Re.IS~For the love & peace~


 

1.Bの災難/新たな天才

これは日本を襲った二つ目の危機。スカイウォールの惨劇から十数年。世界にISの存在を叩きつけた白騎士事件から数年後、この物語はここから始まった。

某国の路地裏。
『まさか俺が離れている間にこんなことになっているとわなぁ。やっぱり歴史は繰り返すってことなのかね?』
白濁色の蛇が皮肉のように嘆く。すると、
「へびのおじさん」
蛇が振り替えるとそこには小さな男の子が一人立っていた。
『……どうしたんだ坊主?』
「いっしょにあそぼ?」



「‥‥モンドさん、レイモンドさん!」
 耳元で叫ばれていたのでとりあえずは起きた。どうやら机に突っ伏してねてしまったらしい。
 にしても、懐かしい夢を見たもので。
「さとり、耳元で大声を出しちゃダメだって習ったでしょ?」
「あ、ごめんなさ、って貴方が起きないからでしょ!」
 彼女は古明地さとり。俺が世話になってるところの家主だ。両親が他界し15歳ながら古明地家を支えている立派な少女だ。ISの日本代表候補にも選ばれるほどの実力者でもある。え?IS?それは後に説明しようか。
「もう、もう朝食はできてますから早く食べちゃってください。こいしももう食べてますから」
「ほいほーい」
 適当に返事しつつリビングへ向かう。
「おはよー!お兄ちゃん!」
「おはよう。こいし」
 この子はこいし。さとりの妹だ。確か、えっと、いくつ差だったかな。歳。まあいいや。
「いったい誰に説明してるのですか」
「それは言いっこなしってもんでしょ」
 え?まずツッコむとこが違うって?
 ではまず後回しにしてきたISの説明から始めようか。『無限の成層圏(インフィニット・ストラトス)』。通称IS。どこぞの天災兎が作り上げた宇宙での活動を考えたパワードスーツだ。しかし数年前の『白騎士事件』を皮切りに今までISを見向きもしなかった学会が宇宙開発ではなく兵器への運用に目を付けたのだ。
 そんなISもただの兵器だけでなくエンターテインメント競技としても発展した。先ほど出た日本代表候補というのも読んで字のごとくといってもいい。代表候補までとなるとそいつ専用のIS、所謂専用機というものが手に入る。さとりの専用機は『第三の目(サードアイ)』。読心術を可能にしたものだ。
 少し脱線したなそんな輝かしいISだが、一つだけ欠点があったのだ。実はこのIS女性しか起動できないのだ。
 そのせいで女尊男卑の風潮が助長し、一種の社会問題となっている。
 ISの説明はこんなもんだろう。
「お兄ちゃん、今日は三人で遊ぼうよ!」
「そんなこと言ってもさとりは受験シーズン真っただ中じゃないか?」
「私は推薦で早くに終わりましたから」
 そういやそうだった。流石は代表候補生殿だ。
「そんな大層なものでもありませんよ。それよりもレイモンドさんこそ今日は『nascita』のシフトの日ですよ」
 ん?…あ。そうだった。
「遅刻だなこりゃ」
「わかってるのならさっさと食べちゃってください!」
「あいよ。てことだからごめんなこいし」
「なら、お兄ちゃんと一緒に行く!」
「あ、それでいっか」
 だってあそこ客来ないし。まずいコーヒーの定評がついてしまっているのだろう。
「それじゃあみんなで遊びに行こー!」
「おー」
「……あれ?私も行くの」









