ゼロの使い魔×ポケットモンスター ネタ


 

『ルイズが召喚したのが、ビードル(ポケモン)だったら?』

 
前書き
もしも、ルイズが召喚したのが、サイトではなく、ビードル(ポケモン)だったら?
というIF。

 

 
 何度目かの爆発の後。

 晴れていく煙の中に、小さな姿を見つけた。

 それは、一言で言えば芋虫だった。

 芋虫にしては大きく、けれど人ほど大きいわけじゃなく、たぶん大人の大人の掌の上に乗れるぐらいの大きさだろうか。つぶらな二つの目に、丸い鼻なのか口なのか分からない部位、可愛らしい見た目に反する頭頂部に生えた大きな角のような針だけが嫌な予感をさせる。

 コルベールに促され、ルイズは、その芋虫に近づいた。

 芋虫がビクッと震え、ルイズの陰に覆われると、プルプルと涙目になっている。

 ルイズは、とてつもない罪悪感を感じるが、この儀式をしないと進級できないので心を鬼にする。

 そして芋虫の頭上に杖を掲げてコントラクトサーヴァントの呪文を唱え、芋虫を持ち上げて口らしき場所に口づけをしようとして……。

 ビーー!

 っと鳴いた芋虫が暴れて、チクッと頭の針がルイズの額に刺さった。

 途端ルイズは、パタリッと倒れる。

 倒れる拍子に遅れて落ちてきた芋虫の頭、特に口の部位がルイズに触れ、その結果、芋虫にルーンが付くことになった。

 次にルイズが目を覚ますと、そこは保健室だった。

 心配していたコルベールから聞くと、とてつもない毒であったらしいが、間一髪解毒できたそうなのだ。

 ふと見ると、ルイズが寝ているベットの布団の上にあの芋虫がいた。

 ルーンが体に刻まれている芋虫は、ルイズが気がついたのことに気づいて、ビービーっと鳴き、スリスリっと懐いてきた。

 ルイズは、針を警戒したが、とても人懐っこい芋虫にだんだんと絆され、プニプニとした感触を楽しむように指でつついてやったりすると、またビービーと鳴きながら嬉しそうにする芋虫。

 コルベールは、おめでとうと賞賛してくれた。

 芋虫…、ビーちゃんと名付けルイズは、自分の部屋に連れて帰った。

 まず、図鑑で虫を調べたが、ビーちゃんに該当する虫はいなかった。

 後日、図書室でも調べたが該当する虫はいなかった。

 生物に詳しい教員に聞いても分からず、新種か、未開拓の地域の新種かもしれないと言った。

 コントラクトサーヴァントをする際に刺されたのは、単に怯えていただけだと分かり、すっかりルイズに懐いてくれている今、毒針で刺されたことは許している。

 虫の幼虫のようだからと、葉っぱを食べさせようとしたが、ビーちゃんは食べてくれなかった。

 困ったなぁっと思いつつ、どうしても離れてくれないので仕方なく食堂に連れて行くと、シエスタというメイドが、ビードル!っと驚いていた。

 知っているのかと聞くと、とても大きな蜂の幼虫らしかった。なお、成長後の蜂の名前は、スピアーというらしい。

 詳しい生態は分からないそうだが、幼虫のうちは好物の葉っぱを匂いで判別しているそうなので、適当に森に行けばいいのでは?っという助言を貰い、学院近くの林の中にビーちゃんを連れて行くと、ルイズの肩から飛び降り、クンクンっと鼻らしき部分を動かして、ある種類の葉っぱだけを食べ始めた。

 それ以降、ルイズは、その植物を調べ、毒性があるものだと分かると、それだけを集めてくれと使用人に頼み集めさせたことで、ビーちゃんの食事問題は解決した。

 ルイズは、ビーちゃんをとても可愛がった。

 プニプニした感触も、つぶらな目も、本当に可愛くて可愛くて仕方なかった。毒針だけが難点であるが…。

 どれくらいかして、ビーちゃんは食事を摂らなくなり、やがて糸を吐いて、あっという間にサナギになってしまった。

 サナギになって何日目か……。ついにその時はきた。

 硬いサナギの殻を破り、立派な蜂になったビーちゃんが現れた。

 両手部分に大きな針を持つ、大きな蜂。

 けれど、変わらずルイズに懐いてくれる。

 トラブルがあって、ギーシュと決闘になった際も凄まじいスピードと攻撃力でギーシュのワルキューレを倒し、トロル鬼も毒針の一撃で屠り、どこからか番を見つけてきたのか、本塔に巣を作り、同じルーンが刻まれたたくさんの子供達をルイズにもたらし、ルイズは、ビーちゃんにたくさん感謝した。

 群れとなったビーちゃんの家族は、その後起こる戦争で大活躍し、レコン・キスタの軍勢を退け、トリスティンに平和をもたらした。

 ビーちゃん自身が寿命を迎えた時、ルイズはいっぱい泣いた。泣き尽くすほど泣いた。

 その後、ビーちゃんの子孫達がルイズの生涯を支える使い魔としていてくれた。

 ルイズ自身が寿命を迎えるとき、ルイズの遺言でビーちゃんと同じ種類が住むと言われる森の中に墓を作ってもらい、ビーちゃんの子孫達も森に帰り、ルイズの墓を守り続けたという言い伝えが残ることとなった……。

 
 

 
後書き
なんのルーンかは不明のままにしています。ガンダールヴじゃ無理だしね……。


pixivで見かけたビードル漫画が可愛くて面白かったので書いてみた。 

 

『ルイズが召喚したのが、ポニータ(ポケモン)だったら?』

 
前書き
今回は、ポニータ。

ポニータが気性が難しいというのは、アニポケを参考にしています。


原作イベントとかは、無視。

2019/05/28
タバサが放ったのが氷なので、ポニータを行動不能にする描写を書き換えました。



オリジナル展開で、国を挙げてのレースに参加するまでの話です。
 

 


 綺麗だっと、まずルイズは思った。

 それは、一言で言うなら、馬。

 けれど、ただの馬ではない。白に近いが黄色っぽいような体の表面の色、つぶらな黒い目、そして最大の特徴は、たてがみが炎だったことだ。

 赤と黄色に燃えるそのたてがみが、ユラユラと揺れている。

 やがて、キョロキョロと馬が周りを見回し始めた。

 コルベールがルイズにコントラクトサーヴァントをするよう促し、ハッとしたルイズが炎の馬に近寄る。

 すると、炎の馬はキッとルイズを睨むように身構え、ヒヒーンッ!と鳴いて炎を放ってきた。

 突然のことに対応できなかったルイズだったが、コルベールが魔法を使いその炎からルイズを守った。

 すると炎の馬が今度は突撃してきた。

 そのスピードにルイズは、コンマゼロで頭で、あっ、これ避けられないっと思った。

 炎の馬とルイズが接触しようとした直後、炎の馬の横から無数の氷の矢が当たり、炎の馬が横へ転がり倒れた。

 タバサが、今だと小声で言った。

 しかし、すぐに炎の馬は立ち上がり、タバサを睨む。僅かに目を見開いたタバサが続けざまに氷の魔法を放つが、炎の馬が放つ炎の壁で遮られて蒸発した。

 馬の注意が完全にタバサの方に向いている隙を付いて、コルベールが酸素を操る独自の魔法を使った。

 酸欠に陥った炎の馬が倒れ込む。コルベールが今のうちに!っとルイズに声をかけた。

 辛そうにバタバタと暴れている炎の馬を不憫に思いながらも、ルイズは、コントラクトサーヴァントを行った。

 炎の馬はルーンが刻まれる痛みに余計に辛そうに鳴き声を上げ、やがて気絶したのか動かなくなった。

 コルベールが学院まで炎の馬を運び、大型の使い魔が入れれる舎の干し草の上に炎の馬を乗せた。不思議なことにたてがみの炎が燃えているにもかかわらず、干し草も舎の木造建築を燃やすこともなかった。

 ルイズは、炎の馬のそばにいた。

 進級のためとはいえ、酷いことをしてしまったとは思っている。見た目からして氷が苦手そうだったのに喰らって、さらに追い打ちをかけてルーンを刻まれて目を覚まさないのだ。

 不思議な炎だな…っと思いつつ、干し草も木も燃やさない不思議な炎に触れようと手を伸ばそうとした。

 その直後、背後から、ポニータだ!っという声が聞こえた。振り返るとそこには夕食を入れたバスケットを運んできたメイドのシエスタがいた。

 見たことも聞いたこともない馬なので、聞いてみると、なんでも曾祖父が飼っていたらしい非常に珍しい幻獣のような馬で、曾祖父亡き後は、馬小屋から逃亡して近隣の森に住み着いたと言われており、ごく希にその子孫と思われる炎の馬が見られるそうだが、知能が高く非常に警戒心が強いのだという。

 しかも、シエスタの家の言い伝えによると、心を開いた相手にしかたてがみの炎で熱くしなように触らせ、しかも背中に乗せてくれないのだとか。そのため、曾祖父以外は乗るどころか、触ることすらできなかったらしい。

 そんな話を聞いていると、やがてブルル…っという鳴き声が聞こえたのでそちらを見ると、炎の馬…ポニータが目を覚ましていた。

 ルイズがだいじょうぶ?っと声をかけると、ハッとしたのか飛び起きたポニータは、距離を取り、メラメラとたてがみの炎を揺らした。

 ルイズは、ショックを受けた。他の生徒達のように使い魔のルーンを刻めば主人に対して友好的になるはずなのに、ポニータは、今にもこちらを燃やそうといきり立っている。

 するとシエスタがこう言った。

 曾祖父も飼い慣らすのに非常に苦労したらしい。だから頑張ればきっと心を開いてくれるはずだとルイズを励ました。

 この日から、ポニータという不思議な馬との攻防が開始された。

 毎日餌をやりに来るが、ルイズの姿がなくなるまで決して口を付けようとしない。そして触ろうモノならその手を容赦なく焼かれる。それが毎日繰り返された。

 保健室の常連になったルイズを、保険医がもうやめたら?っと心配して声をかけるほどだった。

 同級生からは、火傷のルイズなどと揶揄されるが、ルイズは諦めない。水の秘薬を買うお金もなくなり、両手は度重なる火傷のせいで常に包帯を巻かれ血などがにじんでいる。時に蹴られることもあり、美少女と言えるルイズの顔に痛々しい蹄の形をした青あざが出来ているときもあった。そんな姿に、ルイズを揶揄する声はなくなっていったが、同情する目が向けられるようになった。

 コルベールは、少なくとも学院から逃げようとしていないのは、ルーンの従属性が効いている証だろうと分析してコントラクトサーヴァント自体は成功しているとみている。

 しかし、それでも元々気難しい気性のポニータは、一向にルイズにその炎のたてがみを触らせようとはしなかった。それでも少しずつは心を開いてくれているのか、餌をあげにくると顔を見せてくれ、そしてルイズがいても気にせず餌を食べてくれるようにはなった。

 そんなある日……、トリスティンをあげての馬のレースが開催されることになった。

 馬を使い魔に持つ生徒や、自慢の系統の馬を持つ生徒がこぞって参加しようと言っている。

 ルイズは、そんな生徒達は羨ましそうに見る。自分のポニータが出れば、きっと花になるはずだろうに……、けれどそれは叶わない。

 意気消沈したまま、自然とその足はポニータがいる舎に向かっていた。

 餌の時間かと思ったのか顔を出してくれたポニータに、ルイズは、泣き笑いの顔で独り言を言う。

 あなたと、レースに参加したかったなぁ…っと。

 そして背中を向けて去ろうとした時だった。

 マントが引っ張られた。見ると、マントの端をポニータがくわえていた。

 ルイズは、目を見開き、ポニータを見つめた。

 そして、恐る恐るそのたてがみに手を触れると……、炎をすり抜け、その首筋に手が触れた。熱くなかった。

 それを理解するのにたっぷり時間をおいて、ルイズは決壊したように泣いた。

 そして、そんなルイズの顔をポニータが舐めた。

 泣き止んだルイズは、ポニータにありがとう!っと感謝し、抱擁した。

 そしてギリギリのところでレースの受付に申請したのだった。

 レース当日……。

 ルイズの両親も見に来ている中、ルイズは、堂々と背筋を伸ばして、ポニータの背に乗っていた。これまでの傷などは、キュルケとタバサが気を使って秘薬をくれたので癒えている。でないと手綱を握れないからだ。

 ポニータの幻獣のような美しい姿に、会場の観客席は釘付けだ。参加貴族の中には、幻獣を参加させて良いのかとレース本部に抗議していたりしていたが、魔法で調べた結果、幻獣ではないということで却下されていた。

 そしてレースのスタート位置に付く。

 合図と共に、駆け出したポニータと他の貴族の馬たち。

 レースのために鍛えられた馬が参加しているため、抜きつ抜かれつのデッドヒートとなった。

 しかし、レース終盤で魔法による妨害があり、ポニータが一気に失速した。

 その直後だった。

 ポニータの体が白い光に包まれ、一回りほど大きくなった。

 そして現れたのは、一本の角を持つ美しく立派な炎の馬、ギャロップだった。(名前はあとでシエスタから聞いた)

 最下位まで落ちていたが、ポニータを越える長く強靱な足が生み出すスピードが他の馬をごぼう抜きし、ハナ差でギャロップとルイズの勝利となった。

 なお、このあと、魔法による妨害工作をした貴族は工作員もろとも、しっかりと処罰され、ルイズはギャロップとともに表彰台に上がった。

 厳しいルイズの両親が、ルイズがどれほど努力してギャロップ(ポニータ)との絆を生んだのかコルベールらから聞いて、よく頑張ったなっと褒められた。

 キュルケ達からも評され、胴上げをされたりと、ルイズにとっては、大変な日となった。

 もみくちゃにんされながら、堂々と立っているギャロップの傍に来て、首筋を撫でて、感謝すると、ギャロップは、ルイズの顔を舌で舐め、顔をスリスリと擦り付けてきてくれた。

 ルイズは、使い魔との絆を築けたことが何よりも幸せだった。
 
 

 
後書き
アニポケじゃ、ギャグな表現になってるけど、リアルであのたてがみに触ろうとしたら絶対えらいことになる。
火傷ってマジで酷いからね……。

進化のタイミングも、アニポケを参考にしました。

なお、シエスタの曾祖父は、ポケモントレーナーで、ポニータ、及びギャロップをオスとメスを所持していたため、亡き後に逃走して近隣の森で独自に繁殖しています。そのためシエスタのタルブ村では、ごく希に目撃されるようなる。ただし警戒心が強くて知能も高いので捕まえるのはほぼ不可能。

ですが、ルイズが召喚したポニータがタルブ村付近に住む個体なのか、それともポケモン世界から召喚された個体なのかは不明です。 

 

『ルイズが召喚したのが、ビリリダマだったら?』

 
前書き
今回は、ビリリダマ(→マルマイン)です。
 

 


 煙が晴れると、そこには、小さな玉が転がっていた。

 半分が濃い赤色で、半分が白という二色の玉だ。

 ルイズは、がっかりした。どう見ても生き物じゃないからだ。

 しかしそれでもコルベールは、コントラクトサーヴァントを促す。

 他の生徒達の嘲笑をぶつけられながら、悔しい気持ちを抑えたルイズは、玉に近づいて、触ろうとした。

 その瞬間、ビリッ!と電撃がルイズを痺れさせた。

 たまらず悲鳴を上げ、玉から離れる。

 すると、赤い部分が上の状態でクルリッと振り向くように回る。

 そうなって初めて分かった。その玉には、目があるのだ。

 しかも相手を睨み付けるような敵意ある鋭い目だ。

 生き物だということに気づいたコルベールが大人しくさせようと杖を向ける。途端、玉のような生き物から凄まじい電撃が放たれ、コルベールを痺れさせて焦がした。

 痺れた手を押さえていたルイズは、それを見てギョッとするが、果敢にも電気を持つ玉のような生き物に近寄る。

 ルイズが接近すると、凄まじい嫌な音を出し、ルイズは耳を押さえるが、それでも近寄る。

 そして杖を掲げて呪文を素早く唱える。そしてビリビリと電気を放ってくるが痛みと痺れを我慢して口を近づけてキスをした。

 その瞬間、ドカーン!っと、玉が爆発した。

 ルイズは、さすがに黒焦げになって倒れ、玉はケホッと煙を吐いてコロコロっとルーンが刻まれる痛みに耐えていた。

 次にルイズが目を覚ましたのは保健室のベットの上だった。

 ちょっと服を焦がしたコルベールがいて、ルイズが起き上がる。そしてベットから足を降ろしたとき、ビリッ!とまた電気が走った。

 ベットの傍の、ちょうど足の下にあの玉のような生き物がいたのだ。

 ルイズがなんでそこにいるんだ!っと怒るが、よく見るとルーンがちゃんと刻まれていた。

 コルベールがおめでとうと賞賛してくれた。

 ルイズは、とりあえず進級はできることになったのでホッとしたが、同時にこの玉のような生き物がなんなのか分からず、コルベールと頭を悩ませた。

 ルイズが歩くと、コロコロと丸いだけの体を転がしてついてくる。触ろうものなら、またビリッ!と来るのだ。それに怒ると、目つきは悪いが、どこかシュンッ…と落ち込んでるように転がるのだ。

 どうやら電気を帯びているのは、この生き物の体質らしい。

 触ることができないが、後ろをついてきてくれるので、一応は懐いてくれているらしい。

 何ができるのか分からないので、そのままにして歩いていると、メイドのシエスタが、ビリリダマだ!っとびっくりしてズザザザ!っと逃げていた。

 捕まえて話を聞くと、彼女故郷であるタルブ村付近の森でたまに目撃される謎の生き物で、変な玉だと思ってうっかり触ると、電気で痺れたり、突然爆発して大怪我したりする危険な存在だということだった。聞くところによると、彼女の曾祖父がタルブ村に住み始めてから現れるようなったらしい。

 なんてこったい…っとルイズは思った。そんな得体の知れない危険な生き物だったなんて…っと。

 しかも、成長することでマルマインという更に危険な生き物になるらしく、こちらは、でかくなる分、大量の電気を蓄えすぎて遊びでたまに爆発するというもっと危ない奴らしい。

 ルイズは、使い魔にビクビクすることになった。それが伝わっているのか、ビリリダマは、目に見えて落ち込んでいた。

 おそらくそんなつもりはこれっぽっちもないだろう。だからルイズは、罪悪感を感じた。

 それでボーッとしてしまい、うっかりギーシュが所持していたモンモランシーからの贈り物である香水を踏み潰してしまい、決闘騒ぎになったのだが、ワルキューレに襲われそうになるルイズをビリリダマが助けに入った。

 ソニックブームという技でワルキューレを破壊し、コルベールをもノックアウトした膨大な電量でギーシュを見事倒した。

 つい邪険に扱ってしまっていたのに、自分を守ってくれたビリリダマに、ルイズは何度も謝りそして助けてくれたことを感謝した。

 触るとビリッ!となるの相変わらずだが、親が決めた婚約者だったワルドが裏切った時、ビリリダマは、マルマインに進化し、教会を大爆発させるほどの爆発でもってワルドを撃破した。

 まあ、当然その場にいた者全員が巻き込まれたので、焦げたルイズがビリリダマ、改めマルマインに怒ったのだった。

 怒られ慣れたマルマインは、コロコロと転がってむしろ喜んでいたのだった。



 
 

 
後書き
ビリリダマって何食べるのか分からんので、その描写は無しにしました。

モンスターボールが出来た頃に現れ始めた種類という説明があったので、もしかして擬態型のポケモンか、人間が人工的に生み出したのが野生化したのかだろうな?っと思ってます。

このビリリダマは、10万ボルトぐらいは扱えます。なのでもしかしたら誰かのポケモンだったかも? 

 

『ルイズが召喚したのが、ベトベターだったら?』

 
前書き
今回は、ベトベター(→ベトベトン)です。


マイナーポケモンばっかなのは、初代縛りで書いてみるからです。 

 


 もう何度目かの爆発。

 ルイズを揶揄していた生徒達もいい加減飽きてきていた。

 しかし、ふいに吹いた強い風によって煙が晴れると同時に風下にいた生徒達は、その悪臭に、うぇ!っとなった。

 するとベトーという鳴き声のような声が聞こえた。

 爆発で空いた穴から紫色のヘドロのようなモノが出てきた。それには手の形があり、口があり、そして目がある。

 一目で生き物だと分かるが、風に乗ってくる、その悪臭にルイズもコルベールも思わず鼻を押さえた。

 生きたヘドロがまたベト~っと鳴くと、コルベールがハッとして、ルイズにコントラクトサーヴァントを促した。

 ルイズは、ギョッとしてコルベールにやりたくない!っと訴えた。

 しかしコルベールも教師としてルイズを進級させてやりたい。だから早くやりなさいと促した。

 ルイズは、眉間にしわを寄せて、チラリッとヘドロのような生き物を見る。ヘドロのような生き物は、ジーッとルイズを見ている。案外大人しいらしい。臭ささえなければ。

 ルイズは、一生懸命息を止め、ヘドロのような生き物にコントラクトサーヴァントを行った。

 キスをした途端、体を駆け回る毒成分。たちまちルイズは倒れ、コルベールが慌てた。

 次に目を覚ましたルイズは、自室にいた。

 夢か…っと思ったが、自室に充満するあの悪臭に、顔を歪めた。

 まさか!っと思い床を見ると、あのヘドロのような生き物がいた。まるでルイズを心配するようにベットに手を乗せている。

 大慌てで窓を開け換気する。しかし匂いがなくならない。そして気づく、キスをした時の唇に匂いがついていたことに。

 ルイズは、部屋を飛び出し、井戸に向かった。そして石けんと井戸水で必死に唇を洗った。

 すると遠くから、ベト~っという鳴き声が聞こえ、ズルズルっと近寄ってくる音が聞こえた。どうやらルイズを追ってきたらしい。

 ルイズが来るな!っと叫ぶと、ヘドロのような生き物は、ビクッと止まり、しょんぼりっと項垂れた。

 ルーンは刻まれていて、それで懐いてくれるらしいが、どうにもこの匂いが我慢ならない。

 どうしたものかとため息を吐いていると、洗濯籠を落としたメイドがいた。途端、ベトベター!っと言って驚いていた。

 逃げようとするので捕まえて話を聞くと、あのヘドロのような生き物は、ベトベターといい、月の光を浴びたヘドロから生まれたとされる生き物だという言い伝えたがあるそうだ。

 また、汚いところ好み、しかし一方で汚染された水や土壌、どんなゴミで食べてしまうため、汚い場所を逆に綺麗にする一面もあるとか。

 そして成長するとベトベトンという更に大きな体になり、そうなると毒性が一気に上がり、触るのも危険なのだそうだ。

 もっともそれは野生の場合らしい。

 なぜ野生に限っての話なのかというと、シエスタの曾祖父が飼っていたベトベターとベトベトンが、汚染されて作物も育たなかったタルブ村の土壌や水を浄化したという逸話が残っており、お年寄りの一部は、近隣の廃墟に希に現れるベトベターやベトベトンを神聖視しているらしい。

 曾祖父にまつわる話だと、躾ければ悪臭は抑えられるようになるらしいので、根気です!っと励まされた。

 その話を聞くと、なんだか急にベトベターに興味が湧いてきたルイズ。

 まずは、悪臭のコントロールだ!っと、やる気を出して躾けたところ、一日、二日ほどで匂いは抑えられた。おかげで学院内での悪臭の苦情はなくなった。

 悪臭さえなんとかなれば、大人しくて、学院で出るあらゆるゴミを食べて学院を綺麗にし、プルプルブルルンっとした感触も楽しい。

 しかし、ギーシュのワルキューレを一撃で溶かすような溶解液を放ったときは、さすがにビビったし、土くれのフーケのゴーレムを腐らせてついでに毒で死ぬ寸前に追い詰め、更に裏切った婚約者のワルドを進化してベトベトンになり、その猛毒でもって制裁した、なんともたくましく、頼りになる使い魔となったのだった。

 なお……、ベトベターは、自分が歩いた後、つまり自己分裂をして増えるというのを後で聞いたときには、同じルーンが刻まれたベトベターとベトベトンが大量発生していて、ゲルマニアに嫁ぐ予定だったアンリエッタが、くっさいトリスティンは勘弁と言われて結婚が破棄されたとか?



 
 

 
後書き
ここでのベトベターの設定は、シリーズの図鑑の説明を色々と混ぜこぜしたものです。

アニポケじゃ、大停電事件を起こすような迷惑ポケモンみたいに描かれてるが。
アローラ設定だと、ゴミ処理のために連れてこられたと書かれてたので、ゴミを食べ、汚染を除去する性質をがあるということにしました。
あと、タルブ村が昔汚染されていた土地だったというのも捏造ですので。
あと、ウルトラサン、ムーンでは、工場の廃棄水が綺麗になってきているのでそのうち絶滅…なんて書かれてますので、タルブ村付近に住むベトベターやベトベトンも非常に数が少ないです。 

 

『ルイズが召喚したのが、モンジャラだったら?』

 
前書き
今回は、モンジャラ(→モジャンボ)。

初代縛りだったけど、モジャンボの姿が好きなので進化させました。 

 

 それは、一言で言うならツルのような…、しかしツルにしては太すぎる青緑色の太い触手に塊だった。

 しかし赤い小さな靴のような足があり、真ん中に目が二つ。モジャモジャと絶えず触手のような太いツルが蠢いている。しかし、目はあれど、顔というか、体全体の全容は黒くて分からない。

 なにこれ?っとルイズもコルベールも、そして見ていた生徒達も思った。

 やがてモジャモジャしたそれが、オロオロと周りを見回し始めた。そこでハッと我に返ったコルベールがルイズにコントラクトサーヴァントを促す。

 ルイズは、仕方なくそのモジャモジャの塊に近づく、モジャモジャしたそれが、ピタッと止まりルイズを見上げた。

 ルイズは、あら?大人しいのねっと思いつつ、コントラクトサーヴァントの儀式に入った。

 呪文を唱えながら、杖をモジャモジャした塊の上に掲げると…、急にツルが伸びてきて、杖を絡み取った。

 何するのよ!っと怒ったルイズが杖を奪い返そうと手を伸ばすと、手と腕をツルで絡み取られ、そのまま伸びてきたツルによって首を絞められた。

 うぐっ!っと苦しんでいると、モジャモジャがキッと睨んできて、体から粉を吹き出した。

 粉を吸い込むとたちまち眠くなり、ルイズは倒れ込む、モジャモジャした塊の上に、その際に口がモジャモジャのそれに当たった。

 コルベールが魔法を使い、ツルを切り裂いて解放すると眠り粉で眠らされたルイズが地面に倒れ、モジャモジャした塊は、ルーンが刻まれる痛みにジタバタ暴れた。

 次にルイズが目をさましたのは、保健室だった。

 コルベールがだいじょうぶかと声をかけてきたので、だいじょうぶだと返事をする。するとベットの傍らに、あのモジャモジャした塊がいた。

 ツルの隙間にルーンが光っており、コントラクトサーヴァントが成功したようだとコルベールが言ってくれた。

 しかし、なんの生き物か?っという問題が浮上。

 コルベールが切れたツルを調べたそうだが、匂いからすると完全に植物であったらしく、自立性型の植物の一種ではないかと言っていた。

 ツルを切られたはずの部位は、もう元通りの長さになっており、すごい勢いでツルは再生する構造らしい。

 モジャモジャした塊がジーッとルイズを見つめている。点みたいな小さな瞳に大きくて丸い白目。絶えず動いているツル。

 こちらに危害を加えてこないところからすると、ルーンの従属性が働いているようである。

 ルイズが保健室から出て行く際も、後ろをトコトコとついてくる。立ち止まれば止まる。ちょっと可愛かった。

 すると、モンジャラだ!っという驚いている声が聞こえた。

 見ると、そこには一人のメイド。

 捕まえて話を聞くと、この生き物のことを知っているらしかった。

 このモジャモジャした塊の名前は、モンジャラ。

 シエスタというメイドの故郷であるタルブ村の付近の森に住む、植物の生物であるらしく、こちらが危害を加えなければとくに危険性はないが、下手に近づくとツルで絡みついてくるらしい。しかしツルは、生涯伸び続け、千切れても痛くは無く、すぐに生え替わるそうだ。

 しかし、植物であるためか、毒性のある粉や、眠りの効果がある粉を出してきたりと攻撃能力は多彩らしい。

 時たま、ある条件を積むことで、モンジャラの親玉みたいな一回りも大きなモジャンボという個体に進化することがあるそうだ。

 ルイズは、ゾッとした。あの時捕まった際に吸い込んだのが眠りの効果がある粉だったからよかったものの、毒だったら死んでたかもしれないからだ。

 しかし、懐いてくれている今ならその心配もないだろうと思いつつ、少し警戒する。それはモンジャラにも伝わっているのか、悲しそうな目をするので罪悪感を感じた。

 そんなある日、親切にモンジャラのことを教えてくれたシエスタが、ギーシュに難癖付けられていたため、ルイズが彼女を庇った。

 それに腹を立てたギーシュがルイズを馬鹿にすると、モンジャラがいつの間にやってきていて、ツルでギーシュを捕まえると1メートルしかない体からは想像も出来ない力で締め付けた。

 ルイズが慌てて止めると、モンジャラはギーシュを解放した。

 ゲホゲホッと咳をこんだギーシュは、怒って杖をモンジャラに向けた。

 ルイズがギョッとして止めようとすると、モンジャラはピョンピョンと跳ねて、目を鋭くさせてギーシュを睨む。どう見ても喧嘩を買う!っと言わんばかりだ。

 そしてあれよあれよという間に、決闘騒ぎになってしまった。

 ギーシュとしては、小突くぐらいで止めるつもりだったが、モンジャラはやる気満々だ。

 ワルキューレを錬成して向かわせると、モンジャラはツルを絡ませる。だが相手は青銅で出来ているため締め付けても壊れない。たちまち接近され、殴られる直後、シュンッと見えない速度で振られたツルの一本が一瞬にしてワルキューレの頭部を弾くように千切り飛ばした。

 それに驚いたギーシュは、数体のワルキューレを錬成し武器まで持たせていた。

 モンジャラは、四方から迫るワルキューレをすべてツルで絡み取り、グルンッ!と体を回転させ、ツルを振り回し、ワルキューレをジャイアントスイングするように振り回して振り回して、ギーシュの方へ投げ飛ばした。

 ギーシュは、飛んでくるワルキューレに悲鳴を上げ、逃げ回り、最後のワルキューレがギリギリでギーシュに当たらず地面に落ちたところで気づいた。

 モンジャラの体が光っている。みるみるうちに光が集まるように輝きを増していき……、そして、光の光線がギーシュに向かって放たれた。

 ソーラービーム。

 太陽が強い昼間だからこそできる、必殺の攻撃だった。

 白い光を前に、ギーシュは悟った。

 自分が戦っている相手は、とんでもない強者だったと……。

 そしてギーシュは白い光に飲まれた……。

 後日、ボロボロになったギーシュは体のあちこち包帯やら絆創膏だらけで、ルイズとシエスタに謝り、モンジャラに敬意を評したのだった。

 ルイズは、予想以上のモンジャラの強さに、驚き、そんな強い生き物が使い魔になったことが嬉しくてモンジャラを抱きしめた。

 その直後、モンジャラが光り、一回り以上巨大化してしまって、ルイズは潰された。

 シエスタが、モジャンボ!っと声を上げているのが聞こえたのを最後に、ルイズは気絶したのだった。

 
 

 
後書き
モンジャラ…、強くさせすぎたかな?
たまたま、高レベルのモジャンボ進化寸前のモンジャラだった?っということにしましょうか。
それか、誰かが育てた、パラメーター高めのモンジャラだったり?

ま、ソーラービームが使える時点で、誰かのだった可能性は高い。 

 

『ルイズが召喚したのが、ベロリンガだったら?』

 
前書き
今回は、ベロリンガ。

進化はしません。 

 


 ベロ~っと、ソレは鳴いた。

 いや…鳴き声通りの外見なのだ。

 自身の体ほどもある長くて幅広い舌が口から出ている。体は全体的にピンク色で、目はつぶらで可愛い方で、顔つきはちょっと間抜けっぽい。後ろの尻尾も幅広く分厚く半分に折れている。

 見たこともない生き物が召喚されたことに、ルイズを揶揄していた声は、ザワザワヒソヒソに変わった。

 ルイズもさすがに、何コレ?って思っていると、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促した。

 ルイズは、気乗りしないが、進級のためだと我慢してその生き物に近づく。

 近づいてみると、結構大きい。1.2メートルぐらいだ。

 ルイズが近づくと、その生き物は首をゆっくりと傾げた。その様子はちょっと可愛いっと思った。

 大人しい気性らしいその生き物にルイズは、杖を掲げて呪文を唱える。

 呪文が終わった直後、あとはキスだけとなった時、その生き物の幅広く長い舌がルイズを下から上へと舐め上げた。

 たまらずルイズは、んぎゃあああ!っと悲鳴を上げ、ベトベトの唾液まみれになった。

 すると顔まで舐めたことでこの生き物の舌がルイズの唇に触れた結果、その生き物の体にルーンが刻まれ始めた。

 しかしルーンが刻まれる痛みと熱さを感じながら、なんとも間抜けに、ベロ~っと声を出すその生き物。

 やがてルーンが刻まれる工程が終わり、コルベールが唾液まみれになって騒いでいるルイズを心配しつつ、ルーンを確認し、ルイズにコントラクトサーヴァントの成功を伝えた。

 ハンカチで必死に顔に付いた唾液を拭っていると、ベロ~と鳴くその生き物が近づいてきて、また舌で舐めてきた。しかも連続で。

 ルイズの悲鳴などお構いなく、全身ベッタベタになるまで舐め回し、その舌から逃げるために後ずさったルイズがこけると、トコトコと接近し、ルイズに乗っかるように抱きついてきた。

 ルイズは、とうとう泣き出す。得体の知れない生き物に散々舐め回され、全身ベットベトにされて…。

 他の生徒達とコルベールがフライで飛んで学校に帰る中、体中ベトベトにされたルイズは、トボトボと歩く、その後ろをのんびりした足取りで舌の長い生き物がついてくる。

 学院に帰ってからすぐにルイズは、井戸に行って水を被った、冷たいのも気にせず。

 すると通りがかりのメイドが心配して声をかけてきた。

 そこへ、ベロ~っと、追いついたあの生き物。

 あっ、ベロリンガだ!っとそのメイドは言った。

 ビックリしたルイズが聞くと、シエスタというメイドは、知っている限りのことを教えてくれた。

 この生き物。名をベロリンガという。

 とてもマイペースで鈍感だが、それに反して舌がよく発達しており、自由自在に操ることで生活している生き物らしい。つまり、舌を攻撃にも使うので獲物を麻痺させることもあるそうだ。

 舌を自在に操るということ以外は、大きな特徴は無いらしい。しかし、その鈍感さ故に魔法が効きにくいという説もあるとか?

