緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―


 

弾籠め 人物紹介

 
前書き
葵 「はじめまして・・・・。私は霧島(きりしま)(あおい)って言います。要は作者の分身みたいなものと思ってください。後々、私も本編参入はしますけどね。今回と次回はオリキャラの紹介回です。それはどーぞ!」 

 
主人公

名前:水無瀬 凪優(みなせ なゆ)

年齢:17

誕生日:4月2日

身長:168cm

体重:52kg

所属:東京武偵高校2年A組(物語開始時)

所属学科:強襲科(メイン、RankA)
     情報科(掛け持ち RankA)
     衛生科・狙撃科(自由履修)

携行武器:MATEBA(マテバ) Modello(モデロ) 6 (セイ)Unica(ウニカ)
     トーラス ジャッジ M513 ジャッジマグナム
     ウルティマラティオ(PGM)ヘカートⅡ
     フォールディングナイフ×2
     小太刀×2
     長太刀×2
     色金定女(イロカネサダメ)(日本刀/長太刀)
     ダガーナイフ(投擲用・複数所持)
     ワイヤー

愛車  :トヨタFT86
カワサキZZR1400(2008年仕様)


イメージCV:寿美菜子さん



説明:銀髪セミロングで紅色の瞳が特徴。
   スタイルは標準より少し良い(本人談)
   人付き合いもそんなに悪いほどではない。ぶっちゃけいえば「特筆することないフツー」。
   戦闘時は状況判断次第で臨機応変に対応できるオールラウンダーで大体が平凡。
   そんな彼女だが、記憶力がずば抜けて良く、対象を一度(それも一瞬)見ただけで、完璧に再現可能。
   技のクオリティも本家と差異は全くない。   
   情報戦でもその記憶力・完全再生能力を遺憾なく発揮する。

   その為、武偵高校入学前は各地を転々と回って技を習得していた。
   無論、両親の方針である。
   修行地のひとつに「間宮家」もあった為、間宮あかり・ののか姉妹とも仲が良い。

   それもあってか、イ・ウーにスカウトされ、所属する事となる。
   イ・ウー活動時の序列はNo.3。(知らぬ間にNo.2に昇格)
   イ・ウー活動時の二つ名は「魔術師」,「氷天(ひてん)の魔女」。
   そして、研鑽派(ダイオ)の党首も周囲からの強い要望と満場一致で務めることになる。
   武偵としての二つ名は「凍て付く一刀(アイスエイジ)

   瑠璃色金の適応者で「心結び」をしているが、色金に取り込まれていない唯一の成功例。
   (瑠璃神曰く、「よく解らないけれど凄く安心するから。取り込むなんて真似は絶対嫌。」)


瑠璃神の能力を借りることで身体能力等を向上させることができる。

第1段階
髪の色が瑠璃色に変化する。
能力の出力は30%~50%
能力を使うスタミナ・能力の威力・身体機能増強。
傷を負った際の自己治癒可能(他者への使用不可)

第2段階
髪が瑠璃色に変化し、唐棣色(はねずいろ)の瞳に変化する。
ついでに髪の長さもロングになる。
出力は55%~70%程
第1段階に比べ能力を使うスタミナ・能力の威力・身体機能増強率増加
治癒力を他者へ使用可能。
回復量は自身に使うよりも劣る。


第3段階
第2段階の容姿で髪型が一部三つ編みになっている。
出力は75%~80%くらい。
第2段階に比べ能力を使うスタミナ・能力の威力・身体機能増強率増加。
治癒力を自身に使う場合、瀕死でもなんとかなる。
他者への使用の場合は重傷者の回復がギリギリ。
この段階から髪を能力で変化させる広範囲系武装「七叉槍」が使用可能になる。
油断さえしなければ使用後の入院は回避できる。


第4段階
第3段階の容姿で髪が鬣っぽくなっている。
出力は100%~Infinity
通称『瑠璃神モード』
瑠璃神の能力を全開放させた形態。
主人格は凪優。
神の能力を開放しているので凡ゆる点に於いて第3段階と比べ物にならない。
治癒力は自分に使う場合と他者に使う場合の差は無い。
その反面、強大すぎる能力故に身体の負担が大きい。
入院は非回避・・・・通り越して最早確定。


第5段階
第4段階の上位に位置する形態。
出力は計測不能。
最早瑠璃神そのもの。
威力等全てにおいて人外レベル。
死者蘇生も出来るとか出来ないとか。
主人格は瑠璃神。
身体の負担は凄まじく、長期入院確定で済めば良い方。
運が悪ければ肉体が能力に蝕まれ死亡する。


術式兵装・(プロ・アルマティオーネ・)“氷の女王”(クリュスタリネー・パシレイア)

自身の持つ能力(氷を操る=ジャンヌと同系統)の最終形態。
広域殲滅魔法である「千年氷華(アントス・パゲトゥ・キリオン・エトーン)」を発動遅延術式(解放・固定)を組み合わせて発動させた後、自身の体内で技の威力を巡らせるようにさせる(掌握する)事によって完成する形態。
発動時に周囲数キロに自らの氷圏を展開させ、支配圏に置く事ができる。
その範囲内であれば、上級レベル以下の氷属性の技を無詠唱かつ、無制限で発動させることができる。
瑠璃の能力は治癒力と体内での技の維持に使う程度なので、第2.5段階に比べ、燃費はいい。
大体は「魔法先生ネギま」に登場するエヴァジェリン・A・K・マクダウェルと同様。

形態の出力は85%~95%位で第3段階と第4段階の間くらいの強さ


瑠璃神 / 三嶋(みしま)花梨(かりん)

身長:164cm(人間時)
体重:47kg(人間時)
3Size:84-85-84(人間中)

所属学科:強襲科・CVR(RankS)

携行武器:コルト ダブルイーグル
     DW ダン・ウェッソンリボルバーM15-2
     日本刀×3

イメージCV:水樹奈々さん


緋色金・瑠瑠色金・璃璃色金に続く瑠璃色金に宿る意志。
緋緋神・瑠瑠神・璃璃神に続く4人目の色金姉妹。続柄的には璃璃神の妹。
普段は瑠璃色金の欠片が埋め込まれたネックレスに宿る。
スタンス的には緋緋神よりだが、平和主義。
性格は超のつくほど人見知り。
(緋緋神曰く、「人嫌いじゃないのが可笑しい」)
心を開いた人間にはすごく甘える甘えん坊。
時より台詞の中に顔文字を入れることもある。
そんな彼女だが、戦闘中に感情が昂ぶると緋緋神っぽくなることもある。


普段は人間『三嶋(みしま)花梨(かりん)』として東京武偵高校に通う。
テニス部に所属しており、後輩からの信頼も厚い。
バレンタインデーでもかなりチョコを貰うほどである。
しかし、元来の人見知りもあり、人と接するのが苦手。
テンパる事も多々有るが、人見知り克服目指し頑張っている。



器となる人間との適応条件は「瑠璃神自身が心を開ける人間である事」のただ一つ。
しかし、前述の性格から主人公以外での適応者は誰一人いない。
瑠璃神の適応者候補はこれまでに主人公以外にもいたが、全員が「条件不一致」であった。
その結果、その候補者全員は精神崩壊を起こし直ぐに死亡した。
故に「瑠璃巫女」が存在せず、主人公が史上初の「瑠璃巫女」となった。
 
 

 
後書き
お読みありがとうございます。
次回も人物紹介です。 

 

再装填 人物紹介Ⅱ

 
前書き
結衣 「やっと私達の出番か・・・・!」
翡翠 「ああ。ようやくだな・・・・!」


と、言うわけで、オリキャラ3名の紹介です。 

 
NAME 姫神 結衣(ひめがみ ゆい)
AGE 16(初登場時)
身長 164cm
体重 47kg
3Size 73-56-79

所属:東京武偵高校2年A組(初登場時)
所属学科:強襲科(RankA)

携行武器:S&W PC M686 Plus
     日本刀(長刀×2,小太刀×4)
     金属矢(投擲用)

愛車:ヤマハ・FJR1300AS(2008年仕様)


容姿 茶髪(ロング・アホ毛装備)で碧眼。
   貧乳。(発言したら、逆鱗に触れる)

イメージCV:井口裕香さん



説明:初登場第010弾「編入生と本気とついでにバスジャック」
   性格は天真爛漫そのもの。少し・・・・・かなりの天然入り。
   故にチームメイトから「バカ」認定を受けている。
   だけど、戦闘になればそれが嘘のように無くなる。
   (作戦は猪突猛進の脳筋系が多いけど)

   イ・ウー所属(現役)の炎を操る超偵。
   イ・ウーでの二つ名は「紅蓮の魔女」。本人はノリノリで名乗っていた。
   武偵としての二つ名は「焔の旋刃(イクスプロージョン)」
 
   あと、イ・ウー内で「魔女連合」なるものを結成した張本人である。


イ・ウー時代のエピソード

① 情報を持っている人物に情報を吐かせるために尋問したところ、何故かお相手はトラウマ付きの精神崩壊起こしてた。
 (その後、全員総出で相手のトラウマを治した。)

② ちょっとしたいざこざで喧嘩になったところ、そのフィールドがほぼ焼け野原に。
  多額の賠償請求が来たため、会計監査担当・桐ヶ谷瑞穂に凪優が怒られた。


翡翠 / 椎名(しいな)(みどり)

身長:161cm(人間時)
体重:45kg(人間時)
3Size:83-56-85(人間時)

容姿:翡翠色のロングヘアー(サイドテール)、紅い瞳
イメージCV:戸松遥さん

所属学科:強襲科・狙撃科(RankA)
携行武器:スタームルガースーパーブラックホーク
     CIS ウルティマックス100
     トンファー
     鎖付き短剣

初登場は「第010弾 編入生と本気とついでにバスジャック」
後に結衣と共にまえがき担当になる。(主に出番そこだけ)

色金に宿る神の眷属の1人。
自身の御神体は日本・新潟県糸魚川の姫川流域にあると言われている。
瑠璃神の直属の眷属で瑠璃を「瑠璃姉様」と呼び、慕う。
故に瑠璃神に仇を成す者には容赦なし。

相棒である結衣の天真爛漫さに手を焼いている時もあり、基本的に抑制役である。
しかし、「結衣以外の相棒はそうそう簡単に居ない」という程信頼している。

翡翠の能力を使う者は容姿が翡翠と同じく、翡翠色の髪に紅い瞳に変化する。

基本は相棒である結衣が身に付けている翡翠のチョーカーに宿っている。
普段は実体化して椎名翠として東京武偵高に通っている。
実体化して戦闘することが可能でその際は風属性の能力を駆使しつつ、接近戦多様のインファイター。
(だが、誰も遠距離攻撃に弱いとは言っていない)
但し、実体化して戦闘する際に能力を多く消費するため、長時間の先頭には不向き。
(出来ない事はないが、能力の強さは普段と比べ劣化する。)



霧島 葵(きりしま あおい)

身長:157cm
体重 36kg


東京武偵高 2年A組所属
所属学科:情報科・強襲科・救護科(Rank A)

携行武器:トーラス・レイジングブルModel 444 (Ultralite)
     日本刀(長×2・小×4)

超能力:有り(水系能力)

愛車:ホンダ CBR1100XX スーパーブラックバード

容姿:緑でぼさぼさの髪に銀色でぱっちり目

イメージCV:日笠陽子さん

初登場は「第019弾 もうひとつのはじまりは戦姉妹試験勝負」のあとがき。
本編初登場は「第022弾 自分の実力を知るには先ずは自分の身体から」。

性格は「優しい」。
ツンデレ娘の扱いも何のその。
偶に「オカン」とか言われることも。
その際は「誰がオカンだって・・・・?」とツッこむ。
弄りすぎると逆鱗に触れ、水没させられるので要注意。

腰のあたりを触られるのが物凄く弱い。
少し触られただけで一気に崩れるほど。
故に理子あたりはかなりの頻度で制裁されている。

主人公(凪優)とはイ・ウー時代からの顔見知り。
カツェの一番弟子(自称)で「魔女連隊」でもカツェの秘書的存在。
イヴィリタさんからも「カツェの世話ヨロシク!」と言われている。
 
 

 
後書き
次回の人物紹介は成人’Sの予定。

設定が出来次第、掲載したいと思います。

ではではっ! 

 

第001射 初接触(ファーストコンタクト)、乗能(チカラ)と超能(チカラ) Side_Nayu

 
前書き
今回から特別編をお送りいたします。
なので、本編のようなまえがき・あとがきはお休みです。

希望光さんの『緋弾のアリア~Side Shuya~』とのクロスオーバーです。
クロスオーバーを了承してくださった希望光さんありがとうございます。

時系列的には原作1巻と2巻の間くらいです。

コラボ元の作品はこちら→https://www.akatsuki-novels.com/stories/index/novel_id~24009 

 
武偵殺しと水蜜桃・夾竹桃(鈴木姉妹)の一件が終わって数日後の昼休み。
私・水無瀬凪優は相棒の三嶋花梨(瑠璃神)・友人でパートナーの峰・理子・リュパン4世、遠山キンジ、神崎・H・アリア、腐れ縁の姫神結衣とその相棒である椎名翠(翡翠)と共に昼食を摂っていた。
こういう場面を過ごしていると「私にもやっと日常が戻ってきた!」と強く実感できる。
「いや・・・なゆなゆの場合、自業自得だと思うよ。無茶するから入院が長引く結果になったんでしょ。そうブラド(お父様)も言ってたじゃん」
理子が今食べようとしていたベーグルサンド片手に呆れ顔でツッコんだ。
「うっさい、理子。アンタと言いブラドと言い、アンタ達は私のオカンか何かか?」
理子のツッコミが余りにもぐぅ正論だったのでちょっと反論する私。
「・・・だったら、無茶せずに気をつければいいじゃん。・・・・あ、ミナの出汁巻き貰いっと」
それを私が一番言われたくない相手・結衣に言われる。
私が大層悔しがっている隙に私のお弁当箱から出汁巻きを奪い、それを食べてしまう結衣。
「なっ・・・・あーっ、それ、私の会心出来だったから最後までとっておいたのにぃ・・・・」
出汁巻きを結衣に奪われたのに気付いた私は結衣の胸倉掴んで思いっきりシェイクした。
「残しとくミナが悪いんだよ・・・・」
シェイクされててもフツーに反論する結衣。
「むぅ・・・・・。じゃあ、ヒメの弁当、明日から作んないから」
ここまで結衣にぐぅ正論をぶつけられて不服な私は結衣の明日の弁当を盾に脅迫する。
因みに『ヒメ』とは結衣の渾名である。
「んなっ・・・・ちょっと、それ卑怯じゃないの!?」
私に弁当を盾に脅迫された結衣は私に喰いかかってきた。
「うっさい。食い物の恨みは恐ろしいの!」
私は結衣の反論をその言葉で片付けた。
それを聞いた結衣は(;^ν^)ぐぬぬ…とした表情だ。
「あ・・・・これ、まーた始まんのかな、キーくん、アリアん、るーりん、みーたん」
それを見ていた理子は何かを察し、呆れ顔で呟いた。
「俺が知るか。つか、俺に振るんじぇねぇ」
面倒事になる事間違いなしなので関わる事自体拒否のキンジ。
「良くもまぁ、飽きずに同じ展開になるわよね(モグモグ」
自分のお弁当(重箱)を食べながら完全に他人事のアリア。
「凪優は偶にてんで幼稚になる時があるしなぁ・・・・」
呆れたように自分の相棒を見ている花梨。
「で、結衣も似た様なところあるからなぁ・・・・・」
花梨と同じく呆れたように自分の相棒をみている翠。
案の定、私と結衣、2人の口論は取っ組み合いの喧嘩に発展していた。
理子達も、そして教室にいた皆までもが、「あぁ・・・また始まったか」という視線で喧嘩を見守っていた。
だが、これ以上長引くと私と結衣の能力で教室が壊滅しかねないので・・・・・
「「「「理子、頼んだ(わよ)」」」」
毎度、結衣と私のケンカ抑止役の理子にアリア達は頼んだ。
「ハイハイ、やっぱり理子の出番ですか・・・・。『来れ雷精(ウェニアント・スピーリトゥス・)風の精(アェリアーレス・フルグリエンテース)!! 雷を纏いて(クム・フルグラティオーニ・)吹きすさべ(フレット・テンペスタース・)南洋の嵐(アウストリーナ) 雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)』」
理子は溜息をついて呆れながらも始動キーなしで高威力の技を発動させた。
雷を纏った暴風が喧嘩中の2人を襲ったので、そこで喧嘩は終了となった。
尚、これが毎日の日課となりかけているのでクラスメイトは誰も気に留めていなかった。
いやぁ、慣れって・・・・・怖いよね。
そして、なんと技をまともに喰らったあの二人は無傷だった。これも慣れによる賜物なのだろうか・・・・・。
そして、教室もまた無傷だった。どんだけ対策が施されているのであろうか・・・・・。
「んで、なゆなゆは昼からどうすんの?」
先ほどの騒動が何も無かったかのように私に尋ねる理子。
「え?まぁ、フツーに最初に情報科(インフォルマ)に顔出してそれから強襲科(アサルト)かな」
私も先程の事が無かったかの様に答えた。
「へぇ・・・そーなんだ(モグモグ」
自分のお弁当のハンバーグを食べながら相槌を打つ理子。
その時、放送が鳴った。
「水無瀬・姫神・樋熊・沖田・土方。以上の5名は今から3分以内に教務科(マスターズ)に来い。来なかったり遅れたらぶち殺したるからな!(ブツン」
めっちゃどストレートな呼び出しである。
あの声は蘭豹か・・・・。何かあったのか?
「ブチ殺されたらたまったもんじゃないし、行くか・・・・」
「そだね。ミナ」
私が移動の為に立ち上がるとそれに同意した結衣も立ち上がる。
「んじゃ、私は精神体に戻るね、凪優」
「私も精神体に戻るからな、結衣」
花梨と翠は普段の精神体と呼ばれる姿に変化した。
これにより、花梨と翠の姿は私と結衣以外からは認識されなくなった。
ひゅぱんっ
花梨と翠の姿の変化後、私とヒメは瞬間移動で蘭豹の下へ急いだ。
瞬間移動で教務科の前に到着し、ドアを開けて中に入る。
所要時間は2~3秒ってところかな。うん。
「おう、お前ら来たか」
そう言って私達を迎えたのは呼び出し主の強襲科主任教諭の蘭豹先生だ。
「もう、驚かないんですね・・・・」
平然としている蘭豹に皮肉を言う私。
「そりゃ、毎回そう来るから大体予想できるわ。教師舐めんな」
それをこれまた平然と返す蘭豹。
「別に舐めてないですけどね・・・・・。あ、マキ久し振りね」
私はそれを苦笑いで返し、蘭豹の横に居た同年齢くらいの少女に声を掛ける。
彼女の名は大岡(おおおか)茉稀(まき)
元々は東京武偵高に所属していて、私とPTを組んでいた。
が、ロンドン武偵局に招集の際にスカウトされてそのまま今はロンドン武偵局に所属している。
今でもイ・ウー関連等でロンドン方面に赴く際は私とPTを組んでいる。
「凪優ちゃん、久し振り」
マキの方も私に気付いて手を振って返してくれた。
「まさかとは思うけれど、日本(こっち)に来た理由ってロンドン(むこう)で何かあったから?」
マキは大体がロンドンに居るはず。
だから、日本に来たのは理由があると踏んだ私はマキにそれとなく尋ねてみた。
「あはは・・・・やっぱり鋭いね、凪優は。正確には休暇中にロンドン(むこう)から連絡(依頼)があったんだけどね」
マキは私に言い当てられ、苦笑いしつつも自分が此処に来た理由を明かした。
「そっか・・・。休暇中に災難だったね」
私はそれから暫くマキと雑談に花を咲かせていた。
私がマキと話しているのを見てて不思議に思った結衣は私に質問する。
「ねぇ、ミナ、あの娘と随分仲良いみたいだけど、知り合い?」
「あー、まー、そんなところかな。去年は此処で、その後は依頼でロンドン行ってた時に何回かPT組んでたりしてたし」
「そうなんだ。納得」
あっさり納得してもらえて良かった。掘り下げられたらどうしようかと焦ったわぁ・・・・・。
マジで結衣がバカで助かったwww
「で、そっちの娘は誰なの?見たところ友人っぽいけれど」
マキは自分が知らない女子と話しているのが不思議だったらしく、その女子生徒の事を私に尋ねた。
「あぁ・・・。マキは私がほぼ休学状態なイ・ウーメンバーだって知ってるわよね?」
コクンと頷くマキ。
「で、そのイ・ウー時代からの腐れ縁つーか、幼馴染かな?名前は姫神結衣っていうの」
「姫神結衣です。宜しくお願いしますね?大岡さん」
私の紹介に何時もとは打って変わって優等生モードで自己紹介する結衣。
「うん、宜しくね?姫神さん。あ、私の事はマキで良いから。あと、敬語もなくていいよ」
それを聞いたマキは右手を結衣に差し出す。
「わかり・・・わかったよ。改めて宜しくね、マキ。私の事も結衣とかヒメとか好きに呼んで?」
結衣はそう言ってマキと握手を交わす。
「りょーかい。これからも宜しくね!結衣」
これでああ見えて結構人見知りの結衣にも知り合いが増えた。良き事よ・・・・。
「で、後のメンバーは到着してるんですか?」
私は結衣とマキのやり取りをホンワカ見守りつつ、蘭豹にメンバーの到着状況を確認した。
「約1名を除いてもうすぐ来るやろ」
そう蘭豹が返した直後だった。
「「すいません。遅くなりました」」
2人の女子生徒が不意に入ってきた。
私とマキ、それに蘭豹は別に気に驚かなかったけど、ヒメはというと・・・・かなりビビってた。
昔から不意に弱いとはいえ、流石にないわ。
明らかにビビリ過ぎである。
確か鑑識科(レピア)の沖田さんと尋問科(ダギュラ)の土方さんだったな。
彼女達の専門学科の生徒とは情報科(インフォルマ)絡みで会う事も少なくはない。
だが、実を言うと正直面識無いんだよね。今が初対面。
沖田さんの方はなんというか・・・・裏舞台よりも表舞台向きな感じがする。
で、土方さんの方はなんというか・・・・レキと似た感じに思えるのよね。
どっちも、私の勘なんだけどね。
武器は・・・・・・刀系だな。これは確信に近いわ。
「・・・・?何か、私に御用でも?」
「ぅえ!?ううん。何でもないよ?」
「そう・・・・ですか?」
「うんうん、そうそう」
「焦ってる気がするのですが・・・・」
「別に。何もないから安心して?」
「そう・・・ですか」
うわぁ・・・・・妙に焦ったわ、今の。
変に推測立てて相手を不快にさせるのは良くないもんね。
「・・・で、蘭豹、あと一人は・・・?」
「教師を呼び捨てにすな!『先生』付けんか、アホユイ。ったく、アイツはどこで油売ってんだか・・・・」
「スイマセン。遅れ・・・・・(ゴッ)(スッx4)(ぱしっ)何すんだよ」
堂々と遅れてきた男子生徒は不機嫌そうに入室した。
と、同時に蘭豹が分厚いバインダー(殺傷力高)を投擲。
私達4人は被害を受けないようにそれを回避。
蘭豹は、このようなことが有ると毎回このオチなので私達は慣れている。
不機嫌そうに受け止め、蘭豹に反論する男子生徒。
「うっさいわ、アホォ。堂々と遅れおって」
「折角、人が―「遅れたらダメじゃん」・・・・マキもいたのかよ」
男子生徒は不機嫌さ全開で反論するも、マキによって遮られていた。
マキの事を下の名前でしかも呼び捨て。
唯の同級生では無さそうな気がする。
「・・・・?幼馴染か、何かなの、マキ」
「あー、うん。そんなところかな」
やっぱりそうだったか。
「なんで、『絶対零度』がいるんだ、こんな所に」
え、いきなり凄い二つ名が来たんですけど。
『絶対零度』言うからには氷系だよね。
まさかとは思うんだけど。
「え・・・?それって・・・私のこと・・・・?」
「ああ。お前、水無瀬だろ?A組の。結構有名な二つ名だぞ?」
こんな予想正解してほしくなかったな!
しかも、かなり有名なのかよ!
マジで初耳なんですけど。
「えっと、ソース元は誰なの・・・?」
予想出来るけど、一応首謀者聞いておくか。
「確か・・・・理子だった気がするが」
男子生徒は躊躇も無くあっさり答えた。
予想通りかよ。
だったら、少しO☆HA☆NA☆SHIが必要だね。
腕が鳴るわぁ。
「ふぅん。そっか。情報ありがとう。御免なさい、蘭豹先生、一瞬で終わる用事済ませてきますんで」
「お、おぉ・・・・早く行ってこい・・・・・」
ひゅぱんっ
私は取り敢えず、蘭豹に一言断りを入れて転移した。
転移先は勿論、理子の所ですよ。

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注釈:この間の出来事は後書きにあるオマケ参照でお願いします。by作者
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「お待たせしてすいません。終わりましたんで大丈夫ですよ」
「そ、そうか・・・・・」
「ねぇ、ミナ、理子にナニしたの?」
「え?ちょっとしたO☆HA☆NA☆SHIした後に凍てつく氷柩(ゲリドゥスカプルス)で閉じ込めてきた」
「容赦ないね。相変わらず」
「自業自得よ。まぁ、でも直ぐに脱出するでしょうけど」
「・・・そうなんだ」
「「「「「流石、『絶対零度』」」」」」
なんか、私以外の面々が呆れていた。
なんか、貶されてる気がする。
「で、蘭豹先生、私達を呼び出した理由は?」
話が脱線していたのを本筋に戻す私。
「おぉ・・・そうやった。大岡、説明せぇや」
「ロンドン武偵局から、『欧州を拠点とする犯罪集団が東京で脱走し、屯っているので拠点に乗り込んで、捕縛せよ』と、依頼がありました」
「またロンドン武偵局(そっち)絡みか。で、なんで俺達6人なんだ?アリアとかでもいいだろうに」
「・・・ねぇ、マキその依頼書貸してくれる?」
「あ、うん」
マキから依頼書を受け取って接触感応能力を使う(読む事にした)私。
「成程。『敵は人間120人程。それに+αで機械人形(オートマタ)多数。人間の敵のうち、10人が元・英国特殊空挺部隊所属、そしてもう10人が元・ドイツGSG-9所属』か・・・。確かに私達の方が適任かも」
「ん・・・?水無瀬って超偵だったのか・・・?」
「んー?ま、一応ね。あとヒメもね」
「そだよ。Gは測ったことないけど」
「S研所属なのにか?」
「いや、私とヒメはS研所属じゃないの。私が強襲科(アサルト)情報科(インフォルマ)の掛け持ち」
「で、私が強襲科(アサルト)の所属なの」
「そうなのか。で、水無瀬と姫神は何の能力持ちなんだ?」
「私は氷を操る能力ね。まぁ、威力は弱いけれど水と雷系も出来るわ」
「私は炎を操る能力かな。白雪と同系統と思ってくれていいかも」
「そうか・・・・。で俺の方だが」
シュウヤ君は私が能力の説明をしたので、フェアにする為に自分の能力の説明に入ろうとしていた。
「所謂、『特異体質持ち』なんでしょ。B・S・T(バーサク・シンドローム・タクティクス)、通称『バーストモード』と呼ばれるやつね。トリガーが死に瀕した時・・・極限状態に陥った時に発現するんだっけ」
「ああ。その通りだ。何で知っている」
シュウヤ君はかなり動揺していた。
表情は、動揺を隠すためにポーカーフェイスを貫いている。
だけど、内面からそういう風に感じ取れる。
以前(まえ)に資料で見たから。それで覚えてるだけ」
イ・ウーお手製の「実力者危険度別リスト」でね。
ま、そんな真実は言える訳無いが。
だが、彼ならそこら辺も推測できてるかもしれない。
上手く?納得して貰えて・・・・・はないようだ。
「成程な。で、今から行くのか?」
「できるなら早い方が良いけど、武装整えてからの方が良いなら、時間決める?」
シュウヤの質問にそう返す私。
アイツ等も何時こちらの動きを察知して逃亡を始めるかもしれない。
だが、準備不足の状態で挑むのも正直、無謀といわざるを得ない。
「ああ。そうだな。そうだな・・・・今から20分後に正門前でどうだ?」
20分後か。それくらいならば、逃亡させずに任務完了出来るだろう。
「「「「「(>Д<)ゝ”了解!」」」」」
その後、私達は一旦解散した。

さてと、やるからには本気出す。
服装は違えどイ・ウーのNo.3『魔術師』のフル装備。
「〈気合い入ってるね、凪優〉」
「まぁね。久々に思いっきりやれるから・・・・かな?」
「〈死なないでよね〉」
「解ってるよ」
「〈それならよし〉」

20分後、私達は再び校門前で集合し、ヒメと私の瞬間移動(テレポート)で敵の拠点・奥多摩に乗り込んだ。


続くんだよ。
 
 

 
後書き
初のクロスオーバーでした。
いやぁ・・・・上手くキャラ動かせてるといいんですけど。
コラボ元のキャラの口調とか違ってないか不安もあるんですがね・・・・。


次回から戦闘に入っていきます。
まず、機械人形の処理から。

次回の投稿時期は未定ですが、お楽しみに。

ではでは。




おまけ(その頃の理子達)

理子  「!!???」
アリア 「一体どうしたのよ、身構えたりして」
理子  「なんかとてつもなくヤバイ気がしたんだよ・・・・・」
キンジ 「また、なんかやらかしたのか?」
理子  「なゆなゆの二つ名広めたくらい・・・かな」
アリア 「一体、どんな二つ名広めたのよ・・・・・」
理子  「えっとね・・・・『絶対零度』ってやつ」
キンジ 「なんでまたそんな名前を・・・・・」
理子  「怒らすと怖いのと、なゆなゆの使う技の『えいえんのひょうが』から」
アリア 「あーこの前の着地の時のやつね・・・・」
キンジ 「でも、それを凪優本人は知らないんだろ?」
理子  「うん、そうなんだよ。知られたら・・・・・」
アリア 「まぁ、完全に凄い笑顔で来るわよね」
凪優  「こんな感じに?(ニッコリ」
理アキ 「「「げぇっ!!!凪優(なゆなゆ)!!??」」」
凪優  「さぁて、報いだよ・・・・、理子」
理子  「キーくん、アリアん、助けて!!!」
ア・キ 「「却下。自業自得よ(だろ)。」」
理子  「/(^o^)\」
凪優  「凍てつく氷柩(ゲリドゥスカプルス)
理子  「・・・・・・・」←※氷の塊に閉じ込められた
アリア 「これ、大丈夫なの・・・・・?」
凪優  「多分、自力で脱出するでしょ。私はまだ用事終わってないし戻るわ」

ひゅぱんっ←※瞬間移動

アリア 「で、キンジ、コレどうするの?」
キンジ 「俺に聞くな。放置でいいだろ」
アリア 「そうね。バカ理子に割く昼休みは無いわよね」

アリアとキンジに放置された理子は自力で脱出しました。(驚異の無傷)

おまけ_おしまい。 

 

第002射 |接触《セッション》———|猛襲の機械兵《マリオネット・フォース》 Side_Nayu

 
前書き
はい。と、いうわけでクロスオーバー第2弾です。 今回より戦闘に入っていきます。 では、どーぞっ! 

 
「はい到着・・・っと」

私とヒメの瞬間移動(テレポート)で到着したのは原生林であった。
座標的に奥多摩の相手様の本拠地に近いはずなんだけど・・・・・

「こんなの何処にあるか解んないじゃん、コレぇ!」

私が思いかけていた事をヒメがきっちり代弁していた。
てか、そんなに大声で叫ぶなし。

「結衣ちゃん・・・・・そんなに大声で叫ぶと見つかるよ!?」

凛音が、慌てた様子でヒメを制止する。

「大丈夫でしょ・・・・・。見つかったら記憶消すか、ぶちのめせばいいだけだし」
「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」

私を除く4人が言葉を失っていた。
確かにその通りなんだけども!
確かにそうなんだよ!
現にイ・ウー時代は私もそうやっていたけども!
でも今それやったらマズイの!
それぐらい解ってろよ!この脳筋思考(バカ)

「・・・・なぁ、姫神(アイツ)何時もあんな感じなのか・・・?」

シュウヤ君、かなり呆れてるじゃん!

「・・・・・・・恥ずかしい事に、毎回」

私は深い溜息をつきながら答える。
上手く行くのかなぁ・・・・・。コレ。のっけから超不安なんですけど・・・・・。

「た、多分大丈夫だよ!私達がサポートするから!」
「そうですよ。そんなに思い詰めないでください」
「あ、ありがとう・・・・・」

凜音ちゃんと歳那ちゃんが励ましの言葉をかけてくれて、更にフォローを買って出てくれた。
マジで貴女達いてくれてよかったわ。
私一人だと負担が大きくてしょうがない。

「ねぇ、早く行こうよー」

バカヒメはそんなのお構いなしに私達に催促していた。
貴女のことの話題なのに・・・ねぇ・・・・。
全く・・・・一度氷漬けにしてやろうかしら。そうしなきゃ気が済まん。

「おーい・・・・。顔が怖いことになってんぞ」

シュウヤ君が呆れ顔で指摘してくれた。

「あっ・・・・ごめん///」

私も大概だったな。コレ。

「・・・で、どうするんだ」
「んーやっぱり地道に聞き込みじゃない?」
「そうね。それが最善策ね」
「じゃあ・・・あそこの川で釣りしている人に聞いてみよーよ」

ヒメが指をさした方向にある川には釣りをしているオッサンがいた。
この辺は清流で鱒とか釣れるからだろう。

とか、思ってたら、マキの

「で、誰が聞きに行くの?」

この言葉でオッサンに話を聞く前に誰が行くかと話し合いになった。

「……この中で釣りの経験がある人、挙手」

シュウヤ君の釣り経験者を募る。

「私あるよ」

 と、マキ。

「私も」

 と、私も挙手。
イ・ウーに居た頃はヒマあれば息抜きにやってたのよね。
よく一緒にやってたのはアキ、ブラドとかだけど、偶に教授(シャーロック)

「私は無いかな」

 と、凛音。

「私もありません」

 と、歳那。

「私もー」

 と、ヒメ。
ヒメは炎系だから水場に一切近づかなかったのよね。
故にアリアと同じく泳げないwww

「俺も一応ある。じゃあ、釣り経験者から選別するから———俺とマキと水無瀬の中からで良いな?」

シュウヤ君の言葉に私を含めた全員は頷く。

「で、接触者だが……自分でこういうのはあんまりかもしれないが、俺はこういうのには向いていないと思う。特に相手が男性である場合は尚更な」

シュウヤ君の言葉に一理ある。
確かにこの場面、女子の方が聞き出せそうな気がする。
CVR・・・・所謂ハニトラ的技術関連の理由っぽいけど。
後は、山奥で男子と話して嬉しいやつはいないと思う。
これは重要じゃないかな。
・・・となれば、

「じゃあ、私かマキの方がいいってこと?」

私がそう提案すると、

「……そうなるな。正直申し訳ないとは思ってる」

 シュウヤ君は肯定し、若干俯いた。

「気にしないで。私達チームでしょ?」

私はシュウヤ君を励ます為に今自分が思っていたことをシュウヤ君に伝える。
そして、私の言葉にマキが続ける。

「そうだよ。困った時こそ助け合うのがチームだよ?・・・・それに、」
「私たちチームメンバーなんだから、そこまで謝ることはないと思うよ?人には得意不向きがあるものなんだから」
「……そう……だな」

 私とマキの言葉にシュウヤ君は顔を上げた。

「ありがとう」

シュウヤ君の感謝の言葉。
それを素直に受け取っておくべきなのだろう。

だけど・・・ね、

「そんな、感謝されるほどのことじゃないよ」
「そうだよ、これも助け合うことだしね」

私とマキが揃って同じようなことを言った。
さて、聞き込みの候補者は絞られた。

「じゃあ、私と凪優どっちが行く?」

マキも同じ事を思っていたようだ。

「んー、私の方がいいんじゃないかな?」

普段はあまり自身を推さないけれど、ここでは敢えて立候補した。

「なんで?」

これにはマキも疑問が隠せなかったみたいだ。
だけど、これにはしっかりとした根拠がある。

「マキは諜報よりの武偵だから抜き足(スニーキング)の能力が高過ぎるってところから、こういう場面じゃあまり向いてないと思うんだよね」

気配もなく背後から来ると人は警戒心を高めちゃうんだよね。だから、そう判断したのだけれども。

「———たしかに。じゃあ凪優、お願いしても良い?」

マキは私の発言に納得したみたいだ。

「俺からも頼んで良いか」
「良いよ」

こうして、話し合いの結果、オッサンへの聞き込みは私がする事になった。
何も持ってないと不自然だし、釣り道具一式持って行こう。
釣り道具はタロットの『愚者』の能力の一つ、『愚者のセカイ』で用意した。
こういう場面ですごく重宝されるのよね。
どんな荷物でも格納できちゃうし、何時でも取り出せる。
要はデカいバッグとか要らないじゃん。
私が聞き込みに行っている間は、残りメンバーは木陰に潜みつつ待機である。

「こんにちは。隣いいですか?」
「おぅ・・・。嬢ちゃんも釣りに来たのか?」
「ええ。このあたりは鱒がよく釣れますから・・・よっと。」

釣りに来て自然に話しかけた体を装う為に実際に釣りを行う。
久々だな。釣りするの。武偵になってから、何かと忙しくて全然してないものね。

「だよなぁ・・・・。ここの鱒は焼くと結構美味いしからなぁ。お・・・来た」

オッサンはそこそこ大きい鱒を釣り上げた。

「ですねぇ・・・・。あ、私も来た」

私もオッサンと同じくらいの鱒を釣り上げた。

「へぇ・・・なかなかやるじゃねぇか。嬢ちゃん」
「そうですか?あ、まただ」

また鱒を釣り上げた。大きさはそこそこ。
暫く釣ってたら軽く10匹くらい釣れた。
釣ったのは一度、鮮度保ちつつ格納して食糧にしますかね。

「そんだけ釣れるなら俺も釣りてぇよ」
「・・・・?何かあったんですか」
「俺は食料調達担当でな。少ないと上からボコられるのよ」
『上』・・・・?何か変な感じがする。
「何かの組織の下っ端なんですか、貴方は」
「まぁ・・・そんなところだ」

肯定してるわぁ・・・・。まさかとは思うけど・・・・。カマかけてみるか。

「もしかして、この辺に屯っている組織と何か関係あるとか?」
「・・・っ!嬢ちゃん、サツの関係者か!?」

物凄い動揺っぷり・・・・。まさかのビンゴ!でした。
此処までの大物釣れるとか微塵にも思ってみなかったわ。

「私は武偵ですが?」
「『武偵』・・・・。あの何でも屋か。って言ってもまだガキじゃねぇか」
「ええ。確かに私は高2ですよ?でも・・・・」
「何だよ?」
「甘く見ないほうがよろしいですよ?」
「何言ってんだ、お前」
「なら、自分の体の状態を見てみたらどうです?」
「身体・・・・な゛っ・・・何時の間に!?」

おっさんは驚いていた。
まぁ、無理もないわな。
だって、いつの間にか自分の身体が凍ってるからね。
ホラ、鮮度保つには血抜きするのが良いじゃん?
だけど、今は出来ないし。だったら凍らせておいた方が良いって話なのよね。

「さて、これ以上続けるなら氷漬けにするけど?(ニッコリ」
「・・・・・・((((;゚Д゚))))」

オッサンはかなり怯えていた。
吊し上げて本拠地が何処に有るか吐かせよう。
あれ?なにこのトラウマ発症した顔。
そんなにやり過ぎてないはずなんだけど。

「・・・・どこがだよ。完全にやり過ぎじゃねぇか」

シュウヤ君は呆れ顔。

「あはは・・・・凪優は変わってないね」

マキも苦笑いだった。

「前もあんな感じだったのか・・・?」
「まぁ・・・うん。イ・ウーのメンバーってああなる傾向あるみたいだし」
「私は違うけどね」

あ゛ん?何バカな事言ってんのかなぁ?ヒメちゃんは。

「ヒメのも似たような物じゃん。ってか、お前のは私よりタチ悪いからね?」
「え?そうなの?」

うわぁーお・・・・・・・無自覚だったんかい。

「そうなの!どこに初っ端から精神崩壊させる奴がいるの?」
「してたの?」

まさかとは思っていたがそのまさかだったよ!

「してたわ・・・!後処理がおかげで大変になるの!」

もう、今思い出しただけでも泣けてくるわ。
あの時はヒメ以外の全員で必死に後処理したんだから・・・・。

「そうだったんだ。どーりで何も喋らないわけだ。あれ?どうしたの、シュウ君」

うわ、無自覚って・・・・いや、バカって怖いわ。

「姫神、それに水無瀬もイ・ウーのメンバーだったのか!?」

シュウヤ君が驚いて私に問いかける。
え、そっち?

「え?うん。そうだよ。現役で今はほぼ休学状態だけど」

事実だし、肯定する私。

「じゃあ、姫神も?」
「うん。そだよ。私が“隠者”・ミナが“魔術師”だよ」
「水無瀬が“魔術師”って事は『氷天の魔女』なのか・・・・?」
「あー、たしかそんな二つ名もあったっけ」

二つ名で呼ばれてたけど、興味なかったからなぁ・・・・・。
自分から名乗る時に偶に使うくらいだったし、アレ。

「で、姫神が『紅蓮の魔女』・・・・・」
「そう呼ばれることは少ないけどね」
「・・・・マジかよ。マキは知ってたのか?」
「うん。ユイのは初めて聞いたけど、凪優のは前から知ってた」
「どーりで・・・・・。納得行ったわ」
「それはなによりで」

私達が会話している隙に逃げ出そうとしたオッサンは、アッサリ凛音と歳那に捕まっていた。
バカだなぁ・・・・・。私たちから逃げ出そうなんて考えない方がいいのに。
その後、シュウヤ君がオッサンの前に屈んだ。

「あのー、あんたらの本拠地教えてくれない?」

 シュウヤ君は穏やかな表情で尋ねた。

「誰が言うか」

まぁ、そうだよねぇ・・・。

「頼むよおじさん、あまり酷いことはしたくないんだよ。だからさ、吐いてくれない?」
「駄目だ」

おおぅ・・・結構口堅いな。

「じゃあ、どうなっても知らないよ?」
「何があっても口開かないからな」

あ・・・・、これフラグ立ったかもしんない。

「歳那」
「はい」

シュウヤ君が呼ぶと短く返事をした歳那。
オッサンを立たせると、全員から離れた所へとオッサンを連れて行った。

「じゃあ、ちょっくら尋問してくる」

シュウヤ君はそう言い残すと歳那の後を追った———



5分程して3人が戻ってきた。

えぇ・・・・・・。

まず私が抱いた感情がそれだった。
何故なら、オッサンは顔面蒼白たったからだ。
えっと・・・・ここに綴居なかったよね?
シュウヤ君と歳那何したのさ!?

その結果、本拠地はここからなんと徒歩10分の近さだった。
なので、オッサンに道案内させ、本拠地に乗り込む事にした。
本拠地に着いた直後だった。
シュウヤ君が此方に銃火器を向けられているのに気づき、私達を庇う様に前へ出た。

「嬢ちゃん達、伏せろ!」

更にその前にオッサンが出てきて、私達を庇って撃たれた。

「怪我は無い・・・・・な・・・・・?」

私達はオッサンに駆け寄る。
シュウヤ君が傷を診ると、首筋を深く殺られていた。

「無いよ。なんでこんな真似を!?」

私は必死になってオッサンに問い掛ける。
止血は・・・・出来てない・・・・・。大動脈を殺られてる・・・・・!

「お前さんと同じ年頃の娘がいるんだ。・・・・・親としての矜持だ」

オッサンは苦しい筈なのに、笑顔でそう答えた。

「じゃあ、生きてよ!娘さんと無言の再会なんてダメ!」

オッサンの言葉の直後にマキが口を開いた。
そうよ、アンタはこんなとこで終わる人じゃないでしょ!?

「嬉しいねぇ。だが俺は今のままじゃあ娘どころか家族にさえも顔向け出来ねぇ。
だから、これで良かったんだよ。おい、そこの兄ちゃん」
「なんだ?」
「お前さんがこの嬢ちゃん達をしっかり護れ。そう約束してくれ」
「ああ。約束する」
「頼んだ・・・・・・ぜ」

オッサンはそういった後、静かに息絶えた。

どうしてこんな末路はをオッサンは辿らねばならぬのだ?

私達を案内したが故に裏切り者認定されたのか?

