず、気がついた時には忘れ去られている。人間はみんな考えても仕方のないことより、考えて楽しいことを優先する生き物だからね」
「そう、人々が常に楽しさを追及する生き物である限り、私の心は満たされない」
「ミドリちゃんは孤独だったんだね」
「私の存在を理解してくれたのはおじさんがはじめてよ」
「僕には昔、僕にしか見えない友達がいたんだ、不思議だろ?」
「ええ、不思議ね」
「人々は自分たちの価値観で解決できないことは全て不思議の三文字で片付けてしまう。つまり考えるのを拒否してしまう」
「それって、私の存在そのものね」
「ああ、君は不思議だ。だから、もう僕は君にはもう興味がない。君が僕の目の前でどんな怪奇現象を起こしても、それは不思議なことで完結してしまう」
「もう興味がないってことは、私に興味があった時もあったの?」
「ああ、もちろんさ。だから君が周りの人間たちにしてきたことは、自覚がなくても、少なからずその人間の中に残っているんだよ」
「そうなのかな?」
「ああ、きっとそうさ」
ミドリちゃんが嬉しそうに笑っている。
それが僕が最後に見たミドリちゃんの姿だった。
それ以降、空も木も大地も、この世のありとあらゆるものがミドリちゃんに変化することはなかった。
もしかしたら、本当は空も木も大地も、ありとあらゆるものがミドリちゃんに変化している現実について、僕の脳が考えるのをやめてしまっているだけかもしれない。
それでも、僕はまだ、ミドリちゃんのことを覚えていた。

次回予告 断罪王Σと就活美少女マキネ。職場でえこひいきをするやつは毎朝中身が白飯のみの弁当を作って昼食時に便所で食べろ!



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十八話 断罪王Σと就活美少女マキネ。職場でえこひいきをするやつは毎朝中身が白飯のみの弁当を作って昼食時に便所で食べろ!

第三十八話 断罪王Σと就活美少女マキネ。職場でえこひいきをするやつは毎朝中身が白飯のみの弁当を作って昼食時に便所で食べろ!


公園のベンチに座っている僕の目の前で黒いスーツを身にまとった美少女が口喧嘩をしている。
「そういう言い方ないでしょ!私はマキネが落ち込んでたから励ましてあげただけなのに!」
「それが余計なお世話だって言ってんのよ!自分だけ、内定もらったからって!私のこと見下してるんでしょう!」
やはり、かわいい女の子同士はなにをしても絵になるなぁ。
僕は目をつぶってマキネちゃんとマキネちゃんと言い争う美少女に向かって合掌する。
「もう、マキネのことなんて知らない!」
目を開けるとマキネちゃんと言い争いとしていた美少女が泣きながらマキネちゃんから離れていく。
「ねぇ、あなたさっき私に向かって合掌してたでしょ?」
黒髪ショートカットで前髪パッツンでメガネが特徴的なマキネちゃんが僕に話かけてきた。
「うん、してたよ」
「あんたも就活がうまくいってない私のこと馬鹿にしてるんでしょ!」
「バカにしてないよ、就活、素晴らしいじゃないか、就活、ククク...」
「なに笑ってるのよ!やっぱり馬鹿にしてるじゃない!」
「そりゃさ、就活するってことは自分の価値を企業に委ねるってことだろ?マキネちゃんは本当にそれでいいのかい?」
「なにが言いたいのよ!」
「君は仮に企業に内定をもらっても、そのあとの人生は全部を、その企業に人質に取られるようなものだってことさ、君は本当にそれでいいのかい?」
「あなたの言いたいことはわかる、でもたとえ、自分の人生を企業に人質に取られても、働いてお金を稼がないと生きてはいけないのよ!」
「本当にそうかな?」
僕は青い空を見上げる。
「僕たちの先祖はお金なんてなくたって、自分で食べたい物を狩って、生活していたっていうじゃないか、それに比べたら今の人類には真なる意味で生活能力がないとは思わないか?」
「それってつまり、私達の先祖はルールやお金がなくても、狩りや漁をして普通に生きていけてたから、今の人類は昔の人類よりも生きる力がないってことを言いたいんでしょう?でも、ルールのない自由な世界なんて多くの理不尽な死を生むだけよ」
「それでいいんだよ。自然界を生きる虫や動物にしてみたらそれが当たり前なんだから」
「じゃあ、あなた自身がそのルールのない世界で理不尽な死を与えられる側だったとしても、今と同じことがいえるのかしら?」
「言えるね。だってそれは僕に生きる力がないのがいけないんだから」
「口でならなんとでも言えるわ!だったらあなた一人の想像力と発言で今すぐ、このしがらみだらけの世界を暴力だけが全てを決める世界に変えてみなさいよ!」
「いずれ、そうなるさ。僕は実際にもう、何百人も人間を食べて生活しているからね」
「そんなウソに騙されると思ってるの?」
「確かに、この世界は君たちに嘘をついている。その証拠に警察はいまだに僕のことを捕まえずに、この社会に野放しにしているのだから」
「だ、騙されないわよ!」
「別にマキネちゃんに信じてもらおうとか思ってないよ。その時が来れば、この国は本気で僕を全人類のために排除しようとするんだからね。そして、僕が僕以外の全ての暴力に勝利した時、この世界は秩序を失い、生き残った人間たちは自然界の動物や虫と同じく、醜い生き物になるのさ」
「もういい、あんたと話してると頭おかしくなる!」
「逃げるのかい?僕から」
「悪い?」
「君が僕から逃げるということは、いずれ全人類が直面する真実から目を背けることと同じだ」
「あんた仕事は何してるの?」
「してないよ何にも」
「じゃあ、どうやって生きてるの?」
「言っただろ、僕は人間を食べているって、お金がいくらあっても人間の肉は買えないからね」
「死ね!」
マキネちゃんが空になったペットボトルを僕に向かって投げてくる。
僕の頭部にペットボトルが当たる。
嬉しいような悲しいような言葉にできない感情が僕の全身を駆け巡る。
あ~マキネちゃ~ん!
明日もこの公園に来よう。
次の日。
「やぁ、また会ったね」
公園のベンチでマキネちゃんがおにぎりを食べていた。
「話しかけないで」
「また、面接に落ちたのかい?」
「話かけないでって言ってるでしょう!」
マキネちゃんがおにぎりを僕の顔に向かって投げてくる。
おにぎりが僕の顔に当たる。
マキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃんマキネちゃん。
僕はマキネちゃんを食べてしまいたい感情をあえて自分の理性で抑える。
いつでも食べられるマキネちゃんをあえて食べないというストレスが僕の全身に言葉にできない刺激と興奮を与えるのだ。
「ごめん、ちょっとやりすぎたわね」
マキネちゃんは僕に謝るとバックからラップに包まれたおにぎりを取り出した。
「そのおにぎり、お母さんが作ってくれたんでしょ?」
「うん、おいしいけど、就活がんばれって言われてるようで、なんか逆にプレッシャーなのよね」
「そうだね、頑張れって人に言うのは簡単だけど、言われたほうは結構、しんどいんだよね」
「この公園はね、昔、よく親友と遊ぶときに待ち合わせに使ってた場所だったの」
「その親友って、まさか」
「そう、昨日、ここで口喧嘩してた人、アカリって言うの。なんか嫌よね、小さいころは友情だけで成り立ってた信頼関係も、大きくなるにつれて、学歴だ、就活だって、自分を他人と比べるようになって、それがいつの間にか、生きることの全てになって、気がついたら一番大事なものを失っていた」
「それって、アカリちゃんのことかい?」
「うん、面接に受からない私のこと励ましてくれてたのに、私、自分のことが情けなくなっちゃって、それであんなひどいこと言っちゃたのよね」
「仲直りしないのかい?」
「メールしたわ、何度も、でも返事は全く返ってこない、私の就職活動みたい」
「じゃあ、就活がなかったら、マキネちゃんは大切な親友を失うことはなかったのかもね!」
「そうかもね、でも就職しないと、ご飯食べられない、生きていけない、おじさん、私はどうすればいいのかな」
「じゃあ、僕がマキネちゃんをたべてあげようか、そうすればマキネちゃんは楽になれるよ」
「いいかもね、それ」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は両手でマキネちゃんの顔を抑える。
そして、口を開いて、食べようとしたときだった。
「マキネ!」
私服姿のアカリちゃんが僕の腰にしがみついてくる
「マキネ!早く逃げて!」
「アカリどうして...!」
「早く逃げて!」
「アカリ!私、アカリにひどいこと言っちゃった!ごめ...」
その先は絶対に言わせない。
僕はアカリちゃんの頭にかぶりつく。
「アカリィィィッ!」
僕はアカリちゃんの全身を口の中に入れて咀嚼する。
「アカリちゃん、何しに来たんだろうね?」
「そんなの決まってるでしょ!私と仲直りしに来たに決まってるでしょ!」
「でも、アカリちゃん、早く逃げてとしか言ってなかったよ、本当に仲直りしに来たのかな?」
「それ、どういうこと?」
「だから、この公園に来たのはマキネちゃんと絶交するためなんじゃないかってことさ」
「ふざけたこと言わないで!だったら、どうして私に逃げろって言ったのよ!」
「でも、アカリちゃん、もう僕が食べちゃったからさ、真実を確かめる方法は一つもないんだよね~残念でした~!」
「私...アカリにちゃんと誤れなかった...」
「そうだよ、よく考えてごらん、マキネちゃんに一方的に酷いこと言われたアカリちゃんの方からマキネちゃんに謝りに来ると思うかい?」
「そ、それは...」
「アカリちゃんがマキネちゃんを僕から助けようとしたのはちゃんと絶交することを口で伝えたかったんだよ」
「わ、私はどうすれば、アカリと仲直りできるの?」
「あ、僕、いいこと思いついちゃった!」
「なに!教えて!」
「こうすれば、マキネちゃんは天国でアカリちゃんに謝れるよ」
公園に肉と骨を噛み砕く咀嚼音が鳴り響く。
「マキネちゃん、天国でアカリちゃんとちゃんと仲直りできたかな~」
マキネちゃんを食べ終えた僕は公園を出た。

次回予告 断罪王Σと人助け美少女ナツミ。職場で自分のミスを他人のせいにするやつはボールペンのみで誰かしらが三秒で宇宙に創造した未知の言語の筆記試験を受けろ!






 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三十九話 断罪王Σと人助け美少女ナツミ。職場で自分のミスを他人のせいにするやつはボールペンのみで誰かしらが三秒で宇宙に創造した未知の言語の筆記試験を受けろ!

第三十九話 断罪王Σと人助け美少女ナツミ。職場で自分のミスを他人のせいにするやつはボールペンのみで誰かしらが三秒で宇宙に創造した未知の言語の筆記試験を受けろ!

横断歩道で老婆がトラックに轢かれそうになっている。
横断歩道の信号は青なのにね。
僕はそれを見て見ぬをふりをして行く先も決めずにただ歩く。
一人の美少女が横断歩道に駆け込み、老婆を肩に担いで、歩道まで移動する。
トラックは蛇行運転をしながら走り続ける。
周りの人々から老婆を助けたポニーテールが特徴的な美少女に対して賞賛の拍手が起きる。
ポニーテールの美少女は恥ずかしそうにはにかみながら、周りにお辞儀を繰り返す。
「ナツミちゃんは本当にいい子だよね」
僕の隣にいた見知らぬ男が僕に話しかけてくる。
「あの女の子、ナツミちゃんっていう名前なんですか?」
「ああ、そうだよ、アンタこの辺に住んでてナツミちゃんのこと知らないのかい?」
「ええ、まぁ、まだ来たばかりなので」
「あの子は目の前に困っている人がいたら、まるで自分のことのように全力で助けるので有名なんだよ、人助けのナツミちゃんってね」
「ふ~ん」
男は僕に説明すると満足したのか、僕から離れていく。
僕は歩き疲れたので、公園のベンチで休むことにした。
公園では親とはぐれた迷子とナツミちゃんが話をしていた。
しばらくすると、公園に迷子の親がやってきて、ナツミちゃんにお礼を言っていた。
「ナツミちゃん、肩が痛いから、僕の肩揉んでよ」
ナツミちゃんは僕を見て、一瞬首を傾げると、すぐに満面の笑みを浮かべて、僕の肩を両手で揉んでくれる。
「ナツミちゃんは本当に優しいね」
「私、昔から困っている人を助けるのが好きなんです」
「毎日こんなことしてるのかい?」
「はい、お金にはなりませんが、両親もちゃんと私のしていることを理解してくれているので」
「そっか、じゃあ、ナツミちゃんはこの町で毎日、困っている人を一日中探し回っているのかい?」
「そうですね、みんなが周りに無関心なだけで、困っている人ってたくさんいるんです。だから、これでも結構忙しいんです!」
「じゃあ、僕がお腹がすいたから人間が食べたいって言ったらナツミちゃんは助けてくれるのかな?」
ナツミちゃんが爆笑する。
「なんですか、それ?私にも一応できることとできないことがあるので、それはちょっとできませんね」
「そうだよね、ごめんね、無茶言っちゃって」
「いえいえ、肩の調子どうですか?」
「うん、ナツミちゃんのおかげで随分と楽になったよ、ありがとう」
「それじゃあ、わたし、困っている人を探さないといけないので」
「ナツミちゃんはどうして働かないの?」
「私、毎日自分の好きなことをして生きていきたいんです、なので働きません」
「そっか、だからナツミちゃんは毎日人助けをしてるんだね」
「はい!そうです!」
ナツミちゃんがポニーテールを揺らしながら公園から走り去る。
「ナツミちゃん、君は矛盾しているね」
僕がちゃんと教育してあげなくちゃ。
ナツミちゃんの家の場所を探り当てるのは、かなり簡単だった。
そりゃあ、この町では有名な美少女だからね、街を歩く人に聞けばすぐにわかった。
僕はナツミちゃんの家の庭から室内に侵入する。
窓は暑さ対策で開けられていたので、わざわざ素手で窓ガラスを粉々にせずに済んだ。
「おじゃまします」
「はい、どなたでしょうか?」
「僕は宅間セメルというものです。今回はナツミちゃんの将来のことについてお話がありまして」
「将来と言いますと?あ、ちょっとお茶とお菓子用意しますね」
おそらくナツミちゃんの母であろう女性が慌ただしく緑茶と茶菓子をテーブルに置く。
「ナツミちゃんが無償でこの町の人々を助けているのはとても素晴らしいことだと、僕は思います。ですが、まったく利益になっていない状況を見ると、お母さんはナツミちゃんの将来が不安ではないのですか?」
「まぁ、そう言われてしまえば、そうですねとしか、いいようはないんですが、やはり子供の親としてはたとえ周りの人間から何を言われようと子供の幸せが第一なので」
「じゃあ、お母さんはお母さんが死んだあと、ナツミちゃんが飢え死にしてもいいと」
「どちらにせよ、人間はいつか死んでしまう生き物ですから、私と旦那が死んだあと、ナツミがどのような生き方を選ぶのかはナツミの自由ですから」
「では、旦那さんも、ナツミちゃんの狂気に満ちた活動についてみて見ぬふりをしているのですか?」
「狂気に満ちた活動って、そんな言い方は」
「だって毎日、一日中街を走り回って無償で人助けをしている。確かに人助けをしているという一面だけを見れば、素晴らしい活動かも知れません。でも、見方を変えれば一日中自分の好きなことだけしかせず、現実から逃避しているようにしか僕には見えません」
「失礼なことを聞きますが、宅間セメルさんは普段、どんなお仕事をなさっているのですか?」
「僕は働いていません、その必要がないので」
「では、あなたにナツミの生き方についてどうのこうのいう権利はないと思いますが」
「うるせぇよ!クソババァァァァァッ!」
僕は緑茶の入ったコップと茶菓子がのったテーブルを両手で持ち上げてキッチンの方にぶん投げる。
「申し訳ございませんが警察に通報させていただきます」
「うるせぇって言ってんだろぉッ!ヴェアアアッ!」
僕は拳でナツミちゃんの母親の頬をぶん殴る。
僕が拳に力を入れ過ぎたせいか、ナツミちゃんの母親の首が、殴った衝撃で横にコマのように三回転する。
「はぁ、はぁ、はぁ、クソババァがぁッ!おめーが僕を馬鹿にするのがいけねぇんだぞ!働かなくてなにが悪い!世の中には働きたくても働けねぇやつが沢山いるんだぁ!つーかおめぇはどうなんだよ!え?そういうおめぇは働いてんのか!ボゲェッ!」
僕は首が向いてはいけない方向に向いてしまっているナツミちゃんの母親の胸倉をつかんで何ども揺さぶる。
「そっか、こいつ、死んじまったのか...。ま、僕は仮に働けてても、絶対に働かないけどなぁ!そんじゃ、いただきます」
ナツミちゃんの母親の肉の骨が砕かれる音が室内になり響く。
ナツミちゃんの母親を食べながら、どこからか聞こえるセミの鳴き声が僕に季節の訪れを知らせる。
「夏が...来たな...」
「ただいま~」
ネットに入ったスイカを手にぶら下げたナツミちゃんの父親が僕の姿みて呆然と立ち尽くしている。
「ああ~スイカ、いいですねぇ~やっぱり夏はスイカですねよねぇ~僕も昔はよく食べてました、まぁ、アリスは食べれなかったんですけどね~それでよく、アリスが悔しそうに頬をふくらませてですね~」
「だ、黙れぇぇいッ!」
ナツミちゃんのお父さんが僕の言葉を遮る。
「お、お前、誰だ?い、いったい何を食っているんだ?」
「いやだな~お父さん、本当はわかってるくせに~何年、この人と一緒に暮らしてきたんですか」
僕は満面の笑みを浮かべながら、まだ口内に入れる前のナツミちゃんの母親の右足をナツミちゃんのお父さんに突き付ける。
ナツミちゃんのお父さんが台所から包丁をもって僕に襲い掛かってくる。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「貴様よくもぉぉッ!」
「遅ぇよ」
断罪王Σに変神した僕の回し蹴りがナツミちゃんの父親ののどに直撃する。
「これ食い終わったらァッ、次はおめぇの番だからなァッ!よく覚えとけよォッ!」
「フッコヒュロフィテヒャル...」
ナツミちゃんの父親はぼくに対して泣きながら何かを言っているが、僕にのどを潰されたせいで、何を言っているのかまったく聞き取れない。
僕はナツミちゃんの母親を食べ終えると、今度はナツミちゃんの父親を食べた。
ナツミちゃんの父親を食べ終えると、今度はナツミちゃんが家に帰ってきた。
「お母さん、お父さん、ただいま...」
母親におつかいを頼まれていたのか、ナツミちゃんが手に持っていた買い物袋が床に落ちる。
床にスーパーで買ってきたと思われる商品が転がる。
ナツミちゃんは両親の肉片や衣服が床に散らった血塗れの室内を見て目から涙を流している。
僕は変神を解いた。
全裸の僕にナツミちゃんが泣きながら訴えてくる。
「公園の...おじさん!ひどい、どうして!どうしてこんなことをするの?」
「僕は働かずに自分の好きなことしかしないナツミちゃんの将来が心配だから、ナツミちゃんのお母さんに相談に来たんだよ、そうしたら、こういうことになっちゃってね」
「確かに私のことを心配してくれるのはありがたいけど、それでどうしてお父さんとお母さんが死なないといけないの?それに私にはどうしても、あなたが働いているようには見えないわ!」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「都合が悪くなると、そうやってバカみたいに叫んで!あんた最低よ!」
「いいか、ナツミちゃん、俺はこれからお前にもっとも重い罰をあたえる!両親を亡くしたお前はもう、自分の好きな人助けだけをして生活することはできない!両親の経済能力というライフラインを失ったお前は、これから人助けより一生、自分の意にそぐわない労働を優先しなくては生きていけない!お前はこれから一生、生き地獄を味わうんだ!そしてお前に生き地獄を押し付けた俺は絶対に働かない!」
僕は自分の言いたいことをナツミちゃんに宣言すると全裸のままナツミちゃんの家から走り去る。
ナツミちゃんは両親の仇をとるため、そして自分のライフスタイルを破壊し尽くしたの僕に復讐するために、泣き叫びながら全裸の僕を追いかけてくる。
「うああああああああッ!待ちなさいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!お母さんとお父さんを返せぇぇぇぇぇぇぇッ!」
体力が尽きたのか、ナツミちゃんが走るのをやめて地面に膝と両手をつけ、泣き叫んでいる。
ナツミちゃんの泣き声に気づいた、近所の人たちがナツミちゃんの周りに集まってくる。
僕はその姿を見て、幸せで胸がいっぱいになる。
ナツミちゃんが追ってこないのを確認すると僕は走るのをやめて夕焼け空の下のゆっくり歩き続けた。

次回予告 断罪王Σと性格最悪美少女エリナ。職場で言葉を使わずに行動のみで嫌がらせをしてくるやつはニンニクを大量に食って深夜に自宅のトイレ故障しろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十話 断罪王Σと性格最悪美少女エリナ。職場で言葉を使わずに行動のみで嫌がらせをしてくるやつはニンニクを大量に食って深夜に自宅のトイレ故障しろ!

僕は今日も行き先も決めずにただ歩き続ける。
おもちゃ屋さんの前にはゲームの発売日なのか長蛇の列ができていた。
そして、今、おもちゃ屋さんに来たばかりの長髪の両サイドにつけられたピンク色のリボンが特徴的な美少女が堂々と先頭の列に割り込む。
「ちょっと君!いくらなんでもそれはルール違反だろ!」
「うるさい!私がいったい何したっていうのよ!」
美少女は最初に先頭に並んでいた人に罵倒を浴びせると、その人を蹴り飛ばして列から外した。
美少女の後ろに並んでいた人々からブーイングが起こるものの、美少女はまるで気にしていない。
そして、列の先頭を暴力で勝ち取った美少女はその店にある発売日の新作ゲームすべてを一人で購入してしまった。
そして美少女は今日発売の新作ゲームを買えなかった人々の前で、大量のゲームソフトが入った紙袋を車道に放り投げる。
車道を走っている大きなトラックのタイヤがゲームソフトが入った紙袋を潰して走り去る。
美少女は顔に満面の笑みを浮かべながら、新作ゲームを購入できなかった人々に向けて、両手の中指を立てる。
美少女は満足したのか、スキップをしながら、どこかへ行ってしまった。
「エリナちゃん、またあんなことを... 」
いつのまにか僕の横にいたメガネをかけた美少女がエリナちゃんのことを心配していた。
「あの子、エリナちゃんっていう名前なんだ」
「はい、実家がお金持ちのお嬢さまなのでこのあたりじゃ有名なんですよ」
「なるほどね、でも、いくらなんでもお金がもったいないと思うんだけど」
「そうなんですよね、私もエリナちゃんの友達なんですけど、エリナちゃんのことよくわからないんです」
「君、名前は?」
「ハルナです」
「ハルナちゃんはもしかして今日発売日のゲームを買いに来たの?」
「はい、そうなんです。私、エリナちゃんの友達として、エリナちゃんを叱ったほうがいいのか、それとも応援してあげた方がいいのか迷ってるんです」
「僕はお互いに本音を言い合えない友達は友達とは呼べないと思うよ」
「私も、そう思ってます。でも、もしエリナちゃんに嫌われちゃったらと思うと不安で」
「じゃあ、僕と一緒に説得しにいこうよ」
「いいんですか?」
「ああ、なんかおもしろそうだからね」
僕とハルナちゃんは町中を歩き回ってエリナちゃんを見つけた。
エリナちゃんはスーパーの駐輪場に停めてある自転車の列を蹴る。
横に並んだ自転車がドミノ倒しのように倒れていく。
エリナちゃんは横に倒れた大量の自転車を見て満足したのか、スキップしながら移動を始める。
「エリナちゃん!」
ハルナちゃんがスキップしているエリナちゃんの背中に向かって叫ぶ。
「あ、ハルナじゃん」
「エリナちゃん、一緒に自転車、もとに戻そう」
「はぁ?何言ってんの?自転車倒したのは私じゃないし!」
「うそついたって無駄よ、私ちゃんと見てたんだから」
「自転車倒したのはハルナでしょ?私ちゃんと見てたわよ!」
「どうして、そんなひどいウソをつくの?」
「うるさい!」
エリナちゃんがハルナちゃんを蹴り飛ばす。
地面に仰向けに倒れたハルナちゃんは動かない。
ハルナちゃんの後頭部から出た血液が地面に広がって赤い水たまりを作る。
「ハルナちゃん、死んじゃったね」
「あ、あんた誰よ!」
「僕は宅間セメルって言います。実はハルナちゃんと一緒にエリナちゃんを説得しに来たんですけど、なんかすごいことになってしまいましたね」
「わ、私は悪くないわ!ハルナを殺したのはあなたよ!私ちゃんと見てたのよ!」
エリナちゃんが全力疾走で殺人現場から逃げていく。
次の日。
僕はエリナちゃんの姿を昨日と同じスーパーの駐輪場に見つけた。
エリナちゃんは何事もなかったかのように、自転車の列を蹴りとばす。
ドミノ倒しのように次々と倒れる自転車を見て、エリナちゃんは満面の笑みを浮かべている。
そして、その地面にはハルナちゃんの後頭部から出た血液が消えないシミを作っていた。
「宅間セメル!あんたがどうしてここにいるのよ!」
「ここにいてはいけないのかい?」
「当たり前でしょ!私は昨日、警察にハルナを殺したのは宅間セメルだって通報したんだから!」
「なるほど、エリナちゃんは僕にハルナちゃん殺しの濡れ衣を着せたのに、どうして警察が僕を野放しにしているのかが理解できないんだね」
「そうよ!あんたは私の代わりに罪を償わなくちゃいけないのよ!こんなの絶対におかしいわ!」
「困ったね」
「そうよ!困ったわ!あんた警察に自首しなさいな!」
「僕が何を警察に自首するんだい?」
「ハァ?あんた何言ってんの?あんたがハルナを殺したんでしょ?」
「ハルナちゃんを殺したのは君だよ」
「嘘ついてんじゃないよ!さっきの自転車だって全部アンタが蹴り倒したんでしょ?」
「僕じゃないよ、ハルナちゃんが蹴り倒したんだ」
「ハァ?ハルナは昨日、あんたに殺されたでしょう?」
「ちがうよ、ハルナちゃんはハルナちゃんに殺されたんだよ」
「あんた、人をバカにしてんでしょ?」
「エリナちゃんのことを今、馬鹿にしてるのはハルナちゃんだよ」
「だ~か~ら~!ハルナは昨日、あんたに殺されたでしょ?」
「エリナちゃん、嘘をついちゃいけないよ、僕がハルナちゃんなんだよ」
「死ね!私もう帰る」
僕はエリナちゃんの背中を蹴り飛ばす。
「あんた、なにすんのよ!」
「僕じゃないよ、ハルナちゃんがやったんだ!」
僕はエリナちゃんの顔を殴る。
「痛い!あんたいい加減にしなさいよ!あんた最低よ!」
「僕じゃない、殴ったのはエリナちゃんだ」
「人を馬鹿にするのもいい加減にしなさいよ!私は私を殴ってないわ!」
「君は大きな勘違いをしている、君はエリナちゃんじゃないんだよ」
「じゃあ、私は誰なのよ!」
「君はハルナちゃんだ」
「ハルナは昨日アンタに殺された、同じことを何度も言わせないで!」
「違うよ、君はエリナちゃんじゃないし、ハルナちゃんを殺したのはハルナちゃんだ」
「あんたと話してると、頭がおかしくなるわ!」
エリナちゃんが両手で頭髪を掻きむしる。
僕はエリナちゃんの前に立ちふさがる。
僕は両手でエリナちゃんの両肩を掴む。
「エリナちゃん、おじさんともっとお話をしようよ」
「あんた、今認めたわね、私がエリナだって」
「おじさん、寂しいんだよ」
「認めなさいよ!私がエリナだってこと!あんたが私に負けたことを!」
「エリナちゃんに負けたのは僕じゃないよ、エリナちゃんだよ」
「あんた、はっきり言って頭おかしいわよ!離してよ!」
「じゃあ、僕の出す、クイズに答えてよ」
「クイズに正解したら、解放してくれるの?」
「ああ、もちろん。それじゃあ、第一問、ハルナちゃんを殺したのは誰ですか?」
「あんたに決まってるでしょ!私は私の大事な親友を殺したあんたを絶対に許さない!」
「不正解ですね。このクイズの答えはエリナちゃんです」
「ふざけんじゃないわよ!人のせいにするな!」
「それでは第二問、このスーパーの駐輪場の自転車を倒したのは、誰ですか?」
「あんたに決まってるでしょ!バーカッ!」
「不正解ですね。このクイズの答えはエリナちゃんです」
「人のせいにしてんじゃねぇぞ!このクソバカ野郎!とっとと肩からその汚い手を離しなさいよ!」
「それでは第三問、今、僕のクイズに挑戦しているのは誰でしょう?」
「私よ、エリナよ!」
「不正解ですね。このクイズの答えはエリナちゃんです」
「死ね!」
「それでは第四問、今、エリナちゃんにクイズを出しているのは誰でしょう?」
「宅間セメル!」
「不正解ですね。このクイズの答えはエリナちゃんです」
「死ね!」
僕はエリナちゃんにクイズを出し続ける。
僕はエリナちゃんがクイズに正解すれば、答えを無理矢理変更する。
僕はエリナちゃんがクイズに不正解になれば、次のクイズを出す。
これが早朝から深夜まで続いた。
周りの人びとは僕とエリナちゃんの狂気に満ちたやりとりを見ても、見て見ぬふりをして通り過ぎていく。
「どうして、だれも助けてくれないのよ!」
「それでは次の問題です」
「もういいわ!私が悪かったわよ!自転車を蹴り倒したのも、ハルナを殺したのも私だって認めるから、もう家に帰らせてよ!」
「不正解ですね、このクイズの答えはエリナちゃんです、それでは第12660問です」
「だーかーら!エリナは私でしょ!」
「不正解ですね、それでは次の問題です」
エリナちゃんは無駄だとわかっていても僕から離れようとする。
「エリナちゃん!まだクイズは終わってないし、エリナちゃんはクイズに一度も正解してないよ!」
「さっき、正解したでしょ!自転車を倒したのも私、エリナを殺したのも私。私がクイズに正解してもあんたが無理矢理、私の正解を不正解にしてる!こんなのクイズでもなんでもないわよ!もう、お腹すいたのよ!とっとと家に帰らせてよ!」
「わかったよ、じゃあ、これが最後の問題です」
僕は携帯の画面をエリナちゃんに見せる。
「この画面にうつっている死体は誰の死体でしょう?」
「お、お母さんとお父さん...あんたが、あんたが殺したのね...」
「正解、もう帰っていいよ、帰る家があるならね」
「これで私に勝ったと思ったら大間違いよ!私にはまだ大金持ちの親が残した遺産があるんだから!私はあんたに負けてないんだから!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
「きゃあああああああああああああッ!」
断罪王Σに変神した僕の姿を見たエリナちゃんが逃げる。
なんとか自宅にたどり着いたエリナちゃんを待っていたのは、真っ黒に焼け焦げた豪邸だった。

次回予告 第四十一話 断罪王Σ 対 銀装天使アカイアー!職場で大してえらくもねぇのに人に命令ばかりするやつはトイレの際にトイレットペーパーを使わずに素手で色々なんとかしろ!






 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十一話 断罪王Σ 対 銀装天使アカイアー!職場で大してえらくもねぇのに人に命令ばかりするやつはトイレの際にトイレットペーパーを使わずに素手で色々なんとかしろ!

最近、各地で人間が怪物になる現象を多発しているらしい。
怪物になった人間は人間を食べる。
人々は人間を食べるその怪物のことをアンノウンと呼んでいる。
国は至高天という組織を作り、至高天はアンノウンに対抗するために銀装天使と呼ばれる巨大人型機動兵器を開発した。
おかげで僕は人目を気にせずに人間を食べることができる。
僕の犯した罪は全部、アンノウンのせいにできるからね。
でも、そんな日も長くは続かなかった。
そう、前から感じていた違和感と危機感を証明する日がついにやってきたんだ。
「私の名は銀装天使アカイアーの操縦者のリナ。宅間セメル!貴様は新種のアンノウンだな!」
僕の目の前に日本刀を持った長い黒髪が特徴的な美少女が現れる。
「変な言いがかりはよしてくれ、アンノウンは確か、人間に姿を変えることはできないはずだ」
「確かにその通りだ。しかし、巨大人型機動兵器・銀装天使の開発に成功したこの国は、もうお前の犯した数々の罪を見て見ぬふりするのをやめたそうだ」
「それは、つまり、僕がアンノウンじゃなくても、暗殺するってことだね」
「そういうことだッ!」
リナちゃんは鞘から抜刀すると高速移動で僕に向かって突撃してくる。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕はリナちゃんの振り下ろした日本刀を両手で白刃取りして真っ二つに折る。
「くっ、その姿、確かに貴様はアンノウンじゃないようだな!ならこれならどうだ!」
リナちゃんが刀身が折れた日本刀を天にかざす。
「出でよッ!アカイアー!」
上空から一筋の光が地上に放たれ、僕の目の前が真っ白になる。
そして、僕の目の前にリナちゃんが操縦する巨大人型兵器・銀装天使アカイアーが立っている。
アカイアーの右手に握られた巨大な日本刀が僕を襲う。
「いくらなんでもサイズが違い過ぎる」
僕は斬撃を避けると、全身の毛穴から超高熱のビームをアカイアーに向かって放つ。
アカイアーの全身に無数の穴が開く。
しかし、アカイアーは攻撃の手を緩めない。
「それで勝ったつもりか!操縦者である私にダメージを与えなければ、何の意味もないぞ!」
アカイアーの斬撃が僕の右腕を切断した。
「ぐああああああッ!回避できなかった!」
僕は左手を大砲に変化させ、超極太のビームをアカイアーの巨大な日本刀に直撃させる。
「しまった!武器をやられた!」
動揺するリナちゃんの声を聞いた僕は、ビルの裏に姿を隠し、右腕を超速で再生する。
「これで、しばらくは時間を稼げるはずだ」
「やっと会えましたね、アリスの後継者」
僕の目の前に黒の長髪にカチューシャが特徴的なチャイナドレスのような服を着た見知らぬ美少女が現れる。
「君も至高天に所属する銀装天使の操縦者なのか?それになぜ、君がアリスを知っているんだ?」
「私は至高天の味方ではありません。私の名はメシア。地球の意思の代弁者です」
「いったい何が目的なんだ!」
「あなたに引き継いでもらいたいのです、アリスの仕事を」
「アリスの仕事だと!いったいどういうことなんだ!」
「アリスの仕事は本来、社会付適合者であるあなたに断罪王の力を与え、断罪王の力を手に入れながら地球の意思を裏切った白の断罪王の操縦者ハルカを暗殺することだったのです」
「僕は確かに断罪王の力をアリスからもらった!でもそれと引き換えにアリスは消えてしまった!」
「アリスは地球の意思が実験的に生み出した最初の代弁者です。つまり、私の姉と言った方がわかりやすいでしょうか?」
「アリスがメシアの姉?」
「あくまで例えですよ。アリスは実験的に作られた故に肉体を持たない精神体だった、だからアリスはあなたにしか見えなかった。そして、その後に地球の意思は肉体を持つ黒の断罪王を司る私と裏切り者のハルカに協力する白の断罪王を司るメシア創造した。宇宙の意思は実験的に作られた肉体を持たない地球の意思の代弁者である、アリスの司る断罪王にこう名付けた、断罪王スティグマと」
「断罪王スティグマ...!スティグマって汚名とか、そういう意味の言葉だろ!つまり、生みの親である地球の意思は自分が実験的に作ったアリスを失敗作扱いしたってことなのか!」
「そういうことです、それでも自らの創造主である地球の意思にスティグマ、つまり失敗作の烙印を押されたアリスは創造主である地球の意思に従い、社会付適合者であるあなたにたどり着いた。でも、アリスは本来の目的を忘れ、あなたと絆を深めてしまった」
「うん、それで」
「そしてアリスは本来死んでしまうはずのあなたに断罪王の力を与えた。肉体を持たないアリスにとってそれは自分の魂をほとんど死んでいたあなたに与えることに等しかった」
「だから、アリスは俺に力を与えてすぐに消えてしまったのか」
「その通りです。でも、それは本来、達成されるべきアリスの目的とはすこし、違っていた。あなたの肉体が満身創痍でなく、健康な状態でアリスから断罪王の力の譲渡が行われていれば、あなたは今のように不完全な状態で断罪王の力に覚醒することはなかった」
「じゃあ、今の断罪王Σは完全な状態ではないというのか!」
「その通りですが...断罪王Σ〈シグマ〉?ああ、そういうことですか、うふふふ!」
「なにが面白いんだ!そうか!アリスの言っていた断罪王Σ〈シグマ〉のΣってもしかして、スティグマの略なのか?」
「う~ん、それはアリスに直接聞いてみなければわかりませんが、おそらく、アリスは自分のことを失敗作だと認めたくなかったから、そう名乗っていたのでしょうね。とにかく、私は地球の意思に命じられて、アリスの成し遂げられなかった目的を果たしに来ただけです、これを受け取ってください」
メシアは僕に大きな辞書のようなものを渡してきた。
「その本の名は終末黙示録です。その本が本来、死にかけていたあなたの肉体を再生する代わりに、アリスからあなたに与えられるはずの力だった」
僕は終末黙示録を読んでみた。
僕はこの世界と宇宙の全てを理解した。
全身に今まで感じたことのない大きな力が駆け巡るのを感じる。
メシアが僕に向かって手のひらを突き出す。
「さぁ、唱えなさい!真なる断罪王Σの誕生に必要な言葉を!」
アリスとの思い出が僕の脳内にフラッシュバックする。
僕は泣き叫ぶ。
「シンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
断罪王Σに変神した状態の僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀装天使アカイアーの目の前に巨大人型兵器・真断罪王Σ〈シグマ〉が現れる。
「宅間セメルが巨大化した」
僕の脳内にアリスの目的の全てが流れ込んでくる。
「そうか、アリスは地球の意思を裏切ったお前たち至高天のリーダーであるハルカを殺そうとしていたのか!」
「貴様ごときが教祖様の名を口にするなぁぁぁぁぁッ!」
アカイアーの十本の指先から突き出たビームクローが真断罪王Σを襲う。
「悪いな、僕はもう死ねない!僕はアリスの願いを叶えるんだ!砕けちれぇぇぇッ!」
アカイアーのビームクローを受け止めた真断罪王Σの両手がアカイアーの両手を粉々にする。
武器が無くなり、逃げようとするアカイアーを僕は市街地に押し倒して、アカイアーとその操縦者であるリナを食べた。
「そう、真断罪王Σは食べた人間、つまり操縦者の脳内にある情報をもとに、体内に摂取した銀装天使の力を吸収することができる。それはつまり、銀装天使もまた、地球の意思の生み出したアンノウンの肉体を再利用しているからなのです」
メシアは僕にそう言い残すと、どこかへと消えてしまった。
「僕はアリスのために、地球の意思を裏切って白の断罪王の力を悪用するハルカを殺す。それが、アリスの願いなんだ!」
僕は生まれて初めて自分の生きる目的を見つけた。
市街地の中心で真断罪王Σが歓喜と悲哀に満ちた咆哮をあげた。

次回予告 真・断罪王Σ 体 銀装天使ソフィエル!ザフィエル!自分勝手な理由で人のシフトを勝手に変えようとしてくるやつは見ず知らずの人間に耳元でプロポーズされろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十二話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ソフィエル!ザフィエル!自分勝手な理由で人のシフトを勝手に変えようとしてくるやつは見ず知らずの人間に耳元でプロポーズされろ!

真断罪王Σに変神を解いた僕は至高天教祖であるハルカを殺すために、全裸の状態で至高天関東支部に突撃訪問する。
「おじゃまします」
全裸の僕を不審者と勘違いした至高天のスタッフ達が僕を取り囲む。
「誰だ!貴様!今すぐここから出て行け!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は片手で至高天のメンバーの一人の顔を鷲掴みにする。
「こいつを殺されたくなかったら、いますぐハルカに会わせろ!」
「きょ、教祖様は今、ここにはいない!」
「じゃあ、どこにいるんだ!」
「それは私達にもわからないのよ!」
「嘘をつくな!」
「ほ、本当よぉ!だからその人を放してあげて!」
「なら、全員死刑だァッ!」
僕は片手で鷲掴みにしている至高天のメンバーの頭部を握り潰すと同時に、全身の毛穴から超高熱のビームを全方位に一斉発射した。
超高熱のビームが至高天関東支部のスタッフ全員の肉体をつらぬく。
僕はハルカを見つけられなかった腹いせに残りのスタッフを殺すため、至高天関東支部の建物の奥に進む。
格納庫と思しき場所には巨大人型兵器が立っていた。
「おじゃまします」
「誰だ!貴様はァッ!」
「し、侵入者だ!今すぐソフィエルの操縦者に連絡するんだ!」
「ヴェアァァァァァァァァァァァァァァッ!」
僕は絶叫しながら全身の毛穴から超高熱のビームを一斉発射する。
超高熱のビームは格納庫から避難しようとしていたスタッフ達の肉体をつらぬく。
避難しようとしていた格納庫内のスタッフが次々と倒れていく。
「とりあえず...メシでも食うか」
僕は至高天関東支部の施設内に横たわるスタッフの死体を食べる。
全員食べ終えると、一人の美少女が僕の目の前に現れる。
「お待たせしました!本日からこちらで働かせていただく、銀装天使ソフィエルの操縦者のシオリです...何コレ?」
「遅ぇよ、それよりお前!今すぐ、ハルカの居場所を僕に教えろ!」
「この血塗れの状況の原因はあなたですね」
「ああ、そうだよ、腹が減ってたから全員食ってやったんだ!」
「どうしてそんなひどいことを!」
「うるせぇ!バァァァァァァァーカァッ!ハルカはどこだァッ!」
シオリは始めての実戦に緊張しているのか、深呼吸をすると、覚悟を決めた表情で僕を睨みつける。
「今すぐ死ぬ人間に教える必要はないわ!出でよ!ソフィエル!」
シオリが前方に向かって片手をかざすと、それに反応するように、格納庫に立っているソフィエルが動き出す。
シオリはソフィエルの突き出した手のひらに素早く移動すると、そのままソフィエルの操縦席に入る。
ソフィエルの両目が発光する。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
断罪王Σに変神した僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
「怪物が巨大化した?」
真断罪王Σに変神した僕は銀装天使アカイアーとその操縦者を食って手に入れた、巨大な日本刀・アカイアーエッジを異空間から出現させて片手に持つ。
「あ、あの剣は、リナ先輩のアカイアーの武器!どうして、あの怪物が!」
「切り裂けぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
真断罪王Σが振ったアカイアーエッジから赤い色の衝撃波が発生してソフィエルに直撃する。
その衝撃で至高天関東支部が倒壊する。
瓦礫の雨が真断罪王Σとソフィエルに降り注ぐ。
真断罪王Σは上空に高速移動して、上からアカイアーエッジから発生させた赤い衝撃を瓦礫の山に埋もれたソフィエルに向かって放つ。
しかし、瓦礫の山から巨大な手のひらが飛び出して、真断罪王Σをつかんで離さない。
アカイアーエッジの直撃を受けた瓦礫の山から土煙と共に右手のないソフィエルが立ち上がる。
「ソフィエルの両手は私の脳波で自由自在にコントロールできるんです、そして、こんなこともできる!」
真断罪王Σの全身を掴んでいる右手のひらから強力な電撃が発生する。
「うぐああああああああああああッ!」
僕の全身に電撃が流れ、強烈な痛みが全身に広がる。
まずい、このままでは全身黒こげになってしまう。
「いける!このまま電撃を与え続ければ、あの怪物に勝てる!」
「なめるなァァァッ!」
真断罪王Σは全身の装甲をスライド展開させると、装甲の奥に装備されたビーム砲を一斉発射する。
「終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σを掴んでいたソフィエルの右手が無数のビームにつらぬかれ、爆散する。
「右手がやられたからってぇぇぇぇッ!」
ソフィエルから放たれた左手が真断罪王Σに突撃してくる。
ソフィエルの左手が真断罪王Σの背後に来る。
「うしろか!」
だが、次の瞬間にはソフィエルの左手はその動きを変えて、右横から真断罪王Σに突撃してくる。
「フェイントだと!」
「もらったぁぁぁッ!」
「今だァッ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれたビームが真断罪王Σを捕らえようとしていたソフィエルの左手をつらぬき爆散させる。
「そんな!あれだけ高出力のビーム兵器を連続して使えるというのか?」
「これでとどめだァァァァァァッ!」
アカイアーエッジを片手に持った真断罪王Σが両手を失ったソフィエルに突撃してくる。
「ソフィエルの武器が両手だけだと思うなぁぁぁッ!」
ソフィエルの両足が本体から分離して、真断罪王Σに突撃してくる。
本体から分離したソフィエルの両足のつま先からビームのシャワーが放たれる。
「無駄だァッ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームがソフィエルの両足のつま先から放たれたビームシャワーに直撃する。
「ビームでビームを防がれた!」
「終末のォォォォォォォォッ!シグマスラァァァァァァァァァシュッ!」
エネルギーをフルチャージした状態のアカイアーエッジから放たれた巨大な赤い衝撃波がソフィエルの両足を爆散させると同時にそのまま、ソフィエルの本体に直撃する。
かつて至高天関東支部のあった場所に大きな爆発が発生する。
爆風からソフィエルから発射されたと思われる脱出ポッドが飛び出す。
「逃がすかァァァァァァッ!」
真断罪王Σが脱出ポッドを片手でキャッチする。
「ハルカの居場所を教えろォォォォッ!」
「あんたみたいな怪物に教えるぐらいなら今すぐ死んだ方がマシよ!」
「じゃあ、死ね」
真断罪王Σがシオリの搭乗している脱出ポッドを口に入れて噛み砕く。
「手に入れたぞ...ソフィエルの力を...」
上空から新たな銀装天使が舞い降りてくる。
「久しぶりだね、宅間セメル...!」
聞き覚えのあるその声は以前、僕に両親を殺された人助け美少女ナツミちゃんの声だった。
「その声は...ナツミちゃん!」
「そうだよ、私はあんたに復讐するために至高天に入った。そして教祖様から頂いたこの銀装天使ザフィエルであんたを殺す!」
「面白い!なら早速試させてもらうぞ!くらえ!ソフィエルハンド!」
真断罪王Σの両手が電撃に包まれ、本体から分離する。
「す、すごいぞコレは!俺の思い通りに電撃を纏った両手が変幻自在に空を舞う!」
真断罪王Σから放たれた電撃を纏ったソフィエルハンドがザフィエルの回避行動に先読みしてどんどん距離を詰めていく。
「そぉ~れッ!ナツミィッ!このソフィエルハンドに捕まれば、貴様は黒こげだぞッ!」
「無駄だァッ!ザフィエルキャノン発射!」
ザフィエルが胸部に装備された竜の口から、極太のビームを発射して高速で回転する。
極太のビームで形成された竜巻がソフィエルハンドを爆散させる。
真断罪王Σは新たに両腕を生やすと、アカイアーエッジを槍のようにビームの竜巻と化したザフィエルに向かって投擲する。
ビームの竜巻と化したザフィエルにアカイアーエッジが直撃する。
しかし、アカイアーエッジはビームの竜巻に巻き込まれ粉々になる。
ビームの竜巻と化したザフィエルが断罪王Σに迫ってくる。
「終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームがビームの竜巻と化したザフィエルに直撃するも、全て弾かれてしまう。
「ぼ、僕はこんなところで死んでしまうのか?」
「そうよ!あんたはあんたに殺された私の母親と父親のように、このまま何の抵抗も出来ずに哀れ惨めに死ぬのよ!」
「そ、そんなの!ぼ、僕は認めないぞぉ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!ハリケェェェェェェェェェェェンッ!」
真断罪王Σが全身からビームを一斉発射した状態で高速回転する。
ビームの竜巻と化した二体の人型機動兵器がぶつかり合い、周りの建物や一般市民が粉々に焼き切り刻まれる。
「いいのかァッ!このまま戦闘を続ければ、至高天関東支部の奴らみたいに無駄な人死にを増やすだけだぞぉッ!それでもお前は人類の平和を守る至高天の一員なのかァッ!」
「うるさいッ!私は、例え何を犠牲にしても母と父の仇がとるんだァァァァァァッ!」
二体の人型機動兵器から放たれたビームで形成された巨大な竜巻のぶつかり合いが始まってから約二時間後、ザフィエルの動きが急に停止した。
「そ、そんな!エネルギー切れだと!」
ザフィエルのエネルギー切れを確認した真断罪王Σが高速回転を停止させる。
「貴様らの操縦する銀装天使はしょせん機械だ!まぁ、そうなるわな」
「な、なぜお前の機体はエネルギー切れを起こさない」
「てめぇ!人を馬鹿にするもいい加減にしろよぉッ!いいか!真断罪王Σのエネルギー源は僕の生命力だ!僕の命が尽きない限り、真断罪王Σは無限に動き続ける!おめぇが持久戦に持ち込んだ時点でおめぇの負けは決まってたんだよぉぉぉぉぉッ!」
「じゃあ、私はお前に戦いを挑んでいた時点で負けが決まっていたというのか?」
「そうだ、たかが人間が神に等しき力を持った断罪王様に勝てるわきゃねぇだろぉッ!このボゲぇカスがぁぁぁぁぁぁッ!人がせっかく情けをかけて生かしておいたのに調子づきやがってよぉぉぉッ!そんなにおめぇの母親と父親に会いたきゃあ、今すぐ会わせてやるよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
真断罪王Σが何かに気付いたように動きを止める。
「あ、そうだ、お前、今ハルカがどこにいるか知ってるか?教えてくれたら命は奪わないぜ!」
「バァァァァカァァァッ!そんなこと教えるわけねぇだろカァァァァァスッ!お前も道ずれにしてやるぅぅぅぅぅ!死ねやァァァァァァァァッ!」
ナツミが操縦席の自爆スイッチを押し、ザフィエルが大爆発を起こす。
丸焦げになった真断罪王Σが地面に転がっていた真っ黒なナツミの頭部を手につかみ口に放り込む。
「いただくぞ!ザフィエルの力を!」
ザフィエルの自爆により大ダメージをくらった真断罪王Σの変神が強制的に解ける。
全身煤だらけの宅間セメルは全裸のまま、至高天関西支部に向けて歩き出す。

次回予告 第四十三話 真・断罪王Σ 対 銀装天使アポリオン!仕事中に仕事と全く関係のない話をしていたり、人の悪口を言うやつは一輪車に乗って高速道路逆走しろ!







 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十三話 真断罪王Σ 対 銀装天使アポリオン!仕事中に仕事と全く関係のない話をしていたり、人の悪口を言うやつは一輪車に乗って高速道路逆走しろ!

「シンゴォォォォォォォォォォォォォォーッ!」
深夜、入り口のドアが破壊された至高天関西支部の施設内に奇怪な叫び声が響き渡る。
ザフィエル戦で大ダメージを受け、エネルギーを大量に消費した僕を理性ではもはやコントロールすることのできない強い空腹感が襲う。
そう、だれでもいいから僕は人間が食べたかったんだ!
「また酔っ払いか!バカみたいにでけぇ声出してんじゃねぇぞ!近所迷惑だろ!」
断罪王Σに変神した僕は僕を酔っ払いと勘違いした男性職員の頭部にかぶりつき、そのまま全身も口内に含んで咀嚼する。
「たりねぇんだよ、こんなんじゃよぉ...!」
僕はエネルギーの節約のために、変神を解く。
全裸の不審者に気付いた女性職員が悲鳴を上げる。
「きゃああああああッ!」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇッ」
僕も女性職員の悲鳴に負けないくらいの怒声を上げながら、女性職員の口に両手を突っ込む。
「あが...うごが...!」
「裂き乱れろやぁぁぁぁぁぁッ!」
そして女性職員の口に入れた両手をそのまま横に広げると、女性職員の頭部が血しぶきを上げながら横に真っ二つに裂ける。
僕は口から上がなくなった女性職員を丸のみして、咀嚼する。
防犯カメラの映像から僕の不法侵入に気づいた奴が鳴らしたと思われる非常ベルの音が施設内に響き渡る。
「すばらしいな...これで餌を探す手間が省ける」
武装した職員が全裸の僕を取り囲む。
「深夜に全裸で不法侵入とは...このイカれた社会付適合者め!」
「おめぇら至高天の関東支部はそのイカれた社会付適合者一人に潰されたんだぜ!」
「な、なんだと!では、まさか貴様が噂の...天使狩りの宅間セメル!」
「ほう、お前らが僕のことを知ってるってことはハルカも僕のことを認識してるってことだな...!とりあえず僕に殺される前にハルカの居場所を教えてもらおうか!」
「殺されるのは貴様のほうだァッ!銃撃開始ィィィィィィィッ!」
僕を包囲していた武装した職員が手に持った銃から一斉に銃弾が発射される。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕の鋼鉄の皮膚が四方八方から直撃した銃弾をすべて弾き返す。
跳ね返ってきた銃弾は銃を手にもっていた職員の体に直撃し、死体の山を築く。
「いただきます」
僕は銃を武装した職員を全員食べた。
ザフィエル戦で消費したエネルギーが回復していく。
どこからかラッパの音とバイクが走る音が聞こえる。
背後を振り向くと豆腐屋の制服に身を包んだ美少女がバイクにまたがっていた。
「お豆腐いる?ねぇ、いるでしょ?おいしいよ!」
僕は高速移動でバイクの背後に移動する。
僕はバイクの荷台に積まれた豆腐の入ったケースを両手で持ち上げて、思いっきり床に叩きつける。
床に大量の豆腐が散らばる。
「いらねぇよバーカッ!死ね!」
「あんた、売り物になんてことするのよ!」
「うるせぇ!建物の中にバイクで入ってくんじゃねぇよバーカッ!死ね!」
「不法侵入者に言われたくないわよ!」
「おめぇも不法侵入者だろバーカッ!死ね!」
「残念だったわね、私は銀装天使アポリオンの操縦者で豆腐屋のリンナよ!」
「仲間が皆殺しにされてんのに不法侵入者に豆腐売りつけてんじゃねぇよバーカッ!死ね!」
「あんた!さっきからバカバカうるさいのよ!私が本気出せば、あんたなんて即死なんだから!」
僕はリンナに向かって両手の中指を立てながら太極拳を行う。
「うるせぇ!バーカッ!死ね!バーカッ!うるせぇ!死ね!バーカッ!うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!バーと思わせてからの死ね!」
「その言葉必ず後悔させてあげるわ!出でよ!アポリオン!」
リンナが天井に向かってラッパを吹く。
至高天関西支部が爆発し、煙の中から巨大人型兵器・銀装天使アポリオンが姿を現す。
「豆腐の仇うたせてもらうわよ!」
アポリオンの巨大な手が、断罪王Σに変神した僕の体を握りしめる。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
断罪王Σの筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王Σを掴んでいたアポリオンの手が爆発を起こし、瓦礫の山と化した至高天関西支部に真断罪王Σとアポリオンが向かい合う。
アポリオンの全身から目に見えない衝撃波が放たれる。
しかし、真断罪王Σにはなんのダメージも発生しない。
だが次の瞬間、僕の目の前に豆腐の製造過程の映像が流れる。
「これがアポリオンの脳波攻撃、アポリオンウェーブよ」
「貴様、こんなふざけた映像を俺に見せてなにがしたいんだ!お前は本当に僕を倒す気があるのか?」
「もちろん、そのつもりよ。でもその前に、あんたが今日、台無しにした豆腐がどういう過程で作られているのか知ってほしいのよ」
「それは、つまり、お前はいつでも僕を殺せると、そう言いたいのか?」
「その通りよ、でも今は豆腐の製造過程の映像を見なさい」
僕の目の前で豆腐の製造過程の映像が流れ続ける。
「豆腐はとっても体にいいのよ!」
リンナの両親と思われる老夫婦が手慣れたしぐさで豆腐を作っている。
「あれはお前の両親か」
「そうよ、この辺で豆腐屋を営んでいるわ。私も今日みたいに手伝える日は手伝ってるのよ、私の夢はお父さんとお母さんが作った豆腐で世界中のみんなを笑顔にすることなの」
俺はこの世界の全てが記された終末黙示録にアクセスしてリンナの両親は経営している豆腐屋の住所を特定した。
両目をつぶると、アポリオンウェーブにより遮断されている現実の景色がぼんやりと脳内に浮かんでくる。
視界が悪いが、おそらくこの辺のはずだ。
「終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σに変神した僕の全身から放たれたビームの雨がリンナの両親が経営している豆腐屋のあるあたりに降り注ぐ。
「どう、あんたがバカにしてた豆腐のすごさ思い知った?」
「いいのか、豆腐の話なんかしていて」
「あんた!まだ豆腐のことバカにしてんの?」
「お前の両親が経営している豆腐屋のある町あるだろ、今、火の海になってるぜ」
「ほ、本当だ!あんたなんてことを!でも私のアポリオンウェーブの影響下にありながらなぜ、攻撃できたの?」
「五感で感じることができなければ、心の目で確かめるだけだ。お前の両親も両親の豆腐屋、俺はお前の大切なものを今、粉々に破壊してやったぞ!どうする?まだ生きるのか?」
「あ、あんただけは絶対に許さない!アポリオンウェーブ最大出力!」
僕の目の前が真っ白になる。
僕は気がつくとリンナの両親が経営している豆腐屋の作業場にいた。
「今日からこの店で働く、宅間セメル君だ、みんなよろしくな」
僕の目の前には豆腐屋の作業服に身を包んだ従業員達がいる。
「僕の名前は宅間セメルです、今日からお世話になります。よろしくお願いします」
僕の脳はこれがアポリオンウェーブによる幻覚であると警鐘を鳴らしている。
豆腐屋のみんなは本当に優しくて僕はすぐに仕事を覚えることができた。
お昼休みになると、お弁当の中身がイヌサフランと大量のムカデだった僕を心配した、リンナのお父さんがムカデ弁当の代わりに豆腐を食べろと言ってきた。
僕はリンナお父さんに素手で手渡された豆腐を食べた。
とてもおいしかった。
豆腐の味は高熱を出して洗面器に吐しゃ物を吐き出したばかりの口腔内に充満する強い酸味を思い出させる。
僕は感動のあまり、作業場のキッチンから包丁を持ち出して、僕にやさしくしてくれた豆腐屋の従業員たちを斬殺していた。
僕は豆腐屋の従業員たちに感謝の言葉を送りながら、包丁で従業員達を切りつける。
「今日まで本当に色々お世話になりました!」
僕に斬殺された豆腐屋の従業員たちは皆、笑顔を浮かべながら両手に持った募金箱を天にかざしている。
リンナの両親の肉体がアイスクリームのように溶けていく。
募金箱に、リンナの両親の顔が印刷された紙幣がたまっていく。
そして募金箱がいっぱいになると、募金箱が炎に包まれて豆腐屋の作業場を火の海にしてしまう。
僕はそこで、なにもしないまま、逆立ちをしている。
ここから逃げなければ焼死するとわかっていながら、逆立ちを続ける。
僕の体が火の海に包まれる、僕に斬殺された豆腐屋の従業員たちが満面の笑みを浮かべ涙と鼻水を流しながら逆立ちをしている。
でも逆立ちを続ける豆腐屋の従業員の目と鼻から流れる涙と鼻水は重力を無視して天井に向かって流れている。
リンナの両親が溶けてできたアイスクリームが作業場に広がる炎を鎮火して、作業場に歓声が上がる。
作業場のロッカーからもう一人の宅間セメルが現れて、逆立ちをしている僕に話しかけてくる。
「お前の先祖は三輪車の運転免許を持っていない、その理由をお前はあと三秒以内一文字以内で俺に説明しなければならない」
「セッ●ス‼」
僕は身体が大人のまま、産声を上げながらベビーカーに乗った状態で四方八方に色とりどりの花が咲いた宇宙空間を走り続ける。
目の前が閃光に包まれる。
気がつくと、僕の前には機能を停止したアポリオンが地面に横たわっている。
おそらく、アポリオンウェーブの出力を最大で発射したために、操縦者であるリンナ自身にもアポリオンウェーブの幻覚が発動したことが原因だろう。
今、リンナは自分が最大出力で放ったアポリオンウェーブを浴びて、いったいどんな幻覚を見ているのだろう。
僕はリンナの意識が現実に戻ってくる前にリンナとアポリオンを食べた。
「発動者さえ巻き添えにするアポリオンウェーブを搭載したアポリオンの力、頂いたぞッ!」
変神を解いた僕は至高天中部支部に向かって歩きだす、もちろん全裸のままで。

次回予告 第四十四話 真・断罪王Σ 対 銀装天使バトラエル!非正規労働者を馬鹿にする専業主婦は旦那に浮気されろ!





 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十四話 真・断罪王Σ 対 銀装天使バトラエル!非正規労働者を馬鹿にする専業主婦は旦那に浮気されろ!

「君はどうして全裸で歩いているのかな?」
全裸で中部地方を歩いている僕に警察官が聞いてくる。
おそらく、どっかの非常識なバカが僕を露出狂と勘違いして警察に通報したのだろう。
「なにが悪いんだよ...!」
「え?」
「裸になって何が悪いんだよ!」
僕は警察官の頭部をぶん殴る。
鼻血を流しながら地面に横たわる警察官の制服のポケットから財布が落ちる。
僕はその財布を手にもって中を確認する。
財布の中にはおそらく嫁と子供であろう家族の写真と免許証が入っていた。
「お前はこの写真に写っている家族のために一生懸命生きてるんだな!」
「ああ、そうだ!」
「この写真に写る家族がお前の生きる意味なんだな!」
「ああ、そうだよ、俺はお前みたいな社会付適合者から社会適合者と大事な家族の生活と未来を守るために、生きてるんだ!」
「じゃあ、僕が今すぐぶっ壊してやるよォッ!お前の生きる意味をなァッ!」
僕は警察官の財布に入っていた運転免許証から、警察官の住所を確認する。
「おい!警察官ッ!お前、ミツルって名前なのか」
僕は警察官ミツルの両手足の骨を素手で粉々にすると肩に担いでミツルの自宅に向かって超速移動を開始する。
僕の目の前にいかにも充実した人生を送っていそうな人間たちが住んでいる三階建ての一軒家がある。
「ここがミツルの家か...三階建てなのと、標札が英語なのがマジでムカツクなァッ!死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
僕はミツルの自宅への不満に満ちた呪詛を吐きながら、ミツルの自宅のインターホンを連打する。
そしてミツルの自宅の玄関が開く前に両手足が使い物にならなくなったミツルを一階の窓ガラスに向かってぶん投げる。
窓ガラスに突如投げ込まれた大黒柱の無残な姿に、一階から悲鳴が上がる。
「久しぶりですね」
「あ、あなた誰?」
ミツルの嫁と思しき美少女が娘を抱きしめながら僕を見て恐怖している。
「あれれ、忘れちゃったんですか?僕ですよ、ほら、今、あなたが抱きしめている娘の本当の父親ですよ」
僕の言葉に動けなくなった上に全身にガラスの破片が突き刺さり、血まみれの状態のミツルが自分の嫁に対して不安げな視線を向ける。
まるで、僕の言葉を半分信じてしまっているような視線を。
「バ、バカなこと言わないでよ!この娘はミツルさんとの子どもです!私はあなたなんか知らないわ!」
「どうしてそんなひどいウソつくんですかね。そりゃあ、僕みたいな無職より警察官のミツルさんの方がお金もってますもんね、しかたないか」
「ふ、ふざけたこと言わないで!ミツルさん、この人の言うことを信じちゃ駄目よ」
「わ、わかってるよ、マイカ。それより子供をつれて早くここから逃げるんだ!」
僕はミツルの首を掴んで持ち上げる。
「僕から逃げれば、ミツルはこのまま殺します。それでも僕から逃げますか?」
「マイカ!騙されるな!この社会付適合者は俺の目の前でお前たちを殺すのが目的なんだ!早く子供をつれて逃げるんだ!」
ミツルとマイカの子供が大声で泣き始める。
「早くしろ!走れぇぇぇぇッ!マイカ!走れぇぇぇッ!」
マイカがミツルとの間に出来た子供を胸に抱きしめて全力疾走で家から外に出る。
外から車と何かがぶつかった衝突音が聞こえてくる。
僕は全身血塗れのミツルを肩に担ぎ、外に出て何が起きたのか確かめる、大きなトラックが一台、ミツルの家の前にとまっていた。
トラックの下から赤黒い液体が広がっていく。
「あ~あ、僕から逃げなければ、こんなことにはならなかったのに...」
「お、俺が悪いのか?俺がマイカに逃げろと言ったせいでこんなことになってしまったのか?」
「そうだミツル!全部お前が悪いんだァッ!ざまぁみろォッ!アヒャッヒャッヒャッ!ヒ―ッ!ヒ―ッ!こりゃあ、笑いがとまんねぇぜぇぇぇぇぇッ!アヒャッヒャッヒャッヒャッ!よっしゃあァァァァァァァァァァァッ!俺の完全勝利ッ!全部俺より幸せそうなおめぇが悪いんだよッ!バァァァァカッ!このクソバカ野郎がァァァッ!生意気に三階建ての一軒家になんて住みやがってよぉぉぉッ!」
僕は肩に担いでる両手足の骨を砕かれ全身血塗れのミツルを道に放り投げる。
「せいぜい生きてみろよ!その体でなァァァッ!」
「貴様ァァァァァァァァァァァッ!」
両目から涙を流ているミツルが憤怒の形相で僕に向かって叫んでくる。
僕に対して何もやり返すことができず、罵詈雑言をぶつけることしかできないミツルに向かって僕は満面の笑みを浮かべながら両手の中指を立てて、反復横飛びをして挑発する。
目の前の光景にドーパミンが出まくる、僕の口から反射的に意味不明な言葉が放たれる。
「ワンチャカジンジョンガルボネべブッ!ワンチャカジンジョンガルボネべブッ!ワンチャカジンジョンガルボネべブッ!オブゥァァァァーンッ!ブイアブイアァァァァッ~‼」
「お前だけは絶対に許さん!いいか必ず俺はお前に復讐するッ!今日俺をここで生かしたことをいつか必ず後悔させてやるッ!」
地面に横たわったまま、僕に向かって罵詈雑言をぶつけるミツルの背後から大型ワゴンが全速力で迫ってくる。
僕は前を向いて至高天中部支部を目指して歩き始める。
「ちょっと、すいません、頭、もらいますね」
僕は通行人からすれ違いざまに奪った頭部を至高天中部支部の入口ドアに向かってぶん投げる。
僕の投げた通行人の頭部がガラスでできた至高天中部支部の入り口ドアに直撃・貫通する。
僕は何の罪もない通行人の胴体を食いながら至高天中部支部に不法侵入する。
「俺は天使狩りの宅間セメルだァッ!ハルカはどこだァァァァッ!おい!だれか出て来いよ!誰もでてこねぇならこっちから仕掛けるぜぇぇぇ!今日は最初から全力で行くぜぇぇぇぇぇッ!シンゴォォォォォォォォッ‼」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
僕が初手から真断罪王Σに変神した影響で至高天中部支部が爆発する。
「ハルカァァァァァァァァァッ!出てこいやぁぁぁぁぁぁぁぁッ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームが町中に直撃する。
火の海と化した市街地から大きな黒い影が近づいてい来る。
「来たなァッ!銀装天使!」
銀装天使バトラエルの胸部から放たれた電撃が真断罪王Σに直撃する。
真断罪王Σの体を通して僕の全身に強力な電撃が流れる。
「うぐぅああああああああッ!痛ぇよぉぉぉぉッ!」
バトラエルの胸部から絶え間なく電撃が放たれ、真断罪王Σに直撃する。
「くっそぉぉぉッ!こうなったらやけくそだァッ!くらえぇぇぇッ!アポリオンウェーブッ!」
真断罪王Σの頭部から操縦者に幻覚をみせる力を持つアポリオンウェーブがバトラエルに向かって放たれる。
俺はアポリオンの操縦者の両親が経営している豆腐屋にいた。
「相手との距離が近かったせいか、それとも威力の調整にミスったのか、どうやら俺も幻覚に巻き込まれたみたいだな」
「ここはいったいどこだ!」
幻覚世界に無理矢理連れてこられたバトラエルの操縦者・キリミが周りの景色を見て疑問を口にした。
「どうやらアポリオンウェーブの攻撃は成功したみたいだな」
「お前は、天使狩りの宅間セメル!」
「そうだ、お前は僕の放ったアポリオンウェーブによって幻覚の世界にいるんだ」
「なぜ、アポリオンの武器をお前が使えるんだ」
「コレを読めばわかるさ」
僕は真断罪王Σの全てが記された終末黙示録をキリミに手渡す。
キリミが終末黙示録に目を通す。
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!頭が痛いよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!うぐぅあああああああああああッ!」
するとキリミの両目と鼻の穴と耳の穴から大量の血が流れ始める。
キリミは手に持っていた終末黙示録を地面に投げ捨てる。
そう、終末黙示録は地球の意思の代弁者に選ばれた人間だけが読み、理解することを許される本なのだ。
つまり、地球の意思の代弁者に選ばれていない人間が終末黙示録を読むと、その莫大な情報量に脳が耐えられなくなるのだ。
「宅間セメル!貴様は最初から私にここでこの本を読ませるつもりだったんだな」
「ああ、そうさ。どうやら現実の戦闘では勝てそうになかったからな、これでとどめだ」
僕は地面に落ちていた終末黙示録を拾って、開くと、キリミの顔面に押し付ける。
僕によって強制的に終末黙示録のページを見せられてたキリミの目と鼻の穴と両耳の穴から大量の血が噴出する。
「あぐごがぎぐあぐぅぁぁぁぁぁぁッ!」
幻覚世界の豆腐屋の地面に顔面血塗れのキリミが横たわっている。
「よし、あとはお前を食ってバトラエルの力をいただくだけだ!」
僕はアポリオンウェーブの幻覚世界を解除した。
操縦者であるキリミが大量出血で死亡したバトラエルは火の海の中で機能を停止していた。
真断罪王Σがキリミの死体をバトラエルごと食べ始める。
僕は変神を解くと全裸のまま、至高天四国支部に向かって火の海の中を歩き続ける。

次回予告 第四十五話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ヨムヤエル!人の職業をバカにするやつはボールペンのみで全く興味のない外国語の筆記試験を受けろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十五話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ヨムヤエル!人の職業をバカにするやつはボールペンのみで全く興味のない外国語の筆記試験を受けろ!

僕は全裸のまま徒歩で至高天四国支部に到着した。
至高天四国支部の前には大勢の人々が集まってなにやら大きな声を出している。
「宅間セメルを引き寄せる至高天は四国地方から出ていけぇぇぇぇッ!」
「そうだ!これ以上、宅間セメルと銀装天使の戦いに一般市民を巻き込むのはやめろぉぉぉぉッ!」
「四国地方を宅間セメルと至高天から守るんだぁぁぁぁッ!」
「そうよ!四国地方を関西地方のような火の海にしては絶対にいけないわ!」
至高天関西支部に集まった人々が手に持った石やゴミを至高天関西支部に向かって投げる。
とにかく、僕の操縦する真断罪王Σと銀装天使の戦闘をニュースで見たやつらが戦いに巻き込まれるのを恐れて、至高天四国支部そのものを四国地方から追い出そうとしているのだ。
至高天四国支部の建物からは銃を装備した警備隊が大勢出現して、至高天四国支部の前で暴れたり叫んだりしているやつらに近づいていく。
そして、至高天に対して恨みを持っていると思われる一人の男が酒瓶を警備隊の一人に向かって投げつけた。
酒瓶が警備隊の一人の頭部に直撃し、出血する。
至高天四国支部の警備隊にしてみれば、その出血は正当防衛を盾にした戦闘開始の合図だった。
警備隊のやつらが手に持った銃から銃弾が群衆に向かって放たれる。
銃弾の直撃を受けた群衆が一斉に倒れる。
出血していないところを見ると、おそらく麻酔銃なのだろう。
しかし、それは群衆の怒りを増大させるだけだった。
「至高天が本来守るべきはずの市民に銃弾を放ったぞぉぉぉッ!」
「暴力反対!」
「四国地方から出ていけぇぇぇぇッ!」
僕は全裸のまま、警備隊と群衆の間に割り込んだ。
「おい!俺は天使狩りの宅間セメルだァッ!お前ら人間同士で争ってんじゃねぇよ!お前たちが人類がいまするべきことは人間同士で争うことではなく、人間同士、互いに手を取り合いともにアンノウンと真・断罪王Σと戦うことじゃないのか!」
諸悪の根源である僕の訴えに対して、群衆は罵詈雑言は吐きながらゴミや石を僕に向かって投げる。
「お前が言うなァァァァァァァッ!」
「死ねぇぇぇぇぇッ!」
「四国から出ていけぇぇぇッ!」
「宅間セメル死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
警備隊は銃弾を麻酔銃から実弾に切り替えて、銃撃を僕に放つ。
「なぜだァッ!なぜお前たち人間は同じ生き物なのに互いに傷つけあうことをやめないのだ!お前たちのそのような浅はかな心が地球の環境を汚染し、戦争による無意味な犠牲者を増やし続ける!だから、地球の意思はお前たち人間を強制的にアンノウンに進化させて地球から根絶やしにしようとしている!だから、断罪王がここにいる!いいか、アンノウンと断罪王と銀装天使による終末戦争!この状況を作り出したのは互いに傷つけあうお前たち人間の愚かな心が原因なんだぞ!」
人々はそれでも僕に対する罵詈雑言と銃撃をやめない、なら答えは一つだ。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
全裸の僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
真断罪王Σに変神した僕は群衆と警備隊を踏みつぶす。
「終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身からは放たれた無数のビームが各地に直撃し、四国地方が火の海に包まれる。
人々の悲鳴に反応したのか、瓦礫の山と化した至高天四国支部の地下から、銀装天使ヨムヤエルが現れる。
銀装天使ヨムヤエルの全身から放たれた羽根を持つ無数の機械虫が真断罪王Σに襲い掛かる。
機械虫が真断罪王Σの全身の装甲をかみ砕く。
そのダメージが僕の肉体にフィードバックする。
「うぐぅああああああああああッ!」
真断罪王Σが胸部からザフィエルキャノンを出現させ、極太ビームを発射しながら高速回転を始める。
巨大なビームの竜巻が四国地方に出現する。
しかし、それでもヨムヤエルの機械虫が断罪王Σの全身から離れることはなかった。
「終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームが全身に装甲にしがみつく断罪虫に直撃する。
しかし、ビームの直撃を受けた断罪虫はビームを吸収してしまう。
「なら、本体を直接ぶっ壊すだけだァッ!出でよ!アカイアーエッジ!終末のシグマスラァァァァァァァァッシュッ!」
真断罪王Σが異次元から出現させたアカイア―エッジから超強力な衝撃波がヨムヤエルに直撃する。
しかし、ヨムヤエルの全身の装甲に寄生している機械虫がシグマスラッシュのエネルギー衝撃波をすべて吸収してしまった。
「ぼ、僕の攻撃がすべて吸収される...!」
驚愕している間にも僕の全身にはヨムヤエルから放たれた機械虫によるダメージが続く。
「うごぐぎぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
やはりコレを使うしかないのか!
「アポリオンウェーブ!最大出力!」
真断罪王Σの全身から幻覚作用を持つアポリオンウェーブが最大出力で放たれる。
幻覚作用を持つアポリオンウェーブの目に見えない衝撃波が真断罪王Σとヨムヤエルに直撃する。
僕はまた、あのいつもの豆腐屋の作業場にいた。
僕はキリミの時と同じパターンでこの幻覚世界に引きずり込んだヨムヤエルの操縦者に終末黙示録を無理矢理読ませて、顔面大量出血で殺害する計画を立てる。
豆腐屋の作業場の冷蔵庫からヨムヤエルの操縦者と思しき美少女が出てきた。
僕は美少女の視線の先に終末黙示録を開いた状態で見せつける。
終末黙示録の膨大な情報量がヨムヤエルの操縦者の脳内に流れ込む。
ヨムヤエルの操縦者の脳内に暴力的に流れる膨大な情報とこの世界の真理。
体の異変を察知したヨムヤエルの操縦者は両目から大量の血を流し、終末黙示録から目をそらす。
僕は終末黙示録を開いたまま、ヨムヤエルの操縦者が目を背けた先に移動する。
「くっ!その、読んでいると頭がおかしくなる本を私に見せるな!それに、このわけのわからん場所はいったいどこなんだ!」
「この終末黙示録を読めばわかるよ」
「しかし、読めば私は死ぬのだろう?」
「終末黙示録を読まなくても、人間はいつか死ぬ。大金持ちも死ぬ、金がない人も死ぬ、無職も正社員も低学歴も高学歴もえらい人もえらくない人もいじめっ子もいじめられっ子もみんないつか死ぬんだよ。だからここで死ねなくても君はいつか死ぬんだよ」
「黙れぇぇぇッ!貴様の言っていることはすべて自分が社会不適合者であることに対する言い訳だ!貴様は自分にそう言い聞かせることで社会に適応できない自分自身を正当化したいだけだ!甘えるんじゃねぇよ!現実から目をそむけてんじゃねぇよ!」
「確かにあなたの言っていることは正しいのかもしれない。でもあなたは僕のさっきの言葉にすこし共感してしまった、そんな自分が許せないから、あなたは僕に反論したんだ」
「違う!やめろ!そのわけのわからん本を、無理矢理、顔に押し付けるな!」
「現実から目を背けるなと言ったのはあなたの方ですよ。どうですか、素晴らしいでしょう、この終末黙示録に記された膨大な情報と世界の真理は!」
「わ、私は信じないぞ!貴様のその力が、教祖様の持つ力と同じ性質の力であることなど!」
「すごいですね、終末黙示録の内容を一部理解している。でもこの本に記されていることは全て真実であり、真理なのです。現実から目を背けてはいけませんよ」
「黙れぇぇぇぇッ!うぐぅあああッ!血が、血が止まらない...!」
ヨムヤエルの操縦者は両目・両耳・鼻の穴から大量の血液を流しながら、ちかくにあった掃除用のモップで僕に襲い掛かってくる。
「死ねやァァァァァァッ!
僕はモップ攻撃を回避すると同時にヨムヤエルの操縦者の足首を蹴り倒して、転倒させる。
地面に仰向けに倒れたヨムヤエルの操縦者の顔面に終末黙示録を直に押し付ける。
「読めや読めや読めや読めや読めや読めや読めや読めや読めやぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
ヨムヤエルの操縦者の顔面から吹き出す大量の血液が終末黙示録のページに跳ね返り、豆腐屋の作業場の床を真っ赤に染める。
「ハルカの居場所はどこだ!教えろ!まぁ、お前が僕にハルカの居場所を教えても教えなくてもお前は死ぬんだけどなァッ!」
「ククク...その様子だと、終末黙示録でも教祖様の居場所はわからないようだな!終末黙示録にはこの世界の真実と真理が記されているんじゃなかったのか?」
「お前、今、僕をバカにしたなァァァァッ!お前が僕をいくら馬鹿にしても、お前は僕に負けたんだよぉッ!僕の勝ちなんだよぉぉぉぉぉぉッ!」
ヨムヤエルの操縦者の美少女は僕になにも言い返してこない。
ヨムヤエルの操縦者はまるで勝ち逃げしてやったぞと言わんばかりに、顔に薄ら笑いを浮かべたまま硬直している。
「お、僕の勝ちだァッ!僕は勝ったんだよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
僕はモップの替糸を天井の方に向ける。
僕はモップの替糸の逆の位置にあるグリップの部分をヨムヤエルの操縦者の鼻の穴にぶち込んで回す。
僕はそれを約二時間程続けていたが、途中で飽きたのでアポリオンウェーブを解除して幻覚世界から現実世界に帰ってきた。
火の海と化した四国地方に死亡した操縦者を乗せたヨムヤエルが立っている。
ヨムヤエルの機能の停止と同時に真断罪王Σの全身に寄生していた機械虫もぽろぽろと地面に落下していく。
僕は真断罪王Σの状態で飛翔すると、至高天九州支部に向けて移動を開始した。

次回予告 第四十六話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ズルファス!定食屋でごちそうさまを言う人間をバカにするやつは人生で一番幸せを感じる瞬間に人生で一番大切なものを永遠に失え!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十六話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ズルファス!定食屋でごちそうさまを言う人間をバカにするやつは人生で一番幸せを感じる瞬間に人生で一番大切なものを永遠に失え!

四国地方から九州地方に到着した僕は一度、変神と解いた。
先程の戦闘と長距離移動で僕はかなりのエネルギーを消費していた。
僕は全裸のままスーパーのバックルームに不法侵入すると、各部門の作業場でいい歳したパートの男性に嫌味を言ったり、嫌がらせをしているパートのババアを皆殺しにして食った。
まだまだ食い足りない僕は全裸のままスーパーを出ると、食い殺したパートのババア共の運転免許証に記された住所に向かって移動を開始する。
僕は全裸のまま僕が食い殺したパートのババア共の住居に不法侵入を繰り返し、パートのババア共の家族も全員皆殺しにして食った。
エネルギーの補給を終えた僕は全裸のまま徒歩で至高天九州支部へと向かう。
僕はその間、人の悪口を言っているババアと無職をバカにするババアを一人残らず食い殺し、盗んだ財布から取り出した運転免許証から確認した住所をもとに、ババアの家族を皆殺しにして食った。
至高天九州支部の周りでは四国地方の時と同じく、市民と至高天九州支部の警備隊との衝突が起こっていた。
「至高天は九州地方から出ていけー!」
「宅間セメルを九州地方に引き寄せる至高天は九州地方から出ていけー!」
群衆の投げる数々のモノや石が至高天九州支部の窓ガラスを粉々に破壊する。
そして、至高天九州支部の建物から白い制服に身を包んだ茶色が特徴的な髪の長い美少女が出てくる。
「私は銀装天使ズルファスの操縦者、ネリカです!みなさん、聞いてください、我々、至高天は命をかけて、みなさんをアンノウンや宅間セメルから守るために活動しています。どうか我々を信じてください!我々とみなさんが争ってもこの世界に平和は訪れません!」
「信じられるわけがないだろ!銀装天使は、まだ一度も宅間セメルに勝てたことがないんだぞ!」
「そうだ!宅間セメルの狙いは至高天の教祖だ!お前たち至高天がここにいると、九州地方も四国や関東のように火の海になっちまうんだ!お前たち至高天は厄病神なんだよ!」
群衆の一人が投げた酒瓶がネリカの頭部に直撃した。
至高天九州支部の警備隊が一斉に銃口を群衆に向ける。
「撃ってはなりません!たとえ、麻酔銃であっても、銃を撃てば争いが争いを呼ぶだけです!我々、至高天の目的が人類救済であることを忘れてはなりません!」
ネリカの叱責に警備隊が一斉に銃を腰のホルスターに戻す。
「みなさん聞いてください!約束します!銀装天使ズルファスの操縦者である私が必ず、みなさんと九州地方を宅間セメルから守って見せます!私は約束は絶対に守ります!」
「なら、今すぐそれを証明してもらおうか!」
突然、全裸で現れた僕の姿を見た群衆が悲鳴を上げながら至高天九州支部から離れていく。
「て、天使狩りの宅間セメルだぁッ!みんな逃げろ!」
「九州地方はもう終わりだ!」
ネリカが僕に人差し指をさして宣言する。
「やはり来ましたね、天使狩りの宅間セメル!でも、残念ながらここにあなたが探している教祖様はいません!いますぐ九州地方から出ていきなさい!」
「なら、おめぇらの教祖様の居場所をとっとと教えろ!」
「教祖様の居場所は私にもわかりません、ここにいてもあなたの望みは叶いません!」
「シンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
真断罪王Σに変神した僕はネリカを踏みつぶそうとする。
ネリカが手のひらを天にかざす。
「出でよ!銀装天使ズルファス!」
上空から閃光放たれ、ネリカを包む。
僕の目の前にはネリカの搭乗した銀装天使ズルファスは立っている。
「お前が九州地方の市民とした約束を僕が今ぶっ壊してやるよぉぉぉッ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームの雨が九州地方に降り注ぎ、各地で悲鳴が上がる。
爆炎に包まれる九州地方をズルファスの操縦席にいるネリカは黙ってみていることしかできない。
「おいネリカちゃんよぉッ!おめぇ、約束は絶対に守るんじゃなかったのかぁ?」
「どうして...こんなひどいことを!私たちは命がけでアンノウンや宅間セメルと戦っているのに、市民にはひどいことを言われ、おまけにその市民すら守れない!私は...私はいったいどうしたらいいのよ!」
「おいおい、まだ戦いは始まったばかりだぜぇ?あんまり僕をがっかりさせないでくれよな~」
戦意を喪失した操縦者を乗せたズルファスを攻撃しようとする僕の体が突然、動かなくなる。
「ネリカ!貴様、僕になにしたぁッ!」
「ズルファスの...ズルファスのヘブンズジャックを発動しました...!あなたの操縦する真断罪王Σはもう永遠に動けない...!」
「くっ!なぜだ!なぜ動かない!ちくしょう!これじゃあアポリオンウェーブも発動できない!」
「私がもっと早く、ズルファスを起動していれば、九州市民の人々は死なずに済んだかもしれない」
「それは違うな!お前は国民のために命がけで僕やアンノウンと戦っている至高天を厄病神扱いした九州市民が憎かったんだ!だから僕がここに現れる前にズルファスを起動させなかった!」
「でたらめなこと言わないで!私はたとえどんなことがあっても守るべき市民を憎んだりしないわ!」
「うそだなァッ!」
「うそじゃないわ!あなたがどんな罵詈雑言を私にぶつけようと、この戦い、私が有利なことには変わりないわ。今すぐ降参して至高天に自首しなさい!」
「お前はうそつきだァッ!ならお前は僕に命がけで勝負を挑んで無様に食い殺された銀装天使の操縦者たちを九州市民にバカにされ、厄病神扱いされたとき、本気で九州市民を憎まずにいられたのか?もっと自分に正直になれよ!」
「そんな挑発に私がのると思ったら大間違いよ、あなたは私の操縦するズルファスに負けたの、現実をちゃんと見なさい」
体は動かんが、口は動くのか...いや口の感覚もだんだん麻痺してきている...ならチャンスは今しかない。
僕は目をつぶり集中する、真断罪王Σの両手がソフィエルハンドに変化して、ズルファスに襲い掛かる。
「そうか!操縦できなくてもソフィエルハンドなら脳波で自由自在にコントロールできる!」
だんだん、口を動かすのがしんどくなってきたな...だからこれで!
二つのソフィエルハンドが弓と弓矢を持っているズルファスの両手を掴み、電撃を放つ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
本体が電撃攻撃を受けた影響で僕の肉体を麻痺させていてるズルファスのヘブンズジャックが解かれる。
「もっと痺れさせてやるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
僕はバトラエルから奪った電撃攻撃を真断罪王Σの胸部から放つ。
バトラエルの電撃とソフィエルハンドの電撃を同時に受けたズルファスからネリカの悲痛な叫び声が聞こえてくる。
「お母さん!お父さん!お姉ちゃん!痛いよぉぉぉぉッ!助けてぇぇぇぇッ!」
電撃攻撃を浴び続けるズルファスのシステムが操縦者の命を守るために胸部コックピットを強制イジェクトする。
ズルファスから強制イジェクトされた胸部コックピットが地面に叩きつけられる。
「まずい!このままではネリカに逃げられたらズルファスのエンジェルジャックシステムを吸収できない!」
胸部コックピットから全身大やけどを負ったネリカがボロボロの制服を纏った状態で出てくる。
そして満身創痍のネリカの周りに戦火から生き延びた至高天九州支部に対して批判的な言動を行っていた人々が集まってくる。
「おいネリカちゃんよぉ...お前は俺達を守るって言ってたよなぁ...」
「い、言いました...」
「ならなんで俺の家族は爆発に巻き込まれていなくなっちまったんだ!」
「す、すいませんでした...」
ネリカは集まってきた人々に対して土下座をしてお詫びをする。
「このウソつきめぇッ!俺達の家族を返せぇッ!」
「すいませんでした」
「そうだ返せぇッ!」
「すいませんでした」
「死ねぇッ!ネリカァッ!」
「すいませんでした」
「偽善者がァッ!」
「すいませんでした」
「母さんを返せ!」
「すいませんでした」
「前からファンでした!サインください!」
「すいませんでした」
「父ちゃんを返せ!」
「すいませんでした」
「九州地方から出ていけぇぇッ!」
「すいませんでした」
「このクソ雑魚至高天のクソ雑魚銀装天使パイロットめぇッ!正義の味方やめちまぇぇ
ぇぇッ!」
「すいませんでした」
「もしよかったら、お詫びに今度僕とデートしてくれませんか?結婚でもいいですよ」
「すいませんでした」
「おめぇが土下座しても俺達の家族は帰ってこねぇんだよぉッ!」
「すいませんでした」
僕の放った終末のシグマブラスターで大事な家族を失った人々がやり場のない怒りを土下座をしたまま動かないネリカにぶつける。
ネリカは人々の罵詈雑言に対して土下座をしながら謝罪することしかできない。
「口で謝るなら誰でもできるんだよ!本当に反省してるなら、行動で示してもらわないとなァッ!」
僕のせいで家族を失った一人の巨漢がネリカの唇を奪う。
僕は今、人生で一番、人間が醜いと思っていた。
地球の意思とやらがなぜ、人類をアンノウンに進化させ、滅ぼそうとするのか、なぜ、社会付適合者に断罪王の力を与えるのか、僕はその理由がわかったような気がする。
僕は真断罪王Σの右手でネリカを掴むと口の中に放り込んで咀嚼する。
そのあとすぐにネリカにたいして非人道的な行いをした人々も手に掴んで口の中に放り込んで咀嚼する。
ネリカを食ってズルファズのヘブンズジャックの力を手に入れた僕は変神を解くと全裸のまま、やりきれない思いを胸に抱きながら九州地方から立ち去ることにした。

次回予告 第四十七話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ガデルエル!自分が両親から自立していることを露骨にアピールしてくる独身の社会人共は通勤時にローラースケートを履いたまま、急な坂を駆け上がれ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十七話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ガデルエル!自分が両親から自立していることを露骨にアピールしてくる独身の社会人共は通勤時にローラースケートを履いたまま、急な坂を駆け上がれ!


九州地方で人間たちの醜さを思い知った僕は北海道にいた。
他の地方の至高天の支部を襲撃してみたものの、そこにはハルカの姿はなかった。
そして、最後に残ったのが北海道だった。
僕は全裸のまま北海道のスーパーのバックルームに不法侵入する。
そして各部門にいる、いい歳したパートの男性をいじめているパートのババアを食い殺す。
ついでに食い殺したパートのババアの財布から盗んだ運転免許証に記された住所を情報源にしてパートのババアの家族も全員見つけては食い殺した。
各企業で非正規労働者をいじめる正規労働者や新入社員も食い殺した。
自分たちの作った子供を虐待したり殺害したりしているやつらも食い殺した。
金もないのにセッ●スしてる男女も食い殺した。
避妊すれば妊娠しないと思ってる男女も食い殺した。
しかし、殺しても殺してもそういうバカが減ることはない。
でもそういうバカがいるおかげで俺は食う飯に困らない。
同じ人間でありながら、周りの人間を傷つけなければ自分の価値を確認できない奴はこの世界にはいてはいけないのだ。
つまり、俺はこの世界にいてはいけない人間を食っている。
俺の行いは世のために人のためになっているのだ。
至高天北海道支部の周りには毎日、大勢の人々が集まり、四国地方や九州地方の時と同じく、市民と警備隊のにらみあいが続いている。
「至高天は北海道から出ていけぇぇぇッ!」
「宅間セメルに勝てないクソ雑魚至高天は北海道から出ていけぇぇぇッ!」
「至高天死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「クソ雑魚銀装天使!」
群衆のたび重なる罵詈雑言に対して至高天北海道支部の警備隊たちは空に向かって銃弾を放ち、威嚇を繰り返している。
僕は至高天に罵詈雑言をぶつける愚かな群衆と至高天北海道支部の警備隊のやつらに向かって叫ぶ。
「僕は天使狩りの宅間セメルだァァァァァァァァァッ!今日はおめぇら人類に言いたいことがあるッ!耳かっぽじってよく聞けぇぇッ!おめぇら全員死ねやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
警備隊が僕に銃口を向ける。
群衆が悲鳴を上げながら逃げていく。
「シンゴォォォォォォォォォォォォォォッ!」
僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
断罪王Σに変神した僕は悲鳴を上げながら逃げる群衆も警備隊のやつらも一人残さず食い殺す。
生臭い血でできた水たまりの中心で僕は叫ぶ。
「マネェェェェェェェェェェェェッサプラァァァァァァァァァァァイッ‼」
至高天北海道支部から重装備をした警備隊員たちが現れ、僕を囲む。
警備隊員達は皆、上から出撃を命じられたのか、勝ち目がないことがわかっているのか、全員が泣きそうな顔をしている。
「おい!おめぇらよぉ!そんなに出動したくねぇなら、しなきゃいいだろ!馬鹿な上層部の判断に従って死ぬのと、ここから逃げて至高天クビになって生き延びるのと、おめぇらどっちが大事なんだよぉッ!自分の人生だろォッ?どうしてもっと自分に正直に生きないんだよぉッ!生きていられるなら、会社なんて首になっても全然問題ないだろ!社員の命と生活を大事にできない会社なんてみんな潰れちまえばいいんだよぉぉぉッ!」
警備隊員達は皆、互いに顔を見合わせ武器を捨てて、至高天北海道支部の建物から逃げていく。
僕は先程の言葉など、まるでなかったように至高天北海道支部から逃げていく警備隊員達を食い殺していく。
僕の行いは矛盾していることはわかっている。
でも、矛盾だらけのこの世界では、その矛盾を指摘した人間は狂人扱いされ同調圧力に屈するしかないのだ。
だから僕は自分で自分の矛盾を否定しない。
徹底的に矛盾し、徹底的に狂ってやる!
狂って何が悪い!
人が狂うのは世界が狂っているからだ!
「アチャシゴジャナギャブラビベブロデルガビボネガドルヒズミャミルギャゴゴネベブロデルガビェェェェェェェェッ!」
逆立ちをしたまま放たれる僕の意味不明な叫び声に対して野良ネコがみゃあと鳴く。
僕は野良ネコに向かって、人肉を咀嚼した際に口内に残った他人の歯を吐き出す。
僕の口から超高速で飛び出した、名前も知らない人間の歯が野良ネコの頭をつらぬく。
殺されたというのに野良ネコは両目を閉じてとても安らかな表情をしていた。
「お前は死んでしまったというのにどうしてそんな幸せそうな顔をしているんだ?」
僕は変神を解くと、全裸のまま、その辺の土を素手で掘って、野良ネコの死体を埋めてやった。
「あんた、人間にはあんなひどいことするのに、動物には優しいのね?」
日傘をさしたツインテールの美少女が全裸の僕に話しかけてくる。
「猫ちゃんが死んじゃったんですよね...誰がこんなひどいことをしたんですかね...」
「あんた、壊れてるわね」
「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが...」
「私の名はマクリ、銀装天使ガデルエルの操縦者よ。教祖様の命令によりあんたを始末しに来たわ」
「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが...」
「変神しないのなら、今すぐここで終りにしてあげるわ!出でよ!ガデルエル!」
マクリが日傘を畳んで天にかざすと、上空から閃光が地上に向かって放たれる。
放心状態の僕の目の前にマクリが操縦する銀装天使ガデルエルが立っている。
ガデルエルのハンマーが人間体の僕に向かって振り下ろされる。
「猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんが猫ちゃんは...殺されたのに幸せそうな顔をしていたのはなんでだろう?」
僕はガデルエルのハンマーを回避しながらマクリに問いかける。
「そりゃあ、こんな狂った世界に生まれたことを後悔しているからじゃないかしらッ!」
ガデルエルのハンマーがまた僕を襲ってくる。
「マクリちゃんもこの世界に生まれてきたことを後悔しているのかい?」
僕はマクリちゃんに問いかけながら、回避する。
「だったらなんなのよッ!」
ガデルエルのハンマーが角度を変えて僕に迫ってくる。
「じゃあ、僕がマクリちゃんを殺したらマクリちゃんはあの猫ちゃんみたいな幸せそうな顔を僕に見せてくれるのかな?」
「殺されるのはあんたのほうよ!それッ!」
「シンゴォォォォォォォォッ!」
全裸の僕ぼ筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
ガデルエルのハンマーが真っ二つになる。
至高天北海道支部に真断罪王Σと銀装天子ガデルエルが向かい立つ。
「ガデルエルハンマーを壊したからって勝ったと思ったら大間違いよ!」
「僕は死んじゃったマクリちゃんがどんな顔をするか見てみたいんだよね」
ガデルエルの背部に装備された両翼が分離して合体することで完成した大剣・ガデルエルセイバー。
真断罪王Σの全長をも超える大剣・ガデルエルセイバーを両手で握りしめた銀装天使ガデルエルが僕に向かって襲い掛かってくる。
僕はガデルエルセイバーを両手で白刃取りした状態でマクリちゃんに話しかける。
「僕は学生の頃さ、いつもいじめられてたのに、なにもやり返せなかった。いつも後になってから、あの時やり返せばよかったなって、とっても後悔するんだ...」
「あんた...私のこと挑発してるつもりなの?」
「でも、僕がきっとやりかえせば、きっと、取り返しのつかないことになる気がしたんだ。だって、いじめ加害者に僕がやり返して、いじめ加害者が僕のせいで大けがしたら、今度はぼくがいじめ加害者になってしまう。いじめ被害者が正当な理由で復讐すればいじめ被害者になってしまう。だから僕はずっといじめ被害者でいたかったのかもしれないね」
「余裕ぶっこいてじゃないわよ!ガデルエルセイバー!最大出力!」
ガデルエルセイバーが発光する。
「いじめ加害者に復讐せずに、いじめ被害者であり続ければ、先生達や親はぼくに同情してくれる。でも僕は自分がいじめ被害者であることを誰にも相談できなかったんだ、なぜだろうね?ほんとうになんでなんだろう?僕は今でもそれが悔しくて、夜眠れないことがあるんだ」
黄緑色の蛍光色に包まれたガデルエルセイバーを受け止めていた両掌が溶けていく。
両手を溶かされた真断罪王Σは胸部に異次元から出現させたザフィエルキャノンを振り下ろされるガデルエルセイバーに向かってゼロ距離射撃する。
ガデルエルセイバーはその輝きを失い、半分以上が溶けてしまっていた。
「今からアポリオンウェーブを使おうと思ってるんだけどさ、このさぁ、幻覚世界に無理矢理拉致するって能力、正直ずるくない?」
「だから!だからなんなのよぉッ!だから私はあんたに勝てない!あんたはそう言いたいわけ?なめんじゃないわよ!」
「でも使うよ、アポリオンウェーブ...とりあえず最大出力で」
真断罪王Σから放たれたアポリオンウェーブがガデルエルを包む。
僕はいつもの豆腐屋の作業場でマクリちゃんを押し倒して、黒いドレスに身を包んだマクリちゃんの顔を何度も殴る。
マクリちゃんは自分の死を悟ったのか、死んだような目をして何も抵抗しない。
「マクリちゃん、今度は僕を慰めてよ」
マクリちゃんは何も答えてくれない、まだこんなに暖かいのに。
「マクリちゃん、どうして僕を無視するのさ」
僕は顔面青あざだらけのマクリちゃんを抱きしめて、マクリちゃんに頬擦りをする。
「私も昔、お父さんによくされてたの」
「え?」
「私のお父さんは私をたくさん殴った後に、私に頬擦りしながら泣いて謝罪するの。だから私はお父さんが嫌いになれなかった」
「そっかぁ...そっかぁ...」
マクリちゃんの話を聞いた僕は泣きながらマクリちゃんの顔をまた殴り続ける。
マクリちゃんは何も抵抗しない。
僕はしばらくするとマクリちゃんに頬擦りをする。
それを何度も繰り返していると、当然のごとく、マクリちゃんの頬が冷たくなっていた。
死んじゃったマクリちゃんはあの野良ネコみたいに幸せそうな顔をしていた。
まるで生きている間に自分を縛り付けていた悪い思い出から解放されたように。
僕も死んでしまえば、学生時代に受けた、ひどいいじめについての記憶を無意識に思い出し、やり返せなかった自分を悔いる呪いから解放されるのだろうか。
僕はアポリオンウェーブを解除した。
現実世界に戻ってきた僕は機能を停止したガデルエルの操縦席からマクリちゃんを取り出す。
僕は変神を解いて、しばらくの間マクリちゃんの冷たい体を抱きしめていた。
僕の中の何かがマクリちゃんを食べろと脳に命令をしてくる。
僕は翌朝までその衝動に逆らいマクリちゃんの死体を抱きしめていた。
おかしな言い方かもしれないが、久々に感じる人の温もりに僕は涙を流し続けた。
マクリちゃんを食べてガデルエルの力を手に入れた僕はハルカを探すために歩き続ける、全裸のままで。
僕に安らぎはいつ訪れるのだろうか。

次回予告 第四十八話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ヌカエル!自分達が若かったころの価値観を一方的に押し付けてくるやつらは財布が入ったままのズボンを洗濯してしまえ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十八話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ヌカエル!自分達が若かったころの価値観を一方的に押し付けてくるやつらは財布が入ったままのズボンを洗濯してしまえ!

僕はハルカを見つけるために、全裸のまま町をさまよう。
しかし、情報はなに一つも得ることはできなかった。
至高天の各地方支部を襲撃しても、そこにハルカはいなかった。
全裸の僕はイライラしていたのでストレス解消に人々に問いかける。
「なぁ、お前、なんで働いてんだよ」
全裸の僕の問いに人々はみんな、なにも言い返すこともなく逃げていく。
僕は道を歩いていたサラリーマンに問いかける。
「なぁ、お前、なんで働いてんだよ」
「そ、そりゃあ死にたくないからだよ」
かかった!今日はコイツで遊んでやるぜ!
「働いたら死なないのか?」
「ああ、そうさ、お金があればご飯が買える。ご飯を食べれば生きていける」
「じゃあ、働いてお金を持っている人間はみんな永遠に死なずに済むんだな?」
「そ、それは」
「お前言ったよなァッ!僕が、働いたら死なないのか?って言ったら、「ああ、そうさ」って言ったよなァッ! 働いてお金があるやつはみんな死の恐怖から解放されるんだよな?そうなんだよなァッ!」
「そ、そんなのはただの屁理屈だ!俺の言い方が悪かった!働いてお金を稼いでご飯を食べれば、絶対に死なないわけじゃないが、生き残れる確率は高くなる。これでいいかな?」
「よくねぇよッ!なんだよ、生き残れる確率って!じゃあ、生き残れる確率が低い奴はどうするんだ?働けない、お金も持ってない生き残れる確率が低い人間はどうするんだ?自分たちに都合のいい理由を作って見て見ぬふりをして見捨てるのか?お前それでも人間なのか?」
「そりゃあ、見捨てるしかないだろ!悪いが俺はこの後、用事があるんだ。今日は娘の誕生日会なんだよ!」
「じゃあ、将来、お前の大事な娘が働けない、お金がない、生き残れる確率の低い大人に成長したら、お前は自分の娘を見捨てるんだな!」
「俺は自分の娘がそうならないようにちゃんと教育するつもりだ、じゃあな」
僕は逃げようとするサラリーマンの肩を手で掴む。
「待てよ!まだ僕のイライラは収まってねぇんだよぉッ!」
「手を離せ!あんまりしつこいと警察を呼ぶぞ!」
「天使狩りの宅間セメル...」
「そ、それがどうしたんだ?」
「僕だよ、僕が天使狩りの宅間セメルだ」
「そ、そんな!う、うそだ!お、俺はまだ死にたくない!」
サラリーマンの顔が真っ青になる。
「どうやら、僕の顔は知らなくても、僕の名前は知ってるみたいだな」
「ああ、君は人類の平和を守っている至高天の施設を次々を壊滅させた罪で全国に指名手配されているからな!君のせいでいったいどれだけの罪なき人々が犠牲になったと思ってるんだ!」
「お前は僕の名前を聞くまで全国指名手配されている僕の顔を忘れていたのか?お前、目ぇついてんのかよ!それよりお前、自分や自分の家族を、その犠牲になった罪なき人々にされたら困るよなァ?」
「や、やめろ!家族にだけは手を出さないでくれ!き、君の目的は至高天じゃないのか?お、俺が知ってるのは至高天が宅間セメルに毎度ボコボコにされているクソ雑魚地球防衛軍であるということだけだ!」
「とにかく、今日はお前の家に泊めてもらうからな!」
「た、頼む!そ、それだけはやめてくれぇッ!」
「別に僕はお前の家族を皆殺しにするとは言ってないよ」
「き、君は全国に指名手配されている大量殺人鬼に家に泊まらせてくれと言われたらどうする?」
「そんなことより、サラリーマン!お前、正規雇用者だろ?」
「あ、ああ、そうさ、い、家に泊まるのを、あ、諦めてくれたのか?」
「なら、なおさら今日はお前の家に泊めてもらわないとな」
「お、俺が正規雇用者だから、君は俺と俺の家族が住む家に泊まらせてほしいと、そう
言いたいのか?」
「ああ、そういうことだ、それでは道案内を頼む」
数分後、僕は全裸のまま、サラリーマンとサラリーマンの家族が住む家の中にいた。
サラリーマンの嫁は全裸の僕を見て、急いで携帯の操作を始める。
「よせ!ミユキ!」
「でもあなた!この人どう見ても!」
「ああ、わかってる、俺が何とかする!俺がお前たち家族の命を守る!」
本当にできるのかな?
「あの、僕、実は人間以外の食べ物はあんまり好きじゃないんですよね。なので、今日のご夕食に人間以外の食べ物が出ない場合は、僕も自分を抑える自信がありません」
「そ、それはつまり、この中の一人に食材になれと言っているのか?」
「べつに、無理に人間の肉を使用した食べ物を出せとはいいません、ただ、そうならない場合には僕が自分を抑えることができないということです」
「君が自分を抑えることができなくなったら、いったい何が起きるんだ?」
「僕がお前の命とお前の命より大事な家族を全員、食い殺す」
僕の言葉に絶望したと思われるサラリーマンの嫁、ミユキが気絶して倒れる。
「あ~あ!これで調理する人がいなくなってしまいました、このままだと大変なことになってしまいますねぇ~!」
「お、俺が作る!」
「一体だれを食材にするつもりですか?」
「し、しまった!お、俺はどうすればいいんだ!」
サラリーマンが両手で頭を押さえる。
「どうせお前は自分が食材になって、嫁と娘の命を救おうとか、そんなこと考えてたんだろ?残念でした、これでお前は自分以外の家族を食材にしなければ、嫁と娘のどっちかを失うことになる。そして僕に人肉を使った料理を提供しなければ、全てを失う」
「お、俺がいったい何をしたっていうんだ!どうして!どうしてこんなことに!」
「お前も他の連中と同じく、僕の質問に答えずに見て見ぬふりをして逃げていればよかったんだ。そうしていればこんなことにはならなかった!お前の判断がお前の家族を危険な目に遭わせた!お前は最低だ!」
「お父さん料理は私がするわ」
「キミコ...!」
それまで静観をつらぬいていたサラリーマンの娘、キミコが僕とサラリーマンの間に入る。
「お父さんは宅間セメルから私とお母さんを守りたいんでしょう?なら、私がお父さんの体を使って料理を作る」
「すばらしい家族愛ですね。でも、その場合お父さんが死んでしまいますがどうしますか?」
「お父さん...!」
キミコの言葉にサラリーマンは覚悟を決めた表情でうなずく。
「どうやらお父さんの覚悟はできたみたいですね、では楽しみにしてますよ。僕はソファー休んでいるのであとはお願いします」
「ちょっと待て!もしかして、君はキミコに私を殺させるつもりなのか?」
「その通りです」
「人肉を食べたいのは君の方なんだろう?なら、君が私を殺してくれ!キミコが私を殺してしまうと、キミコの将来に悪い影響を及ぼしてしまう!」
「僕は別に無理に人肉を食材にした料理を出せとは言っていません。ただ、そうならないのであれば、お前たち家族を全員食い殺すと言っているだけです」
「そんな!それでは仮に私が君の料理の食材になっても、生き残ったキミコは殺人犯になり、嫁のミユキば犯罪加害者の家族になってしまう!」
「いいじゃないですか、大事な家族の命が救えるんだったらそれで、僕は先程から述べている通り、別に無理強いはしていませんよ」
「き、君のやり方は卑怯だ!そうやって人の家族の命を人質にとって!」
「それはお前が務めている会社も同じですよ」
「なんだと!」
「だってそうじゃないですか、お前はは会社で働かないとお金を稼げない、お金がないと自分と家族にご飯を食べさせることができない。つまり、お前は会社に家族を人質にとられているも同然だ。僕はお前の務めている会社と同じことをしているだけです」
「ふ、ふざけたこと言いやがって!なら一つ頼みがある、料理に使う人肉に嫁と娘以外の人肉を使用させてほしい!」
「お、お父さん!」
「キミコは黙ってろ!」
「いいですよ、許可します」
サラリーマンが携帯で今起きていることを誰かに説明している。
しばらくすると、サラリーマンの家に一人の老婆が現れた。
「お、おばあちゃん!」
「久しぶりだねキミコ、事情は電話で聞かせてもらったよ」
「母さん、すまんな」
「いいさ、私が食材になれば、家族みんなが救われるんだろ」
「美しい家族愛ですね、見ていてお腹が減ってきました。でもおばあちゃんは自分の死がきっかけで家族全員が殺人犯加害者家族になってしまってもいいのですか?」
「確かにそれはよくないわ、でも殺人犯の宅間セメルに脅されと証言すれば、世間も同情してくれるでしょう」
「なるほど、賢い判断だ」
キッチンにサラリーマンとキミコのおばあちゃんが入る。
調理の間、キッチンからは悲鳴と泣き声が聞こえてきた。
キミコとミユキは二階に避難していた。
キッチンから僕の食欲をそそる血生臭い匂いがしてくる。
しばらくすると、僕の目の前のテーブルの上に皿に乗ったステーキが置かれる。
「おまちどうさま」
僕はすべて知っていて、あえてサラリーマンに聞いてみる。
「おいお前、このステーキいったい何のお肉を使ったんですか?」
「私の母親です...!」
「へぇ~自分の家族を守るために、自分の母親をステーキにするとかお前どんだけ最低なんだよ!」
僕の暴言にサラリーマンは泣きながら憤怒の形相を浮かべ、歯ぎしりをしている。
大事な家族の命を守るために、自分の怒りを必死に抑えているのだ。
「うん、うまいよ、この人肉ステーキ。お前、ステーキ屋の才能あるよ。まだババアの肉残ってるんだろ?おかわりお願いします」
その後、サラリーマンは自分の母親の肉体をすべて包丁で切り刻み、ステーキにして僕に提供した。
「うん、うまかった。ごちそうさま。僕はもう色々面白いもの見れて満足したから、今日は泊まらずに、このまま帰るけどさ、これでお前は今日から自分の母親を殺した殺人犯だな、会社も当然クビになるだろうな、ざまぁねぇな!」
「ああ、それでも俺は家族の命を守った。俺の母親もきっと俺に殺されたことを後悔していないだろう。それに君が人類の敵である以上、世間は君に脅された我々家族に同情してくれるに違いない」
「そうだな、でもお前は正規雇用者から殺人犯になり、お前の嫁と娘は殺人犯の家族になった」
「だから、どうしたんだ!俺達はこうして生きている!」
二階からミユキとキミコが降りて来た。
「生き延びたところでお前は正規雇用者から殺人犯。お前の嫁と娘は殺人犯の家族」
「わかったからもう帰ってくれ」
「生き延びたところでお前は正規雇用者から殺人犯。お前の嫁と娘は殺人犯の家族」
「うるさい!黙れ!」
「生き延びたところでお前は正規雇用者から殺人犯。お前の嫁と娘は殺人犯の家族」
「俺は自首をする!早く帰らないと、ここに警察が来るぞ!」
「生き延びたところでお前は正規雇用者から殺人犯。お前の嫁と娘は殺人犯の家族」
「君はなにが言いたいんだ!」
「僕の完全勝利だって言いてぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
僕は言いたいことを言い終えるとサラリーマンの家を出た。
森の中を歩いていると僕の目の前に黄緑色の頭髪にサイドテールが特徴的な美少女が現れる。
「見つけましたよ、天使狩りの宅間セメル。私は銀装天子ヌカエルの操縦者のユネ」
「ハルカの命令で俺を殺しに来たのか!ならハルカの居場所を教えてくれれば、命は助けてやってもいい」
「勘違いしないでください、私はあなたに教祖様の居場所を教えにきたんです。でもその前に、あなたの実力を見させていただきますね」
ユネが右手を天に向けてかざす。
「出でよ!ヌカエル!」
ユネを操縦席に乗せたヌカエルが両手に持った双剣で僕に襲い掛かってくる。
「シンゴォォォォォォォォッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
真断罪王Σに変神した僕は異次元から出現させた大剣・ガデルエルセイバーを両手に持ち、突撃してくるヌカエルのコックピットに突き付けた。
「お前はまだ殺さない、とっととハルカの居場所を教えろ!」
「これが天使狩りの宅間セメル...噂通りの実力ね...。いいわ、教えてあげる教祖様の居場所を...!」

次回予告 真・断罪王Σ 対 銀装天使ベルケエル!短時間労働者に家に帰ったら何をしているのか聞いてくる長時間労働者は大事な用事がある日に油性ペンのみで全く興味のない資格の筆記試験を受けろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第四十九話 真・断罪王Σ 対 銀装天使ベルケエル!短時間労働者に家に帰ったら何をしているのか聞いてくる長時間労働者は大事な用事がある日に油性ペンのみで全く興味のない資格の筆記試験を受けろ!

変神を解いた僕は改めてユネに聞く。
「ハルカは今どこにいるんだ!」
銀装天使ヌカエルのコックピットから出てきたユネがジャンプして地上に着地する。
ユネが指をならすと異次元のゲートが現れる。
無人のヌカエルが異次元のゲートに帰っていく。
「人型機動兵器・銀装天使に異次元のゲートとは、奇妙な組織だな至高天というのは」
「それは私も同感よ、でもその人知を超えた力にみんな惹かれるのよね。それで結論から言わせてもらうと教祖様は今、時間旅行中でこの世界にはいないわ」
「時間旅行だと!お前、ふざけたこと言ってるとぶっ殺すぞ!」
「本当よ、教祖様はこの世界を滅ぼそうとしている地球の意思が人間や動物を強制的に進化させることで発生するアンノウンから人類を守る為に至高天を結成して銀装天使を開発した。教祖様は銀装天使の操縦者になって共に戦ってくれる人間を過去と未来、そして数多くのパラレルワールドを旅行して探しているのよ」
「ハルカが過去と未来とパラレルワールドを旅行しているだと!白の断罪王の力はそんなこともできるのか!」
「そういうこと。私は教祖様に復讐するために教祖様と同じ断罪王の力を持つあなたと手を組もうと思ってたんだけど、もしかしてあなたの断罪王じゃ時間旅行とかできないの?」
「わからない」
「わからないってなによ!あなたも断罪王なんでしょう?」
「わからないというのは、まだ試したことがないということだ!大体、お前はなぜ、ハルカのことについてそんなに詳しいんだ?他の銀装天使の操縦者は何も知らなかったというのに...」
「私は教祖様のことが好きなの、捨てられちゃったけどね。好きな人のことはなんでも知っておきたいでしょ?」
「ふざけたことを言うな!そんな答えで僕が納得すると思ってるのか!」
「私は教祖様の元カノなの、だから他の銀装天使の操縦者も知らないことをいっぱい教えてもらった。さっきの時間旅行の話しとかがいい例ね」
「そうか、ハルカは男なのか...!」
「教祖様は私を捨てて、新入りのエリナって女と付き合ってるの。だから私は私の心を弄んで捨てた教祖様を殺す」
「エリナだと...!」
「知ってるの?」
「いや、似たような名前の女と以前、会ったことがあってな。気にしないでくれ」
「それより、あなたの断罪王で時間旅行はできるの?できないの?」
「さっき終末黙示録にアクセスしてみた。真断罪王Σでも時間旅行は可能だ、これなら今すぐハルカのもとにたどりつける」
「じゃあ、さっそく行きましょうよ」
「だが、その前にはっきりさせておきたいことがある」
「なによ」
「ユネ、君は本当に君が愛する教祖様を殺すことができるのか?」
「それ、どういうこと?私のことがまだ、信用できないってこと?」
「仮に追い詰められたハルカがエリナを捨てて君ともう一度やり直したいと言ったら君はどうするんだ?」
「たとえ、それでも私は教祖様を殺すわ!私が命懸けでアンノウンと戦ってきたのは、教祖様に愛されるためだけだった!教祖様は命を懸けて教祖様を愛した私を裏切った!この罪は罰せられるべきなのよ!」
なんだこの重い女は...浮気されたぐらいで元カレ殺すとか、こいつかなりイカれてるな。
「とにかく、俺はハルカを殺す。ついて来たければ勝手についてこい」
「いいの、ついていっても?私の狙いも教祖様なんだけど?」
「ついていくなと言ってもどうせ、ついていくだろ?」
「当たり前よ!出でよヌカエル!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
真断罪王Σに変神した僕は終末黙示録に記された方法で上空に時間旅行に必要な光の門を創造する。
光の門の扉が開く、門の内部は例えるなら黄金色の洞窟と言った方がわかりやすいかもしれない。
真断罪王Σと銀装天使ヌカエルが光の門の内部に侵入する。
すると僕とユネを待ち構えていたように光の門の内部に人型機動兵器が浮遊していた。
「あれはエリナの銀装天使ベルケエル!」
「待っていたわよ天使狩りの宅間セメルに裏切り者のユネ!」
「その声...やはり、あの時のエリナちゃんだな!」
「久しぶりね、宅間セメル。あなたのせいで両親と家を失った私はあなたに復讐するために至高天に入ったの!そして教祖様から銀装天使ベルケエルを与えられた!」
「とにかく、教祖様には宅間セメルと私の思惑なんて全部お見通しってことね」
「そういうことよ!教祖様の夢を邪魔する社会不適合者と裏切り者は私がベルケエルで殺してあげるわ!」
銀装天使ベルケエルの背中に装備されたミサイルコンテナから無数のミサイルが放たれ、真断罪王Σとヌカエルに襲い掛かる。
アカイアーエッジとガデルエルセイバーを両手に持った真断罪王Σが襲いかかるミサイルをすべて切り裂き爆散させる。
ヌカエルは両手に持った双剣を縦に合体させる。
杖になったヌカエルの双剣から放たれた目には見えない振動波がベルケエルの動きを急停止させた。
「くっ、動け!ベルケエル!一体何が起きたというんだ!貴様、私のベルケエルにいったいなにをした!」
「ヌカエルの杖から放たれる目に見えない振動波は機体の操縦権を一時的に奪い、操ることができる、こんなふうにね」
エリナの意思に関係なく、ベルケエルの背部に装備されたミサイルコンテナから無数のミサイルが放たれ、ベルケエルに襲い掛かる。
「くっ、動けベルケエル!宅間セメルに復讐できないまま死んでたまるか!」
ベルケエルから放たれたミサイルがベルケエルに直撃する。
光の門の内部に爆発が発生し、その奥から無数の触手を生やした怪物が出てくる。
「くっ、なんてタイミングの悪さだ!」
「エリナがアンノウンに進化したの...!」
ボロボロのベルケエルの全身から無数の触手を生やしたアンノウンが奇怪な雄叫びを上げる。
「おそらくベルケエルの爆散間近にエリナがアンノウンに進化してしまったのね」
「いくらなんでもタイミングが悪すぎる..!ハルカはもしかしてこうなることを予測していたのか?」
「そんな、じゃあ、断罪王には相手をアンノウンにする能力があるってこと?」
「断罪王とアンノウンは地球の意思から産まれた存在だからな...わからなくもない!」
ベルケエルアンノウンから放たれた無数の触手がヌカエルを捕らえる。
「やっぱり、アンノウンの動きを奪うことはできなかったみたいね」
「ユネ!」
「宅間セメル、アンノウンに食べられる前に私を食べなさい!」
「安心しろ、そのつもりだ!」
アカイアーエッジとガデルエルセイバーを両手に持った真断罪王Σがベルケエルアンノウンの全身を切り裂く。
「いただくぞ!ヌカエルの力を!」
僕はベルケエルアンノウンの触手から解放されたヌカエルの機体ごとユネを食べた。
ユネを食べ、ヌカエルの力を手に入れた僕は胸部に装備したザフィエルキャノンを最大出力で放ち、ベルケエルアンノウンを撃破する。
ユネの意思とヌカエルの力を受け継いだ僕は光の門の内部をひたすら進む。
「どこだ!ハルカ!一体どこにいるんだ!」
ハルカが見つからずにイライラしている僕はザフィエルキャノンを光の門の内部で四方八方に向けて乱射する。
光の門の内部が振動し、気がつけば僕は真断罪王Σのまま見知らぬ市街地に立っていた。
見知らぬ市街地は廃墟同然となっているがよく見ると、どこかで見たような建物がある。
「ここは...どこなんだ?」
廃墟と化した市街地では僕の知らない断罪王と12660体の謎の人型機動兵器が戦っている。
「僕の知らない断罪王...?ここではいったい何が起きているんだ!」
「あれはグレート断罪王Ω〈オメガ〉そして、ここは今よりずっと未来の世界」
真断罪王Σの背後に見知らぬ銀装天使が立っている。
「私の名前はハルカ。ようやく会えたわね、天使狩りの宅間セメル君」
「お前がハルカか...!これはいったい何がどうなっているんだ!」
「光の門の管理者が門の内部で悪さをするあなたを未来の世界に飛ばした、それだけよ」
「なら、なぜお前もこの未来の世界にいるんだ!」
「それは、私があなたと同じ断罪王の力を持つ者だからでしょうね。多分、連帯責任として各時空で仲間を探していた私もこの地獄に転移させられたのよ」
「それなら好都合だ。僕はアリスの願いを叶えるためにお前を殺す」
「アリス?ああ、あの失敗作のことね」
「貴様ァァァァァァァァァァァァァァッ!」
アカイアーエッジとガデルエルセイバーを両手に持った真断罪王Σがハルカの操縦する銀装天使バラキエルに突撃する。
「すこし場所を変えましょうか」
バラキエルの全身から黒い光が放たれる。
気がつけば僕は見知らぬ荒野にいた。
よく見ると足下には建物の残骸がそこら中に散らばっている。
そして、その見知らぬ荒野では黒い断罪王と白い断罪王が戦っている。
「ここは、そう遠くない未来の世界」
僕の背後にハルカの操縦するバラキエルが立っている。
「そう遠くない...未来だと...!」
「終末黙示録に記されていたでしょう、断罪王は過去と未来、そして平行世界を自由に旅行できるって」
「ああ。じゃあ、あの白い断罪王を操縦しているのはそう遠くない未来のお前なんだな」
「そうよ。そして、このそう遠くない未来の世界には、もう宅間セメルはいない」
「なんだと!じゃあ、僕は近いうちに死ぬってことなのか!」
「そういうことになってしまうわね。でもこの世界はそう遠くない未来でもあれば平行世界でもある。希望は捨てない方がいいわね」
「僕にこんなものを見せてお前は何がしたいんだ!」
「簡単な話よ。断罪王Σ、私の仲間になりなさい。あなたが私の仲間になれば、あなたは近いうちに死なずに済むわ」
「ふざけたことを言うな!」
「あなたは私に負けて、至高天裁判所で死刑判決を受けて死亡する。それがあなたに待つ未来よ。でもあなたが私の仲間になれば、その未来を変えることができる」
僕は真断罪王Σの両手にアカイアーエッジと最大出力状態のガデルエルセイバーを持ち、胸部にはザフィエルキャノンを装備、両足にソフィエルハンドを装備、両足に装備したソフィエルハンドにヌカエルの杖を持った状態で全身からバトラエルの電撃とヨムヤエルの機械虫とズルファスのヘブンズジャックとアポリオンウェーブを最大出力で放ちながらハルカの操縦するバラキエルに突撃する。
パーフェクト真断罪王Σの全身から放たれる斬撃・砲撃・電撃・衝撃波がバラキエルに直撃する。
爆散するバラキエル、しかし爆炎の中から白い断罪王が出現する。
「バラキエルの中から白い断罪王が出てきた...!」
僕は驚愕していた、銀装天使の中から白い断罪王が出現したこと、なにより最大出力で放ったアポリオンウェーブによる幻覚世界への強制拉致がハルカに効いていないことに。
「銀装天使は私が終末黙示録に記された力をアンノウンの死体に機械装甲を装備した人型兵器に与えた存在。つまり、銀装天使の力の源であり開発者である私に銀装天使から奪ったあなたの攻撃は通用しないということ」
「なら、これならどうだ!終末のォォォォォッ!シグマブラスタァァァァァァァァッ!」
真断罪王Σの全身から放たれた無数のビームが白い断罪王に直撃する。
しかし、白い断罪王には傷一つついていない。
「私の白のグレート断罪王に失敗作の断罪王Σ〈シグマ〉の力が通用するわけないでしょう、あら失礼、断罪王スティグマだったかしら♪」
「アリスを侮辱するなァァァァァァァァァァァッ!」
僕は終末のシグマブラスターを放ちながら真断罪王Σの両手にアカイアーエッジと最大出力のガデルエルセイバーを持ち、胸部にはザフィエルキャノンを装備、両足にソフィエルハンドを装備、両足に装備したソフィエルハンドにヌカエルの杖を持った状態で全身からバトラエルの電撃とヨムヤエルの機械虫とズルファスのヘブンズジャックとアポリオンウェーブを最大出力で放ちながらハルカの操縦するバラキエルに突撃する。
「さっきの攻撃にシグマブラスターを加えたところで結果は同じよ」
ハルカの周りの景色が歪みだす。
「なるほど、アポリオンウェーブを白いグレート断罪王ではなく、この世界そのものに放ったのね」
「お前にアポリオンウェーブが通用しないなら、お前の周りの世界にアポリオンウェーブを最大出力で放つだけだ!お前はアリスを侮辱した!お前だけは絶対に許さない!」
気がつけば僕とハルカはいつもの豆腐屋の作業場、アポリオンウェーブによる幻覚世界の中にいた。
「さあ、反撃開始だァッ!」

次回予告  第五十話 真・断罪王Σ 対 白のグレート断罪王!宅間セメルに下される最後の審判‼もうマジで人間同士で傷つけあうのはやめろ!相手の過ちを許せれば自分も楽になれることに気づけ!ニートや無職や非正規雇用者や仕事ができない人間をバカにするやつは自宅の隣人におすそ分けされたブラックホールに吸い込まれてパルクールをしながら爆発しろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十話 真・断罪王Σ 対 白のグレート断罪王!宅間セメルに下される最後の審判‼もうマジで人間同士で傷つけあうのはやめろ!相手の過ちを許せれば自分も楽になれることに気づけ!ニートや無職や非正規雇用者や仕事ができない人間をバカにするやつは自宅の隣人におすそ分けされたブラックホールに吸いまれてパルクールをしながら爆発しろ!

 リンナの両親が経営していた豆腐屋の作業場、つまりアポリオンウェーブによる幻覚世界に強制拉致された僕とハルカ。
僕は豆腐屋の作業場のキッチンにあった包丁を手に持ってハルカに襲い掛かる。
ハルカがそこらへんにあった掃除用のモップで包丁を受け止める。
豆腐屋の作業場で豆腐屋の作業着を着た僕とハルカが包丁とモップで殺し合う
その周りで豆腐屋の従業員たちが英語の歌を口ずさみながら太極拳をしている。
「ハルカ!なぜ僕に殺されようとしない!お前最低だぞ!」
「狂ってるわね...あなた」
ラジオを肩に担いでスケートボードに乗った奴らが豆腐屋の窓ガラスを突き破る。
豆腐屋の窓ガラスを突き破って作業場に侵入してきた奴らが奇声を上げながらカードゲームを始める。
周りの従業員が太極拳を続行しながら、侵入者に食品を取り扱う場所では静かにしてください、カードゲームをしないでくださいと注意する。
侵入者が肩に担いでいるラジオから流れる12660倍速再生された演歌を聴きながら僕とハルカはそれぞれの武器を手に持って殺し合う。
僕は手に持った包丁をハルカに投擲する。
包丁がハルカの右太ももに突き刺さり、ハルカの動きを封じる。
僕はそこらへんにあった消火器を手にもってハルカの顔面にゼロ距離で噴射する。
ハルカの視界を一時的に封じた僕は手に持った消火器でハルカの頭部を何度も殴る。
ハルカの頭から飛び散った血が侵入者のカードを汚す。
その横で太極拳をしていた従業員たちが警告を無視するカードゲームのプレイヤーたちに痺れを切らして襲い始める。
12660倍速でラジオから放たれる演歌が流れる作業場の中で従業員とカードゲームのプレイヤーたちが乱闘をしている。
その中心で僕は手に持った消火器でひたすらハルカの頭部を殴る。
顔面を頭部から流れる血液と消火器のピンクの粉で覆われたハルカが動かなくなる。
「アリス...やったぞ!僕はアリスの代わりにハルカを殺したぞ!おい!聞いてんのか!地球の意思よ!僕は証明したぞ!アリスは失敗作なんかじゃない!僕達は断罪王スティグマなんかじゃない!僕達は真断罪王Σ〈シグマ〉なんだ!どうだ!ざまぁみろぉッ!僕達の完全勝利だァッ!うああああああああああああッ!」
豆腐屋の作業場で僕は叫ぶ。
僕は叫びながらハルカの右太ももに突き刺さった包丁を抜く。
僕は血塗れの包丁を持って、乱闘をしている豆腐屋の従業員とカードゲームのプレイヤー達に突撃する。
「ふぉああああああああああああああああいィィィィィッ!」
僕は包丁を振り回しながら従業員達とカードゲームのプレイヤー達に感謝の言葉を述べる。
「今日までありがとうございました!」
「うおッ!痛ぇよぉぉぉッ!」
「本当にお世話になりました!」
「ごふッ!きゅ、救急車ァァァァァッ!」
「色々お世話になりました!」
「け、警察を!ぐはァッ!」
「ここを辞めてニートになっても頑張ります」
「い、いやだァァァッ!死にたくねぇよぉぉぉぉッ!」
「そのカードカッコイイですね」
「や、やめろ!こ、殺さないでくれぇぇぇッ!」
僕はカードゲームのプレイヤー達からカードを奪う。
僕は腹部の刺し傷から大量の血が流れるカードゲームのプレイヤーたちの目の前で、なんかキラキラしたカードを優先して両手でビリビリに破いてく。
「僕にはカードゲームのことはよくわかりませんが、このキラキラしてるカードがきっとみなさんにとって大切なカードだってことぐらいはわかります。だから僕はこのカードを破らせてもらいます」
「や、やめろ!そのカードは高いんだ!」
「そんなに怒んないでくださいよ、どうせ、もうカードゲームできなくなるんですから」
気がついたら、豆腐屋の作業場は死体の山になっていた。
僕は飽きたので幻覚世界から現実世界に帰ることにした。
しかし、現実世界に返った僕の目の前にはハルカが立っている。
「ど、どういうことだ」
「書き換えたのよ、私が死んだという事象そのものをね」
「い、意味がわからない!」
「白いグレート断罪王は断罪王の完全体、失敗作の断罪王Σにできないことができるのは当然のことなのよ。とはいえ私は一度、あなたに殺された。これでもう満足でしょう?」
「ふ、ふざけるな!満足できるわけねぇだろぉッ!アリスを侮辱するなァァッ!シンゴォォォォォォォォッ!」
僕の筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
僕は終末のシグマブラスターを放ちながら真断罪王Σの両手にアカイアーエッジとガデルエルセイバーを持ち、胸部にはザフィエルキャノンを装備、両足にソフィエルハンドを装備、両足に装備したソフィエルハンドにヌカエルの杖を持った状態で全身からバトラエルの電撃とヨムヤエルの機械虫とズルファスのヘブンズジャックとアポリオンウェーブを最大出力で放ちながらハルカに突撃する。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
パーフェクト真断罪王Σの攻撃をハルカの背後から突如出現した白いグレート断罪王手のひらがすべて吸収して無効化してしまう。
「もう一度、言うわよ、宅間セメル、私の仲間になりなさい」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「そう、残念♪」
ハルカが指を鳴らす。
気がつけば僕は全身を拘束された状態で至高天裁判所の法廷内の証言台に立たされていた。
「シンゴォォォォォォォォッ!」
おかしい、変神の呪文を唱えても肉体が進化しない。
「被告人、裁判中は静かにしなきゃだめよ♪」
裁判長の衣服をまとったハルカが僕に注意をしてくる。
傍聴席から僕に対する罵倒が聞こえてくる。
「死ねぇぇぇぇぇぇッ!宅間セメル死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「死ねぇぇぇッ宅間セメルゥゥゥゥッ!家族を返せぇぇぇぇぇぇッ!」
「そうだァッ死ねやぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!宅間セメルゥゥゥゥゥッ!」
「家族と親友を返せぇぇぇぇッ!死ねぇぇぇぇぇぇッ!宅間セメルゥゥぅッ!」
傍聴席には僕に家族や友人を殺された人々が座っていた。
「被告人宅間セメル、あなたが今、いったい何が起きているんだという顔をしているので、特別に説明してあげましょう。私に負けたあなたは至高天に逮捕されました、そのあとで私が白の断罪王の力であなたが抵抗できないように色々と細工をして、今に至るということです」
「じゃあ僕はお前に負けて、それでたった今、目を覚ましたというのか?」
「そういうことです♪それでは判決を下します」
ハルカの言葉に先ほどまで騒がしかった傍聴席の人びとが静まり返る。
「至高天教祖である私は宅間セメル三十七歳無職に死刑判決を下します」
傍聴席から歓喜の声が続々と上がる。
「最後に一つだけ言わせてくれや...」
「発言は許可できません」
「おい!傍聴席で僕の死を喜んでいるやつらァッ!耳かっぽじってよぉぉ~く聞いとけよ!このクソみてぇな裁判のせいで僕が死んであの世に行くっていうことはなァッ、僕があの世でもう一度おめぇらの大切な家族を食い殺せるってことなんだぜぇぇッ!そして今度は傍聴席で僕に好き放題言ってくれたやつらァァァァッ!おめぇらが死んであの世に行ったら今度はおめぇらが僕に食い殺される番だからなァッ!だからァッ!あの世に行ってもおめぇらは僕に食い殺された大切な家族や友人には絶対に会えねぇし!あの世にいってもおめぇらは絶対に楽になれねぇッ!こんなクソみてぇな裁判で僕が死んだからっておめぇらの心が救われるわけじゃねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!つまりだァッ!こんなクソみてぇな裁判に負けたところで結局、僕の完全勝利なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
傍聴席から宅間セメルに対する怒号が飛び交う。
「宅間セメルゥゥゥッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!宅間セメルゥゥゥゥッ!」
「家族を返せぇぇぇぇぇッ!死ねぇぇぇぇぇッ!宅間セメルゥゥゥゥゥッ!」
「宅間セメル死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!親友を返せぇぇぇぇぇぇッ!」
「死ィッ!死ィッ!死ィッ!死ィッ!死ィッ!ねェェェェェェェェェェェェェッ!」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「おい!宅間セメル!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ィィィィィィィィィッ!ねェェェェェェェェェッ!死ねッ!」
「一足先にあの世に行って、僕に食い殺されたおめぇらの家族も友人もみんな食い殺してやるからなァッ!あの世に行ってもおめぇらと僕に食い殺された、おめぇら家族と親友に安らぎは永遠に訪れねぇぇんだァッ!どうだ!ざまぁみろバァァァァカッ!死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
複数の警備員が宅間セメルを持ち上げて、法廷から退室した。
複数の警備員の手によって宅間セメルが退室する途中も傍聴席からは宅間セメルへの罵詈雑言が止むことはなかった。
宅間セメルが法廷から退室した後も傍聴席から放たれる宅間セメルへの罵詈雑言が12660秒も続いたという。
その数日後、至高天刑務所でハルカによって断罪王の力を失った宅間セメルの死刑が執行された。
「アリス...ありがとう」
それが宅間セメルが至高天刑務所に収監されてから死刑執行直前までに口から発した唯一の言葉だった。
後に死刑執行の場に立ち会った至高天の職員はこう言った。
彼の死に顔はとても安らかであったと。

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。










 
 

 
後書き
「超地球救済戦記 断罪王Σ〈シグマ〉」は「超地球救済戦記 G断罪王」の前日譚です。宅間セメルの物語は今回でおしまいです。次回からは「超地球救済戦記!断罪王Z〈ゼット〉‼」をみなさんにお届けしたいと思います。次回もお楽しみに! 

 

第五十一話 超地球救済戦記!断罪王Z〈ゼット〉‼断罪王Z 対 断罪王A〈アビス〉!いい歳した非正規雇用者をバカにする専業主婦は鉛筆の削りカスでも食ってろ!

 
前書き
ある日突然、謎の美少女メシアによって神に等しき力、断罪王を与えられた26人の社会不適合者。
つまり、断罪王の神に等しき力で世界を支配できるのはたった一人だけなのだ!
これは神に等しき力を持つ26人の選ばられし社会不適合者達が世界でたった一人の神になり世界を支配するために殺し合うサバイバルストーリーである! 

 
第五十一話 超地球救済戦記!断罪王Z〈ゼット〉‼断罪王Z 対 断罪王A〈アビス〉!いい歳した非正規雇用者をバカにする専業主婦は鉛筆の削りカスでも食ってろ!

その日、二十五人の社会不適合者の前に一人の美少女が現れこう告げた。
『二十六番目の断罪王が覚醒した瞬間、終末黙示録の封印が解かれ、この世界でたった一人の神を決める断罪王同士の戦いが始まる』と。

俺の名前は暴田リキ。
道を歩いていると、前を歩いている人の背中を蹴りたくなることがよくある。
俺はそのたびに自分を抑える努力をしてきたが、もう我慢できなかった。
スーパーのバイト中に買い物中の客の背中を蹴り倒したせいで俺はなぜかクビになった。
俺は泣きながらどうして自分がバイトをクビにならないといけないのか担当者に必死に訴える。
担当者はまるで俺が全部、悪いみたいなことを言って俺を店から追い出した。
なぜ、俺がこのようなひどい目に遭わなくてはならないのか?
俺はただ、自分の本能に従ってお客さんの背中を蹴り倒しただけなのに...!
たしかに人に暴力を振るうことはよくないと、両親と学校の先生は言っていた。
でもそれは、両親や学校の先生の価値観であり、俺の価値観ではない。
人に暴力を振ってはならない、それは俺以外のみんなが共有している価値観。
特に理由もなく突然、人に暴力を振りたくなる、これが俺の価値観。
つまり、みんなと違う価値観を持った俺はとても可哀想なのだ。
なのに、俺が学校や会社やバイト先で人々に暴力を振るうたびに、みんなは可哀想な俺を否定して集団社会から無理矢理、追い出した。
俺がみんなと価値観が違う、ただそれだけの理由で。
じゃあ、俺はこれからどうやって生きていけばいいのか。
みんなと価値観が違うという理由だけでなぜ、俺は飢え死にしなければならないのか?
だってそうだろ?みんなと同じ価値観を共有できない奴はバイトや会社をクビになるしかない。
それはつまり、俺は産まれたときからすでに将来、社会に適応できずに飢え死にすることが決まっていたということだ。
深夜、俺を集団社会から追い出した人間たちの言葉と未来への不安に押しつぶされそうになった俺は家を出た。
深夜の公園では美少女が不良達に絡まれていた。
不良に絡まれている美少女は恐怖で目から涙を流している。
「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
俺は不良たちに絡まれている美少女に襲い掛かる。
「きゃあああッ!」
不良たちは美少女に襲い掛かる僕を止めようとする。
「おい、お前!そんなことしたら美人の顔に傷がついちまうだろうがよ!」
「うるせぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺は不良たちの制止を振り切って美少女の顔を殴り続ける。
「あ~あ、せっかくかわいい女の子見つけたのに、これじゃあ台無しだな、帰ろうぜ」
顔面青痣だらけで白目を剝いて気絶した美少女を見た不良たちが残念そうにため息を吐くと、公園から出て行こうとする。
「待てよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺は怒声を放ちながら不良たちに襲い掛かる。
俺の右拳を不良達の一人が受け止める。
「なんだコイツ!お前の目当ては女じゃなかったのかよぉぉッ!」
「俺は...俺はただ暴力が振いたいだけなんだよぉぉぉぉぉッ!」
俺は左手でチョキを作ると人差し指と中指を不良の両目に突き刺す。
「うぐぅああああああああッ!痛ぇよぉッ!」
「おい、てめぇ!いくらなんでも目はルール違反だろうがよッ!」
「そうだ!卑怯だ!」
不良たちが俺に意味不明な言葉をぶつけてくる。
「うるせぇぇぇぇッ!ケンカにルールがあんのかよ!バカ野郎共がぁぁぁぁぁッ!」
俺の暴言に不良たちが一斉に襲いかかってくる。
そうだ!これが人のあるべき姿だ!本能のままに争い、奪い、憎しみ合う。
これが人の真実だ!どんな綺麗ごとて塗り固めた価値観で人々を統制したところで、人々が生まれ時に神から授けられた暴力衝動をなくすことはできない。
暴力こそが人の真実の姿なのだ!
「おいお前ら!よく聞いとけよ!俺の価値観は間違ってないんだよ!暴力は神がこの世界に生まれてきた人間達に唯一平等に与えた才能なんだよ!」
不良たちは俺の持論を無視して、四方八方から俺を殴ったり蹴ったりしてくる。
「そうだ!俺達は今、最高に人間らしい生き方をしているんだ!暴力最高!」
地面に蹴り倒された俺は地面の砂をつかむと、周囲の不良たちの顔に向かって振りまく。
そして一瞬の隙をついて不良たちの一人の首を絞める。
「お、お前!卑怯だぞ!俺を人質にするつもりだな!」
「そんなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺は不良の首を絞める手に思いっきり力を入れる。
数秒後、俺に首を絞められた不良が全身を弛緩させ、地面に仰向けに倒れる。
「コ、コイツ!こ、殺しやがった!」
「言っただろ!ケンカにルールはねぇってよぉッ!やるんなら命がけ...だろ?」
「こ、こいつをみんなで取り押さえるぞ!そんで警察を呼んじまえば俺たちの勝ちだ!」
不良たちのリーダーと思しき男の言葉に従って、周りの不良たちが俺に襲い掛かる。
俺は両手で不良二人の首をわしづかみにすると、両手に思いっきり力を込める。
深夜の公園に首の骨が折れる音が鳴り響く。
新たに増えた犠牲者に周りの不良たちが動きを止める。
「いいこと教えてやるよ!警察が来るまでにお前たちは全員俺に殺されるんだよぉッ!」
俺の驚異的な握力に恐れをなした不良たちが一斉に公園から逃げていく。
公園に倒れている奴らから財布を奪うと俺は全速力で走りながら不良を追いかける。
「俺の暴力はまだ終わっちゃいねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺は走りながら悲鳴を上げながら逃げる不良たちに向かって怒鳴る。
「おいよぉ!お前たちがなんでこの世界に生まれてきたのか知ってるかぁぁぁぁぁッ!」
俺は一番足の遅い不良の背中に飛び蹴りを直撃させる。
そして、そいつの耳元で大声で怒鳴る。
「お前たちがこの世界に生まれてきたのはなァッ!今日、俺に暴力で殺されるためだぁぁぁぁッ!」
よく見ると、俺の飛び蹴りで転倒した不良の頭部から流れた血液をコンクリートの地面に赤いシミを作っている。
「あと三人...あと三人だァァァァァァッ!」
パトカーのサイレンの鳴る音が深夜の街路に響き渡る。
パトカーのサイレンの音に急に正気に戻った俺は臆病な自分に情けなさを感じつつも、家に帰ることにした。
「おめでとうございます、あなたは地球の意思に終末を司る二十六番目の断罪王に選ばれました」
深夜の道を歩いているとパーカーを着たつばの長い帽子をかぶった美少女が話しかけてきた。
「なんだお前!」
「私の名はメシア。これをどうぞ」
メシアが俺に一冊の本を手渡してくる。
「その週末黙示録を読めば、あなたは神に等しき力持つ存在、断罪王になれます。でも、この世界にはあなたのほかにも断罪王の力を持った人間があと二十五人もいます」
「せっかく神様になっても、同じ力を持った神があと二十五人もいたら、全然おもしろくねぇよ!」
「その通りです、もしあなたがこの世界で本当の意味で神になり、この世界を支配したいと望むのであれば、あなたは残り二十五体の断罪王を殺さなくてはなりません」
「なるほど、俺以外の断罪王を全員、殺さないと、俺はこの世界で本物の神様にはなれないってことだな」
「その通りです、ではまたどこかでお会いしましょう。断罪王Z〈ゼット〉」
メシアはそう言い終えると近くのコンビニに停めてある自転車に乗ってどこかへ行ってしまった。
「断罪王Z〈ゼット〉?二十六番目の断罪王...?ああ、そういうことか、二十六ってアルファベット二十六文字のことか!じゃあ、俺が最後の断罪王ってことなのか?でもどういう基準で俺が断罪王に選ばれたのかさっぱりわからん」
三台のパトカーが俺の前で止まる。
警官が俺に怒鳴る。
「お前、公園で暴れていた奴らの一人だな!」
「ふざけんな!俺は公園にも行ってねぇし、だれにも暴力なんか振ってねぇよ!」
「じゃあ、そのズボンのポケットのふくらみはなんだ!公園で発見された遺体の衣服やバッグからは財布が見つからなかった!」
「俺は財布なんか盗んでねぇよ!」
「嘘ついてんじゃねぇと!じゃあ、なんでお前そんなに傷だらけなんだ!とにかくポケットの中を見せてみろ!」
まずい、ポケット中の財布を見られたら俺は警察に捕まってしまう。
俺が警察に人殺しだと知られれば、俺は今まで見たいに自由に他人に大好きな暴力を加えることができなくなってしまう。
メシアの言葉が脳裏をよぎる。
『その週末黙示録を読めば、あなたは神に等しき力持つ存在、断罪王になれます』
断罪王に...断罪王Z〈ゼット〉になるしかないのか!
俺は試しに手に持っている終末黙示録を開く。
それが神々の戦いの始まりを意味していることも知らずに。
わかりやすくいえばこの世界の全てが俺の脳内に流れ込み、全身に浸透していく。
俺は自分でも不思議に思えるくらい、なんの疑問も抱かずに、断罪王変神の呪文の言葉に口から発していた。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zに変神した俺の足元で警察官が地面に尻もちをついて驚愕している。
そして、終末を司る二十六番目の断罪王が覚醒した瞬間、各地で断罪王同士の戦いが発生した。
そして俺の目の前にも朱色のボディが特徴的な断罪王が現れ、パトカーと警察官を踏みつぶす。
「断罪王がもう一人?」
「そんなに驚くなよ、お前もメシアから聞いてるだろ?最後の二十六番目の断罪王が終末目録を開いた時、終末黙示録の封印が解除されて、二十六体の断罪王同士の戦いが始まることを」
「実は俺、その最後の...二十六番目の断罪王なんだよ」
「なるほど、ならメシアがあえて説明しないのにも納得がいくな。俺は深淵を司る断罪王...断罪王A〈アビス〉だ」
断罪王A〈アビス〉が俺に殴り掛かってくる。
「おい!いきなりなにすんだてめぇ!」
「お前も俺と同じで、この世界でたった一人の神になりたいんだろ!だったら戦うしかねぇだろぉッ!」
「俺は...別に神になりたいわけじゃない...!俺はただ、暴力が許されないこの世界で自由に楽しく他人に暴力を振るいたいだけなんだァァァァァッ!」
断罪王Zに変神した俺は断罪王A〈アビス〉の頭を拳で何度も殴る。
断罪王A〈アビス〉の蹴りが断罪王Zの腹部に直撃し、断罪王Zの全身が市街地に倒れ込む。
「なるほど...神なんて興味ねぇってか?おまえ!ぶっ壊れてんなァッ!」
断罪王Zが立ち上がる、市街地からは悲鳴が聞こえる。
「痛ってぇなァァァッ!でも!そうだ!これだァァァァッ!もっと!もっと!もっと!もっと!もっと!暴力を楽しもうぜぇぇぇぇッ!」
断罪王Zと断罪王A〈アビス〉の拳が激突する。
激突した拳から放たれた衝撃波が市街地を爆炎に包む。
戦いはまだ始まったばかりである。

次回予告 第五十二話 断罪王Z 対 断罪王B〈ブラスト〉!いい歳したアルバイトをバカにする専業主婦は白飯に消しカスでもぶっかけて食ってろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

 第五十二話 断罪王Z 対 断罪王B〈ブラスト〉!いい歳したアルバイトをバカにする専業主婦は白飯に消しカスでもぶっかけて食ってろ!

 第五十二話 断罪王Z 対 断罪王B〈ブラスト〉!いい歳したアルバイトをバカにする専業主婦は白飯に消しカスでもぶっかけて食ってろ!

各地で発生する断罪王同士の戦い。
そしてここでも、銀色のボディが特徴的な断罪王Zと朱色のボディが特徴的な断罪王A〈アビス〉の熱い死闘が繰り広げられていた。
「暴力!暴力!暴力!暴力!暴力ッ!」
断罪王Zの拳が断罪王A〈アビス〉の頭部に何度も直撃する。
頭部に強い衝撃を何度も喰らった断罪王A〈アビス〉が市街地に仰向けに倒れる。
「なぁ、知ってるか?」
断罪王A〈アビス〉が立ち上がりながら話かけてくる。
「断罪王の操縦者に選ばれるのは二十六人は皆、社会不適合者らしい...俺はキレるとすぐに手が出ちまうからよ...人間関係も仕事も長続きしなくてよ...それでもこの世界でただ一人の神様になれたら人生うまくいくんじゃねぇかと思ってよ...」
「俺は...腹が減るとご飯が食べたくなるのと同じで、人々に暴力を振っているだけだ!そして暴力を振っている瞬間が最高に気持ちいい」
「そうか...お前は俺と違って自分の暴力が好きなんだな...俺はある意味、お前がうらやましいよ。俺は暴力が嫌いだ、暴力のせいで俺の人生は全部台無しになっちまったからな」
「おしゃべりはここまでだ!ここからは拳で語り合おうぜ!」
断罪王Zが断罪王A〈アビス〉に殴り掛かる。
断罪王A〈アビス〉が断罪王Zを抱きしめる。
「き、貴様何のつもりだ!」
「知ってるか?アビスって言葉の意味にはな!深淵以外にもう一つ意味があることを!」
断罪王Zと断罪王Zを抱きしめる断罪王A〈アビス〉の全身が炎に包まれる。
「そう、アビスには地獄って意味もあるんだぜ!どうせ勝ち目がないのなら、せめて、お前みたいな生まれながらのモンスターは俺と道連れにしてやるよ!そうすれば力を持たない人々をお前の大好きな暴力から救うことができる!」
「あ、熱い!うあああああああッ!」
「さぁ!地獄の炎を味わいなァァァァァァァァァッ!」
断罪王Zの片手が断罪王A〈アビス〉の胸をつらぬく。
断罪王Z片手には断罪王A〈アビス〉の心臓が握られていた。
断罪王Zと断罪王A〈アビス〉の全身を包んでいた炎が消えていく。
市街地に断罪王Zが放り投げた断罪王A〈アビス〉の巨大な心臓が落下する。
「断罪王A〈アビス〉の操縦者よぉ...お前が俺を殺したところで、お前は所詮自分の暴力も愛せないただのクズだ!お前は!自分を悩ませる暴力衝動を否定せず、受け入れるべきだった!だが一番の原因は暴力を好む人々を社会から排除しようとするこの世界なんだ!」
断罪王A〈アビス〉が光の粒子になって消えていく。
空腹感を感じた断罪王Zの変神も解ける。
「腹が減ると変神が解けるのか...!」
暴田リキは断罪王Zと断罪王A〈アビス〉の戦闘で瓦礫の山と化した市街地を歩き続ける。
次の日。
俺は食品工場で日雇いのバイトをしていた。
断罪王に変神して戦うにもエネルギーが必要であるということがわかったからだ。
工場内で作業服に身を包んだ美少女が工場長に怒られている。
「おい、お前!どうしてこんな簡単なこともできねぇんだ!バカ野郎!」
作業自体は単純で特に難しいことはないはずだが。
周りの作業員に迷惑がかかると思ったのか、工場長は美少女の制服の袖を掴んで工場の外に出てしまった。
外から工場長の怒鳴り声が作業場にまで聞こえてくる。
「はっきり言って迷惑だからもう家に帰れ!この役立たずのバカがッ!」
そして次の瞬間、大きな爆発音が聞こえた。
何事かと、大勢の作業員が作業を中断して、外に出る。
外には工場長と思われる肉片がバラバラになってそこら中に散乱していた。
そして、作業着に身を包んだ美少女はなにも見ていないかのように平気な顔をして工場内に戻る。
「おい!工場長をバラバラにしたの、おまえだろ?」
俺は作業着に身を包んだ美少女の肩を掴んで問いかける。
「ハァ?どうやったら私にそんなことできんのさ?」
作業着を着た美少女の名札には発山ナギサと書かれていた。
「ナギサ、お前、断罪王なんだろ?」
ナギサが驚いたような顔を一瞬した後で薄ら笑いを浮かべる。
「へぇ~あんたも断罪王なんだ、探す手間が省けたよ」
次の瞬間、俺の拳がナギサの頬に直撃していた。
ナギサの体が回転しながら約二メートル程、吹っ飛んだ。
「別に、わざわざ変神しなきゃいけないってルールはねぇはずだ!俺は終末を司る断罪王!断罪王Zだァッ!」
俺は走ってナギサに馬乗りになると、ナギサの顔を何度も殴る。
「お前!さっきどうやって工場長を爆破したんだ!答えろぉぉぉぉッ!」
ナギサの顔面を殴りながら問いかける。
「そ、そっか、殴られながらじゃ、しゃべれないよな...暴力を...我慢...しなくちゃ...!」
「私は...爆発を...司る...断罪王...B〈ブラスト〉」
次の瞬間、俺の視界に閃光が走る。
攻撃の意図を瞬時に察知した俺は首を横に向けて、閃光を避ける。
そして俺の背後で大きな爆発が起きる。
「なるほど、変神しなくても視線を向けたものを爆破できる、それがお前の能力の正体なのか...暴力を再開させるぞ」
俺はナギサの顔面を殴るのを再開させる。
「暴力!暴力!暴力!暴力!大好きッ!暴力ッ!」
顔面青あざらだけのナギサの口が三回動く。
「シ...ン...ゴ...!」
「しまった!なら俺も!シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とナギサの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
日雇いバイトの食品工場に二体の巨大人型機動兵器、銀色のボディが特徴的な断罪王Zと深緑色のボディが特徴的な断罪王B〈ブラスト〉が向かう合う。
「爆発を司る断罪王!断罪王B〈ブラスト〉の力を味わいなさい!」
断罪王B〈ブラスト〉の両目が光る。
断罪王Zの全身に爆撃が直撃する。
「断罪王に変神してしまえばこっちのもんよ!」
全身に爆撃を受ける断罪王Z、そして食品工場や周りの市街地も爆発する。
「アハハハハハハッ!私より顔と頭がよくて幸せそうなやつらなんか、みんな爆発してしまえばいいのよ!」
「うあああああッ!お前!どうしてこんなひどいことを!」
「都合のいい時だけ善人面してんじゃないわよ!この暴力愛好家が!それにメシアに断罪王の操縦者に選ばれた時点であんたも所詮私と同じ社会不適合者なのよ!あんたに私に偉そうに説教する資格なんてないのよ!」
周りの市街地が罪なき人々の悲鳴と共に爆炎に包まれる。
「アハッハハッ!みんな爆発してしまえぇぇぇぇッ!」
「お前...爆破を楽しんでるだろ?」
「そうよ、あんたが暴力が好きなのと同じよ!」
断罪王B〈ブラスト〉の目が光る、断罪王Zの全身を爆撃が襲う。
「うあああああッ!俺は...お前とは違う!お前はメシアに与えられた断罪王B〈ブラスト〉の力を自分の力と勘違いしているだけだ!俺は、断罪王の操縦者になる前から他人に暴力を振るうのが大好きだった!でも俺の暴力が弱ければ、弱いほど、俺がケンカで死ぬ確率も上がる!だから、俺は努力した!大好きな暴力をもっと好きになれるように!大好きな暴力でもっと気持ちよくなれるように!」
「それがどうしたァァァァァァァッ!」
銀色のボディが特徴的な断罪王Zの全身が爆撃で真っ黒になる。
「これだけの爆撃を受けながら、まだバラバラにならないなんて...」
「お前は他者から与えられた力を自分の力と勘違いしてるだけのバカだ!」
真っ黒焦げになった断罪王Zが断罪王B〈ブラスト〉に近づいてくる。
「く、来るなァァッ!」
断罪王Zの全身に爆撃が直撃する。
「俺はお前と暴力で語りあいたいんだよ!」
「な、なぜ死なない!こっちに...こっちに来るなァァァァァァッ!」
なぜ、断罪王Zが死なないのか?
それは断罪王Zの操縦者、暴田リキの暴力に対する愛と執念が断罪王Zの生命力を急激に上昇させているからからだ。
「俺の魂が暴力を愛する限り、お前に俺は倒せない」
断罪王Zの右手が断罪王B〈ブラスト〉の顔を掴み、胴体から離す。
断罪王B〈ブラスト〉の首の断面から放たれる大量の血のシャワーが市街地を包む爆炎を消火していく。
消火が終ると、断罪王B〈ブラスト〉の首と胴体が光に包まれて消える。
瓦礫の山と化したバイト先の食品工場。
俺は日雇いバイトの給料ももらえないまま、自宅に向かって歩き続ける。

次回予告 第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ!

第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ!
断罪王B〈ブラスト〉に勝利した俺は自宅に帰宅する。
「妹よ、バイト先の食品工場が爆破された」
「その冗談、全然おもしろくないんだけど」
俺の妹で引きこもりの暴田ザナがリモコンを手にもってテレビの電源をつける。
テレビニュースでは食品工場と周りの市街地が二体の巨大人型機動兵器の戦いにより爆発炎上したことが報じられていた。
「どうやら本当みたいね」
「ということで、今日の晩御飯と明日の朝飯はなしだ。というより、その机の上に置いてある札束はなんだ?」
「ああ、これね。これは私が断罪王C〈カオス〉の力で一般市民から奪い取った金よ」
「う、嘘だ...!どうして妹のザナが...断罪王に...!」
「うそじゃないわよ、メシアっていう女の子になんか終末黙示録とかいう変な本、渡されてさ、気がついたら一時的に巨大人型機動兵器に変神できるようになってた」
「嘘だ!俺は信じないぞ!」
「断罪王の名前を知っているってことは、もしかしてお兄ちゃんも断罪王なの?」
「ああ、そうだよ俺は終末を司る断罪王Zだ、俺は...俺は大好きな暴力が否定されない世界を実現するために...妹を殺さなくてはいけないのか...!」
「悪いけど、私は暴田リキの妹ってだけで、世間から散々、白い目で見られてきたからね、いくら相手がお兄ちゃんでも手加減するつもりはないよ」
確かに妹の言う通り、俺が各地で暴力行為を楽しめば楽しむほど、妹は会社を何度もクビになり、家に引きこもるようになってしまった。
メシアはザナが俺の妹であることを知っていて、断罪王の力をザナに与えたのだろうか?ザナが台所から包丁を取り出して俺に向かって襲いかかってくる。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!この厄病神がァァァァァァァッ!」
俺はとりあえず家を出る。
そうだ、現在どれ程の断罪王が生き残っているのかはわからないが、この世界には俺以外にも断罪王がいるのだ、なにも俺が自分の手で妹を殺す必要はないのだ。
俺はとりあえず、隣人の家の庭に逃げる。
「どこだァァァァァァッ! 厄病神!お前のせいで私の人生台無しだァァァァァッ!」
ザナの叫び声が聞こえてくる。
あいつ、もしかして包丁を手に持ったまま、外を出歩いているのか?
「お前さえいなければ、私の人生は色々うまくいくはずだったんだァァァァァッ!今すぐ私のために殺されなさいよぉぉぉぉぉッ!妹の将来をゴミクズにした責任をちゃんと取りなさいよぉぉぉぉぉッ!」
確かに、俺が何の罪もない人々の暴力を振るい続けるせいで、社会に居場所をなくした父さんと母さんはある日突然、俺と妹のザナの前から姿を消してしまった。
ごめんよザナ、俺が暴力を愛するばかりに、ザナの人生を台無しにしてしまって、でも俺は家族より暴力の方が大事なんだよ。
街路で俺への恨みを爆音で叫ぶザナに痺れを切らした近隣住民達がザナを囲む。
「お前、暴田リキの妹だろ!近所迷惑だぞ!引きこもりは家に引きこもってろ!」
「やっぱり妹も兄と同じく社会に適応できない危険人物だったとはな!危険人物はとっととこの町から出ていけぇッ!」
「私が...お兄ちゃんと同じ...?」
「ああ、そうだ!お前達、兄妹は人の迷惑を考えずに自分の欲求を満たすためだけに生きている危険人物だ!その手に持っている包丁が何よりの証拠だ!」
「私が...お兄ちゃんと同じ...?ウフフフフ...アハハハハハッ!あんなやつと...あんなやつと私を一緒にすんじゃないわよぉぉぉぉぉッ!」
手に包丁を持ったザナが近隣住民達に襲い掛かる。
近隣住民達がザナから逃げながら携帯電話で警察に通報している。
しかし、次の瞬間、近隣住民達の目の前に手に包丁を持ったザナがいた。
「い、いったい何が起きているんだ?」
「どうしてここに暴田リキの妹がいるんだ?」
近隣住民達が背後を振り向くと、そこには包丁を手に持った暴田ザナがいた。
「い、いったいなにがどうなっているんだ?」
「これが無秩序ということよ」
「無秩序だと?」
「この無秩序こそが、混沌を司る断罪王、断罪王C〈カオス〉の能力...!」
次の瞬間、包丁で腹部を切り裂かれた近隣住民達の大量の血液が地面を真っ赤に染めた。
「だ、だれか救急車を...!救急車を呼んでくれ!」
「そんなにいっぱい血が出てるんだから、救急車なんて呼んでも無駄よ」
俺は隣人の庭の塀の上からこっそり一部始終を見ていた。
あらゆる秩序を無秩序に変化させ、相手を混乱させる、それが混沌を司る断罪王C〈カオス〉の力。
「ねぇ、お兄ちゃん、どこかで私のことを見てるんでしょ?だったら今すぐ出てきてお兄ちゃんの大好きな暴力で私と命がけの勝負をしましょうよ!それとも、私にビビッてるのかしら?アハハハハッ!」
やはり、ザナもナギサ同様にメシアに与えられた断罪王の力に溺れてしまっている。
勝負において、その慢心こそ一番の敗因になることも知らずに。
二十六体の断罪王の操縦者は皆、社会不適合者が選ばれると断罪王A〈アビス〉の操縦者が言っていた。
なら、ザナを断罪王の操縦者にしてしまった責任は俺にあるのかもしれない。
やはり、暴力でわからせるしかないのだろうか?
なにより、勝負を挑んできた相手から逃げるのは俺にとって自分で自分の魂を殺すことに等しい。
暴力にはちゃんと暴力で答えねば。
それがたとえ、妹であっても。
俺は隣人の家の庭を出て、ザナの前に姿を現す。
「ザナッ!俺が暴力で本当の無秩序ってものを教えてやるよぉぉぉぉッ!」
「待っていたわ!この時を!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とザナが同時に断罪王変神の呪文を唱える。
俺とザナの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと紫黒色のボディが特徴的な断罪王C〈カオス〉が市街に向かい合う。
「最初に暴力ッ!」
断罪王Zが走って断罪王C〈カオス〉に殴りかかる。
断罪王Zの両足が市街地の建物や何の罪もない人々を踏みつぶす。
「聞こえるッ!そして気持ちいいッ!無慈悲な暴力により失われる人々の悲鳴がッ!」
断罪王Zの拳が断罪王C〈カオス〉の顔面に直撃する。
次の瞬間、断罪王Zの顔面に激痛が走る。
「痛てぇッ!俺の攻撃が俺自身に跳ね返ってきたというのか?」
「私は自分がダメージを受けるという秩序を断罪王C〈カオス〉の力で無秩序に変化させただけよ」
「そんな!じゃあ、ザナにとって不都合な現実は全て、断罪王C〈カオス〉の力で秩序を無秩序に変化させることで、ザナにとって都合のいい現実に変化させることことができるのか?」
「その通りよ。私は、この断罪王C〈カオス〉の最強の力で、他の断罪王を殺し、必ず最後の一人になってみせる!そしてこの世界にたった一人の神になって、絶対に幸せになってみせる!」
断罪王Zの攻撃が断罪王C〈カオス〉に直撃する、しかし、次の瞬間にはダメージが断罪王Zに跳ね返り直撃する、これが十回ほど繰り返された。
自らの攻撃により大ダメージを受けた断罪王Zの巨体が市街地に仰向けに倒れている。
「どう?お兄ちゃんの大好きな暴力でお兄ちゃん自身が死にかけている気分は?アハハハハハハッ!」
市街地の建物と人々を下敷きにして仰向けに倒れていた断罪王Zが立ち上がる。
「俺が俺自身が鍛え上げた暴力に殺されるのは全然、構わない!でもなァッ!俺の血と汗を流して鍛え上げた暴力を何の努力もせずにメシアから与えられただけの力に悪用されるのは絶対に許せないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
断罪王Zが断罪王同士の戦闘から身を守るために逃げ惑う罪なき人間を手でつかんで断罪王C〈カオス〉に向かって投げる。
「なにがしたいのよぉぉぉぉぉッ!」
断罪王C〈カオス〉に向かって放たれた人間が断罪王Zに跳ね返ってくる。
断罪王Zは跳ね返ってきた人間に拳を直撃させ、粉々にする。
そして、また市街地の罪なき人間を手でつかんで断罪王C〈カオス〉に向かって投げる。罪なき人間が断罪王Zに跳ね返ってくる。
断罪王Zは跳ね返ってきた罪なき人間を拳で殴り、粉々にする。
それが六回ほど続いた。
そして七回目のチャレンジでようやく投げた罪なき人々が断罪王C〈カオス〉の装甲に直撃して粉々になった。
断罪王Zが全力で投げた罪なき人間の直撃により、断罪王C〈カオス〉の装甲にひびが入る。
そして、なにより秩序を無秩序に変化させる能力が発動していないことが、断罪王C〈カオス〉のエネルギー切れを証明していた。
「お、お前は最初から私のエネルギー切れをねらっていたのか?」
「その通りだ妹よ、お前も断罪王の操縦者なら身体エネルギーの消費と断罪王の能力の消費エネルギーが同時に行われていることぐらい知っていたはずだ」
「だからあえて、跳ね返ってきても、大したダメージにならない人間を私に放り投げてきたのか!」
「そうだ、お前は断罪王の力に頼り過ぎた。そしてエネルギーの計算を無意識に忘れてしまっていた。それがお前の敗因だ、死ね」
断罪王Zの両手チョップが断罪王C〈カオス〉の両脇腹に直撃する。
横に真っ二つに切り裂かれた断罪王C〈カオス〉の体が市街地に落下して建物と罪なき人々を押しつぶす。
そして俺は光になって消える断罪王C〈カオス〉を見届けながら 断罪王Zの変神を解いた。
これでもう、ザナは俺のせいで苦しまずに済むんだ。
俺は断罪王C〈カオス〉の力で変わってしまったザナを救ったんだ。
俺は自分にそう言い聞かせながら、家に帰ることにした。

次回予告 第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ!

第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ!
妹を殺した俺は自宅に帰宅した。
自宅の周りの家は瓦礫の山と化していたが、どうやら俺の自宅は無事だったようだ。
まぁ、ちょっと前まで俺と妹をバカにしていたやつらの家が何件潰れようが俺には全く関係ないのだが。
そうだ、食品工場が爆破されたから夕食を買う金がないんだ。
今から雇ってくれる日雇いのバイトないかな。
俺はさっそく携帯電話で日雇いのバイトを探す。
しかし、まったく見つからない、普段なら簡単に見つかるはずなのに。
おそらく、各地で行われている断罪王同士の戦闘がこの国の経済にかなりのダメージを与えているせいかもしれない。
断罪王同士の戦闘で命を落とした犠牲者の数もかなりの人数がいるはずだ。
でも、それは単純に犠牲になった人々が己の暴力を鍛えていなかったのが悪いのだ。
暴力とは他者から自分の実を守る上で必要不可欠な力なのだ。
普段から自分に戦う力と勇気がないのを理由に暴力を否定し、大多数の価値観に依存し、考えるのをやめて、暴力を愛する人々を社会から排除しようとしている奴らに自分たちの身を守ることなんてできるわけがないのだ。
厳しい現実から、己を救うことができるのは暴力だけなのだ。
暴力は自分の身を守ると同時に自分の心を強くする。
力と力で行われる争いを平和という言葉で否定して人々が暴力を忘れれば、暴力を忘れた人々は理不尽な暴力から自分の身を守ることができなくなるのだ。
大自然を生きる地球生命体の中で唯一、人間だけが暴力を否定して生活している。
それは暴力が全てを決める厳しい現実を生きる大自然の動物や昆虫たちの方が人間より生きる力があるということだ。
頂点捕食者である人間が自然界の動物や昆虫に負けていいはずがない。
そう、やはりこの世界には暴力が必要なのだ。
バイトも見つからず、空腹感に耐え切れない俺は気晴らしに家を出る。
周りは瓦礫の山だらけである。
「あんた、断罪王なんでしょう?」
背後から女が話しかけてくる。
後ろを振り向くと、警備員の恰好をした髪の長いメガネをかけた美少女がいた。
美少女が俺の目を見る。
数秒後、俺の体が俺の意思とは関係なく、美少女に近づいていく。
「さっきの戦闘、見てたわよ、そしてあんたが変神を解くところもね」
「お前、俺に何をしたんだ?」
「とにかく私は今、とても怒っているのよ!さっきの断罪王同士の戦闘で、私が警備員として働いていたバイト先の建物が瓦礫の山になってしまったの!私はこれからどうやってご飯食べていけばいいのよ!」
美少女が俺に向かって激怒する。
「俺の質問に答えろ!」
「ああ、ごめんごめん、私は支配を司る断罪王、断罪王D〈ドミネート〉の操縦者、青井イシハよ!あんたの体の自由は私の断罪王D〈ドミネート〉の力で完全に支配させてもらったわ!」
「お前も、ナギサやザナ同様に変神しなくても、断罪王の能力を使えるというのか!」
「その通りよ、消費するエネルギーも支配する瞬間にしか消費されない、無敵の能力、それが断罪王D〈ドミネート〉の力よ!」
手にナイフを持ったイシハに向かって身体の自由を失った俺の体が近づいていく。
俺は目の前でイシハにナイフで刺されそうになっているにもかかわらず、身体の自由が奪われているので何の抵抗もできない。
先程の妹との戦闘でエネルギーをかなり消費した俺は今にも空腹で倒れそうだった。
気が付けば俺は気を失っていた。
しかし、俺の生存本能は状況を打破するために思考するのをやめていない。
地面に俺の頭がぶつかった感触、痛み。
おかしい、俺の体はイシハの支配下にあり、本来であれば、俺はイシハの手に持ったナイフに自ら突撃し、死亡するはずだった。
なのに、なぜ俺は頭部にアスファルトの感触を感じているのだ?
答えはただ一つ、俺が気絶したことでイシハの支配から一時的に解放されたからだ。
そして、俺が体に違和感を感じたのはイシハを目を合わせてからだ。
つまり、一時的に支配から解放され、両目を閉じている今ならイシハに反撃できる!
俺は両目を閉じた状態で素手でイシハに襲いかかる。
「こいつ!気絶した状態で攻撃してくる!もしかして、それがあんたの断罪王の能力なのか!」
「笑わせるな!俺が信じるのは断罪王の力ではなく自分自身の暴力だけだ!暴力による人間同士の戦いを繰り返し、暴力を極めれば、気絶からの強制覚醒も、両目を閉じたままでの戦闘も可能なのだ!断罪王の力に頼らなくても俺はお前をぶっ殺せるんだ!」
支配から解き放たれた俺が光速で放つ無数の拳と蹴りがイシハの全身に直撃する。
「朝も暴力!昼も暴力!夜も暴力!明日も...暴力‼」
俺は、もはや人の原形をとどめていないイシハの鼻頭にかぶりつき、咀嚼する。
「うん、味はいまいちだが、やはり肉には栄養があるな、力が沸いてくるぜ」
俺はイシハの頬を片手で掴んで話かける。
「断罪王変神の呪文を唱えろ!」
「え...?」
「シンゴォォォォォォォォって叫べよ!断罪王に変神して俺と暴力を楽しもうぜ!」
この男はイカれている、その言葉がイシハの脳内を埋め尽くす。
自ら作ったチャンスをドブに捨て、エネルギー補給ができたことに慢心し、命がけの再戦を挑んでくるこの男をイシハは理解できなかった。
断罪王D〈ドミネート〉に変神したところで、この男は両目を閉じた状態で戦闘が可能なのだ、つまり、能力の発動条件に気づいたこの男を断罪王D〈ドミネート〉の能力で支配することは、もう不可能なのだ。
単純な格闘戦ではケンカの経験がないイシハに勝ち目はない。
それでも、イシハは叫んだ。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
どうせ私は社会不適合者だ、それに両親のいない私にはもう帰る場所もない、たとえそれが敵に与えられた情けであったとしても、私はそのチャンスに賭けてみようと思った。
「おもしれぇぇぇぇぇぇッ!シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とイシハの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
市街地に銀色のボディが特徴的な断罪王Zと、オレンジ色が特徴的な断罪王D〈ドミネート〉が向かう合う。
両目を閉じたままの断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の全身に拳と蹴りを同時に何度も直撃させ、市街地に転倒させる。
断罪王D〈ドミネート〉は必死に両手足で反撃するが、両目を閉じているはずの断罪王Zにすべて回避される。。
両目を閉じたままの断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の首にかぶりつく。
「うぐぅああああああああああああああああああああッ!」
「んんんんんんッ!うまぁいッ!断罪王の肉はうまいッ!力が...力がみなぎってくるぞぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
そうか、最初からこの男はこの先も続く戦闘に必要なエネルギーを巨大化した私を食べることで満たそうとしていたのか。
断罪王Zが断罪王D〈ドミネート〉の全身を食い尽くしていく。
暗闇に満ちた空が夜明け空に変わる頃、断罪王D〈ドミネート〉は断罪王Zの胃袋の中で完全に消化されていた。
変神を解いた、全裸の俺の目に朝日がまぶしい。
次の戦いのためのエネルギーの準備は整った。
バイトして食費を得ることよりも、人間を食ったほうが要領がいいこともわかった。
さぁ、次の暴力だァッ!次の暴力が俺を待ってるんだァッ!
俺はこの先の未来に待ち受ける暴力に心を躍らせながら、断罪王同士の戦闘で瓦礫の山と化した市街地を歩く、全裸のままで。

次回予告 第五十五話 断罪王Z 対 断罪王E〈エナジー〉!いい歳してアニメや漫画が好きな人間をバカにする、バイトもせずに家事しかしない専業主婦はぬか床に漬けたパイナップルに修正液をぶっかけて食え! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十五話 断罪王Z 対 断罪王E〈エナジー〉!いい歳してアニメや漫画が好きな人間をバカにする、バイトもせずに家事しかしない専業主婦はぬか床に漬けたパイナップルに修正液をぶっかけて食え!

第五十五話 断罪王Z 対 断罪王E〈エナジー〉!いい歳してアニメや漫画が好きな人間をバカにする、バイトもせずに家事しかしない専業主婦はぬか床に漬けたパイナップルに修正液をぶっかけて食え!
ニュースでは断罪王同士の戦闘による被害状況が報道されている。
巨大人型兵器である断罪王同士の戦闘で家を失い、会社を失い、家族を失った人々の悲痛な声を聞いていると心が痛い。
このまま、断罪王同士の戦いが長引けば、この国は崩壊するかもしれない。
もし仮に、俺が最後の一人として生き残ったとしても、俺以外の人類が滅亡してしまえば、俺はいったい、誰に暴力を振ればいいのだろうか?
最近では、今まで考えたこともなかった、この戦いの意味について俺は考えるようになった。
そして、ニュースの話題は各地で発生している人間が人間を食う事件に変わっていた。
これはおそらく、断罪王の操縦者たちであろう。
俺と同じく、断罪王同士の戦闘による被害で働き場所を失くした社会不適合者たちが、エネルギー補給と食欲を満たすために、人間を食い始めたのだろう。
まぁ、働き場所を失くし、食料に困っているのは、普通の人間たちも同じなのだが。
もしかして、この戦いは、たった一人の神様を決めると戦いであると同時に、人類滅亡を目的として行われているのではないだろうか?
巨大人型機動兵器二十六体が足元に市街地や人々のいる状態で、戦い合えば、今まで人間の生活を支えていた、ありとあらゆるものが崩壊するのは当然のことだ。
しかし、そんなことを考えたところで、この戦いの本当の目的を知っているのはおそらくメシア、ただ一人なのかもしれないが。
俺は気晴らしに家から外に出る。
昨日は断罪王D〈ドミネート〉に変神したイシハを食ったので腹はあんまり空いていない。近所に家々は俺の家と同じく、なんの損傷もない家もあれば、瓦礫の山と化している家をある。
近所のコンビニもスーパーも皆、瓦礫の山になってしまったことで、この辺から引っ越す人が続出している。
「あの...あなた断罪王...ですよね?」
メガネと三つ編みおさげが特徴的な美少女が俺に話しかけてくる。
「どうしてわかるんだ?」
「これ」
美少女が見せてきた終末黙示録のページには現在生き残っている、断罪王の操縦者達の住所が記されていた。
「なるほど、終末黙示録で俺の居場所を見つけたわけか」
「はい...それで、わたしも実は断罪王の操縦者なんです...えっと...エネルギーを司る断罪王...断罪王E〈エナジー〉です...」
「恥ずかしいなら、無理して言うことないのに...」
「そ、そんなことはないです、それで、あの、多分、あなたでは私には勝てないと思うので...降参してくれませんか...?」
「死にたい...のかな?」
「あの、私、別にあなたをからかっているわけじゃないんです!単純に私...最強なんで、おとなしく殺されてくれたほうが、お互いのためだと思いまして...」
「じゃあ、始めようか」
「あ、ありがとうございます!それじゃあ、私に降参して、おとなしく私に殺されてくれるんですね」
次の瞬間、俺の拳が美少女の頬に直撃し、約三メートルほど吹っ飛ばした。
「口の割には大したことねぇな、メガネちゃんよぉ」
電柱に激突したまま、気絶している美少女の胸倉をつかみ、俺は美少女の頬を何度も平手打ちする。
美少女の目が開く。
「起きたか、さぁ...始めようぜ...俺たちの...暴力ッ!」
「シンゴォォォォォォォォッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zの右手が美少女を捕まえようとする。
口から血を流し、美少女が骨折している片足を引きずりながら、断罪王Zから逃げようとする。
「おい!おい!どうしたァッ!おめぇ最強なんだろ?ヒェアーッ!」
断罪王Zはいつでも捕まえられるはずの美少女をあえて捕まえない。
断罪王Zは逃げ惑う美少女の行く手を右手で塞いでいるのだ。
そして恐怖に怯える美少女の顔を見て楽しんでいる。
「おい!てめぇッ!どうして変神しねぇんだ!」
「だって...私...最強だから...」
「ならそれを今すぐ証明してみせろぉぉぉぉッ!」
「後悔しても知りませんよ...シンゴォォォォォォォォッ!」
美少女の衣服が粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王Zの前に緑色のボディが特徴的な断罪王E〈エナジー〉が出現する。
エネルギーを司る断罪王E〈エナジー〉の背中から無数の触手が放たれて、断罪王Zに突き刺さる。
「なんだこれは!力が抜けていく...!」
「そう、断罪王E〈エナジー〉は触手を通して相手からエネルギーを奪い、自分のエネルギーにできる...だから最強なんです」
気がつけば、俺は市街地の建物と罪なき人々を下敷きにして仰向けに倒れていた。
全てのエネルギーを断罪王E〈エナジー〉に吸い取られた俺は体を動かすことができない。
「断罪王E〈エナジー〉にエネルギーを吸い取られたあなたに待っているのは、栄養失調による死のみ...!あなたが私に情けをかけなければ、こんなことにはならなかった...」
確かに、身体の動かない俺にはもう、勝ち目はないのかもしれない。
でも、口は動かせる!
俺は口内の肉を歯で噛みちぎる。
口内に激痛と血の味が広がる。
しかし、口内の痛みと引き換えに全身にエネルギーが満ちていく。
断罪王Zが立ち上がる。
「そんな...断罪王E〈エナジー〉にエネルギーをすべて吸収されたはず...!まさか、その口から出ている血は!」
「そう、俺は俺の口内の肉を歯で噛みちぎって、それを断罪王Zのエネルギーにしたのさ!」
「なら、再び吸い取るだけです!」
断罪王E〈エナジー〉の背中から無数の触手が放たれ、断罪王Zを襲う。
断罪王Zは手刀で断罪王E〈エナジー〉から放たれた触手を切り裂く。
「仕掛けがわかれば、こっちのもんだ!お前が俺にその攻撃を当てることは、もう不可能だ!さぁッ!最高に気持ちいい暴力の時間だァッ!」
断罪王Zが断罪王E〈エナジー〉の背後の光速移動し、背部の触手をすべて引っこ抜く。
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ!」
断罪王E〈エナジー〉の背中から大量の血が噴出し、市街地を真っ赤に染める。
「これで、もうお前は俺からエネルギーを奪うことはできない!」
市街地の建物と罪なき人々を下敷きにして仰向けで倒れている断罪王E〈エナジー〉が背中の激痛に悶えている。
激痛に悶えている断罪王E〈エナジー〉の右上腕を断罪王Zの右足が押しつぶす。
「うぐぅああああああああああああああああああああッ!」
「お前!最強なんだよなァァァァァァァァァッ!」
断罪王E〈エナジー〉の左上腕を断罪王Zの左足が押しつぶす。
「ぐぅあああああああああああああああああああああッ!
「お前!最強なんだよなァァァァァァァァァッ!」
その後、断罪王Zの両足が断罪王E〈エナジー〉の両足首を踏みつぶした。
「よし、これでもう、お前はなんの抵抗も出来ない!しっかりエネルギーを補給させてもらうぜ...」
断罪王E〈エナジー〉に馬乗りになった断罪王Zが断罪王E〈エナジー〉の全身にかぶりつこうとする。
肌色のボディが特徴的な断罪王Zの背部に断罪王J〈ジャスティス〉の飛び蹴りが直撃する。
「間にあわなかったか...!その子はもう、死んでいる!それぐらいにしておけ!」
「だれだ!お前!」
「僕は正義を司る断罪王J〈ジャスティス〉の操縦者!山田ツバサ!このくだらん断罪王同士の戦いを終わらせる男だ!」
「意味がわからん」
「僕は断罪王同士の戦い、つまり人間同士の殺し合いを止めるために戦っているんだ!」
「メシアによって断罪王の操縦者に選ばれた社会不適合者がカッコつけてんじゃねぇぞッ!」
「僕は昔から自分に嘘がつけなくてね、だからどの会社に勤めても不正を見つけては告発していたから全部クビになってしまった!でも僕は自分の正義を貫いただけだ!悔いはないよ!」
断罪王Zの放つ拳を断罪王J〈ジャスティス〉の右手のひらが包み、粉々にする。
「うぐあああああああああああああああああああッ!」
断罪王J〈ジャスティス〉の放つ蹴りが断罪王Zの頭部に直撃する。
断罪王Zが市街地に仰向けに倒れる。
俺の全身の痙攣が止まらない、身体が思ったように動かない、立ち上がれない。
「死なない程度に威力は弱めておいた。僕は君の命を奪うつもりもない、これに懲りたら君も断罪王同士の戦いに参加するのはやめることだ、さようなら」
断罪王J〈ジャスティス〉が閃光に包まれて俺の前から姿を消す。
俺は負けたのか...断罪王J〈ジャスティス〉に、しかも手加減までされて...!
俺の暴力が全く通用しなかった。
変神が解ける。
俺は瓦礫の山の上で全裸で仰向けに横たわりながら泣き叫んだ。
「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
完全なる敗北だった。

次回予告 第五十六話 断罪王Z 対 断罪王J〈ジャスティス〉!いい歳してプラモデルに熱中する人間をバカにする専業主婦は排水口のぬめりと濡れたティッシュペーパーとインクをミキサーで粉砕してできたスムージーでも食ってろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十六話 断罪王Z 対 断罪王J〈ジャスティス〉!いい歳してプラモデルに熱中する人間をバカにする専業主婦は排水口のぬめりと濡れたティッシュペーパーとインクをミキサーで粉砕してできたスムージーでも食ってろ!

第五十六話 断罪王Z 対 断罪王J〈ジャスティス〉!いい歳してプラモデルに熱中する人間をバカにする専業主婦は排水口のぬめりと濡れたティッシュペーパーとインクをミキサーで粉砕してできたスムージーでも食ってろ!

今日も各地で断罪王同士の戦いが行われている。
俺は断罪王J〈ジャスティス〉に与えられた心と体の傷を癒すために、終末黙示録で断罪王の操縦者たちの位置情報を集める。
俺以外の断罪王の見つけ、倒し、食うことができれば、エネルギーの補給もできるし、断罪王J〈ジャスティス〉と再戦できる可能性も高くなる。
そう、断罪王J〈ジャスティス〉の目的は断罪王同士の戦いを止めること。
つまり、断罪王同士の戦いのあるところに断罪王J〈ジャスティス〉は必ず現れるのだ。
操縦者の位置情報だけでなく、断罪王同士による戦闘の現戦況も記されてある終末黙示録には断罪王J〈ジャスティス〉に対して悪質で迷惑な断罪王であると記されていた。
そりゃあ、この戦いの元凶であるメシアにしてみれば、かなり迷惑な話だろうな。
自宅のインターホンが鳴る。
自宅のドアを開けると髪の長く前髪で両目がほとんど隠れている女がいた。
「あんた誰?」
「わ、わたしは幻影を司る断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者の武田テツカです。終末黙示録を見てここまで来ました、もしよかったら私と戦いませんか?」
「別に構わんが、戦いの最中に、断罪王J〈ジャスティス〉が乱入してきても、俺はお前も断罪王J〈ジャスティス〉もぶっ殺すぜ!」
「断罪王J〈ジャスティス〉...本当に迷惑ですよね...じゃあ、始めましょうか」
「ちょっと待て、ここで変神したら俺の自宅が近所の家みたく瓦礫の山になってしまう。もうちょっと離れたところで戦おう」
俺は家を出てテツカと共に移動を開始する。
「あの、そっちの方は私の家があるんですけど...」
「じゃあ、こっちはどうだ」
「そっちなら別に問題ありません」
「お前はなぜ戦う?」
「私は社会不適合者から世界でたった一人の神様に自分の社会的地位をランクアップさせたいんです、みんなそうだと思うんですけど、あなたは違うんですか?」
「俺は暴力を愛するがゆえにこの社会では生きていけなくなってしまった。だから俺はこの世界でたった一人の神になって全人類が暴力を否定せずに愛せるような世界を作りたいんだ」
「よく意味がわかりませんが...とりあえず暴力がお好きなんですね...?」
「そういうことだ。この辺なら俺とお前の家に被害は起きないだろう?」
「そうですね、では、始めましょうか...」
「ああ、楽しい暴力の始まりだァッ!」
俺とテツカの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと紫色のボディが特徴的な断罪王I〈イリュージョン〉が向かい合う。
「ちょっと待ったァァァァァァァァァァァァァァッ!」
変神した俺とテツカの背後から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「来たな...」
「来ましたね...」
肌色のボディが特徴的な断罪王J〈ジャスティス〉が断罪王Zと断罪王I〈イリュージョン〉の間に入る。
「君たち、こんなバカげた戦いは今すぐやめるんだ!」
「断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者よ!さっきも言った通り、俺はお前も断罪王J〈ジャスティス〉もぶっ殺す!」
「それはこちらもおなじです、あなたも断罪王J〈ジャスティス〉も私の社会的地位向上のために破壊します!」
「君たち!どうして僕を無視するんだ!人間同士で殺し合うのがバカげているの思わないのか!」
断罪王I〈イリュージョン〉全身から光が放たれる。
次の瞬間、断罪王Zと断罪王J〈ジャスティス〉の足元がマグマに変化する。
「これは幻覚なのか?いや違う!熱い!」
光熱のマグマが断罪王J〈ジャスティス〉を足元から溶かしていく。
しかし、断罪王Zの体は溶けていない。
「なるほど、資格がマグマの幻覚をマグマと認識してしまった時点で、それが現実マグマになり、操縦者の痛覚にダメージを与える。これが貴様の能力なのか、断罪王I〈イリュージョン〉」
「そ、そうだったのか!」
俺の言葉を聞いた断罪王J〈ジャスティス〉が幻覚から解放される。
「あと少しで死ぬところだった!ありがとう、君のおかげで助かったよ、断罪王Z」
「俺はお前を助けたわけじゃない、俺とお前がたまたま同じ攻撃を受けただけだ」
戦闘開始早々に能力を見破られた断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者は驚愕していた。
「さすが、ここまで生き残ってきた断罪王は違いますね...」
「お前は自分の断罪王の能力に頼りすぎる、それでは俺には勝てないぜ!お遊びはここまでだ!」
断罪王I〈イリュージョン〉に襲いかかる断罪王Z。
足元のマグマから無数の竜と悪魔が出現し断罪王Zを襲う。
「無駄だァッ!そんな幻覚!俺にはきかねぇんだよぉッ!」
断罪王Zの蹴りと拳が断罪王I〈イリュージョン〉の放った竜と悪魔の幻覚を粉砕する。
そして断罪王Zの拳が断罪王I〈イリュージョン〉の胸部に直撃する寸前に、その拳を断罪王J〈ジャスティス〉が受け止めていた。
「邪魔をすんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「どんな理由があっても人が人を殺していい理由はないんだ!」
変神を解いた断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者がここぞとばかりに逃げていく。
「あの女!俺に幻覚が通用しないことがわかって逃げやがったな!」
「君も今日はこれくらいにして、家に帰るんだ!」
「うるせぇ!あと、もうちょっとであの女を殺せたのに邪魔しやがって!なら、せっかくだ!昨日の決着付けようぜ!断罪王J〈ジャスティス〉」
「昨日の決着ならもう、昨日のうちに着いただろう?君じゃあ格闘戦では僕に勝てないよ!」
「うるせぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王Zの放つ拳、蹴り、を断罪王J〈ジャスティス〉が次々と避けていく。
「なぜだァッ!なぜ当たらない!」
「僕は昔から自分が間違っていると思うことや不正が許せなかった。だから僕は学校でも会社でもいつもみんなに嫌われていた!そして、今まで勤めていた会社でも不正を告発するたびにクビになった。でも僕は後悔はしていない!集団社会はいつも真実の正義を闇に葬り、集団で作り上げたウソの真実を真実の正義として人々に押し付ける!でもこの世界でただ一人、僕が真実の正義の味方であり続けることで世界は必ず変わる!」
「うるせぇよ!じゃあ、おめぇは断罪王J〈ジャスティス〉に変神してから、一度も人を殺してないっていうのか?そんなわけねぇよなぁッ!だって俺たちは市街地の上で戦っているんだぜ!俺とお前が戦うたびに、なんの罪もねぇ誰かが、俺と断罪王J〈ジャスティス〉に踏みつぶされる!お前は所詮、人殺しなんだよ!人殺しが自分のことを正義の味方とかいってんじゃねぇよ!全国の正義の味方に謝れ!馬鹿野郎ォォォォォッ!」
「そ、そんな...僕が人殺し...?」
「お前、今更気付いたのかァ?これをよーく見な!」
断罪王Zが断罪王J〈ジャスティス〉の足元で倒れてる死体を手で摘まんで断罪王J〈ジャスティス〉に見せる。
「この死体はお前が踏みつぶした人間だ!お前は正義の味方なんかじゃねぇッ!ただの人殺しなんだよぉぉぉぉッ!」
「う、うそだ!こ、こんなの僕は認めないぞ!僕は正義!僕は断罪王J〈ジャスティス〉なんだ!僕の正義は正しいんだァァァァァァァッ!」
断罪王J〈ジャスティス〉の放つ拳と蹴りが断罪王Zを襲う。
「ククク...心が乱れているぜ...!」
断罪王Zが断罪王J〈ジャスティス〉の攻撃を全て回避する。
断罪王Zの放つ拳と蹴りが断罪王J〈ジャスティス〉に全て直撃する。
「お前の心の迷いがお前の暴力を弱らせた!お前の正義はここで終わりだ!でも俺の暴力はまだ終わらない!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王Zの両手の手刀が断罪王J〈ジャスティス〉の胸部に突き刺さる。
断罪王J〈ジャスティス〉が光になって消えていく。
「君は運がよかっただけだ...!」
「なんだと!」
「僕が君の挑発に心を乱していなければ、僕は君に勝てていたんだ...その証拠に僕はまだ断罪王J〈ジャスティス〉の能力を発動していない...僕は自分の心の弱さに負けたのであって、勝負で君に負けたわけじゃない...僕の勝ち逃げだ!」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
断罪王J〈ジャスティス〉が完全に消えた。
断罪王Zの変神が解ける。
「死んだ奴が勝者になれるわけねぇだろ...!」
俺は全裸のまま、自宅に向かって歩く。

次回予告 五十七話 断罪王Z 対 断罪王I〈イリュージョン〉!いい歳した引きこもりやフリーターをバカにするろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は雑草を公園の泥と水たまりにたまった汚水と生活排水で煮た野菜スープでも飲んでろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十七話 断罪王Z 対 断罪王I〈イリュージョン〉!いい歳した引きこもりやフリーターをバカにするろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は雑草を公園の泥と水たまりにたまった汚水と生活排水で煮た野菜スープでも飲んでろ!

第五十七話 断罪王Z 対 断罪王I〈イリュージョン〉!いい歳した引きこもりやフリーターをバカにするろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は雑草を公園の泥と水たまりにたまった汚水と生活排水で煮た野菜スープでも飲んでろ!


深夜、俺は終末黙示録に記された断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者の自宅に行って、インターホンを押した。
「こんな夜遅くに、なんでしょうか~」
就寝中だったのか、インターホンから寝ぼけた女の声が聞こえてくる。
「昨日、戦闘中に君に逃げられた、終末を司る断罪王、断罪王Zの暴田リキなんですけど、昨日のバトルの続きしませんか?」
「その終末の~っていちいち言うの、なんか、めんどくさくないですか?」
「いや、そういうのはいいんで、そんで~どうします?」
「いや、今、寝てる最中なんで、明日じゃだめですか?」
「じゃあ、あした、どこでバトルします?」
「あ、思い出しました、私の断罪王の能力はあなたには聞かないんですよね~」
「そうなんですよね」
「じゃ、やっぱキャンセルで」
「わかりました...シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王Zに変神した俺は断罪王I〈イリュージョン〉の操縦者の家を踏みつぶした。
次の日の朝、散歩の途中でトイレに行きたくなった俺はコンビニに入る。
コンビニの店内で、男が一人、ダンスを踊っている。
ダンスを踊っている男を警察官が取り囲んでいる。
警察がダンス男に注意しても、男はダンスを踊るのをやめない。
ダンス男が店内のBGMに合わせて両手足を激しく動かしながら回転している。
ダンス男に無視されて痺れを切らした警察官がダンスの男の腕をつかむ。
「暴力反対!」
「暴力じゃないだろ。とにかくここで踊ってたら他のお客さんに迷惑だから、とっとと店から出てってくれ」
「俺は買い物に来たんだぜ、そういう言い方は失礼なんじゃないか?」
「どう見ても、君、さっきからコンビニの店内で買い物じゃなくてダンス踊ってるでしょ?普通にみんなの迷惑だから」
「ダンス踊りながら買い物して何がいけないんですかね?」
「他のお客さんの迷惑だって言ってるんですよ」
「いや、僕はまだ一度も、他のお客さんに迷惑だなんて言われてませんけど」
「実際に、こちらの従業員の方から通報があったんですよ、コンビニで踊っている奴がいて客が迷惑してるって」
「それって、客じゃなくて従業員が迷惑してるってことですよね?悪いけど、僕、一応、客なんで、お金払う方なんで、従業員より偉いんですよねぇ~」
俺は見て見ぬふりをして、コンビニのトイレを借りる。
そして、トイレを使用し終えた俺は何も買わずにコンビニを出る。
俺が店を出る直前になっても、ダンス男はダンスを踊り続けていた。
コンビニから家の途中の道に大きな畑がある。
しかし、断罪王同士の戦闘で畑はめちゃくちゃになっていた。
畑がめちゃくちゃになっても農家の人たちが必死になってなんとかしようとしていた。
「農家のおじさん、畑、大変なことになってますね~」
「おお~暴田さん、久しぶり!いや~まいっちゃうよ、毎度毎度、あんなでかいロボットにケンカされちゃあ、もう農業でメシなんて食えやしない!」
「ほんと、どうしてこんなひどいことするんですかね~農家さんが一生懸命作った、野菜がこれじゃあ、全部ただの生ゴミだ」
「早く、終わってくれるといいんだどな~ロボット同士のケンカがよぉ~」
「あら、暴田さんのとこの息子さん」
「あ、おばさん、ひさしぶり」
「これ、このおにぎりちょっと作りすぎちゃったから、もしよかったら食べてきなさい」
「あ、いいんですか?いただきます!ん~美味しいですね!」
「よかった!」
「うん、うまい、畑がめちゃくちゃになっても、こうしてご飯が食べれるのはありがたいことだよな!」
「おじさんいいこと言いますね」
「おにぎりぐらいで、でいちいち大げさよ」
「ごちそうさまでした、お礼にいいこと教えてあげますね、昨日の戦闘で、この畑、踏みつぶしたの、俺なんですよ~」
農家のおじさんとおばさんの表情が凍り付く。
「多分、今日も戦闘あると思うんで、そん時は畑、また踏みつぶすんで、よろしくぅ!」
俺はダッシュ走りながら、農家のおじさんとおばさんから離れた。
やはり、どこのスーパーもレストランも断罪王同士の戦闘で瓦礫の山になり、潰れてしまっている。
断罪王同士の戦闘のせいで仕事を失くしてしまった人々がスコップや手押し車を使って瓦礫の山を片付けている。
俺も暇なので手伝うことにした。
「あの、俺も手伝います」
「お、そうか、そんじゃ、頼むぞ」
俺は両手に軍手を着けて、瓦礫の片づけを始めた。
「これ、きついですね」
俺は瓦礫の片づけをしているおじさんに話かける。
「でも、どこもこのありさまだからな、家族や仕事を失ったやつらは、これぐらいしかすることがないのさ」
「おじさんも最近のロボット騒ぎで、大事な人を失ったんですか?」
「ああ、職場と嫁と子供を銀色の巨大ロボットに踏みつぶされた」
「あ~、それ多分、俺っすね」
「え?」
「その銀色のロボット、断罪王Zを操縦してたの、俺です」
おじさんが俺の胸倉をつかんで、持ち上げる。
「俺だって別に悪気があったわけじゃないんです。でも一番悪いのはおじさんですよ」
「なんだと!」
「力のねぇやつはひどい目に遭って当然なんですよ、だっておじさんに力があれば、おじさんは家族も職場を守れてましたよね、でも結果的に、何一つ守れなかった。つまり、おじさんはクソザコ、自分の大切なものなに一つ守れなかった、クソザコジジイ、バーカ、バーカ」
俺はおじさんの腹部に蹴りを入れる。
俺の蹴りでぶっ飛んだおじさんが瓦礫の山に頭部を思いっきりぶつける。
おじさんが死んだ。
歩いても、歩いても瓦礫の山。
道で子供が泣いている。
「お前、どうして泣いてるんだよ」
「大きなロボット同士の戦いで、お父さんとお母さんが死んじゃったんだ」
「その大きなロボットの色、覚えてるか?」
「たしか、銀色と肌色のロボットだったと思う」
「その銀色のロボット操縦してたの、俺なんだよ、すごいだろ」
名前も知らない子供が泣きながら、俺の足を殴る、蹴る。
「お父さんとお母さんを返せー!この人殺しー!」
「ちなみに銀色のロボットの名前は断罪王Zって言うんだ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Z」
俺は攻撃してくる名前も知らない子供の顔を思いっきり蹴り飛ばした。
「正当防衛だからな、悪く思うなよ。すべてはお前に力がないのが悪いんだ、力がないのを俺のせいにするな!」
俺は自宅に向かって歩き続ける。
俺の家が燃えていた。
家の前に女が立っている。
「俺の家が燃えている。犯人はお前か?」
「はい、そうです」
「どうしてこんなことをした?」
「だってずるいじゃないですか、私の家やみんなの家は巨大ロボット同士の戦闘で瓦礫の山になってしまったのに、あなたの家だけ、なんの被害も受けていない!こんなの理不尽ですよ!私はあなたを絶対に許さない!」
「あっそ」
俺は地面の泥を掴んで、俺の家に火をつけた女の口の中に入れる。
俺は自分の両手で女の口をふさぐ。
「うごうぐがご...」
俺は数分後、手を離す。
女が地面に手をついて泥の混じった真っ黒な吐しゃ物を吐き出す。
「オヴェェェェェェェェェェェェェェェッ!」
「お前の家はどんな見た目の巨大ロボットに破壊されたんだ?」
「銀...銀色の...ロボットに踏みつぶされた...オヴェェェェェェェェッ!」
「その銀色のロボット操縦してたの、俺なんですよ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Zっていう名前なんです」
「あっそ、それを聞いてすっきりしたわ...でも、私は家だけじゃない、子供も旦那もあんたに踏みつぶされたのよ」
「じゃあ...お前の子どもと旦那を踏みつぶしたの、俺なんですよ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Zっていう名前なんです」
女が近くの瓦礫の山から鉄パイプを手に持って俺に襲い掛かってくる。
「今、鉄パイプで襲われているの、俺なんですよ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Zっていう名前なんです」
「人をバカにするなァァァァァァァッ!」
俺は女の鉄パイプ攻撃を避ける。
「今、鉄パイプの攻撃よけたの、俺なんですよ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Zっていう名前なんです」
俺は女の顔面を蹴り飛ばす。
「今、女の顔面を蹴り飛ばしたの、俺なんですよ。終末を司る二十六番目の断罪王、断罪王Zっていう名前なんです」
女はもう何も言い返してこなかった。
家を失った俺は歩き続ける。

次回予告 第五十八話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!非正規労働者をバカにするバイトもしないで家事しかしない専業主婦は三千年前に土に埋められたタイムカプセルに入ってた白菜とカブトムシの幼虫の漬物でも食ってろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十八話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!非正規労働者をバカにするバイトもしないで家事しかしない専業主婦は三千年前に土に埋められたタイムカプセルに入ってた白菜とカブトムシの幼虫の漬物でも食ってろ!

第五十八話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!非正規労働者をバカにするバイトもしないで家事しかしない専業主婦は三千年前に土に埋められたタイムカプセルに入ってた白菜とカブトムシの幼虫の漬物でも食ってろ!

最近、各地で断罪王同士の戦闘に巻き込まれて死んでしまった人間が生き返る現象が発生しているらしい。
今日も電気屋のテレビに写っているニュースでは断罪王同士の戦闘で死んでしまった人々が各地で復活したことを報じている。
「最近、各地で起きている巨大ロボット同士の戦闘で亡くなった人々が復活しているこの怪奇現象、専門家の山口さんはどう見ていますか?」
テレビ画面に映る、頭の中がプロスポーツ選手との玉の輿結婚のことでいっぱいになってそうな、顔の良さだけが取り柄のクソバカアナウンサーが専門家に質問する。
「そうですね、どうやら噂ではA地区に住んでいるとある美少女が中心になって、各地で死んでしまった人々を蘇生させているとか、いないとか、まぁ、この手の問題は実際に見てみなければ、本当のことはわかりませんよね~」
「なんだ、このクソみてぇなコメントはァッ?質問に対して一ミリも答えになってねぇじゃねぇか!コメンテーターやめちまえッ!クソがァァァァッ!」
俺は罵詈雑言を吐きながら電気屋のテレビ画面に正拳突きを二十発ぶち込んでやった。
「ちょっと、お客さん!なんてことするんですか!」
電気屋の店員が俺のキレる。
「うるせぇッ!ボゲェェェェッ!」」
俺は電気屋の店員の顔面を何度も殴る!
俺は電気屋の店員の腹部を何度も蹴る!
俺は電気屋の店員の両目に両手人差し指を突き刺す!
顔面血塗れの満身創痍の電気屋の店員が床に倒れて、全身を襲う激痛に悶え苦しむ。
「痛いよぉぉぉぉッ!どうして俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ!」
「うるせぇ!まだ金払ってねぇテレビぶっ壊したぐらいで客にキレるおめぇがいけねぇんだよ!このクソボケカスゥッ!俺は悪くねぇぇぇぇぇぇッ!」
周りの誰かが通報したのか、警察が俺を囲む。
俺は電気屋の店員の両足を掴んでジャイアントスイングをしながら、警察官を蹴散らす。
「俺は悪くねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は電気屋の店員の胴体から両足を引き千切る。
「痛いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「両足二刀流!斬ァァァァァァァァァンッ‼」
俺は電気屋の店員の胴体から引き千切った両足を両手に持って俺に襲い掛かる警察官共の頭部に直撃させてぶっ殺した。
両手に持った電気屋の店員の両足の断面から大量の血が噴き出して、俺を囲む警察官どもの視界を真っ赤に染める。
俺はダッシュで警察官から逃げる。
「おそらく、各地で死人を復活させているのは断罪王の操縦者だろうな」
そう、一度死んだ人間を蘇生することが可能なのは、断罪王の能力意外に考えられない。
テレビのコメンテーターが言うには、死人を復活させているのはA地区に住んでいる美少女だと言っていた。
俺はA地区に向かって走る。
「こりゃあ、いったいどうなっているんだ?」
断罪王同士の戦闘でどこも瓦礫の山が埋め尽くす廃墟と化しているのに、A地区まるで断罪王同士の戦闘など一度も起きていないかのような、ほとんど無傷の状態だった。
「瓦礫の山が一つもない、おい、そこの!この地区はどうしてこんなにキレイなんだ?」
俺は道を歩いている男の前髪を引っ張って、話かける。
「な、なにをするんだ!」
「うるせぇ!死ぬのが嫌なら、俺の質問に答えろ!」
「そ、それはアルネ様のおかげだよ、アルネ様が巨大ロボット同士の戦闘で死んでしまった人々や壊れてしまった建物を全部、復活させてくれたんだ!」
「アルネ?そうか、そのアルネってやつが俺の探してる断罪王の操縦者なんだな?死ねぇぇッ!」
俺はアルネについて話してくれた男の舌を手で摘まんで引っこ抜く。
「ぶひゃああああああッ!」
俺に舌を抜かれた男が口から大量の血を流して、地面に倒れる。
「俺は悪くねぇ!産まれてきたお前が悪い...!
俺は道を歩いていた女にアルネの居場所を聞く。
「おい、女!アルネはどこに住んでいるんだ!」
「アルネ様はここからでも見える、あのアルネタワーに住んでいるわ」
「わかった、礼を言う」
俺は女の腹部に手刀を突き刺した。
「ぐふぇぶ」
女が腹部から大量の血を流して地面に倒れる。
「死ねよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺はアルネタワーに入る。
受付の女に俺は問う。
「アルネに会わせろ!」
「どんなご用件でしょうか?」
「俺は終末を司る断罪王Zだ!アルネに断罪王Zがお前を殺しに来たと言えば、きっと俺に会ってくれるはずだ!ちなみに俺はもう、この地区で二人も人間を殺している」
俺は受付に先程男から引き千切った男の舌と先程の女の腹部から摘出した女の膀胱を置く。
「きゃああああああああああああああああああああああああッ!」
受け付けの女の悲鳴に警備員が駆けつけ、俺を取り囲む。
「お前ら、産まれてくるんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
俺は警備員達を殴る蹴る!
警備員達も俺を殴る蹴る!
「暴力!最高に暴力ッ!」
警備員たちの臓器と血液がアルネタワー一階を汚す。
騒ぎに駆け付けた武装したアルネの信者達が俺を囲む。
「アルネ様に危害を加えるこの悪鬼をみんなでぶっ殺すわよ!」
「お前ら!全員、アルネに家族を生き返らせてもらったのか!」
「そうよ!アルネ様は私たちに失った家族と住む場所をくれたのよ!」
金属バットを手に持ったアルネの信者達が俺に襲い掛かる。

次回予告 第五十九話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!パワハラするやつらは大けがした時の手術の際に自分の血液型以外の血液を輸血されろ!








 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第五十九話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!パワハラするやつらは大けがした時の手術の際に自分の血液型以外の血液を輸血されろ!

第五十九話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!パワハラするやつらは大けがした時の手術の際に自分の血液型以外の血液を輸血されろ!

金属バットを手に持ったアルネの信者共が俺に襲いかかる。
「アルネ様は死んでしまった家族を生き返らせてくれた!」
「アルネ様は家を失った私に住む場所をくれた!」
「アルネ様の邪魔をするやつは私たちが絶対に許さないわ!」
俺はアルネの信者共の顔面を蹴る!殴る!
「アルネは断罪王の力でお前たちを騙しているだけだ! アルネもお前たちから家族や家を奪った巨大ロボット・断罪王の操縦者の一人なんだぜ!」
「そんなわけないわ!」
「そうよ!そんなウソに私たちは騙されないわよ!」
「そうよ!今、あなたと戦っている私だって、一度死んでアルネ様に生き返らせてもらったのよ!」
「なに!じゃあ、お前は一度死んで生き返ったというのか?」
俺は一度死に、蘇ったと自称するババァの頭部を足で踏み潰す。
するとババァの体が光になって消えていく。
「ああ!生き返ったばかりのタエコさん!が消えてしまう!」
「大丈夫よ!あとでアルネ様がまた復活させてくれるわ!」
「なるほど、復活した奴らはみんなただのエネルギー体だったってわけか」
俺は残りのアルネの信者達の頭部を正拳突きで粉々にした。
「アイラブ暴力ッ!エブリデイ暴力ッ!」
こちらは血飛沫と肉片があたりに飛び散っていることから、普通の人間であることがわかる。
俺はアルネタワーのエレベーターに乗って、最上階のボタンを押す。
豪華な品々に埋め尽くされたアルネタワー最上階にはアルネ一人がいた。
「お前がアルネだな!死ね!」
「初対面なのに随分と失礼な人ね?それでご用件は?」
「お前、人の話聞いてんのか?死ねって言ってんだよ俺はァッ!死ねぇッ!」
「無理よ、あなたに私は殺せないわ!知っているんでしょう私の断罪王の能力を」
「ああ、お前は断罪王の力で死んでしまった人間を復活させて、人々を騙している。そして騙した人々からお金をもらって裕福な生活をしている!」
「それのいったい何が悪いのかしら?」
「俺は己の暴力でお前のその幸せと命をぶっ壊しに来た!」
「後悔しても知らないわよ!」
「うるせぇ!とっとと変神しろ!このインチキ詐欺師が!死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とアルネの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
アルネタワーが最上階から崩壊していく。
瓦礫の山と化したアルネタワーに銀色のボデイが特徴的な断罪王Zと水色のボディが特徴的な断罪王R〈リバイバル〉が向かう合う。
「死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王Zの飛び蹴りが断罪王R〈リバイバル〉の頭部を直撃して貫く。
断罪王R〈リバイバル〉の頭部が粉々になる。
しかし、次の瞬間には断罪王R〈リバイバル〉の頭部が完全再生する。
「私の断罪王は復活を司る断罪王R〈リバイバル〉。驚くのはまだ早いわよ」
俺の目の前に断罪王A〈アビス〉、断罪王B〈ブラスト〉、断罪王C〈カオス〉、断罪王D〈ドミネート〉、 断罪王E〈エナジー〉、断罪王J〈ジャスティス〉、断罪王I〈イリュージョン〉が現れる。
「俺の殺した断罪王共が復活した!」
断罪王C〈カオス〉の能力により俺の攻撃が自分に跳ね返ってくる。
断罪王E〈エナジー〉の触手により、断罪王Zのエネルギーが吸い取られてしまう。
断罪王D〈ドミネート〉の能力により、断罪王Zは動くことができない。
断罪王I〈イリュージョン〉の能力により、摩訶不思議な幻覚が俺の精神を壊す。
断罪王A〈アビス〉の蹴りが断罪王Zの腹部に直撃する。
断罪王B〈ブラスト〉の爆撃が断罪王Zの全身に直撃する。
断罪王J〈ジャスティス〉の正拳突きが直撃した断罪王Zの変神が解ける。
「うわああああああああああああああああああああああッ!」
断罪王R〈リバイバル〉の巨大な足が全裸で地面に横たわる俺を踏み潰そうとする。
完全なる敗北だった。

次回予告 第六十話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!職場でイジメする奴らはトイレの水で流水解凍した冷凍食品でも食ってろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!職場でイジメする奴らはトイレの水で流水解凍した冷凍食品でも食ってろ!

第六十話 断罪王Z 対 断罪王R〈リバイバル〉!職場でイジメする奴らはトイレの水で流水解凍した冷凍食品でも食ってろ!

断罪王R〈リバイバル〉の能力により、俺が倒したはずの断罪王たちが復活して、俺に一斉に襲いかかってきた。
当然のごとく、俺は敗北し、断罪王R〈リバイバル〉の踏みつぶされそうになる。
俺は踏みつぶされる直前に、断罪王R〈リバイバル〉からダッシュで逃げて一命をとりとめる。
「まずいな、今の俺ではヤツには勝てない!」
断罪王R〈リバイバル〉が人間状態の俺を追いかけてくる。
「あら?あなた、私を殺しに来たんじゃないの?」
断罪王R〈リバイバル〉だけでなく、復活した他の断罪王達も俺を追いかけてくる。
アルネが復活したA地区は数多くの断罪王たちが俺を探し、歩き回ることで崩壊していく。
「あらら、これじゃあ、せっかく復活させた人々とA地区がまた壊れてしまいますね。でも断罪王R〈リバイバル〉の力で後から復活させればいいか♪」
断罪王R〈リバイバル〉の口から放たれたアルネの何気ない一言を聞いた、A地区に住む人々が恐怖で戦慄する。
「そ、そんなアルネ様が俺達から家族と家を奪った巨大ロボットたちの仲間だったなんて...」
「そんな!私たちは今までアルネ様に騙されていたってと?」
「じゃあ、アルネ様は今まで自分で踏みつぶした人々や建物をあの巨大ロボットの能力で復活させて、俺達を騙していたのか!」
「アルネ!死ねぇぇぇぇぇッ!」
「アルネ!最低!」
「アルネ!産まれて来るんじゃねぇよ!」
アルネの本性に気づいた、アルネの信者やA地区の人々がアルネの操縦する断罪王R〈リバイバル〉に向かって罵詈雑言をぶつける。
「愚者どもが...神である断罪王に偉そうなこと言ってんじゃねぇぞぉぉぉぉぉぉッ!」
断罪王R〈リバイバル〉が復活させた断罪王B〈ブラスト〉の爆撃がA地区全体に直撃する。
アルネに罵詈雑言をぶつけていたA地区の人びとが一瞬で焼死する。
「見つけたぞ!断罪王Z!」
「シンゴォォォォォォォォッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
満身創痍の断罪王Zが断罪王R〈リバイバル〉の前に再び姿を現す。
「ようやく姿を現したわね断罪王Z!」
「おああああああああああああああああああああああああああああッ!」
断罪王Zが自分の脳に人差し指指を突っ込む。
断罪王Zの頭部から大量の血が流れる。
断罪王R〈リバイバル〉は復活させた断罪王A〈アビス〉、断罪王B〈ブラスト〉、断罪王C〈カオス〉、断罪王D〈ドミネート〉、断罪王E〈エナジー〉、断罪王J〈ジャスティス〉、断罪王I〈イリュージョン〉が光の粒子になって消えていく。
「お前が復活させた断罪王は全て、俺が暴力でぶっ殺した断罪王達だった、つまり、お前は断罪王R〈リバイバル〉の能力で俺の記憶を探り、その記憶に基づいて、俺に殺された断罪王達を復活させた!」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「お前が復活させた人々も家々もおなじだ!お前は他人の記憶を探り、その記憶に基づいて死んだ人間や潰れた建物を復活させているんだ!」
断罪王R〈リバイバル〉が断罪王Zに襲いかかってくる。
「つまり、俺が殺した断罪王達を覚えている俺の記憶を管理する脳がダメージを受ければ、お前は俺の記憶を利用して、俺の殺した断罪王達を復活させることができなくなる!」
断罪王R〈リバイバル〉の拳が断罪王Zに近づいてくる。
「暴・力ッ!」
断罪王R〈リバイバル〉の拳を避けた断罪王Zの拳が断罪王R〈リバイバル〉の頭部を粉々にする。
しかし、断罪王R〈リバイバル〉の頭部が再生を開始する。
「私の能力を見破ったところで、私が優位なことに変わりはない!」
「それは、どうかな?」
断罪王Zの拳と蹴りと頭突きがノンストップで断罪王R〈リバイバル〉の頭部と全身に直撃する。
断罪王R〈リバイバル〉の肉片と血液が飛び散る。
そして、飛び散った肉片を断罪王Zが食べる。
断罪王Zは断罪王R〈リバイバル〉の肉片を食いながらも、断罪王R〈リバイバル〉に与える暴力をやめない。
「脳のダメージはお前の肉片を食べることで回復させてもらう!」
断罪王Zの終わりなき暴力に断罪王R〈リバイバル〉の再生能力が追い付かない。
「暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴力ッ!暴・力ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ...‼」
断罪王R〈リバイバル〉の変神が解ける。
俺も断罪王Zの変神が解く。
全裸で地面に横たわるアルネに全裸の俺が話しかける。
「産まれてくるんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉッ!バァァァァァァァクゥアァァァッ‼」
「ち、ちくしょう...!」
「暴力!」
俺の拳がアルネの眉間を貫く。
「きぇあ」
アルネが死んだ。
「俺の暴力の完全勝利だ!」
俺は全裸のまま、焼け野原と瓦礫の山に満ちたA地区を出た。
次回予告 第六十一話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラするやつらはトイレの水と風呂垢で炊いた白飯でも食ってろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十一話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラするやつらはトイレの水と風呂垢で炊いた白飯でも食ってろ!

第六十一話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラするやつらはトイレの水と風呂垢で炊いた白飯でも食ってろ!

「あなたはなぜ生きているんですか?」
日本刀を持った美少女が道を歩いている男に話しかける。
「え?」
「あなたはなぜ生きてるんですか?」
「な、なんとなく...です...」
美少女の日本刀が男の首を切り裂いた。
美少女の質問に答えた男の頭部が宙を舞う。
なぜ、男は美少女に殺されてしまったのか?
美少女の名は柿原カズエ。
この国でただ一人の生殺剣・柿原流の伝承者である。
生殺剣・柿原流とは人生に夢も目標を持たず、なんとなく生きている人間の首を日本刀で切り裂き、地球上から根絶やしにするために生み出された流派である。
その、荒唐無稽・残酷非道な存在理由から忌み嫌われ、現代社会から抹殺された。
しかし、ここに生殺剣・柿原流を受け継ぎ、実践する最後の生き残りである美少女、柿原カズエがいた。
カズエは今日も人々になぜ生きているのかを問い、そして、なんとなく生きていると答えた人々の首を日本刀で切り裂く。
そして、カズエはメシアによって選ばられた社会不適合者・断罪王の操縦者でもあるのだった。
「私は社会不適合者だったのか...?」
メシアによって断罪王の力を与えられたカズエは当初、自分がなぜ社会不適合者と呼ばれるのが理解できなかった。
カズエは自分の行いが殺人行為で、世間からあまり喜ばれないことは、ちゃんと理解していた。
しかし、それ以上に、何の夢も目標もない人間が生きているのがカズエには理解できなかったのである。
カズエが日本刀で人間の首を切り裂く速度は光より早い。
そのため、防犯カメラにもカズエが人間の首を日本刀で切り裂く瞬間を捉えることができなかった。
それ故に、カズエの殺人行為が警察にバレることは一度もなかった。
「あなたはなぜ、生きているんですか?」
カズエが道を歩く男に聞く。
「暴力...」
男の問いにカズエは鞘から刀を抜かずに通り過ぎる。
しかし、カズエは感じていた、その男がただならぬ人間であることを。
そして、カズエの問いに暴力と答えた男、断罪王Zの操縦者である、暴田リキもカズエにただならぬ何かを感じ取っていた。
それは互いに「武」の道を極めた者同士しか感じ取ることのできない世界であった。
結局、この時点で二人が互いに刃を交えることはなかった。
しかし、二人がメシアに選ばれた断罪王の操縦者、選ばれし社会不適合者である以上、戦いの運命から逃れることはできないのだった。
カズエはスーパーに入店する。
「あなたはなぜ生きているんですか?」
カズエがスーパーで買い物をしている専業主婦に問いかける。
「なぜって、そんなの死にたくないからに決まってるじゃない!」
専業主婦の首が宙を舞う。
専業主婦の首が総菜売り場の弁当に落下する。
総菜売り場にいた人々から悲鳴が上がる。
異変に気づいた、スーパーの従業員が客たちに店外に避難するように指示する。
カズエが大声で叫ぶ。
「あなた達はなぜ生きているんですかぁぁぁぁぁぁッ!」
店内の客達は避難に夢中で、誰一人カズエの質問に答えずに出口に向かって走っていく。
カズエが高速移動で店内の出口に先回りして、刀に手を伸ばす。
鞘から刀が抜かれて数秒で店外に避難しようとしていた客達の首が血しぶきと共に一斉に宙を舞った。
スーパーの店内に鮮血のシャワーが降り注ぐ。
避難誘導をしていた従業員にカズエが問う。
「あなたはなぜ生きているんですか?」
「し、死にたくないからだよ」
「でも、生き物はみんないつか死にますよ」
「そ、そんなこと言われたって」
「つまり、あなたは自分が死ぬことがわかっているのに、死にたくないんですね、あなたの人生はつまらない人生なので死んでください」
従業員の首が鮮血と共に宙を舞う。
カズエは店内の従業員達、一人一人に質問する。
「あなたはなぜ生きているんですか?」
カズエの質問に対して、従業員たちは皆、「死にたくないから」と答えた。
なぜ、みんな自分がいつか死ぬとわかっているのに死にたくないと言うのか?
なぜ、そんな誰もがわかりきったようなつまらない理由で生きているのか?
なぜ、死にたくないという理由以外に、生きる理由を見つけることができないのか?
カズエに理解できなかった、そして「死にたくないから」という逃げの発想を持つ者達から生を奪う、それが生殺剣・柿原流の教えだった。
だからカズエはカズエの質問に対して、納得いく答えを導き出せなかった店内の全従業員達の首を日本刀で切り裂いた。
カズエは血塗れのスーパーから外に出た。
カズエが退店した直後にバイトもせずに家で家事しかしないクソバカ専業主婦がスーパーに入店する。
クソバカ専業主婦の悲鳴が血塗れの店内に響き渡る。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああッ!」
クソバカ専業主婦の悲鳴に導かれるように断罪王Zの操縦者である暴田リキがスーパーに入店する。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
暴田リキの正拳突きが悲鳴を上げていたクソバカ専業主婦の頭部を粉々にする。
そして、暴田リキは店内の惨状に気づいてしまった。
「なんだこれは!」
血塗れの店内の床には人間の頭部と胴体が散乱している。
「間違いない、ここに断罪王の操縦者、選ばられし社会不適合者が来たんだ!」
暴田リキは終末黙示録で近くにいると思われる断罪王の操縦者の位置を探る。
「見つけた!俺に一番近い場所にいる社会不適合者!断罪王S〈ソード〉‼」

次回予告 第六十二話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラする奴らは全員、自宅に高齢者が運転する自動車とトラックとダンプカーとショベルカーに9800回激突されて、大事なものをすべて失え!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十二話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラする奴らは全員、自宅に高齢者が運転する自動車とトラックとダンプカーとショベルカーに9800回激突されて、大事なものをすべて失え!

第六十二話 断罪王Z 対 断罪王S〈ソード〉!パワハラする奴らは全員、自宅に高齢者が運転する自動車とトラックとダンプカーとショベルカーに9800回激突されて、大事なものをすべて失え!

俺は終末黙示録で断罪王S〈ソード〉の操縦者の位置を特定する。
断罪王S〈ソード〉の操縦者であるカズエがまた、人々に質問をしている。
そして、カズエの質問に対して、納得いく答えを言うことができなかった人々の首が鮮血と共に宙を舞う。
「お前、ただものではないと思っていたが、やはり断罪王の操縦者だったとはな!」
「あなたは私の質問に対して納得の行く答えを言ってくれました。私はあなたとは戦えません」
「納得のいく答えだと?」
「はい、あなたは私の「なぜ生きているのか?」という問いに対して、「暴力」と答えました。あなたは暴力のために生きている、だから私はあなたの首は切れない」
「なるほど、じゃあ、お前は俺に何をされても反撃しないんだな!」
俺はカズエに背後に高速移動して、頭部に正拳突きを放つ。
俺の高速移動に気づいたカズエが首を曲げて、正拳突きを避ける。
「なぜ、私に攻撃するのですか?」
「それはお前が断罪王の操縦者であり、俺が暴力を愛しているからだ」
「どうやら、私にその気がなくても、あなたが私を見逃してくれることはなさそうですね...」
俺の正拳突きがカズエの日本刀を真っ二つにする。
武器を失ったカズエは光の速さで繰り出される俺の拳と蹴りを避けるので精一杯だ。
「俺の暴力を次々と避けるとは中々やるじゃないか!」
「私の隙をついて、刀を破壊したあなたも中々ですね...シンゴォォォォォォォォッ!」
カズエが断罪王変神の呪文を叫ぶ。
「まぁ、武器が破壊されれば、当然こうなるわな、シンゴォォォォォォォォッ!」
俺とカズエの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと灰色のボディが特徴的な断罪王S〈ソード〉が頭の悪いパワハラ野郎やバイトもせずに家で家事しかしない偉そうなクソバカ専業主婦共の住んでいる家を9800軒踏みつぶした状態で向かい合う。
断罪王Zが断罪王S〈ソード〉に襲いかかる。
断罪王S〈ソード〉の全身から刀が飛び出し、断罪王Zの放った拳に突き刺さる。
「ぐあああああああああッ!」
断罪王S〈ソード〉の全身から生えた刀が断罪王Zに向かって放たれる。
断罪王Zの全身に無数の刀が突き刺さる。
断罪王Zの全身が地面に仰向けに倒れる。
断罪王Zの全身をつらぬいた刀が頭の悪いパワハラ野郎やバイトもせずに家で家事しかしない偉そうなクソバカ専業主婦共の住んでいる家を住人ごとつらぬく。
「さすが、ここまで生き抜いた断罪王は強いな...」
「おそらく刀を失った私は生身の状態ではあなたに勝てなかった...あなたが選ばれし社会不適合者でなければ、自分の信念に基づいて己の「武」を極め合う者同士、分かり合えていたかもしれない」
次の瞬間、紫色の腕が断罪王S〈ソード〉の左胸をつらぬいていた。
「一対一の真剣勝負に夢中になりすぎて、背後に注意しなかったお前がいけないんだぜ!断罪王S〈ソード〉!」
断罪王S〈ソード〉の全身が光になって消えていく。
断罪王S〈ソード〉の敗北と同時に断罪王Zの全身をつらぬいていた刀も消えていく。
「紫色の断罪王...!なぜ、俺と断罪王S〈ソード〉の真剣勝負を邪魔したんだ!」
「ひでぇ、言い方だな!俺はお前を助けてやったんだぜ!リキ!」
「なぜ、俺の名前を知っているんだ?」
「ま、断罪王の姿じゃ、わからねぇか...俺の名は虐川デロシ!暴力を司る断罪王、断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の操縦者だ!」
「デ、デロシ...!お前も選ばれし社会不適合者だったのか!」
虐川デロシ、それは俺の高校時代の親友の名だった。
「俺はあの時の約束を守る為にここに来たんだ!だから、ここでお前に死なれては困るんだ!」
俺の脳裏にデロシとの互いの暴力を高め合っていた青春の日々が次々と思い出される。
           *
数年前。
数年前、俺はZランク高校に通っていたんだ。
偏差値マイナス9800のZランク高校の治安はとにかく悪かった。
「俺は神なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
自称神を名乗る生徒が授業中にいきなり奇声を上げてベランダから飛び降りる。
気がおかしくなった男性教師がいきなり英語の歌を熱唱し始める。
俺は授業を放棄して教室から廊下に出る。
「痛てぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
昨日退学になった出産中の女生徒の叫び声が校内放送でなぜか流れる。
廊下ではバイクに乗った生徒が校長室に激突する。
「宅急便でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇすッ!金ェッ!くれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
財布を奪われ、身ぐるみをはがされた校長が両手足をガムテープで固定された状態で廊下の掲示板に貼り付けにされていた。
その周りで不良たちがブレイクダンスを踊りながら、量子学について討論している。
俺はブレイクダンスを踊りながら量子学について真面目に討論している不良共を金属バットで襲う。
「俺に許可なく産まれてきてんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
不良共がブレイクダンスと量子学についての討論を辞めて、俺から逃げていく。
俺の投擲した金属バットが不良の一人の頭部に直撃する。
「誰か!誰か!救急車を呼んでください!うわあああああああああああああッ!」
俺はそう叫びながら、頭部に金属バットの直撃を受けた不良の顔面を何度も殴る。
「誰か!誰か!救急車を読んでください!早く救急車呼ばないとこの人死んでしまいますよ!嫌だぁぁぁぁぁッ!死なないでくれぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は周りの生徒達に救急車を呼ぶように訴えつつも、不良の顔面を殴るのをやめない。
結局、救急車が来る頃にはその男子生徒は死んでしまっていた。
俺は自分の罪をこの暴行に全く関係のない生徒・丸山のせいにした。
結局、俺に罪をなすりつけられた、丸山は警察に捕まった。

次回予告 第六十三話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラするやつらは全員、大量のカブトムシの幼虫とセミの幼虫を体内で飼育しながら産婦人科と近所の八百屋で食材がトリカブトのみのバーベキュー大会でも開催してろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十三話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラするやつらは全員、大量のカブトムシの幼虫とセミの幼虫を体内で飼育しながら産婦人科と近所の八百屋で食材がトリカブトのみのバーベキュー大会でも開催してろ!

第六十三話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラするやつらは全員、大量のカブトムシの幼虫とセミの幼虫を体内で飼育しながら産婦人科と近所の八百屋で食材がトリカブトのみのバーベキュー大会でも開催してろ!

これは俺の高校時代の話だ。
俺はブレイクダンスを踊りながら仲間と量子学について討論していた不良の一人の頭部に投擲した金属バットを直撃させて、顔面を何度も殴って死亡させた。
そして、その罪をすべて丸山という苗字外よくわからない生徒のせいにした。
当然のごとく、丸山は警察に捕まった。
次の授業のチャイムが鳴る。
俺は何事もなかったように、目の間を歩いている男子生徒の背中に飛び蹴りを直撃させる。
「ヴィーン!ヴィーン!緊急事態!緊急事態!今ならアビジョバルンガギレバボべヌガボレベスケバジョナガギレゴヴァネ増量中!今ならアビジョバルンガギレバボべヌガボレベスケバジョナガギレゴヴァネ増量中!アビジョバルンガギレバボべヌガボレベスケバジョナガギレゴヴァネェェェェェェェェェェェェェェェェェッ!」
俺は廊下に蹴り倒したそいつの耳元で意味不明の言葉を絶叫してやった。
翌日、俺のせいで両耳の鼓膜が爆砕した生徒の母親が学校にローラースケートを履いた状態で乗り込んで俺に説教してきやがった。
俺は自分の口内に指を突っ込んで俺に説教してきた両耳鼓膜爆砕生徒の母親の口内に吐しゃ物を流し込んでやった。
俺の吐しゃ物を口内に注入された両耳鼓膜爆砕生徒の母親の口内からそいつ自身の吐しゃ物と俺の吐しゃ物がミックスされた新たな吐しゃ物がZランク高校の廊下を汚した。
俺は報復として、両耳鼓膜爆砕生徒の鼻の穴に大量の二酸化炭素マンガンをぶち込んで、両手足をガムテープで縛って真冬のプールに突き落とした。
授業中には今日も不良たちが英語の歌を歌いながら担任教師の全身に爆竹を巻き付けている。
数秒後、全身に爆竹を巻きつけられた担任教師が爆発して教室が担任教師の臓器や肉片や血液で汚れてしまった。
爆発した担任教師の損傷があまりにも激しすぎたため、この悲劇が警察によって事件化することはなかった。
俺は授業中の教室を飛び出して、学食の調理室に無断で侵入する。
俺は調理中の食料が入った鍋を全て床にぶちまけて、先程爆発した担任の肝臓をボール、暴力で気絶させた女性調理師の全身をバットにして、友人と野球大会を開催した。
結果は途中参加の生徒が野球のルールを理解できずにパニックを起こして刃物を振り回したことで野球大会は中止になった。
俺と友人が気絶させ、野球バットの代わりにした女性調理師のやつらは全員、全身麻痺になって田舎に帰った。
友人の虐川デロシが俺の頭部をいきなりビール瓶で殴る。
「うらあああああッ!なぁにすんだよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
理不尽な暴力に俺は怒る。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇッ!」
デロシが割れたビール瓶を振り回しながら調理室から廊下に出る。
デロシは割れたビール瓶を金持ちが大好きな女性教師のズボンの中に入れる。
デロシが中に割れたビール瓶が入った金持ち大好きな女性教師のズボンを思いっきり蹴り飛ばす。
金持ち大好きな女性教師のズボンが真っ赤に染まる。
「これで金持ちと玉の輿結婚できなくなっちゃったね~‼」
俺は近くにいた男性教師の顔面を何度も殴る。
「暴力が...暴力が止まらねぇぇぇぇぇぇぇッ!デロシのあんなすげぇ暴力見せられたら、もう暴力が止まらねぇぇぇぇぇぇッ!」
俺に何度も顔面を殴られた男性教師はその後死亡した。
俺はその罪を吉羽という苗字の生徒のせいにした。
吉羽はその後、警察に捕まった。
「ヴィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!」
廊下では今日も不良たちが運転しているバイクが走っている。
バイクは生徒と教師に激突して、救急車とパトカーのサイレンの音が校庭に鳴り響く。
バイクを運転していた不良たちは当然のごとく警察に逮捕され退学になる。
後日、退学になった不良たちが刑務所を脱獄してショベルカーに乗ったままZランク高校の校舎の一部を破壊しまくった。
その日から、俺とデロシの通うZランク高校はまるで空襲を受けたかのような外見になってしまった。
校庭では授業についていけない生徒や不良たちが教員から奪い取った金で購入した食材と機材でバーベキューを開催している。
朝礼台では全裸姿の男子生徒がエレキギターで奇怪な音を鳴らしながら奇声を上げている。
生徒の奇行を教員たちは見て見ぬふりをして、授業を続行している。
このZランク高校では、そうするのが教員たちにとっても安全なのだ。
俺は気晴らしに、前を歩いていた男子生徒会長の首を絞める。
そして、その正面からデロシが男子生徒会長の口内に紙袋に入った大量の石灰を流し込む。
男子生徒会長が口から真っ白な吐しゃ物を吐き出す。
「ボべビヴォバァァァァァァァッ!アヒャッヒャッ!」
「ヒィーッ!ヒィーッ!たのしィィィィィィィィィッ!ヴォォォォォンッ!」
俺は真っ白な吐しゃ物を吐き続ける男子生徒会長に意味不明な暴言を吐いて大爆笑する。
その隣でデロシも大爆笑していた。

次回予告 第六十四話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラする奴は電車とバスとロープウェイで超女性高齢者に痴漢の濡れ衣を9800回着せられて今まで築き上げた社会的地位と家族と友人の信頼をすべて失って外来種に転生しろ!




 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十四話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラする奴は電車とバスとロープウェイで超女性高齢者に痴漢の濡れ衣を9800回着せられて今まで築き上げた社会的地位と家族と友人の信頼をすべて失って外来種に転生しろ!

第六十四話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!パワハラする奴は電車とバスとロープウェイで超女性高齢者に痴漢の濡れ衣を9800回着せられて今まで築き上げた社会的地位と家族と友人の信頼をすべて失って外来種に転生しろ!

これは俺の高校生時代の話だ。
Zランク高校に通う、俺と虐川デロシは本能のままになんの罪もない人々に暴力を振るい、青春を謳歌していた。
授業中の教室に電車が突っ込んできた。
電車の運転席から虐川デロシが運転手と思われる女性を肩に担いで出てきた。
「朝から電車で通学なんて、なかなかやるじゃねぇかデロシ!」
「ああ、女が電車運転してるのが気に食わなくてな、つい、ぶっ殺して電車をジャックしてやったのさ」
電車内から、乗客と思われる悲鳴や呻き声が聞こえる。
電車の中に入ると、通勤時の乗客が全員、血塗れになって床に倒れていた。
「なぁ、リキ。俺は電車が嫌いなんだよ!」
「なんで?」
「だってよぉ、朝の電車に乗ってるやつらってみんなスーツ着てるだろ?それで、みんな目が死んでるんだよ!とにかく、早朝の電車に乗ってるサラリーマンはみんな自分の心に嘘ついててよ、生きながらに死んでるゾンビみたいなやつらばっかりで見ててムカつくんだよ!」
「まぁ、確かにそう言われてみると、そうかもな。俺達みたいに本能に身を任せて暴力を楽しんでいる人間に比べたら、早朝の電車に乗ってるサラリーマンは社会性を大事にし過ぎて自分の魂を自分で作った牢獄に閉じ込めている。なんでもっと自分に正直に生きていけないのかな?」
「リキ、なら俺達で世界を変えようぜ!」
「変えるってどういうふうに?」
「俺とリキの暴力を世界に広めるのさ、そうすれば誰も自分の心に嘘をつかずに、生活できる!全人類が本能の赴くままに暴力をエンジョイするんだ!それが動物のあるべき姿だと思わないか?」
「なるほど、俺達の暴力で今のしがらみだらけの世の中を原始時代に戻すってことだな!でも、どうやって世界を変えるんだ?俺たち二人だけじゃ、さすがに無理があるぜ!」
「大丈夫だよ、リキ!コレを見てくれ!」
デロシが俺に本を手渡す。
本の表紙と中身には見たことのない文字が記されている。
しかし、俺の本能に意味不明の文字が声になって語りかけてくる。
「この本の文字、読めないけど、頭の中に声が聞こえてくる」
「ああ、この本は昨日、俺が遊ぶ金目当てにぶっ殺したバイトもせずに家事しかしない専業主婦から奪ったバックの中に入っていたんだ!」
「この本に書いてあることが正しければ、俺とデロシがZランク高校の全校生徒と全教員を殺害して生贄にすれば、今日この地に神が復活する...コレ本当なのか?」
「ああ、きっと、そうさ!俺達二人でZランク高校の全生徒と全教員を殺害して生贄に捧げ神をこの地に復活させるんだ!それで神にお願いするんだ!このしがらみだらけのつまんねぇ世界をぶっ壊して、暴力のみが支配する世界を創造してくれって!」
「神が本当にその願いを叶えてくれる保証があるのか?」
「そんなの神に頼んでみなきゃわからないだろ?」
「まぁ、そうだが...わかった、ダメもとでやってみるか!」
「ああ、そうだぜ!本には今日やれって書いてある、今やらなきゃ、このチャンスは二度と来ないかもしれないんだ!」
俺とデロシは調理室から包丁を四本盗み出す。
「これでお互い包丁二刀流だ!最強だぜ!」
「ああ、俺達で神に頼んで世界を変えてもらうんだ!暴力が支配する新世界に!」
俺とデロシは両手に包丁を持ってZランク高校の全生徒と全教員を殺害した。
さすがに人数が多かったせいか、途中、反撃されて大けがを何度もした。
「おい、リキ。無事か...?」
「ああ、デロシ、お前はどうだ?」
「俺もなんとか無事だが、コレはさすがにヤバイかもな」
百人以上の警察官が俺とデロシと囲んでいる。
「お前たちはすでに包囲されている。今すぐ、武器を捨てて自首するんだ!」
「おい、デロシ!神はまだ復活しないのかよ!」
「安心しろリキ!俺達はまだガキだ!何人殺そうとシケーにはならねぇ!仮に神が復活しなくても、俺たちの暴力は終わらねぇ!」
その時、大きな揺れが俺とデロシと警察官達を襲う。
「地震...かなりすげぇ地震だ!おいデロシ!これって、もしかして!」
「ああ、間違いない!リキ!空を見てみろよ!」
空が真っ赤に染まっている、上空にブラックホールが出現する。
Zランク高校の全生徒と全教員の死体が空に突如出現したブラックホールに吸い込まれていく。
ブラックホールから五体の人型機動兵器が姿を見せる。
そのうちの一体から声が聞こえる。
『我らの名は至極神。破壊を愛する少年達よ、君たちが無慈悲な暴力によって捧げてくれた生贄のおかげで我々は封印から解放された。礼を言うぞ』
人型機動兵器から放たれた稲妻が俺とデロシを囲む警察官達を一瞬で焼死させる。
「おい!神様!俺達は命がけで、あんた達を復活させてやったんだ!その代わりに俺の願いを叶えてくれないか?」
『願い?』
「ああ、このしがらみだらけのつまんねぇ世界を暴力だけが真実を示す世界に変えて欲しいんだ!」
『人間ごときが...分をわきまえろ!』
至極神から放たれたビームがデロシの自宅に直撃した。
「うああああッ!俺の家が!母ちゃん!父ちゃん!」
『人減の分際で我々をバカにした罪として、お前の大切な家族をすべて破壊した。しかし、我々を復活させてくれた褒美として、お前の命だけは助けてやる、さらばだ』
至極神が姿を消す。
空の色が赤から青に変わる。
無人と化したZランク高校に家族を失ったデロシと俺だけが取り残される。
「そんな...俺が世界を変えようとしたばかりに、俺の両親が神に殺されてしまった」
「デロシ...!」
「俺は必ず、神を、至極神を殺す!その時はリキ、お前も手伝ってくれ!至極神の復活させたのは俺とお前なんだからな!約束だぜ!」
「ああ、もちろんだ...約束する」
しかし、次の日からデロシと連絡が取れなくなった。
俺はデロシに会いにデロシの家に行ってみたものの、デロシの家は当然のごとく焼け野原になっていた。
そして、そこにデロシはいなかった。
          *
そして、数年後、断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉に変神したデロシが俺の目の前にいる。
「リキ、俺はこの断罪王同士の戦いに生き残って、本当の神になる!そして、本当の神になり、今より強力な力を手に入れた俺は至極神に復讐するんだ!」
「つまり、お前が至極神に復讐するために、俺に死ぬことで協力しろということだな?」
「その通りだ!だが、ただでは死なせない!俺はお前の親友として、正々堂々一対一の真剣勝負でお前を殺す!」
「望むところだ!仮にお前が俺に殺されても、俺がお前の代わりに至極神をぶっ殺してやるから安心しろ!」
「フフッ!満身創痍の割には随分と強気だな!一体誰のおかげで生きていられると思っているんだ!」
「来い!リキ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!暴・力ッ!」
終末を司る断罪王Zと暴力を司る断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の拳が激突する!

次回予告 第六十五話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!クソバカパワハラ上司ととバイトもせずに家事しかしないのに偉そうなことを言っているクソバカ専業主婦は電車とショベルカーと耕運機と不倫して浄水場でパジャマパーティーを開催しろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十五話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!クソバカパワハラ上司ととバイトもせずに家事しかしないのに偉そうなことを言っているクソバカ専業主婦は電車とショベルカーと耕運機と不倫して浄水場でパジャマパーティーを開催しろ!

第六十五話 断罪王Z 対 断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉!クソバカパワハラ上司ととバイトもせずに家事しかしないのに偉そうなことを言っているクソバカ専業主婦は電車とショベルカーと耕運機と不倫して浄水場でパジャマパーティーを開催しろ!

断罪王Zと断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の拳がぶつかり合う!
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の拳から放たれた拳撃波が断罪王Zをふっ飛ばす。
「ぐああああああああああああああああああああああああああッ!」
「どうした!どうした!リキィィィッ!お前の暴力はそんなものかァァァッ!」
地面に叩きつけられる直前の断罪王Zの背後に断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉が瞬間移動している。
「早い!」
「どりゃああああああああああああああああああああああああああッ!」
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の蹴りが断罪王Zの背中に直撃する。
断罪王Zの全身がそのまま上空へと上がっていく。
そして断罪王Zの目の前には、すでに上空へと瞬間移動していた断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉が待ち構えていた。
「これでとどめだァァァァァァァッ!」
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の拳が断罪王Zの全身に何千発も直撃する。
断罪王Zの全身が上空から地上に叩きつけられる。
「ここまでダメージを与えてもまだ消えない...!」
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の操縦者のデロシは断罪王Zの撃たれず良さに違和感を感じずにはいられない。
「リキ!お前まさか、相手が俺だから手を抜いてるのか!俺の断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の能力は格闘能力の強化だ!しかし、リキ!お前はまだ断罪王Zの能力を発動してない...!」
「俺にもわからないんだ!断罪王Zの能力が...!」
満身創痍の断罪王Zが立ち上がる。
「ふ、ふざけるな!それではお前はここまで、一度も断罪王の能力に頼らずに戦い、生き残ってきたというのか!」
「そうだ!能力のない俺には、俺自身が鍛え上げた暴力しかない!」
全身ボロボロの断罪王Zが断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉に突撃する。
「大した奴だぜ...!でも俺の断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の能力はさっきも言ったが格闘能力の強化だ!暴力でここまで生き残ってきたのはお前だけじゃねぇんだよ!」
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の暴力が断罪王Zをボコボコにする。
それでも、断罪王Zが光になって消えることはなかった。
死にかけているリキの目の前が真っ暗になる。
それと同時に断罪王Zの全身が真っ黒に染まり、全身から黒い波動が出現する。
リキは全身に今までに感じたことない力を感じるが、目の前が真っ暗なのでなにがなんだかわからない。
「なにが起こっているんだ!」
そして、断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の目の前で真っ黒な断罪王Zが立ち上がる。
リキの脳内が「終末」の二文字で埋め尽くされる。
リキの目の前に断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉が立っている。
しかし、リキの意思に関係なく、黒い断罪王Zが断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉に向かって動き出す。
「おい!こりゃあ、いったいどうなってるんだ!体が勝手に動きやがる!」
黒い断罪王Zの全身が黒い稲妻になり、瞬間移動する。
瞬間移動した黒い断罪王Zが断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の頭部を右手でつかむ。
黒い断罪王Zに触れられた断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の全身が黒い砂になって消滅していく。
「なるほど...!リキ!どうやらお前の断罪王Zはお前の命の危険を感じて、能力を発動したに違いない...!」
「なんだこれは!おい!断罪王Z!どうして俺の思い通りに動かない!こんなのは暴力じゃねぇ...!俺はこんな決着認めねぇぞ!」
「リキ...!お前のその力なら...きっと残りの断罪王や至極神にだって負けねぇ...!」
「そ、そんなデロシ!消えるなデロシ!」
「絶対に生き残って...俺の代わりに、至極神を倒してくれよ...!リキ!うああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉が完全に消滅する。
「触れた相手を消滅させる...これが終末を司る断罪王Zの能力なのか...!でも、こんな能力、いくななんでも卑怯すぎる!」
しかし、この能力が発動していなければ、俺が死んでいたのも事実なのだ。
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
悲しみの叫び声を上げる断罪王Zの全身から放たれた黒い波動がろくにバイトもせずに家事しかしない専業主婦やパワハラをする奴らの住宅だけを黒い砂にして消滅させていく。
「断罪王Zの全身から放たれた波動が全てを消滅させていく!これも断罪王Zの能力...」
エネルギー切れで強制的に変神が解かれた俺の目の前に広がっていたのは黒い砂漠だった。

次回予告 第六十六話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉!非正規労働者をバカにする正規労働者はろくにバイトもせずに家事しかしない専業主婦と地雷だらけの紛争地帯で側転をしながらシャトルランをしながら俺に一文字以内でレポートを提出しろ!



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十六話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉!非正規労働者をバカにする正規労働者はろくにバイトもせずに家事しかしない専業主婦と地雷だらけの紛争地帯で側転をしながらシャトルランをして俺に一文字以内でレポートを提出しろ!

第六十六話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉!非正規労働者をバカにする正規労働者はろくにバイトもせずに家事しかしない専業主婦と地雷だらけの紛争地帯で側転をしながらシャトルランをして俺に一文字以内でレポートを提出しろ!

運動会の練習をしている学校の校庭から大ボリュームで流行りの歌が流れている。
校門を突き破った大型トラックが数多くの生徒たちが運動会の練習をしている校庭に突撃する。
運動会の練習中に突撃してきた大型トラックが数多くの生徒と教員たちを轢き殺す。
そして大型トラックの運転席から、男性運転手が外に出てきた。
「おめぇらよぉ!運動会の練習だからってバカみてぇに爆音出してんじゃねぇよ!おめぇらの爆音のせいで俺がアニメ観賞に集中できねぇだろうがァッ!バーカ!死ねぇぇッ!」
しかし、運転手の周りには大型トラックに轢き殺された無数の死体が転がっているだけだった。
「なんだよ...!どいつもこいつも死んじまったのかよ...!つまんねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
死体だらけの校庭にはまだ流行りの歌が爆音で流れている。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇッ!この音を何とかしねぇと、俺はアニメ観賞に集中できない!俺の戦いはまだ終わってねぇぇぇッ!」
運動会の練習をしていた数多くの生徒と教員の命を奪った男、走田トラオは大型トラックの運転席に戻るとそのまま、校舎に突っ込む。
「まだ中に人がたくさん残ってるかもしれねぇからな!突撃ィィィィィィィィッ!」
大型トラックが学校内に侵入して、教室内の生徒や教員を轢き殺す。
大型トラックで大勢の人間を轢き殺すのに飽きた運転手のトラオは包丁を手にもってトラックから外に出る。
「白兵戦じゃあああああああああああああああああああああああああッ!おめぇらよぉ!運動会の練習だからってバカみてぇに爆音出してんじゃねぇよ!おめぇらの爆音のせいで俺がアニメ観賞に集中できねぇだろうがァッ!バーカ!死ねぇぇッ!」
包丁を手に持ったトラオが自分の怒りを周囲にぶつけながら校内の生徒と教員を全員斬殺する。
それでもトラオのアニメ観賞を邪魔する流行歌の爆音は止まない。
「どこだ!音はどこから出てるんだァッ!」
トラオは自分が斬殺した死体の胸倉をつかんで怒りをぶつける。
「死体に聞いても無駄か...なら!シンゴォォォォォォォォッ!」
トラオの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
「極限」を司る断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の巨体が学校を破壊しながら出現する。
「こいつで全部ぶっ壊してやるぜぇッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身から光が放たれる。
断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身から放たれた光が学校の敷地にある全てのものを光の粒子にしてしまう。
それは断罪王がこの世界から消滅するときの光と似ていた。
トラオを悩ませていた爆音流行歌はもう聞こえない。
「家に帰ってアニメ見るか...!」
トラオは徒歩で家に帰っていった。
          *
暴走した断罪王Zがその能力で住宅街とそこの住む人々を黒い砂に変えて作り出した黒い砂漠を暴田リキは歩いていた。
リキは親友で戦友のデロシとちゃんとした決着を着けられなかったことを後悔していた。
そして、もう二度とデロシに会えない後悔がリキを襲う。
「うあああああああああああああああああああああああああああッ!」
リキは黒い砂漠を全力疾走で走る。
黒い砂漠を抜けたリキを待っていたのは、ろくにバイトもしない家事しかしない専業主婦達が通うカルチャーセンターだった。
カルチャーセンター内ではバカで暇な専業主婦共が生け花教室やヨガ教室、ピアノ教室で汗を流していた。
俺は生け花教室に乱入する。
「あらもしかしてあなた、生け花に興味があるのかしら?」
俺の存在に気づいた生け花教室の講師が生け花を中断して俺に話しかけてきた。
俺は生け花講師が中断していた生け花の作品から茎の長い花を抜き取る。
そして花の茎の先っちょを生け花講師の右目に突き刺す!
「うぐぅああああああああああああああああッ!痛いッ!」
「ヴェノムボンバァッ!ジャッジャラヴィィッ!ジャッジャラヴィ...ジャッジャラヴィ...ブラックユアッ!タイシャァァァァァァァァァッ!」
俺は生け花講師の作品から花を幾つか抜き取って、両手の指と指の間に入れて握る。
俺の握りしめた両手の指と指の間から花の長い茎が、かぎ爪のように突き出ている。
俺はそれを生け花教室に参加しているろくにバイトもせずに家事しかできない専業主婦共に見せつける。
「見ろ!これが俺のフラワークローだ!」
俺はフラワークローを俺から逃げる専業主婦共の首に突き刺す。
生け花教室内はバイトもせずに家事しかできないクソバカ専業主婦共と生け花講師の死体が散乱している。
「さーてと、エネルギーを補給させてもらうぜ!」
俺はバイトもせずに家事しかできないクソバカ専業主婦共と生け花講師の死体を食った。
バイトもせずに家事しかできないクソバカ専業主婦共と生け花講師の死体を食い終えた俺の所有している終末黙示録が光る。
終末黙示録には現在生き残っている選ばれし社会不適合者で断罪王の操縦者がこのカルチャーセンター内にいることが記されていた。
「こいつを殺せば!俺が最後の一人になる!」
この世界に存在する断罪王は残り二体、「終末」と「極限」を司る二体の断罪王。
断罪王同士の戦いが終りを迎えようとしていた。

次回予告 第六十七話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼パワハラする奴らとろくにバイトもせずに家事しかしてないのに偉そうなこと言ってくる専業主婦は産業廃棄物収集運搬車両と側方倒立回転しながら不倫しろ!



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十七話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼パワハラする奴らとろくにバイトもせずに家事しかしてないのに偉そうなこと言ってくる専業主婦は産業廃棄物収集運搬車両と側方倒立回転しながら不倫しろ!

第六十七話 断罪王Z 対 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼パワハラする奴らとろくにバイトもせずに家事しかしてないのに偉そうなこと言ってくる専業主婦は産業廃棄物収集運搬車両と側方倒立回転しながら不倫しろ!

俺は終末黙示録に記された情報から近くに断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の操縦者がいることを知った。
こいつを殺せば、俺はこの世界で唯一の神になれる。
俺は血塗れの生け花教室から出ると断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の操縦者を探し始める。          *
カルチャーセンターの建物に一台のトラックが激突する。
トラックから降りた断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の操縦者、走田トラオは片手に包丁を持った状態で叫び声を上げながらカルチャーセンター内を走り回る。
「ヴェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
カルチャセンター内で開催されているマタニティーセミナーに包丁を手に持った走田トラオが乱入する。
マタニティーセミナーに参加している妊婦とそのパートナーの男性が悲鳴を上げる。
「うわああああああああああああああああああああッ!」
「お前ら全員、セッ●スしたんだな?したんだよな?俺はまだ一度もしたことないのに...お前ら全員、セッ●スしたんだよなァ?なんでだ?なんでだよ!なんでなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!お前ら、本当にお腹の子がこんなクソみてぇな不平等で矛盾だらけで自殺者が一年に一万人も出るような世界に生まれ来たいと思ってんのか?そんなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉッ!お腹の子どもたちの代わりに俺がお前たちに判決を下すッ!死刑じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
トラオが手に持った包丁で大勢の妊婦とパートナーの男性と助産師などのスタッフを斬殺する。
マタニティーセミナーの教室内に大量の死体が散乱している。
トラオは死体と化した妊婦達の下腹部を包丁で切り裂き、まだ産まれてくる前の命を食べた。
空腹を満たしたトラオがマタニティーセミナーの教師から出ようとすると、一人の男が教室に入ってきた。
「血塗れの室内に死体の山、お前、社会不適合者だな?」
「誰だお前?」
「俺の名は暴田リキ!終末を司る断罪王Zの操縦者だ!」
「なるほど、お前が最後の一人なのか...お前、俺と戦いに来たのか?」
「ああ、そうだ!俺はこの戦いで生き残り、この世界で唯一の神となり、親友の代わりにどうしても倒さなくちゃいけない奴らがいるんだ!」
「それって至極神のことだろ?」
「どうして、お前が至極神のことを知っているんだ?」
「俺は極限を司る断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉だぜ?俺は全てにおいて極限なんだ、俺に知らないことはない!」
「シンゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王Zの巨大な足がトラオの全身を踏みつぶそうとする。
「シンゴォォォォォォォォ!」
トラオの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
金色のボディが特徴的な断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉が断罪王Zと向かい合う。
銀色の断罪王Zのボディが真っ黒に染まる。
黒い断罪王Zの全身から黒いオーラが広がり、周りの建物や人間を消滅させる。
「なるほど、それが断罪王Zの能力が凄まじいな、でも」
断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身から放たれた光の粒子が周りの建物や人間を消滅させる。
黒い断罪王Zの全てを消滅させる黒いオーラと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全てを消滅させる光の粒子が一つになった時、『奇跡』が開始された!
『견홋코료ㅓㄹ헐ㄴ아'눕ㅅ해'ㅕ롬ㅇㄷㄱ\ㅐㅗㅂ어\ㄷ적쟈ㅔ더갸ㅔㅂ젇\걸ㅇ내'ㅓㅜㅂㄷ래\[ㅂ어레ㅑ번ㅇ마ㅔㄹ움아\ㄹ둔ㅇ\럼ㅇ나;뤄ㅐ우\렌아ㅜㅎ래'ㄴ아ㅣㅓ루ㅐㅇ니어ㅏㄷㄹ\얀;ㅏㅗㅝ니'ㅇㄹ나렘ㄴ;아러ㅔ매ㄴ어ㅗㄹ뎜냐ㅏㄷ고데'냐알뎀ㄴ옵레ㅑㄷㅁㄴ아ㅗㄷㅕ레뱌조ㅏㄹㅇ넹모ㅑ;돈아쟈ㅗㅇ녀배ㅑㄱㅈ어놀]ㅔ뱌\냄아ㅓㄼㄷ[맨러
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この世界の『奇跡』が断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉を包みこむ。

次回予告 第六十八話 断罪王Z 体 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼引きこもりやニートをバカにするろくにバイトもしない専業主婦や正規労働者は孤独死した無戸籍者が暮らしていた部屋を特殊清掃すると見せかけてからの見ず知らずの特定化学物質作業主任者と12660回結婚と不倫と離婚と害虫駆除を繰り返しながらジョ―キ―ボールのアマチュア大会で選手宣誓を9800回繰り返せ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十八話 断罪王Z 体 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼引きこもりやニートをバカにするろくにバイトもしない専業主婦や正規労働者は孤独死した無戸籍者が暮らしていた部屋を特殊清掃すると見せかけてからの見ず知らずの特定化学物質作業主任者と12660回結婚と不倫と離婚と害虫駆除を繰り返しながらジョ―キ―ボールのアマチュア大会で選手宣誓を9800回繰り返せ!

第六十八話 断罪王Z 体 断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉‼引きこもりやニートをバカにするろくにバイトもしない専業主婦や正規労働者は孤独死した無戸籍者が暮らしていた部屋を特殊清掃すると見せかけてからの見ず知らずの特定化学物質作業主任者と12660回結婚と不倫と離婚と害虫駆除を繰り返しながらジョ―キ―ボールのアマチュア大会で選手宣誓を9800回繰り返せ!

断罪王Zが全身から放った全てを消滅させる黒い波動と断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身から放たれる全てを消滅させる光の粒子がぶつかり合い『奇跡』が開始された!
その『奇跡』を言葉で表現するとこうなる。
『견홋코료ㅓㄹ헐ㄴ아'눕ㅅ해'ㅕ롬ㅇㄷㄱ\ㅐㅗㅂ어\ㄷ적쟈ㅔ더갸ㅔㅂ젇\걸ㅇ내'ㅓㅜㅂㄷ래\[ㅂ어레ㅑ번ㅇ마ㅔㄹ움아\ㄹ둔ㅇ\럼ㅇ나;뤄ㅐ우\렌아ㅜㅎ래'ㄴ아ㅣㅓ루ㅐㅇ니어ㅏㄷㄹ\얀;ㅏㅗㅝ니'ㅇㄹ나렘ㄴ;아러ㅔ매ㄴ어ㅗㄹ뎜냐ㅏㄷ고데'냐알뎀ㄴ옵레ㅑㄷㅁㄴ아ㅗㄷㅕ레뱌조ㅏㄹㅇ넹모ㅑ;돈아쟈ㅗㅇ녀배ㅑㄱㅈ어놀]ㅔ뱌\냄아ㅓㄼㄷ[맨러견ㄱ홋코료ㅓㄹ헐ㄴ아'눕ㅅ해'ㅕ롬ㅇㄷㄱ\ㅐㅗㅂ어\ㄷ적쟈ㅔ더갸ㅔㅂ젇\걸ㅇ내'ㅓㅜㅂㄷ래\[ㅂ어레ㅑ번ㅇ마ㅔㄹ움아\ㄹ둔ㅇ\럼ㅇ나;뤄ㅐ`우\렌아ㅜㅎ래'ㄴ아ㅣㅓ루ㅐㅇ니어ㅏㄷㄹ\얀;ㅏㅗㅝ니'ㅇㄹ나렘ㄴ아러ㅔ매ㄴ어ㅗㄹ뎜냐ㅏㄷ고데'냐알뎀ㄴ옵레ㅑㄷㅁㄴ아ㅗㄷㅕ레뱌조ㅏㄹㅇ넹모ㅑ;돈아쟈ㅗㅇ녀배ㅑㄱㅈ어놀]ㅔ뱌\냄아ㅓㄼㄷ맨러‼』
『奇跡』が断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉を包みこむ。
「うああああああああああああああああッ!これはいったい何が起きているんだ!」
「俺の『極限』とお前の『終末』が一つになり『奇跡』が起きた!ここからはなにが始まるのか俺にはもう予測できない」
断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の周り空間が歪み形を失う。
宇宙空間と地上世界が一つになり、その境目に出現した異次元の門からあらゆる動物達と建物を一つにした謎の生命体が出てきて口を開ける。
謎の生命体の口内から全身からビルと牛丼と機関銃の銃口を生やしたろくにバイトもせずに家事しかない巨大な専業主婦とパワハラ正規雇用者が12660体が匍匐前進をしながら現れる。
全身を全人類の理解の範疇を超えた容姿のクソバカ専業主婦とクソバカパワハラ正規雇用者が断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉に襲い掛かる。
断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身から放たれた波動が全人類の理解の範疇を超えた容姿のクソバカ専業主婦とクソバカパワハラ正規雇用者を消滅させる。
しかし、何度消滅させても異次元の門からは全人類の理解の範疇を超えた容姿のクソバカ専業主婦とクソバカパワハラ正規雇用者が出現するのを止めることができない。
「断罪王Zの操縦者よ、このままではエネルギー切れになって俺達二人の変神が解けてしまう!」
「もはや、こうするしかないのか...!」
断罪王Zが全身から放たれたすべてを消滅させる黒い波動を放つ。
全てを消滅させる黒い波動は全人類の理解の範疇を超えた容姿のクソバカ専業主婦とクソバカパワハラ正規雇用者ではなく、この世界そのものを覆い尽くしていく。
「お前!まさかこの世界そのものを消滅させる気か?」
「その通りだ、断罪王Zの全てを消滅させる力で俺は『奇跡』が開始されてしまったこの世界そのものを消滅させる!」
「世界そのものを消滅させたら、その世界に住む俺達もどうなるかわからんぞ!」
「この世界ですべてをわかって生きてる人間なんてだれ一人もいないさ。それに俺がこの世界を消滅させればこの世界に存在する至極神も消滅させることができるかもしれない」
「い、イカれてやがるぜ!お前!死ぬのが怖くないのか!」
「本当なら俺は断罪王Zの能力じゃなくて自分自身の暴力ですべてを破壊したかった!でも、この全てを消滅させる力を知ってしまった以上、俺はこの力の限界を知りたい」
断罪王Zと断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉のいる『奇跡』の世界が全人類の理解の範疇を超えた容姿のクソバカ専業主婦とクソバカパワハラ正規雇用者達と異次元の門と一緒に消滅していく。
断罪王Ⅹ〈エクストリーム〉の全身も消滅していく。
世界そのものが黒い波動に包まれて消滅していく。
しかし次の瞬間、青い空が真っ赤に染まり、世界そのものが大きく振動する。
「この現象は、まさか!」
空から五体の人型機動兵器・至極神が出現する。
断罪王Zの背後でメシアが空中浮遊している。
「おめでとうございます、あなたが最後の断罪王となりました。あなたは今日からこの世界でただ一人の神様になりました」
「そんなことより、なぜここに至極神がいるんだ?」
「真の神になった断罪王Zは今日から六人目の至極神になりました」
「なんだと!じゃあ、この断罪王どうしの戦いは六人目の至極神を決める戦いだったというのか?」
「その通りです。人間たちの世界でいう神、それが至極神なのです」
『まさかあの時のガキの一人が我らの仲間になるとはな...』
五体いる至極神の内の一人が俺に話しかけてきた。
「仲間だと...?ふざけんなァッ!俺がデロシの代わりにお前たちを全員殺してやる!くらえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
至極神となった断罪王Zの全身から全てを消滅させる黒いオーラが五体の至極神に向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
至極神となった断罪王Zから放たれた意味不明の文字が五体の至極神の脳内に直撃する。
『なんだ!コレは!ぐわああああああああああああああああああああああああッ!』
『うああああああああああああああああああああああああああッ!気が狂う!』
『ぬわあああああああああああああああああああああああああああああッ!頭が痛い!』
『死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!』
『き、貴様は神になれたのだぞ!なのになぜ、我々と敵対しようとする!』
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!俺は神じゃない!俺は暴田リキ!終末を司る断罪王Zだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
五体の至極神が至極神と化した断罪王Zの攻撃を受けた影響で世界が歪み始める。
至極神と化した断罪王Zの放った波動が至極神のみならず、世界そのものを狂気の色に染め上げようとしているのだ。
「メシア!こ、これはいったい!」
「私にもわかりません、しかし神様になったあなたにも予想できないことがこれから起きようとしていることだけはわかります!」
俺はこれから一体どうなってしまうんだろう?

次回予告 第六十九話 断罪王Z 体 竜‼人の悪口ばかり言っているパートのババアは産業廃棄物焼却施設で全身にダイオキシンを浴びながら石油を飲め!  
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第六十九話 断罪王Z 体 竜‼人の悪口ばかり言っているパートのババアは産業廃棄物焼却施設で全身にダイオキシンを浴びながら石油を飲め!

第六十九話 断罪王Z 体 竜‼人の悪口ばかり言っているパートのババアは産業廃棄物焼却施設で全身にダイオキシンを浴びながら石油を飲め!

俺は黒衣を纏った状態で見知らぬ荒野に立っていた。
「なんだここは?それにこの格好は...!メシアは?至極神はいったいどうなったんだ?」
荒野の先にみえる町から炎が上がっている。
「とにかく今は情報を集めるしかないな!」
俺は荒野を走って町にたどり着いた。
町では巨大な竜がそこに住む、人々や建物を破壊し尽くしていた。
「うそだろ?これじゃあまるで漫画やゲームだぜ!」
疑問を振り払うように俺は本能の赴くままに右掌を竜にかざした。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
竜の脳内に脳を破壊する波動を直撃する。
俺の掌から放たれた黒い波動が竜を一瞬で消滅させる。
町の人々が竜を殺した俺に賞賛の言葉を送る。
「すげぇぞアイツ!竜を一撃で殺しやがった!」
「本当に人間なのか?」
「でもすごいわ!魔法使いなんて私初めて見たわ!」
俺は賞賛の言葉もお構いなしに近くにいたジジイの胸倉をつかむ。
「おいジジイ!ここは一体どこだ!どうしてあんなバケモノがいるんだ!」
「こ、ここはラジエル大陸だよ、さっきみたいな化け物がこの町に来たのは今日がはじめてだよ...」
「死ね!」
俺はジジィに暴言を吐いて地面に思いっきり叩きつけた。
俺の暴行を見た周りの人々がさっきとは一転、恐怖の眼差しを俺に向けて、立ち去っていく。
「チッ!どうやらここは本当に俺の知らない世界みたいだ...あの時、俺が至極神に放った攻撃が原因でこんな意味不明な世界に来てしまったのだろうか?」
武装をした連中が馬に乗って俺を取り囲む。
「なんだてめぇら!」
「我々はラジエル城から参ったラジエル騎士団だ!お前だな!竜を魔法で殺し、市民に暴行したのは!」
「別にいいだろ!俺がいなきゃあ、今頃お前ら全員、あの竜に殺されていたかもしれないんだぜ?」
「くっ...!まぁ、いい、国王様がお呼びだ、我々についてこい」
「けっ、おめぇらの言うこと聞いて俺が何を得するんだ?」
「至極神...!」
「お前らがどうしてその名前を!」
「我々もよくわからん、しかし、竜を黒い波動で一瞬で殺したお前のことを聞いた国王様がお前にその言葉を言えば、我々についてくるとおっしゃっていた」
「なるほど、すこしは話がわかるやつがいたもんだ」
俺はラジエル騎士団の後ろについてラジエル城に入った。
ラジエル城のお国は国王と思われる美少女が大きな椅子に座っていた。
「ふん、どっちかっていうと王女様の間違いじゃねぇかこれは」
「待っていたぞ、至極神よ、私の名はライザ」
「ふざけんな!俺はその至極神っていう名前が嫌いなんだ!それより、お前、どうして至極神を知っているんだ?」
「私の持っている古い本に書いてある言い伝えによれば、今から数千年前、至極神と呼ばれる六体の神々の内の一人が他の至極神を裏切り、その戦いのせいで裏切りの至極神が放った黒い波動がこの世界を作り上げたそうだ」
「なるほど、それで俺が至極神だと思ったのか...ということはやはり、俺のせいでこの世界が生まれたのか!」
俺の言葉に城内の貴族たちが一斉にざわつきだす。
「やはり、お前は至極神だったのか...!しかし、なぜ人の姿をしているのだ?」
「とにかく、今後、俺のことはリキって呼んでくれ、その至極神っている名前は嫌いなんだよ」
「わ、わかった...!お前は、いやリキはこれから一体どうするつもりなんだ?」
「俺の目的はただ一つ、残りの至極神五体を全員殺すことだ!」
「神でありながら神を殺すのか?」
「ああ、それが親友との約束なんだ」
「親友...?約束...?お前、神なのか?それとも人間なのか?」
「両方だ。前は人間だったんだけどな、ある日突然、神にされてしまった」
「そうか...!では今日からお前はラジエル騎士団の一員になってもらう!」
「フン...!俺を神と知りながら上から命令するとはな」
「周りの目がある、それにお前と戦ったところで我々に勝ち目はない、礼儀作法など気にするだけ無駄だ」
「わかった、とりあえず俺も住処と情報があったほうが便利だからな、しばらくこの城に住んでやるよ」
「助かる!それでは今日から頼むぞリキ!」
俺はライザと握手を交わした。

次回予告 第七十話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!フリーターや引きこもりを見下しているろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は高齢者が運転する自動車に自宅を破壊されろ!






 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!フリーターや引きこもりを見下しているろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は高齢者が運転する自動車に自宅を破壊されろ!

第七十話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!フリーターや引きこもりを見下しているろくにバイトもしない家事しかできない専業主婦は高齢者が運転する自動車に自宅を破壊されろ!

ラジエル国王のライザに呼び出された俺を待っていたのは衝撃の真実だった。
「さきほど、偵察隊から報告があった。どうやらこのラジエル大陸に新たな町が突然、転移してきたらしい」
「町が転移だと?」
「ああ、これは偵察隊が絵に書き起こしたものだ」
ライザから渡された紙にはビルや住宅が書かれていた。
「こ、これは俺がぶっ壊す前の世界の町だ...!」
「ほう、ではお前の壊した世界に存在していた町がこの世界に転移してきたということか、昨日お前から聞いた話が正しければ、お前がこの世界で自分の存在を認識した日に竜が我が国を襲い、その次の日には町がまるごと転移してきた、これは果たして偶然といえるのだろうか?」
「なんだと!全部、俺のせいだといいたいのか?」
「そうだ、であるからにして、お前にはちゃんと世界を滅茶苦茶にした罪を償ってもらわなければならい」
「ふざけんな!そもそもメシアが俺に終末黙示録を渡さなければこんなことにはならなかったんだ!」
「メシア...」
「ああ、昨日話した、俺や社会不適合者たちに、断罪王の力を与えて殺し合わせた女だ」
「なるほど、また謎が増えたな。昨日のお前が話してくれた情報によれば、そのメシアという女は六人目の至極神を選ぶために社会不適合者?達を戦わせたのだろう?」
「ああ、そうだ、それで最後に生き残った俺が至極神になって他の至極神にケンカを売ったらこのありさまだ!」
「とにかく、今日、突然転移してきた街に偵察に行ってきてくれないか?」
「ああ、わかってる。ここに至極神の居場所を探す手がかりがあるかもしれないからな!」
俺はラジエル騎士団・団長のラーフと共に馬に乗って、今日ラジエル大陸に突然転移してきた街に向かった。
「なんだよ、お前もついていくのか?」
「ああ、姫様、いや国王様の命令だ。お前、どうやら今から行く町は初めてじゃないらしいな」
「いや、元々俺が住んでいた世界の町にそっくりってだけだ。本当に俺がいた世界の町かどうかはわからない」
謎の町の近くについた俺とラーフの目の前に一台のパトカー止まる。
パトカーから降りてきた警官たちは俺と甲冑を身にまとったラーフを見て驚いている。
「お、お前たち、何者だ!」
「やはり日本人か!」
「に、ニホンジン?」
「ああ、日本は俺が以前、暮らしていた国の名前だ」
「お、おいお前ら、いったい何者なんだ!」
「我々はラジエル騎士団だ、お前たちは自分たちがラジエル大陸に転移してきた自覚をあるのか?」
「そうか、ここはラジエル大陸というのか!今すぐ、上層部に連絡するんだ!」
「おい警官、それより今日の日付を教えてくれ」
「今日の日付?ああ、今日は20××年の八月だ」
「20××年の八月だと!」
それじゃあ、ここは俺が至極神になる前の日本。ということは...まだ断罪王同士の戦いの最中じゃないか!
「おい、そこの君、勝手に町に入るな!」
「うるさい、我々はラジエル国王の命令でここを偵察するだけだ、そもそも国王に許可なくラジエル国の領土を勝手に支配したのは君たちの方なんだぞ!」
馬に乗った俺はラーフに続いて、日本の町に入る。
「間違いない、ここは日本だ!」
「二ホン、細長い建物が沢山あるな」
「ああ、あれはビルって言うんだ」
日本の町に住む人々が俺達を見て驚くと同時に携帯で写真を撮ってくる。
「ま、まぶしい!なんだあれは!威嚇なのか?」
「違う、あれは写真を撮っているんだ、日本じゃ、俺たちの格好は珍しいんだよ」
「ふむ、シャシンとは?」
「わかりやすく言えば、写真は絵だな、あの手に持っている機械で俺達を撮ると、俺たちの絵があの機会に保存ざれる」
「ふむふむ、わかるような、わからないような」
「勝手にしろ...それより、断罪王同士の戦いの最中ならお前は城に戻ったほうがいいかもしれない」
そう、試しに終末黙示録を開いてみると、そこには近くに断罪王M〈ミラクル〉が存在すると警告文書が記されていた。
「断罪王M〈ミラクル〉、おそらく崩壊前の世界で俺以外の断罪王に殺された断罪王に違いない」
「断罪王?」
「ラーフ、お前は死にたくなかった今すぐ、城に戻ってここで見たことをライザに知らせるんだ、いいな」
「わ、わかった!」
俺は足手まといを城に返して、町の探索に向かう。
背後から女の声が聞こえてくる。
「見つけた、お前は断罪王Z...いや、裏切りの至極神だな?」
「お前、なぜこの時間軸で俺が至極神と敵対していることを知っているんだ?」
「知っているから知っているだけだ、とにかく、お前を殺せば、私は六人目の至極神になれる!」
「なるほど、そうきたか...!」

次回予告 第七十一話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!無職や引きこもりの両親をバカにしてくるパートのババアはめっちゃ汚ぇ牛丼屋でめっちゃ汚ぇ客に囲まれながら牛丼食ってテンション下がれ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十一話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!無職や引きこもりの両親をバカにしてくるパートのババアはめっちゃ汚ぇ牛丼屋でめっちゃ汚ぇ客に囲まれながら牛丼食ってテンション下がれ!

第七十一話 断罪王Z 体 断罪王M〈ミラクル〉!無職や引きこもりの両親をバカにしてくるパートのババアはめっちゃ汚ぇ牛丼屋でめっちゃ汚ぇ客に囲まれながら牛丼食ってテンション下がれ!

ラジエル大陸に転移してきた日本の街を歩いていた俺に断罪王M〈ミラクル〉の操縦者と思われる女が話しかけてきた。
「お前を殺せば、私は六人目の至極神になれる!」
「なるほど、そうきたか...!」
「お前はなぜ、神になれたのに至極神に敵対するんだ!」
「とにかく、お前は誰かの入れ知恵でこの先の未来で俺が至極神になることを知っているんだな?」
「ああ、最初に聞いた時はびっくりしたわよ。私が他の断罪王に殺されて、生き残った断罪王Zが自ら神の地位を捨てて世界を崩壊させる未来にね」
「お前に入れ知恵をしたのは俺以外の至極神なのか?」
「いや、ちがう、私に断罪王同士の結末と至極神の存在を教えたのは黒いローブに身を包んだ人間だった」
「なるほど、そいつはきっと顔を知られては困るやつなんだな」
「とにかく、そんなに神の地位が気に喰わないなら、おとなしく私に殺されなさい」
「言っておくが、俺は断罪王の中でも最強だぜ、ほれ」
俺は右手のひらを断罪王M〈ミラクル〉の操縦者にかざす。
断罪王M〈ミラクル〉の操縦者の全身に黒い波動が直撃して、肉体を消滅させていく。
「うわああああああああああああああああああああああああッ!」
しかし次の瞬間、消滅中の肉体が時間を巻き戻したように再生を始める。
「これが奇跡を司る断罪王M〈ミラクル〉の力、お前の攻撃は私には通用しない」
「なら、本気を出すしかないみたいだな!シンゴォォォォォォォォ!」
「シンゴォォォォォォォォ!」
俺と断罪王M〈ミラクル〉の操縦者の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと黄色のボディが特徴的な断罪王M〈ミラクル〉が向かい合う。
断罪王Zのボディが黒く染まり、黒い波動が断罪王M〈ミラクル〉の全身に直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
断罪王Zの黒い波動が断罪王M〈ミラクル〉の脳内を狂気で埋め尽くす。
「うわあああああああああああああああああああああああああああ!頭が死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!」
「さぁ、断罪王M〈ミラクル〉よ!お前の奇跡とやらでこの状況を打開してみせろ!」
またしても断罪王M〈ミラクル〉の存在だけが時間を巻き戻したように変化する。
そして、断罪王Zの前には黒い波動を受ける前の断罪王M〈ミラクル〉が立っている。
「俺の攻撃が通用しない!」
「私は断罪王M〈ミラクル〉の力であなたの攻撃をなかったことにするという奇跡を起こしただけよ」
「つまり、お前は自分が追い詰められた瞬間に断罪王M〈ミラクル〉の奇跡の力でそれをなかったことにできるわけか」
「その通り、おとなしく命を差し出しなさい。そうすれば私は数ある断罪王の中で最後の一人にならなくても至極神という名の神になれるのだから」
「ククク...至極神が本当に神ならなぜ、俺の全てを消滅させる黒い波動で世界が崩壊するのを止められなかったんだ?」
「実力で勝てないからって、口で挑発するつもり?そんなの無駄よ」
「なぜ、至極神は直接俺に勝負を挑まずに、わざわざお前に未来の出来事を入れ知恵してまで、俺を殺そうとする?」
「負け惜しみはそこまでにしておかないとカッコ悪いわよ」
「至極神のやつらはまさか俺に殺されそうになるとは思わなかったんだろう、至極神は俺を恐れている、だからこうして回りくどいことをしてくる」
「うるさいわね、口を動かす暇があるなら攻撃でもすれば?全部、なかったことにしちゃうけど」
「つまり、至極神は今、俺の引き起こした世界崩壊のせいで完全な状態じゃないんだ。だから俺に見つかって不完全な状態で殺されることを恐れている」
断罪王M〈ミラクル〉が腰に装備してある鞘から剣を抜いて、断罪王Zに襲い掛かる。
断罪王M〈ミラクル〉の斬撃をくらった断罪王Zの全身が真っ二つになる。
「やった!これでは私が六人目の至極神になれる」
しかし、真っ二つになった断罪王Zが時間を巻き戻したように再生を始める。
そして、無傷の状態の断罪王Zが断罪王M〈ミラクル〉の前に立っている。
「断罪王Zが断罪王M〈ミラクル〉の能力と同じ、奇跡を起こしたというの?」
「俺は六人目の至極神、つまり神だ。お前の断罪王M〈ミラクル〉の能力をコピーするなんて簡単なんだよ!」
「そ、そんな!」
断罪王Zの右手のひらに黒い波動が発生し、渦を巻いている。
そう、断罪王Zは右手のひらに、全てを無にする人口のブラックホールを創造したのだ。
「これでおしまいだ」
断罪王Zの創造したブラックホールが断罪王M〈ミラクル〉の全身を吸いこむ。
そして、断罪王Zが右手のひらを閉じるとブラックホールが消えた。
つまり、断罪王Zはブラックホールの中に断罪王M〈ミラクル〉を閉じ込めたのだ。
「能力が驚異的でも、能力者そのものをこの世界とは別空間であるブラックホールに閉じ込めておけば、お前は俺を認識できない、つまり俺に対して奇跡を発動することはできないのさ」
ブラックホールが消失する。
おそらく至極神のやつらは俺に与えられたダメージを回復する時間を稼ぐために、これからも俺に刺客を送ってくるだろう。
断罪王同士の戦いがまた始まろうとしていた。
次回予告 第七十二話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!人のシフトを勝手に変えようとしてくるパートのババアはこの世界で起きるありとあらゆる不幸と不平等と矛盾と悲劇の責任を背負い謝罪しながら駅の線路で等速直線運動を9800回繰り返せ!



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十二話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!人のシフトを勝手に変えようとしてくるパートのババアはこの世界で起きるありとあらゆる不幸と不平等と矛盾と悲劇の責任を背負い謝罪しながら駅の線路で等速直線運動を9800回繰り返せ!

第七十二話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!人のシフトを勝手に変えようとしてくるパートのババアはこの世界で起きるありとあらゆる不幸と不平等と矛盾と悲劇の責任を背負い謝罪しながら駅の線路で等速直線運動を9800回繰り返せ!

断罪王M〈ミラクル〉をブラックホールに封印した俺はラジエル城に戻ってライザ国王に今日起きたことを報告した。
「なるほど、ラジエル大陸に転移してきたのは崩壊前の世界なのか...それで刺客が至極神になるためにお前を襲った」
「ああ、至極神の使いと思われる奴が断罪王M〈ミラクル〉の操縦者に入れ知恵をしたらしい、断罪王M〈ミラクル〉の操縦者は断罪王同士の戦いの結末と世界の崩壊の未来をそいつに教えられたと言っていた」
「なるほど、今後も至極神がお前に与えられたダメージを回復する時間を稼ぐために、お前を殺して神になりたい断罪王の操縦者たちがお前を殺しに来るというわけか...」
「ああ、神になるために断罪王同士で最後の一人になるまで殺し合うより、俺を殺した方が手っ取り早いってことだ」
「至極神も考えたな。それでお前は今後どうするつもりだ」
「俺はもう一度、ラジエル大陸に転移してきた日本に行って、断罪王の操縦者達と戦う、その過程で至極神の命令で断罪王の操縦者たちに妙な入れ知恵をしているやつの情報収集もできるからな」
「そうか、しかしまたいつ、竜がこの国を襲ってくるかわからない。その時は力になってくれると助かる」
「ああ、もちろん、竜の出現にも至極神が関わっている可能性があるからな」
俺を城を出て、転移してきた日本に向かう。
転移してきた日本は昨日の俺と断罪王M〈ミラクル〉の戦闘でどこもかしこも瓦礫の山になっていた。
「久しぶりだぜ、この景色。なんだかなつかしいぜ!」
「あんたが断罪王Zか」
俺の背後に見知らぬ美少女が立っていた。
「ああ、そうだが」
「なんか変なやつに言われたんだけどさ、アンタを殺せば、至極神っていう神になれるって本当?」
「お前、断罪王の操縦者か?」
「ええ、私は主を司る断罪王L〈ロード〉の操縦者、村田ユシ」
「本当かどうか、確かめてみるか?」
「そうしたいところだけど、あんた、最終的にこの戦いで生き残って、しかも神を裏切るんだろ?」
「ああ、その通りだ、俺は最強の断罪王だ。怖くなったか」
「ああ、怖いね。でもどうして神になれたのに至極神を敵対する道を選んだんだの?」
「そんなことより、お前に未来と俺を暗殺するように入れ知恵してきた奴は誰だ?今はいったいどこにいるんだ?」
「黒いローブを着た女だよ。そいつが私に言ったんだ、他の断罪王を倒さなくても、あんたを殺せば私は神になれるって」
「だから!俺が聞きたいのはその黒いローブの女の正体だ!」
俺はユシの胸倉をつかもうとした。
しかし、おれの体は動かない。
「私はあんたの体を支配した。これが『主』を司る断罪王L〈ロード〉の能力。今日からあんたの『主』は私になったってことさ」
俺の体が自分の意思とは関係なく勝手に動き始める。
俺の意思とは関係なくユシから手渡されたナイフが俺の首に近づいていく。
「あんたは『主』である私の意思により自らの手でナイフを自分の首に突き刺す。そして私は神になる」
まずいぞ、口もろくに動かない。
このままでは俺は自分の手に持ったナイフで自分の首を突き刺すことになってしまう。
俺は変神もしないまま、ユシに負けるのか?
ダメもとでやってみるか。
俺は心の中で唱える。
シンゴォォォォォォォォッ!
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王Zの変神に成功したことで断罪王L〈ロード〉の支配から一時的に解放された。
「主に逆らうなんてまったく世話の焼ける奴隷だわ、シンゴォォォォォォォォ!」
ユシの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと紫色のボディが特徴的な断罪王L〈ロード〉が向かい合う。
断罪王Zの全身が黒く染まっていく。
「この際だ!断罪王L〈ロード〉ごとこの転移してきた日本のどこかにいる黒いローブの女を俺の黒い波動で消滅させてやる!」
断罪王Zの全身からすべてを消滅させる黒い波動が放たれる。

次回予告 第七十三話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!職場でいじめばかりしているやつは両手に黄色ブドウ球菌がついたクソババアが素手で握った中に生ユッケが入ったおにぎりを12660個食べろ!





 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十三話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!職場でいじめばかりしているやつは両手に黄色ブドウ球菌がついたクソババアが素手で握った中に生ユッケが入ったおにぎりを12660個食べろ!

第七十三話 断罪王Z 対 断罪王L〈ロード〉!職場でいじめばかりしているやつは両手に黄色ブドウ球菌がついたクソババアが素手で握った中に生ユッケが入ったおにぎりを12660個食べろ!

断罪王Zの全身から放たれた全てを消滅させる黒い波動がラジエル大陸に転移してきた日本に広がっていく。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
目に見えるすべての景色が黒く覆われて消滅していく。
「やめろぉぉぉぉぉッ!」
それを阻止するためにユシの操縦する断罪王L〈ロード〉が断罪王Zに向けて右手のひらをかざす。
しかし、相手を完全に支配する断罪王L〈ロード〉の能力も、断罪王Zの全身から放たれる黒い波動によって消失していく。
「おかしいな...お前意外の景色は消えていくのに、断罪王L〈ロード〉、なぜお前は消滅しない!」
「し、知るか!さ、寒い!体が急に震えて...!」
断罪王L〈ロード〉の全身が風船のように膨らんでいく。
そして、全てが消滅した日本に断罪王Zと風船のように膨らんでいる断罪王L〈ロード〉だけが取り残される。
「断罪王L〈ロード〉に一体何が起きているんだ...!」
断罪王L〈ロード〉の全身が破裂して中から天使の羽を生やした断罪王L〈ロード〉が出現する。
「 断罪王L〈ロード〉の中から羽の生えた断罪王L〈ロード〉が出てきた!」
「す、すごい!これが至極神の力!」
「至極神だと!」
「そうよ、どうやら至極神の命令で、あの黒いローブの女が事前に私の体内に『神の種』を植え付けていたようね」
「神の種...?なぜ今になって急に理解できるんだ?」
「神の種によって断罪王L〈ロード〉から断罪神〈ロード〉に生まれ変わった今ならわかるのよ!すべての過去と未来がね!」
「なるほど、至極神のやつらも必死だな!お前みたいな雑魚をパワーアップさせてまで俺を殺そうとするとはな!」
「雑魚...?今の言葉、よく覚えておきなさい」
断罪神〈ロード〉の全身からは犯たれた無数の光の粒子が断罪王Zが消滅させた日本をまるで時間を巻き戻したかのように再生させていく。
「今の私は時間をも支配できる!これが断罪神〈ロード〉の力よ!」
「あっそ」
断罪神〈ロード〉に向かって断罪王Zの全てを消滅させる黒い波動が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
しかし、断罪王Zが放った黒い波動は断罪神〈ロード〉の全身に届く前に消えてしまう。
「なに!」
「私は今、時間を操り、あなたの攻撃だけを私に向かって攻撃が放たれる前の時間まで巻き戻した。フフフ...すごいわ!これが至極神から与えられた神の種の力!これで至極神になればもっとすごい力が手に入る!あら失礼、あなたも確か六人目の至極神だったのよね」
「俺をその名で呼ぶんじゃねぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
断罪王Zから放たれたフルパワーの黒い波動が断罪神〈ロード〉と日本を襲う。
「うふふ、何度やっても無駄よ」
しかし、断罪神〈ロード〉の能力により、断罪王Zのすべてを消滅させる波動は黒い波動が放たれる前の状態に時間を巻き戻されしまう。
「六人目の至極神も大したことないわね、そろそろ死になさい」
断罪王Zの全身が時計回りにねじれいていく。
「お前!何をするつもりだ!」
「アンタの存在だけをアンタがこの地球に誕生してくる前の状態に巻き戻すのよ!」
「くっ、俺はまだ死ねん!至極神の奴らを全員、ぶっ殺すまでは!」
その時、頭上から大量の巨大な針が断罪王Zの全身をつらぬいた。
「うあああああああああああああああああああああああッ!」
「誰だ!私と断罪王Zの戦いの邪魔をするのは!」
断罪神〈ロード〉の前に灰色のボディが特徴的な断罪王N〈ニードル〉が現れる。
「悪いな、断罪王Zを殺して至極神になるのはこの俺!断罪王N〈ニードル〉だ!」
「そうか、お前もあの黒いローブの女に俺を殺すように依頼されたんだな!」
「ああ、そうさ。でもまさか、神の種なんて変なもんを体内に埋め込まれてたのには驚いたな!」
「それは私も同感よ!断罪王N〈ニードル〉、あんたも神の種の力で断罪神になったら?」
「それはごめんだね、なんか怪しいし、とにかく断罪王Zを殺すのは俺だ!」
「だったらやってみせなさいよ!」
断罪王N〈ニードル〉と断罪神〈ロード〉の戦いが始まった。

次回予告
第七十四話 断罪王Z 対 断罪王N〈ニードル〉!断罪神〈ロード〉!人のうわさ話が好きなクソババア共は全員、耳元で生活困窮者にプロポーズされてから高齢者が30年間へそに溜めたへそのゴマを食べろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十四話 断罪王Z 対 断罪王N〈ニードル〉!断罪神〈ロード〉!人のうわさ話が好きなクソババア共は全員、耳元で生活困窮者にプロポーズされてから高齢者が30年間へそに溜めたへそのゴマを食べろ!

