やはり俺がネイバーと戦うのは間違っているのだろうか


 

1.かくして比企谷隊は予期もせずそろってしまう

 高校生活を振り返って
 二年F組 比企谷八幡
 
 青春とは嘘であり悪である。青春を謳歌せし者達は常に自己と周囲を欺き、自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。
 彼らは青春の2文字の前ならばどんな一般的な解釈も社会通念もねじ曲げてみせる。
 彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗も青春のスパイスでしかないのだ。
 仮に失敗することが青春の証しであるのなら、友達作りに失敗した人間もまた青春のど真ん中でなければおかしいではないか。
 しかし彼らはそれを認めないだろう。すべては彼らのご都合主義でしかない。
 結論を言おう。青春を楽しむ愚か者ども、
 砕け散れ。
  






 
 俺の書いた作文を現国担当の平塚先生は大声をだし読み上げた。そしてその額には今にも青筋が出てきそうな勢いだ。
「なあ、比企谷。私の出した課題の内容は何だった」
「確か、高校生活を振り返って、とか言う物だったと記憶していますが」
 もしかして、文章が拙すぎただろうか。確かに学年次席がこんな文章書いてたら駄目だと言うものだろう。センスに走りすぎてしまった。
「なのに何故こんな犯行声明のような物を書き上げてくるのだ。テロリストにでもなるつもりか」
「はあ、別段なるつもりはありませんが」
 あれ?おかしいな。内容を全否定されたような気がするぞ。そこまで的外れなこと書いてないだろ。
「君は、死んだ魚のような目をしているな」
「DHAがそんなに豊富そうっすか。賢そうッスね」
 ま、現に学年次席なわけだが。
「まじめに聞け」
 キッと眼孔を鋭くし、睨んでくるが、猫が威嚇している程度にしか見えない。寧ろ忍田さんがキレた時の方が怖い。
「俺はちゃんと高校生活を振り返ってますよ。近頃の高校生はだいたいこんな感じじゃないですか」
「私の知る限り、君も含め二人しか知らないよ」
 先生がそういうと、ちょうど職員室の後ろのドアが開いた。失礼しますという声と同時に入って来た人物は俺もよく知っている人物だった。
「あれ?八幡さんじゃないですか」
 俺を学校でこう呼ぶ人物は一人しかいない。沖田総司。俺の幼なじみで、我が比企谷隊のメンバーだ。
 ちなみに言うと、あの新撰組の沖田総司とは何にも関係ない。あと女だ。女だ!大切なことなので二回言いました!
「八幡さんもそれですか?お互い相変わらずみたいですね」
「てことは、おまえもか」
「そういうこと。で、平塚先生。やはり文章が拙かったでしょうか?」
「………はあ、何故君たちが主席と次席を取れているのかわからないよ」


 高校生活を振り返って
 二年F組 沖田総司

 特筆することはないんですけど、私の吐血設定ってこっちではどう言う扱いになってるんですかね?








「何故こんなメメタァな作文を書いた!」
「いや、これこそが沖田さんのアイデンティティですし」
 いや、総司さんや。もう少し課題内容にふれようぜ。
 ちなみにまあ、あった方が面白そうなためあるそうです。ネタでしか使われないだろうけど。
「いや、もう少し他に書きようがあったろう、ということだ。それにもっと内面的な振り返りではなくてだな」
「ならそうと、初めから言ってください。これは先生の明らかな伝達ミスであってですね」
「小僧、屁理屈を言うな」
「小僧って、確かに先生からすれば俺は小僧ですけど」
 八幡さん、それはタブー。という声が聞こえるも時はすでに遅し。先生の拳は俺の顔面をスレスレで通り過ぎっていった。だが、これなら目を瞑っていても避けられるな。そもそも当てる気がないみたいだしな。
「次は当てるぞ」
 無理だろ、と言おうとしたが、それを言うとさらにめんどくさくなりそうなので口を閉じた。
「とにかくだ。作文は書き直しだ」
「わかりました。では俺らは帰り(ry」
「それと、君たちには罰として奉仕活動をしてもらう」
『は?』
「先に行っておくが君たちに拒否権はない。では着いてきてくれたまえ」
「……………はあ、やれやれだ」
 俺はそう溜息を吐きながらも先生の後を追った。
 






 そうして先生について行くこと数分。特別棟にある空き教室で先生は止まった。
「なあ、総司。俺すごくいやな予感がする」
「主に八幡さんのせいでじゃないですかー」
「お前もあんな作文を書いたんだから同罪だろ」
「いやそういう意味じゃなくてサイドエフェクトのほうですよ」
 はい論破!ダメだ。反論できねぇ。何で俺のサイドエフェクトはこんな働き勝たしてんだよ。本業は全く別だろ。これが発現してからずっとこんなことに巻き込まれてきたような気がする。
 俺らがこんなやりとりしているうちに先生は教室の中に入った。
 その教室にはあいつがいた。
「雪ノ下入るぞ」
「先生、入るときはノックをとお願いしたはずですが?」
「君はそうやって返事をしたためしがないじゃないか」
「それは先生が返事をする前に入ってくるんですよ。はあ、まあいいですけど」
 彼女は雪ノ下雪乃。俺たちは彼女を知っている。
「あら、比企谷くんに沖田さんじゃない。どうしてこんなところに?おおかたの見当はつくけれど」
 彼女は我々比企谷隊のメンバーであり、俺の弟子でもある。本人は総司の弟子と言い張って聞かないが。
「何だね?君たちは知り合いなのか」
「まあ、はい。そんな感じです」
 仲間と言い換えてもいいのかもしれないが、平塚先生がいるここだと雪ノ下が早口をまくし立て暴走するからな。
「なら、雪ノ下。私の依頼だが、わかるな」
「……あなたたち、本気であれを出したの?」
 信じられない、というような目で俺らをみる。そういえばこいつも作文の内容を改めた方がいいと言ってたな。何でだろ?
「…………先生。申し訳ございませんが、比企谷君たちの更正の依頼は受けられません」
「ほう。さも雪ノ下でも怖い物はあるか」
「……先生。私はやれることはやってきたつもりです。ですが無理な物は無理なんです。バカは死ななきゃ治りません」
 よって、必然的に無理です。と雪ノ下は付け加えた。え?何で俺たちバカ呼ばわりされたの?ひどくね。
「おい雪ノ下。総司はともかく俺が死なねーような化け物扱いやめろ」
 俺は至って普通の一般の高校生だ。たかが一、二回生き返っただけだろ?
「ならせめて手元に置くだけでもだめか?」
「そうですね。わかりました。それなら受けましょう」
「そうか、なら後は任せるぞ。雪ノ下」
 そういって先生は出て行った。一応、気配を探ってみるが教室の外で立ち聞きなどということはないようだ。
「それにしても、雪ノ下お前放課後はここにいたんだな」
「勉強場所にうってつけなのよ。それにしても、そんなにあなたはボーダーだとバレたくないのかしら」
「ああ。考えてもみろ俺みたいなのがボーダー、しかもA級で、あの嵐山隊より高い順位の隊の隊長、だなんなてバレてみろ。闇討ちにあうぞ」
 俺たち比企谷隊は全員、自分がボーダーだということを一部の先生にしか話していない。よって、生徒はもちろん、生徒指導のポストに収まってる平塚先生でさえも知らない事実だ。二人は大丈夫だろう。顔がいいからな。俺だと、この目が存在をダメにしているからな。
「大丈夫ですよ。もしそんなことになったら、最強無敵の沖田さんにお任せです!」
「何故かしら、仕掛けた側が何人いても瞬殺される未来が見えるわ」
 雪ノ下がこめかみを抑えながらぼやいた。お前、未来視のサイドエフェクトにでも目覚めたんじゃねーの。
「まあ、いい。それよりもここ何部なんだ?奉仕活動がどうこうって言ってたけど」
「そのまんまよ。奉仕部というの。基本依頼を待つスタイルよ」
「なるほど」
 結局、今日は依頼は無く。防衛任務ギリギリまで、居残りそれから三人で本部へ向かった。




 

 

2.比企谷八幡は静かに暮らしたいがそううまくは行かない

 防衛任務任務中。

「つーわけで、俺たち部活に入ったんだ」
『だよねー。だってあのお兄ちゃんが自分から部活にはいる訳ないよね』
「当たり前だろ小町。防衛任務ならともかく、それ以外で俺が働くわけないだろ」
 比企谷小町。わかると思うが俺の妹だ。うちの隊でオペレーターをやってくれている存在だ。
「任せて、小町さん。比企谷君はしっかり働かせるから」
『こんな兄ですが、総司お義姉ちゃんとがんばってください!』
 こいつら俺のことどう思ってんの。仮にも隊長だよね、俺。
「八幡さん。八幡さんはやるときはやる子って、沖田さんわかってますから!大丈夫です!」
 総司さん。あなただけが俺の頼りです。
『もう、総司お義姉ちゃんはお兄ちゃんにあまいんだから。っと皆さん門開きましたよー。誤差2.43』
「ひーふーみー、めんどくせ数えんのやめた」
 おいおい、どんだけいんだよ。三、四十体いるんじゃねーの。
「作戦とかは特になし。各々好きなだけ暴れてくれ」
「「了解 (です)」」
 俺たちの方針はいつもこれだ。対人ならばともかく、たかがプログラムされた動きしかしない相手に連携なんかいらん。
 ほかの奴らが各自向かったのを確認し、俺は腰の後ろに手を伸ばす。和服の帯に挟んだそいつを抜き、そして放つ!
 パンパンパン!
 という音を残し、ネイバー独特のあの目みたいなところの真ん中を打ち抜く。
 俺のメイン武器になるのがこのガンナートリガーの拳銃タイプなのだが、俺のはボーダーないで唯一のリボルバーの形のものだ。いやー、エンジニアの知り合いに頼み込んだ会があったぜ。ほかの奴らがどんな銃を使おうと関係ないが、俺から言わせればロマンに欠けるな。
「相変わらずの威力だなこいつはっ!」パンパン!
 これもその人にに頼んでやってもらったものだが、こいつはいちいち弾をリロードしなければならないのだ。でもそのかわり、弾の威力は次第によっちゃアイビスの弾は逸らせるし、合成弾のギムレットは相殺できる。たいがい何でもありありだ。
 何よりも、こいつと俺のサイドエフェクトは相性がいいんだ。








 そんなこんなで、翌日の放課後だ。えっ?いきなり場面が変わりすぎだって?まあ、サイドエフェクトについてはそのうちな。俺も嬉しいもんじゃないんだよ。サイドエフェクトを和訳すると副作用ってなるけど、俺のはまさにそれだ。
「このままだと今日も誰も来ないまま終わりそうだな。雪ノ下、ここの問題わかるか?」
「そこはこの公式を使うのよ。沖田さんここの革命の起きた理由ってなんだったかしら??」
「ああ、そこですか。王権神授説がどうこうって感じでしたよ。八幡さん。ここの漢文の書き下しってわかります?」
「上下点を見るんだ」
 もはや、奉仕部室というよりも自習室と化しているこの教室だが、改めてこうして考えてみると端から見たらすごいメンツなのかもしれない。なんたってこの学校のスリートップ揃って勉強会だからな。因みに、俺が次席、総司が主席、雪ノ下が三位、要は三席だ。
「…………平穏とは、いいもんだなぁ」
「八幡が言うと何だろうとフラグになるんですから、自重してくださいよ」
「激しい喜びはいらない、そのかわり深い絶望もない、そんな平穏な生活こそ俺の目標なんだ」
「どこの吉良あクイーンですか」
 ハハハ!流石にそれはないだろう。何故なら、今日の俺の星座は星座占い一位だったからだ!ちゃんとラッキーアイテムの星柄のシャーペンも持ってきた。人知を尽くした俺に死角はない!この比企谷八幡に、運は味方をしてくれて、



 コンコン。

 ドアを叩くその音を俺の耳がとらえた。ダニィ!
「因みに、比企谷君──────私の見た星座占いだと、あなた最下位だったわよ。私と沖田さんは一位。その占いによると、宣言したことはたいがい当たる、と言うことらしいわ。運命に勝ったわ」
 こうして、俺の平穏は生活は崩れ去った。








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設定 ①


比企谷八幡

ポジション:ガンナーでもスナイパーでもない何か、暗殺者(アサシン)(材木座命名)

トリガー構成
メイン:拳銃改(通)、散弾改(追)、イーグレット、シールド
サブ :拳銃改(通)、free、free、バックワーム

好きなもの:MAXコーヒー、平穏、家族、チームメイト、ラーメン、甘味、リボルバー

嫌いなもの:平穏を崩すもの、チームメイトや家族を侮辱するやつ、リア充、仕事、副作用

サイドエフェクト:神経情報伝達速度強化
 このサイドエフェクトの正体は、比企谷家に伝わる持病というよりも体質『ヒステリア・サヴァン・シンドローム』通称ヒステリアモード。
 神経の情報伝達速度が大幅に上がるもので通常時の約30倍まで上昇し、動体視力が上がり周りがスローで見えたり、反射速度があがったり、思考速度が上がったりする。
 発動条件は性的興奮をすること。ただし、デメリットがあり、キザな態度言動をしてしまうのだ。だが、八幡はそれが相当厭で効果を下げることで性的興奮せずとも、なることはできる。その場合はデメリットはでない。

 今作の主人公。だが、ここで明言しておくと性格は捻くれているが色々とぐだぐだ的な意味でキャラ崩壊している。ボーダーきってのプレイボーイ。これもすべてヒステリアモードってやつの仕業なんだ。母方の旧姓は遠山で実家が巣鴨にある。どこのキンちゃん様かな?両親は大規模侵攻の際に死去。兄が一人いたが、今作開始数年前に行方不明になったらしい。アアシンパイダナー。 
 

 
後書き
  

 

3.由比ヶ浜結衣は木炭を生成する

「し、失礼しまーす。って、何でヒッキーと沖田さんがここにいるし!」
 俺が入部して初めての依頼主の邂逅初っぱなからこれである。まったく泣きたくなるね。あと、総司。腹抱えて笑うんじゃありません。俺のやる気ゲージがガリガリ削れていくだろう。
「そりゃここの部員だからな。それと、誰がヒッキーだ。俺は引き籠もりじゃねーよ」
「まあ、座ったらどうかしら。由比ヶ浜結衣さんよね?」
「あ、あたしのこと知ってるんだ」
 相変わらずだがすげーな。にわかには信じがたいがこいつもしかしたら全生徒記憶しようとしてんじゃねーの?姉への対抗意識強すぎだろ。いや、そもそも、
「その調子で行くと、全生徒の名前を記憶していそうだな」
 やべぇ、口に出てしまった。いったいどんな口撃がくるのやら。
「そんなことはないわ。あなたと知り合ったのを軽く後悔してるもの」
「何故俺限定?てか、俺はだめで総司はいいのかよ」
「少しは自分の胸に聞いてみなさい。それと沖田さんは鬼畜じゃないからいいのよ」
 え?何?そんな違いなの?そもそも、そんな厳しい訓練要求したか?
「していますよ。私もきついと思いますけど、そんな私でも引きますよ」
 あのー、総司さん。心読まないでくれます?
(八幡だって読めるじゃないですか)
 うお!?マジだ。すげー。新発見だ。
(だから言ったじゃないですか)
「あなたたち、そろそろ口に出して会話してくれないかしら。そんな秘匿回線みたいなことして」
「ちっ、せっかく口を開かなくても意志疎通できる手段を手に入れたと思ったんだがな」
 しかも、なにちゃっかり雪ノ下も俺の心読んでんの?俺の周りエスパー多すぎだろ。
「できる人間が限られるものはコミュニケーションとは呼ばないわ。却下ね」
「なんか…………楽しそうな部活だね」
「バカみたいな会話しながら勉強してるだけだけどな」
 そもそも、三人だけで教室でただ勉強してるだけのものを部活と定義して良いのだろうか?そんな意味を含めては皮肉を返すと、由比ヶ浜?はあわあわ慌てながら両手をブンブン振る。
「あ、いやなんていうかすごく自然だなって思っただけだからっ!ほら、そのー、ヒッキーもクラスにいるときと全然違うし。ちゃんと喋るんだーとか思って」
「だって喋る意味ないだろ?」
「さすが八幡さん!私たちに出来ないことを平然とやってのけるっ!そこにシビれる!あこがれるぅ!」
「…………これは重症ね。まったく、何でこんなのが私より優秀なのかしら」
 これには、雪ノ下も頭を悩ませたようにこめかみをおさえていた。どうしたんだろうか?頭痛か?
「つい脱線してしまったわね。それで由比ヶ浜さん、あなたは平塚先生に紹介されてここに来た、ということでいいのかしら?」
「うん。それで平塚先生から聞いたんだけど、ここは願いを叶えてくれるんだよね?」
「いいえ、それは違うわ」
 どこぞの超高校級の奇跡の人じみたことを連想させるようなことを雪ノ下の言葉の通り、ここは何でも屋や生徒会のようにただ助けて願いを叶えるのではない。
「ここは、人の自立を促すところよ」
 雪ノ下曰わく、つまりは人に魚を与えるか、魚の釣り方を教えるかの違いらしい。つまるところ、願いが叶うかはそいつ次第、というわけだ。
「そ、そっか。なんかかっこいいね」
 あ、八幡わかった。この子アホの子だ。間違いない。俺のサイドエフェクトがそう言っている。
「叶うかはあなた次第。でも、できる限りの手伝いはするわ」
「あ、あのね、クッキーを……」
 由比ヶ浜のその言葉と同時に雪ノ下がくいっと顎で廊下の方を指し示した。そして、総司からもテレパシー通信。なんだよ。
(この前ランク戦で勝った分、売店で金平糖買ってください)
「はあ、ちょっと売店で買ってくるわ」
「あっ!八幡さん!待ってくださいよ~」
 






「なんだこりゃ」
 目の前には木炭。あたふた後ろにはあたふたする由比ヶ浜。その横にこめかみをおさえている雪ノ下。俺の隣に木炭を見てどん引きしている総司。いったい何をしたらこんなカオスな空間が生まれるんだ。
 時間は数十分前まで遡る。 






 そして、遡ること数十分前。俺と総司は自販機で適当に話し込んでいると、雪ノ下から家庭科室へ来るようにとメールが届いた。
「クッキーを作るわよ」
 どうにも由比ヶ浜の依頼はクッキー作りらしい。
 なんでも、とある男子生徒に助けられたからお礼がしたいのだとか。だが、クッキーを作ったことないさらに言うなら料理をしたことがないため我らのところへ来たと。一波乱ある予感。つーか、オトモダチに教えてもらえよ。そう思ったのだが、
「あまり知られたくないし、こういうマジっぽい雰囲気、友達とは合わない、から」
 とのことだ。いや、マジっぽい雰囲気ってなんだよ。
 つーかそもそも、こんなコイバナを我らが奉仕部に持ってくる方が間違いだ。選択肢を間違っている。
 まずぼっちのスペシャリストこと俺。太刀川さんなみの戦闘バカでかつ俺にしか話しかけないためクラスぼっちの総司。そして、同じく瀟洒なクラスぼっちの雪ノ下。このぼっち三銃士がそろう。奉仕部にできること何て限られてる。
 二人だけで話してたからどんなに深刻な話かと思えばこれだよ。いや安心できたと行っても良いかもな。あれだろ?「あんたなら大丈夫だよ~」とか言っといて、フられたら「あの男マジサイテー」とか言っとけばいいんでしょ。こんなに推理できるとか八幡マジ天才。
 そんな思考してると、総司と雪ノ下が肩をすくめてため息をついていた。おいこらそこ。心を読むんじゃーない。
 しかし、それを見ていた由比ヶ浜は自分に向けられたものだと判断したらしい。スカートをぎゅっと握りしめ俯いてしまった。 
「あ、あははー、へ、変だよねー。あたしみたいなのがクッキーとか何乙女ってんだって感じだよねー」
「そうね、確かにあなたみたいな派手っぽい人がやるイメージではないわね」
「だ、だよねー。変だよねー」
 俯きながら。上目を使い不安そうな目で俺をみる。
 なんか、こいつ人に振り回されてる感じがする。自分の意見ではなく他人の意見にいつも乗っかってそう。
 他人の意見の尊重と言えばきれいだがこいつのはそうじゃない。他人に周りを円滑に回すために気を遣い、諍いが起こらないようにするために怖がっているだけだ。おそらく、俺の答えでこいつが雪ノ下のぱーふぇくと料理教室をするかが決まる。煽るか。
「………べつに、似合わないだとかきゃらじゃないだとか柄じゃないだとか、そんなの関係なしに興味ないだけだ」
「もっとひどいよ!ヒッキーマジあり得ない!あー腹立ってきた!あたしだってやればできる子なんだからね!」
 よし、作戦通り。煽れば乗ると思ったよ。
 俺の内心を知ってか総司が呆れるように笑っていた。さて、教えるのは雪ノ下にまかせて俺らは適当に過ごすかと思い、総司へ視線を動かす。だが、耳からの情報は常に入ってくるもので、エプロンまでつけられないと知ったときは背筋が凍った。






 そして現在に至る。まさか、砂糖と塩を間違えるとは思わなかった。その調理過程は化学の実験か何かかと思わせるには充分だった。
「わからないわ。何故あんなにミスを重ねられるの?」
「私、クッキーとか実物見るの久しぶりなんですけど、こんなに禍々しいものでしたっけ?」
「違うぞ、総司。これはクッキーじゃない別の物だ」
「ああ、木炭ですね!」
「違うし!」
 由比ヶ浜が否定するが、いやでもこれホームセンターとかと並べてあるやつと遜色ないぞ。
「見た目はあれだけど、食べられる物使ってるから大丈夫だよね!」
「そうね、ちょうど味見役もいるし」
「ははは!雪ノ下、お前にしてはえらく珍しい言い間違いだな!これは毒味というんだ!」
「毒じゃないし!…………………やっぱり、毒?」
 自分でも自信ないんじゃねーか。
 まあでも、引き受けちまった手前、
「食わねーわけには、いかんよなー」
 その言葉を最後に俺はクッキーを一つ取り、口に運ぶ。総司は八幡さん、ストップ!と静止を促しているが、ここで食わねーと、男じゃねぇ! 
 ジャリ!
 そんな食感を残し、薄れゆく俺の耳に最後に聞こえたのは、八幡さんが死んだ!という声だった。







──────────────────

 設定②

 沖田総司

 ポジション:アタッカー

 トリガー構成
 メイン:孤月、韋駄天、旋空弧月、シールド
 サブ :FREE、グラスホッパー、シールド、バックワーム

 好きなもの:和菓子、甘味、八幡、チームメイト

 嫌いなもの:沢庵、八幡乃至チームメイトを侮辱するやつ

 サイドエフェクト:視神経強化
 目がよくなるのではなく、周りがスローに見える。でも、八幡のヒスった状態の方が凄い。

 この作品のメインヒロイン。ボーダー随一のスピードスター。以前生駒さんの旋空と総司どっちが速いか45m走をしたことがあるとかないとか。メインヒロイン張れるだけでも沖田さん大勝利! 