それとも、

「こんな下っ端なぞ捨て駒に過ぎん」

ってか。胸糞悪い。
私達はオッサンが撃たれた方向を見る。
するとそこには機械人形(オートマタ)が居た。
もうぞろぞろとウザイくらいに。

「ねぇ、ミナ・・・これってあれと同型な奴にしか見えないんだけど」
「うわぁ・・・・・確かに。なんて厄介な」
「お前等アレと闘った事あんのか?」
「まーね。気を付けないと装甲結構硬いからちょっとやそっとじゃ傷つかないんだよね」
「そーそー。無駄に統制機能も高いし、更に厄介なんだよね」
「アレはP(パーソナル)A(アーセナル)A(アーマー)に比べるとどんな感じなんだ?」
水蜜桃(みっちゃん)の乗ってるアレか・・・・。アレは中に人が乗り込むタイプだけどこっちは完全に無人機」
「それに・・・・それよりも戦闘力や武装も比べ物にならないね」
「なっ・・・マジかよ」
「それじゃあ・・・・勝ち目はほぼ無いの・・・?」
「いや、そんな事ないわ」

私はガンホルダーからマテバフルオートモデロ6(セイ)ウニカを取り出し、

ぱぁん

懐にある制御チップを破壊する。
すると・・・・その機械人形(オートマタ)は突如として動かなくなった。

「制御チップさえ正確に破壊してしまえば、統制命令はおろか、駆動命令も無くなるわ」
「つまり、こうなっちゃえば只のガラクタ。それに中は無人だし9条にも抵触しないよ」
「成程な・・・・何も気にせず全力で行けるわけだ」
「まぁ・・・・そうね。あ、そうだ。シュウヤ君にこれ渡しとく」
そう言って私はカードホルダーから1枚のタロットをシュウヤ君に渡した。
「これは・・・・・タロットカードか?」
「そう。戦車(チャリオット)のカードよ。カードを手に持って『来れ(アデアット)』と言えば、貴方の実力を最大限に引き出すことができるはず」
「そうか、ありがとな」
「礼には及ばない。死なないでよね」
「当然だ。そっちこそ死ぬなよ」
「解ってる。死んでたまるもんですか。来れ(アデアット)魔術師(マジシャン)

魔術師のタロットを顕現させる。
このカードは最近、瑞穂さんの協力で作り替えたんだよね。
その効果は

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)“氷の女王”(クリュスタリネー・パシレイア)

の無詠唱顕現である。
因みに・・・・・他の術式兵装(プロ・アルマティオーネ)も出来る様にしたんだよね。

「ミナ、私のもお願いっ!」
「あんまり無茶しないでよ?下手するとアンタの術式兵装(プロ・アルマティオーネ)は暴走しちゃうんだし」

そう注意しつつも、ヒメに『隠者(ハーミット)』のタロットを渡す。

「解ってるよ。それまでに片をつければいいんでしょ。来れ(アデラット)隠者(ハーミット)! 
術式兵装(プロ・アルマティオーネ)・“獄炎(シム・ファブリカートゥス・)煉我(アブ・インケンド)”」

ヒメも無詠唱で獄炎(シム・ファブリカートゥス・)煉我(アブ・インケンド)の形態に変化する。
直後だった。複数の機械人形(オートマタ)が私めがけ襲ってきた。

「か弱いJKに団体様てえげつな・・・・・」

そう言って私は腰の日本刀(長刀)を抜く。
直後、何故か

「お前がか弱い訳がないだろ・・・・・」

的な事を言われた気がした。なので、

「何か文句でも?

」と笑顔で濃密な殺気とともに御返ししておく。
全く、失礼な・・・・!こうなったら、その八つ当たりもアイツ等にしておこう。

エクスキューショナーソード(エンシス・エクセクエンス)

そして日本刀を術式で纏う。
本当はこの術式は右手に顕現させる技だけど、こういう感じにもできちゃうんだよね。

「せりゃぁっ」

一気に振り抜いて襲ってきた奴らをぶった斬る。
この術式、結論から言うと消し飛ぶんだよね。全部。
んなもんで、9条がある以上、対人では使えないんだよね。
イ・ウー時代は遠慮なしに多用してたけど。
でも・・・・無人機だし、殺人もないから今回は問題ないよね☆
第2波・第3波・第4波・第5波と襲ってくる軍団。
私はそれを次々にぶった斬る。
そしておまけに自身を独楽の軸に見立てて回転しての広範囲への攻撃。
第6波~第12波が一気に来たので、

契約に従い(ヒュバクソン・テーン・)我に応えよ(ディアテーケーン・アクソン・メ・)闇と氷雪と(アイオニア・パシリッサ・トゥ・)永遠の(スコトゥス・カイ・)女王(テース・キオノス)
咲きわたる(アンティスメナ・)氷の(レウカ・ロダ・)白薔薇(トゥ・バグ・)眠れる(ケーポス・)永劫(アテルモノス・エン・)庭園(ヒュブノイ)
来れ(エピゲネーテートー・)永久の(タイオーニオン・)(エレボス・)永遠の(ハイオーニエ・)氷河(クリュスタレ)
氷れる(メタ・トゥ・)雷をもて(プシュクル・ケラウヌ・)魂なき(シュラブ・タ・)人形を(アプシカ・)囚えよ(ヒュポケイリア)
妙なる(タウマステ・)静謐(ガレーネー)白薔薇(レウカ・ロダ・)咲き乱れる(アンティスメナ・)永遠の(アイオーニオン・)牢獄(デスモーテーリオン)
終わりなく(アペラントス・)白き(レウコス・)九天(ウラノス)!」

雷を纏った氷の竜巻がその周囲に氷の荊棘を伸ばしながら触れた機械人形(オートマタ)を一度に凍らせていく。
機械人形(オートマタ)達も抵抗といわんばかりに障壁を展開させているが、そんなのお構いなしに障壁諸共凍らせていく。
まぁ、これも肉体が壊れず精神だけが生き永らえ、恐怖が永遠に続く。
だから、並の人間であれば間違い無く精神が崩壊するという精神殺しの技である。
幾ら肉体は殺しいてないといえど、精神はバッチリ殺しているので、9条に抵触すると思って対人戦では自制している。
だが、今のコイツ等は無人だから、問題はない。

ヒメの方も燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)で容赦なく殲滅していた。
その時、通信が入った。

「ミナ、あの術式使うんでしょ。だったら、今しかないよ!」

私達全員の奮闘もあって半分位までは減った。
範囲内には収まるだろう。
私はフィールドの中心点上空に移動する。

「全員、聞こえる?今から残ってる奴らを私がいる所を中心にして、150ft(およそ45m)四方までの範囲内に機械人形(オートマタ)を誘導させて!」

インカムで全員に指示を飛ばす。

「「「「「了解!!!!!!」」」」

機械人形(オートマタ)が範囲内に誘導される。

「ヒメ!」
「解ってる!瞬間移動(テレポート)ぉ!!」

ひゅぱんっ

その後、巻き添え防止のため、シュウヤ君達をヒメの瞬間移動で上空に避難させる。
そしてトドメの一撃。

契約に従い、(ト・シュンボライオン・)我に従え、(ディアーコネートー・モイ・へー・)氷の女王。(クリュスタリネー・バシレイア)
来れ、(エピゲネーテートー・)とこしえの(タイオーニオン・)やみ(エレボス・)えいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)!!」

150ft。その範囲内全てが凍る。だが今回はこれだけでは終わらない。

全ての(パーサイス・)命ある者に(ゾーアイス・)等しき死を(トン・イソン・タナトン・)其は(ホス・)安らぎ也(アタラクシア)
おわる(コズミケー・)せかい(カタストロフェー)”」

凍結した機械人形(オートマタ)を完全に残す事なく粉砕する。

別に対象を氷の中に半永久的に閉じ込める“こおるせかい(ムンドゥス・ゲラーンス)”でも良かったのだが。
跡形も無く消したかったので、今回は此方にした。
勿論、これも対人禁止技である。

「こんなものかな。協力感謝するわ」
「気にすんな。同じパーティなんだから。・・・てか最後の凄まじいな」
「まぁ・・・・私の最凶技だしね」
「そんな大技使って大丈夫なのか・・・?」
「うん。それは問題無い。回復しとくし」

そう言って私は『術式兵装(プロ・アルマティオーネ)“氷の女王”(クリュスタリネー・パシレイア)』を解除する。
そして、腰に下げているポーチから回復結晶(※能力者必須の回復アイテム)で今消費した分の回復を行う。

「さて・・・・次、行こうか」
「「「「「ああ!(うん!)(はい!)」」」」

私達は次の敵が待ち構えるフロアへと向かった。

「あ、水無瀬、ちょっと良いか」
「ん、どうしたの?」

シュウヤ君に呼び止められた。

「俺の頼みを……2つ聞いてくれないか?」
「いいけど、どんな頼み?」

私は予想もつかなかったし、首を傾げる。

「1つ目は、この任務クエストが終わったら、あのオッサンを遺族の元に返してあげるのを手伝ってくれないか?」
「もちろん。寧ろ断る理由なんてないよ」

元々、そうするつもりだったからね。

「そうか、ありがとう。で、2つ目だが———」

シュウヤ君は改まって私の方を向いた。

「お前に俺の情報(体質)を教えた奴が誰なのかを教えてくれ」

・・・・・・・・・・・・・。
アレのことねぇ・・・・。

「———分かった。でも、あまり多くは語れないよ?」

一応は機密度SSSの代物だしね。

「機密保持と身の安全のためだろ?その事なら重々承知している。だから、話せる所まででいい」
「了解。じゃあ、私からも1つお願い」
「私のことを『凪優』って呼んでほしいな」

苗字呼びってのも他人行儀すぎてちょっと好ましくないんだよね。それに・・・
交換条件くらいあってもいいじゃない。これくらいなら安いもんでしょ?

「まあ、それくらいなら構わないぞ———凪優」

 あ、シュウヤが照れてる。
一瞬、『カワイイ』と思った私が居たよ、ここに。

「じゃあ、皆んなが待ってるし行こうか」
「そうだな」

私とシュウヤは皆んなと合流するために再び進み始めた。


続くんだよ。 
 

 
後書き
如何だったでしょうか。
シュウヤ君達もちゃんと活躍(無双)してますよ!
ヒメちゃんもキッチリド派手に殲滅してます。

駄文でそこまで表現できず、凪優だけの描写になってしまってました。
あと、オッサンェ・・・・・・・。
なんて不運なキャラなんだ・・・・!
自分の生き様を貫いたオッサン。
皆は忘れないであげてください。

次は雑魚の構成員戦かなと思ってます。

また第003射でお会いしませう。

ではでは。 

 

装填  

 
前書き
葵  「今回より本編が始まります」
結衣 「私の出番まだなのに何故呼ばれた」
葵  「まえがき担当だし」
結衣 「そんな理由なの!?」
葵  「当たり前。そもそも私、あとがき担当だし」
結衣 「そうだったね」
葵  「だから、早よタイトルコールしてよ」
結衣 「へいへい・・・・。『第001弾 装填』」
結・翡「「どうぞ!!」」
翡翠 「なぁ・・・あたしの出番もう終わりか?」
葵  「うん。今回は」
翡翠 「酷い・・・・・・OTL」

初っ端からすごいまえがき ① 完 

 
―空から女の子が降ってくるって思う?

昨日放送していた映画ではそういうシーンがあった。
まぁ、私は見てないが。
別に興味ある内容ではなかったし。
同居人は見ていたみたいだけど。
それはさておき、映画とか漫画とかでよくある導入シーンではある。
そういうのって、不思議で、特別な事が起きるプロローグ。
そのストーリーでは主人公は正義の味方とかになって大冒険・・・・・
というのがお約束。

「『ああ、だから先ずは空から女の子が降ってきてほしい!』
・・・なんていうのは浅はかってモンだ。だってそんな子は普通の子な訳がない」

「普通じゃない世界に連れ込まれ、正義の味方仕立てられる。
・・・・そんなことは現実において危険で、面倒なことに決まってるんだ」

これが私の同居人、遠山キンジ(性別・男)の論である。
実にTHE・平凡人生を望む彼らしい論である。

対する私・水無瀬凪優(性別・女)はそうは考えないが。

「なったら、なった。ケースバイケースで乗り切る」

これだ。楽天的と思うかもだが、実はすごく難しい。
・・・・そんなことはさておいて。
あぁ、今日も朝に飲むコーヒーは美味しい・・・。
この朝のコーヒータイムは(男子)寮の自室での至福の時・・・・。
ここで、疑問に思った方もいるであろう。

「なぜに女子が男子寮に住んでいるのか」・・・・と。

答えは武偵高校らしい答えだった。
「酔った勢いで喧嘩した教師(誰とは言わない)が投げた手榴弾が被爆して大破。
修理に莫大な金がかかるので、それより安価な取り壊しで済ました結果、
入寮者の方が溢れた」

・・・・身も蓋もない。

「あ、おはよー。キンジ」

「ああ、おはよう。凪優」

前述の同居人こと、遠山キンジはトランクス一丁の格好であった。
寝起きだし、当然の格好である。
ここで、一々叫ばない私。
もう、なんというか慣れた。
それも女性としてどうかと思うが。

「もうそろそろ来る頃だし、着替えてきたら?」

「もうそんな時間なのか。わかった」

私の助言に従い自室へ着替えに戻るキンジ。
私は飲み終わったコーヒーカップを洗う。
洗い終わったその時、

・・・・・・ピン、ポーン・・・・・・

慎ましいチャイムが鳴った。
ほら、やっぱり。
私は玄関の方へ行き、扉を開ける。
玄関の扉の前に立っていたのは、純白のブラウスに臙脂色の襟とスカート
・・・東京武偵高校の女子制服(冬服)に身を包んだ、黒髪の絵に描いた大和撫子だった。
彼女の名は星伽白雪。実家は由緒ある星伽神社。
つまり、彼女は巫女さんである。
キンジとは幼馴染で白雪はキンジの事を「キンちゃん」と呼んでいる。

「あっ、キ・・・凪優ちゃんおはよう・・・・」

「あっ・・・ごめんね?ご期待に添えなくて。
キンジはさっき起きたばっかりで今着替えているから・・・・」

「え、あ、ううん。気にしないで、凪優ちゃん」

「えっと、今日はどうしたの・・・・って、成程ね・・・・」

「私、昨日まで伊勢神宮に合宿に行ってて、キンちゃんのお世話何もできなかったし、
それに凪優ちゃんばっかりに迷惑かけるわけにもいかないから」

「もう、そんなに気にしなくてもいいのに・・・・・。
せっかくだし、リビングで待ってたら?キンジももうすぐ来るはずだし」

「え、いいの?」

「私だって決定権の半分はあるから・・・ね?」

「お・・・・・おじゃましますっ」

白雪は角度で言ったら90°位の深いお辞儀をしてから玄関に上がった。
靴は言わずもがなきちんと揃えてある。
白雪を迎え入れて私は学校に行く為、準備を整える。

「凪優ちゃん、もう行くの?今日は早いね」

「まぁ・・・ね。ちょいと野暮用もあるから。じゃ、あとよろしく」

「うん。いってらっしゃい。また後でね」

「うん。また後で」

白雪に後を任せて、私は寮を後にして、情報科の分室に向かう。

「さて・・・・と。遂に動いたか。武偵殺し。しかし、標的小さいなコレ。」

私のスマホに表示された武偵殺しの情報。

「〈確かに規模がどんどん大きくなってたのに、確かに変かも。
・・・・・何か目的でもあるのかな?〉」

「目的?」

「〈うん。ほら、今回の電波傍受なんだけど、かなり単純だったよね?〉」

「確かに・・・。情報科所属でなくとも良いくらいに単純なパターンだった・・・」

「〈て、事は武偵殺しが狙ってるのって・・・・〉」

「・・・成程。しかし、まんまとやられたな。でも・・・・」

「〈でも?〉」

「まんまと乗ってあげようじゃないの。
そんでもって、この私を敵に回した事を後悔させてやんよ!」

「〈うんっ!だけど、1つ追加!〉」

「何よ。瑠璃」

「〈『私達を』だよっ!凪優〉」

「はいはい。わかってるって。
急いでキンジと合流するよ。瑠璃」

「〈(>Д<)ゝ“了解! 凪優!〉」

フツーの女子高校武偵の水無瀬凪優。

人に好意を示すも適合者が存在しない色金に宿る神。
一度機嫌を損なえば死さえ有り得る気難しい色金の神。
数多の謂れを持つ瑠璃色金に宿りし意志・【瑠璃神・瑠璃】。

混じりそうに無く通常であれば、相反する2つの存在。
これは、その2つの存在が適合している物語。

続くんだよ
 
 

 
後書き
葵 「はい。いかがだったでしょうか・・・・っと」
理子「また無茶したね・・・あおちー」
葵 「うん。知ってる」
理子「ちゃんと早く進めてよね」
葵 「善処するよ・・・・・・・・・・・・・・・多分」
理子「『多分』って言っちゃダメじゃん!!」
葵 「つっても、後書きとかは新規書き下ろしだしね(# ̄ー ̄#)」
理子「だから、なんなのって話だよね。ドヤ顔要らないよね?」
葵 「むぐぅ・・・・・・」
理子「えっと、こんな駄作者ですが、末永く宜しくお願いします」
葵 「うわ、敬語理子超違和感wwww」
理子「うん。少し黙ってようか?あおちー」
葵 「・・・あい」
理子「また次回も読んでくれると嬉しいなっ!それでは次回のお話でお会いしましょう!」
2人 「「ばいばいっ!」」

ここだけ書き下ろしのあとがき ① 完 

 

第001弾 空から降ってきた少女と瑠璃姫

 
前書き
結衣 「どもーご無沙汰。姫神結衣だよっ!」
翡翠 「初めまして。結衣のお目付け役の翡翠だ」
結衣 「なんで居んの、翡翠」
翡翠 「あからさまに嫌な顔すんな。結衣」
結衣 「だって、お小言煩いもん。翡翠」
翡翠 「自業自得だろうが」
結衣 「え、そうだっけ?(すっとぼけ」
翡翠 「そんな顔したって赦されんぞ。OHANASHI(物理)するか?」
結衣 「え、エガオガコワイデスヨ・・・・ヒスイサン」
翡翠 「気のせいだろう?さ、逝くぞ?」
結衣 「ちょ、ちょま・・・・『行く』の字が違わない?!」
翡翠 「それも気のせいだろう?(ニッコリ」
結衣 「うにゃぁ~~~~~た~す~け~て~ぇ~」
瑠樺 「何か、そう言う割には余裕そう・・・・?」
凛花 「ルル姉の気のせいじゃないと思う。翡翠ちゃんは大変だな」
花梨 「ルル姉様もリリ姉様もサラッと(人間体で)登場してるんだね・・・・」
絢香 「そういうお前も人間体で出てるだろ・・・瑠璃」
花梨 「あぁ・・・・そうだったね、ヒヒ姉様」
絢香 「カタカナ表記はどうかと思うんだ。猿妖怪と間違う人居るだろうし」
花梨 「誰も『狒々』と思わないと思うよ・・・・たぶん、きっと」
絢香 「なにその断定出来ない自信は。瑠璃」
花梨 「・・・さぁ?」
絢香 「お前でも解んないんかい!」

新キャラ+4?なまえがき② 完
 

 
「〈凪優、該当の自転車は予想通り第二グラウンドに向かってる。〉」
「まぁ、人気の無い所つったら、そこしかないからね・・・。」
「〈で、どうするの・・・?〉」
「被害者・・・キンジの救出と自転車破壊を同時に・・・・かな。」
「〈『同時』ってのは幾ら何でも凪優一人じゃ・・・・・〉」
「うん。キンジと並走してる厄介物もあるし、一人じゃ無理。」
「〈じゃあ、どうするの?〉」
「協力者に頼むのよ。丁度いい人材が女子寮の屋上にいるみたいだし」
「〈屋上に・・・?〉」
「そう。屋上に。」
そう言ってから、右耳に装着の通信機を繋げる。
「アリア、もうそろそろそっちからも視認出来る範囲内に入るから準備お願い。」
「わかったわ。手筈通りに行くから、そっちは頼んだわよ、凪優。」
「わかってる。任せなさいな」
ぷつん・・・・。
通信を終了した私は準備に取り掛かる。
背中に背負っていた狙撃銃(対物)を取り出す。
ウルティマラティオ(PGM)ヘカートⅡ。
フランスのPGMプレシジョン社が開発、製造しているウルティマラティオシリーズの中でも最大口径モデルの銃で対物ライフル。
人物に向かって使う代物ではないが、今回は大丈夫だろう。
狙いが人じゃないから9条には抵触しないだろーしさ。
弾を装填し、スコープでキンジの自転車を追いつつ、その時を待つ。
それと同時にアリアが女子寮の屋上から飛び降りてパラグライダーで滑降。
そして、爆弾付きの自転車を必死に漕ぐキンジの方へ降下。
ぐりん。
ブランコの様に体を揺らしL字型に方向転換。
左右の太もものホルスターから銀と黒のコルトガバメントを抜く。
バリバリバリバリッ!
キンジが頭を下げるより早く、問答無用のセグウェイ(厄介物)破壊。
流石、アリア。ランクSは伊達じゃない。
ホルスターに銃を戻したアリアは、スカートのオシリを振り子みたいにして
キンジの頭上へ。
キンジの真上に陣取ったアリアは・・・・げしっ!
踏んだ。キンジの脳天を思い切り。
気流を捉えたアリアは上昇。
そして再びグラウンドの対角線上めがけ、急降下&キンジの方にUターン。
ぶらん。
さっきまで手で引いていたブレークコードのハンドルに爪先を突っ込み逆さ吊りの姿勢になってそのまままっすぐ飛ぶ。
となれば、キンジと対面状態。
それは、キンジとアリアが抱き合う形となるわけで。
ああ、そういえばキンジが昨夜見ていたアニメ映画にもこんなシーンあったな。
まぁ、男女の位置が今のシチュと逆ではあるけれどwwww
そう思っていたら、キンジとアリアは上下互い違いのまま、空へ攫われていく。
キンジが自転車から離れ、自転車の爆弾が作動する刹那の瞬間を逃さず、私は引き金を引いた。
へカートの銃身から射出された12.7x99mm NATO弾は自転車の爆弾めがけ飛んでいく。
NATO弾が爆弾の壁に一瞬触れたその時だった。
爆弾の圧力感知センサーが反応し、爆弾起動のカウントダウンが開始された。
そのカウントダウンは通常であれば5~10秒位あるだろうが、この爆弾は違った。
カウントダウン開始1秒で爆弾は起動し、閃光・轟音・爆風に包まれた自転車は木っ端微塵になった。
勿論、「木っ端微塵」なのだから修復は不可能に限りなく近い。
修復よりも新しく購入した方が確実に安価で済むだろう。
間一髪助かったキンジとそれを助けたアリアは体育倉庫の方に吹っ飛んでいった。
さて、キンジ達と合流せねば。
そう思って、私はヘカートを仕舞った。
・・・・それと同時に違和感を感じた。
「ぬったりしていってね!!!」
振り向くと緊張感の欠片もないセリフと共に、現るUZI付きセグウェイ。
全部で60台くらいか。
明らか多いでしょ・・・・
なんでや。オーバーキルにも程がありすぎるわ。
あと、ここは新潟ではなく東京・お台場だ。
「〈突っ込みして現実逃避してる場合じゃないでしょ!来てるよ!!〉」
瑠璃に注意され、現実に戻される私。
ここで無抵抗だったら即お陀仏確定だ。
だが、そんなの真っ平御免。
だから、切り抜けてやろうじゃないの。
「瑠璃、少し能力(チカラ)使わせて貰うよ。――来れ(アデラット)( Strength)
私が( Strength)のタロットカードをカードホルダーから取り出し、発動させる。
すると、私の銀色の髪に瑠璃色のメッシュが入る。
この状態で自身に宿る瑠璃神の能力が使える状態の第1段階状態になり、
身体能力等が大幅に向上する。
能力を使う際は主人格が瑠璃になるが、この段階では主人格は私のままである。
「さて・・・・と、銃弾は温存しておきたいから、今日はこっちで行くか。・・・少し痛いけど。」
そう言って、私は小太刀を2本抜く。
此処で「色金定女(イロカネサダメ)」を使っても問題はないが、切り札は温存。これに限る。
「〈なるべく無傷で切り抜けてよね。治癒で能力(チカラ)使うと持続短くなるし。〉」
「さらっとハードル上げないでよ・・・・。まぁ善処する。」
そう言って、セグウェイに突貫する私。
セグウェイはそれを感知し、装備されているUZIを発砲・一斉射した。
銃弾の雨が私に向かって降り注ぐが、被弾はしなかった。
てか、被弾なんざさせねぇよ?
治癒で能力(チカラ)なんて使いたくないし。
私は手に持っている小太刀で全部弾く。若しくは斬る。
キンジの呼び方だと「弾丸逸らし(スラッシュ)」「弾丸断ち(チョップ)」と言ったところだ。
銃弾の雨の半分を切り抜けた今のところ、全く被弾せずに無傷で済んでいる。
こんなの、無傷でいなすのは、通常状態では無理だ。すくなくとも。
この状態だからこそ、無傷でいられるのだ。
最も、相棒(瑠璃)の鍛錬が無ければ今の私は無傷では居ないだろう。

しかし、このままいつまでも防御だけでは埓があかない。
なので、弾いている弾丸を攻撃利用する。
その方法は単純に「弾丸の弾く方向を変える」ただこれだけだ。
その狙いはセグウェイに後付けで装備された制御チップ。
そこを破壊すれば、セグウェイ・UZIを破壊せずに鎮圧できる。
が、制御チップのサイズが大きい・・・訳なくかなり小さい。
通常ならば、狙いを定めるだけでも一苦労だろう。
そう、《《通常ならば》》。
先程も言ったとおり、私の身体能力は瑠璃の能力によって大幅に向上されている。
それは動体視力だって例外じゃない。どんなに私を追尾してセグウェイがちょこまか移動しようが、関係ない。
今の私は明確に制御チップに狙いを定めることができる。
そして一度、制御チップの破壊に成功すれば、私の完全記憶再生能力で寸分の狂いもなく残り59台全ての制御チップを破壊出来るのだ。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリッッッッ!
カキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンカキンッッッ!
「( ´ー`)フゥー...ようやく終わったぁ・・・・・」
60台全ての後付け制御チップを全て破壊し、セグウェイは機能停止した。
さてと、装備科(アムド)にこいつらの引取りを頼むか・・・・・・。
文ちゃんあたりが大喜びで引き取ってくれるだろう。
「〈お疲れ様、凪優。今回は無傷で切り抜けれ無かったけれど、微細な傷程度の軽傷で済んだし、まぁ及第点ってところかな・・・・。〉」
「・・・・手厳しいな瑠璃は。」
「〈甘やかすよりはマシでしょ?〉」
「確かにね・・・・。さて、キンジ達と合流しましょ。」
「〈そうだね。〉」
瑠璃との会話後、凪優は先程のセグウェイを一台パクって(※許可済)、キンジ達のいる体育倉庫へ向かった。
 
 

 
後書き
葵 「さて、どうだったかな?」
理子「この作品初の戦闘描写だったんでしょ?」
葵 「そうよ・・・・。加筆やっぱり必要だったわ・・・・」
理子「その加筆部分だけどさ・・・・」
葵 「なに?」
理子「最初、存在すらしてなかったよね?『色金定女』っていう奴」
葵 「あ、うん。完全な後付け設定で誕生したやつだね」
理子「それの説明よろ?」
葵 「ええよ。『色金定女』・・・。読み方は『イロカネサダメ』。刀身全体が綺麗な赫色をしていて、白雪が持つ『色金殺女(イロカネアヤメ)』と基本同系統の刀でこの世界で唯一の瑠璃神対抗武器やね。勿論その力は瑠璃神以外の神にも有効で『真・神殺し』と異名を持つ刀なんよ。その刀は元々、瑠璃神の御神体がある宮崎県の高千穂の奥深くに封印されとったけど、何時の間にか無くなってて知らぬ間に凪優の手元にあったと言われているんや。故に『刀が所有者を選ぶ』と言い伝えがあるんよ」
理子「相当な業物なんだね。その刀」
葵 「そう。だから凪優の切り札的存在なんよ」
理子「へー・・・・。そーなんだ。でさ、あおちー」
葵 「ん?どうしたん、理子」
理子「これからこんな感じなの?あとがき」
葵 「んーと、そうやね。ハーメルン様で投稿した作品であとがきがこのスタイルになるまで」
理子「ふーん。理子の出番増えるしいいけどさ」
葵 「納得して貰えて良かった」
理子「納得しなかったらどうするのさ?」
葵 「そりゃあ、頼むっしょ?」
理子「そう言ってペンダント構えないで!イガリマ使う気マンマンじゃん!」
葵 「・・・・(遠い目)それではまた次回」
理子「何なの!?その間は。そして強引に終わらせるな!!」
葵 「三 (lll´ⅴ`)」
理子「逃げんな!」

都合が悪くなって作者逃亡のあとがき ② 完 

 

第003弾 その後新学期の朝

 
前書き
白雪 「皆様、『装填』以来のSSR2年星伽白雪です」
ヒルダ「皆様、お初にお目にかかるわ。探偵科・衛生科2年のヒルダ=ツぺシュよ」
白雪 「今回は体育倉庫の一件の事後の朝の教室での一幕です」
ヒルダ「『事後』と言っても何も疚しい事は起こってないから安心しなさいな」
白雪 「それは当たり前だよ!!私の目の黒いうちはそんな事させないから!!もし・・・」
ヒルダ「『そんな事あったら凪優を火達磨若しくは消し炭にする』・・・と?」
白雪 「うん。その通りだよ・・・。キンちゃんに何かあったらどうするの!!!」
ヒルダ「・・・・遠山にそんな度胸は皆無だと思うんだけど・・・・あの昼行灯に」
白雪 「それは・・・・・そうかも。だけど、凪優ちゃんがキンちゃんに手を出しかねないでしょ!!」
ヒルダ「白雪・・・貴女、凪優の事どういう目で見てるのよ・・・・(呆れ」
白雪 「えっと・・・・『正妻ポジを狙う特AAA級の危険度を誇る泥棒猫』?」
ヒルダ「それを凪優は絶対に聴いてるだろうし、白雪は後で氷漬け確定ね。ご愁傷様」
白雪 「その時はその時で全力で抗うから大丈夫だもん!」
ヒルダ「・・・・凪優は素でG20を誇る化け物なんだけど・・・・・」
白雪 「え゛・・・・!?花梨ちゃんの補正も無しで!?」
ヒルダ「ええ。花梨の補正アリでG22~G26と言っていたわね」
白雪 「じゃ、じゃあ・・・・私の末路は・・・・」
ヒルダ「死にはしないけど、氷像になることは確定ね」
白雪 「ど、どうしよう・・・・。ヒルダちゃん、助けて!!」
ヒルダ「私が参戦しても返り討ちされるのがオチだわ。まぁ・・・死にはしないから大丈夫よ」
白雪 「それは安心・・・・・・出来るわけがないよっ!」
ヒルダ「見事なノリツッコミね」
白雪 「それは・・ありがとう。・・・じゃなくて、ホントにどうしよう!!」
ヒルダ「タイトルコール後、凪優に全力で謝り倒す。・・・これしか無いわね」
白雪 「うぅ・・・・全部終わったら慰めてね?ヒルダちゃん。絶対だよ?」
ヒルダ「・・・解ったわよ。そろそろタイトルコール行くわよ」
白雪 「・・・うん。『第003弾 その後の新学期の朝』」
ヒルダ「どうぞ!!」

珍しい組み合わせの前書きという名の寸劇④ 完 

 
なんとかアリアを対処して全力で逃げてきた私。
そしてその後の教務科の報告からの始業式出席。
始業式が終わって新しいクラスである2年A組の教室の自分の席で見事に死にかけていた。つまりは超疲労困憊状態である。
私に宿る瑠璃も同様の状態だった。
それもそうだろう。何故なら、持続限界で能力回復の為に休眠していた所を無理矢理叩き起されて再度能力を行使したのだから。それもあって、今はかなりの不機嫌な状態で休眠中である。
私が机で死にかけていると、同じクラスの女子生徒が話しかけてきた。
彼女の名は峰理子。探偵科(インケスタ)所属でランクはA。
高ランクでありながらも探偵科(インケスタ)No.1のバカ女。
そんな「バカ」と悪名高い彼女が高ランクであるのは情報収集力の高さにある。
情報科所属でもある適わない程だ。
私的に改造した制服(本人曰く、スィート・ロリータと言うらしい)が特徴的だ。
これは私の勘だが、その制服にはなんかパラシュートでも仕込まれてそうな感じはする。
理子のどこがいいのか私にはさっぱり知らないがファンクラブもいるらしい。
私が理子と知り合ったのは、4対4戦(カルテット)にて同じ班で組んだからである。
あの時は同じく、班を組んだ綾瀬(あやせ)悠季(ゆうき)三嶋(みしま)絢香(あやか)と共に史上最速の時間で勝利し、伝説になったりもした。
それ以降、なんだかんだで友人となった。
「なゆなゆ・・・・・えっと、大丈夫?」
「理子は私のこれが大丈夫に見えんの?」
私は疲労による不機嫌さマシマシで答える。
「うん。少なくとも理子の目にはそう見えない。一体どうしたの?!」
理子はえらく驚愕した表情を見せ、此方に問いかけてきた。
「結果を端的に言うとさっきの事件で限界超えた」
「『さっきの事件』ってグラウンドと体育倉庫で起きた自転車爆破事件の事だよね?」
「そだよ・・・・」
「でも・・・報告書見る限り、なゆなゆが瑠璃神(るーりん)の能力使ったとしても限界超える事なんて無いとりこりん的には思うんだけど」
「1人で瑠璃の補正もなしに全部で86台のUZIつきセグウェイの相手って無茶言わないでよ」
「だって・・・・なゆなゆってさ、補正抜きでも超偵・・・『超々能力者(ハイパー・ステルス)』の部類に入るじゃん」
「確かに私はG20叩き出してるけども、その分持続がもたないって」
「じゃあ・・・・どっちにしろるーりんの助け要るのか・・・・。でもさ・・・」
「今度は何よ・・・・・」
「るーりんの補正アリだとG22~26まで高められるから、余計に限界超えるとか有り得ないと思うんだけど・・・・・」
「あー・・・うん。事件自体は限界超える事はなかったんだけどね・・・その事後で超えた」
「『事後』って何さ!?」
「言いたくもないし、思い出したくもない。取り敢えず、理子。頑張った私を労って」
「あー、ゴクロウサマ。」
「ありがと。あと、HR始まるまでそっとしてくれると助かる。」
「うー、(>Д<)ゝ“ラジャー!!」
「静かにしてろって。マジで。新学期早々氷漬けになりたいの?」
「うん。それは勘弁して。絶対に。じゃあ、HR始まる直前位に起こすから。」
「あー・・・うん。お願g・・・・zzz」
「お願い」と言い切る前に私は眠りに着いた。
もうそれほど私も限界だった。
それから暫くして。
「なゆなゆー?起きて。HR始まるよ?」
理子に身体を揺さぶられて起こされる私。
「んぁ・・・・。ありがと、理子」
「くふふ。どーいたしまして。」
起こされてからしばらく。
担任の高天原ゆとり先生が教室に入ってきて
「うふふ。じゃあまずは去年の3学期に転入してきたカーワイイ子から自己紹介してもらっちゃいますよー」
と話していた。
ん・・・・?
『去年の3学期に転入してきたカーワイイ子』・・・・!?
うわ、嫌な予感しかしないんですけど・・・・。
多分キンジもそう思ってるわ・・・・。
私の「嫌な予感」は必ずと言って的中する。
案の定、その生徒はアリアでした。
先程、一悶着あった神崎・H・アリアさんでした。
一番会いたくない奴に会ってしまった・・・・。
「〈超サイアクだな。(;´∀`)〉」
「ホントにねぇ!こんちくせう!」
今すぐ寝たい。もう一回寝たい。ガチで。
「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」
ずりっ
ごんっ
キンジが椅子から転げ落ち、私が机に頭を打ちつける。
もう同時。寸分狂わず。息ピッタシ。
な、ナニイッテンノ・・・・・?
「〈動揺しまくってんじゃんか・・・・。〉」
そら、するわ!しないほうが可笑しいでしょ!?
「よ・・・・良かったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生!オレ、転入生さんと席代わりますよ!」
うわ、空気読んだのに余計な事だというのは・・・・的な。
なんなんだ。武藤よ。
武藤剛気。車輌科(ロジ)の優等生。
乗り物と名のつくものなら何でも乗りこなせる奴。
私の友人その3である。
武藤の申し出にアッサリ快諾のゆとり先生。
先生、そこは拒否ってくださいよ。
そして、教室は拍手喝采。
・・・・・煩い。こっちは疲労Maxなのに。
「キンジ、これ。さっきのベルト。」
アリアはいきなりキンジを呼び捨てにして、さっきキンジが貸したベルトを放り投げた。
キンジがベルトをキャッチする。
「理子分かった!分かっちゃった!―これ、フラグバッキバキに立ってるよ!」
私の左隣の理子が がたんっ!と席を立った。
そして安定の「りこりんタイム」がスタート致しました。
うわ。マジ関わりたくねえ・・・・。
で、その「りこりんタイム」に便乗するクラス全員。
=バカ騒ぎ開幕。
新学期早々シンクロ率高いな!あなた達。
この状況にちょいとイラッと来ている私である。
ゆとり先生も「早くこの状況鎮めてね(ニッコリ」と言わんばかりに私に殺気を飛ばしている。・・・・・なんでや。
皆、ゆとり先生の濃密な殺気をさっさと察しろ!!!(懇願)
そう思っている矢先だった。
突如として.45ACP弾の奏でる轟音に、クラス中が凍てついた。
無論、何をせずとも発砲されることはほぼ無いに等しいのだから、必ずしも、物事の濫觴には原因があるわけで。
今回のそれは、神崎・H・アリアだった。二丁拳銃のガバメントを、抜きざまに発砲したのである。

なんて苦笑している暇もなく、.45ACP弾特有の轟音が耳を劈き、その銃弾が私に向けて飛来してくる。
それを、もののついでに、傍らにあった防弾仕様の下敷きで防いで。
そのまま軌道を逸らして、これまた防弾仕様のゴミ箱にホールインワンさせてから、私は『さて、どうしようか──』と考えを巡らせた。

というのも、このアリアの一連の行動。私を激昴させるのにはこれ以上ないほどの愚行であるからして……。うん、決めた。そうしよう。
人知れず口の端を歪める私にアリアは興味を示さず、それでも眼中にはあるが、といったかのように訝しげな表情を浮かべてから、頬を紅潮させて、宣言した。
「れ、恋愛だなんて──くっだらない!」
少なくとも、クラス中の恋愛観を否定するような言動で。
「全員覚えておきなさい! そういうバカなこと言う奴には──」

ひと呼吸おいて。

「──風穴空けるわよ!」

……さて、ここらへんでいいかな。
そう胸中で呟いてから、私はアリアの腕を掴む。刹那、アリアの表情が緊迫したモノに変わったことは言うまでもない。
へぇ、これだと予見できてたように感じるなぁ。してたのかな。
まぁ、そんなことはいいや。

「ねぇ、アリア」
「……何よ」
「お話・・・・しよっ♪」
「『お話、しよっ』・・・って何よ?凪優……目! 目が笑ってないわよっ!」
「そんなことはいいからいいから。さっきのお返しも兼ねて、ね」

アリアの必死な抵抗も虚しく、まぁ私が免罪符、慈悲、贖罪なんて与えるわけもなくて。問答無用だ。コノヤロー。
胸中で毒を吐いて、ズルズルと強引に引きずりながら、強制連行だ。

「ちょっと、アンタたちっ……! 助けなさいよっ!」

アリアはクラスメートたちに助けを求めるものの、誰一人として傍観しているだけだった。そんなに面倒事に巻き込まれたくないのか。
しかも合掌してる奴までいるし。どうなってんだよこのクラス。

「ほら、アリア。行こっ?」

──そうして、水無瀬凪優がアリアを強制連行した数分後。アリアの断末魔に等しい叫びが響き渡ることになるのだが。
それを少なからず耳に入れたクラスメートたちと張本人であるアリアは、水無瀬凪優を怒らせたらマズイのだ、と改めて認識したのだ。

続くんだよ 
 

 
後書き
葵  「さて、いかがだったでしょうか」
理子 「あー・・・今回が本編初登場だったから、すっごく緊張した」
葵  「へぇ・・・・理子でも緊張するんだ」
理子 「あおちーは理子の事どう思ってるのかな?緊張くらいするよ!!」
葵  「その割には何時もどおりだったじゃん」
理子 「いやいや。書いてないけど、なゆなゆが寝ている間にあったの!」
葵  「え、ナニが?」
理子 「おい、待てや。『ナニ』をカタカナにすんじゃねぇ!!」
葵  「なんで裏理子出てんの?」
理子 「葵がとんでもない事言い出しかねなかったからだ!!」
葵  「わー。そんな事想像するなんて・・・理子、お前ってやつは・・・」
理子 「遺言はそれで良いんだね?良いんだな」
葵  「えっと・・・・それ取り出して何やってんのさ。ちょっとしたジョークなのに」
理子 「Various shul shagana tron・・・・」
葵  「え?聖詠・・・??そして、シュルシャガナ・・・・だとぉ!?(某司令官風」
理子 「(・x・)コロヌ」
葵  「勘弁してよ!!もう!!Zeios igalima raizen tron・・・」
理子 「死ねぇ!!」
真優香「やなこった!!!」

この後、戦闘勃発であとがき中止・・・・。

結果的に天羽々斬(凪優)によって粛清されたあとがき④ 完 

 

第002弾 遠山侍と瑠璃姫と・・・

 
前書き
結衣「今日はお休みっ!」(←貼り紙)
翡翠「バカを捕まえてくる」(←〃)
瑠樺「えっと・・・・どうしろと?」
凛花「さぁ?私達が代打じゃないかな?ルル姉」
瑠樺「マジでか」
凛花「そーみたいね。今回はどんな話だっけ」
瑠樺「えっと、前回の続きで凪優はキンジの爆弾事件をアリアと共に助けた。しかし・・・・・」
凛花「マイクロUZI付きのセグウェイに襲われるんだよね」
瑠樺「そうだ。だが、瑠璃の能力を使う事でその場を切り抜けた」
凛花「そして、なゆなゆはキーくんとアリアんの着地した体育倉庫に向かった・・・・」
瑠樺「そうだ。それではタイトルコール行くとしようか」
凛花「オッケー☆⌒d(´∀`)ノ。第002弾」
瑠樺「遠山侍と瑠璃姫と・・・」
瑠凛「「どうぞ!!!」」

実は理子と結構仲良しな凛花(璃璃神)と瑠樺(瑠瑠神)がお送りしたまえがき ③ 完 

 
さて、確かあの体育倉庫に突っ込んだはず。
音からして跳び箱の中だと思うんだけどな・・・・・。
そう思った私は体育倉庫に赴き、キンジとアリアの無事を確認しに行く。
「アリア、キンジ、だいじょb・・・・・(きゅぼんっ!)」
二人の様子を見た瞬間、急速に顔を真っ赤に染め・・・・・
「・・・・・・お邪魔しましたっ!おふたりはごゆっくりっ!」
ばたむっ!
そう言って、即座に扉を閉めた。
ワタシハナニモミテナイデスヨ?
「〈明らかに動揺してるやん。何を見たのさ?一体。〉」
「瑠璃には刺激強いと思うよ・・・・。うん。」
「〈その答えに納得する訳無いじゃん。私のほうが歳上なのに〉」
「それでもなのっ!」
「〈動揺しすぎ・・・・・凪優〉」
瑠璃の指摘に反論しようとする。
だが、もう内心は保ってられなかった。
そんな私が取る行動は唯一つ。
『ここは立ち去るが勝ち。』
そう思って戻ろ・・・「「ちょっと、待て(ちなさい)!!」」
・・・・なにか異論でも?
「「異論しかないわっ!!」」
ナニコレこのハモリよう。息ピッタシだな。あなた達。
「〈もうパートナー組んじゃえばいいんじゃね?こいつら〉」
偶然だな、瑠璃。私もそう思う。
「・・・・大体、跳び箱の中で馬乗りになっているあなた達を見て私は空気を読んだのだけど?」
「「だから、その前提から間違ってるんだよ!(のよっ!)」」
「はいはい、仲良し乙。」
「「人の話聞いてない。コイツ!」」
アリアとキンジの仲良しツッコミを華麗にスルーした私は何かを察した。
自分で言うのもアレだけど私の気配察知能力はもう人外レベルらしい。
それも武偵・傭兵等の戦闘職に就く人の気配察知能力のランキングでも第2位だってさ。
因みに世界最高峰、第1位の座は高天原ゆとり先生である。
あの人に敵う奴はそうそういないだろう。・・・シャーロック・ホームズを除いて。

・・・・・そんな事自慢してる場合じゃなかった。
早よ行動しないと瑠璃にどやされる。
「・・・・・!伏せて。」
「「え・・・・?」」
「早く!」
二人の頭を掴み跳び箱の影に伏せる私。
華奢な体躯のUZIから轟音と閃光を伴って射出された無数の銃弾は、右螺旋回転を維持して虚空を斬り裂いていく。
それらは宛ら、意志を持ったかのように存在を主張して累乗数的に撒かれる弾幕であり、同時に致死性の暴力であり──対象を穿つ為にしか目的を持たない、傀儡だった。
弾幕の被害に遭い傷つく備品。(さすが防弾仕様。壊れてない。)
「うっ!まだいたのね!」
そう言ってホルスターからガバメントを取り出し応戦するアリア。
先陣隊で襲撃してきた7台を完全破壊する。
「凪優、あと何台いるの?」
「あと、33台かな。さっきのは牽制用みたいだし。」
「そう。凪優の方の銃弾のストックは?」
「大丈夫。まだ余裕あるわ。」
「OK。アタシ一人だとこのままじゃ火力負けするから、第二陣以降のバックアップをお願い。」
「了解。」
そう返事を返し、アリアの方を見やる。
今、アリアはキンジの顔に胸を押し付けたまま応戦している。
無論、そのアリア本人は射撃に集中しており、気づいていない。
ああ、これアウトだ。
アリアの胸の小さい膨らみでなってるな。キンジ。
そう、ヒステリアモードに・・・・。
「強い子だ。それだけでも上出来だよ。」
「は・・・・?」
いきなり口調がクールになったキンジにポカンとしているアリア。
気持ちはわからんでもない。
そして、ポカンとしているアリアをお姫様抱っこして倉庫の端まで運ぶ。
「ヒステリアモードになったんだね。キンジ。」
「そっちのお姫様のおかげでね。」
「そう・・・。」

ヒステリアモード・・・・・。
それは遠山家に遺伝する特異体質。
正式名称はHSS、ヒステリア・サヴァン・シンドロームといい、性的興奮を感じると思考力・判断力・反射神経などが通常の30倍にまで向上する。
その反面、魅力的な異性を演じて子孫を残す」 ことに由来してるため、「女性を高い知力と身体能力で守り女心を鷲掴みにするカッコいい男性」 になる。
この説明はあくまで「ノルマーレ」の方。
派生もあるらしく、それによって全部変わってくるらしい。

