Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画


 

悪魔の囁き

 事件が解決してしまい、美遊はまるで正妻のようにお兄ちゃんである士郎にもベッタリ。
 聖杯戦争に勝ってまで、二人で一緒に一生過ごせる安楽な土地とか願わず、美遊の幸せだけを祈ってくれて、友達ができるように祈ったため、その条件を叶えられ異世界に送り出されたりしたので、もう胸の奥とか心の奥とかベキボキに締め上げられて、今後一生兄と結ばれる以外には考えられないょぅじょ。
 この後は血が繋がっていないのを利用して、「例え火の中海の中一緒のお布団の中」に潜り込むのは確実。
 美游が16になり次第セキニンを取らせて入籍して出産。自分がその位置に最も近いのを感じているのか、他に譲るつもりなど一切無いのか、兄に甘えまくりで、また髪など結わせていた。
 そんな姿を見てクロエが美遊を陥れるために声を掛けた。
「ねえ、美遊? あなたもしかしてそのままお兄ちゃんと結ばれるのは自分、な~んて思ってない?」
「ブフォオッ!」
 美遊にしては珍しく、茶など吹き出して焦っていたが、すぐに元の表情に戻った。
「むむむ、結ばれるとか、にゃ、何言ってるのかな? く、クロエちゃんは?」
 表情はそのままで、噛みまくり、吃音発症、普段呼び捨ての相手にちゃん付けなど、失態表しまくりの美遊。
「そそそ、そうだぞ、む、結ばれるとか、兄妹で何のことだか?」
 士郎の方も手が震えて美遊の髪が結えなくなり、やましい部分が大量にあって、客人が早く元の世界に帰るのを願って、妹であったょぅじょにイタズラしまくりたい、風呂を覗くどころか一緒に入って、スポンジを無くして手が滑って素手で洗ってやろう、などと考えていた、かも知れない。
「まあ、元は他人で血が繋がってないんだし、いいんだけどね、他の女が許してくれるかなあ?」
 クロエの指摘や目付きに気付き、ガタガタと震えだした美遊。
「アンジェリカとか、感情が無いはずなのに「士郎が作るご飯は美味しいです」とか言い出して「士郎、剣の手ほどきをしてあげましょう」に出世したし、お風呂場でドッキリでも最初は「一緒に入れば時間節約になるが、一人でゆっくり入りたい」とか言ってたのが今では「キャッ(///)」だしねえ、もうまるっきりどこかのエロゲーのセイバーと一緒よねえ?」
 美遊の表情が呪いの市松人形みたいになって、士郎も慌てだした。
「お兄ちゃん、いつの間にか、そんなにアンジェリカとも仲良く……」
「い、いや、違うんだ、美遊」
 髪の毛をシュルシュル伸ばして兄の首を絞め始めた美遊、いつの間にか新しいスキルを手に入れたらしい。
「桜の人形の方も、人格壊れてるだけで、ヤンデレかメンヘラ女ぐらいになったから、美遊に手出ししそうになったら、桜かアンジェリカと寝るんでしょう? 二人とも妊娠しないし便利よねえ?」
「おっ! お兄ちゃんっ!」
 美遊の顔が呪いの市松人形から、呪いのビスクドールぐらいに出世した。
「ち、違うんだ、みっ、美遊……」
 もう髪の毛使いとか糸使い系統の術者になって、兄を持ち上げて首切り寸前。
「こっちのお兄ちゃんはカレーとか作らないの? インド料理屋とかで買った、ターメリックとかクミンの粉ごと買って、フライパンで炒めてから寸胴で煮込む奴。あれは麻薬よねえ、あれ食べてタイガーとかもイっちゃったし、桜もママもセラもリズも壊れたし、一成も「一生お俺のためにカレーを作ってくれ」とか告白したし」
 雀花とミミ大喜びのパターンだったので御注進すると、本当にメモを出して詳細を聞いてから書き込んで喜んだ。
 ミミはそれだけでお腹いっぱいになって、ノート一冊分、一成*士郎の恋愛ものを完成させて、次のコミケで落ちた原稿の代わりに人称だけ書き換えて領布された。
「立ち位置は同じなんだから、ジュリアンにお兄ちゃんのカレー食べさせたらすぐに陥落するわね、凜もルヴィアも、下手するとバゼットも転ぶわ、なんせあれは麻薬なんだから」
 美遊は「ひいっ」とか鳴いて、先ほどの兄との話題が「トマトの水分だけでカレーができるんだなあ、今度インドの食材扱ってる店でry」だったのを思い出し、市販のルーでも破壊的な兄のカレーが、粉から拘ったものに変更され、粉末から火を通して焼き、もしトマトの水分だけでカレーを生産されてしまったら、あのバゼットまで堕ちると言われて恐怖した。
「そうか、こっちのお兄ちゃんは聖杯戦争で忙しくて、カレー研究してなかったんだ。もしアレ食べさせたら、アンジェリカと桜の人形も堕ちるわよ? 感情戻ったり、頭治るんじゃない?」
 美遊は床に膝と手を着いて、orzの姿勢になり、兄の髪の毛拘束も解けた。
(ず、寸胴はある、残りはカレーの粉だけ)
 もしガラムマサラとか中毒性のある粉末まで使われ、ガーリックとかも摺り混んでいれられ、リンゴとかハチミツ入りの甘口の子供向けとか、大人用のキツいものを作られると包丁人味平のカレー戦争になり、全員が兄のカレーの奴隷になって堕ちる。隠し味に醤油だとか山椒や山葵まで使われるとタヒ人が出る。
「あたしもまたお兄ちゃんのカレー食べたくなったなあ、帰ろうかしら?」
「帰って、みんな早く帰ってっ」
 兄が麻薬カレーを生産しないうち、この星を救った英雄を追い返そうとした美遊。