第七十四話 断罪王Z 対 断罪王N〈ニードル〉!断罪神〈ロード〉!人のうわさ話が好きなクソババア共は全員、耳元で生活困窮者にプロポーズされてから高齢者が30年間へそに溜めたへそのゴマを食べろ!

「断罪王Zを殺して六人目の至極神になるのは俺だ!」
断罪王N〈ニードル〉が全身から無数の針を断罪王Zに向かって放つ。
断罪神〈ロード〉の全身から放たれる光の粒子が断罪王N〈ニードル〉の放つ無数の針を放たれる前の状態、つまり無に戻してしまう。
断罪王N〈ニードル〉の攻撃を受けた影響で断罪神〈ロード〉によって引き起こされた断罪王Zを拘束していた時空のねじれが消失する。
その隙に、断罪王Zは戦いを繰り広げる断罪王N〈ニードル〉と断罪神〈ロード〉から距離をとる。
「逃がさないわよ!あんたを殺して本当の神になるのは私なんだから!」
断罪神〈ロード〉の全身から放たれた光の粒子が断罪王Zを襲う。
「させるか!断罪王Zは俺の獲物だぁ!」
断罪王N〈ニードル〉の無数の針が断罪神〈ロード〉の放った光の粒子をつらぬいて、断罪王Zに接近してくる。
「お前らは正々堂々、断罪王同士の戦いで勝ち抜いて神になろうとは思わんのか!」
「正々堂々?笑わせんじゃねぇよ!断罪王Z!」
「そうよ!断罪王の操縦者は皆、選ばれし社会不適合者!社会不適合者の辞書に正々堂々なんて文字はないわ!」
次の瞬間、転移してきた日本の上空に次元の門が開く。
次元の門からは大量の竜が出現して断罪王たちや日本国民を襲い始める。
「な、なんだこれは!」
「なによ、コレ...?」
「全部俺のせいだ、六人目の至極神になった俺が断罪王Zで五体の至極神と世界そのものを消滅させようとした結果がコレだ!俺のせいでこの世界は完全に狂っちまった!」
大量の竜が断罪神〈ロード〉に襲い掛かる。
断罪神〈ロード〉の捉えた空間を一時的に無の状態まで巻き戻す光の粒子も竜には通用しない。
「そんな!神の種で断罪王からパワーアップした断罪神〈ロード〉の力が通用しない!」
「つらぬけぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王N〈ニードル〉の全身から放たれた無数の針も竜の全身を覆う鋼鉄の皮膚に弾かれてしまう。
「断罪王N〈ニードル〉の針が通じない...!」
断罪王Zの全身から放たれたすべてを消滅させる黒い波動が大量の竜たちを次々と消滅させていく。
その間に断罪神〈ロード〉と断罪王N〈ニードル〉は全身を竜に食い荒らされていた。
「痛ぇよぉぉぉぉぉッ!」
「きゃああああああああああああああッ!」
「まさか、竜に助けられるとはな...しかし、どうして俺以外の断罪王の攻撃が通用しないのに、俺の黒い波動だけは通用するんだ?わけがわからん」
「それは、あなたが六人目の至極神である証拠です」
断罪神〈ロード〉と断罪王N〈ニードル〉が大量の竜たちに全身を食い荒らされている光景に黒いローブを身にまとった女が空中に浮遊した状態で現れる。
「お前だな!断罪王たちに俺を殺せば至極神にしてやるとか言いふらしてるやつは!」
「その通り、お久しぶりですね、終末を司る断罪王Z」
「メシア...やっぱりお前だったのか!この状況、ちゃんと説明させてもらおうか!」
「簡単に言えば、あの時、至極神ごと世界を消滅させようとしたあなたが全ての元凶ですね」
「そういうこと言ってんじゃねぇんだよ!お前はなぜ、他の断罪王たちに変な入れ知恵をしたり、神の種とかいう妙な力を与えるんだ!あの竜はいったいなんだ!」
「あなたもお察しのとおり、かつての戦いであなたの放った全てを消滅させる黒い波動を全身に受けた五体の至極神は死にかけました。至極神はこの世界、いや宇宙全体そのものなのです、つまり、あなたが至極神が完全に消滅すれば、全ての世界と宇宙も消滅するのです。そして至極神が消滅しかけている影響で世界と宇宙とはまた別の空間、『次元』からの侵攻を許してしまった。つまり竜は『次元』からの侵略者です」
「俺が至極神を殺しかけたせいで、世界が不安定になって『次元』とかいうやつらをこの世界に呼び寄せちまったってわけか...そしてその『次元』からの侵略者が、あの、竜」
「はい、今までは『次元』の侵攻を防げていたのは五人の至極神のおかげなのです」
「だから、六人目の至極神の俺の攻撃だけが竜に通用したのか!」
「その通りです、五体の至極神が傷を負って戦闘不能である今、『次元』の侵略を止められるのは六人目の至極神だけ。だから五体の至極神はこの不安定な状態の日本に存在する断罪王の操縦者達に新たな六人目の至極神という成功報酬を餌にして断罪王Zを殺させようとした。そして、その実行役が私です」
「なるほど、現在、『次元』の侵略を防げるのは六人目の至極神だけ。俺みたいな反逆者が六人目の至極神であることより、言うことをちゃんと聞く六人目の至極神のほうが、五体の至極神たちにとっても都合がいいってわけか」
「あなたはまだ親友の断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の操縦者、虐川デロシの願いを叶えるために五体の至極神を殺すつもりですか?」
「当たり前だ!それより、いますぐ死にかけの至極神共に会わせろ!」
「五体の至極神が完全に消滅すれば、全ての世界と宇宙はバランスを失って無になる。それでも考えを変えるつもりはないのですか?」
「当たり前だ!だいたい至極神が五人死んでも、六人目の至極神である俺がいればなんとかなるんじゃないか?」
「先ほども言った通り、この世界は五人の至極神によってバランスを保っていました。そして『次元』の侵攻に対して、今より完璧なバランスと平和を完成させるために、五人の至極神は六人目の至極神を求めました。それに必要な六人目の断罪王を選ぶのが二十六体で行われる断罪王同士の戦いの意味なのです」
「そんなの俺には関係ねぇんだよ!」
断罪王Zの右手がメシアの全身をつかむ。
「五体の至極神が全員死んで世界と宇宙が消滅しようが、『次元』とかいうやつらの竜がこの世界を征服しようが、俺にはそんなの関係ねぇ!俺は親友との約束を守る為にあの五体の至極神を全員ぶっ殺すんだよ!いいじゃねぇか!俺のせいでこの世界と宇宙が消滅する!これぞ最高・最強・究極の『暴力』じゃねぇか!ヒィエアァァァァァァァァッ!」
断罪神〈ロード〉と断罪王N〈ニードル〉を完食した竜たちが姿を変えていく。
「ククク...『次元』からの侵略者の竜か...!おもしれぇ!」
断罪神〈ロード〉と断罪王N〈ニードル〉を完食した竜たちが一つになり、断罪神竜となる。
メシアの全身が断罪王Zの右手から解放される。
「ということで、瀕死の五体の至極神に伝えておけ、断罪王Zがお前たちを全員殺して、この世界と宇宙の全てを消滅させるとな!」
「至極神の居場所を知りたくはないのですか?」
「俺がお前に至極神の居場所を教えろと言ったらお前は俺に協力するのか?」
「しません...」
「だからお前はメッセンジャーとして見逃してやる!その間、俺は『次元』とかいうやつらの正体を見極めてやる。
断罪王Zと断罪神竜の戦いが始まる!

次回予告 
第七十五話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼ニートも専業主婦も親族の金で養われていることに関しては同じなんだよ!だから専業主婦にニートやフリーターをバカにする資格はねぇぇんだよぉぉぉぉぉッ‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十五話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼ニートも専業主婦も親族の金で養われていることに関しては同じなんだよ!だから専業主婦にニートやフリーターをバカにする資格はねぇぇんだよぉぉぉぉぉッ‼

第七十五話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼ニートも専業主婦も親族の金で養われていることに関しては同じなんだよ!だから専業主婦にニートやフリーターをバカにする資格はねぇぇんだよぉぉぉぉぉッ‼

人型機動兵器である断罪王の背中に竜の羽を生やしたような姿をした断罪竜神が断罪王Zに襲い掛かる。
断罪竜神の全身から断罪王N〈ニードル〉の無数の針が放たれる。
断罪王Zは全てを消滅させる黒い波動を無数の針に向かって放つ。
しかし、針は黒い波動を貫通して断罪王Zの全身に突き刺さる。
「うぐああああああああああああああああああああああッ!」
断罪王Zの全身の針に刺された部位が時間を過去に巻き戻していくように収縮していく。
「断罪王Zの全身が縮んでく!これは断罪神〈ロード〉の力だ!」
そう、断罪竜神の針は全てを消滅させる黒い波動を貫通し、針に刺した部位の空間だけを過去の状態へと戻す力があるのだ。
「これが『次元』からの侵略者の力なのか!五体の至極神が恐れるわけだぜ!」
「ギャアオオオオオオオオッ!」
断罪竜神が雄たけびを上げながら全身から針を放出する。
断罪竜神の攻撃により、全ての機械筋肉組織を退化させてられてしまった断罪王Zは動くこともできない。
「あまり使いたくはなかったが、俺も一応、至極神だからな!くらえッ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王Zの全身から五体の至極神を瀕死にまで追い詰めた狂気の波動が放たれる。
狂気の波動を全身に受けた断罪神竜が両手で頭を押さえ、激痛に悶える。
断罪神竜の全身から高齢者の顔が大量に出現し、約五千年後の未来の世界で使用されていると思われる未知の言語を唱えだす。
断罪神竜の全身が収縮して最終的手に一本のリンゴの木になってしまった。
「これが至極神の力か...!」
俺は生き延びるためにプライドを捨てて使った至極神としての力に戦慄していた。
そしてあのリンゴの木は一体なにを意味してるのか?
よく見るとすべてのリンゴに両目が開かれた高齢者の顔が浮き出ている。
気分が悪くなった俺は日本を出てラジエル城に戻ることにした。
      *
「ほう、お前は五体の至極神を殺すためにこの世界そのものを消滅させるのだな」
「ああ、それが死んでしまった親友の願いなんだ!だから俺は今日、ライザ国王、ラーフ、ラジエル騎士団のみんなにお別れを言いに来たんだ」
「なるほど、ではお前はこれから瀕死の五体至極神の居場所を探しながら竜を従える『次元』と戦い続けるのだな」
ラーフが叫ぶ。
「リキ!お前がこの城から出て行ってしまったら誰がこの町を竜から守るんだ!」
「ラーフの言う通りだ。先ほどの話しからすると、竜がこの世界に来るきっかけを作ったのはお前だ」
「ああ、わかってる。でも俺はもう五体の至極神を殺すためなら犠牲もいとわないと心に誓った。俺の言っていることが気に喰わないなら今すぐ全員まとめて相手してやってもいいんだぜ」
「わかった、リキ。国王の名においてお前のラジエル騎士団の脱退を認めよう」
「ライザ国王!」
「ラーフ、よく考えろ、ここでリキと戦っても我々に勝ち目はない、我々にできることは国の平和のために命がけで竜と戦い、リキが五体の至極神を殺すことで発生する『終末』まで精いっぱい生きることだ!」
「ありがとう、ライザ。それじゃあな」
俺はラジエル城を出た。
俺はもう一度日本に向かう。
日本に到着した俺は街をさまよいながら六人目の至極神になるために俺の命を狙う断罪王の操縦者を待つ。
「退屈だな、竜でも出てこないかな」
「あの、あなた断罪王Zですよね」
終末黙示録を片手に持ったメガネをかけた美少女が俺に話しかけてきた。
「お前、選ばれし社会不適合者だろ!どうせ、俺を殺せば六人目の至極神になれるとかメシアに言われて俺に話しかけてきたんだろ!」
「はい、そうです」
「神の種って知ってるか?」
「いいえ、知りません」
「メシアに俺を殺すように依頼を受けた断罪王の操縦者は皆、五体の至極神によって体内に神の種を埋め込まれているんだ。それが発動すればお前は断罪王から断罪神となりパワーアップできるだろう、しかしそれでも俺には勝てない、なぜなら俺は神、六人目の至極神だからだ。それでも俺と戦うか?」
「やっぱりやめた方がいいですよね?」
「ああ、俺はお前が住んでいるこの世界の未来が来たんだ。俺が六人目の至極神であることからわかる様に、俺は断罪王同士の戦いで最後の一人になった覇者だ。神だ。話は変わるけど、五体の至極神の居場所って知ってるかい?」
「知りませんけど。私じつは一応「神」を司る断罪王G〈ゴッド〉の操縦者なんですよね」
「お前は偽物の神だ。お前が本物の神なら五体の至極神の居場所がわかるはずだ。どうせお前に勝ち目はないからとっとと家に帰れ」
「でも、私、どうしても神様になって人生大逆転したいんです!」
「お前は『神』を司る断罪王G〈ゴッド〉なんだろう?ならもう神になる必要はないだろう」
「あなた、さっきから私のことなめてますよね」
「ああ、もちろん。俺が知りたいのは五体の至極神の居場所と『次元』の正体だ。お前みたいな偽りの神であるクソ雑魚断罪王に興味はないよ」
「なら、試してみますか?」
「いいのか、本当に。俺は本物の神だ!六人目の至極神だ!」
「なら、どうして五体の至極神の居場所がわからないんですか?あなた本当に本物の神なんですか?」
「死ねよ...」
「今、死ねって言いました?そういうこと人に言っちゃいけないんですよ。本物の神様は人に死ねなんて言いません、あなたは偽物の神様です」
「死ね」
「だから、そういうこと人に言っちゃいけないんですよ!死ね!」
「お前も言ってるじゃないか!ふざけんなバカ野郎!死ね!」
「私に死ねって言われて今、怒りましたよね?これでわかったでしょう、人に言われて嫌なことは言っちゃいけないんですよ」
俺はメガネ美少女の首に正拳突きをぶち込んだ。
「げほっ、げほっ!」
「俺は、お前の喉を完全に潰した、これでお前は断罪王の変神に必要な呪文を唱えられない。つまりお前は永遠に断罪王に変神できないんだよ!」
俺は喉がつぶれたメガネ美少女の髪を引っ張って移動を開始した。
「雑魚が喧嘩が俺様に喧嘩売りやがって!気晴らしに俺の暴力でサンドバックにしてやるからな!」
カラオケボックスに突入した俺は唾液を受付のスタッフの額に向かって放つ。
俺の口から神速で放たれた俺の唾液が受付のスタッフの額を貫通する。
俺はメガネ美少女の髪の毛を引っ張りながら、個室のテーブルの上に放り投げる。
「声が聞こえないと、お前の悲鳴が聞こえない。ほれ」
俺は神の力でメガネ美少女の喉を治癒する。
そして、次の瞬間、俺は手に持ったマイクでメガネ美少女の額を何度も殴る。
「痛い!やめて!」
「そうだ!もっと痛がれよぉ!泣けよぉ!叫べよぉ!うあああああああああああいッ!」
次回予告
第七十六話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼人の悪口ばかり言ってるパートのクソババアは一分間に12660回落雷に打たれながら高齢者が運転する大型トラックに9800回轢かれろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十六話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼人の悪口ばかり言ってるパートのクソババアは一分間に12660回落雷に打たれながら高齢者が運転する大型トラックに9800回轢かれろ!

第七十六話 断罪王Z 対 断罪王G〈ゴッド〉‼人の悪口ばかり言ってるパートのクソババアは一分間に12660回落雷に打たれながら高齢者が運転する大型トラックに9800回轢かれろ!
断罪王Zでもあり、六人目の至極神でもある俺はカラオケボックスの個室で神を司る断罪王G〈ゴッド〉の操縦者であるメガネ美少女に本能のままに暴行を加える。
腹を蹴る。
「うぐぅぅっ!」
頭部を殴る。
「ゔ~っ‼」
「おい、お前、神を司る断罪王G〈ゴッド〉なんだろ?神ならこの状況なんとかしてみろよッ!」
俺は自分の右手をメガネ美少女の口内に突きいれる。
「か、かひゅっ!」
一時的に呼吸困難になったメガネ美少女の口内から噴水のように吐しゃ物があふれる。
「きったねぇなッ!」
俺はメガネ美少女の吐しゃ物で汚れた右手の人差し指と中指をメガネ美少女の鼻の穴にぶち込む。
「どうだ?自分で吐いたゲロの匂いは?なかなかイタリアンだろ?」
「ふーッ!ふーッ!」
鼻呼吸を妨害されたメガネ美少女が口から奇怪な呻き声を上げる。
「シン...」
俺はメガネ美少女の首を喉を潰さない程度に両手で絞める。
「変神なんてさせねぇよ!」
俺は首を絞めていた両手を緩める。
「けほッ、けほっ!変神を防ぎたいならどうして喉を潰さないの?」
「俺の暴力でお前が痛み苦しむ声が聴きたいからに決まってんだろ!」
「変神させないってことは、あなたは変神した私に負けるのが怖いんですね」
「うるせぇ!」
俺はメガネ美少女の額に右掌を置いて、メガネ美少女の脳内に神の裁きを下す!
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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脳内に人知を超越した完全なる狂気をぶち込まれたメガネ美少女は全身の血管を蛇が這いずり回るような痛みと恐怖にもだえ苦しみながら叫ぶ。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
カラオケボックスのテーブルの上で俺の右手のひらで額を押さえつけられているメガネ美少女の全身が一分間に百回、痙攣を繰り返す。
「お願い...!もう許して...!こんなの...もう無理...いやああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
メガネ美少女の体が何度も痙攣を繰り返す。
狂気と痛みと恐怖に悶え苦しながら痙攣を繰り返すメガネ美少女の全身が急に光り出す。
神である俺の思考は一瞬でその光の正体にたどり着く。
「なるほど、死の危険に反応して強制的にこの女の体内に仕込まれた神の種が覚醒したのか」
メガネ美少女の意思とは関係なく、神の種が宿主の命を守る為に、強制的に断罪神G〈ゴッド〉への変神を開始した。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああッ!」
「シンゴォォォォォォォォ‼」
カラオケボックスが爆発する。
俺とメガネ美少女の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと金色のボディが特徴的な断罪神G〈ゴッド〉が向かい合う。
断罪神G〈ゴッド〉が断罪王Zに手のひらをかざす。
俺の目の前が真っ暗になったと思ったら次の瞬間、俺はお花畑に居た。
空がとてもきれいだ。
もしかしたらここは天国なのかもしれない。
しかし次の瞬間、巨大なミミズが俺の口から飛び出してくる。
「ゔぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
そしてミミズの顔に無数のまぶたが浮かび上がる。
そして一斉にまぶたが開き、俺を見つめてくる。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああッ!」
あまりの不快感と恐怖に俺は思わず叫んでしまう。
俺は顔に無数の目がついた巨大ミミズの首を両手で掴み、胴体から引き千切る。
しかし、ミミズの内部から出てきたのは血ではなく、大量の吐しゃ物だった。
腹部を激しい痛みが襲う。
そう、俺がミミズと思い、引き千切ったのは俺の腸だったのだ。
「痛ぇよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
わかっている。
頭ではわかっているんだ。
これが断罪神G〈ゴッド〉の能力が俺に見せている幻覚だと。
それでも俺の腹部を襲う激痛はどう考えても本物だった。
腹部の痛みに悶える俺の目の前の景色は気が付けば、四方八方新聞紙で埋め尽くされていた。
「な、なにがおこっているんだ?」
新聞紙には俺の顔をがモノクロで印刷されており、その横に太文字で『暴田リキ死亡』と記されていた。
そして次の瞬間、俺の目の前に大きな手が出現し、新聞紙をちぎっていく。
新聞紙がちぎられるたびに俺の全身を激痛が襲う。
このままでは本当にこの新聞に書いてある通り、俺は死んでしまうかもしれない。
俺が全身を襲う激痛に苦しんでいるその奥でメガネ美少女がピアノを弾いている。
そしてよこからバニーガールが大量に出現して歌を歌い始める。
「どう?これが断罪神G〈ゴッド〉の力よ」
「よかったな、メシアと接触したことでお前は形勢逆転できた」
「そうね、でもあなたを襲う地獄はまだ終わらないわ、あなたが死んでしまってもこの地獄は終わらない」
俺の脳内にメガネ美少女が学校でいじめられている映像が流れる。
「どう?私、いじめられているわ、とってもかわいそうでしょう?」
「ふ、ふざけるな!いじめられるのはお前がよわいからだ!よわいやつはいじめらて当然なんだよ!」
「そうね、あなたは弱い人間になるのが嫌で暴力を極めようと思った。だから暴力と残虐な精神を育てて、他者を一方的に傷つけることで自分の心と体を守ろうとした」
「そうだ!人は心も体も強くなくては生きられない!だから俺は自分を守る為に本能のままに暴力を振るう!俺の暴力はこの世界という名の理不尽な暴力から身を守る為の自己防衛であり正当防衛なんだ!」
「じゃあ、心も体の弱い人間は理不尽に不条理に死ななくてはならないのね」
「そんなにいじめられるのが嫌なら産まれてこなければよかっただろう」
「どういうこと?」
「つまり、親のいない子供がそこら中にいるのに、子供が欲しい奴らはどいつもこいつも自分達の血筋にこだわってセッ●スして自分たちの血を受け継いだ子供を育てたがる!だから世界中で子供が欲しい奴らに優先的に親に捨てられた子供を養育させれば、大人になって金に困って自殺する孤児達の命を救えるんだぜ!人口が減れば毎年一万人近く出ている自殺者の数も減らせるかもしれない!そういうふうに世界が変われば、お前の親がセッ●スしなければ、お前はこの世界に産まれずに、いじめられることもなかった!」
「そんなの、今更言われたって...!でも、どうしてこの世界は二千年も歴史を積み重ねているのに、あなたの言うような世界に変わらなかったのかしら?」
「そりゃあ、人口が増えたほうが給料が国のゼーキンから与えられている一部特権階級のやつらや、ゼ―キンで生活してる一部特権階級のやつらが楽できるからだろ?人口が増えるってことはゼーキンを納める人間が増えるってことだ!一部特権階級のやつらはこの国で自殺者が一年間に一万人以上出ていることを知っていながら、人口の調整もせずに、自分たちが楽をするためなら、この国で何人自殺者が増えようがお構いなしってことさ!」
「狂ってるわ...そんな世界...!」
「そして、そんな狂った世界を今まで『次元』の脅威から守り、存続させて続けてきたのが五体の至極神だ!だから俺は五体の至極神を殺し、この世界も消滅させる!そうすれば親友の悲願は達成され、この世界からありとあらゆる矛盾と悲しみが消える!」
「そんな世界、いますぐ破壊しなくっちゃ...断罪神G〈ゴッド〉の力で...!」
メガネ美少女がピアノを弾くのを辞める。

次回予告
第七十七話 断罪王Z 対 断罪神G〈ゴッド〉‼手に黄色ブドウ球菌がついているのに真面目に手を洗っている人間を異常者扱いするクソババアは今すぐ交通事故の加害者になってこい‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十七話 断罪王Z 対 断罪神G〈ゴッド〉‼手に黄色ブドウ球菌がついているのに真面目に手を洗っている人間を異常者扱いするクソババアは今すぐ交通事故の加害者になってこい‼

第七十七話 断罪王Z 対 断罪神G〈ゴッド〉‼手に黄色ブドウ球菌がついているのに真面目に手を洗っている人間を異常者扱いするクソババアは今すぐ交通事故の加害者になってこい‼

断罪王Zで六人目の至極神でもある俺のありがたい啓蒙により、断罪神G〈ゴッド〉の操縦者であるメガネ美少女は自らが今まで生きていた世界が狂い果てていたこと知った。
「そんな世界、いますぐ破壊しなくっちゃ...断罪神G〈ゴッド〉の力で...!」
ピアノを弾くのをやめた美少女が椅子から立ち上がる。
そして異空間から召喚した金色の杖を天に掲げ、世界の崩壊が始まる。
「こんな理不尽で不条理な世界なんて消滅してしまえばいいのよ‼」
周りの景色がテレビモニターの画面のように変化する。
そしてテレビモニターにはラジエル大陸とラジエル大陸に転移してきた日本が黒い竜巻に巻き込まれて崩壊する様子が映し出されている。
「あはははッ!見なさい断罪王Z!これが断罪神G〈ゴッド〉の力よ!これで私をいじめてきた奴らや、否定してきた奴らはみんなおしまいよ!」
「至極神から与えられた神の種の力で奇跡的に助かったのに、その神の種で手に入れた断罪神G〈ゴッド〉の力で世界を滅ぼそうとする...お前、意外と恩知らずな女なんだな!」
「あなたも五体の至極神を裏切ってこの世界を消滅させようとしていたんじゃないの?」
「ああ、そうだよ。びっくりしているんだ、この安全地帯から世界の崩壊を見ることができるなんて」
「そうよ、今、あなたの断罪王Zと断罪神G〈ゴッド〉がいる空間は異次元の世界。異次元の世界は現実世界であり、現実世界ではない世界。これが断罪神G〈ゴッド〉の力。さぁ、世界の崩壊はもう確実よ、あとは私があなたをたおして六人目の至極神になるだけ」
「お前は今、自分が五体の至極神の望みと全く逆のことをしていることに気づいていないのか?」
「気づいているわ、そんな。でもよく想像力を働かせて考えてみなさい、断罪神G〈ゴッド〉が六人目の至極神になった時、それは断罪神G〈ゴッド〉が今よりもパワーアップしてすることを意味してるのよ!パワーアップした断罪神G〈ゴッド〉なら瀕死状態の五体の至極神なんて簡単に倒せるわ!」
「悪いな、五体の至極神は俺が倒すんだ!」
「私に世界を崩壊させるように導いておいて、よくそんなことが言えるわね」
「ああ、お前は一つ、勘違いをしている」
「勘違い?私が?」
「ああ、お前の魂は完全に神の種の力に支配されている」
「それがどうしたのよ!どっちにしろあんたじゃ私には勝てないわ!」
断罪神G〈ゴッド〉の肉体から無数の球体が飛び出し、人の形へと姿を変えていく。
「これはドール!その名の通り、私の思い通りに動く神の操り人形!」
ドールたちが断罪王Zに襲い掛かる。
断罪王Zの銀色のボディが黒色に染まっていく。
断罪王Zの全身から全てを消滅させる黒い波動が放たれる。
しかし、断罪神G〈ゴッド〉の操る無数のドールたちは黒い波動を吸収し、無効化してしまう。
「真の神の前ではそんな攻撃通用しないわよ」」
無数のドールたちが両手両足が槍のように変形して、断罪王Zの全身に突き刺さる。
「ゔぇぇぇぇおッ!痛い!」
「断罪王Zよ、あなたが私の言うことはなんでも聞く奴隷になるのなら、貴方の命を助けてあげもいいわよ」
「ふ、ふざけるな!お前、もしかして俺のこと好きだろ?」
「ええ、あなたは私に暴力で恐怖と絶望を教え、私に世界を滅ぼすという道を示してくれた。私はそんなあなたが好きよ」
「狂ってるな...!お前はまだ気づかないのか、神の種の力のせいで自分が自分じゃなくなってることを!」
「あなたも結局、私をいじめるのね、私はあなたを自分の居場所にしたかったのに!」
「自分の居場所を他人に求めてる時点でお前は神様失格なんだよ!」
「うるさい!お前も世界と同様に滅べばいいッ!ドール!」
断罪王Zの全身に突き刺さったドールの手足で形成された槍が爆発する。
それと同時に断罪王Zの全身も爆発する。
「あははははははッ!やった!やったわ!ついに断罪王Zを倒した!私はこれで六人目の至極神となり、さらなる進化を遂げることができる!」
しかし、断罪神G〈ゴッド〉の目の前にブラックホールが出現する。
「なんだコレは!」
ブラックホールはどんどん姿を変えて、最終的にその姿は断罪王Zになる。
「そ、そんな!全身を爆破されたのになぜ生きているの?」
「俺は六人目の至極神だからな、つまり俺は神だ!神に不可能はない!」
「す、すごいわ!それが至極神の力なのね!ますます、あなたを殺したくなったわ!」
「無理だよ、お前には、ほい」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
断罪神G〈ゴッド〉の全身に言葉では表現できない狂気が駆け巡る。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
「これが本物の神の力だ!」
断罪神G〈ゴッド〉の全身が崩壊していく。
「そんな!私は神を司る断罪王!そして、それが神の種でさらに進化した断罪神G〈ゴッド〉のはずなのに!どうして!どうして勝てないのよぉぉぉぉぉ!」
「それは、俺が六人目の至極神、つまり正真正銘の神だからだ!」
断罪神G〈ゴッド〉が消滅する。
断罪神G〈ゴッド〉の消滅と同時に断罪王Zを閉じ込めていた異次元空間も崩壊し、ラジエル大陸とラジエル大陸に転移してきた日本を襲っていた黒い竜巻も消失する。
現実世界に戻った俺に待っていたのは断罪神G〈ゴッド〉の放った黒い竜巻でめちゃちゃくちゃになったラジエル大陸とラジエル大陸に転移してきた日本の惨状だった。
「こりゃあ、すごいことになっちまったな」
まさか、俺を殺すために断罪王G〈ゴッド〉に神の種を与えた五体の至極神もこんなことになるとは予想してなかっただろう。
次の瞬間、断罪王Zの足元が急に爆発する
断罪王Zは瞬時に空中へと飛翔する。
「あれれ、避けられちゃったか~」
俺の目の前に美少女が空中浮遊している。
「私は『地雷』を司る断罪王M〈マイン〉!まちがった!今は断罪神M〈マイン〉だったわね!」
「すでにメシアに接触して神の種の力を受け入れたのか...!通りで人間体のままで空を飛べるはずだ」
「そういうことだから...あなたには、私が六人目の至極神になるために死んでもらうわよ!」
断罪王Zと断罪神M〈マイン〉の戦いが始まった!

次回予告
第七十八話 断罪王Z 対 断罪神M〈マイン〉‼手に黄色ブドウ球菌ついてるババアが客が生で食べる商品を調理してんじゃねぇよ!手袋すればいいとかそういう問題じゃねぇんだよ!調理中に手袋に100%穴が開かない保証なんてどこにもねぇんだよ!客の立場になってよく考えてみろよ!黄色ブドウ球菌手についている人間が手袋つけて調理した生食商品を食べたい人間がこの世界にいるわけねぇだろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十八話 断罪王Z 対 断罪神M〈マイン〉‼手に黄色ブドウ球菌ついてるババアが客が生で食べる商品を調理してんじゃねぇよ!手袋すればいいとかそういう問題じゃねぇんだよ!調理中に手袋に100%穴が開かない保証なんてどこにもねぇんだよ!客の立場になってよく考えてみろよ!黄色ブドウ球菌手についている人間が手袋つけて調理した生食商品を食べたい人間がこの世界にいるわけねぇだろ!

第七十八話 断罪王Z 対 断罪神M〈マイン〉‼手に黄色ブドウ球菌ついてるババアが客が生で食べる商品を調理してんじゃねぇよ!手袋すればいいとかそういう問題じゃねぇんだよ!調理中に手袋に100%穴が開かない保証なんてどこにもねぇんだよ!客の立場になってよく考えてみろよ!黄色ブドウ球菌手についている人間が手袋つけて調理した生食商品を食べたい人間がこの世界にいるわけねぇだろ!

『地雷』を司る断罪王M〈マイン〉が神の種で進化した断罪神M〈マイン〉の攻撃を避けるために地上から空中に移動した断罪王Z。
しかし、空中に移動した断罪王Zの目の前で爆発が起きる。
「そうか!断罪神M〈マイン〉は空気中にも地雷を仕掛けられるのか!」
「その通りよ、断罪王M〈マイン〉のままじゃ、地面に地雷を仕掛けるのが限界だったけど、神の種でパワーアップした断罪神M〈マイン〉なら自分の思うまま、好きなところに地雷を設置できる!たとえば、こんなふうにね」
断罪王Zの全身が爆発する。
しかし、すぐにブラックホールが形成され、断罪王Zが完全再生する。
「今のは断罪神M〈マイン〉の力であなたの過去に干渉して、過去の断罪王Zに地雷を設置した、そして今さっき爆発させた」
「なんでもありだな...」
「それは至極神のあなたもおなじでしょう?」
「なら、なぜ俺に戦いを挑んでくる!俺が六人目の至極神である以上、お前が俺を何度爆破しようと俺は今みたいに再生する!神だからな!」
「なら、これはどうかしら?」
断罪王Zの全身がまた爆発する。
なにもないところから暴田リキの声が発せられる。
「何度やっても無駄だ!」
爆発してすぐにブラックホールが出現する。
「そぉ~れッ!」
爆破された断罪王Zの肉体を再生している途中のブラックホールが爆発する。
しかも、爆発は一度のみならず、何度も繰り返される。
「爆発が止まらない!」
「そう、私はあなたの過去に干渉して断罪王Zの肉体を再生させるブラックホールそのもに地雷を仕掛けた!そして、ブラックホールに仕掛けた、その地雷は断罪王Zが消滅するまで爆発し続ける!」
たび重なる大爆発がブラックホールそのものを爆炎で包む。
「ふふふ...どうやらあなたが至極神だってのは本当の話みたいね、爆発がまるで止まらないわ、このまま爆発が永遠に続いて私が老いて死ぬか、それとも六人目の至極神である断罪王Zが私の地雷で消滅するか、こんなに面白いショーはないわ!あは、あははははははははははッ!」
しかし断罪神M〈マイン〉をあざ笑うように断罪神M〈マイン〉の周りに無数のブラックホールが形成される。
「ブラックホールがこんなにたくさん!いったい、なにがおきているの?」
何もない空間から暴田リキの言葉が聞こえてくる。
「断罪神M〈マイン〉よ、お前が今、無限に爆発させている断罪王Zは偽物だ。正確に言えば、俺はお前と同じく、お前に俺が消滅するまで爆発し続ける地雷を設置される前の過去に干渉して、お前に俺が消滅するまで爆発し続ける地雷を設置される前の状態の世界からこの空間に干渉しているのさ」
「つまり、あなたは過去に干渉して消滅するまで爆発し続ける地雷を設置される前のパラレルワールドからこの空間に干渉してるのね。そしてあなたはそうすることで断罪王Zが消滅するまで爆発し続ける事実をなかったことにした」
「その通りだ。そしてこの無数のブラックホールのどれか一つの中で俺はお前に爆破された肉体を再生している」
「ならすべてのブラックホールに地雷を設置して爆破するまでよ!今!私は数秒前の過去に干渉して全てブラックホールが出現する場所に断罪王Zが消滅するまで爆発し続ける地雷を仕掛けたわ!」
断罪神M〈マイン〉の周りにある無数のブラックホールが一斉に大爆発する。
「種明かしせずに、だまって爆破された肉体を再生し続ければいいものを...バカな男ね」
しかし次の瞬間、断罪神M〈マイン〉の胸にブラックホールが出現する。
そして断罪神M〈マイン〉の胸に出現したブラックホールから断罪王Zの右手が飛び出し、断罪神M〈マイン〉の頭部をわしづかみにする。
断罪神M〈マイン〉の頭部をわしづかみにした右手から断罪神M〈マイン〉の脳内に言葉で表現することが不可能な狂気が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「うああああああああああああああああああああああああああッ!頭がおかしくなって死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!」
断罪神M〈マイン〉が爆発する。
そして爆発の中から完全再生された断罪王Zが姿を現す。
「神に勝てるわけねぇだろ、バカが...」
次回予告
第七十九話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼すれ違い様に人に悪口を言う奴はめっちゃ汚ねぇ寿司屋でめっちゃ汚ねぇ客に囲まれながら寿司食ってテンション下がれ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第七十九話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼すれ違い様に人に悪口を言う奴はめっちゃ汚ねぇ寿司屋でめっちゃ汚ねぇ客に囲まれながら寿司食ってテンション下がれ‼

第七十九話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼すれ違い様に人に悪口を言う奴はめっちゃ汚ねぇ寿司屋でめっちゃ汚ねぇ客に囲まれながら寿司食ってテンション下がれ‼
「黒衣を纏った社会不適合者...メシアさんの言っていた事が正しければ、あなたが六人目の至極神であり断罪王Zの操縦者ですね?」
どこかのお嬢様だろうか、長い金髪に白いドレスが特徴的な美少女が瓦礫の山をさまよう俺に話しかけてきた。
「なるほど、次の敵はお前か、どうやら5体の至極神はまだ完全に回復できていないようだな...」
「そういうことですね、そして時間稼ぎのために私がここに来ました」
「お前、自分が五体の至極神に利用されているのをわかってて、メシアに協力しているのか?」
「その通りです。そして私が肉眼であなたを認識した、この時点で断罪神T〈タイム〉の能力発動条件が達成されました。あなたの負けは決まったも同然」
「お前、名前は?」
「私はトキネ。自分の負けが決まったというのに随分と余裕ですね?」
「もし俺が本当に負けているとしたら、どうして俺はここにいる?」
「それは私が六人目の至極神になったからです」
「どういうことだ?」
「ですから、人間体のまま、『時間』を司る断罪神T〈タイム〉の能力を発動した私は過去に干渉して六人目の至極神になったのです」
「ふざけるな!くらえ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺の放った六人目の至極神のみが放つことができる狂気の波動をトキネに向かって放つ。
しかし、全身を狂気に支配されたのは俺のほうだった。
「うぐああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」「今、あなたが感じているのはあなたが私に攻撃した際に私があなたに放った攻撃です。つまり、断罪神T〈タイム〉の能力による過去への干渉で私に六人目の至極神の力を奪われたあなたは自分に至極神の力が失われたことも知らずに私に攻撃を放ったということです。そして、そのタイミングで私は六人目の至極神のみが使える狂気の波動をあなたに放った」
つまり、トキネは断罪神T〈タイム〉の能力で過去に干渉し、断罪王Zから至極神としての力を奪い、六人目の至極神になった。そして、至極神の力が失われたことに気づいていない俺が六人目の至極神だけが使える攻撃を放ったタイミングでトキネは過去で俺から奪った六人目の至極神だけが使える攻撃を俺に放った。
「うあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
初めて味わう自分の必殺技が俺の全身を言葉では表現できない狂気が支配していく。
「すごいわね、これが五体の至極神から与えられた『神の種』の力!断罪神でなく断罪王の状態であれば、おそらく私はあなたに勝てなかったでしょうね。でも私が肉眼であなたを認識した時点で私は断罪神T〈タイム〉の能力であなたの過去に干渉できる条件を満たした」
俺はこのまま死ぬのだろうか?
もうこの世界にはいない親友の願いであった五体の至極神を殺すこともできずに。
気がつけば、俺は豪邸の室内にいた。
「ここはいったい?」
そして、目の前には制服姿のトキネがいた。
「おい、これはなんのつもりだ!どうして俺はまだ生きているんだ!」
「あ、あなた誰?」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!」
俺は制服姿のトキネの顔面をぶん殴る。
「あ、あなたは誰?どうして私を殴るの?」
「どうやら、本当に俺のことを覚えていなみたいだな...ということはおそらく、ここは過去の世界か」
恐怖で立ち上がれないトキネが両手だけで俺から後ずさっていく。
「この家...お前、金持ちなんだろ?」
「は、はい...」
「いいか!人間はみんな、いつか死ぬんだよ!つまり『死』ということに関しては俺たちはみんな平等なんだ!つまりだ!おめぇらみたいな金持ちだろうと貧乏人だろうと、『死』を回避することはできないんだ!つまり『死』の前ではお前ら金持ちが信奉している『金』なんてなんの役にも立たないんだよ!バーカ!死ねぇッ!」
「じゃあ、私たちがいくらお金を持っていても、私はいつか死んでしまう...その時、お金は全く役に立たない」
「そうだ!『金』にできるのはせいぜい死にかけている人間を医療でもって『死』という現実から一時的に逃避させることぐらいだ!つまりだ!この世界中に存在する全ての人間たちが『生きる』という言葉で『死』という現実から逃避しているんだ!だから、この世界の全ての労働者は『死』から現実逃避している、ただの『臆病者』なんだよ!そして、いずれ来る『死』を受けいれ、働かずに社会に貢献しない社会不適合者だけが現実を直視している『賢者』なんだ!」
「一生懸命働いて生きようとしている人間が『死』から現実逃避をしている臆病者で...働かずにいつ死んでしまうかもわからない生活をしている人間だけが『死』という現実を向き合っている賢者...!」
「そうだ!どんなに一生懸命働いたって、俺たち人間は金があろうと、なかろうといつか死んでしまうんだ!なら働かずに常に『死』と隣り合わせのニートや引きこもりのほうが労働者よりも現実を直視している賢い人間なんだよ!」
「あなたはどうして、わたしにそんなことを言うの?」
そうだ。
俺はなぜ、過去の世界にいるのだ?
そうか、そういうことだったのか?
おそらく、俺が死ぬ間際まで追い詰められたことで、俺の体内にわずかに残っていた至極神の力のバックアップシステムが自動で起動したんだ。
至極神の力であれば、相手の過去に干渉するのなんて簡単だからな!
でも、俺はそうするよりも前にトキネに至極神の力を奪われてしまった。
しかし!俺はまだ、完全にトキネに至極神の力を奪われたわけじゃない!
俺がトキネの過去に干渉しているこの現象こそが、俺の体内にわずかに残っていた至極神の力のバックアップシステムの力そのものなのだ!
つまり、断罪王の力を手に入れる前のトキネを今、ここで殺すことができれば、俺はトキネに至極神の力を奪われる未来を回避することができる。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は両手でトキネの首を絞める。
トキネの首からパキポキと音が鳴る。
「そうだ!そのまま死ねぇぇぇぇッ!」
トキネが死んだ影響で、俺の全身に至極神の力が戻ってくる。
俺の体はいつの間にか、過去から現代に戻っていた。
過去から現代に戻ってきた俺の目の前には至極神の力を奪われたトキネがうつむけで地面に倒れていた。
過去で俺に殺されたことで現代のトキネの身体が光に包まれて消えていく。
「バックアップシステムがなければ、俺は死んでいた...」
しかし、次の瞬間、消えかけていたトキネの全身が再生を始めた。

次回予告 第八十話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼職場でパワハラするやつらは自分の家族が同じ目に遭っていても、自分の行いに対してなんとも思わないのかよ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼職場でパワハラするやつらは自分の家族が同じ目に遭っていても、自分の行いに対してなんとも思わないのかよ!

第八十話 断罪王Z 対 断罪神T〈タイム〉‼職場でパワハラするやつらは自分の家族が同じ目に遭っていても、自分の行いに対してなんとも思わないのかよ!

俺の攻撃で消滅しかけていた断罪神T〈タイム〉の操縦者、トキネの肉体が再生を始めた。「いったい何が起きているんだ!」
「私は一時的にしろ、あなたから六人目の至極神の力を奪い、自分のモノにした!つまり、あなたと同じように私の体内の六人目の至極神としてのバックアップシステムが自動的に発動したのよ!」
「なら!もう一度味あわせてやるよ!あの、『狂気』をなぁッ!狂い死ねぇぇぇぇッ!」
俺は右手から言葉では表現できない狂気の波動を自己再生途中のトキネに向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「自己再生完了...!バックアップされた六人目の至極神の力を味わいなさい!」
六人目の至極神の力を取り戻したトキネの右掌から言葉では表現できない狂気の波動が俺に向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂気の波動がぶつかり合い、周りの瓦礫の山が砂に溶けていく。
互いに衝突し続ける狂気の波動からまばゆい閃光がほとばしる。
閃光が俺とトキネを包みこむ。
気がつけば俺は母親の子宮の中にいた。
「なんだこれは?」
そう、俺は今、胎児の状態で母親の体内にいる。
俺のたび重なる他者への無差別な暴力行為で職を何度も失い、家や母国に居ずらくなって、俺と妹を家に残して父さんと一緒に俺と妹の前から姿を消した母さん。
俺のせいで母さんと父さんに捨てられた妹は、俺の俺のたび重なる他者への無差別な暴力行為の影響で就活に完全敗北し、そして社会不適合者になって、最終的には断罪王C〈カオス〉の操縦者になってしまった。
そして、俺は自分の命を守る為、親友との約束を守る為、自分の『暴力』を極めるために妹を殺したんだ。
つまり、俺は今、この世界に生まれてくる前の時間軸の世界を体験しているのだ。
おそらく、俺とトキネが放ったあの、狂気の波動がぶつかり合ったせいなのだろう。
もし、はるか未来の出来事を記憶した状態の俺がこのままこの世界に誕生したら、俺は家族の崩壊を防ぐために暴力を卒業できるだろうか?
俺が暴力を極めるのを辞めれば、母さんと父さんは俺と妹を捨てずに、妹も就職活動に完全勝利していたかもしれない。
でも、それには俺が世界で一番愛している『暴力』をあきらめることが必要になってしまう。
そんなこと、できるわけねぇよ。
俺には家族のために自分の愛する『暴力』を捨てることなんてできない。
そうだ!俺が暴力を極めるためなら、母さんも、父さんも、妹も、そしてこの世界の平和も宇宙も地球も全部、犠牲になっても構わない!
胎児の状態の俺は断罪王変神の呪文を叫びながら母さんの子宮に向かって全力の正拳突きを直撃させる。
「シンゴォォォォォォォォォォーォッ!」
気がつけば、俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化していた。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zの前には深紅のボディが特徴的な断罪神T〈タイム〉の姿があった。
「やはり、勝負は人間体ではなく、この姿で決することになったか...!」
「あなたも戻ってきたのね、母親の胎内から...!」
「ああ、不思議だよな、狂気の波動が重なり合ったことで俺達は母親の体内にいる時間軸の世界に飛ばされた。はっきりいってまったく意味がわからない」
「それが...狂気というものでしょう...!」
「その通りだ!」
断罪王Zが断罪神T〈タイム〉に襲いかかる。
断罪神T〈タイム〉は右手のひらを断罪王Zに向けてかざす。
しかし、断罪神T〈タイム〉の右手のひらから狂気の波動が放たれることはなかった。
「そんな、どうして!攻撃が発動しないの?それに、身体が溶けていく!」
「やはりな、正真正銘の至極神の俺ならともかく、もともとただの断罪王のお前の体には神の種に加えて俺から奪った至極神の力を扱うには荷が重すぎたんだろうな!お前は敗因はキャパシティーオーバーによる自滅だ!」
分不相応な力を吸収し、乱用しすぎた断罪神T〈タイム〉の全身がキャパシティーオーバーにより溶けていく。
断罪王Zの拳が断罪神T〈タイム〉の顔面に直撃する。
「そんな!この私が自滅だなんて...!」
「正真正銘の神である俺に勝負を挑んだ時点でお前の負けは決まってたのさ...」
断罪神T〈タイム〉が完全に消滅した。

次回予告 第八十一話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?真面目に働いている奴らは偉くもねぇし、かっこよくもねぇんだよ!だってそうだろぉ?真面目に働かないといけないのは金をがねぇからだ!金ねぇやつが偉くてかっこいいわけねぇだろぉがぁぁぁぁぁぁッ!」
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十一話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?真面目に働いている奴らは偉くもねぇし、かっこよくもねぇんだよ!だってそうだろぉ?真面目に働かないといけないのは金をがねぇからだ!金ねぇやつが偉くてかっこいいわけねぇだろぉがぁぁぁぁぁぁッ!」

第八十一話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?真面目に働いている奴らは偉くもねぇし、かっこよくもねぇんだよ!だってそうだろぉ?真面目に働かないといけないのは金をがねぇからだ!金ねぇやつが偉くてかっこいいわけねぇだろぉがぁぁぁぁぁぁッ!」

白いローブを身にまとった美少女が俺の前に現れた。
「私の名はメルナ!お前、六人目の至極神だな?」
「なんだ、またゴミクズみたいなザコが俺に殺されに来たのか!」
「私は『完全』を司る断罪王!断罪神〈パーフェクト〉!私はお前を殺して、完全なる神になってみせる!」
「お前も『神の種』で断罪王から断罪神にパワーアップしたのか...お前みたいなバカを相手にするのはもう飽きた、とっとと死んでくれ...」
俺はメルナに向かって右てのひらをかざして、狂気の波動を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「なるほど...それがお前の必殺技なのか...『完全』にコピーさせてもらうぞ!」
メルナが俺の放った狂気の波動に向かって右手のひらをかざす。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「なるほど、今度は俺の攻撃を完全にコピーしたというわけか...」
「今度?」
「ああ、前回は過去の俺から俺の力を奪われたのさ」
「言っている意味がわからない...死んでください」
俺の放った狂気の波動とメルナの放った狂気の波動(コピー)が激突する。
二つの狂気の波動が一つになり、巨大な閃光が俺とメルナを包む。
「うあああああああああああああああッ!またこのパターンかぁぁッ!」
「なにコレ...!一体何が始まるというの?」
気がつくと、俺は道を歩いていた。
「なんだよ!俺はまたわけのわからん精神世界に拉致されたのか!つーかこのパターン 何度目だ!」
俺は近くにあったラーメンの屋台に腰を下ろす。
「おっさん、俺、しょうゆラーメンね」
俺は頼んですぐに、目の前に出来立てのしょうゆラーメンが置かれる。
「へい、お待ち」
「いただきます」
俺は割りばしを二つに分けて、麺をすする。
俺は席から立ちあがってまだ一口しか食べてないしょうゆラーメンをどんぶりごと地面に向けてぶん投げる。
パリーン!
しょうゆラーメンの入ったどんぶりがコンクリートの地面と衝突して、粉々に割れる。
コンクリートの地面にはしょうゆラーメンの黄色い面が大量のみみずみたいにぶちまけられている。
「お客さん!いくらんでもそりゃないんじゃねぇの?」
屋台のおっさんが悲しそうに俺にガチギレしてくる。
「うるせぇよ!お前のラーメン、麺がパサパサしてて、まずいんだよ!死ね!」
「だからって地面に落っことすことねぇだろ!」
「だいたいなんだよこのチャーシューは?なんだこの生肉みたいな色は?おめえ、ほんとにチャーシューに火を通したのかよ?」
「そのチャーシューは最近、流行している低温調理チャーシューだよ!」
「おめぇ、親に豚はちゃんと火を通せって教わってねぇのか、このボケェッ!原始人でも生肉に火は通すぜ!おめぇの脳みそは原始人以下だ!ラーメン屋辞めるついでに現生人類やめちまえ!」
「とにかく、金はちゃんと払ってもらいますよ」
ラーメン屋のおっさんが、ほうきとちりとりで、俺が地面にぶちまけたラーメンとどんぶりの破片を集め始める。
「こんな殺人ラーメンに金なんて払うわけねぇだろぉッ!このボケカスぐぅあッ!死ねぇぇぇッ!」
俺はおっさんからちりとりを奪い取ると、ちりとりにたまった割れたどんぶりの破片を屋台の鍋に入っている特製スープの中にぶち込んでやった。
「ちょっと!お客さん!なんてことしてくれるんだ!」
「うるせェ!ちゃんと火が通ってねぇチャーシュー客に食わせようとするおめぇが悪いんだ!死ね!」
「スープにこんなことされちゃあ...今日はこれ以上は営業できないぜ...!」
「とにかく俺は金は払わないからな」
俺はラーメン屋の屋台に腰を下ろした。
「お客さん、ラーメンを食べる気がないならとっとと帰ってくれ!今日はもう、どっちにしろ商売になんないんだから!」
「ああ、だからだよ!俺はラーメンも食べない、金を払わない、でもここから退くつもりはない!」
「どういうことだ?」
「要するに単なる嫌がらせだ!俺はこのラーメン屋の屋台に用がないのに、ここに存在し続ける。なぜかって?俺はお前が絶望で苦しんでいる姿を見たいんだよ」
「お客さん...いいかげんにしねぇと警察に通報するぜ?」
「やってみろよ!そうすればおめぇがチャーシューにちゃんと火を通さずに客にラーメン提供して商売してたことも警察にバレるんだぜ!それでもいいならとっとと呼べよ!バァーカッ!死ねェッ!」
ラーメン屋台のおっさんが警察に通報するために携帯の操作を始める。
しかし、次の瞬間、おっさんは胸に違和感を感じる。
おっさんが違和感を感じた胸に視線を下げる。
おっさんの目に映っていたのは自分の胸から包丁の先端が突き出ている光景だった。
自分が後ろから包丁で刺されたことを確信したおっさんは激痛に耐えながら背後に首を動かす。
そう、おっさんを背後から包丁で突き刺していたのは、なんと俺だった。
「ど、どうして...俺がこんな目に遭わなくちゃいけないんだ...!」
「言っただろうが...死ねってよぉ...!」
おっさんが口から大量の血を流して倒れる。
俺はラーメンの屋台にある調理器具や食材をすべて床にぶちまける。
そして最後にラーメンの屋台そのものを足で横に蹴り倒す。
「いいか!ジジィッ!俺はお前を殺してお前の汗と努力に結晶であるこの屋台をぶっ壊すことで、お前が客によかれと思って提供するちゃんと火の通ってない低温調理チャーシューが入ったラーメンから、なんの罪もない客を守ったんだ!そうだ...俺は...俺は悪くないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ‼うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
急に大雨が降ってきた。
俺は言いたいことを言い終えると、大雨の中、ボロボロになったラーメンの屋台とおっさんの死体からダッシュで逃げていった。
俺は雨宿りのために河川敷の橋の下に避難する。
そして、河川敷の橋の下にはホームレスと化したメルナが地面に敷いたブルーシートの上で体育座りをしていた。
次回予告 第八十二話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?働いたり金持ちに嫁いで大金持ちになれば幸せになれると思ってんならそりゃあ、大間違いだぜ!この世の中にはどんなに金があってもできることとできないことがあるんだよ‼


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十二話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?働いたり金持ちに嫁いで大金持ちになれば幸せになれると思ってんならそりゃあ、大間違いだぜ!この世の中にはどんなに金があってもできることとできないことがあるんだよ‼

第八十二話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!いいか?働いたり金持ちに嫁いで大金持ちになれば幸せになれると思ってんならそりゃあ、大間違いだぜ!この世の中にはどんなに金があってもできることとできないことがあるんだよ‼
あまりにも理不尽な理由でラーメン屋台のおっさんを包丁で刺し殺した俺は大雨の中、雨宿りをするために、河川敷の橋の下で雨宿りをすることにした。
しかし、河川敷の橋の下には六人目の至極神になるために俺の命を狙っていた断罪神P〈パーフェクト〉の操縦者の美少女メルナだった。
そしてなんと、メルナはホームレスの姿をしていたのだった。
「メルナ...どうして、お前がこんなところにいるんだ!」
「それはこっちのセリフよ、私が覚えているのはあなたの攻撃と私の攻撃がぶつかって光に包まれたところまでよ、そして気が付いたら私はホームレスになっていたわ」
「俺は実はこういうわけのわからん体験は初めてじゃないんだ。前回は母親の子宮の中にいた」
「全然説明になってないじゃない」
「とにかくだ、俺が放ってお前が断罪神P〈パーフェクト〉で完全にコピーしたあの狂気の波動はその名の通り、言葉では説明できない狂気に満ちているんだ。だから俺たちが狂気に満ちた世界に突然、放り込まれてもおかしくはない」
「どうやったら私たちはこの世界から解放されるのかしら?」
「それは、わからない、前回俺は、自分の母親の対内から母親の体をぶち壊して、現実世界に帰還することができた」
「だから、それ、全然説明になってないから!」
「どうだ、ホームレス生活は?」
「よくわかんないわ、私はもう神の種で普通の人間の体じゃないみたいだから空腹感も感じないのよ」
「なんだと、俺は六人目の至極神、つまり正真正銘の神だが、腹は普通に減るぞ」
「ずるして『神の種』なんかに頼るのがいけなかったのかもね...ほら、お腹空いてるときに食べるご飯ってとってもおいしいでしょう?もう、私は二度とその幸福感を味わうことができない...」
「そりゃあ、お前がちゃんと他の断罪王と戦わずに、近道して俺を殺して六人目の至極神なろうとするのが悪い!結局、俺以外の五体の至極神やメシアにとってみたら俺達、社会不適合者なんていいカモなんだよな!」
「ねぇ...メシアの言っていたことが本当なら、あなたはおかしくなる前の世界で最後まで生き残った断罪王だったのでしょう?どうして、素直に神にならずに他の神に敵対したの?」
「お前の言っている、他の神、つまり俺以外の五体の至極神を殺すことが、死んでしまった親友との約束だったんだ」
「その親友はどうして死んでしまったの?」
「その親友も実は選ばれし社会不適合者だったんだ、つまり断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の操縦者だった。だから俺は生きるために親友を殺すしかなかった」
「じゃあ、その親友の願いもあなた以外の五体の至極神への復讐だったのね」
「ああ、俺の親友は五体の至極神に家族を全員殺されたんだ」
「そっか...じゃあ、もとの世界に戻れればあなたの親友にまた会えるかしれないわね?」「確かにこのわけのわからん世界に来る前の世界は、俺が本来いた世界より過去の世界だった。でも終末黙示録には断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の名はもう記されていなかった」
「おかしいわね、それ」
「ああ、でも仕方がない。今、俺とお前が戦っている原因を作ったのはそもそも俺だからな」
「どういうこと、それ?」
「俺は俺がもともといた世界で二十六体の断罪王同士の殺し合いに巻き込まれた。そしてその中で最後の一人になった俺は六人目の至極神の力を得た。でも俺は親友の願いをかなえるために俺以外の五体の至極神を殺そうとした。そして、その時に五体の至極神に放った攻撃が原因で俺がもともと住んでいた世界は崩壊した。それに加え、世界の平和とバランスを管理・調整していた五体の至極神が俺の攻撃で瀕死状態になった影響で俺は気がつけばラジエル大陸なんていうよくわからん異世界に飛ばされてしまった。そしてラジエル大陸にまだ二十六体の断罪王同士の戦いが開催されている途中の日本が転移してきた。瀕死状態の五体の至極神は傷の回復と『次元』とかいう意味不明なやつらから世界を守るために、世界を壊そうしている俺より頭がまともな六人目の至極神を必要とした。それで、メシアを使ってお前たち断罪王の操縦者に『神の種』とかいう妙な力を与えて、六人目の至極神の地位を餌にして俺を殺そうとしている」
「その『次元』とかいう話は始めて聞くわね...」
「ああ、『次元』に対抗するためには五体の至極神だけじゃ、足りないらしい。だから六人目の至極神を探すために二十六体の断罪王を戦わせた」
「もしかして、最近、襲ってくるあの、竜も『次元』となにか関係あるのかしら?」
「ああ、竜を世界に召喚しているのは『次元』だ」
「でも世界の平和とバランスを維持するのに必要不可欠な五体の至極神を殺そうとしているあなたと『次元』は世界を壊すと言う目的では一致しているのよね」
「ああ!俺は親友との約束を守る為に五体の至極神を殺し、この世界を完全に消滅させることで究極の『暴力』を成し遂げてみせる!」
「暴力...?」
「ああ、俺の生きがいは暴力だ!何の罪もない人間から罪のある人間まで全ての人間と生命を己の拳と蹴りで痛め!傷つけ!否定する!それが俺の人生そのものなんだ!」
「産まれながらのモンスターね」
「ああ、だからおまえも俺の暴力で今から殺してやるよ...ほい」
俺はメルナの頭頂部を右手のひらでつかむ。
「ちょっと、あんたなにすんの!」
「これからお前の脳内にあの『狂気の波動』を流し込んでやるよ」
「ここでまた戦いを再開させて狂気の波動同士をぶつけたら、また今みたいに、わけのわからない世界に飛ばされてしまうわよ!」
「なら、俺の狂気の波動に対して、お前が俺から完全にコピーした狂気の波動で反撃するのをやめればいい」」
「私だって死にたくないわ!そんなことできるわけないでしょう!」
「いいかげん現実を見ろ!この社会不適合者!ここと同じでわけのわからなくない世界なんてこの世には一つも存在しない!狂ってない世界などこの世には一つもないんだよ!」
「それは...」
「死ね」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔあああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
全身を狂気に支配されたメルナが絶叫する。

次回予告 第八十三話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!横に並んで会話をしながら道を歩く女達は液体窒素を飲みながらコンクリートと結婚しろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十三話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!横に並んで会話をしながら道を歩く女達は液体窒素を飲みながらコンクリートと結婚しろ!

第八十三話 断罪王Z 対 断罪神P〈パーフェクト〉!横に並んで会話をしながら道を歩く女達は液体窒素を飲みながらコンクリートと結婚しろ!

『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔああああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺が放った言葉では表現することができない『狂気の波動』を脳内に流し込まれたメルナが全身を襲う極限の苦痛と狂気に絶叫する。
「俺を殺しにきた奴にすこししゃべりすぎたな、断罪神に変神される前にお前にはここで死んでもらう」
「ゔッ...ゔッ...お願い...もう許して...こんなの...こんなの死んじゃう...!ゔああああああああああああああああああああああッ!」
脳内を駆け巡る狂気の波動の影響でメルナは白目をむきながら何度も全身を痙攣させる、そして口からはよだれを垂らしながら俺に向かって助けを求めるように右手を差し伸べる。
「メシアと接触して『神の種』の力で断罪王から断罪神になった時点でお前はもう普通の人間には、戻れない。おまえが幸福を手にするためにはもう、俺に殺されるか、俺を殺して六人目の至極神になるしかない」
「そ...そんな...!」
「俺は六人目の至極神だ、つまり俺は正真正銘の神なんだよ...お前は神に喧嘩を売ったんだ、お前は神を殺すために『神の種』の力で人間の状態でなければ味わうことができない生活と幸福を捨てた。お前はもう後には引きかえせない」
「あっそ...」
背後からメルナの声が聞こえてくる。
しかし、俺の目の前には狂気の波動でもだえ苦しむメルナがいる。
「メルナが二人いる...」
「そう、今、あなたの目の前にいる私は、狂気の波動でもだえ苦しんでいる私が断罪王P〈パーフェクト〉の能力で完全な状態でコピーした新しい私よ」
「つまり、お前は自分が窮地に追い込まれるたびに自分の完全なコピーを作って復活できるということか...!」
「コピーだけじゃないわ、私は『完全』を司る断罪神P〈パーフェクト〉...‼」
気がつけば俺は『無』になっていた。
自分の視覚情報で自分の手足を確認できない。
わかりやすく言えば、俺は今、真っ白な空間で魂だけの状態になっている。
「これはなんだ!」
「断罪神P〈パーフェクト〉の能力で私の『完全』勝利を実現しただけよ」
俺の目の前に水色のボディが特徴的な断罪神P〈パーフェクト〉が立っている。
「いつのまに変神を...‼それに、なぜこれほどの力を持ちながら、今まで使わなかったんだ?」
「断罪王の状態ではこの『完全』勝利を実現することはできなかった。それが断罪王P〈パーフェクトの限界だった。でも断罪神P〈パーフェクト〉の力ならそれができた。それだけのこと」
「なるほど、お前にとっても賭けだったわけだな...‼」
「ええ、あなたが言った通り、私が幸せになるにはもう、あなたを殺して六人目の至極神になるしかない...!あなたのおかげでいろいろと覚悟ができたわ」
断罪神P〈パーフェクト〉が魂だけになった俺を右手につかむ。
「これでおしまいよ」
しかし次の瞬間、真っ白な空間に突如、無数の次元の裂け目が発生、中から大量の竜が出現する。
大量の竜が断罪神P〈パーフェクト〉の全身に噛みついて、肉を食いちぎる。
「なんで!どうしてこのタイミングで『次元』の竜が邪魔してくるのよ!」
俺は竜の作ってくれたチャンスを利用して断罪神P〈パーフェクト〉から逃げ出そうとするが魂だけの状態なのでなにもできない。
つまり、今の俺にできることは言葉を発することだけなのだ。
「なら...いちかばちかやってみるか...!シンゴォォォォォォーッ‼」
気がついた時には俺はすでに断罪王Zに変神出来ていた。
俺は再び、断罪神P〈パーフェクト〉の能力を発動される前に竜が出現した『次元』の裂け目に突入する。
「しまった!竜が邪魔で断罪王Zを見失った!このままで六人目の至極神なれない!」
断罪神P〈パーフェクト〉が断罪王Zを見失った時にはもう、断罪王Zは竜の住処である『次元』の中にいた。
「これは...!いったなにがどうなっているんだ!」
『次元』の中では俺の見たことのない大量の断罪王と大量の竜が激闘を繰り広げていた。
「俺の知らない断罪王が竜と戦っている...!おかしい!なぜ至極神や断罪神より力の弱い断罪王が竜と互角に戦えるんだ?」
『それは断罪王Zと言う名の物語だけにに存在する設定よ』
俺の目の前に女?が現れる。
そいつはよく見ると足元が幽霊のように透けていた。
「お前は誰だ!」
『私の名はハルカ...かつて白のグレート断罪王の操縦者だったわ』
「白のグレート断罪王?それに、かつてとは?」
『ええ、私は黒のグレート断罪王のかけられた永遠に体内から平行世界の自分自身を出産し続ける呪いのせいで本物の自分を認識することができなくなった。だから今、こうしてあなたと話している私もいったいどの平行世界の私なのか認識することができない』
「そんなことはどうでもいい!俺が知りたいのは、この『次元』で行われている断罪王と竜の戦いのことだ!」
『簡単に言えば、平行世界の各物語の断罪王たちが『次元』の手先である竜と戦っているだけよ。そして、各物語の断罪王の数だけ、設定が存在する』
「物語だと...!じゃあ、俺が今生きているこの世界は誰かにあらかじめ作られた世界だってのか!それじゃあ、俺の運命もすでに決まっちまってることかよ!」
『物語の全てが最初から終わりが決められているとは限らない。物語を紡ぐということは現実を生きる人々が明日に向かって生きていくことと同じなのよ。物語に終わりがこなければ、その物語は永遠に続くわ。つまり、あなたの未来はまだ決まっていない』
「この、今、俺の目の前で起きている戦争にはいったいどんな意味があるんだ?」
『意味?意味なんてないわ、生命が争うのは自然の摂理よ。生命があるところに必ず争いは産まれる。この断罪王と竜の戦争も同じ、ある日突然意味もなく始まって、どちらかが全滅するまで終わらない。そして、おそらく、竜があなたの世界に干渉するのは、あなたの世界に断罪王がいるからなのよ』
「俺が五体の至極神を瀕死状態に追い詰めたから、それで世界のバランスが崩れて...竜たちがこっちの世界に侵攻してきたってことか...」
『その通りよ、竜は...いや『次元』はずっと待っていた。あなたの世界に、自分たちの天敵である断罪王のいる『断罪王Z』と言う名の物語の世界に侵攻するチャンスをね』
「そして俺がそのチャンスを作ったのか...」
『あなたはどうするの?ここで平行世界の断罪王たちと『次元』の竜たちと永遠に戦い続けるか『断罪王Z』の物語の世界に戻って五体の至極神を殺して自ら『断罪王Z』と言う物語を完全に破壊するか』
「俺は戻るよ...自分の『物語』の世界に...そして破壊する」
『でも、今のあなたに勝てるかしら、あの断罪神P〈パーフェクト〉に』
「ああ、もう戦い方は決まってる」
数多くの平行世界の断罪王たちが竜と戦いながら断罪王Zを見つめている。
まるで俺に共に戦えと言わんばかりに。
それでも俺は『次元』の裂け目から脱出することを選んだ。
ハルカの姿はいつの間にか俺の知らない白い断罪王になっていた。
おそらく、この無限地獄の中で竜たちと永遠に戦い続けるのだろう。
俺は『次元』から断罪神P〈パーフェクト〉が作り出した真っ白な空間に戻ってきた。
「自ら死に戻ってくるとは、正直助かったわ!私はあなたを殺して絶対に六人目の至極神になってみせる!」
「無理だよ...お前には...俺はさっきスゴイもんを見ちまったからな...‼」
「スゴイもん...?」
「ああ、『次元』の向こうでは平行世界の断罪王と竜が戦っていた」
「言っている意味がわからないわ...!」
「だろうな」
断罪王Zが狂気の波動を断罪神P〈パーフェクト〉が俺を魂だけの状態にするために作り出した真っ白な空間と『断罪王Z』という名の物語に向かって放った。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王Zと断罪神P〈パーフェクト〉の周りの景色が崩壊していく。
「あなた...!一体なにをしたの?」
断罪神P〈パーフェクト〉の全身が消滅していく。
断罪王Zの全身も消滅していく。
「俺はこの『物語』そのものに狂気の波動を放った。つまり、この『物語』そのものを紡いでいる何者かに対して狂気の波動を放ったということだ!」
「よく意味がわからないけど、それってつまり私だけじゃなくてあなたも消滅するんじゃないの?ああ...体が消えていく...‼」
「ああ、俺の体も消滅を始めた。でも狂気の波動はその名の通り、狂気だからな、未来のことなど誰にもわからんよ」
全てが崩壊する。
全てが、『物語』が、狂気に包まれる。

次回予告 八十四話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼歩くのが遅い女は医療廃棄物と結婚して特定有害産業廃棄物と不倫しろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十四話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼歩くのが遅い女は医療廃棄物と結婚して特定有害産業廃棄物と不倫しろ!

八十四話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼歩くのが遅い女は医療廃棄物と結婚して特定有害産業廃棄物と不倫しろ!

俺がこの『断罪王Z』という物語に対して放った狂気の波動がこの世界と、この『物語』を崩壊させ、狂気に染めていく。
「これは...俺にもどうなるかわからん!」
目の前の景色が紙を破かれるように消えていく。
そして、消えた部分から新しい景色が誕生する。
「世界が不規則に崩壊と再生を繰り返していく...‼」
そう、世界は今、形そのものを失おうとしているのだ。
つまり、この『断罪王Z』と言う名の物語に対して攻撃を放つということは、自分とこの世界そのものを破壊することに等しい。
「君は大変なことをしてくれたね...」
白衣に身を包んだ美少女が俺に話しかけてきた。
「誰だ!お前は!」
「私の名前はウィル。断罪王...いや、『生産』を司る断罪神Y〈イールド〉の操縦者だ」
ウィルが俺に微笑みかけてくる。
「なぜ笑っている?お前は今、目の前で起きているこの現象に何も感じないのか?」
「そんなに私が冷静に見えるのかい?これでもけっこう驚いてるんだけど」
「俺は...俺はたた見たかったんだ!この『断罪王Z』の物語を支配し、管理している奴らに対して狂気の波動を放ったらどうなるのかを!」
「つまり君は今、五体の至極神より大きな存在を殺そうとしているんだね」
「ああ、そうなってしまうな...お前も、六人目の至極神になるために俺を殺しにきたのか?」
「私はただ気が付いたら君の目の前にいただけだ、おそらく、この『物語』が狂気に染まっている証拠さ」
「お前、その白衣、もしかして就職しているのか?」
「ああ、とある研究所で働いている」
「おかしいな、断罪王の操縦権を得られるのは選ばれし社会不適合者だけだ」
「私は表向きは研究所の職員だけど、裏でたくさん人を殺してるのさ。つまり、わたしはそういう意味では社会に適応していない。わかりやすく言えば誰にも気づかれない社会反逆者だね」
「しかし、今、俺が知ってしまった」
「なら警察に通報するかい?この狂気に染まり秩序を失い崩壊していこうとする世界で果たして法律なんて役に立つのかな?」
「お前は普通の人間より頭がいいはずだ、なぜ瀕死状態の五体の至極神の傷を癒す時間稼ぎに利用されていると知りながら『神の種』の力を受け入れたんだ!」
「私はただ見てみたいだけさ、人知を超えた力をこの目でね、つまり、単なる好奇心だよ。それにね、この世界に頭のいい人間なんて一人もいないよ。この世界いるのは自分のことを頭がいいと思ってるバカと自分の頭が悪いと思ってるバカだけさ」
「お前の言っていることが正しければ、人類は全てバカということになる、すなわち、おまえもバカということになるが」
「ああ、その通りさ、もっとわかりやすく言えば人間という生き物がバカなのさ。それよりも君は最近のTⅤをどう思う?」
「どう答えれば正解なんだ?」
「別にこの問いに正解はないよ。ただ私はTⅤは正直ずるいと思う。TⅤのバラエティーもドラマもフィクションならどんなに物語を美化してもいいと思っている。フィクションを盾に極限まで美化されたドラマやバラエティーに影響された視聴者が経済に貢献しても金になる、また逆にフィクションを盾に極限まで美化されたドラマやバラエティーに影響されて社会に迷惑をかけた視聴者の悪行を報道しても金になる。つまり、フィクションがいい意味でも悪い意味でも金になることを知っている前提で番組が製作されている。つまり視聴者に現実と非現実の区別をさせたいのであれば、ドラマもバラエティーもTⅤで放送せずにずっとニュースだけを流していればいいんだ」
「ではニュースは視聴者に嘘をつかないのか?」
「そりゃあ、ゼーキンでいい思いをしている一部特権階級のやつらにとって都合の悪い報道はしないからね。そういう意味ではニュースは嘘つきかもしれないね」
「つまり、外部からの情報より、自分の価値観を信じるのが一番だ」
「でも、外部からの情報や価値観に染まることができない人間はこの世界は生きていけない。つまり、君みたいな自分の価値観だけを信じている人間が本来正しいはずなのに狂人扱いされしまう、これは悲しいことだね」
「ああ、だから、そのつまらない世界を今、狂気に染めて崩壊させてやるのさ。もう、俺とお前に戦う意味はない。お前が俺を殺して六人目の至極神、つまり正真正銘の神になったところで、この世界が狂気に染まり、崩壊することに変わりはない」
「でも、この世界は今、狂気に染まっている。つまり、この世界に絶対はない、君がそうしてしまった。だから私は君を殺すよ」
「さっきも言った通り、それは無意味だ。もうこの世界も五体の至極神も俺もお前も終わりだ」
「私だって好きで君を殺したいわけじゃない」
「では、なぜ俺を殺すと決めた」
「わからない...でも、これこそ狂気だと君は思わないかい?」
「なんでも狂気という言葉を用いて、話を曖昧にするのはやめろ」
「それは、私に言っているのかい?それともこの『物語』を作っている存在に言っているのかい?」
「お前に決まっているだろう」
「なら、私は君を殺すよ。この狂気に満ちた世界に絶対はない、つまり私でも君を倒せるかもしれない」
「無理だよ、俺は六人目の至極神だ。正真正銘の神だ」
「君は本当に神の存在を信じているのかい?神がもし本当にいたら、誰も神なんている言葉を必要としないと思うんだよね」
「死ね」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』

次回予告 第八十五話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼ 自分の子供が自分より長生きするのが当然だと思ってる親は考えを改めろ!人間に当たり前の明日なんて約束されてねぇんだよ!人間は病気だろうと病気じゃなかろうと事故や事件や自然災害でいつ死んでもおかしくないんだよ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第八十五話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼ 自分の子供が自分より長生きするのが当然だと思ってる親は考えを改めろ!人間に当たり前の明日なんて約束されてねぇんだよ!人間は病気だろうと病気じゃなかろうと事故や事件や自然災害でいつ死んでもおかしくないんだよ‼

第八十五話 断罪王Z 対 断罪神Y〈イールド〉‼ 自分の子供が自分より長生きするのが当然だと思ってる親は考えを改めろ!人間に当たり前の明日なんて約束されてねぇんだよ!人間は病気だろうと病気じゃなかろうと事故や事件や自然災害でいつ死んでもおかしくないんだよ‼

断罪神Y〈イールド〉の操縦者であるウィルが俺に話かけてくる。
「娯楽っていうのは麻薬と同じなんですよね。国民のゼーキンで楽して暮らしたい一部特権階級のやつらは娯楽を国民に与えることで、国民の生きる理由と目的を作る。そして、その過程で国民にゼーキンを半強制的に納めさせ、その次に新たな娯楽を国民に提供すれば国民は娯楽を味わうために、生きることの中毒者になる。その結果、国民は生きて娯楽を味わうためにゼーキンを納め続けるしかない。つまり、一部特権階級のやつらは生きるということを必要以上に美化して国民に明日への活力を誘発させるような娯楽を何度も提供して、国民を自分たちが国民のゼーキンで楽をするのに都合のいい奴隷に変えてしまう。そして、その奴隷を同調圧力を利用して作り続ける」
「そんなことより、なぜ俺の放った狂気の波動の直撃を全身に受けてそんなに平然としていられるんだ?」
「おそらく、この『断罪王Z』という『物語』が君のせいで狂気に染まってしまったからだろうね。だから、君にとって当たり前だったことが、当たり前でなくなってしまった。つまり、君がこの『物語』を狂気に染めたせいで君は今、追い詰められてるということさ」
「なるほど、ではもはや、勝負も勝ち負けも関係ないということか」
「そうなってしまうね...」
町では首がなく、下半身に顔がついている人間達が楽しそうに会話をしたり買い物をしている。
「ウィル、あいつらも狂気の産物なのか...?」
「おそらくそうだろうね、あの人間たちは自分たちの姿になんの疑問も抱いていない。もしくは自分たちの目には自分の頭がちゃんと首についているように見えているだけなのかもしれない」
「じゃあ、あの下半身に顔がついてる奴らは、自分たちの体が俺がこの『物語』に放った狂気の波動のせいでおかしくなっていることに気づいてないということか」
「そうだろうね、ほら、君も」
ウィルは手鏡の鏡の部分を俺に向けた。
鏡に映っていたのは首がなく、下半身に顔がついている状態の俺だった。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああッ!」
「これでさっき言った私の過程が成立したね。君が狂気に染めたこの世界で生きる人々は皆、自分の体に異常が発生していることを自覚できない、もしくは体になんの以上も起きていないのに異常が起きているように感じてしまう状態にある」
「ウィル‼ど、どうやったら俺の体はもとにもどるんだ?」
「君は狂気の波動を『断罪王Z』という『物語』に放つことで自分自身も狂気に染まってしまうことを想定していなかったんだね」
「あ、ああ。俺はただ、好奇心で俺を支配する全てを破壊したかっただけだ」
ウィルが俺に向かって右手をかざす。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
「ゔああああああああああああああああああああッ‼やめろウィル!」
「この秩序が崩壊した狂気に満ちた世界なら私でも狂気の波動を放つことができる」
『断罪王Z』という物語を破壊した影響で狂ってしまった俺はウィルの放った狂気の波動を受けてさらに狂ってしまう。
頭が魚になっているライオン。
人間の頭がついているナメクジ。
羽根の生えたカブトムシの幼虫。
ニワトリの頭が生えた人間。
ハエの顔をしている犬。
カタツムリの顔がついたカマキリ。
見ているだけで気が狂いそうな生き物たちが俺を囲んでいる。
俺はその光景に嘔吐する。
しかし、吐しゃ物は重力を無視して空へと昇っていく。
そして、空から巨大な人の顔が降りてくる。
空から降りてきた巨大な人の顔は念仏を唱えながら口から大量の電車を吐き出しで来る。
そして地面から大量のカメラを持った人間達が出現して、カメラで空から降ってくる大量の電車を撮りまくる。
大量のカメラのフラッシュがまぶしい。
そして俺がカメラのフラッシュを辞めるように訴えると、カメラで電車を撮影していた大量の人間たちが一斉に俺に向かって罵詈雑言をぶつけてくる。
怒り狂った俺は上空へと飛翔し、天に向かって右手を上げる。
俺は右手から光が放ち、カメラ撮影を妨害する。
電車の撮影を妨害された奴らの罵詈雑言が俺の見たことのない断罪王になって俺を襲う。
「シンゴォォォォォォォーッ!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
意味不明な光景に完全に狂ってしまった俺は断罪王Zに変神して四方八方に向かって狂気の波動を何度も放つ。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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目の前のあらゆる狂気に対して狂気の波動を放った俺の視界が真っ暗になる。
そして気がつけば、俺は都内の公園にいた。
そして公園の砂場には血だらけになったウィルがいた。
「いったい、なにがどうなってるんだ...!」
「私は『生産』を司る断罪神Y〈イールド〉...私は君を倒すために、君に気づかれないよに『狂気』を『生産』し続けた...」
「じゃ、じゃあ、俺を苦しめていたあの意味不明な生き物や空から人の顔が降ってきた怪奇現象は全部、断罪神Y〈イールド〉の能力だったのか...‼」
「ああ、その通りだ。でも、君が連続して狂気の波動を放ったせいで、断罪神Y〈イールド〉の能力が解除された...そして何度も狂気の波動をくらったせいで私はもう、これでおしまいだ...」
「ああ、そりゃそうだろうな...でもお前の話、面白かったよ」
「ありがとう...断罪王Z...!」
ウィルが光になって消えた。
それでもこの世界を侵食する狂気が止まることはない。

次回予告 第八十六話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼とりあえず子供が欲しいからとかいう理由で子供を作ろうとしている男女はまず最初に自分たちが生きている世の中とちゃんと向き合って自分たちの子どもがこんなクソみてぇな世の中に産まれて本当に幸せになれるのかよく考えろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第八十六話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼とりあえず子供が欲しいからとかいう理由で子供を作ろうとしている男女はまず最初に自分たちが生きている世の中とちゃんと向き合って自分たちの子どもがこんなクソみてぇな世の中に産まれて本当に幸せになれるのかよく考えろ!

第八十六話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼とりあえず子供が欲しいからとかいう理由で子供を作ろうとしている男女はまず最初に自分たちが生きている世の中とちゃんと向き合って自分たちの子どもがこんなクソみてぇな世の中に産まれて本当に幸せになれるのかよく考えろ!
俺がこの『断罪王Z』という物語に対して狂気の波動を放ったことにより、この世界はゆるやかに狂気に包まれ崩壊しようとしている。
なぜ、そんなことをしたかって?
そんなの簡単だ。
この世界を『物語』を崩壊させる、これを超える『暴力』がこの世界に存在するだろうか?
存在しねぇよ、そんなの。
でも、その前になんとしても俺は親友との約束を守る為に、五体の至極神を殺さなくてはならない。
まぁ、この手で殺せなくても、この『断罪王Z』という物語が狂気に染められ、崩壊を始めた時点で五体の至極神が自然消滅することは決定している。
でもやっぱり、暴力の醍醐味はこの拳で感じる全てなのだ。
それ以外に表現のしようがない。
今、思い返せば、俺は二度も自分の世界を崩壊させているんだよなぁ。
一回目は自分の住んでいた世界。
二回目はこのラジエル大陸。まぁ、途中から日本が転移してきたわけだが。
「お前、リキか...?」
俺の目の前にずっと昔に俺と妹の前から姿を消した父さんが現れた。
「父さん...?」
「その身にまとっている黒衣...まさか、お前も断罪王の操縦者になっていたとはな」
「俺のまとっている黒衣...断罪王の操縦者...まさか、父さんも断罪王の操縦者なのか?」
「ああ、正確には今は断罪王ではなく『断念』を司る断罪神Q〈クイット〉の操縦者だ」
「父さんもメシアに与えられた『神の種』の力を受け入れたのか?」
「ああ、びっくりしたよ、メシアに二十六体いる断罪王の中で最後の一人にならなくても息子であるお前を殺せば、神様になれると聞かされたときは」
「でも、断罪王の操縦者に選ばれるのは社会不適合者だけだ!どうして父さんが断罪王の操縦者に選ばれたんだ?」
「そりゃあ、お前が無差別に周りの人間に暴力を振るい続けたせいで、私とお前の母親は加害者家族となり、会社はクビになり、国内で職を得ることができなくなってしまった。働きたくても働けない人間、つまり社会不適合者になり、金を稼ぐことができない私と母さんはお前たちの前から姿を消した」
「そんなの無責任だぜ!せめて一家心中するとか、そういうこと考えないのかよ!」
「もとはと言えば、お前が本能に身を任せて無差別に周りの人々に暴力を振るい続けたのが原因なんだぞ!家族を崩壊させるきっかけを作ったお前に私と母さんを責める資格はない!」
「うるせぇ!酒が好きな人間が酒を飲むのと同じように、俺は暴力が好きだから無差別に周りの人々に暴力を振るっていただけだ!自分の幸福を追求してなにが悪い!」
「そうだ!きっとお前はこの世界に生まれてくるべきじゃなかった!だから、私は『神の種』の力を受けて入れて断罪王Q〈クイット〉から断罪神Q〈クイット〉にパワーアップしてお前を殺して六人目の至極神になることを決めた!神になれば、全てやり直せるかもしれない!」
「あんたはあんた達の勝手で俺を作っておいて、それで社会に適応できないからって自分の子どもを殺すのかよぉ‼」
「安心しろ我が息子よ。私がお前を殺して神になり、運命と時間を操作して新たに創造した暴力に否定的なお前と私とお前の妹のザナと母さんの四人が幸せに暮らせる未来を創造してやる...だから息子よ、一度私に殺されてくれ!シンゴォォォォォォォーッ‼」」
「自分の子どもを殺して勝ち取った未来が幸せなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉッ!シンゴォォォォォォーッ‼」
断罪王の変神に必要な呪文『シンゴー』を唱えた俺と父さんの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと黄土色のボディが特徴的な断罪神Q〈クイット〉が向かい合う。
「やるんだな?本当に自分の息子を殺すんだな?」
「ああ、やってやる!私はお前を殺し神になる!そして、全てをやり直す!」
「なら、味あわせてやるよ!この『断罪王Z』と言う名の物語を狂気に染め上げて崩壊させようとしている俺の究極の『暴力』を!くらえやぁぁぁぁぁぁッ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』

次回予告 第八十七話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼自分の子供に親に迷惑をかけるなとかいう親はそもそもなんで子供なんか作ったんだ?子供に迷惑をかけられるのが嫌なら子供なんか作るんじゃねぇよ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第八十七話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼自分の子供に親に迷惑をかけるなとか言う親はそもそもなんで子供なんか作ったんだ?子供に迷惑をかけられるのが嫌なら子供なんか作るんじゃねぇよ!

第八十七話 断罪王Z 対 断罪神Q〈クイット〉‼自分の子供に親に迷惑をかけるなとか言う親はそもそもなんで子供なんか作ったんだ?子供に迷惑をかけられるのが嫌なら子供なんか作るんじゃねぇよ!

俺を殺して神になり、全てをやり直そうとする父親。
そして、俺は父親から自分の命を守る為に狂気の波動を父親の操縦する断罪神Q〈クイット〉に向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』狂気の波動が父さんの操縦する断罪神Q〈クイット〉に直撃する。
しかし、父さんの操縦する断罪神Q〈クイット〉はまるで何事もなかったかのように立っている。
「なぜだ!狂気の波動の直撃を受けながらなぜ立っていられるんだ!」
「私はただ、断罪神Q〈クイット〉の能力で私が『狂気の波動』の直撃を受けたとという『運命』を『断念』させただけだよ」
「運命を『断念』させただと...!」
「ああ、断罪神Q〈クイット〉は『断念』を司る断罪王。断罪王Q〈クイット〉のままではここまでのことはできなかった...しかし、『神の種』でパワーアップした断罪神Q〈クイット〉ならそれができる!」
「じゃあ、俺の攻撃は全部父さんに通じないってことか!」
「安心しろ、断罪神Q〈クイット〉の能力で『断念』できるのは相手からの攻撃だけだ」
断罪神Q〈クイット〉の口から巨大な斧が出現する。
巨大な斧を手に持った断罪神Q〈クイット〉が断罪王Zに襲いかかる。
断罪神Q〈クイット〉が振り下ろした斧を断罪王Zが瞬時に回避する。
「父さん!あんた本当に自分の息子を殺す気なんだな!」
「断罪王C〈カオス〉の操縦者に選ばれた自分の妹を殺したお前に私を責める資格があるのか!」
「妹を...ザナを殺していなければ、俺がザナに殺されていた!」
「なら私も同じだ!私はお前を殺し神になり、時間と運命を自在に操り、お前も含めた家族四人の理想の幸せを手に入れて見せる!」
「そのために俺に一度死ねと言うのか!」
「そうだ!断罪王Zの能力そのものである狂気の波動が断罪神Q〈クイット〉に通じない今、お前は私に殺されるしかないのだ!」
「勘違いしてんじゃねぇぞ!俺が今日まで生き残れたのは狂気の波動だけに頼ってきたからではない!」
巨大な斧を振り上げる断罪神Q〈クイット〉。
「なら、それを証明してみせろ!」
そして、断罪王Zはそれを瞬時に回避、高速移動で断罪神Q〈クイット〉の背後に移動する。
「暴・力‼」
断罪王Zの拳が断罪神Q〈クイット〉の背中に直撃する。
断罪王Zの拳が断罪神Q〈クイット〉の背中から腹部をつらぬく。
断罪神Q〈クイット〉の腹部から大量の血液が噴き出る。
「くっ、なら今からお前の拳を受けた運命を『断念』させてやる!」
「そんな時間ねぇよ!」
断罪神Q〈クイット〉の上半身をつらぬいた断罪王Z拳が手刀に変化して、そのまま上に上がっていき、断罪神Q〈クイット〉の心臓と頭部と脳を切り裂く。
「ゔぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
「能力を使うには思考することが必要不可欠だ!そしてその思考に必要不可欠な脳を破壊すれば父さんはもう断罪神Q〈クイット〉の能力を使うことができない‼」
血塗れの断罪神Q〈クイット〉が光になって消えていく。
「この...親不孝者め...」
「自分の子どもを殺そうとする父親にだけは言われたくないぜ」
「私は...私はただ普通の人生をお前と母さんとザナと一緒に過ごしたかっただけだ...私は、私はそのためにお前を一度殺す必要があった」
「ああ、わかってるよ。でも父さんは俺に負けた。断罪王の操縦者に選ばれた普通の社会不適合者が六人目の至極神である究極の社会不適合者である俺に勝てるわけねぇんだよ!バーカ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
「そうか...確かにそう言われてみれば、私の息子は神になったんだものなぁ...そりゃあ、すごい...よく、頑張ったな、リキ...」
父さんが笑顔を浮かべながら消えていく。
俺の両目からは無意識のうちに涙が流れてきていた。
「どうして...俺は泣いているんだろう...!そ、そうだ父さん!母さんは、母さんは今どこにいるんだ!」
俺の質問に対して父さんが口を開こうとした瞬間、父さんはこの世界から完全に消滅した。
「父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ‼」

次回予告 第八十八話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼いいか?この世界に頭がいい人間なんて一人もいねぇんだよ!この世界にいるのは自分のことを頭がいいと思ってるバ●と、自分のことをバ●だと思ってるバ●だけだ‼

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第八十八話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼いいか?この世界に頭がいい人間なんて一人もいねぇんだよ!この世界にいるのは自分のことを頭がいいと思ってるバ●と、自分のことをバ●だと思ってるバ●だけだ‼

第八十八話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼いいか?この世界に頭がいい人間なんて一人もいねぇんだよ!この世界にいるのは自分のことを頭がいいと思ってるバ●と、自分のことをバ●だと思ってるバ●だけだ‼
俺は狂気と終末に満ちた世界を行き先も決めずに歩き続ける。
そして、この世界と狂気と終末へと導いたのはこの俺だ。
俺の目の前に着物と黒髪が特徴的な一人の女が現れる。
「私は『犯罪者』を司る断罪神O〈オフェンダー〉」
「お前、神になるために俺を殺しにきたんだろ?お前、神になって何がしたいんだよ?」
「私はあなたを殺して神になり、死んでしまった息子を生き返らせる」
「お前、自分の息子が死んだとき、悲しかったか?」
「そんなのあたりまえじゃない!自分の息子が死んで悲しくない親なんてどこにもいないわ!」
「自分の息子に死なれて悲しいならさ、なんで子供なんて作ったんだよ?」
「なにがいいたいの?」
「だからさ、自分の子供に死んでほしくないならさ、子供なんて作らなきゃいいじゃん。だってあんた子供作るまでにさ、殺人事件とか、自然災害とか、交通事故とかでさ、死んじゃった子供がいることぐらい、ニュース見てればわかるじゃん。殺人事件とか、自然災害とか、交通事故とかが起きてる世界に自分の子供を作ればさ、自分の子供もそれに巻き込まれる可能性が少しはあることぐらいわかるじゃん」
「でも、でも...まさか自分の息子が殺人事件で死ぬなんて思わないじゃないですか!」
「だからさ、そもそも、その発想が甘いんじゃないの?正直、殺人事件とか自然災害とか交通事故に巻き込まれなくてもさ、人間いつか寿命か病気で死ぬんだからさ、どうせいつか死ぬことが決まってる人間という生き物をセッ●スして増やすとかさ、子供に死んでほしくないっていうのはさ、はっきり言ってあんたの自分勝手なわがままなんだよ」
「じゃあ...私の息子が殺人事件で死んでしまったのは、犯人のせいじゃなくて、殺人事件が起きている世界で子供を作った私のせいだっていうの!」
「その通り!じゃあ、あんた、殺人事件が起きている世界に産まれてきたいか?」
「そ、それは...!」
「つまり、ニュースを見て殺人事件で人が死んでいるのは知っているけど、自分の息子は絶対に殺人事件に巻き込まれないっていう発想があんたの息子を殺したんだよ。つまり、あんたの息子が死んだのは犯人のせいじゃない、悪いのは殺人事件が発生している世界で自分の子供を欲しがり、作って産んだあんたのせいだ!ちなみにあんたの息子殺したのは俺だ」
「ど、どういうこと...?」
「あんたの息子を殺した犯人、まだ捕まってないよね。そんでさ、俺、昔さ、自分で殺したクソガキの葬式に冷やかしで参加したことがあるんだけどさ、その時に、泣いてるあんたの顔見てたわけよ」
「それなら、ちょうどいいわ!あんたを殺せば、息子の仇も打てる!そして、死んだ息子も生き返る!一石二鳥よ‼」
「おいおい、まるで俺が悪者みたいなことを言うのはやめておくれよ」
「人殺しはどう考えても悪者よ‼」
「そもそも最初に俺に『死ね』って言ってきたのはあんたの息子なんだぜ?」
「ど、どういうこと?」
「当時、あんたの息子が同級生の女の子に暴力を振るっていじめていたからさ、俺はあんたの息子に女の子をいじめるのをやめろって言ったらさ、あんたの息子が俺に『死ね』って言ってきたんだ。つまり、俺はあんたの息子に宣戦布告されたわけよ」
「でも相手は子供よ!それに子供に大人を殺せるわけがないわ!」
「子供に殺される親とか子供を殺す子供なんてどこにでもいるさ。あんただってニュースを見ていれば、それくらい知ってるだろ?」
「でも...きっと...息子はついカッとなって、あなたに『死ね』って言ってしまっただけよ!実際、息子はあなたを殺そうとしたわけじゃないんでしょう?」
「でも俺に対して殺意があるから、あんたの息子は俺に『死ね』って言ってきたんだぜ?殺意を向けられた相手になにも抵抗せずに死ぬバカなんてこの世にいるわけねぇだろ!だから俺はあんたの息子が俺に向けた殺意から自分の命を守る為に、あんたの息子をぶっ殺した‼」
「じゃあ、私の息子はあなたに殺されても仕方がなかった...あなたはそう言いたいのね」「ああ、そうだよ。だから俺は『暴力』であんたの息子を殺した!」
「でも、いくらなんでも殺すのはあまりにもひどすぎるわ!死んでしまった命はもう、二度と帰ってこないのよ!」
「俺だってわかってんだよそれぐらい。ただ、ちゃんと殺してあげないと、後でやり返しに来るだろ?だからこそ!俺はあんたの息子を殺すしかなかった」
「それでも...それでも私は死んでしまった息子を生き返らせたいのよ!」
「仮に生き返ったとしても、どうぜ俺以外の誰かに殺されたり、交通事故や自然災害で死ぬ確率はゼロじゃない!しかし、お前の息子がいずれ寿命や病気で死ぬ確率は100%だ。正直、お前の息子の立場にしてみればいい迷惑だ!せっかく死ねたのに自分勝手な親の願いのせいでもう一度死ななくちゃいけないんだからな!」
「どうして...どうしてあなたは人間が子供を作ることに対して否定的なのよ!」
「そんなの当たり前だろ、この世界で人間が増えるということは、産まれてきた人間に必要になる食料や資源も増えるってわけだ。でも、今の人類には人類全ての命を救えるだけの食料も資源もない。人間が増えれば、その裏で逆に命を失う人間も存在するってことだ!つまり、子供を作って産むってことは人殺しと同じなんだよ!」
「子供を作る人間が...人殺し...!」
「ああ。だってそうだろ!あんたの息子がこの世界で命を授かった時点で、遅かれ早かれあんたの息子が死ぬことは確定しているんだ!つまりあんたは人殺しだ!人殺しに人殺しと言われる筋合いはない!それに、いいこと教えてやるよ、仮にお前が俺を殺して、神になっても、俺がこの『断罪王Z』という『物語』に狂気の波動を放った影響で、この世界に存在する至極神も、なにもかもすべてが、いずれ崩壊し消滅する!そして、その崩壊はもうすでに始まっている‼」
「そ、そんな...じゃあ、あなたを殺して、神になって息子を生き返らせても、なんの意味もないじゃない」
「でも、せっかく俺を殺しに来たのなら、味あわせてやるよ...お前の息子も味わった、俺の『暴力』をな...‼」

次回予告 第八十九話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼性格の悪い女は見た目がブ●でも心までブ●になるな!




 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第八十九話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼性格の悪い女は見た目がブ●でも心までブ●になるな!

第八十九話 断罪王Z 対 断罪神O〈オフェンダー〉‼性格の悪い女は見た目がブ●でも心までブ●になるな!
「でも、せっかく俺を殺しに来たのなら、味あわせてやるよ...お前の息子も味わった、俺の『暴力』をな...‼」
俺は俺に息子を殺された女に襲いかかる。
女は俺のありがたい啓蒙のおかげで放心状態になっていた。
「どうした!俺を殺して、俺に殺された息子を生き返らせるんじゃなかったのか!」
「それが無意味だと私に説明したのはあなたじゃない!」
俺は女の右手を掴む。
「俺はまず、俺に『死ね』と言ってきたお前の息子の右手の小指をこうしてやった...」
ポキ。
「いぎゃあああああああああああああああああああああッ!」
俺に小指を折られた女が激痛に悲鳴を上げる。
「ククク...今からお前の体でお前の息子がどうやって俺に殺されたのか再現してやるよ!」
女は涙目で俺を睨む。
「やはり、親子だな。お前の息子も内心俺に勝てないと思いつつも、俺をそういう反抗的な目で睨んできたよ、次は薬指だ」
俺は女の薬指を握り、思いっきり力を入れる。
パキポキピキィッ‼
「い、痛い...!指の骨が粉々になっていく..!ゔあああああああッ!痛い痛い!」
「ただ指の骨を折るだけじゃ面白くないからな!あれ?お前、なんで息子がいたのに薬指に指輪をはめてないんだ?」
「夫とは別れたわ...」
「なんでだよ」
「息子が死んだあと、私は夫に二人目の子どもが欲しいって言ったの...でも夫はそれを拒否した、きっともう私に女としての魅力を感じなくなったのよね、それで夫は私の前からいなくなった」
「そりゃそうなるわな、死んだ息子の代わりに、新しい子供を作ろうとするのは命に対する冒涜だ!命はガチャガチャじゃねぇんだぞ!」
「息子を殺したあなたにだけは言われたくないわ!」
「うるせぇ‼大体、死んだ人間にいつまでも捉われている湿っぽい女とセッ●スしたい男がどこにいるんだ!おめぇがそんなだから、おめぇの夫はおめぇに魅力を感じなくなって、おめぇの前から姿を消しんだ!おめぇの元夫は今頃、おめぇより若くて明るくてバカな女とセッ●スして子供作って楽しく暮らしてるんだろうなぁッ!アヒャッヒャッ!」
俺は女の右手、中指、人差し指、親指の骨を女の息子同様に素手で粉々にしてやった。
「おい、お前どうして変神の呪文を唱えない」
「だって...仮に変神して、あなたを殺して息子が生き返っても結局すべてが崩壊して消滅するって言ったのはあなたでしょ」
「そうだな、それに、お前じゃ俺には勝てない。そして俺がお前に勝ってもこの世界はいずれ崩壊して、消滅する」
「そうよ、戦いなんてもう、なんの意味もなさない。だからとっとと息子の時みたいに私を殺しなさいよ」
「そう、言われると、なんだかもう、飽きてきたな。お前を殺しても殺さなくても、結局現状は変わらず、この『世界』と『断罪王Z』という『物語』は崩壊し消滅する。それは五体の至極神の消滅も意味している。つまり、俺の願いが叶うことはもう決定している」
俺の周りを刃物を持った男女が囲む。
「これはどういうこと...私は断罪神O〈オフェンダー〉の能力はまだ発動していないというのに...!」
「じゃあ、俺の周りを囲んでいる刃物をもった奴らは全員、お前の能力が原因なんだな」
「ええ、『犯罪者』を司る断罪神O〈オフェンダー〉の能力は私の選んだ人間を犯罪者ににして自分の思うままにコントロールする能力。でも、私は自分の意思で能力を発動した覚えはないわ!」
「つまり、この『世界』と『物語』が狂気に支配されたせいで、お前の断罪神O〈オフェンダー〉の能力が暴走したってことか」
「能力の暴走...!」
「ああ、さっきも言った通り、この『断罪王Z』という『物語』は俺の放った狂気の波動のせいで狂ってしまった。つまり、この『物語』にルールはもはや存在しない」
「じゃあ、もうなにが起こるか私にもあなたにも想像がつかないってことね」
刃物を手に持った犯罪者たちが俺に向かって一斉に襲いかかってくる。
「死ねぇぇぇッ!この社会不適合者どもがぁぁぁッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺の放った狂気の波動の直撃を受けた犯罪者たちが両手で頭を押さえて悲鳴を上げる。
『ゔああああああああああああああああああッ‼』
『頭が!頭が痛てぇよぉぉぉぉぉッ‼』
『だ、だれか助けてくれぇぇぇぇッ‼』
『ぐああああああああああああッ‼』
「とにかく、暴走している能力の持ち主であるお前を殺せば、俺は犯罪者たちに襲われなくて済む」
「なら、とっとと私を殺してちょうだい!もう、こんな世界にいてもなんの意味もないわ!」
「意味ならあるさ、お前がこの世界にいるということは、この世界が消滅するまでお前の能力が暴走し続けるということだ。つまり、お前が生きていれば、このまま、全世界の人々がお前の暴走した能力のせいで犯罪者になる!こんなに面白いことがあるか!人類全てが理性を捨てて犯罪者になる!それは俺がかつて夢見た『暴力』が支配する世界そのものじゃないか!」
「じゃあ、私はこのままこの『物語』が終るまで死ねないってことね」
「ああ、そうだ!お前はこのまま生き続けて、犯罪者を増やし続けろ!」
この日、狂気が支配し、崩壊と消滅が約束された世界を生きる人類全てが犯罪者になった。

次回予告 第九十話 断罪王Z 対 断罪王F〈ファイナル〉‼職場で同僚にあいさつしない人間を非常識な人間だと決めつけるのはやめろ!悪口を言ってきたり、嫌がらせをしてくる同僚にあいさつしないといけないのが常識なら、それこそむしろ非常識なんだよ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十話 断罪王Z 対 断罪王F〈ファイナル〉‼職場で同僚にあいさつしない人間を非常識な人間だと決めつけるのはやめろ!悪口を言ってきたり、嫌がらせをしてくる同僚にあいさつしないといけないのが常識なら、それこそむしろ非常識なんだよ‼

第九十話 断罪王Z 対 断罪王F〈ファイナル〉‼職場で同僚にあいさつしない人間を非常識な人間だと決めつけるのはやめろ!悪口を言ってきたり、嫌がらせをしてくる同僚にあいさつしないといけないのが常識なら、それこそむしろ非常識なんだよ‼

断罪神O〈オフェンダー〉の能力の暴走により、全人類が理性を失い犯罪者と化した。
それに加え、俺がこの『断罪王Z』と言う名の『物語』に対して放った『狂気の波動』のせいでこの世界は狂気に支配され、秩序を失い、崩壊と消滅を始めた。
約束された終末とカオスに満ちた世界がどうなっていくのか俺にもわからない。
犯罪者と化した全人類は本能の赴くままに大型スーパーなどの商品店で強奪を繰り返し、そして強奪した商品を奪うために、また別の犯罪者たちが強奪をした犯罪者たちを襲う。『お金を払う』という概念を忘れた人類は略奪や殺人を各地で繰り返し、地球人口はたった一日で約一千万人減少した。
六人目の至極神である俺は高層ビルの屋上から犯罪者と化した人類の愚行を観察して悦に浸っていた。
「ずいぶんと楽しそうですね」
俺の目の前に白髪の美少女が現れる。
このパターンに飽きた俺は美少女を無視して、強奪と殺人を繰り返す犯罪者と化した人類の観察を再開した。
「私は『最後』を司る断罪王F〈ファイナル〉の操縦者のノアです。その名の通り、あなたを『最後』に導きに来ました」
「断罪王F〈ファイナル〉...?お前、断罪神ではないのか?」
「ええ、『神の種』に頼らなくても断罪王F〈ファイナル〉充分強いですから」
「ほう、断罪王から断罪神にパワーアップしなくても、お前は俺に勝てる自信があるということか」
「そういうことではありません、先ほども述べた通り、私はあなたを『最後』に導きに来ました」
「戦いにきたわけじゃないということだな。しかし、お前がなにをしようとこの『世界』も『物語』も『五体の至極神』もいずれ消滅する。つまり、もはやお前の存在そのものが無意味だ」
「あなたは、できれば世界と物語が消滅する前に、五体の至極神をその手で殺したいのでしょう?」
「よく、わかるな。お前、『神の種』を手に入れていない割には色々と詳しいな」
「『最後』を司る断罪王F〈ファイナル〉の能力はありとあらゆる『最後』を予知すること。つまり、簡単に言えば、未来予知です。なので私にわからないことはありません」
「なるほど、それで、お前には俺の未来が見えているのか?」
「ええ。でもこの世界が狂気に支配されてしまったせいで、どうも曖昧ですがね。一応見えますよ、瀕死の五体の至極神を倒したあなたは消滅した世界を見届けた後に平行世界の断罪王達と共に『次元』との終わりなき戦いを始める未来がね。そしてあなたを瀕死の五体の至極神の場所へと導いたのは私でした」
「そうか、なら、とっとと案内しろ、瀕死の五体の至極神の場所へと」
「別に構いませんが、先程述べたあなたの未来はあくまで狂気に支配される前の世界での未来です。あなたの安全は保障できません」
「ああ、わかってる」
「ではお互い、変神するとしましょう」
「シンゴォォォォォォォーッ‼」
俺とノアの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと金色のボディが特徴的な断罪王F〈ファイナル〉が向かいあう。
断罪王F〈ファイナル〉が手に持った杖から光が放たれる。
そして気が付けば、断罪王Zと断罪王F〈ファイナル〉は瀕死の五体の至極神のいる場所に転移していた。
「久しぶりだな、このビビり野郎どもが!」
『やはり、来たか、六人目の至極神、いや、断罪王Z』
「どうやら、俺から受けたダメージはまだ完全に治癒してないようだな」
『治癒しようとしまいと、もう我々至極神に未来はない。違うかね?』
「ああ、そうだな。お前たちは俺がこの『物語』に向かって放った『狂気の波動』によっていずれ消滅することが決定している」
『なら、なぜ、この場所に来た?』
「そんなの決まってんだろ!俺はお前たち五人の至極神をこの手で直接殺しに来たんだ」
『そうか...ならコレを見ろ...!」
五体の至極神が一つになり、巨大な木になる。
そして、木の幹の部分からラジエル城の国王ライザとラジエル騎士団の顔が飛び出してくる。
「く、狂ってる...!」
『ああ、そうだ。お前がこの世界を狂気に染めた結果がコレだ。もはや我々、至極神にすら何が起こってるのかさっぱりわからん』
「ノア!コレはお前の予知にあった未来なのか?」
「いいえ、この未来は私の予知した未来ではありません」
五体の至極神が融合した木の幹から飛び出たライザが口を開く。
「久しぶりだな、暴田リキ」
「ああ、お前、その状態でちゃんと自分の自我があるのか?」
「ああ、残念ながらね。でも、どうしていきなり木の一部になってしまったのかはわからない」
「そりゃあ、そうだろな。おそらく、俺が原因なのはわかる。でもなぜ、お前たちが木の一部になってしまったのかは俺にはわからない」
「ラジエル城を出ていく時と同じく、相変わらず、無責任な奴だなお前は」
「その通りだ」
木の幹から飛び出したラジエル騎士団隊長のラーフの顔が俺に話しかけてきた。
「ラーフ‼」
「どうして、こんなことになってしまったんだろうな...」
「おそらく俺のせいだが、俺にもよくわからないことが多すぎる。でもそれが『狂気』‼」
俺は木になってしまった五体の至極神とライザとラーフに対して『狂気の波動』を放った。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 第九十一話 断罪王Z 対 至極神‼みんなの言っていることが100%正しいと思うな‼この世界に100%正しいことなんて一つもねぇんだよ‼なにが正しいかはみんなじゃなくて自分で決めるんだよ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十一話 断罪王Z 対 至極神‼みんなの言っていることが100%正しいと思うな‼この世界に100%正しいことなんて一つもねぇんだよ‼なにが正しいかはみんなじゃなくて自分で決めるんだよ‼

第九十一話 断罪王Z 対 至極神‼みんなの言っていることが100%正しいと思うな‼この世界に100%正しいことなんて一つもねぇんだよ‼なにが正しいかはみんなじゃなくて自分で決めるんだよ‼
断罪王F〈ファイナル〉に導かれ、久々に再会した五体の至極神が一つになり、巨大な木になってしまった。
そして、その巨大の木の幹からラジエル城の国王ライザとラジエル騎士団の連中の顔が飛び出してきた。
思わぬ再会に戸惑う俺はとりあえず『狂気の波動』を五体の至極神とライザとラジエル騎士団が一つになった巨大な木に向かって放った。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂気の波動を受けた巨大な木が形を変えていく。
今の俺にできることは、狂気の産物である巨大な木に狂気の波動をぶつけることだけだ。
巨大な木がどんどん人の形へと姿を変えていく。
巨大な木が断罪王Zと姿形が同じ人型機動兵器へと変化する。
『我の名は至極神』
「そんなことはとっくに知っている。それより、なぜお前は断罪王Zと同じ姿をしているんだ!」
『お前は誰だ?』
「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!俺は名は断罪王Z!俺の親友で断罪王Ⅴ〈バイオレンス〉の操縦者でもある虐川デロシの代わりにお前を殺しに来た六人目の至極神だ!」
『殺す...?我に死という概念はない。我はいったい誰だ?』
「お前、さっき自分で至極神だって名乗っていただろうが!自分の名前を忘れちまったのか!」
「断罪王Z!」
「なんだ断罪王F〈ファイナル〉」
「巨大な木が狂気の波動を受けて誕生したあの至極神と名乗る人型兵器はおそらく、お前も薄々感づいているように、狂気の産物だ!もはや、あの至極神にこちらの常識を期待しても無駄だ!」
「なら、俺はどうすればいい?また狂気の波動をあの至極神にぶつけたところで、なにか現状が変わるとでもいうのか?」
「そもそも今、あなたの目の前で起きている狂気の全てはあなたに原因がある」
「うるせぇな‼わかってんだよそんなことは‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺の放った狂気の波動が断罪王F〈ファイナル〉に直撃する。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああッ‼なぜ私に攻撃をするんだ...!」
「ぜんぶ俺のせいだって言いたいだろう?そんなのわかってんだよ!でもなぁ、いざ、目の前にわけのわからない狂気を目の前にすると、もう、俺は自分でもなにをすればいいのかわかんねぇんだよ‼」
狂気の波動を受けた断罪王F〈ファイナル〉が光になって消滅した。
『なぜ、仲間を殺した?』
断罪王Zと同じ姿を至極神が話かけてくる。
「仲間だと?断罪王F〈ファイナル〉は仲間じゃねぇよ!」
『しかし、お前をこの場所に導いたのは断罪王F〈ファイナル〉だ。断罪王F〈ファイナルは戦いの道よりも断罪王Zをこの場所に導くことを選んだ』
「うるせぇ!俺はおめぇら至極神をこの手でぶっ殺すために断罪王F〈ファイナル〉を利用しただけだ!」
『お前はそれでも人間なのか』
「人間?くだらねぇ!人間なんて名前の生き物はこの世にはいねぇよ!人間という名前は自分たちのことを他の生き物より頭がいいと思い込んでいるバカなサルどもが勝手に名乗っている名前だ!人間という名前の生き物は人間同士の間でしか成立しない。つまり地球の立場にしてみれば、人間など所詮、他の生き物たちと同じく自然の一部でしかない!」
『なるほど、だから人間は動物や虫に名前をつけないと気が済まない』
「そうだ、誰かが名付けた動物や虫の名前が世界中で共有されるのと同じように、権力を持った一人の価値観が全世界共通の価値観になってしまう!そしてその流れは自然の一部である人間の思考や可能性を奪ってしまう」
『固定観念と同調圧力で形成された平和は人々を『安心』させる。しかし、それと同時に人々はその『安心』に依存しすぎて、その『安心』を得る以外の生き方を見つけられなくなってしまう。そして自らが『安心』できないことに気づいてしまった人々の一部が自ら命を絶ってしまう』
「そうだ、そして毎年大勢の人々が自らの命を経つ主な原因になっているのが『金』だ。労働によって得られた『金』は人々の心にかりそめの安心と平和を与えてくれる、しかし、『金』のない人間は『金』が与えてくれるかりそめの安心と平和を失い『金』のある人間より貧しく苦しい生活を強いられる。つまり『金』のない人間は死んで当然。それがこの世界の『真理』になってしまった」
『しかし、一部特権階級のやつらは働かなくても『金』を手に入れることができる。つまり国民が納めたゼーキンで生きている。お前の言っている『真理』は『真理』と言うにはあまりにも不完全で理不尽だ』
「そうだよ。だから俺は間違った『真理』が世界の『真理』と化している、この世界を破壊するために狂気の波動を自分が住んでいた世界に向けて放った。しかし、俺はある時、思ったんだ。もし自分たちが『物語』の登場人物であるならば、その間違った『真理』が真実になってしまった世界を作ったのは、この『物語』を作った存在ではないかと」
『だから、お前はこの断罪王Zと言う名の『物語』に向けて『狂気の波動』を放った。そしてその結果、この世界は狂気に包まれ、秩序を失い、いずれ消滅する運命を背負うことになった』
「俺は見た、『次元』と戦う平行世界の断罪王たちを。そして俺は『次元』の正体はこの『断罪王Z』も含めた『断罪王』という『物語』を作った存在だと思っている」
『つまり、『物語』の作者と『物語』の登場人物が戦争をしているということだな』
「その通りだ、あれはただの戦争じゃない、永遠に続く戦争だ。そして俺は至極神を殺して、あの『次元』と平行世界の断罪王たちが戦う地獄のような戦争に早く参加したい。だからお前はもう死ね」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 第九十二話 断罪王Z 対 『次元』‼親のために産まれ!親を安心させるために就職して!自分の心に嘘つきながら働き続け!みんながしているからという理由で結婚をして子供を作り!子供のために自らの心と体を労働地獄と言う名の檻に閉じ込め!病気になってまで世間体を気にして働き続け自分を犠牲にし続ける人生!そしてその先に待っているのは『老い』と『忘却』と『死』!どんなに頑張って働き続けても自分の子供が真っ当な大人になるという保証はどこにもないというのに...‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十二話 断罪王Z 対 グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼親のために産まれ!親を安心させるために就職して!自分の心に嘘つきながら働き続け!みんながしているからという理由で結婚をして子供を作り!子供のために自らの心と体を労働地獄と言う名の檻に閉じ込め!病気になってまで世間体を気にして働き続け自分を犠牲にし続ける人生!そしてその先に待っているのは『老い』と『忘却』と『死』!どんなに頑張って働き続けても自分の子供が真っ当な大人になるという保証はどこにもないというのに...‼

第九十二話 断罪王Z 対 グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼親のために産まれ!親を安心させるために就職して!自分の心に嘘つきながら働き続け!みんながしているからという理由で結婚をして子供を作り!子供のために自らの心と体を労働地獄と言う名の檻に閉じ込め!病気になってまで世間体を気にして働き続け自分を犠牲にし続ける人生!そしてその先に待っているのは『老い』と『忘却』と『死』!どんなに頑張って働き続けても自分の子供が真っ当な大人になるという保証はどこにもないというのに...‼
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王Zが放った『狂気の波動』が至極神に直撃する。
『物語』と『世界』そのものが狂気に染まり、秩序を失った影響で至極神の体が消滅していく。
『なぜ、真実の神である私が...こんなにあっさりと死なねばならないのだ...!』
「それは、この『断罪王Z』という『物語』がもう、狂気に包まれておかしくなってしまっているからだ!」
至極神の体が完全に消滅すると同時に、大きな波動が至極神が消滅した地点を中心に世界全体に広まっていく。
そして、この世界で生きる人々が見ている景色全てに亀裂が入る。
そう、この世界の平和と秩序を管理していた五体の至極神が完全に消滅したことで、世界の消滅の速度が早まったのだ。
そして、世界中に発生した亀裂からは当然のごとく大量の竜が出現し、断罪神O〈オフェンダー〉の能力の暴走のせいで理性を失い犯罪者と化した全人類と戦いを始める。
「消滅しかけている世界で行われる竜と理性を失い犯罪者と化した全人類の戦争が始まった。できれば最後まで見届けたいが、消滅するとわかっている世界にもうようはない。五体の至極神を殺し、親友のデロシとの約束を果たし終えた俺は次のステージに行かせてもらう」
断罪王Zが竜が出現した亀裂の隙間に突入する。
竜の住処である『次元』に中では、あの時と同じく、大量の平行世界の断罪王たちと大量の竜が戦い続けていた。
「すばらしい...!暴力が正当化され、命の奪い合いが永遠に続く世界‼」
断罪王Zと『次元』の中を駆け抜け、無限に襲ってくる大量の竜たちと戦い続ける。
「俺の拳が!俺の蹴りが!俺の頭突きが!俺の『暴力』が大量の竜の命を奪っていく!この感覚!最高だぜ!」
大量の竜が断罪王Zの四肢を噛みちぎる。
しかし、次の瞬間には断罪王Zの四肢が完全に再生していた。
「無駄だぜ!俺は六人目の至極神!つまり正真正銘の神だ!俺に不可能はねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
断罪王Zの両手のひらから『狂気の波動』が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王Zが放った狂気の波動は断罪王Zに襲いかかる大量の竜を消滅させるだけでなく、『次元』の空間そのものにも直撃する。
『次元』という名の空間が狂気に包まれる。
「ウアァァァァァァァァァァァァァヴィッ‼こりゃあもう何が起こるかわかんねぇぞぉぉぉぉぉゔあああああああああああああああああああッ‼」
平行世界の断罪王たちと戦っている大量の竜が一斉に動きを止め、消滅していく。
その隙に俺は大量の平行世界の断罪王たちと肩を並べて『次元』の空間の奥へと進む。
この先におそらく竜たちが守っていた『次元』の生みの親である『存在』がいるはずだ。
そして、『次元』空間の奥にその『存在』はいた。
その『存在』は断罪王に似ていた。
「ど、どういうことだ!一体何がどうなってやがる!どうして断罪王が『次元』の竜に味方しているんだ?お前はいったい誰なんだ!」
周りの平行世界の断罪王たちも困惑している。
『俺の名はグレート断罪王Ω〈オメガ〉...‼』
「グレート断罪王Ω〈オメガ〉だと!お前はなぜ、『次元』の味方をしているんだ!」
『勘違いしてもらっては困る。俺は『次元』と竜の味方じゃない、俺は『次元』と竜を支配している『存在』だ』
「なぜ、俺や他の断罪王たちと敵対するんだ?なぜ、世界に対して侵略行為を始めた?」
『かつて俺の操縦するグレート断罪王Ω〈オメガ〉と122660体の人型機動兵器による戦争があった。そして、その戦争で俺のいた世界は完全に消滅し、俺だけが生き残った。目の前の敵をすべて倒し、することがなくなった俺は『次元』を創造し、竜による平行世界への侵略を始めた。そして、自分達の世界を完全に消滅させ、することがなくなった各平行世界の断罪王たちがこの『次元』の空間に集結して俺に戦いを挑んできた』
「じゃあ、今、俺の横にいる平行世界の断罪王たちも自分たちの世界を俺と同じように完全に消滅させてきたってことか!」
『その通りだ。断罪王を操縦できるのは社会不適合者のみ。社会不適合者はまず確実に自分たちが社会に適応できないのを全て社会と世界のせいにする。そして断罪王という神に等しき力を得た社会不適合者が自分たちを受け入れない社会と世界を滅ぼすことで、自分の罪と存在を正当化する。そしてすべてが滅びた世界ではすることがない。だからここに集まり、戦い続けるしかない』
「そ、そんな!じゃあ、ここにいる断罪王は全員、俺と同じ理由でここにいる...!」
『ククク...ここにいる断罪王は全て平行世界から集まってきた断罪王だぜ。お前と同じような人間が操縦する断罪王がここにいるのは当然のことだ』
「グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼お前の目的は一体何なんだ!」
『お前と同じだよ断罪王Z!俺はここで永遠にお前たちと戦いたいだけだ!そしてお前がこの『次元』の空間に狂気の波動を放ってくれたおかげで、やっとこうして平行世界の断罪王たちと戦うことができる!』
「ならなぜ竜を刺客に使った!なぜ、そんな回りくどいことをするんだ!」
『竜も倒せないようなザコは俺がわざわざ戦うまでもないってことだ!それよりお前の狂気の波動、あれは面白い技だな、昔の自分を思い出すぜ!』
グレート断罪王Ω〈オメガ〉が断罪王Zと平行世界の断罪王たちに向かって右手のひらをかざす。
『くらえ!狂撃の断罪オメガインパクトォォォォォォォォォォォォォッ‼』
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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グレート断罪王Ω〈オメガ〉の右手のひらから放たれた『狂撃波動』が断罪王Zと平行世界の断罪王たちに直撃し、消滅させる。
『なんだ!お前らの力はその程度かァッ‼』
『狂撃波動』で消滅した断罪王Zが六人目の至極神の力で一瞬で完全再生する。
『ククク...さすが他の断罪王たちを俺のもとまで導いた断罪王だ!』
そうだ...俺はきっとコイツと戦うために今日まで『暴力』を鍛えてきたきたんだ...‼
「俺の名は暴田リキ!『終末』を司る二十六番目の断罪王!断罪王Zだァァァッ‼」
右拳を振り上げた断罪王Zがグレート断罪王Ω〈オメガ〉に向かって突撃していく。
『俺の名は小室キエイ!『宇宙の意思』と『地球の意思』を司る断罪王!グレート断罪王Ω〈オメガ〉だァァァッ‼」
右拳を振り上げたグレート断罪王Ω〈オメガ〉が断罪王Zに突撃していく。
断罪王Zとグレート断罪王Ω〈オメガ〉の拳が激突する。
断罪王Z最後の戦いが始まった。
次回予告
第九十三話 断罪王Z 体 グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼自分と誰かのために俺達が働いたところで世界から戦争がなくなるわけじゃない‼自分と誰かのために俺達が働いたところで全世界の人間同士が争い憎み合うのをやめるわけじゃない‼俺達が働いて得ることができるのは『金』と『時間』という名の不安定で矛盾に満ち嘘に塗れたかりそめの『平和』だけだ‼俺達はその不安定で理不尽な『平和』という名の集団幻想が同調圧力により『真実』『常識』として定着してしまっている世界に無理矢理誕生させられ!なんの疑問も抱かないように躾けられて真っ当に生きることを強要させられている‼誰もが『普通』という名の集団幻想が人々の心を傷つけ!絶望させていることを知りながらも知らないふり、見ないふりをしながら生き続けることを強要させれている‼



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十三話 断罪王Z 体 グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼自分と誰かのために俺達が働いたところで世界から戦争がなくなるわけじゃない‼自分と誰かのために俺達が働いたところで全世界の人間同士が争い憎み合うのをやめるわけじゃない‼俺達が働いて得ることができるのは『金』と『時間』という名の不安定で矛盾に満ち嘘に塗れたかりそめの『平和』だけだ‼俺達はその不安定で理不尽な『平和』という名の集団幻想が同調圧力により『真実』『常識』として定着してしまっている世界に無理矢理誕生させられ!なん...

第九十三話 断罪王Z 体 グレート断罪王Ω〈オメガ〉‼自分と誰かのために俺達が働いたところで世界から戦争がなくなるわけじゃない‼自分と誰かのために俺達が働いたところで全世界の人間同士が争い憎み合うのをやめるわけじゃない‼俺達が働いて得ることができるのは『金』と『時間』という名の不安定で矛盾に満ち嘘に塗れたかりそめの『平和』だけだ‼俺達はその不安定で理不尽な『平和』という名の集団幻想が同調圧力により『真実』『常識』として定着してしまっている世界に無理矢理誕生させられ!なんの疑問も抱かないように躾けられて真っ当に生きることを強要させられている‼誰もが『普通』という名の集団幻想が人々の心を傷つけ!絶望させていることを知りながらも知らないふり、見ないふりをしながら生き続けることを強要させれている‼

断罪王Zの右拳とグレート断罪王Ω〈オメガ〉の右拳がぶつかり合う。
断罪王Zの右拳から放たれた拳撃波がグレート断罪王Ω〈オメガ〉をふっ飛ばした。
断罪王Zがグレート断罪王Ω〈オメガ〉の眼前に瞬間移動。
「暴・力‼」
断罪王Zの両拳が神速の速さでグレート断罪王Ω〈オメガ〉の全身に何度も直撃する。
『ゔあああああああああああああああああああああああッ‼』
「まだ終わりじゃないぜ...」
断罪王Zの両拳によるラッシュが一度停止すると同時に断罪王Zの両拳が開かれ、狂気の波動がほぼゼロ距離でグレート断罪王Ω〈オメガ〉に向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『くらうかよぉッ!』グレート断罪王Ω〈オメガ〉が瞬間移動。
グレート断罪王Ω〈オメガ〉が断罪王Zの放った狂気の波動を回避すると同時に断罪王Zの背後に瞬間移動。
『うしろォ!もらったァッ!』グレート断罪王Ω〈オメガ〉の右拳が断罪王Zの背中に襲いかかる。
「暴・力‼」
背後のグレート断罪王Ω〈オメガ〉の気配に気づいた断罪王Zが回し蹴りでグレート断罪王Ω〈オメガ〉の頭部を蹴り飛ばす。
『ゔあああああああああッ!やるな!でも、もう遅いッ!』
しかし、グレート断罪王Ω〈オメガ〉の拳は断罪王Zの背中に直撃する。
「ぐああああああああああッ!」
背中に直撃をくらった断罪王Zの背中が一瞬で消滅する。
しかし、断罪王Zは六人目の至極神の力で超速自己再生を開始する。
『ば、化け物がァッ!』
そして断罪王Zは自己再生の途中であるにも関わらず、グレート断罪王Ω〈オメガ〉の眼前に瞬間移動。
グレート断罪王Ω〈オメガ〉は断罪王Zの攻撃を阻止するために、眼前に瞬間移動してきた断罪王Zの両手を自分の両手でつかむ。
グレート断罪王Ω〈オメガ〉は自分の手につかんでいる断罪王Zの両拳に思いっきり力を入れる。
「ぐおおおおおおおッ!」
『お前の拳を粉々にしてやるぜ!』
「俺の拳をなめんじゃねぇぞ...!」
グレート断罪王Ω〈オメガ〉の手につかまれている断罪王Zの両拳から拳撃波が放たれる。
断罪王Zの拳撃波がグレート断罪王Ω〈オメガ〉の両手を粉々にする。
『なんだと!ぐわああああああああああッ‼』
グレート断罪王Ω〈オメガ〉の両手が自己再生を始めるも、断罪王Zは両拳を神速の速さで何度もグレート断罪王Ω〈オメガ〉の全身に直撃させる。
「俺のこの拳はな!俺が今までこの拳で命を奪ってきた何の罪もない人々と、俺が今までこの拳でぶっ殺してきた断罪王たちの願いを背負っているんだ‼罪なき多くのの命を奪い!断罪王たちの願いを背負ってきた俺の拳が!おめぇみてぇな奴に簡単に粉々にされるわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
グレート断罪王Ω〈オメガ〉の全身に直撃する断罪王Zの両拳のラッシュは止まらない。
そして断罪王Zの両拳が『狂気の波動』包まれ、真っ黒な炎に包まれる。
「くらえ!俺の新必殺技!『黒双』〈こくそう〉‼」
暴田リキが幼いころから鍛え上げてきた暴力の象徴である『拳』と終末を司る断罪王Zの必殺技『狂気の波動』が一つになった必殺技、それが『黒双』〈こくそう〉である。
狂気の波動を纏った『黒い炎』に包まれた断罪王Zの左右両方の拳から放たれる『双拳』が一つになった必殺技『黒双』がグレート断罪王Ω〈オメガ〉の腹部に直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『ぐわァァァァァァァッ‼気がァァッ!気が狂るゥゥゥゥゥゥゥッ‼』
狂気の波動を纏った両拳による攻撃『黒双』が今度は神速の速さでグレート断罪王Ω〈オメガ〉の全身に何度も直撃する。
腹部だけでなく全身に狂気の波動を纏った両拳『黒双』の直撃をくらったグレート断罪王Ω〈オメガ〉は全身に直撃した『黒双』の数だけ狂気に襲われ、気が狂るう。
『痛い!頭が痛い!うぐぅああああああああああああああああああああああッ!気が狂って死ぬぅぅぅぅッ!』
グレート断罪王Ω〈オメガ〉の操縦席で全身を襲う狂気に悶え苦しむ小室キエイ。
しかし、その間にもグレート断罪王Ω〈オメガ〉の両手が完全に再生を完了する。
「グレート断罪王Ω〈オメガ〉の両手が再生した!となれば!」
断罪王Zはグレート断罪王Ω〈オメガ〉が再生させた両手から狂撃波動を放つ前に、グレート断罪王Ω〈オメガ〉を断罪王Zの『黒双』でとどめを刺そうとする。
『そうはさせるかよぉ!断罪王Zぉぉッ‼』
狂気にもだえ苦しむグレート断罪王Ω〈オメガ〉の両手のひらから狂撃波動が断罪王Zに向かって放たれる。
『くらえ!狂撃のぉぉぉぉぉぉッ!ダブルオメガ断罪インパクトォォォォォォォォ!フルパワーだァァァァァァァッ!』
「こっちも負けるかよぉぉぉぉぉぉッ!くらえぇぇぇぇッ!『黒双』‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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            VS
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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グレート断罪王Ω〈オメガ〉の『狂撃波動』と断罪王Zの狂気の波動を纏った両拳『黒双』が激突して発生したエネルギーが『光』になって広がっていく。
そして、その『光』が断罪王Zとグレート断罪王Ω〈オメガ〉と『世界』と『物語』を包み込み全てを『無』にする。
「うわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
『ぐああああああああああああああああああああッ‼』
全てが光に包まれた何もない空間を断罪王Zの操縦者、暴田リキとグレート断罪王Ω〈オメガ〉の操縦者、小室キエイが人間体のまま漂っている。
「もしかしたら俺たちがわざわざ戦い合う必要なんて最初からなかったのかもしれない...俺達は同じ社会不適合者同士だからこそわかり合えたかもしれない...」
『それは違うな...俺達は社会不適合者だからこそ、わかり合えなかった...‼なぜなら、他者とわかり合える人間のことをこの社会では社会不適合者とは呼ばないからだ...‼』
『狂撃波動』と『黒双』がぶつかり合ったことで発生したエネルギーが原因で、すべてが『無』と化した空間で暴田リキと小室キエイの肉体が消滅していく。
暴田リキと小室キエイの肉体が完全に消滅し『無』になる。
目を開けると俺の目の前には母さんと父さんと妹のザナがいた。
断罪王Zに変神した俺に殺された父さんと妹がいる場所に俺がいるということは、俺はおそらく死んでしまって、ここはおそらく、あの世だと思われる。
「そうか...俺はあの戦いで死んでしまったのか...」
俺の家族を壊し、俺が愛し続けた『暴力』は死とは無縁のあの世の住人にとっては、もはや脅威ではないのだろう。
その証拠に母さんが、父さんが、妹のザナが、俺に笑顔を見せている。
そして、母さんが俺に手を差し伸べてくる。
俺は母さんの手を握って、家族みんなに言う。
「ただいま」


この物語はフィクションです。実在する人物及び団体とは一切関係ありません。
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十四話 超地球救済戦記!断罪王BLADE〈ブレイド〉‼   20××年 5月2日

 
前書き
●あらすじ
ある日突然、妻のアカリに家出された高村友助は妻の連れ子で血のつながらない娘であるヤヨイと二人きりで一つ屋根の下で生活することになるが...。

●登場人物
高村友助   主人公。妻・アカリに家出される。
高村アカリ  友助の妻、家出中。
杉本ヒロキ  アカリの前の夫でヤヨイの実の父親。
高村ヤヨイ  アカリと前の夫・杉本ヒロキとの間にできた娘。 

 
第九十四話 超地球救済戦記!断罪王BLADE〈ブレイド〉‼

報告書 20××年 5月1日
『実験体3号』はエリアAで『怪異』と交戦。
『実験体3号』は断罪刀『弥生』〈やよい〉を用いて『怪異』を撃破。
交戦後、『実験体3号』の体に異変が見られる。
検査の結果、『実験体3号』と断罪刀『弥生』の適合率低下が判明。
『実験体3号』の廃棄および『弥生』の新適合者の捜索が決定した。
            *
20××年 5月2日
ゴールデンウィークだった。
妻のアカリがテーブル置手紙をに残して家出した。
なんで?
俺、高村友助は困惑していた。
俺がいい歳こいたフリーターだから?ヒモだから?
でも、結婚するときにアカリさんは別にそれでもいいって、言ってくれてたもんな。
まぁ、アカリさんの両親はだいぶ複雑そうな顔してたけど。
「ねぇ、ヤヨイちゃん、君のお母さんからなんか聞いてないの?」
俺は、銀色の長髪に頭の両サイドに結んであるピンク色のリボンと大きな胸が特徴的な妻の連れ子のヤヨイちゃん(高校生)に聞いてみた。
高校の制服姿のヤヨイちゃんは気まずそうに俺から目をそらすと、首をぶんぶんと横に振った。
「あっそ、なんにも知らないのね」
俺、昨日なんかアカリさんに酷いこと言ったっけ?
「ねぇ、ヤヨイちゃん、俺、昨日君のお母さんになんか酷いこと言ったっけ?」
ヤヨイちゃんはまた気まずそうに俺から目をそらして、首をぶんぶんと横に振った。
「ねぇ、いくら俺が君の本当のお父さんじゃないからってさ、こう...もうちょっと言葉使うとかさ、ちゃんとコミュニケーションしない?君のお母さんが返ってこないとヤヨイちゃんも困るんだからさ」
「大丈夫です...」
「ふぇ?」
「私が...私が友助さんを守りますから...!」
ヤヨイちゃんと初めて目が合った。
しかも、ちょっといや、だいぶ顔が赤い。
アカリさんがこの家に居たころはあんなによそよそしかったのに。
まぁ、仕方ないよな。
ヤヨイちゃんはアカリさんと前の夫との間にできた連れ子だから。
ヤヨイちゃんの立場にしてみれば、俺はほとんど他人みたいなもんだからな~と妥協してたらこれだ。
なぜ、アカリさんが家出した今になってヤヨイちゃんがこんなに情熱的な目で俺を見つめてくるのか、俺は不思議で仕方なかった。
そして、ライフラインじゃなくて...最愛の妻に捨てられたっぽい俺はとりあえず泣いた。
目の前にヤヨイちゃんがいるにも関わらず、迷子の子どもみたいにわんわん泣いた。
泣き疲れた俺は急に冷静になって、ヤヨイちゃんにアカリさん失踪の事情聴取を再開しようとした。
「ねぇ、ヤヨイちゃ...」
ヤヨイちゃんは俺に向かって、あっかんべ~をして、足早に家を出て行ってしまった。
「そっか、ヤヨイちゃん今日、学校か...でも、なんでゴールデンウィークなのに学校があるんだ?」
口ではそう言いつつも、ヤヨイちゃんのあっかんべ~のことで俺の頭はいっぱいになっていた。
先程の発言といい、あっかんべ~といい、初めて見るヤヨイちゃんの姿に俺は困惑していた。
それに加えアカリさんの家出。
大黒柱を失った俺はこれからどうすればいいのだろうか。
とりあえず時計を見た。
もうすぐバイトの時間だ。
「メシでも食うか」
冷蔵庫には朝食と思しき料理が乗せられた皿が一枚、ラップをされた状態で置かれていた。
よく見るとラップにはなにか文字が書かれたメモ用紙がセロハンテープで張られていた。
メモ用紙にはこう書かれていた。
『いつもより早起きして朝食を作りました、よかったら食べてください。いつもより早起きして朝食をつくりました、よかったら食べてください。 ヤヨイ』
なぜ、二回書いたのだろうか?
これでは、逆に食べないとこちらが悪者になってしまいそうだ。
そう、アカリさんがこの家にいたころは、料理はすべてアカリさんが作っていたのだ。
ということはつまり、このラップに包まれた朝食はおそらくヤヨイちゃんの初料理の可能性が高い。
そして俺はヤヨイちゃん初料理のモルモットに選ばれたということだ。
光栄なような...そうでないような...。
一瞬、頭にお花畑が浮かんだが、俺はとりあえず、冷蔵庫から出した皿に乗った状態のウインナーと卵焼きとブロッコリーを電子レンジで温めた。
朝食を温めている間に俺は顔を洗って着替えを済ませる。
そして、ヤヨイちゃんの作った朝食を食べる。
美味しかった。
モルモットにされてよかった。
俺は戸締りを済ませて、自転車にまたがってバイト先のスーパーに向かう。
裏口から入店してタイムカードをスキャン。
更衣室に入ると、ヤヨイちゃんと同い年の青年が私服から制服に着替えていた。
「鈴木君、おはよう」
「あ、高村さん、おはようございます」
女の子みたいな顔をした鈴木君は俺と同じ青果部門で働くバイト仲間である。
まあ、先程も述べた通り、色々訳ありらしいが、それはみんな同じことだ。
「鈴木君さ、俺さ、今日朝起きたらさ、嫁がさ...いや...やっぱなんでもない!」
「高村さん、奥さんに家出されたんですか?」
「どうしてわかるの?」
「そりゃあ旦那がいい歳こいたフリーターなら俺が高村さんの奥さんの立場でも愛想つかして絶対家出しますよ」
「泣いていいですか?」
「もう目の周り真っ赤じゃないですか、涙出るんですか?」
「今日はもう出ないと思う」
「でも、確か、高村さんの奥さん、連れ子がいましたよね、女子高生」
「よく知ってるねぇ」
「ええ、柿原さんが言ってました」
「あの人妻め~!人の個人情報を俺に無断でペラペラしゃべりやがって!」
「でもよく考えてみてくださいよ、血の繋がっていない十歳近く歳が離れた女子高生と一つ屋根の下で暮らせるんですよ。これってむしろチャンスじゃないですか!」
「バカ言うんじゃないよ、だってあの子いつも、なにかと俺を避けて...」
俺の脳裏に今朝のいつもと違うヤヨイちゃんの様子が思い出される。
『私が...私が友助さんを守りますから...!』
『いつもより早起きして朝食を作りました、よかったら食べてください。いつもより早起きして朝食をつくりました、よかったら食べてください。 ヤヨイ』
まさか...よりによってそんなこと...。
「高村さん、急に黙ってどうしちゃったんですか?」
「え、ああ。悪い、ちょっと考え事」
「今日は休んだほうがいいんじゃないですか?」
「いや、大丈夫だよ。急に休むと、あとでまた、柿原がうるさいからさ」
「つらいときは無理しない方がいいですよ」
「お、おう。ありがとな、鈴木君」
スーパーの制服に着替え終えた鈴木君はそのまま更衣室を出た。
鈴木君、ああ見えて、意外といいところあるんだよな。
スーパーの制服に着替え終えた俺は更衣室を出る。
廊下には制服姿の人妻・柿原がニヤニヤしながら両手を腰に手を当てて立っていた。
「おっす高村!鈴木から聞いたわよ!あんたさ、嫁に逃げられたんだってな!」
鈴木君はやっぱり鈴木君だった。
柿原はなにがそんなに面白いのかずっとゲラゲラ笑っている。
心が折れそうになったとき、ふいに今朝のヤヨイちゃんの熱い視線と言葉を思い出した。
『大丈夫です...』
『私が...私が友助さんを守りますから...!』
さっきまで折れそうだった心が急に温かくなる。
その時、俺は初めてヤヨイちゃんに守ってもらったような気がした。
俺は自分がおかしくなっている事を知りつつも、とりあえず今だけは前を向くことにした。

次回予告 第九十五話 20××年 5月2日 その2
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十五話 20××年 5月2日 その2

第九十五話 20××年 5月2日 その2

報告書 20××年 5月2日
『実験体12号』が断罪刀『師走』〈しわす〉を用いて『怪異』と交戦するも死亡する。
断罪刀『師走』の新適合者の捜索が決定した。
               *
「むねでっかいね」
それが、私が『学校』で聞いたシワスちゃんの最後の言葉だった。
シワスちゃんはいつもニコニコしていた、いつも上半身を左右に揺らしていて、とにかく落ち着きのない子だった。
いつも私が教室の席に座ると、前の席に座っているシワスちゃんが私の方に振り向いてにこやかに告げる。
「むねでっかいね」
貧乳のシワスちゃんに巨乳の苦労がわかるのかと問いただそうとするも、シワスちゃんのにこやかな笑みに私は何も言い返すことができない。
私はとりあえず、お返しとばかりにシワスちゃんの頭を撫でた。
シワスちゃんは満足したのか、体を黒板のある方に向けて、上半身を左右に揺らしながら、人間観察をにこやかに再開した。
教室に金髪のツインテールが特徴的なサツキちゃんは入ってきた。
サツキちゃんは戦闘で負傷したのか右腕に包帯を巻いてる。
シワスちゃんはにこやかにサツキちゃんに言う。
「それかっこいいね」
バカなシワスちゃんはきっとサツキちゃんの右手に巻かれた包帯を漫画か何かのコスプレと勘違いしたのだろう。
サツキちゃんはキッとシワスちゃんをにらみつけると、シワスちゃんの頬にビンタをくらわせた。
それでも、シワスちゃんは何事もなかったかのように笑っている。
サツキちゃんはなにかおぞましいものを見るような目でサツキちゃんをにらむと、どこか悲しそうな顔をして、自分の席に座った。
そして今日の朝、『先生』の口からシワスちゃんが『怪異』との戦闘で戦死したことが告げられた。
断罪刀『師走』の新しい適合者はまだ見つかっていないそうだ。
今、思えば、シワスちゃんはきっと生まれつき恐怖とかそういう感情がわからない子だったんだと思う。
だからサツキちゃんは自分がビンタをくらわせたシワスちゃんが何事もなかったかのように笑っていたことに違和感を感じた。
そして、サツキちゃんは気がついていた。
シワスちゃんはきっと『死』の恐怖すら感じていないことに。
だからきっとサツキちゃんは急に悲しそうな顔をしていたんだと思う。
『怪異』との戦闘で敗北し、死んでしまったシワスちゃんはいったいどんな顔をしていたのか私にはわからない。
でも、きっとシワスちゃんは死に際もニコニコと笑顔を浮かべていたにちがいない。
「なんだヤヨイちゃん、暗い顔して、学校でなにかあったのか?」
友助さんの言葉が私を現実に引き戻す。
「う、うん。友達がね、病気で死んじゃったの」
「そ、そうか、そりゃあ大変だ...それより、今日の朝食おいしかったぞ!ヤヨイちゃんが料理もできるなんて義父さん知らなかったよ!今日の夕飯のハンバーグもおいしいし!」
「あ、ありがとうございます...」
友助さんがせっかく料理を褒めてくれているというのに、私は顔に苦笑を浮かべるのが精いっぱいだった。
「今度から食事の材料費は俺が出すよ。アカリさんからもらっていたお小遣いは、自分の欲しいものつかいなさい」
「欲しいもの...?」
「ああ、服とか、お菓子とか」
「私...服もお菓子も欲しくありません...」
「ふぇ?」
「お金で買えるものなんでたかがしれてます...私が...私が欲しいのは...」
脳裏にシワスちゃんの無垢な笑顔がよぎる。
そして、そのシワスちゃんは死んだ。
わかっていた、『私達』が常にそういうリスクを背負っていることぐらい。
だから、そうなる前に、勇気を出して言っておかないときっと後悔すると思った。
「私が欲しいのは!」
着信音が鳴り響く。
「あれ、この着信音、もしかしたらヤヨイちゃんの携帯?」
私は電話に出る。
携帯の受話口から女の人の声で英語の音声が流れる。
「友助さん...私、学校に忘れ物しちゃったみたいなので、ちょっと外に出てきます」
「あ!先生からか...もし、欲しいものがあったら遠慮せずになんでもいいなさい」
ヤヨイちゃんは頬を朱にそめたまま、俺をにらむ。
そして、なにも言わずに家を出た。
「俺、なにかヤヨイちゃんの気に障るようなこと言っちゃったかな...」
でも、こんな真夜中に普通、忘れものぐらいで先生が生徒呼び出すか?
「あ、そっか、そういうことか!ヤヨイちゃんも、もう、そういうお年頃だもんな!彼氏の一人ぐらいは...って、こりゃあ、まずいぞ!なんたって真夜中だ!ヤヨイちゃんになにかあったら、アカリさんがこの家に返ってきたとき、アカリさんに合わせる顔がない!」
俺は一応、義父として、保護者として、ヤヨイちゃんの身の安全を守る為に外に出た。
俺はヤヨイちゃんが通っている学校に向かって月明かりが照らす夜道をひたすら走る。
明日は筋肉痛確定だ!
次回予告 第九十六話 20××年 5月2日 その3

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十六話 20××年 5月2日 その3

第九十六話 20××年 5月2日 その3

俺は真夜中に学校に忘れ物を取りに家を出たヤヨイちゃんを家に連れ戻すために、夜道を走る。
おそらくヤヨイちゃんの言っていた忘れ物というのはウソだろう。
実際は彼氏なにかに会いに行ったに違いない。
それにこの真夜中だ!もうどんな間違いが起きてもおかしくない!
ヤヨイちゃんの実母のアカリさんが家出した今、ヤヨイちゃんをオオカミと化した男子高校生から守れるのは義父の俺だけなんだ!
しかし、学校まであともうすこしというところで俺はとんでもないものを遭遇してしまった。
俺の目の前に金髪のツインテ―ルが特徴的な女子高生が道の真ん中で全身血塗れになった状態で仰向けに倒れている。
なぜ、このタイミングで!
いやいや、ここは人命優先だ、俺は携帯電話で救急車を呼ぼうとした。
「やめて!救急車は呼ばないで!」
血塗れの女子高生が叫んだ。
「そ、そんなこと言ったって君、このままだと、どう考えても死んじゃうぜ?」
「あのね、私はあんたのためを思っていってるの」
「そ、そんなこと言っても、ここで君を見捨てたら俺は一生後悔すると思う」
「増援が来れば、私は助かるから、このまま放っておいて」
「増援?なんだ、君は軍人なのか?でも、こんな暗い夜道の真ん中で倒れてたら車に轢かれてしまうぞ!」
俺は女子高生の体を肩に担いで、街路の脇に横たわらせる。
おそらくもう五分は過ぎたはずだ。
それなのに、女子高生が言っていた増援とやらは来ない。
「おい、増援、来るんじゃないの?」
「もしかたしたら、見捨てられたのかもね...」
「そ、そんな...じゃあ、なおさら救急車を呼んだほうが...」
「学校で友達が死んだわ...」
「ふぇ?」
「いつもニコニコしてる無神経な女だった...だから一発ビンタをくらわせてやったわ」
「バ、バイオレンス...」
「でも、その子、笑ってた。まるでこの世界に怖いものなんて何一つないみたいに...」
「そ、その子死んじゃったの?」
「ええ、そうよ。でも私はあの子と違って、まだ死にたくないわ...」
「なら、救急車を!」
「救急車を呼んだらおそらくあなたはもう今の生活には戻れない...」
「ふぇ?」
「あなた達が当たり前だと感じているつまらない日常を大事にしなさい...そうすれば私達の努力はきっと報われる」
俺と女子高生の前にサイレンを鳴らしていない救急車が急停止する。
救急車からはスーツ姿のイカしたおじさんが出てくる。
「おいおい、なにおセンチな気分に浸ってんだよ、サツキちゃん」
「遅いわよ...!バカ...!」
「あ、あの...」
俺の存在に気づいたイカしたおじさんが満面の笑みを浮かべて口を開く。
「ああ、俺、サツキちゃんの彼氏です」
「死ね...」
「冗談冗談。サツキちゃんさ、怒ると傷口が開いちまうぜ」
救急車から担架を持った医療スタッフたちが出てくる。
「君、高村友助だろ?」
「は、はぁ...なんで俺の名前知ってんの?」
「そりゃあ、知ってるに決まってるだろぉ~」
「おい!ジジイ!あまり私たちのことは...」
担架に乗せられたサツキちゃんがイカしたおじさんを叱責する。
「はいはい。とにかく、足を負傷して動けないサツキを道路脇に寄せてくれてありがとな」
「み、見てたんですか?」
「GPSだよ、G・P・S!じゃあな!」
どこか陽気でイカしたおじさんはサツキちゃんを乗せた救急者の助手席に乗り込む。
そしてそのまま、瀕死の女子高生を乗せた救急車はサイレンも鳴らさず、俺の前から走り去って行った。
携帯の着信音がなる。
電話に出ると受話口からヤヨイちゃんの声が聞こえる。
「友助さん、どこか出かけてるんですか?ケガはないですか?」
ヤヨイちゃんの声が震えている、もしかして泣いてるのかな?
「お、俺は大丈夫、ちょっとジュース飲みたくなって、自販機で買ってきただけだから。それより忘れ物、学校にちゃんと取りにいったの?」
「は、はい...体操着、今日結構、汗かいちゃったんで洗濯しなくちゃって思って...」
「あっそぉ!な~んだ!俺の誤解か、よかったよかった!」
「誤解?」
「ううん、こっちの話、ほんじゃ、電話切って家に帰るわ」
「友助さんのお夕飯、温めておきますね」
「うん、ありがとう」
俺は電話を切る。
俺は家に帰ることにした。
「友助さん、自販機にジュースを買いに行った割には、ずいぶんと汗だくですね」
「ハハ...そんなことより俺、腹減っちゃったよ」
「お夕飯、今、温め終えたばかりですよ」
「そうなの?いや~たすかるな~!」
俺とヤヨイちゃんは夕食を再開させる。
それにしても、あのイカしたおじさん、どうして俺の名前を知っていたのだろうか。
「友助さん、おいしいですか?」
「うん、おいしい」
ヤヨイちゃんの笑顔がまぶしかった。

次回予告 第九十七話 20××年 5月3日




 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十七話 20××年 5月3日

第九十七話 20××年 5月3日

報告書 20××年 5月3日
『実験体5号』が断罪刀『皐月』〈さつき〉を用いて『怪異』と交戦し、瀕死の重傷を負う。
その後、増援に駆け付けた『実験体3号』(適合率低下による廃棄予定)が断罪刀『弥生』〈やよい〉を用いて『怪異』を撃破。
瀕死の重傷を負った『実験体5号』は『実験体3号』の実父で『実験体部隊責任者』の『杉本ヒロキ』が回収した。
            *
20××年 5月3日
突然、私が寝ていた病室のベットのカーテンが開かれる。
「サツキちゃ~ん、具合はどうだい?」
「なんだジジイか...コレで具合がいいように見える?」
そう、私は先日の『怪異』との戦闘で瀕死の重傷を負ってしまった。
「でも上からはまだ廃棄命令は出てないぞ。あとジジイじゃなくて杉本な」
「呼び捨てでいいわけ?」
「いいよ。というかよかったな、廃棄命令出なくて」
「うん...まあね。でも結局、上から廃棄命令が出なかったのは私のケガというよりは『皐月』との適合率が落ちてなかったってことだろ?」
「んまぁ、そういうことだね」
「それより、昨日のアレ、大丈夫だったのか?」
「ん?ああ、高村友助のこと?」
「ああ、本当ならあの場で催眠暗示で私たちに関する記憶を消すべきだった」
「でも本当にそうしてたらさ、きっとさ、俺さ、『娘』にぶっ殺されて、今ここにいないぜ、たぶん」
「その『娘』のほうは本当に『今のまま』でいいの?」
「ああ、適合率低下で廃棄命令のことね。そりゃあ、自分の実の娘だからさ、本当はさ、なんとかしないといけないんだけどさ、でも一応、上に従うのも仕事だからさ」
「自分の娘の命より、仕事を選ぶの?」
「いじわる言うなよ。あ、そういえばさ、ちょっと前にさ、それっぽいことアカリにも言われた!」
「最低の父親ね」
「ああ、これじゃあアカリに離婚してくれって言われても仕方がないよな」
「ごめん、ちょっと言い過ぎたかも...」
「いや、いいんだ。それよりサツキちゃんが元気そうでよかったよ」
「うん、わざわざごめん、す...杉本」
杉本が私の頭をなでる。
「ちょっと、勝手に触らないでくれる?」
「いいだろ別に、っていうかお前、顔赤いぞ」
「う、うるいさい!とっととどっか行け!」
杉本が足早に病室から出ていく。
           *
「これ...お弁当です」
「え、もしかして手作り?」
ヤヨイちゃんが頬を真っ赤に染めた状態で俺の視線から目を背けるとコクリと頷く。
「だって、今日からアルバイトの勤務時間が増えたって聞いたので...」
そう、アカリさんが家出してしまった影響で俺はバイト先の担当者に土下座して勤務時間を四時間から八時間に増やしてもらったのだ。
ちなみに土下座は担当者に言われたからしただけである。
「助かるよ、ありがとうな!」
「はい!」
ヤヨイちゃんが満面の笑みを浮かべる。
俺はヤヨイちゃんの手作り弁当をバッグに入れると自宅を出て、バイト先のスーパーに向かった。
更衣室ではまた鈴木君が着替えていた。
「おはよう!」
「お、おはようございます...高村さん、今日はなんか元気っすね」
「おう!今までは家事の都合で四時間しか働けなかったが、今日からはフルタイムだからな!」
「でも、四時間からフルタイムになったら家事とかどうするんですか?午前中は娘さん、学校ですよね?」
「ま、なんとかなるさ!あははははははははッ!」
「奥さんに逃げられたり、担当者に土下座強要されてた割には随分とポジティブですね」
「ああ、なんたって今日は娘が手作り弁当を作ってくれたんだぜ!」
「めずらしいですね、高村さんの娘さん」
「そうか?」
「そうですよ、女子高生ってふつう、父親に対して辛辣じゃないですか。正直ちょっと怖いです」
「怖い?」
「ええ、だって、奥さんが家出してからでしょう、血のつながっていない娘さんが高村さんに手作り弁当作ってくれたのは」
確かに、鈴木君の言う通り手作り弁当以外にも心当たりはいくつかある。
「なんだよ~鈴木く~ん!もしかしてうらやましいの?俺のこと?」
「あ~はいはい!そうですね~!つーか早く制服に着替えないと、また柿原さんに色々言われますよ」
「おっと、そうだった、そうだった」
俺は制服に着替えながらずっと考えていた。
今までずっと見て見ぬふりをしてきたある問題について。
俺に対して異常なまでに献身的なヤヨイちゃんについて。
俺は自問自答しながらも、結局、問題を先送りにすることにした。
今が楽しければ、それでいいと思ったから。

次回予告  第九十八話 20××年 5月3日 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第九十八話 20××年 5月3日 その2

第九十八話 20××年 5月3日 その2

報告書 20××年 5月2日 
20××年 5月2日、夜頃、『実験体9号』のGPS反応が途絶える、原因は不明。
情報漏洩の防止のため、上層部は『実験体9号』の処分と断罪刀『長月』〈ながつき〉の回収を『実験隊部隊』に要請した。
これに対し、『実験隊部隊』は『実験体11号』を『実験体9号』の処分のために出動させる。
『実験体9号』の捜索中に『実験体11号』のGPS反応が消失。
『実験体部隊』のスタッフと医療班によると『実験体11号』のGPS反応が消失した地点に『実験体11号』の死体が確認された。
『実験体部隊』は『実験体11号』の死体に断罪刀で切り付けられたような形跡が見られたことから、『実験体11号』は『実験体9号』に殺された可能性が高いと判断した。
『実験体部隊』は引き続き、『実験体9号』の捜索を開始した。
              *
20××年 5月2日 夜
「ひどいケガね、サツキ」
杉本が病室からいなくなってすぐに、薄紫色の長髪が特徴的なナガツキが病室に訪ねてきた。
「アンタが他人のお見舞いだなんで、なんかめずらしいわね」
そう、ナガツキは冷静沈着・傲岸不遜をまるで絵にかいたような少女だった。
「ねぇ、サツキは断罪刀の力を『怪異』以外のことに使ってみたいとは思わない?」
「ナガツキ...あんた...殺されたいの?」
私は病室内に盗聴器が仕掛けられていることをナガツキに対して示唆する。
「ああ...盗聴器のことね、いいわよべつにそんなの」
「別にって、あんたねぇ!」
「仮にここの軍人達が束になっても、断罪刀を所有している私たちに勝てるわけないんだから、サツキだってそれくらいわかってるでしょう」
「そういうことじゃないでしょ!その軍人の代わりにあんたを始末するのが誰なのかぐらいアンタにだってわかってるはずよ!」
「そうね、断罪刀の所有者を殺すことができるのは『怪異』か断罪刀の所有者だけ」
「そうよ、アンタは仲間に戦友を殺させる気なの?あんたを殺す仲間の気持ちを考えなさいよ!」
「単刀直入に言うわ、私はもうここには帰らない」
「そんな...ただでさえ、シワスがいなくなってみんな落ち込んでるのに、あんたまでいなくなったら私たちはいったいどうすればいいのよ!」
「シワス...フフッ」
「なにが面白いのよ!」
「だってその『シワス』とかいう名前も結局、本名じゃなくて、ただのコードネームでしょ、本当なら『実験体12号』って呼べばいいのに、杉本が上層部に非人道的だとかなんとかクレームつけて無理矢理みんなに『断罪刀』の名前のコードネームをつけて、それで断罪刀との適応率が落ちれば、たとえそれが自分の娘で廃棄でハイサヨナラ。あなたこそいつまで『こんなところ』にこだわってるわけ?」
「ナガツキ...確かにアンタの言ってることは一つも間違ってないわ」
「そんなこと言ってもいいの?盗聴器に録音されてるかもよ?」
「いいわよ別に、だってあんたはここで私が始末するんだから!」
私は病室のベッドから上半身を起こそうとするも、ケガのせいで体が全く動かない。
「あらあら、言ってることとやってることが矛盾してるわね」
そっかナガツキはこうなるのも予測して私のいる病室に来たのか...。
「私を殺したければ、とっとと殺しなさい。でもその前に一つ、お願いがあるわ」
「なに?」
「アンタは...アンタを始末しにきた仲間に殺されそうになったら...その仲間を本当に殺せるの?」
「その質問、もはや答えるまでもないわね」
そう言ってナガツキは病室から出ていった。
結局、ナガツキは私のことを殺さなかった。
だから私はナガツキのGPS反応が消えるまで、ナガツキのことを杉本に報告しなかった。
それにしても、あの冷静沈着・傲岸不遜をまるで絵にかいたようなナガツキが私のお見舞いに来たのにはいったいどんな目的があったんだろうか。
もしかすると、あれがナガツキなりのお別れのあいさつだったのかもしれない。
シモツキがナガツキの返り討ちにあって死亡したのを知ったのはその翌日の朝だった。
            *
20××年 5月3日

「たは~フルタイムってこんなに疲れるのか~」
バイト先のスーパーからヤヨイちゃんの待つ自宅までの帰り道の途中、俺はフルタイム出勤の恐ろしさをその身に味わっていた。
「でも、ヤヨイちゃんの手作り弁当おいしかったな~」
でも、家に帰れば、まだ俺には家事が待っている。
料理はヤヨイちゃんがしてくるとして、これで明日も出勤だと思うと先が思いやられる。
そしてその現状が、俺にアカリさんがいなくなってしまったことを想起させ、俺自身を追い詰める。
「ゔあああああああああ~ッ!」
俺は思わず空に向かって叫び声を上げる。
「痛ッ!あああッ!私のアイスクリームがぁッ!」
視線を前に戻すと、学校の制服に身を包んだ薄紫色の長髪が特徴的な少女が地面に落ちたアイスクリームを見て落ち込んでいる。
もしかして、俺が空に向かって叫んでいる途中で、この少女とぶつかってしまったのだろうか。
「あの、もしかして、そのアイスクリーム落ちちゃったの、俺のせい?」
「そうよ!道歩くときはちゃんと前見て歩きなさいよ!」
「ごめん、俺、弁償するよ、おいくら?」
「だめよ!今すぐ私に土下座しなさい!弁償するのはそれからよ!」
「ふぇ?」
バイト先でも担当者に土下座、そして公道でも女子高生に土下座、もう俺の人生いったいどうなってんだよ。
俺はとりあえず、薄紫色の長髪が特徴的な少女に土下座した。
そして土下座し終えた俺は女子高生からアイスクリームの値段を聞いて、財布の中身を確認する。
「あの~昨日お金降ろすの忘れて、財布の中身がすっからかんなんですが...」
「嘘ついても無駄よ!財布の中身見せなさい!」
薄紫色の長髪が特徴的な少女が俺の手から財布を乱暴に取り上げて中身を確認する。
そのついでに薄紫色の長髪が特徴的な少女は俺の財布から運転免許証を抜いて、目を通す。「高村...友助...!」
薄紫色の長髪が特徴的な少女の顔が俺を一瞬睨みつけるも、すぐににんまりと笑顔になる。「なるほど...これはこれで案外面白そうなことになりそうね」
「ふぇ?」
「いいわ、この時間じゃ、どの銀行も閉まっちゃっただろうし。そのかわり、明日またここで会いましょう?アイスクリームの弁償はその時にお願いするわ」
「いや、でもコンビニでお金おろせば...」
「だって手数料かかっちゃうでしょ?私がしてほしいのはアイスクリームの弁償だけよ」
「はぁ...でも俺、明日、バイトでなにかあって残業になったら、明日のこの時間にここに来れるかわからないよ」
「なら、連絡先を交換しましょう?」
「ふぇ?」
薄紫色の長髪が特徴的な少女がメモ用紙にボールペンで何か書き終えると、俺に一方的に突き出してくる。
「ほら、これ私の名前と連絡先よ。あなたの連絡先は?」
「携帯持ってないの?」
「持ってるわよ、でも、使うと位置情報が逆探知されちゃうのよ」
「逆探知?」
「ああ~もう!そんなのどうでもいいからとっと書きなさいよ、はいメモ用紙!」
俺はとりあえず、薄紫色の長髪が特徴的な少女からもらったメモ用紙に連絡先を書こうとするも、手元にボールペンがない。
「あの、ボールペンが...」
「はい!」
「あんがと。え~とっ、ほい!これ、ボールペンとメモ用紙。でも本当にいいのか?もし俺が君に連絡したり、君が俺に連絡したら、君が困るんじゃないか?なんかさっき言ってだろ、逆探知がどうとか」
「大丈夫、私こう見えて最強なんだから!じゃあね!いい歳こいたフリーターさん!」
「うるせぇ!」
薄紫色の長髪が特徴的な少女はボールペンと俺の連絡先を受け取ると足早に俺のもとを去っていった。
俺の手にあるメモ用紙には薄紫色の長髪が特徴的な少女の電話番号と名前が記されていた。
「桜乃ナガツキ...めずらしい名前だな」

次回予告 第九十九話 20××年 5月4日  
 

 
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第九十九話 20××年 5月4日

第九十九話 20××年 5月4日 

報告書 20××年 5月3日
20××年5月3日、夕方頃、『実験体3号』の義父『高村友助』を監視していたスタッフから『実験体9号』がアルバイト先から帰宅途中の『実験体3号』の義父・『高村友助』に接触したとの連絡があった。
その後、連絡を入れたスタッフと音信不通になる。
『実験体3号』の義父『高村友助』の監視は別のスタッフが担当することになった。
           *
20××年 5月4日
特に残業もなく、勤務が終了した俺は銀行でお金をおろして、俺がダメにしてしまったアイスクリーム代を弁償するために、昨日ナガツキと会った場所に急ぐ。
「お~い、ごめん待った?」
「ううん、多分、昨日と同じぐらいよ」
「あの、コレ、きのうのアイスクリームのお金」
「だめ、ちゃんと買ってきて!」
「え~!あの、何味ですか?」
「説明するのがめんどくさいからアイスクリーム屋までついて来なさい!」
「わ、わかりました...」
俺はナガツキちゃんの後についてアイスクリーム屋に向かう。
「ねぇ、後ろ歩いてないでこっち来なさいな」
「いや、俺でもアイス屋の場所わからないし...」
ナガツキが急に俺の右手に抱き着いてきた。
「おい!お前!な、なにやってんた!俺、こう見えて既婚者だぞ!」
「知ってるわよ、そんぐらい」
「ご、ご近所の方々に見られて変な噂が広まったらどうしてくれるんだ?」
「いいじゃない!見せつけてやれば!」
ナガツキちゃんが高層ビルの屋上に向かってウィンクする。
「な、なに高層ビルに向かってウィンクしてるんだ?」
「見せつけてるだけよ、『私たち』をね」
「よ、よくわからんが、とにかく離れろ!」
俺の目の前にはバイト終わりと思われる私服姿の鈴木君と柿原がいた。
「あれ、もしかして高村さん?」
「げっ、鈴木君?それに柿原!」
「だれこの人たち?」
ナガツキちゃんが聞いてくる。
「ああ、この人たちはバイト先の同僚だよ」
「ふ~ん」
「高村さん、奥さんに家出されて落ち込んでいた割には案外切り替えが速いすっね、しかも女子高生とか」
「ち、ちがうこれは誤解なんだ!」
「おい、鈴木ィッ!おもしれぇから警察呼べ!」
「柿原!ちがう!これは誤解だ!あと全然おもしろくねぇよ!鈴木君!なに携帯いじってんだ!」
「あのさぁ!」
ナガツキちゃんの大きな声が俺と鈴木・柿原のやり取りを遮った。
「悪いけど私たちの邪魔するのやめてくれない!それに、あんまり友助のこといじめてると、あなた達、『あの女』に殺されちゃうわよ!」
ナガツキちゃんから発せられる得体のしれない威圧感に俺と鈴木・柿原は動揺してなにも言い返せない。
「おい、鈴木...帰るぞ...!なんかよくわかんねぇけど、ありゃちょっとヤバイ女だぞ...」
「うっす...柿原さんがそういうなら、きっとそうなんでしょうね...」
「おい、鈴木それどういう意味だ!」
柿原がスズキの右耳を引っ張っている。
「痛てて...!高村さ~ん、また明日、職場で!」
「お、おう...なんか悪かったな!」
「友助...ごめん...ちょっと言い過ぎたかも...」
「どっから質問していいのかわかんないけどさ、ありがとな、俺のこと助けてくれたんだろ?」
「う、うん」
ナガツキちゃんが俺の右手から離れる。
「な、なんか気まずいな、あは、あははは」
「着いた、アイスクリーム屋」
「お、おう」
俺はナガツキちゃんに四川風・麻婆茄子味のアイスクリームを買ってあげて、店を出た。
「それ、おいしいの?」
「うん、友助も食べる?」
「嫌です」
「言い方!」
「すんません」
ナガツキちゃんがまた俺の右腕に抱き着いてくる。
「た、食べながらそういうことするのは行儀が悪いぞ」
「いいじゃないべつに。たぶん、私、こういうの今日で最後だと思うわ」
「ふぇ?」
「私ね、家族と喧嘩して家出してるの」
「い、家出?」
アカリさんの家出を思い出して急にお腹が痛くなってくる。
「ねぇ友助、今日だけでいいからさ、友助に家に泊めてよ」
「ふぇ?そ、そりゃあ、い、いいけどさ、一応、義理の娘がいるしなぁ...」
「今日止めてくれたらちゃんと家に帰るわ、家族とも仲直りする!いいでしょ?」
「わ、わかった!そのかわり!今日だけ!今日だけだからな!あと友助じゃなくて、友助さんな!たぶんわかってると思うけど俺、君より年上だからな!あと、俺の腕から離れろ!ヤヨイちゃんに誤解されたくない!」
「はいはい」
ナガツキちゃんが俺の右腕から離れる。
そして俺はナガツキちゃんと一緒に帰宅した。
俺は玄関のドアをガキで開けて、ナガツキちゃんと共に自宅に入る。
「ただいま、ヤヨイちゃん」
「おじゃましま~すっ!」
洗い終えたばかりの皿をハンドタオルで拭いていたヤヨイちゃんの視線がナガツキちゃんの姿を捕らえたその瞬間。
ヤヨイちゃんの手から皿が落ちた。
床に割れた皿の破片が散乱する。
ヤヨイちゃんの顔が恐怖で青ざめている。
「友助さん、その人から早く離れてください...」
ナガツキちゃんがヤヨイちゃんに抱き着く。
「やっぱりここにいた。会いたかったよヤヨイちゃん」
「え、もしかして二人とも知り合いなの?」

次回予告 第百話 20××年 5月4日 その2


 
 

 
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第百話 20××年 5月4日 その2

第百話 20××年 5月4日 その2

ナガツキちゃんと一緒に帰宅した俺を見て、恐怖に顔を青ざめさせるヤヨイちゃん。
一方、そんなこともお構いなしにヤヨイちゃんに抱き着くナガツキちゃん。
もしかして二人は知り合いなのだろうか?
私の耳元でヤヨイちゃんが友助に聞かれないようにに小声でささやいてくる。
「あなたは自分が置かれている状況をちゃんと理解しているんですか?」
私も友助に聞かれないようにヤヨイちゃんの耳元で小声ささやく。
「理解してるに決まってるじゃない。それより私と手を組まない?私とヤヨイちゃんが手を組めば怖いものなんてないわ、それにこのままだとヤヨイちゃん、廃棄されて死んじゃうよ、それでもいいの?」
「なんだ二人ともくっついちゃって!それに俺の前でこそこそ話か!絵的には尊いが、なんか感じ悪いぞぉ!」
ヤヨイちゃんの両手が私の体を突き放す。
「す、すいません、友助さん!ナガツキちゃん、ちょっと具合が悪いそうで」
「もしかして、あのアイスじゃないか?あの四川風・麻婆茄子味のアイスクリームじゃないか!ぜったいそうだよ!」
「四川風・麻婆茄子味のアイスクリーム?」
「そうそう!聞いてよヤヨイちゃん!」
俺はヤヨイちゃんに、ナガツキちゃんにはじめて会ってから一緒に帰宅するまでのいきさつを話した。
その間、ナガツキちゃんはリビングのクッションで爆睡していた。
「そう...ですか、なんか色々と大変だったんですね」
「そうなんだよ、途中で鈴木君や柿原に遭遇するわ、誤解されるわで、もう大変でした」
次の瞬間、玄関の方から爆発音がしてきた。
「うわ、なんだよ!」
玄関のほうに行くとドアが爆破されていた。
サツキちゃんを介抱した際に遭遇したイカしたおじさんが自宅に不法侵入してきた。
「入るぜ」
「入るな!」
不法侵入してきたイカしたおじさんがリビングのクッションで爆睡しているナガツキちゃんを足先で小突く。
「おい、『実験体9号』寝たふりはやめて起きろ」
「ちょっとイカしたおじさんよぉ、俺の家の玄関どうしてくれんの?」
「イカしたおじさんじゃない!杉本だ!」
「杉本...どっか聞いたことがあるような」
ヤヨイちゃんが俺が今まで見たことがない怖い顔で杉本をにらんでいる。
そりゃあ、家の玄関のドア爆破されて不法侵入されたら誰でも怒るよな。
目を覚ましたナガツキちゃんが杉本を見つめる。
「おはよ」
「自分から俺達に殺されに来たのか?」
「杉本さんこそ、状況が状況なだけに、いつもよりちょっと怖い顔してるね」
「素直に連行される気はあるのか?」
「あるわけないじゃん、それよりさ、口の利き方に気をつけたほうがいいわよ、ここには友助がいるんだからさ」
「え、どういう意味?」
状況が把握できていない俺にヤヨイちゃんがいきなり抱き着いてくる。
杉本が舌打ちをする。
「や、ヤヨイちゃん!こんな人目の多いところでそんなこと...じゃなくて!い、いきなり抱き着いてどうしたんだい?しかも震えてるじゃないか?」
ヤヨイちゃんが泣きそうな顔で訴えてくる。
「友助さん、私のお願い聞いてくれますか?」
「ああ、もちろんだよ」
「今すぐここから逃げて警察を呼んでください」
「そ、それはその通りなんだけどさ、だったヤヨイちゃんも一緒に!」
「私、ちょっと今、怖くて足がすくんでいるんです」
「そ、そうか!なら俺が背負うよ」
「ダメです!きっと逃げるときに足手まといになりますから!」
「ダメだ!俺は血は繋がっていないとはいえ、ヤヨイちゃんの父親だ!娘を見捨てる父親なんて最低だ!俺は絶対に君のことを見捨てない!
俺の言葉を聞いたナガツキちゃんが杉本を指さして爆笑している。
「アーハッハッハッ!おもろいわ!ヒーッ!ヒーッ!おもしろすぎる!」
「笑ってる場合か!」
「そんなに怒んないでよ友助。あーはいはい、わかりましたよ、とりあえず私はこの家を出るわ」
「え、でも家族と喧嘩してるんだろ?本当に大丈夫なのか?」
「今日はとても面白いものが見れたからね、そうでしょパパ?」
ナガツキが杉本に抱き着く。
ヤヨイちゃんが複雑そうな表情で杉本から視線をそらす。
「なんだ~もしかして、杉本さんってナガツキちゃんの父親だったのか!それならなっとくいくな!いや、待てよ!こっちは玄関のドア爆破されたんだ!やっぱりちょっと待て!」
「今日は悪かったな。後で弁償してやるから、じゃあな」
ナガツキちゃんに抱き着かれたまま、杉本が玄関の方へと向かっていく。
「おい!警察呼ぶからちょっと待ってろ!」
「知らん、通報したけりゃ勝手にしろ!どうせ無駄だから!」
ナガツキちゃんと杉本が自宅からいなくなった。
「はぁ~今日は散々な一日だったな~玄関のドアどうしよう...」
ヤヨイちゃんが俺に抱き着いてくる。
「や、ヤヨイちゃん...!」
「友助さん...ごめんなさい...わたしのせいで」
「ヤヨイちゃんはなんにも悪くないよ!玄関のドアが爆破されたのはヤヨイちゃんのせいじゃないんだからさ!」
「違うんです...全部、私が悪いんです...」
俺の胸の中で泣きながら何かを懺悔するヤヨイちゃん。
俺は反射的にヤヨイちゃんの背中に両手を回していた。
アカリさんに対する罪悪感が心を襲う。
それでも俺はヤヨイちゃんが泣き終わるまで抱きしめ続けた。
            *
「ったくよぉ、人を勝手に人殺しの父親にするなよ『実験体9号』」
「悲しいわね、もう『ナガツキ』って呼んでくれないのね」
「そりゃあそうだろ、お前は『シモツキ』を殺した、お前はもう俺たちの仲間じゃない」
「私を殺そうとしたのはあなた達のほうでしょう?」
「殺されるのがわかってて規則を破ったのはお前が先だ、シモツキがどんな思いでお前を殺しにいったのかよく考えろ!」
「そりゃあ、シモツキは廃棄予定のあなたの娘と同じで優しい子だっからね、そりゃあ悩んだでしょうね。通りで隙だらけだったわけだ」
怒りで顔を真っ赤にした杉本さんが私に銃口を向けてきた。
「なぜ、高原友助に接触した?なぜ、ヤヨイに近づいた?」
「杉本さんが私のパパになってくれたら答えてあげてもいいわよ」
「ふざけるな!お前は俺の娘じゃない!高原友助とヤヨイみたいな家族ごっこをお前とするつもりもない!」
「どっちかって言うと、実の娘を上の命令で廃棄しようとする杉本さんよりも、友助のほうがよっぽど父親らしいと思うけど」
杉本さんが銃弾を空に向かって放つ。
攻撃の合図だ。
背後から断罪刀『文月』を手に持ったフミヅキが私に襲いかかってくる。
「あら、お久しぶり!」
私はなにもない空間から抜刀した断罪刀『長月』で断罪刀『文月』を受け止める。
「どうしたの?刀からあなたの迷いを感じるわ?そんなだと、あなたもシモツキちゃんみたいに私に殺されちゃうわよ?」
「黙れ!この裏切り者が!」
「そう、もっと怒りなさい!自分に正直になりなさい!フミヅキだってわかっているはずよ!自分の従っている組織が矛盾に満ちていることを!あなたはこのままヤヨイちゃんが廃棄されるのを黙って見ているの?私たちの苦労なんてなんにも知らない一般人のためにシワスちゃんみたいに『怪異』と戦って命を落としてそれで満足なの?」
「わ、私は!力なき人々の命を『怪異』から守る為に...戦ってるだけだ...!」
「ウソね、それはあなたの本心じゃない!杉本に洗脳されているだけよ!」
「フミヅキ!『実験体9号』の挑発に乗るな!死ぬぞ!」
「フミヅキ、さっきの杉本の言葉を聞いたでしょ?私達は実験体じゃない!私たちは人間よ!だから一緒に杉本や組織と戦いましょう!」
「な、ナガツキ...わ、私は!力なき人々の命を『怪異』から守る為に...戦っているだけだ!わ、私は!」
私の言葉にフミヅキの断罪刀『文月』に入っていた力がどんどん弱まっていく。
フミヅキが攻撃をやめた。
「フミヅキィィィィィィィッ!」
フミヅキの動揺を見抜いた杉本が私に向かって銃弾を何発も放ってくる。
私は断罪刀『長月』で杉本の放った銃弾を全て切り裂き、粉々にする。
「普通の人間の武器が私たちに通用するわけないでしょう、そう教えてくれたのは杉本さん、あなたよ」
私の意識が杉本に集中している隙をついて背後からフミヅキが断罪剣『文月』を振り下ろしてくる。
「そんなの予想済みよ」
私は断罪刀『長月』で断罪刀『文月』ごとフミヅキの体を真っ二つにする。
「フミズキィィィィィィィィィィィッ‼」
フミヅキの返り血を浴びて全身真っ赤になった私に杉本が銃弾がなくなるまで銃を連射してくる。
そして、私は使い物にならなくなった銃を手に持った杉本に近づいてく。
「フミヅキの次はあなたよ、杉本さん」
私の顔を断罪刀『如月』から放たれたと思われる衝撃波がかすめる。
「キサラギ!お前!『怪異』の方はもう片付いたのか!」
「はい!杉本さんはワゴンで退避しながら増援の要請を!」
「わかった!絶対に死ぬなよ!キサラギ!」
私と杉本の間にショートカットで小柄な体格が特徴的なキサラギが双剣の断罪刀『如月』を両手に持って現れる。
キサラギは泣いていた、おそらく、私がフミヅキを斬殺するの見たのだろう。
「そんなに泣いちゃって、それで私と戦えるの、キサラギちゃん?」
「仲間が死んで涙がでるのは当然のことです!でも、もうナガツキさんは本来『怪異』から人々を守る為に使うはずの断罪刀で仲間だった人間を!二人も殺した!だから、もう僕はたとえ相手がナガツキさんでも容赦はしません!」
「私にして見れば、ただの正当防衛なんだけどね」

次回予告 第百一話 20××年 5月5日 


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百一話 20××年 5月5日

第百一話 20××年 5月5日 

報告書 
20××年、5月4日、夜、規則違反および殺人の容疑で逃走していた『実験体9号』が高村友助を通して『実験体3号』と接触。
高村友助を監視していたスタッフの通報により実験体部隊責任者の杉本ヒロキが高村友助宅に侵入、『実験体9号』と接触。
その後、『エリアA』街路にて『実験体7号』と『実験体9号』が交戦。
これにより『実験体7号』が死亡。
別任務を終えた『実験体2号』が『実験体9号』を交戦するも、『実験体2号』が瀕死の重傷。
その後、実験体部隊責任者の杉本ヒロキの緊急増援要請により、別任務を終えた『実験体1号』・『実験体8号』・『実験体4号』が現場に到着、『実験体9号』と交戦。
瀕死の重傷を負った『実験体9号』は逃走。
『実験体9号』の捜索は引き続き続行。
なお、『実験体12号』・『実験体11号』・『実験体8号』という貴重な戦力を失った実験体部隊に対して上層部は断罪刀『弥生』との適合率の低下が原因で廃棄が決定されていた『実験体3号』の廃棄執行日を一ヶ月延長することにした。
              * 
20××年 5月4日 深夜
「まさか病人が増えるとはね」
私の隣の病室のベットにはナガツキとの戦闘で瀕死の重傷を負ったキサラギが寝ている。
「サツキさん!ケガの具合はどうですか?」
「ドアホ!人のケガの心配するより、まず自分のケガの心配しなさいよ!」
「す、すいません。でもよかったですね、ヤヨイさんの廃棄執行日、一か月延長になったそうです!」
「それ本当?」
「はい、僕、杉本さんが泣いてるの初めて見ました」
「そう...でもなんでいきなりヤヨイの廃棄執行日が一ヶ月も延期になったわけ?」
「それが、杉本さんが言うには僕たちが戦えないことと、シモツキさんに続いてフミヅキさんが戦死したことで戦力が低下したことが原因らしいです」
「なるほど、それに加え、シワスの戦死にナガツキの反逆だもんね。たった数日で断罪刀の使い手が私たちも含めて6人もダメになれば、さすがに上層部もヤヨイを廃棄して戦力をわざわざ減らすようなバカはしないわよね」
「はい...だから杉本さん、今、とっても複雑だと思います」
「そりゃそうよ、仲間が死んでくれたおかげで、自分の娘の寿命が一ヶ月延長したんだから、嬉しいやら悲しいやらでもう心がぐちゃぐちゃよ!」
「結局、ムツキさんとウヅキさんとハヅキさんの三人がかりでもナガツキさんを捕まえられませんでした。三人とも別任務を終えての合流だったみたいで」
「まぁ、ナガツキ相手に生き残れただけでも幸運よ、ちなみにミナヅキとカンナヅキは?」
「別任務で『怪異』と戦闘中だったみたいです」
「そっか、あの二人がアンタたちと合流できてたらなんとかなったかもね、それにしてもナガツキのやつもしぶといわね」
「ええ、でもナガツキさん、瀕死の重傷らしいってムツキかんから聞きました」
「まぁ、三人相手ならそうなるでしょうね、実質五人か、よく逃げられたわね」
「ナガツキさんはきっと僕たちが『怪異』から守ってる普通の人々みたいに自由に生きてみたかっただけなんでしょうね」
「そういこと言ってると殺されるわよ、この病室、盗聴器あるんだから」
「そ、そうなんですか!」
「そうよ。でもさぁ、きっと自由な人なんてどこにもいないと思わない?だって私たちが『怪異』から守ってあげないと普通の人達だっていつ死んでもおかしくないんだからさ」
「そう言われてみればそうですね」
「とにかく、もう寝ましょう。『怪異』とナガツキのせいでまた断罪刀の所有者が減れば、今度はけが人の私たちにも出動命令が出るかもしれないんだから」
「そうですね、おやすみなさい、サツキさん」
「おやすみキサラギ、よく生き残ったわね」
             *
玄関のドアを爆破した杉本が帰ったその晩、俺とヤヨイちゃんは、倉庫にあった、どういった理由でアカリさんが保管していたのかが、いまいちわからない、でかい木の板を何枚か重ね、さらにその上からガムテープを使用して玄関に設置することで簡易ドアの制作に成功した。
その日の夜から早朝にかけての防犯対策はとりあえず、その簡易ドアでなんとかしのいだ。
次の日の朝、頼んでもいないのに建築業者が新しいドアをもって杉本に爆破された玄関のドアの修理に来た。
時計を見ると、まだ朝の八時だった。
「まだ十時前だぜ、ちょっと早くない?」
「あはは...確かに」
ヤヨイちゃんは顔に苦笑いを浮かべていた。
結局、ドアの修理はその日のうちに終わった。
            *
5月5日
携帯の呼び出し音が切れる。
しばらくして俺の携帯の受話口から前妻の声が聞こえてくる。
「杉本君?なにかようかしら?」
「お、おう、アカリ、あのな、ヤヨイの廃棄執行日が一ヶ月延長されたよ」
「あっそ」
「あっそって、もっと喜べよ、自分の娘の寿命が延びたんだぞ」
「でも一ヶ月後には廃棄が執行されるわけでしょう?」
「あ、ああ、まあな。でも、実験体の中から反逆者や負傷者や死亡者が出てな、戦況によっては、廃棄執行日が伸びる可能性もある」
「それって杉本君の予想でしょ?最終的に判断を下すのは上層部よ」
「ああ、そうだな。俺さ、正直、色々あってさ、自分でももうどうしていいかわからないんだ。この前なんかヤヨイに怖い顔でにらまれちゃってさ」
「なによ、今さら。それを覚悟で『怪異』から人類を救うために組織に入って『実験体部隊』の責任者になったんじゃないの?」
「そうなんだけどさ、実際、俺、嬉しんだ。実験体のやつらが次々に死んでくれたおかげで、ヤヨイの廃棄執行日が延期されたこと。俺って最低だよな、自分の仲間が死んだのに、そのおかげで自分の娘の寿命がたった一ヶ月でも延びたことが嬉しくてたまらないんだよ」
「あのね、こっちはこっちで忙しいから、そういうのはあとにしてくれない?」
「なぁ、アカリ、お前今どこにいるんだ!お前、このままだと、ヤヨイに友助とられちまうぞ!」
電話が切れた。
「ったく、アカリのやつ切りやがった」
「逆探知すればわかるかもよ、アカリさんの居場所」
声のした方向を振り向くと、そこには水色の長髪と巨乳が特徴的な少女、ミナヅキがいた。
「ミナヅキ...いいのか休んでなくて」
「もう大丈夫、それよりごめんね、ナガツキの時、増援に行けなくて」
「別に、謝ることじゃないだろ、昨日の増援要請は緊急時のものだ、気にするな。それよりお前の相手にした『怪異』の数、いつもより多かったな」
「ええ、何か嫌な予感がするわね。ねぇ、杉本さん」
ミナヅキが正面から抱き着いてきた。
「ミナヅキ...お前!」
「迷惑ですか?でも杉本さんがとてもつらそうだったから」
「とりあえず、ここでは控えろ」
「私、杉本さんのためなら死ねます」
「よりによって今、そういう言葉は聞きたくない!」
俺はミナヅキの両肩をつかんで突き放す。
「ごめんなさい...でも私、杉本さんのこと好きです...」
「俺は上の命令が出れば、お前たちに容赦なく廃棄命令を出すような男だぞ!たとえそれが自分の娘でもな!これまでだって何人廃棄してきたか...」
「でも、杉本さんは私たち実験体に名前をくれました、わたし、ここに来る前から自分の名前がなかったのでとても嬉しかったです」
「名前っていっても、お前たちの断罪刀の名前をそのままコードネームにしただけだよ」「それに、『怪異』との戦闘で死んでしまった実験体や廃棄した実験体のためにちゃんと悲しんでくれてます」
「そっか、お前に聞かれてたんだよな、アカリとの電話」
「私が裏切りもののナガツキちゃんを殺したら、杉本さんは喜んでくれますか?」
「ノーコメントだ、でも『怪異』の殲滅とナガツキの殺害と断罪刀『長月』の回収がお前たちの今の任務だ」
「いじわるな、言い方ですね」
「まいったな」
「私知ってます、どうせどんなに頑張ってもヤヨイちゃんに勝てないことぐらい!でも私がナガツキちゃんも殺して、他の実験体達よりも『怪異』をたくさん倒して、いつか必ず杉本さんの一番になってみせます!」
「ミナヅキ...なら絶対に死ぬな、いいな?」
俺の言葉にミナヅキが顔に満面の笑みを浮かべて返事をする。
「はい!」
ミナヅキが俺に背を向けて走っていく。
おそらく、ナガツキを探しに行くのだろう。
俺はそれが最後の別れになってしまいそうで、思わず、走り去るミナヅキの背中に向けて自分の右手を伸ばしてしまう。
結局、俺にできるのはお前たちを自分のために利用することだけだ。

次回予告 第百二話 20××年 5月5日 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二話 20××年 5月5日 その2

第百二話 20××年 5月5日 その2

「ひさしぶですね、アカリさん」
ビルの屋上で昼食を食べていた私の目の前に断罪刀『水無月』を手に持ったミナヅキが現れた。
「よく、ここがわかったわね」
「だって、さっき杉本さんと電話してたでしょ?」
「なるほど、私の携帯のGPSを逆探知したわけか、まんまとやられたわね。それでなんのようからしら?」
「『あなた達』がかくまっている『実験体9号』をこちらに引き渡しなさい」
「さて、なんのことかしら?」
「調べはとっくについてるんだから、あなたが『私たち』に対抗する組織に所属していることは」
「私はただ、色々あって『あなた達』を裏切って、家出して、たまたま、組織に拾われただけよ」
「ほら、やっぱり、私の言った通りじゃない!とっととナガツキを出しなさい!」
「あのね、私は最近、たまたま今の組織に拾われた、いわば新入社員なわけ、私の一存でナガツキをあなた達に差し出せるほど私は偉くないのよね」
「ほら、やっぱりあなた達がかくまってるんじゃない!ナガツキを!」
「だからね、そういうことは私みたいな新人社員じゃなくて、社長に言ってくれない?」
「あっそ、あなた達がナガツキの居場所を教えてくれないのなら、私はあなたの所属している組織の人間を全員殺すわよ」
「いいのかしら、そんなことしちゃって、あなた達『実験体』の仕事は本来、『怪異』から『人間』を守ることじゃないの?」
「『私たち』と敵対してる組織の人間は、私たちが断罪刀で守るに値する『人間』ではないわ」
「無理よ、ミナヅキちゃん、あなたには『人間』は殺せない」
「脅しじゃないわよ!」
「ウソね、だってそんなことしたらあなたの大好きな杉本君に嫌われちゃうでしょ?」
「でもナガツキを殺すのに成功したら、杉本さんは私のこと、今より好きなってくれるはずなのよ!」
「そんなことしても、無駄よ、だってあいつがあなたの親友のカンナヅキと付き合ってるの知らないの?」
「ウソ...カンナちゃんと!」
「あらら、ご愁傷さま」
「でも、だったらなおさらナガツキは諦めきれないわね、だってそうでしょ?私がカンナちゃんより先にナガツキを殺せば、杉本さんはカンナちゃんより私のことを好きになってくれるかもしれない...!」
「あのね、あの二人はそういう軽い関係じゃないの、あなたなんかが付け入る隙なんて無いわと、あきらめなさい、前を向いて生きなさい」
ミナヅキか空気中から断罪刀『水無月』を抜刀する。
ミナヅキは両手に持った死神の大鎌を彷彿とさせるシルエットの断罪刀『水無月』を私の首元に近づける。
「最終警告です。今すぐナガツキの居場所を言いなさい、でないとあなたもあなたの所属している組織の人間も全員、私が殺す」
「そこまでだ動くな!」
私を助けにきた組織の人間たちが一斉にミナヅキに銃口を向け、放つ。
「あのー諸先輩方、『実験体』にはそういうのあんまし聞かないって私言いませんでしたっけ?」
ミナヅキの意識が諸先輩方に行っている隙に、私は諸先輩方に一言アドバイスして、ビルから飛び降りる。
ミナヅキは舌打ちをしながら、小型の簡易用パラシュートを広げてビルの屋上から落下する私を見送るしかできない。
「アカリさんがダメなら、あんた達に聞くだけよ!」
私、ミナヅキに向かって銃弾が一斉に放たれる。
色々な意味で手遅れだった。
私がやつらの放った銃弾を断罪刀『水無月』で粉々にする際に発生した衝撃波はそのまま銃を放ったやつらの体も粉々にしてしまった。
この世界で唯一『怪異』を殺す力をもつ兵器である『断罪刀』を普通の人間相手に使えばどうなるのか、私だってわかっていた。
「私は人間を殺してしまった...私は...ただ銃弾を破壊しようと思っただけなのに...!」
アカリさんに私にはできないと言われたことが、こうも簡単できてしまうとは。
私はもう、後には戻れない。
私たちに敵対する組織の人間とはいえ、私は『断罪刀』で『怪異』ではなく人間を殺してしまった。
これで、ナガツキを殺すことができなければ、私は杉本さんに嫌われてしまう、最悪の場合、廃棄の可能性もある。
「嫌だ...私は、私は死にたくない...!」
私が生き残るために残された道はただ一つ、ナガツキを見つけ出して、誰よりも早く殺すこと。
「あ~あ、断罪刀で人間殺しちゃったね』
背後から私の今後の運命を左右する女の声がする。
「ナガツキ、ずっと見てたの?」
「ちょっと前に来ただけよ。だってお昼ご飯食べてたら、アカリさんが屋上からパラシュートで降下してくるし、みんな銃持って屋上行っちゃうし、すぐに『あなた達』が私を殺しに来たことがわかった。でも、一人で来るとは思わなかったわ、手柄を独り占めして、そんなに杉本さんに気に入られたいの?」
「悪い?」
「でも杉本さんの本命ってぶっちゃけあんたじゃなくて、あんた親友のカンナヅキよ」
「それも今日までよ、だってあなたは私の断罪刀『水無月』で死ぬんだから...!」
次回予告  第百三話  20××年5月5日 その3

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百三話  20××年5月5日 その3

第百三話  20××年5月5日 その3

ミナヅキが両手で持った死神の大鎌を彷彿させる断罪刀『水無月』から、ありとあらゆる物質を粉々に破壊する威力をもった衝撃波が放たれる。
全部で12本ある『断罪刀』の中でも『水無月』程、物量戦に適した『断罪刀』は存在しない。
しかし、それは、周りの人々や建物に与える被害もまた尋常ではないということだ。
私は、その断罪刀『水無月』から放たれた衝撃波を身をかがめて回避する。
私に向かって放たれた断罪刀『水無月』の衝撃波はそのまま、背後のビルに直撃、爆炎を上げる。
「さすがにわかってるわね」
「ええ、もし私が空中に逃げて、二発目の衝撃波を撃たれていたら、私は死んでいた」
「そう、空中では身動きはとれないもんね、でも!」
断罪刀『水無月』から二発目の衝撃波が放たれる。
私は再び身をかがめて衝撃波を回避。
そして今度は身をかがめた私に向かって三度目の衝撃波が接近してくる。
ミナヅキは私がどういうふうに衝撃波を避けるのか完全に予測している。
敵がどう避けるのかわかってさえいれば、予想したポイントにいち早く『水無月』の衝撃波を放つだけ。
どうする、私?
ダメだ、避けれない。
「だったら!」
私は空気中から断罪刀『長月』を抜刀して、『水無月』の衝撃波を一刀両断する。
二方向に裂かれた衝撃波が背後の炎上中のビルに直撃、爆炎はさっきより勢いを上げる。
「あなた、爆炎を確認した杉本さんがここに増援を呼んでくれると思ってるの?」
「増援が来る前にあなたは死ぬわ」
「違うわね、杉本さんはおそらく、ここにはもう増援は呼ばないわよ」
「どういうこと...!」
「断罪刀で人間を殺した時点であなたは私と同じ犯罪者で裏切り者ってわけ、人間を殺した犯罪者のあなたに『実験体部隊』の増援を送ったら、『実験体部隊』は犯罪者に味方したことになる、だから杉本にしてみれば、私たち二人とも犯罪者で裏切り者なのよ」
「でも!あなたを殺せば!私の罪は帳消しになるわ!そして私の優良性も上層部にアピールできる!」
「それは違うな」
ミナヅキの背後には杉本がいた。
「杉本さん!来てくれたの!」
「ああ、『実験体9号』の言う通りだ『実験体6号』」
「実験体6号...ってわたしのこと?なんでどうして!わたしは杉本さんのためにナガツキと戦ってるのよ!」
「わからないふりをするのはやめろ、『実験体9号』の言っていることは正しい」
「正しくないわ!だって、杉本さんは私を助けに来てくれた、そうでしょう?」
「違う、断罪刀を所持した『実験体9号』に対して断罪刀を持たない、ほぼ戦闘能力ゼロの俺は増援の内には入らない。俺はただ、『実験体6号』に罪を犯させた責任を取りに来ただけだ」
「わかりやすく言えば、杉本さんは自分のために間違って人を殺してしまったミナヅキ対する罪滅ぼしのためにここにきたのよ、よかったわねミナヅキ」
「じゃあ...カンナちゃんと付き合ってるっていうのも本当なの?」
「ああ、そうだ」
「二人で杉本さんに片思いしているわたしのことバカにしてたの?」
「ああ、そうだ」
「私は、命がけで戦ってるのに、杉本さんはもう、私のこと名前で呼んでくれないの?」
「ああ、そうだ」
私はミナヅキと杉本が会話をしている隙に、ミナヅキの背後に接近する。
後ろに振り向いたミナヅキが断罪刀『水無月』の衝撃波を私に向かって放つ。
私は空中にジャンプして、そのまま杉本に襲いかかる。
ミナヅキが私に向かって断罪刀『水無月』の衝撃波を放とうとするが、ミナヅキは私のいる方向に杉本がいるのを確認して攻撃をためらう。
「あなた杉本さんを人質に取る気?」
私は杉本の背後に回って、断罪刀『長月』の剣先を杉本の首に突きつける。
「攻撃を辞めて、断罪刀『水無月』を渡しなさい、でないとこのまま『長月』を杉本さんの首に刺すわよ」
「ひ、卑怯よ...!」
「なんでも粉々にできる衝撃波を出せる断罪刀で攻撃してくる、あなたのほうがよっぽど卑怯よ!」
「それって、ただの嫉妬でしょ!早く、杉本さんを解放しなさい」
「『実験体6号』...『実験体9号』に断罪刀を絶対に渡すな、命令だ!」
「嫌よ!私は『実験体6号』じゃない!私はミナヅキよ!それに、『水無月』をナガツキに渡しても私は裏切り者として廃棄される!渡さなくても裏切り者の私は仲間に追われ、いずれ殺される!つまり、私は死ぬしかない...そうでしょう?」
ミナヅキが泣きながら笑っている。
極限まで精神を追い詰められたミナヅキが屋上の地面に向かって断罪刀『水無月』の衝撃波を放つ。
「しまった!足場が!」
断罪刀『水無月』の衝撃波により足場を壊された私とミナヅキと杉本の3人の体が地面に向かって落下する。
ミナヅキは落下中のビルの瓦礫をつたって、落下中の杉本の全身を両手でつかむのに成功する。
しかし、ミナヅキは両手で落下中の杉本の全身をつかむために、両手に持っていた断罪刀『水無月』を手放すしかなかった。
私はミナヅキが杉本を助けるために手放した断罪刀『水無月』を手に取る。
そして、アカリさんに事前に手渡されていた、持ち運べる簡易パラシュートを展開する。杉本を両手に持ったミナヅキが地面に向かって落下する。
地面に着地したミナヅキの両足から、パキポキと両足の骨が折れる音がする。
着地に成功したミナヅキは両足に走る激痛に耐え切れず、両手に持っていた杉本を思わず、地面に向かって落としてしまう。
ミナヅキは断罪刀『水無月』を私に奪われ、『組織』から逃げる足を失ってまで、杉本の命を救ったのだ。
崩壊したビルの瓦礫の山に放りだされた杉本が両足を骨折して地面にうずくまっているミナヅキを抱きしめる。
「バカ野郎!どうして...『水無月』を手放した!このまま組織に戻れば、お前は廃棄確定なんだぞ!俺を見捨てて水無月を持って、ナガツキみたいに、どこかへ逃げることだってできたはずだ!」
「だって、前に言ったでしょ...杉本さんのためなら死ねるって...」
「帰るぞ、ミナヅキ...」
名前で呼んでもらえたミナヅキが顔に満面の笑みを浮かべて返事をする。
「はい」
杉本が歩けなくなったミナヅキを背負ってどこかへと歩き出す。
断罪刀『水無月』で人間を殺し、私に断罪刀『水無月』を奪われたミナヅキはおそらく100パーセント『組織』で廃棄されるだろう。
そして、それを実行するのは杉本だ。
簡易パラシュートで瓦礫の山に無事着地に成功した私は右手に断罪刀『長月』、左手に『水無月』を持って杉本とミナヅキから離れる。
「そこまでよ」
私の前に、断罪刀『神無月』の持ち主であるカンナヅキが現れる。
「なるほど、加担する犯罪者(ミナヅキ)が確保され戦闘不能になった時点で、やっと上層部から『実験体部隊』の増援要請が出されたわけね」
「あなたバカなの?あなたの確保及び、殺害命令はあなたが私たちを裏切った時からすでに出ているわ」
「一難去ってまた一難とはまさにこのことね、それじゃ、始めましょうか、杉本の本命さん」

次回予告 第百四話 20××年 5月5日 その4

 
 

 
後書き
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第百四話 20××年 5月5日 その4

第百四話 20××年 5月5日 その4

報告書
5月5日、『実験体6号』が逃亡中の『実験体9号』の捜索中に謝って敵勢力の人間を断罪刀『水無月』で殺害してしまう。
この時点で『実験体部隊』は本来予定していた『実験体6号』へ増援を送る権利が一時停止、『実験体6号』に廃棄命令が下される。
その後、『実験体6号』が逃亡中の『実験体9号』と接触、交戦。
『実験体6号』は戦闘中に両足を骨折、戦闘不能になり、『実験体9号』に断罪刀『水無月』を奪われる。
『実験体6号』の戦闘不能により、停止されていた増援要請が解除、『実験体10号』が『実験体9号』と接触するも、共に行方不明。
上層部は『実験体10号』が『実験体9号』と共に造反したと見ている。
             *
ミナヅキに勝利した私の前に大剣の断罪刀『神無月』を手に持ったカンナヅキが立ちはだかる。
「どうしたのカンナ?あなた、私を殺しに来たんじゃないの?」
「ええ、表向きはその通りよ」
「表向き?それってどういう意味?」
「私もあなたとアカリさんのいる組織に入ることにしたわ」
「はぁ?あんた、もしかして杉本にスパイ活動でも依頼されたわけ?」
「ねぇ、ナガツキ。ナガツキがもし、結婚してて、子供がいたら、ナガツキは自分の子供と夫どっちが大事かしら?」
「そりゃあ、自分の子供に決まってるじゃない」
「つまり、そういうこと。杉本さんは結局、いざとなったら私なんかより、娘のヤヨイちゃんの方が大事なのよ」
「あなた、それだけの理由で『組織』を敵に回すわけ?」
「なにも、自由が欲しかったのはあなただけじゃないってことよ。それに断罪刀『水無月』があれば、他の『実験体』なんて案外簡単に倒せると思わない?」
「確かに、断罪刀『水無月』を対人戦に使うことの恐ろしさは今日存分に思い知ったわ」
「それじゃあ、私も今日からあなたと同じ裏切り者ってことで、よろしく」
カンナが私に手を差し伸べてくる。
「とりあえず、まだ完全に信用はできないわよ...なんせあなたは杉本と距離が近かった人間なんだから」
「そうね、でも、アカリさんに会ったらわたしどういう顔をすればいいのかしら?」
「しらないわよ、そんなの。とりあえず、ようこそ『ブレイズ』へ」
私はとりあえずカンナに差し伸べられた手を握った。
            *
夕方のテレビニュースにはビルの屋上が爆破された映像が流れている。
「ヤヨイちゃん、この爆発、エリアAだって、この辺も物騒になったもんだな~」
「そ、そうですね、友助さん」
私は空になった食器を手にもって台所に移動する。
杉本さんからの情報が確かなら、テレビに映っている映像はおそらく、ナガツキちゃんとミナヅキちゃんが戦闘した際に発生した爆発だろう。
そしてそれは断罪刀で『怪異』と戦っている私たちの存在がほんの一部世間に露見したことを意味している。
『組織』は自分たちに都合のいいように情報統制を敷いているそうだけど、あれだけ大きな爆発だ、周りに住む人々の不安な気持ちを考えると胸が痛い。
「ヤヨイちゃん、どうしたんだい、暗い顔しちゃって、洗い物変わろうか?」
「いえ、大丈夫です。ただ、近所で爆発が起きたらなんだか、不安になっちゃて」
「気にしすぎだよ、テレビじゃ、ビルの機械の故障って言ってるんだから」
それは『組織』が情報統制を敷いたから、と私は言いたくても言えない。
そして、断罪刀の用いる『実験体』同士の戦闘でもし、一般人が巻き込まれ犠牲になった時、私たち『実験体』の存在を世間に対して覆い隠すことは不可能だろう。
ナガツキちゃんだけならともかく、カンナちゃんも『組織』を裏切ったとなれば、戦況は今以上に激しさを増すだろう。
それに加え、『怪異』との戦闘もあるのだ、これで不安を感じない方がおかしい。
それでも、友助さんにその不安を打ち明けられないは正直つらい。
洗い物を終えた私はソファーでテレビを見ている友助さんの正面に立つ。
「どうしたの?ヤヨイちゃん?」
「友助さん...私たち、家族ですよね?」
「そりゃあ、もちろん、血は繋がってなくても一つ屋根の下で暮らてるんだから、家族だよ」
「家族なら、その証明としてハグしてくれませんか?」
「フグ?俺はフグの調理師免許なんで持ってないよ...あは、あははは...」
「とぼけないでください!私たち、家族なんですよね?家族ならハグできますよね!」
「や、ヤヨイちゃん?急にどうしたの?ウソ!なんで泣くの?俺、なにかひどいこと言った?わかった、する、フグ、じゃなくって、ハ、ハグ!」
友助さんがソファーから立ち上がって私のことを抱きしめる。
私は友助さんの背中に手を回す。
「私、こうしてると...もうちょっと頑張れそうな気がします...」
「本当?よ、よかった、それは...」
「迷惑ですか?」
「い、いやそんなことはないけどさ、女子高生って普通、父親に対して嫌悪感を抱くもんだろ?だからちょっと珍しいっていうか、ほら、俺たち一応、血は繋がってないわけだし」
「普通じゃない女の子は嫌いですか?」
「そ、そんなことないよ!女子高生に抱き着かれてうれしくない成人男性はこの地球には存在しないと思うよ...」
「じゃあ、友助さんは今、私とハグしてて嬉しいってことですね」
「は、はい、完敗です...」
お母さんには悪いけど、今、私はとても幸せだった。
そして私の幸せをぶち壊すかのようにインターホンの音が室内に鳴り響く。
「俺、ちょっと見てくるわ」
友助さんが私から離れていく。
私は友助さんの後を追う。
友助さんが開けた玄関のドアの向こう側にはナガツキがいた。
「ナガツキちゃん、どうしたんだい、こんな時間に?」
「アカリさんから伝言を頼まれてね」
「アカリさん?ナガツキちゃん、アカリさんと知り合いなの?アカリさん、今どこにいるの?」
「こんばんわ、ヤヨイちゃん、顔、怖いよ」
私はこの時、友助さんとの幸せな時間を台無しにしたナガツキちゃんに対して、初めて殺意を抱いた。
             
次回予告 第百五話 20××年 5月6日

 
 

 
後書き
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第百五話 20××年 5月6日

第百五話 20××年 5月6日

5月5日
ヤヨイちゃんと家族の友情を確かめるスキンシップをしていると、それを遮るかのようにナガツキちゃんが我が家に来訪してきた。
「おじゃましま~す」
「あのさ、ナガツキちゃんとアカリさんはいったいどういう関係わけ?」
「関係?う~ん、上司と部下みたいなもんかな」
「ナガツキちゃん、就職したの?」
「そ、友助もちゃんと就職しないとヤヨイちゃんのこと幸せにできないわよ?」
「よ、余計なお世話だ!でも、とりあえず、就職おめでとう」
「あんがと」
ヤヨイちゃんが紅茶の入ったコップをナガツキちゃんの前にあるテーブルに勢いよく置く。
「おー!こわッ!私、なんかヤヨイちゃんを怒らせるようなことした?」
「用件が済んだらとっとと帰ってください...」
「あれ?ヤヨイちゃんとナガツキちゃん、喧嘩でもしたの?」
「してないけどさ、私だってここに好きで来たんじゃないのよ、これでも結構命がけなんだから」
「命がけ?命がけでうちに来たの?」
「もう~友助ったら冗談よ、冗談」
「でも、なんで、わざわざアカリさん本人じゃなくてナガツキちゃんがうちに来たんだい?」
「それはヤヨイちゃんの方が詳しいんじゃないの?」
「ふぇ、ヤヨイちゃん、アカリさんとなんかあったの?」
「それよりナガツキちゃん、お母さんからの伝言を早く聞かせてください」
「そうだよ!伝言!早く聞きさせてよ!」
「うん、まぁ簡単に説明するとさ、今、私とアカリさんが所属している組織『ブレイズ』にヤヨイちゃんを勧誘しに来たのよ。杉本から聞いたでしょ、カンナもこっち側についたって」
「ちょっとまってよ、よくわかないけどさ、ヤヨイちゃんはまだ女子高生だよ。それに組織ってなんだ?会社じゃないの?カンナって誰だ?」
「友助はちょっと黙ってて、私はヤヨイちゃんの返事を聞きに来たの。それに、あんまりここにいると私もけっこーやばいのよね、だから返事は早めにね」
「そういうことなら、私が返事をするまで、ナガツキちゃんはこの家を出ることはできないってことですね...」
「なに?やんの、友助の前で?」
「ちょっと二人とも、そんなに怖い顔してにらみ合わないでよ!」
「私は今まで通り友助さんを守ります、それが私の答えです」
「アカリさん、きっと悲しむわよ」
「今も、そして、これからも、たぶん、悲しませることになると思います」
「『組織』と『ブレイズ』、どっちに味方した方があなたと友助のためになるか、考えればわかるはずよ」
「私の答えは変わりません、もう帰ってください、でないと」
「あっそ、じゃあ、次、会った時はもう容赦しないわよ」
「それはこちらのセリフです」
「絶対、後悔するわよ...」
「後悔のない人生なんてありません」
「どうすれば後悔せずに済むのかわかっているのに、あえて、後悔する道を選ぶのは、ただのバカよ」
「バカでない人がこの世界にいるんですか?」
「私はヤヨイちゃんのことを考えて言ってるの!だって『ブレイズ』に入れば、ヤヨイちゃんは廃棄されずにすむ...」
ヤヨイちゃんがナガツキちゃんの頬を平手打ちした。
「余計なお世話です、私は決めたんです、お母さんを裏切ってでも、自分の願いを叶えるって...!」
ナガツキちゃんが両目から涙を流しならヤヨイちゃんをにらんでいる。
俺には目の前の現象が、どんな原因で起きているのか、いまいち把握できない。
「と、とりあえず、二人ともいったん、落ち着かないか、そうだ、今、風呂沸かすからさ、一緒に入りなよ」
結局、ヤヨイちゃんとナガツキちゃんは一緒に風呂に入った。
風呂場から二人の笑い声が聞こえてくる。
「なにこれ」
俺は戸惑いながらも、すこし安心した」
先に風呂から上がったナガツキちゃんは着替え終えるとコップ二杯ぶんの牛乳を飲んで我が家を出た。
風呂での楽し気な雰囲気など、まるでなかったかのように、ヤヨイちゃんもナガツキちゃんもお互いの目を見ようとはしなかった。
俺は二人が入った後の風呂に入ることにした。
ちょっと興奮している俺はきっと最低だ。
5月6日
昨日、ナガツキちゃんが言っていた不可解なことについて、ヤヨイちゃんに聞いてみた。
ヤヨイちゃんはにこやかにほほ笑むと人差し指で俺の口びるをそっと抑える。
俺とヤヨイちゃんの目が合う。
それが1分間ほど続いた。
俺はもう、それ以上ヤヨイちゃんになにも聞けなかった。

次回予告 20××年 5月6日 その2 
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六話 20××年 5月6日 その2

第百六話 20××年 5月6日 その2

バイト先で品出しをしていると、後ろから声をかけられた。
「おい!」
「はい...げっ!す、杉本さん!」
「なんだよ、その嫌そうな顔は!」
「そりゃ、人の家の玄関爆破した奴に嫌な顔するのは当然の反応だろ!」
「もういい加減、切り替えろよ、次の日に修理業者来ただろ?」
「あれ、あんたの仕業だったのか!朝八時に来たぞ!せめて十時過ぎだろ!」
「うるせぇな!こっち客だぞ!神だぞ!」
「はいはい。それより昨日、あんたの娘のナガツキちゃんが家に来たぞ」
「ナガツキは俺の娘じゃねぇよ!」
「あれ?じゃあ、この前のはいったいなんだったんだ?」
「それで、ナガツキは何をしにきたんだ?」
「それがさ、よくわかんないんだよな、アカリさんの伝言を伝えに来たらしいんだが『ブレイズ』とか『廃棄』がどうのこうのとか、挙句の果てにヤヨイちゃんがナガツキちゃんをビンタするわで大変だった」
「そうか、ナガツキはヤヨイを『ブレイズ』に勧誘しに来たのか...!」
「なぁ、そのアカリさんとナガツキちゃんが所属してる『ブレイズ』って会社、いったいどんな会社なんだ?今日の朝、ヤヨイちゃんに聞いたらさ、唇に人差し指当てられちゃってさ...えヘへ...痛っ!なんで蹴るんだよ!業務妨害だぞ!」
「うるせぇ!なんかムカついんたんだよ!」
「なんだよ、杉本さん、ヤヨイちゃんのこと好きなのか?」
「ああ、好きだよ...でもお前の想像しているような好きじゃない」
「よくわからんが、今日は買い物に来たのか?」
「んなわけねーだろ!お前、この後、ちょっと時間あるか?」
「俺、別にそういう趣味は...」
「そういう意味じゃねぇよ!ヤヨイについて話があるんだよ」
「話?そもそも杉本さんはヤヨイちゃんとどういう関係なんですか?」
「こっちはそれを説明したいから、時間をよこせと言ってるんだ」
「はぁ...まぁ、俺、一応、ヤヨイちゃんの保護者なんで、別にいいですけど」
「なんか腹立つな、お前」
「俺、なんか変なこと言いました?」
「それで、いつならいい?」
「あと十分ぐらいで、勤務終了するんで、もうちょっと待ってください」
「それじゃあ、近くに公園あるだろ?俺、あの公園のあたりに車止めてるから、そこで待ち合わせな、黒い車」
「は、はぁ...」
杉本さんが店内から出ていく。
十分後、業務を終えた俺はバイト先のスーパーの近くにある公園に向かう。
公園の近くには黒い車が停まっていた。
黒い車からクラクションが鳴る。
運転席を見ると、そこには杉本さんがいた。
運転席の窓ガラスが下に向かってスライドする。
「お仕事おつかれさん、乗れよ」
俺は車の後部座席に座る。
「悪いな、疲れてるところ、でも、もうあんまり時間がないから単刀直入に言わせてもらう、高村友助、お前はもうヤヨイと関わらないほうがいい」
「なんですか?いきなり?関わるも関わらないも、俺とヤヨイちゃんは家族なんですよ」
「友助、お前、長生きしたいか?それとも早死にしたいか?」
「そりゃあ、長生きしたいに決まってますよ」
「なら、もう、ヤヨイとは縁を切れ、そうすれば、お前は『ブレイズ』に人質として利用されずに済む、そのせいでヤヨイも傷つかずに済む」
「い、意味がさっぱりわからん」
「簡単に説明すると、俺とヤヨイはとある『組織』に所属している、その『組織』と敵対しているのが『ブレイズ』だ」
「ちょっと待ってくれ!確か、昨日のナガツキちゃんの話が本当なら『ブレイズ』にはアカリさんが所属しているはずだ、ということはアカリさんとヤヨイちゃんが敵対しているってことなのか?」
「これはおそらく、俺の予想だが、昨日、ナガツキがお前の家を訪れたのは、『ブレイズ』にヤヨイを勧誘するためだ」
「そうそう、確か、昨日そんな話をしていた」
「それが事実だとすると、アカリは自分の娘であるヤヨイと敵対することを恐れていると思われる」
「そっか、それはよかった。でも、その『組織』とか『ブレイズ』とかいうのはいったいどういう理由で敵対してるんだ?」
「簡単に言えば、戦争だ」
「戦争?もしかしてサバゲーとか?」
「違う!本物の戦争だ」
「ちょっと待ってくれよ、最近のテレビのニュースでそんな話を聞いたことは...まさか」
「気づいたようだな、昨日のニュースでビルが爆発する映像が流れただろ、あれが俺達と『ブレイズ』との戦争だ」
「でも、昨日のニュースじゃ、あの爆発はビルの機械の故障だって言ってたぞ!」
「それは俺たちがテレビ局に情報統制を敷いたからだ。もし、この国で人間同士の戦争が起きていることを各テレビ局が一斉に報道したどうなると思う?」
「そりゃあ、町中パニックになるな...」
「そうだ、パニックになった国民はなにをするかわからない、そして俺達にはそれに一々対応している時間も戦力もない」
「それで、どうして戦争してるんですか?」
「この世界には『怪異』という精神生命体がいる」

「『怪異』?精神生命体?それってゲームや漫画ですか?」
「違う、『怪異』は現実に存在する。『怪異』は普通の人間には目に見えない精神生命体だ。そして『怪異』は人間の心に寄生して、寄生した人間の心に不安やストレスを与える」
「不安やストレスなんて、別に、誰にでもよくあることじゃないですか?」
「だから、その誰にでもよくある不安やストレスを人々に与えているのが『怪異』なんだよ。人間が犯罪を犯したり、自殺をしたりする動機には必ず、人体に寄生した『怪異』により発生した不安やストレスが原因になっている。そして俺たちの『組織』はその『怪異』から人々を救うために存在している」
「それじゃあ、今までニュースや新聞で報じられていた殺人事件や自殺っていうのは全部『怪異』の仕業なんですか?」
「そういうことだ。『怪異』に寄生された人間よって引き起こされる悲劇は、殺人事件や自殺だけじゃない、事故や戦争も含まれる。俺たちの『組織』は人間に寄生する前の『怪異』を『断罪刀』で倒し、人知れず人々の生活を見えない不幸や悲劇から守っているのさ」
「なるほど、じゃあ、杉本さんやヤヨイちゃんはとりあえず人類の味方なんですね、それを聞いて安心しました」
「安心するのはまだ早い、さっき言った『断罪刀』はこの世界で唯一『怪異』を消滅することができる刀だ。そして全部で十二本ある『断罪刀』は誰でも使えるわけじゃない」
「なんか試験があるんですか?」
「そういうことだ、実は全人類のDNAのデータは出生時に採取され、『組織』に極秘裏に保存されているんだ。そして、その中で『断罪刀』ともっとも適合率が高いDNAデータを持つ人間だけが『断罪刀』を使える、そして俺の娘のDNAデータが3本目の断罪刀『弥生』と高い適合率を出してしまった」
「じゃあ、杉本さんの娘は今も断罪刀『弥生』で怪異と戦ってるんですか?」
「ああ、その通りだ。今では『組織』のルールで断罪刀『弥生』と同じ名前が与えられている。でも、最近、適合率の低下が理由で上層部からヤヨイに廃棄命令が下された。まぁ、色々あって、一ヶ月延長したんだがな」
「それって、まさか...そんな、うそですよね?断罪刀『弥生』と同じ名前で、ヤヨイって、じゃあ、ヤヨイちゃんはアカリさんと杉本さんの間にできた子供で、それで...もうすぐ死んじゃうんですか?」
「ああ、その通りだ」」
「昨日、確かにナガツキちゃんがヤヨイちゃんに言ってました...『ブレイズ』にヤヨイちゃんが入れば...ヤヨイちゃんは廃棄されずに済むって...そしたら、ヤヨイちゃんがナガツキちゃんをビンタして、それで...それで...」
つまり、断罪刀『弥生』との適合率が低下してしまったヤヨイちゃんはこのままだと、所属している『組織』に廃棄されてしまう、アカリさんはそれを阻止するために、きのうナガツキちゃんを使ってヤヨイちゃんを『ブレイズ』に勧誘しに来たのだ。
でも、それならどうして、アカリさんは自分の口で直接、ヤヨイちゃんに説明しに来ないのだろうか?
なぜ、自分が『組織』に廃棄される死の運命を受け入れてまで、『ブレイズ』の勧誘を断ったのだろうか?
昨日、ヤヨイちゃんはナガツキちゃんに向かって、こう言った。
『余計なお世話です、私は決めたんです、お母さんを裏切ってでも、自分の願いを叶えるって...!』
母親であるアカリさんを裏切り、自分の命を犠牲にしてまでヤヨイちゃんが叶えたい願いとはいったいどんな願いなのだろうか?
「ヤヨイちゃんが昨日言ってました、『組織』の廃棄から救おうとしてくれてるアカリさんを裏切ってでも叶えたい願いがあるって...」
「それは...俺からは何も言えん」
「杉本さんは何か知ってるんですか?」
「知ってるが言わん、ヤヨイに殺される...」
「そう...ですか...でも杉本さんはこのまま、自分の娘が...ヤヨイちゃんが廃棄されるのを黙って見ているんですか!」
「ああ、そうだよ。断罪刀に一度適合した人間は適合率の低下と共に人間の身体能力を超えた『怪物』になっちまう、だから、そうなる前に廃棄、つまり殺害する。それが俺の所属している『組織』のルールだ」
「そんなの、あんまりですよ...」
「その『組織』のやり方についていけなくなった連中が立ち上げた会社が『ブレイズ』だ。そして、自由欲しさに『組織』を裏切ったナガツキとカンナヅキも、その『ブレイズ』に所属している。そして、俺たちの『組織』で戦闘可能な状態にある、断罪刀の使い手はムツキ、ウヅキ、ハヅキ、そして適合率低下中のヤヨイの4人。一方、『ブレイズ』に所属している断罪刀の使い手はナガツキとカンナヅキ、そして『ブレイズ』は強力な力を持つ断罪刀『水無月』を所持している。そして『ブレイズ』の最終的な目的は俺とヤヨイが所属してる『組織』の壊滅だ」
「本来、『怪異』から人々を守るはずの断罪刀の使い手たちが『断罪刀』を使って互いに殺し合いを始めようとしている...そしてその間にも『怪異』による犠牲者も増える...こ、こんなの狂ってる...!」
「とにかく、ヤヨイの近くにいると、お前も断罪刀の使い手同士の戦闘に巻き込まれて巻き添えにされる可能性が高い、最悪の場合、『ブレイズ』はヤヨイと親しい、お前を人質にする可能性もある、それにヤヨイが『怪物』になればお前はヤヨイに殺されてしまうかもしれない」
「俺は...ヤヨイちゃんとは血がつながってない!でもなぁ!ヤヨイちゃんは...ヤヨイちゃんは俺の家族なんだよ!」
俺は車から出ると、ヤヨイちゃんの待つ自宅に向かって全力で走る。
「おい!友助!お前、本当にそれでいいのか?」
背後から、杉本さんの声が聞こえる。
正直、わかんねぇよ...なにが正しくて、何が間違っているのか。
俺は鍵を使って自宅のドアを外から開ける。
「た、ただいま...ヤヨイちゃん...」
「友助さん、どうしたんですか、すごい汗ですよ?」
料理中だったのか、制服の上にエプロンを着けたヤヨイちゃんが俺を心配そうな目で見つめている。
「ヤヨイちゃん、今すぐ、逃げよう」
「え?」
俺は困惑しているヤヨイちゃんを抱きしめる。
「杉本さんから話は大体聞いた、だから一緒に逃げよう」
「友助さん...?」
「こんな狂った世界から一緒に逃げよう」
俺の胸の中でヤヨイちゃんが幼児みたいに大声で泣き始める。
仮に『組織』と『ブレイス』から逃げ続けることができてもヤヨイちゃんはいずれ断罪刀との適合率の低下が原因で『怪物』になってしまう。
俺はおそらく『怪物』になったヤヨイちゃんに殺されるかもしれない。
それでも、俺はヤヨイちゃんをこの狂った世界から助けてあげたかった。

次回予告 第百七話 20××年 5月6日 その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七話 20××年 5月6日 その3

第百七話 20××年 5月6日 その3

俺が杉本さんから聞いた話をまとめてみた。
●人々に寄生して不安とストレスと不幸を与える目には見えない精神生命体『怪異』。
●この世界で唯一『怪異』を破壊できる兵器『断罪刀』。
●全部で12本の『断罪刀』に選ばれた『実験体』と呼ばれる12人の『適合者』。
●『断罪刀』との適合率が低下した『実験体』は『怪物』になってしまう前に『組織』によって廃棄(殺害)される。そして、その非人道的な行いを繰り返しながら『怪異』から人類を守護している『組織』を壊滅させるために設立された会社が『ブレイズ』。
しかし、仮に『ブレイズ』が『組織』の壊滅に成功すれば、人類は『怪異』から人々を守る盾を失う。
もし、そうなれば、『怪異』による不安やストレスで今以上に大勢の人々が不幸になるか、命を失う。
つまり、『組織』の壊滅はヤヨイちゃんのように非人道的な扱いを受けている『実験体』に人間らしい生活を取り戻させるのと引き換えに、人類全体に多大なダメージを与えることになるのだ。
それに一度適合率の低下が発覚した『実験体』は仮に『組織』から解放されても『怪物』になってしまう未来が待っている。
俺の妻でヤヨイちゃんの母親であるアカリさんが所属している『ブレイズ』が本当にそこまで考えて『組織』を潰そうとしているのか、俺にはまだわからない。
でも、今、俺にできることは、義父として、この地獄のような環境から、娘のヤヨイちゃんを遠ざけることだ。
そう、俺はヤヨイちゃんと一緒にこの狂った世界から逃げ出すんだ。
「友助さんは...本当にこれでいいんですか?」
自宅で旅の準備をしている俺にヤヨイちゃんが話しかけてきた。
「ヤヨイちゃんはどうしたいの?」
「私は...友助さんといっしょにいたいです。でも、どう考えても『組織』や『ブレイズ』から逃げられるとは思えません」
「でもヤヨイちゃんは『組織』の一員として戦うのも『ブレイズ』と戦うのも嫌なんだろ?」「はい...嫌です」
「なら、いいじゃないか、ダメだとわかっていても一緒に逃げよう」
「でも、私、断罪刀との適合率が低下してしまったので、このままだと、いずれ『怪物』になってしまいます。そしたら、友助さんにも迷惑がかかります」
「そんなの心配するなよ、ヤヨイちゃんと一緒に逃げるってことは、『組織』と『ブレイズ』の両勢力を敵に回すってことだ、死ぬ覚悟はとっくにできてる」
嘘だ、正直、俺だってまだ死にたくない。
でも俺はもう決めたんだ。
「私は『怪物』になった私のせいで友助さんが死んでしまったら、とても悲しいです」
「そんな先のこと考えても仕方ないだろ、俺が杉本さんに聞いた話が本当なら、ヤヨイちゃんの廃棄は一ヶ月延長したんだろ、それって、そんなにすぐ『怪物』になるわけじゃないってことだろ」
「でも、それは上層部の予測に過ぎません」
「ああ、でも予測しかできないってことは、一ヶ月経っても必ず『怪物』になるとは限らない、そうだろ?」
「あはは...友助さん、私のためにそんなに無理しないでください。友助さん、本当は今、とっても怖いはずです」
「そりゃあ、怖いさ。でも、人間なんてそもそも、いつ死ぬかわからない。病気で死ぬかもしれないし、事故で死ぬかもしれないし、他人に殺されるかもしれない、死ぬのは怖いけど、自分がどうやって死ぬのかなんて、その時になってみないとわかんないよ。だからヤヨイちゃんもとっとと旅の準備、終わらせちゃいなよ」
「旅の準備」
「ああ、ヤヨイちゃんはどこに行きたい?」
「友助さんがいればどこでも」
「そうじゃなくて、行きたい場所だよ」
「海...海に行きたいです」
「そっか、じゃあ、はやく準備を終わらせて、海に行こうよ!」
「はい...」
俺とヤヨイちゃんの住んでいる『エリアA』は内陸部だから海に行くとなるとかなり時間がかかるな。
旅の準備を終えた俺とヤヨイちゃんは自宅の戸締りをして海に向かって出発する。
俺とヤヨイちゃんの前にどこかで見た黒い車が止まる。
黒い車から杉本が出てくる。
「す、杉本さん!と、止めても無駄ですよ!」
「わかってるよ、そんなこと」
「じゃあ、何しに来たんですか?」
「自分の娘にお別れを言いに来ただけだ」
そっか、杉本さんはヤヨイちゃんの実の父親。
断罪刀との適合率が高いヤヨイちゃんを、すでに『組織』の一員だった杉本さんは『実験体』として扱うしかなかった。
「ヤヨイ、そんな怖い顔でにらむな、今日は俺一人だけで来たんだからさ」
「お別れの言葉、とっとと終わらせてくれませんか、『杉本さん』」
杉本さんがヤヨイちゃんを抱きしめる。
「離してください...」
「ごめんな、こんなダメなお父さんで」
「離してよ...」
ヤヨイちゃんが涙声で杉本さんを拒絶する。
「俺は『組織』のために、人類の平和を守る為に、娘であるお前を『実験体』にして『怪異』と戦わせた」
「そうよ...『お父さん』は自分の娘より『組織』と人類の平和のほうが大事だった」
「今、ムツキとウヅキとハヅキが『組織』を裏切ったナガツキとカンナヅキと戦ってる...」
「それを聞けば、私が『組織』に戻るとでも思ったんですか?」
「ありがとな、俺のこと久しぶりに『お父さん』って呼んでくれて」
「杉本さんはこれからどうするんですか?」
「俺はこれからも『怪異』から人類を守る為にできることをするだけだ。杉本、娘を頼んだぞ、ヤヨイも、元気でな」
「杉本さん!」
「なんだよ、友助、安心しろよ、俺はお前たちの邪魔をするつもりはねぇよ、俺はな」
「死なないでくださいよ!」
「けっ、相手は『怪異』と『ブレイズ』だぜ、無茶言うなよな」
杉本さんが黒い車に乗って、俺とヤヨイちゃんの前から遠ざかっていく。
「友助さん」
「なに」
「夕焼けがとってもきれいです」
「わぁ、本当だ」
俺とヤヨイちゃんの旅が始まった。

次回予告 第百八話 20××年 5月7日  
 

 
後書き
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第百八話 20××年 5月7日

第百八話 20××年 5月7日

報告書 5月6日
何者かの手引きにより廃棄が予定されている『実験体3号』の所在が確認できなくなる。
上層部は『実験体3号』の殺害を『実験体部隊』に要請。
『ブレイズ』に所属している『実験体9号』と『実験体10号』が『組織』の施設を襲撃。『実験体9号』と『実験体10号』の襲撃に対し、上層部は『実験体部隊』の出動を要請。
『実験体部隊』に所属する『実験体1号』、『実験体4号』、『実験体8号』が『実験体9号』と『実験体10号』と交戦するも、全員死亡する。
施設内のスタッフからも多くの死傷者が出た。
『実験体部隊』責任者の杉本は上層部の職員と生き残ったわずかなスタッフと『怪異』との戦闘で負傷した『実験体5号』と『実験体2号』を軍用車に乗せて、襲撃された『組織』の施設を放棄、別施設への移動を開始した。
              *
5月6日
俺とヤヨイちゃんは手を繋いで夜道を歩く。
別に、俺がヤヨイちゃんに手を繋いでくれを頼んだわけじゃない。
ヤヨイちゃんが勝手に握ってきたんだ。
本当ならその手を離すべきなんだろうけど、ヤヨイちゃんに残された時間のことを考えたら、その手を離すべきではない。
「『組織』からの追っ手が来ませんね」
「それって俺たちにとってはいいことなんじゃないか」
「そうなんですけど、不自然過ぎて逆に怖いです」
「きっと杉本さんがヤヨイちゃんのために、なんかしてくれたんじゃないか」
「そんなこと、あるんでしょうか?」
「あるさ、親っていうのは自分の子どものためならなんだってするさ」
「友助さん、海に着くまであと、どれくらいかかるんですか?」
「うん、俺たちの住んでいる『エリアA』は内陸部だから、このままだと明日か、明後日になっちゃうね」
「今日はどこで寝るんですか?」
「それなら心配いらないよ、もうすぐ俺の実家に着くからさ」
「友助さんの実家」
「ああ、そういえばヤヨイちゃんはまだ来たことなかったね」
「はい...お母さんに来なくていいと言われたので」
「まぁ、俺の両親とヤヨイちゃんはほとんど他人みたいなもんだからね、アカリさんなりの配慮だったんじゃないの?」
「そう...でしょうか」
俺は実家のインターホンを押す。
すぐに、ドアが開いて中から母さんが出てくる。
「と、友助!となりの女の子はもしかして新妻かい?アカリさんとは離婚したのかい?」
母さんの言葉にヤヨイちゃんの顔が真っ赤になる。
「ち、ちがうよ、母さん!この子はアカリさんの連れ子のヤヨイちゃんだよ」
「あっ、そう...あなたがヤヨイちゃんね、私は友助の母のサユリです...ヤヨイちゃんの顔、ちょっと赤いわね、もしかして体の具合でも悪いのかい?」
「ヤヨイちゃん?あ、本当だ!顔が赤い!」
「わ、私は大丈夫です!ご、ご心配なさらないでください!」
「そうかい、とにかく早く、家に入りな」
「ただいま~」
「お、おじゃまします...」
俺は廊下を進み、リビングへと移動する。
「ただいま、父さん」
「おお、友助!横にいる女の子は新妻かい?」
「違うよ、さっき母さんにも同じこと言われた」
「ははは...そうかい、それで、君は?」
「わ、私は高村アカリの娘のヤヨイです」
「ほう、君がアカリさんの連れ子の...まぁ、アカリさんに似て、ずいぶんと美人じゃないか、わしは友助の父のコウスケです」
「友助、今日は泊まってくのかい?」
「ああ、実はヤヨイちゃんと海に行く予定でね、明日の朝にはここを出てくよ」
「そうかい、私たちに会いたくて、ここにきたんじゃないのかい、さびしいね」
「いいじゃないか、サユリ、久しぶりにこうして会えたんだから、二人とも、今日はゆっくりしてきなさい」
俺とサユリちゃんはリビングにある椅子に腰を下ろす。
「友助が事前に来ることがわかってれば、おいしい料理とか準備できたのにねぇ」
「そんなに気を使わなくてもいいよ、母さん」
「それにしても物騒だな、エリアAの山奥で大爆発だなんて」
父さんがテレビニュースを見て驚いている。
「あら、この前のビルの爆発と言い、最近この辺は物騒ねぇ」
隣りの椅子に座っているヤヨイちゃんがテレビを見ている俺の手を握ってくる。
もしかすると、エリアAの山奥で大爆発を起こした施設は『組織』の施設なのかもしれない。
敵対している『ブレイズ』に襲撃されたと想定すれば、ありえないことではない。
俺はテーブルの上に置いてあったテレビリモコンを手にもってチャンネルを変える。
テレビにはバラエティー番組が映っている。
「友助、急にどうしたんだ?」
「ごめん、父さん、俺、この時間はいつもこの番組見てるんだ」
「そうかい、それなら、そうと言ってくれればいいのに...」
「そうよ友助、ちょっと感じ悪いわよ」
「あはは...いつも楽しみしてるからさ、つい口より手が先に動いちゃってね」
ヤヨイちゃんが申し訳なさそうな顔で俺を見つめてくる。
「す...すみません、私...」
「ヤヨイちゃんもこの番組好きだろ?」
「は...はい」
テーブルに母さんが作ってくれた夕食が並ぶ。
和食だった。
俺とヤヨイちゃんは夕食を摂り終えると風呂に入って寝室に敷いてあるそれぞれの布団に入る。
「ヤヨイちゃん、本当に寝る場所、俺と同じでよかったのかい?」
「はい、友助さんのお母さんとお父さんにこれ以上ご迷惑はかけられませんから...」
「そっか、でも、俺、寝相悪いからな、大丈夫かな~」
頬を赤く染めたヤヨイちゃんが俺の顔をじっと見つめてくる。
「友助さん、一つだけお願いがあります」
「なんだい?」
「あの...私の布団で一緒に...やっぱりなんでもありません、おやすみなさい」
「ふぇ?」
ヤヨイちゃんは毛布で真っ赤な顔を隠して寝てしまった。
「おやすみなさい...」
5月7日
杉本さんの運転する軍用車が『組織』の予備施設へと向かう。
軍用車には私たち『実験体』と『組織』の上層部のメンバーと、多数の負傷者が乗っている。
「まずったなコレは...」
施設の予備施設がある方向には火の手が上がっている。
「どうしたの杉本さん?」
「ああ、どうやら『ブレイズ』のやつらに先回りされたらしい」
「じゃあ、予備施設もダメってこと?」
「そうだな、今、予備施設に近づいても、全員殺されるだけだ」
「じゃあ、私たち、これからどうするの?」
「サツキ...お前はキサラギとミナヅキと一緒に予備施設に行って『ブレイズ』に投降しろ」
「そんなことできるわけないでしょ!」
「でも、投降すれば、お前たち3人だけは生き残れるかもしれない」
「それは...」
「そんなの絶対にダメです!」
ナガツキとの戦闘で両足を負傷したミナヅキが杉本さんの提案を拒否した。
「ミナヅキ...お前の場合はむしろ、このまま『組織』にいるより『ブレイズ』に投降したほうが安全なんだぞ!」
「私は投降なんて絶対しません!私は杉本さんを守る為にこれまで戦ってきたんです!」
「おい、サツキとキサラギはどうする?」
「僕は投降しようと思います...」
「ちょっとキサラギ、あなたそれ本気で言ってるの?」
「だって、僕たち『実験体』は断罪刀との適合率が下がれば、どうせ怪物になってしまうんですよ!なら、残された時間ぐらい、好きに生きてもいいじゃないですか!」
「サツキちゃんはどうするの?」
「私は...戦うわ」
「サツキさん、相手はナガツキさんとカンナヅキさんですよ!自分から死にに行くようなものです!」
「私たちは今まで、戦う力のない人々の幸せのために『断罪刀』で『怪異』と戦ってきた。それをずっと誇りに思って戦ってきた...だから私はたとえ一人でも、この軍用車にいる力のない人々のためにナガツキとカンナヅキと戦うわ」
「サツキさん...」
軍用車を運転していた杉本さんが急ブレーキをかける。
「ちっ、見つかっちまった」
軍用車の前には断罪刀『神無月』を手に持ったカンナヅキと武装した『ブレイズ』の軍人達が立っていた。
「おっはようございま~すっ!」
カンナヅキが笑いながら、朝の挨拶をしてきた。

次回予告 20××年 5月7日 その2

 
 

 
後書き
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第百九話 20××年 5月7日 その2

第百九話 20××年 5月7日 その2

『組織』を裏切り、自由を求め『ブレイズ』に寝返ったナガツキとカンナヅキに『組織』の施設を襲撃され居場所を失くした私たちは予備施設に向かって移動を開始した。
しかし、予備施設は『ブレイズ』の襲撃によって既に炎上。再び居場所を失くした私たち
の前にカンナヅキと武装した『ブレイズ』の軍人達が現れた。
「おっはようございま~すっ!」
カンナヅキが大剣の断罪刀『神無月』を私たちが乗っている軍用車に向かって振り上げる。私は杉本さんを、キサラギは担架に乗せられていたミナヅキの両手に持って、急いで軍用車から脱出する。
カンナヅキが軍用車に向かって振り上げた大剣の断罪刀『神無月』が振り下ろされる。
軍用車が真っ二つになって炎上する。
燃え上がる軍用車の中から『組織』の上層部のメンバーや、負傷したスタッフ達の悲鳴と叫び声が聞こえる。
そして、それは『組織』の崩壊を意味していた。
強力な断罪刀『神無月』の使い手であるカンナヅキの前で、人命救助を優先する余裕は私たち4人にはなかった。
カンナヅキが微笑みながら口を開く。
「車に乗っていた『組織』上層部のメンバーはこれで全員死んだわ、これでもう私たちが争う意味はなくなった」
「なら、あなた達に投降すれば、私たち4人全員を助けてくれるわけ?」
「サツキちゃん、キサラギちゃん、ミナヅキちゃんは助けてあげらるかもしれないけど、杉本さんはちょっと難しいかもね」
「元カレにずいぶんと厳しいのね」
「あら、ミナヅキちゃん、もしかして嫉妬してるの?」
「なら、カンナ、俺たち4人は全員投降する、その代わり、サツキとキサラギとミナヅキは助けてやってくれ」
「ずいぶんと余裕ね、他の女の子達の心配していいのかしら?」
「そういえば、ナガツキがいないですね...」
「さすがキサラギちゃん、するどいわ」
「カンナ...てめぇ、もしかしてナガツキをヤヨイと友助のところに送ったのか!」
「そんなに怖い顔しないでよ~指示を出したのは私じゃなくてアカリさんよ。ホント、杉本さんはヤヨイちゃんが大好きなのね~」
「けっ、カンナ、お前、ヤヨイに嫉妬してるのか?」
「そりゃあ、もちろん、結局、杉本さんは私よりヤヨイちゃんが大事なんでしょう?」
「ああ、その通りだよ!俺の娘だからな、それに比べればお前なんかただの遊びだ」
「ちょっと杉本さん!挑発しないで!」
杉本さんが小声で私に向かって話しかけてくる。
「サツキ、俺が今から5秒数え終えるうちに、キサラギとミナヅキをつれて、ここから逃げろ」
「ちょっとあんたもしかして...!」
「1...2...」
「キサラギ!ミナヅキ!行くわよ!」
私は肩にミナヅキを担いだキサラギの右手を握って、ダッシュで逃走を開始する。
「3...」
私たちの動きから、なにかに感づいたカンナヅキが武装したブレイズの軍人たちに向かって大声で叫ぶ。
「総員退避!」
「4...5...!」
杉本さんの全身が爆発した。
爆炎がカンナヅキと『ブレイズ』の武装した軍人たちを襲う。
「サツキちゃん!杉本さんが!杉本さんが!嫌だ!嫌よ!こんなの!」
「ちょっと、ミナヅキさん、耳元で叫ばないでくださいよ!」
「キサラギ!急いで!」
「わかってますけど、ミナヅキさんが暴れちゃって...」
「キサラギ離して!お願い!離して!杉本さんを助けなくっちちゃ!」
「ミナヅキ...現実を見て!杉本さんの思いを無駄にするようなことを言うのはやめなさい!」
「うあああああああああああああッ!」
私たち3人はなんとか爆炎から逃げきることに成功した。
しかし、キサラギの肩に担がれたミナヅキが子供のように泣きわめくのをやめない。
「サツキさん...杉本さん、もしかして...」
「ええ、たぶんだけど、こういうときのために小型の爆弾でも持ってたのかもね...」
「小型であの威力ですか...カンナヅキさんはもう...」
「あの威力なら、ありえるわね...」
「あの、サツキさん、僕たちこれからどうするんですか?」
「杉本さんだったらきっとヤヨイちゃんを助けに行くと思うわ...」
「ミナヅキの言う通りよ、ヤヨイちゃんを助けることが杉本さんへの恩返しになる」
「でも、確か、ヤヨイさんの所在は昨日いきなり確認できなくなったはず...」
「『組織』の上層部は昨日、『ブレイズ』の襲撃前に所在確認ができなくなったヤヨイに殺害命令を出していたはず、殺害命令ですでに動ていた『組織』のスタッフがヤヨイの居場所を見つけ出しているはずよ」
「とりあえず、そのスタッフに連絡してみましょう」
               *
朝、目が覚めて、顔を洗って、リビングに行くと、銃を持った軍人みたいなやつらが椅子に座っている俺の父さんと母さんを取り囲んでいた。
「げっ!お前らもしかしてヤヨイちゃんを探しにここに来たのか!『組織』か?それとも『ブレイズ』か?」
背後からナガツキちゃんの声が聞こえてくる。
「おっはよう!友助!」
「ナガツキちゃん!どうして、こんなひどいことを!」
「だって、友助のお父さんとお母さんを人質にとれば、ヤヨイちゃんも素直にいうこときいてくれるでしょ?」
「友助...俺達のことは気にするな...」
「父さん!」
「そうよ...この人たちヤヨイちゃんを捕まえに来たんだろ!なら、私たちの事は気にせずにヤヨイちゃんと逃げるんだ!」
「母さん!」
次の瞬間、俺の両親を取り囲んでいた軍人たちが手に持っていた銃が一瞬で粉々になる。
「ふぇ!」
寝室から刀を右手に持ったパジャマ姿のヤヨイちゃんが出てきた。
「おはようございます、友助さん...ちょっと私の後ろに移動してもらっていいですか?」
「は、はい...」
俺はダッシュでヤヨイちゃんの背後に移動する。
銃をヤヨイちゃんに壊された軍人達が俺を捕まえようと、一斉に襲いかかってくる。
「NO!バイオレンス!」
「全員止まりなさい!悔しいのは分かるけど、友助には手を出すなとアカリさんから言わているはずよ!」
「ナガツキちゃん...」
軍人たちがナガツキちゃんの叱責に不服そうな顔をする。
「今回の作戦の指揮権は『断罪刀』を持つ私にあるわ、いいわね?」
軍人たちが悪態をつきながら俺へと離れていく。
「あら、おはようヤヨイちゃん!どうしたの、随分と怖い顔して、もしかして寝不足かしら?」
「これもお母さんの命令ですか?」
「そうよ」
断罪刀を手に持ったヤヨイちゃんとナガツキちゃんがにらみ合う。
俺はヤヨイちゃんとナガツキちゃんのいつかのやりとりを思い出す。
『あっそ、じゃあ、次、会った時はもう容赦しないわよ』
『それはこちらのセリフです』
二人のやりとりを思い出した俺は確信する。
俺の実家が戦場になろうとしている。

次回予告 第百十話 20××年 5月7日 その3


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百十話 20××年 5月7日 その3

第百十話 20××年 5月7日 その3

アカリさんの命令でヤヨイちゃんを捕まえに来たナガツキちゃんが俺の両親を人質に取った。
それを見て激怒したヤヨイちゃんとナガツキちゃんの戦いが今、始まろうとしていた。
俺の実家の中で。
「どんな手段を使ったところで私は『ブレイズ』には入りません」
「あっそ、それなら!」
断罪刀『長月』を手に持ったナガツキちゃんがヤヨイちゃんに正面から接近する。
断罪刀『弥生』を手に持ったヤヨイちゃんは身をかがめて、ナガツキちゃんの両すねに鋭い蹴りを入れる。
ヤヨイちゃんは姿勢を崩したナガツキちゃんの背後に回り、ナガツキちゃんのうなじに断罪刀『弥生』の剣先を突きつける。
「私の勝ちですね。死にたくなかったら今すぐ、友助さんの実家から出てってください」
「なるほどね...断罪刀でしか倒せない『怪異』ならともかく...対人戦ならわざわざ、断罪刀同士の切り合いにこだわる必要がないものね...」
「人の話聞いてます?言うことを聞かないのであれば...」
「だったらとっと殺しなさいよ、友助の前で!」
「見苦しいですよ、負け犬の遠吠えは」
「できないわよねぇ!好きな男の前で人殺しなんて!血塗れになったあんたを見た友助があんたのことをどう思うのかわかってたから、あんたは私にとどめを刺せなかった!」
「ヤ、ヤヨイちゃん!」
「友助さん...安心してください、最初から、ナガツキちゃんを殺すつもりはありませんから」
ヤヨイちゃんがナガツキちゃんのうなじに突き付けていた断罪刀『弥生』でナガツキちゃんの右肩を切りつける。
ナガツキちゃんの右肩から噴き出た鮮血が俺の実家の床を汚す。
「ゔあああああああああああああああああッ!」
右肩に走る激痛にナガツキちゃんが右手に持っていた断罪刀『長月』を血塗れの床に落っことす。
「次、左いきますね」
断罪刀『弥生』がナガツキちゃんの左肩に向かって振り下ろされる。
左肩への攻撃を察知したナガツキちゃんが全速力で移動を開始、俺の実家の窓ガラスに体当たりをする。
窓ガラスを突き破ってベランダに出たナガツキちゃんは左手で空気中から死神の大鎌を彷彿とさせる武器を出現させて、左手に握った。
「断罪刀『水無月』...!」
「どう、驚いたでしょ?」
ナガツキちゃんが断罪刀『水無月』を俺の実家にいるヤヨイちゃんに向かって横に振る。
「友助さん!家の外に逃げて!」
断罪刀『水無月』から放たれた衝撃波が俺の実家に直撃。
俺に実家が爆炎に包まれる。
「ダメもとでやってみたけど、この調子なら案外いけそうね」
ヤヨイちゃんの警告を聞いた俺と母さんと父さんは急いでナガツキちゃんが体当たりして破壊した窓ガラスからべランダに脱出。
爆炎に包まれる俺の実家から、逃げ遅れた『ブレイズ』の軍人たちの悲鳴が聞こえてくる。
「あれ...ヤヨイちゃんは?」
ヤヨイちゃんはいつの間にか、ナガツキちゃんの背後に移動していた。
「『人間の身体能力の限界を超えた高速移動』、それが断罪刀『弥生』の能力...そうでしょう、ヤヨイちゃん?」
「正解ですね...」
ヤヨイちゃんはナガツキちゃんの右側に移動する。
「右手が使えないからって、なめんじゃないわよ!」
ナガツキちゃんが左手に持った断罪刀『水無月』でヤヨイちゃんの断罪刀『弥生』を受けとめる。
「あなたの右手が負傷していなければ、今のカウンターで『水無月』の衝撃波を放てたはず」
「そうよ!右手が使えて、私の反応が遅れてなかったらあんた今頃、死んでたんだから!」
「それはつまり私の判断は間違っていなかったということです、さらに、こうして断罪刀『弥生』で『水無月』を押さえておけば、あなたは『水無月』を横に振るうことができない、つまり、『水無月』から衝撃波を放つことができない」
「全部、あんたの想定通りだったってて言いたいわけ?」
「賭けでした、私が右側から接近した際に『水無月』の衝撃波を打たれていたら、私はあなたの言っていた通り、死んでいました」
「でも、まだ!」
ナガツキちゃんが右足でヤヨイちゃんの腹部を蹴って、ヤヨイちゃんから離れる。
そして、ナガツキちゃんが左手に持った断罪刀『水無月』を横に振るう。
『水無月』から放たれた衝撃波が腹部にダメージを負ってベランダでうずくまるヤヨイちゃんに接近する。
ナガツキちゃんはヤヨイちゃんに衝撃波を回避されることを想定して、左手に持った断罪刀『水無月』を何度も横に振るう。
断罪刀『水無月』から連続して放たれた衝撃波がヤヨイちゃんを襲う。
「ヤヨイちゃん!」
俺は走って、うずくまっているヤヨイちゃんを正面から抱きしめる。
「なにやってんだ友助!」
「そうよ、友助!いますぐ引き返しなさい!」
父さん、母さん、ごめん、でも、こうすれば、俺はヤヨイちゃんの盾になれる。
「友助さん!どうしてこんなことを!」
「か、体が勝手に...!」
俺とヤヨイちゃんに断罪刀『水無月』の衝撃波が直撃する瞬間、周囲が光に包まれる。
道路側から放たれた無数の光線と衝撃波が断罪刀『水無月』の強力な衝撃波を相殺する。
「これは断罪刀『皐月』と『如月』の攻撃...もしかして...」
足音がこちらに近づいてくる。
「ギリギリ間に合いましたね、サツキさん」
「ええ。久しぶりね、ヤヨイに友助」
「へ~あなたが高村友助?つーかヤヨイちゃん男の趣味悪くない?」
目を開けると、俺とヤヨイちゃんの前に、サツキちゃんと髪の長い巨乳の女の子を右肩に背負った背の低い女の子がいた。
「サツキちゃんにキサラギちゃんにミナヅキちゃん...どうしてここに?」
3人のうち2人は手に刀を持っている。
ということは3人ともヤヨイちゃんと同じ断罪刀の使い手なのか?
「あんたたち3人がここにいるってことは...カンナのやつしくじったのね...」
「サ、サツキちゃん、ケガはもう大丈夫なのかい?」
「ええ、あの時はありがとね、友助」
「でも、サツキちゃんたち、どうしてここに?」
「ヤヨイさん、それはあとで説明します、友助さんはミナヅキを肩に担いでに僕たちから離れてください」
「は、はぁ...」
「げ~っ!なんでこんなダサいおっさんに担がれないといけないわけ~」
「文句を言うなミナヅキ、友助、ミナヅキを頼んだわよ」
「お、おう」
俺は右肩にミナヅキちゃんを背負って、父さんと母さんのいる場所まで避難する。
さっきまでうずくまっていたヤヨイちゃんが立ち上がる。
「お、お父さんはどうなったの...?」
「ヤヨイ...杉本さんは自爆して、カンナを『ブレイズ』の追っ手ごと道連れにした」
「ヤヨイさん、すみません、僕たちが無力なせいで...」
「そんなことないです、サツキちゃんとキサラギちゃんがお互いの断罪刀の力を合わせて『水無月』の衝撃波を無力化してくれたから、私と友助さんは死なずに済んだんです」
「ヤヨイさん...」
「どうしたの、ナガツキ、もう『水無月』の衝撃波は撃ってこないの?」
「そりゃあ、あんた達が仲睦まじく友情ごっこしている間に『水無月』の衝撃波を打てたら、あんた達なんて今ごろ、全員死んでるでしょうね」
「それができないということは、つまり...」
「サツキさん!ヤヨイさん!ナガツキさんの体が!」
「もともと断罪刀『長月』と適合していたナガツキちゃんと断罪刀『水無月』との適合率の低下は時間の問題だった...」
「断罪刀との適合率が低下した実験体はいずれ『怪物』に進化する...」
「やっぱり、無理があったようね...今さらこんなこと言うのはアレなんだけどさ...私が私でなくなる前に...」
「はい、わかってます」
ヤヨイちゃんが断罪刀との適合率低下によって『怪物』になりかけていたナガツキちゃんの首を断罪刀『弥生』で切り裂く。
俺が見ているこの光景は、ここにいる4人の断罪刀の使い手達に待ち受ける末路なのかもしれない。

次回予告 第百十一話 20××年 5月7日 その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百十一話 20××年 5月7日 その4

第百十一話 20××年 5月7日 その4

「コウスケさん、私たちの家が大変なことになってしまいましたねぇ...」
「サユリ...まぁ、あれで命が助かっただけありがたいと思わんとな」
俺の父さんと母さんが、ナガツキちゃんに瓦礫の山にされた実家を前になにやら、ぶつぶつ言っている。
「すみません、サユリさん、コウスケさん、私がこの家に来てしまったばかりにこんなことになってしまって...」
「いや、別に、ヤヨイちゃんを責めてるつもりじゃないんだよ、実際ヤヨイちゃんが助けてくれなかったら、私とコウスケさんは今頃どうなっていたか...」
母さんが全身を震わせ、青ざめた顔でヤヨイちゃんを慰める。
母さんはヤヨイちゃんが断罪刀でナガツキの右肩や首を切り裂くの見てしまった。
あんなのを見せられれば、ヤヨイちゃんに恐怖心を抱いて当然だろう。
父さんはヤヨイちゃんそっちのけで瓦礫の山と化した実家を見て、独り言を言っている。
おそらく、目の前で連続で起きた人知を超えた非日常的な現実にショックを受けているのだろう。
ヤヨイちゃんは自分が俺の実家に来てしまったことで、俺の父さんと母さんに精神的なダメージを与えてしまったことに感づいているのか、父さんと母さんに向かって何度も謝罪している。
俺達が実家に来たばかりに、父さんと母さんは居場所を失くしてしまった。
父さんと母さんのためにも、俺とヤヨイちゃんはもう、ここにいないほうがいいのかもしれない。
「ヤヨイちゃん、とりあえず、ここから離れよう...」
「でも、私のせいで、友助さんのお父さんとお母さんが...!」
「俺たちはもう、ここにいるべきじゃない」
「でも、でも...」
「あの家は俺達家族にとって思い出が沢山詰まった宝箱みたいなもんだった」
「だったら!」
「今、父さんと母さんを巻き込んだことについて謝罪しても、父さんと母さんの心は救われない、だから、俺達が父さんと母さんのためにできることは、ここから立ち去って、父さんと母さんを当たり前の日常に返してあげることだけだ」
「でも、私の...せいで」
「結果的にはヤヨイちゃんとサツキちゃん達のおかげで俺と父さんと母さんは生き延びることができた。ヤヨイちゃんは悪くないよ...」
ヤヨイちゃんが膝を負って、子供みたいにわんわん泣き始める。
俺とサツキちゃんとキサラギちゃんとミナヅキちゃんもそれをただ見ていることしかできない。
俺だって泣きたいよ。
断罪刀『水無月』との適合率が低下して『怪物』と化したナガツキちゃんの肉体は、誰がどう見ても人間ではなかった。
『組織』に断罪刀との適合率低下を認められたヤヨイちゃんは近いうちに、自分がナガツキちゃんと同じ運命をたどることを確信しているはずだ。
ヤヨイちゃんが今、流している涙にはそれも含まれているのかもしれない。
ヤヨイちゃんだけじゃない、サツキちゃんだって、キサラギちゃんだって、ミナヅキちゃんだって、断罪刀との適合率が低下すれば、ナガツキちゃんと同じ運命をたどるのだ。
そして『組織』が完全に崩壊した今、断罪刀ととの適合率が高いか低いかを判断する手段もない。
目に見えない、異形への進化と恐怖が断罪刀の持ち主たちをこれからも苛むに違いない。
俺はナガツキちゃんが地面に落とした断罪刀『水無月』をキサラギちゃんの方に担がれているミナヅキちゃんに手渡した。
「友助...あ、ありがとう」
「何があったのか、よくわかんないけどさ、名前からして、ミナヅキちゃんは断罪刀『水無月』をナガツキちゃんに奪われてたんだよな?」
「ええ、そうだけど...」
「それで、ナガツキちゃんは一時的にせよ、断罪刀『水無月』と適合していた、その間、ミナヅキちゃんと断罪刀『水無月』との適合率っていうのは低下するもんなのか?」
「う~ん、もう『組織』が壊滅しちゃったから適合率の上昇と低下について、確かめるすべはないわね。でも、途中でナガツキと断罪刀『水無月』の適合率が低下したってことは、たぶん、まだ私と断罪刀『水無月』は適合しているんじゃないかしら?」
「そっか...ありがとな」
「なによ、急に」
「いや、なんだか気になっただけだ。それでみんなはこれからどうするんだい?」
「サツキさん、どうしましょう?」
「そんなのわかんないけどさ、とりあえず、杉本さんの望みはこれで叶ったと思うのよね、実質、断罪刀の使い手はみんな『ブレイズ』と敵対している私たちだけになったわけだから」
「でも、まだ『ブレイズ』にはアカリさんがいるわ」
「ミナヅキ...今、アカリさんの話は...」
「なによ、サツキちゃん、だって事実でしょう?アカリさんが『ブレイズ』に入ったのはヤヨイを仲間にするためなのよ!まだ、追っ手が来るかもしれないわ!」
「ミナヅキさんの言う通りです、『ブレイズ』はもともと『組織』を壊滅するために存在している会社だと聞いています、『組織』が壊滅したとはいえ、『組織』側の僕たちをこのまま野放しにておくとは思えません...」
「サツキちゃん、それって、つまり『ブレイズ』は断罪刀の使い手も、断罪刀もこの世界から消そうとしているわけかい?」
「断罪刀に関してはまだ、わからないけど、おそらく、友助の言う通りね、でも今すぐ私たち4人の断罪刀の使い手を殺したら、『怪異』の被害者を増やすだけだわ」
「そこがよく、わからないんだよな、『ブレイズ』は自分たちも『怪異』の被害に遭うことまで考えてるのかな?」
「でも、いくら私たちが『怪異』を殺してもさ、結局『怪異』が絶滅するわけじゃないのよね」
「それって本当かい?」
「ええ、ミナヅキの言う通り、『組織』はもう何百年も前から今と同じ方法で『怪異』と戦ってきたのよ、断罪刀さえあれば、持ち主が死んでも、別の適合者を探せばいいんだから」
「じゃあ、『怪異』と人間たちの戦いはこれからも永遠に続くってことかい?」
「未来のことはわかりません、でも僕たちはずっと『学校』で『怪異』と戦う意味や戦い方を教わってきました。僕たちが断罪刀に選ばれた人間が人々を不幸から救える特別な人間であると...」
「『学校』?」
「ええ、杉本が『実験体部隊』の専用施設につけた名前よ、おまけに私たちに『実験体』に断罪刀の名前までつけちゃってね」
「それじゃあ、君たちは今まで、ずっと『組織』で『実験体』って呼ばれてたわけ?」
「はい、杉本さんだけが僕たち、『実験体』を人間扱いしてくれたんです、そうですよね、ミナヅキさん」
「そう、だから、ヤヨイちゃん以外の『実験体』はみんな、杉本さんのこと好きになっちゃってね、そりゃあ、みんなであの手この手で争奪戦よ」
なんだ、杉本さんのやつ...なんて、うらやましいんだ...!
「でも結局、杉本さんにとって一番大事だったのは自分のことを嫌っている娘のヤヨイちゃんだった、だからカンナちゃんはふてくされて、『組織』を裏切って『ブレイズ』にいっちゃったのかもね?」
「ミナヅキさん...」
「心配しないで、キサラギ、私、あの世にいったらもう一度、杉本さんにリベンジするんだから!」
「この状況でそういうポジティブなことが言えるあんたがうらやましいわ...」
ヤヨイちゃんはまだ、ひざを折ったま、うなだれている。
「ヤヨイちゃん、とりあえず、前に進もう、海に行くんだろ?」
「でも、お母さんはきっと...まだわたしのこと諦めてません」
「とりあえず、『ブレイズ』の追っ手がここに来ると、父さんと母さんがまた、危ない目に遭う、だから行こうよ、海に」
「しかたないわね、『ブレイズ』は私たち3人でなんとかするわ、だから、友助とヤヨイはとっとと、海でもどこでも勝手に行ってきなさい!」
「ちょっとサツキ!勝手に決めないでよ!私、まだ歩けないんだから!」
「でも、『ブレイズ』にはもう、断罪刀の使い手はいません、僕たち3人の『断罪刀』の力を合わせれば、『ブレイズ』を壊滅させることができるかもしれません」
「ちょっとキサラギも!正気なの?」
「ねぇ、ミナヅキ、ヤヨイちゃんがこのまま『ブレイズ』に捕まっちゃったら、天国の杉本さんはどう思うかしら?」
「はいはい、わかりました~!でも、どっかで車椅子買ってこないと私、戦えないわよ」
「それじゃあ決まりね、私たちは『ブレイズ』の本部を探して襲撃することにしたわ」
「サツキちゃん、本当にいいのかい?」
「どっちにしろ私たち3人は追われる身だしね、それにいつ『怪物』になるかわからないし、お先真っ暗だし...もう覚悟ができたわ!」
「それではヤヨイさん、友助さんといい時間を」
「私はべつにヤヨイちゃんのためじゃなくて、杉本さんのために戦うのよ!」
「素直じゃないな、ミナヅキは。ヤヨイ、杉本さんが命を懸けて作ってくれた時間を無駄にするんじゃないわよ、じゃあね」
そう言って、サツキちゃんとキサラギちゃんとミナヅキちゃんは俺たちの前から離れていった。
サツキちゃんが言っていた通り、ヤヨイちゃんにはもう、あたりまえの時間は残されていない。
ヤヨイちゃんがもし『怪物』になってしまったら俺はどうするべきか?
もう、その答えを考えてる時間は、あまり残されていない。

次回予告  第百十二話 20××年 海


 
 

 
後書き
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第百十二話 20××年 海

第百十二話 20××年 海

あの3人が去った後、俺はヤヨイちゃんを背中に担いで、海へと向かっていた。
おっさんが女子高生をおんぶしている光景はかなり珍しいのか、すれちがう人々から向けられる視線が胸に突き刺さる。
「ヤヨイちゃん...あのさぁ...」
「ごめんなさい...」
何度話かけてもこの繰り返しだ。
俺の実家が崩壊・炎上したこと。
俺の父さんと母さんを危険な目に遭わせたこと。
断罪刀『水無月』との適合に失敗して『怪物』と化したナガツキの姿。
そして、それはヤヨイちゃんにとって、そう遠くない未来の自分自身の姿でもあること。
自己嫌悪と自分が自分でなくなる恐怖にヤヨイちゃんの心は完全に壊れてしまった。
ああ、背中が痛い。
「ヤヨイちゃん、俺、もう疲れちゃったよ...」
「すいません、わたしがわがままを言わなければ、あんなことや、こんなことには...」
「そ、そういう意味じゃなくてさぁ、背中、背中がもう限界です...」
「私、重いですか?」
「重くないけど、重くないわけじゃない...かな?」
「それは重いって言うんですよ...いいです、私、どうせ重い女ですから...」
「いや、そういう意味じゃなくてさ」
「じゃあ、このまま、おんぶしててください」
「ふぇ?」
「いいじゃないですか...私、どうせこのまま『怪物』になって、軍隊とかに殺されちゃうんですから...死ぬまでに、わがままの一つぐらい聞いてくれてもいいじゃないですか...」
「そ、そうだね...ごめん」
「友助さんは私の気持ちに気付いてますか?」
「ど、どうしたんだよ、急に...」
「おんぶされた状態だと、友助さんの顔を見ずに話すことができます、だから今なら友助さんに言いたいこと言えそうな気がします...だからちゃんと答えてください...」
「そ、そりゃあ、なんとなくは...」
「友助さんの背中、あったかいです。私、ずっとこのままでいたいです」
「そ、それじゃあ、俺の背中と腰が死んじまうよ」
「なら、よかったじゃないですか、もうすぐ私が死ねば、友助さんの背中と腰は死なずに済みます」
「お、おかしな冗談を言うなよ...」
「私が怪物になって、軍隊に殺されて死んじゃうのは冗談じゃなくて、本当ですよ」
「ごめん、俺、もう君と何を話していいのかわからないよ...俺がなにを言っても、きっと君の心は救われない」
「ひとつだけ、ありますよ、私の心が救われる言葉が...」
「それって...」
「私からは絶対に言いませんよ」
「お、俺にはアカリさんが...」
「友助さんは本当に臆病者ですよね、答え、ちゃんとわかってるくせに、私の心を救いたいんじゃないんですか?」
「なぁ、でもさ、そもそもなんで君みたいな若い女の子が俺なんかのことを...」
「そんなの知りません」
「ふぇ?」
「理由が必要でしょうか?」
「確かに、何かを好きになるのに理由はいらないかもね」
「私、前にさっきと同じことをお母さんに言ったんです」
「理由が必要かどうかってこと?」
「はい。断罪刀との適合率が低下して、もうすぐ自分が死ぬことに気づいた私はお母さんにあることをお願いしました」
「あること?」
「死ぬ前に好きな人と一緒にいたいって、お母さんにお願いしたんです」
「う、うん...」
「それで、お母さんに私の好きな相手について聞かれました。私の答えを聞いたお母さんは私になぜ、その人のことを好きになったのか理由を聞いてきました」
「その時に言ったんだね」
「はい、私は『理由が必要でしょうか?』とお母さんに言いました」
「そうしたらお母さんは大笑いして、私のお願いを聞いてくれました。そして次の日になったら置手紙を残して家からいなくなっていました」
「じゃあ、アカリさんが家出したのはヤヨイちゃんのせい?」
「そうですよ、お母さんはもうすぐ死んでしまう娘のために、私が死ぬまでのあいだだけ友助さんを私に貸してくれたんです」
「じゃあ、ヤヨイちゃんはアカリさんに許可をもらって、ヤヨイちゃんが死ぬまでのあいだ、俺をレンタルしているってこと」
「はい」
「でも、ヤヨイちゃんさぁ、アカリさんが家にいたころは、ずっと俺によそよそしくなかった?」
「だって、普通、お母さんの再婚相手にアプローチしますか?」
「普通しないね」
「でも、自分がもうすぐ死ぬってわかったら、もう普通じゃないんです。だから、今、こうして友助さんにアプローチしてます」
「でも、それじゃあ、どうしてアカリさんは『ブレイズ』に入社したんだろう?」
「お母さんは『組織』を裏切って、『ブレイズ』に入社して『組織』を壊滅させることで私への罪滅ぼしをしたかったのかもしれません」
そっか、杉本さんもアカリさんも『組織』に所属していたばかりに断罪刀と高い適合率を出した自分の娘であるヤヨイちゃんを『実験体』にするしかなったんだ。
そして、そのせいで、ヤヨイちゃんはこうして今、苦しんでいる。
「そっか、アカリさんは『組織』を壊滅させることで、ヤヨイちゃんを実験体にしてしまった罪滅ぼしをしようとしてたんだね...」
「でも、そんなことしたら、この世界で生きる人々はみんな『怪異』に寄生されて、自殺してしまいます...『組織』の壊滅は人類が『怪異』に負けを認めるのと同じことなんです」
「いいじゃないか、負けちゃっても...」
「え?」
「どうせ人間いつかは死ぬんだ、それなら最初から『怪異』に負けを認めてるのと同じだよ」
「でも『怪異』を『断罪刀』で殺すことで救われる命もあります」
「うん、でもその『断罪刀』で救われる命のせいで、ヤヨイちゃんが苦しい思いをするのは間違ってるよ。ヤヨイちゃんだって、本当はそう思っているんだろ?」
「そう...ですね...」
「ヤヨイちゃん着いたよ、海に」
「海...ですね」
「でも、どうして海なの?」
「そのうちわかります」
ヤヨイちゃんがやっと俺の背中から降りる。
俺はリュックサックからレジャーシートを取り出して砂浜に敷いた。
俺とヤヨイちゃんはレジャーシートの上で体育座りをしながら海を眺めていた。
「俺、ヤヨイちゃんをずっとおんぶしてたから、なんだか疲れて眠くなっちゃったよ」
「お疲れさまでした、もう、ゆっくり休んでいいですよ」
「う、うん...おやすみなさい」
俺はそのままレジャーシートの上で横になって目をつぶった。
昼寝から目を覚ますと、空が茜色に染まっていた。
「俺、ずいぶんと長い時間、昼寝してたんだな、夕焼けが、まぶしい...あれ、ヤヨイちゃんは?」
昼寝をする前まで俺の隣にいたはずのヤヨイちゃんがいなくなっていた。
レジャーシートの上には俺と俺のリュックとヤヨイちゃんのリュックだけ。
砂浜にもヤヨイちゃんはいない。
そして俺の目の前には海があった。
なぜ、ヤヨイちゃんが海に行きたがったのか、なんとなくわかった気がした。
俺はすぐにその考えを否定した。
でも否定してすぐに、また俺の脳が俺の心に問いかけてくる。
なぜ、ヤヨイちゃんは海に行きたがっていたのか?
そう、『怪物』になって暴走したヤヨイちゃんが俺を守る方法はたったひとつしかない。
俺の脳裏にいつかのヤヨイちゃんの言葉がよぎる。
『私が...私が友助さんを守りますから...!』
次回予告 第百十三話 20××年 海 その2


 
 

 
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第百十三話 20××年 海 その2

第百十三話 20××年 海 その2

報告書 
5月7日、夕方ごろ、『断罪刀』を所持した『実験体2号』と『実験体5号』と『実験体6号』が『ブレイズ』の本部を襲撃。
『実験体5号』が『ブレイズ』の軍人達との戦闘中に断罪刀との適合率低下により『怪物』になる。
『怪物』になり暴走した『実験体5号』は敵対する『ブレイズ』の軍人達だけでなく『実験体2号』と『実験体6号』を殺害し、逃走。
この戦闘により『ブレイズ』は事実上、壊滅状態になった。
             *
俺が昼寝をしている間に姿を消したヤヨイちゃん。
海に行きたいと言っていたヤヨイちゃん。
そして、俺の目の前にはその海がある。
俺は着ている服を全部脱ぐ。
背後から通行人の悲鳴が聞こえる。
そして、リュックサックからとりだした海パンを、はく。
俺は海に潜る。
「ヤヨイちゃんを助けなくちゃ」
5月の海はまだ冷たかった。
「冷たくて死ぬかと思った」
俺は一度、砂浜に戻る。
「俺、何してんだ?」
よく考えろ、俺は少なくとも2時間以上は昼寝をしていた。
「もう手遅れかも知れない」
仮に、海中でヤヨイちゃんを見つけることに成功しても生きている可能性は低い。
「でも、助けなくちゃ」
もう一度よく考えろ、ヤヨイちゃんを探している途中で海に溺れたら、俺が死んでしまう。
「でも、俺は、死にたくない」
そうすれば、ヤヨイちゃんが俺の命を守る為に海に入った意味がなくなる。
「そうだ、俺が死んだら天国のヤヨイちゃんが悲しむ」
お前は臆病者だ。
「そうだ、俺は、臆病者だ」
お前は口ではヤヨイちゃんのことを心配しつつも、結局は死ぬのが怖い臆病者だ。
「俺は死にたくない、だから自分が臆病者であることを正当化するためにヤヨイちゃんの願いを利用して生き延びようとしている最低野郎だ」
臆病者は臆病者のために自分の命を犠牲にしたヤヨイちゃんのためにもとっとと家に帰れ。
「家に帰る...」
でも、家に帰ってもヤヨイちゃんはいないぞ。
「そうだ、ここで逃げたらヤヨイちゃんはもう二度とあの家に帰ってこないんだ」
俺はもう一度、5月の海に潜る。
冷たい、逃げたい、帰りたい、死にたくない。
俺の脳が今すぐ、ヤヨイちゃんを見捨てて家に帰れて警告してくる。
それでも俺は海を泳ぐ。
ヤヨイちゃんを探して。
仮にもうヤヨイちゃんが海に溺れて死んでしまっていたとしても、ここでヤヨイちゃんを探すのを諦めたら、俺はアカリさんに合わせる顔がないし、なによりヤヨイちゃんを見捨てたことを一生後悔するだろう。
ヤヨイちゃんはきっと今の俺を見たら怒るかもしれない。
ヤヨイちゃんはきっと、『怪物』になった自分が俺を殺してしまうことを恐れていたから、自殺目的で海に入ったんだと思う。
これで、俺が溺れ死んだらきっとヤヨイちゃんに怒られる。
俺はもう泣きそうだった。
俺は息継ぎのために顔を海中から海面に出す。
「ずいぶんと泳いだな、俺」
後ろを振り向くと、砂浜がずいぶん遠くに見える。
それに、寒くて凍え死にそうだ。
あと、めちゃくちゃトイレにいきたい。
おそらく、砂浜まで泳いで戻る体力はもう俺には残されいないだろう。
つまり、俺は多分、死ぬのかもしれない。
そう思うと、なんだか、もう死ぬのが怖くなくなってきた。
俺は背後の砂浜から視線をそらし前を向く。
少し先の海面に人が仰向けの状態で浮いている。
「ヤヨイちゃん...?」
間違いない、海に浮かんでいるのはヤヨイちゃんだ。
「ヤヨイちゃぁぁぁぁぁん!」
俺は叫びながら泳ぐ。
俺は海に浮いているヤヨイちゃんにたどり着く。
「友助さん、私、死ぬのに失敗してしまいました」
「よかった...生きてて」
「私、小さいころに『組織』の色んな実験で自分の体が強化されてるの、忘れてました」
「よかった...本当に」
「よくないですよ、『組織』にモルモットされたせいで、私は自殺も出来ない、友助さんも守れない」
「よかった、生きてて...」
どこからか空襲警報に似たサイレンの音が大音量で聞こえてくる。
次に、警察官を名乗る男性の声が大音量で付近に『怪物』が出現したので、市民は今すぐ警察の避難誘導に従って地下のシェルターに避難しろと支持してくる。
その指示がもう一度繰り返される。
俺はその時、杉本さんから『全て』を聞かされたことを、後悔していた。
俺が何も知らなければ、サイレンの音と共に何度も繰り返されているこの警告を、映画の撮影かなにかと勘違いできたかもしれない。
だってそうだろう?
空襲警報に似たサイレンの音に警察の口から大音量で『怪物』なんて言葉を聞かされたら、みんな怪獣映画の撮影だと勘違いするに決まっている。
きっと誰も、本当にこの世界に『怪物』がいることなんて信じないだろう。
でも、俺はもう、聞いてしまった、あの日、杉本さんの車の中で。
俺はもう見てしまった、断罪刀との適合率が低下した影響で『怪物』になりかけていたナガツキちゃんの姿を。
そして、俺と同じく、ヤヨイちゃんも気づいていた。
今、大音量で繰り返し流れているサイレンの音と警察の放送が真実であるということに。
「友助さん、戻りましょう、砂浜に」
「俺、もう泳げないかも...」
「じゃあ、私もここで友助さんと一緒に海に溺れます」
「わ、わかった、が、がんばって泳ぐから砂浜に戻ろう!」
俺とヤヨイちゃんはなんとか砂浜までたどり着くことができた。
「もう真っ暗ですね...友助さん、私、着替えるので、5分ほど、目をつぶっていてください」
「は、はぁいっ!」
俺は目をつぶっている間、考えていた。
どうしてヤヨイちゃんが急に海から砂浜に戻ることを決断したのか。
もしかしてヤヨイちゃんは『怪物』になってしまったかつての仲間と戦うために...。
「終わりました...」
「学校の制服!」
「なにか珍しいですか?」
「い、いえ...でも、もしかして、ヤヨイちゃんさぁ...」
「安心してください、帰りましょう」
帰るって、どこにだよ...。
俺はあえて、帰る場所についてヤヨイちゃんには聞かなかった。
俺達に帰る場所がないことぐらい、ヤヨイちゃんもきっとわかってるはずだから。
「そっか、それじゃ、今度は俺が着替えるから...」
「わ、わかってます、着替え終えたら、声をかけてください...」
「終わった」
真夜中に着替えを無事終了させた俺とヤヨイちゃんは横に並んだまま夜道を歩く。
「私...!」
「もう、いいよ、謝らなくてもさ」
俺はヤヨイちゃんの手を握る。
「と、友助さん...!」
「俺、ヤヨイちゃんが海で死んでしまったんじゃないかって思った時、やっと自分の本当の気持ちに気づいたんだ...」
「友助さん...後ろに下がっていてください」
「ふぇ?」
俺とヤヨイちゃんの目の前には血塗れの『怪物』がいた。
血塗れの『怪物』の背中には断罪刀が2本刺さっていた。
ヤヨイちゃんが何かに気づいたかのように口を開く。
「あれは...断罪刀『如月に『水無月』...ということは...」
「じゃあ...あの『怪物』は...!」
「サツキちゃん...」
「ど、どうして、こんなことに...警察は...自衛隊は...いったいなにやってるんだ?」
血塗れの『怪物』の右手が伸びて、ものすごい速さで俺に向かってくる。
空気中から断罪刀『弥生』を抜刀したヤヨイちゃんが『怪物』の右手を断罪刀で切り裂く。
しかし、次の瞬間には『怪物』の左手が伸びて、ヤヨイちゃんの左腕を切り裂いていた。
「友助さん...私、もう友助さんを守ってあげられないかもしれません...」
わかってる。
仮にこの状況から生き延びることができても、将来、ヤヨイちゃんも、今、目の前にいる『怪物』になってしまうことぐらい。
それでも、俺は言わなくちゃいけない。
今、逃げずにこの場でそれを言わなきゃ、きっと後悔すると思うから。
誰かにちゃんと説明できるような理由なんて、きっと必要ない。
そうだろ、ヤヨイちゃん。
ヤヨイちゃんは右手だけで断罪刀を握った状態で『怪物』と戦っている。
『怪物』の左手がヤヨイちゃんの腹部をつらぬいた。
ヤヨイちゃんの動きが止まる。
血塗れのヤヨイちゃんに向かって俺は言う。
「ヤヨイちゃん、好きだ」







 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百十四話 20××年 報告書

第百十四話 20××年 報告書

「潜入捜査、お疲れさま。報告書、よくまとまっていて、上も大喜びだよ」
「はい、室長、それで...例の件に関しては...」
「ああ、もちろん、約束通り、君は明日から本部勤務だ」
「ありがとうございます」
私は部屋を出てるとそのまま、昼食を摂る為に社外に出た。
「お久しぶり、鈴木さん」
私に話しかけてきたのは、今、いちばん顔を見たくな女だった。
「ア、アカリさん!」
「ちょっと話があるんだけど、今、大丈夫?」
「は、はい...」
私はアカリさんの車の助手席に乗る。
「車の中ってことは、誰かに聞かれちゃまずい話ってことですよね?」
「もちろん、それで報告書のことなんだけど」
「はい、ちゃんと断罪刀の部分は適当に誤魔化しておきましたよ」
「どんなふうに誤魔化したの?」
「だから、断罪刀は全部回収して、第8施設に凍結しておいたって」
「そう、助かったわ。でもそれじゃあ、いずれ上にバレるんじゃないの?」
「問題ありません、凍結した断罪刀はみんなレプリカです、仮に、適合者の探索が再開されても、レプリカの断罪刀に適合できる人間なんて一人もいません」
「なるほどね」
「でも、本物の断罪刀、本当に全部、破壊しちゃってよかったんですか?」
「どういう意味?」
「だって、断罪刀がなくなったら、これから『怪異』の被害者がどんどん増えるってことですよ」
「私はそれでいいと思うわ、人間なんてみんな『怪異』に寄生されて絶滅しちゃえばいいのよ」
「それじゃあ、私、人類を絶滅させるために『組織』と『ブレイズ』の二重スパイをやらされていたようなもんです」
「いいじゃない、別に。結局、そのおかげで明日から本部勤務なんでしょう?」
「どうしてアカリさんが知ってるんですか?」
「でも、私はこれでよかったと思ってるわ、これでもう、断罪刀のせいで嫌な思いをする人間は一人も出なくなるんだから」
「でも、『怪異』を唯一倒せる断罪刀がなくなったせいで、人類は絶滅確定ですよ」
「いいじゃない、別に自然災害に巻き込まれたと思えば」
「自然災害?」
「ええ、人間も所詮は自然の一部だからね。つまり、人の過ちも、殺人も交通事故も、あらゆる犯罪も所詮、自然災害なのよ」
「なるほど、断罪刀をすべて破壊したのも、自然災害だって言いたいわけですね」
「そういうこと」
「あの、悪いんですけど...」
「はいはい、この話はもう終わり、もうあなたの前には二度と姿を現さないわ。わたしはただ、あなたの書いた報告書について色々聞きたかっただけだから」
私は何も言わずに、アカリさんの車から外に出た。
アカリさんの乗った車はそのまま、どこかへと走っていった。
『怪異』から人類を救う、唯一の兵器である『断罪刀』がこの世界から失われた今、私達人類は近い将来『怪異』に寄生された人間達による自殺や殺人などで絶滅する可能性が高い。
それでも、私は室長に提出した報告書の一部を改ざんした。
表向きには12本の断罪刀は第8施設に凍結封印されている。
しかし、実際に第8施設に凍結されている12本の断罪刀はレプリカだ。
本物の断罪刀は全て、アカリさんが回収して破壊した。
それは、人類の滅亡を意味している。
そして、私もそれに手を貸したことになる。
『組織』と『ブレイズ』、敵対する2大勢力で二重スパイをしながら、そこで見た現実を報告書にまとめて本部に送信していた私にはその義務がある。
人が人らしく生きることができる世界を守る為に、人が人でなくなってはいけないのだ。
それが、今回の潜入捜査で感じた私の感想だった。
だから、私は断罪刀の部分だけ、報告書を改ざんしたのだ。
つまり、これで私とアカリさんは人類を滅亡に陥れる恐怖の大魔王になったわけだ。
不思議と罪悪感はなかった。



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百十五話 超地球救済戦記 断罪王ORTHOROS〈オルトロス〉カーペットにしわを作るなと言う女はもう、家にカーペットを敷くのをやめろ!人間が二足歩行の生き物である以上、カーペットにしわを作らずに歩行できるわけねぇだろ!

第百十五話 超地球救済戦記 断罪王ORTHOROS〈オルトロス〉‼カーペットにしわを作るなと言う女はもう、家にカーペットを敷くのをやめろ!人間が二足歩行の生き物である以上、カーペットにしわを作らずに歩行できるわけねぇだろ!

『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』、それは何千年も前から自分たちのことを神の末裔だと思い込んでいるゴミクズバカ一族の名前だ。
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは俺たち一般人が労働から得た給料の一部を『ZEI銀』と称して強制的に奪い、なんの労働もせずに、その『ZEI銀』だけで生活をしている。
『ZEI銀』をゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに渡すことを拒否した人々は法律違反を犯したと聖府にみなされ、刑務所に入れられて死刑判決を受ける。
俺の父さんもその罪で今、刑務所にいるんだ。
俺の名前は闇崎ムツト。
俺の家は貧乏だった。
母さんは病気で働けない体だった。
そして俺はその当時、まだ中学生だったから働くことができなかった。
だから父さんは俺の学費と母さんの病気の薬や治療費のために一生懸命働いていた。
そしてある日、俺の家に聖字我と伝脳の犬である『刑察』がやってきた。
そして俺にこう言ったんだ。
「あなたのお父さんはここ数ヶ月、ZEI銀を納めていませんね?」
そう、父さんは俺の学費、母さんの病気の薬や治療費、そして家族全員の食費のために、ろくに働かないゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの生活に必要不可欠な『ZEI銀』を払っていなかったんだ。
でも、父さんがゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに『ZEI銀』をはらっていなかったのは決して悪意があったわけじゃない。
『ZEI銀』をろくに働かないゴミクズのゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに支払えば、俺たち家族が最低限の人間らしい生活を維持できないからだ。
給料の一部から差し引かれる『ZEI銀』の金額は一般人の食費、一ヶ月分に相当するんだ。
もし、父さんが仮に、ろくに働かないクソゴミのゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに『ZEI銀』を払っていたら俺たち家族は全員が死んでいたかもしれない。
そして父さんは『ZEI銀』の支払いを要求してきた『刑察』に向かって両手中指を立てながらこう言ったんだ。
「今の私の給料からZEI銀を支払えば、我々家族は生活できない。だから、ZEI銀はもう払わない!そんなに働くのがいやならとっとと死ねバーカ死ね!と、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのやつらに言っておけ!」
そして父さんはその日、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに対して失礼な暴言を吐いただけなのに『刑察』に逮捕され刑務所にぶち込まれた。ちなみに、まだ死刑は執行されていない。
俺と母さんは家計を支えていた父さんを失い、無一文になった。
そして、母さんの病状が悪化。
もちろん、薬や治療費に必要な金はない。
その当時、中学生だった俺は、働けない。
そして、母さんが病死した。
母さんが病死したその日に俺は大家さんに実家のアパートを追い出された。
俺は中学生でホームレスになってしまった。
その日から、俺は生きるために窃盗や暴行を繰り返した。
そして、俺は刑察に捕まり、聖少年刑務所にぶち込まれた。
それから5年、19歳になった俺は聖少年刑務所で生活していた。
あと一年して20歳になれば、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが決めた法律によって聖少年刑務所から釈放される。
でも釈放されたところで、この社会に前科者の俺の居場所があるとは到底思えない。
そしてある日、聖少年刑務所の敷地内にある研究所を反・ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーテロリスト『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー絶殺部隊・THE翼』が襲撃した。
刑察に追い詰められたTHE翼のメンバーは聖少年刑務所を武力で占拠、俺たち聖少年刑務所の囚人たちを人質に取ったんだ。
俺はTHE翼のメンバーの一人に話かけた。
「ねぇ、なんでTHE翼のおっさんはなんでこんな無意味なことをしてるんだい?」
「無意味だと?」
「ああ、だってそうだろ、あんた達THE翼はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのことが気に入らないからこうしてバカみたいなテロ活動をしている、そして今、こうして追い詰められている」
「それのなにが悪い!俺の両親は最低限の人間らしい生活を維持するために『ZEI銀』をゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに支払うことができなかった!そしてゼェイジグゥアーとデエンノヴォーにZEI銀を支払うのを拒否した俺の両親は刑察に捕まり刑務所にぶち込まれて死刑にされて死んだ!だから俺はTHE翼に入団してゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに復讐することに決めたんだ!」
「俺と同じですね」
「なんだと、お前もゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのせいで両親を亡くしたのか?」
「はい、でも父さんはもしかしたらまだ刑務所で生きているかもしれません」
「なら、お前もTHE翼に入団するか?」
「入団しても、相手はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーです、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは法律では神であり国そのものです、とても勝ち目があるとは思えません」
「戦う前から諦めるのか?ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが本当に神なら、なぜ、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは俺たちの給料からZEI銀をよこせと要求してくるんだ?」
「そ、それは...」
「本当にゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが神なら、なんで労働者の給料からZEI銀なんて集金するんだ?本物の神ならそんな回りくどいことしなくても生きていけるだろ」
「確かに」
「いいか、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーなんて所詮、自分たちをことを一般人よりえらいと思ってる頭のおかしい奴らだ!つまり相手は神じゃなくてただの人間だ!人間相手にビビる必要がどこにあるんだ!」
「でも、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーがその気になれば、刑察だけじゃなくて軍隊だって出動するかも、そうしたらいくらあんた達THE翼が銃持ってたって、勝ち目はないよ」
「勝ち目はあるさ、見ろよコレを」
THE翼のメンバーの男が俺に一つの銃を見せてくる。
「この銃の名前は『黒双銃オルトロス』、どうだ、かっこいいだろう!」
黒色で銃口が横に二つある!これが黒双銃オルトロス!
オルトロスって確か、神話に出てくる頭が二つある犬のことだよな。
「でも、この銃一つでいったい何ができるんだよ?」
「俺たちがぶっ殺した研究所のやつらが言うにはこの銃は遥か古代の遺跡で見つかって、選ばれし者が銃のトリガーを引くと、黒双銃オルトロスから究極の破壊神が出てくるらしいぜ!すげーだろ!」
「そんなの、絶対嘘だって!」
「うそじゃねぇよ!遺跡にはオルトロスから解き放たれた破壊神があらゆる文明を何度も破壊してきたって記してあったって研究所のやつらが行ってた。少なくとも、研究所のやつらがこの銃を研究してた時点でこれがただのオカルトグッズじゃないってことが証明されてる」
「でも選ばれし者が見つからなきゃ、意味ないじゃないか!」
「そんなの、この包囲網を突破してすぐに見つけ出してやるさ!」
「それができないから、あんた達THE翼は聖少年刑務所に立てこもって俺たちを人質にとったんだろ?」
「うるせぇ!ガキは黙ってろ!」
その時だった、天井が崩落してきたのは。
「うおおおおお!こりゃあ、軍隊の空襲だ!やつら!俺たちごとこの刑務所の人間を殺すつもりだ!」
そして気が付けば俺は瓦礫の山の中にいた。
背中に人間の体温を感じる。
首を後ろに回すと、俺の背中に覆いかぶさっていたのは、さっきまで話していたTHE翼のおっさんの死体だった。
俺はTHE翼のおっさんのおかげで瓦礫の下敷きにならずに済んだのだ。
でも、周りは真っ暗で、瓦礫の山が邪魔で外に脱出できる可能性はほぼない。
俺はこのまま、この瓦礫の山の中で餓死するしかないのか?
『生きたいか?』
どこからか、声が聞こえてくる。
よく見ると俺の目の前におっさんが落としたと思われる黒双銃オルトロスがあった。
「銃がしゃべっている?お前がおっさんの言っていた究極の破壊神なのか?」
『その通りだ、お前が真の社会不適合者ならば、我をこの銃から開放できるはずだ』
「お前を開放すれば俺は死なずに済むんだな?」
『その通りだ、引け!トリガーを!』
「ああ、もうこうなればやけくそだ!」
俺は黒双銃オルトロスのトリガーを引いた。
オルトロスに触れた瞬間に俺の脳内に3文字の言葉がおぼろげながら浮かんできた。
『叫べ!変神の呪文を!』
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
目を開けると俺は全身真っ黒な巨大人型機動兵器になっていた。
「そうか...俺自身が究極の破壊神になってしまったのか!」
『その通りだ、神は人の弱き心が産んだ偽りの神、故に我は神を欲する選ばれし社会不適合者であるお前に神の力を与えた...さぁ!お前の破壊したいすべてのモノをこの世界から根絶やしにしろ!断罪王オルトロスよ‼』
足元に刑察がいる。
あの日、俺の家にゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で出動した刑察官が生活を維持するためにZEI銀を払えなかった父さんを連れ去った光景がフラッシュバックして俺の復讐心に火を着けた。
そうだ!刑察のやつらの給料もZEI銀だったんだ!
「ビージャンビャァァァァァァァァァァッ!」
断罪王オルトロスに変神した俺は声にならない叫び声を上げながら足元にいる刑察やパトカーを踏みつぶす。
そうだ!軍隊のやつらの給料もZEI銀だった!
「グォルムザァァァァァァァァァァァァイッ!ブンハァァァァァンッ!ボヴェ‼」
そして、テロリストTHE翼を俺たちごと空襲で殺そうとしてきた軍隊の戦闘機を右手でつかんで握りつぶす。
「これで終わりだァァァァァァァァァッ!狂撃波動!黒双〈こくそう〉オルトロスインパクト‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王オルトロスの両手のひらから放たれた狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが重火器を装備した刑察官たちや、戦闘機や戦車を操縦している軍人たちの脳に直撃して、精神を完全に破壊して強制脳死状態にする
聖少年刑務所は血の海と化していた。
俺は決めた。
死刑囚として刑務所にいる父さんのために。
そして、理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで死んでしまった母さんのために。
俺がこの黒双銃オルトロスの二つの銃口から解き放たれる断罪王オルトロスの力でこの世界からゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを一人残らず、ぶっ殺してやる。
俺の復讐が始まった。

次回予告 THE翼との邂逅 人生とはルールもクソもねぇイス取りゲームだ!