さて、私の方もなりますか・・・・。
「瑠璃」
「〈解放具合は?〉」
「第2段階・・・かな」
「〈んじゃ、タロットの方宜しく〉」
来れ(アデラット)(Strength)戦車(The Chariot)死神(Death)
発動させたタロットが眩い光を放ち、私の容姿が瑠璃色のロングヘアー、唐棣色の瞳に変化する。
先程の第1段階と違い瞳の色も変化している。
この状態だと瑠璃の能力を5割くらい引き出すことができる。
まぁ、さしずめ「第2段階」といったところだ。
「いくよ。キンジ。」
「おや。そっちも瑠璃姫になったのかい?」
「ホント、この姿をそう呼ぶのってアンタだけよね。」
「これは失礼。で、どうするんだい凪優?」
「無論、全制圧。但し、セグウェイ自体は破壊せずに。」
「これはまたハードル上げるね。狙いどころは?」
「セグウェイにあるスピーカーの下。そこにある後付けの制御チップ。」
「OK.。では、お掃除・・・いや、お片付けの時間だ。」
「そうね。スタート。」
私の発した言葉の合図にしたかのようにセグウェイは二手に分かれる。
キンジに7台。私に残りの26台。
「たまっちりしていってね!」
そんな合成音声と共に私に向かってくる。
そして一斉射撃。
全く、どんだけ警戒されてんの。
あと、さっきの「上沼垂(かみぬったり)」とは違って「田町」になってるし東京都内にはなったけども。
「語呂が悪すぎるっつーの。」
私はそう言ってホルスターからマテバモデル6(セイ)ウニカを取り出す。
マテバモデル6ウニカ。
イタリアのマテバ社が1996年に開発した半自動作動方式の回転式拳銃である。
その独特の機構から、「オートマチックリボルバー」とも呼ばれる。
回転式拳銃としては部品点数が多く、構造が複雑で、製造コストが高いものとなった。更に、可動部分が多いため、より砂塵や汚損に弱い・・・・という問題点はあるものの、私のお気に入りの拳銃である。
「舞え、銃弾よ」
私はセグウェイのマイクロUZIから発射された銃弾が弾かれて制御チップに着弾するように銃弾を撃ち込む。
私の撃った銃弾が壁の役目を果たし、相手の銃弾はL字型に1回ないし2回反射されて制御チップに着弾する。制御チップ破壊後、更に跳ね返り速度が加速され、次の制御チップを破壊する・・・・・。
この一連の動きが6連鎖する。要は
銃弾撃ち(ビリヤード)」→「跳弾射撃(エル・スナイプ)」&「二重跳弾射撃(エル・エル)」→「加速(アクセル)」→「連鎖撃ち(キャノン)」の繰り返しである。
暫く銃弾同士がぶつかり合っていたが、それも静かになる。
そして、「ふしゅぅ・・・・」という音と共にセグウェイは機能停止した。
「( ´―`)フゥー...ざっとこんなものか・・・・。」
「〈お疲れ様、凪優。大体使い方わかってきたんじゃない?〉」
「そうかな・・・・?だといいのだけども。」
「〈もう、持続時間限界だし元に戻って。私は休眠に入るから。〉」
「はいはい。OK。」
そう言った後、銀髪セミロング・紅い瞳の姿に戻る。
「さて、キンジの方も終わったよね?」
「当然だよ。もう終わったよ。」
「そらそうよねwwww私のほうが圧倒的に台数多いし。」
「それでも関係ないだろう?このくらい」
「まぁ・・・・ね。キンジの方はどうなのよ。実は結構やばかったり・・・?」
「このくらいどうってことないよ。アリアを守るためならね。」
「あら、私は対象外なのね・・・(´;ω;`)」
「相棒として信頼しているのだから許して欲しいな。」
「仕方ない。じゃあ許す。」
「それは良かった。」
何時も見たく私とキンジ(HSS・N)が会話している様子までをアリアは跳び箱(防弾)の中から上半身を出した状態で「(○口○*) ポーカン」という表情をしていた。
おそらく「今、私の目の前で何が起きたの?」と思っているであろう。
アリアはキンジと目があった瞬間、ぎろっ!
睨み目になってモグラ叩きの土竜みたいに跳び箱の中に引っ込んでしまった。
あー・・・・・・。これはキンジが悪いかな。たぶん。
そう思っていたら、アリアとキンジの痴話喧嘩が始まっていた。
私?私は完全に蚊帳の外ですが。何か?
だから、暇ったらありゃしない。
突っ込みどころがあれば突っ込むだけしかないもの。
「―お、恩になんか着ないわよ。あんな玩具くらい、あたし1人でも何とか出来た。これは本当よ。本当の本当。」
・・・・・ちょいと待とうか、アリア?
1人で33台捌ききるて、フツーの人間だと無理だかんな?
私だって瑠璃の能力借りた状態じゃないと無理だわ。って状態だし。
つまり、人間辞めなきゃいけないんですけど?
わかってる?そこらへん。
と、ツッコミしている間にもアリアとキンジの喧嘩は続く。
その最中、アリアは度々跳び箱の中に入ってはスカートを直していた。
あぁ・・・・・。多分スカートのホックが壊れたんだろう。
文にセグウェイの引取り要請するついでにアリアの制服のスカートの替えを手配しておこう。
確かアリアの身長は142cmだったな・・・・。
私が文に連絡終えた後もまだ喧嘩は続いていた。
何時まで続くんだよ。ホントに。
そう思っていたら、キンジはアリアが中学生だと言いやがった。
・・・・・・・What?(゚Д゚≡゚Д゚)
「あたしは中学生じゃない!!」
アリアは地団駄で木製の体育倉庫の床を破壊していた。・・・・・怖っ。
流石の私でもそこまではやらない。ヒメじゃあるまいし。
「悪かったよ・・・・。インターンで入ってきた小学生だったんだな。」
・・・・・・。/(^o^)\
私はキンジがもうどうなったって知らん。
キンジの自業自得だし。
その言葉で当然怒りメーターが振り切れるアリア。
ばぎゅばぎゅん!
ガバメントを再びホルスターから取り出し、発砲するアリア。
・・・・逃げよう。三十六系逃げるに如かず。逃げるが勝ち。
あれ?私無関係だけど、何故に追いかけられてるの!?
「アンタは事実を知っていながらも言わなかったから同罪よ!」
あぁ、なるほど・・・・・・ってなるわけないじゃん!
なんでや!理不尽すぎる!
「じゃあ、ここは任せたよ。相棒。」
そういって、先にこの場から退却するキンジ。
「え、ちょ、おま・・・・・・・」
ふざけんな!
「まずはアンタから片付けてあげるわ!覚悟ぉ!」
鬼のアリアが迫ってくる。
「瑠璃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ、助けてぇぇぇぇぇ!!」
お休み中の(相棒)に思いっきり助けを求める私だった。
これが、私・水無瀬凪優と遠山キンジと神崎・H・アリアの最悪な出会いだった。

この結末はというと、瑠璃をなんとか目覚めさせて対処した。
御蔭様で私は今直ぐにでも休みたい半端ない疲労感に襲われるのであった。

続くんだよ
 
 

 
後書き
葵 「今回は凪優のタロットについて説明しとく」
理子「えっと、なゆなゆの使う能力発動の補助デバイスみたいなものだっけ」
葵 「そうだよ。基本的に大アルカナに準じて22枚存在するんだ」
理子「へぇ・・・それにはどんな効果あんの?」
葵 「えっとね・・・・まだ考えてない」
理子「なんなんそれ・・・・」
葵 「だって、大変なんだもん。文字数多いし」
理子「そんな理由!?」
葵 「だから、一話丸々使う感じになるかな」
理子「へぇ・・・。だったらその時までに考えといてよね、効果」
葵 「解ってるって」
理子「じゃあ、この辺で〆めちゃう?」
葵 「そうだね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
花梨「と、言う訳で、これからもよろしくお願い致します!」
理子「それでは、また次回」
葵 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」]
葵 「なんか一人増えた?」
花梨「だってヒマなんだもん」
理子「そんな理由!?」

まさか1人増えたあとがき ③ 完

 

 

第004弾 凪優とキンジとアリア

 
前書き
凪優 「皆様、こんにちは。この物語の主人公で『氷天の魔女』、水無瀬凪優です」
夾竹桃「皆様、こんにちは。この物語で一度黒幕になる『魔宮の蠍』、夾竹桃よ」
凪優 「・・・・本名、言わないのね」
夾竹桃「いいじゃない。私の本名なんて些事なことよ」
凪優 「そういうもんかねぇ・・・モモ」
夾竹桃「そういうものよ。って、いきなり、渾名で呼ばないで頂戴。崩れるでしょう?」
凪優 「『崩れる』って何がよ」
夾竹桃「私の威厳とかその他諸々よ」
凪優 「ハイハイソウデスネー」
夾竹桃「興味無くなった途端に棒読みは無いんじゃないかしら?」
凪優 「だって、マジでどうでもいいじゃん」
夾竹桃「・・・・・・・・・書類仕事増やすわよ?」
凪優 「なんでや!巫山戯んな!私を胃潰瘍にする気か!?」
夾竹桃「なったらなったで、ブラドの世話になればいいじゃない」
凪優 「嫌だよ!アイツ、私が入院する度に溜息付いて『いい加減にしろよ』とか言うんだよ!」
夾竹桃「・・・・・・・貴女、一体どれだけ入院してるのよ・・・・(呆れ」
凪優 「え、えーと・・・・・月に3回くらい・・・??」
夾竹桃「10日に1度って・・・・。それは言われるのも当然だわ」
凪優 「だからこれ以上入院したくないの!!」
夾竹桃「入院したらしたで貴女の場合、お兄さんが直ぐに駆けつけるでしょうね」
凪優 「その通りだよ!!それも仕事ほっぽり出して!!」
夾竹桃「良い兄妹愛じゃない」
凪優 「それでも程度ってもんがあるでしょうが!!悪目立ちし過ぎてんだよ!!兄さんは!!」
夾竹桃「あー・・・・(察し」
凪優 「御蔭で更に胃潰瘍併発して入院期間伸びるし、獅童さんから苦情の電話来るし・・・」
夾竹桃「どんだけ酷いのよ・・・・(呆れ」
凪優 「マジで酷い。こっちは恥ずか死しそうになるんだよ・・・・。モモも想像してみ?」
夾竹桃「何を想像するのよ・・・・?」
凪優 「今、私が言ったことを貴女と水蜜桃(みっちゃん)に置き換えるの」
夾竹桃「・・・・・・・・(想像中)・・・・・・確かに御免被りたいわね」
凪優 「でしょ?・・・・まぁ、積もる話も有るからタイトルコールの後で話そっか」
夾竹桃「そうね。今宵の話は長くなりそうだし、そうしましょう」
凪優 「じゃあ・・・・第004弾」
夾竹桃「凪優とキンジとアリア」
凪優桃「「どうぞ!!」」

今回は過保護な兄(姉)に悩まされる妹2人がお送りしたまえがき⑤ 完 

 
まるで怒涛の嵐と形容できる──とはいえ、実際にそうであったのだが──学校が終わり、放課後。
キンジと私はアリア絡みの一件による精神の疲れもあってか、寮の自室で休んでいた。アリアからの逃亡のために叩き起された瑠璃は、明日の朝まで休眠中である。何ともご苦労さんだ、と胸中で小さく労った。

といいつつも、実際に休んでいるのはキンジだけである。
私はリビングで、私は探偵科(インケスタ)鑑識科(レピア)から情報科(インフォルマ)に回ってきた、今朝の爆弾事件の教務科提出用資料を纏めていた。

そうして詳細を目に通していく。それが中頃まで過ぎた頃だろうか。おもむろに、キンジが口を開いた。

「なぁ、凪優……」
「ん? どうしたの? キンジ」
「今朝の事件について凪優はどう思ってるんだ?」
「『どう』って言われても……ノーコメントかしらね」
「ノーコメント? どういう事だ」

キンジは訝しみ、眉を顰める。

「だって犯人の目的・意図が不明だから。何もかもが不明。だからノーコメント。そういうキンジはどう思うのよ?」
「俺は……武偵殺しの模倣犯は爆弾魔かなって思ってる」
「爆弾魔か……」
「ああ。今朝の犯行の手口からしてそう考えるのが妥当だしさ」
「成程ね……」

──ピンポーン。

なんかチャイム鳴ってる気がするが、無視だ無視。まだ宅配業者来る時間じゃないし。

「……? どうしたんだ?」
「え、あっ……あはは。何でもない。続けて?」
「あ、ああ。……そうなれば」
「そうなれば……?」
「たまたま運悪く俺のチャリに仕掛けられたものと証明できる」
「『たまたま』で仕掛けないでしょ。幾らなんでも。爆弾魔だって狙い目絞ってるでしょうよ。それに対象がチャリて、みみっちくない?爆弾魔にしては」

──ピンポン、ピンポーン……。

誰か悪戯で連打してる阿呆がいるのだろうか。こんなもん無視だ。

「じゃあ俺個人を狙ったものと言いたいのか? 凪優は」
「まぁね。なんの恨みで……というか恨みが動機さえも不明だけどね」

──ピポピポピポピポピピピピピピピンポーン! ピポピポピンポーン!

インターホンは「太鼓の達人」じゃないんだよ。なんでそんな連打するんだよ。そんなに連打したってハイスコアなんて存在しないのに。
それに呼び鈴が五月蠅いったらありゃしない。これじゃ話どころじゃないやん。誰なのよ。一体。こんな事する阿呆は。

(##゜Д゜)イライラを必死に理性で抑えつつ、凪優はソファから立ち上がる。そして玄関まで数歩を数えてから、ドアを開けた。
直後、彼女の視界に入ったのは──記憶に真新しい、一人の少女。

「遅い! あたしがチャイム押したら5秒以内に出ること!」
「無茶言うなって……。ラピュタより短いのは有り得ないし、そして住人が出てくるまで待つの。それフツーだし一般常識」
「なによそれ……って、げぇ凪優!?」
「人を見ていきなり『げぇ!?』はないんじゃないの、アリア!? 失礼にも限度があるんだけど。それとももう一回OHANASHIする? 私は一向に構わないのだけど」

そう、神崎・H・アリア。朝のホームルームでの問題児であるからして、最終的には凪優に(シメ)られたのだが……どうやら、トラウマにはなっているようで。アリアは小さくたじろぐと、

「ごめん、それだけは本当にやめて。えっと……話は変わるんだけど、トイレどこ?」
「トイレなら右手の2番目の部屋」
「そう、ありがと。あとキンジ、居るんでしょ? トランクを中に運んどきなさい!」

礼を手短に言って小走りにトイレに入るアリア。かと思えば、リビングにキンジが居ることまで察知したのか、入りざまに叫び捨てた。
それを聞いたのか、キンジがリビングから歩いてくる。

「おい、凪優。勝手に神崎を家に入れるなよ……」
「あぁ……ゴメン。ノリでついつい迎え入れちゃったわ。そうそう、キンジもアリアのこと下の名前で呼んだほうが良いわよ」
「ノリで行動するなよ……。ってか、『トランク』って、どれの事だよ……」
「あれの事じゃないの?」

そう言って凪優は、玄関先に鎮座する明らかなブランド物のロゴ入りの、小洒落たストライプ柄の車輪付きトランクを指さす。
そのまま手をひらひらと翻しながら、凪優は平然と告げた。

「ちょっと、作業も進めなきゃだし部屋戻るわ。何かあったら呼んで」
「あ、ああ……」

そう言ってキンジと別れ、リビングにある資料を取りに行って自室に戻る。
えっと……今朝の爆弾事件の報告書上がったら、次は戦姉妹(アミカ)制度とクエスト関連の資料制作だっけか。まさか、戦姉妹(アミカ)制度の生徒側主任──という名の副監督に就任するとは思わなかった。

そして、クエストの受注受け取りとランク毎に分類・開示する作業も頼まれるとは思わなかった。私、この年齢で早くもワーカーホリックになりつつある現状である。

だが、文句を言って仕事が減るわけでもなく、寧ろ増えそうなので、ここは頑張るとしよう。
暫く作業に集中して……ようやく一段落したのでデスクで背伸びを一つ。
そして時計を見る。デジタル方式の電波ソーラーの時計の時間は、16時42分を表示していた。

「もうこんな時間か……」

そう呟き、リビングに向かう。もうそろそろ宅配業者が来る頃だろう。私がリビングに到着すると、アリアは窓周辺を陣取るなり──

「キンジ、凪優。あんた達、あたしのドレイになりなさい!」

──私とキンジがアリアの奴隷になれという爆弾発言を行った。
その言葉に思考停止する私とキンジ。

……え? は? ドレイ?? ……ありえない。パートナーならまだしも、何故に奴隷なん……。もういいや。考えるのは止めた。考えれば考えるほど鬱になってきそうだ。だから……思考放棄でいいよね。うん。

「ほら! さっさと飲み物くらい出しなさいよ! 無礼なヤツね!」

無礼者はどっちなのよ……。全く。そして客人が偉そうにするんじゃねぇ。イラッと来るんだよ。

「コーヒー!エスプレッソ・ルンゴ・ドッピオ!砂糖はカンナ!1分以内!」

更に私のイライラが募るようにアリアの無茶振りである。

「1分以内って無茶言うなって」

私は怒りを通り越して呆れの境地だったので、大きな溜息を吐きつつ、口を開いた。

「何でよ!?」

私の言葉に不満だったのか、アリアが喰ってかかる。

「カンナが今切らしてて宅配便が来ないと無い。あと、豆挽く所からするから1分以上かかる」
「あ、そう。じゃあなるべく早くね」

私のぐぅ正論にイマイチ納得していなかったようだけど、一応納得して引き下がるアリア。

──ピン、ポーン……。

「宅配便でーす」

そして、それを見計らったかの様に来る宅配便である。

「はーい」

デフォな返しをしつつ、リビングから玄関に向かう私。
そして、扉を開ける。そこには19歳くらいだろうか。そんなに私と年齢は離れていない女性配送員が居た。

「こちらにハンコかサインを……」

宅配便のおねーちゃんは受取伝票の記入を私に求めた。

「あ、はい」

受け取り受諾の記入箇所に、玄関に備え付けていた「宅配便受け取り専用」の判子を押す。

「毎度ありがとうございました!」
「ご苦労様ですー」

荷物を私が受け取り、ベターな挨拶を交わした後、宅配便のおねーちゃんは去っていった。

「じゃあ数分待ってて。アリア」

ズッケロ・ディ・カンナ(zucchero di canna)(キビ糖)の業務用袋が入った段ボール箱を抱え、キッチンに向かう私。
一応、アリアへと了承の意を確認しておく。

「うん」

アリアの了承得たし、早速作るとしよう。アリアは「通常の2倍程度の大量の水で抽出」する『エスプレッソ(Espresso)ルンゴ(Lungo)』か、「通常の2倍程度の量の豆を使用」する『エスプレッソ(Espresso)ドッピオ(Doppio)』がご所望だったな。

……よし、今回はドッピオの方にしますか。

先ずは豆の準備だ。今回は「アラビカ種6:ロブスタ種4」の配合率な「クィートエスプレッソバー」にしよう。この豆はクレマたっぷりの濃厚でしっかりした味わいが特徴だ。

この種類は「フルシティーロースト」と呼ばれる焙煎が成されている。
「フルシティーロースト」。この焙煎は酸味がなくなり、焦げ臭さも強くなるのが特徴である。「炭火焼珈琲」に使用される豆と同じ程度の焙煎度といえば解るだろうか。

豆が決まったら、次は豆を挽く作業に移る。エスプレッソを淹れるにあたって、この豆を挽く作業が一番重要なのだ。この作業で完成品のエスプレッソの味が決まるといっても過言ではない。

「グラインダー」呼ばれる機械で豆を挽いていく。今回淹れるのはエスプレッソだから、粒子の大きさが白砂糖程の大きさになる「極細挽き」が良いだろう。

豆を挽き終わったら、粉が新鮮な状態なうちに、エスプレッソマシンの「ポルタフィルター」と呼ばれるフィルターに詰める「ドーシング作業」。
詰め終わったら、ホルダーの側面を軽く手の平で叩き、粉を水平に慣らすという「レベリング」作業だ。
慣らしたら、「タンピング」という作業に入る。

「タンパー」と呼ばれる重しでホルダーの上から真っ直ぐに力一杯押す。
タンピングが終わり、ホルダーのヘリに付着している余分な粉を綺麗に払う。

次にエスプレッソマシンの抽出ボタンを押して湯通しをしておく。
湯通しが終わったらホルダーをマシンに優しくセットする。
優しくセットしないと今までのタンピング作業が水泡に帰す事になるので、注意せねば。

ホルダーの下部にカップをセットし、マシンの抽出ボタンを押す。
ボタンを押して4~5秒位でとろりとした液体が出始める。
そして徐々に濃い茶色だったものが淡い茶色になっていく。大体、ボタンを押してから30秒後、抽出が完了し、「エスプレッソ・ドッピオ」の完成だ。

完成したエスプレッソに「ズッケロ・ディ・カンナ(zucchero di canna)」を添えてアリアの下に配膳する。

「ほい。お待たせ。エスプレッソ・ドッピオね。」

アリアは差し出された「エスプレッソ・ドッピオ」を受け取り、口にする。

「ありがと・・・・・美味しい。凪優は淹れるの上手いわね」

私の淹れた珈琲はアリアに大絶賛だったようだ。

「まぁ、毎日コーヒー淹れてるしね。貴族様の口に合って良かったわ」

私もそう言って、先ほど淹れた珈琲を口にする。

「なぁ、凪優、何でアリアが貴族だって解るんだ?」

キンジが珈琲カップ片手に私に尋ねた。

「まぁ、以前調べたことあったし。あと雰囲気」
「ねぇ・・・二人共」

私とキンジの会話を遮るようにアリアが発言した。

「どうしたのよ、今度は」
「おなかすいた」

アリアの言葉に私は時計を見る。壁の時計の時刻は17時46分だった。

「あー、もうそんな時間だっけ。今から作るわ。夕食」

私は夕食を作るべくキッチンに向かう。

「ねぇ・・・・」

キッチンに向かう私をアリアが呼び止めた。

「今度は何?」
「凪優ってももまん作れる?」
「え、ももまん?そりゃ、作ったことあるし作れるけど……」
「じゃあ、あたしそれ食べたいな。作って」
「はいはい。じゃあ今日は中華かしらね?」

私は返事をし、キッチンに向かった。先ず、ももまんから作ろう。だって、発酵に1時間くらい要すし。ももまんの材料は薄力粉100g、ドライイースト1g、砂糖10g、水50ml、餡(蓮の実餡)200g(※分量4個分)だっけか。

今回はアリアもいるし、400個くらい作っとけば十分っしょ。
先ずはふるった薄力粉、砂糖、ドライイーストに水を少しずつ加え、生地が滑らかになるまでしっかり捏ねる。

次に400等分にして薄く広げた生地に、400等分にして丸めた餡を乗せて、桃型に包む。この作業が私は結構楽しくて、至福な時だったりする。

食用色素等(分量外)で薄く色を付けてから霧吹きをして、1時間ほど発酵させる。
発酵させてる間に他の料理を作る。

今日のメニューは麻婆豆腐・海老点心・小籠包・中華ちまき・胡椒餅(フージャオピン)棒棒鸡(バンバンジー)青椒肉絲(チンジャオロース)・焼餃子・乾燒蝦仁(エビチリ)・酸辣湯・杏仁豆腐・芒果布丁(マンゴープリン)、それにももまんである。

かなりの品数だが、私にとってはどうってことない。これより多い満漢全席を一人で作ったことあったからね。ただ……コンロが2つだと捌ききれないので、あの手を使う。

私はキッチンのガスコンロ横にある部屋の扉を開く。その部屋にあったのはガスコンロ46個。ただそれだけである。
そう。この部屋は「ガスコンロ部屋」である。
この部屋は当初はなかったが、依頼報酬でタダで増設してもらったのだ。

因みに、それと同じく依頼報酬で「燻製部屋」と「石窯」と「冷蔵庫部屋」と「発酵部屋」も増設してもらった。
今回は「発酵部屋」と「ガスコンロ部屋」を駆使して夕食を作ろうと思う。さて、ここからが本番だよ……。

1時間半後、全てが完成し、夕食となった。
ただ……あまりにも作り過ぎてしまった為、とてもじゃないが3人で食べきれる気がしない。

なので、理子・白雪・武藤・不知火・文ちゃん・蘭豹・綴・ゆとり先生も呼んだ。
そして、皆で私が作った満漢全席に舌鼓を打ったのであった。

余談だが、アリアは1人でももまんを100個食べていた光景に皆がドン引きしたのは今日ここだけの話である。

続くんだよ。 
 

 
後書き
葵 「皆様、お久しぶりです。今回はいかがだったでしょうか」
理子「今回は結構加筆修正多かったね。あおちー」
葵 「おーよ。かなりの修正箇所の多さだったわ」
理子「そういえばさ、あおちー」
葵 「何?」
理子「あおちーは普段、珈琲とか淹れるの?」
葵 「え?リアルじゃ全くしませんけど?」
理子「( ̄□ ̄;)!!!?」
葵 「うん。マジもマジ。そもそも珈琲自体あんま飲まないし」
理子「じゃあ、何でこんなに詳しい描写できたのさ!?」
葵 「そんなのググったに決まってるでしょ」
理子「じゃあ、それ書く時って・・・」
葵 「お察しのとおり、頭パンクしそうだった・・・・」
理子「やっぱり・・・・。慣れない情報ばっかりだもんね」
葵 「全く知らん情報や語句のオンパレードだしぃ・・・・」
理子「・・・・ん?ちょっと、ちょいストップ!あおちー!!」
葵 「え?」
理子「このままだと、この後書き、あおちーが延々と愚痴るだけになってしまうよ!?」
葵 「・・・あっ・・・・・」
理子「だからさ、此処は一度〆めよう?ね?愚痴は後で聞いてあげるからさ」
葵 「あ・・・うん・・・そうだね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
花梨「と、言う訳で、これからもよろしくお願い致します!」
理子「それでは、また次回」
葵 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」]
葵 「なんかまた一人増えた!?」
花梨「だって出番少なくてヒマなんだもん」
理子「またそんな理由!?」
葵 「ってか、毎回ここに来るの?」
花梨「うん。ってかレギュラーになっても良いよね!!」
葵理「えぇ!?Σ(゚д゚lll)」

まさかの花梨(瑠璃神)のレギュラー出演化が決定したあとがき⑤ 完 

 

第005弾 凪優とキンジとアリア@Night

 
前書き
結衣 「久々の私です」
翠  「そして久々のアタシだ」
結衣 「・・・・・・・なにこの始まり方は」
翠  「知らんがな。お前が発端だろうが」
結衣 「ホントに前回サボったのに出番あって良かったわ」
翠  「ホントにな。よくもまぁもう一度巡ってきたわけだ」
結衣 「次サボタージュしたらどうなるんだろう・・・・・」
翠  「さぁ・・・・・どうなるんだろうな」
結衣 「怖いね」
翠  「だな」
結衣 「・・・タイトルコールしちゃおうか」
翠  「そうだな。第005弾」
結衣 「『凪優とキンジとアリア@Night』」
結衣翠「「どうぞ!!」」

体育座りしてそうな2人がお送りしたまえがき⑥ 完  

 
「・・・・ていうかな、『ドレイ』ってなんなんだよ。どういう意味だ」
強襲科(アサルト)であたしのPT(パーティー)に入りなさい。そこで一緒に武偵活動するの」
「・・・要は『パートナーになれ』ってこと?・・・・なら、私は別に構わないけど」
「ホント?引き受けてくれるの?」
「ええ。嘘はつかない。別に強襲科(アサルト)で他のPT(パーティー)に加入する予定はないし」
「ありがと。・・・・・で、キンジの方はどうなの?」
「何言ってんだ。強襲科(アサルト)がイヤで、武偵高で一番マトモな探偵科(インケスタ)に転科したんだぞ。
 それにこの学校からも、一般の高校に転校しようと思ってる。武偵自体、辞めるつもりなんだよ。それを、よりによってあんなトチ狂った所に戻るなんて―《《ムリだ》》」
忘れているのか、キンジよ。私も(情報科(インフォルマ)と兼科の)強襲科(アサルト)所属なんだけど?
まぁ、『トチ狂った所』に関しては全否定できないけど。
「あたしにはキライな言葉が3つあるわ」
「聞けよ人の話を」
「『ムリ』『疲れた』『面倒くさい』。この3つは、人間の持つ可能性を自ら押し留める良くない言葉。あたしの前では二度と言わないこと。いいわね?」
そう言ってアリアは87個目のももまんをはむっと食べて、指についた餡を舐め取った。
しかし、アリアの食べっぷりは見事だ。
こうも美味しく食べてもらえると作り手の冥利尽きるって物だ。
「キンジのポジションは―そうね、あたしと一緒にフロントがいいわ」
「私は・・・・?」
「凪優は・・・臨機応変にかしらね。だって未知数すぎるもの」
「そう・・・・。」
「よくない。そもそもなんで俺なんだ」
フロント・・・フロントマンとは武偵がPT(パーティー)を組む際における前衛のことで、負傷率が断トツに高い危険なポジションである。
「太陽は何故昇る?月は何故輝く?」
また、いきなり話が飛躍してるな・・・・。
「キンジは質問ばっかりの子供みたい。仮にも武偵なら、自分で情報を集めて推理しなさいよね」
子供みたいななりのアリア(あんた)だけには言われたくないな。
「〈うん。まったくもって同感〉」
「あら、もう大丈夫なの?」
「〈大方回復してるから無問題(モーマンタイ)〉」
「ネタ古・・・・」
「〈わかってるっての。言うなし〉」
どうやら、アリアの会話手法に気づいたキンジは対話手法を変えた。
「会話のキャッチボールが成り立たないのでこちらも要求を単刀直入に突きつける」的な感じで。それ故かキンジの話す態度も少し横柄になっていた。
「とにかく帰ってくれ。俺は1人で居たいんだ。帰れよ」
・・・・私はどうしろと?私も出て行けと?
「〈今の場合は凪優は対象外だし気にしなくてもいいでしょ〉」
そっか一安心・・・・・。
瑠璃の言葉に安堵する私。マジ焦った・・・・。
「まぁ、そのうちね」
「『そのうち』って何時だよ」
「キンジが強襲科(アサルト)であたしのPT(パーティー)に入るって言うまで」
「でももう夜だぞ?」
「何が何でも入ってもらうわ。《《私には時間が無いの》》。うんと言わないなら―」
「《《私には時間が無いの》》。」・・・・・??
何か引っかかるな・・・・。後で兄様に連絡しておくか。
「〈ねぇ、どうかしたの?凪優〉」
「え!?あ、ううん。何でもない。どうかしたの、瑠璃?」
「〈ああ。今、私はとてつもなく嫌な予感がするんだが・・・・・〉」
「奇遇ね。私もそんな気がするわ。瑠璃」
「言わねーよ。なら?どうするつもりだ。やってみろ」
毅然とした態度で断り、煽るキンジ。
「〈なぁ、凪優。アイツは莫迦か?とてつもない阿呆か?〉」
「言うな。思ってても黙ってた方が良い」
「アリアは大きな眼でぎろりとキンジを睨み、
「言わないなら、泊まっていくから」
私の中で考えうる最悪な答えをアリアは言い放った。
私は最早溜息しか出なかった。瑠璃も同様である。
キンジは頬が痙攣を起こしたかのように引きつっていた。
「ちょっ・・・・ちょっと待て!何言ってんだ!絶対ダメだ!帰れ・・・うぇっ」
ぅおい!何リバースし(吐きかけ)てるの!?汚いし、掃除も大変だし、するなよ!?
したら〆るかんね!?
「〈必死だね・・・・・〉}
「当たり前だ!」
なんとかリバースせ(吐か)ずに済んだ・・・・。
一安心・・・・。
「五月蝿い!泊まっていくったら泊まっていくから!長期戦になる事態も想定済みよ!」
m9っ`Д´) ビシッ!!
と、玄関のトランクを指さしつつ、キンジを睨みキレ気味に叫ぶアリア。
やっぱり宿泊セットだったのか。トランク(アレ)
「やはりさっきの言葉の意図に答えが・・・・?」
そう考えていたら、
「―出てけ!」
キンジではなく、アリアが何故かその台詞を発していた。
「な、なんで俺が出て行かなきゃいけないんだよ!ここはお前の部屋か!」
「分からず屋にはおしおきよ!外で頭冷やしてきなさい!暫く戻ってくるな!」
なんか喧嘩が始まっていた。
もう、勘弁せぇよ・・・・・・・。
「〈どうにかしないの?凪優〉」
「仕方無い・・・・・・。」
そう言ってアリアの背後に行き、首根っこを掴んで空き部屋にぶん投げる。
ぶんっ!
ぼすっ!
クッションに着地したのを確認し、その部屋の扉を閉める。
「ちょ、いきなり何すんのよ!」
「煩い。自業自得だ。てめーもそこでしばらく頭冷やしてろ。時間になったらそこから出してやる。いいな?」
「・・・・・・・・・はい」
私の怒気に気圧され黙るアリア。
「キンジはこれ持って2時間ほど外出してこい。」
そう言ってキンジに(キンジの)財布とケータイを投げ渡す。
「あ、ああ・・・・・。」
そう、釈然としない返事を返し、外に出るキンジ。
「・・・・ったく、もう・・・・・」
キンジを見送り、深い溜息をつく私だった。

✽✽✽✽✽✽

続くんだよ 
 

 
後書き
葵 「さて、いかがだったでしょうかっと」
理子「ここでは久々だよね。理子達って」
花梨「そりゃそうだよねー。復旧後1発目だもん」
理子「今回から最後の方だけじゃないんだね、るーりん」
花梨「うん。あとがきでレギュラーに昇格したからね」
理子「おろ、何時の間にしたのさ。あおちー」
葵 「結構最近出てるしもう、レギュラーでイイでしょ的な?」
理子「ノリだったんだ・・・・・」
花梨「葵ってばよくその場のノリで行動すること多いよね」
葵 「言わんといて」
理子「それを無計画というんじゃないかな」
葵 「わかっとるわぃ。言われると余計凹むっての」
花梨「凹まれると厄介だし最後の挨拶行こっか、理子ちゃん」
理子「そだねー、るーりん」
花梨「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰です。皆のこの話を読んでの評価で葵は執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいです!」
葵「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだよ!」
花梨「それでは、また次回」
葵 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」]

今回はまともなあとがき⑥ 完 

 

第006弾 平穏なき夜 Side_Nayu

 
前書き
結衣 「おひさー。姫神結衣だよ!」
翠  「久しぶりだな。翡翠・・・基、椎名翠だ」
結衣 「このリメイク版もやっとできたんだね」
翠  「筆者のモチベーションが上がってこなかったんだから仕方ないだろう」
結衣 「葵のせいか・・・。葵だし仕方ないよね」
翠  「おま・・・大丈夫か?そんな事堂々発言して」
結衣 「大丈夫でしょ。どうせ(自虐)とか表記してネタにするだろうし」
翠  「( ゚д゚)ハッ!・・・どうだかな」
結衣 「え・・・?どゆこと?」
翠  「葵はさ、『お前だけには言われたくない』って言ってたぞ?」
結衣 「・・・・・マジ?」
翠  「マジで。このまんまだと出番減らされるぞ。まぁ・・・その前に」
結衣 「『その前に』って何があるのさ!?」
翠  「水牢は確定だろうな。・・・・・4時間」
結衣 「・・・・・/(^o^)\」
翠  「\(∵)/オワタしてるんだったら、早よ謝ってこい。タイトルコールは私がやっとくから」
結衣 「( ゚д゚)ノ ヨロ」

~結衣退場~

翠 「『第006弾 平穏なき夜 Side_Nayu』、どうぞ!!」

結果は水牢8時間の刑になった結衣と知ってて言わなかった翠がお送りしたまえがき⑦ 完 

 
「ねぇ凪優、もうそろそろ依頼に出る準備しとかないと・・・・」
休眠を終えて、回復した瑠璃が花梨の姿で実体化し、私に準備を促した。
花梨の方はもう準備完了のようだ。
「あっ、もうそんな時間か・・・・。だったら、行く前に白雪にメール送っておかないと」
私はS研の授業が終わったであろう白雪にメールを送るべく、スマホを取り出す。
今から行く依頼終了後は教務科に提出する仮報告書をゆとり先生の所に持って行って、その後蘭豹と綴先生のおつまみ作り、それが終わったらクエスト掲示板の更新作業、それと同時進行で報告書作成、戦姉妹関係の書類まとめ・・・・と、書類仕事中心に仕事が山積みである。
「・・・・・・何気にワーカーホリックだよね。凪優って。まだ学生なのに」
花梨が私の考えを察したのか呆れた表情でそう言った。
「そういうのは言わない方がいいのよ。経験上。ま、胃薬が要らないだけマシだわ」
今のところ、胃薬を服用するレベルまで行っていないので助かっている私である。
「いや・・・・それが基準なの・・・・?」
私の論に溜息の花梨。
「重要よ、結構。だってさ、結衣が居た時なんてさ・・・・」
「待って、待って。愚痴なんか聴きたくないから、私。凪優は時間ないんでしょ!白雪にメール送るんならさっさと送ったらどうなの?」
「むぅ・・・・花梨、なんなのその言い草は。・・・・言われなくてもわかってるわよぅ・・・」
私は白雪宛てにメールを作成する。
今みたいに明日の朝食が作る余裕が無い時にヘルプしてくれるのって、私的に超有り難い。
それを嫌な顔をせずに引き受けてくれる白雪はマジでネ申..._〆(゚▽゚*)
全くもって『ゆきちゃん様々』である。

〉白雪、S研の授業終わったの?

私が一文メールを送信。

〉うん。今終わったところ。どうしたの?

すると、瞬時に既読が付いて、直様に白雪からの返信が来る。

〉ちょっと今から依頼あってさ、明日の分の食事とか頼めないかな?と思って。

私も直ぐに既読してからの返信を送信。

〉うんいいよ。明日の朝と昼の分でいいよね?

先程の返信到着より早い今回の返信到着である。
文字数的に今回の方が多いのに返信到着が早い・・・・・。
謎だ・・・・。

〉そうそう。その2食で大丈夫よ。何時もアリガトね、白雪

私が日頃のお礼も込めての一文を送る。

〉お礼なんていいよ。作って直接持っていこうかなって思うんだけど・・・

と前回の返信より文字数が多い一文が前回より短い時間で来た。
文字数と返信時間の短縮が比例してるってΣ(゚Д゚)スゲェ!!わ。

〉( ゚Д゚)ゞ リョーカイ!!
 今日はおつまみ作りやらなんやら有るから2時間くらい掛かるかも。
 それくらいの時間だと大丈夫かな。

少し長い文章を送る。顔文字付きで。

〉わかったよ。
 今から2時間半後位に凪優ちゃんとキンちゃんのおウチの方に持ってくね。
 凪優ちゃん、お仕事頑張ってね!(#  ̄ー ̄)〇

私の送ったメールと同じくらいの文字数のメールが顔文字付きで先程の返信より短い時間で送られてきた。
顔文字付きでしかもさっきより短い時間で送るとか白雪さん、マジでやりおるわ(;゚Д゚)!

「凪優ー?遅刻したらシャレにならないよ?」
私のメールが中々終わらないので花梨が催促した。
「わかってるって、花梨。じゃあ行くか・・・・」
私は既読の終わったスマホをしまい、リビングを後にする。
「うん!あ、凪優、アリアに一声掛けておいた方がいいんじゃないの?」
リビングを後にする私の横でキッチリ腕をホールドしている花梨が私にアドバイスを送る。
「・・・・そうね。そのほうがいいわね」
私は花梨の助言に従い、ぶん投げたアリアに一応声はかけておく事にした。
「アリア、少しは頭は冷えた?」
「・・・うん」
私の問い掛けに一言だけ帰ってくる。
私の機嫌を損なわぬように考えた結果だろう。きっと。おそらく。メイビー。多分。
「そう・・・・。今から私は依頼があるから行ってくるから。その間にお風呂でも入っちゃいな」
私は伝言を手短に済ます。
「・・・わかった」
アリアから了承の返事が返ってくる。
「じゃあ行ってくるね」
「・・・・いってらっしゃい」
ぱたんっ
アリアからの「いってらっしゃい」を聞いてから私はドアを閉めた。
「どうだった?アリアの方は」
花梨が心配そうにアリアの様子を私に尋ねた。
「ま、大方大丈夫でしょ。時間経てば元通りよ」
私は「心配ない」と花梨に答える。
「そっか・・・・」
花梨はどこか安堵したような表情だった。
「いい加減に行きましょ?依頼者待たすのは流石にマズイからね」
「そう・・・だね・・・」
私の言葉に花梨は頷き、私達は依頼者の下へ急いだ。


私が愛車のカワサキZZR1400(2008年仕様)を走らせること、7分。
この地元で結構有名な建設会社、『旭翔建設』に到着した。
ビル内に入り、受付を済ませて最上階の会議室に行くと、
その会社の社長・旭野(あきの)將文(まさふみ)(26)が上座に着席していた。
私はその対の席に着席する。
「今日も来てくれてありがとうございます」
「いえいえ。依頼ですし」
「依頼とはいえ、此方が助かっているのも事実ですよ」
「そう言ってくれると私も嬉しいですね。で、この資料にあるのが・・・・?」
「はい。此処が今日の対象です」
「成程。確かにこれはお灸を据える必要がありそうですね」
「引き受けてくれますよね?」
「ええ。少しお話してきますね☆」
「よろしくお願いします」

依頼者である社長と事前の打ち合わせを終わらせ、会議室を後にする私。
旭野さんには裏の顔がある。
その一面とはこの辺周辺のヤクザを締める元締め。
大半の団体は素直に従うが、その中には偶に彼の手に負えないやんちゃ団体がいるわけで。
その団体の粛清の依頼が私に来る。名指しで。
教務科の方もこの依頼を達成した際の報酬が破格と言う位に良いので「断ったら(・x・)コロヌ」状態。
その状況に「第9条あるだろ」と野暮なツッコミはしない。
旭翔建設ビルから徒歩数分。
目的地の「槇島組総合事務所」に私は到着した。
裏口から潜入とかはしない。
もう真正面からの突破。
に決まってるじゃないですか。
「毎度でーす」
挨拶した私を迎えたのは
「ザッケンナコラーッ!」
「スッゾコラー!」
「チェラッコラー!」
「ルルァックァラー!」
「ワドルナッケングラー!」
「ワメッコラー!」
「ドカマテッパダラー!」
ヤクザスラングを喚く構成員の皆様でした。
「えっと、少し O☆HA☆NA☆SHI しましょうか?」
とびっきりの笑顔で言い放つ。
もう、構成員の皆様には死なない程度に無事は保証しない。

✽✽✽✽✽

1時間半後、私はお話(物理)を終わらせて、旭野さんに報告し、次の目的地に向かっていた。
「今回の達成報酬も凄かったね・・・」
依頼が終わり、私と2人なので、実体化した瑠璃(花梨)が話し掛けて来た。
「確かに。『女子寮新棟の建設(工事費等は旭野さんの会社持ち)とトヨタFT86(新車)の進呈』だっけ」
私がその依頼報酬の内容を思い出す。
「相変わらずの破格っぷりだね」
花梨が苦笑気味に言った。
「うん。言うな」
これ以上突っ込むなと言わんばかりに私は返した。
「・・・・で、次どこだっけ?」
「蘭豹とゆとり先生のところ」
「あ、そう・・・・」
そう言って花梨は押し黙ってしまった。
以前、実体化してたら知らぬ間に蘭豹に目をつけられていたからな。
出会う度に戦闘を申し込まれてるから、おそらくは苦手意識があるんだろう。
蘭豹のしつこさ的な面で・・・・。

✽✽✽

ぴんぽーん
蘭豹とゆとり先生が暮らすシェアハウスの呼び鈴を鳴らす。
「はいはーい。どちらさまですかー?」
「私です。水無瀬凪優です」
「あ、水無瀬さん。いらっしゃい」
私を出迎えたのは担任教諭の高天原ゆとり先生だった。
ほんわかして、武偵校の教師には不向きだと思う事無かれ。
その実、「血濡れ(ブラッディー)ゆとり」の異名を持つ元・凄腕傭兵なのだ。
過去に私もガチで闘った事があるのだが、あれ程の猛者は居なかったと断言できる。
「おう、来たか。さっさと作れや」
私の存在に気付いた蘭豹が「肴を早よ作れ」と催促する。
「了解です。キッチン借りますね?あ、あとゆとり先生これ・・・」
「あ、さっきの依頼の仮報告書ね?」
「はい」
「わかりました。これは預かっておきますね」
「おねがいします」
ゆとり先生に先程の依頼が随分早く終了し、時間が余ったのでその時に作った仮報告書を渡す。
その後、私は蘭豹先生の酒のつまみを作り、帰宅した。
そのおつまみは蘭豹とゆとり先生が取り合いになり、喧嘩に発展し、更に全部食われた怒りで乱入した綴で大乱闘が勃発する位に大絶賛だったそうな。

✽✽✽✽✽✽

続くんだよ。 
 

 
後書き
葵  「さて、如何だったでしょうか・・・・っと」
理子 「前のリメイク版投稿した時からすんごい空いたね」
花梨 「ざっと、2.5ヶ月位は確実に空いてるよね」
理子 「その間って何してたのさ」
葵  「んーと、他の作品書いてたり、リメイク元の方に最新話投稿してたりしてた」
理子 「完全にサボってたわけじゃなかったんだね」
花梨 「それでも、筆は乗ってなさそうだけど・・・・・葵って気紛れ酷いし」
葵  「うぐぅ・・・・花梨の言うとおり何ていうかな。・・・・モチベの問題もあるわ」
理子 「やっぱりあったんだ・・・・・」
葵  「まーね。1話書き上げて投稿した後しばらくはモチベ上がんねぇのよ」
理子 「燃え尽きてんじゃんか・・・・ソレ」
花梨 「再点火(イグニッション)するのにも相当時間掛かるんだよね」
葵  「そうそう・・・・翌日ならかなり早いほうだしな」
理子 「それじゃあ・・・・この次のお話のリメイク作業、早めに完了頼むよ?」
葵  「・・・・・きっと、多分、めいびー」
花梨 「(゚Д゚)ノ」
葵  「ナンノコトカナァー(棒」
理子 「うわ、あからさまだ」
花梨 「駄目だ・・・・・早く何とかしないと」
葵  「そんなことよりミスラと・・・・じゃなかったわ」
理子 「何故にミスラ?」
葵  「タイプミスをそのまま使っただけ。意味はない」
花梨 「ねぇ・・・・謝辞行かないの?」
葵  「おっと。そうだった」
理子 「忘れてた(。・ ω<)ゞてへぺろ♡」
花梨 「酷いね。貴女達」
葵  「えっと・・・・この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰です。皆のこの話を読んでの評価で私は執筆頑張れますので今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいです!」
理子 「あおちーのモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定なんだけど、次回もなるべく間隔が空かないように頑張るからよろしくなんだよ!」
花梨「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします」
理子「それでは、また次回」
葵 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」]

この作品も3年目に突入して最初のあとがき⑦ 完 

 

第007弾 平穏なき夜 Side_Aria&Kinji &After

 
前書き
アリア 「皆さん、こんにちは。原作ヒロインの神崎・H・アリアよ」
レキ  「皆さん、こんにちは。ヒロイン枠のレキです」
アリア 「まさかのあたしがまえがきやるとは思わなかったわ」
レキ  「・・・・・・・・」
アリア 「これも作者なりの考慮なのでしょうけど・・・・」
レキ  「・・・・・・・・」
アリア 「えっと・・・、どうしたのよ、レキ。さっきから黙っているけども」
レキ  「出番増やすと言ったのに私の出番がありません」(真顔)
アリア 「えっ・・・・」(困惑)
レキ  「それに居るはずのハイマキも居ません」(真顔)
アリア 「ハイマキの出番はもっと後じゃないかしら・・・?」(困惑)
レキ  「なので、今からハイマキ捕まえに行ってきます」
アリア 「えっ・・・・ちょっと、レキ!?何処行くの!?」
レキ  「ですから・・・・横浜あたりにハイマキを捕えに・・・」
アリア 「止めなさい。っていうか、オオカミが横浜に居るの!?」
レキ  「さぁ?」
アリア 「不確かなら止めときなさい。それに未だまえがき終わってないわよ!?」
レキ  「そんなの・・・・どうでもいいです( ̄ー ̄)bグッ!」
アリア 「ドヤ顔でなんて事を!不謹慎すぎるわよ!?」
レキ  「じゃあ、どうすればいいんですか」(真顔+逆ギレ)
アリア 「タイトルコール終わってからにして!ってかなんで逆ギレしてるの!?」
レキ  「そんなのどうでもいいです。さぁ、タイトルコールを」
アリア 「あたしって間違ってないわよね・・・・?ねぇ・・・・?」
レキ  「アリアさん?」
アリア 「睨まないで!もぅ・・・・。『第007弾』」
レキ  「『平穏なき夜 Side_Aria&Kinji &After』」
2人  「「どうぞ!!」」
レキ  「では、私はハイマキ捕まえに行ってきます」
アリア 「もう・・・好きにしなさい」
レキ  「はい。それでは失礼します」
アリア 「ええ・・・・。って、もう既に居ないし・・・・」
アリア 「(´Д`)ハァ…なんかとっても疲れたわ・・・。白雪に癒してもらおうかしら・・・」

この後、横浜でコーカサスハクギンオオカミの大脱走劇が勃発したまえがき⑧ 完 

 
(第5弾でキレた凪優に部屋へ投げ込まれた直後のおはなし)

Side_Aria_H_Kanzaki

・・・・何故にあんな事しちゃったのかしら。
もう、朝の時点で凪優を怒らせちゃいけないって解っていた筈なのに。
もうあれもこれもバカキンジのせいよ!
あー、考えていたらなんかイライラしてきた。
今すぐにでも風穴を開けてやりたい気分だわ・・・・。
でも、またやりすぎると凪優が怒る・・・・。間違いなく。
そうなれば、あたしのトラウマがまた再燃しそうだし、おとなしくしておこう・・・・。
そう思ったあたしはソファーにあったクッションに顔を埋めた。

それと同時だった。
あたしが居る部屋の扉が開いのは。
一体、誰だろう・・・・。
バカキンジだったら風穴決定。
凪優だったら・・・・おとなしくしていよう。
扉の向こうにいたのはバカキンジじゃなくて凪優だった。

げぇ!?凪優ぅ・・・・!?