 

4.沖田総司は努力を惜しまない

「この人でなし!」
 はっ!びっくりした、夢か。何て恐ろしい夢だったんだ。覚えてねーけど。
「八幡さん、大丈夫ですか?」
「うっ、総司か。大丈夫だ。舌が痺れてるくらいだ。心配かけたな」
「十分、問題だと思うけれど」
「『雪乃』も心配かけた」
 ん?あれれぇ?おかしいーぞー?総司はともかく雪ノ下を名前で呼ぶなんて。………まさか!
「ひ、比企谷君!?……まさか、なっているの?」
「あ~、みたいですね」
 おいおい、嘘だろ。
 まさか、なってしまったのか。──────『ヒステリアモード』に。
 ヒステリア・サヴァン・シンドローム。略称『HSS』。それが俺のサイドエフェクトだ。
 俺のサイドエフェクトは俺の母方の家系の人間の宿命というやつで、要は体質なのだ。正常に発動すると、思考速度が上がったり、周りがスローモーションに見える。云わばスーパーマンになるのだ。ただ、こいつの発動条件がシビアで、だいたいが性的興奮によって発動してしまうのだ。
 だが、そんなヒステリアモード(命名俺)の中にも種類があって、いつも発動する『ノルマーレ』。自分の女性を他人に奪われた時に発動するヒステリアモード『ベルゼ』。死の間際に子孫を残そうとする本能によって発動するヒステリアモード『アゴニザンテ』。などを俺は聞いている。おそらく、今なっているのはアゴニザンテだ。しかし、こんなクッキー騒動ごときでヒステリアモードの説明はしたくなかったぜ。
「まさか、こんなところでなるとはな」
「八幡さん、本当に大丈夫ですか?何なら休んでてもいいんですよ?」
 総司が心配半分陰謀半分という顔を俺にのぞかせる。おい、総司!お前狙ってるな!そんなことされたら、今の俺だと、
「総司や雪乃が頑張っているのに、俺だけ休むなんてそんなことは出来ないな」
 そうやさしく言いながら、俺は自分より頭一つ低い位置にある総司の頭をなでた。
 ヒス俺ぇ。何やってんの?やだー。誰よこのキャラ。キャラ崩壊も甚だしいよ。あんなに、気持ちよさそうな顔されては、やらざるを得ないじゃないか。だからこのサイドエフェクトは嫌いなんだ。はあ、これを使わなくてもよくなるぐらい強くなんなくては。
「ちょっ!ヒ、ヒッキー何やってるし!?」
「ん?ただ、総司の頭をなでてるだけだよ。由比ヶ浜」
 良かった!まだ知り合っても間もないやつに対して名字で呼ぶという見識はあったようだ。
「由比ヶ浜さん。気にしちゃだめよ。彼のあれに付き合っていたら乙女心が幾つあっても足りないわ」
 おい。それどういう意味だ。俺が誑しみたいに聞こえるじゃないか。違う。断じて、違う?やべー自信ねぇ。
「さて、比企谷君がなっているうちに由比ヶ浜さんのクッキーの改善点を探しましょうか」
「いっそ、もう市販の方がいいのでは?」
「沖田さんひどい!」
「沖田さんそれは最後の手段よ」
「それで解決しちゃうんだ!」
 驚愕の後に落胆する由比ヶ浜。がっくりと肩を落としてため息をつく。
「やっぱりあたし料理向いてないのかな………。才能ってゆーの?そういうのないし」
 なるほどな。
「解決方法がわかったわ」
「努力あるのみ、ですね」
 残酷と言えば残酷だが、これが唯一の解決方法だろう。
 才能が無い。そんなことを言うやつは大抵努力をしてこなかったやつだ。人間は心のどこかでは努力しなければならないとわかっている。だが、人間はどこまでも怠惰な生き物だ。だから人間は怠けるためのいいわけに才能云々を持ち出す。無駄な努力と切り捨てる。
「由比ヶ浜さん。さっきあなたは才能がないと言ったけれど、まずその認識を改めなさい。最低限の努力もしない人間には才能がある人を羨む資格はないわ。成功できない人間は成功者が積み上げた努力を想像できないから成功できないのよ」
 雪ノ下のそれはどこまでも辛辣で反論すらも許さないほどに正論だった。
 俺らはそういう人をボーダーで何人もみてきた。天才が努力をし己に磨きをかける様を。努力で天才に食い下がろうとする様を。
「で、でもさ、こういうの最近みんなやんないってい言うし。………やっぱり合ってないんだよ、きっと」
「へぇ。じゃあ、由比ヶ浜さんは『みんな』が勉強をやらないって言ったら勉強をやらないんですね。『みんな』が学校をやめるって言ったら学校をやめるんですね」
 あ。やばいぞ。総司の堪忍袋が切れた。
「何かあれば『みんな』って単語だしてはぐらかすのやめてください。あなたは何のためにクッキーを作ってるんですか?『みんな』のためですか?違いますよね?努力を怠る理由を居もしない『みんな』何て言う単語ですまさないでください」
 総司にそういう類いの言葉はタブーだ。
 俺の知る中で総司ほど生きることに、戦うことに努力を費やした人をみたことがない。そして、俺はいつもそれを端から見ていた。だからこそ、こいつがこんなにも憤慨する理由がわかるし、終わらせたくない理由もわかる。いつものヒス俺なら優しい一言でもかけるところだが、どうもヒス俺は総司にやさしいようで総司の肩を持ってしまう。ヒス俺には珍しいことだ。
「そうね、沖田さんの言うとおりだわ。自分の不器用さ、無様さ、愚かさの遠因を他人に求めるなんて恥ずかしくないの?」
 総司の怒気、雪ノ下の嫌悪感。この二つをヒシヒシと俺は感じてる。恐らくそれを直接浴びせられている由比ヶ浜は相当来ているだろう。証拠に俯いているし、涙目だ。
「か………」
 帰る、とでも言うのだろうか。今にも泣きそうなか細い声が漏れた。だが、正解だろう。逃げが悪いわけではない。
「かっこいい………」 
「「「は?」」」
 俺ら三人の声が重なった。こいつ何言ってんの?思わず三人で顔を見合わす。
(どうしましょう!?どうやら、あまりに睨みが効いたもんで頭がどうかしちゃったみたいです!)
 いや、そういうことじゃないと思うぞ。多分。
「建前とか全然言わないんだ………。なんていうか、そういうのかっこいい………」
 由比ヶ浜が熱っぽい表情で総司と雪ノ下を見つめる。総司はヒッ!と小さい悲鳴を上げて俺の後ろに隠れて、雪ノ下も気圧されたのか一、二歩後ろに下がっていた。
「な、何を言っているのかしらこの子………。これでも結構きついことを言ったつもりだったのだけれど」
「ううん!そんなことない!あ、いや確かに言葉はひどかったし、ぶっちゃけ泣きかけたけど……」
 だろうな。この二人にあれだけ言われたら俺だって泣くわ。
「でも、本音って感じがするの。ヒッキーとはなしてるときも、ひどいことばっかり言い合ってるけど、ちゃんと話してる。あたし人に合わせてばっかだったからこういうの初めてで……」
 そう、由比ヶ浜は頭がどうかしたわけではない。それは羨望だったのだ。俺たちのチームはチームプレイもするが基本スタンドプレイなのだ。良くも悪くも個人主張の強いチームで、本音を言い合っている俺らからしたら簡単なことでも由比ヶ浜は環境がそれを許さなかった。だから、憧れ、焦がれたのだ。
 それゆえに、由比ヶ浜は逃げなかった。
「ごめん。次はちゃんとやる」
 その視線はさっきの逃げていた目ではなく、逃げないと目を背けないと決意をしたやつの目だった。
 そんな目を見て、総司は口元を緩めた。
「わっかりました!そういうことならば、この最強無敵の沖田さんが教えて差し上げましょう!」
「うん!」
 どうやら向こうはまとまったらしいが、雪ノ下はまだ呆気にとられたまんまらしい。 
「雪乃」
「ひゃっ!ひ、比企谷君!?」
 まだヒステリアモード続いてたのか。
「君も手伝ってあげてくれ。恐らく総司もクッキー初めてだろうからね」
「そ、そうね。二人とも私も手伝うわ」






 そして、時間は進み。俺のヒステリアモードもやっと切れて、由比ヶ浜の料理教室も佳境を迎えていた。
「なんでー。何で雪ノ下さんみたいにいかないの?」
「何が悪いのかしら?」
 そこに出来ていたクッキーは最初の木炭よりも遙かにましなものがあった。クッキーと呼んでもよいほどのものが。よくぞ、この短時間でここまでにさせたものだ。これは偏に雪ノ下と総司の教鞭によるものだろう。
 雪ノ下と由比ヶ浜はまだ上を求めているみたいだが、
「別にこれでも良くないか?味も食えないほどのものではないし、それに男に渡すならこれくらいの方が男心はくすぐられるぞ」
 え?という風に三人とも俺の方を向いた。おまえもかよ総司。
「そうなん?」
「ああ。ようは誠意が伝われば男はうれしいんだよ。そして愉快にも勘違いしちゃう哀れな生き物なの」
 その俺の言葉を皮切りに、猛獣に睨まれたような寒気がしたのは気のせいだろう。
「………ヒッキーも揺れるの」
「揺れない。むしろそういう罠にかかりすぎて察知してかわすレベル」
 由比ヶ浜、お前は気づいてないだろうが猛獣二人ににらまれてるぞ。
「まあ、つまりは───お前の食感も味もまあまあのそこまでうまくないクッキーでもいいんだよ」
「ヒッキー、マジ腹立つ!もう帰る!」
 勢いよく立ち上がり、キッ!と俺を睨むと鞄を持って出口へ向かった。
「由比ヶ浜さん、依頼の方はどうするの?」
「あれはもういいや!あとは自分でがんばってみる!ありがとね、雪ノ下さん、沖田さん。あと、ヒッキーも」
 そして、由比ヶ浜は嵐のように去っていった。片付けしてけよ。


 
 翌日。
「やっはろー!」
 何故来ている?あのアホの子は。
「あ、由比ヶ浜さん。にゃんぱすでーす」
 総司も適当な返事をしちゃってるよ。雪ノ下に至ってはため息を盛大に出してる。
「……何か?」
「あれ?あたしあまり歓迎されてない?雪ノ下さんあたしのこと嫌い?」
「そんなこと無いわ。ただ、少し苦手なだけよ」
「それ女子言葉で嫌いと同義語だからね!」
 そんな言葉覚えるなら普通の同義語覚えろよ。今回の定期試験古典の問題で数問出るって話だぞ。
 その後、百合百合な雰囲気を雪ノ下と由比ヶ浜が醸し出し始めたため、俺と総司はそそくさと退散することにした。
「ヒッキー!これ!」
 そう言って渡されたのは、何かの袋。
「一応昨日はお世話になったし、お礼!あと、おきたんにも」
「あ、私はおきたんなんですね」
 おきたんって、なんだよその関西弁みたいなあだ名は。
 中をみると禍々しいはーと型をしたクッキーだった。
 やはり、由比ヶ浜に料理をさせない方がいいな。努力云々だとか才能云々だとかそんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。






───────────────────


 設定③

 雪ノ下雪乃

 ポジション:アタッカー

 トリガー構成
 メイン:槍弧月、旋空、シールド、FREE
 サブ :槍弧月、幻踊、グラスホッパー、バックワーム

 サイドエフェクト:なし


 今作のヒロイン。二人目の槍使い。中学時代に留学から帰ってきてからボーダーに入隊。B級に上がってすぐ、偶然目に入った八幡とランク戦をするもフルボッコにされる。何か感じるものが八幡にはあったらしく何やかんやがあって比企谷隊に入り、八幡と総司に徹底的に鍛えられる。トラウマになっている。姉との関係はとこぞのプレイボーイのおかげで改善されており、今や恋のライバル。 

 

5.材木座義輝はあまり出番がない。このタイトル詐欺!

 放課後になり、俺と総司は奉仕部へと足を運ぶと、そこに部室を覗き見をしている女子生徒がいた。雪ノ下と由比ヶ浜なのだが。
「どうしたんですかね?まさか、不審者とかがでたんですかね!」キラキラ
「目を輝かせるな。そんなわけないだろ。で、お前ら何やってんの?」
「「ひゃ!?」」 
 うお!?びっくりした!
「い、いきなり後ろから話しかけないでくれるかしら。びっくりするじゃない」
 それはこちらの台詞だ。で、何やってんの?
「部室に不審人物がいんの」
 ‥‥‥‥‥まじ?
(沖田さん大勝利!だから言ったじゃないですか!)
 総司がテレパシーみたいなのでブイサインを送ってくる。だって、雪ノ下がいるんだぞ。
「私のことをどう思っているのかはあとでじっくり話を聞くとして、中に入って様子を見てきてくれるかしら」
 ぐっ!上から目線の命令形口調なのに、上目遣いで命令してきやがる!こいつ狙ってやってんじゃねーの?破壊力がやべー。マズいぞ、非常にマズい!ヒス的にヤバい。避難するためにも俺は扉をあけて中へ入った。
 扉を開いた瞬間、潮風が吹き抜けた。
 部室の中は大量の紙が撒き散らされ、その中に一人の男がいた。
「クククッ、まさかこんなところで出会うとは驚いたな。 待ちわびだぞ。比企谷八幡」
 なんでコイツがここにいんだよ。あと、何で待ちわびたのに驚いてるんだよ。矛盾しすぎだろ。まあ、とりあえず、
「この桜吹雪、散らせるもんなら」
「え?八幡?ちょ、拳はノー!暴力反対!ストップ、ストップ!」
「散らしてみやがれ!秋水っ!!」
 我が家につたわるよくわかんない通称比企谷拳法の一つ秋水、全体重を乗せた拳を放つ。速度は遅く、威力が高いのが特徴だ。
「比企谷君、あなたの知り合いだったようだけれど」
 知らん。あんなやつ知ってても知らん。え?材木座?ああ、まあ、いいやつだったよ。
「勝手に我を殺さないで!?」
 チッ、生きていたか。
「まさかこの相棒に拳を向けるとはな。見下げ果てたぞ、八幡!」
「相棒って言ってるけど」
 由比ヶ浜が冷ややかな視線で俺を見る。やめてくれ。雪ノ下じゃないが、こいつと出会ってしまったことを軽く後悔している俺ガイル。
「それに、貴様も覚えているだろう、あの地獄のような時間を共に駆け抜けた日々を」
「体育でベア組まされただけじゃねぇか」
 俺からすれば日々の日常の方が地獄だ。小町もそうだが、総司や雪ノ下もこぞって俺をヒスらせようとする。なんなのだ、ほんと。まあ、小町の場合は欲しいものがあるか、遊んでるだけだろうが。結構ひでぇな。
「ふん。あのような悪しき風習、地獄以外の何物でもない。好きな奴と組めだと?クックックッ、我はいつ果つるともわからぬ身。好ましく思う者など、作らぬっ!」
 どこの世紀末だ。相変わらず鬱陶しいやつだ。で、
「何の用だ、材木座」
「むっ、我が魂に刻まれた名を口にしたか。いかにも我が剣豪将軍、材木座義輝だ」
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い!自分のことを剣豪将軍とか、あ、助けて!渡○先生!あ!肋折れた!
「ねぇ、それ何なの?」
 由比ヶ浜が不快感を露わにして俺を睨みつける。
 俺を睨むんじゃない。オレハワルクナイ。
「こいつは材木座義輝。体育の時間、俺とペア組んでる奴だよ」
 まあそれ以外にも色々あるが、由比ヶ浜に言えることではないな。
「なんでもいいのだけれど、あのお友達、あなたに用があるんじゃないの?」
 やめろ、友達じゃねぇよ。
「ムハハハ、とんと失念しておった。時に八幡よ。奉仕部とはここでいいのか?」
 材木座が俺の方を見ながら言う。何で俺を見るんだよ。総司もいるだろう、って全力で顔を逸らしてるぅ!知らぬ存せぬを決め込んでらっしゃるぅ!
「ええ、ここが奉仕部よ」
 俺の代わりに雪ノ下がこたえる。すると、材木座は一瞬雪ノ下のほうを見てからまたすぐさま俺のほうに視線を戻す。
「そ、そうであったか。平塚教諭に助言頂いた通りならば八幡、お主は我の願いを叶える義務があるわけだな?幾百の時を超えてなお主従の関係にあるとは。これも八幡大菩薩の導きか」
「別に奉仕部はあなたのお願いを叶えるわけではないわ。ただそのお手伝いをするだけよ」
 またもや、雪ノ下が俺の代わりにこたえる。そしてまた俺の方へ視線を戻した。こっちみんな。
「ふ、ふむ。八幡よ、では我に手を貸せ。ふふふ、思えば我とお主は対等な関係、かつてのように天下を再び握らんとしようではないか」
「主従の関係どこいったんだよ」
「ゴラムゴラムっ!我とお主の間でそのよな些末なことはどうでもよい。特別に許す」
 由比ヶ浜は、「うわー」とガチで引いている。総司に至っては顔を逸らしながらプルプル震えてるぞ。笑いをこらえている。
「比企谷くん、ちょっと」
 雪ノ下はそう言うと俺の袖を引き耳打ちしてくる。
「なんなの?あの剣豪将軍って。なったときの比企谷君みたいになってるわよ」
「あれは中二病だ。厨二病。あんなんと一緒にすんな」
 まあ、原因はやっぱりヒステリアモードなんだろうなぁ。
「病気なの?」
 由比ヶ浜も会話に入ってきた。
「別にマジな病気じゃない、厨二病って言うのは……」