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百十六話 THE翼との邂逅  人生とはルールもクソもねぇイス取りゲームだ!

第百十六話 THE翼との邂逅  人生とはルールもクソもねぇイス取りゲームだ!

黒双銃オルトロスで断罪王オルトロスに変神した俺は聖少年刑務所でゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で出動した刑察と軍隊を全滅させた。
俺は敵の増援が来る前に、聖少年刑務所を出て、路上で変神を解いた。
断罪王オルトロスに変神する際に、囚人服が消滅してしまったせいで俺は今、全裸で深夜街を歩いている。
そして、俺の手にはテロリスト集団THE翼のメンバーの一人が研究所から盗み出した、黒双銃オルトロスが握られていた。
近くではまだサイレンの音が鳴り響いている。
早く、服を見つけないと、俺はまた別エリアの聖少年刑務所に入れられてしまう。
俺は正面から歩いてくるサラリーマンの男に黒双銃オルトロスの銃口を向けて叫ぶ。
「おい!そこの、この世界にどこにでも代わりがいそうなサラリーマン!死にたくなかったら、いますぐお前の服をよこせ!」
「裸の男!それに黒い銃...しかも銃口が二つもある...!」
「うるせぇ!この銃は黒双銃オルトロスだ!さっさと服をよこせ!」
「お前!大人をなめるなよ!」
「なんだと!」
「さっき言ったよなぁ!俺のことを、この世界にどこにでも代わりがいそうなサラリーマンだって!お前、それが人にものを頼む態度かよ!しかも全裸で!」
「俺は間違ったことは言ってねぇよ!お前らサラリーマンみたいな、自分の夢を自分で勝手に諦めた何の特技も個性もない、自分に嘘をつくのだけは一人前なゴミクズ人間なんて世の中にゴマンといるじゃねぇか!ああん?死ね!』
「うるせぇ!みんながみんな自分の好きなことを仕事にして飯を食えると思ったら大間違いだぞ!この変態ガンマン!」
「だから!死ねって言ってただろうがよぉ!」
バギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!
俺は黒双銃オルトロスのトリガーを引いた。
黒双銃オルトロスの銃弾を胸に受けたサラリーマンがうつむけに地面に倒れる。
「素直に俺に服を渡していれば、お前は死なずに済んだんだ!俺は悪くねぇ!」
俺はサラリーマンの死体から下着以外の衣服を剥ぎ取ると路地裏で身に着ける。
スーツ姿の俺は食料補給のためにコンビニに入る。
俺はコンビニ店員に黒双銃オルトロスの二つの銃口を向けて聞いてみる。
「お前さ、まだ生きていたいか?」
「は、はい」
「じゃあ、レジ袋よこせ、そんで今から俺のほしい食料をもらっていく、もちろん、金は絶対に払わない、それで警察も絶対の呼ぶな!いいな?」
「は、はい...そうすれば、命は助けてくれるんですよね?」
「ああ、もちろん」
バギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!
俺はコンビニ店員に向かって黒双銃オルトロスのトリガーを引いた。
「俺は悪くねぇ!」
死体になる直前のコンビニ店員の返り血を浴びた俺はビニール袋に食料をありったけ放り込む。
「よし、これだけあれば、当分、食料には困らねぇな」
俺がコンビニを出ると、路上で一般人が刑察に土下座をしてなにやら頼みごとをしていた。
「頼みます、今月、ZEI銀を払ってしまうと私たち家族はご飯が食べられなくなってしまうんです!今回だけは見逃してください!」
「貴様ァッ!ZEI銀の納付は国民の義務だぞ!ZEI銀を納めないということは、この国の神であるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに反旗を翻すことと同じなんだぞ!お前はそんなに刑務所で死刑になりたいのか!」
「ひえぇッ!お助けを!今月だけは見逃してくください!家族の、家族の生活ためなんです!」
「貴様は自分の家族とこの国の神そのものであるゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、どっちが大事なんだ?」
「自分の家族です...」
「不合格だ、お前をゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの無駄に豪華な生活のためにZEI銀を納めない罪で逮捕する、そしてお前は近いうちに刑務所で死刑になる!よっしゃあッ!」
「そ、それだけは勘弁して下さい!私が刑察に捕まったら、家族がみんなご飯を食べられなくなってしまいます!」
「うるせぇ!この未納ZEI者が!未納ZEI者は死んで当然何だよぉ!」
次の瞬間、ロクに働かないクソバカのゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのためにZEI銀を納めない一般人を無理矢理連行しようしていたクソバカ無能刑察官の頭が銃弾で打ち抜かれた。
誰だ?打ったのは俺じゃない!
「今だ!そこの一般人逃げろ!」
刑察に連行されかけていた一般人がダッシュでどこかへ逃げる。
近くに居たもう一人の刑察官が叫ぶ。
「ちっ、この銃撃は、またTHE翼の仕業か!」
しかし、次の瞬間にはもう一人の刑察官の額も打ち抜かれていた。
「そこのスーツの男!お前は聖府の人間か?」
「ちがう、俺は黒双銃オルトロスに選ばれた、究極の社会不適合者・闇崎ムツトだ」
「黒双銃オルトロスだと...お前、研究所を襲撃した部隊の生き残りか?」
「ちがう、俺はその部隊に立てこもった聖少年刑務所の受刑者だった。たぶん、あの事件で生き残ったのは俺だけだ」
「そうか、じゃあ、お前が今日の事件に出動した軍隊と刑察を全滅させた、あの巨人だというのか...」
「巨人じゃねぇよ、断罪王オルトロスだ」
「なるほど、私はTHE翼のメンバー、スナイパーだ」
「自己紹介になってねぇよ」
「THE翼のメンバーの名称はみんなコードネームなんだ。それよりもし、行くところがないならTHE翼に入団しないか?」
「最初からそのつもりだ」
その日、俺はスナイパーと名乗る女に誘われてTHE翼に入団した。

次回予告 THE翼と作戦会議。 一年に約一万人自殺者が出ているのに人口を増やそうとしてんじゃねぇよ!人口が増えて一番得する奴らがどこのどいつかよく考えろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百十七話 THE翼と作戦会議。一年に約一万人自殺者が出ているのに人口を増やそうとしてんじゃねぇよ!人口が増えて一番得する奴らがどこのどいつかよく考えろ!

第百十七話 THE翼と作戦会議。一年に約一万人自殺者が出ているのに人口を増やそうとしてんじゃねぇよ!人口が増えて一番得する奴らがどこのどいつかよく考えろ! 
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔあああああああああああああああああああああああッ!」
俺の素手から放たれた狂撃波動を頭部に受けた刑察官の捕虜が奇声を上げて死亡した。
「これでわかってくれたかな、俺の力を」
THE翼の基地に着いた俺はTHE翼が捕虜にした刑察官を実験台にして、他のメンバーに俺が黒双銃オルトロスに選ばれた断罪王オルトロスであることを証明した。
「ああ、わかったよ、十分すぎるくらいにな...しかし、すごいな素手で相手の頭部に触れるだけで即死とは...究極の破壊神、断罪王の力なんて恐ろしいんだ!」
「ああ、闇崎ムツトがいれば、俺たちゃ怖いものなしだぜ!」
THE翼の基地内にいるメンバー全員から歓声と拍手が俺に向かって送られる。
「喜ぶのはまだ早い!俺たちTHE翼の最終目的はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを皆殺しにすることだ!」
THE翼のリーダー、コマンダーがみんなの気を引き締める。
コマンダーと言うのはコードネームだ。
「と言ったものの、俺も正直驚いている、今日からよろしく頼むぞ闇崎ムツト!コードネームはどうする?」
「いらねぇよそんなもん、俺は闇崎ムツトだ」
「しかし、コードネームをつけるのがTHE翼のルールなんだよ」
「社会不適合者にルールなんて意味ねぇんだよ!それに、俺はいずれ全てのゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを殺す社会不適合者だ、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに俺の本名を知ってもらえたほうが、やつらのせいで死んだ、俺の母さん魂が報われる。ムツトと言う名前は俺の母さんがつけてくれたんだ」
「わかったお前は特別だからな、とりあえず許してやるよ...でも、あんまり一人で背負い込むな、ロクに働かないクソバカのゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで大切な家族や友人を亡くしたのはお前だけじゃないんだぜ」
「ああ、たよりにしているぜ、コマンダーさんよ」
ケッ、お前らなど所詮、断罪王である俺がいなければただのゴミの寄せ集めに過ぎん。
「よし!みんな聞いてくれ!これから俺たちTHE翼の次の作戦を説明する!」
談笑に興じていたTHE翼のメンバーが一斉にコマンダーの方を向く。
「作戦名は『同伊図業具愛・殲滅作戦』だ!」
コマンダーの言葉にTHE翼のメンバーが一斉に口から歓声を上げて沸き立つ。
「『同伊図業具愛』とは ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーがZEI銀を支払うことができない罪なき貧困層から強制的にZEI銀を徴収するために刑察や軍隊を出動させる際に発生する軍事費用をゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに援助している極悪カルト教団だ!つまり、我々が同伊図業具愛を殲滅にさせることに成功すれば、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーはZEI銀を支払うことができない罪なき貧困層から強制的にZEI銀を徴収する際に刑察が軍隊を出動させずらくなる!」
つまり、『同伊図業具愛』援助している軍事費用がなくなれば、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは自分たちの生活に必要不可欠な国民から徴収したZEI銀で刑察や軍隊を動かすしかない。
そして、それはろくに働かずに、罪なき貧困層から強制的に徴収したZEI銀のみで生計を立てているクソバカゼェイジグゥアーとデエンノヴォーにしてみれば、自らの家計を圧迫することになる。
そうなれば、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは今のように、暴力とクソみてぇな法律で罪なき貧困層から強制的にZEI銀の取り立てをしずらくなるということだ。
敵を倒すならまず、敵の補給路を断つ、このコマンダーという男、なかなか、できる男かもしれない。
「そして今、俺たちには闇崎ムツトという、究極の破壊神に選ばれた社会不適合者ついている!この『同伊図業具愛・殲滅作戦』が成功し、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの軍事行動の補給路を断てば、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの殲滅という俺たちの目的達成はまであと一歩ということになる!そして俺たちはあの憎きクソバカZEI銀泥棒であるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを皆殺しにして、この国に真の平和と自由を取り戻すんだ!」
コマンダーの演説にTHE翼のメンバーたちが一斉に歓声を上げる。
『同伊図業具愛・殲滅作戦』発動まで、あと一時間。

次回予告 『同伊図業具愛・殲滅作戦』 人に電気代の節約をしろとか言ってくる女は加湿器を使うな!バカみてぇな値段の化粧水も買うな!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百十八話『同伊図業具愛・殲滅作戦』人に電気代の節約をしろとか言ってくる女は加湿器を使うな!バカみてぇな値段の化粧水も買うな!

第百十八話『同伊図業具愛・殲滅作戦』人に電気代の節約をしろとか言ってくる女は加湿器を使うな!バカみてぇな値段の化粧水も買うな!

この日、同伊図業具愛本部では全世界の同伊図業具愛信者達が同伊図業具愛創始者であるファイナルファーザーの誕生日を祝う『同伊図業具愛・超感謝総会~ZEI銀は世界を救うTHE・EXTREM・UNCONDITONAL・FESTIVAL』が開催されていた。
そして、そのイベントの締めくくりとして同伊図業具愛の中でもエリートの信者たちが壇上にいる同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの前でクソみたいな歌詞とBGMをバックに『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』を踊り始める。
そして、そのクソみたいな『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が終了すると、『同伊図業具愛・超感謝総会~ZEI銀は世界を救うTHE・EXTREM・UNCONDITONAL・FESTIVAL』閉会の言葉をゼェイジグゥアーの一人を代表して、親の七光りでゼェイジグゥアーになった大泉信ジェローが言い始める。
「この同伊図業具愛が素晴らしいということは、この同伊図業具愛が素晴らしいということである!」
全く中身のないクソみたいな閉会の言葉を聞いた会場にいる全世界の同伊図業具愛の信者たちと幹部たちが大泉信ジェローに向かって拍手を送る。
その瞬間だった、会場に警備のために出動していた刑察官が壇上に上がり、焦点の合わない目をした状態でいきなり大声で話しはじめる。
「みなさん聞いてください!私は刑察官です!しかし私は数日前にゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの指示で罪なき貧困層からZEI銀の徴収を武力と強権を用いておこなっていた際に、テロリスト集団・THE翼のやつらに捕まり、捕虜にされた挙句、催眠暗示で自分の意思とは関係なく、このように体が自分の意思とは関係なく勝手に動く様になってしまいました。つまり、今の私はTHE翼の操り人形です!そしてコレを見てください!」
THE翼の捕虜にされ、洗脳状態にある刑察官が急に服を脱ぎ始める。
会場がざわつき始める。
突然、服を脱いで全裸になったTHE翼の捕虜にされた上に洗脳状態にある刑察官の全身には大量の時限爆弾がガムテ―プで巻き付けられていた。
「私はこれから自分の意思とは関係なく、人間爆弾として爆発して、この会場にいる同伊図業具愛の全信者および、全関係者を皆殺しにするでしょう、それではみなさん、さような...」ら、と言い終える前に人間爆弾と化した刑察官が爆発する。
会場から人間爆弾の爆発に巻き込まれた同伊図業具愛の信者達の悲鳴が聞こえてくる。
「ゔああああああああああッ!」
「熱いよぉぉぉぉぉぉッ!」
「ファイナルファーザー様!助けてぇぇぇッ!」
「俺の足がなくなっちまったよぉ!これじゃあ避難できねぇよぉぉぉッ!」
「俺の腕がぁぁぁ!ゔあああああッ痛てぇよぉぉぉぉぉぉぉッ!」
爆発が止んですぐに、爆発から奇跡的に生き残った同伊図業具愛の信者達や関係者たちが会場から外に出るためにドアを開ける。
しかし、開いたドアの向こうから銃を手に持ったTHE翼のメンバーたちが一斉に外に避難しようとする同伊図業具愛の信者達や関係者たちを銃撃する。
ファイナルファーザーの誕生日を祝う『同伊図業具愛・超感謝総会~ZEI銀は世界を救うTHE・EXTREM・UNCONDITONAL・FESTIVAL』は今まさに戦場と化していた。
「死ねぇぇぇぇッ!」
「人の不幸に付け入って罪なき人々から多額の金銭を搾取するカルト教団はこの世界から消えうせろぉぉぉッ!」
ファイナルファーザーの誕生日を祝う『同伊図業具愛・超感謝総会~ZEI銀は世界を救うTHE・EXTREM・UNCONDITONAL・FESTIVAL』は今まさに戦場と化していた。
THE翼のリーダーであるコマンダーがみんなに指示を出す。
「おい、爆発音に気づいた警備の刑察官が背後からくるぞ!後ろにも注意するんだ!」
「死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇッ!」
「弾薬が尽きたやつはすぐに物陰に隠れてカートリッジを取り換えるんだ!」
そして俺は地下シェルターに逃げた同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの背中に黒双銃オルトロスを突きつける。
「動くな、俺は社会不適合者だ」
「誰だ、貴様は!」
「俺は闇崎ツトム、神に選ばれし社会不適合者だ」
「それはさっき聞いた、お前の目的はなんだ?わしの命か?」
「その通りだ。しかし、その前にお前にやってもらうことがある」
「なんだ?」
「お前は、お前自身が立ち上げたクソバカカルト教団・同伊図業具愛が軍事費用を援助しているゼェイジグゥアーとデエンノヴォー達の連絡先を知っているな?」
「ああ、それが知りたいのか?」
「そうだ、お前の携帯をよこせ!」
クソバカカルト教団・同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーが俺に携帯を手渡す。
俺は母の仇であるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの幹部の一人である不倫ゼェイジグゥアー・淫舞絵理五の鼓膜を破壊する勢いで叫ぶ。
「おい聞いてるか!今から俺が言うことをお前たちの上司であるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのトップに伝えておけ!俺の名前は闇崎ムツト!お前たちの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収で母親と最低限の人間らしい生活を失った俺、闇崎ツトムが近い将来、かならずお前たちゼェイジグゥアーとデエンノヴォーをすべて皆殺しにする!いいか!仮にお前の鼓膜が潰れていたとしてもちゃんと伝えろよ!いいな?ゔおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉイッ!」
電話が切れる、俺はカルト教団・同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーがの背中に突き付けた黒双銃オルトロスのトリガーを何度も引く。
俺に銃撃されたカルト教団・同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーが死んだ。
ざまぁみろバーカッ!

次回予告 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その2 夕食に毎晩、納豆と大根の漬物とシーザーサラダを食う女はマジでふざけんな!マジで生ゴミみてぇな匂いがするからふざけんな!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百十九話 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その2 夕食に毎晩、納豆と大根の漬物とシーザーサラダを食う女はマジでふざけんな!マジで生ゴミみてぇな匂いがするからふざけんな!

第百十九話 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その2 夕食に毎晩、納豆と大根の漬物とシーザーサラダを食う女はマジでふざけんな!マジで生ゴミみてぇな匂いがするからふざけんな!

ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で出動した刑察と軍隊の増援部隊が同伊図業具愛本部で爆破テロを起こしたTHE翼を完全に包囲する。
「コマンダー!やつらに完全に包囲されたぞ!どうするんだ!」
「焦るなスナイパー!俺たちには闇崎ムツトがいる!」
「そうだー!コマンダーの言う通りだ!くじけるなー!撃てぇー!」
THE翼のメンバーたちが一斉に刑察と軍隊の増援部隊に向かって銃撃を放つ。
しかし、刑察と軍隊の増援部隊の戦闘機や戦車がTHE翼のメンバーたちに攻撃を開始する。
「しまった!このままだと全滅する!」
「闇崎ムツトは一体に何をしているんだ?」
「闇崎ムツトは現在、地下シェルターに避難した同伊図業具愛の創始者と信者を襲撃しています!」
「なら、いますぐ闇崎ムツトのインカムに上に来るように連絡するんだ!」
「了解しました!」
「いいかみんな!闇崎ムツトが増援に来れば、俺たちは絶対に勝てる!それまでもちこたえるんだ!」
               *
クソバカカルト教団・同伊図業具愛の創始者であるファイナルファーザーを黒双銃オルトロスで銃殺した俺は地下シェルターに避難した同伊図業具愛の信者たちを追いかけていた。
同伊図業具愛の信者たちは逃げながら俺に悪口を言ってくる。
「うわ―‼ファイナルファーザーを殺した悪魔がこっちに来るぞぉー!」
「神殺しの男が!なんて罪作りな男だ!あんたみたいな悪魔は絶対にヴァルハラには行けないんだから!」
俺はあえて銃撃せずに走って追いかける。
そして俺から走って逃げる同伊図業具愛の信者たちがたどり着いた先には大きな壁しかなかった。
そう、行き止まりだ。
「おい、お前ら同伊図業具愛の信者は神を信じてるんだよな?だったら今すぐ神頼みでもして、この状況を打開して見せろ!じゃなきゃおめぇら全員俺に銃で殺されるぞ!」
「お、お前が神であるファイナル・ファーザーを殺したからこんなことになったんだ!」
「そうだ、我らが神であるファイナル・ファーザーが生きていれば俺たちはお前みたいな悪魔に追い詰められることもなかった!」
「じゃあ、なんでお前らの神であるファイナル・ファーザーは死んだんだ?なぜ、神なのに俺のような社会不適合者の銃撃で死んでしまったんだ?もし、ファイナル・ファーザーが本物の神なら銃撃程度で死なないはずだ!つまり、お前たちが信奉しているファイナル・ファーザーは神ではない、ただの人間だ!いいかげん現実を見ろバーカ!」
「だ、だまれ悪魔!」
「そうよ!悪魔の言葉なんかに私たちは惑わされないわよ!我がらが神であるファイナルファーザーの魂は常に私たちと共にあるのよ!」
「そうか、それは素晴らしいな!たった今、俺にもあの世に召されたファイナルファーザーの声が聞こえてきたよ、お前たちが俺の目の前で、あのイカれた有条件ダンスfeat.奈良ミルナを歌って踊れば、お前たちの命は助かるってな、さぁ、どうする?」
「そんなウソに私たちは騙されないぞ!」
しかし、俺に追い詰められた同伊図業具愛の信者達の一人が有条件ダンスfeat.奈良ミルナを歌って踊り始める。
「ジャガジャガジャガッジャ~♪ジャガジャガジャガッジャ~♪ジャガジャガジャガ♪ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ♪ジョンベベベニガッ♪...」
「おい!お前、悪魔の言いなりになって有条件ダンスfeat.奈良ミルナ踊ってんじゃねぇよ!」
「お、俺はまだ死にたくないんだ!ユッジャガン!ユジャガンニヤ~ン♪」
「貴様、あの悪魔に魂を売るのか?」
「うるせぇ!俺は両親が同伊図業具愛の信者だったから、嫌々、同伊図業具愛に入信していただけだ!ジャジャガジャガジャガ!ジャッ!ジャッ!ジャッ♪」
「さぁ、お前たちもコイツのように命が惜しければ俺に目の前で有条件ダンスfeat.奈良ミルナを歌って踊るんだ!」
最終的に俺に追い詰められた同伊図業具愛の信者達は自分たちの命惜しさに俺の目の前で有条件ダンスfeat.奈良ミルナを歌って踊った。
「おい、闇崎ムツトさんよぉ、約束通り、私たちのことは見逃してくれるんだよな!」
「うるせぇ!」
俺は有条件ダンスfeat.奈良ミルナを歌って踊り終えた同伊図業具愛の信者達に向かって銃撃を開始する。
「ゔぐぅああああああああああああああッ!」
「そんな!約束が違うぞぉ!ぐぅあッ!」
「嫌ぁぁぁぁッ!」
同伊図業具愛の信者達を銃殺した俺のインカムに連絡が入る。
『闇崎ムツト!同伊図業具愛の本部が敵の増援に囲まれた!負傷者も多数出ている!今すぐこっちに加勢してくれ!』
「了解したすぐにいく」
俺はファイナルファーザーの首を手にもって、地下から上に向かう。

次回予告 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その3 レジで毎回おハシいりますか?って聞いてくる女はガソリンを炭酸水で割って飲め!ハシほしかったらこっちは最初からハシくれって言ってんだよ!言わねぇってことは、ハシいらねぇってことだろうが!ブゥァクァーッ‼


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百二十話 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その3 レジで毎回おハシいりますか?って聞いてくる女はガソリンを炭酸水で割って飲め!ハシほしかったらこっちは最初からハシくれって言ってんだよ!言わねぇってことは、ハシいらねぇってことだろうが!ブゥァクァーッ‼

第百二十話 『同伊図業具愛・殲滅作戦』その3 レジで毎回おハシいりますか?って聞いてくる女はガソリンを炭酸水で割って飲め!ハシほしかったらこっちは最初からハシくれって言ってんだよ!言わねぇってことは、ハシいらねぇってことだろうが!ブゥァクァーッ‼
「遅いぞ!闇崎ムツト!」
「遅れてすまないコマンダー、コレを見てくれ」
俺は手に持った同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの首をコマンダーに手渡す。
「おお!よくやったな!そのクソ野郎の首はあとで携帯で写真を撮って、ネットとマスコミに流すぞ!」
「ああ、ついでにファイナルファーザーの携帯でゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのやつらに宣戦布告をしてきた」
「なるほど、それでこの異常な数の増援か...!」
「俺は黒双銃オルトロスで断罪王オルトロスに変神して刑察と軍隊を一人で殲滅する、その間にお前たちは負傷した仲間を連れてここから逃げるんだ」
「了解した!それじゃあ、後は頼むぞ英雄!」
「それは俺が生きて帰って来れたらの話しだ!早く逃げないと断罪王に変神した俺に踏みつぶされるぞ」
「わかった、絶対に死ぬなよ!」
コマンダーとその仲間たちが負傷者を担いで撤退を始めたのを確認した俺は天に向かって黒双銃オルトロスをかざし、変神の呪文を叫ぶ。
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスと化した俺は両手両足でゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で出動した刑察や軍隊を次々と殺していく。
俺の両手は戦闘機を破壊し、俺の両足は戦車と軍人と刑察の肉体を踏みつぶす。
地上から聞こえてくるZEI銀泥棒共の声にならない悲鳴が耳に気持ちいい。
それでも、増援は次々とやってくる。
「ええい!倒しても倒してもきりがない!ならばこれでどうだ!狂撃波動!黒双・オルトロスインパクトォォォォォォォォォォォォォォッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王オルトロスの両手のひらから放たれた狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが重火器を装備した刑察官たちや、戦闘機や戦車を操縦している軍人たちの脳に直撃して、精神を完全に破壊して強制脳死状態にする。
俺はその後も増援にきた戦闘機や戦車を破壊し続けた。
増援が止んだころには同伊図業具愛本部は焼け野原になっていた。
増援が来ない!そうだ、俺は!俺たちは勝ったんだ!理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収で罪なき貧困層を苦しめるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの補給路である同伊図業具愛を完全に破壊したんだ!
断罪王オルトロスに変神している状態の俺は勝利の雄叫びを上げる。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!よっしゃああああああああああああああああああああッ!」
これでゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは罪なき貧困層に対して理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収をしずらくなるはずだ。
あとはゼェイジグゥアーの本部である獄害戯児童とデエンノヴォーの本部である護汚魚をぶっ潰せばいいだけだ。
俺は変神を解いて戦友たちが待つTHE翼の基地に帰る。
THE翼の基地内ではメンバーたちがパーティーを開いて勝利の余韻に浸っていた。
「おい英雄が帰ってきたぞ!」
「英雄!闇崎ムツト!」
「英雄!」
「英雄!」
「闇崎ムツト、今回の『同伊図業具愛・殲滅作戦』が成功したのはお前のおかげだよ!」
「ありがとうコマンダー」
「これからもよろしく頼むわね」
「ああ、スナイパー」
俺は両手人差し指を両耳の穴に突っ込んで勝利の雄叫びを上げる。
「キィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

次回予告 ZEI銀葬儀を阻止せよ! 店の男子トイレでトイレをしている際に突然侵入してくる女性清掃員は賞味期限切れの生卵を炊き立ての白飯にかけて醤油を垂らして食え! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百二十一話 ZEI銀葬儀を阻止せよ! 店の男子トイレでトイレをしている際に突然侵入してくる女性清掃員は賞味期限切れの生卵を炊き立ての白飯にかけて醤油を垂らして食え!

第百二十一話 ZEI銀葬儀を阻止せよ! 店の男子トイレでトイレをしている際に突然侵入してくる女性清掃員は賞味期限切れの生卵を炊き立ての白飯にかけて醤油を垂らして食え!

同伊図業具愛殲滅作戦が成功した。
THE翼のメンバの一人であるハッカー(コードネーム)がネットとマスコミに流した同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの首の画像は世間を震撼させた。
これにより、以前はテロリストのイメージが強かったTHE翼を英雄視する国民もちらほらと出始めた。
それだけ、同伊図業具愛が悪質なカルト教団であったということだ。
そして、同伊図業具愛が破壊されてから、今まで同伊図業具愛の圧力により口をふさがれていた団体の告発により、同伊図業具愛がゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに軍事費用を援助していたことも世間に公表された。
これに対して、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは遺憾の意を示し、同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの葬儀を国民から強制的に徴収したZEI銀で開催することを世間に公表した。
これによって国民のゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに対する不満は、より大きなものになった。
そして俺たちTHE翼もそれを黙って見ているわけにはいかなかった。
「ふざけんなァッ!」
スナイパーが同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの葬儀について記されていた新聞をビリビリに破いた。
「これは同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの首の画像をネットとマスコミに流した俺たちへの挑発でもあり、嫌がらせだな」
「コマンダーの言う通りだ!しかも、この葬儀費用に使われるのは理不尽かつ狡猾な方法で罪なき貧困層から強制的に徴収したZEI銀が使われるんだ!こんなのぜってぇ許せるわけねぇよ!おめぇらもそうだろぉ?」
俺の言葉に、周りのTHE翼のメンバーも同意の声を上げる。
「そうだ!」
「こんなクソみてぇな葬儀、俺たちでぶっ壊しちまおうぜ!」
「ZEI銀泥棒は皆殺しだ!」
「コマンダー!俺たちに次の指示をくれ!」
「わかった!同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの葬儀が行われる明日、『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』を決行する!俺たちの血と汗の結晶であるZEI銀をくだらねぇ葬式に使うクソ野郎どもこの地球から一人残らず殲滅してやろうぜ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「戦いが始まるぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ZEI銀泥棒は皆殺しだァァァァァァァァッ!」
「すごい熱気だな、コマンダー」
「それもこれも、全部お前のおかげだよ、闇崎ムツト。究極の破壊神の力を持つお前がTHE翼に入ってくれなければ、俺たちはただのイキリテロリストだった。でも昨日の同伊図業具愛殲滅作戦の成功の影響で各地で俺たちのようにゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに不満をもつ人々が次々とTHE翼志願してきた、この流れを作ったのは間違いなくお前だよ、闇崎ムツト」
「コマンダー...」
「おい、ボンバー!捕虜の全身に巻き付ける時限爆弾の準備を頼む!」
「了解、コマンダー!」
ボンバー(コードネーム)はTHE翼に所属する爆弾のスペシャリストだ。
昨日の同伊図業具愛殲滅作戦の人間爆弾に使われた時限爆弾もボンバーが製作したものだ。「みんなもちゃんと銃に銃弾を補充しておくんだぞ!」
『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』、何が何でも成功させてみせるぜ!

次回予告 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』歩道を2人で横に並んで歩いたり、自転車を運転する女達は納豆にシャンプーを混ぜて食え! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十二話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』歩道を2人で横に並んで歩いたり、自転車を運転する女達は納豆にシャンプーを混ぜて食え!

第百二十二話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』歩道を2人で横に並んで歩いたり、自転車を運転する女達は納豆にシャンプーを混ぜて食え!

THE翼の地下牢から以前、捕虜にした刑察官が釈放される。
「ゔああああああああああっ!俺はまだ死にたくない!人間爆弾にするのだけはやめてくれぇっ!」
「ゔるせぇよッ!」
俺は捕虜の刑察官の顔を殴る。
「おめぇらみてぇなゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの犬は人間爆弾になるしか存在価値がねぇんだよ!このZEI銀泥棒が!死ねぇッ!」
「いやだ!死にたくない!助けてくれぇ!」
捕虜が暴れる。
「ブレイン、捕虜に催眠暗示をかけておとなしくさせろ!」
「了解しました、コマンダー」
THE翼に所属する催眠暗示のスペシャリスト・ブレインが右手のひらの捕虜の顔面にかざす。
ブレインが意味不明な呪文を唱え終えると、捕虜が急におとなしくなった。
「催眠暗示、終わりました」
「よくやってくれた、ボンバー!捕虜に時限爆弾をセットしろ!」
「了解コマンダー!」
「いやだ!やめろ!俺の体に爆弾をつけるな!あれ、おかしいぞ!体が動かない!なんでだ!うあああッ!やめろ!どうしてそんなにいっぱい爆弾をつけるんだ!ゔあああああああああ!死にたくねぇよぉぉぉぉぉぉッ!」
「ゔるせぇ!このZEI銀泥棒が!」
俺は何度も捕虜の刑察官の顔を殴る。
「おいおい闇崎ムツト、あんまり殴るとせっかくの人間爆弾が死んじまうぜ?」
「すまん、ボンバー、でも罪なき貧困層だった俺の父親は家族の生活のためにゼェイジグゥアーやデエンノヴォーのためにZEI銀を納められないという、ただそれだけの理由で、刑察に逮捕され、刑務所に死刑囚としてぶち込まれたんだ!そのせいで母さんは病死した!俺はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーと刑察を絶対に許さない!」
「闇崎ムツト、大事な家族をゼェイジグゥアーやデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで奪われたのはお前だけじゃない、THE翼のメンバーみんなが同じ気持ちでこいつらと戦っているんだ」
「すまん、コマンダー、だがこれだけは言わせてくれ!おい、この牢獄に閉じ込められている捕虜の刑察官達よ!よく聞いておけ!お前らに残された未来は俺たちTHE翼の作戦成功にために人間爆弾にされる運命だけだ!そしてお前たち刑察官だけでなく、俺はお前らの家族も皆殺しにするつもりだ!それが俺の願いだ!生きがいだ!俺はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーおよびゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに組する人間の全てをぶっ壊す!」
捕虜たちが一斉に闇崎ムツトに対して罵声を飛ばしてくる。
「ゔあああああああああああああああああッ!」
「死ねぇぇぇぇッ!闇崎ムツトォォォォォォォッ!」
「闇崎ムツトォォォォォッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は捕虜に言い返す。
「死ぬのはお前たち捕虜と!お前の家族!親戚!友人!ペットだ!とにかくお前らの大事なものすべて俺がぶっ殺す!ゔおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
俺は牢屋に誓いづいて、俺の悪口を言ってきた捕虜の刑察官の頭部をわしづかみにして狂撃波動を放つ。
「くらえ、狂撃波動!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ヴェアアアアアアアアアアアアアアッ!」
脳に狂撃波動をくらった捕虜の刑察官が両目から大量の血を流しながら奇声を上げ、脳死する。
「おい、闇崎ムツト、捕虜の刑察官は貴重な人間爆弾の材料なんだ、それぐらいにしておけ」
「わかったよ、コマンダー...でもよく聞いとけよ、このクソ雑魚捕虜どもよ!どんな理由があろうとも、俺に暴言を吐いた奴は、全員コイツみたいにぶっ殺してやるからな!」
俺の警告に、さっきまで罵声を上げていた捕虜の刑察官共が静まり返る。
                 *
『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』当日。
同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーのZEI銀葬儀が行われる『腐道館』の周りでは国民から理不尽かつ狡猾な方法で強制的に徴収したZEI銀で開催されるZEI銀葬儀に対する反対するデモが起こっていた。
大勢の国民がメガホンを片手に国民の汗と涙の結晶であるZEI銀を無駄使いするゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに対する不満を大声で叫んでいる。
「ろくに働かないくせに国民から奪ったZEI銀で豪華な生活を送るゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは地球から出ていけー‼」
「そうだ!働くのが嫌なら今すぐ死ね!俺たちは偉そうなだけでろくに社会に貢献しないゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのために一生懸命、働いてるんじゃねぇんだよ!」
「その通りだ!俺たちの払ったZEI銀でカルト教団の教祖の葬儀なんてするんじゃねぇよ!死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「すごい、熱気だな...!」
「ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに不満を抱いているのは、俺たちTHE翼だけじゃなかったていうことだ!みんな!戦闘開始だ‼」

次回予告 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その2 宅配サービスで食料品を買う奴らは鉛筆を1ダース咀嚼せずに飲み込め!買い物するのも面倒ならもう現生人類やめてしまえ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十三話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その2 宅配サービスで食料品を買う奴らは鉛筆を1ダース咀嚼せずに飲み込め!買い物するのも面倒ならもう現生人類やめてしまえ!

第百二十三話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その2 宅配サービスで食料品を買う奴らは鉛筆を1ダース咀嚼せずに飲み込め!買い物するのも面倒ならもう現生人類やめてしまえ! 

ZEI銀葬儀・完全破壊作戦、当日。
『腐道館』で同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーのZEI銀葬儀・開幕のスピーチをしていたファイナルファーザーの妻、バギエ夫人が、THE翼メンバーの一人、スナイパーの狙撃により頭部を銃弾で打ち抜かれた。
「ブス‼」
スナイパーのバギエ夫人への暴言を合図に腐道館を警備していた人間爆弾の刑察官の捕虜がZEI銀葬儀の会場に乱入。
「ジャジャラジャラジャラジャ~♪ジャジャラジャラジャラジャ~♪ジャジャラジャラジャラジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャッ!」
人間爆弾と化した刑察官の捕虜は突如、『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』を歌って踊り始めて、数秒後に爆発。
腐道館の内部が炎を包まれる。
外に避難しようとするゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの関係者や、同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの友人や親族の前に、二体目の人間爆弾と化した刑察官の捕虜が立ちふさがり爆発する。
その爆発により、外に避難しようとするゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの関係者や、同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの友人や親族の肉体が一瞬で塵になる。
「意外とあっけないな」
「油断するな、闇崎ムツト!いくら同伊図業具愛から軍事費用の援助が途絶えたとはいえ、なんだか妙に静かすぎるぞ...」
「敵の罠か?」
「わからん、でも、さっきの爆発に巻き込まれた人数が全ての参加者だとすると、腐道館でZEI銀葬儀を開催する必要性がない...」
「さすがTHE翼のリーダー・コマンダー!」
「お前は、大泉信ジェロー!昨日の『同伊図業具愛・殲滅作戦』で死んだはずでは?」
「私がこうして生きているということは、私がこうして生きているということです」
「相変わらず、中身のない発言だな!お前みたいなFラン大学卒業のクソバカのくせして親の七光りでZEI銀泥棒しながら飯食ってる世襲ゼェイジグゥアーはこの地球から全員出ていけ!やっぱ死ね!」
「ずいぶんと口が悪いテロリストですね、闇崎ムツト君。今、僕の頭におぼろげながら浮かんできました37564という数字が」
「37564...?」
「37564ということは『皆殺し』ということです」
大泉信ジェローの全身から無数の銃口が飛び出し、その無数の銃口から一斉に俺たちに向かって銃弾が放たれる。
「きゃああああああああああああああああッ!」
「うあああああッ!」
俺とコマンダーは回避に成功するが、逃げ遅れたTHE翼のメンバー数十人とスナイパーが全身に銃弾を浴びてしまう。
「ああ~人間の悲鳴はいいですね~毎日でも聞きたいですね~!」
「あいつ人間なのか?」
「おそらく、昨日の作戦で死にかけて、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに改造されたんだろう...」
「改造だと!じゃあ、その改造手術も俺たちのZEI銀でしたというのか...ゆるせん!」
「君たちTHE翼は30年後の自分が何歳になっているかわかりますか?」
大泉信ジェローが小学生レベルの質問をしてくる。
「答えはありません、つまり君たちは今日!ここで!クールでセクシーな私に全員殺されるということです!」
全身重火器と化した大泉信ジェローが時計回りに回転しながら銃撃を開始する。
全方位に放たれる銃弾の雨に俺とTHE翼のメンバーは腐道館の広い会場を利用して必死になって逃げることしかできない。
「さっきからちょこまかと逃げてばっかり、君たちにはチャレンジングの精神はないのですか?」
「闇崎ムツト、なぜ黒双銃オルトロスで断罪王に変神しない?」
「変神している途中に、あのクソバカ世襲ゼェイジグゥアーに銃撃されたらおしまいだ」
「そういうことか、なら俺とみんなが囮になって、お前が変神できるチャンスを作る!」
「コマンダー!でも、俺のために、お前たちが囮になれば、必ず、あのクソバカ世襲ゼェイジグゥアーの銃撃で死傷者が出てしまう!」
「みんな、この国を腐ったゼェイジグゥアーとデエンノヴォーから取り戻すために、命がけで戦ってるんだ!もうみんな戦いで死ぬ覚悟はできてる!」
コマンダーの手のサインで、コマンダー本人と武装したTHE翼のメンバー達が銃撃と同時に人間重火器と化した大泉信ジェローに突撃していく。
「コマンダー!よせ!」
「今だ!闇崎ムツト!」
俺はコマンダーの叫びと同時に黒双銃オルトロスを天にかざして叫ぶ。
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
人間重火器と化した大泉信ジェローの全身から放たれた無数の銃弾がコマンダーとTHE翼のメンバー達に直撃するギリギリのタイミングで巨大人型兵器・断罪王オルトロスに変神した俺は自分の右手のひらをコマンダー達とクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの間に入れる。
断罪王オルトロスと化した俺の右てのひらにクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの銃撃が直撃するが、鋼鉄の皮膚に覆われた俺の右手のひらは、ほぼノーダメージだった。
「巨人の手だと...!」
「コマンダー!THE翼のみんな!あとは俺に任せて、みんなはここから逃げてくれ!」
「あとは頼んだぞ!闇崎ムツト!みんな腐道舘から撤退するぞ!」
「いくら改造人間のお前でも、このサイズ差では俺には勝てん!」
俺は断罪王オルトロスの巨大な右手でクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの全身をつかむ。
「うあああああああああああッ!」
「くらえ!狂撃波動!黒双・オルトロスインパクト!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
大泉信ジェローの全身をつかんでいる右手から放たれた狂撃波動が大泉信ジェローの脳内に直撃した。

次回予告 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その3 生食用の肉料理を絶対安全だとか言ってる奴ら原始人より頭悪いぜ!現生人類やめちまえ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十四話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その3生食用の肉料理を絶対安全だとか言ってる奴ら原始人より頭悪いぜ!現生人類やめちまえ!

第百二十四話 『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』その3生食用の肉料理を絶対安全だとか言ってる奴ら原始人より頭悪いぜ!現生人類やめちまえ!

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「ゔあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトは直撃した相手の脳に狂撃波動を流し込み脳死させる力を持つ、断罪王オルトロスの必殺技だ。
脳に狂撃波動をくらったクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローが両目から大量の血を流しながら奇声を上げ、脳死する。
遠くからコマンダーの声が聞こえてくる。
「おい闇崎ムツト!クソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの死体は潰さずに、そのままにしておいてくれ!」
「なんだと!このクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローのせいでスナイパーや多くの仲間が死んでしまったんだぞ!」
「だからこそだ!クソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの死体は同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーの首の時と同様に写真で撮ってネットとマスコミに流す!そうすればZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーやデエンノヴォーに対して見せしめになる!」
「そういうことか...でも、俺はどうしても俺たちの仲間を殺したクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローを許せない!ゼェイジグゥアーやデエンノヴォーはいつも俺から大切な人を奪っていく!」
「THE翼のみんなも同じ気持ちだよ。でも俺たちは勝ったんだよ!俺たちが国民から理不尽かつ狡猾な方法で強制的に徴収したZEI銀で開催された同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーのZEI銀葬をぶっ壊したんだよ!」
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
俺たちは確かに勝った、しかしその犠牲はあまりにも大きかった。
スナイパーは俺が初めて会ったTHE翼のメンバーだった。
スナイパーと会えてなかったら、俺はTHE翼のみんなと会えなかったかもしれない。
変神と解いた俺は、いつも中身のないコメントばかりするクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの死体を担いで、コマンダーの運転するトラックの荷台に乗る。
トラックが国民から理不尽かつ狡猾な方法で強制的に徴収したZEI銀で開催された同伊図業具愛創始者・ファイナルファーザーのZEI銀葬が開催されていた炎上した腐道舘が遠ざかっていく。
炎上する腐道館の中にはまだスナイパーや大勢のTHE翼のメンバーの死体がある。
俺にはTHE翼のテロが原因で炎上する腐道舘がスナイパーとTHE翼のメンバーの死体
を火葬しているように見えた。
次の日、THE翼メンバーが撮影したクソバカ世襲ゼェイジグゥアー・大泉信ジェローの死体がネットとマスコミに流出して、世間で騒ぎになった。
しかし『同伊図業具愛・殲滅作戦』が成功したときとは違い、多くの仲間を失ったTHE翼のメンバーはみんな、落ち込んでいた。
俺たちTHE翼はテロリストで戦争をしている、だから仲間から死者がでるのは当然のことなのかもしれない。
でも、俺もみんなも失われた命の重みに押しつぶされそうになっている。
「コマンダー、俺は演説がしたい」
「闇崎ムツト、一体誰に向かって演説をするんだ?」
「ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてこの世界中の人々に向けて、俺は国民から理不尽かつ狡猾な方法で強制的に徴収したZEI銀で働かずに遊んでいるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの愚かさを伝えたい!」
「もし、それを実行すれば、俺たちは今以上に仲間を失うかもしれない...」
「ああ、その通りだ!でも国民から理不尽かつ狡猾な方法で強制的に徴収したZEI銀で働かずに遊んでいるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーをこの世界から一人残らずぶっ殺した時、この戦いで死んでいった仲間たちの魂がはじめて浮かばれるとは思わないか?」
「そうだな、その通りだ」
俺たちTHE翼に新たな戦い始まろうとしている。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦』こんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に子供なんて作ってる奴らは全員、自分の意思に関係なくこんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に産んだ子供に対して一生罪悪感を感じながら贖罪し続けろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦』こんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に子供なんて作ってる奴らは全員、自分の意思に関係なくこんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に産んだ子供に対して一生罪悪感を感じながら贖罪し続けろ!

第百二十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦』こんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に子供なんて作ってる奴らは全員、自分の意思に関係なくこんなルールもクソもねぇイス取りゲームみてぇな世の中に産んだ子供に対して一生罪悪感を感じながら贖罪し続けろ!

俺は罪なき貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収し、そのZEI銀で働きもせずに豪華な生活をしているゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに向けて動画配信で宣戦布告をすることにした。
配信開始してすぐに、俺は両耳に両手人差し指を突っ込んで奇声を上げる。
「キィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼俺は究極の破壊神に選ばれた社会不適合者にして正義のテロリスト集団THE翼の闇崎ムツトだ!まず最初に言っておきたいことがある!」
俺はカメラに向かって両手中指を立てて叫ぶ。
「罪なき貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収し、そのZEI銀で働きもせずに豪華な生活をしているゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼ ハァ...ハァ...そして罪なき貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収し、そのZEI銀で働きもせずに豪華な生活をしているゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを俺はこの国から一人残らずぶっ殺す‼」
俺は動画配信用に準備したフリップをカメラに向ける。
フリップにはゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの他に、新たにTHE翼の粛清対象となった3勢力の名が記されていた。
「そして、その手始めとして、俺たちTHE翼はその粛清の対象を罪なき貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収し、そのZEI銀で働きもせずに豪華な生活をしているゼェイジグゥアーとデエンノヴォーだけでなく『ロヴォズィンホームの利用者』やデエンノヴォーに寄生してメシを食ってる『グゥナァヴィッチョオ』、そして、『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』まで広げることにした。つまり、俺たちTHE翼はこれらの罪なき貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収し、そのZEI銀で働きもせずに豪華な生活をしている『五大勢力』に対して無慈悲の武力制裁を下すことにした‼」
俺は両手に持っていたフリップを右ひざで真っ二つにする。
バゴォン‼
「いいか‼この国に巣食うZEI銀泥棒共!俺はてめぇらみてぇなまともに働きもしねぇのに労働者に対価を要求する貴様らZEI銀泥棒達を絶対に許さないし絶対にぶっ殺すし絶対に絶滅させる!それらはおまえ達ZEI銀泥棒達だけでなく、その家族も含まれている!俺たちTHE翼はお前らZEI銀泥棒達の母も父も息子も娘も祖母も祖父も姪も甥も義母も義父も義兄も義弟も義妹も義姉も義理の娘も義理の息子も親戚も‼この地球上から一人残らず絶滅させる‼おまえ達ZEI銀泥棒に逃げなし‼おまえ達ZEI銀泥棒に生きる資格なし‼おまえ達ZEI銀泥棒に明日なし‼我々THE翼による『ZEI銀泥棒粛清作戦』はこの動画配信が終了した直後から開始される‼覚悟してろZEI銀泥棒共‼この動画を見ている今日この日がお前たちの命日だ‼」
俺は動画の最後に両手人差し指を両耳に突っ込んで奇声を上げる。
「キィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
動画配信が終了した。
「いくぞ!みんな!今回の『ZEI銀泥棒粛清作戦』は『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』でZEI銀泥棒共に殺されたスナイパーと他のメンバーの弔い合戦だァッ!」
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
コマンダーの気合賭けに『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』で多くの仲間を失い意気消沈していたTHE翼のメンバーが先程までとは別人のように活気を見せる。
「闇崎ムツト、ありがとう!お前の演説のおかげで落ち込んでいたみんなが復讐心に駆られて元気になった!」
「喜ぶのはまだ早いぜコマンダー!『ZEI銀葬儀・完全破壊作戦』で死んだスナイパーとみんなの魂が浮かばれるのはこの地球上からゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとその他ZEI銀泥棒共が絶滅した時だ‼」
「そう...だな...」
「まずは五大勢力の中でも最弱の『ロヴォズィンホームの利用者』から攻める!」
「ロヴォズィンホームの職員はどうする?」
「もちろん、ロヴォズィンホームの職員も利用者と同じくぶっ殺す!ロヴォズィンホームの職員がもらっている給料はロヴォズィンホームの利用者が受給しているZEI銀みたいなものだからな!社会に貢献できないだけでなく、自分の身の回りの世話もできない役立たず共にZEI銀の恩恵を受ける資格はなし‼」

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』レジでいつもレジ袋入りますかって言ってくる女は溶岩をバケツ一杯分の油性塗料で割って飲め!レジ袋ほしかったらこっちは最初からレジ袋くれって言ってんだよ!言わねぇってことはレジ袋入らねぇってことだ!ブァゥグァーッ‼

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』レジでいつもレジ袋入りますかって言ってくる女は溶岩をバケツ一杯分の油性塗料で割って飲め!レジ袋ほしかったらこっちは最初からレジ袋くれって言ってんだよ!言わねぇってことはレジ袋入らねぇってことだ!ブァゥグァーッ‼

第百二十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』レジでいつもレジ袋入りますかって言ってくる女は溶岩をバケツ一杯分の油性塗料で割って飲め!レジ袋ほしかったらこっちは最初からレジ袋くれって言ってんだよ!言わねぇってことはレジ袋入らねぇってことだ!ブァゥグァーッ‼

早朝、俺はメガホン片手に今回の作戦で粛清対象に認定したロヴォズィンホームの建物に向かって叫ぶ。
「能なしZEI銀泥棒のロヴォズィンホームの利用者のみなさん~!おはようございま~す!」
俺の暴言の後に、残りのTHE翼のメンバー達が続く。
「「おはようございま~す!」」
「能なしZEI銀泥棒達のZEI銀を餌にして生活してるロヴォズィンホームの最底辺職のスタッフのみなさ~ん!おはようございま~す!」
「「おはようございま~す!」」
「本日はぁ~っ!なんと!なんとなんとの!みなさんにっ!僕たちTHE翼が洗脳済みの人間爆弾が運転する大型トラック10台をプレゼントしに来ましたぁぁぁぁぁぁッ‼」
俺たちの横を洗脳済みの人間爆弾が運転する大型トラック10台が『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』を爆音で鳴らしながら全速力で通り過ぎて、ロヴォズィンホームに次々と激突して爆発する。
一瞬で炎に包まれたロヴォズィンホームから利用者やスタッフの悲鳴や嗚咽が聞こえてくる。
俺たちは耐熱用の防護服に身を包み、日本刀や重火器を装備すると炎に包まれたロヴォズィンホームの施設に突入する。
「白兵戦だぁぁぁぁぁぁッ!ZEI銀泥棒どもは一人残らずぶっ殺せぇぇぇッ!」
「「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」」
ロヴォズィンホームの室内は予想通り、どこもかしこも炎に包まれていた。
一階にいたスタッフたちは自分の命欲しさに、上の階層の利用者やスタッフ達を見捨てて、室外に出ようとしていた。
耐熱用の防護服を着ていた俺を消防士と勘違いした女性スタッフが俺に助けを求めてきた。
「あ、もしかして消防士の方ですか?上にまだ利用者とスタッフは残ってるんです!早く助けてあげてください!」
俺は手に持っていた日本刀で女性スタッフの両足を切り裂く。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああああッ!痛いッ!」
「だめじゃないかぁ~!ロヴォズィンホームの職員が利用者を見捨てちゃあ~!」
「どうして、こんなことするの?あなたそれでも消防士なの?」
「消防士?ふざけんじゃねぇよ!俺は社会不適合者だ!」
俺は両足を切断された女性スタッフを肩に担いで階段を上がる。
「ちょっとまって!なにするの?早く、外に出してください!」
「お前はこれから俺の肩にのったまま、上の階にいるロヴォズィンホームのスタッフや利用者が一人一人斬殺されていくのを見るんだ!」
「い、嫌よ!そんなの、私は見たくないわ!早くこのまま外に出して!」
「嫌だね、俺はなんの生産性も持たず、自分の身の回りの世話一つできない役立たずのZEI銀泥棒どもを餌にして飯を食ってる、おめぇらみてぇな偽善者の最底辺職が大嫌いなんだよ!ぺぇッ!」
俺は肩に担いで女性スタッフの顔面に唾を直撃させた。
俺が身にまとっている耐熱用の防護服のせいで多くのロヴォズィンホームの利用者やスタッフたちが俺を消防士と勘違いして近づいてくる。
俺はそんなバカ共の肉体を次々と日本刀で切り裂く。
「俺は消防士じゃねぇよバーカッ!この日本刀が見えねぇのかッ!このZEI銀泥棒どもが!眼科言って来い!バーカッ!斬ッ!」
「痛いよぉぉぉぉッ!」
「斬ッ!」
「父ちゃん、母ちゃん、俺、死にたくね...ゔあああああああああああああッ!いでぇよぉぉぉぉぉぉッ!」
「斬ッ!斬ッ!」
「きゃああああああああああああああああああッ!だれがだずげでぇぐれぇぇッ!」
俺の肩に担がれた女性スタッフが目の前でスタッフや利用者が切り殺さるたびに耳障りな悲鳴を上げる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
上の階や下の階から、俺以外のTHE翼のメンバーの襲撃に遭ったロヴォズィンホームの利用者やスタッフたちの悲鳴と助けを呼ぶ声が聞こえてくる。
気が付けば、俺の周りには体のありとあらゆる部位を日本刀で切り裂かれたロヴォズィンホームの利用者やスタッフの死体が散乱していた。
俺は肩に担いだ両足を日本刀で切断された女性スタッフに声をかける。
「ブス‼」
「ひぇぇぇっ!」
「いいこと教えてやるよ...このままだと俺たちTHE翼も炎に焼かれちまう、だから!」
「た、助けてくれるんですか?」
「今から、この施設に突っ込んだトラックの中に仕掛けてある毒ガスをばらまく!」
俺は肩に担いでいた両足のない女性スタッフを日本刀で切り裂かれたロヴォズィンホームの利用者やスタッフの死体が散乱している床に降ろす。
「お、おいてかないで!」
「ここから出たかったら、両手で地べた這いずり回って、外に出るんだな!まぁ、その前に毒ガスですぐに楽になれるから安心しとけ!」
「嫌だ...嫌だ!死にたくない!やっと施設長になれたのに...」
「ほぉ~そりゃ残念だったな!せっかく、自分が何者なのかもわからず、自分の身の回りの世話もろくにできねぇ生産性ゼロの社会のお荷物ZEI銀泥棒どものクソまみれのケツ拭かなくても楽して金稼げる役職に就けたのになぁ~かわいそうになぁ~!」
俺はこの施設に突っ込んだトラックの中に仕掛けてある毒ガスの拡散開始スイッチを押して、すぐに耐熱性の防護服内に装備された無線装置でTHE翼のメンバー達に支持を出す。
「THE翼、各メンバーに告げる!今さっき、トラックに積んだ毒ガスの拡散開始スイッチを押した!各メンバーは今すぐ利用者やスタッフの虐殺を中止してロヴォズィンホームから外に出ろ!繰り返す!今さっき、トラックに積んだ毒ガスの拡散開始スイッチを押した!各メンバーは今すぐ利用者やスタッフの虐殺を中止してロヴォズィンホームから外に出ろ!」
両足を失くし、両手で床を這いずり回っていた女性スタッフが両目から血を流しながら、床の上で悶え苦しんでいる。
「あの毒ガスの影響か、なかなかじゃないか...」
俺は日本刀片手に炎に包まれたロヴォズィンホームの室内を出口に向かって歩き出す。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その2
男の価値を収入でしか決めることができない女はホチキスの針が入ったおにぎりを食え!





 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十七話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その2男の価値を収入でしか決めることができない女はホチキスの針が入ったおにぎりを食え!

第百二十七話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その2男の価値を収入でしか決めることができない女はホチキスの針が入ったおにぎりを食え!

『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』において俺たちTHE翼はロヴォズィンホーム一棟の破壊に成功した。
そして次の粛清対象は特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーだ。
俺は宅配業者の制服を着て特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーに入る。
「お届け物で~す!」
特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの女性職員が俺に近づいてくる。
「はい、ご苦労さま、サインでいいかしら?」
「サインは入りません」
「え?」
「サインの代わりに、みなさんの命を下さい」
俺は手に持った段ボール箱をフロアの奥にぶん投げる。
俺は施設からダッシュで外に逃げる。
そして、すぐにフロアの段ボール箱が爆発。
バゴォォォォォォォォォォン!
耐熱性の防護服と日本刀や重火器をを装備した俺とTHE翼のメンバーたちが爆発がおさまった特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの施設に入る。
爆発に巻き込まれた多くの職員達の肉塊があちこちに散乱している。
「頭のイカれたロヴォズィンどものケツもろくに拭かないくせして、怪護士よりいい給料もらってる一階の事務員どもはこれで全員、殺害した!次は上の階の怪護士と頭のイカれたロヴォズィン共を全員ぶっ殺す!覚悟と準備はいいな?」
「「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」」
俺は2階に上がり、手に持ったメガホンで演説を始める。
「頭のイカれたロヴォズィンのみなさんと最底辺職の能無し怪護士のみなさ~ん!こんにちわ~!僕たちTHE翼はノットヒューマンシップにのっとり、極悪非道の限りを尽くしてみなさんを皆殺しにすることを誓いまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすッ‼」
俺の後にTHE翼のみんなが続く。
「「誓いまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁすッ‼」」
俺たちTHE翼の前に一人の男性怪護士が立ちふさがる。
「だれだ君たちは!さっきの爆発は君たちの仕業か!」
俺は手に持っていた日本刀で男性怪護士の両腕を切り裂く。
「ゔぐぅああああああああああああああああああッ!」
「おまえ達にチャンスをやろう、おまえ達、怪護士はこのロヴォズィンホームに入居している頭のおかしなロヴォズィンのことをどう思う?」
「お前、いったい何を言っているんだ?」
「ちゃんと答えられたら、いますぐこの特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーから出て行ってやるよ!」
「それを拒否したらいったいどうなるんだ?」
「俺たちTHE翼がこの特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの利用者とスタッフ全員を皆殺しにする!」
「THE翼の敵は何の罪もない貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収するクソバカZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーとデエンノヴォーじゃないのか?」
俺は日本刀で男性怪護士の両耳を切り裂く。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!痛い!」
「うるせぇよ!おめぇみてぇなどこにでも代わりのいる最底職の能無し怪護士は俺のした質問にだけ答えればいいんだよ!」
「わかった、質問に答えたらちゃんと約束を守ってくれるんだな?」
「ああ、約束する。それで最初に質問だ、もう一度言うぞ、おまえ達、怪護士はこのロヴォズィンホームに入居している頭のおかしなロヴォズィンのことをどう思う?」
「みんな自分の生活や家族の生活のために命をかけて社会活動をしてきた立派な戦士達だよ、でも人間は老いには勝てない。君は知ってるかな?人間は年を取るごとに赤ん坊に戻ってしまう生き物なんだ、だから俺はこの怪護士の仕事ができることを誇りに思っている」
「でも、みんなが何の罪もない貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収するクソバカZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのために納めたZEI銀の一部が頭のイカれたロヴォズィンどもに『年銀』として支給されていることも、お前は知っているはずだ、それについてはどう思う?」
「この特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーに入居している多くのロヴォズィンのほとんどがZEI銀を数十年にわたって何の罪もない貧困層から理不尽かつ狡猾な方法でZEI銀を徴収するクソバカZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに納め続けてきた!だから頭のイカれたロヴォズィン達がみんなの納めたZEI銀の一部である『年銀』を受け取るのは当然のことだ!」
「当然?ほ~ん、じゃあ、お前は自分の世話もろくにできねぇ寝たきりの頭のイカれたロヴォズィンがZEI銀の一部である『年銀』を受け取っていても、なんの疑問も怒りも感じないのか?だいたい、『年銀』なんてもらっても寝たきりのロヴォズィンにどうやって使うっていうんだよ?せいぜいてめぇら特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの職員の給料や施設の維持費に使われるだけだ!それをその寝たきりのロヴォズィン達は本当に望んでいるのか?頭がイカれてるのにちゃんと意思確認ができるのか?できねぇよなぁ?そうだ!てめぇら怪護士は自分の親の世話も面倒な恩知らずの子孫の怠慢を利用して頭のイカれたロヴォズィンどもの『年銀』を私利私欲のために悪用してる社会のゴミだ!最底辺職だ!どこにでも代わりのいるクズだ!偽善者だ‼」
「そ、それは...!しかし、それはあくまで我々特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの職員と利用者の家族との間で法律に則って成立しているギブアンドテイクな関係だ、それを君にとやかく言われる筋合いはない!」
「うるせぇ!攻撃開始だぁ!」
「「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」」
「ちょっと、待ってくれ!俺はちゃんと君の質問に答えたぞ!質問に答えたらここから出て行ってくれるんじゃなかったのか?」
「うるせぇ!俺は『君』じゃねぇッ!闇崎ムツトだ!」
俺は日本刀で男性怪護士の両足を切り裂く。
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
そこでおとなしく、この特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの怪護士と利用者が俺たちにぶっ殺されるのは見てるんだなぁッ!ヒィヴェアァーッ‼」
こうして特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの全怪護士と利用者の粛清が本格的に開始された。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その3 飲酒運転してるやつらは白米と画鋲とホチキスの針を食器用洗剤で炒めたチャーハンを食った後に全員運転免許返納しろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百二十八話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その3飲酒運転してるやつらは白米と画鋲とホチキスの針を食器用洗剤で炒めたチャーハンを食った後に全員運転免許返納しろ!

第百二十八話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その3飲酒運転してるやつらは白米と画鋲とホチキスの針を食器用洗剤で炒めたチャーハンを食った後に全員運転免許返納しろ!

『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』が始まった。
俺たちTHE翼は特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーを襲撃し、非道の限りを尽くしていた。
耐熱性の防護服を身にまとい、銃や刃物を手に持ったTHE翼のメンバーたちは外へ逃げ出そうとするロヴォズィンや怪護士たちに襲いかかる。
「ロヴォズィンホームに住んでいる頭のおかしいロヴォズィンはねぇ!人間じゃあないんですよぉッ!」
「ゔあああああああああああああッ!痛ぇよぉぉぉぉぉッ!」
「頭のイカれたロヴォズィンは ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーと同じく、この国のお荷物だ!ZEI銀泥棒だァッ!」
「ぐおおおおおおおおおおおおッ!痛い痛い痛い!誰か助けてぇぇぇぇッ!」
「ZEI銀泥棒は死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「ああああああああああああッ!痛いよ!苦しいよ!俺たちがいったい何したっていうんだァァァァッ!」
「ラブアンドピース‼税銀泥棒どもの『年銀』を搾取して生計を立てているロヴォズィンホームの経営者や怪護士はこの地球から出ていけぇーッ!」
「痛いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「俺もみんなに負けてられないぜ!」
俺は日本刀を外に避難しようとしていたロヴォズィンの頭部に向かって投擲する。
俺が投擲した日本刀は見事にロヴォズィンの頭部を串刺しにした。
俺は黒双銃オルトロスを手にもって時計回りに乱射する。
「ZEI銀泥棒は皆殺しだァァァァァァァァァァッ!」
数分後、俺たちTHE翼は特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの全事務員と全怪護士と全利用者を殺害を達成した。
どこから拍手の音が聞こえてくる。
「いや~ZEI銀もろくに納められない貧困層の社会不適合者のゴミの掃きだめの割には実に見事な手際ですねぇ~!」
「誰だ!てめぇはァッ!
「私は同伊図業具愛・総本部の十闘神の座具羅田・順五だ!」
「同伊図業具愛・総本部だと...!バカなこと言ってるとぶっ殺すぞ!同伊図業具愛の信者も創始者も俺たちTHE翼が全て皆殺しにしたはずだ!」
「あなた達が壊滅させた同伊図業具愛は、この国で活動していた同伊図業具愛です。私が所属している同伊図業具愛・総本部はこの国には存在しない、これでおわかりいただけだはずだ」
「そんな!同伊図業具愛はこの国以外にも存在するというのか?」
「その通り、そして私は世界各地にある同伊図業具愛の中でも頂点に位置する同伊図業具愛・総本部に所属しています」
「それで、おまえ達はいったい何をしにきたんだ!」
「無知な社会不適合者どものためにあえて説明してあげましょう、私は同伊図業具愛・総本部の創始者のファイナル・マザーの命令により、この国の同伊図業具愛を壊滅させたあなた達THE翼を粛清しに来ました」
「けっ、おめえみてぇなカルト教団の信者一人に一体何ができるっていうんだ!」
「すぐにわかりますよ、私の『鬼無血』を見ればね」
「『鬼無血』...だと...!」
同伊図業具愛・総本部の十闘神の座具羅田・順五が両手を胸の前でクロスさせて意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼」
座具羅田・順五の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
「座具羅田・順五の体が巨大化して巨大人型兵器になった...!これじゃあ、まるで断罪王じゃないか!」
「どうですか...?これが私の鬼無血・ザムゲダンです...!そして、くらないなさい同伊図業具愛・総本部の創始者!ファイナル・マザーの『愛』を‼」
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ザムゲダンに変神した座具羅田・順五の掌から放たれた『鬼無血波動』をくらったTHE翼のメンバーおよそ十数人が目から血の涙を流しながら『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』を熱唱し始め、数秒後には死亡してしまった。
「これが『鬼無血』の力なのか...!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 鬼無血・ザムゲダン‼ 男の価値を結婚してるのか、してないかで決める女はムカデと雑草のサラダにガソリンをかけて食え!  
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百二十九話 断罪王オルトロス 対 鬼無血・ザムゲダン‼ 男の価値を結婚してるのか、してないかで決める女はムカデと雑草のサラダにガソリンをかけて食え!

第百二十九話 断罪王オルトロス 対 鬼無血・ザムゲダン‼ 男の価値を結婚してるのか、してないかで決める女はムカデと雑草のサラダにガソリンをかけて食え!

特別養護ロヴォズィンホーム・ギガントデストロイヤーの事務員・怪護士・利用者の全てを皆殺しにした俺たちTHE翼の目の前に同伊図業具愛・総本部の十闘神、座具羅田・順五が現れた!
そして、座具羅田・順五が変神した巨大人型機動兵器、鬼無血・ザムゲダンの掌から放たれた『鬼無血波動』をくらったTHE翼メンバー数十人が目から血の涙を流しながら『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』を熱唱し始め、数秒後には死亡してしまった。
そして、二発目の『鬼無血波動』が俺に向かって放たれた。
『벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚
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벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚■■■■■■■■■■■■■■■■■벚벚■벚벚벚벚벚벚벚‼』
俺は鬼無血波動をに向かって黒双銃オルトロスの銃口を向けて、大声で叫ぶ。
「シンゴ―!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスに変神した俺は自分の両掌をから狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを鬼無血・ザムゲダンの掌から放たれた『鬼無血波動』に向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王オルトロスの両手のひらから放たれた『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』と鬼無血・ザムゲダンの手のひらから放たれた『鬼無血波動』が激突する。
「みんなー!今すぐここから離れるんだー!」
コマンダーがTHE翼のみんなにここから非難するように指示を出す。
「ほぉぉ...これがウワサの『狂撃波動』ですか...しかし!」
俺の脳内に突如、クソババァの顔が無数に浮かび上がり、意味不明な呪文を唱えてくる、
そしてそのバックでは『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が大音量で流れている。
「부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너웅부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너부주벚」「ゔああああああああああああああああああッ!俺の目の前にいきなりクソババァの顔が大量に出現して意味不明な呪文を唱えてくる!ぐあああああああああああああああああああッ!このままだとキムチが食べたくて死んでしまいそうだ!」
「見えましたか、あなたにも...!今、あなたの目の前に写っているクソババァこそが同伊図業具愛・総本部の創始者、ファイナル・マザーです!」
「ファイナル・マザー!こいつがクソゴミカルト教団・同伊図業具愛の創始者ファイナル・マザー!」
「そうです!そのお方こそ、クソゴミカルト教団・同伊図業具愛の創始者ファイナル・マザーです...あれ?」
「やっと気づいたか!座具羅田・順五‼」
「なぜ、私は先程から偉大なる同伊図業具愛・総本部の創始者であるファイナル・マザーを侮辱する様な発言をしているのだ...?もしや!」
「そうだ!お前も俺の狂撃波動をくらって、もうすでに『狂って』いるのさ!」
「無意識に人間の思考と思想を破壊する『狂撃波動』!これほどのものとは...!しかし、私の『鬼無知波動』を受けた貴様も、もうすでに同伊図業具愛・総本部の創始者、ファイナル・マザーに忠誠を誓いたくて仕方がないはずだ!」
「それはどうかな?」
「なに...!」
座具羅田・順五が変神した鬼無血・ザムゲダンの両目から血の涙が流れている。
「こ、これはいったいどういうことだ!」
「そう、同伊図業具愛・総本部の創始者ファイナル・マザーへの忠誠心が『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』をくらったお前の心を狂気から守った、しかし、心は守れてもお前の体のほうはすでに狂気でぶっ壊れちまってるのさ。つまり、同伊図業具愛・総本部の創始者ファイナル・マザーのマインドコントロールによって得られた強靭な精神力がお前の肉体から痛覚を遮断しちまってるってことだ、だからお前は狂撃波動で受けても肉体のダメージを認識できなかった」
「では、なぜお前は『鬼無知波動』をくらったのに同伊図業具愛・総本部の創始者ファイナル・マザーに忠誠を誓いたくならない!なぜキムチを食べない!」
「同伊図業具愛・総本部の創始者ファイナル・マザーは所詮、ゼェイジグゥアーやデエンノヴォーと同じ、自分のことを神だと思い込んでいる頭のイカれたクソ野郎だ!それに比べ俺は究極の破壊神に選ばれた社会不適合者だ!つまり、俺は本物の神だ!おめぇみてぇなゴミクソカルト教団に依存している情弱野郎が正真正銘の神である俺に勝てるわけねぇだろうが!キムチでも食ってろ!バァーガァッ‼死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は再び両手のひらから狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを最大出力で放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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最大出力の狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトをくらった座具羅田・順五の脳内を狂気が支配する。
「ヴァイゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
そして数秒後、巨大人型機動兵器、鬼無血・ザムゲダンに変神した座具羅田・順五の肉体は粉々になって消滅した。
THE翼のみんなの声援が俺を包む。
「やったぞ!闇崎ムツトの勝利だ!」
「断罪王、最高!」
「今夜はキムチ鍋だ!」
「THE翼最高!同伊図業具愛死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺は変神を解く。
「今回もよくやってくれたな!闇崎ムツト!」
「ありがとう、コマンダー!でも、まだ油断はできない、俺たちがぶっ潰したと思ってた同伊図業具愛はまだ、海の向こうに残っているんだ。またいつ、海の向こうから刺客が来るかわからない」
「ああ、そうだな」
同伊図業具愛・総本部をぶっ壊す!

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その4 自分の子どもが自分たちの思い通りになると思ってる親は自分の子どもの立場になって自分の子どもに対する行いや言動について、もう一度ちゃんとよく考えろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十話『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その4 自分の子どもが自分たちの思い通りになると思ってる親は自分の子どもの立場になって自分の子どもに対する行いや言動について、もう一度ちゃんとよく考えろ!

第百三十話『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その4 自分の子どもが自分たちの思い通りになると思ってる親は自分の子どもの立場になって自分の子どもに対する行いや言動について、もう一度ちゃんとよく考えろ! 
俺たちがこの国から壊滅させたと思っていた同伊図業具愛は海の向こうにまだ残っていた。
その名も『同伊図業具愛・総本部』。
創始者ファイナル・マザーが率いる同伊図業具愛・総本部からの刺客、十闘神のうちの一人、巨大人型兵器・鬼無知ザムゲダンを操る座具羅田・順五を倒した俺たちTHE翼は『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』を再開することにした。
次の標的は介護老人保健施設ファイティングドラゴンだ。
荷台にTHE翼のメンバーおよそ数十人を乗せた大型トラックが介護老人保健施設ファイティングドラゴンの入口に激突する。
介護老人保健施設ファイティングドラゴンの入口を破壊して内部に侵入した大型トラックの荷台から耐熱性の防護服と銃や刀を装備したTHE翼のメンバーたちが一斉に飛び出す。
武装したTHE翼のメンバーたちは歓喜の声を上げながら、周りの事務員やロヴォズィンや怪護士を銃殺および、斬殺する。
「頭のイカれたロヴォズィンのような生産性もろくにねぇZEI銀泥棒は全員皆殺しだァーッ!」
「ロヴォズィンホームで働いてるのに頭のイカれたロヴォズィンの世話もろくにしない事務員は死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「俺たちのZEI銀はこの社会をよりよくするためにあるのであって、ロヴォズィンのような、まるで役に立たない生産性ゼロの社会のお荷物のために使われるべきではない!」
「ZEI銀泥棒は皆殺しだァーッ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねーッ!」
介護老人保健施設ファイティングドラゴンの施設内はTHE翼の襲撃により一瞬で地獄絵図と化す。
事務員やロヴォズィンや怪護士に死体から放たれる血の匂いが施設内に充満している。
ここは戦場。
これぞ戦争。
自らの幸福のために行われる命の奪い合いこそが人の真実の姿。
社会と言う名の檻が人々から奪ってしまった人間の真実の姿。
戦争と言う名の人の真実の姿が今、俺の目の前にある。
この社会の同調圧力に価値観を支配された人々は俺たちTHE翼の行いを決して認めることはないだろう。
しかし、俺たちTHE翼が今、この地球上でもっとも人間らしい生き方をしている。
俺たちは突き進む、ZEI銀泥棒をこの地球から一人残らず殲滅するという目的を達成するまで。
俺たちはTHE翼はたとえ全世界を敵に回しでも、ZEI銀泥棒を皆殺しにする。
「お、おねがいだ!やめてくれぇ...!俺は最近、やっと正社員の怪護士になれて、しかも結婚もして子供もできた!俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ!」
目の前にいる男性怪護士が日本刀に拳銃を持った俺に命乞いをしてくる。
「そ、それにお前たちTHE翼の敵はZEI銀泥棒のはずだ!俺たち労働者はZEI銀を納めている立場だ!どうかんがえてもおまえ達に殺される理由がわからない」
「じゃあ、俺の出す問題に答えて正解できたら助けてやるよ」
「ゔぇ!本当か?」
「さて、問題です、俺が今、手に持っている日本刀と拳銃はいったい何のためにこの世界に存在している?」
「そ、そりゃあ、人殺しのためだろ?」
「正解」
俺は右手に持った日本刀で男性怪護士の首を切り裂いた。
「ゔぎゃあああああああああああああああああああああああああああああッ!」
「安心しろ、お前の嫁も、お前の子どもも、お前の両親・親戚も、すべて俺たちTHE翼が皆殺しにしてやる、そうすりゃあ、あの世で寂しい思いをせずに済むだろう?」
そうだ、ZEI銀から発生している『年銀』を受給しているロヴォズィンどもをカモにして生計を立てているロヴォズィンホームも所詮、ZEI銀泥棒であることに変わりはない。
故に俺たちTHE翼は怪護士も事務員も施設長にも容赦はしない。
突如、俺の脳内に同伊図業具愛・総本部創始者ファイナル・マザー(クソババァ)の顔が無数に浮かび上がり、意味不明な呪文を唱えてくる、そしてそのバックでは『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が大音量で流れている。
『벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚
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「ゔあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!キムチが食べたくなるこの感じは、同伊図業具愛総本部・十闘神の『鬼無知波動』‼」
「その通りよ、闇崎ムツト!」
「誰だお前は!」
「私の名は同伊図業具愛総本部・十闘神の一人、全現・世自見!私の『鬼無知』であなたは今日ここで死ぬ!」
同伊図業具愛・総本部の十闘神、全現・世自見が両手を胸の前でクロスさせて意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼」
「死ね...」
俺は黒双銃オルトロスの銃口を全現・世自見に向ける。
同伊図業具愛総本部・十闘神の一人、全現・世自見の衣服が粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。

次回予告 断罪王オルトロス 対 鬼無知・ドッボギ‼人間の価値を周りの人々からの評価でしか計ることができない奴は海水を10リットル飲め!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百三十一話 断罪王オルトロス 対 鬼無知・ドッボギ‼人間の価値を周りの人々からの評価でしか計ることができない奴は海水を10リットル飲め!

第百三十一話 断罪王オルトロス 対 鬼無知・ドッボギ‼人間の価値を周りの人々からの評価でしか計ることができない奴は海水を10リットル飲め!

介護老人保健施設ファイティングドラゴンの利用者と事務員と怪護士を大量虐殺していた俺たちTHE翼の目の前に同伊図業具愛総本部・十闘神の一人、全現・世自見が現れた!同伊図業具愛総本部・十闘神の一人、全現・世自見の衣服が粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
「同伊図業具愛総本部・十闘神の全現・世自見が巨大人型兵器になった!」
「これが私の鬼無知・ドッボキよ!くらえ!鬼無知波動‼」
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同伊図業具愛総本部・十闘神の全現・世自見が変神した鬼無知・ドッボキの両手から、直撃した相手の脳内に同伊図業具愛・総本部創始者ファイナル・マザー(クソババァ)の顔を無数に浮かび上がらせ、意味不明な呪文を唱えてくると同時に、『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が大音量で流す極めて迷惑な『鬼無知波動』が放たれる。
俺はTHE翼のみんなをその極めて迷惑な『鬼無知波動』から守る為に黒双銃オルトロスを上空にかざし、断罪王変神に必要な呪文を叫ぶ。
「シンゴー‼」
俺の衣服が粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスの変神した俺はTHE翼のみんなに向かって放たれた『鬼無知波動』に向かって必殺技の『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を放つ。
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『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』と『鬼無知波動』がぶつかり合い、周囲が光に包まれる。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!どうなってんだこりゃあッ!」
「くっ、まぶしい!」
気が付けば俺は暗闇の中にいた。
「なんだ!ここはいったい何が起きたんだ!THE翼のみんなはどこだ!」
「どうやらここは現実と隔絶された異空間みたいね」
「お前は全現・世自見‼」
「ここは、あなたの狂撃波動と私の鬼無知波動がぶつかり合ってできた異空間」
「そんなことはどうでもいい!どうやったらここから出られるんだ!」
「方法は...ある!でも私はここから出るつもりはないわ!」
「ふざけんな!お前はもとの世界に帰りたくないのか?」
「帰りたいけど、私の使命はTHE翼の殲滅、この異空間に、このまま神に等しき力を持つ断罪王オルトロスのあなたを閉じ込めおけば、今のTHE翼はただのクソ雑魚イキりテロリストになる。そうすればあとは軍隊や刑察に任せておけばTHE翼は崩壊する」
「お前、自分の命と引き換えに俺をここに閉じ込めておくつもりなんだな!どうしてそこまでクソゴミカルト教団の同伊図業具愛・総本部のために戦えるんだ!」
「同伊図業具愛は世界最大のカルト教団よ!信者に馬鹿みたいな値段のする同伊図業具愛・関連グッズを売りつけ、マインドコントロールで洗脳して購入させる!そうして稼いだお金で創始者であるファイナル・マザー様はぜいたくな生活をしてこの世界に幸福と奇跡をもたらす!」
「完全にくるってやがるぜ、お前!」
「そうよ、私だって子供の頃はバカバカしくって何度も両親による同伊図業具愛への勧誘を断ったわ。でも、気が付けば、私は両親から悪魔と呼ばれ、暴力を加えられ、食事を与えられず餓死寸前になった。私はその時に気づいた!どうせ死ぬぐらいだったら同伊図業具愛がたとえどんなゴミクソカルト教団でも入信して生き続けてやる!ってね」
「バカ野郎!それこそ同伊図業具愛の思うつぼじゃないか!」
「そうよ、その通り!じゃあ、あなたは私があのまま悪魔呼ばわりされて死ねばよかったっていうの?私は死にたくない!だから私は生きるために同伊図業具愛に入信した!入信したら、両親は餓死寸前の私に食料をくれた!愛してくれた!私は同伊図業具愛に入信したことで命を救われたのよ!」
「信者にそういうふうに思いこませることで信仰を深めさせるのがゴミクソカルト教団・
同伊図業具愛のやり方なんだ!でも、どうだ?今、お前はこの異空間で俺と餓死する運命にある!お前は死ぬのが嫌だから!同伊図業具愛に入信したんじゃないのか?」
「そうよ、あなたの言う通りよ!私はバカでマヌケで騙されやすい同伊図業具愛のいいカモよ!笑いたきゃ、笑いなさいよ!」
「わらえるわけねぇだろが!もう自分に嘘をつくのはやめろ!本当はここから出て生きていたいんだろ?」
「それでも私は同伊図業具愛への信仰と信念を曲げるつもりはないわ!私の大好きな両親が愛してくれるのは同伊図業具愛の信者である私なのよ!」
「救いようがねぇな!てめぇは!おい!破壊神オルトロス!」
俺は目つぶって変神しているときだけ俺の肉体と一つになっている破壊神オルトロスに向かって叫んだ。
『なんの用だ?まさか我に助けてほしくて神頼みしにきたんじゃないだろうな!」
「その、まさかだ!このままだとお前も一生この異空間に閉じ込められたままだぞ!」
『お前はいったい誰だ?』
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!俺は闇在ムツト!究極の破壊神に選ばれた社会不適合者!断罪王オルトロスだ!』
『究極の破壊神でも、できねぇことってのは、いったいなんだ?』
「そ、それは...そうか!そういうことか!」
『その通りだ!お前ができないと思ったらそこで、終わりだ!自分の限界を自分で決めてんじゃねぇよ!』
「助かったよ、破壊神オルトロス!そうだ俺は究極の破壊神だ!破壊の神だ!俺は同伊図業具愛・総本部創始者ファイナル・マザーみてぇな偽物の神なんかじゃねぇ!俺は本物の神だ!神にできねぇことはない‼ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
断罪王オルトロスの咆哮と共に俺と全現・世自見を閉じ込めていた異空間が崩壊していく。
「見たか!全現・世自見!これが本当の神の力だ!」
現実世界に帰還した断罪王オルトロスと鬼無知・ドッボキの闘いが再び始まろうとしていた!
次回予告  断罪王オルトロス 対 鬼無知・愛五具序字ドッボギ‼ 周りの空気が読めない人間をバカにするやつは醤油を10リットル飲め! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百三十二話 断罪王オルトロス 対 鬼無知・愛五具序字ドッボギ‼周りの空気が読めない人間をバカにするやつは醤油を10リットル飲め!

第百三十二話 断罪王オルトロス 対 鬼無知・愛五具序字ドッボギ‼周りの空気が読めない人間をバカにするやつは醤油を10リットル飲め!

俺が変神した断罪王オルトロスの放った『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』と同伊図業具愛総本部・十闘神の全現・世自見が変神した鬼無知・ドッボギの放った『鬼無知波動』が激突してできた意味不明の異空間。
俺と全現・世自見はその意味不明の異空間に閉じ込められたものの、破壊神オルトロスの助言で意味不明の異空間から現実世界に戻ることができた。
「おい!みんな!闇崎ムツトが帰って来たぞ!」
コマンダーがTHE翼のみんなに大声で知らせる。
「本当だ!断罪王オルトロスだ!あの巨大人型機動兵器さえあれば、俺たちTHE翼は最強だ!無敵だ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは皆殺しだ!」
「ZEI銀泥棒は死ねぇー!皆殺しだァーッ!」
「そうだァー!同伊図業具愛!死ねぇーッ!」
俺の帰還を歓迎するTHE翼のみんなの声が聞こえてくる。
「フン!現実世界に帰ってこれただけで、もう勝った気でいるの?ホント、社会不適合者の寄せ集めはどもはずいぶんとおめでたい頭してんのね?」
「ゴミクソカルト教団の狂信者がTHE翼を...俺の仲間を侮辱してんじゃねぇぞぉぉぉッ!」
「それはこっちのセリフよ!見せてあげるわ!私の操るドッボギの本当の力を!目覚めろ‼『愛五具序字』‼」
「『愛五具序字』...?」
巨大人型兵器、鬼無知・ドッボギの全身が光に包まれる。
そして、光の中から全身にミサイルを搭載した鬼無知・ドッボギが現れる。
「これがドッポギの真の姿!鬼無知・愛五具序字ドッボギよ!」
「全身に無数のミサイルを搭載している!まずい!みんな逃げろ!」
俺の言葉にTHE翼のみんなが一斉に断罪王オルトロスから全力疾走で逃げていく。
「もう遅い!くらえ!キムチクライシス‼」
鬼無知・愛五具序字ドッボギの全身から無数のミサイルが俺とTHE翼のみんなに向かって放たれる。
俺は必死に逃げているTHE翼のみんなを守る為に、無数に放たれたミサイルの攻撃に対して断罪王オルトロスの体を盾にする。
「いいこと教えてげるわ!この鬼無知・愛五具序字ドッボギのキムチクライシスのミサイル全てに『鬼無知波動』が込められているのよ!つまり、命中したミサイルの数だけ、あんたは『鬼無知波動』の狂気を味わうことになる!」
ミサイルの全てが断罪王オルトロスの全身に直撃する。
「ゔぐぅああああああああああああああああああああああああああッ!」
俺の脳内に『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が大音量で流れる、そして同伊図業具愛・総本部創始者ファイナル・マザー(クソババァ)の顔を無数に浮かびあがり、同伊図業具愛のすばらしさを語り始める。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!同伊図業具愛‼」
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断罪王オルトロスの全身に直撃したミサイルの数だけ、↑これが俺の脳内を埋め尽くす狂気と苦痛に俺はもう、キムチが食べたくて気が狂いそうになる‼
「お前...さっき俺の仲間を...THE翼をバカにしたよなァッ!」
「その状態で...よく喋れるわね?」
「俺の質問に答えろ!」
「バカしたらなんなの?だってそうじゃない!あんた達THE翼は国のルールで決められているはずのZEI銀の納付制度に反発しているただの社会不適合者!社会のルールも守れない社会不適合者!自分たちの信念や思想を武力と暴力でしか社会にアピールできない社会不適合者!社会不適合者はバカにされて当然なのよ!」
「お前の遺言はそれで終わりか?」
「遺言?追い詰められているのはどう考えてもあんたのほうじゃない!」
「お前には聞こえないのか...THE翼のみんなの声が!」
「がんばれー!断罪王オルトロス!」
「ゼェイジグゥアーは全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「デエンノヴォーは全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「ゴミクソカルト教団!同伊図業具愛は全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「ロヴォズィンホームの利用者は全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「グゥナァヴィッチョオは全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャは全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」
「ZEI銀泥棒は全員、死ねぇぇぇぇぇッ!」」
「俺には聞こえるぜ!THE翼のみんなの社会に対する憎悪の叫びが!労働者が汗と涙を流して働いて稼いだZEI銀を私利私欲のために使う一部特権階級どもへの憎悪の叫びが!貧困により社会に居場所をなくした社会不適合者たちの魂の叫びが!」
「そ、それがなんだっていうのよ!」
「THE翼のみんなが叫ぶ声すべてが『負』のエネルギーになり俺に力を与えてくれる!だから俺はお前の『鬼無知』波動を何度くらっても正気を保つことができる!」
「だったらあんたの仲間を今、ここで皆殺しにしてやるわよ!くらえ!キムチクライシス!」
鬼無知・愛五具序字ドッボギの全身から無数のミサイルがTHE翼のみんなに向かって放たれる。
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
俺は必死に逃げているTHE翼のみんなを守る為に、無数に放たれたミサイルの攻撃に対して断罪王オルトロスの体を盾にする、しかしミサイルの全てが断罪王オルトロスの全身に直撃する。
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断罪王オルトロスの全身に直撃したミサイルの数だけ、↑これが俺の脳内を埋め尽くす狂気と苦痛に俺はもう、キムチが食べたくて気が狂いそうになる‼
しかし、THE翼のみんなの声援が俺の体を無意識のうちに動かす。
鬼無知・愛五具序字ドッボギの眼前に瞬間移動した断罪王オルトロスが出現する。
断罪王オルトロスの両手が鬼無知・愛五具序字ドッボギの頭をつかむ。
鬼無知・愛五具序字ドッボギの頭をつかんだ断罪王オルトロスの両手のひらから『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』が放たれる。
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全現・世自見の脳内を狂撃波動(↑)が支配する。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너‼ゔあああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
そして数秒後には全現・世自見は両目から血の涙を流しながら脳死、鬼無知・愛五具序字ドッボギも消滅した。
「俺の勝ちだァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
同伊図業具愛をぶっ壊す!

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その4 若者より年を取っている人間のほうが偉いと思ってるやつらは排水口にたまった残飯でも食ってろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十三話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その3若者より年を取っている人間のほうが偉いと思ってるやつらは排水口にたまった残飯でも食ってろ!

第百三十三話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』その3若者より年を取っている人間のほうが偉いと思ってるやつらは排水口にたまった残飯でも食ってろ!

俺たちTHE翼が成し遂げた『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』によりロヴォズィンホーム3棟が壊滅、従業員は全員死亡した。
このニュースはすぐに全国に報道され、国民の心に大きな衝撃を与えた。
そして、この事件の影響で全国のロヴォズィンホームの怪護士や事務員が次々と自主退職する現象が起きていた。
つまり、多くの怪護士や事務員が俺たちTHEの襲撃から自分の命を守る為にロヴォズィンホームを退職したということだ。
これにより怪護業界は深刻な人手不足の状態になり、全国に向けて怪護士を募集したが、やはり俺たちTHE翼に殺されるのが怖いのか、人手が増えることは一切なかった。
怪護士のほとんどが怪護業界から去ったことで、全国のロヴォズィンホームには今も、頭のイカれたロヴォズィンがベッドの上でケツからクソを垂れ流したまま放置されている。
もちろん、ロヴォズィンホームがほとんど機能していない状態でも、自分の身の回りの世話もろくにできないロヴォズィンを引き取りに来るロヴォズィンの親族は一人もいなかった。
つまり、ロヴォズィンホームに入居している全国の頭のイカれたロヴォズィンは今、この社会から完全に孤立しているのだ。
ロヴォズィンホームを経営、管理している施設長や社会腐苦死法人も、この現実を把握していながら、見て見ぬふりをし、ロヴォズィンのケツもろくに拭かずに次々と雲隠れしているそうだ。
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーもこの怪護業界完全崩壊現象を見て見ぬふりをしている。
つまり、俺たちTHE翼が今後、何度ロヴォズィンホームを襲撃し、社会から孤立した頭のイカれたロヴォズィンを何人殺そうと、俺たちTHE翼がこの国の法律で裁かれることは一切ないということだ。
この社会から見捨てられ、孤立し、存在そのものをなかったことにされた頭のイカれたロヴォズィン。
しかし、この国はいまだに頭のイカれたロヴォズィンに『年銀』を受給させている。
この事実が変わらない限り、ロヴォズィンホームに入居している全国の頭のイカれたロヴォズィンがZEI銀泥棒である事実は変わらない。
だから、俺たちTHE翼は止まらない。
ヴォズィンホームに入居している全国の頭のイカれたロヴォズィンがこの世界から一人残らずいなくなるまで、虐殺を続ける。
それが俺たちTHE翼だ。
そして、今回の標的は特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンだ。
特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンの入居者数はおよそ千人を超え、全国でもトップクラスである。
つまり、今、特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンの利用者すべてがケツからクソを垂れながしたまま、ベッドの上に放置されているのだ。
社会から孤立し、刑察も軍隊も介入してこない特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンの施設内に俺たちTHE翼は入る。
特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンの施設内に入ったTHE翼のメンバーが雑談を始める。
「ひゃ~!こりゃあ完全にもぬけのからだな」
「おいおい、中にはまだクソまみれのロヴォズィンが千人ぐらい残ってるんだぜ?」
「おい、お前ら油断するなよ!頭のイカれたロヴォズィンどもがこの国から無視されているということは、ここの頭のイカれたロヴォズィンのせいで俺たちTHE翼がどんな被害にあっても、俺たちに危害を加えた頭のイカれたロヴォズィンをこの国の法律で裁くことはできないんだぞ!」
「ケッ、テロリストが法律の話なんてしてんじゃねぇよ」
「確かに」
THE翼のリーダーであるコマンダーが雑談をしているTHE翼のメンバーを注意する。
「おい、お前ら、すこし静かにしろ、遠くから足音が聞こえてくるぞ」
そして次の瞬間、施設の奥からをナイフを持った大量のロヴォズィンが俺たちTHE翼に向かって全力疾走で突撃してくる。
「おい!なんであいつら頭のイカれたロヴォズィンなのに、あんなに走れるんだ!」
「それはあとだ!みんな、頭のイカれたロヴォズィンどもを銃撃するんだ!撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
THE翼のメンバーが一斉にナイフを手に持った大量の頭のイカれたロヴォズィンに向かって銃撃を開始する。
銃撃をくらった大量の頭のイカれたロヴォズィンが血しぶきを上げながら床に倒れる。
しかし、数秒後、血まみれの大量の頭のイカれたロヴォズィンが再び立ち上がる。
「ど、どうなってんだ!あれじゃあ、まるで不死身じゃないか!」
「おい、闇崎ムツト!」
「ああ、間違いないぜコマンダー、これは、同伊図業具愛・総本部の戦士、十闘神の仕業だ!」
「ご名答、はじめましてTHE翼のみなさん♪」
不死身と化した大量の頭のイカれたロヴォズィンの背後に美少女が一人立っている。
「私は同伊図業具愛・総本部の十闘神、王我和・理由棒よ♪」
「この特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオン頭のイカれたロヴォズィンどもを不死身に改造したのは全部お前の仕業か!」
「その通り♪私の能力は生きている人間を不死身の戦士に改造できる♪」
「なるほど、社会から見捨てられ、人間としての価値を失った頭のイカれたロヴォズィンなら、生きていれば何人改造しても、この国の法律では裁くことができない」
「あなた達THE翼の活動のおかげで私はここで人間としての存在価値を失った約1000人の頭のイカれたロヴォズィンを不死身の最強兵士に改造して操り人形にすることができた♪私に自分の能力を最大限に発揮することができるステージを作ってくれたあなた達THE翼には本当に感謝してるわ♪」
「不死身の最強兵士に改造された頭のイカれたロヴォズィン1000人だと...!闇崎ムツト!勝算はあるのか?」
「安心しろコマンダー!頭のイカれたロヴォズィンも同伊図業具愛も俺が全員ぶっ壊す!」
不死身の頭のイカれたロヴォズィン集団1000人とTHE翼の戦いが始まった。

次回予告 断罪王オルトロス 対 不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人!頼んでもいないことを良かれと思って自分の価値観を押し付けてくるやつは排水口にたまった残飯に生活排水をかけて食べろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十四話 断罪王オルトロス 対 不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人!頼んでもいないことを良かれと思って自分の価値観を押し付けてくるやつは排水口にたまった残飯に生活排水をかけて食べろ!

第百三十四話 断罪王オルトロス 対 不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人!頼んでもいないことを良かれと思って自分の価値観を押し付けてくるやつは排水口にたまった残飯に生活排水をかけて食べろ!

生きている人間を改造して不死身の最強戦士にする能力を持つ、王我和・理由棒。
王我和・理由棒は自身の能力で不死身の最強戦士に改造した頭のイカれたロヴォズィン1000人を操り、俺たちTHE翼に勝負を挑んできた。
俺たちTHE翼と王我和・理由棒の操る不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人との戦いが始まる。
「みんな!俺に考えがある!とにかく後ろに下がるんだ!」
俺の指示にTHE翼のメンバーが全員、特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンから出ていく。
「あら♪ずいぶんと仲間思いなのね♪でもあなた一人で1000人の頭のイカれたロヴォズィンと戦えるのかしら♪」
「戦うんじゃねぇッ!ぶっ殺すんだ!」
俺は黒双銃オルトロスの銃口を王我和・理由棒の操る不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人に向ける。
「くらえ!狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト‼」
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直撃させた相手を強制的に脳死状態にさせる狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人に直撃する。
不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人の脳を言葉では表現することが不可能な程の狂気が支配する。
狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトをくらった不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人が両目から血の涙を流しながら動きを止める。
そして、その瞬間に俺は不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人を操る王我和・理由棒に殴りかかる。
しかし、俺の拳は王我和・理由棒の頬に直撃する前に、右手のひらでつかまれてしまう。
「私を殺せば、不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人が、ただの頭のイカれたロヴォズィンに戻ると思ったのかしら♪なら残念でした♪」
狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトをくらったにもかかわらず数秒で復活した不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人が俺に向かって一斉に襲いかかってくる。
「ちくしょう!ならもう、これしかねぇ!」
俺は天井に向かって黒双銃オルトロスをかざす。
そして断罪王の変神に必要な呪文を叫ぶ。
「シンゴー!」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
巨大人型兵器・断罪王オルトロスに変神した俺の巨体が特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンの天井を突き破り、施設が崩壊を始める。
瓦礫の山が不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人に向かって落ちてくる。
「なるほど♪それで仲間をあえて外に避難させたのね♪」
断罪王オルトロスの巨大な手足が地面にいる不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人の肉体を粉々にする。
「肉体そのものを破壊してしまえば、いくら不死身でもすぐには復活できないはずだ!」断罪王オルトロスが握りつぶし、踏みつぶした不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人は全てただの肉片になってしまった。
しかしすぐにその肉片が一つに集合して、人の形になっていく。
俺の目の前に不死身の最強ロヴォズィン兵士1000人の死体が一つになってできた巨大なロヴォズィンが姿を現す。
「巨大なロヴォズィンだと!」
巨大なロヴォズィンが俺に話しかけてくる。
「なぜ、家族はワシをこんな施設に捨てたんだ?」
「おまえ!自分の意思があるのか?」
「ああ、俺はこの特別養護ロヴォズィンホーム・エターナルレギオンに捨てられた頭のイカれたロヴォズィンの集合体だからな。それよりなぜ家族は俺をこんな施設に捨てたんだ!なぜいつになっても迎えに来ない!」
「それはお前がさっき言っていた通り、お前が自分の身の回りの世話も出来ない頭のイカれたロヴォズィンだからだ!」
「ふざけるな!ワシは家族の!子どものオムツだって替えてやった!クソのついたケツだった拭いてやった!頭がイカれてしまうまで会社で家族を守る為に働いた!それなのになぜ、ワシの息子や娘は頭のイカれたロヴォズィンになってしまったワシのクソまみれのケツを拭いてくれない!なぜ身の回りの世話をしてくれない!なぜ迎えに来ない!長生きすれば幸せになれるんじゃなかったのか?俺は間違っていたのか?」
「お前は間違ってねぇよ!ただよく考えろ、お前が長生きして一番得をするのがどんな奴らなのか!」
「どういう意味だ!」
「この社会を生きるすべての人間にはゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが楽して生活するためにZEI銀を国に納める義務がある。お前は今まで成人してから定年退職するまでずっとゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのため、そしてこの国で生きていくためにZEI銀を納めていた。つまり、お前が長生きしてくれたおかげでゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは今でも働かずにに楽な生活ができるということだ」
「そうか、だからゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは自分達が働かずに楽な生活をするために長生きが素晴らしいという価値観をテレビドラマなどを通して国民を洗脳していたのか!長生きが素晴らしいという価値観がテレビを通して全国に広まっていけば。それが同調圧力となり、長生きが素晴らしいという価値観が誕生すると同時に、それが常識になる!」
「そう、長生きが素晴らしいというゼェイジグゥアーとデエンノヴォーにだけ都合がいい価値観と常識が誕生した」
「じゃあワシは今までゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが同調圧力を利用して広めたゼェイジグゥアーとデエンノヴォーにだけ都合がいい間違った価値観と常識に脳を支配されていたのか!」
「そうだ、お前はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが広めた長生きは素晴らしいという間違った価値観と常識に騙され、成人してから定年退職するまでZEI銀を納め続け、長生きし続けた結果、頭のイカれたロヴォズィンになってしまい家族から見捨てられた」
「確かに、老いれば誰もが体にガタが来る...それを知っていながらワシは長生きすることが正しいことだと信じてしまっていた、同調圧力による間違った価値観と常識に脳を支配され、考えることをやめてしまった...!ワシは家族の幸せのために頑張って働いてきたのに、結果的に家族は頭のイカれたワシをこんな施設に捨てた...!ワシは間違っていた...!」
「そうだ!長生きは悪だ!同調圧力による間違ったを価値観と常識を広め、国民に死にざまを選ばせないこの社会は狂っている!生き方が選べるのに死にざまが選べない時点で、この社会という名のシステムはすでに崩壊しているのさ!」
「そうだな。ならワシの敵はおまえじゃない!ワシが戦うべき敵は長生きが素晴らしいという間違った価値観と常識をワシに押し付けて、この悲惨な現実を作り出したゼェイジグゥアーとデエンノヴォーだ!」
巨大化した頭のイカれたロヴォズィンの集合体が断罪王オルトロスに背を向けて、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを皆殺しにするために移動を開始する。
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王我和・理由棒の右手から放たれた『鬼無知波動』↑がゼェイジグゥアーとデエンノヴォーを皆殺しにするために移動を開始した巨大化した頭のイカれたロヴォズィンの集合体を一瞬で消滅させた。
「飼い主の思い通りに動かないペットは死刑よ♪」
「イカれてるな...!それにお前、人間の状態で『鬼無知波動』を放てるのか!」
「もちろん♪私をあの、座具羅田・順五や全現・世自見のようなザコと一緒にされては困るわ♪」
王我和・理由棒が両手を胸の前でクロスさせて意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼見せて上げる♪私の鬼無知・ブルゴギをね♪」
「鬼無知...ブルゴギだと...‼」

次回予告 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼自分の子どもとどう向き合っていいのかわからない親は子供なんて作るな!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十五話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼自分の子どもとどう向き合っていいのかわからない親は子供なんて作るな!

第百三十五話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼自分の子どもとどう向き合っていいのかわからない親は子供なんて作るな!

王我和・理由棒は自分の能力で操っていた巨大化した頭のイカれたロヴォズィンの集合体を自らの『鬼無血波動』で消滅させた。
王我和・理由棒が両手を胸の前でクロスさせて意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼見せて上げる♪私の鬼無知・ブルゴギをね♪」
「鬼無知...ブルゴギだと...‼」
王我和・理由棒の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
頭に牛のような日本の角を生やした巨大人型機動兵器・鬼無血・ブルゴギが断罪王オルトロスの前に姿を現す。
断罪王オルトロスが両掌から狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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王我和・理由棒が変神した鬼無血・プルゴギは両掌から出現させた光の魔法陣が狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを完全に防御して消失させる。
「そんな!狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが通用しない!」
「今の私には最強の魔法使いの霊が憑依しているの♪」
「い、意味がわからん!」
「霊の世界と交信して、霊を自らの体に憑依させることで、その霊の力を一時的に使うことができる♪これが私のもう一つの能力よ♪」
つまり、王我和・理由棒は霊の世界と交信して、最強の魔法使いの霊を自らの肉体に憑依させることで一時的に最強の魔法使いの霊と同じ力を使えるようになったのだ。
「さすが、ハイパーゴミクソカルト教団の同伊図業具愛・総本部だな!そんなガキでもわかるウソに俺が騙されると思ってんのか!同伊図業具愛は死ね‼」
「私の言っていることがもしウソなら、どうしてあなたの攻撃は私に防がれてしまったのかしら♪」
「うるせぇ!同伊図業具愛は死ね‼」
俺は再び両手のひらを王我和・理由棒が変神した鬼無血・プルゴギに向けてかざす。
「くらえ!狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト‼」
「何度やっても無駄よ」
俺の放った狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトは再び、鬼無血・プルゴギの両手のひらから放たれた光の魔法陣によって無効化されてしまう。
「今度はこっちの番よ♪」
鬼無血・プルゴギの肉体が巨大なドラゴンに変化して断罪王オルトロスの全身に巻き付く。
「今の私に憑依しているのは最強のドラゴンの霊よ♪」
そして、鬼無血・プルゴギが変身した最強のドラゴンの口から超高熱の火炎放射が放たれ、断罪王オルトロスの顔面に直撃する。
「ゔああああああああああああああああああああああああああッ!」
続いて最強のドラゴンの肉体が超巨大ゴーレムに変化する。
「今の私に憑依しているのは最強のゴーレムの霊よ♪」
超巨大の最強のゴーレムの両拳が断罪王オルトロスの全身に何度も直撃する。
「ぐぅああああああああああああああッ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
あらゆる最強の霊に憑依して攻撃してくる王我和・理由棒の能力の前に断罪王オルトロスは手も足も出ない。
鬼無血・プルゴギの体が分身をいくつも作りだす。
「今の私に憑依しているのは最強の忍者の霊よ♪」
増殖した鬼無血・プルゴギの両手から無数の手裏剣が放たれる。
断罪王オルトロスの全身に無数の手裏剣が突き刺さる。
「ゔああああああああああああああッ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「これでとどめよ♪鬼無血波動‼」
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断罪王オルトロスの全身に鬼無血波動が直撃する、↑これが俺の脳内を埋め尽くす狂気と苦痛に俺はもう、キムチが食べたくて気が狂いそうになる‼
「頭が痛ぇよぉぉぉぉぉぉぉッ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王オルトロスが地面に倒れる。
「案外あっけないわね♪あなたそれでも究極の破壊神なの♪」
断罪王オルトロスと鬼無血・プルゴギの戦闘を遠くで見ていたTHE翼のメンバーたちがざわつき始める。
「おいコマンダー!闇崎ムツトが、断罪王オルトロスが負けてしまったぞ!俺たちはいったいこれからどうすればいいんだ!」
「お前ら、落ち着け!まだ断罪王オルトロスの変神は解除されてない!まだ、闇崎ムツトが負けたと決まったわけじゃない!」
「確かに!まだ闇崎ムツトは断罪王オルトロスに変神したままだ!」
気が付くと俺は闇の中にいた。
「おい!破壊神オルトロスよ!」
『なんだ、また泣き言でも言いに来たのか!闇崎ムツト!』
「俺は前からこの断罪王オルトロスに強い力を感じていた、でも俺はまだその力を半分も発揮できていない気がする」
『その通りだ。お前は、なぜ黒双銃オルトロスの銃口が横に二つ付いているのかわかるか?』
「銃口が二つ付いていれば、一度に銃弾を二つ発射できるからだろ?」
『違う。横に二つならんだ銃口、つまり横に二つ並んだ円を見て、お前は何を連想する』
横に並んだ二つの円...そうかそういうことか!横に二つに並んだ円(○○)=無限(∞)。
「そうか!黒双銃オルトロスの銃口が横に二つ並んでいるのは『無限』を意味してるんだろ!」
『その通りだ。そして断罪王オルトロスにはまだ隠された無限の力が存在する。しかしその力はいつか必ずお前を苦しめるだろう...』
「無限の力...!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その2 職場で時間でお金が発生しているのに人の噂話や悪口を言っている女は自分が同じことをされたときに自分がどんな思いをするのかよく考えろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十六話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その2 職場で時間でお金が発生しているのに人の噂話や悪口を言っている女は自分が同じことをされたときに自分がどんな思いをするのかよく考えろ!

第百三十六話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その2 職場で時間でお金が発生しているのに人の噂話や悪口を言っている女は自分が同じことをされたときに自分がどんな思いをするのかよく考えろ!

同伊図業具愛・総本部の十闘神、王我和・理由棒が操縦する鬼無知・ブルゴギの能力、霊界から呼び寄せた最強の霊を機体に憑依させる能力により、断罪王オルトロスは一時的に機能を停止してしまう。
そして、俺は再び精神世界で破壊神オルトロスに助けを求める。
破壊神オルトロスは俺に黒双銃オルトロスの意外な秘密を教えてくれた。
そして破壊神オルトロスは断罪王オルトロスに隠された謎を俺に語り始めた。
『断罪王オルトロスにはまだ隠された無限の力が存在する。しかし、その力はいつか必ずお前を苦しめるだろう...』
「無限の力...!」
『無限の力とは、その名の通り無限に進化する力のことだ』
「断罪王オルトロスの力に限界がないことは以前、聞いたが、それとはまた違うのか?」
『いや、同じだ。しかし、我の言っている無限の力とは簡単に言えば、断罪王オルトロスのリミッターを外すということだ』
「リミッターを外す?」
『ああ、リミッターが外れれば、強すぎる無限の力がお前の肉体を完全に支配して、お前がお前でなくなってしまう可能性が高い』
「つまり、リミッターが外されたら、俺も、断罪王オルトロスも暴走するってことか?」
『その通りだ。もし暴走すれば、暴走した断罪王オルトロスがお前の仲間を皆殺しにする可能性もある』
「でも、今、リミッターを外さないと、俺の仲間が全員、王我和・理由棒が操縦する鬼無知・ブルゴギに殺されてしまう!」
『後悔しても知らんぞ...!もし、お前が暴走してお前自身の手で仲間を傷つけるようなことがあれば、お前は一生苦しむのだ、それでもいいのか?』
「とにかく、俺が暴走しなければそれで済む話だろう?」
『それができないから、我は断罪王オルトロスの力にリミッターをかけたのだ!これまで数々の文明が滅びたのも、断罪オルトロスの無限の力が暴走したことが原因なのだ。そして全てを破壊した後で正気に戻った先代の断罪王オルトロスの操縦者達は自らの手で大切なもの、そうでないものを破壊し尽くした己の罪に絶望して自害した!そして我は深い眠りについた...!』
「じゃあ、破壊神オルトロスは、もともとは破壊神じゃなかったんだな」
『ああ、だが暴走をするたびに文明を破壊し尽くす断罪王オルトロスは、いつの日か、破壊神オルトロスと呼ばれるようになっていた』
「まあ、事実、その通りだから仕方がないか...でも今、俺が王我和・理由棒に勝てないと、THE翼のみんなが殺されてしまう!俺はもう、母さんのときみたいに大切なものを失いたくないんだ!」
『わかった...!なら無限の力を使う時間は1分以内にしろ...!』
「つまり、1分以内に王我和・理由棒に勝てってことか?」
『無限の力を発動してから1分を過ぎれば、お前が変神した断罪王オルトロスは完全に暴走してしまう。そうなれば、どちらにせよ王我和・理由棒の死は確定する。しかし、その後で暴走した断罪王オルトロスがお前の仲間も、それ以外の全ても破壊する。つまり、1分以内に王我和・理由棒に勝利して変神を解除すれば、お前は敵を倒すと同時に大事な仲間も守ることができる』
「わかった...ではどうやってリミッターを外せばいい?破壊神オルトロス...いやオルトロスよ!」
『自分の頭に思い浮かべるのだ...自分がこの世界で一番憎んでいる存在を...!』
「自分がこの世界で一番憎んでいる存在...!」
無意識のうちに俺は昔の出来事を思い出していた。
子供の俺と病弱な母親のために一人で働き続けた父さん。
父さんの給料では俺の学費と母さんの治療費払うので精一杯だった。
だから、ろくに働かないで国民が納めたZEI銀で遊んだり、生活しているゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのためにZEI銀を納める余裕なんて父さんにはなかったんだ。
なのに父さんはゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのためにZEI銀を納めないという理由だけで刑察に捕まり、刑務所にぶち込まれ死刑判決を受けた。
そのせいで母親は病死してしまった。
また子供だった餓死寸前の俺は生き延びるために仕方なく犯罪に手を染めた。
そして俺は聖少年刑務所にぶちこまれた。
そしてTHE翼との邂逅。
断罪王オルトロスへの覚醒。
国内の同伊図業具愛の殲滅。
大物ゼェイジグゥアーの親の名七光りでゼェイジグゥアーになったFラン大学卒の大泉信ジェローとの戦い。
そのせいで失ったスナイパーとTHE翼のみんなの命。
「ゔああああああああああああああああああッ!」 
俺の心と全身をゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてZEI銀泥棒への怨念が支配する。
「ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー!そしてZEI銀泥棒は皆殺しにしてやる!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
地面に倒れていた断罪王オルトロスが突然立ち上がり狂気の叫び声を上げる。
「グヴァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
鬼無知・ブルゴギから王我和・理由棒の声が聞こえてくる。
「なによ...♪まだ戦えるんじゃない♪」
王我和・理由棒は無限の力を発動させた断罪王オルトロスの様子に戦慄しながらも、闘志を燃やす。
しかし。
一秒もしないうちに断罪王オルトロスの右手が王我和・理由棒が操縦する鬼無知・ブルゴギの首をつかみ、そのまま地面に何度も叩きつける。
「意識が現実に戻ってきている!全身に憎しみの力が沸き上がってくる!なのに心がとても暖かい!そうだ無限の力が使えるのは1分以内!1分を過ぎれば、俺は完全に暴走してすべてを失う!」
王我和・理由棒は困惑していた。
「どういうこと?断罪王オルトロスの動きがまったく見えなかった...それに私、このままじゃ、死んじゃう...?嫌よ、死にたくない!そうよ、まだ私にはこの力がある!あの頭のイカれたロヴォズィン達のように、断罪王オルトロスも洗脳してしまえばいいんだわ♪」
王我和・理由棒は生きている人間を改造し、最強の兵士にして自分の操り人形にする能力を鬼無知・ブルゴギの両目を通して発動する。
王我和・理由棒はその能力を発動する過程で無限の力を発動した断罪王オルトロスに変神している闇崎ムツトの精神世界を見てしまった。
「何よ...これ...」
『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイ■グゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジ■ゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』
狂気↑が王我和・理由棒の精神を汚染していく。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
「グヴァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
無限の力を発動した断罪王オルトロスの洗脳に失敗した王我和・理由棒を嘲笑するように断罪王オルトロスが叫び声を上げる。
断罪王オルトロスが無限の力を発動してから30秒が経過しようとしていた。
あと三十秒以内に王我和・理由棒が操縦する鬼無知・ブルゴギを断罪王オルトロスで撃破して変神を解けなければ俺は、この世界は、全てを失う。

次回予告 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その3 職場で高齢を理由にろくにやることやらないくせに周りの人間にでけぇ声で指示ばかり出す女は自分が一番職場にに不必要な人間であることを自覚しながらサラダドレッシングを一気飲みしろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十七話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その3 職場で高齢を理由にろくにやることやらないくせに周りの人間にでけぇ声で指示ばかり出す女は自分が一番職場にに不必要な人間であることを自覚しながらサラダドレッシングを一気飲みしろ!

第百三十七話 断罪王オルトロス 対 鬼無知ブルゴギ‼その3 職場で高齢を理由にろくにやることやらないくせに周りの人間にでけぇ声で指示ばかり出す女は自分が一番職場にに不必要な人間であることを自覚しながらサラダドレッシングを一気飲みしろ!

断罪王オルトロスにに隠された『無限の力』。
それは『無限の力』そのものが断罪王オルトロスの操縦者の心と体を支配して、断罪王オルトロスを暴走させて全てを破壊する、まさに究極の破壊神へと変えてしまう禁断の力だった。
そしてそれは暴走した断罪王オルトロスがTHE翼の敵だけでなく、THE翼のメンバー全員を皆殺してしまうことを意味していた。
その悲劇を回避するために破壊神オルトロスが闇崎ムツトに与えた『無限の力』の使用時間は1分。
1分を過ぎれば、断罪王オルトロスは強制的に暴走して、敵も味方も全てを破壊し尽くす、まさに究極の破壊神になってしまう。
闇崎ムツトが強大な力を持つ王我和・理由棒が操縦する鬼無知・ブルゴギに対して『無限の力』を発動してから30秒が経過しようとしていた。
そして王我和・理由棒は自身の能力で断罪王オルトロスを洗脳しようと企むが、『無限の力』を発動した闇崎ムツトの狂気と怨念に支配された精神世界↓を見てしまい、精神を汚染されてしまった。
『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイ■グゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジ■ゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』
『無限の力』を発動した闇崎ムツトの精神世界を見てしまったことで精神を汚染されてしまった王我和・理由棒にはもう戦う意思は残されていなかった。
正確に言えば、全身と脳内を駆け巡る狂気により、何もできず、何も考えられない状態になってしまったのだ。
『無限の力』を発動した断罪王オルトロスは雄叫びを上げながら地面に叩きつけた鬼無知ブルゴギの全身を両手で何度も切り裂く。
断罪王オルトロスの両手が鬼無知ブルゴギの全身を切り裂くたびに血しぶきが周りの建物や木々を汚す。
先程まで敗北しかけていた断罪王オルトロスが一方的に鬼無知ブルゴギを破壊していく光景に、THE翼のメンバー達は戦慄していた。
「断罪王オルトロスが復活したのはいいが、コマンダー!あれを操縦しているのは本当に闇崎ムツトなのか?」
「おそらく、操縦しているのは闇崎ムツトだ!でもあの断罪王オルトロスは俺たちの知っている断罪王オルトロスではない気がする...」
断罪王オルトロスの右手が鬼無知ブルゴギのコアから王我和・理由棒を引きずり出す。
そして、俺の意思とは関係なく断罪王オルトロスはそのまま右手でつまんだ王我和・理由棒を口に入れてモグモグと音を立てて咀嚼する。
鬼無知ブルゴギの消滅を確認した、闇崎ムツトは急いで変神を解く。
「なんとか1分以内に王我和・理由棒を倒せたな、しかし...」
俺の口内に王我和・理由棒の、人肉の味がまだ残っている。
「ゔおえええええええええええええええええええええッ!」
俺は地面に盛大に嘔吐した。
無限の力を発動してからまだ一分も経っていない状態で、断罪王オルトロスは操縦者の俺の意思に関係なく、王我和・理由棒を食べてしまった。
『無限の力』は破壊神オルトロスが言っていた通り、俺が想像している以上にヤバイ力なのかもしれない...。
黒双銃オルトロスから破壊神オルトロスの声が聞こえてくる。
『よくやったな闇崎ムツト』
「オルトロスか...!でも、最後はどう考えても俺の意思とは関係なく、暴走していた...」
『でも今、お前は自分の意思で我とこうして話ができている』
「ああ、でも...俺はもう...疲れたよ...」
急に目の前が真っ暗になる。
気が付けば俺はTHE翼の基地の医務室のベットの上にいた。
どうやら俺はあのまま気を失ってしまったらしい。
「闇崎ムツト、ようやく目を覚ましたのね」
THE翼のメンバーで医療責任者のドクター(コードネーム)が俺に話しかけてきた。
「みんなは今、何をしているんだ?」
「あなた以外のTHE翼のメンバーは皆、怪護士と事務員と責任者が退職して頭のイカれたロヴォズィンしか残されていない全国のロヴォズィンホームを襲撃しに行ったわ」
「そっか、俺たちの作戦が成功したおかげでこの国は頭のイカれたロヴォズィンを人間扱いするのをやめたんだっけ」
「ええ、だからこの国の刑察や軍隊にロヴォズィンホームに取り残された頭のイカれたロヴォズィンを守る義務はない」
「なら俺がいなくても楽勝か...」
「ええ、でも『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』で、この国の頭のイカれたロヴォズィン全てを皆殺しにしたら、次は何をするの?」
「次のターゲットは『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』だ!」
『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』、それはZEI銀を納めていないにも関わらず、生活が困窮している、もしくは病気やケガで働けないという理由で国から『ズェイガズヴォゴ』を受給して生活しているZEI銀泥棒どもの名称である。
では、なぜ『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』がZEI銀泥棒なのか説明しよう。
『ズェイガズヴォゴ』というのは簡単に言えば、国民が納めたZEI銀の一部を生活困窮者に与える制度のことである。
この制度により、国民のZEI銀の一部を受給して生活している人間達を『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』と呼ぶ。
もっと、わかりやすく言えば、『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』とは真面目に働いている人々がこの国に納めているZEI銀を横取りする貧乏人達のことである。
「『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』はただの生活困窮者ではない、自分たちが哀れな生活困窮者であることを盾に労働者が一生懸命働いてこの国に納めたZEI銀の一部を横取りして己の欲望を満たそうとする最低最悪の寄生虫だ。生活困窮者達たちが生活に困窮しているのはその人間に生きる能力がないからだ!そして生きる能力のない人間は死んで当然だ!死んで当然の人間をわざわざ国の法律とZEI銀を使って救うなど、どう考えても間違っている!だから『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』は皆殺しにする!」
『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』をぶっ壊す!

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』
職場で特に忙しくもないのに雑用を無理矢理押し付けてくる女は逆立ちした状態で公園の砂場にたまった砂を全部食え! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十八話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』職場で特に忙しくもないのに雑用を無理矢理押し付けてくる女は逆立ちした状態で公園の砂場にたまった砂を全部食え!

第百三十八話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』職場で特に忙しくもないのに雑用を無理矢理押し付けてくる女は逆立ちした状態で公園の砂場にたまった砂を全部食え!

同伊図業具愛・総本部の十闘神、王我和・理由棒との激闘に勝利した俺は気絶した。
そして俺が目を覚ましたその日のうちに、全国に潜んでいるTHE翼のメンバーたちが一斉に介護士と事務員と責任者が退職して頭のイカれたロヴォズィンしか残されていない全国のロヴォズィンホームを襲撃した。
どうやら作戦は成功し、この国からロヴォズィンホームに入居している頭のイカれたロヴォズィンは一人残らず全滅したらしい。
それは『ZEI銀泥棒粛清作戦・第一段階ロヴォズィンホーム襲撃作戦』の成功を意味していた。
THE翼基地の医務室のベットで読書をしていた俺にコマンダーが話しかけてきた。
「お見舞いに来てやったぜ、闇崎ムツト」
「すまんな、心配かけて」
「気にするな、全国のロヴォズィンホームには俺たちTHE翼に殺されるのが怖いのか、頭のイカれたロヴォズィンしかいなかった。それに今やこの国はロヴォズィンホームに入居している頭のイカれたロヴォズィンを人間扱いしていない。だから刑察も軍隊も俺たちが頭のイカれたロヴォズィンを何人殺そうと見て見ぬふりだ!正直、楽勝だったぜ!」
「でも、怪護士も事務員も責任者もいないんじゃ、ベットの上の頭のイカれたロヴォズィンどもはみんなケツからクソを垂れ流してた状態だったんだろ?そういう意味ではキツかっただろ?」
「ああ、もうクソのニオイがすごくてな、みんな火炎放射器で頭のイカれたロヴォズィンどもを丸焼きにしてたよ。それよりドクターから聞いたが、今度は『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』を皆殺しにするんだってな」
「ああ、『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーと同じく、国民が国に納めたZEI銀を私利私欲の為に使うZEI銀泥棒だ!『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』がこの国に存在することを許してはいけない!皆殺しだ!」
「了解した。でも闇崎ムツト、お前、体調のほうは大丈夫なのか?前の戦闘の断罪王オルトロスはどう考えても俺たちの知っている断罪王オルトロスではなかった」
「ああ、心配するな。断罪王オルトロスは前より1分間だけこの前みたいに強くなれるようになっただけだ」
「1分間...?」
「ああ、断罪王オルトロスは1分間だけ、今まで封印されていた『無限の力』を使えるようになったんだ」
「よくわからんが、1分を過ぎたらいったいどうなるんだ?」
「安心しろ、必ず『無限の力』を発動させたら1分間以内に敵を倒す...必ずな...!」
「お前がそこまでいうなら、これ以上は聞かないが、俺たちはゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのようなZEI銀泥棒を皆殺しにする夢を共有する仲間だ、なにか悩み事があったら遠慮せずに言ってくれよ!」
「ああ、ありがとうコマンダー!」
そして次の日、完全に回復した俺はネット配信で全国の『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』に死の宣告をすることにした。
生配信が始まる。
「俺は究極の社会不適合者でTHE翼の闇崎ムツトだ!まず初めに言っておく!」
俺はカメラに向かって両手中指を立てる。
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャは全員死ね!今死ね!すぐ死ね!絶対死ね!お前らズェイガズヴォゴジュギュウジャは自分達がこの社会に適応する能力がないから生きることが困難であるという一方的な理由で!この社会に適応している人間たちが汗を流して働いてこの国に納めたZEI銀の一部を法律を盾に横取りする頭のイカれたZEI銀泥棒だ!生産性ゼロの寄生虫だ!この社会で生き残る努力をせずに!生きる努力をしている他者から資源を奪おうとする最低最悪で人間以下のクソ野郎だ!つまりねぇ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャは!人間じゃあないんですよぉッ!わかるか?だからこれから俺たちTHE翼が皆殺しするズェイガズヴォゴジュギュウジャは全員人間じゃない!だから俺たちTHE翼が何人ズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺そうと、俺たちTHE翼が人間を殺したことにはならない!生きる能力や力がない生物は死んで当然だ!その死んで当然の生物を!ズェイガズヴォゴジュギュウジャを!必死に生きる努力をしている労働者がこの国に納めたZEI銀を使って救済するなんて絶対に間違っている!必死に生きる努力をしている労働者よりもズェイガズヴォゴジュギュウジャのような生きる能力や力がない生物が得をするようなことは絶対にあってはならない!だから!俺たちTHE翼は人間が人間らしく生活することができる真の平和をこの国にもたらすためにズェイガズヴォゴジュギュウジャを皆殺しにする!あなたの近所や知り合いにもいませんか?ズェイガズヴォゴジュギュウジャが!いたらぜひ武器を手に持って殺害してください!あなたがその手に持った武器で殺そうとしているズェイガズヴォゴジュギュウジャは人間じゃありません!人間でない生物をいくつ殺そうと犯罪にはなりません!仮にもし刑察や軍隊に逮捕されそうになっても、我々THE翼が必ずあなたをお守りします!そして我々THE翼と共にこの国の明るい未来のために戦いましょう!ズェイガズヴォゴジュギュウジャは皆殺しだ‼」
生配信が終了した。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』
その2 職場で従業員が少ないのを理由に堂々とチンタラ残業している給料泥棒は通勤と帰宅する際にサルみてぇに電線の上を歩け!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百三十九話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その2 職場で従業員が少ないのを理由に堂々とチンタラ残業している給料泥棒は通勤と帰宅する際にサルみてぇに電線の上を歩け!

第百三十九話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その2 職場で従業員が少ないのを理由に堂々とチンタラ残業している給料泥棒は通勤と帰宅する際にサルみてぇに電線の上を歩け!

『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』が開始された!
早朝の街路を闇崎ムツトを先頭に約百人ほどのTHE翼のメンバーが歩いている。
早朝から俺はメガホンを片手に街中で演説を始める。
「国民のみなさ~ん!おはようございま~す!みなさんの知り合いやご近所さんにズェイガズヴォゴジュギュウジャはいませんか~?今なら俺たちTHE翼が無料でみなさんの周りにいるズェイガズヴォゴジュギュウジャを駆除しま~す!みなさんは知っていますか?ズェイガズヴォゴジュギュウジャはねぇ、人間じゃあないんですよぉ!ですから!みなさん!知り合いにズェイガズヴォゴジュギュウジャがいたら!どうか遠慮なく我々THE翼に教えてください!今なら我々THE翼が無料でズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺害しま~す!我々に報告するのがめんどくさい!刑察や軍隊に逮捕されるのが怖い!でもズェイガズヴォゴジュギュウジャをぶっ殺したい!そんなあなた!ご安心ください!もし、あなたが刑察や軍隊に逮捕されそうになったら我々THE翼が必ず、あなたをお守りします!約束します!お金がない人間!働きたくない人間!社会に適応できない人間!十人十色でおおいに結構!しかし!だからといって真面目に働いている労働者が国に納めたZEI銀を法律を盾に横取りするズェイガズヴォゴジュギュウジャの存在は決して許してはならない!ズェイガズヴォゴジュギュウジャは人類の敵だ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャのような人類の敵をこの地球に存在させてはならない!みなさんどうか人類の明るい平和と未来のために俺たちTHE翼と一緒にズェイガズヴォゴジュギュウジャをぶっ殺しましょう‼」
「ちょっとあんた達!」
俺たちTHE翼の前に学校の制服を着た美少女が立ちふさがる。
「おはようございます!もしかして、ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殺害の依頼ですか?」
「ちがうわよ!はっきり言って朝から近所迷惑なのよ!それに、ズェイガズヴォゴジュギュウジャを人間扱いしないのはいくらなんでもひどすぎるわ!」
「人間じゃないズェイガズヴォゴジュギュウジャを人間扱いしないことの、いったい何がひどいんですかね~?」
「なら言わせてもらうけど!私の両親はズェイガズヴォゴジュギュウジャよ!でもそれは働きたくないとか!働けないとか!そういう理由じゃなくって、単純に私も含めて6人の子どもを養うお金がないからズェイガズヴォゴを受給しているの!ズェイガズヴォゴジュギュウジャの全てが怠け者なわけじゃないの!ズェイガズヴォゴを受給している人にはそれぞれちゃんとした理由があるの!だから国は生活が困難な国民にズェイガズヴォゴを受給しているのよ!」
「なるほど~!つまり、君の両親はペットのエサを買う金がないのにペットを飼う計画性のないバカな飼い主ってことですね!」
俺の背後にいるTHE翼のメンバーたちが大笑いしている。
「それって、いったいどういうこと?」
「だーかーらー!おめぇの両親はガキ育てる金もねぇのに本能のおもむくままに6人もガキ作る発情期のチンパンジーだって言ってんだよ!このクソガキがぁッ!」
「お、お母さんとお父さんをバカにするなぁーッ!」
俺に両親をバカにされた美少女が俺に向かって殴りかかってくる。
俺はあえて、回避せずに美少女の拳を頬に受ける。
周りで見ていた通勤途中の会社員や通学途中の学生が一斉にざわつき始める。
そして、俺はメガホン片手に叫ぶ。
「みーなーさーん!見ましたか!今の一方的な暴力行為を!我々THE翼の言葉に対し!この女は暴力でやり返してきました!このような理性のない野蛮な人間達!つまりズェイガズヴォゴジュギュウジャを!みなさんは本当に我々と同じ人間だと言えますか?そこの通勤途中のサラリーマンの方々!今、俺を殴ったこの女と家族は!みなさんが真面目に働いて国に納めたZEI銀の一部を法律を盾に横取りして、うまいメシを食ったり!クソをしたり!テレビを見てバカ笑いしてたりするんですよ!ズェイガズヴォゴ受給せずに真面目に働いているそこの通勤途中のサラリーマンの方々!この不条理を許せますか?許していいんですか?許せませんよねぇ!そう!許していいわけがない!だからこそ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャのようなZEI銀泥棒はこの地球から一人残らず抹殺しなければならない!」
「暴力でやり返したのは悪かったと思ってるわ...!でもあなた達の言っていることは絶対に間違っている!」
「なら、君が俺にした暴力も絶対に間違ってますねぇ~!」
「そ、それは...!」
「どうしますか~!今すぐ刑察を呼んでもいいんですよ~!」
「刑察だけは勘弁して!もし私が逮捕されたら国にズェイガズヴォゴを停止されてしまうかもしれない!そうなったら家族のみんなが生活できなくなっちゃう!」
「困りましたねぇ~!なら君は、君に殴られたことを俺に忘れろと、つまりそう言いたいんですね?」
「謝るわよ...!だからお願い!刑察にだけは言わないで!」
美少女が俺に頭を下げる。
「サユリ!」
騒ぎを聞いて駆け付けた美少女の母親が俺の目の前に現れた。
「お、お母さん!」
「話は近所の方から聞きました!ウチの娘が本当にすみませんでした!」
「サユリちゃんのお母さんねぇ~そーゆうーことじゃあーないんですよぉぉぉぉッ!」
俺は腰に帯刀していた日本刀を鞘から抜いて、サユリの首元に近づける。
「娘さんの命を助けてほしいなら、今すぐズェイガズヴォゴの受給をやめると俺の前で誓ってください!もし、あとからその誓いを裏切るようなことがわかった場合は我々THE翼があなたの家族全員を皆殺しにします!」
「ど、どうしてそんなひどいことを!」
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャは人間じゃないんですよ!人間じゃない生き物を殺すことのいったい何が、ひどいんですかねぇ!」
「ズェイガズヴォゴの受給をやめたら私たち家族はみんなご飯が食べられなくなってしまうんです!」
「ならサユリちゃんには死んでもらいますよぉ~‼」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「いいですかぁ?俺達THE翼は人間は殺しません!つまり、あなたがズェイガズヴォゴの受給をやめればあなたもあなたの娘や家族もズェイガズヴォゴジュギュウジャでなく人間になるわけです!俺はあなたとあなたの家族に薄汚いズェイガズヴォゴジュギュウジャから普通の人間に戻ってくれと言ってるんですよ!」
「で、でもズェイガズヴォゴの受給のやめたら私たち家族はみんなご飯が食べられなくなってしまうんです!」
「あああああああああああああああああああああッ!わっかんねぇクソババアだなァッ!オイッ!俺は!おめぇらが!ズェイガズヴォゴの受給のやめたら!俺に暴行を加えたおめぇの娘の命を助けてやるって言ってんだ!おめぇは娘の命とズェイガズヴォゴ!どっちが大事なんだよぉぉぉぉぉぉッ!」
娘の命か、ズェイガズヴォゴか。
俺に究極の選択をせまられて混乱したサユリの母親が両手で頭を押さえて叫び声を上げる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「あーあ!サユリちゃんのお母さん、どうしていいのか、わからなくなって壊れちゃいましたね~!それじゃあサユリちゃんにはこのまま死んでもらいますねぇ~!」
「嫌だ!私まだ死にたくないわ!お母さん助けて!」
娘に助けを求められた混乱状態の母親は再び叫び声を上げる。
「ゔああああああああああああああああああああああああああッ!」
俺は手に持った日本刀でサユリの首を切り裂く。
自らの優柔不断が招いた最悪の結末にサユリの母親は、再び叫び声を上げる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「よし!サユリちゃんのお母さんよぉ...今度はおめぇが人質になる番だ!」
「え?」
ズェイガズヴォゴジュギュウジャは皆殺しだ。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その3 自分の人生を大多数の人間の価値観を基準にすることでしか決められない奴は、もし本当に困ったときに、その価値観を形成している大多数の人間達が自分のことを助けてくれるのかよく考えろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その3 自分の人生を大多数の人間の価値観を基準にすることでしか決められない奴は、もし本当に困ったときに、その価値観を形成している大多数の人間達が自分のことを助けてくれるのかよく考えろ!

第百四十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その3 自分の人生を大多数の人間の価値観を基準にすることでしか決められない奴は、もし本当に困ったときに、その価値観を形成している大多数の人間達が自分のことを助けてくれるのかよく考えろ!

正論を唱える俺に暴行を加えた少女・サユリを人質にとった俺は、サユリの母親にサユリを助けてほしければズェイガズヴォゴの受給をやめるように警告した。
しかし、サユリの母はズェイガズヴォゴの恩恵がなければ自分たち家族の生活が破綻してしまうと言って、俺の警告に対して曖昧な意思表示しかできない。
俺の差し伸べた手を振り払うような曖昧な態度を繰り返すサユリの母に痺れを切らした俺は人質に取っていたサユリを日本刀で殺害。
俺はズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦を成功させるために、サユリの母親を人質に取った。
「よし!サユリちゃんのお母さんよぉ...今度はおめぇが人質になる番だ!」
「え?」
「え?じゃねぇよ!とっととおめぇの家に案内しろって言ってんだよ!」
「私の家に行って、いったい何をするんですか?」
「そんなの決まってんだろ!今度はおめぇを人質に取っておめぇの旦那にズェイガズヴォゴの受給をやめるか、やめないのか決めてもらうんだよ!」
「それじゃあ、もし私の旦那がズェイガズヴォゴの受給をやめないと言ったらどうするつもりなんですか?」
「そりゃあ、もちろん、あんたの娘みてぇに家族全員死んでもらう!」
「そ、そんなのあんまりです!よりによってどうして私たち家族なんですか?」
「そんなの決まってんだろぉ!最初に俺たちTHE翼に手を出したのはおめぇの娘のほうなんだからよぉ!」
「サユリがあなたに暴力を加えたことについては、謝ります!でも、サユリはもうこの世にはいないんです!私たちのことはもう見逃してください!」
「だから!ズェイガズヴォゴの受給をやめることを俺に誓ってくれれば、助けてやるって、さっきも言ったじゃないですか!なのに、あなたは最後まで決断できなかった!だからあなたの娘は死んだ!」
「ズェイガズヴォゴの受給をやめてしまったら私たち家族はもう、生活できないんです!餓死するしかないんです!」
「でも、ズェイガズヴォゴの受給のやめないのであれば!どちらにせよ、俺たちTHE翼はあなた達みたいなズェイガズヴォゴジュギュウジャを皆殺しにしなくてはならない!」
「ズェイガズヴォゴの受給のやめれば本当に私たち家族のことは見逃してくれるんですね?」
「ええ、もちろん。俺たちTHE翼は真っ当に生きている人間を殺すための組織ではありません。俺たちTHE翼が殺すのはゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてあなた達のようなズェイガズヴォゴジュギュウジャ、つまりZEI銀泥棒だけです」
「ならズェイガズヴォゴの受給をやめます、その代わり、私たち家族に資金援助をしてくれませんか?お金はいつか必ず返します!」
「その必要はありません」
「え?」
「あなたの知り合いにもズェイガズヴォゴジュギュウジャがいるはずです」
「ええ、まぁ...」
「あなたが知り合いのズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺害すれば、俺たちTHE翼はあなたが殺害したズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体1体につき五百万円を差し上げます!」
「ご、五百万円?」
「はい、殺害したズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体が2体なら一千万円、10体なら五千万円、どうですか?」
「でも...人を殺したら、刑察や軍隊に捕まってしまいます」
「ご安心ください、もしそうなったら俺たちTHE翼が全力であなたとあなたの家族をお守りします!サユリちゃんのお母さんだけではありませんよ~!ご近所の方々もどうか聞いてください!我々THE翼はみなさんが殺害したズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体1体につき五百万円を差し上げます!もちろん、我々THE翼が刑察や軍隊からみなさんをお守りします!今、俺の話を聞いているお金に困っているみなさ~ん!ズェイガズヴォゴジュギュウジャをたくさん殺して大金持ちになって人生逆転してみませんか~!」
俺の話を聞いていた近隣住民達がざわつき始める。
「おい、今の話、本当かよ!」
「でも本当に刑察や軍隊相手に私たちを守ってくれるのかしら?」
「でも確か、THE翼には断罪王っていう巨大人型兵器があるとか...」
「そうそう、その断罪王で何度も刑察や軍隊の部隊を全滅させたとか...」
「国内の同伊図業具愛を殲滅させたのも、確かTHE翼よね?」
「そうね。武器を買うのにもお金はかかるし、たぶんTHE翼は相当金持ってるわよ!」
「なら、殺しちゃおうよ、ズェイガズヴォゴジュギュウジャ!」
「でも本当にいいの?」
「人殺しだぜ?」
「でも、ズェイガズヴォゴジュギュウジャを1人殺しただけで五百万も、もらえるんだぜ?」
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャを十人殺せば、難病の娘の治療費を払えるかもしれない!」
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャをたくさん殺せば、借金地獄から抜け出せるかもしれない!」
そう、人を動かすのに一番効果があるのは金だ。
金をエサに全国の納ZEI者の国民にズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺害させる。
そして、俺たちTHE翼や賞金目当ての納ZEI者の国民に殺されるのを恐れたズェイガズヴォゴジュギュウジャは自分の命を守る為にズェイガズヴォゴの受給をやめて、今度は賞金目当てにズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺す立場になる。
かつてズェイガズヴォゴジュギュウジャだった者たちが金欲しさにズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺害する。
まさに完璧な作戦である。
納ZEI者である国民と賞金目当てのかつてズェイガズヴォゴジュギュウジャであった国民が一致団結して、この国からズェイガズヴォゴジュギュウジャを一人残らず殺害する。
これぞ革命。
これがズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦。
「さぁ、サユリちゃんのお母さんはどうしますか?」
「こ、殺します!私たち家族の生活と明るい未来のためにズェイガズヴォゴジュギュウジャを...たくさん殺します!」
「そうですか、ならぜひ、ご家族の明るい未来のためにズェイガズヴォゴジュギュウジャをたくさん殺しちゃってください!」
俺たちTHE翼の先導によって納ZEI者と、命欲しさと賞金目当てにズェイガズヴォゴジュギュウジャをやめた者達による『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』が始まろうとしていた。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その4 人間はみんなこの世界に産まれたときから死ぬことが決まっているのに金持ちになって人生の勝ち組になりたいとか思っている奴らは自分たちが最初から死の運命に負けるしかない人生の負け組であることに気づけ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その4 人間はみんなこの世界に産まれたときから死ぬことが決まっているのに金持ちになって人生の勝ち組になりたいとか思っている奴らは自分たちが最初から死の運命に負けるしかない人生の負け組であることに気づけ!

第百四十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その4 人間はみんなこの世界に産まれたときから死ぬことが決まっているのに金持ちになって人生の勝ち組になりたいとか思っている奴らは自分たちが最初から死の運命に負けるしかない人生の負け組であることに気づけ!

俺はこの国の全国民にズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体1体につき五百万円の賞金を与えることを宣言した。
これにより、各地で納ZEI者によるズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩りが始まった。
深夜の街路をある一人の男が走っていた。
走っている男は複数の男女に追いかけられていた。
「待てぇぇッ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャ!」
「俺は病気で働けないからズェイガズヴォゴを受給しているだけなのに、なんであんた達に命を狙われなくちゃいけないんだ!」
「うるせぇ!おめぇみてぇなズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をTHE翼に渡せば、俺は五百万円もらえるんだよ!」
「ふざけんじゃないわよ!あのズェイガズヴォゴジュギュウジャは私の獲物よ!五百万円は私がもらうわ!」
「おい!何勝手に決めてんだ!五百万は俺のモノだ!」
「おい!ズェイガズヴォゴジュギュウジャ!いい加減走るのをやめて俺に殺されろ!俺はおまえを殺して得た五百万円で借金返済するんだよ!」
「待てぇぇッ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャ!」
「待ちなさい!五百万!」
「五百万円は私のものよぉ~!」
賞金目当ての納ZEI者に追われるズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の前に大きな壁が立ちふさがる。
「ちっ、行き止まりかよ...!」
賞金目当ての納ZEI者達がズェイガズヴォゴジュギュウジャを囲む。
「まるでお前の人生みたいだなぁッ!ズェイガズヴォゴジュギュウジャ!」
「このZEI銀泥棒が!とっととぶっ殺して五百万円にしてやるわ!」
「おい!待てよ!最初にこのズェイガズヴォゴジュギュウジャを見つけたのは俺だぜ!」
「嘘ついてんじゃねぇよ!最初に見つけたのは俺だ!」
「おい、お前ら!とにかく、このズェイガズヴォゴジュギュウジャをとっとと死体にしなきゃ、何も始まらないぜ!おらッ!」
納ZEI者達の一人が振り上げた金属バットがズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の頭部に直撃する。
「ゔあああああああああああああッ!痛い!」
「ちょっと!なに勝手に抜け駆けしてんのよ!えいっ!」
納ZEI者の女が振り上げたゴルフバットがズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の頭部に直撃する。
「このズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺すのは俺だァッ!」
賞金目当ての納ZEI者たちが次々と手に持った鈍器でズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の全身を殴打する。
そして、いつしかズェイガズヴォゴジュギュウジャの男は動かなくなっていた。
「ふぅ...やっと死体になってくれたか」
「それで、この死体の持ち主はどうやって決めんのよ!」
「それならこのズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体で手に入れた五百万円をここにいるみんなで山分けするのはどうだろう?」
「ふざけんな!そんなことしたら俺は借金、返せねぇんだよ!」
「そんなの知らないわよ!私は五百万円が欲しくで、このZEI銀泥棒を殺したのよ!」
「ちょっと待てよ!最初にこのズェイガズヴォゴジュギュウジャの頭部を金属バットで殴ったのは俺だぜ」
「それが理由で死んだとは限らないだろ!」
「そうよ!一発だけで死んだとは限らないわ!」
「とにかく、このズェイガズヴォゴジュギュウジャは死んで死体になった、この死体は悪いが誰にも譲るわけにはいかない」
「それはこっちのセリフよ」
五百万円の賞金がかけられたズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の死体の所有権をめぐって、納ZEI者達の醜い争いが始まる。
それぞれ手に鈍器を持った賞金目当ての納ZEI者たちが互いに殺し合う光景はまさに人間という生き物がこの地球上でもっとも醜い動物であることを証明していた。
このようなズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をめぐる納ZEI者同士の醜い争いが今、全国各地で発生している。
そして、先程の納ZEI者同士の醜い争いで生き残った女がズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の死体を肩に担いで付近の駐車場に止めてあった自動車の後部座席に放り込む。
「これで五百万円は私のものよ...あれ?」
納ZEI者の女は自分の額から生暖かい液体が垂れてくることに気づく。
その液体が血液であることを確認した次の瞬間にはもう、女は目の前が真っ暗になっていた。
そして、すぐに納ZEI者の女は背中から仰向けに倒れた。
おそらく先ほどの納ZEI者同士の醜い争いの際に頭部を負傷していたのだろう。
物陰から納ZEI者の女の死亡を確認した賞金目当ての納ZEI者の男が女の車からズェイガズヴォゴジュギュウジャの男の死体を引きずり下ろし、肩に担ぐ。
そして、そのままTHE翼の基地を目指して歩き始めた。
「待ってろエミ...!このズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体でもらえる五百万円を手術費に使って、必ず難病のお前の命を救ってやるからな!」
醜くもあれば美しくもある、それが人間のいいところであり、悪いところでもある。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その5 レジでハシくれって言ってないのに、入りますか?って聞いてくる女は早朝の線路で側転しろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百四十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その5 レジでハシくれって言ってないのに、入りますか?って聞いてくる女は早朝の線路で側転しろ!

第百四十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その5 レジでハシくれって言ってないのに、入りますか?って聞いてくる女は早朝の線路で側転しろ!

THE翼のズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦の始動によってズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体1体に五百万円の賞金がかけられた。
これを知った納ZEI者達による『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』が始まった。
しかし、それは一体五百万円の価値があるズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をめぐる納ZEI者同士の新たな戦いの始まりを意味していた。
そして、今日も全国で複数の納ZEI者たちによる『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』が開催され、そのあとにはズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をめぐる納ZEI者同士の醜い争いが勃発していた。
そして、その醜い争いを鎮めるために一日に何回も刑察や軍隊が出動し、そのたびにTHE翼は武力で刑察や軍隊を皆殺しにしたのであった。
俺は今日も納ZEI者同士の醜い争いを止めに来た刑察や軍隊に向かって右掌から『狂撃波動』↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
この言葉ではもはや表現することのできない狂気が刑察や軍隊の脳内に流れ込み、刑察や軍隊のやつらは皆、目と鼻と耳の穴から血を流して絶命した。
ズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をめぐる納ZEI者同士の醜い争いに勝ち抜いた納ZEI者の男がズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体を肩に担いで俺のもとにやってくる。
「あの...THE翼の闇崎ムツトさんですよね?」
「ああ、そうだが」
「この死体をあなた達THE翼に渡せば、本当に五百万円もらえるんですよね?」
「ああ、もちろんだ。よくやったな」
俺は勝ち残った納ZEI者の男からズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体を受け取ると、ポケットに入っていた五百万円を勝ち残った納ZEI者の男に手渡した。
「あ、ありがとうございます!この五百万円があれば難病の息子の命を救うことができます!」
「そうか、よかったな」
男は五百万円を両手で抱きしめながら嬉しそうにスキップしている。
この『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』が始まってからズェイガズヴォゴの受給をやめてズェイガズヴォゴジュギュウジャから納ZEI者になった者は多いと聞く。
賞金目当ての納ZEI者達に殺されるぐらいなら、ズェイガズヴォゴの受給をやめたほうが安全だと思ったズェイガズヴォゴジュギュウジャがたくさんいるのだ。
しかし、その影響でズェイガズヴォゴジュギュウジャ達の希少価値はどんどん上がり、結果手的にはズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体をめぐる納ZEI者同士の醜い争いが各地で勃発することになってしまった。
でも、ズェイガズヴォゴジュギュウジャに五百万円の賞金をかけた影響でこの国からズェイガズヴォゴジュギュウジャが減ったのは事実である。
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦、どうやらうまく言っているようだな...闇崎ムツト」
俺の目の前に大柄な男が現れる。
「誰だ貴様は!」
「俺は同伊図業具愛・総本部の十闘神、ヴィゲ・駄々意座具だ」
「また同伊図業具愛か...ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦がお前たち同伊図業具愛・総本部にとっていったいどんな被害を与えているのか、俺には理解できないが?」
「忘れたのか闇崎ムツト...おまえ達THE翼はこの国を裏から支配していた同伊図業具愛の創始者ファイナルファーザーと大勢の信者を殺した...」
「ああ、すっかり忘れてたよ!クソ雑魚カルト教団のことなんて覚えて立って意味ねぇからな!ペッ!」
俺はヴィゲ・駄々意座具の額にツバを直撃させた。
「悪い、当たっちまったわ。こんなのもよけられないなら同伊図業具愛・総本部十闘神やめたら?」
周りにいたTHE翼のメンバーから大きな笑いが起きる。
「なるほど...それほど味わいたのか...俺の我図害我図道を...!」
「我図害我図道...?」
「我図害我図道!一の道!『装』‼」
ヴィゲ・駄々意座具の全身の皮膚が龍のうろこのような装甲に包まれる。
THE翼のメンバーが一斉に我図害我図道・一の道・『装』を発動したヴィゲ・駄々意座具に銃撃を開始する。
しかし、THE翼のメンバーが放った銃弾は、全身に鋼鉄のうろこを纏ったヴィゲ・駄々意座具の皮膚に直撃した瞬間に、銃弾を放ったTHE翼のメンバーの頭部めがけて跳ね返ってくる。
「ゔああああああああああああああああああああああッ!」
頭部に自らが放った銃弾をくらったTHE翼のメンバー数人が死亡する。
「これで終わりだと思った大間違いだ...「我図害我図道!二の道!『牙』‼」
両手の指から鋼鉄の爪を一メートルほど伸ばしたヴィゲ・駄々意座具が、退却を始めたTHE翼のメンバー達に襲いかかる。
「ゔあああああああああああああああああああッ!来るなぁぁぁぁぁッ!」
ヴィゲ・駄々意座具の両手指の鋼鉄の爪が退却を始めたTHE翼のメンバー達数十人の体をバラバラにする。
「ヴィゲ・駄々意座具...!お前、本当に人間なのか?」
「言ったはずだ...俺は同伊図業具愛・総本部の十闘神であると...そして『我図害我図道』には全身を究極の防御皮膚で覆う一の道『装』と両手指から究極の爪を生やす二の道『牙』以外に、あと2つの『道』がある...4つの『道』が完成した時、お前は必ず死ぬ...!」
「死ね...」

次回予告 断罪王オルトロス 体 同伊図業具愛・総本部・十闘神!ヴィゲ・駄々意座具‼  エレベーターでわざわざ◀▶ボタンを押しながら待っててやったのに、一緒に乗るのを拒否する奴は高速道路で逆立ちしてこい! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十三話 断罪王オルトロス 体 同伊図業具愛・総本部・十闘神!ヴィゲ・駄々意座具‼ エレベーターでわざわざ◀▶ボタンを押しながら待っててやったのに、一緒に乗るのを拒否する奴は高速道路で逆立ちしてこい!

第百四十三話 断罪王オルトロス 体 同伊図業具愛・総本部・十闘神!ヴィゲ・駄々意座具‼ エレベーターでわざわざ◀▶ボタンを押しながら待っててやったのに、一緒に乗るのを拒否する奴は高速道路で逆立ちしてこい!

ズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体1体に五百万円の賞金をかけたズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦の発動により、この国からズェイガズヴォゴジュギュウジャは減少していた。
それを喜んでいた俺たちTHE翼の前に同伊図業具愛・総本部の十闘神・ヴィゲ・駄々意座具が現れた。
ヴィゲ・駄々意座具は『我図害我図道』と呼ばれる自らの肉体を人間離れした怪物に変化させる能力を使い、銃撃を開始したTHE翼のメンバー数十人を殺害した。
「ヴィゲ・駄々意座具...!お前、本当に人間なのか?」
「言ったはずだ...俺は同伊図業具愛・総本部の十闘神であると...そして『我図害我図道』には全身を究極の防御皮膚で覆う一の道『装』と両手指から究極の爪を生やす二の道『牙』以外に、あと2つの『道』がある...4つの『道』が完成した時、お前は必ず死ぬ...!」
「死ね...」
闇崎ムツトとヴィゲ・駄々意座具の戦いが始まろうとしていた。
「同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺はヴィゲ・駄々意座具に向けて狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ふむ、それが狂撃波動か...しかし」
全身を究極の防御皮膚で覆う『我図害我図道』一の道『装』を全身にまとったヴィゲ・駄々意座具に直撃した狂撃波動が闇崎ムツトに向かって跳ね返ってくる。
「なんだと!狂撃波動が通用しない!それに跳ね返ってくる!」
俺は跳ね返ってきた狂撃波動を新たなに放った狂撃波動で相殺する。
「お前の狂撃波動は俺の『我図害我図道』一の道『装』には通用しない...王我和・理由棒との戦闘で使ったアレでなければ俺は倒せんぞ...」
コイツ...挑発しやがって!
「それともアレを使えない理由が何かあるのか?」
「貴様ぁぁぁぁぁッ!」
俺は両掌から狂撃波動↓を何度も放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
しかし、ヴィゲ・駄々意座具は俺の放ったすべての狂撃波動を回避して、『我図害我図道』二の道『牙』で両手指から生やした究極の爪で俺に襲いかかってくる。
ヴィゲ・駄々意座具の両手指から生えた究極の爪が俺の全身を切り裂く。
「ゔあああああああああああ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
全身血塗れになった俺に追いうちをかけるようにヴィゲ・駄々意座具は『我図害我図道』三の道を発動する。
「見せてやる...『我図害我図道』三の道『月』‼」
ヴィゲ・駄々意座具の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
『装』・『牙』・『月』、三つの『我図害我図道』を発動させたヴィゲ・駄々意座具の前進が巨大人型兵器になった。
「『我図害我図道』三の道『月』は巨大な月のように自らの肉体を強化・巨大化させる能力。そして、これが俺の鬼無血・美図阿喪怒斬だ!」
ヴィゲ・駄々意座具が変神した美図阿喪怒斬の両拳が俺に襲いかかる。
俺は美図阿喪徒斬の攻撃を回避しながら、黒双銃オルトロスの銃口を空に向かってかざして断罪王変神の呪文を叫ぶ。
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスに変神した俺は両手のひらから狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトをヴィゲ・駄々意座具が変神した美図阿喪怒斬に向けて最大出力で放とうとする。
しかし、次の瞬間には俺の目の前にはヴィゲ・駄々意座具が操縦する美図阿喪怒斬の究極の爪があった。
断罪王オルトロスの胸にヴィゲ・駄々意座具が操縦する美図阿喪怒斬の究極の爪10本が突き刺さる。
「ゔぐぅああああああああああああああッ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「『我図害我図道』三の道『月』によって強化された俺の肉体の持つ超スピードの前ではお前の反射神経などゴミ同然だ。とっとと王我和・理由棒との戦闘で使ったアレを使って本気でかかってこい!」
「無限の力は...最後の切り札であり、諸刃の剣なんだよ...!」
「ほぉ、王我和・理由棒との戦闘で使ったあの禍々しい力は『無限の力』というのか...それに諸刃の剣とは、ますます興味がわいてきたぞ!」
ヴィゲ・駄々意座具が操縦する美図阿喪怒斬の10本の究極の爪が断罪王オルトロスの全身に何度も突き刺さる。
「さぁ!どうした!どうした!このままではお前は死んでしまうぞ!断罪王オルトロスであるお前が死ねばTHE翼など所詮、烏合の衆!つまりお前が死ねばTHE翼も今日でおしまいということだ!死ぬのが嫌ならとっと『無限の力』を使ってみろ!」
まずい、全身が痛くて死にそうだ。
こんなの初めてだ。
はっきり言おう。
悔しいが、あのヴィゲ・駄々意座具という男は今までで戦った敵の中でも一番強い。
確かに『無限の力』を使えば、俺はヴィゲ・駄々意座具に勝てるかもしれない。
しかし、『無限の力』を発動してから1分を越えれば、俺は仲間を、全てを失う。
だから、まだ『無限の力』を使うわけにはいかない。
断罪王オルトロスの両手がヴィゲ・駄々意座具が変神した美図阿喪怒斬の首を絞める。
「ほう...狂撃波動が効かないとわかって肉弾戦に持ち込むつもりか」
ヴィゲ・駄々意座具が変神した美図阿喪怒斬の首にめり込んだ断罪王オルトロスの両手の指から狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが放たれる。
首にめり込んだ10本の指から放たれた狂撃波動がヴィゲ・駄々意座具が変神した美図阿喪怒斬の全身の血管に流れ込む。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ぐゔああああああああああッ!気が狂って死にそうだぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!」
「狂撃波動を体内に直接、流し込めば、いくらお前の全身を究極の防御皮膚で覆う『我図害我図道』一の道『装』でも跳ね返すことはできないはずだ!」
「なかなかやるな...!ならばお前に見せてやる!最終奥義『我図害我図道』四の道『外』を‼」
「狂撃波動を体内に直接放たれたというのに、まだ生きているのか...!」
『装』・『牙』・『月』・『外』、『我図害我図道』四つの道が今、ここに揃おうとしていた。

次回予告 断罪王オルトロス 体 鬼無血・美図阿喪怒斬‼ 人間はみんな産まれたときから死ぬことが決まってんだよ!病人だからって自分が特別扱いされるのが当たり前だと思うな‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十四話 断罪王オルトロス 体 鬼無血・美図阿喪怒斬‼人間はみんな産まれたときから死ぬことが決まってんだよ!病人だからって自分が特別扱いされるのが当たり前だと思うな‼

第百四十四話 断罪王オルトロス 体 鬼無血・美図阿喪怒斬‼人間はみんな産まれたときから死ぬことが決まってんだよ!病人だからって自分が特別扱いされるのが当たり前だと思うな‼

闇崎ムツトが操縦する断罪王オルトロスとヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬は壮絶なバトルを繰り広げていた。
そして断罪王オルトロスに追い詰められたヴィゲ・駄々意座具は『我図害我図道』最終奥義、四の道『外』を発動する。
『装』・『牙』・『月』・『外』、『我図害我図道』四つの道が今、ここに揃おうとしていた。
ヴィゲ・駄々意座具が『我図害我図道』最終奥義、四の道『外』を発動してすぐにヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の全身が異形へと変化していく。
『我図害我図道』とは...!
全身を究極の防御皮膚で覆う一の道『装』!
両手指から鋼鉄の爪を生やす二の道『牙』!
巨大な月のように自らの肉体を強化・巨大化させる三の道『月』!
「そして!自らの肉体を常識『外』れの究極の異形に進化させる四の道『外』!」
『我図害我図道』全ての道『装』・『牙』・『月』・『外』を発動させたヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬。
「この姿を見て生き残れた者は今まで一人もいない...!」
背中に四枚の巨大な翼、全身の皮膚に無数の巨大な眼球とタコの足のような触手を生やしたヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の姿はまさに究極の異形であった。
「とりあえず、同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王オルトロスの両手から↓狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、ヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の全身に生えた無数の触手の付いている吸盤が狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを吸収。
ヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の全身がまたも変化を始める。
「まだ進化するというのか...!」
ヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の背中から断罪王オルトロスの上半身が飛び出してくる。
「常識『外』れの終わりなき進化...!『我図害我図道』最終奥義、四の道『外』‼」
ヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬のせなかから飛び出した断罪王オルトロスの両手から『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を全身に受けて、死ぬほど気が狂っている俺に追い打ちをかけるようにヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の全身から放たれた無数の触手が俺の全身をつらぬく。
断罪王オルトロスの全身から噴水のように血液が飛び出す。
「ゔああああああああああああああああああああああああああッ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「どうした!どうした!闇崎ムツト!お前はここまで追い詰められてまだ『無限の力』を発動しないのか?」
「か、勘違いしてんじゃねぇぞ、おめぇ...!俺が『無限の力』を発動させたら、俺の仲間も俺以外の人類も、この地球上全ての生命が絶滅するんだぜ...!」
「な、なにが言いたい?」
「まだ、わかんねぇのか...!俺が本気を出せば、俺の大事なものも、お前も、お前の大事な同伊図業具愛・総本部も全部、壊れて消えちまうってことだ...!つまり、お前が俺に勝負を挑んだ時点でお前は俺に精神的に負けてんだよ!」
「お前、俺を挑発しているのか...!なら!今すぐ『無限の力』を発動してみろ!俺の『我図害我図道』全ての道!『装』・『牙』・『月』・『外』を発動させた鬼無血・美図阿喪怒斬の力で『無限の力』を発動させた断罪王オルトロスを吸収して俺は今よりさらに進化してやる!」
「やれるもんなら!やってみろ!オルトロス!『無限の力』を使うぜ!準備はいいか!」
『おう!いいか!必ず1分以内に奴を倒して変神を解除するんだ!』
「わかったぜ!断罪王オルトロス!『無限モード』発動‼」
断罪王オルトロスの姿が消えてなくなる。
「断罪オルトロスが消えた!」
しかし次の瞬間には断罪王オルトロスの手刀がヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の全身を縦に真っ二つに切り裂いた。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ‼」
ヴィゲ・駄々意座具の悲鳴をあざ笑うように『無限モード』を発動させた断罪王オルトロスが奇怪な叫び声をあげた。
断罪王オルトロスの手刀で真っ二つに切り裂かれたヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の肉体が超速が自己再生を始めると同時に全身に生やした触手で『無限モード』を発動させた断罪王オルトロスを捕らえようとする。
しかし、触手が放たれた方向とは真逆の方向から突撃してきた断罪王オルトロスが両手を伸ばして自己再生中の鬼無血・美図阿喪怒斬の体内に自ら飛び込む。
「なんて速さだ!だが自ら吸収されに来るとはバカなやつだ!」
ヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の体内に侵入した断罪王オルトロスの両手が美図阿喪怒斬の内側から骨と臓器と筋肉を切り裂いていく。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!なぜだ!なぜ断罪王オルトロスを吸収できないのだ!」
血飛沫と肉片と共に『無限モード』を発動させた断罪王オルトロスがヴィゲ・駄々意座具が操縦する鬼無血・美図阿喪怒斬の体内から飛び出してくる。
断罪王オルトロスの右手には鬼無血・美図阿喪怒斬を操縦するヴィゲ・駄々意座具の入っているコアが握られている。
『無限モード』を発動させた断罪王オルトロスの右手につかまれた状態の生身のヴィゲ・駄々意座具。
鬼無血・美図阿喪怒斬の血液で真っ赤に染まった断罪王オルトロスの顔がヴィゲ・駄々意座具を見下ろしている。
「そうか...俺は死ぬのか...素晴らしき...人生だった...」
全身血塗れの真っ赤な断罪王オルトロスの右手がヴィゲ・駄々意座具の体を握りつぶした。
断罪王オルトロスの暴走まで残り10秒。
俺は変神を解除した。
地面にはヴィゲ・駄々意座具に殺されたTHE翼のメンバー数十人の死体が散乱していた。
戦いには勝利したものの、多くの仲間を失った。
俺が殺した同伊図業具愛・総本部・十闘神は4人。
ヴィゲ・駄々意座具より強い同伊図業具愛・総本部の刺客があと6人もいると思うと先が思いやられる。
それでも俺は生きている。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その6 仕事ができるからって何をしても許されると思ってるやつは厚着のまま冬の川に飛び込んでこい! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その6 仕事ができるからって何をしても許されると思ってるやつは厚着のまま冬の川に飛び込んでこい!

第百四十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その6 仕事ができるからって何をしても許されると思ってるやつは厚着のまま冬の川に飛び込んでこい!

俺は同伊図業具愛・総本部・十闘神、ヴィゲ・駄々意座具との戦いに勝利した。
しかし、その戦いで多くのTHE翼のメンバーが命を失った。
THE翼の基地では今回の戦闘で失ったTHE翼のメンバー達を弔う葬儀が行われていた。
「こんなところにいたのか、闇崎ムツト」
屋上で一人黄昏ていた俺にコマンダーが話しかけてきた。
「俺は王我和・理由棒との戦いで『無限の力』を得て、自分が前より強くなったことを確信していた。でも、俺は仲間達を守ることができなかった」
「でも『無限の力』がなければ、お前はヴィゲ・駄々意座具に勝てなかった」
「ああ、俺がもっと早く、『無限の力』を使っていれば、あんなに大勢の仲間を失わずに済んだのかもしれない」
「闇崎ムツト、俺たちTHE翼の目的はなんだ?」
「なにを今更、 ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、つまりこの国のZEI銀泥棒を皆殺しにすることだ」
「そうだ、つまり俺たちがその目的を達成した時こそ、この戦争で死んでいった仲間達の努力が報われると俺は信じている」
「つまり、何人仲間を犠牲にしてもゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのようなZEI銀泥棒を全て皆殺しにしろと、そう言いたいのか?」
「ああ、その通りだ。俺たちがしているこの戦いは戦争だ、命の奪い合いだ。敵の命が失われれば、仲間の命も失われる。死ぬ覚悟ができてるなんてカッコつけた言い方、俺はしたくないんだが、戦争で死人が出るのは当然のことだ。だから、あまり深く考えない方がいい」
「そうだな!俺が迷ってたらこの戦いで死んでいった者たちの魂が浮かばれないからな」
「その通りだ、それに俺たちは皆、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで大事な家族や友を失ったんだ。だから闇崎ムツト、お前もよく思い出すんだ、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーへの怨念を!」
そうだ、俺の父さんは貧乏だった俺たち家族の生活を維持するためにZEI銀を納めていなかったんだ。でも、その理由は病弱な母さんとまだ子供だった俺を養うためで、決して悪意があったわけではない。
そして、俺の父さんは未納ZEI者の罪で、刑察に捕まり、刑務所にぶち込まれて死刑判決を受けたんだ。
俺たちの生活に必要な金を稼いでいた父さんが刑察に捕まった影響で、病弱だった母さんは薬も買えず、手術も当然受けることができなった。
そして母さんは死んでしまった。
ひとりぼっちになり、餓死寸前まで追い詰められた俺は数々の罪を犯し、聖少年刑務所にぶち込まれた。
俺の心をゼェイジグゥアーとデエンノヴォーへの憎しみが埋め尽くす。
『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイ■グゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジ■ゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』
今日も町では納ZEI者達による『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』が開催されていた。
今やその数も減り、五百万円の賞金がかけられ、希少価値が高くなったズェイガズヴォゴジュギュウジャを金属バットを片手にもった約五十人の納ZEI者たちが走って追いかけていた。
ズェイガズヴォゴジュギュウジャの女は泣きながら約五十人の納ZEI者から走って逃げている。
そして俺の目の前でズェイガズヴォゴジュギュウジャの女が足を止める。
金属バットを手に持っていない俺に殺意がないと勘違いしたズェイガズヴォゴジュギュウジャの女が俺に助けを求めてくる。
「お願いです!『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』のせいで、このままだと私、殺されてしまうんです!」
「ほ~ん、じゃあズェイガズヴォゴ受給するの、やめたら?」
「私、まだシングルマザーで、小さい子供が一人いるんです!ズェイガズヴォゴの受給をやめたら、子供にご飯を食べさせてあげることができなくなってしまうんです!」
「あのさぁ!なんで、お金ないのに子供を作ったの?」
「そ、それは...」
「命、なめてるよね」
「え?」
「お金ないのに子供つくるとかさ、はっきり言って人体実験みてぇなもんじゃん、つまりさ、あんたはただの頭のイカれたマッドサイエンティストだよ」
「でも!私と子供の父親はちゃんと愛し合って、子供を作ったんです」
「それさ、質問の答えになってねぇじゃん、本能のおもむくままに子作りするなんてさ、野生動物でもできるんだよ、つまりあんたの脳みそは野生動物以下、人間、やめたら?」
「どうして、そんなひどい言い方するんですか?シングルマザーの私と子供がかわいそうだとは思わないんですか?」
「子供には同情するね、母親が頭のイカれたマッドサイエンティストで、父親は作るもんだけ作ってろくに責任もとらないクズ野郎」
「じゃあ!あなたは私にズェイガズヴォゴの受給をやめて、私と子供に死ねっていいたいんですか?」
「ズェイガズヴォゴの受給をやめたら、死んじゃうっていう発想がそもそも間違ってるんだよ。自分で自分の道に行き止まりを作ってしまっている。だからズェイガズヴォゴの受給をやめてさ、今度はあんたが子供の未来のために『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』を始めてみたら?だってズェイガズヴォゴジュギュウジャの死体一体につき五百万円の賞金がもらえるんだぜ?」
「私、いくら子供のためとはいえ、人は殺せません!」
「でも、このままだとズェイガズヴォゴジュギュウジャのあんたは納ZEI者達に殺されてしまう、ズェイガズヴォゴの受給をやめればあんたは生活破綻者になり、あんたの子供は餓死してしまう。さぁ、どうする?」
「そ、それは...!ゔあああああああああああああああああああああああッ!」
どう考えても絶望しか待っていない現実に混乱状態に陥ったズェイガズヴォゴジュギュウジャの女は両手で自分の頭髪を掻きむしりながら急に叫び出す。
ズェイガズヴォゴジュギュウジャの女のもとに五百万円の賞金目当ての納ZEI者たちが追い付く。
「やっと見つけたぜ!俺の五百万円!」
「なに言ってんのよ!私の五百万円よ!」
賞金目当ての納ZEI者たちが一斉に五百万円の賞金がかけられたズェイガズヴォゴジュギュウジャの女に向かって金属バットを振り上げる。
俺はそれを黙って見ている。
賞金目当ての納ZEI者たち約五十人がいきなり銃撃を受けて死亡する。
銃を持っていた男はTHE翼の制服を身に着けていた。
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャを助けるなど!貴様それでもTHE翼か‼コードネームを答えろ!」
「THE翼でのコードネームはファントムです...すみませんでした闇崎ムツト!でも、そのズェイガズヴォゴジュギュウジャ女の子供の父親は実は俺なんです!」
「出絵羅宇時ガフ君...!」
「ミユキ、安心しろ!こうなった以上、お前も、俺たちの子供も、俺が守るよ」
この日、THE翼のメンバーから初めて裏切り者が出た。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その7 見た目がアレなのに子供を作るやつらは自分の子供の将来をもっとよく考えろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その7 見た目がアレなのに子供を作るやつらは自分の子供の将来をもっとよく考えろ!

第百四十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その7 見た目がアレなのに子供を作るやつらは自分の子供の将来をもっとよく考えろ!

約50人の納ZEI者たちから『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』の被害に遭っていたシングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャ・ミユキ。
そして、五百万円の賞金を獲得するために納ZEI者たちが金属バットでミユキを襲う。
その瞬間、THE翼のメンバーであるファントム(コードネーム)がミユキを襲う納ZEI達を銃撃して殺害した。
そう、ファントム(本名・出絵羅宇時ガフ)はシングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャ・ミユキの子供の父親だったのだ。
本来、ZEI銀泥棒と敵対している立場にあるTHE翼がズェイガズヴォゴジュギュウジャを守る為に納ZEI者を銃撃して殺害した。
それは、THE翼のメンバーの中から初めて裏切り者が出たことを意味していた。
「ミユキ、安心しろ!こうなった以上、お前も、俺たちの子供も、俺が守るよ」
「でも!私の味方をしたら出絵羅宇時ガフ君が死んじゃうかもしれない!」
「ならこのまま、ミユキと俺たちの子供を俺に見捨てろというのか!そんなことできるわけないだろ!」
「突然のことでよくわからんが、お前ら知り合いなのか?」
「はい、俺はかつてミユキと付き合ってました!でもミユキはある日突然、俺の前から姿を消したんです!それで、ミユキが俺の前から姿を消したすぐ後に、親しい友人からミユキが妊娠していたことを聞かされたんです」
「なるほど、おい!シングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャ!お前はなぜ、出絵羅宇時ガフの前から姿を消したんだ?」
「出絵羅宇時ガフ君には...実は私より先に付き合っていた彼女がいたんです...!その彼女は私の親友でした...!」
「なるほどな、でも、その話を聞いた俺がお前の命を助けるとでも思ったのか?お前を今、追いつめている現状はかつての無知で計画性のないお前自身が作り出したものだ。つまりお前が本能のおもむくままに子供を作る脳みそが野生動物並みの頭のイカれたマッドサイエンティストであることに変わりはない、よってお前に未来はない‼」
俺は日本刀の先端をシングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャ・ミユキの首元に突きつける。
ミユキの前に出絵羅宇時ガフが立ちふさがる。
「出絵羅宇時ガフ、いやファントムよ、お前はこの国に生息するZEI銀泥棒どもを皆殺しにするためにTHE翼に入ったのではないのか?」
「その通りです!俺が最初に付き合っていた彼女はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのクソみてぇな極楽生活を支えるために必要なZEI銀を納めていなかったという理由で刑察に捕まり、刑務所で死刑の判決を受けて死にました...!」
「お前が今、命がけで守ろうとしている女はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーと同じZEI銀泥棒のズェイガズヴォゴジュギュウジャだぞ!」
「わかってます!自分が愚かなことをしているのは!でも、もう俺は大事な人を失うのは嫌なんです!」
「今のお前を、死刑判決を受けて死んだお前の彼女が見たらどう思うだろうな!この人でなしが!」
「わかってますよ!そんなこと!でも俺とミユキの子供には罪はありません!」
「子供を盾にすれば俺がこのズェイガズヴォゴジュギュウジャの女を見逃すとでも思っているのか?」
「思っていません!だから俺はミユキと、俺とミユキの子供のためにTHE翼と納ZEI者たちと戦います!」
「今すぐ、考えを改めろ!俺は先日、同伊図業具愛・総本部の十闘神・ヴィゲ・駄々意座具との戦いで多くの仲間を失ったばかりなんだ!俺はこれ以上仲間を失いたくない!それも自分自身の手で仲間を殺すなど、できるはずがない!」
「なら、俺とミユキを見逃してくれませんか?」
「そんなことできるわけないだろ!俺はZEI銀泥棒であるゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで母親を失った!父親は刑察に捕まり、死刑判決を受けた!」
「なら、俺はあなたを倒すしかありませんね」
「もう一度、考え直せ!」
俺の腹部に激痛がはしる。
「出絵羅宇時ガフお前!俺の体に一体何をした?」
「あなたの体内に『我羅阿毛軍』を転移させました」
「『我羅阿毛軍』だと...!」
「俺の先祖は実は『森の妖精』なんです、そして出絵羅宇時一族はその『森の妖精』が会得していた秘術・『我羅阿毛軍』を代々受け継いできた、この俺もその秘術を受け継いだ一人です」
「なるほど、同伊図業具愛・総本部の十闘神が使う超能力みたいなものか...!」
「あんなのと一緒にされるのは心外ですね...ということで『我羅阿毛軍』一個、増量しておきますね」
「ゔぐぅああああああああああああああああああッ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇッ!」
今度は腹部だけでなく、手足に激痛がはしる。
「俺の『我羅阿毛軍』は目に見えない森の妖精の軍隊なんです。そしてその目に見えない森の妖精の軍隊は相手の体内に侵入して激痛を与える...!」
「すごい!出絵羅宇時ガフ君強い!」
「安心しろ、ミユキ。この先祖代々受け継いできた『我羅阿毛軍』でミユキも、俺とミユキの子供も俺が守る!『我羅阿毛軍』さらに一個増量します!」
「ゔぐぅああああああああああああああああああッ!ZEI銀泥棒は死ねぇぇぇぇッ!」
今度は俺の頭部に激痛がはしる。
「なら、俺が狂撃波動でお前に思い出させてやるよ、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてZEI銀泥棒への憎しみをな!」
俺は右手から狂撃波動を出絵羅宇時ガフに向かって放つ。
出絵羅宇時ガフの脳内に狂撃波動が直撃する。
『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
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ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』

次回予告 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼女の方が男より頭がいいと思ってる女はクレヨンでも食ってろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十七話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼女の方が男より頭がいいと思ってる女はクレヨンでも食ってろ!

第百四十七話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼女の方が男より頭がいいと思ってる女はクレヨンでも食ってろ!

シングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャの女・ミユキと、その子供を守る為にTHE翼に反旗を翻した男、出絵羅宇時ガフ。
ズェイガズヴォゴジュギュウジャの女・ミユキの子供の父親は実はTHE翼のメンバー、出絵羅宇時ガフだった。
出絵羅宇時ガフは目には見えない森の妖精の軍団を俺の体内に侵入させ、その激痛が俺を追いつめる。
自らの手でかつて仲間であった者の命を奪うことにためらいを感じた俺は出絵羅宇時ガフにゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてズェイガズヴォゴジュギュウジャのようなZEI銀泥棒への憎悪を思い出させるために狂撃波動を出絵羅宇時ガフの脳内に直撃させた。
『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイ■グゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジ■ゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』
「ゔあああああああああああああッ!憎い!俺の彼女を殺したゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが憎い!ZEI銀泥棒が憎い!」
「そうだ!ZEI銀泥棒達への憎しみをもう一度思い出すんだ!そして!お前が今、守ろうとしている女はズェイガズヴォゴジュギュウジャだ!ZEI銀泥棒だ!人間じゃないんだ!」
「でも...!俺とミユキの子供には罪はないんです...!」
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャは人間じゃない!よってミユキは人間じゃない!人間じゃない生命体から産まれたミユキの子供も人間じゃない!だから、仮に二人とも死んでしまってもお前に罪はないんだ!」
「俺には割り切れません...!もとはと言えば、彼女がいたのにミユキと浮気した俺が悪いんです‼」
「お前は悪くない!さっきも言ったがズェイガズヴォゴジュギュウジャは人間じゃないんだ!人間じゃない生き物に罪悪感を感じること自体が間違っているんだ!」
俺と出絵羅宇時ガフの間にミユキが入ってくる。
ミユキは自分の親指の先の部分を口に入れて、かじりつく。
ミユキは先端から血が出ている親指を俺に見せる。
「おい!闇崎ムツト!あんたはコレを見てもまだ私が!ズェイガズヴォゴジュギュウジャが人間じゃないって言えるの?」
「くだらん!それを言うなら人間じゃない犬や猫だって血の色は人間と同じ赤色だ!お前がどんなにカッコつけたところでお前は金がないのにガキを作って産んだ計画性のないただのバカだ!挙句の果てに納ZEI者が一生懸命働いて納めたZEI銀をズェイガズヴォゴ制度を利用して横取りする最低のクズだ!ZEI銀泥棒だ!お前の子供が将来大きくなって自分の母親がZEI銀泥棒だとわかったらいったいどんな思いをするのかよく考えろ!バァーカッ!死ね!」
「ふざけんな!あんたは...あんたは本気で人を愛したことがないからそういう無神経なことが言えるのよ!」
「なんだ?言いたいことはそれだけか?お前がいくら自分の恋愛経験を盾に自らの罪を正当化しようと、お前が金もねぇのに子供を作ったバカであることに違いはない!現にお前はズェイガズヴォゴを受給しなければ、自分の子供を育てることもできない!なんて哀れで愚かなんだろう!」
「うるさい!あんたは人を愛したことがないから、そういう無神経な発言しかできないんだわ!」
「俺が人を愛したことがないだと?ふざけんな!俺の母親はなァ!おめぇみてぇなZEI銀泥棒のせいで死んだんだ!俺の父親はなァ!おめぇみてぇなZEI銀泥棒のせいで刑務所にぶち込まれて死刑判決を受けたんだ!俺から、俺の愛する家族を奪ったのは生活能力も社会適応力もロクにねぇくせして納ZEI者の納めたZEI銀の一部を横取りして生き延びようとする意地汚ねぇおめぇらZEI銀泥棒達だ!俺からすべてを奪ったZEI銀泥棒が被害者の俺に偉そうに説教してんじゃねぇよ!このクソバカ女が!死ね!」
「うるせぇわよ!人に死ねって言うんじゃないわよ!本当に死んだらどうすんのよ!あんた責任とれんの?」
「うるせぇ!勘違いしてんじゃねぇぞ!俺たちTHE翼は最初から女だろうが男だろうがズェイガズヴォゴジュギュウジャは全員皆殺しにするって宣戦布告してんだよ!だったら今すぐ俺がおめぇを殺してやるよ!」
「『我羅阿毛軍』一個、増量します...!」
俺の全身に激痛がはしる。
「ゔああああああああああああああああッ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「そうよ...ガフ君、はやくそいつを殺して、私と子供を守ってちょうだい...!」
「ああ、ミユキ!この調子なら、あともう少しで闇崎ムツトを倒せるかもしれない!」
俺が手加減してるのも知らねぇくせに言いたい放題言いやがって...!

次回予告 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その2 職場であの手この手で遠回しに自主退職させるように追いつめてくるやつらは生活排水を毎日飲んで幸せになれ!
 
 

 
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第百四十八話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その2 職場であの手この手で遠回しに自主退職させるように追いつめてくるやつらは生活排水を毎日飲んで幸せになれ!

第百四十八話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その2 職場であの手この手で遠回しに自主退職させるように追いつめてくるやつらは生活排水を毎日飲んで幸せになれ!

俺はズェイガズヴォゴジュギュウジャの女・ミユキをかばう出絵羅宇時ガフの目を覚まさせるために出絵羅宇時ガフに狂撃波動を放った。
そして、俺の暴言に対して、ズェイガズヴォゴジュギュウジャの女・ミユキは自らが人間扱いされていない不満を支離滅裂な言動で訴えてきた。
俺とミユキが低レベルな言い争いをしている間にも、出絵羅宇時ガフは俺の体内に『我羅阿毛軍』を一個、増量した。
「『我羅阿毛軍』一個、増量します...!」
俺の全身に激痛がはしる。
「ゔああああああああああああああああッ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「そうよ...ガフ君、はやくそいつを殺して、私と子供を守って...!」
「ああ、ミユキ!この調子なら、あともう少しで闇崎ムツトを倒せるかもしれない!」
俺が手加減してるのも知らねぇくせに言いたい放題言いやがって...!
「おいそこのバカップルよぉ!俺がまだ断罪王オルトロスに変神してねぇのわかっててそーゆうこと言ってんのか?」
「そうですよ、闇崎ムツト...あなたは優しすぎる...ゆえにかつての仲間であった俺を殺すことはできない!俺は、その優しさを利用してあなたを倒します!ミユキと俺とミユキの子供のために!」
「出絵羅宇時ガフ...お前、本気なんだな!」
「今、本気を出さないと、THE翼を敵に回した僕とミユキと子供に未来はないんですよ!」
「なら、もう手加減はしない!それはお前とミユキ、そしてお前とミユキの子供の死を意味しているんだからな!覚悟しとけよ!」
「『我羅阿毛軍』一個、増量します...!」
俺の全身に激痛がはしる。
「ゔああああああああああああああああッ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
しかし、俺は全身にはしる激痛に耐えながらも黒双銃オルトロスを天にかざして叫ぶ。
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
出絵羅宇時ガフとズェイガズヴォゴジュギュウジャの女・ミユキの前に断罪王オルトロスの黒い巨体が立ちふさがる。
「ねぇ、出絵羅宇時ガフ君...本当にアレに勝てるの?」
「勝てなきゃ、俺とミユキと俺たちの子供に未来はないんだ!」
出絵羅宇時ガフが胸の前に両手をクロスさせる。
「見せてやる出絵羅宇時家秘伝の最終奥義・『順亜異完禁』を!」
出絵羅宇時ガフの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
気が付けば、俺はトイレの中にいた。
「これはいったいどういうことだ!出絵羅宇時ガフ‼」
「トイレです」
「そんなことはわかってるんだよ‼」
「『我羅阿毛軍』一個、増量します」
俺の全身に激痛がはしる。
「ゔああああああああああああああああッ!ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「闇崎ムツトさんも中々しぶといですねぇ。俺はねぇ、今、この空間そのものになってるんですよ」
「空間だと...!」
「そう、『順亜異完禁』は俺自身を空間にして、敵を捕らえる。そしてにあなたは空間そのものとなった俺に攻撃をすることはできない。俺はあなたに攻撃されない状態であなたが死ぬまで、あなたの対内に『我羅阿毛軍』を増量することができる」
「なるほど、つまり無敵のスナイパーってとこだな」
「その通りです。つまりあなたはもう俺に負けたも同然です」
「なぁ、仮に俺がお前に勝てたら、お前とミユキと子供はいったいどうなると思う?」
「『順亜異完禁』が発動した今、そのような未来はありえません。あなたは、一生、この空間に閉じ込められ、体内に『我羅阿毛軍』を増量させられ、死ぬまで激痛に苦しみ続ける」
「もし、お前がこのふざけた空間から俺を今すぐ出してくれれば、お前とミユキと、お前とミユキの子供のことを見逃してやってもいい」
「つまり、『順亜異完禁』を解除すれば、俺とミユキと子供を助けてくれるということですか?」
「ああ、その通りだよ...!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その3 職場で人にすれ違いざまに暴言を吐いてくるやつは自宅のコンセントに繋いだままの電気ポッドの中に水を入れずに一週間放置しろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百四十九話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その3 職場で人にすれ違いざまに暴言を吐いてくるやつは自宅のコンセントに繋いだままの電気ポッドの中に水を入れずに一週間放置しろ!

第百四十九話 断罪王オルトロス 対 出絵羅宇時ガフ‼その3 職場で人にすれ違いざまに暴言を吐いてくるやつは自宅のコンセントに繋いだままの電気ポッドの中に水を入れずに一週間放置しろ!

断罪王オルトロスに変神した俺に対抗するように『順亜異完禁』を発動した出絵羅宇時ガフ。
出絵羅宇時ガフが発動した『順亜異完禁』は相手をトイレしかない謎の異空間に閉じ込めて、空間全体から目に見えない攻撃『我羅阿毛軍』を放つという、恐ろしい秘術だった。
秘術・『順亜異完禁』が作り出した謎の異空間に閉じ込められた断罪王オルトロスをあざ笑うかのように出絵羅宇時ガフは体内に侵入して全身に激痛をもたらす目に見えない寄生タイプの攻撃・『我羅阿毛軍』を 断罪王オルトロスの体内に増量してくる。
出絵羅宇時ガフがかつての仲間であったため、手加減をしすぎて、上記のように追い詰められた俺は一発逆転を狙って出絵羅宇時ガフにある提案をする...。
「もし、お前がこのふざけた空間から俺を今すぐ出してくれれば、お前とミユキと、お前とミユキの子供のことを見逃してやってもいい」
「つまり、『順亜異完禁』を解除すれば、俺とミユキと子供を助けてくれるということですか?」
「ああ、その通りだよ...!」
「俺がそんなウソを信じると思っているんですか?」
「お前に無理に俺を信じろとは言わない...でも、俺はお前を信じている。だってお前はこれまでTHE翼のメンバーの一員として俺の野望のために命をかけて戦ってくれた仲間だ!俺のために命をかけてくれた人間を信じれないわけがない!」
「わかりました...!そのかわり、俺とミユキと子供の安全を保証してくれると、ここで約束してください!」
「わかった、THE翼のコンピューターのデータベースにあるズェイガズヴォゴジュギュウジャの指名手配者リストからミユキの名前を削除しておく。そうすれば、ミユキは今まで通りズェイガズヴォゴを受給し続けていても、納ZEI者から命を狙われることはないだろう」
「あ、ありがとうございます!『順亜異完禁』を解除します」
『順亜異完禁』を解除後、謎の異空間から解放された断罪王オルトロスの右手人差し指から放たれたビームが市街地の一軒家に直撃する。
爆音と同時に市街地の一軒家から火柱が上がる。
「いやあああああああああああああああああああああああああああッ!」
ズェイガズヴォゴジュギュウジャのミユキの口から悲鳴が上がる。
「どうしたんだ!ミユキ!」
ミユキが人間体に戻った出絵羅宇時ガフの肩を両手でつかんで何度も揺さぶる。
「あんた!どうして『順亜異完禁』を解除したのよ!」
「だって解除すれば、闇崎ムツトが俺とミユキと子供のことを見逃してくれるって...納ZEI者に狙われない様に指名手配者リストから削除してくれるって約束してくれたんだ」
「それが本当なら、どうして私の家が断罪王オルトロスにビームで狙撃されてんのよ!私の家には、私と出絵羅宇時ガフ君の子供がいるのよ!」
「そ、そんな...!でも、どうして、ミユキの家の場所を闇崎ムツトが知っているんだ?」
出絵羅宇時ガフの疑問に答えるように断罪王オルトロスから闇崎ムツトの声が聞こえてくる。
「さっき言っただろう、THE翼のコンピューターのデータベースにはズェイガズヴォゴジュギュウジャの指名手配者リストがあるって、俺たちTHE翼はその指名手配者リストに書かれた情報をネットに流出させる、そしてネットで、その情報を知った納ZEI者達が金欲しさにズェイガズヴォゴジュギュウジャを見つけて殺す」
「最初から、THE翼によって納ZEI者がズェイガズヴォゴジュギュウジャを殺すように仕向けられていたというのか...!」
「その通りだ、つーか、お前さ!俺に子供を殺されたのに最初に驚くのそこかよ!」
「や、闇崎ムツト!お前!約束を破ったな!」
「見てのとおり、お前とミユキの子供は今頃、爆炎に包まれた家の中で丸焼きになっているはずだ!」
「闇崎ムツト!お前を信じた俺がバカだった!俺はもう、お前を絶対に許さない!『順亜異完禁』発...!ごふッ...!」
『順亜異完禁』を発動しようとした出絵羅宇時ガフの胸部を断罪王オルトロスの人差し指から放たれたビームが貫いていた。
「『順亜異完禁』を発動される前にお前を殺しちまえば俺の勝ちなんだよ!」
「出絵羅宇時ガフ君!いやあああああああああああああああああああああッ!よくも...!よくも!私の子どもと出絵羅宇時ガフ君を!」
変神を解除した俺に向かってシングルマザーのズェイガズヴォゴジュギュウジャ・ミユキがそこらへんにあった石を拾って俺の頭部に向かって投げてくる。
「ズェイガズヴォゴジュギュウジャは人間じゃないんだよぉッ!」
俺は腰に帯刀していた日本刀でミユキの両手両足を切り裂く。
両手両足を失ったミユキが仰向けに地面に倒れている。
「ククク...!人間じゃねぇズェイガズヴォゴジュギュウジャにはお似合いの格好だな!」
「お前だけは!お前だけは絶対に許さないわ!」
「安心しろよ!俺はお前の命はあえて奪わない!お前はズェイガズヴォゴを受給しながら一生その体で生きていくんだ!それに、子供ならまた他の男と作ればいいだろ!その体でも子供は作れるはずだ!」
俺はミユキに言いたいことを言い終えるとかつてTHE翼のメンバーであった出絵羅宇時ガフの死体を肩に担いでTHE翼の基地を目指して歩き始める。
「待て!闇崎ムツト!ふざけんな!こんな状態で一生、生き続けるぐらいなら今すぐ死んだ方がマシよ!早く私を殺しなさいよ!」
「今、お前を殺せば、お前はあの世で死んでしまった、お前の子供と出絵羅宇時ガフにすぐに再会できてしまう、それじゃあ俺が満足できねぇんだよ!バァーカッ!せいぜいその体で生き地獄を味わえこのZEI銀泥棒が!」
「待てぇぇぇぇぇぇッ!闇崎ムツトォォォォォォォッ!戻って今すぐ私を殺せぇぇッ!」
俺はもう、ミユキにな何も言わずに、ひたすら歩き続ける。
かつて戦友であった出絵羅宇時ガフの死体を肩に担いで。
俺の完全勝利だった。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その8 自分の努力が思った通りに報われないとバカみたいに怒って泣き始める女は冷凍食品を電子レンジで解凍せずに食べろ!

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百五十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その8 自分の努力が思った通りに報われないとバカみたいに怒って泣き始める女は冷凍食品を電子レンジで解凍せずに食べろ!

第百五十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』その8 自分の努力が思った通りに報われないとバカみたいに怒って泣き始める女は冷凍食品を電子レンジで解凍せずに食べろ!

俺は出絵羅宇時ガフ(コードネーム・ファントム)の死体を担いでTHE翼の基地に帰還した。
「闇崎ムツト!」
「ああ、コマンダーか、この死体は見てのとおり、ファントムだ、どうやら本名は出絵羅宇時ガフって言うらしいけどな」
「ファントムを殺したのはゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で動いた刑察や軍隊か?それとも、また同伊図業具愛か?」
「いや、俺だよ」
「なんだと!」
「俺が出絵羅宇時ガフ(コードネーム・ファントム)を殺したんだ...!」
「仲間を殺したのか?」
「ああ、出絵羅宇時ガフには実は子供がいたんだ、でもその子供の母親・ミユキは『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』だった...!」
「そんなことがありえるのか!」
「ああ、出絵羅宇時ガフは色々あってその事実を最近知ったそうだ」
「それで、出絵羅宇時ガフはミユキの味方をしたのか?」
「その通りだ、出絵羅宇時ガフは俺たちTHE翼が本来抹殺すべき『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』であるミユキと子供を守る為に、俺を殺そうとした」
「なるほどな...それでお前は出絵羅宇時ガフを殺すしかなかったのか...!」
「ああ、俺はちゃんと手加減したし、THE翼に戻ってくるように説得もした。でも出絵羅宇時ガフはそれを断り、俺の体内に『我羅阿毛軍』を何度も増量してきた」
「『我羅阿毛軍』を増量...?」
「そして『順亜異完禁』を発動して異空間そのものになった出絵羅宇時ガフは断罪王オルトロスに変神した俺の体内に何度も『我羅阿毛軍』を増量してきた」
「出絵羅宇時ガフが...『順亜異完禁』を発動して...『我羅阿毛軍』を増量してきた...?」
「結果、俺は出絵羅宇時ガフに完全勝利した」
「そっか、なにがあったのか、よくわからんが、とりあえずお疲れさま」
「ああ、そういえば国内の『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』はあと、どれくらいいるんだ?」
「もう、ほとんどの『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』が賞金目当ての納ZEI者に殺され、多くのズェイガズヴォゴジュギュウジャがTHE翼と納ZEI者に殺されるのが嫌でズェイガズヴォゴの受給をやめた。国内にはまだあと一人、ズェイガズヴォゴジュギュウジャいる、名前はミユキだ。さっき聞いた話にも同じ名前の女がいたな」
「ああ、そいつはそのままでいいよ、そのミユキはさっき俺の話に出てきたミユキと同一人物だ。俺が日本刀で両手両足を切り裂いて、道に放置してきた」
「しかし、それでもその女は『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』だ!お前は!俺たちTHE翼は!この国の『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』を皆殺しにするんじゃなかったのか?」
「今ミユキを殺せば、ミユキはあの世で俺に殺された子供と出絵羅宇時ガフと再会することになってしまう。それはミユキにとって救済になってしまう。だからこそ、俺をさんざんバカにしてくれたミユキには両手両足を失ったまま一生、生き地獄を味わってもらうのさ...!」
「お前がそれでいいなら俺は別に構わんが...そのミユキという『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』の女はいつか必ずお前に復讐しに来るぞ...!」
「ククク...あの体でいったい何ができると言うんだ」
「では、とりあえず、国内の『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』はこれで全員いなくなったと思っていいんだな?」
「ああ、俺はこの後、動画配信で『ZEI銀泥棒粛清作戦・第二段階ズェイガズヴォゴジュギュウジャ殲滅作戦』の成功と、作戦の終了を世間に向けて発表する。そしてそれと同時に『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』の開始を発表する!」
「とうとう来たな、この時が!」
「ああ、ZEI銀泥棒デエンノヴォーを管理・守護すると同時に国民が納めたZEI銀の一部を搾取する悪魔の防衛隊グゥナァヴィッチョオを皆殺しにする!そしてデエンノヴォーを守護するグゥナァヴィッチョオが壊滅すれば、デエンノヴォーは自らを守る盾を失うことになる!そして盾を失ったデエンノヴォーなど、もはやただのゴミ同然!」
「俺たちはとうとうここまで来たんだな!」
「ああ、この国から『ロヴォズィンホームの利用者』と『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』を根絶やしにすることができた俺たちTHE翼なら、今度の作戦も必ずうまくいくはずだ!」
THE翼によるグゥナァヴィッチョオへの宣戦布告を目的とした、闇崎ムツトの生配信が始まろうとしていた。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』専業主婦のくせに人の職業をバカにする女は自動車に乗って反対車線を逆走しろ!
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百五十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』専業主婦のくせに人の職業をバカにする女は自動車に乗って反対車線を逆走しろ!

第百五十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』専業主婦のくせに人の職業をバカにする女は自動車に乗って反対車線を逆走しろ!

俺はついに『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』を決行することを決めた。
まず、『グゥナァヴィッチョオ』について説明しよう。
『グゥナァヴィッチョオ』とは簡単に言えば、ZEI銀泥棒デエンノヴォーの生活をサポートするZEI銀泥棒である。
『グゥナァヴィッチョオ』の主な業務内容。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーの生活に必要なZEI銀の管理。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーの財産の管理。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーのスケジュール管理。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーが出席するクソみたいな儀式・イベントの準備、サポート。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーが出席する海外のクソみたいなイベントの準備、サポート。
●ZEI銀泥棒デエンノヴォーの警護。
↑これらすべての業務に国民が国に納めたZEI銀が使用されている。
もちろん、『グゥナァヴィッチョオ』の給料も国民が国に納めたZEI銀から出ている。
つまり、ZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』とはZEI銀泥棒デエンノヴォーの金魚のフンである。
ZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』はZEI銀泥棒デエンノヴォーのパシリである。
ZEI銀泥棒デエンノヴォーをこの国から殲滅するためにZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』の殲滅は必要不可欠である。
ZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』は実はZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーの管理下にある。
しかし、ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーが国に新しいルールを作る際にZEI銀泥棒デエンノヴォーの存在と承認が必要である。
そして、ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとZEI銀泥棒デエンノヴォーの間に入って国のルール変更の手続きをするのもZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』の仕事である。
わかりやすく説明すると。
①ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーが国に『新しいルール』を作ろうとする。

②ZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』がその『新しいルール』の内容を確認してZE
I銀泥棒デエンノヴォーにバカでもわかるように説明する。

③ZEI銀泥棒デエンノヴォーはクソバカなので、なんとなくわかったつもりで、その『新しいルール』を承認する。

④この国に中身がない、どうせ結果も出せないクソみてぇな『新しいルール』ができる。

⑤その『新しいルール』のために国民が納めたZEI銀が無駄に使われる。
つまり、『グゥナァヴィッチョオ』を殲滅することができればデエンノヴォーは両親のいない赤子同然になるのだ。
そして、ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーは国に新しいルールを作るうえで、いちいちZEI銀泥棒デエンノヴォーの許可を得なくてはいけないことに不満を抱いている。
そりゃそうだ。
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーは国に新しいルールを作ろうとする度に、国民が国に納めたZEI銀でろくに仕事もせずに裕福な生活をしているだけのクソバカZEI銀泥棒デエンノヴォーに頭を下げなくてはならないのだから。
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーにしてみれば、ZEI銀泥棒デエンノヴォーなどグゥナァヴィッチョオのサポートがなければ、何もできない赤ん坊のようなものである。
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーは自分たちよりも低レベルな存在(デエンノヴォー)に服従しなければ、国のルールを変えることもできない現状に不満を抱いているのだ。
そしてこの国からZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』がいなくなれば、いったいどうなるのかを説明しよう。
①ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーは国に新しいルールを作るうえでZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』によるチェックをいちいち受けずに済む。

②ZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』のサポートがなくなったZEI銀泥棒デエンノヴォーはZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーが作った新しいルールが例えどんなに危険なルールでも、クソバカなのでなんとなくわかったつもりで新しいルールを承認してしまう。

③ ②が繰り返されるうちにZEI銀泥棒デエンノヴォーはZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーの言いなりになってしまう。

④この国の真の支配者がZEI銀泥棒デエンノヴォーからZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーになる。
つまり、俺たちTHE翼がこれから決行する『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』が成功すれば、ZEI銀泥棒デエンノヴォーから国の支配権を奪おうとしているZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーの野望に手を貸すことになるのだ。
まぁ、仮にそうなっても俺たちTHE翼がZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーを皆殺しにするだけだ。
俺はこのクソみてぇに、わかりにくくて長い説明を生配信で世界中の人達に向かって説明した。
そして俺は動画の最後にカメラに向かって両手人差し指を両耳に入れたまま奇声を上げる。
「キィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
俺たちTHE翼はZEI銀泥棒『グゥナァヴィッチョオ』を必ず皆殺しにする。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』その2
人に迷惑をかけるな!とか言うやつは、自分が生まれてから一度も人に迷惑をかけたことがないのか、よく思い出せ!ブァーガッ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』その2 人に迷惑をかけるな!とか言うやつは、自分が生まれてから一度も人に迷惑をかけたことがないのか、よく思い出せ!ブァーガッ!

第百五十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』その2 人に迷惑をかけるな!とか言うやつは、自分が生まれてから一度も人に迷惑をかけたことがないのか、よく思い出せ!ブァーガッ!

俺たちTHE翼によってマインドコントロールされた全身に小型爆弾が仕掛けられた捕虜達が運転するバイク100台が、ZEI銀泥棒の『デエンノヴォー』と『グゥナァヴィッチョオ』が住んでいる建築物『護汚魚』に向かって突撃していく。
ちなみに俺たちTHE翼によって捕虜にされた人間はすべてZEI銀泥棒である刑察と軍隊である。
俺たちTHE翼によってマインドコントロールされた全身に小型爆弾が仕掛けられた捕虜達の体内にはあらかじめ、俺の『狂撃波動』が仕込まれている。
全身には爆弾が仕掛けられた捕虜達が運転する100台のバイクが全速力で『護汚魚』の門に激突する。
『護汚魚』の門を破壊して、『護汚魚』の内部に突入した捕虜達が運転する100台のバイクが一斉に爆発。
『デエンノヴォー』と『グゥナァヴィッチョオ』が生活している建築物『護汚魚』が爆炎に包まれる。
そして、100台のバイクの爆発と共に爆死した捕虜達の体内から百人分の『狂撃波動』↓が『護汚魚』の内部に一斉に放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑が『護汚魚』の内部にいた、ほぼ、すべての『グゥナァヴィッチョオ』職員の脳内に直撃する。
「ゔあああああああああああああああああああああッ!なんだこれは!気が狂う!」
「うぎゃあああああああああああああああああああッ!頭が!頭が痛いよぉ!」
「頭が痛てぇよぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「あ、頭が痛くて死にそうだ!嫌だ!死にたくねぇよ!ゔああああああああああああああああああああああああッ!」
狂撃波動を脳内に受けた、ほぼ、すべての『グゥナァヴィッチョオ』職員が悲痛な叫び声を上げながら両目、両耳、両鼻から大量の血を流して脳死した。
俺たちTHE翼の人間爆弾を使用した作戦により、『デエンノヴォー』と『グゥナァヴィッチョオ』が生活している建築物『護汚魚』は一瞬で焼失した。
THE翼の基地に設置されたモニターから炎上する『護汚魚』を見ていたコマンダーが俺に話しかけてきた。
「闇崎ムツト!お前は炎に包まれた『護汚魚』の内部にまだ『デエンノヴォー』と『グゥナァヴィッチョオ』が残っていると思うか?」
「いや、俺が生配信で『グゥナァヴィッチョオ』に宣戦布告した影響で、『デエンノヴォー』はあらかじめ『護汚魚』から、『獄害戯児童』へと非難しているだろう。ただ、おとりに利用された『グゥナァヴィッチョオ』は全滅したかもしれない...」
「やはり、そうか!なら闇崎ムツト、このままさっきみたいに人間爆弾で、『獄害戯児童』に避難した『デエンノヴォー』をぶっ殺ししまおうぜ!」
「ZEI銀泥棒デエンノヴォーを皆殺しにしてやる...!」
一方、ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーどもの基地である『獄害戯児童』に避難していたZEI銀泥棒デエンノヴォー達はモニターに映った炎上中の『護汚魚』を見て戦慄していた。
「人間爆弾を利用した特攻...!THE翼、なんて恐ろしい人たちなんでしょうか...!」
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンがZEI銀泥棒デエンノヴォーのリーダーであるバギジノビヤブヒビィードに声をかける。
「これも全部、我々ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーが国民に対して行った理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収が招いた結果ですよ」
「ヴァヴェズィンゾォーン!なんだその言い方は!私はデエンノヴォーだぞ!」
「私は事実を言っただけですよバギジノビヤブヒビィード様。それにあなた達デエンノヴォーの身の安全を守るために『護汚魚』でおとりになった『グゥナァヴィッチョオ』が全員死亡した今、我々の立場はもはや逆転した...!」
「武力で我々、デエンノヴォーを暗殺するつもりか...!」
「安心してください、あなた達デエンノヴォーにはこれからも表向きはこの国の支配者でいてもらいます。ただ、『グゥナァヴィッチョオ』が全員死亡した今、我々ゼェイジグゥアーは以前より、スムーズに『ゼェイジ』をしやすくなっただけです...!」
「君は『ゼェイジ』の知識が豊富なグゥナァヴィッチョオがいなくなった今、この国のルールの決定権が私たちデエンノヴォーでなく、ゼェイジグゥアーにあると思っているのか?」
「その通りです、『ゼェイジ』の知識が全くないあなた達デエンノヴォーを言葉巧みに騙し操るのは私たちゼェイジグゥアーにとっては、とても簡単なことですからね」
「そうだな、国民を言葉で騙し操るのは、おまえ達ゼェイジグゥアーの得意技だものな」
「まぁ、そう怒らないでくださいよ、我々ゼェイジグゥアーのバックには同伊図業具愛・総本部がいますから、身の安全は保障しますよ」
ヴァヴェズィンゾォーンとバギジノビヤブヒビィードの前に一人の男が現れる。
「バギジノビヤブヒビィード様、紹介します、彼は同伊図業具愛・総本部十闘神の一人、ヴィーヅガゴヴォ・ズォーンです」
「どうも、同伊図業具愛・総本部十闘神のヴィーヅグァゴヴォズォーンです」
「ほぉ...君があの伝説の狂戦士...ヴィーヅグァゴヴォズォーン!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!TⅤでスポーツ選手の偉業を見て、あたかも自分がそれを成し遂げたかのようにバカ騒ぎして周りに迷惑をかける奴らは豚肉を生で食え‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十三話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!TⅤでスポーツ選手の偉業を見て、あたかも自分がそれを成し遂げたかのようにバカ騒ぎして周りに迷惑をかける奴らは豚肉を生で食え‼

第百五十三話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!TⅤでスポーツ選手の偉業を見て、あたかも自分がそれを成し遂げたかのようにバカ騒ぎして周りに迷惑をかける奴らは豚肉を生で食え‼

ついに、俺たちTHE翼による『ZEI銀泥棒粛清作戦・第三段階グゥナァヴィッチョオ殲滅作戦』が始まった。
THE翼が捕らえた元・刑察と軍隊の捕虜達をマインドコントロールした俺たちは捕虜の全身に高威力の小型爆弾を装備させ、バイクに乗せた。
人間爆弾と化した捕虜達が運転するバイク100台がZEI銀泥棒デエンノヴォーとグゥナァヴィッチョオの住んでいる『護汚魚』に激突。
ZEI銀泥棒デエンノヴォーとグゥナァヴィッチョオの住んでいる『護汚魚』は内部のグゥナァヴィッチョオ達とともに一瞬で爆炎に包まれ焼失した。
そして俺たちの攻撃をあらかじめ察知していたZEI銀泥棒デエンノヴォーはZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーの基地である『獄害戯児童』に避難していた。
ZEI銀泥棒デエンノヴォーが『獄害戯児童』に避難していることを現地のスタッフの情報から知った俺たちTHE翼は再びマインドコントロール状態にある人間爆弾と化した捕虜達が運転するバイク100台を『獄害戯児童』に向かって出動させた。
人間爆弾が運転するバイク100台が『獄害戯児童』の門に向かって走っていく。
門の前には一人の男がいた。
現地に停めた軍用車の中で待機していた俺達THE翼もその男の存在を確認した。
「なんだ!あの男は!人間爆弾が運転するバイク100台を一人で相手にするつもりなのか!」
「闇崎ムツト!あれは、もしや...!」
「ああ、間違いない!あれは同伊図業具愛・総本部の十闘神だ...!」
同伊図業具愛・総本部・十闘神のヴィーヅグァゴヴォズォーンに向かって人間爆弾が運転するバイク100台が全速力で突撃してくる。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンの背後に巨大な魔法陣が出現する。
巨大な魔法陣から自動車が200台、出現する。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンの魔法陣から出現した自動車200台が人間爆弾が運転するバイク100台と激突して巨大な爆炎を上げる。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した自動車200台がそのまま、俺達THE翼が乗っている軍用車に突撃してくる。
THE翼の軍用車にヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した自動車200台が激突。
俺とコマンダーは運よく逃げ出せたものの、軍用車の中で待機していた数十人のTHE翼のメンバーが自動車に潰されて、死亡した。
「お前!同伊図業具愛・総本部の十闘神だな!」
「悪いが、イタリアンの予約に遅刻しそうなんでね、早めに片付けさせてもらったよ」
「俺の仲間達を車で殺しておいてイタリアンの心配か!お前だけは絶対に許さん!」
「そんなに怒らないでくれよ、それに悪いのは私じゃない、悪いのは君たちの仲間を殺した自動車だ」
「俺は闇崎ムツト!究極最強の社会不適合者!断罪王オルトロスだ!」
「私の名はヴィーヅグァゴヴォズォーン、同伊図業具愛・総本部の十闘神だ」
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した自動車200台が俺に向かって突撃してくる。
「悪いがイタリアンの予約に遅刻しそうなんでね、早めに殺させてもらうよ」
「させるかよぉぉぉぉッ!」
俺は黒双銃オルトロスの銃口から『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を自動車200台に向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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突撃してくる自動車200台に『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』が直撃。
しかし、ヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した自動車200台は無傷のまま、おれに向かって突撃してくる。
「俺の『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』が通用しない!あの自動車はいったいなんなんだ!」
「私の召喚した自動車はただの自動車じゃない...『武理宇図』だ」
「『武理宇図』...だと!」
「究極の自動車・『武理宇図』は私の指定した相手を轢き殺すまで止まらないぞ!」
究極無敵の自動車・『武理宇図』が俺に向かって突撃してくる。
究極無敵の自動車・『武理宇図』200台を操る男、ヴィーヅグァゴヴォズォーンを倒すにはもうこれしかない!
俺は天に向かって黒双銃オルトロスをかざしてトリガーを引く。
そして叫ぶ!
「シンゴ―‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
「断罪王オルトロス!見参‼」

次回予告  断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その2 不倫報道に怒りを燃やしている女は不倫を題材にしたドラマを見るな‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百五十四話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その2 不倫報道に怒りを燃やしている女は不倫を題材にしたドラマを見るな‼

第百五十四話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その2 不倫報道に怒りを燃やしている女は不倫を題材にしたドラマを見るな‼

『護汚魚』から『獄害戯児童』へと避難した『ZEI銀泥棒デエンノヴォー』をぶっ殺すために俺達THE翼は人間爆弾が運転するバイク100台を『獄害戯児童』に突撃させた。
しかし、同伊図業具愛・総本部の十闘神、ヴィーヅグァゴヴォズォーンが魔法陣から召喚した究極無敵の自動車・『武理宇図』200台によって人間爆弾が運転するバイク100台が全滅。
同伊図業具愛・総本部の十闘神、ヴィーヅグァゴヴォズォーンが魔法陣から召喚した究極無敵の自動車・『武理宇図』200台は、そのまま俺達THE翼が待機していた軍用車に激突。
その影響で俺とコマンダー以外のTHE翼のメンバーが数十人が死亡した。
そして、同伊図業具愛・総本部の十闘神、ヴィーヅグァゴヴォズォーンが魔法陣から召喚した究極無敵の自動車・『武理宇図』には、俺の放った『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』はまるで効果がなかった。
俺はヴィーヅグァゴヴォズォーンの『武理宇図』に殺されたTHE翼の仲間の仇をとるために断罪王オルトロスに変神した。
「断罪王オルトロス!見参‼」
巨大人型兵器・断罪王オルトロスの両足がヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した『武理宇図』200台を踏みつけようとする。
しかし、次の瞬間、『武理宇図』200台が一斉に巨大化して変形を始めた。
「『武理宇図』が変形した!」
「『武理宇図』は遠隔操作型の『鬼無血』なんだ、つまり私を殺せば、200台の『武理宇図』は全て消滅する」
「貴様!自分から弱点を言いやがって!俺をナメているのか!」
「ああ、もちろん。君が私に勝つのはどう考えても不可能だからね」
自動車『武理宇図』が変形した人型ロボット200体が断罪王オルトロスに一斉に向かってくる。
「1体200だと!いくらなんでも卑怯すぎる!」
「殺し合いに卑怯もクソもないよ、ケンカにルールがないのと同じにね」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!同伊図業具愛‼」
「死ぬのは君のほうだよ」
200体の『武理宇図』(人型)のパンチが断罪王オルトロスに直撃する。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああッ!」
「さぁて、悪いが、私はイタリアンの予約に遅刻しそうなんでね、これで帰らせてもらうよ」
「同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
200体の『武理宇図』(人型)が一斉に地面にできた巨大な穴に落下していく。
「なんだと!」
「悪いな!ヴィーヅグァゴヴォズォーン!今日のイタリアンはキャンセルにしてもらおうか!」
「私の『武理宇図』が!一体何をしたんだ!」
「俺はただ、断罪王オルトロスの『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を地面に向かって放っただけさ」
そう、俺は断罪王オルトロスの『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を地面に向かって最大出力で放ち、地面に大きな落とし穴を作った。
その影響で足場を失ったヴィーヅグァゴヴォズォーンの操る200体の『武理宇図』(人型)が一斉に大きな落とし穴に落下した。
「なるほど、力で勝てないとわかって、地の利を使ったか...!さすが同伊図業具愛・総本部の十闘神を4人も倒しただけはある...!」
「おまえ達に一つ聞きたいことがある!おまえ達はなぜ、俺たちTHE翼が何かするたびに邪魔をしてくるんだ!」
「それはTHE翼がこの国の同伊図業具愛を滅ぼしたからだ!」
「そんなことは、とっくにわかってんだよぉ!どうして海の向こうから来た、おめぇらクソゴミカルト教団、同伊図業具愛・総本部の十闘神が、この国の心臓である『獄害戯児童』を守ってるんだ?」
「なるほど...そんなことか...」
「そんなこと?」
「ああ、君はこの国の同伊図業具愛がゼェイジグゥアーとデエンノヴォーに軍事費用の援助をしていたのを、知っているかね?」
「知ってるよぉッ!だからなんなんだよぉ!バーカッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「海の向こうの国から、この国に同伊図業具愛を広めたのは、実はゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンの祖父なんだよ」
「ヴァヴェズィンゾォーンの祖父がこの国に同伊図業具愛を広めたのか?」
「ああ。大昔から同伊図業具愛・総本部に所属していたヴァヴェズィンゾォーンの祖父は海外勤務を終えて、この国に帰ってきた。そして、海外からこの国に帰ってきたヴァヴェズィンゾォーンの祖父はゼェイジグゥアーの権力を使って、この国に同伊図業具愛を広めると同時に作った」
「ヴァヴェズィンゾォーンの祖父は、なぜ、この国に同伊図業具愛を作ったんだ!」
「そんなの簡単だよ、それが同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーの命令だったからだよ」
「同伊図業具愛・総本部に所属していたヴァヴェズィンゾォーンの祖父は同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーの命令でこの国に同伊図業具愛を作っただと...!でも同伊図業具愛・総本部は海外にあるはずだ!つまり、『ゼェイジグゥアー』のヴァヴェズィンゾォーンの祖父はこの国の『ゼェイジ』を海外のカルト教団である同伊図業具愛を広めるために利用したことになる!」
「その通り、ヴァヴェズィンゾォーンの祖父だけでない、この国のゼェイジグゥアー全てが同伊図業具愛・総本部の信者だ。それはつまり、この国そのものが同伊図業具愛・総本部に支配されているということだ」
「この国が海外のクソゴミカルト教団、同伊図業具愛・総本部に支配されているだと...」
「ああ、この国のゼェイジグゥアーは全て同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーの言いなりだ。つまり、この国のルールは同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーが決めているのだ。そして、この国のゼェイジグゥアーのゼェイジ活動の資金も同伊図業具愛・総本部が出しているのさ...!」
「俺たちの母国が...同伊図業具愛・総本部に支配されているだと...!なら俺がおめぇら同伊図業具愛・総本部をぶっ壊して、おめぇら同伊図業具愛・総本部からこの国を取り戻してやるよ!」
「無駄だよ、私にも勝てない君には...!」
断罪王オルトロスが開けた大きな落とし穴から一斉に200体の『武理宇図』(人型)が飛び出してくる。
「『武理宇図』(人型)が飛んでいる...!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その3 TⅤで有名人の死亡報道を見て、あたかも自分がその有名人の知り合いだったかのように、急に泣き始める女は鶏肉を生で食べろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百五十五話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その3 TⅤで有名人の死亡報道を見て、あたかも自分がその有名人の知り合いだったかのように、急に泣き始める女は鶏肉を生で食べろ!

第百五十五話 断罪王オルトロス 対 ヴィーヅグァゴヴォズォーン!その3 TⅤで有名人の死亡報道を見て、あたかも自分がその有名人の知り合いだったかのように、急に泣き始める女は鶏肉を生で食べろ!

獄害戯児童の前で極限バトルを繰り広げる断罪王オルトロスとヴィーヅグァゴヴォズォーン。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンの鬼無血・『武理宇図』(人型)』200体を大きな落とし穴に落下させた俺はヴィーヅグァゴヴォズォーンにある質問をした。
そして、ヴィーヅグァゴヴォズォーンの口から、とんでもない真実が語られた。
そう、この国はもう何十年も前から、海外のクソバカカルト教団、同伊図業具愛に支配されていたんだ!
それは、この国のゼェイジグゥアーが全て、同伊図業具愛の言いなりになっているということだ!
俺たちの国のルールが海外のクソバカカルト教団、同伊図業具愛に決められているなんて、絶対に許せねぇよ!
同伊図業具愛をぶっ壊す‼
そして断罪王オルトロスが作った落とし穴からヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚して操っている200体 の『武理宇図』(人型)』が浮上してきた。
「『武理宇図』(人型)が飛んでいる...!」
「車が空を飛んでいるのがそんなに不思議かい?」
「うるせぇ!クソジジイ!死ね‼」
「そうか...なら死ね」
200体の『武理宇図』(人型)が一斉に断罪王オルトロスに突撃してくる。
200体の『武理宇図』(人型)を操るヴィーヅグァゴヴォズォーンの弱点は、200体の『武理宇図』(人型)を操るヴィーヅグァゴヴォズォーン自身だ!
ヴィーヅグァゴヴォズォーンさえ殺せば、200体の『武理宇図』(人型)も全て消滅する。
これはさっき、ヴィーヅグァゴヴォズォーンが言っていたから間違いない。
断罪王オルトロスを一分間だけ無敵状態にする『無限モード』を使えば、勝機はある。
しかし、敵の数は200体だ。
仮に、1秒に1体倒せても、1分以内だと60体しか倒すことができない。
制限時間が過ぎた状態で『無限モード』を使い続ければ、俺の操縦する断罪王オルトロスは暴走して、この世界に存在する全てを破壊するまで戦い続ける、究極の破壊神となってしまう。
それは、俺がTHE翼の仲間を失うことを意味していた。
しかし、『無限モード』を使わずに、いったいどうやって200体の『武理宇図』を操るヴィーヅグァゴヴォズォーンに勝てばいいのか、俺はわからない。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが操る200体の『武理宇図』のパンチやキックが断罪王オルトロスの全身に直撃する。
「やべぇ!痛ぇ!同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「死ぬのは貴様だ!この社会不適合者が!」
バキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!
大きな銃声が200体の『武理宇図』を操るヴィーヅグァゴヴォズォーン背後で鳴り響いた。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンの背後には学校の制服を着た少女が立っていた。
少女の両手には拳銃が握られていた。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンの左胸から大量の血が流れている。
「お前は誰だ...!」
「わ、私はアンタたち同伊図業具愛のせいで人生をめちゃくちゃにされた被害者よ!」
「まさか...一般人に殺されるとはな...!」
そうか...戦闘中のヴィーヅグァゴヴォズォーンの意識が俺に向いている間に、あの少女が背後からヴィーヅグァゴヴォズォーンを狙撃したのか!
「同伊図業具愛に洗脳された母さんが家族の貯金をすべて同伊図業具愛に寄付したせいで、私たちの家族は崩壊した!父さんは私と同伊図業具愛に洗脳された母さんを捨てて失踪した!私は一生懸命、勉強したのに学費が払えないせいで、大学に進学できなくなった!全部お前らクソバカカルト教団!同伊図業具愛が悪いのよ!」
「どうやら予約していたイタリアンには間に合いそうにないな...」
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが口から血を吐いて倒れる。
おかしい...200体の『武理宇図』は動きを止めただけで消滅していない。
まさか、THE翼ではない一般市民に助けられるとはな。
この勝利は『武理宇図』の弱点が操縦方法が外部からの遠隔操作だったおかげだ。
俺は変神を解除した。
全裸の俺はそのままヴィーヅグァゴヴォズォーンを背後から狙撃した少女に声をかける。
「ありがとう」
「あなたが闇崎ムツトですね?」
「ああ、よくわかったな」
「だってさっき断罪王オルトロスが変神を解除して、普通の人間になるのを見ましたから...」
「君も入団するかいTHE翼に?」
「私は...!」
「君の後ろにある獄害戯児童の中にいるゼェイジグゥアーは全員、同伊図業具愛の言いなりなんだぜ!」
「そんなの絶対許せない!」
「ああ、その怒りを!憎しみを!暴力でもって、この世界に!同伊図業具愛に!ゼェイジグゥアーやZEI銀泥棒にぶつけてみないかい!」
「私は...私を不幸にした同伊図業具愛に関わる全ての人間を殺したい!」
「THE翼に入ればそれができる!」
「私、THE翼に入団します!」
操縦者を失った『武理宇図』の拳がTHE翼に入団する決意をした制服少女を潰した。
俺の目の前で少女が血飛沫と肉片を周囲にまき散らして、潰れて死んでしまった。
「なぜだ!なぜ!ヴィーヅグァゴヴォズォーンが死んだのに『武理宇図』は消滅せずに、まだ動くんだ!」
200体の『武理宇図』が『暴走』を始めた。

次回予告 断罪王オルトロス 体 『暴走・武理宇図』‼TⅤの見すぎで人の価値を外見や実績でしか判断できない女は牛の肉を生で食え‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十六話 断罪王オルトロス 体 『暴走・武理宇図』‼TⅤの見すぎで人の価値を外見や実績でしか判断できない女は牛の肉を生で食え‼

第百五十六話 断罪王オルトロス 体 『暴走・武理宇図』‼TⅤの見すぎで人の価値を外見や実績でしか判断できない女は牛の肉を生で食え‼

ヴィーヅグァゴヴォズォーンが遠隔操作する200体の『武理宇図』に殺されそうになる断罪王オルトロス。
同伊図業具愛に人生をめちゃくちゃにされた少女が放った銃弾が、『武理宇図』を遠隔操作していたヴィーヅグァゴヴォズォーンを殺害した。
思わぬ出来事が俺の命を救った。
しかし、遠隔操作をしていたヴィーヅグァゴヴォズォーンが死んだ後も、200体の『武理宇図』が動きを止めることはなかった。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した200体の『武理宇図』の暴走を止めるための戦いが始まった。
「なぜだ!なぜ!ヴィーヅグァゴヴォズォーンが死んだのに『武理宇図』は消滅せずに、まだ動くんだ!」
暴走した200体の『武理宇図』が移動を開始した。
暴走した200体の『武理宇図』が各地の建物を破壊し、一般市民を殺害している。
「あの暴走『武理宇図』をなんとかしないと、この国そのものが今日中に滅んでしまうんじゃないか?」
コマンダーが俺に向かって走ってくる。
「闇崎ムツト!これはいったいどうことなんだ!」
「俺にわかるのはヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した200体の『武理宇図』が暴走しているということだけだ!」
「おかしいな、ヴィーヅグァゴヴォズォーンの言っていたことが本当なら、もう、200体の『武理宇図』は消滅しているはずだ!」
「ああ、俺もそう思っていた!でも、これは一体どういうことなんだ!」
「全く大変なことになってしまったねぇ~」
俺とコマンダーの背後にゼェイジグゥアーのリーダー、ヴァヴェズィンゾォーンが立っていた。
「お前は!ゼェイジグゥアーのリーダー、ヴァヴェズィンゾォーン!死ねぇぇぇッ!」
俺は銃口が横に二つ付いている黒双銃オルトロスでヴァヴェズィンゾォーンを銃撃する。ヴァヴェズィンゾォーンが右手のひらで俺の放った銃弾を全て、つかむ。
「俺の銃弾が片手で!しかも素手で無効化された...!」
ヴァヴェズィンゾォーンが右手の握りこぶしをほどくと、俺の放った銃弾が全て地面に落ちる。
「君はもう、知っているはずだ。私たちゼェイジグゥアーが同伊図業具愛・総本部に支配されていることを...!」
「もしかして、お前...!」
「私はこの国のリーダーであり、同伊図業具愛・総本部の十闘神でもある!」
「なら、今、ここでぶっ殺してやる!このZEI銀泥棒が!マジで死ね!」
「ヴィーヅグァゴヴォズォーンに勝てない君が私を倒す?笑わせるな!」
ヴァヴェズィンゾォーンが暴走した『武理宇図』に向かって右手のひらをかざす。
「くらえ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの右手のひらから放たれた3本の矢が暴走『武理宇図』を一度に3体消滅させた。
「生身の状態で、暴走した『武理宇図』を一度に3体も消滅させた...!」
「今、優先しないといけないのは暴走『武理宇図』をすべて破壊して国民の命を守ることだ!」
「なにを偉そうなこと言ってんだこのクソジジイ...!あの暴走『武理宇図』を召喚したのはお前らクソバカカルト教団、同伊図業具愛の人間なんだぞ!」
「なら私と今すぐ戦ってみるかい?断罪王オルトロスに変神しても『武理宇図』一体倒せない君が私に勝てると思っているのかい?」
「『無限モード』を発動すれば!俺だって『武理宇図』を倒せてたんだ!」
「でも、1分の制限時間の中で倒せる『武理宇図』の数は最大でも60体。残りの140体は暴走して仲間ごと破壊するのかい?」
コイツ...!なぜ、そこまで俺の弱点を知っているんだ!
「私がなぜ、君の弱点を知っているのか?今、君はそう思っているはずだ!」
ヴァヴェズィンゾォーンは俺と話しながら右手のひらからヴァヴェノミグズを暴走『武理宇図』に向かって放ち続ける。
ヴァヴェズィンゾォーンの手から何度も放たれる3本の矢が暴走『武理宇図』が次々と破壊していく。
「それは、私が君たちTHE翼と同伊図業具愛・総本部・十闘神の戦いをずっと見てきたからだよ...!」
俺が苦戦していた『武理宇図』が生身のヴァヴェズィンゾォーンが放つヴァヴェノミグズによって次々と破壊されていく光景は、俺が弱者であることを意味していた。
今、俺がヴァヴェズィンゾォーンに戦いを挑めば、俺はまず間違いなく負ける。
でも、俺が断罪王オルトロスに変神して『無限モード』を発動すれば、一人しかいないヴァヴェズィンゾォーンに勝てるかもしれない。
相手が一人なら、『無限モード』を発動して1分以内にヴァヴェズィンゾォーンを倒せるかもしれない。
そうだ!ヴァヴェズィンゾォーンが暴走『武理宇図』と戦っている今なら、俺はヴァヴェズィンゾォーンに勝てるかもしれない!
俺は黒双銃オルトロスを天にかざし、断罪王変神の呪文を叫ぶ。
「シンゴ―‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスに変神した俺は暴走『武理宇図』に3本の矢を放ち続けているヴァヴェズィンゾォーンを足でふみつぶそうとする。
しかし、上空から落下してきた4体の巨大人型兵器が俺を囲む。
「まさか!コイツら!残り4人の同伊図業具愛・総本部・十闘神なのか?」
「その通りだよ闇崎ムツト君。さて、私はこのまま暴走『武理宇図』を破壊する、残りの4人の十闘神は断罪王オルトロスの相手をしてくれ」
「了解!」
「仕方ねぇなぁ~!」
「けっ、『武理宇図』も倒せねぇ、こんなザコ、俺一人で充分だぜ!」
「お前に殺された十闘神たちの仇、討たせてもらうぞ...!」
まずい!ヴィーヅグァゴヴォズォーンより強そうな十闘神4人にヴァヴェズィンゾォーン相手じゃ、『無限モード』を発動したところで、どう考えても1分以内に倒すことは不可能だ!
でも、ヴァヴェズィンゾォーンがこのタイミングで。わざわざ他の十闘神を4人もここに呼んだということは、やはりヴァヴェズィンゾォーンや他の十闘神4人にとっても断罪王オルトロスの『無限モード』は脅威であるということだ。
仮に、『無限モード』を発動して1分後に断罪王オルトロスが暴走すれば、いくら相手がヴァヴェズィンゾォーンや他の十闘神4人でも暴走した断罪王オルトロスを倒すことはできない。
今の現状が、その事実を証明している。
ヴァヴェズィンゾォーンは言っていた、今までの、俺たちTHE翼と図業具愛・総本部・十闘神との戦いを見てきたと。
そうだ!やはり、奴らは、ああ見えて、断罪王オルトロスの『無限モード』の力を恐れているんだ!
なら、1分以内に倒してやるよ...!ここにいる図業具愛・総本部・十闘神、全員を!

次回予告 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼見た目がアレな女と付き合ってるくせして、やたらとリア充アピールしてくる奴は他人が飼育している犬の生肉を食え‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十七話 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼見た目がアレな女と付き合ってるくせして、やたらとリア充アピールしてくる奴は他人が飼育している犬の生肉を食え‼

第百五十七話 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼見た目がアレな女と付き合ってるくせして、やたらとリア充アピールしてくる奴は他人が飼育している犬の生肉を食え‼

同伊図業具愛に支配されているゼェイジグゥアーのリーダー、ヴァヴェズィンゾォーンは、同伊図業具愛・総本部・十闘神だった。
俺は、暴走『武理宇図』を生身の状態で次々と破壊してくヴァヴェズィンゾォーンのヴァヴェノミグズの力に圧倒される。
200体の暴走『武理宇図』が無理でも、ヴァヴェズィンゾォーン1人なら『無限モード』を発動しても1分以内で倒せると予測した俺の周りを、残りの4人の同伊図業具愛・総本部・十闘神の鬼無血(人型機動兵器)が囲む。
俺は思わぬ妨害に戸惑いながらも、『無限モード』を発動して、制限時間内に、その場にいる同伊図業具愛・総本部・十闘神の全てを殺す覚悟を決めた。
「無限モード発動‼」
俺は断罪王オルトロスの無限モードを発動した。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
『無限モード』を発動した断罪王オルトロスが雄叫びを上げながら全身から『狂撃波動・黒双オルトロスインパクト』を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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全方位に向かって放たれた『狂撃波動・黒双オルトロスインパクト』↑が断罪王オルトロスを囲んでいる4体の鬼無血(巨大人型機動兵器)に直撃する。
その一秒後には断罪王オルトロスが4体の巨大人型機動兵器のうち、一体の巨大人型兵器を完全に破壊して完食していた。
勝利の雄叫びを上げる断罪王オルトロス。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
一瞬で鬼無血(巨大人型機動兵器)一体を破壊すると同時に食べてしまった『無限モード』を発動した断罪王オルトロスの姿に残りの三人の十闘神は戦慄していた。
「十闘神の毒我図歩奈美が操縦する鬼無血・座異五場図が、一瞬で破壊された...!」
「あれが断罪王オルトロスの『無限の力』...!」
「あと1分後にあいつを倒さないと、俺たちも、ああなっちまうのかよ...!おい!上から来るぞぉぉぉぉッ!」
同伊図業具愛・総本部・十闘神、阿座場羅除・王護王が操縦するヘビの形をした鬼無血・募亜の上空から断罪王オルトロスが高速で落下してくる。
阿座場羅除・王護王はヘビの形をした鬼無血・募亜の口から猛毒が仕込まれたミサイルを上空に向かって大量に発射する。
「同伊図業具愛は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
断罪王オルトロスは自身に向かって放たれた大量の毒ミサイルに向かって、全身から『狂撃波動・黒双オルトロスインパクト』↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『無限モード』を発動した状態で放たれたフルパワー状態の『狂撃波動・黒双オルトロスインパクト』が、ほとんどの毒ミサイルだけでなく阿座場羅除・王護王が操縦するヘビの形をした鬼無血・募亜ごと一瞬で消滅させる。
しかし、わずかな毒ミサイルが断罪王オルトロスの体に直撃してしまう。
「くそ...!十闘神はヴァヴェズィンゾォーンを含めて、あと3人だってのに!毒ミサイルのせいで体が動かねぇ...!」
断罪王オルトロス、完全暴走まで残り30秒。
あと30秒以内に。俺は残り3体の十闘神をぶっ殺さなくちゃいけないのか...!
15秒で十闘神を2体倒せたってのに、毒のせいで体が動かない!
「おい!断罪王オルトロスが動きを止めた!今がチャンスだ!」
「俺たち同伊図業具愛が!破壊神・断罪王オルトロスを倒して世界を救うんだぁぁぁぁぁッ!」
十闘神の駄愚魔魔・喪瑠宇が操縦する保苦保苦奈々戦護非矢苦の全身から飛び出た大量の包丁が断罪王オルトロスに向かって放たれる。
十闘神の打事露魔・座仁が操縦する邪武の全身から放たれた大量のビームが断罪王オルトロスに向かって放たれる。
駄愚魔魔・喪瑠宇が操縦する保苦保苦奈々戦護非矢苦の大量の包丁と、打事露魔・座仁が操縦する邪武の大量のビームが断罪王オルトロスの全身に直撃する。
「ゔああああああああああああああああああああああああああッ‼」
断罪王オルトロス、完全暴走まで残り10秒。
全身にダメージを負った断罪王オルトロスが雄叫びを上げながら立ち上がる。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
「あれほどのダメージを受けていても、まだ立ちあがれるのか!」
「まずいぞ、断罪王オルトロスが『無限モード』を発動してから50秒が経過した!」
「じゃあ、あと10秒以内に倒せなければ...俺達、同伊図業具愛だけでなく、この世界に住む全ての命が暴走した断罪王オルトロスによって滅ぼされる...!」
「どう考えても残り5秒じゃ、倒せないぞ!」
「ヴァヴェズィンゾォーンはまだ、大量の暴走『武理宇図』と戦っている」
十闘神だけでなく、俺自身も、残り5秒で十闘神3体を倒せなければ全てが終ることに危機感を感じていた。
「もう...ダメだ...どう考えても間に合わない...!ごめん、THE翼のみんな...ごめんオルトロス...」
断罪王オルトロス、完全暴走まで残り2秒。
上空から謎の巨大人型兵器が暴走2秒前の断罪王オルトロスに向かって雷のように高速で落下してくる。
謎の巨大人型兵器の大剣が断罪王オルトロスの左胸をつらぬいていた。
断罪王オルトロスに変神した俺の左胸をつらぬいた大剣を手に持っている謎の巨大人型兵器の姿は、どう考えても断罪王オルトロスと同じだった。
それを確認してすぐに俺は目の前が真っ暗になった。
断罪王オルトロスが断罪王オルトロスを倒した光景に十闘神の二人は戸惑いを隠せない。
「断罪王オルトロスが二人...!」
「よく見ろ!大剣を持っている断罪王オルトロスは体の色が白いぞ!一体お前は何者なんだ!」
「横でごちゃごちゃ、うるさいわねぇ!このクソバカカルト教団どもが!私の名前は身我魔矢ヤヅデ!『断罪王ケルベロス』の操縦者よ!」
第2の断罪王...断罪王ケルベロス‼

次回予告 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼その2 自分が特別だと思っている奴は、自分と同じ生き物が地球上に約70億人以上いることを自覚しながら他人が飼育している猫の生肉を食え‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十八話 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼その2 自分が特別だと思っている奴は、自分と同じ生き物が地球上に約70億人以上いることを自覚しながら他人が飼育している猫の生肉を食え‼

第百五十八話 断罪王オルトロス 対 断罪王ケルベロス‼その2 自分が特別だと思っている奴は、自分と同じ生き物が地球上に約70億人以上いることを自覚しながら他人が飼育している猫の生肉を食え‼

断罪王オルトロスに無敵の力を与える『無限モード』を発動させた断罪王オルトロス。
しかし、『無限モード』を発動して1分以上、経過すると無敵の力を持った断罪王オルトロスは暴走し、全てを破壊し尽くすまで止まらない、破壊神と化してしまう。
そして、同伊図業具愛・総本部・十闘神との戦いで断罪王オルトロスが『無限モード』を発動してから59秒後、つまり、暴走まであと2秒のところで謎の人型機動兵器、断罪王ケルベロスの大剣が断罪王オルトロスの左胸をつらぬいた。
それと同時に断罪王オルトロスを操縦していた闇崎ムツトは意識を失ってしまった。
断罪王オルトロスが断罪王オルトロスを倒した光景に十闘神の二人は戸惑いを隠せない。
「断罪王オルトロスが二人...!」
「よく見ろ!大剣を持っている断罪王オルトロスは体の色が白いぞ!一体お前は何者なんだ!」
「横でごちゃごちゃ、うるさいわねぇ!このクソバカカルト教団どもが!私の名前は身我魔矢ヤヅデ!『断罪王ケルベロス』の操縦者よ!」
「断罪王ケルベロスだと!」
「そう、断罪王ケルベロスは究極の破壊神、断罪王オルトロスを封印するために存在している断罪王よ...でも、ちょっと遅かったみたいね...!」
大剣に胸を突き刺された状態で仰向けに倒れていた断罪王オルトロスが立ち上がる。
邪武の操縦者、打事露魔・座仁と保苦保苦奈々戦護非矢苦の操縦者、駄愚魔魔・喪瑠宇は胸部を大剣につらぬかれているにも関わらず復活した断罪王オルトロスの姿に戦慄する。
「おい...!もう1分過ぎたよな!」
「ああ...!間違いねぇ...!始まったんだ!断罪王オルトロスの暴走が!人類はおしまいだ‼」
大剣に串刺しにされた暴走状態の断罪王オルトロスは後ろに下がることで、大剣から体を離す。
胸に開いた傷は自己再生機能により一瞬で完治する。
「化け物か...!」
「とにかく、俺は撤退させてもらうぜ!」
「お、俺もだ!」
暴走状態の断罪王オルトロスに恐れを抱いた邪武の操縦者、打事露魔・座仁と保苦保苦奈々戦護非矢苦の操縦者、駄愚魔魔・喪瑠宇はその場から撤退してしまう。
「ケッ、あいつらビビッて帰っちまったわ!ま、ここは私が何とかしなきゃね!」
暴走状態の断罪王オルトロスが断罪王オルトロスに向かって雄たけびを上げる。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
「やはり断罪王ケルベロスの姿に反応したわね!安心しなさい、すぐにおとなしくさせてあげる!」
暴走状態の断罪王オルトロスが断罪王ケルベロスに襲いかかる。
「来たわね!切り裂けぇぇぇぇぇぇぇッ!白聖剣ケルベロス‼」
断罪王ケルベロスの大剣・白聖剣ケルベロスが断罪王オルトロスの両腕を切断する。
しかし、断罪王オルトロスは数秒で切断カ所から新しい腕を生やしてしまう。
暴走状態の断罪王オルトロスは口から『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪王ケルベロスは白聖剣ケルベロスで『狂撃波動・黒双・オルトロスインパクト』を切り裂き、そのまま断罪王オルトロスに突進する。
突然、断罪王ケルベロスが2体増殖する。
全部で3体の断罪王ケルベロスがそれぞれ異なる角度から大剣・白聖剣ケルベロスを暴走状態の断罪王オルトロスの全身に突き刺す。
「次こそ決めるわよ!白聖剣ケルベロス!最終奥義!封印呪殺斬‼」
暴走状態の断罪王オルトロスの全身に突き刺さった3本の大剣・白聖剣ケルベロスから光が放たれる。
光に包まれた暴走状態の断罪王オルトロスの全身が光になって3本の大剣・白聖剣ケルベロスに吸収されていく。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
暴走状態の断罪王オルトロスが完全に消滅した。
3体に分かれていた断罪王ケルベロスが1つになる。
ヴィーヅグァゴヴォズォーンが召喚した200体の暴走『武理宇図』を全滅させたヴァヴェズィンゾォーンが断罪王ケルベロスの変神を解除した身我魔矢ヤヅデに話かける。
「すばらしい力だ!もし、よかったら同伊図業具愛・総本部・十闘神に入らないかい?」
「悪いけど、私はクソバカカルト教団なんかに興味ないのよ!それと、あの日、わざわざ聖少年刑務所の敷地内にある研究所に黒双銃オルトロスと白聖剣ケルベロスがあることを、わざとTHE翼に密告したの、あんたでしょ?」
「さて、なんのことやら?」
「ゼェイジグゥアーのリーダーのあなたなら可能よ。あんたは自分の願いを叶えるために わざわざ神に等しき力を持つ黒双銃オルトロスをTHE翼に強奪させ、同伊図業具愛・総本部・十闘神と戦わせた!」
「なぜ、同伊図業具愛・総本部・十闘神の私が仲間である同伊図業具愛・総本部・十闘神を危険にさらすような真似をしなければならないのですか?」
「実際そうなったでしょ、十人いた同伊図業具愛・総本部・十闘神も今や残り3人。あんたはこの国とこの国のゼェイジグゥアーが同伊図業具愛・総本部に支配されている現状に不満を抱いている。そうでしょ?」
「ますます気に入りましたよ、身我魔矢ヤヅデ。できれば敵対せずに、私と共に、この国を同伊図業具愛・総本部から取り戻すために戦ってほしい!」
「勘違いしないで、私はTHE翼と同伊図業具愛、どっちの味方もするつもりはないわ...!私の目的は暴走した『断罪王オルトロスの封印』と『断罪王オルトロスが暴走する原因を作る存在』の破壊よ!」
「なら結局、我々、同伊図業具愛と敵対することになりますねぇ」
「私と戦うのが嫌なら、アンタたちがTHE翼に降参すれば!あんたは同伊図業具愛からこの国を取り戻したいんしょ?」
「THE翼が存在する限り、それは無理ですね。彼らは何度でも我々に攻撃を仕掛けてくるでしょう!」
「なに言ってんの?断罪王オルトロスはさっき私が倒したじゃない」
「ククク...それは嘘ですね、闇崎ムツトは、まだ生きている...その大剣・白聖剣ケルベロスの中で...!断罪王ケルベロスが最後に放った技の名は『封印』呪殺斬!それにあなたは闇崎ムツトと同じ聖少年刑務所の出身だ。あなたはあの日、『友人』である闇崎ムツトが黒双銃オルトロスを手にしたのと同じように、白聖剣ケルベロスを手にした...!」
「全部、あんたが仕組んだことでしょ!」
「図星ですか...!」
「とにかく、闇崎ムツトはもう戦わないわ!私が絶対、戦わせない!あんた達、同伊図業具愛がこれ以上、闇崎ムツトに闘いを挑んできても、私が断罪王ケルベロスに変神して、あんた達を全員、ぶっ殺してやるわ!」
「そうですか...でも、同伊図業具愛・総本部のリーダー、ファイナルマザーは一度敵対した存在を許すことは絶対にない」
「あっそ!わたし、もう家に帰るから!バイバイ!クソジジイ!死ねぇぇぇぇぇッ!」
身我魔矢ヤヅデの前にボロボロのコマンダー(THE翼のリーダー)が立ちふさがる。
「待て...!聞いていたぞ!さっきの話を!闇崎ムツトを返してくれ...!闇崎ムツトは俺たちの仲間なんだ!あいつは俺たちTHE翼にとって必要不可欠な仲間なんだ!」
「仲間?笑わせないで!あんた達THE翼が頼りないから、毎回、闇崎ムツトが死にかけてるんでしょ?私ちゃんと見てたんだから!私のムツトをこれ以上、苦しめるのはもうやめてくれる!」
「お前...闇崎ムツトのなんなんだ...?」
身我魔矢ヤヅデは顔が赤くするだけで何も答えない。

次回予告  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼道やスーパーの店内で人の迷惑も考えずに、ずっと会話をしている女どもは猿の生肉を食え‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百五十九話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼道やスーパーの店内で人の迷惑も考えずに、ずっと会話をしている女どもは猿の生肉を食え‼

第百五十九話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼道やスーパーの店内で人の迷惑も考えずに、ずっと会話をしている女どもは猿の生肉を食え‼

海の向こうにある同伊図業具愛・総本部の基地『苦祖場我知世宇千タワー』では同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーと現在、生き残っている3人の同伊図業具愛・総本部・十闘神たちが今後の方針について話し合っていた。
現在、生き残っている十闘神は3人。
ヴァヴェズィンゾォーン。
打事露魔・座仁。
駄愚魔魔・喪瑠宇。
「まさか、10人いた十闘神が3人になってしまうとはな...!」
「も、申し訳ございません、ファイナルマザー様!すべては暴走した断罪王オルトロスのせいです!」
「それに、ヴィーヅグァゴヴォズォーンの暴走『武理宇図』のせいで我々、同伊図業具愛は、世間から犯罪者扱いされてしまった...それに比べ、ヴァヴェズィンゾォーン、お前は暴走した『武理宇図』をすべて破壊し、世間からヒーロー扱いされている」
「それは仕方がありませんよ、私が同伊図業具愛に入信していることを国民は知らないのですから」
「ヴァヴェズィンゾォーン、全て、お前のシナリオ通りではないのか?何らかの方法で、わざとヴィーヅグァゴヴォズォーンの『武理宇図』を暴走させ、同伊図業具愛のイメージを悪化させ、暴走『武理宇図』をゼェイジグゥアーのお前が全て破壊することで国民から大きな支持を得る...!」
「さすがはファイナルマザー様、わかってしまいましたか...!」
ヴァヴェズィンゾォーンの言葉を聞いた十闘神の打事露魔・座仁と駄愚魔魔・喪瑠宇が声を荒げる。
「ヴァヴェズィンゾォーン!貴様ァ!ファイナルマザー様を裏切ったのか!」
「お前が!ヴィーヅグァゴヴォズォーンの『武理宇図』を暴走させたのか!」
「ああ、そうだよ...!すべては同伊図業具愛の支配から、私の国を取り戻すためだ」
「打事露魔・座仁!駄愚魔魔・喪瑠宇!今すぐヴァヴェズィンゾォーンを始末しろ!」
「「了解‼」」
打事露魔・座仁と駄愚魔魔・喪瑠宇がそれぞれの『鬼無血』を発動させる。
打事露魔・座仁と駄愚魔魔・喪瑠宇の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
打事露魔・座仁が操縦する邪武。
駄愚魔魔・喪瑠宇が操縦する保苦保苦奈々戦護非矢苦。
2体の鬼無血がヴァヴェズィンゾォーンに襲いかかる。
「同伊図業具愛の支配から、私の国を取り戻す!つらぬけ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの右手から放たれた3本の矢が邪武と保苦保苦奈々戦護非矢苦に直撃する。
ヴァヴェノミグズの3本の矢につらぬかれた邪武と保苦保苦奈々戦護非矢苦が一瞬で消滅する。
ヴァヴェズィンゾォーンがスクワットを始める。
「私の国を...取り戻す...!」
「ヴァヴェズィンゾォーン...!お前は...この日のために、あえてTHE翼に黒双銃オルトロスを手に入れられるように仕向け、わざわざ私を殺すのに邪魔になる同伊図業具愛・総本部・十闘神と戦わせたのか?」
ヴァヴェズィンゾォーンはスクワットを続行している。
「私の国を...取り戻す...!」
「私を殺し、同伊図業具愛を壊滅させた後は、今度はデエンノヴォーを殺害して、お前自身が自分の国を完全に支配するつもりなんだろう?お前はそこまでして、いったい何を手に入れようとしているのだ...!」
ヴァヴェズィンゾォーンのスクワットのスピードが上がる。
「私の国を...取り戻す...!」
「てめぇ!人の話聞いてんのかァッ!この野郎!」
「私の国を‼取り戻す‼」
スクワットをしていたヴァヴェズィンゾォーンの全身から光と共にヴァヴェノミグズが放たれる。
しかし、ヴァヴェノミグズの3本の矢はファイナルマザーの全身を防御しているバリアに触れて消滅してしまった。
ヴァヴェノミグズが無効化された事実にヴァヴェズィンゾォーンはスクワットをしたまま驚きを隠せない。
「私の国を...?取り戻す...?」
「おめぇ、それしか言えんのか!ボケェッ‼ここまで舐められたら私が直接、あなたを殺してあげるわ!見せてあげる...私の鬼無血!『血4』の力を‼」
ファイナルマザーが両手を胸の前でクロスさせて意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼」
ファイナルマザーの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
ファイナルマザーが変神した鬼無血『血4』の姿にヴァヴェズィンゾォーンはスクワットをしたまま驚きを隠せない。
「私の国を...!取り戻す...‼」
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーのリーダー・ヴァヴェズィンゾォーンとクソバカカルト教団・同伊図業具愛のリーダー・ファイナルマザーの死闘が始まる...!

次回予告  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その2 見た目がアレなのにうるさい女はハチの巣を食いながら反省しろ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百六十話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その2 見た目がアレなのにうるさい女はハチの巣を食いながら反省しろ‼

第百六十話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その2 見た目がアレなのにうるさい女はハチの巣を食いながら反省しろ‼

ヴァヴェズィンゾォーンは自分の国を支配している同伊図業具愛支配から取り戻すために、かつての仲間であった同伊図業具愛・十闘神の打事露魔・座仁と駄愚魔魔・喪瑠宇を殺害する。
同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーは自身の『鬼無血』を発動して『血4』に変神する。
ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーンとクソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーの戦いが始まろうとしていた。
同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』の背中に生えた無数の触手が一斉にヴァヴェズィンゾォーンに向かって襲いかかる。
「同伊図業具愛の支配から私の国を取り戻す!つらぬけ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンは右手から『ヴァヴェノミグズ』を放つ。
『3本の矢』が『血4』の触手を一瞬で消滅させる。
「これで終わりだ!つらぬけ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンは『血4』の心臓部に狙いを定め、右手から『ヴァヴェノミグズ』を放つ。
『3本の矢』が『血4』の体に命中することなく、『血4』の全身を包む透明なバリアによって消滅してしまった。
「ヴァヴェズィンゾォーン!その攻撃が私に通用しないことは、とっくにわかっているはずだ!『鬼無血』を発動せずに手加減をしていると、すぐに死んでしまうぞ!」
『血4』の背中から再び無数の触手を生えてくる。
触手が一斉にヴァヴェズィンゾォーンに向かって襲いかかる。
「私の国を...取り戻...!ゔッ...!」
『ヴァヴェノミグズ』を放とうとしたヴァヴェズィンゾォーンが自分のお腹を押さえて床にうずくまる。
ヴァヴェズィンゾォーンの全身に『血4』の無数の触手が突き刺さる。
しかし、ヴァヴェズィンゾォーンの全身の筋肉が触手を全て、はじいた。
「すばらしい筋肉ね...でもその様子じゃ、もう戦うのは無理じゃないの?」
ヴァヴェズィンゾォーンは両手で腹を抑えながら立ち上がる。
「同伊図業具愛の支配から...私の国を取り戻す...!」
「あなたのお腹の病気、まだ完治していなかったのね。だから、あなたは『鬼無血』を発動できなかった!」
「同伊図業具愛の支配から...私の国を取り戻す...!」
「そんなことしたら、あなたの祖父がきっと悲しむわよ」
「私の国は...私と国民のモノだ!クソバカカルト教団・同伊図業具愛なんかに支配されてたまるか!死ね!バーカ!死ねぇぇぇぇぇぇッ‼」
血4の触手によってスーツを切り裂かれ、上半身裸のヴァヴェズィンゾォーンが同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーに向かって両手の中指を立てる。
「咲き乱れろ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から一度に『3本の矢』が何度も放たれる。
「数を増やしたところでぇッ!」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から何度も放たれた『3本の矢』が同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーが操縦する『血4』に直撃する。
「ゔあああああああああああああああッ!バリアが効かないだと‼」
「お前はなぜ、私のヴァヴェノミグズが3本の矢なのか、知っているか...」
「知るわけねぇだろぉ!バァァァァァァァァァァァァァカッ‼」
ヴァヴェノミグズ、それは。
直撃した相手の動きを止める第一の矢。
全てをつらぬく超高威力の第二の矢。
そして、直撃した相手の能力を封印する第三の矢。
1本目の矢で相手の動きを止め。
2本目の矢で相手に大ダメージを与え。
3本目の矢で相手の能力を封印する。
しかし、3本目の相手の能力を封印する矢に関しては、相手の能力が強力であれば、あるほど、封印できる確率は低くなる。
そのため、強力な能力者の能力を封印するためには、3本目の矢を何度も強力な能力者、または能力そのものに直撃させる必要がある。
そして、今、まさにヴァヴェズィンゾォーンが繰り返し放った3本目の矢が同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーが操縦する『血4』の強力なバリア能力を『封印』したのだ。
「これで、とどめだ!咲き乱れろ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から一度に『3本の矢』が何度も放たれる。
「私の能力が強力なバリアだけだと思うなよ!」
同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーが操縦する『血4』が消える。
「『血四』が消えた!」
空中に大量の『血4』が出現して、胸部から一斉に『鬼無血波動』を放つ。
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ヴァヴェズィンゾォーンの脳内に同伊図業具愛・創始者ファイナル・マザー(クソババァ)の顔が無数に浮かび上がり、意味不明な呪文を唱えてくる、そしてそのバックでは『有条件ダンスfeat.奈良ミルナ』が大音量で流れている。
「ゔああああああああああああああああッ!気が狂う‼しかし!同伊図業具愛のぉぉぉぉぉぉぉッ!支配からぁぁぁぁぁぁぁぁッ!私の国をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ取り戻す!」
持病の腹痛と全身を駆け巡る狂気に耐えながら、ヴァヴェズィンゾォーンは全身から一度に『3本の矢』を何度も放つ。
そして、その瞬間、『3本の矢』と同時に、ヴァヴェズィンゾォーンの臀部から奇怪な音が放たれた。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼

次回予告  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その3 いい大学を卒業すれば必ず幸せになれると思っているやつは黄色ブドウ球菌が手に付着したババアが作ったカットフルーツでも食ってろ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十一話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その3 いい大学を卒業すれば必ず幸せになれると思っているやつは黄色ブドウ球菌が手に付着したババアが作ったカットフルーツでも食ってろ‼

第百六十一話  クーデター勃発!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン対クソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザー‼同伊図業具愛からこの国を取り戻す‼その3 いい大学を卒業すれば必ず幸せになれると思っているやつは黄色ブドウ球菌が手に付着したババアが作ったカットフルーツでも食ってろ‼

『벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚벚■벚벚벚
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同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーが放った『鬼無血波動』↑を体に受けたZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーンは全身を駆け巡る狂気と、持病の腹痛により、下腹部から奇怪な音を鳴らしてしまう。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
持病の腹痛と全身を駆け巡る狂気に耐えながら、ヴァヴェズィンゾォーンは全身から一度に『3本の矢』を何度も放つ。
しかし、同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーが操縦する『血4』は『3本の矢』をすべて回避してしまう。
「当たらなければ、私の能力がお前の矢に封印されることもない!」
『3本の矢』が回避されたストレスで持病の腹痛が再び、ヴァヴェズィンゾォーンを襲う。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」
「国のリーダーのくせに、なんて情けないのかしら?あなたの国の国民が今のあなたの姿を見たらいったいどう思んうでしょうね?」
「同伊図業具愛の支配から...私の国を取り戻す...!クソバカカルト教団・同伊図業具愛は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
同伊図業具愛への憎しみがストレスとなり、持病の腹痛がヴァヴェズィンゾォーンを襲う。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から光が放たれる。
「なんだ!あの光は!3本の矢じゃない?」
その光に飲み込まれた同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの目の前が真っ暗になる。
「どこだ、ここは!いったい何が起こっているんだ‼あれは...桜の木...!」
両目を開いた同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの目の前には大量の桜の木があった。
そして、桜の木の下には上半身裸のヴァヴェズィンゾォーンが目をつぶった状態で両掌を合わせていた。
「ヴァヴェズィンゾォーン!貴様、私にいったい何をした‼」
「これが私の第二の能力『THE・具羅ヲ未ル害』だ...」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「『THE・具羅ヲ未ル害』だと...!」
地面から飛び出してきた腕が同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』の足をつかむ。
「なんだコレは?ゔあああああああああああああああああッ!」
地面から次々と何者かの両手が土を突き破って飛び出してくる。
地面から飛び出した大量の手が同伊図業具愛・創始者ファイナルマザー『血4』の両足をつかんで離さない。
「消えろ!気持ち悪い!」
同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』は背中から出した無数の触手で両足をつかむ大量の手を粉々に破壊する。
しかし、その間にも桜の木の下の地面から次々とゾンビが土を突き破って飛び出してくる。
そして、同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』の周りを大量の巨大なゾンビが囲んでいる。
「なんだ?このゾンビは!ちょっと待て!コイツらの顔!どこかで見たことがある!
「そう、彼らは、ゾンビではない...『喪理土喪』だ」
両目を閉じて上半身裸の状態で合掌しているヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から、またも奇怪な音が鳴り響く。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「『喪理土喪』だと...!」
「『喪理土喪』は私の『ゼェイジ』活動の不正をもみ消すために、この領域に拉致して、この桜の木の下で私が精神的に追いつめて自殺させた者達の魂の姿だ!」
「ゾンビと大して変わんねぇじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』は自信を囲む大量の『喪理土喪』に向かって全方位に『鬼無血波動』↓を放つ。
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しかし、『喪理土喪』は『鬼無血波動』↑を吸収しながら、どんどん、同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』に向かって進んでいく。
「そんな...!私の『鬼無血波動』が効かない...!」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「先程、言ったはずだ、クソバカアホカルト教団・同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーよ!『喪理土喪』は私の『ゼェイジ』活動の不正をもみ消すために、この領域に拉致して、この桜の木の下で私が精神的に追いつめて自殺させた者達の魂の姿であると...!死んだ状態で戦い続ける不死の戦士にお前の『鬼無血波動』が通じるわけがない!」
「やっぱり、ゾンビじゃねぇかよぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
無数の『喪理土喪』が同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーの操縦する『血4』に接触して一体化していく。
「ゔあああああああッ!やめろ!私から離れろ!このゾンビ共がぁ!」
「ゾンビではない...『喪理土喪』だ...!」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
大量の『喪理土喪』に寄生されたファイナルマザーの操縦する『血4』が形を変えていく。
「そして、私の『喪理土喪』に寄生された者は皆...」
「ゔあああああああああああああああああああああああああッ‼」
「我が国が誇る美しい桜の木になる...!」
大量の『喪理土喪』に寄生されたファイナルマザーの操縦する『血4』は大きな桜の木になっていた。
そう、ヴァヴェズィンゾォーンが発動した『THE・具羅ヲ未ル害』によって作り出された、この領域に存在する桜の木はすべて大量の『喪理土喪』に寄生された敵のなれの果てなのだ。
ファイナルマザーの操縦する『血4』が桜の木になったことを確認したヴァヴェズィンゾォーンは『THE・具羅ヲ未ル害』を解除する。
『THE・具羅ヲ未ル害』の領域から現実世界に帰還したヴァヴェズィンゾォーンの目の前には同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーとの激闘で崩壊した同伊図業具愛・総本部の基地『苦祖場我知世宇千タワー』の瓦礫の山が広がっていた。
「私はとうとう、同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーを殺すことに成功した!これで全世界の同伊図業具愛は崩壊する!私は...私は同伊図業具愛の支配から...私の国を取り戻したんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
歓喜の雄叫びと同時にヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から奇怪な音が鳴り響く。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼

次回 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』バイト先の制服を洗濯機を使わせずに素手で子供に洗濯させる親は入浴中に朝まで爆睡しろ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』バイト先の制服を洗濯機を使わせずに素手で子供に洗濯させる親は入浴中に朝まで爆睡しろ‼

第百六十二話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』バイト先の制服を洗濯機を使わせずに素手で子供に洗濯させる親は入浴中に朝まで爆睡しろ‼

目を覚ますと、俺は見知らぬ部屋にいた。
「闇崎ムツト!やっと目を覚ましたのね!」
俺の目の前には身我魔矢ヤヅデがいた。
「お前、生きていいたのか!てっきり聖少年刑務所が軍隊に空爆された時に死んだと思っていた!」
そう、俺が初めて断罪王オルトロスに変神した、あの日。研究所から黒双銃オルトロスを強奪したTHE翼のメンバーが聖少年刑務所に立てこもったんだ。
そして、聖少年刑務所の受刑者だった俺は黒双銃オルトロスを手に持ったTHE翼のメンバーに遭遇した。
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの命令で出動した軍隊は聖少年刑務所を空爆、THE翼のメンバーごと聖少年刑務所の受刑者たちを殺そうとしたんだ。
そして、偶然、生き残った俺は黒双銃オルトロスで断罪王オルトロスに変神して、その場にいた警察と軍隊を皆殺しにしたんだ。
まさか、あの時、生き残ったのが俺だけじゃなかったなんてビックリだぜ。
しかも、あの、身我魔矢ヤヅデとは。
「闇崎ムツト、私のこと覚えてくれてたんだね」
「ああ、覚えているよ」
そう、それは、まだ俺が聖少年刑務所に入ったばかりのことだ。
          *
深夜、聖少年刑務所の雑居房に黒くて大きなビニール袋を手に持った刑務官が入ってきたんだ。
そして、同じ雑居房で暮らしてた場我限児が、いきなり布団から起き上がって、何も言わずに刑務官に札束を渡したんだ。
刑務官は札束を受け取ると、なにも言わずに黒い大きなビニール袋を場我限児に渡して、雑居房から出て行ってしまった。
場我限児が刑務官に渡した、あの札束。
あの刑務官はおそらく、受刑者のはずの場我限児がなんらかの方法で高額な金銭を所持していたことを知っていて、他の刑務官に黙っている可能性が高い。
だとしたら、あの刑務官は相当、悪質な刑務官だ。
布団の上で寝たふりをしていた俺の肩を場我限児が叩いてくる。
「なんだよ!痛ぇな!ぶっ殺すぞ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「うるせぇ!それより、闇崎ムツト!見ろよコレ!」
場我限児が刑務官から受け取った大きな黒いビニール袋の中には口にガムテープを貼られた女受刑者が入っていたんだ。
「おい!場我限児!お前、この女、もしかして...!」
「ああ、この女は俺が金で刑務官から買ったのさ!」
「でも、刑務官はどうやって女子寮から、この女を誘拐してきたんだ?」
「そりゃあ、俺たち受刑者は、まともに生きている刑務官どもにしてみれば、人間以下のゴミクズってことだろ。つまり人間じゃない受刑者をどう扱おうと、全く問題ないって思っている刑務官もいるってことさ!」
「そんな...!じゃあ、さっきこの女を運んできた男子寮の刑務官と女子寮の刑務官もグルってことか?」
「ああ、きっとそうだろな、どうせ、さっき来た刑務官も女子寮の刑務官から金でも、もらったんだろ!そんだけ、この女は女子寮じゃ、問題児ってことだ!」
「そんで、どうすんだよ、この女!」
「そんなの言わなくてもわかってんだろ!」
「おいおいマジかよ...!」
「受刑者のくせにカッコつけてんじゃねぇよ!」
「刑務官に見つかったらどうすんだよ」
「刑務官もグルなんだから、問題ないだろ!」
俺と場我限児のやり取りに、同じ雑居房にいた他の受刑者達もベットから起き上がって俺と場我限児に話しかけてくる。
「おうおう、こりゃあ、なかなかの上モノじゃないの、場我限児く~ん!」
「うるせぇ!あんまり、大きな声だすな!」
「なんだよ、刑務官もグルなんだろ?」
「あの刑務官はそうだが、他の刑務官は知らん!」
「じゃあ、もしかして、この女の口についてるガムテ―プ、はがしちゃだめやつ?」
「当たり前だ!」
「そんで誰から、いくんだよ?」
「そりゃあ、ジャンケンに決まってんだろ!」
「俺はやめとくよ」
「なんだよ闇崎ムツト、受刑者のくせに真面目ぶって、カッコつけてんじゃねえよ!」
「うるせぇ、だってこの女の子泣いてるじゃないか!」
「それが、いいんだろ?」
俺は雑居房にあった火災報知機のボタンを押した。
場我限児が俺の胸倉をつかむ。
「おい!闇崎ムツト!お前何してんだ!」
「うるせぇ!たとえ体が受刑者でも!心まで受刑者になるな‼」
「意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇよ!」
場我限児が俺の顔を殴る。
騒ぎに気づいた、さっきとは別の刑務官が何事かと雑居房に入る。
さっきとは別の刑務官が黒い大きなビニール袋に入った女を見て驚く。
「どうして男子寮に、女がいるんだ?」
さっきとは別の刑務官が女の口からガムテープをはがす。
「君は、名前は?」
「身我魔矢ヤヅデです!」
身我魔矢ヤヅデは刑務官になにがあったのか泣きながら説明する。
その内容は先程、場我限児が言っていたのと同じ内容だった。
その後、身我魔矢ヤヅデは女子寮に戻され、この件に関わっていた、男性刑務官と女性刑務官は解雇された。
そして、なぜか、場我限児だけでなく、身我魔矢ヤヅデを助けるために火災報知器のボタンを押した俺も懲罰房に入れられて刑務官にボコボコにされた。
           *
あのとき助けた、女が今、俺の目の前にいる。
「実は聖少年刑務所が空爆されたあの日、女子寮にもTHE翼が立てこもったのよ。そのTHE翼のメンバーは研究所から強奪した白聖剣ケルベロスを持っていたわ。それで空爆で運良く生き残った私は瓦礫の下敷きになって死んでいたTHE翼のメンバーの手から白聖剣ケルベロスを奪って逃走した...」
「白聖剣ケルベロス...それじゃあ、あの時、暴走した断罪王オルトロスを止めてくれたのは身我魔矢ヤヅデだったのか!」
「そうよ、私は白聖剣ケルベロスの力で闇崎ムツトが変神して暴走した断罪王オルトロスを白聖剣ケルベロスに封印した。白聖剣ケルベロスの中で暴走が完全に停止して変神が解除された闇崎ムツトを私はずっと自分の家で看病していたのよ」
「そっか...でも、どうして白聖剣ケルベロスを奪って逃走したんだ?」
「白聖剣ケルベロスに呼ばれたのよ...闇崎ムツトもそうでしょ?」
「ああ、俺の黒双銃オルトロスの中にもオルトロスがいる」
「破壊神オルトロス...!」
「それは誤解だよ、俺にとってはただのオルトロスだ」
「でも、私の白聖剣ケルベロスの中にいる封印神ケルベロスは、破壊神オルトロスはとても危険な存在だって言っていたわ!」
「まあ、その話はもういいよ。それより、俺が断罪王オルトロスだってどうやって知ったんだよ?」
「そりゃあ、THE翼のテロ活動はTⅤニュースとかでよく報道されているからね、あと、あのネットの生動画配信とか」
「ああ、あの演説、見てくれてたのか」
「ええ、どうやら白聖剣ケルベロスに選ばれた私の使命は暴走した断罪王オルトロスを完全に封印することみたいだからね...」
「お前のその剣にいる封印神ケルベロスがそう言ってたのか?」
「ええ、その通りよ。私は断罪王オルトロスが暴走するまで、ずっと待っていたのよ」
「でも、今、俺がここにいるってことは封印を解除したってことだよな?」
「うん、だって、闇崎ムツトが断罪王オルトロスに変神するのをやめれば、暴走することも封印する必要もなくなるでしょ」
「それはいくらなんでも無理だぜ!」
「あなたはTHE翼に利用されてるのよ!」
「違う!THE翼のやつらは俺の願いを叶えるために命を懸けてくれる大切な家族なんだ!」
「闇崎ムツトがゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、ZEI銀泥棒達を憎んでいるのは、闇崎ムツトのネットの生配信動画を見て知っているわ!でも...」
「俺はゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで大切な家族を失った!母さんは病死した!父さんは刑務所で死刑囚にされた!だから俺は、ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてZEI銀泥棒をこの国から一人残らず殲滅する!」
「私だってゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのためにZEI銀を納めなかった罪で母さんと父さんを死刑にされた!でも、復讐なんてしても天国の両親はきっと喜ばないわ!」「身我魔矢ヤヅデの言っていることは、正しいのかもしれない...でも俺は、自分の心にウソをつきたくないんだ!」
TⅤニュースではZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーンがクソバカカルト教団・同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーを殺害したことで、全世界の同伊図業具愛が完全に崩壊したことを報道している。
「同伊図業具愛・十闘神であるヴァヴェズィンゾォーンが同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーを殺害しただと!意味がわからん!いったい何がどうなってるんだ!」
「ねぇ、闇崎ムツト、復讐なんてやめて、この家で私と一緒に暮らしましょう!」
「ダメだ!俺がTHE翼に入って戦うようになってから、数々の戦いで多くの仲間が死んだ!俺たちTHE翼がゼェイジグゥアーとデエンノヴォー、そしてZEI銀泥棒をこの国から一人残らず殲滅しなければ、死んでいった仲間達の魂が浮かばれないんだ!だから俺は今、ここで逃げるわけにはいかない!俺は断罪王オルトロスとして戦い続ける!」
「なら、私は...どんな手段を使っても、闇崎ムツトを復讐から解放してみせるわ...!」
俺は身我魔矢ヤヅデの家を出た。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その2 親の交際相手と子供を無理やり仲良くさせようとする、またはそうせざるおえない状況に追い込む親は子供なんか作るな!親にとっては信頼できる人間でも、子供にとっては親の交際相手なんてただの他人なんだよ!だから仲良くする義務なんて子供には最初からねぇんだよ‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十三話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その2 親の交際相手と子供を無理やり仲良くさせようとする、またはそうせざるおえない状況に追い込む親は子供なんか作るな!親にとっては信頼できる人間でも、子供にとっては親の交際相手なんてただの他人なんだよ!だから仲良くする義務なんて子供には最初からねぇんだよ‼

第百六十三話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その2
親の交際相手と子供を無理やり仲良くさせようとする、またはそうせざるおえない状況に追い込む親は子供なんか作るな!親にとっては信頼できる人間でも、子供にとっては親の交際相手なんてただの他人なんだよ!だから仲良くする義務なんて子供には最初からねぇんだよ‼
身我魔矢ヤヅデの家を出た俺はTHE翼の基地に帰還する。
コマンダーやTHE翼のメンバーが俺を囲んで、とても喜んでいる。
「おかえり!闇崎ムツト!」
「ああ。ありがとう、コマンダー、そしてTHE翼のみんな」
「いきなりで、すまんが、闇崎ムツト、同伊図業具愛・十闘神であるヴァヴェズィンゾォーンが同伊図業具愛・総本部・創始者ファイナルマザーを殺害した、これにより俺たちの戦いは新たなる段階に進んだといっても過言ではない」
「ああ、俺もさっきTⅤで知ったよ。俺はこれから『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』を決行しようと思う!」
「ついに来たな、この時が...!」
「ああ、コマンダー、いますぐ、みんなに生動画配信の準備を指示してくれ!俺はZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーに宣戦布告する!」
「わかった、いますぐ準備させる」
そして数分後、全世界に向けて闇崎ムツトによるZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーへの宣戦布告の生動画配信が開始された。
生動画配信が開始してすぐに、俺はカメラに向かって両手中指を立てて奇声を上げる。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!見てるか!この国のZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーども!とりあえず!この国のゼェイジグゥアーは俺が一人残らず皆殺しにする!なんでかって?そんなの決まってんだろぉ!おめぇらゼェイジグゥアーがえらそうなだけでなんの役にも立たねぇクソカスだからだぁ!いいかぁッ!おめぇら薄汚ねぇゼェイジグゥアーは!国民が一生懸命働いて納めたZEI銀をバカみたいに無駄使いして!クソみたいな!なんの役にも立たねぇルールを作っては同調圧力を使って国民に強制させる!おまけに国民が一生懸命働いて納めたZEI銀を悪用してクソみてぇなイベントを開催したり!ゼェイジ活動を名目に旅行したり不倫したり!あげくの果てには不正を覆い隠すために弱い立場の人間を失脚させたり!精神的に追い詰めて自殺させたり!仕事中に時間で金が発生してんのに居眠りしたり!クソバカカルト教団・同伊図業具愛と深い関係があったり!そんな口先だけのまるで役に立たねぇZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーのために国民が国に納めたZEI銀がバカみたいに無駄使いされている!国民のみなさん!こんなことが許されていいと思いますか?許されいいわけがねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!そんなクソみてぇなゼェイジグゥアーがなんとこの国には700人以上います!国民のみなさん!こんなクソみてぇに役に立たたねぇZEI銀泥棒どもがこの国に700人も必要だと思いますか?必要なわけねぇだろぉぉぉぉぉぉッ!でーすーかーらぁッ!国民のみなさん!俺達THE翼は!この国のゼェイジグゥアーの死体1体につき1000万の懸賞金をかけます‼国民のみなさんの周りに武器はありますか?包丁!金属バット!物干し竿!木刀!テニスラケット!ハンガー!生活用品でもスポーツ用品でもおおいに結構‼国民のみなさんの周りにある身近なモノでゼェイジグゥアーをこの国から一人残らず殲滅して!クソみてぇなZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーから俺たちの国を取り戻しましょう!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーを殺して得た1000万円で幸せになりましょう!人生逆転しましょう!お金がなければ救えない命を救いましょう!仮にもし国民のみなさんが刑察や軍隊に逮捕されそうになっても、我々THE翼が必ずあなたをお守りします!おい!ZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー‼耳の穴かっぽじってよく聞いとけよ!おめぇらみてぇなクソバカ寄生虫に!この世の中を変えることなんて!できるわけねぇんだよぉぉぉぉッ!バーカッ‼この国のゼェイジグゥアーは全員、死ね!今死ね!すぐ死ね!絶対死ね!明日も死ね!明後日も死ね!毎日死ね!来週も死ね!来月も死ね!来年も死ね!来世も死ね!俺たちTHE翼はお前らZEI銀泥棒達の母も父も息子も娘も祖母も祖父も姪も甥も義母も義父も義兄も義弟も義妹も義姉も義理の娘も義理の息子も親戚も‼この地球上から一人残らず殲滅する‼おまえ達ZEI銀泥棒に逃げ場なし‼おまえ達ZEI銀泥棒に生きる資格なし‼おまえ達ZEI銀泥棒に明日なし‼とにかく死ね‼キィエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
生動画配信が終了した。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その3 親による子供の虐待、もしくは殺害事件を防ぐために、子供が欲しい男女には事前に国家試験を受けさせるべきだ‼無軌道なセッ●スはただの殺人行為だ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十四話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その3 親による子供の虐待、もしくは殺害事件を防ぐために、子供が欲しい男女には事前に国家試験を受けさせるべきだ‼無軌道なセッ●スはただの殺人行為だ‼

第百六十四話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その3
親による子供の虐待、もしくは殺害事件を防ぐために、子供が欲しい男女には事前に国家試験を受けさせるべきだ‼無軌道なセッ●スはただの殺人行為だ‼

ついにTHE翼による『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』が始まった!
THE翼は国内のゼェイジグゥアーの死体1体に1000万円の懸賞金をかけた。
これにより多くの国民が1000万円を獲得するために、国内のゼェイジグゥアーを殺害し始めた。
しかし、殺害したゼェイジグゥアーの死体をめぐって国民同士の殺し合いも各地で発生していた。
この国にいるゼェイジグゥアーの人数は約700人以上。
この数はかつてこの国に存在していた『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』に比べると、とても少ないのだ。
つまり、かつて国内で発生した『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』に比べ、今回の『ゼェイジグゥアー狩り』の競争率はかなり高い。
それに、死体1体にかけられた懸賞金の額は以前の『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ狩り』の2倍である。
今まで金と権力で国民を支配していたゼェイジグゥアーが、今度は金欲しさの国民に殺される。
本来、管理する側が、管理していた者達に命を奪われる。
『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』はまさに、国民達による国家そのものへのテロ活動である。
そして、今日も各地で『ゼェイジグゥアー狩り』が勃発していた。
早朝、手に金属バットや物干し竿を手に持った国民たちが一人のゼェイジグゥアーを追いかけている。
「ゔあああああああああああッ!ゼェイジグゥアーだぁぁぁぁッ!1000万円だぁぁぁぁぁぁッ!」
「待てぇぇぇッ!俺の1000万円!」
「あのゼェイジグゥアーをぶっ殺して1000万円を手に入れるのは俺だぁぁぁぁッ‼」
「逃げるんじゃねぇよ!このZEI銀泥棒!俺にとっとと殺されて!1000万円になれやぁぁぁぁぁッ!」
「嫌だ...!僕はいっぱい勉強して、せっかくゼェイジグゥアーになったのに!僕は死にたくない!」
武装した国民から逃亡中のゼェイジグゥアーの前に一台の黒いワゴン車が停まる。
「おい!そこの黒いワゴン車の運転手!金はあとで、いくらでも出す!そのかわり、そのワゴンに乗せてくれないか!」
黒いワゴン車の左右のスライドドアがほぼ同時に開き、車内から金属バットと手に持った国民が一斉に飛び出して、助けを求めるゼェイジグゥアーに襲いかかる。
「そ、そんな君たちも...僕の命を奪いにきたのか‼」
「このZEI銀泥棒がぁッ!国民が納めたZEI銀でおめぇらだけいい思いしやがってよぉッ!ぜってぇ許さねぇぞ‼」
「待て!助けてくれ!助けてくれたら!ちゃんと金はやる!だから!殺すのだけは勘弁してくれ!」
「その金っていうのは、どうせ、おめぇらゼェイジグゥアーが働いて作った金じゃなくて!全部、俺達、国民が一生懸命働いて国に納めた金だろうがよぉッ!国民が働いて得た金で好き放題しやがってよぉッ!国民をなめんじゃねぇぞぉッ‼このZEI銀泥棒がぁッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
国民が手に持った金属バットで逃亡中のゼェイジグゥアーの頭部を何度も殴る。
すでに死んでいることがわかってからも、国民は金属バットで何度もゼェイジグゥアーの頭部を殴った。
頭部に金属バットが直撃するたびに、頭蓋骨が折れる音が鳴り響き、地面を血液が汚した。
「ハァハァ...!すっきりしたぜ...!」
ゼェイジグゥアーを殺害した国民の背後には、1000万円のゼェイジグゥアーの死体を欲しがる国民達が集まっていた。
「なんだよ...お前ら!俺からこのゼェイジグゥアーの死体を武力で横取りするつもりだな...!上等だよ...かかって来いよ!オラァッ‼」
金属バットでゼェイジグゥアーを殺害した国民に向かって、数多くの武装した国民たちが襲いかかる。
金が人を変え、金が人から人らしさを奪う、金と言う名の鎖につながれた国民と言う名の囚人達による、醜い殺し合いが始まった。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その4 酒に酔った勢いで就寝したがっている自分の子供に心無い言葉をぶつける親は大量の酒を飲んで真冬の川にダイブして来い‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その4 酒に酔った勢いで就寝したがっている自分の子供に心無い言葉をぶつける親は大量の酒を飲んで真冬の川にダイブして来い‼

第百六十五話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その4
酒に酔った勢いで就寝したがっている自分の子供に心無い言葉をぶつける親は大量の酒を飲んで真冬の川にダイブして来い‼
「おはよう!」
教室に入った僕をクラスメイト達が囲む。
「おい野村!お前の父親、ゼェイジグゥアーだよな?」
「うん、そうだけど、それがどうかしたの?」
クラスメイトが僕の顔を殴る。
「ぐぇふっ‼」
「これ以上、殴られたくなかったら、いますぐ、学校にお前の父親を呼んで来い!」
「ダメだよ...!今、ゼェイジグゥアーの死体に1000万円の懸賞金がかけられているんだ!外に出たら、ゼェイジグゥアーの父さんは懸賞金目当ての近隣住民に殺されてしまう!」
「お前...死にたいのか?」
「え?」
「学校に父親を呼ばないなら!お前、今日死ぬぞ!」
クラスメイトがまた、僕の顔を殴る。
「ぐぇふっ‼」
「生きたいよな?」
「え?」
「まだ、生きていたいよな?」
「う...うん。でも、君がもし、僕を殺したら、君は犯罪者になってしまうよ?」
「だからなんだよ?俺たちミセーネンは人を何人殺しても死刑にならないんだよ!わかるか?つまり俺は無敵なんだよ!死ぬのが嫌ならとっととお前の親父をここに呼べ!」
「おい!お前ら!一体何をやってるんだ!」
よかった、担任の山口先生が助けに来てくれた!
担任の山口先生が僕を殴ったクラスメイトの顔を何度もグーで殴る。
「クソガキの癖に俺の邪魔しやがって...」
「先生!もういいですよ!それ以上やったら、死んじゃいますよ!」
「野村を人質にとって1000万円を手に入れるのは、この俺なんだよ‼」
「先...生...?」
「野村...頼むよ、いますぐ携帯で連絡して、学校に野村のお父さんを呼んでくれよ」
「学校に僕のお父さんを呼んで...どうするんですか?」
「そんなの殺して、死体にするに決まってるだろ!」
「どうして...そんなことを?」
「ゼェイジグゥアーの死体をTHE翼に提供すれば、1000万円がもらえるからに決まってるだろ!」
「先生は自分の言っていることが人として恥ずかしいと思わないんですか?」
「そんなの関係ねぇよ!難病の息子を助けるためには1000万円の手術費が必要なんだ‼1000万円があれば!息子は助かるかもしれないんだ!頼むよ、野村!」
「先生は、自分の息子のために、僕の父親に死ねと言うんですね?」
「そんなの当たり前だろ!自分の子供のためなら、なんでもするのが親なんだよ!」
「でも...僕にはできません!僕だって父さんを、大事な家族を失いたくないんです!」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ野村!お前の父親はゼェイジグゥアーなんだぞ! ZEI銀泥棒なんだぞ!国民が一生懸命働いて国に納めたZEI銀で好き放題遊んで生活しているゴミクズ野郎なんだぞ!お前の食費も!お前の学費も!全部、国民が一生懸命働いて国に治めたZEI銀なんだぞ!お前が今日まで生きてこれたのは俺たち国民が一生懸命働いて、ZEI銀を国に納めてきたからなんだぞ!なのにお前は命の恩人である国民になんの恩返しもしないのか?先生はいつもクラスのみんなに言ってたよな!人に優しくできる人間になれって!今の野村は優しい人間か?違うだろ!今の野村は自分勝手で最低の人間だ‼」
「僕が...最低の人間...?」
「ああ、野村はこのまま最低の人間のままでいいのか?」
「違う!僕は最低の人間じゃない!僕は人に優しくできる人間になりたい!」
「じゃあ、どうすればいいか、わかってるよな?」
「父さんを...学校に...呼ぶ?」
「そうだ!野村!よく言えたな!先生うれしいぞ!じゃあ、いますぐ学校に野村のお父さん、呼べるよな?」
僕は教室にいるクラスメイト達に目線で助けを求める。
でも、クラスメイト達は僕に向かって一斉に罵詈雑言を浴びせてくる。
「おい、野村!とっとと1000万円を学校に呼んで来いよ!」
「ZEI銀泥棒の息子!」
「この国を変えるとか言って、なんにも変えられねぇゼェイジグゥアーなんて、この国に700人以上も必要ねぇんだよ‼」
「そうよ!ゼェイジグゥアーはみんなウソつきよ!」
「早く1000万円ここに呼べよ!」
「お前ら!うるせぇぞ!野村の父親ぶっ殺して1000万円に手に入れるのは先生なんだぞ‼」
「先生...僕は、もうどうすればいいのか、わかりません」
「ったく...仕方ねぇなぁ...!」
先生が僕の顔を殴って、ポケットから僕の携帯電話を盗んだ。
先生は僕の携帯を使って僕の父親と通話を始めた。
「もしもし、野村くんのお父さんですか?私、息子さんの担任の山口です。野村さんの息子さんが大ケガをしてしまいましてね、今すぐ学校までこれませんか?」
『すみません、私、実はゼェイジグゥアーでして、今、1000万円の懸賞金目当ての国民たちに命を狙われているので、私の代わりに妻をそちらに向かわせますね』
「ダメです、奥さんではなく、野村さん本人でなければダメです」
『それは、いったいどういう理由があるんですか?』
「ごちゃごちゃうるせぇよ!さっさと学校に来ねぇと、おめぇの息子バラバラにしてぶっ殺すぞ‼おめぇ!自分の息子が殺されてもいいのかバカ野郎!それでも人の親か‼」
『わ、わかりました...すぐに行きます。そのかわり、息子の命だけは見逃してください』
「さすが、ゼェイジグゥアーですねぇ~よくわかってる!んじゃ、学校で待ってますよ~!」
僕と父さんと先生の通話が終る。
「よかったな野村、お父さん学校に来てくれるって!」
「は、はぁ...」
「よぉ~し、それじゃあ、野村のお父さんが学校に来るまでに『掃除』を終わらせちまうか!」
「『掃除』...?先生、まだ一時間目の授業も始まってませんよ?」
「ああ。俺の1000万円は誰にも渡さねぇぞ!」
先生が上着のポケットからナイフを取り出す。
教室にクラスメイト達の悲鳴が響き渡る。
先生は教室にいた僕のクラスメイト達を全員、斬殺した。
クラスメイトの返り血を浴びた血塗れの先生がポケットから難病の息子が映っている家族の写真を取り出す。
「まってろよ...あと、もうすこしで、パパが絶対に助けてやるからな...!」
その後、学校に来た僕の父さんは先生にナイフで殺された。
僕は恐怖で何もできなかった。
「野村...先生みたいに、いつも人に優しくできる人間になるんだぞ!」
全身血塗れの先生は僕の父親の死体をおんぶすると、教室を出た。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その5 実は子持ちだった年下の彼女との生活のために2000万円の家を買ってしまった自称・冷静沈着を自負しているクソジジィは冷静沈着を自称するのをやめろ‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その5 実は子持ちだった年下の彼女との生活のために2000万円の家を買ってしまった自称・冷静沈着を自負しているクソジジィは冷静沈着を自称するのをやめろ‼

第百六十六話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その5
実は子持ちだった年下の彼女との生活のために2000万円の家を買ってしまった自称・冷静沈着を自負しているクソジジィは冷静沈着を自称するのをやめろ‼
同伊図業具愛・創始者ファイナルマザーを殺害したヴァヴェズィンゾォーンは獄害戯児童に帰還した。
ヴァヴェズィンゾォーンの秘書が急いで上半身裸のヴァヴェズィンゾォーンもとへ走ってくる。
しかし、次の瞬間、秘書の鼻腔を激臭が直撃する。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
ヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から響き渡る奇怪な音に、秘書は激臭の原因に瞬時に気づく。
「すまんな、『能力』の使い過ぎで、持病の腹痛が悪化してしまってね...」
「いえ、それよりも、THE翼が全国のゼェイジグゥアーに宣戦布告をした影響で全国で国民によるゼェイジグゥアー狩りが開始されました...自宅待機中の全国のゼェイジグゥアー達がリーダーであるヴァヴェズィンゾォーン様の指示を待っております」
「なるほど、『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』の時と同じく、懸賞金でもかけたのかね?」
「はい、THE翼は我々、ゼェイジグゥアーの死体1体に1000万円の懸賞金をかけました」
「そうか、なら国民も、我々を本気で殺しに来るな...」
「はい。もうすでに何人ものゼェイジグゥアーが国民によって殺害されています」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「そうか、とりあえず、私は風呂にでも入る...」
「今すぐ、用意させます...!」
「あ、そうだ!」
「ど、どうかいたしましたか?」
「地下にいる約4000人の『グヴァィズィー』の封印を解く...!」
『グヴァィズィー』とは、かつて国内に存在した先天的な社会不適合者たちのことである。
一般的な社会不適合者とは、労働条件を見たした年齢から社会活動を開始して、社会に適応できなくなった者達、つまり後天的な社会不適合者である。
『グヴァィズィー』は、この世に誕生してすぐに社会に適応できないと国に承認された者達、つまり先天的な社会不適合者たちのことである。
つまり、一般的な社会不適合者を悲しきモンスターに例えると、『グヴァィズィー』は生まれながらのモンスターということになる。
では、なぜ、『グヴァィズィー』が封印されたのか説明しよう。
かつて『グヴァィズィー』が刃物で国民を無差別に大量殺害した事件が発生した。
犯行動機は自らが『グヴァィズィー』として生まれてきてしまったという理由で、社会に適応できなかったからという理由であった。
この『大量殺人事件』が発生するまで、『グヴァィズィー』はどんな犯罪を犯しても判断能力不十分として、罪を軽減されてきたのだ。
しかし、この『大量殺人事件』によって、上記のルールは改正され、国内の約4000人の『グヴァィズィー』は全員、刑察に逮捕、地下の隔離施設に監禁、毒ガスで全員殺害された。
そして、国が開発した新薬を無料で全国民に配布して、その新薬を全国民が服用することにより、それ以降、この国に『グヴァィズィー』が誕生することはなかった。
しかし、この流れには一部、誤りがある。
それは、地下に監禁された『グヴァィズィー』が全員毒ガスで殺害されたという部分だ。
実際のところ、地下に監禁された『グヴァィズィー』は全員、地下にコールドスリープされた状態で封印されているのだ。
では、なぜ、『グヴァィズィー』が冷凍された状態で生かされ、封印されたのか?
それは単純に『グヴァィズィー』は凄まじい身体能力も持っているからである。
『グヴァィズィー』は生まれながらに社会に適応できないかわりに、柔軟な肉体、そして人知を超えた反射神経、常人には理解できない思考パターンを持っていたのだ。
それはつまり、鍛え方次第で『グヴァィズィー』は究極の戦闘兵士になることを意味していた。
その可能性に気づいたヴァヴェズィンゾォーンは海外との戦争を見据え、国防のために極秘に獄害戯児童に約4000人の『グヴァィズィー』をコールドスリープさせた状態で地下に封印したのだ。
「今、なんとおっしゃいましたか?」
「だから、『グヴァィズィー』の封印を解くと言ったんだ!」
「しかし、『グヴァィズィー』は表向きにはもう、この国には一人も存在していないことになっています、それに『グヴァィズィー』が再び、世に放たれれば、国民からの批判も大きいと思われますが...!」
「じゃあ、『グヴァィズィー』なしで、我々ゼェイジグゥアーがTHE翼に勝てると、君は本気で思っているのかね?」
「いえ。しかし、『グヴァィズィー』の解放は本来、この国のルールを作り、管理する側の我々ゼェイジグゥアーが、この国のルールを破ることになります!」
「今まで我々ゼェイジグゥアーを支配してきた『同伊図業具愛』は滅びた、それはつまり、この国のルールを決める権利を持っているのはゼェイジグゥアーのリーダーである私だ!」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「しかし、『グヴァィズィー』の解放をデエンノヴォーが承認するでしょうか?」
「今までデエンノヴォーに『ゼェイジ』についてアドバイスしてきた『グゥナァヴィッチョオ』はもう、いない。デエンノヴォーなんて今や、ただの飾りだよ、銃でも突きつければ、すぐに言うことを聞くさ」
「わ、わかりました。では今すぐ、お風呂の準備と、地下の『グヴァィズィー』の封印解除、そして、『グヴァィズィー』の封印解除に伴う、国のルールの改正と、武力でもってデエンノヴォーに新たなに改正された国のルールの承認を行います...!」
「さすが、長年、私の秘書をやっていることだけのことはある、後は頼んだぞ」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
ヴァヴェズィンゾォーンは沸いたばかりの風呂に入る。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
沸いたばかりの風呂が一瞬で茶色に染まる。
「社会不適合者には社会不適合者をぶつければよい...!」

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その6 親と仲がいいからという理由で子供に偉そうな態度で接してくる親の交際相手はドブと生活排水で煮込んだザリガニを食え‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十七話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その6 親と仲がいいからという理由で子供に偉そうな態度で接してくる親の交際相手はドブと生活排水で煮込んだザリガニを食え‼

第百六十七話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その6
親と仲がいいからという理由で子供に偉そうな態度で接してくる親の交際相手はドブと生活排水で煮込んだザリガニを食え‼

THE翼はゼェイジグゥアー1人の死体に1000万円の懸賞金をかけたことを世間に発表した。
これにより、全国各地で国民たちによる『ゼェイジグゥアー狩り』が発生した。
1000万円を求める国民たちが各地でゼェイジグゥアーを殺害し、今度は殺したゼェイジグゥアーの死体をめぐって国民たちのあいだで醜い争いが繰り広げられる。
その一方で、クソカスZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーのヴァヴェズィンゾォーンはTHE翼に対抗するために、獄害戯児童の地下に封印していた『グヴァィズィー』の封印を解くことを決断する。
『グヴァィズィー』とは、この世に誕生してすぐに社会に適応できないと国に承認された者達、つまり先天的な社会不適合者たちのことである。
かつて、どんな罪を犯しても判断能力不十分として、罪を軽減されてきた『グヴァィズィー』。
しかし、『グヴァィズィー』の起こした大量殺人事件がきっかけになり、約4000人の『グヴァィズィー』達は全員、獄害戯児童の地下の隔離施設に監禁され、全員処刑された。
しかし、それは、事実ではない。
実際には、約4000人の『グヴァィズィー』は獄害戯児童の地下でコールドスリープの状態で封印されていたのだ。
ヴァヴェズィンゾォーンは社会に適応できない代わりに、神が『グヴァィズィー』に授けた柔軟な肉体、そして人知を超えた反射神経、常人には理解できない思考パターンを利用して約4000人の『グヴァィズィー』を国防を目的とした最強の生物兵器として利用しようとしていたのだ。
そして、ついに、その時が来た。
ヴァヴェズィンゾォーンの施した教育プログラムによって究極の生物兵器と化した約4000人の『グヴァィズィー』が獄害戯児童から野に放たれたのだ。
生まれながらのモンスターである先天的な社会不適合者、『グヴァィズィー』。
社会のルールに適応できない悲しきモンスターである後天的な社会不適合者、『THE翼』。
社会と言う名の檻ではもはや制御不能な社会不適合者達による究極のバトルが始まろうとしていた。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!ゼェイジグゥアーがあっちに逃げたぞぉぉぉぉぉぉぉッ!殺せぇぇぇぇぇッ‼」
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!俺の1000万円!待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
今日も全国各地で『ゼェイジグゥアー狩り』が発生していた。
ゼェイジグゥアーの死体1体にかけられた懸賞金1000万円を求める国民たちが武器を手に『ゼェイジグゥアー狩り』を追いかけている姿は、原始時代の狩りを彷彿とさせる。
「嫌だぁぁッ!俺は死にたくない!なんでこんな底辺共に俺が襲われなきゃいけねぇんだよ‼」
「おい!おめぇ今なんて言った!」
「おめぇらみてぇな底辺になんで俺が追いかけられなくちゃいけねぇんだよ‼」
「あのゼェイジグゥアー!俺たちのことをバカにしやがった!」
「そうよ!ゼェイジグゥアーなんて結局、私たちの国民のことを見下してるのよ!」
「ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇッ!誰のZEI銀のおかげで生きていられると思ってるんだ!」
「そうだー!ゼェイジグゥアーは死ねぇぇぇぇッ!」
全速力で逃げるゼェイジグゥアーに罵詈雑言を浴びせながら全速力で追いかける国民たち。
しかし、そのゼェイジグゥアーと国民たちの間に1人の少年が入ってきた。
「ゔーあーゔーあー?」
その、少年はゼェイジグゥアーと国民たちを交互に見て、奇怪な声を上げながら首をかしげている。
先程まで逃げていたゼェイジグゥアーが何かを思い出したように喋りはじめる。
「その、顔...!教科書で見たことがあるぞ...!」
ゼェイジグゥアーを追いかけていた国民たちも、突如現れた少年の顔を見て一斉に、なにかに気づき始めた。
「あの特徴的な顔は...!」
「ああ、間違いない、やつらはみんな同じ顔をしていると、学校で教わった!」
「でも、『アレ』は大昔に全員処刑されて絶滅したはずよ!」
「そうだ!おい!ゼェイジグゥアー!なんで『アレ』が『ここ』にいるんだ!あんた達はまた俺たち国民に嘘をついたのか!」
「そ、そんなこと言われても...!俺にもわからん...なぜ!なぜ、『アレ』が生きている...!なぜ、『グヴァィズィー』が生きているんだ‼」
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔあああああああああああああああああッ‼」
両手にナイフを持った『グヴァィズィー』がゼェイジグゥアーを殺そうとしていた国民達に襲いかかる。
「おい!『グヴァィズィー』がこっちに来たぞ!」
「出来損ないのくせに生意気なんだよぉぉぉ‼」
突撃してくる『グヴァィズィー』に応戦する十数人の武装した国民たち。
しかし、刃物を手に持った国民たちの攻撃を『グヴァィズィー』はすべて回避してしまう。
「なぜだ!なぜ、俺たちの攻撃が通用しないんだぁ!」
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ?」
『グヴァィズィー』は国民たちの言葉が理解できず、首を傾げながら、刃物を両手に持った状態でコマのように高速回転を始める。
超高速で回転する刃物のコマと化した『グヴァィズィー』を中心に周囲の国民たちが次々と斬殺されていく。
「あれが『グヴァィズィー』の力!理解力はなさそうだが!なんて恐ろしい戦闘能力なんだ‼」
生まれながらに社会に適応できないかわりに、柔軟な肉体、そして人知を超えた反射神経、常人には理解できない思考パターンを持つ『グヴァィズィー』の力に先程まで逃げていたゼェイジグゥアーは驚きを隠せない。
しかし、国民たちを次々と斬殺する『グヴァィズィー』を遠くからガトリング砲で狙撃しようとしている奴がいた。
「いくら『グヴァィズィー』でも、このガトリング砲には勝てんよ...!」
ガトリング砲から放たれた大量の銃弾が『グヴァィズィー』の背後に襲いかかる。
しかし、『グヴァィズィー』は視線を背後に移す、こともなく、ガトリング砲の銃弾をすべて回避してしまう。
そして、『グヴァィズィー』が回避した銃弾が全て、『グヴァィズィー』を殺そうとしていた住民達に直撃する。
『グヴァィズィー』は背後に視線を向け、狙撃者に向かって無垢な笑みを浮かべる。
「信じられん!あれが...本当に、あの!『グヴァィズィー』だというのか‼」
狙撃者の背後にはいつの間にか、『グヴァィズィー』が立っていた。
「あの短時間で、いつの間に‼」
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ!」
『グヴァィズィー』は無垢な笑みを浮かべたまま、手に持ったナイフで狙撃者の首を切り裂く。
そして、『グヴァィズィー』は ゼェイジグゥアーの前に高速移動する。
「き、君のおかげで、助かったよ...!まさに、バカとハサミはなんとやら...だな!ハハハハハハハハッ!君たちみたいな出来損ないも、やればできるんだよ‼」
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ?」
ゼェイジグゥアーの言葉が理解できない『グヴァィズィー』はゼェイジグゥアーの首をナイフで切り裂く。
『グヴァィズィー』が無垢な笑みを浮かべたまま、空を見上げる。
頭上のヘリから武装した3999体の『グヴァィズィー』達が地面に向かって降下してくる。
同じ顔の、武装した4000人の 『グヴァィズィー』の視線の先にはTHE翼の基地があった。

次回予告 THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼仕事中にずっと喋っている女は授業中にずっと喋っているバカと同レベルだ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十八話 THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼仕事中にずっと喋っている女は授業中にずっと喋っているバカと同レベルだ‼

第百六十八話 THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼仕事中にずっと喋っている女は授業中にずっと喋っているバカと同レベルだ‼

同じ顔の、武装した4000人の 『グヴァィズィー』がTHE翼の基地の窓やコンクリートの壁を突き破って、突入してくる。
THE翼の基地内に緊急事態を知らせる警報が大音量で鳴り響く。
いち早く、現場に着いた武装したTHE翼のメンバーたちが一斉に4000人の『グヴァィズィー』に向かって銃撃を開始する。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔああ‼」
しかし、4000人の『グヴァィズィー』は回避可能な銃弾は全て回避して、回避不可能な銃弾は全て手に持ったナイフで切り裂いていく。
両手にナイフを持った4000人の『グヴァィズィー』は超高速で横に回転しながら銃を持ったTHE翼のメンバーたちに突撃していく。
触れたら一瞬で全身を切り裂かれてしまいそうな超高速で回転する人間コマと化した、『グヴァィズィー』の攻撃に対してTHE翼のメンバーは一斉に銃撃を放つことしかできない。
しかし、銃弾は全て、バラバラに切り裂かれ、『グヴァィズィー』にダメージを与えることができない。
「ゔああああああああああああああああああッ!一体何なんだアイツらは‼」
「みんな同じ顔をしている...そう、あの顔は...おそらく『グヴァィズィー』よ!」
「バカ言ってんじゃねぇよ!『グヴァィズィー』は全員処刑されたって、学校の先生が言ってたぜ!」
「おそらく、隠されていた...来るべき時のために...!」
「それじゃあ、追い詰められたヴァヴェズィンゾォーンが俺達THE翼を壊滅させるために、なんらかの方法で保存しておいた『グヴァィズィー』を生物兵器として利用しているってことか?」
「おそらく、その通りよ、これはヴァヴェズィンゾォーン自身も追い詰めらているという証拠よ!さっきコマンダーからもうすこしで、このフロアに闇崎ムツトが到着する知らせがあったわ!みんな、あと、もう少しの辛抱よ!各隊員は銃撃を続けながら後退せよ!繰り返す!各隊員は銃撃を続けながら後退せよ!」
「「了解‼」」
大量の銃弾が4000人の『グヴァィズィー』に襲いかかる。
それでも、後退しながら銃撃を続けるTHE翼のメンバーたちに向かって両手に刃物を持った状態で超高速で回転する殺人コマと化した『グヴァィズィー』のスピードは変わらない。
「隊長!もう銃弾が足りません!」
「あと、もう少しで闇崎ムツトがこちらに到着する、それまで我慢すんるんだ!ゔぎゃあああああああああああああああああああああああああッ‼」
部下に指示をしていたTHE翼の部隊長の右半身が、両手に刃物を持った状態超高速で回転する殺人コマと化した『グヴァィズィー』の体に巻き込まれる。
電源の入った状態の扇風機の中に突っ込まれた指が切り裂かれるのと同じように、THE翼の部隊長の全身が右半身から、ものすごい速さでキャベツを千切りするように切り裂かれていく。
「いやああああああああああああああああああああああああッ!」
「部隊長‼うぎゃああああああああああああああああああああああッ‼痛いよぉ!」
THE翼のメンバーたちが次々とナイフを両手に持った状態で超高速で回転する4000人の『グヴァィズィー』達によって斬殺されていく。
次々と斬殺され、肉片と化していくTHE翼のメンバーたちを見て4000人の『グヴァィズィー』達が一斉に歓喜を雄たけびを上げる。
「ゔーあーゔーあーゔーあーゔーあーゔーあーゔーあー‼」
しかし、次の瞬間、『狂撃波動』↓が4000人の『グヴァィズィー』に直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
そして、4000人の『グヴァィズィー』達の前に闇崎ムツトが立ちふさがる。
「まさか、そっちから仕掛けてくるとはな!遊びに来てやったぜ!このクソ『グヴァィズィー』どもが‼ 」

次回予告  THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼その2 会社に自分が必要不可欠であると思っているクソババアは自分の年齢と自分の代わりでこの社会にはごまんといることを自覚しろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百六十九話 THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼その2 会社に自分が必要不可欠であると思っているクソババアは自分の年齢と自分の代わりでこの社会にはごまんといることを自覚しろ!