 ああ、だから手に指がないのかとっとルイズは、納得したが、同時にガッカリもした。

 舌以外に大きな能力が無いこのベロリンガという生き物に。

 しかし、そのガッカリした気持ちは、後日打ち砕かれることになる。

 何度躾けてもついてくるので、仕方なく食堂まで連れて来た際に、ギーシュが持っていたモンモランシーの香水をベロリンガが拾い、キョロキョロと周りを見回して匂いでギーシュを探し当てて渡そうとしたがギーシュは青ざめて受け取らず、そうしてたら二股をしていたことが明らかになり、ギーシュが八つ当たりでベロリンガに決闘をふっかけた。

 ルイズが止める間もなく、ギーシュの友人達にレビテーションで浮かされ、ベロリンガは広場まで連れて行かれてしまった。

 ゼロのルイズが召喚した、間抜けな使い魔というレッテルを貼られていたベロリンガは、たちまち野次馬達に馬鹿にされていた。

 ギーシュとしては、頭が冷えてきた今、そこまで酷いことをする気はなかったようだが、一体のワルキューレで小突くつもりで向かわせた途端、フッとワルキューレが消えた。

 はっ?という空気が場を支配する。直後、天空から吹っ飛ばされたワルキューレが落ちてきて、地面に激突してグシャグシャになった。

 ベロリンガは、ベロ~っと舌を振り回す。どうやら舌の力だけで吹っ飛ばしたらしい。その速度たるや…残像が見える。

 これにはさすがにベロリンガを馬鹿にしていた者達は青ざめた。そしてギーシュは焦り、数体のワルキューレを錬成して向かわせた。

 たちまち向かってきたワルキューレは、順番にベロリンガの舌でバシーン、ベシーンっと吹っ飛ばされ野次馬にぶつけられる。ワルキューレを舌でなぎ払いながら、ベロリンガは、ゆっくりとギーシュに接近した。

 ギーシュは、焦り、最後の力を振り絞って最後のワルキューレを錬成して壁にした。

 するとベロリンガは、舌を使わず、指のない手で…コツンっとワルキューレを殴る。

 その瞬間、爆発するようにワルキューレが砕け散った。

 それは、岩砕きという、秘伝マシンという機械で覚えられる技だったのだが、この世界の住人達が知るはずがない。

 ワルキューレがたいした力もかけずに破壊されたのを見て、目の前に迫ってきていたベロリンガに、ギーシュは、杖を落として降参だと必死に土下座したのだった。

 ベロリンガの武勇に、我を忘れていたルイズは、慌てて間に入り、ベロリンガを止めた。

 ベロリンガは、ベロ~っと間抜けな鳴き声を変わらず出し、ルイズに抱きついた。

 まるで褒めてくれと言わんばかりだ。

 ルイズは、それを理解し、ベロリンガの頭を撫でてやった。喜んだベロリンガは、舌と尻尾をブンブンと振ったのだった。

 ルイズは、ヤレヤレと思いつつ、今までベロリンガを舌しか使えない無能だと馬鹿にしていた自分を恥じたのだった。



 
 

 
後書き
岩砕きを覚えているので、もしかしたら、トレーナーに育てられた個体かも。 

 

『ルイズが召喚したのが、タマタマだったら?』

 
前書き
今回は、タマタマ(→ナッシー)。


フーケ&ワルド戦を入れてみました。 

 


 フーケは、混乱した。

 自身の自慢の魔法である巨大な土のゴーレムが押されている。

 それも小さな存在に。

 40センチちょっとくらいの大きさの、卵の集合体のような生き物にだ。

 主人であるルイズを踏み潰そうと足を振り上げれば、バリアーのような光りの壁が遮り、拳を振ろうものなら、見えない力で拳と腕をあり得ない方向に曲げられる。

 ちっぽけなその生き物に、翻弄され、土のゴーレムを保つフーケの精神力はガリゴリと削られていった。




 ルイズがその生き物を召喚した。

 そしてシエスタというメイドから、タマタマという生き物だとルイズに説明しているのをたまたま立ち聞きした。

 ギーシュという貴族の倅を倒した時点で、なぜ頭に置いておかなかったんだと…、フーケは己の過去を嘆いた。

 しかし過ぎた過去は戻せない。

 だが、フーケは知らない。タマタマは、植物性の生き物で、火に弱く、逆に土に強いということを。それゆえに土のゴーレムを操るほど土の属性を操ることに長けた彼女には、分の悪い相手であった。

 ふいにプッ!とタマタマが何かを土のゴーレムの足に吹きかけた。

 そして、瞬く間に土のゴーレムの足を始まりに、メキメキっと植物が生えてきて、足から胴へ、そして頭部まで根を張り、土のゴーレムの動きを完全に封じてしまった。

 それとともに、土のゴーレムと繋がっていたフーケの精神力が吸い取られていき、慌てたフーケは、土のゴーレムを捨てて、なおかつ盗んだ宝を残して力を振り絞ってフライを使って逃げようとした。

 しかし、その頭に、タマタマの一部である卵のようなブツが投げつけられ、フーケは精神力が尽きると同時に、落下したのだった。



 なお、タマタマの武勇はこれで終わらない。



 本来は鳥系ポケモンの飛行属性などを嫌う草タイプであるタマタマ。それゆえに風属性とはあまり相性が良くなかった。

 アルビオンで、ワルドがその本性をむき出し、タマタマはウェールズをリフレクターという技で守ったものの、自分自身の防御が疎かになったため、エアハンマーを受けてダメージを受けた。

 瀕死寸前で転がるタマタマを、ワルドが踏み潰そうとしたため、ルイズが割って入って庇い自分が踏みつけられた。

 その時、フーケから奪い返した宝である、葉っぱのような石がルイズの懐から落ち、タマタマに触れた。

 その瞬間、光り輝くタマタマ。そしてルイズの体をのかして、現れたのは、ヤシの木に似た二本足で立つ植物の生き物、ナッシーだった。

 ワルドは、一瞬驚くものの、すぐに冷静になり弱点である風の魔法を放つ。

 進化したことで大幅にステータスが上がったナッシーは、主人を傷つけられた怒りもあり、強力無比のリフレクターを自身に張り、なおかつ強力なサイコキネシスで風の軌道そのものを狂わせて防いだ。

 そこでワルドは、奥の手である風の偏在を使って分身を作るが、次の瞬間、ナッシーと目が合った。途端に強烈な眠気に襲われ、偏在が消えた。

 あまりの眠気に倒れそうになるのを、杖の先で足を刺して眠気を吹き飛ばしたが、ふと見た時、ナッシーが光を集めてソーラービームを放とうと構えているのを見て避けようとしたが、足の傷があり、さらに、ルイズが爆発の魔法を、そしてウェールズが風の魔法で妨害したため逃げることが出来ず、もろにソーラービームが命中することになった。

 ここが建物の中であったため、光りの量が少なかったこともあり、ギリでワルドは生きていて、レコン・キスタに帰還したのだった。

 その後、ナッシーは、シエスタの故郷であるタルブ村付近で生息するナッシーと番を結び、たくさんの卵をルイズにもたらして、たくさんのタマタマ達を仲間にして、上陸してきたレコン・キスタ軍に対して、強力なサイコキネシスを持って空飛ぶ軍艦をも撃墜してタルブ村を守りきったのだった。


 余談であるが、この一連のことから、その後トリスティンでは、ヤシの木が神聖視されることになるのはずっと先の未来のことである。

 
 

 
後書き
初代縛りで、フーケ&ワルド戦に勝てるポケモンってなんだろ?って考えて、攻略本と睨めっこして、タマタマを選出しました。

ゲーム上ではともかく、草とエスパーって実際に戦うと強いと思うのです。 

 

『ルイズが召喚したのが、スリープだったら?』

 
前書き
今回は、スリープ。

スリープ無双かも。 

 


 その生き物は、なんともいやらしいような目をしていると、ルイズは最初の頃思っていた。

 しかし、その生き物を使い魔にしてからというもの、悪夢にうなされることがなくなった。

 しかし一方で目が覚めたときに、どんな夢も思い出せなくなった。

 スッキリと眠れるようなったおかげか、顔色が良くなったと言われるようなった。

 ある日、使い魔を連れて歩いていると、スリープだ!っという驚いている声が聞こえた。

 その声の主は、シエスタというメイドだった。

 知っているのかと聞くと、タルブ村の近隣で希に見られる生物で、夢を食べる言われているそうだ。

 それを聞いて、ギョッとしたルイズが、スリープを見ると、スリープがちょっとニヤッと笑った気がした。

 なるほど……、最近目覚めても夢を覚えてないのは、コイツに食べられていたからか…っと納得できた。

 シエスタは、スリープの夢喰いが貴族(メイジ)にとって、ダメージがデカいだろうから気をつけた方が良いと忠告してくれた。




 ルイズの知らぬところで、ある変化が起こっていた。

 ロングビルという名で、学院の秘書として潜入していた土くれのフーケだが、ルイズがスリープを召喚してからを境に、自分が土くれのフーケで、そして宝を盗みに入ったことを忘れて、ロングビルのまま過ごしていた。




 その後、アルビオンでのクーデーターの最中、ルイズがアンリエッタの命を受けて手紙を送り、そしてウェールズに送った手紙を敵に知られないよう取り戻すことになった際に同行したワルドだったが、港町での一夜して、自分がレコン・キスタと繋がっていて、そして手紙を奪ってくるという任務とウェールズの命を奪うことを忘れた。
 そしてそのまま、普通にトリスティンの騎士として任務を全うしたのだった。

 あと、ウェールズは玉砕覚悟だったらしいが、なぜか一夜して、急に心変わりしてトリスティンへの亡命を表明したのだった。おかげでウェールズ、並びに彼に従っていたわずかな部下達は生き延びた。




 レコン・キスタ軍がトリスティンに宣戦布告し、ワルドが先陣を切って戦おうとした際、レコン・キスタ軍がびっくりして、ワルドに、裏切ったのか!? っと言われていて、戦線でパニックが起こったりもした。


 ルイズが従軍をしようと親を説得しようとしていた時、スリープが姿を消した。

 探し回っているとき、タルブ村へ上陸しようとしたレコン・キスタ軍の軍勢に、タルブ村付近に住む、スリープ達と進化後のスリーパー達が潜入し、軍勢を内部崩壊させたという報が入ることになった。

 スリープとスリーパーを率いていたのは、ルイズのスリープだった。

 その後、神聖アルビオン共和国の皇帝クロムウェルが、自分がガリア王の使い魔が仕立て上げた偽の虚無の使い手であることを自白したり、芋づる式で、ガリア、そして沈黙を守っていたロマリアがその思惑を自白して、世界は軽くパニック。

 そんな中でも、ルイズのスリープは、にやけていた。

 ロマリアが何かに操られたように、大隆起のデータを提示、その事実調査が行われ、事実であることが明らかになると、ルイズは、久しぶりに見た夢で、聖地にある大いなる意志と呼ばれる巨大な精霊石を虚無の力で破壊せよと言われた。

 まるでその夢が現実になるかのように、アンリエッタから始祖の祈祷書を渡され、エクスプロージョンを使えるようなり、ルイズは虚無に目覚めた。そんなルイズをスリープは嬉しそうに見ていた。

 ルイズは、なんとなく、一連のことがすべて自分のスリープによって引き起こされていると察した。

 なぜこうも次々に先読みしたようにスリープが行動を起こすのか。

 それは、シエスタの家にあった曾祖父の日記で明らかになった。

 スリープやスリーパーには、予知夢という能力があるのだということを。

 
 

 
後書き
スリープは、ただ主人であるルイズへ降りかかるであろう危機を回避するために行動してました。 

 

『ルイズが召喚したのが、ナゾノクサだったら?』

 
前書き
今回は、ナゾノクサ(→クサイハナ→ラフレシアorキレイハナ)。 

 

 ルイズは、う~んっと、呻いた。

 彼女の周りには、ワサワサと大きな葉っぱ達が揺れている。

 葉っぱ達…っというのは言葉がおかしいが、事実なのだ。

 その葉っぱには、小さな足が二本生えているのだ。そして球根と思われる同じ色の黒い部位には、目と口らしきものもある。どうやらそこが胴体であり、頭部らしい。

 ルイズが、この草のような生き物を召喚したのは、三日前。

 その時は、一匹だった。

 最初は、土に葉っぱだけ出した状態で埋もれていたため、ただの草を召喚してしまったのかとガッカリしたが、コントラクトサーヴァントをしたら、急に飛び出してきたのだ。

 ルイズが歩けば、後ろをトコトコと一生懸命ついてくるのは、ちょっと可愛い。

 シエスタというメイドが、ナゾノクサだぁ!っと驚いていたので、聞くと、タルブ村の近隣の森に生息する不思議な植物性の生き物なのだとか。

 普段は土に埋まっているが、月が出ると出てきて種を蒔いて歩くという習性があるらしい。っと聞いた。

 それを聞いたのは、召喚から二日目。

 時すでに遅く、学院の広場の地面や、花壇に、無数のナゾノクサがすでに自生していた。

 そしてすべてのナゾノクサには、同じルーンが刻まれていてルイズに懐いた。

 あっという間に学院がナゾノクサだらけになり、ルイズは困っていた。

 ルイズのためにいったん故郷に帰って、曾祖父の日記やらなどの資料を持ち帰ってきたシエスタが教えてくれた。

 ナゾノクサは、成長することで、クサイハナという悪臭を放つ花になり、そこから分岐して、ラフレシアという大きな花、あるいは、キレイハナという美しい花になるのだそうだ。

 曾祖父の日記によると、クサイハナがもう一段階成長するには、リーフ石か、太陽の石というものが必要らしい。

 日記に描かれている絵を見ると、どこかで見た覚えがある形状だった。

 そうだ!っとルイズは思い出す。トリスティンの城下町の小物売りが、とっても安い値段で売っている小さな鉱物の置物だったじゃないかと。てっきり掘ったものだと思っていたが、違ったようだ。

 そこでルイズは、早速城下町に行って、その石をたくさん買ってきた。

 学院に帰ると、なんか騒ぎになっているので様子を見に行くと……、そこには、口から涎を垂らし、悪臭を放つ醜い花の生き物がいた。

 どうやら、これがクサイハナらしい。

 リーフの石と、太陽の石を抱えているルイズを見つけると、クサイハナ達が集まってきた。どうやら、ナゾノクサの何割かが進化したらしい。

 ルイズは、クサイハナの匂いに吐き気をもよおしながら、リーフの石と太陽の石を使ってやった。

 すると赤い大きな花のラフレシアと、花飾りを思わせるように頭に花を咲かせ、葉っぱの腰みの下半身を持つキレイハナになった。

 あとで分かったことだが…、ラフレシアは、その大きな花から毒花粉を撒き散らし、そしてキレイハナは、日光を好むために太陽を呼ぶ儀式と呼ばれる踊りをして日差しを呼び寄せる。結果、トリスティンは、歴史的水不足と炎天下のために日射病と、熱中症患者を続出させたのだった。

 ルイズは、必死に花たちを躾け、やっとの思いでこの問題を解決。

 その間にもナゾノクサは、ますます数を増やし、タルブ村近隣の生物から、トリスティン名物の生き物になった。

 その後、ロマリアの策謀により、浮上した聖地と地下にある大いなる意志と呼ばれる精霊石を、凄まじい数のナゾノクサとクサイハナ、そしてラフレシアとキレイハナが総力を挙げて太陽の力を集め、極大のソーラービームを放つことで破壊し、彼らが栄養として吸い上げて地下の巨大な風石の地脈を消すのは、そう遠くない未来の話である……。
 
 

 
後書き
草ポケモンは、成長が早いし、種を攻撃手段に使うほどだから、繁殖力も強そう……。

一匹ならともかく、数集まれば、とんでもない脅威だと思う。それこそ未曾有の大災害レベルの。

ナゾノクサ達が、その後ハルケギニアの地下にある風石を無力化させたのは、捏造ですので。もしかしたら風石の影響で風の技を使えたりして……。 

 

『ルイズが召喚したのが、プリンだったら?』

 
前書き
今回は、プリン(→プクリン)。 

 


 あっ! 可愛い!っと、その生き物を見て、ルイズはまずそう思った。

 薄ピンク色の丸い体に、大きな青い瞳のある目。短い手足と、猫のように尖った耳がぬいぐるみを彷彿とさせた。

 クラスの女子達が羨ましがる中、ルイズは、コントラクトサーヴァントの儀式に入った。

 あとは、キスだけとなった時、プー!っと怒ったその生き物が何かをした、その瞬間、ルイズの中で何かが封じられた感覚があった。

 ?っと思いつつ、丸い体を持ち上げ、ジタバタ暴れるのも構わずキスをした。

 だが……、コントラクトサーヴァントは、いっこうに成功しなかった。

 失敗?っと思ったルイズは、その生き物を降ろして再び杖を手にして呪文唱える。

 そして再びキスをしようと持ち上げようとすると、その生き物の小さな手が、バシンッとルイズの手を弾いた。その小ささからは想像も出来ない力だ。

 ムカッとしたルイズだが、落ち着けと自分の言い聞かせてコントラクトサーヴァントの儀式を行う。だが成功しない。

 やがて授業が始まる時間になってしまい、コルベールが他の生徒達に先に帰るよう指示した。

 ルイズは、焦って何度もコントラクトサーヴァントの儀式を行う。その都度、不思議なその生き物の小さな手で叩かれ、空気を吸って倍以上に膨らむということもされて捕まえられず苦労もしていた。

 コルベールは、直感で何かを感じて、ルイズの状態を調べる魔法を使った。

 すると……、ルイズの魔法が封じられた状態であることが分かった。

 驚いたコルベールは、ルイズに何かされなかったかと尋ねた。ルイズは、自分の中の何かが封じられた感覚があったと答えた。

 コルベールは、ルイズの魔法を、ここにいるぬいぐるみのような生き物が封じたのだと直感した。

 このままでは、いくらやってもコントラクトサーヴァントの儀式は成立しない。問題を解決させるまで保留を言い渡そうとしたが、ルイズは、最後だと言ってコントラクトサーヴァントの儀式を行った。その時には、一時的な封じでしかなかった、かなしばりという技が解けていて、ルイズの魔法の力が解放され、コントラクトサーヴァントの儀式が成功した。

 プープー!っとルーンが刻まれる痛みにのたうつ、その生き物。

 散々叩かれてきたルイズは、ちょっとざまぁっと思った。

 やがてルーンが刻まれ終わり、涙目のその生き物がぷうっと膨れて、キッとルイズを見る。

 コルベールは、その様子を見て、これは…懐かせるのに時間がかかりそうだと思いつつも、ルイズにコントラクトサーヴァントの儀式の成功を言った。

 その後も、その生き物は、触ろうとするルイズの手を小さな手で叩くのだった。

 まともに触らせてくれたのは、約1週間後ぐらいで、膨らみやすいその体はフワフワしていて、とても触り心地値が良い。ぬいぐるみなんて目じゃない。

 その生き物の名は、プリン。

 シエスタというメイドが教えてくれた。

 歌うことを得意とし。その歌声は聞くモノを眠らせるそうだ。

 それを聞いてから一度、プリンに歌を聴かせてくれと言って聞いたら、丸一日、どれだけ揺すられても叩かれても起きないほどの深い眠りに落ちたという事態となった。なので、それ以降は聞いてない。

 プリンの生態を知っているため、好みの食べ物をくれるせいかシエスタにも懐き、シエスタがギーシュに難癖付けられていた時には、果敢にもギーシュに喧嘩を売り、決闘騒ぎになった。

 そしてプリンが、大きく膨らんで歌声を披露。結果、ギーシュどころか、野次馬達さえ全員を眠らせてしまい、騒ぎになった。

 土くれのフーケが盗みに入った際には、月の石と呼ばれる宝を取り返しに行ったとき、土くれのフーケが作った土のゴーレムに、かなしばりをかけて、土に戻してしまった。そして焦ったロングビルこと、フーケが何度も土のゴーレムを作ろうと必死になっていたところを、歌声で眠らせて捕まえた。

 月の石に触れたプリンは、進化した。

 シエスタに聞くと、プクリンという形態で……、その毛皮は非常に珍しくてそのあまりの素晴らしい肌触りから超々高級品として希に売り出されるとっという話が出てしまった。

 その話がどこからか漏れて、学院の貧乏貴族がプクリンの毛皮を狙うようになり、ルイズの爆発の魔法の精度がメチャクチャ上がった。

 アルビオンでは、本性を現わしたワルドが、プクリンの毛皮の相場を調べたらしくレコン・キスタ軍への資金になるとプクリンまで殺そうとしたので、怒りを爆発させたルイズの渾身の爆発魔法を使い、さらにプクリンがかなしばりを使ってワルドの魔法を封じたため、ワルドは為す術もなく撃退されたのだった。

 ウェールズは死ぬは、婚約者には裏切られはで、散々なルイズを、プクリンがその素晴らしい毛皮でフワフワさせて慰めた。

 ルイズは、その毛皮に癒やされ、涙を拭いたのだった。

 
 

 
後書き
プクリンの毛皮が高額で取引されるというのは、図鑑でも書かれています。確か初代だったかな?

見た目の可愛らしさと、歌声以外に大きな特徴がないような気がするので、かなしばりの技をハルケギニアでは、魔法を封じるにしました。ただし一定時間だけ。

実は、ルイズの実家が何かしらの事情で金欠になり、エレオノール辺りがプクリンの毛皮を取るための牧場を作ろうとするなんて、流れも考えましたが、さすがにそりゃなしだと思ったのでやめました。 

 

『ルイズが召喚したのが、ラッキーだったら?』

 
前書き
今回は、ラッキー。

進化はしません。 

 

 その生き物は、癒やし系な愛らしい見た目をしていて、お腹のポケットに大事そうに大きな白い卵を抱えていた。

 おそらくは、この生き物の卵だろうと思ったが、ついつい出来心で触ろうとしたら、外見からは想像も出来ない力で、手を弾かれた。

 生き物の名前は、ラッキーというらしい。

 シエスタというメイドが、キャー、ラッキーだー!と見て喜んでいたので話を聞いたら、かつて彼女の曾祖父が飼っていたとされ、その後近隣の森に生息地を移した幻のように少ない希少生物なのだとか。

 卵を割らないようにゆっくりと歩くが、敵が来れば逆に逃げ足が速くなるという特徴があり、自分を大切にしてくれる飼い主には幸運をもたらすとされるそうだ。

 曾祖父の話によると、懐いた相手に産んだ卵をくれるそうで、その卵はすごい美味なのだとか……。

 その話を聞いた、後日、ラッキーがルイズに卵をくれた。

 おいおい!っとルイズは、焦り、突き返そうとしたが、ラッキーは、イヤイヤっと首を振ってルイズに渡そうとしてくるので、仕方なく受け取った。

 大きな卵を抱えて途方に暮れていると、シエスタが通りがかり、卵をくれたんですね!っと言った。

 そしてコック長のマルトーさんに早速料理して貰いましょう!っとルイズを引っ張って行き、あれよあれよというまに、夕飯に美味しそうな大きな目玉焼きが皿に盛られて運ばれてきた……。

 ルイズは、自分の愛らしいラッキーを思い浮かべてしまい、涙目になりながら、目玉焼きを食べた。

 そしてその超絶美味な味に、天国に行くかと思ってしまった。

 その後、定期的にラッキーは、卵をルイズに渡すようになった。

 ルイズがラッキーの卵の料理を食べるうちに、ルイズの小柄で凹凸のなかった体は、徐々に凹凸ができていき、背も少し伸びてきて、なんかスタイルがよくなった?っとキュルケに言われ始めた。

 ブラウスとブラジャーがキツイ!っと感じた時、ルイズは、ラッキーにありがとう!と抱きついて感謝したのだった。

 噂は噂を呼び、私もちょうだい!っという女子生徒達が続出。だがラッキーは、卵をルイズにしかあげない。なので無理矢理奪おうとする強行派まで現れる始末で、体の成長とともに魔法の威力や精度も上がってきたルイズの爆発魔法で撃退されていた。

 そんな日々の中、アルビオンへの密命を受けたルイズは、そこでウェールズがルイズの婚約者であったワルドの裏切りで瀕死にされる事態に巻き込まれた。

 ラッキーの歌うという技と、ルイズの爆発魔法でワルドは撃退できたが、ウェールズは虫の息だった。

 するとラッキーが目をつむり、突然体が光り輝いた。

 そしてラッキーがパタリッと力尽きたように倒れ、ウェールズが息を吹き返し、起き上がった。

 ウェールズが助かったことより、ラッキーが倒れたことにルイズは取り乱した。

 瀕死のラッキーは、その後治療を受けて回復した。

 あとで聞いたら、それは、いやしの願いという技で、自分が瀕死になる代わりに相手を全快させる捨て身の技だったらしい。

 ルイズは、身を徹してまでウェールズを救う道を選んだラッキーに怒った。泣きながら。

 なお、ウェールズは、命を捨てるほどの行動で救われた命を無駄にはできんとして、トリスティンに亡命して生き延びる道を選んだのだった。

 余談だが、その後、アンリエッタとウェールズが婚約を発表した際には、ルイズがラッキーに代わって絶品の卵を二人に贈った。その後、子宝にも恵まれたが、それがラッキーの卵のおかげなのかは……分からない。

 
 

 
後書き

プリンに続いて、可愛い系。

卵を食べてルイズのお子様体型が解消されたのは、捏造です。きっと栄養価も高いだろうからそれぐらいできる?

いやしのねがいで、ウェールズが助かったのも捏造です。本来は、この技、自分が瀕死になる代わりに次に出すポケモンを回復させる技です。
 

 

『ルイズが召喚したのが、ガーディだったら?』

 
前書き
今回は、ガーディ(→ウィンディ)。 

 

 その犬は、よく吠えた。

 炎を彷彿とさせる、赤っぽい毛皮に黒い模様。フワフワとした黄色っぽい胸毛と頭と尻尾の毛。

 いや、実際にこの犬はただの犬ではなかった。炎を吐くのだ。

 ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとした際に、思いっきり顔面に炎を浴びせられたものだ。ルイズは、炎を操ることが得意なコルベールの助力も得て、なんとかコントラクトサーヴァントの儀式を成功させたが、せっかくの美しいピンクの髪の毛が焼けてチリチリになった。

 70センチと、大きすぎず小さすぎない体であるが、タバサの風竜にを前にしても勇敢に立ち向かおうとする。勇気があるのか、無謀な性格なのか……。

 コントラクトサーヴァントの儀式の時のみ抵抗されたものの、コントラクトサーヴァントの儀式が成功してからは、すっかりとルイズに忠実になった。

 そこいらの犬より圧倒的に頭も良いらしく、教えればすぐ実行できるようになる。秘薬の材料となるモノを拾ってくるとかは、教えればできるだろうが、生憎とルイズには、秘薬の調合ができないため、まだしていない。

 しかしながら、その忠実さ故に、ルイズをゼロと蔑む目や、言葉に敏感で、そうした相手によく吠えた。その吠える声に、たいがいの使い魔達は臆して逃げていく。例え大きな体の竜でさえも。

 怒ってくれるのは嬉しいが、あまりうるさくされても困るので、そう教えると、しょんぼりと項垂れる。その姿に、ルイズは、ゼロでごめんね…っと涙ぐんだ。

 ある日、ガーディだ!っと言ったメイドがいた。

 シエスタというメイドが教えてくれたが、この犬は、ガーディという種類で、炎を操ることが出来る珍しい犬だそうだ。

 彼女の曾祖父が飼っていたのが、曾祖父亡き後、野生化してそのまま近隣の森に住み着いているらしく、一度主人と認めさせれば、実に忠実で心強い犬なのだそうだ。

 ある特殊な石を使うことで、ウィンディという大型の犬にも成長できるそうだが、その石については分からないと言われた。

 別に今のままでも十分すぎるほど可愛くて心強い使い魔なので、ルイズは別に気にしなかった。

 ギーシュのワルキューレを一瞬で蒸発させるほどの火力や、土くれのフーケの大きなゴーレムを丸焼きにした大の字の炎を見た時は、さすがにビビったが……。

 ある日、ルイズは、トリスティンの城下町で鉱物の小物を買い、部屋に飾った。

 炎の形が模された石であるが、すごく安くて珍しくはないらしい。なので深く考えていなかった。

 ルイズが目を離した隙に、ギャインッ!という鳴き声が聞こえ、見ると、そこにはガーディではなく、ガーディを倍にしたようなモフモフの大型の犬がいた。

 たてがみのようにモフモフになった黄色っぽい頭の毛が、なんとなく獅子を彷彿させるほど大きく、2メートル近くある。急に成長したため、ウィンディはひっくり返り周りを壊し、落としたりもしていた。

 ウィンディを部屋の外に出して、片付けていると、あの炎を模したような石だけが無くなっていた。どうやら、あの石がガーディを進化させるための石だったらしい。

 大人ぐらい乗っても問題ないぐらい大きくなったウィンディは、ルイズを乗せて走れるようにもなった。

 最初こそ急に大きくなられてしまった困っていたルイズだったが、モフモフ感が増したことや、自分が乗って走られるようになったことが嬉しくて、広場をよくウィンディに乗って走り回った。城下町に用があるときも馬の代わりに乗って回った。

 ところがある日、ウィンディが姿を消した。懸命に探したが見つからず、泣いていると、やがてウィンディが卵を背中に乗せて帰ってきた。

 シエスタは、たぶん、繁殖期だったから、タルブ村近隣まで番を見つけに行ったのではないかと推測していた。

 ウィンディは、メスだったらしく、ルイズと共に卵を大事に育て、やがてガーディが生まれた。そのガーディにも同じルーンが刻まれていた。

 っていうか…犬って、卵から生まれるっけ?というツッコミは野暮だったかもしれない。

 
 

 
後書き
ウェールズの件で悩んでるので、大きなイベントもなく、淡々とした日常っぽく書いてみました。


ポケットモンスター世界の、進化の石類は、ハルケギニアでは、珍しくない鉱物として売られています。

姿が違うならともかく、姿が同じ、オスメスは、どこで判断してるんだろ? 

 

『ルイズが召喚したのが、ディグダだったら?』

 
前書き
今回は、ディグダ。


ダグトリオも登場するけど、ルイズが召喚したのが進化するわけじゃない。 

 

 何度目かの爆発。

 いい加減にしろよ!っという声が聞こえる中、ルイズは、ヘトヘトになって膝を突いた。

 やはり自分はゼロなのか? このままヴァリエール家の汚名となってしまうのか?っと絶望していたときだった。

 爆破で空いた穴の方から、モコモコと地面が盛り上がっていき、ルイズの前で、ポコッと何かが飛び出してきた。

 それは……、なんかの生き物の顔だった。

 体の方は地面に埋まっているので分からない。

 つぶらな黒い目と鼻らしき丸い部位があるが、それ以外はない、丸い感じで、耳もなく、シンプルな見た目である。

 ルイズがキョトーンとしていると、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促した。ハッとしたルイズは、自分が召喚した(?)らしき、変な生き物にコントラクトサーヴァントの儀式を施した。

 コルベールは、たぶんモグラの一種じゃないかと推測していたが、こんなモグラ聞いたことも見たこともない。

 モグラと言えば、ギーシュのジャイアントモールなんかが良い例だが、アレに比べると、ずいぶんと見劣りするように思える。

 常に地面の中にいて、ルイズが歩くと、地面を掘ってついてくる。さすがに建物の中までは掘れないのでついてこない。

 その代わり、ルイズが建物から出てくるとすぐに顔を出す。

 図鑑で調べたり、生物に詳しい教員に話を聞いたのだが、やはりこのモグラらしき生き物について分からなかった。

 ところが、あるとき、ディグダだ!っと驚いた声をあげたメイドがいた。

 シエスタというメイドに知っているのかと聞くと、モグラの一種で、タルブでは一部で神聖視されている生き物なのだとか。

 なぜなのかというと、ディグダが掘った後の地面は、非常に優れた畑の土になるのだという。

 もともと痩せた土地だったタルブだったが、シエスタの曾祖父が飼っていたディグダと、ダグトリオというディグダの生長後の姿の生き物が来てから劇的に土地が豊かになったらしい。

 その後、曾祖父亡き後、野生化してからは、元々無かった森をディグダ達が育て上げ、たまに痩せてしまった村の畑に現れるようにもなったらしい。

 なんだそれは! もはや伝説の粋じゃないか!っとルイズは驚いた。穴を掘って移動するしか能が無いなんて思った自分が恥ずかしくなった。

 その後、ギーシュが自分のジャイアントモールこと、ヴェルダンデと比べて能が無いっと馬鹿にしてきたのだが、ルイズが怒るよりも早く、ディグダが穴を掘って、ギーシュを即席の落とし穴に落としたのだった。

 さらにその後、ヴァリエール領の作物の取れ高が下がっていると聞き、エレオノールが畑の地面を調べたそうだが、土地が痩せ始めているということが分かった。

 ルイズは、ディグダに、なんとかできないか?っと頼んだところ、ディグダは、穴を掘ってタルブまで行った。しばらくして、タルブ村近隣に住む、仲間やダグトリオなどを連れてきて、ヴァリエール領の畑を耕してくれた。

 結果、作物の取れ高は、前以上に上がった。

 その話は、瞬く間に広まり、どうか自分達の土地を救ってくれないかという依頼が来るほどだった。そんなこんなで、全国あちこち、時に余所の国にも出張して畑を耕して、時に森を育て上げたりもしたり。

 ルイズは、知らぬ事だが、こうしてハルケギニア中の土地をディグダとダグトリオ達と共に回っているうちに、土地の底に眠る、風石の地脈が砕かれ、土地の肥料としてディグダ達が密かに利用していたのだった。

 余談だが、大隆起を危惧して様々な策を考えていたロマリアが大隆起の原因となる風石の地脈の存在を明らかにしようとして各国に調査を求めたが、地脈が見つからず恥をかくことになるのは、そう遠くない未来である。

 
 

 
後書き
ディグダの体ってどうなってるんでしょうか…?
なにせ出ているのは頭の部分だけだし。

ディグダとダグトリオが、森を育てたというのは、アニポケでのエピソードから抜粋しました。

あと、地下深くにある風石の地脈を壊して肥料にしたというのは、捏造です。
森を育てるぐらいだし、相当頭良いだろうから、風石の存在にはいち早く気づいてそうで、ルイズの命令で各地の畑を耕すついでに壊していきましたっということにしました。 

 

『ルイズが召喚したのが、パウワウだったら?』

 
前書き
今回は、パウワウ(ジュゴン)。 

 

 真っ白。

 それがルイズの最初の印象だった。

 学院に設けられた、水系の生物の使い魔を飼育するための場所にルイズが近づくと、その白い生き物がすぐに顔を出してくれる。

 とびっきり美味しいお魚があるわよっと言って、魚が入ったバケツを見せると、縁に上がったその生き物が、尻尾で立ってパンパンとヒレのような手を叩いた。

 真っ白なその生き物の名は、パウワウ。

 学院に勤めているメイドのシエスタが教えてくれた。タルブ村に隣接する海の岩場でたまに見かけられる水棲の生き物らしい。

 本来は、冷たい海の方にいるそうだが、元々はシエスタの曾祖父がどこからか連れてきた不思議な動物で、曾祖父が亡くなる前に海に放し、そのまま繁殖、しかし思い出したようにたまに子孫達が帰ってきては姿を見せると言われているそうだ。

 成長するとジュゴンという、氷さえも操る強力な生き物になるそうだ。

 あなたも、シエスタの曾祖父が懐かしい?っと聞いても、パウワウは答えられないし、魚に夢中で全然聞いてない。

 愛らしい見た目も相まって、ルイズは、ついついパウワウを甘やかした。

 結果、通常の個体より、ぷくぷくに太ってしまった。住まわせている環境が狭いせいで運動不足も祟っていた。

 太っちょのマリコルヌに馬鹿にされた時は、さすがにルイズも焦り、ダイエットさせる!っと決めた。

 陸に引っ張り上げて、芸をさせるなどして躾けるが、面倒くさそうにコロコロと転がるばかりで言うことを聞かない。

 かといって、餌をあげなかったら、他人の魚の使い魔を食べてしまうのだ。

 ルイズがどうしたものかと考え込んでいると、シエスタが一件を案じ、タルブの海へ連れて行きませんか?っと提案した。

 嫌がるおデブなパウワウを馬に荷物のように乗せて、シエスタを借りるという書類を提出して、タルブの海へ向かった。

 意外にも力持ちなシエスタに運ばれて、おデブなパウワウは、久しぶりの海へと連れて行かれて驚いていた。

 そして近くの岩場に、仲間のパウワウがいると気づき、パウ~パウ~っと鳴いた。しかし、相手のパウワウは、ジトッとこちらを見ると、すぐに海へと逃げていった。

 おデブなパウワウは、落ち込んだ。どうやら、人間には分からないが、おデブなことを指摘されたっぽい。なんとなく雰囲気で分かった。

 ルイズが、パウワウに目線を合わせて、分かったでしょ?というと、おデブなパウワウは、コクリッと涙目で頷いた。

 それからは、毎日ダイエットのための運動を欠かさなかった。

 学院のプールを借りて泳がせたり、ついでに芸も仕込んだ。

 そのおかげか、パウワウが美しく成長した。

 シエスタが、ジュゴンだ!と言ったので、いつの間にやら進化したらしい。

 シュッとなった体は、美しい曲線を描き、真っ白だった体はより白くなって、可愛らしさに美しさが兼ね備えられたようだ。

 これなら、使い魔品評会でも絶賛だろうっとルイズは、自信を持った。

 ところが、品評会では、ジュゴンは、氷のビームを放ち、忽ちルイズ型の氷の像を作り上げて見せた。

 結果、品評会はジュゴンの優勝だったが……、ルイズは、会場の裏でジュゴンをペシーン!と叩いた。赤面して。

 なぜかというと、ルイズの氷の像は、裸だったからだ……。

 どうやらこのパウワウこと、ジュゴンは、エロ思考持ちのオスだったらしい。

 勝手にメスだと判断していたルイズは、ジュゴンと一緒に裸で泳ぐんじゃなかった…っと顔を覆ったのだった。

 
 

 
後書き
ウェールズの生存問題がまだまとまらないので、こんなのになっちゃいました。

けど、水系ポケモンは、どうしても水場以外の場所に移動するのが困難だと思うので、哺乳類系のパウワウを出しました。

パウワウ(ジュゴン)のイメージを崩すようなの書いて申し訳ない。


2019/06/01
ジュゴン(パウワウ)が、なぜルイズの裸の氷像を作れたのか、その理由付けの文を追加しました。

機会があれば書き直すかも。

けど陸地戦は、どうクリアさせるか……。そこが問題だ。 

 

『ルイズが召喚したのが、ワンリキーだったら?』

 
前書き
今回は、ワンリキー(→ゴーリキー→カイリキー)。 

 

 ルイズは、自分の使い魔を食堂で見つけて、何をやってるの?と思わず聞いた。

 お盆に重たそうな皿の束を乗せつつ片手で支え、もう片手で食事を乗せたワゴンを押しているのだ。

 薄い青緑っぽい肌に、髪の毛を思わせる頭部の突起、80センチしかない小柄ながら、しかし体は力にあふれているらしく、毎日特訓をしている姿が見られる。

 召喚した後日に、シエスタというメイドが、ワンリキー!と言ってビックリしてたので、話を聞くと、この生き物はワンリキーという生き物なんだとか。

 この見た目で体力が有り余っており、特訓を欠かさない向上心にあふれた不思議な生き物なのだとか。

 胸の脇辺りに肋骨のような縞模様があるので触ってみたら、筋肉だった。

 シエスタの話によると、元々は曾祖父がどこからか連れてきた生き物で、成長することでゴーリキーや、カイリキーという形態にもなり、自分にとって良いトレーニングになるのならば人間にも協力する頭の良さを兼ね備えており、当時タルブの畑を広げるために大岩をどかして回っていたそうだ。

 曾祖父亡き後は、野生化し、近隣の森でたまに姿が見られ、時々タルブ村を襲おうとする盗賊の類を倒しているとか?