 あれから俺は厨二病について手短に説明してやった。
すると雪ノ下は理解したらしい。
 説明を聞き終わった雪ノ下は材木座の眼前に立っていた。
 由比ヶ浜は小さく 「ゆきのん逃げてっ!」 とか言ってるし。
 さすがに可哀想でしょ?見ろ。由比ヶ浜の言葉で遂に総司が吹いたぞ。
「だいたいわかったわ。あなたの依頼はその心の病気を治すってことでいいのかしら?」
「八幡よ。余は汝との契約の下、朕の願いを叶えんがためこの場に馳せ参じた。それは実に崇高なる気高き欲望にしてただ一つの希望だ」
 雪ノ下から顔を背けて、材木座が俺を見る。
 こいつ、雪ノ下に話しかけられると必ず俺を見やがるな。あと、余だの朕だの一人称変わりすぎだろ。現国なら零点だぞ。
「話しているのは私なのだけれど。人が話しているときはその人のほう向きなさい」
 冷たい声音でそう言って雪ノ下が材木座の襟首を掴んで無理矢理顔を正面に向けさせた。カツアゲにしか見えないのは俺だけではあるまい。
「‥‥。モ、モハ、モハハハハ。これはしたり」
「その喋り方もやめて」
「‥‥‥」
 雪ノ下に冷たくあしらわられると、材木座は黙って下を向いてしまった。おや?材木座の様子が、
「とにかく、その病気を治すってことでいいのよね?」
「あ、別に病気じゃない、ですけど」
 おめでとう!材木座が厨二病を卒業したよ!
 冗談はここまでにして置いて。
(ほんとですよ)
 すんません。
 これ以上は見てられないのでとりあえず雪ノ下と材木座を引き離そうと一歩進むと足元でかさりと何かが音を立てた。
「これって」
 それは部室の中で舞っていた紙吹雪の正体だった。
「ふむ、言わずとも通じるとはさすがだな。伊達にあの地獄の時間を共に過ごしていない、ということか」
 関係あるか?それ?
「それ何?」
 由比ヶ浜は、感慨深げに呟く材木座を完全に無視しながら言う。
「小説の原稿、ですね」
「ご賢察痛み入る。如何にもそれはライトノベルの原稿だ。とある新人賞に応募しようと思っているが、友達がいないので感想が聞けぬ。読んでくれ」
「何か今とても悲しいことをさらりと言われた気がするわ」
 その後、材木座は「また明日、ここに参上せざる。」と叫びながら帰っていった。
 その後奉仕部は解散、各自家で小説を読むことになった。







 次の日の放課後。
「さて、では感想を聞かせてもらうとするか」
 放課後、材木座が部室に来て感想を求めてくる。トップバッターは雪ノ下。
「ごめんなさい。私にはこういうのがよくわからないのだけど」
「構わぬ。凡俗の意見も聞きたいところだったのでな。好きに言ってくれたまへ」
 そう、と短く返事をすると、雪ノ下は小さく息を吸って意を決した。うわっ、いやな予感しかしねー。
「つまらなかった。読むのが苦痛ですらあったわ。想像を絶するつまらなさ」
「げふぅっ!」
 その後、雪ノ下は材木座をボロクソにしましたマル。
「びゃあっ!」
 材木座が四肢を投げ出して悲鳴を上げた。肩がピクンと痙攣している。
 目なんか天井むいたまんま白目になってるし。
「そ、その辺でいいんじゃないか。あんまり一気に言ってもあれだし」
「まだまだ言い足りないけど。まぁ、いいわ。じゃあ、次は由比ヶ浜さんかしら」
「え!?あ、あたし」
「‥‥‥」
 材木座がすがるような視線を由比ヶ浜に送る。女神は微笑むのか否か。
「え、えーっと。む、難しい言葉たくさん知ってるね」
「ひでぶっ!」
 とどめ刺しやがった。
 作家志望にとってその言葉はほとんど禁句である。
だって褒めるところがそれしかないってことだからね。
「じゃ、じゃあ、おきたんどうぞ」
「そ、総司殿‥‥」オドオド 
 総司はすでに慈愛に満ちた瞳と雰囲気を醸し出していた。
「材木座さん。『十人十色』人の感性は、人それぞれですから」
「そ、総司殿!」
「────まあ、でも沖田さん的にはあんまりでしたけどね!でも大丈夫です!世界中のどこかに一人くらいは面白いと言ってくれる人が現れます!きっと!」
「グボァ!!」
「八幡さん、最後しっかり頼みますよ!」
 すれ違い様にハイタッチをする。
「ぐ、ぐぬぅ。は、八幡。お前なら理解できるな?我の描いた世界、ライトノベルの地平がお前にならわかるな?愚物どもでは誰一人理解することができぬ深遠なる物語が」
 ああ、わかってるさ。
 俺は材木座を安心させるように頷いてみせる。そして俺は一度深呼吸をしてから優しく言ってやった。
「で、あれって何のパクリ?」
「ぶふっ!?ぶ、ぶひ‥‥ぶひひ」
 材木座はごろごろと床をのたうち回り、壁に激突すると動きを止めて、そのままの姿勢でピクリともしない。
もう死んじゃおっかなーみたいな雰囲気がしばしば出ている。
「材木座さんが死んだ!」
 この人でなし!などと言うと思ったか!
(言ってるじゃないですか)
 あ、ほんとだ。
「あなた容赦ないわね。私よりよほど酷薄じゃない」
 雪ノ下がものすごい勢いで引いていた。
「ちょっと」
 なんだよ由比ヶ浜、フォローしろってか?
 このまま放置してもいいのだが、まぁ一応フォローしとくか。めんどくさい。
「まぁ、大事なのはイラストだから。中身なんてあんまり気にすんなよ」




「‥‥また、読んでくれるか」
 生き返った材木座が言った。
 思わず耳を疑った。何を言っているのかよく理解できず黙ってると、再び同じことを聞いてきた。今度はさっきよりもはっきりと力強い声で。
「また読んでくれるか?」
 材木座。お前って実は、
「ドMなの?」
 由比ヶ浜が代弁してくれた。
「あんだけ言われてまだやるのかよ」
「無論だ。確かに酷評されはした。だが、それでも嬉しかったのだ」
「自分が好きで書いたものを誰かに読んでもらえて、感想を言ってもらえるというのはいいものだな」
 こいつは、そうか。もう、厨二病はふざけなしに卒業してたんだな。その代わりに、
「わかった、偶になら読んでやるよ」
 作家病という病気にかかったようだが。









「で、今度は何のようだ?」
「材木座さん!改めてスロマッパギー、です!」
 それ、どこの民族の挨拶だよ。
(確か、インドネシア語の挨拶だったような)
 どうでも良いわ!
「八幡よ、頼まれていたトリガー、改造が終わった。明日か明後日までに取りに来てくれ」
「そうか、いつもすまねぇな」
 材木座義輝。こんな性格をしたやつだが、これでも、エンジニアのその腕やなるや時期エースとも噂されるほどの敏腕を誇るやつだ。俺のリボルバーもこいつにたのんでより実銃に近くしてもらっているのだ。イメージはS&W M19だ。
「しかし、八幡。自分でこういうのもなんだが、主も我に負けず劣らずの厨二よな」
「‥‥‥勘違いするな。自動拳銃と回転拳銃。比較した場合、実戦的な方をとったにすぎない」
 明日取りに行く旨を伝えて、材木座とは別れた。
 さて、少しペースを上げるか。今日は特売だからな。
「八幡さん。‥‥‥‥やっぱり、まだ引きずっているんですか?」
 総司が心配そうに俺の顔をのぞき込んでくる。
 何を思ってそう思ったのやら。
「さっきの銃の話あたりから、八幡さんの表情が哀しそうっといいますか、なんといいますか。そんな感じがしたので」 
「‥‥‥‥‥‥‥引きずっていないって言ったら嘘になる。だけどな、もう吹っ切りてはいるんだよ」
 お前のおかげでな、総司。
「とりあえず───────兄さんを超える。総司やみんなと一緒に。そして、兄さんが残した物を守る。それで片が付いたろ?それにいつも言ってるだろ?」
 オートはロマンがねえってな。
「そうですね。これからもずっと一緒ですよ─────八幡さん!」
 もう、半分告白みたいな台詞だな。意味的には、チームメイトとして仲間としてとらえていいんだろ?
 そっちじゃない方だとしても、まだ早いからな。少なくとも俺からしないといけない。そうでもないと、死んだ後ご先祖様たちにどやされる。
「なら、お互い死なねえ用にしねえとな」
「大丈夫です!最強無敵の沖田さんと八幡さんが組めばどんな敵でもバッチこいです!」
 違いねぇ、そういい二人はハイタッチをして、二人並んでスーパーで特売を買いながら家に帰っていった。

 

 

6.戸塚彩加は天使である。タイトルが適当?知らないなぁ

「お前ら、二人組作れ」
 時は戦国──という名の体育──厚木先生の声のもと、二人組を作り始める。ん?おれか?ふっ、言うまでもないだろう?………ああ!そうだよ!独りだよ!ぼっちだよ!だけどそれの何が悪い!一匹狼という言葉を知らねーのかよ。強い奴は群ねーんだよ!
 取り乱したな。一人で何やってんだ、俺。まあ、案の定一人組む奴もいないのでぼっちなのだが。しかし、ベテランぼっちにしてぼっちのスペシャリスト、ぼっち日本代表の名は伊達ではない。すべて自称なのだが。まあ、この程度のことは想定済みだ。
「先生、体調悪いんで壁打ちしてていいっすか?相手に迷惑かけても悪いんで」
 俺は先生の答えも聞かず壁打ちコートへと立った。
 完璧だ。体調悪いと迷惑をかけてしまうの相乗効果によるサボ、コフッコフッ、世渡り術だ。これこそが技の八幡と畏れられる俺の48あるぼっちの奥義の真髄かもしれん。今度材木座に教えてやろう。
(材木座さんに教えるのは賛成ですけど、世渡り術じゃないと思いますよ?)
 うっせーやい。そもそもこのテレパシー設定いつまで引っ張るんだよ。
(そろそろこの手のメタ発言控えませんか?真面目に答えますと、いいじゃないですか!八幡さんとの絆の証明ですよ!表れですよ!八幡さんを愛してやまない沖田さん的にはうれしい限りですよ!あ、今の沖田さん的にポイント高いです)
 おい、それは小町の持ちネタのはずだ。何故お前が使えるんだ?まさか!お前クインシーなのか!奪ったのか!?ばんか(ry
(何でも何も、小町ちゃんと私って中の人が同じ)
 ばっか、やめろ。それ以上はやめろ。偉い人に怒られちゃうだろうが!
 こんな他愛のない会話をしつつ、校舎──より正確な場所を言うと2-Jのあたり──から背筋の凍る思いをしながら壁打ちをしていると、いつの間にか授業が終わっていた。








 時間は進んで昼休み。俺は総司とベストプレイスへ来ていた。ここはある一定の時間になると海が近いこともあり風向きが変わるのだ。しかも、風が吹かないときがないといってもいい。まあ、何が言いたいかというとだ。
「この場所にはいい風が吹くぜ」
「あ、その半熟卵もらいますね!」
 あ!総司!何人の半熟卵取ってんだ!これ小町が作ったのだからお前のにも入ってんだろうが!
 おっと、こいつは説明をし忘れてたな。
 俺と小町は俺ら以外の家族は全員四年前の侵攻までには死去していた。総司も俺らと同じ境遇であったため、三人で暮らし始めたのだ。俺は所謂旧ボーダーとコネというより知り合っていたため、今のボーダーが発足して直ぐにボーダーに入った。総司はまあ諸事情が色々あり一年くらい遅れてボーダーに入った。雪ノ下が入ったのは中学三年の終わり頃なのだがその話は他の機会でいいだろう。
 はっきり言って総司は和菓子以外は点で料理が出来ないため、当番制で俺と小町が飯を作っているのだ。で、今日は小町の日。
「あれヒッキーにおきたんじゃん!またここで食べてんの?」
 このアホなあだ名で呼ぶ奴は間違いない、やはり由比ヶ浜が俺らの後ろにいた。
「俺はいつもここで飯食ってんだよ」
「何で教室でご飯食べないの?」
「教室だとお前らみたいなリア充がうるさいからな」
「私は八幡さんのあるところに私あり、ですから。それよりも由比ヶ浜さんは何故ここへ?」
 俺のいるところにお前ありって、何だよそれ?
「ゆきのんとのゲームに負けて、罰ゲーム中で飲み物を買いに行ってるの!」
「何?俺と話すことが罰ゲームなのか?」
「違う違う!ジャンケンしてジュース買ってこようってゲームだよ」
 ああ、あれね。ランク戦に負けたらおごりみたいな奴のあれね。
「ねえ、ヒッキーはさ、入学式の日のこと覚えてる?」
 入学式だ?鮮明に覚えている。総司が朝布団に潜り込んでて寝ぼけてた総司が俺に抱きついてきた何ていうトラブルがあったため、ヒスってさっさと起きて、さっさと学校へ向かったのだ。そしたら雪ノ下の家の車と通り過ぎたのだ。そして、そこにどこかの家の飼い犬が登場。轢かれそうになった犬を助けようとしたら、俺が轢かれたんだよな。まあ、絶牢と橘花を使って威力なくして無傷だったけどな。
「車に轢かれたくらいしか思い当たらんが」
「それって(ry」
 由比ヶ浜が何か言いかけたところで別の人間の声が入ってきた。
「比企谷君と由比ヶ浜さんに沖田さん?」
 そこには、ジャージ姿でラケットを持った可愛らしい顔の女子生徒がいた。
「あっ、さいちゃん!よっす!」
「由比ヶ浜さんよっす」
「昼練?いつも大変だね」
「そんなことないよ。うちのテニス部あんまり人数いないから僕が頑張らないと。そういえば比企谷君もテニス上手だよね」
「そういえば、八幡さんってテニス出来たんですね」
 女子生徒の言葉に、総司が確かにと腕を組みうんうんと頷く。今更何をいってるんだか。
「俺の家系はそれだけが取り柄みたいなもんだぞ」
 謎の拳法通称比企谷拳法はお袋の家で代々継承しているものだったんだ。お袋の旧姓は遠山。元を正せば、先祖は遠山金四郎なのだ。昔時代劇でやっていた遠山の金さんその人だ。
 何故脳筋が取り柄かというとだ。まず、俺と同じ技を使えるお袋。そして、お袋が惚れた俺の親父。元警察の特殊部隊。殉職だが、それはネイバーの存在がおおっぴらになる遙か前に、ネイバーの百はいるであろう軍勢を生身で一手に引き受けて相打ちで倒れたのだ。ちなみにネイバーはトリオン体でしか傷つけられません。生身で倒すとか何もんだよ親父。そして俺の祖父。まだまだ元気なくそ爺。零戦のパイロットとして戦争を経験している。怪我して入院して気づいたら戦争が終わっていたとほざいていたが何かあると思い調べたら、撃墜された後、旧日本領のブレスク島に泳いで辿りつき、その翌々日に現れた米陸軍三百人を一人で食い止めた伝説を持ち、アメリカからは『ダイハード』という二つ名を持ち今な畏れられている。
 な、これだけ見ても脳筋だろ?
「確かに、そうでしたね。八幡さん含めて比企谷家や遠山家の皆さんは人間やめてましたね」
 おいおい、心外だな。たかが一、二回生き返ったくらいで。俺は一般人だ!
(逸般人ですね)
 解せぬ。
 で、ずっと思ってたんだが、
「「で、誰 (です)?」」
「信じらんない!あたしの時もそうだけどクラスの人の名前くらい覚えようよ!っておきたんも!」
 こいつの場合おそらく俺以外に興味がない、とか言い出しそうだから怖いんだよな。
(何故わかったんですか!?)
 マジだったのかよ!
「同じクラスの戸塚彩加です。よろしくね」
「悪いな。クラスの女子とかかわらんから名前わかんなかったわ」
 由比ヶ浜と総司が、えっ?という風に俺をみる。
 えっ?何かやっちゃった?地雷踏み抜いた!?
「あの………」
 なぜか戸塚がもじもじしている。トイレか?それなら俺なんか気にせずにさっさと行けばいいのに。
「僕、男なんだけど、なあ」










 ふぁ!?


 

 

7.由比ヶ浜結衣はアホの子だ

 戸塚のTSの翌日。二日連続の体育の日だ。二日連続とか何考えてんだよ。洗濯物が大変だろうが。家には体操服一セットしかないんだぞ!
 まあ、それはともかく。俺はいつものように厚木先生に許可をもらいに行こうとしたところで誰かに肩をたたかれた。この気配は、
 俺はたたかれた肩と反対側に振り向きそいつのほっぺたに指を押し付けた。その人、まあ戸塚はビックリしていた。うん、反応かわいい。
「ぶー。ひどいよ」
 なん、だと。頬を膨らますだと!?なんという破壊力だ!出水のフルアタック、いや、二ノさんのフルアタックすらも凌駕をする、だとぉ!!何で、何で戸塚は男何だぁぁ!!
(ダメです八幡さん!正気に戻ってください!そっちはダメです!いろいろと!)
 はっ!アブねーアブねー。もう少しで変な道に踏み外すところだった。
「比企谷君大丈夫?顔色悪いよ?」
「っ!大丈夫だ。で、俺に何か用か?」
 しまった。顔に出ていたか。戦いに身を置く身として思考を読まれないようにポーカーフェイスをもっと磨かなければ。雪ノ下なんかあれもう完成系じゃね?
「今日いつもペア組んでる人が休みで僕一人だからも比企谷君さえよかったら一緒にしない?」 
「いいぞ。俺も一人だし」
「よろしくね!」
 すまない壁、我が相棒よ。今日は一緒に打ってやれそうにない。だって天使の願いなんか断れるわけないだろ!
(ちょっと八幡さん!?ヤバいこと口走ってますよ!?)
 戸塚とラリーを始めると総司がテレパシーでツッコミをいれてくる。じゃあ総司お前、小町からのお願いを無視できるの?出来ないだろ?それと同じだよ。
(むっ、確かに。って、それだったら沖田さんだってバリバリ天使じゃないですか!差別は良くないですよ!)
 お前は天使じゃなくてコハエースだろ?
(ここでいきなりメタ発言!?………今の発言に沖田さんは大変傷つきました。グレちゃいます)
 グレるじゃなくて拗ねるの間違いないだろ?こうなったこいつってかわい、コフッコフッ、もといめんどくさいんだよな、後が。小町に怒られる。
 悪かったて、総司。
(……………プイッ)
 ぐはっ!破壊力が高いなおい!テレパシーでヒスった何てことが雪ノ下なんかに漏洩してみろ。一、二年はこれで弄られぞ。
 ………一つ何でもいうこと聞く、これでどうだ?
(ん?今何でもと)
 当たり前なこと言うようだが節度を持った欲求でなければ蹴るからな。
(わかってますよ~……チッ)
 おい、最後舌打ちしたろ。聞こえてんだからな。
(まあ、いいでしょう。それでてをうちます)
「ちょっと休憩しない?」
 おっともうそんなに打ってたか。総司と話してて気がつかなかったぜ。えっ?話してること事態が異常もう諦めたさ。慣れたと言ってもいいな。
 俺たちはコートの端に行き腰を下ろした。何だろう、校舎──2-J辺り──と今女子が体育をしている体育館から殺気が感じる。
「やっぱり比企谷君テニス上手だね。経験者?」
 戸塚は気づいていないみたいだ。俺が異常なのかね?
「いや、体育でやったくらいだ。昨日も言ったろ?それが家の家系の取り柄なんだって」
「比企谷君の家って体育系なの?」
「いや、そういう訳じゃねーよ。ただ体を張るのが得意なだけだ」
「へー、そうなんだ!実は相談があるんだけど、昨日も言った通りうちのテニス部弱いからさ、もしよかったらテニス部に入ってくれないかな」
 ほーなるほどね。確かに聞けるものなら聞いて上げたい。天使だからな。だが、それ以上に俺にはやらなければ、守らなければならないものがある。
「すまない戸塚。部活とバイトやってて放課後は無理なんだ。その代わりと言っては何だが平塚先生に相談してみるといい。戸塚次第になるが手助けぐらいはしてやれる」
「そっか、でもありがとう!先生に相談してみるね!」
「おう」
 そういうわけだから、おそらく今日か明日あたりには初めてのまともな依頼がくるぞ。
(由比ヶ浜さんのは依頼に含まれていないんですね)
 あれは由比ヶ浜が途中で依頼を放棄したからな。
 そこで俺と総司の会話は終わり、戸塚と再び少し打ち始めて授業が終わった。