凪優は今、怒っていないみたいだけどヘタに機嫌を損ねて彼女の逆鱗に触れるのはマズイ。
あたしのカンが全力を持ってその警鐘を告げている。

「凪優の機嫌を損ねるな。損ねれば己の命は無い」

と。
兎に角、会話の言葉選びは慎重にしないと・・・・・。

「アリア、頭は少し冷えた?」
「・・・うん」

下手に言葉を紡いで余計な事にはなりたくない。
と、いうか死んでも御免被る。
なので、あたしは簡潔に返事を返すことにする。

「・・・そっか。今から私は依頼があるから行ってくるね。私が帰ってくるその間までにお風呂でも入っちゃいな」
「・・・・わかった」

凪優はどうやら依頼先に赴く前にあたしの様子を見に来たのだろう。
そして、あたしの答えを聞いて、凪優は「大丈夫だ」と判断したのだろう。
あたしに「自分が依頼に行く間に入浴を済ませろ」と指示を出した。
あたしはそれを一言で了承する。
それ以上何も言わなかったのは、言ったらこっちの身が保証出来なくなるからだ。

「じゃあ行ってくるね」
「・・・・いってらっしゃい」

あたしは凪優に見送りの挨拶をする。
その直後、部屋の扉は閉じられた。

あぁ・・・・よかった。

あたしの胸中はこの感情のみだけだった。
一安心したあたしはソファー横のマットレスに仰向けの大の字の状態で寝転んだ。
普段であれば周囲の目がある故にこういう事は極力控えるようにしている。
しかし、今だけはこういう行為をしたいのだ。
いや・・・させてほしい。
そう思う程、あたしにとっての怒った凪優は(|| ゚Д゚)トラウマーなのだ。
詳細を聞かれても語りたくもない。
語っている時に語り手のあたしも(|| ゚Д゚)トラウマー再燃確実だからだ。

凪優が依頼で不在故にあたし一人だけになったこの空間でふと考える。
そういえば、武偵高における依頼受注用の掲示板は「一般」と「名指し」の二つがあったっけ。
東京武偵高校・・・・此処では外部からの依頼が多岐に渡って舞い込んでくる。
その依頼は先ず『一般』と『名指し』に区別される。
『一般』とは、東京武偵高校に対する依頼でそのジャンル毎に合った学科に振り分けられる。
そして、その学科の生徒であれば誰でも請け負う事のできる依頼のこと。
対しての『名指し』とは読んで字のごとく。
その依頼を請け負う生徒を依頼主側が指定を行うのだ。
此方側の依頼は『一般』よりも優先度は高くなっている。
その理由は

「武偵憲章第2条 依頼人との契約は絶対に守れ」

と、ある様に外部からの依頼は武偵たる者、絶対に守らねばならない。
いてその依頼を反故にするのはそれに反しているのが理由だ。
例を用いて説明するとしよう。
「名指しで」依頼を行うというのは、その生徒と依頼先の間で契約が発生していることになる。
それを幾ら「一般」を優先にして、その依頼契約を達成したとて、「名指し」の契約を拒否した事実には変わりはないからだ。

凪優が今回請け負った依頼はあれのうちの「名指し」の方の依頼なのかしら?
まぁ、考えるのも野暮ってものよね。
依頼の過度な内容の詮索・干渉は非推奨だもの。
今度、凪優が依頼に行く時はあたしも同行しようかしら?
そうすればこの目で凪優の実力も見ることが出来るわけだし。
それはそれで良いとして。
取り敢えず今は、誰もいないうちにお風呂に入ってこようかしら・・・・。

そう思ったあたしは着替えを手に部屋を出て洗面所に向かった。

Side_Out…




Side_Kinji_Tohyama

何が何だか知らんうちに追い出されてしまった。
反論しようにもあんな凪優の前じゃ拒否なんて出来る訳がない。
しかもご丁寧に財布とケータイも渡されてるし。
俺は近所の繁華街をぶらついた後、夜のコンビニで口を尖らせながらマンガ雑誌を立ち読みをして、立ち読みだけでは悪いので1冊買ってから自室に戻った。
泥棒のような手つきで、玄関の扉をソー・・・・・・・ッと開ける。
ここは他人の家ではなく俺の自宅である。
自宅なのに何故こんな事をせねばならないんだ・・・・?
家主が一番肩身が狭いって可笑しいだろう。
お・・・・?
アリアの気配がしない。
リビング・キッチンも見回すが、姿はない。
凪優が追い返してくれたのか・・・?
まぁいい。とにかく良かった。俺の思いが通じたようだ。
・・・・そういえば、凪優もいない。
あぁ、思い出した。アイツは今日、名指し依頼があるとか言ってたな。
まだ帰宅していないようだ。
そのうち、帰ってくるだろう。
┐(´д`)┌ヤレヤレ と、安堵の息をつきつつ、一応外から帰ってきたので手を洗う為に洗面所に向かった。
ちゃぽん。
洗面所に向かった俺を出迎えたのは、風呂場から聞こえた水音だった。
見れば曇りガラスのドアの向こうでバスルームの電気が灯いている。
うっすらと見えるちびっこい人影は浴槽からにょきっと足を出して鼻歌を歌っていらっしゃる。
ああ、なんだ。アリアは帰ったのではなく、風呂にいたのか。

・・・・・・・・。
・・・・・・・・んん?
今、俺は何と言った・・・・??
風呂・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。
――――はい!?
―――――風呂ぉ!?

俺は音が聞こえるくらいに勢いよく洗面所で後ずさった。
そうか。凪優はこの事を想定して俺を外に出したのか。
なんていうか・・・・気配り上手というか、策士というか・・・・・・。
おそるおそる見下ろせば、プラスチック製の洗濯カゴにはアリアの制服がぶち込まれていた。裏返しになったスカートの内側には秘匿用のホルスターがあり、左右の拳銃が露出している。(一種のガンチラか?)
更にこれも裏返った白いブラウスには2本の短い日本刀が覗いていた。(一種の(とう)チラ?)

人影・・・・もとい、アリアが湯船から出る音がして、俺が心臓が裏返りそうになる。

・・・・・ありえん。
・・・・・ありえんだろ。この状況は。
んな、ラブコメみたくドキドキできるシチュでもない。
これは・・・・ヘタな事をすれば死のデス・ゲームだ。
と、軽くではなく完全にパニクった俺の耳に追い打ちをかけてきたのは―――

・・・・・・・ピン、ポーン・・・・・・・・

慎ましい、ドアチャイムの音。
・・・・・・・・・・。
こ、こんなドアチャイムの鳴らし方をするのは俺の知る限りじゃ一人しかいない。
(し、白雪!?)
まさしく、「前門の虎、後門の狼」な状態である。
あまりにもあんまりすぎる展開に、

「う、うをっ・・・Σ(゚д゚lll)!?」

俺は飛び出した廊下で足がもつれ、壁に思いっきり体を強打してしまった。

「キ・・・・キンちゃんどうしたの!?大丈夫!?」

ドアの外から聞こえる白雪の声。
い、いかん。今の音を聞かれてしまった。これでもう居留守は使えない。

「あ、ああ。大丈夫」

平静を保っている感じを最大限に装って玄関のドアを開けると・・・・・・
緋袴に白子袖―――所謂、巫女装束の白雪が、何やら包みを持って立っていた。

「な、なんだよお前。そんな格好で」

バスルームの方をチラ見してアリアの様子を伺いつつも、ぶっきらぼうに応対する。

「あっ・・・これ、あのね。私、授業で遅くなっちゃって・・・・・・凪優ちゃんに頼まれた食事をすぐに作って届けたかったから、着替えないで来ちゃったんだけど・・・・い、イヤだったら着替えてくるよっ」
「いや、別にいいからっ」

このままにしておくと本気で着替えてきかねないムードの白雪を制止しておく。
「授業」、というのは「S研の授業」のことだろう。
それと、この状況はこの家の同居人が作り出したものなのか・・・・・。

恨むぞ・・・・・凪優・・・・・。

そう思っていたら、白雪が俺に質問をしてきた。

「ねぇキンちゃん。今朝出てた周知メールの自転車爆破事件って・・・・・・あれ、もしかしてキンちゃんのこと・・・・・?」
「あ、ああ。俺だよ」

と、早口に言うと白雪は文字通り・・・・リアルに10cmくらい飛び上がった。

「だ、大丈夫なの!?ケガとか無かった!?て、手当させてっ!」
「俺は無事だからっ!触んなっ」

俺に手当てをしようとする白雪を必死に拒む俺。
白雪が押し寄せている状態なので、何処とは言わないが当たっているのだ。
俺の血流的にもそれは宜しくない。
これでヒスったりなどすれば間違い無く自殺モノだ。

「は、はい・・・・でも良かったぁ、無事で。それにしても許せない、キンちゃんを狙うなんて!私絶対、犯人を八つ裂きにしてコンクリ・・・・・じゃない、逮捕するよ!」
「帰ってきて早々、何故に『八つ裂きにしてコンクリートに埋める』っぽい台詞を聞かなきゃいけないのかな?勘弁してよ・・・・白雪」

なんか白雪の台詞の一部に妙な単語があったような気がしたが空耳だろうと思ったが、丁度帰宅した同居人のセリフで聞こえたのは事実だとわかった。
ようやく、帰宅してくれたか・・・・・。この状況を打破する救世主が。

Side_Out…



Side_Nayu_Minase

「は、はい・・・・でも良かったぁ、無事で。それにしても許せない、キンちゃんを狙うなんて!私絶対、犯人を八つ裂きにしてコンクリ・・・・・じゃない、逮捕するよ!」

おぉう、玄関先からとんでもない語句が聞こえてくる・・・・・。

「帰ってきて早々、何故に『八つ裂きにしてコンクリートに埋める』っぽい台詞を聞かなきゃいけないのかな?勘弁してよ・・・・白雪」

私は呆れつつも、物騒な発言の主、星伽白雪に突っ込んだ。

「あ、おかえり。凪優ちゃん。今日もご苦労様です」
「うん。白雪。・・・・あ、これがそうなの?」
「うん。はい、これ。頼まれていた食事だよ。ついでに凪優ちゃん用の夜食も入ってるから」
「ありがとうね。本当に助かるよ・・・・・」

こういう気配りができる白雪様々だ。
婿になる人は幸せだね。こりゃ。
こんな優良物件そうそういないと私は思う。(愛は重いけど)

「よかった。喜んでもらえて。凪優ちゃんも頑張ってね。無理はしないでね」
「うん。そこの所は最大限配慮するわ」

飽くまで「最大限の配慮」。
「やらない」とは言わない・・・・・つか言えない。
だって、何時何時に依頼が舞い込むか不明だからだ。表も裏も。

「じゃあ、おやすみ。凪優ちゃん、キンちゃん」
「うん。おやすみ白雪」
「おやすみ、白雪」

玄関の扉が閉まる。
白雪は帰っていった。
これでキンジの一難は去ったであろう。

「じゃ、キンジ、私はこれ片付けてくるから」

そう言って私は白雪からの差し入れの食事を手にキッチンに向かった。

「ああ。わかった。俺は『後門の狼』の処理をしてくる」

そう言って、キンジはバスルームへ駆けていった。

「止めないの・・・・・?」

精神体から実体になった花梨が尋ねる。

「止めない。もうどうなろうとも自業自得だし」

私は淡々と介入しない事を告げた。

「まぁ、そう・・・だね。私達が出なくてもいいよね」

それを聞いて何かを察した花梨は私に賛同の意見を述べた。

「ま、そういうこと」

私は花梨の意見を肯定する。

「凪優・・・・・私疲れたしもう寝る。おやすみ・・・・」

花梨は眠気まなこで私に言う。

「実体で寝るのは良いけど、身体の浄化術式と着替え忘れないでよ?」

私は花梨に注意を促す。

「ぅん・・・わかったぁ・・・・」

花梨は覚束無い足取りで自身の寝室に向かったのだった。
私は花梨を見送った後、白雪から貰った包みの中身を保存容器に移し替えて冷蔵庫に入れる。
その作業中にアリアとキンジの悲鳴やら何やらが響いていた。
が、私はそれを知らぬ存ぜぬでスルー。
そんな痴話喧嘩如きにに構っている暇はないのだ。
此方とて色々とやる事はあるのだからな。
これが終わったらまずは兄さんに連絡だな。
そう考え、今の作業を終わらすことに集中した。


「あ、もしもし、兄さん?凪優だけど?・・・うん、ちょっとお願いしてもいいかな・・・?・・・・うん。兄さんに調べて欲しい事があるの・・・・。」

私は作業が終わり、自室で兄さん・・・・公安0課第3班所属、水無瀬雄一郎に調査依頼の電話を掛けたのだった。
なお、私が兄さんに電話を掛けたのが4日ぶりで前半は兄さんを宥めるのに時間を要したのは心底どうでもいい余談である。

Side_Out…



続くんだよ

 
 

 
後書き
葵 「此処ではお久しぶりです。作者の分身、霧島葵です」
理子「皆、久しぶり~。この作品のメインヒロインのりこりんこと、峰・理子・リュパン4世だよっ!」
葵 「私の超気紛れな更新でございます。なんか予感がしたので更新しました」
理子「その心は?あおちー」
葵 「このリメイク版の更新が何時出来るかも解んないし、やれるだけやっちゃおうかと」
理子「すんげーぶっちゃけだね。あおちー」
葵 「否定はしない」
理子「って事はさ、これの初版書いてるときと真逆なの?」
葵 「初版・・・・・リメイク前のね・・・・。あっ、そうね。真逆よね」
理子「リアルはすんげー大変な事になってるよね」
葵 「そうだね・・・・。リアルにやべーわ。色々な意味で」
理子「あ、そこは伏せとくんだ・・・・」
葵 「うん。それがいいでしょ?愚痴ったらキリないし」
理子「だね~。あ、謝辞行っとく?」
葵 「そうね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
葵 「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
2人  「「ばいばいっ!!」」

これでも短めなあとがき⑧ 完 

 

第008弾 朝が来ようが変わらぬものもある

 
前書き
パトラ 「皆の衆、おはこんばんちはなのぢゃ!『砂礫の魔女』、パトラであるぞ!」
カツェ 「えっと・・・どうも。『厄水の魔女』、カツェ=グラッセです」
パトラ 「なんじゃ?カツェ、今日は具合でも悪いのかのう?」
カツェ 「どういう意味?」
パトラ 「何時もとキャラが違うのぢゃ」
カツェ 「(´Д`)ハァ…。そんなの当たり前でしょう?粗相したら葵にボコられるし」
パトラ 「え゛っ・・・・?」
カツェ 「紛れもない事実だから。最悪・・・・・」
パトラ 「『最悪』・・・・?」
カツェ 「死ぬ半歩手前か・・・死ぬでしょうね」
パトラ 「ヽ(`Д´)ノウワァァァン!!覇王(ファラオ)とて死ぬのは嫌なのぢゃ!」
カツェ 「泣き叫ばないの。真面目にやれば回避できる話でしょう?」
パトラ 「えぐっ・・・ひぐっ・・・くすん・・・そ、そうじゃな・・・」
カツェ 「(これじゃあどちらが歳上なんだか・・・・)」
パトラ 「何か・・・・言ったのかのぉ・・・(まだ泣き止んでない」
カツェ 「(・・・鋭いなぁ。)いいや、何でもない。それよりも」
パトラ 「何ぢゃ・・・?」(泣き止んでない)
カツェ 「タイトルコールの時間」(直後、パトラの口にチュッパチャップス突っ込む)
パトラ 「そ、そうぢゃな~(*´∀`*)」(泣き止んだ。そして途端に笑顔)
カツェ 「(何この覇王。チョロすぎる・・・・)」(呆れ)
パトラ 「『第008弾』」
カツェ 「『朝が来ようが変わらないものもある』」
2人  「「どうぞ!!」」

最早どちらが年上か解らないまえがき⑨ 完
 

 
「バカキンジ!ほら起きる!」
はにふんだこの(なにすんだこの)!」
「朝ごはん!出しなさいよ!」
「し・・・る・・・・・か!」
「お腹が空くじゃない!」
「空かせこのバカ!」
「バカ――――ですって!?キンジの分際で!」

寮の自室の隣の部屋からアリアとキンジの仲良さそうな喧騒の声が響き、私は目を覚ます。
窓の方を見ると、窓から陽射しが差し込んでいた。
もう朝か・・・・。
えっと、時間は6:30。
えっと、確か作業が終わって寝たのが3:30位だったっけ。
だから・・・・うわ、3時間くらいしか寝てないのか。
道理で頭が働かないし寝不足な感じがするわけだ。
つか、五月蝿いな。
ゴメンさっきの前言撤回。今目覚めたわ。
低血圧設定行方不明なくらいにね。
つーか、朝っぱらからそんなに叫ぶなし。
こっちは深夜まで作業があったんだしさぁ・・・・・。
もう頭にガンガン響いて仕方がない。
もうちょっと、此方に気を使って欲しいものだ。
そうだ。ちょいと文句でも言ってこよう。うん。
文句を言ったって赦されるだろーし。
そう思った速攻で私はキンジの部屋(アリアも同じ部屋)へ向かった。

「(-_-)゜zzz…{[(-_-)(-_-)]}zzz_-)(-」

花梨はというと寝不足な私を差し置いて絶賛熟睡中であった。
なんか不公平な感じの感情を抱いたのは間違いではないであろう。
憂さ晴らししても良いよねぇ?ねぇ?

ま、そんなことはさておき・・・・・キンジの部屋の前に到着した。
キンジの部屋からは

「お腹が減った!へったへったへったへったへったあああ!!!」

アリアの大絶叫が聞こえる。
お前はガキの類か?あぁ・・・ゴメン。(身長含め)ガキだったわ(笑)
とは言えど。
(´Д`)ハァ… 全く・・・・・

「朝っぱらから五月蝿い!近所迷惑でしょうが!」

私はドアを開けてキンジに叫びつつ襲いかかるアリアを注意する。

「何よ?今このバカキンジに文句を言ってるんだから・・・・・って、げぇ!?凪優!?」
「だからなんなのその反応。・・・・まぁいいや。アリア、朝ご飯なら今から用意するから食べるなら早くダイニングに来なさい」
「あ、うん。わかったわ・・・」
「それと、キンジも食べるなら早く来てよね。アンタは昨日、自転車破壊されちゃったんだし、バス通でしょ?58分のバスに間に合わなくなるよ?」
「あ、ああ・・・・。わかった」

言う事を言って私はキンジの部屋を後にしてキッチンに向かう。
ああ、良かった。昨日、白雪に料理作って貰って正解だわ。
あれを温めて、何か汁物作れば朝食は大丈夫だろう。
あとは昼用のお弁当ね。あれも小分けしておいた分を詰めれば大丈夫よね。
そう考えつつも冷蔵庫から汁物・・・・すまし汁の材料を取り出し調理に取り掛かった。





「「御馳走様でした」」
「はい。お粗末さまでした」

食事を終え、登校準備に入るキンジ達。
私は洗い物をしている。まぁ準備は終えているし慌てることはない。

「アリア、登校時間をずらすぞ。お前、先に出ろ」
「なんで」
「なんでも何も、この部屋から俺とお前が並んで出てってみろ。見つかったら面倒なことになる。ここは一応、男子寮ってことになってんだからな」

あー、そういえばそうばそうだっけ。ま、私が男子寮から出入りする時点で曖昧になってると思うけど・・・・・。

「上手いこと言って逃げるつもりね!」
「いやいや、アリア、同じクラスで席が隣同士・・・・。これじゃ逃げようがないじゃない。問題なしだと思うけど」
「あ・・・・。それもそうね」

私はやんわりとアリアの主張を否定する。
それに納得したアリアは引き下がった。

「キンジ、もうそんなこと言ってる場合じゃないと思うけど。・・・時間を見なさいな」
「・・・時間?げっ!やべぇ!行ってくる!」

キンジは手早くダイニングの椅子に置いてある鞄を手に取って寮を後にした。

「はいはい。いってらっしゃい。・・・・さて私達も行くとしますか・・・・」
「何で行くのよ?まさか、徒歩とか言うんじゃないでしょうね?」

キンジを見送った後、洗い物が終わったので私も登校を始める。
無論、アリアと・・・・・朝食を終えて未だ寝ている花梨もだ。
花梨は・・・・最悪担げばいいだろう。うん。

「んなわけないじゃない。車で行くわよ。花梨がアレだし」
「あぁ・・・成程ね。車って・・・・・凪優、車持ってたっけ?」

私の答えに未だに熟睡中(2度寝である)な花梨を見て納得のアリア。
しかし、その後最もな質問をする。

「ん?最近つーか、昨夜依頼報酬でもらった」
「どんだけ気前がいいのよ、その依頼主。・・・で、もう届いてるの?届くの早すぎない?」
「まぁ、『超速達で送る』って言ってたしそんなものよ」
「そ、そうなんだ・・・・」

私はアキ・・・旭野將文の名は伏せといてサラッと説明した。
その結果、アリアは軽く引いていた。

「さて、行きましょ?」
「ええ」

寮を出て私とアリアはガレージに向かう。
武偵高の寮には車輌科(ロジ)の生徒も居る為、敷地内に専用のガレージが設けられている。
それは車輌科(ロジ)以外の生徒も学校に申請書を出せば使用することができる。
私とアリアはそのガレージに停めてある昨夜の依頼報酬・・・・トヨタFT86 GT “Limited”に乗り込む。
花梨は・・・・後部座席に放り込んだ。
結構優しくとは程遠い扱いだったがそれでも起きる事はなかった。
そんな私達を乗せたトヨタFT86GT “Limited”は東京武偵高校・本校舎前に向けて走り出した。

・・・え?「運転はどっちが?」

勿論、私だよ。まぁどっちも運転免許持ってるけどね。
自分の車なのに自分で運転しなきゃどうするのって話よ。

「はい。到着。アリアは先に行ってて。私は車輌科(ロジ)のガレージに車停めてくるから」
「わかったわ」

校門の前でアリアを降ろし、車輌科(ロジ)のガレージに車を向かわせる。
因みに車輌科(ロジ)のガレージの使用申請は昨晩終わらせて、もう受諾されている。
車輌科(ロジ)のガレージの一画に車を停めて私も本校舎の教室に向かう。

「あふぅ・・・・。あ、(^o^)ノ < おはよー凪優」

此処で二度寝でかなりの爆睡していた花梨がようやく目覚めたようだ。

「おはよう。花梨。随分と遅い起床ね」
「あー・・・すんごく疲れてたからね」
「あ、そう・・・・」

これ以上突っこむのもアレなので私はやめておくことにした。


続くんだよ

 
 

 
後書き
葵 「はい。如何だったでしょうか」
理子「なんか・・・短いよね。今回」
葵 「まぁ・・・元々短いからねぇ」
理子「でも・・・日常の一場面っぽくて良いじゃん」
葵 「だね。修正もそんなに要らなかったし」
理子「あ、そうなんだ」
葵 「うん。そんなに不自然さも無いしさ。強いて言えば」
理子「言えば・・・・?」
葵 「瑠璃神状態を花梨に仕立て上げる修正くらいだから」
理子「そういえば、そうだね。精神会話も減ってるし」
葵 「まぁね。そっちの方がなんとなく良いじゃん」
理子「だね。るーりんも上手くクラスメイトの一員になってるし」
葵 「今日はまともに今回のあとがきしてるけどそろそろ〆めよっか」
理子「だね。珍しくまともに語ってるけどそろそろ〆めないとね」
葵 「では恒例の謝辞の方行きます」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
葵 「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
2人  「「ばいばいっ!!」」

今回はまともなあとがき⑨ 完


 

 

第009弾 ウラ取りと条件

 
前書き
ジャンヌ 「皆、こんにちは。情報科(インフォルマ)2年、ジャンヌ=ダルクだ」
キンジ  「探偵科(インケスタ)2年、遠山キンジだ」
ジャンヌ 「おい、遠山。なんだそのやる気の無い態度は」
キンジ  「仕方無いだろ?俺は元々まえがきの担当やる気はなかったんだ!」
ジャンヌ 「しかしだな・・・・・。此処で担当している以上、その責務を果たすんだ」
キンジ  「解ったよ・・・・」
ジャンヌ 「( ゚д゚)ウム。それでこそ原作主人公だ」
キンジ  「・・・・で、今から何をするんだ?」
ジャンヌ 「・・・・・・・・・・(((゜Д゜;)))」
キンジ  「おい、なんだ。その反応は」
ジャンヌ 「な・・・・何の事だ?」
キンジ  「声が震えてるぞ。さては何も知らないんだな」
ジャンヌ 「う・・・うるしゃい!」
キンジ  「噛んでるじゃねぇか・・・・。動揺しすぎだぞ?」
ジャンヌ 「本編で師匠に指摘されたお前に言われたくはない!」
キンジ  「ハイハイ・・・。んじゃあ、タイトルコール行くぞ?」
ジャンヌ 「遠山、お前、私の話を聞いているのか!?」
キンジ  「聞いてるって。ホラ・・・『第009弾』」
ジャンヌ 「『ウラ取りと条件』」
2人    「「どうぞ!!」」

アホの子がなんとなく可愛く思えるまえがき⑩ 完 

 
武偵校では1時間目から4時間目(午前中)までは普通の高校と同じく一般科目の授業を行い、5時間目以降(午後から)は各々の専門科目に分かれての実習となる。
私みたいに掛け持ちしている生徒は、どの専門科目を受けるかを自分で選択する。また、自分の所属する科以外の専門科目も「自由履修」という形で受けることができる。
私は名指しのクエスト依頼がないかを確認する為にクエスト依頼の掲示板に来ていた。
そこで、その場所では滅多に会わない生徒と遭遇する。

「あら、キンジ。珍しいじゃない。貴方がこんなところにいるなんて」
「まぁ、たまにはクエ受けてみようかな・・・と思ってさ」
「ふーん。アリア対策に?」
「・・・・・・・・・・・・」

私の発言に何も返してこないキンジ。ってことは図星なのね・・・・。
まーでも、無駄だと思うけどね。多分・・・・・確実にアリアが探偵科(インケスタ)の専門棟近くで待ち伏せしてるし。
何故知ってるかは昼休みにアリアと昼食摂っている時に聞いた。
そしてそこで待つ様に言ったのは私だし(笑)

「ま、理由はどーでもいいけどさ。どんな依頼受けたの?」
「Eランク武偵にお似合いの簡単な依頼だよ」
「って事は『青海の猫探し』のクエか・・・・」
「ああ・・・って、何故知ってるんだよ!?」

私がキンジの受注した依頼を当てると、キンジが驚愕していた。
そんなに驚く事・・・・??

「だってそりゃ、この掲示板の管理は教務科(マスターズ)からの依頼で私達がやってるし」

そう。この外部依頼のクエストの掲示板。
更新を行うのは私が所属する情報科(インフォルマ)の仕事なのだ。

「理由になってないじゃねぇか」
「管理してるってことはそのクエが、どの科に所属する武偵で、どのランクの武偵に合ったレベルの難易度なのか把握してるでしょ?」

私はキンジの問いにそ対し、そう答えた。

「まさか、ここに出ている依頼の難易度とか全部覚えているのか・・・?」

キンジがおそるおそるそんなことを聞いてきた。

「流石に全部とはいかないけれど、まぁ大体はね・・・・。キンジ、この資料参考にしたら?」

私はそれをやんわりと否定する。まぁ・・・正直9割5分は覚えていたりはする。
そして私は1部のファイルをキンジに渡した。

「・・・・?なんの資料だ?」

キンジはその資料をサラッと読んでから尋ねた。

「『なんの』って・・・・。キンジが探す猫の行動パターンの資料よ」
「そんな資料いつ作ったんだよ」
「さっき」

私は間違った事は言っていない。
これ、先程の掲示板更新中に片手間に序でで作ったものだ。
なんかこんな予想できてたからな。

「・・・ありがたく受け取っておく」

キンジは私の発言に呆気に取られていたが、直ぐに復活し、探偵科(インケスタ)の専門棟の出口の方へ駆けていった。
私は「まー頑張れ。キンジ」的な感情で見送る。
さて、クエも特段無いようだし、今日は強襲科(アサルト)で戦闘訓練するかな・・・・。
こうして私は強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しんだ。

その頃、キンジとアリアは喧嘩しつつも上手くやっていたようである。
本当に仲が良いコンビである。
事の顛末を夕食の場で聞いて、それを言ったら、見事にハモって否定された。
全くもって仲が良いコンビだな。この二人(キンジとアリア)


その翌日も特段クエが無かったので情報科(インフォルマ)に顔を出したあと、強襲科(アサルト)での戦闘訓練に勤しむ。
強襲科(アサルト)での戦闘訓練を終え、放課後になった。
その時、スマホに着信が入る。相手は・・・・旭野さんか。

「はい、もしもし」
『久しぶりだね、凪優ちゃん。今、時間はあるかい?』
「え・・・。まぁ、特段クエとか無いんで、大丈夫かと思いますけど」
『そうか・・・・。では30分後にいつもの喫茶店に来てくれないか』
「(喫茶店・・・・。って事はそっち側の話ね・・・・。)了解です」
『では、待っているよ』

通話は終了した。

「で、何だったの・・・?」

丁度私と合流した花梨が尋ねる。

「さぁ?でもあっち側の話だろうね」

私がそう答える。

「ふーん。そっか。じゃあ私はテニス部の方に行くね。帰りは遅くなるから」
「りょーかい。で、晩御飯は?」
「んー・・・・と今日は皆でファミレスに行く約束だし要らない」
「解った。じゃあね」
「うん。( ´・ω・`)ノ~バイバイ」

花梨と別れた私は待ち合わせの喫茶店に(車で)向かった。



「よぉ。意外に早かったな。凪優」

喫茶店に到着した私を迎えたのは旭野さんだった。
しかし、いつもと口調とか違う。
何というか態度がでかい。

「アンタから貰った車のお陰よ、アキ」

私の方も敬語とか無しで対応する。

「何時もとは違って敬語はなしかよ」
「そりゃお互い様でしょうが」
「まぁそりゃそーだな。こっち側だと敬語はムズ痒くてたまらん」
「こっちの方が素のくせに」
「それ言うんじゃねーよ。それとも何か不満か?」
「いや。別に。寧ろ今の方で敬語使われる方がぶっちゃっけキモいわ」

いきなりの罵倒合戦である。
何事かと思うだろうがこれがデフォルトなのである。

「まーいいわ。そこに座れ」
「はいはい」

アキに言われ、私はアキの対面に座る。

「まず、これが雄の奴に頼まれた資料だ」
「兄さんに・・・・?」


アキが兄さん・・・水無瀬雄一郎に頼まれたという資料に目を通す。
それはアリアの事についての資料だった。

「・・・・成程ね」

数日前、私とキンジに「PTを組め」と言った時にアリアが言った言葉。

「あたしには時間がないの」

という発言。
これに私は引っ掛かっていた。
だが、アキ経由で私の手元にある兄さんからのアリアに関する資料。
これを見てその言葉の意味を理解することができた。

「で、アキ。なんでコレにイ・ウー の奴等が関わってる訳?」

何故か私が属する組織の名が出てきた。

「知るか。俺にも老害共の考えている事はさっぱりだ」

アキは私の問いに知らないと返す。
アキにも解んないのかぁ・・・。

「そう。で、この案件に関わっている奴等は判明してるの?」
「ああ。このリストに載っている奴等だな」

私はアキから資料を受け取り、目を通す。

「うえ・・・・。ナニコレ。殆どじゃない」

そこには私が党首を務める研鑽派(ダイオ・ノマド)以外の奴等の殆どのメンバーがリストアップされていた。
中には何人か私の党派である研鑽派(ダイオ・ノマド)からも引き抜きもされている。
ブラド・・・は誰かに操られて署名したよな。それは解る。
だって・・・・あの私の保護者ともイ・ウー内外で噂されるブラドだよ?

「最近、記憶が途切れ途切れになって、欠如してる事があるんだが・・・・」

と、新学期が始まる直前に説明を受けたからねぇ。
おそらくはそれ関係だろう。

「まぁ・・・対立する奴等が居なくなったからな・・・」
「私達が居なくなるのを狙ってやがったのか・・・・・」

私はアキの言葉に嘆息せざるを得なかった。
実際、私達・・・研鑽派(ダイオ。ノマド)がイ・ウーの抑止役を担ってたからなぁ。
そのトップが相次いで休学状態。
それは・・・・無理もない話ではある。

「そう言うな。ま、そのリストに俺達の名前が無いだけマシだがな」
「そうね。お蔭様で行動しやすいけど」

確かにこのリストに私達の名前があったらアリアとは敵対する訳だし。
動きにくいったらありゃしないし、ややこしくもなる。
無いなら無いで、武偵である表、イ・ウーメンバーである裏。
この両方がフルに使えるわけだからね。

「やっぱ、お前も動くのか」

私の思惑を察したアキの言葉に

「当然。どう考えてもアリアとキンジ2人だけじゃ無理がある」

私は肯定した。
事実、アリアとキンジ・・・・。あのコンビといえどもこのメンバー相手だと荷が重い。
私が参戦すればそのスムーズさも変わるだろう。
何よりも・・・・私自身、あの老害共が気に喰わんのだ。
会う度にネチネチ文句しか言いやがらねぇわ。
否定の割に碌でもない事しか考えねぇし。
私的にさっさと隠居して欲しいもんだ。
それと・・・・・未海姉との決着も付けねぇとな。
あのリストに未海姉・・・『綾乃(あやの)未海(みう)』の名前があった。
未海姉は私の師で・・・そして私が止めなきゃいけない相手。
最悪・・・・殺してでも。
それ程因縁がある相手なのだ。
だから、未海姉の存在がある以上、私が参戦しない選択肢はないのだ。

「そうかい。俺も雄も出来る限りサポートはする」
「ありがと」

アキが兄さんと共にサポートする事を申し出たので私は礼を言う。

「礼は良い。俺とお前の仲だろ。あと、コレは要るだろ?」

そう言ってアキは私に手甲とワイヤーとカードホルダーを手渡す。
これは、私のイ・ウー活動時の装備ではないか。

「これって・・・・・」
「礼は機嬢(ジーニャン)の奴に言え。それ保管・メンテしていたのはアイツだからな」
「解った」

装具一式受け取り喫茶店を後にする為、席を立つ。

「死ぬんじゃねーぞ。氷天(ひてん)の魔女」
「そっちもね。鮮烈の雷撃(ディラスター)

私は喫茶店を後にして武偵校の寮に戻った。


それから、アリア達と夕食をとり、私は自室に戻る。
さっきアキに貰ったリストとイ・ウーのメンバー指導リストを照会する。
そして自室に戻った私はイ・ウーメンバー専用の通信機を手に取り、ダイアル調整。
通信の相手は勿論、機嬢(ジーニャン)だ。
だが、最初に出るのが誰なのかは解らないのだ。
あの姉妹は個々の通信機を同じ所に置いている。
彼女達曰く、

「そっちの方が解り易い」

・・・だそうで。
最初から機嬢(ジーニャン)が出れば問題はない。
だが、誰が最初に出るのは誰か不明。
故に・・・こういう会話で始まるのだ。

(もしもし)?誰ネ?』
「あ、その声は炮娘(バオニャン)?私。凪優よ」

先ず、電話に出た相手を当てる。
ここからスタート。
結構難易度は高いが、それは慣れでなんとかなる。
今回は四姉妹の、次女、炮娘(バオニャン)の様だ。

『凪優?真的(本当に)?凄く久しぶりネ!』

私が相手で炮娘(バオニャン)は結構喜んでいる御様子。
語尾が弾んでいるのが何よりの証拠だ。

「そうね。ほぼ2年ぶりくらいかしらね・・・・」

高校に進学後は全然連絡してなかったし。
確かそのくらいだろう。

『もう、連絡寄越さないで超心配したネ。―――で、今日はどうしたネ』

かなりの話したい事があったのだろう。
結構長い時間私は炮娘(バオニャン)と話し込んでいた。
そして、炮娘(バオニャン)の話に寄れば、藍幇(ランパン)の幹部、諸葛静幻(しょかつせいげん)も私をかなり心配しているらしい。

・・・・・修学旅行(キャラ・バン)Ⅱで香港を旅行地に出来たはずだ。
その時に会いに行ってアイツ等を安心させてやろう。

私はそう心の中で誓った。

「うん。機嬢(ジーニャン)にお礼と猛妹(メイメイ)に聞きたいことがあってさ・・・・」

暫く話した後、私は本題を切り出す。
そして、四姉妹の三女、猛妹(メイメイ)と四女の機嬢(ジーニャン)へ取り次ぐ様に炮娘(バオニャン)依頼する。

猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)?その二人ならもうすぐ帰ってくるネ。ちょっと待つよろし』

どうやら、二人は外出中らしい。・・・が、あと少しで帰ってくるようだ。
ちょっと待って欲しいと炮娘(バオニャン)に頼まれる。

「わかった」

私はそれを了承する。
そしてその間、炮娘(バオニャン)と偶然其処に居合わせた四姉妹の長女、狙姉(ジュジュ)と話していた。
当然、狙姉(ジュジュ)にも私は物凄い心配された。

そしてしばらくして、猛妹(メイメイ)機嬢(ジーニャン)が帰ってきたようだ。
通信の相手が私だと知るやいなや、すごく喜び、通信に出た。

(もしもし)?凪優?』
「あ、機嬢(ジーニャン)?ありがとね。私の装備をメンテしてくれて」

私は自分の装備の礼を行った。

别介意(気にしないで)。凪優は私のお得意様だし当然ネ』

機嬢(ジーニャン)はそう言ってくれるけども。

「ホント、ありがと。これからも装備のメンテとか頼むだろうけどその時は宜しくね?」

有難いものは有難いのだ。
私は再三、機嬢(ジーニャン)に御礼を言った。

可以(OK)!いつでも私に任せるネ!―――じゃあ、猛妹(メイメイ)に代わるネ』
「ええ」

私がシレっと言った要望にも機嬢(ジーニャン)は快く了承してくれた。
その後、機嬢(ジーニャン)と世間話をして、次の通信相手、猛妹(メイメイ)に代わる。

(もしもし)?凪優、私に聞きたいことって何アルカ?』
「あ、うん。このリストにあるやつなんだけどね・・・・」






「これで全部ウラは取れたわ。ありがと。お陰で助かったわ」
不客气(どういたしまして)、凪優。祝你好运(頑張ってね)!』
(うん)!」
那,再见!(じゃ、またね!)
好了,拜拜!(うん。バイバイ!)

通信を終えた私は気分転換も兼ねてコーヒーを淹れようとキッチンに向かう。
そして、トイレのあたりでキンジとバッタリ会う。

「あ、おかえり。キンジ、意外に早かったのね」
「な、凪優?一体何のことだ?」

大体の事は察するが・・・・・
キンジよ。カマかけに引っ掛かり過ぎ。
それに・・・・

「・・・・キンジ、バレバレ。動揺隠せてない」
「う゛・・・・・」

私が指摘すると図星を突かれた表情を見せるキンジ。

「まぁ、安心しなさいな。幸いと言うべきか、アリアにはバレてないし」
「そうか・・・・」

私のフォローに安堵の表情を見せるキンジ。

「ま、もうそろそろ来ると思うけどね」
「え?」

虚を突かれた挙句、絶望も相まってか固まるキンジ。
私の得意技、「上げては落とす」とはこの事だ。
この反応を見てその後で少し誂うのが楽しいのだ。
昔、パトラにこれやったら思いの外良い反応で、仲間全員で大爆笑していた。
アレで未だに思い出し笑いができるのは此処だけの話である。

そんな感じで誂っていた直後だった。
カードキーで鍵が開く音がした。

「お帰りアリア」
「お帰り・・・・じゃないわよ。鍵くらい開けときなさいよ」
「いや、泥棒とかに入られたら嫌じゃん」
「そのくらい返り討ちにして逮捕しなさいよ」
「出来るけど、簡単だけど、泥棒に入られた時点で私の信用が落ちる」
「じゃあ、あたしが来るの予測して開けときなさいよ」
「無茶言うなて。ま、どーせ偽造カードキー持ってると思ったし別にいいかなって」
「あのねぇ・・・・・あたしが持ってなかったらどうしてたのよ」
「んなもん、決まってるでしょ?放置」
「あんたねぇ・・・・・」
「もう居候の身で文句言わないの」
「むぅ・・・・・」

アリアの論に正論ぶつけてバッキバキに論破する私。
私の正論にぐぅの音も出ないアリア。
因みにキンジは私とアリアの会話の間は

「あ、いたんだ・・・」

的な放置状態である。

その後、私はキッチンに、アリアはリビングに、キンジは洗面所へと移動した。
私はコーヒーを淹れつつもキンジとアリアの会話を聞いていた。

まぁ、何と言うか面白いわwwwwこの二人。マジでwwwww
キンジがこの前、アリアにしたという強制猥褻(未遂)で犯罪者扱いされたりだの、
アリアがキンジのHSSの発動条件も知らないのにさ・・・

「なんでもしてあげるから」

発言とか・・・・。
聞いてて飽きない。

とはいえ、この手の話題はキンジの琴線に・・・・下手せずとも逆鱗には触れるだろう。
その証拠にキンジは無意識のうちにアリアを押しのけていた。
さぁ・・・・どうする、キンジ?