日本の首都東京の路地裏ぽいところにポツリと佇む喫茶店があった。レストランカフェ『nascita』。マスターのコーヒーとたまに厨房に立つアルバイトの料理が評判な謂わば隠れ名店といわれるカフェである。
「こんちわー。惣一さん」
「おお!レイ!今日は遅刻しなかったんだな!」
「さとりに口酸っぱく言われちゃって」
この人は石動惣一。この店のマスターだ。元は宇宙飛行士で、火星にも行ったのだとか。
「戦兎さん達は?」
ん、と後ろを指す。彼の言葉を理解し奥のトイレの扉を開けるするととある倉庫へと飛んだ。そう、ここのトイレの扉は秘密があり条件満たす開け方をすると空間転移するのだ。仕組み?わかる分けねーじゃん。こんなトンデモ。
「あれ?紗羽さーん。今日は休憩ですか?」
「レイ君。久しぶり!たまにはここで涼まないとね」
 彼女は滝川紗羽。フリーのジャーナリストだ。政治家氷室玄徳、通称玄さんと恋仲のお方だ。ここの常連である。
「お久しぶりです。紗羽さん」
「久しぶりー!」
「さとりちゃんにこいしちゃん。いらっしゃい」
 そんな他愛のない会話をしていると、ブーっ!と何かを噴く音が聞こえた。
「ちょっと、何やってんのよ万丈!」
 と、怒鳴る紗羽さんが拭き取っている床には茶色い液体が。元凶である当の本人の手にはコーヒーカップが握られていた。
「ゲホッゲホ!まっず!んだこのコーヒー!誰だ入れたの!」
「あんたでしょうが!」
「おう!俺か!」
 ……万丈さん、あーた。いや、やばいツッコみたいことが多すぎる。
 でもまずは、
「なんでカウンターなんかやってんですか?」
「戦兎がよ「お前みたいな筋肉バカがいても何の役にも立たないから、お店のお手伝いでもしてきなさいよ」とか言うからよ」
 万丈龍我。通称『筋肉バカ「呼ばれてねぇよ!!」』。元格闘家だが東都先端物質研究所の研究員『葛城巧』の殺害疑惑という冤罪?をかけられ「なんで疑問形なんだよ!!」東都政府に追われる身となった。のは前世?の話。前世なんかを持ち出されると何言ってんだこいつ?と言いたくなるかもしれない。俺だって思う。だが俺はそれが嘘じゃないことを知ってる。それは近々話すことになるだろう。
「で、バカ兎二人は何を?」
 聞いた瞬間にだ。まるでタイミングをうかがっていたかのように奥の冷蔵庫がBON!とわずかに浮き、淵からは白煙を上げていた。
「……あの通りよ」
「んじゃ、おじゃましまーす」
 この冷蔵庫。もちろん冷蔵庫なのだが実は地下の秘密基地へと通じる扉となっているのだ。
 俺はその扉をくぐった。
 って、白煙すごっ!けむっ!そこの中心には二人の人物がいて、奥にもう一人いた。
「……最悪だ。また失敗か」
「ムムム。まさかこの束さんがまたまた失敗するだなんて」
 なぁにやってんだか。
「ちょっとぉ、また失敗したのぉ?もう凍結したら?」
「「いやだから燃えるんじゃないか」」
「いやいや、できるわけないでしょ。あんなシステム」
  天才バカ二人が暴走する前に俺がわって入った。
「あ、レイ君!」
 天才ならぬ天災、篠ノ之束。エプロンドレスにうさ耳という奇怪な姿をしているが、ISの基本理論の考察から実証までほとんど一人で行った自他共に認める天才なのだがその実態はシスコンで研究バカの残念な人だ。
「確かに設計図やデータは不足しているかもしれないが、そこのウサギとこの天っ才物理学者桐生戦兎に作れないものはない」
 で、このもう一人の自他共に認める天才が桐生戦兎。ライダーシステムを組み上げこの世界を作った張本人。世界を作った何て言うと(ry。
 んで、奥の人が石動美空。ここのマスターの娘さんでこの地下室に引きこもっている所謂ヒッキーである。それと同時にネットアイドルみーたんというもう一つの顔を持っている。
「そもそも、お前がこの研究に加われば万事解決なんだよ」
「それで前無理でしたよね?」
「もう昔の束さんじゃないのだよ~!」
「お兄ちゃんだってあの時悔しがって自分の部屋のホワイトボード版真っ黒になるまで色々書いてたよね~」
「あの後はくそ眠かっ、ってこいしいつの間に!?」
 やべぇ、全然気づかなかった。
「最初からいたよ~」
 えへへ、と無邪気な笑顔を浮かべているがまさか全く気配をさとらせないとわ。こいし、恐ろしい子!
 そう、俺の部屋の壁はすべてホワイトボードに変えられているのだ。あの時は普通に悔しかったから貫徹しちゃってさとりにめっちゃ怒られた。
「ま、暇ですし。実験に付き合いますか。それに俺も完成させないと気が済みませんし」
「うわー、レイ君の本音だだ漏れだー」
「それじゃ、実験を始め、「みんなテレビ見て!?」」
 戦兎さんの言葉を遮るように紗羽さんが勢いよく扉を開いた。
 顔の形相からしてただ事ではなさそうだ。
「紗羽さん。もしかしてこれ?」
 今まで沈黙を貫てきてた美空さんがスマホを紗羽さんに向けた。
「そう!これよこれ!」
 俺ら三人は紗羽さんの後ろから画面をのぞき込んだ。ちなみにこいしは背伸びしてもジャンプしても届かないため俺によじ登り肩車の体制になった。
 写していた画面はYah〇o newsみたいだ。そこの記事の見出しを見て驚愕を隠せなかった。
 そこには、


 『世界初のIS男性操縦者現る』と書かれていた。
「「は?」」
 さすがの天才二人も間抜けた顔をしていた。そして俺は、
「……最悪だ」
 恩師の口癖が思わず出てしまった。 

 

2.Bの災難/現実は非常なり

 
前書き
作者「すべての戦いを終えた先にあった世界はライダーシステムではないマルチパワードスーツ『IS』が有無を言わせていた世界だった。そんな世界の創造主になってしまった仮面ライダービルドこと桐生戦兎は平和な一日を過ごしていたが、紗羽さんの見ていたニュースによってそれはマッハで終焉へと向かっていく」
レイモンド「何であんたがあらすじ紹介してんのさ!?」
戦兎「そうだよ!そこは基本この天っ才物理学者であるこの俺の居場所でしょうが!」
レイモンド「いやいや!この物語の主人公は俺だよ!?なら俺がやるのが筋じゃないの!?」
某ワンサマー「そ、それだったら俺だって!」
作者「まだ未だ出番のない彼は置いといて。まあ、俺作者だし。書いてんの俺だし。俺の物語だし」
レイ・戦「うわー」
作者「って、ちょっとそこー!引いてるんじゃないよ!んん!まあこれのことは追々考えるとしてそろそろやりますか!」

レイモンド「ま、テンプレ過ぎて先見え見えだけどな」
作者「そんなネタバレあらすじ紹介できるわけないだろう!さぁ!どうなる第二話!」 

 
 例のニュースが世界に流れてから政府、いや世界全体の対応は早かった。
 もしかしたらほかにも動かせる存在がいるかもしれないという希望を持ちながら、全世界の男性の適性検査を決定した。
 だが、俺たち『nascita』の男たちはそうもいかない。
 戦兎さんは言わずとも知れた仮面ライダーだし、てかこの人ら戸籍とか大丈夫なのか?元々この世界に存在しないんだろ?戦兎さんと万丈さんって。
 というわけなので、
「ゲンさんに呼ばれたわけだけどよ。こんなめんどくせーことやる意味あんのかよ」
「まあ、バカのお前にはわからないだろうが」「できねぇわけがあんだよ」
 首相官邸の前でだべっていると戦兎さんの台詞にかぶせて万丈さんを弄る人影が一つあった。
「あ、かずみんさん」
「よお。久しぶりじゃねぇか」
 猿渡一海。かつて戦兎さんや万丈さんたちの前に立ちふさがった仮面ライダーグリスだ。だが、後に新たな敵が牙を向けた際には一緒に戦ったという。この日本に移り住んでから俺を鍛えてくれた人でもある。
「お前も呼ばれたのかよ」
万丈さんが考えてその言葉を言ったのかはともかく、確かに俺もそれは思った。戦兎さん達は言わずもがなだし、俺も俺でここの国の国籍とった訳じゃないし。え?ビザ?色々訳があるんだよ。まあ、とどのつまり俺も普通に検査を受けられるわけがない。その点かずみんさんは両方クリアしてる。大地主だし。
「それにお前らについてけばみーたんに会えるしな!」
 ちなみにこの人美空さんのもう一つの顔『みーたん』の熱狂的なファンであり会うたびにそれこそアイドルオタクのそれの反応をする。紗羽さんに五万ドルク請求される未来しか見えない。