「ということだ、雪ノ下。やっとまともな依頼がくるぞ」
「ちょっと!何であたしのクッキー作りは依頼に入ってないし!」
「だってお前、依頼途中で放棄したろうが」
「あ、そうか!」
 あ、そうか!じゃねーよ。アホの子が。よくこれでここの学校受かったな。一応進学校だぞ?
「だったら、あたしも手伝うよ!だってあたしだってこの部活の一員だもん!」
「由比ヶ浜さん……でも」
「いいのいいの!気にしないでゆきのん!」
 ちなみにゆきのんとは雪ノ下のことな相変わらずアホなあだ名をつけやがる。
「でも、あなた、ここの部員じゃないわよ」
「って、部員じゃなかったの!?」
 えっ!?そうだったの毎日バカみたいに来てるからついそうなのだとばかり思ってたが。
「だって、まだ入部届貰ってないもの」
 そういえば、俺と総司は半ば強制入部だったからかいてなかったからな。忘れてたぜそんなもん。
「書くよ!そんなの何枚でも書くよ!」
 一枚でいいんだよ。ルーズリーフで書くな、あと入部届くらい漢字で書けよ。
 そんなことをやっていると、コンコンコン、と扉の叩かれた乾いた音がなった。おっと来たか。ちなみに、扉をノックするときは基本は三回するのが礼儀だ。面接とかだとなおさらだな。二回叩くときはトイレの扉を叩くときだけらしい。
 そのノックに、雪ノ下がどうぞ、と言ってからその主が入ってきた。やはりノックした人は戸塚だ。
「し、失礼します。あの、奉仕部ってここであってますか?」
「ああ、あってるぜ。ようこそ奉仕部へ」
「比企谷君!やっぱりこの部活だったんだね!」
「戸塚君よね?そこのそれから話は聞いているわ」
「おい、誰かそこのそれか。さりげなく人をもの扱いしてんじゃねぇ。あと、そこの二人。人に見えてないと思って笑ってんじゃねぇ」
 見えているからな!しっかりと見えているからな!
「隠れませんよ。むしろ見せてます」
「よし、今度桜餅でも作ろうと思ったがお前の分は無しな」
「由比ヶ浜さん良くないですよ。人のことを影で笑うなんて」
「ご、ごめん。そんな訳じゃ、っておきたんも笑ってたじゃん!」
 アホだ。アホだアホだと思ってたがここまでアホとは。むしろここまでアホだと重要文化遺産にでも登録した方がいいんじゃね?アホになるだけで人間国宝扱いかよ。
「そろそろ話を戻すわよ。戸塚君、君の依頼はテニスで強くなりたい。その手伝いをする、であってるわね?」
「うん!よろしくお願いします!」
「まあでも、詳しいことは明日からだな。総司、帰ってメニュー考えるぞ」
「了解っです!」
 ちょっと待ちなさい、と雪ノ下が青い顔で制止をかける。何だよ?
「あなたたちは考えなくていいわ。私が考えるから。むしろ比企谷君たちは技術面をその場でアドバイスを指摘してあげて」
 何でだよ。俺たちのメニューがダメだっていうのか?これでもお前の師匠だぞ。俺らのメニューの効率の良さはお前が一番知ってんだろ?1ヶ月で越前リョ◯マくらいどつけるようにしてやるよ。
「確かに、あなたたちのメニューの効率さは知っているけれど、…………戸塚君が死ぬわよ?」
 雪ノ下が制止をかけてたんじゃなくて、戸塚の生死をかけていたってか。うまくねぇな。
「じゃあ、雪ノ下さんならどうするんですか?」
 総司が対抗するように聞く。そうだ!もっとやれ!
「そうね、まずは体力面を鍛えるわ」
 ほうほう。で、具体的な内容は?
「コート十周走ってから、腕立て腹筋スクワット五十回。それからコートの振り回し練習、五十本入れるまで永遠と続けましょうか?」
 お前も対して変わんねーよ。
 だが、結局雪ノ下に押し切られ、俺たちはほとんどコーチングに回されてしまった。
 このクソカス共がぁぁぁぁ!
(スタープラチナ・ザ・ワー)
 おっとそれ以上はいけない。こうなったらやけくそだ!生徒会に行って、綾辻から許可もらいに行くぞ!
(後慰めてもらいましょう!)
 バタン!と思いっきり扉を締めて、俺たちは生徒会へ走った。










 

 奉仕部にて。
「………ヒッキーたち拗ねちゃったけど、いいの?」
「大丈夫よ。どうせ十分後くらいにはケロッとしてるでしょうし。それにこれで人一人の命が救われるなら安いわ」
「いくら何でも、大袈裟じゃあ、」
「戸塚君、まだ天国にいるご先祖様たちに会いたくはないでしょう?」
 ……いったいどんなものなんだろう?と逆に興味を持った二人であった。










 同時刻、生徒開室にて、

「それは比企谷君たちが悪いと思うなぁ」ナデナデ
「「ええー」」ニトウシンスガタ
 八幡と総司の鬼畜さを知っている生徒会副会長の綾辻は苦笑いしといるが、二人を撫でながら、
(八幡くんの頭なでてる!撫で貯めとこう!八幡くん成分摂取しとこう!)
 存分にお姉さんポジを利用したヒロインをしていた。
 ちなみに、なぜ二人が二頭身なのかは聞いてはならない。

 

 

8.昨今の敵キャラは最初は人間で登場するものである

 結局のところ、メニューはすべて雪ノ下に一任することになった。初日はどれくらい体力があるのか見るためにひたすら体力トレーニングをしていた。走り込み、腕立て、背筋、etc.後なぜか、この練習会に材木座もいるがあえて割愛させてもらう。
 そして、戸塚のテニス強化計画が結成し数日後、







「後‥‥一周‥‥ね」ハアハア
「も、もうあたし、ムリー」チーン
「み、みんな‥‥後、もう少し‥だから、が、がんばろう」ハアハア
「そうですよ!戸塚さんの言うとおりです!それに雪ノ下さん自身が作ったメニューじゃないですか!これくらい楽に、コフッァ!」トケツ!
「医者ァァァァ!」
「衛生兵!衛生兵!」
 昼休みのテニスコートはある種のカオスとなっていた。
 雪ノ下はやはり体力が無く、由比ヶ浜は死にかけ、戸塚が天使で、総司が吐血し、俺と材木座はとりあえず吐血だけを気にしていた。だって、なぁ。仮にも学校の私物だし、さすがに流血沙汰はいかんでしょ。
 というわけで、一応雪ノ下と総司の二人について触れておこう。
 まず、雪ノ下。あいつは基本すべてのことを3日で良いレベルまで修得できる天才肌なのだが、それが災いし継続して運動などもやったことがないため、体力が皆無なのだ。
 次に総司。あいつは昔、結核を患っていたのだ。今はもう直っているがな。あいつが俺とボーダーに入るのがズレたのは闘病生活の反動によるリハビリのせいだ。それでもたまに吐血するのだ。よく生きてるよな、こいつ。
「総司、お前もう休んでろ。あんま無茶はよくねーぞ」
「うぅ‥‥はい。すみません、みなさん。先に休んでます」
 そう言って、あいつは木陰まで肩を貸す。
 木陰まで連れて行くと今度は雪ノ下が来た。今度は何?
「比企谷くん。この場の後続任せていいかしら?」
 そう言う雪ノ下の背後には顔をゆがめている戸塚の姿があった。その周りに由比ヶ浜や材木座が取り巻いている。見るに怪我をしたようだ。なるほど、処置するために保健室にいくのね。わかります。
「わかった。早く戻ってこいよ」
 返事を返さず行ってしまった。なに?なんか怒らせた?
「ただ単に急いでるだけだと思いますよ」
「それもそうだな」
 怪我してるやつをほっといて何が奉仕部だ何でも屋だって話だもんな。それにあいつの性格上見逃せないだろうからな。あいつ俺以外のやつにはツンデレだからな。
(いや、十分八幡さんにもツンデレやってるような気がしますが、言わないで起きましょう。本人に聞いても慌てて否定するだけですし) 
 総司がジト目で俺を見ていた。何?俺こいつらになんかした?
「私は兎も角、雪ノ下さん本人に聞いてみたらどうですか?」
「へいへい。‥‥‥‥‥その、なんだ。何事も最後までやり通すのはいいことだ。でもな、すべてをやり通すのは難しいんだ。お前がやるべきことを見失うなよ」
「‥‥‥やはり、自分に甘いですね」
 世間や社会、人生ってのは厳しいからな。だからコーヒーと自分には甘くていいのさ。
「そうですね。でも、ほどほどに、ですよ!」
「わーてるよ」
 さて、戸塚の方は大丈夫だろうか?怪我をしてたとのことだが。
「‥‥雪ノ下さんのこと、怒らせちゃったかな?」
 コフッ!しょんぼりしてる戸塚も何かかわいいな。でも、それとこれとは別!とりあえず雪ノ下のことを説明して、少し休憩をはさんで練習だな。
「あいつなら大丈夫だろ。保健室に行っただけだからよ。戸塚のこと心配してたぞ?」
「そっか、それならよかった」
「少し休憩をはさむが、雪ノ下がくるまで休むぞ」
 そう言った瞬間、材木座を残した全員が死んだ。由比ヶ浜に至っては口から半霊が出てる。
「それにしても、材木座が生き残るとはな」
「モハハハ!我をただのエンジニアだと思うなよ!そもそも、エンジニアは徹夜などの仕事も多いため体力は必然とつくのだ」
「どっかのライオン頭の直流キャスターが言ってたな」
 あれもうキャスターじゃねーだろ。魔術師だろ?何であんなに肉体出来上がってんだよ。
 とにかく、雪ノ下が戻って来てからはあいつに任せ(ry
「あ、テニスしてんじゃん。テニス!」
 あ”ぁ!
(ちょ、八幡さん!声がヤバいことになってます!あと、若干殺気漏れてます)
 はっ!まずいまずい。殺気なんか出してたら俺の好む平穏な生活から一歩遠のいてしまう。
 殺気を何とか押さえ、声の方向を見るといつもクラスで騒いで、俺と総司がベストプレイスで食うことになった元凶、リア充どもがいた。
「ねぇ、戸塚ぁ。あーしらもここで遊んでいい?」
「み、三浦さん、僕は別に、遊んでるわけじゃ、なくて‥‥練習を‥‥」
「え?何?聞けえないんだけど」
 うわ!こえー。─────どんだけ耳悪いんだよ。難聴か?その歳で。
 でもまあ、さすがトップカーストの人間。戸塚が萎縮してしまっている。助け船を出すか。
「あー、悪いんだが今はテニス部の練習で使わせてもらってるんだ。生徒会の許可をもらってな。部外者はダメだ」
「は?あんただって部外者なのに使ってんじゃん」
「俺とそこの由比ヶ浜と木陰の総司は部活で戸塚から依頼されて、練習を手伝っているんだ。要するに業務委託だ」
「はぁ?何意味分からないこと言ってんの?キモいんだけど」
 あ、総司がキレかかってる。しかし、結構簡潔に説明したのだがな。頭悪すぎだろ。
「まあまあ、そんなに喧嘩腰になんないでさ」
 金髪縦ロールに金髪のイケメン君がとりなすように間に入る。そうか、あれが噂の葉山隼人か。確か、雪ノ下とは因縁浅からぬ関係なのだとか。
 とある姉のY.Hさんの話によると、
『隼人?うーん。つまんない男かな?なんて言うか、あれはもはや演技だね『みんなの隼人』になりきる演技。ある意味仮面だね。え?私?八幡君がはずしちゃったから!責任とってね♪』
 どうとるんだよ。意味が分からんよ。あの人は。
 つまんない男、ねぇ。様子を見るか。
「ほら、『みんな』でやったほうが楽しいしさ」
 はーい。カチンときました。縦ロールが撃鉄を落とし、葉山によって引き金が引かれた。今のは全世界のぼっちへ対する宣戦布告と見なした!よろしい、ならば戦争だ!
「みんなって誰だよ。お母さんに『みんな持ってるよぉ!』って物ねだるときに言うみんなかよ。‥‥誰だよ、いねぇよみんななんて奴。‥‥そもそも、友達いねぇからそんな言い訳使ったことねぇよ」
 そう言うと、総司がむー。と頬を膨らませる。後、保健室あたりからもなんか感じる。ほら、お前等は、友達以上、って何言わせようとしてんだよ。材木座?そんな奴知らん。
「あ、いや、そういうつもりで言ったわけじゃないんだけど‥‥‥‥なんかごめんな?その、悩んでるんだったら相談に乗るからさ」
「‥‥葉山。お前の優しさは正直嬉しい。性格がいいのもよくわかった。それにサッカー部の時期エースとも噂されてるみたいだし?その上、お顔もよろしいときたじゃありませんか」
「‥‥‥い、いきなりなんだよ」
 突然のヨイショに戸惑いを見せる。
 人は褒められることで鼻が高くなる。すると足元を掬いやすくなるんだ。相手を褒めるのは高所から叩き落とすためなんだよっ!
 これを人は褒め殺しと言う。
「そんないろいろと持っていて優れているお前が、何も持ってない俺からテニスコートまで奪う気なのか?それは人として恥ずかしいと思わないのか?」
「そのとおりだっ!葉山某!貴様のしていることは人倫に悖る最低の行いだ!侵略だ!復讐するは我にありっ!」
 他人のふりをしていた材木座までもが乗ってきた。
「ふ、二人揃うと卑屈さと鬱陶しさが倍増する………」
 横で由比ヶ浜が絶句する中、葉山は頭をガシガシと掻き短いため息をはいた。
 よし、いいぞ。この場の主導権はこちらがとった。
 今の『場』とは、俺と葉山と材木座。葉山は争いは好まない。多数決で折れてこの場を納めるだろう。
「ちょっと隼人ー。何ぐずぐずやってんの?あーしテニスしたいんだけど?」
 かぁー!ここでよけいな水差すなよ。葉山に考える時間ができちまっただろうが。
「なら、こうしよう。部外者同士で勝負して、勝ったほうが今後昼休みにコートを使えるってことで。もちろん、戸塚の練習にも付き合う。それに強い奴とやったほうが、戸塚の為にもなるだろ」
 わーお。何?その隙がなさそうで、穴だらけのロジック。
「いや、そもそも。俺らは生徒会の許可を貰ってるの、そしてお前等は貰ってないからそもそもテニスができない。アンダンスタンド?レッツジュウモジヅツカキトリしてクダサーイ」
 だが、ここまで来てしまってはこいつらに理屈は意味がない。せめて、雪ノ下が来るまでの時間稼ぎができればオーケーだ。
「まあ、でも。受けてもいいぜ?少しはチャンスをやらないとつまらないだろ?つーわけだ、由比ヶ浜、戸塚、材木座。しゅうごーう」
 リア充組が何か言う前に、ほかの三人も集めた。
「八幡よ、勝算はあるのか?」
「俺が出る。向こうはおそらく葉山だろ?」
「最早勝算しかないな」
 ひでぇ。何それ。俺ってそんなにチートキャラかよ。公式大会で禁止になるんじゃね?
「あとは、雪ノ下がくる時間稼ぎだ。あいつが来れば万事解け(ry」
「あれ?優美子やんの?」
「はあ?当たり前だし。あーしがテニスやりたいっつったんだけど」
「いやーでもたぶん向こう男子が出てくるんじゃないか?ヒキタニ君、だっけ?彼、そしたらちょっと不利だろ」
「じゃあ、男女混合ダブルスにすればいいんじゃん!」
 はあ!?
「ヤバいぞ!今この場にお主と組める女子は皆無!どうする」
「ちょっ!あたしは!?」
「お前はさっきの走り込みの体力回復してねーだろ」
「うっ」
 しかも、さっきのが無理な時点で戦力的に無理だな集中狙いされるのが関の山だ。
(私が出ます)
 だめだ。もう少しで雪ノ下がくる。それまでの辛抱だ。
(でも、)
 また、吐血したらどうするんだ。イヤだぞ、無理が祟って再発とか。もうだれも、いなくなってほしくないんだよ。
(っ!‥‥‥わかりました。そのかわり絶対勝ってくださいよ!)
 当たり前だ。
 とまあ、啖呵切ったはいいけど、マジでどうしよう。
「でもまあ、ヒキタニくんと組んでくれる子いるの?マジウケる」
「私が組むわ」
 そこには、救急箱を片手に持った、体操服の女子生徒、我らが雪ノ下がいた。ナイスタイミングだ。雪ノ下。
「だって私だもの。で、どういう状況なの?」
「カクカクシカジカ、とまあ、そんなところだ」
「なるほど、大体わかったわ」
 そう言うと、雪ノ下は戸塚のところへ向かっていった。
「はい、戸塚君。悪いけれど、処置は任せるわ。ちょっとコートの異物を清掃をしてくるから」
 と高らかに葉山たちにラケットを突きつけ宣言していた。その姿はあまりにも凛々しく、かっこいいと言わざるをえなかった。もう、こいつを隊長にしね?雪ノ下隊でいいだろ。
「雪ノ下さん、だっけ?あーし悪いけど手加減とかできないから」
「私は手加減してあげるから安心なさい。その安いプライドを粉々してあげるわ」
 やべーよ。なんか女の陰険な争いが始まっちゃったよ。
「なあ、ヒキタニくん。俺、テニスのルールとかよくわかんないからさ、適当でいいかな」
 それでよく勝負使用なんて言えたな。
「別に、点の取り合いでいいんじゃねーの?バレーボールみたいに」
「あ、それわかりやすくていいね。時間も押してるし十二点マッチで、どう?」
「別にかまわん。どうやろうと勝つのは俺らだからな」
「‥‥‥確かに、雪ノ下さんもいるしね。でも、俺だって下手じゃないつもりだし、優美子だって中学の時は県代表の実力者だ。こっちに分があると思うけど」
 普通に考えたら、な。
 だが、俺たちは少し普通から踏み外している。残念なことに。
「人を見かけで判断してはだめだと教わらなかったのかしら?葉山君」
 あ、雪ノ下が戻って来た。
「まあ、そういうことだ。言っておくが、俺らはかーなーり強いぞ」



 

 

9.こんなことに必殺技を使うのは間違っている

 いざ試合が始まると一方的だった。
 確かに三浦は中々だし、葉山も運動部なだけあって初心者よりは強い。
 だが、それでも葉山たちは相手が悪すぎた。
 何せ、雪ノ下と半ヒス──性的興奮しないでなったヒステリアモード──の俺だ。相手が悪いところと話ではない。三浦が経験者の力を振りかざすも、力技は雪ノ下が倍で返し、フェイントなどの策を弄するも雪ノ下が全て読みきり完封した。いや俺も仕事してるからね。一応俺ノーミスだから。そんなこんなで最初の四本はこっちが瞬殺した。
「さすがだな。さすがすぎて仕事がなくなって助かるまでもある」
「そろそろ仕事をしなさいサボリ谷君」
 そう言うと雪ノ下は顎でくいっと葉山たちを指す。
 なにやら作戦会議らしい。まあ、おそらくは、
「葉山くんなら私の情報を持っているわ」
 伊達に幼なじみじゃねーってか?
「そうね。おそらくはここからは持久戦になるわね。私の体力さえ削ればもうおしまいだろうと思ってるでしょうから」