 ワンリキーの生態を一部知っているシエスタは、手伝って貰うなどするとお駄賃にワンリキーが好きな木の実をあげるなどしていて、そのためルイズの次に懐かれていた。

 そんなある日、ギーシュがシエスタに難癖付けてきた。

 原因は彼女が香水を拾い、それが原因で二股が発覚して、二人共に振られたことへの八つ当たりだった。

 ルイズも周りも呆れ返る中、ワンリキーがギーシュのマントを掴み、引きずり倒すと、ビシッと食堂の外を指差した。怒った顔で。

 ルイズは、なんとなくだが、ワンリキーは、難癖付けている暇があったら、二人に謝りに行け!と言っている気がした。人間の色恋沙汰の良し悪しも分かるなんて、なんて頭の良い子なんだろうっとルイズは感心した。

 しかしギーシュは、言葉が喋れないワンリキーのその行動を、決闘と受け取ったらしく、マントを払うとワンリキーに杖を向けたのだ。

 ルイズが止めるよりも早く、あれよあれよという間に決闘騒ぎ。

 ワンリキーは、青銅で出来たワルキューレを、持ち前の怪力で破壊したり、ぶん投げたりして、圧倒的にギーシュに勝った。

 精神力が尽きて、降参だと白旗を振るギーシュを掴み、持ち上げて、野次馬に紛れていたモンモランシーの前に連れて行き、頭を無理矢理下げさせられて、ギーシュは、やっとワンリキーが謝れ!という意味で行動していたことを理解したのだった。それがきっかけだったかは分からないが、ギーシュは、ワンリキーに敬意を示し、たまに一緒に特訓している姿が見られるようになった。

 その後、土くれのフーケの盗難事件では、フーケの巨大な土のゴーレムを、ゴーリキーに進化したワンリキーが、地球投げなる技で一撃で星の彼方にゴーレムを放り投げて撃退し、ルイズを裏切った上にウェールズを暗殺したワルドも、苦手な風属性をものともせず、教会内にあったブリミルの像をバット代わりにして、ワルドを彼方へ打って飛ばした。

 タルブがレコン・キスタ軍に襲われた際には、近隣に住む仲間達を先導して、大岩を下からぶん投げ、空中戦艦さえ破壊し、ルイズがエクスプロージョンを唱えるまでの時間を稼いでくれた。

 レコン・キスタとの戦いが終わった後、アンリエッタからの密命を受けて、城下町の情報収集をすることになった際は、なぜかスカロンに気に入られ、どこで用意したのかゴーリキーに合う制服を着せられて給仕をさせられていた……。

 その影響かは不明だが、情報収集の任務の後、なぜかカイリキーに進化した。

 なんだかんだあったが、ルイズは、頼もしい怪力の使い魔に大満足していた。

 
 

 
後書き
なんか、ちょっと頭よくしすぎたかな?
でもゲーム中でも引っ越し業者の手伝いが出来るほどだから、ワンリキー、ゴーリキー、カイリキーの知能指数は高いと思う。

レコン・キスタ軍との戦いの部分は、結構悩みました。なにせ相手は空中戦艦を持ってますからね。

あとカイリキーへの進化は、ゲーム中だと通信交換しかないけど、ここでは、スカロンにゴーリキー(ワンリキー)を貸していたことで、通信交換の条件が整ったということにしました。 

 

『ルイズが召喚したのが、ミニリュウだったら?』

 
前書き
今回は、ミニリュウ(→ハクリュー→カイリュー)。


最後の方は、スケールをデカく書いてみた。 

 

 卵!

 それがルイズの第一印象だった。

 何度目かの爆発の後、煙が晴れたら、そこには何かの卵があった。

 大きさは、鶏の卵なんて目じゃないほど大きい。ルイズでも両腕を使わないと持ち上げられないほど大きい。

 ルイズは、ガッカリした。美しくて強い使い魔を所望していたのに、来たのは得体の知れない卵。

 たちまちルイズを馬鹿にする声と笑い声があがる。

 コルベールに促されて渋々、卵にコントラクトサーヴァントの儀式を施すため、呪文を唱え、どこでもいいからキスをしてみる。

 すると、空が内側からコツンコツンと音を鳴らしているのに気づいた。

 そしてルーンが吸い込まれるように空の表面に刻まれたかと思うと、卵が割れた。

 そして中から、1.8メートルはある、蛇のような生き物が飛び出してきた。その胴体には卵の殻に吸い込まれたルーンが刻まれている。

 ただの蛇じゃない。薄い青色の胴体だが、鼻らしき丸い部位があり、そこから下、腹にかけてさらに色が薄くなっていて白っぽい。目は黒くてつぶらで可愛らしく、眉間の中心に点のような白い部位があり、魚のヒレを思わせる耳(?)が両側にある。どこから見ても手足はなく、その蛇のような生き物は、ジーッとルイズを見つめていた。

 コルベールがルーンを調べて、ルイズにおめでとうと賞賛の言葉を使った。

 ルイズは、呆気にとられた。明らかに卵より大きいからだ。

 ルイズが謎の蛇(?)を召喚したことで、使い魔召喚の儀式は終わり、コルベールが生徒達に学院に帰るよう言った。

 フライが使えないルイズを、フライで飛んでいく生徒達が馬鹿にしてくる。ルイズは、悔しくて唇を噛んだ。

 すると、謎の蛇(?)が、キッとその馬鹿にしてきた生徒を睨み。リュー!と鳴く。

 すると、突如として小型の竜巻が発生し、フライで飛んでいた生徒達が吸い込まれて洗濯物みたいに回された。ついでにコルベールまで巻き込まれていた。

 ルイズは、ギョッとして謎の蛇(?)を見る、謎の蛇(?)は、リュー!リュー!と鳴いてペチペチと地面を尻尾の先で叩いている。

 ギャー、キャー!と竜巻でもみくちゃにされている生徒達の悲鳴を聞いて、ルイズは、慌てて、止めて!と謎の蛇(?)に訴えた。謎の蛇(?)は、ルイズをジッと見て、納得いかないような顔をしてから、竜巻を消した。

 低空だったため、奇跡的に怪我人はいなかった。

 タバサが目を回しながら、自身が持つ大きな杖を支えにして言った。

 たぶん…、ソレ(蛇のような生き物)…、竜…っと。

 その後、竜に関する伝承を調べたところ、遠い異国の地では、竜は天地を操り、雨風すらも自由自在に操れるというものがあった。

 もしかしたら、自分が召喚した得体の知れない竜は、その類かもしれないと思った。生まれたてだというのに、あれだけ風を操れるのだ、潜在能力は凄まじいのだろう。

 で…、その問題の竜は、ルイズの部屋に作られた使い魔のための藁の上で体を丸めて寝ている。

 恐らく生まれたての上に、急に大きな力を使ったから疲れているのだろう。

 ルイズは、図書館から借りてきた本を閉じ、自分も疲れたので、早めに就寝することにした。

 その夜から朝まで、ルイズはうなされた。重たいものが体の上に乗ってる夢を見て…。

 そして目を覚ますと、藁の上にいたはずの謎の竜が、ベットの、ルイズが被っている布団の上に乗っかって寝ていた。

 大きさの割にすごく軽いようだが、それでも乗っかられると辛い(※3.3キロ)。ルイズは、布団を剥いで、ベットの横に竜を落とした。

 目を覚ました竜が、抗議するように鳴く。ルイズは、寝起きも合わさり、竜を叱った。

 プンスカ怒りながら着替えていると、ふとルイズは、この竜の餌について思った。

 口は見えない。鼻で隠れているのか? そもそも草食? 肉食? 雑食?

 しょんぼりと体を丸めている竜に聞いても仕方ないので、朝ごはん食べさせてあげるから来なさいと命令して、食堂に向かった。

 生の食材を見せれば食いついたのを選べるので、食堂の調理場から持ってきてくれないかとメイドに頼むと、そのメイドは、ミニリュウだぁ!と驚いていた。

 どういうことかと聞くと、シエスタというメイドの故郷でごく希に見られる、珍しい竜の一種だという。

 あと、二段階ほど成長するそうだが、これで、ミニ?とルイズは、ミニリュウを見た(※1.8メートル)。

 シエスタは、かつて曾祖父が飼っていたハクリューが、天候を操り、水不足や日照り不足だったタルブを何度も救ったという逸話を熱く語った。

 聞いていると、ハクリューは、一段階目の形態で、次の形態はカイリューという四肢を持つ竜らしい。

 餌は何が良いのかと聞くと、たぶん雑食と言われたので、肉と魚、あと野菜の切れ端などをたくさん持ってきてくれて、それをミニリュウは全部食べた。生まれたてから何も食べていなかったので相当お腹を減らしていたらしい。

 食べ終わって、ケプッとゲップをすると、ミニリュウの体が脱皮した。

 シエスタが、皮を貰って良いですか!?っと聞いてきたので、押されたルイズは、勢いで承諾した。シエスタは、喜々とお財布にミニリュウの皮を入れていた。

 あっ、脱皮し続けて大きくなるらしいですよ!とシエスタが言った。

 あと、ついでに、成長も遅いらしいので注意が必要です、とも言われた。

 その後、毎日何度も脱皮を繰り返したが、ほとんど成長しているように見えず、やきもきした。

 ルイズは、毎日メジャーを使ってミニリュウの成長を記録した。

 計ってみると、びみょーーーにちょっぴりずつ成長しているのは分かった。

 その後、ギーシュの二股発覚事件での決闘から、土くれのフーケの盗難事件を経ても、まだハクリューにはならなかった。

 そして、アルビオンへの密命にて、ルイズの婚約者であったワルドが裏切った時、その時が来た。

 白く光り輝いたミニリュウの体が伸び、そして4メートルはある大きさに成長すると、恐ろしいスピードで、ウェールズに迫ったワルドの攻撃を防ぎ、キッとワルド睨んで、水を纏った尻尾の先端でワルドの腹を突いて倒した。

 ギリギリで風でガードしていたワルドは、逃げながら捨て台詞でレコン・キスタ軍が迫ってきていることを告げると、ハクリューが天井に空いた穴から翼もないのに空を飛び、迫り来る大軍に向かって、竜の怒りなる技を放った。

 天候は荒れ狂い、空中戦艦は空中で衝突し合い、竜騎士は、雷に打たれて焼かれて焦げ、陸上の兵達は、迫り来る竜巻と増水して生き物のように襲いかかってくる水に逃げ惑った。

 それが大量の経験値となり、ハクリューをさらに成長させる糧となる。

 天空でカイリューへと進化を遂げたことで、放たれた破壊光線がトドメとばかりにレコン・キスタ軍の中心を破壊した。

 たった一匹の竜によって、アルビオンの反乱の戦は、終息させれてしまった。

 ワルドの攻撃を受けてしまって気を失っていたルイズが目を覚ました時には、すべてが終わった後だった……。

 カイリューによる破壊の余波で壊れてしまった教会で、ぼう然とするルイズの傍に、カイリューが舞い降りてきて、ルイズを抱き上げて、もう用はないと言わんばかりに学院へと帰っていった。

 この出来事は、生き残ったウェールズによって立ち直ったアルビオンやトリスティンで、“竜の怒りの日”と呼ばれ伝説になるまで語り継がれていくことになる。

 
 

 
後書き
ゲーム中だと、たいした技じゃないりゅうのいかりですが、アニポケだとヤバい技みたいに描かれていたので、このネタでもヤバいレベルの技にしてみました。

ポケスペでも、ドラゴンタイプは、天地を操るほどの強大なポケモンとして描かれてたと思うので(ちょい記憶が曖昧)、このミニリュウは、ルイズにルーンの力を付与されたことでより強い個体として完成したということにしました。

っていうか、ミニリュウ(ハクリューとカイリュー)って、こんな強いかな? 

 

『ルイズが召喚したのが、ゴースだったら?』

 
前書き
今回は、ゴース(→ゴースト→ゲンガー)。



今までと違って、不気味で、誰も幸せになれない話かもしれません。


注意!! 

 

 何度目かの爆発の後、煙が風に乗ってルイズの方に流れた。

 ルイズは、へたり込む、もう限界だった。

 コルベールが見かねて、明日にしようと言おうとしたときだった。

 揺れていた煙が、紫色に変色し、目と口が現れた。

 ルイズがそれを見て驚いていると、ガスのような体のそれがルイズを包み込む。肺に入り込んできて、ルイズは激しく咳き込んだ。

 コルベールが杖を構えるが、炎を放とうとして躊躇した。なぜならルイズを包み込むようにガスの生き物がまとわりついているからだ。

 ルイズの体力がゴリゴリ削られながら、切れ切れにルイズは、呪文を唱える。

 そして、呪文唱え終え、酸欠で息が切れてついに倒れるとき、当然だがルイズを包み込むガスの体に唇が触れる。その瞬間、金切り声のような鳴き声を上げ、ガスの生き物がルイズから離れて宙でもがいた。

 黒紫色の球体に紫のガスをまとったような姿。球体には、鋭い目と、牙の生えた口がある。球体部分が顔であり胴体なのか、そこにルーンが刻まれていた。

 ルイズは、気絶しておりそれを確認することはできなかった。

 確認が取れたのは、保健室で目を覚ましてからだった。

 起き上がるとコルベールがいて、背筋がゾワゾワとなる感触があったので振り返ると、あのガスのような生き物がニヤッと笑った。幽霊にでも出会ったかのようにルイズは悲鳴を上げて逃げたがコルベールが、それは君の使い魔だと言ったので一旦止まった。

 宙をフワフワ浮いているソレは、ルイズの反応にニヤニヤ笑っているようだった。

 幻獣の一種か?っと、コルベールは呟いていた。

 ルイズが移動すると、後ろをついてくるが、不意にすぐ背後にくっついて背筋をゾワゾワさせてくるので、うっとうしくムチを振ってもまったく手応えがない。なにせガス状なのだ。

 ルイズがイライラしていると、ゴースだ!っという悲鳴が聞こえた。

 見ると洗濯籠を落としたメイドが逃げようとしてたので、捕まえて知っているのかと聞いた。

 このガスの生き物の名前は、ゴース。

 シエスタというメイドの曾祖父の話によると、悪霊の一種だとされており、獲物を包み込んで息の根を止めるそうだ……。

 つまり召喚の儀式の場で、危うく殺されかけたということだ。それを理解したルイズは、戦慄した。

 二段階も成長する特性があり、どれもこれも相手の息の根を止めるタイプばかりらしい。そのため、ゴース、ゴースト、ゲンガーがたまに現れるとされるシエスタの故郷の近隣では、夜には決して外へ出ないという決まりがあるという。うっかり夜中に近隣の森へ行って、帰ってこなかった者が最近いるそうだ。

 そんな怖い話を聞いて、ルイズは、恐る恐るゴースの方を振り向く。ゴースは、ルイズの反応を見てニヤニヤしているだけだった。

 ゴースを召喚してからというもの、川の向こうにいる死んだ祖父母がこっちに来るな!と手を振っている悪夢を何度も見た。

 ああ…、いつか使い魔にとり殺されるなんだっと…、遺書のような日記を書くほどルイズは、鬱になった。

 ある日、宝物庫付近でオールド・オスマンの秘書であったロングビルが、遺体となって見つかった。遺体には胸と首を掻き毟ったような形跡があり、呼吸器系をやられた可能性が高いとみられ、シエスタからゴースの説明を聞いていたコルベールが、ゴースの犯行じゃないかと意見した。

 結果、ゴースはルイズから引き離されたものの、ガス状の体故に隙間さえあればいかなる結界をもすり抜け、学院をさまようようになった。

 やがてゴースは、ゴーストへと姿を変えた。

 アルビオンへの密命を受けたルイズは、婚約者のワルドと共にアルビオンへ向かったが、その道中の港町で、ワルドが変死した。

 起きてこないで様子を見に行ったルイズが見たのは、全身を震え上がらせながら、寒い…寒い…っと布団を被って真っ青な顔で転げ回るワルドと、そんなワルドを見おろして、ニヤニヤ笑っている、ゴーストだった。ルイズは、悲鳴を上げ、ゴーストに爆発魔法を使って追い払い、医者を呼んだものの意味を成さず、ガタガタと震えながらワルドはやがて死んでいった。

 ルイズは、たった一人で果敢にもアルビオンへと向かい、奇跡的にウェールズと接触でき、手紙を受け取った。

 まるで何かに守られているように、何事も無くルイズは、帰路についた。

 学院までの道中、馬を止め、ルイズは、聞いた。

 そこに…、いるの?っと。

 するとルイズと馬の影から、ゴーストからゲンガーへと姿を変えた悪霊の使い魔が現れ、歯を見せてニヤ~っと笑って見せたのだった。

 その後…、アルビオンを制圧したレコン・キスタ軍だったが、トップのクロムウェルを始め、幹部達が次々に怪死したため、統率が取れなくなり、自己崩壊したという噂を、実家に引きこもったルイズは、偶然耳にしたのだった……。

 ルイズの影から、ひょっこりとたまに顔を出すゲンガーは、ルイズの視線が合うと、変わらずニヤッと笑うのであった。


 
 

 
後書き
ゴースト系は、怖い説明文のが多いですからね……。

なので、その性質上、主人を助けようと動いてても、不幸にしてしまうし、不幸にした理由も理解できないということにしました。
ゴース(ゴースト、ゲンガー)は、よかれと思って動いていました。 

 

『ルイズが召喚したのが、ドードーだったら?』

 
前書き
今回は、ドードー(→ドードリオ)。



今回は、かなり難しかったです。


このネタを書くときは、極力被らないように内容を考えて書いているので、そろそろネタに困ってる。 

 

 何度目かの爆発の爆風が、春風によって晴れると、そこには、一匹の見たこともない生き物がいた。

 細くて長い二本足。茶色い羽毛に包まれた丸みのある胴体。そこから生えているのは、黒くて長い首を持つ二つの頭。目はクリッとして可愛いく、体を支える足の形と長いくちばしが鳥であることを示していた。だが翼はない。しかも、1.4メートルと結構でかい。

 なにこれ?っとまずその場にいた者達全員が思った。

 やがてその謎の鳥(?)は、二つの頭をキョロキョロと器用に動かし周りを見回し始めた。二つの頭だけに、意識が独立しているらしい。

 コルベールが、ルイズにコントラクトサーヴァントの儀式を促し、ハッとしたルイズが歩を進めると、ビクッとなった謎の鳥(?)は、次の瞬間背中を向けてすごいスピードで走って逃げていった。

 一見骨のような細い足は、翼の代わりに走ることに特化していたらしく、なんて素早いこと。

 その後、コルベールも手伝って逃げ回るその謎の鳥を捕まえようとした。しかしその速さたるや、そんじょそこらの馬より圧倒的に速い。

 見かねたキュルケがタバサに頼み、自分の風竜に乗って宙から魔法を打って倒れたところをルイズがコントラクトサーヴァントの儀式をした。

 キスしようとした際、最後の悪あがきと鋭いくちばしでつつかれまくったが、つつかれた際に偶然くちばしの先がルイズの唇に触れ、結果ルーンが刻まれた。

 謎の鳥(?)は、ルーンが刻まれる痛みに耐えきれず、力尽きて気絶した。

 コルベールに運んでもらい、大型使い魔を飼育するための舎にひとまず入れた。

 目を覚ますまで様子を見ていると、やがて謎の鳥(?)は、目を覚ました。

 だいじょうぶ?っと声をかけると、ルイズの額に、ゴッと片方の頭がくちばしでつついた。

 ルイズは、額を抑えて悶絶。その様子を、謎の鳥(?)は、ケタケタ笑うように二つの頭で鳴いた。

 キッと睨んだルイズが、ムチを取り出して振り上げるが、その手のムチを立ち上がった謎の鳥(?)が蹴り上げて飛ばした。そしてまたケタケタと笑われた。

 手を押さえて、く~!と悔しがるルイズ。

 すると、ドードーだ!っという声が聞こえた。

 舎の餌置き場の隙間から、一人のメイドが中を見ていた。

 シエスタというメイドに話を聞くと、ドードーという鳥の一種らしい。羽の無い鳥なんてあり得ないっとルイズが言うと、シエスタの曾祖父がかつて飼っていたそうで、飛ぶ代わりに足がよく発達していてとても足が速い特別な鳥なのだという。

 さらにドードリオという、もう一段階成長する特性もあるそうで、そうなると、もっと速いそうだ。

 しかもそこまで成長すると、頭が三つになるそうだ。

 げっ、とルイズは思った。ただでさえ、足癖が悪いし、主人を馬鹿にしたように鳴くのに、それ以上にうざったくなるのかと。

 全然懐いていないらしいドードーに手を焼いていると知ったシエスタは、かつて曾祖父は、ドードリオに乗って走っていたという話があるから頑張ればきっと背中に乗せてくれると励ました。

 この日から、ドードーとの攻防が始まった。

 毎日のように声をかけるが、つつかれる。

 手を出せばつつかれる。

 餌をあげると、手ごとつつかれる。

 血は出ないので加減はしてくれているらしが、痛いのは変わりない。

 そんなある日、国を挙げて大型使い魔を使ったレースを開催するという知らせが入った。

 ルイズもちょっと出場を考えたが、まだドードーの形態なので、諦めようとした。その時、舎の方がなんか騒がしかったので、行ってみると、そこには、1.8メートル以上はありそうな、頭が三つになったドードー…否、ドードリオがいた。

 おそらくだが、馬鹿にされたので怒っているのか、生徒の何人かを追い回してつついていた。

 ルイズが、爆発魔法を使ってビックリさせて止め、目つきがものすごく悪くなったドードリオに、レースに参加するわよ!っと言った。

 するとプイッと素っ気なくそっぷを向くドードリオに、アイツらを見返したくない?っと、先ほどドードリオが追い回していた生徒達を指差して聞いた。すると、ドードリオは何か考えるように、三つの頭で顔を合せ、それからルイズを見た。

 ドードリオは、背中を向け、しゃがんだ。それは、まるで乗れと言っているようで…、ルイズは、恐る恐るドードリオの背中に乗った。そしてルイズが乗ると、ドードリオが立ち上がった。高くなる視界、慌ててルイズがドードリオの首を掴んでしまうと、ドードリオが苦しみ、暴れた。

 結果落とされ、ドードリオが抗議するように鳴いた。ルイズは、尻をさすりながら、ごめん…っと謝った。

 そして、レース当日。ルイズは、ちゃんと手綱を付けて出場した。

 陸地系の使い魔の出場枠で、ドードリオの存在はかなり目立った。

 変な鳥!という出場者貴族のヤジに、ドードリオが、ギッと睨むので、背中に乗っているルイズが落ち着くよう首をさすった。

 レースのスタート位置に付き、スタートの合図と共に、一斉に使い魔達が主人を乗せた状態で走り出す。

 ルイズのドードリオは、圧倒的なスピードで他を圧倒し、一位をもぎ取った。

 あまりの速さに、ズルしたんだろ!と同じく出場していた、あの時の貴族が抗議してきたが、魔法を使っているかどうか調べて貰い、使い魔の実力だと証明するとせっかく二位だったのに順位を剥奪されたのだった。

 ルイズが苦笑しながら、ドードリオを見ると、ドードリオは、フンッと鼻息をもらし、ざまあみろっと言わんばかりに立っていた。

 まったく…もう…っと、ルイズは、苦笑しつつ、ドードリオを撫でた。


 
 

 
後書き
このドードー(ドードリオ)の性格は、ルイズに似てプライドが高いです。
それゆえに他人に媚びたくないし、見下されれば見返してやる!っと燃える。

あと、首が黒いので、オスですね。(ソウルシルバー参照)

レース話は、ポニータ回と被るけど、ポニータと違ってデッドヒートも無く、圧倒的に勝ったということにしました。 

 

『ルイズが召喚したのが、コイルだったら?』

 
前書き
今回は、コイル(→レアコイル)。


こういうわけの分からない感じのポケモンは、扱いが難しいと知った。 

 

 何度目かの爆発。

 爆風がモクモクと上がる大穴を前に、ルイズはついに力尽きて両膝をついた。

 コルベールが見かねて、明日にしようと言おうとしたときだった。

 チーーっというような、長い音が聞こえ、徐々に薄れていく爆風の中に何かが浮いていた。

 それは、30センチぐらいの浮遊物だった。

 浮遊物? だがこれ以外に例えようが無いのだ。この得体の知れなさは。

 それは、U字型の磁石という金属を吸い付ける鉱物が左右にあり、金属で出来た丸い胴体には、目と思しき白い丸いものがあり、その中心に点のような目らしきものがある。金属で出来たネジという代物が頭部にひとつ、そして足と思しき下の部位に二本。

 目と思しき部分が、ジロジロと周りを見回すように動いている。それでこれが生き物だと分かった。

 何あれ? 何あれ? っとさっきまでルイズを馬鹿にしていた生徒達が困惑しだす。

 コルベールが、これがルイズが召喚した使い魔候補だと認識し、コントラクトサーヴァントの儀式を促した。

 ルイズは、顔をしかめたが、サモンサーヴァントによる爆発の跡の上に浮いているので、おそらく自分が召喚したのだろうと思い直し、儀式を施そうとその謎の金属物に近づいた。

 せわしなく動いていた目が、ルイズを見る。

 ルイズが杖を構えた瞬間だった。

 チーーっと金属音を鳴らしたソレが、電撃を放った。

 アアバババババ!っとルイズは、感電して倒れた。

 ギョッとしたコルベールと、他の生徒達。コルベールは、謎の金属物を大人しくさせようと杖を構えたら、コルベールを見たソレが、凄まじい嫌な音を出した。あまりの嫌な音に、コルベールも、生徒達も使い魔達も耳を押さえた。

 フヨフヨと宙を浮いていたソレが向きを変えて移動しようとした時だった。倒れた状態でコントラクトサーヴァントの儀式の呪文を唱えたルイズが、下からソレの磁石部分を掴み、口はどこかは分からないがとにかく勢いでキスをした。そして鉄の味を感じつつ、ルイズは今度こそ意識を失った。

 ルイズが気がついたのは、保健室のベットの上だった。

 コルベールが目が覚めたかい?と聞き、ルイズが起き上がると、チーという音が聞こえてそちらを見ると、ルーンが磁石部分に刻まれた金属物のような生き物(?)がいた。

 警戒するルイズに、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式の成功だと言った。

 フヨフヨと宙を浮いているソレは、何をするわけじゃなく、歩けばルイズの後ろについてきた。それだけだ。

 コルベールがこの鋼の生き物がどういう原理で浮いているのか、それともそもそも生き物の一種なのかと興味津々な様子であったが、ソレは、まったくコルベールに興味ない様子であった。

 得体の知れなさと、最初に電撃を受けたので警戒するルイズに、思わぬ救世主が現れる。

 コイル!っというビックリした声が聞こえた。シエスタというメイドだった。

 話を聞くと、この生き物(?)は、コイルといい、鋼で出来た体をしており、敵が来ると金属音や電撃を放ってくるそうだ。

 また電気に惹かれる性質があるらしく、シエスタの故郷では、雷が鳴る雨の日にはコイルが避雷針になってしまうので、雷が鳴る日は絶対外には出ないのだそうだ。

 あと、生長する際に磁力が強まり、仲間と連結し合うことでレアコイルという集合体にもなるそうだ。

 インテリジェンスソードの一種だろうか?っと思ったが、喋るわけでもないし、調べたところ魔力で動いているわけでもないことが分かり、ますますわけが分からない生き物(?)として学院で知られることになった。

 ある日、ルイズが香水を拾ったことでギーシュの二股が発覚して、二人に振られた原因をギーシュがルイズに追求してきた際に、今まで何もしなかったコイルが動いた。

 ルイズに難癖付けてくるギーシュをジトッと見ると、ルイズとの間に入り、その小さな体からは想像も出来ない速度で体当たりしてギーシュをノックアウトさせた。

 友人達に介抱されて気がついたギーシュが怒ってコイルに喧嘩を売ったら、今度はどこからともなく、無数のコイル達が窓を割って入ってきて、合体技のような電撃の嵐を浴びせて焦がした。

 いつの間にこんなに仲間を連れて来たんだ!?と聞いても、コイルは何食わぬ顔をして浮いているだけだった。

 フヨフヨと浮いているコイルは、ますます数を増やし、学院中に生息地を作ってしまった。最初こそ、学院側は対策を立てようとしたが、ルイズのコイルに命令すれば別に何もしてこないと分かると、ほぼ放置となった。というか放置せざる終えなかったのだ。果敢にもギトーがコイル達を駆除しようとしたものの、呆気なく返り討ちに遭っていたのだから。

 授業を邪魔するわけでもなく、その辺を浮遊しているだけなので、そのうち生徒達も慣れて放っておくようになった。

 そしてある日、アンリエッタからアルビオンへの密命を受けたルイズは、婚約者のワルドと共にアルビオンへ向かった。もちろんルイズの使いまであるコイルもついてくる。

 国の終わりを前にして、ワルドから結婚しないかと言われたルイズは、相談できる相手もいないため、流されるまま教会で結婚式を挙げようとしたが、突然入って来た数少ないウェールズの部下の兵が大慌てで……。

 謎の金属生物の群れが、そこまで迫っていたレコン・キスタ軍を全滅させたという報告をした。

 途端にワルドは、顔色を悪くしたため、ルイズが心配すると、いつの間にかワルドの真横にいたコイルが、ジト~っとワルドを睨んでいた。

 ワルドは、瞬時にコイルが自身の正体も何もかもを知った上で、何もしてないように見せかけて裏で動いていたことに気づき、憤怒の表情を浮かべてコイルに風魔法を纏わせた杖を振るった。

 ガキンッと凄まじく硬いコイルの体に弾かれ、教会のあちこちに潜んでいたコイルやレアコイル達が現れ、包囲した。

 ワルドの豹変に驚いているルイズを、他のコイル達がウェールズも一緒に磁石の手で摘まんで安全な位置へ運んだ。

 ワルドは、愚かしくも風魔法の最大級の技であるライトニング・クラウドを放ってしまった。電気と鋼を司るコイルに向かって……。

 放たれた凄まじい電撃は、コイルの眼前で吸い込まれるように周囲に散りながらコイルは、他の仲間のコイルと連結してレアコイルとなった。

 そしてライトニング・クラウドを吸収して上乗せさせた最大の必殺技である、でんじほうをワルドに向かって放った。

 あまりの凄まじい電撃の攻撃によって爆発する教会。ルイズとウェールズとその部下の兵は、コイルとレアコイル達に守られて難を逃れたのだった。

 生き残ったウェールズは、コイル達にやられて降伏してきた敵対していたアルビオンの貴族達をまとめ、国民を守るためにトリスティンに併合させる形を取った。

 余談であるが、コルベールが作ったU字型の磁石が、アルビオンやトリスティンで、玩具として大流行することになるのであった。

 磁石という言葉が浸透すると、今度は、レコン・キスタ軍がコイル達に倒される劇が公開され、“磁石の乱”などという題名で流行ったのだった。

 
 

 
後書き
何も考えてないようで、実はワルドの正体を調べたりして主人を守るために動いてた頭脳派コイルでした。(脳みそがあるかは分からないが…)

たぶん、レコン・キスタ軍の裏で糸引いてたガリアも芋づる式で撃退されるかも。

あと、ライトニング・クラウドを吸収して、でんじほうに上乗せさせたというのは、捏造です。 

 

『ルイズが召喚したのが、ニドラン(♂&♀)だったら?』

 
前書き
今回は、ニドラン♂&♀。(→ニドリーノ&ニドリーナ→ニドキング&ニドクイン)


今回、メッチャ難しかった…! 