第百六十九話 THE翼 対『グヴァィズィー』‼究極の社会不適合者たち同士が争うの史上最強に醜い戦いが今始まる‼その2 会社に自分が必要不可欠であると思っているクソババアは自分の年齢と自分の代わりでこの社会にはごまんといることを自覚しろ!

THE翼の基地に侵入してくる、武装状態の4000人の『グヴァィズィー』。
突然の奇襲に多くのTHE翼のメンバーたちが4000人の『グヴァィズィー』によって殺害されてしまう。
しかし、窮地に陥ったTHE翼のメンバーを助けるために、4000人の『グヴァィズィー』の前に闇崎ムツトが立ちふさがる。
「まさか、そっちから仕掛けてくるとはな!遊びに来てやったぜ!このクソ『グヴァィズィー』どもが‼ 」
闇崎ムツトは4000人の『グヴァィズィー』に狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
しかし、4000人の『グヴァィズィー』達に狂撃波動が効果を発揮することはなかった。
「狂撃波動が...効いていないだと...!」
その場にいたTHE翼のメンバーが闇崎ムツトに助言する。
「相手は、おそらく『グヴァィズィー』です!」
「なるほど、『狂人』に『狂撃波動』をぶつけても無駄ということか...!」
両手にナイフを持った4000人の『グヴァィズィー』達が一斉に闇崎ムツトに向かって襲いかかってくる。
「くっ、なんてスピードだ!お前らは早くどっかに逃げろ‼」
俺はTHE翼の部下に避難指示を出しながら4000人の『グヴァィズィー』に突撃していく。
俺は4000人の『グヴァィズィー』に突撃が断罪王変神を呪文を叫ぶ。
「シンゴ―‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する
THE翼の基地を突き破るほどの、断罪王オルトロスの巨体の両手足が4000人の『グヴァィズィー』を襲う。
しかし、4000人の『グヴァィズィー』は断罪王オルトロスのパンチやキックをすべて回避して、確実にナイフでダメージを与えてくる。
その攻撃は、断罪王オルトロスの鋼鉄の皮膚を確実に切り裂いていた。
ほぼ同時に4000人の『グヴァィズィー』による斬撃攻撃が断罪王オルトロスの巨体に4000の傷を作っていく。
「ゔああああああああああああああああああああっ!痛いよぉぉぉ!クソ『グヴァィズィー』は全員、死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
4000人の『グヴァィズィー』が奇怪な雄叫びを上げながら、断罪王オルトロスの全身を両手に持ったナイフで切り裂き続ける。
「ゔーあーゔーあーゔーあーゔーあーゔーあーゔーあー‼」
「くっ、貴様らクソ『グヴァィズィー』は悔しくないのか?それほどの力を持ちながら、貴様たちをバカにして地下に閉じ込めたヴァヴェズィンゾォーンの操り人形にされて、悔しくないのか!」
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ?」
「なるほど、俺の言っている言葉の意味がわからないのか?なら、わかるまで、教えてやる!お前たちクソ『グヴァィズィー』が本当に戦うべきは俺たちTHE翼じゃない!おまえ達の本当の敵は、お前たちを社会不適合者として社会から排斥し!蔑み!侮辱し!都合が悪くなったら、貴様らの理解力の乏しさを利用して、好き勝手に貴様たちを操るヴァヴェズィンゾォーンだ!思いだせ!お前たちにだって母が!父が!家族が!友がいたはずだ!同調圧力を利用し、それらからお前たちを引き離し、おまえ達を地下に隔離して世間から表向きに亡き者にしたのはヴァヴェズィンゾォーンだ!おまえ達から大事な人や生活を奪ったヴァヴェズィンゾォーンが、おまえ達は憎くないのか‼」
俺の言葉に4000人の『グヴァィズィー』が首を傾げながらも、涙を流している。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...!」
4000人の『グヴァィズィー』達の脳裏にヴァヴェズィンゾォーンの命令で獄害戯児童の地下に隔離される以前の記憶がよみがえる。
幼いころから周りに、なじめない『グヴァィズィー』に唯一味方をしてくれた優しい母の笑顔。
自らが『グヴァィズィー』であるがゆえに、父は自分を捨てた、しかし、母親だけは、僕を見捨てなかった...。
しかし、とある『グヴァィズィー』が起こした大量殺人事件がきっかけとなり、その事件に関係のない『グヴァィズィー』達も『超危険生命体』として強制的に獄害戯児童の地下に隔離されてしまった。
「超危険生命体『グヴァィズィー』は絶滅しろー‼」
「人間の出来損ないは社会に必要ねぇーんだよ‼」
「このクソ『グヴァィズィー』が!死ねぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
近隣住民の心無い罵倒が飛び交う中、刑察に連行される直前も母親だけは、僕を抱き締めたまま、抵抗を続けた。
刑察が母さんを僕から引き離す。
パトカーに無理やり乗せられた僕を乗せたパトカーが発進する。
パトカーを走って追いかける母親。
獄害戯児童の地下の隔離施設に監禁され、泣き続ける僕と、僕と同じ顔をした『グヴァィズィー』達...。
そうだ、僕は生きている、僕は会いたい、『お母さん』に...!
闇崎ムツトの言葉に、正気と、過去の記憶をとりもどした4000人の『グヴァィズィー』が一斉に動きを止めた。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...!」
断罪王オルトロスへの攻撃を中止した4000人の『グヴァィズィー』が一斉にヴァヴェズィンゾォーンのいる獄害戯児童に向かって移動を開始した。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その7『獄害戯児童』炎上‼子供が成人しても自らを専業主婦と自負して社会活動を全く行わない女に無職やフリーターをバカにする資格はない! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その7『獄害戯児童』炎上‼子供が成人しても自らを専業主婦と自負して社会活動を全く行わない女に無職やフリーターをバカにする資格はない!

第百七十話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その7『獄害戯児童』炎上‼子供が成人しても自らを専業主婦と自負して社会活動を全く行わない女に無職やフリーターをバカにする資格はない!

俺の言葉に正気を取り戻した4000人の『グヴァィズィー』。
4000人の『グヴァィズィー』は自らを社会から排斥したこの国のゼェイジグゥアー達と、ヴァヴェズィンゾォーンに復讐するために、獄害戯児童に向かって移動を開始した。
『グヴァィズィー』の動きに疑問を隠しきれないコマンダーが俺に話しかけてくる。
「闇崎ムツト、これはいったいどうなっているんだ?」
「とにかく、俺達THE翼はこの状況を利用させてもらう」
「ということは、4000人の『グヴァィズィー』を盾にしてゼェイジグゥアーのいる獄害戯児童に侵攻するということだな!」
「その通りだ、4000人の『グヴァィズィー』を盾にして獄害戯児童に侵入した俺達THE翼は獄害戯児童内にいる全てのゼェイジグゥアーを一人残らず皆殺しにする!」
「しかし、獄害戯児童の外にいるゼェイジグゥアーはどうするんだ?」
「そっちは1000万円の懸賞金を求める国民のやつらがなんとかしてくれるさ」
「わかった、では今すぐ、人間爆弾と軍用車の準備をする」
一方、そのころ、獄害戯児童内では。
「大変です、ヴァヴェズィンゾォーン様!国民たちからクレームの電話が鳴り止りません!」
「クレーム?なんのクレームだ?」
「かつて絶滅したはずの『グヴァィズィー』が外出している件についてです...」
「フン、そんなのは『義務教育をやり直せ』とでも言っておけ!」
「しかし、中には、獄害戯児童内の屋上から『グヴァィズィー』がヘリコプターに乗り込むのを見たとのクレームもあります!」
「とりあえず、知らないふりでもしておけ!我々、ゼェイジグゥアーがやってない、知らないと言えば、それがこの国では真実になる。それが、我々、ゼェイジグゥアーに与えられた『権力』というものだ!」
「ヴァヴェズィンゾォーン様、先ほど、現地のスタッフから4000人の『グヴァィズィー』が一斉に獄害戯児童に向かって移動したとの報告がありました!」
「なるほど、出来損ないの飼い犬の分際で、我々ゼェイジグゥアーに反旗を翻すつもりか...あの、クソ『グヴァィズィー』が!誰のせいで生きていられると思ってんだ!あの恩知らずのクソ『グヴァィズィー』が‼」
4000人の『グヴァィズィー』の内の何人かが、近くにあった自動車を持ち上げて、獄害戯児童に向かって投げる。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...ああああああああああああああッ!」
獄害戯児童に直撃した数台の自動車が粉々になるのと同時に爆発する。
獄害戯児童が炎に包まれる。
その光景を見た他の『グヴァィズィー』達も、先ほどの『グヴァィズィー』がしていたように近くにある自動車やバイクやバスを持ち上げて獄害戯児童に投げる。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...ああああああああああああああッ!」
獄害戯児童に直撃した自動車や、バイクや、バスが粉々になるのと同時に爆発して、獄害戯児童を包む炎をさらに大きくする。
炎に包まれ黒い煙を上げる獄害戯児童の中に4000人の『グヴァィズィー』が侵入する。
超耐熱性の防護服を着た警備員たちが4000人の『グヴァィズィー』に向けて一斉に銃撃を開始する。
しかし、警備員たちがトリガーを引いたときには、もう、すでに警備員たちの首は『グヴァィズィー』が両手に持ったナイフで切り裂かれていた。
警備員たちの首が一斉に、獄害戯児童の廊下に落下する。
そして、4000人の『グヴァィズィー』の残虐無比な行為を目の当たりにしたゼェイジグゥアー達が一斉に非常口に向かって移動を開始する。
4000人の『グヴァィズィー』達は非常口に向かって避難を開始したゼェイジグゥアー達を全速力で追いかける。
しかし、非常口の前には、すでに一人の男が立っていた。
「誰だ貴様は!とっとと、そこをどけ‼」
「俺の名前は闇崎ムツト...おまえ達ゼェイジグゥアーのせいで、すべてを失った男だ‼」
「闇崎ムツトだと!」
「そうだ!俺はお前らみたいなクソバカZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーをこの国から一人残らず殲滅する‼くらえ!『狂撃波動』‼」
闇崎ムツトの手の平から『狂撃波動』↓が放たれる。
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非常口に向かって避難しようとしていたゼェイジグゥアー達の脳内に『狂撃波動』↑が流れ込み、ゼェイジグゥアー達の精神を完全破壊すると同時に脳死させる。
『狂撃波動』をくらったゼェイジグゥアー達は両目、両鼻、両耳から大量の血を流しながら脳死した。
床に血塗れの状態で横たわるゼェイジグゥアー達の姿を確認した4000人の『グヴァィズィー』は他のフロアにいる思われるゼェイジグゥアー達を皆殺しにするために移動を開始した。

次回予告 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その8 粛清!血に染まる『獄害戯児童』‼飲酒運転をするやつらは自分や自分の家族が飲酒運転の被害に遭った時のことを想像しろ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その8 粛清!血に染まる『獄害戯児童』‼飲酒運転をするやつらは自分や自分の家族が飲酒運転の被害に遭った時のことを想像しろ‼

第百七十一話 『ZEI銀泥棒粛清作戦・第四段階ゼェイジグゥアー殲滅作戦』その8 粛清!血に染まる『獄害戯児童』‼飲酒運転をするやつらは自分や自分の家族が飲酒運転の被害に遭った時のことを想像しろ‼

4000人の『グヴァィズィー』の攻撃により、爆炎に包まれる獄害戯児童。
俺は獄害戯児童の非常口から避難しようとしていたゼェイジグゥアー達を皆殺しにした。
俺達THE翼はその非常口から獄害戯児童の内部に侵入、ゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンを殺害するために、歩みを進める。
一方、4000人の『グヴァィズィー』も自らを社会から排斥したこの国のゼェイジグゥアー達と、ヴァヴェズィンゾォーンを殺害するために、移動を開始した。
クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーンという共通の敵を殺害するために、THE翼と4000人の『グヴァィズィー』が獄害戯児童の中を駆ける。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...ああああああああああああああッ!」
THE翼より、先に、上のフロアにたどり着いた4000人の『グヴァィズィー』は火災から逃げ惑うゼェイジグゥアー達を次々とナイフで斬殺していく。
その間に、俺達THE翼はさらに上のフロアに上がり、火災から逃げ惑うゼェイジグゥアー達に向かって一斉に銃撃を開始する。
「うらあああああああああああああああッ‼クソバカZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーは皆殺しだぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「なにが世襲ゼェイジグゥアーだぁぁッ!死ねぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
「世襲ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「俺たちのZEI銀を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「線巨の時だけ、どうせ実現できもしねぇ綺麗ごとをデケェ声で言いやがって!この詐欺師どもが!この大嘘つきどもが!俺たちのZEI銀を返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!死ねぇぇぇぇぇッ!」
「俺たちの家族を返せぇぇぇぇぇぇッ!この国のゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
俺達THE翼が一斉発射した銃弾がゼェイジグゥアー達の全身に直撃する度に大きな血しぶきを上げる。
コマンダーがTHE翼のメンバーたちに指示を出す。
「おい、お前ら!気を抜くんじゃないぞ!この国のゼェイジグゥアーは約700人以上いるんだ!ちゃんと銃に銃弾を補充しておくんだぞ‼」
「「了解!」」
爆炎に包まれたゼェイジグゥアー達が非常口に避難するのをあらかじめ想定した、俺達THE翼は、このフロアの非常口で避難しに来たゼェイジグゥアー達を待ち伏せすることにした。
早速、避難してきたゼェイジグゥアー達が俺たちの目の前に現れる。
「誰だ貴様たちは!そこをどきなさい‼」
「そうだ!そこをどけ‼」
俺達THE翼は一斉に銃口をゼェイジグゥアー達に向ける。
「なんなんだね、君たちは!私たちゼェイジグゥアーに向かってその態度は!私がそんな脅しに屈すると思うのか‼」
俺の銃から放たれた銃弾が、口うるさいゼェイジグゥアーの右足をつらぬく。
「お前、本当に自分の立場がわかってんのか!このZEI銀泥棒がぁッ‼」
「い...痛い...!」
「そりゃな、血!出てるだろ!銃で!打たれただろ!痛くねぇわけねぇだろうが!このクソバカZEI銀泥棒!死ね!絶対に死ね!」
「た...たのむ!い、命だけは助けてくれ!見逃してくれたら、私は辞職するから...!今日、娘が孫を出産したばかりなんだ、せめて死ぬ前に孫の顔だけは見させてくれ!」
「おまえの、娘や、孫が、おまえ達ゼェイジグゥアーの薄汚い『ゼェイジ活動』を知ったらいったいどう思うだろうなァ?国民が一生懸命働いて国に収めたZEI銀の無駄使い!
業務中の居眠り!汚職!ZEI銀を使っての使用意図が意味不明な建築物の建造!ZEI銀を使っての旅行!不倫!血が繋がっているという理由だけで、なんの実績もない世襲ゼェイジグゥアーの起用!おまえらさァ、いつも散々テレビで俺達国民に向かってエラそうなことばっか言ってんのに、やってることはホント、クソバカだよなァ?おめぇそこんとこさァ!ゼェイジグゥアーを代表してさァ、今ここで俺達THE翼に土下座して謝罪しろよ!謝罪してくれたらお前も、お前の後ろにいるゼェイジグゥアー達の命も見逃してやるよ‼安心しろよ!俺は絶対に約束は守る男だから‼」
ゼェイジグゥアー達が命欲しさに一斉に俺たちTHE翼に土下座をする。
「わ、わかった!す、すまなかった!ほんとうに、今まで、すまなかった!」
「銃撃開始ィッ!」
俺達THE翼が放った銃弾が土下座した状態のゼェイジグゥアー達の頭部や背中に直撃する。
「おめぇらみてぇな嘘つきどもに、俺たちが約束なんて守るわけがねぇだろ!このクソバカZEI銀泥棒!死ね!バーカ!死ね!それになァ!おめぇらを殺したところで、おめぇらゼェイジグゥアーのせいで死んでいった俺たちTHE翼の家族や友や恋人が戻ってくるわけじゃねぇんだ!おめぇらは、それをわかってねぇから俺たちに簡単に土下座なんて、できんだよ!このクソバカZEI銀泥棒のゼェイジグゥアーどもが死ね!バーカ!死ね!」
俺達THE翼は床で土下座をした状態で死体になってしまったゼェイジグゥアー達の全身を何度も足で踏みつける。
ゼェイジグゥアーが豪華な生活をするのに必要不可欠な、理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで人生を台無しにされたTHE翼のメンバーたちは皆、感動と歓喜に、泣き笑いの表情でゼェイジグゥアー達の死体を何度も踏みつけ、蹴り飛ばす。
その涙は、これまでの戦いが決して無駄ではないことを、皆、実感しているからこそ、流れた涙だったのかもしれない。

次回予告 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ZEI銀の納付は国民の義務であるという具体性も論理性もないクソみたいな価値観をゴリ押しして国民にZEI銀を納付させておきながら、国民が納付したZEI銀が具体的に何に使われたのかを説明しないゼェイジグゥアーは全員爆発しろ‼


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七十二話 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ZEI銀の納付は国民の義務であるという具体性も論理性もないクソみたいな価値観をゴリ押しして国民にZEI銀を納付させておきながら、国民が納付したZEI銀が具体的に何に使われたのかを説明しないゼェイジグゥアーは全員爆発しろ‼

第百七十二話 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ZEI銀の納付は国民の義務であるという具体性も論理性もないクソみたいな価値観をゴリ押しして国民にZEI銀を納付させておきながら、国民が納付したZEI銀が具体的に何に使われたのかを説明しないゼェイジグゥアーは全員爆発しろ‼

『グヴァィズィー』が放火した獄害戯児童に突入した俺達THE翼は非常口へ避難しようとしていたゼェイジグゥアー達を銃撃して殺害した。
ゼェイジグゥアーの主導による、理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収により、家族や友や恋人を奪われたTHE翼のメンバーはゼェイジグゥアー達を銃殺することで、達成感を得たのだった。
それでも、まだ獄害戯児童の中には大勢のゼェイジグゥアー達と、ゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンがいる。
俺達THE翼が本懐を遂げるには、まだ、乗り越えるべき壁は多い。
4000人の『グヴァィズィー』は自らを社会から排斥したヴァヴェズィンゾォーンを殺害するために、階段を駆け上がり続ける。
そして、獄害戯児童の最上階にある、扉は一つ。
扉を開けた先には大浴場があった。
大浴場の風呂のお湯は茶色に染まっており、その中心には、全裸のヴァヴェズィンゾォーンが仁王立ちをしていた。
茶色い湯の中心で、全裸のまま、仁王立ちをするヴァヴェズィンゾォーンの姿を見た4000人の『グヴァィズィー』達は一斉に両手で鼻を抑え、呻き声を上げる。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔ...?ゔああああああああああああああッ!」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
ヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から聞こえてきた奇怪なメロディーに4000人の『グヴァィズィー』達は、自身の嗅覚を刺激する激臭の正体に気づく。
「まったく、飼い主の命令に逆らうなど、君たちは、やはり出来損ないだよ」
ヴァヴェズィンゾォーンの言葉に、4000人の『グヴァィズィー』達が一斉に抗議する。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔあー‼」
「ゔああああああーゔあゔあゔあゔあー‼」
「あゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔああああああッ‼」
「フハハハハハハッ!何を言っているのか、さっぱりわからん!どんなに体がやわらかくても、ろくに言語も話せないんじゃあ、社会から排斥されても仕方がないよなァ?君たち『グヴァィズィー』達にはもう一度、義務教育が必要かもね、おっと失礼、義務教育も、ろくに理解できないから君たちは『グヴァィズィー』と名付けられたんだったね!アヒャッヒャッヒャッ‼ヒィヒャアアアアアン‼ヒィーッ!ヒィーッ!アッハッハッ!笑いが止まんねぇーぜ‼ヒャ―オッ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの挑発に、両手にナイフを持った4000人の『グヴァィズィー』達が一斉に抗議しながらヴァヴェズィンゾォーンに襲いかかる。
「ゔーあーゔーあーゔゔゔゔゔあー‼」
「ゔああああああーゔあゔあゔあゔあー‼」
「あゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔああああああッ‼」
「フン、この出来損ないの雑魚共が...くらえ!ヴァヴェノミグズ‼」
全裸で仁王立ちしたままのヴァヴェズィンゾォーンの背後から『3本の矢』が何度も放たれる。
3本の矢とは...。
1本目の矢で相手の動きを止め。
2本目の矢で相手に大ダメージを与え。
3本目の矢で相手の能力を封印する。
しかし、3本目の相手の能力を封印する矢に関しては、相手の能力が強力であれば、あるほど、封印できる確率は低くなる。
しかし、4000人の『グヴァィズィー』は『常識』外れの身体能力で大量の『3本の矢』をすべて回避する。
「さすが、私がお前たちに4000人の『グヴァィズィー』に施した戦闘プログラムは伊達ではないな...!しかし、これはどうかな?」
4000人の『グヴァィズィー』は、いつのまにか、大量の桜の木に囲まれていた。
「『THE・具羅ヲ未ル害』発動...‼」
桜の木の下の地中から大量の『喪理土喪』が飛び出し、4000人の『グヴァィズィー』に襲いかかる。
この意味不明な現象に『狂撃波動』が通用しない狂気のプロフェショナルである4000人の『グヴァィズィー』達も困惑している。
「ゔーあーゔーあー?ゔゔゔゔゔあー?」
「ゔああああああー?ゔあゔあゔあゔあー?」
「あゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔー?ああああああッ?」
「全世界から狂気の生命体と恐れられた、君たちも、さすがに、これには驚きを隠せないか...!この『喪理土喪』は私の『ゼェイジ』活動の不正をもみ消すために、この領域に拉致して、この桜の木の下で私が精神的に追いつめて自殺させた者達の魂の姿だ!」
両手にナイフを持った4000人の『グヴァィズィー』が大量の『喪理土喪』を切り裂く、しかし、地中から次から次へと、『喪理土喪』が飛び出し、4000人の『グヴァィズィー』の体に『喪理土喪』が抱き着いてくる。
「そして、私の『喪理土喪』に寄生された者は皆...」
「ゔーあーゔーあー?ゔゔゔゔゔあー?」
「ゔああああああー?ゔあゔあゔあゔあー?」
「あゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔあゔー?ああああああッ?」
「我が国が誇る美しい桜の木になる...!」
大量の『喪理土喪』に抱き着かれ、寄生された4000人の『グヴァィズィー』が一斉に桜の木になってしまった。
「これで君たち『グヴァィズィー』は今度こそ、本当の意味で、この社会から絶滅したことになる...‼これで、今、君たちの存在に怯えている国民に、胸を張って君たち『グヴァィズィー』が絶滅したことを宣言できるよ、おまけに支持率も回復できる...‼」
4000人の『グヴァィズィー』が変質した4000本の桜の木が、かすかに動き始めていた...!

次回予告 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼大きな結果を出したスポーツマンを必要以上に聖人として扱う風潮は絶対におかしいんだよ‼スポーツができる=性格がいい?んなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉッ‼ブァーカァッ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七十三話 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼大きな結果を出したスポーツマンを必要以上に聖人として扱う風潮は絶対におかしいんだよ‼スポーツができる=性格がいい?んなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉッ‼ブァーカァッ‼

第百七十三話 究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼大きな結果を出したスポーツマンを必要以上に聖人として扱う風潮は絶対におかしいんだよ‼スポーツができる=性格がいい?んなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉッ‼ブァーカァッ‼

究極の社会不適合者『グヴァィズィー』4000人とクソバカZEI銀泥棒ヴァヴェズィンゾォーンの戦闘が始まった。
しかし、クソバカZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーンが発動した『THE・具羅ヲ未ル害』によって発生した、大量の『喪理土喪』に抱き着かれ、寄生された4000人の『グヴァィズィー』が一斉に桜の木になってしまった。
しかし、4000人の『グヴァィズィー』が変質した4000本の桜の木が、かすかに動き始めていたのだった...!
「桜の木が動いている...!」
状況の変化に気づいたヴァヴェズィンゾォーンの目の前で4000人の『グヴァィズィー』が変質した4000本の木が一斉に粉々になった。
そして、粉々になった4000本の木の中から『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』が飛び出してくる。
突如、復活した4000人の『グヴァィズィー』の『黄色いTシャツ』には『24時間』と書かれていた。
そして、4000人の『グヴァィズィー』の中の一人が、本来『グヴァィズィー』が喋ることが不可能と言われている『言語』を話し始めた。
「驚いたかい?これが僕たちの能力、『プアフェクト・非由万』だ!今の僕たちは『24時間』だけ、『完全』な『人間』になれるんだ...!そう!アイム・ア・『プアフェクト・非由万』‼」
「『グヴァィズィー』が言語を話している...だと...!」
『プアフェクト・非由万』を発動した『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』がまるで『ダンス』を踊る様にヴァヴェズィンゾォーンに襲いかかる。
「フン、出来損ないどもが、いまさら『完全』な『人間』になったところで、いったい、なにができる!所詮、お前らはスタートラインに立ったに過ぎないんだよ!」
ヴァヴェズィンゾォーンが『THE・具羅ヲ未ル害』を発動したことで、地中から大量の
『喪理土喪』が出現し、『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』に襲いかかる。
しかし、『プアフェクト・非由万』を発動した『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』は『ダンス』を踊るような軽快なステップで『喪理土喪』をナイフで次々に破壊していく。
『プアフェクト・非由万』を発動した『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』の、『ダンス』を踊るように繰り出される高速斬撃攻撃に、地中から出現する『喪理土喪』の生産スピードが間にあわない。
「ヴァヴェズィンゾォーン!君は誤解しているよ!この『黄色いTシャツ』を着た、今の僕たちは人間を超えた意味で『24時間』だけ『プアフェクト・非由万』になったんだ!」
『プアフェクト・非由万』を発動した『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』が『ダンス』を踊る様に、ガードが薄くなったヴァヴェズィンゾォーンに向かって一斉に突撃する。
「ならば、お前たちの、その能力を封印させてもらう!つらぬけ!ヴァヴェノミグズ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から放たれた大量の『3本の矢』が一斉に『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を着た4000人の『グヴァィズィー』に向かって襲いかかる。
3本の矢とは...。
1本目の矢で相手の動きを止め。
2本目の矢で相手に大ダメージを与え。
3本目の矢で相手の能力を封印する。
『3本の矢』の直撃を受けた『グヴァィズィー』の上半身から『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』が消滅していく。
「フハハハハハッ!どうだ、ざまァみろォッ!このクソ『グヴァィズィー』どもがァ!おまえ達の能力、『プアフェクト・非由万』を封印してやってたぞ!」
「それは、どうかな...『チャリティー』発動!」
『チャリティー』を発動した『グヴァィズィー』の周囲に空気が光になり、『グヴァィズィー』の上半身に『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を超速再生する。
「なんだ、その能力は...!」
「見ての通り、『チャリティー』は僕たちの周りにある空気を強制的に吸収・支配して、能力と肉体を超速で治癒する力だ。わかりやすく例えると、君たちゼェイジグゥアーが国民に強制している理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収と同じだよ...!」
「納ZEIの義務もなければ、私たちと同じくZEI銀の恩恵を受けている君たち、クソ『グヴァィズィー』どもがZEI銀徴収をバカにするんじゃあないッ!」
「そんなに怒らないでくださいよ、僕たち『グヴァィズィー』と、あなた達『ゼェイジグゥアー』は同じZEI泥棒じゃないですか!」
「おまえ達、出来損ないのクソ『グヴァィズィー』と生まれながらに超エリートな『ゼェイジグゥアー』である俺を一緒にするなァッ!何がZEI泥棒だァッ!納ZEIはなァ!国民の義務なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
ヴァヴェズィンゾォーンが胸の前で両手をクロスさせて、意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼このクソ『グヴァィズィー』どもが!お前たちに私の『鬼無血』を味あわせてやるぞ...‼」
ヴァヴェズィンゾォーンがついに、命がけの『鬼無血』を発動した...‼

次回予告 究極の社会不適合者クソ『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼その2 脅威!『アヴェ聖拳』発動‼クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女はもうすこし自分の体を大切にしろ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百七十四話 究極の社会不適合者クソ『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼その2 脅威!『アヴェ聖拳』発動‼クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女はもうすこし自分の体を大切にしろ‼

第百七十四話 究極の社会不適合者クソ『グヴァィズィー』4000人 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼その2 脅威!『アヴェ聖拳』発動‼クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女はもうすこし自分の体を大切にしろ‼

『プアフェクト・非由万』を発動し、『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を身にまとい、一時的に『完全』な『人間』と化した4000人の『グヴァィズィー』に圧倒されるクソバカZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーン。
『プアフェクト・非由万』を発動した4000人の『グヴァィズィー』に追い詰められた、クソバカZEI銀泥棒ゼェイジグゥアー・ヴァヴェズィンゾォーンはついに、自身の持病を悪化させるリスクを承知で『鬼無血』を発動させる。
ヴァヴェズィンゾォーンが胸の前で両手をクロスさせて、意味不明な呪文を唱え始める。
「웅어ㅔ부주]벚웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배웅어웅어웅어ㅔ부주]벚ㄷ배...너ㅔ부주]벚ㄷ배너ㅔ부주]벚ㄷ배너웅어ㅔ부주]...벚ㄷ배너너ㄷ배너웅어ㅔ부웅어...ㅔ부주]벚ㄷ배너주]벚ㄷ배너...‼このクソ『グヴァィズィー』どもが!お前たちに私の『鬼無血』を味あわせてやるぞ...‼」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
奇怪な音と共にヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から『茶色いなにか』が飛び出して、浴槽のお湯に溶けていく。
4000人の『グヴァィズィー』との戦闘の前から、持病の腹痛が原因で、ヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から、定期的に、『茶色いなにか』が飛び出していた影響で、浴槽のお湯は茶色に染まっていた。
そして、浴槽にたまった激臭を放つ『茶色いお湯』が『鬼無血』を発動したヴァヴェズィンゾォーンの全身に重力を無視して、集合していく。
ヴァヴェズィンゾォーンの下腹部から飛び出した『茶色いなにか』と浴槽にたまった『お湯』が1つになった『茶色いお湯』がヴァヴェズィンゾォーンの全身を包み、『鎧』に変化する。
激臭を放つ、『茶色いお湯』が変化した『鎧』を全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンが4000人の『グヴァィズィー』に向かって正拳突きのポーズをとる。
次の瞬間、ヴァヴェズィンゾォーンの拳から、目に見えない激臭と衝撃波が放たれ、4000人の『グヴァィズィー』が一斉に、壁に叩きつけられ、壁に4000個のクレーターを作る。
「これが、私の『鬼無血』...『亜ヴェ聖拳』だ...‼」
そう、同伊図業具愛・総本部十闘神に与えられた肉体強化術『鬼無血』は本来、術者の肉体を巨大化させるのが特徴的であるが、ヴァヴェズィンゾォーンの『鬼無血』は通常の人間サイズのまま、持病やストレスにより、自身の下腹部から飛び出した『茶色いなにか』を全身にまとうことで人間を遥かに超越した力を手に入れる『鬼無血』、そして、この鬼無血・『亜ヴェ聖拳』は今は亡き同伊図業具愛・総本部十闘神の『鬼無血』の中でも最強と言われている。
「そんな...僕たちは...『プアフェクト・非由万』によって、常人を超えた『完全な人間』になったはずなのに...!」
『亜ヴェ聖拳』の放つ激臭と衝撃波により、壁に叩きつけられた4000人の『グヴァィズィー』は皆、一斉に、口から大量の血を吐いている。
「私は、今まで、この国を陰で支配していた同伊図業具愛・総本部を滅ぼし、この国をカルト教団・同伊図業具愛から取り戻すために、己を徹底的に鍛え上げてきた。つまり、私は私一人で、人間離れした力を持つ、同伊図業具愛・総本部十闘神を全員倒すことを目標にして鍛錬を積んできた!その私が一時的に常人を超えた貴様ら出来損ないのクソ『グヴァィズィー』どもに負けるわけがねぇだろうが!このクソ『グヴァィズィー』が!死ね!バーカ!」
激臭を放つ『茶色いなにか』でできた鎧を全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンが目の前の空気に向かって思いっきり正拳突きを突く。
「くらえ!『亜ヴェ聖拳』‼」
激臭を伴った目に見えない衝撃波が壁に全身がめり込んだ状態の4000人の『グヴァィズィー』に直撃する。
『プアフェクト・非由万』を発動した4000人の『グヴァィズィー』が身にまとっていた『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』が一斉に粉々になっていく。
「これだけ、やって、Tシャツしか、破壊できないのか、さすがにしぶといな...!」
「そうさ!僕たち『グヴァィズィー』には『チャリティー』がある!何度やっても無駄だよ!」
次の瞬間、4000人の『グヴァィズィー』が発動した『チャリティー』によって、周囲の空気が光の粒子になり『24時間』と書かれた『黄色いTシャツ』を再生していく。
激臭を放つ『茶色いなにか』でできた鎧を全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンが目の前の空気に向かって思いっきり正拳突きを突く。
しかし、その回数は一回では終わらない。
ヴァヴェズィンゾォーンは目の前の空気に向かって思いっきり正拳突きを、目には見えない速度で一億回、突く。
「『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』‼」
『茶色いなにか』で構築された鎧を全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンの拳から『激臭』をともなう『一億本の光の矢』が4000人の『グヴァィズィー』に向かって放たれる。
『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』の『激臭』をともなう『一億本の光の矢』が4000人の『グヴァィズィー』に直撃する。
4000人の『グヴァィズィー』が一瞬で光になって消滅していく。
「ゔああああああああああああッ!体が光になって消えていく!だめだ!『チャリティー』を発動しても再生が追いつかない!ちくしょう!嫌だ!死にたくない!俺はあんたを殺して母さんのところに帰るんだァァァァァァッ‼」
「『異』次元の『香』りを纏った『一億』本の光の『矢』によって、相手に『苦』痛と『死』を与える...!それが『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』だ‼」
浴室に侵入してきた闇崎ムツトとTHE翼のメンバーが4000人の『グヴァィズィー』消滅させたヴァヴェズィンゾォーンの前に現れる。
闇崎ムツトとTHE翼のメンバーが『茶色いなにか』を全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンに向かって中指を立てながら暴言を吐く。
「死ね!ヴァヴェズィンゾォーン!このクソバカ・ゼェイジグゥアー‼死ね‼」
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇZEI銀泥棒!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼死ね!」
「このクソバカZEI銀泥棒!同伊図業具愛の操り人形!死ね!ヴァヴェズィンゾォーン死ね!クソバカ・ゼェイジグゥアー死ね‼」
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!ヴァヴェズィンゾォーン‼今死ね!すぐ死ね!絶対死ね!ZEI銀泥棒は死ね!ゼェイジグゥアーは全員死ね!死にたくなくても死ね‼」
『鬼無血』発動により、全身に『茶色いなにか』を身にまとったヴァヴェズィンゾォーンから放たれた激臭が、暴言を吐いていたTHE翼のメンバーたちの鼻腔を突き抜ける。
「「ゔぉえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ‼」」
全身に『茶色いなにか』を身にまとったヴァヴェズィンゾォーンから放たれた激臭を嗅覚で感じてしまったTHE翼のメンバーが一斉に嘔吐して、白目をむいて気絶してしまう。
「とうとう、ここまで来たか、闇崎ムツト...!」
「死ね...死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
「闇崎ムツトよ、私の仲間になれ...!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼迫られる選択!開かされる真実‼真に戦うべき相手とは?クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は生足以外にもっと誇れるなにかを自分自身の中から見つけろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百七十五話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼迫られる選択!開かされる真実‼真に戦うべき相手とは?クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は生足以外にもっと誇れるなにかを自分自身の中から見つけろ!

第百七十五話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼迫られる選択!開かされる真実‼真に戦うべき相手とは?クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は生足以外にもっと誇れるなにかを自分自身の中から見つけろ!

『亜ヴェ聖拳』を発動したヴァヴェズィンゾォーンは、持病の腹痛により下腹部から飛び出た『茶色いなにか』を鎧のように、全身にまとい、『プアフェクト・非由万』を発動した4000人の『グヴァィズィー』に立ち向かう。
『亜ヴェ聖拳』を発動したヴァヴェズィンゾォーンの拳から放たれた『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』によって4000人の『グヴァィズィー』は消滅。
そして、激臭を放つ浴室にたどり着いたTHE翼のメンバーたちから罵詈雑言をぶつけられたヴァヴェズィンゾォーンは、闇崎ムツトにある提案をする。
「闇崎ムツトよ、私の仲間になれ...!」
「なんだお前?もしかして俺に殺されるのが怖くなったのか?」
「違う、君はもう知っているはずだ、私が同伊図業具愛・総本部・創始者のファイナルマザーを殺して、同伊図業具愛の支配から、この国を解放したことを!」
「だったらなんだ!それはおまえ達にとって同伊図業具愛が目障りだっただけだろ!それと俺といったい何の関係があるんだ?」
「私がなぜ、同伊図業具愛を壊滅させたか、君はわかるかい?」
「ああ、陰からこの国のゼェイジグゥアーとルールを支配していた同伊図業具愛を滅ぼすためだろ?」
「その通りだ、でも、それは始まりに過ぎない...!」
「なんだと!俺達THE翼以外のいったい誰と戦うっていうんだ?」
「海の向こう側のやつらだよ」
「海の向こう側のやつら...!それって海外の軍隊のことか?」
「ああ、この国は『核兵器』をもっていない、それは海外の軍隊にしてみれば、『玄関の扉が施錠されていない状態の家』と同じだ。つまり、玄関の扉が施錠されていない状態の家では、泥棒に何をされても仕方がないということだ。泥棒に家の金品を盗まれても、居住者を殺されても、それは単純に、玄関の扉を施錠していないかったから、という理由で完結してしまう。そして、この国が『核兵器』を持たないということは、いつ海外の軍隊に侵略されてもおかしくないということだ」
『核兵器』、それは俺たちの国は持っていること自体が禁忌とされている、禁断の殺戮兵器である。
多くの命を滅ぼすだけでなく、『核兵器』が使用された周囲の人間の人体を汚染し蝕む悪魔の兵器、それが『核兵器』だ。
「じゃあ、俺たちの国が『核兵器』を持てば、海外の軍隊は攻めてこないのか?」
「それはわからん、しかし、我が国が『核兵器』を持っていれば、それは『切り札』になる、例え、使わずとも、『核兵器』を持っているだけで、海外の軍隊に『核兵器』という名のナイフをのど元に突きたてられても、我が国も『核兵器』という名のナイフを海外の軍隊の、のど元に突き立てることができる。それは、わかりやすく言えば、お互いの国が『核兵器』をもっているという事実で、お互いの国の国民の命を人質にすることで、戦争を事前に、回避することができるということだ」
「じゃあ、お前は、この国に『核兵器』を所有することができるルールを作るために、同伊図業具愛・総本部を壊滅させたんだな?」
「その通りだ、同伊図業具愛・総本部・創始者のファイナルマザーは我が国が『核兵器』を持つことに反対していた。それは、単純にやつらの支配下にある我が国が『核兵器』を持てば、我が国が『核兵器』を用いて反旗を翻し、国同士の勢力図がいつ変化してもおかしくない。つまり、我々が『核兵器』という大きな力を持つということはファイナルマザーにとっても面白くなかったのだ、だから私は同伊図業具愛を内部から破壊するために、同伊図業具愛に嫌々入信して『鬼無血』を学び、『亜ヴェ聖拳』という大きな力を得るために鍛錬を重ねた。しかし、行き過ぎた鍛錬は己の身を蝕み、私は長い間、強烈な腹痛に悩まされることになった...!」
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「そして、その持病で自分の力を最大限に発揮できなくなったお前は、遺跡から発掘した禁断の古代兵器『黒双銃オルトロス』と『白聖剣ケルベロス』を俺が収監されていた『聖少年刑務所』に敷地内にある研究所に研究を依頼して、匿名でTHE翼に研究所に禁断の古代兵器『黒双銃オルトロス』と『白聖剣ケルベロス』が保管されているとの情報を流した...!そして、THE翼というテロリストにかつて文明を幾度も滅ぼした禁断の古代兵器『黒双銃オルトロス』という力を与え、同伊図業具愛・総本部十闘神と戦わせるように仕向けた...!」
「その通りだよ、よくわかったね」
「ああ、全部、身我魔矢ヤヅデから聞かせてもらった。つまり、あんたは俺たちTHE翼を利用して同伊図業具愛・総本部をぶっ壊す手伝いをさせていたってことだろ!」
「その通り。なら話は早い、闇崎ムツト、私と手を組んで、この国で『核兵器』を開発して、ともに海外の軍隊と戦おうではないか!」
「『核兵器』は所有するのみで、戦争開始の抑止力に使うんじゃないのかよ!」
「その通りだよ、でも、我が国が核を持てば、海外の軍隊は必ず、何かしらの攻撃を仕掛けてくる!その時は、私がこの国で開発、生産した『核兵器』と君の『断罪王オルトロス』で海外の軍隊の侵攻から、この国を守るんだ!」
「でも、まだお前は同伊図業具愛・総本部を壊滅させた後も、この国で『核兵器』を開発・生産していない!それは、まだデエンノヴォーがこの国の『核兵器』の所有を認めていないからなんじゃないのか?」
「それなら、心配いらないよ、『デエンノヴォー』にサポートする『グゥナァヴィッチョオ』は君たちTHE翼が全員、殺してくれたからね。あとは『デエンノヴォー』に銃でも突きつけて、この国の『核兵器』の所有について『YES』と言わせるだけさ...!」
「つまり、『デエンノヴォー』をサポートする『グゥナァヴィッチョオ』が全員死亡した今、『デエンノヴォー』はおまえ達『ゼェイジグゥアー』の言いなりってことだな」
「そうだ、この国は、すでに、『デエンノヴォー』の、ものでもなければ、『同伊図業具愛・総本部』の、ものでもない!この国を支配しているのは『ゼェイジグゥアー』のリーダーであるこの私、ヴァヴェズィンゾォーンだ‼」
「そうかい...でも、俺はお前の仲間にはならない!」
「なんだと!」
「お前の仲間になっても、俺が失ったものは帰ってこない!そのせいで傷ついた俺の心の傷が消えるわけじゃない!俺が俺自身を救うには、俺が!俺達THE翼が!お前たちクソバカZEI泥棒『ゼェイジグゥアー』をこの世界から一人残らず殲滅するしかないんだ‼」
「愚かな...!同じ国の人間同士で争うなんて、あまりにも無意味だ!闇崎ムツト!君はこの国が大切ではないのかね!」
「うるせぇ!クソバカZEI泥棒『ゼェイジグゥアー』は死ねぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼その2 放たれる悪意!放たれる罵詈雑言!クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は自分を犠牲にすることでいったいなにを得ることができるのかよく考えろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百七十六話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その2 放たれる悪意!放たれる罵詈雑言!クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は自分を犠牲にすることでいったいなにを得ることができるのかよく考えろ!

第百七十六話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その2 放たれる悪意!放たれる罵詈雑言!クソ寒いのにスカートをはいて生足を出している女は自分を犠牲にすることでいったいなにを得ることができるのかよく考えろ!

『核兵器』を所有していない、この国が、いつ海外の国々から侵略されても、おかしくない状態であることを闇崎ムツトに訴えるヴァヴェズィンゾォーン。
そして、この国の『核兵器』の所有という野望を実現させるために、ヴァヴェズィンゾォーンの手の平の上で踊らされていたことを知った闇崎ムツト。
ヴァヴェズィンゾォーンは闇崎ムツトに、これまでの全てを明かし、共に戦うように手を差し伸べる。
しかし、闇崎ムツトから、帰ってきた答えはコレ↓だった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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闇崎ムツトが黒双銃オルトロスの銃口から放った『狂撃波動』が『亜ヴェ聖拳』を発動したヴァヴェズィンゾォーンに向かって放たれる。
持病の腹痛により、自身の下腹部から飛び出した『茶色いなにか』を究極の鎧にして、まとったヴァヴェズィンゾォーンに『狂撃波動』が直撃する。
「その攻撃が私に、効果がないことは、君が一番よくわかっているはずだ...!」
「くっ...!」
「『亜ヴェ聖拳』の発動、そして持病の腹痛により、自らの体内から下腹部へと飛び出した『茶色いなにか』を全身にまとっている、まさに狂気の化身である、今の私に『狂撃波動』が通じるわけがない...!」
この国の心臓であり、『ゼェイジグゥアー』の本拠地でもある獄害戯児童の壁が一斉に爆破される。
THE翼が捕虜に催眠暗示をかけて、全身に超威力の小型爆弾を装着した人間爆弾が運転するバイク200台が爆破された壁を突き破って、ヴァヴェズィンゾォーンに向かって突進してくる。
「なんだこれは!そうか!THE翼の増援か!」
「みんな...!助けに来てくれたのか!でも...!」
「闇崎ムツトさん!コレを!」
THE翼のメンバーが遠くからガスマスクをぶん投げてくる。
俺はTHE翼のメンバーたちの行動パターンを瞬時に予測して、顔にガスマスクをつける。
「くだらん、くらえ!『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』‼」
茶色いなにかを全身にまとったヴァヴェズィンゾォーンの拳から放たれた一億の本の光の矢が人間爆弾が運転するバイク200台に向かって放たれる。
しかし、その直前にガスマスクをしたTHE翼のメンバー達が放ったバズーカ砲の砲弾200発が200台のバイクに直撃して、人間爆弾が運転するバイク200台が一斉に爆発する。
「THE翼のやつら...自らの武器である人間爆弾が運転するバイクに、なぜ攻撃をするんだ...?なぜガスマスクを顔に着けている?いったい何を考えているんだ?」
THE翼の放った200発の砲弾によって爆破された人間爆弾が運転するバイクから、大量の毒ガスが放たれる。
「やつらのガスマスクに...この匂いは...まさか!」
そう、真っ向勝負で勝てないことを想定したTHE翼のメンバーは、人間爆弾が運転するバイクに超強力な毒ガスを仕込んでいたのだ。
そしてヴァヴェズィンゾォーンの拳から放たれた、『一億装香津矢苦・死矢香異』の一億本の光の矢に、毒ガスを人間爆弾が運転するバイクごと、完全に消滅される前に、バズーカ砲で人間爆弾が運転するバイクを狙撃したのだ。
そして、その毒ガスに含まれた毒がヴァヴェズィンゾォーンの体を、今まさに、蝕んでいた。
ブリブリブリブリィィィィィィィィィィィィッ‼
「血が混じっている...!」
持病の腹痛により、自らの下腹部から飛び出した『茶色いないか』に血液が混ざっているのを確認したヴァヴェズィンゾォーンは自身の身に起こった状況を整理する。
「なるほど...私が『事前に自分の視力で狙いを定めた毒ガスが仕込まれた人間爆弾が運転するバイク』なら『一億装香津矢苦・死矢香異』で完全に消滅させることはできるが、『想定外のタイミングで放たれた毒ガス』は、瞬時に狙いを定めることは不可能、完全に消滅させることはできない...!考えたな、THE翼め...!」
そして、ヴァヴェズィンゾォーンは口から吐しゃ物と一緒に大量の血を吐き出す。
「ゔええええええええええええええええええええええええええええええゔろおぉぉぉぉッ‼ゔるゔるゔるゔるゔろぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
ガスマスクをしたTHE翼のメンバーたちは、吐血と吐しゃを同時に行うヴァヴェズィンゾォーンに向かって一斉に手に持った石を投げながら、心無い罵詈雑言をぶつける。
「なにが『亜ヴェ聖拳』だ!死ね!どうでもいいが、ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇッ!」
「なにが『ヴァヴェノミグズ』だァ!このクソバカ『ゼェイジグゥアー』‼このクソバカZEI銀泥棒‼死ねぇぇぇッ!ヴァヴェズィンゾォーン死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇッ!」
「ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇッ!絶対死ねぇぇぇぇッ!嘘つき野郎にこの国を思い通りにさせるなぁぁぁぁぁッ‼」
「ヴァヴェズィンゾォーン!お前が世間に発表した、あれこれさァ!まだ、なんにも結果出してねぇよなァ!実現できねぇならとっと、その仕事やめちまえよ、このZEI銀泥棒が!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「俺が昨日彼女にフラれたのはたぶん、お前のせいだ!とりあえず死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「そうよ!私がモテないもの全部、あんたのせいよ!とりあえず死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「おいヴァヴェズィンゾォーン!お前の嫁、ブスすぎんだろ!しかも、なんだあの服のセンス! あのクソみてぇな白いドレス!なんだ、あのラッパみてぇな袖は!なんだ、あのスカートは!ババァでしかもブスのくせに足なんか出してんじゃねぇよぉッ!バーカッ‼おめぇの嫁は自分の年齢も数えられねぇのか?おめぇの嫁、ぜってー『グヴァィズィー』だって!クソ『グヴァィズィー』と『ゼェイジグゥアー』は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!ZEI銀泥棒は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から禍々しいオーラが沸き立つ...!

次回予告 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その3 飛び交う罵詈雑言!魂の叫び!善人と悪人が存在するのはフィクションの中だけだ!この世の人間は皆、いいところもあれば悪いところもある人間だ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百七十七話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その3 飛び交う罵詈雑言!魂の叫び!善人と悪人が存在するのはフィクションの中だけだ!この世の人間は皆、いいところもあれば悪いところもある人間だ‼

第百七十七話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その3 飛び交う罵詈雑言!魂の叫び!善人と悪人が存在するのはフィクションの中だけだ!この世の人間は皆、いいところもあれば悪いところもある人間だ‼

ガスマスクをしたTHE翼の毒ガス攻撃により、大ダメージを負うクソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン。
そして、体内を駆け巡る毒に苦しむヴァヴェズィンゾォーンに対してTHE翼のメンバーたちは心無い罵詈雑言をぶつける。
「なにが『亜ヴェ聖拳』だ!死ね!どうでもいいが、ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇッ!」
「なにが『ヴァヴェノミグズ』だァ!このクソバカ『ゼェイジグゥアー』‼このクソバカZEI銀泥棒‼死ねぇぇぇッ!ヴァヴェズィンゾォーン死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇッ!」
「おいヴァヴェズィンゾォーン!お前の嫁、ブスすぎんだろ!しかも、なんだあの服のセンス! あのクソみてぇな白いドレス!なんだ、あのラッパみてぇな袖は!なんだ、あのスカートは!ババァでしかもブスのくせに足なんか出してんじゃねぇよぉッ!バーカッ‼おめぇの嫁は自分の年齢も数えられねぇのか?おめぇの嫁、ぜってー『グヴァィズィー』だって!クソ『グヴァィズィー』と『ゼェイジグゥアー』は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!ZEI銀泥棒は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ヴァヴェズィンゾォーンの全身から禍々しいオーラが沸き立つ...!
毒ガスで重傷を負いながらも、体から禍々しいオーラを放つヴァヴェズィンゾォーン。
「さっきから黙って聞いていれば!調子こいてんじゃねぇぞ!このクソ餓鬼どもがァァァァァァァッ!」
怒りを爆発させたヴァヴェズィンゾォーンの姿に、ガスマスクを顔につけた俺もTHE翼のメンバー達も一瞬、動きを止めてしまう。
「おまえら国民は結局、自分たちに金と力がないのを我々『ゼェイジグゥアー』のせいにしたいだけだ!お前たちはなんだかんだいって、大したことしねぇのに、いい給料をもらって豪華な生活をしている我々『ゼェイジグゥアー』がうらやましいだけなんだ!自分たちの未熟な部分を無理矢理、外部に見いだし、数の力で侮辱し貶める!お前たち国民は!いやTHE翼は!自分たちが社会不適合者であるという理由を自分自身ではなく、私たち『ゼェイジグゥアー』のせいにしたいだけなんだ!我々『ゼェイジグゥアー』を非難する前にもっと自分自身と向き合えよ!現実を見ろよ!それができないからお前たちTHE翼はいつになっても社会不適合者のままなんだよ!ゔええええええええええええええええええええええええええええええゔろおぉぉぉぉッ‼ゔるゔるゔるゔるゔろぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
怒りを爆発させたヴァヴェズィンゾォーンが口から大量の血と吐しゃ物を同時に吐き出す。
「なんだ、その言いぐさは!お前たち『ゼェイジグゥアー』の、その豪華な生活のためにいったい、今まで何人の国民がお前たち『ゼェイジグゥアー』の理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収で大切な人と命を失ったと思っているんだ!金持ちも貧乏人も関係なく、自らが私腹を肥やすためだけに一生懸命働いた労働者の給料の一部を強制的に横取りして成り立ってきたその豪華な生活のために!俺は!俺たちTHE翼の仲間たちは!大切な家族や友や恋人を失ったんだぞ!本来、国をよくしなければならない立場のお前たち『ゼェイジグゥアー』の愚行のせいで、大勢の人々が嘆き哀しみ苦しみながら命を落とした!お前たち『ゼェイジグゥアー』は人殺しだ!お前がどんなに自らの正しさを主張しようと、お前たち『ゼェイジグゥアー』のせいで失われた命は戻ってこない!お前たち『ゼェイジグゥアー』は絶対に死ね‼」
「このクソ餓鬼がァ!ならお前はこの世界にそんざいする全ての人類が皆、平等に幸せになれると思っているのか?そんなの無理に決まってるだろ!お前の言っていることは、この世界に生きるすべての人々が皆、平等に幸せに生きることができる世界を俺たち『ゼェイジグゥアー』に作れと言っているのと同じだ!」
「それが本来、お前たち『ゼェイジグゥアー』の仕事じゃないのか?国民は皆、それを望んでこの国にZEI銀を納めているんだ!でも、お前たち『ゼェイジグゥアー』は口だけで何もしない!国民からもらうものだけもらって何もしない!この国のリーダーであるお前は知っているはずだ!この国で毎年1万人以上の自殺者が出ていることを!お前たち『ゼェイジグゥアー』はそれを知っていながら人口を減らさずに、増やそうとしている!人口が増えれば、一年あたりの自殺者の数もまた、変わらないことを知っていながら!それはつまり、お前たちは国民の数を増やして、その国民がこの国に納めるZEI銀で豪華な生活をしたいだけだ!大して働かずに楽をしたいだけだ!でも、そのために毎年、なんの罪もない国民が一万人以上が自殺している!そういった弱者を助けるのがお前たち『ゼェイジグゥアー』の仕事じゃないのかよ‼」
「ケッ!お前の言っているその、毎年自殺してる一万人以上の国民とやらが、なんで自殺しなきゃいけないのかわかるか?答えは簡単だよ!生きる能力がない人間に生きる資格はないからだ!勝手に私たち『ゼェイジグゥアー』のせいにするんじゃねぇよ‼ゔええええええええええええええええええええええええええええええゔろおぉぉぉぉッ‼ゔるゔるゔるゔるゔろぉぉぉぉぉぉぉッ‼」」
怒りを爆発させたヴァヴェズィンゾォーンが口から大量の血と吐しゃ物を同時に吐き出す。
「死ね‼」
「そうだ!死ね‼」
「ヴァヴェズィンゾォーン死ね‼」
「『ゼェイジグゥアー』は全員死ね‼」
「お前の嫁ブスすぎんだろ!ファッションセンスなさすぎ!もっとよく鏡見ろ!死ね‼」
「なんだお前ら...言い返せなくなったら、そうやって、死ね死ねいいやがって、お前達、THE翼は、そうやって自ら、自分自身が社会不適合者であることを言葉でもって私にアピールしていることにまだ気づかないのか?このクソバカ野郎どもが‼」
「言いたいことは、それだけか!ヴァヴェズィンゾォーン‼最後に一つ聞ききたいことがある!お前たちが、監禁したデエンノヴォーはどこにいる?俺の父親はまだ刑務所で生きているのか?」
「最後に...だと?お前は勘違いをしている...!」
「なんだと!」
「『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』‼」
次回予告 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その4 狂気の連鎖!限界を超える狂撃波動!自分より弱い人間を見下さないと自分の存在価値を感じることができない人間は他人を見下す以外の方法で自分を愛せる人間になれ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第百七十八話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その4 狂気の連鎖!限界を超える狂撃波動!自分より弱い人間を見下さないと自分の存在価値を感じることができない人間は他人を見下す以外の方法で自分を愛せる人間になれ!

第百七十八話 断罪王オルトロス 対 クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼ その4 狂気の連鎖!限界を超える狂撃波動!自分より弱い人間を見下さないと自分の存在価値を感じることができない人間は他人を見下す以外の方法で自分を愛せる人間になれ!

THE翼のメンバーたちが獄害戯児童の中にバラ撒いた毒ガスにより、死にかけていたヴァヴェズィンゾォーン。
しかし、瀕死のヴァヴェズィンゾォーンは最後の抵抗とばかりに、俺たちTHE翼に向かって『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』を放つ。
「『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』‼」
「あのクソバカZEI泥棒め!まだ、あんな力が残っていたのか‼しかも嫁がブスすぎるだろ‼」
ヴァヴェズィンゾォーンの拳から放たれた一億本の光の矢がTHE翼のメンバーたちの体をつらぬく。
光の矢の直撃を受けたTHE翼のメンバーたちが一斉に消滅していく。
「な、なぜ俺を生かしたんだ!クソバカZEI泥棒ヴァヴェズィンゾォーン‼」
「言ったはずだ、ともに海外の侵略の魔の手から、この国を守ろうと...!」
「俺が、俺の仲間を殺したお前と、本気で手を組むと思ってるのか‼」
「もちろん、闇崎ムツト...君が私と手を組むのなら、君の父親を刑務所から解放してやってもいい!」
「なんだと‼」
そう、俺の父親は納付期限までに、この国にZEI銀を納めていないという理由だけで、刑察に捕まり、死刑囚として刑務所に収監されているのだ。
「どうだ?いい提案だろう?」
「ふざけるな!なにが刑務所から解放してやってもいいだ!そもそも、お前たちゼェイジグゥアーとデエンノヴォーのためにZEI銀を納めていないだけで、俺の父親が死刑囚にされ、刑務所に収監されていること自体がおかしいんだ‼」
「なら...死ぬか?私の...『亜ヴェ聖拳』で...!」
「お前、なぜ毒に体を蝕まれた状態でそこまで戦えるんだ!」
「私は自身の体内に『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』を放ち、体内の毒を消滅させただけだ...!」
「それでも持病の腹痛は、消滅させることができないようだな!」
「くだらん挑発はよせ、これが最終警告だ...!闇崎ムツト...私の仲間になれ!」
俺の答えは、もう決まっていた。
そう、お前たちゼェイジグゥアーとデエンノヴォーの理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収ですべてを失った、『あの日』から‼
「シンゴー‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスに変神した俺は『無限モード』を発動する。
「1分間以内にお前をぶっ殺してやる!」
「そうか、それがお前の答えか、なら!『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』‼」
直撃したもの全てを完全に消滅させる一億本の光の矢が『無限モード』を発動させた断罪王オルトロスに向かって放たれる。
「くらえ‼狂撃波動‼黒双!オルトロスインパクト‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤‼』
「くだらん!その技は私に通じないことは、もうすでにわかっているはずだ‼」
「まだまだァ‼狂撃波動‼黒双!オルトロスインパクト‼」
俺は既に放った狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトに向かって、さらに狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを放つ。
「もう一度だァ‼狂撃波動‼黒双!オルトロスインパクト‼」
俺は既に放った狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトに向かって放った狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトに向かって、さらに狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトを放つ。
『狂気』に『狂気』を重ね、そして、その『狂気』に更なる『狂気』を重ねることで、狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトの波動が風船が膨らむ様に大きくなっていく。
そして、『無限モード』発動状態で放たれた3発分の狂撃波動・黒双・オルトロスインパクトが一つになった『インフィニティーオルトロスインパクト』が『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』の一億本の矢を消滅させる。
「なんだと!」
「『無限モード』を発動した状態で放つ狂撃波動の威力は、『無限モード』発動前の狂撃波動より超強力になっているんだよぉぉぉぉッ‼」
『亜ヴェ聖拳』奥義・『一億装香津矢苦・死矢香異』の一億本の矢を消滅させた『インフィニティーオルトロスインパクト』がそのまま、茶色い何かでできた鎧をまとったヴァヴェズィンゾォーンに直撃する。
ヴァヴェズィンゾォーンの全身を護っていた、茶色い何かでできた鎧が粉々に破壊されていく。
「そんな!私の『亜ヴェ聖拳』が負けるというのか‼今ここで、私が負けたら、この国は核兵器を所有できないまま、海外に侵略されるかもしれんのだぞ‼お前たちは自分たちが生活してるこの国がどうなってもいいのかァ?」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼死ねぇぇぇぇぇぇッ‼ゼェイジグゥアーは全員死ねぇぇぇぇぇぇッ‼ZEI銀泥棒は全員死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーは
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ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■■ゼェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒■ェイジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■イジグゥアーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼ■イジグゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■■■■■ォーと■EI銀■棒ゼェ■ジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイ■グゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジ■ゥ■ーと■エンノヴォーは
ゼェイジグゥ■ーと■エンノ■ォーと■EI銀■棒ゼェイジグ■■ーと■エンノヴォーは
ゼ■■■■■■ーと■エンノ■ォー■■■I銀■棒ゼェイジグゥ■ーと■■■■■■ーは
ゼェイジグゥアーとデエンノヴォーとZEI銀泥棒ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』言葉では表現できない狂気↑がヴァヴェズィンゾォーンの脳内に流れ込む。
ヴァヴェズィンゾォーンの目と鼻の穴と両耳から大量の血液が噴水のように飛び出して、すぐにヴァヴェズィンゾォーンは脳死してしまった。
ヴァヴェズィンゾォーンの死を確認した、俺は両手人差し指を両耳の穴に突っ込んで狂気と勝利の雄たけびを上げる。
「キィィッエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
俺達THE翼の勝ちだ...‼

次回予告 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼決戦の先に変わりゆく世界!家庭を壊した張本人のくせに再婚相手と新たな家庭を築こうとするやつは自分がどれだけ無神経で自分勝手なことをしようとしているのかをよく考えろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百七十九話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼決戦の先に変わりゆく世界!家庭を壊した張本人のくせに再婚相手と新たな家庭を築こうとするやつは自分がどれだけ無神経で自分勝手なことをしようとしているのかをよく考えろ!

第百七十九話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼決戦の先に変わりゆく世界!家庭を壊した張本人のくせに再婚相手と新たな家庭を築こうとするやつは自分がどれだけ無神経で自分勝手なことをしようとしているのかをよく考えろ!

断罪王オルトロスの究極の必殺技、『インフィニティーオルトロスインパクト』によって脳死したヴァヴェズィンゾォーン。
これで、俺たちTHE翼が倒すべき勢力はデエンノヴォーのみとなった。
ヴァヴェズィンゾォーンを脳死させた俺は、ヴァヴェズィンゾォーンの死体を肩に担いで獄害戯児童の屋根をのぼる。
獄害戯児童の周りにはものすごい数の国民たちが集まっていた。
おそらく、俺たちTHE翼が獄害戯児童を襲撃したのを知って、怖いもの見たさで集まってきたのだろう。
俺は獄害戯児童の屋根にのぼって、獄害戯児童の頂上にハンマーと釘を使って、全裸のまま脳死したヴァヴェズィンゾォーンの死体を、はりつけにした。
獄害戯児童の周りに集まっていた国民達が、獄害戯児童の頂上に、はりつけにされた全裸のヴァヴェズィンゾォーンの死体を見て一斉に歓声を上げる。
「「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーッ‼」」
この国の実質的、支配者であった、ゼェイジグゥアーのリーダであるヴァヴェズィンゾォーンの死は、この国の秩序の崩壊と、この国の秩序から国民たちが解放されたことを意味していた。
そう、もうこの国の国民達を閉じ込めていた『社会』と言う名の檻は俺たちTHE翼によって完全に破壊されたのだ。
そして、『社会』の崩壊は、おそらく、この国の国民達を人間という生き物から、本能のままに奪い、殺し合う醜い猿に変えてしまうに違いない。
これで、本当によかったのだろうか?
いや、これで本当によかったのだ。
人間なんて名前の生き物は、人間たちの固定観念が作り出した、偽りだらけの世界である『社会』が作り出した幻想だ。
そして、その『社会』を特権階級の人間たちのために安心・安定させるのに必要不可欠な『社会』のルールが無意味であることを、この国に刑務所があるという事実が証明している。
国が定めたルールで国民を縛れば、必ず国が定めたルールを破る国民がいる。
ある人は言った、ルールを守れない人間は人間ではないと、『人でなし』であると。
しかし、国が定めたルールを守り、『社会』に適合できた人間も、国が定めたルールを守れない『社会』不適合者も、結局、同じ生き物なのだ。
大多数の固定観念が作り出した、『国と社会』そして、『国のルール』が本来、同じであるはずの生命体を、『ルールを守れる人間』と『ルールを守れない人間』というふうに、2種類の生命体に分けてしまった。
そして、その秩序が崩壊したことで、俺たちは、この社会が作り出し、国民達に無理矢理、押し付けた『人間』という名前から解放された『生命体』になったのだ。
『人間』という名から解放された俺たち国民を待っているのは、おそらく、この国が『社会』という名の共同幻想を作る前に起きていた、『混乱の世』である。
そして、世の中が混乱すれば、人々はまた自らの身を守る為に『社会』を創造するに違いない。
そう、破壊と創造が永遠に繰り返されるのだ。
しかし、俺たちTHE翼が破壊した『社会』と『秩序』が原因で発生した『混乱の世』の先に待つ、新たに創造された『新社会』は、きっと、俺たちが破壊した『社会』より、まともになっていると俺は思う。
そう、生命体は、皆、失敗をもとに成長する。
そして、この『社会』が作り出した『人間』という枠から解放された生命体が創造した『新社会』もきっと、俺たちTHE翼が破壊した『社会』よりまともになっているはずだ。
俺は獄害戯児童の内部に戻って、内部に監禁されているはずのデエンノヴォーを探すことにした。
俺の『インフィニティーオルトロスインパクト』 の影響で、獄害戯児童を包んでいた炎も、内部の毒ガスもみんな消滅していた。
ここで、デエンノヴォーについて説明しよう。
デエンノヴォーとは、わかりやすく言えば、自分たちのことを神の子孫だと思い込んでいる、クソバカZEI銀泥棒達のことである。
デエンノヴォーは自らが神の子孫であり、この国の『シィヨヴォチョー』であるというだけの理由で国民たちが一生懸命働いて国に治めた給料の一部を『ZEI銀』と称して横取りし、その横取りした『ZEI銀』で、ろくに働かずに遊んで暮らしているクズ野郎なのだ。
そして、現在、判明しているデエンノヴォーの情報について説明しよう。
デエンノヴォーで一番えらいのは、『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』である。
そして、『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と妻の『ミディグゥオ差魔』との間に産まれたのが、『バギジノビヤブヒビィード差魔』と『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』である。
そして、『バギジノビヤブヒビィード差魔』は『ギゴォ差魔』と結婚して、子供を3人作った。
長女の『ムァゴォ差魔』、次女の『グァゴォ差魔』、長男の『ヒスアフィード差魔』である。
長女の『ムァゴォ差魔』は男を見る目がないブス、金目当ての男にだまされるバカ。
次女の『グァゴォ差魔』は美人のバカだが、かなり遊んでそうなバカ。
長男の『ヒスアフィード差魔』は頭が悪いのに高校受験の際にデエンノヴォーの権力を行使して、偏差値がかなり高い超難関校を指定校推薦で受験して合格・入学するも、当然のごとく授業についてこれないバカ。
『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』は『ムァズァグォ差魔』と結婚して、子供を1人作った。
子供の名は『ヴァイゴ差魔』である。
『ヴァイゴ差魔』は性格がよさそうなブス、金持ってても絶対にモテないと思う。
ちなみに『ヴァイゴ差魔』は現在、海外に留学中である。
そして、そんなデエンノヴォー達の中では、デエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』を『バギジノビヤブヒビィード差魔』と『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』、どちらが継承するかが問題になっている。
わかりやすく言えば、兄弟喧嘩である。
ちなみに現在、デエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』を持っているのは『バギジノビヤブヒビィード差魔』と『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』の父親であるウアギフィト・『ジョヴォグヴォヴ』差魔である。
そして遠い未来、『バギジノビヤブヒビィード差魔』と『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』が死亡した場合を想定して、その子供たちである、『ヴァイゴ差魔』と『ヒスアフィード差魔』の、どちらがデエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』を継承するかも、問題になっている。
しかし、そんなくだらない、兄妹喧嘩も、跡取り問題も、今日で全部おしまいだ。
なぜかって?
そりゃあ、俺たちTHE翼が今日中にデエンノヴォーを全員、ぶっ殺すからに決まってんだろ。
俺の前に満身創痍のコマンダーが現れる。
「ついにやったな!闇崎ムツト!」
「ああ、それより、デエンノヴォーは見つかったのか?」
「ああ、ボディガードがかなり強かったが、なんとか倒せた。それで海外に留学した『ヴァイゴ差魔』以外のデエンノヴォーは全員地下の牢獄に監禁されていた」
「そうか!よくやってくれた!コマンダー!」
「おまえも、よく生き延びたな!闇崎ムツト‼」
「ああ、じゃあ行くか!最後の仕上げだ!」
「ああ、案内するぜ!」
待ってろ!デエンノヴォー‼俺が全員ぶっ殺してやるからな...!

次回予告  断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その2 相容れぬ価値観‼断罪される偽りの神々たち‼電気ポッドを使った後に内部のお湯の量の確認と水の補給をしないやつは口に入れたガムを外に出さずに飲み込め‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その2 相容れぬ価値観‼断罪される偽りの神々たち‼電気ポッドを使った後に内部のお湯の量の確認と水の補給をしないやつは口に入れたガムを外に出さずに飲み込め‼

第百八十話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その2 相容れぬ価値観‼断罪される偽りの神々たち‼電気ポッドを使った後に内部のお湯の量の確認と水の補給をしないやつは口に入れたガムを外に出さずに飲み込め‼

俺達THE翼によって、この国にいる、約700人のゼェイジグゥアーが全滅した。
それは、この国の秩序の崩壊を意味していた。
獄害戯児童の周りに集まった国民たちが、獄害戯児童の頂点に、はりつけにされた全裸のヴァヴェズィンゾォーンの死体に向かって、石を投げたり、罵詈雑言を言ったりしている。
その一方で俺はTHE翼のメンバーたちによって獄害戯児童の地下牢で発見されたデエンノヴォーに会いに行く。
俺は地下牢に入る。
獄害戯児童の地下牢には、全裸の状態で全身青あざだらけのデエンノヴォー達が呻き声を上げながら横たわっていた。
おそらく、THE翼のメンバーたちに拷問されたのだろう。
「お前ら、ずいぶんと派手にやったな...!」
「すみません、闇崎ムツトさん、でも、俺たち国民は、このZEI銀泥棒共のせいで、いままで散々酷い目に遭わされてきたんです!それを思いだしたら...自分の感情を抑えきれなくて...つい...!」
「フン、まぁ、殺していないだけ、まだマシだよ、俺も、お前たちの気持もわからなくはない...」
俺は全身、青あざだらけの『ムァゴォ差魔』の頬を右手で鷲掴みにして、自分の顔に近づける。
「おい!『ムァゴォ差魔』よぉ!おめぇの結婚相手、顔、デカすぎだろ!おめぇの結婚相手、絶対、おめぇの金目当てだから!だってそうだろ?おめぇが金持ちじゃなきゃ、誰がおめぇみてぇなブスと結婚するんだよ‼ おめぇらクソブス夫婦の警護費にいったい、どれだけのZEI銀が使われたかわかるか?答えは1年間に約8億円だよ!ふざけんなバカ野郎!なんで、おめぇらみてぇなクソブス夫婦の命を守る為に、国民が一生懸命働いて国に治めたZEI銀が8億円も使われなきゃならねぇんだよ!ふざけんなバァーカッ!死ね‼おめぇらクソ夫婦が死ねば、お前らのために使われるZEI銀が8億円も減るんだぜ!おめぇらみてぇなクソブス夫婦に8億円の価値なんてねぇよ!このZEI銀泥棒が!とっとと死ね!このブス!死ね‼」
俺の暴言を聞いた『ムァゴォ差魔』が俺をにらみつけてくる。
「貴様ァ...!たかが国民の分際で!生意気なこと言いやがって...!私たちは神の子孫なんだぞ!」
「おい、誰かバリカン持ってるか?」
「はい、こちらに...!」
THE翼のメンバーが俺にバリカンを手渡してくる。
俺は黒髪の長髪が特徴的な『ムァゴォ差魔』の頭髪をバリカンで刈る。
「いやァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
「うるせぇよ!おめぇみてぇなブスに生きている価値はねンだわ!」
『ムァゴォ差魔』が坊主頭になった。
俺は手鏡で、『ムァゴォ差魔』に自身の現在の状態を見せる。
俺にバリカンで坊主頭にされた『ムァゴォ差魔』がショックで気絶する。
俺は次に『グァゴォ差魔』に話しかける。
「お前、『ムァゴォ差魔』と違って美人だな...!でも、おめぇの母親の『ギゴォ差魔』はきっと、おめぇが生まれてきたとき、どうして男の子じゃないんだろう...って思ったに違いないぜ!だから、きっとおめぇの父親と母親は頑張って『ヒスアフィード差魔』を作ったんだろうなァ‼結局、おめぇも『ムァゴォ差魔』も、おめぇらの両親にしてみれば、ただの失敗作だったてわけだ!つまりおめぇは誰にも望まれていないただの失敗作だ!失敗作に生きている価値はない、そうだろ?」
「失敗作はあんた達THE翼のほうよ!暴力で国を破壊すれば、この国から秩序は失われ、国民が破壊と殺戮を繰り返す!そして、そのせいで、力のない人々が大勢死んでしまう!あんた達は最低よ‼」
「バーカ‼力のねぇやつは死んで当然なんだよ!おい!お前らァ‼」
俺は背後で待機しているTHE翼の男性メンバーたちに声をかける。
「この女、お前らの好きにしていいぞ‼」
俺の命令に、THE翼の男性メンバーたちが一斉に『グァゴォ差魔』を囲む。
「ちょっとなによコレ!あんた達、いったい私に何するつもりなの?」
俺は『ヒスアフィード差魔』に声をかける。
「おい『ヒスアフィード差魔』!お前、自分が将来、デエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』を継承すると思ってんだろ?」
「ああ、思っているよ、だから僕はこの世界に産まれたのさ。デエンノヴォー同士のくだらない争いに、僕の両親が勝利するためだけに、僕はこの世界に産まれた。つまり僕はただの神の子孫ではない、生まれながらの神だ、僕が将来デエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』を継承して、この国の神になる。お前たちTHE翼は今、神に喧嘩を売っているんだ、もうどうなってもしらないぞ」
「じゃあ、俺が今、お前を殺したら、お前は神になれねぇよなァ?」
俺は『ヒスアフィード差魔』の首を両手で絞める。
「首から...手を離せ!僕は...デエンノヴォーだぞ...神の子孫で...僕は将来、この国の神になるんだ...」
「お前が本当に『神』の子孫なら、お前は自力でこの状況から抜け出せるはずだが?」
俺は『ヒスアフィード差魔』の首を絞める両手に力を入れる。
「うぐぐぐ...苦しい...首から手を離せ...!」
「ほらほら!どうしたァ!おめぇ神の子孫なんだろ?将来、神になるんだろ?でも、お前、学校の成績、めちゃくちゃ悪いらしいな!そりゃ、そうだよなァ!バカのくせに高校受験でデエンノヴォーの権力を行使して偏差値がかなり高い超難関校を指定校推薦で入学したんだもんなァ!真面目に勉強して受験に合格したやつらに、おめぇみてぇなズルして受験に合格したバカがテストの点数で勝てるわけねぇよなァ!授業もついてけねぇのも当然だぜ!バーカ死ねぇ!このZEI銀泥棒!クソガキ!ガキのくせにえらそうにしやがって!顔がムカツクんだよぉ‼死ねぇ‼」
俺は両手で『ヒスアフィード差魔』の首を握りつぶす。
俺は『ヒスアフィード差魔』の死体を全身青あざだらけの『バギジノビヤブヒビィード差魔』に向かって投げる。
ちなみに『バギジノビヤブヒビィード差魔』は、『グァゴォ差魔』と先程、俺が気絶させた『ムァゴォ差魔』と、俺が殺した『ヒスアフィード差魔』の父親である。
俺は『バギジノビヤブヒビィード差魔』に話しかける。
「おい!チョビヒゲ!今度はお前の番だ!絶対に殺してやるからなァ!」

次回予告 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その3 血に染まる偽りの神々たち‼そして来訪する真実の神‼人が録画した番組を勝手に消したくせに電気代を払っているんだから文句を言うなと開き直るやつはフグの調理師免許を持っていない奴が調理したフグ料理を食え‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十一話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その3 血に染まる偽りの神々たち‼そして来訪する真実の神‼人が録画した番組を勝手に消したくせに電気代を払っているんだから文句を言うなと開き直るやつはフグの調理師免許を持っていない奴が調理したフグ料理を食え‼

第百八十一話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その3 血に染まる偽りの神々たち‼そして来訪する真実の神‼人が録画した番組を勝手に消したくせに電気代を払っているんだから文句を言うなと開き直るやつはフグの調理師免許を持っていない奴が調理したフグ料理を食え‼

俺はZEI銀泥棒デエンノヴォーである『ムァゴォ差魔』の頭髪を丸刈りした後に、『ヒスアフィード差魔』の首を両手で絞めて殺害した。
俺は『ヒスアフィード差魔』の死体を、『ムァゴォ差魔』『グァゴォ差魔』『ヒスアフィード差魔』の父親である『バギジノビヤブヒビィード差魔』に向かって投げつけた。
「おい!チョビヒゲ!今度はお前の番だ!絶対に殺してやるからなァ!」
「チョビヒゲとは、私のことか!」
「そうだ!『バギジノビヤブヒビィード差魔』!お前のチョビヒゲ、見ててイライラするんだよ!死ねぇ!」
「死ぬはお前たちTHE翼のほうだ!国民の分際で我々、神の子孫であり、この国の『シィヨヴォチョー』でもあるデエンノヴォーに、こんなひどいことをしてただで済むと思うな!」
「全裸で全身青あざだらけのおめぇにいったい何ができんだよぉ?神の子孫なら、さっさとそれっぽいことして、この状況をくつがえしてみろよぉ!ZEI銀泥棒は死ね!」
「貴様ァ!」
「だいたい、おめぇさぁ!自分の家をリフォームするためだけに国民が国に納めたZEI銀を26億円も使うとか、頭おかしいんじゃねぇか?マジでふざけんじゃねぇよ、このクソバカZEI銀泥棒!死ねよマジで!自分の家のリフォーム代ぐらい自分たちで働いて稼げよ!でも、おめぇらバカだから無理か!えらそうなだけで、なんにもできねぇクスだもんなァ!てめぇらデエンノヴォーは!自分の生活に必要な金も自分で稼げず、人が国に納めた金をくだらねぇことに使ってるバカが自分たちのことを神の子孫とか言ってて恥ずかしくねぇのか!このチョビヒゲ!死ね!」
「うるさい!お前たち国民と、神の子孫であり、この国の『シィヨヴォチョー』である我々デエンノヴォーは格が違うんだよ!」
「そんなわけねぇだろォッ!俺もお前も同じ人間だろうがァッ!同じ生き物だろうがァッ!」
「とにかく、違うんだよ!私たち国の『シィヨヴォチョー』であるデエンノヴォーと国民は!私たちデエンノヴォーは特別で、特別じゃない国民は私たちデエンノヴォーのためにZEI銀をこの国に納める義務があるんだよぉッ!私たちデエンノヴォーが楽をするために、お前たち国民が苦労して、この国にZEI銀を納める!それがこの国のルールなんだよぉッ!」
「お前にいいことを教えてやるよ、この国のルールを管理している、この国のゼェイジグゥアー約700人とゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンは俺たちTHE翼の攻撃によって全員死んだ...つまり、お前の言っている国のルールとやらはもう、この国ではなんの効力もない!つまり、もうお前たちのために、この国にZEI銀を納める国民は1人もいねぇってことだ‼ざまァ見ろォバァーカッ!死ねぇぇぇぇぇッ‼」
俺は床に落ちていた大きな石を拾って、『バギジノビヤブヒビィード差魔』の口の中に入れる。
そして、口の中に大きな石が入った状態の『バギジノビヤブヒビィード差魔』の口を両手でふさぐ。
「ゔごごごごごごごごご...‼」
「オラァッ!ちゃんと石、飲めやァ、コラァッ‼死ねぇぇぇぇッ‼」
食道を大きな石でふさがれた『バギジノビヤブヒビィード差魔』が呼吸困難で死亡した。
俺は白目をむいた状態で死亡した『バギジノビヤブヒビィード差魔』の顔を何度も殴る。
『バギジノビヤブヒビィード差魔』の死体の顔を殴ってスッキリした俺は、デエンノヴォーの、『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と、その妻である『ミディグゥオ差魔』に話かける。
「おい!『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』‼お前らいつもニコニコしながら国民に向かって手を振っているだろ!正直、アレめちゃくちゃムカつくんだよ!このZEI銀泥棒が‼ニコニコしながら人に手を振ったら金になるのか‼このZEI銀泥棒が!おめぇらがそうやってニコニコできるのは、この国の国民達が汗を流して一生懸命働いて、この国にZEI銀を納めているおかげなんだぞ!おめぇらはそうやって、おめぇ達のくだらねぇ生活を維持する為に一生懸命働いて、この国にZEI銀を納めているやつらに対して、ニコニコしながら手を振る以外になにかできねぇのかよ‼自分たちが国民からもらっているZEI銀の一部を、ほんの少しだけ国民に返そうとか思いつかないのかよ‼おめぇらみてぇな働かないのに楽してるクソバカが、この国の『シィヨヴォチョー』とかマジでふざけんな!この国の『シィヨヴォチョー』が、国民の生活を困らせてんじゃねぇよ!バカ野郎!死ね!今死ね!絶対死ね!お前らみたいなZEI銀泥棒がこの国の『シィヨヴォチョー』であることを俺は絶対に認めない!マジで死ね‼」
俺の暴言に対して、『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』はニコニコしながら手を振るだけだ。
「おめぇナメてんのか!このクソジジィとクソババァがァッ!死ねぇ!」
俺は『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』の太ももにナイフを突き刺す。
「おう!どうしたァ!いつもみたいにニコニコ笑ってみろよ!」
さすがの『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』も太ももにはしる激痛に、苦しそうな表情になる。
「おー!いい顔してるねぇ!俺はずっとおめぇらのそういう顔が見たかったんだよ!おめぇらが痛みに苦しんでいる顔を見てると、今度はこっちがニコニコしそうだぜ!ヒャハハハハハハハハッ‼」
俺は笑いながら『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』の腕や足を何度もナイフで突き刺す。
「じっくり痛めつけてから殺してやるからなァ!このZEI銀泥棒が!死ねぇぇぇッ‼」
俺は『ウアギフィト・ジョヴォグヴォヴ差魔』と『ミディグゥオ差魔』の全身をナイフで切り裂き、殺害した。
俺は腹が減ったので、とりあえず銃で『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』と『ムァズァグォ差魔』の眉間を打ち抜いて殺害した。
その直後、俺達THE翼の前に、まるで瞬間移動したように、一人の少女が現れた。
「お前は『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』と『ムァズァグォ差魔』の娘の『ヴァイゴ差魔』!確か海外留学中のはず!」
「どうやら間にあわなかったようですね...」
「おまえ、海外から、この地下牢に瞬間移動してきたってことは、もしかして超能力者なのか...?」
「その通りよ」
「おかしいな、デエンノヴォーが神の子孫であるという情報はウソのはず!」
「その通りです、神などこの世に存在しない。かつて、私のように、超能力を持っていた我々の先祖を見た国民たちが勝手に我々の一族を神の子孫と名付けただけです。そして私はかつて国民たちから神と崇められた者と同じ力に覚醒した私の力を怖がった両親にむりやり海外に留学させられた」
「それで、どうして、ここに来た!」
「あなた達THE翼に両親を殺された恨みを晴らすためです」

次回予告 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その4 人知を超えた神に等しき力‼予言される衝撃の未来‼自分より強い人間と仲がいいだけで自分が強いと思ってる女は床に12660回頭突きしろ‼
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十二話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その4 人知を超えた神に等しき力‼予言される衝撃の未来‼自分より強い人間と仲がいいだけで自分が強いと思ってる女は床に12660回頭突きしろ‼

第百八十二話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その4 人知を超えた神に等しき力‼予言される衝撃の未来‼自分より強い人間と仲がいいだけで自分が強いと思ってる女は床に12660回頭突きしろ‼

地下牢でデエンノヴォーを拷問の後に殺害した俺の目の前に、『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』と『ムァズァグォ差魔』の子供、『ヴァイゴ差魔』が出現した。
海外留学中だった『ヴァイゴ差魔』は自らの超能力により、自分の一族であるデエンノヴォーの危機を察して、海外から俺たちの目の前に瞬間移動してきたらしい。
そして、『ヴァイゴ差魔』は、かつて自分と同じ超能力を持ったデエンノヴォーの先祖のせいで、国民たちがデエンノヴォーを神、もしくは神の子孫であると崇めるようになってしまったことを俺達に説明し始めた。
そして、その超能力の力を恐れた一族から強制的に、海外に留学させられてしまったことも、俺達に説明し終えた『ヴァイゴ差魔』は自身の両親を殺した俺に復讐するために戦いを挑んできた。
「闇崎ムツト...あなたは、今、私を銃で撃とうとしましたね?」
「だから、なんだ!俺がお前を!」
「『だから、なんだ!俺がお前を銃殺するの消去法でわかることだ!そんなハッタリで俺を動揺させようとしても無駄だぜ!』と...私に言おうとしたのですよね?」
「お前...なぜ俺が言おうとしていたことがわかるんだ‼」
「これが、私の能力の一つ、『未来予知』です」
「ふざけ...」
「『ふざけるな!そんなことを俺が信じるとでも思ってるのか!』...そう言おうとしていましたね、そしてあなたは私を銃で撃つ」
俺は『ヴァイゴ差魔』が予知した通りに、銃弾を『ヴァイゴ差魔』に向かって放っていた。俺に頭髪を丸刈りにされて気絶した『ムァゴォ差魔』の全身が突如、空中浮遊を始め、『ヴァイゴ差魔』の盾になる。
『ヴァイゴ差魔』に盾にされた『ムァゴォ差魔』の頭部に、俺が放った銃弾が直撃する。
「これも、私の能力、『重力支配』です」
この女、重力を支配できるというのか...!それに『未来予知』もできる...!
「なるほどな、お前の両親や一族が、お前を海外に留学させたのも、お前の能力を見れば、よくわかる...!でも、なぜその神に等しき力を持っていながら、海外に留学したんだ?嫌なら力ずくで拒否で来たはずだ!」
「私はあなた達THE翼と同じく、自分の一族であるデエンノヴォーが嫌いでした」
「なんだと...!」
「自分たちに特別な力があるわけでもないのに、自らを神の子孫と偽り、ろくに働かずに国民のZEI銀で豪華な生活をしているデエンノヴォーが私は嫌いでした」
「でも、お前には、他のデエンノヴォーと違って、超能力があった!お前の力ならデエンノヴォーを改革することもできたはずだ!」
「なにかを変えようとすれば、必ず、なにかが犠牲になる。私が自らの力で改革をしようとすれば、それを邪魔するために私を殺そうとする一族となんの罪もない刑察や軍隊の人々の命が犠牲になるでしょう...!私には人を殺めてまで、一族を変えようとする覚悟がなかったのです...!」
「でも、お前は今、家族の仇をとるために俺を殺そうとしているぞ!」
「ええ、大切な家族を失って初めて、自分の超能力で人を殺す覚悟ができました...!」
まだ拷問を受けていない『ギゴォ差魔』と拷問途中の『グァゴォ差魔』の全身がいきなり空中浮遊を始める。
「『重力支配』...!」
空中に浮いた『ギゴォ差魔』と『グァゴォ差魔』の全身が目に見えない重力により、血飛沫を上げながらバラバラになる。
バラバラにされた『ギゴォ差魔』と『グァゴォ差魔』の首や両手足や胴体が、ものすごい速さで俺に向かって突撃してくる。
「自分の一族を殺して、武器にする...お前、本当に両親の仇をとるために俺と戦っているのか?」
「私が殺した『ギゴォ差魔』と『グァゴォ差魔』は私の両親とデエンノヴォー最高位の称号である『ジョヴォグヴォヴ』の継承問題で敵対していた人たちなので、殺すことになんのためらいも覚えませんよ。それより、自分の心配したらどうですか?」
俺は突撃してくる『ギゴォ差魔』と『グァゴォ差魔』の首や両手足や胴体を回避しようとする、しかし、俺が回避する動きを事前に予知していたかのように『ギゴォ差魔』と『グァゴォ差魔』の首や両手足や胴体が俺の全身に直撃する。
「ゔぐぅああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
「私の攻撃を回避しようとしても無駄ですよ、私には『未来予知』があるので...」
「ちくしょう...!それなら!」
「断罪王オルトロスに変神して『無限モード』を発動するつもりですね?でも、あなたは私を1分以内に倒すことができずに、断罪王オルトロスが暴走、その結果、断罪王ケルベロスは白聖剣ケルベロスを使って暴走した断罪王オルトロスを封印しようとするも、結果は失敗、暴走した断罪王オルトロスによって、『私も』、この世界も消滅する...これが今、私が予知した未来です」
「そうか...!なら断罪王オルトロスが暴走すれば、俺はお前に勝てるんだな!」
「もちろん、でもその代わりに、あなたは大切なTHE翼の仲間と『この世界』を失うことになります」
「なら、その未来を変えればいいだけのことだ!未来がわかっているなら、なにかしらの方法で未来を変えればいいだけだ!」
「私が未来予知できるということは、私も、自分が予知した未来を変えることができるということです...!」
「うるせぇよ!死ね‼俺はお前が予知した未来を破壊する‼」
俺は黒双銃オルトロスを天に向かってかざし、引き金を引いて叫ぶ。
「シンゴ―‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。

次回予告  断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その5 血の海と化す獄害戯児童‼放たれる必殺奥義‼とんかつにバカみたいにソースをたくさんかけるやつは、もうソースだけ飲め‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十三話  断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その5 血の海と化す獄害戯児童‼放たれる必殺奥義‼とんかつにバカみたいにソースをたくさんかけるやつは、もうソースだけ飲め‼

第百八十三話  断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その5 血の海と化す獄害戯児童‼放たれる必殺奥義‼とんかつにバカみたいにソースをたくさんかけるやつは、もうソースだけ飲め‼

デエンノヴォーが現代の国民達から神の子孫と崇められるのには理由があった。
それは、かつて過去の時代に神に等しき超能力をもつ人間がデエンノヴォーの一族の中に一人だけいたからであった。
そして、現代、その神に等しき超能力の遺伝子を受け継いだのが デエンノヴォーの『ヴァイゴ差魔』だった。
『ヴァイゴ差魔』の能力、『未来予知』と『重力支配』にかつてない程に、肉体と精神にダメージを負う、闇崎ムツト。
それでも、闇崎ムツトは前を向いて『ヴァイゴ差魔』に立ち向かう。
「うるせぇよ!死ね‼俺はお前が予知した未来を破壊する‼」
俺は黒双銃オルトロスを天に向かってかざし、引き金を引いて叫ぶ。
「シンゴ―‼」
俺の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
断罪王オルトロスに変神した俺は『ヴァイゴ差魔』に向かって拳を振り上げる。
しかし、『ヴァイゴ差魔』の能力、『重力支配』によって、断罪王オルトロスの巨体は後ろに向かってふっ飛ばされ、獄害戯児童の壁を突き破る。
その影響で、獄害戯児童が崩落を始める。
『ヴァイゴ差魔』は『重力支配』によって頭上から落下してくる瓦礫の山をすべて自分の体から遠ざける。
そして獄害戯児童の中にいたTHE翼のメンバーたちが獄害戯児童の瓦礫の山を下敷きになってしまう。
獄害戯児童の周りでゼェイジグゥアーのリーダーであるヴァヴェズィンゾォーンの死体で遊んでいた国民たちが突如、崩落を始めた獄害戯児童を見て、どよめく。
そして瓦礫の山と化した獄害戯児童の中央から、全身に光をまとった『ヴァイゴ差魔』が『重力支配』を使って浮かび上がってくる。
その光景を見た国民たちは皆、驚きを隠せない。
「おい!なんだアレ!人が浮かんでいるぞ!」
「あの顔、どこかで見たことがあるぞ!」
「あのお方は...『ヴァイゴ差魔』よ『ギンジョヴォデエンノヴォー・ヌアルヴビィード差魔』と『ムァズァグォ差魔』の子供、『ヴァイゴ差魔』よ‼」
「すげぇぜ!浮いてるだけじゃなくて、光っているぞ!まるで神様みたいじゃないか!」
「いや、あれは本当の神様だよ!神様じゃなきゃ、空中浮遊なんて、できないぜ!」
「そうだ!『ヴァイゴ差魔』がゼェイジグゥアーのせいで腐ったこの国を、神聖な神の国にしてくれるに違いない!」
「確かに、あの姿を見れば、俺もお前の言っていることが、わかるような気がする...!」
「お祈りよ!お祈りすれば、きっと『ヴァイゴ差魔』が、あの超能力で、みんなを救ってくれるはずよ‼」
「そうだ!お祈りだァ‼みんな拝めぇ‼」
「『ヴァイゴ差魔』~!みんなをこの腐った世界から救ってくれぇ~‼」
光をまといながら空中浮遊をした状態の『ヴァイゴ差魔』を見て、国民たちが一斉に『ヴァイゴ差魔』に向かって両掌を合わせて、拝み始める。
『ヴァイゴ差魔』は自分に向かって急に拝み始めた国民たちを見て、心底、不快そうな表情になる。
「そうか...!遥か太古の昔、こうして、わが一族、デエンノヴォーは国民達から神と崇められるようになったのか...!実に見苦しい、この世界に神など、存在しないというのに、神など所詮、人の心の弱さが作り出した幻想にすぎん...!その心弱き人間が作り出した幻想を、私に例えるなど、これではむしろ、私は国民達から遠回しに侮辱されているようなものだ...!」
『ヴァイゴ差魔』が『重力支配』で自らを拝む国民たちを皆、上から下に向かって潰してしまう。
瓦礫の山と化した獄害戯児童の周りが、『ヴァイゴ差魔』の『重力支配』で潰された国民達の死体から噴出した血液で血の海を作る。
そして、瓦礫の山から断罪王オルトロスの右手が背後から『ヴァイゴ差魔』を襲う。
「愚かな、私がその未来を予知できていないとでも?」
断罪王オルトロスの右手が『ヴァイゴ差魔』の『重力支配』により、ねじり潰される。
「ぐぅああああああああああああああああああああああああああッ‼」
そして、瓦礫の山から立ち上がった俺の目の前に国民たちの血でできた血の海が広がっていた。
「ゔわあああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
「貴様も散々、人間を殺してきただろう?いまさら何を驚く?」
そう、俺は不安だった、瓦礫の山の下敷きになってしまったTHE翼のメンバー達の安否。そして、目の前に広がる血の海に俺の心は折れてしまいそうだった。
これで、もしTHE翼のメンバーがみんな瓦礫の下敷きになって死亡してしまっていたら、父さんが刑務所ですでに死刑を執行されていたら、俺は...俺はこの世界でひとりぼっちになってしまう。
そうか、そういうことだったんだ、『ヴァイゴ差魔』の『未来予知』の内容が正しければ、断罪王オルトロスに変神した俺は『無限モード』を発動するも、制限時間の1分以内に『ヴァイゴ差魔』を倒せずに暴走していたはずだ。
俺はずっと疑問に思っていた、なぜ、未来の俺が『無限モード』を発動していたのか。
そう、その未来を作るきっかけと始まりが、まさに『今』なのだ!
「そして、『無限モード』を発動した俺は制限時間の1分以内に『ヴァイゴ差魔』を倒せずに暴走してしまう...!」
「ようやく気付きましたか、私があなたに教えた未来の意味を...!」
「ああ、使ってやるよ、お前が予知した未来の通りにな!『無限モード』発動‼」
断罪王オルトロスが奇怪な雄叫びを上げる。
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ‼」
そして、『無限モード』発動と同時に、『ヴァイゴ差魔』の『重力支配』でねじ潰された右手が完全再生する。
「くらえッ‼狂撃波動!黒双‼インフィニティーオルトロスインパクトォォォォォォォォォォォォッ‼」
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断罪王オルトロスの両手の平からインフィニティーオルトロスインパクト↑が『ヴァイゴ差魔』に向かって放たれた!

次回予告 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その6 寒すぎる、マジで寒いぜ、寒すぎる。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十四話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その6 寒すぎる マジで寒いぜ 寒すぎる

第百八十四話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その6 寒すぎる マジで寒いぜ 寒すぎる

ヴァイゴ差魔は自身の能力である『未来予知』により、闇崎ムツトに衝撃の未来↓を告げた。
『断罪王オルトロスに変神して『無限モード』を発動するつもりですね?でも、あなたは私を1分以内に倒すことができずに、断罪王オルトロスが暴走、その結果、断罪王ケルベロスは白聖剣ケルベロスを使って暴走した断罪王オルトロスを封印しようとするも、結果は失敗、暴走した断罪王オルトロスによって、『私も』、この世界も消滅する...これが今、私が予知した未来です』
それは、仮に俺がヴァイゴ差魔に勝利できたとしても、そのあとで、俺自身が今まで命がけで守ってきた全てを、暴走した俺自身が破壊することを意味していた。
それが、わかっていても、俺に残された選択は前へ進み続けることだけだった。
この選択が仮に俺からすべてを奪うことになっても。
俺がヴァイゴ差魔に勝利するためには、この選択以外考えられなかった。
もう、逃げ道はどこにもない。
俺はヴァイゴ差魔が予知した未来通りに断罪王オルトロスに変神して『無限モード』を発動してしまった。
「ああ、使ってやるよ、お前が予知した未来の通りにな!『無限モード』発動‼」
断罪王オルトロスが奇怪な雄叫びを上げる。
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ‼」
「くらえッ‼狂撃波動!黒双‼インフィニティーオルトロスインパクトォォォォォォォォォォォォッ‼」
『無限モード』を発動した断罪王オルトロスの両手から『インフィニティーオルトロスインパクト』↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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税■泥棒税銀泥■税銀泥■税銀泥■税銀泥■■銀泥棒税銀泥■税銀■棒税銀泥棒は
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税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒税銀泥棒』
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、『インフィニティーオルトロスインパクト』はヴァイゴ差魔に到達する前に、ヴァイゴ差魔の『重力支配』によって一瞬で上から下に押しつぶされる。
「そんな!『インフィニティーオルトロスインパクト』が効かない!」
「重力を支配している私に波動攻撃が通用するわけないでしょう、どんな攻撃も私に到達する前に重力で押しつぶしてしまえば、無力に等しいのだから」
「そんな!ヴァヴェズィンゾォーンを倒した『インフィニティーオルトロスインパクト』だぞ!それが、ほんの一瞬で無効化されるなんて!」
「絶望する暇があるなら攻撃しなさいな、あと数十秒たったら、あなたは暴走してしまうのよ?」
「しまった!でも、『インフィニティーオルトロスインパクト』が通用しない相手に、いったいどんな攻撃が通用するっていうんだ‼」
身我魔矢ヤヅデが変神した断罪王ケルベロスがヴァイゴ差魔の背後に向かって突撃すると同時に大剣・白聖剣ケルベロスを振り上げる。
「どぉりゃああああああああああああああああああああああッ‼」
「身我魔矢ヤヅデ!ダメだ!こっちに来るな!」
「ほぉ~ら!私の予知した未来通りになった♪」
断罪王ケルベロスの白聖剣ケルベロスがヴァイゴ差魔に向かって振り下ろされる。
しかし、白聖剣ケルベロスはヴァイゴ差魔に到達するギリギリのタイミングで『重力支配』によって真っ二つにされてしまう。
「そうか...そういうことだったのか...!」
俺はヴァイゴ差魔の『未来予知』の真の意味に気づいてしまった!
俺が無限モードを発動しまう。
      ↓
攻撃の手段を失った俺が追い詰められる。
      ↓
俺を救うために身我魔矢ヤヅデが変神した断罪王ケルベロスが『白聖剣ケルベロス』でヴァイゴ差魔に攻撃を開始する。
      ↓
ヴァイゴ差魔が『重力支配』で暴走した断罪王オルトロスを封印することができる『白聖剣ケルベロス』を破壊する。
      ↓
断罪王オルトロスの暴走を止める方法がなくなる。
「そう...本来、暴走した断罪王オルトロスを封印する立場の身我魔矢ヤヅデのおせっかいで、暴走した断罪王オルトロスを封印する唯一の方法がなくなる♪」
「そんな...私は!ただ、闇崎ムツトを助けようと思って...攻撃しただけなのに...!」
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼」
そして、無限モード発動後から1分が過ぎた。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
断罪王オルトロスの暴走が始まった。
しかし、ヴァイゴ差魔の『未来予知』が正しければ、ヴァイゴ差魔の敗北を意味しているのである。
そう、それこそがヴァイゴ差魔の真の目的であった。
「私が暴走した断罪王オルトロスを倒せば、私は、私が予知した未来を超えることができる...!」
そう、本来、ヴァイゴ差魔が断罪王オルトロスに殺されるはずの未来を、ヴァイゴ差魔が断罪王オルトロスを殺すことで、自身の予知した未来を変える。
最強の能力者である自分自信を超えることこそがヴァイゴ差魔の本当の目的だったのだ。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
暴走した断罪王オルトロスがヴァイゴ差魔に襲いかかる。

次回予告 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その7 遂に決着!運命を超えた先に待つ未来‼寒くて布団から出るのがマジで辛いぜ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十五話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その7 遂に決着!運命を超えた先に待つ未来‼寒くて布団から出るのがマジで辛いぜ‼

第百八十五話 断罪王オルトロス 対 デエンノヴォー!ヴァイゴ差魔‼その7 遂に決着!運命を超えた先に待つ未来‼寒くて布団から出るのがマジで辛いぜ‼

ヴァイゴ差魔の能力である『重力支配』に手も足も出ない断罪王オルトロス。
無限モードを発動した状態でのインフィニティーオルトロスインパクトもヴァイゴ差魔の前では無力に等しかった。
そして、そのピンチを救うために乱入してきた断罪王ケルベロスの大剣・白聖剣ケルベロスもヴァイゴ差魔の能力である『重力支配』によって真っ二つに折られてしまう。
そして、それがきっかけで暴走した断罪王オルトロスを止める方法はなくなり、無限モード発動から1分以上経った断罪オルトロスは暴走状態になってしまう。
暴走状態の断罪王オルトロスに殺される未来を予知したヴァイゴ差魔は、自らの能力である『未来予知』にて、予知した未来を変えるために、暴走した断罪王オルトロスに立ち向かう。
そう、本来、ヴァイゴ差魔が断罪王オルトロスに殺されるはずの未来を、ヴァイゴ差魔が断罪王オルトロスを殺すことで、自身の予知した未来を変える。
最強の能力者である自分自信を超えることこそがヴァイゴ差魔の本当の目的だったのだ。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
暴走した断罪王オルトロスがヴァイゴ差魔に襲いかかる。
ヴァイゴ差魔は全方位に『重力支配』を発動する。
ヴァイゴ差魔の全身を触れたものすべてを重力で押しつぶすバリアが包む。
暴走した断罪王オルトロスはヴァイゴ差魔に背を向けて、上空へと飛んでいく。
「暴走した断罪王オルトロスが私から逃げていく...!暴走して頭が悪くなっちゃったのかしら?」
ヴァイゴ差魔は自身の能力である『未来予知』によって未来を予測する。
「そうか...!暴走した断罪王オルトロスは宇宙空間から、インフィニティーオルトロスインパクトで地球ごと私を殺すつもりなのね...!なるほどね、地球を破壊すれば、重力のない宇宙空間では私の『重力支配』は無力に等しくなる。私が暴走した断罪王オルトロスに敗北した未来の理由はコレだったのね...!」
つまり、地球が暴走した断罪王オルトロスの攻撃で破壊されれば、ヴァイゴ差魔は無重力空間である宇宙空間に放り出される。
重力のない宇宙空間では、ヴァイゴ差魔の『重力支配』も無力に等しいのだ。
「でも、私はその未来さえ変えてみせる!」
ヴァイゴ差魔が『重力支配』を使って、宇宙空間に向かって飛翔した断罪王オルトロス(暴走状態)を地上に思いっきり叩きつける。
「未来さえ予測できれば、こっちのものよ‼」
立ち上がった断罪王オルトロス(暴走状態)が両手の平からインフィニティーオルトロスインパクトを地上に向かって放とうとする。
「まさか!地上から直接、地球を破壊するつもりなの?」
そう、地上から地球を破壊すれば、地上の崩壊により、ヴァイゴ差魔は宇宙空間に放り出されてしまうのだ。
そして、それは地球全人類の絶滅を意味していた。
断罪王オルトロス(暴走状態)が両手の平にエネルギーの光が集まっていく。
インフィニティーオルトロスインパクトを地球を破壊するほどの威力にするためにエネルギーチャージをしているのだ。
「させるかァァァァァァァッ‼」
ヴァイゴ差魔はインフィニティーオルトロスインパクトのチャージを阻止するために、『重力支配』で断罪王オルトロス(暴走状態)を目には見えない重力で押しつぶそうとする。
しかし、重力支配のエネルギーが断罪王オルトロス(暴走状態)の両手の平にチャージされている巨大なエネルギー球体に吸収されてしまう。
「私の攻撃がインフィニティーオルトロスインパクトのチャージに必要なエネルギーに変換されて吸収されてしまった...!こ、こんな未来、私は知らないわ!」
そう、ヴァイゴ差魔自身が自ら予知した未来を変えようとする行為は、『敵の未来』も変えてしまうことも意味しているのだ。
「暴走した断罪王オルトロス...なんて恐ろしい化け物なの...!そうか、人間が変神して操縦する断罪オルトロスは仮の姿、暴走した断罪王オルトロスこそが、断罪王オルトロスの真の姿...!オルトロスってそういうことだったのね...!」
オルトロス、双頭の犬。
断罪王オルトロスの真実にたどり着くと同時にヴァイゴ差魔は戦意を喪失してしまう。
「なにへこたれてんのよ!バカ!」
断罪王ケルベロスに変神した身我魔矢ヤヅデが戦意を喪失したヴァイゴ差魔に喝を入れる。
「へこたれてんじゃないわよ!今、ここで諦めたら、人類は滅亡するのよ!」
「暴走した断罪王ケルベロスを唯一止める力を持った白聖剣ケルベロスを失った、あなたにいったい何ができるのかしら?」
「絶対に止めるわよ...!暴走した断罪王オルトロスを!THE翼の仲間ごと全てを破壊し尽くして正気に戻った闇崎ムツトを絶望させないために、私たちで絶対に断罪王オルトロスの暴走を止めるのよ!」
「どうやって、止めるのよ!」
「アンタ、重力を支配できるんでしょ?」
「え、ええ」
「なら、アンタが真っ二つに折った、白聖剣ケルベロスを重力の力で一時的にくっつけなさい!」
「私の『重力支配』で折られた白聖剣ケルベロスを一時的にくっつけて固定すればいいのね?」
「その通りよ」
「でも、一度折られた白聖剣ケルベロスで本当に暴走した断罪王オルトロスを封印できるの?」
「知らないわよ!そんなの!でも、やってみなければわからないでしょ?」
「わかったわ...!やるだけやってみましょう!」
ヴァイゴ差魔が重力で真っ二つに折れた白聖剣ケルベロスを一つにする。
「これで、見た目だけは元の状態に戻ったわよ...!」
「ありがとう、あとは運任せよ‼」
突然、断罪王ケルベロスが2体増殖する。
全部で3体の断罪王ケルベロスがそれぞれ異なる角度から大剣・白聖剣ケルベロスを暴走状態の断罪王オルトロスの全身に突き刺す。
「白聖剣ケルベロス!最終奥義!封印呪殺斬‼」
暴走状態の断罪王オルトロスの全身に突き刺さった3本の大剣・白聖剣ケルベロスから光が放たれる。
「白聖剣ケルベロスの力が発動した‼」
暴走した断罪王オルトロスが光に包まれ、地面に仰向けに倒れる。
「暴走した断罪王オルトロスが動きを止めた!損傷した白聖剣ケルベロスでは、封印までは無理だったか...!」
エネルギーを使い果たしたヴァイゴ差魔が『重力支配』を解除したことにより、白聖剣ケルベロスが再び折られた状態に戻る。
断罪王オルトロスが立ち上がる。
「また、お前に助けられたな、身我魔矢ヤヅデ」
「闇崎ムツト!正気を取り戻したのね!」
「ああ、まさかヴァイゴ差魔に助けられるとはな...!」
俺の視線の先には力を使い果たして放心状態のまま仰向けに倒れているヴァイゴ差魔がいる。
そう、俺は今、ヴァイゴ差魔が予知した未来を超えたその先にいるのだ。
変神を解除した俺のもとに、瓦礫の山と化した獄害戯児童から脱出したTHE翼のメンバーたちが集まってくる。
その背後には変神を介助した身我魔矢ヤヅデもいた。
「みんな、よく生きてたな!」
生き残ったTHE翼のメンバー達が俺を胴上げする。
胴上げされる俺を遠くから見ていたコマンダーが戦闘不能状態のヴァイゴ差魔の頭部を銃撃する。
「デエンノヴォーはお前で最後だ...! そして、俺たちの戦いも...!」
『ゼェイジグゥアー』
『デエンノヴォー』
『ロヴォズィンホームの利用者』
『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』
『グゥナァヴィッチョオ』
俺達THE翼はこの国の腐ったZEI銀泥棒どもを全滅させることに成功した。
それは『ZEI銀泥棒粛清作戦』の終了を意味していた。

次回予告 終焉の先に待つ未来。寒い日は自転車をこぐと体があったまるぜ‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十六話 終焉の先に待つ未来。寒い日は自転車をこぐと体があったまるぜ‼

第百八十六話 終焉の先に待つ未来。寒い日は自転車をこぐと体があったまるぜ‼

『ゼェイジグゥアー』
『デエンノヴォー』
『ロヴォズィンホームの利用者』
『ズェイガズヴォゴジュギュウジャ』
『グゥナァヴィッチョオ』
これらすべてのZEI銀泥棒を全滅させた俺たちTHE翼は刑察と軍隊の基地を襲撃、全滅させた。
そして、俺たちTHE翼は全国の刑務所を襲撃、破壊した。
これにより、全国の刑務所の収監されていた受刑者が一斉に野に放たれ、国内がパニック状態になった。
『ゼェイジグゥアー』と『デエンノヴォー』を殺害したことにより、この国の秩序は崩壊した。
今まで、人々を縛り付けていた国のルールがほとんど効果を発揮しなくなった社会では、国民たちが強奪や暴行を繰り返し、まさに無法地帯と化していた。
その無法地帯と化した現代社会に刑務所から解き放たれた受刑者たちが加わることで、俺たちの国はまさに地獄絵図と化したのだ。
そして、俺が全国の刑務所を襲撃したのには理由があった。
それは納ZEIを拒否した罪で刑務所に収監され、死刑判決を受けた父親を探して救出するためだった。
父さんは刑務所の中で生きていたものの、長い間、心無い刑務官に拷問されていた影響で、俺のことも、自分が誰であるのかもわからくなっていた。
そう、俺の父さんは、まるで、俺達がこの国から絶滅させた『ロヴォズィンホームの利用者』のような状態になってしまっていたのだ。
俺は絶望した。
しかし、父さんが生きていたことは事実だ。
父さんを刑務所から救出したあと、俺たちTHE翼は全国の刑務所から逃げ出した刑務官をすべて調査して、すべて殺害した。
その中にきっと、俺の父さんを拷問して、おかしくさせた刑務官も混ざっているはずだ。
今日も外では、国民たちが金を支払わずに店から食料や生活必需品を強奪する現象を起きていた。
そして、それを止めようとした店の従業員が、強奪をした国民に殺害される。
そして、店の従業員を殺した国民が強奪した食料品や生活必需品を、別の国民が、強奪した国民から奪い、刃物で殺害する。
国のルールが崩壊した無法地帯と化した現代社会ではもはや、金などの経済力は無力に等しく、『暴力』だけが力の象徴となっていた。
金のある人間が、人より得することができる世界は終わり、暴力の強いものが人より得することができる世界になったのだ。
そして、その世界を作るきっかけになったのは、間違いなく、俺たちTHE翼だ。
本能のままに奪い、殺し合う。
しかし、それこそが人の真実の姿。
俺達THE翼の活動が、この国に生きる人間すべてを本当の意味での人間に変えたのだ。
この国を壊し、この国で生きる人間たちを真の人間にした俺たちTHE翼はその役目を終えたのだ。
『ゼェイジグゥアー』と『デエンノヴォー』のための理不尽かつ狡猾なZEI銀徴収のせいで大切な人を失ったTHE翼のメンバーたちは皆、復讐から解放され、THE翼を去った。
俺もその一人だった。
俺は頭のおかしくなってしまった父さんを背負った状態で空港にいた。
コマンダーやTHE翼のメンバーたちが俺を見送りに来てくれた。
「すまんなコマンダー、この国を崩壊させておいて、俺だけ海外に逃げるなんて...俺は最低だよ」
「お前のことを最低だと思っている奴はここには1人もいないよ、お前がいなければ、俺たちTHE翼のメンバーは復讐を完遂することができなかったんだ。お前がいなければ、俺たちのメンバーは一生、復讐心で自らを呪ったまま、一生を過ごすか、戦死していたかもしれない。スナイパーもきっと、あの世で俺たちの成し遂げた偉業を祝福してくれているに違いない!」
「そっか、そう言ってくれると助かるよ」
「お前は、もう、十分戦ったんだ、お前には幸せになる権利がある。身我魔矢ヤヅデ、闇崎ムツトのことを頼んだぞ」
俺の隣にいた身我魔矢ヤヅデがコマンダーの言葉にうなずいた。
そう、俺は身我魔矢ヤヅデと父さんと一緒に海外の田舎で静かに暮らそうと思ってるんだ。
俺は見送りに来てくれたコマンダーとTHE翼のメンバーたちに背を向けて、そのまま振り向かずに飛行機に乗るために歩き続ける。
俺が背中に背負った父さんの体の重みが、まるで、俺がこれまで傷つけ殺害した人々の怨念のようにも感じられる。
それでも、俺の隣には身我魔矢ヤヅデがいる。
そして上着のポケットにはもちろん、黒双銃オルトロスが入っている。
黒双銃オルトロスに眠る、破壊神オルトロスが俺の心に話しかけてくる。
「闇崎ムツト、我はお前と共に戦えたことを誇りに思う、お前は、お前だけは、我を破壊神ではなく、一つの命として向き合ってくれたことにとても感謝している」
「よせよ、海外に逃げたからって、俺達の戦いが終るわけじゃない。生きている限り、戦いはずっと続くんだぜ...」
そう、悲しいくらいに続くのだ、生き続けようとすればするほどに何かを得て、何かを失う。
それでも、生き続けた過程で得た『何か』を心の中で大事にし続けることで、人は生き続けることができる。
そして、その『何か』を人は『思い出』と呼ぶのだ。
俺はいい思い出も、悪い思い出も全部背負って生き続ける、たとえ、その先に待つのがどんな不幸でも『思い出』がきっと俺を助けてくれると信じているから。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 超地球救済戦記!断罪王LINK‼ 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十七話 超地球救済戦記!断罪王LINK‼ 『山田ユウジ』その1

 
前書き
●あらすじ
断罪王現象、それはある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この物語は、凄腕リンクマスターである石間コウイチがある日突然、社会不適合者になってしまった人々を再び社会に『つなげる』為に奮闘する物語である。
●断罪王現象
ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象。
●断罪者
断罪王現象により、社会不適合者になってしまった人間。
●リンクマスター
断罪王現象によって社会不適合者になってしまった人間を再び社会につなげるために活動する人々。
●リンクセンター
断罪者を再び社会につなげるリンクマスターが勤務・営業している事務所。
●石間コウイチ
主人公、凄腕リンクマスター。
●奈良見ルナ
新人リンクマスターで石間コウイチの助手。 

 
第百八十七話 超地球救済戦記!断罪王LINK‼ 『山田ユウジ』その1 
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった社会人を国は『断罪者』と名付けた。
そして全人類が社会不適合者である『断罪者』になってしまうことで人類が絶滅することを恐れた政府は断罪者を社会に復帰させるための専門家の育成を始めた。
そして、その育成の後に国家試験に合格した者を政府はこう名付けた、『リンクマスター』と。
俺の名前は石間コウイチ。
そして、ここはリンクセンター石間。
リンクセンターというのは分かりやすく言えば、ある日突然、社会不適合者になってしまった断罪者を社会に復帰させる専門家であるリンクマスターが勤務・営業する事務所のことである。
今日も事務所には断罪者の社会復帰を希望する断罪者の家族からの依頼の電話が何度もかかってくる。
そして、石間リンクセンターに予約していた断罪者とその家族が石間リンクセンターに入室してくる。
「あの予約をした山田と申すものですが...」
「ああ、山田さんね、それで断罪者はとなりの息子さんですか?」
「はい、そうなんです、この子、学校では文武両道で『完璧』な子だったんですが、ある日突然、意味不明な呪文を唱えながら壁に何度も頭を打ち付けて、不登校になってしまったんです」
「あっそ。それじゃあ、とりあえず、息子さんが本当に断罪者かどうかのテストを始めます、息子さんの名前はたしか、ユウジ君だったね」
「はい...山田ユウジです、今日はよろしくお願いします」
今のところ、どこも異常は見られないけどなぁ...普通に礼儀正しいし。
「それじゃあ、ユウジ君、この白紙に君の今思っていることを描いてくれ」
「わかりました...」
ユウジ君が白紙に書いたのはコレ↓だった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「重症ですね」
俺の即答にも、山田ユウジはにっこり笑っているだけだ。
「このレベルだと今すぐに事態を解決するのは不可能ですね、いろいろと分析しなければならないので」
「そんな...」
「お母さん、今日は予約の電話の際にこちらが頼んでおいたユウジ君の状態についてまとめた資料はご持参でしょうか?」
「あ、はい、コレです」
俺はユウジ君の母親からユウジ君の状態について記されたA4用紙を数枚受け取る。
「この資料を分析した上で、ユウジ君を再び社会復帰させる準備をしたいと思っています、また明日、この時間にこちらに来ていただけることは可能ですか?」
「はい、問題ありません」
「それでは、また明日」
ユウジ君とユウジ君の母親が俺に一礼してリンクセンターを出ていく。
「いや~石間さん、あのユウジって子、かなりキマってますねぇ!」
リンクマスター石間に勤務している新人リンクマスターで助手の奈良見ルナが俺に話しかけてきた。
「ああ、コレか」
俺は再びユウジ君が白紙に書いたイラスト↓に目を通す。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤』
「キマってんなァ、コイツはァ!あ、そうだ奈良見、お茶入れてくんね?」
「ハーイ!了解でぇーす!」
奈良見ルナが茶が入ったコップを俺に手渡す。
俺はコップに入ったバカみたいに熱いお茶を、奈良見ルナの顔面にぶっかける。
「あっちぃなァッ‼ちょっと石間さん、なんてことしてくれるんですか!」
「うるせぇ!このお茶熱すぎだろ!おめぇ、このお茶、ヤカンでしかもコンロの火で沸かしただろ!いつも電気ポッドのお湯使えって言ってんだろうが!このクソボケが死ねぇ!」
「あー!石間さん、そういうのパワハラって言うんですよ!」
「うるせぇ!死ね‼」
俺はユウジ君のお母さんからもらった資料に目を通す。
山田ユウジ。
学校では友達も多く、成績優秀、文武両道。
母は専業主婦、父は一流企業の社長。
「おい、奈良見、お前、この資料を見てどう思う?」
「石間さん、もしかして、もう降参ですか?」
「ちげぇよバカ野郎死ね!お前、新人だろ?練習だよ、練習」
「う~ん、どうみてもユウジ君がグレる要素は見当たりませんね、お金には困っている様子はなさそうですし、普通、断罪者になってしまう人たちって、みんな家庭になにかしらの事情がある人たちばかりですからね、今回のコレは奈良見的には意味不明ですね!」
「お前、この仕事やめちまえ!あと自信満々に降参するな!」
「いい加減にしないとローキに相談しますよ?」
「俺が分析したところ、このユウジ君は教育面でかなりプレッシャーを受けている可能性が高い、成績優秀で文武両道、それに父親は一流企業の社長だ、学歴もきっとスゴイんだろうな」
「なるほど、それじゃあ、両親の期待に答えなくてはいけないという、ある種の強迫観念がストレスになって断罪者、つまり社会不適合者になってしまったわけですね」
「そうだ、でも並みのプレッシャーじゃ、断罪者にはならねぇ、この事案にはもっと深い闇があるぜ、きっと」
「それって、もしかして今日残業ですか?」
「あったりめぇだろ、おめぇ俺の助手だろ!こっちは依頼人から依頼料もらってんだよ。明日まで真相を突き止めないといけないに決まってんだろ!」
「いやァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
とにかく、明日はユウジ君のお父さんにもリンクセンターに来てもらわないといけないようだ。

次回予告 『山田ユウジ』その2
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十八話  『山田ユウジ』その2

第百八十八話  『山田ユウジ』その2

次の日、リンクセンター石間にユウジ君とユウジ君の両親が面談に来た。
「今日は、こちらの我儘を聞いてお父さんを連れてきてくれたこと、本当に感謝しています」
「そんなことより、本当にうちの息子は今日でもとに戻るんだろうね?」
「お父さん、ご心配なく、それは俺が保証しますよ。それではまずはじめに、ユウジ君、ちょっと上の服だけ脱いでもらえるかな?」
「え...!」
ユウジ君は困惑を隠せない。
「おい奈良見!やれ!」
「どうなってもしらねぇですよ!」
俺の助手の奈良見ルナが困惑しているユウジ君が来ているTシャツを脱がす。
「おい!君たち、これはいったいどういうつもりかね!」
「ほ~ら、やっぱりこんなことかと思ったぜぇ~」
ユウジ君の背中には大量の痣があった。
「はっきり言って困るんですよね、こういうのは...そっちが原因作ったくせに、こっちに相談に来られるのは、本当に迷惑なんですよねぇ!」
「な、なにを言っているのかよくわからん!」
「とぼけてんじゃねぇぞ!このクソ親がァ!ユウジ君の背中の痣はどう見ても虐待の証拠だ!ユウジ君が断罪者、つまり社会不適合者になった理由はあんた達両親にある!なのに、あたかも自分たちが原因でないかのように、俺たちのところに相談しに来るのは正直ただの業務妨害だ!」
俺の言葉に、ユウジ君のお母さんが土下座をする。
「みなさんを騙したことはお詫び申し上げます、しかし、ユウジは確実に断罪者です!どうにかして、元に戻すことはできないでしょうか!」
「元に戻す?笑わせるんじゃねぇよ!人の心はなァ!一度傷ついたら元には戻らねぇんだよ‼」
「しかし、ユウジはこのままだと確実に社会との『繋がり』がない状態で一生を終えることになってしまいます!」
「俺が本気を出せば、一瞬でユウジ君を正気に戻せます、しかし、あなた達、特にユウジ君のお父さんがユウジ君に対する虐待をやめなければ、ユウジ君はまた壊れてしまいます、そうなれば、俺が今日、ユウジ君を正気に戻したところで意味がありません!」
「私は、私はただ、テストの成績で一番になれなかったユウジを痛みでもって教育しただけだ!私が子供の頃も、そういうふうに教育されてきたんだ!私は間違ってない!」
「アンタがどんな教育を親から受けてきたかなんて、ユウジ君には関係ないんですよ!そして、お母さんはなんでお父さんの虐待行為を見て見ぬ振りしてたんですか?」
「わ、私は経済能力がないので、夫には逆らえないんです」
「じゃあ、誰がユウジ君を守ってやるんだよ!いいか?本当にユウジ君を正気に戻したかったら、まず、ユウジ君の両親であるアンタたちが変わることだ!それが約束できなければ、俺はユウジ君を正気には戻さない!」
「わ、私は間違ってないんだ!私は常に一番でなければ、父親に暴力を振るわれた!そして私は痛いのが嫌だったから、常に一番になるための努力をした!そして私は一流企業の社長になった!」
俺は奈良見ルナがコップに入れたバカみたいに熱いお茶をユウジ君のお父さんの顔面にぶっかけた。
「あっちぃなァァァッ!なんて失礼なことをするんだ君は!」
「うるせぇ!死ね!おめぇは自分の息子の未来と自分の教育方針、どっちが大事なんだよ!」
「そ、それは...息子の...ユウジの未来に決まってるだろぉ‼」
「なら、約束しろ、これから、もう二度とユウジ君に虐待をしないと!」
「わかった...約束する...だからユウジを正気に戻してくれ!たのむ、この通りだ!」
ユウジ君の父親が母親同様、俺に向かって土下座をする。
「おめぇらが土下座するのは俺じゃねぇだろぉ?ユウジ君だろぉ?」
ユウジ君の両親が上半身裸のユウジ君に向かって土下座をする。
それをみたユウジ君が奇声を上げながら、床に何度も頭突きをする。
ユウジ君は意味不明な呪文と唱えながら床に何度も頭突きを繰り返す。
「웅부웅부주벚배너주벚웅부주벚배너배너웅부웅부주벚배너주벚웅부주벚배너배너웅부웅부주벚배너주벚웅부주벚배너배너웅‼부웅부주벚배너주벚웅부주벚배너배너웅부웅부주벚부주벚배너배너웅부웅부주벚배너주벚웅부주벚배너배너웅부웅부주벚배너주벚웅부주벚‼」
「石間さん!このままだとユウジ君が頭蓋骨の骨が折れてしまいますよ!」
「うるせぇ奈良見ィッ‼わかってんだよそんなことはァ‼」
俺はユウジ君の頭部を右手でつかむ。
「狂気には狂気をぶつけるんだよォッ‼」
俺の右手から狂撃波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
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そう、狂気に脳を支配されたユウジ君の脳内に、『狂撃波動』を放つことで、狂気を狂気で相殺するのだ。
そうすることで、断罪者の脳を支配している狂気は消滅して、断罪者は正常な状態に戻るのだ。
しかし、断罪者がなぜ、正常な状態から断罪者になってしまったかの原因を突き止めて改善しない限り、何度、断罪者から正常な状態に戻ってもまた、断罪者になってしまう。
そのような悲劇を繰り返さないために、リンクマスターは断罪者をただ正気に戻すのではなく、断罪者の心の闇ときっちり向き合って、断罪者の悩みを解決しなければならないのである。
正気に戻ったユウジ君は両親と手をつないで、石間リンクセンターを出た。
「いやァ~まさか、本当に石間さんの予想通り、虐待されていたとはねぇ...依頼者の服をいきなり脱がすとか、石間さんの予測が間違ってたらこのリンクセンター確実に潰れてましたよ」
「うるせぇ!死ねぇ‼」

次回予告 『西崎アリス』その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百八十九話 『西崎アリス』その1

第百八十九話 『西崎アリス』その1 

ある日突然、社会人が社会不適合者になってしまう現象、『断罪王現象』。
俺、石間コウイチは断罪王現象で社会不適合者になってしまった『断罪者』を正常な状態に戻し、再び社会につなげる『リンクマスター』の仕事をしている。
そして、俺が勤務するリンクセンター石間に電話で予約をしていた依頼主が訪問してきた。
「あの、先週、予約した西崎アリスの母のエミコですけど...」
「ああ、西崎さんですね、それじゃあ、そこのソファーに座ってください。おい奈良見!茶を3人分用意してくれ!」
奈良見ルナは俺の助手で、新人リンクマスターである。
「お茶のお湯はヤカンと電気ポッド、どっちで沸かしたお湯のほうがいいですかね?」
「電気ポッドに決まってんだろォ!いい加減、学習しろォ!」
「それで、私の娘のアリスのことなんですけど...」
「ああ、すいません、娘のアリスさんがどうかしましたか?」
「はい、実は娘のアリスが電車の中や、学校の教室の中で『G』をしてしまうんです...」
「『G』?ですか...?」
「はい『G』です...」
「その『G』って、いったいどんな『G』ですか?」
「あの...その...体の大事なところを自分でいじるほうの『G』です...」
「ああ...そっちの『G』ですね...」
「クスッ...」
「おい奈良見ィッ!なに笑ってんだ!ぶっ殺すぞォ‼さっさと茶ァ入れろォッ!」
「すみません、うちの助手が...あいつ義務教育過程を修了してないんですよ...」
「そ、そうなんですか...?」
「うっせぇ!適当なこと言ってんじゃねぇよ!とっくに修了しとるわい!」
「それでは、まず、アリスさんが本当に断罪者かどうか、チェックのほうをさせてもらいますね」
「はい、おねがいします...」
「それじゃあ、アリスちゃん、この白紙に今、君が思っていること、なんでもいいから書いてごらん?」
「わかりました...」
アリスが白紙に書いたのがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ご愁傷さまです」
「そんな!うちの娘はもう元には戻らないんですか?」
「それは、これから調査・分析します、こちらが電話で要求したアリスちゃんの資料は今日、ご持参ですか?」
「はい、コレです」
俺はアリスちゃんの母親のエミコさんから、アリスちゃんの情報について記された書類を受け取る。
西崎アリス。
学生。父と母の三人暮らし。父母ともに25歳。成績は普通、スポーツも普通。趣味は友達と遊ぶこと。ある日突然、自宅の室内だけでなく、学校の教室や電車の中で『G』を始めてしまうようになり、現在、不登校。
「わっかりました、それでは分析の後に、こちらから連絡させてもらいますね」
「はい、よろしくお願いします...」
エミコさんはそう言って俺に頭を下げて、アリスちゃんと手を繋いでリンクセンター石間から出ていった。
「なァ、奈良見、お前も学生の頃は教室や電車の中で『G』してたのか?」
「するわけねぇだろ!つーか、茶ァ!せっかく入れたのにどうして誰も飲まないのよォッ!」
「そんなもんだろ、どこも...それより、今回の件はかなり、難しいな...奈良見はこの件、どう見てる?」
「そーっすね、まァ、『G』をする場所はともかく、この年の女の子ならまァ、普通に『G』はしますよね、もちろん自分の部屋ですけど」
「奈良見はどんな『G』してたんだ?」
奈良見ルナがコップに入った熱々のお茶を俺の顔面にぶっかけてきた。
「あっちぃなァァッ!なにすんじゃボゲェッ!」
「ボゲェは貴様じゃクソボゲカス‼女に普通そういうこと聞くかァ?」
「まぁ、このアリスちゃんはおそらく、もともと性欲の強い女性だったんだろうな、それで、『なんらかの理由』でその性欲に歯止めが効かなくなった...」
「その『なんらかの理由』って?」
「この資料に記されている、アリスちゃんの両親の年齢をよく見ろ」
「『父母ともに25歳』...かなり若いですねぇ...もしかして!」
「なんだ、奈良見のくせにめずらしく勘がいいじゃないか、つまりそういうことだ」

次回予告 『西崎アリス』その2
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十話 『西崎アリス』その2

第百九十話 『西崎アリス』その2 

次の日、西崎アリスの両親が石間リンクセンターに面談に来た。
「それで、うちの娘のアリスは元に戻るんででしょうか?」
「戻りますよ、でもその前に一つ聞いておきたいことがあります」
「はぁ...なんでしょうか?」
「以前、提出してもらった資料の内容が正しければ、ご両親は二人とも、まだ25歳だとか」
「ええ、それのなにが問題なんですか?焦らさずに結論から言ってください!」
「ご両親は週に何回セッ●スしてますか?」
「そんなの娘の前で言えるわけがないだろ!」
「まぁ、お父さん、そう怒らずに、これは真剣な質問です」
アリスちゃんの父親が無言のまま俺に五本指を見せてくる。
「なるほど、週5ですか。お互いまだ25歳なだけあってかなり元気ですね」
「あんた俺たちをからかっているのか‼」
「そんなことはありませんよ、ただそんなにお盛んだと、当然アリスちゃんも気付かないわけがない」
「私たち夫婦が『そういうこと』をするタイミングはいつもちゃんとアリスが寝た後です!」
「お父さん、セッ●スの最中の奥さんの声はどんなかんじですか?」
「どんなかんじって?」
「大きいか、小さいかです」
「大きいですね...」
「ちょっとあなた‼」
「これで決まりですね、アリスちゃんはお二人の夜の営みが頻繫に行われていることを見て知って、ある日突然、学校や電車のなかで『G』をするようになってしまった」
「そんなでたらめなこと言わないでください!」
「あなたたちのセッ●スを見て知ったアリスちゃんは簡単に言えば、『性』に目覚めてしまった。ただでさえ強い性欲が、両親のセッ●スを見たことにより、極限まで高まり暴走を引き起こした。そして暴走した性欲を抑えきれなくなったアリスちゃんは学校や電車の中で『G』をするようになってしまった」
「そんな...それじゃあ、アリスが断罪者になってしまったのは全部、私たち夫婦のせいだっていうんですか?」
「その通りです、つまり、あなた達夫婦がセッ●スの回数を減らすか、もしくは浴室などでセッ●スをするなどの工夫をしないと、アリスちゃんの性欲の暴走は止まらない」
「そんなこと言ったって...セッ●スは夫婦に必要なコミュニケーションです、セッ●スレスは夫婦の仲に亀裂を入れかねない...」
「まさに、そこです。アリスちゃんはご両親に嫌われたくないばかりに、ご両親に自分がなぜ、学校や電車の中で『G』をするようになってしまったかの理由が言えなかったんです」
「そうなのか...アリス、俺たちに気を使って...」
アリスちゃんが父親の言葉にうなずく。
「お二人の娘であるアリスちゃんが自分自身を追い込むまで、ご両親に気を使ったんです。なら、ご両親もセッ●スをする際にはもうすこし、アリスちゃんに対して気を使ってはいかがでしょうか?」
「ごめんね、アリス、そんなつもりじゃなかったのに...」
「そっか、俺たちに言いずらかったんだよな、アリスは...」
「ということで、これから仕上げに入ります」
俺はアリスちゃんの頭部を右手でわしづかみにする。
「いたーい!おじさんなにするのー!」
「狂気には狂気をぶつけるんだよォ!」
俺はアリスちゃんの脳内を支配している狂気に『狂撃波動』↓をぶつけて相殺する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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正常になったアリスちゃんと、その両親が俺に礼を言ってリンクセンター石間を出た。
奈良見ルナが俺に話しかけてくる。
「夫婦の仲が良過ぎるってのも結構大変なんですね」
「そうだな、セッ●スレスで浮気したり離婚したりする夫婦もいるが、逆に夫婦の仲が良過ぎるってのも子供には悪影響なんだよな」
「でも、まだ二人とも25歳ですもんね、なんか仕方がないような気がするけど」
「仕方ないわけねぇだろ、あの夫婦はまだ、子供を産んで育てるには早すぎたんだよ、もっとわかりやすく言えば、人間より頭の悪い動物でも交尾すれば子孫を残せてしまうってわけだ」
「つまりあの夫婦はまだ、精神的には未熟だったってことですか?」
「そーゆうこと」

次回予告 柿原ミキエ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十一話 柿原ミキエ その1 

第百九十一話 柿原ミキエ その1 

リンクセンター石間に一人の女性がやってきた。
「あの予約をしていた...柿原と言うものですが...」
「ああ、柿原ミキエさんですね、それではこちらのソファーへどうぞ」
事務所のソファーに腰を下ろした柿原ミキエが依頼内容について話し始めた。
柿原ミキエの母は、ミキエが幼いころに病死していた。
それ以降はミキエの父親のコウジがミキエの弟のツトムとミキエを一人で育てていた。
ミキエは大学を卒業すると、そのまま会社に就職、そして職場恋愛ののちに結婚、子供が二人できた。
しかし、ミキエの弟であるツトムは受験にも就職にも失敗、現在、家で引きこもっているらしい。
「それでなんですけど、最近、父と連絡がつかないんです」
「お父さんのコウジさんと?」
「はい」
「最後に連絡が取れたのは?」
「2年前です」
「2年前?1年前じゃなくて?」
「はい、2年前です」
「もしかしてお父さんと仲が悪いの?」
「いえ、仲が悪いのは父ではなく弟のツトムです」
「どうして、弟と仲が悪いの?」
「弟のツトムは怒るとすぐに暴力を振るう人なんです、私も学生のころ、何度か理不尽な暴力を受けて嫌な思いをしたことがあります」
「それは具体的にどんな暴力ですか?」
「買い物に行く次いでに弟にコーヒーを買ってきてくれと頼まれたんです」
「ええ」
「それで、弟に言われた通り、コーヒーを買ってきたんですけど、弟が欲しかったのは、どうやらあったかいコーヒーだったらしくて、それで、激怒した弟に何度も顔を殴られました」
「キマッてますねぇ」
「暴行は、その一件だけではなく、何度も行われました。私は弟から逃げる為に、寮のある大学に進学しました。実は私、大学に進学してから一度も実家に帰ってないんです」
「なるほど、賢い判断ですね、それで、実家との関りはそれ以降、電話のみになったんですね?」
「その通りです。それで、今年の正月ごろに父に電話をかけたのですが、連絡が着かなくて、それ以降も何度も電話したんですけど、全然電話に出なくて...」
「なるほど...それで、ミキエさんはもしかしたら、お父さんのコウジさんはすでに弟のツトムさんに殺されてしまったのではないのかと危惧してこちらに依頼されたのですね?」
「はい、些細なことでカッとなった弟に父が殺されてしまっているのではないかと心配になりまして...」
「警察にはもう連絡はしたんですか?」
「実は、父にも結婚して子供がいることをまだ報告していないんです」
「それは弟のツトムさんから旦那さんと子供たちを守るためですね?」
「その通りです、警察に連絡するとなると、弟のことが旦那と子どもたちに知らされてしまいますし、結果的には弟にも、私の旦那と子どもたちのことが知られてしまいます」
「それで、ウチに来たと...しっかし困りますねぇ、ウチの専門は『断罪者』で『グヴァィズィー』じゃないんですよねぇ」
『グヴァィズィー』とは先天的な社会不適合者の名称である。
「弟は小学生までは、おとなしい普通の男の子だったんです」
「だから、弟のツトムさんは『グヴァィズィー』でなく、『断罪者』だと言いたいわけですね?」
「はい、先天的ではなく、後天的な社会不適合者は『断罪者』になってしまうと、以前どこかで聞きました」
「でも、あなたは結局、社会不適合者になってしまった弟のツトムさんを俺たちに正常に戻してほしいのではなく、お父さんのコウジさんのことが心配なんですよね?」
「それは、そうです。私が自分に都合がいいことを言っているのは十分理解しています、それでも、なんとかして父の身の安否だけでも調べてもらえないでしょうか?」
「わかりました、しかし、そうなると、警察の協力は必要不可欠になりますよ。まぁ、極力、ミキエさんの個人情報は伏せますが」
「ありがとうございます...」
「それじゃあ、あした警察の方々と俺と助手の奈良見ルナでミキエさんのお父さんの身の安否を確かめに行きますね」
助手の奈良見ルナが不満そうな声を上げる
「え、私も行くんですか!」
「あったり前だろォ!」
「それどう見ても激ヤバ案件じゃないですか~‼」
次の日の朝。
工事現場で働いている人が良く頭につけているヘルメットをかぶった俺と奈良見ルナと警察官数人は、ミキエさんの実家の前にいた。
工事用ヘルメットを頭部にかぶった奈良見ルナが不満の声を上げる。
「なんで人の家に行くのに、工事用のヘルメットをかぶんなきゃいけないんですか?」
「おまえ、昨日、依頼内容を聞いてなかったのか?」
「聞いてましたよ、依頼人の弟がかなりキマってるんですよね」
「そーゆーこと、つまり何が起きてもおかしくない」
「これって、なんかあったらローサイ出るんですかねぇ?」
「知らん、とにかく入るぞ」
警察官の一人が家のインターホンを押す。
しかし、約1分後、インターホンから家主の声は聞こえてこなかった。
「まだ早朝の7時ですよ、コウジさんって夜勤の仕事でもしてるんですかね?」
「いや、してない、コウジさんは数年前に会社を定年退職している」
痺れを切らした警察官が家のドアノブに手をかける。
警察官の眉間にしわが寄る。
「カギが開いている...!」
俺と奈良見ルナと警察官数人が家の中に入る。
室内は真っ暗だった。
そして、入ってすぐになにかが腐ったような激臭が鼻腔を貫く。
「ゔえええええええええええええええええええッ‼」
あまりの激臭に奈良見ルナがえずく。
一階の天井には大きな黒いシミができていた。
ポタ...ポタ...ポタ...。
そして、天井にできたシミから落ちてきた水が一階の床に落ちる。
「石間さん...これって...」
「ああ、ヤバいなこれは...!」

次回予告 柿原ミキエ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十ニ話 柿原ミキエ その2

第百九十ニ話 柿原ミキエ その2 

依頼人・柿原ミキエの実家に入った俺たちを待っていたのは薄暗い室内と鼻孔を貫く激臭だった。
そして、一階の天井にできた黒いシミから謎の液体が床に向かって落ちてきた。
「石間さん...これって...」
「ああ、ヤバいなこれは...!」
俺たちは急いで階段を上り、2階に到着する。
2階の部屋からはテレビ番組の音声が聞こえてくる。
「この音って...」
「奈良見、とりあえずそっちより先に、あの黒いシミの確認が最優先だ」
俺は謎の液体を流しているシミがあると思われる部屋のドアを開ける。
ドアには柿原さんの父の名前である、コウジと記されていた。
そしてドアの向こうには、黒い塊があった。
黒い塊の周りを数匹のハエが飛んでいる。
となりにいた警察官が目の前の惨状に顔をしかめる。
「石間さん...これどう見てもアウトですよね」
「うるせぇ!まだコウジさんの死体だと決まったわけじゃねぇ!」
隣にいた警察官がすぐにどこかへ連絡を始める。
俺はその間にテレビの音がする部屋に向かって歩き出す。
そのドアには『ツトム』と記されてあった。
俺はドアを何度かノックする。
「おい、入るぞ!」
「入るな!」
ドアの向こうからツトムらしき人物の声が聞こえてくる。
俺はそれを無視してドアを開ける。 
部屋の中には中肉中背の中年男性が一人いた。
「お前、柿原ツトムだな?」
「だったらなんだ!てめえ、かってに人の部屋入ってきやがって、警察呼ぶぞコラ!」
「警察はもう来てんだよ!こっちは警察の許可もらってここにいるんだよ!」
「あっそォッ!」
「あっそじゃねぇんだよ!お前、あの死体、誰のだ?」
「親父だよ!」
「おまえ、ツトムさんを殺したのか!」
「ちげーよ!親父が俺を殺そうとしてきたんだ!だから返り討ちにしただけだ!正当防衛なんだよ!」
「やっぱおめぇが殺したんじゃねぇか!なんで殺したァ!」
「あのクソ親父はなぁ!働かずに親の税金で生活してる俺に『死ね』って言ったんだ!だから俺があのクソ親父を殺したんだ!」
「そんなことで殺したのか!」
「そんなこと?死ねって言ってきたのは親父のほうだ!俺に殺意を向けてきた人間を、殺意を向けられた側の俺が殺して何が悪い!」
「そりゃあ、お前働かずに一日中自分の好きなことばかりしている奴は『死ね』って言われて当然だろ!」
「うるせぇ!俺はそもそも親に俺を作って産めなんて一言も頼んじゃいねぇんだ!そのくせ、産まれてきたら働かないだけで『死ね』って言うのが親のあるべき姿なのか?それとも俺に『死ね』って言った親父に俺が殺されればお前ら満足なのか?」
「働かねぇやつはいずれ、餓死して死ぬ、だからお前は死んで当然なんだよ!だから『死ね』‼」
「ふざけんな!デエンノヴォーみてぇな国の『シィヨヴォチョー』だって働いてないんだ!それでどうして俺が働かなくちゃいけないんだ!国の『シィヨヴォチョー』と同じことして何が悪い!」
「うるせぇ!死ねぇ!」
「てめぇ‼ぶっ殺してやるゥ‼」
ツトムが工事用ヘルメットをかぶった俺の頭部を、そばにあった空のビール瓶で殴りつけてくる。
俺はその瞬間に自分の右手でフケだらけのツトムの頭部をつかむ。
「狂気には狂気をぶつけるんだよォ!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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脳内に俺の狂撃波動をくらったツトムが正常に戻り、気絶する。
「石間さん、今回はなかなかハードでしたねぇ」
「俺の言った通り、ヘルメットしておいて良かっただろ」
コウジさんの腐乱死体と気絶したツトムを救急隊が担架に乗せて救急車の中に入れる。
俺と助手の奈良見ルナは柿原ミキエの実家を出る。
「あのツトムって人、これからどうするんですか?」
「あいつは断罪者収容所に入れられる」
断罪者収容所とは、犯罪を犯した断罪者を収容する、断罪者専用の刑務所である。
「でも、あの人、父親を殺したんですよ、ふつうに考えて断罪者収容所ではなく、刑務所に収監されるはずでは?」
「断罪王現象で社会不適合者になった人間、つまり断罪者はこの国の法律では心神喪失状態とみなされ死刑判決を下すことはできないんだ」
「そんなことが許されていいんですか?」
「仕方がない、それがこの国のルールだ、そして正常になった柿原ツトムは一定期間の生活訓練を経て断罪者収容所から出所するだろう」
「そんなの無茶苦茶ですよ」
「俺の狂撃波動をくらって気絶したんだ、ツトムは間違いなく断罪者だよ。ミキエさんには悪いが、俺たちの仕事は断罪者を正常にして社会につなげることだ」
「じゃあ、石間さんはまたツトムに会いに行くんですか?」
「ああ。ツトムが出所したら、俺がツトムに職業の紹介や、自立して生活できるようにサポートをする」
「あんなモンスターみたいなやつの世話なんて私、絶対無理です」
「バカ野郎、お前だってリンクマスターなんだぞ、無理とか言ってんじゃねぇ!」
さて、今回の件、ミキエさんにどう説明したらいいものか。

次回予告  柿原ミキエ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十三話 柿原ミキエ その3

第百九十三話 柿原ミキエ その3

依頼人、柿原ミキエの実家に行った俺達を待っていたのは、ミキエの父であるコウジの死体と、部屋でテレビを見ていたミキエの弟、ツトムだった。
働かずに父親の年金に頼って生活していたツトムに父親のコウジが『死ね』と言ったのが理由で、コウジは息子であるツトムに殺された。
腐乱死体となったコウジは葬式ののちに火葬。
俺の狂撃波動により正常になった後に断罪者収容所に収監されたツトムは社会復帰のための生活訓練中である。
そして、俺は依頼者である柿原ミキエさんに事の顛末を説明していた。
「やっぱり、父は弟に殺されていたんですね...」
「ええ。こうなると、娘のミキエさんはもう、この件について無関係ではいられません、当然、旦那さんや子どもたちにも多少影響があると思ってください」
「私は間違っていたのでしょうか...?」
「間違っていた...?」
「私が父の身の安否を石間さんに依頼したせいで、私は旦那や子どもたちを犯罪加害者の家族にしてしまった...」
「しかし、今回の件については、加害者も被害者もミキエさんの家族ですから、ミキエさんがそこまで思いつめる事もないと思いますが...」
「弟に殺された父をあのまま実家に放置しておけば、私は旦那や子どもたちをこの事件に巻き込まずに済んだんです...」
「コウジさんの死体は腐っていました...腐乱死体になったコウジさんの死体から漏れた腐乱液は2階の床を貫通して1階の天井にシミを作っていました...」
「やめて、そんなこと聞きたくないわ!」
「ミキエさんが我々に依頼してくれなければ、コウジさんはツトムが餓死するまで、ずっとあの悲惨な状態のままだったでしょう、死体とはいえ、あなたの依頼は結果的にはコウジさんの魂を救ったと私は思ってます」
「あなたには所詮、他人事だからそんな綺麗事が言えるんです。死ぬのであれば、父ではなく、弟のツトムのほうが良かったと私は思っています」
「でも結果的には、あなたの依頼がきっかけで、俺はツトムを正常な状態に戻すことができた、彼は今、断罪者収容所で自立生活に向けて訓練を重ねています」
「どうして死刑にできないんですか?ツトムがまた人に迷惑をかけない保証がどこにあるんですか?」
「そんな保証はどこにも、ありません、ただ断罪者の犯罪はたとえ殺人事件でも心神喪失状態ということで、死刑にはなりません」
「あんな弟、死ねばよかったんだ!」
「とにかく、世間はあなたとあなたの旦那さんと子どもたちには同情的になってくれると思います、知り合いの新聞記者にも俺のほうできちんとした事実を報告させてもらいました」
「そう...ですか...すみません、先程はすこし感情的になってしまって...」
「いえ、所詮、他人ですからね...」
柿原ミキエは俺に一礼して、事務所を出た。
「なんか報われないですねぇ~石間さんはツトムにビール瓶で頭殴られたのに...」
「まぁな、でもこんなもんの連続だぞ、この仕事は。そんじゃ、奈良見、車の運転よろしくな!」
「ゲェ~!本当に行くんですか?断罪者収容所に」
「前に行くって言ったろ、ツトムの面会に」
「工事用ヘルメット、また頭にかぶってもいいですか?」
「勝手にしろ、ほい、とっとと準備しろ」
「ほ~い」
助手の奈良見ルナが運転する車が断罪者収容所に向かう。
断罪者収容所とは、断罪王現象により、社会不適合者、つまり断罪者になってしまった人間を正常に戻し、自立させるために訓練を施す収容所のことである。
面会室に見張りの刑務官と共に坊主頭の柿原ツトムが入ってきた。
「よぉ!久しぶりだな!頭もずいぶんすっきりして!その坊主頭、何ミリだ?」
「2ミリです」
「ひゃあ~それじゃあちょっと寒いんじゃないか?」
「ええ、まあ...」
俺の前で恥ずかしそうにはにかむ柿原ツトムは依然と比べると、とても明るい好青年に見える。
これではまるで別人じゃないか。
「石間さんの後ろの人、どうして工事用のヘルメットなんてかぶってるんですか?」
「そりゃ、お前にビール瓶で頭殴られないために決まってんだろ!」
「あははは、刑務官の前でそんなことするわけないじゃないですか~!」
「刑務官がいなかったら殴るの?」
「殴りませんよ...それより、俺、今、とっても楽しいです、なんか気持ちがスッキリしたっていうか...」
「そっか、よかったな、天国のお父さんもきっと喜んでいるぞ!」
「そうですね、お父さんにはなんか悪いことしちゃったな~って思ってます!」
コイツ...本当に反省してんのか...?
「とりあえず、また来るよ、早くここを出れるといいな」
「僕はどちらかと言えば、こっちのほうが居心地がいいんですけどね」
俺はツトムの言葉にあえて返事を返さずに面会室を出た。
「石間さん、アレ、本当に反省してるんですか?」
「アイツは俺の予想通り、断罪者だったが、もしかすると断罪者になる前から、すこし壊れたヤツだったのかもしれない...」
「ツトムは今回の件でミキエさんの旦那さんや子どもたちのことを知っちゃったんですよね?」
「もちろん」
「出所したツトムがミキエさんの旦那さんや子どもたちに危害を加えないといいですね」
「ああ、俺もそう祈っているよ」

次回予告 梅原ノリオ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十四話  梅原ノリオ その1

第百九十四話  梅原ノリオ その1
かけっこや、ボール遊び、人々が遊ぶ声であふれる日中の公園に一人の男がやってきた。
そして、男は公園の中心で急に衣服を脱ぎだした。
その男の名は梅原ノリオ。
        *
俺が勤務するリンクセンター石間に依頼人が入ってくる。
「どうも、以前、電話で予約した梅原です」
依頼人、梅原キヌさんが俺と、助手の奈良見ルナに頭を下げる。
そして、梅原キヌさんのとなりには、キヌさんの息子、梅原ノリオが立っていた。
「では依頼の内容について説明してもらってもいいですか?」
「はい、うちの息子のノリオがある日突然、大勢の人の前で服を脱いでしまいまして」
「なるほど。警察はそのことを知ってるんですか?」
「いえ、警察はまだウチには一度も来ていません」
「なぜ?」
「ノリオはとても足が早くて、人前で裸になってすぐに自宅まで全力疾走しているそうなんです。そうなのよね、ノリオ」
「うん、僕は学生のころから足が早いんです、だから警察が僕を捕まえることは不可能です」
「でも、我々が警察に通報すれば、君はもう警察からは逃げられないよ」
「無駄ですよ、衣服を着た状態から裸になることで僕の速度はよりスピードアップする」「とりあえず、断罪者か、ただの露出狂の犯罪者かどうかだけ確かめさせてもらいますね。ノリオ君、今、君が思っていることを、なんでもいいからこの紙に書いてよ」
断罪者。それは断罪王現象と呼ばれるある日突然、正常な社会人が社会不適合者になってしまう現象により、社会不適合者になってしまった人々の名称である。
梅原ノリオが白紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「これは重症ですね」
「やっぱりね。うちのノリオは普段、公務員の仕事をしているエリートなんです。そのノリオがある日突然、人の前で服を脱ぐなんて、断罪王現象以外に原因なんて考えられませんよ!」
「つまり、警察と会社にノリオ君の犯罪を特定されて逮捕される前に、我々にノリオ君をまともな状態にもどしてほしいということですね」
「そういうことです、お金ならいくらでも払います」
「でもキヌさんね、断罪王現象である日突然、断罪者、つまり社会不適合者になってしまう人たちにはみんな、断罪者になってしまう『きっかけ』があるんですよね」
「それはつまり、ノリオの心の闇がノリオを断罪者にしてしまったということですか?」「そういうことです、そこらへんをどうにかしないと、ノリオ君はまた人前で服を脱ぎ始めてしまうでしょうね」
「そんなのノリオに聞いてみなきゃわかりませんよ!」
「ノリオ君、ノリオ君はどうして人前で服を脱いじゃうのかな?」
「う~ん、頭の中で、なんかいきなり『いってこい』って言われたような気がして、それでみんなの前で服を脱ぐと、こう、なんというか、青空を自由に飛ぶ鳥になったような感じがして気持ちがいいんですよね」
ノリオ君の発言を聞いた奈良見ルナが必死に笑うのを我慢している。
「奈良見ィ!笑ってんじゃねェよォ!すいません、この助手まだ新人なものでして...とにかく、さっきのノリオ君の発言だけではノリオ君が断罪者になってしまった理由がわかりませんので、今日ご持参してもらった資料をもとに分析が済み次第、またご連絡させていただきます」
「それじゃあ、困るんですよ!ノリオが警察に捕まってしまったらノリオは会社を解雇されて本当の意味で社会不適合者になってしまうんです!今すぐ私の知っているノリオを返してください!」
「こちらにもできることと、できないことがあります。仮に今、ノリオ君を元に戻しても、ノリオ君がどうして人の前で服を脱いでしまうのか、その原因を突き止めて、ノリオ君自身が変わらないと、また同じあやまちが繰り返されます」
「じゃあ、私達家族はどうすればいいんですか!私と旦那は一生懸命、ノリオを教育してノリオの人生を『完成』させたのに、これでノリオが警察に捕まったら...」
ノリオの母親のキヌさんがいきなり泣き始める。
「とにかく、私共の分析が終わるまでノリオ君を外出させないように努力してください、我々に言えるのはそれだけです」
梅原キヌさんは渋々、ノリオの手を引いて、リンクセンター岩間から退室した。
「あのキヌっていう母親、ノリオ君の人生を『完成』させたって言ってましたね...」
「奈良見のくせになかなか鋭いじゃねぇか!俺もそこに引っかかった。この件を解決させるカギはおそらくそこにある...」

次回予告  梅原ノリオ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十五話 梅原ノリオ その2

第百九十五話 梅原ノリオ その2

次の日、梅原ノリオとキヌさんが再びリンクセンター石間を訪れた。
「次の面談が案外早くて本当に助かりました...」
「それで、ノリ君の調子はどうでした?」
「昨日は家に帰ってからノリオにずっと家にいるようにちゃんと注意しておきました」
キヌさんの隣に座っているノリオ君は不服そうな顔をしていた。
「ノリオ君がなにか言いたそうですが...」
ノリオが口を開く。
「昨日の天気は快晴でした、僕は昔から青い空を見ると、どう表現していいのかわからないんですけど、なんかウズウズしちゃうんですよね」
「また鳥になって青空を自由に飛び回りたくなった?」
「ええ、何もかも脱ぎ去って、僕は自由になりたいんです。だから僕にとって服を着て歩くということは社会性とか常識という名のヨロイを身にまとって歩いているようなものなんです。つまり、僕はそういったつまらない固定観念と同調圧力に支配されているかわいそうな人たちの前で服を全部脱いで、『僕はお前らとは違うんだぞー!』って周りにアピールしたいんです」
「なるほど、君はこの社会が嫌いなんだね?」
「嫌いではないです、でも僕は今まで、お母さんとお父さんの言うことを聞いて生きてきました」
「キヌさん、ノリオ君に反抗期はありましたか?」
「うちのノリオは他のダメな子とは違いますから、親に反抗したことなんて一度もありません」
「なるほどね、ノリオ君が公務員として働く正常な社会人から、ある日、突然、みんなの前で服を脱ぐようになってしまった原因は間違いなく、ノリオ君のお母さんとお父さんの影響でしょうね」
「そんなのでたらめよ!私はノリオに一度も人前で服を脱げと命令したことはありません!」
「命令ね...。キヌさんね、そういうことじゃないんです、わかりやすく言えば、ノリオ君はパンクしちゃったんですよ」
「パンク...?」
「あなた達両親がノリオ君に完璧を求めることで、ノリオ君は両親の言うことが絶対に正しいと思うようになってしまった、そうすることでノリオ君は自分にとって何が正しいのかわからなくなってしまった。両親の教えか、それとも自分の判断、どちらが正しいのかわからなくなりパンクしてしまったノリオ君は全てを捨てる、つまり服を脱ぐことで、自分自身の葛藤から自分自身を解放しようとしたんです」
「私たち親がノリオのためを思ってしたことが、ノリオを追い詰めて露出狂にしてしまったということですか?」
「その通りです、両親の命令が絶対であると信じ続けて成長したノリオ君は自分の正しいと思うことを正しいと思うことができなくなってしまった。だからノリ君は全てを、つまり社会性と常識を象徴する衣服の着用というルールを破り、衣服を脱ぎ去ることで自由になろうとした、つまり『悩む』という行為から現実逃避しようとしたんです」
「それでは、私たち親のしたことは全部、無駄だったということですか?」
「無駄ではありませんよ、ただ、その影響でノリオ君が最終的に出した結論が大勢の人の前で服を脱いで全裸になるという判断であっただけです」
「では、ノリオはこれからいったいどうなるんですか?」
「まず、ノリオ君をあなた達から解放してあげてはどうでしょうか?」
「ノリオを解放?」
「ええ、ノリオ君にはこれかから外の代わりに室内で全裸で生活してもらったほうがいいでしょう」
「それはいったいどういう意味ですか?」
「まず、全裸で生活するノリオ君、つまり本当のノリオ君を両親が認めてあげることが大切だと俺は思います。そうすることで、ノリオ君は自分を否定せずに、今の自分自身が両親に認められている安心感を抱くことができます」
「それでは、そちらのほうでは、もうノリオを正常に戻すことができないということでしょうか?」
「正常も異常も、今のノリオ君はノリオ君のままです。ノリオ君はあなた達のゆがんだ教育方針により、露出狂になってしまった、ただ、それだけです」
「じゃあ、ノリオが外でまた服を脱ぎ始めたら、私たちはいったいどうすればいいんですか?」
「自宅でノリオ君を全裸のままで生活させる、コレにはガス抜き、つまりストレス解消の目的があります。今のノリオ君には本当の自分をだれかに理解してもらうこと、認めてもらうことが大事だと俺は思ってます。ストレスを一時的に解消する癖がつけば、ノリオ君は外で服を脱ぐのをやめるかもしれません」
「しれません...ってあなたたちの仕事はノリオのような断罪者を社会に復帰させることじゃないんですか?」
「おっしゃる通りですが、まず最初に露出狂のノリオ君をノリオ君にとっていちばん大切な、あなた達両親がちゃんと受け入れて認めてあげるのが、ノリオ君を正常にもどす近道です」
「では、今回はそちらでできることは何もないということですか?私たちはもうすでにお金をそちらに払ったんですよ!」
「わかりやすく言えば、ノリオ君には狂撃波動を脳内にぶつける必要がないということです、そして先程のアドバイスが、我々がご依頼主様にできる最大限の努力だと思っていただければ幸いです」
「それでは困ります、ノリオがまた服を脱いで近所の人々に迷惑をかけたら、いったいどうしてくれるんですか?」
「どうもこう、外出の際に、ご両親のどちらかが付き添えばいいだけの話です」
「それでも、ノリオが言うことを聞かない場合はどうすればいいんですか?」
ノリオ君がいきなり服を脱いで全裸になる。
「お母さん、これが本当の僕です...」
「ノリオ...」
「ノリオ君、今度から服を脱ぐのは自宅内だけにする、外では絶対に服を脱がない、この約束が守れるかな?」
「その約束を守れなかったらどうなるんですか?」
「断罪者収容所に入ってもらうことになる」
「断罪者収容所?」
「断罪者収容所っていうのは、わかりやすく言えば、断罪者(社会不適合者)が入る刑務所のことだ。ノリオ君がいくら足に自信があっても警察に捕まれば、断罪者収容所に入ることになってしまうよ」
「嫌だ!僕は刑務所なんかに入りたくない!」
「なら俺との約束を守ってくれるかな?」
「はい、でも、お母さんとお父さんが、『今』の僕を受け入れてくれるでしょうか?」
「キヌさん、『今』のノリオ君を受けて入れられますか?」
「夫と共に努力してみます...」
「狂撃波動をノリオ君に直撃させれば、一時的にノリオ君はまともになります、しかし、ご両親が『今』のノリオ君を受け入れることができなければ今回の件を解決することは不可能でしょう。俺はぜひ、ご両親にもノリオ君と一緒に変わってくれることを願っています」
衣服を着用したノリオ君と共に母親のキヌさんがリンクセンター石間を去った。
俺の隣で奈良見ルナがつぶやく。
「石間さん...子育てって大変なんですね...」
「ああ、だから俺は絶対に結婚なんてしないし、子どもも作らない」
「石間さんは、そのほうがいいと思いますよ」
「なんか腹立つな」
その後、ノリオ君は務めていた役所を休職した。
それから一ヶ月の間、露出狂が県内に現れることはなかった。

次回予告 伊倉アキオ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十六話 伊倉アキオ その1

第百九十六話 伊倉アキオ その1

伊倉アキオ。
高校生。
通っている学校では有名ないじめられっ子である。
その日も、アキオはいじめっ子数人に囲まれて、暴力を受けていた。
「コイツ、ホント面白いよな!ぜってーやり返さねーの!」
「しかもニヤニヤしやがって、ドⅯなんじゃねぇかコイツ!」
集団暴行されているアキオの前をまるで何もなかったかのように担任教師が通り過ぎていく。
いじめっ子の一人がアキオの衣服を全て脱がす。
アキオはふいに、かつて教室で聞いた噂話を思い出す。
『ねぇ、断罪王現象って知ってる?』
『知ってる、ある日突然、まともだった人が社会不適合者になっちゃうんでしょ?たしか、そういうふうになっちゃった人のことを断罪者って呼ぶのよね』
『そうそう、断罪者はこの国の法律では心神喪失状態にみなされて、絶対に死刑にならないそうよ』
『何それこわーい‼それじゃあミセーネンの殺人犯と一緒じゃん!』
気が付いたらアキオの人差し指が自分の服を脱がしたいじめっ子の右目に突き刺さっていた。
「痛てぇよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
クラスメイトの右目から大量の血が流れている光景に、他のいじめっ子達が一斉に動きを止める。
その隙に、アキオはもう一人のいじめっ子の右目に人差し指を突き刺す。
「ゔぐうあああああああああああああああああああああああああッ!」
二人目の犠牲者が出たことで、いじめっ子たちが二手に別れ逃走を始める。
一つは先生に報告する生徒達。
二つ目はアキオを暴力で制裁する生徒達。
「アキオのくせに調子こいてんじゃねぇぞ!」
いじめっ子がアキオに向かって拳を振り上げる。
アキオは全裸のまま、それを回避すると同時に右足を天に向かって振り上げる。
そして次の瞬間、アキオのかかと落としがいじめっ子の右目に直撃する。
「ぐがぁぁあぁあぁぁあぁあぁぁあぁあぁッ‼」
「なんだコイツ...!本当にアキオなのか?」
「僕はアキオ...今日から断罪者のアキオだ!」
アキオはすばやい動きと同時に両手人差し指を次々といじめっ子たちの両目に突き刺してゆく。
いじめっ子のほとんどがスポーツ推薦や、偏差値の高い大学に指定校推薦が決まってる生徒達だった。
校舎裏の一部がアキオに両目をつぶされた、いじめっ子たちの血液で真っ赤に染まっていた。
そして一部血に染まった校舎裏の土の上で、両目をつぶされたいじめっ子達が身を横たえて痛みにもだえ苦しんでいる。
彼らは皆、両目と同時に輝かしい未来まで失ってしまったのだ。
その後、アキオは家庭科室から包丁を持ち出し、先生を呼びに行ったいじめっ子たちも、偶然、その日だけいじめに加担していなかったいじめっ子たちも全員殺害した。
そして、アキオがいじめられているのを見て見ぬふりをしていた担任教師が両手に包丁を持ったアキオに追いかけらていた。
担任教師は逃走中、致命的なミスに気付く。
そう、担任教師は逃げるのに無我夢中で校舎の階段を上へと駆け上がってしまっていたのだ。
それは、自ら自分の逃げ場所を無くしているのと同じである。
屋上まで追い詰められた担任教師が全裸の状態で全身血まみれのアキオに向かって質問する。
殺した生徒たちの返り血を浴びた影響でアキオの全身は真っ赤に染まっていた。
「お、お前、本当にあの、アキオなのか...?」
担任教師が疑問を抱くのも当然だ。
なぜならアキオはクラスで一番、足が遅かったからだ。
「言ったはずだ...僕は断罪者のアキオだ...!」
「お、俺は今、それを初めて聞いたんだが...うぐぅああああああああああああああッ‼」アキオは両手に持った包丁で担任教師の首を切り裂く。
全身を真っ赤に染めたアキオは屋上から校舎の中に戻る。
校舎の中に戻ったアキオを見た生徒たちがダッシュで逃げる。
アキオの耳にパトカーと救急車のサイレンの音が聞こえてくる。
血塗れのアキオは水道で頭と顔を洗って、教室に戻る。
教室のロッカーから学校専用のジャージを着たアキオは、校門から外に出た。
ジャージのポケットに包丁をしまったアキオはリンクセンター石間に向かって走る。
勤務中に助手の奈良見ルナとトランプのババ抜きで遊んでいた石間コウイチの耳にリンクセンター石間のドアが開く音が聞こえてくる。
「あっれ、おかしいな...今日の予約はもうおしまいなんだけど...」
リンクセンター石間の中にアキオが入ってくる。
「あの...僕...断罪者なんですけど...」
「それはわかったんだけどぉ、君、今日予約してないだろ?」
アキオが石間コウイチに土下座をする。
「僕が断罪者か、どうか確かめてくれませんか?」
「そりゃ、いいけど、予約してもらわないと...」
「おねがいします!僕が断罪者かどうかだけ確かめてもらえば、すぐに帰りますから!」「石間さん、確かめるぐらいなら問題ないんじゃないですか~もしかしたら次の依頼に繋がるかもだし」
「しっかたねぇなぁ~じゃあ、この白い紙になんでもいいからなんか書いてみろ」
アキオが白紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ご愁傷様。うん、お前、たぶん断罪者だよ、たぶんだけどね」
石間コウイチの言葉を聞いたアキオの表情が満面の笑みになる。
アキオの右手にはボイスレコーダーが握られていた。
「そうですか...ありがとうございました...」
アキオはそのまま足早に事務所の出口に向かって歩いていく。
「おい、お前、なんか困ってんだろ?だったら今日予約してけよ!」
「いえ、別にもう困ってませんよ、それでは」
アキオはそのまま、リンクセンター石間から去った。
石間コウイチは奈良見ルナとトランプのババ抜きを再開した。
「また私の勝ちっすね、もういい加減帰っていいですか?」
「ダメだ、お前は俺に負けるまで残業しろ」
「死ね」
その数秒後、女刑事・新田みくがリンクセンター石間に入ってきた。
「アンタたち、なに勤務時間にトランプして遊んでんのよ!それでも社会人なの?」
「あ、みくちゃんだ!ちょっと聞いてくださいよ実は石間さんが!」
「それどころじゃないのよ!さっき、この事務所に来た人、覚えてる?」
「ああ、もちろん」
「そいつ、私たちがで今、追ってる大量殺人鬼よ!」

次回予告  伊倉アキオ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十七話  伊倉アキオ その2

第百九十七話  伊倉アキオ その2

とある学校で起きた大量殺人事件。
リンクセンター石間を訪ねてきた男は、その大量殺人犯の伊倉アキオだった。
そして、アキオが帰った後にリンクセンター石間を訪ねてきた女刑事・新田みくから、石間コウイチと助手の奈良見ルナは、先程、訪ねてきたアキオが連続殺人犯であることを知らされた。
「さっきの男が連続殺人犯だと?」
「ええ、その通りよ。名前は伊倉アキオ。それで伊倉アキオはここに何をしにきたの?」「何をって、なんか自分は断罪者か、どうか確かめてくれって頼まれたから...」
断罪者とは、断罪王現象により、ある日突然、社会不適合者になってしまった人々の名称である。
「頼まれたから?」
「はい、コレ」
石間コウイチは女刑事・新田みくにアキオが白紙に書いたイラスト↓をに手渡す。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「あんた達、見事にやられたわね...それで石間君は伊倉アキオになんて言ったの?」
「多分、断罪者なんじゃねって言った」
「あーあ!ボイスレコーダーにその音声録音されてたら、もう、伊倉アキオは死刑にできないわよ!」
「そんなこと言われったって、奈良見が断罪者かどうか確認しろ...って言うからさ」
「ちょっとまってくださいよ、私は本当ならもう退社してるはずなんですよ!それを石間さんがババ抜きで俺に負けるまで残業しろって言うから...!」
「はいはい、今更そんなこと言ってもなんの解決にもならないわ、こうなった以上、アンタたちにも捜査に加わってもらうわよ!」
「でも、このイラストを見る限り、音声証拠がなくても、アキオはどうみても断罪者だぜ、それをお前さん、どうしてそこまでアキオを死刑にしたがるんだ?」
「今日、アキオに殺された被害者の中に私の弟がいたのよ」
「なるほど、それで一人でここに来たってわけか」
「上に捜査に個人的な感情を持ち込まれては困るって言われてね、捜査を外されたのよ」
「え!それってもしかしてみくちゃん違法捜査じゃないですかー」
「とにかく!私の捜査に協力しなさい!」
「ダメだ」
「どうして?」
「お前、断罪者が死刑にできねぇからって、アキオを殺して、殺された弟の仇を取るつもりだろ?」
「そんなことしないわ、できれば、断罪者である事実をなかったことにして犯罪者として法で裁いて死刑にしたかっただけよ」
「殺意は認めるんだな?」
「そりゃ、そうでしょ、家族を殺されたのよ。でも、別に私の手で殺そうとかは考えてないわよ、そう!考えてない...わよ...」
「わかった、俺はお前の言葉を信じる、だからお前も俺と奈良見を絶対に裏切るな」
「え!私もですか?」
「あったりめぇだろ!おめぇも俺と一緒にアキオを探すんだよぉ!」
「ありがとう、頼りにしてるわよ二人とも」
俺と奈良見は新田みくの運転する車に乗って移動を開始した。

次回予告  伊倉アキオ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十八話 伊倉アキオ その3

第百九十八話 伊倉アキオ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
いじめられっ子の高校生、伊倉アキオはある日突然、断罪者に覚醒して、自分をいじめていた生徒達を一人残らず包丁で斬殺した。
石間コウイチと助手の奈良見ルナは、伊倉アキオに弟を殺された女刑事・新田みくと共に逃走中の伊倉アキオを探し始める。
「おい新田、お前、アキオがいそうな場所に心当たりがあるのか?」
「ええ、伊倉アキオの目的がいじめっ子たちへの復讐なら、アキオは自分が高校に進学する前に通っていた中学校や小学校の元クラスメイトのいじめっ子たちもターゲットにしているはずよ」
「なるほど、この時間なら、まだギリギリ下校時間じゃないな」
「やっべ、私、工事用のヘルメットかぶってくるの忘れちゃいました!アキオって確か包丁持って逃走してるんですよね」
「諦めろ、奈良見。とっととアキオの元クラスメイトが通学している高校に行かないと、全てが手遅れになる」
「でも、ぶっちゃけさぁ、いじめっ子なんて守る価値ないと思うんですよね?」
アキオをいじめいていた弟を持つ新田みくの表情が難しい顔になる。
「おい奈良見、もうちょっと空気読めや...」
「す、すんませ~ん」
「いいのよ、奈良見さん、私も自分の弟がアキオに殺されていなければ、あなたと同じことを思っていたに違いないわ。でも、いざ、いじめ加害者とはいえ、自分の家族が被害者になってしまうと、誰が被害者で誰が加害者なのか、わからなくなっちゃうわよね...」
「新田、とりあえず、今は運転に集中しろ、お前がブルーになって事故ったらアキオの被害者がさらに増えるんだぞ」
「わかってるわよ、そんなこと...」
数分後、新田の運転する車がアキオの中学時代のクラスメイト達が一番多く通っている高校の近くに止まる。
車から降りた俺達はすぐに、その高校の校舎の中に入る。
新田みくが受付の事務員に警察証を見せて事情を説明する。
「どうやら、まだここにはアキオらしき人物は来ていないみたい...」
「逆に怪しいな、この高校は中学時代にアキオをいじめていた生徒達が一番多く通っている高校なんだろ?」
「もしかして、今日は疲れたから、明日に予定を変更しようとしたとか?」
「それはないな、今日中に警察がアキオが訪れそうな学校に警備を固めれば、アキオは自分の目的を達成しずらくなる」
「そうね、犯行予定の変更はアキオにとっても色々と都合が悪いわ...」
次の瞬間、見知らぬ生徒の頭部が俺達の目の前の床に転がってきた。
「また、お会いましたね、石間さん」
「アキオ...お前!」
「僕がターゲットを斬殺するのに、わざわざ正面から校舎に潜入すると思いました?」
突然現れたアキオと床に転がる生徒の頭部に、先程まで話していた受付の事務員と周りのクラスメイト達が悲鳴を上げる。
「アキオ、お前もう、いじめ加害者を全員、殺しちまったのか?」
「もちろん、断罪者の僕なら、何人、人間を殺しても、この国の法律では死刑にできない、殺らなきゃ損ですよ」
奈良見が俺に涙目で訴えてくる。
「そんじゃあ、まぁ、もう手遅れってことで、石間さん、私もう帰っていいですか?」
「ダメに決まってんだろぉ!」
「だってアキオは、この短時間でたぶん十数人殺してるんですよ!私たちじゃ勝てっこないですよ!」
「アキオを殺せる方法が一つだけあるわ...」
女刑事・新田みくが拳銃の銃口を全身血まみれのアキオに向ける。
「おい!新田ァ!お前、それじゃあ約束が違うぞぉ!」
「でも、アキオは断罪者に覚醒したことで、身体能力が向上しているのよ...もうこれしか方法がないわ」
「お前がアキオを殺したら、今度はお前が人殺しになるんだぞ...!」
「そんなの関係ないわ、この国の法律は心神喪失状態の殺人犯に優しすぎるわ、この国の法律でコイツを死刑にできないなら、私がコイツを直接、死刑にするまでよ」
「刑事さんさァ...なんで僕をそこまでして殺したいわけ?」
「あんたに弟を殺されたからに決まってるでしょ!」
「ああ、新田って、なんだ刑事さん、新田のお姉さんだったのか、ひゃ~そりゃ残念でしたァ~ご愁傷様ァッ!でも悪いけどさァ、おめぇの弟が先に僕の服脱がしたり、僕の顔を殴ったりしてきわけだからさァ、ぶっちゃけ、こっちは正当防衛なんですよねぇ!だから僕に殺されても文句は言えせ~ん!ヒャハッハッハッ!自業自得ゥッ!ヒャァオォォォッ‼」
銃声が二度、校舎内に響き渡る。
新田の打った銃弾が、アキオの両手を貫いていた。
「これで、もうアンタは人を殺せない...」
次に新田は銃口をアキオの頭部に向ける。
「おい新田ァ!それぐらいにしとけぇ!」
「おいおいなんだよそれ...僕はいじめ被害者だぞ!なのになんでいじめ加害者の遺族に復讐されなきゃいないんだよ!ふざけんなァ!僕はいじめ被害者だ!僕は正義なんだよォッ!僕は自力で断罪者に覚醒した天才なんだよ!
「おい、アキオ、お前、なんか勘違いしてねぇか?」
「石間さ~ん、そんなのどうでもいいんで早く僕のこと助けてくださいよォ!リンクマスターの仕事は断罪者を救うことじゃないんですかァ?」
「アキオ、お前は自力で断罪者に覚醒したんじゃない。お前が断罪者に覚醒したのは、お前が『アイツ』に狂撃波動を受けた影響だ、だからお前は天才でも何でもない、お前は、『アイツ』の計画に必要な操り人形に過ぎない...」
「そんなァ!嘘だァ!」
「ちょっと待ってくださいよ、石間さん、断罪王現象は自然災害だって、わたし大学で習いましたよ!」
「確かに奈良見の言う通り、断罪王現象は自然現象だ。しかし、正常な人間がある日突然断罪者になる根本的なきっかけを作っているのは『アイツ』の狂撃波動だ。『アイツ』に近距離及び、遠距離から脳内に狂撃波動を放たれた者は皆、自分の抱えている悩みやストレスが頂点に達すると、断罪者、つまり社会不適合者になってしまう。つまり、『アイツ』の狂撃波動は正常な人間を断罪者に変えてしまうのに必要なスイッチみたいなものなんだよ」
「それじゃあ...断罪王現象は実質、人為災害...!それより石間さん『アイツ』って誰ですか?」
「奈良見、その話は後だ。というわけで、新田、お前が真に復讐するべき相手はアキオじゃない、アキオに狂撃波動を放った『アイツ』だ。だからいますぐ銃をおろせ、お前がその銃口を向けるべき相手はアキオじゃない『アイツ』だ」
「ぼ、僕はだれにも狂撃波動なんて受けた覚えはないぞ...」
「おそらく、遠距離からいじめられている最中のお前を狙って、狂撃波動を撃たれたんだろ、つまり『アイツ』は今、どこからか、この状況を見ているはずだ...」
新田が懐に拳銃をしまう。
「石間君、その『アイツ』についての話、あとで詳しく聞かせてもらうわよ」
「へいへい。ということで、アキオ、とりあえず、おとなしくなってもらうぞ」
俺は右手でアキオの頭部をつかんで狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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『アイツ』がアキオの脳内に放った狂撃波動が俺の放った狂撃波動により相殺される。
このようにして、断罪者は正常な状態へと戻るのだ。
気絶したアキオは俺が読んだ救急車に乗せれられて病院に向かう。
おそらく、死刑にはならず、断罪者収容所送りになるだろう。
「アキオは捕まえられても、結局誰も助けられなかった、今回は完全に俺の負けだ...今ごろ『アイツ』は近くでほくそ笑んでいるに違いない...」
俺と奈良見を乗せた新田の運転する車がリンクセンター石間へと向かう。

次回予告 すべてのはじまり 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第百九十九話 すべてのはじまり

第百九十九話 すべてのはじまり

伊倉アキオの暴走を止めた俺と奈良見と新田はリンクセンター石間に戻った。
女刑事・新田みくが俺をにらみつけてくる。
「そんな怖い顔でにらむなよ」
「にらむわよ、そりゃあ。アンタが最初から『アイツ』について説明してくれれば、私はもっと冷静な状態で伊倉アキオと向き合えた」
「だってお前さァ、最初にアキオのことは絶対に殺さないって俺達に約束したじゃん。でも、お前なんか普通にアキオのこと殺そうしてたから、俺は『アイツ』について話さないといけなくなったわけで...」
「そーですよ、先に約束破ったのはみくちゃんのほうですよ!」
「はいはい、私が悪うございました。そんでとっとと『アイツ』について話しなさいよ」「お前ら、『オルトロス革命』って知ってるか?」
「ええ、今から四十年前にテロリスト『THE翼』が操る巨大人型兵器オルトロスによってこの国の秩序が崩壊した事件でしょ?」
「そう、この国を管理・支配していた『ゼェイジグゥアーとデエンノヴォー』が絶滅したことで、国内で暴行・殺人・強奪が日常的に繰り返されていた。当然、当時まだガキだった俺の両親もその『オルトロス革命』のせいで、強盗に殺された。あの当時はもう、法律なんてなんの役にも立たなかったからな」
「え、石間さんって50過ぎてたんですか?どう見ても20代にしか見えませんけど」
「うるせぇ!色々あって年取れなくなったんだよ!それで両親を失い餓死しかけてた俺の前に『アイツ』が現れた。『アイツ』も俺と同い年でね、女のくせに日本刀なんて持ってた。それで『アイツ』は俺にこう言ったんだ」
『私の仲間になりなさい』
「よく見ると、『アイツ』の後ろには俺とおなじく両親を失ったガキがたくさんいた。俺は『アイツ』が率いるグループ『孤影』に入団した」
「なるほど、親を失って独りぼっちなった人々ばかりで構成されたグループだから孤影ってわけね」
「当時は『孤影』と似たようなグループがたくさんあってな、まぁそういうグループ同士の抗争とかもしょっちゅうあった。そんで、『孤影』は数々のグループを潰し覇道を極め。いつしか俺も『アイツ』と同じ『孤影』のエースになっていた。でも、その過程で多くの仲間が死んで、『孤影』のメンバーは実質、俺と『アイツ』だけになってしまった」
「それじゃあ、『孤影』はグループ闘争で天下は取れたものの、その時にはもう崩壊同然だったってわけ?」
「そうだ。『孤影』が10年近くかけて暴行・殺人・強奪を繰り返すグループを全滅させたことで、国内では少しずつ『秩序』が再生しようとしていた。俺と『アイツ』はこの世界に『秩序』が再生しつつあることを確信して、国を出て、二人旅を始めた」
「石間さんにも彼女がいたんですね...」
「うるせぇ!そんで『アイツ』と海外を旅する途中で俺と『アイツ』はある男に出会った。そいつは自分のことを『断罪王』と名乗った」
「断罪王...!」
「ああ、断罪王は俺と『アイツ』と同じ国の出身だった。そして、俺達の国が一度秩序を失ったものの、徐々に秩序が戻りつつある事を聞いた断罪王は俺と『アイツ』にある力を授けた」
「まさか、その力が『狂撃波動』...!」
「その通りだ。そして断罪王から強制的に『狂撃波動』を授けられた俺と『アイツ』はその日から歳が取れなくなった。断罪王と名乗る男は自分の代わりに俺と『アイツ』に世界を監視してほしいと頼んできた」
「それってどういう意味?」
「どうやら、断罪王と名乗る男自身が今まで、世界中を旅して世界を監視していたらしいんだが、とりあえず飽きたから、その役目を俺と『アイツ』に無理やり押し付けたってことだ」
「なんか、それって得したのか損したのか、よくわからないですね...」
「そんで、その日、『アイツ』が『狂撃波動』で人類を滅亡させたいとか言い始めた。まぁ、長い間戦い続けてきたせいで、おかしくなっちまったんだろうな、仲間も大勢死んじゃったし」
「それで石間さんはどうしたんですか?」
「俺は当然、反対したよ。だって狂撃波動は人間を社会不適合者にしてしまうからな。仮に、この世界中の人間が社会不適合者になったら、みんな労働もせずに暴行・殺人・強奪を繰り返して人類は自滅してしまう。反対するに決まってるだろ!それで俺の意見を聞いた『アイツ』はこう言ったんだ『ゲームをしよう』ってな」
「ゲーム?」
「簡単に言えば、『アイツ』が旅をしながら様々な人間に狂撃波動を放つ、そんで俺が『アイツ』に狂撃波動を撃たれて社会不適合者になっちまった人間を、自分の狂撃波動で正常に戻す。『アイツ』の狂撃波動でさっき言ったみたいに人類が自滅するか?それとも人類が自滅する前に俺があいつの狂撃波動で社会不適合者になっちまった人々を全員、正常に戻して人類を救うことができるか?つまりはそういうゲームだ」
「なるほど、じゃあ、その『アイツ』がきっかけで断罪王現象が発生して断罪者が生まれた、石間君は『アイツ』のせいで人類が自滅しないように、リンクマスターの仕事を続けているってことね」
「国内で狂撃波動が使えるリンクマスターが石間さんだけなのは、そういう事情があったんですね」
「正確には俺と『アイツ』の二人だ。そんで俺はさっき話したことを政府に説明して、政府にリンクマスターという職業を作ってもらった。各国のトップは『アイツ』がきっかけで起きた断罪王現象による人類の自滅を恐れ自分たちの国にリンクマスター協会を設立して、リンクマスターの職業を広めた。もちろん、俺達の国にもリンクマスター協会はあるわけだが。そんで今に至るわけだ」
「いまさらですが、石間さん、不老不死だったんですね...」
「不老だけど不死じゃねぇよ!」
「それで結局『アイツ』の名前は?」
「教えるわけないだろ!」
「どうして?」
「警察レベルじゃ、全員『アイツ』の狂撃波動で断罪者にされて返り討ちにあるに決まってるからな!『アイツ』の名前なんて知らないほうが安全に決まってる!」
「あっそ、なら私は勝手にやらせてもらうわよ、こっちはその『アイツ』のせいで弟を殺されてるんだからね。警察が動かせないなら、私一人でもやるわ」
「もう勝手にしろ」

次回予告 すべてのはじまり その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百話 すべてのはじまり その2

第二百話 すべてのはじまり その2

ある日突然、社会人が社会不適合者になってしまう現象、『断罪王現象』。
俺、石間コウイチは断罪王現象で社会不適合者になってしまった『断罪者』を正常な状態に戻し、再び社会につなげる『リンクマスター』の仕事をしている。

女刑事・新田みくの暴走がきっかけで俺は新田と奈良見ルナにこれまで隠していた断罪王現象の真相を語った。
かつてテロリスト『THE翼』によって引き起こされた『オルトロス革命』がきっかけで、俺達の国は秩序を失い、暴行・殺人・強奪が頻繁に発生していた。
そのせいで、まだ幼い俺は両親を失い、『アイツ』の率いる『孤影』に入団した。
『孤影』に入団した俺は自分たちの国に失われた秩序を取り戻すために、国内で暴行・殺人・強奪を繰り返すグループたちを仲間と共に10年かけて全滅させた。
俺達の国は秩序を取り戻すも、最終的に『孤影』で生き残ったメンバーは俺と『アイツ』だけだった。
多くの仲間を失うも、自分たちの国の再生を確信した俺と『アイツ』は度重なる戦いで心にできた傷を癒すかのように国内を出て、世界中を旅していた。
そして、俺と『アイツ』は旅の途中で出会った『断罪王』と名乗る男から『狂撃波動』と『不老能力』を強制的に授けられ、この世界を監視する役目を無理矢理押し付けられた。
しかし、度重なる戦いで仲間を失い、心を病んでしまった『アイツ』は狂撃波動で全人類を社会不適合者にして、自滅させると俺に宣言する。
俺は『アイツ』の暴走による全人類の自滅を阻止するために『アイツ』の持つ『狂撃波動』の力の危険性を各国のトップに説明する。
俺と同じく、全人類の自滅を恐れた各国のトップは『アイツ』の存在を世間に隠したまま、現代社会に『断罪王現象』と『断罪者』そして、それらを治癒する職種『リンクマスター』の必要性を提唱した。
これにより、全世界にリンクマスター協会が設立され、各国のリンクマスターによる、断罪者の根絶計画が始動した。
しかし、『アイツ』が自身の狂撃波動で全人類を社会不適合者にして自滅させる旅を初めてからもう数十年が経っている。
『アイツ』が世界中の人々に放った『狂撃波動』は、狂撃波動の直撃を受けた人間のストレスに干渉して、不定期に、その人間を断罪者(社会不適合者)にしてしまう。
もしかすると、全人類がすでに『アイツ』の『狂撃波動』の直撃を受けていてもおかしくない。
それが仮に正しければ、全人類にとってなにか大きなストレスをもたらす現象、たとえば世界戦争などが開始されれば、全人類が断罪者(社会不適合者)に覚醒し、全人類が狂人化して、自滅する可能性が高い。
まぁ、あくまで過程だが。
女刑事・新田みくは自身の弟が同級生の伊倉アキオに殺された事件の真犯人が『アイツ』であることを知って、すぐにリンクセンター石間を去った。
リンクセンター石間に俺と奈良見ルナが取り残される。
「みくちゃん、本気で『アイツ』について一人で調べるつもりなんですかね」
「俺は一応、止めたからな、あぶねぇって」
「にしても、石間さんが『不老能力者』だったとはなぁ~!」
「各国のリンクマスター協会のトップ達は知ってるが、あんまよそに言いふらすなよ」
「知り合いに言ったところで絶対信じてもらえませんよ」
「それより、奈良見、お前もう今日は帰っていいぞ」
「そりゃあ、帰りたいですけど、あんな話聞いたあとじゃ、まだ心の整理がつかなくて...それに...」
「伊倉アキオの二次被害者のことか?」
「はい...結局手遅れでしたね...いじめ加害者とはいえ、もうちょっとどうにかならなかったんでしょうか...」
「死んだ奴らのことなんてとっとと忘れろ、じゃないとお前が壊れちまうぞ『アイツ』みたいにな」
「その『アイツ』っていう石間さんの元カノも仲間思いな人だったんですか?」
「『アイツ』は元カノじゃねーよ‼でも、お前の言う通り、『アイツ』は仲間思いな女だった、人一倍優しいから人一倍傷つきやすいせいで壊れちまった...とにかく、俺はもう寝るぞ。帰るときはちゃんと扉の戸締りしてけよ」
結局、奈良見ルナは自宅には帰らなかった。
『アイツ』は今、疲れ切った俺達を見て、何を思っているのだろうか。

次回予告  原田ユウキ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百一話 原田ユウキ その1

第二百一話 原田ユウキ その1

今日もリンクセンター石間に依頼人が来た。
今回の依頼者は原田ユウキ。
ある日突然、断罪王現象によって断罪者(社会不適合者)になってしまったらしい。
断罪者(社会不適合者)になってしまった原田ユウキは、突然服を脱ぎだして会社や、電車の中、人の目が多い場所でブレイクダンスを踊る行為を何度も繰り返してしまい、日常生活に苦労しているらしい。
「それじゃ、とりあえず、君が断罪者かどうか確かめさせてもらうね、この紙に君の思っていることを書いてくれ」
原田ユウキが紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「重症ですね」
「それで、俺、最近、会社で彼女ができまして...」
「あっそ、それならなおさら正常な状態に戻らないとな」
「そ、そうじゃなくて、その彼女、実はみんなの前で裸でブレイクダンスを踊る俺のことが好きみたいで...」
「あっそ、それじゃあ一生、裸でブレイクダンス踊ってたら?」
「いや~でも、さすがに今のままだと、たぶん社会生活を送る上でめちゃくちゃ困ると思うんですよね~」
「いやまぁそりゃ困るでしょ、困りまくりでしょ」
「でも、彼女はみんなの前で裸で踊る俺のことが好きみたいで...」
「それでよく会社クビにならないね、休職届出したの?」
「いえ、まだなんですけど、こちらで俺が断罪者(社会不適合者)であるという診断書をいただければ、会社はなんとか首にならずに済むんですよね」
「でも、その診断書ってのはさぁ、君が断罪王現象のせいで断罪者(社会不適合者)になっちゃって、しかも完治しましたよっていう文章が記載されてないと、多分、なんの意味もないと思うんだよね」
「ええ、おっしゃる通りなんですけど、僕の彼女はみんなの前で裸で踊る俺のことが好きみたいで...」
「あのさぁ、結局のところ、君は彼女に愛されるために、断罪者(社会不適合者)でいたいの?それとも、会社で働き続けるために、断罪者(社会不適合者)から正常な社会人に戻りたいの?どっちなの?」
「そこなんですよね、俺が断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻ることができれば、今の会社で働き続けることができるんですけど、断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻ってしまえば、おそらく、今付き合っている彼女とは別れることになってしまうんですよね」
「つまり、君は自分の将来のために会社と彼女、どっちを選べばいいのか悩んでいるんだね。なんかめんどくせぇ依頼だなぁ、そもそもさぁ、このリンクセンター石間は断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻りたい人が相談しに来る場所でさぁ、君の恋愛相談を受ける場所じゃないわけ!」
「そりゃあ、わかってるんですけど、早く会社に、俺の奇行が断罪王現象の影響であることと、断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻ったことが記載された証明書を提出しないと、今の会社を解雇されてしまうんですよね、そうなったら俺はどうやってご飯を食べていけばいいのか...」
「じゃあさ、もう、その彼女に一生お金の面倒見てもらってさ、一生みんなの前で裸のままブレイクダンス踊っちゃえば?」
「確かにそれも考えてはみたんですけど...さすがに何度も繰り返してると、いつか実刑をくらって一生を塀の中で暮らすことになるんじゃないかと...」
「フフッ...考えたのかよ...」
「笑ってんじゃねぇぞ!奈良見ィッ!依頼人は一応、本気で悩んでるんだぞ!」
「とりあえず、君は彼女とも別れたくないし、会社もクビになりたくないわけだ。なら明日、その彼女と一緒にここに来なよ」
「なにか、解決策が見つかったんですか?」
「とりあえず、また明日来なさい、今、俺に言えるのはそれだけだ」
期待に満ちたまなざしを俺に向ける原田ユウキはそのままリンクセンター石間を去った。
「あんなこと言っちゃって本当に良かったんですか?」
「ああ、いいんだよ、このリンクセンター石間は断罪者(社会不適合者)を正常な状態に戻す場所だからな」
「それって当たり前の事じゃないですか」
「明日になれば、俺の言っている言葉の意味がわかるさ」

次回予告 原田ユウキ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百ニ話 原田ユウキ その2

第二百ニ話 原田ユウキ その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

断罪王現象により、ある日突然、会社や電車の中、人前で全裸のままブレイクダンスを踊るようになってしまった原田ユウキ(会社員)。
原田ユウキは今の会社で働き続けるために断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻してほしいと頼むと同時に、断罪者(社会不適合者)である自分を愛していてくれる彼女と別れたくないと頼んできた。
その依頼に関して、俺は原田ユウキに次の日、その彼女をリンクセンター石間に連れてくるように命じた。
そして、その日がきた。
原田ユウキが連れてきた彼女はとても美人だった。
この美貌なら、断罪者(社会不適合者)のままでいたくなるのも、なんとなくわかる。
しかし、それでは、原田ユウキは会社をクビにされるか、刑務所で一生を過ごすことになってしまう。
そして、それを回避するために、俺が導き出した答えがコレだ。
「結論から言うと、君の彼女は断罪者(社会不適合者)だね」
「そんな...俺だけじゃなくて、彼女も断罪者(社会不適合者)なんですか?」
「ああ、多分な。とりあえず、論より証拠、彼女さん、ちょっとこの紙に君の思っていることを書いてみてよ」
原田ユウキの彼女が紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「お悔やみ申し上げます」
「いや、まだ死んでねぇっつうの!」
俺は奈良見ルナのツッコミをスルーして説明を続ける。
「彼女さんは自分がおかしいとか自覚ないの?」
「わ、わたしはただ、外で、しかもみんなの前で裸で踊るユウキ君を見ているとなんだかとっても幸せな気持ちなるだけで...」
「それだよ、正常な社会人は外で全裸のままブレイクダンスを踊る人を見て幸せな気持ちにはならない、普通、警察に通報するか、逃げるかの二択だよ。君は断罪王現象のせいで変態を愛する断罪者(社会不適合者)になってしまっただけだ」
「もしかしてそれって、俺の彼女が断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻ってしまったら、俺達の愛はもう、そこで成立しないってことですか?」
「そうなるかもしれないな。でも、君も彼女もお互いに断罪者(社会不適合者)から正常な社会人に戻って、もう一度付き合えば、なんとかなるんじゃないか?」
「なんとかなるって、そんな無責任な...」
「じゃあ、君は一生、君の彼女が人前で裸のままブレイクダンスを踊る姿を見て喜ぶ人間のままでいいのか?君はそのために、今の会社をクビにされてもいいのか?」
「そ、それは...!」
「大体なぁ、断罪王現象がきっかけで成立した愛なんてものは、偽物の愛なんだよ!お前が本当に今の彼女のことが好きなら、断罪王現象なんて頼らずに、断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻った後で、ちゃんと告白しろ!」
「わ、わかりました...やってみます!」
「彼女さんも、正常な状態に戻りたいだろ?」
「は、はい...」
「そんじゃいくぞ」
俺は右手で原田ユウキの頭部をつかみ、左手で原田ユウキの彼女の頭部をつかんで狂撃波動を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻った原田ユウキと原田ユウキの彼女。
原田ユウキが原田ユウキの彼女に愛の告白をする。
「俺と付き合ってください!」
「ごめんなさい...」
やっぱり、なんとかならなかった。
その後、原田ユウキから会社に診断書を提出したら、会社をクビにならずに済んだとの連絡があった。

次回予告 木村リエコ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三話 木村リエコ その1

第二百三話 木村リエコ その1

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

リンクセンター石間には、今日も断罪王現象で生活に困っている依頼人が来ていた。
今回の依頼人の名前は木村リエコ。
「それでは木村リエコさん、まず最初にあなたが本当に断罪者かどうかのテストを行いたいと思います。この紙に、なんでもいいので、あなたが思ったことを書いてみてください」「なんでも、いいんですか?」
「はい」
「じゃあ、なんでも書きます」
木村リエコが紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ご愁傷様ですね」
「ご愁傷様ですか」
「はい、ご愁傷様です。それではどのようなことで悩んでいるのか教えてください」
「あの~なんか、こう、なんというか、多分ですけど、私、遠くから攻撃されてると思うんですよね」
「遠くから、どんな攻撃ですか?」
「こ~う、なんか目に見えないレーザーみたいなかんじです、なんか緑のやつ」
「その目に見えない緑色のレーザー攻撃のせいで、いったいどんな被害を受けているんですか?」
「レーザー照射された日に酒を飲んで、朝、起きると、なんか頭が痛いんですよね」
「それは二日酔いでは?」
「ちがいます、絶対にレーザー攻撃です」
「でも、目に見えないんですよね」
「はい、見えません」
「なら、どうしてレーザーの色が緑色であることがわかったんですか?」
「なんか、こう、心で多分そうなんじゃないかと思いまして」
「つまり、心の目で見たんですね」
「はい、おそらく。それで、最近、会社や近所の周りに、私を見張っている公安のスパイがいるんですよね」
「公安というと、国内でのテロを未然に防いだりする仕事の、あの公安ですか?」
「はい、その公安であってると思います」
「木村リエコさんは今後、国内でテロを起こす予定とかはおありですか?」
「いえ、特にないですが、こうなった以上、国家とか、公安とかと戦う覚悟はできています」
「頼もしいですね。ちなみに、木村リエコさんの周りをうろついている公安のスパイはいったいどんな服装をしていますか?」
「お隣に住んでいる女性で、いつもエプロンを着て、地面に落ちたゴミをトングでつまんで、透明なビニール袋に入れています。おそらく、燃えるゴミの日に捨てるのではないかと、推測しています。あと、犬の散歩とかもしてますね、たまにジョギングとか、同じようじような服装をした他の公安のスパイと世間話をしていますね、話の内容は人のうわさ話だと思います」
「それは、公安のスパイではなく、ただの専業主婦では?」
「はい、しかし、私の推測が正しければ、あの女性は専業主婦の服装をした公安のスパイです。公安のスパイは先程も言った通り、職場にもいまして、みんなスーツを着ていますね、でもあれは絶対に公安のスパイです」
「その根拠は?」
「なんか、こう、心で多分そうなんじゃないかと思いまして」
「つまり、心の目で見たんですね」
「はい、それです」
「それで、我々にどうして欲しいんですか?」
「私と一緒に、私の近所と職場に潜入中の公安のスパイと戦ってほしいんです。このままでは、また自宅に潜入されて、食料品に毒を仕込まれる可能性が高いです」
「またということは、以前、公安のスパイに食料品に毒を仕込まれたことがあるんですか?」
「はい。実は昨日、お酒を飲んだんですけど」
「ええ」
「次の朝、なんだか頭が痛くて」
「それは二日酔いでは?」
「いえ、毒です」
「その根拠は?」
「なんか、こう、心で多分そうなんじゃないかと思いまして」
「つまり、心の目で見たんですね」
「はい、それです」
「それで、我々はいったいどのように木村さんと一緒に公安のスパイと戦えばいいのでしょうか?」
「戦うということは、戦うということです」
「なるほど、つまり、近所の専業主婦や職場の同僚のふりをした公安のスパイに目に見えないレーザー照射の被害に遭い、食料品に毒を仕込まれる被害に遭っているので、我々と共に戦ってほしいということですね」
「はい、そうですね、お願いします」
「木村リエコさんは自分が断罪者(社会不適合者)であると言う自覚はありますか?」
「ありまぁす!でも私は正常です!」
「断罪者(社会不適合者)としては100点の回答ですね。それでは、今から木村リエコさんの自宅に行きましょうか」
ソファーから立ち上がった俺の背後に、二人分の工事用ヘルメットを両手に持った、助手の奈良見ルナが立っていた。
「なんだよ、奈良見、お前、わかってんじゃねぇか!」
依頼人のヤバさを自覚しているのか、奈良見ルナは無表情のまま両目から涙を流していた。
「すんません、私、やっぱりもう帰っていいですか?」
「ダメに決まってんだろォ!怖えーのは俺だって同じなんだよォ!」
工事用ヘルメットをかぶった俺と奈良見は木村リエコさんと共に、木村リエコの自宅へ向かう。

次回予告  木村リエコ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四話 木村リエコ その2

第二百四話 木村リエコ その2

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

俺と奈良見ルナは常日頃から、近所や職場の人間の服装をした公安のスパイから目には見えないレーザー攻撃や、食料品に毒を仕込まれるなどの被害に遭っていると思い込んでいる依頼人・木村リエコと共に公安のスパイと戦うことになってしまった。
身の安全の確保のために工事用のヘルメットを頭部に装備した俺と奈良見ルナと依頼人は車で木村リエコさんの自宅へと向かう。
ちなみに車は俺の車である。
隣の助手席に座っている奈良見ルナが運転中の俺に話しかけてくる。
「石間さん、今回の依頼人はさすがにヤバいですよ、とっとと狂撃波動を依頼人の頭に撃って事務所に帰りましょうよ」
「依頼人の前でそういうこというな!仮に、今、狂撃波動を木村リエコさんに撃っても、いったいどういう原因で、木村リエコさんがヤバくなったのかの原因を突き止めないと、また同じことが繰り返される」
「石間さんも依頼人の前で言ってんじゃないすか!」
「うるせぇ!木村さん、すいませんね、うちの助手、まだ義務教育課程、修了してないんですよ」
「そ、そうでしたか、若く見える割に、随分と過酷な人生を歩んでこられたんですね...」
「うっせー!とっくに修了しとるわい!」
「きゃあああああああああッ‼石間さん、奈良見さん、前を見てください」
対向車線から自動車が走ってくる。
「あの自動車がどうかしましたか?」
「あの自動車、今、私に向かってライトを照射してきましたよね?あれは、絶対に公安のスパイです、どう考えても公安の嫌がらせです」
「そうですね」
俺はあえて、それだけしか言わずに運転を続ける。
木村リエコさんのヤバさに絶望した奈良見ルナが口から呪詛を吐きながら頭部を何度も車の窓にぶつける。
「帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい帰りたい...」
「奈良見、そんなことしても現実はなんも変わらないぜ...」
木村リエコさんのヤバさに絶望し、呪詛を吐きながら頭部を何度も車の窓にぶつける奈良見ルナを木村リエコさんが心配し始める。
「可哀そうに...きっとさっきの車のライト照射のせいで心を病んでしまったのね...」
「おめぇのせいじゃい!」
「奈良見ィ!落ち着け、まだ仕事中だぞ!」
気が付けば俺の運転する車は木村アキコさんの家の前に着いていた。
「木村さん、ここでいいんですね?」
「はい、先程も説明した通り、この辺には公安のスパイがたくさんいるので気を付けてくださいね...」
木村アキコが自宅のインターホンを押すと、中から木村アキコの母親と思しき女性が出てきた。
「アキコ、後ろの人は?」
「この人たちはリンクマスターの石間さんと、奈良見ルナさんよ。私と一緒に公安のスパイと戦ってくれるんだって!」
「どうして私だけフルネームなのか?」
「あ、ああ...そうですか...私はアキコの母のサナエです、どうぞ中に...」
「家の中は木村アキコの頭の中と違って、案外まともっすね...」
「奈良見ィ!ちょっと黙ってろォ!」
「すみません、うちのアキコがみなさんにご迷惑をおかけして...」
「サナエさんはもう、アキコさんの異変にお気づきなんですか?」
「ええ、アキコは、昔はあんな意味不明なことを言う女の子じゃなかったんですけどねぇ...」
「なにか、思い当たることは?」
「たぶん、職場でいじめにあったせいだと思います」
「職場でいじめ?」
「ええ、物を隠されたり、悪口を言われたり、仕事のミスの濡れ衣を着せられたり、確か前にお酒に酔ったアキコが私に相談してきたんですよ」
「なるほどね、職場でのいじめが原因で人間不信になってしまったわけだ、それで周りがみんな敵にしか見えなくなってしまったんでしょうね」
つまり、今のアキコにとっては周りのみんなが敵、つまり、公安のスパイだと思い込んでいるのだ。
「アキコはもう、元には戻らないんでしょうか...」
「俺がアキコさんに狂撃波動を放てば、一時的にはアキコさんは正常な状態に戻るでしょう、しかし、職場を変えるか、もしくは職場でのアキコさんへのいじめがなくならない限り、アキコさんはまた断罪者(社会不適合者)になってしまう可能性が高いですね」
「アキコはもう40歳ですから、再就職はかなり難しいと思うんですよね...」
「では、アキコさんにずっと『あのまま』でいてもらいますか?」
「それは困りますねぇ...昨日も夜中に公安のスパイからレーザー攻撃を受けたと大きな声でバカ騒ぎしてしまいまして...」
「それに、今のアキコさんは周りの人間を過剰に敵視している状態ですから、正当防衛を理由に殺人事件を起こす可能性もゼロではありません。確かに社会活動もアキコさんの将来の安定には必要不可欠です。しかし、今、優先するべきはアキコさんに今の会社を辞めてもらって、再就職してもらうか、一時的に社会生活から遠のいてもらうことだと俺は思っています。それができないのであれば、アキコさんに狂撃波動を撃つ意味はありません」
「そうですか...私は娘の将来を思って、いじめに耐えて今の会社に踏みとどまるように説得し続けてきましたが、どうやらそれが、アキコをおかしくしてしまったんでしょうね」
「アキコさん、ちょっといいですか?」
剣道の防具を身にまとったアキコさんの右手には包丁が握られていた。
「アキコさん、その包丁は?」
「今から、近所と職場にいる公安のスパイを倒しに行くんです」
「アキコさん、今の会社、やめましょうよ」
「確かに会社は辞めたいんですが、もう40歳なので、そういうわけにはいきません。なので会社にいる公安のスパイを殺します、それで問題解決です」
「職場でアキコさんをいじめている方々を殺せば、アキコはさんは会社をクビになってしまいますよ」
「会社に潜入した公安のスパイは犯罪者なので殺しても、問題ありません、正当防衛ですから!」
「サナエさん、先程、言った通り、俺の悪いほうの予想が当たってしまいましたね、どうします?」
「アキコ、もういいんだよ、そんなにつらいなら会社、やめなさい」
「お母さん、私は!」
「ごめんね、アキコに無理をさせてしまって、もう無理しなくていい、また、新しい職場を見つければいいさ。再就職がだめなら、パートでもなんでもいい、私はアキコが元気でいてくれたらそれでいいんだ、そのことにやっと気付いたんだよ」
「おかあ...さん...」
アキコが子どものように大声をあげながら泣き始めた。
「アキコさん、職場、やめますか?」
「はい...やめます...」
俺は右手でアキコの頭部をつかみ、脳内に狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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アキコさんが正常に戻ったのを見届けた俺と奈良見はアキコの自宅から去った。
運転中の車の中で奈良見ルナが呟く。
「アキコさん、新しい職場に再就職できるといいですね」
「俺は、再就職できなくてもいいと思うぜ。この世の中に本当に正しいことも、間違っていることも存在しない、形はどうあれ、自分の納得いく生き方ができれば、それでいいんだよ」
「それが一番、難しいんですけどね...」
大雨の中、助手席に奈良見を乗せた俺の運転する車がリンクセンター石間に向かって走る。

次回予告 川口ヨシキ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五話 川口ヨシキ その1

第二百五話 川口ヨシキ その1

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

リンクセンター石間に今日も依頼人が訪れる。
「ひさしぶりだね、ヨシキ君」
「はい...お久しぶりです」
そう、川口ヨシキは以前、俺が断罪者から正常な社会人に戻した依頼人だった。
しかし、断罪王現象によって断罪者(社会不適合者)になってしまった川口ヨシキは大量殺人事件を起こしたために、断罪者収容所に収監されていたのだ。
そして、断罪者収容所から出所して、まもなく、川口ヨシキはリンクセンター石間に訪れたのだ。
「それで、最近どうなんだ?俺が紹介した作業所はどんな感じだ?」
「作業所で働くのはとても、楽しいです、従業員は僕と同じ、断罪者収容所を出所した方がたくさんいるので、いじめもありませんし、ただ...」
「なんか、あったのか?」
川口ヨシキは週刊誌を机に置いて、ページをめくる。
そこには、以前、人を殺した断罪者達が心神喪失状態とみなされ、死刑にされずに、社会復帰している現状についての批判的な記事が書かれていた。
記事には川口ヨシキが卒業式のアルバム用に撮った時の顔写真が載っている。
「これは悪質だな、名前は伏せてあるが、顔写真にはモザイクがされていない。弁護士さんに相談したのかい?」
「どの弁護士事務所に相談しても、元断罪者の人殺しの弁護はできないと断られてしまいました...」
「なるほど、まだ、社会に復帰した元断罪者に対する風当たりは強いままなんだな...」
そもそも、諸悪の根源は正常な社会人に狂撃波動を放った『アイツ』だというのに...。
しかし、だからといって断罪者現象の主犯格が『アイツ』だと世間にバラせば、『アイツ』は自分の身を守るために何をするかわからない。
もし、最悪の事態が起きた時、俺一人では対処できないのは確実だ。
だからこそ、俺は断罪王現象の主犯格が『アイツ』であることを世間に隠しているのだ。まぁ、リンクマスターという職業を広めるために、各国のトップには説明はしてあるのだが。
「すまんな、ヨシキ、俺は弁護士の資格は持ってないんだ」
「はい、それはわかっています。僕のしたことは決して許されることではありませんし、世間からのバッシングも覚悟しています。それで、これからが本題なのですが」
川口ヨシキは携帯の画面を俺に見せる。
携帯の画面には、ネットの掲示板に川口ヨシキを殺害したら、賞金5000万円が手に入るとの書き込みがされていた。
「こりゃ、ひどいな」
「ええ、ただの書き込まれるなら、まだしも、実は昨日、作業所からの帰り道に刃物で襲われたんです、しかも3回、犯人は全員、別人でした」
「それで、警察は?」
「3人とも、警察に捕まえてもらいました、それで3人とも、さっき見せた書き込みを見て、僕を襲ったって供述したみたいで...」
「なるほど、つまり、5000万円の賞金欲しさに君を殺そうとする奴らから、守ってほしいんだね。でもそれは俺達の仕事じゃない、警察の仕事だよ」
「その通りなんですけど、警察の方々は僕が元断罪者だってわかった瞬間に、対応が雑になりまして...」
「なるほどね、『人殺しなんだから、殺されても仕方がない』、そう警察に言われたんだね?」
「はい...自業自得だとか、自分の身は自分で守れだとか、色々、ひどいことをたくさん言われました...」
「じゃあ、まず、ネットにその書き込みをした、人を突き止めるのが先だな。そうしないと、ヨシキの命を狙う人間がどんどん増えてしまう」
「協力してくれるんですか!」
「最低限の努力はするさ、でも、君は人に恨まれても仕方がない、別にいじわるで言ってるんじゃないぜ、だから、君を必ず守れる保証はできない」
「はい、ありがとうございます、僕もある程度は覚悟はできてます...」
「とりあえず、知り合いに刑事がいるんだ、そいつに連絡してみる」
数分後、リンクセンター石間に女刑事の新田みくが入室してきた。
「つまり、私にネットの書き込みをした犯人を特定して逮捕してほしいってこと?」
「うん、頼むよ」
「無理ね、だって、川口ヨシキは元断罪者で、人を何人も殺してる、私の弟だって、断罪者に殺されたのよ!私はこの掲示板に川口ヨシキの殺害を依頼した犯人の気持ちがわからなくはないわ!」
「でも、前に言ったろ?断罪王現象の黒幕が『アイツ』だってこと。断罪者も結局、被害者みたいなもんなんだぜ?」
俺の言葉に女刑事の新田みくは苦虫を嚙み潰したような顔になる。
「悪いけど、私はこの件には協力できないわ。でも、おそらく、ネットに川口ヨシキの殺害を依頼するような書き込みをした犯人は、ほぼ確実に、川口ヨシキに家族を殺された被害者遺族の可能性が高いわね」
「そんなこと、俺もわかってる、でも、被害者遺族について調べている間にヨシキが殺されたらどうにもならんだろ!」
「元断罪者とか言っても、所詮は人殺しよ、なら殺されても当然じゃない」
「お前、そんなんで本当に警察官なのか!」
「殺人の前科がある元断罪者をかばえば、警察組織全体が国民からバッシングを受けるのが今の現状よ」
「おまえ、弟の仇をとるために『アイツ』の情報が欲しいんじゃないか?」
「私を情報で釣ろうったってそうはいかないわよ!」
「じゃあ、アイツについてどのくらい捜査は進んでるんだ?ん?」
「...」
「それみたことか、どうせ、なんの進展もないんだろ?」
「わかったわよ...協力すればいいんでしょ、その代わり、『アイツ』についての情報はちゃんともらうわよ」
「おう、約束する」
こうして、大量殺人鬼の元断罪者の依頼人・川口ヨシキを守るための戦いが始まった。

次回予告 川口ヨシキ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六話 川口ヨシキ その2

第二百六話 川口ヨシキ その2

かつて、大量殺人事件を引き起こした元断罪者・川口ヨシキ。
川口ヨシキは断罪者であるため、心神喪失状態とみなされ、死刑にならず、断罪者収容所に収監された。
断罪者収容所を出所した川口ヨシキは、同じ境遇の元断罪者が勤務している作業所に就職した。
しかし、順調に社会復帰を進めていた川口ヨシキは週刊誌にバッシングを受け、挙句の果てにはネットに5000万円の懸賞金を提示された殺害予告の書き込みをされてしまう。
そして、実際に5000万円の懸賞金目当ての人間たちに殺されかけた川口ヨシキはリンクセンター石間を訪れ、俺に助けを求めてきた。
俺は女刑事・新田みくと共に川口ヨシキの殺害を企てている主犯格を捕まえるために動き出した。
俺は新田みくと共に、警察署にいた。
「とりあえず、ヨシキを襲った犯人と会わせてほしい」
「いいけど、私も同行させてもらうわ、くれぐれも容疑者に変なことはしないこと、いいわね?」
「おう」
警察署の面会室に入って、すぐに俺はヨシキを襲った容疑者に向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ちょっと石間君、話が違うわよ!」
俺はヨシキを襲った犯人に告げる。
「おい、お前、今の気分はどうだ?」
「なんか気分がスッキリしている...それに俺...なんで人を殺そうとしていたんだ...?」
「石間君、これ、どういうこと?」
「やっぱりな...見ての通りだ、川口ヨシキを襲った犯人は皆、断罪者だったんだよ!」
「それじゃあ、ほかの二人も?」
「ああ、間違いない、ヨシキを襲った犯人はネットの殺害予告を見て断罪者になってしまった、ヨシキを殺して手に入る5000万円の懸賞金はおそらくブラフだ」
「どうして、主犯格はそこまでするの?」
「そりゃあ、主犯格が俺達に居場所を知られたくないからに決まってるだろ」
「でも、それが事実として、ネットの書き込みを見ただけで、どうして容疑者は断罪者になってしまったの?」
「ネットの殺害予告の書き込みに、川口ヨシキの殺害を暗示する狂撃波動を仕込んだんだろうな」
「そんなことできるの?」
「ああ、できるさ、この世界で唯一『アイツ』にならな!」
「それじゃあ、『アイツ』がネットの書き込みに狂撃波動を仕込んで、書き込みを見た人間すべてを断罪者にして、川口ヨシキを殺害しようとしてるっこと?」
「ああ、そうさ、断罪者が、殺人の前科がある元断罪者を殺す、殺した奴は結局、心神喪失状態にみなされ、死刑にならず、ヨシキのように社会復帰できる。『アイツ』はこの国の法の矛盾を今回の事件を通して世間に訴えたいだけなんだ!それも、『アイツ』にしてみれば、ただの遊び感覚、暇つぶしなんだろうけどな!」
「なるほどね、断罪者が殺人の前科のある断罪者を殺す...この事実と矛盾が世間に広まれば、断罪者に家族を殺された被害者遺族は断罪者に、殺人加害者でありながら社会復帰した元断罪者の殺人を依頼できる、結果的に殺人が成功しても、依頼された断罪者は死刑にはならず、無事に社会復帰できる...これが常習化すれば、社会復帰した元断罪者が次々と被害者遺族に依頼された断罪者によって復讐・殺害されてしまう...!」
「そう、たとえ『断罪者でも人を殺した人間は死ぬべきである』、という勧善懲悪なシナリオを欲している被害者遺族とマスメディアにしてみれば、今回の事件の先に待つ啓蒙と変革は色々と都合がいい、そして、俺達が右往左往する様子と世間の変化を『アイツ』は安全地帯から見下ろして愉悦に浸りたいだけなんだ...」
「問題は、この国に狂撃波動を仕込まれた書き込みを見たネットユーザーが何人いるかということ、書き込みを見たネットユーザーはすべて、川口ヨシキを殺しに来るでしょうね...」
「ああ、でも『アイツ』の放った狂撃波動は、狂撃波動を撃たれた人間のストレスに反応して、撃たれた人間を断罪者にしてしまうトリガーみたいなものだ。狂撃波動を撃たれた人間が強いストレスを感じれば、断罪者になるし、そうでない場合は断罪者にはならない」
「とにかく、川口ヨシキの殺害依頼の書き込みを見たネットーユーザーを特定して、石間君がその全員に狂撃波動を撃って正常な状態に戻さないと、川口ヨシキはいつ断罪者に覚醒したネットユーザー殺されてもおかしくない」
「悪いが、俺が一日の内に撃てる狂撃波動の回数が限られてるぞ」
「じゃあ、どうすんのよ!」
「まず警察のほうで例の殺害予告の書き込みを削除、そして例の書き込みを見て断罪者予備群もしくは断罪者になってしまったネットユーザーを特定して、国内のリンクマスター達に協力してもらって、断罪者予備群もしくは断罪者を正常な状態に戻すしか、事態解決の方法はない...まいったなぁ...こりゃあ大仕事だぞ...!」
「じゃあ、例の書き込みの削除と、例の書き込みを見た断罪者予備群もしくは断罪者の特定は警察でするわ、石間君は国内のリンクマスターの招集をお願い」
「俺はともかく、お前は本当にそれでいいのか?」
「どういう意味?」
「俺とお前が守ろうとしている川口ヨシキは、元断罪者とはいえ、元殺人犯だぞ」
「わかってるわよ、そんなこと!でも、このまま川口ヨシキを断罪者に殺されたら、今回の事件や私の弟が殺された事件を陰で仕組んだ『アイツ』の思惑通りになってしまうわ!そんなの私は絶対に許せない!私たちで『アイツ』に一泡吹かせてやりましょう!」
「へいへい、じゃあ俺は国内のリンクマスターに声かけてくるわ」
俺と新田はそれぞれお互いのやるべきことのために動き出した。

次回予告 川口ヨシキ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七話 川口ヨシキ その3

第二百七話 川口ヨシキ その3

「アイツ」がネットの掲示板の書き込んだ殺害予告を見たネットユーザーの一部が断罪者に覚醒して、大量殺人犯で元断罪者の川口ヨシキを刃物で襲った。
「アイツ」が掲示板の書き込みに狂撃波動が仕込んだせいで、その書き込みを見た多くのネットユーザーが断罪者に覚醒、もしくは断罪者に後天的に覚醒するリスクを背負うことになってしまったのだ。
これが狂撃波動↓だ!
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺は依頼人である川口ヨシキを守るために、国内のリンクマスターの代表たちに招集をかけた。
国内のリンクマスター協会の会議室に、俺を含めて8人のリンクマスター代表が集まっていた。
リンクマスター・関東代表・石間コウイチ
リンクマスター・北海道代表・松本セイト
リンクマスター・関西代表・榊原チズオ
リンクマスター・中部代表・櫻井ナツコ
リンクマスター・四国代表・鶴鶴タカヒロ
リンクマスター・中国代表・鈴木リサ
リンクマスター・九州代表・成海タツオ
リンクマスター・近畿代表・八巻ルナ
まず最初にリンクマスター・四国代表・鶴鶴タカヒロが口を開いた。
「あの凄腕リンクマスターの石間さんが我々に頼み事とは珍しいですねぇ」
「俺がみんなに頼みたいことはすでに、電話で話した通りだ。今、全国の警察が各県に住んでいる狂撃波動を仕込まれた例の書き込みを見たネットユーザーを特定して警察署に集めようとしている。俺を含めたお前たちリンクマスターとその部下とで、全国の例の書き込みを見たネットユーザーを『狂撃刀』で正常な状態に戻してほしい」
『狂撃刀』とは、狂撃刀を手に持った人間の生命力をエネルギーとして、狂撃刀から狂撃波動を放つことができる刀のことである。
しかし、狂撃刀から狂撃波動を放つことで消費される生命力は莫大であり、リンクマスター協会では一日に狂撃刀から放ってい狂撃波動の回数は3回までと決められている。
狂撃刀から3回以上、狂撃波動を放つと、狂撃刀の持ち主は、良くて廃人、悪くて絶命すると言われている。
ちなみのこの狂撃刀の所持には国家試験に合格する必要がある。
鶴鶴タカヒロが俺に疑問を提示してくる。
「石間さんねぇ、言いたいことはわかりますが、掲示板の書き込みに狂撃波動を仕込むなんて芸当、ちょっと僕には理解できませんねぇ」
リンクマスター・九州代表・成海タツオが鶴鶴タカヒロに続いて愚痴をこぼす。
「情報が少ないと、やっぱつらいわ...!」
「お前たちが理解する必要はない、俺は事実を述べただけだ」
俺の言葉にリンクマスター・中部代表・櫻井ナツコが意を唱える。
「本当ならこっちもこっちで、それぞれ個別で抱えている依頼があるんだ、それを全部キャンセルして、今日ここに集まったのだから、そういう言い方はフェアじゃないと思うわ」
「とにかく、今回の事件の黒幕について知っていいのは、各国のトップと俺だけだ。お前たちは無用な詮索をせずに俺に言われた通りに動けばいい」
俺の言葉にリンクマスター・中国代表・鈴木リサが激怒する。
「だから!そういう言い方が気にくわねぇって言ってんだ!私たちに協力してほしいなら、もっとちゃんと事情を説明しろ!」
成海タツオが鈴木リサに続いて愚痴をこぼす。
「言い方が乱暴だと、やっぱつらいわ...!」
「お前たちが今回の事件の主犯格について知れば、最悪、お前たちが死亡する可能性がある、それでも知りたいの?」
俺の最終警告を聞いてもなお、リンクマスター・関西代表・榊原チズオが俺に質問してくる。
「私は石間さんに言われた通りに動くつもりだが、その前に一ついいかい?まず、今回の事件の主犯格を捕まえないかぎり、何度、ネットの例の書き込みを削除しても意味がないと思うんだよね、削除されたら、別の掲示板サイトに例の書き込みをすればいいだけなんだから」
榊原チズオの質問にリンクマスター・北海道代表・松本セイトが同意する。
「榊原さんの言う通りだ、そのへんを何とかしてくれないと、我々がいくら努力しても、ただのイタチごっこだ」
成海タツオが松本セイトに続いて愚痴をこぼす。
「頑張っても意味がなかったら、やっぱつらいわ...!」
「警察がすでにネット上にある全ての掲示板サイトを調べて狂撃波動が仕込まれた書き込みを削除してくれたから、そのへんは安心してほしい。そんで今回の主犯格については俺に任せろ、俺が一人で決着をつけるし、その準備もしてある...」
俺の発言を鶴鶴タカヒロが茶化してくる。
「さっすが、国内で唯一の狂撃波動の使い手!頼もしいですねぇ!おっと失礼、正確には国内で二人でしたか?」
鶴鶴タカヒロの爆弾発言に他のリンクマスターたちがざわつき始める。
鶴鶴タカヒロの発言に櫻井ナツコが反応する。
「お前、今回の事件の主犯格を知っているのか?」
「知るわけないだろ、でも石間さんの話を聞く限り、書き込みに狂撃波動を仕込むことができるということは、つまり、そういうことだ。そうでしょう、石間さん?」
「お前、あんまり今回の事件の主犯格について深入りすると、マジで死ぬぞ」
「なら死なずに済むように、もっとその主犯格について教えてください、石間さんの言っていることが本当なら、我々だけでなく、部下の命にも関わるんだ」
「なら、はっきりと教えてやる、今回の事件の主犯格、『アイツ』にしてみれば、お前らの持っている狂撃刀なんておもちゃみたいんなもんなんだよ!『アイツ』に殺されるのが嫌なら俺に言われた通り、とっと動け、おわり!解散‼」
リンクマスター・九州代表・成海タツオが愚痴をこぼす。
「『アイツ』ね...にしても、休日出勤はやっぱつらいわ...!」
俺は一人、全ての決着をつけるために『アイツ』に会いに行く。

次回予告 川口ヨシキ その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八話 川口ヨシキ その4

第二百八話 川口ヨシキ その4

『元大量殺人犯のくせに、死刑にならず、社会復帰をしている元断罪者・川口ヨシキを殺せ!』
『アイツ』が掲示板の書き込み↑に仕込んだ狂撃波動のせいで、書き込みを見てしまった全国のネットユーザーが断罪者(社会不適合者)もしくは断罪者予備群になってしまった。
例の書き込みを見て、断罪者になってしまったネットユーザーは皆、川口ヨシキを殺すことしか考えられなくなってしまうのだ。
警察はネットに存在する全て掲示板サイトから、例の書き込みを一斉削除、書き込みを見てしまった全国のネットユーザーの特定と保護に動く。
一方で、全国のリンクマスター達は各県の警察署で保護された例の書き込みを見てしまったネットユーザーを狂撃刀から放たれる狂撃波動で正常な状態に戻していた。
そして、元断罪者である川口ヨシキが保護されている警察署の周りには刃物を手に持った断罪者達が集まっていた。
皆、例の書き込みを見て、断罪者に覚醒してしまったネットユーザーである。
俺が警察署に戻ると、警察署の周りには刃物を持った人々で混雑していた。
「こりゃあ、大変なことになったな」
後ろから工事用のヘルメットを頭部にかぶった、助手の奈良見ルナが話かけてくる。
「石間さん、いったいどこに行ってたんですか?」
「おう、ちょっとな、それより奈良見ィ、すげぇことになってんなぁ!」
「すげぇどころじゃないですよ!警察署の内部にも刃物持った断罪者がごったがえしてて、事実上、警察署は断罪者に占拠されてしまったようなものです!」
「そんで依頼人の川口ヨシキは?」
「おそらく、警察署の中だと思われまする」
「思われまするじゃねぇだろォ!お前まさか依頼人ほったらかして、外に避難してきたのか!」
「だって、警察署の人が外に避難しろって言うから...」
「リンクマスターが依頼人から離れてどうすんだ!お前この仕事やめちまえ!」
「すんません」
「そんで、警察署の中にはどれぐらいリンクマスターがいるんだ?」
「石間さんに指示されたとおりに手配したんで、関東地方のリンクマスター約20人程かと...」
「『狂撃刀』で正常にもどせる断罪者の数は一日に3人程度、そんでリンクマスターが約20人、一日で正常に戻せる断罪者は60人か...どう考えても、今日中にここにいる断罪者全員を正常な状態に戻すのは不可能だ」
『狂撃刀』とは、狂撃刀を手に持った人間の生命力をエネルギーとして、狂撃刀から狂撃波動を放つことができる刀のことである。
しかし、狂撃刀から狂撃波動を放つことで消費される生命力は莫大であり、リンクマスター協会では一日に狂撃刀から放ってい狂撃波動の回数は3回までと決められている。
狂撃刀から3回以上、狂撃波動を放つと、狂撃刀の持ち主は、良くて廃人、悪くて絶命すると言われている。
ちなみのこの狂撃刀の所持には国家試験に合格する必要がある。
「じゃあ、もう事務所に帰りましょうよ...」
「んなことできるわけねぇだろォ!でも、まぁ、俺は狂撃刀なんかに頼らなくても、狂撃波動が撃てるからな」
「さっすが!石間さぁん!」
「うるせぇ!はしゃいでんじゃねぇ!俺でも一日で放てる狂撃波動の回数は10回だけだ!これはもう詰みだな!アハハハハハハハハハハッ‼」
「い、石間さんが壊れた...」
「なんてな」
俺は地面に向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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警察署の周りが青い光に包まれる。
警察署の周りにいた川口ヨシキを殺しに来た断罪者達が一斉に気絶して倒れ始める。
警察署の内部も青い光につつまれ、警察署の内部から一斉に歓声が上がる。
「すごい、石間さんが一瞬で100人以上の断罪者を正常な状態にもどした!いったい、なにをしたんですか?」
「どうせ、こんなことだと思って警察署の周りに『断罪陣』を引いておいたのさ」
「『断罪陣』?」
『断罪陣』とは狂撃波動で書かれた図形式のことである。
『断罪陣』の内部にいた断罪者は皆、全身に狂撃波動を浴びて正常な状態に戻る。
しかし、この『断罪陣』を発動すれば、その日はもう、狂撃波動を放つことはできない。
つまり、『断罪陣』を発動してから24時間経たなければ、石間コウイチは狂撃波動を放つことができないのだ。
この『断罪陣』は狂撃波動で書かれているため、『断罪陣』を書いた人間以外は視覚で感知できないようになっている。
「つーわけで、奈良見ィ、俺、今日はもう、狂撃波動、撃てないから、あとよろしく」
「そ、そんなこと言われても困るんですけど...」
「まぁ、関東地方はこの通り、なんとかなったからな、あとは『アイツ』をなんとかするだけだ」
「『アイツ』を探しに行くのは明日にして、今日はもう休んだほうが...」
「その必要はねぇよ」
俺は奈良見と共に警察署の中に入る。
警察署の中には俺の『断罪陣』で正常な状態に戻り気絶した断罪者達がうつむけに倒れていた。
警察所の奥から女刑事の新田みくが走ってくる。
「石間くん、さっきの青い光はなに?光に包まれた断罪者達が一斉に気絶したんだけど...」「その説明は後だ、とりあえず救急車呼んでくれ。そんで新田喜べ、この警察所の中に『アイツ』がいるぜ」
「どういうこと?」
「俺が『断罪陣』を発動したのは断罪者を正常な状態に戻すと同時に、警察所の中にいる『アイツ』の動きを止めるためだ。奈良見、新田、天井を見ろ」
天井には巨大な黒いシミができていた。
天井にできた巨大な黒いシミには眼球のようなものが大量に付いて、瞬きを繰り返している。
「『アイツ』は今まで、こうやって、俺達を監視していたんだ」
天井に広がる『アイツ』を見て奈良見が嘔吐する、新田も口を手で塞いでいる。
「おええええええええええええええええええッ‼そんな、私、今まで一度も気が付かなかった...!」
「奈良見が気が付かなかったのも当然だ、なんせ、この黒いシミは人間の肉眼では感知できない、俺とお前らがこの黒いしみを肉眼で感知できるようになったのは、『アイツ』が俺の発動した『断罪陣』の光を浴びたせいだ」
「ひさしぶりだな、どうだ、動けなくなった気分は?」
俺は天井に広がった『アイツ』に話しかける。
「見事だわ...コウイチ...」
「だろ?この数十年間、俺だってただ、断罪者を狂撃波動で正常な状態に戻してきただけじゃない、お前が狂撃波動をネットに干渉させられるようになったのと同じで、俺だって狂撃波動の応用に鍛錬を積んできたんだ」
天井に広がった黒いシミが地面に落ちて、人の形に変化していく。
人の形になった黒いシミが、長い黒髪が特徴的な美少女に変化していく。
長い黒髪が特徴的な美少女は上半身に黒のセーターを着用し、下半身には黒く長いスカートを履いていた。
「けっ、動きを封じた途端、コレかよ」
「残念だったわね、コウイチ。それと奈良見さんと、新田さん、初めまして、私が『アイツ』いえ、『桜原カエデ』と言ったほうが正しいわね...」
桜原カエデが仕組んだ事件で、弟を失った、新田みくが拳銃の銃口を桜原カエデに向ける。
奈良見ルナがあまりの衝撃に思わず後ずさる。
「桜原カエデ...この人が『アイツ』の正体...石間さんの元カノ...!」
「いや、付き合ってねぇし‼あと、新田、そいつに銃は通用しないぜ」
俺は再び、過去と対峙することになってしまった。

次回予告 川口ヨシキ その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九話 川口ヨシキ その5

第二百九話 川口ヨシキ その5

今回の事件の黒幕である、桜原カエデの策略によって、大勢の断罪者が依頼人である川口ヨシキを殺すため警察署内に侵入した。
会議から戻った俺は『断罪陣』を発動して、警察署内と警察所の敷地内にいる断罪者達を正常な状態に戻し、気絶させた。
そして、警察署内には、俺の発動した『断罪陣』によって本来の力を十分に発揮できなくなった桜原カエデがいた。
桜原カエデの体は、俺の『断罪陣』から放たれた狂撃波動を全身に浴びながらも、その動きを止めることはなかった。
「桜原カエデ...この人が『アイツ』の正体...石間さんの元カノ...!」
「いや、付き合ってねぇし‼あと、新田、そいつに銃は通用しないぜ」
俺は再び、過去と対峙することになってしまった。
「にしても、肉体のほとんどが狂撃波動で構成された、お前が、よく俺の『断罪陣』の狂撃波動をくらって、動くことができたな」
俺の言葉に奈良見が疑問を感じて質問してくる。
「肉体のほとんどが狂撃波動で構成されている...?」
「ああ、桜原カエデはかつて多くの仲間を失った心の傷を癒すために、自らの肉体に自身の狂撃波動を最大無制限に放った、わかりやすくいえば、現実逃避のために自らの心と体を狂気に染めたんだ。つまり、桜原カエデに狂撃波動を命中させることができれば、俺の狂撃波動が断罪者を正常な状態に戻すのと同じ原理で、桜原カエデを一時的に弱体化させることができる」
「一時的に弱体化?正常な状態には戻せないの?」
「残念ながら、それは不可能だ。なぜなら、桜原カエデが自分自身に放った狂撃波動は、桜原カエデ自身が己にかけた呪いみたいなもんだ、呪いを解くには、本人の意思が必要不可欠なんだ」
「つまり、桜原カエデは狂撃波動を放つことができる断罪者というわけね」
「その通りだ、おまけに肉体のほとんどが狂撃波動で構成されているせいで、エネルギー不足を起こさずに無制限に狂撃波動を放つことができる、まさに人の形をした怪物さ」
「わざわざ、ご丁寧な説明ありがとう、コウイチ...でも女の子を怪物呼ばわりするなんて、ホントひどい男...」
「事実だから...仕方がないよ...それより、どうした?体が動けるなら、反撃して来いよ」
「あなたの狂撃波動で私を一時的に弱体化させておきながら、よく言うわ...」
「俺達を監視していたお前なら、俺の『断罪陣』の巻き添えにならずにすんだはずだ、なぜ手を抜いた?」
「手なんて抜いてないわよ、あなたの狂撃波動の威力が数十年前より増していただけよ...!私があなたの力の進化を見誤っていただけ、それが私の敗因...」
「俺の狂撃波動の威力が数十年前より増していただと...!どういうことだ?」
「もしかしたら、あなたも私と同じ、怪物なのかもしれないわね...!ウフフフ...!」
女刑事の新田みくが一時的に弱体化させた桜原カエデに銃口を向ける。
「よせ、新田、アイツは一時的に弱体化しているだけなんだぞ!」
「でも、コイツを殺すチャンスはおそらく今しかないわ!」
「新田、お前は刑事だろ?カエデを殺す前に川口ヨシキの身の安否を確かめるほうが先だろうが!」
「わかったわよ...!でもこのチャンスを逃して、あとで後悔しても知らないわよ!」
新田が警察署に保護されている川口ヨシキの身の安否を確認するために、階段を駆け上がっていく。
「おい、奈良見ィ、お前の狂撃刀をよこせ!」
「でも、石間さん、『断罪陣』を発動したせいで、今は狂撃波動を使えないはずじゃ...それに!」
「お前、バカか?だから狂撃刀をよこせって言ってんだ!」
奈良見から手渡された狂撃刀が狂撃波動を放つために必要な生命力を俺から吸い取っていく。
「うっ、くうう...!エネルギーがほとんど残ってないせいか、けっこうキツイな、こりゃあ...!」
「だから言ったじゃないですか!」
「うるせぇ!」
俺が狂撃刀から放った狂撃波動↓が一時的に弱体化して満身創痍状態の桜原カエデに直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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桜原カエデが気絶して、地面にうつむけに倒れる。
「とりあえず、これでひとまず一件落着か...!」
階段から、新田みくと共に依頼人の川口ヨシキが降りてくる。
「石間さん...!」
「おう、なんとか無事だったみたいだな、とりあえず、主犯格を止めるのには成功したぞ...!」
川口ヨシキが地面にうつ向けに倒れている桜原カエデを見下ろしている。
「この人、警察官の制服を着てませんね、いったい誰ですか?」
「この世界で起きている全ての断罪王現象の黒幕さ...」
「この人のせいで、僕は断罪者になってしまって人をたくさん殺してしまったんですね...!僕が殺されそうになったのもこのひとのせい...!」
「そうなっちまうな...!」
「それで、これから、この人、どうするんですか?」
「日本リンクマスター協会の地下に監禁する」
奈良見が俺の言葉に異を唱える。
「でも、今の状態でも一時的に弱体化させただけなんですよねぇ、それなら、監禁中に全盛期の力を取り戻してしまうのでは?」
「それは、心配ない、コイツの肉体のほとんどは狂撃波動で構成されている、だから、毎日、狂撃刀の狂撃波動で弱体化し続ければ、動きを止めるぐらいはできるのさ」
俺の携帯に日本リンクマスター協会会長から、日本各地の警察所で、各地方代表のリンクマスターの指示と、その部下たちの働きにより、桜原カエデの放った狂撃波動が仕込まれた例の書き込みを見て、断罪者および断罪者予備群と化してしまったネットユーザーの浄化が完了したとの連絡が入った。
そして、俺は奈良見、新田、川口ヨシキにそれを告げた。
3人が満面の笑みを浮かべ、喜び始める。
周りでそれを聞いていた警察官達からも一斉に歓声が沸く。
警察所に到着した救急車から出てきた救急隊員達が担架に気絶した元断罪者たちを乗せて、救急車に向かっていく。
その中で唯一、気絶状態の桜原カエデだけは、全身に拘束着を着させられて、日本リンクマスター協会の職員が運転する黒いワゴンに乗せられていた。
自身の弟の仇である桜原カエデに一泡吹かせたことがよっぽどうれしいのか、新田みくは勤務中にも関わらず、俺や周りの警察官たちに宴会の開催を提案し始める。
「すまんな、新田、俺にはまだ仕事が残ってるんでな」
俺は警察所を出ていく、奈良見はなぜか、新田と共にバカ騒ぎをしている。
後ろから依頼人の川口ヨシキが走ってくる。
俺は歩くのをやめて、後ろを振り返る。
「なんだ、ヨシキお前も宴会に出なくていいのか?」
「僕は、ああいうのはちょっと苦手で...それより、今回は色々、ありがとうございました...!」
「よせよ、俺は自分の仕事をしただけさ。そんなことより、世間の殺人の前科がある元断罪者への風当たりはまだ、強い。でも、お前の罪はお前のせいじゃない、悪いのは全部、お前に狂撃波動を放った桜原カエデだ。だから、お前はもう、胸を張って前に進んでいい、世間からなんと言われようと、お前は前を向いて生きていいんだ!生きてていいんだよ!」
「はい...!石間さん...!」
川口ヨシキが俺に向かって深く頭を下げる。
俺はそれを見て、再び、前へ歩き出す。
「そういえば、俺、断罪陣を使った影響で、明日の今ごろまで、狂激波動が使えないんだよなぁ...」
ということは、あの新人リンクマスター奈良見に明日の依頼を任せないといけないのか?
「まずったなぁ...こりゃあ...!」
一難去ってまた一難とは、まさにこのことだ。

次回予告 南原ユキエ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十話 南原ユキエ その1

第二百十話 南原ユキエ その1

桜原カエデの策略から、依頼人・川口ヨシキの身を守るために、発動した『断罪陣』のせいで、俺はその日だけ、一時的に狂撃波動を使うことができなくなってしまった。
それは、つまり、今日抱えている依頼をすべて、新人リンクマスターの奈良見ルナに任せなければならないということだ。
運がいいことに今日の依頼人は3人だけ、奈良見ルナが所持している断罪刀から放てる狂撃刀の回数も3回だけ、うまくいけば、奈良見にだって、なんとかなるはずだ、そう、なんとか...。
「つーわけで、今日の依頼人の対応はすべて、奈良見に任せます」
「おえええええええええええええええええええええええええッ!」
昨日の宴会で飲み過ぎたのか、二日酔いの奈良見が水色のポリバケツに嘔吐する。
「おい、ゲロ吐いても現実は変わらねぇんだよ」
奈良見が自分の口に人差し指を突っ込んで、さらに嘔吐しようとする。
「おえッ...おおおおおおおおおおおッ!」
「おい!仕事するのが嫌だからってわざと吐こうとするな!今、このリンクセンター石間で働けるリンクマスターはお前しかいないんだぞ!」
「嫌だ...嫌だ...!」
「嫌じゃねぇんだよ!やらなきゃ意味ねぇんだよ!」
「そんな...どこぞのアメフト部の監督みたいなこと言われても...」
「大丈夫だって、俺もちょっとは手伝うからさ、な!やるんだよ!」
「そんなぁ...殺生なぁ...!」
「奈良見ルナだけに...なんとかなるなる...ほい、依頼人来たぞ!」
リンクセンター石間に今回の依頼人である南原ユキエが入室してくる。
「おはようございます、依頼の予約をしていた南原という者ですが...」
俺はあたふたしている奈良見のケツを思いっきりたたく。
「あ、はい!それでは、こちらのソファーにどうぞ!あ!そうだ石間さん!茶!入れてくんね?」
「おう!お前、あとで覚えてろよ」
「私はリンクマスターの奈良見ルナです。それで、今回はどんなご依頼で?」
「はい、実は最近、テレビで放送しているドラマやアニメ、あれ全部、私が考えたお話なのに、クレジットタイトルに私の名前がないんです、しかも作品の使用料も払われない!こんなことが許されていいと思いますか?」
「あっ、ふ~ん...つまり、南原さんの作ったお話が、テレビアニメやドラマで無許可で盗作・盗用されているということですね?」
「そうなんです!こんなの、あんまりです!何とかしてください!」
(まいったな~こりゃあ、相当キマッてるぞ!これで断罪者じゃなかったら、ガチのヤバい人だぞ!)
「それでは、これから、あなたが本当に断罪者(社会不適合者)かどうかのテストをします、この紙にあなたの思ったことをなんでもいので書いてみてください」
南原ユキエが紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「よし‼」
「なにが、よし‼なんですか?」
「あ、いえ、こっちの話です...まぁ、特にお気になさらず...」
「それで、南原さんの今のご職業はなんですか?」
「教師です」
(おい、マジか...コレ、学校にバレたらやばいやつじゃ...)
「職場にはもう、色々とご説明はされたんですか?」
「まさか、私があの有名なアニメやドラマの原作者だなんて、知られたら校舎内が大パニックになってしまいますよ~」
「あっ、ふ~ん」
(いや、どっちらかと言えば、断罪者が教師やってることのほうがパニックの原因になりかねないだろ...)
「おい、奈良見、俺を見るな!視線で俺に助けを求めるな!」
俺を見る奈良見の両目から滝のような涙が流れている。
まぁ、仕方ねぇ、ちょっと手伝ってやるか。
「おい、奈良見、お前、南原さんと一緒に教師の職業体験してこい」
「はぁ!?」
「はぁ!?じゃねぇんだよ、それが今回の事件解決の一番の近道だ!依頼人はもう無意識にこっちにSOS出してるんだから、あともう一歩だ!やらなきゃ意味ねぇんだよ!」
「し、仕方ありませんね!あとで、背後からエグいタックルぶちかましてやるからよ~く覚えておけよ!」
かくして、奈良見と俺は依頼人の南原ユキエと共に、南原さんが勤務している中学校に向かう。
俺と奈良見は中学校の校長先生に事情を説明しに行く。
「奈良見、とりあえず校長には南原さんが断罪者(社会不適合者)であることは伏せておけよ」
「わかってますよ、そんなことしたら、学校中パニックで保護者からクレームの嵐ですよ!」
俺と奈良見は校長室に入る。
「初めまして、私たち、教育実習に来た、奈良見と石間です~」
「いや、教育実習生が来るなんて聞いてないんですけど...」
「それが、本来、教育実習を予定していた学校でキャンセルが出まして...」
「それって、どこの学校ですか?そこらへん、はっきりさせておかないと、あとから色々困るんですよね...」
俺は融通の利かない校長先生の背後に回り込んで、首裏に手刀をかるく直撃させる。
校長先生が白目をむいて気絶する。
「石間さん!それ、犯罪ですよ!暴行罪!」
「あと、建造物不法侵入な!」
「そーいうことじゃないでしょ!」
「大丈夫だよ、バレなきゃあ、いいんだよバレなきゃあ!なんとかなるなる...」
俺が最後まで言い切る前に校長室に依頼人の南原ユキエさんが入ってくる。
「校長が気絶してる...!」
「ああ、コレ、寝てるだけから、校長先生寝るとき白目むいちゃうんだってさ、アハハハハ...!奈良見ィ!」
「い、石間さんの言う通り...校長から、ちゃんと南原さんに付き添ってよしとの許可はもらいましたよ、そう...もらいましたとも...」
こうして、依頼人・南原ユキエを救うための俺と奈良見の波乱に満ちた教育実習が始まった。

次回予告 南原ユキエ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十一話 南原ユキエ その2

第二百十一話 南原ユキエ その2

断罪王現象により断罪者(社会不適合者)になってしまった女性教師・南原ユキエ。
俺の助手で新人リンクマスターの奈良見ルナは依頼人である南原ユキエの心を正常な状態に戻すために、南原ユキエの勤務する中学校に潜入したのだった。
かくして、俺と奈良見は本日から、南原ユキエの通う中学校に教育実習生として通うことになった。
俺と奈良見は南原ユキエの後ろを歩きながら小声で現在の状況を整理する。
「校長先生、あのまま気絶させておいて、本当に大丈夫だったんですかね?」
「大丈夫なわけねぇだろ、とにかく、校長が目を覚ます前に、依頼人が断罪者(社会不適合者)になった原因を突き止めるんだ!校長が目を覚ませば、俺達はすぐにこの学校を追い出されるんだからな!」
「やっぱそうなるっすよね...」
俺と奈良見は授業中の教室に入る。
一時間目の授業は国語。
国語を生徒に教えているのは依頼人の南原ユキエだった。
しかし、南原ユキエの授業を真面目に受けている生徒は一人もいなかった。
そう、それはまさに学級崩壊。
授業中であるにもかかわらず、生徒達は大声で会話をしていたり、携帯で動画を見たり、ゲームなどをしている。
「奈良見、見ろ、コレが学級崩壊だ」
「なんてひどい...世界中には学校に行きたくても行けない子供たちもたくさんいるというのに...」
俺は、授業をまともに受けない生徒達に指をさしながら、奈良見に話しかける。
「でも、お前、絶対ガキの頃、どちらかといえば、こんな感じだったろ?」
「バレちゃいました?」
「バレバレのスケスケだよ」
授業がまともに成立していないのにも関わらず、南原ユキエは真剣な表情で授業を続行する。
南原ユキエが黒板にチョークで文字を書き込んでも、それを見て、シャープペンシルなどでノートに写す生徒は一人もいない。
「こりゃ、つれぇわ...」
「石間さん、今回の依頼人が断罪者(社会不適合者)になっちゃった理由って、もしかして...」
「ああ、間違いねぇ、南原ユキエがどこぞで桜原カエデに撃たれた狂撃波動が学級崩壊によるストレスが引き金になって、脳内に仕込まれた狂撃波動を発動させてしまった、そんで、南原ユキエは断罪者(社会不適合者)になってしまった...」
「つまり、南原ユキエさんが断罪者(社会不適合者)になってしまったのは、学級崩壊によるストレスのせい...」
「決まりだな、奈良見、あとはお前一人でなんとかしろ」
「なんで!」
「なんでじゃねぇんだよ、お前の依頼人だろうが!お前がなんとかするんだよ!それに俺はちょっと日本リンクマスター協会に要があるんでね」
俺はそれだけ言って、奈良見の前から去った。
俺は中学校を出て、そのまま桜原カエデが拘束・監禁されている日本リンクマスター協会に向かう。
日本リンクマスター協会に着いた俺を待っていたのは、協会の警備員だった。
「地下にいる、桜原カエデに話があって来た」
「わかりました、会長からすでに許可は得ています、ご案内します」
俺は警備員と共に協会のエレベーターに乗る。
エレベーターが地下の最下層で停止する。
自動ドアが開く。
「それで、アイツの様子はどうですか?」
「石間さんに言われた通り、一日に3回、狂撃刀で桜原カエデの肉体に狂撃波動を撃っています。なので、個室の監視カメラを見る限りでは、今のところはおとなしくしているとしか言えませんね」
「そうですか、それはよかった」
「ここです」
警備員が桜原カエデが拘束・監禁されている個室の扉のカギを開ける。
「ありがとう」
俺は警備員に礼を言って個室の中に入る。
「よう、カエデ、気分はどうだ?」
「あら、コウイチ...わざわざ、私をからかいに来たのかしら...」
「もし俺が、『お前が全世界のあらゆる人間に撃った狂撃波動を解除してくれれば、この今の状態から解放して自由にしてやる』って言ったら、お前、信じるか?」
「バカね...信じるわけないでしょ...」
「だよな、でも、みんなに撃った狂撃波動、解除してよ~!お願い!」
「ウフフフ...そんなことするわけないでしょ...せいぜい人類全体か断罪者(社会不適合者)にならないように頑張りなさい...」
「それじゃあ、おまえ、この十数年間で本当に全人類に狂撃波動を撃ったのか?」
「ないしょ...」
「答えろ!でないと、今すぐ殺すぞ!」
「あらあら?リンクマスターのあなたが断罪者の私を殺すの?」
「お前は確かに断罪者だ!でも、ただの断罪者じゃない、この世界中で起きた!起きている断罪王現象すべての元凶だ!だから、俺はお前を殺す!いや、俺にはその資格と義務がある!」
「あなたに私を殺せるの?コウイチ...」
「...また来るよ、でも次、会うときは本気でお前を殺すかもしれない、もし生きていたいのなら、その時までにちゃんと身の振り方を考えておけ!」
「私が本気で生きたいと思っていると...?」
「思っていると...俺はそう願いたいね...」
俺はそのまま、日本リンクマスター協会を去った。

次回予告 南原ユキエ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十二話 南原ユキエ その3

第二百十二話 南原ユキエ その3

依頼人・南原ユキエが断罪者(社会不適合者)になってしまった原因が学級崩壊であることを突き止めた石間コウイチは奈良見ルナに後を任せて、中学校を去る。
そして、石間コウイチに依頼を任された奈良見ルナは、意識を取り戻した校長に見つかってしまった。
校長室のソファーには奈良見ルナと依頼人・南原ユキエが座っている。
校長が奈良見ルナに向かって口を開く。
「困りましたねぇ、不法侵入に、暴行罪、いくら依頼人のためとはいえ、これはもう立派な犯罪ですよ」
「す、すみません...でも気絶させたのは私じゃなくて、石間さんでして...」
「そういう問題じゃないんですよ!それに、南原先生はどうして、自身が断罪者(社会不適合者)になってしまった件を学校側に相談しなかったんですか!」
「その...私は断罪者(社会不適合者)ですが、一応、正常な人間なんですよね...」
「そういう人間を世間では断罪者(社会不適合者)と呼ぶんですよォッ!」
「校長先生の怒りたい気持ちもわかります!私、じゃなくて...石間さんが校長先生に危害を加えたのも、私が南原さんが勤務する中学校に不法侵入したのも、全部、石間さんのせいです!しかし、南原さんが断罪者(社会不適合者)になってしまった理由は学校側にあると私は思います!」
「それはいったいどういう意味ですか?」
「コレを見てください!」
奈良見ルナは携帯に保存した、動画を校長に見せる。
動画には、南原ユキエの授業を真面目に受けずに遊んでいる生徒達が映っていた。
そう、学級崩壊の証拠が。
「これは...学級崩壊...!」
「そうです、度重なる学級崩壊によるストレスが南原さんの心を壊し、断罪者(社会不適合者)にしてしまったんです!そのせいで、南原さんは世間の人気アニメやドラマの原作者が皆、自身の作品の盗作者だと思い込むようになってしまった!校長先生が先頭に立って、この学校の教育状態を改革しなければ、また南原さんのような犠牲者が出てしまうかもしれませんよ!」
「私は校長失格だ...まさか、校内で学級崩壊が起きていたなんて...!」
「校長先生がこの学校から学級崩壊がなくなるように動くことを約束していただけないのなら、南原さんにはずっと断罪者(社会不適合者)のままでいてもらいます!」
「わかりました、私の監督不行き届きでした...今まで気付いてやれなくて、すまなかったね、南原先生...」
「それでは、みなさんいいですか?狂撃波動!いきますよ!石間さんのモノマネしますよ!いいですか?」
奈良見の謎の事前注意に校長と南原ユキエは首を傾げている。
「狂気には!狂気をぶつけるんだよォ!」
奈良見ルナが狂撃刀から放った狂撃波動↓が南原ユキエに直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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奈良見ルナは、狂撃波動の直撃を受けて正常な状態に戻った南原ユキエを確認して中学校から去った。
自身が起こした不祥事の責任を全て、石間コウイチのせいにして。
リンクセンター石間に戻った奈良見ルナを待っていたのは、カップ麺をすすっている石間コウイチだった。
「石間さん!私!依頼人、ちゃんと正常に戻してきましたよ!」
「おう、そうか!やれば、できるじゃねぇか!お!そうだ!お祝いに、このカップ麺、食いかけだけど食うか?」
「いらねぇよ」
リンクセンター石間に女刑事・新田みくが入ってくる。
「あの~石間君、とある中学校から不法侵入と暴行の被害届が出てるんだけど、心当たりある?」
「うん、ありありだよ、な!奈良見?」
「わ、わたしは、石間さんに言われて、無理矢理...」
「おい、奈良見ィ!おめぇだけ、責任逃れするつもりか?ずりいぞ!」
「とにかく、署までご同行願いましょうか?」
「おい!待て!待ってくれ!奈良見ィ!笑ってねぇで助けろォ!」
「石間さん!日本リンクマスター協会に頼んでいい弁護士つけてもらうんで安心してくだせぇ!」
石間コウイチはそのまま、新田みくが運転する車に乗せられて、警察所の留置所にぶち込まれた。
三日後、奈良見ルナが日本リンクマスター協会に頼んで手配した優秀な弁護士のおかげで、校長側と石間コウイチの間で示談が成立した。
留置所から解放された石間コウイチを奈良見ルナが迎える。
「石間さん、お勤めご苦労様です!」
「やかましいわ!」

次回予告 外山リキ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十三話 外山リキ その1

第二百十三話 外山リキ その1

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

外山リキは元断罪者である。
断罪王現象により、断罪者となった外山リキは、ある罪を犯し、断罪者収容所に収監され、数年後に出所、社会復帰した。
外山リキは現在、断罪者収容所から釈放された元断罪者の多くが働いている作業所に務めている。
作業所からの帰り道にある橋の上に、今日も見慣れた女性が立っている。
女性はずっと橋の下を流れる川を見ている。
しかし、橋の下を流れる川は、ずっと見ていたいとは思えないほど汚れていた。
リキはほぼ、毎日、橋の上から汚い川を見下ろしているその女性に少し興味があった。
なぜなら、その女性は橋の下を流れる汚い川とは対照的に美しい女性であったからだ。
リキがその女性の特に興味を持った部分は、その女性の身に着けいてる衣服がいつも地味な服装であったからだ。
黒いセーターに黒い長スカート、不吉を象徴する色の衣服に身を包みながらも、美しい容姿を持つ、その女性にリキは次第に惹かれていった。
作業所での勤務を終えたその日は雨だった。
雨の日もその女性は傘をさした状態でいつもと同じ場所から川を見下ろしているのだ。
でも、その雨の日だけ、その女性は傘をさしていなかった。
女性に話しかけるチャンスと思ったリキは、女性に傘をさしだしながら話しかける。
「傘、忘れちゃったんですか?」
女性がリキに振り向く。
「あなだ、誰?」
リキはショックだった、いつも橋の上を通っているにもかかわらず、その女性にまったく興味を持たれていなかったことがわかったからだ。
「俺は、リキ、外山リキです」
「その制服、近所の作業所で働いてるんでしょ?あの、やべーやつらが野菜とか作ってる作業所?」
女性が言っていることは確かに正しいのかもしれない。
しかし、俺は不快感を隠せずに彼女をにらみつける。
「ごめんごめん、ちょっと言い過ぎだったね。でも、あの作業所で働いている人たちが前科者なのは事実だよね?君は、何をやったの?」
「名前...」
「は?」
「名前、教えてくれたら、俺が犯した罪のこと...教えてやる」
「イヅミ...霧島イズミよ、これでいい?」
「うん、俺は妹を『いじめていた』父さんを殺した...それで、専門家の人に色々調べてもらったたら、俺は断罪者(社会不適合者)だったらしくて、それで、断罪者収容所に収監された...」
「ふ~ん、断罪王現象で断罪者(社会不適合者)になった人間が人を殺しても死刑にならないって噂、本当だったんだ。私、人殺しの人とお話したの初めてかも!」
「君はどうして、いつもここで、橋の上から川を見ているの?」
「家に帰りたくないの、私。私のお母さん、再婚したんだけど、私、お母さんの再婚相手の人とうまくいってなくて...」
「まぁ、君からしたら他人だもんね...」
「うん、だからすっごいいやらしい目で私のこと見てくるの、もう最低!」
「なんか、嫌なことされたの?」
「うるさい‼」
「ごめん、ちょっと無神経だったかな...」
「うん、無神経、こっちはとっとと忘れようとしてるのに...でも、この川を見ていると落ち着くのよ...」
「こんな汚い川なのに?」
「汚いから好きなのよ、周りのみんなに汚いと思われているこの川は、それでも、流れを止めることはない。私はこの川みたいに強くなりたいの」
「...学校とか、言ってるの?」
「急に話題変えたの、私のこと変な女だと思ったから?」
「ち、違うと思う...どっちかっていうと、なんて答えていいのか、わからなかったから...」
「通信制。私のお母さん、貧乏なの、だから、お金持ってる人と再婚したの」
「それじゃあ、なんで通信制の学校に通ってるの?」
「お母さんの再婚相手の人に恩を着せられるのが嫌なの。だから、私、お母さんに嫌われちゃった...私が再婚相手の人と『仲良く』できないから...リキ君、趣味は?」
「趣味?まぁ、テレビ鑑賞とか、かな...」
「つまんな」
「作業所から帰っても、妹の世話とか、家事とかで忙しいんだよ...」
「私の趣味はコレ」
イズミがリュックサックからスケッチブックを出して、リキに手渡す。
リキはスケッチブックをめくる。
「うわぁ、すげぇ、イズミって絵が上手なんだね」
「うん、好きなんだ」
リキは夢中になってスケッチブックのページをめくる。
リキはスケッチブックに書かれた見覚えのあるイラスト↓を見て、困惑する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「これって...」
そう、スケッチブックに書かれていたイラストは断罪者(社会不適合者)にしか書くことができないイラストだった。
「ああ、その絵は最近、おぼろげながら頭に浮かんできたのよね」
「そ、そうなんだ...!」
「どうしたの?具合悪いの?」
「ううん、大丈夫...」
「それより、リキ君、私のこと好きでしょ?」
「うん...」
「でも私は正直、リキ君は無理、マジで無理、顔見てるだけでゲロ吐きそう。でもさ、リキ君が私のお父さん殺してくれたら、私、リキ君と結婚してもいいよ」
「それなら、俺じゃなくて君のほうが適任だと思うけど...」
「ハァ?どういうこと?」
「イズミ、君は断罪者(社会不適合者)だよ。だから、仮に君がお母さんの再婚相手を殺しても、君は絶対に死刑にはならない」
イズミがリキの胸倉をつかむ。
「あんた!私に振られたからって、喧嘩売ってんの?」
「喧嘩売ってないよ...!今度、リンクセンターに行って確かめに行こうよ、お金は俺が払うからさ...」
こうして、悲劇が始まった。

次回予告 外山リキ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十四話 外山リキ その2

第二百十四話 外山リキ その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

元断罪者の外山リキは以前から密かに思いを寄せいていた、美少女・霧島イズミに、イズミの母親の再婚相手の殺害を依頼される。
再婚相手の殺害に成功した報酬として、イズミとの結婚を提示された外山リキは、イズミがスケッチブックに書いたイラストを見て、イズミが断罪者(社会不適合者)であることを教える。
そのイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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自身が断罪者(社会不適合者)であることを知らされたイズミはリキに激怒するも、リキは冷静にイズミがもし断罪者(社会不適合者)であれば、イズミ自身の手で母親の再婚相手を殺害したほうが、死刑にならずに済むと説得する。
リキはイズミが本当に断罪者(社会不適合者)であるかどうかを確認するために、リンクセンターの訪問を提案した。
例の橋の上でイズミと別れたリキは自宅に帰宅する。
リキは家でゲームをしている妹に話しかける。
「俺、明日、東京に出かけるからさ、帰り、ちょっと遅くなるかもしれん」
「え~じゃあ、夕飯いつもより、遅くなるの?」
「もし、待てなかったらコンビニでなんか買ってこいよ」
「やだ、お外出たくない!」
リキの妹・マキは、以前リキが殺害した父親の『いじめ』のせいで、人間不審になり、ずっと家に引きこもっているのだ。
「じゃあ、金置いとくからさ、なんか出前でもとりな」
「うん...わかった...」
「今日はちゃんと風呂入れよ」
「その前に、ごはん食べる」
「また、そんなこと言って、メシ食ったら、すぐ寝るつもりだろ!」
「お風呂嫌い!」
「そんなんじゃ、いいお嫁さんになれないぞ!」
「引きこもりがどうやって結婚するのよ!」
「あ!結婚で思い出した!俺さ、今日さ、女の子に結婚してあげるって言われた!」
「ふ~ん、で、今日の夕飯のメニューは?」
「おい、真面目に聞けよ!」
「救急車呼ぼうか?」
「でも、その結婚の条件がさ、女の子の母親の再婚相手を殺すことなんだ...」
「じゃあ、実質、結婚するの無理じゃん...」
「マキは無理だと思うか?」
「うん、だって、もうお兄ちゃんは断罪者(社会不適合者)じゃないんだよ、今度、人を殺したら、死刑になっちゃうよ、死刑になったら結婚できないじゃん。お兄ちゃん絶対騙されてるよ」
「そうなんだよな、多分...だってさ、その女の子、断罪者(社会不適合者)なんだぜ、どうせ一時の気の迷いだよな」
「それで、明日、その女と東京にデートに行くの?」
「ちげーよ、リンクセンターに行って、本当にその子が断罪者(社会不適合者)か、どうか、石間さんに確かめてもらうんだ」
「ああ、あの狂撃波動とか言ってる中二病のおっさんね」
「石間さんは中二病じゃないよ、その証拠に、俺は断罪者(社会不適合者)から正常な社会人に戻れた...」
「でも、私にはお兄ちゃんがその女に取り憑かれて、正常な社会人から堕落し始めているようにしか見えないけど...」
「やっぱり、明日、イズミに会うのやめたほうがいいのかな?」
「別に私は止めないよ、私が今、こうして生きていられるのは、お兄ちゃんが人殺しになってくれたおかげだからね、そう、どうせ私にお兄ちゃんを止める権利はないんだから...でも、ちゃんと帰ってきてね」
「おう、任せろ!」
次の日。
リキとイズミはリンクセンター石間の前にいた。

次回予告 外山リキ その3
 
 

 
後書き
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第二百十五話 外山リキ その3

第二百十五話 外山リキ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

霧島イズミが断罪者(社会不適合者)であるかどうかを確かめるため、リキはイズミと共に東京にあるリンクセンター石間の前に来た。
「リキ君さ、やっぱり、もうちょっと外で遊んでいこうよ」
「ダメだよ、予約制なんだから!」
リキとイズミはリンクセンター石間へと続く階段を登りながら話を続ける。
「ちぇっ...でも東京っていいね、私たちの住んでいる田舎と違って、なんかこう歩いてるだけで楽しい!でも、私たちの田舎と同じで、川は汚かった...」
リキとイズミががリンクセンター石間の中に入る。
「石間さん、お久しぶりです!」
「おう、リキか!隣の彼女が今回の依頼人だな?」
「はい、霧島イズミっていいます」
イズミが石間に一礼する。
「リキのやつ、社会復帰と同時に彼女まで作るなんて、大したもんだ!」
「いや、まだ、俺達、付き合ってないんですよ...そういう石間さんのとなりにいる女性はもしかして石間さんの彼女だったりして?」
「ちげーよ、コイツは奈良見ルナ、彼女じゃなくて俺の助手な!」
「あっ、そうですか...俺、昔ここでお世話になった外山リキです」
リキが奈良見ルナに自己紹介と共に一礼する。
「よろしく~ってことで、石間さん、お茶、用意してくんね?」
「なんでやねん!奈良見ィ!それはお前の仕事だろうが!」
イズミが石間と奈良見の会話に割って入る。
「夫婦漫才はそこまでにして、とっとと私が断罪者(社会不適合者)かどうか確かめてくれませんか?」
「「夫婦じゃねーよ‼」」
「息ピッタリじゃない...」
「それはそれとしてだ、それじゃあ、霧島イズミさん、この紙に今、君が思っていることを書いてみてくれないかな?」
霧島イズミが紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「間違いない、イズミさん、君は断罪者(社会不適合者)だ」
霧島イズミは一瞬、ひどく傷ついたような表情を見せるが、次の瞬間には薄ら笑いを浮かべていた。
そう、この瞬間、仮に霧島イズミが母親の再婚相手を殺害しても、死刑にはならないことが証明されたのだ。
「それで、イズミさんはいったいどんな悩みを抱えているんですか?」
「悩みは特にないです、私は自分が断罪者(社会不適合者)かどうかだけ確かめたかっただけなので、今日はこれで帰らせてもらいます、リキ君、帰るわよ」
「えっ、でも...」
「イズミさん、くれぐれもおかしなことは考えないでくださいよ...」
「おかしなこと?」
「今の君は断罪者(社会不適合者)だ、断罪者(社会不適合者)はこの国の法律では死刑にはならない、だから、もし、君が恨んでいる人を何人殺しても、君は死なずに済むんだ」
「まるで、私がこれから人を殺そうとしているかのように聞こえるわね?妄想するのは勝手だけど、その妄想を私に押し付けるのはやめてちょうだい」
「妄想で済むと、いいんですけどね...」
イズミはリキをおいて、リンクセンター石間を出て行ってしまった。
「おい、リキ、お前、せっかくまともに戻れたんだから、いくら美人でもああいう女と付き合うのはやめたほうがいいぞ」
「妹にも同じことを言われました...でも、俺...!」
「わかったわかった!でも、なにか困ったらいつでも連絡しろよ!」
「はい、今日はありがとうございました...」
リキはリンクセンター石間を出て、イズミを追いかける。
「イズミ!」
リキの声にイズミが立ち止まる。
「ねぇ、リキ君は私がお母さんの再婚相手を殺すって言ったら止める?」
「も、もちろんだよ...俺も父さんを殺した後、いろいろ後悔したから、イズミも人を殺したら、今自分が思っている以上に後悔すると思う...」
「でも、私がお母さんの再婚相手を殺したら、リキ君は私と結婚できない。でもリキ君が再婚相手を殺せば、私はリキ君のものになる」
「そうやって、俺をからかうのはやめてくれないか!」
「からかってないわよ」
次の瞬間、イズミの唇がリキの唇に重なった。
約1分後、驚いたリキがイズミの唇から口を話す。
「これが証拠よ、リキ君はこれでも私が嘘をついていると思う?」
「思わない...でも、もし、俺が再婚相手の人を殺しても、俺はたぶん、警察に捕まってしまうから、きっとイズミとは結婚できない...」
「大丈夫よ、リキ君が再婚相手を殺したことが警察にバレなきゃいいだけなんだから、リキ君は私と二人で一生重い十字架を背負って生きていくのよ、素敵だと思わない?」
「イズミは、その再婚相手の人を、自分で殺したいの?それとも、俺に殺してほしいの?イズミは俺にどうしてほしいんだよ!」
「わからないわ...私、壊れちゃってるから...」
「適当なこと言ってごまかすなよ!」
「本当よ、お母さんの再婚相手のせいで、私、壊れちゃったのよ...」
「俺は...俺はどうすればいいんだ...」
「私を人殺しにするか、それともリキ君が人殺しになって、私と結婚するか、それだけのこと。ちなみに、私が再婚相手を殺したら、リキ君は私と結婚できないわ」
「わ、わかってるよ!そんなことは!」
「リキ君は、私が欲しいんでしょ?」
究極の選択にリキの心が少しずつ、壊れていく...。

次回予告  外山リキ その4 

 