 そして、第二ラウンド。雪ノ下の言うとおり持久戦にもつれた。俺も幾らか攻めてみるが二人とも明らかに雪ノ下を狙っている。俺の方に来るとしたら油断してると思っているのだろう。それをつこうとしたボールくらいである。ほとんどのボールが雪ノ下に集まっていった。
 だが、それでもこちらに流れが来ているのは確かだ。
 なぜなら、
「フハハハ!圧倒的ではないか我が軍は!薙払え!」
「ゆきのん、すごーい!」
 材木座や由比ヶ浜がこちら側にいるからだ。由比ヶ浜はともかく、材木座がいるという事実はでかい。あいつは流れが来なければおそらく何もいわずに黙っているだろうからな。戸塚も期待が顔に浮かんでいた。
 だが、総司は顔をしかめ険しい顔をしていた。雪ノ下の体力が少ないと言うことは総司もよく知っているからだ。だが、雪ノ下も伊達にボーダーじゃない。そして、俺らの訓練を受けてきたわけじゃない。葉山が思っている以上に体力はあるはずだ。
 そうこうしているうちに、こっちもミスがたまにでて7-3。已然に葉山たちの粘り作戦は実行されていた。
 こういうの相手するのってうぜーな。嵐山さんと時枝のクロスファイアを受けてる気分だぜ。しかも、葉山たちは極みつけに葉山も三浦もベースラインの後ろに下がり守りに徹していた。攻める気が全く感じられんな。
 ラリーが続くこと十数本、ついに雪ノ下が勝負へでた。
 葉山の浮いた球に狙いを定めた雪ノ下はベースラインから前へ走る。そして、十分助走をつけ跳んだ。
「うわっ、ダンクスマッシュ」
 雪ノ下のスマッシュは葉山と三浦の間、センターマークをぶち抜いた。
 これで八点目。ここ四点を取れば俺たちの勝ちとなる。
 だが、俺は肩で息をしている雪ノ下へ声をかける。
「おい、雪ノ下」
「………ええ、あなたの察する道理よ。タイムリミットね」
 くそっ!もう来たか。
「なんかしゃしゃってくれたけどー、さすがにもう終わりっしょ?」
「まあ、お互いよく頑張ったことにしてさ、引き分けってことにしない?」
 前回に引き続きY.Hさんからの話し。
『あとはね、隼人は雪乃ちゃんが大好きなんだよねー。絶対振り向いてはもらえないと思うんだけどなー。無駄な努力は無いって比企谷君は言うかもだけど、あのアピールは無駄だと思うんだよなぁ』
 お前本当雪ノ下大好きだな!
 でもそれ悪手だからな。こいつ寧ろこいつ対抗心燃やすからな。ほれ、お前のところの女王様(笑)もお怒りだぞ。
「ちょ隼人、何言ってんの?試合だからマジでカタつけないとまずいっしょ」
 いや、何がまずいのか意味が分からん。
 ま、結局のところ雪ノ下の燃えたぎった対抗心の鎮火をするのは、
「その必要はないわ」
 そういいながら雪ノ下はフラフラとした足取りで俺の元へ来た。おいおい、酔っ払いのおっさんみたいな足取りになってるぞ。大丈夫、な訳ないか。
「残り四点、全部この男がとるから」
 でしょうね。
 材木座と目があった。俺に親指を立てた後あいつらに向かって十字を切りやがった。おい、サムズアップはおいておいて最後のはなんだ最後のは。
 戸塚と目があった。期待の眼差しを向けないでくれ。今の俺がやれることは少ないんだから。
 由比ヶ浜と目があった。でけー声で応援してんじゃねーよ、恥ずかしい。
 ギャラリーを見たら見知った顔ぶりが揃っていた。
 くそ生意気な菊地原やそのフォローに追われる歌川。玉狛の宇佐美、那須隊の熊谷、三輪隊の三輪に奈良坂、古寺、さらにパーフェクトオールラウンダー志望のアクション派スナイパーの荒船さん、二宮隊の犬飼さんなどがいた。
 そして、総司と目が合う。『ノーコンテニューでクリアしてください』、ね。つまり四球で終わらせろと。鬼畜だなぁ。
 最後に雪ノ下と目が、あわなかった。雪ノ下が倒れてきた、いや体を預けてきたからだ。端から見たら抱きついて来たようにも見えるのかねぇ。はぁ、周りへの弁解と血流がヤバい。そして、
「後は、任せるわ。比企谷君」
 ────────いや、八幡。
「Yes your Majesty(陛下の仰せのままに)」
 おわかりだろうか。普段の俺がこんなことをすると思うか?何だったら、そのままお姫様だっこをして木陰に連れて行くと思うか? 
「ゆっくり休んでいな、雪乃。あとは、俺がケリをつける」
 そう、まさかのヒステリアモードだ。
 まさしく、サイドエフェクトの無駄遣いと言われても何も言い返せん。だって俺も思ってるもん。
「さあ、続きを始めようか。葉山」
「っ!君は本当にヒキタニ君なのかい?」
「それ以外の何に見えるんだ?」
 そういい、俺はサーブのポジションに着き、構える。
 そして、雪ノ下からもらったボールを握る。雪ノ下からもらったボールを!ヒス的には大事なので二回言いました!
 よし、あれでいこう。
 俺はトスを上げる。
 膝で溜めを作り。
 体重をすべて左膝に預ける。
 そして、ラケットを上に振り上げるように振り抜く。すると上に振り上げられたラケットは自然に遠心力で体に巻き付くように振られる。
 パァン!という良い音が鳴る。刹那、打たれたボールは葉山の後ろの壁にバウンドをした。
『え?』
「なっ!」
 ボーダー組以外の奴らは驚いていたが、それボーダー組はまあだろうな。と言う顔をしていた。
「戸塚、コール」
「っ!9-3っ!!」
 ギャラリーは唖然としていたがただの速くて見えない速球だ。
 種を明かせば簡単だ。打つ瞬間にラケット越にボールへ秋水を使っただけだ。全体重がたまに乗っかっただけだ。簡単だろ?
 さらにもう一発かます。今度も反応できていなかった。
「10-3!」
 さらにもう一発。
「11-3!」
 これでマッチポイント。総司の要望どうり、すべてサービスエースだ。
「雪乃は『冗談は言っても虚言は吐かない』が座右の銘の一つだからな」
 こいつでラストだ。
 この桜吹雪、散らせるもんなら─────散らしてみやがれ!


「ゲームセット!ウォンバイ比企谷・雪ノ下ペア!12-3!」








「今日はすまなかったな、戸塚」
「ううん。大丈夫だよ。それよりも比企谷君のサーブすごいね!」
「うむ!さすがは噂の比企谷拳法であるな!」
 いい加減そのダサい名前変えようぜ。誰かさ、いないの?
「お疲れ様、比企谷君」
「大丈夫だったか?雪ノ下」
「ええ、何とかね。それよりも急いで戻りましょう。着替えてる間に授業が始まってしまうわ」
 おっとやべ。あいつらはいなくなったし明日からはしっかり練習だな。
「───比企谷君」
「ん?なんだよ」
 みんなが校舎に向かってるところ俺だけ呼び止められた。
「……………あ、ありがとう。礼を言うわ」
「ま、仲間だからな」
(おーい。お二人さーん。二人だけの空間作ってないで急がないとほんとに遅刻しますよ)
 おっと、総司がご立腹だ。俺は雪ノ下の手をつかみ駆け足であいつ等を追いかけた。
 これからも、俺らの非日常な青春ラブコメは混沌を極めていく。




 

 

10.比企谷小町は厄介事を持ちかける

『職場見学希望調査票

二年F組 比企谷八幡

希望 雪ノ下建設

理由 顔見知りだし、内容を知っている分気が楽』


「さて、比企谷。この調査票について聞かせてもらおうか」
「いや、そのまんまッスよ。勇次さんや秋乃さんにはお世話になってますし」
 しかも、一応ボーダーのスポンサーだからな。仕事の内容なら知ってる。何なら、顔見知りすぎて家の隊のメンバーはたまに出張の名目で手伝わされているまでもある。もう向こうの人たちに顔を覚えられて、俺らの隊の出勤カードや「あ、比企谷君。来てたんだ。ところで今日のみに行くんだけど君もどうかな?」なんて言われるまでもある。あれ?今思ったらボーダーってブラックだな。どんだけ働かせるんだよ。金は入るけど。
 平塚先生が非常に驚いた顔をしているが、どうかしたか?
「確かに、君と雪ノ下に沖田は仲がいいと思っていたがそこまで親密な関係なのか?」
「まあ、お互いに世話になってますし」
「まあ、君の言い分は百歩譲って良いとして、だからといって雪ノ下建設がオーケーをくれるとは思えん」
 そうか?喜んでオーケーをくれると思うが。特に俺が希望をしてると知ったら。確か人手が足りないとか小耳に挟んだからな。きっと、職場見学が終わった瞬間に引き止められて仕事ルートだな。あれ?何か俺って着実に社畜になっててね?何それ怖い。
 ん?ていうか、そもそも
「うちの学校って雪ノ下建設と結構良好な関係築いてますし、オーケーでると思うのは俺だけですか?」
「……………まあ、それは置いといてだ」
「今明らかに話そらしましたよね。明らかに非を認めましたよね」
「少し黙れ。話が進まんだろう」
 解せぬ。人の話は最後まで聞こうぜ。そんなんだから彼氏ができねーんだよ。
「おい、比企谷。次変なことを考えたら」
「ごめんなさいもう考えませんはい」
 こえーよ。一瞬忍田さんの睨みを越えたぞ。後怖い。
 前はここまでじゃなかったろ。この数週間で何があったんだよ。
 現代社会に生きる独身女性の恐ろしさが骨身にしみた瞬間であった。
「んん!では話を戻すとだな、書き直しは必要ない。それと、今回の調査票の結果から言うとボーダー本部を希望するものが多くてな。結果、全員ボーダー本部にお邪魔する事になった」
 なん、だと。ということは何だ?学校のめんどくせーウェーイな奴らが本部なだれ込んでくるってことか?ヤバいな。こりゃあマジでばれるかもしれない。サボるか?
「ちなみにだが、サボった場合レポートを提出してもらう。噂で聞いた話だと発狂する量だそうだ」
 デスヨネー!退路は断たれてますよねぇ!しかも発狂するほどの量のレポートってどんな量だよ。むしろ、逆に興味わくわ。サボるはどのみち無理だな。総司か雪ノ下、はたまた両方が俺を連行に来るだろうからな。
 










 平塚先生の呼び出しも終わり、俺は今日も奉仕部の扉を開けた。
「あら、比企谷君?」
 何故ここに?という顔で俺を見ていた。何俺いちゃいけない感じ?
「八幡さん?由比ヶ浜さんには会わなかったんですか?」 
 由比ヶ浜?俺が来るのが遅いのと何の関係が、
「ああ!やっと見つけた!」 
 扉が勢いよく開かれた。そこにはさっき話に出てきた由比ヶ浜がいた。
「来るのが遅いから探しに行ったのよ。由比ヶ浜さんが」
「お前は穗刈さんか」
「一応、平塚先生の呼び出しと伝えたんですがねぇ」 
 は?じゃあ、何ですれ違わないの?一番近道できたが、職員室からここまでの道ってそこまで多くないぞ。
「……やっと見つけたと言っていたが、まさかずっとそこら辺探してたんじゃねーだろうな?」
「………」
「………図星かよ」
「……場所を言わなかったおきたんが悪いんだからね!」
「「いや、その理屈はおかしい」」
 俺と総司がバカなことを垂れ流している由比ヶ浜にツッコミを入れる。そんな中でも雪ノ下は勉強をしていた。動じませんね。
 それからしばらく、俺らは部室で勉強しながら依頼を待つもくる気配すらない。まあ、期末近いしな。部活なら部活禁止前の追い上げに、帰宅部連中は勉強と色々忙しいのだろう。
「ヒマー!」
 ついに由比ヶ浜が値を上げたか。まあ、こいつは見るまでもなく俺らとは違う世界の住民だもんな。何がいいたいかというと、自分から勉強しなさそうだもんな。一夜漬けとかで終わらせるんだろ。
「なら勉強でもしたらどうかしら?期末も近いのだし」
「ええー、でもさぁ勉強したって将来使わないじゃん!」
「うわっ、頭の悪い奴の典型的な言葉が出ましたね」
「由比ヶ浜、お前小学生か」
 由比ヶ浜のアホ発言にすぐさま総司と俺のツッコミが刺さる。今時そんなこというの小学生くらいだぞ。
「むぅ。ヒッキーに言われるとなんかいや」
 ひどくないか?俺次席だぞ。
 ヴヴヴヴ、とポッケの携帯がバイブが鳴り始めた。
 誰だ?っと、小町か。まあ、このメンツなら問題ないか。
 俺はその場で小町の電話に応じた。
「小町、どしたー?」
『あ、お兄ちゃん?今日の夕飯サイゼにしよ!少し相談したいこともあるし』
「家じゃだめなの?」
 外食だと出費がかさむでしょうが。
『小町じゃなくて、小町の友達が相談してきたんだよ』
「で、どうしようもなく俺に丸投げと」
『………てへ☆三。じゃあ、六時にサイゼで!』
 …………切りやがった。まあ、いいか。今は五時か。先行って向こうで勉強するか。
「雪ノ下、すまんが先上がるわ」
「小町さんから相談を受けたのね」
「話が早くて助かる」
「ええ、了解よ」
「じゃ、おつかれー」
 俺は奉仕部を後にし、サイゼまでのんびりチャリを急がせた。チャリ面倒だしバイクの免許取ろうかな。
 

 

11.家族に迷惑はかけたくないと思うのは誰しもが通る道だ

 妹の小町に相談に乗って欲しいと頼まれたため俺は早めに行ってサイゼで勉強することにした。まあ、集中するなら人数は少ないに越したことはないからな。だが、


 数十分後。






「結局全員そろうんだな」
 うん。奉仕部全員そろった。さらに戸塚までいる。最高にハイってやつだぁ! 
「たはは」
「うん。さすが私、最強無敵の沖田さんですね!」
「それは関係ないのではないかしら?」
「八幡も勉強会に誘われたの?」
 え?勉強会?何それおいしいの?っと少し前の俺ならば言ったであろう。しかし!ボーダーに入って鍛えられた俺にはすべて分かる!あれだろ?パッパラパーのやつひとりに対して複数人で教えるんだろ?
 ボーダーでいうと、大学生組なら太刀川さん。俺ら高校生組なら米屋。一個上だと一杯いるけどな。この場では由比ヶ浜がそれに当てはまる。うわっ、やだやりたくねー。とういわけで、逃げるんだよぉ!スモーキー
「逃しませんよ?」
「あなただけ逃げられるとでも?」
 総司!雪ノ下!てめーら、俺も道ずれにする気か!
「ええ、旅は道ずれよ」
「それに四人そろえばいろんな知恵と言いますし」
「三人そろえば文殊の知恵な」
 それだとサブタイになるから。
 てかもう逃げ場ないじゃん。










 数十分後。
「何でみんな分かるの!?」
「いやむしろ何でお前分かんないの?」
 形容のしようがない。
「じゃあ次はこれな。地球は太陽の周りを回っている惑星だが、これを唱えた説を何という?」
「天動説!」
「お前実は中世の人間何じゃねーの」
 この始末である。これはどうしようもない。もうどうすればいいの。小町ぃ、早く来てくれぇ。
「およ?お兄ちゃん!いたいた!」
 グッド!ナイスタイミングだぜ、小町!
 小町は小走りで寄ってくると、途中でカッと目を見開き、ウソ、と呟きをこぼし茫然自失となってしまった。
「小町の知らない女の人がいる……だとっ!」
「そんなに驚くことかよ」
「そりゃあそうでしょ!だってお兄ちゃんだよ!あの根暗お兄ちゃんだよ!総司お義姉ちゃんや雪乃さんはともかく、さらに二人も侍らせるなんて!」
 ひでー。まさか根暗まで言われるとわ。否定できないのがつらいな。それと侍らせてはないぞ?俺がいたところにこいつ等が来たんだ。
「まあ、そこは置いといて」
 置いとくのかよ。あんなテンション上げといて。
「初顔合わせもいますし、とりま自己紹介からはいりましょう!この猫舌朴念仁の妹の小町です!」
 なんか、初っぱなからひどい言われよう。
「初めまして。八幡のクラスメイトの戸塚彩加です」
「いつも兄と総司お義姉ちゃんがお世話になっています!いやーにしてもお綺麗ですなぁ」
「小町、戸塚は女だぞ」
「またまたぁ、そんなんだから色んな人にお兄ちゃんの魔の手が及ぶんだよ」
 いつから、俺がタラしだと錯覚しいた?
(なん、だと)
 お前に言っとらんわ。それと雪ノ下、うんうんってうなずいてんじゃねーよ。
「あはは、僕男何だけどな」
「なん、だと」
 やっぱり、総司と小町って血繋がってるんじゃねーの?言ってることとかリアクションがもろかぶりなんだもん。なんかやだわー。
「ひ、ヒッキーのクラスメートの由比ヶ浜結衣です」
 ブッ!と小町が吹いた。ねえ、さっきから失礼じゃね?泣くよそろそろ。落ち着いたのか、小町が背けた顔を元に戻すと由比ヶ浜をジーと見始めた。何かあるのだろうか。
「あの、そろそろいいっすか?」
 あ、こいつのこと忘れてたわ。
「自分、川崎大志っていいます。実はうちの姉ちゃんも総武校通ってるんですよ」
「ああ、なんか不良チックな人でしょ!」
「よく遅刻してますよね~」
 由比ヶ浜よ、不良チックなんて言葉どこから出てきたんだ?そもそもどういう意味だ?
「姉ちゃん、最近バイトから帰ってくるのがめちゃくちゃ遅いんすよ」
 遅いって言っても一口にいくらでもいえるからな。何時くらいなんだ。
「朝の五時くらいなんすよ」
 朝帰りかよ!さすがに俺でも‥‥‥徹夜即登校があったな。
「具体的にはいつ頃から遅くなったんです?」
「高校二年にあがってからっす」
「つまりそこのぐだぐだコハエースと一緒になってから不良化したのね」
「俺たちが原因じゃねーから。ぐだぐだ病はぐだぐだになったりたまに二等身になるだけだから」
 ともかく、高校二年からバイトで朝帰りが増えたと。情報が足りねーな。もっとねーのか?バイト先のあてとか。
「あと、そういえば。前にエンジェル何とかって店から電話がかかってきたっす。エンジェルっすよ!エンジェル!絶対やばい店っすよ!」
 お前はエンジェルに偏見を持ちすぎだ。なんかエンジェルに恨みでもあんの?
「なるほど。じゃあ、話を整理をしましょう。大志君、あなたの相談はお姉さんの朝帰りを止めるように促すこと。そしてわかってることが朝帰りが始まったのが高校二年になってからなのと勤め先に「エンジェル』という単語が入っている、ね」
 うーん、ぶっちゃけ情報が少なすぎる。
「よし、とりあえず今は何とも言えん。明日あたりから少しずつ動いてみるからわかったら連絡する。はい、解散解散」
「の、前にご飯ですよー」
 そういえばそんなこともありましたね。はい。
 

 

 

12.一つの思惑と一つの真実

 事が起きたのは、小町につきまとう悪いムs、ゲフンゲフン!お友達の川崎大志から姉の不良化の真相を探る依頼を受けてた次の日の防衛任務の時だった。

『みなさーん、敵来ました!誤差125°、あ、これ数学の問題の数字だ。すみません!改めまして、誤差1.54です!』
「ええ、後五分で終わりってところでかよ。しかも地味に数が多い。はぁ。お二人さん、パッパと終わらせんぞ」
「「了解」」
 あーちくしょう!スナイパー欲しい!スナイパーがいればなー、あの目ん玉ぶち抜いてもらって仕事が速くて効率的なのに。ああ、いい感じの奴いないかなーほんと。
『比企谷隊、聞こえるか?』
 唐突の通信にビビるも俺は引き金を引くのをやめない。声の主は忍田さんだ。
『君らに緊急任務を下す。密航者をとらえろ』
「‥‥‥どう言うことですか?」
『時間が惜しい。小町君に伝えておくから、走りながら小町君に聞いてくれ』
 そう言うと忍田さんからの通信が切れた。
「つー訳だから、お前等こいつ等片して終わったら先に帰っててくれ。俺もこれが終わり次第帰る」
「わかりました!」
「わかったわ」
 俺は最後に一体敵を打ち抜き、駆け出した。
 走りながら聞いた小町の話をまとめると、民間人にトリガー横流しして外の世界に高飛びしようとしてるからそれを阻止、また束縛しろ。とのことらしい。 
「で、誰がやったんだ?」
『‥‥‥‥二宮隊の鳩原さんだよ』
 はい?マジ?何であの人が‥‥‥。
『残り距離五百メートルだよ!』
 小町の言葉を聞き、気配を探ると確かに数人の人がいる。
 間に合え!
 俺は心の中でそう叫び鳩原さんがいるところへ全力疾走した。
 しかし、現実は無情だった。
 やはりと言うべきだろう。鳩原さんはすでにいなかった。どうやら一足遅かったようである。
「‥‥‥比企谷隊現着。が間に合いませんでした」
『そうか‥‥ご苦労。風間隊はどうした』
 いえ、まだ来てませんと、言おうとしたところ、微かに地面を蹴る音が聞こえる。しかも複数人だ。
「恐らくもう着くかと」
「風間隊現着しました」
 風間隊隊長の風間蒼也さん。大学三年生。スコーピオンの名手でアタッカーも総合も上位ランカーの常連だ。でも、背が小さい。でもすごい。人はこの人を小型かつ高性能という。戦術面でも長けており、チーム戦における透明化のオプショントリガー『カメレオン』の需要を見いだした人である。
 風間さんが俺へ顔を向けた。どうだった?と目で訴えかけてくる。わかってることでしょうに。俺は首を横に振りだめだったことを示した。
「何で先輩がいるんですか?ていうか先についてる癖に何逃がしちゃってるんですか」
 この口が悪いのが菊地原士郎。『強化聴覚』のサイドエフェクトを持っておりそれが風間隊の戦術を根底から支えている。一時期こいつは新人王などと言われておりその頃にランク戦でボコって以来この態度である。
「菊地原、すみません。先輩」
 歌川遼。風間隊の良心(俺命名)である。よく菊地原が吐いた毒のフォローをしているよくできた後輩である。今度なんか奢ってやろうかな。
「おしゃべりはそこまでだ。まだ何か残っているかもしれない。比企谷、お前は先に帰って本部へ報告しておけ。何か見つかったら俺が後で報告しておく」
「わかりました。んじゃ、後お願いします」
 そして帰った後本部へ報告し、このことは極秘事項ということになり、二宮隊はB級降格。俺たちには守秘義務が課せられた。