 

 ルイズが目を覚ますと、保健室の天井がまず見えた。

 額がズキズキする。指先が痺れている。あと体全体が熱っぽい。

 ボーッとしていると、コルベールが保健室に入って来て、声をかけた。だいじょうぶかと。

 ルイズは、ボーッとしながら何があったのか聞こうとしたとき、高い声の鳴き声が聞こえた。声は、ベットの下から聞こえたらしい。

 ハテナっと思っていると、ベットの下から、小型の薄紫色の動物と、薄青色の動物が出てきた。

 熱に浮かされた状態でよく見ると、その二匹の動物には、同じルーンが刻まれていた。

 コルベールが君の使い魔だよっと言った。

 それを聞いてルイズは思い出す。

 春の使い魔召喚の儀式で、何度目かの爆発の跡に、二匹のこの動物たちが倒れていて、生きていることを確認してからコントラクトサーヴァントの儀式を行ったのだ。

 ルーンが刻まれる痛みと熱さによって飛び起きた薄青色の方がちょうどルイズの額に頭部の短い角を刺してきたのだ。そこで意識がなくなった。

 コルベールは、この二匹の動物の角には猛毒があり、その毒にやられたのだと説明してくれた。ギリッギリで解毒が間に合ったものの、あとちょっと遅かったら死んでたそうだ。それを聞いてルイズは、ゾッとした。今、体に起こっている不調は、毒の後遺症なんのだろう。一見40センチから、50センチ程度の小型で、目つきがちょっとだけ鋭く感じるが、そこまで強力な毒の持ち主だとは思えなかった。しかしよく見れば、身体のあちこちにトゲがあるじゃないか。おそらくすべて毒針なんだろう。

 ルイズが保健室から出られたのは、翌日だった。

 ルイズが歩けば、二匹の毒の動物たちはついてくる。

 毒に気をつけなければ…っとルイズが、思っていると…、ニドランだぁ!というビックリした声が聞こえた。

 シエスタというメイドが、持っていた洗濯籠を落として壁の端に逃げているので捕まえて話を聞くと、この二匹の毒の動物たちの名は、ニドラン。

 タルブ村の近隣の森に住んでおり、オスとメスの2種類しかおらず、総称してニドランというらしい。額に大きな角と、耳の大きな薄紫色の方がオスで。角が小さくて薄青色の方がメスなのだそうだ。

 オスは、大きな耳で敵の接近を感知すると素早く攻撃を仕掛けてくるらしいが、メスの方は比較的大人しい方であるものの、毒性はオスより強いらしい。

 また、二段階成長する特性もあるらしく、成長すると、オスがニドリーノ、メスがニドリーナになる。だが三段階目になるための条件には、何か特殊な石が必要らしいが、シエスタは、その石のことは知らないと言った。

 コルベールが、ニドラン達の毒の強さに注意するよう呼びかけたらしく、ニドラン達を連れて歩くルイズを見ると、皆、道を開けるようになった。

 ルイズは、不満だった。使い魔が立派で強くて美しいから皆が道を開けるなら良いが、毒が怖いからという理由だけで道を開けられるのはどうも気に入らなかったのだ。

 ニドラン達は、すっかり番として仲良くなっているのか、毛繕いし合っている姿がよく見られた。そんな仲睦まじい姿も、色恋沙汰に縁の無いルイズには、ため息ものだった。

 ある日、ルイズが食堂で香水を拾ったことで、ギーシュの二股が発覚し、二人の娘に振られた原因をギーシュはルイズに追求して決闘沙汰になった。

 完全にアウェイな状況の中、ニドラン達が乱入し、フーッ!キーッ!とルイズを守るように勇敢にもギーシュを威嚇する。

 ギーシュは、毒さえ喰らわなければ大丈夫だと高をくくって、ワルキューレを錬成して向かわせた。

 ワルキューレの足がニドランのオスを蹴り上げようとしたとき、その小柄な体からは想像も出来ないスピードと跳躍と、そして脚力で二度蹴りという技を繰り出したニドランのオス。たちまちワルキューレは、破壊された。

 思わぬ攻撃力に焦ったギーシュは、自分に向かってくるニドラン達を倒すべく複数のワルキューレを錬成するが、今度は足下をちょこまかとすり抜けられ、あっという間に二匹のニドランに飛びかかられた。二匹に押し倒され、毒の角を突きつけられて、ギーシュは、泣きわめきながら降参だと叫んだ。

 えっぐえぐと情けなく泣くギーシュの上で、二匹のニドランは、ピョンピョン跳ねて勝利を喜んでいた。合計、16キロの体重に跳びはねるものだから、下敷きにされているギーシュはたまったものじゃなく、あっという間にギーシュは、泡を吹いて気絶した。

 その後日、朝起きると、ルイズの部屋が狭かった。

 いや、部屋は変わってないのだが、問題は床。そこには、大きくなったニドラン達…、否、ニドリーノと、ニドリーナがいた。

 さすがに部屋ではもう飼育できないと判断し、大型使い魔を飼育するための舎に移した。すると、後日、シエスタが卵がある!っと知らせに来た。

 行ってみると確かに、卵があった。どうやらニドリーナが産んだらしい。二個も。

 卵が産まれたことで、ただでさえ気性が荒い二匹はますます気性を荒くし、同じ舎にいる使い魔達を隅に追いやり、ルイズ以外の近づく人間全てを威嚇し、下手すると攻撃までしてきた。

 そんな最中、土くれのフーケによる盗難事件が起こった。未遂で。

 っというのも、何をしたのかは分からないが、ニドリーノの逆鱗に触れてしまったらしく、オスマンの秘書・ロングビルとして潜入していたフーケが軽く毒を打ち込まれて倒れたのを踏まれている現場が見つかったのだ。いかにも不審者な格好で、そして彼女の手に、宝物庫の宝がなければ、ニドリーノは咎めを受けていただろう。運が良かった。

 その数日後、卵が孵り、ニドランのオスとメスが産まれた。卵が無事に孵って安心したのか、二匹の凶暴性は少し治まった。

 だが、さらに後日、二匹がニドラン系の最終形態である、ニドキングと、ニドクインに突然成長した。

 二匹が住まわされている舎に、フーケが盗もうとした宝物庫の宝である石のかけらが落ちているのが見つかり、月の石という石がニドラン達の最後の進化に必要な物であることが分かった。

 毒に加えて、肉体的にも圧倒的に強くなった二匹に、逆らえる者はいなかった。主人であるルイズを除いては。

 そのキングとクインの夫婦は、さらに卵を産みまくり、大所帯になってしまったため、ルイズは、ニドラン達をヴァリエール領の森に住まわせることにしたのだった。

 強力な毒を持つ彼らは、その後起こるレコン・キスタ軍との戦争において、トリスティン軍に加勢した。

 先陣を切って戦う彼らを従えるのは、まさに王(キング)と、クイン(女王)のごとく君臨する、ルイズのニドキングとニドクインだった。

 
 

 
後書き
ニドラン系は、難しかったです!

なにせすごい技を使えるわけではなく、初代において唯一のオスメスとして出てきたという特徴があるだけで、今まで書いた中で一番苦労しました。

なんか、このシリーズは続ける自信が無くなってきた…。 

 

『ルイズが召喚したのが、オニスズメだったら?』

 
前書き
今回は、オニスズメ(→オニドリル)。



筆者が個人的に大好きな鳥ポケモンです。 

 
 寮の部屋のベットで寝ているルイズの上に、その鳥がピョンピョンと飛び乗った。

 大きさは、30センチぐらい。重さ、約2キロの鳥。

 くちばしは短めで、羽も大きくはなく、目つきは悪い。その身には、使い魔のルーンが刻まれていた。

 チュンチュン!っとルイズの上で跳びはね、ルイズを起こす。

 重い~っとルイズが寝ぼけた声で言い、布団を払って鳥ごと落とした。

 大きくない羽でバタバタと羽ばたきながら床に降りた鳥は、再びベットの上に飛び乗って今度は直接ルイズの上に乗って、短いくちばしで起きないルイズの頭を軽くつついた。

 痛い!っとルイズが、叫びマクラの端に置いていたムチを掴んで鳥に向かって振るったが、鳥は飛び退いて避けた。

 このバカ鳥!っと怒ったルイズが床に飛び降りた鳥を睨む。しかし、鳥は、チュンチュン!と鳴いて、お前が起きないからだと言わんばかりだ。

 ルイズがこの珍しい鳥を召喚したのは、3日前のことだ。

 春の使い魔召喚の儀式で、何度目かの爆発の跡に現れたのがこの鳥であった。

 30センチもある大きさながら、鋭い目つきが表わすように凶暴らしく、コントラクトサーヴァントの儀式までに散々つつかれたものだ。網で捕まえ、顔をつつかれまくった際に唇にくちばしが当たって儀式が成功したというなんとも情けない流れであった。

 大型の鳥や、幻獣を召喚した者は、その背中に乗るなどして遊んでいる姿が見られ、ルイズは、自分の小さな鳥(※30センチ)を見比べてため息を吐くのであった。

 ゼロのルイズが召喚した、鶏サイズの変な鳥。というのが、ルイズが召喚した鳥の通り名になっていた。

 そんなある日、オニスズメ!っというビックリしている声が聞こえた。

 シエスタというメイドに聞くと、この鳥の名は、オニスズメ。タルブ村の近隣の森などで見かけられる珍しい鳥だとか。

 成長すると、オニドリルという大形の鳥になるそうだが、とても凶暴で危険なのだそうだ。

 それを聞いたルイズは、せめて成長すれば…っと思い、オニスズメとオニドリルについて調べることにした。だがタルブ近隣にしか住んでないため、図鑑にすら載っていない。頼りのシエスタも、詳しい話は知らないそうだ。

 そんなある日、オニスズメが香水を拾ってきた。その香水は、モンモランシーが特別に調合する香水だったので、彼女が落としたのかと思っていたら、そこへギーシュが怒った顔で走ってきて、ルイズにたいして泥棒!っと難癖付けてきた。

 ルイズは、自分の使い魔が拾ってきただけだと弁解しても聞かず、あっという間に決闘沙汰に。

 ギーシュが錬金したワルキューレに、オニスズメが果敢にも挑んだが、青銅で出来たワルキューレにくちばしが弾かれる。忽ちオニスズメは捕まり、いたぶられた。

 ルイズは、やめて!っと制止したが、完全にアウェイな状況、ギーシュは、ルイズに泥棒してすみませんでしたと土下座したら助けると言ってきた。ルイズは、泥棒の冤罪を受けた状態で謝るわけにはいかないとプライドが働き、応じなかった。

 ボロボロのオニスズメが、逆さに足を掴まれた状態で、チュン…っと鳴き、最後の力を振り絞って体を高速で回転させ、回転したくちばしでワルキューレの頭を突いた。その攻撃でワルキューレの頭がもげた。

 すると、オニスズメが光り輝き、ワルキューレの手から逃れ、1.2メートル以上はある大形の鳥…、否、オニドリルに進化した。

 大きな鳴き声を上げ、大きな翼を広げたオニドリルは、瞬く間に天空へと飛び、高速回転しながらギーシュに向かって落下してきた。

 ぼう然としていたギーシュを、モンモランシーが突き飛ばし、ギリギリでオニドリルの必殺技・ドリルくちばしが命中せず地面を大きく抉っただけで終わった。

 その後、ルイズのオニスズメが落ちてた香水を咥えてピョンピョンと移動していたという目撃証言が出て、ギーシュは、自分の早とちりだったことを理解して、ルイズに謝りまくった。

 そんなギーシュに額を、オニドリルが、ゴスッと長いくちばしで軽く(?)ついた。

 額を抑えて転がるギーシュを見おろし、オニドリルは、フンッ!と鼻を鳴らしたのだった。

 その後もオニドリル(オニスズメ)の怒りが治まらないのか、ギーシュを見つけるたびに頭をつつくのであった。もちろん軽くである。それでも十分痛い。

 ルイズもルイズで、冤罪をかけられた恨みから止めなかった。
 
 

 
後書き
オニスズメは、珍しい物を拾ったので、ゲーム中みたいに主人に渡そうとしただけです。

個人的にオニスズメ(オニドリル)は、お気にいりのポケモンなんですよね。最初からひこう系の技であるつつくが使えるのが強みで、攻撃力も高いですからね。

有名な公爵家の娘なのに周りからゼロと蔑まれている状況で、冤罪なんてかけられたら誤解を解くのは難しいと思ったのでこの展開にしてみました。
ギーシュは、単にモンモランシーからの贈り物を無くして焦って早とちりを起こしただけです。今回は二股はしてない。 

 

『ルイズが召喚したのが、イシツブテだったら?』

 
前書き
今回は、イシツブテ(→ゴローン→ゴローニャ)。


ポケモンwiki、メッチャ助かる。 

 

 ふぁあ…っとあくびをしながら、朝起きたルイズがベットから降りて歩こうとしたとき、硬い何かにつまずいた。

 寝起きでトロくなっていたため、思いっきり顔面からこけた。

 ルイズがつまずいたソレは、40センチくらいある岩の塊だ。

 否、ソレは、生き物だった。昨日ルイズが召喚した使い魔だ。

 ルイズがこけた後、岩の塊だった体から二本の腕を出して、ルイズを介抱した。その体は、まさに岩の塊と言っていい作りで、胴体であり、顔がある丸めの体には足はない。たくましい腕と手で移動する。

 その日から朝はルイズがこけない位置で寝るようになった。見かけのゴツさに似合わず頭は良いらしい。

 ルイズが歩けば、後ろをついてくる。コントラクトサーヴァントの儀式の成功による、ルーンの従属性が十分働いているらしい。

 召喚した当初は、ただの岩の塊が召喚されたと思ってガッカリしたし、他の生徒達には馬鹿にされるしで散々だったが、コントラクトサーヴァントの儀式を行った際にその正体を現わし、ルイズだけじゃなく他の者達を驚かせた。

 従順なのはいいが、食堂の中には使い魔は入っちゃいけないので外で待たせていた。そして食事が終わってから外に出ると、石の生き物を持ち上げているメイドがいた。

 何してるの?っと聞くと、メイドは慌てた様子で、つい懐かしくて!っと言った。

 懐かしい?。つまり知っているということだ。ルイズの使い魔だと知らずに申し訳ありませんっと謝り倒してくるので、許し、その代わり知っていることを教えてくれと聞いてみると、この石の生き物の名は、イシツブテ。

 シエスタというこのメイドの故郷では珍しくないそこら中にいる生き物で、石に擬態しているそうだが、丸くて持ちやすいため、故郷のタルブ村ではイシツブテ合戦なる投げ合いの祭りをしているそうだ。

 そんなことしていいのか?っと聞くと、イシツブテは、その頑丈さを売りにしており、仲間と互いにぶつかり合って頑丈さを確かめ合うという習性もあるそうなので、そんなことされても受け入れてくれているそうだ。

 ただ、タルブの外では全然いないので、当初はビックリしたとシエスタは話した。

 他に詳しく聞いてみると、イシツブテは、成長する特性があり、ゴローン、そしてゴローニャという形態になるそうだ。だがゴローンは希に見られても、ゴローニャは中々いないという。

 あと、長生きしているイシツブテほど、角が取れて丸くなるそうなので、ルイズのイシツブテは、まだまだ若いっとシエスタは見ていた。

 ずいぶんと詳しいのねっと聞くと、亡くなった曾祖父の知恵だと言った。

 そういえば、曾祖父がタルブに住んでからイシツブテがタルブ近隣に住み着き始めたと、思い出したように言った。

 彼女の曾祖父がどこからか連れてきたという説もあるっぽいが、ルイズは別に問題視しなかった。

 その後、イシツブテに少々詳しいため、好きな木の実をあげるなどしてシエスタにもイシツブテは、懐き、シエスタがギーシュに難癖付けられていた際には助けに入り、決闘沙汰に。

 そしてギーシュの自慢のワルキューレをその石で出来た腕で掴んでギーシュに向かって投げつけて撃退していた。

 土くれのフーケの盗難事件では、巨大な土のゴーレムを、その小ささからは想像もできない腕力で地面をたたき割り、地割れを作って落としたりして大活躍。

 アルビオンでは、ウェールズを殺して本性を現わしたワルドに怒り、ゴローンに進化した。その体質ゆえに、風の系統魔法最強のライトニング・クラウドが効かず、一瞬焦ったワルドを捕まえ、たこ殴りにして撃破。それでは怒りが治まらないのか、アルビオンにも大量生息していたイシツブテや、ゴローン達に呼びかけ、レコン・キスタ軍の大軍相手に戦い、なんと勝利してしまったりした。

 アルビオンでの活躍は、すぐに知られ、一旦ルイズの手を離れてトリスティンを盛り上げるために祭り上げられるなどしてあちこち引っ張りだこになったりした。

 その後、ルイズの元へ帰ってきたゴローンは、ゴローニャに進化したのだった。

 硬くて、ゴツくて、ちっとも美しくなんかない。けれど、誰よりも頼りになる強い使い魔に、ルイズは満足していた。

 
 

 
後書き
なんか、他のポケモンネタに似てるかな?
極力、被らないように書こうと思ってるんですが。

ゴローニャに進化したのは、ルイズから離れてアンリエッタ達のところで一時的にいたからですね。

それにしても、20キロあるイシツブテを投げ合うって…、どんだけ怪力な人達がやるんだろ? 

 

『ルイズが召喚したのが、キャタピーだったら?』

 
前書き
今回は、キャタピー(→トランセル→バタフリー)。

モブの上級生が出てます。 

 


 でっかい、緑の芋虫。

 それがルイズや、コルベールや他の生徒達の印象だった。

 ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとすると、赤色の角のような物を顔の正面から出し、すごく嫌なにおいを出してきたが、それ以外は何も出来ないみたいだった。

 なにかの幼虫なのはたしかなようだが、こんなでっかい芋虫は聞いたことも見たこともない。

 餌に葉っぱを持ってくると、ムシャムシャと一生懸命食べる。食べ足りないのか、部屋の窓から外の草木を食べたりと食欲ととてつもなく旺盛だ。

 だが、他の生徒の大型使い魔に食べられそうになったことが数回あった。毎回毎回、ギリッギリで助けられたが、いつか食べられちゃうんじゃないかと心配だった。

 せめて成長すればなんとかなるのでは?っと思い調べても、この芋虫の情報は無かった。

 ところが、ある日。キャタピーだ!っという、驚いた声をあげたメイドがいた。

 シエスタというメイドが、知っていた。彼女の故郷の近隣の森で見られる虫の幼虫だそうだが、攻撃手段が少ないためよく大型の鳥などに食べられてしまうそうだ。

 成長するとサナギから、バタフリーというチョウチョになるそうだ。

 敵に狙われやすいせいか、早く成長するためによく食べるそうだ。

 狙われやすいし、このままでは弱いままなので早く成長させた方が良いということで、シエスタも、食堂のキッチンから野菜屑を貰ってくるなどして協力し、キャタピーをルイズと育てることになった。

 そしてその甲斐あってキャタピーは、脱皮した後、糸を吐いてサナギになった。

 あとは、羽化するのを待つだけとなった時、サナギを残して授業に出た後、部屋に帰るとサナギが消えていた。跡形も無く。

 大慌てで探し回り、キュルケが魔法で見かねて扉の鍵を魔法で調べたところ、鍵のロックを魔法で解除した痕跡があったことが分かり、学校内の何者かがサナギを盗んだことが分かった。

 その後、タバサが大型使い魔の舎で、サナギを食べさせようとしていた上級生を見つけ阻止してくれていた。

 ルイズは、怒るよりも先に取り返したサナギを抱きしめて大泣きした。もちろん、サナギを盗んだ上級生はしっかりと罰を受けた。

 それからルイズは、赤ん坊みたいにサナギを背負って行動するようになった。事情が事情なので、周りは理解を示した。

 ある日、ルイズからサナギを奪ったことで停学処分を受けた上級生が逆恨みで喧嘩を売ってきた。

 その時、サナギが割れ、その中から大きなチョウチョが現れた。

 甲高い鳴き声を上げながら、大きな羽を羽ばたかせ、鱗粉のような粉を上級生に向かって撒き散らす。途端、上級生は泡を吹いて倒れた。

 麻痺毒で倒れた上級生は搬送され、バタフリーは、ルイズとシエスタにお礼を言うように周りをパタパタと舞った。

 その後、バタフリーにまで成長させるお手伝いをしてくれたお礼もかねて、シエスタの故郷へバタフリーと共に行った際に、バタフリーは、近隣の森で番を見つけてきて、卵を産んだ。

 たくさん産まれたキャタピー達にも同じルーンが刻まれていてルイズに懐き、ルイズは、シエスタと共に一生懸命育て、バタフリーの群れができた。

 バタフリーは、毒のある鱗粉だけじゃなく、念力という技も持っていて、そのためそこいらのメイジじゃまず倒せるような存在ではなかった。そのためルイズに意地悪をして来た者達はいなくなった。

 たくさんの子孫達を残し、先代のバタフリーは、やがて寿命を迎えた。ルイズは、泣いた、たくさん泣いた。

 その後は、子孫のバタフリー達がルイズを守り、使い魔として仕えた。

 バタフリーの群れは、さらに数を増やし、レコン・キスタとの戦争の際には、先陣を切ってトリスティンを守った。

 ルイズ亡き後も、バタフリー達は、トリスティンを守り続けたと言われる。

 その後、バタフリーを模した紋章がトリスティンの国旗に刻まれるのは、そう遠くない未来の話である。


 
 

 
後書き
バタフリーは、スピアーと違ってチョウチョですからね。
外見から見てもすごい攻撃力があるわけでもないし、どう動かすかメチャクチャ悩みました。

今回は、ギーシュもワルドも関わってませんが、モブの上級生が意地悪でトランセルを盗み大型使い魔に食べさせようとする暴挙に出ました。 

 

『ルイズが召喚したのが、カラカラだったら?』

 
前書き
今回は、カラカラ(→ガラガラ)。


カッコいい、カラカラを目指してみた。 

 

 その生き物は、頭蓋骨を被っていた。

 コントラクトサーヴァントの儀式で口づけをしないといけなかったのだが、骨が邪魔で骨を外そうとしたら、ものすごい抵抗された。

 暴れた拍子に骨の上から口が当たり、それでルーンが刻まれた。これでも使い魔の契約は成立するらしい。なんか雑。

 この生き物が持っている骨で散々殴られたので、ルーンが刻まれる痛みに悶え泣いているその生き物に、ちょっとざまぁっと思ったりした。

 ルーンが刻まれ終わっても、その生き物はずっと泣いていた。そこまで来るとさすがに不憫になった。

 その生き物は頑なに頭に被っている骨を外そうとしない。こちらの言葉は理解しているようだが、外してみてと言っても頭を抑えて首を振るだけだった。

 ある日、カラカラだぁ! っと、驚いている声が聞こえた。

 声を上げたのは、シエスタというメイドで、この生き物のことを知っているようだった。

 知っていることを教えて欲しいと頼むと、この生き物の名は、カラカラ。

 頭に被っているのは、死に別れた母親の骨で、成長するとガラガラという形態になるそうだが、それの骨らしい。

 ああ、なるほどっと、ルイズは納得した。頑なに頭に被っている骨を外したくないのは、母親の形見だったからかと。

 常に手にしてる骨に反応してか、左手のルーンが常に光って見えるが、母親を思って泣くことを抜けば頼もしい使い魔であった。

 っというのも、後日シエスタが香水を拾ったせいで二股がバレてしまったギーシュがシエスタに難癖付けていたのをルイズが仲裁したら、決闘沙汰になり、カラカラが前に出てその小柄(※40センチ)な体からは想像もできない速度とパワーで、手にしている骨でワルキューレを破壊し、ギーシュのおスネちゃんをゴーンっと殴って悶絶させて倒したのだった。幸い骨折はしなかった。加減はしたらしい。しかし、下手に骨折するよりトラウマレベルの痛みは味わっただろう。

 その後、ルイズは、夢を見た。狩人と思しき人間達にカラカラの母親が殺される夢を。目を覚ませば、カラカラが泣いていた。思わず抱きしめると、安心したようにルイズに身を委ねてくれる。ルイズは、よしよしと撫でてやりながら、一緒に寝るようなった。気分はもはや母親だった。

 土くれのフーケの盗難事件では、オスマンの秘書をフーケと見破り、骨を投げつけて倒した。

 アルビオンでルイズの婚約者のワルドが本性を現わし、ウェールズを殺し、ルイズをも殺そうとした。

 凄まじい風の魔法に煽られ、カラカラの小さな体を吹き飛ばされながらもカラカラは立ち向かい続け、ワルドが放ったライトニング・クラウドを掲げた骨を避雷針にして受け止めると……、カラカラの体が輝いた。

 輝きが消えたとき、そこには、ルイズが夢に見たカラカラの母親とそっくりの姿…、ガラガラがいた。

 ワルドは、風の偏在を使い分身を作る。ガラガラは、自らに刻まれたルーン…、ガンダールヴで強化された身体能力によって、すべての偏在の攻撃に対応し、本体を見破って、またスネを狙って殴った。思わぬ攻撃によって偏在が消え、膝を突きかけたワルドの横っ面を、骨で思いっきり殴打して教会の端っこに吹っ飛ばした。

 トドメだ!っとばかりに飛びかかったガラガラを、ワルドが最後の力を振り絞って風の魔法で吹っ飛ばすと、ワルドは逃げていった。すぐそこまで迫ったレコン・キスタ軍のことを言い残して。

 駆けつけたキュルケ達によってアルビオンから脱出したルイズとガラガラ。ルイズは、婚約者に裏切られ、そして目の前でウェールズを殺されたショックから泣いていた。

 そんなルイズを、ガラガラが抱きしめて頭を撫でてきた。

 母親のつもり?っとルイズは、苦笑した。

 
 

 
後書き
このカラカラ(ガラガラ)は、たぶん、メス。

ウェールズを生かすかどうか悩んだけど、さすがにガンダールヴで強化されてても対応しきれなかったということにしました。

おスネちゃん狙いなのは、下手に急所攻撃するより効果的では?っという筆者の考えです。

最初は、意地悪をしたモブが、カラカラが被っている頭蓋骨を壊すという展開も考えましたが、さすがにそりゃ無しだっと思ったのでやめました。 

 

『ルイズが召喚したのが、メタモンだったら?』

 
前書き
今回は、メタモン。



メタモンは、イワークみたいなでっかいのにも変身できるから人間にだって変身できるよね?って感じで書きました 

 

 レコン・キスタとの戦争。アルビオンでの本土決戦で、トリステイン軍、そしてゲルマニア軍の連合軍は敗走した。

 そして敗走して撤退する軍は、ルイズにある命令を下す。

 そしてルイズは、逃げていく者達とは反対の方向に向かい、馬に乗ろうとした時だった。

 背後から掴まれ、口に何かを入れられた。

 急激な眠気に倒れ込みながら、後ろを見たとき、そこには、ルイズそっくりに変身した、自分の使い魔が優しく微笑んでいた……。

 その使い魔を召喚したのは、春風が心地よい学院近隣の草原でのことだった。

 何度目かの爆発、そして爆発の跡地に現れたのは、薄紫色の軟体生物だった。だが、小さな目と、微笑んでいるような口がある。顔だけならちょっと間抜けっぽい。

 ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとすると、ウニュ~ンとその軟体生物が姿を変え、ルイズそっくりの姿に変わった。細部までそっくりで杖まで手にしていた。

 それに驚いていると、ルイズに変身した軟体生物が擬態で作った杖を向けてきて、エクスプロージョン!と聞いたことも無い呪文を唱え、ルイズにとって忌まわしい爆発の魔法を使ってきた。

 制御できていないルイズと違い、精度は明らかに上で、その場が騒然となった。

 だが長くは続かなかった。やがてエクスプロージョン!と唱えても、杖の先からポッ…と小さな煙が出るだけで、どうやら力尽きたらしい。

 コルベールが、いまだ!っと叫び、尻を餅をついて頭を抱えていたルイズは、ハッとしてコントラクトサーヴァントの呪文を素早く唱え、慌てている偽のルイズを掴んでキスをした。ルーンが刻まれる痛みによって、ルイズの形が崩れ、軟体生物に戻っていった。

 他人に変身する魔法は存在するが、人そっくりに変身できる生物は発見されていないので、コルベールは、世紀の発見か、未開拓の土地の生物かもしれないと言った。

 何の生き物なのか分からないまま、使い魔として連れて歩いていると、メタモンだぁ!っという驚いた声が聞こえた。

 シエスタというメイドがどうやら知っていたらしく、話を聞いた。

 この生き物の名は、メタモン。

 どんな物にでも変身できる不思議な生き物で、彼女の曾祖父がどこからか連れてきたと言われており、曾祖父亡き後は、近隣の森で独自繁殖をしてたまに訪れる人を驚かせるそうだ。

 変身したら、その人物の魔法まで使いのかと聞くと、タルブ村には貴族の人はいないのでそんな話は聞いたことがないと言った。

 メタモンは、見かけによらず賢かった。いや、変身能力を持つからこそ賢いのか…、朝になればルイズに変身して着替えを手伝い、ルイズの姿で給仕をしたりと、ルイズに尽くしてくれた。なぜルイズの姿なのかは分からないが、近場にいる人間じゃないといけないのかもしれない。

 ルイズに、ルイズの姿で接してくるのは、ルイズ的には微妙だったが、すぐ慣れた。

 ルイズに変身したメタモンは、いつだって優しく微笑む。話すことはできないらしいが、日頃溜まっていたストレスから愚痴を言うルイズの言葉を時折頷いたりしながら、聞いてくれる。ルイズの好物のクックベリーパイを一緒に食べるときも、相変わらずルイズの姿だったが、メタモンは、ルイズと違って子供みたいに喜んで食べている姿が微笑ましく見えて、ルイズにとっては、徐々に大切な存在になっていった。

 そんな中始まった、戦争。

 虚無の力に目覚めたルイズは、アンリエッタの命を受けてメタモンと共に戦場に向かった。

 そして連合軍の敗走。

 そして指揮官達から命じられたのは……、味方が撤退するまで魔法を使えという内容。つまり、ルイズに死ねと言っているのだ。

 ルイズに変身したメタモンが、戦地にたった一人で向かおうとするルイズを眠り薬で昏倒させて自分が馬に乗るのを、ルイズは、ダメ…!っと手を伸ばして止めようとするが、メタモンは聞かず、馬を走らせていく。ルイズは、意識が遠のく中、それを見送ることしかできなかった。

 次にルイズが目を覚ましたのは、船の船室だった。

 メタモンは、どこ!?っと探し回ったが、どこにもいなかった。

 共に戦地に赴いた級友達から、メタモンが残した手紙を渡され、そこには、汚い字で……『さよなら。ありがとう。大好きなルイズ』っと書かれていて、ルイズは、大声を上げて泣いた。

 戦争が終わった後、ルイズは、引きこもり気味になり、シエスタが、貴族に変身できるほどのメタモンならきっと敵兵にも化けて生き延びている可能性が高いと言い、キュルケもタバサも協力してくれ、メタモンを探すためにアルビオンの地に再び足を踏み込んだ。

 そしてアルビオンの森の中。

 子供達の笑い声が聞こえ、その声を辿っていくと、そこには、子供達と遊んでいるメタモンがいた。

 メタモンが、ルイズの存在に気づくと、ウニュ~ンと変身し、ルイズの姿になった。

 ルイズは、涙を浮かべ、ルイズの姿になったメタモンに抱きついて大泣きした。

 メタモンは、変わらず優しく微笑みを浮かべ、ヨシヨシとルイズの頭を撫でたのだった。

 
 

 
後書き
ゲーム中のメタモンが、相手の技を使えるから、もしかしたら、相手の技(魔法含む)を瞬時にコピーする能力も持ち合わせているんじゃないかという考えで書きました。
エクスプロージョンを使えるのは、メタモンがルイズを見て解析した結果、得られた魔法名ですね。未覚醒の。

メタモンの変身能力をどこで活用させるかって考えたとき、ルイズへの玉砕命令が下ったときが思い浮かんだので、そうしました。
なお、変身能力もルイズのみ精度が上がっているので、ちょっと見では、贋物だと見破れません。果たしてメタモンが、ルイズに変身し続けたのが、いつかルイズに入れ替わって身代わりになるためだったのかは分かりません……。 

 

『ルイズが召喚したのが、ロコンだったら?』

 
前書き
今回は、ロコン(→キュウコン)。



アニポケのタケシの手持ちだったので、出すのを悩みに悩みましたが、出すことにしました。

ただ、あまり活躍はしてません。

キュルケとルイズとの喧嘩の種になっています。 

 


 ねえ、その子、私にちょうだい!っと、キュルケが今日も言う。

 ルイズは、狐のような、けれどたくさん尻尾がある生き物を抱きしめて、首を振った。

 その生き物は、ルイズの使い魔だ。春の使い魔召喚の儀式で召喚した生き物で、炎を操ることができる。

 最初は、可愛い!って思っただけで油断していて思いっきり火を浴びせられてしまった。

 狐によく似ているが、六つに分かれた巻き毛の尻尾、赤茶色の毛並み。抱きしめると、とても温かい。

 召喚した後日、ロコンだぁ!っと言って驚いてるメイドがいた。

 知っているのかと話を聞くと、ロコンという生き物なのだそうだ。

 メイド・シエスタの故郷タルブの近隣の森に住む珍しい狐のような生き物だが、炎を操るものの、気性は臆病で敵が現れると傷ついたフリをするなど好戦的ではないらしい。

 亡き曾祖父が飼っていたロコンは、ある石を使うことで、キュウコンという美しい狐になったそうだが、その石がなんなのかは分からないと答えられた。

 曾祖父がキュウコンの美しさに目がくらんだ貴族に狙われるのを危惧して石のことを秘密にしたそうだ。

 それだけ言うのだから相当な美しさなのだろう。いや、今でも十分可愛いからルイズ的には別に良いのだが。

 キュルケがロコンを欲しいと言い出したのは、食堂での一件で起こった決闘沙汰がきっかけだった。

 アウェイな状況で、ルイズの前に駆け出してきたロコンが果敢にも前に出て、大の字の炎を放って、ワルキューレとギーシュをもろとも焼いて倒したのだ。

 立派なサラマンダーだけに飽き足らず、炎を操るロコンに魅せられたキュルケが、欲しい欲しい!っと言い出して来たのだ。

 ロコンは、嫌がってルイズの後ろに隠れるし、こっちおいで~っと猫なで声で誘ってくるキュルケに、口から火を吹いて威嚇する始末だ。

 うっかり目を離した隙にキュルケに抱きしめられていたりしたが、キュ~ンキュ~ン!とルイズに助けを求めてきたため、すぐに奪い返した。その時のキュルケの、ガッカリした顔と言ったら……。

 ある日、キュルケが火の形を石を見せてきた。城下町の露店で売っていたと言っていたが、あなた(ロコン)にあげると言って差し出してきた。そんなのでロコンの気を引く気かと怒ったが、石を見たロコンは、何を思ったのか石に自ら触れに行った。

 するとロコンが光り輝き、そして一回り以上大きくなり、そこには金色に近い黄色の毛並みが美しい狐の姿…、キュウコンへと姿を変えたロコンがいた。

 どうやらシエスタが言っていたキュウコンへの進化条件の石とは、あの火の形をした石だったらしい。

 突然のことにポッカーンとなった二人だが、やがてキュルケがウルウルと感動してキュウコンに近づこうとすると、キュウコンは尻尾の一本でペシッ!とキュルケの手を叩き、ルイズの方へ行った。

 その日から、キュルケは、キュウコンになったのは私のおかげなんだから私にも所有権あるわよね!?っと言い出す始末で、ルイズと毎日のように喧嘩になった。

 喧嘩の原因になっているキュウコンは、成長したことで余裕も出来たのか一々怯えなくなり、喧嘩している二人の横でのんびりあくびなどしているのだった。

 その後、キュウコンが主人のルイズを舐め腐っていることが露顕するまで、そう時間はかからない……。
 
 

 
後書き
ロコン時代にルーンを刻むなど、痛いことをされたので、本当はルイズにたいして良い感情を持っていなかったということにしました。
そのため、キュウコンになったことでロコンの時の臆病な気性が克服されて、露顕。
たぶん、アニポケのサトシのリザードンみたいになめられて、この後、ポニータ回並みに苦労するでしょうね。
もちろん、キュルケにたいしても良い感情はもってません。 

 

『ルイズが召喚したのが、コンパンだったら?』

 
前書き
今回は、コンパン(→モルフォン)。



コンパン、モルフォンは結構好きなんですよね。 

 

 その生き物に、コントラクトサーヴァントの儀式を行った直後、ルイズは、倒れた。毒で。

 ずんぐりもっふりした紫色の体に、虫の触角と短い手足。目は大きく、複眼になっている。どうやら虫の一種らしいと、コルベールは分析していた。

 しかもどうやら全身に毒を纏っていたらしく、それでルイズはやられて倒れたのだった。そういえば、唇がヒリヒリ腫れている。もしかした全身の毛は、毛虫のように毒針の塊だったのかもしれない。一見可愛い感じの見た目で、なんて恐ろしい……。

 そんなんだから、短い足でピョンピョンと跳ねるように移動してきて懐いてきてもルイズは、逃げた。ルイズに避けられると、その生き物はシュンッと落ち込む。その姿にルイズは、罪悪感を感じた。

 ある日、コンパンだ!っという驚いた声をあげたメイドがいた。

 シエスタとメイドで、知っていることを教えて欲しいと頼むと話してくれた。

 この生き物の名は、コンパン。

 タルブ村の近隣の森に住む、珍しい虫の一種なのだそうだ。

 目がとてもよく、小さな虫を食べて生活しているらしい。そして、成長すると、モルフォンという美しいが、強力な毒を持つチョウのような蛾になるそうだ。

 どうあっても毒なのか…っとルイズは、がっくりと項垂れた。

 そんなルイズに、シエスタが、曾祖父が飼っていたモルフォンやコンパンは、毒を与えないようにしてくれてたらしいからだいじょうぶだって励ましてくれた。

 そう言われて、ルイズは、コンパンを見る。コンパンは、ジーッと大きな目でこちらを見ている。

 しゃがんでから、……おいでっと声をかけると、見るからに喜んで飛びついてきた。すると、毛が硬いことが分かった。フワフワしてるのかと思ったが、細かくて硬い毛で覆われていることが分かった。毒は貰わなかった。

 毒にやられないと分かれば、自分を慕ってくれるのは、素直に嬉しい。ピョンピョン跳ねるように移動する仕草も可愛い。

 意外なのは、念力という技を使って、手を使わず物を浮かばせて動かせることだった。その力を使い、洗濯物を率先して運んで行く。なんて賢い子なんだと、ルイズは、ますますコンパンが好きになった。

 そんなある日、土くれのフーケによる事件が発生し、学院の本塔近くに現れた巨大な土のゴーレムを、コンパンが目からビームを放って破壊した。ところが、ビームは強力すぎて土のゴーレムを貫通して、本塔の壁を破壊してしまった。それにより本塔内の宝物庫の宝が盗まれ、責任を感じたルイズは、使い魔の責任は主人の責任だからと、宝を取り返すと言って杖を掲げた。

 キュルケとタバサも協力してくれ、オスマンの秘書のロングビルの案内で土くれのフーケが潜伏していると思われる山小屋に来た。

 山小屋の中には、確かに宝があった。すると、コンパンがそれを頭に被り、スイッチを押した。マジックアイテムが輝き、やがて光が消える。そして、外から地響きが来て、土くれのフーケの土のゴーレムが現れた。

 コンパンが振り下ろされる土のゴーレムの腕を念力で折り曲げて防ぐ。このとき、ルイズがもうゼロだと言われるのがイヤで無謀にも土のゴーレムに挑んでしまい、振り下ろされる足からコンパンがルイズを突き飛ばして踏まれる事態になった。

 ルイズが悲鳴を上げた。すると、凄まじい光が足の下にいたコンパンから放たれ、土のゴーレムの足が破壊されて、コンパンは脱出した。

 すると、コンパンの体が輝きだし、脱皮した。そして、チョウのような蛾へとなり、宙へ舞い上がった。

 再生した土のゴーレムに向かい、カッと全身を輝かせて、めざめるパワーという技マシンで覚えた技を放って、土のゴーレムを破壊した。

 ルイズ達がそれを見てぼう然としていると、ルイズが背後からロングビルに捕まった。ロングビルは、自らこそが土くれのフーケだと名乗り、山小屋に残してきた宝物庫から奪ってきたコンパンが使ったマジックアイテムである技マシンを持ってこいと脅迫してきた。

 宙を舞っていたモルフォンが、バサッと羽を羽ばたかせた。すると風に乗って薄い鱗粉がフーケの顔にかかる。途端、フーケは、喉を押さえ、痙攣して倒れた。

 あとで聞いたが、モルフォンの鱗粉は、薄いと麻痺、濃いと毒なのだそうだ。麻痺させられたフーケは、そのまま逮捕となった。

 なお、コンパンが使った技マシンなるマジックアイテムは、使い捨てだったことが判明し、使い物にならないことが分かって、使い方を知ろうとしていたフーケは色んな意味で損をしたのだった。



 
 

 
後書き
コンパンの初代の説明で、目からビームって書いてあったけど、後半のシリーズでは書いてないんですよね。なんでだろ?