 重厚な扉を開けると数人の研究員と髭が似合うダンディーな男がいた。何時ものライダースーツではなく普通のスーツをバッ!とはだけさせTシャツを俺たちに見せつけた。
『よくぞ来た』オオラァ!
 この髭こそ、この日本の首相の七光、ゲフンゲフン!息子、氷室幻徳だ。かずみんさんと同じく元々は戦兎さんたちの敵だったが仮面ライダーローグとして戦い、贖罪を果たし、首相補佐をやってる。
「今日、お前たちを呼んだのはほかでもない。わかっていると思うが、ISの適性検査だ。じゅんにまずは」
「俺からやりますよ」
 というより。
「ほかの皆さんを呼んだのは建前で用があったのは俺だけでしょ?」
「……わかった」
「……レイモンド」
 戦兎さんは呟きながら哀愁漂う視線を送り、猿渡さんはただ無言を貫いていた。おそらく万丈さんはわかってはいないだろうが。
 俺は構わず検査用のISに触れると()()()ISは起動した。
「は、反応ありですっ!」
「適合率100%、二人目の適合者です」
「「……」」
「マジかよ」
「……最悪だ。まさか予想が当たるなんてな」
 はあ、これからがめんどくさいことに。 

 

3.Bの災難/動き出すFate

 
前書き
作者「古明地家に居候しているレイモンド・スカーレットは首相官邸にてIS適合検査を受ける。そこでなんと、女性しか使えないISを動かしてしまった!」
レイモンド「おい!なに本編で明らかになってないフルネーム使っちゃってんの!俺はこの名前を名乗る気はなーいーの!それよか早くそこの席俺によこしやがれ」
作者「あ、ごめんごめん。やっちゃったZE☆彡」
レイモンド「いや、やっちゃったZE☆彡じゃないよ!ちょっと!?」
作者「まあ、それは本編の進み具合に合わせて追々ってことで」
レイモンド「追々って前回も同じこと言ってたからな!あーもう!はい第三話、行っちゃって」
 

 
 首相室で検査結果が出てしまいもう二十歳になるにもかかわらず高校一年生をもう一度やることが確定してしまった今日この頃。あの日から数日が経ち何か変わったことがあったかというとぶっちゃけ何もない。あるとしたら今まで並行作業でよかったものがあるものを優先的に進めていかなければならなくなってしまったくらいのものだ。だが、それですべての開発が間に合うかって?間に合うんだなぁ、これが。
「フムフム、『仮面ライダー OOOオーズ』、『プトティラコンボ』に専用武器の『メダガブリュウ』か。ラビラビタンタンのフルボトルバスターと似た機構の武器か、実に面白い」
 戦兎さん、もとい葛城巧が集めたあらゆる仮面ライダーに関する資料を読み漁り新たな発明を進めていく。この資料がある限り俺の発想は無限大だ!え?パクリ?リスペクトと呼びたまえ。さあ、どんどん行こうか!フーッ!夜は焼き肉っしょー!さらにインスピレーションを刺激され作業を加速しようとしたその時に機械音と何故かいるこいしの寝息――良く寝られるな――以外のデバイス音が室内に鳴り響いた。
『ギャーオ、ギャーオ』
「ん?どうした、ファング?」
 こいつは恐竜型自立行動防衛メカ『ファングダイナソー』。戦兎さんが開発したドラゴン型自立行動メカ『クローズドラゴン』と同規格で俺が組み上げたメカだ。元ネタというか引用元は風都という街で活動している仮面ライダーWの自立行動デバイスだ。名前もそのまんま引用した。
 ファングは身構えているように見えた。ということは、だ。
「誰かがいる、ってことだ」
 基本ファングは戦兎さんたちや古明地家の人たちには戦闘態勢を取らない。そう設定しているのだ。なぜか万丈さんは例外なのだが。だからファングが身構えたということは逆説的に俺が知らない人間がここにきているということだ。
 俺が立つとファングは俺の右肩に乗ってきた。扉を開けてさとりのもとへ行こうとしたらドアノブに手をかける前に自然に扉が開いた。
 開いた扉の前にはさとりとあともう二人、童顔の人とどっかで見たことがあるような人がいた。でも思い出せないから別段大したことはないんだろう。
「お、さとりちょうどよかった。で、そちらのお姉さん方はどちら様で?」
 さとりはこめかみを抑えお姉さんの方は目を見開かせ驚いていた。あれ、何かまずいこと言った?俺。
「まったく。……昨日言ったじゃないですか!」
 スーパー回想タイム!スタート!