 そして次の日の昼休み。
「‥‥‥はぁ」
「どうしたんです?溜め息なんか着いてたら幸福が逃げてきますよ。ただでさえ不幸体質なのに」
「いや、それに関してはもう遅いからあきらめてるんだが。一昨日に大志から、そして今度は鳩原さんの密航だぞ。何でこんな立て続けに面倒事がおこんだよ」 
 ピリリリリ、と携帯が鳴った。いやな予感がし、恐る恐る相手を確認すると、二宮隊隊長の二宮匡貴さんだ。
『比企谷。せめてワンコールがツーコールで出ろ』
 ふぇぇ。怖いよぉ~。うんきもいな。止めとこう。でもマジ怖い。電話越しにギロッという、擬音が聞こえる。
「すんません、ニノさん。飯食ってたもんで」
『今夜の九時から空いてるか?』
「はい。うちは明後日まで入れてませんから」
 テスト勉強もあるためテスト勉強期間の最初の二日と最後の日は入れないようにしているのだ。体を休めてテストに備えることも大切である。
 恐らく、ニノさんは鳩原さんのことについてだろう。本人は否定するだろうが何やかんや言って鳩原さんのことを気にしていて、今回のことに一番納得していない人物だろう。
『そうか。今夜の九時に、エンジェル・ラダー 天使の階段、と言うところに来い。頼んだぞ』
 そう言うと電話は切れツーツーと音を立てていた。
 それにしてもエンジェル・ラダー、ねぇ。
「ニノさん何でした?」
「例の件で話があるから来てくれってさ」
「やはり、厄介なことになったかもですね」
 いや。確かにそうかもしれないが今回だけに限っては、
「こっちの追い風みたいだぜ?」



『あと、そういえば。前にエンジェル何とかって店から電話がかかってきたっす。エンジェルっすよ!エンジェル!絶対やばい店っすよ!』


 すべて繋がった。
 こっからは、俺たちのターンだ!
 
 

 
後書き
やっべー、一回途中で間違って投稿してもうた。ええ、今度こそ最後までかいたので。お騒がせしました。 

 

13.始まり?は白日の下に

 さて、時は夜の九時。場所はホテル最上階にあるバー『エンジェル・ラダー 天使の階』。俺が着いたときにはニノさんはすでにカウンターで酒をあおっていた。
「遅いぞ。比企谷」
「すみません。スーツを用意するのに手間取りました」
 スーツを用意?手間取る?疑問に思ったそこの貴方のために、はい、回想。どん!









「ひゃっはろー!八幡君!総司ちゃんに小町ちゃんもひゃっはろー!」
「お久しぶりです!陽乃さん!」
「ひゃっはろーです!」
「久しぶりすっね。陽乃さん」
 ここはスーツ着用が基本ということを知った俺はスーツを手に入れる、いや、貸して貰うために頼ったのが雪ノ下陽乃さんだ。雪ノ下の姉に当たる人で謂わば魔王だ。雪ノ下と同じく、いやそれ以上の完璧超人で、さらに超社交的な人───という仮面を付けている人だ。まあ、蓋を開けてみれば、
「はっちまーんくーん!」
「ちょっ!いきなり抱きつくのはやめてください。しかもダイブで。反射的に避けて蹴りそうになるじゃないですか」
「物騒すぎるよ!?その癖!?」
 この通り、滅茶苦茶甘えてくる人だ。はっきり言って絡みが滅茶苦茶うざいんだが、それも日頃雪ノ下家の長女としていろんなところに出張って鉄の仮面をずっと付けてなければならず色々溜まってるのだろうと考え、蹴りそうになる反射を抑えてる。
「まあ、蹴り癖はともかく。確かエンジェル・ラダー用のスーツだったよね?」
「ええ。洗って返すんで、貸してもらえませんか?」
 この人には何かと世話になることが多い。今回のようにな。陽乃さんと特定しなくとも、雪ノ下家に世話になることが多い。それだけの恩があるのだ。助っ人社員としてこき使われても文句は言えない。だが、相談話持ちかけるための敷居を下げてくれてるのがこの陽乃さんだというのも事実なのだ。
「もう!そんな水くさいって言うかそんな貧乏臭いこと言わなくていいよ!普通にスーツは貸してあげるよ!」






 
 で、こっから数時間。陽乃さんと総司、小町、三人の着せ替え人形とかしたのだ。やれ、このスーツはどうだの、髪型がどうだの、腐り目がどうだの、色々いじられた。おい、特に最後のさり気なくコンプレックスで人の心抉るのやめない?
 はい。回想終了。





 俺は二宮さんの隣に座る。何かこいう展開って刑事ドラマとかでよくあるよな。
「さて、ニノさん。話ってのは鳩原さんのことでいいんですよね」
「そうだ。俺は鳩原にあんな事やれるとは到底思えない。誰か裏で糸を引いてる黒幕がいると思ってる。俺はそいつを探りたい。お前の推理力を頼りたい」
「‥‥‥あまり期待しないでくださいよ。情報量もないですし」
 素の俺のボーダーの実力ははっきり言ってB級の上位とまあやり合えるくらい。はっきり言って弱い。だが、誰かとそしてどこかとランク戦するたびにヒスってたらたまったものではない。そこでは俺は性的興奮以外のトリガーを見つけた。βエンドルフィンが分泌されるときやヒスった時の血流のイメージを想起し、現象させる。そうすれば、効果は下がるし、時間も短いが。あんなキャラ崩壊を起こさずにヒステリアモードに持ってけるのだ。たまに、まじでヒスっちゃうけど。
「情報なら俺が集めた。鳩原と向こうに行った奴は三人。そして、この資料がその情報だ」
 まあ、お前の言うとおり少ないがな、と付け加えるけどニノさん。この一日で、どうやって調べたの?名前、
年齢、生年月日、住所、電話番号、趣味、家族構成、それにネイバーの被害の有無すらも調べ上げてるぞ。しかも、おそらく全く知らない赤の他人の、だ。
「‥‥‥‥‥これどうやって調べたんすか?一朝一夕で調べられる内容じゃないですよ?」
「何簡単なことだ。ボーダーの聞き込みという名実で回ったんだ。そして、お前のよく知っているあいつにも力を借りることになったがな」
 陽乃さんか。確か同じ大学で顔見知りだったはずだ。なるほどあの人の顔の広さとニノさんの知略があればやってのける、のか?
 色々疑問が残りながらもニノさんに渡された資料に目を通していく。
 ふむふむ、ん?
「この人なんか、目立ちますね」
 俺はその人の資料をニノさんに再び渡す。 
「‥‥‥雨取麟児、か」
「見ての通りこの人だけ家族や友人がネイバーに襲われてないんですよ」
「ということは、黒幕候補はこいつか」
 いや。
「案外黒幕というのは違うかもしれませんよ?」
「どういうことだ」
 含まず言え、と睨みで訴えかけてくる。
「この資料にない不確定要素。ズバリ、妹『雨取千佳』の情報です」
「妹のために、ということか」
 そういうことだ。千葉の兄弟の上は下の弟妹のためならばなりふり構わいのだ。
「……もう少し掘り下げて調査をしてみるか」
 その方がいいだろう。見えてくるものがあるはずだ。
「今日は手間を取らせたな。ここは俺が持つ。好きなものを頼め。俺は先に帰る。長居はするなよ」
 そういうとニノさんはバーを後にした。さてと、もう一つの用事も済ませるとしよう。
「……そろそろ、お前の問題を済ませようか。川崎沙希」
 斜め前でグラスを磨いていた青みがかかったポニテのバーテンダーの川崎へ話しかけた。
「……比企谷、だっけ?何?バイト辞めさせに来たの?」
「それがお前の弟の望みでもあるんでね」
「それは迷惑をかけたね。大志には私がよく言っとくから私に関わんないで」
 睨みを利かせてくるがニノさんの後だからだろうか、」そこまで怖くない。
「まあまあ、話を急ぐな。俺はここでのバイト以外の代案を持ってきただけだ」
「……どういうこと?」
 あ、なんか飲む?
 じゃあマックスコーヒーで。
 なんて会話も挿んだこともここに明記しておこう。
 俺は一口マックスコーヒーを呷る。
「だってそもそもお前のこんな無茶なバイトを始めたのも自分の学費を稼ぐためだろ?」
 なっ!と驚き絶句している。
 仮にもうちは指定校だからな。早い奴はもう来年の準備をしている。この夏には予備校に行こうなんてやつもいるだろう。だが、大志が今年から塾に通い始めたため、おそらく川崎家にはその金がない。それを自分で捻出しようとしたのだろう。
「なんでそれを。てか何を根拠に言ってんのよ」
「家も今年に一気に上がったからな」
 家の学費、ていうかあらゆる金銭の勘定は俺と総司の二人で行ってる。
 そして今年、大志と同じく小町も受験だ。
 こう言っちゃなんだが小町の頭は少しお粗末なところがある。俺と総司の時は総武の一個上のランクを目安に勉強していたし、その頃は雪ノ下もいた。今もそうなんだがこの三人での勉強が生み出すシナジー効果が凄まじいのなんの。そんなこんなで俺や総司の時とは事例が違うため今回は万全を期すことにしたのだ。週2で塾に行かせ、エースをねらえならぬ主席をねらえを決行したところ。バカにならないほどの出費になった。生活が厳しいというほどではないのだが普通に焦ったからなあれ。
「でだ。俺の代案ってのがだ、スカラシップだ」
「……なにそれ?」
「奨学金、またはそれを受け取る資格のことだ。成績が一定以上必要だが、まあそれはパンフレットとかに書いてるだろうからもらって読むといい」
「じゃあ、これでバイトしなくてもいいの?」
「取れればな。てかやめとけ。スカラシップどころじゃなくなるぞ」
 下手をすれば受験に関わる。推薦とかをもらえなくなったらそれこそ一大事だ。
「……何でここまでしてくれたの?あんたと私なんて今日初めて話したぐらいなのに」
 本当によく会話続いたな。ってそうじゃなくて!なんで、か。
「『せめて子供の夢ぐらいは守ってやろう』ってな」
「フフッ。なによそれ。てかあんた私と同い年でしょ」
「昔親父が言ってたセリフだよ。もう死んじまったけどな」
「……なんかごめん」
「別に。俺から言ったんだしな。それにそれこそこの町の子供たちの夢を守って死んでったんだ。未練はねえだろうよ」
「ボーダーだったの?」
「いや、警察だよ」
 まあ、零課だけどな。この話題出すとみんな勘違いするんだよな。まあ素手でネイバー殺すなんてことしてるからな。うん。
 俺はグラスのマックスコーヒーを飲み干し立ち上がった。
「ごっそさん。まあ、やめさせに来た俺が言うのもなんだが引き続き頑張れよ」













『じゃあ、もう大丈夫なんだね!お兄ちゃん!』
「ああ。話した感じバカじゃないし、んな指導が入るようなことはしないだろ」
 明らかにスカラシップの方がリスクが少ない。
『にしても良かったねお兄ちゃん。車に轢かれかけてあんなきれいな人と知り合えて』
 おい。それ暗に事故って良かったねって言ってないか。違うな。だってかすり傷の一つすらしてないもん。
 ん?ちょっとまて。今何って言った?誰と誰が知り合えたって?
『結衣さんのことだよ。あの人があの時の犬の飼い主だよ?』
 ‥‥‥‥‥は?どゆこと?
 マジで思考停止しかかってんだが。俺あいつからなにも聞いてないぞ。
『何も聞いてないの?でも、学校出会ったらちゃんとお礼するって言ってたけど』
 ‥‥‥‥‥しばらくは荒れそうだな。
 これは整理する時間が必要だな。少しどす黒い何かが渦巻いてる。



 そんなこんなで中間テストも乗り切り、そしてすぐに、職場見学のイベントがやってきた。
 

 

 

14.やはり秘密とはばれるものだ

 ピリリリリリリ!とけたたましく鳴り響く目覚ましを止めた。
「…………来ちまったか。この日が」
 そう今日はボーダー本部の職場見学の日だ。
 うわぁぁぁぁぁぁぁ。やだぁ。行きたくねぇ。何が好きで自分の職場を見学しにゃならんのよ。結論、今日は休む。ペナルティでレポートが出るらしいがぶっちゃけ太刀川さんのレポートよりは良心的だろ。
 そう決心し布団に再び潜ると、ドアが叩かれた。ん?総司か?
「あー、悪いが総司。今日は腹痛で休むって学校に言っといてくれ」
 よし。これで完璧に回避したは、ず。
 扉が開けられそこにいた人物を認識しマジもんで顔が青くなった。
「あら?休むとはどういうことかしら?比企谷君」
 氷の女王がそこにいた。ありの~ままの~とか聞こえてきそう。腹がほんとに冷えてきたんだけど。
「いや、そもそも。何でお前がいるわけ」
「あなたがしそうなことなんて見え透いているもの。だからこうして迎えに来たのよ」
 アイエエエ?ばれてら。
「でも杞憂のようね。行くわよね?比企谷君」
 ぐ!笑顔がまぶしい。くそっ。こうなったら仮病を意地でも貫いてやらぁ。
「いや腹痛が「行くわよね?比企谷君」いやだか「行クワヨネ?比企谷クン」サーイエッサーッ!!」
 訂正。まぶしくなかった。どす黒かった。目が笑ってねぇよ。こえーよ。それと怖い。
「……なら下に降りてるから準備して早く来なさい。小町さんや沖田さんも待ってるわ」
 そう言い雪ノ下は下に降りて行った。はぁ~。俺も準備しよ。









『いただきます』
 俺は準備を終え、朝食を比企谷隊全員で囲んだ。今日のものは雪ノ下が作ってくれたらしい。どうりで豪勢なわけだ。こと得意分野においては妥協とかしなさそうだもんな。あれ?味噌変えたか?味噌汁がバカうめぇ。
「あ、お義姉ちゃんの目玉焼きもらいっ!」
「あ!せっかく最後にとっておいたのに!」
 こら、静かに食べろ。行儀悪い。それと似たような声で喧嘩すんな。
「そういえば。今日姉さんが来るらしいわ」
「は?なんで?」
 てか、何のため?
「さあ。姉さんの行動だもの。私にはわかりかねないわ」
 そもそも、関係者でもないのかという疑問があるかもしれないが、その前提から違うのだ。雪ノ下の親の会社つまり雪ノ下建設はボーダーと提携しており、バリバリの関係者だ。しかも、元隊員だしな。このこと知ってるのも旧ボーダーからの人や四年前に入った人たちぐらいだ。詳しくはまたあとでいいだろ。
「ごちそうさん」
「あら、早いのね。そんなに私の朝食がおいしかったのかしら?」
「それもあるけどな」
 ぶっちゃけどうやってランク戦ブースにどう逃げるか算段を立てなくてはならない。雪ノ下姉妹が相手となるとこっちもそれ相応の準備が必要になる。今から練っておかなければ。
「そ、そう」
 おい、今のどこに顔を赤らめる要素があった。総司、睨むな睨むな。小町も目を輝かせるな。
「てか小町は時間大丈夫なのか」
「って八幡さん私たちが地味にやばいです」
 そう言われ時計を見ると7時50分。いったん学校へ八時半で、ここから学校へは三十分かかるため本当に地味にやばい下手したら遅刻だ。
「ってやべーじゃねぇか。雪ノ下もいるしチャリで行くわけにもいかねぇし」
「大丈夫よ。表で都築を待たせてるわ」
 乗ってけと!?あのバカ目立つ車に乗れと!?リムジンだぞ。目立つだろうが。
「あ、なら大丈夫そうですね」
 何がだよ。どこが大丈夫なんだよ。これが企みなのか。
(失敬な!何も企んでなんかいませんよ!それに少し離れたところに停めてもらえば)
 あ、そうか。それもそうだ。
 そう思い都築さんの世話になることにした。