ふさふさ、もふもふしてそうに見えて、本当は硬いのね…、コンパン。毛虫か?

モルフォン(コンパン)に、どうやってでっかい土のゴーレムを倒させるか考えて、技マシンでめざめるパワーを覚えさせました。もちろん、サイコキネシスや、サイケ光線でもよかったんですけどね。 

 

『ルイズが召喚したのが、ストライクだったら?』

 
前書き
今回は、ストライク。


進化はしません。


あと……、全然かっこ良くありません。すごく残念なストライクがいます。


注意!! 

 


 その使い魔は、とにかく危なかった。

 というのも、両手が鋭い大きな刃物のようになっていたからだ。

 背中には、虫のような羽を持つが、顔はトカゲのようなは虫類っぽく、目は鋭い。あとは腹部が虫っぽいぐらいでそれ以外の造形はかなりカッコいい。1.5メートルと大きさも十分だ。

 コントラクトサーヴァントの儀式をするときも、刃の腕を振り回してきて非常に危なかったが、タバサの協力もあってなんとかできた。

 しかし、ルーンの従属性で懐いてくれるのはいいが、刃の腕で抱きつこうとしてくるのはどうにかならないものか。危ない。非常に危ない。

 だが、そんなルイズの反応すら楽しいのか、その使い魔は、笑顔で嫌がるルイズに迫る。ルイズは、逃げる。その繰り返しだった。

 すると、ストライク!っという驚いた声が聞こえた。

 見ると、そこには一人のメイド。

 シエスタというこのメイドに話を聞くと、この生き物の名は、ストライクというらしい。

 タルブの近隣の森にたまに見られる珍しいカマキリの一種だと言った。

 体が大きいせいかあまり羽を使わないそうで、移動するときは邪魔な草木をその腕の刃で切っているそうだ。また、両手の刃は大振りながら器用で、獲物を捌いて食べるそうだ。ルイズは、それを聞いて、まさか自分を食べようと!?っとストライクを見ると、ストライクは察したのかブンブンと首を横に振った。こちらの心情を理解しているので、意外と頭も良いらしい。

 話を聞いたところで問題は解決せず、変わらずストライクは、嫌がるルイズに抱きつこうとしてくる。刃が怖いのでルイズは逃げる。その繰り返しだ。

 男子生徒達は、ストライクの見た目がカッコいいから、羨ましがっていた。

 意地悪をしてくる男子生徒が自分に譲れと言ってくると、ストライクが見えぬ速度で腕の刃を振るって、相手の服だけを見るも無惨に切り裂く。肌身は一切傷つけない。

 目の前にいた男子生徒をいきなり全裸にされて、ルイズがキャー!っと悲鳴を上げるのも楽しいのか、ストライクは笑う。

 見た目カッコいいのに、中身は残念。ルイズのストライクにたいして、そんなレッテルが貼られるのに時間はかからなかった。

 幸いなのは、ルイズ以外の女子には危害を加えないことだけだろうか。

 この変態カマキリ!っと罵っても、ストライクは、ケラケラ笑うだけだった。そしてあるとき、とうとう、うっ…と泣きだすルイズ。さすがのストライクもやり過ぎたっと思ったのか慌てる。しかし、ルイズに触ろうにも自分の手が刃だと気づいて、ますますオロオロとした。

 そして、通りがかったキュルケがルイズを慰め、ストライクに説教した。それ以降、ストライクは、ルイズに抱きつこうとはしなかった。

 なぜだか、ルイズは、それが寂しく感じた。

 ストライクは、ウズウズ、チラチラとルイズを見ていたりするが、グッと我慢してるようだった。

 なんだか、ムッとしたルイズは、ストライクに、両腕を万歳させろっと命令した。

 ハテナっと思いつつ両腕を上げたストライクの胴体に、ルイズが抱きついた。

 ビックリしている、ストライク。

 ルイズは、これならだいじょうぶでしょ?っと頬を染めて呟いたのだった。

 外殻が硬いし、冷たいし、ちっとも抱き心地はよくなかったが、なぜかそれでも十分だと思ったルイズだった。

 それ以降、ストライクは、ルイズがストライクを見るたびに両腕を上げるようになった。笑い顔で。声に出さずとも、抱きついて~っと言ってるみたいで、それはそれで、ムカついた。


 
 

 
後書き
なぜ、こうなった? 自分でも分からないが、たぶん、残念な性格のポケモンがいてもいいんじゃないかという発想ですね、たぶん……。

残念なイケメンって、誰が言った言葉なんでしょうね? 

 

『ルイズが召喚したのが、ニョロモだったら?』

 
前書き
今回は、ニョロモ(→ニョロゾ→ニョロボン)。




どう考えてもルイズに避けられる光景しか思い浮かばず……。
ルイズだけがバットエンドな感じなりました。


注意!! 

 

 ルイズは、青ざめた。

 目の前に現れた、その生き物を見て、ダクッと汗をかいた。

 嫌いだから分かる。というか嫌いだからこそその生態を知ったのだ。避けるために。

 ツルッとした表面の丸みのある身体は、首はなく、けれど小さな足があり、腹の部分には渦巻き模様、そしてヒレのような尻尾がある。

 何の生き物か例えるなら……、オタマジャクシ。カエルの幼体。の、デカいやつだ。

 ルイズは、言われずとも聞かずとも悟った。これは、自分が大っ嫌いなカエルの幼体だと。

 足が自然と震えるルイズに、気づいてないコルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促した。

 ビクッとなったルイズは、速攻でイヤです!と叫んだ。

 しかしこの儀式を成功させないと留年だぞと言われ、ルイズの中で天秤が浮かんだ。

 進級を取るか、大っ嫌いなカエルの幼体(?)を使い魔にするか。

 チラリッと、でっかいオタマジャクシ(?)を見ると、その場で動かず、ジーッと可愛い目でルイズを見つめていた。

 ルイズの脳内で、凄まじ勢いで走馬灯のように様々なことが駆け巡る。

 そしてルイズは……、進級を選んだのだった。

 その後、ルイズは、死んだように部屋のベットに倒れ込み、水棲使い魔を飼育するための池に、でっかいオタマジャクシ(?)を置いておいてそのまま寝たのだった。

 それからというもの、ルイズは、一向に使い魔に会いに行かず、教師からも指摘されても黙っていた。

 あんまりにも放っておいているので、見かねたシュヴルーズが使い魔の飼育もメイジの務めですと怒り、水棲使い魔を飼育するための池に行かせた。

 渋々池に来たルイズが見たのは、あの大きなオタマジャクシ(?)みたいな使い魔に餌を与えている一人のメイドだった。

 ルイズの存在に気づくと、メイドは慌てて頭を下げてきた。

 話を聞くと、死にかけていたので勝手に世話をしていたのだそうだ。

 世話を出来るということは、知っているということだ。このオタマジャクシ(?)みたいな生き物のことを。

 この生き物の名は、ニョロモ。

 タルブ近隣の森の中の水辺でたまに見られる珍しい水棲生物だという。

 二段階成長する特性があり、ニョロゾ、ニョロボンと形態が変わるそうだ。

 やはり、カエルなのかと聞くと、はい、二本足で歩くカエルですよっと、答えられてしまい、ルイズは、フゥっと意識を飛ばした。

 それからルイズは、ニョロモの世話をメイドのシエスタに任せっきりにした。

 そんなある日、シエスタがギーシュに難癖付けられていた。

 そんな彼女の仲裁に入ろうとすると、紺色の見覚えがある色が飛び出し来てシエスタの前に勇敢に立った。

 それは、ニョロゾへと進化したルイズのニョロモだった。カエルと言っても、ルイズが知っているカエルとはほど遠いフォルムだった。

 そして決闘沙汰になると、新たに生えた両腕でギーシュのワルキューレを倒し、ギーシュを降参させた。

 ニョロゾは、様子を見ていたルイズではなく、祈るように手を組んでいたシエスタの方へ駆け寄って行った。シエスタは、わんわん泣き、ニョロゾが慰めていた。

 ルイズは、それが不満だったが、後ろからキュルケにポンッと頭を叩かれ。

 あんたが、ちゃんと接しないからよ。っと言われ、がっくりしたのだった。

 この一件で、学院の平民達から称えられたニョロゾに、コック長のマルトーが、これが似合いそうだなっと言って、水滴の形をした石をニョロゾにプレゼントした。

 その瞬間、ニョロゾが光り輝き、ニョロボンへと進化を遂げた。

 確かに言われればカエルだが、二本足で仁王立ちし、たくましい腕を持つ姿は、ルイズが嫌悪していたカエルとは違う。

 なので、ルイズは、ニョロボンに接近したが、ニョロボンがそれに気づくと、シエスタの方へ行ってしまった。それに怒ってムチを出すと、ペシンッ!と手でたたき落とされた。

 キーキー怒るルイズに、キュルケがやってきて襟首を掴んで引っ張って行き、あんたの自業自得よっと説教したのだった。

 使い魔に見放されたメイジ。っというレッテルを張られ、せっかく進級できたのに、ルイズは、肩身が狭い思いを味わうこととなったのだった。


 
 

 
後書き
原作読んで、あれだけカエル嫌いだと、きっとカエルの生態も知ってると思ったので、ニョロモの段階でカエルの幼体だと見抜く。
結果、餌やりもしなかったため死にかけ、シエスタに世話を任せっきりにしてしまったため、ニョロモ(ニョロゾ→ニョロボン)からは、完全に見放されたっという流れにしてしまいました。

シエスタを通して命じれば、多少は言うことを聞くとは思うけど、ルイズへの忠誠心はゼロです。

ニョロボン強いから、そう簡単には死なないので、次の使い魔も当分の間呼べず、ルイズだけがバットエンドです。 

 

『ルイズが召喚したのが、ズバットだったら?』

 
前書き
今回は、ズバット(→ゴルバット)。


残念ながらクロバットには進化させませんでした。 

 

 最初は、何も召喚できないのかと思ってガッカリした。だがよく見たら爆発で空いた穴の中心に、紺色の何かがペチャリとうつ伏せになっているのが見えた。

 耳と、細い二本の足らしき棒の部分を含めると、大きさは、80センチぐらいだろうか。結構大きい。

 翼の膜からして、コウモリだと分かった。

 オーソドックスなのが喚べたかなっと思って、生きていることを確認してからルイズは、コントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 くた~っとしていて動かない、目のないコウモリ(?)にキスをした瞬間、ガブリッ。

 上下に生えた犬歯が思いっきりルイズの顔に食い込む。

 ルイズは、遅れて悲鳴を上げ引き剥がそうとすると、コウモリ(?)は、ルーンが刻まれる痛みから自ら離れた。

 コルベールが駆け寄り、水の魔法が使える生徒に呼びかけた。ルイズは、顔から四箇所、血をダラ~と垂らしていた。

 見たこともない種類のコウモリで、目が無いことから、やはり夜行性のようだった。

 ルイズは、困った。というのも、餌がなんなのか分からなかったからだ。

 他の生徒にもコウモリを召喚した者はいたが、そのコウモリはフルーツを食べるタイプだった。なので試しにフルーツをあげてみたが、食べなかった。

 まさか、血を…?っという想像ができた。

 机の上でぐったりしているので、なんとかしなければと思い、抱き上げて生物に詳しい先生に教えを請いに行った時だった。

 ズバットだ!っという驚いた声が聞こえた。そこには、メイドが一人。こちらを見てびっくりした顔をしていた。

 シエスタというメイドが知っていた。

 このコウモリの名は、ズバット。

 タルブの近隣の森に夜のなると現れる、吸血性のコウモリなのだそうだ。

 やはり血か!っと青ざめ、自分の血を与えないといけないのかと思ったら、それを察したシエスタが、食堂に走り、血が滴る新鮮な生の牛の肉を持ってきた。

 それをぐったりしているズバットに近づけると、ピクッと反応したズバットが、大口を開けて肉にかぶり付いてチューチューと血をすすった。

 タルブ村の家畜がよくやられるんですよね~っと、そんな話をするシエスタ。

 あっという間に牛肉は、カラカラになり、ズバットは少し元気になったようだった。

 ホッとしたルイズがありがとうと言うと、シエスタは、萎縮しながら、成長するともっと大変ですよ?っと言った。

 どういうこと?っと聞くと、ズバットは、成長するとゴルバットというより2倍近いほど大きな形態になるそうだが、その形態はより多くの血を吸うと言われているそうだ。そのせいか、ズバットが生息するタルブ村の近隣の森では、希に盗賊と思われる人間がカラカラのミイラになっている死体が見つかることがあるらしい。

 ルイズは、思案した。なんとかして血を手に入れられないかと。

 そこで畜産農家から、捌いた家畜の新鮮な血だけを持ってこれないかと依頼した。訝しまれたが、依頼は通り、皮袋に新鮮な血が詰まった状態ですぐに送られてきた。

 ズバットに見せると、一生懸命血をすすった。

 やっと元気になったズバットは、パタパタと翼を広げて飛び回る。ルイズは、元気なってくれてよかったと、ホッとした。

 そんなある日、食堂での一件でギーシュと決闘となってしまった。

 アウェイな状況の中、ルイズは、必死に爆発魔法を使うが、狙いが定まらず、ギーシュのワルキューレにボロボロにされた。

 降参だと言いかけた時、ズバットが飛んできてワルキューレの首をその翼で切断した。

 しかし、それが限界だったのか夜行性のズバットは、フラフラと宙を舞う。

 ギーシュがそれを見て笑い、新たにワルキューレを錬成してフラフラしているズバットの足を掴んだ。

 その時だった。ズバットが光が輝き、巨大化した。

 それは、まさに顔に翼が生えた姿。巨大な口ばかりが目立ち、そこに生えた大きな翼と、小さな足、目つきが悪い目と、小さな耳がある。

 ズバットからゴルバットへと変化を遂げたのだ。ゴルバットは、巨大な翼で自分を掴んでいるワルキューレの首を弾き飛ばし、破壊した。

 そして、ギロッとギーシュを睨む。ビクッとなったギーシュが慌ててワルキューレを新たに錬成しようとすると、ゴルバットがその巨体からは想像もできない速度で接近し、ガブリ。ギーシュに噛みついた。

 血を吸っちゃダメ!っと慌てつつ言えたルイズは、偉い。

 すぐ口を離したものの、あっという間に青ざめて倒れるギーシュは、すぐに搬送され、解毒された。

 血を吸う量は増えたものの、あまり吸い過ぎると飛べなくなるらしく、それに一回吸えば数日は平気っぽかった。なので思ったよりも出費はかさまなかった。

 ある日、ゴルバットが窓を突き破ってどこかへ飛んで行ってしまった。数日戻らず、やがて夜に帰ってきて卵を抱えていた。

 どうやらこのゴルバット(ズバット)。メスだったらしい。繁殖期のため、タルブまで行って卵をもうけてきたらしい。

 生まれてきたズバットには、ゴルバットと同じルーンが刻まれていた。やがてゴルバットは、タルブで見つけてきた番まで連れてきて、卵を産みまくってズバットの群れが学院に生息することになったのだった。

 そして学院に窃盗に来た、土くれのフーケが、噛み跡だらけで、貧血でぶっ倒れているのが見つかるのであった。

 
 

 
後書き
一応初代縛りでやってるから、追加進化をさせるかどうか、悩みました。
で、結局ゴルバット止まりにしました。

ギーシュが倒れたのは、どくどく噛みつきで毒を喰らったからです。

ところでズバットの食性って、吸血性? フルーツバットっていうフルーツを食べるタイプのコウモリだったらどうしよう……。

牛肉から血を吸うのは、とあるBL小説で見かけた設定です。 

 

『ルイズが召喚したのが、アーボだったら?』

 
前書き
今回は、アーボ(→アーボック)。



怪我表現と、ワルド死亡表現有り。


注意。 

 

 ヘビ。

 一言で言えば、それだけだ。

 紫色の体に、尻尾の先端が黄色っぽく、数珠が繋がっているような感じの形になっている。目も黄色っぽく、縦筋のような瞳部分がある。

 大きさは、2メートルとかなり大きく、ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式のために近寄ると瞬時に反応して巻き付いてきて締め上げられた。コルベールの助けもあり、なんとかコントラクトサーヴァントの儀式を終えた。しかし、肋骨が折れた。

 肋骨折られた痛みに耐えながら、ルイズは、怒りから、ルーンを刻まれる痛みにのたうつヘビを睨み持っていたムチを振り上げたが……。

 ガブリ。

 今度は、噛まれた。そして駆け巡る毒。ルイズは、ついに倒れた。

 次に目を覚ましたら、保健室だった。

 コルベールがだいじょうぶかね?っと聞いてきたので、毒の後遺症で熱に浮かされているルイズは、力無く返事をした。

 ふと見ると、ベットの端に、あのヘビが頭を乗せてこちらを見ていた。

 コルベールがおめでとうと言い、コントラクトサーヴァントの儀式が無事終わったことを告げた。

 ルイズが歩けば、後ろをニョロニョロとついてくる。ルーンの従属性は、十分に働いているようだ。

 肋骨を折られたのと、毒を貰った恨みから、ルイズは、ヘビに今日はご飯抜き!っと命じた。

 ルイズが授業に出たとき、悲鳴が聞こえた。キュルケだった。

 見ると、あのヘビがキュルケの使いまであるサラマンダーを頭から体の半分くらいまで飲み込んでいた。

 授業は中断。大慌てで吐き出すよう命じて、吐き出された胃液まみれのサラマンダーがピクピクと痙攣していた。ルイズ達は知らないことだが、虎サイズのサラマンダーが抵抗できず食われかけたのは、ヘビ睨みという麻痺の技によるものだった。

 餌はちゃんとあげてよね!っとキュルケや、授業の先生にも怒られ、ルイズは、ひとまず肉食の使い魔用の餌である生き餌のネズミをあげた。そのおかげで、他の使い魔を襲うことはなくなった。とんだ迷惑使い魔だわ…っと、ルイズは頭を抱えた。

 そんな時、アーボ!っという驚いた声が聞こえたので見ると、一人のメイドがルイズの使い魔を見て洗濯籠を落としていた。

 捕まえて聞くと、シエスタというメイドの故郷の近隣の森の草むらなどに生息する、毒蛇だそうだ。

 成長する特性があり、アーボックという倍以上の大きなヘビになるそうだ。

 アーボも噛んでくるから危険だが、アーボックはそれ以上に危険だという。

 理由を聞くと、非常に執念深くて、一度狙った獲物をどこまでも追って来ると言われているそうだ。曾祖父時代に遡るが、それくらい昔に、タルブ村に来た遠い国から来たとある貴族がうっかりアーボックの尻尾を踏んでしまい、遠い国に帰ってからも追われ続け、最後に食べられたという話があるそうだ。

 いやいや、それはさすがに言い過ぎだとルイズが冗談だと思って笑った。

 その後、ギーシュとの決闘、土くれのフーケの盗難事件を経て、アーボは、アーボックへと進化した。

 そして、アルビオンで共に密命を受けて護衛として来ていたワルドが実は裏切り者であり、ウェールズを殺し、従わなかったルイズをも殺そうとした。

 アーボックのヘビ睨みからの、噛みつきを受けて毒を受け、ワルドは命からがら逃げていったが、アーボックは倒れているルイズを残してワルドを追っていってしまった。

 タルブ村での上陸戦で再び相まみえることになったワルドは、風竜に乗っていたが、別の風竜から飛び降りてきたアーボックがワルドの後ろに飛び乗りワルドの首に噛みつき、今度こそ息の根を止めたのだった。

 その執念深さは、タルブ村だけにとどまらず、トリステイン中に広まり、アーボックに睨まれたら絶対逃げられないという教訓が語り継がれることになる。

 
 

 
後書き
アーボックの執念深いという説明文を前面に出してみた。

野生の大型の大蛇は、木の上から飛び降りてくるらしいので、アーボックは、風竜から飛び降りてきたという表現にしてみた。
もっと、追い回してもよかったかな? でも、これ以上広げられなかったんです。 

 

『ルイズが召喚したのが、ドガースだったら?』

 
前書き
今回は、ドガース(→マタドガス)。



ソウルシルバーの説明文に、マタドガスのガスが最高級の香水になるとあったので、そんな話。 

 

 ドガ~ス。っと、その物体は、間抜けな声で鳴いた。

 宙に浮いており、体中のイボのような穴から時折、色の付いたガスを吐き出している。手足はなく、体は紫色の球体で、間抜けっぽい顔があり、腹部と思われる部位には、バッテンの白模様の上にドクロっぽい形の白い模様がある。

 もう…、いかにも毒ありますよって、主張しているみたいだ。

 不意に、強い春風。風下には、すでに使い魔を召喚し終えた生徒達。宙に浮いている物体(?)が放出しているガスが思いっきりそっちへ流れた。

 途端、生徒達と使い魔達が咳き込み、涙が止まらなくなり騒ぎになった。

 コルベールが慌てつつ、ルイズに急いでコントラクトサーヴァントの儀式をするよう言った。

 ドガ~スっと声を漏らしているソレは、フヨフヨと浮いている。

 ルイズは、急いでその物体(?)に近寄り、コントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 あとはキスだけっとなった時、その物体(?)がブシュウ!とガスを大量に吐いた。ルイズも涙と咳が止まらなくなったが構わず、捕まえ、間抜けに空いている口に無理矢理口づけた。途端に、体中を駆け巡る毒。ルイズは、その場で倒れた。

 次に目を覚ましたら、そこは保健室だった。

 ポワ~ンと色の付いたガスが漂ってきてギョッとして起き上がると、ベットの横にあの浮遊物(?)が浮いていた。ルーンが刻まれており、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式が成功したことを伝えてきた。

 コルベールの調べだと、もうどう調べても毒を持つ生物(?)の一種だと分かり、体内にガスをため込んでいるため風船のように浮遊していると言った。

 ルーンを刻んでからガスの効果を変えたらしく、吸い込んでも咳き込んだり涙が止まらなくなったりはしなくなったそうだ。おそらく自分の意思でガスの性質を変えられるとコルベールは、熱弁した。ルイズは、そんなコルベールに若干引いた。

 その時、ドガースだ!っという驚いた声が聞こえた。見ると一人のメイドが保健室の出入り口で驚いた顔をしていた。

 逃げようとするので捕まえて話を聞くと、この生き物の名は、ドガース。

 タルブの近隣の森の中にひっそりとある廃墟内でたまに現れる毒性の強い謎の生物らしい。

 また、成長するとマタドガスという形態になるそうだが、こちらの方は、体内のガスをギリギリまで薄めると、超高級品の香水になるとか。

 その香水名を聞いて、ルイズはびっくりした。公爵家クラスや王家でも中々手に入らない希少な香水だったからだ。身体にも良いとかで、手には入ったら身体が弱い姉のカトレアに与えられることがあったはずだ。まさか、元を辿れば毒ガスだったとは……。

 なぜその原材料を知っているのかと思い至り、まさか…っと聞くと、シエスタは、恐縮し、タルブ村にいる自分の家族、とりわけ亡くなった曾祖父がかつてマタドガスを飼っていたそうで、その影響か曾祖父から受け継いだ黒髪を持つシエスタの親族のところにたまにマタドガスがやってくるので、その時だけガスを調達できるそうだ。ただし、ガスの濃度の調整が難しすぎるため、香水にまでできるのは僅かになってしまうそうだ。毒ガスから香水になっているかどうかは、身体を張って嗅いでみてるそうだ。

 その香水にそんな怖い一面があったなんて…っと、ルイズは、香水を与えられているカトレアを心配した。

 コルベールが、良薬は口に苦しっと呟いた。いや、毒ですよっとルイズはツッコんだ。

 ルイズがドガースを使い魔にしたのはいいが、連れて歩いてるとメッチャ周りから避けられた。というのも、春の使い魔召喚の儀式の時の、ガス事件だ。あの時酷い目に遭わされたのだから、避けるのも仕方ない。だが、今は害が無いと分かるとそれはなくなった。

 間抜けな顔と鳴き声をだすが、見かけによらず賢かったドガースは、ある日、香水の瓶を拾った。口にくわえて持ち主を探してフヨフヨしていると、ギーシュがドロボー!っと難癖付けてきたため、決闘沙汰に。しかし、毒ガスで一撃でノックアウトされていた。その後、倒れているギーシュにドガースはすぐに香水の瓶を返し、誤解だったことが分かってギーシュから謝られていた。

 土くれのフーケの事件では、土くれのフーケのみに効くよう調整したガスでロングビルとして潜入していたフーケをノックアウトさせる武勇を見せた。

 それらの経験を積んだおかげか、ドガースは、マタドガスに進化した。

 ルイズは、公爵家お抱えの香水師にマタドガスのガスから香水を作って貰おうとしたが、まずガスの段階でノックアウトしてしまうため何人もぶっ倒れた。

 どこから聞きつけたのか、モンモランシーがぜひ私にやらせて!っと言ってきた。

 水の魔法で身体に入る毒を中和しつつ、香水の二つ名を持つモンモランシーは、苦労の末にマタドガスのガスから香水を作り上げた。

 貧乏貴族であるモンモランシーは、どうかマタドガスの香水の生産権利を自分に譲ってくれないかとシエスタに土下座。困惑するシエスタは、親族に聞かないと…っと言った。

 ルイズは、それについて待ったをかけた。そもそもマタドガスは自分の使い魔なんだからっと。それを聞いてモンモランシーは、根本的な問題だったと、ガクーンと項垂れた。

 その後、様々な交渉の末に、マタドガスのガスの共有と売り上げの何割かをマタドガスの主人であるルイズに収めることなどが決まり、マタドガスの香水自体もモンモランシーのオリジナル性を加えてタルブ村から発送される物とは別物として売り出されることになったのだった。

 一方で、問題のマタドガスは、マ~タドガ~スっと、今日ものんびりと浮いていた。
 
 

 
後書き
モンモランシーは、香水の二つ名を持つだけに香水には絶対的な自信と意欲があるでしょうから、幻の一逸品の香水の原材料と生産元を聞いたら、そりゃ挑戦するかな?

なお、シエスタの親族は、マタドガスの香水を作るために身体張ってるので、毒に対する耐性が非常に強いです。

マタドガス的には、自分のガスが利用されてても別に気にしないし、興味も無い。 

 

『ルイズが召喚したのが、ガルーラだったら?』  悲しい版

 
前書き
今回は、ガルーラ。


パターンひとつ目。

悲しいと言うよりは、胸くそ悪い感じかも……。



注意!! 

 

 その生き物は、腹の袋の中に、自身の子供を入れていた。

 2メートル以上と大きく、コントラクトサーヴァントの儀式でキスをするのが大変だった。

 子供を育てているだけに、恐ろしく力強く、大型使い魔を飼育するための舎の出入り口を破壊して、学院の隣にある森に勝手に行くこともあった。

 ガルーラだぁ!っと驚いたメイドがおり、知っているのかと聞いた。

 シエスタというメイドが言うには、この生き物名はガルーラといい、子供をお腹の袋で育てる生き物だそうだ。

 子供守るためならどれほど傷ついても戦いを辞めないと言われており、子供にさえ危害を加えなければそれほど凶暴ではないそうだ。

 森に行くのは、きっと子供を遊ばせるためだろうと言っていた。

 いくら躾けても舎を破壊するため、ガルーラ用に森の近くに小屋が作られるに至った。

 数日後だろうか。ルイズを警戒して子供に一切触らせなかったガルーラが、ルイズに子供を触らせた。ルイズは、それが素直に嬉しかった。

 しかし……、悲劇は、突然起こる。

 ルイズは、無事に進級できて油断していた。失念していた。自身がこの学び舎でどういう立場に置かれているのかを。

 ある日の夜、寝ていたルイズの部屋の戸が激しく叩かれた。

 渋々起きて開けると、教師が大変だ!っと焦って、ルイズの手を掴んで引っ張っていった。

 外に出るまでの間に聞こえていた。悲しく、大声で鳴く、ガルーラの…叫び声が。

 ルイズが駆けつけた時、夜風に乗って血なまぐさい匂いがし、教師達に包囲されている状態で暴れ話回る傷だらけのガルーラ。


 しかし……、その腹のポケットは無残にも引き裂かれたようなっていて、……子供はいなかった。


 何があったの?っと、震えながら聞くと、コルベールが首を振り、それから語り出した。

 ルイズをよく思わない学院の生徒が、ガルーラの小屋に来て、ガルーラの子を殺したのだ。犯人達は、一人を残して怒り狂ったガルーラに叩き潰され、死亡したという。

 唯一生き残った共謀者の生徒が教員に取り押さえられて、喚いていた。

 やれ、ゼロの使い魔殺したぐらいでこんな目にあわなきゃいけないんだとか。そんなことを喚いていた。

 それを聞き、そしてガルーラの泣き叫ぶような鳴き声を耳にしながら、ルイズは、その場で意識を失った。

 ……夢を見た。ヨチヨチ歩きでルイズに向かって歩いてくる、ガルーラの子供。ガルーラは、それを微笑ましそうに見つめている、そして自分はヨチヨチ歩いてきたガルーラの子を抱き上げた。そんな…幸せなだった夢。

 ルイズが目を覚ますと、傍にシエスタがいた。

 お悔やみ申し上げます…っと泣き顔で言われた。それでハッとしたルイズは、ガルーラは!?っと聞くと、シエスタは首を横に振った。

 着替えもせずガルーラの小屋に行くと、小屋はすでに取り壊されていた。

 それが意味することを理解したルイズは、力無くペタリとその場に崩れ落ちて泣いた。ゼロでゴメンナサイ…っと何度も何度も懺悔した。

 そして泣きはらした後、フラフラ状態で部屋に戻った。その後教師に呼び出され、使い魔の再召喚を言い渡された。

 ルイズは、死人のように力無く再召喚を行った。

 そして召喚されたのは……、全身傷だらけ、火傷だらけの自分のガルーラだった。ルーンは消えている。だが自分のガルーラだと分かった。

 ギョッとするコルベールを置いて、ルイズは泣きながらガルーラに駆け寄った。

 しかし、ガルーラに抱きついたとき気づかなかった。自分に向かって振り下ろされようとしている拳も、怒りと喪失によって正気という光を失ったガルーラの目にも……。

 
 

 
後書き
原作でのルイズの扱いと、貴族でないとはいえサイトへの仕打ちを考えると……、こんな展開もあり得るかも…と。

ガルーラが複数のメイジにやられたのは、見知らぬ土地で肉体的にも精神的にも疲れが溜まっていたからです。
また複数のメイジに攻撃手段の手を封じられたら、さすがにね……。 

 

『ルイズが召喚したのが、ガルーラだったら?』  ほのぼの版

 
前書き
ガルーラ回、その2。


悲しい(胸くそ悪い)方の、対になる話。 

 

 その生き物は、腹の袋の中に、自身の子供を入れていた。

 2メートル以上と大きく、コントラクトサーヴァントの儀式でキスをするのが大変だった。

 子供を育てているだけに、恐ろしく力強く、大型使い魔を飼育するための舎の出入り口を破壊して、学院の隣にある森に勝手に行くこともあった。

 ガルーラだぁ!っと驚いたメイドがおり、知っているのかと聞いた。

 シエスタというメイドが言うには、この生き物名はガルーラといい、子供をお腹の袋で育てる生き物だそうだ。

 子供守るためならどれほど傷ついても戦いを辞めないと言われており、子供にさえ危害を加えなければそれほど凶暴ではないそうだ。

 森に行くのは、きっと子供を遊ばせるためだろうと言っていた。

 いくら躾けても舎を破壊するため、ガルーラ用に森の近くに小屋が作られるに至った。

 数日後だろうか。ルイズを警戒して子供に一切触らせなかったガルーラが、ルイズに子供を触らせた。ルイズは、それが素直に嬉しかった。

 その日の夜、……夢を見た。

 ガルーラの子供が、ルイズのことをよく思わない生徒達に殺される夢。そして子供を失ったガルーラが暴走し、教員達に倒される夢……。

 飛び起きたルイズは、ネグリジェのまま、ガルーラのいる小屋に走っていた。

 朝靄の中、小屋はそこにあり、中を見ると、立ったまま寝ているガルーラがいた。

 子供は!? 子供は無事!?っと慌てて小屋に入って、ガルーラの袋の中を覗くと、ヒョコリッと子供が顔を出し、フワ~っと小さなあくびをした。

 ハッと目を覚ましたガルーラが、思わずルイズを殴りかけるが、ルイズだと理解すると、どうした?っと言わんばかりに首を傾げていた。

 ガルーラの腹、つまりポケット部分を子供ごと抱きしめて、ルイズは、悲しい夢を見たと話した。人語は喋れないが、理解は出来るガルーラは、ああ、そういうことかっと理解して、泣いているルイズの頭を撫でた。ガルーラのその優しい手に、ルイズは、ますますわんわん泣いた。

 すぐに接近してきた相手に対応しなかったのは、見知らぬ土地にいきなり召喚されたことで、ガルーラが肉体的にも精神的にも疲れており、それで眠気に勝てなかったためだった。その後慣れてからは、それもなくなった。

 あの夢を見てからというもの、しばらくルイズが番人のようにガルーラの小屋に入り浸ったことがあり、授業に出ろ!っと怒られたりもした。

 その3年後……、成長したガルーラの子の巣立ちの時となり、ヴァリエール領の森にガルーラが住み着くことになったのだった。

 森に放し飼いにされているルイズのガルーラは、再び子供を身籠もり、お腹に子供を入れると、仲間と共にルイズに子供を見せに来るのであった。

 それは、ルイズが亡くなるときまで続いたと言われる。

 
 

 
後書き
こっちは、悲劇が起こらなかった方。パラレルワールド?

ガルーラは、アニポケじゃ野生児の人間の子を育ててたりしてますから、気を許せば母性が強くて優しいんじゃないかな?

ガルーラのオスっているのか、いないのか……。メタモン説もあるからどうなんだろ? 