第二百十六話 外山リキ その4

第二百十六話 外山リキ その4

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

外山リキは思い人の霧島イズミに究極の選択を迫られる。
イズミの義父をリキが殺害すれば、リキはイズミと結婚できる。
イズミが義父を殺せば、リキはイズミと結婚できない、そして、イズミは断罪者(社会不適合者)であるため、この国の法律では死刑にはならない。
リキは答えを保留したまま、イズミと共に田舎に帰った。
「ただいま」
自宅に帰ってきたリキば帰り道のスーパーで買ってきた、野菜と肉を使って夕飯の支度を始める。
「なによ、意外と早く帰ってきたわね」
「うん、もしかして、出前のほうがよかった?」
「ううん、私はやっぱりお兄ちゃんの手料理のほうが好き」
「そっか、お前、今日はちゃんと風呂入ったんだな、えらいぞ」
「それで、例の女とはどうだった?」
「どうもなにも...マキはさぁ、俺が人殺しになって、結婚してさ、一生警察の目を気にしながら生きていくのと、今まで通りの生活を続けるの、どっちがいい?」
「そりゃ、やっぱ、今まで通りの生活を続けるのが最優先でしょ」
「俺さ、自分がどうしてイズミに惹かれたのか、今日分かった」
「イズミっていうんだ」
「うん。俺、きっとこのまま、毎日毎日、給料の安い作業所で働き続けてさ、いつ自立するのか、働くのかわからない妹の面倒見続けて、先の見えない暮らしを続けるのが嫌だったんだと思う...。だからイズミみたいなさ、美人なのに幸薄そうな、どこか影があるような女の子は、俺にとってかなり非現実的で刺激的な存在だったんだよな...」
「つまり、イズミはお兄ちゃんが現実逃避をするのに最適な存在だったってこと?」
「ああ、このまま、お前も、なにもかも捨てて、イズミと一緒にいれば、俺はどこにでも行けるような気がしてた...」
「でも、それはお兄ちゃんがイズミの義父を殺せなきゃ、実現できないんでしょ?」
「うん。でも、仮にイズミと結婚できてもさ、俺はきっとどこにも行けない...一生、警察の目を気にして、毎日ビクビクオドオド他人の目を気にしながら、イズミと傷を舐め合うだけの自堕落で怠惰な生活しか遅れない気がする...」
「でも、人殺しになってイズミと一緒に堕ちていくのも悪くないと思ってる...そうでしょ?」
「うん、でも俺、やっぱりイズミより、今の生活を優先しようと思ってる」
「本当にそれで、いいの?私みたいな引きこもりの妹のために、自分の人生犠牲にできるの?」
「ああ、ここでお前を見捨てて、イズミを選んだら、俺、父さんを殺してまでお前を守った意味がないだろ...」
そう、リキは妹のマキを虐待していた父親を殺したのだ。
マキは父親に虐待されていた経験と、目の前でリキが父親を殺す光景を見て、心を壊し、家に引きこもるようになってしまった。
「お母さんが生きてたら...お兄ちゃんはもっと自由に生きることができたのかな...」
「そうだな、母さんが生きてたら、父さんだって心を病んでマキや俺に虐待なんてしなかったかもしれない...。とりあえず、俺、明日もう一度、イズミに会って、別れを告げてくる」
「そっか...」
「俺がイズミと別れるって聞いて、お前、安心しただろ...?」
「うん、ごめん」
次の日、作業所での勤務を終えたリキはいつもの橋に向かう。
橋には、イズミが立っていた。
イズミは今日も一人、橋の下を流れる汚い川を見下ろしていた。
「よっ!」
「それで、答えは決まったの?」
「うん、俺はもう、人は殺さない、だから、もし再婚相手を殺すなら、イズミだけでやってくれ」
「じゃあ、私、今日、自殺するわよ」
「自殺なんて損だよ、だってイズミは断罪者(社会不適合者)なんだから、人を殺しても死刑にならないんだから」
「私、正直、怖いの、人を殺すのが」
「でも、殺したいほど、憎いんだろ?」
「うん、私は義父にたくさん汚されたの、人の欲望が生んだ、この川の下を流れる汚い川みたいにね。でもやっぱり、人を殺すのは怖い、私はおかしいかしら?」
「おかしくないよ、それが普通だよ」
「じゃあ、リキ君は普通じゃないよね、だってリキ君は実の父親を殺したんでしょ?」
「俺は虐待されていた妹を守るために、父さんを殺したんだ、俺が殺さなきゃ、妹だけじゃない、俺だって殺されていたかもしれない...」
「人を上手に殺せる方法、教えてよ」
「知らないよ、そんなの!俺はもう、君に話しかけない、君と俺は今日でお別れだ...」
「捨てるんだ、私のこと、私がこのまま、義父に汚されても、リキ君は私のことなんとも思わないの?」
「あああああああああああああああああああッ!お前、めんどくせぇんだよ!本当に!俺のこと好きじゃないんだろ?俺のこと無理なんだろ?顔見てるだけでゲロ吐きそうなんだろ?俺が再婚相手を殺せなきゃ、結婚もしねぇんだろ!だったらいいじゃねぇか別によォ!さんざん、人を惑わしといて、いざ、俺が決断したとなったら、急に未練がましいこと言いやがってよ!こっちはもう、お前に振り回されるのは嫌なんだよ!そんなに再婚相手殺してぇならてめぇ一人で殺せよ!このメンヘラ女ァ‼」
イズミが子どもみたいに大声で泣き始めた。
俺はイズミを橋の上に残して、家に向かって全速力で走る。
俺はなぜか、走りながら泣いていた。

次回予告  外山リキ その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十七話 外山リキ その5

第二百十七話 外山リキ その5

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

イズミに別れを告げた俺は家に帰って夕飯の支度をする。
「お兄ちゃん、もしかして泣いてるの?」
「今、玉ねぎを包丁で切ってるからな、今日はマキの好きなカレーだぞ」
「いいよ、別に無理しなくても...さっき、遠くからお兄ちゃんの怒る声と、女の人の泣き声が聞こえてきた...」
「田舎は本当に狭いよな...」
「ごめんね、私が外で働ければ、お兄ちゃんはもっと自由に生きることができたかもしれない...」
「そんなことねぇよ...マキはマキのペースで生きていけばいいんだ...」
夕食のカレーを食って、俺はすぐに寝た。
妹のマキはまだ、テレビゲームをしている。
夜中にインターホンが押された音が室内に響き渡る。
俺はとりあえず、布団から出て、玄関に向かう。
「お兄ちゃん、怖い...」
「ああ、こんな夜中に、いったい何事だ?」
玄関の扉を開けると、そこには右手から血を流しているイズミがいた。
イズミの足が裸足であることを確認した俺はすぐに、イズミに家の中に入るように指示する。
「リキ君...ごめん、わたし、失敗しちゃった...」
「わかってる...わかったから...ごめんな...俺があんなこと言ったから、こんなことに...」
イズミはおそらく、義父の殺害に失敗して、返り討ちにあったのだ。
何者かによってインターホンが何度も連打される。
「お兄ちゃん、何コレ...うるさい...」
「マキはどっかに隠れてろ...」
「たぶん、私の義父さん...きっと私のこと殺しにきたんだと思う...」
「そりゃ、そうだろうな、先に手を出したのがイズミなら、正当防衛が成立する...だからイズミは義父に殺されててもおかしくない...」
「ごめん、リキ君を巻き込んじゃって...」
俺は護身用に台所に置いてあった包丁を手に持って、玄関に向かう。
「リキ君、ダメだよ...リキ君が人殺しになっちゃう...」
「さんざん、俺に殺人教唆しておいて、よく言うよ...!」
俺は玄関の扉を少しだけ開ける。
玄関の前には左腕から血を流しているイズミの義父と思われる人物が立っていた。
「なんの御用ですか、こんな夜中に?」
「義理の娘が、あなたのおうちに入っていくのを見ましてね...」
「ケガ、されているようですが、救急車呼びますか?」
「いえね、このケガ、さっき言った義理の娘にやられてしまいましてね...」
「救急車呼びますか?」
「いえ、救急車はあとで自分で呼びます、それより、中にいますよね、イズミが」
「いたらどうするんですか?」
「たくさん教育した後に、警察に突き出します」
「教育って、どんな教育ですか?」
次の瞬間、イズミの義父の拳が俺の顔面に直撃した。
急な痛みとめまいに俺は姿勢を崩してしまう。
イズミの義父が俺の家の中に不法侵入してくる。
「イズミ...やっぱり、ここにいたのか...ダメじゃないか、いきなりお義父さん刺して、しかも他人の家にお邪魔するなんて...イズミがもう悪さしないように、ちゃんと教育してあげるから、一緒に家に帰ろう、お母さんも心配しているよ」
「嫌、嫌よ、私、もう、これ以上、お母さんのためにアンタに汚されるのは嫌!」
「汚すなんてひどい言い方は、よせよ、血は繋がっていなくても、僕とイズミは家族なんだ、家族だからイズミは僕と『仲良く』しなきゃいけないんだよ!」
俺はめまいに襲われながらも、イズミの義父のもとに向かう。
しかし、途中で転倒してしまい、手に持っていた包丁が床に音を立てて落ちる。
「なんだ、この音は...そうか、この男、僕のことを殺そうとしてたのか...なら、この男を殺しても、僕の正当防衛が成立するな」
「やめて...リキ君は関係ないの、お願いだから殺さないで...」
「名前呼びとは...なるほどね、イズミを、親を殺そうとするような悪い子にしたのはこの男か...」
俺は自分の身を守るために、床に落とした包丁に手を伸ばす。
しかし、イズミの義父が包丁の柄をつま先で蹴る。
つま先で蹴られた包丁は押入れのあるほうに滑っていく。
イズミの義父が両手で俺の首を絞めてくる。
「お義父さん、おねがい、もうやめて!」
イズミの義父はイズミの言葉を無視して、俺の首を絞める両手に力を入れる。
次の瞬間、俺の首を絞めるイズミの義父の両手から、急に力が抜けていく。
イズミの義父が姿勢を崩し、そのまま、俺と一緒にうつむけに倒れていく。
そして、うつむけに倒れた俺とイズミの義父を見下ろしていたのは、包丁を両手で持った妹のマキだった。
「マキ...お前が、イズミのお義父さんを、殺したのか...?」
「押入れの中から、全部見てた...お兄ちゃんが殺されそうになってたから、どうしようって思ってたら...押入れの前に包丁が、あったから...」
「そ、そうなのか...た、助かった...」
「今度は...私がお兄ちゃんを守ってあげたよ...」
「お、おう、ありがとな...」
イズミの義父に覆いかぶさられていた状態から、脱した俺は、あえてこのことを警察に連絡しなかった。
妹のマキは断罪者(社会不適合者)ではないので、人を殺してしまった以上、死刑になる確率が高いからだ。
俺はそのへんの事情をイズミに説明して、シャベルで土を掘ってイズミの義父の死体を庭に埋めた。
こうすれば、マキの生活と将来はなんとか守れる。
もちろん、警察にバレなきゃだが。
次の日、俺はイズミを病院に連れてって、負傷した右腕を医者に診てもらった。
右腕を包帯で巻かれたイズミはとりあえず、自宅に帰った。
俺は何事もなかったかのように、朝食を作り、食べ終えると、作業所に向かった。
作業所での勤務を終えた俺は、いつもの橋を渡る。
橋の上にはやっぱりイズミがいた。
「どうだった...?」
「お義父さんは、行方不明ってことになった...お母さんも警察にそう報告したみたい...」
「そっか、このまま警察にバレないといいな」
「うん、そうだね」
「リキ君の妹は元気?」
「うん、相変わらず家に引きこもってるよ、口には出さないけど、多分、相当落ち込んでる...」
「ごめんね、わたしのせいで...リキ君の妹が人殺しになっちゃって...」
「ほんと、その通りだよ...でも、俺の家の場所、よくわかったな」
「うん、外山って名字、かなりめずらしいから...それで、話は変わるんだけどさ、私になにかできることはないかな?」
「タイムマシン買ってくれ、それが無理なら、もう一度、リンクセンター石間に行って、断罪者(社会不適合者)から正常な状態になって、ここに帰ってきなよ」
「いいの、それだけで?」
「うん...」
この先の人生を考えると正直キツイ。
結局、俺がイズミと関わったせいで、イズミが家に来たせいで、俺の妹は人殺しになってしまった。
これでもう、俺と妹は一生、警察の目を気にしながらビクビクオドオドしながら生きていかなくちゃいけない。
それでも、俺は生きている。
俺は妹が人を殺してくれたおかげで、こうして生きている。
こうして、イズミと話せている。
イズミが俺のことを好きじゃないのもわかってる。
だから俺は今回の件を恩に着せて、イズミを思い通りにするつもりはない。
今はこうして、元気な状態でイズミと話せればそれでよかった。
今日も橋の下を汚い川が流れている

次回予告 竹田マサタカ その1

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十八話 竹田マサタカ その1

第二百十八話 竹田マサタカ その1

深夜、ある目的を達成するために一人の男が日本リンクマスター協会に不法侵入する。
その男の名は、竹田マサタカ。
日本リンクマスター協会に侵入した竹田マサタカはある目的を達成するために、動き始める。
行動を開始した竹田マサタカは自らの過去を追想する。
そう、今の自分を形成するうえで必要不可欠な、青い春の日々のことを...。
これから語られる物語は、竹田マサタカの過去の物語、漆黒の魔女との邂逅。

高校生、竹田マサタカは学校のクラスでいじめにあっていた。
机の上には心無い言葉の数々が書かれている。
机の引き出しの中には猫の死体。
教師はそれを見て見ぬふりをしている。
竹田マサタカがいじめられている理由。
それは竹田マサタカとその家族が東京から、今住んでいる田舎に引っ越してきた、よそ者だからである。
田舎の住人の連帯感は都会の住人が想像しているよりも強い。
わかりやすくいえば、田舎の住人にしてみれば、都会から来た人間は皆、外国人みたいなものなのだ。
そして、『都会から来た人間が田舎に住んでいる人間を内心、見下している』という固定観念が同調圧力によって田舎の住人達に広まり、都会からきた人間を孤立させるのだ。
もしかしたら、ドラマや映画によくある田舎で生活している登場人物が都会に憧れる描写が、田舎に住む人々の都会民への劣等感を助長しているのかもしれない。
つまり、都会は田舎と違って、あらゆる面で優れているという固定観念が、田舎の住人達の都会の住人への差別意識を強くしているのだ。
父の会社の転勤が原因で田舎の高校に転校してきた竹田マサタカは最初、なぜ自分が都会から来たというだけで、差別され、いじめられているのかがわからなかった。
ある日、マサタカはいつも自分をいじめている生徒と男子トイレで二人きりになった。
マサタカはその生徒になんで自分がいじめられているのかを聞いてみた。
すると、その生徒はマサタカの質問になにも答えずに、マサタカにいきなり殴りかかってきたのだ。
マサタカは相手が一人なのをいいことに、殴りかかってきたその生徒をボコボコにした。
マサタカは普段の鬱憤を晴らすように、その生徒の顔面を何度も殴り続けた。
自分が死ぬことを恐れたその生徒はマサタカに命乞いをする。
「俺が悪かった...だから、もう、やめてくれ...」
「やめてほしいのなら、僕の質問に答えろ!なんで君たちは都会から来た僕をいじめるんだ!」
「だって、お前ら都会の住人はみんな、田舎や、田舎に住む人々を内心バカにして見下してるんだろ?だから俺達、田舎の住人はみんなお前ら都会の住人が大っ嫌いなんだよ!だから、お前ら都会の人間は俺達にいじめられて当然なんだよ!」
「い、意味がわからない...」
「だってそうだろ?俺達だってよぉ、俺達の住んでいる田舎が都会に比べてショボいことぐらい知っているんだ!都会から来たお前は自分が思っているより、田舎を見下している、そうだろ?」
確かに、そう言われてみれば、そうである。
でも、田舎が都会と比べてあらゆる面でショボいのは当然である。
つまり、コイツら田舎の住人が、都会から来た僕をいじめるのはただの嫉妬である。
「そんな幼稚な理由で...僕はいじめられていたのか...そんなバカみたいな理由で、人をいじめていい理由になるはずがない...」
マサタカがそう言っている隙に、マサタカに殺されかけていた生徒が速足で男子トイレから出て行く。
その日の夜、何者かによってマサタカの自宅は火をつけられ、全焼してしまった。
一階で寝ていたマサタカはいち早く異変に気付き、避難に成功したものの。
二階で寝ていたマサタカの父と母は逃げ遅れて、焼死してしまった。
マサタカにはもう、放火の犯人が誰か見当がついていた。
次の日、一時的に保護された警察所から、マサタカは登校することになった。
その途中、マサタカの前に、前日に男子トイレで喧嘩で返り討ちにした生徒が立ちふさがる。
そして、その生徒こそ、マサタカの自宅に放火した犯人なのだ。
マサタカは家族の仇を討つために雄叫びを上げながらその生徒に襲い掛かる。
しかし、その生徒の背後には、その生徒の仲間と思しき生徒達が立っていた。
集団暴行にあったマサタカは、全裸のまま、あぜ道に横たわっていた。
マサタカは家族の仇も討てない自分の非力を呪っていた。
そして、この世界の法では、たとえ相手が人殺しでも、殺せば、罰を受ける。
そんな、矛盾だらけの世界を、マサタカは呪った。
放火の犯人はミセーネンだ。
仮に、警察に捕まっても、死刑になることはない。
全裸のまま、あぜ道に横たわっているマサタカはこの世界の全てを呪うかのように、泣き叫ぶ。
そして、いくら泣き叫んだところで、失われた父と母は帰ってこない。
そして、マサタカの前に、黒のセーターに黒のスカートを身に着け、黒い長髪が特徴的な一人の女性が現れる。
「あなたは今、この世界の全てを呪い、憎んでいる...」
「僕を...僕をバカにしてるんですか?」
「あなたはバカじゃないわ、バカなのは世界のほうよ」
「だ、だからどうだっていうんですか!言葉と思いだけじゃ、法律も世界も変えられないんですよ!僕を憐れんで自分に酔いしれるのはやめてください!」
「変えられるわよ、世界は...その証拠に、あなたに面白いものを見せてあげる...」
桜原カエデが右手のひらを田んぼで農作業をしている農民に向けてかざす。
農作業をしている農民の脳内に狂撃波動↓が流れ込む。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑を脳内に撃ち込まれた農民が突然、意味不明な呪文を唱えながら手に持っていた鍬の先を自分の首に突き刺す。
「부주벚배너웅부주벚배너벚배너웅부웅부주벚배너주웅웅부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너벚배너부주벚배너웅부주벚배너벚배너웅부웅부주벚배너주배너웅부웅부주벚배너주웅웅부주벚배너부주벚배너웅부주벚배너벚배너...‼」
「農家のおっさんが...いきなり意味わかんないこと言って...自殺した...」
「そう、これが狂撃波動...この世界を変える力...」
「あ、あんたいったい何者なんだ...」
「私の名は桜原カエデ...」
「桜原カエデ...!」
「あなたは私と同じで世界を呪っている...だから私と一緒に世界を壊してみない...?」
こうして、竹田マサタカは桜原カエデと出会ってしまった。

次回予告 竹田マサタカ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百十九話 竹田マサタカ その2

第二百十九話 竹田マサタカ その2

都会から家族と共に田舎に引っ越してきた高校生・竹田マサタカ。
武田マサタカは田舎に住み人々の歪んだ嫉妬心により、家と両親を失ってまう。
絶望の底に突き落とされたマサタカの前に、この物語の黒幕である、桜原カエデが現れる。
そして、桜原カエデはマサタカに、共に世界を壊そうと手を差し伸べる。
マサタカは桜原カエデの口から放たれる荒唐無稽な言葉の数々に疑心暗鬼を隠せない。
しかし、桜原カエデの手から放たれた狂撃波動が何の罪もない農民を自死へと導く非現実的な光景がマサタカを変えようとしていた。
「これで、私が言っていることを、信じてもらえたかしら?」
「あの農民を...どうして殺したんですか?」
「どうして...?それは、あなたが私の言葉を信じないからよ...」
「あの農民は、なにも悪いことはしていない...なのに!」
「悪いことをしても、してなくても、人はいつか死ぬわ...」
「人を殺したことになんのうしろめたさも感じないのなら、あなたは僕の家族を殺した奴と同じだ、あなたに僕を憐れむ資格はない」
「でも、あなたは、自分の両親を殺した人間を殺したいと思ってる、そうでしょ?」
「そ、それは...」
「そんな、あなただからこそ、私は手を差し伸べた...」
「でも、さっきあなたは、善悪にかかわらず、人間は皆、いつか死ぬと言った...なら、わざわざ世界を壊す必要はないのでは?」
「確かに人は皆、いつか死ぬ、でも人は他者と交わることで子孫を残せる、その不毛かつ偽善的な連鎖が醜い人の欲望を必要以上に美化して、人々に不幸と過ちを繰り返させる...」
「つまり、あなたは人類を滅ぼして、この世界から人間同士の争いや、それによって生じる不幸や悲劇を根絶しようとしている...」
「賢い子ね、でも、その解にたどり着いたということは、あなたが自分を取り巻く世界に絶望している何よりの証拠なのよ...」
「わかっています、心のどこかで僕はあなたを畏怖しながらも、その禍々しい力に惹かれてしまっている...」
「私と契約すれば、あなたに狂撃波動の力を与えてあげてもいいわ...」
「そんなことが可能なのですか?」
「ええ、そもそもこの狂撃波動は本来、私の力ではない、旅の途中である人物から無理やり押し付けられた力なのよ...それで、あなたの答えは...?」
「僕は...桜原カエデ...あなたと契約します...」
「この契約に生じる危険性について、あなたには聞く権利があるわ...」
「その危険性について、聞けば、僕はおそらく、あなたと契約せずに、両親の仇も取れずに一生後悔し続ける人生を送ることでしょう。だから僕は、あえてその危険性について聞くつもりありません、よって僕はあなたと契約する...!」
桜原カエデの右手から無数の目玉が着いた黒い靄が飛び出し、マサタカの口から体内に侵入する。
言葉では言い表せない違和感と狂気↓が、マサタカの全身を支配する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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そして次の瞬間、その違和感と狂気↑は例えようがない高揚感に変わっていた。
「おめでとう...これで、あなたは今日から私の生徒...」
「生徒...?」
「ええ、私、昔は先生になるのが夢だったの、だから、これからは私のことを先生と呼びなさい...」
「先生...。それは、つまり、僕以外にもあなたと契約して、あなたの生徒になった人間達がいるということですか?」
「もちろん、そうよ。私一人で、人類すべてに狂撃波動を撃つこと自体、不可能ではないわ。でも、私に、万が一のことがあったとき、私以外に世界に狂気をばらまくことができる存在がいなければ、私の目的が達成できない可能性があるのよ...」
「先生でも、警戒しなければならない、存在とはいったい誰なんですか?」
「石間コウイチ...私と同じ狂撃波動の使い手よ...」
「石間コウイチ...!」
「私はこれで、失礼させてもらうわ...私が与えたその力を、どう使うのかは、あなた次第よ...」
「そんな、僕と一緒に世界を壊すんじゃないんですか?」
「私の力の一部をあなたに与えた、それは、あなたと私が一つになったということ、そう悲しむ必要はないわ...あなたと私は、お互いの体内の狂撃波動によって、常に繋がっているのだから...」
「また、先生に会えますか...?」
「そうね...私がピンチの時になったら、頼りにさせてもらうわ...」
桜原カエデはそのまま、後ろを振り返らずに、マサタカの前から去った。
全裸のマサタカはカエデとの別れに悲嘆するも、頭の中はすでに両親の仇討ちのことでいっぱいだった。
全裸で登校したマサタカが、クラスメイト達から罵詈雑言を浴びせられ嘲笑される。
マサタカは両親の仇に向かって憎悪の言葉を叫ぶ。
「このクソバカ田舎野郎がァ‼死ねやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
そして、マサタカは自分の家を放火して両親を焼き殺した生徒に向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑がマサタカの両親の仇に直撃する。
狂撃波動を受けたマサタカの両親の仇が急に意味不明な叫び声↓を上げる。
「嘿顶的还嘿부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾节课很不嘿错벚배너顶从辅导找该喝喝节주벚배너课很不个顶嘿웅부课很주找该喝벚배너飞嘿错벚배课很너顶个부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾顶嘿웅부주找该课很喝벚배너飞顶啊雾节课很不주벚배~‼」
マサタカの両親の仇が机の引き出しから取り出したカッターナイフを手に持って、周りにいる生徒達の首に突き刺す。
教室から次々と、生徒達が逃げいてく。
カッターナイフを手に持った生徒は、周りにマサタカ以外に、人がいなくなったのを確認すると、再び意味不明な叫び声↓を上げながら手に持ったカッターナイフを自分の首に突き刺す。
「嘿顶的还嘿부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾节课很不嘿错벚배너顶从辅导找该喝喝节주벚배너课很不个顶嘿웅부课很주找该喝벚배너飞嘿错벚배课很너顶个부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾顶嘿웅부주找该课很喝벚배너飞顶啊雾节课很不주벚배~‼」
仇討ちを終えたマサタカは、その日、狭い田舎に住むありとあらゆる人々に狂撃波動を放ち、田舎の住民を全員自殺させた。
自殺させた田舎の住人宅から盗んだ衣服を身に着けたマサタカは自分から全てを奪った田舎から去った。
そして、数年後、マサタカは桜原カエデと同期している体内の狂撃波動を通して、桜原カエデが日本リンクマスター協会に監禁・拘束されたことを知る。
マサタカはたった一人で桜原カエデを解放するために、日本リンクマスター協会に不法侵入した。
そして、マサタカの前に狂撃刀を手に持った警備員達が立ちふさがる。
多勢に無勢、しかし、マサタカは不敵な笑みを浮かべていた。

次回予告 竹田マサタカ その3


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十話 竹田マサタカ その3

第二百二十話 竹田マサタカ その3

深夜、日本リンクマスター協会に不法侵入した武田マサタカは狂撃刀を所持した警備員たちに囲まれてしまう。
しかし、武田マサタカはその絶望的な状況下にありながらも、口元に不敵な笑みを浮かべていた。
「貴様、何者だ!」
警備員の問いにマサタカはこう答えた。
「僕は先生の生徒ですよ...」
「先生...だと?」
「はい、僕はここに捕らえられた先生を助けに来たんです...」
「捕らえられた...?そうか...お前、桜原カエデを助けに来たのか!」
「そういうことです...」
武田マサタカは両手から狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑の直撃を受けた警備員たちが一斉に、意味不明な言葉を↓口にしながら狂撃刀を自分ののど元の突き刺す。
「嘿顶的还嘿부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾节课很不嘿错벚배너顶从辅导找该喝喝节주벚배너课很不个顶嘿웅부课很주找该喝벚배너飞嘿错벚배课很너顶个부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾顶嘿웅부주找该课很喝벚배너飞顶啊雾节课很不주벚배~‼」「僕が先生から授かった狂撃波動は相手を自殺させる狂撃波動...」
武田マサタカは死体と化した警備員の耳元でそう呟きながら、警備員のポケットからIDカードを盗む。
「このカードがあれば、僕は先生を助けることができる...」
マサタカはカエデが監禁・拘束されている独居房に向かって走り出す。
マサタカの目の前に大きな扉が立ちはだかる。
「感じる...先生からもらった僕の中の狂撃波動が、この中に先生がいることを教えてくれている...」
マサタカは警備員から盗んだIDカードを扉のタッチパネルにかざす。
ゴゴゴゴゴゴゴ...。
扉が重厚な音を立てながら、開いていく。
扉の向こうには拘束着を身に着けた状態のカエデが地面に横たわって爆睡していた。
「先生!助けに来ましたよ!」
「...チキン南蛮...!」
「先生?そうか、先生はまだ寝ているのか!まずいな、早く起こさないと、外から増援がくるかもしれない...」
カエデを目覚めさせるために、マサタカはあえて火災報知機を押す。
(バカなことをしている自覚はある...でも外から増援が来る前に先生を救出できれば、こっちのもんだ!)
火災報知機のサイレンの音を聞いたカエデが目を覚ます。
「あなたは...!」
「先生!お久しぶりです!武田マサタカです!」
「なるほど...そういうことか!ウフフフ...アハハハハ...どうやら、あなたに私の力の一部をあげたことが、こんなところで役に立つとはね...」
「先生、今すぐ、ここから逃げましょう!」
「ダメよ」
「え?」
「とにかく、私の拘束着を解いてくれない?話はそれからよ...」
マサタカはカエデの体を拘束着から解放する。
「竹田君...そのIDカードを渡しなさい...」
自由を取り戻したカエデがマサタカの顔に向かって狂撃波動を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
竹田マサタカの顔がIDカードに記載されている警備員の顔写真の顔に変化していく。
「これも狂撃波動の力...常識を超えた、狂気の産物...」
「先生!どうして、僕の顔を警備員の顔に変えたんですか!」
「あら、ご不満?私はそっちの顔のほうが好きよ...」
「そ、そうっすか...えへへ...そ、そりゃどうも...じゃなくって!僕の顔を変えた理由を教えてくださいよ!」
「理由を知りたければ、このIDカードに記載された顔写真の警備員の死体をここに持ってきなさい...」
マサタカは急いで警備員の死体をカエデのもとに運んでくる。
「いい子ね...」
カエデが警備員の死体の顔を狂撃波動でマサタカの顔に変化させる。
「そうか...そういうことか...!」
「そう、これで、竹田マサタカはもう死んだことになる。今日からあなたは、ここの警備員として生きなさい...」
「でも、どうして、そんな回りくどいことを...」
「おそらく、もう増援はこっちに向かってきているわ...そして、その中に必ず、石間コウイチがいる...いくら今のあなたでもあの石間コウイチには勝てない。だから、あなたはここで警備員として働きながら、私の生徒をここ、日本リンクマスター協会に集めなさい、そして、『来るべき日』に私と生徒達で日本リンクマスター協会を内部から占拠・掌握する...」
「そうか...僕が警備員としてここで働くということは、いつでも先生を解放することができるということ...」
「そうよ、石間コウイチの断罪陣のせいで、今の私はかなり力不足の状態にある...どちらにせよ、時間稼ぎは必要よ...」
そう、それはつまり、この場所に集めたカエデの生徒達から、カエデが過去に授けた狂撃波動の力を奪い取ることで、カエデ自身が完全な状態で復活することを意味していた。
そして、カエデから狂撃波動の力を奪い取られたものには死の運命が待っているのだ。
それがカエデと生徒が交わした契約のリスク。
しかし、カエデはそのリスクをあえて、自分の生徒達に教えていない。
カエデが完全に力を取り戻すにはもう、自らの生徒から狂撃波動の力を奪い、死なせる方法しか残っていないのだ。
そして、竹田マサタカはそれに気付いてしまった。
真実に気付いた竹田マサタカは両目から涙を流す。
しかし、それは絶望の涙ではない。
愛する者のために、自分の命を犠牲にできることから流れた、感謝の涙である。
「竹田君...あなたは頭が良過ぎる...」
「僕はあなたのおかげで、両親の仇を討てました...その瞬間から僕はもう、覚悟はできています...」
「狂っているわ...あなた...」
「先生に言われたくないですよ...」
「『来るべき日』が来るまで、私はここに拘束されているフリをしているわ、だからもう一度、私に拘束着を着させなさい」
マサタカはカエデに言われた通り、カエデに再び拘束着を着させる。
「あとは頼んだわよ、竹田君がここに生徒達を集結させるその日まで、私はここでその『来るべき日』を待ってるわ...」
「了解です、警備員と僕の衣服を入れ替えに、今日の防犯カメラの映像改ざんと増援部隊への状況説明の偽装は任せてください...」
「優秀ね、まるで私の思考を盗聴しているみたい...」
「僕と先生は体内の狂撃波動を通して繋がっていますから...」
こうして、竹田マサタカは桜原カエデの完全復活のための『来るべき』日を実現させるために日本リンクマスター協会の警備員になりすまして、陰から暗躍することになった。
そして、それは、日本リンクマスター協会が内側から徐々に桜原カエデによって支配され始めていることを意味していた。

次回予告 丸山ショウゴ その1
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十一話 丸山ショウゴ その1

第二百二十一話 丸山ショウゴ その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

2月14日、バレンタインデイ。
それは女子が意中の男性に好意の証としてチョコレートを渡す日である。
丸山ショウゴはクラスメイトの花山アケミのことが好きだった。
しかし、その日、丸山ショウゴは誰からもチョコレートをもらうことができなかった。
それも、仕方がない。
丸山ショウゴは見た目も悪く、勉強もスポーツもできない。
そして、丸山ショウゴは親友のイケメン・新藤トウマにあることを告げられる。
「ショウゴ、コレ、女子から、もらったんだけど、いるか?」
トウマがショウゴに突き出したのはチョコレートだった。
「男にチョコもらっても嬉しくねぇし、俺にそういう趣味はねぇんだよ...」
「バッキャロォー!そういうんじゃねぇよ!このチョコ、じつはアケミからもらったんだよ!お前、アケミのこと好きだったろ?せっかくだからやるよ!」
アケミがトウマのために作ったチョコレートは紙に包装されリボンで結ばれていた。
チョコレートの大きさからいって、おそらく、トウマのために本気で作ったチョコレートだと思われる。
「トウマ...お前、もしかして俺をバカにしているのか?」
「バカにしてねぇよ、ただよぉ、好きでもねぇ女から手作りチョコもらってもなんか気持ち悪いだろ?だから、ちょうどいいから、お前にやるよ!お前、どうせ、今年もチョコもらってねぇんだろ?」
「う、うるせぇよ!俺だって...俺だってチョコもらってんだよォ‼」
「おい!なんでいきなりキレるんだよ!」
「どいつもこいつも俺のことバカにしやがって...!」
「嘘ついてんじゃねぇよ!勉強もスポーツもできねぇお前がチョコもらえるわけねぇだろォ!」
「嘘じゃねぇしィ!」
「じゃあ、見せろや!チョコォ!お前がもらったチョコ見せろやァ!」
「おう!見たけりゃ見せたやるよォ!俺のチョコォ!」
ショウゴは机の上に両足を乗せ、ズボンとパンツを下ろす。
スクールカースト最底辺のストリップショーに教室にいた女子生徒達から悲鳴が上がる。
ブリブリブリブリブリブリブリブリブリブリィィィィィィッ!
ショウゴが下腹部から解き放った茶色い何かが、机の上に落下する。
その非現実的な光景に、男子からは嘲笑交じりの喝采が、女子からは阿鼻叫喚の悲鳴が上がる。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
ショウゴが下腹部から出した『チョコ』をこの教室で一番近い距離で目撃してしまったトウマは開いた口がふさがらない。
「見たか!トウマ!これが俺の『チョコ』のだァ!」
クラスメイトからの知らせを聞いて、教室に駆け付けた教師がショウゴに向かって叫ぶ。
「丸山ショウゴォ!貴様ァ!教室でなにしとるんじゃァァァァァァァァッ!」
教師の叱責にショウゴは急に真顔になる。
「先生、今日がなんの日か知らないんですか?」
「知っとるわい!バレンタインだろォ!」
「バレンタインに生徒が『チョコ』持ってきてなにが悪いんですかねぇ...」
「おめぇ男だろォ!それに、おめぇがケツから出した『チョコ』は万国共通でチョコって言わねぇんだよ!」
「いや、どう見てもチョコでしょ!この色はチョコでしょ!眼科行ってこい!このクソバカ公務員!」
今、この瞬間、いつもクラスで影が薄いショウゴはクラス中の生徒達から、悪い意味で注目されていた。
いつも存在感のないショウゴが教室の机の上に『自分にしか作れないチョコ』を放出することで、ショウゴは『自分にしかできない方法』でクラスメイト達に自分の存在を証明することができた。
それは、ショウゴにとって快感だった。
そのバレンタインの日から、ショウゴは変わってしまった。
ショウゴは悪い意味で伝説になってしまった。
その日、ショウゴの両親が学校に呼び出され、ショウゴは家族と共に教員から叱責と指導を受けた。
次の日から、ショウゴはバレンタインでもないのに、授業中や休み時間、通学・下校時の電車の中でいきなり、ズボンとパンツを下ろし、下腹部から『自分にしか作れないチョコ』を放出し続けた。
警察や目撃者の証言が正しければ、ショウゴが『自分にしか作れないチョコ』を公共の場で放出する際に『天上天下唯我独尊森羅万象ォォォォッ!』と叫んでいたらしい。
そして、今、丸山ショウゴはリンクセンター石間に母親と共に来ていた。
丸山ショウゴのこれまでの異常行動について、事前に手渡されていた書類から確認していた石間コウイチは困惑していた。
「ふ~ん、ショウゴ君さ、今、チョコ出したい?」
「まあ、出したいっスね、こう、みんなに注目されるのが気持ちいいんで...」
「ショウゴ君はケツから『チョコ』出す以外に、なにかみんなに自慢できることはなかったの?」
「ないっス。俺には『チョコ』しかないんで...」
「あっそ、じゃあ、とりあえず、ショウゴ君が断罪者かどうかの確認だけしてみましょうか、ショウゴ君、この紙にショウゴ君が今、思ってることを書いてごらん」
ショウゴが白紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ご愁傷さまですね」
「そ、そうっスか...」

次回予告 丸山ショウゴ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十二話  丸山ショウゴ その2

第二百二十二話  丸山ショウゴ その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

ゴーイングマイウェイな『チョコ職人』丸山ショウゴは断罪者(社会不適合者)だった。
その証拠が丸山ショウゴが白紙に書いた、このイラスト↓である。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺はあることを思い出して、助手の奈良見ルナに話しかける。
「奈良見もさァ、今年のバレンタイン、誰かにチョコあげたの?」
「え、ええ...そりゃまぁ...」
「食中毒、待ったなしだァ!」
「死ね...」
俺はショウゴ君が自分から『変われる』ように説得するために、二人で屋上のベンチに座った。
「ショウゴ君はさァ、寂しかったんだろ?だから、だからみんなに注目されたくて、公共の場でケツから『チョコ』を出していた...」
「そうっスね、俺がクラスで自らの存在を証明できる方法は、『チョコ』しかなかったんで...」
「つれぇよなァ...みんなから注目されている人もいれば、その逆に、まったく注目されない人もいる、人生ってのは残酷だよなァ...」
「俺、最近、パソコンでアニメを見たんスよ、こうなんか、クラスで全く存在感がない男子に、クラスで一番かわいい美少女だけが唯一気付いてくれて、かまってくれるやつ、あんなのぜってーありえねぇですよ...コメント付きの動画サイトで見てなきゃ、俺、正直、視聴に耐えきれませんでした...」
「ああ、俺もそれ、毎週見てるよ、つーかなんか最近の深夜アニメはさァ、パンチラのパの字もないような健全で、ある意味でバリアフリーに特化した作品ばっかでなァ...こう、なんかレベル低いよなァ...もう夕方に放送しちゃえばって感じの作品ばっか、2000年一桁代に放送してた深夜アニメはパンチラなんてあって当たり前だったからな...」
「石間さん、俺はパンチラの話がしたいんじゃないんですよ!」
「ああ、おっと...すまん、話がそれた」
「石間さん、僕はこれからどうすればいいんでしょうか?」
「どうするもこうするも、君が公共の場で『チョコ』作るのをやめる決心ができないと、多分、俺が君を正常な状態に戻しても、意味がないと思う」
「じゃあ、俺は公共の場で『チョコ』を作る以外に、いったい何を誇りに思って生きていけばいいんですか?」
「君には友達がいるじゃないか...クラスで目立たない君に、女子からもらったチョコを君に渡そうとした『親友』が」
「トウマのことですか...でも、アイツ、イケメンだからって、俺の好きな女子からもらったチョコをわざわざ俺に渡そうとしてきたんですよ!俺のこと見下して同情して、アイツはそうやって、カッコつけて悦に浸りたいだけなんですよ!」
「確かに、トウマ君は君を見下していたかもしれない、でもトウマ君が君に同情してくれたのは、トウマ君にとって君は親友だったからだよ。親友がいるということは当たり前のことじゃない、君は君に優しくしてくれる親友をもっと誇りに思うべきなんだ」
「でも、俺、トウマにひどいこと言いました...それに、俺がはじめて、ケツから『チョコ』を出したバレンタインの日から、トウマは俺のことを無視してきます...」
「ショウゴ君はトウマ君に謝罪したのかい?」
「いいえ、まだです」
石間コウイチはふいに桜原カエデのことを思い出す。
「なら、ダメもとで謝罪してこいよ。喧嘩ができる相手とは、仲直りもできるんだぜ。喧嘩ができるってことはお互いの悪い部分を知っているからこそできるんだ、実は俺にも、もう何十年も喧嘩してる人がいる...でも、俺は、そいつと、いつかきっとわかり合えるって信じてる...」
「そう...ですか...でも、俺のしてきたことを考えたら、もう、無理に決まってますよ...」
「無理でもしなきゃ、なにも変わらんぜ」
「でも...」
「いいか、ショウゴ君、君のしていることは君がまだミセーネンだから、大事になってないだけで、二十歳過ぎて公共の場で『チョコ』作ったら、君はもう立派な犯罪者だ。だから、俺は変わることを決意した君にでなきゃ、狂撃波動は撃たない。だってそうだろ、断罪者で犯罪者なら、君の犯した罪は軽くなるし、社会復帰も順調に進むだろう、つまり狂撃波動を撃たないほうが今の君の社会生活を守る上で得になる。でも今のままじゃ、君は君にとって唯一誇れる存在だったトウマ君との絆を永遠に失ってしまう」
「俺、決めました...狂撃波動ってなんのことかわからないんですけど、とりあえず、俺を正常な状態に戻してください...俺、トウマに謝罪してきます...」
「わかった、そんじゃいくぜ」
俺は右手をショウゴの頭にかざして、狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次の日、正常な状態に戻ったショウゴは学校の屋上でトウマに謝罪した。
ショウゴの読みは外れて、トウマはショウゴを許した。
そして、トウマはショウゴに、あのバレンタインの日の真相を打ち明けた。
「あの、お前にあげるって言った、アケミの手作りチョコ...あれさ、実はアケミからもらったチョコじゃなくって、俺が...俺が作ったチョコだったんだよね...だって、俺が作ったって言ったらお前、絶対にもらってくれないと思って、それで、お前にアケミからもらったって噓をついたんだ、俺のほうこそマジでゴメン...」
衝撃のあまり、ショウゴは屋上でつい叫んでしまう。
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ‼」
こうして、二人の仲は思わぬ形で修復された。

次回予告 立花キリカ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十三話  立花キリカ その1

第二百二十三話  立花キリカ その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

早朝、とある学校の校庭で行われている全校集会のお立ち台の上に校長先生が立っている。
校長先生はマイク片手に全校生徒に向かって中身のない話をしている。
そして、一人の少女が突然、お立ち台の上に立った。
校長の話を聞いていた生徒達が突然の出来事にざわつき始める。
その少女の名は立花キリカ。
お立ち台の上に立った立花キリカは両手で校長を押し倒す。
校長からマイクを盗った立花キリカは目の前に広がる全校生徒達に向かって奇声を上げる。
「キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエアッ‼」
マイクを通して大音量で放たれたキリカの奇声が全校生徒たちの聴覚に突き刺さる。
そして、すぐに教員たちがお立ち台の上に昇り、キリカを取り押さえようとする。
キリカはマイクを持ったまま、お立ち台から降りる。
キリカは全校集会を聞いていた生徒達の群れをかき分けながらマイクを通して、また奇声を上げる。
「キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエアッ‼」
マイクを通して放たれたキリカの奇声を間近で聞いた全校生徒達が怒りをあらわにしてキリカに一斉に襲い掛かる。
生徒達に集団暴行を受けながらも、キリカは奇声を上げるのをやめない。
「キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエアッ‼」
キリカの奇行に怒りをあらわにした全校生徒達の一人がキリカを地面に押し倒す。
仰向けに倒されたキリカの顔面に生徒の靴底が近づいてくる。
生徒の靴底がキリカの顔面に勢いよく直撃したその瞬間、キリカは気絶した。
目を覚ますと、キリカの目の前には保健室の天井があった。
そう、キリカの奇行は今回が初めてではないのだ。
キリカはベットから起き上がると上履きを履いて、カーテンを開ける。
キリカが目覚めたことを知った保健室の先生がキリカに近づいてくる。
「あら、キリカちゃん、やっと目が覚めたのね」
「今、何時なん?」
「今は11時ね、もうすぐ給食の時間ね」
パァンッ!
キリカが思いっきり、保健室の先生の頬をひっぱたく。
「あんがと」
キリカはそれだけ言うと、保健室のドアに向かって何度も蹴りを入れる。
背後からキリカにビンタされた保健室の先生がキリカを背中から抱きしめる。
「キリカちゃんお願い、やめて!そんなことしたら、ドアが壊れちゃうわ!」
「うるせぇ!このドア!なんで押しても開かないの?このドア!マジでふざけんな!」
「キリカちゃん!そのドアはスライドドアなの!」
「ほ~ん、そうかい」
保健室のドアがスライドドアであることを理解したキリカ。
キリカは保健室のドアの右に向かってスライドさせて、廊下に出る。
キリカは保健室の先生に向かってにっこりと微笑みながら告げる。
「これ、ドアの仕組み教えてくれたお礼」
そして、廊下から保健室の先生の顔面に向かってツバを吐く。
保健室の先生にツバを吐くという好意を通してお礼を済ませたキリカは教室に向かって走る。
ここで一つの疑問が生まれる。
キリカはなぜ、保健室に行ったのが初めてではないのに、保健室のドアがスライド式であることを理解できなかったのか?
答えは単純である。
キリカは保健室のドアがスライド式であることを理解しながらも、あえて知らないふりをしていたのだ。
そして、そのことを保健室の先生は当然、理解している。
保健室の先生がキリカから暴行やツバを吐かれるなどの行為は今に始まったことではないのだ。
そして、保健室の先生はその立場上、生徒であるキリカに対して、暴力を通してやり返すことができない。
度重なるキリカの傍若無人ぶりに、保健室の先生の中でキリカに対するストレスと殺意が大きくなっていく。
教室に入ったキリカはクラスメイト達から罵詈雑言を浴びせられる。
それも、仕方がない、クラス、どころか、この学校の生徒達全てがキリカの異常性を知っているのだから。
担任教師はクラスメイト達のキリカへの暴言を、自業自得と判断して、見て見ぬふりをしている。
クラスメイト達から心ない言葉をぶつけられたキリカは、カレールーの入った鍋に両手を突っ込む。
その光景を見たクラスメイト達から一斉にキリカに対してブーイングが起こる。
キリカはテレビでよく放送されているお昼のクッキング番組のBGMのイントロを歌いだす。
「テテテテテッ♪テテテテテテッ♪テテテテテテ♪テッテンテン♪キリカの3秒クッキング~‼」
キリカは別の鍋に入っていたフルーツサラダをカレールーの鍋に入れる。
そして、フルーツサラダがぶち込まれたカレールーを持ち上げて、顔面から自らの体にぶっかける。
そして、全身カレー塗れになったキリカがクラスメイト達に襲い掛かる。
キリカはカレールーが付着した手でクラスメイト達の体を触りまくる。
悲鳴を上げながらキリカから逃げるクラスメイト達。
教室内はまさに阿鼻叫喚の状態。
すぐに、騒ぎに駆け付けた教員たちによって全身カレー塗れのキリカが取り押さえられる。
取り押さえられたキリカが叫ぶ。
「おい、お前ら!私を誰だと思ってるんだ!」
「うるせぇ!おめぇは頭のイカれたカレー野郎だァ!」
次の瞬間、キリカの全身から衝撃波が放たれる。
キリカの全身から放たれた衝撃波を浴びた教員達の脳内に↓が広がる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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キリカの全身から放たれた狂撃波動を浴びた教員たちが一斉に廊下の地面に、自らの頭部を何度もぶつける。
目の前の異様な光景を作り出した原因が自分であることに気付いていないキリカは急いで、廊下を走って逃走する。
校舎を出て校門を出たキリカは走っている途中で誰かにぶつかる。
キリカがぶつかったのは、学校側から緊急通報を受けて駆け付けた石間コウイチだった。

次回予告 立花キリカ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十四話  立花キリカ その2

第二百二十四話  立花キリカ その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

学内で狂気に満ちた行動を繰り返す女子生徒、立花キリカ。
立花キリカの異常行動を止めるためにキリカを取り押さえる教員たち。
しかし、立花キリカが無意識のうちに発動した狂撃波動↓が教員たちを狂人にしてしまった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑を脳内にぶち込まれた教員たちは、皆、一斉に頭部を地面に叩きつける行為を繰り返す。
目の前で繰り広げられる狂気現象を恐れたキリカは、目の前の現実から逃げだすように、学校を出てしまう。
そして、現実から逃げるかのように外を走っていたキリカはある人物に激突してしまう。
その、ある人物とは、学校側の緊急通報を受けて学校に向かっていた、石間コウイチだった。
「痛ってな、ちゃんと前向いて走れやガキィ!つーか、お前なんで全身ウ●コ塗れなんだよ!」
「ウ●コじゃくなくて、カレーだよ!バーカ!死ねぇぇぇッ!」
「なんだおめぇ人にぶつかっておいてその態度はァ!てめぇどこの学校の生徒だァ!」
「うるセェェェェェェェェェェェェェェェェックスッ‼」
キリカは意味不明な暴言をコウイチに吐きながら、どこかへと走って行ってしまった。
「なんだあのガキィ!奈良見と同じレベルのバカだなァ、オォォイッ‼」
石間コウイチはそのまま、緊急通報のあった学校の校舎に入った。
現場に駆け付けたコウイチを待っていたのは、地面に向かって頭部を何度もぶつける教員たちの姿だった。
コウイチは事務所に通報したと思われる保健室の先生にあることを訪ねる。
「最近、こういうスポーツが流行ってるんですか?」
「スポーツじゃありませんよ!キリカちゃんの体からいきなり衝撃波が出て、それを浴びた教員たちが、みんないきなり地面に自分の頭をぶつけるようになってしまったんです!」「なるほど、おそらく、この地面に向かってヘドバンしてる先生方はおそらく、そのキリカちゃんの体から放たれた狂撃波動を浴びて、断罪者(社会不適合者)になってしまった可能性が高いですねぇ...」
コウイチは狂撃波動↓を地面に向かって何度も頭部をぶつけている教員たちに向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動↑を脳内にぶち込まれた、教員たちが正気を取り戻し、正常な状態に戻る。
しかし、頭部を地面に何度もぶつけた影響で、教員たちは皆、白目を向いて倒れてしまう。
「狂撃波動で狂撃波動を相殺しました...今回は緊急の依頼なので、あとで学校側に書類のほうで依頼料を請求させてもらいますね」
現場から立ち去ろうとする石間を保健室の先生が引き止める。
「ちょっと待ってください!実は教員達に狂撃波動を放ったキリカちゃんが、どこかへ逃げてしまったんです!」
「心配せずとも、俺は、そのキリカちゃんとやらをこれから探しに行くんですよ...本来であれば、狂撃刀を使わずに狂撃波動を撃てるのは俺とカエデの二人だけなんです、故に今回の事件がただごとでないことは俺も承知しています」
「警察には連絡したほうがいいのかしら...」
「状況説明と事情聴取は構いませんが、捜査だけは絶対にやめるように忠告しておいてください、先程の教員たちのように、頭部を損傷してしまう犠牲者が増えるだけです」
「じゃあ、救急車は?頭部を損傷してしまった教員たちはちゃんと病院のほうで検査を受けないと...」
「先生、現実から目を背けるのはやめましょうよ...おそらく、頭部を損傷した教員たちは皆、死んでいます...」
「そ、それじゃあ、キリカちゃんが人殺しになってしまいます!まだミセーネンなんですよ!」
「キリカちゃんの体から放たれた狂撃波動のせいで、教員が数人死亡した、それが現実です。先生、キリカちゃんの特徴を教えてくださいませんか?」
「特徴...ああ、そうだ!キリカちゃん、給食の時間に暴れたんです!それで、カレーの入った鍋を自分にぶっかけたんです!なので、キリカちゃんの制服は今、茶色になっているはずです!」
「ちくしょう...!さっき、ぶつかってきた、あのガキ...キリカちゃんだったのか...!」
「石間さん、キリカちゃんに会ったんですか?」
「ええ、ここに来る前にね...。それでは俺はここで失礼させていただきます」
コウイチはそのまま学校から去った。
(おそらく、俺の予想が正しければ、キリカちゃんは何者かによって狂撃波動の力を授かったに違いない...とりあえず、日本リンクマスター協会に監禁されているカエデに聞くのが早いかもな...)
日本リンクマスター協会を訪れた石間コウイチを一人の警備員が迎える。
「今回はどのような用件で?」
「桜原カエデに話があって来た」
「それでは、ご案内します」
以前殺害した警備員になりすましている竹田マサタカは石間コウイチの来訪に内心、戦慄していた。
(この男が石間コウイチ...先生が唯一恐れる男...)
コウイチが警備員の違和感に気付く。
「君さァ、前より猫背になった?」
「あ、ああ...そ、そうですね...ちょっと疲れがたまってて...」
「ふ~ん、そんで、カエデは元気かい?」
「せんせ...じゃなくて、桜原カエデはいつも通りおとなしくしていますよ...」
「あっそ」
独居房に入ったコウイチの前に拘束着と拘束具を装着されたカエデがいる。
「立花キリカ...お前、知ってるか?」
「知らないわ...誰それ?」
「とぼけるなよ、お前、俺に捕まる前に立花キリカに狂撃波動の力を与えただろ?」
「確か、立花ユイナという女性に力を与えた覚えはあるわ...」
「やっぱり、おまえ、狂撃波動の力を自分以外の人間達に分け与えていたんだな...」
「あら、もしかして、今ごろ気付いたの...?」
「用は済んだ...俺はもう帰るぞ...」
「どうやら...もう結論は出たようね...」
「ああ、おおよその見当はついた、お前の思い通りには絶対にさせないからな」
「さて、なんのことかしら...?」
日本リンクマスター協会を去った石間コウイチは、今回の事件の鍵を握る立花ユイナの捜索を始めた。

次回予告 立花キリカ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十五話  立花キリカ その3

第二百二十五話  立花キリカ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

石間コウイチが日本リンクマスター協会を去って数分後。
警備員になりすました竹田マサタカは再び、桜原カエデが監禁されている独居房の中にいた。
「先生、石間コウイチに立花キリカの母親についての情報を教えたのはなぜですか?」
「それは、いったいどういう意味?」
「先生は、『来るべき日』のために、先生の元生徒だった立花ユイナの娘であるキリカを仲間に迎え入れようとしている...しかし、石間コウイチがユイナに接触すれば、その策が失敗する可能性は高い...」
「キリカは無意識とはいえ、狂撃波動で、すでに人を殺している...狂撃波動で人を殺した以上、この世界にもう、キリカの居場所はない。だから、ユイナから、母子感染と同じ原理で、私がユイナに与えた狂撃波動の力を受け継いだキリカは必ず私たちの仲間になるわ...」
「うまくいけばいいですが...」
「大丈夫よ...その確信がなければ、コウイチにユイナの情報など与えていない...」
そして、コウイチは立花キリカが母のユイナと暮らしているアパートの前にいた。
コウイチはユイナの家のインターホンを押す。
ドアが開き、ユイナが姿を表す。
「はじめまして、俺はリンクセンター石間の石間コウイチです、すこしお話いいでしょうか?」
石間コウイチの名を聞いて危険を察知したユイナがドアを閉めようとする。
コウイチはドアと玄関の隙間に、自分の足をはさみ、ドアが閉まるのを阻止する。
「娘さんのキリカちゃんが、行方不明になりました」
「うそよ、それが本当なら、まず警察から最初に連絡が来るはず...」
「キリカちゃんは体から狂撃波動を放ちました。だから、この事件について警察はまだちゃんと把握できていません。そんで、リンクマスターの俺が最初に、ここを訪ねてきたということです...」
「そ、そうですか...やっぱり、あの力は娘の中に移動していたんですね...」
「その辺のお話、詳しく聞かせてもらえませんか?」
「どうぞ、入ってください...」
コウイチはユイナの家の中に入る。
室内に飾ってある家族写真はどれも、ユイナとキリカしか、写っていない。
(なるほど...母子家庭か...)
「どうして、俺の名前を聞いた時、扉を閉めようとしたんですか?」
「それについては、最初から説明させていただきます...」
立花ユイナが自らの過去を語りだす。
立花ユイナは交通事故で両親を失い、母親の兄の家に預けられた。
しかし、ユイナは母親の兄から様々な虐待を受けていた。
絶望の日々を送るユイナの前に、桜原カエデが現れた。
ユイナの心の闇を感じ取ったカエデはユイナに、共に世界を壊そうと誘惑する。
この世界に絶望していたユイナはカエデに救いを求めるように、カエデと契約し、カエデの力の一部を自らの体内に吸収した。
ユイナはカエデから授かった狂撃波動を、自分を虐待していた母の兄や、自分に対して敵対的な人間たちに向かって放っていた。
そして、ユイナの狂撃波動を受けた者は皆、地面に頭部を何度もぶつける行動を繰り返し、頭部の損傷により、死亡した。
ユイナは、自分に力を与えてくれたカエデに恩を返すために、狂撃波動をありとあらゆる人々に放ち、断罪者予備群を増やしていった。
ある日、ユイナは自分の体の異変に気付く。
そう、ユイナは妊娠していたのだ。
子供の父親に思い当たる人物は一人しか思いつかなかった。
ユイナを虐待していたユイナの母の兄。
その後、ユイナはキリカを出産した。
しかし、キリカを出産したその日から、ユイナは自らの体の一部であった、カエデから授けられた狂撃波動の力を感じ取ることができなくなってしまった。
そう、ユイナの体内にあった狂撃波動の力は、母子感染を同じ原理でキリカの体内に移動してしまったのだ。
ユイナがそれに気付いたのは、キリカが学校などで問題行動を起こすことを知ってからだった。
「先生と契約したあの日、先生から、石間コウイチには気をつけろと言われました...」
「なるほど、それで俺を警戒していたんですね...」
「石間さんは、キリカをどうするつもりですか?」
「キリカは脳内ではなく、体内に狂撃波動を所有している...」
「脳内と体内で、なにが違うんですか?」
「脳内に狂撃波動を所有していれば、断罪者(社会不適合者)、体内に狂撃波動を所有していれば、異能者です、そりゃあ、狂撃波動を撃てるんですからね」
「キリカを異能者から正常な状態には戻せないのでしょうか?」
「キリカは無意識下とはいえ、狂撃波動で人を殺害している。正常な状態で警察に捕まれば、ミセーネンとはいえ、かなり重い罰を受けるでしょう...とはいえ、狂撃波動が使える今の状態のまま、捕獲・監禁するのは危険すぎる...」
「では、キリカを正常な状態に戻してください、キリカの犯した罪は、元はと言えば、私の罪でもあります...私は娘と二人で罪を償っていきます...」
「では、もし、あなたがキリカの立場ならどうします?」
「そ、それは...」
「キリカはおそらく、先程の話に例えると断罪者であり異能者でもある。常人を超えた異能者として生き続けるか、罪人として刑務所に収監され、出所後は前科者として生き続けるか。キリカはいったい、どっちの人生を選ぶと思いますか?俺がキリカの立場なら、異能者として生き続けます、そのほうが自由で、ストレスも少ない...」
「キリカに...娘に一生恨まれても構いません!ですから、どうか、キリカを異能者から正常な状態に戻してください!」
「わかりました、今回は緊急の依頼なので、依頼料はすこし高くなりますよ...」
「娘を助けてください...」
室内にインターホンが押された音が鳴り響く。
「帰ってきましたね...キリカが...」
石間コウイチは玄関に向かって、歩みを進める。

次回予告 立花キリカ その4
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十六話  立花キリカ その4

第二百二十六話  立花キリカ その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

立花キリカを探すために、キリカの母であるユイナが住んでいるアパートを訪れた石間コウイチ。
コウイチはユイナの口から、キリカの持つ狂撃波動の力がユイナから母子感染と同じ原理で受け継がれたことを知る。
今回の事件の元凶である、桜原カエデと契約してしまったことを悔いたユイナはコウイチにキリカを救うように依頼する。
そして、キリカの帰宅を告げるインターホンの音がアパートの室内に響き渡る。
コウイチは玄関の扉を開ける。
扉の向こうには、制服をカレーの汚れで染めたキリカがいた。
「よう、またあったな、クソガキ」
「あ!アンタはあの時のおっさん!」
「おっさんじゃねぇ!石間コウイチだ!」
「なんで、アンタが私の家にいるの?」
「そーいうお前はなんで、学校を無断で早退したんだ!」
「どうして、あんたにそんなこと聞かれなきゃいけないわけ?」
「お前、この先の人生、前科者として生きるか、それとも超能力者として生きるか、どっちがいい?」
「はァ?なによ、いきなり、悪いけど、早く家から出てかないと、警察呼ぶわよ!」
「おめぇが答えたら、今すぐ出て行ってやるよ」
「そんなの、超能力者のほうがいいに決まってるじゃん!」
「キリカはこう言ってますが、ユイナさん、どうしますか?」
「キリカちゃん、今すぐ警察に自首しに行きましょう...」
「ふ~ん、そういうこと、おっさん、警察の人?」
「違う、俺はリンクマスターだ、俺が本気を出せば、お前の体内にある力を消滅させることができる...」
「体内にある力...?」
「おめぇの学校の教員どもが地面に向かって頭を何度もぶつけて死亡した、その原因を作った力、狂撃波動だよ」
「そっか、私を取り押さえようとした先生たち、みんな死んじゃったんだ...」
「そう、つまり、君は人殺した。そして、君が人殺しになるきっかけを作った力を君に遺伝させたのは、君の母親のユイナだ」
「なるほど、私が社会に適応できなかったり、狂撃波動が無意識に発動したのは、全部、お母さんのせいってことね。それでおっさんは私の狂撃波動を消滅させて、しかも警察に自主しろって?ふざけんな!」
「じゃあ、お前はこの先、一生、世界を敵に回して生きる覚悟ができているんだな?」
「警察に自首して前科者になっても、似たようなもんよ...」
「狂撃波動を消滅させずに、断罪者(社会不適合者)として、警察に自首すれば、君は断罪者収容所に収監される、そうなれば君は、社会復帰の際に元断罪者として、この国の法律では、殺人事件の前科者ではなくなる...」
「なるほど、私はまだミセーネンだから、どっちにしろ死刑にはならない、でも、殺人の前科者と元断罪者も、私には同じ意味に思えるわ、少なくとも世間の風当たりが強くなるのは確実よ...」
「そうだな、君は他の断罪者とは違って、狂撃波動が使える断罪者だ、俺も君が収監された断罪者収容所で大人しく生活できるとは思わない、でも君のお母さんは、俺の力で君が普通の人間に戻って、前科者として生きていくことを望んでいる」
「私の決意は変わらないわ、さっき私がアンタに言った通り、私は超能力者として生きるわ...」
「母親を悲しませることになるぞ...」
「悲しいのはこっちのせいよ、だってお母さんのせいで、私は殺すつもりのない人たちを殺してしまった、私から居場所を奪ったのはお母さんよ、だから...」
キリカの全身から狂撃波動↓を放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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キリカの全身から放たれた狂撃波動は、ユイナのいる方向に向かっていく。
石間コウイチはユイナを守るために、キリカの狂撃波動に自身の狂撃波動をぶつける。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動同士のぶつかり合いにより、室内が閃光に包まれる。
光が止んだ室内に、キリカの姿はもうなかった。
「チッ、どうやら、逃げられましたね...」
「キリカは私を殺そうとしたんですか...?」
「もし、本当に殺す気なら、ユイナさんだけでなく、俺にも狂撃波動を撃っていたはずです...俺が狂撃波動を撃つのがわかっていて、目くらましに利用したんでしょう...」
「それでは、キリカは石間さんが狂撃波動を使えるのを帰宅する前から知っていたんですか?」
「そうなりますね、どうやら、キリカはすでにカエデの協力者と接触していた可能性が高いです...」
「じゃあ、この家に帰宅する直前に、カエデ先生の生徒に...」
「ええ、どうやら向こうのほうが一枚上手でした...」
そして、カエデは、ある男と共に下水道を歩いていた。
「ねぇ、あんた、私をこれからどこにつれていくつもり?」
「日本リンクマスター協会だよ...」
「リンクマスター?あんた、私をハメたわけ?」
「違うよ、僕の名は竹田マサタカ、今は偽名で日本リンクマスター協会の警備員をしている。そして、今、通っている道は、日本リンクマスター協会の地下通路に繋がっているんだ」
「ふ~ん、じゃあ、アンタ、スパイなんだ、そんで、私にどうしろってわけ?」
「着けばわかるさ」
マサタカの足が止まる。
道の先には大きな扉があった。
「実は、今通ってきた道は日本リンクマスター協会の緊急時の避難経路らしい」
「あっそ、そーゆうのはいいから、とにかく、はやくその扉をあけなさいよ、臭くて鼻が死にそうだわ」
「同感だ...」
警備員になりすましたマサタカがIDカードをスキャナーにかざす。
扉の無効にある長い通路の先にある、もう一つの扉が先程と同じ方法↑で開かれる。
そして、扉の向こうは、桜原カエデが監禁されている地下の独居房に繋がっていた。
「この白い布とか、黒いベルトでぐるぐる巻きにされている人が、アンタが私に会わせたい人なの?」
「そう、このお方の名は、桜原カエデ...この世界の救世主であり、今日から、君の居場所になってくれるお方だ...」
「ふ~ん、救世主の割にはずいぶんとみじめな姿ね」
マサタカがカエデの口を塞いでいる鉄製のマスクを外す。
「はじめまして、立花キリカ...」
「それで、あんたはどうやって、私を楽しませてくれるわけ?」

次回予告 立花キリカ その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十七話  立花キリカ その5

第二百二十七話  立花キリカ その5

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

母・ユイナと決別し、自ら桜原カエデとともに歩む道を選んだカエデは、カエデの『生徒』である竹田マサタカに導かれ、桜原カエデと邂逅する。
「はじめまして、立花キリカ...」
「それで、あんたはどうやって、私を楽しませてくれるわけ?」
「私は『来るべき日』のために、自分の力を分け与えた『生徒』達を探しているわ...」
「『生徒』...?マサタカみたいな、あんたの信者のことね?」
「おい、俺一応、お前より年上だぞ!」
「そんで、信者をここに集めてどうすんのさ?」
「その時になれば、わかるわ...」
「それじゃあ、説明になってないと思うんだけど?」
キリカがカエデに向かって狂撃波動を放とうとする。
「貴様ァ!先生になにをする気だァ!」
「だって、この人、隠し事してるんだもん、ならさ、こうしたほうが早いでしょう?」
マサタカがキリカに向かって右手のひらをかざす。
「先生に危害を加えるなら、容赦はしないぞ...」
「よしなさい...マサタカ、私は『生徒』同士が争う姿は見たくないわ...」
「お母さんはともかく、私はあんたの『生徒』になったつもりは『まだ』ないんだけど?」カエデがキリカをにらみつける。
キリカの全身をたとえようのない死の恐怖が駆け巡る。
「口を慎みなさい、あなたが母親から受け継いだ狂撃波動は、もともと私の体の一部...私がその気になれば、私は今すぐ、あなたから私の力の一部を取り戻すことができる...」
「なるほどね...ようは、アンタさァ、ここに集めた『生徒』達とやらから自分の力を吸収して、本来の力を取り戻したいだけなんじゃないの?」
カエデの本来の目的に気付いてしまったキリカを、マサタカが排除しようとする。
「先生、やっぱり、こいつはここで消しましょう...」
「その必要はないわ、その判断はわたしがする。でもキリカ、これだけは覚えていなさい、私の力を体の一部に取り込んでいる以上、あなたが何をしようと、私はあなたをいつでも殺せるわ、死にたくなければ、私の言うことを聞いたほうが身のためよ...」
「わかった...わかりたくないけど、わかったわよ!あんたの言うこと聞くから、この全身を駆け巡る気持ち悪いのをどうにかしてくれない?」
「いい子ね...これでどう?」
「ふぅ...それで、わたしは何をすればいいのかしら?」
「マサタカには、警備員として私を見守る使命がある、だから、あなたには、私の『生徒』をここに集める仕事をお願いしたいのよ」
「わかったわ...でも、連絡とかは、どうすればいいの?私は指名手配犯よ、警察やリンクマスター協会に盗聴でもされたら、先生の計画にかなり支障が出るんじゃないの?」
「賢いわね...連絡に関しては電子機器は避けて、今日、マサタカに案内された地下通路を使いなさい...」
「了解、なにか、リストはないわけ?」
「私から一応、お互いの体内の狂撃波動を通して連絡はしてるのよね、だから、生徒を見つけるのは案外簡単かもよ?」
「わかりづらいわね...でも狂撃波動の使い手なら、あちこちで悪さしてる可能性が高いってことね、そんで、先生の呼びかけを無視してる生徒達を説得して、ここに連れて来ればいいのよね?」
「そういうことね...たのんだわよ、キリカちゃん...」
「ええ、私はもう帰らせてもらうわ...」
「コレを使え...」
マサタカがキリカにキャッシュカードを手渡す。
「あんがと、どのくらい入ってんの?」
「見てのお楽しみだ」
「キリカちゃん...忘れちゃダメよ、『先生』と『生徒』は、たとえどこにいても、常に一つにつながっていることを...」
キリカはそのまま、各地に散らばった生徒達を探すために、日本リンクマスター協会を去った。

次回予告 温泉旅行 その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十八話  温泉旅行 その1

第二百二十八話  温泉旅行 その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

その日の朝、リンクセンター石間に温泉宿から招待状が届いた。
「おい、奈良見ィ!おめぇ、事務所の住所でなんかのキャンペーンに応募しただろォ!」
「いや、してねぇっすよ!つーか、なんかのキャンペーンってなんだよ!」
「嘘ついてんじゃねぇぞォ!おめえ、どうせ事務所の金で温泉旅行に行っちゃおうとか、そんなこと考えてたんだろォ?おめぇそれ、アレだぞォ!もし協会にバレたら、鼻水垂らしながら号泣会見の刑だぞォ!」
「いや、ガチで私じゃねぇっすよ!私、別に『この国をォォッ!変えたいィィィィィィィッ‼』とか思ってませんもん!」
「嘘だァ!どうせ、毎日テレビでニュース見ながら『誰がやっても!おんなじや×2』とか思ってんだろォ?」
「意味不明なこと言ってると上司とはいえ、ガチでぶっ飛ばすぞ!見た目が二十代の中身はクソジジィのクソ野郎がァ!ちょっとジャンプしてみろやァ!おやじ狩りの開幕じゃァァァァァァァァァァァィィッ!」
「............じゃあ誰がこんな招待状、うちに送り付けたんだ...?」
「急に冷静にならないでくださいよ...私がバカみたいじゃないですか...」
「うん、俺、もう、さっきみたいのやめまぁ~す...」
「うっわ、それ一番、腹立つやつじゃん...今日はもう話しかけないでくださいよ...」
「でさ、奈良見ィ?」
「日本語の意味わかってます?」
「うちの、今日の予約さぁ」
「話しかけるなって言いましたよね?」
「どんくらい?」
「ゼ~ロ~!」
こうして俺と奈良見は温泉宿から届いた怪しげな招待状に記された地図を見ながら車で移動を開始した。
運転するのはもちろん俺だ。
「今更、こんなこというのはあれだけどさ~他に誰か呼んでおいたほうがよかったかもな...」
「今更にも程がある...」
「じゃあ、奈良見は誰呼びたかったんだよ...彼氏か?彼氏だろ?」
俺の問いに奈良見が顔を真っ赤にして黙ってしまう。
「悪いな、変なこと聞いて...確か、お前の彼氏...アニメのキャラクターなんだっけ?そうだよな、断罪者(社会不適合者)とかならともかく、まともな頭してたら奈良見なんかと付きあわねぇもんなァ!ガハハハハハハハハッ!あ~温泉楽しみ~!」
「死ね...」
こうして俺と奈良見は例の温泉宿に着いた。
「石間さん、コレ、めっちゃ豪華な温泉宿じゃないですか!」
「お、おう...!でも、まだ気を抜くな!俺達の誰も予約してないってことは、温泉宿側のミスって可能性もある...」
「だったら電話で先に確認しておけばよかったじゃないですか...」
「う、うるせぇよ...招待状はもう、もらっちまってるんだからよォ!なんとかなんだよォ!」
「そ、そうっすね、なんとかなるなる...」
奈良見が最後まで言い終える前に自動ドアが開き、温泉宿のスタッフらしき男が俺達の前に現れる。
「お待ちしておりました...石間コウイチさんに奈良見ルナさん...私はこの旅館主の能野村リョウタロウです...」
「それじゃあ、あなたが俺達に招待状を?いったいどういったご用件で?」
「それは後ほど、説明させていただきます、今日はとりあえず楽しんでください...」
石間は感じてしまった、能野村リョウタロウの全身からあふれだしている底知れぬ力を...。
(この感じは...狂撃波動...!)

次回予告 温泉旅行 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百二十九話  温泉旅行 その2

第二百二十九話  温泉旅行 その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

謎の温泉宿からの招待状に胸を躍らせる石間コウイチと奈良見ルナ。
しかし、石間コウイチを待っていたのは、狂撃波動の気配を感じさせる旅館主・能野村リョウタロウだった。
旅館に入った奈良見は、今回の事態の真意などそっちのけで、バカ騒ぎしている。
「石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!私!露天風呂入ってきて、いいっスか?」
「その頭悪そうなしゃべり方はなんとかなんねぇのかァ!入りたけりゃァ、勝手に入れよォ!」
「この旅館、どうやら混浴風呂しかないみたいですよォ!私水着持ってきたんでぇ!石間さんも、風呂ォ!一緒に入んないんスかァ?」
「うるせぇよ!おめぇの裸も水着姿も、見る以前に想像しただけで、こっちの目がつぶれるわァ!ぐほァ‼」
奈良見の投げた携帯電話が俺の後頭部に直撃する。
床に落ちた携帯電話を拾った奈良見は足音をドスドス立てながら、露天風呂へと向かっていく。
(混浴風呂しかない旅館など潰れてしまえ...)
後頭部を手で押さえる俺を能野村リョウタロウが心配してくれる。
「石間さん...大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です、あの女...赤くて白いハートマークとかが書いてある、なんかストラップみてーなの持ってるヤベー奴なんで...」
「さしずめ、石間さんは猛獣使いと言ったところでしょうか...」
「ぶっちゃけそのコメントには困りますが、それはそれとして、この旅館には混浴風呂しかないとの先程の情報、まことか?」
「まことですね」
「まことですか...」
旅館主・能野村リョウタロウに案内された個室には、額縁に入った絵画が、壁に飾ってあった。
そして、その絵画の中に見覚えのある絵があった。
その絵がコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「あっ...すみません、あの絵↑はまことでござるか?」
「まことですね...あの絵は僕が書きました、今回はその件で、石間さんたちに招待状を送らせてもらいました...」
「能野村リョウタロウさんが狂撃波動の使い手であることは、先程会ったときに、なんとなくわかっていました...」
「ええ、石間さんの読み通り、僕は桜原カエデ、つまり、先生の生徒です...」
「つまり、能野村リョウタロウさんは、狂撃波動の使い手でもあり、断罪者でもあるわけですか、でも、なぜ、カエデと敵対している俺をここに呼んだんですか?」
「私たち『生徒』は『先生』からもらった狂撃波動の力を通して、『先生』と繋がっているんです」
「なるほど、つまり、カエデの力の一部を体内に所有しているということは、あなた自身がカエデのほうから干渉されるリスクがあるということですね」
「ええ、それで、最近『先生』が力を貸して欲しいとの連絡が、体内の狂気波動を通してあったんですが、協力するべきかどうか迷っていまして...」
「迷うも何も、カエデの助けを断れば、あなたはカエデに力を奪われて死んでしまう、迷う必要、どこにあります?」
「僕は生まれつき両親がいなくて貧乏だったんです、それで死にかけたところをカエデ先生に助けてもらいました、そして僕はカエデ先生に恩返しをするために、カエデ先生から力の一部をもらったんです...」
「なるほど、あなたも各地でカエデと共に狂撃波動で断罪者を増やしていたんですね...」「はい、先生からもらった力で、銀行を襲撃して得たお金で、この旅館を建てました...生活費も当分困りはしないでしょう...でも、僕、正直怖いんです、できれば、先生に関わらずに、ずっとこの旅館で働きながら普通に生活していきたいんです...なので、今回は、石間さんに僕を断罪者から正常な状態に戻してほしくて、ここに招待しました...」
「能野村リョウタロウさん...気持ちはわかりますが、そーゆう甘ったれたこと言ってちゃあダメですよ、だってそうでしょ?カエデからもらった狂撃波動でさんざん悪さして金稼いでおいて、いざ、自分の命が惜しくなったら、俺にカエデの縁を切らせようとするなんて、あんた自分勝手だよ!そもそも、あんたがカエデと一緒にバラまいた狂撃波動のせいでいったい何人の人が断罪者(社会不適合者)になって苦しんだと思ってるんですか!自分のことより、まず世間の人たちに対して謝罪するのが先でしょうが!」
「自分が勝手なことを言っているのはわかっています...ただ、僕には妻と子供がいます、今、ここで、石間さんと会っていることを先生に知られて粛正されるわけにはいかないんです...!」
「なるほど、家族のためなら、手段は選ばないか...でもねぇ、家族って言葉を使って、自分の行いを正当化するのは、卑怯者のすることです...なので、まず、最初に警察に自首してください、そして、断罪者収容所に入って人生を一からやり直してください。警察に自首しないのであれば、俺はあなたを正常な状態には戻しません」
「そんなぁ...一からやり直すだなんて...僕の罪が世間に露見すれば、僕だけでなく、家族が...妻と子供に迷惑をかけてしまいます...」
「でも、このままでは、あなたは、俺との接触の感づいたカエデに、裏切り者として、あなたの体内の狂撃波動を抜かれて、死亡してしまいますよ。死んでしまっては、一からやり直すことさえできない!」
「わ、わかりました...でも、すこし、考えさせてください...」
「できれば、早めに決断してください、まぁ...カエデの悪事に加担して、家族を守る手もありますからね...」
その頃、風呂に入っていた奈良見は背後に人の気配を感じる。
後ろを振り向くと、そこには全裸の立花キリカがいた。
もちろん、奈良見がキリカと会うのは初めてである。
そして、奈良見はキリカがカエデの仲間であることは知らない。
「あんたがここにいるってことは、石間コウイチもここにいるってことね...」
「あなた誰?どうして、私と石間さんのこと知ってるの?」
「ん?ああ、私はちょっと『先生』におつかいを頼まれてね、さしずめスカウトってとこかな?」
「『先生』?スカウト?もしかして、スポーツ選手のスカウト?」
「違う違う...まぁ、アンタは知らないほうが身のためかもよ、それにしてもいい湯ねぇ」「でも、このお風呂、混浴なんですよね...」
「あちゃあ~!私、水着忘れちゃったよ~」
桜原カエデの魔の手が石間コウイチと奈良見に迫っていた。

次回予告 温泉旅行 その3
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十話  温泉旅行 その3

第二百三十話  温泉旅行 その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

カエデの生徒である能野村リョウタロウから、断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻してほしいと依頼された石間コウイチ。
コウイチは能野村リョウタロウに警察に自首するのを条件に、能野村リョウタロウのケアを約束する。
しかし、それは能野村リョウタロウと、その家族が世間から白い目で見られることを意味していた。
コウイチの出した条件に対して、決断をためらう能野村リョウタロウ。
そして、その一方で、カエデの新たな生徒となった立花キリカが奈良見ルナに接触してしまった。
教師を裏切った生徒を粛正しようとするカエデの魔の手がコウイチたちと能野村リョウタロウに迫っていた。
「能野村リョウタロウさん、もうそろそろ決断していただかないと、あなたの身が危ないんですよね...」
「わ、わかってますよ...でも、ぼくが正常な状態に戻るということは、家族を社会から孤立させるのと同じ意味を持っているんです...」
「でも、カエデから授かった力をそのままにしておけば、あなたはいつ、カエデに力を奪われて、死んでしまってもおかしくない...生きていれば、いくらでもやり直せるはずです...」
「本当にそうかしら?」
俺は声が聞こえてきた方向に視線を向ける。
天井には黒い大きなシミのようなものが広がっていた。
そして、その黒いシミから立花キリカが出現する。
「立花キリカ...!おまえ、どうしてここに?」
「私は先生の代わりに、能野村リョウタロウの決断を見届けにきただけよ。それにしても、便利ね、狂撃波動って、まさか、こんなふうにテレポートの真似事ができるとは思わなかった!」
「カエデから、教わったのか?」
「そりゃ、先生の生徒なんだから当然でしょ?」
キリカの登場に、能野村リョウタロウが首を傾げる。
「立花...キリカ...?ちょっと待て!おまえ、本当に先生の生徒なのか?先生の生徒にしてはちょっと若すぎないか?」
「ああ...私、立花ユイナの娘、お母さんから、先生の力を母子感染みたいな感じで受け継いじゃったのよね...」
「そうか...おまえ、ユイナの娘だったのか...!それで、俺が石間さんに会ったのを知った先生に頼まれて粛正しに来たのか?」
「あんた、人の話聞いてた?私は粛正しにきたんじゃなくて、アンタの決断を見届けに来たのよ」
「でも、俺が石間さんにケアを頼んだら、俺を粛正するんだろ?」
「アンタさぁ、先生が遠隔操作であんたを粛正できるの知ってるでしょ?」
「ああ、もちろんだ...」
「私は、アンタが先生を裏切ったのが確定したら、アンタの嫁と子供を殺すために、ここに来たの!」
「そ...そんなぁ!」
「先生が遠隔操作で力を奪って殺せるのは、生徒だけよ、先生から力をもらっていない生徒の家族は、先生でも殺せない、だから私がここに来た...」
「キリカ!おまえ、そりゃあ、ただの人殺しだぞ!」
「石間コウイチ...うっさいわねぇ!こっちだって、リョウタロウと同じで先生に自分の命を人質にとられてんのよ!これは立派な正当防衛よ!」
「それが、おまえが母親を裏切ってまで欲しかった人生なのか!」
「うっさいわねぇ!これ以上、私の邪魔をするなら、コイツがどうなっても知らないわよ!」
立花キリカが地面に手をかざすと、黒いシミが展開される。
黒いシミの中から、ロープで全身をぐるぐる巻きにされた、奈良見ルナが出現する。
「石間さ~ん、助けてくだせぇ~!」
「キリカ!おまえ、奈良見を人質に...!」
「そーゆうこと、さっきお風呂で会ってね、ちょうどいいから人質にさせてもらったわ...私を怒らせると、どうなるか、わかってるわよね?」
キリカの脅迫に対して、石間コウイチはキリカに向かって狂撃波動を放つことで答える。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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キリカは自身の狂撃波動で石間コウイチの狂撃波動を相殺する。
「く、狂ったの?この女がどうなってもいいのかしら?」
「ああ!いいぜ!」
「いいわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
部下の命を顧みない石間コウイチに対する奈良見ルナの怒りの叫びが、室内に鳴り響く。

次回予告 温泉旅行 その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十一話  温泉旅行 その4

第二百三十一話  温泉旅行 その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

カエデを裏切った際に、リョウタロウの家族を殺害するために、旅館を訪れたキリカ。
それを阻止しようとした石間コウイチに対して、キリカは捕縛した奈良見ルナを人質にとる。
しかし、石間コウイチは、なんのためらいもなく、キリカに向かって狂撃波動を放つ。
キリカはコウイチの狂撃波動を自らの狂撃波動で相殺した。
「く、狂ったの?この女がどうなってもいいのかしら?」
「ああ!いいぜ!」
「いいわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
部下の命を顧みない意思コウイチに対する奈良見ルナの怒りの叫びが、室内に鳴り響く。
石間コウイチの冷徹な決断に、キリカが動揺している隙に、石間コウイチは奈良見の全身を縛っているロープをナイフで切り裂く。
「い、石間さん...私!石間さんが絶対に助けてくれるって信じてましたよ!」
「そのわりには、お前、絶叫してたよな...!」
「あ、アレは演技ですよ...演技...」
「嘘つけェ!」
奈良見を奪われたキリカは次に、リョウタロウを人質にとる。
リョウタロウの首元には狂撃波動で形成された黒いナイフが突きつけられている。
「ずいぶんと、器用なんだな、お前...」
「あら...この状況でずいぶんと余裕ね...奈良見ルナをこっちに渡しなさい...でないとリョウタロウを殺すわ...」
「い、石間さん...たのむ助けてくれェ...」
「先生から力をもらっておいて、今更調子のいいこと言ってんじゃないわよ、あんたも先生の生徒なら、私たちの仲間になればいいじゃない!」
「僕には家族がいるんだ!妻と子供を裏切って先生に協力するわけにはいかない...!」
「キリカ...リョウタロウを殺したきゃ、勝手に殺せよ...」
「な、なんですって...!」
「リョウタロウはカエデからもらった狂撃波動の力を各地でばらまいて、断罪者(社会不適合者)を増やしていた...そのせいで、多くの断罪者(社会不適合者)が、したくもない人殺しをしてしまった...嫁がいようと、子供がいようと、リョウタロウはカエデと同じ人間のクズだ、殺したきゃあ、勝手に殺せ...」
「石間コウイチ...あんた依頼人を見捨てるの...」
「正規の手続きで依頼があったわけじゃないし、リョウタロウは断罪王現象の加害者だ、うちの事務所のケア対象外だから、そもそも依頼人ですらない」
「ちっ、なら、今すぐ、リョウタロウの家族を殺すわよ...」
キリカの殺害予告を聞いたリョウタロウの全身から狂撃波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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リョウタロウの狂撃波動を受けたキリカの全身を狂気が支配し、キリカはその場で膝を折って、うずくまってしまう。
「ぐ、ぐあああああああああ...リョウタロウ...貴様...先生の生徒である...私を攻撃することが...どんなことを意味しているのか...わかっているのか...!」
「わかってるさ...僕は先生の生徒に攻撃した...僕はこれで完全に先生を裏切ったことになる...僕はもうすぐ、先生に力を奪われて死ぬ...でも、おまえを戦闘不能にすることで、僕は、少しの間だけ...お前から家族の命を守ることができる...」
自らの命を犠牲にして、危険から家族の身を守る...それこそが、能野村リョウタロウが自らに下した最後の決断...。
一時的に戦闘不能状態になったキリカが地面に手をかざし黒いシミを展開する。
キリカはその黒いシミの中に入って、旅館から去る。
リョウタロウの裏切りを感知したカエデによって、リョウタロウの体から、過去にカエデが授けた力が失われていく。
リョウタロウの顔や、全身がミイラのように干からびていく。
「石間さん...」
「なんだ...」
「家族を...お願いします...」
「悪ぃが、俺の仕事は警察じゃないんでね...でも、知り合いに女刑事がいる、そいつに頼んでみるさ...」
「あ、ありがとうございます...!」
ミイラと化したリョウタロウが俺に笑いかける。
それが能野村リョウタロウの最後だった...。

次回予告 温泉旅行 その5
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十二話  温泉旅行 その5

第二百三十二話  温泉旅行 その5
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

師であるカエデを裏切り、自らの命を犠牲にすることで、キリカの魔の手から、自身の家族の命を救った、能野村リョウタロウ。
石間は、リョウタロウに家族の身の安全を保証するも、リョウタロウ自身はその命を散らしてしまった。
旅館から、事務所であるリンクセンター石間に戻った、石間コウイチはすぐに、事の顛末を、女刑事・新田みくに報告する。
新田みくは渋々、リョウタロウの家族の身の安全を保証してくれた。
「でも、石間君ね、あんたの話を聞く限り、相手は人の形をしたバケモンよ、警察の力でも、できることと、できないことがあるから、リョウタロウの家族の身の安全は完全には保証できないわよ!」
「わかってるわよ、そこらへんは、日本リンクマスター協会の人たちと、連携してさ、あとよろしく」
石間コウイチは新田に一方的に用件を告げると、電話を切った。
「ま、市民の安全守るのが警察の仕事だからね...」
事務所に帰った奈良見は旅館で起きた出来事にショックを受けて、事務所のソファーで寝込んでしまった。
「まぁ、アレの後じゃ仕方ないか...」
石間コウイチは事務所の電灯のスイッチを切った。
暗闇を静寂が支配する事務所の中で一人、コウイチは冷蔵庫から酒を出す。
「カッコ悪ぃが、今日みたいな日は、コイツに頼らなきゃ、やってられん...」
そして、深夜の街路を満身創痍の立花キリカがさまよっていた。
リョウタロウから受けたダメージがまだ、癒えていないせいか、足元がふらついている。
「まったく、無様にも程があるな...」
キリカの目のまえに一人の美青年が立ちふさがる。
「なんだと!通行の邪魔してんじゃねェぞ!このイケメン...!」
「おやおや、それでは悪口になってませんよ...」
美青年はキリカを頭部に手をかざす。
美青年の手から狂撃波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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満身創痍だったキリカの体力が回復する。
「なんだ、これは...!」
「僕の狂撃波動は、癒しの狂撃波動...まぁ...まったくリスクがないとは言えないんだけどね...」
「チッ、恩を売られてしまったわね...それに狂撃波動の使い手...お前も先生の生徒か...」
「その通り、マサタカ君から君について大体のことは聞かせてもらったよ、僕の名前は、完禁オージ、君たちの仲間だ...」
「完禁オージ...きっしょい名前...」
「ひどい言い方だな...とりあえず、任務は失敗しちゃったけど、先生に報告しに行ったほうがいいんじゃないか?」
「わかってるわよ...そんなこと」
「君のお母さんのユイナちゃんは元気?」
「とっくに縁を切ってきたわ...マサタカから聞いたんじゃないの?」
「いーや、ユイナから先生の力を受け継いだこと以外は特に聞いてないよ...」
「あっそ...」

次回予告 完禁オージ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十三話  完禁オージ その1

第二百三十三話  完禁オージ その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

深夜、カエデが監禁されている独居房の天井に巨大な黒いシミができる。
そして、その黒いシミから、完禁オージとキリカが出現する。
日本リンクマスター協会の地下に監禁・拘束されているカエデの前に、完禁オージとキリカが姿を表す。
「久しぶりね、オージ...今まで、いったいどこで、何をしていたのかしら...私は、私がここに閉じ込められたときに、真っ先にあなたに助けを求めたというのに...」
「すみません、先生...病院の仕事のほうが忙しくて...」
そう、カエデの生徒である完禁オージはカエデから授かった癒しの狂撃波動を利用して、都内で心療内科ハートクラッシャーを営んでいるのだ。
「それと、キリカちゃん、私がたのんだお仕事、失敗しちゃったみたいね...」
カエデの指摘に、キリカは自身の死を覚悟する。
「す...すみません、リョウタロウの裏切りを予測できませんでした...」
「それで、ボロボロになったところをオージに助けてもらったの?」
「はい...」
「人質までとって、この有様...みじめにも程があるわね...」
キリカが任務の失敗について、茶化されるのは、カエデとオージ、今日で二回目だった。馬鹿にされたキリカは口には出さないまでも、殺意をカエデに向ける。
「あら...怖い顔...まぁ、今日はもう、いいわ...でも、あなたを見ているとテツヤを思い出すわね...」
「テツヤ...?」
「そう!キリカちゃん、今度はあなたにテツヤを探してもらおうかしら?」
「そのテツヤって人も、先生の生徒なの?」
カエデの代わりにオージが答える。
「ええ、テツヤの狂撃波動は我々の力と少し変わっているんです、わかりやすくいえば、テツヤだけは、先生を裏切っても、先生の粛正の対象にはならない...」
「それって、つまり、敵でしょ?とても私たちの仲間になるとは思えないけど...」
「キリカちゃん...私はなにもテツヤを仲間にしろだなんて、一言も言ってないわ...私がキリカちゃんに頼みたいのはテツヤの暗殺よ...」
「次、失敗したら、私はどうなるの?」
「別にどうもしないわ、先生が生徒に意地悪をするわけないでしょ?」
マサタカ同様、カエデの真意を感づいているオージは視線をカエデから、そらしてしまう。
(先生の言っていることは嘘だ...来るべき日がくれば、僕たち生徒は皆、先生から力を抜き取られて、死んでしまう...)
オージの表情から何かを察したカエデは、オージに優しく微笑みかける。
まるで、オージの心を見透かしているかのように。
「オージ、無理を承知で頼みたいことがあるんだけど...」
「はい...言われずとも...」
オージは満身創痍だったキリカを回復させた、癒しの狂撃波動↓をカエデに放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、オージの癒しの狂撃波動でもってさえ、カエデの体力を完全に回復させることはできなかった。
「ふむ...やはり、無理だったようね...」
「すみません、先生...」
「いいわ、べつに、私は最初から、あなたの癒しの狂撃波動で元の状態に戻れるなんて思っていないわ...試しに実験してみたかっただけよ、それより、オージ、あなたが経営している心療内科ハートクラッシャーのほうは、順調なのかしら?」
「はい、先生から授かった癒しの狂撃波動はとても役に立っています、しかし...」
「あら、なにか困ったことでもあったの?」
「近いうちに、病院のほうにリンクマスター協会の内部調査が入るみたいで...」
「ああ、なるほど、とうとうバレちゃったのね、アレが...」
「まだ、証拠はつかまれてはいませんが、だいぶ怪しまれていますね」
カエデとオージの会話についてこれない、キリカが疑問を口にする。
「ねぇ、アレってなに?」
「わかりやすく言えば、断罪者の牧場だよ、僕は心療内科ハートクラッシャーの受診者に、癒しの狂撃波動と通常の狂撃波動を同時に与えているんだ、心を病んだ受診者は皆、一時的に心に極上の癒しを覚えるが、しばらくすると、時限爆弾式に受診者の体内の狂撃波動が発動して、受診者は断罪者(社会不適合者)になる。再び、心を病んだ受診者は僕がもたらす癒しの狂撃波動を求めて、病院に来る」
「つまり、やってることはヤクの売人と同じ...」
「失礼だな...日本経済に貢献しながら、断罪者(社会不適合者)も増やせる...むしろプロフェショナルと呼んでほしいね...」
「でも、近々、内部調査されるってことは、結局、日本リンクマスター協会にあやしまれてるんでしょ?」
「まぁ...そういうことになるね...」
オージとキリカの会話から、オージの悩みを知ったカエデが口を開く。
「なるほど...それで、私のところに相談に来たのね...」
「ええ、先生になにかアドバイスをいただきたいと思いまして...」
「なら、オージ、あなたが病院の受診者を全員殺してしまえばいいじゃない...♪そうすれば、証拠は残らないでしょ♪」
「なるほど...その手がありましたね...しかし、僕の狂撃波動は癒しの狂撃波動、マサタカやキリカの狂撃波動のように、相手を自死させる力はありません...」
「なら、キリカちゃんにテツヤの捜索と同時並行で手伝ってもらいましょう...」
「へいへい、やりゃあ、いいんでしょ、やりゃあ...」
「フフフ...次は期待しているわよ、キリカちゃん...」
次の日、都内で一日に複数の人間が地面に頭を何度もぶつけて自死する怪奇現象が発生した。
自死した人間は皆、心療内科ハートクラッシャーの診察券を持っていた。

次回予告 完禁オージ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十四話  完禁オージ その2

第二百三十四話  完禁オージ その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

都内で複数の人間が自らの頭部を地面に何度も叩きつけて自殺してしまう現象が頻繁に発生していた。
自殺してしまった人々は皆、心療内科ハートクラッシャーの診察券を所持しており、警察は日本リンクマスター協会と連携して、この事件を捜査することを決定した。
早朝、事件現場には、女刑事・新田みくに呼び出された石間コウイチと奈良見ルナの姿があった。
「悪いわね、朝早くから呼びだして」
「今日はタマタマ...たまたま依頼がなかったからな、むしろ助かるよ」
「石間さん、それセクハラですよ」
「奈良見のくせにうるせぇよ!今日、うちに依頼人が一人もいなかったのは、たまたま、なんだからべつに間違ってないだろぉ!タマタマということは、たまたま、であるということです!」
「石間さん...いい年こいて、どこぞのカンキョー大臣みてーな、アタマのワルそーなこというのはやめましょうよ...見てて聞いてて恥ずかしい...」
「しかたねぇだろ!おぼろげながら頭に浮かんできたんだから!」
「漫才はそこまでにしなさい、それより石間君なら今回の事件の犯人に心当たり、あるんじゃないの?」
「ん?ああ...今回の集団自殺は間違いなく、立花キリカの仕業だな、アイツの狂撃波動は相手を何度も地面にヘドバンさせて、自死させる力をもっている...そんで、自死した奴らが、近々、リンクマスター協会が内部調査に入る予定だった、心療内科ハートクラッシャーの診察券を持っている...おそらく、その心療内科ハートクラッシャーの関係者もキリカとグルと考えていい...」
「じゃあ、心療内科ハートクラッシャーの関係者も、桜原カエデの生徒...?」
「だろうな、協会が近々、内部調査に入るはずだった心療内科ハートクラッシャーの受診者の一人が、どこぞのリンクセンターで受けた検査の過程で紙に書いたイラストがコレ↓らしい」
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「これ↑って...つまり、その心療内科ハートクラッシャーで、受診者が医師によって断罪者(社会不適合者)にされていたってこと?」
「おそらくな...受診前と受診後、どっちで断罪者(社会不適合者)になってしまったのかは不明だが、でも、その証拠をつかむために協会は、その心療内科ハートクラッシャーを内部調査しようとしてた...」
「じゃあ、今回の事件は、集団自殺にみせかけた、証拠隠滅...!」
「まぁ、そうなっちまうわな...」
「なら、いますぐ、その心療内科ハートクラッシャーに行きましょう...」
「ちょ、待てい!令状は?」
「そんなの待ってられないわ!早くなんとかしないと、犠牲者が増えるだけよ!石間君と奈良見さんにも、ついてきてもらうわよ!」
「ちっ、仕方ねぇな...」
俺と奈良見と新田は、例の心療内科の前にいた。
例の診療所の看板には『ハートクラッシャー』と記されている。
「すげー名前してんなぁー」
「なんか必殺技の名前みたい...『ハートクラッシャー‼』どりゃー‼」
奈良見が心療内科の名前を叫びながら石間のわき腹をかるくパンチする。
「ぐわーやられたー!」
「二人ともふざけてないで、とっとと中に入るわよ!」
奈良見と石間を叱責した新田が心療内科ハートクラッシャーのドアを開ける。

次回予告 完禁オージ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十五話  完禁オージ その3

第二百三十五話  完禁オージ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。
都内で多発する集団自殺現象。
この現象で死亡した人々は皆、心療内科ハートクラッシャーの診察券を所持していた。
今回の集団自殺の過程を分析した石間コウイチは集団自殺の原因を作り出したのが、立花キリカの狂撃波動であることに気付く。
そして、今回の事件の真の目的が、心療内科ハートクラッシャーの汚職の証拠隠滅であることに気付いた石間と奈良見と新田は、心療内科ハートクラッシャーの扉を開ける。
心療内科ハートクラッシャーの室内は真っ暗だった。
「さすがに、営業はしていないみたいね...」
「そりゃ、ニュースであんだけ騒ぎになれば、営業なんかできんでしょ、おそらく、従業員はもうとっくに、全員退職しているにちがいない」
「それなら、なぜ、病院の扉が施錠されていないのかしら?」
つぎの瞬間、室内の電灯に明かりが一斉に点く。
病院内の奥から、白衣を着た美青年が歩いてくる。
「おやおや、うちの病院は予約制でしてね...今日は確か、電話での予約は一つもなかったはず...」
美青年の白衣に付けられたネームプレートには完禁オージと書かれている。
「朝早く、すいません、俺はリンクマスターの石間コウイチです...一つお聞きしたいんですが、本日は営業日なんですか?」
「ええ、一応ね。でも、最近起きた集団自殺のせいで、従業員はみんなやめてしまいました...」
「それはいったいどういう理由で?」
「ご存じないんですか?集団自殺した死亡者が皆、うちの病院の診察券を持っていたことを、テレビや週刊誌が一斉に今回の事件を僕の病院のせいにして、それで、みんな怖がって、うちを退職しちゃったんですよ...」
「そうですか...では、なぜ明かりを消していたんですか?」
「そりゃあ、あんだけ、テレビでバッシングされた病院に受診しに来る人、いると思いますか?だから、節電してたんです、節電」
「あなたは立花キリカという人物をご存じですか?」
「ええ、知っていますよ、立花キリカは今回の集団自殺事件の犯人ですよ、キリカの狂撃波動は相手を自殺させる力を持っている。だから、僕を疑っても無駄ですよ...」
(自分からバラしていくのか...)
完禁オージの言葉に、石間と奈良見と新田は息をのむ。
そう、完禁オージは、今回の事件の犯人ではないことを証明しつつも、自らがカエデの生徒であることを明かしたのだ。
「でも、俺の予想が正しければ、今回の事件の実行役がキリカで、首謀者はあなたのように思えますが...」
「それはいったい何を根拠におっしゃっているですか?」
「完禁オージさん、我々の調べで、あなたの心療内科ハートクラッシャーを受診した人間から、断罪者(社会不適合者)が見つかった...だから、協会はあなたの病院の内部調査を決めた...」
「ひどい言いがかりですねぇ...心療内科ハートクラッシャーはもともと、心を病んだ人々が来る場所です、その方々はうちを受診する前から断罪者(社会不適合者)だったんじゃないですか?」
「それが本当なら、あなたはキリカに、この心療内科ハートクラッシャーを受診した人間を殺害させないはずだ...」
「おかしな言いがかりを...僕は確かに狂撃波動の使い手で、先生の生徒で、キリカのことも知っています。でも、僕の狂撃波動には殺傷能力はありません、それに、受診者の殺害をキリカに依頼したのは僕じゃない...」
「なるほど、カエデか...」
「その通りです、今回の事件のアイディアを考えたのは、全部、先生です、よって僕は無実...完全に無実‼」
「カエデと関係している時点で、お前は犯罪者だよ、完禁オージ...それにさっきから、ぺちゃくちゃしゃべりすぎなんだよお前は!」
「そりゃあ、話せることはなんでも話しますよ、今日が皆さんの命日になるのだから...」完禁オージが指を鳴らしてすぐに、地面に黒いシミが出現する。
黒いシミから、ナース服を来た女性が大量に出てくる。
「こいつら、まさか...!」
「さすが、石間コウイチ...そのまさかですよ、彼女達は全員、うちで働いていた従業員です、皆、この病院をやめたい言ってきたので、僕の狂撃波動で、人間をやめてもらいました...」
この世界の人々は皆、癒しを求め、癒しに依存し、癒しを得るために行動する。
それは、自らを、ある意味で洗脳していることと同じである。
完禁オージの癒しの狂撃波動は、その極上に癒しを利用して、対象を洗脳することもできるのだ。
しかし、洗脳状態の人間は極上の癒しを疑似体験しているため、洗脳は可能でも、自殺させることができないのだ。
完禁オージの操り人形になったナースたちが一斉に石間達に襲い掛かる。
「狂撃波動で操られているはずなら!狂撃波動をぶつければ、正気を取り戻すはずだ!」石間コウイチは狂撃波動↓を完禁オージの操り人形とかしたナースたちに向かって放つ。
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石間コウイチの狂撃波動↑を受けても、ナースたちは動きを止めない。
「なんだと!」
「僕の操り人形と化したナースたちは、僕の命令がない限り、その動きを止めることはない、そう、彼女たちは皆、夢を見ている...僕のもたらした極上の癒しによって、生けるしかばねのまま幸福を感じている...」
事態の悪化をさとった新田が奈良見の手を引いて、病院を出る。
俺は新田と奈良見を逃がすために、院内の入口に移動して、二人を追いかけようとしていた洗脳状態のナース達の行く手を阻む。
多勢に無勢、石間コウイチは自らの死を覚悟する。

次回予告 完禁オージ その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十六話 完禁オージ その4

第二百三十六話 完禁オージ その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

この世界の人々は皆、癒しを求め、癒しに依存し、癒しを得るために行動する。
それは、自らを、ある意味で洗脳していることと同じである。
完禁オージの癒しの狂撃波動は、その極上に癒しを利用して、対象を洗脳することもできるのだ。
しかし、洗脳状態の人間は極上の癒しを疑似体験しているため、洗脳は可能でも、自殺させることができないのだ。
石間コウイチの耳に車のエンジン音が聞こえてくる。
そして、車が走る音が遠ざかっていく。
奈良見と新田を逃がせたことを確信した石間コウイチは、目のまえに広がる、オージの操り人形とかしたナースたち相手に不敵な笑みを浮かべる。
「この数では、さすがの石間さんでも、状況打開は困難でしょう...でも、悲しむ必要はありません、先生は旧友であるあなたの力を必要としている...」
「俺はまだ、一言も弱音を吐いたつもりはないが...」
「では、この多勢に無勢の状況を、いったいどう逆転するおつもりですか?」
オージが指を鳴らすと、一斉に洗脳状態のナースが俺に向かって襲い掛かってくる。
俺は蹴りや拳で、ナースたちを次々と気絶させていく。
「ほう...すばらしい身体能力だ...さすが、元『孤影』のメンバーですね...」
『孤影』とはかつて、カエデが率いていた武装集団のことだ。
そして、その孤影の生き残りも今では俺とカエデだけだ。
「こっちは狂撃波動なんて力を押し付けられる前から、実戦を積んでいるんだ!狂撃波動の力に頼りっきりのお前が俺に勝てるわけないだろ!」
俺は拳と蹴りで次々と、オージに洗脳されたナースを気絶させる。
病院内にはもう、俺とオージの二人だけしかいない。
「俺の勝ちだ...大人しく、警察に自首しろ!」
「なら、あなたにも私の操り人形になってもらいましょうか...」
オージが俺に向かって狂撃波動↓を放つ。
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「無駄だ...」
俺はオージの狂撃波動を身体能力だけで回避する。
もはや、狂撃波動が放たれる方向さえ、わかっていれば、いくら狂撃波動でもよけるのは容易である。
わかりやすく言えば、銃と同じである。
俺は素早くオージの背後に回り込んで、両手の手刀をオージの両肩に勢いよく下ろす。
両肩を骨折したオージの両腕はこれで、しばらく使い物にはならないはずだ。
それは、オージが狂撃波動を放つことができないことを意味している。
「ゔぐぅあああああああああああああああッ‼」
「自首しろと警告はした、悪く思うな...キリカの居場所を早く言え!」
そう、こうしている間にも、キリカはこの心療内科ハートクラッシャーを受診した人々を狂撃波動を使って自殺させている可能性が高い。
「僕がキリカの居場所を吐くと思いますか...?」
「なるほど、このまま、だんまりを続けて、キリカにこの心療内科の患者を全員、殺害させるつもりか...」
「ああ、もちろん...証拠さえ、消してしまえば、僕の勝ちだァ!キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
絶望的な状況に追い込まれても、なお希望を捨てないオージの奇声が病院内にこだまする。
「なら、死ぬか、お前...?」
「僕を殺せば、お前は人殺しだァ!犯罪者だぞォ!それでいいんかァ?」
「俺は『孤影』に所属していたころ、この国の治安を悪化させる悪党どもはカエデと共に全員殺してきた...それに、お前はこの病院に受診しに来た人々を断罪者(社会不適合者) にした...その中には、断罪者(社会不適合者)にされたせいで、したくもない人殺しをさせられたやつもいるかもしれない...だから俺はカエデに加担する人間を殺すことにためらないはない...!それに、ここには今、俺とお前の二人だけだ...!」
「ぼ、僕はそんな脅しには屈しないぞ...先生から力を授かった以上、僕の人生は常に死と隣り合わせだったんだ!今更、死ぬのなんて怖くねぇぇぇんだよバーーーーカァッ‼」
「なら...死ね!」
石間コウイチが人差し指を、オージの頭部に突き刺そうとした次の瞬間、コウイチの体が何者かによって突き飛ばされる。
病院の入り口には、一人の男が立っている。
そして、コウイチの目のまえには一人の女性が立っていた。
「危ないところだったな、オージ...!」
「お前は...山下『テツヤ』‼」
コウイチを突き飛ばした女性の姿かたちが崩れ、狂撃波動になって、山下テツヤの体内に吸収される。
(狂撃波動で具現化させた女性を体内から切り離した後に、体内に戻した...!)
そう、山下テツヤは、体内から切り離すことができる狂撃波動の使い手だった。
それは、カエデの生徒でありながら、カエデの支配下にあることで発生するあらゆるリスクと無縁であることを意味していた。
(なら、なぜカエデに味方するんだ...?)
「わりーな、石間さん、オージは返してもらうぜ...」
テツヤが地面に手をかざす。
両肩を骨折したオージを肩に担いだテツヤが地面にできた黒いシミの中に沈んでいく。
突然の出来事に戸惑っていたコウイチは、頭を切り替えて、病院内で気絶しているナースたちのために、救急車を呼んだ。

次回予告 山下テツヤ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十七話 山下テツヤ その1

第二百三十七話 山下テツヤ その1

リンクマスター協会の地下にはカエデの生徒達が集まっていた。
「お久しぶりです、先生...」
「まさか、あなたがオージを助けてくれるとは思ってなかったわ、テツヤ...」
「オージを助けたのは、キリカと取引をしたからです...」
「取引...?」
「ええ。キリカがこれ以上、オージの経営する心療内科ハートクラッシャーを受診した人々に危害を加えないことです...!」
テツヤの言葉にマサタカが怒りをあらわにする。
「貴様ァッ!」
「マサタカ、よしなさい...なるほどね、あくまで我々の仲間になるつもりはない、ということね...」
「それはちがいます、確かに俺の狂撃波動は切り離しが可能ですから、仮に先生に力を奪われても、体から力そのものである狂撃波動を切り離してしまえば、俺は死なずに済みます。でも、力を失った後で先生に粛正されることを考えたら、先生を裏切ることはできませんよ...」
「それがあなたの本音...と、受け取っていいのかしら?では、なぜ、キリカの証拠隠滅を妨害したのかしら?」
「わざわざ、証拠隠滅のために、オージの心療内科ハートクラッシャーを受診した人々をキリカの狂撃波動で自殺させる必要がないからです...」
「それはどういう意味かしら...?」
「オージの心療内科ハートクラッシャーを受診して、断罪者(社会不適合者)にされた人々は俺がすでに自分の狂撃波動で正常な状態に戻しました」
「なるほど...石間コウイチと同じ方法ね、でも、オージが警察に捕まった場合はどうするの?」
「先生、それはオージがあの場で石間コウイチに始末されればよかったということですか?」
次にオージがカエデに泣きそうな顔で問いかける。
「先生!それは本当ですか?」
「本当なわけないでしょう...なら、こうしましょう、オージ、あなたには今後、警察に絶対に見つからない場所に一時的に隠れていてもらいましょうか?」
「警察に絶対に見つからない場所...?」
「みんなが怖がるから、あんまり使いたくなかったんだけど...」
オージの全身が狂撃波動と化してカエデの全身に吸収されていく。
「先生!さっきと言っていることが違いますよ!」
「安心なさい...別にあなたを殺しはしないわ...あなたにはすこし、私の体内に隠れていてもらうだけ...」
「うわあああああああああああああッ!怖いよぉぉぉぉぉぉぉっ!誰か助けてくれぇぇぇぇッ!」
カエデと一つになっていくオージを見て、マサタカが恍惚の表情を浮かべる。
「くっ...!オージのやつめ...なにがそんなに不満なんだ!くそぉッ!なんて、うらやましいんだァ...‼」
マサタカの反応を見たキリカが呆れると同時に呟く。
「イカれてやがる...!」
カエデの体内に吸収されるオージを見るテツヤの顔は無表情だった。
こうして、今回の集団自殺現象の真相は闇に葬られた。
リンクマスター協会の屋上にはキリカとテツヤがいた。
「ねぇ、テツヤ、あんたの本当の目的は何?」
テツヤはカエデによる盗聴防止のために、体内の狂撃波動を体から切り離す。
テツヤの体から切り離された狂撃波動が美少女の形になっていく。
テツヤは財布を狂撃波動の形をした美少女に渡す。
財布を受け取った美少女はそのまま、幽霊のように屋上からいなくなる。
「ずいぶんと便利な能力ね...でも、アンタだけが盗聴対策しただけじゃ、意味ないわよ、私の狂撃波動は、アンタみたいに完全に体から切り離せない...」
「盗聴対策だけじゃねぇよ、俺の狂撃波動はさっき見た通り、生き物なんだ、遊ばせねぇとこっちの言うことをまともに聞いてくれねぇ...」
「それで、あんたの目的は?」
「そうだな、保身のために、あえて遠回しに説明するなら、『全てを手に入れる』ため、かな...?」
「その『全て』には、先生の力も含まれているの?」
「おっと、ここからは、ノーコメントだ、俺もまだ死にたくないんでね...」
「でも、狂撃波動と分離している今の状態なら、今のあなたは先生を裏切っても遠隔操作で粛正されない...」
「そーゆうこと、アンタもどらかといえば、こっち側だろ?」
「それはつまり、アンタを味方だと思ってもいいって事?」
「質問に質問で返すなよ...ご想像にお任せするさ...」

次回予告 山下テツヤ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十八話 山下テツヤ その2

第二百三十八話 山下テツヤ その2

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

キリカが去った後のリンクマスター協会の屋上で、山下テツヤは一人で笑い始める。
そう、協会のスタッフが、まさか自分たちと敵対している組織の一員が屋上で一人でくつろいでいるとは想像もしないだろう、と。
そして、その敵が協会の中で暗躍し、内部から浸食していることにも...。
山下テツヤは協会の間抜けっぷりに突如吹き出した笑いを止めることができない。
そして、テツヤはふいに自分の人生で一番輝いていた過去の日々を思い出す。
そう、今から語られる物語は山下テツヤの過去の日々。
山下テツヤ自身が人生で一番輝いていたと自負する過去の日々...。
         *
数年前。
高校2年生の山下テツヤは校舎裏にある空き家のドアを開ける。
その空き家は本来、校内清掃の掃除用具などを収納するための場所であった。
しかし、ある日突然、その空き家は『超能力研究部』の部室になってしまったのだ。
空き家の中では、テツヤの先輩である女子高生・西村アサリがパイプ椅子に座って漫画を呼んでいた。
ドアが開かれた音に、アサリはテツヤのほうに顔を向ける。
「おや、来たね後輩」
「先輩、今日は何するんですか?」
「とりあえず、将棋でもやっとく?」
「わ、わかりました...」
この後、何が起こるか、ある程度、予想がついたテツヤは恐る恐るアサリの提案に同意する。
ちなみに、現在、校舎内では3時間目の授業が行われている。
『超能力研究部』の活動内容は、なにも超能力の研究だけでない。
適当に遊んで、適当にだべって、適当に授業をサボる。
まさに、怠惰の極み。
テツヤがこの部活動が超能力と全く関係がないと事に気付いたのは、この部に入って一週間後のことだった。
ちなみに、『超能力研究部』は学校側から正式な部活動であることを認められていない。
将棋の対局中、自身の敗北を確信したアサリが奇声をあげながら将棋盤をひっくり返す。
「後輩、片付けお願いね」
「は、はい...」
通常であれば、殴り合いの一つでも起こってもおかしくはないのだが、残念なことにテツヤはアサリに惚れているので、ほぼ言いなり状態である。
テツヤがこの支離滅裂摩訶不思議な部活動に入部しているのも、ぶっちゃけアサリのことが好きだからである。
アサリは幸運なことに、性格は最悪だが、見た目がいい。
「ところで、後輩さァ、私、クラスの連中に最近、新しいあだ名つけられたんだよね」
テツヤは部室の床に散らばった、将棋の駒を拾いながら、とりあえず返事をする。
「どんな、あだ名ですか?」
「味噌汁」
「へ?」
「だから、あさりの味噌汁ってことよ」
「あっ、そうすか...」
リアクションに困ったテツヤは将棋のコマ拾いを黙々と続ける。
テツヤは内心、なんでこんなことしてるんだろうと追想し始める。
それは、高校2年生になったばかりのこと。
テツヤの高校は部活動が全生徒に強制されていた。
美術部に入っていたテツヤは、お世辞にも美人とは言えない醜悪な女子部員達の腐女子トークについていけず、美術部を退部した。
テツヤは怒っていた、なぜ女子たちは自分たちが性的に搾取されることに怒りを唱えながら、平気で性的少数者同士の恋愛を必要以上に尊きものとして美化するのか。
まさに、矛盾の極みであった。
「先輩はどうなんですか、そこんとこ」
早めに帰宅して、部活をサボったことを母親に叱責されることを予測したテツヤは、図書室で部活動が終わる時間帯まで時間をつぶすことにした。
そして、その際に自分をスカウトしてきた、ほぼ初対面のアサリに、つい、そう尋ねてしまったのだった。
「なによ、いきなり」
「だから、女子をエロい目で見たりすると、男子が非難されるのに、なんで女子どもは平気でBLを最高‼とか言えるんですか?これってどう見ても矛盾してますよね?」
「とりあえず、うちに入部しなさい」
アサリはテツヤの質問を無視して、一方的に入部を打診してきた。
テツヤはとりあえず、アサリが美人だったので、『超能力研究部』に入部することにした。
部室に入った瞬間、アサリは先程のテツヤの質問について語り始めた。
「女はねぇ、そーゆう生き物なのよ」
「そーゆう生き物って、どーゆう生き物なんですか?」
「だから、女は結局そーゆう生き物。みんな矛盾してんのよ、女なんて。だってよく考えてごらんなさい、普段はエロいことは不潔だ最低だと言いながら、結局イケメンに口説かれたついでに押し倒されたら、そのままベットイン。でも女がちょろくて矛盾ばかりの生き物だから、そーやって地球人口が増え続ける。女がなんでもかんでも頭だけで考える利己的な生き物だったら人類なんてとっくに滅んでるわ、そうなんです、絶対そーなんです」
「でも、やっぱりケツに入れるのは不衛生ですよぉ‼」
テツヤの怒りに、アサリは机を両手でバンバン叩きながら答える。
「いいのよォ!フィクションならァ!」
その瞬間、テツヤはアサリも所詮、美術部の腐女子どもと大して変わらない事に気付いてしまった。
「でも、先輩は美術部のやつらと違って美人だもんな...」
入部初日の出来事の追想を終えたテツヤはアサリが将棋盤をひっくり返して床にばらまいた将棋の駒を全て拾って専用のケースに戻す。
先輩は授業中にコンビニで買ってきたと思われるポテチをバリボリ食いながら、紙になにかのイラストを書いている。
よく見ると、先輩の右手には包帯が巻かれていた。
テツヤはとりあえず、それを見なかったことにして、先輩が書き上げたイラスト↓を目を通す。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
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テレビやネット上で見覚えのあるイラストを見て、テツヤは戦慄した。
「後輩さぁ、この前、私が家でこのイラスト書いてたらさぁ、彼氏に別れようって言われた」
「でしょうね」
アサリのその言葉は、テツヤにとって二重の意味でショックだった。

次回予告 山下テツヤ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百三十九話 山下テツヤ その3

第二百三十九話 山下テツヤ その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

非公式の部活動である『超能力研究部』の部室で、俺の先輩でこの部活動の部長である西村アサリが授業中にコンビニで買ってきたと思われるポテチをバリボリ食いながら紙に書いていたイラストがコレ↓だった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「後輩さぁ、この前、私が家でこのイラスト書いてたらさぁ、彼氏に別れようって言われた」
「でしょうね」
先輩が断罪者で、しかも彼氏がいたことに、俺は二重の意味でショックを受けた。
でも、よく考えれば、先輩は現在フリーであるということだ。
それよりなにより、先輩が、あの断罪者(社会不適合者)であることのほうが俺にはショックだった。
断罪者(社会不適合者)とは断罪王現象と呼ばれる原因不明の現象により、ある日突然、まともな人間が社会不適合者、つまり断罪者になってしまう現象のことだ。
そして、先輩が紙に書いているイラストは、断罪者(社会不適合者)にしか描けないイラストであった。
「後輩、顔がさぁ」
「はい」
「顔がよければさぁ、どんな悪いことしても、この世の中を生きる人間たちはみんな許してくれると、私は思ってたんだよね」
「まぁ、ほぼそんな感じっすよね」
「でもさぁ、私が描いたこのイラスト見た彼氏はさぁ、私に『別れたい』って言ってそのままどっか行った」
「どうして、彼氏と家にいたんですか?」
「でさ、後輩的にはどう思う、その彼氏のこと」
「別れを告げられたのであれば、もうその彼氏は彼氏とは言えませんよね」
「うるせぇよ、とっとと質問に答えろ!」
「僕が先輩の彼氏だったらリンクセンターに行くことをお勧めしますよ」
「リンクセンター?」
「断罪者(社会不適合者)をまともな状態にする施設?のことです、なんかこのまえテレビで特集されてました」
「後輩、それって私が頭のおかしい人間だって言いたいの?」
「いえ、断罪王現象は先天的なものでなく、後天的なものですから、先輩はなにも悪くないですよ」
「じゃあ、私がこのまま頭がおかしい人間のままだったら、誰も私を愛してくれないってこと?」
「そんなこと、俺に言われても困りますよ...」
「困るなよ!見ろや!このリスカの痕!」
先輩が俺に向かって包帯で巻かれた右手を突き出す。
包帯がほどかれた先輩の右手には刃物で手首を切ったような痕があった。
おそらく、先輩は彼氏に別れを告げられたショックで、自分自身を傷つけてしまったのだろう。
「後輩さぁ、このリスカ痕見て、私のことめっちゃ可哀そうだと思うでしょ?」
「思いますねぇ、そりゃあ...」
「たぶんさぁ、この部活動のこともだけどさぁ、私が仮に断罪者(社会不適合者)でなくなっても、私はきっとずっと頭がおかしい女のままだと思う...」
(自覚があったのか...)
「だから、私はこのまま、死ぬまで断罪者のままでいようと思う、大丈夫、私はかわいいから、いつかきっと『私のことちゃんとわかってくれる人』が見つかる!」
先輩は勝手に自己完結して、食事を再開した。
俺は自分が、先輩の言う、『私のことちゃんとわかってくれる人』に含まれていないことを知って落ち込む。
落ち込んだ俺に、先輩がポテチを手渡してくる。
「後輩、どうした、暗いぞ!」
(あんたのせいなんですけどねぇ...)
俺は苦笑いを浮かべながら、先輩から手渡されたポテチを口に入れる。
しょっぱい。
次の日、高校の近くで大きな火災があった。
どうやら、うちの学校の男子生徒が一人、犠牲になってしまったらしい。
教室では、その火災で犠牲になった生徒の話題で盛り上がっていた。
俺の耳にクラスメイト達の会話が聞くつもりがなくても入ってくる。
『聞いた?昨日の火事で死んだ生徒、うちの高校の3年生らしいよ!しかもチョーイケメン』
『知ってる知ってる!可哀そうだよね、イケメンで背も高くて、勉強もスポーツもできたのにねぇ』
『でも、その3年生さぁ、彼女がヤベー女だったみたいよ』
『ヤベーってどんな感じ?』
『あれよ、例の部活の、なんだっけ...』
『超能力研究部でしょ?』
『そう、それそれ、そこの部長と付き合ってたんだけどさ、ちょっと前に破局しちゃったんだって!』
『じゃあ、もしかしたら、そのフラれた彼女が腹いせに、放火したってこと?』
『まだ、そうと決まったわけじゃないけどさぁ...でも、そのフラれた彼女、なんか、左足に包帯巻いてたみたいよ、やけどだって!』
『うそー!それってもしかして、放火したときにやけどしたってこと?』
クラスメイト達の会話を聞いていた俺はすぐに教室から廊下に飛び出して、超能力研究部の部室に向かって走った。
一時間目の授業の開始を知らせるチャイム音が校舎内に鳴り響く。
廊下を走るな!教室に戻れ!と言う教師の叱責の言葉が耳に鳴り響く。
部室のドアを開けると。
左足に包帯を巻いた先輩がパイプ椅子に座って宅配ピザを食べていた。
「なんだ、後輩もサボり?一緒に食べる?」
先輩はなんか妙に機嫌がよさそうだった。
「先輩、足にやけどって本当ですか?」
「うん、昨日、前に話した彼氏の家に言った時にね、したの、やけど」
「じゃあ、例の放火の犯人って...」
「私のせいだけど、私のせいじゃない」
「どういうことですか?」
「先生からもらった魔法をね、試しに別れた彼氏に使ってみたの。最初は先生の言ってること全部嘘だと思ったからね、だから、まさか、ほんとうにあんなたことになるとはおもわなかったのよね」
「先生...って誰ですか?」
「ないしょ」

次回予告 山下テツヤ その4 
 

 
後書き
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第二百四十話 山下テツヤ その4

第二百四十話 山下テツヤ その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

近所で起きた火災で、先輩と別れたばかりの彼氏が犠牲になった。
次の日、先輩は左足をやけどした状態で学校に登校してきた。
先輩はその火災について、自分が関係者であることを俺に打ち明けた。
しかし、先輩はなぜか、俺に真相を話すことをためらったのだった。
俺がわかったことは、『先生』と呼ばれる謎の人物が『先輩』を変えてしまったということだけだ。
「先生からもらった魔法をね、試しに別れた彼氏に使ってみたの。最初は先生の言ってること全部嘘だと思ったからね、だから、まさか、ほんとうにあんなたことになるとはおもわなかったのよね」
「先生...って誰ですか?」
「ないしょ」
(い、意味がわからない...でも、ダメもとで言ってみる価値はある...)
「なら、僕もその『先生』に会わせてくださいよ!」
「ダメよ!そんなの絶対!」
先輩はめずらしく、真剣な表情で俺を叱る。
「どうして、そんなに怒るんですか?本当はなにか隠してるんじゃないですか?」
「確かに『先生』と契約すれば、ある意味、超能力者になれるかもしれない...」
「だったら、いいじゃないですか!僕たちは超能力研究部なんですから!」
「でも、後輩、大きな力を得るってことはそれだけ、失うものも大きくなるってことよ。その覚悟が後輩にはあるの?ないなら、もう、二度と『先生』に会いたいだなんて言わないで!」
「なんか、今日の先輩、先輩らしくないですよ!」
「そりゃあね、『あんなこと』があったあとじゃ、仕方ないわよ...」
部室のドアがノックされる。
こっちがドアを開ける前に、何者かによってドアが開けられる。
部室の中に、鞘に入った状態の刀を持った見知らぬおっさんが入ってくる。
「すまんな、いきなり、俺は北原キョウジ」
先輩がパイプ椅子から立ち上がる。
「また警察?昨日の証言なら、全部、警察に話したけど...」
(先輩の言っていることはウソだ...先輩の言っていることが本当なら、先輩は学校には登校できないはずだ...)
「違う違う、リンクマスターだよ、リンクマスター。あんたが西原アサリだな?」
「ええ、そうよ」
「警察から聞いたが、アンタはきのう、別れた彼氏と夜中に言い合いになって、そしたら、いきなり彼氏がライターで自分の体に火をつけて焼身自殺したと証言しているね。でもおかしいと思わないかい、どうして、別れを告げた側が、いきなり焼身自殺なんてするんだ?自殺するのは普通、別れを告げられたほうなんじゃないか?」
「そんなこと言われったって...私は確かに見たわ、別れた彼氏が自分の体に自分で火をつけるところをね、もしかしたら、彼氏のほうが最近流行りの、断罪者(社会不適合者)にでもなっていたんじゃないの?それなら、なおさら、あなた達リンクマスターの専門でしょ?」
「確かに、その可能性もあるな...それはさておき、今日はちょっとしたテストを君にしてもらいに来た...」
「テスト?」
「ああ。西村アサリ...この紙に君の思ったことを書いてごらん...」
(まずいぞ、このままだと先輩が断罪者(社会不適合者)であることがバレてしまう...)
「別にいいけど、仮に私が断罪者(社会不適合者)だったとして、私を放火犯だと決めつける証拠にはならないわよ...」
「別にそういうわけじゃない、だいたい、さっきあんたが言ったんだぜ、断罪者のことは俺らリンクマスターの専門だって」
「わかったわよ、描けばいいんでしょ、描けば...」
アサリが紙に書いたイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ビンゴだな、こりゃあ」
「よかったわね、私が断罪者(社会不適合者)で。それで、どう、これで気が済んだ?」「まともな状態に戻りたいとは思わないのか?」
「断罪者(社会不適合者)であろうとなかろうと、私は私よ、アンタ達リンクマスターのケアを受ける気はないわ」
「俺達の調べでなぁ、昨日の火災現場に狂撃波動の粒子が検出された、そして、お前は断罪者(社会不適合者)だ...」
「だから?」
「西村アサリ、お前、狂撃波動の力を誰にもらった?」
「言っている意味がわからないわ...」
「実は最近、とある田舎の住人が一夜で全滅した事件が起きた、被疑者の名前は竹田マサタカ」
「誰よ、そいつ!」
「そして、その田舎で起きた大量殺人事件の事件現場にも、昨日の火災現場で検出された狂撃波動と同じものが検出された、つまり、あんたは今、竹田マサタカと同じ力を持っているってことだ、そして、俺の友人が言うに、狂撃波動の力の受け渡しが可能なのはこの世界でただ二人だけ...そう、桜原カエデだ...」
キョウジの話を聞いた先輩の顔に明らかに動揺が見える。
「そして、その桜原カエデについて、調べていた同業者達が次々と行方不明になっている...カエデの情報を提供してくれれば、今回の放火事件の犯人があんただってことは警察には黙っててやるよ...」
「悪いわね...『先生』を裏切ったら、私、先生に殺されちゃうのよね...」
先輩がキョウジに向かって右手をかざす。
先輩の右手から放たれた狂撃波動をキョウジは、鞘から抜き取った『狂撃刀』で真っ二つにする。
「さっきの一撃で俺を殺せると確信して、ボロを出したな...ただの断罪者でないとわかった以上、もう容赦はしない...」
そう、キョウジは相手がただの断罪者ではないとわかった時点で、アサリに対して狂撃刀から放たれる狂撃波動によるケアから、物理的なダメージを与えて、捕獲することに決めた。
キョウジが一瞬で先輩の目の前に移動する。
まさに達人業である。
キョウジの狂撃刀が先輩に向かって振り下ろされる。
「先輩‼」
つぎの瞬間、キョウジの動きが止まる。
部室の床にできたキョウジの影から、美しい女性がゆっくりと飛び出してくる。
その女性がアサリに向かって満面の笑みを浮かべながら、口を開く。
「あらあら、ダメじゃないアサリちゃん...自分から私のことをしゃべっちゃうなんて...」
「後輩!逃げて!」
先輩の警告を聞いてもなお、俺は突然の出来事に体を動かすことができない。
「あら、後輩思いのいい先輩なのね...でも、私のことを見てしまった以上、ただで返すわけにはいかないわねぇ...」
「なるほどな...石間からもらった写真とそっくりだ...あんたが桜原カエデだな...」
「あなたたちリンクマスターも懲りないわね...あと何人、私に殺されれば満足するのかしら?」
「ケッ...あんたの生徒はさっき、俺に狂撃波動を撃っちまった...これで、いずれ、ここに狂撃波動の粒子が間違いなく検出される、そうすることで、俺は次の担当者に情報を託すことができる...もう悔いはねぇよ...」
「アサリちゃん、あなたがこのリンクマスターにとどめをさしなさい」
「私...ですか?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない、もうすでに一人殺してるんだから...それとも大事な後輩の前で人を殺すのが怖いの?」
「わ、わかりました...そのかわり、後輩は絶対に殺さないでください...」
「いいわよ、『殺さなければ』いいのよね」
先輩の右手のひらから狂撃波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂気波動↑を全身に受けたキョウジが意味不明な言葉を呟きながら、狂撃刀を自分ののどに突き刺す。
「嘿顶的还嘿부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾节课很不嘿错벚배너顶从辅导找该喝喝节주벚배너课很不个顶嘿웅부课很주找该喝벚배너飞嘿错벚배课很너顶个부주顶个顶嘿웅부주找该喝벚배너飞顶啊雾顶嘿웅부주找该课很喝벚배너飞顶啊雾节课很不주벚배너...‼」(先輩の狂撃波動を受けたキョウジが自殺した...じゃあ、先輩と別れた彼氏も、自殺したっていうのか...!)
キョウジの死亡を確認したカエデが両掌を胸の前で会わせて微笑む。
「よくできました!アサリちゃん♪さすが私の生徒ね!」
「なにが...よくできました、なんだよ...」
俺は先輩の必死の努力も無視して、カエデに向かって声を荒げる。
「先輩に無理やり人を殺させておいて、なにが、よくできました、だ!お前だけは絶対に許さないぞ!」
「あら、なかなか度胸のある子ね、気に入ったわ...」
「先生!後輩には手を出さないって約束です!」
「わかってるわよ、そんなこと...」
カエデがそっと、俺に耳打ちをしてくる。
カエデが俺に言ったのは、どうやら、どこかの住所だと思われる。
「それじゃあ、楽しみに待っているわ...後輩君♪」
カエデが去った後の部室で先輩はふいに、キョウジの死体を凝視しながら呟く。
「後輩、それ、片づけお願いね」
「は、はい...」
前日、先輩が将棋のコマを床に散らかした際にも、俺は同じようなことを先輩に言われたような気がする。
今、地面に横たわっている死体は、将棋の駒と比べるとあまりにも重かった。
この部室はもともと清掃用具をしまう倉庫だったんだけど、ダメもとで探すとやっぱりあった。
シャベル。
キョウジの死体は部室の床下の土に埋めた。
証拠隠滅を終えた俺を、背後から先輩が何も言わずに抱きしめてくれた。

次回予告 山下テツヤ その5



 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十一話 山下テツヤ その5

第二百四十一話 山下テツヤ その5
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

背後から先輩に抱きしめられてから数時間後。
俺は放心状態のまま、部室のクッションで横になっていた。
身支度を終えた先輩が俺に話しかけてくる。
「コンビニでコーヒー買ってくる、だって自販機で買うより値段が安い」
先輩はそれだけ言ってコンビニを出た。
部室のドアが開いて、外の風が部室の中に入ってくる。
急に寒くなった俺は、床に脱ぎ散らかした衣服を急いで身に着ける。
ようするにそういうことだ。
先輩はどうやら、キョウジの死体を埋めたお礼のつもりで、俺を『慰めて』くれたらしい。であるからにして、俺はしばらく放心状態だった。
先輩がコンビニ袋を手に持って部室に帰ってくる。
コーヒーを飲みながら先輩が俺に話しかけてくる。
「あの日、彼氏に振られたこと思い出して、また死にたくなって、自分の部屋でまた、自分の手首をカッターナイフで切り裂こうとしたのよね...」
「ほう」
「そうしたら、部屋の天井にできた黒いシミからね、先生が出てきた...」
「うん」
「先生は...桜原カエデは私に、魔法の力をくれるって言ってくれた。相手を自殺させることができる、魔法の力。私は最初、全然それを信じてなかったから、気晴らしに先生と契約した...それで、後から先生から、先生を裏切ったときに発生するリスクについて説明を受けた、その時点じゃ、全部ウソだと思ってたから、適当に聞き流してたわ...」
先輩がコンビニで買ってきたコーヒーの味は、甘い。
「それで、私、別れた彼氏の家に言ってね、復縁を迫ったの、でもダメだったわ...」
「それで、わたし、ついカッときて、その彼氏に、先生と契約して、もらった魔法の力を試しに使ってみたの、そしたら、その彼氏、急に意味不明なことを言って、自分の体にライターで火をつけたのよね、わたし、彼氏を助けようと思って、頑張ったんだけど、火が私の左足に燃え移ってパニックになって、彼氏の家を出た」
「それが...例の火災と、やけどの原因」
「うん、私はそれから、初めて先生が言っていたことが本当だったってことに気付いた...それで、今日、その魔法の力が狂撃波動だったってことも...先生は初めて会ったとき言っていたわ、裏切ったら、いつでも私のことを殺せるって...」
「なんか大変なことになっちゃいましたね...」
「さっき、先生から何を聞いたの?」
「ん?なんか、多分、どっかの住所...」
「先生、後輩に待ってるって言ってたよね...」
「うん...」
「絶対に先生に会いに行っちゃだめよ...部長命令」
この超能力研究部に入って『部長命令』などという言葉を初めて聞いた。
そもそも、この超能力研究部は非公式の部活なのだ。
それはともかく。
あの、桜原カエデとかいう女のせいで、先輩は変わってしまった。
でも、桜原カエデが先輩に力を与えたせいで、俺は先輩とヤれた。
それでも、これ以上、先輩がカエデの脅威におびえている姿は見たくない。
心の中のもう一人の自分が俺に警鐘を鳴らす。
先輩がヤらしてくれたのは、あくまで、キョウジの死体を片づけたことに対するお礼であって、俺に対する純粋な好意ではないのだから、勘違いするな、と。
そして冷静に考えれば、俺は先輩の殺人行為に加担したのだから、ただの犯罪者だ。
先輩が殺したキョウジの遺体を部室の床下に埋めた、ただの犯罪者だ。
もう逃げ場なんてどこにもない。
このまま先輩と同じ秘密を共有して一生後ろめたさを感じまま堕落していくのも悪くない。
先輩と同じ秘密を共有して共依存の関係になるのは、むしろ望むところだ。
それでも俺は、この先の長い人生、先輩にずっと笑顔で生きてほしかった。
先輩がもう二度と自分を傷つけずに済むような、世界で生きてほしかった。
でも、その世界にはおそらく、俺はいない。
人を殺し、その証拠隠滅をした。
この事実が忘れられ、過去の思い出になってしまえば、先輩はもう二度と俺には振り向いてくれないだろう。
それでも、俺は先輩に幸せになってほしかったから、部室を出た。
何かを察した先輩が俺の制服の袖をつかむ。
先輩の目は俺に行くなと言っている。
俺ごときに依存している先輩なんて、やっぱり俺の知っている先輩じゃない。
俺は先輩を安心させるために口を開く。
「コンビニで食いものを買ってくるだけですから」
もちろん嘘だ。
俺はそれだけ言って、校舎に戻り、科学部のドアを開いた。
科学部の部室には俺と先輩と同じく授業をサボってなにか作業をしている野村がいた。
野村は科学部の部長でテストの成績は毎回トップ5に入っている。
わかりやすく言えば、勉強がめちゃくちゃできる不良である。
「野村、爆弾作れるか?」
漫画やアニメならともかく、先進国ではまず、発せられることのない俺の言葉に、野村の表情が固まる。
野村は全校生徒の女子達から見たら目がつぶれると評判のスマイルを俺に見せ、口を開く。
「僕に作れないと思っているのか?」
野村の言葉に俺は思わず、心の中でガッツポーズをとってしまう。
「でも、なんで、爆弾を?理由がつまらん場合は絶対に作らんぞ」
俺は野村に全部話した。
桜原カエデのせいで、先輩が人を二人も殺してしまったこと。
狂撃波動のこと。
俺が先輩が殺したリンクマスターの死体を部室の床下に隠したこと。
先輩とヤったこと。
先輩の明るい未来のために、俺がカエデを殺そうとしていること。
俺は真剣に野村に話した。
信じてもらえる保証はほぼなかった。
俺の話を聞いた野村は腹を両手で抑えて爆笑していた。
次に、机を両手で何度も叩いて爆笑していた。
「わかった、爆弾は作る、ただ一つだけ条件がある」
「条件?」
「爆破実行日に僕も同行させることだ」
「別にいいけど、死んでも文句言うなよ」
「あほ、死んだら文句も言えん、ただお前の話がホントなら、桜原カエデは人知を超えたバケモノだ!僕はずっと待ってたんだ、こーゆう、非現実的なイベントをなァ!」
野村の自分の命も顧みない、その探求心に、俺は感服した。

次回予告 山下テツヤ その6 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十二話 山下テツヤ その6

第二百四十二話 山下テツヤ その6

先輩のために桜原カエデを殺すことを決心した俺は、校内でも成績優秀・素行不良で有名な科学部部長の野村に爆弾の制作を依頼した。
俺と先輩の目の前で起きた非現実的な現象を聞いた野村は、爆笑すると同時に自らをカエデ爆破実行日に同行させることを条件に、爆弾制作の依頼を受けてくれた。
「にしても、山下、さっき聞いた話が本当ならお前、ホントバカだよな」
「どの辺の話ですか?さっきの話において該当するバカが多すぎて一つに絞り切れない」「だから、部室の床下におっさん埋めた話、それは別に僕に話さなくてもよかったんじゃないか?僕が警察にバラしたら、どうするつもりなんだ?」
「俺はただ、野村に協力してもらうために、ちゃんと事実を包み隠さず話すべきだと思っただけだ」
「なるほど、誠意ってやつか、実にくだらん。あと、西村アサリなる女とヤった話、アレも話す必要あったか?正直、ちょっとイラついたし、なんかイラついた俺自身にもイらついた」
「それも、だから...その...誠意ってやつだよ...」
「勝手に僕の言葉を引用するな、あと僕は一応お前の先輩だ、せめて、名前を呼ぶときは『さん』をつけろ、はい!いち!にぃ!『さん』!」
そう、野村は校内でもトップクラスに背が低い、だから俺もつい、野村を呼び捨てで呼んでしまったのだ。
「野村...さん...」
「ということで山下研究員、僕は腹が減った、コンビニでなにか適当に食えるもん買ってきてくれ」
「もうすぐ、給食の時間じゃあ...」
「あのなァ山下研究員、俺はバイトして自費で給食費を払っているんだ、給食を食うか食わないかの選択肢は俺にある、アンダースタンド?」
「アンダースタンド、野村研究員、今からコンビニに買出しに行ってきます!」
「いい返事だ」
俺は野村に敬礼をして、そのまま、科学部の部室を出た。
まったく、俺はいつから、研究員になったのか...。
俺がこの高校に入学した当時から、野村は有名人だった。
背が低くて、頭が良くて、素行が悪い。
授業をサボり、校舎の電気を一斉に停電状態にさせ、野村の顔をみた女子生徒が数人が救急車で運ばれ、野村が科学部の部長になってから、近隣の山が爆発音が数回聞こえ、その数日後に近所の暴走族のバイクが一斉に爆発して、暴走族のメンバーが全員亡き人になってしまった、などなど。
まさに、校内一頭が切れる狂人である。
入学当時、部活動見学の際に野村は俺に語った。
『語らねばなるまい、あの暴走族達の末路のことを...あの暴走族たちは俺よりIQが低いくせに、深夜の川でドジョウを密漁した帰りに俺をバイクで囲んで暴行の後に、当時所持していた金銭を根こそぎ奪いやがった...だから粛正した、ちなみにドジョウは水槽に一週間ぐらい入れておくと泥を吐くぞ、この時大事なのはせっかく吐いた泥をドジョウが体内に入れてしまわないようにだな、しょっちゅう水換えをしなくちゃならん』
暴走族も深夜の密漁者も共に逮捕されてしまえ、と俺は思った。
まぁ、前者はすでに亡き者と化してしまったわけだが。
俺はコンビニで野村と自分の分の昼飯を買って、一度、超能力研究部の部室に戻った。
部室内で先輩は、また、おっぱじめていた。
テーブルには血の付いたカッターナイフ。
先輩の右手首からは軽い出血。
先輩が部室内の壁に書いたと思われる大量の断罪者(社会不適合者))特有の意味不明なイラスト↓。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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一瞬気が狂いそうになって叫びだしてしまいそうになったが、よく考えれば、俺も先輩も、もうすでに気が狂っているのだから、なんともないぜ。
俺は一度、深呼吸をして、冷静になる。
先輩は部室のクッションで仰向けに寝た状態で天井を見ながら、小学校低学年が好きそうな替え歌を放心状態のまま歌っている。
俺はその横で、黙々と、黙々と昼食を摂る。
昼食を食い終えた俺は、なにもかも見なかったことにして野村の待つ科学部に戻る。
科学部の部室に戻った俺は、机に野村の昼食が入ったコンビニ袋をおいて、近くにあった椅子に腰を下ろす。
「遅い」
「ちょっと超能力研究部の部室に行ってまして...」
「なんだ、また例の先輩と不純異性交遊に励んでいたのか」
「いえ、なんか放心状態のまま天井を見ながら歌を歌ってました」
「ほう、それは重症だな」
アンタにそれを言われたらおしまいだと俺は思った。

次回予告 山下テツヤ その7 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十三話 山下テツヤ その7

第二百四十三話 山下テツヤ その7

科学部部長で稀代の天才マッドサイエンティスト野村の爆弾制作を手伝う俺は、授業をサボって部室で異常行動を繰り返す先輩を見て見ぬふりをしながら、今日もコンビニに自分と野村のぶんの昼食を買いに行く。
コンビニの帰りに俺は先輩の様子を見るために、超能力研究部の部室に戻る。
超研部(超能力研究部の略)の部室の床には脚立が横たわっている。
部室に戻った俺を先輩がいきなり押し倒してくる。
よく見ると天井にも断罪者(社会不適合者)特有の例のイラストが描かれている。
先輩に押し倒された俺はその天井を見ながら、先輩に『されるがまま』だった。
(それで、脚立が必要だったのか...)
十数分後、身なりを整えた俺は、科学部の部室に戻る。
「遅い」
「ちょっと超能力研究部の部室に行ってまして...」
「なんだ、また例の先輩と不純異性交遊に励んでいたのか」
「............部室の床に脚立が横たわってました...多分、先輩が買ってきたんだと思います」「なるほど、今度こそ不純異性交遊に励んでいたのか...」
「どうして、わかるんですか?」
「死んでしまえ、貴様の呆けた顔を見ればそれぐらいわかる」
「まぁ、もうすぐ死ぬかもしれないんですけどね...」
「でも山下は内心、嬉しいんじゃないか?この長い人生の中で愛する女のために命を懸けて悪と戦う、まるで、漫画やアニメの主人公だ。そうつまり、今、貴様は浮かれている!自らの魂に打ち立てた正義という名の十字架に酔いしれている、重症だな」
「ですね...」
「つまらん、実につまらんぞ山下、もうちょっと面白い言い返しはできんのか、それともその例の先輩とやらに部室で精も根も絞り取られてしまったというのか!ああ!やはり死んでしまえ山下!今すぐこの僕のやりきれない魂を救うために死んでくれ山下!」
「安心しろよ、野村...さん...俺が野村の爆弾でカエデを倒せたら、きっと俺も死んでいると思う...」
「まさか、全身に爆弾でも巻きつけて、そのカエデとかいうバケモノ女と共に爆発でもするつもりか?」
「ええ、先輩がカエデの呪縛から解き放たれたら、先輩はもう俺と秘密を共有する必要性がなくなるんです」
「でも、山下はその先輩とやらの殺人の証拠隠滅に加担した、カエデが死んでも山下とその先輩は人には言えない秘密を共有することになる、そうだろ?」
「ええ、でも仮にカエデを殺して生き残っても僕と先輩はまだミセーネンですから、自首するつもりです。自首すれば大した罪にはなりませんし、二十歳を過ぎてショーネンインを出れば僕と先輩はそれまでなにもなかったかのように今とは違う名前で新しい人生を生きていくんです。つまりそういうことなんです。でもカエデにこの国の法律は通用しません、カエデが生きている限り、先輩は生きていくためにずっとカエデの言いなりです、だからカエデだけは殺さなくてはならないんです」
「ふむ...なるほど、まったくミセーネンとはいいご身分だな。それより爆弾できたぞ山下。すごいぞこの小型爆弾は、あの以前話した不埒な暴走族共を全員あの世送りにしてやった発展途上国のテロリスト共も真っ青な超高性能小型爆弾だ!」
野村から小型爆弾の使い方を教えてもらった俺は、小型爆弾を通学カバンの中に入れる。
「バカ者、所持品検査でセンコーにバレたらどうするつもりだ、山下研究員」
「じゃあ、どうやって、家まで持って帰れば...」
「パンツに入れろ」
「パンツ?」
「ああ、パンツだ。パンツならいくら教員でもチェックできまい、仮にチェックされても小型爆弾の発見と同時に山下の在学権利もセンコーどもの教員免許も剥奪されること間違いなしだ」
「間違ってパンツの中で爆発したらどうするんですか!」
「誰が作ったと思ってる!そんな怪奇現象は絶対に起こらん!多分!絶対に!」
「今、多分って言いましたよね?」
「山下、人生は何が起こるかわからんから面白いのだ、わかったか、つーかわかれ!」
「作戦決行日、野村...さんも同行するんだよな?」
「無論だ」
「連絡先交換しますか?」
「男の連絡先などいらぬ、安心せい、小型爆弾にはGPSが搭載されている、小型爆弾の位置がすなわち山下の現在位置を特定してくれる」
「なるほど、じゃあこっちから連絡する必要はありませんね」
「うむ、作戦決行日が楽しみで、楽しみで作戦決行日まで夜も眠れん...ああ!未知との出会いが僕を待っている!」
俺はパンツの中に小型爆弾を入れた状態のまま、科学部を出た。
超能力研究部の部室に戻った俺を待っていたのは、部室のクッションの上で、まるでダンゴムシのように丸まっている先輩の姿だった。
「後輩!アレが食べたい!」
「なんでしょ?」
「おでん」
俺はパンツに、野村が制作した発展途上国のテロリスト共も真っ青な小型爆弾を入れたまま、近所のコンビニでおでんを買ってくる。
「どうぞ」
「うむ!」
先輩はアツアツのおでんを食べながら、嬉しそうに『あっちぃなァッ!』と言っている。
「後輩は食べないのか?」
「ええ、僕はこのあと塾があるんで」
もちろんウソだ。
自宅に帰った俺はパンツから取り出した小型爆弾を黒いガムテープで巻きつける。
鏡で自分の姿を見る。
全裸の状態で、小型爆弾を全身に黒いガムテープで固定したその姿はまさに狂人だった。
自分の姿を鏡で見た俺はふいに、真夏の空の下、海に設置したセットの上で全身を黒いガムテープのようなにかを身にまとった状態で踊るアーティストのPVを思い出した。
俺はその上から衣服を身に着け、押入れからアルバムを取り出して、読む。
読みながら今までの自分の人生を回想する。
そして、深夜、俺はカエデに以前、耳打ちされた場所に向かうために自宅を出た。
約束の場所へ向かう途中、俺の横で一輪車に乗った誰かが止まった。
両手を広げたまま一輪車に乗っていたのは迷彩服に身を包んだ野村だった。
全身に迷彩服をまとった野村は何も言わず、親指を立てて俺にウィンクをする。
野村はおそらく俺の全身に巻きつけられた小型爆弾のGPS情報から、俺が行動を開始したのを察知したのだろう。
深夜の道を、全身に小型爆弾をまとった男と、両手を広げながら器用に一輪車を乗りこなす迷彩服の男が決戦の場所に向かっていく。

次回予告 山下テツヤ その8
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十四話 山下テツヤ その8

第二百四十四話 山下テツヤ その8

山下テツヤは先輩である西村アサリを桜原カエデの呪縛から解放するために、野村と共に以前、カエデに耳打ちされた住所を元に、決戦の地へ赴く。
「それにしても、なんだここは...たまげたなぁ...」
野村が驚くのも仕方がない。
依然、カエデが俺に教えた住所の場所には、ごく普通の一軒家が建っているだけなのだから。
「しかも、表札にはご丁寧に、ちゃんと桜原って書いてあるぞ!」
「つまり、ここは単純にカエデの自宅ってことですね」
「山下よぉ、なんか想像してたのとずいぶん違うんだが...」
「野村さんはいったいどんな場所を想像していたんですか?」
「そりゃあ、お前の話が本当なら、桜原カエデは人知を超えた存在だ、当然、なんか怪しげな研究所とか軍事基地を想像するだろ?だがしかし、その人知を超えた存在が、一般人と同じような家に住んでいる、こりゃあいったいどういうことだ?」
カエデの自宅のドアが開かれ、中からカエデが出てくる。
「夜中に人の家で言いたい放題言ってくれちゃって、いったい何の用かしら?」
「何の用も何も、山下にここの場所を教えたのはアンタだろう、桜原カエデ!」
「確かに山下テツヤは誘ったけど、あなたを誘った覚えはないわ...あなた...いったい誰なの?」
「僕は野村だ、三年二組で出席番号16番で稀代のマッドサイエンティストで科学部部長の野村だ!」
「ふ~ん、あっそぉ、まぁ、いいわ、二人とも今日はもう夜遅いわ、とっとと家の中に入りなさい...」
こうして、俺と野村は若干戸惑いながらも、カエデの自宅にお邪魔することになった。
「「お、お邪魔しまぁ~す」」
「ちょっとそこ座ってて、今、お茶入れるから」
カエデの家のリビングの椅子に腰を下ろした俺と野村は、カエデが淹れてくれた緑茶を飲む。
「やっぱり、日本人は緑茶よね...」
「そ、そうっすよね...」
移動用に使っていた一輪車を肩に担いだ野村が小声で俺に話しかけてくる。
「なぁ、山下」
「はい」
「はいじゃねぇよ、お前、今日ここにカエデを殺すために来たんだよな?それがなんで、そのカエデの自宅で茶ァ飲んでいるんだ?」
「とりあえず、様子を見ましょう...」
「なによ、二人ともコソコソしちゃって、私も仲間に入れなさいよ...あ、そうだ、せっかくだからトランプでもやる...?」
「桜原カエデ、あんたはあの日、どうして、俺にここの場所を教えたんだ?」
「そりゃ、山下テツヤ君、あなたが面白い子だからよ...」
「面白い...?」
「ええ、私の『生徒』達は皆、真面目な子達ばかりだからね...『生徒』達のなかに一人ぐらい、教師に反抗的な生徒がいたほうが、面白いでしょう?」
「それは、つまり、俺にアンタの仲間になれってことか?」
「その通り...でも、無理強いはしないわよ...お隣のお友達と相談してよく考えなさい...」
「一つだけ、提案があります...」
「なにかしら?」
「僕が仲間になるかわりに、先輩から狂撃波動の力を抜いてくれませんか?」
「それは、つまり、あなたの先輩、西村アサリを普通の人間に戻せと?」
「はい...」
「無理ね...能力をアサリちゃんから抜き取るのは可能よ...でも、私に力を抜かれた人間は皆、死んでしまう...それはアサリちゃんにも説明したはずよ...まぁ、最初に会った時点じゃ、多分私の言ってることなんて現実離れしすぎて、1ミリも信じていなかったんでしょうけど...」
「なら、交渉決裂ですね...」
俺は全身に巻きつけられた小型爆弾を爆発させるスイッチを押す。
しかし、爆弾は発動しない。
そして、つぎの瞬間、野村がカエデに向かって放った閃光手榴弾が室内を光に包む。
そう、カエデが影を使って相手の動きを止めることを事前に山下テツヤから聞いていた野村は閃光手榴弾で室内を光で包み、カエデの戦闘スタイルに必要な影を一時的に使い物にならない状態にしたのだ。
そして、野村はその隙に、『本物』の小型爆弾をカエデに向かって、何度も投げる。
カエデに向かって小型爆弾を投げまくった野村はそのまま、山下テツヤの手を引いて、カエデの自宅から外に出る。
カエデの自宅が爆発する。
俺と野村は、その爆音を聞きながら、爆発に巻き込まれないように、とにかく走る。
「はぁ...はぁ...野村ァ...俺にくれた、あの小型爆弾...偽物だったのか...」
「当たり前だ、化学は人を幸せにするためにあるんだ、友を人間爆弾にするためにあるんじゃない...」
「ケッ...まったく、大した奴だ...」
「まだ気を抜くのは早いぞ、山下...とりあえず、カエデがあの爆発から生き延びたことを想定して、明るい場所に避難しよう、光の多いところなら、ヤツの武器である影も、できにくいはずだ...」
「了解...」
コンビニに入った俺達はとりあえず、飲料水を買って、店内で飲む。
商品を買ったのに外に出ない俺達にコンビニの店員が怪しげな視線を送る。
コンビニの自動ドアが開く。
コンビニに侵入してきた、まるで蛇のような黒いなにかが、俺と野村に向かって襲い掛かってくる。
「ウソ...だろ...あれは、まさか...!」
「間違いない...あれは爆弾でダメージを折った状態の桜原カエデだァ!山下ァ!すごいぞォ!僕たちは今ァ!いまだかつて誰も見たことがない未知の現象を目の当たりにしているんだァ!ヤツを生きたまま捕獲できれば、僕の名前はこの世界の科学の歴史に一生語り継がれることになるだろう!キィエアアアアアアアアアアアアアアッ‼」
「喜んでいる場合か!」
俺と野村は店内を回り道しながら出口に向かって全速力で走る。
目の前の非現実的な光景に興奮しきっている野村は店内に店員と客がいるにもかかわらず、我を忘れた状態で口から奇声を上げながら、自家製の小型爆弾をまるで、節分の豆まきのように、黒い何かと化したカエデに向かって投げまくる。
コンビニの出口に向かって走る俺と野村は当然、店内の爆発に巻き込まれる。
背後から襲い掛かる爆風によって、俺と野村はコンビニの外に放り出される。
「山下...まずいぞ...これでは、アイツを生きたまま捕獲できるかどうか...」
「野村ァ...お前、自分がなにをしたかわかってるのか!」
「ああ。わかってるさ...僕は目の前の怪奇現象に夢中になって、店内の店員や客の命を無視した...でも、山下、店員と客の避難誘導なんてしてたら、俺とお前は死んでいた、ちがうか?」
「そ、それは...」
「お前は確かに、先輩とやらを救うために、カエデと共に今日、自爆するつもり、死ぬつもりだったのかもしれない...でも僕にはそんなの関係ない、僕は見てみたいんだ、科学の常識をぶち壊すような現象をね...」
「お前は俺に、化学は人を幸せにするためにあって、友を人間爆弾にするためにあるんじゃない、と言った...あれはウソだったのか...!」
「ウソじゃない...でも、桜原カエデの異形を見てしまった以上、僕はもう、自分の好奇心を自分で止めることができない...すまんな、山下...僕はもう、僕が欲しいものを手に入れるためだったら、どんな犠牲もいとわない...」
爆炎を上げるコンビニから、あの黒い何かが出現する。
「山下、見ろ...『アレ』はすばらしい耐久力だ...」
変わってしまった友の姿が山下テツヤの胸を締めつける。
決着の時は近い...。

次回予告 山下テツヤ その9
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十五話 山下テツヤ その9

第二百四十五話 山下テツヤ その9

交渉決裂の末、野村は閃光手榴弾と自家製の小型爆弾を用いて、カエデの自宅を爆破した。
しかし、コンビニで水分補給をしている俺と野村の前に異形と化したカエデが姿を表す。
生まれて初めて見る、非現実的な異形の姿に、野村はそれまでの価値観を捨て、店内に店員や客がいるのもお構いなしに、カエデに向かって小型爆弾を投げまくる。
爆発した際に発生した爆風により、一命をとりとめた俺と野村の前に、再び異形と化したカエデが姿を表す。
俺は、カエデの異形に恐れを抱くと同時に、変わり果ててしまった友の姿に、心が痛かった。
「野村、とりあえず、もう生きたまま捕獲するのは諦めたほうがいい、でないと本当に俺もお前も死ぬぞ...」
「フン、今まで逃げてただけの奴が、えらそうなことを言うな、本当であれば、とっくにカエデは死んでいるはずなんだ...今更、力の加減など議論の無駄だ」
道に設置された電灯に照らされている野村の背後にできた陰から、突然、異形と化したカエデが飛び出してくる。
「しまった!奴め...移動するのに、付近の影を利用してショートカットできるのか!」
「野村ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
異形と化したカエデが野村を包む。
黒い蛇のような何かに飲み込まれた野村。
野村が必死に俺に向かって手を伸ばす。
俺は野村に向かって手を伸ばす。
黒い何かに包まれた野村の悲鳴が聞こえてくる。
「おぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
そして、野村を吸収した黒いなにかは人の形を取り戻し、桜原カエデの姿に戻る。
「悪く思わないでね、山下君、先に攻撃してきたのは野村君のほうなんだから...」
俺はあまりの恐怖にズボンと下着を汚してしまっていた。
俺は。
野村が死んだことに。
そして、影のある場所であれば、どこにでも瞬時に移動・出現できるカエデの能力に。
恐れおののき、失禁した状態で足もろくに動かせない。
大体、小型爆弾を何度もくらったはずなのに、どうして、コイツは死なないんだ?
「でも、結構、効いたわよ、あの爆弾は...おかげで野村君から生命エネルギーを吸収できていなければ、こうして人の形も保つことができなかった...」
カエデが俺に近づいてくる。
「私ね、野村君みたいな、自分のことを天才だと思ってるバカが大嫌いなの...さっきみたいな爆弾作れるからって、自分のことを天才だと思ってるバカがね...」
「く、来るな...」
「だってそうでしょ?知識があるのと、頭がいいのは、別だと思うのよね...」
「嫌だ...俺は死にたくない...」
「実際、学歴や知識があるからって偉そうにしている人って、みんなバカみたいに見えるでしょ?」
「頼む...来ないでくれ...俺は死にたくない...」
「だから、学歴が良ければ、能力があって優秀だなんて絶対ウソ、この国のリーダーになれるのは、みんな祖父や父親が以前、この国のリーダーをしていた人間の子孫ばかり...」
「お、俺が悪かった...」
「この国がミンシュシュゥギだなんて、絶対ウソよ、この国の正体は一部特権階級だけがいい思いができるキゾクシュゥギよ...つまり、この国の人々は自らを取り巻く世界そのものに騙されているのよ...だから、格差が人の心を病み、それはやがて、大きな争いになり、戦争が始まる...悲劇は何度も繰り返され、当事者でない、なんの罪もない人々が犠牲になる...」
「い、嫌だ...死にたくない...誰か助けてくれェェェェェェェッ‼」
「だからこそ、狂撃波動の力で全人類を狂人にして世界そのものを壊すのには、ちゃんとした価値があるのよ...狂人と化した全人類は自らの手で滅ぶ...そして、この世界から悲劇はなくなる...私はその理想を叶えるために、人生に絶望した者たちに狂撃波動の力を与えて手伝ってもらっているだけ...あなたや野村君に殺されなきゃいけない理由なんて一つもない...わたしこの世界から悲劇を無くしたいだけ...」
ふざけんな...俺は死を覚悟して口を開く。
「それじゃあ、なんで、先輩はあんなに悲しそうしているんだよ...!なんで、野村は悲鳴を上げながら死んでいったんだよ!この世界に悲劇を作っているのはアンタのほうだろ!」
「それは違うわよ、山下君。先に私を殺そうとしてきたのは野村君のほうよ...私は契約内容を事前に、あなたの先輩に説明したし...あなたの先輩は私の話をろくに信じずに、面白半分で私と契約してしまった、私は当たり前のことしかしていない...」
「確かにお前のいう通りかもしれない...でも俺は納得いかない...納得いかないんだよ!だから俺はお前をぶっ殺す‼」
わかっている、勝目なんてあるわけない。
でも、やっぱり、このまま漏らしたまま、何の抵抗もせずにに死んでいくのは悔しい...だから。
カエデが俺に向かって右手をかざす。
俺に狂撃波動を撃って、俺を断罪者(社会不適合者)にするつもりか。
それとも、先輩を襲ったキョウジのように狂撃波動で俺を自殺させるつもりか。
どっちでもよかった。
それでも俺は、カエデに向かって殴りかかる。
濡れたズボンが重かった。
カエデの狂撃波動↓が俺に直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動の直撃を受けた俺の体は、俺の意思を無視して自分の頭部を地面にぶつけようとする。
おそらく...俺の死はこれで、他殺ではなく、自殺になるはずだ。
そうして俺は俺のいなくなった世界で、俺は一生、地面にヘドバンして自殺した高校生として世間に語り継がれていく。
なんて無様な死にざまだ。
でも、俺の頭は地面にぶつかる前に何者かによって抱きしめられた。
それでも、狂撃波動による自殺衝動が俺を襲う。
体が勝手に暴れ始める。
本当は俺を抱きしめてくれた人の顔が見たいのに、俺の頭部は勝手に地面のある下に向かって動いてしまう。
「後輩...今、助けてあげるからね...」
頭の上から先輩の声が聞こえてきた。
俺の自殺を阻止したのは先輩だった。
体とは別に、口だけはなんとか動いた。
「でも、どうしてここに...」
「そりゃあ、夜中にあんな爆発音を聞いたら、誰だって察しがつくわよ...それに、私だって、狂撃波動の使い手よ、影があるところなら、どこでも移動できるわ...」
しかし、カエデから受けた狂撃波動のせいで俺の両手が勝手に動く。
勝手に動いた両手が先輩を突き放す。
俺は何度も自分の頭を地面にぶつける。
激しい痛みが俺の頭部を襲う。
俺は目の前が真っ暗になってしまった。
「あら残念、せっかく助けに来たのに、山下君、死んじゃったわね...」
「先生...後輩は死にません、私が絶対、死なせません、だって私、後輩の先輩ですから...」
山下テツヤの先輩である西村アサリは自分の両手を、テツヤの死体にかざす。
そう、アサリはカエデと契約したことで手に入れた人知を超えた狂撃波動の力を全て、瀕死状態のテツヤの体に移そうとしているのだ。
それは、カエデがアサリに狂撃波動の力を与えた方法と同じである。
しかし、カエデから力をもらったアサリは狂撃波動の力を奪われるか、失えば、死亡してしまう。
「アサリちゃん...あなた自分の命を犠牲にして、山下君を生き返らせるつもりね...」
「理論的には可能ですよね...狂撃波動は人知を超えた力...私が先生を裏切って、先生に力を奪われれば、私は死ぬ...」
「確かに理論的には可能よ、でも実際問題、あなたは私と違って力を与える側ではない...山下君が生き返って真の狂撃波動の使い手になるか、どうかは私にもわからない...フフフ...面白いわね、あなたを...生徒にしてよかったわ...」
「でも、今日で...卒業することになってしまいますね...先生の生徒からも、この世界からも...」
「残念だわ...」
「先生はどうして今、私の邪魔をしないんですか?」
「私は単純に見てみたいだけ...あなたの命懸けの行動が山下君の命を救えるのか、救えないのか...」
アサリの体が黒い波動になり、瀕死状態の山下テツヤの体内に吸収されていく。
目を開けると、山下テツヤの目の前には綺麗なお花畑が広がっていた。
『俺は、死んでしまったのか...』
背後から声が聞こえてくる。
『ここは天国じゃないわ...あなたの魂はまだ、肉体から、完全に分離されてない...ここはきっと、天国の入口みたいな場所よ...』
山下テツヤは声が聞こえてきた背後を振り返る。
そこには、人の形をした狂撃波動が立っていた。
そのシルエットには、どこかで見覚えがある。
『先輩...』
人の形をした狂撃波動が山下テツヤを抱きしめる。
山下テツヤと人の形をした狂撃波動が一つになる。
目を覚ますと、目の前に深夜の夜空が広がっていた。
とても、寒い、特に下着とズボンが冷たい。
どうやら俺は生きているようだ。
俺は後頭部にやわらかい何かを感じる。
先輩に膝枕されていると思った俺は起き上がって、先輩に話しかけようとする。
「せんぱ...」
しかし、俺の目の前にいるのは桜原カエデだった。
そう、俺を膝枕していたのカエデだったのだ。
「先輩は...どうなったんですか?」
「不完全な形で生きているわよ、あなたの体内で...狂撃波動としてね...」
「それは、つまり...」
「私の与えた狂撃波動と一つになったあなたの先輩は、自分の全てをあなたの中に入れてあなたを蘇生させた、そして、そのせいで、あなたは不完全な狂撃波動の使い手になってしまったのよ...」
俺は試しに、近くの木に向かって、狂撃波動を放つ。
狂撃波動は人の形、つまり、先輩の姿になった。
カエデが急に大笑いし始めた。
「フフフ...感じるわ...あなたは今、一時的に狂撃波動と分離状態にある...これがどういう意味かわかるかしら?」
「俺が先輩の姿をした狂撃波動を肉体から分離させて、操作している間、仮に俺があんたを裏切って力を抜かれても、俺が死ぬことはない...」
「そうよ。あなたは私の生徒でありながら、私を裏切っても、体内の狂撃波動を体から分離させれば、私に力を抜かれても死なない体を手に入れた...生き続けていれば、案外面白いこともあるものね...」
「カエデ...さん...俺はこれからどうすればいいんだろう...」
「野村君と先輩の敵討ちでもすれば?...」
「できないよ...そんなこと...先輩からもらった命を粗末にはできない...」
「じゃあ、どうするの?」
「しばらく、一人で考えるさ...俺にはアンタのご機嫌をうかがう理由がないからね...」
「言ってくれるわね...でも、これで、あなたも私の生徒よ...」
「ああ、そういうことに、しておいてやるよ...」
俺は後ろを振り向いて、そのまま、自宅に、向かって歩いていく。
カエデは山下テツヤを追いかけず、その後ろ姿をずっと見つめ続けていた。

次回予告 山下テツヤ その10
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十六話 山下テツヤ その10

第二百四十六話 山下テツヤ その10

カエデの狂撃波動により、狂人と化したテツヤは西村アサリの制止を振り切って、自分の頭部を何度も地面にぶつけ、瀕死状態になる。
狂撃波動とはコレ↓である。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤』
西村アサリはカエデと似た方法で自分の力を瀕死状態のテツヤの体内に注入する。
肉体から魂が離れていない状態のテツヤはアサリの行動によって一命をとりとめるも、
アサリ自身の肉体はテツヤに狂撃波動の力を渡してしまったことで消滅してしまっていた。
不完全な狂撃波動の使い手となったテツヤは自身の中にアサリが分離可能な狂撃波動として不完全な状態で存在していることを知る。
予想外の事態に驚嘆したカエデはそのまま、自分の目の前から去っていくテツヤを追いかけることもなく、ただ、見つめ続けていたのだった。
           *
山下テツヤは長い長い回想を終えた。
これで、もう何度、あの輝かしい青春の日々を回想したことか。
回想した数を数えてみたが、100を超えたあたりで、めんどくさくなって回想するのをやめてしまった。
山下テツヤは、あの輝かしい青春の日々を回想する度に、自分の中の時計の針がずっと『あの日』のまま、止まっていることに気付いて、むなしくなる。
そう、それはテツヤ自身が『あの日』、先輩と引き換えに狂撃波動の使い手になってしまった日から、人間として、一歩も成長できていないことを証明していた。
『あの日』の後、人知を超えた狂撃波動の力を手に入れたテツヤは世界中を一人で旅していた。
しかし、その旅でテツヤが手に入れたのは、一時のやすらぎと、大切な人達を失った過去との対峙だった。
過去を振り返ることをやめたテツヤの目の前に、一人の美少女、テツヤの先輩・西村アサリと同じ姿をした狂撃波動が現れる。
「なんだ、今回はずいぶん、帰ってくるのが遅かったな...」
アサリの姿をした狂撃波動がテツヤに、テツヤから預かった財布を手渡す。
『映画を見た...そのあと、コンビニでおでんを買って公園で食った...』
「おでん、か...」
見た目こそ、西村アサリと同じではあるが、この西村アサリの姿をした狂撃波動にアサリの記憶は存在しない。
このアサリの姿をした狂撃波動は自我を持っており、ある程度、気晴らしをさせないと、飼い主であるテツヤの言うことを聞かないのだ。
テツヤは自分の『全て』である西村アサリの魂を取り戻すために、再びカエデの前に現れたのだ。
狂撃波動は人知を超えた、狂気の力。
常識を超えた力であれば、できないことはないはずだ。
しかし、テツヤの力だけでは限界があった。
だから。
カエデの持つ力の全てを手に入れることができれば、アサリの魂を取り戻すことができるかもしれないと思った。
確信はない、しかし、もう、テツヤにはそれに賭けるしかなかったのだ。
テツヤは目の前にいるアサリの姿をした狂撃波動がアサリ本人であることを知りながらも、つい呟いてしまう。
「おかえり」
アサリの姿をした狂撃波動はテツヤに何も言わずに、テツヤの体内に戻っていく。
テツヤは自分がとっくに壊れていることを自覚する。
それでも山下テツヤは歩みを止めない、アサリの姿をした狂撃波動と一つになったテツヤはそのまま、協会の屋上から立ち去った。

次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十七話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1

第二百四十七話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その1
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

石間コウイチが経営するリンクセンター石間には今日も依頼人がやってくる。
依頼人の名は林マスニ。
「それで、今回はどういったご用件で?」
「実は、断罪者(社会不適合者)の息子・林カレイが怪しげな宗教団体に入信してから、家に帰ってこなくなってしまったんです」
「それでは、お手数ですが、息子さんが断罪者(社会不適合者)である証拠を見せてくれませんか?」
林マスニは一枚の写真を石間コウイチに手渡す。
写真には男性の上半身が映っている。
衣服を何も身にまとっていない男性の上半身に描かれていたのがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤
鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤』
「ワイルドですねぇ、コレ、入れ墨ですか?」
「いいえ、ネームペンです」
「にしても、自分の体に描くなんてずいぶんと器用ですねぇ」
「いえ、この意味不明なイラストが胸に描かれた人物は私の息子ではありません、息子の職場の上司だそうです」
「どーゆうこと?」
「息子は内気な子でして...職場でも人付き合いが上手ではないようです...そして、ある日、息子は突然、職場で嫌味を言ってきたり、パワハラをしてくる社員に奇声を上げながら襲い掛かり、服を全て脱がした後に、全裸になった社員の方々の体にネームペンでこの意味不明なイラストを描いたそうです」
「なるほど、それじゃあ、この写真は、その証拠写真ですか...」
「はい...」
「ところで、その宗教団体の名前は?」
「アイビリーブマイセルフです...」
俺の横に座っていた奈良見ルナが宗教団体名を聞いて必死に笑いをこらえている。
「それ、本当に宗教団体?」
「はい...どうやら自分自身を信じることができる強い心を持った人間を育成することを目的にした宗教団体らしくって...」
「いやさァ、宗教団体に入信している時点でさ、アイビリーブマイセルフできてなくない?」
「はい、その通りなんです。それで教祖の方から、かなり金銭も要求されているようでして...」
「なるほどね、つまり、お金くれたら、自分を常に信じることができる心の強い人間になれますよ的な、お布施ね...あー頭いてぇ、奈良見、茶、おかわり」
「息子を助けてあげてください...」
「わかりました、まァ、相手が宗教団体となると、多勢に無勢ですからねぇ、依頼成功の保証はできませんよ」
「はい、無理が承知なのはわかっています...」
林マスニはそれだけ言って、リンクセンター岩間を去った。
「奈良見、お前も宗教団体の潜入捜査ついてくか?」
「そ...そりゃあ、もちろん」
「おまえ、変わったよな、前だったら泣きながら家に帰らせてくれとか、言ってなかったっけ?」
「そりゃあ、桜原カエデとか、その生徒達の力を見た後じゃ、ただのカルト教団なんて大したことないですよ...」
「あっそ、そうだといいけど...」
車に乗った俺と奈良見は宗教団体アイビリーブマイセルフの施設に向かう。
俺と奈良見は変装をして宗教団体アイビリーブマイセルフの施設に入る。
ちなみに奈良見はなぜか、メイド服に身を包んでいる。
そして、俺もなぜか、メイド服に身を包んでいる。
俺は変装衣装について、奈良見と、もめにもめたあげく、俺が提案した、じゃんけん勝負で負けてしまった己の不運を呪った。
「いくらなんでも、宗教団体にこの服装はクレイジーだぜ...」
「クレイジーな団体にクレイジーな服装で潜入するのに、なにか問題が?」
施設に入ってすぐに団体の職員らしき男性が話しかけてくる。
「今日はどのようなご用件で?」
「私...おぼろげながら最近アイビリーブマイセルフしたくて...」
「以下同文...」
俺達の服装と奈良見の意味不明な入信理由に団体の職員は首を傾げるも、すぐに笑顔になり、施設内を案内してくれた。
俺と奈良見が案内された体育館のような場所では、全裸姿の信者たちがダンスミュージック風にアレンジされた演歌をバッグに、激しいブレイクダンスを踊っていた。
必死に笑いをこらえている奈良見がなぜか俺の横腹をつねってくる。
「痛ァ!なんで俺つねるの?つーか、このダンスなんか意味あるんですか?」
「このダンスの修業は、人前で全裸のままでも羞恥心を感じない強い心を育てるための修行です」
「へ、へぇ~こう、な、なんか随分とフリーダムでヒップホップ!なァ!奈良見?」
奈良見は必死に笑いをこらえているため、俺の言葉に答えることができない。
「じゃ、次、お願いします...」
「では、こちらへどうぞ...」
職員に次に案内された場所は和室だった。
和室では数人の信者達が全裸の状態で一斉に、五七五の俳句と思しき言葉↓を何度も叫びながら、今にも死にそうな顔で逆立ちをしている。
『ばかやろう おまえのあたま いかれてる』
「バカはお前達だろ」
俺のツッコミに奈良見は笑いを必死にこらえながら、床を両手でバンバン叩いている。
そして、天井を向いている信者の足の裏にはなぜか、抹茶の入った湯呑みが乗せられていた。
「この修行には、いったいどんな意味があるんですか?」
「これは、『わびさび』を鍛える修行ですね」
「次、お願いします」
「では、こちらへどうぞ...」
メイド姿に身を包んだ状態でクレイジーなカルト教団の潜入捜査。
純粋に、頭がおかしくなりそうだった。

次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その2

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十八話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その2

第二百四十八話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

依頼人、林マスニから、息子の林カレイを怪しげな宗教団体アイビリーブマイセルフから助け出してほしいとの、依頼を受けた俺と奈良見はメイド服を身にまとい、宗教団体アイビリーブマイセルフの施設に向かい、施設の職員に、各修行スペースと修行の内容について説明を受ける。
俺と奈良見の前で繰り広げられる壮絶な修行内容に、奈良見は笑いをこらえるのに必死で一時会話不能になったり、俺は純粋に頭がおかしくなりそうだった。
施設の職員は入信手続きのために俺と奈良見を事務室に案内してくれるそうだ。
事務室に向かう途中の廊下には入信者が描いたと思われるイラストが額縁に入れられた状態で飾ってある。
そのイラストがコレ↓だ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤■鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「このイラストは信者の方々が描いたんですか?」
「ええ、そうですよ、教祖の明日原ジョッコー様が言うには、このイラストが描けるのは『選ばれし者』だけだそうです...」
「職員のあなたは、このイラストのこと、どう思っているんですか?」
「ノーコメントです」
「あっ...。ですよねー」
どうやら、俺達を案内してくれいている職員は頭がまともらしい。
まぁ、宗教団体を管理する側の職員や教祖まで、キマってたら、宗教団体なんて運営できないもんな...。
事務室についた俺達に、職員の男が入信に必要な書類を手渡してくれる。
職員は事前に用意されているマニュアルを見ながら棒読みで説明を始める。
「この宗教団体アイビリーブマイセルフは一般の社会不適合者から、断罪者(社会不適合者)までが入信できるアルティメットハートフルな宗教団体です。みなさんが社会不適合者であるという証が証明できなければ、まずこの宗教団体には入信できません、なので今回はみなさんが社会不適合者である証拠を私にアピールしてください」
面接かな?
俺はとりあえず、適当にでっちあげたエピソードを自分と奈良見のぶんも含めて、職員に説明する。
「えっと、俺は風呂のお湯を一か月以上、変えません、そんで、奈良見は足し算ができません」
俺がでっち上げたエピソードを聞いた奈良見が机の下で思いっきり俺の足を踏みつけてくる。
「合格ですね」
職員の言葉に俺はちょっと傷ついた。
俺と奈良見は書類にサインして、とりあえず宗教団体アイビリーブマイセルフ入信することになった。
「まず、石間さんと奈良見さんは実習生として、扱わせてもらいます。実習期間の3か月を過ぎると、正式に信者に認められます、それでは頑張ってください」
職員に案内された、宴会場には満面の笑みを浮かべた数人の信者達が、メイド服を身に着けた俺たちの入信を歓迎してくれた。
宴会場に設備された丸テーブルには豪華な料理の品々が並べられており、この宗教団体が経済的に儲かっていることがわかった。
どの信者も異様にニコニコしているのでちょっと気味が悪い。
俺は奈良見にそっと耳打ちする。
「かなり親切に接してくるが、最初はどこもそんなもんだ、あんまり、真に受けるな、いいな?」
「そんなの、わかってますよ!イェェェェェェイッ‼」
数秒後、奈良見は皿に料理を盛って、すぐにイケメン信者達と談笑していた。
「あいつ、人の話聞いてたのかな...」
とりあえず、奈良見を戦力外と認識した俺は、依頼人の息子である、林カレイの捜索を開始した。
調査のため宴会場を動き回る俺の背後から女性が話しかけてきた。
「どうして、男の人なのに、メイド服なんて着ているんですか?」
俺の背後には、信者と思しき美少女が立っていた。
青い目に、長い金髪に、頭部についているカチューシャが特徴的な美少女だった。
「成人女性のくせに足し算ができない助手に、じゃんけんで負けてしまいまして...ところで林カレイ君、知ってますか?」
「知ってますよ、林カレイは私の彼氏です」
「そうですか、つーか信者同士で付き合ってもいいんですか?」
「はい、いいんです」
「教祖に粛正とか、されないの、あのなんだっけ...確か...ポ...」
「されません、といより、私とじゃんけんしませんか?」
「へ?」
「私がじゃんけんであなたに勝ったら、今回は特別に私が今朝、体内に摂取した朝食をあなたにさしあげます、いきますよ?せーのッ!」
(いらねーよ...そーか、美少女のくせして、なんかキマってると思ったら、こいつ断罪者(社会不適合者)か...)
俺はじゃんけんに勝利した。
「私、負けちゃいましたね...そういえば...名前、なんて言うんですか?」
助かった。
「俺は石間コウイチ。それよりさ、君の彼氏、林カレイ君に会わせてくれないかな?」
次の瞬間、宴会の壇上で酔っぱらった奈良見とイケメン信者たちが、マイク片手に、マイクを持っていない手でお互いの肩を組んだ状態で宗教団体アイビリーブマイセルフのテーマソングを合唱し始めた。
イケメン信者達がちゃんと歌っているにもかかわらず、歌詞をろくに知らない奈良見ルナは途中から周りに合わせるのをやめて、突然、叫びだす。
「カルト教団!最高ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼イェェェェェェェェェェェッイッ‼」
それまで、楽し気な雰囲気だった信者たちの表情が一斉に凍りつく。
「足し算ができないコウイチさんの助手の人、なんか楽しそうですね?」
「はい、もうアイツ、クビにします...」
仕事で潜入していることなど、お構いなしで騒ぎ続ける奈良見に呆れつつも、俺は話題を戻す。
「ところで、林カレイのことなんだけど...」
「じゃんけんに負けたので、ご案内しますけど...もしよろしければ、私が今朝、摂取した朝食は...」
「いりません」

次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その3

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百四十九話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その3

第二百四十九話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その3

潜入捜査のため、宗教団体アイビリーブマイセルフの信者(実習生)になった俺たちを、大勢の信者が宴会を開いて歓迎してくれた。
俺は林カレイの交際相手を名乗る謎の美少女信者にじゃんけん勝負を挑まれる。
美少女信者がじゃんけんの敗北条件として提示したのは、美少女が今朝、体内に摂取した朝食を俺が受け取るいう、クレイジーな内容だった。
そして、美少女信者とのじゃんけん勝負に勝利した俺は、地獄を見ずに済んだ。
その一方で、奈良見は潜入捜査にもかかわらず、イケメン信者達にちやほやされて、豪華な食事と酒を体内に摂取し続ける。
しかし、完全に酔っぱらった奈良見の爆弾発言↓のせいで、楽しげな雰囲気だった宴会場の空気が凍り付く。
「カルト教団!最高ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼イェェェェェェェェェェェッイッ‼」
宴会場にいずらくなった俺は奈良見を見捨てて、宴会場で会った美少女信者に、林カレイのもとへ案内してもらうことになった。
「あの...本当に、本当に私が今朝、摂取した朝食は...」
「いや、本当にいらないです」
「美少女の吐しゃ物が欲しいって言う信者の男の人、結構いるんですよ...この前も...」
「いえ、本当にいらないです」
俺と美少女信者の間に、気まずい空気が流れる。
とりあえず、俺はなにも悪くないはずだ。
美少女信者に案内されたのは和室だった。
和室の中では、林カレイが全裸の状態で逆立ちしながら、五七五の俳句↓を繰り返し叫んでいた。
『ばかやろう おまえのあたま いかれてる』
全裸のまま逆立ちした林カレイは、道徳の教師が知ったら、長時間お説教をしてくるに違いない内容の五七五の俳句を何度も叫ぶ。
逆立ちをしているため、天井を向いた両足の裏には、もちろん、抹茶の入った湯呑みが乗っている。
抹茶の入った湯呑みからは湯気が立っている。
「確か、コレ、わびさびの心を鍛える修行なんですよね?」
「はい、どんな逆境でも、乗り越えることができる強い心を鍛える修行なんですよ、それより、本当に...私の吐しゃ物...」
「いりません。ちなみに、この修行、どのへんがわびさび、なんですか?」
やたら吐しゃ物の譲渡を提案してくる美少女信者が、逆立ちをしている林カレイの足の裏を指さす。
「ほら、あの足の裏、あそこに湯呑みが乗っているでしょう?」
「ええ、乗ってますね、足の裏に、抹茶の入った湯呑みが」
「はい。あれが、わびさび、です」
(わびさびという概念に一生、土下座し続けろ)
俺は恐る恐る、修行中の林カレイに話しかける。
「君が林カレイ君だね?」
俺が質問しているにも関わらず、林カレイは逆立ちしたまま、五七五の俳句を叫び続けるのをやめない。
『ばかやろう おまえのあたま いかれてる』
いくら、俳句の文章とはいえ、俺はちょっとキレそうになる。
「君のお母さんの林マスニさんが、君のことを心配しているよ」
またも、林カレイは逆立ちしたまま、五七五の俳句を叫び続けるのをやめない。
『ばかやろう おまえのあたま いかれてる』
俺は美少女信者に問う。
「なぁ...コイツ今すぐぶっとばしてもいいか?」
「ダメでーす、すぐに暴力を振るう人は心の弱い人でーす。あ!そうだ‼もしよろしければ、コウイチさんもカレイ君と一緒に修行してみませんか?」
「嫌です」
『ばかやろう おまえのあたま いかれてる』
とりあえず、俺は一度冷静になるために、美少女信者に林カレイ君について、いろいろ聞いてみる。
「確か、カレイ君と付き合ってるんですよね?」
「はい、見れば、わかるとおり、彼はとても素敵な人です」
どの辺が?
「彼は真面目過ぎるんです、だから、どんな善意もなにか裏があるように思えてしまうんです、だから他人を信じることができず、職場でも孤立して、いじめられてしまったんです...」
なるほどな、頭のいい奴ほど、宗教にハマりやすいって言うもんな...。
だから、カレイ君は、この宗教団体アイビリーブマイセルフで心を鍛えて、いじめに負けない社会人になりたいそうです。
美少女信者の発言に、先程、心の中で林カレイに同情した自分を恥じた。
俺は美少女信者に問う。
「この世界に、強い人なんているんでしょうか?」
「いるわけありません、でも、人間は皆、弱いからこそ『強く生きる』必要があるんです。この宗教団体の目的は、この混沌に満ちた社会で『強く生きる』心を鍛えることなんです...」
「なるほど、それで、信者から、金、とるんですか...?」
「はい、修行に必要な道具は、信者が増える度に、必要になりますからね」
「林カレイ君の母親は、彼に家に帰ってきてほしいと言っています」
「なるほど...コウイチさん、あなた、もしかして、リンクマスターですか?」
「ええ、こんな格好なのに、よくわかりましたね。おそらく彼が周りとなじめないのは、彼が断罪者(社会不適合者)だからです、彼にはいますぐケアが必要です」
「そうですか...あなたが石間コウイチさんですか...聞いた通りの人ね...」
「お知り合いに、僕のことを知っている人がいるんですか?」
「はい。私の名は、明日原ジョーコー、この宗教団体アイビリーブマイセルフの教祖で、『先生』の生徒です...」
「『先生』って、もしかして...」
「はい、桜原カエデです...」

次回予告  戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その3

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体とは一切関係ありません。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その4

第二百五十話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その4
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

依頼人・林マスニの息子である林カレイを、カルト教団アイビリーブマイセルフから、救うために、アイビリーブマイセルフに実習生として入信した、石間コウイチと奈良見ルナ。潜入捜査にもかかわらず、新人信者の歓迎会で奇声を上げて酔いつぶれた奈良見を見捨てたコウイチは宴会場で会ったミステリアスな美少女信者に導かれて、今回のターゲットである林カレイとの接触に成功する。
しかし、常軌を逸した修行に精を出す林カレイはコウイチの言葉に耳を貸さない。
コウイチは、林カレイを説得するために、そばにいた美少女信者にも協力してくれるように頼むが、美少女信者から返ってきた言葉はコウイチの想像を絶するものであった。
「そうですか...あなたが石間コウイチさんですか...聞いた通りの人ね...」
「お知り合いに、僕のことを知っている人がいるんですか?」
「はい。私の名は、明日原ジョーコー、この宗教団体ビリーブマイセルフの教祖で、『先生』の生徒です...」
「『先生』って、もしかして...」
「はい、桜原カエデです...」
そう、コウイチが美少女信者だと思っていた女性は宗教団体アイビリーブマイセルフの教祖で、あの桜原カエデの『生徒』でもある、明日原ジョーコーだったのだ。
「なるほどな...もしかして、この宗教団体もカエデの計画の一つなのか?」
「私がそれをお教えすると思いますか?」
「カエデはもう、協会の地下に封印されたはずだ、こんな宗教団体の運営にいったいどんな意味がある?」
「封印...?ウフフフフフフ...面白い人...」
「その様子だと、どうやら、俺の悪い感は当たっちまっているようだな...協会はもう、カエデの『生徒』達によって、内部から支配されている...そして、平和ボケした協会の上層部はそれに気付いていない...そうだろ?」
「あまりしゃべりすぎてしまうと、先生に粛正されてしまうんですよね...私」
「そして、このカルト教団の断罪者(社会不適合者)は皆、カエデの計画に必要は『駒』
...そして、お前の狂撃波動の能力はシンプルに洗脳...」
「それで、どうなさるおつもりですか?」
「悪いが、ここで潰させてもらう」
俺は明日原ジョーコーに向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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明日原ジョーコーは俺の狂撃波動を自らの狂撃波動↓で相殺する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂撃波動同士によるぶつかり合いが、周囲を閃光に包む。
明日原ジョーコーがどこかへと逃げていく足音が聞こえる。
俺はそれを追いかけようとするが、背後から、明日原ジョーコーに洗脳されていると思われる林カレイが俺にのしかかってくる。
「やっぱりな...明日原ジョーコーは断罪者(社会不適合者)たちに狂撃波動を当てて、洗脳して、それで宗教団体の信者にしていたんだ...!」
俺は林カレイに向かって狂撃波動↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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正気に戻った林カレイが気絶する。
「とりあえず、これで依頼は成功だが...問題は奈良見だな...」
肩に気絶したカレイを担いだ俺は、宗教団体アイビリーブマイセルフの施設から脱出するために、泥酔して酔いつぶれていると思われる奈良見を探す。
しかし、俺の目の前に、明日原ジョーコーの力によって洗脳されていると思われる信者たちが立ちふさがる。
信者たちは皆、すべて、手に刃物を持っている。
(まずいな...俺ならともかく、カレイにケガでもされたら、依頼失敗になっちまう...)
信者たちの背後から、明日原ジョーコーが歩いてくる。
「これで勝負は決まったわね、石間コウイチ...」
「勘違いしてんじゃねぇよ、俺がカレイの身の安全を考慮するのをやめたら、いくら多勢に無勢でもお前たちに勝目はねぇぜ」
「フフフ...私には、あなたが依頼よりも私情を優先するとは思えないわ...」
明日原ジョーコーが再び、俺に向かって右手のひらをかざしてくる。
「石間コウイチ、あなたに残された選択肢は、私の狂撃波動をくらって、私の操り人形になるしかない...抵抗すれば、林カレイは殺害する」
次の瞬間、宗教団体アイビリーブマイセルフの施設内の床から青い光の粒子が出現する。
「まさか...コレは...!」
突然の出来事に周囲を見回す、明日原ジョーコーは窓ガラスの外で起こっている現象を目にして、全てを察する。
「そう、俺があらかじめ、この宗教団体の施設の周囲に引いておいた『断罪陣』を発動させてもらった...」
『断罪陣』とは、狂撃波動を用いて形成された線で作成された図形式である。
そして、『断罪陣』の内側にいた断罪者(社会不適合者)全てを正常な状態に戻す狂撃波動の応用技である、しかし、『断罪陣』を使用した場合、断罪陣を使用した時間から24時間以内は狂撃波動を使用することはできない。
「完禁オージの時みたいに、いきなり多勢に無勢ってのは、もうごめんだからな...今回の依頼は宗教団体がらみだったから、信者の数も想定して事前に断罪陣を用意させてもらったぜ...」
「これが...先生を封じた、力...」
明日原ジョーコーと共に大勢の断罪者(社会不適合者)の信者たちが正常に戻ったショックで一斉に気絶していく。
しかし、口封じのためか、明日原ジョーコーの肉体が急速にゾンビと化していく。
「ちっ、カエデのやつ、口封じのために自分の『生徒』を...ってことは、俺の悪い感は、ほぼ確実に当たっちまってるのかもな...」
(でも、これで、カエデの計画に必要な信者達はもう正常に戻った...これでヤツの計画は大幅に狂ったはずだ...いや待てよ、もしかしたら、『断罪陣』を俺に発動させて、一時的に戦闘不能状態にするのがカエデの本当の目的...?)
考えてもきりがないので、俺はとりあえず、正常に戻った信者たちの身の安全を確保するために携帯で、警察と救急に電話する。
俺は警察と救急が来る間に奈良見の捜索を始めた。
しかし、以前、石間コウイチが完金オージが経営する心療内科ハートクラッシャーで感じたのと同じ、美少女の姿をした狂撃波動が石間コウイチの背後から襲いかかってくる。
(この感じ...やっぱり、そうきたか...!)
俺は女性の姿をした狂撃波動の攻撃を回避。
そして、俺の後ろには一人の男が立っていた。
「また、会ったな...山下テツヤ...!」
「いくら、あの石間コウイチでも、狂撃波動を使えなければ、ただの喧嘩が強いおっさんだからな...!」
「言ってくれるじゃねぇか...!」
(明日原ジョーコーはおとり、カエデの本命は俺が『断罪陣』を発動して、狂撃波動を一時的に使えなくなるタイミングを作り出すこと...であるならば、今回の依頼人、林マスニも...おそらく...)

次回予告 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その5

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体とは一切関係ありません。
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十一話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その5

第二百五十一話 戦慄!断罪者(社会不適合者)だらけの宗教団体‼その5

『断罪陣』の発動によって俺は、宗教団体アイビリーブマイセルフの教組と信者を断罪者(社会不適合者)から正常な状態に戻すことに成功した。
『断罪陣』の発動により、発動後24時間以内は狂撃波動が使用できなくなった俺の目の前で、教組でカエデの生徒でもある明日原ジョーコーが口封じのためにカエデに全ての力を回収されミイラ化、死亡する。
今回の依頼のターゲットである林カレイの無事を確認した俺は、酔いつぶれた奈良見を回収するために教団施設内を捜索する。
しかし、俺の目の前に現れたのは、カエデの生徒の一人、山下テツヤだった。
そう、狂撃波動が一時的に使えなくさせることこそが、今回のカエデの狙いだったのだ。
そして、それが正しければ、今回の依頼人である、林マスニもカエデの協力者である可能性がある。
一時的に狂撃波動が使えなくなった俺に向かって、山下テツヤの美少女の姿をした狂撃波動が容赦なく襲い掛かる。
(まずいな...これじゃあ、敵の攻撃をよけるので精一杯で、奈良見を探すことができない...)
俺は美少女の姿をした狂撃波動の蹴りやパンチを次々と回避する。
しかし、背後から山下テツヤの声が聞こえてくる。
「やっぱり元『孤影』のエースは伊達じゃないっすねぇ!」
山下テツヤが俺の後頭部に向かって蹴りを放ってくる。
山下テツヤと美少女の姿を姿をした狂撃波動に挟みうちにされた俺は瞬時に天井に向かってジャンプする。
山下テツヤが叫ぶ。
「今だァ!キリカァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
しかし、天井にできた黒いシミから突然、立花キリカが出現して、俺に向かって狂撃波動↓を放ってくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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(しまった!なら同時に二つ‼)
俺は懐から出してた二本のナイフをそれぞれ両手に持ち、急いで右手をキリカに、左手を山下テツヤと美少女の姿をした狂撃波動に向かってかざす。
俺が両手に持った二本のナイフから狂撃波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「おい、テツヤ!なんで断罪陣を使ってすぐの石間コウイチが狂撃波動を使えるんだ!」
「まさか!ナイフの形をした狂撃刀とでもいうのか‼」
二本のナイフから放たれた狂撃波動がテツヤとキリカの狂撃波動を相殺する。
『狂撃刀』とは、通常のリンクマスターが所持する武器の事である。
普通の人間はまず、コウイチのように狂撃刀なしに狂撃波動を放つことはできない。
狂撃波動を放つことができなくても、持ち主の人間の生命エネルギーを狂撃波動に変換して狂撃波動を作って放つことを可能にするために、リンクマスター協会が開発したのが『狂撃刀』である。
ちなみに、身体に与える影響を考慮して一日のうちに『狂撃刀』から放っていい狂撃波動の回数は3回までと協会で決められている。
そして、石間コウイチが使っているのは協会が開発した小型の狂撃刀、わかりやすくいえば、『狂撃短刀』である。
『断罪陣』の発動により一時的に狂撃波動が使えない石間コウイチでも、己の生命エネルギーを『狂撃短刀』通して、狂撃波動に変換することで狂撃波動が放てるようになるのだ。
「残念だったな...この『狂撃短刀』はまだ試作品でなぁ...カエデが俺の断罪陣で失敗した教訓を今回お前たちを使って活かしたように、俺も断罪陣を使って一時的に狂撃波動が使えなくなった時のために、ちゃんと武器を用意しておいたのさ...」
施設の外から俺が先程、電話で呼んでおいたパトカーと救急車のサイレンが聞こえてくる。
キリカが叫ぶ。
「チッ、増援が来たぞ!どうするテツヤ!」
「とりあえず、狂撃波動を使って、アジトに戻るぞ!」
「させるかよォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼」
俺は狂撃短刀から再び狂撃波動を、撤退を始めたテツヤとキリカに向かって放つ。
テツヤは地面に。
キリカは天井に作った狂撃波動の影からカエデのいる協会の地下へと撤退を始める。
撤退を始めたテツヤとキリカに、俺の放った狂撃波動が直撃すると思われた、次の瞬間。横から放たれた狂撃波動がテツヤとキリカに直撃するはずの狂撃波動を相殺すると同時に俺の全身を包む。
「ぐあああああああああああああああああああああああッ‼」
(ちっ、また新手か...)
撤退を完了したキリカとテツヤ。
そして、俺の目の前には依頼人、林マスニが立っていた。
「お前の敗因は、敵が二人だけであると決めつけてしまったことだ...」
「ふん、そういうお前はいいのか?警察と救急が、もうそこまで、来ているんだぜ?」
「相手の心配をしている場合かい?」
俺の全身を激痛がはしる。
「ぐあああああああああああああああッ!」
「私が先生から授かった狂撃波動の力は『毒』。私の狂撃毒波動を受けた者は断罪者(社会不適合者)になることもなく必ず死ぬ...そう、たとえ、それが石間コウイチ、お前であってもだ...」
狂撃毒波動の使い手、林マスニが地面に手をかざすと、地面に大きな影が広がる。
地面に横たわっている断罪者(社会不適合者)から正常な社会人に戻ったばかりの信者達が地面にできた影に吸い込まれていく。
「お前、いったいなにをするつもりだ...!」
「お前の断罪陣で正常に戻った、私の息子も信者達も...先生の狂撃波動でまた断罪者(社会不適合者)にしてしまえば、先生の計画はまた動き出す...」
「貴様...自分の息子のカレイまで犠牲にするつもりなのか...」
林マスニはふいに切なそうな表情になるも、何も言い返さずに、地面にできた大きな影を使って、自分自身と息子と信者たちをどこかへと転送した。
宗教団体アイビリーブマイセルフの施設内に取り残されたのは毒に苦しむ石間コウイチと酔いつぶれて気を失っている奈良見ルナだけだった。
完全なる敗北だった。

次回予告 『来るべき日』その1

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体とは一切関係ありません。 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十二話 『来たるべき日』 その1

第二百五十二話 『来たるべき日』 その1

依頼人・林マスニは桜原カエデの生徒だった。
林マスニに依頼を受けて宗教団体アイビリーブマイセルフに潜入した石間コウイチは、そこでカエデの生徒の一人である明日原ジョーコーと洗脳状態にある信者達を『断罪陣』により、正常な状態に戻す事に成功する。
『断罪陣』の発動により、狂撃波動をつかえなくなった石間コウイチはカエデの生徒である山下テツヤと立花キリカに襲撃されるも、緊急時のために持参していた『狂撃短刀』により、難を逃れる。
しかし、撤退を始めたテツヤとキリカを逃さんと、『狂撃短刀』から狂撃波動を放った石間コウイチを林マスニの『狂撃毒波動』が襲う。
そう、今回の依頼は、最初から石間コウイチを殺害するために用意された桜原カエデの策略だったのだ。
林マスニの『狂撃毒波動』により、全身を駆け巡る激しい激痛にもだえ苦しむ石間コウイチ、そしてその間に、断罪者(社会不適合者)の状態から正常な状態に戻した信者達が林マスニによって、どこかへ拉致されてしまう。
林マスニの口から、断罪者(社会不適合者)の状態から正常な状態に戻した信者達を再び、カエデの狂撃波動によって、断罪者(社会不適合者)にして、カエデの計画に利用することを知ったコウイチは全身をはしる激痛にもだえ苦しみながら、自身が完全に敗北したことを痛感するのだった。
石間コウイチの通報により、宗教団体アイビリーブマイセルフの施設内で倒れていた石間コウイチと奈良見ルナが救急隊員達に担架に乗せられて、救急車に担ぎ込まれる。
それと同時に警察は宗教団体アイビリーブマイセルフの施設内の現場検証を始めた。
酔いつぶれて気絶していた奈良見ルナは病院のベットの上で目を覚ます。
奈良見ルナはそのままベットから起き上がり、石間コウイチの容態を見るために、病院内を歩き始める。
途中でナースに止められる。
「ちょっと奈良見さん、勝手に病室を出てもらっては困ります!」
「すみません、石間さんは...石間コウイチは今、どこにいるか知りませんか?」
「石間コウイチさんは今、原因不明の感染症により、集中治療室にいます...」
「原因不明の感染症?それに集中治療室って...いったいどういうことですか?」
背後から女刑事・新田みくが声をかけてくる。
「奈良見さん、すこし落ち着きなさい...」
「みくちゃん!私が酔いつぶれていた間に、いったい何があったんですか?」
「簡単に言えば、石間君は、桜原カエデの生徒3人に襲撃されて、敗北した。そして、その内の一人が放った狂撃波動を受けた石間君がそのまま、気を失ってしまった。宗教団体アイビリーブマイセルフの防犯カメラの映像を見る限りでは、それしか言えないわ...」
「そんな...私がふざけていたばかりに、石間さんが...」
奈良見ルナは深い自己嫌悪に陥る。
一方、リンクマスター協会の地下ではついに、桜原カエデの計画が動き出そうとしていた。
「よくやったわね、林マスニ...あなたのおかげでコウイチはほぼ、無力と化した...」
「ありがとうございます、それでは先生、約束通り、『来るべき日』、息子のカレイの命は...」
「ええ、あなたの息子の身の安全は保証してあげるわ...それにしても、これでようやく全員集合したわね、私の生徒達が...」
竹田マサタカ...自殺系狂撃波動の使い手。
立花キリカ...自殺系狂撃波動の使い手。
山下テツヤ...分離型狂撃波動の使い手。
林マスニ...毒系狂撃波動の使い手。
能野村リョウタロウ...狂撃波動の固有能力を一時的に無効化する狂撃波動の使い手。死亡。能力回収済み。
完禁オージ...洗脳系狂撃波動の使い手。死亡。能力回収済み。
明日原ジョーコー...洗脳系狂撃波動の使い手。死亡。能力回収済み。
「まぁ、随分、減ってしまったけど、明日原ジョーコーの信者たちがこれだけいれば、作戦は必ず成功するわ...」
監禁状態の桜原カエデの前には、明日原ジョーコーから回収したカエデの狂撃波動を受けて、再び、洗脳状態となってしまった信者(断罪者(社会不適合者)たちが並んでいる。
その数、およそ1000人。
明日原ジョーコーから、桜原カエデの信者と化した信者たちは皆、迷彩服を身にまとい、銃とナイフを装備している。
それは、もはや、宗教団体の信者というより、軍隊の兵士と言ったほうが正しいかもしれない。
協会の警備員の格好をした竹田マサタカが懐から出した錠を使って、拘束状態のカエデを解放する。
カエデが生徒と信者たちに向かって両手を広げ、声高らかに宣言する。
「それでは、ここに『孤影』の再結成を宣言させてもらうわ。そして、今日この日を『来るべき日』とし、ここに『オペレーション・ユートピア』を発動する。各信者たちは各『生徒』達の指示に従い、日本各地のリンクセンターとリンクマスター協会を占拠、掌握しなさい!我々の手によって、人類すべてを争いのないユートピアに導きましょう!」
こうして、『オペレーション・ユートピア』が開始された。
その日、日本各地のリンクセンターとリンクマスター協会がカエデの生徒と信者達により、武力と狂撃波動によって、占拠、掌握された。
政府には樽が送られ、樽の中には人間の頭部が7つ収納されていた。
これにより、日本各地のリンクマスター代表である、
リンクマスター・北海道代表・松本セイト
リンクマスター・関西代表・榊原チズオ
リンクマスター・中部代表・櫻井ナツコ
リンクマスター・四国代表・鶴鶴タカヒロ
リンクマスター・中国代表・鈴木リサ
リンクマスター・九州代表・成海タツオ
リンクマスター・近畿代表・八巻ルナ
の死亡が確認された。

次回予告 『来たるべき日』その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十三話 『来たるべき日』その2

第二百五十三話 『来たるべき日』その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

石間コウイチの無力化を確信したカエデはかつて自分が率いていた戦闘集団『孤影』の再結成を宣言すると同時に『オペレーション・ユートピア』を発動。
カエデの傀儡と化した信者たちと生徒達によって、日本各地のリンクセンターとリンクマスター協会は占拠、掌握されてしまった。
こうして日本国内のリンクマスター運営は実質、停滞状態になる。
孤影はその後、武力によって日本の心臓である国会政議事堂を占拠。
これにより、国民の血税を搾取する寄生虫のごとき、国のリーダーと、それに従う金魚のフンのごとき国を管理する一部特権階級のゴミども約700人が殺害された。
桜原カエデと、その『生徒』達が持つ人知を超えた狂撃波動の力の前では、もはや銃火器など敵ではなかった。
この国はかつてカエデが率いる『孤影』が救済する前の秩序と平和を失った国に戻ってしまったのだ。
そして、現在、皮肉にも、その惨状を作り出したのもまた、カエデが率いる新たな『孤影』だったのだ。
国の心臓を『孤影』に支配され、完全に指揮系統を失った警察や自衛隊は、この現状を静観することしかできない。
それはすなわち、最悪の場合、この国を影から支配している米軍の日本への軍事介入を意味していた。
米軍が『孤影』鎮圧のために、日本に軍事介入を開始すれば、日本は戦場となり、なんの罪も力もない国民がその戦火の犠牲になるのだ。
こうして、日本は一夜にして桜原カエデ率いる『孤影』によって支配されてしまった。
国会政議事堂では、カエデの生徒と信者たちが、殺害した約700人のゴミども死体の片付けをしていた。
死体の腐臭が漂う中、カエデはのんきにチキン南蛮を食べていた。
「シャバの飯がうまいってのは、どうやら本当みたいね?」
カエデはハンカチで鼻を抑えている竹田マサタカに話しかける。
「この匂いの中で、よく食べられますね...」
「ええ...私は幼いころから戦場にいたからね...そういえば、あなた達はこういう血生臭い場を経験するのは初めてだったわね...」
「はい、しかし、これも先生が作り上げるユートピアに必要な犠牲です...新世界に古き者は必要ありません...」
チキン南蛮を食べるカエデの箸の動きが止まる。
「先生、どうかいたしましたか?」
「妙な気配を感じるわね...」
「妙な気配?石間コウイチは林マスニの狂撃毒波動で瀕死状態のはずです、仮に意識を取り戻しても、戦力にはなりますまい...」
「コウイチじゃないわ...もっと厄介な奴よ...今更なにをしに来たっていうの?」
カエデの予感通り、この国にある男が足を踏み入れたのは事実である。
そう、この物語の始まりを意味する男、カエデとコウイチに狂撃波動の力を授けた男、『断罪王』が。
「竹田君、いますぐ、コウイチが入院している病院に林マスニを向かわせなさい」
「それは、いったい、どういうことですか?石間コウイチはすでに...」
「あの男を...今のコウイチに会わせるわけにはいかないわ...」
石間コウイチと奈良見ルナが入院している病院に黒いローブをまとった一人の男が入ってきた。
男は診察の順番待ちの用紙の名前の欄にこう記した↓。
『断罪王』
断罪王はそのまま、石間コウイチが眠っている集中治療室に向かって歩き出す。
集中治療室に突然、現れた黒いローブを身にまとった怪しげな男に、医療スタッフと、コウイチを見守っていた奈良見ルナが驚愕の声を上げる。
「あ、あんた誰?」
「石間コウイチに以前、聞いているはずだ、コウイチとカエデに狂撃波動の力を授けた男
のことを...」
「もしかして...断罪王...‼」
「その通りだ、とりあえず、君以外の方々には、すこし眠っていてもらおう」
断罪王が指パッチンをすると、奈良見ルナ以外の医療スタッフが一斉に気絶する。
「どうして、私だけ気絶させなかったんですか...?」
「君が俺のことを知っているということは、石間コウイチが俺のことを君に話したということだ、つまり君は石間コウイチが信頼している人物...そうだろう?」
「でも、私はあの日、酔いつぶれて、全然、石間さんの役に立てなかった...」
「過ぎたことを気にしても仕方がない、石間コウイチは、俺が蘇生させる...」
次の瞬間、集中治療室全体に林マスニの狂撃毒波動↓がばら巻かれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、断罪王が手のひらから出した狂撃波動↓によって、狂撃毒波動は一瞬で消滅する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「そんな...私の狂撃毒波動が...」
「カエデに力を与えたのは、この俺だ。そのカエデからもらった力を使う君たちが、俺に勝てると思っているのかい?」
「き、貴様、やはり、先生の言っていた断罪王か!監視者のくせに今更、何をしに来たんだ!」
「俺は君が崇拝しているカエデやコウイチより、上位の存在だ。俺はゲームをもっと面白くしにきただけだよ...それとも、まだ俺と戦うかい?」
「石間コウイチを蘇生させにきたのか...?」
「ああ、ゲームマスターには、その名の通り、ゲームを面白くする権利がある。復活した石間コウイチが、この国の支配者と化したカエデとどんな戦いを繰り広げるのか、俺はそれが見たいだけなんだ...」
戦っても勝目がないことを思い知った林マスニ、しかし、林マスニに撤退の二文字は許されていない。
断罪王が林マスニにとどめをさそうとする。
任務に失敗し、カエデに失望されれば、それはすなわちカエデに人質に取られた息子の林カレイの死を意味しているのだから。
次の瞬間、断罪王の蘇生処置をまだ受けていない石間コウイチがベットから起き上がった。
「石間さん‼」
「これは驚いたな...自力で蘇生した...いったいどういうことだ?」
「勝手に人を死人扱いするなよ...久しぶりだな...断罪王...悪いが、その女にはまだ話したいことがある...」
「石間コウイチ...なぜ、あの状態から...自力で起き上がれる...それに、君はあの女に殺されかけ、そして今、あの女は君を殺しに来たんだぞ...」
「たとえ林マスニがカエデの刺客でも、俺は林マスニに依頼されたんだ...息子の林カレイを助けてほしいってな...俺はリンクマスターだ、だから、依頼は必ず達成させる...」
「石間さん...!」
「奈良見、お前、なんで泣いてんだ...泣いている暇があるなら、とっととカエデを止め行くぞ...」
断罪王が心配そうにコウイチに訪ねる。
「カエデたちはすでにこの国を支配した、いくらお前でも多勢に無勢だぞ...」
「なんだよ...ゲームマスターのお前さんにしてみれば、そっちのほうがむしろ、おもしろいんじゃねぇか?それに、俺はカエデと別れてから無意味に世界中を旅していたわけじゃない...」
「なにか秘策があるというのか...?」
「そんなことよりもだ、とっととカエデを止めないと、痺れをきらした米軍が『孤影』を殲滅するための軍事介入を始めちまう、そうすりゃあ、日本は戦場になり、本来流れなくてもいい、血が流れることになる...行くぞ、奈良見、俺たちの依頼はまだ終わっちゃいない...」
林マスニが狂撃毒波動を再び、石間コウイチに放つために、右手をコウイチに向かってかざす。
「林マスニ...確かに、あんたはカエデに人質に取られた息子のためにそうするしかないのかもしれない...でも、ここは俺のことを信じてくれないかい?カエデの契約しちまったアンタは手遅れとして、アンタの息子は俺が必ず救ってやる...それが、俺がリンクマスターとして、あんたに言ってやれる最後の言葉だ...」
林マスニがコウイチに何も言わずに頭を下げる。
それは、コウイチに全てを託したということを意味していた。
そして、当然のごとく、カエデへの忠誠心を捨てた林マスニの体がミイラのように腐敗していく。
「息子を...カレイを助けてください...」
「ああ、約束する」
断罪王がコウイチに話しかける。
「瀕死状態のお前がなぜ、回復できたのか、俺はあえて問うまい...しかし、俺の力を使えば、お前は今よりもっと強い力を手にいてることができる...試してみるか?」
「断罪王現象が世界中で起きたのは、お前が狂撃波動の力をカエデに与えたせいだ。だから俺はお前の施しは受けない。それに人の人生をゲームに例えるような、ゲス野郎は信用できない、罪滅ぼしがしたいのかよくわからんが、俺はお前には頼らない...」
石間コウイチと奈良見はそのまま、病院から、カエデの待つ、日本の心臓・国会政議事堂へ向かう。

次回予告 『来たるべき日』その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十四話 『来たるべき日』その3

第二百五十四話 『来たるべき日』その3
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

病院を無断で退院した石間コウイチと奈良見ルナは、桜原カエデの待つ、国会政議事堂へと向かっていた。
携帯のネットニュースを見たコウイチがぼやく。
「ちっ、カエデのやつ、生徒と信者を使って、日本各地の自衛隊の基地まで占拠しやがった...アイツ、本当に国内で米軍と戦争するつもりだぞ...」
「そういえば、石間さん、いったいどうやって生き返ったんですか?」
「うるせぇ!」
「そうですよね...あの日、私が宗教団体の宴会で酔いつぶれたせいで、私はなんの役にも立てなかった...そんな役立たずと口なんて聞きたくないですよね...」
「勘違いするな、役に立たなけれは、お前を病院から連れ出していない。お前には渡すものがある、だから絶対に死ぬな」
「もしかして、石間さん、私にプロポーズするつもりですか?渡すものって結婚指輪ですか?でも私、正直、石間さんみたいなタイプの男性は...」
「そんなわけねぇだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼」
「ですよねぇ」
「にしても、カエデのせいで、インフラが完全に止まっちまってる。これじゃあ、国会政議事堂まで徒歩で行くしかねぇな...」
その一方で、断罪王は石間コウイチと奈良見ルナよりも先に、国会政議事堂に到着していた。
断罪王の前に、カエデの生徒である、竹田マサタカ、立花キリカ、山下テツヤが立ちはだかる。
「おやおや、玄関で、お出迎えとは、ずいぶんと歓迎されているようだな、俺は...」
竹田マサタカが断罪王に忠告する。
「先生から、頼まれたんですよ、あなたを潰せってね...」
竹田マサタカ、立花キリカ、山下テツヤが一斉に己の狂撃波動↓を断罪王に向けて放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、断罪王が右手から放った狂撃波動↓は、三人分の狂撃波動を一瞬で消滅させる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「お前たちはバカか?先程、林マスニにも説明したが、カエデに狂撃波動の力を授けたのは俺だ、そのカエデからもらった力を俺にぶつけたところで、お前たちが俺に勝てるわけがない...」
次の瞬間、竹田マサタカ、立花キリカ、山下テツヤが手に持った拳銃から銃弾を断罪王に向けて一斉に放つ。
正面から銃撃を受けた断罪王の全身から大量の血が流れだす。
竹田マサタカが血まみれの断罪王を嘲笑う。
「そんなことはぁ、知ってるんですよぉ、だからこうして、狂撃波動ではなく、近代兵器で殺らせてもらいました...」
しかし、銃撃を受けたはずの断罪王の体にできた傷口が一瞬で再生する。
山下テツヤと立花キリカは神のごとき、断罪王の力に驚嘆する。
「「す、すげぇ...」」
二人の反応に竹田マサタカがキレる。
「貴様らァ!感心している場合かァ!」」
「俺は断罪王...狂撃波動を有するお前たちに銃火器が通用しないのと同じように、俺にはお前たちの常識は通用しない...」
山下テツヤが断罪王に問いかける。
「一つ聞いていいか?お前の力は、死んでしまった人間を生き返らせることはできるのか?」
「西村アサリのことか...」
「なぜそれを?」
「俺はこの世界の監視者であり、この狂撃波動による戦いのゲームマスターでもある、未来予知はできんが、俺に知らないことはない。それで質問に答えよう、死んでしまった人間は生き返らない、お前の先輩はもう、戻ってこない」
「そうか...なら、もう俺に戦う意味はない...」
断罪王の言葉を聞いた山下テツヤは自分の体から西村アサリの姿をした狂撃波動を切り離す。
山下テツヤは西村アサリの姿をした狂撃波動を国会政議事堂のロビーに残して、どこかへ去っていった。
山下テツヤの腹部に黒く太く細長い柱のようなものが突き刺さる。
突然の出来事に、マサタカとキリカが背後を振り返る。
そこには、桜原カエデが立っていた。
「肉体から狂撃波動を完全に切り離せるあなたを狂撃波動を通して、粛正することはできない、なら、物理的に粛正するだけよ...山下テツヤ君?」
「桜原...カエデ...」
「よかったわね、これで天国の先輩に会えるわよ...」
カエデの言葉を聞いたテツヤは腹部から大量の血を流しながら、笑い始める。
「アッヒャッヒャッヒャッ‼」
そう、西村アサリ蘇生の夢が実現不可能であることを知った今のテツヤにとって、死は救いだったのだ。
西村アサリの姿をした狂撃波動はそのまま、カエデの体内に吸収されていく。
それと同時に、竹田マサタカと立花キリカの狂撃波動もカエデの体内に吸収されていく。
それは、竹田マサタカと立花キリカの死を意味していた。
「断罪王に勝利するために...返してもらうわよ...私の力...」
死ぬ寸前だというのに、竹田マサタカは恍惚の表情を浮かべている。
「うううう...僕はァ!僕は...愛する人のためにこの身を犠牲にできる...僕は今、最高に幸せだァァァァァァァァァァァァ‼」
竹田マサタカは、その全身をミイラのように腐敗させ、死亡した。
「竹田君、あなたがさっきスーパーで買ってきたチキン南蛮おいしかったわよ...」
カエデに力を奪われ、全身をミイラのように腐敗させ、死んでいく立花キリカは竹田マサタカとは逆に悲痛な叫び声を上げる。
「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼」
こうして、桜原カエデは完全に力を取り戻すことに成功した。
「これで全力を発揮することができるわ...よくも私の計画を邪魔してくれたわね...断罪王...」
「君は本気で俺に勝てると思っているのか?」
「力で勝つ必要はないわ...」
カエデの全身から狂撃波動でできた触手が放たれ、断罪王の全身を捕らえる。
「力で勝てないのであれば、吸収してしまえばいい...」
断罪王の全身が狂撃波動に変化して、カエデの体内に吸い込まれていく。
「なるほどな...先程の生徒達から狂撃波動の力を吸収するのと同じ原理で、狂撃波動で肉体が構成された俺そのものを体内に吸収しようというわけか...しかし」
断罪王のその言葉が終わる前に、断罪王そのものが桜原カエデの体内に吸収されてしまった。
「さようなら...断罪王...いえ、闇崎ムツト...今日から私が断罪王よ...」
この日、断罪王・桜原カエデが誕生した。

次回予告 桜原カエデ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十五話 桜原カエデ その1

第二百五十五話 桜原カエデ その1

桜原カエデと石間コウイチに人知を超えた力である、狂撃波動を与えた男、断罪王・闇崎ムツト。
カエデは自分とコウイチよりも上位の存在である断罪王の力を手に入れるために、断罪王そのものを自らの体内に吸収した。
こうして、断罪王・桜原カエデが誕生した。
その一方で、石間コウイチと奈良見ルナは桜原カエデが狂撃波動と武力で占拠した国会政議事堂に向かっていた。
「石間さぁ~ん、いくらここが都内でも、やっぱり徒歩で国会政議事堂まで行くのはやっぱキツイっすよ~」
「しょうもねぇこと言っている暇あるなら足動かせぇ!とっととカエデを止めねぇと、米軍が本格的に都内に進軍を開始しちまうんだぞぉ!」
そう、桜原カエデが率いる『孤影』によって、国会政議事堂にいた国のリーダーと、国民の血税を搾取して豪華な暮らしをしていた、その金魚のフン共は全員殺されてしまった。
国のリーダーを失い、指揮系統を完全に失った警察や自衛隊は、この緊急時でさえも動くことができない。
そして、この国を影から支配している米軍はこの自体を解決するために、『孤影』殲滅のために武力侵攻の準備を始めていた。
それは日本そのものが戦場になることを意味していた。
そうなれば、当然、国民全体がその戦火の犠牲になるということだ。
つまり、米軍が日本国内に侵攻を開始するまでに、石間コウイチがカエデを止めることができなければ、日本が戦場になってしまうのだ。
上空から黒いビームのようなものが降ってくる。
黒いビームは地面に衝突し、その衝撃によって発生した煙が石間コウイチと奈良見ルナの視界を覆う。
そして、煙の向こうには、桜原カエデが立っていた。
「なんだよ...まさか、そっちから、ぶっ飛ばされにくるとはなぁ...正直助かったぜ...」
「コウイチ...悪いけど、無駄話をしている暇はないのよ...あなたを倒しても、私には米軍と戦う運命が待っているのだから...」
「この気配...お前、断罪王を取り込んだのか?」
「その通りよ、今の私はあの破壊神オルトロスに選ばれた断罪王オルトロス・闇崎ムツトと一つになり、その力を得た。この力があれば、私はこの世界から人類を一人残らず消すことができる...」
カエデの背後から狂撃波動で構成された黒い触手が無数に放たれる。
触手は奈良見ルナの全身を捕らえる。
「石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼」
「バカね、コウイチ...どうして、わざわざ、この女を連れてきたの?とりあえず、コウイチ、もう一度、私に忠誠を誓えば、この女の命を助けてあげてもいいわ...」
「お前は俺を殺しに来たんじゃないのか...」
「ええ、最初はそのつもりだった。だから林マスニをあなたのもとへ刺客として向かわせた。でも、あなたは生き延びてしまった...おかげで、ますますあなたに興味が出てきたわ...」
「人類を滅ぼそうとしているお前がが今更、どうして仲間を求める?」
「よく言うじゃない、世界が滅亡する日、あなたならどうする?って...私はね、あなたと二人で世界最後の人類になって、あなたと二人で心中したいだけ...」
「石間さんとカエデさんやっぱり付き合ってたんですか!」
「うるせぇ!そんなわけねぇだろォ!奈良見ィ!つーか、おめぇよく人質に取られた状態でそんなこと言えるなァ‼」
「そうね...あなたの助手は大した度胸ね...それでコウイチ、あなたの答えは...」
「今さら、こんなこと言うのは自分勝手だと思ってるが、あえて言わせてもらう、俺はお前を殺したくない...」
「うん...」
コウイチの言葉にウブな少女のように答えるカエデを見て、奈良見は思う。
(これ、もしかして)
「ガキの頃、お前に拾われなかったら、俺は今日まで生きていなかったと思う...」
「うん...」
(これ、もしかして、石間さんとカエデが幸せなキスしたら、なんか色々一件落着する感じのアレじゃね?そうすれば私の命も助かるかもだし!)
「でもなァ!俺はどちらかといえば、巨乳派だァ!おめぇみてぇな中途半端なバストの女は異性として見れねぇんだよォ‼あと俺、チキン南蛮、キライ!あの甘いのか、しょっぱいのかはっきりしない味がキライ!」
(石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ‼)
まるで、思い人にフラれた少女のように涙を流し、頬を膨らませるカエデ。
奈良見は思う。
(私、今、いったい何を見てるんだろう...)
その隙に、コウイチは狂撃短刀で、奈良見ルナの全身を捕らえている触手を切り裂く。
そして、触手から解放された奈良見の全身を両手で受け止めるコウイチ。
偶然とはいえ、コウイチが奈良見をお姫様抱っこしている構図がカエデの中の怒りをますます大きくする。
「あ~あ、石間さんがカエデちゃん泣かした~!」
「お前もう一度、カエデの人質になってくるか?」
コウイチにフラれたカエデは号泣しながら地面に向かって何度も地団太を踏んでいる。
「石間さん、カエデなんかキャラ崩壊してませんか?」
「いや、アレが素なんだよ、実は、繊細なのアイツ」
「そう...コウイチは私より、その女を選ぶのね...?」
「勝手に誤解すんなァ‼そして俺に好かれたかったら、もうこれ以上、世界全体に迷惑をかけるなァ‼」
カエデの表情が急に真剣になる。
「ぐすっ、ぐすっ...今のはただの、お、お芝居...別に全然悲しくなんてないんだから...」
「うそつけェ!」
「とりあえず、後悔させてあげるわ...私の好意を拒絶したことを...」
桜原カエデの衣服が粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
コウイチと奈良見の前に、カエデが変神した断罪王オルトロスが出現する。
「い、石間さん...か、カエデが巨大化した...」
「見りゃあ、わかる、あれが、THE翼によるオルトロス革命を成功させた禁断の人型兵器、断罪王オルトロス...かつて、アレに変神した闇崎ムツトが中心になって、この国の秩序と平和を壊し、俺とカエデの両親を死んじまった...そうして、初代『孤影』が生まれちまった...」
そう、カエデは以前自分が経験した悲劇をもう一度繰り返そうとしているのだ。
「死んじゃえ...狂撃波動...オルトロスインパクト...‼」
巨大人型兵器・断罪王オルトロスと化したカエデの右手のひらから巨大な狂撃波動↓がコウイチと奈良見に向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」

次回予告 桜原カエデ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十六話 桜原カエデ その2

第二百五十六話 桜原カエデ その2

ついに、石間コウイチと桜原カエデの最終決戦が始まった。
奈良見ルナを人質に取ったカエデはコウイチに仲間になるように提案する。
しかし、コウイチはカエデの好物であるチキン南蛮とカエデのバストを否定して、カエデを女性として意識できないことを告白する。
コウイチの心無い言葉に、落ち込むカエデ。
コウイチはその隙に奈良見の救出に成功するが、カエデは体内に取り込んだ断罪王の力を解放してしまう。
巨大人型兵器・断罪王オルトロスに変神したカエデの狂撃波動オルトロスインパクト↓がコウイチと奈良見を襲う。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
絶体絶命と思われた、その瞬間、奈良見を両手に抱えたコウイチの両足が、地面にできた影から飛び出した何者かの両手によって、影の中に引きずり降ろされる。
気が付くと、コウイチと奈良見はカエデが変神した断罪王オルトロスの背後にワープしていた。
そして、コウイチと奈良見の横には、カエデに殺されたはずの、山下テツヤがいた。
山下テツヤの出現にカエデは困惑する。
「山下テツヤ...どうして、あなたが生きているの...?」
「アンタが殺したのは、俺が自分の狂撃波動の一部を切り離して作った俺の偽物だ、つまり、遠隔操作も可能ってわけだな...もちろん、あんたが俺から奪った力も、さっき言ったのと同じ偽物だ...」
「フフフ...なるほど...でも私を殺しても、あなたの先輩は戻ってこないわよ...」
「ああ、わかってる...でも復讐はできる...」
「山下テツヤ...よくわからんが、こっちの味方と思っていいのか?」
「石間コウイチ...俺は昔、世界中を旅してきた、そして、その途中である共通する図形式を各地で何度も目撃した...そして、世界地図にさ、その図形式があったポイント同士を繋いでみたら...日本を中心にした一つの円になった。それで、あの日、宗教団体アイビリーブマイセルフであんたが発動した『断罪陣』を見て、ピンと来たよ...あんたの思惑がね...だから俺も手伝わせてもらうぜ...」
『断罪陣』とは狂撃波動で書かれた図形式のことである。
『断罪陣』の内部にいた断罪者は皆、全身に狂撃波動を浴びて正常な状態に戻る。
しかし、この『断罪陣』を発動すれば、その日はもう、狂撃波動を放つことはできない。
つまり、『断罪陣』を発動してから24時間経たなければ、石間コウイチは狂撃波動を放つことができない。
「ケッ、ガキのくせに、おもしろくねぇやつだぜ...そういうことなら、テツヤ、『アレ』を発動する前にちょっと、やっておきたいことがある...それまでカエデを足止めしておいてくれ...」
「いいけどさぁ、あんまり長い時間は、多分、無理っすよ...」
「大丈夫、すぐに終わる...行くぞ、奈良見...」
コウイチは奈良見を両手に抱えたまま、カエデから離れていく。
カエデは自分から逃げていくコウイチと奈良見に向かって、手のひらをかざす。
「逃がさないわよ...‼」
しかし、断罪王オルトロスと化したカエデの前にテツヤが立ちはだかる。
「おっと、石間さん達の邪魔はさせないぜ...」
テツヤは肉体から分離させた美少女の姿をした狂撃波動をカエデに向かって放つ。
美少女の姿をした狂撃波動は巨大な蛇に姿を変え、断罪王オルトロスと化したカエデの巨体に絡みつく。
「力じゃ、絶対、今の『先生』に勝てねぇからな...こうして、動きだけでも封じさせてもらうぜ...」
「まったく、出来の悪い『生徒』を持つと苦労するわね...」
「最高の誉め言葉だぜ...」
テツヤがカエデの足止めをしている間、コウイチは奈良見を両手に抱えて走っていた。
「い、石間さん、もしかして、テツヤをおとりにして、逃げるつもりですか?」
「ちげーよ!ここまで、離れれば、なんとかなるか...」
コウイチが両手で抱えていた奈良見を海辺の砂浜に下ろす。
「それで...えっと...な、奈良見、今までありがとよ...」
「石間さん、なんですか、急に...もしかして、死ぬんですか?」
「そう...なっちまうかもな...」
「いや、さっきの、冗談のつもりで言ったんですけど、マジか‼」
「ああ、マジだ...前にも話した通り、俺はカエデのせいで発生した断罪王現象をなんとかするために、世界中を旅して、各国のトップに断罪者(社会不適合者)をケアするリンクマスターの職種の必要性を説いていた...そして俺は、その途中で、今日この日のために、世界各地に日本大陸を囲むぐらい大きなサイズの『断罪陣』の図形式を各地に引いた...」
「それって、つまり、世界中に日本を中心にした巨大な『断罪陣』を引いたってことですか?」
「ああ、俺が世界中に日本を中心に囲むようにに引いた『断罪陣』を発動すれば、カエデも止められるし、『断罪陣』の内側にいた断罪者(社会不適合者)はもちろん、カエデに再洗脳された信者たちも正常な状態に戻るはずだ...でも、断罪陣は発動範囲が大きければ大きいほど、消費するエネルギーが大きくなる、おそらく、世界規模の『断罪陣』を発動したら、その莫大なエネルギー消費に俺の体が耐えきれずに死んじまう可能性が高い...だからコレをお前に託す...」
コウイチはスーツのポケットから出した、くしゃくしゃの紙を奈良見に手渡す。
奈良見はくしゃくしゃの紙を広げる、それは、リンクセンター石間の責任者や所有権について記されている重要な書類だった。
それを見た奈良見の両目から涙がこぼれる。
奈良見はその紙に何が書いてあるのか見て、全てを察した。
だから、あえて、わからないふりをした。
「石間さん...私、こういうのわかりません...私...こういう難しい書類...キライなんです...」
「バーカ、見て見ぬふりをしてんじゃねぇ、ちゃんと紙を見ろ!」
重要な書類の責任者の欄には、奈良見ルナと記されている。
「嫌です!無理です!私、まだ新人ですよ!こんなのあんまりです!」
「お前、リンクセンター石間に初出勤した時のこと覚えてるか?」
「石間さん...私にはできません...」
「断罪王現象のせいで断罪者(社会不適合者)になっちまった親友が自殺したのがきっかけで、偏差値一桁台のお前が国家試験に受かってリンクマスターの資格を得た話...俺さぁ...その話聞いて、お前のことクソバカだけど、正直すげぇ奴だなって思ったよ...」
「どうして、そういう大事な話、今になって...そんなのって...」
「面接の時さ、お前が言った、断罪王現象で不幸になる人をこの世界からなくしたいっていうお前の志望動機、アレ、聞いたときさぁ、俺はこのリンクマスターっていう職業を世界中に広めたことを誇りに思えた...嬉しかった...」
「カッコつけて、面倒なことは全部に私に押し付けて...」
「それと同時にお前に悪いことしたなぁ~って思った、めちゃくちゃ後悔した...だってよぉ、俺がカエデをもっと早い段階で止めることができれば、お前の親友は自殺せずに済んだかもしれなかったんだ...それなのに...」
「石間さん...今まで一緒に働いてくれて...」
「そんな俺と、今まで一緒に働いてくれて...」
「ありがとうございました!」
「ありがとな...」
最後の挨拶を終えたコウイチと奈良見の前に、ボロボロになった山下テツヤの体が転がってくる。
「すんません、石間さん...どうやら、俺は...ここまでが限界みたいです...」
力を使い果たしたテツヤが気絶する。
「上出来だ...」
コウイチが腕時計を見る。
上空から断罪王オルトロスと化したカエデが降りてくる。
「おまたせ...コウイチ...出来の悪い生徒の生活指導に時間がかかっちゃってね...」
これでもう、断罪王オルトロスと化したカエデの攻撃を回避する方法はなくなってしまった。
「別に、待ってねぇよ...おっ!そろそろ24時間経ったな...そんじゃ...始めるか...‼」
石間コウイチが地面に右手のひらをつける。
次の瞬間、世界中に日本を中心に囲むように引いた、超広範囲の『断罪陣』↓が発動した。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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周りの景色が美しい青い光の粒子に包まれる中、奈良見が涙と共に叫ぶ。
「石間さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼」
断罪王オルトロスと化したカエデが突然の出来事に驚愕する。
「この感覚は、まさか...『断罪陣』...‼私の体内の狂撃波動の力が失われていく...」
「お前が今日この日のために生きてきたように、俺も今日この日のために準備してきたのさ...カエデ、お前の望み通り、一緒に死んでやるよ...」
(まぁ、あの絶体絶命の場面でテツヤに助けてもらったり、再び断罪陣が発動できるまで時間稼ぎしてもらえてなかったら、全部パーになってたんだけどな...)
「バカな!私は...断罪王の力を手にしたのよ!その私が、断罪王より下位の存在であるコウイチの『断罪陣』ごときになぜ、苦戦を強いられる!理解できない...」
「今回の断罪陣は川口ヨシキや明日原ジョーコーの時みたいな、ちゃっちい断罪陣じゃねぇ、俺が世界中に日本を中心に囲むように狂撃波動の線を引いた超広範囲の断罪陣だ...それに俺の『全て』を込めるんだ、お前を殺すのには十分なエネルギーがある...」
「それじゃあ、あなたより上位の存在である断罪王となった私を止められる証明になってないわよ!」
「断罪陣の図形式に使う線には、あらかじめ狂撃波動が込められているんだ、今回の断罪陣に使った図形式の線に込めた狂撃波動を時限爆弾に例えるなら、俺はお前を倒すために大昔に世界中に仕掛けた時限爆弾を一斉に爆発させたようなもんだ!つまり、その爆弾爆発の際に発生する超エネルギーのごとき狂撃波動と俺の体内の莫大な狂撃波動でもって、お前の全身を構成している狂撃波動も、狂撃波動で構成された断罪王の力も相殺する!これが俺の人生最後の『断罪陣』だ‼」
「ウフフフ...なるほど、つまり、断罪者(社会不適合者)を狂撃波動で正常な状態に戻すのと同じってことね...確かに理論上なら可能かも...でも、それで本当に『全て』がうまくいくのかしら...」
「話はまだ終わってねぇよ...この『断罪陣』の内側にいる世界中の断罪者(社会不適合者)も、お前に断罪者(社会不適合者)にされた信者も全員、正常な状態に戻すことができる...お前の負けだ...桜原カエデ...」
「何が私の負けよ‼あなた気でも狂ったの...‼それが本当なら、あなたの肉体はその膨大なエネルギー消費に耐えきれずに、死んでしまう...!あなたは死ぬのが怖くないの?」
「おいおい...あの日...『すべてのはじまり』の日...断罪王から狂撃波動と不老能力を授かっていなければ...俺たちはとっくに寿命で死んでたんだぜ...それに...さっき言っただろうが...お前の望み通り...一緒に死んでやるってな...これが...大事な親友が...こうなっちまう前に止められなかった...助けてやれなかった...俺のお前への...最後の償いだ...今まで...よく頑張ったな...カエデ...つらかったよな...あの時代...秩序を失った...この国に...平和を取り戻すために...一生懸命戦ったのに...本当に大事だったもんは...守りたかった仲間は...俺以外...みんなその戦いで死んじまった...俺もずっと...つらかったよ...こんなことしかできなくて...本当に...ごめんな...」
石間コウイチの言葉に、カエデは『すべてのはじまり』の日を思い出す...そしてコウイチの真意も...。
「コウイチ...あなた...最初から...私と一緒に...そのつもりで...ほんとうに...ずるい人...」
最後の断罪陣から放たれた青き光の粒子に包まれた断罪王オルトロスと化したカエデから、断罪王オルトロスの力が失われていく。
人間の状態に戻ったカエデは見てしまった。
青い光に包まれる中、人の姿を取り戻した自分を見つめるコウイチの顔を。
泣きながら微笑むコウイチの顔を。
それがカエデが現世で最後に見た景色だった。
そして、奈良見は見てしまった。
泣きながら微笑むコウイチにカエデも微笑み返しているところを。
超広範囲の断罪陣から放たれた大量の青い光の粒子に包まれた、カエデの全身が光になって消えていく。
カエデが完全に消滅したのと同時に、全ての力を使い果たした石間コウイチの不老のはずの肉体が、時の流れを取り戻したように、その老化を進めていく。
奈良見ルナの目の前にいる、全ての力を使い果たした醜い老人はもはや、奈良見ルナが知っている石間コウイチの姿ではなかった。
しかし、奈良見ルナの目には、その醜い老人は英雄に見えた。

次回予告 リンクセンター石間
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十七話 リンクセンター石間

第二百五十七話 リンクセンター石間

私の名前は奈良見ルナ、リンクセンター石間の責任者である。
石間さんの発動した『最後の断罪陣』によって、断罪王現象の元凶である桜原カエデは消滅した。
そして、それと同時に全ての力を使い果たした、石間さんも死んでしまった。
石間さんの発動した『最後の断罪陣』の内側にいたカエデの信者たちは全員、断罪者(社会不適合者)の状態から正常な状態に戻り、断罪者収容所に収監された。
ちなみに新生『孤影』が占拠した国会政議事堂で無事が確認された林カレイも、ほかの信者と共に断罪者収容所に収監され、社会復帰に向けて、リハビリを続けている。
これにより、カエデが率いていた新生『孤影』は壊滅した。
石間さんの発動した『最後の断罪陣』により、世界中の『多くの断罪者(社会不適合者)』が正常な状態に戻ることができた。
しかし、それは、『最後の断罪陣』の内側にいた全ての断罪者(社会不適合者)が正常な状態に戻ることができたわけではないということだ。
これは、あくまで私の仮説だが、林マスニの狂撃毒波動により、瀕死状態に陥った石間さんは自分の体内にある莫大な狂撃波動の一部を使って、自らを蘇生させた。
蘇生の際に使用した莫大なエネルギーの消費が原因で『最後の断罪陣』が完全な状態で発動されなかったのではないかと、私は考えている。
とにかく、まだ世界中には昔ほどではないが、断罪者(社会不適合者)は存在しているし、私たちリンクマスターはまだ、この世界に必要とされている。
         *
俺の名前は山下テツヤ。
俺は今、かつて超能力研究部の部室として使われていた、掃除用具の収納などを目的とした空き家の中にいる。
もちろん俺は在校生ではないので、俺のしていることは不法侵入ということになる。
俺は両手に軍手をした状態で部室の床を一部、はがす。
そして、シャベルを両手に持って床下の土を掘る。
掘り続けること、数分後、北原キョウジの白骨遺体が見つかった。
北原キョウジとはカエデに脅迫された先輩が殺してしまったリンクマスターである。
先輩の蘇生が実現不可能であることを知った今、もうこの白骨遺体をこの場所に隠している意味はない。
あとで匿名で警察に通報して、北原キョウジの遺骨を遺族のもとにちゃんと返してあげようと思う。
先輩もきっとそれを望んでいると思う。
俺は用務員を装って、警察に匿名の通報をした。
あとは警察がこの白骨遺体を見つけてDNA鑑定してくれることを願おう。
俺はそのまま、授業中の校舎に不法侵入、そのまま屋上に向かう。
俺は屋上のフェンスを乗り越えて、そのまま地面に向かってダイブしようとする。
もちろん、天国の先輩に会うためだ。
背後から野村の声が聞こえてくる。
『人間、死にたくなっても、生き続けていれば、いつか、死ねるさ』
しかし、後ろを振り向いても、野村の姿はない。
俺は野村のぶんも、もうすこし頑張ってみることに決めた。
死ぬために生き続けるのも悪くない。
こんな時に限って、空はいつもより青く見えた。
              *
カエデの消滅を確認した米軍は日本への軍事介入を中止した。
しかし、国のリーダーと、その代わりとなる『国の管理者達』が全員、カエデたちによって殺されてしまった影響により、米軍から派遣された監察官が日本を一時的に管理することになった。
日本は実質的に米軍に支配されたことになる。
しかし、この国はとっくの昔から米軍に支配されていたのだ。
誰もがその現実を知りながら目をそらし、平和ボケしていただけだ。
カエデの発動した『オペレーション・ユートピア』は、失敗に終わるも、結果的には、この国を生きる人々に自身の国の在り方について、あらためて、考えさせることになった。
一方、奈良見ルナが責任者になった石間リンクセンターにはリンクマスター協会から5人程、人員が派遣された。
狂撃刀に頼らずに狂撃波動が撃てる石間コウイチがいなくなった影響により、リンクマスター協会から、奈良見ルナのサポートに必要なリンクマスターが5人派遣されたのだ。
奈良見ルナはその5人とは初対面であったが、今や、リンクマスターの中に石間コウイチの名を知らない者はおらず、すぐに石間コウイチの話題を通して、その5人と親睦を深めることに成功した。
新しいスタッフたちと談笑する奈良見ルナ。
リンクセンター石間の固定電話の呼び出し音が室内に鳴り響く。
奈良見ルナは固定電話の受話器を取って、右耳にあてる、そして元気な声で一言。
「はい、こちら、石間リンクセンターです!」

断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。

この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

そして、リンクマスターとは、『断罪者(社会不適合者)』を正常な状態に戻し、社会に再び『LINK』させることを目的とした職業である。


この物語はフィクションであり、実在する人物及び団体とは一切関係ありません。
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 

 

第二百五十八話 超地球救済戦記 断罪王アポカリプス‼ 山神ムサシ その1

 
前書き
●あらすじ
ストレスにより、人間を怪物や異能者にしてしまう『パブリックブレイク現象』。
それは、人類の滅亡を意味していた。
これは、約束された終末(アポカリプス)に立ち向かう、ある男の物語である。
●登場人物
山神ムサシ 主人公。
竹田    ムサシの親友。
 

 
第二百五十八話 超地球救済戦記 断罪王アポカリプス‼ 山神ムサシ その1

俺の名前は山神ムサシ。
偏差値Zの超底辺高、アルティメットジーニアス学園に通う高校2年生だ。
睡眠中の俺の頭に『謎のイラスト↓』がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
起床した俺は急いでリモコンでテレビの電源を点ける。
テレビには、有名スポーツ選手との、玉の輿目当てにアナウンサーを志したに違いない女子アナが不自然に真剣な表情で『緊急パブリックブレイク速報』を伝えている。
「やっぱりそうだ!俺の頭に『謎のイラスト』がおぼろげながら浮かんでくる度に、俺の近くで『パブリックブレイク現象』が起きているんだ‼」
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
日常生活において、『謎のイラスト』が俺の頭におぼろげながら浮かんでくるのと、ほぼ同時に、俺の近くで『パブリックブレイク現象』が起きているのだ。
この『パブリックブレイク現象』は近い将来、全人類を怪物や異能者に進化させてしまうと言われている。
世界の終末を察知した政府は、全国民に向けて近い将来、パブリックブレイク現象によって人類が滅びることを意味する、『アポカリプス宣言』を発表。
そう、俺達人類は今、終末が約束された世界で生きているのだ。
テレビに映っている女子アナが言うには、学生寮の近くの駅でパブリックブレイク現象が発生。
外国人に電車の撮影を邪魔された鉄道マニアの男性達が突如、発狂してパブリックモンスターになってしまったらしい。
俺はため息と共にテレビの電源を消す。
時計を見る、まだ夜の11時だ。
深夜にもかかわらず、学生寮の隣部屋からはクラスメイトの竹田の奇声が聞こえてくる。
「キエァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
竹田は昨日、あんまりかわいくない女子に告白したが、どうやらフラれたらしい。
見た目の悪い竹田でも、見た目の悪い女子となら付き合えると思っていたのだろう。
ご愁傷さまである。
ストレスで竹田がパブリックモンスターにならないことを祈ろう。
俺はとりあえず、二度寝することにした。
「キエァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
しかし、竹田の奇声が止むことはなかった。
俺は竹田の部屋に聞こえるように、罵声と共に壁を思いっきりキックする。
「うるせぇ‼」
すると、隣の部屋から竹田の声が返ってくる。
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼キエァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
さすがに頭にきた俺は廊下を出て、竹田の部屋のドアを開ける。
竹田の部屋には怪物がいた。
その怪物の顔は、よく見ると竹田だった。
「竹田ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
そう、好きな女にフラれたショックがストレスとなり、竹田はパブリックモンスターになってしまったのだ。
つまり、先程の俺の祈りは無駄であったということだ。
怪物と化した竹田が俺に襲いかかる。
俺は学生寮の廊下を全力で走る。
俺と竹田の間に白い制服を来た男が現れ、光る拳で竹田をふっ飛ばした。
「あの制服は、PGS(パブリックガーディアンズ)だァ‼」
PGS(パブリックガーディアンズ)とは。
パブリックモンスターの脅威から国民の安全を守る為に、政府が社会にとって脅威ではないと認定したパブリックモンスター達を集めた集団が『PGS(パブリックガーディアンズ)』である。
わかりやすく言えば、PGSとは人類に対して友好的なパブリックモンスターの集団である。
「僕は、PGSの霧原カイト。この学生寮から怪物のような奇声が聞こえてきたとの通報があってここに来た。通報したのは君か?」
「ちがいます」
おそらくPGSに通報したのは、この学生寮に住んでいる俺以外の生徒だろう。
「竹田はいったい、どうなってしまうんですか?」
「あの様子だと、パブリックモンスターになって完全に自我を失っている...誰かを殺してしまう前の処刑するしかない...!」
「そんなァ!あのパブリックモンスターは竹田なんだぜ!」
「そんなことはとっくにわかっている」
「竹田は俺の友達なんだ...どうにかなんねぇのかよォ!」
「パブリックモンスターの状態で正気を保っていれば、処刑対象にはならない。しかし、君は実際に竹田君に襲われた、僕はこの世界の平和のために竹田君を殺す...」
負傷した状態から起き上がった竹田に、PGSの霧原カイトが襲いかかる。
「くらえ!極光拳‼」
霧原カイトの光る拳、『極光拳』がパブリックモンスターと化した竹田の全身に何度も直撃する。
俺は霧原カイトの前に立ちふさがる。
「なにするんですか!やめてください!このままだと竹田が死んでしまう!PGSってことは、アンタもパブリックモンスターなんだろ?だったら、アンタは竹田と同類ってことだ、同類同士で殺し合うなんてイカれてるぜ‼
「同類だと?ふざけるなァ!僕たち、PGSのパブリックモンスターは政府にその安全性を認められた選ばれしパブリックモンスターだァ!自我を失い、自分の力もコントロールできない竹田のような出来損ないといっしょにするなァァァッ‼」
次の瞬間、俺の目の前に突如、剣が出現する。
剣はそのまま地面に突き刺さる。
そして地面に突き刺さった剣が俺に語りかける。
『さあ、ぬきなさい...』
その剣に触れた瞬間、俺の脳内に、その剣の情報が流れ込んでくる。
「生命の断罪剣...ライフセイバー...!この剣なら、竹田を人間に戻せるのか?」
俺は『生命の断罪剣ライフセイバー』をパブリックモンスターと化した竹田に向かって振るう。
生命の断罪剣ライフセイバーから放たれた波動↓が竹田に直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■■■■■■■■■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■
鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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次の瞬間、竹田の体は普通の人間に戻っていた。
PGSの霧原カイトは驚愕していた。
「まさか...パブリックモンスターを人間に戻せる『断罪剣』が存在するとはな...この力があれば、僕たち人類は滅亡せずに済むかもしれない...」
『生命』の断罪剣士、山神ムサシの誕生だった。

次回予告 山神ムサシ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百五十九話 山神ムサシ その2

第二百五十九話 山神ムサシ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

見た目の悪い女にフラれたストレスで、パブリックモンスターと化した竹田。
ちなみに竹田も見た目が悪い。
自我を失った竹田を危険視したPGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトは、被害拡大を防ぐために、竹田を処刑しようとする。
しかし、突如、俺の目の前に現れた『生命の断罪剣ライフセイバー』の波動↓によって、竹田は人間に戻った。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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PGSの霧原カイトは驚愕していた。
「まさか...パブリックモンスターを人間に戻せる『断罪剣』が存在するとはな...この力があれば、僕たち人類は滅亡せずに済むかもしれない...」
「霧原カイトさんよ、これでもうあんたに竹田を殺す理由はなくなったはずだ...」
「ああ、とりあえず、竹田の件は見逃してやる...でも君は『断罪剣士』になってしまった...我々、PGSは人類の平和のために、君をこれからも監視せざる終えない...」
そう言って霧原カイトは学生寮から姿を消した。
それと同時に断罪剣ライフセイバーもどこかへ消えてしまった。
俺は気絶した竹田が息をしていることを確認して、部屋のベットの上に寝かした。
自分の部屋に戻った俺は、今度こそ、寝ることにした。
睡眠中の俺の頭に『謎のイラスト↓』がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
起床した俺は時計を見る。
朝の7時だった。
俺は学園内でパブリックブレイク現象が起きていないことを祈って、身支度を整える。
制服に着替えた俺は、隣の部屋の竹田と共に学食で朝食を摂る。
「竹田ァ、お前、昨日のこと、なんも覚えてないのか?」
「なんもってなんだ?」
「パブリックモンスターのこととか...」
「知らん、学園にパブリックモンスターが出たのか?」
「覚えてないならいいよ、うん」
俺と竹田は黙々と山盛りのカレーライスの摂取を再開する。
世界の終末を告げる『アポカリプス宣言』のおかげで、人類が絶滅するまでの間、全人類が労働の有無に関わらず食料を摂取できるようになった。
これを『無期限・食糧配給制度』という。
これにより、『通学や労働が自由化』され、俺の通う偏差値Zの超底辺高、アルティメットジーニアス学園に通学する生徒の数は全校生徒の半分になった。
つまり、通学している生徒は、通学してない生徒の分も食料を摂取できるということだ。
約束された世界の終末はかなり不安であるが、こういうのは悪くない。
朝食の摂取を終えた俺と竹田は教室に移動する。
教室ではギターを引いたり、お菓子を食べていたり、喧嘩をしていたり、ゲームをしていたり、談笑している生徒達が今日も楽しそうに生きていた。
もちろん、授業中もこんな感じである。
これが、俺の通う偏差値Zの超底辺高、アルティメットジーニアス学園の日常である。
世界の終末が決まっても、なんやかんやで、みんな人恋しいのだ。
竹田が真剣な表情で俺に相談してきた。
「俺、好きな女の子がいるんだ」
「おう」
「どうせ、人類も滅びちゃうしさ」
「おう」
「その子に告白しようと思ってるんだよ」
「やめてくれ」
そう、また女にフラれたショックでパブリックモンスターになられては困るのだ。
「なんでだよ!その女子、アキちゃんっていうんだけどさ、別に美人じゃないし、多分、俺でもイケると思うんだよね?」
「やめてくれ」
教室に担任教師の田中先生が入ってくる。
席に座っていた生徒が急に立ち上がって、英語の歌を熱唱し始める。
周りの生徒達から笑い声が上がる中、田中先生はまるで何事もなかったかのように、主席の確認と、転校生の紹介を始める。
教室に赤い長髪が特徴的な、巨乳の美少女が入ってくる。
美少女を見た生徒の一人がエレキギターを鳴らす。
「今日から、皆さんといっしょにここで『勉強』させていただく、色川ヨシノです。よろしくお願いします!」
『勉強』の部分でクラスメイト達が爆笑する。
そう、終末が約束された世界で、学問など、もはや存在価値がないのだ。
朝礼が終わると、色川ヨシノが俺の制服の袖を引っ張ってくる。
「ちょっとツラかしなさい」
「へあっ?」
俺は恐る恐る、色川ヨシノの後についていく。
それを見た竹田が悔しそうに、勉強机に自分の頭を何度もぶつけている。
それを見た周りの生徒達が救急車を呼ぶか否か、議論を始める。
屋上についたヨシノが俺に告げる。
「あんたが生命の断罪剣士、山神ムサシね?」
「ふぁ、ふぁい!」
「私は凍結の断罪剣士、色川ヨシノ。PGSのメンバーでアンタを監視するためにこの学校に転校してきたの」
きのう、霧原カイトが言っていた、『監視』とは、こういうことだったのか。

次回予告 色川ヨシノ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十話 色川ヨシノ その1

第二百六十話 色川ヨシノ その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

再びパブリックモンスターになる危険性もお構いなしに、見た目が悪い女子、アキちゃんにアタックする決意をした竹田。
そして、クラスに転校してきた巨乳美少女はPGSのメンバーで、俺と同じ『断罪剣士』
だった。
「私は凍結の断罪剣士、色川ヨシノ。PGSのメンバーでアンタを監視するためにこの学校に転校してきたの」
きのう、霧原カイトが言っていた、『監視』とは、こういうことだったのか。
「その...監視ってのは、具体的にどんな監視ですか?」
「そうね、具体的に説明すれば、アンタの力が人類に対して、敵対的か、それとも友好的なのか見極めるための監視ね」
「じゃあ、ヨシノも学生寮に住むのか?」
「ええ、アンタの部屋に住まわせてもらうわ」
竹田が聞いたら嫉妬によるストレスでパブリックモンスターになってしまうに違いない。
「そ、そっすか...でも校長先生の許可とか、とったんですか?」
「ええ、PGSの権限を使わせてもらったわ...」
「そ、そっすか...ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックブレイク現象の開始を告げる『謎のイラスト』↓が!
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤
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「うるせーわよ‼いきなり、でけぇ声で叫んでんじゃねぇわよ‼」
「ごめん...でも、この感じは、間違いない、近くでパブリックブレイク現象が起きたんだぁ‼」
下の方から生徒達の悲鳴が聞こえてくる。
「うわああああああああああッ!パブリックモンスターが出たぞォォォォッ!」
「急ぐわよ!山神ムサシ!」
「おう!」
俺とヨシノは屋上から校舎に戻り、階段を駆け降りる。
廊下ではパブリックモンスターが大暴れしていた。
ヨシノが避難途中の生徒に何があったのかを聞いている。
「ねぇ、いったい何があったの?」
「竹田に告白されたアキちゃんが突然、叫びだして、パブリックモンスターになっちゃったのよ...!」
俺は思わず叫ぶ。
「竹田ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
つまり、その女子生徒にとって、竹田に告白されたことは、かなりのストレスだったということだ。
現場に駆け付けた俺に竹田が助けを求めてくる。
「山神ムサシィ!大変だァ!俺が愛の告白をしたアキちゃんがパブリックモンスターにィィッ‼」
「竹田ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
凍結の断罪剣士、色川ヨシノが現世に『凍結の断罪剣ヘイルセイバー』を召喚する。
地面に突き刺さった『凍結の断罪剣ヘイルセイバー』がヨシノに語りかける。
『さあ、ぬきなさい...』
凍結の断罪剣ヘイルセイバーを両手に持ったヨシノは、ヘイルセイバーから氷の波動を放つ。
「凍えなさい!パブリック・フリーズ‼」
ヘイルセイバーから放たれた氷の波動が、怪物と化したアキの全身を凍らせる。
ヨシノは氷の中に閉じ込められたアキに向かって、ヘイルセイバーを振り下ろす。
俺は凍結化したアキの前に立ちふさがる。
「なにするんですか!やめてください!どうしてアキを殺そうとするんですか?」
「アキは完全に自我を失っている、これ以上の被害拡大を防ぐ為には、処刑するしかないわ!」
言っていることが霧原カイトと同じだ。
「アキちゃんはまだ、誰も殺していません!」
「自我を失ったパブリックモンスターは人類の敵なのよ!」
俺は生命の断罪剣ライフセイバーを現世に召喚する。
地面に突き刺さった『生命の断罪剣ライフセイバー』が俺に語りかける。
『さあ、ぬきなさい...』
俺は両手に持った断罪剣ライフセイバーをパブリックモンスターと化したアキに向かって振るう。
「くらえぇぇッ!パブリック!ブレイカァァァァァァァーッ‼」
断罪剣ライフセイバーから、波動が放たれる。
しかし、自分の体を拘束していた氷を突き破ったアキは、パブリックブレイカーを回避する。
「俺の攻撃を避けた!」
「私の氷を破壊した!」
ヨシノがヘイルセイバーから氷の波動を放つ。
「凍えなさい!パブリック・フリーズ‼」
ヘイルセイバーから放たれた氷の波動が、怪物と化したアキの全身を凍らせる。
「今よ!山神ムサシ!氷が溶ける前に‼」
「わかりました!くらえぇぇッ!パブリック!ブレイカァァァァァァァーッ‼」
断罪剣ライフセイバーから、波動↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたアキが人間の状態に戻る。
「ヨシノ...どうして、俺に協力してくれたんだ?」
「アキはまだ人を殺していなかった...」
「わかってくれたんだな!」
「勘違いしないで!私の両親は、自我を失ったパブリックモンスターに殺された...!しかも、そのパブリックモンスターは私の弟だった...だから、私は人を殺したパブリックモンスターは絶対に殺す...‼それがたとえ、あなたの知り合いでもね...!」
「色川...ヨシノ...!」
その日、予定されていた授業は全部、中止になった。
しかし、ここは偏差値Zの超底辺高、アルティメットジーニアス学園だ。
全授業が中止になろうと、ならずとも、生徒達は皆、学園内を、まるで自分の家のように、やりたい放題で遊んでいるのだ。
学生寮に戻った俺はヨシノを中に招く。
先程のこともあってか、とても空気が重い。
「これからは、アンタ、床で寝なさい」
「へぁッ?」
「ベットは私が使うわ!」
壁に耳でも当てて、俺とヨシノの会話を聞いていたのか、隣の竹田の部屋から、壁を何度も殴る音が聞こえてくる。
どうやら、竹田は俺とヨシノが同じ部屋で過ごしていることに、嫉妬しているらしい。
でも、竹田、今、俺とヨシノが気まずい関係になっているのは、お前がアキちゃんに告白したせいなんだぜ。
竹田はそんなこともお構いなしに、壁を殴り続ける。

次回予告 色川ヨシノ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十一話 色川ヨシノ その2

第二百六十一話 色川ヨシノ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックブレイク現象の開始を告げる『謎のイラスト』↓が!
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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早朝、奇声と共に目覚めた俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ‼」
俺は身支度を整えて、外に出る。
学生寮の近くの公園で、大勢の大人たちが、男の子を囲んで暴力を振るっていた。
よく見ると、男の子の背中には大量の触手が生えている。
おそらく、男の子は、何らかの理由でパブリックモンスターになってしまったのだろう。
しかし、男の子はどう見ても、自我を失っているようには見えない。
俺は男の子に暴力を振るう大人の前に立ちはだかる。
「なにするんですか!やめてください!」
「なんだてめぇはァ?」
「この子はまだ子供ですよ、それに暴走しているようには見えません!」
「うるせえ‼暴走しても、していなくても、パブリックモンスターは人類の敵なんだよ!俺たちは大事な家族をパブリックモンスターに殺されたんだ!」
大人達が次々とパブリックモンスターになってしまった男の子に対して暴言を吐く。
「パブリックモンスターは地球から出ていけ!」
「家族を返せぇ!この化け物どもォ!」
「パブリックモンスターは死ねぇ!」
「パブリックモンスターに生きる価値なんてねぇんだよォ!」
「いい女とヤりてぇぇぇぇーッ!」
これは、ひどい、あまりにもひどすぎる。
この人たちは、みんな、パブリックモンスター達の存在を、終末が約束された世界で生きる上で発生する、不安やストレスのはけ口にしているんだ。
この人たちも、いつか、パブリックブレイク現象でパブリックモンスターになってしまうかもしれないのに。
次の瞬間、男の子に暴力を振るっていた大人達の体が一斉に溶けていく。
「ぐあああああああああああああああああああああああああッ‼」
「いったい何が起きたんだ‼」
「僕だよ」
「え?」
「僕が殺したのさ、アイツらを」
背中に触手が生えた男の子が僕に不敵な笑みを見せる。
「ど、どうして殺したんだ!」
「そんなに怖い顔しないでよ、先に暴力を振るってきたのはアイツらのほうだよ!」
「でも、殺す必要はなかった...」
「本当にそうかな?僕が抵抗していなければ、僕が殺されていたかもしれない...」
「威嚇だけで済んだはずだ!」
「君、面白いね。僕の名前は色川レオン、君の名前は?」
「俺の名前は山神ムサシ、色川だって...?」
パブリックモンスターがレオンを背後から襲う。
レオンは背中の触手をパブリックモンスターに突き刺す。
パブリックモンスターが先程の大人達のようにドロドロに溶けていく。
もしかして、朝のアレ(謎のイラスト)は、レオンが今倒した、パブリックモンスターの出現を知らせていたのか...。
すると、このレオンは、いったい何者なんだ?
自我を持っているパブリックモンスターと言えば、PGS(パブリックガーディアンズ)のメンバーが思いつくが、PGSはパブリックモンスターの脅威から人間を守る組織だ。
PGSが人間を殺すわけがない。
「君はいったい何者なんだ?」
「僕は色川レオン、PGSに所属していない、自我を持ったパブリックモンスターさ」
「じゃあ、君はPGSに命を狙われているはずだ」
「ああ、もう何度も返り討ちにしてやったよ...アイツら本当に弱っちいよな...」
「俺は断罪剣士なんだ、俺の、命の断罪剣ライフセイバーなら、君を人間に戻せる」
「その必要はないよ、僕はこのパブリックモンスターとしての力を楽しんでいるんだ」
「人殺しを楽しんでいるのか?」
「ああ、そうさ。それに僕たちパブリックモンスターがちゃんと普通の人間どもに格の違いを見せなきゃ、さっきみたいな、失礼な大人たちに危害を加えられてしまう。僕たちパブリックモンスターには人間を殺していい権利と義務があるんだ」
次の瞬間、氷の波動がレオンを襲う。
レオンがジャンプして、氷の波動を回避する。
「見つけたわよ...お父さんとお母さんの仇...!」
「ひどいな~!弟にそんな言い方するなんて...お姉ちゃん」
「お、お姉ちゃん、ということは、やっぱり!」
「ええ、そうよ、『あの男』は私の弟で、両親の仇...!」
姉弟同士の殺し合いが、始まろうとしていた。

次回予告 色川ヨシノ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十ニ話 色川ヨシノ その3

第二百六十ニ話 色川ヨシノ その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

頭におぼろげながら『謎のイラスト』↓が浮かんできた俺は公園に向かった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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公園では、パブリックモンスターに家族を殺された大人たちが、パブリックモンスターの男の子、色川レオンに暴力を振るっていた。
俺はそれを止めに入るが、色川レオンの触手によって、暴力をふるっていた大人たちの全身がドロドロに溶けてしまう。
そう、色川レオンは自我を持ったパブリックモンスターでありながら、PGS(パブリックガーディアンズ)と敵対している、快楽殺人鬼だったのだ。
そして、俺と色川レオンの前に、色川ヨシノが現れる。
ヨシノが凍結の断罪剣ヘイルセイバーの氷の波動をレオンに放つ。
色川レオンは、色川ヨシノの弟で、ヨシノの両親を殺した男だったのだ...。
レオンがジャンプして、氷の波動を回避する。
「見つけたわよ...お父さんとお母さんの仇...!」
「ひどいな~!弟にそんな言い方するなんて...お姉ちゃん」
「お、お姉ちゃん、ということは、やっぱり!」
「ええ、そうよ、『あの男』は私の弟で、両親の仇...!」
姉弟同士の殺し合いが、始まろうとしていた。
俺はヨシノとレオンの間に入る。
「姉弟同士で殺し合うなんて、おかしいですよ!喧嘩はやめましょう!」
ヨシノが俺の胸倉をつかむ。
「なにするんですか!やめてください!」
「甘っちょろいこと言ってんじゃねーわよ!私はアイツに両親を殺されたのよ!」
「俺の断罪剣ライフセイバーなら、レオン君を人間に戻せます!レオン君にはちゃんと刑務所で罪を償わせるべきです!」
「もうすぐ人類が滅ぶのよ!そんなの意味ねーわよ!だから、私がこの手で殺してやるわ!」
「それでも、レオン君はヨシノにとって、今、生きている、たった一人の家族じゃないですか!アキちゃんの時みたいに、ヨシノが氷でレオン君の動きを止めてくれれば、僕がライフセイバーでレオン君を人間に戻します!」
「昨日、言ったでしょ!人を殺したパブリックモンスターは絶対に殺すって!」
「それが、たとえ、弟でも...?」
「うるせーわよ!」
ヨシノが俺を公園の砂場に向かって蹴り飛ばす。
「なにするんですか!やめ...ぐああああああああああああああああッ!」
レオンは背部の触手を一斉に、俺に向かって放つ。
「君のパブリックモンスターを人間に戻す力は、かなり厄介だ、まず先に死んでもらおうか!」
レオンの触手と俺の間に大きな氷の壁が出現して、触手をはじく。
ヨシノの断罪剣、ヘイルセイバーの力だ。
「アンタの相手はこの私よ!」
凍結の断罪剣ヘイルセイバーから巨大な氷のかたまりが、ものすごいスピードでレオンに向かって放たれる。
まさに、超スピードの氷の隕石だ。
しかし、レオンの背部に生えた無数の触手が、氷の隕石を切り裂き、粉々にする。
「お姉ちゃん、いい加減、学習しなよ~!僕には勝てないってこと!」
「レオン君は、ヨシノと戦うのは初めてじゃないのか!」
「ああ、そうさ。僕に喧嘩を売ってきた他のPGSのメンバーはみんな殺しちゃうけど、このザコは一応、僕の姉だからね、毎回、ボコボコにして気絶させるだけで済ませてる...姉思いのイイ弟だろ?」
「なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
ヨシノが凍結の断罪剣ヘイルセイバーを地面に突き刺す。
地面から氷と土でできた巨人が現れ、レオンに襲いかかる。
「わぁ~!お姉ちゃんの新必殺技だぁ~!すっごぉ~いッ!」
レオンは嘲笑と共に、背部の触手を氷と土でできた巨人に突き刺す。
しかし、触手は氷と土でできた巨人の体を貫通しない。
「なるほど、土でできた巨人を氷で覆って耐久性を向上させたのか...でも!」
レオンの触手から放たれた粘液が、氷と土でできた巨人を溶かしてしまう。
「僕の触手がどんなものでも溶かしちゃうの忘れちゃった?」
レオンは背後に何者かの気配を感じて、後ろを振り向く。
レオンの背後には正面にいるはずの、ヨシノがいた。
「なるほど...巨人はおとりで、正面のお姉ちゃんは氷で作った偽物か...!」
「これで終わりよ!」
「凍え死になさい!パブリック・フリィィィィィィィィーズッ‼」
超至近距離で放たれたヘイルセイバーの氷の波動がレオンの全身を凍らせる。
「私の勝ちよ...」
「そんな...ヨシノが...弟のレオンを...!」

次回予告 色川レオン その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十三話 色川レオン その1

第二百六十三話 色川レオン その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

色川ヨシノと色川レオンは姉弟だった。
二人はとても仲が良く、ヨシノは周りからブラコンと言われ、レオンは周りからシスコンと言われていた。
そんな、二人がなぜ、殺し合わなければ、ならなかったのか?
それは、レオンが両親を殺したからだ。
両親を殺す前から、レオンは自分の体に起きた異変に気付いていた。
背中に生えた2本の触手。
触手の数は、時間が経つごとに、増えていった。
そう、レオンはすでにパブリックブレイク現象によって、パブリックモンスターになってしまっていたのだ。
夜中、トイレをするために起きたレオンは、レオンの体の異変に気付いた両親が言い争うをのを聞いてしまった。
『あの子は危険だ!PGSに通報して、殺すべきだ!』
『ダメよ、そんなの!あの子は確かにパブリックモンスターかもしれない!でも、ちゃんと自我があるわ!殺すなんて、ひどすぎる!』
『確かに君のいう通りだ、でも、レオンが自我を失って、ヨシノに危害を加えたらどうする?レオンを作った僕達ならレオンに殺されてもしかたがない!でも、ヨシノはなにも悪くない!君は暴走したレオンにヨシノが殺されてもいいのか?』
『そうね...ヨシノはなにも悪くないわ...わかった、ヨシノの未来のために、レオンをPGSに処刑してもらいましょう...』
レオンの脚は気付いたら両親もとへと動いていた。
死にたくなかった。
ただ、それだけだった。
レオンは背中に生えた触手を両親の頭部に突き刺した。
両親への償いのために、姉のヨシノはあえて殺さなかった。
それから、断罪剣士に覚醒して、PGSに入隊したヨシノは何度も、レオンに戦いを挑んできた。
レオンはその度に、両親への償いとして、ヨシノを殺すことはなかった。
長い追想を終えた、レオンは意識を取り戻す。
レオンは自分がヨシノの氷に閉じ込められたことを思い出す。
以前より強くなった姉は、あの時の両親と同じく、レオンを殺そうとしている。
ただ、死にたくなかった。
ただ、それだけだった。
レオンを閉じ込めていた氷が溶けていく。
「そんな!私の氷の中で、まだ意識が?」
「ヨシノ!逃げろォ!」
レオンを閉じ込めていた氷が溶けると同時に、無数の触手が飛び出し、ヨシノを襲う。
「残念だったね、お姉ちゃん...でも、『今の』は結構、効いたよ...」
「ヨシノ!もうレオン君を人間に戻す以外に、俺達に勝目はないぞ!」
「だめよ!殺すのよ!でなきゃ、お父さんとお母さんが、かわいそうよ!」
「ヨシノの両親が本当にそんなこと望んでるのか!」
「そ、それは...!」
「このまま戦いが続けば、近隣住民にも被害が出るかもしれない!だから二人で協力してレオンを人間に戻そう!」
「嫌よ!私は弟を殺すために、PGSの厳しい訓練を乗り超えて、今日まで生きてきたのよ!」
「パブリックモンスターの脅威から人類を守るのがPGS(パブリックガーディアンズ)の仕事のはずだ!」
「させないよ、山神ムサシ」
レオンの触手が俺とヨシノを同時に襲う。
俺は断罪剣ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった断罪剣ライフセイバーが俺に語りかける。
『さあ、ぬきなさい...』
「くらえぇぇッ!パブリックブレイカーァァァァァァァーッ‼」
俺はライフセイバーから、パブリックブレイカー↓を触手に向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカーによって、俺とヨシノを襲うレオンの触手の一部が消滅する。
「恐ろしいな...君のライフセイバーは...!相手の能力だけじゃなくて、能力によって作り出されたモノも消滅させることができるのか...」
分断された部分の触手の断面から、新たな触手が生えてくる。
「分断された触手の断面が自己再生を始めた...!」
「バケモノが...!」
「それは、お互い様だろ、おねえちゃん!」
レオンの触手が再び、俺とヨシノを襲う。
触手がヨシノの頭部に突き刺さる。
しかし、それは氷でできたヨシノの偽物だった。
レオンの周りに氷でできたヨシノが大量に出現する。
氷でできた大量のヨシノがレオンを襲う。
「なるほど、この中にホンモノがいるわけか...それにしても、ものすごい完成度だな...」
レオンの無数の触手が、氷でできた無数のヨシノに突き刺さる。
「ちっ、全部ハズレか...でも残りは一つ」
そして、最後に残ったヨシノにレオンの触手が突き刺さる。
氷が砕け散る。
「お、お前は...!」
レオンが触手で突き刺したのは、氷でできたヨシノでもなければ、本物のヨシノでもなかった。
氷でできたヨシノの中に隠れていた、山神ムサシだった。
「くらえぇぇッ!パァァァッブリックゥゥゥッ!ブレイカーァァァァァァァーッ‼」
氷から飛び出した山上ムサシがレオンに向かって超至近距離でパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカーがレオンに直撃する。
レオンの体からパブリックモンスターの力が完全に失われていく。
公園にあるコンクリートでできたトンネルの遊具の中に隠れていたヨシノがレオンの前に姿を表す。
「私達の勝ちよ...レオン...!」
「お姉ちゃん...どうして!僕を殺すんじゃなかったのかい?」
「ええ、でも、私はあなたの、弟で...PGS(パブリックガーディアン)なのよ...これ以上、私たちの戦いのせいで、近所の人達に迷惑はかけられない...」
「ヨシノ...」
「悔しいけど、アンタに教えられたわ...色々と...ね...」
力を使い果たしたヨシノが気絶する。
ヘイルセイバーで氷の分身をあれだけ作り出したのだ...倒れて当然だ。

次回予告 色川レオン その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十四話 色川レオン その2

第二百六十四話 色川レオン その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

山神ムサシと色川ヨシノは、生命の断罪剣ライフセイバーと凍結の断罪剣ヘイルセイバーの連携攻撃により、快楽殺人鬼のパブリックモンスターである色川レオンを人間に戻すことに成功した。
しかし、全ての力を使い果たしたヨシノは気絶してしまう。
「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
そして、突如、奇声を上げた、山上ムサシの頭に、新たなパブリックモンスターの出現を知らせる『謎のイラスト』↓が、おぼろげながら受かんできた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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背後から、誰かが進化したと思われるパブリックモンスターが突然、襲いかかってくる。
ヨシノと同様、満身創痍の俺は自分の死を覚悟する。
しかし、次の瞬間、横から入ってきたPGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトが『極光拳』でパブリックモンスターを消滅させる。
「お前は!霧原カイト‼」
「負傷した色川ヨシノと、大量殺人鬼の色川レオンの回収に来た」
カイトは、パブリックモンスターの力を失い、茫然自失の状態で立ち尽くしているレオンの首をつかむ。
「なにするんですか!やめてください!」
「安心しろ、気絶させるだけだ...今はまだ、殺しはしない...」
「ちょっと待ってください!レオン君はもう、人間に戻ったんです!レオン君はPGSじゃなくて、警察で処罰するべきです!」
「コイツには色々と『聞きたいこと』があるんでね、悪いが色川レオンはPGSで管理させてもらう」
「『聞きたいこと』ってなんですか?」
「君は、この大量殺人鬼が両親を殺してから、どのようにして生活していたと思う?」
「そりゃあ、パブリックモンスターの力で、店を襲えば、食べるご飯には困らないと思いますけど...」
「ああ、その通りだ。しかし、我々、PGSはレオンの出現場所を特定できても、レオンの住んでいる場所までは特定できなかった、つまり、レオンには協力者がいる...」
「自我を持った快楽殺人鬼のパブリックモンスターを支援する者が、いるってことですか?」
「そういうことだ」
「ちなみに、PGSは最終的にレオン君をどうするつもりなんですか?」
「もちろん、情報収集の後に、処刑する」
「ちょっと、まってください!PGSの敵は人間じゃなくて、パブリックモンスターのはずです!」
「我々は、レオンに多くの仲間を殺された...それに、どうせ警察に捕まっても、レオンの死刑は確実だ、なら、だから我々PGSが処刑する...」
「レオンはヨシノの弟なんですよ!」
「そんなことはわかっている、しかし、刑務所暮らしによるストレスで、またパブリックモンスターになられても、困るんでな、レオンはPGSで処刑させてもらう」
PGSと車体に記された救急車が公園に入ってくる。
担架に乗せられた、ヨシノとレオンが救急車の中に担ぎ込まれる。
カイトが俺に忠告する。
「山神ムサシ、お前がライフセイバーでパブリックモンスターを人間に戻すのは勝手だ、しかし、この世界にストレスが存在する限り、人間は何度でも、パブリックモンスターになる、お前のやっていることは、ただの自己満足だ」
「そんなことない!ストレスに打ち勝つ強い心さえあれば、パブリックモンスターにならずに済むはずだ!」
「もっと現実を見ろォ!お前の言っていることはただの理想論だァ!」
何も言い返せない俺は、悔しかったので、とりあえず、カイトに向かって奇声を上げてみた。
「キィエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエーッ‼」
カイトが俺の前から姿を消した。
俺は学生寮の自室に戻る。
隣の部屋に住んでいる竹田が、なぜか俺の部屋で鍋を食っていた。
「おまえ、どうして、ここにいるんだよ!」
「お前、俺が鍋食ってるの見てわかんねぇのか!眼科行ってこいバカ野郎!」
時計を見る限り、今はまだ、授業中のはずだ。

次回予告 風見マイカ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十五話 風見マイカ その1

第二百六十五話 風見マイカ その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺とヨシノが頑張って人間に戻したレオンがPGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトに捕まってしまった。
どうやら、パブリックモンスターとして、数々の悪行を重ねてきたレオンには支援者がいたらしい。
そして、レオンはPGSで処刑されてしまうらしい。
まぁ、仕方がない、レオンはパブリックモンスターの力で、自分の両親や、大勢の人間を殺してしまったのだから。
しかし、それなら、俺とヨシノの努力はいったい何だったのだろうか。
俺は学生寮の自室に戻る。
隣の部屋に住んでいる竹田が、なぜか俺の部屋で鍋を食っていた。
「おまえ、どうして、ここにいるんだよ!」
「お前、俺が鍋食ってるの見てわかんねぇのか!眼科行ってこいバカ野郎!」
時計を見る限り、今はまだ、授業中のはずだ。
「お前なァ!」
「ムサシ、お前、腹、減ってるんだろ?お前も食えよ...」
竹田が台所から、まるで自分の所有物のように、俺の分のお椀とハシを持ってくる。
「ほれ、食え」
「言っとくけど、それ、俺の食器とハシだからな!いただきます!うん、おいしい」
竹田が俺のお椀に牛肉を入れてくる。
「ほれ、遠慮せずに、もっと肉、食え、肉を」
「あんがと。でも、なんだよ、いきなり、優しくしやがって...変な奴」
「俺さ、思い出したんだ、アキちゃんがパブリックモンスターになったときに...」
「なにを?」
「パブリックモンスターになった俺を、お前が人間に戻してくれたことだよ...」
「そっか」
「今日の鍋は、そのお礼だよ」
「にしても、この鍋、牛肉とか、カニとか、カキとか、すげぇ豪華だな!お前、結構、金持ってるんだな!」
「バカ野郎!この鍋の食材は全部、俺がスーパーでムァンビキしてきたんだぞォ!」
「バカはお前だ!バカ野郎!」
「パブリックブレイク現象のせいで、労働者が激減しているせいか、どのスーパーも店員の数が、少なくてな、楽勝だったよ」
「まぁ、そうなっちまうよな、『無期限・食糧配給制度』のおかげで、人類が滅びるまでの間は、お金がなくても、食べるご飯に困らないからな、そりゃ、みんな働かなくなるよな...」
「ああ、そのうち、スーパー自体も潰れるかもしれん、お前もムァンビキするなら、今の内だぞ...」
「するか、ボケェ!」
背後から聞き覚えのある声がする。
「相変わらず、君たちは仲がいいわね、そうだ!今年の文化祭で無料配布する同人誌は山神×竹田でいこう!」
「部長!」
俺の後ろにいたのは、俺と竹田が所属している部活動、『アルティメットメディアクリエイター部』の部長、風見マイカだった。
ちなみに、『アルティメットメディアクリエイター部』とは、アルティメットなメディアをクリエイターする部活動である。
わかりやすく言えば、なんでもアリの自由な部活である。
「部長!俺と竹田で、かけ算するの、やめてくれませんか!」
竹田も部長に抗議する。
「そうだァ、ごはん中に、不衛生なことをいうのはやめろォ!」
「つーか、アンタたち随分と、うまそうなもん、食ってるわよねーいいなー!私も混ぜて―!」
部長は俺の自室の台所から、まるで自分の所有物のように、食器とハシを持ってくる。
「いだきまーす!うん、おいしい!」
鍋を完食した後、俺は先輩に訪ねる。
「それで、今日はどんなご用件で?」
「うん、実はさ、町内会から、清掃のボランティアの依頼があってね、それで、アンタたちどうする?」
部長の提案を竹田が嘲笑する。
「ハッ!世界の終末が迫ってるのに、わざわざゴミ拾いするとか、町内会の奴ら、いったい何が楽しくて人生、生きてるんですかねェ!俺は不参加で!」
「じゃあ、ホントに、今年の文化祭で無料配布する同人誌は山神×竹田でいくわよ...!」「竹田ァ!ここは大人しく、部長の言う通りにしたほうがいい!俺と竹田の同人誌が、全校生徒に無料配布されたら、全校生徒がそのあまりの気持ち悪さに絶望して、パブリックモンスターになっちまうかもしれん!」
「......そうだな...‼そんじゃあ、俺と山神も参加で、そんで場所と日時と、あと、おやつはOKですか?」
「部室に、清掃ボランティアについての書類があるから、ちょっとこっち来なさい」
俺と竹田は部長と共に、『アルティメットメディアクリエイター部』の部室に入る。
部室には、副部長の、杉原ヒカリが喪服姿で、机の上に置いてある、遺影を前に号泣していた。
「部長。副部長、家族に不幸でもあったんですか...?」
「いいえ、アレをよく見なさい」
机の上に置いてある遺影にはアニメキャラクターの顔写真が映っていた。
「なんだ、心配して損した...」
「きのう、亡くなったらしいわ...」
部長がハンカチで目を押さえる。
「アンタも同類かよ...」
「山神ィ...俺、コイツら、見てると、なんだか頭、痛くなってくるんだよな...」
「お前にソレ言われたら、おしまいだよ...」
俺もなんだか、頭が痛くなってきた気がする。

次回予告 風見マイカ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十六話 風見マイカ その2

第二百六十六話 風見マイカ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺と竹田はとある部活動に参加している。
その名も『アルティメットメディアクリエイター部』である。
『アルティメットメディアクリエイター部』の部長である風見マイカに町内の清掃のボランティア参加するように頼まれた、俺と竹田は色々あって、ボランティアに参加せざるおえなくなった。
『アルティメットメディアクリエイター部』の部室につれてこられた俺と竹田を待っていたのは、副部長の杉原ヒカリが喪服に身を包んで、アニメキャラクターの葬式をしている光景だった。
『アルティメットメディアクリエイター部』の部室で、町内の清掃ボランティアについて詳しく記されている書類を受け取った俺と竹田は、複雑な心境のまま、それぞれの部屋に戻った。

そして、町内清掃ボランティア、当日。
『アルティメットメディアクリエイター部』の部員である、俺と竹田、そして、部長の風見マイカ、副部長の杉原ヒカリは、清掃ボランティアの集合場所である、公園に向かっていた。
公園に到着した俺たちを待っていたのは、大量の高齢者だった。
竹田がキレる。
「おい!山神ィ!バーサンとジーサンしかいねぇじゃねぇかァ!」
「お前は、清掃ボランティアに、いったい、どんな理想を求めてたんだよ」
清掃ボランティアの主催者、金子さんから、ポリ袋とトングをもらった、俺たちは早速、ゴミ拾いを始める。
副部長の杉原ヒカリが、先日、推しのアニメキャラが本編で死んだショックに立ち直れずに、ポリ袋をかぶったまま、泣き叫んでいる。
俺たちは何も見なかったことにして、ゴミ拾いを続ける。
それにしても、町中のありとあらゆる場所に、ゴミが落ちている。
きっと、世界が終末に近づいているせいで、みんな、倫理感がおかしくなってしまったのだろう。
部長が俺に話しかけてくる。
「すごいゴミの量でしょう?」
「ええ、本当に」
「政府が発表した『無期限・食糧配給制度』のせいで、働かなくてもごはんが食べられるようになってでしょ?それで、ゴミ回収業者のお仕事する人、かなり減っちゃったのよ」
『無期限・食糧配給制度』とは、世界の終末を発表した政府が、人類が滅びるまでの間、労働の有無に関わらず、全国民に、可能な限り、食料を提供する制度である。
「でしょうねぇ」
「だからね、今日の清掃ボランティアの主催者、金子さんに、頼まれたの、暇な時でいいから、ボランティアに参加してほしいって」
「ちょっと待って、今日は平日で、しかも、時間帯的には、まだ授業中のはずでは?」
「金子さんはね、ウチのご近所さんなのね、それで昔から色々世話になってて...」
スルーしおったわ、コイツ。
「とにかく、金子さんには、色々、感謝してるのよね」
「ほ~ん」
「アンタ、人の話、ちゃんと聞いてる?」
それは、こっちのセリフだ。
次の瞬間、俺の頭におぼろげながら浮かんでくる。
パブリックモンスターの出現を知らせる、あのイラスト↓が!
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「ゔわあああああああああああああああああああああああッ!」
「ちょっと山神くん?なんでいきなり叫ぶのよ?頭大丈夫?」
遠くから人々の悲鳴が聞こえる。
俺は急いで、悲鳴が聞こえてきた場所に向かって走る。
「ちょっと山神くん!どこ行くのよ!」
部長が俺についてくる。
そして、目的地には、頭に角が生えた、金子さんがいた。
部長が叫ぶ。
「金子さん!」
俺は金子さんの状態をチェックする。
「部長、大丈夫ですよ、金子さんには自我ある、暴走する危険性はない」
「よかった...」
次の瞬間、清掃ボランティアに参加していた、人たちが一斉に、足元に落ちていた石を拾って、パブリックモンスターになってしまった金子さんに向かって投げる。
「なにするんですか!やめてください!」
清掃ボランティアに参加していた人々が、金子さんに暴言を吐きながら、石を投げてくる。
「パブリックモンスターは地球から出て行けぇ!」
「このバケモノがァ!死ねぇぇぇぇぇぇッ!」
「死ねぇ!パブリックモンスター!」
「誰かPGS(パブリックガーディアンズ)に通報しろォ!」
「パブリックモンスターぜってー許さねぇ!」
「誰か、イイ女、紹介してくれー‼」
ひどい、あまりにも、ひどすぎる。
そして、全身に石が当たって、すげぇ痛い。
まずい、このままだと、パブリックモンスターになってしまった金子さんがストレスで、自我を失い、暴走してしまうかもしれない。
そして、俺の悪い予測は当たってしまった。
奇声と共に、金子さんの暴走が始まった。
「グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」

次回予告 風見マイカ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十七話 風見マイカ その3

第二百六十七話 風見マイカ その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

清掃ボランティアに参加していた俺の頭におぼろげながら浮かんできたんだ!
パブリックモンスターの出現を知らせる、あのイラスト↓が!
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックモンスターになってしまったのは、清掃ボランティアの主催者、金子さんだった。
それまで、金子さんと談笑しながら、清掃ボランティアに参加していた人々が、金子さんが、パブリックモンスターになってしまった途端に、金子さんに向かって、暴言を吐きながら石を投げてくる。
「なにするんですか!やめてください!」
パブリックモンスターになってしまったものの、自我を保てていた金子さんは、周囲の横暴によるストレスで、自我を失い暴走してしまった。
「グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
俺は暴走した金子さんを人間に戻すために、現世に『生命の断罪剣・ライフセイバー』を召喚する。
地面に突き刺さった、断罪剣ライフセイバーが俺に語りかけてくる。
『さぁ、ぬきなさい...』
俺は両手に持った断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、自我を失い暴走する金子さんは、俺のパブリックブレイカーを回避して、暴言を吐いてきた人々に襲いかかる。
大勢の人々が悲鳴を上げながら逃げる。
護身用に猟銃を持ってきていたボランティアの参加者の男が、銃弾を、暴走した金子さんに向かって放つ。
「なにするんですか!やめてください!」
パブリックモンスターに進化した金子さんは、高速移動で銃弾を回避する。
金子さんが銃弾を放った男に向かって、怒りの雄叫びを上げる。
「グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
「俺はパブリックモンスターに、子供を殺されたんだ!子供の仇をうってやる!」
「ちょっと待ってくださいよ!金子さんは、今さっき、パブリックモンスターになったばかりなんです!あなたの子供を殺したのがパブリックモンスターでも、それは、金子さんじゃないはずだ!」
「うるせぇ!パブリックモンスターは人類の敵だァ!皆殺しだァ!せいやァ!ハァン!」
男が金子さんに向かって銃撃を続ける。
「なにするんですか!やめてください!」
暴走した金子さんは、銃撃を高速移動で回避しながら、男に接近していく。
暴走した金子さんの巨大な爪が、男に向かって振り下ろされる。
男が悲鳴を上げる。
「うわあああああああああああああああああああッ!」
ガキン!
俺は金子さんの巨大な爪を断罪剣ライフセイバーで受け止める。
「今のうちに逃げてください!」
俺の警告を聞いた、猟銃を持った男が悲鳴を上げながら、逃げていく。
俺は、断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカーを金子さんに放つも、また回避されてしまう。
問題は、金子さんの高速移動だ。
金子さんの高速の動きを止めることができなければ、金子さんをパブリックブレイカーで人間に戻すことはできない。
凍結の断罪剣ヘイルセイバーの使い手である、ヨシノは今、入院中だ。
なら、どうする?
どうすればいい?
思考している間に、暴走した金子さんが、ポリ袋をかぶったまま気絶している副部長の杉原ヒカリに向かって襲いかかる。
部長の風見マイカが、それを止めるために、ポリ袋かぶったまま気絶している杉原ヒカリのもとへ、走っていく。
「部長、無茶だァ!」
マイカが叫ぶ。
「私は...絶対に諦めない‼」
マイカの叫びに反応するように、怪物と化した金子さんと、ポリ袋かぶったまま気絶している杉原ヒカリの間に、大きな竜巻が発生する。
竜巻が怪物と化した金子さんを包み、ダメージを与える。
そして、マイカの目の前の地面には、俺の見たことのない断罪剣が突き刺さっていた。
断罪剣がマイカに語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
断罪剣の柄を両手で握りしめた、風見マイカの脳に、断罪剣の情報が流れ込んでくる。
「疾風の断罪剣...フーガセイバー...!」