「・・・・1回だけだぞ」
「1回だけ・・・・・?」

ふぅん・・・・。成程ね。
無条件降伏じゃなくて、

「戻ってやるよ―――強襲科(アサルト)に。但し、組んでやるのは1回だけだ。戻ってから最初に起きた事件を、1件だけ、お前と組んで解決してやる。それが条件だ」

キンジは条件をアリアに突きつけた。

「・・・・・・・」

アリアは何も言わなかった。

「だから転科じゃない。自由履修として、強襲科(アサルト)の授業を取るそれでもいいだろ」

キンジ・・・条件付き降伏ってワケね。
しかし自由履修とは考えたな。

自由履修・・・・・これは武偵校において、生徒が自分が所属する科以外の専門科目の授業を受ける事の出来る制度である。
無論、単位には反映されないが、多様な技術を要求される武偵になる為には理に適っている制度といってもいい。
なので、生徒の殆どは割と流動的にこの制度を利用している。
斯く言う私も自由履修で狙撃科(スナイプ)車輌科(ロジ)の授業を取っている。

自由履修の云々はさておいて、
キンジ、さてはHSSという切り札を伏せたままの状態・・・・・通常状態のままでやってアリアを失望させる魂胆か。
全く、どこまで組みたくないんだよ。コイツは。
そこまで来ると流石の私でも溜息が出るぞ。

「・・・・いいわ。じゃあ、この部屋から出てってあげる」

キンジの譲歩案にアリアは妥協した。

「あたしにも時間がないし。その1件で、あんたの実力を見極めることにする。勿論、凪優もね」

ま、解ってたことだし別に不満はないけど。

「・・・・どんな小さな事件でも1件だぞ」
「OKよ。その代わり、どんな大きな事件でも1件よ」
「解った」
「但し、手抜きしたりしたら風穴あけるわよ」
「ああ。約束する。(通常モードの俺の)全力でやってやるよ」
「解ったわ。約束する」

ま、私の場合、全力は出さないけどね。
そう。第4段階は使わない。
第2段階位までの全力を・・・・ね。
でも、アリアには少しだけ明日見せてもいいかな。
第3段階の私を・・・・。



続くんだよ







 
 

 
後書き
葵 「はい。如何だったでしょうか・・・。っと」
理子「今回、かなり増えたね。文量」
葵 「そうね。加筆が多かったのも事実だし」
理子「あー・・・・そっか。後付けでバンバン設定できたもんね」
葵 「そうね。私の事も含めて色々とね」
理子「イ・ウーの事だって当時は設定もなかったもんね。詳しいの」
葵 「うん。この話のリメイク前書いてた当時は設定も皆無だったし」
理子「って事はここ1年で・・・?」
葵 「うん。大体の設定はこの1年で練上がってるわね」
理子「・・・て事はそれに準じた加筆になるってこと?」
葵 「ええ。入れた方が良い所でその設定を加筆したりしてね」
理子「じゃあ、それ以外は?」
葵 「セリフ間の説明描写入れたり・・・かな」
理子「あぁ・・・そのへんも加筆要るんだ」
葵 「序盤の方は特に」
理子「あらら・・・」
葵 「もうね。後々に自分で読み返してさ・・・」
理子「疑問点出ちゃうんだね・・・・」
葵 「そうなのよね・・・・」
理子「それって、相当ヤバイじゃん。あおちー自身でも解んなくなるって」
葵 「そう。超致命的。だから、リメイク版って立ち位置なんだよね」
理子「そういう事だったんだ・・・・」
葵 「そういう事」
理子「じゃあ、裏話はこの辺にして、何時もの謝辞しとこうよ」
葵 「そうね。良い頃合だものね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
葵 「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
2人  「「ばいばいっ!!」」

やっぱりこの文字数に落ち着くあとがき⑩ 完 

 

第010弾 転校生と本気の戦い

 
前書き
リサ  「皆様、こんにちは。リサ・アウ゛ェ・デュ・アンクでございます」
水蜜桃 「水蜜桃だ」
リサ  「あの………どうしてそんなに不機嫌なのでしょうか?」
水蜜桃 「なんで、妹とペアじゃ無いんだよ!」
リサ  「リサに言われましても……………」
水蜜桃 「畜生……………なんで桃は凪優とペアなんだ!!」
リサ  「それは葵さんに聞いてみないと……………」 
水蜜桃 「そうか…………凪優と葵か……………」
リサ  「あ、あの…………蜜子…………さん?」
水蜜桃 「ありがとな。そしてちょっと行ってくる」
リサ  「えっ…………ちょっと!?何処にでございますか!?」
水蜜桃 「葵と凪優のところだ。リサ、後は頼んだぜ」
リサ  「えっ………って既に居ないのですけど」
リサ  「取り敢えず、タイトルコールしておきましょうか。『第010弾 転校生と本気の戦い』、どうぞです!!」
リサ  「さて、救急箱用意しておきましょう。それにしてもこのペアは単なる数合わせだと言わなくて良かったですね……………」

フルボッコになった水蜜桃ちゃんと勝利を収めたリサがお送りしたまえがき⑪ 完 

 
キンジとアリアの条件付き契約が成立した翌日。
私とアリアは2-Aの教室で昼食をとっていた。
今は昼休みだしね。

さっき、私の弁当狙いで理子の奴が乱入してきた。
私は何事も無く開いてる窓に理子を投げて落としましたよ(笑)
ま、理子(アイツ)はこの位で死ぬ奴ではないから(たぶん)大丈夫でしょ。
だってさ・・・

「りこりん、10点満点っ!」

とか言って綺麗に着地してたし。
なんつーか極められたバカは超厄介。
まさしくそれが当て嵌まりそうな感じである。
この事実には流石の私も苦笑するしかあるまいて。

「・・・ってば、ねぇ凪優ってば・・・・!」

アリアが先程から私に呼びかけていた。

「・・・・( ゚д゚)ハッ!あ、ごめん、アリア。・・・・で何の話だっけ」

私は現実に引き戻され会話に戻る。

「もう・・・・。今日、来る編入生のことよ。勿論知ってるわよね?」
「そりゃね。一応調べたけど。結構な手練だよね」

その話題は今日、強襲科(アサルト)に転入する編入生についてだった。
事前に軽くはだけど調べた。
書類の記録上だけでもかなりの実力を誇る手練だった。

「で、どれくらいの実力だと思う・・・?」
「ま、今の時点じゃ何とも言えないかしらね」
「そう・・・・なのね」

記録だけだと戦術面の詳細等といった実力は不明だからな。
そういうのは実際に戦うのが把握するのに最適だろう。

「ま、次の時間でそれも判明するだろうけど」
「次の時間・・・・って専門科目?」

私の言葉に何かを察したアリアが尋ねた。
そう。今は昼休み。
次・・・午後からはそれぞれの所属科での専門科目である。

「蘭豹が編入生と私で次に時間の戦闘訓練の時に戦えってさ」
「そうなんだ・・・・・。で、凪優は本気でやるの?」
「まぁ、そのつもり」

アリアの質問に若干言葉を濁しつつも私は肯定した。

「ふぅん・・・・。あの時の奴でも本気じゃなかったんだ・・・・」
「そうね。あの時のは大体70%位だし。本気出さなかったのも理由あるし」

『あの時』というのはチャリジャックの時のことだろう。

「理由?」
「単純明快。本気でやったら入院確定」
「え・・・?それホントなの!?」
「うん。マジ。ノーリスクで強大な力扱えるわけ無いでしょ」
「あ・・・そうね。じゃあこの後、本気でしても大丈夫なの!?」
「問題ないわ。長時間使うわけじゃないし。ま、これ使えばノーリスクだけど」

そういって私は3枚のカードを取り出す。

「それって、タロットカード・・・・・?」
「ええ。これは能力を使う時の補助道具みたいなものね。能力をカードに流し込むことでカードに書かれた絵が示す効果が発揮できるのよ」
「へぇ・・・・」
「早く食べちゃいましょ。時間もアレだし」
「時間・・・・。そうね」

こうして昼休みは過ぎてゆく。

午後の日程が始まり、強襲科(アサルト)
自由履修で戻ってきたキンジが皆に(良い意味で)囲まれていた。
私の戦妹(いもうと)である間宮あかりもキンジに憧れの視線を送っていた。
あかりは私とキンジが友人レベルで留まっているのを知っている。
故にキンジに敵愾心は無いようだ。
以前にも

「キンジ先輩に矢の投擲を教わったんですけど、凄く参考になったんですよ!今度、射撃も教わる事になったんですよ!」

と、嬉しそうに話していたし。
射撃は正直、私よりもキンジの方が教えるのは向いてるだろう。
指導を私一人で行うよりかは、遥かに質は高くなる。

「つーわけで編入生が一人増える。編入生挨拶しろ」

何の事前説明も無しでいきなり話を切り出す蘭豹。
フツーなら戸惑うだろうが、ここは武偵校。

「自分でそんくらい調べろや」

つまり、そういうことなのである。

「はい。姫神 結衣(ひめがみ ゆい)といいます。宜しくお願いします」

蘭豹の指示で姫神さんは自己紹介をした。

「じゃあ、誰かと戦って貰おか。水無瀬、お前相手やれ。負けたら承知せぇへんで」

蘭豹は予告通り私を指名した。

「了解。姫神さんだっけ?この戦闘の希望条件とかあったりする?」

指名を受けた私達は闘技場に登壇する。
私はこの闘いに条件を付けるかどうかを尋ねた。

「結衣でいいよ。じゃあ、銃の使用は禁止。刀剣のみの使用で。能力の使用はありで」

姫神さ・・結衣は銃の使用を禁止し、それ以外はアリという条件を出した。

「わかったわ」

私はそれを了承する。

「あと、水無瀬さん。本気で来てよね。じゃないと軽く死んじゃうから」

おーおー、そんな事言われるとはねぇ・・・・

「私の事は凪優で良いよ。後悔しても知らないからね?」

結衣に私を名前呼びにする様に求める。
そして、結衣の挑発を挑発で返す。

「私の事を軽く見てるんだな。人間の小娘風情が」

いきなり結衣の口調が変わった。
いや、主人格が変わったと言うべきか。
そして見た目も茶髪・の碧瞳だったのが、翡翠色の髪・紅い眼に変化していた。

「《成程。これは私の出番よね、凪優》」

今日は精神体の瑠璃が納得の表情をしていた。

「そうみたいね。瑠璃」
「《( ゚Д゚)ゞ リョーカイ!!凪優。任せて!》」
「タロットは使わないから」
「《早めにケリ付けろって事ね・・・無茶を言うね》」
「それはお互い様・・・・でしょ?」
「《そうだったね・・・・。で、どうすんの?》」
「何が」
「《何が・・・・って段階だよ》」
「あぁ・・・『第4(クアルト)』で」
「《それでもって主人格が私ね・・・・》」


暫くして凪優の見た目が変わる。
先ず、銀色の髪は瑠璃色へと変わる。
そして、長さもロングヘアになり、鬣を彷彿させるヘアスタイルになっていた。
紅い眼は唐棣色(はねずいろ)へと変化していた。

「久しぶりだね。翡翠。何年ぶりかな」
「・・・・!?その声・・・瑠璃姉様なのですか?」
「そ。正真正銘の瑠璃だけど?」
「《え、知り合い・・・?瑠璃》」
「私の眷属で昔馴染みって奴よ。凪優」
「《そうなんだ・・・・》」
「《あれが翡翠の話してたお姉様なの?》」
「ああ。そうだ、結衣。まさかこんな形で再開できるとは思ってもみなかったがな」
「《ふーん、そっかぁ・・・・》」

意外な所で再会を果たした瑠璃と翡翠は久々の再会に感傷に浸る。
しかし、それを問屋が卸さなかった。

「おい、さっさと始めろや」

場外からの野次が入ったのだ。
無論、その声の主は決まっている。
蘭豹である。

「・・・ったく、蘭豹ってば、人が感動の再会だっていうのに」
「ホントに無粋な人間ですね」
「仕方ないでしょ。だって蘭豹だし。まぁ始めようか。翡翠」
「そうですね。瑠璃」

会話の直後、フィールドに静寂が訪れる。
そして互いの構えた刀が切り結ぶ音がフィールドに鳴り響く。

「へぇ、やるじゃん。翡翠」
「当然です。研鑽はしてますからねっ」

斬りつけ、カウンター返し。そういった行動が続き、2人の攻防は拮抗していた。
が、それは只の人間からすれば次元が違う。
目で追う事も困難な状態なのだ。
故に生徒たちは呆気にとられていた。
流石のアリアも呆気にとられていた。

が、一人ウズウズしている人物がいた。
言うまでもなく、蘭豹である。

「もう、我慢できん。ウチも混ぜろ」

そう言ってアリアに持っていたタイマーを強引に投げ渡し斬馬刀を振り上げて上からの奇襲。

「(・д・)チッやっぱりこうなったか!」

瑠璃は腰のもう一つの刀を抜き、二つの刀を交差させて蘭豹の一撃を防ぐ。
そして遠くへ弾き飛ばした。
が、蘭豹は空中で体勢を変えて吹き飛ばされた衝撃を推進力に変えて斬りかかる。
それを寸前まで引きつけてから跳躍で躱す。
そして蘭豹の頸に蹴りを叩き込んだ。

「やっぱ、やるやんけ。三嶋妹ォ!!」

首を鳴らしながら獰猛な笑みを見せ、叫ぶ蘭豹。

「それはどうも。蘭豹先生、気をつけた方が良いですよ?」
「・・・どぉいう意味や」
「意味は・・・・身を持って知った方がよろしいですよ?」

瑠璃の言葉の直後に能力で生成した焔の剣が襲いかかる。
その技を放ったのは翡翠。
そして狙いは・・・蘭豹と瑠璃。

「ウチを舐めんじゃねぇぇぇぇ!!」

蘭豹は斬馬刀で焔の剣を斬り捨てようとした。

「・・・・ッちぃ・・・・アジな真似してくれるやんけぇ・・・」

だが、焔の剣は蘭豹の振りかざした斬馬刀が触れた瞬間に爆発する。
そして、その爆風は蘭豹を軽々と吹き飛ばした。

「厄介な技を・・・・」

それを見た瑠璃は舌打ちをし、そう吐き捨てた。

「どうです・・・、姉様?この『まわる(フラミウム・グラディウム・)焔の剣(アトク・ヴェルサティレム)』の威力は。さぁ・・・・存分にその威力をその身をもって体感してください!」

翡翠の背後に現れた魔法陣から焔の剣が大量に生成され、瑠璃に襲いかかった。

「だったら・・・。コレで相手奉る。『エクスキューショナーソード(エンシス・エクセクエンス)』!!」

瑠璃は手に持っていた刀を鞘に戻す。
そして瞬時に両手に能力で長刀を生成し、襲いかかる焔の剣を斬りながら突貫する。
瑠璃の刀に触れた焔の剣は蒸発し消滅した。
それは何故か。
理由は『エクスキューショナーソード(エンシス・エクセクエンス)』の効果にある。
その効果とは、触れたものを強制的に物質を固体・液体から強制的に気体へと相転移させる事。
物質によっては効果を受け付けないものも存在する。
気体への相転移は「蒸発」を意味し、効果範囲に強大な破壊をもたらしてあらゆるものが消し飛ぶのだ。
更に、相転移した物質は大量の融解熱、気化熱を吸収することで周囲の温度を大幅に下げて
相転移を回避しても低温に曝すという二段構えの効果もあるのだ。

瑠璃は敢えて焔の剣に触れて爆風を発生させる。
発生した爆風の勢いを利用し、跳躍する瑠璃。
そして上空から翡翠に斬りかかる。

「甘いですよ!!『影布(ウンブラエ・)七重(セプテンクレクス・)対物(バリエース・)障壁(アンティコルポラーリス)』!!」

翡翠は無数の影を変換させた帯状の武器を重ねて相手の物理&魔法攻撃を防ぐ盾を展開する。
瑠璃の攻撃はその障壁に阻まれてしまった。

「だったら・・・これでっ・・・・」

瑠璃は展開していた『エクスキューショナーソード(エンシス・エクセクエンス)』を解除し、
次なる一手を放とうとした。
が、復活の蘭豹に阻まれた。
この好機を逃さない翡翠は次なる一手を繰り出した。

剣風華爆焔壁(けんふうかばくえんへき)!」

炎を纏わせた刀を払う。
放たれた爆焔は瑠璃と蘭豹に襲いかかる。
蘭豹は跳躍で避けようとする。
…………が、爆焔の威力が強過ぎるゆえに蘭豹の脚に掠る。
それにより、蘭豹は体勢を崩されて墜ちてしまった。

終わりなく白き九天(アペラントス・レウコス・ウラノス)!!」

瑠璃は巨大な雷をまとった氷の竜巻を発生させる。
竜巻は、周囲に氷のイバラを伸ばして周囲を凍結させつつも爆焔とぶつかり合う。
拮抗した状態が続き、互いに威力が弱っていく。
その状態が暫く続いた後、氷の竜巻と爆焔は相殺され消滅した。

その時、アリアの持っていたタイマーのブザーが鳴る。
時間切れである。
3人は刀剣を鞘に戻し、模擬戦は終了した。
尚、蘭豹がそれを無視して第2R開始・・・・
と、思いきや霧島(きりしま)(あおい)によって捕えられた事があったのは余談である。


私と結衣は元の姿に戻る。

「お疲れ様、結衣。いい戦いだったね」

そう言って私は結衣に手を差し出す。

「え゛っ・・・?」

私が手を差し出した途端、泣き出す結衣。
私は訳がわかんないので戸惑っていた。
それは周りも同様だった。

「取り敢えず、凪優(水無瀬)が悪いんじゃね?」

という空気が流れ出す始末である。

「え、えーと、どうしたの、結衣?」

心当たりが皆無な私は結衣に尋ねた。

「『どうしたの?』じゃないよ!ミナ!ずっと会いたかったんだからぁっ!連絡も一切寄越さないしさ!!」

泣きながらそう訴えるは結衣。

「え、あっ・・・・・ゴメン。・・・・・待って」
「ふぇ・・・?」
「結衣、今私の事『ミナ』って呼ばなかった・・・?」

なーんか、引っかかるんだけど。
さっきから見覚えあんだよなぁ・・・・・。
誰だっけなぁ・・・・。

「うん、呼んだよ?だって、ミナはミナじゃん」
「・・・・・・・・・・・・」

結衣の答えに固まる私。
私の事を「ミナ」って呼ぶのは知り合い・・・しかもイ・ウーメンバーで該当者は1名。

イ・ウー研鑽派(ダイオ・ノマド)・『紅蓮の魔女』姫神結衣

アイツしか居ない。

「もしかして・・・・・『ヒメ』なの・・・?」

恐る恐るその該当者の渾名を口にする私。

「うん、そうだよ・・・・。もしかして、全然気づいてなかったの?」
「あ、うん・・・。ゴメン。他人の空似だと思ってた」

気不味いけど、それを堪えて正直に言った。

「ミナ、酷すぎるぅ!号(┳Д┳)泣この仕打ちはあんまりだよぉぉぉぉぉぉ!!!」

結衣、ギャン泣きである。
・・・・私、もしかしなくとも地雷踏んだ?特大級の。

「・・・・・・・だろうな」

何時の間にか実体化し花梨の姿になった瑠璃が呆れた表情を見せていた。

「あー・・・これはしばらく泣き止まねぇパターンだわ・・・・」

翡翠色のロングヘアーをサイドテールにした紅い瞳の女子生徒が嘆息混じりに呟いた。

「あっ・・・翡翠、貴女も実体化出来るんだ・・・・」

何か気付いた花梨が女子生徒に話しかける。

「はい。この姿の時は『椎名(しいな)(みどり)』です。『翠』とお呼びください。姉様」
「私のこの姿の時の名前は『三嶋花梨』。フツーに『花梨』と呼べばいいから。あと、敬語も要らないから。色々と誤解されるし」
「わかりまs・・・解ったわ。花梨」

花梨と翠の会話は弾んでいた。
花梨、良かったね。友達が出来て。

「でさ・・・・結衣だっけ。翠、何とかできないの?」
「無理・・・かな。あそこまで泣かれると匙投げるレベル」
「そっか・・・・じゃあ凪優に頑張ってもらうしか無いんだ・・・・」
「そうね。それしかなさそう」
「・・・・だってさ。1人で頑張ってね!凪優」
「花梨・・・なんで・・・・私1人なの!?」
「だって、凪優の自業自得じゃん。それに勝手に私をボッチ扱いした罰だよっ!!」
「え・・・?ボッチ・・・でしょ?」
「違うわぃ!!酷いな!?私だって友達位いるからね!?」

何時の間にか花梨と口論になる私。

「ぐすっ・・・・ひぐっ・・・・あのさ・・・・私・・・・何時まで放置なの?」

結衣が自分で泣き止み、言った言葉に私達は押し黙る。

「「「・・・・・・・・あ」」」

そして私・花梨・翠は何かを思い出したかの様に揃って発言する。

「な、何・・・・・・・・??」
「「「お前のこと、すっかり忘れてたわ」」」

結衣の質問に3人は同時に衝撃の答えを言い放った。

「ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン! 何、コイツ等!!超酷いんだけどぉぉぉぉぉぉ!!」

その答えに再び大号泣の結衣。
周囲の・・・・あかりからも私に対する視線は痛かった。
正直、私がギャン泣きしたいくらいな心情である。
それを必死に堪えて私はこの後、30分くらいかけてヒメを慰めた。
そして今までで経験したこと無いくらいにかなり謝り倒したのであった。

続く・・・・。
 
 

 
後書き
葵   「さて、如何だったでしょうか」
理子  「あれ・・・?此処で終わりなの?ねぇ」
葵   「あ・・・うん。そうだけど」
理子  「バスジャック何処行ったのさ!?」
葵   「え。次回だけど・・・・」
理子  「なんで!?リメイク前は1話で収まってたじゃん!!」
葵   「・・・だったんだけど。加筆やら書き直しやら多くてさ」
理子  「文字数増えちゃったんだ・・・・」
葵   「そうなのよね。1話にしちゃうと10000文字オーバーしちゃいそうだし」
理子  「それは無理ないね。・・・んであおちー」
葵   「何よ?理子」
理子  「それに対する弁明は・・・?」
葵   「・・・・(。・ ω<)ゞてへぺろ♡」
理子  「イメージCV決めた途端にそのネタなんだね・・・(呆」
葵   「良いのっ!!最後の謝辞行くよ?」
理子  「大丈夫なのかなぁ・・・?この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰だよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから、今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定となっております。ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願い致します」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくお願いなんだからねっ!」
葵 「それでは、また次回のこのあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
2人  「「ばいばいっ!!」」

これでも標準量なあとがき⑪ 完 

 

第011弾 最短最速バスジャック解決法(真似はオススメできない)

 
前書き
絢香 「皆さん、初めまして。三嶋絢香です」
花梨 「皆さん、お久しぶりです。三嶋花梨です」
絢香 「ん・・・?お前の挨拶違わないか?」
花梨 「大丈夫です。姉様。私はこれまであとがきに散々出てましたし」
絢香 「そういう事なのか。だったら納得だ」
花梨 「そうですか」
絢香 「そういえば、あたしの正体って緋緋神なんだよな」
花梨 「そうですね。私の正体が瑠璃神・・・って、何故そんな事を?」
絢香 「だって・・・花梨以外、名前とイメージCVしか決まってないじゃねぇか」
花梨 「それは・・・事実ですね」
絢香 「だから・・・・これから語ろうかと」
花梨 「いきなりですね・・・・」
絢香 「色金に宿る神同士のトーク番組。名付けて・・・・」
花梨 「何故でしょう。嫌な予感しかしないんですが・・・」
絢香 「神トーーク!!!」
花梨 「アウトです!姉様!!さぁ、タイトルコール行きましょう!!」
絢香 「何だよ・・・妹のくせに生意気な」
花梨 「姉様・・・?」
絢香 「解りましたよ。解りました。・・・・『第011弾』」
花梨 「『最短最速バスジャック解決法(真似はオススメできない)』」
絢梨 「「どうぞ!!」」

色々とアウトな長女と気苦労の四女がお送りしたまえがき⑫ 完 

 
翌日、私とキンジと結衣は朝食を摂っていた。
第3男子寮のキンジの部屋で。
結衣は私と同じ部屋を希望した。
その結果、私と同様に女子寮新棟が完成するまで、キンジの部屋に暮らす事となったのであった。
それを知ったキンジは OTL 状態になっていた。もう諦めろ(笑)

「そういえば、キンジって今日からバス通なんでしょ?時間大丈夫なの?」
「え、まだ余裕あると思うんだが・・・・」

キンジは自身の腕時計を見て言う。

「え、何言ってるの?もう出ないとフツーに間に合わないと思うんだけど」

私は自分の腕時計を見て言う。

「今の時刻は・・・?」

キンジが恐る恐る現在時刻を尋ねる。

「7時52分」
「んな、マジかよ!」

私が答えるとキンジは慌てて飛び出していった。

「で、私達は何で行くの?」
「そりゃ、雨だし車でしょ」
「免許持ってんの・・・・?」
「当たり前でしょ」

結衣の発言に呆れる私。
持ってなかったら「車」っていう答え出ないんだけど。

♦♫♦・*:..。♦♫♦*゚¨゚゚・*:..。♦

「ミナ、ケータイ鳴ってる」

結衣の指摘で私は通話に出る。
相手はアリアだった。

「もしもし?アリア、どうしたの?」
「凪優、今どこ?」
「え、まだ寮だけど?」
「今すぐC装備で女子寮の屋上!いいわね?」

切羽詰まっている様子のアリア。
『C装備』…………強襲科の生徒が所謂、『出入り』に使う装備だ。

「・・・・事件か」
「ええ」

私の言葉に肯定するアリア。

「わかった。今すぐ向かう」

私が返事を返すと通話は切れた。

「どうしたん?ミナ」

結衣が先程の通話内容を尋ねた。

「事件だってよ。ヒメ、瞬間移動使えるよね?」
「え、大丈夫だよ。粒子そんなに飛んでないし」
「じゃあ、ちょいとお願い」
「あいあいさー。…………で、何処なの?場所は」
「第一女子寮の屋上」
「りょーかい」

私は結衣に事件だと言うことを伝える。
その後、結衣に第一女子寮までの瞬間移動を頼んだ。
まぁ、私も瞬間移動は使える。
しかし、何が起こるか不明なので此処は温存しておこう。

私の頼みを了承した結衣は瞬間移動を発動させる。
直後、2人の姿が一瞬にして消えた。
行き先は無論、第一女子寮屋上である。
なお、花梨は爆睡中だったので放置である。

「お待たせ、アリア」

結衣の瞬間移動で女子寮の屋上に到着した私達。
そこには既にアリアと狙撃科(スナイプ)の麒麟児の異名を持つレキがそこにいた。

「早っ!どうやって来たのよ。確かにあたしは『今すぐ』とは言ったけど………」

あまりの私達の到着の早さに驚愕するアリア。
おそらくは瞬間移動自体、初見なのだろう。
この瞬間移動自体、結構燃費が悪い。
数回………3回位の発動で大体の超偵はスタミナ切れを起こし、使い物にならなくなる。
故に瞬間移動を使用する超偵は世界に片手で数える程しか存在しない。

まぁ、私と結衣の場合、結構な頻度で使っている故の慣れなのだろう。
瞬間移動は燃費良く連発も可能だ。
私達の場合、花梨と翠………瑠璃神と翡翠の恩恵が大きいのだが。

「え、私の瞬間移動で」

結衣はアッサリ答えた。

「そ、そう・・・・・。まぁいいわ」

アリアは何かを察したのか、それ以上の言及はしなかった。
アリアの勘が何かを告げたのだろう。
アリアよ、その判断は正しい。
結衣に言及してたら事件が一向に解決できずに任務失敗だろう。

「で、どんな事件?」
「バスジャックよ。」

私が事件の内容を尋ねるとアリアから「バスジャック」と回答が帰ってきた。

「バスジャックか・・・・。って事はまた武偵殺し絡みなのね」
「そうよ」

私の質問に肯定するアリア。
そうか・・・・『武偵殺し』ねぇ・・・・また動き出しやがったのか。
私の個人的な犯人の目星は大方付いている。
だが、狙いが解らん。
去年の冬のシージャックはカナ姉・・・・金一さんだったんだけど。
その弟のキンジ・・・・という線は考えにくい。
だとすれば・・・・アリアか・・・・?
アリアとなれば、狙いにする理由が何処かしらあるはずだ。
それを推測しようにも情報が足りない。
確証を得るのに・・・そのウラが取れれば問題はない。
そのウラを取るのにもってこいの術式がある。
だけど、その術式を対象者に仕込むのに欠点がある。
どうにかして仕込まねばな・・・・。

私がそう考えているとバスジャック制圧の人員が増えた。
その人物とは・・・・・なんと、キンジだった。
どうやら、あの後、ダッシュでバス停に向かったものの、タッチの差で間に合わなかったらしい。
そして、遅刻上等で徒歩で向かおうとした時にアリアから連絡が入ったらしい。
急いで来たものの、メンバーの中では到着が遅かったので、キンジはアリアに怒られていた。
キンジ・・・哀れな男。
それを結衣は不機嫌そうに見ていた。
まさか・・・・ねぇ?
結衣がキンジに恋慕を抱いていることは・・・・多分ないだろう。うん。

・・・・・・・・・・・・。
いや、あったわ。
マジこれ、結衣の奴アリアに嫉妬してんじゃねぇかよ。
恋慕抱いてんじゃねぇか。
・・・・あ。どうしよう。
こうなると、問題発生じゃねぇか。
あの武装巫女・・・白雪だ。
彼女のことだ。絶対に殴りこみされる・・・。
そうなったらそうなっただ。
寮の敷金の問題になる前に凍らせておくか(マジで)。

「凪優・・・・?状況説明(ブリーフィング)するわよ」
「あっ・・・ゴメン。始めて」
「解ったわ。先ず、今から解決するのはバスジャックよ」
「――バス?」
「乗っ取られたのは武偵高の通学バスよ。凪優達のマンションの前に7時58分に停留したハズのヤツ」

キンジはそれを聞いて驚愕の表情だった。
それは無理もない。
何せ、自分が乗るはずだったバスが乗っ取られたんだから。
そして、そのバスに武偵高の生徒がすし詰めに乗っている事も。
幸か不幸か・・・・。
そのバスに武藤も乗ってるんだよねぇ・・・・。
見知った気配がいてビックリなんだが。

「――犯人は、車内に居るのか」
「それはわk「居ないわね。バスに爆弾仕掛けられてるわね」・・・凪優?」

キンジの問いにアリアが答えようとするのに被せる様に断言する私。

「凪優、アンタ解るの?」
「見えないけど、大体は見知った気配数名と見知らぬ不穏な物が床下にあるって事は感じるわね。見知らぬ人の気配は感じないわね」
「ミナ・・・・凪優が言うんだったら間違いないね」
「姫神・・・だっけか。どうしてそんなことが言えるんだ?」
「『結衣』でいいよ。キンジ。凪優の気配察知は人外の域に達していて大体的中してるから」
「成程ねぇ・・・やるじゃない、凪優。・・・で凪優はどう思ってるわけ?」
「ま・・・この手口は以前のチャリジャックと同一犯でしょうね。アリアもそう思ってるんでしょ?」
「ええ。ヤツ――武偵殺しは毎回、乗り物に『減速すると爆発する爆弾』を仕掛けて自由を奪って、遠隔操作でコントロールするの。でも、その操作に使う電波があるの。それが―」
「『それが今回キャッチしたのとキンジのチャリジャックと同一だった』って訳ね」
「そうよ」
「おい、待て。アリア、凪優。あの時の犯人…『武偵殺し』は逮捕されたハズだぞ」
「それは真犯人じゃないわ。キンジ」
「アリア・・・・?何を言って・・・・」
「あんな狡猾な手を使う奴がアッサリ捕まる訳が無い。あの時捕まったのは替え玉よ」
「『替え玉』って・・・凪優まで何を言ってるんだよ。どういう事だ」
「キンジ・・・それは後にして。どうやら御迎えが来たみたいだから」
「結衣・・・・?『御迎え』って何だよ」
「コレだよ」

キンジの言及を止めた結衣が背後を向く。
すると、タイミングよく青色の回転灯を付けた車輌科(ロジ)のシングルローター・ヘリが女子寮の屋上に降下してきていた。
私達は直様にヘリに乗り込む。
キンジも納得いかない表情だったが、その後を追うようにヘリに乗り込んだ。
ヘリは私たちが乗り込んだのを確認した後、女子寮の屋上から飛び立った。

ヘリでの移動中に今回の事件の状況整理を行う。
インカムに入ってくる通信科(コネクト)からの話によると、武偵高のバスの車種はいすゞ・エルガミオ。
武藤達を7時58分に第三男子寮前で乗せた後、どこの停留場前にも停まらず、暴走を始めたらしい。
その後、車内に居合わせた生徒達からバスジャックされたとの緊急連絡が入った。
定員オーバーの60人を乗せたバスは学園島を一週した後に青海南橋を渡り、台場に入ったらしい。
警視庁と東京武偵局は動いてるものの、到着には時間がかかるらしい。
どうやら私達が一番乗りのようだ。

「ねぇ、美咲。バスの中にいる武藤に通信できるかしら?」
『えっ・・・・はい。可能です」
「ちょっと繋げてくれるかしら?」
『了解です』

私は状況説明をしてくれた通信科の生徒…中空知美咲にバスジャックされた車内に居る友人の武藤剛気に通信を繋ぐように依頼する。
私の依頼に美咲は応じ、剛気と通信が繋がる。

「剛気・・・ちょっと良いかしら?」
『その声・・・・まさか凪優か!?』
「ええ。その通りよ。アンタ、バスの中に居るんでしょ?生徒達に指示をお願い」
『指示って・・・・何をだよ』
「簡単な事よ。人が4人活動できるスペースを空けるだけよ」
『窓側とか指定は無いよな?』
「ええ。何処でも良いわ」
『解った。今すぐ対処するぜ』
「頼むわ」

私は剛気との通信を終了するとアリアとキンジ、結衣、レキに指示を行う。

「アリア、キンジ。高所からのダイブは問題ないわよね?」
「それは・・・・問題ないけど、何をする気なの、凪優」
「俺も問題ないが・・・・何をする気なんだ。凪優」
「何って・・・・最速でバスの中に突入するのよ。・・・結衣」
「りょーかい。私は準備できてるよ」
「レキ、貴女はヘリに残ってバックアップをお願い」
「解りました」

アリアとキンジが疑問を口にし、結衣とレキは私の指示に了承した。
アリアとキンジには悪いが、説明している時間はない。

「凪優・・・私がキンジを連れて行けば良いの?」
「ええ。私がアリアを連れて行くから。結衣・・・バスの座標リンク大丈夫よね?」
「うん。問題ないよ、凪優。行こっか」
「ええ。そうね」

私はアリアを、結衣はキンジをお姫様抱っこで抱えて、開け放たれたヘリのドアの前に立つ。

「ちょっと、何をする気なの、二人共!?」
「そうだ。一体何をする気なんだよ!?」

アリアとキンジはワケが解らず、騒いでいた。

「悪いけど、説明している時間は無いから実行させて貰うわ」
「あと、二人共あんまり喋らないでね。舌噛むし。それに手を離すと死んじゃうから」
「「えっ・・・・」」
「行くよ。結衣」
「OK。凪優」

アリアとキンジの返事を待たずに私と結衣はヘリから飛び降りた。
勿論、パラシュートは・・・・無い。
あっても邪魔だからな。
落下する途中で私と結衣は瞬間移動を発動させた。
ヘリからでも出来なくもないが、屋外の方が座標がブレないのだ。
私と結衣の姿が光に包まれて消えた。



「「はい。到着っと」」

私と結衣はハイジャックされたバスの車内に転移した。
予め剛気に指示しておいた空白のペースにアリアとキンジを降ろした。

「まさか・・・こんな突入方法とは思ってもなかった・・・・・」
「流石のアタシでも同感だわ・・・・・」

キンジとアリアはまさかの常識を超えた突入方法にげんなりしていた。
これが「普通の思考」というやつなのだろうか。

「え、だってこれが最短最速の突入方法じゃない」

私はきょとんとした表情で言う。
うんうん。と賛同するヒメ。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

キンジとアリアは限度を超えたセオリーの行方不明さに無言だった。

「さて・・・・と。始めるか」

私は床に手を当て詳細状況の把握を開始する。

「な、何やってるの、凪優!?」

アリアは私の行動に異を唱えたが、結衣がそれを制す。

「大丈夫。ミナは接触感応能力(サイコメトリー)使っているだけだから」
接触感応能力(サイコメトリー)?」
「そ、触れたものの情報を読み取ることができるの」
「まず、爆弾は車体の下にある。カジンスキーβ型のプラスチック爆弾で炸薬容積は3500c㎥ってところね」

私がこのバスに仕掛けられた爆弾の情報を読み取る。
/(^o^)\ナンテコッタイ。こんなの・・・バスどころか鉄道車両が吹っ飛ぶ威力じゃないの。

「ねぇ、結衣、アタシを爆弾の近くに転移して。解除を試みてみるわ」

アリアが結衣に提案する。

「わかった。無茶しないでよ」

結衣は了承し、アリアを爆弾の近く(バスの真下)に転移させた。
結衣の口から発せられる言葉として違和感があったのは多分気のせいだ。

その直後だった。
ドンッ!と私達の乗ったバスに衝撃が襲った。
先程までバスの後ろを走っていたオープンカーに追突された。
その衝撃に転んでしまう私達。

「アリア・・・!?大丈夫!?」
『・・・・・』

応答が・・・・無い。

私は瞬間移動でアリアをバスの中に転移させた。
アリアは先程の一件で額に切り傷が出来て、出血し、意識を失っていた。
なので、私は能力を使ってアリアの治癒を行う。
今の状態だと完璧に治癒するのは難しい。
まぁ・・・痕は残るだろうが、大丈夫なはずだ。

「・・・・っ!?」

アリアの治療中のその時、私は何か・・・嫌な予感がした。

「・・・?どうしたの、凪優」

私の行動を不審に思った結衣が尋ねる。

「結衣・・・・障壁を今すぐにこのバスの周囲に展開。そして・・・総員、伏せろぉ!!」

私は怒鳴るように指示を飛ばす。

影布(ウンブラエ・)七重(セプテンクレクス・)対物(バリエース・)障壁(アンティコルポラーリス)!!!」

私の指示で結衣が影で作られた障壁がバスの周囲に展開された直後、オープンカー・・・・ルノー・スポール・スパイダーに装着されたUZIが火を吹いた。
無数の銃弾は大半が障壁に防がれるも、障壁を逃れた銃弾によってバスの窓ガラスは粉砕された。
その直後、バスが妙な揺れ方をする。
運転席を見ると、運転手がハンドルにもたれかかるように倒れていた。
銃弾は運悪く、バスの運転手の肩に被弾していた。
運転の為に身体を下げられなかったのか・・・・。
運転手のいないバスは左車線に大きくはみ出して避けた対向車がガードレールにぶつかって火花を散らす。
それに輪をかけて減速を始めている。
マズイぞ・・・・これは・・・。

「有明コロシアムの 角を 右折 しやがれ DEATH」

更に輪をかけてさっきの衝撃で転んだ女子生徒の携帯からボカロの合成音声が聞こえる。
語尾のイントネーションが『DEATH』に聞こえたのは当てつけか・・・?

私はキンジと男子生徒にバスの運転手を座席に寝かせるように指示する。

「結衣、能力で傷の治癒・・・できるよね?」
「う、うん・・・。出来るけど・・・・」
「じゃあ、運転手さんの治癒頼むわ。あと、障壁の維持も」
「りょ・・・了解」
「剛気、運転変わって。アイツの指示通りの道で走るのと減速させないで。絶対」
「い、いいけどよ!オレ、こないだ改造車がバレて、あと1点しか違反できないんだぞ!」
「それ、自業自得でしょうが!んなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「ぅぐっ」
「それと、これ・・・装備しておいて」

私は自分の装備していたC装備を脱いで剛気に投げ渡し、防弾制服姿になった。

「お、おい!何で脱ぐんだよ!?」
「いいの、キンジ。こっちの方が動き易いし。キンジ、アリアと結衣のサポート宜しく」
「あ、ああ・・・・」

私は瞬間移動を使い、バスに追走しているルノーの運転席に転移した。
ルノーの運転席に転移した私は先ず、遠隔操作の制御チップの位置を探る。
そして、最近練習中の電気系統の能力で制御チップの上書きを行う。
上書きが終了し、ルノーが私の制御下に置かれた。
取り敢えず、通常の手動運転にセットして私はルノーを運転する。

その時だ。ルノーの横に・・・・ベスパがいた。
通常では有り得ないほどのスピードなので改造モノだろう。
更に運転手が居ないので、自動で遠隔操作されているのだろう。
そして・・・ベスパにセットされたUZIが・・・・火を吹いた。
私はルノーを運転し、銃弾の雨を回避する。
しかし、このまま回避するだけじゃ埓があかない。

なので、私はルノーを『自動操縦』に切り替える。
何気にこのルノーに搭載されたAIチップは高性能だった。
故に『最適なコース』で回避しつつ、走行できるっぽい。
どうやら、ベスパに搭載された物よりも、こっちが高性能らしい。
カンペキにベスパから放たれる銃弾の雨を被弾ゼロで回避していた。

私は運転席の上に立ち、6ウニカとトーラス ジャッジ M513 ジャッジマグナムをホルスターから取り出して、UZIとベスパの制御チップを狙って、発砲。

迫り来る銃弾を銃弾撃ち(ビリヤード)で弾き、HITさせていく。
HITしたベスパは制御権が消滅し、転倒して壁にぶつかって爆裂霧散。
次々とベスパを爆裂させていく私。
しかし、そうも順調にはいかなかった。

なんと、第2波でガトリング砲付きのドローンが襲撃してきたではないか。
ギリギリで回避するルノー。
しかし、隙がないのと・・・射程が・・・足りない。
このままではジリ貧だ。
そう思った時だ。

『凪優、大丈夫なの!?』

通信が入った相手は・・・アリアだ。

「アリア!?アンタの方こそ大丈夫なの!?」
『あたしは大丈夫よ。今から凪優の援護に入るわ!』

アリアからの提案・・・・。
これはまたとないタイミングだ。

「解った。じゃあ、今から私と交換でルノーに乗ってベスパを撃墜して頂戴」
『解ったわ・・・・・って、運転しながら!?火力負けするわよ!?』
「運転は自動運転だし、問題ないわ」
『解ったわ。・・・・で、凪優はどうするの?」
「私?私は・・・・バスの上に乗ってドローンの撃墜をするわ」
『ドローン!?何でそんな物が!?』
「さぁ?大方、私を始末するためでしょ?」
『そう・・・・』
「あぁ・・・あとC装備は脱いだほうが良いわね」
『何でよ!?』
「だって・・・・動きにくいじゃないアレ」
『まぁ・・・アドバイスとして受け取っておくわ』
「よし・・・・10秒後に交換するわよ?」
『解ったわ。凪優、ベスパの狙いどころは?』
「取り付けのUZIと外付けのでかい制御チップ」
『ふぅん・・・了解よ』

通信が切れる。
私は瞬間移動を発動させ、アリアをルノーの運転席に、そして自身をバスの屋根に転移させる。
バスの屋根上で足元に能力を発動させる。
こうすることで、落下は防げるだろう。

氷槍(ヤクラーティオ・)弾雨(グランディニス)!!」

私は能力によって周囲に展開させた大量の氷片の槍を一気に降らせて攻撃する。
魔法の矢(サギタ・マギカ)よりも威力は強力なのでこちらを選択した。
この技には上から下へしか降らして攻撃することしかできないという欠点が存在する。
だが、今回は展開する始点をドローンの上に設定している。
なお、自動追尾も可能なのである。
つまりは・・・だ。
そう・・・回避される事なくドローンを粉砕する事が出来るのだ。

私は迫り来るドローンの群れを片っ端から粒子へと変えていく。
バスはレインボーブリッジに差し掛かっていた。
さて・・・・頃合か。
そろそろ終幕の時間だ。

「レキ・・・聞こえる?」
『問題ありません』
「バスの下の爆弾の停止スイッチを捕捉できるかしら?」
『可能です』
「そう。だったら合図したらスイッチを狙撃して、爆弾を停止させて」
『解りました。凪優さん、カウントお願いします』
「了解・・・。fivecount。5、4、3、2、1・・・・・0」
『―――私は一発の銃弾――――』

レキの声に続いて爆弾に狙撃。
停止スイッチが作動し、爆弾が停止する。
それと同時に私は爆弾を瞬間移動を使い、海上に転移させる。

氷爆(ニウィス・カースス)!!」

私は空気中に氷を瞬時に発生させ、凍気と爆風で攻撃する技を使い、爆弾を破壊した。
海上で綺麗な?花火が打ち上がった。

「よし、これで・・・」
『一件落着っ!』

それを確認し、通信で歓喜する私と結衣。
その後、バスは停止し、バスジャックは無事解決となった。

その後、事後処理が行わる流れとなり、結衣は一足先に武偵高へ戻った。
ま・・・無理もない。運転手の治癒にかなりの能力を消費したから疲れたのだろう。

「な、何とかなったわね・・・・。凪優と結衣がいて正解だったわ」
「あ、ああ・・・・。そう・・・だな」

アリアと今回、殆ど出番なしのキンジは二人安堵の表情で顔を見合わせていた。

「あ、そうだ・・・アイツにメール送っとこ」

私はバイト先に頼まれていた事をある人物に頼むべく、メールを送ったのだった。

Side_Out・・・・



Side_???