 

『ルイズが召喚したのが、ヤドンだったら?』

 
前書き
今回は、ヤドン。


進化はしません。シェルダーとセットじゃないとヤドランが成立しないので、1ネタにつき、1種類と決めているので進化は無しにしました。



ヤドンの尻尾が美味しいらしいというので、手元にあるグルメ系小説などを見ながら、想像で飯テロっぽく味を書いてみた。 

 

 その生き物は、とっても…鈍感でとろくさかった。

 ヤ~ンだの、ぷみ…だの、独特な間の抜けた鳴き声を出すが、顔は声と同じぐらい間抜け、身体の色はピンク。四本足で、太めの尻尾があること。それだけだ。

 猫の囲炉裏座りのように、藁の上に座り込んでおり、時折尻尾をゆっくりと振るぐらいで、あまり動かない。うっかりルイズが尻尾を踏んでも、まったく動じない。

 もしかして、ハズレを引いた?っとルイズは嫌な顔をした。

 しかし召喚したものは仕方ない。進級試験を突破するので必死で、後先のことはまったく考えてなかったルイズであった。

 だが、不思議な奴ではあった。

 例えば、授業の遅れそうなった時、あまりに足が遅いのでそのまま置いて走ったことがあるが、教室に行くと、なぜか先回りしていたり、躾のために餌を高い位置に置いておいたのに、ちょっと目を離すと、床に餌置きがあり、ムシャムシャと食べてたりした。

 食い意地だけは無駄にあるらしく、餌が足りないと、足りない…っと言わんばかりにジッと見つめてくる。そのせいか、大きさの割に重い。(36キロ)

 ある日、ヤドンだぁ!っと驚きつつも喜んだ顔をしたメイドがいた。

 知っているのかと聞くと、シエスタというメイドは、ド直球に……、尻尾が美味しいんですよ!!っと言ったのだった。

 えっ? 食用? っというルイズの疑問に、食べれるのは尻尾だけですよっとシエスタは慌てて言った。

 聞くところによると、この生き物の名は、ヤドン。彼女の故郷の水辺でのんびりしている姿が見られる珍しい生き物で、タルブ近隣にしか住んでいないらしいが、その尻尾は千切れやすく、けれど、煮込めば良い出汁が出て身の味も良く珍味として味わられるらしい。

 なお、千切れやすい尻尾は、トカゲの尻尾のようにすぐに生えるそうだ。

 ヤドンの尻尾の味を思い出したのか、シエスタは、タ~ラタラと涎を垂らした。

 そ、そんなに欲しいなら…、あげなくはないわよ?っと恐る恐る言うと、本当ですか!?っと詰め寄られた。

 そしてシエスタは、許可が下りるなり、ヤドンの尻尾を掴んでちょいと引っ張り、根元から千切った。

 出血は無く、尻尾を奪われたというのにヤドンはボ~っとしていた。

 痛くないの?っとルイズが聞いても、ヤドンは、ブミっ?と間抜け顔で返事をしただけだった。シエスタが、ヤドンは尻尾を千切られても痛くないらしいですよ!っと、先ほど千切った尻尾を抱きしめるように抱えて説明してくれた。

 ぜひ、ご馳走しますよ!っと、シエスタがキラキラした目で、ヤドンの尻尾を持って言うので、ルイズの中で葛藤が生まれた。興味本位から味が気になるのと、食べたらいけない気がするという気持ちとで。が……興味が勝った。

 そしてメイド達の宿舎で調理。

 グツグツ煮込まれ、出た出汁はスープ。煮込まれた尻尾本体は甘っ辛く味付け(シエスタの故郷の味)され、輪切りになって皿に盛られた。

 恐る恐る、黄金色のコンソメにも負けない素晴らしい色のスープをスプーンですくって、口に運んだ。

 後入れで入れられた調味料は塩のみだが、出汁は濃く、不思議な甘みがあり、いくらでも飲みたいという衝動に駆られそうになる。

 そして甘っ辛く味付けされ、黒っぽく色づいた輪切りの尻尾は、根元部分は、ナイフとフォークを刺すとホロリと崩れるように切れて、口に入れるとしつこくなく、だが、上質な脂質やゼラチン質のような感触で調味料では無い素材そのものの甘みとコクが口の中でとろけた。尻尾の先端に行くほど歯ごたえが増し、尻尾の先端はコリコリと歯ごたえが強かった。噛めば噛むほど味が出る。

 ルイズは、こんな美味を久しぶりに味わったと、恍惚とした。

 ふと見ると、ヤドンの尻尾はすでに元通りの長さになっていた。

 シエスタが、もっと食べますか!?っと、ヤドンの尻尾を掴もうしたので、ハッと我に返ったルイズが、もうダメ!っと止めた。

 残念がるシエスタに、欲しかったら…言いなさい…っと言い、今日は、お引き取り願った。

 まさかの食用(尻尾のみ)と分かって、ルイズは、ヤドンのことをどう思えば良いのか分からず困った。

 しかし、後日、土くれのフーケによる盗難事件で、巨大な土のゴーレム相手に、サイコキネシスという技を使い、さらに鈍い動きをテレポートでカバーして土くれのフーケを倒し、食用になる以外に、とんでもない力を秘めていたことが分かるのであった。




 
 

 
後書き
シエスタの調理方法は、スープ以外は、イメージとしたら、チャーシューや、角煮ですね。身の味付けは。
煮込むと美味しいとあったので、煮る調理にしてみた。
水棲の哺乳類とかは、脂肪分を多く蓄えてたりするので、脂質というかゼラチン質っぽい肉質かもっという妄想で書きました。


最後は、フォローとして、エスパー系としての力が強いということを出しました。 

 

『ルイズが召喚したのが、マンキーだったら?』

 
前書き
今回は、マンキー(→オコリザル)。



スランプとネタ切れが来て、結構苦労しました。 

 

 ルイズは、その猿のような生き物を前に、ムチを手にして構えていた。

 相手の猿も細く長い両腕を上げて、爪を出し、鋭い目でこちらを睨んでいる。

 ルイズの身体はあちこちボロボロで、顔や手などにひっかき傷があった。

 ミス・ヴァリエール…。っと、心配する一人のメイドがいた。

 シエスタというメイドだが、彼女は、もうマンキーを手懐けるのはやめた方がいいっと言った。

 しかしプライドの高いルイズは諦めない。目の前のマンキーの手にはルーンが刻まれていた。そう、このマンキーという生き物。ルイズの使い魔なのだ。

 使い魔に出来たのは、爆発の中心地でぐったり倒れていたからできたことで、ルーンを刻むときの痛みで飛び起きた際に一発顔を引っかかられたものだ。

 ルーンを刻まれても、その生来の気性の荒さは、抑えられず、言うことを聞かせるためにこうして苦労しているのである。

 シエスタが言うには、マンキーは非常に凶暴で、意味も無く怒ることから単体でも危険だが、群れをなして手頃な獲物を襲うこともあるそうで、そうなったらどうあがいてもなぶり殺しになるしかないと言われているそうだ。

 さらに、マンキーは、成長する特性があり、オコリザルという個体になると、目を合せただけで怒って追って来るほど危険らしい。

 まあとにかく危ないのにで、マンキーが住む森は完全に立ち入り禁止になっているそうだ。

 マンキーは、ルイズだけにとどまらず、目に付いた人間やその使い魔にさえ牙を剥いた。そんなんだから、使い魔をなんとかしろ!っと苦情が来る。

 それも含めて、ルイズは、必死だった。マンキー御せるようになろうとした。

 身体能力ではまるで話にならず、やがて杖を手に、自分にとって忌々しい爆発の魔法を使って威嚇してみたこともあったが、余計に怒らせただけで、全身引っかかれた。

 見える肌、そして引っかかれてボロボロになった服を着ているルイズがフラフラと歩いている姿に、誰も何も言わなかった。同情めいた目を向けられることにルイズは、ギリッと唇を噛んだ。

 そんな日々が続き、たまりかねて、どうしてそんなに怒るの? 私が何をしたの?っと問うた。しかしマンキーは、藁の上でふんぞり返るように座ってそっぷを向いた。

 そんなある日、シエスタが見かねて故郷にある曾祖父の日記を見たら何か分かるのでは?っと言ってきた。

 理由を聞くと、シエスタの曾祖父は、マンキーとオコリザルを飼育していたらしく、手懐けていたらしい。

 もしかしたらヒントが得られるかもっと、ルイズは藁にも縋る思いでタルブへ行くことを決めた。

 タルブ…っと聞いて、マンキーがピクリッと反応したのをルイズは見た。

 まさか…っと思いつつ、タルブに行く準備をして馬に乗ると、なぜかマンキーが後ろの方に飛び乗った。なんかえらく大人しい。

 やはりか…っとルイズは、自分の予想が的中しそうだと思った。シエスタは、不思議そうにしていた。

 タルブ村は、ブドウ畑があるだけで他はさっぱりした小さな集落だった。しかし、少し離れた場所にうっそうとした森がある。そこには、立ち入り禁止とデカデカと看板が立てられていた。

 時々無視して入っちゃう盗賊とかがいるみたいですけど、誰も帰ってこないらしいですよ?っとシエスタが怖いことを言った。

 タルブに来て森が見えるなり、ルイズの後ろにいたマンキーが飛び降りて森の方に行ってしまった。

 追いかけない方がいいですよ、っとシエスタが慌てたが、ルイズは落ち着いていて、いいわよ、好きにさせるわっと言った。

 宿もないのでシエスタの家にお邪魔し、泊めもらったのだが、その夜、宛がわれた部屋の窓が外側からコンコンと叩かれた。起きたルイズは、窓を見ると、ルイズのマンキーがいた。

 マンキーは、ルイズが顔を出すと、こっちだと言わんばかりに手招きした。ルイズは、着替えてシエスタの家族を起こさないよう外に出て追いかけた。

 マンキーを追いかけていくと、やがて森の中に入る。

 明かりが見え、草をかき分けて行くと、そこには、焚き火を中心に踊っているマンキーの群れがいた。

 ルイズが来ると、ルイズのマンキーが群れの仲間に紹介するように鳴き声を上げた。

 マンキー達は、ピョンピョン跳びはねて歓迎するといった様子でルイズにアピールしていた。

 するとルイズのマンキーが、小柄なマンキーと、ルイズのマンキーと同じぐらい大きさのマンキーを連れてきた。

 ルイズは、自分のマンキーの家族だと理解した。

 だから、ルイズに怒っていたのだ。妻と子から引き離されて見知らぬ土地に連れてこられ使い魔の役目を強要されたことが許せなかったのだ。自分だってそんなことされたら、きっと怒るだろうし、許せないだろう。

 マンキー達が用意した丸太を椅子代わりに座り、マンキー達が森で収穫したと思われる木の実を籠いっぱいに出された。

 ルイズは、マンキー達のもてなしを受けながら彼らの踊りを眺めていた。

 夜が明ける頃、ルイズのマンキーに案内されて森を出ると、シエスタとシエスタの家族が大慌てで出迎えてきた。

 だいじょうぶですか!?っと聞かれて、だいじょうぶよっと答えておいた。

 ルイズは、隣にいる自分のマンキーに目線を合わせ…、ここに残ってても良いのよ?っと言った。

 マンキーは、少し考えるような仕草をし、やがて首を横に振った。

 もしかしたら、夜までの間に、マンキーなりに自分の決意を固めたのだろうか。家族に再会できてルイズへの反感のもとが無くなったのもあるのだろうか?

 ルイズは、たまにマンキーを連れてタルブに来るから、宿代は払うわっと言った。最初は全力で拒否されたが、ルイズは、これから先お世話になるんだから受け取ってと言い、受け取って貰った。

 それからというもの、多少は凶暴だが、これまでのことを考えれば嘘みたいにマンキーは大人しくなったのだった。

 ルイズが学院に帰ると、ちょうど土くれのフーケによる盗難事件が発生していたところで、本塔に現れた土のゴーレムに、オコリザルへと進化したマンキーが、きあいパンチなる技で一撃で腹に大穴を空けて倒したのだった。

 土くれのフーケを一撃で倒したとして、マンキー改め、オコリザルを飼っているルイズに喧嘩を売る馬鹿はいなくなった……。



 
 

 
後書き
マンキーがルイズにやたら反抗的だったのは、家族と引き離されたことが原因だったということにしました。
おそらく、ハッキリとどこから召喚されたポケモンなのか、ハッキリさせたのは、この話だけでしょうね。タルブ村の近隣の森のマンキーって。

技マシン無しで、きあいパンチ使ってますが……、捏造です。
番の卵から生まれたポケモンが親の技を引き継ぐってあったはずだったので、曾祖父の代から代々引き継いできたということにしましょうか。 

 

『ルイズが召喚したのが、パラスだったら?』

 
前書き
今回は、パラス(→パラセクト)。



あまり話が膨らませられなかった……。 

 

 キノコと、虫。それが第一印象。見たまんまだ。

 大きさは、30センチぐらいだろうか、大きすぎず、だが虫にしては大きすぎる。

 背中に生えた赤くて黄色い斑点があるキノコが二つ。本体の虫の方には、まん丸で大きな二つの目があり、目を合せるとジッと見つめられる。

 背中のキノコのためか、湿気や陰を好むようで、あまり日当たりの良いところを好まないようだ。

 パラスだぁ!っという驚いた声を上げたメイドがいた。

 シエスタというメイドに話を聞くと、この生き物の名は、パラス。

 背中のキノコは、冬虫夏草というそうだ。

 それを聞いて、ルイズがまず思ったのは、それは滋養強壮が高い秘薬の材料じゃなかったかと。

 しかし一般に売られているのは、小さな虫の幼虫にキノコが生えたものだが、パラスも言われてみればそれに該当するだろう。

 全身にキノコの胞子を浴びてから生まれてくるそうで、シエスタの曾祖父が言っていたことによると、一説では虫の意識よりキノコの意識の方が強く、キノコのために生きている虫だと言われているそうだ。

 成長すると、パラセクトという巨大なキノコに乗っ取られた形態に成長するそうだ。

 パラスのキノコは毒らしいから、食べちゃダメですよっと言われ、食べないわよっとルイズは返答した。

 しかし、今は可愛い目でこちらを見てくるパラスも、いずれは、背中のキノコに意識を全て奪われてしまうのか…っと思うと切なかった。

 あんたは、そんな生き方でいいの?っと聞いても、言葉が喋れないパラスは答えられない。

 ある日、食堂でシエスタがギーシュに難癖付けられていた。見ていた生徒に聞くと、香水を拾ったことが原因でギーシュの二股が発覚し、二人に振られた原因をシエスタに押しつけているのだという。

 ルイズは、それが貴族のすることか、あんたが悪いじゃないっと言うと、平常心じゃないギーシュがカッとなり、あろうことかルイズに決闘を言い渡した。あまりのことに周りがどよめき、ギーシュに友人達は慌ててギーシュをなだめる。

 すると、ギーシュの足をツンツンとつつく感触があり、見ると、パラスがいた。

 ギーシュが、はっ?と思った瞬間、ブシュッ!とパラスのキノコが一瞬しぼみ、赤い胞子がギーシュの顔にかかった。

 途端、ギーシュは、ぶっ倒れた。慌てて友人達が介抱するとギーシュは、グースカ寝ていた。あまりに強烈な眠気のため、2,3日ほどギーシュは眠っていた。

 目を覚ましたギーシュは、何があったのか、そして自分が何をしたのか聞いて、慌ててルイズに謝りに行き、シエスタにも謝罪した。

 シエスタに、どういうことなのか聞くと、パラスのキノコの胞子は、強烈な毒や麻痺、そして眠気を促す効果があるそうだ。ギーシュが吸ったのは眠気を促す効果の胞子だったが、もし毒だったら命は無かったかもしれないと…っと、説明した。それを聞いてルイズは、ゾッとした。

 ところが、ある日を境に、パラスが狙われた。犯人はモンモランシーだった。

 犯行理由は、パラスのキノコが欲しかったからだそうだ。理由は、ギーシュに盛るための惚れ薬を作るのに高級な冬虫夏草がいるそうだが、そのキノコの正体が最近になってパラスのものだと分かったから、どうしても欲しかったと告白した。

 パラスのキノコは、パラスの身体に深く根付いている。取ってしまうと恐らく死んでしまうだろう。ルイズは、モンモランシーの訴えを却下した。

 さらに、後日、土くれのフーケによる盗難事件が……未遂で起こった。

 っというのも、いかにも怪しい格好でパラスに乗っかられてグースカ寝ているロングビルが見つかったのだ。

 逮捕されたフーケは、どうやってか脱獄し、逮捕された恨みからパラスを狙ってきた。

 その時、パラスが光り輝き、光が失せると、背中にでっかいキノコが乗っかった、白目のパラセクトがいた。

 ブシュッ!とキノコから胞子が放たれ、土くれのフーケの土のゴーレムがあっという間にキノコだらけになり、行動不能に。

 舌打ちしたフーケに、胞子が襲いかかるように降りかかり、吸うまいとフーケは、ローブで払うが、そこにヘドロのような物がかけられ、ローブが腕ごと溶けて焼けた。そして土くれのフーケは、腕を押さえて逃げていったのだった。

 ルイズは、パラセクトの意識がいかにもないという白い目を見て、悲しくなった。

 
 

 
後書き
パラセクトって、存在が残酷というか、野生の世界では仕方ないのかな……。そういう生態の生物っているし。

冬虫夏草が、ハルケギニアにもあるというのは捏造です。でも、現実でも高級な漢方だし、秘薬の材料として似たような物があっても不思議じゃないかな? 

 

『ルイズが召喚したのが、ピッピだったら?』

 
前書き
今回は、ピッピ(→ピクシー)。





ゲーム原作より、圧倒的に強いかも? 

 

 ルイズが召喚したソレは、見る者達に、まず可愛い!っと思わせた。

 ぬいぐるみを彷彿とさせる愛くるしい姿ではあったが、ルイズが興奮しながらコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとしたとき、その生き物がただ可愛いだけの生き物じゃなかったことがすぐ分かる。

 迫ってくるルイズに、その生き物が怯えながらチッチッと指を振った途端、地震。大地震。

 あまりのマグニチュードに誰も立っていられない状態になったが、身軽なその生き物だけは、背中を向けて逃げだそうとした。だが、ルイズが飛びつくように捕まえ、コントラクトサーヴァントの儀式の最後であるキスをした。

 ピーピー!っと泣きながらルーンが刻まれる痛みにのたうつその愛くるしい生き物。ルイズは、可哀想だと思った。

 ルーンが刻み終わった直後、キッとルイズを睨んだその生き物が再びその指を振った。その瞬間、その短い手足からは想像も出来ない連続パンチが繰り出され、殴られまくったルイズは、倒れた。

 次の目を覚ましたら、保健室だった。顔中が痛い。鏡を見たら、腫れていた。

 やがてコルベールが入って来て、だいじょうぶかと聞いてきた。ルイズは、それよりあの可愛い生き物は?っと聞いた。

 あの生き物は…っとコルベールが言いにくそうにし、ハテナっと思ったルイズをコルベールが案内した。

 そこは、凶暴な使い魔を収容するための檻が並んでいるところで、そこのひとつにあの愛くるしい生き物が入れられていた。

 その生き物は、ルイズの姿を見ると、ピィ!っと鳴き、ビクビクと怯えながら檻の端に逃げていった。

 ルイズがどういうことかと聞くと、使い魔召喚の儀式を行った場所だけに地震を起こしたり、ルイズをたこ殴りにしてノックアウトさせたり、ルイズが搬送された後も、コルベールを初めとした教員達を外見からは出せないはずの様々な技で撃退していったため、なんとか捕まえた後、こうして檻に閉じ込めて様子を見ることになったのだそうだ。

 ルイズが出してあげてください!っと言っても、コルベールは、危険だからしばらくは様子見だと言って取り合わなかった。

 結局、その生き物が檻から出されたのは、1週間後だった。

 あまりにもビクビク震えて怯えるため、ルイズは、だいじょうぶよって言うが、余計怯えるだけだった。

 ピッピだぁ!という驚いた声が聞こえた。ひとりのメイドがいたので、話を聞くとこの生き物のことを知っているようだった。

 シエスタというメイドが言うには、この生き物の名は、ピッピ。

 彼女の故郷の近隣にある山に住むと言われている、非常に珍しい生き物で、月から来たと言われているらしい。

 指を振ることで、様々な技を出せるため見かけによらずかなり強いそうだ。そのため、愛くるしい見た目と珍しさから狙いに行っても帰ってこないと言われているとか……。

 なにそれ…、隠れ凶暴生物じゃない…っとルイズが言うと、ピッピ自体はとても臆病で大人しいけど身を守るためだから仕方ないですよっとシエスタが言った。ルイズは、納得した。

 好きな木の実を知っているので、あげてみたらどうですか?っとシエスタが助言。シエスタが気を利かせて、食堂からいくつかのフルーツを持ってきたので怯えているピッピに差し出してみた。ピッピは、ジーッと差し出されたフルーツを見つめ、ルイズと見比べ、やがて、恐る恐るビクビクと近づき、フルーツを奪うようにとって、それから走って距離を取ってから食べ始めた。

 シエスタが、ファイトです!っと言うので、ルイズは、気長に行くわよっと返答しといた。

 その後、餌にフルーツや木の実を手からあげていくのを繰り返した。ピッピは、少しずつだがルイズに敵意がないと理解したのか、距離を縮めていってくれた。

 しかし、ルイズは、ウズウズしていた。どうしてもこの愛くるしいピッピを抱きしめたかったのだ。

 そしてとうとう我慢できず近づいたところをギュ~っと抱きしめてしまった。ピー!っと鳴かれ、顔にもろにビンタを受けて逃げられてしまった。

 我に帰ったルイズは、慌ててピッピを探すが、学院中を探し回っても見つからなかった。シエスタも協力してくれたが見つからず、するとタバサが、学院の裏山に逃げていったのを見たと言ってくれたので夕闇の中、裏山に走って探しに行った。

 学院の裏山ではあるが、決して安全な場所では無かった。時に別の山から下りてきたオオカミやオーク鬼などが現れるため、普段から原則として立ち入り禁止になっている場所だ。そのことが余計にルイズの心配に繋がった。

 夕日の光も沈む頃、草木で手足を切りながらルイズは、ヘトヘトになってその場にへばった。

 そこに、グルル…っという獣の鳴き声が聞こえた。ハッとして見ると、ルイズは、オオカミの群れに囲まれていた。

 ルイズは、慌てて杖を握り攻撃魔法を唱える、だが命中精度が悪く、近くの木の枝を爆発させ、オオカミたちを一瞬ビックリさせただけに終わった。それが刺激となって、興奮したオオカミが襲ってきた。ルイズは、思わず身体を庇って目をつむった。

 すると、ギャインッ!というオオカミの悲痛な鳴き声が聞こえた。

 恐る恐る目を開けると、そこには、ルイズを守るように立つピッピがいた。

 ドロドロに汚れ、そしてブルブルと震えていて、けれど懸命にオオカミとにらみ合っている。

 オオカミの一匹がピッピに躍りかかった、ルイズは、咄嗟にピッピを庇おうとしたとき、ピッピが指を振っていた。

 そして手から放たれた破壊光線がオオカミを貫き、木々を抉るように破壊し、山中の地面で爆発した。

 それを見て臆したオオカミ達は、一目散に逃げ出していった。

 残されたルイズとピッピは、するとピッピがふらりと倒れた。ルイズは、慌てて抱き上げる。すると、タバサの風竜が飛んできて、ルイズのもとへ降りてきた。

 キュルケがタバサと共に来ていてだいじょうぶ?っと聞いてきたので、ルイズは、泣きながらピッピを助けて!っと叫んでいた。

 その後すぐに学院に戻り、ピッピの治療が行われた。怪我はなく、単に疲労によって力尽きただけだろうということで命に別状は無かった。ルイズは安心してまた泣いた。

 目を覚ましたピッピを、ルイズは、喜びのあまり抱きしめようとしたが、寸前で思いとどまった。だが、思いとどまったルイズに、逆にピッピが抱きついてきた。それにルイズは、顔から出る物全部出して泣いて抱きしめた。

 それからというもの、ルイズは、ピッピと仲良しになり、ピッピの可愛さに、周りの女子からは羨ましがられた。

 ところが、ある日、ピッピが土くれのフーケに狙われた。ピッピがその見た目の可愛さと珍しく希少であるため、闇市で貴族に高く売られるからであった。

 学院の本塔近くで戦いになり、本塔の宝物この壁が壊れたがその際に、宝物庫に収められていた宝のひとつが落ちてきた。それは、月の形をした石で、ピッピは、それを見つけると、飛びつくように石に触った。

 途端、光り輝き、そこには、ピッピからピクシーへと進化した姿があった。

 指が振られ技が繰り出される。進化したことであらゆるステータスがアップし、攻撃力と精度が上がったことで土くれのフーケを圧倒し、退散させるに至った。

 土くれのフーケを倒した強力な使い魔だということで、ピッピを欲しがって陰で狙っていた者達は、早々に諦めたのだった。


 
 

 
後書き
ピッピ自身のステータスが低いため、指をふるって技はそこまで強力じゃないけど、現実で実際に使われたらこれ以上厄介な技もないかも…って。
下手すると自爆などの技を引き当てる可能性もあるけども。 

 

『ルイズが召喚したのが、カイロスだったら?』

 
前書き
今回は、カイロス。


結構苦労しましたけど、途中から楽しくなった。 

 

 その生き物は、クワガタ虫の親玉みたいな生き物だった。

 っというのも、頭に生えた二つの鋏のような角があったからだ。さらに、1.5メートルとかなり大きい。

 口は、上下では無く、左右に開いたようになっており、キスする時噛まれないか心配だったが気鬱で終わった。

 クワガタ虫と言えば、幼かった頃、男の子達が虫同士を戦わせている姿があったような気がする。

 そんなんだからか、大型の虫を召喚した男子生徒が、オレの方が強いだのなんだのと競い合っている姿が見られた。

 当然だが大きなクワガタ虫の親玉みたいなのを召喚したルイズも、巻き込まれた。不本意ながら。

 やれゼロのルイズの変な虫を倒せだのと、土俵で自分の虫を向かわせるが、ルイズのクワガタ虫の親玉みたいなのは、その角ではさみ、軽々とぶん投げるなどして、全員倒した。

 それで捨て台詞と共に、傷ついた自分達の使い魔を連れて帰っていく男子生徒達。

 そこへ、カイロスだぁ!っと言ったメイドがいた。

 シエスタというメイドに話を聞くと、このクワガタ虫の親玉みたいな生物の名は、カイロス。

 シエスタの故郷の森に住んでいる、でっかいクワガタムシの一種だとか。

 寒い時期には、地面に潜って眠るそうだ。シエスタが知っているのはそれぐらいの知識だった。

 あと、凶暴で、角を振り回して襲ってくるため、出会わないようにしないといけないみたいに言われているぐらいだった。

 その後、虫相撲大会なる、試合が行われるという話が舞い込み、大型の虫を使い魔に持つ生徒達に広まり、特訓まで始める生徒まで出る始末。

 ルイズは、出るかどうか悩んだ。確かにカイロスは強い。強いが、ど~も眠たがりで、暇さえあれば寝ている。やる気があったのは、最初の内だけだ。慣れてしまったら気性は大人しいタイプだったらしい。

 特訓させようにも、興味も無いらしく、起こそうとしても起きてくれない。ムチで叩いても、硬い外殻が弾いて意味も無い。

 なので、ルイズは、虫相撲大会なる試合は、諦めた。

 ところが、そんな時にシエスタから土下座された。

 何事?って聞いてみると、今度の虫相撲大会なる試合でカイロスを貸して貰えないかということだった。

 なんでも、タルブ村の存続がかかっており、虫相撲大会なる試合の賭けで勝てれば村を守れるというのだ。

 タルブ村を危機的状況に陥らせた相手が、試合に参加するらしく、優勝の有力候補になっているらしい。

 ルイズは、悩んだ。シエスタは、カイロスのことを教えてくれた相手だ。蔑ろにはできない。

 そしてルイズは、決心し、寝ているカイロスを必死になって起こした。

 そしてシエスタの故郷…、そしてカイロスの仲間が住む森が危機的状況だということを言うが、カイロスは、面倒くさそうだ。

 シエスタは、泣きながらお願いします…お願いします…!っと拝んでいる。

 そんな二人を見ていたカイロスは、やがて、ヤ~レヤレっという風に重い腰を上げた。

 そして、カイロスは、試合に参加することになった。

 試合当日、トーナメント方式で行われた虫相撲大会なる試合を、カイロスは勝ち抜いていき、タルブ村を危機的状況に陥らせた相手も勝ち上がり、決勝戦で当たった。

 相手は、デカいカブトムシ。カイロスの倍はある。

 だが、カイロスは、臆さない。

 突撃してきた相手の角をはさみの角で挟んで、ギリギリとつん張りの末に、角をはさみで切って折った。

 そして、一気に腹の下に入り込み、はさみで胴体を持ち上げると、ブンブンと勢いを付けて振り回し、遙か空の彼方へ投げ飛ばした。地球投げという技である。

 こうして、シエスタの故郷…、タルブ村は救われた。


 
 

 
後書き
カイロスの説明って、頭のはさみで敵を真っ二つとか、結構えげつないので、どうするか悩んだ末の、虫相撲大会。
タルブ村を危機的状況にやった貴族について追求させた方が良かったかな?

まあ、別にルイズが関わることじゃないし、ヴァリエール領じゃありませんしね。 

 

『ルイズが召喚したのが、ケンタロスだったら?』

 
前書き
今回は、ケンタロス。



なんか、前回のカイロス回と似たような展開になってしまいました。 

 


 ルイズは、景色が逆さまになる光景を初めて見た。

 自分が召喚した、尻尾が三本ある牛みたいな生き物に突撃され、ルイズの軽い体は宙を舞う。

 コルベールが、レビテーションを咄嗟に唱え、ルイズは地面に激突するのだけは防がれた。しかし、突撃されたときの体の受けた痛みが激しい。肋骨の何本かは折れたかも…っと、ルイズは、思いながら地面に倒れる。

 モー! ゥモー!っと牛が暴れる音と鳴き声が聞こえる。

 意識がもうろうとする中、キュルケがルイズを助け起こし、指差した。その先には、横に倒れているあの牛がいた。体中焼けていて、どうやらコルベールが動けなくさせたらしい。

 今のうちにコントラクトサーヴァントの儀式をっと促され、ルイズは、痛みを押して牛にコントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 全身火傷した牛は苦しげに息をしており、そこに追い打ちをかけてきたルーンが刻まれる痛みに暴れ、ルーンが刻まれ終わると気絶した。

 その後、牛は水の魔法で治療され、大型使い魔を入れておく舎に移された。もちろんルイズも保健室で治療を受けた。

 治療が終わり、保健室から出ようと思った時、外が大騒ぎになっていた。

 走って行くと、広場であの牛が生徒や教師達を追い回して無差別に突撃して吹っ飛ばしていた。

 ルイズがやめなさい!っと叫ぶと、牛は方向転換し、ルイズに向かって突撃してきた。

 横からキュルケに庇われ、一緒に転がった後、牛がさっきまでルイズがいた場所を走り抜けた。しかし、キュッ!クルンッ!と急ブレーキかつ方向転換をして、再びルイズを狙う。

 その牛の上から、タバサの風竜が飛びかかり、押さえつけた。

 キュルケが、ルイズに、どうするの?っと聞いた。

 ルイズは、とんでもない使い魔を呼んでしまったと、思った。

 タバサの風竜に押さえつけられながら、ルイズは、牛に言い聞かせた。自分が主人だと。だから暴れるのはやめろと。

 しかし牛は、フンフン!っと鼻息荒く、上に乗っている風竜を押しのけてでも暴れようとする。

 すると、そこへ、ケンタロスだ!っと驚いている声が聞こえたので、見ると、一人のメイドが驚いた顔をしていた。

 捕まえて話を聞くと、どうやらこの牛のような生き物のことを知っているようだったので聞いた。

 この牛の名は、ケンタロス。

 群れで生活し、三本の尻尾で闘志を高めることで、仲間同士で、あるいは大木に体当たりして強さを高める暴れん坊な珍しい牛なのだそうだ。

 性格は、非常に荒っぽく、狙った獲物に激突できるまで突進してくるのだそうだ。

 躾けられないのかと聞くと、シエスタというメイドは、自分の曾祖父が飼育していたことがあったと話した。

 前例があるなら…ルイズにだって躾けられるはずだと、ルイズは、ケンタロスを見た。ケンタロスは、いまだ暴れている。

 キュルケが、容易なことじゃないわよ?っと言ってきたが、ルイズは、鼻息をふんっと漏らした、私が躾ける!っと意気込んだ。

 その日から、ケンタロスとの戦いが始まり、体当たりされる日々。

 保健室の常連となったが、ルイズは、諦めない。

 その諦めない気持ちが通じたのか、ケンタロスは、徐々にだが、無差別に人を轢くようなことはしなくなった。

 しかし一方で、暴れたりないのか、学院内にある木々や壁に角を突き出して体当たりをするため、木は倒れ、壁に穴は空くなどの被害が出た。

 そこで、ルイズは、闘牛の訓練用の大木をヴァリエール領から発注し、持ってこさせた。ケンタウロスは、それがお気に召したらしく、そればかりに体当たりをかまし、他に木や壁には興味を示さなくなった。

 そんなある日、闘牛の大会が行われることになり、牛と牛とを戦わせる試合の受付に各地の牛を持つ貴族が参加した。ルイズもケンタロスを出場させようと受付を済ませた。

 試合当日、筋肉隆々の大柄の牛が並ぶ中、ケンタロスの存在は目立った。なにせ尻尾は三本あるし、牛といっても種類が違う。

 試合ルールは、戦意喪失か、息絶えるか…。

 そして試合が開始されると、ケンタロスは、順当に勝ち上がった。

 そして最後に、ケンタロスよりも大きな牛が出てきた。ケンタロスより一回りは大きいだろうか。本当に牛なのかって言いたいぐらいだ。

 そして試合開始。相手の牛が鼻息荒くゆっくりとした歩で迫ってくると、ケンタウロスは、小回りを利かせた走りで迫り、横へ回り込み、その角を相手の牛の脇腹に突き立て、大きさの差を感じさせないパワーで持ち上げ、そのまま試合会場の壁へと突撃し、相手の牛を壁にめり込ませた。

 相手の牛は、血を吐き、息絶えた。

 牛の持ち主である相手貴族がズルをしたと猛抗議してきたが、魔法で調べたが何のズルも見つからず、恥をかいただけに終わり、それどころか、試合に出場させた牛にこそ禁止されている禁薬によるドーピングを大量に行っていたことが明らかになり、逮捕されるという事件となった。

 ルイズは、ケンタロスと共に表彰台に上がり、見に来ていた両親に褒められ、自分のケンタロスを誇らしく思ったのだった。


 
 

 
後書き
ケンタロスが、どのシリーズでも、……アローラは別として、凶暴なポケモンとして説明されているので、どう躾けるか悩みました。


そろそろ、金銀クリスタルシリーズ行こうかな? 

 

『ルイズが召喚したのが、ブーバーだったら?』

 
前書き
今回は、ブーバー。


どうするか悩んで、結局書いた。いつものこと。


2019/07/13
キュルケがブーバーに興味を示さないはずがないことを忘れていたので、最後の方追加。 

 
 その生き物とキスをした時、唇が…無くなった。焼けて。

 気がつけば保健室。超たっかい秘薬で治せたものの、危うく唇が無くなるところだった。

 コルベール調べでは、その炎の具現のような生き物の体温は、1200度もあるそうだ。そりゃ唇も無くなる。

 目つきは悪く、2本足で、尻尾があり、口は今にも火を噴きそうなおちょぼ口。その体温の高さゆえに、周囲の空気が揺らめくほどである。召喚当初、一気に空気が暑くなったのを覚えている。

 コルベールが、あれは危険だ…っと言ってる傍から、外で騒ぎが。行ってみると、あの炎の生き物が学院に火を付けていた。

 全焼は逃れたものの、ちょっと一部燃えてしまい、あと避難体制がちゃんとできていないと教員達もお叱りを受けるなどてんやわんやだった。

 ブ~っと低く鳴く、その生き物をルイズは叱った。叱られると、その生き物はしょんぼりとする。こっちの言っていることは理解しているらしく、頭は意外と良いらしい。

 ブーバーだ!っと驚いたメイドがひとりいた。

 シエスタというメイドから話を聞くと、この生き物の名は、ブーバー。

 火山火口を住処にしているそうだが、その昔、シエスタの曾祖父が飼っていたブーバーの影響かは不明だが、時々タルブ村近隣に現れることがあるそうで、その時は気温が上昇するので分かりやすいとか。ブーバーが現れると危険なので、その時は避難するそうだ。

 あと、住んでる環境を自分に合わせようとするそうなので、今回の火事もブーバーが自分の体に合った環境にしようとしただけだろうと言った。

 なるほど…、確かにこれだけの高温の体を維持しようと思ったら、同じ温度の環境が必要だろう。だが、はた迷惑だ。

 ですけど、曾祖父が飼育していたことがあったから、慣れれば環境を変えなくても大丈夫になるはずです!っと、ルイズを励ました。

 その後、ルイズに叱られたからか、ブーバーは、その後火事を起こすことは無くなった。

 しかし、目に見えて弱り、ルイズは心配した。

 けれど、それも1週間もすれば治った。環境適応能力は、高いらしく、最初の弱体化が嘘みたいに元気になった。

 ただその代わり、体の体温を維持するためのカロリーが必要らしく、食事量は倍になった。ルイズは、弱っているよりはマシだと思って大目に見ている。

 ブーバーは、強かった。

 ギーシュとトラブルになった時に前に出て、ギーシュの青銅のゴーレムを蒸発させるほどの火炎を放ったり、土くれのフーケの盗難事件では巨大な土のゴーレムをあっという間に炭に変えるほどの炎を全身から出したり、アルビオンでルイズの婚約者・ワルドが裏切った時は、その怒りの炎をもってワルドを倒した。

 しかしそんな風に連戦が続いたためか、ブーバーは、酷く疲れてしまったらしい。

 そこでシエスタが故郷に帰って、曾祖父の日記を持ってきて、ブーバーに関する情報を持ち帰ってきてくれた。

 日記によると、ブーバーは、疲れたときは灼熱の火山のマグマに浸かることで癒やされるそうだ。

 ルイズは、こうしちゃいられないとブーバーを連れて、最寄りの火山を目指した。

 活火山の灼熱で気温の高い地域にさしかかると、ぐったりしていたブーバーは飛び起き、急いだ様子で火山に向かって行った。

 そして、しばらくして、ホッカホカに、灼熱を纏ったブーバーが喜び顔で帰ってきた。

 ルイズは、ブーバーの回復を喜んだが、熱すぎて抱きしめられないジレンマに襲われたのだった。

 微熱の二つ名を持つキュルケが、ブーバーに恋したとか言いだし、ルイズに、私にちょうだい!っとか冗談じゃないことを言い出したため、毎日のようにルイズとキュルケの喧嘩が勃発するようなったのは余談である。

 
 

 
後書き
ブーバーの体温(1200度)で、キスなんてしたら、唇が絶対無くなる!っと思う。

エレブーは、まだ検討中。食事問題がね…。でも発電所が出来る前はなに食ってたって話だし……。


2019/07/13
キュルケのことは、素で忘れてました。 

 

『ルイズが召喚したのが、エレブーだったら?』

 
前書き
今回は、エレブー。


勢い大事。一気にやりました。


なお、今回は、オリジナル展開で、ルイズとの仲は最悪です。


注意! 