次回予告 風見マイカ その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十八話 風見マイカ その4

第二百六十八話 風見マイカ その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

清掃ボランティアの主催者、金子さんが『パブリックブレイク現象』により、『パブリックモンスター』になってしまった。
人々の心無い言葉に暴走してしまった金子さんが、ポリ袋を頭にかぶったまま気絶した状態の杉原ヒカリを襲う。
俺の所属している部活の部長である、風見マイカは親友の命を救うために、暴走した金子さんに立ち向かう。
絶体絶命の中、突如出現した竜巻が、金子さんにダメージを与える。
そして、竜巻の中から、俺の見覚えのない断罪剣が姿を表した。
断罪剣がマイカに語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
断罪剣の柄を両手で握りしめた、風見マイカの脳に、断罪剣の情報が流れ込んでくる。
「疾風の断罪剣...フーガセイバー...!」
マイカが疾風の断罪剣フーガセイバーを金子さんに向かって振るう。
「パブリック・ハリケーン‼」
フーガセイバーから巨大な竜巻が金子さんに向かって放たれる。
金子さんは高速移動で、竜巻を回避する。
しかし、竜巻はそのまま、回避に成功した金子さんを追尾する。
そう、竜巻が金子さんを追いかけているのだ。
何度回避しても追尾してくる竜巻が、金子さんの体に直撃する。
パブリック・ハリケーンによる竜巻が金子さんの全身を捕らえダメージを与え続ける。
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「どうしよう、山神くん...このままだと、金子さんが死んじゃう...!」
「任せろォ!パァァァァァァッブリックゥゥ‼ブレイカァァァァァァァァー‼」
パブリックブレイカー↓が金子さんに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカーの直撃を受けた金子さんが、人間の状態に戻る。
俺と部長の断罪剣の力で金子さんを人間に戻すことに成功した。
しかし、一度パブリックモンスターになって暴走してしまった、金子さんは、おそらく、世界が終末を迎えるまで、一生、近隣住民からバケモノ扱いされるに違いない。
俺と部長と竹田は、複雑な胸中で、金子さんと杉原ヒカリを乗せて去っていく救急車を見送る。
部長が両掌をパチンと叩き合わせる。
「まだ、清掃ボランティアは途中よ!金子さんや、途中で返っちゃった人たちの分も、最後までやり遂げるわよ!」
主催者の金子さんがパブリックモンスターになってしまったことで、台無しになってしまった清掃ボランティア。
意識を取り戻した金子さんは、おそらく、自分の不運と『パブリックブレイク現象』を恨むに違いない。
そして退院後に待つのは近隣住民からの冷たい視線。
金子さんの将来に同情した俺と竹田は、何も言わずに、ただ黙々と、部長と共にゴミ拾いを続けた。
学生寮の俺の部屋では、清掃ボランティアの打ち上げが開催されていた。
俺は竹田と部長(風見マイカ)と共に、鍋を食べている。
食材はもちろん、竹田がスーパーでムァンビキしてきた。
最低だ。
でも、うまかった。
竹田も鍋の味を絶賛している。
「やっぱり、たくさん体、動かしたあとの、メシは最高ですね!」
「鍋が完成するまでの過程は最低だけどな...」
「うん、おいしい!」
部長が鍋を食いながら俺に質問してくる。
「あのさぁ!山神くん、断罪剣っていったい何なの?」
「知りませんよ、俺にも...ただ、俺の断罪剣ライフセイバーはパブリックモンスターを人間に戻せるんです」
「そんなことは、わかってんのよ、なんか知り合いに詳しい人いないの?」
「確か、PGS(パブリックガーディアンズ)のヨシノとか、カイトなら、知ってると思うんだけど...二人の電話番号、知らないんだよなァ...」
「つかえな」
「つかえな」
「竹田ァ!おめぇは黙ってナベ食ってろォ!」
「なんだと、この鍋の食材は全部、俺がスーパーでムァンビキしてきたんだぞォ!」
「誇るなァ!あと、そのドヤ顔やめろ!マジで腹立つから!」
「山神く~ん、結局、断罪剣っていったいなんなのよ~!」
自室の窓が、あけ放たれる音がする。
「知りたいかァ!断罪剣についてェッ!」
俺たちの背後に、PGSの霧原カイトが立っていた。
部長が驚く。
「わぁ、野生のイケメン!」
「違うッ!PGSのイケメン!霧原カイトだァ!」
イケメンなのは否定しないのか...。
「そんで、カイトさん、断罪剣っていったい何なんですか?」
「教えるには、条件がある...」
「条件?」
「PGSの医療施設から、色川ヨシノと、その弟のレオンが脱走した...我々PGSは奴らを捕らえるのに、君たちの協力を要請する...我々に協力してくれれば、お前たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい」
それは、つまり、ヨシノがPGSを裏切ったことを意味していた。

次回予告 裏切り者 その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百六十九話 裏切り者 その1

第二百六十九話 裏切り者 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

清掃ボランティアの打ち上げで鍋を食べていた、俺と竹田と風見マイカ。
断罪剣の謎について俺に聞いてくるマイカ。
俺は情報不足で風見マイカになにも情報を提供することができない。
その時、突如、自室の窓があけ放たれ、PGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイトが、不法侵入してくる。
カイトはマイカの疑問に答えるように告げる。
「PGSの医療施設から、色川ヨシノと、その弟、レオンが脱走した...我々PGSは奴らを捕らえるのに、君たちの協力を要請する...我々に協力してくれれば、お前たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい」
それは、つまり、ヨシノがPGSを裏切ったことを意味していた。
個人的には、断罪剣の謎よりも、どうして、ヨシノがPGSを裏切ったのかが気になった。
「カイト!どうして、ヨシノはPGSを裏切ったんだ?」
「どうやら、ヨシノは、レオンとの面会の際に『ある事実』を知ってしまったらしい...」「『ある事実』?」
「君は、レオンが、自分とヨシノの両親を殺したことは知っているね?」
「ああ、パブリックモンスターになったレオンが、自分の意思で、自らの両親を殺害した...!」
「そうだ、しかし、その犯行動機にはちゃんとした理由があった」
「理由?」
「色川レオンの両親は、パブリックモンスターに覚醒したレオンを、PGSに処刑させようとしていたらしい...」
「じゃあ、レオン君は自分の身を守る為に、仕方なく、両親を殺した...」
「そうだ、それこそが、ヨシノが知ってしまった『ある事実』だ。レオンに同情したヨシノは、レオンの死刑を阻止するために、レオンと共にPGSの医療施設を脱走した」
「なるほど...要は、俺たちにヨシノをおびき出すエサになれってことか...!」
「その通りだ、ヨシノとレオンの捕獲が成功すれば、君たちに断罪剣の秘密を教えてやってもいい...」
「気に入らないな」
「何だとォ!」
「ヨシノは俺の友達だ、友達をだますなんて俺にはできねェ!」
「では、そこの竹田君と疾風の断罪剣士、君達はどうする?」
「とりあえず、PGSは死ね」
「貴様ァ!」
「私はそもそも、ヨシノと話したことがないわ、確か転校生よね、その子?」
「ええ、ヨシノも実は、俺とマイカさんと同じ、断罪剣士なんです」
「じゃあ、仲間ってことね、じゃ、私もPGSには協力できないわ」
「では君たち3人は、友人であるヨシノを見捨てるのか!」
「見捨てるわけないだろ!ヨシノとレオン君は、俺たちが守る!」
竹田が異を唱える。
「3人って...それ、俺も入ってるの?」
俺は竹田の肩に手を乗せ、にこやかに告げる。
「当たり前だろ...!俺達...仲間じゃないか...!」
「いや、全然嬉しくねぇし!」
「とりあえず、私たち『アルティメットメディアクリエイタ―部』はヨシノとレオン君をあなた達PGSから守る!それが私たちの答えよ!」
風見マイカの宣戦布告に竹田がキレる。
「部長ォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!」
「なるほど...つまり、君たちは我々PGSの敵になるということだな...!」
「PGSの敵じゃねぇ!ヨシノを傷つける奴らの敵だァ!」
「君たち『3人』の決意はわかった...我々PGSには、パブリックモンスターの脅威から罪なき、人々の命を守る使命がある、それを邪魔するなら容赦はしないぞ...!」
竹田がカイトに泣きながら頼む。
「ちょっと、まってくれよォ!俺はPGSと敵対するつもりはない!その『3人』の中に俺を入れるのはやめてくれぇぇぇぇッ!」
「諦めなさい、竹田君、私たち友達でしょ!」
「マイカさんの言うとおりだぜ!俺達、友達だろ!」
カイトが自室から去る。
竹田が絶望して、叫ぶ。
「ゔあああああああああああああああああああああああああああああッ!」

次回予告 裏切り者 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十話 裏切り者 その2

第二百七十話 裏切り者 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

自身の両親の死の真相を知った色川ヨシノは、弟のレオンを守る為にPGS(パブリックガーディアンズ)の施設から脱走した。
俺と風見マイカと竹田は、PGSの魔の手から、ヨシノとレオンを守る為に、PGSと戦う決意をした。

PGSに指名手配された色川ヨシノとレオンは逃走を続けていた。
ヨシノとレオンは逃走中に見つけた空き家で休憩していた。
「お姉ちゃんは本当にこれでいいの?」
「どういうこと?」
「どうして、僕といっしょに逃げる気になったの?」
「私は知らなかったのよ...父さんと母さんが、PGSに頼んでレオンを殺そうとしていたことを...もっと、早く言ってくれれば、こんなことには...」
「僕がどうして、何度も戦いを挑んでくるお姉ちゃんを、殺さなかったかわかる?」
「わかんねーわよ!」
「僕にとっての償いは、お姉ちゃんに殺してもらうことだったんだ。だから僕は今まで、お姉ちゃんに何度勝負を挑まれても、殺しはしなかった...」
「でも、アンタに勝負を挑んできた、私以外のPGS(パブリックガーディアンズ)のメンバーは殺したんでしょ?」
「もちろん、正当防衛だよ、しかたがない」
「でもPGSじゃない、一般人もたくさん殺したんでしょう?」
「ああ、先に攻撃してきた人間は、当然殺すよ、正当防衛さ」
「私はずっと、レオンがどうして、両親を殺したのか、知ろうとしなかった...」
「そりゃあ、聞かれてないし、僕も言うつもりはなかったよ...でもPGSに捕まった後、面会室で、お姉ちゃんが色々聞いてきたからさ、つい、話してしまった...なんで話しちゃったのかな...僕が話さなきゃ、こんなことにはならなかったのに...」
「知らないよりは、マシよ...」
「でも、後悔してるだろ?」
「そりゃあね、でも、両親の死の真相を知らないまま、レオンを失ったほうが、もっと後悔していたかもしれない...だから、わたしは後悔してないわ...わたしが、アンタを守る...」
「どうなってもしらないよ...」
「言ったのよ、アイツが私に...『パブリックモンスターの脅威から人類を守るのがPGSの仕事じゃないのか』ってね、今のアンタは人間なんだがら、PGSの私がアンタを守るのは当然のことよ」
「でも、もう、お姉ちゃんはPGSじゃないんだろ?」
「ええ、でも、弟を守るのはお姉ちゃんの仕事よ」
「調子狂うな、ちょっと前までは、僕のこと殺そうとしてたのに...」
「悪いのは、全部、人間をパブリックモンスターにしてしまう、パブリックブレイク現象よ...レオンは悪くないわ...」
「でも、PGSに勝てるの?」
「私は断罪剣の使い手よ、PGSはなぜか、断罪剣士を必要としている、戦いに勝てなくても、私が殺されることはないわ、でも、レオン、あなたは別よ」
「わかってるよ、僕は元、快楽殺人鬼だからね、しかたないよ...」
「でも、レオンが両親を殺さなかったら、私は断罪剣と出会ってなかったわ...」
「じゃあ、僕が父さんと母さんを殺したおかげで、お姉ちゃんはPGSに殺されずに済むってことだね?」
「ええ、バカな両親がレオンを殺そうとしなければ、私は断罪剣に選ばれてなかったかもしれない...だから私は断罪剣でアンタを守るのよ...」
空き家の壁が突然、大きな音を立てて、破壊される。
「かくれんぼは、もうおしまいだ、ヨシノ!」
ヨシノとレオンの前に、PGSの戦士、神田ゴウキが現れる。
神田ゴウキは政府に、安全性を認められた自我を持ったパブリックモンスターである。
そして、その能力は肉体を強化する能力。
「相変わらずの、馬鹿力ね、ゴウキ君」
「ああ、俺に壊せないものはない!とっとと、そのガキをよこせ!」
「アンタたちにレオンは渡さないわ!」
ヨシノが現世に凍結の断罪剣ヘイルセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった断罪剣ヘイルセイバーがヨシノに語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
両手でヘイルセイバーを握ったヨシノがゴウキに攻撃する。
「くらえ!パブリック・フリーズ‼」
パブリック・フリーズによって、氷に閉じ込められるゴウキ。
「レオン、今のうちに逃げるわよ!」
しかし、ゴウキの強化された拳が、自身を封じていた氷を壊す。
「さっき言っただろうが!俺に壊せないものはないってなぁ!」
ヨシノはわかっていた、PGSがレオンを捕らえるために、あえて、ヨシノの能力と相性が悪いゴウキを刺客として送ってきたことに。
ゴウキは両足を強化して、ヨシノとレオンを超スピードで追いかける。
二人に追いついたゴウキがレオンに向かって襲いかかる。
「カイトが言ってたぜ!レオンは殺していいってなァ!」
「パァァーッブリィィックゥ!ブレイカァァァァァーッ‼
次の瞬間、ゴウキの全身に、山神ムサシが放ったパブリックブレイカー↓が直撃する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ぐあああああああああああああああああッ!」
「山神ムサシ!どうして、ここに!」
「近くで、大きな音がしたからな、多分、ここだと思ったよ」
「そうじゃなくて!」
「お前が、カイトが言っていた、山神ムサシか...おもしれぇ!死なない程度に痛めつけてやるぜ...あれ、なぜだ!なぜ、肉体を強化できない!」
「カイトから聞いてなかったのかよ...俺の生命の断罪剣ライフセイバーには、パブリックモンスターを人間に戻す力があるのさ!」
「ち、ちくしょおォォォォォォッ!」
ゴウキが俺達から逃げていく。
「山神ムサシ、どうして、私とレオンを助けに来たの...?」
「カイトから聞いたんだ、レオン君が自分の身を守る為に、ヨシノの両親を殺したことをね...だから、俺はヨシノがレオン君を守ろうとすることが、『悪』だとは思えない...それだけだ...」
「嬉しいけど...どうなっても、知らねーわよ!PGSには私以外にも断罪剣士がいるんだから!」
上空から巨大な岩が俺に向かって落ちてくる。
「ほら、言わんこっちゃない!山神ムサシ!上!」
ヨシノの警告のおかげで、俺は巨大な岩を回避することに成功する。
巨大な岩が地面に激突して、土煙を上げる。
「前が見えない...」
土煙の中から右手に大剣を持った人間が歩いてくる。
時間の経過とともに、土煙が消えていく。
俺の目の前に、大剣を持ったおかっぱ頭にメガネが特徴的な少女が現れる。
ヨシノが俺に告げる。
「大地の断罪剣士...工藤リンカ...!」
「お久しぶりです...ヨシノ先輩...」

次回予告 裏切り者 その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十一話 裏切り者 その3

第二百七十一話 裏切り者 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

両親の死の真相を知ったヨシノはレオンと共に、PGSの施設を脱走。
山神ムサシは、ヨシノとレオンを捕獲しに来たPGSの戦士・神田ゴウキを断罪剣ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカーで異能者から人間の状態に戻し、無力化する。
しかし、ゴウキと入れ替わるように、大地の断罪剣士、工藤リンカが山神ムサシの前に現れる。
俺の目の前に、大剣を持ったおかっぱ頭にメガネが特徴的な少女が現れる。
ヨシノが俺に告げる。
「大地の断罪剣士...工藤リンカ...!」
「お久しぶりです...ヨシノ先輩...」
「大地の断罪剣士だって...!」
「ええ、一応、私の後輩よ」
「ゴウキ君から緊急の通報があって、ここに来ました、事情は大体わかっています...私はできれば、大事な友達を傷つけたくありません...大人しく降参してくだい...」
「お前、工藤とか言ったな、お前はPGSのやり方になんの疑問も感じないのか?」
「どういう意味ですか?」
「ヨシノの友達なのに、どうして、ヨシノを追い詰めるんだって言ってんだ!」
「友達、だからですよ。友達だから、間違った道を進もうとしているヨシノ先輩を、正しい道に導こうとしているだけです...」
「レオン君は悪くない、悪いのは全部パブリックブレイク現象だ!だから、レオン君を処刑しようとしているPGSは間違っている!」
「色川レオンは正当防衛とはいえ、両親や人間を殺しています、彼は現代社会にとって、危険な存在です、だから、処刑する、私はなにか間違ったことを言っているでしょうか?
「正当防衛なのに、死刑にするのが間違っている!」
「では、仮に、あなたの家族の中に、レオンに殺された人間がいたらどうしますか?そちらが先に手を出したから、死んで当然だったと言われて、はいそうですか、と納得できますか?」
「そ、それは...!」
「言い返せないということは、私の完全勝利ということでよろしいか?」
ウゼーな、このおかっぱメガネ。
「とういうわけで、レオンを処刑して、ヨシノ先輩の身柄を確保させてもらいます」
リンカが大地の断罪剣を地面に突き刺す。
ヨシノが俺に警告する、
「足元に気を付けなさい!リンカの断罪剣ガイアセイバーは、その名の通り、大地を操る断罪剣よ!」
大地の断罪剣ガイアセイバーが地面に突き刺された瞬間、大きな地震が俺たちを襲う。
「うおあッ!すっげぇ、揺れる!」
地面から土と石で出来た巨大な竜が出現して、レオンではなくヨシノを襲う。
「おい!工藤リンカ!PGSの処刑対象はレオンじゃなかったのか!」
「レオンですけど、それがなにか?」
「言っていることと、やっていることが、矛盾してんだろォ!」
「まぁ、見てればわかりますよ...」
「わかって、たまるかよォ!パブリックブレイカー‼↓」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑がリンカに直撃する。
しかし、リンカの断罪剣ガイアセイバーから放たれた、土と石で出来た巨大な竜はその動きを止めない。
「そんなぁ!パブリックブレイカーが通用しない!」
「あなたバカですね、断罪剣士は、パブリックモンスターではない。だから、あなたの攻撃で、私の能力を無効化することは不可能です」
ヨシノは土と石で出来た巨大な竜を避けるので精一杯で、反撃できない。
その隣で、レオンは、自分のせいで、死にそうになっているヨシノを不安げな表情で見つめている。
「そういうことか!リンカ、お前、あえて、ヨシノに攻撃することで、レオン君にストレスを与えて、レオン君をまた、パブリックモンスターにするつもりだな!」
「正解です」
俺の頭におぼろげながら、パブリックモンスターの出現を知らせる『アレ↓』が浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああッ‼」
「なんか急に叫びだしましたねぇ、頭大丈夫ですか?」
遅かった。
自らのせいで、傷つき、死にかける姉の姿がストレスとなって、レオン君がまた、パブリックモンスターになってしまった。
暴走状態のパブリックモンスターと化したレオン君が姉のヨシノに襲いかかる。
「暴走したレオンがヨシノ先輩を殺そうとした。これで、レオンを処刑していい動機が成立しましたね」
「させるかよォォォォッ!」
俺はレオン君を人間に戻すために、命の断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカーを放とうとする。
しかし、リンカの拳が俺の顔面に直撃する。
俺の体が、3メートル程、吹っ飛ぶ。
「邪魔、しないくださいよ」
大地の断罪剣・ガイアセイバーによって、作り出された土と石でできた巨大な竜が、ヨシノを襲っているレオンに直撃する。
「パブリック・クラッシュ...」
パブリック・クラッシュの直撃を受けたレオンが消滅する。
ヨシノが叫ぶ。
「レオン!」
泣いてるヨシノの前に、リンカが立ちふさがる。
「さぁ、帰りましょう、先輩」
ヨシノがリンカの頬にビンタをする。
リンカの表情が、一瞬だけ、とても傷ついたような表情になる。
「どうして、レオンを殺したのよ...」
「私は『パブリックモンスター』から、先輩を助けただけです...」

次回予告 裏切り者 その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十ニ話 裏切り者 その4

第二百七十ニ話 裏切り者 その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

工藤リンカは大地の断罪剣ガイアセイバーで作り出した、石と土で出来た巨大な竜で、あえて、ヨシノを襲った。
レオンは、姉のヨシノが自分のせいで傷つき、死にかける姿がストレスとなり、再び、パブリックモンスターになり、暴走する。
ここまでが、すべて、工藤リンカの作戦だったのだ。
レオンを殺すのに十分な理由を作り出した、工藤リンカは、断罪剣ガイアセイバーの『パブリック・クラッシュ』で暴走したレオンを消滅させる。
暴走したレオンから、ヨシノを守った工藤リンカの頬に、ヨシノのビンタが直撃した。
「ひどいなぁ...私がせっかく、先輩のこと、助けてあげたのに...」
「アンタがわざと、レオンをパブリックモンスターにしたんでしょ!」
「バレちゃいました?」
ヨシノが再び、リンカの頬に向かって右手を伸ばす。
しかし、リンカがヨシノの右手を腕をつかみ、ビンタの直撃を阻止する。
「ダメですよ、先輩、友達の顔を殴るなんて...」
リンカはヨシノ右手を愛しそうに頬ずりをする。
「おい、おかっぱメガネ...」
ヨシノの背後に、山神ムサシが立っていた。
「おや、てっきり気絶していたと思っていたんですが...」
山神ムサシが断罪剣ライフセイバーをリンカに向かって突きつける。
「どうして、レオン君をパブリックモンスターにした...どうしてレオン君を殺した...!」
「今となっては、その議論に意味があるとは思えませんが...」
山神ムサシが断罪剣ライフセイバーをリンカに向かって振り下ろす。
しかし、リンカの断罪剣ガイアセイバーが振り下ろされた断罪剣ライフセイバーを受け止める。
リンカの膝蹴りがムサシの腹部に直撃する。
「どうやら、あなたは、断罪剣士との戦いは初めてのようですね...斬り合いだけが、戦いだと思っているなら、大間違いですよ」
リンカの拳や蹴りが俺の全身に直撃する。
「山神ムサシ、あなたが何度、断罪剣の力で、パブリックモンスターを人間に戻しても、さっきのレオンのように、再びパブリックモンスターになってしまえば、あなたの努力は無駄になる。つまり、あなたの戦いは、はっきり言って無意味です、あなたの断罪剣は悲劇を繰り返すことしかできない」
リンカの足がムサシの頭部を踏みつける。
「おねがい、リンカ!もう、やめて!」
「ヨシノ先輩、降参しないのであれば、このまま山神ムサシを痛めつけます」
「PGSは断罪剣士を殺さないんじゃなかったの?」
「その通りです、でも、場合によっては両手足を切断した状態で生かすことも可能です」
「わかったわ...降参する...もう、レオンもいなくなっちゃったしね...」
「ヨシノ、ダメだァ!PGSに戻ったら、何をされるかわからんぞ...ゴフッ!」
「よくしゃべるゴミですねぇ」
「安心して山神ムサシ、さっき言った通り、PGSは断罪剣を使える人間を特別視しているから、私は死なないわ...」
「では、迎えのヘリが来るまで、楽しませてもらいましょうか」
「リンカ!約束が違うわよ!」
「この男のせいで、ヨシノ先輩が変わってしまった...」
地面に仰向けに倒れた状態のムサシが勝ち誇った笑みを浮かべながら、自分を見下ろすリンカに告げる。
「白...!」
「白...?きゃあぁぁぁぁッ!」
ムサシに下からスカートの中を覗かれていた事に気付いたリンカが、断罪剣ガイアセイバーをムサシの頭部に向かって突き刺そうとする。
「リンカ!だめぇぇぇぇぇッ!」
次の瞬間、リンカの全身を竜巻が包む。
「くっ...前が見えない」
戦闘音に気付いて駆けつけた、風の断罪剣士、風見マイカがボロボロになったムサシを肩に担いで、飛翔する。
「空を飛んでいる...そうか、あれが風の断罪剣士...風見マイカ...」
肩にムサシを担いだマイカが、リンカとヨシノから遠ざかっていく。
疾風の断罪剣フーガセイバーの力で空を飛んでいるマイカがムサシに問いかける。
「ムサシ君、どうして、私を誘ってくれなかったのよ...」
「一応、電話...したんですけど...なにしてたんですか?」
「部室で、副部長とアニメ見てた」
死んでしまえ。
「部長...レオン君...ダメでした...。俺が今まで、やってきたことって、全部、無意味だったんでしょうか...?」
「バカね、竹田君から聞いたわよ」
「なにをですか?」
「ムサシ君が、断罪剣ライフセイバーの力で、パブリックモンスターになってしまった竹田君や、アキちゃんを人間に戻したことよ。その二人だけじゃない、ムサシ君は私の友達の金子さんも人間に戻してくれた、あなたは、断罪剣の力で、みんなの『今』を作ったのよ...」
「『今』?」
「そう。ムサシ君がパブリックモンスターだったレオン君を一度だけ、人間に戻したおかげで、ヨシノは両親の死の真相を知ることができた。それがきっかけで、それまで憎み合っていた姉弟が、ほんの少しの間だけ、分かり合えた。その『今』を作ったのは、ムサシ君なのよ」
「でも、先輩は、俺が命懸けで戦ってた時、部室で副部長とアニメ、見てたんですよね?」「うん、なんか脚本はアレだったけど、作画がすごかったよ」
そういうこと、聞いてんじゃねぇんだよ。
「でも、私が戦闘音に気付いて、駆けつけてなかったら、ムサシ君、多分、死んでたでしょ?」
「まぁ、そうなっちまいますね...」
工藤リンカ...アイツはPGSのルールで断罪剣士の殺害が禁止されていることを知っていながら、俺を本気で殺そうしてきた...。
「とりあえず、ムサシ君は、よく頑張ったわよ...」
俺は部長の言葉に、心の底から、感謝した。

次回予告 歓迎会 その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十三話 歓迎会 その1

第二百七十三話 歓迎会 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

授業中、パブリックモンスターの出現を知らせるアレ↓が俺の頭におぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああッ!」
授業中に突然、叫びだした俺に、クラスメイト達の視線が一斉に集中する。
「おい、山神ィ!授業中は静かにしろォォンッ!」
国語の先生が授業中に叫んでしまった俺を注意する。
教室が俺への嘲笑で満たされる。
俺はパブリックモンスターになってしまった人を人間に戻すために、授業中の教室を出る。
「おい、山神ィ!まだ授業中だぞォォンッ‼」
俺はとりあえず、先生に適当なこと↓を言って廊下を走り続ける。
「最近の人気アニメはよォ!クオリティーがすげぇだけで、話があんま面白くねぇんだよォォッ!」
背後から、「何言ってんだァ!」という国語教師の声とクラスメイト達の笑い声が聞こえる。
まぁ、俺の通う、偏差値最低辺高のアルティメットジーニアス学園のやつらに今更、変人扱いされたところで、痛くもかゆくもない。
学校を出た俺は、本能のおもむくままに、駅に向かう。
人間をパブリックモンスターにしてしまう、パブリックブレイク現象は、よく駅で発生する。
俺は歩道から、フェンスをよじ登って、駅のプラットホームに不法侵入する。
「ま~た、やってるよ!」
線路に電車が止まっている。
プラットホームには大量の鉄道マニア達が集まり、駅員に向かって、暴言を吐いている。
事故防止のために、駅員が鉄道マニアの前に立っているせいで、鉄道マニア達が電車の撮影ができないと騒いでいるのだ。
「ゔぉいッ!しゃがめッ!しゃがめって言ってんだろォ!このクソ駅員!ボアァァァァァァァァァイィィィィッ‼」
「ヴェアアアアアアアアアアーイィィッ!しゃがめぇぇぇぇンッ!しゃがめって何回言えばわかんだよォォォォォンッ!」
「しゃがめよォ!マジでしゃがめ!てめ、耳ついてんのクァ!このボゲぇぇぇイッ!」
鉄道マニア達に何度罵倒されても、駅員はしゃがまない。
駅員は鉄道マニア達の、身の安全を守る為に、自分が電車の撮影の邪魔になっていることを自覚しながら、しゃがまないのだ。
すばらしい、プロ根性である。
しかし、心無い鉄道マニアの一人が駅員の頭部を上から手で抑え、無理矢理しゃがませようとする。
遅かった。
鉄道マニア達の心無い言動や、暴力に耐えられなくなった駅員が突全、叫びだして、パブリックモンスターになってしまう。
パブリックモンスターになってしまった駅員を見た鉄道マニア達が一斉に、悲鳴を上げて、逃げていく。
騒ぎを聞いて駆けつけた、別の駅員がPGS(パブリックガーディアンズ)から支給されている対パブリックモンスター用に開発された銃をパブリックモンスターになってしまった駅員に向ける。
銃を持っている駅員は、パブリックモンスターになってしまった駅員の自我の有無を確認せずに、銃撃を開始する。
「パブリックモンスターは皆殺しだァァァァァァァッ!」
連続して、発射された銃弾がパブリックモンスターに直撃する。
俺は銃を持っている駅員と、パブリックモンスターの間に入る。
「なにするんですか!やめてください!」
「うるせぇ!どけぇ!パブリックモンスターはこの世界に必要ねぇんだよォ!パブリックモンスターは死ねぇぇぇッ!」
パブリックモンスターが自分の身を守る為に、背中に生えた触手で銃を持っている駅員を捕らえる。
俺は現世に、生命の断罪剣・ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった断罪剣ライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
俺は地面から抜いた断罪剣ライフセイバーから、パブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたパブリックモンスターが人間に戻る。
パブリックモンスターになってしまった駅員が人間に戻ったのを確認した俺は、プラットホームに設置されたフェンスをよじ登って、歩道に降りる。
駅員が俺を叱責する。
「おい!てめぇ!なにやってんだァ!」
俺はとりあえず、適当なこと↓を駅員に言って、学校に向かって走り続ける。
「最近のアニメはァ!どんなに話がクソでも、キャラクターがめっちゃ動いてりゃ神アニメになる!おめぇそこんとこどうなんだよォッ!」
背後から駅員の罵声が飛んでくる。
「なに言ってんだァ!てめぇぇぇぇッ!」
俺は学校に向かって全力で走る。
すると、いつの間にか、俺の隣を竹田が走っていた。
竹田はパンパンに膨らんだリュックを背負っていた。
そして、竹田の背後には警察官が3人ぐらい走っていた。
パンパンに膨らんだリュック。
全力で走る竹田。
全力で追いかけてくる警察官。
俺は全てを察した。
俺は竹田に聞く。
「竹田ァ!お前、また、ムァンビキしたのかァ!」
隣を走る竹田が満面の笑みを浮かべる。
まずい、このままだと、警察官に追いつかれる。
「パブリック・ハリケーン‼」
俺と竹田の体が突然、宙に浮く。
宙に浮いた俺と竹田の隣には、お祭りでよく売っている、アニメキャラクターのお面を付けている風見マイカがいた。
「部長ォ!」
「とっとと逃げるわよ!」

次回予告 歓迎会 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十四話 歓迎会 その2

第二百七十四話 歓迎会 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

近くの駅で色々あった俺は、警察に追いかけられていた竹田と遭遇する。
どうやら竹田はまた、ムァンビキをしてきたらしい。
俺の所属する部活動、アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカの疾風の断罪剣フーガセイバーの力で、無事、警察から逃げきれた俺と竹田。
俺と共に、部室に帰還した竹田が安堵のため息とともに告げる。
「ふぇ~!部長のおかげで助かったァ~!つーか、空飛べるとか便利ですね、部長の断罪剣...」
「ふぇ~!じゃねぇんだよォ!おめぇ自分がなにしたかわかってんのかァ!」
「だってぇ、部長に頼まれたんだもん!」
「部長ォォッ!アンタも部員になにさせてんだァァッ!」
「いいでしょ、私も手伝ったんだからァ!」
「そういう問題じゃねぇだろォ!」
「とりあえず、とっとと歓迎会の準備始めるわよ!」
「誰の?」
「そんなの決まってるでしょ!ヨシノちゃんの歓迎会よ!」
そう、あの工藤リンカとの戦いの後、一度PGS(パブリックガーディアンズ)を裏切ったヨシノはPGSから再び、俺の監視任務を任されたのだった。
本来であれば、PGSを裏切った者は処刑されるはずなのだ。
しかし、理由は不明だが、PGSは断罪剣の所有者を特別視している。
そのため、凍結の断罪剣ヘイルセイバーの使い手である、ヨシノは処刑されずに再び、俺の監視任務を任されることになった。
実に不気味である。
「ヨシノがアルティメットメディアクリエイター部に入部するって言ったんですか?」
「言ってないわよ、別に」
「別にって、そんなのヨシノが、かわいそうですよ」
「かわいそうじゃない!」
「なにを根拠にそういうこと言ってるんですか?」
「私が、かわいそうじゃないって言ったら、かわいそうじゃないのよォ!」
「もう、めちゃくちゃだなァァッ!ヴォイィィッ‼」
「で、竹田君は休憩してないでとっとと鍋の準備して!副部長もアニメ見てないで、竹田君のこと手伝って!山神くんは、ヨシノちゃん呼んできて!」
「まだ授業中ですよ」
「うるさい!」
うるさいのはおめぇだボケ。
俺はとりあえず、部長に言われた通り、ヨシノを探しに行く。
教室では、英語の授業を行われていた。
クラスメイトの誰もが、好き勝手に遊んでいる中、ヨシノだけが真面目に授業を受けていた。
俺はヨシノに話しかける。
「おい、ヨシノォ!こんなとこで何やってんだよォ!」
「うるせーわよ!真面目に授業、受けてんのよ!」
「部長が、歓迎会するって」
「誰の?」
「ヨシノの歓迎会」
「私、あんなおかしな部活動に入るなんて一言も言ってないんだけど」
「でも、先輩が、ヨシノがかわいそうだから歓迎会するって...」
「マジで意味がわからないんですけど...」
俺もだよ。
「きっと、部長は、レオン君が死んで、落ち込んでるヨシノを慰めたいんだろ?」
「それってさ、歓迎会じゃなくて、『偲ぶ会』でしょ。そんで、アンタはともかく、どうして、風見マイカが私にそこまでしようとするわけ?」
「実は、ヨシノとレオン君がPGS(パブリックガーディアンズ)を裏切ったって話を、カイトから聞いたとき、その場に部長も竹田もいたんだよ、それで、『みんなでいっしょに』、ヨシノとレオン君を助けようって決意したんだ、まぁ、結果はダメだったけどさ...」
「『みんなでいっしょに』...って、風見マイカは最後の方にアンタを助けに来ただけで、竹田君に関しては、アンタを助けに来なかったわよねぇ...」
「うん...一応、電話はしたんだけどさ、部長はその時、副部長と部室でアニメ見てたっぽい」
「竹田君は?」
「知らん」
「わかったわよ、行けばいいんでしょ、行けば!」
「アルティメットメディアクリエイター部に入部してくれるのか?」
「するわけねーわよ!アンタたちが歓迎会だと思い込んでいる偲ぶ会に出席するだけよォ!」
俺は英語の授業を放棄したヨシノ共に、アルティメットメディアクリエイター部の部室に向かう。
「でもさぁ、お前、PGSを裏切ったのに、よく、ここに戻ってこれたよなぁ...」
「私たち断罪剣士はそれだけ、PGSにとって、貴重な存在だってことでしょ」
「なんで、PGSはそんなに断罪剣士を特別扱いするんだ?」
「知らねーわよ!あっ...ここね...!」
部室のドアのガラスの部分には直接、黒のマジックペンでアルティメットメディアクリエイター部と描かれていた。
「普通、こーゆうのって、紙に書いて、ドアに貼るわよねぇ...」
「まぁ、ここは偏差値最低辺高のアルティメットジーニアス学園だからな、普通なんて発想は捨てたほうが楽だぜ!」
「大体、アルティメットメディアクリエイター部ってなによ!」
「そりゃあ、アルティメットなメディアをクリエイターする部活のことだよ...」
「説明になってねーわよ!」
ヨシノがドアを開ける。
ヨシノが部室に入った瞬間、クラッカーの音が鳴る。
部室のテーブルの中央には、ガスコンロの上に乗った鍋が湯気を立てていた。
サンタクロースの格好をした部長と副部長と竹田が一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマ...」
バタン。
3バカが最後まで言い終わる前に、ヨシノが部室のドアを閉める。
ヨシノが俺に真顔で問いかける。
「今、何月?」
「3月です」
「帰る」

次回予告 歓迎会 その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十五話 歓迎会 その3

第二百七十五話 歓迎会 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカは、PGS(パブリックガーディアンズ)に弟を殺された色川ヨシノのために、歓迎会と言う名の『偲ぶ会』を開催した。
しかし、ヨシノを待っていたのは、アルティメットメディアクリエイター部員達による常軌を逸したパーティー会場の光景だった。
ヨシノが部室に入った瞬間、クラッカーの音が鳴る。
部室のテーブルの中央には、ガスコンロの上に乗った鍋が湯気を立てていた。
サンタクロースの格好をした部長と副部長と竹田が一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマ...」
バタン。
3バカが最後まで言い終わる前に、ヨシノが部室のドアを閉める。
ヨシノが俺に真顔で問いかける。
「今、何月?」
「3月です」
「帰る」
「ちょっと待ってくださいよ~」
「待たねーわよ!なんで3月なのにみんなでサンタコスして、しかもテーブルにアツアツの鍋、置いてあんのよ!あぁぁぁッ!思わずツッコんじゃったじゃないッ!どうしてくれんのよ!」
「じゃあ、俺は部室でみんなと鍋、食いますよ」
「食ってくれば?」
「ヨシノがPGSに与えられた任務は、俺の監視ですよね?」
「だから?」
「監視対象を放っておいていいんですか?」
「...それは」
「それに、このままPGSの操り人形のまま、何も知らないまま、世界の終りを待つだけでいいんですか?」
「嫌よ、そんなの!」
「俺はたとえ、『パブリックブレイク現象』のせいで世界が近いうちに滅びるとわかっていても、何も知らないまま死ぬつもりはありません、だから断罪剣士同士で力を合わせて真実にたどり着きましょう!」
「力を合わせて、真実にたどり着く...?」
「部長の断罪剣フーガセイバーには、風を操る力があります。つまり、空が飛べるんですよ」
「だから?」
「PGSの秘密を探るには、部長の断罪剣の力は、うってつけなんですよ!」
「山神くんさぁ、私がPGSのメンバーだってわかってんの?」
「わかってますよ、もちろん。でもこのまま、レオン君を殺したPGSの都合のいいように利用されたままいいんですか?」
「う~ん、わかった。あくまでも、山神君と風見マイカの監視を目的に、アンタたちの部活動に入部してやってもいいわ...」
「気変わるの早くない?」
「アンタが誘ったんでしょ!PGSや断罪剣の秘密を探るのはもちろん、『敵対勢力』の調査の際に、断罪剣士の仲間がいてくれれば、助かるからね...」
「敵対勢力?」
「アンタも前にカイトから聞いたんでしょ?パブリックモンスターに覚醒したレオンを支援していた組織について...」
「ええ。確か、自我を持ったパブリックモンスターの犯罪者を支援する組織のことですよね?」
「そう、奴らの名は、『セイバーズ』よ。PGSの拷問で、レオンが吐いたらしいわ...」
「『セイバーズ』のセイバーって、確か、断罪剣の名前にも、ついてますよね?」
「そうね、セイバーズは救世主の複数形...。断罪剣となにか、関係があるのかしら...?」
「救世主?おかしいですねぇ、社会に迷惑をかける犯罪者のパブリックモンスター達を支援する組織なのに、救世主を名乗るなんて。それじゃあ、まるで、社会の治安を守るPGSのほうが、悪者みたいじゃないですか!」
「そう、私が気になっているのは、そこよ。もしかしたら、セイバーズはPGSの秘密を知っているのかもしれないわ...」
「それじゃあ、セイバーズに接触することができれば、PGSと断罪剣の秘密について知ることができるかもしれませんね...」
「そうよ、だから、私はそのために、あくまでもPGSの一員として、あなた達アルティメットメディアクリエイター部を利用させてもらうわ...!」
覚悟を決めたヨシノが自分からアルティメットメディアクリエイター部の部室のドアを開ける。
ガラガラ。
ヨシノが部室のドアを開けたのを確認した、サンタコスをした3バカが一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマス‼」
ヨシノも負けずに3バカに向かって叫ぶ。
「あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマス‼」
3バカが4バカになった。
こうして、ヨシノの歓迎会と言う名の『偲ぶ会』が始まった。
自己紹介が始まる。
「私は風見マイカ、アルティメットメディアクリエイター部の部長で、疾風の断罪剣士で、全国模試1位の天才美少女よ!」
「当たり前のようにウソをつくんじゃねーわよ...自分の高校の偏差値知らないの?」
「俺は竹田...」
「はい、次」
「私は副部長の杉原ヒカリです、最近、大切な人が死んでとっても落ち込んでいる...」
弟のレオンを失った、ヨシノがヒカリに同情のまなざしを向ける。
「そう、あなたも大変ね...どんな人だったの?」
「BLパラダイスアカデミーのミヤビ君っていうキャラクター...」
「アンタに同情した私がバカだったわ...」
自己紹介が終わった後、みんなで、竹田がス―パーでムァンビキしてきた食材を使った鍋を食べはじめる。
ヨシノが鍋を絶賛する。
「うん、おいしい」
「そんなの当たり前だろ?この鍋の食材は、全部、俺が汗水たらして、スーパーでムァンビキしてきた食材なんだぜ!」
部長が竹田を注意する。
「ちょっと竹田君?アンタにムァンビキしてこいって指示したのは、この私よ!」
注意する点が、明らかに間違っている...。
「ねぇ、山神君...この人たち、本当に大丈夫なの?」
俺はヨシノの問いに、あえて、なにも答えずに、黙々と鍋の具を食べ続ける。

次回予告 炊き出しボランティア その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十六話 炊き出しボランティア その1

第二百七十六話 炊き出しボランティア その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
アルティメットメディアクリエイター部の部員たちは、竹田がムァンビキしてきた食材で制作された鍋を完食した。
部長の風見マイカが急に立ち上がり、部室のホワイトボードを右手でバンバン叩く。
「はい!注目ゥ‼」
部員達の視線が一斉に、風見マイカに集中する。
「では、こうして、新メンバーも加わったことだし、さっそく、次の活動内容について、お話したいと思います!拍手は?」
部員たちが、やる気のない拍手をする。
「実は昨日、役所から、またボランティアの依頼がありました!ボランティアの内容は...」部長がホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『炊き出し』と書かれていた。
「部長!どこで炊き出しするんですか?」
部長が再び、ホワイトボードに、黒のマジックペンで勢いよく書きなぐる。
いや、口で言えよ。
ホワイトボードにはクッソ汚い字で『モンスターエリア』と書かれていた。
部員達から、深いため息が漏れる。
『モンスターエリア』とは、政府に安全性を認められているが、PGS(パブリックガーディアンズ)に所属していない自我のあるパブリックモンスター達が住んでいるエリアである。
しかし、『モンスターエリア』はPGSの監視下にあり、何らかのストレスによって自我を失い、暴走が認められたパブリックモンスターはPGSに処刑されてしまう。
では、なぜ、『モンスターエリア』が作られたのか説明しよう。
政府に安全性を認められたパブリックモンスターは2種類存在する。
①PGSに所属して、暴走したパブリックモンスターから、人間社会を守るパブリックモンスター。
②PGSに所属せずに、モンスターエリアで生活をしている、パブリックモンスター。
つまり、モンスターエリアは、パブリックモンスターを嫌う人間社会から隔離されたエリアである。
政府に安全性と認められたとはいえ、いつストレスで暴走するかわからないパブリックモンスター達が住んでいるモンスターエリアは、人間たちにとっては、危険な場所として認識されている。
俺は部長に質問する。
「部長!『無期限・食料配給制度』が施行されているのに、どうして、わざわざ、炊き出しなんてするんですか?」
「役所の職員が言うには、政府による食料配給が、モンスターエリアだけ無視されているらしいわ...」
「それって、つまり、モンスターエリアの人々は、政府から嫌がらせを受けているということですか?」
「それはどうかしら?モンスターエリアを管理しているのは政府から派遣されたPGSなのよね...」
「じゃあ、モンスターエリアで炊き出しボランティアをするってことは、遠回しに政府とPGSに喧嘩を売るってことですか?」
「それは、いまの段階ではなんとも言えないわ」
竹田が不満を口にする。
「給料が出るならまだしも、どうして、よりによって、モンスターエリアでボランティアなんてするんですかねぇ、金にもならないし、モンスターエリアの住人が暴走したら、めちゃくちゃ危ないっすよ!」
「いいでしょ、竹田君は普段からモンスターみたいな顔をしてるんだから!つーわけで、明日の炊き出しボランティアは全員強制参加で、朝7時に校門に集合!以上!解散‼」
部室から学生寮に戻る途中の道で竹田がぼやく。
「おい山神ィ!明日の炊き出しボランティア、行くのやめね?」
「そーゆうわけにはいかんだろ、部長が全員強制参加って言ってただろ?」
「でも、ボランティア中に、いきなりパブリックモンスターが暴走して、ケガでもさせられたらどうするんだよ!めっちゃ、あぶねーぞ!」
「そんなのは、モンスターエリアでなくたって、こっちでも同じだろ?俺たちの生きている現代社会でも、いつ人間がストレスで発狂して、パブリックモンスターになるかわからない。俺はできる限り、心無い人間やPGSの脅威から、パブリックモンスターになってしまった人たちを守りたいんだよ」
「いいよな、お前はある日、突然、断罪剣士と言う名の超能力者だもんな~」
「まぁ、全部、お前のせいだけどな」
「俺がパブリックモンスターになっちまったのは、俺のせいじゃない、俺の愛の告白を拒絶した、あの女が悪い」
めちゃくちゃだなぁ、おい。
俺は自室に戻る。
自室には監視目的で同居しているヨシノが俺のベットを占領して、爆睡していた。
俺は床に布団を敷いて、寝る。

次回予告 炊き出しボランティア その2 
 

 
後書き
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第二百七十七話 炊き出しボランティア その2

第二百七十七話 炊き出しボランティア その2 
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

人間社会から隔離された、自我を持ったパブリックモンスター達が生活するモンスターエリア。
役所から依頼を受けた、部長の独断で、俺達アルティメットメディアクリエイター部の部員は、モンスターエリアでの炊き出しボランティアに強制参加することになってしまった。
睡眠中、俺の頭にパブリックモンスターの出現を知らせるアレ↓がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああああッ‼」
突如、叫びだす俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ!」
時計の時刻はだいたい6時。
炊き出しボランティアの待ち合わせまで、あと1時間。
俺は身支度を整えて、急いで近くの駅に向かう。
俺はなんらかの理由でパブリックモンスターになってしまった撮り鉄を断罪剣ライフセイバーの力で人間に戻して、急いで、食堂に向かう。
食堂では割烹着に身を包んだ部長と副部長が、炊き出しで提供する予定の豚汁を作っていた。
「おはようございます。わぁ~いい匂いですねぇ」
部長が誇らしげに告げる。
「でしょ?私とヒカリはねぇ、実は、料理をするのは今日が初めてなのよ!」
俺は何も聞かなかったことにして、朝食を食べることにした。
となりに、朝食が乗ったおぼんを持った竹田が座る。
「おはよう山神。部長と副部長が作った豚汁、いい匂いだよなぁ~」
「お、おう...」
「じゃあ、ちょっと竹田君、味見してみなさいよ!」
「え、いいんですか?」
部長が紙コップに入った豚汁を、竹田に手渡す。
竹田が豚汁を飲む。
「ゔわああああああああああああああああああああああああッ‼」
竹田が奇声を上げて気絶した。
「どうやら、私たちが作った豚汁が、気絶するほどおいしかったみたいね!」
眼科、行ってこい。
まずいぞ、このままだと、炊き出しボランティアがバイオテロになってしまう。
調子に乗った部長が満面の笑みを浮かべながら、豚汁の入った紙コップを俺に突きつける。
「山神君も、飲んでみる?」
「ないです」
「言い方ァ!」
数分後、校門の前にアルティメットメディアクリエイター部の部員が全員集合する。
「それじゃあ!みんなァ!今日も頑張ってボランティアするわよォ!えいえいおーッ!」
「お...おー!」
「声が小さいィィッ‼」
こうして、荷台に例の『豚汁』と気絶したままの竹田を乗せたトラックは、モンスターエリアへと向かった。
ちなみに、車の運転をしているのは、以前、清掃ボランティアの主催者を務めていた金子さんである。
部長は、自慢の『豚汁』をモンスターエリアの人々に提供できるのが、よっぽど嬉しいのか、トラックの助手席で、歌詞が英語の歌をずっと熱唱していた。
「うるせーわよ!」
ヨシノの注意も気にせず、部長は歌詞が英語の歌を熱唱し続ける。
副部長の杉原ヒカリは、車酔いのせいで、事前に用意してきたと思われるエチケット袋に何度もゲロを吐いている。
部長のへったくそな英語の歌に、副部長から漂う刺激臭。
状況は最悪だが、なんだか修学旅行のバスみたいで、俺はちょっとだけ、楽しかった。
金子さんが運転する車がモンスターエリアに入る。
モンスターエリアでは、自我のあるパブリックモンスターと人の姿をした異能者達が、人間社会と同じような生活をしていた。
しかし、政府からの食料配給が停止されてしまったせいか、モンスターエリアの住人達の顔には疲労が浮かんでいた。
金子さんが運転するトラックが、ボランティアの開催場所だ思われる公園で止まる。
公園には、炊き出し目当ての、パブリックモンスターや異能者たちが、たくさん集まっていた。
炊き出しの準備が終わったところで、部長がメガホン片手に、炊き出しボランティアの開会式を始める。
みんなの前で、へったくそな英語の歌を熱唱し終えた部長が炊き出しボランティアの開催を宣言した。
こうして、炊き出しボランティアが始まった。
いつも昼頃起床する部長と副部長が早起きして作った例の『豚汁』は、モンスターエリアの人々にかなり好評だった。
竹田のように、気絶する者は一人も出ず、炊き出しボランティアはいい感じに盛り上がっていた。
しかし、次の瞬間、PGSの制服を来た男が、『豚汁』の入った大鍋を両手に持って、地面にぶちまける。
部長がキレる。
「何すんのよォ!」
「おい、てめぇら!俺達PGSの許可も取らずに、炊き出しなんてしてんじゃねぇよ!」「モンスターエリアの人々に食糧の配給を停止したのはアンタたちPGSでしょう!」
「その通りだ!それの何が悪い!」
「アンタたち、モンスターエリアの人たちが飢え死にしたら、かわいそうだと思わないの?」
「思わないねぇ、なにせ、このモンスターエリアの住人達には、あのセイバーズをかくまっている疑いがあるんだからなァ!」
「セイバーズって誰よォ!」
「おっと、こんなとこに、裏切り者のヨシノちゃんがいるじゃないか~!お友達に教えてやったらどうだ?」
「あなたは確か...高田アズマ...!セイバーズのこと、教えてもいいの?」
「そりゃあ、PGSに拷問された、おめぇの弟が提供してくれた情報なんだからなァ!」
あの、アズマって奴、ヨシノを挑発している...!
「セイバーズは、パブリックモンスターの犯罪者を支援する組織のことよ...」
「だったらなによ!モンスターエリアの人たちの全員が、そのセイバーズに協力しているわけじゃないんでしょ!なら、食料配給を停止する理由にはならないわ!」
「それが、そうもいかんのだ!ここのバケモノ達は、近いうちにPGSに大して反乱を起こす疑いがあるんだからなァ...!」
それは、PGSとモンスターエリアに住むパブリックモンスター達の戦争の開始を意味していた。

次回予告 炊き出しボランティア その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十八話 炊き出しボランティア その3

第二百七十八話 炊き出しボランティア その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
人間社会から隔離されたパブリックモンスター達が生活する、モンスターエリアで炊き出しボランティアを実施した、アルティメットメディアクリエイター部。
部長の風見マイカの人生初の料理となった豚汁を飲んだ竹田は気絶してしまうが、モンスターエリアのパブリックモンスター達には好評だった。
しかし、炊き出しボランティアに突如、乱入してきたPGS(パブリックガーディアンズ)の職員・高田アズマが豚汁の入った大鍋を地面にぶちまけ、炊き出しボランティアを妨害する。
そして、高田アズマはこのモンスターエリアの住人たちが、PGSと敵対している反政府組織セイバーズの活動に協力していることを告げた。
アズマの話を聞いた部長は驚愕する。
「モンスターエリアの人たちが、テロリストに協力してたなんて...」
「そうだァ!だから、俺達PGSはモンスターエリアへの食料配給を停止した。セイバーズのメンバーが潜伏しているモンスターエリアに食料を配給するってことは、現代社会の治安を悪化させること同じだからなァ!」
「じゃあ、私たちがしていたボランティアって...」
「そうだァ!お前たちの炊き出しボランティアはテロリスト共にエサを与えているのと同じなんだよォ‼」
「部長!この男の言葉に惑わされないでください!まだ、モンスターエリアの居住者の全員がセイバーズに加担していると決まったわけじゃないんです!」
「とりあえず、モンスターエリアがセイバーズに加担しているとわかった以上、モンスターエリアの住人には、全員、餓死してもらう...!」
「ほんとうにそんなことしていいのかよ!ここでの食料配給を止めたままにしたら、餓死しかけたモンスターエリアの住人達が、食料欲しさに人間社会に侵入してくるかもしれないぜ!」
「そうなれば、PGSは堂々と現代社会に不法侵入してきたモンスターエリアの住人たちを処刑できる」
「たとえ、自我があっても、処刑するのか!」
「当り前だァ!自我あるパブリックモンスターは不法侵入なんてしねぇよ!そうだよなァ?このモンスターエリアのバケモノども?」
アズマの挑発にモンスターエリアに住んでいるパブリックモンスター達が一斉に怒りをあらわにする。
「PGSは死ねぇ!」
「この差別主義者!死ねぇ!」
「俺はテロリストなんかに協力してねぇよ!死ねぇ!」
「食料配給を再開しろォ!死ねぇ!」
「おいおい、おめぇら、このモンスターエリアの管理者が俺だってわかってて言ってんのかァ...?」
アズマが暴言を吐いているパブリックモンスターの銃口を向ける。
俺はアズマの前に立ちはだかる。
「なにするんですか!やめてください!」
「邪魔するな、クソガキ!今の聞いただろ?あのパブリックモンスターどもはこのエリアの管理者である俺に『死ね』と言ったんだ!だから殺す!」
次の瞬間、俺の頭にパブリックモンスターの暴走を知らせる『アレ↓』がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああッ!」
「うるせぇ‼いきなり叫んでんじゃねぇぞ!このクソガキ!」
アズマに銃口を向けられたパブリックモンスターが死の恐怖によるストレスで暴走を始め、アズマに襲いかかる。
「グワァァァァァァァァァァァッ‼」
俺は現世に生命の断罪剣ライフセイバーを出現させる。
地面に突き刺さった断罪剣ライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
俺は地面から抜いた断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けた、暴走状態のパブリックモンスターが人間に戻る。
「俺の体が人間に戻った...!いったいなにが起きたんだ!」
自我を取り戻し、パブリックモンスターが人間に戻った光景に、モンスターエリアの住人達が驚愕する。
「これが...生命の断罪剣士、山神ムサシの力なのか...!」
「アズマさん、もうこれ以上、モンスターエリアの人たちに嫌がらせをするのはやめましょうよ!」
「ふざけんなァ!ここに住んでいるパブリックモンスター達は俺に『死ね』と言ったんだァ!殺意を向けられた以上、ここの住人は全員、皆殺しだァ‼」
アズマが両手に持った銃を炊き出しボランティアに参加したパブリックモンスターたちに向かって放つ。
アズマの銃撃により、ボランティアに参加したパブリックモンスター達が次々と死亡していく。
「なにするんですか!やめてください!」
「アッヒャッヒャッヒャッハァァァァッ!PGSに喧嘩を売るパブリックモンスターは全員皆殺しだァァァァァァァァァッ!」
目の前で起きる仲間たちの死に、炊き出しボランティアに参加したパブリックモンスター達のアズマへの憎悪がどんどん大きくなる。
それは、やがて、大きなストレスとなり、炊き出しボランティアに参加していたパブリックモンスター達を一斉に暴走させた。
次の瞬間、俺の頭にパブリックモンスター達の暴走を知らせる『アレ↓』がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 炊き出しボランティア その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百七十九話 炊き出しボランティア その4

第二百七十九話 炊き出しボランティア その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
人間社会から隔離された、パブリックモンスター達が生活する『モンスターエリア』で炊き出しボランティアを開催したアルティメットメディアクリエイター部。
しかし、PGS(パブリックガーディアンズ)のアズマの妨害と挑発により、パブリックモンスター達は殺意を込めた暴言をアズマに向ける。
これに対して、モンスターエリアの管理者であるアズマは自分に殺意を向けた者だけでなく、モンスターエリアに住む全てのパブリックモンスター達の処刑を開始した。
死への恐怖と、仲間たちの死に、炊き出しボランティアに参加したパブリックモンスター達が一斉に暴走を始めてしまった。
次の瞬間、俺の頭にパブリックモンスター達の暴走を知らせる『アレ↓』がおぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああッ!」
「うるせーわよ!つーか、どうすんのよ、コレ!」
PGSのアズマと、炊き出しに参加したパブリックモンスター達との戦争が始まってしまった。
アズマは自分に向かって襲いかかってくる暴走したパブリックモンスター達を次々と銃撃して殺害していく。
「アイツ...暴走していないパブリックモンスターまで殺害してやがる...おい、ヨシノ!どうしてアズマの銃は弾切れしないんだ!」
「あれが、アズマの能力よ、自分の生命エネルギーを通常の銃弾より強力な銃弾に変換できる...!」
「そんな!じゃあ、アズマの命が続く限り、銃撃できるってことか...」
「ええ、その通りよ、途中で栄養を補給すれば、銃撃は無限に続く...」
アズマの無限銃撃能力はまさに、パブリックモンスター達が生活するモンスターエリアの管理には適切な能力である。
「ヨシノ、いつものアレで行くぞ!ヘイルセイバーの氷でアイツの動きを止めてくれ、その隙に、俺がパブリックブレイカーでアズマの能力を消滅させる!」
「それはダメ。銃撃途中の相手を凍らせても、おそらく内側から氷が破壊される、そして、アズマに私たちの位置を知られたら、私たちは銃撃でハチの巣にされるわ...」
「じゃあ、どうすんだよ!こうしている間にも、モンスターエリアの住人たちがアズマに銃殺されてるんだぞ!」
「私が、おとりになるわ...」
「部長!」
「ダメよ、部長は風の断罪剣士なのよ、私には...PGSには、断罪剣士を監視もしくは守る義務があるの、無茶して、死んでもらっては困るわ」
「だったら、アズマに私を殺すことはできないわ!そうでしょ?」
「相手はあのアズマよ!それにもし、部長がおとりになって死亡しても、PGSは部長の死を正当防衛による、戦闘中の事故として処理する、よって、アズマは処罰されない」
確かに、ヨシノの言う通りだ、それに、あのアズマに冷静な判断ができるとは思えない。
アズマはパブリックブレイク現象で手に入れた異能者としての力を楽しんでいる。
そう、気に食わない者を圧倒的な力で殺害する己の力に酔いしれている。
「アッヒャッヒャッヒャッハァァァァ!モンスターエリアのパブリックモンスターは皆殺しだァァァァァァァァァァァ‼」
暴走しているパブリックモンスター達が次々と、アズマの銃撃により死亡する。
暴走していないパブリックモンスター達が次々と、アズマの銃撃により死亡する。
炊き出しボランティアの会場はまさに、血の海と化していた。
アズマを止めるにはもう、俺達3人の断罪剣士の内、誰かをおとりに、しなければならない。
仮に、俺たちの中から死人が出れば、果たして、それは勝利と言えるのだろうか。
いや、周りに広がっている血の海を見ろ。
これだけ多くの血が流れていては、もはや、この戦争に勝利も敗北もない。
今、最優先すべきは、まだ生きているモンスターエリアの住人達を、どこか安全な場所へ避難させることだ。
でも、いったいどこに避難させればいいんだ!
次の瞬間、聞き覚えのない声を共に、上空から雷が落ちてくる。
「パブリック・リュミエール‼」
雷はそのまま、襲いかかるパブリックモンスター達を銃撃し続けるアズマの全身を貫く。
雷の直撃を受けたアズマが地面に倒れる。
「死んだ...のか?」
俺たちの背後に、白いローブを身にまとい、顔に仮面を付けた人物が立っていた。
「ああ、死んだ」
「あんた誰だ?」
「私の名は『フューラー』、見ての通り、雷光の断罪剣士だ」
「『フューラー』...って、『総統』ってこと、じゃあ!」
「ああ、そうだ、私はPGS(パブリックガーディアンズ)と敵対している組織、『セイバーズ』のリーダーだ」
モンスターエリアのパブリックモンスター達が、反政府組織セイバーズと繋がっていたのは、どうやら本当だったようだ...。
「どうして、アズマを殺したんですか!」
「君は確か、生命の断罪剣士、山神ムサシ...」
「あなたが攻撃の威力を調節して、アズマの動きを止めてくれれば、俺のパブリックブレイカーでアズマを生きたまま、人間に戻せたはずです!」
「アズマは、我々の仲間である多くのパブリックモンスター達を自我の有無に関係なしに無差別に殺害した...!しかし、アズマやモンスターエリアの住人たちの死は無駄ではない...」
「何が言いたい?」
「我々、セイバーズは今回の銃撃事件の証拠映像を利用して、モンスターエリアに住む全てのパブリックモンスター達の人間社会への強制移民を実行する...」
「じゃあ、アンタはその証拠映像を撮るために、アズマが暴走したパブリックモンスター達を殺害するのを、ギリギリまで、黙って見てたのか!」
「その通りだ、君たちがこのモンスターエリアに炊き出しボランティアに来たのも、私が仕組んだことだ...食料配給と停止したPGSと、食料配給を停止されたパブリックモンスター達を衝突させ、PGSが自我の有無にかかわらず、PGSが無差別にパブリックモンスター達を殺害する証拠映像を入手する、その証拠映像を交渉材料にすれば、PGSを管理する政府はパブリックモンスター達の人間社会への移民を許可するしかない...」
「そんなことしたら、人間社会が、今のモンスターエリアのように戦場になるぞ!」
「望むところだ、我々、パブリックモンスターと人類、どちらがこの地球の支配者にふさわしいか、はっきりさせようじゃないか...」

次回予告 炊き出しボランティア その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十話 炊き出しボランティア その5

第二百八十話 炊き出しボランティア その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
圧倒的な力で、暴走しているパブリックモンスターも暴走していないパブリックモンスターも殺害するPGS(パブリックガーディアンズ)のアズマ。
味方の危険を考慮した俺たちは、罪なきパブリックモンスター達が、アズマの銃撃により殺害されていくのを見ていることしかできない。
しかし、反政府組織セイバーズのリーダーで雷光の断罪剣士『フューラー』の雷によって、アズマは一瞬で、焼死する。
そして、『フューラー』は今回の炊き出しボランティアで起きた無差別銃撃事件の証拠映像を政府に対して交渉材料として利用して、人間社会から隔離されたパブリックモンスター達を、人間社会に強制移民させることを告げた。
「俺はアンタたちセイバーズを認めない...!アンタたちセイバーズが本当にパブリックモンスター達の味方なら、証拠映像なんかにこだわらず、アズマに殺されてしまったパブリックモンスター達を助けてやれたはずだ...!」
「山神ムサシ、よく考えろ。先にモンスターエリアへの食料配給を停止してパブリックモンスター達を餓死させようとしてきたのは、政府とPGSだ」
「それで、今度は現代社会をPGSとセイバーズの戦場にするつもりか!」
「勘違いするな、PGSの方から我々を排除しようとしてきた場合は、そうするしかないだけだ。私たち目的は、差別されているパブリックモンスター達の救済だ。パブリックモンスター達が人間社会に移民できれば、人間達やPGSに所属しているパブリックモンスター達と同じように食料配給を受けることができる」
モンスターエリアに次々とPGSの軍用車が侵入してくる。
「これは...色川ヨシノ、君の仕業か...」
「ええ、本部に通報させてもらったわ、私は一応、PGSのメンバーだからね、アンタたちセイバーズを見逃すわけにはいかない...」
「弟を殺した組織に忠誠を誓うか...君のそんな無様な姿を、天国のレオンはどう思って見ているのかな?」
「うるせーわよ!」
「そう怒るなよ...レオンは我々、セイバーズの優秀なメンバーだったよ。だから、私はツライのさ、信頼していた戦友の姉と敵対関係になるのがね...」
PGSの軍用車から出てきた軍人たちが、生命、凍結、疾風、雷光、4人の断罪剣士達を囲み、銃口を向ける。
PGSの軍人達のリーダーが叫ぶ。
「そこのセイバーズのリーダーと思しき仮面の男!死にたくなければ、いますぐ我々PGSに降伏しろ!」
「パブリック・カオス...」
次の瞬間、聞いたことのない声と同時に、PGSの軍人達が手に持っている銃口を自らの首元に突きつけ、トリガーを引く。
俺たちを囲んでいたPGSの軍人たちが一斉に自殺したのだ。
そして、その集団自殺を引き起こしたと思われる少女が、突然、フューラーの背後にできた影から出現する。
少女の手には、アズマの無差別銃殺行為の証拠映像を撮影したと思われるビデオカメラと、断罪剣と思われる武器が握られていた。
「いいタイミングだ...『混沌の断罪剣士』よ...」
「帰りましょう、フューラー...」
混沌の断罪剣士と雷光の断罪剣士フューラーの体が、影の中に沈んでいく。
「生命、凍結、疾風の断罪剣士よ、我々セイバーズは君たちを共に戦える日を待っているよ...」
「おい、ちょっと待てよ!断罪剣っていったいなんなんだ!アンタたちとPGSはなにか知ってるんだろ?」
「知りたければ、我々、セイバーズの仲間になれ...」
「いやです」
「なら、仲間と共に真実を探求するもよし、それでは、また会おう...」
混沌の断罪剣士と雷光の断罪剣士フューラーの全身が地面にできた影の中に沈み、完全に姿を消した。
炊き出しボランティアが行われていた公園は、アズマの銃撃によって、死体の山が散乱し、その周りは血の海と化していた。
金子さんが通報したと思われる、パトカーや救急車が現場検証を初めて、俺達アルティメットメディアクリエイター部の部員もその場で、警察に事情聴取を受けた。
部長の要望により、炊き出しボランティアはその日のうちに、別の公園で再開された。
俺は、トラックの荷台に積まれた、まだ未使用の豚汁の入った大鍋を取りに行く。
トラックの荷台には、今朝、部長の作った豚汁を飲んで気絶した竹田がそのまま横たわっていた。
しばらく、食料配給が停止されていたせいか、モンスターエリアのパブリックモンスター達は、皆、部長が作って竹田が飲んで気絶した豚汁をおいしそうに食べていた。
こうして、炊き出しボランティアは、なんとか成功したものの、あまりにも多くの血が流れてしまった。

次回予告 炊き出しボランティア その6 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十一話 炊き出しボランティア その6

第二百八十一話 炊き出しボランティア その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
モンスターエリアでの炊き出しボランティア終了後、学生寮の俺の自室に、意識を取り戻した竹田と部長と副部長が、ノックもせずに入ってきた。
大鍋を両手に持った部長が一言。
「ただいま」
「いや、おめぇの家じゃねぇし‼」
竹田はまたスーパーでまたムァンビキをしてきたのか、両手にパンパンになったビニール袋を持っている。
「おい、山神ィ!最高記録更新だぜ‼」
「なにの?」
両手にカセットコンロを持っている副部長の杉原ヒカリが俺に挨拶をする。
「おじゃまします...」
「つーか、お前ら、また俺の部屋で鍋パーティーすんのか!お前らって、いつもそうだよなァ!俺の部屋なんだと思ってるんですかァ!」
「うるせーわよ!テレビの音聞こえないでしょ!」
PGSの監視任務でこの部屋で生活しているヨシノが俺を叱責する。
テレビ画面には、セイバーズのリーダー『フューラー』とPGSを管理する政府長官『宮本テツヤ』が握手を交わしていた。
政府長官・宮本テツヤはマスコミとテレビの前の人々に対して、『新社会宣言』を発表した。
『新社会宣言』
それは、今ままで、モンスターエリアに隔離されていた自我のあるパブリックモンスター達が人間たちと共に人間社会で生活することを意味している。
おそらく、『フューラー』は政府長官『宮本テツヤ』に、自我のあるパブリックモンスター達の人間社会の移民を認めなければ、モンスターエリアで起きたPGSのアズマによる無差別銃撃事件の証拠映像を世間に広めると脅迫したのだろう。
PGSが自我の有無に関係なく無差別にパブリックモンスターを殺害したことが世間や世界中に広まれば、PGSとPGSを管理している政府は世界中からバッシングを受けるのだ。
『フューラー』と『宮本テツヤ』が再び握手を交わす。
この映像を見ている人々のほとんどが、将来への不安を抱いているに違いない。
これから、この人間社会は、人間とパブリックモンスター達が共に生きていく世界になるのだ。
部長がカセットコンロに火をつけながら、ぼやく。
「あーあ、やっぱり、こうなったわね」
「ひどい話だぜ、パブリックモンスター達の人間社会への移民が決定したってことは、アズマの無差別銃撃事件の真相は一生、闇に葬り去られたままってことだろ!」
俺の言葉にヨシノが答える。
「仕方ねーわよ、先にモンスターエリアの食料配給を停止したのはPGSの方なんだから...それをフューラーはパブリックモンスターの人間社会への移民を実現させるために利用したのよ...」
竹田が鍋を食いながら、疑問を口にする。
「お前ら、なんの話してんだ?」
「そっか、竹田は、部長の豚汁飲んで、ずっと気絶してたから知らないんだっけ?」
俺はモンスターエリアでの炊き出しボランティアの最中に起きた銃撃事件について竹田に説明した。
「なんか色々大変だったんだな、つーか、部長の豚汁飲んだモンスターエリアのやつらはよく無事だったな、まぁ、パブリックモンスターだもんなァ...あっちぃなァッ!ちょっと、部長ォ!鍋の煮汁、顔にかけるのやめてくださいよォ!」
「どっちかって言うと、竹田君の味覚がおかしいのよ!私の豚汁、モンスターエリアのやつらに大好評だったんだからァ!」
副部長が補足する。
「私も作るの手伝ったんですけど...」
「まぁ、とりあえず、みんな無事でよかったぜ、いただきます、うん、おいしい!」
とりあえず、アルティメットメディアクリエイター部のみんなで何かを成し遂げたあとに食べる、鍋はうまかった。
人間とパブリックモンスター、二つの種族が共に生きていく世界が俺たちを待っている。


次回予告 アイドルイベント その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十二話 アイドルイベント その1

第二百八十二話 アイドルイベント その1 
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
政府が発表した。『新社会宣言』によって、人間達はパブリックモンスターと同じ社会で共に生きていくことになった。
しかし、ここで疑問が生まれる。
ではPGS(パブリックガーディアンズ)に所属しているパブリックモンスター達はなぜ、今まで、人間社会で生きていくことを政府に認められていたのかということだ。
それは、単純に、PGSは暴走したパブリックモンスターから人間たちを守る組織だからである。
ハンバーグがおぼろげながら食べたくなった俺は、授業を抜け出してファミレス『ダイオキシン』に向かう。
俺はファミレス『ダイオキシン』でメニューを読む。
俺は注文が決まったのでウェイトレスを呼ぶ。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「ハンバーグセット、くれ」
「すいません、この店、アイスティーしかないんですけど、いいですかねぇ?」
店、たため。
「じゃあ、アイスティーしかないんだったら、アイスティーでお願いします」
「それでは、アイスティー、1つでよろしいですね?」
「はい、アイスティーで」
「アイスティー1つ入りましたー‼」
ウェイトレスの少女の頭には猫耳がついていた。
「でも、えらいよな、今どき、働くなんて...」
近い将来、人類が滅びる影響で、政府が施行した、『無期限・食料配給制度』のおかげで、みんな食べるご飯には、困らないはずだ。
それでも、このファミレス『ダイオキシン』で働いている人々のように、労働を生きがいにしている人々もいるのだ。
近くの席で、客が先程の猫耳ウェイトレスにキレている。
「アイスティーしかねぇだと!ふざけんじゃねぇよ!とっとと店、たたんでしまえ!バカ野郎!」
「す、すみません!アイスティーしか置いてなくて...」
猫耳ウェイトレスが客に頭を下げている。
「その、頭についている猫耳、お前もしかして、パブリックモンスターか!」
「そ、そうですけど...それで、アイスティーしかないんですけど、いいですかねぇ?」
客が猫耳ウェイトレスの顔を殴る。
「アイスティーアイスティーうるせぇんだよ!このバケモノがァ!とっと人間社会から出ていけ!死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
客が猫耳ウェイトレスに殴る蹴るの暴行を加える。
俺は客と猫耳ウェイトレスの間に入って叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
「どけぇ!おめぇ、パブリックモンスターの味方すんのかァ!それでも、お前人間なのか!」
「いくら相手がパブリックモンスターだからって、暴力はいけませんよ!」
「俺はなァ、家族を暴走したパブリックモンスターに殺されたんだ!俺はパブリックモンスターを絶対に許さない!」
次の瞬間、俺の頭におぼろげながら浮かんできた、パブリックモンスター達の暴走を知らせる『アレ↓』が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああッ‼」
突然叫びだした俺に向かって客がキレる。
「うるせぇ!なに急に叫んでんだ!ぶっ殺すぞ!」
客に加えられた暴力と暴言によるストレスで、猫耳ウェイトレスのパブリックモンスターが暴走を始める。
暴走した猫耳ウェイトレスが客に襲いかかる。
俺は現世に生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さったライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
「パブリック・ブレイカー‼」
俺は地面から抜いた断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカー↓を暴走した猫耳ウェイトレスに向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けた猫耳ウェイトレスが人間の状態に戻る。
猫耳ウェイトレスの頭部にはもう、猫耳はついていなかった。
「私...人間にもどっちゃった...!」
「い、いったい何が起きたんだ!」
ウェイトレスが俺に問う。
「あなたは、いったい何者なんですか?」
「俺は生命の断罪剣士、山神ムサシだ、それより、アイスティーまだですか?」
「アイスティー...」
数分後、俺は注文したアイスティーを飲んで、ファミレス『ダイオキシン』を出た。
ちなみにアイスティーの値段は1735円だった。
ぼったくりである。
街路の壁にポスターがたくさん貼られている。
人間とパブリックモンスターの美少女二人組のアイドル『アスベスト』の宣伝ポスターだ。
人気アイドル『アスベスト』は政府がプロデュースしている、人間とパブリックモンスターの共存を目指して結成されたアイドルユニットである。
政府は人間とパブリックモンスターが同じアイドルを応援するようになれば、人間とパブリックモンスターの争いが減ると思っているのだろう。
くだらねぇ。

次回予告 アイドルイベント その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十三話 アイドルイベント その2

第二百八十三話 アイドルイベント その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

政府の『新社会宣言』によって、人間とパブリックモンスターが同じ社会で生きる世界が始まってしまった。 
ファミレス『ダイオキシン』で1735円のアイスティーを飲み終えた俺は街を歩く。
街路の壁には人気アイドル『アスベスト』のポスターがたくさん貼られていた。
政府がプロデュースしている『アスベスト』は人間とパブリックモンスターの共存を目的に結成されたアイドルユニットである。
アスベストのメンバーは、人間とパブリックモンスターのアイドルの二人である。
政府はおそらく、人間とパブリックモンスターが同じアイドルを応援するようになれば、人間とパブリックモンスターの争いが減ると考えているのだ。
俺は学校に戻る。
授業中にもかかわらず、俺は学生寮の自室に向かう。
俺の自室では、いつものごとく、竹田と部長が鍋うどんを食っていた。
「おかえり山神」
「おかえり山神君」
「おかえりじゃねぇよ!アンタたちまだ授業中になのに俺の部屋で何してくれとるんじゃあッ!」
「何って、鍋うどんよ」
「ああ、鍋うどんだ、昨日の鍋で残った汁に冷凍のうどんをぶち込んで煮込んだ鍋うどんだ。山神も座って食えよ」
いい加減ツッコむのがめんどくさくなった俺は腰を下ろして鍋うどんをすする。
「うん、おいしい」
「ところで、山神、明日、この辺で超大人気アイドルユニット『アスベスト』のライブが開催されるのは、知っているな?」
「本当は知ってるって言いたくないけど、街中の壁にポスターが貼られていたからな、嫌でも知っとるわ」
「俺、実はチケット持ってるんだよね...」
「で?」
「実はさぁ、ホントは隣のクラスの田中コウジと一緒に行くはずだったんだけどさ、田中のやつ、焼き肉のたれ一気飲みで緊急搬送からの入院で急にライブいけなくなっちゃったらしくて...」
「なんで飲んだの?」
「もしよかったら、お前も行くか?アスベストのライブ!」
「う~ん、俺、あんま、アイドルとか興味ないんだよね...」
「私も」
「いや、部長は誘ってねぇし」
「だいたいさぁ、アイドルなんてカルト教団みたいなもんよ、そんで、アイドルファンはカルト教団の信者。歌って踊って思ってもねぇことペラペラしゃべって信者を洗脳して狂信者にして、法外な金を巻き上げて、その金で楽して、彼氏は絶対作らないといいつつも、知名度を利用してイケメン俳優やイケメンアイドルとズッコンバッコンの末に高収入のセレブと玉の輿。竹田君、アンタみたいなわかりやすいアイドルバカ童貞は金と欲とイケメン俳優とセレブのチ●コしか頭にない見た目がイイだけの性悪アイドルのいいカモなのよ、どう勉強になったでしょ?アイドルはアイドルファンに興味なんてないの、興味があるのはアイドルファンの金。アイドルなんて幻想なのよ、カルト教団のやつらがこの世界に存在しない神を崇拝しているの同じ、おわかりか?」
「おっ、そうだな」
部長の暴言に竹田はそれだけ言って鍋うどんをすする。
竹田のアイドルに対する熱意と覚悟は俺と部長が考えているより、かなりキマっていた。
「山神君、なんか悔しいから、自販機でジュース買ってきなさいよ」
言っていることが、誠にめちゃくちゃである。
俺は廊下にある自販機を10回ほど殴る。
ビーッ‼ガタガタガタゴトン!
いびつな音と共に、自販機からペットボトルに入ったアイスティーが大量に出てくる。
「ちくしょう!ジュースじゃなくてアイスティーかよ‼」
コレは俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に伝わる秘技『ファイナルクラッシュ』である。
ちなみにこの技の始祖と、この技のクソダサネーミングを考えたのは部長らしい。
俺はビニール袋にアイスティーのペットボトルを13本入れる。
「部長、自販機、アイスティーしかなかったんですけど、いいですよね」
「そんなわけないでしょ、アンタ、またアレやったんでしょ?アレ、ファイナルなんちゃら、あれセンコーに見つかったら退学もんよ、つーかいらねぇよアイスティー13本も!」
「だったら、部長が自分のお金でジュース買えばいいじゃないですか...」
「わかったわよ、飲めばいいんでしょアイスティー!アイスティーアイスティー!」
鍋うどんを食べ終えた俺達3人は、余った十本のアイスティーのペットボトルでボウリング大会を開催した。
部長が俺の自室の地球儀を分解して、ボウリングのボールにしてしまった。
授業を終えたヨシノが俺の自室に帰ってくる。
「アンタたち、ペットボトルでなにしてんの?」
「ボウリング大会」
「いいわね、人生楽しそうで」
実際楽しかった、竹田が2回優勝したあたりで、3人とも一瞬、真顔になりお互いの顔を見合わせる、自分たちのバカさ加減にお互いに気付いた瞬間、お互いの顔を見ながらバカ笑いして、それからはもう開き直ってらりるれろ。
最終的に12回優勝した竹田に、優勝賞品としてボウリング大会にピンとして使われたアイスティーのペットボトル10本が贈呈された。
大会に優勝した竹田選手は後のインタビューでこう述べた。
「明日のライブが楽しみです」

次回予告 アイドルイベント その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十四話 アイドルイベント その3

第二百八十四話 アイドルイベント その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
人気アイドル『アスベスト』のライブが近所で開催されることになった。
『アスベスト』は人間とパブリックモンスターの二人組アイドルである。
政府が発表した『新社会宣言』によって、共に社会で生きる人間とパブリックモンスターの共存を目指して結成されたのが『アスベスト』である。
アイドルを愛するのに人間もパブリックモンスターも関係ねぇぜってのが政府の狙いらしい。
ボーリングを大会を終えた俺はベットで寝ようとする。
しかし、俺の前にPGS(パブリックガーディアンズ)の監視任務で俺と同居しているヨシノが立ちふさがる。
「ちょっと、そこ、私のベットなんですけど!わざとやってんなら、ぶっ殺すわよ!」
「ちょっと、ここ、俺の部屋なんですけど!痛てぇ!」
言い返した途端、俺はヨシノに腹パンをもらって地面にうずくまる。
俺はしかたなく、いつも通り、床に布団を敷いて寝る。
睡眠中の俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックモンスターの出現・暴走を知らせるいつものアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああッ‼」
睡眠中に突然、叫びだした俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ!」
俺は身支度を整えて、本能の赴くままに近くの駅に向かう。
俺はあえて改札口を通らずにフェンスをよじ登ってプラットホームに降りて、電車の中に入る。
電車はどうやら、乗客が緊急停止ボタンを押したのか、停止している。
電車の中でサラリーマンと頭部に角が生えた女性が口論をしている。
頭部に角を生やしている女性はおそらくパブリックモンスターだろう。
「おい!パブリックモンスターが電車なんて乗ってんじゃねぇよ!」
「どうして、パブリックモンスターが電車に乗ってはいけないんですか?」
「おめぇが人間じゃねぇからだよ!目障りなんだよ、死ねぇ!」
周りの乗客もパブリックモンスターの女性に向かって暴言を吐く。
「パブリックモンスターは人間社会から出ていけー‼」
「パブリックモンスターは死ねぇぇぇッ!」
「ここはお前らバケモノ共の居場所じゃねぇんだよぉ!」
俺はパブリックモンスターの女性に向かって差別的な発現をする乗客に向かって叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
しかし、遅かった。
パブリックモンスターの女性がストレスで暴走を始める。
「グガァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
俺は現世に生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
「パァァァブリックゥッ‼ブレイカァァァァァァァァーッ‼」
暴走したパブリックモンスターに向かってパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたパブリックモンスターが人間に戻る。
俺はパブリックモンスターに大して差別的な発現をしていた電車の乗客に向かって叫ぶ。
「差別、カッコ悪い‼」
俺は急いで電車から降りて、駅のホームのフェンスをよじ登る。
それを目撃した複数の駅員がフェンスをよじ登る俺の足を両手で引っ張ってくる。
「なにするんですか!やめてください!」
「それはこっちのセリフだァ!君のしたことは不法侵入だぞ!」
俺は適当なこと↓を駅員に向かって叫びながら、フェンスを飛び越える。
「ハッピーハロウィィィィィィィーンッ‼」
「まだ3月だぞォッ!」
俺を取り逃がした駅員のツッコミを聞きながら学生寮に向かって全力疾走する。
その日は体をたくさん動かしたせいか、よく眠れた。
しかし、人間とパブリックモンスターが共存できる日はまだ遠い。
次の日、竹田が自室にいきなり入ってきた。
竹田は美少女アイドルユニット『アスベスト』のファン専用に作られたピンクのハチマキとはっぴ、通称アスベスト親衛隊装備を身にまとっていた。
「おまたせ」
「いや、待ってねぇよ!俺、行かねぇって言ったよなァ!『アスベスト』のライブ‼」
「ライブ会場には多くの人間とパブリックモンスターが集まるんだぞ!なにかあったらどうするんだよ!」
「.....................じゃ、まいるか!」
「おう!まいるぜ!」
俺は人間とパブリックモンスターの共存のために、竹田と同じほぼ全身ピンクのアスベスト親衛隊装備に身を包み、恥辱を堪えつつライブ会場に向かう。
「なんで、俺までコレ着ないといけないわけ?」
「うるせぇ!着いたぞォ!」
ライブ会場はものすごい数の人間とパブリックモンスターが集まっていた。
ライブが始まった。
人間の美少女と、頭にウサギの耳を付けたパブリックモンスターの美少女が肌の露出の多いドレスを身にまとい、無責任で綺麗事ばかりの歌詞のアイドルソングを歌って踊っている。
ライブは大盛り上がりで、ファンの中には生魚の尻尾をつかんで振り回している奴らもいる。
民度が低すぎる。

次回予告 アイドルイベント その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十五話 アイドルイベント その4

第二百八十五話 アイドルイベント その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
焼き肉のたれを一気飲みして病院に緊急搬送された田中の代わりに、人気アイドル『アスベスト』のライブに竹田と共に参上した俺を待っていたのは、いい意味でも悪い意味でも熱狂的なアイドルファン達の姿だった。
ライブは大盛り上がりで、ファンの中には生魚の尻尾をつかんで振り回している奴らもいる。
ファンが振り回している生魚から生臭い液体が周囲にまき散らされる。
ライブ中に、マナーの悪いファンに向かって、人間とパブリックモンスターのアイドルファンたちからブーイングが起こる。
すると、ファンの1人が、マナーの悪いファンに向かってホイッスルを鳴らす。
多くのファンの視線がライブ中にホイッスルを鳴らしたファンに集中する。
ホイッスルを鳴らしたのは、アスベスト親衛隊の証であるピンクのハチマキとはっぴを身に着けたPGS(パブリックガーディアンズ)の戦士、霧原カイトだった。
「そこの生魚を振り回しているファン!もうすこし、周りの迷惑を考えられないのかァァァァァァッ!」
「おい山神ィ!アイツ、PGSのカイトだよな...」
「アイツ、こんなとこでなにやってんだ...」
カイトの隣には、アスベスト親衛隊の証であるピンクのハチマキとはっぴを身に着けた大地の断罪剣士・工藤リンカもいた。
工藤リンカは周りで起きているトラブルもお構いなしにライブに集中し、無表情のまま、ハートマークが書かれたうちわを振り回している。
(アイツ、アイドルファンだったんだな...)
まぁ、アイドルを好きになるのに性別は関係ないからな...。
俺は視線を再びPGSのカイトと生魚を振り回しているファンに向ける。
カイトは生魚を振り回しているファンと激しい口論をしている。
「そこのマナー違反者ァ!いますぐ生魚を持って会場から出ていけぇぇッ!」
「うるせぇ!ライブ中に生魚を振り回しちゃいけないなんて、チケットには書いてなかったぜ!」
「そもそもアイドルのライブはなァ!生魚を振り回すイベントじゃないんだよォッ!」
至極当然である。
しかし、迷惑ファンは生魚を振り回すのをやめない。
俺は迷惑ファンの手首が心配になった。
このままでは、ライブが中止になってしまう。
つーか、なんで工藤リンカはカイトを止めないんだ?
俺はカイトと迷惑ファンの喧嘩を止めるために仲裁に入る。
「PGSの霧原カイトさんも、生魚の迷惑ファンさんも、喧嘩はやめましょうよ!」
「お前は断罪剣士の山神ムサシ...まさか、その格好...お前もアスベストのファンだったとはな...!」
「ちげーよ!竹田に無理やり着せられたんだよォッ!」
迷惑ファンが喧嘩の仲裁に入った俺に敵意を向けてくる。
「なんだてめぇはァ!」
「俺は山神ムサシです、つーか喧嘩はやめましょう、みんなの迷惑ですし、このままだとライブも中止かも、あと、その生魚なんの魚ですか?」
「サバァ!」
「じゃあ、そのサバどっかにしまって、ライブに集中しましょう...」
迷惑ファンはサバをズボンの中にしまう。
そこにしまうのかよ...。
「まったく...貴様のような迷惑ファンがいるからアイドルファンは世間から社会不適合者扱いされるんだ!こんどからは、もっと気をつけろォ!」
「うるせぇ!PGSは死ねぇ!」
「なんだとォッ!」
「ほらほらほらほら、二人とも、喧嘩はやめてライブに集中しましょう!」
しかし、今度は別の席でトラブルが発生する。
なんと、ライブを鑑賞していたファンがいきなり、観客の波をかき分けて、ライブステージに接近していくのだ。
その手にはやはり、生魚が握られていた。
俺はヤツを迷惑ファン2号と呼ぶことにした。
霧原カイトがホイッスルを鳴らしながら、迷惑ファン2号に突撃していく。
カイトと迷惑ファンの醜い口論が始まる。
「貴様ァ!その手に持っている魚はなんだァ!」
「シャケェッ‼」
「そういうことじゃないんだよォ!」
「お前が聞いてきたんだろォ!」
迷惑ファン2号がシャケでカイトの顔を殴る。
あまりの生臭さにカイトがうめく。
「クサァァァーッ!俺はPGSの霧原カイトだぞォ!PGSなんだぞォ!」
「だからどうしたPGSは死ねぇ!」
観客席に座っていたパブリックモンスターのアイドルファン達からカイトに向かってブーイングが起こる。
おそらく、パブリックモンスターが人間社会に移民する前に発生した、モンスターエリアでの食料配給の停止をいまだに恨みに思っているのだろう。
モンスターエリアの食料配給の停止をしたのはPGSだったのだ。
カイトへのブーイングは止まらない。
「PGSは死ねぇぇぇッ!」
「お前たちがモンスターエリアで俺達パブリックモンスターにしたことを俺は一生、忘れないからなァ!」
「そうだァ!貴様らPGSのアズマに無差別に殺された仲間たちを返せぇぇッ!」
「俺たちと同じパブリックモンスターのくせに、モンスターエリアのパブリックモンスターを見下しやがって!ムカつくんだよォ!」
カイトが反論する。
「我々、PGSのパブリックモンスターは人間たちを守る為に命を懸けて、暴走したパブリックモンスターと戦ってるんだ!貴様たちのように、モンスターエリアに引きこもって、ただ与えられるだけの生活をしていた怠け者のパブリックモンスターとは格が違って当然なんだよォ!身の程を知れ!」
「引きこもっていただと!俺達はかつて、人間社会から一方的にモンスターエリアに隔離されたんだァ!それを、お前たちがモンスターエリアの住人に対して行った食料配給の停止と無差別銃撃を正当化していい理由にはならないんだよォ!」
「黙れぇ!なんだかんで言ってモンスターエリアから人間社会に移民できたんだから文句ないだろォ!」
ライブ会場は、もはや、アイドルライブの会場というより、PGSと人間社会に移民してきたパブリックモンスター達の暴動になっていた。
このまま暴動が続けば、間違いなく、ライブは中止になり、ストレスにより、会場のパブリックモンスター達が暴走してしまうかもしれない。
遅かった。
俺の頭におぼろげながら浮かんでくるパブリックモンスターの暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤■鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
突然叫ぶ俺に、先程サバを振り回していた迷惑ファン1号がキレる。
「うるせぇよ!いきなり耳元で叫ぶなァ!ぶっ殺されてぇのか!」
PGSの霧原カイトと口論をしているアイドルファンのパブリックモンスター達が次々に暴走を始める。
人気アイドル『アスベスト』のライブ会場は地獄絵図と化していた。

次回予告 アイドルイベント その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十六話 アイドルイベント その5

第二百八十六話 アイドルイベント その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
人気アイドル『アスベスト』のライブ会場はまさに、狂気の世界だった。
ライブ中にサバを振り回す迷惑ファン1号。
ライブ中にシャケを片手にライブステージに上がろうとする迷惑ファン2号。
ライブ中に迷惑ファン1号2号と舌戦を繰り広げるPGS(パブリックガーディアンズ)の霧原カイト。
ライブ中、PGSのカイトに向かって、PGSに対する不満をぶつけるパブリックモンスター達。
そして、カイトの無神経な言葉によって、ライブ会場のパブリックモンスター達が次々と暴走を始める。
アイドルライブの会場はいつの間にか、地獄絵図と化していた。
パブリックモンスターと人間たちの共存は、まだ遠い。
俺の頭におぼろげながら浮かんでくるパブリックモンスターの暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
突然叫ぶ俺に、先程サバを振り回していた迷惑ファン1号がキレる。
「うるせぇよ!いきなり耳元で叫ぶなァ!ぶっ殺されてぇのか!」
PGSの霧原カイトと口論をしているアイドルファンのパブリックモンスター達が次々に暴走を始める。
PGSのカイトが叫ぶ。
「暴走状態のパブリックモンスターを数体確認!PGS(パブリックガーディアンズ)の名のもとに貴様らを処刑する!」
カイトの叫びに、大地の断罪剣士・工藤リンカも現世に大地の断罪剣・ガイアセイバーを召喚する。
暴走したパブリックモンスターたちを処刑しようとするカイトとリンカの前に俺は立ちふさがり、叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
「また、君かァ...山神ムサシィ...!貴様もいい加減、学習したらどうだ?暴走したパブリックモンスターが人間社会にとって迷惑な存在であることを!」
「確かに、暴走したパブリックモンスターは人間社会にとって迷惑かもしれません、でもPGSがモンスターエリアでパブリックモンスター達への食料配給を停止したり、無差別殺銃殺事件を起こしたのは事実です!」
「なら、このまま、暴走したパブリックモンスターを放っておけというのかァ?ライブ会場の人間たちに被害が出たらどうしてくれるんだァーンッ?」
「俺が全員、断罪剣ライフセイバーで人間に戻します!なので、カイトさんは人間たちと暴走していないパブリックモンスターをライブ会場から避難させてください、そんで、おかっぱメガネはガイアセイバーで暴走したパブリックモンスター達を足止めしてくれ、その隙に俺がみんなを人間に戻す!」
「おかっぱメガネ言うな、工藤リンカだ...」
「ふむ、わかった...でも、もし、君の作戦で暴走したパブリックモンスター達が1体でもライブ会場から逃げたら、暴走したパブリックモンスター達は全員処刑する...工藤リンカもそれでいいな?」
「なら私に、いい考えがあります、暴走したパブリックモンスターをわざと外に逃がしましょう」
「工藤リンカ...てめぇ‼」
「そんなに怒らないでくださいよ...冗談です、冗談」
「落ち着きたまえ、山神ムサシ、怒りに我を忘れれば、冷静な判断力を失うぞ...それではおさらいだ、僕は観客の避難、工藤リンカは暴走したパブリックモンスターの足止め、山神ムサシ、貴様は暴走したパブリックモンスターどもを全員、断罪剣ライフセイバーで人間に戻せ!失敗すれば、暴走したパブリックモンスターどもは全員処刑、各員よろしいな、それでは作戦開始だァ!」
「「了解‼」」
霧原カイトは観客の避難誘導を始める。
工藤リンカがぼやく。
「まさかね、あなたと協力することになるとは...」
「そう言うなよ、俺達、断罪剣士とPGSが共に協力して戦うことができるってことは、人間達とパブリックモンスター達がいつかかならず、わかり合えるってことだ!みんなで協力すれば、世界の終末だって絶対に阻止できる!」
「そういうことは、作戦が成功してから言ってくださいねッ!」
リンカが地面に大地の断罪剣ガイアセイバーを突き刺して、地震を起こす。
地震の揺れに、暴走して暴れまわっているパブリックモンスター達が一瞬動きを止める。
「今です、山神ムサシ‼」
「よっしゃぁぁぁッ‼パァァブリィィィィックゥ‼ブレイカァァァァァァーッ‼」
大勢のパブリックモンスター達を相手に想定された、普段より高出力・広範囲のパブリックブレイカー↓が暴走したパブリックモンスター達に向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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高出力・広範囲のパブリックブレイカー↑の直撃を受けた、暴走したパブリックモンスター達が人間に戻る。
その光景をPGSを管理する政府長官の宮本テツヤは特別観客席から見ていた。
「アレが噂の生命の断罪剣ライフセイバーか...すこし、いや、だいぶ厄介だな...」
生命の断罪剣ライフセイバーが起こした奇跡に、宮本テツヤは山神ムサシを危険人物として認定した。
初の大人数のパブリックモンスター達を人間に戻せた偉業に、山神ムサシは驚嘆していた。
「まさか、ほんとうに一撃でこれだけ大勢のパブリックモンスターを人間に戻せるとはな...」
そして、工藤リンカは目の前で起きた光景にある不安を抱いていた。
(このまま山神ムサシの断罪剣ライフセイバーが進化し続ければ、PGSの必要性がなくなってしまうかもしれない...!)
「ありがとな、リンカ。お前の協力がなければ、暴走したパブリックモンスター達を人間に戻すことは出来なかった...」
「わ、私はカイトさんの命令で、あなたに手を貸しただけです...」
「どうやら、作戦はうまくいったようだな...」
「カイトさんも、これで、俺の言っていることがただの理想論ではないことがわかったはずです!」
「フン、まだ、あの時のことを根に持っていたのか...確かに貴様の力はすごい、だが、今日ここで、パブリックモンスター達が大規模な暴走現象を起こしたの事実だ。そして、お前が人間に戻したやつらも、いずれストレスでパブリックモンスターに戻るかもしれない...現状はなにも変わっちゃいないさ、むしろ人間社会にパブリックモンスター達が移民してきたせいで今日のようなトラブルの発生率は増加し続けるだろう」
「なら、俺が何度でも、暴走したパブリックモンスターを人間に戻します!」
背後から拍手の音が聞こえてくる。
拍手の主はPGSを管理する政府長官・宮本テツヤだった。

次回予告 打ち上げ その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十七話 打ち上げ その1

第二百八十七話 打ち上げ その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

人気アイドル『アスベスト』のライブ中に起きたアイドルファンのパブリックモンスター達の暴走。
そして、俺はPGS(パブリックガーディアンズ)のカイトとリンカと協力して、誰一人死亡者を出さずに、暴走したパブリックモンスターを人間に戻すことに成功した。
そして、その偉業をたたえるように、俺の背後で、PGSを管理する政府長官・宮本テツヤが拍手をしていた。
「あんたは、確か...政府長官の宮本テツヤ...」
白の長髪にグレーのスーツ、そして、スーツ越しからでもわかる鍛えられた肉体。
(前から思っていたが、政府長官の割には若く見えるな...)
「はじめまして、山神ムサシ君。君の噂はカイト君やリンカちゃんから聞いているよ...」カイトとリンカは自らのリーダーである宮本テツヤの存在を確認した瞬間、テツヤに向かってひざまつく。
「まぁ、二人とも、そんなにかしこまらなくてもいいよ、顔を上げなさい」
テツヤの言葉にカイトとリンカがゆっくりと顔を上げる。
「山神君、これは提案なんだが、私はぜひ、君をPGSに迎え入れたい」
「俺を...PGSに?」
「ああ、特別観客席から見せてももらったよ、先程の偉業を...大勢の暴走したパブリックモンスター達を一瞬で人間に戻したのをね...」
「あれは、リンカやカイトの協力があったからです、俺だけの力ではありません...」
「だからこそ、君がPGSに入隊してくれれば、先程のように効率よく、暴走したパブリックモンスターたちから人間たちの命を守れるようになる...」
「俺はPGSに入隊するつもりはありません...俺はあんた達、政府が配給を停止させたモンスターエリアの炊き出しボランティアに参加してました...だから俺はPGSを信用できない。どうして、モンスターエリアへの配給を停止させたんですか?」
「ふむ、いきなり話題が変わったが、まぁいいだろう、君は、モンスターエリアへの配給停止の理由をアズマから聞いていないのかね?」
「聞きましたよ...アズマはモンスターエリアの住人の一部が、指名手配中の反政府組織セイバーズのメンバーをかくまっていることが、食料配給の停止だと言っていました!でもアズマは暴走したパブリックモンスターだけでなく、暴走していないパブリックモンスター達もたくさん殺した!」
「アズマの自分勝手な行動は我々にも予想できなかったことだ、だから、我々はその謝罪として、モンスターエリアに住んでいたパブリックモンスター達の人間社会への移民を認めた」
「あなた達、政府が、モンスターエリアへの食料配給を停止しなければ、あんなにたくさんの血は流れなかったはずだ!」
工藤リンカが大地の断罪剣・ガイアセイバーの刃先を山神ムサシの首元に突きつけて忠告する。
「そこまでにしておけ、いくらなんでも無礼が過ぎるぞ...」
「リンカちゃん、断罪剣を下ろしなさい」
リンカは渋々、断罪剣ガイアセイバーを地面に向かって勢い良く叩きつける。
「話を戻そう、我々がモンスターエリアへの食料配給を止めたのはアズマの言った通り、モンスターエリアの住人の一部が反政府組織セイバーズに協力していたのが事実だ、しかし、モンスターエリアへの食料配給を続ければ、それはセイバーズの作戦と戦力増強に手を貸すことになる、そして、モンスターエリアの住人が新たにセイバーズに一員となれば、我々、人間社会へのリスクはますます大きくなる。我々政府は、人類の味方だ、人類を守る為なら、私は手段を選ばない、モンスターエリアへの食料配給の停止は、すべて人間社会をセイバーズの魔の手から守る為に必要なことだった」
「でも、あなたは、あの『新社会宣言』の日、セイバーズのリーダーと握手を交わし、モンスターエリアに住んでいたパブリックモンスター達の人間社会への移民を認め、全世界に発表した...」
「ああ、セイバーズのリーダー『フューラー』は総統とは名ばかりに、平和主義者だったからね、話し合いの大切さを改めて感じさせてもらったよ」
「宮本テツヤさん、あなたは、断罪剣の秘密について知っているんですよね?」
「ああ、もちろん、でもPGSではない君には教えられないな...」
「PGSに入隊しているヨシノも知らないと言っていました...本当は俺達、断罪剣士に知られちゃまずいことなんでしょう?」
「会社にも組織にも守秘義務というものが存在する、私に言えるのはそこまでだ」
「なら、どうすれば、教えてもらえますか?」
宮本テツヤの右手にはいつの間にか、見たことがない断罪剣が握られていた。
「そんな...テツヤさんも断罪剣士...!」
「ああ、私のこれは爆炎の断罪剣・グレンセイバーだ...君が私に勝てたら、断罪剣の真実を教えてやってもいい」
俺はテツヤさんに向かって生命の断罪剣ライフセイバーを構える。
しかし、テツヤさんから放たれた理屈では説明できない闘気が俺の全身に突き刺さる。
俺は秒で自分に勝目がないことを思い知る。
思い知る、自分がいかに格上の相手に生意気な口を聞いていたのかを。
思い知る、力の差も知らずに意見した自分自身の浅はかさを。
思い出せ、俺の敵は断罪剣士ではないことを。
「俺はテツヤさんとは戦いません、俺達、断罪剣士は協力するべきだと思っていますので...」
「それは、すばらしい考えだ...もし気が変わってPGSに入隊したくなったら、監視役のヨシノに相談するといい...私はいつでも君を待っているよ...」
山神ムサシは何も言わずに、宮本テツヤに一礼して、ライブ会場から去った。
ライブ会場の外では竹田が、ライブ中にサバを振り回していた迷惑ファン1号と、シャケを片手にライブステージに不法侵入しようとしていた迷惑ファン2号と、談笑していた。
「おそいぜ、山神ィ!」
「なんだよ、竹田、待っててくれたのか?それに、迷惑ファンの1号2号もどうして...」「お前に、お礼が言いたいんだってよ...」
「お礼?」
迷惑ファンの1号2号が俺に向かって頭を下げながら、謝罪する。
「ありがとう、俺たちを暴走したパブリックモンスター達から守ってくれて...」
「お前がいなかったら、俺たちは今ごろ死んでいたかもしれん...助かったよ...」
「お、そうだな」
俺はそれだけ言って竹田と共に学生寮に戻ることにした。
「竹田さ、俺さ、アイドルファンとかぶっちゃけヤベーやつの集まりだと思ってたけどさ、実際、話せばわかるもんなんだな!」
「ヤベーとかそういうのはどうでもいいんだよ、たとえ周りの人間から後ろ指さされても、熱中できる何かがある、それって素晴らしいことなんだよ」
竹田はそう言って、スーパーの敷地に入っていく。
「おい竹田ァ!お前またムァンビキするつもりなのか?」
「ああ。言ったろ?周りの人間から後ろ指さされても、熱中できる何かがあることが素晴らしいって!今がその時なんだよ‼」
「どうなっても知らねぇぞ!」
「賭けてもいい!今日もお前の部屋でうまい鍋食わせてやるからよォ!」
「なんで俺の部屋なんだよォ!」

次回予告 打ち上げ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十八話 打ち上げ その2

第二百八十八話 打ち上げ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
たとえ周りの人間から後ろ指さされても、熱中できる何かがある、それって素晴らしいことなんだよ。
竹田はそう言って、スーパーにムァンビキしに行った。
俺は竹田がムァンビキに失敗した時のことを想定して、先に学生寮に帰った。
学生寮の部屋にはなぜか、部長と副部長が鍋の準備をしていた。
「お、帰ってきた山神ムサシだ」
「あんたら、ここでいったい何してんだァ!」
「何って鍋よ!文句ある?」
「ありありだよ!」
副部長が得意げな顔で、携帯の画面を俺に見せる。
どうやら事前に、メールで竹田から連絡を受けていたらしい。
「それで、竹田君はどこ?」
「竹田はスーパーで鍋の材料を買うって...」
「ムァンビキでしょ」
「ですね...」
「そんで、『アスベスト』のライブ、かなり大変だったみたいじゃない、ニュースの緊急速報で見たわよ!ライブ中にPGSに煽られたパブリックモンスターの観客が一斉に暴走したって!」
「ああ、もう大変でしたよ、ライブ中に生魚振り回すわ、パブリックモンスターは暴走するわで、地獄絵図ですよ、ホント」
「ハァ...ハァ...ただいま」
ムァンビキを達成したと思われる竹田が荒い息使いと共に俺の部屋に帰還した。
「いや、お前の部屋じゃねえし」
「あ、材料が帰ってきた」
「いや~今日もハードだったですぞぉ~!」
「そりゃなァ、ムァンビキなんて、自分で自分の人生ハードモードにしてるようなもんだからなァ!」
次にPGSの監視目的で同棲しているヨシノが俺の部屋に帰還する。
「なによ、また集まってんの?」
「そ、今日はアイドルライブの打ち上げよ」
「部長と副部長は『アスベスト』のライブ来てませんよね!あとアイドルライブの打ち上げってなんだ!」
「うっさいわねぇ!ムサシ君と竹田はとっとと材料切って鍋に入れなさいよォ!」
十数分後、鍋が完成する。
「過程はどうあれ、タダで食う鍋は最高ね」
「部長の品性は最低ですけどね」
「なんか言った?」
「あっちィなァッ!部長、鍋の煮汁、顔にかけるのやめてくださいよ!それ、普通に、やけどするんでやめてください!」
「そんなことわかってんのよ!」
ヨシノがハシでつまんだ白菜をフーフーしながら聞いてくる。
「そういえば、聞いたわよムサシ君、今日、宮本長官にPGS(パブリックガーディアンズ)に誘われたんだって?」
「カイトから聞いたのか?」
「ええ、怒ってたわ、カイト、アンタが宮本長官に失礼な態度をとったって」
「こっちはライブ中にカイトがパブリックモンスターを煽ったせいで、めちゃくちゃ大変だったんだよなァ...」
「ちょっとお二人さん、宮本長官って誰よ?」
「PGSを管理している政府の長官、宮本テツヤよ」
「しかも、爆炎の断罪剣士だった...」
「ウソ、PGSの長官が断罪剣士だったの?」
「ああ、そんで、断罪剣の秘密について質問したら、PGSに入隊しろって言われた」
「そんで、どうしたの?」
「断ったよ、だってPGSに入隊して断罪剣の秘密がわかるぐらいなら、とっくにヨシノから断罪剣の秘密を教えてもらってるさ、でもPGSに入隊しているヨシノも断罪剣の秘密について、知らないんだから、PGSに入隊しても意味ねぇよ」
「確かに、つーか、前から気になってたんだけど、どうして、山神君とヨシノちゃんは一緒にこの部屋に住んでるの?」
「PGSの任務で一緒に住んでるだけ、断罪剣士の山神ムサシを監視しろってね」
「あっそ、でもJKとDKが狭い部屋に二人きり、何も起きないわけないわ」
部長の言葉に竹田も同調する。
「そうだそうだ!校内の風紀を乱す過度な不純異性交遊はやめるべきだ!」
「うるせぇ!スーパーでムァンビキしまくって社会の風紀乱してるやつが言うなァ!」
「でも、確かに起きてるわね、夜中にいきなりムサシ君が叫んだりだとか、アレ心臓に悪いからマジでやめてほしい」
「仕方ないだろ、突然、頭の中におぼろげながらアレ↓が浮かんでくるんだから!」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「だいたい、その、おぼろげながらってなによ?なんかムカつくわねぇ!」
「おぼろげながらは、おぼろげながらということです」
「説明になってねーわよ‼」
「まぁ、二人とも夫婦漫才はそこまでにして、鍋食べましょうよ、竹田君、ガスのカセットきれちゃったから新しいの部室から持ってきてなさいよ返事は聞いてないから今すぐダッシュで3、2、1、0、よーいドン‼」
「夫婦じゃねーわよ‼」
「あのね、アンタたちに質問したアタシがバカだった、私や副部長みたいなアニメキャラにしか発情できない奴らが、アンタたちにさっきみたいな質問するんじゃなかった、なんだか悲しくなってきた、過ぎ去りし日の自分を思い出してしまった...副部長ジュース買ってきて」
数秒後、廊下のほうから副部長が自販機を殴打する音が聞こえてくる。
「なんかしちゃいけない音がするんだが」
俺の自室に帰ってきた副部長が手に持っているビニール袋には大量のコーラのペットボトルが入っていた。
「副部長、やっぱりアレやったのか?」
「アレってなによ」
「そうか、ヨシノは知らないのか、この偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に伝わる秘技・ファイナルクラッシュを...」
「ファイナルクラッシュ?」
「うん、自販機、殴りまくるとジュースがなんかたくさん出てくる」
「最低ね」

次回予告 汚部屋清掃ボランティア その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百八十九話 汚部屋清掃ボランティア その1

第二百八十九話 汚部屋清掃ボランティア その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
打ち上げ翌日。
偏差値最底辺高のアルティメットジーニアス学園の校舎で行われている国語の授業はいつものごとく、学級崩壊していた。
授業中に対戦ゲームに熱中する生徒達。
授業中に教室で殴り合いの喧嘩を始める生徒達。
授業中にライブを始める生徒達。
授業中に爆睡する生徒達。
そして、国語の授業中に突然、校内放送で部長の声が校舎と教室内に響き渡る。
「えー、私はアルティメットメディアクリエイター部、部長の風見マイカです。我々、アルティメットメディアクリエイター部は現在、放送室を占拠した。アルティメットメディアクリエイター部の部員は直ちに授業を放棄して部室に集合してください、繰り返す...」
ただでさえ、現在進行形で学級崩壊している授業中の教室に響く部長の声に、クラスメイト達がざわつき始める。
竹田が俺に話しかけてくる。
「おい、山神ィ、部長もしかして...」
「ああ、おそらく、この放送をするためだけに、放送室を占拠したんだろう...」
「いくらなんでもイカレてんだろ、なんで、わざわざ授業中に放送室、占拠して集合かけるわけ...?」
俺と竹田とヨシノは戸惑いながらも、国語の授業を放棄して、部室に向かう。
国語教師が俺たちを注意する。
「おい、お前ら、まだ授業中だぞ!」
竹田が3人を代表して国語教師に向かって叫ぶ。
「アニサキスッ‼」
「なに言ってんだァ‼」
不良たちが廊下でバイクレースをしている。
壁の貼り紙には『廊下でバイクレースをするのはやめましょう』と書いてある。
俺たち3人は部室に入る。
アルティメットメディアクリエイター部の部員が全員集合したところで、部長がホワイトボードの前に立って宣言する。
「みなさん、次のボランティアが決まりました‼」
部員達から一斉にため息がもれる。
部長がマジックペンでホワイトボードに勢いよく文字を書きなぐる。
ま~た、始まったよ...なんで口で言わないんだろう...。
ホワイトボードには、クソきったねぇ字で汚部屋清掃ボランティアと書かれていた。
部員4人が一斉に首を傾げて疑問を口にする。
「「「「汚部屋清掃ボランティア?」」」」
部長はまた、口で説明せずに、あえて、マジックペンでホワイトボードに勢いよく文字を書きなぐる。
いつもより、文字数が多いためか、部長がホワイトボードに勢いよく文字を書きなぐる姿は、躍動感にあふれいていた。
文字を書き終えた部長はゼーゼー息を荒げている。
いや、疲れるのわかってるなら、最初から口で説明しろや。
ホワイトボードには、クソきったねぇ字で汚部屋清掃ボランティアの内容について書かれていた。
どうやら、今回のボランティアも、また役所からの依頼らしい。
どうやら、今回のボランティアを取り仕切る現場責任者は、金子さんらしい。
どうやら、今回の俺達アルティメットクリエイター部の目的は近所からクレームが1分回100回きているゴミ屋敷の室内清掃らしい。
部長が声高らかに宣言する。
「ここで朗報です!今回の汚部屋清掃のボランティアは全員強制参加です‼」
いや、朗報じゃねぇし、いつも強制参加だろうが。
「それでは、これからこの後の全授業を放棄して問題のゴミ屋敷に向かうわよ!もちろん教員には誰一人許可を得てないのでご心配なく!」
ご心配なくじゃねぇよ。
こうして、俺たちは校門で待っていた金子さんのトラックに乗って、問題のゴミ屋敷に向かう。
ゴミ屋敷に向かう途中で竹田とヨシノと副部長がトラックの窓から脱走した。
脱走に成功した3人は金子さんの運転するトラックに取り残された俺を見ながら、まるで死人を追悼するように両掌を合わせ合掌していた。
「部長、アイツら3人、どうします?」
「どうもこうもないわよ、残ったのが私と山神くんだけな以上、2人で汚部屋清掃ボランティアをやり遂げるしかないわ!覚悟をきめなさい!」
「金子さん入れたら3人じゃないですか?」
「金子さんは今回、送迎だけよ」
「現場責任者ァ‼」
こうして、俺と部長は問題のゴミ屋敷に到着した。
そのゴミ屋敷の庭には大量のゴミが積んであり、激臭を放っていた。
「これじゃあ汚部屋どころか、汚庭(おにわ)じゃん!」
「ククク...なかなかうまいこと言うじゃない山神君...!」
いや、全然、笑えねぇし!うまくねぇし!くせぇし!帰りてぇし!
あまりの激臭に心が折れそうな俺は、そのどうしようもない怒りをぶつけるように、インターホンのボタンをあえてグーでパンチする。
インターホンから煙が上がるのと同時に、汚部屋主の声が聞こえてくる。
『はい、どちら様ですか?』
「汚部屋清掃ボランティアで来た、アルティメットメディアクリエイター部で~す!」
部長の返事↑は客観的な視点で考えると意味不明すぎる。
ゴミ屋敷から、金髪が特徴的な美少女が出てくる。
「どうぞ、入ってください」
俺と部長は恐るおそる、ゴミ屋敷に潜入する。
玄関には見覚えのあるイラスト↓が飾られていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「私は先原エリカって言います。今日はよろしくお願いしますね」
「よろしく、お願いします!」
部長とエリカが握手する。
俺と部長の周囲には、まさにゴミの山が四方八方に建造されていた。
俺と部長は果たしてこの戦場から生き残ることができるのだろうか...。

次回予告 汚部屋清掃ボランティア その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十話 汚部屋清掃ボランティア その2

第二百九十話 汚部屋清掃ボランティア その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
今回、役所からきたボランティアの依頼は汚部屋清掃ボランティアだった。
近隣住民から1分間に100回クレームがくると噂のゴミ屋敷に向かう途中、金子さんの運転するトラックの窓から竹田とヨシノと副部長が脱走。
近隣住民から1分間に100回クレームがくると噂のゴミ屋敷に向かう途中のトラックに取り残された俺と部長は噂のゴミ屋敷に潜入。
ゴミ屋敷の玄関には見覚えのあるイラスト↓が飾られていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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こうしてゴミ屋敷の主である、金髪が特徴的な先原エリカと接触した俺と部長は周囲に建造されたゴミの山との戦いを始めた。
俺は汚部屋主の先原エリカに聞いてみる。
「失礼なこと聞いていもいいですか?」
「ダメです」
「どうして、こんなことになっちゃたんですか?」
「こうなってしまったとしか言えませんね」
「それはやはり、片づけられないということですよね?」
「片づけられないということではないです、気付いたらこうなってしまったということです」
人はそれを『片づけられない』と言うのだ。
俺がエリカと話している間も、部長はゼーゼー息を荒げながら、ポリ袋にゴミを入れている。
ちょっと怖い。
よく見るとエリカの右手首にはたくさんの傷があった。
もしかしたら、もともと片づけられない人ではなかったのかもしれない。
きっと、なにかショックな出来事があって、片づけられない人になってしまったのだ。
もしかすると、その原因を突き止めて、解決しない限り、俺たちがどんなにゴミの山を清掃しても再びゴミの山が建造されてしまう可能性がある。
「エリカさんの右手首、傷がたくさんありますよね」
「ありますねぇ!」
「どうして、自分を自分で傷つけてしまうんですか?」
「なんか、こう、やっちゃうんですよね」
「なんか、こう?」
「はい、なんか、こう、気付いたら自分でシュッて感じで」
「シュッて感じ?」
「はい、痛いです、結構」
「でしょうねぇ!痛いのにやめられない?」
「はい、やめられないっすね」
「なんか昔、嫌なことあったんですか?」
「ありますねぇ!」
「どんな?」
「夫がパブリックモンスターになって、暴走しちゃったんです。それで、PGS(パブリックガーディアンズ)に処刑されてしまいました。手首を切って自殺すれば、天国で夫に会えるじゃないかって、でも、なかなかちゃんと死ぬ勇気も出なくて...おまけに、もうすぐ人類が滅びるとかもう、なんか全部どうでもよくなっちゃって...」
「それで、自分を自分で傷つけたり、部屋を片づけられなくなってしまった?」
「ええ、でも役所から、近所の方々からクレームが1分間に100回きてるって言われまして...」
「今に至る?」
「はい、そうですねぇ、でも1分間に100回とか普通に考えて意味わからなくないですか?」
「ですねぇ!」
「私はこのゴミだらけの空間が好きなんです...」
「は?」
「夫がいなくなった後の、この家は、私が住むのにはあまりにも広すぎました、だから、大量のゴミに囲まれていると、私は安心できたんです、私は1人じゃないって...」
「じゃあ、なんで汚部屋清掃を受け入れたんですか?」
「近所の方々に迷惑をかけているのはもちろん、やっぱり、このままでいいのかなって、思ったのかもしれません...」
「それじゃあ、僕たちを一緒に、この部屋を片づけませんか?体を動かすと、気がまぎれるって、よく言うでしょ?」
「そうですね」
こうして、俺はエリカ共に、汚部屋清掃を開始した。
しかし、3人がかりでも、汚部屋を完全に清掃することは出来なかった。
部長が叫ぶ。
「ここでちょっとターイムッ!ちょっと休憩にしましょう」
汚部屋清掃に参加していたエリカが息を荒げながら言う。
「ハァハァ...やっぱり、ひさしぶりに体を動かすと、なんか気分がいいですね...」
「ほらほらほらほら、俺の言った通りでしょ!」
「山神君、スーパーで3人分の昼飯、ムァンビキしてきなさよ!」
「俺は竹田じゃないんですから、そんなことしませんよ」
俺はそのまま、エリカさんの家を出る。
エリカさんの家の前に止まっているトラックには、今回のボランティアの現場責任者の金子さんが乗っていた。
金子さんは運転席でタバコを吸っていた。
俺は人が汗だくになりながら汚部屋清掃していたにもかかわらず、トラックの中でタバコを吸っている金子さんを心の中で罵倒しながら、スーパーに向かう。
俺はちゃんと金を払ってスーパーで買ってきた3人分の弁当とアイスティーのペットボトルが入ったレジ袋を手に持って、エリカさんの汚部屋に帰宅した。

次回予告  汚部屋清掃ボランティア その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十一話 汚部屋清掃ボランティア その3

第二百九十一話 汚部屋清掃ボランティア その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
 
ゴミの山と化した、汚部屋に潜入した俺と部長。
部長が一生懸命、清掃活動をする一方で、俺は現実から逃避するように、汚部屋の主である先原エリカに、なぜ人間が生活しているにも関わらず、部屋がゴミ屋敷になってしまったのかについて問う。
エリカさんには昔、夫がいたらしい。
しかし、エリカさんの夫はパブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになり暴走。
暴走したエリカさんの夫はPGS(パブリックガーディアンズ)によって処刑されてしまった。
夫を失ったエリカさんは現実から逃避するために、自傷行為を繰り返し、夫を失った悲しみを埋めるように、夫と共に過ごしていた室内をゴミの山でいっぱいにした。
しかし、俺の説得により、エリカさんも俺と共に部長のソロ活動と化していた汚部屋清掃活動に加わることになった。
そして、久しぶりに汗を流したエリカさんの表情は最初に会った時よりも、明るくなったように見えた。
部長に休憩時の昼食のおつかいを頼まれた俺はちゃんと金を払ってスーパーで買ってきた3人分の弁当とアイスティーのペットボトルが入ったレジ袋を手に持って、エリカさんの汚部屋に帰宅した。
エリカさんの自宅の玄関には見覚えのあるイラスト↓が飾られていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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昼食を持って帰ってきた俺を部長が歓迎する。
「おー!食料調達ご苦労、山神君!ちゃんと金払ったか?」
「払いましたよ、それで弁当とアイスティーでよかったですよね?」
「えー、またアイスティー?」
「アイスティーしかなかったんだから、しかたないでしょうが!」
こうして、俺達3人は昼食を食べ始めた。
食べ始めてすぐに部長が弁当に文句を言う。
「うわ出た、このピンクの大根、私これキライ。なんで大根ピンクに塗装するの意味わかんない!」
「それは、大根のさくら漬けですよ」
「そんなのわかってんのよ、アンタ食いなさいよ!」
部長が大根のさくら漬けを割りばしではさんで、俺の顔面に向かって投げる。
「うおあッ!やめろォ‼」
その俺と部長の姿を見て、汚部屋の主であるエリカさんが笑っている。
エリカさんが部長に問う。
「部長さんはボランティア活動、お好きなんですか?」
「なんで?」
「だって普通の人なら、こんなゴミ屋敷の清掃をタダで引き受けませんよ」
「そりゃあ、本当なら清掃業者に頼むべきなんでしょうけど、『無期限・食料配給制度』のせいで、清掃業なんてする人、ほとんどいなくなっちゃったのよ」
「本当にそれだけですか?」
「まぁ、私はただ、近いうちに人類が滅びるからって、なんでもかんでも後ろ向きに考えたくないのよ!だから、ボランティア活動を始めただけ。とりあえず体を動かしとけば、嫌なこととか考えずに済むじゃない!」
「なるほど...」
「実際『無期限・食料配給制度』のせいで労働者が減って、人類がみんなだらしなくなっちゃたでしょ?だからボランティア活動には困らないしね!」
部長って普段はアレだけど、たまにいいこと言うよな...。
昼食を摂り終えた俺たちは汚部屋清掃を再開した。
とりあえず、夕方までに室内を支配していたゴミの山の清掃は終了した。
室内にあった大量のゴミが入った大量のポリ袋は、金子さんのトラックの荷台に乗っている。
しかし、まだ汚庭には大量のゴミがたまっている。
とりあえず、汚庭の清掃は次の日にすることにした。
「じゃあ、今日は僕たち、これで帰るんで」
「はい、明日もお願います」
エリカさんに挨拶を終えた俺と部長は、金子さんの運転するトラックに乗って移動を開始した。
金子さんの運転するトラックがゴミ回収業者へと向かう。
ゴミ回収業者に大量のゴミを提供し終えた俺たちは学生寮に帰ることにする。
学生寮に向かうトラックの中、俺の頭におぼろげながらうかんでくる...パブリックモンスターの暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああッ‼」
車内で突如、奇声を上げる俺に部長がキレる。
「うるせぇなお前!いきなり隣で叫ぶな、車降りろバカ!」
部長に強引にトラックから蹴り降ろされた俺は、パブリックモンスターが暴走、もしくは暴走直前の現場に向かって走る。

次回予告 汚部屋清掃ボランティア その4
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十ニ話 汚部屋清掃ボランティア その4

第二百九十ニ話 汚部屋清掃ボランティア その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

汚部屋清掃ボランティア、一日目の作業を終えた俺と部長は金子さんの運転するトラックに乗っていた。
そして、学生寮に向かうトラックの中、俺の頭におぼろげながらうかんでくる...パブリックモンスターの暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああッ‼」
車内で突如、奇声を上げる俺に部長がキレる。
「うるせぇなお前!いきなり隣で叫ぶな、車降りろバカ!」
部長に強引にトラックから蹴り降ろされた俺は、パブリックモンスターが暴走、もしくは暴走直前の現場に急ぐ。
俺が本能に従ってたどり着いた場所は、近所でうまいと評判のラーメン屋『うまいラーメン屋』だった。
そして、店の前では『うまいラーメン屋』の店主と頭部に犬の耳がついている少女が口論をしていた。
頭部に犬の耳がついている少女はおそらく、パブリックモンスターである。
犬耳少女が叫ぶ。
「どうして、私だけ店を追い出されないといけないんですか?」
「お前、ちゃんと目ぇついてんのかァ!」
店主が店の外壁に貼られた張り紙を指さす。
張り紙はこう書かれてあった。
『パブリックモンスターお断り』
「だからなんですか?私たちは、ちゃんと政府の許可をもらって人間社会に移民してきたんですよ!」
「そんなの関係ねぇよォ!営業中に人間の客とトラブル起こしてパブリックモンスターに暴走されたら困るんだよ!それにお前らパブリックモンスターは、はっきり言って臭う!クセーんだよォ!おめぇらのせいで客減ったらどうしてくれるんだよォ!」
「ひどい、こんなの差別じゃないですか...!」
「そうだよ、差別だよ!なんか文句あんのかァ!」
うまいラーメン屋の店主の心無い言葉で傷ついた犬耳少女は店の前でうずくまってしまった。
「とにかく、そんなところでじっとしてんじゃねぇよ!営業の邪魔なんだよォ!」
うまいラーメン屋の店主はそのまま、犬耳少女を蹴り飛ばそうとする。
俺は犬耳少女を蹴り飛ばそうとしている、うまいラーメン屋の店主に前に立ちふさがり叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
「なんだテメェはァ?」
「差別、カッコ悪い!」
「そうだよ、だから何だァ!」
「開き直るなァ!とりあえずうまいラーメン俺にも食わせてくれェッ!」
「ダメだァ、なんかお前もクセェェェェェェッ!」
「それは汚部屋清掃ボランティアをしていたせいで...」
「とりあえずおめぇは風呂入って着替えてから食いに来い!」
「俺はよくて、この女の子はだめなんですか?」
「ダメに決まってんだろォ!パブリックモンスターは人間じゃないんだよ!パブリックモンスターの入店はお断り、それがこの店のルールなんだよ!」
うまいラーメン屋の店主の心無い言葉にパブリックモンスターの犬耳少女が暴走を始める。
「ギャオオォォォォォォォォォォォォォンッ!」
暴走した犬耳少女が俺に向かって襲いかかる。
俺は現世に生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった断罪剣ライフセイバーが、俺に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい』
地面から断罪剣ライフセイバーを抜いた俺は叫ぶ。
「パァァァブリックゥッ!ブレイカァァァァァァーッ‼」
暴走した犬耳少女に向かって『パブリックブレイカー』↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたパブリックモンスターの犬耳少女が人間に戻り、自我を取り戻す。
「あれ?頭の犬耳が消えてる...私...人間に戻っちゃった...」
「店主さんよォ!これで、この女の子はもう、入店禁止にはならないはずだァ!」
「ちっ、何が起こったのか、よくわからんが、まぁ、いいだろう、入れ!」
「あの、ありがとうございます...」
人間に戻れた女の子が俺に頭を下げる。
「よかったな、これでうまいラーメン屋でうまいラーメン食べられるな、俺も寮で着替えたら食いに行くよ」
人間に戻った女の子は軽やかなステップで、うまいラーメン屋に入店した。
俺は学生寮に向かう。

次回予告 汚部屋清掃ボランティア その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十三話 汚部屋清掃ボランティア その5

第二百九十三話 汚部屋清掃ボランティア その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『パブリックモンスターの入店禁止』
近所でうまいと評判のラーメン屋、『うまいラーメン屋』で、うまいラーメン屋の店主に入店を拒否されていたパブリックモンスターの犬耳少女が、うまいラーメン屋の店主の差別発言のせいで暴走してしまう。
俺は生命の断罪剣ライフセイバーのパブリックブレイカー↓で暴走した犬耳少女を人間の状態に戻す。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けて、自我を取り戻し、人間に戻ることができた少女は俺にお礼を言って、そのままうまいラーメン屋に入店することができた。
俺はうまいラーメン屋に行くために、清掃ボランティアの際に汚れてしまった制服を学生寮の洗濯かごにぶち込み、シャワーを浴びる。
シャワーを浴び終えた俺は着替えて、学生寮の自室のリビングに向かう。
リビングではいつものごとく、竹田がムァンビキしてきた食材で鍋を作って食っていた。
「なんだ山神、その格好、どっか出かけるのか?」
「ああ、今からうまいラーメン屋に行ってくるんだ」
「うまいラーメン屋?」
「ああ、うまいラーメン屋」
俺は学生寮を出て、うまいラーメン屋に向かう。
うまいラーメン屋に入店すると、店内で先程、俺が助けた少女がおいしそうにラーメンを食べていた。
少女が俺に気付く。
「あ、先程はありがとうございました!」
「おう。おやっさん、俺、うまいラーメンとアイスティーね」
俺は少女のとなりに腰を降ろす。
うまいラーメンを食べ終えた少女が、うまいラーメンとアイスティーを待っている俺に話しかけてくる。
「すいません、名前、なんて言うんですか?」
「ああ、俺?俺は山神ムサシ」
「私は鈴原サヤカです。山神君はラーメン好きなんですか?」
「ああ、大好きさ、ここの人気メニュー、『うまいラーメン』が気に入っている!」
「私もモンスターエリアにいたころからラーメンが大好きだったんです!」
「へぇ、パブリックモンスターもラーメン食べるんだ」
「それ、差別ですよ」
「お、そうだな」
「とにかく、モンスターエリアにあった私の実家はラーメン屋だったんです、私はその影響で小さいころからラーメンが大好きでした」
「お、そうだな」
「へい、うまいラーメンとアイスティーお待ち!」
俺は出来立てのうまいラーメンをすする。
「あっちぃなァッ!この野郎ォォォッ‼」
あまりの熱さにイラついた俺はアイスティーをうまいラーメンの中にぶち込む。
これで、うまいラーメンアイスティーの完成だ。
冷たくてうまいぜ。
俺の常識外れの食い方にサヤカがキレる。
「ちょっとちょっと!いくらなんでも、それ、マナー違反ですよ!」
「お、そうだな」
うまいラーメンアイスティーを食い終わった俺は店主に金を払って店を出る。
背後からサヤカが追いかけてくる。
俺はサヤカの話を聞くために後ろを振り返る。
「あの、なにか私に手伝えることありませんか?」
「それじゃあ、明日の汚部屋清掃ボランティア、手伝ってよ」
「わ、わかりました、待ち合わせ場所はどこにします?」
「じゃあ、明日の朝8時、うまいラーメン屋の前で待っててよ」
「わかりました、あしたの8時、うまいラーメン屋の前で待ち合わせですね」
次の日の朝、汚部屋清掃ボランティアに向かうトラックがうまいラーメン屋の前で止まる。
部長がぼやく。
「ああ、この子が昨日で電話言ってた、助っ人ね」
「はい、私、鈴原サヤカって言います、よろしくお願いします」
俺と部長とサヤカを乗せた金子さんが運転するトラックが動き始める。
「それで、サヤカちゃんは山神君にナンパでもされたの?」
「実は、うまいラーメン屋で入店拒否された私を山神君が人間に戻してくれたんです、それでそのあと、うまいラーメン屋でなにかお返しがしたいと言ったら、汚部屋清掃ボランティアを手伝って欲しいって言われまして...」
「なんかもう、うまいラーメン屋って言葉以外、頭に話が入ってこないんだけど...要するにサヤカちゃんはパブリックモンスターだったせいで、うまいラーメン屋を入店拒否された、そんで山神君に人間に戻してもらってうまいラーメ屋でうまいラーメンを食べて、今に至るわけね」
「はい、そうです!部長さんもあとで一緒にうまいラーメン屋でうまいラーメン食べましょう!」
「いいわね、うまいラーメン屋、あそこ、うまいって有名だしね、ああ、私なんだかうまいラーメン食べたくなっちゃった...うまいラーメン屋、行きてー!」
うまいラーメンうまいラーメンうるせぇなコイツら...。
金子さんの運転するトラックがゴミ屋敷の前で止まった。

次回予告 汚部屋清掃ボランティア その6
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十四話 汚部屋清掃ボランティア その6

第二百九十四話 汚部屋清掃ボランティア その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

汚部屋清掃ボランティアに近所でうまいと評判のうまいラーメン屋で遭遇した鈴原サヤカが加わった。
金子さんが運転する俺と先輩と部長とサヤカを乗せたトラックがゴミ屋敷の主・先原エリカの自宅の前に止まる。
昨日のうちに、汚部屋の清掃は完了しているのだが、まだ庭には大量のゴミがたまっていた。
今日、この汚庭の清掃をすれば、今回の汚部屋清掃ボランティアは終了となる。
トラックから降りた俺はエリカの自宅のインターホンを押す。
しかし、インターホンからは誰の声も聞こえず、自宅からエリカが出てこない。
俺は恐るおそる、ドアノブを引いてみる。
なんと鍵が施錠されていなかった。
部長が叫ぶ。
「あいてんじゃーん‼」
俺達は恐るおそるエリカさんの自宅に入る。
ゴミの山がなくなったリビングの中央で、男が刃物で誰かをめった刺しにしている。
俺は叫ぶ。
「お前!なにをやってるんだぁ?」
刃物を持っている男は満面の笑みを浮かべながら、俺たちに胴体から切り離されたエリカさんの頭部を見せつける。
「お前、誰だぁ!どうして、エリカさんを殺したんだぁ!」
「僕の娘は、この女の夫に殺されたんだよ...」
確か、エリカさんの夫は数年前にパブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになり暴走、そしてPGS(パブリックガーディアンズ)に処刑されたのだ。
それじゃあ、もしかして。
「この女の夫はパブリックモンスターになって、俺の娘をバラバラにしたんだ!だから僕は娘のために、この女を殺した...」
「どうして、どうして今になって殺したんだ!エリカさんはゴミ屋敷を片づけて、新たな人生をスタートさせようと必死に頑張っていたんだぞ!」
「そんなの知るか、もうすぐ人類はパブリックブレイク現象で滅びるんだ...だから生きているうちに復讐をした、それのなにが悪い?」
「アンタの娘の殺したのはエリカさんじゃない!エリカさんの夫だろ!」
「だからだよ、事件を起こした加害者だけでなく、事件を起こした加害者の家族も社会的制裁を受ける、それが人間社会だ、この国の法が、この女を守るなら、僕がこの手で制裁する、そして実行した...」
「く、狂ってる...!」
「狂うさ、こっちは大切な娘を、この女の夫に奪われたんだ...それじゃあ、僕はこの女の首を持って家に帰るよ...そして娘の墓前に供えるんだ...」
男はエリカを斬殺したのこぎりを持って、俺たちのいる玄関に近づいてくる。
部長が現世に疾風の断罪剣フーガセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった疾風の断罪剣フーガセイバーが部長に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい』
疾風の断罪剣フーガセイバーを地面から引き抜き、両手に持った部長が、エリカさんを殺した男の前に立ちはだかる。
「待ちなさいよ‼」
「ん?なんだ君は?邪魔だよ、僕は家に帰るんだ!早くこの女の首を天国の娘に見せなくてはいけないんだ...」
部長が疾風の断罪剣フーガセイバーを男に向かって振り下ろす。
俺は急いで生命の断罪剣ライフセイバーを召喚して、部長の疾風の断罪剣フーガセイバーを受け止める。
「なにするんですか!やめてください!」
「山神君!どうして邪魔するのよ!あの男はエリカさんをバラバラにして殺したのよ!」「今ここで、あの男を殺したら、部長もあの男と同じですよ!ここは冷静になって警察に通報しましょう!」
「でも、人類は近いうちに滅びるのよ!だったら、今、殺すべきよ!」
「人類は滅びません、俺の断罪剣ライフセイバーの力があれば、きっと滅びません!」
「そんなの綺麗事よ!パァァァァブリック!・ハリケェェェェェェーンッ‼」
部長の疾風の断罪剣フーガセイバーから放たれたパブリックハリケーンがエリカを殺した男に直撃する。
「部長ォ!」
「安心して、威力は弱めたわ...」
エリカさんを殺した男が急に動きを止めて、床にうつむけに倒れる。
倒れた勢いで、男が手に持っていたエリカさんの頭部が床を転がる。
男に息はある。
「気絶...させたんですか?」
「ええ、早く、警察を呼びましょう...」
俺は見てしまった、
床に転がった、エリカさんの頭部を。
死ぬ寸前のエリカさんの顔を。
胴体から切り離されたエリカさんの顔は、笑っていた。
俺は思い出してしまった。
エリカさんが自傷を行為をなんども繰り返していた理由を。
それは、死んでしまった夫に会うためだった。
部長に言ったら怒られるかもしれない、でも、エリカさんにとって、この死は、救いだったのかもしれない。
気絶した男はそのまま、救急隊員に担架に乗せられて、救急車に運ばれた。
俺達はその場で、警察に事情聴取を受けた。
パトカーと救急車がエリカさんの自宅から去った後、俺たちは庭を埋め尽くしているゴミの山の清掃を始めた。
俺も部長もサヤカも泣きながら、ゴミを片づけていた。
金子さんはトラックの運転席でタバコを吸っていた。
庭の清掃を終えた俺達3人はエリカさんの自宅の玄関で、黙とうを捧げる。
金子さんはトラックの運転席でタバコを吸っていた。
黙とうを終えた俺はエリカさんの自宅の玄関に飾ってある、イラスト↓を見て思う。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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狂ってる。
こうして、汚部屋清掃ボランティアは終了した。

次回予告  異国からの脅威 その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十五話 異国からの脅威 その1

第二百九十五話 異国からの脅威 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

深夜、睡眠中の俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックモンスターの出現、もくしは暴走を知らせるアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああッ‼」
夜中に奇声を上げる俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ!」
俺は昨日とおとといの、汚部屋清掃ボランティアの影響で全身筋肉痛になっていた。
なので、今回は、なにもせずに再び眠ることにした。
早朝、自室に備え付けてあるテレビ画面にはいつもの通り、有名スポーツ選手との玉の輿しか頭になさそうなクソバカ女性アナウンサーがヘラヘラしながら、ドラマの番宣で来たイケメン俳優と談笑している。
俺はとりあえず、テレビに向かって悪態をつく。
「死ね!」
すると、突然、緊急速報が入ったのか、有名スポーツ選手との玉の輿しか頭になさそうなクソバカ女性アナウンサーが急にバカみたいに真面目な表情になってニュースを読み始める。
どうやら、この国に不法に入国した発展途上国『K国』の軍人どもが、俺たちの国の食料が保存されている『フードエリア』を襲撃したらしい。
発展途上国『K国 』は俺たちの国の領海に向かって、不定期にミサイルを落としてくる、めんどくせぇかまってちゃんみたいな国のことだ。
ちなみにフードエリアは、『無期限・食料配給制度』の際に国民に配給される食料が保管されているエリアである。
そして、フードエリアを襲撃した『K国』の軍人たちは、フードエリアを防衛していたPGS(パブリックガーディアンズ)の部隊にほとんど殺害されたらしい。
しかし、生き残った『K国』の軍人4名が、俺たちの国に侵入して、現在逃走中らしい。
俺はこの緊急速報について、朝食にキムチを食っているヨシノに聞いてみる。
「PGSのパブリックモンスターから、逃げきれたってことは、おそらく、パブリックモンスターの可能性が高いわね」
そうか、パブリックブレイク現象は全世界で起きている怪奇現象だ、海外にパブリックモンスターがいてもおかしくない。
「ということは『K国』はパブリックモンスターを軍事利用しているってことか?」
朝食にトッポギを食っているヨシノが俺の問いに答える。
「まぁ、そうなるわね、うちの国のPGSみたいなもんよね」
「PGSは軍隊じゃなくて、どちらかと言えば、警察みたいなもんだろ?」
朝食にビビンバを食っているヨシノが俺の問いに答える。
「そりゃあ、有事の際には、PGSも国土防衛を目的に軍隊と一時的に連携をとるわよ、実際、近代兵器よりPGSのパブリックモンスターほうが強力なんだからね」
「でも発展途上国『K国』のやつらだって、『無期限・食料配給制度』のおかげで食料には最低限、困ってはいないはずだ!なのに、なんで俺たちの国の食料が保管されてある『フードエリア』を襲うんだ?」
「あんたさ、もしかして『無期限・食料配給制度』のおかげで私たちの国だけじゃなくて、全世界の国の人間が食料に困ってないと思ってる?」
「思ってる、だって学校で、そう教わったから」
「そんなのウソに決まってるでしょ。よく考えてみなさい、『無期限・食料配給制度』のおかげでみんな、働かなくても食べるものに困らなくなった、すると当然、労働者が減る。
労働者が減れば、米や野菜を作る農家も、豚や鳥や牛の肉を作る畜産農家も減る、つまり、世界中で『食料危機』が起きる」
「じゃあ、俺たちの国はいままでどうやって、『無期限・食料配給制度』を維持してきたんだ?」
「そりゃあ、大国から金で食料を買うとか、発展途上国を襲撃して、食料を奪うとか、色々方法はあるわよ」
「そんな!俺たちの国のリーダーや軍が裏でそんな悪さをしていたなんて!」
「そりゃあ、もうすぐパブリックブレイク現象で人類が滅びるってわかれば、みんな、おかしくなるわよ。『人類が滅びるまではどんな犠牲を払ってでも幸せに暮らしたい』この世界に住む全ての人々がおそらく、そう思っているに違いないわ...」
「どうして、国のリーダーは、そのことを俺たち国民に黙っていたんだろう?」
「そりゃあ、人類が滅びるとわかった以上、国民たちに全てを隠して、『無期限・食料配給制度』を施行することが、私たちの国のリーダーが終末に絶望する国民達にできる最大限の努力と誠意だったんでしょうね...」
俺たちが『無期限・食料配給制度』で食ってきた食料の一部は、俺たちの国の軍隊が発展地途上国を襲って強奪してきた食料だった。
そして、食料危機に陥った発展途上国『K』の軍隊が俺たち国民のための食料が保管されているフードエリアを襲撃した。
俺は『無期限・食料配給制度』の闇を知ってしまった。
「ヨシノはずっと、『無期限・食料配給制度』の闇について知ってたのか?」
「闇?ええ、まぁね、普通に考えればわかるでしょ、そんなこと。ああ、そっか、アンタが通ってる、この高校は偏差値最底辺高のアルティメットジーニアス学園だもんね、しかたないわよね」
俺はこの時、初めて、偏差値最底辺高のアルティメットジーニアス学園の生徒であることを恥だと思った。
「ヨシノだって、今は偏差値最底辺高のアルティメットジーニアス学園の生徒だろ!」
「私はPGSの任務でアンタを監視するために、入学してるだけよ!一緒にすんじゃねーわよ‼」
ヨシノに罵倒された俺はそのまま、椅子に座って朝食のサムゲタンを食い始めた。

次回予告 異国からの脅威 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十六話 異国からの脅威 その2

第二百九十六話 異国からの脅威 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『無期限・食料配給制度』。
それはパブリックブレイク現象による世界の終末を確信した各国のリーダーと政府が、国民すべてに労働の有無を問わずに最低限の食料を無料で提供する制度のことだ。
発展途上国『K国』は俺たちが住んでいる国の領海に不定期にミサイルを落としてくる、めんどくせぇかまってちゃんみたいな国だ。
そして、発展途上国『K国』の軍隊が俺たちが住んでいる国にあるフードエリアを襲撃した。
フードエリアには『無期限・食料配給制度』の際に国民に配給される食料が保管されている。
では、なぜ全世界で『無期限・食料配給制度』施行されているにもかかわらず、『K国』は俺たちの国のフードエリアを襲撃したのか?
それは、『無期限・食料配給制度』が全世界で正常に施行されていないことが原因だった。
そのため、食料危機に陥った国は、よその国を襲撃するか、大国に金を払わなければ、国力を維持できない。
そして、俺たちが『無期限・食料配給制度』によって、得ていた最低限の食料も、大国に大金を払ったり、俺たちの国の軍隊が発展途上国を襲撃したりして、得ていた食料だったのだ。
PGS(パブリックガーディアンズ)に所属しているヨシノから、その事実を知った俺は椅子に座って朝食のサムゲタンを食べ始めたのだった。
ヨシノの話とニュースの話が事実であれば、今、俺たちの国に『K国』に軍事利用されたパブリックモンスターが4体、不法侵入していることになる。
俺の自室で朝食にキムチとトッポギとビビンバを食い終えたヨシノはPGSの本部で打ち合わせがあると言って学生寮を出た。
サムゲタンを食い終えた俺は未だ満たされることのない空腹感を満たすために、食堂に移動する。
食堂ではいつもの席で、竹田が朝食にサムゲタンを食っている。
俺は食堂のババアから、プルコギをもらって、竹田の前の席に座る。
「おはよう、竹田、お前、ニュース見たか?」
「見たよ、『K国』のことだろ?ミサイルの次はテロとか、ほんと何考えてるんだろうな、あの国は」
「どうやら、ニュースで言ってた『K国』の逃走犯は4人ともパブリックモンスターらしい」
「マジか?なら、俺たちの国で『K国』のパブリックモンスターが、いつテロを起こしてもおかしくないっことか?」
「そうだよ」
次の瞬間、どこからか爆発音が聞こえてきた。
突然の爆発音に食堂内にいた生徒達が騒然となる。
火災報知機の音が校舎内に響き渡る。
そして、食堂内に、軍服を身にまとった男が侵入してくる。
男は肩に担いでいた焼死体をそばに投げ捨てて、俺に問う。
「お前が山神ムサシだな?」
「どうして、俺の顔と名前を知っている...それにその、焼死体は...」
「ああ、俺は、その燃やした男にお前について教えてもらったのさ、そういえば、死体にする前に礼を言うのを忘れてたぜ...」
「お前、その見慣れない軍服に、その力、もしかして『K国』のパブリックモンスターだな!」
「ああ、俺の名はファヨム。俺の任務は山神ムサシ、お前の抹殺だ」
「お前たちの目的はフードエリアの食料の強奪じゃないのか?」
「俺の任務は神の意思に背く、お前の抹殺だ」
「神の意思に背くだと?いったい何のことを言っているんだ」
「普通人を怪物もしくは異能者にするパブリックブレイク現象は、人類を新たな進化に導く、まさしく神の意思だ。そして山神ムサシ、お前のパブリックモンスターを人間に戻してしまうその力こそ、まさに神の意思に背く危険な力。俺たちの国のリーダーは自国の食料危機と同じくらいお前の存在を危険視している、だから俺はお前を殺しに来た」
「俺のその力を知っていて、なぜ、俺に勝負を挑む?俺のパブリックブレイカーの直撃を受ければ、お前も人間に戻ってしまうんだぞ!」
「だから俺はこの学園の生徒を人質にとらせてもらう」
「どういうことだ?」
「山神ムサシ、今すぐ、断罪剣で己の首を切り裂け。できなければ、俺の能力でこの学園の生徒達を全員、丸焼きにするだけだ」
「手で触れた人間を燃やし、焼死させる、それがお前の力なのか?」
ファヨムはサムゲタンを食っている竹田の肩に触れる。
「わかっているなら、とっとと、断罪剣で己の首を切り裂け!できないなら、コイツだけじゃない、ここの生徒は全員、俺の能力で丸焼きにする‼」
俺は現世に生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さった生命の断罪剣ライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい』
俺は地面から断罪剣ライフセイバーを引き抜く。
「そうだ、それでいい、そのまま、断罪剣で己の首を切り裂け...そうすれば、お前はこの学園の生徒達の命を救えるんだ...」
俺は、竹田を人質に取っているファヨムに向かって断罪剣ライフセイバーを振りかぶる。
「貴様ァ!人の話を聞いてたのか!このサムゲタンを食っている男がどうなってもいいのか!」
「パァァァァブリィィィクッ!ブレイカァァァァァー‼」
パブリックブレイカー↓が竹田を人質に取っているファヨムに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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ファヨムに人質に取られた竹田が叫ぶ。
「山神ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーッ‼」

次回予告 異国からの脅威 その3 
 

 
後書き
次回も楽しみに 

 

第二百九十七話 異国からの脅威 その3

第二百九十七話 異国からの脅威 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺たちの国の領海に不定期にミサイルを落としてくる『K国』。
『K国』の軍隊は俺たちの国を襲撃するも、PGS(パブリックガーディアンズ)によって、ほぼ全滅させられる。
しかし、生き残った4名の『K国』のパブリックモンスターの1人・ファヨムが、俺を神の意思に背く存在と言い放ち、朝食にサムゲタンを食っていた竹田を人質にとって、俺に断罪剣で俺自身の首を切り裂けと要求してきた。
では、なぜサムゲタンを食っていた竹田を人質にとったのか?
いくら、PGSから逃げ伸びた凄腕のパブリックモンスターとはいえ、俺のパブリックブレイカー↓の直撃を受ければ、その瞬間に普通の人間に戻ってしまうからだ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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ファヨムが言うには、その力こそが、まさに神の意思に背く力、らしい。
とりあえず俺は、なんのためらいもなく、サムゲタンを食っている竹田を人質にとっているファヨムに向かってパブリックブレイカー↓を放つのだった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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ファヨムに人質に取られた竹田が叫ぶ。
「山神ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーッ‼」
竹田の肩をつかんでいる触れたものすべてを燃やし尽くすファヨムの手が発光し始める。
「バカな男だ山神ムサシ!サムゲタンを食っている親友の命より、勝利を選ぶとは!」
次の瞬間、ファヨムに肩をつかまれた状態でサムゲタンを食っていた竹田の全身が椅子ごと天井に向かって飛翔する。
突然の出来事に、ハシとサムゲタンの入った皿を手に持ったまま飛翔する竹田が奇声を上げる。
「ゔわああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
そう、ファヨムの背後には疾風の断罪剣士で、アルティメットメディアクリエイター部の部長・風見マイカが立っていた。
部長が疾風の断罪剣フーガセイバーの力で風を操り、サムゲタンを食っていた竹田を椅子ごとファヨムから、切り離したのだ。
パブリックブレイカーがファヨムの全身に直撃する。
こうして、『K国』のファヨムは炎を操るパブリックモンスターから普通の人間に戻ってしまった。
「まさか、山神ムサシとPGSのヨシノ以外にも、この学園に断罪剣士がいたとはな...」「そうか...だからお前はヨシノがPGSの打ち合わせに学園を離れたタイミングで、学園を襲撃したのか...」
「しかし、俺に勝ったからといって、全てが終わったわけではない、俺のほかにあと3人、『K国』のパブリックモンスターがこの国に侵入した、そして、山神ムサシ、お前のそのパブリックモンスターを人間に戻す力、その神の意思に背く力のせいで、お前はいずれ、全世界を敵に回すことになる...そう、お前はいつか俺の言う通りに死を選ばなかった己の過ちに後悔する...その様子を俺は、あの世から見物させてもらうぞ...」
ファヨムは懐から出した拳銃で己の頭を撃った。
疾風の断罪剣フーガセイバーの力で椅子ごと宙に浮いた状態でサムゲタンを食っていた竹田を地面に着地させた部長が、ファヨム死体を蹴りとばして、ぼやく。
「やられたわね、これじゃあ、残り3体のパブリックモンスターの居場所がわからない...」
残り3体のパブリックモンスターの居場所より、俺の頭の中はファヨムが死に際に放った一言のことでいっぱいになっていた。

次回予告 異国からの脅威 その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第二百九十八話 異国からの脅威 その4

第二百九十八話 異国からの脅威 その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『K国』が軍事利用しているパブリックモンスターの1人、ファヨムは朝食にサムゲタンを食っていた竹田を人質に取り、俺に自害を強要する。
しかし、俺と疾風の断罪剣士である部長の連携攻撃によって、ファヨムの作戦は失敗する。
俺のパブリックブレイカーの直撃を受けた影響で、普通の人間に戻り、能力を失ったファヨムは負け惜しみとばかりに、俺の断罪剣が持つ力、パブリックモンスターを人間に戻す力が、将来、世界そのものを敵に回すに違いないと言い残し、拳銃で自らの頭部を撃ち死亡した。
その後、ファヨムの遺体は通報により駆け付けてきたPGSの隊員達に回収された。
俺たちの国に潜入した『K国』のパブリックモンスターは残り、3人。
俺の存在そのものが世界にとって危険であるという、ファヨムの言葉がいつになっても俺の頭から離れなかった。
それはそれとして。
アルティメットメディアクリエイター部の部室では、学園祭の際に生徒や客に提供される『おにぎり』の試食会が行われていた。
部長が手袋もつけずに、素手で握ったおにぎりが俺と竹田の前に並べられる。
食中毒、待ったなしだ。
おそらく、俺と同じく、目の前のおにぎりを食うことで己の身に発生するリスクを、ある程度、察した竹田が横目で俺をにらみつける。
竹田の目が言外に言っている、先にお前が食って毒見をしろと。
俺は頭を降って言外に武田に伝える、まだ死ぬわけにはいかないと。
俺と竹田の反応に痺れを切らした部長が俺たちにキレる。
「二人とも、とっとと食いなさいよ!安心しなさい、おにぎりの具に変なの入れてないから!」
素手で握られた上に、中身の具が事前に説明されない、このおにぎりは、もはや具がなんであれ体内に摂取するにふさわしい食品と言えるのか、俺には疑問だった。
俺の横に座っている竹田が急に両目をつぶって、呪文を唱え始める。
「竹田君、なんでいきなり呪文唱え始めるの?」
「本当にすいません、なんか急に頭がおかしくなって、ごはんが食べられなくなってしまいました...」
「ウソついてんじゃないわよ!頭おかしいやつは自分のこと、頭おかしいって言わないのよ‼」
俺はひたすら、部長が素手で握った、おにぎりとにらめっこを続けている。
「ほら、山神君、はやく、おにぎり食べなさいよ!ツナマヨだから安心しなさい!」
「いや、僕はもういいです...」
「『もう』って、なによ!アンタ、まだ食べてないでしょ?」
「はっきり言って、食べてみたくなるビジュアルじゃないんですよね...」
「ハァ?アンタ、ケンカ売ってんの?」
そう、俺と竹田の目の前に並べられた皿に乗っている『黒い四角形の物体』はおにぎりとう名前の付いた別の何かだった。
俺は恐るおそる部長に質問する。
「部長、これはもう、おにぎりというより、ただのブラックボックスでは?」
「なにがブラックボックスよ!人の料理を不気味扱いしてんじゃないわよ!四角いおにぎり、画期的な発明でしょ?おい竹田ァ!呪文詠唱中断してなに笑ってんだ‼ぶっ殺すわよ!」
部長は目に涙を浮かべながらブラックボックスと化したおにぎりの有用性を俺たちに訴える。
さすがに泣かれては困るので俺は一口だけ、ブラックボックスをかじる。
俺の勇気ある決断に、竹田が思わず叫ぶ。
「山神ィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
部長の不安と期待に満ちた目が、俺を見つめる。
「う、うん、食えないことはない...たぶん」
まぁ、見た目と素手で握られた点に目をつぶれば、普通においしかった、普通に。
あとは食中毒にならないことを祈りつつ、自分の免疫力の高さを信じよう。
「山神...生前はあんまり面と向かって言えなかったけど、いい奴だった...」
「竹田ァ!勝手に人を殺すな、つーか、お前も食えよブラックボックス、俺も食ったんだからさ」
「じゃあ、食うぞ?ブラックボックス、いいな、食うぞ?食っていいんだな?ブラックボックス?」
「さっきから、ずっと食えって言ってんでしょ!」
ブラックボックスを完食した竹田。
「うん、おいしい」
そう言った竹田の顔は無表情だった。
こうして、アルティメットメディアクリエイター部の文化祭の出し物は、おにぎりカフェになった。

次回予告 文化祭 その1 
 

 
後書き
次回も楽しみに 

 

第二百九十九話 文化祭 その1

第二百九十九話 文化祭 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『K国』、それは俺たちの住んでいる国の領海によくミサイルを落としてくる国だ。
その『K国』で軍事利用されているパブリックモンスターが俺達の国に侵入した。
それはともかく、俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園では、今年で第12660回目になる文化祭が行われていた。
文化祭開会式行われいてる校庭では、『校長』が音量が爆音に調整されたマイクを片手に壇上でなぜかフィリピンで複数の女性と遊んだ話をしている。
『校長』の、とても教育者とは思えない内容の話が爆音で生徒や近隣住民の鼓膜を刺激する。
そして、最後に在校生代表として、アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカが校長から受け取った爆音マイクで選手宣誓のような一言を言い放って、文化祭開会式が終了した。
教室に戻った俺たちに、担任教師から真っ赤な表紙の文化祭のしおりが配布される。
文化祭のしおりのタイトルには『第12660回・我が秘密の文化祭』と記されていた。
竹田が文化祭のしおりをもらったクラスメイト達の気持ちを代弁するように担任教師に向かって疑問する。
「先生、文化祭のしおりのタイトルの意味がわかりません」
「そのタイトルは校長がつけたんだよ、だからあんまり細かいことは気にするな」
「そっか、校長が決めたならしかたないですね」
竹田の言葉に周りの生徒達が同調する。
「校長なら、しかたないよな」
「そうよ、だって校長よ」
「大体、12660回目ってなんだよ、このクソバカ学校、ジョーモン時代からあったってことか?」
「そんなわけねーじゃん!あの校長、やっぱ頭おかしいぜ!」
「ま、しかたねーよな、テロリストが逃走中なのに文化祭開催しちゃう、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の校長だもんな」
「それで、山神君、『我が秘密の文化祭』っていったいどういう意味?」
「担任が言ってただろ?細かいことは気にするなって、それよりヨシノ、お前この後どうするんだ?」
「部長から、おにぎりカフェ手伝えって言われてる」
「お前も、あのブラックボックスの布教活動に加担させられていたのか...」
「なによ、ブラックボックスって?」
ブラックボックスとは俺達アルティメットメディアクリエイター部の文化祭の出し物『おにぎりカフェ』唯一のメニュー、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりである。
「ああ、そっか、ヨシノは昨日、試食してないんだっけ」
「うん」
「ブラックボックスっていうのは、まぁ、わかりやすく言えば、部長が素手で握った四角形のツナマヨおにぎりだ」
「ふ~ん、素手で握って四角形のおにぎりとか、どう考えても売れるとは思えないんだけど」
「部長が言うにはブラックボックスはおにぎり界のイノベーションだとか、なんとか...」「その話、もうやめよ、なんか頭、痛くなってきた...」
だよな、校長といい、ブラックボックスといい、転校生のヨシノには偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園のノリはちょっとキツかったのかもしれない。
こうして、俺と竹田とヨシノは、食中毒の生産工場もといブラックボックスの生産工場である部室に移動を開始した。
部室のホワイトボードには文化祭仕様なのか、馴染み深いアレ↓が描かれていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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部室ではすでに、メイド服に身を包んだ部長の風見マイカと、副部長の杉原ヒカリが素手でおにぎりと言う名のブラックボックスを握っていた。
「部長、せめて、食中毒防止のために、ビニール手袋ぐらいしましょうよ」
「なによ!私の手が汚いって言うの?ねぇ、アイドルマニアの竹田君?アンタ、押しのアイドルが素手で握ったおにぎりと、ビニール手袋つけた手で握ったおにぎり、どっち食べたい?」
「無論、素手...」
「でしょ、つまりそういうことよ、おわかりか山神君」
「いや、全然わかんねーよ!説明にすらなってねーよ!」
「ということで、ヨシノちゃん、アンタもウチの部員なんだからメイド服着なさい」
「どうして着る必要があるんですかね...」
「そんなのおにぎりカフェだからに決まってるでしょ!カフェにはねメイドがいるの!おそらく!そしてかわいいメイドがいる店には自然と客が集まるの!そして始まる!私のブラックボックスもとい四角形ツナマヨおにぎりによるマイ・イノベーション‼こうしてアルティメットメディアクリエイター部の功績は未来永劫世界に語り継がれるのよ!」
「山神君、なんか私、また頭痛くなってきた...」
部長の話を聞いて頭痛を訴えるヨシノを山神ムサシと竹田が鬼の形相でにらんでいる。
その顔はヨシノに言外に、こう言っている。
お前だけこの地獄から逃げるのは許さん、と。
「いいわ、いいわよヨシノちゃん!女子高生の頭痛!女の頭痛と言えば、アレ!女性限定で一か月に何回かあるアレよ‼想像してみなさい!美少女メイド目当てに、このカフェを訪れた女をろくに知らない豆腐メンタルの童貞男子高校生どもは、頭痛にもだえるヨシノちゃんのその姿から必ず、アレを想像し、いやらしい妄想をするに違いない!」
くだらん想像をする前に、素手で握られたブラックボックスを食べたお客さんの身に起きる危険をまず想像しろ。
部室のドアが開く音がする。
ブラックボックス生産工場・おにぎりカフェの本日1人目の犠牲者もとい、お客さんは黒のロリータドレスに身を包んだ少女だった。
部長が叫ぶ。
「へい、いらっしゃい!」
ここは一応、カフェのはずである。
「その黒くて四角いのちょうだい...」
客の言葉に部長がショックを受けたように顔面蒼白になる。
「............これ、一応、おにぎり...なんですよね...」
「おにぎりって何?」
「え、おにぎり知らないの?」
「私、最近、こっちに来たから、日本の食べ物よくわかんないのよね」
「あ、そうでしたか...それじゃあ、アルティメットメディアクリエイターおにぎりツナマヨ味、一個500円で~す!」
ぼったくりである。
ヨシノが部長が開発した人類初のブラックボックスの被験者である黒のロリータドレス少女をにらんでいる。
「ヨシノ、あの被験者じゃなくて...あの、お客さんに見覚えがあるのか?」
「おにぎりは知らないのに、日本語はしゃべれる、この事実から山神君はどんな結論を出す?」
「うそだろ?もしかして、あの女の子が...」
「国内に逃亡中の『K国』のパブリックモンスターの1人である可能性が高いわね...」
次の瞬間、黒のロリータドレス少女がヨシノではなく、俺に憎しみを込めた視線を向けてきた。
まるで、仲間の仇を見つけたように...。

次回予告 文化祭 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百話 文化祭 その2

第三百話 文化祭 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺の通う偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園で文化祭『第12660回・我が秘密の文化祭』が開催された。
そして部長の狂気が生んだブラックボックスを売買するおにぎりカフェに入店してきたお客様第一号の黒のロリータドレスに身を包んでいる少女は『K国』が軍事利用しているパブリックモンスターの1人だった。
PGS(パブリックガーディアンズ)の使命を果たすために、『K国』の少女の後をゆっくりと追うヨシノと俺。
気配に気付いた少女が俺たちに言い放つ。
「ここを戦場にしていいの?」
つまり、少女はこう言っているのだ。
ここで自分に戦いを挑めば、校内の生徒と客の身の安全は保証できないと。
「アンタ、生徒と文化祭に来た客を人質に取る気?」
「当たり前でしょ、あなたの隣にいる山神ムサシの力は、パブリックモンスターを人間に戻してしまう禁断の力、勝つためなら、手段は選ばない」
「わかったわ...でも一つだけ聞かせて、アンタ達はいったいここに何をしに来たの?」
「任務完了祝いに、観光しているだけよ」
「任務完了?アンタたちの目的はこの国のフードエリアの制圧でしょ、そして、それは失敗した...」
「それはブラフよ、私の任務はセイバーズとの接触」
雷光の断罪剣士フューラーが率いる反政府組織セイバーズは、自我のあるパブリックモンスターをPGSと人間社会からの差別・暴力から守っている反政府組織である。
かつては政府と敵対していたが、政府に対して、モンスターエリアで発生したPGSの隊員による無差別銃撃事件の証拠映像をエサにして、モンスターエリアに隔離されていたパブリックモンスター達を人間社会に移民させた。
それにより、現在、セイバーズと政府は休戦状態になっている。
「それは、今回の『K国』のテロにセイバーズが関係しているってこと?しかも、どうしてそんなに大事なことを私たちに教えたの?」
「私が上から受けた任務はセイバーズとの接触、あなた達に任務の内容をバラしてはいけないとは言われてないわ」
「めちゃくちゃね、アンタそれでも軍人?」
「私はたまたまパブリックモンスターになってしまったから、軍人以外で食べる選択肢がなかっただけ。それにパブリックブレイク現象のせいで、どうでみんな死んじゃうんだからさ、軍機違反なんていまさら怖くないわ、でも...」
黒のロリータドレスを身にまとった『K国』の少女の両手が一瞬でムチのように伸び、山神ムサシとヨシノの首元に超スピードで向かっていく。
そして、そのムチの刃物のように尖った鋭い先端が二人の首元に突きつけられる。
「これ以上、私の邪魔をするなら、ここで殺してあげてもいいけど?」
山神ムサシとヨシノは自分たちが一瞬で殺される寸前まで追い詰められた衝撃で呆然とすることしかできない。
『K国』の少女の背後から、文化祭に訪れたお客さん達の声が聞こえてくる。
『K国』の少女は伸ばした両手を縮める。
「だいぶお客さんが入ってきたわね、騒ぎで増援を呼ばれても困るから、今日はここで帰らせてもらうわ、私の名はカル、またお会いしましょう...」
悔し紛れに俺は叫ぶ。
「お前、本当は観光目的じゃなくてファヨムの仇を討つために俺を殺しに来たんだろ?」
「よくわかったわね、でも、さっきのでわかったわ。山神ムサシ、あなたは弱い、あなたは私にとって復讐する価値がない程に弱い...だから、今回は見逃してあげる、じゃあね...」
カルはそう言って俺たちの前から姿を消した。
「セイバーズが今回の『K国』のテロに関与していたなんて...」
また、モンスターエリアの時みたいな戦争が始まってしまうのだろうか。
俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックモンスターの暴走を予言するアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああッ!」
廊下で突然叫ぶ俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ‼」
文化祭に来た客たちも俺をあたまのおかしな人間を見るような目で見つめている。
俺は本能の赴くままに廊下を走り、階段を駆け降りる。
俺がたどり着いた場所は文化祭の出し物の一つ、メイド喫茶だった。
そして、教室で行われているメイド喫茶のドアの前で、メイド服を身にまとった女子生徒達と頭に角が生えたパブリックモンスターの男性が口論をしている。
俺はメイド喫茶を開催している教室の扉に貼られている貼り紙を見て全てを察した。
貼り紙にはこう書かれていた。
『パブリックモンスターの入店おことわり』
これは明らかな差別である。
やはり、人間とパブリックモンスターの共存は難しいのだろうか。

次回予告 文化祭 その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百一話 文化祭 その3

第三百一話 文化祭 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺たちの国の領海にしょっちゅうミサイルを落としてくる『K国』のテロリストの少女、カル能力に一瞬で殺されかけた俺とヨシノは、カルとの実力差に衝撃を受ける。
そして『K国』のトップがカルに与えた任務が反政府組織セイバーズとの接触であったことを知った俺たちは、再び、人間とパブリックモンスター達との戦争が発生することを予感するのだった。
俺の頭におぼろげながら浮かんでくる、パブリックモンスターの暴走を予言するアレ↓が。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああッ!」
廊下で突然叫ぶ俺にヨシノがキレる。
「うるせーわよ‼」
文化祭に来た客たちも俺をあたまのおかしな人間を見るような目で見つめている。
俺は本能の赴くままに廊下を走り、階段を駆け降りる。
俺がたどり着いた場所は文化祭の出し物の一つ、メイド喫茶だった。
そして、教室で行われているメイド喫茶のドアの前で、メイド服を身にまとった女子生徒達と頭に角が生えたパブリックモンスターの男性が口論をしている。
俺はメイド喫茶を開催している教室の扉に貼られている貼り紙を見て全てを察した。
貼り紙にはこう書かれていた。
『パブリックモンスターの入店おことわり』
これは明らかな差別である。
パブリックモンスターの男性とメイド服を着ている女子生徒たちとの会話は、まだ続いていた。
「どうして、パブリックモンスターだけ、メイド喫茶に入店してはいけないんですか?
「そりゃ、アンタたちが人間じゃないからよ!パブリックモンスターはくせぇのよ、臭うのよ!そのせいで客が減るのよ!アンタたちみたいな、くせぇパブリックモンスターは近所のカードショップでカードゲームでもやってなさい‼」
「昨日、出禁になったばかりなんですよ!」
「ご愁傷様ァ!とっとと人間社会から出ていけ、この寄生虫共がァ!死ねぇ!」
メイド服を着ている女子生徒達が、昨日、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性に向かって中指を立てる。
「ひどい、こんなの差別だ...」
メイド服を着ている女子生徒達が、昨日、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性に蹴る・殴るなどの暴力を加えはじめる。
俺は体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性に暴力を加えるメイド服を着ている女子生徒たちの前に立ちふさがり、叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
メイド服を着ている女子生徒たちが俺に向かって言い放つ。
「アンタ、山神ムサシでしょ?授業中に急に奇声を上げる山神ムサシ、マジキモイんですけど‼」
女子生徒の心無い言葉が俺のナイーブな心に突き刺さり、俺はつい叫んでしまう。
「ゔわああああああああああああああああああああああああッ‼」
そして、メイド服を着ている女子生徒達が奇声を上げる俺を嘲笑する。
「アハハハハッ!出たーコレ!ホント、コイツ、キモすぎでしょー!」
俺は自分の胸を抑えながらメイド服を着ている女子生徒達に告げる。
「ハァ...ハァ...とにかく、差別はやめましょうよ、同じ人間社会で生きる仲間じゃないですか!」
「仲間ァ?こいつらパブリックモンスターが人間社会に移民してきたせいで、人間社会の犯罪発生率が激増したのよ!そのほとんどの犯罪を起こしたのはパブリックモンスターなの!ただでさえ、みんなストレスでいつパブリックモンスターになるかわからない毎日におびえて過ごしているのよ!パブリックモンスターの存在がストレスになって私たちがパブリックモンスターになったらいったいどうしてくれんのよ!
「確かに君たちの言っていることは正しい、でも差別はダメだ。君たちがパブリックモンスターを差別することで、パブリックモンスターが暴走することだってあり得る、その時、君達だけで自分の身を守れるのかい?」
「そ、それは...!」
「ここで、この、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性が暴走したら、君たちだけじゃなくて、文化祭に来ている人たちみんながケガをするかもしれない、最悪の場合、文化祭が中止になってしまうかもしれない。だからつまらない差別はやめて、みんなで文化祭を成功させよう!」
「わ、わかったわよ...そのかわり、他の客とケンカして暴走するだけはやめてよね!」
こうして、俺もなぜか、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性と共にメイドカフェに入店することになった。
文化祭の出し物とはいえ、教室で開催されているメイドカフェが働いている女子生徒は皆
、見た目がいい。
見た目が悪い生徒は皆、ケーキやお茶を、紙でできた皿やコップに配膳している。
容姿の格差社会、ここに極まれりだ。
メイド服を着ている女子生徒達が、客相手に、金銭が発生しなければ絶対に出さないであろうビジネスライク全開の美少女ボイスで、ご奉仕している。
文化祭の出し物とはいえ、本格的である。
女子生徒達の顔面偏差値も高いせいか、どんどんお客が入ってくる。
俺はとりあえず、文化祭クオリティのケーキと紅茶を交互に体内に摂取しながら、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性と話してみたりする。
「メイドカフェっていったい何がいいんですか?金目当てでチヤホヤしてくれる女にデレデレして、むなしくならないんですか?ぶっちゃけキャバクラと同じですよねぇ!」
「君も大人になればわかるさ、たとえ、お金目当てだとわかっていても、メイドカフェみたいな場所に癒しを求める大人達の気持ちがね...」
店を出る直前、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性は、自分を差別したメイド服を着用した女子生徒達に写真撮影を要望する。
写真には嫌そうな顔をしたメイド服を着用した女子生徒達と、体臭が原因で近所のカードショップを出禁になってしまったパブリックモンスターの男性が写っている。
俺は聞かずにはいられない。
「こんな写真持ってても、気分が落ち込むだけだと思うんですけど...」
「わかってないな、君は。このメイド服に身を包んだ美少女達の嫌そうな顔が最高なんだよォ‼」
「おっ、そうだな」

次回予告 文化祭 その4 
 

 
後書き
次回も楽しみに 

 

第三百ニ話 文化祭 その4

第三百ニ話 文化祭 その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

山神ムサシとヨシノの前から去った、K国のパブリックモンスター・カル。
反政府組織セイバーズに接触して、任務を終えたカルは偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の校舎裏で、文化祭で購入した鳥ユッケを食べていた。
「ふむふむ、高校生が作った割には、悪くない味ね...」
偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の生徒が作った鳥ユッケを食い終えたカルを無数の石つぶてが襲う。
「攻撃...!PGS(パブリックガーディアンズ)の追手か...」
「白昼堂々、テロリストが偏差値最底辺高の校舎裏で鳥ユッケとは...ずいぶん、のんきなものですねぇ...」
大地の断罪剣士・工藤リンカがカルの前に姿を表す。
「なるほど、並みのパブリックモンスターじゃ、私の相手にならないからって、断罪剣士様のご出動ってことね...」
「その通りです、私に殺される前に、一つだけお願いがあります...」
「ずいぶんと強気ね...」
「あなたは反政府組織セイバーズに接触して、彼らにいったい何を渡したんですか?」
「よくそれを知ってるわね、その話は山神ムサシと凍結の断罪剣士にしか話してないんだけど...」
「ヨシノ先輩の携帯には、私お手製の盗聴器が仕掛けてあるんです、つまりそういうことです...とっとと質問に答えろキムチテロリスト」
「ドン引きね、凍結の断罪剣士が盗聴器のことを知ったら、いったい彼女はあなたのことをどう思うかしら?」
「ヨシノ先輩の気持ちなんて私には関係ありません、私が満足すればそれでいい...」
質問に答えないカルに痺れを切らしたリンカは大地の断罪剣ガイアセイバーを地面に突き刺して、カルの足元を陥没させる。
巨大な落とし穴に落下するカル。
そして、カルを見下ろす、リンカ。
「もう一度、質問します、あなたは反政府組織セイバーズに接触して、彼らにいったい何を渡したんですか?」
「私が質問に答えると思ってるの?どちらにせよ、私たちにはもう、どこにも逃げ場はないのよ」
「なら、ガイアセイバーの力で、この落とし穴をふさぎます、ペシャンコになりたくなかったら、とっとと質問に答えろ、このキムチテロリスト!」
リンカの顔面に先端が尖ったムチが迫る。
リンカは上体を後ろにそらせて、カルの攻撃を回避する。
(そうだった...先輩の携帯に仕込んだ盗聴器に録音された音声が確かなら、カルの能力は、切れ味抜群の伸縮自在の手刀...!なら!)
カルは伸縮自在の手刀を駆使して、落とし穴から脱出する。
そして、リンカが次の攻撃の動作に入ろうとした瞬間には、カルの手刀がリンカのクビに直撃していた。
「これで、とどめ...!なぜなの?私の手刀が刺さらない...!」
そう、リンカは周囲の土や石を瞬時に首元に集中させて、リンカの手刀を防いだのだ。
「私は大地の断罪剣士...この地球上に存在する全ての土や石は私の支配下にある...」
カルは両手の伸縮自在の手刀を何度もリンカに放つが、すべてリンカが大地の断罪剣ガイアセイバーの能力で周囲の土や石を利用して創造した石壁にガードされてしまう。
「何度攻撃しても無駄ですよ...大人しく情報を提供してくれれば、あなたの国に返してあげます...」
「フン、『K国』に戻ったところで、発展途上国『K国』の食料問題が解決するわけじゃない!どうせ飢え死にするだけよ...アンタたちみたいな先進国の搾取野郎どもがこの地球上に存在する限りね!」
リンカの足元から、地面の土を突き破った伸縮自在のカルの手刀が飛び出してくる。
「地面に直接手刀を突っ込んだのか...!」
地面から飛び出したカルの手刀がリンカの、のど元に迫る。
死角からの攻撃に対してリンカは、ガイアセイバーの能力で自らの足元を崩し、落とし穴に落下する。
万有引力を利用してカルの攻撃を回避したリンカは地面に大地の断罪剣ガイアセイバーを突きさす。
そして、リンカが落下した落とし穴から学園内の土と石で構成された巨大な蛇がゆっくりと飛び出してくる。
そして、その蛇の頭にはガイアセイバーを両手に握った、工藤リンカの姿があった。
「騒ぎを起こすと、このクソみたいな文化祭の参加者どもに迷惑がかかるので、できればこの技は、使いたくなかったんですよね...」
カルは跳躍して、土と石でできた巨大な蛇の頭部に立っているリンカに向かって伸縮自在の手刀を伸ばす。
「いくら大きくても能力者を殺してしまえば!」
カルの手刀がリンカのクビに直撃する一歩手前で土と石でできた巨大な蛇がカルを飲み込む。
「パブリック・クラッシュ...!」
土と石でできた巨大な蛇に飲み込まれたカルは、蛇の内部から、手刀で蛇の解体を始める。
しかし、土と石でできた巨大な蛇はいつしか、大きな球体に姿を変える。
土と石で出来た球体に閉じ込められたカルを窒息死の恐怖が襲う。
「息が...できない...」
極度の呼吸困難にカルの目の前が真っ暗になる。
土と石で出来た球体が崩壊する。
気絶したカルの体が地面に落下する。
「さて、先程の質問については、あなが意識を取り戻した後に、PGSの本部でゆっくりと聞かせてもらいますよ...でもその前に...」
リンカは意識を取り戻したカルの反撃を予想して、ガイアセイバーでカルの四肢を切断しようとする。
しかし、その瞬間、リンカの顔面に黒くてやわらかい四角形が直撃する。
リンカは地面に落下した黒い四角形を興味深そうに凝視する。
「ん?なんだコレは...白米?そうか...黒いのはおそらく、のり...そして、またあなたですか、山神ムサシ...」
「カルをいったいどうするつもりだ!おかっぱメガネ‼」
「どうもこうもカルはテロリストですよ、山神ムサシ...」

次回予告 文化祭 その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三話 文化祭 その5

第三百三話 文化祭 その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

反政府組織セイバーズと『K国』のテロリストの密会内容を知るために、『K国』のテロリスト・カルを襲うPGS(パブリックガーディアンズ)の断罪剣士・工藤リンカ。
大地の断罪剣士・工藤リンカの持つ、大地の断罪剣ガイアセイバーの力の前に気を失うカル。
リンカは気絶したカルが意識を取り戻し、抵抗してきた場合を想定した断罪剣でカルの四肢を切断しようとする。
しかし、リンカの顔面にアルティメットメディアクリエイター部の文化祭の出し物であるおにぎり(ブラックボックス)が直撃する。
そして、リンカの前には生命の断罪剣士・山神ムサシが立っていた。
「カルをいったいどうするつもりだ!おかっぱメガネ‼」
「どうもこうもカルはテロリストですよ、山神ムサシ...」
「カルにこれ以上手を出すな!」
「それは無理です、彼らは『K国』が軍事利用しているパブリックモンスターでテロリストです、彼らの処刑もしくは捕獲はPGSの義務です」
「カルにはもう、帰る場所がないんだ!知ってるだろ、『K国』が発展途上国だって!クソバカだって!」
「山神ムサシ、あなたは知りたくないんですか?カルがいったい『K国』の命令でセイバーズに何を渡したのか...」
「そりゃ知りたいさ、でもそれと、カルの四肢を切断するのは関係ないはずだ!」
「ありますよ、ありありです。移送中に尋問中、カルが意識を取り戻せば、PGSのスタッフが死ぬかもしれない」
「俺の...俺のせいで、カルの仲間のファヨムは自殺してしまった...俺の力で人間に戻ったファヨムは自分の頭を自分で撃った...俺は...今まで、パブリックモンスターを守る為に戦ってきたのに...俺はファヨムを守れなかった...」
「なるほど、それで罪滅ぼしですか...しかもテロリスト相手に、ずいぶんと、お人よしですねぇ...」
「頼む、カルを見逃してやってくれ...ファヨムを死なせる原因を作った俺が、カルにできることは、それしかないんだ!」
意識を取り戻したカルが立ち上がる。
カルは自分の頭部に銃を突きつけて、山神ムサシとリンカに言い放つ。
「私がセイバーズに渡したのは国際条約で開発禁止になっている『無人殺戮兵器』の設計図データが入ったUSBよ!」
「カル...どうして、それを...!」
「ファヨムを殺したアンタに同情されて、PGSに四肢を切断されて拷問されるぐらいなら、自殺して死んだほうがマシよ...私の死にざまは、私が決める...じゃあね、山神ムサシ...オニギリ...おいしかったわ...」
カルは自分の頭部に当てた拳銃のトリガーを引く。
校舎裏で銃の発砲音が鳴り響く。
カルの死体を前に俺はリンカに質問する。
「カルはどうして、『無人殺戮兵器』のことを俺たちに教えてくれたんだろう...?」
「知らねーよ、そんなの。でも、とにかく、セイバーズは国際条約で開発が禁止されている無人殺戮兵器を生産して、戦争を始めようとしていることだけはわかったわ...」
カルの最後の言葉が俺の脳裏におぼろげながら浮かんでくる。
『じゃあね、山神ムサシ...オニギリ...おいしかったわ...』
死ぬ寸前、カルは笑っていた。
情報漏洩はカルなりの恩返しだったのだろうか?
それを確かめるすべはもうない。
確かなことは、俺はまた、パブリックモンスターを守れなかったということだけだ。
「おかっぱメガネ...」
「工藤リンカだ」
「ヨシノのメイド服姿見たいか?」
「当たり前です、詳細を...」
「教えてやってもいいが、その前に一つだけ条件がある...」
「条件?」
俺はリンカの顔面をグーでぶん殴る。
「これがその条件だ...ついてこい、ヨシノのいる場所に案内してやるよ...」
「ここが学園の敷地内でなければ、どうなっていたか、わかるな?」
「カルは死んだ...でも、まだお前は生きているんだ...それで十分だろ?」
「まぁ、いいでしょう...ヨシノ先輩のメイド姿でチャラです...」
俺はリンカと共に、校舎に戻った。

次回予告 文化祭 その6 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四話 文化祭 その6

第三百四話 文化祭 その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

文化祭当日。
『K国』が軍事利用しているパブリックモンスター・カルは、大地の断罪剣士・工藤リンカの圧倒的な力に追い詰められてしまう。
自らの死をさとったカルは『K国』の命令により、国際条約で開発が禁止されている『無人殺戮兵器』の開発データをセイバーズに接触して、渡したことを明かし、拳銃自殺を実行する。
俺は、どこにも帰る場所がないカルを自殺に追い込んだ、リンカへの憎悪を抑え込み、リンカをアルティメットメディアクリエイター部の出し物である、おにぎりカフェに誘った。
そう、断罪剣士同士の争いに意味はないのだ。
リンカが文化祭の出し物である、おにぎりカフェを開催している部室に入る。
「おじゃまします」
部室にはメイド服に身を包んだ、部長と副部長がパイプ椅子に座って将棋を打っていた。
メイド服に身を包んだヨシノは、メイド目的に来店してきた客たちに囲まれ、写真撮影を行っている。
「部長!なんですかコレは!俺が想像していたよりも、繁盛してるじゃないですか!」
「いったい何を想像していたのか知らないけど、おにぎりの購入とメイド撮影をセットにしたら、この通りよ、そんでアンタ今までどこ行ってたの?」
「どこもなにも、体臭が原因でカードショップを入店禁止にされたパブリックモンスターのおっさんとメイドカフェで遊んだり、あと、テロリストのパブリックモンスターとおかっぱメガネとの戦いの仲裁に入ったり...」
「情報量が多すぎて逆に意味不明なんですけど、とりあえず私、今、副部長と将棋打ってて忙しいからあと頼んだわよ」
「ええ...」
リンカが真剣な表情で訪ねてくる。
「おい山神ムサシ、この黒くて四角いのを買えば、ヨシノ先輩への写真撮影が許可されるのか?」
「それ一応、おにぎりだから」
「どう見ても、黒い箱にしか見えないんだが...」
「とりあえず、500...あれ、値段が10000円になってる、部長、コレ一体どういうことですか?」
「どうもこうも、ブラックボ...じゃなくて、おにぎり一個500円、写真撮影でプラス9500円で10000円よ」
ぼったくりだ。
「あっ、そう...それじゃあ、10000円で...」
「10000円?安いっスね」
リンカは俺から受け取ったおにぎり(ブラックボックス)を速攻でゴミ箱にぶち込むと、写真撮影のためにヨシノのところに向かう。
リンカに弟を殺されたヨシノは、リンカの顔を見て、露骨に嫌そうな顔をする。
「どうしてアンタがここに来てんのよ!」
「先輩、その嫌そうな顔がたまらんですねぇ」
リンカはヨシノの言葉を無視して、カメラのシャッターを押す。
「アンタもバカね、女子高生のメイド姿の写真撮影に9500円も払うなんて」
「先輩、追加料金払うんで、笑ってもらってもいいですか?」
「ダメ、そんなメニューないんだから」
ヨシノは写真を撮影するリンカにあえて見せつけるように、露骨に嫌そうな顔をする。
そういえば、部室に竹田の姿が見当たらない。
俺は副部長と将棋を打っている部長に訪ねる。
「部長、竹田はどこ行ったんですか?」
「うっせぇなぁぁぁッ!知らねーよ竹田なんて!」
俺は竹田の扱いに心の底から同情した。
俺はとりあえず、部長に任されたレジ係を放棄して、竹田を探すために部室を出た。
そう、『K国』が軍事利用しているパブリックモンスターがあと2体国内をうろついている以上、油断はできない。
俺はとりあえず、教室に戻ってみる。
教室の黒板にはなぜか、クラスメイトが書いたと思われるアレ↓が書いてあった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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アレ↑を見た俺は、つい反射的に叫んでしまう。
「ゔわああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
突然、教室で叫びだす俺から一斉に、クラスメイト達が離れていく。
『キモイ』、『だれか救急車呼んで来い』、『あたおか』などの心無いクラスメイト達の言葉が俺の胸に突き刺さる。
まぁ、それはそれとして。
竹田は教室でなにやら、携帯をいじってニヤニヤしていた。
「おう竹田、こんなとこで何してんだよ」
「そういうお前こそ、平常運転じゃないか、山神ムサシ。聞いて驚け、出会い系サイトに登録したら、彼女ができた!」
「ああ、よかったな、そりゃあ、よかった...」
言葉とは裏腹に嫌な予感しかしなかった。

次回予告 文化祭 その7 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五話 文化祭 その7

第三百五話 文化祭 その7
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

正直めちゃくちゃどうでもいいが、出会い系サイトに登録した竹田に彼女ができたらしい。
俺は試しに竹田に訪ねてみる。
「よ、よかったな、彼女できて、でも、どうせブスなんだろ?」
「と、思うじゃん、ホレ」
竹田が俺に見せた携帯の画面には、金髪ロングと黒縁メガネが特長的な美少女が写っていた。
学園一、醜い竹田と、この金髪美少女が付き合っているのだと...。
こ、こんな自然の摂理に逆らう不条理が許されていいのか...!
いや、まだだ!これにはきっとなにか、からくりがあるはず、そうだ!
「おい、竹田、その金髪メガネといったい、いつ彼女になったんだ?」
「今」
「どういう意味だ?今、この教室には俺とお前しかいないんだぞ!」
そう、先程、俺は、文化祭で感情が高ぶったクラスメイト達が黒板に書いたと思われるアレ↓を見てしまい、つい反射的にいつものように叫んでしまったのだ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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その影響で、教室にいた竹田以外のクラスメイト達が皆、俺を気持ち悪がって廊下に避難してしまったのだ。
「おい、山神、コレを見ろ!」
竹田の携帯画面にはなにやら、美少女の写真と時間帯と値段が記されていた。
「おい、竹田、これって!」
「そうだ、山神、これはお金を払えば、どんな美少女とでもデートできる出会い系サイトなんだ‼」
「そっか、なんか安心した...」
「なんか、腹立つな...」
「それで、これからその人とデートするのか?」
「おう、指定時間まで一緒に文化祭を回る」
「じゃあ、おにぎりカフェは?」
「知らんそんなんの、山神、ブラックボックスを売買するカフェを、この地球の真理ではおにぎりカフェとは呼ばんのだよ...そんじゃそろそろ校門で待ち合わせなんで、俺はこれで」
「竹田ァ!待てよォ!」
「山神ィィッ!俺はァ!俺にはァ!もう、この手段しかないんだよォ!もうすぐ人類が滅びるんだァ!だから、俺はもう、手段を選ばない!大体なんだよ文化祭って、どいつもこいつも男女で仲良く手ぇつなぎやがってイチャイチャしてよォ!ふざけんなァ!格差社会は死ねぇぇぇぇえぇぇッ‼」
他者への劣等感に満ちた決意の意思表明を終えた竹田が教室を出る。
俺は急いで部室に戻る。
「部長!大変です!竹田が出会い系サイトで知り合った美少女に大金を払って、指定された時間まで文化祭を一緒に回るそうです!つまりデートです‼」
「なるほど、竹田君のやつ、自分がモテないことに絶望して、とうとう禁忌に手を染めたのね...やばい、なんか面白そう...副部長、双眼鏡の準備」
部長はすぐに、副部長と共にメイド服のまま、準備を始める。
「部長...おにぎりカフェはどうするんですか?」
「ヨシノちゃん、あとは頼んだわよ!」
「頼まれねーわよ!おい、ちょっと待てい!」
こうして、俺と部長と副部長は竹田の初デートに一部始終を観察するために部室を出た。

次回予告 文化祭 その8 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六話 文化祭 その8

第三百六話 文化祭 その8
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

近いうちに訪れるであろう世界の終焉。
そして、文化祭でイチャつくカップル達に対する劣等感が原因で、竹田は禁忌に手を染めてしまった。
そう、竹田は、金銭を支払うことで一定時間、美少女とデートできる出会い系サイトを登録してしまったのだ。
そして、竹田は金で買った女と一緒に、文化祭を回ろうとしているのだ。
俺と部長と副部長は、竹田の初デートの一部始終を観察するために、文化祭の出し物であるおにぎり(ブラックボックス)カフェを一斉放棄して、部室を出た。
竹田が校門で、件の出会い系サイトの金髪美少女を待っている。
俺と部長と副部長は、その様子を校門の庭に植えられている植木に身を隠して、双眼鏡片手に観察する。
部長がいきなり、俺に提案してくる。
「山神君、このまま待ち合わせ場所に例の金髪美少女が来なかったら、あとで私と副部長に寿司おごりなさい」
「じゃあ、待ち合わせ場所に金髪美少女が来たら部長は俺になにしてくれるんですか?」「なにもしない」
「死ね」
いつも無口な副部長が舌打ち交じりに告げる。
「チッ、対象、来ました...これでタダ寿司はダメになっちゃいましたねぇ...」
そう、待ち合わせ場所に、あの竹田の携帯画面に写っていた金髪美少女が来たのだった。竹田が金髪美少女に自己紹介する。
「えっと、俺の名前は竹田...えっと...緊張しすぎて、名前忘れちゃいました...アハハハ...」アハハハじゃねぇだろ。
今度は金髪美少女が竹田に自己紹介をする。
「私の名前はチュンシクです、今日は、よろしくおねがいしますね」
「チュ、チュンシク...あっ、そうですか、ずいぶんと変わった名前ですね...」
ん?チュンシク...ちょっと待てよ?
部長もどうやら俺と同じ結論にたどり着いたらしい。
「ねぇ、山神君、今携帯で調べたんだけど、チュンシクって『K国』の言葉らしいわ、そんで意味は『増殖』、ちなにに以前、食堂でうちの生徒を焼死させた『K国』のパブリックモンスターのファヨムは『K国』の言葉で『炎』を意味しているらしいわ」
「じゃあ、カルは?」
「なによカルって?」
「いいから調べてくださいよ」
「ちょっと、まって、今調べる...出た、カルは『K国』の言葉で『刃物』を意味しているわ...それでカルって誰よ」
そう、俺が遭遇した『K国』が軍事利用しているパブリックモンスター達はみんな、通常、『K国』では人名では使われない単語が名づけられていた。
つまり、ファヨムもカルもコードネームの可能性が高い。
触れた相手を『炎』で焼死させる『ファヨム』。
両手を伸縮自在の『刃物』のように使ってリンカと戦っていた『カル』。
そして、今、竹田の目の前にいる美少女の名は『チュンシク』。
『K国』の言葉で『増殖』を意味する『チュンシク』。
これらが紡ぎだす結論は、一つ。
『チュンシク』は日本に不法侵入した『K国』が軍事利用しているパブリックモンスターのテロリスト4人の内の1人であるということだ。
そう、竹田はこれから、出会い系サイトで出会ったテロリストと一緒に文化祭を回ろうとしているのだ。
「部長まずいですよ!」
「なかなか、おもしろくなってきたじゃない...」
「いや、おもしろくねぇよ!竹田が俺達の学園の文化祭にテロリスト呼んじゃったんですよ!」
「だから、それが、おもしれぇんだよ!」

次回予告 文化祭 その9 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七話 文化祭 その9

第三百七話 文化祭 その9
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

怪しげな出会い系サイトを通じて、竹田はついに『一日だけ』、彼女を作ることに成功した。
文化祭の出し物を放棄して副部長と将棋を打っていた部長は冷やかし目的に、竹田のデートの観察を実行する。
しかし、竹田が怪しげな出会い系サイトで知り合った美少女・チュンシクは、『K国』が軍事利用しているパブリックモンスター、つまりテロリストだった。
俺と部長と副部長はとりあえず、双眼鏡片手に、二人のデートを観察することにした。
こうして、竹田とテロリストのデートが始まった。

竹田が強引にチュンシクの手をつなぐ。
突然、竹田に手を繋がれたチュンシクは顔に驚愕の表情を浮かべる。
「び、びっくりした?で、でも、こっちは金払ってんだよ、だから、手ぐらいつないでくれてもいいよな?いんだよな?」
なぜか手をつないだ後に、チュンシクに鼻息を荒げながら確認する竹田の姿に、俺と部長は戦慄していた。
「山神君さぁ、なによ、このホラー映画」
「いや、ホラー映画のほうがまだマシですよ、今、俺と部長の目の前で繰り広げられている惨状はフィクションじゃありませんからね...」
しかし、次の瞬間、チュンシクは驚愕の表情から一転、頬を赤くする。
「す、すみません、私、実は男の人と手をつなぐの初めてなんで、それでちょっとびっくりしてしいまいました...」
「そ、そうなんですか...男の人と付き合ったことないのに、金目当てに男とデートしてるんですか?」
「名前からわかる通り、私はこの国の人間じゃないんです。もともと『K国』の軍で働いていて、男の人と付き合う時間がなかったんです...」
「『K国』?『K国』って最近話題の『K国』?なんかしょっちゅうミサイル打ってきたりするあの『K国』?サムゲタンにプルコギにキムチのあの『K国』?」
「はい...なんかしょっちゅうミサイル打ってきたり、サムゲタンにプルコギにキムチにトッポギのあの『K国』です」
「え、じゃあ軍隊やめて、エンコ...じゃない出会い系でお金稼いでんの?」
「はい、つい最近、この国にテロリストとして、潜入したんですけど、母国と突然連絡とれなくなってしまって...それで、救援隊が来るまで、どうしてもお金が必要になりまして...それで、このお仕事を始めたんです...」
「て、テロリスト?ほ~ん、テ...テロリストかぁ...テロリストっておいしいですよね?」
いや、おいしくねぇよ、つーか竹田のやつ、完全に壊れてやがる。
遠くから竹田の様子を観察していた俺は、竹田のもとへ歩み進めようする。
しかし、部長の双眼鏡を持っていないほうの手が、俺の足首をつかむ。
「部長!何で止めるんですか?竹田はもう限界です!」
「わかってんのよ、そんなこたァ‼それよりあのチュンシクって女、相当、天然よね、フツー自分からテロリストでぇーすなんて自己紹介する?」
「天然どころじゃなくて、ただのバカですよ!それより、部長!はやく竹田に事情を説明して助けてあげましょうよ!」
「いやいやのいや!」
「このままだと取り返しのつかないことになりますよ!」
「いいじゃない、別に竹田だし、副部長もそう思うでしょ?」
副部長はなぜか、俺に向かってサムズアップをする。
「じゃ、仕方ねぇか」
「なによ山神君、ずいぶんと物分かりがいいじゃない?なんかの薬、秒でキメたの?」
「キメてねぇし、なんかもういろいろ疲れたっていうか...とりあえず、もう少し二人を見守ることにします...」
「ホント、疲れるわよね、竹田君みたいな友人を持つと、心中お察ししまくりよ」
いや、おめぇのせぇだし。
竹田とチュンシクが手をつないだまま、歩いている。
様々な出し物を開催しているクラスメイトたちが、客や竹田とチュンシクに向かって勧誘活動をしている。
にぎやかな文化際の雰囲気に二人はにこやかに談笑している。
「部長、あの二人、なんか普通にイイ感じですね」
「そうね、なんか腹立ってきた、山神君、なんか面白いこと言いなさいよ!」
「え、えだまめ...」
「死ね」
竹田とチュンシクはなぜか、文化祭の出し物をほとんど無視して、階段を上がり始める。
「部長、次の階段上がったら屋上ですよね?」
「そうね、文化際で何も買わずに屋上行くってことは、もうそれどころじゃないってことね」
「それどころじゃないってどういう意味ですか?」
「人間の欲望にはたぶんだいたい3種類ぐらいあると思うの、物欲・食欲・性欲...つまり文化祭で何も買わず食わずに屋上ってことは消去法であとはアンダースタンドでしょ?」
「イエスアンダーズタンド、つまり性欲ですか?」
「そうよ!屋上だけに欲情‼つまり性欲よ!」
「性欲っていうか、セッ●スですよね?」
俺の答えに部長は顔を真っ赤にしながら反論する。
「そ、そこまで言わんでいい!こっちはせっかくオブラートに包んでやったっていうのに...」
「部長、その反応、もしかして処女なんですか?」
「もしかしても、どちらかといわずとも処女よ!アンタだって童貞でしょ!」
「まぁ、一応、そうですけど...」
「童貞に、まぁも一応のねぇのよ、とっとと屋上にセッ●ス見に行くわよ!セッ●ス‼」「セッ●ス‼」
俺と部長と副部長は二人と時間差を作って、屋上のドアをそっと開ける。
竹田とチュンシクは屋上のベンチに座って話をしている。
「部長、大変ですよ!竹田とテロリストがセッ●スしてません!」
「あんたバカじゃないの!普通の高校生が屋上でセッ●スするわけないでしょ!エロゲーのやりすぎか!これだから童貞は...」
「屋上で二人がセッ●ス‼って騒ぎ始めたのは部長じゃないですか!」
「あーはいはい、もうわかったからセッ●スセッ●スセッ●ス...これで満足でしょ?あーなんか腹減った」

次回予告 文化祭 その10  
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八話 文化祭 その10

第三百八話 文化祭 その10
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

竹田と『K国』のテロリスト・チュンシクのデートを遠くから見守る俺と部長と副部長。
文化祭の出し物にも目もくれず、屋上に向かった二人を見て、部長が突然持論を展開しまくってセッ●ス‼と騒ぎ始める。
そして、そのノリに便乗した俺は部長に裏切られ、屋上のベンチで話している竹田とチュンシクに目を向ける。
「竹田君は、今のこの世の中をどう思う?」
「世の中?ああ、うん、なんかパブリックブレイク現象のせいで、たぶんもうすぐ、人類が絶滅しちゃう的な話ならよく聞くけど、うん、よくわからん」
「私はね、この世界がキライ」
「なんで?」
「この世界のありとあらゆるものが『お金』で成立してるからよ、愛も物も食料も、お金があれば全部手に入る。それは逆に、お金がないと、この世界ではなにも手に入れることができないってこと、こんな不条理な世の中を勝手に押し付けて私を捨てた両親を私は絶対に許さない...」
「親に捨てられたの?」
「うん、私が異能者タイプのパブリックモンスターであることを知った両親は、私を軍に売ったの、それからはもう訓練の日々よ...私達が頑張っても、どうせ人類は絶滅するのにね...ホントバカみたい...おまけに私たちのK国は発展途上国だから、ごはんも全然食べられない、だからね、最後ぐらいは男の子と恋愛してみたかったのよ」
「なんか、色々と大変なんだね、でもその最後の相手が俺でいいの?」
「いいわよ、別に、どうせ、パブリックモンスターと付き合ってくれる男なんているわけないし、君も、怖くなったのなら、ここから逃げてもいいのよ」
「わかるよ、その気持ち。俺もこんな見た目だからさ、みんなにモンスター扱いされてる、それで、気付いたんだ、俺このままだと一生、女と付き合えないまま死ぬんだなって...だから俺はやけになって出会い系サイトに登録して、君を金で買った。もう女と付き合えればなんでもいいってね」
「なんか似てるわね、私達」
「似てないよ、チュンシクは俺と違ってとても見た目がまともだ、それに美人だし...」
「美人でもパブリックモンスターよ、一生、差別の対象として生きていかなくちゃならない...」
「俺の知り合いに山神ムサシって奴がいるんだ、ムサシに頼めば、パブリックモンスターから人間に戻れるかも!」
「いいの?人間に戻ったら竹田君みたいなブスなんて見捨てて、イケメンの彼氏つくっちゃうわよ」
「いいよ、別に、俺、本当はわかってる、出会い系サイトに登録して金で買った愛なんか意味がないって、でも君はこにままだとあまりにも救いなさすぎる...」
「ごーめん、さっきの冗談。私、人間に戻るつもりないよ」
「え?」
「人間に戻っても、私がテロリストであることには変わりはないもの、PGS(パブリックガーディアンズ)に捕まるぐらいなら最後まで自分の能力で抵抗して戦い続けるわ...それに私の両親、どうやらこの国に移住したみたいなの、だからPGSに殺される前に復讐もしておきたいしね、だから能力を捨てて、人間に戻るつもりはないわ...」
「やっぱり、君はファヨムの知り合いなんだね?」
「どうして、ファヨムを知ってるの?」
「この前、うちの学校を襲ったんだよ、でもムサシの力で能力を失って普通の人間に戻ってしまった...」
「そう、ファヨムのやつ、人間に戻れたのね...」
「うん、でもそのあと自殺した...」
「そう...じゃあ、ファヨムはそのムサシってやつのせいで死んだのね...」
「まさか本当に知らなかっただなんて...」
「どういう意味?」
「俺はてっきり、君がムサシと関りのある俺に近づいたのは、仲間の仇うちをするためだと思ってたんだ...」
「それは、違うわ。私は別に君をだますつもりはなかった。それで、そのムサシはどこ?」「ムサシを恨むのは、すこし、違うと思う...」
「......そうね、そう言われてみれば、先にあなた達を襲ったのはファヨムだもんね、でもファヨムは、私と同じ境遇で軍隊で一緒に戦っていた友達だったのよ...」
次の瞬間、屋上を激しい揺れが襲う。
そして、屋上におにぎりカフェのメイド服を身にまとった大地の断罪剣士・工藤リンカが入ってきた。
リンカの突然の出現に俺と部長が驚愕する。
「工藤リンカ...どうしてここに...」
「メイド服着てるってことは、あの子、ちゃんとおにぎりカフェの店番やってたのね、見直したわ...」
「見直してる場合じゃないですよ、おそらくリンカの狙いは...」
メイド姿のリンカが竹田とチュンシクに告げる。
「まさか、この底辺高の文化祭でテロリストに、また遭遇するとはね、ああ、どうしてここがわかったのって顔してますね...この底辺高には学園のスタッフのふりをしたPGSのスタッフが何人かいるんです、つまり通報を受けて、ここにきたってことです」
チュンシクが恐るおそるリンカに訪ねる。
「また遭遇って...文化祭に私の仲間が来ていたの?」
「ええ来てましたよ、カルってやつが、あともうちょっとでダルマにして捕虜できそうだったんですけどね、なんか勝手に自殺しました、というより、あなたのお仲間はそろいもそろって拳銃自殺がお好きですね、『K国』じゃ自殺が流行ってるんですか?」
「ごめん竹田君...」
「チュンシク...?」
「ファヨムのことはともかく...アイツは...アイツだけは...ちょっと許せないかも...」
チュンシクの言葉を聞いたリンカが問う。
「許して欲しいと私があなたに頼みましたか?」
「そうね...頼まれてないなら、むしろ好都合かもね...」
工藤リンカが屋上に大地での断罪剣ガイアセイバーを出現させる。
大地の断罪剣ガイアセイバーが屋上の地面に突き刺さる。
断罪剣ガイアセイバーがリンカに語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
地面から大地の断罪剣ガイアセイバーの大剣を引き抜いてリンカがチュンシクに襲いかかる。
そして、リンカの振るった大剣がチュンシクに直撃する寸前に、山神ムサシの生命の断罪剣ライフセイバーが受け止める。
「なにするんですか!やめてください!」
「また、あなたですか...山神ムサシ...そういえば、先程、殴られた件のお返しをまだできてませんでしたねぇ...」
「ヨシノのメイド服でチャラじゃなかったのかよ...」

次回予告 文化祭 その11 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九話 文化祭 その11

第三百九話 文化祭 その11
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

屋上で自らの素性を竹田に明かす、『K国』のテロリスト・チュンシク。
そして、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に潜入したPGS(パブリックガーディアンズ)のスパイからの通報を受けて、チュンシクを粛正するために屋上に現れた大地の断罪剣士・工藤リンカ。
そしてチュンシクに襲いかかる工藤リンカの大地の断罪剣ガイアセイバーを山神ムサシの生命の断罪剣ライフセイバーが受け止める。
「なにするんですか!やめてください!」
「また、あなたですか...山神ムサシ...そういえば、先程、殴られた件のお返しをまだできてませんでしたねぇ...」
「ヨシノのメイド服でチャラじゃなかったのかよ...」
大罪を背負いしパブリックモンスターの命をめぐる断罪剣士同士の戦いが、また始まろうとしていた。
チュンシクが人間離れした脚力でジャンプ、屋上のフェンスを飛び越え、校庭に向かってダイブする。
「なるほど、一般人を巻き込まないために、戦う場所を変えるつもりですか...それなら私にとっても好都合ですね...」
リンカはチュンシクを追って、屋上から校庭にダイブする。
大地の断罪剣ガイアセイバーの能力により、校庭の土を足場に変化させてリンカがチュンシクの追跡を始める。
俺もリンカを止めるために、リンカが土で作った階段を駆け下りる。
校庭に着地したチュンシクの姿が3体に分裂する。
そう、チュンシクの能力は、コードネームのその名の通り『増殖』である。
『K国』の言葉で『増殖』を意味するチュンシク3体が拳と蹴りでリンカが土で作った足場を破壊する。
空中に放り出される俺とリンカ。
しかし、リンカは逆さの状態で落下しながら、真顔でチュンシクに告げる。
「校庭から、土や石が豊富な校庭に戦いの場を変えた時点であなたの負けですよ」
リンカの大地の断罪剣ガイアセイバーの能力により、校庭の土や石が巨大な3体の竜となって、三つに増殖したチュンシクに襲いかかる。
三体の竜が三つに増殖したチュンシクを嚙み殺す。
しかし、血飛沫は見えない。
4体目のチュンシクがリンカの背中を蹴り飛ばす。
そして、落下するリンカを校庭の地面で待っていたのは5体目のチュンシクだった。
リンカは瞬時に校庭の土と石を石壁にして自分の全身を包む。
しかし、土と石のバリアを張ったリンカの超至近距離にいた6人目のチュンシクの拳が石壁を貫通して、リンカを地面に叩きつける。
「強い...土と石が豊富な校庭で、あのリンカを追い詰めている...」
増殖能力を解いたチュンシクが地面に仰向けにに倒れたリンカの胸倉をつかむ。
「なによ、カルのやつは、こんなザコに負けたの?」
チュンシクに煽られたリンカの口角が上る。
リンカがチュンシクの足元を、陥没させて、落とし穴を作る。
チュンシクが底深い落とし穴に落下する。
「言ったはずですよ、土や石が豊富な校庭に戦いの場を変えた時点であなたの負けだと...」
「あっそ」
再び増殖能力を発動するチュンシク、2体目のチュンシクの蹴りがリンカの後頭部に直撃する。
地面うつむけに倒れ、体を何度も痙攣させるリンカ。
まずい、このままだと、リンカが殺されてしまう。
チュンシクに足場を破壊され、大木に緊急着陸した俺は、急いで木を降りてリンカのもとへ向かう。
増殖能力により、5体に増殖したチュンシクが、瀕死状態のリンカを囲む。
大地の断罪剣ガイアセイバーの力で作られた土と石できた石壁を貫通した、あのチュンシクの拳、5人分が瀕死状態のリンカに襲いかかる。
「パァァァブリィィックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァァァーッ‼」
パブリックモンスターを人間に戻すパブリックブレイカー↓チュンシクに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑の直撃を受けたチュンシクの体から増殖能力が消えていく。

5体から1体に減った己の体の異変にチュンシクが驚愕している。
「能力が消えた...」
そして、地面に倒れ伏したリンカの断罪剣ガイアセイバーの切っ先がチュンシクの腹部を貫いていた。
「ごふっ...」
吐血するチュンシクを見上げて、にやりと笑う工藤リンカ。
「ナイスアシストです...山神ムサシ...」
「工藤リンカ...貴様ァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
怒りに我を忘れ激高した山神ムサシの生命の断罪剣ライフセイバーが地面にうつむけに倒れている工藤リンカの首元に向かって振り下ろされる。
しかし次の瞬間、俺の体は突如出現した竜巻によって、大木の幹に叩きつけられていた。
そう、竜巻の正体は風見マイカの疾風の断罪剣フーガセイバーの『パブリックハリケーン』だった。
部長が止めてくれなければ、俺はリンカを確実に殺していた...。
校舎から上履きのまま、竹田と部長がこっちに向かって走ってくる、副部長は知らん。
部長が俺の頬をグーで殴る。
「アンタ、さっき本気でリンカを殺すつもりだったでしょ!」
「でも、俺がリンカを助けるために、チュンシクから能力を奪ったせいで、チュンシクはリンカに殺されてしまった...俺はまた、守れなかった...」
竹田が真剣な表情で俺に告げる。
「山神...お前は悪くねぇよ...悪いのは...」
竹田が腹部から大量出血しているチュンシクのもとに歩いていく。
「竹田君...ケガしてない?」
「俺のケガの心配してる場合かよ...こんなに腹から血を流して...どうして俺なんかのために...」
「だって、お金で...雇われた...とはいえ...私...竹田君の...カノ...ジョ...だ...か...ら...」
そう、チュンシクが屋上から校庭に戦いの場所を変えたのは全て、リンカとの戦いに竹田を巻き込まないためだったのだ。
そして、その優しさが今の事態を招いたのだ。
チュンシクのまぶたは開いたまま、閉じない。
チュンシクの死亡を確認した竹田は満身創痍のリンカに馬乗りになる。
竹田が両拳でリンカの顔面を何度も殴る。
リンカが断罪剣を持っていないほうの手で竹田の腹部を殴る。
竹田の全身がふっとばされ、校庭を2回、転がる。
満身創痍のリンカが断罪剣ガイアセイバーを杖代わりにして立ち上がる。
何度も頭部を殴られたショックで我を忘れたリンカが、地面に仰向けに倒れている竹田に向かってガイアセイバーを振り下ろす。
すぐに部長が疾風の断罪剣フーガセイバーで竹田に向かって振り下ろされたガイアセイバーを受け止める。
「アンタ正気なの?相手は竹田君だけど、一応人間なのよ!」
「アイツは私を本気で殺そうとした...処刑する...」
(まずい、頭部の損傷で錯乱状態になってる...)
リンカの蹴りが部長の腹部に直撃する。
気絶する部長。
そして、俺は俺自身の体を駆け巡るリンカへの強烈な殺意と戦っていた。
しかし、今の俺の実力では確実に竹田を暴走したリンカから守ることはできない。
でもレオンやカルの時みたいに、後悔するのはもう嫌だ。
俺の脳内にあの声が何度も何度も繰り返される。
『さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...さぁ、ぬきなさい...』
これ以上、いったい、なにをぬけばいいんだよ。
しかし、俺の全身を駆け巡るリンカへの殺意は止まらない。
俺の右手は無意識のまま、断罪剣ライフセイバーの刀身をつかんでいた。
そして、ライフセイバーの刀身がスライドする。
ライフセイバーの振るい刀身を抜き捨てると、漆黒の刀身が現れる。
「黒い...ライフセイバー...」
その黒い刀身を視界に入れた瞬間、俺の脳内に新たなライフセイバーの能力について情報が流れ込んでくる。
「そうか...生命を司る断罪剣・ライフセイバー...生命を司るということは、すなわち、人の命を救うだけでなく、奪うこともできる...つまり、黒いライフセイバーの能力は全ての生命に死を与える力...!死を司る漆黒のライフセイバー...‼」
ファヨムが死に際に言った。
俺の存在そのものが、いつか、全ての世界を敵に回すと。
つまり、こういうことだったんだな...。
でも、暴走したリンカから竹田を救うには、もう、これしかないんだ‼
「パァァァブリィィックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァァァーッ‼」
死の断罪剣士と化した俺は竹田の命を救うために、暴走状態のリンカに向かって漆黒のパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 文化祭 その12 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十話 文化祭 その12

第三百十話 文化祭 その12
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『K国』のテロリストでパブリックモンスター・チュンシクの増殖能力により死にかける、大地の断罪剣士・工藤リンカ。
俺はリンカの命を救うために、パブリックブレイカーでチュンシクから増殖能力を消失させる。
しかし、チュンシクに人間戻ったことを察知したリンカは満身創痍の状態でありながら、己の断罪剣ガイアセイバーをチュンシクの腹部に突き刺す。
竹田は死亡したチュンシクの仇を取るために、満身創痍のリンカに馬乗りになって何度も頭部を殴る。
しかし、戦闘のプロであるリンカの拳は竹田の体を数メートル先に吹っ飛ばす。
チュンシクと竹田に頭部を何度も殴られたことで正常な判断が出来なくなったリンカは、竹田を殺すために立ち上がる。
そして、俺は暴走したリンカから竹田を守る為に、自らの体を駆け巡るリンカへの殺意を抑えるのやめ、生命の断罪剣ライフセイバーの第二の力・死を司る漆黒のライフセイバーを解放してしまった。
俺の右手は無意識のまま、断罪剣ライフセイバーの刀身をつかんでいた。
そして、ライフセイバーの刀身がスライドする。
ライフセイバーの振るい刀身を抜き捨てると、漆黒の刀身が現れる。
「黒い...ライフセイバー...」
その黒い刀身を視界に入れた瞬間、俺の脳内に新たなライフセイバーの能力について情報が流れ込んでくる。
「そうか...生命を司る断罪剣・ライフセイバー...生命を司るということは、すなわち、人の命を救うだけでなく、奪うこともできる...つまり、黒いライフセイバーの能力は全ての生命に死を与える力...!死を司る漆黒のライフセイバー...‼」
ファヨムが死に際に言った。
俺の存在そのものが、いつか、全ての世界を敵に回すと。
つまり、こういうことだったんだな...。
でも、暴走したリンカから竹田を救うには、もう、これしかないんだ‼
「パァァァブリィィックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァァァーッ‼」
死の断罪剣士と化した俺は竹田の命を救うために、暴走状態のリンカに向かって漆黒のパブリックブレイカー↓を放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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漆黒のパブリックブレイカー↑がリンカに直撃するかと思われた瞬間、上空から放たれた雷光が漆黒のパブリックブレイカーに直撃する。
雷光の直撃により漆黒のパブリックブレイカーは4方向に分散し、直撃した木々や鳥たちを一瞬で消滅させてしまった。
そして分散された漆黒のパブリックブレイカーの一つが竹田に向かってガイアセイバーを振り下ろそうとしているリンカの右手に直撃する。
分散状態の漆黒のパブリックブレイカーの直撃を受けたリンカの右手は黒い波動に包まれ、とてつもないスピードで手指を消滅させていく。
ガイアセイバーを地面に落下させたリンカは消滅していく右手を見て、奇声を上げている。
「いやああああああああああああああああああああッ‼」
分散状態の漆黒のパブリックブレイカーの直撃を受けたリンカの右手に直撃した黒い波動は手指を消滅させ、そのまま、手首、上腕部へと昇っていく。
そして次の瞬間、漆黒のパブリックブレイカーを分散させた雷光の発動者、雷光の断罪剣士・フューラーが雷光の断罪剣ライガセイバーでリンカの右腕を切り落とす。
全てを消滅させる黒い波動の浸食から解放されたリンカは、激痛に自我を取り戻す。
リンカの目の前には断罪剣を持った白いローブと仮面が特長的な男・雷光の断罪剣士・フューラーが立っていた。
「貴様は...反政府組織セイバーズのリーダー、フューラー...よくも私の右腕を...」
「私が右腕を切断していなければ、君は人殺しになるだけでなく、覚醒したライフセイバーの力で死んでいた」
「礼は言いませんよ...それより、山神ムサシのあの力...このまま見過ごすわけにはいかない...」
「片手の君に断罪剣が振るえるのかい?」
「できないことはない...」
「やめておけ、今は死の断罪剣士と化した山神ムサシを説得するほうが先だ」
俺は安堵していた、リンカの命を奪わずに竹田を救うことができたこと。
俺は感謝していた、この状況を作るのに尽力してくれた雷光の断罪剣士・フューラーに。
「山上ムサシ、久しぶりだね、ひとつだけ、確認しておきたい。君はまだ、リンカ君を殺すつもりなのかい?」
「いえ、とりあえず、リンカは正気に戻ったようですから...それより、ありがとうござました...俺はあともう少しで、竹田を助けるためにリンカを殺してしまうところだった...」
「悔やむ必要はない、君は自分の大事なものを守る為に、剣を振り上げた、それは君が戦士である何よりの証拠だよ」
フューラーはそのまま気絶した山神ムサシを肩に担いで、校舎へと向かう。
「工藤リンカ、君は疾風の断罪剣士を運ぶのを手伝ってくれ...」
「どうして、私があなたの言うことを聞かなければならないんです?」
「私は君の命の恩人だ、右腕があった部分はコレを着て隠しなさい」
フューラーは気絶したムサシから奪った制服の上着を、リンカに向かって投げる。
「あまり気は乗りませんが、一つだけ聞きたい」
「なんだ?」
「セイバーズが『K国』のテロリストからもらったデータで国際条約で開発が禁止されている『無人殺戮兵器』を生産しようとしているのは本当なのか?」
「セイバーズも一枚岩ではない、人間との共生を望んでいるパブリックモンスター、そうでないパブリックモンスター、様々なのだ...」
「答えになってないな、貴様はどっちなんだ?」
「答える必要はない、一つだけ言うならこれ以上、山神ムサシを刺激するな、生命の断罪剣ライフセイバーがもう一つの力に目覚めた以上、君たちPGS(パブリックガーディアンズ)に勝目はない...」
「なんだと...」
「それは君が身をもって体験したはずだ...工藤リンカ...」
山神ムサシの制服を羽織ったリンカはそのまま何も言わずに、気絶した風見マイカの体を左肩に担ぐ。
校庭に気絶した竹田を放置したまま、フューラーとリンカは校舎へと移動を開始する。
白いローブに仮面の男。
校舎を歩くフューラーの姿を、生徒達がコスプレヤーと勘違いする。
「ずいぶんと目立っているな、それより、どこに向かうつもりだ」
「とりあえず、君たちのアジトである、アルティメットメディアクリエイター部の部室に向かう」
「私は、あの部の部員ではないんだが...」
「なら、なぜメイド服を着用している、しおりにはアルティメットメディアクリエイター部の出し物はおにぎりカフェと記載されているぞ...カフェと言えばメイドだ」
「めちゃくちゃな発想だな、全世界のカフェテラスに謝罪行脚しろ。私は臨時で店番を任されただけだ...そういう貴様こそ、なぜ、文化祭に来た?」
「いかんかね、反政府組織のリーダーで文化祭に来ては?」
右腕を無くした断罪剣剣士と白いローブを纏った仮面の断罪剣士、文化祭を訪れた奇妙な珍客はそれぞれ、肩に気絶した断罪剣士を担いだまま、アルティメットメディアクリエイター部の部室に向かった。



次回予告 文化祭 その13 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十一話 文化祭 その13

第三百十一話 文化祭 その13
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

K国が軍事利用しているパブリックモンスターであるチュンシクとの戦闘、そして、満身創痍の状態で竹田に頭部を複数回、殴られた影響で暴走してしまった大地の断罪剣士・工藤リンカ。
暴走した工藤リンカから、竹田を守る為に山神ムサシは生命の断罪剣ライフセイバーの第二の力・死を司る漆黒のライフセイバーを発動させてしまう。
生命の断罪剣ライフセイバーは生命を司る断罪剣。
つまり、ライフセイバーは生命を救う力と生命を奪う力を持った断罪剣だったのだ。
断罪剣ライフセイバーの、生命を奪う力に特化した漆黒の断罪剣ライフセイバーの力によって、右手を失った工藤リンカ。
正気を取り戻した工藤リンカは、漆黒の断罪剣ライフセイバーの力の暴走を止めに入った、雷光の断罪剣士フューラーと共に負傷した山神ムサシと風見マイカを肩に担ぎ、校庭に気絶した竹田を一人残してアルティメットメディアクリエイター部の部室に向かうのだった。
アルティメットメディアクリエイター部の部室に入ったリンカとフューラーを待っていたのは、凍結の断罪剣士・色川ヨシノだった。
ヨシノはリンカとフューラーが肩に担いだ、負傷しているムサシとマイカの姿を見て、驚きをあらわにする。
「ちょっとなによコレは!いったい何があったの?」
ヨシノが驚くのも無理はない、PGS(パブリックガーディアンズ)に所属しているリンカと、PGSと冷戦状態にある反政府組織セイバーズのリーダーが、偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園の文化祭で肩を並べているのだから。
そして、なにより、その二人がPGSとセイバーズの両陣営に属していない断罪剣士を肩に担いでいるのだから。
フューラーが説明を始める。
「簡単に説明すれば、山神ムサシのライフセイバーが新たな力に覚醒してしまった、漆黒のライフセイバーの力で死ぬはずだったリンカを、私が助けた、しかしリンカは右腕を無くしてしまった...」
ヨシノはムサシの制服を着ているリンカの右袖から手が出ていないのを確認して、顔を青ざめさせる。
「ムサシ君が...リンカの右腕を切ったってこと?」
「それは違う、ムサシは暴走したリンカから竹田君を助けるために、ライフセイバーの第2の力を覚醒させるしかなかったのだ、彼が自分のためにリンカに右腕を切ったわけじゃない...」
「だったらリンカはこんなところにいちゃダメでしょ!とっとと切り放された右腕を持って病院に行ってきなさいよ!」
ヨシノの指摘に、リンカは首を横に振る。
「私の右腕はもう、この世界には存在しません...」
「どういうこと?」
「漆黒のライフセイバーから放たれた、黒いパブリックブレイカーは触れたもの全てを消滅させる力を持っています...だから私の右腕はもう、この世界に存在しません...」
「触れたもの全てを消滅させる力...それってつまり、ムサシ君がその気になれば、人類も、この世界も、いつ消滅してもおかしくないってこと?」
ヨシノの疑問にリンカが答える。
「その通りです、もう彼をこのまま野放しにはしておけません、私は彼をPGS(パブリックガーディアンズ)の管理下に置くべきだと思っています」
「つまり、私とリンカみたいに、PGSの私兵するってわけ?そんなのムサシ君が了承すると思っているの?」
ヨシノの言葉にフューラーが続ける。
「ヨシノの言うとおりだ、無理やりムサシ君をPGSに入れようとすれば、彼のライフセイバーがまた暴走するかもしれない、そうすれば、この世界は黒のパブリックブレイカーによって人類ごと消滅する可能性がある...」
「なら、山神ムサシを反政府組織セイバーズに入隊させますか?それこそ、先程あなたが指摘した通りの結果を招かざる終えません」
気絶した山神ムサシが目を覚ます。
「俺はPGSにもセイバーズにも入隊するつもりはない...」
リンカがムサシに警告する。
「貴様にそのつもりがなくても、貴様は自分の力をコントロールできていない、となれば、貴様が貴様自身の手で、いつ必ず、貴様の守りたいものを傷つける可能性がある、貴様はそれでもいいのか?」
「貴様、貴様うるせぇな...おかっぱメガネ!いいか、これは警告だ。俺の邪魔をするなら俺が死を司る漆黒のライフセイバーの力で、人類もこの世界も消滅させる、お前たちが俺の邪魔をするなら、PGSだろうとセイバーズだろうと、全部、消滅させる!」
「貴様...自分の信念のために全人類を人質にとるつもりか!」
「ああ、その通りだ、今の俺は全人類を一瞬で消滅させることができる人間爆弾みたいなもんだ!俺を怒らせるってことは全人類が滅亡することと同じだと思え‼」
「山神ムサシ...貴様は独裁者にでもなるつもりか!」
「なってやってもいいぜ、ただ、俺のほうから、この力で独裁者になるつもりはない、ようはお前たちが俺の邪魔をしなければいいだけだ、お前たちが俺を怒らせなければいいだけだ、そして工藤リンカ、次にお前がパブリックモンスターを俺の目の前で処刑しようとしたら、その瞬間がお前の命日だと思え、俺はもう、俺が守りたいものを守る為に手段は選ばない」
「上等だ、山神ムサシ...今の貴様の言葉は貴様自身が全世界の敵になることを意味していると思っていいんだな?」
リンカの言葉を聞いた俺の脳裏にファヨムが死に際に放った言葉がよぎる。
『お前はいずれ、全世界を敵に回すことになる...そう、お前はいつか俺の言う通りに死を選ばなかった己の過ちに後悔する...その様子を俺は、あの世から見物させてもらうぞ...』
ファヨム、あの世から見ているか?どうやらお前の言う通りになりそうだ...。
「そんなことはとっくに想定済みさ、俺の邪魔をするやつは全部、死を司る漆黒の断罪剣ライフセイバーで消滅させるそれだけだ。フューラー、アンタたちセイバーズが無人殺戮兵器を量産して人間と戦争を始めるなら、俺はアンタたちも消滅させる...覚悟しておけ...!」
「了解した...それでは、私は他の出し物の回らせてもらう、どうやら君はまともに戻ったみたいだしね、これ以上、君が破壊神にならないことを祈っているよ...」
フューラーはそう言って、おにぎりカフェを開催しているアルティメットメディアクリエイター部の部室から去っていった。
リンカがヨシノに警告する。
「ヨシノ先輩も、これ以上、山神ムサシに加担するのであれば、PGSの粛正対象になってしまいますよ、身の振り方はちゃんと考えたほうがいいと思います、それでは...」
リンカも部室から去る。
決断を迫られるヨシノ。
そして、全人類の敵となってしまった山神ムサシが一言。
「さぁ、文化祭はまだ始まったばかりだ、2日目に備えて今のうちに準備しておこうぜ」
ヨシノはもう、以前と同じようにムサシと接する自身が持てなくなっていた。

次回予告 文化祭 その14 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十ニ話 文化祭 その14

第三百十ニ話 文化祭 その14
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

文化祭2日目。
意識を取り戻した部長と竹田は今日もアルティメットメディアクリエイター部の部室で、文化祭の出し物であるおにぎり(ブラックボックス)を量産していた。
500円のおにぎりの購入するもよし、それに加え9500円を支払いメイド姿のヨシノの写真撮影するもよし。
このような、悪徳サービス営業が功を奏してか、アルティメットメディアクリエイター部の出し物である、おにぎりカフェはまぁまぁ繁盛していた。
おにぎりカフェに、とある親子が入ってくる。
どうやら母と娘だ。
娘のほうはまだ小さい。
母娘はメイド姿の部長に何やら相談している。
その途中、部室内に充満するお客さんたちの話し声や、カメラのシャッター音に何かを感じとってしまった娘が突然、奇声↓を上げる。
「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
「こらユメちゃん、急に叫ばないの!」
どうやら娘の名前は、ユメというらしい。
母親の指摘を無視したユメは奇声を上げるのをやめない。
「キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
部長が気の毒そうに、ユメの母親に同情する。
「私の部員にも、いるんですよ、高校生にもなって、いろんな場所で急に叫びだす人...」
部長が言っているのはおそらく俺のことだろう。
なんか悔しかったので、俺もユメと同じく叫んでみた。
『キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼』
突然叫びだした俺に向かって写真撮影中のヨシノがなぜかキレる。
「うるせーわよ‼」
ヨシノの「うるせーわよ‼」がツボったのか、写真撮影をしていたマニア達が一斉に、「俺にも『うるせーわよ‼』くださいと」要求し始める。
それを聞いた部長が指パッチン。
部長の指パッチンに反応した副部長が募金箱を両手に持って、「うるわーわよ1回3000円」を連呼し始める。
竹田はまだ、出会い系サイトに登録して生まれて初めて金で買ったカノジョ・チュンシクを失ったショックから立ち直れないのか、部室で汗と涙を鼻水を流しながらスクワットをしていた。
とりあえず、部長の話が正しければ、ユメちゃんは交通事故で記憶喪失になり、他人とまともにコミュニケーションできない状態になってしまったらしい。
ではなぜ、わざわざ俺達、アルティメットメディアクリエイター部にそれを相談しに来たのだろうか。
「役所の方がおっしゃっていたんです、この学校に全人類が嫌がりそうなことを無料でボランティアしてくれる部活動が存在するって...」
おそらく、病院でも役所でも対応できず、たらい回しにされたあげく、アルティメットメディアクリエイター部にたどり着いたのだろう。
「ということで、山神君、おにぎりカフェは女子に任せて、アンタはユメちゃんをなんとかしなさい」
「なんとかしろって、いったいどうすればいんですか?」
「ユメちゃんをなんとかしろって言ってんの!できんの?できないの?え!できんの!じゃあおねがいしますからのレッツゴー‼」
「勝手に決めてレッツゴーしないでくださいよ‼大体、なんで俺だけ、竹田はどうするんですか?」
「見たでしょ?あのスクワット野郎。きのうの夜から寝ずにずっと、あの感じらしいわ、もう手遅れよ、とりあえずネットにさらされてデジタルタトゥーになるまで体液フルバーストしながらでスクワットしてればいいのよ、あんな奴」
こうして、部室を追い出された俺はユメとその母親と共に屋上に向かう。
人気のない屋上の静けさのせいか、ユメは音に反応せずにずっとニコニコしている。
「すいません、俺、あんまりこういうのわからなくて...」
頼りない俺の言葉を、ユメの母親・カナミがなぐさめてくれる。
「いいんですよ、相談に乗ってくれるだけで、助かります、役所も病院も全然、相手になってくれなくって...」
「これは、あくまで俺の個人的な意見ですけど、ユメちゃんの今の状態は時間が解決してくれると思います...」
「もう、1年です...」
「ふぇ?」
「この一年、交通事故で記憶を失いおかしくなってしまったユメは、私をママと呼んでくれません...近所にもご迷惑ばかりかけて、幼稚園も最近、追い出されてしまいました...」
「そ、そうっスか...ちなみに旦那さんは...」
「旦那は仕事のことばかりで、ろくに今のユメと向き合ってくれません...ユメがおかしくなる前はあんなにかわいがってくれたのに...今はまるでユメを疫病神みたいに扱うんです...」
「それは、ひどい...ひどすぎる、まず、カナミさんだけで抱え込まずに、旦那さんにもちゃんとユメちゃんと向き合ってもらいましょう、そして、ユメちゃんのこと、もっと近所の方や周りの人に根気強く説明して、わかってもらいましょう、俺も手伝いますから...」こうして俺はカナミさんとユメちゃんと共に、二人と旦那が済むマンションに向かう。

次回予告 文化祭 その15 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十三話 文化祭 その15

第三百十三話 文化祭 その15
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

文化祭二日目。
偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園のアルティメットジーニアス学園の出し物である、おにぎりカフェにある悩みを抱えた母子が訪れる。
母の名前はカナミ。
そして、娘の名前はユメ。
ユメは交通事故により、記憶喪失と同時に情緒不安定により、今まで通りの社会生活を送れなくなってしまう。
人混み中で突然、奇声を上げるなどの奇行を繰り返すユメは、両親ともに、役所と病院をたらい回しにされ、あげくの果てにアルティメットジーニアス学園の部室にたどり着いたらしい。
そして、山神ムサシは、アルティメットメディアクリエイター部の部長である風見マイカに、ユメの更生を強引に押し付けられてしまったのだった。
「この一年、交通事故で記憶を失いおかしくなってしまったユメは、私をママと呼んでくれません...近所にもご迷惑ばかりかけて、幼稚園も最近、追い出されてしまいました...」
「そ、そうっスか...ちなみに旦那さんは...」
「旦那は仕事のことばかりで、ろくに今のユメと向き合ってくれません...ユメがおかしくなる前はあんなにかわいがってくれたのに...今はまるでユメを疫病神みたいに扱うんです...」
「それは、ひどい...ひどすぎる、まず、カナミさんだけで抱え込まずに、旦那さんにもちゃんとユメちゃんと向き合ってもらいましょう、そして、ユメちゃんのこと、もっと近所の方や周りの人に根気強く説明して、わかってもらいましょう、俺も手伝いますから...」こうして俺はカナミさんとユメちゃんと共に、二人と旦那が住むマンションに向かう。
俺はカナミさんの旦那さんを説得するために、ユメちゃんの家に上がる。
リビングでは、ユメちゃんの父親でもある、カナミさんの旦那がリビングのテーブルでパソコンをいじっていた。
どうやら、家に帰ってきた後も仕事をしているらしい。
帰宅したカナミさんが旦那さんにあいさつをする。
「トオルさん、ただいま」
カナミさんの夫でユメちゃんの父親の名はどうやら、トオルというらしい。
「おかえり、ところで、隣の高校生はいったい誰だ?」
「彼は、役所の人に紹介してもらったアルティメットメディアクリエイター部の山神ムサシ君よ、今度からユメのことで相談に乗ってくれるみたい」
「アルティメットメディアクリエイター部?いったいなんだそりゃ、山神君、君、いったいどこの高校に通っているんだい?」
「ア、アルティメットジーニアス学園です...」
トオルが落胆のため息を吐く。
「はぁ~、アルティメットジーニアス学園といえば、国内でも偏差値最底辺のバカ学校だぞ、本当にこんな奴にユメのことを任せても大丈夫なのか?」
「この問題は、山神君だけに任せていい問題じゃないわ、ユメの保護者である私とトオルさんの問題でもあるのよ!」
「悪いが、俺には仕事がある、俺はお前とユメを守る為に仕事をしているんだ、仕事のほかに頭がおかしくなったユメの面倒を見てたら俺は過労死してしまう、そうなったらお前とユメは生活できない、そうだろ?」
「トオルさんは私たち家族と仕事、どっちが大事なんですか?」
「両方大事さ、大事な家族を守る為に、仕事は必要不可欠なんだ!それに、今度の仕事は男として絶対にやり遂げなくてはいけないんだ!」
カナミとトオルの争う姿を見て、ユメが奇声を上げる。
『キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼』
両手で頭を抑えながら奇声を上げるユメのズボンはびしょ濡れになっていた。
「あ~あ、ユメちゃん、またやっちゃたのね。交通事故に遭う前は1人でできてたんですけどね...」
すぐにカナミがユメと共にトイレに向かう。
二人の様子を見たトオルが舌打ちをする。
「トオルさん、なぜユメちゃんが先程、あんなことになってしまったのか、わかりますか...?」
「それが、わかったら病院に見放されるわけないだろ、君は家に帰ってちゃんと勉強しなさい、偏差値最低辺校のバカなんだからな!」
「俺はユメちゃんの奇行の原因について言っているんじゃないんですよ、ユメちゃんが先程、ズボンを汚してしまったのは、カナミさんとトオルさんがケンカをしてしまったことが原因だと俺は思っています...」
「君は俺のせいだと言いたいのか!いいか?俺はカナミとユメのために働いているんだ!両親の庇護下で生きている高校生ごときが、大人にえらそうなことを言うな!」
「カナミさんが言っていました、ユメちゃんがおかしくなってから、トオルさんがユメちゃんを疫病神扱いしているって、家族のために一生懸命働ているトオルさんに俺は無理矢理、ユメちゃんの面倒を見ろとは言いません、でも、今のユメちゃんのことをまず、理解する努力を始めてみませんか?サラリーマンの代わりはどこにでもいます、でもユメちゃんの父親はこの世界であなた1人だけなんです、無理強いはしません、すこしだけ考えてみてください...」
「チッ、ガキのくせにえらそうなこと言いやがって!カナミ、とっととメシ作ってくれ!」カナミさんは、室内の壁紙を必死にはがしてるユメちゃんを説得している途中でそれどころではない。
「ちょっと、待って!今、どれどころじゃないのよ!」
カナミさんの大声に反応して、ユメちゃんが大声で泣き始める。
室内にインターホンの音が鳴り響く。
カナミさんが急いで玄関に向かう。
どうやら、隣部屋の老人から騒音の苦情がきたらしい。
カナミさんは必死なって騒音被害を訴えてきた隣部屋の老人に謝罪する。
そう、トオルさんも、お隣さんも、今のユメちゃんについての理解が足りていないのだ。
このままでは、カナミさんとユメちゃんはこのマンションを追い出されてしまうかもしれない。
まずはカナミさん以外の人たちに、今のユメちゃんのことを知ってもらうことが大事なのだ。
玄関からリビングに戻ってきたカナミさんに俺は提案する。
「今日の料理は俺が作ります、その間にカナミさんはユメちゃんの面倒を見てて上げてください」
「ありがとう、助かるわ、ムサシ君」」
俺はユメちゃんとカナミさん、そして自分とトオルさんの分の料理を作りはじめる。
昼食を食い終えた俺はカナミさんに提案する。
「カナミさん、このパソコン、ちょっと借りていいですか?」
「いいわよ、別に...」
俺はパソコンのワープロで書類の作成を始める、そして、プリンターで印刷したA4用紙をカナミさんとトオルさんに渡す。
A4用紙には、ユメちゃんが交通事故で頭がおかしくなってしまったこと、そしてユメちゃんがどのような法則性で奇行を始めるのかについてまとめられていた。
「まず最初に、このユメちゃんのことについて書かれたA4用紙、ユメちゃん新聞を、マンションの人たちに配って、ユメちゃんのことをみんなに理解してもらいましょう!」
俺の提案にトオルさんが反論する。
「私は仕事でそれどころじゃないんだが!」
「わかってますよ、このユメちゃんのことについて書かれた紙、『ユメちゃん新聞』は俺達、アルティメットメディアクリエイター部のみんなで配ります!カナミさんとトオルさんはいつも通りに生活してもらって問題ありません!」
「そうね...まずは、自分たちだけで今のユメのことで悩むだけじゃなくて、どうすれば今のユメを周りの人にわかってもらえるのかが大事なのよね...」
トオルさんは真剣な表情でユメちゃん新聞を呼んでいる。
ユメちゃんは自分のことで悩んでいる大人たちのことなど気にせずに、室内の壁にクレヨンで絵↓を描いていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 文化祭 その16 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十四話 文化祭 その16

第三百十四話 文化祭 その16
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

交通事故による記憶喪失によって、頭がおかしくなってしまったユメちゃん。
ユメちゃんの更生を部長に頼まれた俺を待っていたのは、ユメちゃんの育児に疲れているユメの母・カナミさんと、頭がおかしくなってしまった今のユメちゃんに対して理解のないユメの父・トオルさんの姿だった。
そして、自分を理由に両親の争う姿を見て、奇行を繰り返すユメちゃん。
おまけにマンションの隣部屋に住んでいる人間からのクレーム。
このまま、無益な争いが続けば、ユメちゃんや、その両親はこのマンションや、社会から居場所をなくしてしまう。
俺はユメちゃんとその両親の居場所を守る為に、パソコンのワープロとプリンターでユメちゃんが抱える事情について詳しく記載されたA4用紙・ユメちゃん新聞を作成し、マンションの住人や、ユメちゃんについて理解のない人々にユメちゃんのことを知ってもらえるように提案する。
ユメちゃんの両親から了承を受けた俺は、アルティメットメディアクリエイター部の部室に戻り、部長や部員のみんなに、ユメちゃん新聞をマンションのみんなに配ることを提案する。
「ということで部長、ユメちゃんの更生はひとまず、保留して、まずは近隣住民達から、今のユメちゃんについての理解を得ることが第一優先だと、俺は考えます。ひいては、このユメちゃん新聞の配布には、アルティメットメディアクリエイター部のみんなにも手伝ってもらいます!」
「う~ん、別に、いいんだけどさ、おにぎりカフェの店番どうすんの?」
「とりあえず、それは竹田に任せておけばいいと思います...」
「そんなこと言っても...竹田君、まだあんな感じだし...」
竹田は相変わらず、出会い系サイトに登録して生まれて初めて金で買ったカノジョ・チュンシクを失ったショックから立ち直れないのか、部室で汗と涙を鼻水を流しながらスクワットをしていた。
「だいたいねぇ、うちのおにぎりカフェの売りはね、おにぎりを購入すると美少女メイドの写真が撮れる新手のJKビジネスなの、そして私は部長で忙しい、副部長もついでにいそがしい、ヨシノちゃんは写真撮影で忙しい、ついでに竹田君はあんな感じだし、消去法で山神君、あんたしかいないのよ、おわかりか」
「じゃあ、もう、おにぎりカフェやめて、美少女メイド写真館にしたらどうですか?はっきり言って、もう、部長が提案したあのブラックボックボ...じゃなくて、おにぎり目当てにこの部室を訪れる人なんて、1人もいませんよ!みんな、うわさを聞きつけて、わざわざ9500円の追加料金払ってまでメイド姿のヨシノの写真撮るか、ヨシノと一緒に写真撮りたいだけなんですよ!もうこのおにぎりカフェは、おにぎりカフェとして成立していないんですよ!なにがおにぎりメイドカフェだ!はっきり言ってガチマジで意味わかんねーよ!」
よく見ると、部長は両耳に人差し指を突っ込んで英語の歌を熱唱していた。
おそらく、俺の話はほとんど聞いていないのだろう。
副部長は漫画研究部の出し物であるBL同人誌を見てニヤニヤしていた。
ヨシノは写真撮影によるストレスのせいか、放心状態のまま天井を見上げていた。
竹田は汗と涙と鼻水と流しながらスクワットを続行していた。
「わかりましたよ、この件は俺一人でなんとかします!なんとかすればいいんだろ?ゔわああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
部員たちの姿に呆れ果てた俺は、奇声と共に部室の黒板に八つ当たりをするかのごとく、チョークで謎の絵↓を書き込んでやった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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黒板にチョークがこすれる音が俺や部員たちの鼓膜を刺激する。
部員の皆が耳障りな音に表情を苦悩に歪ませる。
「よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
みんなが苦しむ姿を確認した俺は、満面の笑みを浮かべると同時に、勝利の雄叫び↑を上げながら部室を走って出ると、ユメちゃんとその両親が住んでいるマンションに向かった。
マンションについた俺は、ユメちゃん新聞をマンションの住人たちに配布する作業を始めた。

次回予告 文化祭 その17 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十五話 文化祭 その17

第三百十五話 文化祭 その17
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

交通事故による記憶喪失で頭がおかしくなってしまったユメちゃん。
そして、社会性を無視したユメちゃんの奇行に心身ともに疲弊していくユメちゃんの両親。俺はユメちゃんをみんなに理解してもらえるように、ユメちゃんの取扱説明書であるユメちゃん新聞を近所に配り始める。
アルティメットメディアクリエイター部の部室を出た俺はユメちゃんたちの住むマンションに戻り、マンションの住人たちにユメちゃん新聞を配り始めた。
俺はまず、マンションの101号室から、ユメちゃん新聞の配布を始めることにした。
101号室の表札にはKURACHIZANと書かれていた。
「めずらしい苗字だなぁ...」
俺はあえてインターホンを押さずにKURACHIZANの家のドアを1分間に100回くらいノックして叫ぶ。
「こーんにちわー!KURACHIZANいますかー‼」
ドアが開き、KURACHIZANが俺の目の前に現れる。
「やあ!KURACHIZAN!元気にしてた?あのさぁ‼」
すぐにKURACHIZANが俺に怒声を浴びせてくる。
「誰だよテメーは!つーか、うるせーよ!インターホンあんのわかんねぇのか!眼科行ってこいバカ野郎‼」
「俺はアルティメットメディアクリエイター部の山神です!これよかったらどうぞ!」
俺はKURACHIZANにユメちゃん新聞を手渡す。
KURACHIZANがユメちゃん新聞に目を通し、怒りをあらわにする。
「俺はロリなんかに興味ねーんだよ!2度と来るんじゃねぇ、バカ野郎‼」
KURACHIZANはユメちゃん新聞をびりびりに破いて俺の顔面に投げつけてきた。
KURACHIZANがドアを閉める。
俺はKURACHIZANのドアに向かって1分回100回程、頭突きをして、気持ちを切り替える。
次の部屋は102号室のMIYAZAKIZANだ。
めずらしい苗字だなぁ...。
俺はMIYAZAKIZANのドアに向かって1分回に100回程、頭突きをしながら叫ぶ。
「こーんにちわー!MIYAZAKIZANいますかー‼」
ドアが開く、俺は初対面のMIYAZAKIZANに挨拶をする。
「やあ!MIYAZAKIZAN!元気にしてた?」
憤怒の表情のMIYAZAKIZANが俺に激怒する。
「誰だ!お前!」」
しかし、MIYAZAKIZANは俺が持っていたユメちゃん新聞を見て、なにか驚いたような表情になる。
ユメちゃん新聞にはユメちゃんの全身画像が載っているのだ。
MIYAZAKIZANが俺に質問してくる。
「そのA4用紙、いくら払えばもらえるんですか?」
「いや、普通にタダですけど...」
「そのA4用紙、できたら3枚くれないか?」
「どうしてですか?」
「保存用、鑑賞用、布教用だよ、とにかく、くれよ、そのユメちゃん新聞...」
「まぁ、3枚くらいなら、べつにいいですけど...」
俺はユメちゃん新聞3枚をロリコンのMIYAZAKIZANに手渡す。
「ゔおおおお...!ありがとう、こういう写真を撮るのは、今、社会的に結構厳しいからね...助かったよ...」
「そ、そりゃあ、どうも...」
ロリコンのMIYAZAKIZANがドアを閉める。
MIYAZAKIZANはロリコンだが、KURACHIZANに比べたらまだマシだ...。マシなのか?
次は103号室のSAKAKIBARAZANだ。
めずらしい苗字である。
俺はSAKAKIBARAZANのドアに向かって1分間に100回頭突きをしながた叫ぶ。
「こーんにちわー!SAKAKIBARAZANいますかー‼」
ドアが勢いよく開かれる。
「やあ!SAKAKIBARAZAN!元気にしてた?」
「誰だ、お前!普通にインターホン押せねぇのか‼」
「よかったら、これ、どうぞ...」
俺はユメちゃん新聞をSAKAKIBARAZANに手渡す。
「ユメちゃん新聞...?ほぉ...なるほど、ちょっと待ってろ!」
SAKAKIBARAZANが玄関から居間へと歩いていく。
玄関に戻ってきたSAKAKIBARAZANが白いレジ袋を俺に強引に手渡してくる。
「お前、まだ高校生なのにえらいんだな、それは俺からのプレゼントだ、受け取ってくれ...!」
SAKAKIBARAZANがドアを閉めた後、俺は恐るおそるレジ袋の中身をの覗いてみる。
レジ袋の中には猫の死体が入っていた。
俺ののどを酸っぱい何かがせり上ってくる。
俺は猫の死体が入ったレジ袋にそのまま、嘔吐した。
俺は、俺の吐しゃ物と猫の死体が入った白いレジ袋を、101号室のKURACHIZANのドアノブにぶら下げて、ユメちゃん新聞の配布を続行した。
マンションの全住民にユメちゃん新聞の配布を終えた俺は、ユメちゃんたちが住んでいる家に戻る。
ユメちゃんの父親は仕事なのか、家にはいなく、ユメちゃんの母親のカナミさんは育児につかれているのか、鍵を開けてくれたあと、すぐに今のソファーで昼寝を始めてしまった。
そして、ユメちゃんはリビングに壁にクレヨンでアレ↓を書いていた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
奇声を上げる俺を見て、ユメちゃんは笑っていた。

次回予告 文化祭 その18 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十六話 文化祭 その18

第三百十六話 文化祭 その18
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

俺は交通事故による記憶喪失で頭がおかしくなってしまったユメちゃんを、マンションの住人たちにわかってもらえるように、ユメちゃん新聞を制作した。
俺はマンションに住む奇想天外な住人たちにユメちゃん新聞を配り終え、ユメちゃんの家に戻る。
そこで待っていたのは、家の壁にクレヨンでアレ↓を書いていたユメちゃんだった。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわあああああああああああああああああああああああああああッ‼」
奇声を上げる俺を見て、ユメちゃんは笑っていた。
俺の奇声でユメちゃんの母親であるカナミさんが目を覚ます。
「カナミさん、ユメちゃん新聞、マンションの人たちに全員配り終えました」
「わざわざ、ごめんね、本当に助かったわ、これでマンションに住むみんながユメのこと、ちゃんとわかってくれるといいのだけど...」
「わかってくれますよ、きっと...」
「私も山神君みたいに、ユメちゃん新聞をいろんな人に配ろうと思っているの、そうすればもっとたくさんの人にユメのことを知ってもらえると思うから...」
「そうですね、どんな重い事情を抱えていても、話し合えば、みんないつか、ユメちゃんのこと、わかってくれますよ...」
次の瞬間、インターホンが室内に鳴り響く。
どうやら、ユメちゃんの父親のトオルさんが帰宅したそうだ。
トオルさんはユメちゃんがクレヨンで壁に書いたアレ↓を見て怒りをあらわにする。。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「いったいなんなんだ、このわけのわからんイラスト↑は‼」
トオルさんがユメちゃんをにらむ。
トオルさんが怒っていることが理解できないユメちゃんは、トオルさんに向かって、にっこりと笑う。
「お前!バカにしてんのか!このクソガキィィッ!」
怒声を上げるトオルさんの右手がユメちゃんに向かって伸びる。
俺は急いで、トオルさんとユメちゃんの間に入って、叫ぶ。
「なにするんですか!やめてください!」
「どけぇッ!コイツ...俺のことをバカにしやがって...‼」
「トオルさん、ユメちゃんはトオルさんを挑発しているんじゃないんです!」
「なんだと!」
「ユメちゃんはトオルさんにほめてほしいんですよ、壁に描いたアレ↓を...」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「コレ↑のいったいどこをほめろというんだ!こんなわけのわからん絵、これも全部、カナミ、お前のしつけがなっていないからだ!」
「そんな、ひどい...ユメが一生懸命、描いたのに...」
トオルさん大声でカナミさんを怒鳴る。
「こんな頭のおかしい娘、生まれてこなければよかったんだ!カナミ、お前にわかるか?俺が近所のまともな子供達を見るたびに、どれだけ、俺のプライドが傷つけられるのか!こんな頭のおかしい娘のために、毎日、頑張って働いている俺はいったい何なんだ!」
「それはいくらなんでも言い過ぎよ、一番つらいのはみんなに理解してもらえないユメなのよ、あの交通事故に遭ってから、ユメは誰にも理解されない世界で生きてきたのよ!私たち親がユメを理解してあげなくて、いったい誰がユメを理解してあげられるの?」
「じゃあ、お前に、ユメがクレヨンで壁に描いたアレ↓を理解できるのか‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「理解できるわけないでしょ‼」
両親が大声で言い争う姿を見たユメちゃんが泣き叫び始める。
まずいぞ、ユメちゃんがうるさくすると、また近所からクレームが来てしまうかもしれない...。
室内に響き渡るインターホンの音、俺の悪い勘が当たってしまった。
玄関のドアを開けると、やはり以前、騒音のクレームを言いに来た隣部屋の老人が立っていた。
隣部屋の老人は俺の制止を振り切って、廊下を進んでいく。
そして、隣部屋の老人がトオルさんに向かって言い放つ。
「大声でケンカしてるから、隣から全部聞こえてたぞ!あんたそれでもユメちゃんの父親か!あんたはコレを呼んでも、まだユメちゃんのことが理解できないのか!」
トオルさんを叱る隣部屋の老人が、手に持っていたユメちゃん新聞をトオルさんに向かって突き出す。
ユメちゃん新聞には、頭がおかしくなってしまったユメちゃんについての説明と原因、近隣住民達への理解を求める文章が書いてあった。
予期せぬ隣部屋の住人のフォローに、カナミさんが感動して泣いている。
トオルさんが膝を床に着けて、嘆く。
「わかっているさ、わかっているんだ!でも俺はどうしても今のユメに、以前のまともだったころのユメと同じように接することができないんだ!」
隣部屋の老人がトオルさんをさとす。
「前も今も、ユメちゃんはユメちゃんだろ...!少なくともアンタとカナミさんの理想のために、この理不尽だらけの世界に生まれ、強制的に押し付けられてしまったユメちゃんに、アンタたち両親が見返りを求めるのは、どう考えても間違ってるよ!それと、カナミさん、今まで、カナミさんの苦労も知らずに騒音ごときで騒いで、悪かったね、正直、反省している...」
「いえ、ご迷惑をおかけしたのは私たちですから...それに、ユメちゃん新聞を書いたのは、ボランティアの山神君なんです...」
隣部屋の老人が山神ムサシを真剣な表情で見つめている。
「そうか...その制服、偏差値最底辺高アルティメット・ジーニアス学園だろ...学園の評判の悪さは国内でもトップクラスだが、ユメちゃんためにこの新聞を書いて配った今の君はカッコいいぞ!」
「あ、ありがとうございます...」
ユメちゃん新聞の配布は決して無意味ではなかった。
こうして父親にも理解してもらえないユメちゃんを、隣部屋の老人のように、ユメちゃん新聞を通して理解してくれる人が1人でもいたのだから。

次回予告 文化祭 その19 
 

 
後書き
次回も楽しみに 

 

第三百十七話 文化祭 その19

第三百十七話 文化祭 その19
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

交通事故による記憶喪失で頭がおかしくなってしまったユメちゃん。
しかし、ユメちゃん新聞の制作と配布は無意味ではなかった。
これからはカナミさんが近所の人たちにユメちゃんのことを理解してもらえるように、ユメちゃん新聞を配って歩くそうだ。
周囲の人たちにユメちゃん新聞を通して、ユメちゃんのことを理解してもらうことによって、近隣住民や、ユメちゃんも、ユメちゃんの家族も、きっと今より生きやすくなるはずだ。
隣部屋の老人が帰ったあと、ユメちゃんの家のインターホンが鳴る。
カナミさんがドアを開けると、そこにはトオルさんの母親、つまりユメちゃんの祖母・ナオミが立っていた。
祖母は部屋に上るなり、ユメちゃんがクレヨンで壁に描いたイラスト↓を見てしまう。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「こ、これは↑は、いったいなんなの?」
祖母・ナオミの言葉にカナミさんは説明を始める。
「このイラストは、ユメが私やトオルさんを喜ばせようと書いてくれた絵なんです...」
「はっきり言ってこのイラストも、あなたの言っていることも意味不明だわ...やっぱり、トオルとあなたの結婚を許可したのは間違いだったのかもね...」
「そんな義母さん...」
「だって、そうでしょ、普通の子供はこんな意味不明なイラストは描きません、ユメちゃんがおかしくなってしまったのは、やっぱり母体であるあなたの体に原因があったんじゃないの?」
「それは違います、ユメがおかしくなってしまったのは、交通事故による記憶喪失が原因です!」
「それでカナミさん、ユメちゃんはいったい、いつ、まともな状態に戻るのかしら?」
「それはわかりません、でも、頭がおかしくても、おかしくなくても、ユメはユメです、どうか今のユメを否定するようなことだけは言わないでください、ユメは周りの人間の言い争いを聞くと、パニックになってしまうんです」
「なら、いっそのこと、パニックになったユメちゃんにパブリックモンスターになってもらって、PGS(パブリックガーディアンズ)に処刑してもらいましょう」
「そんなの、ひどすぎるわ!ユメはナオミさんの孫娘なのよ!」
「だって、このままだと、私の息子のトオルがかわいそうよ、毎日頑張って働いているのに、嫁と子供がこれじゃあ、いくらなんでも報われないわ...せいやぁッ!」
ナオミさんが孫娘であるユメちゃんの頬をひっぱたく。
突然、祖母に殴られたユメちゃんが大声で泣き始める。
俺はユメちゃんを殴る祖母を止めに入る。
「なにするんですか!やめてください!」
しかし、ユメちゃんの祖母・ナオミさんはユメちゃんを殴るのをやめない。
ユメちゃんを殴るナオミさんを、携帯の動画機能で撮ったカナミさんが、ナオミさんを脅迫する。
「今すぐ、ユメを殴るのをやめてください、でないと今すぐ警察に通報します!」
しかし、背後から襲いかかってきたトオルさんが、虐待の証拠動画が保存された携帯電話をカナミさんの手から奪い取り、スリッパをはいた両足で何度も携帯電話を踏みつける。
「これで、証拠隠滅完了だ!カナミには悪いが、ユメには強いストレスを与えてパブリックモンスターになってもらう、そしてPGSにユメを処刑してもらえば、俺は新しい女とやり直せるんだ‼」
虐待の証拠動画が保存されたカナミさんの携帯を破壊し終えたトオルさんが、ナオミさんと共に、協力プレイでユメちゃんに暴行を加える。
ナオミさんはビンタ。
トオルさんはユメちゃんの腹部を何度も蹴る。
醜い、あまりにも醜すぎる。
トオルさんもナオミさんも、自分たちの勝手な理想のを叶えるために、ユメちゃんを虐待して、意図的にパブリックモンスターにしようとしているのだ。
そして、パブリックモンスターになったユメちゃんをPGSに処刑させることで、自らの手は汚さない。
醜い、なんて醜いやつらなんだ。
俺は目の前の恐ろしい光景に呆然と立ち尽くすことしかできない。
そして、台所からリビングに戻ってきたカナミさんが泣きながら、ユメちゃんに暴行を繰り返すナオミさんとトオルさんに包丁を突きつける。
「これ以上、ユメをいじめるなら、あなた達には死んでもらいます!」
トオルさんが待ってましたとばかりに言い放つ。
「これで、正当防衛成立だな!なら容赦しないぜ!」
トオルさんが刃物を持ったカナミさんの顔を何度も殴る。
そして、ナオミさんがユメちゃんの頬をなんどもビンタする。
リビングを、ユメちゃんとカナミさんの鳴き声と、暴力の音が支配する。
そして、その地獄のようなメロディーを奏でているのは、他人同士ではなく、家族同士なのだ。
俺はこの醜い争いを止めるために、リビングに生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
リビングの床に突き刺さった生命の断罪剣ライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい...!』
俺は生命の断罪剣ライフセイバーを床から引き抜く。
そして、まずライフセイバーの切っ先をユメちゃんに暴行を加えるナオミさんの首元に突きつける。
「今すぐ、ユメちゃんへの暴行をやめください」
首元に断罪剣ライフセイバーを突きつけられたナオミさんがユメちゃんをビンタするのをやめる。
そして次に、断罪剣ライフセイバーをカナミさんに暴行を加えるトオルさんの首元に突きつける。
「トオルさんもカナミさんへの暴行をやめてください。いいですか?俺の断罪剣ライフセイバーには、パブリックモンスターを人間に戻す力があります、なので、仮にユメちゃんがパブリックモンスターになっても、俺がユメちゃんを人間に戻します、そうすれば、あなたたち二人の計画は失敗します」
トオルさんが恐るおそる俺に尋ねる。
「き、君はいったい何者なんだ...!こんなことをして許されると思っているのか‼」
「それはこっちのセリフですよ!あまり俺を怒らせないでください、このライフセイバーが俺の怒りに反応して恐ろしい力を発動してしまうかもしれません、そうすれば、もう俺一人ではどうにもできません...」
そう、俺の憎しみに反応して、生命の断罪剣ライフセイバーが、死の断罪剣・漆黒のライフセイバーになってしまえば、暴走した俺はトオルさんやナオミさんだけでなく、ユメちゃんやカナミさんまで殺してしまうかもしれない。
生命を支配するだけでなく、生命体の死すら支配してしまう、生命の断罪剣ライフセイバー。
お前はいったい、なんなんだ。
次の瞬間、ユメちゃんの家の窓ガラスが一斉に割れる。
そして、俺の目の前にはPGSの戦士・霧原カイトが立っていた。
「どうしてカイトさんがここに...」
「僕はナオミという人物からメールで通報を受けて来ただけだ、突如出現したおかしな剣を持った男に襲われたとな、消去法でそんな剣を持ったものは断罪剣士以外に考えられない、だから僕が出動した...」
そうか、俺がトオルさんを断罪剣で脅迫していた隙に、ナオミさんがPGSに携帯のメール機能で通報していたのか。
「山神ムサシ、君はパブリックモンスターではなく、人間に断罪剣の刃を向けた、PGSとして僕は君の罪を見逃すわけにはいかない」
「ふざけるな!そうでもしなければ、ユメちゃんとカナミさんを、ナオミさんとトオルさんから守ることが出来なかったんだ!突然、現れて好き勝手言ってじゃねぇぞ!」
「仮に君の言っていることが正しくても、工藤リンカの報告が正しければ、君の断罪剣ライフセイバーの力はあまりにも危険すぎる、このまま放っておくわけにはいかない...」
「バカなこと言ってんじゃねぇ!俺の怒りと憎しみに反応して、ライフセイバーがまた黒くなれば、黒いパブリックブレイカーで人類が滅びるかもしれないんだぞ!」

次回予告 文化祭 その20 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十八話 文化祭 その20

第三百十八話 文化祭 その20
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

交通事故による記憶喪失で頭がおかしくなってしまったユメちゃんに暴行を加え、それによるストレスでユメちゃんをパブリックモンスターにして、PGS(パブリックガーディアンズ)に処刑させようと企む、ユメちゃんの祖母・ナオミと、ユメちゃんの父・トオル。
そして、その二人の虐待を止めるためにカナミさんは、虐待の様子を携帯の動画機能で撮影するも、トオルさんによって携帯は奪われ、破壊されてしまう。
そして、再開されるナオミさんによるユメちゃんの暴行。
自分の息子であるトオルさんを思うばかりに行われるユメちゃんへの虐待を止めるために、俺は生命の断罪剣ライフセイバーを召喚して、ナオミさんとトオルさんにユメちゃんとカナミさんへの暴行をやめるように警告する。
しかし、俺の前に、ナオミさんのメール通報を受けたPGSのメンバー・霧原カイトが現れる。
カイトは断罪剣を用いて、ナオミさんとトオルさんを脅したこと、そしてライフセイバーのもう一つの力、死の漆黒のライフセイバーの力を危険視して、俺に戦いを挑んでくるのだった。
「山神ムサシ、君はパブリックモンスターではなく、人間に断罪剣の刃を向けた、PGSとして僕は君の罪を見逃すわけにはいかない」
「ふざけるな!そうでもしなければ、ユメちゃんとカナミさんをナオミさんとトオルさんから守ることが出来なかったんだ!突然、現れて好き勝手言ってじゃねぇぞ!」
「仮に君の言っていることが正しくても、工藤リンカの報告が正しければ、君の断罪剣ライフセイバーの力はあまりにも危険すぎる、このまま放っておくわけにはいかない...」
「バカなこと言ってんじゃねぇ!俺の怒りと憎しみに反応して、ライフセイバーがまた黒くなれば、黒いパブリックブレイカーで人類が滅びるかもしれないんだぞ!」
「なら、山神ムサシ、君が断罪剣ライフセイバーを今すぐ、手放せ、そうすれば人類は滅びない...」
「お前たちPGSにライフセイバーを渡したところで、パブリックブレイク現象で人類が滅びない保証はない、だからこそ、ライフセイバーはPGSには渡せない、ライフセイバーの力を正しく使えば、パブリックブレイク現象から人類を救えるかもしれないんだ!」「しかし、君は今さっき僕にこう言った、怒りと憎しみに反応したライフセイバーがまた黒くなれば、黒いパブリックブレイカーで人類が滅びるかもしれないと...」
「だからなんだ!じゃあ、いいんだな?やるんだな?リンカにも言ったが、どうなってもしらないぞ...!それに、俺のパブリックブレイカーを一撃でも受けたら、アンタは自分のパブリックモンスターとしての能力を失うんだぜ...」
「なら、一撃もダメージを受けずに、勝負に勝てばいいだけのこと...」
しかし、次の瞬間、山神ムサシの右手のひらが、カイトの顔面をつかんでいた。
山神ムサシはそのまま、カイトの顔面をつかんで、カイトの全身をマンションの近くにある、雑木林に向かって投げ捨てる。
俺はカナミさんにとりあえず、謝罪する。
「すみません、俺のせいで、家がめちゃくちゃになってしまって...」
「いいえ、私のほうこそ、ごめんなさい、ユメのことで君をこんなことに巻き込んでしまって...」
「とりあえず、これ以上、ここに迷惑をかけるわけにはいかないので、もうここにはいれません、ユメちゃんのこと、お願いします」
「ええ、ムサシ君もあんまり無茶しちゃだめよ...」
俺は視線をナオミさんとトオルさんに向ける。
「俺はカイトさんと決着をつけに行きます、もしその間にユメちゃんとカナミさんに何かあったら、俺はあなた達とあなた達の大切な人を全員、殺します...」
先程の俺とカイトの会話を聞いていたせいか、ナオミさんもトオルさんも俺の警告に賛成してくれた。
「わ、わかったわ...もう、カナミさんにもユメちゃんにも手はださないわ...」
「い、命だけは助けてくれ...もうカナミとは離婚するし、ユメの学費も払う...もうユメにも暴力は振るわない...」
二人の言葉を確認した俺は、そのままベランダから、先程カイトを投げ落とした雑木林に向かって飛び降りる。
雑木林にはPGSの制服を土で汚したカイトが俺を待っていた。
「山神ムサシ...貴様ァ...!」
「なんだよ、てっきりビビって基地に帰ったのかと思ってたぜ...」
「貴様、なぜ僕にパブリックブレイカーを撃たなかった‼」
「どういう意味だ?」
「とぼけるな!僕をここに投げ落とす実力があれば、あの一瞬でパブリックブレイカーを直撃させて僕をパブリックモンスターから人間に戻せたはずだ‼」
「確かに無様だよな、ノーダメージで俺に勝つとか言っておいて、秒で、そのざまだもんな...‼」
「山神ムサシ、僕という敵に塩を送ったことを後悔させてやるぞ...極光拳‼」
カイトの異能者としての能力、光輝く拳・極光拳が俺に襲いかかってくる。
俺はカイトの極光拳の回避に成功する。
「極光拳が...当たらない...!」
「俺だって、アンタと最初に会ったあの日、初めて断罪剣を手にしたあの日から、場数を踏んでいるんだ...!パァァァァブリックゥゥッ!ブレイカァァァァァァァーッ‼」
断罪剣ライフセイバーからパブリックブレイカー↓が放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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パブリックブレイカー↑を回避するカイト。
しかし。
「パブリックブレイカーが曲がった‼」
断罪剣ライフセイバーからはパブリックブレイカーが放たれたまま、山神ムサシを中心にして時計回りに回転していく。
ライフセイバーから放出された状態で時計回りに横に振り回されたパブリックブレイカーがカイトの全身を直撃する。
パブリックブレイカーの直撃を受けたカイトから、パブリックモンスターとしての能力が完全に消滅する。
「僕の極光拳が...消えた...」
カイトが無力化したのを確認した俺は、そのままカイトに背を向ける。
「ユメちゃんの家の窓の修理費は、あとでちゃんとPGSで弁償しておけよ...」
俺はおぼろげなが思い出す、今日は文化祭の最後にキャンプファイヤーとフォークダンスがあることに。
俺は偏差値最底辺高アルティメットジーニアス学園に戻る。
校庭ではキャンプファイヤーを中心に、全校生徒が互いの手を取り合ってフォークダンスを踊っている。
竹田が女子生徒と手をつなぐたびに、竹田と手をつないでしまった女子たちから悲鳴や警察への通報を求める声が聞こえてきた。
しかし、常に交際相手を求めている竹田本人は女子生徒に悲鳴をあげられているにも関わらず、満面の笑みを浮かべていた。
異性と手をつなぐことができた竹田は、とても嬉しそうにしている。
あの満面の笑みからして、もう竹田はチュンシクを失ったショックから、すこしだけ立ち直れているのかもしれない。
しかし、日本に不法侵入したK国が軍事利用しているパブリックモンスターはまだ、あと1体残っている。
それでも、まぁ、俺も高校生だ。
今は、今だけは、こうして文化祭の風景を楽しんでもバチは当たらないはずだ。

次回予告 ダンス大会 その1
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百十九話 ダンス大会 その1

第三百十九話 ダンス大会 その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『Ⅾ』、それは不完全な状態で生まれてきてしまった人間に与えられた記号である。
『Ⅾ』の特徴として、『Ⅾ』は皆、同じような顔をしている。
つまり町中で『Ⅾ』を見れば、誰しもがあれは『Ⅾ』であることがわかるのだ。
この物語は学校行事において『Ⅾ』と共にダンスを踊らされた学生たちの汗と涙と涙と涙を描いた物語である。
長い長い長い長い文化祭が終了した。
そして文化祭の次は、『ダンス大会』である。
『ダンス大会』とは、国内偏差値最底辺高校である、アルティメットジーニアス学園の全校生徒達が地域の『Ⅾ』の方々と共に、テレビカメラの前でダンスをするという、地獄のような学校行事である。
もちろん、テレビカメラの前で踊らされるのだから、全国に放送されるのである。
そして、その地獄の開始を知らせる言葉が、俺達の担任教師の口から放たれる。
「え~それでは、今日から体育の時間は『ダンス大会』の練習になります、みなさん一生懸命、踊りましょう‼」
担任教師の一言を聞いたクラスメイト達から一斉にブーイングと悲鳴と、この地球に誕生してしまったことを悲嘆する声が上がる。
では、なぜ偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒達が『ダンス大会』を嫌うのかを説明しよう。
それは単純に、世間一般の方々の共通認識として、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒は、不完全な人間である『Ⅾ』と同レベルに見られているからだ。
人は皆、自分の弱さ醜さを見ることを必要以上に避ける。
皆、自分の欠点や汚点と向き合うのが好きな人間なんて、おそらく地球上には1人も存在しない。
しかし、さすがは偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒達である。
彼らのほとんどが、なぜ、自分たちが『Ⅾ』と一緒にダンスを踊らなければならいのか1ミリも理解していないのだ。
ちなみに『ダンス大会』は強制参加であり、学園の長い歴史の中でこの行事と練習をサボって留年させられたのは、アルティメットメディアクリエイター部・部長の風見マイカただ1人である。
つまり、この地獄のような行事をサボることは、留年を意味していた。
この地獄はそういう意味でも地獄だったのだ。
一時間目は早速、体育だった。
校庭に集まった生徒達は皆、ダンス大会練習および本番用に用意された黄色いTシャツを着ている。
地域の施設から校庭に集団派遣されてきた『Ⅾ』の顔を見た生徒達の一部が『Ⅾ』に向かって心無い発言を叫ぶ。
「モ、モンスター‼しいたけでも作ってろ‼」
学園生徒達と同じく、黄色いTシャツを身にまとった『Ⅾ』達と、その責任者たちが一斉に生徒のほうをにらむ。
生徒に馬鹿にされた『Ⅾ』達が一斉に、生徒に襲いかかる。
『Ⅾ』と学園生徒の乱闘が、学園の校庭で発生する。
『Ⅾ』は生まれつき、身体能力が極端に低いため、1人相手に複数で攻撃を仕掛けてくる。
一方、我らが偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒達は、ダンス大会への怒りと、それを運営する大人たちへの怒りを発散するように、『Ⅾ』をボコボコにする。
つまり、『Ⅾ』達がダンスを踊れない体になってしまえば、ダンス大会そのものが中止になる可能性が高くなるからだ。
しかし、校庭に体育教師が来た瞬間に乱闘が止む。
先程、記述した通り、皆、某ゲリラ部・部長の二の舞、つまり留年を恐れているからだ。
しかし、『Ⅾ』の一部は、生徒達への攻撃をやめない。
そう、この国の法律は、社会的弱者である『Ⅾ』に対して甘く、優しくできている。
『Ⅾ』達の中には、その法律の脆弱性を理会した上で、悪行を繰り返す輩も少なくない。
校庭に備え付けられたスピーカーから、今回のダンス大会の課題曲が流れる。
学園生徒達から次々と『Ⅾ』をあざ笑う嘲笑が湧き上がる。
そう、今回の課題曲は『不完全人間』である。
『不完全人間』とは、お笑い芸人、オクシデンタル・レディオの田中薄彦と森藤新四が歌っている曲である。
オクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』の歌詞は、この世界は平等ではない等の、『Ⅾ』達に対して、ある種の煽りを含んだ言葉が用いられている。
なにより『不完全人間』という、曲のタイトルが『Ⅾ』への挑戦的な名称となっていることから、いつもなら『Ⅾ』達に対して敵対的な学園の生徒達も、今回はさすがに『Ⅾ』達に対して同情的になり、なにより、この課題曲にゴーサインを出した大人たちの判断にドン引きしている。
つまり、この地球人類にとって不完全な人間である『Ⅾ』達がオクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』を歌いながら、テレビカメラの前で踊る。
この残酷極まりない、非人道的な映像とダンスが、全国に放送されるのだ。
今回のダンス大会はいつもと違う。
学園の生徒達の誰もがそう思いつつ、今回のダンス大会の運営には『Ⅾ』に強い恨みを持つ人物がいるのでは?と考察し始める中、『Ⅾ』が通う施設の責任者たちが学校側へと抗議の声を上げる。
スピーカーから大音量でオクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』が流れている。
『We are 不完全人間♪』

次回予告 ダンス大会 その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十話 ダンス大会 その2

第三百二十話 ダンス大会 その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

人為を超越した神の悪ふざけにより、この世界に誕生した不完全な人間をまとめて表す記号『Ⅾ』。
そして、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の学校行事で地域の交流のために開催される予定の『ダンス大会』。
しかし、それは地域の『Ⅾ』達と共に、黄色いTシャツを着せられ、テレビカメラの前で流行歌をバックに踊らされるという地獄のような行事だった。
そして、今回のダンス大会の課題曲はお笑い芸人オクシデンタル・レディオが歌って踊る『不完全人間』だった。
不完全な人間である『Ⅾ』達に、『不完全人間』を歌って踊らせる。
まるで拷問のような、課題曲のチョイスに普段なら『Ⅾ』達に対して差別的な学園生徒達は、運営に対して人の心の有無を疑い、『Ⅾ』達と『Ⅾ』達の責任者たちは、学園と運営に対して抗議の声を上げるのだった...。
『Ⅾ』達と『Ⅾ』達の責任者たちは、学園と運営に対して抗議の声を上げるも、生徒達は体育教師の動きを見ながら、留年を避けるためにお笑い芸人オクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』のリズムにのってダンスを踊り続ける。
俺の隣では、学園内で行われたマラソン大会で2年連続ドベの竹田がゼーゼー息をしながら、ダンスを踊っている。
その間も、『Ⅾ』達と『Ⅾ』達の責任者たちは、無思慮無神経の極みである課題曲に対して、学園と運営に対して抗議の声を上げている。
しかし、竹田は笑っていた。
「おい、竹田、笑ってると、体育教師の山田に叱られるぞ...!」
「山神、お前だってさっきから踊りながら、笑うの我慢してるじゃねぇか...」
「だってよぉ...『Ⅾ』に...『Ⅾ』に不完全人間、踊らせるとか、いくら何でも鬼畜過ぎるだろ...」
俺の一言に周りに生徒達がつられて笑い始める。
体育教師が笑っている生徒達を叱る。
「おい、おめぇら!ちゃんと踊らないとアルティメットメディアクリエイター部の部長みたいに留年するぞぉ‼」
そう言っている体育教師の顔も、少しにやついている。
やはり、体育教師も今回のダンス大会の課題曲の選曲について、なにか思うところがあるのだ。
そして、当の部長は1分回に100回のペースで舌打ち交じりに、ダンスの練習をしている。
女子生徒の中には、そのあまりにダサい振付に、涙を流しながら踊っている生徒もいた。
結局、選曲に不満の声を上げていた『G』とその責任者達は一度も踊らずに、施設であるしいたけ農園に帰ってしまった。
放課後、全身筋肉痛の俺と竹田と部長と副部長は、竹田がスーパーでムァンビキしてきたお菓子を食べながら、だべっていた。
ヨシノはPGS(パブリックガーディアンズ)の会議に出席するため、今日は学園に登校していない。
俺はなんとなく聞いてい見る。
「ぶ、部長って、留年生だったんですね...」
「うっさいわねぇ!あんなダンス踊るほうがどうかしてるのよ!まぁ...今年はちゃんと踊るけど...」
「にしても『G』の奴ら、全くダンスの練習せずに、施設に帰っていったな...」
「こりゃあ、もしかすると、今回のダンス大会は中止かもね...」
「まぁ、さすがにダンスの選曲...が、ね...」
「いいのよ、あんな非生産的な奴ら、施設で一生しいたけでも作ってればいいんだわ!」
「しいたけの栽培はむしろ、生産的な気がするが...」

次回予告 ダンス大会 その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十一話 ダンス大会 その3

第三百二十一話 ダンス大会 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

ダンス大会の練習初日、『G』に対するあまりにも無思慮な選曲にブチ切れた『G』達はしいたけ農園でもある施設に帰ってしまった。
ダンス大会の開催に暗雲が立ち込める中、俺は学生寮に戻る。
そして学生寮の自室にはPGS(パブリックガーディアンズ)の本部から帰ってきた凍結の断罪剣士・ヨシノがいた。
「なんだ、もう帰ってきたのか?」
「ええ、部長から電話で聞いたけど、なんか大変だったみたいね、『G』と一緒にオクシデンタル・レディオの『不完全人間』を踊るんでしょ?」
「ああ、その通りだ。『G』だけでなく、俺達まで一緒に黄色いTシャツを着て『不完全人間』を歌って踊らなくちゃんらん、しかも全国放送だ!」
「いいじゃない、似た者同士で仲良くダンス♪」
「一緒にすんじゃねぇよ‼オメーもあとでちゃんと練習すんだぞ!」
「知ってるわよ!そんなの部長から聞いてんだから!練習サボったらアタシみたいに留年になるって!私、はっきり言って部長と同じ人間になりたくないの!ちゃんとダンスするわよ!ダンスしますわよ‼」
「それより、カイトさんはどんな様子だった?」
そう、俺は先日、PGSの霧原カイトを倒し、カイトのパブリックモンスターとして異能力をパブリックブレイカー↓で破壊したのだ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「辞表届、持ってみんなに挨拶してたわよ...」
「そ、そっか...」
「それにPGSは漆黒のライフセイバーの力を恐れて、アンタを潰そうとしている...」
「マジか...じゃあ、近いうちに総攻撃でも始まるのか?」
「いいえ、アンタを潰す前に、PGSはまず、『内核』との交渉を実行するみたい。今日の会議の内容はその話だった...」
「『内核』って、地球の地中の中心にある、あの『内核』か?」
「ええ、その通りよ、地球の最深部にある『内核』、構造はよくわかってないんだけど、パブリックブレイク現象が始まったあたりから、その内核に生命反応が検出されたみたい...」
「どうして、そんなに大事なことを今さら...」
「内核に生命反応があること事態は、昔から噂されていたわ、そして、その内核から放たれた微弱な波動が、人々をパブリックモンスターにしてしまっていることも。そして、昨日ついに、内核への調査が『政府』に認可されたのよ」
「じゃあ、PGSのやつらは地中に潜って、その内核にいる生命体に交渉でもするつもりなのか?」
「ええ。もし、内核にいる何らかの生命体との交渉に成功すれば、パブリックブレイク現象は停止するかもしれないって、上層部は言っているわね...」
「その何らかの生命体と交渉が成立すればいいけどな、交渉が決裂したら、どうするんだ?」
「まぁ、今まで通り、人類は人類が滅びるまで現状維持でしょうね、まぁ、その内、現状維持も厳しくなるんだろうけど...そしたら、全世界が人類が滅びるまでの間の生活を守る為に、山神ムサシ、あんたを排除しようとしてくるわね...」
まぁ、仕方ないよな、死の断罪剣、漆黒のライフセイバーから放たれる、あの黒いパブリックブレイカーはまるで消しゴムで文字を消すようになんでも消滅させちまう。
もし、俺が俺以外の立場の人間だったら、そんな危険な力を持つ奴は、全人類の平和を守る為に死んでもらったほうがいいと思うに決まってる。
「でも、アンタのライフセイバーには、パブリックモンスターを人間に戻す力もある、つまり、アンタ次第で、人類の運命は変わる。私はそう思っているわ...」
「それが出来れば、もうとっくにライフセイバーで全世界のパブリックモンスターを人間に戻せているんだがな...」
「『内核』との交渉が決裂すれば、アンタにもうグズグズしている時間はない、その時までにアンタが人類にとっての希望になれなければ、PGSも各国の軍隊もアンタを確実に排除するために動くでしょうね...」
「じゃあ、お前も状況次第では、俺の敵になるってことか?」
俺の問いにヨシノはなにも答えなかった。

次回予告 ダンス大会 その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十二話 ダンス大会 その4

第三百二十二話 ダンス大会 その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

地球の深層である『内核』に存在する謎の生命体。
その謎の生命体こそが、人間をストレスによって怪物もしくは異能者にしてしまう、パブリックブレイク現象の原因だった。
PGS(パブリックガーディアンズ))による内核の調査を、政府がようやく承認したことにより、PGSは近いうちに内核に潜む、謎の生命体との交渉を実行するらしい。
そして、その交渉がうまくいけば、人類はパブリックブレイク現象の脅威から解放されることになる。
しかし、交渉が失敗すれば、人類の残りわずかな余命の安全性を重視するために、全てを消滅させる、死を司る断罪剣・漆黒のライフセイバーを持つ危険因子である俺は、全世界に敵視されることになる。
俺はそれまでに、パブリックモンスターを人間に戻す力を持つ、生命の断罪剣・ライフセイバーの力でもって、俺という存在そのものを世界にとって危険人物ではないことを証明しなければならない。
それは、それとして。
ダンス大会練習日・二日目。
俺達、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒は皆、不完全な人間・『Ⅾ』達と、校庭でダンスの練習をしていた。
今回のダンス大会の課題曲はなんと、お笑い芸人、オクシデンタル・レディオが歌う『不完全人間』なのだ。
不完全な人間である『Ⅾ』達に、『不完全人間』を歌って踊らせるダンス大会運営に怒りをむき出しにして、練習一日目をサボった『Ⅾ』のみなさん。
しかし練習二日目の今日は、なんと真面目にダンスの練習をしていた。
さすが『Ⅾ』は普段から、施設の行事としてダンスを踊っているだけ、あってダンスのキレがちがう。
まあ、頭のキレは、おそらく普通の人間以下だろうけどな。
不完全な人間である『Ⅾ』達が『不完全人間』を歌って踊る姿を見る者達は、おもに二つに分かれていた。
一つは、『Ⅾ』達に同情するもの。
二つ目は『Ⅾ』達を侮辱するもの。
「なぁ、竹田、お前はどっちなんだ?」
俺は女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊りながら、女子生徒達が泣きながら踊っている究極にダサいふりつけのダンスを踊っている竹田に聞いてみた。
「なにが?」
「『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「どう思うって、まぁ『Ⅾ』だからさ、やっぱ男も女も、顔がみんな同じだな~って、思うよ...」
「そうじゃなくて、『不完全人間』を踊っている『Ⅾ』達のこと、どう思う?」
「まぁ、普通にダンスうまいと思うけど」
そりゃあ、『Ⅾ』の取柄なんて、ダンスとしいたけ栽培ぐらいなんだぜ、俺達より、ダンスうまくて当然だよ、ダンスうまくなかったら、この世界に存在してる価値ないぜ!」
「パブリックモンスターを体を張って守ってるお前から、まさかそんな差別的な言葉で出てくるとはな...」
「別に差別してるわけじゃないよ、だって、よく考えてみろよ、『Ⅾ』は、国からいろんな保障や支援を受けている、でも『Ⅾ』のほとんどが普通の人間に対する劣等感を克服するために、普通の人間が働いている社会に参加しようとする、俺はそれがちょっとおかしなことだと思ってる」
「まぁ、確かに、『Ⅾ』は国から金、もらってるもんな、しかも、その金は国民が国に納めたZEI銀だ」
「そう、確かに『Ⅾ』のやつらもさ、定期的に国から支給された金だけじゃあ、色々と生活に苦があるんだろうけどさ、俺達普通の人間は、基本的に働かなくちゃ、一円ももらえない。なのに、『Ⅾ』達は普通の人間たちの社会活動の場に参加しようとしてくる、はっきり言って俺はものすごく迷惑だと思っている」
「まぁ、実際聞いた話じゃ、やっぱり『Ⅾ』が普通の人間が働いている職場にくると、結構トラブルが起きるって聞くもんな...」
「そりゃ、そうだろ、俺達、普通の人間が『Ⅾ』の目線に合わせて社会活動なんてしてたらストレスがたまって当然だ。『Ⅾ』は自分たちが社会的弱者であるということを自覚している、だからこそ、人間社会の中でなにか困難にぶつかると、自分たちが社会的弱者であることを武器にして、普通の人間たちに対して、『Ⅾ』をその困難から救うことは当たり前のことだと普通の人間に主張してくる。なら、最初から『Ⅾ』は社会に参加するべきじゃないと俺は思う、『Ⅾ』は国から定期的に金をもらっている、その金があれば、ちゃんとした施設に入ることだってできるんだ、普通の人間は金がなければ、住む場所を獲得できない、はっきり言って『Ⅾ』にはちゃんと自分の身の程を知ってもらって、社会には参加しないでほしい」
「でも、『Ⅾ』がそーゆー施設に入所したら、『Ⅾ』はもう外には出られないってことだろ?それってちょっと、かわいそうじゃないか?」
「でも、俺の知り合いにいるぜ、子供が『Ⅾ』で近所に迷惑をかけるからって理由で、両親に施設にぶち込まれた『Ⅾ』がね。この国は基本的に少数より、大多数の意見を尊重するだろ?ならより多くの人間の幸福を尊重するために、『Ⅾ』はみんな、生まれた瞬間に、そーゆー施設に閉じ込めておくべきだと、俺は思う」
「まぁ、確かにな、『Ⅾ』は犯罪を犯しても、普通の人間と比べて刑が軽いもんな...」
「ああ、弱者保護の思想は、結局、真面目に生きている人間たちの足を引っ張るだけだ、この国は普通の人間だけでも、1年に1万人近くの自殺者を出しているんだぜ、『Ⅾ』の生活しやすい社会環境を作る前に、まず、1万人の自殺者が出ない社会環境を作るほうが先だろ」
明日は、いよいよダンス大会当日である。

次回予告 ダンス大会 その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十三話 ダンス大会 その5

第三百二十三話 ダンス大会 その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

とうとう、この日がやってきた。
ダンス大会当日である。
偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の校庭にはテレビ局のカメラとパトカーが止まっている。
「おい、山神、どうして校庭にパトカーが止まってるんだ?」
ダンス大会専用の黄色いTシャツを身に着けた、竹田が、同じく黄色いTシャツを身に着けている俺に話しかけてきた。
「どうやら、今回のダンス大会に参加する『Ⅾ』達に殺害予告の脅迫状が届いたみたいだぜ...」
「殺害予告?あ、あれか、爆破予告か?あの、よくイベントが中止になるやつ...」
「アホか、爆破予告なら、俺達も巻き込まれるだろ!どうやら脅迫状を送ったやつは、『Ⅾ』だけを狙っているらしい。脅迫状には『Ⅾ』は皆、安楽死させるべきだとか、そーゆうことが書いてあったらしい、要は『Ⅾ』に対して過保護になっている今の世の中に不満があるんだろ」
「それで、ダンス大会、普通に開催しちゃうの?」
「そりゃあ、センコーどもは、中止なんて一言も言ってないからな」
「はっきり言って、このダンス大会の運営、存在価値ある?」
「まぁ、いまさら、そんなこと言ったってな、サボったら部長みたいに留年だし...」
「なんか言った?」
背後から黄色いTシャツを身にまとった部長が俺の首を絞めてくる。
「なにするんですか!やめてください!」
部長が俺の首から手を放して愚痴をこぼす。
「ったく、『Ⅾ』の殺害予告出てんのに、なんでダンス大会中止にしないのかしら?パトカー出動させるんだったら、最初からダンス大会中止にすればいいのに」
「『Ⅾ』の殺害予告出したの、部長じゃないんですか?」
「んなわけないでしょう!どーいう思考回路してたらそうなんのよ!」
「だって、ダンス大会の練習と本番、サボったせいで留年しちゃったんですよね?犯行動機には十分かと...」
「あんたバカなの?どうせ復讐するなら、原子爆弾で、この学園ごと『Ⅾ』も巻き添えで爆破するわよ‼」
「やる気満々じゃねぇか‼」
「まったく、朝から騒がしい限りだわ...」
黄色いTシャツを身につけたヨシノが正面から歩いてくる。
「なんだ、お前、本当にダンス大会、出るのか?」
「言ったでしょ、ちゃんと出席するって」
「そういえば、言ってたな、部長みたいにはなりたくないって...」
「余計なこと言ってんじゃねーわよ‼」
ヨシノの蹴りが俺のケツに直撃する。
「ゔわああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
部長がめずらしくしょげている。
どうやら、影でヨシノに自分の悪口を言われていたことが、よっぽどショックだったらしい。
いつの間にか、俺の隣に立っていた副部長の杉原ヒカリが俺の肩を叩く。
「んだよ...あ、副部長...俺、百合派なんで、BL興味ないんで...」
「違う、アレ」
副部長が指を指した方向から、金髪で長身の男がこっちに向かって走ってくる。
金髪で長身の男は、パトカーの横を走って通り過ぎると、リュックサックから出した包丁を両手に持って、黄色いTシャツを身につけた『Ⅾ』達に襲いかかる。
刃物両手に乱舞する金髪で長身の男。
性別問わず似たような顔をした『Ⅾ』達が次々と、刃物で切り裂かれ、学園の校庭に血飛沫と悲鳴が上がる。
俺は次々と『Ⅾ』を斬殺する男の前に立ちはだかる。
「なにするんですか!やめてください!」
「安心してください、僕は『Ⅾ』だけを殺しに来たんです、普通の人間に危害は加えません」
「お前、どうして何の罪もない『Ⅾ』を殺すんだ!」
「なんの罪もない...?殺す...?君はおかしなことを言っているね、僕はただ、存在そのものが罪である『Ⅾ』達を殺すことで、この世界から救済しようとしてるだけだ...彼らを殺すのは、その方法でしか、『Ⅾ』達をこの世界から救ってあげる方法がないからだ...」
「く、狂ってるぜ、お前、もしかして、脅迫状も、お前が出しのか?」
「ああ、その通りだよ。僕の名前は松下サトシ、この世界から、すべての『Ⅾ』を救済するものだ!」
「救済?」
「ああ、そうさ。『Ⅾ』はどうあがいても、普通の人間に差別され、社会に適応できない、そして、その社会への憎悪は、人間社会や普通の人間たちに向けられる、しかしこの国は『Ⅾ』に優しすぎる、その甘さが『Ⅾ』の犯罪や再犯を増やし、『Ⅾ』と普通の人間との溝を深め、共存の道を遠のかせる、だから、僕がこの世界の『Ⅾ』を全員、殺害して、かわいそうな『Ⅾ』達をこの世界とは別の世界、死後の世界に送ってあげるんだ!『Ⅾ』達だけが存在する死を超越した世界なら、『Ⅾ』は差別されず、『Ⅾ』を差別する人間たちもいない!この世界から死をもって『Ⅾ』を隔離することで、『Ⅾ』と『Ⅾ』の脅威に怯える普通の人間たちの生活を守る、そう!僕は『Ⅾ』にとっても、普通の人間達にとっても、救世主なんだよ‼」
突然始まった、斬殺事件に、校庭に集まっていた黄色いTシャツを身につけた生徒達や『Ⅾ』達が、パニック状態になる。
俺の頭に、パブリックモンスターの出現を知らせるアレ↓が、おぼろげながら浮かんでくる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「ゔわああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺が奇声を上げると同時に、校庭にいた生徒や『G』達が、一斉にパブリックモンスターになってしまう。
そして、暴走したパブリックモンスター達が、刃物を振り回す松下サトシに襲いかかる。
俺は現世に、生命の断罪剣ライフセイバーを召喚する。
地面に突き刺さったライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ、ぬきなさい...』
地面からライフセイバーを抜き取った俺は、サトシを襲うパブリックモンスターの前に立ちはだかる。
「サトシさんは早く逃げてください!このままだと殺されちゃいますよ!」
ダンス大会参加者のほとんどがパブリックモンスターになってしまった、そしてダンス大会を撮影しにきたテレビ局のカメラ。
不謹慎ながら、俺の存在を世界に対して、安全であることを証明するチャンスは今しかない。
これ以上、死人を出さずに、俺の断罪剣でパブリックモンスターに戻ってしまった人たちを人間に戻す。
それが出来なければ、俺は一生、死を司る漆黒のライフセイバーの断罪剣士として全世界に危険人物として扱われるだけだ。
世界に証明するんだ、俺が、生命を司る断罪剣ライフセイバーこそが、世界を終末から救う、真の救世主であることを。

次回予告 ダンス大会 その6
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十四話 ダンス大会 その6

第三百二十四話 ダンス大会 その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

不完全な人間である『Ⅾ』。
練習と本番をサボると留年してしまう、恐怖のダンス大会。
そして、その『Ⅾ』達と一緒に踊る恐怖のダンス大会がついに、開催されてしまった。
しかし、テレビ局のカメラが見守る中、開催されるはずのダンス大会に突如、1人の乱入者が出現。
その乱入者の名は、松下サトシ。
サトシは自らが『Ⅾ』達を殺し、現世から隔離することで、この世界から『Ⅾ』と普通の人間たちの間で起きる醜い争いや差別を無くす『救世主』を名乗り、『Ⅾ』達の大量殺害を実行する。
そして、突如発生した大量殺人事件のストレスによって、ダンス大会用の黄色のTシャツを身につけた『Ⅾ』達と学園の生徒達が、一斉にパブリックモンスターになってしまい、暴走する。
テレビ局のカメラが見守る中、山神ムサシはこの状況の打開と、死の断罪剣士に覚醒してしまった自らの存在が危険ではないことを世界に証明するために、生命の断罪剣士として、大量のパブリックモンスター達に立ち向かうのであった。
世界に証明するんだ、俺が、生命を司る断罪剣ライフセイバーこそが、世界を終末から救う、真の『救世主』であることを。
俺は現世に凍結の断罪剣ヘイルセイバーを召喚したヨシノに提案する。
「ヨシノ!お前のパブリック・フリーズで、校庭にいるパブリックモンスター達の動きを止めてくれ!」
「最初から、そのつもりよ!アンタはカイトを倒したときに使ったアレをするつもりなんでしょう?」
「お前、カイトから聞いていたのか?」
「ええ。アンタを中心にして最大出力のパブリックブレイカーを時計回りに振り回す、そうすれば、一気にパブリックモンスターを人間に戻すことができる、そうでしょ?」
「ああ、その通りだ!部長は、みんなの避難誘導をお願いします!」
「わかったわ、竹田君と副部長にも手伝ってもらうわよ!」
部長が、竹田と副部長、そして生徒会のメンバーや教員達と共に、パブリックモンスター化していない人々の避難誘導を始める。
ヨシノが凍結の断罪剣・ヘイルセイバーを地面に突き刺して叫ぶ。
「パブリック・フリーズ‼」
凍結の断罪剣・ヘイルセイバーから放たれた氷が、暴走状態のパブリックモンスター達
の足元を凍結させ、身動きを停止させる。
「今よ!山神ムサシ‼」
「パブリックブレイカー↓‼最大出力‼無制限開放‼いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼‼」
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺の両手に握られた生命の断罪剣・ライフセイバーからパブリックブレイカー↑が最大出力で無制限に放たれる。
ダンス会場である校庭を時計に例えれば、俺を中心に巨大な時計の針と化した、パブリックブレイカーの大きな光の柱が時計回りに、動きを止めた暴走状態のパブリックモンスターたちを包んでいく。
生命の断罪剣・ライフセイバーから放たれた、最大出力のパブリックブレイカーの美しく巨大な光が、時計回りに校庭を包んでいく。
最大出力で時計回りに放たれたパブリックブレイカーによって、暴走状態のパブリックモンスター達が次々と人間に戻っていく。
そして、その様子を、本来であれば、ダンス大会を中継しに来た、テレビ局のカメラが撮影していた。
パブリックブレイカーの光に包まれた、大量のパブリックモンスターたちが、次々に人間に戻っていくその映像は、世界中に向けて放送され、パブリックブレイク現象により人類の未来に絶望していた人々の心に希望の灯をともした。
最大出力のパブリックブレイカーが校庭を一周する頃には、松下サトシのせいでパブリックモンスターになってしまった者たちは、全員、人間に戻っていた。
そして、山神ムサシは全世界に希望を与えたのだ。
警察官によって、パトカーに連れ込まれる、松下サトシ。
事態を無事に解決できた俺とヨシノは思わず、ハイタッチをする。
パブリックモンスターから人間に戻ることができた人々が、身体検査のために次々と救急車で緊急搬送されていく。
これにより、今年のダンス大会は中止になった。
この結果を多くの生徒達が喜んでいたが、今年のダンス大会が中止になってしまったことにより、全校生徒の中でただ一人、昨年、ダンス大会の練習をサボって留年してしまった部長だけが、またも『留年確定』になってしまった。
部長が体育教師に泣きながら懇願している。
泣きながら懇願している風見に体育教師は無慈悲にも言い放つ。
「お前、また、『留年確定』な!」
「いやだ!」
「だめ、きまり‼」
「いやだ‼」
「×だから」

次回予告 まくら その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十五話 まくら その1

第三百二十五話 まくら その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

国内偏差値最底辺高校・アルティメットジーニアス学園の校舎の中には、アルティメットメディアクリエイター部の部室がある。
そして、授業中であるはずのその時間、部室に一人の男が現れる。
男が部室のドアを開ける。
ドアの向こうでは、アルティメットメディアクリエイター部の部員5名が組体操をしていた。
ピラミッドである。
「あの、すいません、ここ、アルティメットメディアクリエイター部の部室でいいんですよね?」
部長がめんどくさそうに、来訪者に対応する。
「あのさ、コレ!この状態見てさ、なんか色々、察せないの?」
「ピ、ピラミッド...」
「そう、正解!ピラミッド!じゃなくてさぁ!組体操!私たち、今、組体操やってんの!イコール忙しいの‼」
部長の支離滅裂な言葉に困惑する来訪者に、俺は助け舟を出す。
「部長、もう組体操やめましょうよ、ものすごく時間の無駄ですよ...」
「無駄ァ?なにが無駄よ!山神君、アンタが言ったのよ!セミの抜け殻、食ったら、なんでも言うこと聞いてやるって!」
「本当に食べると思わんでしょ!普通‼」
次にヨシノが不満を口にする。
「どうでもいいけど、なんで私たちも、組体操に参加しないといけないわけ?」
「うるせーわよ‼私はこの部活動の部長なの!部室と言う領域において、部長の言うことは絶対なのよ!うるせーわよ!うるせーわよ!うるせーわよ‼ガハハハハハッ!」
「あの...私のマネすんのやめてくれます...?」
かくかくしかじかで組体操を終えた、部員たちは、部室を訪れた来訪者の依頼を聞くことにする。
「私の名前は秋田ユウジと申します、実は少し前まで、美少女アイドルグループで活動していた娘がこんなことを言っていまして...」
秋田ユウジは依頼内容を簡潔にまとめたA4用紙を部員たちに手渡す。
A4用紙には、アイドルグループ・『おえおうさせ隊』に以前、所属していた秋田さんの娘が、所属していた芸能事務所AFデクレーションの社長である、欠本ユートに枕営業を強要されたことについて、記載されていた。
アイドルグループ・『おえおうさせ隊』に以前、所属していた秋田さんの娘は、今も芸能事務所AFデクレーションの社長である、欠本ユートにされた『あること』が原因で精神的に不安定な状態になってしまっているらしい。
「欠本のせいで僕の娘は今もフラッシュバックに苦しんでいるんです...」
俺は純粋に疑問を口にしてみる。
「だいたいさぁ、このアイドルグループ『おえおうさせ隊』ってなんだよ?そーいえば、竹田ァ、お前アイドル詳しかったよな?」
「『おえおうさせ隊』は人気急上昇のアイドルだよ、知らねーのかよ、最低だぜ、お前」「ムァンビキしまくってる最低のお前にだけは言われたくねぇわ‼竹田、お前ちょっと表出ろや」
ヨシノが一触即発状態の俺と竹田に質問する。
「ねぇそれより、ふたりとも、この『おえおうさせ隊』のおえお...ってなによ?」
なぜか秋田さんがヨシノ疑問に便乗する。
「僕も実はそれが気になっているんです、欠本ユートのせいで精神的に不安定になってしまったウチの娘が、しきりにこうつぶやいているんです...↓」
『おえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおう...』
「怖いですね、純粋に...それで、私たちはいったい何をしたらいいんですか?」
「はい、実は今回の件、警察に相談したら、なぜか断られてしまいまして...」
「なるほど...つまり、その芸能事務所AFデクレーションから圧力がかかったと言うことですね?それで、ウチに...」
「その通りだと思います...おそらく、AFデクレーションの欠本のせいで、僕の娘みたいに心を病んでしまったアイドルは、たくさんいると思うんです。なので、みなさんに芸能事務所AFデクレーションに潜入してもらって、欠本の悪事の証拠をつかんでほしいんです!証拠があれば、おそらく、警察やテレビ局も動いてくれるかもしれません‼」
「なるほど、面白そうですね」
部長がグーを俺の眼前に出して、他の部員たちの顔を順番に見つめ始める。
「部長...いったい何をするつもりなんですか?」
部長がグーを俺の頬にぐりぐり押し付けてくる。
「何って、ジャンケンよ、じゃんけん大会...負けた二人組が、芸能事務所AFデクレーションに潜入するの、いいわね?」
速報 じゃんけん大会の敗北者 1回戦 山神。 2回戦 竹田。
「部長、おい、これどうすんだよ、二人とも男じゃ、潜入どころか、面接で不採用だよ‼」
「大丈夫よ、面接で『パンツ脱げ』なんて言う面接官いねぇわよ、きっと、いねぇよ、あと声はヘリウムガス吸えばなんとかなるなるわよ‼」
『なる』が一個多かった気がする件についてはあえて気にしないことにした、とりあえず、俺がアイドル役で、ビジュアル的な問題で竹田がアイドル化した俺の保護者役を担当することになった。
部長・ヨシノ・副部長のメイクにより、美少女アイドル、氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)が誕生した。
こうして、氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)が芸能事務所AFデクレーションとの面接で披露する曲、『SAY&GO!FLY HIGH!上下左右からムァリコ‼~むぁりちゃんさびしかったんだもんそっかそっかならわいがあいてになるで~』の練習が始まった。

次回予告 まくら その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十六話 まくら その2

第三百二十六話 まくら その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

部長に支離滅裂な理由で組体操を強要されていた俺たちのもとに、突然、訪れた秋田さん。
秋田さんの娘は、アイドルグループ『おえおうさせ隊』に所属していたが、あることをきっかけに精神的に不安定になり、なぞの呪文・『おえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおう...』を連呼するようになってしまう。
秋田さんは上記の理由を、娘が、芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートに枕営業を強要されたせいだと、俺たちに訴える。
ジャンケンに負けてしまった俺と竹田は、欠本ユートの悪事の証拠をつかむために、芸能事務所AFデクレーションに潜入することになってしまう。
そして、俺は、部長・ヨシノ・副部長のメイクにより、美少女アイドル、氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)にされ、人として何か大事なものを失ってしまう。
何か大切なものを失ってしまったかのような、寂寞感にさいなまれながらも、俺はAFデクレーション潜入の際に避けては通れない、面接時に披露するアイドルソングの練習を始める。
そのアイドルソングの名は、『SAY&GO!FLY HIGH!上下左右からムァリコ‼~むぁりちゃんさびしかったんだもんそっかそっかならわいがあいてになるで~』。
部長にヘリウムガスを過剰吸引された俺は上記のバカみたいなタイトルの曲の練習を始める。
そして、欠本ユートが運営する芸能事務所AFデクレーション潜入当日。
女装した俺と、ビジュアル的な問題でメイクと女装すら不可能であると全会一致で女性陣に判断されたスーツ姿の竹田は、AFデクレーションのビルの前に立っていた。
「おい、竹田、やっぱりこのままバックれようぜ...」
ヨシノと副部長に取り押さえられ、部長にヘリウムガスを過剰吸引された、俺のアヒル声に竹田がなぜか頬を朱に染めて、うつむく。
「おい、山神...その格好で、そういうことを言うのはやめてくれないか...?」
どうやら、想像以上にクオリティ高いと評判の俺の女装姿とアヒル声に竹田は興奮しているようだ。
俺は何も見なかった聞かなかったことにして、AFデクレーションの中に入る。
芸能事務所AFデクレーションの面接とは、つまり、オーディションのことである。
面接会場である、無駄に広い一室には、アイドルの卵である美少女と、そのマネージャーたちが勢ぞろいしていた。
竹田が携帯を録画モードにして、スーツの胸ポケットに入れる。
俺は竹田の盗撮行為を見て見ぬふりをして、あたりを見回す。
オーディション会場に用意された長机とパイプ椅子には、芸能事務所のスタッフと思しき人物たちと、欠本ユートと思われる男が座っていた。
一見、秋田さんの言っていたような悪人には見えない、欠本ユートの姿に、俺は欠本ユートが余計キライになった。
オーディションが始まる。
アイドルの卵たちが次々に、女性にモテない男性に夢を見させるような歌を歌って踊る。
しかし、俺は知っている、上記のような歌を歌って踊るアイドルの卵たちが一番嫌悪している存在こそが、女性にモテない男性であることを。
この仕組みに気付けない、もしくは気付いているにもかかわらず、自らの心を偽っているアイドルファン達の心理状態を察すると俺はなぜか胸が痛くなった。
とうとう、俺の番が始まった。
俺は前日、部長と副部長とヨシノと竹田に嘲笑されながらも、練習に励んだ曲・『SAY&GO!FLY HIGH!上下左右からムァリコ‼~むぁりちゃんさびしかったんだもんそっかそっかならわいがあいてになるで~』を歌って踊る。
前日の地獄のような練習のストレスで血反吐を吐いた甲斐あって、俺は特にミスもせずに、歌って踊りきった。
謎の達成感に、俺は死にたくなった。
そして竹田が満面の笑みでうれし泣きしながら拍手する姿を見て、また死にたくなった。
そしてオーディションの結果発表が始まった。
氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)は、芸能事務所AFデクレーションの面接に合格してしまった。
そして、俺のほかに下記↓のアイドル・アイドルグループが面接に合格した。
『エスカレーター逆走し隊』
『勃起佐賀69』
『ティラノアヤ』
『黒乳首』
とりあえず、芸能事務所AFデクレーションにはなんとか潜入できそうだ。
そしてそれは、美少女アイドル・氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)のデビューを意味していた。
まさに地獄である。

次回予告 まくら その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十七話 まくら その3

第三百二十七話 まくら その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

元『おえおうさせ隊』の秋田さんの娘は、芸能事務所AFデクレーションの社長・欠本ユートに枕営業を強要され、心を病んでしまった。
犯罪の証拠がないばかりに、警察所から事件性なしと判断されてしまった秋田さんは、細かい過程はまぁいいとして、俺たちアルティメットメディアクリエイター部に助け手を求めてきた。
それから、かくかくしかじかで美少女アイドル氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)にされてしまった俺は、芸能事務所AFデクレーションのオーディションに見事合格してしまう。
俺は共にオーディションに合格してしまった下記↓のアイドルもしくはアイドルグループと共に、芸能事務所AFデクレーションが用意した『寮』に入居することになってしまった。
『エスカレーター逆走し隊』
『勃起佐賀69』
『ティラノアヤ』
『黒乳首』
大量のヘリウムガスボンベと女性服・女性下着とボイスレコーダーが、これでもかと詰め込まれたリュックを背負った女装状態の俺と、スーツ姿の竹田を、アルティメットメディアクリエイター部のみんなと秋田さんが駅で見送る。
芸能事務所AFデクレーションが用意した『寮』に到着した俺と竹田を待っていたのは、芸能事務所AFデクレーションの社長である欠本ユートだった。
欠本ユートの歓迎の挨拶を苦笑とともにやり過ごした俺はアイドル達が住む部屋に入る。
部屋にはオーディションを勝ち抜いた新人アイドル↓達が女子特有の中身のない会話をしながら爆笑していた。
『エスカレーター逆走し隊』
『勃起佐賀69』
『ティラノアヤ』
『黒乳首』
女装した俺の正体が男とは知らずに、上記の新人アイドル達が笑顔で俺を歓迎してくれる。
女性特有の公衆トイレの芳香剤のような匂いに戸惑いながらも、俺はみんなにヘリウムガス特有のアヒル声で挨拶する。
まさにハーレムである。
俺のおかれた状況を羨んだのか、竹田が急いで女装の準備を始めたが、時すでに遅し。
おっさんは出て行けと、新人アイドルたちにボコボコにされた竹田はそのまま、廊下に放り出される。
一つの部屋に大勢の人間が生活するその様子はまさに、修学旅行を彷彿とさせる。
あまりのハーレム状態に、煩悩が下半身にテントを設営しかけていた俺は心頭滅却からの明鏡止水により、己のよこしまな心を封じる。
しかし、いったいどうしたことか、女子たちの話題にまったく入り込むことができない、携帯電話の画面に逃げるも、さっきから竹田がメールで部屋の様子を24時間、携帯のカメラで録画し続けろと、うるさい。
目に映るは極楽だが気まずさと自己嫌悪で窒息死しそうになった俺はとりあえず、新人アイドルの一人の『ティラノアヤ』の肩をもんでみる。
俺が男と知らずに、俺をほめる『ティラノアヤ』。
それに続いて、別のアイドル達も俺に肩もみや足もみを頼んでくる。
こんな気の紛らわしかたがあったのかと己の機転に太鼓判を押しくまるも、2階の部屋の窓には怒りの形相の竹田。
寮内に大きな音が響く。
2階の窓に張り付いてた竹田が地面に落下したのだ。
新人アイドルたちが放つ公衆トイレの芳香剤のごとし香水の匂いに包まれながら、新人アイドルたちのマッサージを通して男にはない女体の柔軟さを堪能する。
俺は自分が誰か、だんだんわからなくなっていた。

次回予告 まくら その4
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十八話 まくら その4

第三百二十八話 まくら その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

今回の依頼人、秋田さんの娘は、芸能事務所AFデクレーションの社長・欠本ユートに枕営業を強要され、精神的に不安定になってしまった。
部長が突如始めたジャンケン大会に敗北した俺は女装をしてアイドルに、竹田はスーツを着て俺のマネージャーになり芸能事務所AFデクレーションに潜入することになってしまった。
芸能事務所AFデクレーションの社長・欠本ユートの悪事を世間に知らしめるために、オーディションを勝ち抜いた俺は、 芸能事務所AFデクレーションが用意した新人アイドルたちと、一つ屋根の下で生活することになる。
しかし、そこで待っていたのは、女子特有のハイテンションなトーク地獄と、竹田の嫉妬
だった。
新人アイドル・氏根駄ムァリコ(山神ムサシ)が寮で一緒に生活している新人アイドル達の信用を勝ち得るために始めたマッサージは好評だった。
俺はいつの間にか、新人アイドル達が切磋琢磨するこの寮のマッサージ係になっていた。
今日も寮内のレッスンルームでは、新人アイドルたちが歌や踊りの練習をしている。
もちろん、俺も男であることを隠すために、ヘリウムガスを吸引して、アヒル声の状態で練習に励む。
練習後、『勃起佐賀69』のメンバーの一人、瀬戸内あんちくしょうが俺にマッサージを依頼してきた。
「アンタ、氏根駄ムァリコだよね?」
「お、おう...」
「『おう』、だって、アンタ面白い話し方すんね」
まずい、つい、いつもの調子で答えてしまった...。
「とりあえず、マッサージお願い、いつもみんなにやってあげてんでしょ?」
「う、ウッス!」
俺は瀬戸内あんちくしょうの足裏などのマッサージを始める。
指で生足をもみほぐす度に、瀬戸内あんちくしょうの口から、なまめかしい声が上がる。
無意識のうちに下腹部にテントが設営されることを危惧した俺は、すぐさま自分自身との戦いを始める。
かつて、誰かが言っていた、人生は自分自身との戦いであると。
俺は今、身をもってそれを痛感していた。
いつの間にか、瀬戸内あんちくしょうの背後には、俺のマッサージ目当ての、新人アイドルたちで長蛇の列ができていた。
最後の1人をマッサージし終え、疲れている俺を、新人アイドルの1人である『黒乳首』が励ましてくれる。
「お疲れ様、氏根駄ムァリコちゃん」
「君は確か、黒乳首ちゃん、で、ですわよね...もしかして、マッサージですか?」
黒乳首ちゃんは、ややぽっちゃり系の心優しい、少女である、口癖は『ファイト』である。
「ううん、私は練習後のストレッチの時に、他の人にしてもらったから大丈夫、だから、私が氏根駄ムァリコの足をマッサージしてあげる」
なんてイイ子なんだろう、女装とヘリウムガスの過剰吸引がなければ、おそらく、こんな経験出来なかったはず。
俺は黒乳首ちゃんに足をマッサージしてもらう。
「激しい運動の後のマッサージとストレッチは必要不可欠。氏根駄ムァリコちゃんは、やさしいよね、自分のマッサージより先に、みんなのマッサージを優先するなんて」
「みんなになじむ方法がこれぐらいしか、思いつかないもんで...」
「もしかして、氏根駄ムァリコちゃんって、人見知り?」
「え、ええ...まぁ...」
「はっきり言って、人見知りの人にアイドルは向いてないと思うよ、まぁ、諦めろとは言わないけど...」
そりゃあ、こっちの目的はアイドルデビューじゃなくて、欠本ユートの枕営業の証拠をつかむためだからな...。
「ねぇ、知ってた?」
「なにが?」
「氏根駄ムァリコちゃんがさっきマッサージしてた、『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょう、水虫だって...」
「う、うそやろ?」
「ホントホント。もし大浴場で、『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうが踏んだ後のマットは、あんまり踏まないほうがいいかも...」
刑務所かな?
黒乳首ちゃんの足マッサージを堪能していると、レッスンルームの外から女性の悲鳴が聞こえてきた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺と黒乳首は、レッスンルームの外に出る。
廊下には、先程、話題にあがっていた、『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうが倒れていた。
俺と黒乳首、同様、騒ぎに駆け付けた新人アイドル達から、次々と困惑の声↓が上がる。
「し、死んでる...?」
「ちょっと変なこと言わないでよ!」
「どうして、芸能事務所の寮で死人が出るのよ!」
「つーか、まだ、死んだと決まったわけじゃねぇわよ!誰か救急車呼んで!」
廊下に倒れている『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうの右手近くの地面に、なにかダイイングメッセージ↓のようなものが書いてある。
O A O U
オー、エー、オー、ユー?
いや、ちがう!これは、まさか...!
O=お A=え O=お U=う。
やはり、そういうこと↑だったのか...!
そう、今回の依頼人である秋田さんの話が正しければ、欠本ユートに枕営業を強要され、色々おかしくなってしまった秋田さんの娘も、しきりにこう↓つぶやいていたはずだ。
『おえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおう...』
そして、秋田さんの娘がかつて所属していた、アイドルグループの名前は『おえおうさせ隊』。
そして、現在生死不明の『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうが廊下に残した、ダイイングメッセージ↓。
O=お A=え O=お U=う。
おそらく、たぶん、全てが繋がってしまった!
『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうを殺害した犯人はおそらく、現在この寮にいるはずの、芸能事務所AFデクレーションの社長・欠本ユートだ。
そう、欠本ユートを今すぐ何とかしない限り、また次の新人アイドルが犠牲になるかもしれない。
秋田さんの娘さんのような犠牲者を、もう、これ以上出すわけにはいかないのだ。

次回予告 まくら その5
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百二十九話 まくら その5

第三百二十九話 まくら その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートの枕営業強要の証拠をつかむために、新人アイドルを育成するAFデクレーションの寮に潜入した山神ムサシと竹田。
女装とヘリウムガスの過剰吸引により、新人アイドル・氏根駄ムァリコに変身した俺を待っていたのは、トイレの芳香剤のような香りが充満する女性だらけの生活と、レッスン後の廊下に倒れている、『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうだった。
そして、アイドルグループ・『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょう(生死不明)が廊下に残したダイイングメッセージ↓がこれだ。
O A O U
このダイイングメッセージ↑を国内偏差値最底辺高校に通う俺の天才的頭脳で変換すると、このように↓なるのだ。
O=お A=え O=お U=う。
このダイイングメッセージ↑によって、おそらく、たぶん、全てが繋がってしまったことを確信した俺は、この事件の首謀者だと思われる、AFデクレーションの社長、欠本ユートによる犠牲者をこれ以上増やさないために、動く。
生死不明状態のまま倒れた『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうが救急車で運ばれていく。
同じ寮に住む、新人アイドル・口癖は『ファイト』の黒乳首ちゃんが、俺に事件の状況を改めて説明してくれる。
「水虫で『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうちゃん、救急隊員の人が言うには、口になにか入れられて、気絶してしまったみたいね...」
「口に何か入れられた?」
「ええ、救急隊員の人が言うには、水虫で『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうちゃんは、喉の奥まで何か大きくて長いものを入れられたことで、呼吸困難になってしまった可能性が高いって...」
「喉の奥まで何か大きくて長いもの?」
俺の脳内におぼろげながら浮かんでくる、神の天啓のごとく、天才的な発想が!
『口に何か入れられた+喉の奥まで何か大きくて長いもの』=『O=お A=え O=お U=う』。
もう、お分かりのはずだ。
口に長い何かを喉奥までぶち込まれる、それこそが『O=お A=え O=お U=う』の正体なのだ。
つまり、水虫で『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうは、大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』され、気絶した可能性が高い。
そして、今回の依頼人、秋田さんの娘(欠本ユートに枕営業を強要され精神的に不安定になってしまった)が、しきりに呟いていたと思われる謎の呪文、『おえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおうおえおう...』。
つまり、かつてアイドルグループ『おえおうさせ隊』に所属していた秋田さんの娘も、水虫で『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょう同様に、欠本ユートによって、『O=お A=え O=お U=う』された可能性が高い。
こうしてはいられない。
俺は今すぐ、ボイスレコーダーなどを所持する竹田に携帯で連絡をする。
すぐに床下から、ビデオカメラを首にぶら下げた竹田が突然、飛び出してくる。
俺の近くでまたもアイドル達の悲鳴↓が上がる。
「きゃああああああああああああああああああああああああッ‼」
「竹田ァ!おまえ、床下で何してたんだァ!」
「床下にビデオカメラといえば、もはや語るまい、シンプルに漢字二文字で盗撮であるッ!」
俺の問いに、誇らしげに答える竹田、おそらく下アングルの盗撮被害に遭われたと思われる新人アイドル達が、ファンの前では絶対に出さないであろう怒声と共に一斉に竹田に襲いかかる。
なぜか新人アイドルたちから走って逃げる羽目になってしまった俺と竹田、俺は竹田に問う。
「盗撮していたなら、話が早い、はやく欠本ユートを何とかしないと、また、新人アイドル達が『O=お A=え O=お U=う』の犠牲になってしまう!」
「新人アイドルたちに『O=お A=え O=お U=う』だと...!なんてうらやましいんだァ!」
「そうじゃねぇだろォ!おまえ、この寮内を盗撮してたのなら、当然、欠本ユートの居場所がどこか知ってるんだろ?」
「ああ、もちろん、欠本ユートの社長室にも、盗聴器と小型カメラを仕掛けてある!」
「やるなァ!おめェ‼」
「フン!俺を誰だと思ってる‼」
「警察に捕まってねぇだけの犯罪者」
「言い方ァ‼」
新人アイドル達から走って逃げていた俺と竹田は、いつの間にか、寮内の社長室の前に、たどり着いていた。
「この先に、欠本ユートがいるのか...!」
「ああ、まさに欠本確定だ...‼」
「やかましいわァッ‼」
俺は竹田にツッコミながら思いっきり社長室のドアを蹴っ飛ばす。
社長室では欠本ユートが待ってましたとばかりに、満面の笑みを浮かべている。
「欠元ユート‼水虫で『勃起佐賀69』の瀬戸内あんちくしょうに『O=お A=え O=お U=う』させて気絶させたのはお前だなァ!」
「ほう、よく、わかったね、山神ムサシ君」
コイツ...なぜ俺の本名を知ってるんだ?
「まぁ、いい、かかったな、欠本ユート!この社長室には、捕まってねぇだけの犯罪者・竹田が仕掛けた盗聴器があるんだぜ‼これでお前はもう終りだァ‼」
ゴキブリのごとき素早さで、竹田が社長室に仕掛けた盗聴器を回収、欠本ユートの前に突き出す。
「この音声を警察やマスコミに公表すれば、お前が新人アイドルたちに枕営業を強要して『O=お A=え O=お U=う』させていたことが世間に広まる!つまりお前の人生は『終了確定』だァ‼」
「わかってないな、君は...」
「なんだとォ!」
「仮に俺の悪事が世間に露見しても、芸能事務所AFデクレーションがプロデュースするアイドルたちが芸能界から撤退すれば、視聴率主義のテレビ局は大きなダメージを受ける、それこそ、テレビ局が潰れてしまうぐらいにね、その事実を知っておきながら、マスコミや警察が俺の悪事を糾弾すると思っているのかね?つまり、AFデクレーションの崩壊は芸能界の崩壊を意味しているのさ‼この方程式が成立している限り...俺の『O=お A=え O=お U=う』は終わらねぇッ‼」
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「そんな...芸能事務所の圧力を使って、真実を闇に葬り去るつもりなのか...そんなの卑怯だぞォ‼」
「なら、チャンスをあげましょう...」
「チャンス...?」
「野球勝負だァッ‼」
「野球勝負...だと...?」
「ええ、そうです、我が社・芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に君たちアルティメットメディアクリエイター部が勝てたら、俺がこれまで新人アイドルたちに枕営業を強要してきたことを、世間に公表します!しかし、君たちが野球勝負で『中絶ドラグーンズ』に敗北した場合、君を含めた君たちのチームすべてに、俺の肉バットを『O=お A=え O=お U=う』してもらいます...」
(欠本ユート...コイツ、両方、イケる奴だったのか...‼)
「勝負は一週間後、サイレーススタジアムで行います」
芸能界の命運を左右する野球勝負が始まろうとしていた...!