「(゚Д゚≡゚Д゚)??な・・・・何なんだよ!!これはーーーーーっっっっ!!」

あたしは一人、思いっきり絶叫していた。
バスジャックを解決されるのは想定内だ。
寧ろ・・・予定通りといっても良いだろう。
しかしだ。
想定外なことが起きた。
キンジが・・・・・遠山キンジがこのバスジャックで殆ど何もしていないのだ。
アリアと組ませてそこそこの活躍をさせるはずだったのに。
それすら出来ていないのだ。
これではパートナーどころではない。

アリアが、悲劇のヒロイン。
キンジが、主人公・・・・。

そうなるはずだったのに。
このままではモブキャラ一直線ルート確定だ。

そうであっては困る。
なんとしてでもキンジには主人公になって貰わねば。
こうなってしまってはあたしがその気にさせるしかあるまい。
どんな手段を使ってでも・・・・。

とは・・・いえだ。
それには障害がある。
凪優・・・・・水無瀬凪優の存在だ。
彼奴の事を調べたものの、最低限のことしか出てこなかった。
それに、情報も理路整然としていた。不自然なくらいに。
詳しく調べようとも全然情報が出てこない。
何なんだよ、彼奴は。
それにあの異常な強さ・・・・只者じゃない。
あのレベルとならば・・・裏においても相当な実力者なはずだ。

まさか・・・ね。

ふと、そんな思考が頭をよぎる。
あたしの所属する組織、『イ・ウー』
そこには穏健派と過激派、第3勢力が有ったが、今は穏健派と過激派の2分割となっている。
穏健派は『研鑽派(ダイオ)』、過激派は『主戦派《イグナティス》』と呼ばれる。

『主戦派《イグナティス》』の党首の名は綾野未海。
そして、『研鑽派(ダイオ)』の党首の名は・・・・水無瀬凪優。

彼女は『氷天の魔女』の二つ名を持つ氷系の能力者だ。
その実力は凄まじく、イ・ウー内でのNo.2の片割れと謂われている。

最初はあたしは同姓同名の他人かと思っていた。
だが、前回と今回の無双劇を見てそうは思えなくなっていた。

まさか・・・・同一人物なのか・・・・・?
だとしたら、あたしはとんでもない人物を敵に回した事になる。

確実に凪優は介入してくる。
そして既にあたしの事も目星は付けているだろう。
そうなれば・・・・確実にあたしと対峙する事になる。
そうなったら・・・・間違い無く勝ち目は・・・無い。
あぁ・・・・もう。あの時、ジャンヌ達に啖呵切ったのは間違いだった。
負ければ・・・・嘲笑されるだろう。
あのクソ爺共から。
それだけは・・・・真っ平御免だ。
だから・・・・全力で抗ってやる。


そう強く決意するあたしだった。
その時だ。あたしのケータイにメールが着信される。

相手は・・・・付き合いの深い武偵高の友人だった。
なんでも彼女のバイト先の人手が足りないらしく、ヘルプを頼みたいらしい。

まぁ・・・気晴らしになるし、ちょうどいいだろう。
このまま考えていても気が滅入るし。
そう思ったあたしは友人に「バイトのヘルプOK」と返信するのだった。

Side_Out…




 
 

 
後書き
葵 「さて、如何だったでしょうか」
理子「今回も時間かかったね。あおちー」
葵 「そうね」
理子「なんでこんなに時間かかったのさ」
葵 「そりゃあ・・・・ほぼ全部書き直しだからだよ」
理子「え?ほぼ全部!?」
葵 「そう。読み返すと不自然だらけでさ」
理子「納得行かなかったんだ・・・」
葵 「そうなのよ。だから流用出来る所以外は全部削除」
理子「そんでもって新規書きなおし・・・・」
葵 「そう。だから最新話書くのとそんなに変わんなかった」
理子「それでも時間かかったよね?今回」
葵 「うん。アイデアは浮かんでこないわ、書く気は失せるわ・・・・」
理子「完全に悪循環じゃん」
葵 「そうだよ。完全にそれ。だからマジで少しずつ書いてた」
理子「よく投稿できたよね」
葵 「それな。今日(投稿日前日の夜)は書いてたら以外に進んだの」
理子「しっかし・・・文字数多いよね。今回」
葵 「そうだね。リメイク前の3.5倍増だしね。本編の文字数」
理子「凄い増加量。ホント・・・分割してよかったよね」
葵 「それな。前回が7000ちょいだったし、1話にしたら16000文字超えだね」
理子「それは・・・文字数制限超えてんじゃん。分割して正解だよ」
葵 「だよね・・・。もう長く語ってるし、謝辞行っとく?」
理子「あ、そだね」
葵 「えっと・・・・この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰です。皆のこの話を読んでの評価で私は執筆頑張れますので今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいです!」
理子「あおちーのモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定なんだけど、次回もなるべく間隔が空かないように頑張るからよろしくなんだよ!」
葵 「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします」
理子「それでは、また次回」
葵 「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは・・・・」
葵子 「「ばいばいっ!!!」」

やっぱり長いあとがき⑫ 完 

 

第012弾 バイト中でも、有事の場合は参加する。

 
前書き
瑠樺 「瑠樺とー」
凛花 「凛花のー」
瑠凛 「「神トーーク!!」」
瑠樺 「やっと出番回ってきたな、私達」
凛花 「そうですね、姉様。 ですけど……」
瑠樺 「……?どうした、凛花」
凛花 「良いのですか、このネタ」
瑠樺 「知らん。 色々とやばい気はする」
凛花 「マジですか……大丈夫かなぁ?」
瑠樺 「凛花さ、心配しすぎ」
凛花 「姉様が無頓着過ぎなだけですっ!」
瑠樺 「ちょっと、聞き捨てならんぞ、凛花?」
凛花 「事実じゃないですか。 文句あるんですか?」
瑠樺 「良し、後で決着つけようや」
凛花 「良いですよ。受けて立ちますよ?」
瑠樺 「決まりだ……まずはタイトルコールだ」
凛花 「ですね。『第012弾』」
瑠樺 「『バイト中でも有事の場合は参加する。』」
瑠凛 「「どうぞー!!」」

剣呑なまえがき⑬ 完 

 
 主に私とヒメが無双して死傷者1で解決したバスジャックから数日経った日の土曜日。東京武偵高校第3男子寮、キンジの部屋で私達は夕食後の一時を過ごしていた。
 キンジとヒメはリビングでバラエティ番組を見ていた。
 その最中で結衣はキンジにスキあらば抱きついたりする等の猛アプローチをしてそれをキンジが必死に抵抗する…………こーいうパターンが頻繁に起きて――現在進行形で起きている。
 キンジと結衣のイチャコラをダイニングでこの前の一連の事件の資料に目を通しているアリアと、同じく、情報科《インフォルマ》で舞い込んできている依頼を片付ける私は「またか……」という視線で2人を見る。
 最初の方はちょっとしたイザコザがあったりしたが、なんつーか……何度も見せられたら慣れた。それはアリアも同様である。
 キンジは「助けろ……!」という視線でこっちを幾度なく見てくるがそれは全無視。

 何故なら結衣はああ見えて邪魔者とかには容赦が無い。その地域が消滅するくらいに。
 昔、それが実際に起こって建物とその周辺数キロが消滅し更地に成り果て、私が会計監査担当に怒られて賠償請求させられた。
 それからというもの私は胃薬のお世話になりっぱなしになって軽いトラウマになっている。
 だから、頑張れ、キンジ。自力で何とかしてね。健闘を祈るわ。私は関わりたくないの。

「ねぇ、凪優、話があるんだけど…………」

アリアに話を振られた私は

「あー、はいはい。じゃあ、私の部屋に移動しましょ? そっちのほうが安全だし」
「……わかったわ」

 PCを折り畳み、それを持ってアリアと共に自室に移動した。
 この時、認識阻害の術式を発動しておく。こんなところを盗撮盗聴されては困るからだ。


「で、話って何? もしかしなくともその資料のことでしょ?」
「ええ。なんにも武偵殺しに繋がる情報がないじゃない。アンタも含めて使えない奴らね」

私が予想していた通りだった。
アリアは資料の内容に相当ご立腹のご様子。

「ま、そう言いなさんなって。武偵殺しは狡猾な奴だし、表だけの手段で掴めるワケがないじゃない」
「『表だけ』…………? ってどういう意味よ」

私の発言の語句に引っ掛かりを覚えたアリアは質問した。

「まんまの意味だって。この資料は教務科(マスターズ)にも提出するからね。これ以上踏み込んだものは晒すべきじゃない」
「じゃあ、それを凪優は掴んでいるの……?」
「当然。これよ」

 そういって、机に置かれたファイルをアリアに渡す。
 渡された資料に目を通すアリア。そして表情はというと、驚愕だった。ま、そら当然か。

「……これって…………アンタ、これをどうやって……!?」
「言ったでしょ。『《《裏の手段》》』だって」
「一体、どういう伝手を……?」

武偵殺しの核心に踏み込んだ記載が記されている資料を閲覧したアリアは私に資料の情報ソース元を尋ねた。

「………………。まぁいいか。アリアに話しても」
「……何か隠してるの?」

私の含みのある発言にアリアは即座に反応した。

「ねぇ、アリア。貴女の母親に罪を被せた元凶であるイ・ウーのメンバーって把握してる?」
「え、いきなり……? まぁ、大体は把握してるわ」

いきなり振られた事ではあったが即座に答えるアリア。

「その中にタロットカードが由来の二つ名を持つメンバーがいなかった?」
「確かに居たわね。『魔術師(The Magician)』,『愚者(The Fool)』,『隠者(The Hermit)』。この3人よね」

アリアは私の問いに自身の記憶の引き出しを手繰り寄せて答える。

「そう。で、そのうちの『魔術師(The Magician)』が私」
「ほ、本当なの…………!?」
「本当よ。嘘じゃないわ」

私のアッサリと告白に対し、アリアは驚愕で目を見開いて言葉を失っていた。

「そうだったの…………。じゃあ…………」
「ああ、それは無い。だから安心して」

アリアは自らの心に芽生えた猜疑を口にしたが、私はアリアを諭す様に真っ向から否定した。

「私とアリア達が対立すること無いから。アリアの母親の一件に全員が関わっているワケじゃないもの」
「そうなの……?」
「ええ。少なくとも私含めた前述の3人は関わっていないわ。ま、その代替として新人が駆り出されてるけど」
「そう……。良かったわ」

私はサラッと重要事項を暴露しつつ、アリアを安心させる。
仮に私が敵に回ったとしたらデメリットしかない。それこそ、教授の思惑を崩しかねない。
そんな事になれば『研究』等容易く崩壊する。
だから、私はあの時の宣言通りに行動することにしている。
飽くまで私はサポートでその為であればどんな手段でも厭わない。
ベストなのはその中でアリアと特にキンジが成長する事だ。
キンジについては私と同じ二つ名持ってる奴みたくはなって欲しくはないが。

「凪優、ちょっと良い?」
「な、何……?」

アリアの言葉で思考から現実に戻る私。

「念の為に聞くけど、後の2人は一体誰なの? アンタ、知ってるんでしょ?」
「一人は同居人よ。そして、もう一人も名前聞けば思い出すんじゃないかしら?」

アリアの問いに私は少しはぐらかせたかのような答え方をした。

「焦らさないで」
「急かさないでってば。『隠者(The Hermit)』がヒメ……姫神結衣、『愚者(The Fool)』がアキ……旭野將文」

アリアの剣幕に観念した様に私は答えた。

「あの二人が…………。それであんなに強いんだ」
「なんか納得がいく点でもあった?」
「まぁ、そんなところね」

私の言葉に肯定したアリアは結衣はともかくアキと面識があるらしい。

「もう切り上げたほうが良さそうね。アリアも明日朝早いんでしょ?」
「あ、そうね。おやすみ、凪優」
「うん。おやすみ、アリア」

 話しているうちに時間が経過していたらしく、アリアは先程渡した資料を手に私の部屋から退出した。
 その直後、メールが入った。……えっと、なになに? 

「明日の人員が不足。誰でもいいから連れてきて。ただしむのーな奴だったら許さん」

 あー、店長か。また人手足りなくなったのかい。なんでこうも人手不足ばっかりなんよ!? もう1ヶ月連チャンだよ!? つくづく凄い所でバイトしてるな私。
 で、店長、誰でも良いのかそうじゃないのかどっちだよ!? あーもーわかりにくいなもー。
 誰誘おうかな…………………………………………………………………………………………あ。
 理子で良いんじゃね? アイツ、こーいうの喜びそうだし。
 それに色々と都合も良いからねぇ。
 よし、そうと決まれば善は急げっ! 理子にメールだっ! 私は即座に理子へ明日のバイトに誘うためのメールを送った。
 結果は…………一発すんなりあっさり了承だった。嬉しい反面、なんか拍子抜けな感じもした。……気のせいかな。



 翌日、アリアは母親との面会に出掛け、キンジは「ヒマだから」といってどこかへ。
 ま、あの二人は結局一緒になりそうだ。なんだかんだで。
 だってあの二人なんだかんだで相性が良さ――「なんか言った? 凪優ぅ?」

「何、人の思考に割り込んで来てるのよ、結衣。それに怖い」
「……なんか知らないけど危険な感じしたし」
「気のせいでしょ」
「……だと良いんだけど」

私のあしらいに不満マシマシな結衣。
なんでこんな時だけ勘が鋭いんだよ。普段はバカなのに。

「もう…………ほらさっさと行く。遅れるでしょ?」
「ぅえ!? もうこんな時間!? 翠ー! へるぷーみー!」
「くだらない戯言言ってないでさっさと走りなさい」
「(;´Д`)」

 私の指摘に相棒である翠に助力を求め、拒否られて絶望の OTL の後、駆け出していった結衣だった。
 なんだ今の茶番。

「言わないほうが身の為なんじゃない? 凪優」
「そうね、色々な意味でそうよね。花梨。久しぶりよね」
「前々回も出てたからね!?」
「新キャラ登場で印象薄いんでしょ?」
「酷っ!? まだ私はまえがきにしか出番ないキャラに負けないからっ!」
「誰に言ってんのよ。そしてメメタァだし」
「え、葵ちゃんだけど?」

 そんな茶番も余処に私はバイト先に向かい、花梨は部活に向かった。


 バイト先「喫茶・Orsa maggiore(オルサ・マッジョーレ)」。
 Orsa maggiore(オルサ・マッジョーレ)とはイタリア語で「北斗七星」を意味するらしい。

「……誰に説明してんのさ、なゆなゆ」
「さぁ?」
「知らないの!? 誰が説明しろと言ったの?」
「多分、葵?」
「そこであおちーが出てくる不思議」


合流直後にそんなやり取りもあったりしたりした後、私と理子は朝からフル回転。
 驚いた事に理子は結構適応力が高く即座に店長に気に入られ、なんと正式にバイト雇用されることとなった。
 あの店長から気に入られるとは凄いな、理子。
 だってあの店長、桐ヶ谷瑞穂からよ? あの元イ・ウー所属(正確には休学扱いである。要は私と同じ扱い)で「鬼の会計監査」と恐れられた瑞穂さんからよ? 
 こんな事、滅多に無いよ? いや、マジで。
 まぁ、その代わり当の本人……理子は真っ白に燃え尽きていた。(当然)
 顔も「やり遂げたぜ…………」的な表情だった。無茶しやがって…………。
 燃え尽きている理子に私はちょっとした仕込みをする事にした。
 いやまさかこうも上手く行くとは思わなかった。これで上手くいってくれる事を祈るわ…………。《《色々な意味でね》》

 おっと、兄さんからのメール………………。やっぱりか。

「店長、ちょっと兄からメールがあったんで出てきますね」
「ふぅん…………。それって急ぎなの?」
「えぇ、まぁ」
「そう……。じゃあこっち来て」
「……? はい」

 私が店長に中抜けする事を申し出ると、店長は自分の下に来る様に私に言った。
 私が店長の側に行くと、店長は私の眉間にそっと指を置いた。

liberazione(解放)

 その直後、私の姿が変わった。第4段階の姿に。でも、主人格は私のままだ。初めてだな。コレ。

「それは私の力で解放した姿よ。第3段階ってところね。負担も第2段階と同じくらいだし大丈夫だと思うわ」
「ありがとうございます。瑞穂さん」
「お礼は良いのよ。それよりもパートナー助けて来なさい。今日はこのまま直帰でいいから」
「はい。ではいってきます」

 その言葉を残し十八番である瞬間移動でアリアが向かった新宿警察署に向かった。

「兄さん、お待たせ」
「いや、大丈夫だ。それより凪優、君の体の負担は大丈夫なのか!?」
「もう、大丈夫よ。これくらい」
「そうか……ならいいんだ」

到着して直後に心配された。
ここでシスコン発動すんのかよ……ヤメロヨ。
私は軽くあしらい、兄さんは私の言葉で引き下がった。

「で、兄さん状況は」
「言って、悪い。おそらくだがこの面会は強制的に終了させられるだろうな」

兄さんは溜息混じりに答えた。

「兄さんの名でなんとかできないの?」
「不可能ではないが……それやると目つけられて俺が後々動きにくくなる」
「そっか……」

私の提案を兄さんは苦虫を潰した表情で答え、それを聞いた私は不満顔で答えた。

「だが、抵抗くらいはできるだろ」

提案した兄さんの顔は悪どい顔をしていた。

「抵抗?」
「そうだ。凪優がちょっと脅せばいいんだよ」

兄さんがトンデモ無いことを言い出した。
兄さんって公安所属なのによくもまぁそういう事を思いつくもんだ。

「うわ、いいの? 兄さんとは同業みたいな人達なんでしょ?」
「構わん。大体アイツ等は元々気に入らなかったしな」
「そう。なら遠慮なくやらせてもらうわ」
「ああ」
 
私の言葉に否定する事もなくGoサインを出す兄さん。
それを聞いた私は扉を開けて面会部屋内に入る。

「アリア…………!」
「時間だ!」

 興奮するアリアを宥めようとアクリル板に身を乗り出すアリアの母親・神崎かなえさん。
 それを管理官が羽交い締めするような形で引っ張り戻し、「あっ」とかなえさんが小さく喘ぐ。

「やめろッ! ママに乱暴するな!」

 アリアはまるで小さな猛獣のように犬歯をむいて、その赤紫色(カメリア)の目を激昂させてアクリル板に飛びかかった。
 だが、アクリル板はその透明さとは裏腹に厚く、固い。当然、少しも歪んだ形跡もなく、アリアを受け付けなかった。
 かなえさんはアリアを心配そうな目で見ながら、管理官2人がかりで引き摺られるようにして運ばれて――行かせるわけがないでしょ? この私がそんなの許すと思ってんのか? 
 巫山戯んな☆……ちょっとだけ、ちょっとだけ殺気も込めておくか。

「あの、その手を離してくれませんか? (ニッコリ」
「なんだ、君は。どこから入ってきた? さっさと退出しなさい」

私の存在に気付いた管理官は私に退出を促した。

「やーなのですよ? なんで命令されなきゃいけないんですか」
「貴様、おちょくっているのか?!」

管理官の言葉にイラッときた私は殺気を強めた。

「誰が? 私がか? 戯言を。何故に《《格下の雑魚の命令を聞かなきゃいけないのかしら》》?」
「か、格下だと…………!?」

 私の煽りに簡単に激昂する管理官達(雑魚共)。おーおー、単純だねぇ……。メッチャやりやすいわぁ。

「そ、格下。過去に私・水無瀬凪優にボッコボコにされた人ですからね」
「「水無瀬…………」」
「「………………………………」」
「「………………………………」」

私の苗字を反芻する管理官達(雑魚共)

「「げぇ!? 水無瀬凪優ぅ!? あの、公安0課・水無瀬祐一郎の妹の!?」」
「そう。やっと思い出してくれたかな? かな?」
「「超思い出しました!! 生意気言ってマジですいませんでしたっ!」」

 管理官共はその場で土下座した。

「貴方達、ここから即座に失せてくれる? もう視界に入れたくないし」
「「仰せのままに!!!」」

 管理官共は逃げ出すように失せていった。

「「「………………………………………………」」」

 アリア・キンジ・かなえさんは( ゚д゚)ポカーンって感じだった。
 そして面会室に管理官と入れ違いに兄さんが入ってきた。

「兄さん、こうなるのわかって私焚きつけたでしょ? この策士」
「いや? 結果オーライって感じだが?」

私の指摘にすっとぼける兄さん。

「嘘。私にはこれも想定内に思ってるようにしか思えないけれど?」
「まぁ、好きに思えばいいさ」
「じゃあ、そーいうことにしとくわ」

掴みどころない兄さんの答えに釈然としない私は無理矢理に納得した。

「あ、あの先程は助けてくださってありがとうございます…………」
「はじめまして……いや、お久しぶり。と言うべきでしょうか、神崎かなえさん」
「え? もしかして、祐くん? 久しぶりね」

兄さんに気づいたかなえさんは少し嬉しそうだった。

「え!? この人知ってるの!? ママ」
「ええ。この人の母親と幼馴染なのよ。舞花は元気にしてるかしら?」
「はい。御陰様で。今も世界中飛び回ってますよ」

兄さんは母さんの事を答える。

「そう。じゃあそっちは凪優ちゃん? 久しぶりね。5年ぶりかしら?」
「はい。お久しぶりです。かなえさん」

私の事に気づいたかなえさんと挨拶を交わす。

「挨拶はこれくらいにしておいて、少しお話を伺っても宜しいでしょうか?」
「はい」

 かなえさんが兄さんの申し出に了承し、兄さんは幾つか質問を出した。
 それにかなえさんは答えていく。
 途中、納得の行かない所があったアリアは兄さんに詰め寄るが、それを私が阻止。
 それからしばらくして、兄さんとかなえさんの面会は終了した。
 かなえさんは兄さんが元の場所に送るそうだ。かなえさんは席を立った後、振り返って

「キンジさん、凪優ちゃん、娘を……アリアのこと宜しくお願いしますね?」
「はい」
「了解です」

 そう私達が返すとかなえさんと兄さんは面会室の奥のクリーム色の扉の向こう側へ消えていった。

「ねぇ、帰ろ? アリア、キンジ」
「うん……」
「ああ」

 面会室に残された私達は帰ることにした。
 新宿警察署を後にして、3人で並んで歩く。

「キンジ、ちょっと先に帰っててくれない?」
「? なんでだ?」

私の提案に怪訝な顔をするキンジ。

「いや、ヒメがもうそろそろ帰ってくるし。ヒメ対策」
「なっ……。人を厄介払いに使うなよ」
「え、部屋が消滅しててもいいならこのままでも良いけれど」
「今すぐ帰る」

 私の言葉を聞いて青ざめたキンジはダッシュで寮に帰宅した。

「さて……アリア、なんか私に話したい事があるんじゃないの?」
「えっ……。わかるの?」

私の言葉に虚を突かれたアリア。

「まぁ…………大体ね」
「そっか…………。凪優、ありがとね。ママを助けてくれて」
「別に。感謝されることじゃない。アレは私もムカついたから」
「それでも良いの」

アリアはそう言って私の方に寄りかかる。

「そっか……」
「ねぇ、凪優」
「ん? どうしたの?」
「絶対、ママを助けよ…………ね?」
「ええ。元からそのつもりよ」

アリアの言葉に強く肯定する。
その後、私達はゆっくり帰途に着いた。
 余談だが、ヒメ対策の為に全速力で帰宅したキンジは、ギリギリ間に合ったそうな。
 そして、帰宅したヒメにめいいっぱい抱きつかれたそうな。当然、私達が帰る頃にはげんなりしていた。

 続くんだよ。 
 

 
後書き
葵 「ご無沙汰でした。マジで」
理子「いきなりな挨拶だね、あおちー」
花梨「事実だもんねー」
葵 「言うんじゃありません」
理子「そういえば、前回の投稿いつだっけ?」
葵 「えっと、去年の5月?」
理子「年越してんじゃん」
花梨「何してたのさ」
葵 「他作品の更新を……」
理子「あー……大して更新してないのにね」
葵 「うぐぅ……」
花梨「更新してその後は例の燃え尽き発現してんじゃん……」
葵 「ごはっ……」
花梨「そしてさぁ……」
理子「花ちゃん、やめたげて!? もうあおちーのライフはゼロよ!?」
花梨「仕方無い。勘弁してあげるよ」
理子「なんで、上から目線なんだろ……? おーい、あおちー。 生きてる?」
葵 「マジでギリギリで。 瀕死秒読み」
理子「良かった。 大丈夫そうだね」
花梨「じゃあ、謝辞行こうよ」
理子「そだね」
葵 「私の扱いがクッソ雑な件」
理子「気のせい」
花梨「幻想」
葵 「酷い」
理子「マジであおちー、謝辞行こうよ? ね?」
葵 「あっ……うん。そだね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰なんだよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
花梨「葵のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定なんだけど、次回もなるべく間隔が空かないように頑張るからよろしくね!」
葵 「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします」
理子「それでは、また次回」
花梨「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは……」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」」

久々でスタイル忘れかけたあとがき⑬ 完
 

 

第013弾 魔術師の対峙

 
前書き
お久しぶりです。
今回は特殊な理由で何時ものまえがきはお休みです。
それでは『第013弾 魔術師の対峙』どうぞ。


コラボ先》https://syosetu.org/novel/68453/
このお話の原案》https://syosetu.org/novel/68453/4.html

何時ものスタイルはお休みでリメイク前のスタイルな短いまえがき⑭ 完 

 
アリアの母親・かなえさんとの面会から数日が経ち、私はアキと中間報告ついでに通信をしていた。

「……これが今のところ判明してる事ね」
「そうか。凪優の予想は的中してたな」

 私が報告を終えて、アキの言葉。
 確かにその通りだと私も思う。

「リストにもあって習得技術も一致してたしね」
「でも確実な証拠が無かったんだろ?」
「まぁね。だから前一緒にバイトした時に仕込んだ」
「よく瑞穂のやつに見つからなかったな」

 私の報告にアキは驚愕していた。
 瑞穂さんはアキにとっても(|| ゚Д゚)トラウマーな人物なのだ。
 故にこの反応は当然なのである。

「多分黙認でしょ。把握していたみたいだし」
「マジかよ」

 瑞穂さんのやり手に戦慄のアキ。

「確証は言うまでもないわ。……でアキはどうなの?」
「サポートだけに限られるだろうな」
「そう……。ちゃんとサポートしてよね」
「んな事、百も承知だっての。しなかったら瑞穂に殺されるわ」
「あー、確かにそうかも」

 アキの言葉に納得する私。
 確かに粗相したら瑞穂さんに殺される。私も確実に。

「お前はお前でヒメの奴にも気をつけてろよ」
「あぁ……結衣ね。アイツもサポート要員にするし問題ないわ」
「だといいんだがな。ほら遠山がいたら強引にも行きそうなんだが」

 アキの懸念もご尤もだ。
 間違いなくダダこねる結衣が容易と想像できてしまう。

「まぁ……それもあり得るわね。だから瑞穂さんにちょいと頼んだ」
「何を……??」

 アキが私の方策を尋ねた。

「イ・ウー内での同系統能力者の指導の依頼を」
「そら、アイツも断れんわな。瑞穂の頼みを断ったらどうなるかは想像つくだろうしな」

 アキは納得といった感じだった。

「でしょ? 下手に暴走されても困るでしょ? 唯でさえ不安定なのに」
「まぁ……な。暴走時の抑制が厄介だからな。アイツの場合」

 アキの言う事は最もだった。
 結衣の能力は私の扱う能力形態と酷似している。
 だが、適性の違いなのかは不明だがかなりピーキーな代物なのだ。
 一度バランスが崩れてしまえばいとも簡単に暴走してしまう。
 実際に3年前に暴走を起こしてしまい、メンバー総動員でなんとか抑えたのだ。
 その時に施したパトラの封印によって事無きを得ている。
 封印が解かれたらあの時以上の惨劇は目に見えている。

「だからアイツをメインで出すわけにはいかない。だからサポート要員」
「それが最善策だな。それで俺が抑制に回れば良いんだな?」
「そうね。察しがよくて助かるわ」

 こういう時のアキは頼りなる。
 故に幾度なく組むのだろうけど。

「……で、突入方法はどうするんだ?」
「真正面から突っ込むけど……」

 アキにそう告げると

「マジか……絶対に妨害されるだろ、それ」

 ご尤もな指摘を受ける。
 そんなの解っている。ここ数日明らかに私は誰かに監視されてるしな。
 そいつらを誘き出す為の敢えてでもあるからだ。

「解ってるよ。だから予備プランも考えてあるわ。……つっても、これはどっちかって言ったら『潜入』にちかいかもね」
「詳細を教えろ」
「わかった。じゃあ―」

 私とアキは作戦の詳細を詰めていった。

 それから数日が経った今日はアリアがロンドンへ帰国する日。
 この日が作戦の決行日でもある。
 アリアは今日こそは来るかと思ったが、来なかった。
 アリアもアリアでごたごたがあったっぽいが、それを私が知る由もない。
 そのパートナーであるキンジ。
 全ての真実を知ったキンジは「心、此処に在ラズ」的な状態だった。
 ま、無理もないか。知ってしまったからな。アリアのこと。
 だが、それは私が介入した所で解決できるもんじゃない。
 これはキンジ自身が解決することだし……ね。
 ちゃんと、仕事しろよ? パートナーなんだから。
 そう思ってたら、キンジは理子からの呼び出しを喰らったようだ。
 おそらくは……か。
 もう推測でもなく断定できるわ。《《傍聴でな》》。

 私は単身、愛車を走らせていた。目的地は無論、羽田空港である。

「いや、私も居るんだけど……」

 助手席に座る花梨は不服な顔をしていた。

「どうしたのよ?」
「しらばっくれないで! サラッと私をハブらないでくださいますかねぇ?」
「あー。メンゴメンゴ」
「心が篭ってないっ!!」

 そんな他愛の無い会話を交わしていたその時だった。
 何者かによる狙撃をFT86の前輪に受ける。
 着弾と同時に派手な爆発音と衝撃が発生し、車体を軽く浮かび上がらせる。
 コレは……炸裂弾(グレネード)の改造モンか……。
 お蔭様で前輪タイヤが吹き飛んで運転不能と来やがった。

「いたた……なんなの、もう。凪優、大丈夫?」
「つう……大丈夫、エアバッグ起動したから。ああもう、やってくれるよね遠山潤。干渉は消極的で最小限、って言ってた癖に」

 花梨に安否を聞かれ、私は大丈夫、と答えてこの狙撃犯に悪態をついた。

「それは『緋色の研究』の継承者である神崎・H・アリアに対してであって、あなた達は範疇外です、っと」
「……ご丁寧に、刺客まで用意してるってわけ」

 爆風で歪んだドアをこじ開けて脱出した私は、信号機から飛び降りてきた、白髪碧眼の女性を睨み付ける。予想内といえばそうだけど、ウザったい事この上ない。

「初めまして、水無瀬凪優さんと瑠璃神様。……ああ、研鑽派の『魔術師』殿と呼ぶべきでしょうか?」
「……今の私は武偵よ、その名前で呼ばないで欲しいね。それで、あなたは誰? 『魔術師』の名前を知ってるってことは、イ・ウーの人間でしょうけど」
「はい、ボクはイ・ウー主戦派の一人、|西儀|《さいぎ》天音《あまね)です。水無瀬さんが休学後に入ったので、知らないのも無理はないかと」
「随分簡単にばらすんだね」

 瑠璃神となった花梨が目を細めつつ、宿主の私と同じように臨戦態勢となる。

「潤さんから、正体を明かしても別に構わないと言われてますので」
「……やっぱりあいつが関わってるか。じゃあさっきの狙撃もそうだよ、ね!」

 喋りながら、私は腕を振るう。

魔法の射手(サギタ・マギカ)連弾(セリエス)氷の17矢(グラキアリース)

 手から出現したのは、17本の氷の矢。鋭利な先端は右上──この状況の元凶である遠山潤がいる屋上に向けて、真っ直ぐ飛んでいく。

『おーやや、バレてたか。こわいこわい』

 軽口を叩きつつ、遠山潤(げんきょう)はHK417を掃射。フルオートで放たれた17の弾丸は、迫りくる氷の矢を狙い違うことなく打ち砕く。
 盗聴していた私は想定内に事が進み、不敵に笑う。

『ざーんねん、あたらな──』

 リロードしながら喋っていた時、先程砕いた氷が飛んできて、潤の周囲を漂っていた。

氷爆(二ウィス・カースス)

 魔術式を宣言し、私は笑いつつも視線を潤の方へ向けた。

『……矢はブラフ、本命はこの氷の微粒子ってわけか』

 やるねえ。そのつぶやきは、冷気を纏った爆発音にかき消された。
 天音と名乗った女性を見つつ、私はビルの屋上──潤がいるだろう場所で爆発が起こるのを確認した。長距離攻撃だから上手くいくか正直不安だったが、あの様子なら問題ないだろう。

「どう、瑠璃?」
「……うん、気配は消えた。詳細は分からないけど、しばらくは動けないはずだよ」
「そっか、それは重畳。さて、西儀さんだっけ? 狙撃手は潰したんだし、大人しく降伏してくれたら痛い目見なくて済むけど?」
「……ふふっ」

 私の警告に対し、天音は着ている和服の袖口に手を当て、含み笑いを漏らす。

「……何笑ってるのさ」
「いえ、大したことでは。一人倒したくらいで有利を確信しているのが、おかしくておかしくて……」

 クスクス、と余裕ぶった笑い声をあげる彼女に、私は眉を寄せる。不愉快だが明らかな挑発だし、誘いに乗ってやる気はない。

「へえ、まだ私達に勝てる気でいるの?」
「さあ? それはどうでしょうね。ただ──」

 天音が口元を抑えるのとは反対の手を広げると、真横に『穴』のようなものが出現し、中から身の丈以上の長さを持つ、大鎌が這い出てきた。

「潤さんに『お願い』された以上、ボクに断る権利はありませんし、断る気もありませんから」

 大鎌を両手で抱えるように握る彼女の目は本気で、退く気はないようだ。

「……なにあなた、潤に脅されでもしてるの?」
「(瑠璃、一度戻って。あと、第一形態開放準備)」
「〈おっけー、あと十秒で準備は整うよ〉」

 会話で時間を稼ぎつつ、瑠璃との融合準備を進めていく。天音は気付いていないのか、形のいい眉を僅かにしかめ、

「脅す? 潤さんはそんな非効率的なことはしませんよ。……これは地獄のような状況から救ってくれたあの人への恩返しであり、ボクの意志です。ええ、もし潤さんが命じるなら、この命だろうと喜んで捧げましょう。例え万人が、いえ、潤さんが命の尊さを訴えようと──ボクにとって、彼の『お願い』は何よりも優先され、幸福なことなんですから」

 何の迷いもなく言い切る姿は、狂信者のそれに近いものを感じさせる。
 ……自分の意志だとしても、遠山潤は人を狂わせてるね。
 私は推測が確証に変わった。

「そう。じゃあそのお願いとやらは──達成できないな!」

 瑠璃との『心結び』が終わった私は、叫びながら小太刀二刀を構え、突進する。
 それに反応して、天音も構えを取るが──その動きは、瑠璃と心結びを行った私に比べ、明らかに遅い。

(もらっ──)

「!?」

 あと一歩というところで、強化された聴覚が左側からの音を感知する。

「ちいっ!」

 私は舌打ち混じりに咄嗟に持ち替えた拳銃、マテバオートリボルバーを片手撃ちし、飛んできた7.62mm弾にぶつけて弾く。

「〈ど、どういうこと!? 〉」
「(瑠璃、状況説明!)」

 狼狽した様子の瑠璃を落ち着かせるため、敢えて強めの口調で説明を促すが、

「足を止めるのは、悪手ですね」
「くっ、この!」

 銃撃の間に迫ってきた天音が、上段から鎌を振るってきたので、残った小太刀によって受け流す。
 思ったとおり、格闘戦では私の方が遥かに上だが、

「ああもう、鬱陶しい!」

 確実に当たる一撃を振るおうとしたその瞬間、今度は真正面、天音の後ろから飛来した弾丸に妨害される。

「〈凪優、あいつの気配がそこら中からする! 1、2……9!? ちょうど私達を囲んでる形! 〉」
「(はあ!? 何あいつ、分身でも出来るわけ!? 何でもありか!?)」

「さて、もう隠れる必要はなくなったし。遠慮なくいきますか」

 その声と同時に気配が浮かび上がった。
 おそらくは気配遮断をやめ、再びHK417を構えたのだろう。 
 別方向からの分身が、私が放った銃弾を再び叩き落とす。
 ……あの野郎のこの戦法、ストレス溜まるって中々の評判だったっけ。

「さてさて、本物の俺はどこでしょーか?」

 笑いながら、再度HK417から鉛玉が吐き出された。

「何人目で当てられるかな?」

 とか思ってるんだろうな。バカジュンの奴は。
 上等だ、その誘い乗ってやんよ!! 


「この、くたばれ!」

 銃弾の方向から位置を割り出し、逃げられないよう氷爆で吹き飛ばす。これで四人目、確実に潤の分身を減らしているけど──

「はっ! ──ぐっ……!」
「また一歩届かず、ですね。疲れてきたのでは?」
「言って、ろ!」

 天音の一撃を避け、攻撃──しようとしたところで、またも後方からの妨害射撃。集中も途切れてしまい、魔術は霧散してしまう。

「くそ、本当にうざったい……!」

 攻撃が命中する瞬間、魔力を集中させて放とうとした瞬間。確実に妨害の狙撃が入り、こちらの手を潰してくる。

 ここまで戦ってると、相手の目的も見えてきた。これは私を倒すというより……

「〈凪優、ペース落として! このままじゃ保たないよ!? 〉」
「(分かって──ああもう!)」

 大鎌による横凪の一撃を避けてすぐ、追撃の銃弾。瑠璃に言われたばかりだが、足に超能力を回して大きく跳躍し、距離を取る。ほぼ密着状態からでも正確に私だけを狙って技量は凄まじく、性質が悪い。

(ジャンヌの奴、どこが一流には程遠いだ!)

 内心でイ・ウーの同期兼弟子を罵倒しつつ、間合いを空けて呼吸を整える。今のところ状況は互角かやや有利だが、消耗を強いられている以上逆転は時間の問題だ。

「は、あ……」

 妨害のための狙撃によるストレス、心結びによる消耗、そして──

「──っ!?」
「『音』が効いてきましたね」

 天音が使っている大鎌から聞こえる、甲高い風のような音の不快感。これが、私の動きを鈍らせる。先程考えたけど、こいつらの狙いは消耗を強いること。だからこそ、短期決戦で決めたいのだが、

「この、ちまちまうざったい……!」

 何度目か分からなくなるくらい受けた狙撃での妨害。変わらず続く嫌らしい手口に、思わず苛立ちの声を上げつつ拳銃を構え──

「そうかい。じゃあ一気に決めようか」

 その声は、突如後ろから聞こえた。天音から距離を離していた私は、思わず振り返ってしまう。

「〈!? 嘘、気配は減ってない……最初から隠れて……!? 〉」

 瑠璃が感知したとおり、三歩ほど後ろで笑いながらUSPの銃口を向けている潤は、狙撃をしていたどれとも違うものだ。
 背後を取られるという致命的な状況──

(……ん?)

 だったが、ふと、彼の動きに違和感を抱く。

「じゃあさよな──ぷげらっ!?」

「は?」
「〈へ? 〉」
「──え?」

 故に私は回避でなく、振り向く勢いのまま小太刀を振るい──柄がにっくきアンチクショウの鼻っ柱にクリーンヒットした。
 心結びで通常より速度の乗った一撃をまともに喰らい、潤は受け身も取れず吹っ飛び、電柱に激突する。潰れたカエルみたいになったぞ、ナニコレ。ワケわかんないんですけど。

「……潤さん、何やってるんです?」

 天音が明らかに演技ではない呆れた様子ながら駆け寄る姿を、私は心結びで昂った動悸を鎮めつつ、推測を口にする。

「……もしかしてあの分身、自分のスペックを割くものだった?」

 そう予測を立てる。幾らイ・ウー最弱を自称してるからって、さっきの動きは並の武偵かそれ以下の動きだったし。

「〈ええ……バカなの? 〉」
「(私もそう思う)」

 さっきまで焦っていた瑠璃も、間抜けな急展開に困惑している。何この空気。
 あの野郎、さてはシリアスブレイカーだったっけ。いや、間違いないわ。

「おおお、鼻骨完全に折れてやがる……」
「……とりあえずティッシュを。潤さん、見せられる顔じゃないですよ」
「いやそれじゃ治らんから。とりあえず止血用には欲しいけど」

 ゴキン、とやたら痛々しい音を立てて折れ曲がった鼻の位置を自分で元に戻す潤。戻した勢いで余計溢れてきたけど、鼻血。

「うわあ……」
「引くなよ」
「いや引くでしょ。今最高にカッコ悪いけど、あんた」
「格好つけて死ぬくらいなら、多少の恥は許容すべき」
「今のあんたの状態だと、説得力が凄いわね」

 女子に介抱されながら鼻血拭ってるとか、間抜けにもほどがある。完全に鼻声だし。
 これ程の有言実行を見た事があろうか。
 遠山潤、ある意味で末恐ろしい奴である。

「〈……あ、凪優。周りの分身が消えたよ。多分、治療のために魔力足りないから、戻したんじゃないかな〉」
「(……自分から有利な状況捨ててない?)」
「〈だねえ……バカかな? 〉」
「(頭のいいバカってやつだと思う)」

 もう戦う雰囲気じゃなくなり、瑠璃とそんな雑談を交わしていると、やっぱり聴き取れてるのか潤はジト目を向けてくる。いや事実でしょ、というか人の会話(心中)を覗くんじゃない。プライバシーの侵害で訴えてやるかんな? 

「とりあえず、器物損害と傷害罪諸々で逮捕するから、大人しく連行された方が身のためだよ? あと車は弁償してもらうから。慰謝料とか諸々マシマシで」
「弁償の方がガチボイスな件」
「潤さんのせいで不利になりましたけど……どうします? ボクじゃなくて、潤さんのせいで」
「二度言わんでいいわい、知ってるから。目的達成したし、逃亡一択で──え、ちょっと天音さん、何故俺はお米様抱っこされてるんです?」
「潤さんに合わせて逃げるより、魔術込みならこっちの方が速いので」
「事実だけど言われたくなかったなあ」

 女子に担がれる男子という、大変間抜けな構図にため息を吐きつつも、抵抗する様子はない潤。コイツにプライドはないのだろうか。
 まあ、当然だけどさ、

「逃がすと思ってる? 氷槍(ヤクラーティオー)──」
「逃がして欲しいねえ」

 足止めをしようとした矢先、抱えられた状態の潤がUSPを向ける。引鉄に掛けた指の動きは分身が消えたためか、先程の比ではない……でも、同時なら問題ない。

弾雨(グランディニス)!」


 発砲と同時、詠唱を終えると先程の氷の矢より一回り以上も大きい、槍と言えるサイズの氷塊が、二人に向けて猛然と迫る。

 進路上の9mmパラベラム弾と氷の槍が対峙し、衝突──した次の瞬間、銃弾から暴力的な光が放たれ、視界を潰してくる。

「うっ!?」
「〈うわ、まぶし!? 〉」

 反射で目を閉じながら、自分の失敗に歯噛みする。武偵弾は最初に使われていたというのに……! 