 翌朝、元の世界に帰る準備をしている凛とルヴィア、もちろんイリアもバゼットも準備をしていた。
 美遊的には、送り返すのに付いて行くアンジェリカも遭難させて、もう帰って来ないように祈った。
 全員で準備している状況に疑問を感じて話し掛けるクロエ。
「ねえ、凛、あなたこっちの世界に残るんでしょう? 何してんの」
「はぁ? 私は元の世界で報告して、カードは回収できなかったけど、学校に戻って次の課題でもこなして弟子にしてもらうのよ」
 凛は元の目的通り、師匠に弟子入りして魔道を極めるつもりでいたので、クロエの言葉には即座に反発した。
「何言ってんの? ルヴィアはお金も屋敷もあるし、オーギュストも待ってるから帰るだろうけど、あなたは関係ないでしょ? カード回収も一応失敗だし」
 クロエは凛を馬鹿でも見るように見下げ果て、気の毒な人を見る目で見た。
「何でよ、学籍だってあるし、親、だっているし…」
 間桐に養子に行った妹まで話さずにいたが、元の世界に帰るのは当然のことで、美游と別れるのは寂しい気もしたが、親しい友達でもなく、また会うのも可能なので今生の別れとは思っていなかった。
「馬鹿ねえ、あなたはこの世界では、星を救った七英雄だか八英雄の一人なのよ? この星のイギリスとかどこかの魔道協会にでも行って「七英雄を指導した魔導士として歴史に名前を刻むことを許す」って言ってやれば、全員あなたの師匠よ。それも「教えさせてください、英雄の凛様」なのよ? それを極東から来た東洋人? 家柄社会の魔法社会で遠坂なんて誰も知らないところで、下級生にまで馬鹿にされながら小間使いでもするの?」
「あ?」
 真実に気付かされた凜は、若い体で心臓が苦しくなったのか、胸のあたりを押さえてガクガク震え始めて、両膝を床に着いた。
「元の世界でも、アインツベルンぐらい言えば、人間じゃないホムンクルスでもライバルだって思われるけど、日本人なんか人間と思われないしサル扱いよ、それでも戻るの?」
 人種差別されまくりの過去を思い、クロエの言葉が刺さりまくった。
「で、でもお母さんが…」
「呼べばいいのよ、それで魔道協会で「私の母を治す名誉を与える」って言えばね、禁呪の20個や30個使って、死人が出ても低酸素症のあなたのお母さん治してくれるのよ、それでも帰るの?」
 凜はもう「何でそんなのまで知ってるの?」という単語は頭に浮かばず、陥落寸前だったが、最後の心残りを伝える。
「じ、実は生き別れの妹が……」
「呼べばいいのよ、間桐だっけ? 滅ぼしたり契約解除させるなら、アンジェリカでも連れて行ってギル君のカード借りて家ごと粉砕。イリヤか美游にセイバーのカード使わせて、城でも破壊。キャスターのルールブレイカーで契約壊して救出、はい終わり」
 もう一度「何でそこまでry」と言いたかったが言えず、最期の反抗を試みた凛だったが、これも簡単にょぅじょに論破されてしまい、元の世界には母親を呼びに行って、今までの仲間全員に(ルヴィアとバゼットを除く)妹を救出するミッションを頼むだけでこちらに移住できる。
 魔道を極めるには、どう考えてもこちらの世界の方がはるかに条件がよく、元の世界で遠坂の系譜が切れたとしても、間桐を破滅させた後に桜を返すか、魔王になってから何人か子供も産み、元の世界に帰還させれば良い。
 そこで、最期の仕上げにクロエが凜の耳元で囁いた。
「お兄ちゃん、士郎はこっちの世界にもいるわ。それも妹と一緒に戦って救ってくれた戦友で英雄で大切な人、顔と名前だけ知ってるクラスメイトなんかじゃないわよ」
 凜はまるで雷撃でも受けたかのように、ビリビリと感電して髪の毛を逆立て、その場に座り込んで荷物の梱包を投げた。
「はい、分かりました」
 凜は敬語で答え、11歳のょぅじょの言葉にノックアウトされ、テンカウントまでされた。
 その際、もしこの世界の士郎が桜救出に参加し、生きている桜を見て抱き着いて号泣してしまうと「私、傷がある先輩に(一生)付いていきます。先輩、こんなに傷付いてしまって、私が(一生)診てあげますね」と言うのも予想していたが、凜には言わなかった意地の悪いクロエだった、