『レイさん。明日なんですけど』
『ん?どしたの?』
『明日の午後一時にIS学園の織斑先生が会いに来るそうなのでそのつもりでいてください』
『んー。りょーかい』
『ちゃんと聞いてるんですか?』
『ん、大丈夫大丈夫』








「ああ、そんなことも(ry「想起『テリブルスーヴニル』!!」
 さとりは瞬時にISを起動。弾幕を発射する。って容赦なすぎでしょ?童顔の人がめっちゃ驚いちゃってるし。喰らったら、まあいろいろ生命的にやばいけど、まあ、大丈夫。
「ファング」
 俺の呼びかけにファングが応じ、弾幕を弾く。しかし、数発弾いたところでファングは吹き飛ばされてしまう。まあ、さとりが数発で済ませてくれたためありがたいが。この弾幕はただの銃弾による弾幕ではない。『エネルギー粒子弾幕システム』。ISの試合はその使用上、SEがエンプティになったら敗北である。極論を言えば相手を攻撃しなくともSEを空にすれば勝てるのだ。そしてこのシステムはISにシールドエネルギーとは小分けしたエネルギータンクを搭載しそこから操縦者を傷つけずにSEを削る、という設計のはずだった。しかし、現在の世界のIS技術では『ノックバックを殺しきれなかった』のだ。つまり、開発は不可能だった。あの天災兎でさえ「今は無理、それよりも今はタキオン粒子が先決だよ!」と匙を投げた?のだ。多分飽きたな。それがゆえに中途半端の宙ぶらりんな状態になっているのだ。
「古明地。やりすぎだ。山田先生も戸惑っているだろう」
「これくらいしないと意味がありませんから」
 痛い目を合わないとわからない子みたいに言わないでもらいたいなぁ。








 いったん床に錯乱してた設計図やら工具やらを部屋の隅に追いやり、座布団とちゃぶ台を持ってきた。もともとこの部屋は戦兎さんの部屋を丸々そのまんまパクってレイアウトしたから話し合いができそうな机椅子は一切ない。ちなみに、さとりが弾幕放ったのにこいしはベッドの上を陣取ったまんまだ。
「改めて、私は織斑千冬だ。IS学園で教師をやっている。そしてこの方は私の学級で副担任をしている山田真耶だ」
「山田真耶です。よろしくね?えーと」
 織斑千冬?ああ、ブリュンヒルデか。この人が世界最強と名高い女性か。確かに強いな。少なくとも俺の知る中で五指に入る。俺でも素じゃ勝てそうにない。
「レイモンドです。下の名は名乗る気はありません」
「ん?どういうことだ」
「『現実は小説より奇なり』。まあいろいろあるんですよ」
 そのあとに手をひらひらさせながら「あ、在日期間は長いんで言語は気にしないでもらっても結構です」と付け加える。
「……まあいい。それでIS委員会は男性操縦者二人を保護する方針で「保護ではなく、監視。と言えばどうです?」……どうしてそう思う」
「どんなに繕ってもISは今や兵器と化してしまっている。何ならISは現代社会システムの根幹だ。そんな中の現れた男性操縦者と言うイレギュラー、世界にとってはモルモットだろうし、女権団にとっては女尊男卑を脅かす目の上のたんこぶだ。なら、手の届くところに置いておきたい。これが俺の解答だ」
「……入学、してもらえないか?」
 ――――――――沈黙は肯定と受け取って構わない。目の前の人の目が言っていた。すげえ、眼力で意思疎通可能にしちゃったよこの人。
「二つ質問しても?」
「なんだ?」
「一つ目。俺、これでも今年で二十歳になるんですけども」
 いいの?それ。
「問題ない。高校は義務教育ではないからな。世の中には留年という言葉もある」
 おい。最悪じゃないかそれは。俺が留年なんて天地がひっくり返って超新星爆発してもあり得ないぞ。何てったって天っ才と天災の教え子ですから自分。
「じゃ二つ目。こいつ、こいしはどうするんです?あづけられる身寄りもないですよ?よって、俺は入学できません。こいつの世話があるんで」
 この言葉を飛ばした瞬間、さとりは再びこめかみを抑えた。なぜだ。織斑さんは唖然とし、山田さんは「妹さん思いなんですねぇ~」とほんわかとした雰囲気を出していた。
 そもそも。さとりがいない間は俺がこいしの世話をすることになっていたのだ。これが逆ならば問題ないのだ。さとりはしっかりしてるしな。でもこいしじゃなぁ。家事出来ないし。心配だ。
「……自分の身の心配の前に妹の心配か?」
「当り前じゃないですか」
「即答しないでください!」
 何を言ってるんだ。お前だって送り出したくないんだぞ。
「えっ?」
 女子高だぞ?女の怖さは尋常じゃない。特に嫉妬は言葉にするのも憚れるほどの陰湿さと恐怖を秘めている。さらにそこに男一人を放り込むわけだろ?うん昼ドラや韓流ドラマのドロドロでギスギスした修羅場になるのは必定。そうなれば、義兄として男性操縦者(ムシ)を抹殺しなければならない」
「レイモンド。お前は声が漏れているぞ。偏見を持ちすぎだ。それと古明地の専用機の能力を忘れてやるな」
 あ。やっちゃったZE☆彡
「まったく。…………ハァ。ならお前が責任もって面倒見ろ。それなら学生寮に住むことを許可してやる」
「わかりました。ではお言葉に甘えさせていただきます」
「妹をそんな拾ってきた犬みたいに言わないでください」
 さとりが羞恥から帰ってきたらしい。まだ顔真っ赤かなまんまだけど。こいしはまだ寝てる。
「では今後のことを軽く説明する。あとで資料を渡すがそこには無駄なことも書いてある。だから今頭に叩き込め」






 教師説明中。





「…………というこだ。わかったな」
「つまり、クラスは織斑先生のクラスで、形式的な入学試験を受ける。ということでいいんですね?」
「うむ。まさに話を聞けなかったやつでも一瞬でわかる解説だったな」
 うん。だろうな。
「では試験は来週。入学式はその翌週だ。では邪魔したな古明地」
「じゃあ来週きてくださいね」
「はい。ろくにお構いできなくてすいません」
「そういえば最後にもう一つだけ質問いいですか?」
「答えられる範囲でなら答えよう」
「そうですかなら、











■■■■■■■■■■■って名前のやつが入学してきてたりします?」  

 