 場面は打って変わって職場見学。俺は最大限に気配を押し殺しそこらの生徒の中で嵐山さんの説明に耳を傾ける。
 どうやら今はB級への上がり方の説明のようだ。ああ、やったなぁそんなこと、ってくらいにだけど。
 聞いてても今更なので説明を右から左へ聞き流していると、後ろにA級8位の三輪秀次と奈良坂透がいた。
「まさか、お前がさぼらずに来るとはな」
「ああ、てっきりサボると方に賭けてたんだけどな」
「おいちょっと待て。人の不祥事で賭けやってんだよ」
「まあ、全員サボる方に賭けて成立しなかったんだけどな」
 何それひどい。まあいいか。
「まあ、それはいいとしてそろそろランク戦ブースに行くから、そこをどいてくれないか」
「……比企谷」
 三輪が珍しく申し訳なさそうな顔をする。なんだよ。
「この世には逆らえないものがあるんだ」
「おのれ、雪ノ下ぁぁぁぁぁぁ!」
 俺のサボるためのパーフェクトプランが破壊されてしまった!
「そういうことだ。諦めろ」
 ぐぬぬ。こうなってしまっては仕方がない。
 どうやら二人は米屋のテスト勉強を手伝ってもらったことを貸しにされこうして俺の監視の任につかされたらしい。
 そして俺らはしばらくしゃべっているといつの間にか次のステップへと進み、嵐山さんの指示でモールモッドを出した。あ、あれやるんだ。
「これからみんなにはこのトリオン兵と戦ってもらおうか。各クラスから代表者を三人出してくれ!」
 そして場は騒がしくなっていったため、いったん離れたところから見ることにした。
「これである程度の実力が図れるからな」
「図れるっつってももううちの学年にめぼしい奴なんてもう入ってんだろ」
「確かにそうですねぇ」
 俺の言葉に総司がうんうんとうなず、うお!いつのまにそこにいたんだよ!
「お久しぶりです。比企谷先輩」
「ん、木虎も一緒だったのか」
「あの明らかなその嫌な顔もどうかと思うんですけど」
 だってお前がいたらバレるだろ。絶対。
 木虎藍。嵐山隊の若きエースだ。一時期の新人ラッシュの中の一人でこの訓練で急病をたたき出したセンスの塊だ。
「いや、勘違いするな。お前が嫌なんじゃない。ボーダー隊員とバレるのが嫌なんだ」
「どこまで頑ななんだお前は」
 奈良坂がこめかみを抑えながら言う。
「だってお前らな、もしバレてみろ。闇う「ああ、わかりましたわかりました」」
 木虎に言葉を遮られた。おい、せめて最後まで言わせろよ。
「そもそも、お前の肩書を知って闇討ちをしようとするやつがいるとは思えないんだが」
「俺は自分のトリガーを持たされても嫌だぞ」
 三輪。俺そこまで化け物じみてねぇよ。トリガーオンした相手に勝てるわけないじゃないですかやだー。
「それにしても、パッとした人がいませんね」
 確かにさっきから見てて一分越せばいい方だ、って感じのやつらしかいないもんな。
「ん?っておいおい」
 あるブースに目を向けると雪ノ下が普通の弧月を手に立っていた。何やってんのあいつ。
「クラス代表としてだろうな」
 さらに奥に目を向けると我がクラスの葉山がやっていた。今更だが、葉山コールがうるせー。
 訓練が開始されると、雪ノ下が明らかに遊び始めた。まるで舞うがのように、斬りつけながら遊んでいた。多分俺のためにタイムを伸ばしてくれてんだろうけど、えげつね~。
 結果、雪ノ下のタイムは9.8秒。丁寧に切り傷で俺に向けてメッセージ送ってし。こえーよ。文字は『GIve me something』。「後で奢れ」ってことでいいのかねぇ。
 葉山は13秒だった。
「まあまあ早いですね」
「お前が言うと皮肉にしか聞こえねぇよ」
「お前が言えた口か」
 そうでしたねはい。
「そういえば、比企谷って何秒だったんだ?」
「それは今嵐山さんが言うと思いますよ」
 奈良坂の質問に総司が代わりに答える。だが、その真意は俺にもわかりかねた。どゆこと?
「すごいじゃないか!」
 そういわれたのでとりあえず嵐山さんの言葉に聞き耳立ててると、葉山のことを絶賛していた。
「ありがとうございます」
「ちなみに嵐山さん。ボーダーでの最速は何秒なんですか?」
 おい、雪ノ下お前何変なこと聞いてくれてんだ。お前らもお前らで、あ察しって顔してんじゃねーよ。総司まさかお前、仕組みやがったな!?
(あははは。まさか、さすがにそこまではしてませんよ。興味本位で最速の人が気になるだけです)
 うわぁぁぁぁぁ。まじかよぉぉぉぉ。最悪だ。あの時調子に乗った付けがこんなとこで帰ってくるなんて。
「現在は2秒だな。ちなみに、うちの木虎が九秒で雪ノ下、君が最初にした時が確か十秒だったな」
 雪ノ下が実はボーダー隊員だったことが明かされ周りの生徒たちがざわざわと騒ぎ始める。
(二秒ですか!最強無敵の沖田さんですら三秒なのに。ジー)
 何こっちを見てんだよ、お前ら何勝手に自己完結してんだ。
 すると、三輪がポンっと肩に手を置いてきた。言いたいことはわかるから言わせてもらう。ドンマイっじゃねーよ!
「雪ノ下にとっては身近な人物だと思うが。比企谷が二秒を四年前に叩き出してる」
 さっきまで葉山コールや雪ノ下のまさかの実態で騒がしかった場は一気に静まった。
(まあ、ドンマイです)
 はあ、めんどくさいことになった。 
 

 
後書き
 なんかだいぶ雑になったが、これでいいのだ。
 どうも、最近HACHIMANアンチの方々への恐怖に震えてる。かりーぱんです。いやー本当最近になってこのこと知って焦りましたねw
 草なんかはやしてる場合ですらないんですが、まずだれも見ないし大丈夫だと信じる!あとはほかの周りの人とか強くしたりしとけば大丈夫だよね!沖田さんか原作ヒロインをちゃんとヒロインさせとけば大丈夫だよね!‥‥‥‥大丈夫、だよね?コワイナー。 

 

15.比企谷八幡は本気を出す?

 
前書き
まあ、いろいろと今更なんですが投稿遅れてすいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁ! 

 
「はあぁぁぁぁぁぁぁ……」
 盛大なため息が出た。
 なんなんだよ、ほんとに。総司は笑いこらえてるし、雪ノ下はドヤってるしでわけわかんねぇよ。
「ん?なんだ比企谷。サボらずにちゃんと来てるじゃないか!」
 こうなるからサボりたかったんですよ。嵐山さん。
 あたりに耳を澄ますと、ガヤガヤと周りからの小声が聞こえる。
 曰く、比企谷?あんな奴いたか?など。曰く、ヒキタニじゃなくて?など。曰く、ジュン×ハチキタアアアアアアア!!などだ。っておい最後のやつ何変なこと口走ってんだ。
「……えっと、嵐山さん。ヒキタニ君とはお知り合いなんですか?」
「知り合いもなにも比企谷はボーダー隊員だ!それもボーダー最強のA級一位比企谷隊の隊長でもある!」
 嵐山さんのさらなる爆弾投下によってさらに周りが騒がしくなった。
「うそだろ!」
「あんな目の腐ったやつが!?」
「ウホ。イイ男。嫌いじゃないわ!」
「そういえば、あいつ前にテニス勝負で葉山君と三浦さんに勝ったやつじゃね?」
「なん、だと。比企谷が、ボーダー隊員っ!?」
 ああ、予想通りの反応だな。あと三人目のやつ手足クネクネさせながら言うんじゃねぇよ。あと最後の平塚先生だな。あの少年漫画でいうところの見開きで「ドン!」ってなるような反応は。
「そうだ比企谷、せっかくだし、お前もやって見せてくれないか?」
「…………はぁ。わかりましたよ」
 あそこで断ったら。何あいつ生意気なんですけど、みたいな空気が流れることは目に見えているからな。
 まあでもやるからには最高記録を、だ。なんてったって戸塚が見てるからなっ!!
「これが訓練生用トリガーだ。拳銃タイプでいいよな」
「むしろそれ以外にないっすよ」
 いつもの五割増しの小声で呟くようにかつ聞こえるか聞こえない程度に「トリガーオン」と呟き起動させる。いつも通りやっても構わんのだが、葉山とかならともかく俺がやっても「うわっ。イタい」となるだけだ。
 起動されたことによって訓練生用トリオン体へ換装される。
 いつもとは違う動きやすい服装だ。いや、うちの隊服に文句があるわけじゃないんだが、多数決で決まったからな。俺は普通のが良かったのに。まあ、武道やってたりしてる人はああいうのも着てるし動きにくいわけないはずだ。
 続いて顕現したハンドガンのグリップを握りしめ腕を上下させてみる。軽いな。なにこれ壊しそうでめっちゃ怖いんだけど。何より問題なのはこれ自動拳銃(オート)なんだよな。それだけでも余計に俺の不安を煽る。
 そこまで確認すると目の前に毎回のごとくモールモッドが現れた。
『訓練開始十秒前です』
「よく見ておくといい。これがボーダーNo.1銃手(ガンナー)の力だ。本当に一瞬で終わるぞ」
 嵐山さんこれ以上はただの羞恥プレイなんでやめてください。うわっ、しかも何人か非番の人が見に来てるし。
『五秒前』
 綾辻のアナウンスを聞き、俺はぶらん、と両腕をたらし、脱力状態になる。無形の構えというやつである。




『四』
 

 相手はまともな攻撃はしてきやしない。


『三』


 それどころかあのでかい図体だ。ちょこまか動かれることはない。でもくそかたいんだよなあ。


『二』


 弱点は目みたいなところなんだが、そこに一発ぶっ放せばいいってもんじゃない。あそこに数発叩き込む。


『一』


 目標までの弾道を頭の中で思い浮かべる。


『―――――訓練開始っ!』


 パパパパパン!

 訓練室には銃声しか木霊しなかった。
 目?みたいなところの中心部の周りの沿線上の先に沿うようにトリオン弾を叩き込む。他のやつらはおそらく「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜっ!」状態になってるだろう。なんてことはない、ただの早撃ち、クイックドローである。
 俺は後ろへ振り返り出口の方へ歩を進める。そこへ目ん玉のど真ん中に目掛けて背面ショット。
 その一発でネイバーは絶命した。

 ここまでの時間実に、





『記録1.8秒』




「フッ。一瞬でカタが付いたな」


「雪乃さん、一瞬って何秒ぐらいでしたっけ?」
「そうね。おおよそだけれど一秒にも満たないぐらいのはずね」
「八幡さんが嘘ついた」
 あーいーつーらーわー!いいだろ、たまにはかっこつけても。今思えばヒス俺でしてましたねはい。
「……トリガー解除(オフ)
 俺の中で会ってに論破され虚しくなってしまったのでトリガーを解除する。
「どうだみんな。これがボーダー最強の実力だ!」
「最強は言い過ぎでしょ。太刀川さんもいるし、ニノさんや当真さんだっている」
「それは比企谷先輩が個人ランク戦に参加してないだけじゃないですか」
 木虎がジトっとした目で俺を見てくる。ああ、そういえば前こいつとランク戦したときに長引きすぎて適当にあしらったことがあったような。まあ、大半のやつにそうやってるんだけどな。小南とか三バカとか。
「この後もまだまだレクリエーションはあるから楽しみにしててくれ!」
 まだあんのかよ。勘弁してくれ。
「次は昼食の時間だ。食堂まで案内するからついてきてくれ」
 ぞろぞろと嵐山さんの後ろについていく中。総武ボーダー組はやはり俺のもとへ集まってきた。
「比企谷。やはりお前は人間をやめていたんだな」
「おいまて。俺はまだ人間だ」
「『まだ』。ここ重要ですよ皆さん」
「そろそろはっ倒すぞ。総司」
「ええもちろんです!さあ!カマンッ!」
 ええ。予想斜め下の回答なんですけど。
「まあ、俺はこれからランク戦ブースに」
「行かせると思ってるのかしら?」
 あらやだ怖い。真後ろに氷の女王がおる。やばいよ。何がやばいかって、どす黒い何かが見える。
「……まあ、昼飯は適当に隊室で済ますわ」
「わかった。嵐山さんには俺から言っておく」
「すまん頼むわ」
 何ならこのまま隊室にこもりたいまであるが、おそらくうちの隊の女子がそれを許さないだろう。
 だが、この時の俺は本当に引きこもればよかったと思うことになることをまだ知らない。 

 

16.人間誰しも戦わなければない時がある

 
前書き
八「さて作者、なんでこんなに遅れたか。言い訳を聞こうか。次第によっちゃあ許してやらんでもないぞ」
作「ほ、本当に許してくれるのか?振りかぶってる右手が俺を殺すと語っているんだが」
八「俺はこの作品内でも一番やさしいって自負してんだ。誠意次第では許してやる。読者のみんなは知らんが」
作「だが断る!このかりー(ry」
八「いったん埋まってろこのダボがぁ!」
作「TA・PI・O・KA!」





八「というわけで、次回もお楽しみに」
作「もう!もうすぐで本編だよ!これからだよ!」
八「マジで?」 

 
 昼食を適当に済ませて俺たちも食堂へ向かう。すると何やら騒がしかった。人だかりが出いていて中心に誰がいるのすらわかりやしない。後ろの方に固まっていた三輪と奈良坂を捕まえて事情を聴いてみることにした。
「実はさっきの訓練について、三浦って女子がいかさましたんじゃないかといちゃもんをつけ始めてな」
「さらにとどまることを知らず。お前の人格批判まで始まってな」
 あー。なんとなく読めてきた。
「それで熊谷や那須、下手したら木虎あたりも噛みついたか?」
「いや、綾辻もそこに投入された」
 綾辻!?お和えは常識人だと思ってたのに!
「だが実際なかなか来るものがあったぞ。嵐山さんも顔をしかめていたからな」
「俺も一瞬イーグレットを撃ちかけた」
「おいおい。奈良坂お前まで」
 ほんとみんな怖すぎだろ。鬱憤でもたまってんの?それとも実はボーダーって無法集団なんじゃねーの?
「それほど認められてるということだ。そろそろ、その斜に構えた考えを改めたらどうだ」
 ねえ、なんでみんな人の心を読んでくるの?エスパーなの?サイドエフェクト持ちなの?
「お前は顔に出すぎるだけだ」
 まじかよ。ポーカーフェイスはダービー兄弟並みに自身があるんだが。あ、きょどったら崩れるんですね。駄目じゃないですかやだー。
 まあ、とりあえず、
「お前ら。とりあえず落ち着け。先生たちも顔面蒼白してんだろうが」
 今やこの街の顔でもあるボーダーということもあり職場見学で騒ぎを起こしてしまえば、学校の評価にもかかわる。それをわかっていた先生たちは顔を青くしていた。なら止めてくれよ。
「比企谷!だってこいつあんたのことをバカにしたんだよ!いいのあんたそれで!」
「熊谷、怒ってくれるのはうれしいがな、ここまでにする必要ない。那須、お前もだぞ」
「比企谷君、でも!」
「後始末する先生のことも考えてやれ」
 いやね。本当にかわいそうだと思うんだよ。下手したら上層部が総武に抗議してその後始末に先生方は追われそしてその原因となった俺への当たりが強くなる。うわっ。こいつはひでーや。
「それにしてもお前ら、俺なんかの話題でよくそんなに長く話続くな」
 そう、よりによって俺の。俺のである。それとも何か?人の悪口ほど話が弾むってか?怖いわー。人間怖いわー。
「比企谷君。あまり自分を無碍に扱うのはやめなさい。もぐわよ」
「ねえ何をもぐの?何をもぐ気なの?雪ノ下さんや」
「まあまあ、優美子。ここは穏便さすませた方がいいんじゃないかな?ほら、学外の職場見学なわけだし」
 ほう。まさか葉山おまえが止めにはいるとはな。少し、いや、結構予想外だったよ。
 だが、三浦はそれにすら耳に入れてなかった。
「そもそも、トリオン体?だっけ?それで動きが早くなるからってあんな速さ普通は無理っしょ?」
 ウーム。確かに一理ある。俺もこれ初めて端から見たときは、は?何これ?って感じだったし。那須たちも苦笑いで黙っちゃったよ。
 周りも、まあゾンビっぽい奴だしな、や三浦が言ってるし、みたいな感じの空気に包まれ始めた。何でや!ゾンビ関係ないやろ!デンジャラスゾンb
 さて、どうしよう。
(ほかの世界だとここで三浦さんが比企谷隊をバカにして私たちもぶち切れるっていうのが鉄板ですもんね)メメタァ!
 世界?鉄板?ナニイッテルカハチマンワカンナイ。
「なら。それがズルではないと証明できればいいんだな」
 今まで黙ってたのかいなかったのかはわからないが嵐山さんがやっと重い腰を上げてくれた。何?嵐山隊とチーム戦でもやんの?そしたら俺サボっちゃうよ?佐鳥しとめるだけだし。
「君たちの持っている日程表にも書いてあると思うが、この後はボーダーにおける公式戦。A級ランク戦の見学になる。そしてそれには比企谷隊も出る」
「はい?」
 え?ランク戦?何それ聞いてないんですけど?
「それを言ったらあなた意地でもってサボろうとするじゃない」
 うん。その通りだわ。ヤダー、雪ノ下さんエスパーだわ。未来視のサイドエフェクト持ってんじゃねーの。
「でも、相手次第だったら。俺の仕事は無しに」
「残念ね。今回の相手は太刀川隊と嵐山隊よ」
「はい?」






『さて、本日のA級試験実況を務めさせていただきます。A級8位、玉狛隊の宇佐見です。本日はよろしくお願いします』
『解説として、本日見学に来ている総武高校に通っているというで毛の理由で選ばれたA級三輪隊隊長の三輪隊員と奈良坂隊員にお越しいただきました』
『『よろしくお願いします』』
『二人とも暗いよ?もっとテンション上げてこうぜ』
『解説が感情的になるってそれいいのか?』
『それもそうだね。本日は一見さんがいるのでルールを説明をします。ルールはチームごとのバトルロワイヤル。倒した人数を競い合います。制限時間は六十分。なお、時間内に決着が着いた場合、生存者がいる隊に+2点が入ります』
 フムフム、とうなずいているものや。なるほど大体わかった、と言っているものなど総武組の反応は様々だった。
 そしてボーダー隊員は二宮や風間、加古、諏訪隊隊長諏訪洸太郎、東隊隊長の東などいわゆる大学生組が多数いた。ほかにもボーダーの屈指の実力者の多くはこの場にいた。ある者は休日を利用して、またある者は授業を返上しこの場にいた。
 その理由は一つ。比企谷隊と太刀川隊がやりあうからだ。
『さて、じゃあ二人ともこの戦いをどう見るかを初めて聞く方々でもわかるように説明して貰いましょう。まず三輪君から』
『まず、三チームとも大まかな戦術は同じだ。中遠距離でサポートしてエースに取らせる。そこが全チーム変わらないならキーマンとなるのは狙撃手、スナイパーの存在だろう。その点太刀川隊は難しいところだな』
『そうだな、太刀川隊にはスナイパーがいない。出水が落とされたら。太刀川さん一人を嵐山隊と比企谷隊で落とす、何て展開もあり得なくもない』
『奈良坂君もありがとうございます。それだけ、個人総合一位は半端ないってことだね。おっと、ここでステージが決まりました。市街地C!』
『今回のステージ指定の権利は嵐山隊にあったわけだけど妥当だろうな。ここは住宅街も階段状になっているからスナイパー有利だからな』













 一方、比企谷隊隊室。
 

「お兄ちゃん。いい加減諦めなよ」
「ヤダー!死にたくない!」
 小町、羽交い絞めを辞めろ!総司に雪ノ下!その獲物を見つけたのような獣の目をやめろ!
 誰が、





 誰が好き好んでヒステリアモードになんなきゃならんのよ。




『お兄ちゃんがバカにされたんですか?じゃあいつ成るの?今でしょっ!』って小町が言った言い出したのがきっかけだ。ネタが古いぞ小町、ってそうじゃない。
「でも、小町さんの言う通りよ。あんなに言われたのに悔ししくないのかしら?」
「あながち間違ってねーだろ」
「そりゃあ、八幡さんが人間やめているからであってですね」
 おい。それどういう意味だ。
「それに相手は太刀川さんですよ。ヒスってない八幡さん以外どうしようもないじゃないですか」
 ……たしかに一理ある。あの人とやりあえるなんて迅さんくらいだろう。
「まあ、わからなくもない」
「というわけで、そぉい!」
「ってうお!」
 小町に思いっきりそい投げで投げられた。背中クッソ痛ぇ。
「せい!」
 痛って!しかもなんか殴られた。ってあれ~?おかしいぞ~。体が動かない。
「今の一撃はダメージを狙ったものではない。十秒足らずだが手足を麻痺させるツボをついた」
 お前なんでそんなの知ってんの。
「小町はね。こうしてロープ最上段のニードロップを決めてきたんだよ」
 お前は何を言ってるんだ。
「総司お義姉ちゃん!今だよ!」
 え?何を?ニードロップ?
 思わず目を瞑った俺は悪くはないだろう。




 ズキュウウウウウウン!