「それでは、次回の公演をお楽しみにー」

 ふざけた言葉の後、銃声。音は一発だったが、空気から感じられる銃弾の数は六発。キンジが言っていた、十八番の速射(クイックドロウ)か。

 視界を潰されながらも小太刀で全弾叩き落としたため無傷だが、逃げるだけの時間は与えてしまった。

「(瑠璃、追うよ──)」
「〈ううー、まぶしい、まぶしいよお……〉」
「……」

 ダメだこりゃ。目を抑えてうずくまってる姿が容易に想像できる瑠璃のセリフに溜息を吐き、心結びを解除する。

「〈うー、ようやく普通に見えるようになってきた……凪優は大丈夫? 〉」
「平気、咄嗟に庇ったから。追跡は……無理か」

 感じられる二つの気配は、随分遠ざかっていた。瞬間移動なら追いつけるかもしれないが、減っている魔力をさらに消耗してしまうし、待ち伏せされているかもしれない以上、リスクは避けるべきだろう。

「〈逃げられちゃったね……それにしても遠山潤、本当にふざけたやつ! 〉」
「でも、少し厄介だ。次は最初から潰す気でいかないと」

 瑠璃が憤っている中、私は顎に手を当て先程の戦闘を振り返る。
 今回のように消耗を強いられる戦いを避けるには、やはり短期決戦が一番だろう。ダメージは大したことないが、心結びの消耗が思ったより激しく、全力の戦闘は一日は無理だろう瑠璃も既に眠たそうな気配を感じるし。次からはタロット要るな、こりゃ。
『武偵殺し』の一件、予定変更しないとかな。予備プランの正面からじゃなくて、変装して先に侵入しておいて……

「……っと。ようやく来たか」

 遠くから響く、サイレンの音。あれだけ銃声どころか爆発音も響いていたのに、随分な重役出勤である。

「〈あー、それは……結界、じゃない、かなあ……〉」
「結界? ……ああなるほど、さっき感じてた違和感はそれか。瑠璃、何か痕跡とか……瑠璃?」
「〈くー……すぅ……〉」

 ……もう寝てるし。相変わらずと寝るのがお早い事で。

 脳内で響く寝息に、私も疲労が蓄積しているのを感じてしまうため眠った瑠璃を羨ましく感じてしまう。
 だが、文句も言っていられない。とりあえず警察との面倒な接触を避けるため、私もここから立ち去ろうと──

「……あ」

 するも、前輪が吹き飛ばされ、焦げた状態で放置されているFT86を思い出した。
 直撃部分は基盤が歪んでいてすぐ直せる状態じゃないし、置いていこうにもナンバープレートがあるから、特定は容易いだろう。

「……遠山潤。ぜっっったいに捕まえて弁償させてやる」

 とりあえず捕まえたらOHANASHI直行だ。停車するパトカーから余計時間を喰わされることが決定した私の姿は、出てきた警官が怯える程度には不機嫌だったという。

 続くんだよ。
 
 

 
後書き
葵 「如何だったでしょうかっと」
理子「あ、あとがきはこのスタイルなんだね」
葵 「向こう様でこのスタイルでやってるし」
理子「本家がやらなきゃどうすんのって訳か」
葵 「そゆこと」
理子「珍しくあおちーと二人なんだね」
葵 「そうね」
理子「そういやさ、あおちー」
葵 「ん?どした?」
理子「パトラってさ、なゆなゆにどんな事させられてたっけ」
葵 「忘れたの?理子」
理子「んにゃ。あんな事忘れたくとも忘れらんないよ」
葵 「だよなー。氷と水と雷と炎からひたすら逃げるって言うね」
理子「そんでパトラの逃げる時と、被弾した時のリアクション愉しむって言うね」
葵 「いやぁ……アレは」
理子「あの出来事は……」
葵理「「オモクッソワロタwwwwwwww」」
葵 「アレでパトラの方向性決まったよな」
理子「だよねー。もうリアクション芸人だもんね」
葵 「その御蔭で収入ガッポガポ」
理子「マジでパトラ様々」
葵 「それはある。」

その割にパトラの扱いが酷い思い出し寸劇なあとがき⑭  

 

第014弾 舞台に集い始める武偵たち 

 
前書き
白雪 「うぅ……SSR2年、星伽白雪です……」
ヒルダ「…………探偵科、衛生科2年のヒルダ・ツぺシュよ」
白雪 「ヒルダちゃん、優しく手当して……」
ヒルダ「無理言わないで……自分だけで精一杯だわ……」
白雪 「そ、そんな……」
ヒルダ「こういう時でも欲望が出るのね……」
白雪 「当然!だから……」
ヒルダ「や、やめなさい!抱きつかないで!!」
白雪 「゚( ´ ▽ ` )」(←満喫中)
ヒルダ「変態っ!!やめなさいってば!!」
白雪 「やだっ!」
ヒルダ「うわ。ダメだこいつ何とかしないと……」
白雪 「゚( ´ ▽ ` )」(←満喫中)
ヒルダ「タイトルコール……えっと、『第014弾 舞台に集い始める武偵たち』」
白雪 「どうぞ~」(←腑抜け)

変態白雪と不憫ヒルダがお送りしたまえがき ⑮ 完
 

 
Side_Nayu

「琴ちゃん、そろそろ時間よ?」
「あ、はい。今行きます」

 先輩(同僚というべき?)のCAさんに呼ばれて私は彼女のあとに続く。
 はい。今私は「綾瀬 琴里」という偽名を使いCAしてます。
 え、なんでかって? 
 そんなの、潜入するからに決まってる。
 変装は叩き起した瑠璃の力を借りている。なので、よっぽどのことがない限り、大丈夫だろう。油断はできないけれども。

 今頃はもうアリアは空港で搭乗手続きを始める頃だろう。
 想定内だけど想定外の消耗はしたがさて、ここから始まるぞ。
 待ってろや、武偵殺しさん。ちゃんと教育してやるからねぇ?
 先程の八つ当たりも入っていた私は不敵に笑みを浮かべていた。

……Side_Out……



Side_Kinji

 俺は今、理子からメールが来たので指定された場所へ向かっていた。
 何時もだったら結衣の奴の嫉妬も怖いのもあるが、そもそもこういう誘いはNGだしスルーするところだが、今回は特殊だ。
 理子は先週の凪優と結衣の奴が無双した(俺が本当に空気だった)バスジャック事件に関連した情報を引き続き調べていて、今日の探偵科(インケスタ)の授業をフケていた。
 それに今日はアリアだけじゃなく、凪優に結衣も学校を休んでいた。その事も気になるしな。
 まぁ、何と言うか、『虫の報せ』ってやつだ。
 モノレールで学園島から台場に向かい、指定された店、「クラブ・エステーラ」に少し迷いつつも到着した。
 どうやら此処は高級なカラオケ店のようだ。
 店の駐車場には悪趣味な極彩(ショッキング)ピンクの改造ベスパが停めてある。
 あの一度見たら二度と忘れられないやつは理子のだったな。
「この子は一見、50ccなんだけど、時速はなんと、150km出せちゃうんだよ!」と自慢していたしな。
 そんな車検スレスレの魔改造を施したのは武藤である。いくら金を積まれたからってホント、仕事選べよ。
 時刻は早いもので夕方の6時。
 何時もよりやけに鮮明な夕焼けは鮮血のようで、紺色の千切れ雲が異様に速く流れていた。
 これは東京に迫る台風の影響なのだろうか。何時もより、風が、強い。
 クラブに入った俺の目に飛び込んできたのはバーラウンジで会社帰りのOLやデート中の若者が芸術品のようなケーキをつついている光景。
 よく見れば、その中に武偵校の女子もちらほら混じっている。流行ってるんだなこの店。

「キぃーくぅーん!」

 奥から小走りにやってきた理子は何時ものロリータ制服を着ていた。
 ……いや、なんか今日のは一段となんというか……スゴい。
 本人に言わせると《《勝負服》》だそうだ。ま、心底どうでもいいが。
 この後、理子のペースに完全に乗せられる俺。
 笑う理子の上目遣いは妙に艶かしく思えた。それに俺は舌打ちしたくなる。
 ……やっぱり来るんじゃなかった。もう、何なんだ、コイツは。
 そしてまた理子のペースに乗せられる俺。
 それを見て二重三重に良からぬ噂のフラグを建てる女子生徒共。……聞こえてるからな? 誤解すんな。
 個室に押し込まれ、甘ったるいミルクティーを飲んだ理子に核心を突かれ、ぶっきらぼうに返す俺。
 そんな俺に理子はモンブランにフォークを刺してニイッと笑う。
 これは本気の顔だな。どんな要求してくるかわからんぞ……。

「はいキーくん、あーんして」

 切り分けたモンブランのフォークを俺に突き出してくる。

「するかバカ」

 そんな恥ずかしいシチュをやってられるか。

「──―『武偵殺し』──―」

 なにかのカードの切り札を切るようにそう告げてきた理子に──―俺は目を見開いて理子の方を見た。

「──何か……解ったのか」
「(^0^*)あ~ん ってしてくれたら教えてあげるけど? さぁ、かもんっ!」

 ……何が「かもんっ!」だ。こっちは──「はやくしてくれないと教えてあげないよぉ? キーくぅん?」

 …………遮って来るのかよ。仕方ない。死ぬほど恥ずかしいが、背に腹は変えられない。俺は理子にモンブランを一口貰うと「さぁ(お前の知ることを)教えろ!」と目で凄んだ。

「くふ。あのね、警視庁の捜査資料にあったんだけどね…………過去に『武偵殺し』に殺られた人って、バイクジャックとカージャックの2人だけじゃなくって、他にもいるんだって」
「…………? どういうことだ」
「『可能性事件』っていうのがあるんだけどね。簡単に言っちゃえば《《表向きは『事故』って事になってるけど実はそうじゃない》》ってやつ。具体的に言うと『武偵殺し』の仕業で、隠蔽工作で解んなくなってる……って感じかな」
「へぇ……そんなものもあるのか」
「……で、ここからが本題。そこの資料の中に見つけちゃったんだ。『多分そうじゃないかなぁ……?』っていう人の名前」

 理子は手持ちのポシェットから取り出した四つ折のコピー用紙をまるで手品を見せるが如くゆっくりと広げて俺に見せてくる。

「──―!」

 俺はその紙に書かれていたことを見た瞬間、背筋が……いや、全身を駆け巡る血液ですらその場で凍るような感覚に見舞われた。

『2008年 12月24日 浦賀沖海難事故  死亡 遠山金一 武偵 (19)』

 そして、理子の発する言葉が聞こえなくなるほど、意識が遠のいていく。

 武偵殺シ、キサマハ ナゼ、 兄サンヲ。
 ナゼ、 兄サンヲ、 ソシテ ナゼ 俺ヲ…………狙ッタ━━━━!! 

「いい」

 熱を含んだ感じの理子の言葉に、( ゚д゚)ハッ! と気を取り戻す俺。
 俺と目が逢う瞬間、理子はスッと目を細め、まるでなにかの快感を得た表情で俺に上半身を寄せてくる。

Je t'aime à croquer.(好き。食べちゃいたい)」と呟き、狭い個室の中で獣宛らの動きを見せ、いきなり……しがみついてきた。
 結衣の奴がいなくてよかった……。アイツが居たら、ここは更地になりかねない。いや、確実になるだろう。いや、ホントに良か……いや、良くない。
 な、なんなんだ、この状況!? もう突然過ぎて訳が解らないんだが!! 何故に俺は理子に押し倒されているんだ!? 

「──理子!?」
「キンジってば、ほんっとーにラブに鈍感すぎ。まるで、ワザとそうなるよーにしか思えない。ねぇ……解ってる? これ、もうイベントシーンの真っ最中なんだよ? だからさ、《《ゲームみたいなこと》》しても、いいんだよ……? 大丈夫。この部屋の出来事は誰にもバレないから。白雪はS研の合宿だし、アリアはもうイギリスに帰っちゃうからね。今夜7時のチャーター便で行くって言ってたし、もう今頃は羽田かなぁ……? それに凪優も結衣も依頼が入ってて終日こっちこないみたいだし。だから……理子と、《《イイコト》》しよ……?」

 突然の誘惑と、意外な出来事で……。俺は自分が気づいたときにはヒステリアモードに…………《《なって》》、《《しまっていた》》。

「━━━━!」

 その刹那、たった今、理子から聞いた話と、過去の事件が、すべて宛てがわれたかのように一本の「道」として繋がっていく。
 そして、その道の行く先……このルートのエンディングは…………取り返しのつかない、ある種のバッドエンド。
 ―ヤバい。
 ヤバいぞ。
 今すぐ動かねば…………! 

「ゴメンな━━━!」

 ヒステリアモードの俺は、理子の目の前に手を滑り込ませ、
 ぱちんっ! 
 指を弾いて鳴らした。

「みゅぅっ!」

 そう、理子が瞬きした刹那―

「お子様は、そろそろ家でおネンネの時間だろう?」
「ぁんっ!?」

 その小さな体を抱え上げ、
 くるっ。
 俺は体を入れ替えて、理子を長椅子に横たわらせる。
 そして、立ち上がり、前髪を掻き上げつつ、部屋を飛び出し、羽田へ大急ぎで向かった。
 ヒステリアモードの……頭で────

……Side_Out……

 続くんだよ  
 

 
後書き
葵 「さて如何だったでしょうか」
理子「今回、短くなったね」
葵 「そりゃあ、大半前回に回ったし」
理子「あー、切りどころの都合か……」
葵 「そゆこと」
理子「そんなに今回は修正加えてないね」
葵 「そだね。強いて言えば文章整形くらいだもん」
理子「あ、そうなんだ……。それでさ」
葵 「ん?どした、理子」
理子「前回と合わせての文量どうなったのさ」
葵 「10000超えた。リメイク前の倍くらい」
理子「そりゃ、分割必須だね」
葵 「それでこうなった」
理子「そっか……じゃあ、謝辞行っとこうよ」
葵 「だね」
理子「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰なんだよ!皆のこの話を読んでの評価であおちーは執筆頑張れるから今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいなっ!」
葵 「私のモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定ですが、次回もなるべく間隔が空かないように頑張りますのでよろしくお願いします!」
理子「と、言う訳で、これからもよろしくね!」
葵 「それでは、また次回このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは……」
葵理「「ばいばいっ!!!」」

花梨は就寝中で欠席のあとがき⑮ 完 

 

リサのとあるいちにち

 
前書き
このお話はリサ・アヴェ・デュ・アンクの誕生日を記念した短編です。
ハーメルン様で2019/08/03に投稿したものです。(1日遅れ)
ではどうぞ! 

 
此処は、イ・ウーの研鑽派(ダイオ)の寮・・・・居住区。
で、私の名前がリサ・アウ゛ェ・デュ・アンク。
オランダ出身で今は、会計士の仕事の他にメイドさんもやっています。
まぁ・・・他にも喫茶店や服飾関係の仕事もしています。
なので・・・・私の朝はかなり早いです。
だって、お腹を空かせて起きてくる人が居ますからね。
そんな人達の為においしい朝ごはんを作るのがメイドさんの務めです。
私は手早く身支度を整えて厨房に向かいます。
此処の厨房は研鑽派(ダイオ)の党首と幹部2名の意向により、かなり設備が整っています。
私が厨房に到着するとそこには先客がいました。
「あ、おはよう、リサ。今日も早いのね」
そう私に声をかけたのは私が所属する研鑽派(ダイオ)の党首、『氷天の魔女』・『魔術師』の異名を持つ水無瀬(みなせ)凪優(なゆ)さんです。
「はい。メイドさんの朝は早いのが常識なのですよ!」
私はそう返します。
「どんな常識なのよ・・・・。それって・・・・。まぁいいわ。手伝って?」
凪優さんは私に手伝いを求めます。
「かしこまりました」
私は了承し、凪優さんと皆の朝ごはんを作ります。
暫くして、私の会計士の先輩でもある『鬼の会計監査』こと、桐ヶ谷(きりがや)瑞穂(みずほ)さんも合流して3人で朝ごはんを作ります。

大体出来上がった頃にタイミングよく皆が起きてきます。
起きてきた皆がダイニングに着くのを確認し、盛り付けをし、配膳していきます。
皆・・・・・特に「魔女連合」の食べっぷりが凄いです。
早朝訓練の後なのだからでしょうか。
それを差し引いても・・・・・『紅蓮の魔女』・『隠者』こと、姫神(ひめがみ)結衣(ゆい)さんの食べっぷりは凄いです。正直。
通常の5倍サイズの丼茶碗(通称・ヒメわん)で朝から10杯ですよ?
もう、人一倍・・・どころか、50倍位食べてます。
これで、「まだ少ない方」なのだから吃驚です。
こうして、皆は朝ごはんを食べ終えると、今日の予定をチェックするべく、掲示板に向かいます。
私はそれを見送り、後片付けをしていきます。
後片付けをしている最中にもヒルダさん、ブr・・・ではなく、徹さん等といった
方々が朝食に次々とやってきます。
なので、凪優さん、瑞穂さん、それに、『水嶺の魔女』こと、霧島(きりしま)(あおい)さんと協力して対応していきます。

大体皆の朝食が終わったのを確認すると、ようやく私達が朝食の時間です。
ですが、次のお仕事の時間も迫っているので、今日の日程確認をしながらとなりますので、結構慌ただしいです。
朝食を終えて洗い物を済ませた私は、お仕事用の道具が入ったトランクを持って
最初のお仕事現場に向かいます。
そのお仕事の内容は・・・・物品購入会の監査です。


大体、3時間ほどで物品購入会の監査をした所で、全て「成立」という形で終了しました。
今回の成果は定価の80%引きの一括支払いで行けることになりました。
成果としてはまぁまぁといったところでしょうか。
瑞穂さんだったら、95%引きとかフツーに行きますからね。
今日のお相手のココさんは・・・涙目でしたが、後で手作りの杏仁豆腐送っておけば大丈夫でしょうね。
時計を見ると結構いい時間になっていました。
移動時間を含めるともうそろそろ向かったほうがいいでしょうね。
私は昼食のベーグルサンドを食べつつ、次の仕事場所に向かいます。


午後からの私の仕事は主に飲食店の従業員です。
料理の腕前と容姿を買われて採用されました。
真の姿のことは言わない方がいいでしょう。
もしかしての需要があるのかもしれませんが。
今はランチタイムも終わり、そんなに忙しくはありませんが、それでもヒマというわけではありません。
お客が次々にお越しになっています。
さて、ここからが私の本領発揮です。
今日も一人でも多くのお客様を笑顔にしないと・・・ですね。



激動のディナータイムも終わり、時間はもう19時を過ぎています。
夏になり、日も大分長くなりましたが、段々と薄暗くなっています。
その時、ふと、思い出します。
あ、そういえば今日、8月2日は私の誕生日です。
色々な事があってすっかり忘れていましたが。
今思い出すと、皆、毎年毎年盛大に祝ってくれるんですよね。
それはもう私が「ヘルモーイ!!」と連呼するほどに。
今年は例年通りならその事が事前に解るはずなのですが、それがありませんでした。
皆が忘れているのか・・・・・いいえ。それは多分ありえません。
何故なら、メンバー全員の誕生日ごとに盛大な誕生日会が行われるのにですよ?
それなのに、私だけ無いのはあまりにも哀しすぎるじゃないですか!
ですから、『サプライズパーティー』に強く期待します。
・・・いえ、絶対にそうであってほしいです。
そう思って歩いているうちに研鑽派(ダイオ)の居住区に到着しました。
どういう結果になるのかは解りませんが、私は何時もどおり玄関の鍵を開けて、
ダイニングへと向かいます。
ダイニングの扉を開けたその時でした。
ぱぁんっ
私の顔面めがけてクラッカーの紙吹雪が舞います。
私はいきなりだったので少しびっくりしてしまいました。
『ハッピーバースディ!!リサ!!』
その言葉に私は涙が溢れてきます。
「もー、リサちーってば始まったばかりなのにもう泣いてるし」
「いいじゃない、理子。それだけ嬉しいって事なんだから」
「そうだね、なゆなゆ。いやぁ・・・これは企画して良かったよね」
「そうね。流石は私の義妹(いもうと)だわ!」
「ちょっ・・・・ヒルダ、なんで抱きついてんの!?」
「それは、理子(アナタ)が可愛いからよ!!それ以上もそれ以下もないわ!!」
「ぇえ!?何それ意味わかんない・・・・・。てか、(ヒルダ)止めろよ、父親(ブラド)
「無茶言うな。こうなっちゃ止めらねぇよ。だから(,,゚Д゚) ガンガレ!」
「OTL」
ヒルダさんが理子さんで暴走して、ブラドさんに助けを求めるも、却下されて理子さんは物凄く項垂れていました。
それを見ていると、なんだか微笑ましくて自然と笑みが溢れます。
「あはは・・・・・なんか、いつもどおりの日常になっちゃったね、リサ」
「そうですね・・・・・でも、こんな日常はあったかくてリサは好きですよ?」
「そっか。じゃあ、私はその日常が長く続くように頑張らないとね」
「はい。期待しています。凪優」
凪優さんと会話をしていると
「おーい、リサちー、ちょっといーい?」
理子さんが私を呼んでいました。
「はい。なんでしょうか、理子さん」
「今からさ、ガールズ・バンドのライブステージするんだけど、リサちーやりたい楽器とかある?」
「えっと・・・・・リサはベースがやりたいです!!」
「ベースね・・・・・。OKだよ!さ、ステージに上がって!」
理子さんに誘われ、私はステージに上がります。
そこにはメンバーが揃っていて、
Vo.:葵さん
Gt.:ヒルダさん
Ba.:私
Dr.:理子さん
Key.:ジャンヌさん
というメンバーでした。
そのメンバーで「六兆星と一夜物語」「FIRE BIRD」「きゅーまい*flower」等といった曲を演奏しました。
演奏が終わったあと、結構盛り上がり、会場は大盛況です。
ヒルダさんに至っては「るん♪ってきた!」と言っていましたが、何なのでしょうか・・・・。
そんなこんなで楽しい時間と共に夜も更けていきます。
この時、私は願わくば来年も再来年もまたこんな時間を皆と過ごしたい。
こう思って止まなかったのでした。


余談ですが、このバンドの模様を教授も見ていたらしいです。
そして何か閃いたようで、私達が本当にバンドデビューする事になりました。
そして・・・・あれよあれよという間に知名度が上がり、イ・ウーの資金源の約4割を占めるようになったのでした。


おしまいっ!
 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
最後のは、分かる人にはわかるネタですよ。

次回も短編なのです。
それではまた次回。 

 

第015弾 天上の舞台で舞うは…… 

 
前書き
凪優 「どうも、今回は潜入から始まる水無瀬凪優です」
桃  「どうも、まだ本編の出番が来ない夾竹桃よ」
凪優 「そういえばさ、私思うんだよ。 モモ」
桃  「いきなり何を言い出すのよ」
凪優 「私達って似た者同士だなって」
桃  「私の反応待たずに始めるのね」
凪優 「良いじゃない。そんな些事」
桃  「ちっとも些事じゃないのだけれども。 でも、その通りよね」
凪優 「でしょ? お互い兄貴や姉貴に苦労してるし」
桃  「否定はしないわ」
凪優 「それにその事で胃薬仲間だし」
桃  「勝手に仲間にしないで頂戴」
凪優 「いや、事実じゃん」
桃  「………………私は認めたくないけど」
凪優 「それ以外にも色々とあるだろうけどね」
桃  「急に全部聞き出したくなったわ」
凪優 「そう? じゃあタイトルコールの後に語らいましょ」
桃  「そうね。『第015弾』」
凪優 「『天上の舞台で舞うは……』」
凪桃 「「どうぞ!!」」

案外似た者同士な二人がお送りしたまえがき ⑯ 完 

 
Side_Kotori(Nayu)

「あ、センパイ、いいですか?」
「ちょ……、いま潜入中なんだから、『綾瀬さん』とか『琴里ちゃん』とかにしてよ。亜璃珠」

 離陸直後のANA600便で潜入中の私に話しかけて来たのはイ・ウー研鑽派現役生、神楽坂(かぐらざか)亜璃珠(ありす)だった。
 完全に私のことをイ・ウー在籍時と同じノリで話してたので、私の身バレ防止の為、注意する。

「いやいや、別に違和感はないですからいいじゃないですか」
「そういうもんかね」
「そういうもんですよ」

 妙な説得力があったので納得してしまう私である。

「で、何か報告があったんじゃないの?」
「あ……そうでした。えっと、予定通りなのかは知らないですけど、遠山キンジが搭乗したようです」
「そう。アイツがいないと困ったことになるかもだし良かったわ」
「あと、やっぱり乗り込んでました。《《アイツも》》」
「そっちも想定内ね。じゃなきゃ折角の潜入も不発になっちゃうし良かったわ」
「ま、不発でも良いじゃないですか。私的には」
「『私的には』っておま…………」

 私は亜璃珠の私情ダダ漏れっぷりにドン引きしていた。
 絶対にコイツは私のCA姿の記録を夾竹桃(モモ)に売りつける気だ。
 そうとなれば次の夏コミの題材が私になってしまう。それだけは絶対に阻止せねば。
 そう考えていると亜璃珠は次の報告を始めていた。

「あと、懸念材料だった遠山潤(畜生)の存在は確認できませんでした」
「そっか。遠山潤(外道)は居なかったのね」
「はい。私の気配察知にも引っかかりませんでしたし」
「それなら確実ね。良かった、良かった」

 亜璃珠の言葉に安心の私である。
 私も気配察知の精度は高い方だが、亜璃珠の気配察知の精度は優に超える。
 亜璃珠の気配察知はSDAランク世界1位の人物と同等である。
 ちなみにそのSDAランク世界ならびにアジア1位の人物は高天原ゆとり(担任教諭)である。
 あの人の強さは語るまでも無いだろう。

「マジで良かったですよね。遠山潤(あの畜生)が乗ってなくて」
「マジそれな。私、遠山潤(畜生外道)乗ってたら9条破り確実だったわ」
「はい。私も遠山潤(こん畜生)居たらヌッ殺してますねwwww」

 黒い会話で盛り上がる私達である。
 亜璃珠はイ・ウーに入学した時から潤の被害者であり、この反応は当然だ。
 対する私は以前からも主戦派(イグナティス)研鑽派(ダイオ)で所属は違えど、理子絡みで度々胃薬案件なのはまだ堪えられた。
 しかし、さっきの一件で仏の顔は行方不明になったのでこの評価なのである。
 このまま、遠山潤抹殺(黒い会話)で盛り上がるのも良いのだが時間がない為、私達は報告確認に戻る事にする。

「ちゃんと配布してあるわよね? 転移陣のカード」
「はい。それはもうバッチリと」
「なら良し。これで死傷者を最小限までに抑えられるわね」
「ですね♪ ……あっ、もうそろそろ位置に着く時間ですよ」
「あ、もうそんな時間なんだ……。わかったわ」

 CAとして潜入している私は自分の持ち場に向かう事にする。
 さて……と。気引き締めて行かなくちゃな。

「〈当然でしょ。油断して早々に戦線離脱とか、勘弁被るからね? 凪優〉」
「わかってる」

 最後に瑠璃(相棒)と精神会話を交わし、私は持ち場に向かった。

Side_Out……


Side_Kinji

 あれから、全力で羽田に向かった俺は、急いでアリアが乗っているロンドン・ヒースロー空港行きANA600便の搭乗口に向かった。
 受ける刺激の種類にも寄るが、ヒステリア・モードは長くても数十分しか保たない。
 なので、空港第二ビルに到着した際には通常モードの俺へと戻っていた。……だからといって、歩を止めるわけには行かない。
 俺の推理が正しければ、アリアはもうすぐ会ってしまう。武偵殺しと。
 空港のチェックインを武帝徽章で通り抜け、金属探知器もスルーしてゲートへ飛び込む。
 アリア、そんなにイギリスに帰りたければ勝手に帰ってればいい。
 だが、もう、『武偵殺し』とは戦ってはいけない。
 アイツは俺より桁違いに強かった兄さんを斃したのだ。だから戦えばお前は怪我だけじゃ済まされない。殺される。確実に死んでしまうんだ。お前は!

 ボーディングブリッジを突っ切り、ハッチを閉じつつある600便に俺は飛び込んだ。
 その直後、俺の背後のハッチが閉ざされる。

「武偵だ! 今すぐ離陸を中止しろ!」
「お、お客様!? い、一体、ど、どういう―」
「悪いが、説明しているヒマなんか無い! 今すぐこの飛行機を止めるんだ!」

 CAはかなりビビった顔で頷き、2階へと駆けていった。
 CAがその場から立ち去った後、俺はその場で両膝を落としてしまった。
 強襲科(アサルト)を辞めてから時間が経って体力が落ちている状態での今回の全力疾走。
 正直言ってもう殆ど体力は残っていない。その証拠に息が切れている。
 おまけに「もう一歩も動けない」そんな感じがする。
 だが、これで離陸は中止出来たはずだ。ひとあ──(ぐらりっ)…………は!? 
 今、機体が揺れた!? って事は動き出してるってことか……! 
 どうしt―

「あ、あのぉお……」

 さっきのCAが戻ってきたようだ。
 そしてCAから結果を聞く。
 その結果は…………正直最悪だった。CAの話によれば、

『この飛行機の現在のフェーズは管制官からの命令からしか受け付けられない』

 ……とのこと。
 窓の外を睨めば飛行機は既に滑走路に入っていた。
 今、無理矢理でにも止めようとするものなら、確実に他の飛行機との衝突事故が起こってしまう。
 こうなってしまっては仕方が無い。作戦を切り換えるしかない。

『後手に回ったのなら、後手なりの戦いをするまでの話』

 こういう時に凪優がいたら、絶対そう言うだろう。
 このような場面では凪優はもの凄く頼りになる存在だ。故に

「なんで、こんな時に限っていないんだよ……」

 と思ってしまう。
 だが、居ないものは仕方が無い。取り敢えずはアリアと合流せねば。
 仕方がないのでさっきのCAを落ち着かせて、アリアのところに案内してしまおうとしたら、別のCAが通りかかったのでそのCAに案内して貰う。
 さっきのCAは放置になるらしい。
 そう俺を案内してくれたCA……名前は”綾瀬”というみたいだ。
 綾瀬さんに案内して貰い、まずはアリアと合流できた。ひとまず安心だ。

「キ、キンジ!?」

 まさか俺が自分の個室に入ってくるとは思わなかったのだろう。
 その証拠と言わんばかりに紅い瞳をまん丸に見開いた後、案の定というか、お約束というか、俺に詰め寄ってきたアリア。

「なんで……なんであんたがこんなところについてきちゃったのよ!?」
「なんというか…………カンだ」
「なにそれ。バッカみたい」
「いや、凪優が居たら絶対そう言うだろ」
「ああ言いそう。その凪優の姿見当たらないんだけど?」
「俺も知らん。『依頼が入ってる』としか聞いていない」
「そう。結衣も同じような理由ね。居たら此処に居るはずだし」
「あぁ、まぁな。……てかなんでわかるんだよ」
「だって、アンタが行動起こせばもれなくセットで結衣も付いてくるじゃない」
「アイツはポテトかなにかか? まぁ、それは否定せんが」

 そんな感じで話しているうちに機内放送が流れ、直後、機体が少し揺れる。
 それはいいが、さっきから大きく雷の音が鳴り響く度にアリアは強がってキッチリ怖がっていた。
 それを見た俺はこんな時に不謹慎だが笑いがこみ上げてきてしまった。
 しかし妙だ。なぜにこんな雷雲の近くを飛んでいるんだ……? 
 普通だったら有り得ないぞ? こんなの。
 よっぽど機長の運転が下手なのか、それとも運が悪いのか。
 そして、さらにさっきより大きい雷鳴が鳴り響く。

「キ、キンジぃ~~~~~~」

 さっきからベッドの中に潜り込んでいたアリアだが、遂に限界が来たらしく、毛布の中から涙声で席に座る俺の制服の袖を掴んでいた。
 流石にこれは笑えない。なので苦笑いしつつもアリアの恐怖を紛らわす目的でテレビをつける事にする。

「お主、この桜吹雪、見覚えが無ぇとは言わせねぇぜ!」

 お、丁度「遠山の金さん」やってるな。
 その主人公・遠山景元金四郎は俺の家のご先祖様であったりする。
 兄さん曰く、彼もまた、ヒステリアモードのDNAを持っていて……要は露出狂のケがあるようで、もろ肌を脱ぐことで体力・知力を高めることが出来たらしい。
 そんなことはさてお―(おい、子孫よ、先祖をもっと敬わ―)……? 誰だ、今の。ご先祖様本人が降臨なさったか? (←注:概ね当たってる)
 まぁ、無視だ、無視。
 こんな時に邪魔すんじゃねぇよ。非常時だけど。
 あんなアリアでも(←失礼)こんな時だけは平凡な女子高校生なんだ。そして、今の俺は平凡な男子高校生。
 だから……

「アリア……」
「キ、キンジ…………?」

 こうやって、震える手に手を添えてやって。
 普通のクラスメート……友達として。
 震えを和らげてやることぐらいはできる。
 アリアの指が、何秒かの躊躇いを見せてから俺の手を握り返そうとしたとき…………

 パァン、パパパパパパパァン((・д・)チッこの腐れリア充共がっ……!)

 音が、響いた。
 この音は雷鳴でも何でもない。
 俺達が聴き慣れた音。

 銃声。

 まるでこの空気を物理的にぶち壊すかのように。
 それは概ね、この甘くなりかけた空気をぶち壊すかのように。
 あと、なんか聞こえたからな。俺は『リア充』なんかじゃない。
 大切なことだから言っておく。

 そんなことはさておき、個室を出て狭い通路に出ると、

「な、なんなお……?」
「(´・д・`)ヤダ」
「シニタクナイ」
「懺悔する?」
「南無三」
「もうどうにでもなっちゃえい!」
「もう知らなくもなくもなくもない」
「なんなの? 危機感欠如してんの?」
「もうどっちなんだよ!」
「餅つけや」
「いや、餅付いてどうすんの!? 落ち着けや!」

 乗客・CAが騒いでいた。
 発言がギャグっぽく聞こえるが危機的状況であり、漫才とかの類ではない。
 あと、ツッコミ勢の意見には賛同する。

 その直後、騒いでた奴らの懐のカードが淡く光り、

 ひゅぱんっ

 そんな音と共に光に包まれて騒いでいた奴らの姿が消えた。
 ん……? これ、どっかで見たことが最近あるような……? 

 そう考えていたら、銃声のした機体前方……コックピットの扉が開け放たれていた。

「…………!」

 そこにいたのは、先程、放置されて頼りにならなかった間抜けCA。
 そして、そいつが引き摺っているのは機長と副機長。
 その二人は全く動いていない。
 刹那、その二人の懐も淡く光り出す。

 ひゅぱんっ! 

 再びそんな音と共に光に包まれ、二人の姿が消えた。

「…………!?」

 何かやった犯人であろうCAが目をまん丸に見開いて驚愕していた。
 ……? これはあいつがやったわけじゃないのか……? 

 じゃあ、いったいだれが……? 

 そう考えかけていたが、俺は慌てて拳銃を抜く。

「動くな!」
「|Attention Please.お気を付けくださいなのでやがりますのです」

 CAは胸元からピンを抜いた缶を放り投げる。

 …………っ!? まさか、ガス缶!? ……ヤバイっ!!! 

 俺はアリアを押し込むようにして個室の扉を閉めた。
 その瞬間、ぐらり。と機体が揺れ、ばちん。と機内の照明が消えた。

 刹那の暗闇の後、赤い非常灯が点った。

「アリア。あのふざけた喋り方…………あいつが『武偵殺し』だったんだ。やっぱり出やがった」
「『やっぱり』……? アンタ、『武偵殺し』が出るのわかってたの!?」
「ああ。さっき解ったんだよ。武偵殺しの奴はバイクジャック、カージャックで事件を始め、そしてシージャックである武偵を仕留めた。そしてそれは直接対決だった」
「……どうして」
「そのシージャックだけお前が知らなかったからだ。電波を傍受してなかったんだろ」
「う、うん」
「『武偵殺し』は電波を出さなかった。いや、出す必要がなかったんだ。何故なら、奴自身が直接乗っていて、船を遠隔操作する必要がなかったからな」

 あの兄さんが逃げ遅れるなんて有り得ないしな。

「ところが、バイク・カー・シーと大きくなっていた乗り物がここで一旦小さくなる。そう、俺のチャリジャックだ。そしてその次がバスジャック」
「……! まさか……」
「ああ。その通りだ、アリア。コイツは初めからメッセージだったんだよ。お前は最初からあいつの手のひらの上で踊っていたに過ぎなかったんだ。ヤツはお前の母親・かなえさんに罪を被せ、お前に宣戦布告をした。そして、兄さ―いや、シージャックで殺られた武偵と同じ3件目でお前と直接対決しようとしている。そう、今のこの状況、ハイジャックでな」

 俺の推理を聞いたアリアはその悔しさにぎりぃっと歯を食縛る。
 そこで、ベルトの着用サインがワケのわからない音と共に点滅を始める。

「和文モールス…………」

 アリアが呟き、俺はその解読を試みる。

 オイデ オイデ イ・ウー ハ テンゴク ダヨ
 オイデ オイデ ワタシ ハ イッカイ ノ バー ニ イルヨ
 ワナ ナンカ ジャナイ ホント ダヨ
 ホント ノ ホント ダッテ バ
 ソコ デ チョクセツ ヤロ ウ ヨ
 モシ コナ カッタ ラ
 ドウ ナッテ モ シラ ナイ ヨ

「……必死に誘ってやがる」
「なんか罠臭いけど上等! 風穴あけてやるわ」

 えらく必死に呼びかけていたのが引っかかるが、俺達は1階のバーに行く事にした。

 俺達は慎重に1階に降りていき、バーのカウンターを見ると、そこには、フリルだらけの改造制服を着ていた。
 その制服は東京武偵高校のものであり、そして、さっき理子が着ていたやつだ。

「今回も、キレイに引っかかってくれやがりましたねぇ?」

 べりっ。そう言いながら、CAは顔の薄いマスク状の特殊メイクを自ら剥いだその中から出てきたのは…………

「──理子ぉ!?」
Bon soir(こんばんは)

 手に持っていった青いカクテルを飲み、ウィンクしてきたのは、《《やっぱり》》理子だった。

「アタマとカラダで人と戦う才能ってさ、けっこーな確率で遺伝するんだよね。武偵高にも、お前達みたいな遺伝系の天才がわんさかいる。でも、お前の一族は特別だよな。なぁ、《《オルメス》》?」
「……! アンタ、それを一体どこで……! そしてアンタは一体何者!?」
「理子・峰・リュパン・4世。……それが理子の真名……本当の名前」
「リュパン……あのフランスの大怪盗のか……!?」
「そ。でも、家の人間はこのお母様が名付けてくれた『理子』っていうギザ可愛い名前で呼んでくれなかった。皆、呼び方が可笑しいんだよ」
「可笑しい…………?」
「4世。4世。4世さまぁー。だって。全くどいつもこいつも、使用人共まで理子の事そう呼んでたよ。酷いったらありゃしない」
「それがどうしたってのよ。『4世』の何が悪いってのよ」
「『何が』って……。巫山戯んな! 悪いに決まってんだろぉが!! アタシは数字か!? アタシはタダのDNAかよ!? アタシは理子だ!! アタシは数字じゃない!! ……ったく、どいつもこいつもよぉ!」

 理子が誰に言ってるかは不明だが、怒りをぶちまけ、そして本命はオルメス4世であるアリアだと言った。

「100年前、曾お爺様同士の対決は引き分けだった。つまり、アタシがオルメス4世であるお前を斃せば、曾お爺様を超えたって証明ができる。キンジ、ちゃんとお前も今回こそは役割果たせよ?」
「『役割』……だと……!?」
「ああ。オルメスの一族にはパートナーが必要なんだ。初代オルメスにも優秀なパートナーがいた。だから、条件合わせる為に、お前をアリアとくっつけてやったんだよ」
「俺と、アリアを…………お前が…………?」
「そっ。まぁ、凪優の奴が乗ってくるとは予想してなかったけどね。キンジのチャリに爆弾を仕掛けてわっかりやすぅーい電波を出してあげたの」
「あたしが『武偵殺しの電波を追ってる』って気付いていたのね!?」
「そりゃあ、一発で気付くよぉ。あんだけ通信科(コネクト)に出入りしてればさぁ。でも、キンジの方があんまり乗り気じゃなかったからさぁ、バスジャックで協力させてあげたんだぁ」
「バスジャックも…………!?」
「キンジぃー。武偵たるもの、どんな理由があったって、人に腕時計預けちゃダメだぞ? 狂った時間見てたらバスにも遅刻しちゃうからさぁー」
「…………。何もかも、お前の計画どおりだったってわけかよ……!」
「んーん。そんな訳無いじゃん。主に凪優のせいなんだけど。予想外のオンパレードだよ。一体、誰が、あんな方法で、しかも最速の10分で、バスジャック解決するなんて予想すると思うか!? フツーはしないでしょ! もう、なんなの!? あの無双っぷり。せっせと事前から仕掛けてたのを一瞬で無にされたんだよ!? そして、何より、キンジ、お前が活躍するはずが一切何もしてないじゃんかよぉ! 終始、何もしてないじゃんか! てめーはモブじゃねぇの! 主役なんだよ! おk?」
「……んな、こと言われてもなぁ…………」

 確かにあの時は、凪優と結衣の奴が無双してて俺の出番一切なかったけども。そんなこと言われる覚えはない。

「それにキンジが理子がやったお兄さんの名前を出すまで動かなかったのも意外だった」
「……兄さんを、お前が、お前が…………!?」

 兄さんの名前を出された今の俺は頭に血が上ってきており、冷静ではいられなくなっている。

「くふ。ほら、アリアぁ。パートナーさんが激おこだよぉ? 激おこプンプン丸だよぉ? 一緒に闘ってあげなよぉ!」
「それにキンジ、イイコト教えてあげる。あのね、双子のユーくんは……今ね、理子の、恋人なの」
「あの難攻不落という文字が服着ている外道に遂に春が来たのは心底どうでも良いわ。勝手にくたばってろって感じだし」
「……キンジ、何その評価」

 理子の一言で急に冷静になった俺だった。何故ここで潤の名前を出すんだ。明らかにミスだろ、理子。

「あー……、うん。アリア、それについては理子も結構妥当な評価だと思うよ。この場面でこの発言は明らかにミスったね。コレ」
「待ちなさいよ、そのキンジの双子の遠山潤? とか言う奴はどんな奴なのよ!?」
「数多の恋愛フラグ全てをクッソ笑いながらバッキバキにへし折ってくれるアンチクショー」
「女心を笑顔で蹂躙していく事については神級の天才」
「どう聴いても、ロクデナシにしか思えないんだけど!? 何かあたしもそいつをフルボッコにしても良いかしら?」
「「どうぞ、ご自由に思うがままに存分に死ぬ半々々々々々々歩手前までフルボッコになさってください。寧ろ、超助かる」」

 アリアの言葉に敵であるハズの理子とまさかの意見が同調した瞬間だった。
 あぁ……ここにも遠山潤(あの野郎)の事について同じ思いの奴が居たのか。
 その時だ。「あっ、それとね……」と理子が思い出したように言葉を紡いだ。

「あなたのお兄さんとも今は恋人なの」
「兄さんの事についてはいい加減にしろぉっ!」

 再び、兄さんの名前を出された今の俺は頭に血が上ってきており、冷静ではいられなくなってくる。

「キンジ! 理子はあたし達を挑発してるわ! 落ち着きなさい!」
「これが、落ち着いていられるかよ!」
「……だよねぇ。でもさ、まずは落ち着いたら? じゃなきゃ、勝てる戦いも勝てないぞ?」
「「「え……!? だ、誰!?」」」

 突如現れたCA。確か、先程俺をアリアのいる個室まで案内してくれた綾瀬とかいう人。
 何故、こんなところに…………? 
 しかも、あの現れ方、まさか瞬間移動か……? 