 

 ルイズの長い髪の毛が、ブワッと逆立った。

 いや、別に魔力をほとばしらせとかそう言うわけじゃない。この黄色と黒の生き物に近づいたら、自然とそうなったのだ。

 稲妻のような模様があり、虎のように縞模様が手足と尻尾にある。目つきも鋭く、口から覗いている牙も鋭い。

 ブー!っと鳴いたその生き物が、全身からバチバチと放電した。これでは、とてもじゃないが近寄れない!

 次の瞬間、コルベールが火球を放ち、放電している生き物に命中した。

 ルイズがポカンッとしていると、コルベールが今のうちにっと促した。しかし、直後、電撃がコルベールを襲った。

 火球による煙が晴れると、ブー!っと再び鳴いたその生き物が片手で光の壁を張り、火球から身を守った上でもう片手で電撃を放ったことが分かった。

 電撃で痺れて倒れているコルベールに、謎の電気の生き物がトドメを刺そうと迫ろうとして、ルイズの横を通り過ぎようとしたので、ルイズは意を決して、飛びつき、相手がビックリしたところを、素早く詠唱して、キスをした。途端、凄まじい電気が体を駆け巡り、ルイズは倒れた。

 次に目を覚ましたら、保健室のベットの上だった。

 全身が微かに痺れている。そして痛い。

 そういえば、進級試験はどうなったんだろう?っとルイズは、起き上がろうとして、痛みと痺れでまたベットに戻ってしまった。

 そこへ、コルベールがやってきた。その後ろに、あの電気を放つ生き物がいた。

 ルイズが思わず身構えかけると、コルベールが、だいじょうぶだと制した。すると、電気を放つこと出来るその生き物が腕についたルーンをルイズに見せた。

 ああ、成功したんだ!っとルイズが涙ぐむと、その生き物は、フンッ!とそっぽを向いた。

 コルベールが去り、ルイズと、その生き物と二人きり(?)になった。

 ルイズが手を伸ばして、起こしてっと言うと、その手をパンッと弾かれた。

 ルイズは、その生き物が自分の手を弾いて逆らったのだと理解して、痺れた体をおして起き上がり、持っていたムチを出したが、そのムチをバチッ!と一瞬の放電で焼かれた。

 ポカンッとするルイズに、ケッとその生き物が吐き捨てるように舌を出した。

 その日から、ルイズとその生き物の攻防が始まった。

 なにをするにしてもとにかくルイズに逆らい、部屋では藁の上で横になってふんぞり返っている。罰としてご飯抜きを言い渡すと、さらには、その強力な電力を維持するため、食堂の食料庫を食い漁り、迷惑をかけた。

 その際に、一人のメイドが、エレブーだ!っとビックリしていた。

 この生き物の名は、エレブーというらしい。

 詳しく聞くと、電気を好んで食べると言われている生物で、雷が鳴る時に現れ、自らが避雷針になって雷を食べてしまうそうだ。

 それ以外には?っと聞いたが、それ以外は分からないと言われた。

 分かったことは、エレブーという名前。あと雷さえ食べてしまう体質であること。

 その後も相変わらず言うことは聞かないし、餌抜きをしたら食料庫を荒らすため、ルイズは叱られて叱られて、仕方なく食事をたくさんあげるようにした。その甲斐あって、食料庫を荒らすことは無くなったが、食事後は腹をボリボリ掻いて寝こけるようになった。

 そのままブクブク太らないかと心配だったが、電気エネルギーに変換するためか体型は維持されていた。それどころか、日を追うごとにバチバチと放電量が増しているように思えた。

 ある日、ゼロの使えない使い魔!っと馬鹿にする声が聞こえ、起きたエレブーが、腕をグリングリンと回してから、電気を帯びたパンチでその生徒を撃破していた。

 それがきっかけであれよあれよとい間に決闘騒ぎ、いや、エレブー対多人数での一方的な戦いが勃発。

 だがエレブーは、あの光の壁ですべての魔法を防ぎ、全身から莫大な電量を放ったり、電気を帯びたパンチで殴ったりして全員を倒してしまった。

 全員が倒れた後、エレブーは、あくびをしてボリボリと腹を掻いていたのだった。もういかにも、つまらんっと言っているみたいだ。

 それからというもの、エレブーに下手に悪口を言う馬鹿はいなくなり、エレブーが通るとみな道をあける始末だ。

 これには、ルイズも頭を抱え、エレブーとの関係をどうすればいいのかとずっと悩むことになるのであった。


 
 

 
後書き
エレブーは、外見通り電気ポケモン!って感じだから、電気の量が増えれば自然と強くなる?みたいな。
そのため、食事量が増えたことで変換されるエネルギー量も増えて、このエレブーは、メッチャ強です。

ただツンな性格で、ルイズを主人とは認めず、そのため仲は最悪。
ポケモンゲームで言うところの、バッジとかみたいな感じで強さを示せば言うことは聞くかも。このネタでの場合だと、虚無に目覚めることかな? 

 

『ルイズが召喚したのが、マダツボミだったら?』

 
前書き
今回は、マダツボミ(→ウツドン→ウツボット)。



なんか短い。


あと、ポケスペでの描写を引用。 

 

 ひょろひょろで、頼りなさそう。

 それがルイズの使い魔にたいする最初の印象だった。

 細い壺のような顔に小さな黒い両目、体は茎のようにひょろりとしており、両腕部分は大きな葉っぱ、足はもっと細い根っこが2本。

 高さは70センチ程度で、足がひょろひょろの根っこであるためか足音がしない。なので後ろをついてきていても分からなくて、何度も振り返って確認した。

 図鑑で調べたりもしたが、この植物みたいな生き物ことは何も分からなかった。

 だが、召喚した後日、マダツボミだぁ!っと驚いた声を上げたメイドが一人いた。

 話を聞くと、シエスタというメイドの故郷の近隣の森に住むという珍しい植物の生き物なのだそうだ。

 だが、マダツボミがいる森には近づくなという禁令が出ているそうだ。

 理由を聞くと、マダツボミは、二段階成長する特性があるのだが、最後の成長の姿であるウツボットになるため、満月の夜に成長に必要な養分を求めて、他の動物を狩ることを行うらしく、捕まれば生きたまま養分を吸われてミイラにされてしまうと言われているそうだ。

 実際に何も知らない賊が森に入ってしまい、満月の夜の後日、ミイラになって見つかったという話があるそうだ。

 ルイズは、青ざめ、ついバッとマダツボミを見た。マダツボミは、ボ~っとつっ立ているだけだった。

 そういえば、何を食べるのか思ってたら、その辺に飛んでいたチョウチョを吸い込んで溶かしたりしていた。シエスタのアドバイスで、肉類を持ってくると、口から溶解液を出して溶かしてから飲んでいた。水分補給は、足の根っこでするらしく、水を張ったバケツに足を突っ込んでいた。

 ちょっとした誤解でギーシュとトラブルになった際には、青銅で出来たワルキューレをその溶解液で溶かして見せたりしていた。見かけによらず怖い。

 さらに土くれのフーケの盗難事件では、土くれのフーケの巨大な土のゴーレムを、口から吐いた種で行動不能に陥らせ、口から吐いた眠り粉でフーケを捕まえた。

 そうして経験値を積んだことで、マダツボミは、ウツドンという形態に進化した。

 食欲は更に旺盛になり、自分より大きな肉の塊を葉っぱで刻んで残さず食べた。

 そして、ある日の満月の夜……、ウツドンが姿を消した。

 どこに行ったの?っと探し回ったが見つからず、翌日、ウツボットになって戻ってきた。

 しかし一方で、何匹かの使い魔がカラカラのミイラになって見つかり、騒ぎになった。

 犯人は分かっていたが…、ルイズは、言い出せなかった……。

 
 

 
後書き
ポケスペのウツボット達の成長の儀式は、子供心にトラウマだった……。
危うくレッドがミイラになるところだったし。

最近、話を長くできない…!
マダツボミ難しい!

それにしてもよく考えたら、いくらルーンで従属させたとはいえ、使い魔同士が共食いとかする可能性はないのかな?
そういえば、原作序盤で、ルイズが錬金失敗した時ヘビに使い魔を食べられた生徒がいたような…。 

 

『ルイズが召喚したのが、コラッタだったら?』

 
前書き
今回は、コラッタ(→ラッタ)。



勢い大事。勢いで書きました。 

 


 ガブリっ。

 2年生に進級するための進級試験である、使い魔召喚の儀式で、あとは、キスだけとなった時、顔を近づけたら噛まれた。

 30センチはあろうかという大きなネズミのような生き物の発達した前歯が、ルイズの顔に食い込む。

 ぎゃああああ!っと、ルイズは、悲鳴を上げ、ネズミを引き剥がそうとした。その際に、ネズミの口の一部がルイズの口に当たった。

 その結果、ルーンが刻まれ、ネズミの方が悲鳴を上げて離れた。噛まれたルイズは、顔からだ~らだら血を流した。

 保健室で絆創膏を張ってもらい、ルイズは、ムスッとした。

 というのも、ルーンが刻まれ終わったものの、ネズミのような生き物に手を出すと、また、ガブリ。怒ってムチを出すと長い尻尾で弾かれる。見かけによらず、このネズミ、強かった。

 フーッ!と威嚇してくるため、ルイズは、餌抜き!っと言い渡して、ふて寝した。

 それから数分後ぐらいだろうか。ガリガリガリガリ…っと、硬い物を囓る音が部屋に響き渡りだした。

 うるささでで起きたルイズが見たのは、固定化の魔法がかけられていて強固な寮の壁を囓って穴を空けかけているネズミだった。

 やめなさい!っと叫び、ネズミを掴んで止める。そして、ガブリ。また噛まれた。

 翌日、壁の穴を直して貰うよう依頼してから、ネズミに餌を与えようと思った。

 しかし何を食べるか分からないなぁっと思ってたら、コラッタだぁ!と驚いているメイドがいた。

 話を聞くと、このネズミの名は、コラッタ。

 シエスタというメイドの故郷の近隣に棲む、他では見られないネズミだそうだ。

 何を食べるのかと聞くと、一生歯が伸びるので硬い物をあげたらどうですか?っとアドバイスをもらった。

 そこで、硬い木の実をシエスタが持ってきてコラッタに与えた。コラッタは喜んでガリガリと食べた。基本的には雑食だそうだ。

 それと、歯が伸びすぎると餓死するらしいので注意してくださいね、っともアドバイスをもらった。

 昨日餌抜きにしてしまったので、コラッタはよく食べた。

 それにしても、固定化の魔法をかけられている壁に穴を空けるほどの歯なのに硬い物を囓らないと伸びすぎるなんて…っとルイズは不思議に思った。

 あと、コラッタは、ラッタという成長した姿にもなるそうだとシエスタに教えてもらった。

 コラッタは、所構わず硬い物を囓りたがった。そのため、学院のあっちこっちが歯形だらけに。

 一日中餌を探す習性ゆえに、うっかりギーシュがモンモランシーからもらった香水の瓶を飲み込んでしまった事件が起こり、騒ぎに。

 ギーシュが吐かせようとコラッタをワルキューレで攻撃を仕掛けたが、コラッタが青銅のワルキューレをその歯で破壊してしまった。

 ルイズが騒ぎを聞いて、コラッタの口の中に手を突っ込んで噛まれるのも構わず無理矢理吐かせて、なんとかなった。

 これに懲りたのか、口に入る物を所構わず食べることは無くなった。

 そして、ある日、土くれのフーケによる盗難事件が発生。コラッタが囓ったと思われる宝物庫の穴から魔法をかけて宝物庫を開けたとみられていた。

 そのため責任を感じたルイズは、フーケ討伐の任務に志願した。

 そして土くれのフーケが潜伏していると思われる廃屋に行くと、フーケの巨大な土のゴーレムが出現。

 ルイズが踏まれそうなると、コラッタがルイズを突き飛ばして庇った。

 その際に、カッと光り輝いたコラッタがラッタへと進化した。

 そして大きくなった歯で、怒りの前歯という技を繰り出し、土くれのフーケの巨大な土のゴーレムを一撃で粉砕した。

 ロングビルに扮していたフーケが正体を現わし、ラッタと戦いに。

 その最中、ラッタは、廃屋からフーケが盗んだ宝物庫の宝を使い、技を覚えた。

 そして、10万ボルトという電撃の技を繰り出し、フーケを撃破した。

 こうしてフーケは、捕まり、さらには、フーケが使い方を調べるためにわざと戦いに持ち込んだきっかけとなった宝物庫の宝の道具も使い捨てであったことが判明し、フーケは、大損するのであった。

 
 

 
後書き
怒りの前歯という技は、いつもお世話になってる。ポケモンを捕まえるときにね。

宝物庫の宝として、技マシンを盗まれるとして…、何の技がいいかなっと思って、10万ボルトにしました。

私は、ポケモンにあまり技マシンを使わないんですよね。だからどの技マシンが何を覚えられるのかってほとんど知らない。 

 

『ルイズが召喚したのが、ゴクリンだったら?』

 
前書き
今回は、ゴクリン(→マルノーム)。



なんか、微妙に人死にっぽい描写が……?



注意! 

 

 なんか間抜け…。

 それが、ルイズが感じた第一印象だった。

 黄緑色の体は、ツルッと毛もなく、足はない。手らしきものはあるものの、とても小さい。口は、唇を突き出しようになっており、目は糸目で小さい。頭頂部に黄色い触覚みたいなものが1本。尻尾らしきものが、短い物が後ろにある。尻尾の上だけが少し黒い。

 コントラクトサーヴァントの呪文を唱え、ムチュ~っという感じで突き出された唇に、キスをした。

 キスをした直後、グワッと唇が突き出されていた口が大きく開いた。

 えっ? っと思った瞬間には、ルイズの頭から丸呑みにされていた。

 次の瞬間、コルベールが放ったエアハンマーに弾かれ、使い魔として召喚された生き物がルイズの頭を吐き出して転がった。

 唾液と胃液まみれになり、ルイズは、顔を押さえてのたうった。ジュージューと胃液が肌に染みこんだからだ。

 水の魔法が使える生徒がすぐに呼ばれ、すぐに治療されたおかげで事なきを得た。

 ルイズは、自分が召喚した生き物を、ギッと睨んだ。

 その生き物は、手にルーンが刻まれており、どこを見ているのか分からないが、様子から察するにとりあえずルイズをじ~っと見ているようだった。

 ルイズは、隠し持っていたムチを取り出し、その生き物に振り下ろそうとしたが…。

 バクリッ

 ムチごと手を飲み込まれた。

 ぎゃああああ、っとルイズが悲鳴を上げ、腕ごとその生き物を振り回す。パッとその生き物がルイズの手を吐き出し、ゴクリッとムチだけを飲み込んだ。

 コルベールは、様子を見ていて、たぶんお腹をすかせているなっと分析した。

 ムチを食べる生き物なんているんですか!?っとルイズは、噛みついた。

 コルベールは、冷静に、新種か、未開拓の土地の生物かも知れないと言った。

 ルイズは、唾液まみれになった手を拭きながら、他の生徒やコルベールがフライで飛んでいくの中、その使い魔を連れて歩いた。

 手しか無いため、体を引きずるように懸命についてくる。

 やっと部屋に帰り、ルイズは、そのままふて寝した。

 そして翌朝……、起きると、机の上がやたら綺麗だ。というか何もない。杖もない。

 ゲプッという音が聞こえたので、見ると、あの生き物が倍に膨らんでいた。

 吐き出せ~~!っとルイズは、その生き物を掴んで揺すった。

 やっと吐き出させたものの…、あらゆる物が半分溶けていた……。

 ルイズは、杖まで失い、トボトボと歩いていると、ゴクリンだ!っとびっくりした声が聞こえた。

 そこには一人のメイドがいて、ルイズの使い魔を見てびっくりしていた。

 話を聞くと、シエスタというメイドの故郷の近隣に棲むという、この生き物の名は、ゴクリン。

 なんでも食べて消化してしまう生き物で、胃袋以外の臓器がほとんど小さくて、食べるだけことだけに生きている生き物らしい。

 成長すると、マルノームというさらに食欲旺盛な生き物に成長するそうだ。

 今だって悪食なのに、これ以上悪食なるのか…。っと、ルイズは、絶望した。

 机の上の教材や杖を食べられてしまった(※半分消化)と話すと、食欲さえ満たしておけばだいじょうぶですよ、っとシエスタは、曾祖父がかつて飼育していたという話からそう言った。

 それからというもの、教材と杖を新調したルイズは、食べられないよう、ゴクリンに餌をたくさんあげるようにした。

 その甲斐あって、他の使い魔が食べられそうになるような事件も無くなった。

 しかし、ある日起きたら、ゴクリンが紫色の大きな生き物、マルノームになっていた。

 そして教室で、事件発生。

 キュルケのサラマンダーが丸呑みにされた。

 すぐに吐き出させたので生きていた。

 後日、ギーシュのジャイアントモールが行方不明になり、視界の共有でマルノームの腹に入っているのを知ったギーシュが、がんばって吐き出させてなんとか助かっていた。

 その数週間後…、オスマンの秘書・ロングビルが行方不明になった。それと共に、巷を騒がせていた土くれのフーケの事件がぱたりと無くなった。

 マルノームが食ったんだじゃないかという疑いがかかっていたが、ロングビルが消えた日、いつも通りルイズがたくさん餌を与えていたため、それはないという裏は取れた。

 言葉が使えないマルノームに、あんたのせいじゃないわよね?っと聞いても、ぼへ~っとしているだけで、何も答えは得られなかった。


 
 

 
後書き
今回から、初代縛り解除。

全国図鑑・第1号は、ゴクリンにしました。


果たして、マルノーム(ゴクリン)は、フーケを食ったのか……?
それは、謎……。 

 

『ルイズが召喚したのが、ヒメグマだったら?』

 
前書き
今回は、ヒメグマ(→リングマ)。



全国図鑑解禁したけど、話が膨らまない!(泣) 

 

 ルイズは、もうもうと上がる煙の中に、60センチの生き物を見つけて、ガッツポーズを取った。

 ついについに! 魔法が成功したのだという確信が得られたからだ。

 春風により、煙が晴れると、そこには、大きな耳を持つオレンジ色に、顔の半分ぐらいを占める三日月模様がある可愛らしい熊がいた。なぜか、片手の掌をペロペロずっと舐めている。

 か、可愛い!!っと、ルイズは、魔法の成功に加えて、可愛い使い魔を喚べたことに喜んだ。

 コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式をっと、促す。

 熊の姿にメロメロになっていたルイズは、ハッとして熊に使い魔の印を刻むべく近づく。

 すると熊は、ビクッと震え、後ずさるが、小石に足をつまずかせ、コテッと後ろへ転がった。

 ルイズはその隙に接近し、コントラクトサーヴァントの呪文を唱え、あとはキスだけとなり、まだ仰向けになっている熊を起こそうとして…、大きな爪で引っかかれた。

 見かけによらない力によって、ルイズの顔に爪が食い込み、深く傷を付けられた。

 ルイズは、構わずキスをしようとするが、熊はバタバタ手足をばたつかせて暴れた。

 直後、コルベールが放った軽いエアハンマーが熊の頭部を襲い、熊が気絶した。

 コルベールに今だと促され、ルイズは、熊を心配しつつ、キスをした。

 そして、ルイズは、すぐに保健室に行かされ、水の秘薬で傷跡もなく治った。

 熊は、ルイズの部屋の藁の上に寝かされていた。まだ目を覚まさない。

 ルイズは、保健室へ連れて行くべきかと思っていると、やがて熊が目を覚まして起き上がった。

 ルイズを見るなり、熊は、ビクッと震え上がっていた。ルイズは、熊から怯えられてしまいショックを受けた。

 その時、ルイズの手が机の上にあったハチミツの飴玉を落としてしまった。

 熊がピクッと耳を立て、クンクンッと飴玉を匂っていた。

 欲しいの?って聞くと、熊は、コクコクと頷いた。どうやらコチラの言葉は理解できるらしい。頭は良いようだ。

 ルイズは、飴玉の包み紙を外し、中身を熊に差し出した。

 熊は、一口で少し大きめのその飴玉を口に入れた。

 すると、熊は、身を震わせるようにほっぺたを手で押さえて喜び、コロコロと藁の上を転がった。どうやら予想以上に美味しかったらしい。

 ルイズは、そんな熊のリアクションにメロメロになっていた。

 翌日から、熊はルイズに気を許したらしく、後ろをついてくるようになった。

 すると、ヒメグマだぁ! っと驚いたメイドひとりいた。

 知っているのかと聞くと、シエスタというメイドは教えてくれた。

 この熊の名は、ヒメグマ。

 タルブ村の近隣の森でしか見かけない珍しい熊の一種で、蜜を好むのだそうだ。手に染みこませて、常に舐めているそうだ。

 ただし、成長するとリングマという凶暴ででっかい熊になるそうなので、可愛いからといって近づくと親のリングマがいる可能性もあるので、非常に危険なのだそうだ。

 り、リングマじゃなくて…よかった…っと、ルイズは思ったが、いずれ自分のヒメグマがリングマに成長することを思うと、不安がわき上がった。

 青ざめるルイズを、ヒメグマは、掌をペロペロ舐めながらコテッと首を傾げて見ていた。

 ヒメグマは、蜜を特別好むが、基本雑食らしく、あげれば肉でも魚でも食べた。

 最初こそ怖がられて顔を引っ掻かれたものの、懐いてしまえば、ただあの時は怖がってただけだと分かり、ルイズは、ヒメグマを可愛がった。

 しかし、ただ可愛いだけではないのだということを、示したが、土くれのフーケによる盗難事件の時だった。

 フーケの巨大な土のゴーレムを、技マシンという宝物庫の宝を自らに使って、氷のパンチを放ち、土のゴーレムを破壊して、土くれのフーケを逃げ帰らせた。

 更にその後の、アルビオンへの密命では、裏切ったワルドからルイズを守るべく前に立ち、風の魔法で吹き飛ばされた直後、リングマへと進化を遂げ、爆発的に上がった身体能力を駆使して、疾風の二つ名を持つワルドを撃破した。

 ヒメグマからリングマになったルイズの使い魔は、婚約者に裏切られたショックから泣いているルイズをギュッと、けれど優しく抱きしめたのだった。

 
 

 
後書き
小さくとも、熊は熊だと思うのです……。
顔引っ掻かれてごっそりいかれなかっただけマシ。


ヒメグマの食性が分からず…、とりあえず蜜を好むが雑食性ってことにしました。 

 

『ルイズが召喚したのが、ミルタンクだったら?』

 
前書き
今回は、ミルタンク。


ミルタンクのミルクは、公式で美味しいってあったし、ミルクを出させるためのイベントもあるし。
でもカロリーに注意……。 

 

 メス牛。

 それがルイズが感じた第一印象だった。

 4本足ではなく、2本足でヨチヨチと歩く。ピンク色の牛。

 いかにも乳牛ですって言わんばかりの、乳房部分があり、ミルクが取れるのかと思ってたら…。

 ミルタンク! ミルタンクだぁ!っと驚いてるメイドが走ってきた。

 落ち着くよう言い、落ち着いてから話を聞くと、どうかミルクを分けてくださいませんか!?っと土下座された。

 理由を聞くと、同僚のメイドが病に伏せれおり、元気になるための活力剤にミルタンクというこの牛のミルクが良いので、どうか分けてくれないかということだった。

 そういうことなら…っと、ルイズが許可すると、シエスタというメイドは、ありがとうございます!っとお礼を言って、どこからかバケツを持ってきて、ミルタンクからミルクを絞った。

 そして大急ぎでメイド達が住む、宿舎へ走って行った。

 その後間もなく、シエスタがまた走ってきて、本当にありがとうございます! 仲間のメイドがが元気になりました!っと報告しに来た。

 そんな早く!?っとびっくりした。

 話を詳しく聞くと、シエスタの故郷のタルブ村では、かつて曾祖父が飼っていた影響で、その子孫に当たるシエスタの家族のみがミルタンクを飼育しており、その滋養強壮さと、美味ゆえに、ほとんどタルブで消費され、市場にはほとんど出ないのだそうだ。

 試しに飲んでみますか?っと、シエスタがこれまたどこから持ってきたのか、コップにミルタンクのミルクを絞り、ルイズに渡した。

 香りは…、ほのかに甘いような…、そして口に含んでみると、その甘みと濃厚さに驚かされる。かつてこんな美味なミルクを飲んだことがあっただろうか?っという衝撃レベルの美味さだった。

 ミルクがダメな人は、ヨーグルトにして食べるんですよ! ヨーグルトも絶品ですよ!っとシエスタは、自慢げだ。

 すると、モ~~~っとミルタンクが鳴いた。ポンポンとお腹を叩き、何か催促している。

 その時、グ~っと腹の虫が鳴った。どうやらお腹をすかせているらしい。

 お世話、お手伝いします!っとシエスタが、率先してミルタンクの世話を買って出た。さすが身内がミルタンクを育てているだけあり、実に慣れている。

 せっせと世話したかいがあり、ミルタンクから絞れるミルクの量が増えた。

 ルイズは、毎日少なくともコップ一杯ミルタンクのミルクを飲み、料理長のマルトーらに頼んで、ミルタンクのミルクで料理を作って貰った。

 そのかいあってか、ルイズの肌つや、そして髪の毛のつや、身長、そして胸が出始めてきた。

 ミルタンクは、最大20リットルもミルクを出せるので、瓶に詰めて学院の中で売り始めたところ、ルイズの体型の変化もあり、飛ぶように売れた。

 しかし、買い占めてがぶ飲みしていた生徒の一部が、ミルタンクみたいな体型になってきたため、クレームが入った。

 そして、ミルタンクのミルクが、栄養満点だが、相応に高カロリーであることが分かり、美味しいからと飲み過ぎると危険だということが分かったのだった。

 がぶ飲みしなくてよかった…っと、ルイズは、自分の体質と、自制心に安堵したのだった。

 その後、脂肪分をある程度抜いてカロリーを落としたヨーグルトと、脂肪分から作られたバターを作って売ることにし、これまたたくさん売れて、ルイズは、幼児体型脱却と共に、お財布がウハウハだった。

 
 

 
後書き
ミルタンクは、公式で食べれるポケモン(ミルクが)ですよね。

ただし! 高カロリーなので、飲み過ぎるとミルタンクの体型になるって図鑑の説明文にあった。

ルイズは、たぶん、痩せの大食いタイプ。食べても太らないタイプのような気がする。 

 

『ルイズが召喚したのが、ミルタンクだったら?』 別ルート

 
前書き
ミルタンク、別バージョン。


カトレアのことがまったく頭になかったので、ミルタンクのミルクをカトレアに送ったルートです。 

 

 メス牛。

 それがルイズが感じた第一印象だった。

 4本足ではなく、2本足でヨチヨチと歩く。ピンク色の牛。

 いかにも乳牛ですって言わんばかりの、乳房部分があり、ミルクが取れるのかと思ってたら…。

 ミルタンク! ミルタンクだぁ!っと驚いてるメイドが走ってきた。

 落ち着くよう言い、落ち着いてから話を聞くと、どうかミルクを分けてくださいませんか!?っと土下座された。

 理由を聞くと、同僚のメイドが病に伏せれおり、元気になるための活力剤にミルタンクというこの牛のミルクが良いので、どうか分けてくれないかということだった。

 そういうことなら…っと、ルイズが許可すると、シエスタというメイドは、ありがとうございます!っとお礼を言って、どこからかバケツを持ってきて、ミルタンクからミルクを絞った。

 そして大急ぎでメイド達が住む、宿舎へ走って行った。

 その後間もなく、シエスタがまた走ってきて、本当にありがとうございます! 仲間のメイドがが元気になりました!っと報告しに来た。

 そんな早く!?っとびっくりした。

 話を詳しく聞くと、シエスタの故郷のタルブ村では、かつて曾祖父が飼っていた影響で、その子孫に当たるシエスタの家族のみがミルタンクを飼育しており、その滋養強壮さと、美味ゆえに、ほとんどタルブで消費され、市場にはほとんど出ないのだそうだ。

 試しに飲んでみますか?っと、シエスタがこれまたどこから持ってきたのか、コップにミルタンクのミルクを絞り、ルイズに渡した。

 香りは…、ほのかに甘いような…、そして口に含んでみると、その甘みと濃厚さに驚かされる。かつてこんな美味なミルクを飲んだことがあっただろうか?っという衝撃レベルの美味さだった。

 ミルクがダメな人は、ヨーグルトにして食べるんですよ! ヨーグルトも絶品ですよ!っとシエスタは、自慢げだ。

 すると、モ~~~っとミルタンクが鳴いた。ポンポンとお腹を叩き、何か催促している。

 その時、グ~っと腹の虫が鳴った。どうやらお腹をすかせているらしい。

 お世話、お手伝いします!っとシエスタが、率先してミルタンクの世話を買って出た。さすが身内がミルタンクを育てているだけあり、実に慣れている。

 せっせと世話したかいがあり、ミルタンクから絞れるミルクの量が増えた。

 ルイズは、毎日少なくともコップ一杯ミルタンクのミルクを飲み、料理長のマルトーらに頼んで、ミルタンクのミルクで料理を作って貰った。

 そのかいあってか、ルイズの肌つや、そして髪の毛のつや、身長、そして胸が出始めてきた。

 ミルタンクは、最大20リットルもミルクを出せるので、瓶に詰めて体が弱い姉・カトレアに送った。

 するとカトレアの病にかなり効果が見られたということで両親から催促が来るほどだった。ルイズは、せっせとシエスタと共にミルタンクを世話しながらミルクを貰っては、送った。

 ところがある日、もう送るな!っと掌を返したような返事が来た。

 心配になって実家に帰ると……、そこには、ミルタンクのようにぽっちゃりとしてしまったカトレアがいた。

 病気は治ったが、今度は肥満に悩まされることになったという……。

 あとで調べたところ、ミルタンクのミルクは滋養強壮に良いが、反面高カロリーなので、飲み過ぎるとミルタンク体型になってしまうという欠点があったのだった。

 また病気になられても困るので、料理人と栄養士と相談して、ミルタンクのミルクを脂肪分を抜いたヨーグルトにして、カトレアはダイエットに励むことになったのだった。

 あと、抜いた脂肪分からバターがオマケで出来たので、ヴァリエール印で売ったところ、飛ぶように売れたとか。

 その後、エレオノールがミルタンクのミルクの栄養素を数値化し、ルイズの体型変化も含めて宣伝して、ミルタンクによる牧場をヴァリエール領に作ろうとして、ミルタンクが唯一生息するタルブ近隣の森とミルタンクの飼育をしているシエスタの親族をまとめて買い取ろうとしてかなりもめることになるのだが、それは別の話。



 
 

 
後書き
カトレアのこと全然頭になかったのですね……。彼女にこそミルタンクのミルクが必要だわ……。
でも太っちゃったってことに。

エレオノールや、あの母親ならミルタンク牧場運営を始めようとするかな? 

 

『ルイズが召喚したのが、ツボツボだったら?』

 
前書き
今回は、ツボツボ。



木の実ジュース。 

 


 壺。

 最初の第一印象がそれだった。

 無数の穴が空いた赤っぽい色の壺のような物だったが、近寄ると、にゅっと黄色い物が出てきた。

 手足も首も頭も黄色い触手のようになっており、頭部分には、目らしきものが二つ。

 生き物!? そっちの方にびっくりした。

 しかし、生き物ならコントラクトサーヴァントができると思い直し、儀式に移った。

 だが、あとはキスだけとなった時、近寄ると、壺みたいな生き物は、頭と手足を引っ込めてしまった。

 出てきなさい!っとルイズは、壺のような殻を掴んで揺すった。

 揺すってたら、ヘロヘロと首を出してぐったりした。そのすきにキスをして儀式を終わらせた。

 揺するために掴んでいた壺部分から、ドロドロと何か甘い液体が出てきて、ルイズの手を汚したため、ルイズは悲鳴を上げた。

 儀式は無事に終わったが、ルイズの手はベッタベタ。謎の生き物もぐったりしてるしで、ルイズは、仕方なくベタベタの手で自室まで運んで帰ることになってしまった。しかし、結構重たかった。(※20.5キロ)

 運ぶのに難儀したが、なんとか部屋に連れて帰って、藁の上に乗せた。それからルイズは、井戸に行って手を洗い、塗らしたタオルで、壺みたいな生き物の壺についているベタベタを拭き取ってやった。

 疲れたルイズは、そのままベットで眠った。

 翌朝、グーグー寝ていたルイズを起こそうとする何かがいた。

 ルイズが目を覚ますと、ニュ~ンと伸ばした触手のような手で、壺みたいな生き物がルイズを起こそうとしていた。

 寝ぼけていたルイズだったが、ハッと我に返り、起き上がって支度をした。

 しかし、ふと止まる。

 そこにいる壺みたいな生き物の餌について疑問が浮かんだからだ。

 しかし、時間も無いのでルイズは、その生き物についてきてって言い部屋を出た。

 食堂に行く直後、ツボツボだぁ!っと驚いたメイドがひとり。

 知っているのかと聞くと、この生き物は、とても珍しい生き物だと説明してくれた。

 名前は、ツボツボ。シエスタというメイドの故郷であるタルブ村の近隣に希に見られる、珍しい生き物なのだそうだ。

 だが、かつて亡き曾祖父が飼育していたことがあり、その影響か子孫のシエスタの家族もツボツボを育成しており、木の実を与えて、木の実ジュースを作ってもらっているのだそうだ。

 ジュース?って聞くと、ツボツボの足先から出る体液と混ざって出来る絶品なドロドロのジュースなんですよ!っと嬉しそうに答えた。

 ああ…、あの時壺のような殻から出てきたベトベトのドロドロは、ジュースだったのか…っとルイズは、納得した。

 せっかくですので木の実ジュースを作ってもらいませんか?っと提案され、ルイズは、少し考え、とりあえず、いいわよっと返事をした。

 するとシエスタが、食堂のキッチンから木の実を色々と持ってきて、ツボツボに渡した。ツボツボは、触手のような手で器用に木の実をかき集め、殻の中に入れていった。

 これで、しばらく歩き回るとジュースが出来るんですよっと説明。

 しばらく歩き回れと言われても…っと思いつつ、ルイズは、食堂で食事を摂った後、授業に出て、そして授業が終わった後に、ツボツボがルイズの足をツンツンとつついた。

 どうしたの?っと聞くと、ツボツボは、自分の殻を示した。どうやらジュースが出来たらしい。

 そしてルイズは、シエスタを呼び、シエスタは、清潔なバケツを持ってきて、ツボツボの前に出した。

 ツボツボは、斜めにされたバケツにドロドロのジュースを出した。

 うわぁ…不味そう…っというのがルイズの印象だった。

 反対にシエスタは、美味しく出来ましたよ!っと喜び顔。そしてコップに注いで、どうぞ!とルイズに差し出した。

 渋々受け取ったルイズは、まず匂う。匂いは…、甘い木の実の匂いだ。傷む寸前の果物の匂いに近いような気もしなくもない。

 美味しいですよ!っとシエスタがキラキラを目々で期待しているので、ルイズは、意を決して、グッと一口飲んだ。

 芳醇な木の実の濃厚な甘み、ドロドロというかトロトロとした舌触り、喉を通るときまで味が分かるような気がするほど味わい深い。

 不覚にも…美味しい、っとルイズは思ったし、口にしていた。

 よかったです!っとシエスタは、喜び。ツボツボも喜んでいた。

 健康や美容にもいいらしいですよ!っと聞き、ルイズは、これからもツボツボにジュースを作ってもらうことにしたのだった。

 実家に帰った際には、ツボツボの木の実ジュースを病弱なカトレアにあげた。とても喜ばれた。

 
 

 
後書き
ツボツボの体液が混ざって…だから、醗酵しているのかな?
味についての文は想像です。


正直、私は、金銀やった時、ツボツボが手に入っても、使えね~ってぐらいにしか思ったなかったです。はい。 

 

『ルイズが召喚したのが、クヌギダマだったら?』

 
前書き
今回は、クヌギダマ(→フォレトス)。


マニアックかな? 