「む!?」
 唇に柔らかい感覚が伝わった。んでもって目の前に総司の顔がドアップで写っていた。
 レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ。
 舌で口の中を蹂躙される。小町め。お前のツボでまともに舌すら動きやしねぇ。
 無抵抗にただ血液の循環を感じることしかできなかった。
「……ぷはぁ」
「必要以上にやってくれてな。総司」
「フフン。ごちそうさまです」
 総司の一挙一動が俺の血液を加速させた。末期だなこりゃ。
「完全に準備が整ったわね。比企谷君」
「ああ、待たせたな。雪乃」
 そういいながら雪乃の頭をなでる。末期だな。
「みなさん、みなさん。ピンクゾーンを展開してないで、トリオン体を展開させて。始まるよ」
「「「トリガーオン!」」」
 その掛け声により、俺らは制服から黒、桜色、白の和服へと換装される。だれがどの色かはイメージで補完してくれ。
「比企谷隊――――――――――出るぞっ!」
「「はい(ええ)!」」








『さあ、A級ランク戦。ついにスタートです!』
 宇佐見の言葉とともに俺たちの戦いの火蓋は切って落とされた。 
 

 
後書き
 結構雑になったなあ。 

 

17.やはり比企谷八幡が本気を出すのはまちがっている

『さあ、始まりました!さて、これからどうなると思います?』
『おそらく、どのチームも合流優先だろう』
『太刀川さんならともかく、他の奴らは曲者揃いの比企谷隊と当たるときついからな。ここの合流をどれだけスムーズにそして高速に済ませるかがこの後の戦況を左右するといっても過言ではないだろう』
 三輪や奈良坂の言うとおり、どのチームも合流優先に動いていた。比企谷隊のアタッカーコンビに嵐山隊のクロスファイアー、さらに太刀川隊に至っては太刀川と出水の合流こそが必勝パターンだ。相手よりも先に合流できるか。そこが攻略の鍵になってくる。
 しかし、ここで水面下の戦いも勃発している。
『だが、同時に木虎や佐鳥、比企谷が裏で合流を妨害しようと動いているはずだ。だが、浮いた駒は叩かれる。この三人は序盤は早々動かないだろうな』
 奈良坂が例外をのぞいて、とさらに言葉を紡いだ瞬間、一筋の光がステージを駆けた。
『おっと!太刀川隊の唯我隊員が嵐山隊、木虎隊員に落とされた!もはや唯我君のお家芸!流石に早い!』
『『まあ、あいつだしな』』
 この解説を聞いていた太刀川隊隊室でオペレーターの国近は爆笑し、唯我は「流石に扱いひどすぎません!?」とベイルアウト用のベッドの枕をぬらしたとか。



『さて、他の戦場ではどのような動きがあるのか見ていきましょう』







 ~ここからは三人称~






 太刀川隊の天才射手出水公平は太刀川のもとへ向かっていた。
「おいおい、唯我のやつ早すぎだろ。まあ、いつものことだけど、っ!」
 シールドを展開しながら斜め後ろに飛び退く。その場所には銃弾がばらまかれた。
「トッキーか」
「さすがに気づきますか」
「もしかして嵐山さんまできてたりすんのか?」
「さて、どうでしょうか」


「『バイパー』!」
 出水が仕掛ける。バイパーが様々な角度から時枝を狙う。リアルタイムでバイパーの弾道を引くことができる出水だからこその牽制だ。しかしそれを、無理なくシールドでやり過ごし、突撃銃で出水を狙う。出水もシールドを出し片手にバイパーを出そうとするが、

「げぇ!?やっぱりいんのかよ!」
 シールドの張られていない左側から嵐山が現れる。テレポートによる奇襲、そして十字放火だ。ジリジリとシールドを削っていく。


「『旋空弧月』」

 横凪に斬撃が飛んでくる。三人はそれを辛くも回避する。

「雪ノ下か」
「役者はそろってるようね」
 斬撃の正体は雪ノ下の槍弧月による旋空弧月だった。
 ここに三チームのサポーター集結せん!




『お兄ちゃん、急いで!雪乃さんもうドンパチ始めちゃったよ!』
「ああ。あともうちょいだ、っとここだ」
 八幡も裏で動いていた。勝負時は近い。




「おーい、比企谷ー。どこだー。殺り合おうぜー」
「ちょっ!沖田さん出番ゼロですか!?」
「はいはーい。嵐山スナイパー、佐鳥もいますよー」
 
 

 
後書き
年内はこれがラストかなー。
ああ、もっと巧く書けるようになりたい。 

 

18.現実のスナイパーはみんな芋砂なのは当たり前だ。

 ランク戦が始まり、ソッコーで唯我が落とされ、嵐山さんと時枝、出水、雪ノ下が交戦を開始した。レーダーに反応があるのは俺らを除くとさっきの三人と太刀川さんだけだ。木虎と佐鳥はバックワームでもつけてるんだろう。
『お兄ちゃん!急いで!もう雪乃さん交戦し始めちゃったよ!』
 わかってるよ。
 今回のうちの戦術は太刀川さんと戦いやすい場面を迅速に明確な時間はヒステリアモードが切れるまでに作ることが最終目標だ。うちの隊全員でかかっても太刀川さんに勝てるかは50%がいいところだ。だが、それも俺がヒスってなければの話だ。だが、ヒスってれば確実とはいえないが6、70%ぐらいにはなる。だから俺はいざというときのための作戦のために動いていた。
『総司。木虎抑えられるか?』
『あったりまえじゃないですか!最強無敵の沖田さんにお任せください!』
 なら、ついでに太刀川さんも任せたいくらいだ。
『それに八幡さん。足止めはかまいませんけど、別に倒してしまっ(ry『総司ストップだ。そこから先は地獄だぞ』
 さて、そろそろいい具合に時間がたった。雪ノ下たちの戦場もそろそろ動きを見せるだろう。できれば総司と木虎が戦い始めてからかその直前に俺も動きたい。
『小町、着いたぞ。佐鳥の狙撃ポイントを絞ってくれ』
『もう終わってるよ!』
『了解。総司と木虎が接敵直前か交戦後に動く。それまで二人のサポートよろしく』
 俺はライフルをトリオンで生成しスコープを覗く。お、佐鳥発見。
『小町。総司はどうなってる?』
『『スゲーミツドモエノスーパーバトルニナッチマウノカ!グンマ』っは!うん!もうすぐ接敵するよ!』
 おい、何チョメチョメDのアニメ見てんだよ。仕事しろ。ヤッチャエニッサン
『でもなんか太刀川さんもいるみたいだけど』
『OK。どれぐらいで。接敵する?』
『五秒前!』
 え?ちょっ!早すぎぃ!
『ニィーイ!イーチ!』
 そして、引き金を引いた。よし、命中。佐鳥何もしなかった。まあ、させなかったんだけれども。
『ナイス!お兄ちゃん!あと、太刀川さんが木虎ちゃんを落とした』
 ああ、やっぱりそこは太刀川さんが取ったか。微妙なところだったが。
『総司、今からそっちに向かう。それまで死ぬなよ。雪乃ももう少し耐えてくれ』
『了解!』
『了解よ』
 ライフル捨て、腰の帯に下げた拳銃をさする。
 さて、第弐戦術、開始。ミッションスタートってところか。







 その数分前。解説では。

『嵐山隊員と時枝隊員がじりじりと下がりながら銃を撃ち続ける。出水隊員、雪ノ下隊員は両者シールドで銃撃を防いでいる』
『出水は上手くバイパーで牽制しているな。だが、雪ノ下は手詰まりだろう』
『と言うと?』
『嵐山さんも時枝も15メートル以上は距離を取ってる。あれは『旋空弧月』の射程だ』
『なるほど。射程が足りない雪ノ下隊員は手をこまねいていると』
『嵐山さんたちも十字砲火を行おうにも、隙を見せた瞬間を二人は見逃さない。片方が狙われた時自分が巻き込まれないようなポジショニングをしてる。しばらくは戦況は動かないだろうな』
『なるほど。おっと比企谷隊員は建物の中でライフルを構えている』
『比企谷のいるところは、高台と距離がありなおかつ三階立ての建物だ。おそらく佐鳥を落とすつもりだろう。あそこからなら角度的にも高台のどこにいても狙える。距離はあるが比企谷は狙撃手としても一流だ。あれくらいの距離なら落とせる』
『そういってる間にも、比企谷隊員が本当に佐鳥隊員を落とした!さらに交戦をしていた木虎隊員と太刀川隊員に沖田隊員が奇襲を仕掛けるも失敗。気を取られたのか木虎隊員、あっさりと太刀川隊員に落とされた!』
『いつものことながら、比企谷もいやなタイミングで動くな。木虎を落とすために佐鳥を落としたんだろう。沖田の奇襲に比企谷の狙撃。その二つが連続すれば誰で気がそれる』
『ああ、同じ万能手としてあれはしょうがない。俺もやられたら気がそれる。本来なら沖田があそこで落とす予定だったんだろう。だが、太刀川さんが取ってしまった。これで太刀川さんに傷を付けられたならともかく、無傷。厳しいだろうな』
『さあ、ついに戦況が動き出した!比企谷隊員は雪ノ下隊員たちの元へ移動するようです』
 
 現在のポイント。
 比企谷隊 1
 嵐山隊  1
 太刀川隊 1

 

 

番外編 やはり俺たちのぐだぐだトリガーはまちがっている。

 
前書き
はじめまして、作者のかりーぱんです。
今回は完璧茶番劇です。私の文才ではこの茶番に地の文を挟めませんでした。よって、今回は地の文をなしで行きます。誰がしゃべってるかわかりやすくするため。名前の最初の文字「」という形式をとります。

(例)八幡なら
八「」

あと、今回は比企谷隊のメンバーしか出ません。
では、どうぞ。ゆっくりぐだぐだしていってください。 

 
『肩寄せ合い♪声合わせて♪希望に燃える♪恋の』プツーン
八「………何だよ、今年の大晦日。見るもんねーじゃねーか」
総「しょうがないじゃないですか。これ書いてるのいつだと思ってるんです?」
八「………」
総「………」
八「ていうか、F◯Oまだ二章に行かないのな」
総「そういうのやめましょうよ。あ、年越し蕎麦どうします?」
八「俺、緑のた◯き。狐はextraで見飽きてるからな」
総「そう言うこと言うからリア友のカルデアにきてうぷ主のカルデアには来ないんですよ」
八「うぷ主が悪いようぷ主が」
雪「………………………………………カメラ、回ってるわよ」
八・総「「ゑ?」」
雪「………………」
八・総「……………………」アセアセ
八「いやー神ドラマだったわー!三門市で流行った『はちっこ』にも勝るにも劣らぬおもしろさだったな!FG◯は運営も神ってるし是非もないな!」
総「いやいや、今更取り繕っても遅いですから。汚い八幡さんはともかく沖田さんは引き続きよろしくお願いいたしますとも~」
八「汚い!さすが壬生狼汚い!」ポカポカ
総「そんなんだからこの小説の執筆優先度が下がるんですよ!」ポカポカ
八「何をぉ!テメーだって最近評価下がってきてるくせに!」ポカポカ

 ギャーギャー、ギャーギャー。

雪「そんなわけで一応まだ終わりじゃないわ。もうちと続くわ。こんな茶番でも付き合ってくれると嬉しいわ」


 もう少し続きます。
















八「さて、話すネタがねぇ!」
留「‥‥‥(蕎麦食事中)」ズルズルズズル
小「じゃあ何で書こうと思ったのさ」
総「何でも十月くらいに書こうと思いついてそのままこつこつ書いてたらしいですよ。言い訳すると、『思い立ったが吉日』とのことです」
雪「ノリでやるものではないわね。もういい大人なんだからそれくらい気づけばいいのに」
八「まあ、中にはこんな小説でも暇潰しにでも読んでくれている、わけねーか。うん」
作「ひどくね!?」
総「あ、作者だ」
八「てか、表に出るんだから挨拶くらいしろよ。お前の言動はすべて失」
作「やめろ。リアルの内輪ネタはやめろ。皆さん初めまして。そしてこんばんわ。この作品の作者のかりーぱんです」
雪「出て来て大丈夫なのかしら」
作「既に茶番って定義してるし大丈夫じゃない?」
八「そもそも、何で出てきたんだよ?」
作「いやー、せっかくの機会だからね。俺が他に書いてる作品の紹介や宣伝とか。制作秘話なんかを話そうかなーなんて」
八「誰も気にしねーよ。そんなん」
雪「つまらなかったわ。読んでいて苦痛すら覚えたわ。想像を絶するつまらなさ」
作「(゚Д゚)アーレー」
留「‥‥‥‥‥」ズルズズルズルチュルン、コトン
八・総・作『ビクンッ!』
留「‥‥‥‥おかわり」
作「いや!スルー!?」
八「食ってるだけじゃねーか!」
小「てか、留美ちゃんの紹介してないよ」
八「あ?だってそのころなら、うん。林間学校まで行けてない気がする。じゃあ、なんでだしてるんだって話なんだけどな」
作「いや、留美ちゃんにね『次回作のライダー的に出るのは構わないけど別にネタバレしてしまってもかまわんのだろう』って言われたからゴーサインだした」
八・総「おい!?」
留「鶴見留美です。一応ポジションはアーチャーやるはずです。厨二さんには感謝しなきゃ」
八「まあ、俺らの武器の整備ってだいたいあいつだからなぁ」
作「やや裏設定だけどね」






 予告!


 夏休み編明け、ついに、








 オリジナル新章突入!





「八幡!上、空から女の子が!」
「おい!こっち来るな!このチャリには爆弾が、」
「そこのバカ二人頭下げる!」




 突然の転校生、現る!

「神崎・H・アリアよ!」



 新章『緋色の独奏曲(クリムゾン・アリア)







「変なこと言ったら───────風穴開けるわよ!」



乞うご期待』
雪「しないでくだい」
作「いや、これ嘘予告だから」
八・総「ええー」








八「さて、結構短かったしただ暴走してただけだけど。読んでくれたか?え?俺?俺は『笑ったらいけないボーダー24時』見てたから」
 サンダンヅキ! グハー!
総「それはともかく、一応ネタもつきてないみたいですから時間が出来次第執筆もしてくれるみたいですし。私たちもがんばって盛り上げていきましょう!」
八「さて、終わったことだし。部屋でラノベ読んで寝るか」
総「何言ってるんですか?エンディングですし走りますよ」
八「ゑ?何故?」
総「エンディングで走るアニメは良作という、あるアニメへの助言がですね」
雪「まずこれ小説よね」
留「ツッコんじゃだめなんじゃない?」
小「それじゃあ、いきましょう!皆さん!」
総「フフフ、沖田さんの縮地にかなうとでも、コフッ!」トケツ!
八・雪「医者ぁ!」
留「あ、おかわり」
八・総・雪・小『私たちの番外編、これでいいのか!?』





 おわり。















 まじの予告!

「よう、比企谷」
「出水か、なんだ」
「お前はあの噂知ってるか?」
「‥‥なんの噂だ?」
「あの片っ端からネイバー蹴り殺してくやろーの噂だよ」
「‥‥‥‥‥‥へー。でも噂だろ?」
「いや、本部が見つけ次第確保しろってさ。本部が動くんだぜ?そりゃいるだろ。ほい。伝言終わり、あ、そうだ。本部がそいつに付けた名前が────────仮面ライダー」



 飛び交う噂!






 それは真実か?


「ほんとにいるんですかねぇ」
「現実的にはあり得なと思うんだけれど」
「何か、違和感がある」
「うーん。小町的には味方な気がするんだけどなぁ」




 それとも、偽りか?


「君は父親によく似てる」
「ああ、結婚したい」
「比企谷君、無茶はしないでね」




 新たなる刺客!


「そいつをこっちに渡しな!」
「せんぱーい、何とかしてくださいよぉ」
「そいつはてめーには扱えねーよ」




 (作内で)冬、すべては交わる!



 修学旅行編『夢守~Crimson Trigger~』












『■■■ Enter Standing by』

「変身!」

『Complete』



 乞うご期待! 
 

 
後書き
 ‥‥‥‥超ぐだりましたね。
 というわけで、みなさん今年もお疲れさまでした~。
ついに2018年ですね!まあ、振りたいネタがあるわけではないんですけど笑。
 ご愛読してくださっている読者のみなさん不定期投稿のこんな駄作者の作品ですが、18年もなにとぞよろしくお願いします。
 18年も私は最初から最後までクライマックスだぜ!
 

 

番外編.やはりあいつの小説投稿は遅すぎる

 
前書き
 どうも。仮面ライダー平成ジェネレーションズforeverを見て、ライダーは実在するんだ!ってリアルに叫びたい作者のかりーぱんです。
 前回投稿した話のあとがきで年内は最後と言ったな。あれは嘘だ。
 はい、今年はやります。大晦日番外編。今回も前回と同じくメタ空間による。メタい話になります。そして、私が書いている他の小説のキャラも出します。身内コラボってやつです。ぜひほかの小説も読んできてみてください。
 さて、最後の投稿を始めようか。
 

 
八「あー、テステス。テステス。では、突然だが会議を始めたいと思う」
丞(『ジョジョの奇みょんな冒険』以下「ジョ」)「で、何で俺らもここにいるの?そして何で俺が二人いるわけ?」
丞(『東方幻想探偵』以下「探」)「いやまあ、それは一応作者が同姓同名の別人として書いてるからでしょ?」
(ジョ)「おk。把握した」
翔「てか、何でこんなに集める必要があるわけ?」
レイ「そもそも。なんの会議よ」
零「顔合わせってわけじゃなさそうだね。私の作品なんてたった二話しか上がってないし」
幸「俺のも三話しかねぇ。おい!作者サボリすぎだろ!」
八「そうだ。まさにそれが今回の議題だ。全員しゃべったから本題に移すぞ。ズバリ、今回の議題は『作者の投稿放置』についてだ。うちの作者の投稿は去年から始まった。去年も遅い方だったがまだよかった。だがだ、今年の投稿数を数えてみろ」
(ジョ)「………五話」
丞(探)「うちは一応今年から始まったから。四話」
翔「俺らのは四話に、なってるといいなぁ」
レイ「うちも今年からなんだよね。六話になってればいいんだけど」
零・幸「前述通り」
八「そしてうちが今回も併せて七だ。総数二十七話。そして昨年が四十二話だ」
丞・丞「「はあ!?」」
翔「しかも、希望観測数を含めなければそれ以下。か」
幸「作者。ぜってぇ許さねぇ!」
丞・丞「さあ、お前の罪を数えろ!」
レイ「いやいや、まずは何でこうなったかを究明しないと。作者を締め上げるのはそのあとでしょ」
作「あ、締め上げるのは決定なのね」
零「う~ん。恐らくは。投稿作品の多さじゃない?」
全員『…………ああ』
八「確かに、ここにいない主人公たちを含めると九作書いてることになるんだよな」
(ジョ)「多!そんなに増えたのかよ!」
翔「去年までは四作しかなかったんだが。作品が増えたことを素直に喜べねぇ」
八「作者曰わく『小説を書くためにネタを集めるんだけど、それで新しい作品が思いついて。大まかな構想が思いついて、書いてしまうんだが、』」
レイ「ほんとに大まかしかでしかないからどこかで躓いてしまう。そして、ネタを集めに行って、の繰り返しか」
翔「無限ループじゃねーか」
丞(探)「でも、普通に考えれば、その過程で今までの作品に生かせる何かしらは思いついたりはするだろ?新しい作品ばっかてのもあれだと思うけど」
八「ああ、その辺はどうなんだ?被告人」
作「私事ながら今年から大学に入学して環境というか生活リズムが変わってなかなか書く時間がとれなかったんです。まことに申し訳ございませんでした」
幸「俺はそうでもなかったけどなぁ」
作「入学初日からかわいこちゃんとキャッキャウフフできればそうでしょうよ!」
八「リア充爆発しろ!」
幸「ナンデェ!」
(ジョ)「二人の琴線にふれたな」
八「んん!兎に角、お前の書くような作品でも需要があって楽しみにしてるような人もいることを自覚してこれからは執筆に望めよな」
作「うん。まあ、そうしたいのは山々なんだけど。来年からはまた授業入ってくるし、それにどっかでバイトも入れたいと思ってるんだよね。今はやってないから」
幸「でも、通学時間結構かかってるよな?無理して入れるほどでもないんじゃないか?三年とかからなら暇になるし」
作「まあ、そうなんだけどね。買いたいものが物があるし、そういう明確な目標があるならそれに向かって少しでもお金がほしいからね」
翔「どうせゲームかなんかだろ?」
作「いや、車が(ry」
翔「学生のうちにそういうことを体験することも大切だよな!」
零(チョロッ!)
レイ「てか、バイトもなにもやってないでこのペースって」
作「面目ない」
丞(探)「せめて、幻想入りぐらいはさせてほしいな。あとファングも出して」
(ジョ)「そうだ!そうだ!コラボ編終わらせろー!」
翔「博麗のハチロクをバトルさせろ」
レイ「クラス代表戦位まではいってはほしいかな」
八・零「タグを仕事させてください」
幸「意味ありげに過去編出した下手な伏線回収しろ!」
作「注文多いよ!てか、下手はよけいじゃ!」





八「さて、以上で会議を終わらせたいとおもうが、作者最後に締めろ」
作「えー、こんな不甲斐ない作者ですが。来年はもう少し頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。そしてみんなで、せーの!来年も」

作・八・零「よろしくお願い(ry」
丞・丞「お前の罪を数えろ!」
翔「ひとっ走りつき合えよ!」
幸「俺のステージだ!」
レイ「勝利の法則は決まった!」

作・八「おーい!」

零「やれやれ、だね。来年もよろしくお願いします」 
 

 
後書き
 本当に来年もよろしくお願いします。
 私の人生に前振りはねぇ!今年も最初から最後までクライマックスだぜ!
 え?こんなの投稿してるなら?普通に話進めろ?ギルティ?死刑?待つんだGO!!イッテイーヨ!コタエハキイテナイ!