4.Bの災難/二人目

 
前書き
レイ「女性しか動かせないISの世界初の男性操縦者がついに発見された。そして古明地家の居候であるこの俺レイモンドもまたISを動かせることが発覚。渋々ながらもIS学園に入学することになってしまった」
千冬「まだ入学試験があるのだがな」
レイ「あれ?今回は千冬先生なんですね」
千冬「フッ。まあそういうことだ。入学はほぼ確定だがそう簡単に勝てると思わんことだ」
レイ「うわー、強キャラの雰囲気がめっちゃ出てらっしゃる。俺、結構平和主義なんだけどなぁ。ま、見ててくださいな」
千冬「ならばさっそく見せてもらうぞ。では第四話だ」  

 
 俺はとある駅のロータリにて参考書を読んで人を待っていた。ちなみに参考書の中身はIS学園の授業に使うものだ。千冬さんに読んどけって言われたのだ。てか待ってるのもあの人だ。そう、とうとう試験の日がやってきたのだ。この日のためにずっと温めてきた発明品を披露する日がやってきた。他の先輩ライダーのパクリ開発品が多いが、この技術だけは俺のものだ。これは戦兎さんや束さんすらもこの技術を発見できなかった。まあ、法則がわかる今ならば簡単にやってのけられるのだが、やってはいない。あまりにも危険だからだ。
「うむ。集合時間前にきているとは感心だな」
 顔を上げると千冬さんがみおろしていた。あ、もう集合時間だったのか。
「どうもです。今日はよろしくお願いします」
「しかもすでに予習してるときた。生徒の鏡だな」
 ぶっちゃけ復習なんですけどね。束さんがうちにいるの知ってる人なんて俺らぐらいだからなぁ。ここは無難に流すか。
「何て言っても俺もまた天っ才ってやつなんで」
「…………なるほど。では行くぞ」
 なんか顔がそうかそうか君はそういうやつなのか、という顔をしている。そんなにキャラが濃い人がいるのか。学園には。大変そうだな。









「おぉ。結構広いんですね」
「世界から資金援助を受けているからな。これくらいの設備は整えないといけないのだよ」
 今は学園内を歩いている。それは当たり前なのだが、もう広いのなんの。ホームページをざっと見たが数字を見るのと実際に歩くのでは違うということ話実感する。
「ついたぞ。ここが第三アリーナだ」
「今更ですけど、まさか千冬さんと戦うんじゃないですよね?」
「ほう。自信がないか?」
「いえ、試したいものも試す余裕がなくなるんで」
 この人が相手なんて勝ち目あるのか?いやでも現役を退いてそこまでたってないな。勝ち目極薄だよ。
「安心しろ。私ではない。ピットまで案内するからついてこい」








「ここがピットだ。アリーナを使用する場合必ずここを使うだろうから覚えときたまえ」
 ほほーう。なかなか人数が入りそうだな。専用機持ちの人たちが試合をするときに関係者が入れるようにっといったところだろう。モニターもあるしわざわざ観戦席に行かなくともいいというわけだ。
「本当は私がお前の実力を見たかったのだが、ここでお前を見ていろという上からの指示がるからな。さて、お前には専用機がないからこちらから訓練機を貸すことになって「それについては心配無用です」?どういうことだ?」
 俺は懐から二つの穴とハンドルのついた赤と黒の機械を取り出す。
「専用機ならばここにあるので」
「なに!?」
「それじゃ、行ってきますんで千冬さんはゆったりとみててください」
 そう言ってアリーナへ出ると、そこには見知ったというか知っている顔がいた。
「久しぶりね。レイモンド君」
「あんたは確か……更識楯無」
 日本における暗部『更識』のトップにしてロシア代表。なぜ俺がこの人を知っているかというとゲンさん会いに行ったときに知り合った。それぐらいの関係だ。
「なるほど。ロシア代表か。千冬さんよりかはマシかな」
「それよりも。ISも纏わずにここに来るとはね。私もなめられたものね」
「おっと、そいつは失礼した。それじゃ」
 懐から再び例の機械を出し腰に当てる。すると自動で黄色いベルトが巻き付いた。
 それに併せてさらに右手に青の左手に赤のボトルを振る。
「それは、ビルドドライバー!?」
 戦兎さんにも束さんにもできてない俺だけの技術、それが『フルボトルの複製』だ。火星で発見された特殊な成分を複製することは可能なのかって?フフフ、可能なのだよ。この天っ才物理学者と天災の弟子、レイモンドにかかればね!ちなみにこのビルドドライバーも俺が複製した。

「さあ、実験を始めようか」シャカシャカシャカシャカ!ジャキン!



『Rabbit!Tank!』
 ハンドルを回す。回す回す回す回す回す。これ以上はやめとこう。ゲシュタルト崩壊しそうだ。ちなみにに俺のビルドドライバーにはベストマッチ判別機能は付いていない。もうあらかたのベストマッチは見つかってるからいらないかなーって。
『Are You Ready?』
「変身!」
 自分の前後に展開していた左右半身のパイプが合体した。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!Yeah!』