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。 

次回予告 野球勝負‼ その1 
 

 
後書き
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第三百三十話 野球勝負‼ その1

第三百三十話 野球勝負‼ その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートに枕営業(『O=お A=え O=お U=う』)を強要された水虫のアイドル『勃起佐賀69』のメンバー・瀬戸内あんちくちょうが気絶して、救急車で運ばれてしまった。
かくかくしかじかで、大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートの枕営業強要の証拠をついにつかむことに成功した俺と竹田。
しかし、欠本ユートは自らの権力を行使すれば、どんな悪事も、もみ消すことが可能であると反論する。
芸能界の闇と欠本ユートの権力を痛感する、俺と竹田。
打つ手なしかと思われた次の瞬間、欠本ユートは俺たちに『野球勝負』を提案する。
大手芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に野球勝負に勝利すれば、欠本はこれまで、新人アイドルたちに枕営業(『O=お A=え O=お U=う』)を強要してきたことを世間に公表することを約束する。
しかし、逆に俺たちが野球勝負に敗北すれば、俺と竹田を含めた野球チームのメンバー全員が欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』をしなければならない。
欠本ユートのエクステンシブな性癖に驚愕しつつも、俺は野球勝負に勝利するために、学園内のアルティメットメディアクリエイター部の部室に戻ることにした。
俺たちに残された時間は一週間、一週間後にはサイレーススタジアムで野球勝負である。
俺と竹田は欠本ユートが提案してきた野球勝負の件について、部員のみんなに説明する。
部長が、俺と竹田の提案に怒りの声を上げる。
「アンタバカじゃないの、私たちみたいな素人がプロ野球チームに勝てるわけないじゃない、それってもう戦う前から、『O=お A=え O=お U=う 確定』ってことでしょ?嫌よ私、おっさんの汚いバットなんて『O=お A=え O=お U=う』したくないわ‼」
そう、陰キャ集団であるアルティメットメディアクリエイター部が野球勝負でプロ野球にチームである『中絶ドラグーンズ』に勝てるわけがないのだ、それにこちらの部員はわずか5名、仮にメンバーをそろえることに成功しても、素人がプロに勝つには一週間の練習期間は短すぎる。
とりあえず、まずはメンバー集めである。
「えっと野球ってメンバー何人必要なんだっけ?」
俺の問いに、部長も竹田も副部長もヨシノを困惑状態で、それぞれの顔を見合わせながら、首を傾げている。
さすがアルティメットメディアクリエイター部は陰キャ集団である、誰もかれもが、野球の存在は知りながらも、野球のルールのルの字も知らない。
もちろん、俺も野球のルールはなんとなくしか、知らない。
俺はついため息をついてしまう。
俺のため息を聞いた部長が怒りをあらわにする。
「ちょっと山神君、なによ、その顔は!わかってんだからね、アンタだって野球のルール知らないの!つーかルール知らねぇなら最初から勝負受けんなバカ野郎!」
「でも、『中絶ドラグーンズ』に勝てば、欠本は自らの悪事を世間に公表すると約束してくれました‼俺たちが野球勝負に勝てば、もう欠本のせいで、秋田さんの娘さんのように嫌な思いをする人が減るんです!芸能界が今よりクリーンになるんです!」
そう、欠本ユートに枕営業を強要されてしまった、元『おえおうさせ隊』のメンバーの秋田さんの娘は、今も心を病んだまま自宅に引きこもっているらしい。
これ以上、欠本ユートに、みんなに夢を与える芸能界を汚されるわけにはいかない!
「だいたい、今回、秋田さんの依頼を受けたのは、部長のほうですよ!今さら、できませんでした、で終わりにしていいんですか?どうなんだよ!人としてェッ‼」
「わ、わかったわよ...でもプロ野球チーム相手に、素人でろくに野球のルールも知らない、私たちがいったい、どうやって勝てばいいのよ!いい?この世界にはできることと、できないことがあるの!おわかりか?」
俺は部長の指摘を無視して、部員たちに向かって前向きに宣言する。
「とりあえず、まず、野球チームの名前と、メンバー集め、ルールの勉強から始めましょう!」
「アンタ人の話聞いている?」
「うるせェ!勝とう‼」
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まず、チーム名の作成だ。
部長が嫌々ながら、しきりはじめる。
「では、これから野球チームの名前を決めます、とりあえず、多数決で決めたいと思います、おっとチーム名多数決決定提案からなんと0,1秒で結果が出てしまいました~‼野球チームの名前は『下半身ムラ村田イガーズ』に決まりました、異論は認めません‼」部長もさすがは偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の生徒である、とても多数決という日本語の意味を理解していないと思われる部長の独裁的な横暴により、俺たちが所属する野球チームの名前は『下半身ムラ村田イガーズ』に決定してしまった。
次は野球のルールの勉強だ。
一度、部室を無言で出て、学生寮に戻ってしまった竹田。
部員の誰もが竹田が目の前の現実から逃亡するために寮に戻ったと確信した、次の瞬間、竹田が部室に戻ってきた。
そう、竹田が大量の漫画とDVDを持って部室に帰ってきたのだ。
竹田が部室に持ってきた大量の漫画とDVDの表紙には、野球のユニフォームを身にまとった美少女達が写っていた。
「なんだよ竹田、お前、もしかして野球くわしい人間か?」
「わかってねぇな山神ィッ!このような美少女野球作品は、野球のルールなんて1ミリも知らなくても楽しめるように作られているのだ!どうだ、まいったか‼」
とりあえず、竹田が頼りにならないことがわかった俺たちは、竹田が寮が持ってきた美少女野球作品の漫画やDVDを通して、野球のルールを学ぶことにする。
とある美少女野球アニメを見ていた俺は部長に疑問をぶつける。
「部長、この美少女野球アニメ、原作はみんなロリ体系なのに、なんでアニメ版はみんなガタイがあんなにガッチリしてるんですか?」
「知らねぇよ、そんなの。つーかなんで試合始める時に審判、いっつもプレイボーイって叫ぶのよ?野球の試合で自分がヤリチンだって大声で自己申告するメリットっていったい何よ!」
「部長、それはプレイボーイじゃなくて、プレイボールですよ‼」
俺の指摘に、部員たちの笑い声が部室を包む。
先程までの気まずい空気とは一転、なごやかな雰囲気になったはいいものの、それで勝負に勝てるわけではない。
そう、勝たなきゃ意味がないのである。
次はいよいよメンバー集めである。
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』が始動した。

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。  

次回予告 野球勝負‼ その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十一話 野球勝負‼ その2

第三百三十一話 野球勝負‼ その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

大手芸能事務所AFデクレーションの社長、欠本ユートによる新人アイドルたちへの枕営業の強要。
欠本ユートは、この悪事を世間に公表する条件として、野球勝負を提案してきた。
俺たちの野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』が、大手芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に勝利することができれば、欠本ユートは自らの悪行を世間に告白する。
しかし、俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーがプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に敗北した場合は、『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバー全員が欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』しなければならないのだ。
実力差があまりにも大きすぎる、この試合、おそらく誰もが『下半身ムラ村田イガーズ』に勝目がないと言うだろう。
しかし、依頼人である秋田さんや、秋田さんの娘、そして実は水虫だった『勃起佐賀69』のメンバー・瀬戸内あんちくしょうや、欠本のせいで心に一生消えない傷を負ったアイドルたちの無念を晴らすために、この野球勝負、絶対に負けるわけにはいかない。
竹田が学生寮から持ってきた資料、美少女野球作品の漫画やDVDから、野球の知識を得た俺たちは、次に、試合に必要不可欠な部員の補充を開始した。
俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーは現在、俺と竹田と部長と副部長とヨシノの、わずか5人。
試合に必要な人数は、あと4人。
『中絶ドラグーンズ』との野球勝負まで、あと一週間。
ぜってぇに負けらんねぇ戦いがここにあンだわ。
俺はまず、メンバー補充のために、近所の人達から得た情報を元に、都内の土手に向かう。
俺は、都内の土手でホームレス生活をしているらしい元PGS(パブリックガーディアンズ)のメンバーである霧島カイトに話しかける。
そう、霧島カイトは以前、ユメちゃんの一件の際に、俺の断罪剣ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカーにより、超能力を失い、超能力者たちで構成されたPGSを退職してしまったのだ。
それに加え、モンスターエリアからのパブリックモンスターたちの人間社会への移民である、就職難は避けられないのだ。
「やぁ!カイト君!元気?」
「お前は山神ムサシ!いったい誰のせいでこんなことになったと思ってるんだ!」
俺にキレ散らかすカイトの周りには白いアヒルが歩いている。
「悔しい...ですよね...?」
「ンめっちゃくっちゃ悔しい...って、やかましいわァッ‼こっちは高校生と漫才してる暇はないんだ!どっか言ってくれ‼」
「カイトさん、僕は土手に漫才しに来たんじゃないんです!ヨシノから聞きました、カイトさんは学生時代、野球部だったって!」
「それがどうしたんだ!」
俺は、カイトに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほどな...それで、僕の力が必要なわけか、面白い!...元PGSの隊員として、アイドルファンとして、世の中の不正を見過ごすわけにはいかない!力になろう!」
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』に元PGSの霧島カイトが加わった。
次に俺はPGSの本部に入る。
いつかのダンス大会の一件で俺の安全性のアピールに成功したおかげか、PGSのスタッフたちは皆、俺にフレンドリーだった。
俺はPGSの本部にあるジムで腕立て伏せをしている、大地の断罪剣士・工藤リンカに話しかける。
「野球、やんね?」
「なんだ藪から棒に、ケンカ売ってるんですか?」
俺が死の断罪剣である漆黒のライフセイバーの黒いパブリックブレイカーで切断した、リンカの腕には義手が付いていた。
「お前、よかったな、その義手」
「PGSの医療技術を舐めないでください、リハビリが終われば、私は戦線に復帰できます、それよりとっとと用件を言ってください、目ざわりです」
俺は工藤リンカに欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほど...それで、私の力が必要なわけですね、まぁ、PGSの隊員として、アイドルファンの1人として、世の中の不正を見過ごすわけにはいきませんからね、力になりますよ」
さすが、アイドルユニット『アスベスト』のアイドルイベントにカイトと共に参加していただけのことはある。
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』にPGSで大地の断罪剣士・工藤リンカが加わった。
試合に必要なメンバーはあと二人。
俺はリンカともに、PGS本部のロビーで待っててもらったカイトと合流する。
久々の再開にもかかわらず、リンカがカイトを煽る。
「久しぶりですね、霧島カイトさん、PGS退職からの路上生活...悔しい...ですよね...?」「貴様ァ‼」
「なにするんですか!やめてください!二人ともケンカしないでくださいよ!それでお二人に聞きたいことがあります‼」
「なんだ?」
「なんですか?」
「雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所です!」
「混沌の断罪剣士...?ああ、モンスターエリアでフューラーと共に、存在が確認された断罪剣士の少女のことか、すっかり忘れてたよ...」
「カイトさんはもう、PGSのメンバーじゃないので、別に覚えている必要ないですよね...」
「貴様ァ!」
「なにするんですか!やめてください!ちょっと二人とも、ケンカしないでくださいよ!」リンカが携帯片手に、雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の居場所を説明し始める。
「噂によれば、どうやら奴ら、最近ここによく出没するらしい」
リンカが俺に見せた携帯の画面には、白いローブを身にまとった仮面の男と、美少女が肩を並べて釣り堀で釣りをしている姿を写っていた。
「とても、PGSと冷戦状態にある反政府組織のメンバーとは思えんな、これでは...」
カイトの指摘に、俺とリンカは同意せざるおえない。
俺たち3人はPGSの本部を出て、反政府組織の中核である雷光の断罪剣士フューラーと、混沌の断罪剣士の少女がよく出没する釣り堀に向かった。

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。 

次回予告 野球勝負‼ その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十二話 野球勝負‼ その3

第三百三十二話 野球勝負‼ その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

芸能事務所AFデクレーションの社長である欠本ユートによる新人アイドルたちに対する枕営業の強要。
それにより、多くの新人アイドルたちが心を病み、しかし、その声はどこにも届きはしない。
少数の不幸よりも、大多数の幸福を優先するために、この事実を見て見ぬふりするマスメディアと芸能界。
視聴率主義という名の理不尽極まりない芸能界の闇の前に、打ちひしがれる俺たちに、欠本ユートが提案したのは野球勝負だった。
俺たちが、欠本ユートが社長を務めるAFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に勝利すれば、欠本ユートは自分がこれまで新人アイドルたちにしてきた悪事を世間に公表し、謝罪することを約束した。
しかし、『中絶ドラグーンズ』に俺たちの野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』が敗北した場合、俺たちのチームは男女問わず、欠本に『O=お A=え O=お U=う』しなければならない。
プロ野球チームである『中絶ドラグーンズ』に、素人集団の『下半身ムラ村田イガーズ』が勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!と誰もが確信するであろう、この勝負。
しかし、この試合に勝つことそれすなわち、芸能事務所AFデクレーションの権力に支配されていた芸能界の改革を意味してるのだ。
そう、ぜってぇに負けらんねぇ戦いがここにあンだわ。
プロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』との試合まで、あと6日。
俺は野球に必要な人員をスカウトするために動く。
結果的に、元PGSで現・路上生活者の霧原カイトと、現PGSで義手を身に着けた大地の断罪剣士・工藤リンカが『下半身ムラ村田イガーズ』に加わった。
俺達3人は、残り二人のメンバー候補、雷光の断罪剣士フューラーと混沌の断罪剣士を『下半身ムラ村田イガーズ』にスカウトするために釣り堀に向かう。
ネットのうわさ通り、釣り堀には雷光の断罪剣士フューラーと思われる白いローブを身にまとった仮面の男と、混沌の断罪剣士と思われる美少女が肩を並べて釣り堀で釣りをしていた。
フューラーが握っている釣り竿が、池に引っ張られる。
フューラーは釣り竿を振り上げる、しかし、ルアーに魚は引っかかっていなかった。
がっくりと肩を落とす反政府組織のリーダーであるフューラー。
その様子を見ていた俺は、白いローブを身にまとった仮面の男・雷光の断罪剣士フューラーに話しかける。
「悔しい...ですよね?」
俺とフューラーの間を白いアヒルが通り過ぎる。
「お久しぶりです、いっしょにベースボールやりましょう!」
「君は山神ムサシか...」
「はい、いっしょにベースボールやりましょう」
「そういえば、この前でテレビで見たよ、あのダンス大会をね、見事な戦い方だった。世界の君に対する警戒心はあの一件でだいぶ緩和されたはずだ」
「いや、だから、いっしょにベースボールやりましょう!」
「なぜ?」
俺はフューラーと混沌の断罪剣士の少女に欠本ユートとの野球勝負の話を説明する。
「なるほど、一つ聞いてもいいかな?」
「ええ、いっしょにベースボールやりましょう!」
「野球勝負の目的はわかった、芸能界の闇を世間に公表し、革命を起こすこと事態は素晴らしいことだと思う。でも、どうして、私たち反政府組織セイバーズの断罪剣士を、わざわざ野球チームに入れようとするんだい?」
「単純に、対戦相手の『中絶ドラグーンズ』はプロ野球チームです、それに比べ、僕たち『下半身ムラ村田イガーズ』は、素人集団です。つまりですね、もし負けそうになったら、断罪剣の力を使おうと思っているんです!」
「なんだと!それはいけない、そんなのルール違反じゃないか‼」
「でも、野球のルールに断罪剣を使用してはいけないというルールはありません、それにもし、勝負に勝っても欠本ユートが約束を守る保証はないわけです。つまりこの野球勝負はただの野球勝負ではないというとです、欠本ユートも、おそらく、自分が負けた時のことを想定して、なんらかのトラップつまり、準備をしている可能性が高い。だから、こちらもあらゆる状況を想定して準備をしておきたいんです」
「なるほどな...つまり、野球勝負以外の勝負が起きる可能性が高いと言うことか...わかった、我々、反政府組織セイバーズも、パブリックモンスターたちが人間社会で過ごしやすくするためのイメージ戦略を考えていたところだ、ぜひ、参加させてもらおう」
フューラーが隣で釣りをしている混沌の断罪剣士に素人球団『下半身ムラ村田イガーズ』への入団の有無を訪ねる。
「ミコト、君はどうする?」
混沌の断罪剣士・ミコトが口を開く。
「フューラーの護衛という目的であれば、私も参加させてもらいます...」
「よっしゃあ!これでメンバーが全員、そろったぜ!」
こうして、『下半身ムラ村田イガーズ』のメンバーがそろった。
あとは練習あるのみだ。
最強野球チームに!俺達はなる‼
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次回予告 野球勝負‼ その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十三話 野球勝負‼ その4

第三百三十三話 野球勝負‼ その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

ついにメンバーがそろった、素人野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』。
現存の断罪剣士達と、一部、路上生活者が結集した『下半身ムラ村田イガーズ』。
もうすこし正確に言えば、国内偏差値最底辺高校の生徒と、反政府組織の中核と、政府の用心棒と路上生活者が結集した『下半身ムラ村田イガーズ』。
今、この世界の野球チームの中で、おそらく一番自由な野球チームが『下半身ムラ村田イガーズ』なのだ。
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ちなみに、『下半身ムラ村田イガーズ』の監督は、チーム内で唯一の野球経験者である元PGS(パブリックガーディアンズ)の路上生活者の霧原カイトが務めることになった。
偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の中にある、アルティメットメディアクリエイター部の部室では、元PGSで路上生活者の霧原カイトが、打倒『中絶ドラグーンズ』のための練習メニューを各選手に発表していた。
「まず野球の基礎は体力であるッ!打って投げて走る!基礎体力のない者に勝利はつかめん!ましては相手はあのプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』である‼彼らとの勝負に敗北すれば、アイドル業界に、はびこる悪しき枕営業の真実は永遠に芸能界の闇に葬られてしまうだろう!諸君、この野球勝負はアイドル界と芸能界に革命の光をもたらす、まさに聖戦であるッ‼それでは、全員、校庭に集合だァ‼」
今日の一時間目は調理実習である。
クラスメイト達が校内の調理室で包丁片手に刃傷沙汰を起こしている裏で、俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』は一列に並んで、校庭をぐるぐる走っていた。
普段、運動やスポーツとは無縁な俺と竹田と部長と副部長があまりにも醜いランニングフォームで校庭を走る姿を、授業中の生徒達が校舎の窓から覗いてゲラゲラ笑っている。
俺たちの無様なランニングフォームを嘲笑する彼らにはわかるまい、このある意味地獄のような練習の先に待つ勝利が、芸能界にはびこる枕営業という名の闇を滅ぼし、光と革命をもたらすことを。
校庭の隅から『下半身ムラ村田イガーズ』の監督である元PGSで路上生活者の霧原カイトが無様なフォームで走る俺たちを叱責する。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめェら笑われてんぞォォッ‼もっと気合い入れた走らんくぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
部長が走りながら、霧原カイト監督に悪態をつく。
「私、あの『おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼』って叫び方、腐女子みたいでキライ‼」
かく言う部長も腐女子である。
俺は、部長が自分自身に対して末期の視野狭窄に陥っていることに戦慄しつつも、ランニングを続ける。
基礎体力を身に着けるためのランニングを終えた副部長が目から涙、口からはゲロを吐きながら、帰宅と退団を申し出る。
しかし、アイドル界と芸能界の命運がかかっている野球勝負の練習である、
霧原カイト監督は、相手が野球未経験で腐女子の女学生でも容赦はしない。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめぇぇぇぇぇぇッ‼まだ練習は始まったばかりなんだぞぉぉぉぉんッ‼僕たちはあの悪しき欠本ユート率いる『中絶ドラグーンズ』に勝ち、この国の芸能界の闇を糺し、アイドル界に光をもたらす救世主になるんだぞォ!貴様は救世主になりたくないのか!それとも今、目の前の困難から逃げて、一生おぼこ確定の腐女子のままでいいのか?いいわけねぇだろォッ!それが嫌なら、その気がなくても言え!勝ちたいと言え!」
霧原カイト監督の言葉に対して、副部長が嗚咽交じりに泣き叫びながら答える。
「がぢだい‼」
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ブラック企業のパワハラ上司による後輩育成のごとき霧原カイトと副部長のやり取りに、気が付けば俺と竹田と部長も目から涙を流していた。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめぇら3人も泣いてんじゃねぇよ‼涙流す暇があるなら闘志を見せんか!闘志を!貴様らは勝ちたいのか?勝ちたくないのか?どっちなんだァッ‼」
「「「がぢだい‼」」」
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霧原カイト監督と俺たちのやり取りを見ていたヨシノがため息交じりに呟く。
「なにこれ」

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 野球勝負 その5  
 

 
後書き
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第三百三十四話 野球勝負‼ その5

第三百三十四話 野球勝負‼ その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

普段、運動やスポーツとは無縁の俺と竹田と部長と副部長は、『下半身ムラ村田イガーズ』の霧原カイト監督の基礎体力訓練に疲労困憊状態となる。
ブラック企業のパワハラ上司のごとく過激な霧原カイト監督の指導方法に辟易するも、打倒『中絶ドラグーンズ』のための野球練習はまだ続くのであった。
さすがは政府の用心棒であるPGSのヨシノとリンカ、そして、反政府組織セイバーズのフューラーとミコトは、あれだけ走ったというのにまだピンピンしている。
霧原カイト監督が校庭で奇声のごとき叫び声で告げる。
「よぉぉぉぉぉぉしッ!基礎体力向上の次は技術力向上だァ!キャッチボール始めんかァァァァァァァァァァいッ‼」
ヨシノがリンカに愚痴をこぼす。
「あの路上生活者、さっきから、うるさ過ぎない?」
「PGSにいたころから、ああだったと思いますが...」
疲労困憊状態の俺と竹田もキャッチボールを開始するが、先程の疲労もあって、まともにキャッチボールが成立しない。
さっそく、霧原カイト監督からダメ出しが入る。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼そこの二人ィ!貴様ら陰キャ集団は、会話のキャッチボールがヘタクソならキャッチボールもヘタクソだなァッ!貴様ら欠本の『中絶ドラグーンズ』に勝ちたくないんか?ええッ?」
「「がぢだい‼」」
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技術向上訓練終了後、元PGSの路上生活者である霧原カイト監督が休憩を宣言する。
校舎の水飲み場では、『下半身ムラ村田イガーズ』の選手たちが、水分補給をしていた。
練習時間終了と、授業の終了が重なったのか、水道の蛇口にしゃぶりついた状態で水分補給をしていた竹田を見た女子生徒達から悲鳴が上がる。
水部補給を終えた俺の前に、たまにしか話さないクラスメイトで鉄道マニアの川田が話しかけてくる。
「ゔぉぉぉぉい!山神、教室に、かわいい子が来て、お前のこと探してるぞ!」
「名前は?」
「黒乳首」
黒乳首とは、以前、欠本が社長を務めるAFデクレーションの寮で、俺が氏根駄ムァリコとして一緒に生活していた新人アイドル達の1人である。
口癖は『ファイト』
黒乳首は、同じ寮に住むアイドルの1人、『勃起佐賀69』に所属している瀬戸内あんちくしょうが水虫であることを教えてくれたり、結構いい奴だった。
まずったな、ここに黒乳首が来たということは、俺の正体が男であるということもバレているに違いない。
しかし、ウソをついた以上は、ちゃんと事情を説明する必要がある。
俺は覚悟を決めて黒乳首が待つ教室に向かう。
教室では俺を待っていたと思われる『黒乳首』が、クラスメイトの男子たちに囲まれて質問攻めにあっていた。
それもそのはず、黒乳首も芸名とはいえ、大手芸能事務所AFデクレーションに所属する新人アイドルである、クラスの男子どもが放っておくわけがない。
すぐに俺の存在に気付いた黒乳首に手をつかまれて、強引に引っ張られる。
クラスの男子たちから怨嗟の声が俺に向かって上がる。
屋上に連れてこられた俺はまず最初に、黒乳首に、女装して自分を偽っていたことを謝罪する。
「まぁ、はっきり言って氏根駄ムァリコちゃんが、男の子だったって聞いた時は、はっきり言ってビックリした!」
「す、すまん」
「でも、あの日、私、ムァリコちゃんが欠本ユート社長と話してるの聞いてたから、ちゃんと事情はわかってる!とりあえず、急にいなくなっちゃったからさ、もしかして、欠本ユート社長に『O=お A=え O=お U=う』されちゃったんじゃないかって心配になっちゃって...」
「それで、わざわざ、学園に来てくれたのか...ありがとな、黒乳首はまだ、欠本の下でアイドル続けるのか?」
「うん、まぁね...」
「じゃあ、欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』してくれたら、テレビにたくさん出してあげるって言われたら、欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』するんか?」
「する...かもしれない...」
「マジか?」
「うん、だって長野から東京に上京して、やっとつかんだチャンスだもん!『O=お A=え O=お U=う』して、テレビにたくさん出れるなら、たぶん、私、欠本ユート社長に『O=お A=え O=お U=う』すると思う...」
「でも、テレビに出れたからって、絶対人気アイドルになれるとは限らんのやで、もし、枕営業してテレビ出て人気出なかったら、悔しい...ですよね?」
屋上に白いアヒルが歩いている。
「悔しいけど...やってみなきゃわからないじゃない!野球勝負の件もそれと同じよ!何事も勝負しなきゃ、勝ち負けなんてわからないんだから!」
「お、そうだな」
「それじゃあ、わたし、そろそろレッスンの時間だから帰るね、ムァリコ...じゃなくて、山神君も野球勝負、頑張ってね!ファイト‼」
「おう、必ず『中絶ドラグーンズ』に勝って、黒乳首が『O=お A=え O=お U=う』しなくても、活躍できる芸能界にしてみせるぜ‼」
黒乳首が屋上から去っていく。
「さぁ、行こう!」
校庭には『下半身ムラ村田イガーズ』のみんなが待っている。

次回予告 野球勝負‼ その6 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十五話 野球勝負‼ その6

第三百三十五話 野球勝負‼ その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

芸能事務所AFデクレーションの社長・欠本ユートの野球勝負の提案から1週間後。
ついに、芸能界の命運を左右する野球勝負の日がやってきた。
俺たち素人野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』が、芸能事務所AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』に勝利できれば、欠本ユートは、今まで自分が犯してきた悪行を全て、世間に公表し謝罪することを約束した。
敵に塩を送るような欠本ユートの挑発的な提案に、なにかきな臭いものを感じた俺は、人知を超越した断罪剣士達と、路上生活者約一名を招集し、『下半身ムラ村田イガーズ』を結成して、練習に励む。
そして、今日、野球勝負当日、その練習の成果が試される時が、ついに来た。
俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』は、芸能界の闇を世間に暴き、欠本ユートの犠牲になったアイドルたちの無念を晴らすために、野球勝負の会場である『サイレーススタジアム』
に向かう。
決戦の場所である『サイレーススタジアム』の前で、『下半身ムラ村田イガーズ』の選手たちが降りる。
『下半身ムラ村田イガーズ』の選手たちが、『サイレーススタジアム』のグラウンドに入る。
『サイレーススタジアム』のグラウンドには、欠本ユートが社長を務める芸能事務所、AFデクレーションがスポンサーを務めるプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』のメンバーたちが勢ぞろいしていた。
ウオーミングアップをしている『中絶ドラグーンズ』のメンバーの姿に、元PGS(パブリックガーディアンズ)の路上生活者で『下半身ムラ村田イガーズ』の中で唯一の野球経験者である、霧原カイト監督が驚きの声を上げる。
「すごい!『中絶ドラグーンズ』の選手は、どの選手も1軍の選手ばかりだ!素人の僕たち相手でも、やつらは絶対に手は抜かないつもりなんだ!」
当然である。
この勝負で『中絶ドラグーンズ』が敗北すれば、欠本ユートは自らのこれまでの悪行を全て世間に対して公表し、謝罪しなければならない、それは今まで芸能界を支えていた芸能事務所であるAFデクレーションのアイドルたち全員の芸能界引退を意味しているのだから。
高視聴率を勝ち取るためには必要不可欠である芸能事務所AFデクレーションのアイドルたちが、テレビから姿を消せば、視聴率主義の芸能界は崩壊する。
この芸能界の運命を左右する究極バトルに、野球勝負提案者である、欠本ユートが手加減を、するはずがない。
そう。
ぜってぇに負けらんねぇ戦いがここにあンだわ。
お互いのチームのウオーミングアップが終了し、ついにサイレーススタジアムのグランウンド中央で、『下半身ムラ村田イガーズ』と『中絶ドラグーンズ』が整列を始める。
観客席には、複数人のボディーガードに囲まれた、欠本ユートの姿があった。
審判が大きな声で試合開始の言葉を叫ぶ。
「プレイボーイ‼」
審判の言葉を聞いた部長が俺の肩をバンバンたたきながら、質問してくる。
「ねぇ山神君!今の聞いた?あの審判さぁ、今絶対、プレイボールじゃなくて、プレイボーイって言ったでしょ?ねぇ、みんなも聞いたでしょ?ねぇねぇねぇねぇ!」
「あーはいはい、わかりましたよ、よかったですね、それじゃあ、とっととポジションについてください!」
「何よ、その態度、アンタ言ったわよね、部室で!プレイボーイじゃなくて、プレイボールだって、みんなで私のこと笑ったわよね!アタシ忘れてないんだから!」
ウゼ―なぁ、この女ァ。
ということで、ここからは野球解説者の田中さんと、元プロ野球選手のビデガスに、試合について解説してもらう。
「どうもみなさん、本日、この『中絶ドラグーンズ』対『下半身ムラ村田イガーズ』の試合解説を担当させてもらう、田中と申します、よろしくおねがいします」
『えー、元プロ野球選手のビデガス、です、本日はゲストとして、田中さんと共に解説させていただきます、よろしくおねがいします』
「いやー、ついに始まりましたね、この素人チーム対プロチームの前代未聞の野球勝負、ネットの噂によれば、この試合で『下半身ムラ村田イガーズ』が勝利すれば、芸能界が崩壊するなんて言われてますが、そこらへんビデガスさんは、どう思っていられますか?」『まぁ、ネットの噂ですからね~欠本社長についての例の噂も、どの程度真実なのか、まだ、よくわかっていませんしね~、まぁでも、この試合、素人集団の下半身ムラ村田イガーズに勝目はほとんどないと思いますよ~』
「ビデガスさん、ほとんど、ということは、少ない確率で、『下半身ムラ村田イガーズ』が『中絶ドラグーンズ』が勝つ可能性があると?」
『そりゃあ、もちろん、野球に、というか、スポーツの勝負に絶対は、ありえませんからね、そういう意味では、この試合、普通のプロ同士の勝負よりも、勝敗が未知数ですし、何か燃えるものがありますよね』
「なるほど、まさに龍虎激突ということですね。それではまず、一回の表、下半身ムラ村田イガーズのバッターは国内偏差値最底辺高校に通う、風見カエデ選手です、風見選手はなんと、アルティメットメディアクリエイター部の部長を務めているそうです、ビデガスさ~ん、アルティメットメディアクリエイター部っていったい何をする部活動なんですかね~?」
『いや、僕も田中さんと同じで、まったく、想像がつきません、にしもスタジアムにつるされた下半身ムラ村田イガーズの旗ですか、アレ?アレ↓すごいデザインですねぇ~』
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「ビデガスさんの言う通りすごい旗ですね、なにか狂気を感じますね~」
『まぁ、高校生ですからね、僕も高校球児のころは野球とセッ●スのことで頭がいっぱいでしたからね、ある意味、あの旗のデザインは高校生として健全なのかもしれませんね、ちなみに僕は男子トイレで童貞を卒業しました』
「男子トイレで?それはワイルドですね~、ではアッチのほうもバッティグのほうも、まさに絶好調だったと?」
『ホント、そうっスね、高校時代はアッチのほうもホームラン王でしたね、もう毎日、満塁サヨナラホームランって感じです、田中さんは高校時代どんな感じだったんですか?』
「............おっと、打っちゃいましたね、部長選手打っちゃいましたねホームラン...中絶ドラグーンズのピッチャー・中田選手からホームラン打っちゃいましたねぇ...」
『マジっすか?わぁ、本当だ、中田打たれちゃいましたねぇ~高校生に打たれちゃいました、あの部長ちゃん、やりますねぇ!』
「ビデガスさん...中田選手...悔しい...ですよね?」
『そりゃあ、悔しいでしょ、野球未経験の素人にホームラン打たれたら、でも、僕、現役時代にね、あの中田ってやつに殴られたことあるんですよ』
「中田選手に?」
『はい、なので僕、今、ちょっと嬉しいです、でも、まだ試合は始まったばかりですからね、今は、気持ちの切り替えることが、めちゃくちゃ大事ですよね』
「ビデガスさん、やっぱり、どんなときも、追い詰められた時こそ、気持ちの切り替えが大事ですよね」
『ンめちゃくちゃ大事よ』
「おっと場内に白いアヒルが歩いていますねぇ~。にしてもビデガスさん、部長選手の先程のバッティング、スロー再生すると、こう、バットから竜巻のようなものが出ているように見えませんか?」
「田中さんの言う通り、出てますねぇ、バットから、竜巻、こう、ビャーって感じで、すげぇですね」

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 野球勝負‼ その7 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十六話 野球勝負‼ その7

第三百三十六話 野球勝負‼ その7
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

ついに芸能界の運命を決める、大勝負・『中絶ドラグーンズ』対『下半身ムラ村田イガーズ』の試合が始まってしまった。
一回表、バッターの部長が、相手チームの中絶ドラグーンズ投手、中田の投げるバイオレンスキャノン打って、ホームラン。
素人チームである『下半身ムラ村田イガーズ』がプロチームである『中絶ドラグーンズ』相手にまさかの、先制点。
解説役の田中とビデガスは、時折、野球とは全く関係がない下ネタを交えながらも、この事実に驚愕するのであった。
それでは引き続き、野球解説者の田中と、元プロ野球選手でゲストのビデガスさんに、解説をしてもらう。
「ビデガスさ~ん、『中絶ドラグーンズ』の監督が、投手交代を申し出ましたね~、これはやはり、中絶ドラグーンズ、そうとう焦っているのでは?」
『田中さんの言うとおりですね、素人高校生に打たれた影響で、中田投手のメンタルはもう、ボロボロですよ、はい』
「おっと~、ベンチに戻った中田投手、同じチームの選手を殴りましたね、ビデガスさんも以前、中田選手に殴られたとおっしゃっていましたが...」
『中田選手、相変わらずバイオレンスですね、ホント、これはもう、契約終了確定ですね、野球は紳士のスポーツですからね、暴力はイカンですよ、暴力は』
「でも、ビデガスさんは、高校時代、男子トイレで童貞卒業からのアッチのほうは満塁サヨナラホームランな高校球児だったんですよねぇ?」
『田中さんの言うとおりですよ、つまり田中さんは僕みたいなヤリチンが紳士を語るな、と、つまりそうおっしゃりたいわけでしょう?でもね、それいったら、もう、この野球界に紳士なんて、おそらくたぶんきっと1人もいませんよ、まぁ、女遊びに真摯な選手なら、たくさんいるでしょうけどねぇ!』
「ビデガスさん、さすが、元プロ野球選手だけあって玉遊びだけでなく、言葉遊びもうまいですねぇ~さすがアッチのほうもホームラン王なだけありますねぇ!」
『いや...玉遊びって、僕、現役時代はバッターですからね、まぁ、アッチのホームラン王については、否定しませんが...』
「おっと、中田投手と交代で、財藤投手がグラウンドに入ってきましたねぇ~」
『出た、ナプキン王子!アイツ、試合中、いっつも顔の汗、ナプキンで拭くんですよね~』「ナプキン...?ビデガスさん、今、ナプキンとおっしゃった?」
『ちょっと田中さん、勘弁してくださいよ~ナプキンって、アレじゃなくて、レストランのほうですってば~』
「あ~、すいません、てっきり生レバーのほうかと...」
『生レバー?』
「ということで、『下半身ムラ村田イガーズ』の次の打者は、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の竹田選手ですねぇ、竹田選手、地元では有名なムァンビキ犯だそうです...」
『なるほど、ムァンビキですか、僕もねぇ、よく高校球児の時、ムァンビキしてましたよ」「ちょっと、ビデガスさん、それ、ホントですか?』
『ええ、僕、バッターだったでしょ?やっぱりバッターは打って走るのが基本ですからね、ムァンビキはかなり、ヒット&ランの練習になるんですよ!』
「その練習は、普通の練習と、どう違うんですか?』」
『やっぱりムァンビキの場合は、アレでしょ?捕まったら、もう、そこで野球人生おしまいですから、やっぱりある意味、命が懸かってるワケですよね、当然、プロの試合も、野球でゴハン食べるわけですから、命懸けなワケですよ、つまりムァンビキでの走り込みっていうのは、普通の走り込みと違って、緊張感が違いますから、そういう意味でプロの試合の雰囲気を味わえるんですよね!なので高校時代のムァンビキで得られる経験値っていいうのは、普通の走り込みとはワケが違う!』
「おっと、竹田選手、ここで打てないともう後がない!」
『さすが財藤選手ですね、ナプキン王子と言われるだけはありますね』
「ここはなんとか、次につなげたい竹田選手、おっと打った打った打った竹田選手!早い、竹田選手早い!見事なヒット&ランで、なんとか一塁にたどり着きました‼」
『ね、さっき言ったでしょ?田中さん、なんかさっきスルーしたけどさぁ、やっぱりムァンビキで鍛えた足は、試合でウソつかないんですよね』
「それにしても、ビデガスさん、またも素人選手がプロの球を打ちました!これビデガスさん的にはどう見ますか?」
『やりますねぇ!ん~まぁ、先程のホームランもそうですけど、下半身ムラ村田イガーズの選手たち、相当、練習したんだと思いますよ、まぁ、中にはアマとプロじゃ、練習で超えられない壁があるなんて、よく言う人いますけど、下半身ムラ村田イガーズの選手たち見ていると、こう、必ずしも、そうではないんだなって、感じるんですよね』
「なるほど、アマの底力、感じるんでしたよね?」
『............にしても財藤のやつ、打たれて、相当、焦ってますねぇ、ナプキンで顔の汗拭いてますよ...』
「ビデガスさぁん!ちょっと待ってくださいよ!見てください!いつもと、ナプキンの形が違いますねぇ...」
『わぁ、田中さんの言うとおりだ!あの、ナプキンって、まさかまさかの、あのナプキンじゃないですか?ほら、やっぱりそうだ!下半身ムラ村田イガーズの女性選手達から、悲鳴と怒号が上がっていますねぇ!』
「財藤選手、よりよって、あのナプキンではなく、生レバーのほうを間違えて持ってきてしまったようですねぇ!」
『どういう、間違えの仕方したら、ああなるんですかねぇ!あと生レバーってなんですか?』
結局、この後、ナプキン王子・財藤投手の全力投球により、『下半身ムラ村田イガーズ』は追加点を逃しスリーアウト、『下半身ムラ村田イガーズ』が一点リードした状態で、攻守交替となった。

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 野球勝負‼ その8 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十七話 野球勝負‼ その8

第三百三十七話 野球勝負‼ その8
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

『下半身ムラ村田イガーズ』対『中絶ドラグーンズ』の試合。
現在、一回裏、『下半身ムラ村田イガーズ』が1点リードの、1―0。
解説 田中。
ゲスト解説 ビデガス。
「現在、一回裏、『下半身ムラ村田イガーズ』の投手は、反政府組織セイバーズのリーダーを務めている、フューラー選手です、ビデガスさん、フューラー選手、あのガタイに仮面、どう考えても普通ではありませんねぇ」
『まぁ、反政府組織のリーダーですからね、普通ではありませんよね』
「そして、『中絶ドラグーンズ』のバッターは、最近絶好調の大谷尿兵選手ですねぇ~」『大谷尿兵選手は、打ってよし、投げてよし、ですからねぇ』
「フューラー選手、投げました!打った!大谷尿兵打った‼」
『あ~っ、惜しい、今のはファールですねぇ!』
「ビデガスさん、フューラー選手の球、どう見ますか?」
『う~ん、やはり反政府組織のリーダーなだけあって、鍛えているんでしょうねぇ、いい球、投げますよねぇ』
「おっと、大谷尿兵また、ファールです...また惜しかったですねぇ、あとちょっとで、ホームランだったのに...悔しい...ですよね?」
『でも大谷尿兵選手、今ので完全にフューラー選手の球を見切りましたね』
「というと?」
『僕も、現役時代はバッターでしたから、わかるんです、こう、おぼろげながら、勘で、浮かんでくるんです、大谷尿兵選手、次は絶対飛ばすと思いますよ』
「打った!大谷尿兵、打ちました‼ホームランですッ‼」
『田中さん、やっぱり僕の言った通りだったでしょ?』
「いやぁ~ビデガスさん、『尿TIME』、出ましたねぇ~!」
『やっぱり大谷尿兵選手、持ってますからねぇ、先程の『尿TIME』で、この試合の空気、だいぶ変わったと思いますよ』
「これで、両チーム同点となりました、ビデガスさん、中絶ドラグーンズ、次のバッターはダダノ選手です」
『出ましたねぇ、ダダノ選手、彼は大学時代色々あって、日本じゃなくてメジャーで経験を積んできましたからね、彼が日本に戻ってきてから、僕も現役時代はかなり苦戦させられましたよ...』
「フューラー選手、投げました!ストライクです‼ビデガスさん、今の見ました?」
『ええ、フューラー選手の球、すごかったですねぇ、160キロは出てたんじゃないですか?』
「先程、ホームラン打たれてからの、あの剛速球、さすが反政府組織のリーダー、メンタルが強い!」
『僕も田中さんと同意見ですね、普通のピッチャーなら、ホームラン打たれた直後に、あの球は打てませんよ、でも、ダダノ選手にもメジャーの底力、見せてほしいですねぇ~』「おっと、フューラー選手、次も直球ストレートで、ストライクです、出ました、160キロ超えです」
『たまげたなぁ...ダダノ選手、もう後がなくなりましたねぇ...』
「投げましたフューラー選手、お~と打たれた!フューラー選手打たれてしまいました、ボールは?ボールは?ンア――――――――ッ‼ボール、ドームを超えました、ダダノ選手、場外ホームランです‼」
『メジャーで鍛えた打球力、たまげたなぁ、これは...!』
「中絶ドラグーンズ、同点からの2者連続ホームランで、1点先制‼現在試合は1-2となりました‼」
『下半身ムラ村田イガーズ』―1 『中絶ドラグーンズ』―2。
「『中絶ドラグーンズ』3人目のバッターはシャブハラ選手ですね、ピッチャーのフューラー選手、ここはなんとか無失点で抑えたい」
『下半身ムラ村田イガーズにしてみたら、まだ1点リードされただけですからねぇ、このあと、3人アウトにして、次の回にいけたら、気持ちとしては楽でしょうねぇ』
「フューラー選手、投げた!ンア――――――――ッ‼シャブハラ選手、打った!キメました‼ダダノ選手に続いて、またも場外ホームランです‼まさかまさかの三者連続ホームラン‼」
『シャブハラ選手、相変わらずキマってますねぇ‼』
「1回終了時点で、『中絶ドラグーンズ』2点リードです!現在、試合は1-3、フューラー選手、中絶ドラグーンズのバッターから、まだ1アウトもとれません!」
『やはり、アマとプロの差がここにきて出てきましたねぇ~』
『下半身ムラ村田イガーズ』―1 『中絶ドラグーンズ』―3。
「ここで『下半身ムラ村田イガーズ』の監督が投手交代を申し出ました、どうやら、フューラー選手から、監督で路上生活者の霧原カイト選手に、投手交代のようです」
その後、監督で路上生活者でチーム唯一の野球経験者である霧原カイトの好投によって、『中絶ドラグーンズ』からスリーアウトをとることに成功する。
しかし、3者連続ホームランを打たれた『下半身ムラ村田イガーズ』のベンチは阿鼻叫喚と化していた。
元PGS(パブリックガーディアンズ))で路上生活者で『下半身ムラ村田イガーズ』の監督である霧原カイトはチームメイトたちに激怒していた。
「ヴォォォォォォォォォイッ‼ゔおめぇらすァッ!3者連続ホームランって、野球界でなんて言われてるか知ってるか?」
部長が手を上げて自信満々に答える。
「ハットトリック!」
「ぶっ殺すぞォッ!いいか?3者連続ホームランはなァ!野球界じゃ、奇跡とか伝説扱いされてんだよ!おめぇらやる気あんのかよ!」
副部長が首を傾げながら監督に異を唱える。
「伝説なら、むしろ喜ぶべきなのでは?」
「んなワケねぇだろォ‼バケモノ育成するゲームじゃねぇんだよ‼てめぇ目ェついてんのかぁ?点数見りゃあ、こっちが追い詰められてんのわかんだろォ!大体、フューラー‼おめぇも三者連続ホームランなんて打たれやがって!反政府組織のリーダーやめちまえ‼」
元PGSで路上生活者で『下半身ムラ村田イガーズ』の監督である霧原カイト監督の支離滅裂な暴言に、フューラーはがっくりを肩を落としている。
俺は場の空気を変えるために、あえて発言する。
「でも、フューラーさんの球、160キロ超えてたじゃないですか、それに、あのダダノ選手から、たまげたなぁ!2回もストライクを取ったんですよ!相手がプロだからホームランを打たれただけで、みんな素人の割にはよくやってますよ!」
「でもなぁ!この試合には芸能界とアイドル界の未来が懸かってんだよォ‼勝たなきゃ意味ないんだよォッ‼」
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※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 野球勝負‼ その9 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十八話 野球勝負‼ その9

第三百三十八話 野球勝負‼ その9
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

芸能界の未来を賭けた野球勝負は現在、下半身ムラ村田イガーズが1点、中絶ドラグーンズが3点。
中絶ドラグーンズが2点リードしている。
反政府組織のリーダーで下半身ムラ村田イガーズのピッチャーであるフューラーの160キロの剛速球も、プロのバッター相手には通用しなかった。
三者連続ホームランを許してしまったフューラーは、元PGS(パブリックガーディアンズ)で路上生活者で監督の霧原カイトと投手交代。
元PGSで路上生活者で監督の霧原カイトの好投により、下半身ムラ村田イガーズは2点リードされた状態を維持したまま、2回目に突入した。
2回表、下半身ムラ村田イガーズのバッターは、一回表でバイオレンスで有名な中田投手からホームランを打った、部長だ。
対して、中絶ドラグーンズのピッチャーは、ナプキン王子の財藤投手だ。
先程、元PGSで路上生活者で監督の霧原カイトに罵倒されたせいか、部長はとても機嫌が悪そうだ。
ナプキン王子が投げる。
今回は食事で使用するほうではなく、生レバーのほうのナプキンを持参したナプキン王子の剛速球がミットめがけて放たれる。
しかし、一回表で中田投手のバイオレンスキャノンをホームランで打ち負かした、竜巻をまとったバットが、ナプキン王子の剛速球をとらえ、スタンドめがけてかっ飛ばす。
部長、またもホームランである。
下半身ムラ村田イガーズのベンチで選手たちが歓声を上げる。
中絶ドラグーンズのベンチからは悲鳴があがる。
しかし次の瞬間、部長が持っていたバットがボロボロに砕ける。
ボロボロに砕けたバットの中には、疾風の断罪剣・フーガセイバーが入っていた。
そう、部長がプロ野球投手相手にホームランを打てたのは、全部、疾風の断罪剣・フーガセイバーの力のおかけだったのだ。
イカサマをしていたのがバレた部長が奇声を上げる。
そう、この勝負に負ければ、俺たち下半身ムラ村田イガーズのメンバーは皆、欠本ユートのバットを『O=お A=え O=お U=う』しなければならないのだ。
反則負けを確信して、自暴自棄になった部長が、奇声を上げながら疾風の断罪剣・フーガセイバーを振り回す。
疾風の断罪剣・フーガセイバーから放たれたパブリックハリケーンが場内に竜巻を発生させる。
それを見た中絶ドラグーンズの選手達が、イカサマを働いた部長を粛正するために、場内に一斉に乱入する。
下半身ムラ村田イガーズに所属する部長のイカサマがバレて、敗北を確信しすると同時に、アイドル界の未来が閉ざされたことに絶望した元PGSで路上生活者で監督でアイドルファンの霧原カイトの指示↓で、俺たちも場内に乱入する。
「白兵戦じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
竜巻が吹き荒れる野球場で、乱闘を繰り広げる、下半身ムラ村田イガーズと中絶ドラグーンズの選手たち。
部長は、「私は悪くない、悪いのは私を含めた人類を想像した神である」、と主張しながら断罪剣を振り回している。
霧原カイトの野球特訓により洗脳され、野球戦士と化した俺も竹田もヨシノも副部長もリンカもフューラーも、中絶ドラグーンズの選手とリアルファイトを繰り広げる。
混沌の断罪剣士であるミコトだけが、乱闘を繰り広げる両チームの周りをスキップしながら、リアルファイトをしている選手たちに声援↓を送っている。
「がんばれーがんばれーがんばれーがんばれー‼」
事態の収拾を困難と判断した審判が両手で頭を抱えている。
審判の元に、欠本ユートが急いで走ってくる。
そう、欠本ユートが焦るのも無理はない。
この勝負、下半身ムラ村田イガーズが敗北すれば、俺たちは欠本ユートに『O=お A=え O=お U=う』しなければならない。
しかし、下半身ムラ村田イガーズが勝利すれば、欠本ユートは自らの枕営業の悪事を世間に公表することを俺たちに約束した。
つまり、この試合、審判の判断で乱闘による無効試合となった場合、両チームの勝敗が出ないまま、試合終了となるのだ。
それはつまり、欠本ユートにも、俺たちにとっても、プラスにもなれなければ、マイナスにもならない。
しかし、審判が下半身ムラ村田イガースの反則負けを認めれば、この勝負、中絶ドラグーンズの勝利となり、芸能界は今のまま、欠本ユートの支配下に置かれ、若手アイドルに対しての枕営業の強要は、今までどおり継続され、真実は闇に葬り去られる。
欠本ユートが審判に問う。
「審判!この勝負の結果、いったいどうするつもりなんだ!」
「死刑確定」
「はぁ?」
「欠本、忘れたのか、俺のこと」
「お前は、確か!」
そう、今回この試合の審判を担当していたのは、欠本ユートに枕営業を強要され、心を病んでしまったアイドルの父親である、秋田さんだったのだ。
「あ、秋田!おまえ、この試合、下半身ムラ村田イガーズが負けた時のことを予想して、審判として参加していたのか!」
「そうだよ、俺はお前の枕営業の強要のせいで、大切は娘の心を壊された、秋田だよ!この試合の審判として、お前に命じる、欠本ユート、お前は死刑確定だ‼」
秋田さんが、欠本ユートをグラウンドに、押し倒して、服を素手で破き始める。
「ゔああああああああああッ!秋田ァ!貴様ァ!何をするつもりだァ!」
「俺の金属バットを、お前のミットに受け止めさせる‼両方イケるお前でも、ぶち込まれるのは、初めてだろう?」
「い、意味がわからんぞ!野球の審判やめちまえ‼」
しかし、その数秒後、欠本ユートはその身で、秋田さんの言葉の意味を思い知ることになる。
そう、秋田さんの社会の窓から飛び出した金属バットが、全裸の欠本ユートのミットに直撃・貫通する。
欠本ユートの口から悲鳴が聞こえてくる。
「ンア――――――――ッ‼」
「欠本...俺の娘やアイドルたちが枕営業の強要で味わった屈辱、たっぷり味あわせてやるらからな...‼」
「ンア――――――――――――――――ッ‼」
球場内で現在も継続中の、両チームの選手同士による乱闘、球場を破壊する無数の竜巻、球場の隅で行われる復讐心に満ちたマイノリティーな交流試合。
このスポーツマンシップを完全に無視した無法地帯に、試合解説者の田中と、ゲスト解説者のビデガスは困惑していた。
「いや~ビデガスさん、この試合すごいことになってしまいましたねぇ~!」
『まぁ、最後まで何が起こるのが、わからないのが野球ですからね~!』
「...............ということで、今回の試合は勝敗不明のまま、終了となります、ビデガスさん、今日はありがとうごいました!」
『ええ、こちらこそ、ありがとうございます、想像していた以上にすごい試合が見られてよかったです!』
「それでは、今日の試合の解説は、わたくし田中と、ビデガスさんが担当させていただきました、それでは、さようなら‼」
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次回予告 アポカリプス その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百三十九話 アポカリプス その1

第三百三十九話 アポカリプス その1
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

地球の深層に存在する『内核』。
PGS(パブリックガーディアンズ)は数年前、長年の調査によって、この『内核』に、存在する生命体こそがパブリックブレイク現象の原因である事実を突き止めることに成功する。
しかし、その生命体がいるのは、地球内部である。
政府はパブリックブレイク現象の原因を知りながらも、地球崩壊のリスクを考慮して、内核の生命体との交渉を避けてきた。
しかし、月日の経過とともに発生する、各国家間の、武力による食料の奪い合いに、人類の終末が近いことをさとった、政府は、人類終末回避のために、ついにPGSに内核に潜む、謎の生命体との交渉を許可する。
PGSが、内核に潜むパブリックブレイク現象の原因となる生命体との、交渉に成功すれば、人類は約束された終末の回避に成功し、未来を勝ち取れるのだ。
それは、食料確保を目的とした国家間の武力衝突の一時的な停止を意味している。
しかし、内核に潜む謎の生命体との交渉に失敗すれば、いったいどうなるのか、その事実を知る者はまだ、この地球にはいなかった。
PGSはすでに、専用の武装をした軍隊と、PGSが管理するパブリックモンスター達と専門家で構成された特殊部隊SPPGS(スペシャル・パブリックガーディアンズ)を地球内部に派遣していた。
SPPGSはPGSが数年前から、内核に潜む生命体との交渉のために、地球内部を採掘して作った地下通路を使って、内核へと歩みを進める。
この地下通路は、それこそ、政府の内核への交渉許可が降りる前から、採掘されていたのだ。
政府に無許可で作られた地下通路を、SPPGSは進む。
SPPGSのメンバーの中には、PGSで政府長官を務める、爆炎の断罪剣士・宮本テツヤも参加していた。
これは、単純に内核に潜む生命体との交渉に失敗したときのことを考慮しての、参加である。
他の断罪剣士達が、野球場で乱闘騒ぎを起こしている裏で、SPPGSはついに内核に潜む生命体との接触に成功した。
SPPGSのメンバーの一人が歓喜の声を上げる。
「宮本さん!見てください、これはどうみても、生命体です‼」
「そんなことは見れば、わかる...」
内核に潜む謎の生命体との遭遇に、防護服を身にまとったSPPGSのメンバーたちはお互いの顔を見合わせ、歓声を上げる。
しかし、この生命体との交渉に成功することが出来なければ、人類は滅亡する。
この、発見と遭遇は決してゴールでない、むしろスタートなのだ。
なにしろ、その生命体は、人間の姿をしており、簡単に説明すると、小柄な少女といったほうがわかりやすいかもしれない。
SPPGSのメンバーの1人が突然、奇声を上げる。
他のSPPGSのメンバー達が危険を察知したときにはもう、遅かった。
奇声を上げたSPPGSのメンバーは、そのまま、宮本テツヤに姿を変え、宮本テツヤ本人に襲いかかる。
二人の宮本テツヤが争う、しかし、それによって、他のSPPGSのメンバーたちは、どちらが本当の宮本テツヤであるか、わからなくなってしまう。
そう、なぜなら、今、存在する二人の宮本テツヤは、共に爆炎の断罪剣・グレンセイバーを所有していたからだ。
そして、戦闘能力もほぼ同じ。
宮本テツヤは急遽起きたアクシデントに対して、他のSPPGSのメンバーたちに命令する。
「今すぐ、偽物ごと、私を殺すんだ!」
しかし、遅かった。
偽物の宮本テツヤはそのまま、爆炎の断罪剣グレンセイバーからパブリックフレイムを放ち、SPPGSのメンバー達を一瞬で焼死させる。
宮本テツヤは、姿・形・能力を自分そっくりに変えた敵に対して、結論を言い放つ。
「そうか、君は日本に潜入した『K国』が軍事利用していたパブリックモンスターの、最後の生き残りだな?」
「正解、俺のコードネームはピョヌァ、『K国』の言葉でピョヌァは変化の意味を持つ...」「君の目的はなんだ?この内核に潜む生命体との交渉に成功すれば、人類は滅亡せずに済むんだぞ!なぜ我々の邪魔をする?」
「お前、バカだろ?」
「どういう意味だ?」
「人類の終末なんて、パブリックブレイク現象が発生する前から、決まってただろうが、環境汚染に、戦争、自ら滅亡に向かっているのは、今も昔も同じだろ?」
「君の言っていることは正しい、でも、君にだって守りたいものがあるはずだ!君は我々の計画を邪魔することが、結果的に、君の大事なものを傷つけることになることが理解できないのか?」
「守りたいもの?大事なもの?あったさ!俺には共に任務でこの国に潜入した、戦友たちがいた!でも、もうみんな死んじまった!ファヨムも!カルも!チュンシクも!もう、俺には守るものも大事なものもなにもない!だから、壊してやる!どうせ、パブリックブレイク現象がなくても、人類は自らの手で滅ぶはずだったんだ!なら、俺の手で全部、壊してやる‼俺たちを人間扱いしない祖国を!お前たちの国を!この世界を‼ぶっ壊す‼」
「イカれているな...」
「イカれてんのは、世界の方だろ...?」
「悪いが、これ以上、君に私の計画を邪魔させるわけにはいかない、死んでもらう‼」
爆炎の断罪剣・グレンセイバーを手に持った二人の宮本テツヤが激突する。
実力は、ほぼ互角。
お互い一歩も引かない、切り合いの応酬に、二人は長期戦を確信する。
しかし、バトルフィールドは地球の深層・内核である。
そして、その内核に適応した防護服にも時間制限がある。
つまり、防護服に設定された制限時間を超え、その機能が停止すれば、人知を超えた力を持つ二人も、内核の中から放たれる熱を浴びて、死ぬことになる。
二人に残された時間は少ない。
しかし、それこそがピョヌァの作戦、最強の断罪剣士である宮本テツヤとの圧倒的な実力差を埋めることができる唯一のチャンス。
先に痺れを切らしたピョヌァが、内核に潜む生命体に向かって、パブリックフレイムを放つ。
「このチビ女を殺しちまえば、もうおめぇらは、交渉すらできない!人類は終りだァ‼」「させるかぁぁぁぁぁッ‼」
宮本テツヤは、自らに変化したピョヌァが放ったパブリックフレイムをその身に受け、内核に潜む謎の生命体を体を張って守る。
自らの体を盾にしたことで、防護服は爆砕し、肉体に灼熱の炎を浴びる宮本テツヤ。
そう、それは、宮本テツヤの死を意味していた。
「やっぱり、そう来ると、思ってたよ、宮本テツヤ...」
「貴様、最初から、そのつもりで、内核に攻撃を仕掛けたのか...」
「ああ、そうさ。アンタが、あの内核のチビ女を助けるために、その身を盾にすることなんて、最初から予想済みさ、なんたって、俺の能力は相手の全てをコピーする能力、アンタの思考なんて最初から、お見通しさ。アンタ、どうして自分が負けたかわかるか?」
「お前が、卑怯者だからだ...!」
「違うねぇ!答えは簡単、アンタには守るものがあって、俺には守るものがなかった!ただそれだけさ、なにかを守る為に生きてる奴は、その守るべき存在のために、常に自分を犠牲にしなければならない、でも、何も守るものがない奴は逆だ!何も守るものがないやつは、常に自分勝手に自由に生きること、決断することができる!人間、守るものを見つけちまったら、そこで弱くなっちまう!会社・軍隊・国家、そういう同調圧力で構成された大多数の価値観に、自分の守りたいものを人質に取られて、一生、その大多数の価値観の言いなりになるしかねぇ!それが自然界を生きる生命体の姿であっていいわけがない、俺たち人間はもっと自分勝手に自由に生きるべきなんだ‼だから壊してやる全部、最強の断罪剣士の力を得た、この俺が‼」
本来の姿に戻ったピョヌァが、死亡した宮本テツヤの手から、爆炎の断罪剣グレンセイバーを奪う。
左右の手に持った2本の爆炎の断罪剣グレンセイバーを、地面に音を立てて引きずりながら、ピョヌァは内核に潜む謎の生命体に向かって、こう告げる。
「さぁ、世界の終末の始まりだぁ...!」

次回予告 アポカリプス その2 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十話 アポカリプス その2

第三百四十話 アポカリプス その2
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

PGS(パブリックガーディアンズ)の特殊部隊、SPSGSは、ついに、パブリックブレイク現象の原因、内核に潜む謎の生命体との遭遇に成功した。
しかし、SPPGSのメンバーの姿を変えた、K国が軍事利用するパブリックモンスター・ピョヌァの襲撃により、SPPGSのメンバーのほとんどが死亡。
最強の断罪剣士である、爆炎の断罪剣・グレンセイバーの使い手である宮本テツヤに姿を変えたピョヌァは、宮本テツヤと交戦を開始。
自らの能力により、宮本哲也の全てをコピーした、ピョヌァは、最強の断罪剣士である、宮本テツヤとほぼ互角だった。
内核から、発せられている超高熱から身を守る為に、装着している防護服の制限時間が迫る中、ピョヌァはパブリックブレイク現象阻止の鍵となっている、内核に潜む謎の生命体に攻撃を放つ。
しかし、宮本テツヤは、自身に、姿と能力をコピーしたピョヌァの攻撃から、内核に潜む謎の生命体を守る為に、その身を盾にする。
ピョヌァはコピーした爆炎の断罪剣グレンセイバーのほかに、死亡した宮本テツヤの死体から本物のグレンセイバーを奪い、世界の終末を告げる。
「さぁ、世界の終末の始まりだぁ...!」
ピョヌァの目のまえには内核に潜む謎の生命体が眠っていた。
宮本テツヤが自らの命を犠牲にした守った、その謎の生命体は、少女の姿をしていた。
「ケッ、こんなガキ、一人のせいで、人類滅亡だと!ふざけやがって‼この女さえ、いなければ、俺はパブリックモンスターにならずに済んだんだ!親に捨てられずに済んだ!軍に兵器として利用されずに済んだんだ!」
ピョヌァは2本のグレンセイバーからパブリックフレイムを内核に潜む少女放つ。
少女を守っていた透明の防護壁が一瞬で破壊される。
透明の防護壁の破壊により居場所を失った少女の全身が、超高熱を放つ内核に放り出される。
「この女、この超高熱の中で、普通に呼吸してやがる...」
少女が口を開く。
「アポカリプス...」
少女が立ち上がる。
「何だ?」
「私の名はアポカリプス、先程のお前の言葉、しっかりと聞いたぞ...」
「言葉...?ああ、そうさ!お前が引き起こしたパブリックブレイク現象のせいで、バケモノになっちまった俺は親から捨てられ、軍隊に売られた!今じゃ、仲間もみんな死んで、こうして異国で1人ぼっちだ!」
「なぜ、私が引き起こしたパブリックブレイク現象で人知を超えた力を授かったというのに、私を憎む?」
「人間っていうのはそういう生き物なのさ、優れた人間またはバカな人間、普通じゃない奴は数の力で排除しようとする...」
「なら、そんなつまらん存在はそれこそ、私が与えた力で滅ぼしてしまえばいい」
「それこそ、アンタの思惑通りだろ?アポカリプスさんよ!」
「どういう意味だ?」
「パブリックブレイク現象で、多くの人間を異能者や怪物をにして、争わせる、それだけじゃねぇ、当然、お前のせいで異能者や怪物になっちまった奴らは、異能者や怪物を恐れた人間たちとも争わなくちゃいけない、そしてその先に待っているのは、人類の滅亡とパブリックモンスター同士の終わりなき殺し合いだ!」
「よくわかっているな、君は。君の言うとおりだよ、私の目的は人類の進化による、人類の滅亡。君が爆炎の断罪剣士に言っていた通り、私がパブリックブレイク現象を起こさなくても、人類は環境汚染と戦争で自ら滅びるだろう」
「ならなぜ、パブリックブレイク現象なんか起こした?」
「人類の滅亡、これはいい。しかし、人類による地球の滅亡、これはどんな手を使っても阻止しなければならない、そのためのパブリックブレイク現象だ」
「なるほど、地球の平和を守る為に、人類を滅ぼすか...まるで、神様だな...」
「神などいない、神は人々が作った架空の存在だ。私と一緒にするな、お前は私の眠りを妨げた、お前の目的を聞かせろ...」
「破壊だよ、破壊。俺がお前もPGSもセイバーズも人類も世界も全部、ぶっ壊す‼」
「その2本の断罪剣でか?」
「ああ、そうさ!仮にお前が俺より強くても、俺にはお前の全てをコピーする力がある!俺に怖いものは何もねぇ‼」
「ピョヌァよ、確かに最強の破壊者と化したお前に、現時点では、不可能はない。でも、この世界には常に可能性が満ち溢れている、その可能性まで、破壊するには、未来予知の力が必要になる...」
「なるほど、未来予知がお前の能力なのか?」
「違う。そんなことができれば、とっくの昔に人類を滅ぼしていた、人類がここまで愚かになる未来を予測できなかったからこそ、パブリックブレイク現象が起きたんだ...断罪剣が目覚めたのが、その何よりの証拠だ」
「どういう意味だ?」
「断罪剣は、人類を含む、この地球全ての自然の力を支配する力を持っている、生命・凍結・疾風・大地・雷光・混沌・爆炎...この7本の断罪剣は今まで、地球の自然現象として、人類に無償で自然の恵みを与えてきた、しかし、人類による、環境汚染で地球自身が身の危険を察知したことで、7本の断罪剣は異空間に向けて解き放たれた、それによって、封印から解放された私によって、パブリックブレイク現象が発生した...」
「つまり、7本の断罪剣が、お前、アポカリプスを封印していた。でも、人類の環境汚染が続いて、地球の崩壊を察知した地球そのものが、7本の断罪剣の封印からアポカリプスを解き放ち、パブリックブレイク現象を発生させて、人類を滅亡させようとした...」
「正解だ...」
「なら、断罪剣があれば、お前を封印できるってことか?」
「それは不可能だ、そもそも私を封印していた7本の断罪剣の解放も、私がここでパブリックブレイク現象を起こしていたのも、すべて、『地球の意思』だ。私がパブリックブレイク現象を起こすということは、『地球の意思』が人類を滅ぼそうとしていることを意味している、パブリックブレイク現象を終わらせるためには、『地球の意思』を説得するしか方法はない」
「じゃあ、パブリックブレイク現象...つまり、お前の存在そのものが、地球の人類への宣戦布告だっていうのかよ...だいたい、アポカリプス、お前はなんで封印されていたんだ」「私はパブリックブレイク現象を発生させる人類滅亡装置でしかない、そして、7本の断罪剣は、私という人類滅亡装置を制御する鍵だ、そして、その鍵を開けることができるのは、地球の意思だけだ」
「じゃあ、仮に7本の断罪剣の力で、お前を封印しても、地球の意思により、何度でも、お前の封印は解かれ、その度にパブリックブレイク現象は何度でも、蘇り、発生し続ける...」
「その通りだ、ピョヌァよ、お前が全てを破壊する者を自称しても、遅かれ早かれ、地球の意思の目的はお前と同じ、お前がこれから起こそうとしている破壊行為は、遅かれ早かれ地球の意思そのものが、私という存在を通してパブリックブレイク現象を起こし、成し遂げられる...」
「つまり、俺の存在、俺がこれからやろうとしていることは、全部、無意味だって言いたいのか?」
「その通りだ、なら、俺がこの世界の全てだけじゃねぇ!この地球そのものを破壊するって言ったら、地球の意思とやらはいったい、どう動くんだ?」
「言ったはずだ、7本の断罪剣は、それぞれ、地球の自然を支配していると、つまり、この世界に存在する、生命も混沌も、すべて、自然現象、つまり、地球の意思の手のひらの上で行われていることだ、もちろん、お前の行動も...」
「なるほどな、全ての始まりである生命を司る生命の断罪剣ライフセイバー、人間世界の破壊と創造のきっかけに必要不可欠な混沌を司る混沌の断罪剣カオスセイバー、生命はともかく、混沌がなぜ自然現象の一部なのか理解できなかったが、これで合点がいく、つまり、歴史の授業で習った戦争による『混沌』も、『生命』の誕生と死も、今まで、ライフセイバーとカオスセイバーによって引き起こされた自然現象だったってことだな」
「その通りだ、お前達人類は常に、自然界の手のひらで踊らされているに過ぎない、その人類より上位の存在である自然界をお前達人類は、欲望と支配のために破壊し続けた、お前たちが排泄行為をするのと同じく、地球の意思はお前たちを自らの一部として不必要と判断した、だからお前たちは滅びる」
ピョヌァが爆炎の断罪剣グレンセイバーをアポカリプスの腹部に突き刺す。
「長話はもう飽きた、まず、パブリックブレイク現象を起こしたお前から死んでもらう」「愚かな...言ったはずだ、パブリックブレイク現象を起こしたのは、私だ。しかし、7本の断罪剣に封印されていた私の封印を解き、パブリックブレイク現象を私に起こさせたのは、地球の意思だ、私を殺しても、現状は何も変わらない...」
「安心しろ、お前だけじゃねぇ、地球の意思とやらも、人類と世界と一緒に壊してやるよ、地球そのものを破壊しちまえば、その地球の意思ってのも死ぬんだろ?」
「忘れたのか?お前達人類は、地球の意思の手のひらで踊らされていることを...」
「忘れてねぇよ、でも、たとえ、俺がこれからしようとしていることが、仮に地球の意思の手のひらで踊らされているのと同じことでも、俺は踊り続ける、俺が地球の意思の手のひらで踊り続けるかどうかは、俺が決める!」
「私が消えることは、地球の意思が私に代わって、人類を滅ぼすということだ...人類を襲うパブリックブレイク現象の脅威はかつてないほど大きなものになるだろう...お前が私を殺すということは、地球の意思への宣戦布告と同じことだ...」
「先にパブリックブレイク現象で人類に宣戦布告してきたのは、地球の意思のほうだろ?なら、イイじゃねぇか、人類を代表して俺が地球の意思に宣戦布告してもなァ!」
爆炎の断罪剣グレンセイバーに刺されたアポカリプスが消失していく。
ピョヌァは、どこに存在するかもわからない、地球の意思に対して、大きな声で宣戦布告↓をする。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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この日、世界中で一斉に、今までにない程、大規模なパブリックブレイク現象が発生した。
地球の意思と、人類の戦いが始まった。

次回予告 アポカリプス その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十一話 アポカリプス その3

第三百四十一話 アポカリプス その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

芸能界の未来を決める野球勝負、中絶ドラグーンズと下半身ムラ村田イガーズの勝負は、竜巻と乱闘と芸能事務所社長とその被害者家族の汗・水・体液が流れるマイノリティーな交流によって無効試合になった。
イカサマがバレたことが原因で、疾風の断罪剣フーガセイバーの力でサイレーススタジアムを破壊しつくした部長は警察に捕まって留置所送り。
プロ野球選手と乱闘を繰り広げた下半身ムラ村田イガーズの選手も、警察に捕まって留置所送り。
誰もがそれぞれの人生の終わりを確信している中、地球の深層で起きたピョヌァの地球の意思への宣戦布告によって発生した、人類史上最大規模のパブリックブレイク現象により、人類が終わりを迎えようとしていた。
そう、このままでは、留置所にぶち込まれた下半身ムラ村田イガーズの選手達の人生よりも先に、人類が滅んでしまうのだ。
そして、人類史上最大規模のパブリックブレイク現象が発生した、この日、留置所で爆睡していた山神ムサシの頭にパブリックブレイク現象の発生を知らせるアレ↓が、おぼろげながら浮かんできた。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「↑ゔわあああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
急に叫びだした山神ムサシに、留置所の隣の部屋に収監されていた爆睡中の竹田が起床、マジギレする。
「ゔるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
山神ムサシはふと思う。
(この、やりとり、なんか久しぶりだな...)
山神ムサシの深夜の絶叫に、元PGSで路上生活者で元監督で現犯罪者の霧原カイトと雷光の断罪剣士・フューラーも目を覚ます。
カイトが山神ムサシに告げる。
「ヨシノから聞いたことがある、お前が奇声を上げると必ずどこかでパブリックブレイク現象が発生すると...」
「ええ、今回は、今までとは比べ物にならない程の大きなパブリックブレイク現象です...!」
「なら、お前とフューラーは今すぐ、断罪剣を召喚して留置所から脱出するんだ!」
「監督...でも、そんなことしたら、今より罪が重くなるかも...」
「そんなこと言っている場合か!人類の存続と刑期の延長、今、お前にとって大事なのはどっちなんだ!」
いや、どっちも大事だろ。
「お前のパブリックブレイカーに能力を消された俺はもう、戦えない、だから頼む、俺の分もフューラーと共に人類を救ってくれ‼」
「でも、そんなことしたら、今より罪が重くなるかも...」
フューラーが現世に雷光の断罪剣ライガセイバーを召喚して、留置所の檻を破壊する。
「フューラーさん!そんなことしたら刑期が!」
「どちらにせよ、私は反政府組織のリーダーだ、これ以上罪が増えるのはあまりおもしろくないが、事態が事態だ、山神ムサシ君、ともに人類を救おう!」
あまりどころか、そもそもぜんぜんおもろしくねぇだろ。
フューラーが雷光の断罪剣ライガセイバーで俺の檻も破壊する。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!何してくれとんじゃァァァイッ‼」
「そう、怒らんでくれ、人類が滅びたら、刑期が伸びるどころか、君もみんなも死んでしまうんだぞ」
「まぁ、そう言われてみればそうなんですけどね...」
技の出力を落とした雷光の断罪剣ライガセイバーの電撃によって、留置所を監視していた警察官を次々と気絶させていく。
女性専用の留置所にたどり着いた俺とフューラー。
フューラーが雷光の断罪剣ライガセイバーで、凍結の断罪剣士ヨシノ、疾風の断罪剣士・部長 、大地の断罪剣士リンカ、混沌の断罪剣士ミコトが収監されている檻を破壊する。
不思議なことに、女性陣は皆、起床していた。
「ヨシノに部長、みんな、なんかもう、準備万端って感じだな...」
ヨシノが呆れた口調で答える。
「そりゃあね、となりの留置所からアンタのうるせー叫び声が聞こえてきた時点で大体、察しはついてたわよ、つーかいつもより声、大きくなかった?」
「いや、それほどでも...」
「ほめてねーわよ‼」
フューラーがみんなに向かって指示を出す。
「とりあえず、途中で遭遇した警官は気絶させて、警察署を出よう、作戦の立案はその後だ!」
しかし次の瞬間、警察官と思われる女性の悲鳴が聞こえてきた。
「きゃああああああああああああああああああああああああッ‼」
留置所から廊下に出ると、そこには、警察官の制服を身に着けた大量のパブリックモンスターたちがいた。
「まさか、パブリックモンスターたち、全員、警察官...?」
「室内がこの様子なら、外はもっと、すごいことになっているはずだ...!」
「俺のパブリックブレイカーなら、みんなを元に戻せます!」
「ダメだ、一日に撃てるパブリックブレイカーには限りがあるはずだ、それに外には、ここより大量のパブリックモンスターがいるはずだ...君の体力を考慮したら、その案には賛成できない」
「でも...!」
思わぬ状況に混乱する断罪剣士達、しかし、混沌の断罪剣士のミコトが提案する。
「ここは私が道を切り開きます...パブリックカオス...!」
ミコトが右手に持った、混沌の断罪剣カオスセイバーから黒い波動を放つ。
黒い波動を浴びた大量のパブリックモンスターたちが一斉に、パニック状態になり、叫び声を上げ続けたまま、動きを止める。
「対象を一斉に混乱状態に洗脳して、行動不能にする...これが、カオスセイバーの力...‼」俺の言葉にミコトがフォローを入れる。
「パブリックカオスの出力を上げれば、同士討ちによる自滅も可能です...それより、先を急ぎましょう...」
警察署を出た俺たちを待っていたのは、地獄絵図だった。
パブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになった者や、すでにパブリックモンスターだったと思われる者が暴走を始め、共食いを始めたり、人間たちに襲いかかっていた。

次回予告 アポカリプス その4 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十二話 アポカリプス その4

第三百四十二話 アポカリプス その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

日本に潜入した、K国が軍事利用しているパブリックモンスター最後の生き残りであるピョヌァはパブリックブレイク現象の原因を作っている、アポカリプスを殺害。
ピョヌァはアポカリプスそのものを管理・支配している地球の意思に対して、宣戦布告をする。
地球の意思はピョヌァの宣戦布告に対して、人類史上最大規模のパブリックブレイク現象を起こす。
これにより、全世界の多くの人々が、一斉にパブリックモンスターになり、すでにパブリックモンスターであった者達は一斉に暴走を始める。
件の野球勝負により、警察署の留置所にぶち込まれていた下半身ムラ村田イガーズの選手達は、選手の一人である、山神ムサシの奇声により、大規模なパブリックブレイク現象の始まりを知る。
警察署を出てすぐに、人類史上大規模のパブリックブレイク現象の発生を、その目で確信した断罪剣士達は、目の前で発生しているパブリックモンスター達同士の共食いや、殺し合い、暴走したパブリックモンスター達が人間を襲う姿を見て戦慄するのであった。
目の前の惨劇を見た山神ムサシが、反政府組織のリ―ダーであるフューラーに質問する。
「これは、いったい、何がどうなっているんだ?」
「どうもこうも、これはパブリックブレイク現象だ...」
「そんなことはわかってる!俺が言いたいのは、今、行われているコレは、今までのパブリックブレイク現象とは比べものにはならないということだ!」
「原因は不明だが、おそらく、人類史上大規模のパブリックブレイク現象だ...早く何とかしなければ、今日が人類最後の日になってしまう...」
付近のマンションの屋上から、聞き覚えのない声↓が聞こえてきた。
「その通り、今日が人類最後の日になるんだ‼」
声が聞こえてきた方向には、二刀流の見知らぬ男がマンションの屋上に立っていた。
断罪剣士達が一斉に、見知らぬ男のいる方向に視線を集中させる。
「俺の名前は、ピョヌァ、この国に潜入した、K国が軍事利用しているパブリックモンスターの最後の生き残りだ!」
6人の断罪剣士達が一斉に、心の中で疑問符を浮かべる。
「誰...?」
「誰よあれ?」
「知らねーわよ!」
「誰ですかねぇ...」
「誰だ...」
「誰なんでしょう...?」
しかし次の瞬間、ピョヌァの両手に握られた爆炎の断罪剣グレンセイバーから放たれた炎が警察所の前で暴れているパブリックモンスター達を一斉に、消滅させる。
「なにするんですか!やめてください‼」
PGS(パブリックガーディアンズ)に所属している、凍結の断罪剣士ヨシノと大地の断罪剣士リンカと、が、ピョヌァの攻撃を見て、何かに気付く。
「リンカ、あれ、もしかして...!」
「ええ、先輩の予想通り、あの炎は宮本長官の断罪剣、グレンセイバーの炎...なぜ、アイツがグレンセイバーを持っているんでしょうか、しかも2本も...」
部長がいつになく真面目な口調で、ピョヌァに質問する。
「アンタの目的はいったい何?」
「俺の目的は、人類とパブリックモンスターと世界と地球の破壊だ...」
「イ、イカれてるわ...」
「ああ、さっきもこのグレンセイバーの持ち主から、同じことを言われたよ、まぁ、もう俺に殺されちまったがな...」
ピョヌァに対して憎悪をむき出しにしたリンカが大地の断罪剣ガイアセイバーを地面に突き刺す。
「まったく、キムチテロリストはどいつもこいつも、バカばかりですね...」
「ああん?てめぇ、今なんて言った?」
ガイアセイバーの大地を支配する能力により、地面のコンクリートの一部がはがれ、一つになる。
「パブリック・クラッシュ...!」
大量のコンクリートの塊で出来た巨大な竜が、ピョヌァに襲いかかる。
しかし、ピョヌァはそれをすぐに回避、グレンセイバーから放ったパブリックフレイムをリンカに向けて放つ。
リンカはガイアセイバーの力で、地面のコンクリートを集めて創造した岩壁で、パブリックフレイムを防ぐ。
「その戦い方、お前、もしかして大地の断罪剣士、工藤リンカか?」
「ええ、その通りですよ」
「PGSの職員に姿を変えて潜入していた時、たまたま聞いちまったんだよなぁ、右腕を負傷して、医療施設に入院した大地の断罪剣士が、俺の仲間、カルとチュンシクを殺したって噂を...」
「カルとチュンシク...ああ、K国のテロリスト共ですか、でも、その噂、ちょっと間違ってますね、増殖能力を持ったチュンシクは確かに私が殺しました...でも腕が伸びるカルは、勝手に自殺しましたよ...自分の頭を銃で撃ってね、実に哀れな死にざまでしたよ...」
リンカがピョヌァの殺気を感知した時にはもう遅かった。
ピョヌァの右手に握られたコピー版のグレンセイバーが、一瞬でガイアセイバーに変化する。
リンカの周りの地面のコンクリートが集合、ドーム状に姿を変え、リンカを閉じ込める。
リンカの大地の断罪剣ガイアセイバーの力をコピーした戦術を見た他の断罪剣士たちが、一斉にピョヌァの能力に気付いてしまう。
「ガイアセイバーの力をコピーした...!あれが、ピョヌァのパブリックモンスターとしての能力...!」
ピョヌァがコピーしたガイアセイバーの能力によって建設されたコンクリートのドームに閉じ込められたリンカ。
「ガイアセイバーのコピーで発動した能力なら、私のガイアセイバーで何とかできない道理はないはずです...!」
リンカは本物のガイアセイバーの力で、大地を操り、自らを封じ込めるドームを破壊しようとする。
ピョヌァの思惑に気付いた、他の断罪剣士達が一斉に、リンカを閉じ込めているドームを破壊するために、ドームに向かって、攻撃を開始する。
「遅ぇよ、パブリックフレイム‼」
しかし、断罪剣士たちの攻撃がドームに到達する前に、リンカを閉じ込めるドームが内側から大爆発する。
大爆発により発生した爆風に吹き飛ばされる断罪剣士たち。
そして、マンションの屋上には爆炎の断罪剣グレンセイバーを屋上の地面に突き刺したまま、満面の笑みを浮かべているピョヌァ。
リンカを中心にグレンセイバーによって発生した大爆発が、断罪剣士達だけでなく、その周りに存在する建物や生命体にも大ダメージを与える。
自らの攻撃により、マンションが崩壊、足場を失ったピョヌァが、黒い煙が漂う焦土を、他の断罪剣士たちを探すために、歩きさまよう。
「怒りに身を任せて、すこし威力の調整をミスっちまったが、まぁいいだろう...カル、チュンシク...お前たちの仇は討ったぜ...!」
目の前でリンカが爆死したショックで茫然自失となった俺の周りを漂う黒煙が、切り裂かれる。
切り裂かれた黒煙の向こうには、右手にガイアセイバー、左手にグレンセイバーを持ったピョヌァがいた。
「次はお前の番だ、生命の断罪剣士、山神ムサシ...生前のカルから大体のことは聞いた、ファヨムの仇、討たせてもらうぜ...」
ファヨムとは、俺のパブリックブレイカーで能力を失い自殺した、K国が軍事利用していたパブリックモンスターのテロリストである。
「確かにファヨムは俺のせいで自殺した...でも、俺が直接、殺したわけじゃない!」
「じゃあ、お前が殺したのと同じだろ?」
ピョヌァがグレンセイバーから放った爆炎が俺に迫る。

次回予告 アポカリプス その5 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十三話 アポカリプス その5

第三百四十三話 アポカリプス その5
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

大地の断罪剣・ガイアセイバーの力を、自らの能力によりコピーしたピョヌァは、ガイアセイバーの力で周囲のコンクリートを集合させ作ったドームに工藤リンカを閉じ込める。
そして、ピョヌァは爆炎の断罪剣・グレンセイバーから放った爆炎を、ドーム内に放ち、ドームごとリンカを爆破する。
ガイアセイバーとグレンセイバー、異なる属性の断罪剣の力を融合させた技で、仲間の仇であるリンカを爆死させた、ピョヌァは次の仇討ちを達成するために、俺の前に立ちふさがるのだった。
「次はお前の番だ、生命の断罪剣士、山神ムサシ...生前のカルから大体のことは聞いた、ファヨムの仇、討たせてもらうぜ...」
ファヨムとは、俺のパブリックブレイカーで能力を失い自殺した、K国が軍事利用しているパブリックモンスターのテロリストである。
「確かにファヨムは俺のせいで自殺した...でも、俺が直接、殺したわけじゃない!」
「じゃあ、お前が殺したのと同じだろ?」
ピョヌァがグレンセイバーから放った爆炎が俺に迫る。
俺の目の前に落雷が落ち、グレンセイバーの爆炎を相殺する。
「雷光の断罪剣士か...しかし、俺の目の前で、その技を使えば、どうなるのか、いったいわかっているだろうに...」
ピョヌァの手に握られたコピー版のガイアセイバーがすぐに、雷光の断罪剣・ライガセイバーに変化する。
ピョヌァが楽しそうに告げる。
「パブリック・リュミエール...!」
黒煙漂う焦土に、ピョヌァが放った無数の雷が降り注ぐ。
雷の直撃をくらったと思われる、雷光の断罪剣士フューラーと混沌の断罪剣士ミコトの悲鳴が、黒煙漂う焦土に響き渡る。
「おっと、ビンゴォ!これで3人目だぜ!」
次の瞬間、焦土を漂う黒煙が一瞬で吹き飛ばされる。
「パブリック・ハリケェェェェェェェェェーンッ‼」
部長が疾風の断罪剣から放ったと思われる巨大な竜巻が、ピョヌァの背後を襲う。
背後からの攻撃に不意をつかれたピョヌァに巨大な竜巻が直撃、すぐに部長の絶叫が俺の鼓膜を振るわせる。
「山神君!今よ‼」
「よっしゃああああッ!パァァァッブリィクゥゥゥッ!ブレイカァァァァァァーッ‼」
俺が両手に握った生命の断罪剣ライフセイバーから放たれたパブリックブレイカー↓がピョヌァに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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ピョヌァはコピー版の雷光の断罪剣ライガセイバーを、大地の断罪剣ガイアセイバーに変化させて、周囲の焦土を集合させて作った壁で、パブリックブレイカーを防ぐ。
「残念だったなァ‼断罪剣の能力なら、いくらパブリックブレイカーでも消滅させることは不可能‼」
そう、パブリックブレイカーは、パブリックモンスターの能力を完全に消滅させ、人間に戻す力、断罪剣の能力は消滅することは不可能なのだ。
しかし、山神ムサシの2発目のパブリックブレイカー↓がピョヌァに向かって放たれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「バカがァ!何度やっても同じだァ‼」
ピョヌァはコピー版のガイアセイバーの能力で周囲の焦土の土を集合させ、自らの全身を、大量の焦土の土を集合させ建設したドームで覆う。
2発目のパブリックブレイカーの防御に成功したピョヌァ。
しかし、ピョヌァの全身を、とてつもない寒気が襲う。
「この寒気はいったい、なんだ!さっきの爆発でこのあたりの温度は高くなっているはずだ...もしや、凍結の断罪剣士の仕業か?ありえない!爆発による、この焦土の中に、まともな水分が存在するはずがない...!」
しかし、ピョヌァの全身を襲う寒気はどんどん強くなり、極度の低体温症がピョヌァを襲う。
ピョヌァが立てこもった大量の焦土の土でできたドームの外には、ドームに向けて凍結の断罪剣・ヘイルセイバーを向けるヨシノの姿があった。
ヨシノの足元には、フューラーとミコトの死体が横たわっている。
そう、氷を司る凍結の断罪剣の使い手であるヨシノは、焦土に横たわるフューラーとミコトの死体の水分を利用して、ドーム内のピョヌァを極度の低体温症にしたのだ。
人間の体内に含まれる水、その量は、およそ40リットル。
つまり、フューラーとミコトの体内から消費される水分は約80リットル。
水分がほぼ皆無の焦土の中でも、凍結の断罪剣ヘイルセイバーの能力でピョヌァ1人を極度の低体温症にするには、約80リットルの水分は十分な量である。
部長の疾風の断罪剣フーガセイバーから放たれた巨大な竜巻が、ピョヌァを覆うドームを破壊する。
焦土には極度の低体温証により瀕死状態のピョヌァが横たわっている。
今ならピョヌァにパブリックブレイカーを直撃させることができる、しかし、ピョヌァのコピー能力を完全に消滅させ、人間に戻したところで、リンカとフューラーとミコトが死んだ事実は変わらない。
「ゔあああああああああああああああッ‼パァァァッブリィクゥゥゥッ!ブレイカァァァァァァーッ‼」
3度目のパブリックブレイカー↓がピョヌァに直撃した。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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この瞬間、ピョヌァはコピー能力を失い、人間に戻った。

次回予告 アポカリプス その6 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十四話 アポカリプス その6

第三百四十四話 アポカリプス その6
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

地球上の人間を含めた全ての自然の源である7本の断罪剣。
地球人類の環境汚染により自らの身を案じた『地球の意思』は7本の断罪剣によって封印されていた、アポカリプスの封印を解く。
人類破壊装置という名の生命体・アポカリプスはパブリックブレイク現象を発生させ、地球人類を絶滅に追い込む。
しかし、そのパブリックブレイク現象により、力を得たピョヌァによって、アポカリプスは死亡。
死亡したアポカリプスの代わりに、『地球の意思』が直接、人類史上最大規模のパブリックブレイク現象を発生させ、各地で大勢の人間がパブリックモンスターと化し、暴走、そしてすでにパブリックモンスターであった者たちも暴走してしまう。
大切な仲間を失い自暴自棄になったピョヌァは、対象の全てをコピーする能力を駆使して、爆炎の断罪剣士、大地の断罪剣士、雷光の断罪剣士、混沌の断罪剣士を殺害。
残り3人の断罪剣士達は、自然の力を支配する力を持つ断罪剣の能力を最大限に生かして、ピョヌァの能力の消滅に成功する。
しかし、ピョヌァを戦闘不能状態にしたところで、人類史上最大のパブリックブレイク現象が停止することもなく、状況は悪化の一途をたどるのであった。
パブリックモンスターが所有する能力を完全に消滅させる力を持つ、パブリックブレイカー。
そのパブリックブレイカーの直撃を受けたピョヌァはコピー能力を失い、自らが作り上げた焦土に横たわっている。
もうすでにパブリックブレイカーを3発も放ってしまった。
人類史上最大規模のパブリックブレイク現象でパブリックモンスターになってしまった人々を人間に戻す体力は、もう俺には残っていない。
体力の回復のために、体を休めている間に、人類はどんどんパブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになってしまう。
最悪の場合、俺自身がパブリックブレイク現象により、パブリックモンスターになり暴走することがあれば、人類はもう、おしまいだ。
戦闘不能状態のピョヌァが立ち上がる。
立ち上がったピョヌァが俺たちに問いかける。
「断罪剣士たちよ...」
立ち上がったピョヌァの声は、俺たちが知っているピョヌァの声とは違っていた。
「お前、ピョヌァじゃないな?いったい誰なんだ?」
「私は、地球の意思である...今はこの男の体を支配して、お前たちに語りかけている...」
「それで、俺たちになんのようだ?」
「断罪剣士たちよ、なぜ、私が創造した断罪剣で私の邪魔をする...」
「創造?アンタが断罪剣を創造したのか?」
「その通りだ、この地球上に存在する生命体を含めた全ての自然は断罪剣によって支配、コントロールされているのだ...」
「じゃあ、なんで断罪剣は俺たちを選んだんだ?」
「それは私にもわからない、なにせ、断罪剣は生命体だからな...しかし、断罪剣がお前たちのもとに渡ったことで、お前たちは断罪剣の力を、断罪剣の創造主である私の目的とはまったく逆の目的に使用した...断罪剣がお前たちの意思のままにその力を発動したのであれば、もしかすると、断罪剣達は私が人類を滅ぼすことに、なにか不満があったのかもしれない...」
「そんなことはどうでもいい、アンタが地球の意思で、パブリックブレイク現象の元凶なら、この状況をなんとかしてくれ!」
「その言葉、私の目的を知った上で、言っているのか?」
「その通りだ。断罪剣の創造主である、お前にならわかっているはずだ、俺の生命の断罪剣ライフセイバーには、パブリックモンスターを人間に戻す力だけでなく、あらゆる生命体を消滅させる力を持っていることを!」
「生命の断罪剣ライフセイバーのもう一つの姿である、死の断罪剣・漆黒のライフセイバーか...」
「そうだ、アンタが創造した死の断罪剣・漆黒のライフセイバーの力で、ピョヌァの体を支配しているアンタを消滅させれば、パブリックブレイク現象は止まるはずだ!」
「お前の言う通りだ、しかし、地球の意思である私が死ねば、お前たちが持っている断罪剣も消滅する。断罪剣は元々、私の体の一部を一時的に切り離した生命エネルギーだからな...」
「うるせェ!俺が言いたいのは、地球の意思であるアンタが自らの意思で、パブリックブレイク現象を止めないなら、俺が死の断罪剣・漆黒のライフセイバーでアンタを消滅させるってことだ‼」
「バカな男だ...仮に、私を消滅させたところで、人類が争い続け、殺し合う運命は変わらない、その時、断罪剣という力を失ったお前たちが、そのくだらん争いに巻き込まれ、生き残れる保証はどこにもない、私が消滅したことろで、現状はなにも変わらない...」
「お前の言っていることは正しい、パブリックブレイク現象がなくなっても、地球上に残ったパブリックモンスターたちと、人間たちの争いは続く、もちろん、人間同士の争いも続く、それでも、俺が、俺達がどう生きて、どう死ぬかまでは、誰にもわからないはずだ!パブリックブレイク現象がなくなれば、少なくとも、俺達人類には、わずかであるが選択肢が生まれる、混沌に満ちた世界をどう生きていくか、考えて、選べることができる!その選択権をお前に奪う権利はない‼」
「お前が何を言おうと、私の意思は変わらない...」
「なら、俺は地球の意思である、お前を消滅させる!ぶっ殺す‼」
「それがお前の意思なら、そうすればいい、私が消滅しても、しなくても、人類はいつか必ず滅亡する...」
「うるせぇんだよ!死ねよバカ‼うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!バーカ死ねぇぇぇッ‼このクソ野郎!とりあえず何となく必ず絶対に永遠に極限にいつも元気に死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
俺の小学生レベルの罵詈雑言に部長が賛同する。
「そうよ!アンタなんか死ねばいいんだわ‼死ね‼死ねよ!死ねぇ‼」
部長に続いてヨシノも地球の意思に対して、憎しみをむき出しにする。
「地球の意思!アンタが起こしたパブリックブレイク現象のせいで、私の弟のレオンはパブリックモンスターにされて、あげくの果てに、アンタが創造した断罪剣に殺された!アンタは最低!アンタは死ぬべきよ!死ね!死ね!死ね‼」
自らに向けられる心無い言葉にピョヌァの体を借りた地球の意思は諦観する。
「お前たち、人間の、その怨念と欲望が、人間同士の争いを生み、今の現状を招いたのだ...!」
「うるせぇ‼死ねぇ‼」
『☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠
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☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠☠』
俺は生命の断罪剣ライフセイバーの刀身をつかむ。
ライフセイバーが俺に語りかける。
『さぁ...ぬきなさい...!』
俺はライフセイバーの刀身をそのまま、引き抜く。
刀身を引き抜かれたライフセイバーの、漆黒の刀身があらわになる。
俺は死の断罪剣・漆黒のライフセイバーから、あらゆる生命を消滅させる力を持つ、黒いパブリックブレイカー↓をピョヌァの体を支配した『地球の意思』に向かって放つ。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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俺が放った黒いパブリックブレイカーの直撃を受けた、ピョヌァの体を支配した『地球の意思』が完全に消滅する。
『地球の意思』の消滅と同時に、全ての断罪剣が消滅、暴走状態のパブリックモンスターが暴走をやめて、おとなしくなる、これ以上の人間たちのパブリックモンスターへの覚醒も停止するはずだ。
この日、パブリックブレイク現象は消滅した。
しかし、俺たち人類が、本来約束された終末を回避することができたということは、人類が争い続け、いずれ自滅する未来が確定したことを意味している。
俺のしたことは、どこまでも正しくて、どこまでも間違っているのかもしれない。
山神ムサシは、もう、生命の断罪剣士ではない。

次回予告 同窓会
 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十五話 同窓会

第三百四十五話 同窓会
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。
そして、断罪剣士達の活躍によって、パブリックブレイク現象は終わった。
俺が地球の意思を殺したことで、人類はパブリックブレイク現象の脅威から、未来を勝ち取った。
しかし、パブリックブレイク現象がなくなったからといって、全てが解決したわけではなかった。
そう、地球上に残ったパブリックモンスターたちと全人類の戦争が始まったのだ。
パブリックモンスターの生活を支援する反政府組織セイバーズ。
その反政府組織のリーダーである雷光の断罪剣士フューラーが死亡したことにより、セイバーズはリーダーを失った。
人間たちとの共存を目指したフューラーに変わって、新たに反政府組織セイバーズのリーダーになったのは、人間たちに対して敵対的な思想に満ちた人物、ガバジンゲだった。
ガバジンゲは日本に不法に入国したK国が軍事利用するパブリックモンスター・カルから入手した『無人殺戮兵器』の設計図データを元に、『無人殺戮兵器』の大量生産に成功。
人類に対して敵対的な意思を持つパブリックモンスター達と、『無人殺戮兵器』と共に、地球上から人類を一人残らず殺害しようとする。
この侵略行為に対して、指導者を失ったPGS(パブリックガーディアンズ)の残党と各国の軍隊は共に協力し、反政府組織セイバーズと戦った。
この全世界的を巻き込む戦争の開始にともなって、俺たち国民も、男女問わず、徴兵されることになった。
国の偉い人から、いきなり戦争に行ってこいなんて言われたときは、正直かなり参ったが、戦争開始から約2年後、このパブリックモンスターと人類の戦争は、人類が勝利して、戦争は終わった。
敗戦した反政府組織セイバーズに所属していたパブリックモンスターたちは各国の軍隊に拘束され、全員、収容所に収容されて、処刑されてしまった。
各国の軍隊と協力してセイバーズと戦っていたPGS(パブリックガーディアンズ)のパブリックモンスター達は、新たなPGS、NPGS(ネオパブリックガーディアンズ)を結成して、戦後も、各国内の治安を守っている。
そして、戦時中、セイバーズに加担せず、各国の軍隊の一般兵として徴兵され、生き残ることができたパブリックモンスター達は、戦前と同じく差別にあうことも多いが、人間社会で生活を送っている。
徴兵前日、俺はアルティメットメディアクリエイター部のみんなと、ある約束をした。
それは、戦争が終わったら、もう一度、部室で会おう、という約束である。
つまり同窓会みたいなものである。
まぁ、学生生活の途中で戦争が始まってしまったから、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園は卒業できていないのだが...。
戦争から生き延びることができた俺は今、戦争による被害で廃墟と化した、偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の校舎の中にいる。
廃墟と化したアルティメットメディアクリエイター部の部室内には、腹が大きくなったヨシノと副部長、元気そうな部長、戦争で両手両足を失い、車いすに乗っている竹田がいた。
俺達は久々の再会と、お互いの無事に歓喜しながら、談笑する。
妊娠中の副部長は近々、お腹の子の父親と結婚するらしい。
ヨシノが妊娠しているのは、どうやら、戦時中にパブリックモンスターに襲われたせいらしい。
部長は元気そうに見えるが、戦争で頭部を負傷してしまったらしく、会話があんまり成立しない。
竹田は、部長に、Z竹と言われて、キレている。
みんなにキレていた竹田がこれで、もうムァンビキができないと泣き始める。
実は俺も、戦闘中に敵が使用した化学兵器の後遺症で、もう先が長くない。
しかし、俺たちはこうして生き延びて、再会することができた。
あの日、『地球の意思』が言っていたことは、正しかった。
パブリックブレイク現象の脅威が去っても、人類と、人類が進化した生命体であるパブリックモンスターは戦争を起こし、互いに殺し合った。
しかし、あの日、俺がパブリックブレイク現象を終わらせたからこそ、戦争が始まり、結果的には、俺達は再会できて、こうして、みんなと笑い合うことができた。
この幸せな時間を、今、俺が生きることができるのは、俺が『地球の意思』を殺し、パブリックブレイク現象を終わらせ、未来を勝ち取ったからだ。
確かに俺たちの未来は、これからも多くの困難が待ち受けているかもしれない。
竹田はもう、大好きだったムァンビキができない。
頭がおかしくなった部長は会話があんまり成立しない。
妊娠中の副部長はこれからおそらく結婚生活と育児が大変だ。
妊娠中のヨシノは、お腹の子の父親であるパブリックモンスターに襲われた経験のフラッシュバックに永遠に苦しむだろう。
俺は戦時中に使われた化学兵器の後遺症のせいで、もうすぐ死ぬかもしれない。
しかし、今、こうして、みんなと再会できた喜びは本物である。
しかし、今、こうして、みんなと笑い合える時間は本物である。
戦争を生き延びた俺は、たったそれだけで、もう、おなかいっぱいだった。
そう、俺たちは、まだ、生きている...。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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次回予告 超地球救済戦記 断罪王REVOⅬUTION(レボリューション)‼

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十六話  超地球救済戦記 断罪王REVOLUTION(レボリューション)‼

第三百四十六話  超地球救済戦記 断罪王REVOLUTION(レボリューション)‼

無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こするために戦う、若者たちの青春群像劇である。

20××年。
俺たちの国、日本は第三次世界大戦時にBEI軍に敗北。
敗戦国となった日本はBEI軍の管理下に置かれ、新日本が誕生する。
自由を失った日本、それこそが新日本である。
偽りの平和に疑問を持ちながらも、自らの保身のために見て向ぬふりを続ける新日本の国民たち。
いつしか、戦うこと、つまり戦争自体が悪であることを当たり前とし、偽りの平和に満足してしまう新日本の国民たち。
目の前で自らの祖国が腐敗していく姿に、見て見ぬ振りが出来なくなった若者たちは、新日本に革命を起こし、国のあるべき姿を取り戻すために、『カラーレス』を結成、国内トップの偏差値を誇る、東強大学を占拠した。
東強大学を占拠した『カラーレス』は新日本に革命を起こし、日本をBEI軍の管理下から解放し、日本を本来あるべき姿に戻す『無色主義』を主張。
何色にも染まらない自由な主義。
新日本を浄化し、日本に自由を取り戻す、『無色主義』。
『無色主義』を掲げた若者達の集団『カラーレス』は東強大学を占拠し、ケーサツ隊と交戦。
結果は『カラーレス』の敗北に終わるものの、『カラーレス』の主力メンバーは逃走中。
国家権力との戦いは敗北に終わるも、『カラーレス』と『無色主義』の存在をニュースを通して知った、新日本中の若者たちが一斉に奮起し、新日本中で『無色主義』をリスペクトする若者たちと、ケーサツ隊との戦闘が発生。
新日本はまさに、カオスと化していた。
俺の名前は能沢エーイチロウ。
家族は、政治家の愚父と専業主婦の愚母、そして引きこもりの愚妹がいる。
『無色主義』を主張する組織『カラーレス』に所属する俺は、県内の廃屋で行われる極秘集会に参加するために、起床する。
リビングに降りると、愚母が、おはようと朝の挨拶をしてくる。
俺は愚母が作った朝食の乗った皿を、皿ごと愚母の顔面に向かって投げる。
ベーコンとサラダとスクランブルエッグを顔面に浴びる愚母。
俺は歌を熱唱しながら、愚母に向かって叫ぶ。
「エッ!グァァァァァァァァァァァ―――――イムッ‼」
そのまま自転車で家を出た俺は、近所で運動会の練習をしている学生たちを大声で威嚇する。
「ゔるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいッ‼てめぇら全員ぶっ殺すぞォ‼」
学校の教員と思しき人間たちが、俺の背後から近づいてくる。
俺はすぐさま、『カラーレス』の仲間たちが潜伏している廃屋に向かって、自転車のペダルをこぐ。
『カラーレス』のアジトの一つに着いた俺を、仲間が出迎えてくれる。
「おい、エーイチロウ、お前、また学校の前で叫んだだろ、ああいう騒ぎを起こすのはやめてくれ、お前が原因でケーサツに俺たちの居場所か知られたらどうするつもりなんだ?わかるか?俺はエーイチロウに『反省』を求めます‼」
この『わかるか?』が口癖の男は、倉都テツオ、である。
「俺は、幼少期から音に敏感なんだ、そしてなにより運動会の練習で発せられる学生達の耳障りな声と教員のマイクごしの大声が近所迷惑だから、注意した、しかし結果的には組織を危険にさらす確率が高い失態を犯してしまったことを『反省』します!」
「よろしい、エーイチロウの『反省』を確認した、中に入れ、わかるか?」
この『反省』というのは、組織に迷惑をかけた人間、または組織内で、組織に対して批判的な発言を行った者たちに向けて、行われる、自己謝罪のことである。
この『反省』による自己謝罪は、組織内のわだかまりを早急になくし、結束力を強めることを目的としている。
今日の極秘集会の目的を倉都テツオが仲間たちに向かって説明する。
「先日、東強大学を占拠した俺たちがケーサツ隊に敗北した理由はなんだ?わかるか?」
すぐに、カラーレスのメンバー、姫先ユイナが声を上げる。
「銃火器です、私たちカラーレスの武力は当時、自作の爆弾のみでした、それに対し、ケーサツ隊は銃を使用していました、これにより、私たちカラーレスは圧倒的火力不足と経験値不足により、敗退するしかありませんでした」
「その通りだ、今、俺たちカラーレスに必要なのは、攻撃力、つまり銃火器だ、銃火器はどんな身体能力の差も超越できる兵器、俺たちノーカラーはこれから戦力増強のための銃火器の収集を始める‼わかるか?」
俺は倉都テツオに疑問をぶつける。
「でも、新日本の国民は、皆、銃国家であるBEI国に銃火器の所持を法律で禁じられています、これについての説明を求めます‼」
「エーイチロウ、君はこの国で唯一、銃の所持を認められている人間たちが誰か、わかるか?」
「まさか、ケーサツ?俺たちだけでケーサツ署を襲撃するつもりなのか?」
「ケーサツ署では人員の数で、俺たちに勝目はない、しかし、ケーサツ官が少数しか配備されていないコーバンなら勝目はある!」
「な、なるほど、しかし、相手は少数とはいえ、銃を持っています!自作爆弾を使い果たした今、我々に勝目があるとは思えません!」
俺の反戦的な言葉を聞いた姫先ユイナが俺を指さして、大声で言い放つ。
「私は今のエーイチロウ君の反戦的な発言に『反省』を求めます‼」
倉都テツオがすぐさま、姫先ユイナが提案した『反省』を了承する。
「了解した、俺はエーイチロウの今の弱腰な発言に対しての『反省』の必要性を認める、みんなはどうだ?」
倉都テツオの言葉に、十数人いるメンバーの誰も異を唱えない。
俺は『反省』の言葉を述べる。
「俺、能沢エーイチロウは、今さっきした反戦的な発言を『反省』します‼」
「よろしい。ノーカラーはこの国を浄化するために、命を賭けることを自らの魂に誓った人間達の組織だ、いまさら命乞いなど絶対に許されない、わかるか?」
「はい!」
「では近日中に、武器調達のためのコーバン攻撃作戦を始める!」

次回予告 コーバン その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十七話 コーバン その1

第三百四十七話 コーバン その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

東強大学での敗戦の後、都内の廃屋を新たな拠点として活動を開始した『カラーレス』。『カラーレス』は戦力不足を補うためのコーバンへの攻撃作戦の準備を進める。
俺、能沢エーイチロウは会議の後、『カラーレス』のメンバーの一人、姫先ユイカと都内の街路を偵察していた。
偵察の目的はもちろん、都内各地のコーバンの偵察である。
コーバンに勤務するケーサツ官の体格や、年齢、そして人員の数から、もっとも作戦成功に適したコーバンを絞りだすのが、この偵察の目的だ。
わかりやすくいえば、いちばんチョロそうなケーサツ官が勤務しているコーバンを探しているだけだ。
姫先ユイナがあたりを見回しながら、俺に質問する。
「先程、エーイチロウ君は、コーバンへの攻撃作戦にし対して、否定的な意見をしましたね」
「俺はちゃんと『反省』しましたが?」
「怖いのですか?この国を浄化するために命を犠牲にするのが?」
「怖いって言ったら、あとで倉都テツオにチクるのか?」
「チクりません、私はエーイチロウ君の気持ちが知りたいだけです」
「死ぬのが怖くないやつがいるのか?」
「確かに、死ぬのは皆、怖いでしょう、しかし死は、誰もが生まれた瞬間に得る権利です、死を恐れても、人は遅かれ早かれ死にます」
そう言う、姫先ユイナは実は難病を患っている。
国内でもっとも高い偏差値を誇る東強大学の生徒で、一流企業のお嬢様である姫先ユイナがなぜ、反社会組織『カラーレス』に参加したのか、俺はまだ知らない。
「姫先は、なんで、『カラーレス』に参加しようと思ったんだい?」
「私は日本を愛していました、礼儀に厚く、どんな大国にも真正面から武力で立ち向かう日本が、でも敗戦国と化した今の日本は完全にBEI軍の言いなりです、BEI軍の傀儡と化した今の新日本は、武器を持つことを禁じられ、敗北者のまま、支配の上に約束された平和という名の屈辱に、塗れ、依存しながら怠惰な生活を送っている、私はこれから、この腐った新日本という国の経済発展のために、自分にウソをつきながら働くのが嫌なだけなんです‼どんなに経済を発展させ、国を豊かにしたところで、この国がBEI軍の支配下にあることは、変わりません‼」
姫先ユイナは今の日本、新日本の現状が、よほど気に食わないのか、急に泣き始める。
「それに、私はかつて、BEI軍の軍人に、この身を汚された経験があります、しかし相手がBEI軍の軍人であるという、それだけの理由で、新日本の法律は、私を汚したBEI軍に対して、厳重注意を与えるだけでした‼」
たしかに、姫先ユイナの見た目は美人である。
『カラーレス』には『無色主義』に賛同する振りをして、姫先ユイナ目当てに、組織に入る人間もかなりいるのだ。
それにしても、ひどい話だ。
姫先ユイナと同じ経験をした女性の話は、ニュースや新聞で何度か見たことがある。
BEI軍の軍人が、新日本国内で起こした犯罪は、この国の法律で裁くことはできない。
表向きに、新日本政府から、犯罪を犯したBEI国の軍人に対して厳重注意の紙一枚を送るだけだ。
この、まさに無法地帯と化した新日本はやはり、浄化しなければならない、どんな手を使っても。
難病を患っているせいか、姫先ユイナが急に街路の中央でしゃがんでしまう。
「だ、大丈夫か?姫先?」
「こ、このくらい、なんともありません、あの時、BEI国の軍人にされたことに比べれば...」
「あんま無理すんな、あそこの喫茶店で、すこし休もう」
俺は姫先ユイナと共に、喫茶店に入る。
俺はコーヒーを、姫先ユイナはコーラを頼んだ。
「具合が悪いのに炭酸飲料なんて、お腹がびっくりしちゃうぜ?」
「ご心配なく、先程も言った通り、あなたに心配される程のことではないので、ゴホッ、ゴホッ...!」
姫先のやつ、俺の前で強がるためだけに、わざとコーラを頼んだのか。
「エーイチロウ君はどうして、『カラーレス』に入ったんですか?」
「東強大学にまともに通ってた頃にな、俺にはカノジョがいたんだよ、そのカノジョもお前みたいに難病でな、その難病は国外で手術できても、新日本の法律のせいで、国内で手術ができない病気だった、それで結局、死んでしまった...」
「なるほど、BEI軍の管理下にある、今の新日本では、武器の密輸を危険視して、一時的な海外渡航もできませんからね、エーイチロウ君は、BEI軍と新日本の腐敗した法律に大切な人を奪われた...」
「ああ、だから、この国の法律とBEI軍に殺されたカノジョみたいな被害者を、もうこれ以上増やしたくないんだ、『無色主義』でこの新日本を浄化しないと、またあの惨劇が繰り返される...」
「なら、コーバンへの攻撃作戦を必ず成功させましょう、作戦が成功すれば、私たちは銃という強力な武器を手に入れことができる!」
「でも、俺は今になって死ぬのが怖いんだ!みんなが東強大学に立てこもって、ケーサツ官たちと戦っていた時も、俺はずっと1人でトイレの中に引きこもっていた...」
「自分を変えられない人に、国も未来を変えられません、難病で死に、今、天国にいる、あなたの彼女は、自分のような犠牲者をこれ以上出さないために命を懸けて戦うエーイチロウ君と、偽りの平和を享受して怠惰な生活を送るエーイチロウ君、どっちを賞賛すると思いますか?」
「そ、それは...」
「仮にエーイチロウ君が死んで、天国にいってしまった時、そのカノジョは天国に召された、どっちのエーイチロウ君を賞賛するでしょうか?」
「わかったよ、俺やるよ!天国にいったときに、死んだカノジョに、喜んでもらえるようにがんばる!この作戦、絶対に成功させましょう‼」
「すばらしいです!その意気です!一緒に、この国を浄化しましょう‼」

次回予告 コーバン その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十八話 コーバン その2

第三百四十八話 コーバン その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

深夜。
武器の不足に悩む、カラーレスは銃を手に入れるためにコーバンへの攻撃作戦を計画する。
そして、作戦当日、俺は姫先ユイナと共に、コーバンの前にいた。
いまごろ、俺たち以外のカラーレスのメンバーも、各地のコーバンで作戦を開始しているはずだ。
俺と姫先ユイナは、深夜のコーバンに入る。
コーバンにいた、身長1700cm以下のチーズ牛丼が好きそうなケーサツ官が、俺たちに話しかけてくる。
「どうしました?」
「実は、財布を落としてしまいまして...」
「どんな財布ですか?」
「変わったデザインの財布なので、紙に絵で描かせてもらってもいいですか?」
「はぁ...紙に、無くされた財布の絵を描きたいと?」
「そういうことです、紙をください」
ケーサツ官が俺に紙を手渡すために、近づいてくる。
今だ。
俺は上着のポケットから出したナイフをケーサツ官の左胸に突き刺す。
俺に左胸をナイフで刺されたケーサツ官は口から血を吐いて、倒れる。
「や、やっちまった...!」
初めての人殺しに、動揺する俺を姫先ユイナが賞賛してくれる。
「よ、よくやったわね、エーイチロウ君!私は、あなたを『賞賛』します!あなたは無色主義による革命のために必要なことをしただけ!自分を誇りに思いなさい‼天国のカノジョもきっとあなたのことを賞賛しているに違いないわ‼」
「や...やったぁ!そうだ!俺だってやればできるんだぁ‼」
俺は震える手で、ケーサツ官の死体の懐から、拳銃を奪う。
「ひ、姫先さん...こ、これ、見てよ!ほ、本物の銃だぁ‼」
コーバン内の騒ぎに気が付き、仮眠から目覚めた、もう1人のケーサツ官が俺たちに銃口を向ける。
「貴様らぁ!いますぐ、その銃を床に置け!さもなくば撃つぞ‼」
俺は自分の身を守る為に、震える手で銃口をケーサツ官に向ける。
俺は銃を撃とうとするが、手が震えて引き金を引くことができない。
姫先ユイナが背後から、俺を鼓舞する。
「撃つのよ!エーイチロウ君‼彼はBEI軍に支配された今の腐った日本の傀儡、偽りの平和を享受するだけの、愚かで怠惰な生命体、彼の命を無色主義による浄化された日本実現のための生贄にするのよ!それが一番、彼のためになるのよ‼」
俺はケーサツ官の左胸を狙って、拳銃の引き金を引く。
俺の放った2発の銃弾が、ケーサツ官の右肩と右ひざに直撃。
「は、外した...!」
ケーサツ官は手に持っていた銃を床に落とし、痛みにもだえ、苦しむ。
「痛ぇ...痛いよぉ...!」
ミニスカートをはいた姫先ユイナが、床に仰向けに倒れたケーサツ官の体をまたぎ、見下ろす。
右肩と右ひざの痛みにもだえ苦しむケーサツ官の視界には、ユイナのスカートからのぞく下着が見えている。
下着を見られていることを知らないユイナは、床で右肩と右ひざの激痛にもだえ苦しむ、ケーサツ官を見下ろしながら、宣言する。
「今、あなたが右肩に感じているその痛みは、私の痛みよ‼」
「な、なにを言っているんだ?」
「あなた達、ケーサツが守っている秩序と法律は、BEI軍人に体を汚された私を守ってくれなかった!加害者がBEI軍の軍人だったから、ただ、それだけの理由でね‼」
「だから、コーバンを襲撃したのか?」
「そうよ、あなた達から奪った拳銃で、これから、多くの血が流されるでしょう、でも、その血は決して無駄ではない、犠牲になった人々の血は、無色主義による日本浄化のための礎になるのだから...」
「く、狂ってる...!お、お前たちは狂っているぞ...‼」
「この世界で、一番、狂っているのは、自分が狂っていることを自覚できていない人間達よ!そう、こんな腐った国の法律を守る為に、毎日、汗水流して働いている、あなた達ケーサツ官みたいなね‼」
ユイナがケーサツ官の懐から、拳銃を奪う。
ユイナが床に仰向けに倒れているケーサツ官にのしかかる。
ユイナはケーサツ官の額に拳銃を突きつけて引き金を引く。
「補充用の銃弾を回収したら、すぐにコーバンを出るわよ!」
コーバンに勤務していた、ケーサツ官を2名殺害して、拳銃を奪った俺とユイナは、急いでコーバンを出る。
各地でカラーレスのメンバー達が一斉にコーバンを襲撃したせいか、パトカーと救急車のサイレンの音が都内で鳴り響いている。
耳障りなサイレンの音に怯えながら、俺とユイナは、何事もなかったかのように、街を歩く。
走っていると、逆に、怪しまれるからだ。
駅で解散した俺たちは、それぞれの自宅に帰宅する。
俺はテーブルに愚母が俺のために作り置きしてくれた、ハンバーグを右手でつかんで、ぐしゃぐしゃにすると、愚母のパンツの中に入れる。
「いやああああああああああああああああああああああッ‼」
俺は加熱されたひき肉がこびりついた手で、リモコンを持ち、テレビの電源をつける。
テレビでは当然のごとく、同時多発的に行われたコーバン襲撃事件についての緊急特番が放送されていた。
俺は上着のポケットに右手を突っ込む。
俺はポケットに隠した銃を握りしめる。
俺はついに一線を越えてしまった。
無色主義による革命、日本浄化のために、人を一人殺したのだ。
この日、都内で同時多発的に行われた、コーバン攻撃作戦に失敗したカラーレスのメンバー6人のうち、2人が銃殺、残りの4人が逮捕されてしまった。

次回予告 ギンコー その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百四十九話 ギンコー その1

第三百四十九話 ギンコー その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

BEI国との戦争に負け、BEI軍に支配された日本、新日本。
敗戦国と化した新日本をBEI軍の支配から解放し、浄化するために結成された組織、カラーレス。
日本に真の自由をもたらす無色主義を掲げるカラーレスは、武力増強のために、都内で同時多発的にコーバンへの攻撃作戦を開始した。
結果は、コーバン攻撃作戦に失敗したカラーレスのメンバー6人のうち、2人が銃殺、残りの4人が逮捕されてしまった。
しかし、この作戦でカラーレスがケーサツから奪うことに成功した銃の数は全部で10丁。
結果的に、カラーレスの武力増強に成功したのだ。
都内の廃屋には、コーバン攻撃作戦に生き残ったカラーレスのメンバー十数人が集合していた。
カラーレスのリーダーである、倉都テツオが、今回の作戦の総括を行う。
「諸君、大変遺憾なことに、今回の作戦で、メンバーの中から4人が逮捕、2人が死亡してしまった、しかし、我々は10丁もの拳銃を手に入れることに成功した!作戦は実質、成功と言っても過言ではない!これで我々カラーレスは、無色主義による日本浄化実現の夢に一歩近づいたのだ!俺はこの作戦に協力してくれた同志たちを『賞賛』する‼」
廃屋内にメンバーたちの拍手と喝さいが沸き起こる。
「そして、我々、カラーレスは今回の作戦で手に入れた銃で、ギンコーへの攻撃を行う‼目的はカラーレスの活動資金補充のためだ‼」
姫先ユイナが倉都テツオに質問する。
「そのギンコーから奪ったお金は具体的にいったい何に使用するのですか?」
「我々が現在所有している武器はケーサツ官から奪った拳銃10丁のみである、昨日の作戦が成功したとはいえ、我々に武力が不足している現状に変わりはない、ゆえに、ギンコーから奪った金は、自作の爆弾の制作費用に使う、わかるか?」
メンバーの1人、末広リョウジが倉都テツオに質問する。
「すいません、僕は昨日、日本浄化のためとはいえ、コーバンでケーサツ官を一人殺してしまいました...ギンコーでも、また人を殺さないといけないんですかね?」
リョウジの言葉を聞いたユイナが、リョウジを指さして、みんなに向かって大声で提案する。
「意義あり!私はリョウジ君に『反省』を求ます‼」
ユイナに続いて、他のメンバーたちからも、リョウジの『反省』を促す意見の声が続出する。
リョウジは泣きながら、自身に『反省』を促すメンバーたちに訴える。
「今更こんなこと言うのが、おかしいのは重々承知だ‼でも、僕たちに殺された人間にだって、家族がいるんだ!殺した人間がまだ1人なら、もしかしたら死刑にならずに済むかもしれない‼僕はこれ以上、罪を重ねたくないんだ‼僕は死にたくないんだ‼」
ユイナが怒りを帯びた声で叫ぶ。
「意義あり!私はリョウジ君に発言に対してさらに『反省』を求めます!リーダーの倉都君には早急に決断を求めます‼」
倉都テツオがリョウジに語りかける。
「なあ、リョウジ、お前が殺した人間はまだ、たったの1人だ、でも、お前が殺したのはケーサツ官だ、ケーサツ官を殺したお前が、死刑にならないわけがない、お前に残された道は、俺たちと共に日本浄化のために戦い続けるか、それとも、ここで『処刑』されるかの二つだけだ、わかるか?」
自分の置かれた現状を理解したリョウジが観念したように、嘆く。
「俺、末広リョウジは、自身が行ったカラーレスの本懐に背く発言に対して『反省』します!」
「『反省』を了承した、しかし、今のリョウジの言葉は我々組織にとって裏切り行為と言っても過言ではない、以降、リョウジの身柄を拘束し、アジトで一か月、監禁する!意義のあるものはいるか?」
カラーレスのメンバーたちから一斉に「異議なし!」の声が上がる。
リョウジは自身に下されたペナルティに対して不満をあらわにする。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!ぼ、僕はちゃんと『反省』したんだぞ‼なんで、こんな廃屋に一か月も監禁されなくちゃいけないんだ‼」
ユイナがまたも声を上げる。
「私は今のリョウジ君の発言に対して、『反省』を求めます‼」
倉都テツオがリョウジに告げる。
「なぁ、リョウジ、本当ならお前は、さっきの不適切な発言のせいで、『処刑』されてもおかしくない立場だったんだぞ!わかるか?」
「い、嫌だ!こんなイカレた組織、もう抜けてやる!なにが『無色主義』だ‼」
廃屋から走って逃げるリョウジ。
俺は上着のポケットから出した拳銃で、リョウジの後頭部を撃ち抜く。
俺の即断に、周りのメンバーたちが戦慄する。
「倉都テツオさん、裏切り者の『処刑』、完了しました!死体は廃屋の床下に遺棄したのちに、証拠隠滅のために火葬することを提案します‼」
「す、すばらしいぞ!エーイチロウ‼エーイチロウは我々組織の情報漏洩を防ぐ為に、愚かな裏切り者であるリョウジを処刑した‼俺はエーイチロウを『賞賛』する‼わかるか?」
倉都テツオの『賞賛』に続いて、カラーレスのメンバーたちが一斉に俺に向かって拍手喝采と共に『賞賛』を行う。
「すごいわ、エーイチロウ君‼」
「エーイチロウ君の勇気ある決断に感謝‼」
「よくやったぞ、エーイチロウ君!」
「これからも頼りにしてるそ、エーイチロウ君‼」
そう、俺はリョウジの弱腰の決断に怒りを覚えていたのだ。
だから、殺した。
もう人間を一人殺したら、その後、何人、殺そうが、殺すまいが、人殺しは人殺しなのだ。
そして、なにより、組織から脱退したリョウジから、俺たちカラーレスの情報が、ケーサツに漏れる可能性がある。
この可能性は絶対に潰さなくてはならない。
もしリョウジが生きていたら、死刑を回避するために、リョウジがケーサツに俺たちの情報を売っていた可能性もある。
俺は、もう二度と、かつて付き合っていたカノジョのような犠牲者を出さないために、この国をカラーレスの仲間たちと共に浄化しなければならない。
そのためだったら、どんな犠牲もいとわない。
これで、俺が殺した人間は二人目。
決意に反して、人を殺した俺の手は、また震えている。
ユイナの両手が俺の震える手を包んでくれる。
「姫先ユイナはエーイチロウ君を『賞賛』します」
銃を持つ俺の手はもう、震えていなかった。

次回予告 ギンコー その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十話 ギンコー その2

第三百五十話 ギンコー その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

カラーレスの活動資金補充のために、計画された、ギンコー襲撃計画。
しかし、カラーレスの中に裏切り者が出てしまった。
裏切り者の、末広リョウジは、コーバン襲撃の際に、ケーサツ官を1人、殺してしまった。
リョウジは死刑になるのを恐れ、これ以上、人を殺すのが嫌だと、皆の前で主張する。
しかし、カラーレスのリーダーである、倉都テツオは、たとえ殺した人間の数が1人でも、殺した相手がケーサツなら、死刑を回避できる可能性が低いことをリョウジに告げる。
リョウジの反戦的な思想に、『反省』を提案する姫先ユイナと、他のメンバーたち。
議論の結果、ペナルティとして、リョウジは『反省』の後に、アジトで一か月の監禁を、命じられる。
しかし、リョウジはこのぺナルティを拒否、組織からの脱退を主張して、その場を逃げ出す。
カラーレスのメンバーの誰もが、死刑回避のために、リョウジが警察にカラーレスの情報を漏らすのではないかと危惧する中、能沢エーイチロウは昨日、ケーサツ官を殺して奪った拳銃で、リョウジの頭部を撃ち抜く。
組織内で、メンバーの粛正が行われたのは、これが初めてであった。

深夜、カラーレスのアジトである廃屋の庭には炎が上がっていた。
その炎が焼いているのは、俺、能沢エーイチロウが殺害した、リョウジの死体だった。
焼いているにもかかわらず、人の死体はやはり臭う。
リョウジの死体を焼く庭の周りを、カラーレスのメンバーたちが囲んでいる。
俺を含めたメンバーの誰もが、カラーレスを裏切った者の末路を見て、戦慄していた。
死体が焼かれることによって、発生する嫌な匂いが、だんだんと消えていく。
まるで、リョウジの存在そのものをこの世界から、完全に消してしまうかのように。
しかし、俺たちは忘れない、リョウジが俺たちの同志で、腐りきった日本を浄化するために共に戦った仲間で、あったことを。
俺たちは忘れない、その仲間が、俺たちを裏切ったことを。
リョウジと仲がよかったメンバー達が急に泣き出す。
ユイナが、泣き出したメンバー達を、憎悪を含んだ視線でにらみるける。
ユイナの視線に気付いた、そのメンバー達が、『反省』と粛正を恐れて、急いで、上着の袖で涙を拭き取る。
ユイナがぼやく。
「まったく、組織を裏切ろうとしたクズのために、よく涙が流せるものだわ!」
「確かにリョウジは俺たちを裏切ろうとした、でも、何度か助けてもらったこともあるだろ?」
ユイナがみんなに向かって大声で叫ぶ。
「私は、エーイチロウ君の裏切り者を賞賛するような、今の発言について、エーイチロウ君に『反省』を求めます‼」
「俺は先程、裏切り者を賞賛するような発言をしたことについて、『反省』します」
「そうよ!それでいいのよ‼みんなもリョウジみたいに、燃やされたくなかったら、組織を裏切らないことです‼我々は腐敗した日本を浄化するために、命を懸けることを誓い合った同志です!裏切りは死を意味することを覚悟しておきなさい‼」
ホースの水で、リョウジの死体を燃やし尽くした炎を消し終わると、ショートカットにメガネが特徴的な、給仕係の松本ヒミカが、メンバー達に、お湯の入ったカップ麺を手渡す。
お嬢様育ちの、ユイナが俺に、自らの分のカップ麺を突き出す。
「コレ、あげるわ」
「食わないのか?うまいのに」
「こんな、体に悪そうな食べ物、とても食べられたものじゃないわ!」
すでに一杯目を食べ終えていた俺は、ユイナに手渡されたカップ麺を食べようとする。
しかし、みんなにカップ麺を配っていた、松本ヒミカは、自分の分のカップ麺も持たずに、廃屋の中に戻ってしまう。
俺はユイナに一言、言って、2杯目のカップ麺とフォークを手に持ったまま、廃屋に戻る。
廃屋の中に戻った、ヒミカが一人で泣いている。
やはりそうか、メンバーの中で、一番リョウジと親し気にしていたのは、ヒミカだった。
そして、俺はヒミカの大切にしていた人である、リョウジを粛正した。
俺は罪悪感を胸に、ユイナからもらったカップ麺とフォークをヒミカに突き出す。
「なぁ、ヒミカ、ちゃんと食わないと、体に悪いぜ?」
「なんだ、エーイチロウ君か、ごめん...さっき炎をずっと見ていたせいか、炎が目に染みてね、涙がずっと、止まらないのよ...」
「そんなウソつかなくていいよ、ヒミカはリョウジと仲良かったもんな」
「私、実はリョウジ君の子供を妊娠しているの...」
「そ、そんな...お前、リョウジと付き合ってたのか?」
「うん...」
「じゃあ、俺はヒミカのお腹の子の父親を、殺してしまったというのか?」
「エーイチロウ君は、悪くないわ、リョウジがあのまま逃げていたら、リョウジは死刑を回避するために、ケーサツに私たちのことを、全部話していたに違いないわ...」
「ヒミカは、それで納得できるのかよ...」
「納得できても、出来なくても、もうリョウジ君は帰ってこない、そうでしょ?」
「そうだけどさ...」
ヒミカは乱暴に、俺が突き出したカップ麺とフォークを、奪い取って、食べ始める。
「うん、やっぱり、おいしいね、コレ...」
「う、うん...」
「お腹の子供のためにも、ちゃんと食べないとね!」
背後から、ユイナの声が聞こえてくる。
「ヒミカ、リョウジの子供は、組織のためにチューゼツしなさい!」
「ユイナ!お前、さっきの話、聞いてたのかよ‼」
「あなたとリョウジの子供は、将来、父親の仇を取るために、かならず、我々の前に立ちふさがるわ!だから、今のうちにチューゼツしておくべきよ‼」
「ユイナ、それはいくらなんでも言い過ぎじゃないか?」
「そうよ、お腹の子に罪はないわ‼」
「わたしは組織のために、ヒミカにチューゼツしなさいって言っているのよ‼チューゼツできないのなら...」
ユイナが昨日、ケーサツ官から奪った拳銃をヒミカに向けて告げる。
「リョウジみたいに、コレで頭をぶち抜いて、丸焼きにして、粛正してあげるわ...‼」
ユイナのただならぬ殺気と憎悪から、自らの死を察した、ヒミカが観念したように、告げる。
「わかったわよ...組織のために、リョウジの子供はチューゼツするわ...」
次の日、ヒミカは産婦人科で、リョウジとの間にできた子供をチューゼツした。

次回予告 ギンコー その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十一話 ギンコー その3

第三百五十一話 ギンコー その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ギンコー襲撃計画当日、俺たちカラーレスのメンバーたちは、襲撃組と逃走組に別れて、行動を開始した。
顔に覆面をかぶった襲撃組が数人、一斉にギンコー内に突入する。
覆面をかぶった状態で、ギンコーに入った俺は、ギンコー内で天井に向かって銃を放つ。
俺の銃声を合図に、あらかじめ、客を装って、ギンコー内に潜入していたカラーレスのメンバーたちが、銃を懐から出して、店内の客たちを威嚇する。
俺はギンコーの職員に向かって、言い放つ。
「おい、今すぐ、ここにある金、全部、よこせ!それができねーなら、ここにいる奴らは、男女問わず、全員、おもちゃにした後で、ぶっ殺す‼」
そう、カラーレスのメンバーの中には、マイノリティーな性癖の者もいる。
しかし、マイノリティーが社会的に弱い立場を強いられるのは世の常であり、そういった風潮が、マイノリティーを社会から孤立させるのだ。
そして、社会から孤立したマイノリティーな性癖を持つ者達の中には、自らの居場所をこの国に作るために、カラーレスに参加したものも少なくない。
ちなみに、俺は普通に女性が好きである。
ギンコー員たちは、命が惜しいのか、金庫から、現在所有している分の金を取り出し始める。
銃声がギンコー内に響き渡る。
襲撃組として参加していたユイナが、携帯で警察に通報しようとしていた、子連れの専業主婦と思しき女性の頭部を、銃で撃ち抜いたのだ。
「いいか!この飯炊きメス奴隷みたいに死にたくなかったら、バカなことは考えないことだ‼」
しかし、遠くからパトカーのサイレンの音がしてくる。
おそらく、俺たちの監視の目をくぐって、警察に通報した者が、客の中にいるはずだ。
「チッ、もっと早い段階で、人質にした客達から、携帯を没収しておくべきだった...」
俺の言葉にユイナが反応する。
「ここの客たちは、我々をナメている、報復として、全員、粛正するべきよ‼」
ユイナの提案を、襲撃組に参加しているヒミカが否定する。
「その必要はないわ...たった、今、サイレンを鳴らしているケーサツに通報したのは、私なんだから...だからこれ以上、関係ない人たちを巻き込むのはやめて‼」
ヒミカが、自ら俺たちを裏切ったことを、告白する。
憤怒の形相のユイナがヒミカに向けて、銃口を向ける。
しかし、ユイナも瞬時にヒミカに向けて銃口を向ける。
お互いに銃口を向けあう、ユイナとヒミカ。
俺はギンコー員を銃で威嚇する役目があるので、銃口を反乱を起こしたヒミカに向けることができない。
それでも、一応、ヒミカに聞いてみる。
「ヒミカ、どうして、俺たちを裏切った‼」
他の襲撃組に参加したメンバーたちも、俺と同じく、ヒミカの裏切りに困惑していた。
「男にはわからないわよ...私がどんな気持ちでリョウジとの子をチューゼツしたのか、男にわかるわけがないわ!」
「まさか、リョウジと、リョウジとの間にできた子供の仇討ちをするために、俺たちを裏切ったのか?」
「そうよ!チューゼツしてから、初めてわかった!人を殺してカラーレスを脱退しようとしたリョウジの気持ちが!わたしがいったいどんなにひどいことをしたのか!そう、わたしは自分の子供を殺したようなもんよ!しかも、愛する人との間にできた子供をね‼こんなくだらない組織のために、わたしは自分の子供を殺したの!わたしは愛する男と、子供をカラーレスに殺されたのよ!だから、ここで、カラーレスのメンバーは全員、ケーサツに逮捕されればいいのよ!どーだ!ざまぁみろ!バーカッ‼このカルトテロリストどもが‼」
ギンコー内にまたも銃声が鳴り響く。
ユイナが組織を裏切ったヒミカに向けて銃撃を開始したのだ。
当然、ヒミカもユイナに対して、銃撃を開始する。
突如始まった、ギンコー襲撃者たち同士による銃撃戦に、ギンコー内にいる全ての人たちが戦慄する。
カラーレスのメンバーたちも、人質に取られた客も、ギンコー員たちも、突如始まった、襲撃者同士の、銃撃戦の巻き添えにならないように、身をかがめる。
その間にも、近づいてくる、パトカーのサイレンの音。
予想外の事態に、ギンコー内にいた全ての人間たちが、困惑していたのだった。

次回予告 ギンコー その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十ニ話 ギンコー その4

第三百五十ニ話 ギンコー その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

カラーレスは活動資金補充のために、ギンコー襲撃作戦を計画する。
カラーレスは、覆面を顔にかぶった襲撃組と、逃走用のワゴンを運転する逃走組に、別れて、ギンコーの襲撃計画を実行する。
覆面を被った、能沢エーイチロウ達、襲撃組は、ギンコーに突入、天井に向けて銃弾を放ち、ギンコー内の職員や、客たちを威嚇する。
威嚇の開始と同時に、客を装っていた仲間たちも、行動を開始する。
順調にギンコー員から、金を脅し取っている最中、遠くから、パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
襲撃組に参加しているユイナが、ケーサツに通報した客が特定できないのであれば、ギンコー内の全ての職員と客を、皆殺しにする提案をする。
しかし、俺たちの仲間であるはずの、ヒミカが、自ら、ケーサツに通報したことを俺たちに告白し、ギンコー職員や、客をこれ以上傷つけるのはやめてほしい、と訴える。
ヒミカが組織を裏切った理由、それは、組織を裏切って処刑されたリョウジや、ユイナに銃で脅され、命惜しさに、リョウジとの子供をチューゼツさせられたことだった。
組織を裏切ったヒミカを粛正するために、ヒミカに向かって銃撃を開始するユイナ。
自らの身を守る為に、ユイナに向かって銃撃を開始するヒミカ。
突如、開始された、カラーレスのメンバー同士の銃撃戦に、他のメンバーたちも、ギンコー職員も、客も、身をかがめ、困惑することしかできなかった。
ユイナとヒミカが銃撃戦を続けている間に、俺はしゃがんだまま、ギンコー員の額に銃口を突き付け、金庫から、もっと金をよこせと、命令する。
ギンコー員は命惜しさに、泣きながら、俺が用意した布袋に、札束を放り込んでいく。
ギンコー内の誰もが、銃撃戦の巻き添えになるのを恐れて、身をかがめて、ユイナとヒミカの銃撃戦を見守る。
ギンコーの金庫が、からっぽになったことを確認した俺は、ギンコー内にある金の全てを奪うことに成功したことを、手を使ったサインで、仲間たちに伝える。
しかし、ギンコー内で行われている銃撃戦のせいで、出口まで移動することができない。
俺は、ギンコー員の額に銃口を突き付けながら、ギンコーの裏口に案内するように、命令する。
「エーイチロウ君!しゃがんで‼」
ユイナに言われたように、しゃがむと、俺の真上を銃弾が通過する。
ヒミカが俺たちに警告する。
「アンタたちは逃がさないわよ!もうすぐ、ここにケーサツがくるんだから‼」
俺はヒミカに問う。
「ケーサツがここに来たら、お前だって逮捕されちまうんだぜ‼それでもいいのか?」
「いいに決まってるでしょ!リョウジを殺したエーイチロウ君も、わたしを脅してチュー絶させたユイナも、もう銃で人を殺している、ケーサツに捕まれば、二人とも死刑確定‼そうすれば、わたしは、リョウジとチューゼツしたリョウジとの子供の仇が討てる‼」
パトカーが近づいているせいで、サイレンの音が、どんどん大きくなってくる。
俺とユイナ以外の、襲撃組のメンバー達は、裏切り者と化したヒミカを狙撃しようとするが、ヒミカと交戦中のユイナへの誤射を恐れて、状況を見守るしかできない。
しかし、1人の子供が、ヒミカに向かって、携帯電話を投げる。
ヒミカに向かって、携帯電話を投げた、男の子は、先ほどユイナが見せしめに、メシ炊きメス奴隷と揶揄して殺害した専業主婦の子供だった。
男の子が投げた携帯電話がヒミカの頭部に直撃。
ヒミカは額から血を流しながら、自分に携帯をぶつけた男の子のほうに視線を向ける。
ユイナに母親を殺された男の子が泣きながら、なぜかヒミカに向かって、恨み言を言う。
「どうして、ぼくのお母さんを殺したんだ‼お母さんを返せ‼」
ヒミカが鬼の形相で男の子に向かって、叫ぶ。
「おめぇの母親を殺したのは、私じゃねーよ‼
そう、今回の作戦の襲撃組は、皆、顔に覆面をかぶり、黒い衣服を着ている。
男の子には、最初から、ヒミカとユイナの見分けがついていなかったのだ。
ヒミカの視線が、男の子に集中しているその隙に、ユイナの放った銃弾が、ヒミカの頭部に直撃。
ヒミカの死亡を確認した俺はすぐに、大声で仲間たちに、撤収することを伝える。
ギンコーの裏口から、外に出た俺たちの目の前に、逃走組の運転するワゴンが止まる。
俺たちを乗せた、ワゴンが猛スピードでギンコーから離れていく。
当然のごとく、パトカー2台が、ものすごいスピードで、ワゴンを追いかけてくる。
俺はワゴンの窓を開けて、パトカーに向かって銃弾を2回、発射する。
俺の放った銃弾は、2発とも、パトカー2台の、前輪タイヤに直撃。
タイヤの一部が破裂してしまったことにより、パトカー2台はその場で動きを止める。
パトカーの追跡が終了したことを確認したワゴンの運転手は、そのまま、ワゴンを付近の雑木林に突っ込ませる。
雑木林にワゴンを乗り捨てた俺たちは、ギンコーから奪った大金を持って、カラーレスのアジトである廃屋を目指して、散り散りになって移動を開始する。
コーバンの時と同じく、俺たちは作戦には成功したものの、また、大事な仲間を1人、失ってしまった。
しかし、このギンコーから奪った大金があれば、たくさんの自作爆弾が作れる。
その自作爆弾で、腐敗した新日本を浄化することに成功すれば、みんなの死は、きっと報われる。
俺とユイナは、無言のまま、アジトに向かって歩き続ける。

次回予告 BEI軍基地 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十三話 BEI軍基地 その1

第三百五十三話 BEI軍基地 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ギンコー襲撃により得た大金を使い、俺たちカラーレスは自作の爆弾制作を始めた。
カラーレスのリーダー、倉都テツオの指示によって、俺たちはいつもの廃屋で、爆弾制作に精を出す。
かつて軍隊に所属していた倉都テツオ、彼は第三次世界大戦の経験者である。
さすが経験者だけあって、戦闘中に相手が一番困る爆弾の作り方を心得ていた。
かつて、俺たちが東強大学を占拠したときも、倉都テツオの指示で制作した自作爆弾は、ケーサツ隊を何人もあの世送りにしたらしい。
まぁ、俺はその当時、ビビってトイレに引きこもっていたから、実際には見ていないのだが。
爆発すると、内部に詰め込まれた大量の釘が一斉に、拡散する殺傷能力に長けた爆弾。
俺たちがコツコツと作っている爆弾はそんな爆弾だ。
休憩時間。
倉都テツオが、カップ麺を食べているみんなに向かって、次の作戦についての説明を始める。
どうやら、次のターゲットは都内にある、BEI軍の基地らしい。
テツオの話を聞いている、姫先ユイナは、膝の上に置いた握りこぶしにギュッと力を込める。
ユイナは、かつて、BEI軍にその身を汚された経験をもつ。
それゆえに、今回の作戦は、ユイナにとって待ちに待った作戦であるはずだ。
倉都テツオがみんなに向かって礼を言う。
「今回の、このBEI軍基地攻撃作戦を実行できるのは、君たちがコーバンを襲撃して得た銃で、ギンコーを襲い、ギンコーから奪った大金で、大量の爆弾が作れるようになったおかげである!その過程で、多くの仲間を失うことにもなってしまったが、君たちの、この国を思う心が、今を作っていることを忘れないでほしい!君たちには本当に感謝している!これからも一緒に、この国を浄化していこう‼わかるか?」
倉都テツオの言葉を聞いた、みんなが一斉に拍手と歓声を上げる。
しかし、俺は知っている。
このカラーレスのメンバーが水面下で二つに分裂していることを。
一つは、自らの危険を顧みずに、この国を浄化し、革命を起こそうとしている者たち。
もう一つは、自分の身を守るために、どうにかして、組織から抜け出そうとしている者たちである。
しかし、組織から抜け出そうとしている者たちは、皆、知っている。
組織を裏切った、リョウジが俺に銃殺され。
作戦を妨害した、ヒミカがユイナに銃殺されたことを。
できれば、俺はもう、仲間を撃ちたくない。
今、このカラーレスを辛うじて一つにまとめているのは、皮肉にも、裏切り者たちの死であった。
死の恐怖による、組織の統制。
それは、俺達の目指す、何物にも支配されない自由な主義、『無色主義』とはまったく逆の思想である。
しかし、死の恐怖によって、統制された組織の活動によって、『無色主義』による日本の解放と浄化を達成できるのであれば、俺は今のカラーレスの現状を受け入れることができる。
カラーレスのメンバーの一人、時田トオルが、急に椅子から立ち上がって、口を開く。
「お、俺に『提案』がある‼」
倉都テツオが、トオルの提案を許可する。
「お、俺は、もうこの組織を脱退したい、も、もちろん、みんなのことは黙っているよ!この国を浄化したい気持ちだって同じだ!で、でも、俺は死にたくない、だって、相手はあのBEI軍だぜ?俺たちより、武器だって持ってる!勝目なんてねぇよ‼」
鬼の形相をしたユイナがすぐに『提案』する。
「私、姫先ユイナは、今すぐ時田トオル君の『反省』と『粛正』を『提案』します‼」
倉都テツオは、ユイナの提案に対して、片手を上げて、制すだけだ。
倉都テツオがトオルに対して、作戦内容の補足を行う。
「トオル、今回の作戦は、BEI軍の基地を潰すことじゃない、BEI軍の基地内にある、武器倉庫と、食料貯蔵庫に爆弾を仕掛けて、爆破するだけだ。この作戦に成功すれば、BEI軍は武器と食料を失い、その戦力は大幅に減少する」
「で、でも、BEI軍どもを内部から疲弊させた後に、本格的な攻撃作戦を、いつか実行するんだろう?いくら、食料と武器にダメージを与えたところで、俺たちの、この人数では勝目がないぜ!」
「確かに、BEI軍どもの、食料と武器を潰して、そう遠くない時期に、我々は、BEI軍基地への本格的な攻撃作戦を行う。しかし、この仕上げともいうべき、攻撃作戦に参加するのは我々、カラーレスだけではない。トオルもみんなも知っているはずだ、この日本には、俺達が以外にも、この国の浄化を願っている者たちがいることを!」
そう、今や、日本各地に、俺たちカラーレスの運動に触発されて、動き出した同志たちがいるのだ。
「我々、カラーレスがBEI軍基地への最終攻撃作戦を実行するのは、日本各地に存在する同志たちを手を組み、戦う準備が出来た後だ!トオル、俺は勝目のない戦いに、みんなを巻き込むつもりはない‼だから、勇気を振り絞り、これからも、俺についてきてほしい!わかるか?」
「私、姫先ユイナは、倉都テツオ君の勇気ある決意を『賞賛』します‼」
ユイナに続いて、多くのメンバーたちがテツオに対して、拍手と共に『賞賛』を贈る。
ユイナがトオルに指を指して告げる。
「さぁ、トオル君、はやく『反省』しなさい!さぁ!さぁ!さぁッ‼」
トオルが顔をしかめたまま、悔しそうに口にする。
「時田トオルは...時田トオルは...先程の不適切な発言を...『反省』...します...!」
トオルの悔しそうな顔を見た、ユイナが、愉悦に満ちた満面の笑みを浮かべる。
組織への逃げ道を完全に失ってしまった、トオルの顔を見て、俺はふと思う。
悔しい...ですよね?

次回予告 BEI軍基地 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十四話 BEI軍基地 その2

第三百五十四話 BEI軍基地 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

深夜。
俺は今、仲間たちと共に、都内の海を泳いでいる。
理由は簡単だ。
BEI軍襲撃作戦が始まったのだ。
今回の任務内容は、シンプルにBEI軍基地内の武器庫と食料貯蔵庫に、爆弾を仕掛け、爆破する、ただ、それだけ。
ウェットスーツを着用した、俺たちは、BEI軍の基地を目指して、環境汚染によって汚れてしまった、黒い海の中をひたすら泳ぐ。
この環境汚染も、BEI軍のせいである。
BEI軍に支配された日本は、その日から、新日本になってしまった。
敗戦国である新日本の指導者達は、戦争で負けても、経済では負けまいと、見苦しいガンバリズムを、マスメディアを利用して、国民たちに伝染させた、それによって、新日本は大きな経済成長を成し遂げ、敗戦国でありながら、先進国となった。
しかし、その経済成長のために建造された数多くの工場から排出される汚染物質により、大気は汚れ、川も汚れた。
経済成長に伴う人口の増加により、排出される生活排水は海を汚した。
新日本国民の、くだらない見栄と独りよがりな幸福の追及のために、多くの自然が汚されてしまったのだ。
そして、増えすぎた人口は格差を生み、いつしか、新日本の自殺者は、1年に約1万人を超えてしまった。
さらに、交通事故で死んでしまった人の数は、1年に約2000人以上。毎年、約2000人の罪なき人々が、経済成長のために生産された自動車によって、命を失い、約2000人のドライバーが人生を破壊された。
しかし、国の指導者達は、その現状を知っていながら、見て見ぬふりをして、自分たちの私腹を肥やすことしかしない。
この国のショーチョーである、まがいものの神々たちは、今や、セージカ達の操り人形であり、ただの傍観者と化している。
国民の意思など関係なく、セシューセージによって選ばれた無能な指導者が、国家の手綱を取れば、こうなるのは当然である。
だからこそ、この国を『無色主義』によって、浄化しなければならない。
しかし、そのためには、まず、この新日本を、BEI軍の支配下から解放する必要がある。
BEI軍の支配下からの解放、『無色主義』による新日本の浄化の先に、俺たち国民のためのセージが待っているのだ。
道は険しいが、俺たちカラーレスはもう立ち止まることも、後ろを振り向くことも許されない、特に、俺の手はすでに、同じ国の人間の血で汚れてしまったのだから。
俺たちは、環境汚染で汚れ切った海中から、BEI軍基地の敷地内の岩礁地帯に上がる。
今回の作戦に参加しているのは、俺、能沢エーイチロウと、姫先ユイナ、時田トオルの3人だ。
俺は二人に告げる。
「では、これからBEI軍基地に潜入する、ユイナは門番を頼む」
「わかったわ...!トオル君は、今回、頑張らないと、色々とキツイわよ」
「わ、わかってるよ...!」
そう、時田トオルは前回の不適切な発言のせいで、みんなの信用を失っている、組織への忠誠を示すには、今回の作戦を成功させなければならない。
海中を移動してきたおかげで、おそらく、BEI軍基地の奴らは、俺たち3人の存在に気付いていない。
その証拠に、警報はまだ鳴っていない。
こんなにも近くに、爆弾を持った俺たちがいるというのに。
ウェットスーツを脱ぐ、ユイナ。
きわどいビキニを身に着けたユイナが、BEI軍基地の門に向かう。
ユイナは普段では考えられない、しぐさや言葉で、BEI軍基地の門番の男にモーションをかける。
二人の会話を盗み聞きしてわかったことは、門番の男は妻帯者で、もう何年もBEI国に帰国できていないらしい。
この点に関しては、俺は門番の男に同情した。
戦争に勝ち、生き残った者たちすべてが、幸せになれるわけではないのだ。
相当たまっているのか、門番の男は管理室の中にユイナを招き入れる。
門番の男の手が、ユイナの腰に回った。
ユイナが後ろ髪をまとめていた髪留めを、外し、門番の男の首に突き刺す。
ユイナは必死に暴れる門番の男の口の中に、銃口を突っ込む。
首から血を流しながら、喉奥まで銃口を突っ込まれてしまったせいで、まともに言葉を話すことができない門番の男。
ユイナは門番の男の両肩と両ひざに何度も何度も、片手に持った細長い髪留めを、突き刺す。
首からの大量出血により、いつしか、門番の男は死亡し、動かなくなっていた。
門番の男が動かなくなったことに気付いていないユイナは、門番の男の口に銃を突っ込んだまま、片手で持った細長い髪留めで、門番の男の両肩と両ひざを何度も何度も、突き刺す。
ユイナにはかつて、BEI軍の軍人たちに、体を汚された過去があるのだ。
俺はそっと、ユイナの肩に手をのせる。
きわどいビキニ姿に、門番の男の首から飛び出した血飛沫で、全身を汚したユイナが、俺のほうを振り向く。
全てをさとったユイナは泣いていた、いや、門番を殺している最中からすでに泣いていたのかもしれない。
血飛沫にまみれ、きわどいビキニ姿のまま、声を殺して泣き続けるユイナ。
不謹慎かもしれないが、俺はその姿を見て、美しいと思ってしまった。

次回予告 BEI軍基地 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十五話 BEI軍基地 その3

第三百五十五話 BEI軍基地 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

能沢エーイチロウ・姫先ユイナ・時田トオル。
環境汚染によって、汚れた海中を進み続けるカラーレスの3人。
BEI軍基地付近の岩礁地帯にたどり着いた3人のうちの1人、姫先ユイナは色仕掛けの後に、門番を殺害。
3人はBEI軍基地内の武器庫と食料貯蔵庫に爆弾を設置するために、基地内に突入する。
ウェットスーツを身にまとった俺たちは、深夜のBEI軍基地内への潜入に成功する。
なるべく音を立てずに基地内を歩き続ける俺たち3人。
深夜なだけ、あって、基地内には、最低限の軍人しか配備されていない。
おそらく、ほとんどの軍人が自室で睡眠中なのだろう。
事前にドローンなどを使って、基地内の地図を制作できれば、こうして、危険を冒して基地内を歩き回る必要はないのだが、ここは軍の基地である、仮にドローンを使って基地内の偵察を行えば、レーダーに引っかかって、ドローンを破壊されてしまう。
あまり長居していると、BEI軍に捕まり、捕虜にされてしまう。
痺れを切らした俺は、俺に背中を見せている警備兵を背後から襲撃。
手に持ったナイフを背後から、警備兵の首元に突き付ける。
俺は小声で警告する。
「死にたくなければ、今すぐ、食料貯蔵庫と武器庫の場所を教えろ!脅しじゃないぞ‼」俺は警備兵の右腕にナイフを思いっきり突き刺す。
警備兵が激痛に両目をつぶって、歯を食いしばる。
「さぁ、食料貯蔵庫と武器庫の場所を教えろ!次は首を刺すぞ‼」
「教えるわけねーだろ!このキーロイサルが‼もう一度、『H』と『N』に原子爆弾を落とされたくなかったら、とっとと動物園に帰りな‼」
ユイナが、俺たち3人を侮辱した、警備兵の右目に、ナイフを突き刺す。
「Ohhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhッ‼」
右目にナイフを突き刺されたBEI軍の警備兵が、あまりの痛みに、叫び声を上げてしまう。
「おい、ユイナ‼コイツの叫び声で、周りの警備兵に気付かれたら、いったい、どうするつもりなんだ?」
「BEI国人のくせに、日本人をバカにしたコイツが悪いのよ‼」
ユイナはかつて、BEI軍の軍人に、襲われ、体を汚された経験がある。
そのせいか、ユイナは自らを汚したBEI軍の軍人に対する怒りと恐怖で、やや錯乱状態にある。
ユイナが警備兵の左目に、ナイフを突きつける。
「とっとと食料貯蔵庫と武器庫の場所を教えなさい‼でないと左目もダメにするわよ!」さすがに警備兵も、光を完全に失うのを恐れたのか、食料貯蔵庫と武器庫の場所が描いてある、基地の地図を俺たちに手渡す。
ユイナが用済みと化した警備兵の左目にナイフを突き刺す。
警備兵が約束が違うと、俺たちに向かって訴える。
そして、光を失い、これからどう生きていけばよいのか、血の涙を流しながら、俺たちに訴えてくる。
「なら、今すぐ楽にしてあげるわよ‼」
ユイナがナイフを警備兵の首に突き刺す。
警備兵の首から噴水のように飛び出た鮮血が、基地内の廊下を汚す。
血の匂いと、警備兵の死体を見た、時田トオルが嘔吐感に気付き、口元を抑える。
ユイナのBEI軍への憎しみの深さをあらためて思い知らされた、俺とトオル。
「殺すことは、なかったんじゃないか...」
トオルの警備兵を気遣う言葉に、ユイナが怒りをあらわにする。
「知らないの?だったら教えてあげるわ‼BEI国人は第三次世界大戦で私たち日本人をたくさん殺したのよ!だからBEI国人は何人殺しても罪にはならないのよ‼」
トオルがユイナに反論する。
「そんなの、めちゃくちゃすぎんだろ‼」
「知らねーよ!そんなの‼とにかくBEI国人は全員死ね‼絶対に全員殺してやるわ‼」俺はユイナとトオルが口論している間に、警備兵の死体から、銃と予備の銃弾を奪う。
警備兵から奪った地図をもとに、俺たち3人は、BEI軍基地内の食料貯蔵庫と武器庫にたどり着くことに成功する。
俺たち3人はかつてケーサツから奪った拳銃で、食料貯蔵庫と武器庫の警備兵達を死角から狙撃、殺害する。
カラーレスのリーダーで、元軍人である倉都テツオによる教えと訓練が、この場面では活かされる結果となった。
BEI軍基地内の食料貯蔵庫と武器庫に爆弾を設置した俺たち3人は、爆発の際に発生する爆炎に巻き込まれないように、基地内からの脱出を開始する。
しかし、基地内に突如、鳴り響く、警報音。
おそらく、監視カメラを見ていた警備兵たちが、俺たちの存在が気付いたのだろう。
こうなることは、わかってはいたが、さすがに多勢に無勢である。
俺たち3人は、基地内に転がっている警備兵の死体を盾にして、駆け付けた警備兵たちの銃撃から、身を守る。
その間に、トオルが予備の爆弾を、基地内の壁に設置、俺たちに壁から離れるように警告する。
基地内の壁に取付けられた爆弾を見た、警備兵たちも、銃撃をやめ、異国の言葉で、俺たちから距離を置くように、仲間たちに向かって叫ぶ。
壁が爆発する。
俺たち3人は、シュノーケルを顔につけ、破壊された壁から、ジャンプして、海中に飛び込む。
基地内から、警備兵たちの放つ銃弾が、海中に潜ることに成功した俺たちを襲う。
しかし、海面に直撃した銃弾は、一度水中に入ってしまえば、その威力はほとんど、無に等しい。
環境汚染により、汚れ切った海をひたすら泳ぎ続ける、俺たち3人。
遠くから、BEI軍の兵士を乗せたモーターボートが俺たちを追撃してくる。
BEI軍基地から、だいぶ距離が離れたことを確認した俺は、爆弾のスイッチを押す。
BEI軍基地内の食料貯蔵庫と武器庫が一斉に爆発する。
俺たちを追撃しに来たBEI軍兵達が乗ったモーターボートの背後では、BEI軍基地から黒い煙が上がっている。
それでも、BEI軍兵達による追撃は、まだ止まっていない。

次回予告 BEI軍基地 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十六話 BEI軍基地 その4

第三百五十六話 BEI軍基地 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

BEI軍基地に潜入した、能沢エーイチロウ、姫先ユイナ、時田トオルは、BEI軍基地内にある、食料貯蔵庫と武器庫の爆破に成功した。
しかし、BEI軍基地から出撃した兵士が乗ったモーターボートが、基地から脱出した3人を追撃。
猛スピードで近づいてくる死の予感に、3人はひたすら、環境汚染で汚れ切った深夜の黒い海を泳ぎ続けることしかできない。
俺たち3人はただ、ひたすらに泳ぎ続ける。
しかし、BEI軍の軍人が乗ったモーターボートの音はどんどん、大きくなる。
BEI軍の捕虜になった場合に待っているのは、おそらく、想像を絶する非人道的な拷問だろう。
そして、その先に待っているのは、おそらく、『死』。
仮に五体満足のまま、解放されることがあっても、俺はこの国を浄化するために、何人も人を殺している。
日本のケームショに移送された後、まず間違いなく死刑になるだろう。
死の恐怖に怯えながら、俺は必死に海中を泳ぎ続ける、しかし、時田トオルは一度、泳ぐのをやめ、BEI軍のモーターボートの方へと、泳ぎ始める。
BEI軍のモーターボートからは、銃撃の嵐。
しかし、トオルは海中にいるため、銃弾はすべて、水中に直撃した影響で、その威力をほとんど失う。
海中から、BEI軍のモーターボートにしがみつき、そのまま、モーターボートに乗り込むトオル。
BEI軍から一斉に、銃撃されるトオル。
しかし、トオルはその身に無数の銃弾を受けながらも、ウェットスーツ脱ぎ、懐から、爆弾を取り出す。
そう、俺たちがギンコーを襲撃して奪った大金で作った自作爆弾。
トオルの手に握られた爆弾を見て、BEI軍の軍人たちは一斉に海に飛び込む。
しかし、遅かった。
トオルは、自分が巻き込まれるのを覚悟で、爆弾のスイッチを押す。
爆弾が爆発する。
爆発した爆弾から放たれた火薬と大量の釘が、トオルと近くにいたBEI軍の軍人たちに直撃する。
トオルはその身を犠牲にして、BEI軍の追撃から、俺たちを守ったのだ。
その光景を茫然と見ていた俺。
その光景に構っている暇などないかのように、泳ぎ続けるユイナ。
ユイナが、トオルの死に茫然自失となっている俺に向かって叫ぶ。
「トオル君の死を無駄にしたくないのなら、とにかく泳ぎ続けなさい」
俺はユイナの忠告を無視して、爆発したモーターボートの残骸が漂うポイントに向かって泳ぎ続ける。
顔面と全身に、大やけどをして、大量の釘が刺さった状態のトオルが、黒い海を漂っていた。
「と、トオル!大丈夫か!」
「え、エーイチロウか...?」
「あ、ああ!そうだ!エーイチロウだよ‼」
「俺、名誉挽回できたかな...?」
「ああ...ああッ!できたとも!だから、死ぬな!トオル!お前、あんなに死にたくないってみんなの前で言っていたじゃないか!だから死ぬな!」
「い、いいんだよ、コレで...死んじまえば、もう死ぬのに、おびえずに済むんだからな...俺の死は...名誉の戦死ってことで、これから、みんなに語り継いでくれ...あの世で...リョウジとヒミカと一緒に...お前たちのことを...見守ってるぜ...」
それがトオルの最後の言葉だった。
BEI軍の追撃が止んだ。
しかし、さっきの爆発で、海に放り込まれた軍人たちの捜索がすぐに始まるはずだ。
もう、ここにとどまってはいられない。
俺はトオルの死体から、拳銃を奪い、再び海に潜る。
環境汚染による産業廃棄物と、戦う男たちの血が漂う、黒い海を、俺はひたすら泳ぎ続けた。
大切な仲間が、また死んでしまった。
作戦が成功する度に失われていく、仲間の命。
シュノーケルにたまっていく涙のせいで、黒い海がにじんで見えた。
こうして、俺たち『3人』はBEI軍基地の、食料貯蔵庫と武器庫の爆破に成功した。

次回予告 同盟 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十七話 同盟 その1

第三百五十七話 同盟 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

カラーレスが実行した、BEI軍基地内の食料貯蔵庫と武器庫の爆破作戦は成功した。
これにより、都内のBEI軍基地の戦力は大幅に減少した。
BEI軍としては、今回の失態がマスメディアを通して、新日本国民に知られるということは、なんとしても避けたかった。
そう、BEI基地の戦力が弱体化したことが世間に広まれば、それだけ、カラーレスのような反社会勢力に襲撃される危険性が高まるからだ。
しかし、あれだけ大きな爆発を、この国のマスメディアが見て見ぬふりをするわけがない。今回のカラーレスによるBEI軍基地襲撃事件は、国内で大々的に報道された。
この報道により、国民たちのカラーレスへのイメージは大きく変わった。
以前のカラーレスは、コーバンやギンコーを襲撃する、小規模なテロリストのイメージが強かった。
しかし、BEI軍基地を襲撃し、一部施設の爆破に成功した、今のカラーレスは、超大国であるBEI国にケンカを売った、世界的なテロリストになってしまったのだ。
新日本は、BEI軍の支配下にある。
当然、BEI軍は国内のケーサツに、カラーレスの早急な逮捕を要請、つまり圧力をかけたのだ。
そのせいで、俺たちカラーレスのメンバーは、以前よりも、行動を制限するようになり、ケーサツの目を気にするようになってしまった。
明日には、BEI軍基地に、補充の食料と武器が届いてしまう。
つまり、BEI軍基地を完全に破壊するチャンスは今日しかないのだ。
そして、カラーレスのアジトである、廃墟と化したマンションには、カラーレスの活躍をマスメディアを通じて知り、行動を起こした同志たちが、日本各地から集結していた。
カラーレスのメンバーは十数人だった状態から三十数人に増えた。
今回増えた約20人の同志たちは、皆、日本を浄化する為に命を懸けることを、カラーレスに誓った者たちである。
新メンバーである約20人の同志は、ネットを通じて知り合い、カラーレスと合流する前にコーバンを襲撃、ケーサツ官、数人を殺害して拳銃を強奪、自分たちの決意が口だけではないことを、俺たちに証明した。
本当なら、歓迎会でも開きたい気分だが、明日にはBEI軍基地に新しい食料と武器が届いてしまう。
俺たちと、新メンバー達は、カップ麺を食べながら、カラーレスのリーダーである倉都テツオの話を聞いていた。
「明日には海の向こうから、補給物資がBEI軍基地に到着するだろう、よって、BEI軍基地を完全に破壊するチャンスは今しかない、奴らは、先日の襲撃で警備を普段よりも強化しているはずだ、しかし、俺たちには、新たな同志がケーサツから奪った10丁の拳銃と、俺たちが所持している10丁の拳銃がある、全部で20丁の拳銃に、大量の自作の爆弾、俺たちは、まず間違いなく、勝てる‼わかるか?」
倉都テツオの言葉に、カラーレスのメンバーたちが一斉に、拍手と歓声を上げる。
「そして今回のBEI軍基地殲滅作戦には、地方の反政府組織『カミカゼ』も協力してくれることになっている!カミカゼの皆さんは現在、BEI軍基地の前で大規模なデモ活動を行ってくれている、そして、俺たちの攻撃開始と同時に、BEI軍基地内への攻撃作戦に合流する予定である‼わかるか?」
『カミカゼ』は俺たちカラーレスの活動をマスメディアを通して知った者たちが、結成した反政府組織である。
『カミカゼ』は、今回新たに増えた同志達とは違い、カラーレスが、BEI軍基地を襲撃する以前から、カラーレスの活動をリスペクトしてくれていた組織である。
『カミカゼ』は普段、BEI軍の言いなりになっている日本の浄化と革命を世間に訴えるデモ活動を中心に活動していたのだが、俺たちカラーレスのBEI軍基地襲撃作戦の成功をマスメディアを通して知り、奮起すると同時に、武器を持って戦う決心をしたらしい。
カラーレスのリーダーである倉都テツオは、今回のBEI軍基地殲滅作戦を実行する上で、最大の弱点であった、『人員の少なさ』を克服するために、情報漏洩覚悟で、『カミカゼ』にメールを通して勧誘を行い、同意の上で『カミカゼ』と同盟を結ぶことに成功した。
こうして、カラーレスの戦力は、新メンバーの加入と『カミカゼ』と同盟を結んだことで、大幅に強化された。
かつて、マイノリティーの集団だと、社会から揶揄された、カラーレスも、今や、数ある反政府組織の中でも、トップクラスの集団となった。
俺は、ギンコーを襲撃した大金で購入した、防弾チョッキとヘルメットと武器を装備して、ワゴンの中に入る。
今回のBEI軍基地殲滅作戦において、カラーレスは三つに分かれる。
一つ目はBEI軍基地内に攻撃を仕掛ける襲撃組。
ニつ目は逃走用のワゴンを運転する逃走組。
三つ目はカラーレスのアジトを警備するために廃屋に残った待機組である。
三つ目に関しては、BEI軍基地での戦闘状況が悪化したときのことを想定して、編成された予備の部隊であり、アジトの防衛も目的としている。
一つ目の襲撃組は15人で編成されている、一見少なく思えても仕方がないのだが、BEI軍基地の前でデモ活動を行っている『カミカゼ』のメンバーたち、約20人が戦闘に協力してくれることになっている。
対人戦に特化した装備をした人間35人による、BEI軍基地襲撃作戦。
数を誇るBEI軍基地を壊滅に追い込むためには、食料と武器が不足している今しか、攻撃のチャンスはないのだ。
カラーレスのメンバーをのせた3台のワゴンが、BEI軍基地に向かって走る。

次回予告 同盟 その2
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十八話 同盟 その2

第三百五十八話 同盟 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

カラーレスと同盟を結んだ反政府組織『カミカゼ』のメンバーたちが、BEI軍基地の入り口前で大規模なデモ活動を行っている。
「BEI国人は自分たちの国に帰れぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
「そうだァ!BEI国人は発展途上国の不法入国者達と一緒に、日本から出ていけぇぇぇぇぇッ‼」
「死ねぇぇぇッ‼BEI国人‼死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
BEI軍基地前の軍人たちは、デモ活動を行っているカミカゼのメンバーたちをただ静観しているだけだ。
そう、相手が武器や暴力などで攻撃してこない限り、BEI軍は攻撃することができないのだ。
その規律が、これから、自らの状況を悪化させることも知らずに。
デモ活動を行っているカミカゼのメンバーたちの耳に、遠くから猛スピードで走る車のエンジン音が、聞こえてくる。
あらかじめ、カラーレスのリーダーである倉都テツオから、作戦内容を聞かされていた、カミカゼのリーダー・二浦ルリコが大声で仲間たちに向かって叫ぶ。
「総員、退避ィィィィィィィィィィッ‼」
二浦ルリコの警告に、一斉に、カミカゼのメンバーたちが、BEI軍基地の門から離れていく。
そして、猛スピードでBEI軍基地の門に向かって走り続ける、3台のワゴン。
そのワゴンは、カラーレスのメンバーである、15人の戦士達を乗せた、ワゴンだった。
3台のワゴンに向かって放たれる、BEI軍兵達の銃撃。
しかし、猛スピードで走る3台のワゴンは、そのまま動きを止めずに、BEI軍基地の門を破壊して、基地内部に侵入する。
3台のワゴンは、BEI軍基地の建物に激突。
エアバックで一命をとりとめた3台のワゴンの運転手と、カラーレスの15人の戦士達が、一斉に、ワゴンから降りて、基地の食堂内で食事をしているBEI軍兵達を銃撃。
食堂内のBEI軍兵全員の殺害を確認した、カラーレスの戦士たちは、一斉に食堂から廊下に移動して、基地内の制圧のために、散開する。
そして、カラーレスの15人の戦士の内の1人、俺、能沢エーイチロウが自作爆弾のスイッチを押す。
スイッチを押すと同時に、BEI軍基地内の食堂に激突した3台のワゴンが、一斉に爆発。爆発の際に発生した炎が、BEI軍基地内に広がり火災を発生させる。
ちなみに火災の発生原因となった3台のワゴンは逃走用のワゴンではない。
基地内に散開した俺たち1人あたりに対して、3人がかりで銃撃をしてくるBEI軍兵。
しかし、昨日の武器庫の爆破作戦の成功が功を奏したのか、BEI軍兵たちは、銃弾のストックに気を使って、発砲から次の発砲までの時間が長い。
つまり、無駄玉はなるべく使わずに、一撃必殺を狙って俺たちを銃撃してくるのだ。
俺は銃撃をしてくるBEI軍兵に向かって、自作の爆弾を投げる。
爆発した爆弾から放たれた、大量の釘が、爆発の際に発生したエネルギーによって、周囲に猛スピードでBEI軍兵達を襲う。
顔と全身を焼かれると同時に、大量の釘を刺されたBEI軍兵達が、痛みにもだえ、床に横たわる。
俺は動きを止めたBEI軍兵達から奪った銃で、全身を走る激痛に床でのたうち回っている、BEI軍兵の頭部を銃撃。
全部で3丁の銃を手に入れた俺は、火災による炎と煙が漂うBEI軍基地内を疾走する。
多勢に無勢であれば、自作爆弾を投げ。
少数の相手であれば、銃撃。
黒煙と炎と銃撃音と爆発音と悲鳴、BEI軍基地内部は、まさに阿鼻叫喚と化していた。
俺はその悲鳴の中に、仲間たちの悲鳴が入っていないことを願いながら、ひたすら、目のまえに立ちふさがるBEI軍兵達を銃殺していく。
もう、何人殺しただろうか。
さすがは数を誇るBEI軍兵である、殺しても殺してもきりがない。
先日の武器庫の爆破により、武器が枯渇したBEI軍兵達の中には、ナイフによる白兵戦を仕掛けてくる者もいた。
しかし、これは戦争である。
俺は、その勇敢な挑戦者たちにも、無慈悲に銃弾の雨を浴びせ、殺害し続ける。
銃で人を殺した自分の、震える手に悩み苦しむ、あの頃の俺は、もうどこにもいなかった。今ここにいるのは、多くのBEI軍兵達の鮮血と硝煙にまみれた、狂戦士・能沢エーイチロウだった。
立て続けにBEI軍兵達を殺害した達成感による高揚感が、俺の脳内を支配する。
俺は作戦が成功したわけでもないのに、勝利の雄叫びを上げる。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼」
俺は雄叫びを上げながら、走る。
走りながら、銃撃を開始する。
俺は、武器庫の爆破により、予備の銃弾を失い、ひたすら逃げ続けるBEI軍兵達を背中から銃撃する。
いつしか、俺の口からは笑い声が漏れていた。
「アッヒャッヒャッヒャッ‼うっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼」
奇声と笑い声を上げながらBEI軍兵達に向かって銃を乱射するその姿はまさに、狂戦士。
今の俺は完全に人殺しを楽しんでいた。
遠くから、パトカーと消防車と救急車のサイレンの音が聞こえてくる。
パトカーが出動したということは、BEI軍基地のお偉いさん達はBEI国人としてのプライドを捨て、自らの支配下にある日本の国力に頼ったということだ。
そのうち、ジエータイも、俺たちを殺しに来るだろう。
この絶望的な状況下でも、俺の人殺しを求める渇望感と高揚感が、おさまることはなかった。
俺は人殺しを心の底から楽しんでいた。

次回予告 同盟 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百五十九話 同盟 その3

第三百五十九話 同盟 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

カラーレスとカミカゼ、二つの反政府組織が同盟を結んだ連合軍による、BEI軍基地襲撃作戦によって、BEI軍基地は炎の海に包まれていた。
そして、炎の海に包まれたBEI軍基地内では、カラーレスの戦士たちと、BEI軍兵士達による激しい銃撃戦が発生していた。
先日の武器庫爆破作戦の成功が功を奏し、本来、圧倒的不利であるはずのカラーレスは、武器弾薬が枯渇したBEI軍兵達と善戦。
炎に包まれた基地内に飛び交う鮮血の雨。
そして、地獄と化したBEI軍基地での度重なる戦闘で、狂戦士と化した能沢エーイチロウ。
支配する側としてのプライドを捨てたBEI軍基地の上層部は、支配されている側の日本のケーサツとジエータイに増援を要請する。
地獄と化したBEI軍基地に、ケーサツとジエータイの増援が接近する、この絶望的な状況下でも、狂戦士と化した能沢エーイチロウの闘志が燃え尽きることはなかった。

遠くから、パトカーと消防車と救急車のサイレンの音が聞こえてくる。
俺は硝煙と炎が漂う、地獄と化したBEI軍基地内で、武器と弾薬が枯渇したBEI軍兵たちを、銃や刃物で一方的に殺害していく。
「この音は...!なるほどな、この基地のお偉いさんどもは、命惜しさにプライドを捨てて、日本のケーサツとジエータイに助けを求めたのか...なら、この基地に増援が到着する前に、全員、皆殺しにしちまえばいいだけの話だァ‼」
俺は銃を乱射しながら、ひたすら、基地の最上階を目指す。
そして、殺したBEI軍兵達から武器を奪い、ひたすら走り続ける。
上の階に進めば進むほど、火災による黒煙が激しさを増してくる。
俺は、すでに死体と化していたBEI軍兵から、ガスマスクを奪い、顔に装着する。
BEI軍兵が吐血していたせいで、ガスマスクの内側にこびりついた血生臭い匂いが、俺の鼻腔を突き刺さす。
基地指令室の護衛を担当していたと思われる、BEI軍兵達が、廊下に倒れている。
倒れている死体には、外傷の痕がない。
おそらく、火災で発生した黒煙に含まれた一酸化炭素を吸って死んでしまったのだろう。
俺は廊下に倒れているBEI軍兵達から銃と銃弾を奪う。
大量の銃のスリングを肩に背負っているせいか、肩がだんだん痛くなってきた。
このままだと運動性にも、支障をきたす可能性があるが、武器は多いに越したことはない。
大量の銃を所持した俺は、指令室に入る。
指令室にはもう、人は1人も残っていなかった。
「なるほど...お偉いさんどもはもう逃げたのか...」
窓を覗くと、基地全体を警察のパトカーと武装したジエータイが囲んでいた。
無線機から、カラーレスのリーダーである倉都テツオの声が聞こえてくる。
『エーイチロウ、このBEI軍基地はもう、壊滅状態にある、撤退を開始するぞ!わかるか?』
「撤退?この基地のお偉いさんどもは、どっかに逃げちまったんだぜ!こんなんじゃ満足できねぇよ‼」
『基地のお偉いさんどもは、ジエータイに保護された、それに中からでは、わかりにくいと思うが、この基地は完全に炎に包まれている状態だ、もう使い物にはならん、つまり、俺たちの作戦は成功したんだ‼わかるか?』
「俺は...俺はまだ戦える!武器だって、こんなにたくさん奴らから奪ったんだ‼まだまだぜんぜん殺したんねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉッ!こっちはァッ‼」
『落ち着け!エーイチロウ‼お前は今、まともな精神状態じゃない‼とにかく撤退だ!襲撃組に参加した同志たちは、15人中、8名も死亡したことが確認された、これ以上、貴重な戦力を失うわけにはいかない!お前は、俺たちは、やるべきことをやったんだ!わかるか?』
「わ、わかったよ...でも、俺たちは敵勢力に完全に包囲されているんだろ?撤退するにしても、どうすればいいんだよ?」
『安心しろ、そのためにカミカゼと同盟を結んだんだ、今、俺たちが達成するべき任務は生きて、逃走組が運転するワゴンに合流することだ、わかるか?』
エーイチロウがBEI軍基地からの撤退を開始したころ、カミカゼのメンバーたちが、一斉に、ケーサツとジエータイに向かって、カラーレスから渡された爆弾を投げて、遠くへ走り始めた。
そう、ケーサツとジエータイは、普段は、デモを中心に活動しているカミカゼが武器を使用する場面を想定していなかったのだ。
爆弾から放たれる爆炎と同時に、猛スピードで散開する大量の釘の雨が、ケーサツ官とジエータイに降り注ぎ、直撃する。
爆弾の爆発に巻き込まれないように、走り続けるカミカゼのメンバーたちの耳に、ケーサツ官とジエータイの痛みにもだえる悲鳴が聞こえてくる。
その悲鳴を聞きながら、カミカゼのメンバーたちは、カラーレスの兵器の威力に戦慄していた。
すぐに、逃走組の運転する2台のワゴンが、ケーサツ官とジエータイを轢き殺しながら、基地内に侵入する。
今回の作戦に参加していたカミカゼのメンバーたちと、基地から脱出した襲撃組の生き残り7人が、急いでワゴンの中に乗り込む。
今回の作戦で生き残った戦士たちを乗せた2台のワゴンが猛スピードで、基地から脱出する。
ワゴンの逃走を妨害するかのように、軽傷のケーサツ官とジエータイが、ワゴンに向かって銃で一斉射撃を開始する。
ワゴンに乗っている俺たちは、全員、車内でしゃがみ込む。
銃弾が俺たちの頭上を通り過ぎる。
俺は爆弾のスイッチを押す。
そう、基地からの撤退の際に、俺は、基地のありとあらゆる場所に、爆弾を設置したのだ。
再び、炎と釘の雨に包まれるBEI軍基地。
今ごろ、BEI軍基地に集結した、ケーサツもジエータイも救急隊員も、炎に焼き尽くされているか、大量の釘の雨を全身に浴びで多量出血で死亡しているはずだ。
BEI軍基地で発生した、再びの爆発により、追撃が停止した。
逃走を続けるワゴンは、俺たちのアジトとはまったく別の方向に走り続ける。
車内のメンバーたちが、車窓から見えるいつもとは違う景色に、ざわつき始める。
俺は、倉都テツオに、みんなの疑問を代弁するように質問する。
「なぁ、この進路方向は、都内のアジトがある方角じゃなくて、山林地帯の方角だろ?いったい何がどうなっているんだよ?」
「みんな、覚悟して聞いてほしい、俺たちがBEI軍基地を攻撃している間に、ケーサツにアジトを制圧された、アジトに残っていた待機組も皆、逮捕されたらしい、よって、俺たちカラーレスとカミカゼの連合軍は、その拠点を、これから『アズマ山』に作ることにする‼」
作戦の成功と自身の無事への安堵から一転、車内のメンバーたちに一斉に衝撃が走る。
次の日、マスメディアを通して世間に、俺たちカラーレスとカミカゼの同盟軍が起こしたBEI軍基地襲撃と、カレーレスのアジトの制圧に関する記事が同時に発表された。
BEI軍基地襲撃による死亡者の数は、ケーサツとジエータイとBEI国人を合わせて約1000人を超えた、けが人は約2000人。
BEI国軍人は、この国に、およそ8万人、移住している。
それに比べれば、今回の作戦で発生した死傷者の数は、微々たるものかもしれない。
しかし、俺たちが日本各地に存在する、BEI軍基地を一つ潰したことは事実である。
そして、BEI軍基地を一つ壊滅させたことで、俺たちカラーレスは、日本国内はもちろん、世界的なテロリストになってしまったのだ。
つまり、倉都テツオが、次のアジトを『アズマ山』に選んだのは、人間社会に、俺たちの居場所が、もう、存在しないことを意味していた。

次回予告 山の生活 その1
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十話 山の生活 その1

第三百六十話 山の生活 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

俺たちカラーレスは、日本各地に存在するBEI軍基地の一つを破壊することに成功した。しかし、その戦いで出撃した15人の襲撃組のうち、8人が死亡。
生き残った7人は、逃走組が用意したワゴンに乗車して、炎の海に包まれるBEI軍基地から撤退する。
都内のアジトをケーサツに制圧されてしまった俺たちは、帰る場所を失う。
俺たちカラーレスは、人目が少なく、クマなどの危険生物が生息している山林地帯・アズマ山に、新拠点を作ることになった。
BEI軍基地の破壊により、俺たちカラーレスと、同盟を結んでいるカミカゼのメンバーたちは、この世界に居場所を失ってしまった。
アズマ山への移住が、俺たちにとって、プラスになるのか、マイナスになるのか、それを知る者は、まだいない。
ワゴンを降りた俺たちは、山林地帯をひたすら歩き続ける。
アズマ山はクマが出没するの有名な山で、地元の人でもめったに近づかない、危険領域である。
しかし、現在、指名手配状態にある俺たちにとって、危険領域であるアズマ山は、身を隠すには一番ベストな場所だった。
現在、カラーレスのメンバーは襲撃組7人、逃走組2人である。
先日、組織に加入した新メンバーたちは、皆、待機組であったため、ケーサツに逮捕。
今は留置所に収監されているはずだ。
しかし、BEI軍基地襲撃作戦の日、人員不足を考慮して、襲撃組のメンバーたちは皆、自分が殺したBEI軍兵から、銃などの武器を奪っていた。
これにより、組織の人数は少なくとも、銃火器の数に関しては、十分な余裕があった。
そして、同盟軍であるカミカゼのメンバーたちは、普段、集団デモを中心に活動している組織である。
BEI軍基地襲撃作戦の日、カミカゼのメンバー、約20人から死傷者は出なかったものの、カミカゼのメンバーたちにとって、アズマ山への移住は予想外だったらしく、山林地帯を歩いている最中、愚痴をこぼす者も少なくなかった。
山林地帯を歩いている最中に、カミカゼのメンバーの一人が、突然、泣きながら自分の意見を皆に、訴える。
「お、俺はこんなことになるとは、思っていなかったんだ!俺はただ、みんなと一緒にデモ活動ができれば、それでよかったんだ‼そ、それが、人殺しにされて、しかも指名手配までされて、家にも帰れず、こんな危ない山を登っている!お、俺はもう嫌だ!俺はこの山を下りる‼」
あのBEI軍基地襲撃作戦で生き残っていた、姫先ユイナが、怒りの声を上げる。
「私は同盟軍カミカゼのメンバーの今の発言に対して、発言者に『反省』を求めます‼」ユイナの言葉に、先の発言者が疑問の声を上げる。
「『反省』って、なんだよ!お前らだって、自分たちが置かれた状況がわかってるんだろ?どうしてデモを中心に活動していた俺たちが、人殺しになって、こんなクマだらけの山奥で生活しなくちゃいけないんだ‼俺は家に帰りたいんだ‼」
ユイナが、不適切な発言者の頬を殴る。
「こ、この女ァ!何すんだァ‼」
「再度通告します!今すぐ、みんなの前で自己『反省』しなさい‼」
「だ、誰がそんなことするもんか!俺は間違ったことは言ってねぇよ‼」
「では、あなたの帰る場所とは、いったいどこなのかしら?」
「そ、それは!」
「BEI軍基地を破壊した私たちは、国内と全世界から、指名手配されている、この山を下りて、あなたはいったいどこに逃げるつもりなの?居場所が欲しければ、戦いなさい!この国からBEI軍を追い出して、腐った新日本を無色主義によって浄化した先にしか、私たちの居場所はないのよ‼」
ユイナに糾弾された、不適切発言者の男は、自らの居場所が、勝目がほぼないBEI軍との戦いの先にしかないことに絶望し、パニック状態になる。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
極度のパニック状態により、幼児退行した不適切発言者の男が、急に服を脱ぎ、全裸になる、そして親指を口にくわえて、土の上に横たわり、じたばたし始める。
ユイナが提案する。
「過度のストレスによる、幼児退行。私は、この裏切り者の『粛正』を『提案』します‼」カラーレス内で使われる専門用語『粛正』の二文字に不穏なものを感じ取った、カミカゼのメンバーたちがざわつき始める。
カラーレスのリーダー、倉都テツオがユイナに告げる。
「姫先ユイナの『提案』を俺は認める、皆はどうだ?」
カラーレスのメンバー、倉都テツオを除く、襲撃組と逃走組の8人は、皆、ユイナの提案に賛成の意を述べる。
「賛成多数で、不適切発言者への『粛正』を認める、やれ」
ユイナが、幼児退行状態の、不適切発言者に馬乗りになる。
ユイナは幼児退行状態の、不適切発言者の首を両手で絞めながら告げる。
「裏切り者は死ねばいいんだわ!死ね!死ね!死ね!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
ユイナに首を絞められた不適切発言者が両手両足を振り回して、抵抗する。
しかし、ユイナは鬼の形相で、不適切発言者の首を絞める両手に思いっきり力をこめる。
「抵抗してんじゃねーわよ!この裏切り者がァ!アンタみたいな臆病者の居場所は天国がお似合いよ‼」
天国。
その二文字に、誘惑された不適切発言者が、突如、抵抗をやめる。
天国への憧れか、それとも絞首による意識の喪失か、不適切発言者が抵抗をやめた本当の理由を知るものはいない。
そう。
しばらくして、不適切発言者は死亡してしまった。
不適切発言と戦意喪失によって、『粛正』されてしまった、仲間の死に直面したカミカゼのメンバーたちは皆、戦慄していた。
自分たちが、異常な反政府組織と同盟を結んでしまったことに、絶望していた。
今回の不適切発言者の死は、カラーレスを裏切った者の、末路として、カミカゼのメンバーの心に大きな傷をつけた。

次回予告 山の生活 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十一話 山の生活 その2

第三百六十一話 山の生活 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

全国から指名手配された反政府組織カラーレスとカミカゼの連合軍は、クマが出没するので有名な、アズマ山に避難した。
地元でも、危険地帯として、有名なアズマ山でも、社会に居場所がなくなってしまった、俺たちにとっては、都合のいい山なのだ。
足場の悪い山道を昇り続けること、約1時間。
俺たちは、アズマ山の平地にたどり着く。
ようやく新拠点を設立できそうな場所を見つけて、安堵するカラーレスのメンバー達。
それとは逆に、カミカゼのメンバー達は、先程のユイナによる不適切発言者の粛正を見て、カラーレスに不信感を抱いていた。
カラーレスのリーダー、倉都テツオが皆に告げる。
「では、これからこの平地に、我々、連合軍の新たな拠点の設立を開始する。材料はトタン屋根と、山林内の木を使う。林業経験のある者は挙手してほしい」
カラーレスのメンバーから1人、カミカゼのメンバーから二人、が挙手する。
「では、君たちにはこれから、俺と共に、森林の伐採に協力してもらう、他のメンバー達は、道の途中に止めたワゴンに乗って、ホームセンターでトタン屋根を購入する班と、日用品を購入する班、現地で食料を調達する班に別れて行動を開始してくれ、俺たちは指名手配犯だ、くれぐれも身なりには注意すること、あと、クマに注意しろよ、わかるか?」
森林伐採班、拠点材料購入班、日用雑貨購入班、食料調達班に別れた俺たちは、それぞれの行動を開始する。
ちなみに俺は、食料調達班だ。
食料調達班は、カミカゼのメンバーで、サバイバル生活経験者の宮沢タクヤの主導で行うことになった。
俺達、食料調達班は宮沢タクヤの指導の下で、森林地帯で、食用の植物を採取する。
美男子である宮沢タクヤはニコニコしながら、みんなにアドバイスをしている。
美男子であるタクヤは、カラーレス、カミカゼの女性陣に人気だった。
そのため、嫉妬する男性陣もいるが、今のところ、作業もトラブルなしに進んでいいる。
俺は食用の植物を採取しながら、宮沢タクヤに聞いてみる。
「宮沢タクヤ君、君は、これだけの知識がありながら、どうして、今まで、都内で暮らしていたんだい?」
「僕がカミカゼでデモ活動に参加していたのは、単純に、環境保護のためなんだ、今の新日本は、利益優先で環境汚染していることに自覚はあれど、環境汚染をやめない、そんな世の中を変えたくて、僕はカミカゼに参加したんだ、まぁ、まさかこんなことになるとは思わなかったけどね」
「なんか、すまんな、カラーレスと同盟を組んでしまったばかりに、こんなことに巻き込んでしまって」
「いいんだよ、カラーレスとの同盟は、僕が望んだことだし、デモ活動だけで、世の中を変えることに限界も感じていたからね」
「意外と割り切れてるんだな、お前」
「ああ、他のカミカゼのメンバーたちは、みんな、カラーレスのやり方に恐怖を抱いている、でも僕にとっては、人の死も、動物の死も、森林伐採も、自然破壊も、同じことなんだよ、命を破壊するという意味ではね、自分以外の命を犠牲にしなければ、生きてはいけない、だから僕は人を殺してはいけないというルールがいまだによく理解できないんだよ」
「タクヤ君は人を殺すことに抵抗はないのか?」
「ないね、そんな感覚、とっくに麻痺してるからね」
「タクヤ君は、じゃあ、人を殺したことがあるのか?」
「ああ、ありありだよ、自分で言うのはアレだけどさ、僕ってイケメンだろ?芸能事務所にスカウトされたこともある、だから女の子にも困ったことはない。でも、いつからだろう?僕は普通のセッ●スに飽きちゃったんだよね、その時、噂で聞いたのさ、セッ●スの時に相手の首を両手でギュッとすると、とっても気持ちいいってね、実際に試してみたんだけど、とっても気持ちよかった、もう締まりがスゴくてね、一度やったら、もうアレはクセになる、そして僕はある日、社会的には、一つの過ちをおかしてしまったんだよ」
「もしかして、プレイ中に死んだのか、女が?」
「その通り、僕の自宅のベットの上でいつになっても起きないから、おかしいなと思ったら脈が止まってた、まさかセッ●スで本当に昇天するとは、カノジョも思っていなかっただろうね、それで僕は、カノジョをそのままバラバラにして、冷凍庫に隠した。僕は、その件でいつケーサツに指名手配されてもいいように、こことは別の山でサバイバル生活をするようになった、もちろん、いろんな本から得た情報を参考にしてね、最初は泣きたくなるほど、つらかったけど、お金に依存せずに一か月生活できた時は感動の涙を流した、それと同時に、自然環境を破壊してまで、お金に依存してる奴らが、とてもバカバカしく思えた、だってそうだろ?お金なんてなくても、サバイバル生活を極めれば、お金に依存して社会的ストレスで自らの身を滅ぼす必要もないんだ!自然環境はまさに神の恵みなのさ‼、だから僕は、利益優先のバカどもから、世界中の自然を守る為に、カミカゼに参加したのさ‼」
俺が言うのもアレだが、宮沢タクヤは完全に狂っている。
「おまけに山って、けっこう死体が多いんだ、自殺した人の死体、遭難した人の死体、殺人犯が土に埋めた死体、つまり、山に死体が、あれば、そこには様々な可能性が生まれる、僕はこれを利用して、ナンパした女の子たちと、山で何度も、例のセッ●スをした、そう、山でセッ●スするカップルって結構多いだろ?どうせ山だし、僕は毎回、セッ●スの最中に女の子たちの首を両手で、ギュッとした。女の子たちは毎回、死んじゃったけど、僕は最高に気持ちよかった、それに死体を山に埋めてしまえば、仮に遺体が警察に見つかっても、死亡過程は、さっき言った通りに無限の可能性がある!山は僕にとって、人間のありとあらゆる欲求を満たしてくれる、最高のテーマパークなんだよ‼」
「お、そうだな」
宮沢タクヤは、俺たちと違い、世直しのために他者を殺す前から、人殺しだったのだ。
俺は、タクヤの本性に戦慄しながらも、食料用の植物の採取に集中することにした。

次回予告 亀裂 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十ニ話 亀裂 その1

第三百六十ニ話 亀裂 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

全国指名手配された、反政府組織カラーレスとカミカゼは、クマが出没するので有名な、アズマ山に避難、アズマ山の平地に新拠点を作ろうとする。
新拠点を作る上で必要な、材料や食料、日用品の確保のために、各メンバーは、それぞれの班に分かれて、行動を開始した。
俺は、食糧調達班として、現地の森林地帯で、サバイバル生活の経験者である、宮沢タクヤの指導の下で、食用の植物の採取を開始する。
俺はタクヤに、なぜ反政府活動を行うようになったのかを問う。
タクヤの口から帰ってきたのは、タクヤが、快楽目的で、何人もの女性を殺害して、山に埋めてきたエピソードだった。
そして、サバイバル生活の知識を身につけたのも、自らの殺人行為に対する警察の目をかく乱させるためだった。
そう、タクヤは、日本の浄化を目的とした反政府活動を、行う前から、何人もの女性を殺害し続けてきた、人間の形をしたモンスターだったのだ。
アズマ山に避難してから、2日がたった。
森林伐採班、拠点材料購入班、日用雑貨購入班、食料調達班の奮闘により、アズマ山に、反政府組織カラーレスとカミカゼの新拠点が誕生した。
屋根はホームセンターで購入したトタン屋根、周りの壁や骨組みは、全て森林伐採によって、手に入れた木を使っている。
カラーレスのメンバーが現在、7人。
カミカゼのメンバーが20人。
アズマ山に作られた新拠点は、作りは低予算なものの、室内には大人数が済めるスペースが用意されていた。
俺たちは、この新拠点を『AZUMA山荘』と名づけた。
『AZUMA山荘』での、生活は学生時の修学旅行みたいで、結構楽しかった。
日本の浄化と、BEI軍の支配からの日本の解放、同じ志を持つ者たちと、大自然に包まれながら、過ごす時間は、本来、別組織であるはずのカラーレスとカミカゼとの距離を近いものにした。
しかし、そのことが、後に、組織内で新たな亀裂を生むことになった。
『AZUMA山荘』の中で、チカンが発生したのだ。
そして『AZUMA山荘』に招集された27人によって、現在、チカン問題に対する緊急集会が開かれていた。
どうやら、今回のチカン問題の、加害者は、主に、宮沢タクヤらしい。
そう、今回のチカン問題の加害者はタクヤだけでなく、他の男性陣も含められている。
しかし、そのチカン被害のほとんどがタクヤによるものらしい。
そう、一つ屋根の下に、男が15人、女性が12人、何も起きねーはずもなく。
室内に異性がこれだけ集まり、一つ屋根の下に集まれば、自然と男女交際や、セーヒガイは発生する。
そして、指名手配中により、生活に必要不可欠な行動をする以外は、山を下りるのを禁止されている『AZUMA山荘』の住人達。
テレビなどの映像作品を見ることや、水商売などを営む夜の店への入店が禁止されている、この抑圧された状態が、今回のチカン問題を引き起こしてしまったのだ。
今回のチカン問題に関する議論の、議長は、姫先ユイナが担当していた。
ユイナはかつて、BEI軍に体を汚された経験があるのだ。
ユイナが口を開く。
「では、これから、AZUMA山荘内でのチカン問題について、議論を始めたいと思います、今回、多くの女性メンバーから、男性メンバーにチカン行為をされたとの、クレームが来ています、ではまず初めに、私は女性陣から一番クレームが多い、宮沢タクヤ君に自己『反省』を提案します」
女性陣から一斉に、同意の声が上がる。
「異議なし!」
「異議なし‼」
「異議なし...」
タクヤは、被害に遭った女性陣の提案に対して、疑問を口にする。
「なぜ、僕が自己『反省』しなければ、いけないのかが、わかりません、僕はただ、誘われたので、複数の女性と関係を持っただけです」
そう、タクヤはかなりのイケメンである、AZUMA山荘での生活を始まった当初は、多くの女性陣が、タクヤと親し気にしていた。
そして、多くの男性陣が、タクヤと女性人たちの親し気な雰囲気に嫉妬していた。
ユイナがタクヤを糾弾する。
「あなたは、アプローチしてきた女性を山奥に誘い、その女性に対して、意思の確認をせずに、セッ●スをしようとした、または強引にセッ●スした、あなたの行いは、我々、AZUMA山荘に住む、同志たちの絆を破壊する行為です、よって、私は、宮沢タクヤ君に自己『反省』を提案します!」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、同意の声が上がる。
「異議なし!」
「異議なし‼」
「異議なし...」
タクヤが反論を始める。
「はっきり言って、意味不明の極み、先にアプローチしてきたのは、女性陣のほうです、僕にとって、女性側からのアプローチは、セッ●スさせろ、という意味を持っています。
僕みたいなイケメンとセッ●スしたいと思っている、女性とセッ●スすることのいったい何がいけないのかがわかりません、なので自己『反省』はしません」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、抗議の声が上がる。
「異議あり!」
「異議あり‼」
「異議あり...」
怒りをあらわにする女性陣を、ユイナがとりなす。
「静粛に‼宮沢タクヤ君、あなたのその意見は、女性に少しでも好意を向けられたら、それを即セッ●スの開始の合図として判断する、ということですか?」
「その通りです、僕たち男性が常に美しい女性とセッ●スしたいのと同じで、女性も常に、イケメンとセッ●スしたいと思っているはずです」
「しかし、仮に女性側があなたのことが好きでも、セッ●スはしたくない。そういう女性だって、たくさんいると思いますが、そのことについてはどう思いますか?」
「はっきり言って意味不明の極みです、『好きだけど、セッ●スしたくない』という心理状態が究極に理解できません、セッ●スしたくないということは、つまり好きではないということですよね?つまり、セッ●スしたくない女性は、最初から男にアプローチするんじゃねぇよ‼ってことです、セッ●スなしで成立する愛が存在するのは、TVドラマや漫画アニメの世界だけだと僕は思っています、つまりセッ●スがキライな女は男と恋愛をするなってことです、今回の件で、被害者づらしている女性陣どもは、そこらへんをちゃんと理解した上で、もうちょっと、かしこくなることをおすすめします」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、抗議の声が上がる。
「異議あり!」
「異議あり‼」
「異議あり...」

次回予告 亀裂 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十三話 亀裂 その2

第三百六十三話 亀裂 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

BEI軍基地爆破によって、全国に指名手配されたカラーレスとカミカゼのメンバーは、身を隠すためにアズマ山に避難する。
そして、アズマ山に、新拠点であるAZUMA山荘の建設に成功する。
大自然に囲まれながら、同じ志を持つ同志たちとの集団生活。
しかし、突如、AZUMA山荘内でチカン問題が発生した。
指名手配により、必要最低限の際以外の、下山を禁じられた、AZUMA山荘内の男女27名。
その抑圧された環境下で発生したチカン問題。
AZUMA山荘内の27人の男女は、組織の統率のために、このチカン問題について議論を始めたのだった。
そして、AZUMA山荘内の女性陣から、一番、被害の声が多い、イケメン宮沢タクヤに対し、今回の議論の議長を務める、姫先ユイナはタクヤを糾弾し、自己『反省』を求める。しかし、タクヤは今回のチカン問題に対して、『反省』するどころか、被害者を名乗り、現代の女性たちのセッ●スに対する神経質的かつ潔癖主義な価値観を非難する。
「しかし、仮に女性側があなたのことが好きでも、セッ●スはしたくない。そういう女性だって、たくさんいると思いますが、そのことについてはどう思いますか?」
「はっきり言って意味不明の極みです、『好きだけど、セッ●スしたくない』という心理状態が究極に理解できません、セッ●スしたくないということは、つまり好きではないということですよね?つまり、セッ●スしたくない女性は、最初から男にアプローチするんじゃねぇよ‼ってことです、セッ●スなしで成立する愛が存在するのは、TVドラマや漫画アニメの世界だけだと僕は思っています、つまりセッ●スがキライな女は男と恋愛をするなってことです、今回の件で、被害者づらしている女性陣どもは、そこらへんをちゃんと理解した上で、もうちょっと、かしこくなることをおすすめします」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、抗議の声が上がる。
「異議あり!」
「異議あり‼」
「異議あり...」
議論の議長を務めるユイナがタクヤの支離滅裂な発言を非難する。
「あなたの発言は、女性に対して、極めて失礼な発言です。では問います、仮にあなたが、男にゴーカンされたとします、あなたをゴーカンした男が、今のあなたの発言と同じ発言を、仮にゴーカンされたあなた言ったとします、あなたはどう思いますか?」
「悔しい...ですよね。でも、仮にそういうことがあっても仕方がないと思います、自然界ではゴーカンはよくあることですからね、僕たち人間もしょせんは自然の一部ですからね、強いものが弱いものを支配するのは、自然の摂理ですよ、つまりゴーカンは自然の摂理です、愛のあるセッ●スだろうと、ゴーカンだろうと、セッ●スはセッ●スです、そして、セッ●スから人が生まれ、人が社会を作る、つまり、愛のあるセッ●スだろうと、ゴーカンだろうと、それによって新たな命が誕生するということは、それだけで社会貢献だとは思いまいませんか?つまり、愛のあるセッ●スもゴーカンも同じなんですよ、僕は現代社会の発展と経済の成長に貢献したに過ぎない。だってそうでしょ?この国の経済を成長させているのは人間です、人間を作るのもセッ●スです!原子爆弾も現代医療も優れた科学技術もセッ●スが創造したようなものです!つまり、セッ●スと同レベルに存在するゴーカンを否定するということは、人間社会に存在する全ての生命を否定しているのと同じです‼僕は、僕を加害者扱いする女性陣の皆さんの人間社会に対して否定的な発言と態度に対して『自己反省』を求めます‼」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、抗議の声が上がる。
「異議あり!」
「異議あり‼」
「異議あり...」
「静粛に‼私、姫先ユイナは、宮沢タクヤ、あなたに対しての自己『反省』を撤回します...」
ユイナの発言に、AZUMA山荘内のメンバー達が、一斉にざわつき始める。
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、抗議の声が上がる。
「異議あり!」
「異議あり‼」
「異議あり...」
「静粛に!静粛に‼私、姫先ユイナは、宮沢タクヤ、あなたに対しての自己『反省』を撤回します...そのかわり、私は、宮沢タクヤの組織の統率を乱すような行いと言動に対して、宮沢タクヤの『粛正』を提案します‼」
宮沢タクヤにゴーカンの被害に遭った女性陣から一斉に、同意の声が上がる。
「異議なし!」
「異議なし‼」
「異議なし...」
先程とは一転、手のひらを返したように、ユイナの提案への『賞賛』を口にする女性陣たち。
しかし、この提案に対して、カラーレスのメンバーである倉都テツオが異を唱える。
「たしかに、宮沢タクヤの行いは、組織の統率を乱す裏切り行為だ、しかし、宮沢タクヤはサバイバル生活のスペシャリストだ、我々が今日まで、このアズマ山で自給自足で生きてこれたのも、宮沢タクヤの植物に関する知識があったからだ。宮沢タクヤをここで殺してしまえば、我々の食料摂取に大きな損害を与えることになる、よって、宮沢タクヤの『粛正』は賛成できない、わかるか?」
ユイナが倉都テツオに反論する。
「しかし、このままでは、宮沢タクヤのせいで、女性陣の中から、妊娠する者も、いずれ出る場合も考えられます!その際に、チューゼツするために、女性陣は下山しなければなりません、そうなった場合、指名手配中の我々がケーサツに捕まるリスクが発生します、私は倉都テツオさんの今の発言に対して自己『反省』を求めます‼」
「確かにそう言われて見ればそうだな、俺、倉都テツオは先程の不適切な発言に対して、自己『反省』をします。では、今度は『提案』します!今日から、宮沢タクヤを男性陣で監視・拘束する、わかるか?」
「私は倉都テツオに対して、具体的な説明を求めます‼」
「宮沢タクヤには、今後、両手に手錠を付けて生活してもらう、排泄の際には、もちろん男性陣から監視をつける、わかるか?」
「私は倉都テツオの『提案』に反対します、みなさんの意見はどうですか?」
しかし、結果は反対13人、賛成14人で、宮沢タクヤは今日から両手に手錠をつけて生活することになった。
この判断が、後に、AZUMA山荘に住む26人の人間を苦しめることになるのを、この時の俺たちはまだ知らない。
手錠を両手にかけられた、タクヤが不満を述べる。
「僕は悪くない‼ゴーカンはセッ●スと同じ、この世界を発展させる革命的行為なんだ‼人間社会には必要不可欠な神聖かつ高潔な儀式なんだ!ゴーカンを否定するのはこの世界と、この世界に存在する全ての命を否定することと同じなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
しかし、今回の加害者は、宮沢タクヤだけでない、他の男性メンバーも、ゴーカンではないが、それに等しいチカン行為を女性陣に対して行っていたのだから。
しかし、今回のタクヤの一件は、チカン行為をした、男性陣にとって、いい薬になった。
チカン行為をした男性陣はタクヤのように自由を失うことを恐れたのだから。
こうして、AZUMA山荘に、チカン行為に対する新たなルールが誕生した。

次回予告 紅軍連合 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十四話 紅軍連合 その1

第三百六十四話 紅軍連合 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

極限の抑圧下での集団生活で発生したチカン問題。
AZUMA山荘に住む、若者たちはこの問題を解決するために、集団で議論を交わす。
激しい議論の結果、集団内で一番、チカン行為の多かった宮沢タクヤは、両手に手錠をかけられ、監視がつくことになった。
チカン行為の先に待つものが、身体拘束であることを学んだ、タクヤ以外のチカン加害者達は、これ以降、チカン行為をすることはなかった。
俺はAZUMA山荘の外に設営されたテントに向かう。
両手に手錠のついたタクヤに朝食を渡すためだ。
テントの中から男女の会話が聞こえてくる。
しかし、その会話は俺の想像していたのとは違かった。
俺は恐るおそるテントのファスナーを下げる。
テントの中では、姫先ユイナが、拘束状態の宮沢タクヤにまたがっていた。
ユイナが、罵倒と共に、タクヤの顔を何度もグーで殴っていた。
俺は急いで、ユイナの体を、タクヤから引き離す。
「おい、ユイナ!こんなことしてたら、宮沢タクヤが死んでしまうぞ‼」
「こんな、女をおもちゃだと思ってる男は死んだほうがいいのよ‼」
そう、姫先ユイナはかつて、BEI軍兵に体を汚された経験があるのだ。
つまり、姫先ユイナにとって宮沢タクヤは自らを汚したBEI軍兵と同じなのだ。
「落ち着け、ユイナ!この前の議論で、宮沢タクヤは拘束する決まりになったはずだ!今のお前の行為は組織のルールに違反している‼俺は、お前に自己『反省』を求めます‼」
「それじゃあ、能沢エーイチロウ君は、この前の議論の結果に満足できてるの?この男は、女性側が密会に誘ったとはいえ、セッ●スを拒否した女性メンバーを複数人、ゴーカンしたのよ‼宮沢タクヤはどう考えても、『粛正』すべきよ‼」
「でも、宮沢タクヤの持つ、サバイバル生活の知識は、今の俺達にとって、必要不可欠なんだ‼タクヤを『粛正』するのは、俺たちが、サバイバル生活に慣れてからでもいいはずだ‼」
「確かに、その通りかもね、でも、宮沢タクヤは、私が何度も自己『反省』しろと言っても、まったく『反省』の言葉を述べないのよ‼これでは、処罰の意味がないわ‼」
「だから、顔を殴ったのか?」
「そうよ、口で言って自己『反省』しないのであれば、宮沢タクヤが反省するまで暴力を加えればいい、でなきゃ、ゴーカン被害に遭った、女性メンバー達がかわいそうよ‼」
ユイナが俺の手から、タクヤの朝食用のパンを奪って、無理矢理、タクヤの口に突っ込む。
次にユイナは、パンを無理矢理、突っ込まれたタクヤの口を両手で塞いで、叫ぶ。
「さぁ!自己『反省』しなさい!自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろぉッ‼するんだよぉ‼自己反省‼しないとこのまま死ぬぞォ?そんでもいいのか‼バカ野郎ォォッ‼」
姫先ユイナに両手で口を塞がれた宮沢タクヤは、当然のごとくしゃべれない、自己『反省』ができないタクヤは呼吸困難を起こし、上半身を何度もびくつかせる。
両手に手錠をかけられたタクヤが上半身を起こして、自らの体に馬乗りになった姫先ユイナに頭突きをくらわせる。
口を塞いでいたユイナの両手から、解放されたタクヤは、テントの床に、唾液と咀嚼により、ぐちゃぐちゃになった、パンを吐き出す。
ユイナは仕返しとばかりに、タクヤの後頭部の頭髪をわしづかみにする。
ユイナはそのまま、タクヤの顔面を、床に散らばった、ぐちゃぐちゃになったパンにぶつける。
自らの口から吐き出されたパンの上に顔面を押し付けられる宮沢タクヤ。
ユイナは、タクヤの顔をぐちゃぐちゃのパンに押し付けて、何度も叫ぶ。
「自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ‼」
タクヤは、口に再び含んだパンを、唾液と共に、ユイナの顔に向かって吐き出す。
タクヤが唾液ともに吐き出した、もはや原形ととどめていないパンが、ユイナの頬を汚す。
タクヤが自らの感情を、ユイナにぶつける。
「誰が自己『反省』なんかするか‼俺にゴーカンされた女どもは、単純に俺に抵抗する力と意思と知識が不足していただけだ‼責任転嫁してんじゃねぇよ‼悪いのは僕じゃない‼悪いのは僕に力で勝てなかったクソ女どもだ‼悪いのは僕にぶち込まれた快楽で、抵抗できなかったクソ女どもだ‼お前らが女として生まれて来た時点で、僕にゴーカンされるのは運命だったんだ‼おめーらクソ女はゴーカンされて当然なんだよ‼自己『反省』するのはテメーらのほうだァ‼このクソ女どもがァ‼自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ‼」
テントの騒ぎに気付いた、二浦ルリコが、テントの中に入る。
二浦ルリコは、カラーレスと同盟を組んでいる組織、カミカゼのリーダーである。
テント内では、持病による、せきを繰り返しながら、姫先ユイナが、宮沢タクヤの頭部を何度も地面にたたきつけていた。
二浦ルリコが、宮沢タクヤの体から、姫先ユイナの体を引き離す。
「姫先さん、このままだと、タクヤが死んでしまうわ、そうしたら、今度は、姫先さんが裏切り者として、処罰を受けたり、粛正されたりするのよ‼あなたはそれでもいいの?」
持病により、何度もせき込んでいる姫先ユイナは、何も言わずに、二浦ルリコと宮沢タクヤに向かって両手中指を立てると、テントから出ていく。
顔面青あざだらけの宮沢タクヤが、ルリコに礼を言う。
「すまない、ルリコ」
「謝るのは私じゃなくて、あなたがゴーカンした人たちでしょ?」
「僕は、悪くない...カノジョたちは...僕にゴーカンされる運命だったんだ...」
「能沢エーイチロウ君、悪いけど、AZUMA山荘から、急いで、救急箱をもってきてくれない?ここでタクヤを1人にしたら、また、何かされるかもしれないから...」
「わ、わかりました...」
テントを出た俺は、日用品の買い出しから帰ってきた班とでくわす。
日用品の買い出しから帰ってきた、倉都テツオが俺に話しかけてくる。
「ん?能沢エーイチロウか、変装すれば、山から下りても案外、見つからないもんだな、それより、グットニュースだ、さっき町で『紅軍』のメンバーから同盟の提案を受けた」
「そんな、あの『紅軍』が?」
『紅軍』とは、俺たちカラーレスより先に、反政府運動を始めていた組織で、BEI軍の支配下にある日本の浄化を目的とした革命活動を始めた最初の反政府組織である。
『紅軍』はこれまでも、数多くのテロ活動を成功させており、カラーレスがBEI軍基地の一つを爆破するまでは、日本各地の反政府組織の中でもトップの地位にいた。
『紅軍』との同盟に成功すれば、俺たちの戦力は、きっと今よりも協力になるはずだ。

次回予告 紅軍連合 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十五話 紅軍連合 その2

第三百六十五話 紅軍連合 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

日本のBEI軍の支配下からの独立を掲げる反政府運動の先駆者である『紅軍』が、カラーレスとカミカゼの連合軍に、同盟を提案してきた。
それは、つまり、『紅軍』は、俺たちの個人情報の一部を、何らかの方法で、すでに取得しているということだ。
かつて、ゼ―キンを高くする、ゾーゼイを決定し、多くの国民の怒りと反感を買った、新日本国ソーリダイジンの義死田。
国民達の感情を代弁するように『紅軍』は新日本国ソーリダイジンの義死田の殺害を計画。
『紅軍』は、新日本のソーリダイジンの義死田が搭乗した飛行機に爆弾を仕掛け、爆破した。
これにより、海外で予定されていた、ソーリダイジンの義死田と外国の指導者との会談が中止になり、ゾーゼイも阻止された。
ソーリダイジンの義死田の爆殺に成功した『紅軍』をマスメディアは日本の歴史史上最悪のテロリストと批判したが、ネットではゾーゼイを阻止した英雄と賞賛する声も多かった。
特権階級から言外に見下された身分である国民の一部が、志を共にして、国のリーダーを騙るゾーゼイにより国民の生活を圧迫する国賊である義死田の爆殺に成功したこの事件に、影響された、若者たちが日本各地で一斉に、反政府組織を結成。
カラーレスも、カミカゼも、そんな『紅軍』の影響を受けて、結成された。
そして、現地で『紅軍』と交渉した倉都テツオの話によれば、『紅軍』は、俺たちカラーレスとカミカゼの連合軍が成し遂げたBEI軍の爆破に感銘を受けて、今回の同盟を提案してきたらしい。
AZUMA山荘の中では、倉都テツオが中心になって『紅軍』からの提案の返事をどうするのかについて、みんなで話し合っていた。
みんなも『紅軍』との同盟には賛成していた。
『紅軍』との同盟に賛成の方向で終了した議論の後、俺は夕食を、宮沢タクヤに届けるために、AZUMA山荘を出た。
複数の女性メンバーへのゴーカンにより、宮沢タクヤは現在、外のテントに監禁状態にある。
テント内では、二浦ルリコが両手に手錠をかけられた宮沢タクヤの体をおしぼりで清拭していた。
二浦ルリコは、カラーレスと同盟を組んでいるカミカゼのリーダーで、タクヤもまた、カミカゼのメンバーの一員だった。
「二浦ルリコさん、タクヤの清拭は、メンバー内の決まりでは許可されていませんが?」「体を拭くぐらいしいでしょ?タクヤだって人間なのよ‼」
朝食時の時といい、二浦ルリコは、どこかタクヤに対して同情的なところがある。
そのタクヤは、ルリコと同じ女性達をゴーカンしたというのに。
「それに、今日のタクヤの監視は、僕の担当です、監視目的以外にタクヤと接触するのは、組織のルールに違反しています、二浦ルリコさんは自己『反省』してください」
「わかったわよ!私は、組織のルールを破って、タクヤと密会したことを自己『反省』するわ!これでいい?」
「はい、これで、俺はルリコさんを『粛正』せずにすみます、安心しました」
俺はテント内にタクヤの夕食が乗ったトレイを置いて、テントから外に出る。
俺はタクヤを監禁しているテントからAZUMA山荘に戻る道の途中、ルリコさんに、あることを聞いていみる。
「ルリコさんは、タクヤのことが好きなんですか?」
「そうよ!悪い?メンバーに対して恋愛感情を抱くのは、組織のルールに反しているとは、思えないけど?」
「タクヤは、ルリコさんと同じ、女性メンバーたちをゴーカンしたんですよ?」
「だから、どうだっていうの?ゴーカン依存症の男を好きになって、いったい、なにが悪いのよ‼」
「タクヤのおちん●ん、気持ちよかったんですか?」
ルリコのビンタが俺の頬の直撃する。
殴られた怒りからか、俺はそのまま続ける。
「タクヤとセッ●スして、気持ちよかったんですね?それで、きもちくしてくれてありがとうって、タクヤのチ●ポに感謝したんですよね?」
ルリコはそのまま、泣きながら、AZUMA山荘に向かって走っていく。
俺はなんとなく、むしゃくしゃしたので、そのまま、タクヤが監禁されているテントがある方向に歩いていく。
俺はタクヤが監禁されているテントのファスナーを下げて、ルリコの清拭で綺麗になったばかりのタクヤに向かって放尿した。
俺は、全身に尿をかけられた、タクヤに向かって告げる。
「悔しい...ですよね?」

次回予告 紅軍連合 その3
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十六話 紅軍連合 その3

第三百六十六話 紅軍連合 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

反政府活動の先駆者である『紅軍』に同盟を提案された俺たちは、議論の結果、『紅軍』との同盟に同意することになった。
早朝、変装をした俺と倉都テツオは、紅軍との同盟締結のために、山を下りることになった。
俺は山を下りるついでに、宮沢タクヤが監禁されているテントの様子を見に行った。
ユイナやルリコの時のように、また組織の風紀を乱す行為が行われていないか、チェックするためだ。
テントの中では両足をガムテープでぐるぐる巻きにされた宮沢タクヤがズボンを濡らした状態で、泣いていた。
そして、タクヤのとなりには、姫先ユイナが正座の状態で座っていた。
タクヤの両足の拘束は、組織内では共有されていない、情報だった。
これは、立派な自己反省の対象である。
両足を自由を奪われたタクヤはおそらく、トイレに行けずに漏らしてしまったのだろう。ユイナがタクヤのズボンに手を入れる。
ユイナの手にはタクヤの排せつ物が握られていた。
ユイナはそのまま、手に持った排せつ物を、タクヤの口に無理やり入れる。
口に入らなかった排せつ物は、タクヤの顔に塗りたくる。
その間、ユイナはタクヤに向かって、呪文のように、自己反省の警告を繰り返していた。
「自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ自己反省しろ」
俺は何も見なかったことにして、倉都テツオと共に、山を下りる。
変装しているせいか、市街地を歩いていても、警察は普通に俺たちを通り過ぎるだけだ。
倉都テツオが告げる。
「変装していると、この通り、警察も俺たちの存在に気付かない、わかるか?」
「通行人も、まさか、自分達の横を国際的なテロリストが通り過ぎているとは思わないでしょうねぇ」
俺と倉都テツオの前に一台のワゴンが止まる。
おそらく、紅軍のメンバーが運転するワゴンだろう。
俺と倉都テツオは、運転手に言われるままに、ワゴンの中に入る。
ワゴンの後部座席には、一人の女性が座っていた。
この女性こそが、紅軍のリーダー、信重フサカである。
「はじめまして、私は信重フサカです、よろしく!倉都君はこの前、会ったからばかりだから、挨拶はいいわね」
信重フサカは、はっきり言って美人だった。
俺は信重フサカに挨拶をする。
「俺はカラーレスに所属している能沢エーイチロウです、よろしくお願いします。少し気になることがあるので聞いていいですか?」
「どうぞ」
「どうして、同盟締結のこの場に俺が招待されたのでしょうか?」
「倉都テツオ君から聞いた話が本当なら、君は件のBEI軍基地爆破作戦で、大活躍したそうじゃないか」
「あれは、みんなで、成功させた作戦です、それに俺たちの仲間もたくさん死にました」「でも、君たちが成功させた米軍基地爆破作戦は、結果的には、日本中の反政府組織に感動と勇気を与えた、民間人でも力を合わせれば、軍隊の基地を一つを潰せるってね」
「でも、カラーレスが生まれたのは、みなさん紅軍の方々が、前ソーリダイジンの義死田の乗った飛行機を爆破してくれたおかげです、あの英雄的行為がなければ、カレーレスもありません」
「ありがとう、では、カラーレスとカミカゼの連合軍は紅軍との同盟に賛成ということでよろしいか?倉都テツオ君?」
「はい、俺たちカラーレスとカミカゼの連合軍は、紅軍との同盟締結に賛成します」
「では、今日から、私たち反政府組織3勢力の集合組織を、『紅軍連合』と名づける‼」
こうして、後に日本中を震撼させる『紅軍連合』が誕生した。
どうやら、最近、私服ケーサツが紅軍のアジトの周りをうろついているらしい。
今回の同盟締結には、アジトの変更の目的もあるらしい。
クマがよく出没するアズマ山なら、ケーサツも近隣住民も簡単には近づけない。
俺と倉都テツオはいったん、信重フサカと別れる。
信重フサカと紅軍のメンバー、およそ10人が、後から、AZUMA山荘に合流してくるらしい。
そうなると、紅軍連合のメンバーは、全員でおよそ37人となる。
俺は倉都テツオに相談する。
「あとで、アズマ山に、もう一つ、小屋を建設しないとだな」
「そんなことは、わかっている、それよりも、最近、監禁状態の宮沢タクヤに、組織のルールを度外視した暴力行為が行われているそうじゃないか?」
「ああ、主に主犯格は、姫先ユイナだよ」
「まずったな、宮沢タクヤは、サバイバル知識に長けているとは言え、数多くの女性メンバーをゴーカンした極悪人だ、いくら、暴行されているとはいえ、タクヤをかばえば、女性メンバーたちを敵に回すことになる、それは結果的に組織の統率を乱すことになってしまう」
「俺は、タクヤからサバイバル知識を学べるだけ、学べたら、タクヤを『粛正』するべきだと思います」
「うむ、それがいいな、では、その方針でいこう、メンバーも増えることだしな」
紅軍連合が誕生したその日、宮沢タクヤの死刑が確定した。
時期はまだ未定である。

次回予告 裏切りと脱走 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十七話 裏切りと脱走 その1

第三百六十七話 裏切りと脱走 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

俺たちカラーレスとカミカゼの連合軍は、反政府組織の先駆者である紅軍と同盟を結び、『紅軍連合』が誕生した。
紅軍との同盟締結のために、アズマ山を下りた俺と倉都テツオは、この事実を報告するために、アズマ山に戻ることにした。
しかし、AZUMA山荘に戻った俺たちを待っていたのは、監禁中の宮沢タクヤと、カミカゼのリーダーである二浦ルリコが、AZUMA山荘から脱走したという事実だった。
この現実に対して、監禁当初から、宮沢タクヤの『粛正』、つまり殺害を提案していた、姫先ユイナが、倉都テツオを攻める。
「あの時、私の言った通り、宮沢タクヤを殺していれば、こんなことにはならなかったわ‼タクヤとルリコが下山して、私たちの情報をケーサツに売ってしまったら、いったいどうするつもりなの?」
そう、宮沢タクヤと二浦ルリコが下山して、共にケーサツに自首して、俺たちの情報を売れば、彼らは、死刑にならずに済む可能性がある。
しかし、宮沢タクヤは、ケーサツに知られていないだけで、過去に数度のゴーカン殺人の罪を犯している、俺にはタクヤがそのリスクを承知でケーサツに自主するとは思えなかった。
俺は上記↑の事実を皆に告げる。
俺の話から宮沢タクヤの余罪を知った、姫先ユイナは拳銃を持って、平地から、二人が逃げたと思われる森林地帯に向かって走る。
俺はユイナの背中に向かって叫ぶ。
「おい!ユイナ‼1人で行動するのは、危険すぎる!クマに襲われたらどうするんだ‼」しかしユイナは、俺の声を無視して、そのまま山奥へと消えてしまう。
ユイナは過去にBEI軍にその身を汚された経験がある。
おそらく、ユイナはタクヤとルリコを殺害するつもりだ。
俺はヘルメットと防弾チョッキと拳銃とナイフを装備して、倉都テツオに提案する。
「タクヤとルリコを見つけたら、俺はいったいどうするべきなんだろう?」
「タクヤの余罪が皆に知られてしまった以上、もう、これ以上、タクヤをここに置いておくわけにはいかない、かといって、山を下りられても困る、しかたあるまい、タクヤを『処刑』してくれ...わかるか?」
「ルリコはどうするんだよ?」
「ルリコは、カミカゼのリーダーだ、ルリコを殺せば、ここにいるカミカゼのメンバーとの人間関係に支障をきたすことになる、できれば、拘束して、ここに戻ってきてくれ」
「了解した...」
対人戦と対クマ戦を想定したフル装備を身にまとった俺は、裏切り者を追うために山奥に消えたユイナの後を追うために、山林地帯を疾走する。
倉都テツオは、宮沢タクヤの殺害を了承した。
久々の狩りの予感に、俺はBEI軍を襲撃した時に感じた高揚感に身を震わせる。
遠くから、銃声が聞こえてくる。
そして、その銃声にこたえるかのように、また銃声。
間違いない、この先で、ユイナと裏切り者達との銃撃戦が行われているのだ。
俺の予想通り、ユイナと二浦ルリコが、銃撃戦をしていた。
しかし、ユイナの背後を宮沢タクヤが襲う。
背後から宮沢タクヤに押し倒されるユイナ。
興奮した宮沢タクヤが、土の上で暴れるユイナに告げる。
「前からお前のことは狙ってたんだ‼こっちは、テントの中でさんざん、お前にいじめられたからな‼たっぷりお返ししてやるよ‼」
BEI軍兵に集団暴行を受けた際の記憶がユイナの脳裏にフラッシュバックする。
トラウマの回帰に恐怖の声を上げるユイナ。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
怯えるユイナの表情と声に、タクヤの興奮は極限まで高まる。
「た、たまねぇなァッ!その声‼その表情‼これだからゴーカンはやめられねぇんだァッ‼たまってたぶん、全部、お前の中に吐き出してやるぜぇぇぇぇッ‼」
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
ユイナの二度目の悲鳴。
もうためらいは、なかった。
俺は、銃口をユイナを襲う宮沢タクヤに向ける。
しかし、右奥から銃声。
銃撃を本能で回避した俺の視線の先には、俺に銃口を向ける二浦ルリコがいた。
俺はルリコに問う。
「宮沢タクヤは、革命活動に参加する以前からゴーカン殺人を繰り返すような男だぞ‼そんな男と逃げたところで、お前もどうせ、ゴーカンされて殺されるだけだ‼お前はそれでもいいのか?」
俺の問いにルリコが答える。
「し、知ってるわよ!そんなこと!でも、私はタクヤのことが好きになっちゃったのよ‼そうなったら、もう、どうしようもないのよ‼こんなことになるなら、アンタ達なんかと同盟なんか結ばなきゃよかった‼私はただ、みんなと一緒にデモ活動できればそれでよかったのよ‼爆弾でBEI軍兵を殺して、山奥で人目を気にしながら生活するなんて、もう嫌なのよ‼」
ルリコの言葉が、思いのほか胸に突き刺さる。
しかし、武力によりBEI軍の支配から日本を解放し、無色主義によって浄化しなければ、この国の医療制度のせいで、手術を受けられずに死んでしまった、俺の愛する人と同じ悲劇がこれからも繰り返されるだろう。
本来、救える命をないがしろにする、いまの医療制度の改革のためには、無色主義による日本の浄化が必要不可欠だ。
俺はその夢の実現のためなら、どんな犠牲もいとわない。
俺はルリコに向かって銃撃を開始。
ルリコもそれに応えるように、銃弾を俺に向かって放つ。
しかし、ルリコが所属していたカミカゼは元々、集団デモを中心に活動していた組織だ。銃の扱いは素人に等しく、回避も簡単である。
それとは逆に俺はもう、銃を持ったこの手で何人もの命を奪っている、その命たちが、無色主義により浄化された日本の礎になることを信じて。
しかし、銃撃戦である、相手の腕が素人だろうと、こちらも命がけである以上、手は抜けない、俺の放った銃弾が、ルリコの頭部を貫く。
ユイナに暴行を加えていた宮沢タクヤの視界に映る、額から血を流す二浦ルリコ。
下に何も履いていない、宮沢タクヤは、ユイナから離れて、俺に銃弾を放ってくる。
宮沢タクヤが俺に向かって叫ぶ。
「なんでだァ‼どうしてだァ‼なんで、なんで、ルリコを殺したんだァァァァァッ‼」
「ルリコは...お前を守る為に戦ったんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
俺とタクヤの銃撃戦が始まった。
宮沢タクヤに暴行を加えられたユイナは、土の上で放心状態のまま痙攣していた。

次回予告 裏切りと脱走 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十八話 裏切りと脱走 その2

第三百六十八話 裏切りと脱走 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

度重なる組織内での痴漢行為により、手錠をかけられた状態でテント内に監禁されていた宮沢タクヤ。
監禁中に姫先ユイナによって、数多くの拷問を受けたタクヤは、自分に対して好意を抱く二浦ルリコと共に、テントを脱走、下山を実行する。
しかし、その途中、裏切り者を粛正するために、二人を追っていた姫先ユイナに遭遇。
速攻で銃撃を開始したユイナに対し、二浦ルリコは銃で応戦。
しかし、宮沢タクヤの背後からの奇襲により、ユイナは宮沢タクヤに暴行を加えられてしまう。
ユイナが極度のパニック状態になる中で、後から現場に到着した俺は二浦ルリコと銃撃戦を開始。
しかし、実戦慣れしていないルリコが俺に勝てるわけもなく、俺は容赦なく、ルリコの頭部を銃で撃ち抜いた。
ルリコの死を確認した、宮沢タクヤはユイナへの暴行を中断、俺に対して怨嗟の言葉を吐きながら、銃撃を開始。
俺はタクヤとの銃撃戦を開始した。
「なんでだァ‼どうしてだァ‼なんで、なんで、ルリコを殺したんだァァァァァッ‼」
「ルリコは...お前を守る為に戦ったんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
山林地帯に銃撃音が何度も繰り返される。
宮沢タクヤはゴーカン殺人を繰り返しているせいか、銃の扱いはとても素人とは思えない。その戦闘センスとスキルは、おそらく、度重なるゴーカン殺人の過程で、自分から逃げ回る者を捕らえることで、得たものなのだろう。
天性の殺人センスを持つタクヤと俺の銃撃戦は長期戦になった。
BEI軍基地爆破作戦で狂戦士に覚醒した俺と、度重なるゴーカン殺人により天性のセンスを身に着けたタクヤ。
二浦ルリコとの戦闘で銃弾を消耗していたせいか、俺の銃の銃弾が途中で尽きる。
銃弾を補充している隙を見逃さないほど、タクヤもバカじゃない。
銃弾の補充はつまり、俺の死を意味している。
であれば、頼れる武器はもはやナイフのみ、つまり接近戦である。
しかし、銃を持った相手に対しての接近戦では、こちらが圧倒的に不利。
宮沢タクヤは、銃弾の消耗も気にかけず、俺に向かって銃弾を放ってくる。
「ルリコは、ルリコはなァッ!こんな僕にも優しくしてくれたんだァッ!テントに監禁されているときも、僕に同情的だったのはルリコだけだった‼僕がゴーカン殺人がやめられない異常者であることを、ルリコだけは受け入れてくれたんだァッ‼なのに、お前はルリコを殺したァッ!お前だけは絶対に許さんぞ!能沢エーイチロウ‼」
タクヤに異常者としての自覚があったのか...。
大切な人を失ったことで錯乱状態になったタクヤは残弾数も確認せずに、俺に向かってひたすら銃弾を放ってくる。
俺が、その銃弾を回避することで、タクヤの銃弾はますます消費されていく。
ついに、タクヤの銃弾が尽きた。
俺は全力疾走で、タクヤに襲いかかる。
そして走る途中で俺は見てしまった。
宮沢タクヤに暴行され、土の上で横たわる姫先ユイナの衣服の乱れ、死んだような目を。
その光景が、病床に伏せる、今は亡き大切な人の姿を思い出させる。
その光景が、当時の俺が、その大切な人のために何もできなかったことを思い出させる。
何もできない自分自身と、ユイナを汚した宮沢タクヤに対しする怒りが俺の全身を支配する。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
俺の投げた2本のナイフが、宮沢タクヤの両目に直撃。
視力を失ったタクヤが仰向けに倒れる。
俺はタクヤの上にまたがって、タクヤの首を思いっきり絞める。
そう、タクヤがゴーカン被害者の女性達にしたように、俺はタクヤの首を思いっきり絞める。
首を絞められたタクヤの口から、声にならない声が上がる。
「こひゅうううううううううううううううううううううううううッ‼」
まるで絶頂を迎えたように、タクヤの体が何度も痙攣する。
痙攣が止む、タクヤが死ぬ。
俺は死んだような目のまま放心状態になっているユイナを背中に背負い、AZUMA山荘に向かう。
AZUMA山荘に向かう途中、俺はユイナを守れなかった己の無力感に打ちひしがれて泣いていた。
俺は気付く、近隣住民に怪しまれないように、タクヤとルリコの死体を土に埋めなければならないことに。
土の上に放置された死体の腐敗臭で近隣住民に気付かれ、ケーサツに俺たちの居場所がバレてしまう可能性もある。
その途中で、俺はAZUMA山荘で合流予定の登山中の紅軍と遭遇する。
紅軍のリーダーである信重フサカが、俺に告げる。
「さっきの内乱はちゃんと見せてもらった、後でちゃんと事情を説明してもらう、あの二人の死体の処理はこっちでするから、アンタはその女を背負って、とっととAZUMA山荘に向かいなさい」
「あ、ありがとうございます...」
俺はユイナを背負って山を昇り続ける。

次回予告 紅軍連合、始動。その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百六十九話 紅軍連合、始動。その1

第三百六十九話 紅軍連合、始動。その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

俺は紅軍連合を裏切り、山を下山しようとした、宮沢タクヤと二浦ルリコを殺害した。
その過程で、宮沢タクヤからセーテキ暴行を受けた姫先ユイナは、過去にBEI軍兵から暴行を受けた際のフラッシュバックにより、心神喪失状態になってしまった。
AZUMA山荘では、カミカゼのリーダーであった二浦ルリコを失ったカミカゼのメンバーたちが号泣していた。
そして、指導者を失ったカミカゼのメンバーの1人が、ルリコを殺した俺を糾弾したのをきっかけに、カミカゼのメンバー同士の口論↓が始める。
「どうして、ルリコを殺したのよ‼」
「よせ、組織を裏切ったのはルリコのほうなんだぞ‼」
「でも、殺すことはなかったわ‼」
「ルリコは俺たちに黙って、タクヤと一緒に、山から下りようとしたんだ‼もうルリコにとって、俺たちなんてどうでもよかったんだよ‼」
「そうよ‼ルリコは、私たち同志より、あのゴーカン野郎を選んだ、裏切り者なのよ!殺されて当然だわ‼」
「でも、これまで、一緒にデモ活動してきた仲間じゃない‼ルリコもタクヤも、この山に来たせいで、おかしくなっちゃったのよ‼やっぱり、カラーレスと同盟なんてしなきゃよかったのよ!」
指導者を失ったカミカゼのメンバーの言葉に、俺はもう我慢できなかった。
「なら、最初から革命活動なんてするんじゃねぇよ‼てめぇらは、本気で日本を変えるために革命活動を始めたんだろ‼日本の革命のために死ぬのを覚悟して、カラーレスとの同盟を受け入れたんだろ‼そんで、自分たちの仲間から死人が出たぐらいでウダウダ言いやがってよぉ‼ 俺は俺に向かって銃撃するルリコとタクヤをぶっ殺しただけだ‼こっちは正当防衛なんだよ‼ そんなにここが嫌ななら、下山しろよ‼そしたら俺が全員、裏切り者として、おめぇらぶっ殺してあの世行きにしてやるよ‼そーすりゃあ、もう苦しまずに済むだろ?そうだろぉぉッ‼おい、どうなんだよ、おいッ‼そこんとこぉ!臆病風に吹かれて下山したい奴はとっとと名乗り出ろぉ‼俺が全員、ぶっ殺して楽にしてやるよ‼どうせ、てめぇら全員、殺人犯なんだ‼下山したところで、シャバにてめぇらの居場所なんてねぇんだ‼中途半端な気持ちで革命活動してんじゃねぇぞバカ野郎‼てめぇら全員、『自己反省』しろバカ野郎‼」
俺の魂の叫びに、口論をしていたカミカゼのメンバーたちが一斉に静まる。
組織に対する不適切発言による『粛正』を恐れたカミカゼのメンバーたちは、命惜しさに『自己反省』を始める。
俺はその様子に満足しつつも、床に横たわったまま、動かない姫先ユイナに視線を移す。
ユイナは床に横たわったまま、なにやらブツブツ独り言を言っている。
極度のパニック状態による心神喪失状態。
ユイナが戦線に復帰するには、かなりの時間を要するだろう。
俺の横には、今日、合流したばかりの、紅軍のリーダーである信重フサカが立っていた。
「合流した早々、なんかすごいことになってるね、アンタのところは」
「フサカさん、すいません、お見苦しいとこをお見せしてしまって、それと、さっきは、タクヤとルリコの遺体の証拠隠滅、ありがとうございました」
「かまわんよ、別に。事情は倉都テツオから、だいたい聞いた。さっきみたいな、言い合いは革命活動をしていれば、よくあることさ、結局、組織を統率するために一番手っ取り早い方法は、みんなを死の恐怖で縛ることさ、私はあんまり好きじゃないんだけどさ」
「フサカさんは、俺たちと同盟を結んで、いったい何をしようとしているんですか?」
「マスメディアの破壊」
「マスメディアの破壊...!」
「ああ、そうさ、テレビに新聞、週刊誌、ネットニュース、この世に存在するありとあらゆる情報を売って金儲けしてる会社を全部、ぶっ壊す。日本をダメにしたセージカどもは、皆、マスメディアを利用して国民を洗脳している、情報を売って金儲けをしているマスメディアの奴らは金のために、国民を洗脳することになんの罪悪感も感じていない、マスメディアをこの国から消滅させることができれば、セージカどもは、間違いだらけのルールや価値観で国民を洗脳できる方法を失う」
「そんなこと、本当にできるんでしょうか?」
「できるさ、BEI軍基地を一つ壊滅させた、アンタ達とならね」
俺たちの戦いは、新たなステージに進もうとしていた。

次回予告 紅軍連合、始動。その2
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十話 紅軍連合、始動。その2

第三百七十話 紅軍連合、始動。その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

新日本のありとあらゆるルールと価値観はセージカ達によって作られ、マスメディアを通して、国民たちに植えつけられている。
それは、洗脳である。
セージカ達にとって都合がいいルールを広めるために、マスメディアは利用され、マスメディアは自分たちが誤った価値観や事実を広めていることを自覚しながらも、お金のため、生活のために、セージカ達の操り人形になるしかない、そして、マスメディアを通して、誤ったルールと価値観を植えつけられた国民たちは、その誤ったルールと価値観を大多数の意見として、正当化する、それこそが同調圧力である。
同調圧力によって洗脳された国民たちは、誤ったルールと価値観を正義と称し、社会に適応できない、もしくはなじめない者たちに押し付け、それでも適応できない場合は、数の力で社会から排除する。
集団暴行のごとき、情報と価値観の暴力に屈した少数派の人間達は社会に居場所を無くし、実体のない同調圧力と集団意識によって自滅するように仕向けられる。
その結果、新日本の自殺者の数は、一年に約一万人である。
一万人の社会不適合者の自死に上に成立する、平和。
そんな平和を、平和と呼べるわけがない。
平和な国に、約一万人の自殺者が出るものか。
一年に約一万人もの人間が死んでいれば、もはや、それは戦争と同じである。
ある人は言った、子供は皆、望んで、その親のもとに生まれてくると。
一年に自殺者が約一万人にも出るような世界を望み、一年に自殺者が約一万人にも出るような世界に何の迷いもためらいもなく生きていてる無神経な親のもとに、生まれてくる生命などあるはずがない。
生命の誕生の決定権を持つのは、所詮、男と女である。
新たな生命が間違いだらけの世界を望もうと、望むまいと、セッ●スによって、強制的に母体に植え付けられた新たな生命は、まるで突如発生した自然災害のように、この世界への誕生を強制される。
まるで、お国の都合で、戦争に徴兵される国民達のように。
しかし、この世界が戦争であるのは、事実である。
くどいようだが、誰もが平和と称す、この国には、一年に自殺者が約一万人にも出ているのだから。
そして、セージカ達が、その真実を、誤った価値観と情報で覆い隠すのに利用しているのがマスメディアである。
テレビに新聞、週刊誌、ネットニュースなどなど、これらマスメディアが、人々から、この世界を正しく見る視点を破壊し、洗脳しているのだ。
人々から物事を正しく見極める視点と権利を奪うセージカの傀儡であるマスメディア。
俺たち『紅軍連合』は、真の人間らしさを国民たちに取り戻すために、国内のマスメディアの殲滅を決意する。
そして、マスメディアを発信する上で必要不可欠な媒体は、紙と電気である。
紙は工場で生産されている、そして、その工場の生産に必要不可欠なのは電気である。
つまり、俺たちの次の襲撃地点は、国内の原子力発電所である。
国内の原子力発電所を制圧、占拠することで、この国の電力を、俺たち『紅軍連合』が支配するのだ。
紅軍連合が原子力発電所の武力での占拠に成功すれば、国内のケーサツやジエータイもBEIも、うかつに手を出せない。
そう、原子力発電所にもしものことがあれば、原子力発電所から漏れたホーシャノウで、人類が滅びる可能性が高いからだ。
つまり、原子力発電所を制すものは、世界を制す。
深夜、原子力発電所への襲撃準備が整った俺たち紅軍連合は、山を下山する。
下山直前、紅軍連合リーダーの倉都テツオが皆に向かって、裂帛の気合↓を入れる。
「今回の作戦は紅軍連合、結成後、初の攻撃作戦となる‼原子力発電所制圧それすなわち、マスメディアの消滅を意味すると同時に、この国のインフラの支配も意味している‼しかしここで誤解してはいけない、我々、紅軍連合の目的はあくまで、日本の浄化である‼原子力による日本の支配ではない、真に人が人らしく生きるための国づくりが、我々の目的である‼その輝かしい未来のために流される血が、たとえ仲間の血でも敵の血であっても、それは無色主義により浄化された真の平和を実現する上で必要不可欠な礎となるのだ‼理想のために銃の引き金を引くのをためらうな‼理想のために自分と他者の命を犠牲にするのをためらうな‼紅軍連合が掲げる無色主義の自由こそが、この国を真の平和へと導く唯一の方法なのだ‼わかるか?出発ッ‼」
新日本国内に存在する原子力発電所の数は、全部で9基。
姫先ユイナを除く、全34人からなる紅軍連合は9つの部隊に分かれて行動を開始した。

次回予告 原子力発電所 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十一話 原子力発電所 その1

第三百七十一話 原子力発電所 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

新日本国内に存在する原子力発電所の数は、全部で9基。
姫先ユイナを除く、全34人からなる紅軍連合は9つの部隊に分かれて行動を開始した。
俺、能沢エーイチロウは、国内でも最大の原子力発電所である、木白崎原子力発電所の襲撃班に所属している。
木白崎原子力発電所の襲撃班のメンバーは下記↓の通りだ。
広末シューサク、料理がめっちゃうまいデブ。
鳥羽リョーコ、男遊びが激しい、しかし付き合う男の顔面偏差値が皆、低い。
労速ジュン、鳥羽リョーコの彼氏。鳥羽リョーコが広末シューサクと浮気している事実を知りながら、見て見ぬふりをしている。
能沢エーイチロウ、音に敏感な、紅軍連合の狂戦士。
木白崎原子力発電所襲撃班の4人は、広末シューサクが運転するトラックに乗って木白崎原子力発電所に向かう。
広末シューサクが運転するトラックが木白崎原子力発電所の門に激突。
そのまま、門を破壊して、猛スピードで木白崎原子力発電所の敷地内に突入、施設に向かって直進する。
木白崎原子力発電所の敷地内に不法侵入者の存在を知らせる、耳障りな警報が鳴り響く。
広末シューサクが運転するトラックが木白崎原子力発電所の入口に激突。
運転席のエアバック機能により、一命をとりとめる、広末シューサク。
他の3人は、自作爆弾が大量に積まれたトラックの荷台から下りて、施設内の警備員たちと対峙する。
俺は警備員たちに向かって大声で警告する。
「このトラックには大量の爆発物が積んである!お前たち施設の職員が、俺たちに抵抗の意思を示した場合、トラック内の爆発物を爆破する!そうすれば、この原子力発電所は爆破され、爆発によって世界中にホーシャノウが放出される‼命が惜しい者はとっとと、この場所から立ち去れ‼」
俺の警告に一斉に、施設から逃げていく警備員と職員たち。
しかし、ただ一人、逃げずに施設のロビーにとどまる男がいた。
「貴様ァ!俺の警告を聞いていなかったのかァッ‼」
俺の警告に物怖じしない男が、俺の警告に対して反論してくる。
「僕は木白崎原子力発電所の責任者だ、責任者として僕はここから逃げるわけにはいかない‼」
「お前!俺の警告を聞いていなかったのか?俺がここを爆破すれば、国内だけじゃねぇ!全世界がホーシャノウで汚染されるんだぜぇ‼おめぇ、それでもいいのかァッ‼」
「僕には君たちが、本気でこの原子力発電所を爆破するとは思えない」
「なんだとぉ‼」
「だってそうだろ?よく考えてごらん、この原子力発電所が爆破されれば、君たちもタダではすまない、君たちの目的はいったいなんだ?」
「俺たち紅軍連合の目的は、この原子力発電所の占拠だ‼」
「紅軍連合...紅軍...そうか、あの、前ソーリダイジンの義死田を爆殺した反政府組織の...でも、こんなことをして、いったい何に意味がある?ホーシャノウに恨みでもあるのか?君たちの本当の目的はここの爆破じゃない、君たちにそんな度胸はない‼」
「うるせぇ!」
俺はナイフで、木白崎原子力発電所の責任者の男の右目を突き刺す。
俺は責任者の男に問いかける。
「お前、家族は?」
「ゔおおおお...痛い...!妻と娘が1人だ...」
「確かに俺たちは、この原子力発電所を爆破するつもりはない、でも、仮にお前が、生き残ったとしても、俺が今度はお前の左目を潰せば、お前はもう二度と、その目で大事な家族を見ることができねぇ、そして、視力を失ったお前を雇ってくれる会社なんでどこにもねぇ!働けなくなった、おめぇはおめぇの嫁と娘にとって何の価値もない、役立たずゥッ‼そうだァッ!おめぇの妻や娘にとって、おめぇの存在は所詮、ATMと同じだァ‼おめぇの妻は仮におめぇが視力を失っても、口と股使ってまた次の男、つまりATMと結婚すりゃあいいッ‼てめぇの代わりなんてどこにでもいるんだよ‼家族と人間社会のお荷物になるのが嫌なら、ここからとっとと立ち去れ‼」
「ぼ、僕はここから逃げない...僕はお前たちテロリストの社会不適合者とは違う、僕はちゃんとした社会人だ、僕は自分の責任を放棄しない、なぜなら僕は社会人だからだ‼」
俺はナイフで、責任者の男の左目を突き刺す。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼」
「これでおめぇはもう、社会人じゃねぇッ‼視力を失ったおめぇはこれで、この会社からも、社会からも、家族からも、もう二度と必要とされることはないだろう、いいか?社会人ってのはなァ、社会に貢献して金を稼ぐことができる人間のことだ、視力もねぇおめぇがこの先いったい、どうやって社会貢献するんだよ?つまりだァ‼この人間社会じゃ、金が稼げない人間は死んで当然なんだよ‼俺たち紅軍連合はそんなクソみてぇな世の中を変えるために戦ってるんだ‼金なんかで人の命の価値が決まっちまうようなクソったれな世の中を浄化するために戦ってるんだ‼俺たちの革命活動は、おめぇみたいなマイノリティーの幸福と自由を勝ち取るための聖戦なんだ‼」
俺たち4人は、視力を失った自称社会人の責任者をロビーに残して、制御室を目指す。
遠くから、パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。

次回予告 原子力発電所 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十二話 原子力発電所 その2

第三百七十二話 原子力発電所 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ついに開始された原子力発電所襲撃作戦。
この作戦の目的は、国内に存在する全9基の原子力発電所を武力で制圧することによって、国民に誤った情報と価値観を植えつけるマスメディアを完全に破壊することだ。
そう、テレビもネットニュースも、新聞や週刊誌を印刷する工場も、電気がなければ、成立しない。
無能なセージカ達にとって、都合のいい情報だけを報道し、誤った価値観を国民たちに押し付け、数の暴力で少数派の人間たちの尊厳を傷つけるマスメディアを破壊するには、武力で原子力発電所を制圧して、国民たちを洗脳する誤った情報の流出と伝染を止めるしかないのだ。
国内全9基の原子力発電所の武力制圧のために、紅軍連合の35人の戦士たちは9つの班に分かれ、俺、能沢エーイチロウと広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンの4人は、木白崎原子力発電所の襲撃班として、行動を開始。
広末シューサクが運転する、俺たちと大量の自作爆弾が積まれたトラックが木白崎原子力発電所に突撃。
広末シューサクの運転するトラックは木白崎原子力発電所の建物の壁を突き破って、ロビーに侵入。
俺たちは木白崎原子力発電所内での爆弾爆破の警告を開始、警告を聞いた職員と警備員のほとんどが、原子力発電所の爆発を恐れ、撤退した。
俺は施設内にただ一人残った、木白崎原子力発電所の責任者の男の両目と尊厳を破壊して、3人の仲間たちと共に、制御室を目指す。
遠くからケーサツのパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
おそらく、この原子力発電所から逃げた誰かが、警察に通報したのだろう。
しかし、自作爆弾を積んだトラックと、その爆破スイッチを所持している俺たちにとって、ケーサツなど、もはや脅威ではなかった。
そう、俺たちがこの、木白崎原子力発電所を爆破すれば、ホーシャノウが国内に拡散して、この国は間違いなく滅びるのだから。
今、俺たちはこの国の運命を、この手に握っているのだ。
俺は広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンに、木白崎原子力発電所内の制御室の制圧を任せて、施設に侵入した共われるケーサツ官どもを排除するために行動を開始する。
木白崎原子力発電所のロビーにはケーサツ官とケーサツの爆弾処理班だと思われる人物が、10人ほどいた。
ケーサツの爆弾処理班が、自作爆弾が積まれたトラックの荷台に入ろうとする。
自作爆弾がケーサツどもに奪われしまえば、俺たちの敗北は確実。
だから俺は、2階の廊下から、1階のロビーにいるそれぞれの作業を始めたケーサツ官どもを上から銃撃。
まず、第一優先として、爆弾処理班を狙う。
俺の銃撃を浴びた爆弾処理班が倒れる。
とりあえず、爆弾の無効化を防ぐことに成功した俺は、続いて、ケーサツ官どもに銃撃を開始。
約一名のケーサツ官を残して、この原子力発電所に来たばかりのケーサツ官がほとんど死亡した。
俺の銃撃から生き残ったケーサツ官が物陰に隠れて、俺を挑発してくる。
「『なにも持ってない人間』ってのは、本当にみじめだよなぁ!自分には何もないからって人に迷惑かけて新聞に載って自己顕示欲を満たそうとする人間、本当にみじめだぜ‼」俺を挑発して、銃の射程範囲に俺をおびき寄せる算段か。
俺はケーサツ官に問う。
「じゃあ、お前はいったい何持ってんだよ?人よりいったい何が優れてるんだよ‼」
「俺はケーサツだ!公務員だ!少なくとも、おめーら『なにも持ってない人間』より、頭がいいし、年収だって高い‼おまけにイケメンで女にモテる‼おめぇらテロリストはどうせアレだろ?顔も悪けりゃ、頭も悪い、おまけに低収入で社会になじめないから、似た者同士で肩寄せあって、自分の短所を全部、社会や周りの人間のせいにして、テロ起こして大勢の人に迷惑をかける‼どんな崇高な思想や目的があるのか知らねぇが、お前らは所詮、社会的弱者の寄せ集めだ、何者にもなれなかった社会の敗北者、落ちこぼれなのさ‼」
「じゃあ、仮に、よその国からミサイルが落ちてきたら、俺たちが持ってない何かを持っている、おめぇに何ができるんだよ?」
「なんだよ、よくわかってんじゃねぇか、そうさ、俺は、『なにも持っていない人間』のお前より『持っている人間』なんだ‼で、なんで急にミサイルの話になるんだ?」
「おめぇだって、もう知ってるはずだぜ!同じ空の下の海の向こうじゃ、R国がU国の市街地にミサイルを打っていることを‼仮にR国が日本にミサイルを打ってきたら、おめぇみたいな『持っている人間』にいったい何ができるんだよ?おめぇが俺たちより優れていると主張する頭脳、収入、優れた容姿がミサイルから日本国民を守ってくれるのかよ?たかがケーサツ官一人に、ミサイルの落下を阻止できるのか?できねぇよなァッ‼全部できねぇよぉッ‼できるわけねぇんだよ‼だってそうだろぉ?市街地にミサイルが飛んでくるってことは、とっくに戦争が始まってるってことなんだぜ?戦争が始まれば、戦況次第でインフラが崩壊する、インフラが崩壊すれば、日本国民が依存している金なんて、もはや何の価値もねぇ!ただの紙きれとコインだ‼」
「フン!戦争を持ち出して話のスケールを広げて、自らの人間としての至らなさをごまかそうとするな‼だいたい、R国は日本に宣戦布告なんてしてない、それにもしもの時は、国内のBEI軍どもが、俺たち日本人を守ってくれるはずだ‼」
「甘ぇよ‼おめぇ、本気でBEI軍が俺たちのことを守ってくれると思ってんのか?」
「ど、どういう意味だ‼」
「BEI軍は、これまで俺たち日本人に数多くの被害を与えてきた、例で言えば、ゴーカンだ‼敗戦国の日本を支配しているBEI軍兵が日本人をゴーカンしても、そのBEI軍兵は日本の法律じゃ裁けない‼それにBEI軍が日本国内に基地を作っているのは、日本の防衛だけじゃない、その大きな理由は監視だ‼日本の必要以上の武力増強を阻止して、日本の核ミサイルの開発・所持を禁止するための監視。BEI軍は日本が自分たちにとって脅威にならないように、日本を支配することで、日本の自立を阻止して、日本が単体で国土防衛するための力とチャンスを奪っているんだ‼いいか?俺たち日本人は所詮、BEI軍に支配されている側なんだ‼もし、仮に戦争が始まっても、BEI軍のやつらの気が変われば、日本なんてすぐに見捨てられる、戦争の長期化でBEI国本土の戦力が弱まれば、BEI軍のやつらなんて、すぐに日本を見捨てて、BEI国本土に戻る!そんなやつらに俺たちの日本を任せてもいいのか?日本は核ミサイルを持ってないんだ‼つまり、よその国にしてみたら、攻撃・侵略しやすい国なんだ‼そんなセキュリティーガバガバな国にしたのは、クソみたいなセージカとBEI軍のやつらだ‼俺たち日本人から日本を守る力と権利を奪ったのは、クソみたいなセージカとBEI軍のやつらだ‼だから俺たち紅軍連合は、クソみたいなセージカとBEI軍のやつらを武力で一人残らずぶっ殺して、『無色主義』によって、今の日本を浄化するんだ‼仮にお前が俺たち『なにも持っていない人間』より、『持っている人間』」だとしても、お前一人にできることなんて、たかが知れてるんだよ‼ おめぇが『なにも持っていない人間』より持っていると錯覚している頭脳、収入、優れた容姿も、いざ戦争が始まってインフラが崩壊したら何の役にも立たねぇんだ‼俺たち紅軍連合は個人が他者より優れていることを確認するために革命活動をしてるんじゃない‼本気でこの日本を変えたくて!救いたくて革命活動しているんだ‼おめぇみてぇな自分より弱い人間相手にカッコつけて優越感浸ってる器量の小さいバカよりも、俺たち紅軍連合のほうが、よっぽど日本のことを考えている。おめぇらケーサツは所詮、今の誤った日本を作り、BEI軍にこびへつらって平和を維持しようとしているクソみてぇなセージカの操り人形だ‼ペットだ‼奴隷だ‼売国奴だ‼おめぇらみてぇなクソバカケーサツは今すぐ『自己反省』しろ‼バカ野郎‼死ね‼」
ケーサツ官が俺に反論するために、口を開く。
そうはさせねぇよ、反論される前に殺してしまえば、この口論は俺の完全勝利になる。
だから。
俺はケーサツ官に反論される前に、消火器をケーサツ官に向かって噴射。
消火器の白い粉がケーサツ官の視界を塞ぐ。
その隙に、俺は消火器をケーサツ官の頭部めがけて、放り投げる。
頭部に消火器の直撃を受けたケーサツ官の動きが鈍ったのを確認した俺は、ケーサツ官に銃撃開始、ケーサツ官は死亡した。
俺は死亡したケーサツ官に向けて告げる。
「悔しい...ですよね?」