 

 これで最後だと放ったサモンサーヴァントによる、大爆発の跡に、なんか、コロッと転がっていた。

 強いて言うなら、大きなマツボックリ。

 グレー緑色のそれが転がっていた。

 ゼロのルイズが、でっかいマツボックリなんて召喚したぞ~っと、他の生徒達が馬鹿にしてくる。

 ルイズは、唇を噛んだ。

 そんなルイズに、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式を促す。

 ルイズは、渋々、大きなマツボックリに近づいて、コントラクトサーヴァントの儀式に移った。

 最後のキスをした時、ドカーーン!っと、マツボックリが爆発した。

 もうもうと上がる煙が春風で晴れると、マツボックリに目があり、コロコロとルーンが刻まれる痛みに耐えていて、ルイズは、ケホッ…と煙吐いて髪の毛は、ボンバー、そして全身ボロボロになった状態で倒れた。

 次にルイズが目を覚ましたら、保健室だった。

 なんか、重い…っと思ったら、ルイズが被っている布団の上に、あの大きなマツボックリがいた。

 凹凸の隙間にある二つの目が、ルイズを見ている。

 コルベールが、だいじょうぶかと声をかけてきたので、ルイズは、だいじょうぶです…っと返事をした。

 なんですか? このマツボックリは…っと、ルイズが聞くと、コルベールは、分からないと答えた。

 こんなマツボックリみたいな形をしていて、しかも爆発する生き物など見たことがない。

 傷が治ったため、保健室にいるわけにもいかないので、ルイズが保健室を出ると、ピョンピョンっとマツボックリみたいな形した生き物がついてくる。

 部屋に帰って図鑑で調べても、このマツボックリみたいな形した生き物ことは分からなかった。

 ルイズは、分からないので、そのままベットで寝た。

 翌朝、マツボックリみたいな形をした生き物を連れて、授業に出た。

 マツボックリなんて召喚してどうすんだよっと揶揄されるが、ルイズは我慢した。

 そして、錬金の授業で失敗し、その大爆発に反応してしまったマツボックリみたいな形をした生き物まで大爆発し、教室はメチャクチャになった。

 その後、爆発するマツボックリというレッテルを貼られ、近づく者はいなかった。

 ルイズが落ち込んでいると、クヌギダマだ!っと驚いた声を上げたメイドがひとりいた。

 捕まえて知っているのかと聞くと、気にぶら下がっていないのなんて初めて見ましたっと言われた。

 この生き物名は、クヌギダマ。

 ミノムシの一種で、通常なら気にぶら下がって餌の虫を待っているだけの生き物らしい。自分ではほとんど動かないそうだ。

 なのだが、たまに落ちてきて不用意に爆発するため、タルブ村の近隣では、近づくことはあまりないそうだ。

 成長すると、もっと大きく、鋼のようなミノムシ、フォレトスという種になるそうだ。こっちも爆発するのでもっと危ないとか……。

 ミノムシ~っ? と、ルイズは、ガッカリした。

 なにか特別な生き物なのかと思ったが、蓋を開ければ、あの気にぶら下がって動かないミノムシの一種だったなんて…っと。

 だが、ルイズのガッカリは、後日変わることになる。

 土くれのフーケによる事件が起こったとき、無謀にも挑もうとしたルイズを、土のゴーレムから守るためクヌギダマが体当たりで突き飛ばした。

 そして、クヌギダマが巨大な土のゴーレムに踏まれてしまった。

 ルイズは、悲鳴を上げた直後、ゴーレムの足の下で、光が漏れ、倍以上に大きくなり、高速スピンで土のゴーレムの足を破壊したフォレトスがいた。

 驚いたフーケが巨大な土のゴーレムで殴ろうとしたとき、ピョンッと跳びはねてゴーレムの腕に乗ったフォレトスが、大爆発して、土のゴーレムを粉砕し、フーケを吹っ飛ばして学院の建物の壁に叩き付けて気絶させた。

 フォレトスが、フンッと煙を吐き、その場にいると、ルイズが駆け寄ってきてフォレトスに抱きついて、わんわん泣いた。

 
 

 
後書き
コイツを捕まえる大変ですよね。地味に。自爆されるから……。

あまり動かないとあったので、どう動かすか悩みました。
まあ、ゲームで連れ歩きできるんだし、動こうと思えば動けるかな?っと思って。 

 

『ルイズが召喚したのが、ハネッコだったら?』

 
前書き
今回は、ハネッコ(→ポポッコ→ワタッコ)。



筆者が金銀クリスタルで一番好きなポケモンです。なぜかは分からないが。 

 

 春風は、予想以上に強いものである。

 ゆえに。

 ぴゅーっと今日もルイズの使い魔が吹っ飛ばされていた。

 また~~!っとルイズが追いかけに行くのは、もう恒例行事になっていた。

 ルイズが召喚した、ソレは、胴体と顔が一体になった体をしており、尻尾が後ろにあり、手足は短く、そして耳らしき尖った部位があり、そして頭頂部に大きなタンポポを思わせる葉っぱがある生き物だった。

 葉っぱ部分以外は、ピンク色で、顔もどこか間抜けなようでいて、可愛くはある。

 とにかく軽くて、風ですぐ飛ばされた。(※0.5キロ)

 そのたびに回収しに行くルイズである。

 この生き物の名は、ハネッコという。

 シエスタというメイドが飛ばされて来たハネッコを回収してくれた時に教えてくれた。

 普段は集団で、強風に耐えているそうだが、そよ風は好きでそよ風の吹く時は、ピョンピョンふよふよとしている姿が森や、タルブ村の草原で見られるそうだ。

 成長すると、ポポッコ、そして最後にワタッコという形態になるそうだ。

 ワタッコともなると、風に乗って世界一周まですると言われているそうだ。子孫を世界中に残しに行くために。

 いつか、あなたも旅立っちゃうの?っとルイズがハネッコに聞いても答えはない。言葉をそもそも喋れないのだから。

 しかし、今年の春は、風が強かった。

 あんまりに飛ばされるので、いい加減ルイズも学習し、ヒモでくくって飛ばされないようにした。ハネッコは、大変嫌がったが、背に腹はかえられないということで、我慢してっとルイズが心を鬼にしてヒモでくくった。

 後日、ハネッコがポポッコになった。

 多少体重が増したことで、少々の風では飛ばされなくなったが、頭部に咲いた大きな花に太陽の光を浴びるため、太陽に近づこうと勝手に浮かび上がるようになった。

 そして気がつけば、ワタッコに。

 ルイズが目を離した隙に、ワタッコは強風に乗って旅立って行ってしまった。

 その後、ルイズは、使い魔に逃げられた貴族と後ろ指さされたが、ルイズは、きっと帰ってくると信じて待った。

 そして、再びの春……。

 ワタッコは、たくさんのハネッコとポポッコを連れて帰ってきた。他のハネッコやポポッコにも同じルーンが刻まれていて、ワタッコに子孫であることが分かった。

 どこから拾ってきたのか、ワタッコは、ルイズに珍しい宝石類までカラコロと落として渡そうとした。

 ルイズは、そんなことより…。

 馬鹿使い魔! っと涙目でワタッコを抱きしめたのだった。

 学校卒業後、ワタッコ達の生息域は、タルブ近隣だけじゃなく、ヴァリエール領にも広げられ、ヴァリエール領の穏やかに風に吹かれて嬉しそうにピョンピョンふよふよとしている、ワタッコ達の姿が、ルイズ亡き後も、ずっとずっと先まで見られたと言われる……。




 
 

 
後書き
文字数稼ぐのが大変でした。

なぜだか分からないけど、ハネッコ好きなんですよね…。いつもメンバーに入れてた。 

 

『ルイズが召喚したのが、ケムッソだったら?』

 
前書き
今回は、ケムッソ(→カラサリス→アゲハントand→マユルド→ドクケイル)。



久しぶりの更新で申し訳ない。 

 


 どう見ても、毛虫です。

 っというのが、第一印象だった。

 毛虫といっても、棘は大きく、ボコボコとしており、全体的に赤っぽい色合いで、頭頂部とお尻に黄色い棘があり、目が大きい。

 しかし、大きさは30センチとかなり大きく、そしてなぜか2匹いた。

 コルベールがコントラクトサーヴァントをと促してきたため、ルイズは、棘に気をつけつつ、二匹に儀式を施そうとして…。

 チクッ

 二匹目の方にキスをした直後に、お尻の棘が額に……。そしてルイズは倒れた。

 次に目を覚ますと、保健室のベッドの上だった。

 あの毛虫の毒の後遺症か、熱に浮かされた状態で目を下に向けると、二匹のあの赤い毛虫がこちらをじ~っと見ていた。その体にはルーンが刻まれていた。

 その後、無事に回復したルイズだが、毛虫の餌について悩んだ。

 虫と言っても千差万別。虫によって食性が違うからだ。

 しかも、この毛虫は見たいこともない種類。だから餌が分からない。

 ルイズが困っていると、そこに……、ケムッソだぁ!と驚きの声を上げたメイドがひとりいた。

 知っているのかと話を聞くと、シエスタというメイドの故郷であるタルブ村近隣の森に棲むという、毛虫の一種だそうだ。

 餌は、木の皮の下にある樹液だそうだが、草も食べるそうだ。好みの草は自分で探すので、近くの森に連れて行っては?っとアドバイスをもらった。

 とりあえず、二匹を学院の裏手にある森について行くと、クンクンっと匂いを嗅いで、ムシャムシャと特定の草を食べたり、近くの木の皮をお尻の棘で器用に剥いで、その下の樹液を舐めた。

 野菜の屑でもいいと思いますよっということで、食堂から野菜の屑をもらってきてたシエスタ。その野菜屑も二匹のケムッソは食べた。

 このケムッソって変わってるんですよっとシエスタが言った。

 なにが変わっているのかというと、同じ種類のケムッソから、二パターン、成長する違いがあるそうだ。

 サナギの段階でそのルートが決まり、最終的にチョウチョになるか、蛾になるか……。

 だから二匹?っとルイズは、ムシャムシャと野菜屑を食べているケムッソ達を見た。

 その想像は当たったらしく、やがてケムッソ達は、サナギになった。

 カラサリスと、マユルドに。

 微妙な色合いの違いだが、よく形は似ている。

 そうして様子を見ること、数日後、サナギは破られた。

 そして、美しいチョウチョと、毒々しい蛾が現れた。

 それぞれの名は、アゲハントと、ドクケイル。

 対照的な二匹ではあるが、仲は良いらしい。一緒にルイズの使い魔となったという仲で、一緒にずっと行動してきたからだろうか?

 それぞれが、やがて番を連れてきて、卵を産み、またケムッソが生まれ、そしてカラサリスと、マユルドになり、そして、また羽化する。それを繰り返していくと、あっという間にアゲハントとドクケイルの群れができあがった。

 生まれてきた子孫達にもルーンがあり、ルイズに従った。

 時に、美しく、時に毒を持って敵を制裁し、ルイズの人生に貢献し続けた。

 数十年後…、ルイズが生涯を終えた後も、ルイズの遺言でケムッソが暮らす森に作られたルイズの墓の周りを、アゲハントとドクケイルが仲良く飛んでいた。





 
 

 
後書き
二匹の召喚は、進化ルート別になるからです。

これだとイーブイも書けるんじゃないかって感じですが…、あっちは、進化の石次第ですからね……。 

 

『ルイズが召喚したのが、ラルトスだったら?』

 
前書き
今回は、ラルトス(→キルリア→サーナイト)。


※分岐進化のエルレイドは、別に登場。 

 

 その生き物は、とても不思議だった。

 なんというか、雰囲気が。

 メイドのシエスタが教えてくれたが、この生き物の名は、ラルトス。

 頭の赤い部分で人の感情を読み取ることが出来るのだとか。

 そのせいか、とても気遣いができる子で、ルイズがイライラしていれば近寄らず、逆に抱きしめたいな~って思ってると近寄ってきた。

 そして念力などの不思議な力で、物を動かし、ルイズの身の回りのことをしてくれた。

 やがて、ラルトスは、キルリアという形態に進化した。

 その日から、ルイズの周りではちょっとした異変が起こり始めていた。

 まず、土くれのフーケの噂がなくなった。あと同時に、オスマンの秘書であったロングビルが消えた。

 というか、ロングビルが最初からいなかったみたいに……。

 それを不審に思ったのはルイズだけで、他の者達は夢でも見たんじゃないかとか言って笑う。

 そして、近頃不穏な噂が流れていたアルビオンが、生き残ったウェールズにより形勢が逆転され、アンリエッタとの婚約と同時にアルビオンとトリステインの併合が発表された。

 それと同時に、ハーフエルフであり、ウェールズの親類であったティファニアが見つかり、彼女の保護者役だったマチルダという元貴族と共に保護された。

 そうして芋づる式で、ルイズとティファニアの系統が伝説の虚無であることが分かり、アンリエッタから始祖の祈祷書を賜ることになった。

 そんな最中、牙を剥いてきたのは、レコンキスタの残党と、それを裏で操っていたガリアであった。

 すると、前線部隊が駆けつけるよりも早く、ルイズのキルリアが率いる、ラルトス、そしてその上の進化形態である、サーナイト、エルレイド達が前に出て、その強力無比のサイコパワーで撃破して見せた。

 そうして、サーナイトへと進化を遂げたルイズのキルリア。

 テレパシーを持って、自身が見た未来予知をルイズに伝え、聖地に眠る、大いなる意思と呼ばれる精霊石を破壊しないと世界がヤバいことを知らせた。

 そして、ロマリアがそのことを知っていて、秘密裏に行動していることも知らせ、アンリエッタらに間接的に伝えられてから、世界情勢が動き出し、ルイズのエクスプロージョンによる、精霊石破壊か、始祖ブリミルの故郷である聖地への帰還かでもめにもめた。

 ロマリアのヴィットーリオは、始祖ブリミルの祈願を叶えるため、聖地への帰還を強行しようとしたため、サーナイト達がこれを阻止。

 仲間達を集めて、その強大なサイコパワーで、ルイズを聖地のそこに眠る大いなる意思と呼ばれる精霊石の元へ運び、ルイズにエクスプロージョンを使ってもらって、精霊石を破壊するに至った。

 ……あとで聞いた話であるが、シエスタの曾祖父が飼育していたキルリアには、空間を歪め、そして未来を見通す力があったとされていた。


 
 

 
後書き
短くて申し訳ない。

ワルドは、たぶん、レコンキスタに寝返ってたけど、キルリアにやられてるかも?

スリープとは別の感じでチートを発揮したかったんだけど…、うまく出来ませんね…。 

 

『ルイズが召喚したのが、メリープだったら?』

 
前書き
今回は、メリープ(→モココ→デンリュウ)。



今回は、デンリュウ無双?


筆者は、メリープ(→モココ→デンリュウ)がお気に入りで、必ずパーティーメンバーに入れてました。 

 

 その生き物は、小さな羊だった。

 尻尾が長く、耳と顔と、尻尾の部分だけ毛が無い。尻尾には黒と黄色の縞模様がある。そして尻尾の先端に丸いモノがついている。変わった羊ではあった。

 なーんだ、羊かぁっとガッカリしつつ、ルイズは、コルベールに促され、コントラクトサーヴァントの儀式を行った。

 あとは、キスだけとなって、羊の身体に触った瞬間。

 ビリっ!

 っと、なり、ルイズは、痺れ、倒れた。

 しかし幸いなことに、口がそのままルイズを見上げていた羊の口に当たり、それでルーンが刻まれたのだった。

 身体の全身が痺れ、ピクピクしているルイズを、慌てたコルベールが助け起こし、そのまま保健室に搬送。

 羊は、メーメー!っと鳴き、ルーンが刻まれる痛みに地面を転がっていた。

 その後の調べで、この羊…、なぜか電気を持っていることが分かり、ルイズが痺れたのは感電が原因だと分かった。

 一見フワフワの毛並みは、静電気によって膨らんだ物であり、怒ると倍以上に膨らむ。

 そして下手に触ると、ビリッ!となる。

 羊のくせになんて恐ろしい!っと、ルイズは思った。

 メリープだぁ!っと驚いた声を上げたメイドがいた。

 シエスタというメイドだったのだが、知っているのか聞くと、彼女の故郷の近隣に棲む、珍しい生き物なのだそうだ。

 ところが話を聞いていると、一見羊だが実は羊ではないらしい。

 二段階ほど成長する特性があるのだが、最終的には、デンリュウというすべての体毛を失った竜の一種になるというのだ。

 竜と言っても、正確には竜ではなく、翼はなく、鱗もなく、鋭い爪も無い。だが尻尾の先端の球体から遙か遠くまでを照らす光を発することができ、迷ったモノを導くと言われているそうだ。

 ルイズは、それを聞いてびっくり。

 まるでおとぎ話に出るような、妖精のような不思議な生き物みたいじゃないかと。

 ビリビリとする迷惑な羊だと思ってたが、シエスタの話を聞いて見方を変えたルイズは、ビリビリしないよう気をつけつつ、メリープの世話に勤しんだ。

 その甲斐あってか、メリープは、ストレスが少なくなり、ビリビリすることが少なくなった。

 メリープは、戦いに関してはとても優秀だった。

 発電能力を持つため、電気による攻撃を得意とし、ルイズをゼロだと難癖付けてくる相手を感電、痺れさせて撃退。

 成長してモココという形態になると、毛は少なくなり、2本足になる。

 シエスタいわく、成長の過程で発電力が高まるため、毛が少なくなるそうだ。

 つまり、デンリュウともなれば……。

 ルイズは、ゴクリッと息をのんだ。

 モココは、その小ささに似合わない発電力を持って、学院に現れた土くれのフーケを撃退した。

 巨大な土のゴーレムをも破壊した、雷は、凄まじく、うっかりとばっちりで学院の建物さえ雷から飛び散った電気により火事が起こったほどだ。

 そして、アルビオンへの密命で、ついにモココは、デンリュウへと成長を遂げる。

 すぐそこまで迫っていたレコン・キスタの軍勢に向かって、尻尾からアルビオン全土を照らすような凄まじい光を放った。

 あまりの光量に、近距離にいたワルドは、目を閉じる間もなく失明。レコン・キスタの空中艦隊も光に目をやられたのか、飛行状態が狂っていき、そこへデンリュウが放つ、雷の嵐が来て壊滅寸前に追い詰められたのだった。

 デンリュウからの合図で目をつむったおかげで近距離にいたが目をやられずにすんだルイズは、後々ずっと語り続けることになる。

 デンリュウは……、光の化身であり、雷神だと。



 
 

 
後書き
今まで、エレブーとかも出しましたが、今回は、電気ポケモン無双させてみた。

まあ、デンリュウって名前だけで、実際は属性は、電気だけですからね…。
でも、なんか好きなんだ…。理由は分からないけど。 

 

『ルイズが召喚したのが、イワークだったら?』

 
前書き
今回は、イワーク(→ハガネール)。



今回は戦闘無し。


個人的には、アニポケのタケシのイワークが可愛いと思ってる。 

 


 最初は、複数の岩が固まった岩山だと思った。

 だが、違った。

 他の生徒達から嘲笑を受けながら、渋々ルイズがコントラクトサーヴァントの儀式を行おうとしたとき、ガラガラと、音を当ててそれが動いたのだ。

 それは、岩のヘビだった。

 1本の角があり、両目があり、口がある。くねった身体の節々がひとつずつが岩だ。尻尾にさしかかるにつれ小さくなる。

 ルイズがぼう然としていると、その岩のヘビが、ゴオオオ!っと低い鳴き声を上げ、全身が岩で出来ている尻尾をルイズに振り下ろそうとした。

 コルベールが咄嗟に魔法でルイズを跳ばし、回避させた。ルイズがいた位置に、大きな尻尾が振り下ろされ土煙が上がる。

 岩のヘビがギロリッとコルベールを睨むと、口をパカッと開けて、岩を猛スピードで吐き出した。

 コルベールは、横へ転がり吐かれた岩を避ける。

 直後、岩のヘビに無数の氷の矢が当たり、岩のヘビが苦しげに鳴き声を上げた。

 タバサが杖を手にしており、今だと言った。

 ズドンッと倒れ込んだ岩のヘビに向かい、ルイズは急いでコントラクトサーヴァントの儀式を行い、その口にキスをした。

 ルーンが刻まれる痛みに、岩のヘビが悶え苦しみ、その巨体が大きく動いたことでルイズは跳ね飛ばされ、そのまま意識を失った。

 次の目を覚ましたら、ルイズは保健室にいた。

 身体の節々が痛いが、そういえばあの岩のヘビはどうなったのかが気になった。

 そこへコルベールがやってきて、身体はだいじょうぶかと聞かれ、身体はまだ痛いがだいじょうぶだと答えた。

 岩のヘビはどうなったのかと聞こうとしたとき、地響きが聞こえた。

 今のは?っと聞くと、あの岩のヘビが動いている震動だと答えられた。

 ルイズは、痛む身体を押して外へ出ると、広場を占拠するように岩のヘビがいた。

 岩のヘビは、ルイズを見つけると、ガラガラと音を立てながら顔を近づけてきた。ルイズは、咄嗟に身構えると、岩のヘビは、ルイズの細い身体に鼻の先を擦り付けてきた。

 すると、い、イワーク!っと驚いている声が聞こえた。

 見ると、洗濯物籠を落としているひとりのメイドがいた。

 捕まえて話を聞くと、シエスタというメイドは、この岩のヘビについて知っているらしかった。

 岩のヘビの名は、イワーク。

 タルブの近隣にある岩山を住処にしている、珍しい生き物なのだとか。

 かつて曾祖父が飼育していたこともあり、シエスタは、少しだがその生態を知っていると答えた。

 地面を高速で掘り進み、硬い物を食べて身体を丈夫にする生態があり、年を取ると身体に丸みが出てくるのだとか。

 ルイズのイワークは、ゴツゴツしており、たぶん年齢的にはまだ若いと見られた。

 100年地面の下で生きていると、ハガネールという個体になり、身体の成分がダイヤモンドと相当のものになるのだとか。

 き…気が長い!っとルイズは思った。100年だなんて…っと。

 あ、そういえばっと、シエスタは言う。

 ある条件を満たすと、100年せずともハガネールになるのだとか。

 だが、その条件は分からないと言われた。

 もしかしたら故郷のタルブある、曾祖父の遺品にそのヒントがあるかもしれないと言われたので、いてもたってもいられないルイズは、休みの届けを出し、イワークを連れてシエスタの故郷へ向かうことにしたのだった。

 シエスタの案内でシエスタの家を訪ね、倉庫に収められた彼女の曾祖父の遺品を見せてもらった。

 古い日記があり、開いて見たものの、見たこともない文字で書かれており、シエスタの家族によると彼女らの曾祖父に当たる人物は、元々は余所から来た不思議な人物だったのだとか。

 丸いマジックアイテムから巨大なイワークを出し入れし、自在に操り心通わせていたのだとか。

 はて?っと気がつけば、イワークがタルブ近隣に住み始めたのは、シエスタの曾祖父が住み始めてからだと理解できた。

 他にヒントになる物は無いかと漁ったところ、メタルコートと書かれた変な金属物を見つけた。

 そういえば…っと、シエスタの祖母が思い出したように言う。

 イワークの進化形であるハガネールを、シエスタの曾祖父がかつてイワークと共に飼育しており、曾祖父亡き後、他のイワークと共に近隣に住み着いたと。

 イワークの寿命を考えると、もしかしたまだ生きている可能性があり、もしかした、ボスとして君臨しているのではと。

 結局、ハガネールになるためのヒントは、得られなかったと思うルイズだったが、シエスタの厚意でメタルコートをもらい自分のイワークのもとへ戻った時だった。

 ルイズが手にしているメタルコートを見たイワークは、パクッとメタルコートを咥え、奪った。

 そしてそのまま地面に潜り、姿を消してしまった。

 ルイズが制止する暇も無くいなくなってしまい、ルイズは焦った。

 そして少しして、イワークの巣になっている岩山の方で、ピカッと何かが光ったような気がした。

 やがて、ゴゴゴゴ!と地響きがして、イワークを超える白銀の巨体が現れた。

 イワークと違い頭が平たくデカい。

 ハガネールだ!っとシエスタの祖母が驚いた。

 これが?っとルイズが見上げていると、ハガネールは、金属で出来ていて動かないはずの口の端をあげて笑った。

 そして鼻先をルイズに擦り付ける。

 ルイズは、その仕草で理解した。

 このハガネールは、自分のイワークだと。

 どうやら、メタルコートこそが、イワークをすぐにハガネールへと進化させる鍵だったことが分かった。

 ルイズは、よしよしっとハガネールの鼻先を撫でると、元イワークのハガネールは、嬉しそうに低い声を漏らした。




 
 

 
後書き
このイワーク(ハガネール)は、最初こそ知らないところに呼び出されてビックリして襲ってきたけど、中身は穏やかな性格。
そのため懐くと鼻をすり寄せてくる。

大きくて、気が優しいってどこかで聞いたことがあるけど、そんなイメージ。

アルビオンでの戦闘も考えたけど、イワークやハガネールの重さを考えたら、どうやって運ぶ?って話で……。 

 

『ルイズが召喚したのが、ゴニョニョだったら?』

 
前書き
今回は、ゴニョニョ(→ドゴーム→バクオング)。



果たして、音を操る生き物はどこまで通用するのか?(トリコのゼブラの例はあるけど)

ゼロの使い魔には、音を消す魔法があるし……。 

 

 もくもくと上がる煙が、春風吹かれ、消える。

 そこにいたのは、ウサギのような大きく長い耳を持つ、薄紫色の生き物だった。しかし、耳の先端と、短い足の先端は黄色い。

 一見するとぬいぐるみ?っと勘違いしそうな外見ではあるが、煙が晴れてからキョロキョロと周りを見回していて、生き物だと分かった。

 よく見ると、変な顔をしている。特に目が…。

 変なの召喚したかな?っと思いつつ、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式をするよう促したため、ルイズは、その生き物に近づいた。

 ルイズが近づいてきたので、その生き物はビクッと震え上がり。

 そして。

 学院にも届くほどの大音量を口から放った。

 あまりの大音量に、ルイズは、ひっくり返り、離れた場所にいた生徒達もひっくり返り、その使い魔達も逃げ回った。

 そしてその生き物は背中を向けて逃げようとした。

 ルイズは、グワングワンする頭を抱えて起き上がり、力を振り絞ってその生き物に飛びつき、素早くコントラクトサーヴァントの儀式の呪文を唱え、また大音量を放とうとした口にキスをした。

 ルーンが刻まれる痛みに、別の意味で大音量の鳴き声を上げる、その生き物。

 至近距離でその大音量を喰らったルイズは、耳の鼓膜が破裂した。

 その後保健室で治療を受け、すっかり大人しくなった生き物を見おろした。

 コルベールなどは、こんなに小さい(60センチ)のに、どこからあんな大音量を出してるんだと不思議がっていた。

 コルベールが気を利かせ、また大音量で耳をやられたらたまったものじゃないだろうと、あの大音量を緩和させる耳栓をルイズに与えた。

 ルイズが、その生き物を連れて歩いていると…。

 ゴニョニョだぁ!っと驚いたメイドがいた。

 さっきのあの鳴き声、やっぱり!っと声を漏らしているので、話を聞くと、知っているらしかった。

 この生き物の名は、ゴニョニョ。

 危険を察知すると窓ガラスを割るほどの大音量出して、敵を怯ませる不思議な生き物で、タルブ近隣の森でたまに見かけられるそうだが、あまりに大音量を出すため、遭遇しても絶対に近づかないそうだ。

 二段階ほど成長する特性があり、成長すると、ドゴーム、そして最後にバクオングというそれぞれ、大音量の声を操る生き物になるそうだ。

 名前を聞くだけで、相当な音を出しそうである。ゴニョニョ段階で、アレなのに…、それ以上になるのかっと、ルイズは、不安げにゴニョニョを見た。

 まあようするに、音を武器とする生き物らしかった。

 なのだが、ゴニョニョ以降は、あんまり可愛くないんですよねっと、シエスタというメイドは言っていた。

 その後、ゴニョニョをぬいぐるみみたいに思って、不用意に近づいた女子生徒にビクッとなったゴニョニョが学院の中で大音量の声を放ち、廊下の窓を全部割る事態を発生させる事件があったり。

 シエスタを庇ったことで発生したギーシュとの決闘で、ゴニョニョがドゴームに進化し、可愛くなくなったが、その声の衝撃波でギーシュを一撃で撃破。

 さらに土くれのフーケの土のゴレームをも、声で破壊し。

 アルビオンへの密命で、共に来ていたワルドが裏切った際には、バクオングへ進化を遂げ、ワルドが得意とする風の魔法を全て破壊する声の攻撃を放ち、ワルドを撃破。

 そして、教会の外へ出るなり、迫ってきていたレコン・キスタの軍勢に向け、最大級の声を放ち、竜騎士達や馬の陸軍の耳を破裂させて全滅させた。

 その声は、トリステインにも聞こえており、帰った際には、トリステインにも隣国のガリアとか、ゲルマニアにも地の底から現れた魔神が復活した!?なんて変な噂が流れて、市民がパニックになっていたそうだ。


 
 

 
後書き
音を消す魔法があるけど、ソレをも超える大音量もある?
声自体が空気の振動だから、空気を操るって事でもよかったかな?
それとも、トリコのゼブラ並みに活躍…は、やり過ぎか……。
あーでも、それもアリだったかな…? 

 

『ルイズが召喚したのが、マリルだったら?』

 
前書き
今回は、マリル(→マリルリ)。


残念ながら、ルリリは、出しませんでした……。 

 

 かっわい~~~!っと、ルイズは、その生き物を見てまずそう思った。

 大きさは、40センチと小さく。

 雷状に凹凸がある黒い尻尾の先端に丸い大きなものがついていて、身体青く、腹の部分は白く、手足は短い。耳はネズミみたいに丸くて大きい。

 目も黒くてつぶらで、実に愛らしい見た目だ。

 可愛い可愛い!っとルイズが興奮していると、コルベールがコントラクトサーヴァントの儀式をと、促した。

 他の生徒達が、可愛い生き物をゼロのルイズが召喚したと悔しそうにしているのを、後目に、フフンッとルイズは得意げに笑い、そして儀式を始めた。

 ルイズが目の前に来ると、キョロキョロと周りを見回していたその青い生き物が、ビクッと震え上がり、口からブーっと水を吹いてルイズの顔に当てた。

 突然のことと、その水圧にルイズは、ひっくり返り、青い生き物は短い足に似合わぬ速さで背中を向けて逃げ出した。

 コルベールが火を放ち、その退路を断つ。

 ひっくり返っていたルイズは、慌てて起き上がり、コルベールの炎に退路を断たれて立ち往生しているその生き物を捕まえ、素早くコントラクトサーヴァントの呪文唱え、キスをした。

 ルーンが刻まれる痛みに、リルーリルーっと変わった鳴き声をあげ泣き叫ぶその生き物。

 ルイズがだいじょうぶ、だいじょうぶよっと声をかけながら押さえつけるように抱きしめていると、ゴウッと尻尾が振られ、水を纏ったそれがルイズの頭を殴打してルイズをノックアウトさせた。

 ルイズが次に目を覚ましたのは、保健室だった。

 コルベールがだいじょうぶかと声をかけてきたが、ルイズは、あの生き物は?っと聞き返した。

 コルベールが、ルイズを案内し、水棲の使い魔を飼育するプールに連れて行くと、他の水棲生物に混じって、あの青い生き物がスイスイと水面を泳いでいた。

 あの尻尾を浮かせている様子からするに、あれが浮き袋の代わりと見られた。

 その生き物は、ルイズの存在に気づいて固まる。

 ルイズがおいでっと言うと、またブーッと水を吐いてルイズに浴びせた。

 水辺だからか水の威力が上がっており、ルイズはひっくり返って後頭部を強打した。

 コルベールが助け起こし、ルーンが刻まれているのだが、あの通り人間を警戒していて、近づいてこないと言った。

 ルイズは、後頭部摩りながら、そんなぁ…っとショックを受けた。

 餌で少しずつ懐かせて行かせればいいのでは?っとコルベールが提案したが、そもそも餌が分からない。

 草食性かもしれないし、雑食性かもしれない。

 ルイズが困りながら、とりあえず、肉と草、一般的に使い魔の餌にしている物をどちらも持ってプールに行くと、ひとりのメイドがルイズの使い魔と交流している姿があった。

 だが、使い魔はルイズを見るとすぐに水の中に逃げていった。

 メイドは、ハッとして、申し訳ありません!っと頭を下げてきた。

 ルイズは、それよりなぜあの可愛い生き物と交流できたのか知りたかった。

 なので話を聞くと、お腹をすかせて食料庫に紛れ込んでいたのを見つけ、餌を与えていたのだそうだ。

 シエスタというメイドが言うには、あの生き物の名は、マリル。

 シエスタの故郷の近隣の水辺で見られる、珍しい生き物のなのだとか。

 雑食性で、小魚や水草なども食べるそうだ。

 なぜ自分に懐かず、見ず知らずのメイドなんかに…っとブツブツとルイズは文句を言う。シエスタは恐縮してしまう。

 故郷のマリルの人懐っこいそうだが、何か酷いことをしませんでしかた?っと聞かれ、ルイズは、もしかしてルーンを刻まれたときか…っと思い当たった。

 だいじょうぶです!がんばりましょうっとシエスタに励まされ、その日からマリルを懐かせるため、ルイズは奮闘した。

 最初は、シエスタからしか餌を受け取らず、ルイズを見るとすぐ逃げていた。それが数週間後、やっとルイズがこれ以上危害を加えてこないと分かったらしく、手から餌を受け取るようなった。だが餌を受け取るとすぐ水の中に逃げた。

 うっかりや誤解で、ギーシュと決闘騒ぎになってしまった時、マリルが自ら盾となるように現れ、水を纏った尻尾による攻撃でギーシュのワルキューレを破壊しギーシュを倒したりもした。

 極めつけは、巷を騒がせている土くれのフーケが学院を襲撃した際、マリルリというウサギのような耳の形態に進化を遂げて、土くれのフーケの巨大ゴーレムをプールに誘って、そこでプールの水を利用して、大水流を放ち、土のゴーレムを破壊して、土くれのフーケを撃破した。

 その夜の舞踏会を抜けたルイズが、プールに近づくと、すぐにヒョコリッと顔を出してくれるようになり、ルイズは、マリルリ(マリル)との絆が築けたことが嬉しかった。



 
 

 
後書き
マリルが雑食性というのは、捏造です。
何喰うのかは知らない……。
けど、尻尾を木の枝に引っかけて餌を見つけるとあったので、小魚かな?って思ったり。

水棲ポケモンは、どうしてもその特性上、陸地での活動が限定されるから、苦労するんですよね。
マリルは、まだ水陸両用そうでだいじょうぶだろうけど、他の魚系が…。