「会長さん?呆然としてるところ悪いけど、行くよ!」
「っ!(まずい!)」
 ラビットの脚力で完全に不意をついたつもりだったのだがかわされた。
「今のをかわすあたりさすが更識ですね。一筋縄じゃいかなそうだ」
「生徒会長たるものこの学園の生徒の頂点に立っていなければならないもの。そう易々と勝てるなんて思わないことね」
「じゃあ、胸を借りるつもりで行かなくちゃあな!」
 このフォームじゃまずは近づかなくちゃ始まらない。そう思い近づくも、まだこのときの俺は更識という家を理解し切れてはいなかった。
(ラビットタンクフォームにはこれね!)
 会長は蒼流旋の武装の一つ『ガトリング砲』で扇状に放つ。
「っ!はぁ!」
 ラビットフルボトルの兎の『跳躍力』を生かしガトリング砲をかわし上から攻めようとするも、読まれていたのか主武装の槍の鋭い一突きが飛んできた。
「ぐあ!ちっ!読まれてた、いや誘導か!」
 ガトリング砲を扇状に放てば横に逃げ道はなくなる。跳躍力を生かして上に逃げ反撃の一手にする事を読み切っての一突きだったのだろう。
「なるほど、戦兎さんのビルドの戦闘データからある程度の対抗策は練れてるってことか」
「フフ、正解。我が国の中でも限られた人間にし知られていない防衛手段とは言えども戦力は戦力。万が一の時のための対抗策がこんな所で役に立つなんてね」
 本当にその通りだ。まさかこうまでも対抗策が練られてるなんて誰が予想するだろうか。
 でも、
「それよりも、急な爆発にご注意を」
 もう一度配管工もびっくりなジャンプを繰り出す。そして先ほど俺がいた範囲が爆発を起こした。
「うそ!?『熱き情熱(クリア・パッション)』をかわされた!」
「生憎、情報を得られるのは更識だけの特権じゃない」
 更識はなんといっても国の暗部だ。その情報網は侮れない。だがこっちには天災様や紗羽さんがいる。あの人たちがいれば知れない情報なんてないに等しい。紗羽さんどうやって情報仕入れてくるんだろう。
 『熱き情熱(クリア・パッション)』。彼女の専用機『霧纏の淑女(ミステリアス・レディ)』に搭載されている『アクア・クリスタル』から構成されるナノマシンの水を霧状に散布し発熱、一瞬にして気化させることによって小規模な水蒸気爆発を起こさせる技だ。
「でも、追い詰めたのはこっちのようね。空中では身動きはできない!」
 その通り。まだジャンプの運動エネルギーは真上へと向いているがそろそろ落下し始める。だけど、もちろんそれも折り込み済みだ。素早くドライバーに差してあるボトルを抜き、他のフルボトルを取り出す。
『TAKA!GATLING!』
 そして回す。
『Are You Ready?』
「ビルドアップ!」
 空中で新たなフォームへ変わる。
『天空の暴れん坊!ホークガトリング!Yeah!』
「姿が変わった!っていうか飛んでる!?」
 ホークガトリングフォーム。鷹の飛行能力と機関銃の連射能力をかけ備えた姿だ。背中の『ソレスタルウィング』による飛行能力に驚いているところを見るとどうやらビルドの全てを把握しているわけではないらしい。
「せっかくだけど。着地点にまた散布したナノマシンは返すよ!」
 俺は翼で大きく羽ばたかせ、風を起こし霧を会長まで飛ばす。 
「やられた!でも、まだ終わってない!」
 ナノマシンを一点に集中させ始めたか。もちろん計画通りだ。
「勝利の法則は――――――――――」






『フルボトル!』
 俺は専用武器『ホークガトリンガー』ではなく紫色の銃『ネビュラスチームガン』にラビットフルボトルを差し込む。
『ファンキーアタック!フルボトル!』
 ラビットの成分の超高速弾でための初動を消す。
「な!?何が起こったの!」
「―――――こいつで最終段階だ!」
 ホークガトリンガーのシリンダーを回す。
『テン!トゥエンティ!サーティ!フォーティ!フィフティ!シックスティ!セブンティ!エイティ!ナインティ!ワンハンドレット!フルバレット!』
 会長を球状のフィールドで隔離する。行動を封じたところへ弾丸バレットイレイザーを炸裂させる。
 SEがなくなったのを確認し落ちていく会長を空中でキャッチする。
「……負けたわ。やっぱりすごいのね。仮面ライダーって」
「いやいや。会長が最初から本気を出してたら負けてたのは俺だったよ」
 一度だけ会長の試合の映像を見たことがある。それは圧倒的という言葉は足りないほどだった。むしろ相手が惨めだった。戦兎さんが戦っているところを何回か見たくらいでの情報しかない俺では善戦に持ち込むのがやっとだったろう。
「そう、かしらね。ありがとう。なら、学園の先輩として一つアドバイス。それは()()()でもISよ。それは頭に入れておくことね」
 といってきた。やっぱりきずいちゃいます?
「どうも。ではまた。次は入学式にでも。Ciao♪」
 こうして、なんとか勝つには勝ち、試験を終えた。  

 

5.再開のS/Start Your School Life

 
前書き
レイ「突如入学することとなってしまったIS学園の入試試験をついに迎えた!仮面ライダービルドことレイモンドの前に生徒会長更識楯無が立ちふさがるも辛くも勝利する」
楯無「フフフ、いい気にならないことね」
レイ「あれ?今回は楯無さん?ここのコーナーは前回の初登場者が来る法則なのかな?」
楯無「私は生徒会長四天王の中でも最弱」
レイ「生徒会長は学園最強の称号じゃねーのかよ」
楯無「冗談は終わりにして、それにしてもあなたが仮面ライダービルドなんて聞いてないんだけれど!?」
レイ「切り替えはやっ!まあ、それはほら世代交代というやつですよ」
楯無「まあいいわ。それよりもあなたが最も避けたかったことが現実になっているようだけれど大丈夫かしら?」
レイ「まあ何とかしますよ」
楯無「フフフ、じゃあそれを第5話で見せてもらうわね」  

 
 IS学園入学式当日。
 1年1組の教室は、静寂に包まれていた。28名の女子生徒が集まれば姦しくお喋りが繰り出されると思われるはずが、そんな事は無かった。
 女子生徒たちが静かにしている理由。それはこのクラスに編入されている二人の男子生徒。
 一人は最前列の教壇前の席に座っており、女子の視線に気付いているからか身体がカチコチに固まっている。彼の後ろ側の席に座っている子たちは見えないだろうが、今の彼の顔色は病に当てられているかのように悪くなっている。こちらが一人目(The First)、織斑一夏だろう。
 そしてもう一人が。

(うーむ。研究に身が入らん)