「……てめぇ、一体何者だ!?」
「あらあら。私が誰って……気づいてなかったのかしら? 理子」

 そう言って、顔を手で撫でる動作をする綾瀬さん。すると、彼女を覆っていた光の粒子が霧散していく。
 その粒子を纏っていたのは、東京武偵高校の制服を身に纏った同級生・水無瀬凪優だった。
 容姿は、前のチャリジャックの時とは違う。どっちかといえば、結衣との模擬戦の時の姿の方に近い。

「な、凪優……? アンタいつからここに…………!?」
「ん? えっと、アリアが搭乗手続きしてこの飛行機に乗り込む前から……かな?」

 アリアの言葉に悪戯っぽく答える凪優。

「え、でも、凪優、アンタ確か……」
「あんなの、でっち上げに決まってるでしょ? さて…………」

 アリアの問いにアッサリと答え、凪優は理子の方に視線を向けた。

「改めまして、Buona giornata(ごきげんよう)。峰・理子・リュパン・4世サマ。イ・ウーNo.2 魔術師・水無瀬凪優でございます」
「なっ……凪優、テメェが『魔術師』だと…………!?」

 凪優の言葉に驚愕の理子だったが、何か知っているのか……? 
 それと、まさか凪優もイ・ウーのメンバーだとは思わなかった。

「そうよ。まぁ、もう一つ肩書きもあるけどね。さて……キンジ」
「な、なんだよ……?」

 突然話を振られた俺は戸惑いつつも答える。

「お前が今戦ったってハッキリ言って足でまといだ。だから、ちょいと頭冷やしてきな」
「な、何を言って…………」

 俺は凪優の言っている事が理解できなかった。

「まんまの意味だ。こっちは私が引き受ける。だからどこかで頭冷やして来い」
「凪優……」
「大丈夫だって。アリア。《《こんな若輩者に》》私負けないし。だから……ね?」
「……わかったわ。死ぬんじゃないわよ」
「わかってるって」
「ホラ、キンジ、行くわよ!」
「え、ちょ…………おい……!」

 俺はアリアに引き摺られ、バーを後にした。

Side_Out……



Side_Nayu

 キンジはアリアに引き摺られ、何処かに消える。おそらくはさっきの個室だろう。ちょうど真上だし。

「おい、凪優、てめー、このアタシを舐めてんのか?」

 そう考える間もなく理子の怒号が飛んでくる。

「あら、そんな事無いんだけど。でも負けないし」
「上等。泣きっ面かかせてやんよ」
「やれるもんならやってみな……!」

 その直後、私と理子は武器を携えぶつかりあった。


 続くんだよ。
 
 

 
後書き
葵 「さて、如何だったでしょうか」
理子「あおちー、言いたいことは終わったか……?」
葵 「えっと、何故に裏理子なってんのさ」
理子「なんでこんなにアリア達煽ってんのさ!?こんなキャラじゃないし!」
葵 「いや、黒幕感あっていいかな……と思った思いつき」
理子「それで許されるわけないじゃん!」
葵 「じゃあ……(ゝω・)テヘペロ?」
理子「急に中の人ネタ使わないでよ!」
葵 「じゃあ……『》にげる』??」
理子「逃げないでよ!」
葵 「また次回?」
理子「終わらさないで!! まだ続いてるし!!」
葵 「そらそうか。当初ならここで終わったのに」
理子「メメタァな事を……」
葵 「事実じゃん」
花梨「最後に私も出てたけどね」
理子「そういえばそうだったね。 花ちゃん」
葵 「あの当時は花梨の設定すらなかったけどね」
花梨「そういう葵も存在すらなかったじゃん」
理子「確かに最初は『蒼』表記の作者出演だったよね」
葵 「そうそう。だが後々このキャラに落ち着いちゃったんだよね」
花梨「リメイク前を知らぬ読者さんは疑問でしょうけどね」
葵 「まぁ、リメイク前なんて無かった事になればいい」
理子「なんてことを言ってんのさ、あおちー」
花梨「葵はほっといて謝辞行きましょ?」
理子「そだねー」
葵 「スルーなの!? 今回も私の扱い酷くない!?」
花梨「この話を読んでくれて、更に評価してくれている読者様にも感謝感激雨霰!御蔭で葵は執筆頑張れるから今回も、次回以降も読んでくれると嬉しいな!」
理子「あおちーのモチベーションと集中力次第で次回の投稿時期が未定なんだけど、次回もなるべく間隔が空かないように頑張るからよろしくなんだよ!」
葵 「と、言う訳で、これからもよろしくお願いします」
理子「それでは、また次回」
花梨「このあとがきの場所でお会いしましょう。それでは……」
3人 「「「ばいばいっ!!!」」」

リメイク前も流用しつつ現在のスタイルになったあとがき ⑯ 完 

 

アリアのとあるいちにち

 
前書き
今回はアリアの誕生日記念という事で短編を投稿したいと思います。
このSSでは出番が少ないアリアの1日をお楽しみください。
(ハーメル版での投稿→2019/09/24 ※1日遅れ) 

 
あたしはホームズ4世。
神崎・H・アリア。
シャーロック・ホームズ卿の曾孫。
簡単な自己紹介はさて置いて・・・・・・今、あたしは超絶に不機嫌である。
いきなりでこんな事を言うのもどうかと思うけれど事実だから仕方ない。
何故と言われれば、その原因は妹であるメヌエット・ホームズからのバースデー・メッセージだ。
家族・・・妹からのメッセージであれば、通常は嬉しいものではある。
しかし、あたしにメヌからのメッセージの電話が掛かってきたのが日本時間で午前3時30分である。
日本とイギリスの時差が9時間(正確にはサマータイムで-8.0hであるが)とはいえ、時間を考えて欲しい。
イギリス(むこう)は19時30分で電話を掛けるには丁度良い時間帯なのかもしれない。
しかし、日本(こっち)はさっきも言ったとおり、午前3時30分である。
大体は就寝中である時間帯である。
かくいうあたしも絶賛就寝中だった。
しかし、その電話によって叩き起された。
更に輪をかけて前日は作業が長引いて就寝したのが午前1時である。
よって、絶賛寝不足である。朝の日課であるトレーニング準備の為、4時半起きで3時間半は寝れるかと思ったら、大きく狂った。
「あたしの就寝時間の1時間を返せ」
寝不足な不満をメヌにぶつけたら、更に揶揄われる羽目になった。
解せぬ。物凄く納得がいかない。
このイライラを風穴バーストで晴らしたい・・・・。今直ぐにでも。
しかし、それは出来ない。
元・同居人の怒りを買いたくない。唯其れだけだ。
「今は住んでないからセーフなのでは・・・・」とは思っていけない。
凪優・・・・水無瀬凪優は直感・気配察知においては人間を辞めているレベルだ。
今、ここにあたし達の朝食を作る為にもう既に来ている。
此処で大きな音を出せばO☆HA☆NA☆SHI(トラウマ)非回避だろう。
それだけはどれだけ不機嫌であろうが避けたいあたしである。
だが、風穴バーストはしておきたい。
こんな不機嫌な状態で1日を過ごすなんて真っ平ゴメン被るわ。
だったら、完全防音なら問題はないわよね。
そう思ったあたしの実行は迅速だった。
自室を小夜鳴マキナ(ブラド)御用達の「完全防音・防衝撃モード」に変更する。
以前、小夜鳴マキナ(ブラド)に愚痴ったら作り替えてくれた。
まさに小夜鳴マキナ(ブラド)様々よね。
変更後、あたしは気が晴れるまで「風穴バースト」をやりまくった。

             ✽✽✽✽✽✽

「風穴バースト」で憂さ晴らししたあたしはトレーニングウェアに着替えて自室を後にする。
リビングに併設されているキッチンには先客が居た。
「おはよ、アリア。今からトレーニング?」
その先客とは言わずもがな凪優だった。
「ええ。そうよ。凪優、アンタちゃんと寝てるの?」
あたしの発言に「あはは・・・」と苦笑いの凪優。
それで確信した。絶対寝てないわよね。
「んと、まぁ30分位寝たし大丈夫よ」
30分て。あたしより少ないじゃない。
「・・・・・身体壊さないでよね。体調崩したら元も子も無いんだから」
武偵たるもの体調の自己管理は確りしないといけないものね。
「解ってるって。トレーニング、怪我しない様に気をつけてね」
「ええ。解ってるわよ。じゃあ、行ってくるわ」
「うん。行ってらっしゃい、アリア」
凪優に見送られ、トレーニングの集合場所である人工浮島の埠頭テラスに向かった。
埠頭テラスに到着したあたしは同級生で何かと縁がある綾瀬(あやせ)悠季(ゆうき)と共にトレーニングに勤しむ。
途中であたしの体内に宿るモノの根源である緋緋神・・・もとい、三嶋(みしま)絢香(あやか)も合流する。
フツーに終わるかと思えばそうではなかった。
何故か小夜鳴マキナ(ブラド)も合流してかなりハードだった。
何とか耐えた自分を褒めてやりたい気分だったわ。
疲れた身体を引き摺りつつも男子寮に戻る。
戻ったあとは少し寝る(二度寝)。
1時間後、起床しシャワーを浴びる。
シャワー後。そこであたしは武偵高の制服に身を包んだ。
今日は祝日だが、やる事がある。
2009年9月23日は「チーム編成」の「直前申請(ジャスト)」当日だ。
その為の準備が色々あるからだ。
書類は凪優のアドバイスもあって不備はないはずだ。
あと、問題があるとすればキンジよね。
チーム入りを引き受けてくれるといいのだけれども。
そこだけが不安だ。
キンジへの説明は白雪と理子が上手くやってくれるだろう。
あたしはそう願うばかりだった。
凪優お手製の朝食を摂り、あたしは準備を整え、スズキ・GSX-R1000(2009年仕様(K9)・キャンディダークチェリー×ソリッドブラック)に乗って新宿警察署に向かう。
ここにやってきたのは勿論ママへの近況報告だ。
ここ最近は時間無制限で話す事ができるようになっていた。
聞いた話によると凪優とその兄である水瀬雄一郎が交渉したらしい。
あたしはその交渉が「交渉(脅迫)」に思えて仕方なかったのはここだけの話である。


丁度いい時間になったので、あたしは新宿警察署を後にしてスズキ・GSX-R1000で武偵高に戻る。
武偵高に戻ったあたしは装備科(アムド)防弾制服(ディヴィーザ)(ネロ)を借り、それに着替える。
その着替え中に理子にセクハラされて理子に制裁を加えたのはご愛嬌である。
理子はキンジを迎えに行く為、別れてあたしは撮影場所である探偵科の屋上でキンジ達を待つ。
暫くして凪優が到着し、白雪と理子と共にキンジが到着した。
キンジと他愛のない話をした後、あたしはもう1人の待ち人を待っていた。
月初めに絶交状態になっていたレキである。
先週の「エクプレス・ジャック」以来音信不通になっていたので凄く心配しているのだ。
一応、申請用紙にはレキの名前が記載してあるが、無駄になるかもしれない・・・・・。
そう思うとポーカーフェイスを保っているものの、内心は不安で仕方がない。
「大丈夫よ。レキは絶対来るわ」
凪優があたしをきゅっと抱きしめた。
おそらく不安になっているあたしを励ます為なのだろう・・・・。
何処がとは言わないが少し息ができない。もうちょっと加減しなさいよ(困惑
暫くして、レキが遅れて登場した。
あたしは安堵で心が一杯になった。
今直ぐにでも謝って和解をしたい。
しかし、周囲の目があるので中々話を切り出せないでいた。
それを既に察していたのかキンジと白雪と理子、それに凪優が後押し(強引)してレキと面向かうことになった。
レキと面向かった直後に急激に恥ずかしくなって顔から火が出るほど紅くなってしまったが、そのお陰?かで本音を言う事が出来て和解出来たんだから、結果オーライて奴よね、これは。
もっと話をしていたかったが蘭豹先生に催促されたので、直前申請(ジャスト)を優先させねば・・・・・。

2009年9月23日 午前11時59分55秒。
あたしが属する「チーム・バスカービル(Baskerville)」が承認され、発足した瞬間であった。


午後からは戦妹のライカ、ライカの戦妹である麒麟、凪優に凪優の戦妹のあかりと共にショッピングに出掛け、休日を楽しんだ。
その後の夕食では、あたしの誕生日会が執り行われ、あたしは凪優お手製の「ももまんキャッスル」を心ゆくまで堪能したのであった。

夕食後にママの弁護士から連絡があり、三度スズキ・GSX-R1000を走らせた。

それから弁護士とママの裁判の準備を済ませて帰ってきたのは夜の11時だった。
あたしは男子寮ではなく女子寮の自室に到着した。
その直後だった・・・・。
珍しく、キンジから電話がかかってきた。
何時もとは違った感じだったので返事を返すときにテンパってしまった・・・・。
キンジとの通話終了後、あたしは緊張しながらも指定された場所・・・・・女子寮地下の温室に向かった。
そして・・・・緊張しつつも薔薇園で待つ事数分。
キンジが到着した。
あたしは何時もどおり振舞おうとしたが、緊張のせいで上手くいかなかった。
そして、薔薇園で修復された跡を見て、キンジとの会話に花が咲く。
「で・・・・用事は何?こんな夜遅くにレディーを呼び出すからには、それなりのご用件でしょうね?」
暫く、語った後に咳払いをしてあたしはキンジに本題を尋ねた。
「11時45分。これもかなり、ギリギリセーフだったな」
が、はぐらかして中々答えを言わないキンジ。
「だから、な・ん・で・す・か」
あたしはキンジの答えにワクワクする顔を必死に面に出さないように必死に抑えつつ、キンジに迫る。
「――今日、誕生日なんだろ」
キンジの言葉に強く肯定するように目を大きく見開いて何度も何度も頷いた。
その後、キンジの質問が続いたが、恥ずかしさが大きく勝ってしまい、1つも言葉で返答が出来なかった。
そして・・・・・キンジからの誕生日プレゼント・・・・指輪を貰った。
しかも・・・・キンジが指輪を嵌めてくれたのは《《左手の薬指》》。

異性からの夜の呼び出し+プレゼントが指輪+左手の薬指に嵌めてくれた

この数式の答えが成り立つのはすなわち・・・・・《small》(求婚!?)《/small》
そう思ったら平常心が行方不明となっていた。(当然)
テンパった結果、後ろのミニ噴水に足を引っ掛けてピンポイントに頭から落ちた。
一瞬でパニクったあたしはそのまんま溺れてしまった。
その後、キンジに助けられたが、意識がグッバイしかけていたのでよく覚えていなかった。
だけど・・・・先週の修学旅行(キャラ・バン)Ⅰで理子が言っていた通り・・・・・いや、それ以上の事が現実となった。
その確信だけは忘れていなかった。・・・・いや、あたしは忘れる訳にはいかないのだ。

あたしが17歳になった日。
この日の思い出をあたしはずっと忘れない。
それが例え、どんな事があろうとしても・・・・・。

Fin… 
 

 
後書き
また遅刻組になってもうた。(当時)
原作に合わせたらえらく先の展開の話になってもうた・・・・・。

本編の追いつくのを気長に待っていて戴けると幸いなの。

また次回お会いしませう。ではでは。 

 

あかりのとあるいちにち

 
前書き
久方ぶりの投稿でございます。(当時)
このお話は間宮あかりちゃんの誕生日記念に書いた番外編です。

ハーメルン版投稿日:2019/10/25(ピッタシ) 

 
2009年10月25日(日曜日)。
今日はあたし、間宮あかりの16歳の誕生日である。
例年だと、ののかが夕飯時にささやかな誕生日パーティーを催してくれる。
特筆する事はそれだけで、特に普段と変わらぬ日常である。
なので、今年もまたそれと同じだろう。

今日は先程言ったとおり、日曜日。
だが、武偵高の依頼ってのは曜日なんて関係ない。
なので、学校は休日なのだが、依頼がこうして舞い込んで来る事もザラにあるのだ。
なんで、こんなこと言ってるかって?
そんなの、あたしも今日、今から依頼が有るからに決まってるじゃないか。
その内容は言うなれば「NA☆GU☆RI☆KO☆MI」っていうね。
明らかに武偵がするような内容じゃない。
どっちかって言ったら、なゆおねーちゃんや夾竹桃(桃さん)水蜜桃(みっちゃん)の属する組織が請負う依頼だろう(偏見)。
しかし、なゆおねーちゃんは別の依頼が入ってるらしく無理だった。
他の東京武偵高在籍イ・ウーメンバーの方々も同様みたいだ。
なんか大掛かりな殲滅(裏)任務でもあるのだろうか。
それに何故かその任務に麒麟ちゃん、湯湯ちゃん、夜夜ちゃんも同行している。
あの3人はあたしと同じ『強化組』でシンフォギアも使えるので問題無い。
しかしだ。麒麟ちゃん=理子先輩、湯湯ちゃん、夜夜ちゃん=葵先輩という一組(元)が有るとは言え、メンバーの戦姉妹繋がりで呼ばれている。
なら・・・・・なんであたしを呼んでくれなかったんだろうか。なゆおねーちゃん。
少し寂しさも有るのが本音だ。だが、武偵なんだからそんな事言ってられないことも理解している。
だから・・・・その八つ当たり・・・というか、憂さ晴らしを「NA☆GU☆RI☆KO☆MI」でぶつけようと思う。
死なない程度なら何をしたって赦されるよね♪
こういう思考が思い浮かぶあたり、麒麟ちゃんに「間宮様、段々と、畜生具合等が凪優お姉様に似てきてますわ・・・・・」って言われても無理ないか(苦笑)
さてこんなこと考えていて時間に遅れるのは御法度だ。
もうそろそろ向かわないとね。
あたしは自宅のガレージに移動し、バイクを始動させる。
バイクはスズキ・GSX1300Rハヤブサ(2009年仕様・ソリッドブラック×メタリックマジェスティックゴールド)である。
因みに、ガレージは以前はなかったんだけど麗ちゃんとバイクの話をしてたら、何故か無償で作ってくれた。
お礼を言ったら「べ、別に貴女に感謝されるために作ったわけじゃないっちゃ!」と返された。・・・・・・ツンデレ乙。そして因州弁込みとは新しい。

・・・・バイクで移動すること25分。武偵高近くに有る商業ビルに到着した。
「旭翔建設」
この地元で結構有名な建設会社である。
そこの社長さんと依頼内容の確認がある。
「あかり先輩、おはようございます!」
ビルの入口前であたしに声をかけたのが、あたしの戦妹である乾桜ちゃんだ。
当初、あたしと桜ちゃんの戦姉妹に難色を示していた教務科。
だが、序列の例外であるなゆおねーちゃんの鶴の一声によってそれが覆った。
そしてなんやかんやであたしと桜ちゃんの戦姉妹が結成された。
因みに「新年度になったらもう1人あたしが面倒見る」という条件付きである。
あたしは「2人も面倒見れるのか?」という不安がある。
だが、戦姉妹結成を聞いた時の桜ちゃんの笑顔を見たらそんな事は些事に思った。
なので、今はそんな不安はあまり無い。
まぁ、なんとかなるだろう。
桜ちゃんと共に「旭翔建設」のビルへ入っていく。
「よぅ、久しぶりだな」
「あっ・・・お前はあの時の!」
ビルのエントランスで出会ったのは「ラグーン台場」での誘拐犯・・もとい、
今は「旭翔建設」幹部である二人組だった。
金髪の方は「逢坂(あいさか)悠斗(ゆうと)」と言い、今は綴先生の旦那である。
黒髪の方は「藍沢(あいざわ)大和(やまと)」と言い、今は矢常呂先生の旦那である。
「お前は依頼で此処に来たのか?」
「はい。そんなところです」
「そうか・・・・あの厄介団体にはうってつけだろうな(笑)」
「『厄介団体』・・・・・ですか?」
悠斗さんの言葉に疑問を持った桜ちゃんが質問をする。
「ああ。何度も何度も粛清されても懲りずに騒いでる連中だ」
「えぇ・・・・その団体、バカなんですか・・・・(呆れ」
悠斗さんの言葉に呆れ返る桜ちゃん。
「ああ・・・・。身も蓋もない位の大バカだ。まぁ、大和に比べればマシだがな」
そう言って大和さんの方を見る悠斗さん。
「「あぁ・・・・・納得」」
それに納得するあたし達である。
それが不服だった大和さんは異議を申し立てるがあっさり却下されてしまった(笑)
そして、大和さんは「OTL」状態なっていたが、毎回のご愛嬌なのでスルーである。
決して「不憫」とは言ってはいけない。
悠斗さんと大和さんと別れたあたしと桜ちゃんは依頼主の下に向かった。
最上階の会議室であたし達を待っていたのは社長の旭野將文さんだった。
見た目は優しそうだが、なゆおねーちゃんと同じくイ・ウーの現役メンバーで、雷系の能力者である。中でも近接格闘が得意である。
あたしも手合わせをした事があるが、あの速さは反則だ。
その將文さんと打ち合わせを行い、今回の粛清対象の団体の本拠地ビルに向かう。
桜ちゃんを後ろに乗せた状態でバイクで移動する事、15分。
今回の対象である「槇島組総合事務所」に到着した。
以前は旭翔建設ビルから徒歩数分のところに在ったらしいのだが、なゆおねーちゃんと「真優香先輩」になった葵先輩の逆鱗に触れてビルが壊滅したそうだ。
その後、引っ越して今の場所になったらしい。
その団体に同情はしない。だって、聞くからに完全な自業自得だからだ。
で、突入方法はなゆおねーちゃんと同じである。
シンプルに後ろから潜入とかはせずにもう真正面からの突破。
がちゃ
扉を開けたあたしと桜ちゃんを迎えたのは
「ザッケンナコラーッ!」
「スッゾコラー!」
「チェラッコラー!」
「ルルァックァラー!」
「ワドルナッケングラー!」
「ワメッコラー!」
「ドカマテッパダラー!」
ヤクザスラングを喚く構成員の皆様でした。
それとアルカノイズ多数。
「Various shul shagana tron」
「Seilien coffin airget-lamh tron」
対ノイズ用武器「シンフォギア」を顕現させるあたしと桜ちゃん。
あたしがヨーヨーや鋸が主武器である「紅刃・シュルシャガナ」、
桜ちゃんが鎖付きの短剣が主武器である「銀腕・アガートラム」である。
「えっと、O☆HA☆NA☆SHI しましょうか?」
とびっきりの笑顔で言い放つ。
もう、構成員の皆様には死なない程度に無事は保証しない。
そして、アルカノイズ共は塵になる。
それはもう確定事項だ。
異論反論等は赦さない。さぁ、往生の時間だよ?


一時間半後、思ったより早く終了したあたし達は將文さんの下へ報告を行う。
報告の後、あたしは依頼報酬として「新築の住居」を貰った。
破格すぎるが気にしたら負けだろう。
桜ちゃんを送り届けた後、あたしは一度家に戻る。
シャワーを浴びて、着替えてが終わった後は、気分転換がてらに遊びに行く事にする。
行き先は・・・・とりま、渋谷・新宿方面かな。
私服姿のあたしは再びバイクに乗り、移動を開始する。
この時、武装を忘れてはいない。キッチリ持っている。
因みに銃はマイクロUZIではない。
最近、葵先輩から貰ったトーラス・レイジングブルModel 444 (Ultralite)である。サブ銃として使用しているが最近はプライベートの場合、こっちを携行することが多い。何かと使い勝手もいいからね。

渋谷→新宿とウィンドショッピングを楽しんだあたしである。
昼食は渋谷109内のカフェで秋限定のパンケーキを食べた。
その道中でお買い物中の綴先生と矢常呂先生と出会い、更に何時もと違ってポニテ姿のゆとり先生と出会う。確か、なゆおねーちゃん曰く「ゆとり先生がポニテなのは傭兵関係の依頼が有る時とその前後だけ」だったから、おそらく事後だろう。
そして、旦那であるなゆおねーちゃんのお兄さんとデート中の蘭豹先生と出会った。
蘭豹先生と雄一郎さんは二人で楽しそうなムードをしていたので、そこに割り込むのは野暮だと思い、話しかけるのは止めた。
そしてそのカップルを黒い怨オーラを発しながらストーキングする結城ルリ先生を見つけたが、あたしは関わらないことにした。
だって、関わったら最期っぽい感じするし。シニタクナイ。
それに100%碌でもない事確定だろうし。
あの人のカンも異常なので完全に気配を消してその場を脱した。

それから池袋にも赴き、ショッピングを夕方まで楽しんだ。
さて、もうそろそろ帰ろうか。
そう思ったときになゆおねーちゃんからメールが入った。
その内容は「19時に私の家に来て欲しい」という内容だった。
今の時刻が18時15分。
今から移動するば間に合うだろう。
目的地のなゆおねーちゃんの自宅に向けてあたしは日が暮れてビルの灯りが綺麗になりだした街を横目にバイクを走らせた。


指定時刻の5分前に到着したあたしはリサ先輩の案内で多目的ルームに案内された。
その入口であたしを待っていたのは
『Happybirthday!!あかり(ちゃん)(さん)!!!』
この誕生日を祝うお祝いの言葉と無数のクラッカーの嵐だった。
事前に何も聞かされていなかったから結構驚いた。
もう本当に「サプライズ」としては十五分位に。
そして、そのままあたしの誕生日パーティーが開催された。
葵先輩となゆおねーちゃん作の絶品料理に舌鼓を打ち、
志乃ちゃん、ライカ、麒麟ちゃん、桜ちゃん、ののか、なゆおねーちゃん、結衣先輩、葵先輩、アリア先輩、キンジ先輩、白雪先輩、理子先輩etc…と沢山の人から色々な誕生日プレゼントを貰った。
そして最後の大トリでヒルダ先輩、葵先輩、リサ先輩、理子先輩、ジャンヌ先輩のバンド演奏が行われた。
このバンドは最近はライブチケットはプレミアになるほどの人気さを誇っている。
その証拠にこのバンドが参加したアドシードは例年の盛り上がりの比にならないくらいの大盛況だったらしい。
そんなバンドの演奏をナマで聴けるんだから、あたしは幸せである。



明日も、そしてこれからもあたしには色々な出来事が訪れるだろう。
だけど、この日の思い出は絶対に忘れない。
そして、来年も再来年もずっと今日みたいな日が訪れるように。
あたしは諦めずに前に進んでいく。
そう改めて誓ったあたしであった。

おしまい。

 
 

 
後書き
今回のお話は新設定と新語句盛りだくさんでお送りしました。
以降の本編でも反映していければなと思います。

また、一度きりだと思ったキャラも登場しています。
そのキャラの登場回をもう一度見てみるのもいいかもですね♪

あと、最後の方に登場したバンド名は決まってません。
なので、バンド名のアイデアがある方は感想等で送ってくれると嬉しいです。
その中からバンド名を決定しちゃいたいと思います。

このお話を読んでの評価等もお待ちしております。

次回が短編連続投稿のラストです。 

 

超聖戦?バレンタインデー

 
前書き
短編連続投稿のラストです。
今回はハーメルン版投稿当時の時事ネタでバレンタインデーのお話です。
原作では禁じられたバレンタインデー。
ですがこの作品では解禁されています。
そういう妄想があって今回のお話ができました。

それではどうぞ。
(ハーメルン版投稿日:2020/02/15 ※1日遅れ) 

 
2011年2月14日(月曜日)
この日の東京武偵高校は何時もとは違う緊張感があった。
今日は聖バレンタインデー。
女子が意中の男子にチョコレートを贈るという一大イベントである。
例年、東京武偵高では(主に蘭豹のせいで)バレンタインデーが全面禁止となっており、チョコレートを渡した女子は勿論、貰った男子も教師陣(主に蘭豹)に処断される。しかし、隠れてチョコレートを渡す生徒が多く、密かな聖戦状態であった。
それが今年もまた、今日この日に開幕する・・・・・・
と、思いきや違ったのだった。
その理由は禁止理由の筆頭であった蘭豹にあった。
6月に発生した「教師陣結婚ラッシュ」によって、蘭豹にも兄さん・・・・水瀬雄一郎(旦那様)というチョコレートを渡す相手が出来た為、今年から東京武偵高校ではバレンタインデーが『公認イベント』となったのだ。
これにより、「密かな聖戦」は「超聖戦」に発展する事となったのだった。
これは、そんな東京武偵高校のバレンタインデーを綴った物語である。


この日の東京武偵高校の面々は朝からだというのに何処か血走っていた。
・・・・・・比喩でもなくガチで。男子も女子も。
私・水無瀬凪優は東京武偵高の校門に入るなり、大きなため息をついた。
何故ならば・・・・・
「「「「「ウォォォォ・・・・水無瀬の手作りチョコぉ~~~~~」」」」」
「「「「「私が全部独り占めしてやるんだからぁぁぁぁぁぁ」」」」」
「「「「「チョコレートハオレガゼンブイタダク・・・・!!」」」」
「「「「「nysmntykhsbtwtshnmn(訳:凪優様のチョコは私のモノ)drnmwtsn(誰にも渡さん)!!」」」」」
私が作った(手作り)チョコの独占目的で私に襲いかかる生徒達。
その大半は暴徒化していて、中には理性が吹っ飛んでいる奴らもいる。
その証拠に日本語がグッバイしている。
「(´・д・`)バーカ。誰がお前らみたいなやつにチョコを渡すんだよ。義理でも御免こうむるわ。・・・だからさ、ちょいと頭冷やそっか」
私はとびっきりの笑顔で言い放ち、
「リク・ラク ラ・ラック ライラック」
契約に従い、(ト・シュンボライオン・)我に従え、(ディアーコネートー・モイ・へー・)氷の女王。(クリュスタリネー・バシレイア)来れ、(エピゲネーテートー・)とこしえの(タイオーニオン・)やみ(エレボス・)えいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)!!」

高速詠唱で広域氷結魔法のえいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)を発動させる。
これによって、暴徒共のいる範囲はほぼ絶対零度となる。
無論、範囲は15Ft(4.5m)に抑えてある。
150Ftも凍らせる必要ないし。
更に・・・・・
全てのものを(オムニア・イン・)妙なる氷牢に(マグニフィケ・カルケレ・)閉じよ(グラキエーイ・インクルーディテ)こおるせかい(ムンドゥス・ゲラーンス)”」
こおるせかい(ムンドゥス・ゲラーンス)”を発動し、暴徒共を氷柱に封印した。
あと、威力もだいぶ抑え目である。下手したらコレだけで殺せちゃうからね。
「朝からド派手な技を放つんだな。師匠」
「あ、ジャンヌ。おはよ。だってチマチマ相手してたらめんどいもの」
「確かにこの多さの相手には骨が折れるな」
「でしょ」
「で、こやつらは何故に師匠を狙ったのだ?」
「チョコ」
「え?」
「ホラ、今日はバレンタインデーでしょ。だから私の手作りチョコを独占しようとしたのよ」
「そんな理由なのか。なんと言うか、師匠も大変だな」
「ホントに勘弁してほしいわ、全く。………あ。ジャンヌ、これあげる」
私はラッピングされた紙袋をジャンヌに渡す。
「これは…………?」
「今日はバレンタインデーでしょ。だから、友チョコ」
「私に……?本当に良いのか!?」
「良いに決まってるわよ。じゃなきゃ渡してないし」
「そうか…………ありがとう。師匠」
紙袋を受け取ったジャンヌは私に笑顔でお礼を言った。
その時のジャンヌの笑顔にきゅんっ(*´μ`*)ってなったのは此処だけの話。

ジャンヌと別れた私は教室に向かう最中に暴徒共を沈めつつも、カツェ→曹操(ココ)四姉妹→マキナ(ブラド)→リーナの順に出会い、手作りのチョコを渡していった。
そして、教室に着いた時には私は疲労困憊で机に突っ伏していた。
私が机で死にかけていると、理子が話しかけてきた。
「オハヨー、なゆなゆ・・・・・って、大丈夫!?」
「理子は私のこれが大丈夫に見えんの?」
私は疲労による不機嫌さマシマシで答える。
「うん。少なくとも理子の目にはそう見えない。一体どうしたのさ?!」
理子はえらく驚愕した表情を見せ、此方に問いかけてきた。
「バレンタインデー」
「あ、何となくだけど理子察した。ご苦労様」
「ん………………」
私はそう一言答えるのが精一杯だった。
その直後だった。
「「「「「ウォォォォ・・・・水無瀬の手作りチョコぉ~~~~~」」」」」
「「「「「私が全部独り占めしてやるんだからぁぁぁぁぁぁ」」」」」
「「「「「チョコレートハオレガゼンブイタダク・・・・!!」」」」
「「「「「nysmntykhsbtwtshnmn(訳:凪優様のチョコは私のモノ)drnmwtsn(誰にも渡さん)!!」」」」」
再び暴徒が現れ、今度は教室に押しかけてきた。
中にはクラスメイトも混ざっている。
私は疲労困憊な体を無理矢理にでも起こそうとした。
・・・が、理子に止められた。
「なゆなゆはもう限界近いんでしょ?だから、休んでて。こいつらは理子が始末するから」
「ありがと・・・・・でも殺すなよ?」
「くふふ、どういたしまして。今の理子は武偵だもん。殺しはしないって」
「じゃあ・・・・頼んだ」
「( ゚Д゚)ゞ リョーカイ!! 理子にお任せあれ。――ラス・テル・マ・スキル・マギステル」
闇夜切り裂く(ウーヌス・フルゴル・)一条の光(コンキデンス・ノクテム・)我が手に宿りて(イン・メア・マヌー・エンス・)敵を喰らえ(イニミークム・エダット)白き雷(フルグラティオー・アルビカンス)!!!!」
速度重視の稲妻が放射され、暴徒共を襲った。
これに耐えられる暴徒共は居るはずもなく、全員痺れて沈んだ。
「( ´Д`)=3 フゥ 一丁上がりっと。なゆなゆー?終わったよ」
「ありがと・・・・・助かったわ。ハイ、これ。そのお礼ってわけじゃないんだけどね」
私はラッピングされた紙袋を理子に渡す。
「え・・・・これって、チョコレート・・・・だよね?」
「そうよ。バレンタインデーの・・・ね」
「え・・・・もしかして理子にくれるの!?」
「ええ。いつも何かと世話になってるしさ、そのお礼ってのもかねての友チョコよ」
「そっかぁ・・・・・ありがとね。なゆなゆ!・・・・そのお礼って訳でもないんだけどさ、理子もこれ、あげる!」
そう言って理子は私に可愛くラッピングされた袋を私に手渡した。
「あ、ありがと。理子」
私は少し照れつつもお礼を言って受け取る。
「そのチョコは本命に近い友チョコだからね!」
そう言って理子は何処かに行ってしまった・・・・。
暫くして朝礼が始まったので理子から貰ったチョコレートは鞄に大切に仕舞った。

午前中の一般科目の授業が終わって、昼休み。
ここでも・・・・波乱はフツーにあった。
暴徒共を沈め、白雪に追われるヒルダを匿って、そのお礼にチョコ貰った。
無論、私もヒルダにチョコを渡した。
そしたら、偶然ワトソンにも出会い、チョコ交換を行った。
ワトソン・・・・男装してるとは言え、あの見た目で女子力高いとか反則だろ・・・・・。
その次は白雪が案の定暴走してたので沈めた。
そして正気に戻った後、私は白雪ともチョコレート交換を行った。
まぁ・・・・そこに至るまでに大戦争あったのは言わないでおこう。

午後からの専門科目。
強襲科でも私は暴徒制圧から逃れられなかった。
鎮圧の際にあかりと桜が協力してくれたので、その御礼も兼ねて二人に私はチョコをあげた。
その際に私はあかりからチョコレートを貰った。
あかりからのチョコを受け取った際に私は探偵科の授業を抜け出した志乃と麗のコンビに襲われた。
だが、一瞬のうちにあかりと桜のコンビによって沈められ、志乃と麗はそれぞれ、ゆとりと蘭豹に連行された。二人共、結構お冠で殺気が溢れ出ていたので、二人は死なないけれど無事では済まされないだろう。
そんな事があったが、私はその後、偶然出会った結衣にチョコレートを渡し、葵とチョコレートを交換した。
葵に渡し終わったとき、ここ最近はずっと実体化して「三嶋花梨」として学校生活を送っている瑠璃神は
自身を慕う後輩達に囲まれていた。
花梨自身、人見知りなところもあるので、結構戸惑っていた。
私は「ヤバくなったら助けるとしますか・・・・」というスタンスでそれを見守っていた。
なお、後日その事を花梨に伝えたら数日拗ねられて、機嫌を直すのに私が苦労したのは別の話である。

そして放課後。
私はというと、何故か女子寮の薔薇園に居た。
そしてその場には友人の綾瀬悠季が居た。
今は・・・・何故か二人っきりである。
「・・・・で、凪優俺に何の用だ」
「ひゃい!?」
私はあまりの恥ずかしさに声が裏返ってしまった。
「・・・・・おい、凪優、お前大丈夫なのか?顔もなんか紅いようだし・・・・」
「ぅえ!?な、なんでも・・・・ない!なんでもないってば!」
私はテンパって平静を装った。
その時だった。
私はあんまりにもテンパりすぎて薔薇園に広がる池(深い)に落ちそうなった。
「危ねぇ!!」
それを抱き留めて私が落ちそうになるのを未然に防ぐ悠季。
その体制は・・・・・・・なんていうか・・・・お互いの顔が近い。
もう私はこの状態でも気を抜いたら昇天してしまいそうだ。
「っと・・・大丈夫か?」
「う・・・・うん」
悠季は私をそのまま近くにあった椅子に座らせる。
そして、至近距離に近づいて・・・・・
おでことおでこを合わせていた。
どうやら悠季は私に熱がないか確かめているのだろう。
その間も私の体温は確実に上がっていた。
「うーん・・・・熱は無ぇみたいだけど・・・・もしあれなら俺が寮まで送っていくか?」
悠季は私が体調が悪いと勘違いしてるらしく、私を寮まで送っていくと提案した。
「ううん・・・大丈夫だから」
「・・・・?そうか?まぁ・・・無理はすんなよ。俺は今から依頼あるし行くな」
「・・・・・待って」
立ち去ろうとする悠季を私は引き止めた。
「なんだ?」
振り返って引き留める私の方を見る悠季。
「あの・・・さ、これ・・・・・受け取って・・・・欲しいの・・・・・。ダメ・・・かな・・・・?」
私は勇気を振り絞って悠季にチョコレート(本命)を渡す。
「これを・・・・・俺に?」
「うん・・・・」
「そうか・・・・。ありがとな、凪優。俺、凄く嬉しいよ」
悠季の言葉に私は背後の薔薇が咲き誇ったかのような笑顔になった。
それは・・・・至極当然である。
なんせ・・・悠季、絶賛片思い中の彼に本命のチョコを渡せて。
そして「嬉しい」と言ってもらえたのだから。
「なぁ・・・凪優」
「なに?」
「ホワイトデー、期待してても良いぜ?」
「ん。期待して待ってる。ねぇ、悠季」
「なんだ?」
「今さ、少しだけでも・・・・私を・・・抱いて」
「・・・・・・・解った」
その後数分間、悠季と私は抱き締め合っていたのだった。
この事もあって今年のバレンタインデーは私にとって忘れたくても忘れられない最高の思い出になったのだった。


尚、余談だが悠季と私の二人っきりの空間は絢香(緋緋神)瑠樺(瑠瑠神)凛花(璃璃神)花梨(瑠璃神)にバッチリその模様を目撃&録画され、絢香(緋緋神)の永久保存版コレクションの一つとなったのは別の話である。

Fin. 
 

 
後書き
如何だったでしょうか。
えっと、今回はえくすとら扱いなので何時ものまえがき・あとがきはお休みです。

結局投稿日時はバレンタインデー過ぎちゃったけれどね・・・・・。
まぁ・・・・一日なら大丈夫っしょ。

作者のリアルはバレンタインデーはというと・・・・・
そんなもん無縁ですよ。
っていう悲し結末なんですよ。
なもんで、最後は「(・д・)チッリア充が・・・・」とか言いつつも書いてました。
嘘でもなんでもなく実話です。

オチは特にない。
それではまた次回。 

 

理子のとあるいちにち

 
前書き
結局遅刻組。
だが断念するよりマシだ。 

 
2010年3月31日(水曜日)
年度末の1日とも言えるこの日。
今日はあたし、峰・理子・リュパン4世の誕生日である。
誕生日といえど、ぶっちゃけ何時もとは変わらない。
凪優を始めとするイ・ウーメンバーから誕生日パーティーを開催してくれるのが毎年の恒例となっている。
凪優達はあたしには内緒で準備を進めているのだろうが、こういう系を催す側が多いあたしにとっては大体の推測がついてしまう。
だが、知っている事を明かすほどあたしも野暮ではない。
知らないという体を貫き通すのが最善といえるだろう。
まぁ、あたしと同室の凪優はそれもお見通しだろうが。

話を戻す。
現在時刻は4時。
何時もだったら学校も春休み真っ只中なので爆睡中な時間である。
だが、今日はそうもいかない。
何時もは凪優が皆の朝食をリサと葵と瑞穂《《さん》》と共に作る。
しかし、凪優は昨日から夜通しの任務に出掛けていて不在なのだ。
なのでその代役としてあたしが登板というわけだ。
着替え等を済ませ、あたしは厨房に向かう。

「あ、おはよー理子。今日は代わってくれてありがとね」

その途中で任務が終わって朝帰りな凪優と会う。
余程ハードな任務だったのだろう。
凪優は結構フラフラだった。

「うん。おはよ、なゆなゆ。別に気にしないで。部屋の鍵開いてるし早く休んだら?」
「うん…………そーする……………」

受け答えも何時もとは違い虚な感じがした。

「これ、ヤバいよね………………?!」

そう判断したあたしは手刀で凪優を気絶させた。
そしてそのままお姫様抱っこで凪優を部屋のベッドまで運ぶことにした。
自室の凪優のベッドに運び終えたら凪優をパジャマに着替えさせる。
この途中でどさくさ紛れにセクハラしてやろうかと思ったが必死に堪えた。
起きた後の制裁は御免被るからだ。
あたしとて命は惜しいからな。
それにこの後チャンスは有るだろうしね。
凪優を寝かせた後、あたしは改めて厨房に向かった。

厨房でリサ達と合流し、共に皆の朝食を作る。
結衣の食べっぷりが凄いで済まされないので結構疲れた。
それを平然とやってのける凪優達は改めて凄いと感じた。
皆の朝食が終わってあたし達の朝食タイムである。
今日はこの後の予定まで余裕があったので比較的ゆっくり出来た。

朝食が終わったあたしはこの後は任務も武偵校の依頼も無いので部屋で書類仕事である。
自室に戻ったあたしは執務室に篭る。
そして机の後ろの棚から書類を取り出し、片付けていく。
あたしはこう見えてイ・ウー研鑽派におけるNo.2の位置付けにいる。
凪優の秘書位置でもあるのだがそれは置いておこう。
何が言いたいかっていうと・・・・・書類の量が多い。
予算編成の承認、新年度における新人育成指導要綱、任務における人員配置・・・・・
と、内容も多岐にわたる。
その上司の位置にいる凪優は更に書類の量は多いし文句は言えまいて。
ま・・・・文句を言っても書類が減るわけじゃないので頑張るとしよう。

あたしが頑張ってイ・ウー関連の書類を完了させ、休憩がてら一息ついていたその時だった。
コンコン。
執務室のドアがノックされた。

「どーぞ」

あたしはノックをした人物に執務室へ入るように促す。

「理子ちゃん、おはよう」
「あ、るーりん。どうしたのさ」

執務室へ入ってきた人物は武偵高の制服に身を包んだ凪優の相棒の瑠璃神こと、三嶋花梨だった。

「ちょっと理子ちゃんにお願いがあってさ」
「お願い?」
「うん。凪優のことなんだけど」
「なゆなゆの・・・・?」
「うん。凪優のさ、補助頼みたいなぁ・・・て思ってさ」
「あーそっか。この後、るーりん依頼入ってたっけ」
「そうなの。理子ちゃん予定空いていたしどうかなって」
「えっと、なゆなゆの朝のお風呂の補助だったよね」
「うん」
「理子のこの書類もなゆなゆ起きる頃には終わってるだろーし別にいいよ」
「ありがと。あ・・・私、もう時間だし行くね?」
「いってら~。怪我しないよーに頑張ってね~」
「うん。ありがとね」

花梨はあたしに凪優の入浴のお世話を頼み、退出した。
まさかのチャンスが到来だった。
凪優は低血圧で朝・・・・特に寝起きがかなり弱い。
その為、毎朝入浴して目を覚ますのだ。
しかし、その行為を凪優単体で行えた試しがない。
以前に凪優が一人で行った際は・・・・脱衣場で寝ていた。しかも全裸で。
これにはあたしを含め全員が「ファッ!?」と驚愕したものだ。
故にそれ以降、誰か(主に花梨)が補助をしている。

さて・・・現在の時刻は9:30。
凪優が起きてくるのは11:00頃。
あと1時間半か・・・・。
それまでに武偵高関連の書類終わらせないとね。
さて・・・気合入れて頑張りますか・・・・。
あたしは机に置いてある桃色の縁どりの伊達メガネをかけて再び書類作業を行った。

50分後。
気合入れて頑張ったお陰で書類仕事は完了した。
まさか・・・あたしが探偵科の主任生徒に任命されるとは思ってもみなかった。
主任生徒制度。
それは今回新設された制度である。
3年生の中から1名選ばれて教師と同等の権限を持つ・・・・・
らしいがぶっちゃけ「教師の雑用係」である。
それで、その主任生徒が発表されたのだが・・・・・

強襲科・情報科→水無瀬凪優
強襲科(副)→神崎・H・アリア
情報科(副)→ジャンヌ・ダルク
探偵科→峰・理子・リュパン4世
通信科→三嶋瑠樺
鑑識科→三嶋凛花
車輌科→武藤剛気
諜報科→ヒルダ・ツぺシュ
救護科→小夜鳴マキナ
装備科→機嬢
狙撃科→綾瀬悠季
衛生科→エル・ワトソン
SSR→星伽白雪
CVR→リーナ・ツぺシュ

物の見事に知り合いっばっかりだった。

「偶然って凄いよねぇ……………」

と遠い目になったのは此処だけの話である。
暫く机で寛いでいると、執務室のドアが開いた。

「りこ………………」
「なゆなゆ……………?どうしたの?」

執務室に入ってきたのは眠りから覚めたばかりの凪優だった。
その証拠に語彙力も低下しきっている。

「おふろ……………」
「あー、うん。解った行こっか」
「うん………………」

その後、まさかと思いあたしは凪優の方を見た。
案の定、凪優はそのまま眠りについていた。

「ファッ!?」

まさか此処で力尽きるとは思っていなかった。
想定外の出来事で驚愕の声が出てしまった。
仕方ないので、髪の毛の操作で凪優をお風呂に連れていくことにした。
その際、セクハラを忘れずに行い個人的に堪能するあたしである。

大浴場に到着し、脱衣場で凪優の脱衣を行う。
堪能も忘れずに行うのは言わずもがなである。
凪優を一人で入浴させるのも不安だ。
それに丁度汗を流したかったのであたしも一緒に入浴することにする。

入浴中に凪優を堪能していたら途中で凪優の意識覚醒。
そして制裁を受けたのはお約束なあたしであった。
詳細を書きたいが全年齢版では無くなるので割愛しておこう。

入浴後はあたしと凪優で昼食を摂る。
昼食後はお出掛けだ。
メンバーはあたし、凪優、麒麟、あかりの四人である。
此処最近はこのメンバーで出掛ける頻度はかなり高い。
何故かは知らないがこのメンバーで行くのが一番楽しいのだ。
無論、他のメンバーと行くのも楽しいのだけれども。

居住区からあたしは凪優と二人乗りで今回の目的地である渋谷に向かう。
あたしの愛車であったベスパは後輩に譲るつもりでいる。
その為、今日はあたしの新しいバイクを見に行こうと思っている。
何と料金は一括で凪優が払ってくれるみたいだ。
凪優曰く、「誕生日プレゼント」らしいので有り難く頂戴しておこう。
途中、勝鬨であかりと麒麟と合流する。
あかりも凪優と同じく大型のオートバイを乗りこなしている。
それでまだ乗ってから1年経過していないんだから驚きである。

暫く、バイクで移動後、目的地であるモーターショップに到着した。
あたしは事前に目星を付けていたのですんなり決まった。
あたしが選んだのはイタリアのオートバイメーカーが発売している
『MV Agusta F4』
である。色も鮮やかな赤であるから気に入ったのだ。
お値段は2100000円程だったが凪優が一括で支払った。
この時、その光景をあたし達は誰も驚いていなかった。
つくづく「慣れって怖い」そう思う。

オートバイ購入後は渋谷でショッピングを楽しみまくった。
中でもあかりオススメのパンケーキはリピーターまっしぐらの美味しさだった。
その後、序でに麒麟のオートバイも購入した。
車種は『ヤマハ・YZF-R1(2009年式)』である。
支払いは…………凪優がシャーロック・ホームズ持ちにしていた。
凪優のそのえげつなさに戦慄したあたし達なのは余談である。


居住区に帰ると安定のあたしの(サプライズ)誕生日パーティーが催された。
同期や、武偵高の面々からプレゼントを貰い、あたしは涙が出ちゃうほど嬉しかった。
まぁ、ヒルダに関してはあまりのガチさにドン引きしたけども。

その後は安定のバンドタイムに突入したのでそれもおもいっきし楽しんだ。
数年前には憧れた存在だった今この瞬間にあたしはいる。
あの当時の環境は今でも正直思い出したくもない。
だが、あの環境だったから今のあたしがある。
だってもしもあの環境にあたしが居なかったらあたしは…………
あたしは凪優と出会えていなかった。
そして皆と出会えていなかった。
こんな風に楽しむこともなかっただろう。
だからそういう意味ではあの環境にも感謝はしている。
今のこの瞬間は終わってしまうけれど。

願わくば来年も……………その後ずっとこうして楽しい時間を送りたい。

これがあたし、峰・理子・リュパン4世の1番の願い。
ねぇ、カミサマこの願い叶えてくれたって良いよね…………?


Fin………
 
 

 
後書き
如何だったでしょうか。
もう書いててニヤケが止まんねぇわ。
本能の赴くままに書いた今回だ。
この話のメインヒロインが理子だし、主人公が理子の話は書きたかったんだよね。
モノローグとかは裏理子視点で書いてます。
そっちが楽だし()

此処で何気に新設定が出てますが、本編で触れるまでお待ちいただけると嬉しいの。
それではまた次回お会いしましょうなの。
ではでは。