次回予告 原子力発電所 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十三話 原子力発電所 その3

第三百七十三話 原子力発電所 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合に所属する俺、能沢エーイチロウと、広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンの4人は木白崎原子力発電所に自作爆弾を大量に積んだトラックを侵入させ、木白崎原子力発電所の占拠に成功する。
そう、自作爆弾を積んだトラックが原子力発電所に存在するということは、もしもの場合、原子力発電所爆発によるホーシャノー漏れの可能性が高いということだ。
原子力発電所爆発による、ホーシャノー汚染を恐れた職員のほとんどが、原子力発電所から逃げ出し、俺は原子力発電所のロビーに突っ込んだ自作爆弾を積んだトラックに集まっていたケーサツ官と爆弾処理班を殺害した。
ケーサツのやつらは、トラックに積まれた自作爆弾を無力化することで、原子力発電所爆発によるホーシャノー漏れの阻止と、原子力発電所を占拠している俺たちを排除しようとしたのだ。
しかし、俺の銃撃により爆破処理班は全滅、俺は銃撃から生き残ったケーサツ官との激しい舌戦と銃撃戦に完全勝利した。
俺は木白崎原子力発電所の制御室の制圧を任した、広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンの3人に合流するために、制御室に向かう。
制御室では広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンの3人が椅子に座って、制御室のモニターと向かい合っていた。
俺はこの先の事態を見通して、3人に告げる。
「みんな、さっきロビーに爆弾処理班が来た。制御室のほうで、ロビーなどの入口のシャッターの閉鎖は可能か?」
俺の問いに、広末シューサクが答える。
「可能だ、こちらは完全に木白崎原子力発電所のシステムの掌握に成功した、後は、ここの原子力発電を停止するだけだ」
鳥羽リョーコが、他の8基の原子力発電所を襲撃した班の心配を口にする。
「私たちが原子力発電所を1基、停止させただけでは、国内の電力を完全に掌握したことにはならない...!みんなは大丈夫かしら...?」
不安を口する鳥羽リョーコを労速ジュンがなぐさめる。
「大丈夫さ、もしもの時は原子力発電所の中でトラックに積んだ爆弾を爆発させて、この国ごと道づれにしてやるさ‼」
労速ジュンの発言に鳥羽リョーコが反論する。
「それじゃあ、私たちはただのテロリストと同じよ!私たちの目的は国内の原子力発電所を全て停止させて、国民に誤った情報と価値観を植えつけるマスメディアの完全破壊よ‼私は今のジュンの発言について、ジュンに『自己反省』を求めます」
リョーコの発言に、ジュンが反論する。
「なんだよ、その言い方‼原子力発電所の爆発は冗談に決まってるだろ‼俺はリョーコが不安そうにしてたから、彼氏として、なぐさめてやっただけだろ‼」
そう、鳥羽リョーコと労速ジュンは交際している。
しかし、鳥羽リョーコは共に作戦に参加している、広末シューイチと浮気しているのだ。
労速ジュンはそれを知りながら、見て見ぬふりをしている。
そう、紅軍連合に所属しているメンバー同士の交際や結婚は、皆から祝福されるが、浮気や不倫は、処罰の対象である。
そう、組織内での浮気や不倫は、組織の統率とメンバー同士の連携を乱す行為であり、最悪の場合は『処刑』の対象となる。
労速ジュンは、交際相手である鳥羽リョーコの命を守る為に、あえて、鳥羽リョーコと広末シューイチの浮気を見て見ぬふりをしているのである。
鳥羽リョーコが突然、口元を両手で抑える。
両手で受け止めきれなかった吐しゃ物が、鳥羽リョーコのズボンを汚す。
すぐに、広末シューサクが鳥羽リョーコの元に駆けつける。
「大丈夫か!リョーコ‼」
労速ジュンは、自分という存在がありながら、それを無視するように、鳥羽リョーコをいたわる広末シューサクの姿を見て舌打ちをする。
労速ジュンの舌打ちを聞いた広末シューサクが、仕返しとばかりに鳥羽リョーコに告げる。
「リョーコ、お前、もしかして俺の子供を妊娠しているのか?」
労速ジュンと俺に聞こえるように放たれた広末シューサクの爆弾発言を聞いた、鳥羽リョーコが、わざと知らないふりをする。
「ちょ、ちょっとシューサク、急に変な冗談言わないでよ‼」
「冗談じゃない‼だってリョーコ言ってただろ?ジュンより俺とのほうが体の相性がいいって‼俺とセッ●スする時は、いつもゴムつけずにナマでするけど、ジュンとセッ●スするときはいつもゴムつけてるって‼いつもセッ●スのときに俺に言ってくれたよな、きもちくしてくれありがとうって‼どうせ、子供ができたのなら、この際、ジュンに、はっきりと全部話すべきだ‼リョーコは俺のものだ‼」
紅軍連合のために、今まで見て見ぬふりをしていた、労速ジュンが、自分の彼女であるリョーコを寝取り、妊娠させた広末シューサクに襲いかかる。
「広末ェェェェェェェェェェェェェーッ‼貴様ァ‼今すぐ『自己反省』しろぉぉッ‼」
広末シューサクに殴りかかる、労速ジュンを見た、鳥羽リョーコが二人をなだめる。
「お願い、二人ともやめて‼今は作戦中なのよ‼」
労速ジュンが、鳥羽リョーコに反論する。
「彼氏いるくせに浮気して妊娠までしてるこの腐れ外道のクソビ●チがさも当然のように正論吐いてんじゃねーぞ‼てめぇ、誰のせいでこうなったと思ってんだバカ野郎ォンッ‼それでよく人に『自己反省』しろとか言えるなァ!バカ野郎ォンッ‼『自己反省』するのはてめぇのほうだろバカ野郎ォンッ‼セッ●スのとき、俺にはゴムつけさせて、浮気相手とのセッ●スのときはナマでさせるとか、おめぇいったいどういう神経してんだァ?だいたい、なんだよ、『きもちくしてくれてありがとう』って‼普通、きもち『よ』くしてくれてありがとう、だろうが‼本来、『ち』と『く』の間にある『よ』はどこ行ったんだよ‼休憩中か?有給休暇か?忌引き休暇か?育児休暇か?つーかセッ●スしてんだから気持ちよくて当然だろーがァッ‼むしろ気持ちよくなかったらそんなのセッ●スじゃねーだろッ‼あっ...‼そうかぁ...そういうことだったのかぁ...‼そうだよなぁ...そうだよなぁ...‼俺とのセッ●スが全然、『きもちく』なかったから...気持ちよくなかったから...おめぇはシューサクと浮気したんだよなァッ‼そりゃあどーもすいませんでしたァ~ッ‼短小で早漏の俺が悪かったんだよなァッ‼どうもすいませんでした~ッ‼とか本気で思ってるわけねぇだろ‼このド腐れビ●チのバカ野郎‼1分間に100回出家しながら24時間『自己反省』しろ‼このド腐れビ●チのガバガバクソバカ野郎‼死ね‼死ね‼死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
労速ジュンが、両手で鳥羽リョーコの腹部を何度も殴る。
「痛い痛い痛い痛いッ‼お願い!やめて‼そんなことしたらリューザンしちゃうわ‼」
「しろやリューザン‼むしろ今しろ‼すぐしろ‼絶対しろや‼リューザン‼リューザン♪リューザン♪リューザンザン♪ザンザンリューザン♪リューザンザン♪イェァッ‼」
鳥羽リョーコの腹部に、ノリノリでラッシュを繰り返す労速ジュン。
広末シューサクは、愛する鳥羽リョーコと新しい命を守る為に、リョーコの腹部に猛ラッシュを繰り返す労速ジュンに銃口を向ける。
「ジュ、ジュン...お願いだ...俺が悪かった、だからもう、リョーコに暴力を振るうのをやめてくれ...‼」
「何言ってんだてめぇ?俺はなァッ!このリューザンチャレンジを成功させることによって、おめぇのセーシで汚れたリョーコの体を浄化してやってんだよォッ‼そう、これが鳥羽リョーコ浄化計画だァッ‼」
作戦中に仲間割れが始まってしまった。

次回予告 原子力発電所 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十四話 原子力発電所 その4

第三百七十四話 原子力発電所 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

マスメディアの破壊のために必要な電力の支配。
木白崎原子力発電所の武力制圧に成功した、俺、能沢エーイチロウと、広末シューサク、鳥羽リョーコ、労速ジュンの4人。
しかし、労速ジュンと交際していた鳥羽リョーコの浮気と妊娠が発覚。
鳥羽リョーコの浮気相手は広末シューサクだった。
そう、鳥羽リョーコはセッ●スの際に、交際相手である労速ジュンにはゴムをつけさせていたのだが、、浮気相手である鳥羽シューサクには、ゴムをつけさせずにセッ●スしていたのだ。
次々と襲い来る衝撃の真実に絶望し、怒り狂った労速ジュンは『鳥羽リョーコ浄化計画』と称し、鳥羽リョーコの腹部を複数回、殴打する。
鳥羽リョーコのリューザンを恐れた、広末シューサクは、労速ジュンの鳥羽リョーコへの暴行を止めるために謝罪する。
そう、鳥羽リョーコのお腹の子の父親は、広末シューサクなのだ。
しかし、怒りと憎しみに支配された労速ジュンは、鳥羽リョーコへの暴行を止めない。
作戦中に起きた予期せぬアクシデント。
俺はこの、痴情のもつれをただ見ていることしかできなかった。
労速ジュンが、両手で鳥羽リョーコの腹部を何度も殴る。
「痛い痛い痛い痛いッ‼お願い!やめて‼そんなことしたらリューザンしちゃうわ‼」
「しろやリューザン‼むしろ今しろ‼すぐしろ‼絶対しろや‼リューザン‼リューザン♪リューザン♪リューザンザン♪ザンザンリューザン♪リューザンザン♪イェァッ‼」
鳥羽リョーコの腹部に、ノリノリでラッシュを繰り返す労速ジュン。
広末シューサクは、愛する鳥羽リョーコと新しい命を守る為に、リョーコの腹部に猛ラッシュを繰り返す労速ジュンに銃口を向ける。
「ジュ、ジュン...お願いだ...俺が悪かった、だからもう、リョーコに暴力を振るうのをやめてくれ...‼」
「何言ってんだてめぇ?俺はなァッ!このリューザンチャレンジを成功させることによって、おめぇのセーシで汚れたリョーコの体を浄化してやってんだよォッ‼そう、これが鳥羽リョーコ浄化計画だァッ‼」
広末シューサクに銃口を向けられた労速ジュンが、広末シューサクに向かって忠告する。
「ゔぉいッ!おめぇわかってんのかぁ?仲間に銃口を向けるのは、ルール違反だぞぉ‼今すぐ『自己反省』して、銃を降ろせ‼」
広末シューサクが反論する。
「仲間を、鳥羽リョーコを傷つけているお前が、俺にそんなこと言う資格があるのか?『自己反省』するのはお前のほうだ‼」
「おいおいおいおいおーいッ‼ちょぉっとまってくだざいよ~ッ‼俺は別にリョーコを傷つけているわけじゃない‼リョーコの体に寄生した、てめぇの遺伝子が混じった悪しき不浄な生命を殺そうとしているだけだぜぇ‼」
「確かに、俺とリョーコは順番を間違えた‼でも、リョーコの体に宿った、俺とリョーコの子供には何の罪もないはずだ‼お前のやっていることは、人殺しと同じだ‼」
「じゃあ、チューゼツやリューザンしちまった女どもはみんな、人殺しなのか?それじゃあ、なぜ、ケーサツはそーゆう女を捕まえない‼なぜ裁かない‼そうさ‼この国じゃあ、チューゼツやリューザンで死んだ生命は、この国の死亡者に含まれないんだ‼つまり俺のしていることは人殺しじゃない、まだこの世に誕生する前の命なら、何人殺しても俺は法律で裁かれない‼死刑にもならない‼よって俺の行いは正義だ‼俺はお前とリョーコが作り出した悪しき不浄な命を、正義の行いによって処刑しているだけだ‼」
「お、お前は狂っているよ‼ジュン‼」
「人の女寝取って孕ませた男がよく言うぜ‼狂ってんのはてめぇのほうだ‼広末シューサク‼リューザン♪リューザン♪リューザンザン♪ザンザンリューザン♪リューザンザン♪イェァッ‼」
労速ジュンが鳥羽リョーコの腹部への暴行を再開する。
そしてついに、鳥羽リョーコの着用しているズボンが血に染まる。
木白崎原子力発電所の制御室の床を汚す、鳥羽リョーコの血液。
それは、鳥羽リョーコがリューザンした証だった。
リューザンチャレンジ『鳥羽リョーコ浄化計画』に成功した労速ジュンが歓喜の声を上げる。
「リューザン?リューザリューザリューザン?リュ―――ザ――ンッ‼リューザン♪リューザン♪リューザンザン♪ザンザンリューザン♪リューザンザン♪イェァッ‼リューザン♪リューザン♪リューザンザン♪ザンザンリューザン♪リューザンザン♪イェァッ‼」
新たな生命が失われた事実に、鳥羽リョーコは両手で顔を覆って号泣し、広末シューサクは目から涙、鼻から大量の鼻水を流している。
労速ジュンが、号泣している広末シューサクに顔を近づけて、勝ち誇ったように大声で告げる。
「よっしゃああああああああああああああああああああッ‼速報ですッ‼リューザンチャレンジ成功‼リューザンチャレンジ成功‼この勝負!俺の完全勝利だァァァァッ‼あとでみんなと合流したら、みんなの前で『自己反省』させてやるからなァッ‼覚悟しとけよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼」
労速ジュン渾身の煽りを受けた広末シューサクが労速ジュンの口の中に銃口をぶち込む。
まずい、このままだと広末シューサクに、労速ジュンが殺されてしまう。
さらに、鳥羽リョーコは広末シューサクを止めない。
俺はついに、広末シューサクと労速ジュンに警告する。
「おい、二人ともそこまでにしておけ‼これ以上は『自己反省』じゃすまないぞ‼」
広末シューサクが泣きながら俺に訴える。
「でもよぉ‼この男は、俺とリョーコの子供を殺したんだ‼まだ生まれてくる前の子供だぞ‼名前も与えられず‼世界の美しさも知らず‼人のぬくもりも知らず‼何も知らず、与えられずに死んでしまったんだぞ‼たとえ、生まれ来る前の命として、この国の死亡者に含まれなくても‼命は命だ‼組織のルールがなんだ‼法律がなんだ‼この男は‼労速ジュンは人殺しだ‼『処刑』するべきだ‼」
自分たちに都合のいい綺麗ごとを並べる広末シューサクに、俺は怒りをぶつける。
「都合のいいこと言ってんじゃねぇよ!じゃあ、なんでリョーコとセッ●スするときにゴムをつけなかったんだ‼おめぇとリョーコはセッ●スすれば子供ができるかもしれないって知っててセッ●スしたんだろうが‼自分たちが全国に指名手配されてるってわかっていてセッ●スしたんだろうが‼じゃあ仮に、おめぇとリョーコの子供が自分の両親が指名手配犯の犯罪者だって知ったらどう思う?当然、ショックだよなァッ‼悲しいよなァッ‼おめぇらはそこまで想像して考えてセッ●スしたのか?してねぇよなァッ‼自分たちに犯罪者である自覚があるなら、セッ●スの時にゴムするのが常識だろうが‼ただでさえ、子供は親を選べないんだ‼自分たちに革命活動している自覚があるならセッ●スの時にゴムするのが常識だろうが‼浮気とかなんとかそういうの以前に、おめぇとリョーコは命の大切さをわかってねぇよ‼セッ●スは娯楽じゃねぇんだよ‼セッ●スは命を作る行為なんだ‼おめぇに‼ちゃんとゴムをつけてリョーコとセッ●スした労速ジュンを攻める資格なんてねぇよ‼確かにジュンは人殺しだ‼ジュンのしたことは許されることじゃない‼でもなぁッ‼指名手配中の犯罪者のくせにゴムなしでセッ●スするようなおめぇらに、命の尊さ美しさを語る資格なんてねぇよ‼おめぇらにジュンのリューザンチャレンジで失われた命に対して、涙を流す資格なんてねぇよ‼命をバカにするんじゃねぇよ‼おめぇとリョーコは、この世界の全生命に対して『自己反省』しろぉッ‼」
俺の糾弾に、何が正しくて何が間違っているのか、わからなくなってしまった広末シューサクが突然、叫ぶ。
「ゔああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼」
銃声が木白崎原子力発電所の制御室内に響き渡る。
広末シューサクが労速ジュンの口内に入れたままの銃の引き金を引いたのだ。
裏切り者でない仲間の銃殺は、当然のごとく、紅軍連合では『処刑』の対象だ。
『処刑』による自らの死を確信した、広末シューサクは己のこめかみに銃口を当てて、鳥羽リョーコに別れの挨拶↓をする。
「きもちくしてくれて...ありがとう‼」
再び、銃声が木白崎原子力発電所の制御室内に響き渡る。
自らの頭部を撃ち抜いた広末シューサク。
木白崎原子力発電所の制御室内でズボンを真っ赤に汚した鳥羽リョーコが泣き叫ぶ。
自業自得である。
衣服に装備した無線機から、他の原子力発電所で行動している仲間からの連絡が来る。
どうやら、紅軍連合に武力制圧された国内の原子力発電所を取り返すために、ジエータイが動き出したらしい。

次回予告 原子力発電所 その5
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十五話 原子力発電所 その5

第三百七十五話 原子力発電所 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

痴情のもつれによって発生した仲間割れ。
当時四人にいた、木白崎原子力発電所襲撃班も、現在では俺、能沢エーイチロウと鳥羽リョーコの二人だけになってしまった。
木白崎原子力発電所の制御室の床には、広末シューサクと労速ジュンの死体が横たわっている。
労速ジュンの暴行によって広末シューサクとの子供をリューザンしてしまった鳥羽リョーコは、ズボンを血で濡らした状態で悲嘆に暮れている。
そんな中、無線機から突如、聞こえてきた仲間の声。
他8基の原子力発電所の制圧に動いていた仲間たちから贈られたメッセージは、ジエータイが、紅軍連合が武力制圧した全9基の原子力発電所を取り返すために、出動したという事実だった。
つまり、武装したジエータイが、紅軍連合が制圧した原子力発電所を取り返しに来るということだ。
敵はおそらく、こちらより数が多い。
それに比べ、こっちは、本来いた4人のメンバーのうち2人が死亡している。
多勢に無勢。
ここは地の利を活かさなければ、勝機はない。
とりあえず、生前の広末シューイチが、制御室から木白崎原子力発電所の全入り口のシャッター開閉操作が可能だと言っていた。
しかし、ここで疑問が生まれる。
施設へのトラックの突撃の際に、木白崎原子力発電所の入口の一部に少なからずダメージが発生しているはずだ。
その状態で、果たしてシャッターが正常に作動するだろうか?
俺は試しに、制御室のモニター前の椅子に座り、急いで木白崎原子力発電所の全入り口のシャッターを閉める操作を実行する。
幸運なことにシャッターは正常に作動した。
そして、すぐに木白崎原子力発電所の全ての機能を停止させる。
制御室はもちろん、木白崎原子力発電所内の全てのフロアが暗闇に包まれる。
おそらく、ジエータイのやつらは、あらゆる状況を想定して暗視ゴーグルを装備しているに違いない。
建物内全てを闇に包んでしまえば、多勢に無勢な状況でも、戦い方はあるはずだ。
ジエータイのやつらはおそらく、俺たちが本気で原子力発電所内で、自作爆弾を積んだトラックを爆破するとは思っていない。
ずいぶんとナメられたものだと思いつつも、それは正しいので、何とも言えない。
しかし、木白崎原子力発電所内の入口を封鎖、おまけに全システムを停止させたことで、やつらは外部からのハッキングによる、強制突入は不可能なはずだ。
やつらがこの木白崎原子力発電所に侵入できる方法はただ一つ、外部から入口に物理的なダメージを与えて、シャッターを破壊することだけだ。
そのためには、おそらく銃火器の使用が必要不可欠。
ジエータイが、テロリストの鎮圧が目的とはいえ、原子力発電所に向かって銃火器を放てば、入り口近くのロビーに停めてある自作爆弾を積んだトラックに銃弾が直撃して、この木白崎原子力発電所が爆発する可能性もあり得る。
そうなった場合、ホーシャノウが漏れ、本来、国を守る立場にあるジエータイが国家を滅亡の危機に陥れる事態が発生する。
それはそれで、美しい。
しかし、それが現実になれば、俺たちは自らの国を失うことになってしまう。
俺は自作爆弾を積んだトラックの移動も考えたが、シャッターを開けた際に敵に侵入される危険性を考慮して、その考えを捨てる。
つまり、これは賭けである、ジエータイのやつらが、シャッターの破壊の際に銃火器を使用して、自作爆弾を積んだトラックに引火すれば、そこで、日本はホーシャノウ漏れによって滅亡する。
仮に、内部に突入されても、俺には自作爆弾を積んだトラックの爆破スイッチがある。
俺の優位は変わらない。
つまり、やつらがシャッターの破壊に用いる時間を想定すれば、まだ時間はたっぷりとある。
それに、この木白崎原子力発電所の停止にともなって、国内の電力は大幅に減少しているはずだ。
そして、世界最大の総電気出力を誇る木白崎原子力発電所の停止によって、おそらく、世間はパニック状態に陥っている可能性が高い。
それは、当然、ジエータイの今後の作戦にも影響をもたらす、そして、なにより、電力によって国民に情報を提供しているマスメディアに与えるダメージも大きいはずだ。
俺は悲嘆に暮れている鳥羽リョーコに銃口を向けて、警告する。
「今すぐ、『自己反省』して戦線への復帰を誓うんだ、それができないなら、組織内の反乱の首謀者として処刑する‼」
そう、今回の痴情のもつれの原因を作った大きな原因は、鳥羽リョーコにある。
鳥羽リョーコの下半身のだらしなさが、結果的に、広末シューイチと労速ジュンの命を奪ったのだ。
これを組織内の反乱の首謀者と例えて何が悪い。
鳥羽リョーコが告げる。
「私は自らの不埒な行いによって二人の同志と新しい命を殺めてしまった件について『自己反省』します...」
「そう、それでいい、木白崎原子力発電所の制圧と原子炉の停止はとりあえず完了した...あとは、生き残るだけだ、二人で、絶対に...!」
その時だった。
下のフロアから大きな音が聞こえてきたのは。

次回予告 原子力発電所 その6

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十六話 原子力発電所 その6

第三百七十六話 原子力発電所 その6
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

俺、能沢エーイチロウと広末シューイチ、鳥羽リョーコ、労速ジュンの4人は、世界最大の総電気出力を誇る木白崎原子力発電所の武力制圧と、原子炉の停止を成功させた。
しかし、痴情のもつれによる仲間割れによって、広末シューイチと労速ジュンが死亡。
浮気相手である広末シューイチの子供を身籠った鳥羽リョーコはリューザンしてしまう。
浮気相手である広末シューイチとの間にできた新しい命を失い、悲嘆に暮れている鳥羽リョーコに『自己反省』させた俺は、リョーコと共にジエータイの魔の手から生き残ることを決意する。
下から突如、聞こえてきた大きな音。
制御室にいた俺はすぐに、廊下に出て、移動を開始する。
木白崎原子力発電所は現在、原子炉の停止により、電力が失われた状態である。
つまり、木白崎原子力発電所の中は暗闇に包まれている状態である。
俺は暗闇の中を、1階のロビーに向かって走る。
ロビーには施設内に侵入した自作爆弾を積んだトラックが停められており、そして閉められた状態のシャッターの外側から、大きな打撃音が聞こえてくる。
おそらく、ジエータイが何らかの方法で、外側からシャッターを開けようとしているに違いない。
原子炉の停止により、外部からのハッキングも不可能な状況下でシャッターを開けるには物理的な破壊しか方法がないのだ。
俺はシャッターに近づいて、シャッターを無理矢理、開けようとしているジエータイに向かって、大声で忠告する。
「おい!俺は紅軍連合だ‼建物の中には爆弾を大量に積んだトラックがある‼」
ジエータイ員が大声で言い返してくる。
「そんなこと、知ってるんだよ‼」
やはり、木白崎原子力発電所から逃げた職員がケーサツに状況を説明し、ケーサツから、ジエータイへと情報が共有されたのだろう。
つまり、ジエータイのやつらは、今この木白崎原子力発電所が状況次第では、爆発する可能性を知った上で、シャッターを開けようとしているのだ。
俺はさらに忠告する。
「銃とか、戦車とか使って、シャッターを開けようとするな‼銃弾がシャッターを貫通してトラックに直撃したら、トラックの中の爆弾に誘爆して、原子力発電所ごと爆発するぞ‼ホーシャノウが漏れてみんな死ぬぞ‼」
ジエータイ員が大声で言い返してくる。
「そんなこと、知ってるんだよ‼」
外側からジエータイのやつらの笑い声が聞こえてくる。
俺は、安心した。
ジエータイのやつらは原子力発電所爆発のリスクを想定した上で、『何らかの方法』でシャッターを開けようとしているのだ。
シャッターの内側からは当然のごとく、外側で行われている『何らかの方法』を確認することができない。
このまま、爆弾を積んだトラックの爆破をエサに、ジエータイのやつらに撤退するように脅すのも一つの手だが、今の会話でこっちが、原子力発電所の爆発を回避したい意思が、ジエータイのやつらにバレてしまっている。
おそらく、脅迫したところで、さっきみたいに笑われるだけだ。
なら、もはや手は一つしかない。
俺はかつて、BEI軍基地を襲撃した際に、殺したBEI軍兵から奪った、対物ライフルをシャッターに向かって構える。
かつてジエータイに所属していた経験がある紅軍連合にリーダーである倉都テツオがこう言っていた↓。
『お前がBEI軍兵から、奪ったその銃は対物ライフルだ、対物ライフルは住宅用のコンクリートブロックも貫通可能な銃だ、わかるか?』
この対物ライフルで、果たして木白崎原子力発電所のシャッターの貫通は可能なのか?
しかし、BEI軍の支配下にある新日本は銃社会ではない。
木白崎原子力発電所のシャッターがテロを想定して作られているとは思えない。
俺は試しに、対物ライフルをシャッターに向かって撃ってみる。
俺の予想通り、対物ライフルから放たれた銃弾はシャッターを貫通した。
そして、シャッターの外から聞こえてきた悲鳴。
おそらく、シャッターを開けようとしていたジエータイ員が死亡したのだろう。
俺はシャッターの外側であたふたしているジエータイのやつらに向かって宣言する。
「どうだ!ざまぁみろ‼さっき、さんざん俺を笑った罰だァッ‼仲間の仇をとるために、おめぇらが俺を撃ちてぇなら撃てよ‼ヴォイッ‼でもなァッ‼おめぇらの撃った銃弾がシャッターを貫通して爆弾を積んだトラックに直撃したら、おめぇらわかってんだよなァッ‼俺もおめぇらもみんな原子力発電所の爆発でドカーンだァッ‼おまけに流出したホーシャノウで日本もおしまいだァッ‼」
シャッターの外から、ジエータイのやつらの罵詈雑言が聞こえてくる。
「ゔぉいッ!おめぇ、いい加減にしろよ?この落ちこぼれ共がァッ‼おめぇら紅軍連合の社会不適合者のゴミクズどもがどんなに頑張っても、この国を変えることなんてできねぇんだよ‼実現不可能な夢なんか捨ててとっとと自首して罪を償って就活しろ、この最底辺のバカ野郎‼ 」
シャッターの外から銃を構える音が聞こえる。
そして次に、銃を構えた者を停めようとする声、ジエータイ員同士の口論が始まる。
俺への銃撃を望む者と原子力発電所の爆発を恐れ俺への銃撃を停める者達の口論。
つまり仲間割れ。
しかし、爆弾を積んだトラックを背にする俺には、銃撃をためらう必要性はない。
俺は再び、対物ライフルから銃弾を放つ。
シャッターを貫通する銃弾。
シャッターの外からは悲鳴と撤退の声、おそらく、また犠牲者が出たのだろう。
先程のような罵詈雑言も口論も聞こえてこない。
おそらく、二人目の死亡者は、さっき俺と紅軍連合をバカにしたやつかもしれない。
シャッターから遠ざかっていく足音。
これが銃社会でない、国軍の末路。
弱い、あまりにも弱すぎる。
おそらく銃社会のBEI国であれば、警備用のシャッターは、あらかじめ銃撃を想定した強度で作られているはずだ。
銃社会ではない、新日本の警備は、銃撃を想定して作られていない。
その平和ボケした思想が、この状況を生んだ。
その平和ボケした思想が、平和ボケした国の軍人を二人殺した。
やはり、この国は俺たち『紅軍連合』による改革が必要である。
シャッターと地面の間に出来たわずかな隙間から、俺の対物ライフルの直撃を受けたジエータイ員の死体と思われる血が流れてくる。
いつの間にか俺の足元には、ジエータイ員の死体から流れてきた血だまりが出来ていた。
この血を無駄にしないためにも、俺たちは『無色主義』による日本の革命を成功させなければならない。

次回予告 原子力発電所 その7

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十七話 原子力発電所 その7

第三百七十七話 原子力発電所 その7
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合に所属する俺、能沢エーイチロウと鳥羽リョーコが立てこもった木白崎原子力発電所のシャッターを何らかの方法で、こじ開けようとする、ジエータイ員達。
俺は木白崎原子力発電所の内部に爆弾を積んだトラックがあることをシャッター越しにジエータイ員達に警告する。
そう、仮にジエータイ員達がシャッターを開ける際に銃火器を使用したときのことを想定して、シャッターを貫通した銃弾が、爆弾を積んだトラックに直撃すれば、木白崎原子力発電所が炎に包まれる可能性があるのだ。
原子力発電所が爆発すれば、いったい、どうなるのか?
それは、人類の滅亡を意味している。
つまり、原子力への依存は、我々が常に、人類滅亡と紙一重の世界で生活していることを意味している。
俺は人類滅亡のスイッチである爆弾を積んだトラックを背にした状態で、紅軍連合を社会不適合者の集まりであると揶揄するジエータイ員達に向かって対物ライフルを放つ。
シャッターを貫通した対物ライフルの銃弾は、シャッターを開ける作業をしていたジエータイ員達の体に直撃。
死亡者の発生に、ジエータイ員達は撤退を開始した。
しかし、俺はこれで終わったとは思わない、仲間を殺された以上、ジエータイ員達は必ずここに戻ってくる。
数分後。
遠くから銃声。
しかし、シャッターに直撃した音はしていない。
しかし、ジエータイの襲撃に備えて、シャッター近くのロビーで待機していた俺は、視界に妙な違和感を感じる。
そう、涙が止まらないのだ。
シャッターと地面の間に出来たわずかな隙間からは、先程、対物ライフルで射殺した死体から、まだ血が流れてきている。
そして、それとは別に謎の煙。
なるほど、この涙が止まらない現象に、謎の煙。
これは、おそらく催涙ガスだ。
遠くからの銃声、足音は聞こえなかった、つまり、ジエータイのやつらは、遠距離からシャッターに向かって催涙弾を放ったに違いない。
そして、シャッターと地面の間に出来たわずかな隙間から、建物内部に侵入した催涙ガスのせいで、あふれる涙が俺の視界を塞ぐ。
これではまともに戦闘できない。
催涙ガスでも長時間、浴びれば、死に至る。
つまり、ジエータイのやつらは、催涙ガスを俺に多量に浴びせることによって、俺を殺そうとしている。
また、銃声。
おそらく、外で、催涙ガスが含まれた催涙弾がまた、シャッターに向かって放たれたのだろう。
このまま、催涙ガスがロビーに充満し続ければ、俺は確実に死ぬ。
おそらく、木白崎原子力発電所内のどこに逃げても、建物内に充満する催涙ガスの餌食になるだけだ。
俺が生き残る方法は、再び木白崎原子力発電所の原子炉を起動させて、シャッターをあけるか、建物内の窓を開けるかの2択。
しかし、そのどちらの方法も、ジエータイのやつらの原子力発電所への侵入を手助けにすることになる。
ガスマスクを使用したとしても、長時間の催涙ガスの吸引に、ガスマスクの『吸収缶』が耐えきれなくなれば、意味がない。
敵の催涙弾の常備数と使用回数を確認できない以上、ガスマスクの『吸収缶』の破過時間もたかが知れている。
俺はとりあえず、制御室に戻る。
制御室に戻った俺は、鳥羽リョーコに告げる。
「施設内に催涙ガスを撒かれた、長時間浴びると死ぬ」
「だったら、どうすんのよ‼わ、私はまだ死にたくないわ‼」
「まず、この原子力発電所さぁ...屋上あんだけど...避難しない?」
「ああ~いいっすね~」
出来る限りの装備を整えた俺と鳥羽リョーコは屋上に向かって移動を開始する。
屋上に非難した俺と、鳥羽リョーコは屋上から、木白崎原子力発電所に向かって催涙弾を放っている外のジエータイ員どもに向かって銃撃を開始。
上からの銃撃を予想していなかったジエータイ員どもが、銃弾の雨の餌食になる。
上からの奇襲が功を奏したということは、ジエータイの次の手はヘリコプターによる、俺たちへの狙撃だ。
しかし、ここは原子力発電所だ。
原子力発電所に向かってヘリコプターで銃撃を行えば、最悪の場合、原子力発電所の爆発もあり得る。
そう、俺と鳥羽リョーコが立てこもっているこの木白崎原子力発電所は、まさに人類化学の奇跡と災厄を孕んだ禁断の領域。
陸のジエータイ員どものほとんどを屋上からの銃撃で射殺した俺たちは、銃に銃弾を補充、すぐにヘリコプターの襲来と、ジエータイ員どもの増援を想定して、周囲の警戒を開始する。
先程の銃撃で生き残ったジエータイ員が連絡したのだろう、遠くからジエータイのヘリコプターが近づいてくる。
俺たちの上空で動きを止めたヘリコプターから、複数のジエータイ員達がロープを使って、屋上に向かって降下してくる。
俺はリョーコに忠告する。
「銃撃方法を対物ライフルに切り替える!対物ライフルなら防弾チョッキやヘルメットを貫通できるはずだ‼」
「了解」
俺と鳥羽リョーコは、屋上に向かって降下してくるジエータイ員達に向かって、対物ライフルを連射。
ジエータイ員達はヘリコプターからの降下の際に使用しているロープをつかんでいるため、対物ライフルの銃撃に対処できない。
屋上への降下に成功したわずかなジエータイ員達が、俺と鳥羽リョーコに向かって銃撃を開始。
俺と鳥羽リョーコは急いで、屋上の換気扇に身を隠す。
その隙に次々とヘリコプターから降下してくるジエータイ員達。
俺は原子力発電所の爆発など、お構いなしに自作爆弾を屋上に集まったジエータイ員どもに向かって投げる。
自作爆弾が爆発、爆弾から放たれた大量の釘が、爆発の際に発生したエネルギーによって猛スピードで、ジエータイ員どもの全身に突き刺さる。
ジエータイ員どもが痛みにもだえ苦しんでいる隙に、俺は装備を対物ライフルから、散弾銃に変更。
俺は一時的に動きを止めたジエータイ員どもに向かって散弾を発射。
散弾銃の直撃を受けた屋上のジエータイ員どもが完全に動かなくなり、地面に倒れる。
万策尽きたジエータイのヘリコプターの乗組員は上空から、俺たちを銃で狙撃。
上空から放たれた銃弾の雨が俺と鳥羽リョーコを襲う。
迫りくる死の予感に、俺の体は、あらゆるリスクを無視して、生き残るために反射的に動いていた。
俺はダッシュで鳥羽リョーコの背後に回り、身をかがめる。
俺に盾にされた鳥羽リョーコは銃撃の雨をくらって、死亡。
鳥羽リョーコの死体を盾にした俺は、装備を散弾銃から対物ライフルに変更、鳥羽リョーコの背中に銃口を当てる。
「つらぬけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――ッ‼」
対物ライフルから放たれた銃弾が、盾に使用していた鳥羽リョーコの死体を突き抜けて、ヘリコプターに直撃。
死体を突き抜けて放たれた銃弾。
死体を盾にした予測不能の想定外の攻撃に、ヘリコプターの操縦者も回避操作が遅れる。
ヘリコプターのプロペラに銃弾が直撃。
ダメージを負ったヘリコプターが、屋上に向かって落ちてくる。

次回予告 原子力発電所 その8

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十八話 原子力発電所 その8

第三百七十八話 原子力発電所 その8
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

電力の完全停止によるマスメディアの完全破壊を成し遂げるために、木白崎原子力発電所に立てこもった俺、能沢エーイチロウと鳥羽リョーコの二人。
ジエータイはテロリストの支配下から世界最大の総電気出力を誇る木白崎原子力発電所を取り返すために、催涙弾を使用。
シャッターと地面の間にできたわずかな隙間から、原子力発電所内に侵入した催涙ガスが俺の視界を涙で塞ぐ。
催涙ガスでも、長時間浴びれば死んでしまう。
この状況を打開するために俺は、鳥羽リョーコと共に屋上に避難。
避難先の屋上から催涙弾を放ったジエータイ員どもを射殺した俺たちに待っていたのは、ジエータイの軍用ヘリコプターの奇襲だった。
上空を飛翔するヘリコプターから次々と降下を開始するジエータイ員。
俺と鳥羽リョーコは屋上から、降下途中のジエータイ員を出来る限り狙撃するものの、わずかに降下に成功したジエータイ員の銃撃が俺たちを襲う。
俺は自作爆弾により、ジエータイ員どもの動きを一時的に止め、その隙に散弾銃で動きを止めたジエータイ員どもを射殺。
しかし、今度は上空から銃撃の雨。
ヘリコプターの乗組員達が狙撃してきたのだ。
俺はとっさに走って、鳥羽リョーコの体を盾にする。
俺に盾にされた鳥羽リョーコは死亡。
俺はさらに、鳥羽リョーコの体を盾にした状態で対物ライフルを発射。
鳥羽リョーコの体を突き抜けた銃弾が、ヘリコプターのプロペラ部分に直撃。
飛行状態を維持できなくなったヘリコプターが屋上に向けて落下。
炎に包まれたヘリコプターが屋上に激突。
木白崎原子力発電所の屋上で大爆発が発生。
俺は換気扇の裏に隠れていたため、なんとか無事だった。
しかし、とうとう、原子力発電所で火災が起きてしまった。
このまま、炎が広がれば、木白崎原子力発電所が爆発する可能性がある。
爆発すれば、人類はおしまいだ。
手足に散弾銃の直撃を受け、動けなくなってしまったジエータイ員が俺に向かって叫ぶ。
「おい!紅軍連合のあんちゃんよぉ!ボーッとしてないで、とっとと消防車を呼べ‼この原子力発電所が爆発したどうするつもりなんだ‼」
「ヘリコプターで先に襲ってきたのは、お前たちのほうだ‼俺は生き残るためにヘリコプターを撃墜しただけだ‼お、俺は悪くない‼」
「責任のなすりつけをしている場合か‼この原子力発電所が爆発すれば、俺もお前も、人類すべてが死んじまうかもしれないんだぞ‼」
「なら、お前が消防署に通報すればいいだろ?お前たちジエータイの仕事は国を守ることだろ?」
「できたら、とっくにやってんだよ‼お前たちが使ったあの釘爆弾と散弾銃のせいで、俺の手足はもう使い物にならない‼他のやつもみんな死んじまってる‼今、消防署に通報できるのはお前しかいないんだ‼」
「なぜだ‼お前の両手足はもう使い物にならない‼なら生きていたって意味がないじゃないか‼なのになぜ、俺に助けを求める‼」
「俺には嫁と子供がいるんだ‼原子力発電所が爆発したら、みんなホーシャノウに汚染されて死んでしまう‼たのむ!消防署に通報してくれ‼俺の家族を助けてくれ‼」
「なら、『自己反省』しろ‼」
「『自己反省』だと?そんなことしてる場合か‼」
「お前達ジエータイが、無能セージカどもの操り人形で日本を防衛するに値しない無能集団であることを、俺の前で『自己反省』しろ‼」
「わ、わかったよ‼俺たちジエータイは頭の悪いセシューセージカどもの都合のいい操り人形で、訓練ばっかで実戦経験もろくにない、ただのごっこ遊びの無能集団だ‼ケーサツ、セージカ、ヤクショのコームインはゼーキン泥棒のクソバカ野郎だ‼国の財産を搾取してメシ食ってる寄生虫だ‼俺は‼俺を含めたケーサツ、セージカ、ヤクショのコームインの人間がこの世界に誕生したこと、呼吸していること、笑っていること、生きていることを『自己反省』する‼これで、もう満足だろ?俺はちゃんと約束を守った‼だから早く消防署に通報してくれ‼」
「ああ、わかったよ」
俺は対物ライフルで『自己反省』したジエータイの男の頭部をふっ飛ばす。
俺は約束通りに、消防署に通報、木白崎原子力発電所に消防車の出動を要請する。
俺は鳥羽リョーコの死体から、まだ未使用の武器を、回収して、撤退を始める。
建物の中は、すでにジエータイのやつらが撒いた催涙ガスが充満していて、とても入れたものじゃない。
ガスマスクを使用しても、ガスマスクの吸収缶が耐えられるとは思えない。
俺はジエータイ員どもの死体から、武器と降下用のロープを奪う。
俺は屋上の柵にロープを固定。
地上への降下を始める。
遠くから消防車のサイレンの音が聞こえる。
着地した俺の脳裏をよぎる、原子力発電所の爆発の可能性。
俺は地面に思いっきり嘔吐する。
俺は生き残る為に仲間を殺し、原子力発電所放火の原因を作った。
俺がこの国の、日本のためと思ってしたことが、仲間を殺し、原子力発電所を炎に包んだ。
屋上の炎が一階ロビーにまで燃え移れば、ロビーに停めた自作爆弾を積んだトラックが爆発する可能性もある。
そうなれば、もう日本も人類もおしまいだ。
あとは、消防隊の頑張りに期待するとしよう。
俺は木白崎原子力発電所の柵を飛び越えて、道路に出る。
道路をたまたま走っていた車を対物ライフルで狙撃。
車のフロントガラスが真っ赤に染まる。
俺は運転席の死体を後部座席に放り込む。
運転席に座った俺は現場から逃走を開始。
深夜の道路を、フロントガラスを鮮血に染めた車が、ただ走る。

次回予告 AZUMA山荘へ その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百七十九話 AZUMA山荘へ その1

第三百七十九話 AZUMA山荘へ その1

無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

炎に包まれた木白崎原子力発電所から撤退した俺は、道の途中で運転手を射殺して、奪った車で夜の道を走る。
目指すべき場所は紅軍連合の本拠地であるAZUMA山荘だ。
しかし、原子力発電所での戦闘による疲労が、強烈な眠気となって俺を襲う。
フロントガラスを元運転手の鮮血に染めた車はそのまま、付近の山林地帯に入る。
仮眠をとろうとした俺の目を射す、朝日。
そう、もうすぐ朝がはじまるのだ。
いくら山林地帯とはいえ、フロントガラスが人間の血の色で染まっていれば、目立たないわけがない。
後部座席に放り込んだ元運転手の死体の家族や会社が、ケーサツに捜索願を出すことを想定すれば、この車に長居するのは悪手である。
「そろそろ死体も臭ってきたしな...」
俺は防弾チョッキの上に、私服を纏い、身辺整理を行う。
今回の作戦で用意した武器とは他に、ジエータイのやつらから奪った武器も入ったリュックと手提げを身に着けた俺は、そのまま車内から外に出る。
新しい日の始まりを告げる朝日を正面から浴びながら、俺は道路端をひたすら歩き続ける。
強烈な眠気と戦いながら、歩き続けるのはツライ。
しかし、遠くにビルが見える。
つまり、あともう少し歩けば、どこかの町に着くはずだ。
そして、町で俺を待っていたのは奇妙は景色だった。
俺は時計を見る。
時刻は朝の7時である。
朝の7時といえば、通勤ラッシュだ。
生けるしかばねと化した社会人の群れが織りなす地獄絵図。
しかし、俺の目の前に広がっているのは通勤ラッシュでもなければ、地獄絵図でもない。
静寂に満ちた、朝の町の風景だった。
一瞬、俺は、先程の戦闘で死亡して夢を見ているのではないか思ったが、やはり違う。
俺の体から臭う、血の生臭さが、ここが現実であることを教えてくれる。
俺はとりあえず、街路に建っていたホテルに入る。
俺は受付の男に、部屋を貸してほしいと告げる。
しかし、受付の男はどこか、困ったような苦笑いをしながら、口を開く。
「部屋自体は空いているんですけどね、実は今、電気が全然使えない状態なんですよ、それでも泊まります?」
なるほど、そういうことか。
俺が木白崎原子力発電所の原子炉を停止させたことで、この辺で大規模な停電状態が発生しているのだ。
もしかしたら、他の仲間たちが残り8基の原子力発電所を制圧したことも関係しているのかもしれない。
この停電状態では、それを確かめる方法がない。
ホテルのロビーに電気がついてなくても、そんなに違和感を感じなかったのも、今が朝であったからだろう。
俺は試しにホテルの受付の男に聞いてみる。
「木白崎原子力発電所について、なにか噂とかきいたことあります?」
「木白崎原子力発電所?もしかして、今のこの停電って、原子力発電所のせいなの?」
「いえ、そういうわけではないんです、気にしないでください」
受付の男から部屋の鍵をもらった俺は、そのまま、早歩きで移動を開始。
受付の男の反応を見る限り、木白崎原子力発電所が炎に包まれていることは、まだ、世間に広まっていないようだ。
おそらく、国民をパニックに陥らせないための配慮なのか?
それとも、単純に停電中で、国民に情報を行き渡っていないのか?
停電状態であれば、号外の一つも出せないだろう。
もしかしたら、もう炎に包まれた木白崎原子力発電所からホーシャノウが漏れているのかもしれない。
そう考えれば、先程の街路の静けさは理解できる。
ホテルの部屋に入った俺は、そのままベットに横たわる、シャワーも浴びずに。
停電状態であれば、どうせお湯も出ない。
強烈な眠気とは逆に俺の思考は働き続ける。
まだ停電状態が続いているということは、木白崎原子力発電所では、まだ原子炉の再稼働する段階には至っていないのかもしれない。
俺はとりあえず、受付の男に部屋替えを頼み、ホテルの最上階の部屋に移動する。
最上階の部屋の窓からは、黒い煙を上げる木白崎原子力発電所に向かって、放水作業が行われている様子が見える。
放水はおそらく、消防隊によるものだろうか?
この階のホテルの窓からは、黒い煙を上げる木白崎原子力発電所に向かって、放水作業が行われている様子しか確認できない。
いくら停止状態の原子炉とはいえ、引火すれば、一大事である。
この街に人が少ないのは、高層マンションに住んでいた人々が早期に、避難を開始した影響もあるのかもしれない。
一軒家や、アパートに住んでいる人々は、停電によりあらゆる情報が封鎖された現状では、木白崎原子力発電所で火災が発生していることすら知ることができない。
それは、先程のホテルの受付の男の言動が証明している。
本来であれば、俺は今すぐこのホテルをチェックアウトして、眠気に抗いながら移動を開始するべきなのかもしれない。
でも、それはもう無理だろう。
度重なる戦闘で俺の体は完全に限界を迎えている。
仮に眠っている途中でホーシャノウに汚染されてしまってもいい。
今はただ、休みたかった、眠りたかったのだ。
俺は、そのままベットに横たわる。
シャワーも浴びずに。

次回予告 AZUMA山荘へ その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十話 AZUMA山荘へ その2

第三百八十話 AZUMA山荘へ その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

AZUMA山荘へと帰る道の途中、強烈な疲労感に襲われた俺はホテルで休息をとることにする。
ホテルに行く途中で見た、奇妙な景色の数々。
紅軍連合による原子力発電所襲撃の影響による常時停電状態。
常時停電状態による通勤ラッシュのない早朝の町の様子。
炎に包まれた木白崎原子力発電所への、消防隊による放水作業。
ホーシャノウ汚染の恐怖に怯えながらも、俺は抗えない眠気にその身をゆだねるのだった。
目を覚ました俺は、シャワーを浴びる。
「あ、あったかい...!」
シャワーからお湯が出るということは、日本各地の原子力発電所の原子炉が再稼働したということだ。
普段、山暮らしをしている俺にとって、久々に浴びるシャワーは、とても気持ちがよかった。
原子炉の再稼働を確信した俺は早速、テレビの電源をつける。
俺の予想通り、テレビニュースはどれも、紅軍連合の原子力発電所襲撃事件の話題を報道していた。
木白崎原子力発電所が爆発したとの情報も入ってこない。
テレビニュースのコメンテーターが今回の原子力発電所襲撃を無意味であると揶揄する。
しかし、俺たちのしたことは、けっして無意味ではない。
確かにこうして、原子炉は再稼働し、マスメディアはいつものサイクルを取り戻した。
ゴミクソバカ野郎のセージカどもにとって都合のいい情報が真実として、国民たちに伝染していく負のスパイラルが再開される。
しかし、今回の事件による長期の停電状態で世間の人々は思い知っただろう。
原子力発電に依存していることの危うさを。
その原子力発電所が、ああも易々と素人集団の紅軍連合に、一時的とはいえ、制圧されてしまったことを。
俺たちの原子力発電所襲撃作戦は、今の日本に原子力へ依存の危うさと、原子力発電所の警備の脆弱さを証明したのだ。
そして、なにより、今回の作戦によって、日本国内全9基の原子力発電所の内の一つ、不化島第一原子力発電所から、多量のホーシャノウが流出したのだ。
おそらく、不化島第一原子力発電所の制圧作戦に参加していた紅軍連合の戦士が、何らかのトラブルにより発電所内で、爆弾を爆発させてしまったのだろう。
不化島第一原発から漏れたホーシャノウは多量ではあるが、国民に害を与えるほどの量ではないらしい。
現在、不化島第一原発に出動している消防隊が防護服を身にまとって除染作業をしていることだろう。
しかし、ニュースの報道を見る限り、爆発直後に不化島第一原発で作業をしていたスタッフから何人が死人が出ているらしい。
不化島第一原発での作戦に参加した同志の生存も絶望的だろう。
ニュースで得た情報を整理するとこうなる↓。
木白崎原子力発電所の消火活動の成功。
不化島第一原資力発電所で爆発、多量のホーシャノウが流出、現在、消火・除染作業中。
他7基の原子力発電所制圧作戦に参加していた者たちのほとんどが逃走中。
逃走に失敗した何人かの同志がケーサツに逮捕。
ホーシャノウに汚染された不化島県に住んでいる方々には、たいへん申し訳ないが、これも原子力発電に依存してきた者の末路である。
不化島県の人々はこれから、ホーシャノウ汚染を免れるために、よその県へ移住するしかない。
そして移住先ではきっと、不化島県から来たというだけで差別されるに違いない。
かつて、第三次世界大戦での原爆投下によりH県とN県で被爆した人々も、県外の人々からひどい差別を受けたと証言している。
人の命を奪うだけでなく、生き残った人々の人生すら、むしばむ毒のごときホーシャノウ。
我々が依存している原子力とはそういうものなのだ。
俺は逃走に成功した皆が無事にAZUMA山荘に到着できることを祈り、身支度を整える。俺も帰るんだ。
みんなが待っているはずのAZUMA山荘に、俺の居場所に。
俺は作戦前から常備していた武器と、敵兵から奪った武器を積んだ荷物を身に着けて、ホテルを出た。
先程まで、静寂に満ちていた町も、原子炉の再稼働による電力の復旧により、社会人という名の生けるしかばねどもの群れでいっぱいになっていた。
普段の日常を取り戻した町の風景に俺は不思議と安堵していた。
度重なる命の奪い合いによって、俺の心は無意識のうちに平穏を求めていたのかもしれない。
しかし、上空から飛行機の轟音が聞こえてくる。
その音が、再び、俺の脳内を現代社会の抱える矛盾への怒りと憎しみが覆いつくす。
そう、異国の列島種族どもに、神聖な新日本の土を踏ませる、悪魔(サタン)の箱舟である飛行機の音が、耳障りだった。

次回予告 潜伏生活 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十一話 潜伏生活 その1

第三百八十一話 潜伏生活 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

マスメディアの完全破壊を目的とした紅軍連合の原子力発電所襲撃作戦は失敗した。
ジエータイの出動によって、制圧した9基の原子力発電所から逃走した紅軍連合の戦士たち。
ある者は逃走に成功し、ある者はジエータイやケーサツに捕まり、ある者は原子力発電所を爆破して、被爆、死亡した。
結果的に作戦には失敗したものの、国内全9基の原子力発電所の原子炉を一時的に停止させることによって、国内を長時間、停電状態にすることに成功した。
その間、人々がこれまで原子力発電に依存して使っていた電気が一時的に使用不能になり、国内はパニック状態になった。
それに加えて、不化島第一原発の爆破により国内に多量のホーシャノウが流出したこともあって、国民たちの不安はさらに大きくなる。
ゴミクソバカ野郎のセージカどもにとって都合のいい情報が真実として、国民たちに伝染していく負のサイクルのごときマスメディアの完全破壊には失敗したが、今回の作戦によって紅軍連合は、原子力に依存してきた人間たちに、原子力発電の必要性の有無について、警鐘を鳴らすことには成功したのだ。
当たり前の日常を取り戻した世界の中を俺は自分の居場所であるAZUMA山荘に向かって、ただひたすらに歩き続ける。
AZUMA山荘へ向かう、道の途中、俺は町中で見慣れぬ男に話しかけられる。
「お前、能沢エーイチロウだな?俺だよ、わかるか?」
俺は変装用に着用していたスーツの袖口に隠していたナイフを、見慣れぬ男の首元に突きつける。
ナイフの切っ先が男の首元に突き刺さる寸前、俺はあることに気付く。
「お前、もしかして...!」
「変装しているのに、よくわかったな、俺だよ、倉都テツオだよ、わかるか?」
「生きていたのか、でもどうして、こんなところにいるんだ?」
「ケーサツのやつらにAZUMA山荘の場所が特定された」
「なんで?」
「この前の作戦でケーサツに捕まったやつが、チクったんだろう、ケーサツに情報提供すれば、刑も軽くなるからな」
「そんな、今、AZUMA山荘には、ユイナ一人しかいないんだぞ‼」
「まぁ、そうあわてるな、AZUMA山荘があるアズマ山は、もともとクマが出現するので有名な危険地帯だ、ケーサツも今すぐには動かないはずだ」
「それじゃあ、お前は今、どこで生活してるんだ?」
「身分を偽って、アパートを借りた、そこで、この前の作戦で生き残ったメンバーと一緒に生活している」
「でも、その生き残ったメンバーっていうのは、全員じゃないんだろ?」
「ああ、でも逃走中の仲間とは連絡は取れているんだ、いずれ合流してAZUMA山荘に戻ろうと思っている」
「でも、AZUMA山荘はもう、ケーサツに特定されたんだろ?今更、戻ってどうするんだよ」
「重要なのはAZUMA山荘に戻ることじゃない、AZUMA山荘に置いてきた武器を回収することだ」
「あっ、そっかぁ」
「ああ。今、紅軍連合の生き残りは、日本各地に散らばって潜伏生活をしている状況だ、しかし、今回の原子力発電所の一件がマスメディアを通して報道されたことで、革命活動に目覚めた人も増えたらしい、俺たち紅軍連合は彼らを勧誘して、新戦力を増やした上で、武器の回収のためにAZUMA山荘に戻ろうと思っている」
「まぁ、確かに、AZUMA山荘に戻ろうとれば、ケーサツとの戦闘は避けられないからな」
「ああ、新たな仲間の勧誘はもちろん、自作爆弾の製造もしなくちゃならん、忙しいぞ」俺は倉都テツオの後について、潜伏場所のアパートに案内された。
アパートの中には、見慣れたメンバー達が4人、新メンバーらしき者が2人いた。
アパートに入った俺を、見慣れたメンバーたちが歓迎してくれる。
俺が身につけている、パンパンに膨らんだリュックと手提げを、カラーレスのころから交流があった日加リュージが指摘してくる。
「おおっ、やはり生きていたか、能沢エーイチロウ!それにしても、すいぶんと大荷物だな!」
「ああ、コレね、コレはほとんど、ジエータイから奪った武器だよ」
「戦いながら武器の鹵獲とは...さすがだな、エーイチロウ!でも、戻ってきたのが、お前ひとりということは...」
「ああ、広末シューイチと鳥羽リョーコと労速ジュンは作戦中に死んだよ...」
「そっかぁ、まぁ、これが革命活動だもんな、とりあえず今日は、エーイチロウが無事に帰ってきたことをみんなでお祝いしようぜ‼」
狭いアパートの中で行われた、ちょっとした歓迎会に、度重なる戦闘ですさんでいた俺の心は落ち着きをとり戻す。
現在、このアパートに住んでいるメンバーは俺を含めて、全部で8人。
能沢エーイチロウ。
倉都テツオ、紅軍連合のリーダー。
日加リュージ、カラーレス時代からのエーイチロウと親交があったメンバー。
億平テシコ、元カミカゼのメンバー。
石川ユニ、元紅軍のメンバー、元グラビアアイドルの女性主義者。
案堂ユーコ、元紅軍のメンバー、不倫癖のある自称ジャーナリスト。
ブリドカットゾーラまさよし、新メンバー、オーストラリア人と日本人のハーフ。KAN国人に対して、攻撃的な思想を持っている。
子島ルルコ、新メンバー、気になった男性とは付き合う前に必ず致す(セッ●スする)女。
こうして、奇妙な潜伏生活がはじまった。

次回予告 潜伏生活 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十ニ話 潜伏生活 その2

第三百八十ニ話 潜伏生活 その2

無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

木白崎原子力発電所から逃走した俺は、指名手配中の紅軍連合のリーダー、倉都テツオと再会する。
変装した倉都テツオから紅軍連合の今後について、説明された俺は倉都テツオに潜伏先のアパートに案内される。
そう、原子力発電所襲撃の際に、ケーサツに逮捕された紅軍連合のメンバーが、ケーサツにAZUMA山荘についての情報を提供してしまったのだ。
AZUMA山荘にはまだ、紅軍連合が所持する武器と、同志である心神喪失状態の姫先ユイナがいる。
しかし、国民に誤った価値観を伝染させるマスメディアの完全破壊を目的とした国内全9基の原子力発電所襲撃の際に、武器と人員を消費してしまった現在の紅軍連合では、ケーサツやジエータイとは戦えない。
つまり、今の戦力でジエータイとケーサツと戦いながら、武器の回収とユイナの救出を実現するのは不可能に近い。今はあえて、AZUMA山荘には戻らず、潜伏生活を続けながら、人員の補充と自作爆弾の生産に集中する時なのだ。
そして、潜伏先のアパートには、いつものメンバー↓と見知らぬメンバー↓がおり、俺を歓迎してくれた。
倉都テツオ、紅軍連合のリーダー。
日加リュージ、カラーレス時代からのエーイチロウと親交があったメンバー。
億平テシコ、元カミカゼのメンバー。
石川ユニ、元紅軍のメンバー、元グラビアアイドルの女性主義者。
案堂ユーコ、元紅軍のメンバー、不倫癖のある自称ジャーナリスト。
ブリドカットゾーラまさよし、新メンバー、オーストラリア人と日本人のハーフ。KAN国人に対して、攻撃的な思想を持っている。
子島ルルコ、新メンバー、気になった男性とは付き合う前に必ず致す(セッ●スする)女。
俺を含めて、全8名による奇妙な共同生活が始まってしまった。
俺の無事を祝う歓迎会の途中、俺は木白崎原子力発電所で起きたことを、みんなの前で報告する。
作戦内容についての報告と議論は、今後の組織の活動のためにも必要不可欠なのだ。
俺は労速ジュンの交際相手である鳥羽リョーコが広末シューイチと浮気して妊娠したこと、そして最終的に鳥羽リョーコをリューザンさせた労速ジュンが、広末シューイチに殺され、労速ジュンを殺した広末シューイチが自殺、その後、ジエータイとの戦闘で鳥羽リョーコが死亡したことについて、みんなに話した。
俺はジエータイの銃撃から自分の身を守る為に、鳥羽リョーコの体を盾に使ったことは、あえて黙っていた。
俺の報告に、倉都テツオがため息交じりに告げる。
「日本浄化のための聖戦の最中に痴話喧嘩など、愚かなやつらだ...」
報告を聞いた子島ルルコが疑問を口にする。
「でも、労速ジュンと鳥羽リョーコはもともと、結婚してたわけじゃないのよね、それなら浮気したり、されたりってのは仕方がないと思うわ、恋愛ってそういうものよ!相手に裏切られて傷つくのが嫌なら、最初から男女交際なんてしなければいいのよ‼」
子島ルルコの発言にオーストラリア人と日本人のハーフで、KAN国がキライなブリドカットゾーラまさよしが怒りをあらわにする。
「それはいくら何でもおかしいですよ、それじゃあ、男女交際で浮気が発生するのは一般常識だと言っているのと同じです‼子島さんが浮気された立場でも、今と同じことが言えますか?子島さんは今すぐ『自己反省』してください‼」
億平テシコもブリドカットゾーラまさよしの発言に続く。
「ブリドカットゾーラまさよし君の言う通りだわ、恋愛も人間関係も最低限のルールとマナーが必要だわ‼子島さんの意見は、あまりにも非人道的で倫理観に欠如している‼子島さんは今すぐ、みんなの前で『自己反省』してください‼」
女性主義者の石川ユニが億平テシコの意見に賛同する。
「そうだ!『自己反省』しろぉ‼」
しかし、不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコが、子島の意見に対して批判的な発言をしていた者たちに対して異を唱える。
「ちょっと待って!確かに、恋愛において浮気は当然のことであるという、子島さんの発言に対して、批判的な意見が出るのはわかるわ。でも子島さんの意見の全部が全部、間違っているとは思えないわ、異性との恋愛において、浮気したり、されたりっていうのはおそらく、絶対に避けられないことだと思うのよね、だってそうでしょ、あなた達3人の意見が本当に正しければ、男女は初めての交際相手と死ぬまで交際するか、死ぬまで婚姻状態でなければいけないということよ、それを恋愛においての最低限のルールとマナーするのは、はっきり言って重すぎるし、極端にも程があるわ‼あなた達3人にはセッ●スの経験はあるの?」
不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコの質問に、ブリドカットゾーラまさよし、石川ユニ、億平テシコの3人が赤面する。
すぐに、女性主義者の石川ユニが案堂ユーコの質問に反論する。
「それはつまり、セッ●スの経験がない人間が恋愛を語るなってことですか?」
女性主義者の石川ユニの質問に案堂ユーコがうなずく。
「ええ、その通りよ、『友情』が言葉によるコミュニケーションによって成立するものなら、『恋愛』は言葉と体のコミュニケーションによって成立するものよ、つまり体のコミュニケーションがない『恋愛』は、『恋愛』ではなくただの『友情』よ、だからさっき子島さんが言っていた通り、たとえ順番が間違っていたとしても、色々な相手と、言葉と体のコミュニケーション、つまりセッ●スすることが、私は悪いことだとは思えないわ」
女性主義者の石川ユニが案堂ユーコに向かって怒りをあらわにする。
「それはつまり、セッ●スのない恋愛は、恋愛ではないということですよね?」
不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコが女性主義者の石川ユニの発言を認める。
「その通りよ、恋愛のスタート地点は、まず相手の見た目よ、相手の顔、相手の体、それがあって異性に興味を持つ、つまり、気になる相手とのセッ●ス願望が恋愛の始まりなのよ、石川ユニさんは好きな異性を見て、性的興奮を感じたことはないのかしら?そんなことはないはずよ‼」
女性主義者の石川ユニが反論する。
「ではあなたは、自身の子宮が交際相手以外の男を求めれば、交際相手の気持ちなどお構いなしに本能の赴くまま別の男とセッ●スするんですね?それでは、もはや、あなたは人間ではありません、ただの動物です‼今すぐ『自己反省』してください‼」
「人間は所詮、動物よ、本能のままに生きて、食べて、セッ●スして、繁殖し続ける。それじゃあ聞かせてもらうけど、人間と動物ではいったい何が違うのかしら?人間らしさなんて言葉に逃げずに、ちゃんと自分の言葉で説明してしほしいものね‼」
「なら説明させてもらうわ!アンタみたいに自分が快楽を得るためなら、平気で相手を裏切り、傷つけることを容認するような人たちが、この日本をダメにしたのよ‼みんながみんな自分のことばかり考えて、他者をいたわる思いやりの心を忘れてしまったら、それこそ私たち人間は本能のままに生きる野生動物と同じだわ‼だってそうでしょ、あえてセージカに例えるなら、ゴミクソバカ野郎のセージカどもは、国民がどんなに生活に困っていたってゼ―キンは値上げするし、約700人もいるセージカの数だって減らそうとしない‼セージカの数を減らせば、それだけ、無能なセージカのために給料として支払われるゼ―キンも減るのよ‼セージカどもに本当に国民を思いやる心があれば、ゾーゼイなんかせずにセージカの数を減らせるはずよ‼セージカたちにそれが出来ないのは、アンタみたいにセージカも、自分達が気持ちよくなることしか考えてないからよ‼自分の事しか考えられなセージカにも、アンタにも、この日本を変える資格はないわ‼とっとと『自己反省』して、革命活動をやめなさい‼」

次回予告 潜伏生活 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十三話 潜伏生活 その3

第三百八十三話 潜伏生活 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

気になった男性とは付き合う前に必ず致す(セッ●スする)女、子島ルルコの発言↓によって始まった議論。
『でも、労速ジュンと鳥羽リョーコはもともと、結婚してたわけじゃないのよね、それなら浮気したり、されたりってのは仕方がないと思うわ、恋愛ってそういうものよ!相手に裏切られて傷つくのが嫌なら、最初から男女交際なんてしなければいいのよ‼』
恋愛において浮気したりされたりは当然であるとの発言に対して、それぞれの意見を交わし合う、紅軍連合のメンバーたち。
中でも、女性主義者である石川ユニと、不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコは激しい議論を交わしていた。
浮気肯定派の案堂ユーコの意見↓。
「人間は所詮、動物よ、本能のままに生きて、食べて、セッ●スして、繁殖し続ける、それじゃあ聞かせてもらうけど、人間と動物ではいったい何が違うのかしら?人間らしさなんて言葉に逃げずに、ちゃんと自分の言葉で説明してしほしいものね‼」
案堂ユーコに対する、浮気否定派の石川ユニの意見↓。
「なら説明させてもらうわ!アンタみたいに自分が快楽を得るためなら、平気で相手を裏切り、傷つけることを容認するような人たちが、この日本をダメにしたのよ‼みんながみんな自分のことばかり考えて、他者をいたわる思いやりの心を忘れてしまったら、それこそ私たち人間は本能のままに生きる野生動物と同じだわ‼だってそうでしょ、あえてセージカに例えるなら、ゴミクソバカ野郎のセージカどもは、国民がどんなに生活に困っていたってゼ―キンは値上げするし、約700人もいるセージカの数だって減らそうとしない‼セージカの数を減らせば、それだけ、無能なセージカのために給料として支払われるゼ―キンも減るのよ‼セージカどもに本当に国民を思いやる心があれば、ゾーゼイなんかせずにセージカの数を減らせるはずよ‼セージカたちにそれが出来ないのは、アンタみたいにセージカも自分達が気持ちよくなることしか考えてないからよ‼自分の事しか考えられなセージカにも、アンタにも、この日本を変える資格はないわ‼とっとと『自己反省』して、革命活動をやめなさい‼」
女性主義者である石川ユニの激しい言葉にも、不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコは正面から立ち向かう。
「私はジャーナリストよ‼真実の探求者よ‼自分の意見も否定しなければ、革命活動もやめないわ‼」
「真実の探求者ですって、笑わせんじゃないわよ‼じゃあ、アンタにとっての真実は交際相手の浮気を肯定することなの?ジャーナリストの仕事は人道に反する行いをマスメディアを通して糾弾することでしょ?アンタはジャーナリストの風上にもおけない、万年発情期のクソバカチンパンジーよ‼ヤリチンどもの黒バナナをしゃぶってくわえこんでる万年発情期の理性のないクソバカチンパンジーに革命活動はふさわしくないわ‼いいかげん悪あがきはやめて早く『自己反省』しなさい‼」
石川ユニに続いて、ブリドカットゾーラまさよし、億平テシコも案堂ユーコに『自己反省』をうながす。
「『自己反省』しろ‼」
「そうよ、今すぐ『自己反省』しなさい‼」
しかし、案堂ユーコはまだ反論を続ける。
「私が真実の探求者であることは事実よ!だって実際、セッ●スは気持ちいいし、浮気セッ●スはもっと気持ちいい‼自らの欲求を満たすために本能のままに生きる姿こそ、人間の真実の姿よ‼自分たちに都合のいい綺麗ごとで、その真実を否定し、捻じ曲げようとしているあなたたち3人に真実を語る資格はないわ‼あなたたち3人はセッ●スしたことがないから、そういうことが言えるのよ‼セッ●スの快楽を知れば、きっと子島ルルコや、私の意見にも賛同できるはず‼あなたたち3人が私に『自己反省』をするようにうながすということは、あなたたち自らが『童貞』もしくは『処女』であることをアピールしていることと同じなのよ‼あなたたち3人は所詮、自分たちがセックスできない現状に対する憂さを、私と子島ルルコの浮気肯定論を否定することで晴らしたいだけ‼私に八つ当たりして現実逃避する時間があるなら、革命活動の前に、ちゃんと恋愛をしなさい‼セッ●スをしなさい‼」
案堂ユーコの発言に対して石川ユニが反論をしようとしていたその時。
不倫癖のある自称ジャーナリストの案堂ユーコに『童貞』と煽られた、ブリドカットゾーラまさよしが、いきなり案堂ユーコの顔を思いっきりぶん殴る。
日本人とオーストラリア人のハーフでKAN国人がキライな、ブリドカットゾーラまさよしが案堂ユーコに向かって怒りをあらわにする。
「今、僕のことを見て『童貞』って言ったな?差別したな‼僕は差別が大っ嫌いなんだ‼KAN国人を差別するのはともかく、差別は最低の人間がすることだ‼差別なんかする人間はみんな死んでしまえばいいんだ‼絶対に許さないぞ‼よし‼今日からお前はKAN国人だぁッ‼ぶっ殺してやるぅッ‼」
案堂ユーコの顔を何度も殴るブリドカットゾーラまさよし。
案堂ユーコに童貞と差別されただけで突然、激昂し始めたブリドカットゾーラまさよし。
先程まで、案堂ユーコに感情をストレートにぶつけていた石川ユニも急に豹変したブリドカットゾーラまさよしの姿に、驚いている。
これは後から聞いた話だが、ブリドカットゾーラまさよしはかつて、日本国籍を持つKAN国人の同級生によく、ハーフであることと、特徴的な名前をバカにされ、いじめられていたらしい。
100%異国の人間でありながら日本国籍を持つKAN国人による、異国と日本の血を受け継いだハーフであるブリドカットゾーラまさよしに対する差別といじめが、ブリドカットゾーラまさよしの心をここまで歪め、矛盾だらけのモンスターにしてしまったのだ。
紅軍連合への参加が、それを証明している。
皆の制止を振り切って、案堂ユーコに暴行を加え続けるブリドカットゾーラまさよし。
殴り疲れたのか、ブリドカットゾーラまさよしが、顔中血まみれの状態で顔をパンパンに腫らした案堂ユーコの顔面に向かって唾を吐き、案堂ユーコから離れていく。
子島ルルコが案堂ユーコの首元に手を当てて、脈を測る。
「し、死んでる...」
子島ルルコの言葉に皆が戦慄した。

次回予告 潜伏生活 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十四話 潜伏生活 その4

第三百八十四話 潜伏生活 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

浮気セッ●スは悪しき行為か?それとも人間の本能そのもの象徴する行為なのか?
上記のテーマについて白熱の議論を交わしていた、案堂ユーコと石川ユニ。
浮気セッ●スを肯定する案堂ユーコに対して、女性主義者である石川ユニは過剰なまでの潔癖主義に満ちた持論をぶつける。
しかし、浮気セッ●スを肯定する案堂ユーコによる、セッ●ス未経験者への差別的な発言に過剰反応したブリドカットゾーラまさよしが突如、案堂ユーコの顔面を殴る。
過去に、日本国籍を持つKAN国人からひどい差別を受けた、日本人とオーストラリア人のハーフであるブリドカットゾーラまさよしは、日本人である案堂ユーコを支離滅裂な理由でKAN国人であると認定して、暴行を加え続ける。
差別が生んでしまった悲しきモンスターであるブリドカットゾーラまさよしが暴行をやめるころにはもう、案堂ユーコは死亡していた。
安堂ユーコの死亡を確認した子島ルルコが皆に聞こえるように伝える。
「し、死んでる...」
子島ルルコの言葉に皆が戦慄した。
案堂ユーコが、本来、同志であるはずのブリドカットゾーラまさよしに殺されてしまった事実を受け入れられない、億平テシコが急に叫びだす。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
自分たちが指名手配犯であることを、億平テシコに再確認させるように、日加リュージが億平テシコの頬をはたく。
「バカ野郎‼お前、自分の立場が分かってんのかぁッ‼アパートの住人に怪しまれたりしたらいったいどうしてくれるんだ‼今すぐ『自己反省』しろぉッ‼」
日加リュージにビンタされた億平テシコが涙と共に『自己反省』を始める。
「すいませんでした...大声をあげてしまったことを『自己反省』します...」
紅軍連合のリーダーである倉都てつおがすぐにみんなに指示を出す。
「よし!それじゃあ、今すぐ案堂ユーコの死体の処理を始める、わかるか?」
今回の議論の発端となった子島ルルコが倉都てつおに反論する。
「よし!じゃねーわよ‼わかんねぇわよ‼ひ、人が死んだのよ‼こんなくだらない議論のせいで‼私はもうイヤ‼こんなの私が想像してた革命活動とは違う‼もう、いい‼私、紅軍連合やめる‼」
潜伏先のアパートから出ていこうとする、子島ルルコ。
俺は子島ルルコの前に立ちふさがって、警告する。
「今すぐ、その発言を撤回して『自己反省』をしろ‼」
状況がわかってないのか、俺に対して反論する子島ルルコ。
「『自己反省』なんてするわけないでしょ‼だいたい何よ『自己反省』ってアンタたちバカじゃないの‼私はこのアパートから出ていく‼」
アパートにいた紅軍連合のメンバーたちが一斉に、子島ルルコの不適切な発言に対して『自己反省』を求める。
「『自己反省』しろ‼」←日加リュージ。
「そうよ!『自己反省』するべきだわ‼」←億平テシコ。
「『自己反省』しよう‼←石川ユニ。
「今すぐ『自己反省』しろ‼」←能沢エーイチロウ。
「『自己反省』しろ、わかるか?」←倉都てつお。
「『自己反省』しないと、お前もKAN国人にしてぶっ殺すぞ‼」←ブリドカットゾーラまさよし。
「自己反省自己反省うるせーよ‼大体、私より先に『自己反省』させるべきなのは、案堂ユーコを殺したそこの、イカレハーフのほうでしょ‼アンタたち脳みそと目ん玉ついてんの?」
子島ルルコに差別的な発言に、すぐにブリドカットゾーラまさよしが反応する。
「イカレハーフ...?」
「そうよ‼童貞って煽られただけで、案堂ユーコをKAN国人扱いして、ぶっ殺したアンタのことよ‼ブリドカットゾーラまさよし‼この頭のイカれたZAI日野郎‼だいたいブリドカットゾーラって何よ‼あんたの親のネーミングセンスひどすぎだろ‼前世でいったい何やらかしたらそんなひどい名前にされるのよ‼この頭のイカれたZAI日野郎‼死ね‼」
怒り狂ったブリドカットゾーラまさよしが両耳に両手人差し指を入れて奇声を上げながらスクワットを始める。
「ンマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
これ以上犠牲者を出さないために、紅軍連合のメンバーたちがブリドカットゾーラまさよしの体にしがみつく。
ブリドカットゾーラまさよしにしがみついたメンバーたちが、必死に説得をはじめる。
「おい、ブリドカットゾーラまさよし‼これ以上、死人を出して、アパートの住人に怪しまれたら、俺たちはケーサツに捕まるかもしれないんだぞ!お前はそれでもいいのか?」「そうよ、落ち着いて、ブリドカットゾーラまさよし君‼」
「そうだ、落ち着くんだ‼ブリドカット‼」
ブリドカットゾーラまさよしがみんなに向かって訴える。
「でも...でも...あの人(子島ルルコ)は...あの人は...KAN国人なんですよぉッ‼」
またも支離滅裂な発言。
そう、ブリドカットゾーラまさよしにとって、差別的な発言をするものは全員、KAN国人であり、この社会には存在してはいけない人間なのだ。
子島ルルコがブリドカットゾーラまさよし顔に向かって唾を吐く。
「ペェッ‼勝手に人をKAN国人にしてんじゃねぇよ‼私は日本人だァ‼CHU国人の次に頭が悪いKAN国人なんかと一緒にするな‼」
またも怒りの雄叫びを上げるブリドカットゾーラまさよし。
「ンマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼ンマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼ンマァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ‼」
ブリドカットゾーラまさよしの人間離れした握力によって、一斉にアパートの床に横たわる紅軍連合のメンバーたち。
紅軍連合のメンバーたちの制止を振り切ったブリドカットゾーラまさよしが子島ルルコに襲いかかる。
両手より先にブリドカットゾーラまさよしの口が子島ルルコの鼻を捕らえる。
そしてそのまま、ブリドカットゾーラまさよしの歯が子島ルルコの鼻を嚙みちぎった。
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ‼」
「もう許さないぞ...KAN国人め...‼絶対にぶっ殺してやるッ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼」

次回予告 潜伏生活 その5

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十五話 潜伏生活 その5

第三百八十五話 潜伏生活 その5

無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

案堂ユーコの理不尽な死に恐怖した子島ルルコは、紅軍連合からの脱退を皆に宣言する。その宣言の際にイカレハーフと揶揄されたブリドカットゾーラまさよしが激怒。
子島ルルコは激怒したブリドカットゾーラまさよしによってKAN国人に認定されてしまう。
ブリドカットゾーラまさよしは皆の制止を振り切って、子島ルルコに襲いかかる。
ブリドカットゾーラまさよしによって鼻を噛みちぎられた子島ルルコは、そのあまりの激痛に叫んでしまう。
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ‼」
「もう許さないぞ...KAN国人め...‼絶対にぶっ殺してやるッ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼絶対にだ‼」
「にだにだにだにだうるせーよ‼このイカレハーフ‼こうなったら、このままケーサツに出頭して、おめぇら全員、ケームショ送りにしてやるよ‼」
小島ルルコの言葉を聞いたアパート内の紅軍連合の戦士たちは、敵意を一斉に子島ルルコに向ける。
ブリドカットゾーラまさよしと紅軍連合の戦士たちによって、取り押さえられる子島ルルコ。
「は、離せぇぇぇぇッ‼」
「6人に勝てるわけないだろ‼」
「バカ野郎お前、私は絶対勝つぞお前ェェェッ‼」
しかし、さすがに多勢に無勢、ブリドカットゾーラまさよしと紅軍連合の戦士達によって、小島ルルコは両手両足を縄で縛られて、拘束されてしまう。
紅軍連合のリーダーである、倉都てつおが両手両足を縄で縛られた子島ルルコに忠告する。
「小島ルルコ、お前がちゃんと『自己反省』するまで、お前の手足を縛っている縄はほどかない‼わかるか?」
「じ、自己反省するわよ‼わ、私が悪かったわ‼だから」
「適当な『自己反省』をするな‼もっとちゃんとした『自己反省』をしろ‼」
「私は自身の視野狭窄的な精神によってブリドカットゾーラまさよしに対して差別的な発言をした後に、組織を侮辱するような発言をしたことについて『自己反省』する、これからはインターナショナルな視点からユニバーサル的な視点でもって他者をリスクペクトしながら、革命活動を継続して、今回のような愚行を繰り返さないように善処と努力を重ねていきたい」
倉都テツオが小島ルルコの顔を殴って、告げる。
「もっとちゃんと『自己反省』しろ‼今のお前の発言には、この拘束状態からいち早く解放されたいという邪な思念が伝わってくる‼それでは『自己反省』にならない‼我々に再び同志として認めてほしければ、もっとちゃんと『自己反省』しろ‼わかるか?」
「じ、『自己反省』したわよ...私?」
倉都テツオが再び、子島ルルコの顔を殴る。
「それが『自己反省』している者の態度か‼いいか?『自己反省』をしたかどうかの判断は『自己反省』したものが決めることじゃない、『自己反省』の認定権は他者の『自己反省』を聞いた者達にある‼それに、先程の発言で君がまだ心の底から『自己反省』していないことが明らかになってしまった。これは我々への明確な裏切り行為であり、処罰の対象である‼俺はこれから、子島ルルコの完璧な『自己反省』達成実現のために、子島ルルコへの暴力による処罰を皆に提案する‼わかるか?」
他5人のメンバーが一斉に、倉都テツオの提案に賛成する。
「異議なし‼」
「異議なし...‼」
「異議なし」
「異議なーしッ‼」
「異議なし!」
倉都テツオから順に、紅軍連合の戦士たちは、両手両足を縄で縛られた子島ルルコの顔面を殴る。
まず最初に殴ったのは、倉都テツオだった。
「子島、これも子島が再び俺たちの同志になるための試練なんだ‼わかるか?今は痛みに耐えてしっり『自己反省』するんだ‼そして、また一緒に日本浄化のために戦おうじゃないか‼」
倉都テツオの拳が小島ルルコの顔面に直撃。
2番目は億平テシコだった。
「ごめんね子島さん...これも子島さんのためなのよ...痛いかもしれないけど、我慢してね...そして、しっかり『自己反省』をやり遂げて私たちと一緒に日本浄化のために戦いましょう‼」
億平テシコの平手打ちが、小島ルルコの顔面に直撃。
すぐに倉都テツオが億平テシコに警告する。
「ゔぉいッ‼億平ァッ‼なぁにビンタなんてあまっちょろいことしてんだァ‼それじゃあ『自己反省』にならないだろがァッ‼殴るときはグーで行けェッ‼グーでッ‼おまえも小島と一緒に『自己反省』したいのか?」
倉都テツオの言葉に顔を青ざめさせる億平テシコ。
小島ルルコと同じ状況に追い込まれるのを危惧した億平テシコの全力の拳が、小島ルルコの顔面に直撃する。
しかし、小島ルルコの鼻から出ている血が、億平テシコの全力の拳を滑らせ、億平テシコの拳はそのまま、小島ルルコの右目に直撃する。
億平テシコは、頬に当てるはずの拳が、右目に直撃してしまった事実に、罪悪感を感じ、小島ルルコに謝罪しようとするが、すぐに『自己反省』の恐怖に負けて、謝罪を断念する。
3番目は日加リュージの番だ。
「おい小島ァ‼おめぇ、本当なら今ごろ処刑されても仕方ねぇんだからなァ‼それを『自己反省』で済ませてくれるリーダーの思慮深さに感謝しろよ‼オラァッ‼」
日加リュージの拳が、小島ルルコの顔面に直撃、小島ルルコの口から血が流れる。
4番目はブリドカットゾーラまさよしだ。
倉都てつおがブリドカットゾーラまさよしに警告する。
「お前の握力は強すぎる、つまり小島が死んでしまっては『自己反省』の意味がない‼できるだけ、力を抜いて殴れ‼」
「でも、この人は、KAN国人なんですよ‼CHU国人の次に頭が悪いゴミクソバカ大国のKAN国人相手にに手加減なんてできませんよ‼」
倉都テツオがライフル銃の銃口をブリドカットゾーラまさよしに向ける。
「俺の命令に従わないならお前にも『自己反省』してもらうぞ‼わかるか?」
「わ、わかりました.........!サ、サムギョプサルッ‼」
サムギョプサルと叫ぶと同時に放たれたブリドカットゾーラまさよしの拳が小島ルルコの顔面に直撃。
殴られ過ぎたせいで小島ルルコの口から、大量の血が出てくる。
5番目は女性主義者の石川ユニ。
「アンタ、気になった男とは付き合う前に必ず致す(セッ●スする)んだってね?私はそういう汚らわしい女が大っ嫌いなの‼アンタみたいなクソ女がいるから、この社会の女性はみんな男にナメられるのよ‼しっかり『自己反省』しろ‼このクソビ●チ‼死ね‼」
石川ユニの拳が、小島ルルコの出血中の鼻に直撃、小島ルルコのかろうじて残っていた鼻の穴から大量の血が流れてくる。
次は俺の番だった。

次回予告 潜伏生活 その6

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十六話 潜伏生活 その6

第三百八十六話 潜伏生活 その6
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

石川ユニと案堂ユーコの口論の末、突然、支離滅裂な理由でブリドカットゾーラまさよしに殺されてしまった、案堂ユーコ。
それをきっかけに、紅軍連合への革命活動に不信と限界を感じた子島ルルコは、日本人とオーストラリア人のハーフであるブリドカットゾーラまさよしに対する差別的な発言をすると同時に、組織への脱退を皆に告げる。
当然、子島ルルコの身勝手な発言に反感を覚えた残り6人のメンバーは、子島ルルコに対して一斉に『自己反省』を求める。
しかし、子島ルルコは『自己反省』を拒否、これに対して、紅軍連合のリーダーである倉都テツオは子島ルルコの処罰を提案。
倉都テツオの提案に、一斉に賛成する紅軍連合のメンバーたち。
紅軍連合のメンバーたちによって、両手両足を縄で縛られてしまった子島ルルコ。
身動きがとれなくなった子島ルルコに対して、紅軍連合のメンバーたちは子島ルルコの更生を願って、子島ルルコに暴行を加える。
そして、ついに、俺が子島ルルコに暴行を加える番がきた。
俺の目の前には、すでにもう5回も顔を拳で殴打された子島ルルコがいた。
鼻はほとんど噛みちぎられ、唇は腫れ、顔中血まみれである。
気になった男性とは付き合う前に必ず致す(セックスする)主義の子島ルルコだが、この顔面ではもう、男性と致すことは不可能だろう。
そして俺も組織に、みんなにウソをついている。
そう、俺はあの木白崎原子力発電所での戦闘で、敵の銃撃から身を守る為に、鳥羽リョーコの体を盾にすることで、生き残った。
仲間を盾にして、死亡させてしまった俺の行為は、完全に組織への裏切りであり、『自己反省』の対象である。
つまり、みんなにウソをついている裏切り者の俺に、裏切り者である子島ルルコを殴る権利はない。
しかし、俺が自分の身を守る為とは言え、鳥羽リョーコを死亡させてしまったことを、みんなに告げれば、今の子島ルルコみたいに両手足を縄で縛られ、集団暴行を加えられるのは確実だ。
そして、子島ルルコを殴るのを拒否したら、集団暴行を受けるのも確実だ。
俺がこの先、生きていくには、鳥羽リョーコを死なせてしまった事実を胸の中にしまい続け、子島ルルコを殴るしかない。
罪悪感が俺の胸を締め付ける。
しかし、俺は子島ルルコの顔を殴る。
生きるために殴る。
そして叫ぶ↓。
「自己反省しろォォォッ‼」
小島ルルコ以外の、メンバー全員が小島ルルコに対しての処罰を終えたことを確認した倉都テツオが皆に向けて告げる。
「では、これから俺は、案堂ユーコの死体の付近の山奥に埋めに行く、もしもの時に備えてあと一人、人手が欲しい、わかるか?」
すぐにブリドカットゾーラまさよしが案堂ユーコの死体の処理に立候補する。
「僕が行きます!先程、我を忘れてみんなにご迷惑をかけてしまいましたからね、死体の処理を通して『自己反省』させてください‼」
「よし、じゃあ、ブリドカットゾーラは俺と来い、お前には俺が死体の処理をしている際の見張りを頼みたい」
「わ、わかりました‼」
案堂ユーコの死体の処理のために、倉都テツオとブリドカットゾーラまさよしが潜伏先のアパートを出る。
外から車のエンジン音が聞こえてきた瞬間、億平テシコが本音を漏らす。
「ねぇ、みんな、さっきの子島さんのアレ、どう思う?」
石川ユニが億平テシコの質問に答える。
「アレって何よ?」
「自己反省した子島さんをみんなで殴ったことよ、さすがにアレはやりすぎだと思うの」日加リュージがすぐに、億平テシコを糾弾する。
「おい、お前‼倉都さんのやり方が間違ってるって言いたいのか?今すぐ『自己反省』しろ‼」
「確かに、子島さんはみんなの前で脱退を提案した、それが重大な裏切り行為であることはわかるわ、でもブリドカットゾーラ君に鼻を噛みちぎられた上に、みんなに殴られるなんて、いくら何でもかわいそうよ‼」
石川ユニが億平テシコに対して激怒する。
「あんた、私たちがしているのは革命活動なのよ‼革命のためには多くの血が必要なの‼革命のために流される血が新しい世界を作り、人々を幸福にするのよ‼革命のために他者を傷つけるのが嫌なら、今すぐ革命活動をやめなさい‼でも、仮にそうなったら、あなたには子島ルルコの時と動揺、重い処罰を受けてもらうわ、でも処罰を受けて更生して、再び組織に忠誠を誓えば、あなたは今より素晴らしい紅軍連合の革命戦士になれるわ‼」「それって、どっちにしても、組織から脱退できないってことですよね?」
「当たり前じゃない‼我々は命懸けで革命活動をしているのよ、メンバーの裏切りが組織の崩壊を招くことだってあるのよ‼つまり、億平さんに残された道は、このまま①紅軍連合で革命活動を続けていくか、②脱退を宣言して処罰の末に更生し、再び紅軍連合に忠誠を誓うか、③裏切り者として死刑になるか、の3択よ」
自らに逃げ場がないことを思い知った億平テシコがため息と同時に告げる。
「わ、わかったわよ...『自己反省』するわ...さっき言ったことは忘れてちょうだい...」
億平テシコの言葉に、皆、安堵のため息を漏らす。
皆、なんだかんだで、共に戦ってきた仲間を殺すのは嫌なのだ。
石川ユニが皆に質問する。
「それより、問題はあの男よ、ブリドカットゾーラまさよし。彼はあまりにも危険すぎるわ」
日加リュージが石川ユニの言葉に同意する。
「それは、俺も同感だ、ちょっとしたことで差別だなんだっていちゃもんつけられて、暴力振るってくるやつははっきり言って信用できない」
次に億平テシコ。
「私もみんなと同じ。もし仮に、子島さんがみんなの前で堂々と脱退を宣言してなかったら、たぶん、ブリドカットゾーラ君は、死刑にされてもおかしくない、だってブリドカットゾーラ君は案堂ユーコさんを殺したんだから...」
日加リュージが提案する。
「そうだ、ブリドカットゾーラは案堂ユーコを殺したんだ!本来であれば死刑になってもおかしくない‼なんで倉都さんはブリドカットゾーラを死刑にしないんだ?」
俺は自分の考察を皆に告げる。
「たぶん、これ以上このアパートで死人を出したくないんだと思う、実際、今俺たちがしなければいけないことは、メンバーを増やすことと、自作爆弾の製造だ。倉都さんはメンバーの質はどうあれ、日本を浄化する為なら、利用できるものはなんでも利用するつもりだ」
日加リュージが感心したように告げる。
「確かに、あの時、俺たち6人がかりでも、ブリドカットゾーラを止めることはできなかった、その結果がアレだもんな...」
日加リュージの視線の先には顔中血まみれで鼻をほとんどブリドカットゾーラまさよしに噛みちぎられた子島ルルコが両手足を縄で縛られた状態で横たわっていた。
子島ルルコがみんなに向かって提案する。
「と、トイレ...!トイレに行かせて...!」
億平テシコと石川ユニが、身動きができない子島ルルコをトイレに連れていく。
石川ユニが子島ルルコを励ます。
「早く『自己反省』を完遂させて、また一緒に戦いましょう‼」
子島ルルコは何も答えなかった。

次回予告 反撃 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十七話 反撃 その1

第三百八十七話 反撃 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ブリドカットゾーラまさよしに理不尽な理由で殺されてしまった案堂ユーコ。
紅軍連合のリーダー倉都テツオとブリドカットゾーラまさよしは付近の山中に案堂ユーコの死体を埋めに行くために、潜伏先のアパートを出る。
二人がアパートを出たのを確認した億平テシコは、不適切発言により現在拘束中の子島ルルコへの『自己反省』の方法や、仲間を殺したブリドカットゾーラまさよしの処遇に対しての疑問をみんなに告げた。
この発言に対して、メンバーたちは億平テシコに向かって『自己反省』を要求する。
俺は倉都テツオがブリドカットゾーラまさよしを処刑しないのは、単に、今の紅軍連合の最優先課題が、仲間集めであることも起因しているのだと、持論を展開。
そんな中、不適切発言による『自己反省』のために、両手足を縄で縛られた子島ルルコが皆に向かって便意と尿意を訴える。
「と、トイレ...!トイレに行かせて...!」
億平テシコと石川ユニが、身動きができない子島ルルコをトイレに連れていく。
石川ユニが子島ルルコを励ます。
「早く『自己反省』を完遂させて、また一緒に戦いましょう‼」
子島ルルコは何も答えなかった。
潜伏先のアパートのトイレは和式便器だった。
トイレのために、子島ルルコ両足を縛っている縄が一時的にほどかれる。
縄で縛られた両手を背後に回した状態で、和式便器にしゃがんで、トイレを始める子島ルルコ。
見張りのため、トイレ中の子島ルルコの背後には、石川ユニと億平テシコが立っている。
トイレをしながら、子島ルルコが涙ながらに背後の石川ユニと億平テシコに訴える。
「こ、こんなの、屈辱よ...‼」
石川ユニが子島ルルコをなだめる。
「男どもに見られるのに比べたら全然、マシでしょう?」
その間にトイレットペーパーを手に持った億平テシコが、両手を縄で縛られている子島ルルコのトイレの介助をする。
億平テシコのトイレの介助方法に、子島ルルコは不満を訴える。
「い、痛いわね‼もうちょっと優しくできないわけ?」
「ご、ごめんなさい...」
すぐに石川ユニが、億平テシコを励ます。
「億平さん、あなたが謝る必要ないわよ。子島さんも、ここまでしてくれる億平さんにそういう言い方は失礼よ!」
「だったら今すぐ、私の縄をほどいてよ‼私はアンタたちの同志なんでしょ?」
石川ユニがすぐに、子島ルルコを冷たく突き放す。
「脱退発言と組織侮蔑発言と差別発言によって『自己反省』中の子島さんは、まだ『自己反省』をちゃんと達成できてない、つまり、あなたはまだ、組織にとって裏切り者に等しいわ‼」
「アンタたちもさっき聞いたでしょ?私が倉都テツオに自己反省したところを‼でも、結果はこのざまよ‼仮に私が『自己反省』の言葉を口にしたところで、組織を一度裏切った私の『自己反省』をみんなが認めるとは思えない‼私はこのままだと、おそらく殺される‼アンタたちに殺される‼もう、こんな生活、嫌よ‼早く、縄をほどいてパパとママのところに返してよ!私は死にたくないわ‼」
石川ユニが呆れたように子島ルルコに告げる。
「その態度のままだと、それこそ、あなたは永遠に『自己反省』ができていないと皆に判断されて、ずっと縄で両手足の自由を奪われたままよ‼それがわかったら、『自己反省』を継続しなさい‼」
終わりの見えない地獄のような現実を前に、子島ルルコはアパートに住んでいる他の住人に助けを求めるように大声で泣き叫ぶ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼誰か助けてぇぇぇぇぇッ‼殺されるぅぅぅぅぅぅぅッ‼紅軍連合に殺されるぅぅぅぅぅぅぅッ‼」
すぐに事態を察した石川ユニが両手で子島ルルコの口を塞ぐ。
「億平さん、子島の両足をすぐに、縄で縛って‼早く‼」
石川ユニの命令に、億平テシコがすぐに、縄で子島ルルコの足を縛り始める。
しかし、じたばたを繰り返す子島ルルコの両足が、億平テシコの顔面に直撃する。
顔面に強烈な両足蹴りをくらった、億平テシコがそのまま気絶してしまう。
ここぞとばかりに、大暴れする子島ルルコ。
ついに、石川ユニを振り払った、子島ルルコが自由になった両足でトイレから出る。
突如、トイレから飛び出した子島ルルコの存在に、談笑していた俺と日加リュージは、一瞬何が起きたのかわからなくなる。
すぐに、石川ユニの叫ぶ声↓に、俺と日加リュージは状況を理解する。
「子島ルルコを今すぐ捕まえてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ‼」
俺と日加リュージはすぐに、子島ルルコをアパートの畳の上で取り押さえる。
子島ルルコは再び、アパートに住んでいる他の住人に助けを求めるように、大声で泣き叫ぶ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼誰か助けてぇぇぇぇぇッ‼殺されるぅぅぅぅぅぅぅッ‼紅軍連合に殺されるぅぅぅぅぅぅぅッ‼」
子島ルルコの背中に馬乗りになった日加リュージが俺に命令する。
「エーイチロウは今すぐガムテープで子島ルルコの口を塞いで両足を縄で縛ってくれ‼」
「わ、わかった‼」
口をガムテープで塞がれ、両足を縄で縛られた子島ルルコは、泣いていた。
そう、子島ルルコに顔面を蹴られた億平テシコが死亡してしまったのだ。
かつてブリドカットゾーラまさよしを人殺しと揶揄していた子島ルルコ。
子島ルルコは自身が揶揄していた人殺しになってしまった事実に、絶望し、泣いていた。
アパートから逃げる為とは言え、仲間である億平テシコを殺してしまった子島ルルコの『処刑』は確実だ。
子島ルルコが流す涙の理由の一つには、その事実も含まれているのかもしれない。
倉都テツオが家に帰ってくるまでの間、俺と日加リュージと石川ユニは、億平テシコを失った無念を晴らすように、顔を血と涙で汚した子島ルルコの顔面を殴り続ける。
潜伏先のアパートの中に響き渡る、来訪者を告げるインターホンの音。
俺たちは一瞬、案堂ユーコの死体の処理に行った倉都テツオとブリドカットゾーラまさよしの帰宅を確信する。
しかし、ドアの向こうから聞こえてきた声は俺たちの知っている声ではなかった。
「あの~!ケーサツなんですけど、先程、この部屋から妙な叫び声が聞こえてきたとの通報が来まして、ちょっとお話聞かせてもらってもいいですかねぇ~!」
おそらく、先程の子島ルルコの叫び声を聞いたアパートの住人がケーサツに通報したのだろう。
現在、アパートの部屋には、億平テシコの死体と、両手足を縄で縛られた子島ルルコがいる。
ケーサツに部屋に入られたら、俺たちはもうおしまいだ。
絶体絶命とは、まさにこのことである。

次回予告 反撃 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十八話 反撃 その2

第三百八十八話 反撃 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合からの脱退と、革命活動に対する批判的な意見を述べた子島ルルコは、『自己反省』のために両手足を縄で縛られる。
トイレの際に両足の縄をほどかれた子島ルルコは、紅軍連合の潜伏先のアパートから逃げ出すために、大暴れをすると同時に、アパートの住人に聞こえるように大声で助けを求める。
トイレ介助をしていた石川ユニの命令で、子島ルルコの両足を再び、縄で縛ろうとする億平テシコ。
しかし、子島ルルコが暴れた際に、子島ルルコの蹴りを顔面にくらってしまった億平テシコが死亡してしまう。
かつて、子島ルルコは仲間である案堂ユーコを殺したブリドカットゾーラまさよしを糾弾した立場だった。
しかし、殺意がないとはいえ、子島ルルコも億平テシコを殺してしまった。
能沢エーイチロウ、日加リュージ、石川ユニの3人は、『自己反省』と称し、口をガムテープでふさがれ、両手足を縄で縛られた子島ルルコに暴行を加える。
しかし、次の瞬間、室内に来訪者を告げるインターホンの音が鳴り響く。
誰もが案堂ユーコの死体の処理に出かけた、倉都テツオとブリドカットゾーラまさよしの帰還を確信する中、ドアの向こうから聞こえてきたのは、同じアパートの住人が通報したと思われるケーサツ官の声だった。
そう、子島ルルコの助けを求める声が、この状況を作り出してしまったのだ。
部屋には、顔面血だらけの状態で縄で縛られた子島ルルコと、億平テシコの死体。
ケーサツに部屋に入られたら、そこで最期、俺たちの革命活動はそこで終わってしまう。
俺たちは今、確実に追い込まれていた。
「あの~!ケーサツなんですけど、先程、この部屋から妙な叫び声が聞こえてきたとの通報が来まして、ちょっとお話聞かせてもらってもいいですかねぇ~!」
ドアの向こうから聞こえてきたケーサツ官の声。
俺は急いでドアに顔を近づけ、ドアスコープを除く。
「制服を着ている...刑事ではないぞ...‼」
俺の言葉に日加リュージが疑問を口にする。
「だから、なんなんだよ‼ケーサツであることには変わらないだろ‼」
「いや、全然違うよ、刑事ならおそらく、複数でここに来ているはずだ、でも制服を着用したケーサツ官ならコーバン勤務の可能性が高い、つまり、今、ドアの向こうにいるケーサツ官の数は、多くて二人、少なくて一人だ、相手が少数なら、ダメージを与えて、ここで子島みたいに縄で縛って監禁すればいい」
「そ、そっか‼それならなんとかなるかもしれん、でも、どうやってケーサツ相手にダメージを与えるんだ?銃を使ったらそれこそ、また近隣住民に通報されるぞ‼」
「もちろん、近接戦でダメージを与える、その代わり絶対に殺すな、仮に籠城戦になった時、監禁状態のケーサツ官は人質に使える」
「了解...!石川もさっきのエーイチロウの言葉、ちゃんと聞いてたよな?」
「もちろんよ‼こんなところで私たちの革命活動を終わらせてたまるもんですか‼」
俺はドアをわずかに開ける。
ケーサツ官の両眼が、わずかに開いたドアからナイフの切っ先を確認した時にはもう遅かった。
ケーサツ官の男の右太ももに、ナイフの刃が深々と突き刺さっていた。
ケーサツ官の男が痛みに気付き、その視線を右太もも移したそのわずかな隙に、完全に開ききったドアから飛び出してきた両手が、ケーサツ官の首をつかむ。
俺は首をつかんだケーサツ官をそのまま、アパートの室内に放り込んで、鍵を施錠して、日加リュージと石川ユニに向かって指示を出す。
「いますぐ、そのケーサツ官の両手足を縄で縛れ‼口もガムテープでふさぐんだ‼」
あっという間に潜伏先のアパートに拉致され、口をガムテープでふさがれた状態で両手足を縄で縛られるケーサツ官の男。
そして、ケーサツ官の男は見てしまった、自分の横に、同じような状態で拘束された、子島ルルコの姿を。
俺は安堵のため息を吐くと同時に状況を整理する。
「これで、とりあえず一件落着だな、石川は引き続き、子島ルルコの介護を頼む、日加リュージはケーサツ官の右太ももの止血を頼む、多量出血で死なれては人質にできないからな、俺は億平の死体を解体した後に、ケーサツ官がここに来るときに使用した自転車を外でバラして、億平の死体と一緒に山に埋めてくる。もしその間に、倉都テツオとブリドカットゾーラまさよしが帰宅したら、アジトの変更を倉都テツオに提案しておいてくれ」
「了解した、でも一人で外に出て大丈夫か?」
「これ以上、億平の死体をここに放置しておけば、いずれ腐臭が原因でケーサツがここに来てしまう、その前に億平の死体は処理しておきたい。あと暇なときは『砥石』で予備の銃弾を作っておけよ」
風呂場で億平テシコの死体を解体した俺は、シャワーを浴びて、人質にしたケーサツ官から奪った制服を着用後、外に出て、ワイヤーカッターと六角レンチで、ケーサツ官の男が乗ってきた自転車を解体。
これなら、ケーサツ官が自分の自転車をメンテナンスしているようにしか見えない。
俺はすぐに車のバックドアを開けて車内に、億平テシコの死体が入ったスーツケースと解体した自転車の各部品を放り込む。
運転席に乗った俺は、ケーサツ官の制服を脱ぎ、近くの山に向けて車を発進させる。

次回予告 潜入 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百八十九話 潜入 その1

第三百八十九話 潜入 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

新聞社、『潮日新聞』の社内では不穏な噂が流れていた。
その噂の内容は『潮日新聞』に所属するジャーナリスト、案堂ユーコが行方不明になっていることである。
『潮日新聞』の編集長である鈴木が案堂ユーコから最期に聞いた言葉は、紅軍連合に潜入して密着取材を続行しているという内容だった。
案堂ユーコはいつも、一週間に一度、編集長である鈴木に向けて、紅軍連合の取材の進捗について記されたメールを送っていた。
しかし、もう3週間も案堂ユーコから取材についてのメールが送られてこない。
もちろん電話も繋がらない。
妻子ある鈴木は案堂ユーコと不倫関係にあった。
鈴木にとって、案堂ユーコは欲望のはけ口であり、案堂ユーコにとっての鈴木もそれと同じだった。
体だけの関係と言えど、一応、セッ●スフレンドであり、同じジャーナリストである。
鈴木はケーサツに案堂ユーコの捜索を依頼しようとも、思ったが紅軍連合は現在、指名手配中であり、逃走中のテロリスト集団でもある。
鈴木がケーサツに案堂ユーコの捜索を依頼するということは、取材とはいえ、案堂ユーコが紅軍連合という名の犯罪者集団に属していることを教えるようなものである。
案堂ユーコがもしケーサツに捕まれば、もちろん新聞社のブランドに傷をつけることになってしまう、そうなった際、責任を取らされるのは案堂ユーコの上司である鈴木だ。
愛人一人の捜索をケーサツに頼んだだけで、編集長の立場を失うのは絶対に避けたい。
鈴木自身が直接、紅軍連合に潜入取材をする手もあるが、編集長の立場ではそれもできない。
もし、案堂ユーコのように、自分にもしものことがあれば、妻子はいったいどうやって生きていけばよいのだ?
鈴木はあることに気付く、一週間前、自分と同じく案堂ユーコの身元を案じていた、人物を。
鈴木は誰もいない会議室に、案堂ユーコの後輩である尻澤エリコを呼び出す。
鈴木は、なぜ自分が呼び出されたのか理解できずに戸惑っている尻澤エリコに告げる。
「おい、ケツ‼ケツはさぁ、案堂ユーコのこと、尊敬してたよな?」
ケツという、あだ名で呼ばれた沢尻エリコが鈴木を非難する。
「その呼び方やめてもらえませんか?録音して訴えますよ‼」
「けっ、訴えられるのが怖くてマスコミの仕事なんてできるかよ、そんなことよりさ、お前さ、案堂ユーコのこと心配だろ?」
「そりゃあ、案堂さんは、女性としてはあまり尊敬できませんが、一応、ジャーナリストとしては私の師匠ですから、心配するのは当たり前ですよ」
「その案堂が、最近、紅軍連合の取材に行ってたの、お前知ってた?」
「知ってますよ、もちろん、社内で噂になってましたからね」
「俺の推測が正しければ、案堂ユーコは取材先で何かのトラブルに巻き込まれたんだと思う」
「なら、どうして早くケーサツに捜索を依頼しないんですか‼紅軍連合は仲間でも多数決で死刑にするような過激派テロリストですよ‼」
「ケツ、よく考えてみろ、ケーサツなんかに捜索を依頼したら、案堂ユーコが紅軍連合の取材のためとはいえ、紅軍連合のメンバーであることがケーサツにバレちまう。そしたら、新聞社のブランドにも、紅軍連合への取材を許可した俺にも傷がついちまう。そんで、責任のなすりつけ合いで解雇にされるのはどこのどいつだ?俺だよ‼だからケーサツには捜索依頼ができないの、おわかりか?」
「またケツって言った‼とにかく、そんなの自業自得ですよ‼編集長ならちゃんと社員のために責任を取るべきです‼」
「でもさぁ、もし、もしだよ。もし案堂ユーコが紅軍連合のトラブルに巻き込まれて、まだ生きていると仮定してさ、ケツはさ、師匠である案堂ユーコのこと、見て見ぬふりしたままでいいの?」
「その言葉、編集長にそのまま、お返しします、あとケツって言うのやめてください‼私の苗字は尻澤です‼ボイスレコーダーの電源、今入れましたからね‼マジで訴えるぞこの野郎‼」
「ケツゥゥゥゥッ‼お前、案堂ユーコの口癖、覚えてるか?」
「あんた、さっき人の話聞いてた?」
「案堂ユーコはよく言ってた、自分のことを『真実の探求者』だって、あいつはいつもそう言って、危ない取材ばっかりしてた。そう、真実の探求者を称する案堂ユーコの弟子であるお前が、このまま現実から目をそらして、師匠を見殺しにするのか?」
「つまり、案堂さんを探すために、私に紅軍連合に潜入取材しろってことですか?」
「うん、そういうこと、案堂を救出すると同時に紅軍連合の情報もゲット、つまり一石二鳥だぜ‼」
「つまり、私に案堂さんとスクープのために、死ねということですね?」
「まだ死ぬと決まったわけじゃないだろうが、そもそも案堂ユーコと連絡がとれなくなった理由が、100パーセント紅軍連合のトラブルに巻き込まれたとは限らないんだぜ?それに、仮に安堂と特ダネいっしょに持って帰ってきてくれたら、ケツを副編集長にしてやってもいい‼」
「う~ん、わかりました、やります。さっき言いましたよね、ボイスレコーダーに電源入れたって、もうちゃんと録音しましたからね、あとで、なかったことにしても無駄ですよ‼」
「はいはい、わかってる、わかってるって、そんじゃあ、コレあげる」
鈴木が紙切れを尻澤エリコに渡す。
「これって、地図ですか?」
「ああ、そこに案堂ユーコを紅軍連合に接触させた仲介人がいる」
「さっきの約束、ちゃんと守ってくださいね‼」
こうして、ケツのあだ名を持つ尻澤エリコは、師匠である案堂ユーコの救出と出世のために、紅軍連合に潜入することになった。
すでに、案堂ユーコが紅軍連合のブリドカットゾーラまさよしに殺され、山に埋めれていることも知らずに。

次回予告 潜入 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十話 潜入 その2

第三百九十話 潜入 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合のメンバーであるブリドカットゾーラまさよしは、自身を童貞と揶揄したジャーナリストである案堂ユーコを殺害。
これをきっかけに、紅軍連合のメンバーである子島ルルコが脱退を表明。
他のメンバー達は子島ルルコの脱退発言に対して、糾弾するも、子島ルルコは反論をやめない。
その反論の際に『イカレハーフ』と揶揄されたブリドカットゾーラまさよしは子島ルルコに暴行を加える。
潜伏先のアパート内で組織の結束力を強くするために、メンバーたちによる子島ルルコへの『自己反省』という名のを制裁が始まる。
その制裁の内容は両手足を縄で縛られて、メンバーたちに順番に殴られるというものだった。
現状を悲嘆した子島ルルコは自らの命を守る為に、トイレで大暴れを開始して、周囲に大声で助けを求める。
トイレの際に両足の縄をほどかれていたことが原因で、偶然、子島ルルコの蹴りを顔面にくらってしまった、億平テシコが死亡してしまう。
そう、両手を縄で縛られた子島ルルコのトイレ介助と見張りのために、トイレには億平テシコと石川ユニがいたのだ。
必死の抵抗もむなしく、子島ルルコは再び、紅軍連合のメンバーたちによって取り押さえられ、両手足を縄で縛られ、口にガムテープでふさがれてしまう。
しかし、子島ルルコの助けを聞いたアパートの住人が通報したケーサツ官が潜伏先のアパートに駆け付けてしまう。
紅軍連合のメンバーたちは、コーバン勤務のケーサツ官の右太ももにナイフを突き刺し、動きを封じる。
そして、その隙にアパート内に拉致して、子島ルルコのように、縄で手足の自由を奪う事に成功する。
一方そのころ、新聞社『潮日新聞』では、潮日新聞専属のジャーナリストである案堂ユーコが、紅軍連合の取材に行ったまま、連絡がつかず、行方不明になっているとの噂が広まっていた。
案堂ユーコと不倫関係にある潮日新聞に編集長の鈴木は、案堂ユーコの身元を案じながらも、会社での立場と、家族の生活を守る為に、案堂ユーコの捜索をケーサツに依頼できない。
そう、案堂ユーコが取材とはいえ、紅軍連合のメンバーであったことが世間に公になれば、その責任の矛先は当然のごとく、編集長である鈴木に向けられるからだ。
しかし、編集長として、社員である案堂ユーコを見捨てるわけにはいかない鈴木は、副編集長の地位を条件に、案堂ユーコの弟子である、尻澤エリコに、案堂ユーコの捜索を依頼する。
そう、尻澤エリコが紅軍連合から案堂ユーコを助け出せたら、尻澤エリコには副編集長の地位が与えられるのだ。
尻澤エリコは師匠である案堂ユーコの救出と出世のために、紅軍連合に潜入取材する決意をした。
すでに、案堂ユーコが紅軍連合のブリドカットゾーラまさよしに殺され、山に埋めれていることも知らずに。
尻澤エリコは編集長である鈴木に渡された紙切れをもとに、ある場所へと向かっていた。
その紙切れには、革命活動を志す者達を、紅軍連合に紹介する仲介人がいる場所が記されていた。
つまり地図である。
地図に記された場所にたどり着いた尻澤エリコに待っていたのは、普通の喫茶店だった。
尻澤エリコは編集長に言われた通りに、喫茶店のマスターに、あることを告げる。
「と、とまとジュースってメニューにありますかね?」
尻澤の言葉に、マスターはすぐにため息をはいて、告げる。
「まったく、最近、君みたいなのが多くて、呆れちまうよ。なぁ、君は本当に革命活動なんかで、世の中が変わると思うかい?俺は思わん、たとえBEI軍の支配下にあっても、平和が一番だと思わんかね?ここまで俺に言われても、その意思が変わらないのなら、そこを右に曲がってそのまま、倉庫のほうに行きな」
尻澤エリコはマスターに言われた通りに、倉庫のほうに移動を開始する。
倉庫の入口の前には、パイプ椅子に座っている男がいた。
パイプ椅子に座った男が尻澤に問う。
「ご注文は?」
「と、とまとジュース...?」
「制限時間を過ぎているが、まぁいいだろう、入りな」
パイプ椅子から立ち上がった男が鍵で倉庫の扉を開ける。
扉の向こうには3人の若者がいた。
尻澤は恐るおそる、3人のうちの一人に聞く。
「君たちはもしかして、紅軍連合に参加するためにここにいるの?」
「うん、そうだけど、もしかしてアンタ、冷やかしか?」
「ち、ちがうわ!せ、潜入じゃなくって‼革命活動をするために、ここに来たんだけど、なんか緊張しちゃって...‼」
「ふ~ん、なんか怪しけど、まぁ、いいや、俺の名前は加藤モトヒロ、よろしくな同志」
加藤モトヒロ、後に、トラックと刃物で大勢の死亡者を出した、『加藤無双』と呼ばれる大事件を起こす人物である。
「私は、尻澤エリコ、よろしく...!」
「尻澤?あんた面白い名前してんな、昔、絶対、『ケツ』とか、そーゆう、あだ名で呼ばれてたことあっただろ?」
「う、うるさいわね‼あったらなんなのよ‼つーか現在進行中よ‼」
倉庫に集まった革命活動志願者4名の前に、一人の女性が現れ、皆に告げる。
「私の名前は信重フサカだ、かつて紅軍連合の前進組織、紅軍という名前の組織で、新日本国ソーリダイジンの義死田の乗った飛行機を爆破した経験がある、当然、義死田は死亡した、次は君たちが自己紹介をする番だ」
信重フサカの自己紹介に、4名のうち2名の革命活動志願者から歓声が上がる。
ジャーナリストの尻澤エリコは戦慄していた。
そう、ジャーナリストである自分の前に、指名手配中の殺人犯がいる、しかもその殺人犯である信重フサカはあの、ソーリダイジンの義死田を殺害したテロ組織、後の紅軍連合の前進となる『紅軍』のリーダー。
尻澤はつい、好奇心から、信重フサカに質問してしまう。
「革命活動志願者と紅軍連合の仲介人であるはずの、ここの喫茶店のマスターが紅軍連合の革命活動に対して、批判的な意見を述べていたましたが、これはいったいどういうことでしょうか?」
「どういうこと...?ああ、そういうことか、ここは私の実家で、この喫茶店のマスターは私の父親だ、まぁ、親バカなんだろう、それに甘えている私も、まぁバカなんだろうな...とにかく、質問は後だ、我々、紅軍連合は、原子力発電所襲撃作戦の敗走から、逃走中の身である、ここに長居するメリットはない、今すぐ、私の運転する車に乗ってアジトへの移動を開始する、ここまで聞いた以上、君たちに逃げ場はもうないぞ‼覚悟は出来てるな?」
4人の革命活動志願者の内、3人がゆっくりとうなずく。
3人にならって、私も必死に頭を何度も上下させる。
「よろしい!ようこそ紅軍連合へ‼ともに革命活動を通し、『無色主義』によって日本を浄化しよう‼では車に乗れ‼」
こうして、尻澤エリコは紅軍連合のメンバーになってしまった。

次回予告 潜入 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十一話 潜入 その3

第三百九十一話 潜入 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

潮日新聞のジャーナリスト・尻澤エリコは、師匠の案堂ユーコの救出と出世のために、紅軍連合への命懸けの潜入取材を開始する。
すでに、案堂ユーコが死亡していることを知らない尻澤エリコは、編集長の鈴木から渡されたメモをもとに、たどり着いた喫茶店で、紅軍連合への革命活動に志願した3人の若者たちと邂逅する。
紅軍連合への革命活動に志願した3人の若者たちの中には、後に『加藤無双』と呼ばれるトラックと刃物を用いた無差別大量殺人事件の犯人、加藤モトヒロもいた。
尻澤エリコを含めた4人の革命活動志願者の前に、突如、現れた紅軍連合のメンバー・信重フサカ。
4人は信重フサカに言われるままに、車に乗り、逃走中の紅軍連合のメンバーが住んでいる潜伏先のアパートの一つに向かう。
車から下りた尻澤エリコの前には、ごく普通のアパートが建っていた。
(今すぐケーサツにこの紅軍連合のアジトの場所を教えれば、大スクープになるわね...)
尻澤エリコは、特ダネを前に、心を躍らせるが、自身の身を案じて、一度冷静になる。
4人を潜伏先のアパートの一つに案内し終えた信重フサカはそのまま、車に乗って、どこかへ移動してしまう。
4人はアパートの階段を昇り、信重フサカに教えられた番号の部屋のインターホンを押す。
4人の内の一人が、信重フサカから教えてもらった合言葉をドアに向かって呟くと、ドアが開いて、すぐに中に入るように告げられる。
4人の目の前には衝撃的な光景が広がっていた。
アパートの室内には、若い男女が、縄で両手を縛られ、口をガムテープでふさがれていた。
尻澤エリコは自己紹介の前に、思わずアパートの住人に聞いてしまう。
「こ、この人たちはいったい何をしたんですか?」
アパート住人の一人、日加リュージが尻澤の質問に答える。
「女のほうは、組織に対する不適切な発言について『自己反省』している、男のほうはケーサツ官だ、何かあった時、人質になる」
「そ、そうですか...じ、自己紹介が遅れました、私は尻澤エリコと申します」
尻澤エリコの自己紹介に続いて、他の3人も、自己紹介を始める。
「俺は加藤モトヒロです、よろしくお願いします」
「僕は上松サトツです、日本からグァイジを一人残ら残らず排除するために、紅軍連合の革命活動に志願しました」
「私は、理由地エルです、体は男ですが、心は女です。日本から性差別を無くすために革命活動に志願しました」
次に、潜伏先のアパートの住人が新人に自己紹介をする。
「私は女性主義者の石川ユニよ、よろしくね」
「俺は日加リュージ、よろしくな。実はあと3人、仲間がいる、今は3人とも、別件で外出しているんだ」
数秒後、案堂ユーコの死体の処理を終えた、紅軍連合のリーダー・倉都テツオと、ブリドカットゾーラまさよしが帰ってくる。
この時、尻澤エリコはまだ知らない、今、帰宅した紅軍連合のメンバーの内の一人、ブリドカットゾーラまさよしが、自身の師である案堂ユーコを殺した犯人であることを。
倉都テツオがアパート内の新メンバーと、能沢エーイチロウと億平テシコの不在を、日加リュージに追及する。
「おい、リュージ、エーイチロウとテシコはどこに行った?」
「億平テシコは子島ルルコに殺された、エーイチロウは億平テシコの死体を山に埋めるために出かけた」
「なに?子島ルルコの両手足は縄で縛られていたはずだ、どうやって億平テシコ殺したんだ?」
倉都テツオの疑問に石川ユニが答える。
「実は、トイレの時に両足の縄をほどいちゃったのよ、それで子島ルルコが大暴れした際に、億平テシコは子島ルルコの蹴りを顔面に受けて、死亡したわ...!」
「なんてことだ‼それで、子島ルルコの隣にいる、縄で縛られているその男は誰だ?」
倉都テツオの疑問に日加リュージが答える。
「コイツは子島ルルコが暴れて周りに助けを求めた時に、近隣住民が通報して、ここに駆け付けたケーサツ官だよ。エーイチロウがまたアジトにケーサツが来て、なにかあった時に人質に使えるって言って、ここに住まわせてる。他の4人は信重フサカが連れてきた新メンバーだよ」
「新メンバーについては、先程、電話で信重フサカから聞いている。それじゃあ、とりあえず、俺は億平テシコを殺した子島ルルコに対して、新たな『自己反省』を『提案』するが皆はどうだ?」
すぐに日加リュージと石川ユニとブリドカットゾーラまさよしが倉都テツオの提案に賛成する。
「異議なし‼」
「異議なしよ‼」
「異議なーしッ‼」
「よし、全員、賛成だな。では、新メンバーの4人にはこれから組織への忠誠を示してもらう。わかりやすくいえば、こうだ‼」
ポケットからナイフを取り出した倉都テツオが、両手足を縛られている子島ルルコの左足の太ももに、ナイフを突き刺す。
ガムテープでふさがれた子島ルルコの口から苦痛を示す、うめき声↓が聞こえる。
「ゔゔゔゔゔゔーッ‼」
ナイフを子島ルルコの左足の太ももから引き抜いた倉都テツオが、新メンバーの一人、加藤モトヒロに血まみれのナイフを手渡して、忠告する。
「次は君の番だ、君の革命活動への決意が本物であるということを、このナイフで証明してみせろ‼他の3人も同様だ‼いいか?死体が出ると、それだけ、我々にとってリスクになる、だから、殺さない程度にそのナイフで子島ルルコを痛めつけるんだ‼そうすることが、子島ルルコにとっての『自己反省』になる‼これは拷問ではない‼これが子島ルルコのためになるんだよ‼わかるか?」
倉都テツオの熱弁を否定するように、涙を流しながら必死に首を横に振る子島ルルコ。
その光景に、ジャーナリストの尻澤エリコは戦慄していた。
(く、狂っている...‼つーか、この拷問、私も参加しないといけないの?)
そう、倉都テツオは、人間にナイフを突き刺すという行為を通して、新メンバー達の中に残っている、わずかな人間らしさを完全に排除しようとしているのだ。
人を刃物で傷つけるという、反社会的な行為を通して、既存の価値観と倫理観を捨て、革命活動のためなら、他者を傷つけることになにも感じない戦士、それこそが倉都テツオにとって、理想的な同志の姿である。
倉都テツオにナイフを渡された加藤モトヒロは、人をナイフで刺した経験がない。
しかし、ナイフで子島ルルコを刺すことができなければ、今度は自分が子島ルルコと同じ立場になるかもしれない。
そう、もう引き返す道も選択肢もない、覚悟を決めた加藤モトヒロは雄叫びを上げながら、子島ルルコの右足の太ももにナイフを突き刺す。
「ゔおおおおおおおおおおおッ‼」
グサッ‼
「ゔゔゔゔゔゔーッ‼」
痛みにもだえる子島ルルコにお構いなしに、倉都テツオが加藤モトヒロから奪ったナイフを、尻澤エリコに手渡して、告げる。
「次はお前の番だ‼わかるか?」
人をナイフで刺したことがない子島ルルコは、自分の手に握られた血まみれのナイフと、目の前で両足の痛みに涙を流しながら震えている子島ルルコの姿を見て、嘔吐してしまう。
「ぐぇぷッ‼ゔおろろろろろろろろろろッ‼」
嘔吐を始めた尻澤エリコの姿に、倉都テツオが落胆する。
「これだから女は...」
すぐに女性主義者の石川ユニが、倉都テツオに『自己反省』を求める。
「今の倉都さんの発言は差別発言である‼私は倉都さんに『自己反省』を求める‼」
「わかった、今の不適切な発言は『自己反省』する。尻澤エリコ、お前は一番最後だ、それまでに覚悟を決めておけ、石川、悪いが、尻澤エリコの吐しゃ物の処理を頼む」
「わかったわ...」
すぐに石川ユニが白湯の入ったコップを尻澤エリコに渡して、吐しゃ物の掃除を始める。
尻澤エリコが石川ユニにお礼を言う。
「あ、ありがとうございます...」
石川ユニが厳しい口調で、尻澤エリコに忠告する。
「そんなんじゃ、この先やっていけないわよ‼」
「す、すみません...」
革命活動は尻澤エリコが想像していたよりも、地獄だった。

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十二話 潜入 その4

第三百九十二話 潜入 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

師匠である案堂ユーコの救出と出世のために、紅軍連合に潜入した尻澤エリコ。
案堂ユーコの死体を山中に遺棄して、潜伏先のアパートに帰ってきた倉都テツオは、自分が出かけていた間に、子島ルルコによって億平テシコが殺害されたことを知る。
倉都テツオは子島ルルコの成長を目的とした新たな『自己反省』を皆に提案。
既存のメンバーたちは皆、この提案に賛成するが、倉都テツオは子島ルルコへの自己反省という名の拷問を、あえて新メンバーたちにやらせることにした。
まだ潜伏先のアパートに来て間もない、新メンバーたちは組織への忠誠を示すために、子島ルルコの足に順番にナイフを刺していく。
その新メンバーの中の一人、尻澤エリコは目の前の異常な光景に嘔吐してしまい、子島ルルコへの『自己反省』ができない。
尻澤エリコの本来の目的を知らない女性主義者の石川ユニは、そんなエリコに対して、厳しい言葉をぶつけた。
「そんなんじゃ、この先やっていけないわよ‼」
「す、すみません...」
倉都テツオからナイフを受け取った、新メンバーの理由地エルが手に持ったナイフを、縄で縛られた子島ルルコの左足の太ももに突き刺す。
「じ、『自己反省』しろッ‼」
左足の太ももにナイフを突き刺された子島ルルコのガムテープでふさがれた口から、苦痛に満ちた呻き声が漏れる。
「ゔゔゔゔ――ッ‼」
倉都テツオがすぐに理由地エルに指示を出す。
「ナイフを上松に渡せ、上松は自分が何をすればいいのか、わかるか?」
「わ、わかってますよ...このナイフで、この裏切り者に『自己反省』をすればいんですよね...?」
「そうだ、それでいい」
上松は恐るおそる、ナイフの刃先を子島ルルコの右足太ももに近づける。
「い、いきますよ...‼」
上松の忠告にたいして、口をガムテープでふさがれた子島ルルコは無駄と知りつつも、頭を何度も横に振って拒否感をあらわにする。
ぐさり。
「ゔゔゔゔゔゔゔゔ――ッ‼」
「よし!最後はお前の番だ!尻澤ァッ‼」
嘔吐した状態からようやく平静を取り戻した尻澤エリコの手に再び、手渡されるナイフ。
尻澤は再びこみ上げる嘔吐感に耐えつつも、ナイフの刃先を子島ルルコの左足太ももに近づける。
しかし、まだ覚悟ができていないのか、ナイフの刃先を子島ルルコの左足太ももに、突きつけることすらできない。
女性主義者の石川ユニが、子島ルルコへの『自己反省』を躊躇する尻澤エリコを説得する。
「尻澤さん、あなたが心の優しい人間だってことはよくわかったわ。でも、これが子島ルルコのためなのよ‼子島ルルコがこうして足にナイフを突き刺され『自己反省』を達成することができれば、子島ルルコは今の状態から解放され、裏切り者から、再び我々の同志に生まれ変わることができるのよ‼この自己反省は子島ルルコを革命活動に携わる人間として次のステージにステップアップさせるために必要不可欠な儀式であり、救済なのよ‼だから、あなたが今からしようとしていることは何も悪いことじゃない‼」
石川ユニの言葉に、倉都テツオも同調する。
「そうだ、石川ユニの言う通りだ‼子島ルルコはこの自己反省での痛みを通して生まれ変わるんだ‼痛みを通して組織の規律を学んだ子島ルルコは今より優秀な戦士になることだろう‼みんな‼みんなで『自己反省』の達成のために、尻澤エリコと、苦痛に耐えている子島ルルコにエールを送ろうじゃないか‼」
潜伏先のアパートのいる、尻澤エリコと子島ルルコ以外のメンバーたちが、一斉に、尻澤エリコと子島ルルコに向かってエールを送る。
「がんばれー‼尻澤ァッ‼がんばれー‼」
「そうよ‼子島さんも痛いだろうけど、頑張って耐えるのよ‼がんばれー‼がんばれー‼がんばれー‼」
「尻澤ァ――ッ‼子島ァ――ッ‼二人ともがんばれーッ‼がんばれー‼」
「そうだ‼ふたりともがんばれ‼『自己反省』の達成のために、がんばるんだ‼」
「子島ァ――ッ‼あともうちょっとだァ――ッ‼がんばれー‼がんばれー‼尻澤も勇気を出してがんばれ――ッ‼」
「がんばれ――ッ‼尻澤ァ――ッ‼子島ァ――ッ‼自己反省を終わらせて一緒に日本を変えようぜぇいッ‼」
「がんばれ――ッ‼がんばれ――ッ‼がんばれ――ッ‼二人ともがんばれ――ッ‼」
子供向け映画の上映会を彷彿とさせる光景に、ナイフを手に持った尻澤エリコはひどいめまいを感じてしまう。
(でも、石川ユニの話が本当であれば、次のナイフの突き刺しで、子島ルルコは解放されるはず‼子島ルルコを救うにはやるしかない‼)
わずなか望みに賭けて、尻澤エリコは子島ルルコの解放のために、子島ルルコの左足太ももにナイフを突き刺す。
ぐさり。
「ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ――ッ‼」
尻澤エリコが自らの殻を破った光景に、周りのメンバーたちが一斉に歓声を上げる。
「ゔおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ‼やったぁッ!よくやったぞ、尻澤ァッ‼」
石川ユニが子島ルルコへの自己反省を達成できた尻澤エリコの体を抱きしめ、賞賛する。
「よくやったわね、尻澤さん、これで今日からあなたもみんなの仲間よ‼」
感動の涙を流している石川ユニに、子島ルルコは恐るおそる聞く。
「そ、それよりも、これで本当に子島ルルコさんは助かるんですよね?」
「ええ、もちろんよ‼これで子島ルルコは生まれ変わることに成功したのよ‼あなた達新メンバーのおかげでね‼」
しかし、子島ルルコの縄をほどいていた日加リュージの口から衝撃的な言葉が放たれる。
「し、死んでる...!」
先程の歓声から一転、皆の口から動揺する声が次々と放たれる。
「う、うそだろ...?だって、俺たちが刺したのは足なんですよ...‼」
倉都テツオが冷静に状況を分析し始める。
「おそらく、度重なる暴力による多量出血、そして連続的に与えられた激痛によるショック死だろうな...でも、今回、子島ルルコにナイフで制裁を与えた新メンバーの4人がコレを悔いる必要はない、子島ルルコは億平テシコを殺した殺人犯だ、君たち4人は人殺しを殺しただけだ」
そう、新メンバーたちに両足の太ももをナイフで刺される前から、紅軍連合のメンバーたちに顔を何度も殴られていたことも、子島ルルコの死因の一つになっているはずだ。
本来、子島ルルコを救うつもりで与えた暴力が、子島ルルコを逆に殺害してしまった事実に尻澤エリコは絶望した。
「そ、そんな、それじゃあ、私、人殺しになっちゃったの?ウソよ、そんなの、だって言ってじゃないですか!さっきの暴行が子島ルルコを救うためだって!言ってたじゃないですか‼なのにどうして、こんなことに‼こんなの絶対おかしいわよ‼」
絶望する尻澤エリコの顔面を、倉都テツオが殴って叱る。
「貴様ァッ‼革命活動をいったいなんだと思ってるんだァッ‼俺たち革命活動に参加している人間は、常に死と隣り合わせなんだ‼革命のために人を殺すのが嫌なら、革命活動に参加するなァッ‼今すぐ、『自己反省』しろ‼」
『自己反省』という言葉が、尻澤エリコの脳裏に、子島ルルコへの度重なる拷問の光景をフラッシュバックさせる。
尻澤エリコは自身を襲う死の予感を振り払うように、自分の心を殺して一番使いたくない言葉を反射的に口にしてしまう。
「じ、『自己反省』します...‼」
「何に対してだ‼」
「革命活動による革命実現の過程で敵対する人間達への殺害行為を非難及び忌避したことについて、『自己反省』します...」
「それで、よろしい。尻沢エリコ、他3人の新たな同志も‼ようこそ、紅軍連合へ‼」

次回予告 潜入 その5

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十三話 潜入 その5

第三百九十三話 潜入 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

子島ルルコが死亡してから一日が経った。
紅軍連合の潜伏先のアパートに、億平テシコの死体を山中に遺棄した能沢エーイチロウが帰ってきた。
俺、能沢エーイチロウは子島ルルコの死に、大して驚かなかった。
そう、俺が先程、山に埋めてきた億平テシコを殺したのは、子島ルルコだからである。
因果応報というか、自業自得である。
子島ルルコの死より驚いたのは、新たに増えた4人の新メンバーである。
何らかの理由で革命活動を志願した女性、尻澤エリコ。
後に『加藤無双』という名の無差別大量事件を起こす、加藤モトヒロ。
グァイジをこの地球から一人残らず殺すために革命活動に志願した、上松サトツ。
見た目は男性だが、中身は女性であると公言し、性差別を日本からなくすために、革命活動に志願した理由地エル。
4人の新メンバーへの挨拶を終えた俺に、さっそく倉都テツオが新たな作業を頼んできた。
「エーイチロウ、帰って来て、早々悪いんだが、子島ルルコの死体の処理を頼む」
「俺以外のメンバーじゃダメなのか?」
「俺とエーイチロウ以外のやつらは、どうやら、車の運転に自信がないらしい、免許を持ってない奴もいる」
「仕方ないなぁ、じゃあ、そこの尻澤エリコを連れて行ってもいいかい?」
「別に構わんが、せっかく手に入れた新メンバーだ、あまり遊びすぎるなよ」
「へいへい、わかってるよ。そんじゃ尻澤さん、行こうか?」
「そうだ、エーイチロウ、どうせ、尻澤を連れていくなら、色々と仕事を教えてやってくれ、コーバン調査とか、仲間の勧誘とかな」
「了解♪」
アパートを出た俺は、スーツケースに入った子島ルルコの死体を車内に放り込む。
俺は尻澤エリコと子島ルルコの死体を乗せた車を発信させる。
運転席の隣に座る尻澤エリコに俺は忠告する。
「尻澤、なんでこんなとこに来た」
「それはこっちのセリフよ、どうして、エーイチロウ君がここにいるのよ」
そう、俺と尻澤エリコは高校の同級生だった。
高校では、俺と尻澤は新聞部に所属しており、よく日本の将来について語り合ったものだ。
「俺が紅軍連合に入ったのは、この国の医療制度に殺されたカノジョの仇を討つためだ」
「そっか、エーイチロウ君、あの子と付き合ってたんだっけ?でも、こんなことしてても、病気で死んだカノジョが生き返るわけじゃないわ」
「カノジョの病気は治せない病気じゃなかった‼海外の病院なら直せたんだ‼でもBEI軍の管理下に置かれた今の日本は、海外製品の輸入や輸出は認められているが、基本的に一般市民の海外への渡航を許可しない‼BEI軍のやつらは俺たち日本人が海外の人間と関係することで、日本人が国内で反乱を起こすことを恐れているんだ‼所詮、俺たち日本人はかごの中の鳥ってわけさ‼」
「でも、BEI軍に支配されているからこそ、今の日本の平和があるのよ‼」
「そのBEI軍の支配下に置かれた今の日本の平和が、カノジョを殺したんだ‼俺から大切な女を奪った平和、そんなものは俺と死んだカノジョにとって平和でもないんでもない‼だから俺は革命活動でこの国を変える‼BEI軍の支配下からの解放‼それによる日本医療制度の改革‼俺はもう、これ以上、カノジョのような被害者を出したくないんだ‼」
「だからって人を殺して言い訳ないでしょ‼」
「でも、BEI軍を日本から追い出さないと、俺たち日本人はいつになっても不自由なままだ。犯罪被害に遭っても加害者がBEI軍人なら、日本の法律は適応されない‼日本国内で治療が無理でも、海外の医療技術でなら治せる病気も、BEI軍によって海外渡航が禁止されているから一般市民は難病の前に為す術なく死ぬしかない‼BEI軍やつらが口で言って聞かないなら、武力で訴えるしかない‼だから俺は殺す‼この国を支配する者たち、俺の目の前に立ちふさがる者たち、全員、殺す‼倉都テツオから聞いたぜ、お前だって子島ルルコの足にナイフを突き刺したんだろ‼だったらお前も人殺しだ‼人殺しに、とやかく言われる筋合いはない‼」
「わ、私だけのせいじゃないわよ‼私があのアパートに来た時からもう、子島ルルコの顔は血まみれだった‼子島ルルコが死んだのは私だけのせいじゃない‼私は悪くないわ‼」
「見苦しいぜ、お前それでもジャーナリストかよ?この前、アパートで死んだ女が言ってたよ、ジャーナリストは『真実の探求者』だってな、お前はそれでも『真実の探求者』なのか?」
「ウソ...でしょ?」
「ウソじゃない、この前、死んだジャーナリスト女が言ってた、不倫や浮気は人間が本能に忠実な生き物であることを証明している真実の姿だって、それで、その女は、頭のおかしいイカレハーフの男に無理矢理KAN国人に認定されて、殺された」
「そのジャーナリストの女の名前、なんて言うの?」
「案堂ユーコ」
「私が紅軍連合に入ったのは、ジャーナリストの師匠である案堂ユーコの無事を確認するためよ...無事に救出できてたら、私は会社で副編集長になれるはずだったのよ‼」
「そりゃあ、ご愁傷様」
「これじゃあ、紅軍連合に潜入した意味がないわ!私はこれからいったいどうすればいいのよ‼」
「知らないよ。でもジャーナリストだからって、必ず殺されるわけじゃない、ちゃんと組織に忠実に革命活動していれば、なんとかなるさ」
「でも、私、さっき、あなたに『潜入』って言っちゃたのよ‼」
「安心しろ、みんなには黙っててやるから。それに、仮にみんなにばれても、紅軍連合のリーダー倉都テツオは今、仲間を増やそうとしている、案堂ユーコを殺したイカレハーフのブリドカットゾーラまさよし君も、ちゃんと今、生きてるだろ?だから、余程、組織に被害を与えない限り、殺されることは...多分......ない...」
「ちょっと何よ、その間は‼でも私、アパートで会ってるわ、その、ブリドカットゾーラまさよしに...」
「復讐しようだなんて、思うなよ、それこそ、組織のみんなに殺される原因になる。とりあえず、俺たちの情報を外部に漏らさず、組織に忠実に行動するんだ」
「それで、私にジエータイや、ケーサツと殺し合いをしろって?そんなの嫌よ‼」
「どっちにしろ、俺たちを裏切れば、俺達はお前を殺さなくちゃいけない。お前に逃げ道はもうないよ」
「そう...なのかもね、それで、この後、死体の後片付けを手伝わされるわけ?」
「あの狭いアパートの中よりもマシだろ?とりあえず、今は、密着取材できると思って頑張りなよ、今、尻澤は、この世界で一番、紅軍連合に近い場所にいるジャーナリストなんだぜ」
「私が取材で得た情報をケーサツに売るとか、そういうことは考えないの?」
「もちろん、考えてるさ、その時は俺がお前殺す。でも、実際嬉しいのさ、俺も、お前がちゃんと高校時代に言ってた自分の夢を叶えてジャーナリストになってることがさ、だから絶対、生き残れよ。そんで、革命が成功したら、俺たちの戦いを本や新聞の記事にしてみんなに広めておくれ、そうすればこの戦いで死んでいった、お前の師匠や他の仲間たちも浮かばれるはずだ」
「あんたはBEI軍やジエータイ、ケーサツに本当に勝てると思ってるの?」
尻澤の質問に、俺は何も答えなかった。

次回予告 奪還 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十四話 奪還 その1

第三百九十四話 奪還 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ジャーナリスト・尻澤エリコは恩師の案堂ユーコの救出と出世のために紅軍連合に潜入する。
しかし、かつての同級生、能沢エーイチロウから、案堂ユーコの死を知らされた尻澤エリコ。
困惑と怒りをあらわにする尻澤エリコに対して、能沢エーイチロウは、この戦争で紅軍連合が勝利した際に、紅軍連合での潜入取材を通して得た情報をもとに、これまで散って逝った同志たちの無念を晴らしてほしいと告げる。
尻澤エリコは多勢に無勢、国軍とBEI軍相手に少数で立ち向かう紅軍連合のやり方で、果たして本当にこの戦争に勝てるのかと、エーイチロウに問う。
エーイチロウが尻澤エリコのその質問に答えることはなかった。
車内が気まずい空気に包まれる中、エーイチロウの運転する車が止まる。
エーイチロウと尻澤エリコは子島ルルコの死体を山中に遺棄するために、車を出る。
エーイチロウが尻澤エリコに告げる。
「どうせ来ているなら、手伝ってもらうぞ」
「い、嫌よ、私、これ以上、罪を重ねたくないわ‼」
「なら、倉都にお前が新聞社のスパイだって報告するぞ、そうなったら、お前も子島ルルコみたいになる」
「わ、わかったわよ、でも、いったい何を手伝えばいいのよ‼」
「子島の死体が入ったスーツケースあるだろ?それ持って、山を登って穴を掘ってくれ、埋めるのは俺がやる」
「そ、そんなのフェアじゃないわ‼」
「あのな、こっちはいつでもお前をスパイにできるんだぜ?」
「わ、私を脅迫する気なのね、見損なったわ‼高校時代のエーイチロウ君はそんな人じゃなかった‼」
「俺も出来ればそんな人にはなりたくなかったさ、でも仕方ないよ、悪いのは世界のほうだ、つーか俺、さっき一人で億平の死体片づけてきたばかりだからさ、もうヘトヘトなんだよ、そーゆうことだから、よろしく」
エーイチロウを先頭に、スーツケースを引きずりながら登山を開始する尻澤エリコ。
エーイチロウが尻澤エリコに問う。
「お前、どこの新聞社で働いてたんだ?」
「潮日新聞よ」
「なら、アズマ山が今、どうなってるのか知ってるか?」
「アズマ山?ああ、アンタたちが潜伏してるって噂の山ね、ケーサツに捕まったアンタ達のお仲間が漏らした情報をもとに、ケ―サツとジエータイがアズマ山の周囲に包囲網を完成させたのは確かよ、でもクマが頻繁に出没するらしいから、登山は難航してるみたい。でもこれは私が紅軍連合に潜入する二日前の情報」
「じゃあ、もうAZUMA山荘は完全に制圧されている可能性が高いのか」
「AZUMA山荘?ああ、アズマ山だからか、そーゆう名前なのね」
「倉都は近いうちに、AZUMA山荘に隠してある武器を取り返しに行くって言ってた」「ご愁傷様、仮に、もうAZUMA山荘がケーサツとジエータイに制圧されているとしたら、もう全部、没収されているかもね」
「いや、それはないよ」
「どういうこと?」
「銃火器はみんなビニール袋に入れて、土の中に埋めたんだ、だから武器の隠し場所はケーサツとジエータイにはわからない」
「甘いわね、ケーサツに捕まったアンタらの仲間が情報を売っている可能性は考えないの?それに金属探知機を使えば、土に埋めた銃火器なんてすぐに見つかるわ」
「だからなんだ、俺はとっととアズマ山に戻りたいんだ、あそこは俺たちの居場所なんだよ、それにあそこには、まだ俺の仲間が一人残ってるんだ」
「アズマ山に昇るなら、アンタたち紅軍連合はクマとケーサツとジエータイを相手に戦わなくちゃいけない、それでも昇るの?」
「多分、武器と仲間の回収を終えたら、倉都は、また別の場所に基地を作るつもりだと思う」
「どうでもいいけど、山の中でトイレとかどうしてんの?」
「普通に土に穴掘って、そこでする、それでその上にまた土をかぶせる」
「ずいぶんと原始的ね」
「でも、それが人間本来の姿なんだよ、国が水洗トイレを一般化して常識の一部として同調圧力を用いて普及させてしまったせいで、俺たち人間は排泄行為をするのにも金銭が必要になってしまった、これを俺は悲しいことだと思う。水洗トイレだけじゃない、人が人らしくある為に必ず金銭が要求される、つまり金銭がない人間は人らしく生きる権利を剥奪され、周囲から人間扱いされない、尻澤は金のない男と付き合えるか?セッ●スできるか?路上生活者と友達になれるか?」
「全部無理ね、生活能力のない人間とはセッ●スもしたくないし、友達にもなりたいくないわ」
「つまり、そういうことなんだよ。人の愛情も友情もお金で成立しているんだ、紙切れとコインで成立している人間関係を自分たちに都合よく味付けをしたものが、愛情と友情なんだよ、金を持っている人にしか保証されない愛情と友情、それを君は、本当に愛情・友情と呼べるのかい?」
「それは、お金を稼ぐ能力のない人間のいいわけよ‼」
「それだと、俺の先程の発言を肯定していることになるけど、それでいいのかい?」
「だってそれが事実じゃない、金のある人間は長生き出来て、金のない人間はすぐに死ぬ
、それがこの世界の真実よ‼」
「本当にそうかな?俺たち紅軍連合はアズマ山で、生活のほとんどを自給自足で生き抜いてきた、もちろん全部が全部自給自足だったわけじゃない、でもお金に固執し過ぎる、つまりお金がないと絶対に生きていけないという発想は、俺は間違っていると思うんだ、山でのサバイバル技術があれば、たとえ、会社をリストラされて一文無しになってしまっても、線路に飛び込まずに済むんだから、そういう意味で、俺はこの戦争に勝ったら義務教育の中にサバイバル技術の授業を取り入れようと思ってる、そうすれば、この社会に適応できず、金銭を稼げずに自殺に追い込まれてしまった人々の命を救うことができる」
「そんなこと、国のセージカどもが許さないわよ、山で自給自足に慣れ、お金を稼ぐ必要のなくなった人間達が、国にゼ―キンを納めるとは思えない、ゼ―キンを納める人間がいなくなれば、セージカのやつらはみんな無収入になるわ」
「その通りだよ、だから俺たち紅軍連合は武力で新日本のセージカどもを皆殺しにするつもりだ、既存の腐ったセージ体制を破壊して、真の国民のためのセージを取り戻すんだ‼」
尻澤エリコが能沢エーイチロウに告げる。
「アンタたちは、狂っているわ」

次回予告 奪還 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十五話 奪還 その2 

第三百九十五話 奪還 その2 
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合のメンバーたちから、度重なる暴行を加えれて死亡してしまった子島ルルコ。
子島ルルコの更生を願って行われた暴力が、逆に子島ルルコを殺してしまった事実に、困惑する紅軍連合のメンバーたち。
メンバーの一人である能沢エーイチロウは、子島ルルコの死体を山中に遺棄するために、尻澤エリコと共に、潜伏先のアパートを出て山を登る。
山に昇る途中、能沢エーイチロウは尻澤に持論を展開。
しかし、尻澤はエーイチロウの持論をバッサリと切り捨てる。
「アンタたちは、狂っているわ」
尻澤に持論を否定されたエーイチロウは先程の饒舌さとは一転、沈黙を続ける。
気まずい空気の中、登山を続ける尻澤とエーイチロウ。
尻澤がふいに不満を口にする。
「はぁ~、のど乾いた~」
「おまえ、登山に飲み物を持ってきていないのか?水筒とかさ」
「それのなにが悪いの?」
「登山に飲み物を持ってこないのは、自殺するのと同じだ、この場に倉都がいたら、『自己反省』の対象になっていたぞ」
「あっそ、そんで、どこまで登るのよ」
「この辺でいいだろ、ほれ」
エーイチロウから渡されたスコップを手に持って、地面に穴を掘り始める尻澤。
「ふぁ~のどが乾いて死にそう~」
「俺は代わらんぞ、ちょっと前に億平を埋めて来たばかりで疲れてる」
「あんた性格悪いわね、私がのど乾いて死にそうなのわかってて、穴掘りさせるなんて」「堀り終わったら、俺の水筒やるから、がんばりな」
「言ったわね、約束よ!」
汗だくになりながら穴を掘り続ける尻澤。
「よし、そんなもんでいいだろ」
エーイチロウは尻澤が堀った大きな穴に、子島ルルコの死体を放り込む。
「遺族の方がかわいそうね」
「遺骨が山の中だろうと、墓の中だろうと、死んじまったやつにとっちゃ同じだよ、この世界は所詮、生きている人間だけのために存在している。死人なんて無視されているも同然だよ」
「そうかしら?お盆や一周忌の習慣は、あなたのその意見を否定していると思うけど」
「死人に、親族が墓参りをしている様子を確認する方法はない、墓参りなんて残された遺族のする一方的な自己満足だよ、もっとわかりやすく言えば、シューキョー団体としていることは同じさ、誤った価値観を同調圧力で真実として広めるという点ではね」
「あなたはシューキョーの文化を否定するの?」
「ああ、否定するね、シューキョー活動なんてしている奴らは、俺に言わせれば、みんな頭のおかしい奴だよ。よく考えてみろよ、神様が本当に実在してたら、だれもシューキョー団体なんて作らない。そこに神様が実在しないから、誰かが架空の神を作り、誰かが架空の神を名乗り、シューキョー団体を作る。もっとわかりやすく言えば、シューキョーにハマっている奴らは、アニメキャラを自分の嫁と言っている奴らと同じさ。要するにだ、日本のビジネスの仕組みはシューキョー団体と同じなんだ、搾取する側が依存対象を作り、搾取される側が金銭を払ってその依存対象を購入する、すると搾取する側が儲かる。生活のほとんどを金銭に依存している俺たち日本人はみんな、金をという教組を持つシューキョー団体の信者なのさ」
「じゃあ、アンタも結局、そのシューキョ―団体の信者ってことになるわよ」
「ああ、今はね、でも、俺たちはその仕組みを破壊するために革命活動をしているんだ、このまま同調圧力を理由に全てを諦めて生き続けるぐらいなら、無理を承知で自分に正直に生き続けるほうが人生、面白いと思わないか?」
「なるほどね、確かに同調圧力に思考を奪われた人々ほど、自分らしさを追及する人間に対して、批判・否定的な意見をするわよね、まるで自分の仲間を増やそうとしているみたいに」
「そのいい例がケームショだ、ケームショはホーリツという名の価値観を守れない者、つまり善悪を超えた自分らしさを追及する探求者たちを、ホーリツという名のものさしで測って断罪する。殺人はホーリツで禁止されているが、殺人ゲームソフトの販売は禁止されていない、つまり、殺人を生きがいにしている人間はホーリツ違反になり、殺人ゲームソフトのプレイを生きがいにしている人間はホーリツ違反にならない、二人とも殺人が生きがいなのは事実なのにね、実際に人を殺した人間はホーリツ違反になりケームショ送りだ、場合によっては死刑になる。つまりケームショにいる人間は、自分らしく生きている人間なんだよ、たまたま、その自分らしさがホーリツに違反していただけであってね。だからケームショにいる人たちやホーリツ違反者を大多数の同調圧力で人でなしとみんなで侮辱することは、とてもひどいことなんだよ。だから今の日本を真なる意味で誰もが自分らしく生きていける世界に変えるためには革命活動は必要不可欠なんだ」
尻澤がエーイチロウに手を差し伸べる。
「尻澤、わかってくれたんだな」
「約束通り、飲み物をよこしなさい」

次回予告 奪還 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十六話 奪還 その3

第三百九十六話 奪還 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

山に億平テシコの死体を遺棄し終えた俺と尻澤エリコは車に乗って、潜伏先のアパートに向かう。
移動の途中にパトカーとすれ違ったが、特に何事もなく、俺と尻澤はアパートにたどり着くことができた。
潜伏先のアパートでは大きな地図を中心に、紅軍連合のメンバーたちが作戦会議をしていた。
倉都てつおが帰宅直後の俺たちに、作戦会議の内容を説明する。
「先程、電話で信重フサカから連絡があった。内容は、『各地に潜伏中の紅軍連合のメンバーは明日の22時にアズマ山に侵入、合流することなく、そのまま各班の自由にAZUMA山荘周辺の土に埋めた武器の回収を開始せよ』とのことだ、わかるか?」
「22時って、つまり夜の10時か...」
「ああ、数的に圧倒的な不利な俺たちが目的を達成するなら、夜戦しかない」
「ユイナの回収は命令には含まれていないのか?」
「ああ、まぁ、信重フサカにしてみれば、ユイナ一人の命より、武器の回収が最優先なんだろう、それにこれだけ時間が経った後では...」
「わかった。それで、俺たちはどのポイントから山に侵入すればいいんだ?」
「俺たちは明日の早朝に、アズマ山と地続きになっている、『ミムラ山』を登る。それでミムラから直接アズマ山に向かう」
「なるほど、アズマ山の周囲がジエータイとケーサツに包囲されてダメなら、隣のミムラ山からアズマ山に侵入すればいいってことか」
「ああ、だが現在潜伏中の別の班も、俺たちと同じ考えにたどり着くだろう、だから俺たちはあえて登山が困難な山頂付近の沿って、アズマ山に侵入する」
石川ユニが不満の言葉を漏らす。
「山頂付近の登山では足場の安全性は保証できないわ、転んだりしたら最悪、死んでしまうかもしれない」
「だからこそだよ、足場が不安定だからこそ、日の明るい早朝に行動を開始する。それに登山は多かれ少なかれ、命懸けだ。アズマ山に侵入するとなれば、クマとの遭遇もありえる」
尻澤は疑問を口にする。
「なんか作戦内容があっさりしすぎてませんか?どうしてあらかじめ入念な計画を立てて侵入ポイントを決めておかないんですか?侵入のタイミングやポイントをしっかり決めておけば、複数のグル―プで連携して、ケーサツやジエータイをかく乱して、その隙に別のグループで武器の回収が行えるじゃないですか」
倉都てつおが尻澤エリコの質問に答える。
「その通りだよ、尻澤の疑問は正しい、でも正しすぎるのが問題なんだ、わかるか?」
「言っている意味がわかりません」
「尻澤、お前は今日、エーイチロウと山に何を捨ててきた?」
「あっ、そういうことか...!作戦開始までに裏切り者が出れば、裏切り者が自分の罪を軽くするために、作戦内容をケーサツに売るかもしれない...!」
「正解だ。実際、別の潜伏先でも裏切り者や脱走者が何人か出たらしい、だから信重フサカは、今回の作戦内容をケーサツに売られても作戦に支障が出ない内容にした、わかるか?」
確かにそういわれてみれば、俺がこのアパートに来てからもう、メンバーが3人死んでいる。
案堂ユーコ。
子島ルルコ。
億平テシコ。
俺が原子力発電所で起きた、広末シューイチ・鳥羽リョーコ・労速ジュンの痴情のもつれをみんなの前で話さなければ、あんなことにはならなかったかもしれない。
倉都テツオがすぐにみんなに指示を出す。
「よし、メンバーは皆、AZUMA山の初めて登った時と同じ準備をしておいてくれ、準備が出来次第、明日の早朝に備えて就寝。既存のメンバーは脱走と裏切り対策に交代で見張り役をするように、俺はレンタカーの用意と新メンバーの使う登山グッズを買ってくる、わかるか?」
倉都テツオはそう言ってアパートを出た。
日加リュージが提案する。
「じゃあ、最初の見張り役は俺がするよ、2時間後に他のやつに任せる」
ブリドカットゾーラまさよしが挙手をする。
「じゃあ、次は僕がやります」
石川ユニが提案する。
「じゃあ、その次は私、3時間、見張りを担当させてもらうわ」
俺は疑問を3人にぶつける。
「2、2、3で、7時間か、じゃあ、俺はいつ見張りをすればいいんだよ?」
石川ユニが答える。
「エーイチロウ君は、山とアパートを行ったり来たりで疲れてるでしょ、見張りは私と日加とブリドカットゾーラに任せて、しっかり休みなさい」
「ありがとう、正直助かるよ...」
俺は布団をアパートの隅に敷いて、その上に横になる。
だいぶ疲れていたのか、すぐに睡魔に襲われて、眠りに入れる。
明日は作戦の日。

次回予告 奪還 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十七話 奪還 その4

第三百九十七話 奪還 その4

無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ついにAZUMA山荘に戻り、武器を奪還する作戦の日がやってきた。
俺たちはアズマ山と地続きになっているミムラ山に侵入。
ケーサツとジエータイの監視を潜り抜けるために、ミムラ山の山頂付近を歩いて直接、
アズマ山に侵入する。
山の山頂付近は足場悪く、安全な登山が約束されていない。
しかし、監視の目をくぐってAZUMA山荘に戻るにはこれしかない。
今ごろ、他の潜伏先の同志たちも、それぞれの行動を開始しているに違いない。
早朝、ただいま時刻は午前4時。
空はまだ青く、日は登っていない。
約7時間の睡眠をしっかりとった俺は、子島ルルコと億平テシコの死体を山に埋めに行くついでに採った山菜を天ぷらに調理している。
横から寝起きの尻澤エリコが話しかけてくる。
「ねぇ、その天ぷら、なぁに?」
「山菜だよ」
「わぁ、本当にサバイバルなんだ、それほんとに食べられんの?」
「うん、そうらしい、昔ね、あるメンバーに教えてもらったんだ」
「誰よ、それぇ」
「うるせぇな、とっとと顔洗ってこいよ」
「教えてくれないと、顔洗わないもん!」
「宮沢タクヤ、趣味はゴーカン、裏切り者、もう死んだ、つーか俺が殺した」
「聞いて損したー」
急に真顔になった尻澤が速足で洗面所に向かう。
朝食のメニューは白飯、山菜の天ぷら、山菜の味噌汁。
潜伏先のアパートに住む、全9人が一斉に朝食を始める。
新メンバーの加藤モトヒロが天ぷらを見て驚く。
「うわぁ、天ぷらだぁ、朝から豪華だなぁ!」
すぐに尻澤が補足する。
「全部、山で採ってきた山菜だけどね」
「あっ...」
何かを察したような加藤モトヒロの言葉を聞いて、皆、黙々と朝食をとる。
朝食を終えた俺たちは登山の準備と変装をして、すぐに移動を開始する。
もう、このアパートの戻ってくることもないだろう。
ちなみにアパート内で監禁していたケーサツ官はそのまま放置した。
その理由として、すぐに殺してしまうと死体の腐臭が原因で、ケーサツに早い段階で俺たちが、このアパートを使っていたことがバレてしまうからだ。
仮に死体が餓死してケーサツに、アパートでの潜伏生活について知られてしまっても、知られるのが遅いに越したことはないのだ。
俺たちがこのアパートで生活していたことが早い段階でケーサツに知られてしまえば、それだけ、俺たちの状況を不利にしてしまうかもしれない。
そう、ケーサツの捜査能力を甘く見てはいけない。
捕虜のケーサツ官は、外部から助けが来なければ、口にガムテープを張られ、両手両足を縛られた状態のまま餓死するしかないだろう。
捕虜のケーサツ官から拳銃と予備の弾、ケーサツ証を奪った俺たち9人は、倉都が用意したレンタカーのワゴンに乗って移動を開始する。
ワゴンの中で倉都テツオが作戦内容について、もう一度説明する。
それが終わると、すぐにみんなで理想の日本について熱い議論を繰り広げる。
しかし、その途中、ワゴンの横をパトカーが通り過ぎると、皆一斉に沈黙する。
運転中の日加リュージがバカみたいに笑い始める。
怒る石川ユニ。
「ちょっと日加君、なによ、その態度は!」
「だ、だって、あんだけ勢いよく熱い反社会的な議論を交わしてたのに、パトカーが横通り過ぎた瞬間、急にシーンって静かになったから、ついね」
「日加君だって他人事じゃないのよ‼」
「わかってるって、でもさ、ずっとアパートの中にいたからさ、こうなんか修学旅行みたいでたのしいな」
「アンタ、それ、トタン屋根と木でAZUMA山荘を作るときにも、同じこと言ってたわよ」
車内にみんなの笑い声が上がる。
特に尾行されることもなく、車はスムーズに走り続ける。
移動を開始してから約2時間、途中、『ミムラ山』付近のサービスエリアの駐車場で車が止まる。
車から下りる直前、倉都テツオがみんなに気合を入れる。
「よし、車から下りたら、作戦開始だ、武器の回収が済んだら、またこのワゴンに戻るんだ、全員無事のまま、ここに戻ってくることを俺は願う、わかるか?」
全員が倉都てつおの言葉に、なにかを決意したような表情で相槌をつく。
俺たちは一斉に車を下りる。
俺たち9人はサービスエリア裏の山林地帯に侵入する。
登山用に推奨されていない急な斜面を俺たち9人は進み続ける。
靴底にスパイクがついていない、登山靴でなければ、今ごろ何人か転んでいただろう。
山で転ぶことは、場合によっては死を意味している。
山だけではない、海も川も、人々が娯楽の場所だと思い込んでいる大自然は、時に人に牙を剥き、その命を終わらせる。
まるで、そこが人の踏み入っていい領域ではないと忠告するみたいに。
初めて、アズマ山に登った時はまだ、ユイナがいた。
潔癖主義で女性主義の姫川ユイナ。
あの時の登山ではユイナが革命活動に弱音を吐いたメンバーを粛正した。
今回の新メンバーたちは、子島ルルコの一件で紅軍連合の恐ろしさを知ってしまったせいか、皆、黙々と登山を続けている。
皆、内心弱音の一つも吐きたいけど、子島ルルコのようにリンチに遭って死にたくないのだろう。
山頂付近にたどり着いた俺たちは、そこで休憩をすることになった。
尻澤が俺に恥ずかしそうに聞いてくる。
「ねぇ、トイレとかってどうすればいいの?」
「前に言ったろ、穴掘って、そこでアレして、その上に土をかけるの、死体と一緒だよ。つーかなんで男の俺に聞くの?」
俺はすぐに女性主義者の石川ユニを呼ぶ。
「おーい石川さん、尻沢がウ●コしたいって!」
「ちょっと!大きな声で言わないでよバカ‼」
事情を察した石川ユニが、尻沢の手を引いて、山奥に消えていく。
後に『加藤無双』と呼ばれる大量殺人事件を起こす、加藤モトヒロ。
グァイジをこの日本から一人残らず殲滅するために活動している、上松サトツ。
上記の二人がお互いの顔を見合わせ、うなずく。
俺はすぐにふたりに忠告する。
「おい、お前ら、くれぐれも、のぞきなんかするなよ、ころされるぞー」
「「で、ですよねー」」
見た目は男だが、女性であることを主張する理由地エルがすぐに、のぞきを諦めた二人に苦言を呈す。
「これだから、男は...」
すぐに、加藤モトヒロと上松サトツが理由地エルに反論する。
「お前も男だろ!」
「失礼だな君たちは、僕は男だけど、心は女だ!今のは間違いなく女性差別だ!お前たちは今すぐ『自己反省』しろ‼」
差別という言葉にブリドカットゾーラまさよしが反応する。
「君たち、差別はよくないな、差別をする人間はみんなKAN国人だ、君たちはKAN国人みたいな世界最低民族と同じでいいのかい?よくないよね?」
ブリドカットゾーラまさよしの意味不明な忠告に困惑しつつも、とりあえず、先輩から忠告なので、加藤モトヒロと上松サトツは『自己反省』するしかない。
「「自己反省します...」」
おそらく、加藤モトヒロと上松サトツが自己反省していなければ、ブリドカットゾーラまさよしは二人をKAN国と決めつけて殺していただろう。
本当にイカレている。
俺は胸をなでおろして、水筒に口をつける。
乾いたのどに麦茶が冷たい。

次回予告 奪還 その5

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十八話 奪還 その5

第三百九十八話 奪還 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ついに、AZUMA山荘の地面に埋めた武器の奪還作戦が始まった。
AZUMA山荘はアズマ山に建てた紅軍連合のアジトである。
現在、アズマ山はケーサツとジエータイに包囲されている。
奴らは俺たちが、アズマ山に戻ってくることを計算して、アズマ山を包囲しているのである。
つまり、武器奪還のために、正面からアズマ山に登りに行けば、そこでケーサツやジエータイに捕らえられてしまうのだ。
その難点を克服するために、紅軍連合のリーダーである倉都テツオ率いる俺たちの班は、アズマ山の隣にあるミムラ山から直接、アズマ山に侵入する作戦を実行する。
しかし、ケーサツやジエータイもバカではない。
普通の登山コースでミムラ山を登れば、ほぼ間違いなくそこで待ち構えているケーサツやジエータイに逮捕されてしまうだろう。
そこで、俺たちの班は、あえて足場の悪いミムラ山の山頂付近を歩いて、アズマ山に侵入することにした。
そう、足場が悪いポイントであれば、ケーサツやジエータイの監視対象にはなっていないはずだ。
つまり、俺たちが今、歩いているコースは本来、登山用に使用してはいけないコース、非常に危険なコースなのだ。
つまり、ケーサツやジエータイもバカではないので、その危険な登山コースを人間が歩いていることを想定していないということだ。
俺たち9人は休憩を終えると、危険な登山を再会させた。
全てはAZUMA山荘付近の土に埋めた、大量の武器を奪還するためだ。
登山を開始してからすでに3時間を経過した、空気の薄いミムラ山頂付近から、直接、アズマ山への侵入に成功した俺たち9人。
しかし、まだ早朝、別の潜伏先に住んでいる信重フサカの命令では、作戦実行は夜の10時となっていた。
その理由として夜のほうが、圧倒的人数不足の紅軍連合にとって色々と都合がいいからだ。
しかし、夜になれば、当然、視界が悪い、つまり敵が不利になれば、俺たちも不利になるはずだ。
夜間での戦闘は、撤退の際には便利だが、銃で相手を狙う際には、やはり周囲が暗いと色々不便である。
俺は倉都テツオに提案する。
「このまま、夜までここで待っていると逆に、ケーサツやジエータイに怪しまれる、このまま9人で武器の回収にいこう」
「ダメだ、お前の言っていることは正しいが、9人といえど、その内の5人は実戦未経験者だ、ほとんど戦力として数えることはできん」
「じゃあ、このまま、夜になるまで待つのか?」
「いや、近くで休憩できそうな場所を見つけ次第、交代制でAZUMA山荘の偵察に向かう、まずAZUMA山荘にどれぐらいの敵がいるのか、そこは見極めないと、なにもできん」
「じゃあ、AZUMA山荘にいる敵の人数を配置の分析が、完了すればすぐにAZUMA山荘に武器を取り返しに行けるんだな」
「ああ、だがAZUMA山荘の周囲がどうなっているのかわからん、今の時点ではなんとも言えん、とりあえず待機ポイントを見つけて、登山での疲労を回復しつつ、AZUMA山荘の偵察だ」
「了解した、では、まず俺が偵察に行く、他に誰かついてきてくれると助かる」
エーイチロウの提案に、後に『加藤無双』と呼ばれる事件を起こす、加藤モトヒロが挙手をする。
「お、俺がついていきます!早く、実戦に慣れたいんです!」
「わかった、俺についてこい」
俺は加藤モトヒロと共に、休憩ポイントからAZUMA山荘へと移動を開始する。
途中クマに遭遇することなく、俺と加藤はAZUMA山荘から10メートル程離れた崖にたどり着く。
崖からAZUMA山荘の様子が見える。
「まいったな...これは」
AZUMA山荘はすでに、数人のジエータイ員に占拠されていた。
山荘の外部には武装をしたジエータイ員が数人。
この様子だと内部もジエータイ員に占拠されている可能性が高い。
加藤モトヒロが困惑する。
「この状態じゃあ、土の中に隠した武器を回収するにはジエータイ員を全滅させるしかありませんね...」
「やつらは俺たちがここに戻ってくることがわかっていて、ここを占拠したんだろうな」「大変ですねぇ、ジエータイも、俺たちみたいなテロリストを捕まえるために、上の命令で山暮らしをしないといけないんですから」
「ああ、だからこそ、怖い、奴らは俺たちを全員捕まえるか、殺すかしないと、家に帰れないんだからな」
「どうします、このまま偵察を続けても、AZUMA山荘の警備が薄くなるとは限りません、外部の警備は他のジエータイの部隊が担当していることでしょうし...」
不安を吐露する加藤を尻目に、俺は近くに落ちていた太い木の枝を拾って、リュックから出したチャッカマンで火をつける。
太い木の枝の先に炎が燃えている。
つまり、『たいまつ』である。
「エーイチロウさん、いったい何をするつもりですか?」
「お前は急いで、休憩中の7人と一緒に、この山から撤退するんだ」
「わ、わかりました、でもいったい何をするつもりなんですか?あとで倉都さんに怒られますよ‼」
俺は加藤の忠告を無視して、崖から離れる、そして先程いた休憩ポイントには戻らず、そのままAZUMA山荘へと向かって走る。
AZUMA山荘に突如出現した、俺の姿に、一斉に警備を担当していたジエータイ員どもが銃口を向けてくる。
「貴様ァ!何者だァ‼」
俺は変装用にかぶっていたカツラを取る。
ジエータイ員達から一斉に、驚く声が上がる。
「お、お前は、指名手配中の能沢エーイチロウ‼」
「本当だ...あのBEI軍殺しの能沢エーイチロウだ‼」
「能沢エーイチロウ‼ここに何をしに来た!自首するなら今すぐ両手を上にあげろ‼」
俺はジエータイ員どもに忠告する。
「お前たちは俺が手に持っているコレを見て、まだ何も気づかないのか?」
俺は先端に火が点いた状態の太い木の枝を、ジエータイ員どもに突き出す。
「たいまつがいったい何だって言うんだ‼早く両手を上げろ‼」
他の隊員があることに気付く。
「おい、ちょっと待てよ、早朝なのになんで、たいまつなんて持ってんだ?ああ、そういうことか!」
「そっちのジエータイ員は頭がいいな、そうさ、今すぐ、お前たちがAZUMA山荘から撤退しないのであれば、俺はこのアズマ山に火をつける‼そう山火事を起こされたくなかったら、とっととここから出ていけ‼」
「お、お前!山を人質にするのか‼山火事が起きれば、俺たちだけじゃない、お前だって死ぬかもしれないんだぞ‼」
「だったら、なんだ。俺が死んでも、土に埋めた武器が無事ならそれでいい、俺が死んだ後に仲間が武器を回収すればいいだけのことだ」
「武器?武器だと!いったいどこに埋めたんだ‼おい、お前、はやく、みんなにこの情報を無線で伝えるんだ‼」
「そんなことしていいのか?ここに増援を呼んだら、全員、俺が起こした山火事の犠牲者になるかもしれないぜ?」
「そ、それがどうした!増援がもうすぐここに到着する!それに!」
「スナイパーが俺を狙っている、そうだろ?」
俺はAZUMA山荘に向かって、火の点いたたいまつを投げる。
炎に包まれるAZUMA山荘。
「や、野郎!やりやがった‼」
能沢エーイチロウが悪魔のような微笑みを浮かべながらジエータイ員達に告げる。
「さぁ!パーティーの始まりだァッ‼」
山火事が始まった。

次回予告 奪還 その6

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第三百九十九話 奪還 その6

第三百九十九話 奪還 その6
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

偵察に出かけた俺を待っていたのは、すでにジエータイ員達に占拠されたAZUMA山荘だった。
俺はAZUMA山荘付近の地中に埋めた武器を回収するために、警備中のジエータイ員達の前に姿を表す。
火のついたたいまつを持った俺は、ジエータイ員達にAZUMA山荘から撤退しないと、山火事を起こすと宣言。
山火事が起きれば、アズマ山にいるケーサツやジエータイ、俺の仲間もみんな死ぬかもしれない。
しかし、AZUMA山荘からジエータイのやつらを遠ざけるには、この方法しかなかったのだ。
スナイパーに狙われているリスクを考慮した俺は、手に持った、たいまつをAZUMA山荘に向かって投げる。
たいまつの日がAZUMA山荘に燃え移り、炎上を始めた。
能沢エーイチロウが悪魔のような微笑みを浮かべながらジエータイ員達に告げる。
「さぁ!パーティーの始まりだァッ‼」
ジエータイどもが一斉に騒ぎ始める。
「おい、今すぐ本部に消防の要請をするんだ‼」
「AZUMA山荘に点いた火はいったいどうすればいいんだ‼」
「知るかそんなこと、今はとりあえず能沢エーイチロウを捕まえるんだ‼」
「させるかよ‼」
俺はリュックから取り出した自作爆弾をパニックを起こしているジエータイ員達に向かって投げつける。
俺に向かって一斉に銃を構えるジエータイ員達。
しかし、その指がトリガーを引く前に、すでに自作爆弾から放たれた無数の釘が、ジエータイ員達に襲いかかる。
自作爆弾を投げるタイミングが後少しでも遅かったら、俺がハチの巣にされているところだった。
自作爆弾の爆破により、AZUMA山荘を包む炎はさらに激しくなる。
AZUMA山荘の外部では全身に釘の雨をくらったジエータイ員達がうめき声を上げている。
「痛ぇよぉぉぉッ‼」
「誰かAZUMA山荘の中にいる救護班を呼んでくれぇぇ!まだ死にたくねぇぇよぉぉッ‼」
しかし、AZUMA山荘の内部はすでに炎に包まれている。
AZUMA山荘の中にたジエータイ員達も、山荘の外にいるジエータイ員に助けを求めていた。
「ゔおおおおお熱いよぉぉぉぉぉッ‼」
「なんでこんなに火が燃え移るのが早いんだ‼」
「建物のほとんどが木で出来ているからに決まってるだろ‼そんなことより消火器はどこだ?」
「こんな急造の小屋に消火器があるわけないでしょ‼」
言い合いをしていたジエータイ員を激しく燃え上がる炎が襲う。
「「「「ゔあああああああああああああああああああああッ‼」」」」
激しい炎に包まれたジエータイ員達、それが彼らの最後だった。
俺はダメ押しに、リュックから取り出した散弾銃をジエータイ員どもに向かって放つ。
全身を釘に刺された状態で、うめき声を上げていたジエータイ員達が、急に大人しくなって地面に倒れる。
死んだのだ。
しかし、すぐに俺の顔の横を通り過ぎる、銃弾。
「やはり、そうか、スナイパーがどこかにいるのか」
しかしスナイパーが狙いを外したことで、弾道からスナイパーの位置は大体把握できる。
俺は急いで、ジエータイ員の死体を引きずって、木の陰に隠れる。
ジエータイ員の死体から防弾チョッキと防弾ヘルメットを奪った俺は、スナイパーがいると思しき位置に自作爆弾を思いっきり放り投げる。
そして空中に放り投げられた状態の自作爆弾を散弾銃で狙撃。
自作爆弾の火薬に、銃弾の火薬が引火、大爆発を起こす。
大爆発により、俺の周囲が炎に包まれる。
スナイパーの生死を確かめる方法はない。
しかし、これだけの炎に包まれた状態であれば、いくらスナイパーでも俺を狙い撃ちすることは不可能なはずだ。
仮に銃撃されたとして、銃弾に炎に触れてしまえば、その銃弾ほぼ無力に等しい。
炎に包まれる森林地帯の土を、俺はスコップで掘り続ける。
すぐに一酸化炭素中毒のめまいが俺を襲う。
「あった‼」
土の中には大量の銃火器が、大型コンテナボックスに入った状態で埋まっていた。
俺は大型のコンテナボックスを開く。
コンテナボックス内の銃火器をひもで縛り、両肩に担いで、撤退を開始する。
しかし、走れば走るほど、周りは火の海。
このまま、まっすぐ走っても、いずれは一酸化炭素中毒で死亡してしまう。
上に走れば、その確率はもっと高くなる。
であるならば、答えは一つ、俺は足元の急斜面に視線を移す。
この急斜面を歩いていけば、転ぶのは確実だ。
俺はひもで縛られた大量の重火器を胸の前で抱きしめて、斜面に仰向けになる。
棺に納められたミイラのような姿勢のまま、足元の急斜面を滑り台を滑るように下山する。
わかりやすく言えば、プールによくある巨大な滑り台を滑っているのと同じだ。
下に向かって滑るごとに、煙の臭いが遠ざかっていく。
下の方は、まだ火が燃え移っていないようだ。
しかし、下のほうに滑れば滑るほど、そのスピードは増していく。
滑る途中、正面に木の幹が見える。
このまま、木の幹に激突すれば、俺の両足が骨折するのは確実だ。
しかし、あおむけのまま急な斜面を滑ってる状態で、姿勢を変えることはできない。
今、体で動かせる部分は、おそらく両足のみ。
俺は両足を体育座りをするときのように、曲げて衝撃に備える。
俺の足底が木に激突する。
ものすごい衝撃が俺を襲う。
しかし、両足を曲げていたおかげで、なんとか骨折せずにすんだ。
山の急斜面を滑下していた状態から、急停止した俺は恐るおそる、足元に視線を向ける。
ここから先は崖になっていた。
崖の下には大きな川が流れている。
木の幹に足をぶつけていなければ、俺は今ごろ崖から落下していたに違いない。
俺は自分が滑り落ちた地点から、ミムラ山のほうに向かって走り、撤退を開始する。
途中、俺の3メートル前を、ジエータイ員達が一生懸命走っていた。
おそらく、アズマ山の下部を警備していたジエータイ員どもが山火事から避難するために走っているのだろう。
俺は回収してきた銃火器を両手で抱きしめながら走る。
一度動きを止めて、背後から銃撃するかどうか迷ったが、今はそれどころじゃない。
反撃は奴らが後ろを走る俺の存在に気づいてからでいい。
しかし、これで、今俺が走っているルートが確実にアズマ山から離れていくルートであることが確実になった。
俺の中にわずかな生への望みが生まれる。

次回予告 希望の火 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百話 希望の火 その1

第四百話 希望の火 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

武器の回収に成功した能沢エーイチロウは、山火事から走って避難する。
一方、そのころ、原子力発電所襲撃作戦での逃走から日本各地に潜伏していた紅軍連合のメンバーたちは、テレビの緊急速報を見て、驚愕していた。
それもそのはず、テレビではアズマ山の山火事についての情報を生中継していたからだ。
信重フサカと他の仲間たちは潜伏先のアパートのテレビを見て、驚愕している。
「信重さん、この山火事って、もしかして!」
「ああ、間違いない、日本各地に散らばった紅軍連合のどっかのグループが予定より、早く、動いちまったんだろうね」
アパート内の紅軍連合のメンバーたちがテレビで報道されている山家事について、それぞれの持論をぶつけ合う。
「どこのグループ知らんが、よくやった‼この山火事で、アズマ山を包囲していたケーサツとジエータイから大量に死人が出たらしい‼」
「けっ、見せつけてくれるぜ、まったく、なんだか俺も興奮してきたぜ‼」
「これぞ権力への反抗よ!革命活動よ‼」
「でも作戦開始時刻は夜の10時のはずだろう?」
「バカ野郎、それは、裏切り者がサツにチクった時のためのブラフだろうが!」
「それにしても、まだ朝よ、いくらなんでも早すぎるわ」
「でも、朝なのに、山火事の煙のせいで空がオレンジ色になっているぞ!」
「なんか幻想的ね」
「でも、深刻な大気汚染よ」
「それ言ったら、自動車の排出ガスのほうがもっとすごいぜ」
「確かに」
興奮して話し続けるメンバーたちを、信重フサカがたしなめる。
「お前ら、気持ちはわかるが、いくら何でも騒ぎ過ぎだ、近隣住民に怪しまれるぞ」
一斉に静かになるメンバーたち。
「でも、まぁ、お前たちが興奮する理由もわからんでもない、あの原子力発電所襲撃作戦の敗走後、我々は国内でひっそりと潜伏することを余儀なくされた。その鬱屈した状態からの山火事、その山火事でケーサツ、ジエータイから大量の死亡者だ。おそらく山に登ったグループは武器の回収を目的に行動を起こしたんだろう、でも結果はいい意味でも悪い意味でも、もっとすごいことになってしまった」
能沢エーイチロウが起こした山火事は結果的に、国内に潜伏していた多くの紅軍連合の戦士たちの鬱屈していた心に、希望の火をともしたのだ。
メンバーの一人が疑問をこぼす。
「でも、これでAZUMA山荘は完全になくなってしまいました、私たちはこのまま、ずっとこのアパートに潜伏しままなんでしょうか?」
その質問に信重フサカが答える。
「それはない、アズマ山での武器回収が成功すれば、我々は原子力発電所を襲撃する前の戦力を取り戻すことができる、つまり、山火事を起こしたグループが武器の回収に成功していれば、また他の山に新たな拠点を作ればいいだけだ」
「本当に山じゃないといけないんですかね」
「山は木に囲まれている、おまけに登るのに体力をかなり消耗する、夜になれば闇に包まれる、我々のように追われる身にとってみれば、山ほど便利な城はない。もしもの時は山に火をつけて追手を道連れにもできる」
「じゃあ、今回の山火事は武器を回収するために、発生したと?」
「おそらく、そうだろう。AZUMA山荘が、仮にだ、すでにジエータイ共に占拠されてしまった状態では、多勢に無勢、山火事ぐらい起こさないと武器を回収できない、まあ回収できたかどうかは不明だが」
伸重フサカとメンバーの議論に、他のメンバーが割り込む。
「伸重さん、今、国内に潜伏中のメンバーたちに片っ端から電話してきたんですけど、倉都テツオさんの部隊と連絡が取れません」
「なるほど、山にいるから電波が届きにくくなっているのか」
最近、入ってきたメンバーが信重フサカに質問する。
「倉都テツオって、紅軍連合のリーダーですよね」
「ああ、そうさ。今回の武器回収作戦の発案は私だけど、まぁ、アイツらの起こした山火事のせいで、とんでもないことになっちまった」
そう、信重フサカは紅軍連合の前進組織である『紅軍』のリーダーである。
紅軍連合の中核になってるのはカラーレスのメンバーなので、リーダーは実質的に倉都テツオであるが、革命活動の場数では信重フサカのほうが上である。
そういう意味では伸重フサカは紅軍連合の実質的な作戦参謀の地位にいる。
テレビでは依然、山火事の緊急速報が放送されていた。

次回予告 希望の火 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百一話 希望の火 その2

第四百一話 希望の火 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

能沢エーイチロウは、かつてAZUMA山荘の土に埋めた武器を奪還するためだけに、山火事を起こした。
しかし、複数のジエータイ員を相手にした状態で武器を奪還するには、アズマ山に火を点けるしか方法がなかったのだ。
急斜面を滑り、アズマ山の下部に移動したエーイチロウは、ひもで縛った大量の武器を両手で抱きしめながら走り続ける。
エーイチロウの3メートルほど前を走っていた二人のジエータイ員が武器を持ちながら走り続けるエーイチロウの存在に気付く。
「おい、そこのお前、誰だ‼」
(チッ、気付かれたか!)
二人のジエータイの内、一人がエーイチロウの顔を見て、何かに気付く。
「おい、お前、もしかして能沢エーイチロウか?」
「なんだって!あの指名手配中の紅軍連合の大量殺人鬼、能沢エーイチロウだと‼」
「ああ、間違いないよ。おい能沢エーイチロウ!その武器を捨てて、今すぐ、投降しろ!」ジエータイ員の二人が俺に銃口を向けてくる。
「そんなことしてる場合か!ここでじっとしている間にも、上の火がどんどん、山の下のほうに燃え移っているんだぞ‼」
「そんなことはわかっている、とりあえず武器を捨てて、手錠をかけさせろ!そうすりゃ、一緒に安全な場所まで避難させてやる!まぁ、ムショが安全かどうかは別だけどな‼」
俺にはわかる。
銃口を相手に向けて、投降しろと告げる日本人は皆、大抵、銃を撃つ覚悟がない者である。
それは日本が銃社会ではないから。
そして、治安のいい日本のジエータイに実戦経験はほぼない。
でも、俺は違う、俺は今まで、何人も銃で人間を殺してきた。
敵も、裏切り者となった仲間も。
みんな、みんな、俺たちの革命活動を邪魔する存在は全員、殺してきた。
俺は日本人だが、銃の引き金を引く覚悟のある日本人である。
自分の目的を達成するために、人間を殺すことに、なんのためらいも感じない日本人である。
俺をそんな殺人マシーンにしてしまった原因を作ったのはこの国である、『今の日本』である。
だからこそ、紅軍連合の革命活動によって『今の日本』を破壊し、改革しなければならない。
セージカどものせいで腐りきった『今の日本』のままだと、また俺のような殺人マシーンが増えていくだけだからだ。
だからこそ。
「変えなくちゃいけないんだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
俺は、俺に銃口を向けているジエータイ員どもに叫びながら突撃。
俺の突撃が予想外だったのか、動揺したジエータイ員どもは銃の引き金を引けない。
そう、 動いている相手に銃弾を当てることほど、難しいことはないのだ。
ジエータイ員どもは、とっさに突撃してくる俺に向かって発砲。
しかし、敵の銃口の向きを見ていた俺は、すぐに横に移動。
そして、ジエータイ員が次の発砲を行うために、俺に銃口を向けるその隙に。
俺は両手に持った、ひもで縛ってある大量の武器をバットのように振り回し、ジエータイ員一人の頭部を殴る。
すぐに気絶して、地面に倒れるジエータイ員。
最後の一人のジエータイ員が視線を地面に倒れるジエータイ員に向けたその隙に、俺は全身を使って、ジエータイ員にタックル。
ジエータイ員と共に地面に倒れる俺。
俺はジエータイ員にまたがった状態で、ひもで縛った大量の武器を束を振り上げる。
俺は振り上げた大量の武器で何度もジエータイ員の頭部を殴る。
ジエータイ員が白目を剥いて突然、痙攣し始める。
頭部に強い衝撃を起こしたことが原因だろう。
対人戦で重要なのは相手の目の動きを見ることだ。
目の動きを見れば、相手の次の手も読める。
しかし、戦闘慣れしている者に、その常識は通用しない。
戦闘慣れしているものは、そのことを知った上で、あえて、視線を向けた先とは別の方向から攻撃してくるのだ。
つまり、フェイントである。
今回、俺が勝てたのは、相手が実戦慣れしていない、日本のジエータイ員どもだったからだ。
二人のジエータイ員の殺害に成功するも、燃えた山中での激しい運動のせいで、一酸化炭素中毒による、めまいがひどくなっている。
おそらく、上のほうの火が徐々に下の木々に燃え移っているせいだろう。
俺は死亡したジエータイ員どもの死体から銃を奪う。
奪還した武器を縛っているヒモをほどく。
そして、その中に奪った銃を加え、再びヒモでぐるぐる巻きにして縛る。
荷物の重量が増えたぶん、移動速度は遅くなったが、戦力は増えた。
たかが2丁の銃だが、弾丸一つで、人は簡単に死ぬ。
つまり、銃は、場合によっては、弾丸の数だけ人を殺せるということだ。
紅軍連合にとって銃は、ある意味、メンバーよりも大事なのかもしれない。
俺は両手で大量の武器を抱きしめて、ひたすら走る。
ひどいめまいに耐えながらひたすら走る。
あとは、生き残るだけだ。

次回予告 希望の火 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百ニ話 希望の火 その3

第三百九十ニ話 希望の火 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

俺の起こした山火事で炎上したアズマ山から避難する際に、遭遇した二人のジエータイ員。
俺と同じく避難途中のジエータイ員に投降を命じられた俺は、自らの信念を貫き通すために、ジエータイ員2名を殺害。
死亡したジエータイ員から銃を奪った俺は、再び避難を開始する。
しかし、山火事による一酸化炭素中毒による激しいめまいが俺を襲う。
俺は一酸化炭素中毒の激しいめまいと戦いながら、山中を走り続ける。
前の方に、先程のジエータイ員どもと同様、避難途中のジエータイ員達が走っている。
俺はこれ以上、無駄な運動を避けるために、避難途中のジエータイ員たちを背後から散弾銃で狙撃する。
そう、火災現場での激しい運動は、一酸化炭素中毒の症状を早めてしまうのだ。
俺の銃撃によって、何が起きたかわからずに、次々と倒れていくジエータイ員達。
俺の銃撃に気付き、背後を振り返り、反撃に出るジエータイ員達。
しかし、奴らが振り返り、俺に銃を向けた時には、もうすでに、俺の放った散弾銃の弾が、ジエータイ員達の体に直撃していた。
突然の銃声と、死亡者の発生に、さらに前を走っていたジエータイ員達が怯えたような声を出しながら、ダッシュで走って逃げていく。
後に反撃されては困るので、俺は走りながら散弾銃を何度も、走るジエータイ員達に向かって放つ。
次々と倒れていくジエータイ員達、業火の中で死体が次々と増えていく光景は、かつてのBEI軍基地襲撃作戦を彷彿とさせる。
しかし、気が付くと俺は地面にうつむけに倒れていた。
そう、一酸化炭素中毒によって、俺の体は限界を迎えたのだ。
しかし、俺の闘志はまだ燃え尽きちゃいない。
俺が倒れたことに気付いていない、ジエータイの奴らが一生懸命、避難するために走っている。
まるで、死者を置いてきぼりにするように遠ざかっていく。
馬鹿なやつらだ、今後ろを振り向いて、銃の一発でも打てば、俺を殺せるのに。
視界がゆがむ、意識が遠のいていく。
俺は死んでしまうんだろうか?
せっかく、武器の回収に成功したのに。
俺が回収した武器、十数丁の銃があれば、またBEI軍基地の一つや二つ、簡単に壊滅できるかもしれないのに。
ハハハ、それはさすがに無理か。
もう、弱音を吐いても、俺に『自己反省』しろ糾弾する奴はいない。
俺はどうせ死ぬんだから。
目の前が真っ暗になる。
俺が最後に聞いたのは銃声の音だった。
目を開けると、俺はワゴンの中にいた。
そうだ、このワゴンは倉都テツオが今回の作戦のために用意したレンタカーだ。
意識を取り戻した俺に倉都テツオが告げる。
「ようやく、起きたか、まったく一人で突っ走りやがって、みんながどれだけお前のことを心配したのか、わかるか?」
「ああ、すまん、でも夢みたいだ、どうして俺が生きているんだ?」
女性主義者の石川ユニが説明を始める。
「山火事が始まってすぐに、銃声が何度も聞こえたわ、私たちはそこにエーイチロウ君がいると思って、急いでそこに向かったの」
日加リュージが補足する。
「そしたら、避難中のジエータイのやつらと、遭遇しちまってな、それからはもう銃撃戦だよ、まぁ、だれも死なずに済んだのはホント、奇跡だよ。初めての銃撃戦で、尻澤なんて泣きながら漏らしちまったんだぜ」
尻澤がキレる。
「ちょっと日加さん、それはもう、言わない約束でしょ!」
加藤モトヒロ、理由地エル、上松サトツが、尻澤をフォローする。
「まぁ、尻澤も、そんなにカッカするなよ、俺だって、ちょっとは漏らしたぜ」
「僕もちょっと漏らしました、初めての銃撃戦で漏らさないほうがおかしいですよ」
「その通り。でも自分は銃撃戦というより、自分の撃った弾で相手が死んだことがわかったあの瞬間、漏らしちまいました。初めて人殺しになってしまったことが、なんだか怖かったんだと思います」
自分を戒める上松サトツを倉都テツオがなぐさめる。
「君は確かに人を殺してしまった、でもそれはこの腐った日本を改革するために必要な犠牲なんだ、君はエーイチロウを助けるために自らの手を汚した、コレで君も、いや、今日、初陣を経験した『君たち4人』はこれで本当の意味で紅軍連合の戦士になったんだ!人殺しに手を染めたことを悔いる必要はまったくない、わかるか?」
『君たち4人』ということは、加藤モトヒロ、理由地エル、上松サトツ、そして尻澤エリコも、俺を助けるために、銃を使って避難途中のジエータイ員を殺したということだ。
倉都テツオが仕切り直しとばかりに、紅軍連合の次の作戦についての説明を始める。
「先程、携帯で信重フサカと話した結果、現在、日本に潜伏中の紅軍連合はナガヌォ県にあるヴァサマ山に再集結し、拠点を作ることになった!エーイチロウが武器の回収に成功したことで、これで俺たちはやっと潜伏生活から、本格的に革命活動を再開させることができる!わかるか?」
石川ユニが倉都テツオに質問する。
「ヴァサマ山って、前に私たちの拠点があったアズマ山と名前がそっくりね。それはそれとして、どうして、都内からナガヌォ県に移動するの?、」
「ヴァサマ山の名前については俺も石川と同感だ、運命を感じるよ。それで都内からナガヌォ県への移動についてだが、これから冬が来ることはみんな理解しているな?ナガヌォ県の冬は雪がよく降ることで有名だ、おまけに山中となれば、気温は極寒、当然、山の中は木々に囲まれ、夜は真っ暗だ、山登りにも体力を使う、俺たち紅軍連合が身を隠すにはこれ以上ベストな場所はない」
日加リュージが倉都テツオの説明に感心する。
「なるほど、都内に逃げ場もなければ、アズマ山の山火事のせいで、アズマ山近くの山は、どうなるかまだわからない、なるべく早い段階で山に身を隠すなら、都内から離れて、別の山に移動するのがベストだな、ナガヌォ県なら車で行けるしな」
尻澤が愚痴をこぼす。
「でも、私、寒いのは苦手だな」
石川ユニがフォローする。
「大丈夫よ、新しく建設した基地に、こたつを持って行きましょう!」
理由地エルが疑問を口にする。
「山に作った基地で、それは無理なのでは?コンセントを刺す場所がないでしょう」
石川ユニが理由地エルの疑問に答える。
「『練炭こたつ』なら、まったく問題ないわよ」
「練炭こたつ?」
「ええ、新しい基地が出来たら教えてあげるわ」
何はともあれ、俺たち9人はこうして無事に、このワゴンに戻ってこれた。
新拠点・ナガヌォ県のヴァサマ山に向かって、俺たち9人が乗ったワゴンは走り続ける、。

次回予告 再集結 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百三話 再集結 その1

第四百三話 再集結 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

武器の回収に成功した俺たち9人は、新拠点・ナガヌォ県ヴァサマ山へ向かう。
今後の紅軍連合は潜伏にベストなナガヌォ県のヴァサマ山に基地を作り、活動することになった。
今まで都内に潜伏していた仲間たちも、ヴァサマ山に集結し、共に革命活動を行っていく。
しかし、なぜ新拠点の場所がナガヌォ県のヴァザマ山なのか?
まず、ナガヌォ県のヴァザマ山に拠点を置くことの必要性から説明しよう。
1ナガヌォ県の冬は雪がとにかく多い。(気温が低ければ低いほど、追手にとって脅威になる)
2ナガヌォ県なら都内から直接行ける。
3ナガヌォは都内に比べて人が少ない。(人目が少ない、しかし逆にそれが欠点でもある)
4山を登るには多くの体力を消費する。
5山はクマなどの猛獣や、崖崩れなど、危険が多い。
6山中には電灯がなく、夜になると、ほぼ真っ暗な状態になる。
7山で、一度迷ってしまえば、遭難する恐れがある。(追手を混乱させるのに適している)
8山には山菜やきのこなどの食料がたくさん生えている、種類によっては食べられないものもある。
上記の8つが、ナガヌォ県のヴァザマ山が新拠点に選ばれた理由だ。
1,4,5,6,7,は特に俺たちを捕まえようとして山に登ってくる追手に肉体的・精神的ダメージを与えるのに適している。
しかし山は、身を隠したり自給自足に特化している分、一歩間違えば、自らの命を危険に陥れる、まさに諸刃の剣。
それゆえに、俺たちの身を隠すためや、追跡者の追手の免れるのに適しているのだ。
日加リュージが運転するワゴン車がナガヌォ県に向かう。
理由地エルが日加リュージに疑問をぶつける。
「日加さん、都内からナガヌォ県まで、いったいどれくらい時間がかかるんですか?」
「まぁ、四時間ってとこだな、ジャンクション9つとインターチェンジが3つ、まぁ長旅だわな」
理由地エルが、ある危険性を示唆する。
「インターチェンジが二つってことは、現地のスタッフに3回、お金を支払うってことですよね」
倉都テツオが理由チエルの疑問に異を唱える。
「なにか問題でもあるのか?金なら、ギンコー強盗で奪った金がある、心配するな」
「違いますよ、インターチェンジの料金所のスタッフに運転手の日加さんの顔がバレてしまうってことが問題なんです、僕たちは使命手配犯なんですよ!」
倉都テツオが理由地エルの示唆した危険性を容認する。
「確かにその通りだな。よし、みんな、ミムラ山を登った時と同じく、今すぐ全員、変装するんだ、わかるか?」
倉都テツオの命令に、他8人が一斉に、外出用の変装の用意を始める。
「理由地エル、貴様の着眼点はなかなか、鋭い、礼を言うぞ」
「ありがとうございます、でも料金所でケーサツに先回りされていたら、アウトですけどね」
「それはおそらく、問題ない、俺たちがナガヌォ県に移動することを、奴らが予測するには証拠材料があまりにも少なすぎる、常に最悪の事態を想定しておくのは大事なことだが、考えすぎは、最終的に自分を追い詰めることになる、わかるか?」
日加リュージが車内のラジオを点ける。
「こういう時は、音楽が一番だよ、みんなで音楽でも聞いて、気を紛らわそうぜ‼」
女性主義者の石川ユニが日加リュージの提案に同意する。
「そうよ、音楽よ、こういうときこそ、音楽よ‼」
しかし、ラジオから流れてきたのは、紅軍連合が起こした山火事についてのニュースだった。
しかも、放送内容には容疑者として、俺の名前がたびたび出てくる。
「まいったな、俺もすっかり有名人だぜ‼」
能沢エーイチロウに石川ユニがツッコむ。
「それ、喜ぶところじゃないから、日加君、早くチャンネル変えてよ‼」
「へいへい」
日加リュージが何度かチャンネルを回すと、聞き覚えのない洋楽が聞こえてくる。
後に、『加藤無双』と呼ばれる大量殺人事件を起こす、加藤モトヒロが昔話を始める。
「昔、クラスに、英語の歌詞の意味がわからないのに、洋楽マニアを自称する奴がいたんですけどね、みなさん、どう思います?」
加藤モトヒロの質問に、理由地エルが答える。
「それは別に、その人の自由でいいと思いますよ、好きなことがあるってとてもいいことじゃないですか」
石川ユニが続く。
「でも、歌詞の意味がわからないんじゃ、その歌を知ったことにはならないと思うわ、わかりやすく言えば、海外の言葉がわからないのに、海外で日本語字幕のない映画を見るようなものよ」
理由地エルが反論する。
「でも、好きなものを知らないと、それを好きになってはいけないというホーリツはありませんよ、好きなものこそ神経質になりがちですけど、やっぱり、なんだかんだ言って、好きなことを自分なりに楽しむことが一番ですよ」
日加リュージが続く。
「そうそう、それな、何かを好きになるのに理由なんて必要ないんだよな。でも、何かを好きになればなるほど、自分の好きなことに対して気付かないうちにルールを作っちまう、そういう自分と向き合うのが結構めんどくさいんだよな」
変装した日加リュージが運転する車が料金の支払いを終え、無事に最初のインターチェンジを抜けた。
俺たちが乗る車はついに、高速道路に入った。

次回予告 再集結 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百四話 再集結 その2

第四百四話 再集結 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

日加リュージが運転するワゴンは3つのインターチェンジと7つのジャンクションを抜け、無事にナガヌォ県にたどり着いた。
移動にかかった時間は約4時間。
ワゴンがナガヌォ県内にある、ヴァサマ山近くの、サービスエリアに止まる。
ワゴンから下りた、女性主義者の石川ユニが背伸びと同時に告げる。
「綺麗な夕焼け空ね」
倉都テツオが次の移動場所について告げる。
「しかし、これではすぐに夜になってしまう、ヴァサマ山への登山は明日にしよう、わかるか?」
理由地エルがぼやく。
「また、車中泊ですか」
倉都テツオが理由地エルを注意する。
「わがままを言うな!ここまで何事もなく、ナガヌォ県にたどり着けたこと事態が奇跡なんだぞ‼わかるか?」
俺は倉都テツオに疑問をぶつける。
「でも、明日になったら、ナガヌォ県にたどり着いた紅軍連合のメンバーが一斉に、ヴァサマ山に登山を開始するはずだ、ナガヌォ県の住民に怪しまれないかな?」
俺の質問に倉都テツオが答える。
「今が冬なら、まず、間違いなく怪しまれるだろうな、しかし、季節はまだ夏だ、登山客でも装えば、なんとかなるさ、とりあえず、今日はここ、ヴァサマ山近くのサービスエリアで車中泊する、明日はまた山登りだ、ちゃんと食っとけよ!わかるか?」
他8人が一斉に『異議なし』と答え、倉都テツオの提案に同意する。
しかし、アズマ山での戦闘で疲れ果てたエーイチロウは、車中で眠ってしまう。
日加リュージも運転で疲れ切ったのか、爆睡している。
車中の加藤モトヒロ、上松サトツ、ブリドカットゾーラまさよしは倉都テツオの武勇伝を嫌々、聞かされている。
石川ユニと理由地エルはサービスエリアのコンビニでみんなの夜食と朝食の買い物をしている。
「石川ユニがぼやく、コンビニって、どれも高いわよね、それにお弁当なんて、どれも量が少ないし」
「でも、量が少ないぶん、味はいいと思いますよ」
「大手のコンビはね」
石川ユニはさりげなく、生理世品を買い物かごに入れる。
理由地エルが石川ユニに質問する。
「僕が体は男で、心が女性なのは知ってますよね?」
「ええ、もちろん、自己紹介で聞いたわ」
「生理って、どんな感じですか?」
「う~ん、あんまりいいことないわよ、お腹痛いし、イライラするし、理由地エル君はある意味、幸運よ、この苦しみを味あわずに済むんだから」
「でも、生理のおかけで、子供が作れるわけですよね」
「ええ、でも女性だからって必ず子供を作らないといけない、わけではないわ、もちろん、現実はもっとシビアだけどね」
「つまり、今の日本には、女性は子供を産むことが当たり前だと思っている人たちが、たくさんいる、ということですか?」
「ええ、女性だから結婚しないといけない、女性だから出産しないといけない、男に比べたら、女はそういう目に見えない大多数の価値観を戦わなくちゃいけない、こういうこと言ったら理由地エル君に怒られちゃうかもしれないけど、私はどちらかといえば、男に生まれたかったわ」
「そうですか、僕はずっと女性の体に憧れてたけど、女性は女性で結構大変なんですね」「革命が成功したらさ、理由地エル君、性転換手術とかしてみたら?」
「う~ん、知り合いに性転換手術した人がいるんですけどね、結構大変みたいです」
「何が?」
「手術後、女性ホルモンを定期的に注射しないといけないらしいです、それでその副作用が結構キツイらしくて」
「まぁ、そりゃあ、そうよね、自分で提案しておいて、こういうこと言うのもアレだけど、性転換手術なんてある意味、神の意思に背くようなもんだもんね、ノーリスクってわけにはいかないわよね」
「ええ、でも、もし、女性の体が手に入れば、僕は家族や周りの人々からバケモノ扱いされずに済みます、胸を張って堂々を道を歩けます」
「理由地エル君の家族は、そこらへん理解がないんだ?」
「ええ、ひどいもんです、一番、家族に理解してほしいことを、理解してもらえないのは」「じゃあ、変えないとね、日本を。理由地エル君みたいな人が、マイノリティーが胸を張って生きていけるような国に、国が変われば人も変わるわ、そうすれば、理由地エル君の家族も色々きっと、わかってくれるわよ!」
「ええ、変えましょう、僕たちの革命活動で日本を」
二人の間に自然と笑みができる。

次回予告 再集結 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百五話 再集結 その3

第四百五話 再集結 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

次の拠点先であるナガヌォ県に到着した俺たちは、ヴァサマ山付近のサービスエリアで次の日の朝まで休憩することになった。
理由は簡単で、ナガヌォ県に到着したのが夕方だったからだ。
そのままヴァサマ山を登山していれば、夜闇に包まれた山中で俺たち9人は遭難していた可能性が高い。
というわけで、新拠点のヴァサマ山への登山決行は、明日になった。
ワゴン車の窓から入ってくる日差しが、まぶしい。
車内には、きのう、女性主義者の石川ユニと理由地エルがコンビニで買ってきた弁当の容器が散乱している。
俺はポリ袋から取り出した、石川ユニと理由地エルが朝食用にコンビニで買ってきたクラッカーをバリボリを食べる。
俺が起きたのに続いて、他のメンバーたちも起床する。
外の空は快晴で、絶好の登山日和である。
朝食を済ませた俺たち9人は、そのまま、ワゴンをサービスエリアの駐車場に放置して、ヴァサマ山への登山を開始した。
昨日からずっと車中続きだった俺たちは、緑豊かな山中の景色に癒される。
俺は倉都てつおに疑問をぶつける。
「なぁ、俺たち9人以外のメンバーとは、いったいどうやって合流するんだ?」
倉都テツオがみんなに向かって地図を広げて、告げる。
「信重フサカが指定した合流ポイントはココだ、わかるか?」
倉都テツオが指さした場所は、ヴァサマ山の山頂付近だった。
俺たち9人はヴァサマ山の合流ポイントに向かう。
ヴァサマ山の山頂付近にはすでに、紅軍連合のメンバーの何人かが集まっていた。
見知った顔もいれば、都内での潜伏中に入団したと思われる新顔もいる。
カラーレスの頃から共に革命活動を行っていたメンバーの一人、須須木野ムサオがこっちに向かって走ってくる。
「能沢エーイチロウに、倉都テツオじゃないか‼会いたかったぜ‼日加リュージと石川ユニの後ろの奴らは新メンバーか?」
「ああ、その通り、そっちはどうだった?」
「そりゃあ、あの時、武器は全部アズマ山の土の中だったろ?だから都内でひっそりと爆弾作ったり、砥石を使って銃弾作ったり、それぐらいしか、することなかったぜ。でもエーイチロウが武器を取り返してくれたおかげで、やっと革命活動ができる‼お前は本当によくやったよ‼」
須須木野ムサオの背後から、女性が近づいてくる。
「ホント、兄さんのいう通りよ、みんな久しぶり」
須須木野ムサオを兄さんと呼ぶのは、須須木野ムサオの妹、須須木野ナルだ。
須須木野ナルも須須木野ムサオ同様、カラーレス時代からの仲間だ。
「須須木野ナルじゃないか!元気そうでよかったよ!」
「それはこっちのセリフよ、エーイチロウ、あの山火事、テレビで見てて、とてもしびれたわ!」
そう、俺が起こした、あの山火事で、多くのケーサツ官やジエータイ員が犠牲になった。
都内のアズマ山では今も消火活動が続いており、犠牲者もどんどん増えているようだ。
「いやあ、あれは実際、一酸化炭素中毒で死にかけてな、倉都テツオや、みんなが助けに来てくれなかったら、今ごろ、俺は死んでたよ」
「そう。それよりユイナはどこ?姫川ユイナ」
「ごめん、あの時、AZUMA山荘でユイナを探す暇はなかったんだ」
俺の言葉に複雑そうな表情をした須須木野ナルに、倉都テツオがフォローを入れる。
「あの時、エーイチロウは一人で、AZUMA山荘を占拠していたジエータイ達に立ち向かわないといけない状況に追い込まれていた、アズマ山の山火事がそのいい例さ、わかるか?」
「そう、なら仕方ないわよね、革命活動は常に死と隣り合わせだもん、こっちも新メンバーがいきなり脱走したりして、大変だったわ」
「須須木野のところも、そういうことがあったのか」
「エーイチロウのとこもあったの?」
「うん、まぁね...そっちの脱走者は、結局どうしたの?」
「普通に酒飲ませて、首絞めて、土に埋めた」
「そっか、土に埋めたという点に関しては俺たちも同じだ」
須須木野ムサオが俺と須須木野ナルの会話に割り込む。
「おいおい、お二人さん、辛気臭い話題はそれまでにして、もっと前向きな話をしようぜ!」俺が須須木野兄妹と話している最中にも、合流ポイントに次々と、見知った顔や、新顔達が集結してくる。
国内の原子力発電所を襲撃した時と比べて、紅軍連合のメンバーの数があきらかに増えていた。

次回予告 再集結 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百六話 再集結 その4

第四百六話 再集結 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

新拠点、ナガヌォ県ヴァサマ山の合流ポイントに再集結した紅軍連合のメンバー達。
都内での潜伏中に行った勧誘活動が功を制したのか、以前より人数が増えている。
俺、能沢エーイチロウは、合流ポイントで戦友たちと再会する。
その戦友である須須木野ムサオと須須木野ナル。
俺は久々の再会とお互いの無事を須須木野兄妹と共に祝った。
合流ポイントには約50名の紅軍連合のメンバーが集まった。
原子力発電所襲撃作戦直前のメンバーは、確か三十数人だったはずだ。
まぁ、俺のグループも潜伏中に7人も新メンバーが増えたので、当然か。
まぁ、7人の内、二人、案堂ユーコと小島ルルコは死亡してしまったが。
メンバーが全員そろったところで、倉都テツオと信重フサカが中心になって、新たな拠点の建設について、各メンバーに指示を始める。
家を作るのに必要なトタン屋根の購入や、山中での木々の伐採、生活に必要不可欠な日用品の購入、山菜集め、など、メンバーは皆、それぞれの作業で大忙しだ。
俺は食用の山菜を集める班に参加、山中で山菜を採り始める。
俺は今は亡き宮沢タクヤの教えをもとに、食用の山菜を集める。
共に山菜集めに参加していた須須木野ムサオが話しかけてくる。
「随分、手際がいいな」
「ああ、昔、宮沢タクヤっていたろ、アイツに教えてもらったのさ」
「懐かしいな、ソイツ、確かゴーカンしまくって、お前に殺されたんだっけ?」
「うん。でも前より、新メンバーが増えた影響で、またチカンだなんだって、騒がしくなるんだろうな」
「そうだな、あの時はユイナが中心になって裁判みたいなことしてたな...おっと、ごめん、ユイナの話題は禁句だったか...」
「いや、別にそんなに気を使わなくてもいいよ、俺が武器の回収のために、ユイナの捜索を無視したのは事実なんだから、俺はユイナを見捨てたクズ野郎だよ」
「そんなこと言うなよ、そもそも、宮沢タクヤにゴーカンされかけたユイナは心神喪失状態だったんだ、仮に生きていても戦力にはならなかったはずだ、だから、お前がそこまで自分を追い詰める必要はないよ」
「まぁ、俺はこれまで数々の仲間たちを葬ってきたけど、それはそいつらが、裏切り者だっからだ、でも、ユイナは違う、アイツにはかわいそうなことしちゃったな...」
「でも、お前の話が本当なら、AZUMA山荘はジエータイに占拠されていたんだろ?」
「ああ、外と中にジエータイ員がいたはずだ」
「ジエータイの仕事は主に、国家の防衛と人名救護だ、俺が思うにジエータイのやつらがAZUMA山荘に到着した時点で、ジエータイのやつらはユイナを存在を確認しているはずだ、ジエータイが心神喪失状態のユイナをAZUMA山荘の中に放置したままに、していたとは考えられない、つまり、ユイナはジエータイに保護されて別の場所に移された可能性が高い」
「なるほど、確かに、俺たちが都内で潜伏していた期間を考えれば、その間にユイナがジエータイに保護されていた可能性もなくはないか...」
「ああ。だから、そう気を落とすなよ、生きていれば、またすぐにユイナと会えるさ」
「だと、いいけどな。あ、お前が今、かごに入れた山菜、イヌサフランだぞ」
「え、これ行者ニンニクじゃないの?」
イヌサフランとは行者ニンニクに見た目が似ている山菜で、毒がある。
「アホ、それは行者ニンニクじゃなくて、イヌサフランだ、匂いを嗅いでみな」
「ニンニクの匂いがしないな、これ」
「そう、行者ニンニクとイヌサフランは見た目こそ似ているが、イヌサフランにはニンニク臭がしない、よく覚えておけよ」
「お、おう、ありがとな、助かったぜ...」
「それはこっちのセリフだよ、さっきのユイナが生きてるかもって話、正直、結構、励まされた」
「そ、そうか...まぁ、人数も増えてこれから色々あると思うけど、なんとか乗り切っていこうぜ!」
「おう」
そうだ、ユイナはきっと生きている。
生きてさえいれば、いつかきっとどこかで会えるはずだ。

次回予告 混乱 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百七話 混乱 その1

第四百七話 混乱 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

かくかくしかじかで、計50名を超える紅軍連合の、新たな活動拠点が誕生した。
その名もナガヌォべース。
ナガヌォ県、ヴァサマ山に建てられたので、ナガヌォべース。
アズマ山の時と同じパターンで、ヴァサマ山荘にするべきであるという意見も多数出たが、どうやら、ナガヌォ県にはすでにヴァサマ山荘という名の建物が存在するらしい。
聞いた話によれば、ヴァサマ山荘は楽器製作所の保養所らしい。
こうして、ナガヌォベースでの生活が始まった。
俺たちは、倉都テツオと伸重フサカの命令のもと、戦闘訓練を繰り返す。
そして、食事は極力、山中で採れた山菜や、小動物を調理して、空腹を満たしていた。
その理由は現金はなるべく、武器の生産や、移動費に使うためである。
ナガヌォベース建設から、約1週間後。
早速、メンバーから脱走者が出た。
聞いた話によれば、脱走者は男で、脱走前日に、山の生活についていけないと泣きながら愚痴をこぼしていたらしい。
まぁ、山の生活が大変なのは認めよう。
山にはトイレもない、糞尿は主に、土に掘った穴に行い、そして最後に土をかける。
ドラム缶風呂も存在するが、メンバーの人数の都合で、一日に全員が入れるわけではない。
食料も山菜や、小動物である。
都会での生活に比べれば、どう考えても、衛生面が悪い。
脱走者の男性はどうやら、女性主義者である石川ユニの親友らしい。
そして石川ユニは現在、ナガヌォ県内の交番の偵察をするために、山を下りている。
携帯から、親友が山から脱走したことを聞いた石川ユニは、すぐに捜索役を申し出た。
そして石川ユニは現在、今回の脱走者である、木藤リョウが住んでいるアパートにいた。
どうやら木藤リョウがナガヌォ県内で借りたアパートらしい。
しかし、なぜ、石川ユニが木藤リョウが潜伏しているアパートにいるのか。
その理由は簡単である。
石川ユニと木藤リョウは恋人同士だからである。
木藤リョウは、電話でなぜ山を脱走したのか糾弾してきた石川ユニに、粛正覚悟で自分の住んでいるアパートの居場所を教えたのだ。
石川ユニが不満そうに木藤リョウに告げる。
「どうして、アパートを借りるお金があるのに、すぐにナガヌォ県を出なかったのよ!」「俺がユニを残して、都内に逃げると思うか?ユニ、一緒にナガヌォ県から出よう!紅軍連合の革命活動は、どう考えても現実的ではない」
「どうしてよ!どうして、いきなりそんなこと言うのよ‼今まで一緒に、革命活動を頑張ってきたじゃない!原子力発電所からの敗走後、私がいったいどんな気持ちで都内に潜伏していたことか!こうしてせっかく、ヴァサマ山で再会できたのに、どうして、いきなりこんな無茶するのよ‼」
「そりゃあ、僕も都内で潜伏していた時、君のことを忘れたことは一度もなかったよ、でも、革命活動を通して罪を犯せば、犯すほど、普通の生活が恋しくなったんだ!君も、もう気付いているはずだ、山でどんなに銃の扱い方や、戦闘訓練に励んだところで、ジエータイやケーサツ、BEI軍に勝てるわけがない、ユニ考え直せ、僕と一緒に都内に逃げて普通に暮らそう‼」
「勝てるわ!現に私たちが参加した、あのBEI軍基地襲撃作戦は成功した‼私たちだって本気になればBEI軍の基地の一つを壊滅できるんだって、世間に証明したわ!今すぐ、山に戻りましょう、ちゃんと『自己反省』すれば、みんな許してくれるわ‼」
「君は組織を裏切って『自己反省』したメンバーが、無事だった例をその目で見たことがあるのかい?」
木藤リョウの言葉に、石川ユニの脳裏に、組織から脱退を申し出ただけでひどい拷問を受け、死亡した小島ルルコの姿が脳裏に浮かぶ。
そう、小島ルルコは自ら『自己反省』を申告したにもかかわらず、結局、あの拷問で死亡してしまった。
「ないわ...」
「だろ?紅軍連合のやり方は間違っている、アイツらのやり方でこの国を革命することなんて不可能だ‼目を覚ませユニ‼そして、俺と一緒に都内で普通に暮らそう!」
「普通って何よ‼じゃあ、アンタは女性が差別され続けている今の日本が普通だって言いたいの?私はそんなの嫌よ!このまま女性が男性より不平等な扱いを受けることをよしとした腐った社会で生きるぐらいなら、革命活動で死んだほうが百億倍マシよ‼」
「そうか...君の気持ちは、よくわかったよ、どうやら、僕たちはもう一緒にはいられないようだ。君は僕の居場所を山のみんなに報告するのかい?」
「そんなこと、できるわけないでしょ‼」
「僕は明日、このアパートを解約して、都内に向かう。その前に頼みがあるんだ」
木藤リョウが石川ユニに抱き着く。
「ちょっと、何するのよ!」
しかし、石川ユニは状況に流されるまま、木藤リョウにその身をゆだねてしまう。
別れの挨拶とばかりに、結局そのまま二人は、体を重ねてしまった。
そう、石川ユニは、紅軍連合を裏切った男とセッ●スしてしまったのだ。
この事が後に石川ユニを地獄に追い詰めることになる。

次回予告 混乱 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百八話 混乱 その2

第四百八話 混乱 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合の革命活動に可能性を感じることができなくなってしまった木藤リョウは、ヴァサマ山から脱走する。
ナガヌォ県内の交番偵察のために下山していた石川ユニは、携帯電話を通して、恋人である木藤リョウが組織を裏切ったことを知る。
木藤リョウから極秘に連絡を受けた石川ユニは、木藤リョウが潜伏しているナガヌォ県内のアパートで、木藤リョウと接触。
紅軍連合からの脱退を石川ユニに提案する木藤リョウ。
しかし、石川ユニは木藤リョウの提案を却下。
激しい言い合いの末、交際中の二人は別れることになった。
しかし木藤リョウが別れ際に、石川ユニに体を求めてくる。
石川ユニは状況に流されるままに、木藤リョウとセッ●スしてしまった。
次の日の朝、シャワーと着替えを済ませた石川ユニは木藤リョウに何も告げずにアパートを出る。
アパートを出た石川ユニはそのまま、ヴァサマ山に向かう。
ヴァサマ山に建てたナガヌォベースに到着した石川ユニは、木藤リョウの居場所を紅軍連合のリーダーである倉都テツオ、作戦参謀の伸重フサカに告げる。
石川ユニから報告を聞いた倉都テツオが口を開く。
「なるほど、やはり、極秘にお前に連絡してきたか、しかしなぜ、もっと早く報告できなかった?」
「私が木藤リョウのアパートについたのは、夕方でした、夕方からの登山はあまりにも危険すぎます」
「いやだから、それなら携帯電話でこっちに連絡できるだろ」
「何度か、携帯で連絡してみたんですけど、繋がらなかったんです、ほら、ヴァサマ山って木に囲まれているから...電波が届きにくいんです」
伸重フサカが石川ユニの頬をビンタする。
「ウソついてんじゃないよ!セッ●スッ‼セッ●スしてたんだろ!木藤と!」
「し、してません...」
もちろん、ウソである。
「でも、泊ったんだろうが、木藤の家に、そうだろ!」
倉都テツオが石川ユニに告げる。
「よし、とりあえず、まず最初に木藤リョウを捕まえよう、そうすれば、石川ユニが木藤とセッ●スしていたか、どうか確認できる。それまで、石川は『自己反省』だ、いいな?」「わ、わかりました...『自己反省』します...」
伸重フサカが吠える。
「ほらァ!やっぱりしてたんだろ!セッ●スッ‼」
「伸重さん、落ち着いてくれ、とりあえず木藤を捕まえれば、全てが明らかになる。それまで、石川は倉庫で『自己反省』だ」
倉都テツオがロープで石川ユニの両足を縛っていく。
「ちょ、ちょっと何するんですか?」
「石川、これから石川がきちんと自己反省できるように、縄で両手足を縛らせてもらう、捕まえた木藤リョウから話を聞いて、それでお前の身の潔白が証明出来たら、この縄はほどく、わかるか?」
石川ユニの脳裏に、両手足をロープで縛られ、自己反省という名のひどい拷問を受けた子島ルルコの姿が浮かび上がる。
「い、嫌よ!わ、私、死にたくないわ‼」
伸重フサカがまたも吠える。
「ほらァ!その怯え方ァッ‼やっぱり木藤としたんだろ‼セッ●ス‼木藤とセッ●スしたんだろ‼」
「いやあああああああああああああああああッ‼」
急に泣き始める石川ユニ。
倉都テツオが残念そうに告げる。
「この怯え方、どうやら木藤に直接、確かめるまでもないかもな...」
命欲しさに、石川ユニが必死に口からウソを吐く。
「し、してません!あんな裏切り者とセッ●スしていません‼」
「とにかく、まず木藤と捕まえるのが最優先だ、今すぐ班を編成して、木藤の捜索に向かう、わかるか?」
倉都テツオの命令に、その場にいた紅軍連合のメンバー達が息をのむ。
ナガヌォベースの外で、山菜を集めていた能沢エーイチロウのもとに、日加リュージが急いで走ってくる。
「エーイチロウ!大変だァ‼」
「なんだ、そんなに慌てて、ケーサツにこの拠点が見つかったのか?」
「ち、ちがう、石川ユニが、木藤と、裏切り者とセッ●スした罪で、縄で拘束された!」「そ、そんな、組織を裏切った人間とセッ●スするなんて、重罪だぞ‼本当に石川ユニは木藤とセッ●スしたのか?」
「まだ、証拠はない、でも、あの石川の反応は...」
「そうだ、木藤だ、木藤を捕まえれば、石川の身の潔白を証明できる‼」
「エーイチロウ、お前はあの石川の慌てぶりを見ていないから、そんなことが言えるんだ」「ウソだ!石川は絶対に木藤とセッ●スなんかしていない!だって石川は自分から女性主義者を名乗っていたんだぞ‼女性差別撤廃を唱えながら革命活動をしていた人間が、普通、男に、しかも裏切り者の木藤に股を開くか?むしろ、そういう女こそ、石川がもっとも嫌っていた女じゃないか‼俺は石川を信じる、木藤を捕まえて石川の無実を証明してみせる‼」
「え、エーイチロウ...!」
日加リュージはエーイチロウにかける言葉が見つからなかった。

次回予告 混乱 その3 

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百九話 混乱 その3

第四百九話 混乱 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

山から脱走した裏切り者、木藤リョウと密会し、セッ●スしていた疑いで、手足を縄で拘束されてしまった女性主義者、石川ユニ。
子島ルルコの時のような、ひどい拷問の予感に怯えるユニの姿に、多くのメンバーが石川ユニの有罪を確信する。
しかし、日加リュージから石川ユニの拘束を知らされた、能沢エーイチロウだけは、違かった。
エーイチロウは石川ユニの無実を証明するために、木藤リョウ捜索の任務に志願した。
エーイチロウの申し出に、紅軍連合のリーダー倉都テツオは難色を示す。
「実のところを言うと、今回の任務は新人達に任せたいと思っている、今のうちに教育や経験を積ませておかないと、いざとなった時に使い物にならないからな、わかるか?」
「木藤リョウが銃を持って山を出ていたとしたら?」
エーイチロウの提言に周りのメンバーたちの表情か凍りつく。
「なるほど、なくわないな、しかしエーイチロウ、お前はもう、戦士として完成され過ぎている、それにアズマ山の山火事を起こした罪で、お前は全国に指名手配されている、こんな小さな作戦でケーサツに捕まったら、我々の戦力が激減してしまう、わかるか?」
「なら、新メンバーがケーサツに捕まっても、木藤リョウに撃たれても、アンタはそれでいいってのか?俺たち紅軍連合は、少数派、マイノリティーのために戦う組織だろうが‼」「エーイチロウ、お前は自分の立場をわかっていない、ここに集まった新メンバーたちは皆、お前や俺たちの戦いをテレビニュースやパソコンで見て、ここに集まってきたんだ、俺たちベテランの戦士の存在がなければ、ここにいる新人共は今すぐ逃げ出しちまうかもしれん、特にエーイチロウ、お前は、いい意味でも悪い意味でも目立ち過ぎた、今、ケーサツやジエータイ、そしてBEI軍にとって紅軍連合で一番危険な日本人は、能沢エーイチロウ!貴様だ‼だからお前は作戦以外で山に下りるな、わかるか?」
「わ、わかったよ...でも、石川ユニは無実だ‼」
「その真偽を確かめるのが今回の任務だ、では木藤リョウ捜索メンバーをこれから発表する、尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの四人に、木藤リョウ捜索の任務を与える、木藤が見つかったら、生きたまま捕獲してヴァサマ山に連れて来い‼わかるか?」
尻澤エリコ、現役ジャーナリスト。師匠を助けるために紅軍連合に潜入するも、その師匠はすでに死んでいた。
加藤モトヒロ、後に『加藤無双』と呼ばれる大量無差別殺人事件を起こす男。
上松サトツ、日本からグァイジを一人残さず殲滅するために紅軍連合に志願した男。
理由地エル、見た目は男だが、心は女性、性差別を日本から無くすために、紅軍連合に志願した。
尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの四人はお互いの顔を見合わせて、困惑していた。
まだ外は昼前だ。
4人は登山装備に身を包み、山を下りる。
尻澤エリコが愚痴をこぼす。
「まさか、本当に新人だけに、任務を任せるとはねぇ」
理由地エルが任務の内容に疑問を呈す。
「僕ら四人で木藤さんを気絶させることは、可能です、でもどうやって山まで運べばいいんでしょうか?」
加藤モトヒロが理由地エルの疑問に同意する。
「それは俺も思った、死体を山に運ぶのはよく聞く話だが、ナガヌォベースはヴァサマ山の頂上付近にあるんだぜ?死体を運びながら山の頂上を目指すのは、かなり、無理のある話だよ」
上松サトツが3人の会話から結果論を導き出す。
「倉都テツオさんは、木藤リョウは生きたまま捕獲して山に連れて来いとは言ったけど、『殺すな』とは言っていない」
尻澤エリコがすぐにツッコむ。
「倉都テツオさんは、『生きたまま』って言ってたでしょ、それは無理矢理にも程があるわ」
上松サトツが反論する。
「でも、今、山で起きている問題は、裏切り者の木藤リョウが、石川ユニとセッ●スしたかどうかについてだ、なら僕たちが木藤から、事の真相を聞いて、それを携帯電話で山のみんなに伝えればいいだけのことだろ?そのあとで木藤は殺す」
加藤モトヒロが納得してしまう。
「確かに、そっちのほうが楽かもな、木藤に石川とセッ●スしたかどうかだけ、聞いて、録音して、それで、その場で殺しちまったほうが、帰りが楽だ」
尻澤エリコが反論する。
「私はもう、人殺しは嫌よ、それに石川ユニがもし、木藤とセッ●スしてたことが本当だったら、どうするの?私たちは石川ユニの、『自己反省』という名の拷問に加担することになるのよ‼」
四人の脳裏に都内のアパートで凄惨な拷問を受けて、死亡した子島ルルコの姿が浮かび上がる。
尻澤エリコがみんなに提案する。
「木藤リョウのことは、このまま見逃して、木藤は殺して川に流したってみんなにウソついて、石川ユニが木藤とセッ●スしてないって倉都さんに伝えましょう!そうすれば石川ユニは助かるわ‼私はもう、これ以上、自分の手を血で染めるようなことはしたくないのよ‼」
理由地エルが尻澤エリコの提案を却下する。
「ダメだ、仮にそのウソが倉都さんにバレたら、僕たち四人はそれこそ、子島ルルコの時みたいに拷問されて、殺されてしまう」
「理由地エルは、石川ユニに練炭こたつのこと、教えてもらうんじゃないの?」
「僕だって人殺しなんてしたくないさ、でも、この革命活動で山のみんなを欺けば、今度は僕たちが、紅軍連合に殺されてしまう、みんなもそれをわかっているはずだ」
理由地エルの言葉に、他の3人は誰も反論できない。
4人はそのまま、下山を続けた。

次回予告 混乱 その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十話 混乱 その4

第四百十話 混乱 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

裏切り者である木藤リョウとセッ●スした疑いで、縄で両手両足を縛られてしまった石川ユニ。
能沢エーイチロウは石川ユニの自由を取り戻すために、木藤リョウ捜索を志願するが、紅軍連合のリーダーである倉都テツオに拒否されてしまう。
そう、能沢エーイチロウは今の紅軍連合にとって必要不可欠なメンバーであると同時に、ジエータイやケーサツ、BEI軍などの国防組織に一番危険視されている人物になってしまったのだ。
倉都テツオは新メンバーたちの教育のために、尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの四人に木藤リョウの捜索と捕獲の任務を与える。
尻澤エリコ、現役ジャーナリスト。師匠を助けるために紅軍連合に潜入するも、その師匠はすでに死んでいた。
加藤モトヒロ、後に『加藤無双』と呼ばれる大量無差別殺人事件を起こす男。
上松サトツ、日本からグァイジを一人残さず殲滅するために紅軍連合に志願した男。
理由地エル、見た目は男だが、心は女性、性差別を日本から無くすために、紅軍連合に志願した。
上記の4人は下山の際に、それぞれの持論をぶつけ合い、自らの立場ががすでに引き返せない情況であることを再確認した。
4人は山を下りて、石川ユニと木藤リョウが密会したと思われるアパートに到着した。
アパートの部屋には、当然のごとく誰もいなかった。
ダメもとで、尻澤エリコが、アパートの管理人に木藤の居場所を聞いてみる。
「ああ、木藤さんね、すぐに引っ越しちゃうもんだから『どこに行くの?』って聞いてみたら、東京に行くって言ってたよ」
「東京?ちなみにその会話で、今日の何時ごろの話ですか?」
「つい、さっき、十分前ぐらい」
「木藤さんがここから離れる時、なにか乗り物とかに乗ってました?」
「乗ってないよ、徒歩」
4人はそれぞれの顔を見合わせて、同時にうなずく。
4人はアパートから一番近い距離にある駅に走って向かう。
駅に着いて、急いで東京方面の電車の切符を買う。
改札を通って、すぐに東京方面に向かう電車のホームに向かう。
階段を下りて、駅のホームにたどり着く。
そして、駅のホームの一番奥に、見知った男がバック片手に立っていた。
4人は一斉にその男に向かって走る。
加藤モトヒロが男に向かって叫ぶ。
「木藤ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ‼」
走ってくる4人の姿を見た木藤リョウが駅のホームのフェンスによじ登る。
フェンスを飛び越え、街路地に着地する木藤リョウ。
4人の誰もが、しまったと思いきや、これで木藤の東京行きはとりあえず阻止できた。
街路地を走って逃げる木藤リョウ。
4人も駅のホームのフェンスをよじ登って、街路地に着地する。
走って逃げる木藤リョウを4人で追いかける。
木藤リョウの横をサイレンを鳴らしていないパトカーが通り過ぎる。
パトカーがサイレンを鳴らしていないにも関わらず、長い潜伏生活の影響で木藤は反射的に立ち止まってしまう。
そう、ケーサツへの過剰な警戒心が木藤の両足を止めてしまったのだ。
加藤モトヒロが木藤リョウの首根っこをつかんで、路地裏に連れていく。
動きを止めた木藤リョウの周囲を一斉に取り囲む4人。
加藤モトヒロが木藤の顔を思いっきり殴る。
「木藤ィ!なんで俺たちを裏切ったァ‼お前のせいで石川ユニは大変な目に遭っているんだぞォ‼」
上松サトツが続く。
「そうだァ!木藤ィ!自己反省しろォ‼」
加藤モトヒロの言葉が理解できない、木藤が尻澤エリコに尋ねる。
「俺のせいで...石川ユニが大変な目に遭っているだと?いったいどういう意味だ?」
「石川ユニと...セッ●スしたんですか...?」
「セッ●ス...ああ、したよ、セッ●ス、それがどうかしたのか?」
木藤の言葉に4人は顔面蒼白になる。
「石川さんは、裏切り者のあんたとセッ●スした疑いをかけられて、縄で手足の自由を奪われたんです!石川さんがあんたとセッ●スした事実が認められれば、石川さんはおそらく、『自己反省』と称したひどい拷問を受けるでしょう...」
木藤リョウが激怒する。
「だから、俺は石川に言ったんだ!こんなイカれた組織なんかやめちまえって‼俺はちゃんとこうならないように石川に忠告したんだ‼なのに‼」
「私たちは、木藤さん、あなたを生きたまま山に連れて来いとの命令を受けています、おとなしくついてきてくれますか?」
「バカか、おめぇら?ナガヌォベースで拷問されて殺されるのがわかってるのに、山を登るわけねぇだろうが‼」
「でも、このままだと、石川ユニさんが...!」
「知るか、そんなこと!俺はちゃんと忠告したんだ!俺は悪くない!自業自得だァ‼」
「なら...なら、私たちはどうすればいいんですか?私たちは石川ユニを助けたいんです‼山に登って、石川さんとセッ●スしてないって、倉都テツオに伝えてください、そうすれば、石川さんは死なずに済むんです‼」
「それで?代わりに俺が山を脱走した罪で拷問されろって?ふざけんじゃねぇよバカ野郎‼俺のケツ追っかけてる暇あんなら、おめぇらもとっとと、どっかに逃げちまえばいいじゃねぇか‼」
木藤リョウの言葉が4人を誘惑する。
そう、山を下りた今なら、ナガヌォ県から逃げられる。
でも逃げた先になにがある、ケーサツと紅軍連合に目におびえながら過ごす生活のいったいどこに平和がある?
そう、4人に残された平和のへの道はもはや、紅軍連合による革命活動で日本を改革することだけだった。
たとえ、それが実現不可能な未来でも。
4人に退路はもう残されていなかった。
なにが、なんでも生き残ってやる。
尻澤エリコはリュックから取り出した銃を、木藤リョウに向ける。
「お願いです...私の言うとおりにしてください...でないと撃ちます...!」
非好戦的ば尻澤エリコの珍しい姿に、他の3人は戦慄していた。

次回予告 混乱 その5

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十一話 混乱 その5

第四百十一話 混乱 その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

山から脱走した木藤の足止めに成功した尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの4人。
尻澤エリコは石川ユニを救うために、木藤リョウに山への帰還と石川ユニとセッ●スしていないとのウソの証言を倉都テツオにすることを要求する。
しかし、自分の命が惜しい木藤リョウは山への登山とウソの証言を拒否、正論を用いて4人に今すぐ、ここから逃げるように誘惑する。
しかし、もはやどこにも居場所がないことを自覚している尻澤エリコが、銃を木藤リョウに向けて、脅迫する。
その脅迫内容は、山への帰還と石川ユニとセッ●スしていないとのウソの証言を倉都テツオにすること、だった。
つまり、尻澤エリコの要求を受け入れない場合、木藤リョウに待っている未来は、尻澤エリコ銃殺される未来。
尻澤エリコはリュックから取り出した銃を、木藤リョウに向ける。
「お願いです...私の言うとおりにしてください...でないと撃ちます...!」
非好戦的ば尻澤エリコの珍しい姿に、他の3人は戦慄していた。
両手を挙げて、怯える木藤リョウ。
「お、おい、勘弁してくれよ...お、大きな声出すぞ...‼」
「そうすれば、あなたも私たちと一緒にケーサツに捕まることになりますよ‼」
「ちっ、結局、俺に逃げ道は残されてねぇってことか...なぁ、お前らよぉ...俺たちが今まで戦ってきたのはなんだ?自由のためだろ?今、お前たちは自由なのか?ケーサツと紅軍連合の暴力に怯えて、倉都テツオの言いなりになっているお前たちは自由なのか?」
「な、なにが言いたいんですか?」
「俺も、お前ら4人も立場は違えど、同じって事さ、ケーサツの目におびえ、紅軍連合の暴力におびえ、結局、人なんてどいつもこいつもそんなもんさ、『正しいこと』なんて、所詮、多数決でしか決められねぇ...俺はそんな世の中を変えたくて紅軍連合に参加したんだ、でも結果はこのざまだ、お前たち紅軍連合のやっていることは所詮、数の暴力さ、セージカ、ケーサツ、BEI軍どもとやっていることは同じだ、だからさ、俺は気付いたんだ、このまま革命活動をしていいても、所詮はどんぐりの背比べだってな、そんなのくだらねぇだろ?だから俺は山を下りた」
「だから...なんですか?私の言っていること、理解できてますか?」
「ああ、わかってるさ、でも俺はお前たちに殺されるつもりもないし、山に登って石川ユニを救うためにウソの証言をするつもりもない、俺の答えはコレだ...‼」
木藤リョウは上着のポケットから取り出した銃を、自らのこめかみに当てる。
「いいか?よく見とけよ、この銃の引き金を引いた先に待っている俺の姿が、お前たち4人に待っている未来だ、俺みたいになりたくなかったら、今すぐ紅軍連合をやめろ!紅軍連合の革命活動で変えられる未来なんてねぇ‼多数決でなんでもかんでも決まっちまう世界は変えられねぇ‼この世に生まれてきちまった命は全て、多数決でなんでも決まっちまうクソみたいなルールに敗北する未来しか待ってねぇのさ‼あばよ‼負け犬ども」
パァァァァンッ‼
路地裏に銃声が鳴り響く。
そう、木藤リョウが拳銃自殺したのだ。
これで4人に残された選択肢は一つだけ。
山に帰り、木藤が石川とセッ●スしてしまった事実を倉都テツオに伝えること。
死人に口なしと言うが、4人が倉都テツオにウソをつけば、ウソがバレた場合、今度は4人が『自己反省』と称した拷問を受けることになってしまう。
つまり、紅軍連合に殺されるということだ。
銃声のせいで、もうすぐ、ここにケーサツが集まってくるだろう。
4人は急いで、木藤の死体から離れ、ヴァサマ山へと向かった。
4人のうちの一人、理由地エルが携帯電話で倉都テツオに告げる。
「どうやら、石川ユニと裏切り者の木藤がセッ●スしたのは事実らしいです...」
『了解した、ではこちらは石川ユニの自己反省を始める』
通話が一方的に切られる。
携帯電話から漏れ聞こえていた倉都テツオの声を、尻澤エリコは聞いてしまっていた。
山を登りながら尻澤はずっと泣き続けていた。

次回予告 侮辱 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十ニ話 侮辱 その1

第四百十ニ話 侮辱 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの4人は、山を脱走した裏切り者である木藤リョウとの接触に成功する。
そして、その裏切り者とセッ●スした疑いで、手足を縄で縛られてしまった女性主義者の石川ユニ。
木藤が石川ユニとセッ●スしたことが事実であれば、石川ユニへの『自己反省』と称した拷問が決定してしまう。
それはすなわち、石川ユニの死を意味していた。
4人は木藤に山に登って罪を償うことを提案するが、木藤はそれを拒否して、逆に4人に向かって紅軍連合への脱退をすすめる。
しかし、4人はこれを拒否。
どうしても石川ユニを救いたい尻澤エリコは銃を用いて、木藤に山に登って、紅軍連合のリーダー倉都テツオにウソの証言をしろと脅迫する。
尻澤エリコに脅迫された木藤は、拳銃自殺でこの世を去ってしまう。
そして、4人は再びヴァサマ山の頂上にある、紅軍連合の新拠点ナガヌォベースに向かう。
4人がヴァサマ山に着いた頃にはもう、ナガヌォベースの中で石川ユニに対する『自己反省』が始まっていた。
ナガヌォベースの中央の椅子に縄で縛り付けられた石川ユニ。
そして、それを囲む50名近くの紅軍連合のメンバーたち。
到着した4人に倉都テツオが声をかける。
「おう、4人とも、おつかれ」
理由地エルが倉都テツオに、木藤リョウが拳銃自殺で使用した銃を手渡す。
「これ、木藤が使っていた銃です...」
「ほう、どうやら木藤が自殺したのは本当らしいな...」
木藤が自殺に使った銃には木藤の頭部から飛び散ったと思われる血液がべっとりと付着していた。
椅子に縄で全身を縛り付けられた石川ユニが告げる。
「木藤が...自殺したの?」
倉都テツオが石川ユニにキレる。
「石川ァ‼誰がしゃべっていいと言ったァ‼」
「そ、そんな...私は本当に木藤とはセッ●スしてないわ‼」
もちろんウソである。
「アホか、貴様はァ!俺はちゃんとさっき電話で聞いたぞ、お前が木藤とセッ●スしたことが事実だってなァッ‼そうだよなァ‼理由地エル‼」
「はい、僕たち4人は確かに聞きました、木藤リョウが石川ユニとセックスしていた事実を...」
石川ユニが激怒する。
「う、ウソよ、そんなの‼だったら...だったら証拠を見せなさいよ!証拠を‼」
理由地エルが携帯の録音機能で、録音していた尻澤と木藤の会話を再生する。
そう、理由地エルは、生前の木藤との接触の際に、このような場面を予想して、あらかじめ携帯の録音機能を使っていたのだ。
理由地エルの携帯から、尻澤エリコと木藤の声が聞こえてくる。
『石川ユニと...セッ●スしたんですか...?』
『セッ●ス...ああ、したよ、セッ●ス、それがどうかしたのか?』
石川ユニのウソがみんなにバレてしまった。
目の前の現実に、自己反省と称した拷問の決定に、その先に待つ死の恐怖に、石川ユニは奇声を上げる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼
石川ユニの無実を信じていた能澤エーイチロウは泣いていた。
信じていた仲間が裏切り者とセッ●スしていた事実に絶望して。
女性主義者を名乗りながら、セッ●スの誘惑に負けた石川ユニに絶望して。
紅軍連合のメンバーたちが、一斉に石川ユニに対して罵声を浴びせる。
「石川ァ‼自己反省しろォッ‼」
「そうだァッ‼自己反省だァ‼」
「石川ァッ‼自己反省しろ‼自己反省‼石川ァッ‼」
「なにが女性主義者だァッ‼この裏切り者のクソビ●チがァッ‼自己反省しろ‼石川ァッ‼自己反省ィッ‼」
石川ユニが倉都テツオに助けを求める。
「お願い‼子島ルルコの時みたいな拷問だけはやめて‼私たち、今まで一緒に戦ってきた仲間じゃない‼そうでしょ?」
「その仲間にウソをついていたのは、どこのどいつだァッ‼それに『自己反省』は拷問じゃないッ‼罪を犯したメンバーを更生させる神聖な規則だァッ‼』
「じゃ、じゃあ、私、死なずに済むの...?」
「さぁな、それはお前自身にかかっている」
「そ、それ、どういう意味よ‼ウソでしょ、私、痛いのは嫌よ‼私は女性なのよ、女性に暴力を振るうなんて最低の人間のすることよ‼」
「それと同じことを、お前は天国の子島ルルコにも言えるのか?」
「そ、それは...」
そう、子島ルルコへの拷問に、石川ユニも参加していたのだ。
「とりあえず、自己反省を済ませたら、また俺たちと一緒に戦ってもらう、生きていたらの話だけどな...」
石川ユニが悲鳴を上げる。

次回予告 侮辱 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十三話 侮辱 その2

第四百十三話 侮辱 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合を裏切り、山から脱走した男、木藤リョウ。
紅軍連合のメンバーで女性主義者の石川ユニは木藤リョウの恋人だった。
山を下りてナガヌォ県内に潜伏していた木藤は、恋人の石川にだけ、自分の潜伏先のアパートの住所を電話で教える。
その住所にむかった石川ユニは、アパートで組織を裏切った木藤とセッ●スしてしまう。山に戻った石川の報告に違和感を感じた、紅軍連合のリーダー倉都テツオは、石川を組織を裏切った疑いで、縄で拘束する。
石川が本当に裏切り者とセッ●スしたのかどうかを確認するために、倉都テツオは尻澤エリコ、加藤モトヒロ、上松サトツ、理由地エルの4人に、木藤の捜索と捕獲を命じる。
そして裏切り者である木藤との接触に成功した4人に待ち受けていたのは、石川ユニが木藤とセッ●スしてしまったという事実だった。
そして4人が山に戻ってきたころにはもう、すでに、石川への自己反省と称する拷問が始まっていた。
倉都テツオが、約50人のメンバーたちに向かって命じる。
「ではこれから、石川ユニの更生を願って、石川ユニへの自己反省を始める‼わかるか?意義のあるものは名乗り出ろォッ‼」
倉都テツオの言葉を拒否するメンバーは一人もいなかった。
「異議なし‼」
「異議なしだァ‼」
「異議なーし‼」
「異議なし...」
「よぉし‼ではまず俺から最初に、始めさせてもらう、俺が終わったら今度はお前たちの番だからな‼」
倉都テツオの言葉に、これからいったい何が始まるのかわからないメンバーたちは期待と不安のこもった視線を倉都テツオに向ける。
「石川ァ‼俺たち紅軍連合はなァ、この日本という国と戦っているんだ‼そして俺たちには軍隊に比べて力がない‼裏切りは、組織に致命的なダメージを与え、組織の統率を乱す、許されない行為なんだ‼石川ァ‼お前はその許されない罪を犯した大罪人だ‼俺は今からお前を痛みでもって更生させる‼コレは暴力じゃない‼祈りだァ‼わかるか?」
倉都テツオが、椅子に縄で拘束された石川ユニの顔面をグーで殴る。
石川ユニの体が椅子ごと床に倒れる。
それを周りで見ていたメンバーたちは皆、この自己反省の意味に気付く。
そう、倉都テツオは紅軍連合約50名のメンバー全員に、石川ユニの顔面を殴らせようとしているのだ。
頭部を50回も殴打されれば、殴打された人は死んでしまうかもしれない。
そして、石川ユニもメンバ―同様に、この自己反省の意味に気付いてしまった。
「よぉし‼次ッ!次は誰が石川を殴るんだ?殴るのを拒否した人間は自己反省の対象となる、わかるか?」
拷問による死の恐怖に怯える紅軍連合のメンバーたちが、一斉に石川ユニへの暴行に名乗りを上げる。
皆、石川ユニと同じ立場になるのだけは避けたいのだ。
石川ユニは考えていた、自分はいったい、何回目の暴行で死んでしまうのだろうか?
そもそも、50人分の拳を顔面にもらう前に自分は生きているのだろうか?と。
自らが石川のように拷問の対象にならないように、メンバーたちが次々と、罵声と共に石川ユニの顔面を殴る。
女メンバーに顔を殴られる石川ユニ。
「何が女性主義者だぁ‼このホラ吹き女がぁ‼てめぇのようなクソビ●チがいるから、女性の社会的地位がいつになっても向上しないのよ‼」
次の女性メンバーに顔を殴られる石川ユニ。
「おまえみたいな、いつもえらそうなこと言ってるくせに、結局チ●ポには逆らえないクソビ●チがいるから、女は男に見下されるのよ‼」
3人目の女性メンバーが石川ユニの顔を殴る。
「自分の性欲をコントロールできないクソビ●チが女性主義者を名乗ってんじゃねーよ‼」石川ユニが3人に向かって反論する。
「ゔおおおいッ‼こっちが動けねぇからってさんざん言いたい放題、やりたい放題しやがってよぉぉッ‼てめぇらどうせアレだろ?私に嫉妬してるんだろ?そんでついでに処女だろ?だって顔にそう書いてあるぜ!ブスだから誰も付き合ってくれなきゃセッ●スもしてくれねーってなぁ‼ブスのひがみほど見苦しいもんはねーぜ‼仮におめぇらが私より長生き出来ても、おめぇらみてぇなブスは一生セッ●スできねぇよ‼バーカバーカ‼」
挑発された3人の女性メンバーが一斉に石川ユニに襲いかかる。
3人の女性に囲まれ暴行を受ける石川ユニ。
暴行を受けながら、石川ユニは周りのメンバーたちに向かって大声で忠告する。
「ゔおおおい‼おめぇら全員、山に閉じこもって訓練続けたぐらいで、国の軍隊やBEI軍に勝てると思ってんのか?バーカ‼そんなこと無理に決まってんだろ?おめぇらがどんな理想を暴力でもって社会に訴えても、この国は変わんねーよ‼おめぇらが私を拷問しているのと同じで、暴力で勝ち取れる平和なんでただのまやかしなんだよ‼おめぇら紅軍連合が暴力に依存してる時点で、おめぇらがケーサツやジエータイ、BEI軍どもと同じだっていい加減気づけよ‼バーカ‼今みたいに暴力による恐怖でみんなを支配している紅軍連合の存在がそれを証明してんだからよぉ‼そんなクソみてぇに古臭い奴らに、国なんて変えられねぇよ‼仮に変わったとしても、指導者が変わるだけで、どうせ、それ以外はなんにも変わらない‼そう、今の日本と何も変わらない国が誕生するだけよ‼アンタたち、全員バカ野郎よ‼」
ナガヌォベース内にいた全ての紅軍連合のメンバーを侮辱する石川ユニ。
そう、自らの死を悟った石川ユニに、もう怖いものなにもはない。
石川ユニに侮辱された約50人のメンバーたちが一斉に、石川ユニに襲いかかる。

次回予告 侮辱 その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
 

 

第四百十四話 侮辱 その3

第四百十四話 侮辱 その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合を裏切った男とセッ●スした罪で、自己反省と称する拷問を受ける女性主義者の石川ユニ。
倉都テツオは、約50人のメンバーたちに、拷問に参加しないメンバーも、石川ユニのようになると脅す。
約50人のメンバーたちは生きるために、石川ユニに順番に暴行を加えていく。
しかし、その途中、自らの死をさとった石川ユニが、紅軍連合を侮辱。
これに対して、約50人のメンバーたちが一斉に石川ユニに襲いかかるのだった。
そして、拷問が行われているヴァサマ山のナガヌォベースで銃声が鳴り響く。
約50人のメンバーが一度に石川ユニに襲いかかった影響で、石川ユニの体を椅子に縛り付けていた縄が、ほどかれてしまったのだ。
予想外のチャンスに恵まれた石川ユニは、近くにいたメンバーのポケットに手を入れる。
石川ユニの右手にはメンバーから奪った拳銃が握られていた。
石川ユニは周りのメンバーに取り押さえられ、銃を奪われるのを予想して、右手のみで拳銃の引き金を引く。
右手のみで発射された銃弾が近くにいたメンバーの左足を貫く。
威嚇射撃のつもりで撃った銃弾が、メンバーの足を貫いたことに驚く石川ユニ。
しかし、石川ユニにもう迷いはなかった。
先程まで覚悟していた死の予感が、今では生への希望になっている。
石川ユニは近くにいた尻澤エリコのこめかみに拳銃の銃口を当てて、叫ぶ。
「ゔおおいッ‼全員、動くなぁッ‼これ以上私の邪魔をすれば、尻澤の頭を銃で撃ち抜くぞ‼」
倉都テツオが石川ユニに忠告する。
「人質をとったからなんだ‼この数相手に勝てると思っているのか‼」
「そりゃ思うわよ、あんたらの誰かが、もし私を撃って人質にされた尻澤を死なせれば、私を撃った奴は、尻澤を死なせた裏切り者として、自己反省、つまり拷問を受けることになる‼脅しだと思ったら大間違いよ‼私に銃口を向ければ、私は容赦なく、尻澤の頭を撃ち抜く‼この状況をアンタたちが打開する一番ベストな方法は私だけを殺すこと、でもそれは尻澤の死も意味しているのよ‼」
倉都テツオが困惑して動けないメンバーたちに向かって叫ぶ。
「みんなァッ‼石川と尻澤、どっちを殺しても『自己反省』の対象にはしない‼だから今すぐ誰か、石川を止めろぉ‼」
「チッ‼そう、来たか...‼逃げるぞぉ‼尻澤ァッ‼」
石川ユニは舌打ちをして、すぐに尻澤の首をつかんで、逃走を始める。
倉都テツオの言葉に疑心暗鬼になっているメンバーたちは、お互いの顔を見合わせ、困惑している。
石川ユニと尻澤エリコ、両方を殺しても、自己反省の対象にはならない。
その言葉が本当なのか、戸惑っているのだ。
倉都テツオがもう一度叫ぶ。
「貴様らァッ‼もう一度言うぞ‼石川と尻澤、どっちを殺しても『自己反省』の対象にはしない‼だから今すぐ誰か、石川を止めろぉ‼」
倉都テツオの言葉がその場しのぎのものでないことを確認したメンバーたちが、一斉に石川ユニを追いかける。
しかし、メンバーたちが追いかけ始めた時にはもう、石川ユニは尻澤を人質にとってナガヌォベースを出ていた。
外はもう、すでに闇に包まれていた。
暗闇に包まれた山の中を登山装備もしていない石川と尻澤は走り続ける。
尻澤が石川ユニに礼を言う。
「ありがとうございます、私も石川さんと同じで、紅軍連合から逃げたかったんです‼」「どうやら、アンタを人質に選んだのは正解だったみたいね、でもなんで紅軍連合から逃げようと思ったの?」
「私、実はジャーナリストなんです、私は師匠の案堂ユーコを探すために、紅軍連合に潜入したんです、だから正直、革命活動とかどうでもいいんです」
「なるほど、そういうことだったの、でもまだ助かったわけじゃないわ、追手はおそらく、みんな銃を持っているわ、まぁ、この暗闇じゃ、ほとんど使い物にならないと思うけど...」
「石川さんは山を下りたら、どうするんですか?」
「ケーサツに自首してナガヌォベースの位置を報告する、そうすれば、私の罪は軽くなるし、紅軍連合もおしまいよ、それが木藤リョウへの手向けになる...」
「女性主義者はもうやめてしまうんですか...?」
「やめないわ...私の間違いは紅軍連合に所属してしまったこと...ちゃんと罪を償ってやり直すわ...。あんたは知らないでしょうけど、自己反省はもともと拷問じゃなかったのよ」
「そ、そうだったんですか?」
「ええ、いつからか、変わっちゃったのよね、倉都テツオは...」
石川と尻澤を探す声が遠くから聞こえてくる。
「この暗闇でも、追ってくるなんてね、命知らずにも程があるわ」
「でも、それって...」
「ええ、私たちも命知らずよね、こんな暗闇の中を登山装備もなしに下山するなんて...」暗闇に包まれた山中を、石川と尻澤は走り続ける。

次回予告  下山 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十五話 下山 その1

第四百十五話 下山 その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

自己反省と称する拷問で死にかけていた石川ユニ。
しかし、石川ユニの挑発により、襲いかかってきた約50人のメンバーたちの暴力が、石川ユニの体を縛り付けていた縄をほどいてしまう。
予期せぬチャンスを利用して、石川ユニはメンバーから拳銃を奪って、尻澤エリコを人質にとる。
尻澤エリコを人質にとってナガヌォベースを脱走する石川ユニ。
紅軍連合のやり方にずっと違和感を感じていた尻澤は、石川ユニとの下山に同意する。
紅軍連合の本拠地、ヴァサマ山のナガヌォベースから脱走した石川ユニと尻澤エリコは、夜闇に包まれた山道をひたすら走り続ける。
先程まで聞こえていた、紅軍連合の追手の声が聞こえてこない。
おそらく、この暗闇の中での捜索を諦めたのだろう。
石川ユニと尻澤エリコを捜索するのに、追手のほうが山で遭難しては元も子もない。
石川ユニと尻澤エリコは登山装備もせずに、ひたすら山中を走る。
石川ユニが尻澤に告げる。
「どこかで休憩をとりましょう、この暗さなら、追手も捜索を諦めるでしょうし」
「朝まで待つということですか?」
「ええ、この暗さでは、このまま下山しても、遭難しに行くようなものよ」
「でも、どこで休憩するんですか?」
「私の勘が正しければ、もうすこし先に洞窟があるはずよ、そこで休憩しましょう」
「でも、石川さんが、その洞窟の場所を知っているってことは、追手も当然、その洞窟を知っているわけですよね?」
「ええ、だから、睡眠と見張りは交代制でとりましょう、そうすれば、追手から不意打ちをくらう確率も減るわ」
「はい...」
山中を走り続けること、数分後、二人は例の洞窟に到着する。
「うわぁ、本当にあったんだ...」
「この洞窟なら身を隠すのに適しているわ、悪いけど先に休ませてもらっていいかしら?」「ええ、かまいませんよ、見張りは私に任せてください」
「ありがとう、とりあえず3時間ほど、休ませてもらうわ...」
そう言ってすぐに爆睡し始める石川ユニ。
拷問によるストレスと疲労が相当たまっていたのだろう。
石川ユニが爆睡している間、尻澤は見張りをしながら、メモ帳に日記を書いていた。
ジャーナリストの尻澤は紅軍連合での出来事を、毎日、メモ帳に書き記しているのだ。
「このまま、無事に山を下山して、メモ帳に書き溜めた紅軍連合の情報を新聞社に持って帰れば、社内での評価は爆上がり間違いなしよ‼」
尻澤は自分にそう言い聞かせて、この絶望的な状況を何とか乗り切ろうとする。
尻澤が見張りを続けてから、3時間後、今度は石川が見張りの番だ。
休憩をとる尻澤。
尻澤が目を覚ますころには、もう、空の色は青くなっていた。
石川が、目を覚ました尻澤に告げる。
「日が出る前に、下山を再会させましょう、これから先はどんどん明るくなるはず」
二人は下山を再開させる。
空腹と、のどの渇きが二人を追いつめる。
しかし、目の前の景色は徐々に見慣れた景色に変わっていく。
それは、二人が下山に成功しつつある証拠だった。
それから数十分後、二人は無事にヴァサマ山の下山に成功。
「石川さんは、これからどうするんですか?」
「コーバンに行くわ、自首して紅軍連合の情報をケーサツに提供すれば、罪も軽くなるからね」
「私はこのまま、電車で新聞社に戻ろうと思っています、私が紅軍連合に潜入して、見て知ったことを、新聞を通してみんなに知ってもらうために...」
「そう、あなたはそれでいいと思うわ、どちらにせよ、私がナガヌォベースの位置をケーサツに教えれば、ヴァサマ山は戦場になるのだから...」
「でも、本当に自首するんですか?」
「ええ、このまま自首せずに逮捕されれば、死刑は確実だからね、でもケーサツに紅軍連合の本拠地の場所を教えれば、死刑にならずに済むわ、そういう意味でもあなたには、新聞社に戻ってもらったほうが色々と都合がいいのよ」
「わかりました、私が都内の新聞社につくまで、電車で3時間程かかると思います、それまでにちゃんと、ケーサツに情報提供を済ませておいてくださいね」
「ええ、もちろんよ、それじゃあ、無事に出所出来たら、また会いましょう」
石川ユニはナガヌォ県内のコーバンを目指して歩き出す。
尻澤エリコは都内に戻る為に、駅のある方向に向けて歩き出す。
二人は、お互いに背を向けて、それぞれの目的を達成させるために歩き始めた。
それから、数時間後、石川ユニの情報提供により、ケーサツ、ジエータイはヴァサマ山への出動を開始した。

次回予告 下山 その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十六話 下山 その2

第四百十六話 下山 その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

裏切り者である木藤リョウとセッ●スした罪で、拷問されていた石川ユニは尻澤エリコと共にナガヌォベースからの脱走に成功する。
ヴァサマ山を下山した二人は、それぞれの目的を達成させるために動き始める。
石川ユニがケーサツに自首した影響で、ケーサツとジエータイはナガヌォ県に出動を開始。
ケーサツとジエータイはヴァサマ山を包囲して、進軍を開始した。
偵察任務からナガヌォベースに戻ってきたメンバーが、ケーサツとジエータイの進軍をみんなに伝える。
「みんなぁ‼た、大変だぁ‼ケーサツとジエータイがこっちに向かって進軍を始めたぞぉ‼」
紅軍連合のリーダーである倉都テツオが舌打ち交じりに告げる。
「チッ、石川のやつ、ケーサツに自首したのか...‼いいか、お前ら、これから約50人のメンバーを五つに分けて、逃走を開始する‼わかるか?」
能沢エーイチロウが倉都テツオに質問する。
「なぜ、部隊を五つに分けるんだ?」
「単純に部隊を五つに分けることで、ケーサツとジエータイをかく乱できる、逃走時にはちゃんと武器と銃の所持を忘れるな‼わかるか?」
そう、約50人しかいない紅軍連合では、ケーサツとジエータイの大軍と正面からぶつかり合っても、勝ち目はない。
しかし、部隊を五つに分けて、それぞれ別のルートで逃走を開始すれば、ケーサツとジエータイの大軍も、その戦力を分割して対応するしかない。
一か所に大勢の人間が集中していても、それを複数の部隊に分割してしまえば、敵の戦力は一時的に低下する。
紅軍連合のメンバー達にできる、今もっともベストな逃走方法はこれしかないのだ。
倉都テツオの命令により、約50人いた紅軍連合のメンバーは五つに別れ、それぞれ、別のルートで逃走を開始した。
能沢エーイチロウは、五つの内の一つの部隊の隊長に任命された。
能沢エーイチロウの部隊メンバーは下記↓の通りだ。
日加リュージ。
理由地エル。
上松サトツ。
加藤モトヒロ。
須須木野ムサオ。
須須木野ナル。
山田ジン。
竹田ノリヒト。
鈴木リョーコ。
能沢エーイチロウが部隊長を務める部隊は、一列に並んで逃走を開始。
さっそく、ケーサツの偵察隊と遭遇する。
「ゔおおおおおいッ‼お前ら、紅軍連合だな?」
俺はケーサツの質問に答える代わりに、拳銃から銃弾を放つ。
銃弾の発砲音を聞いたケーサツ官やジエータイ員が俺たちに向かって発砲してくる。
能沢エーイチロウが各メンバーに命令する。
「各メンバーに告げる‼死ぬのが嫌なら敵に銃を構えて、今すぐ撃つんだ‼」
総勢10人のメンバーが一斉に、ケーサツ官とジエータイ員に向けて発砲を開始。
この銃撃戦で、10人いたメンバーの内、山田ジン、竹田ノリヒト、鈴木リョーコの3人が死亡した。
これに対して、俺たちに発砲してきたケーサツ官とジエータイ員は全滅。
部隊を五つに分けて逃走を開始した影響で、敵の人数が少数だったことが幸いした。
3人の死体を放置したまま、逃走を続ける能沢エーイチロウの部隊。
日加リュージが今後の行先について、部隊長の能沢エーイチロウに質問する。
「おい、エーイチロウ、この先、俺たちはどうすればいいんだ?」
「とりあえず、ヴァサマ山はすでにケーサツとジエータイに包囲されていると思っていい、だから、俺たちはこれから、このまま隣の山に向かう、各員はしっかり銃に弾を補充しておけよ‼」
「ちくしょう、石川ユニのやつのせいで、こんなことになるなんて...」
「日加、今更、悔やんでも何も意味はない、とりあえず、懐中電灯と予備の電池がリュックに入っている、ケーサツとジエータイの追手も深夜になれば、大人しくなるはずだ、俺たちはその間も、逃走を続ける、いいな?」
「ああ、ちくしょう‼せっかくナガヌォベースでみんなと再会できたばかりだったのに...」能沢エーイチロウが率いる部隊は逃走を続ける。

次回予告 戦いの先に待っていたもの その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十七話 戦いの先に待っていたもの その1

第四百十七話 戦いの先に待っていたもの その1
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

裏切り者である石川ユニの密告により、ケーサツとジエータイがヴァサマ山を包囲、進軍を開始した。
偵察隊から進軍の知らせを聞いた紅軍連合のリーダー、倉都テツオは約50人のメンバーを五つに分けて、それぞれ別のルートで逃走を開始せよと、皆に命令する。
正面から大軍を相手にすれば、約50人しかいない紅軍連合に勝ち目はない。
しかし、部隊を五つに分ければ、敵も大軍を五つに分けるしかない。
そう、部隊を五つに分ければ、それだけ紅軍連合も戦いやすくなるのだ。
こうして、紅軍連合は五つの部隊に別れて、ナガヌォベースから撤退、逃走を開始した。
五つの内の一つの部隊の、部隊長を任された能沢エーイチロウは9人の仲間と共に、追手のケーサツ官とジエータイ員達と銃撃戦を開始。
結果、エーイチロウの部隊は3人の仲間を失うものの、追手の部隊を全滅させることができた。
そう、紅軍連合を五つの部隊に分けることで、敵も五つに別れ、その数は少なくなっていたのだ。
まさに、倉都テツオが発案した部隊を五つに分ける作戦が功を奏したのだ。
追手を全滅させたエーイチロウの部隊は隣の山を目指して、逃走を続ける。
夜闇に包まれた山中を、懐中電灯の光を頼りに歩き続けるエーイチロウの部隊。
夜闇に包まれた山中は、言うまでもなく、危険である。
そう、山中が夜闇に包まれていれば、敵も紅軍連合が撤退を続けているとは想定していないはずだ。
しかし、エーイチロウはその敵の思考を逆手にとって、あえて夜闇の中を危険を承知で逃走を続ける。
逃走中、日加リュージがエーイチロウに質問する。
「おい、エーイチロウ、まさか朝まで歩き続けるつもりじゃないよな?」
「そうだな、今、何時だ?」
「深夜2時だ」
「じゃあ、ここは、もう隣の山かもしれないな。向こうの川でちょっと休憩しよう」
エーイチロウの部隊は山中の川の近くで逃走中の足を一旦、止める。
エーイチロウ以外の6人のメンバーの口から安堵のため息が出る。
各メンバーは交代制で仮眠をとる。
メンバーが寝ている間、起きているメンバーは周囲の監視をしている。
仮眠から目を覚ました理由地エルが突然、弱音を吐く。
「ふぁあああああッ‼どうして、こんなことになっちゃったんだよ‼僕たちはこのまま一生、山を歩いてケーサツとジエータイから逃げ続けて、それで捕まったら死刑確実だ‼僕はもうこんな人生嫌だ‼でも死にたくない‼でもケーサツに捕まったら、きっと死刑になるんだ‼でもでも、このまま山を歩き続けるのも嫌だ‼もう疲れた‼普通の日常に戻りたい‼僕はどうすればいいんだぁッ‼ゔあああああああああああああああッ‼」
どこにも逃げる場所がない、先の見えない不安に、頭がおかしくなってしまった理由地エル。
しかし、理由地エルのその魂の叫びは、今、逃走を続けているメンバー全員が抱いている不安そのものでもあった。
そういう意味では、理由地エルの反応は正常と言えるのかもしれない。
部隊の隊長であるエーイチロウが覚悟を決めて、理由地エルに告げる。
「理由地エル...どうしてもこの現状に耐えられないのなら、俺がお前を今すぐ楽にしてやる...他のメンバーもそうだ、この先の戦い、生きる意志と革命への志のない者はただの足手まといだ、作戦に支障がきたす前に、俺が楽にしてやる...」
戦う意思がないものは殺してやる。
それがエーイチロウのメンバーに対する警告であり、優しさだった。
エーイチロウのその言葉に、心が折れそうになっていた理由地エルや他のメンバーは正気を取り戻す。
そう、エーイチロウの言葉に、一人一人がなぜ、紅軍連合に参加したのか、なぜ命を賭けて日本を変えようと決意したのか、もう一度、考えさせられたのだ。
エーイチロウが理由地エルにもう一度、警告する。
「理由地エル...お前の中には今、生きる覚悟と死ぬ覚悟、どっちの覚悟があるんだ?」
「ぼ、僕は死にたくない...そうだ‼僕は日本から性差別を無くすんだ‼そのためには、まだ死ねない‼死にたくない‼」
他のメンバー達もそれぞれの目的をもう一度、再確認して、己を鼓舞する。
「そうだぁッ‼俺はこの国からグァイジを一人残らず殲滅するために、まだ死ねないんだ‼ゔおおおおッ‼」
黒かった空も徐々に青くなりつつある。
それは新しい日の始まりを意味していた。
そう、何もしなくても時は進み続ける。
そう、何もしなくても人から時間は失われ続けるのだ。
だからこそ、歩みを止めてはならない。
己の信念をつらぬき、それを世界に証明するまで、歩みを止めてはならない。
全員が仮眠をとり終えたエーイチロウの部隊は、再び逃走を開始した。

次回予告  戦いの先に待っていたもの その2

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十八話  戦いの先に待っていたもの その2

第四百十八話  戦いの先に待っていたもの その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

裏切り者である石川ユニの密告により、ヴァサマ山に進軍を開始したケーサツとジエータイ。
正面からの戦闘では勝ち目がない紅軍連合は部隊を五つに分けて、逃走を開始した。
五つの内、一つの部隊の隊長に任命されたエーイチロウはケーサツとジエータイと激戦を繰り広げながら逃走を続ける。
途中、戦闘で3人の仲間を失うも、エーイチロウの部隊は先の見えない明日に向かって、山道を進み続けるのだった。
空は快晴、日光がまぶしい。
逃走を続けるエーイチロウの部隊に所属するメンバーたちの体力にも限界が来ていた。
その主な原因は水分不足だった。
しかし、水分を摂取するために下山すれば、ヴァサマ山を包囲しているケーサツとジエータイに捕まってしまう。
このままでは、ケーサツとジエータイに捕まってしまう前に、水分不足で部隊が全滅してしまう可能性がある。
山中を歩き続けながら、打開策を考え続ける能沢エーイチロウ。
エーイチロウの背後を歩くメンバーも、水分不足を嘆いたところで状況が変わることがないことを理解しているのか、あえて不満を口にしない。
先頭を歩くエーイチロウの足が突然止まる。
「う、ウソだろ...‼どうして、こんなところに...‼」
エーイチロウたちの目の前には豪邸があった。
理由地エルも思わず呟く。
「ゆ、夢じゃ、ないんですよね...?」
日加リュージが続く。
「と、とりあえず、無理を承知でも、水をもらえるか交渉してみよう‼」
エーイチロウがその提案を否定する。
「いや、交渉する必要はない、どうせ俺たちは指名手配犯だ、ここは武力で強引にいこう」
エーイチロウの言葉に自らが指名手配犯であることを再認識する部隊のメンバー達。
エーイチロウ達は、まるで砂漠にオアシスを見つけたかのように、豪邸に向かって走る。
エーイチロウたちは豪邸の庭に侵入。
エーイチロウは庭で花に水やりをしていた女性に向かって銃を構える。
「僕のこと知ってますか?」
「し、指名手配犯...紅軍連合の、能沢エーイチロウ...‼」
「正解です、今から、あなたを縄で拘束させてもらいます、反抗した場合は銃殺します」
豪邸の主と思しき女性が花の水やりに使っていたじょうろで襲いかかってくる。
「う、撃ちたきゃ、撃ちなさいよ‼でも、銃を撃ったら、その音で、ここにに一斉にケーサツやジエータイが集まってくるわよ‼」
「なら、音を立てずに殺せばいいんですよ」
エーイチロウは上着のポケットから出したナイフで女性の首を切り裂く。
エーイチロウ達は主をなくした豪邸に侵入する。
日加リュージが歓喜の声を上げる。
「おい、みんなァ‼冷蔵庫にたんまりごちそうがあるぞ‼」
エーイチロウ達は水道の水で、水分摂取を行う。
理由地エルが告げる。
「水分不足で弱っていたところに、こんな豪邸と遭遇するなんて、なんか色々と都合が良過ぎませんか?」
加藤モトヒロが答える。
「まぁ、確かにここまでの道のりを考えれば、素直に喜べないよな、まるで夢を見ているみたいだぜ」
上松サトツが冗談を言う。
「本当だよ、もしかしたら俺たちはもう、どっかで死んでて、ここは天国だったりしてな、あはははははッ‼」
絶体絶命の状況下で見つけた楽園に、メンバー達は久しぶりに笑い声を上げながら楽しそうにしている。
豪邸の主の死体を庭に埋め終えたエーイチロウがみんなに指示を出す。
「庭に車を見つけた、ここで一日、休憩をとったら、食料と水分をあるだけ奪って、再び逃走を開始する、みんな、ここまで道のり、ご苦労だった、ゆっくりと休んでくれ」
部隊のメンバーたちがジャンケンで風呂に入る順番を決めている。
その間、エーイチロウは2階から双眼鏡で、外の監視を行っている。
背後から日加リュージが告げる。
「エーイチロウ、偵察は俺に任せて、お前も風呂に入って、メシ食って、ゆっくり休め」
「ありがとう、でも、この豪邸はいくらなんで目立ちすぎる、ケーサツやジエータイがここを見つけるのは時間の問題だ」
「だろうな、そんで悪い知らせだ、さっきテレビのニュースで見たんだが、倉都テツオと伸重フサカの部隊が全員、逮捕されたらしい」
日加リュージの報告に、エーイチロウは目をつぶって、辛そうに答える。
「そうか...」
「ここも時期に見つかる、逃走は今日中に再開したほうがいいんじゃないか...?」
「とりあえず、考えてはおこう、それより、部隊のみんなの様子は?」
「だいぶ落ち込んでるよ、倉都テツオは紅軍連合のリーダーだからな...それに、五つの内、二つの部隊が潰れたことで、五つに分散されたケーサツとジエータイの戦力は、残り三つの部隊に集中するはずだ」
「この絶望的な状況だ、部隊のメンバーの中から、死刑を回避するために裏切り者が出るかもな...」
「それはさっき、みんなに一応、確認した、でもみんな、ケーサツとジエータイと最後まで戦うって言ってたよ、まぁ、その場しのぎかもしれんがな...」
「最後まで、か...」
エーイチロウはそう言って、風呂に入る為に周囲の監視を日加リュージに任せた。
久しぶりに入った風呂がエーイチロウの体の疲労を癒す。

次回予告 戦いの先に待っていたもの その3

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百十九話 戦いの先に待っていたもの その3

第四百十九話 戦いの先に待っていたもの その3
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

ヴァサマ山にケーサツとジエータイが進軍したことにより、五つに別れた紅軍連合。
そのウチの一つであるエーイチロウの部隊は、追手との激戦を繰り広げながら、山道を逃走していた。
水分不足に苦しんでいたエーイチロウ達は、山中で見つけた豪邸の主を殺害し、その豪邸で休息をとる。
豪邸で、久々に人間らしい生活を堪能するエーイチロウ達。
しかし、エーイチロウ達を待っていたのは、逃走中の倉都テツオの部隊と伸重フサカの部隊がケーサツに逮捕されたニュースだった。
リーダーを失い、五つから三つになってしまった紅軍連合。
メンバーの誰もが、決断を迫られていた。
エーイチロウを含む、7人のメンバーに占拠された豪邸では、緊急の会議が行われていた。
部隊長であるエーイチロウが他の6人に問う。
「皆に問いたい、これからの戦いでは、もう君たちの命は保証できない、もし紅軍連合から脱退したい者がいたら、正直に挙手してくれ、挙手したものを殺しはしないから、安心してほしい...」
エーイチロウの言葉に挙手するものはない。
「お前ら、本当にそれでいいのか?リーダーの倉都テツオはもうケーサツに捕まった、紅軍連合からの脱退を申し出る者を裁く権利は誰にもない、つまり、お前たちはもう自由なんだぞ」
理由地エルがエーイチロウの言葉に答える。
「自由...ですか、仮に今、紅軍連合を脱退して、ヴァサマ山から無事に下山できたとして、全国に指名手配された僕たちに果たして自由はあるんでしょうか?」
加藤モトヒロが続く。
「そうですよ、ケーサツにビビって一生過ごすよりも、俺はこのままケーサツとジエータイと正面から戦うことを選びます、だって俺たち紅軍連合のマイノリティーのための国作りの信念は、誰もが正しいと確信しながら誰もが実現不可能だと諦めてしまった願いなんです、その願いのために戦うかぎり、紅軍連合の革命活動は誰が何と言おうと正義なんです‼」
上松サトツも加藤モトヒロの言葉に続く。
「ああ、その通りだぜ、このままどこかに逃げても、この国は何も変わらない、俺たちの夢が叶う保証なんてどこにもない、でも夢を追い続けるのに資格なんていらない、必要なのは夢に向かって戦う意思だけだ‼」
日加リュージもみんなと同様、戦いへの意欲を見せる。
「俺もみんなと同じだ、みんなで生き残って、出所した石川ユニを今度こそ『自己反省』させようぜ‼」
須須木野ムサオ、須須木野ナルが日加リュージの言葉に同意する。
「ああ、そうだぜ、あの石川ユニがケーサツにナガヌォベースの場所を密告しなければ、紅軍連合が崩壊寸前まで追いつめられることもなかったんだ‼」
「そうね、石川ユニに復讐するまで、死ねないわよね‼」
能沢エーイチロウにはわかっていた。
皆が戦うのは、仮に山から逃げても、どこにも帰る居場所がないから、だと。
それはエーイチロウも同じだった。
ケーサツとジエータイとの戦闘、そして石川ユニへの復讐心に魂を燃やすメンバーたちが、戦闘の準備を始める。
空の色はもう暗い
エーイチロウがみんなに告げる。
「ケーサツとジエータイがこの場所を見つけるとしたら、早くても明日かあさってだ。だから、予定を変更して、今日の深夜にはここを出発する」
みんながエーイチロウの言葉に同意する。
「俺たちの次の目的は、ただ生き残ることだけだ、つまり銃の弾がなくなったり、武器を失った時点でおしまい、ということだ、それでもこの先の戦いを続ける覚悟がみんなにはあるのか?」
エーイチロウの言葉に日加リュージが答える。
「たとえ、俺たち全員がケーサツに捕まっても、俺たち紅軍連合の革命活動をニュースで知って、革命への志に目覚めた日本人はたくさんいるはずだ、そいつらがいる限り、俺たちがしてきたことは無意味じゃない、社会は人が作っていくものだからな、そう意味では俺たちの目的はとっくに達成できているのさ」
「了解した。そうだな、俺たちはもうとっくに目的を達成しているのかも知れないな、なら、もう怖いものはなにもない、ケーサツとジエータイが何人こようと、俺たちがみんなの心に灯した革命の火は消えない‼」
深夜の出発に向けて、皆で夕食を食べる。
夕食を食べ終えたエーイチロウ達は、豪邸から外に出て、懐中電灯を持って夜闇に包まれた山道を歩き続ける。

次回予告 戦いの先に待っていたもの その4

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百二十話 戦いの先に待っていたもの その4

第四百二十話 戦いの先に待っていたもの その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

紅軍連合のリーダーである倉都テツオの部隊、伸重フサカの部隊がケーサツに逮捕されたことにより、ほぼ壊滅状態になった紅軍連合。
能沢エーイチロウは自身の部隊のメンバー達に、この先の戦いがほぼ負け戦であることを忠告する、
それでも戦う以外に選択肢のない、メンバー達は、エーイチロウと共に戦う意思を見せる。
仮にこの先に待つのが敗北でも、今までの革命活動が次の世代を育てる一因になっていることを確信したエーイチロウたちは、懐中電灯の明かりをたよりに夜闇の山道を歩き続けた。
しかし、彼らに逃げる場所も、目的地も、もうない、その先に待つのは戦場だけだ。
深夜、豪邸から出発したエーイチロウの部隊は途中、山中で休憩をとり、早朝に再び移動を開始した。
豪邸から奪った飲料水や食料のおかげで、メンバーたちが水分不足や空腹を訴えることはなかった。
それより妙なのは、ケーサツやジエータイの追手の気配がまったくなかったことだ。
その事実が、エーイチロウ達の心を安堵させると同時に、奇妙な違和感を感じさせる。
ケーサツやジエータイはおそらく、エーイチロウ達を生きた状態で逮捕しようとしているはずだ。
不自然なほどの静けさが、まるでこれからなにか良からぬことが起きる前兆なのではないかと、エーイチロウ達に思わせる。
そして、それは現実になった。
遠くから聞こえてくるヘリコプターの音。
部隊の中で唯一、木白崎原子力発電所でヘリコプタ―の襲撃を受けているエーイチロウが皆に上空に向かって銃を構えるように指示する。
銃を構えた先にはやはり、ジエータイのヘリコプタ―が飛んでいた。
地上から銃を構えるエーイチロウ達の存在を確認したジエータイは、予定していた降下を中止する。
いま、地上に降下すれば、まちがいなくエーイチロウ達に銃撃されてしまうからだ。
しかし、それは、ジエータイに銃を構えている者たちが、紅軍連合のメンバーであることを証明していた。
ヘリコプターのパイロットはすぐに無線通信で、エーイチロウ達の位置情報を地上の部隊に報告する。
エーイチロウ達は銃をヘリコプターに向けて構えながらゆっくりと、山道を歩く。
しかし、エーイチロウ達の耳に、複数の足音が聞こえてくる。
そう、ヘリコプターのパイロットからエーイチロウ達の位置情報を得た地上部隊が、エーイチロウたちを包囲していたのだ。
銃を持ったジエータイに包囲されてしまう、エーイチロウ達。
エーイチロウ達、7人はお互いに背中を合わせ、四方八方に向けて銃を構える。
地上部隊の隊長と思しき男がエーイチロウ達に警告する。
「今すぐ、銃を下ろして、投降しろ‼我々は君たちを殺しに来たわけではない‼抵抗しなければ、命の安全は保証する‼もう一度繰り返す、今すぐ...」
次の瞬間、地上部隊の隊長の再度の警告を中断するように銃声が鳴り響く。
地上部隊の隊長を撃ったのはエーイチロウだった。
そして、ジエータイの地上部隊が隊長の死を確認した、その一瞬の静寂の内に、エーイチロウは皆に大声で指示を出す。
「発砲‼」
地上部隊にできた一瞬の隙を利用して、地上部隊に銃撃を開始するエーイチロウの部隊。
人の死は常に人を動揺させる。
その習性が、地上部隊の敗因となった。
四方八方から銃撃の雨を浴びるジエータイの地上部隊。
多くのジエータイ員が全身に銃弾の直撃を受けて倒れる。
銃弾をその身に受けなかった者は、危険を察知して撤退を始める。
敵の一時撤退を確認したエーイチロウが皆に指示を出す。
「今のうちに弾を補充しておけ‼すぐに次が来るぞ‼」
メンバーたちが銃に銃弾を補充している間、エーイチロウはジエータイのヘリコプターに向けて銃を構える。
エーイチロウ達が銃弾を補充している間に、襲撃を開始しようとしていたのか、銃を構えるエーイチロウの存在を確認したヘリコプターが離れていく。
ヘリコプタ―が離れていくのを確認したエーイチロウは、銃に弾を補充する。
エーイチロウは再びに皆に向かって指示を出す。
「発砲‼」
再び、エーイチロウ達を中心に四方八方から銃弾が放たれる。
遠距離からエーイチロウたちを狙撃しようとしていたジエータイ員達が次々と倒れていく。
その様子はエーイチロウたちの目視では確認できないものの、遠くから人が倒れる音が連続して複数、聞こえてきた。
遠距離からの狙撃も、エーイチロウはアズマ山での戦闘で経験している。
部隊のメンバーたちが、エーイチロウの人並外れた戦闘センスに、思わず口元を緩めてしまう。
そう、エーイチロウの存在が、この多勢に無勢な状況下でのメンバーたちにの心の支えになっているのだ。
エーイチロウが皆に指示を出す。
「俺は死亡したジエータイ員どもから、銃と銃弾を奪ってくる、お前たちは周囲の警戒を引き続き頼む‼」
6人のメンバーが一斉に叫ぶ。
『了解‼』
人数不足を銃の数で補おうとするエーイチロウの戦い方に、ジエータイ員達も驚愕している。
「あれが能沢エーイチロウ...まるで俺たちの行動を予測しているかのような戦い方...悔しいが奴らは俺たちより、『戦場』を知っている...」
「奴はこの国の矛盾が生んでしまったモンスターだ、殺すつもりでいかないと、俺たちが殺されてしまう...‼」
「でも、隊長は殺さずに逮捕しろと命令したはずだ‼」
「その隊長はもう死んじまった...もはやこの戦場に戦闘指揮官はいない、それに先に撃ってきたのはやつらのほうだ‼俺はやるぜ‼あいつらを殺さずに捕まえるのは、どう考えても無理だ‼」
エーイチロウの人並外れた戦闘センスは、味方を鼓舞すると同時に、敵の戦意も刺激していた。

次回予告 戦いの先に待っていたもの その5

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 

 

第四百二十一話 戦いの先に待っていたもの その5

第四百二十一話 戦いの先に待っていたもの その5
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『紅軍連合』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

五つの部隊に別れ、そのうち二つの部隊を失った紅軍連合。
失われた部隊のメンバーの中には紅軍連合のリーダーもいた。
リーダーと数多くの仲間を失い、ほぼ壊滅状態の紅軍連合。
能沢エーイチロウが率いる部隊もジエータイの地上部隊の襲撃を受ける。
しかし、あらゆる戦場を経験してきたエーイチロウは、その経験を活かし的確な指示を部隊のメンバー達に出すことで、地上部隊の撃退に成功する。
自分の部隊が射殺したジエータイ員から、銃と銃弾を奪ったエーイチロウ達は、次の襲撃に備え、周囲の警戒を続ける。
その一方でエーイチロウ達に数多くの仲間を射殺されたジエータイ員達は、エーイチロウ達を殺さずに捕まえることを諦める。
そう、人並外れた戦闘センスを持つエーイチロウがジエータイ員達には、人の形をした怪物に見えてしまっているのだ。
周囲の警戒を続けるエーイチロウ達。
上空には、いつの間にかヘリコプターが8機、飛んでいる、増援が来たのだ。
それに対して、エーイチロウ達は7人。
ヘリコプターから降下してくるジエータイ員に銃撃を集中させれば、地上部隊に隙を見せることになる。
そして、遠くから地上部隊の増援と思しき、足音が聞こえてくる。
まさに、多勢に無勢。
先程、ジエータイ員の死体から奪った銃と銃弾があるものの、地上と空、両方から同時に襲撃を受ければ、エーイチロウ達に勝ち目はない。
エーイチロウが部隊のメンバーである加藤モトヒロに告げる。
「おい、加藤、お前は、まだミセーネンだ、お前はこのまま、ジエータイに投降しろ」
「い、いきなり、何言ってるんですか?」
「俺たちはどうせ、ケーサツに捕まったら死刑になる、でもお前は違う。だから俺たちは、ここでこのまま死ぬまで戦い続ける、加藤、これは命令だ、お前はジエータイに投降しろ」
「そ、そんなことできるわけありませんよ!俺も最後までみんなと一緒に戦います!紅軍連合がこの社会で唯一の俺の居場所なんです!俺の夢なんです‼」
「加藤、お前にはまだ未来とチャンスがある、もし、お前にその意思があるのなら、俺たちの遺志を継いでくれ、コレは命令だ、お前は生き残って俺たちにできなかった革命を成し遂げてくれ」
エーイチロウの真意を理解した加藤モトヒロは両手を挙げて地上部隊がいる方向に向かって歩いていく。
地上部隊と合流した加藤モトヒロは、そのままジエータイ員達に取り押さえられ、逮捕された。
そして、次の瞬間、上空の8機のヘリから一斉に大勢のジエータイ員達が降下してくる。
それと同時に、大勢の地上部隊がエーイチロウ達を囲む。
そう、エーイチロウが加藤モトヒロと口論をしている隙に、地上部隊に接近されていたのだ。
6人しかいないエーイチロウの部隊と、大勢のジエータイ員達との銃撃戦が始まる。
ジエータイは、銃での抵抗をやめないエーイチロウ達を生かした状態で逮捕することを諦め、銃で対抗する。
結果、エーイチロウ達6人は、死亡した。
エーイチロウ達は自分達が一番、嫌っていた数の暴力に敗北したのだ。
両手に手錠をかけられた加藤モトヒロは、その光景を見て叫ぶことしかできなかった。
「ゔああああああああああああああああああああああッ‼」
この日、エーイチロウたちの他にもう一つの部隊が、ケーサツに逮捕された。
しかし、2週間後、ケーサツとジエータイは最後に残った部隊を発見することが出来ないまま、ヴァサマ山から撤退した。
つまり、五つに分かれた部隊の内、一つの部隊はまだ、逃走を続けているということだ。
その後、紅軍連合の逮捕が、新聞やニュースを通して世間に発表された。
特に『潮日新聞』は、逮捕の記事と同時に紅軍連合の実態について、事細かく記載し、その残酷な内容は、世間に大きな衝撃を与えた。
『潮日新聞』のその記事を書いたのは、尻澤エリコだった。
こうして紅軍連合は壊滅した。
それから数年後、逮捕された紅軍連合メンバーの死刑が決定した。
その中には、ケーサツにナガヌォベースの位置情報を密告した裏切り者、石川ユニも含まれていた。
ケームショを出所した加藤モトヒロはその新聞記事を読み終えると、新聞紙を両手でくしゃくしゃにして、自室のゴミ箱に向かって投げた。
加藤の自宅アパートに来客を知らせるインターホンの音が鳴り響く。
ドアを開けると、そこには数年前の最終決戦で唯一逃走に成功した部隊、紅軍連合の生き残り達が立っていた。
しかし、それから数分後、出所した加藤モトヒロを見張っていたケーサツ達が、加藤のアパートを訪れる。
そう、ケーサツは出所した加藤に、逃走中の紅軍連合の生き残りが接触してくることをあらかじめ予想していたのだ。
紅軍連合の生き残り達は逮捕されたが、加藤モトヒロは逃走に成功する。
こうして、紅軍連合の復活は阻止された。
念願だった紅軍連合再始動の夢を潰され、自暴自棄になった加藤モトヒロはトラックと刃物で大勢の死亡者を出し、そのまま逃走した。
その事件は後に『加藤無双』と呼ばれた。
夢を失うと同時に社会に居場所も失い、路地裏をさまよう加藤モトヒロ。
自暴自棄になった加藤モトヒロが一人、呟く。
「すいません...エーイチロウさん...俺にはやっぱりみんなの遺志を継ぐのは無理だったみたいです...」
しかし、加藤モトヒロは紅軍連合の生き残りたちが話していた『ある噂』を思い出す。
その噂に一縷の望みをかけて、加藤は今、とあるアパートのドアの前に立っている。
表札には『姫先』と書かれている。
そう、姫先ユイナは加藤モトヒロと同じく、紅軍連合の唯一の生き残りである。
その存在と居場所を、数日前に逮捕された紅軍連合の生き残りから事前に聞かされていた加藤モトヒロ、しかし、姫先ユイナに戦う意思が残っているかどうかはまだ、確認できていないらしい。
加藤モトヒロは、恐るおそるインターホンを押す。
そう、ユイナに戦う意思が残っていなければ、ケーサツに通報される危険性があるからだ。ドアを開けて出てきたユイナに、共に戦ってほしいと頼む加藤モトヒロ。
ユイナに部屋に招かれた、加藤モトヒロの目の前には大量の自作爆弾が積まれていた。
泣きそうな顔の加藤モトヒロに姫先ユイナが笑顔で告げる。
「始めましょう!私達の革命活動を‼」
ユイナの部屋には、数年前にカラーレスのみんなで撮った集合写真が飾られていた。
写真に写った若者たちは、皆、笑っていた。

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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