 そう。それがどこぞの天っ才の抑え役。秀才物理学者であるこの俺だ。
 いやね。別に緊張とかそういうのではないんだ。二十歳にもなって高校かよなんていう落胆も…………少しはあるな。うん。
「皆さん、入学おめでとうございます。私は今日からこのクラスの副担任を勤めます、山田真耶です。これから一年間、宜しくお願いします」
 ああ、最悪だ。うん?何がって?席だよ席。普通席は五十音順だ。この学園もその例はこぼれない。俺はレイモンドだから、窓際というベストポジションを獲得したのだが、問題はその後ろのやつがなぁ。
「織斑一夏です。・・・・・以上です!」
 ああ!もう!せっかくの晴れ舞台?なんだから辛気くさいのはヤメだ!
「お前はまともに自己紹介もできんのか」
「げ!範馬勇次郎!」
「誰が地上最強の生物だ!」
 ポジティブに考えればまた新たなことを学べるチャンスってことじゃないか!しかもほぼ奨学金で!学者としてこんなにうれしいことはないだろう!そう考えると悪いことばかりでもない気がしてきたぞぉ。ここは、心火を燃やして俺のアイテムを、


 バシィン!という音が教室に鳴り響いた。特に俺の頭の上で反響をしていた。
「(声にならない悲鳴)~~~~っ!まだ研究の途中でしょうが!」
 バシィン!とさらにもう一発追加をお見舞いされた。
「自己紹介の途中だろうが。馬鹿者が」
 あれ?あ。ほんとだ。
 コラ。そこ。ハァってため息つかないの。後ろ向かなくても聞こえてるんだからな。
「まったく。お前の番だ」
「あ、はい。んじゃ改めて。俺はレイモンド。今はファーストネームだけで勘弁してくれ。歳は二十歳だがISに乗れるってことでこの学園に入ることになった。趣味は機械とかの物イジり。嫌いな物は鮹と女尊男卑。以後、お見知り置きを」
 フッ。どうよ。この無難な自己紹介。地味に聞こえてきた織斑弟の二の舞になりたくないからな。あ、でも出席簿ですでに叩かれてるわ。
 教室に沈黙が、続く。でも嫌な予感が加速的にやってくる。そしてそれが最高潮になった時にそれはやってきた。あ、やべ。
「「「「「「きゃあああああああ!!!!!!」」」」」」
 うお!?な、なんだ!?女子の歓声が衝撃波となって、主に鼓膜を叩いてくる。もはや物理法則を超えててヤベーイ。
「イケメン!このクラスに二人ものイケメンが!」
「しかも、織斑君と対照的でインテリ系男子、嫌いじゃないわ!」
「この後寮で朝まで語り明かしましょうか」
「お母さん!私を生んでくれてありがとう!」
「ウェーーーーーー(0w0)ーーーーーーーーイ」
 …………なんじゃこりゃ。阿鼻だな。
「やかましい!静かにせんか!」
 …………長くなりそうなんでキリのいいところまでまで。







 キングクリムゾン!

 数時間後。
 授業が終わり学生の大好きな休み時間へと入った。この学園は入学式が終わったその日に授業が始まるらしい。中々の鬼畜なタイムスケジュールで心がピョンピョンピョンピョン、ラビット!すっぞ!うん。もう何がなんだかわかんねーな。
「なあ、ちょっといいか?」
「ん?どうかした?」
「いや、俺ら数少ない男性操縦者だろ?今後も何かと一緒の機会が増えるだろうし。仲良くしときたいなぁって」
「それはいいけど、年上にタメ口なのは頂けないなぁ」
「ま、マジか。す、すみません。出席簿で叩かれて悶絶してたもんで」
 ああ、あれを食らった先駆者がいたのか。てかあの人弟にも容赦ねーな。まあ、教師だから仕方ないのか。
「まあ、あれを食らった後ならしょうがない。それに別にいいよ。タメ口で。ちょっとからかっただけだから。改めて、レイモンドだ。今はファーストネームだけで勘弁してくれ。二十歳だ」
「おう、宜しく。俺は織斑一夏だ。一夏でいいぜ」
 お互いに親睦の証に握手をしてると、一人の女子がやってきた。後相変わらず後ろから視線。
「一夏。ちょっといいか?」
「おお!箒!久しぶりだな!」
 箒?ああ、束さんの妹さんか。シスコンだからな。あの兎は。よく話を聞いていた。そして、その胸中に秘めている思いも。
「一夏。行ってきなよ。どうやら感動の再会みたいじゃないか」
「感動って、まあ、そうだな。すまない。また後で!」
 そう言って俺の席を去っていった。元気だねぇ。最近の若者は。
 さて、と。
「こっちも感動の再会、か?」
 俺は自分の後ろの席のやつに話しかけた。
「確かに。感動的だ。だが無意味だ」
「ひどい言い草だな」
 まるで心外だと言うかのように大きく肩を竦める。だが、そういわれるのも自分の責任だ。







「兄姉の感動の再会だぞ?」
 その言葉とともに俺は今日初めて自分の後ろの席を見た。
 そこにはとても高校一年生には見られないであろうほどの身長の女の子がいた。
「五年ぶりだなレミリア。背が伸びたか?」


 彼女はレミリア・スカーレット。俺の妹だ。 

 

6.再開のS/宣・戦・布・告

 
前書き
レイ「ついにIS学園の入学の日が来てしまった!織斑や束さんの妹さんと同じクラスになる。そして、故郷に残した妹、レミリア・スカーレットとクラスで再会を果たす。なのになんか一波乱ありそうな雰囲気」
万丈「ついに妹さんと会ったのか。妹さんお前になんて声かけんだろうな?」
レイ「そりゃ「ひさしぶりー」とか「元気だったー?」とか」
万丈「いやいや!?そんな雰囲気じゃなかったぞ!?」
戦兎「てか、これ前にもやったな」
レイ「ギクゥ!?手抜きがばれる!ま、まあ俺も気になるから早く第六話見よ?」 

 
背伸びたか?レミリア」
「家を捨てた男が今更何を言うかと思えば。よくもぬけぬけと!」
 そう言うレミリアの目には敵意が混じっていた空間がゆがんで見えるほどには凄みが増していた。
「………何も連絡を入れなかったのは悪かったと思っている。恨まれても仕方ないことだ」
「っ!………まあ、いいわ。いずれ、いや近いうちにが家を捨てたことを後悔させてあげるわ。そういう運命なのだから」
 そう吐き捨てると、教室を出ていった。
 心が痛むな。まさか、ここまで恨まれてるとは。いや、わかっていたことだ。後悔はない。覚悟が揺らいじまう。
 俺にはやらなければならない使命がある。


 ちなみにチャイムギリギリに戻ってきたレミリアはセーフだったが、遅れて戻ってきた織斑と束さんの妹──箒だっけ?──は千冬さんの出席簿が脳天に刺さることになった。




 それは、二限目を始める前の織斑先生のある一言によって始まった。
「そういえば、クラス代表をまだ決めていなかったな」
 クラス代表。織斑先生曰く、委員長みたいなもんらしい。近いうちにあるクラス代表戦などなど何かとクラス代表として試合に駆り出されたりするだろうし会議などにも出される。絶対めんどくさいやつやん。何が何でもやってたまるか、と決意もむなしく、
「はーい!織斑君を推薦しまーす」
「なら私はレイモンド君がいいと思います!」
 などなどの他推が続出した。もちろん俺も一夏も「はい。いいですよー」といえるほどお人よしでもない。蹴りたいのはやまやまだが織斑先生がそれを却下。なんでも、
「それだけお前らに期待しているということだ。諦めて受け入れろ」
 とのこと。どうしようかな。何としてもこれを蹴って研究やその他もろもろの時間を確保しなければ。いろいろ考えていると、
「納得がいきませんわ!」
 と金髪縦ロールちゃん。誰だあれ?お国自慢と日本への侮辱といいたい放題だった。大丈夫かなあ。話を聞く限りクラス代表候補生らしい。国際問題待ったなしだな。レミリアなんかフッと嘲笑を浮かべているし。日本の侮辱のこともあり一夏が喰ってかかった。
「なんだぁ?てめえ!イギリスだって対して自慢できるところなんかねーだろうが!飯の激マズ選手権何連覇だと思ってんだよ!」イチカ!キレタ!
 あ~あ。まるで子供の喧嘩だよ。そんな舌戦というのもおこがましいキャットファイトが続いてると思いきや、
「決闘ですわ!」
「いいぜ!一番手取り早ぇ!」
 …………なんでぇ。しかも、負けたら俺たちは奴隷にされるらしいし、ってなんで俺まで巻き込まれてんの!?
「それで? 俺たちはどれだけハンデをつければいい?」
「はぁ? 早速お願いかしら?」
「いや、俺たちがどれ位ハンデをつけたらいいかって聞いているんだよ」
一夏の言葉に俺と後ろのレミリア以外が笑っていた。いや、嗤っていた。
「織斑君、それほんとに言ってるの?」
「男が女より強かったのって、ISが出来る前の話だよ…」
「もし、世界が男と女で戦争したら、男は三日も保たないらしいよ」
「今からでも遅くないよ二人とも! 謝ってハンデつけてもらえば?」
「断る!!!」
と、彼は勢いよくそう言ったが俺の場合はちょっと違う。




「いいんじゃねーの?ハンデつけてもらっても」
飄々と言ってのけた俺に一夏も織斑先生も驚愕の顔を浮かべていた。
「はあ!?何言ってんだよ!?お前あんなこと言われて悔しくねーのかよ!?」
「まあ、落ち着け一夏。考えても見ろ。彼女は代表候補生のなんだろ?」
俺のその言葉に金髪縦ロールちゃんは愉悦の笑みを浮かべる。そして他の女の子もウンウンとうなずいている。けど、たぶんみんなが考えていることと俺の考えていることは違うと思う。たぶんドン引かれる。だが私は黙らない。




「例えド素人に負けたとしても『ハンデがあったから負けました~』の方が面子の保ちようがあるだろ?」


「「「は?」」」


クラス全員の声が重なった。そりゃそうだろう。何せド素人の俺が代表候補生に勝利宣言しているんだから。
「……日本の殿方はジョークセンスをお持ちみたいですわね」
「ジョークじゃないさ。君は俺には勝てない。IS、それも第三世代何ていうボタンを一つ掛け違えた欠陥機を使っているようじゃを絶対にね」
「な!?」
金髪縦ロールちゃんは驚きの声をあげ、今回に限っては一夏やあの織斑先生も驚きのあまり絶句していた。当たり前だろうな。現在世界が躍起になって開発に着手している第三世代機。それを全面否定すると言うのは現在のISを否定すると言うのと同義だ。まあ、何かしら追求される前にこの話を終わらせちまおう。
「これは覆し用のない事実だ。俺の頭にはすでに君に勝つ方程式は完成している」
言うことをいいこれ以上はなにも言わんと主張するように腕を組む。格闘技で試合前にビッグマウスをやるあれだ。まあ、俺の場合はかのヘビー級チャンプモハメド・アリのごとく有言実行しちゃうんだけどね。
そんな自画自賛していると後ろから椅子を引く音が。
「先生。私もその戦いに加わらせていただくわ」
「うむ。スカーレットも自推か。他にはいないな。ならば一週間後この四人で総当たり戦を行う!勝ったやつが()()()決めろ」
 とんとん拍子に話が進んでしまったが。レミリアまで加わってくるとはな。多分俺に用があるんだろうけど。しかも、あいつルーマニアの()()()()なんだよな。
一夏と縦ロールちゃんだけならそこまで本気にならなくても大丈夫だと思ってたが。レミリア相手ならボトルの出し惜しみはしないほうがいいかな。
戦兎さん達に相談するか。