 凛の隣でも「七英雄」と聞いてしまったルヴィアも震え始め、エーデルフェルトとか魔道の新参者、弟子の弟子の弟子が魔法では落ちこぼれて、それでも経済的に成功して、金の力で魔道を極めようとしている所で、「七英雄を指導した魔導士として歴史に名前を刻むことを許す」と言ってみたくなり、旅支度を捨てた。

「ねえ、イリヤ、あんた何で帰り支度してるの?」
「え? 当り前じゃない、美遊とお別れするのは寂しいけど、私も帰って美遊みたいにお兄ちゃんに甘えるんだもん」
 クロエはイリヤに向かって、悪魔の笑顔で微笑んだ。
「そう、お兄ちゃん、にね? 知ってる、一回養子でも兄妹になった子はもう結婚できないって」
 イリヤは少ない荷物を取り落とし、こっちの世界のお土産とかも床に散らばって転がった。
「アタシは従妹だから結婚できるんだけどね? イリヤ可哀そう、こんなに大好きなお兄ちゃんと結婚できないなんて、ウフフフフフフ」
「で、できるもんっ、血が繋がってないし、お兄ちゃんパパの養子だもんっ」
「う~~ん、養子縁組した時に、結婚させるって決めてて一緒に届けも出したら大丈夫だったんだけど、一回兄妹になるとダメなのよね」
「うそっ」
「嘘だと思う? こっちの世界もおんなじだと思うけど…」
 イリヤもガクガクと震えだし、もう兄が学校で桜とかいう後輩と良~~い感じで出来上がっていて、ゴールイン寸前なのをクロエと結託して亡き者にしようとしたり、雁夜オジサンをけし掛けて「お母さんの葵さんそっくりだ~~、オジサンはね、オジサンはね」と言わせて、ほかの並行世界と同じようにレイ~プさせて処女も失わせてやろうとしていた、最低の二人だった。

 クロエとしては、ほかの女をこの世界に置き去りにして、桜とか言う後輩も追い出し、自分だけがお兄ちゃんと仲良くなって結婚するつもりでいる計画を発動させていた。 

 

天使の受胎告知?

クロエからイリヤを篭絡する言葉が続いていた。
「イリヤ、もう元の世界のお兄ちゃんとは結婚できないけど、こっちの世界、美遊のお兄ちゃんとは結婚できるわよ。戸籍はこっちの世界の魔道協会かどこかに用意させるわ」
 イリヤは震えたまま病んだ目でクロエを見上げ、まるでこの世の暗黒に天から光が差し、神の使いとして光臨した天使(悪魔)が自分の前に現れ、天啓を与えに来たように見えていた。とも言われている。
「で、でもうちのお兄ちゃんと、美遊のお兄ちゃんは違うもん」
 もう答えは分かっているのに、その答えはクロエから囁いてもらって、悪魔に魂を売り渡さないと天上の果実を味わうことができないのを知っていたので、あえて聞いた。
「遺伝的にも心も魂も、その潔癖さも同じなのよ。それでね、平々凡々に生きてきたお兄ちゃんと違って、こっちのお兄ちゃんは、妹のために聖杯戦争を勝ち抜いて、その願いで妹を平和な世界に送って、友達もできて幸せに暮らせる世界を望んだ人なの」
 イリヤは喉を鳴らして、自分の唾液をゴクリと飲み込んだ。
「分かるでしょ?「美遊と結ばれて一緒に添い遂げられる世界」じゃなくて「美遊だけが幸せに暮らせる世界」お兄ちゃんはね、自分が美遊と結ばれないのを知ってるの。もう本当のお兄ちゃんだから、潔癖な人だから妹と結婚とかは考えられない人なの」
 もうクロエの術中に堕ちて、病んだ目のまま首を縦に振り続けるイリヤ。
「そう、それでね、異世界から妹の親友になってくれた女の子が現れた訳よ、姉妹みたいで、もう一生の親友って感じの子が…… その子はね、自分が聖杯戦争でも救いきれなかった妹と自分を牢獄から救い出してくれてね、この世界まで救って、ジュリアンの心も救って元に戻して、幸せな未来をプレゼントしてくれたの、今あんたはお兄ちゃん攻略の最短ルートにいるのよ」
 催眠術師か詐欺師のようなクロエが、まるで受胎告知に来た天使に見えてしまった哀れなイリヤ。
「もう分かるわね? こっちの世界の士郎さんは、もうあんたと愛し合うしか方法がないの、それ以外の人生を選べる人だと思う? 兄妹の恩人で一生掛かっても恩が返せないぐらいの人、恋人になるはずだったその子と別れて、幸せになれるとでも思ってるのっ? 一生独身? 美遊とも結ばれないでお爺さんお婆さんになるまであんたを待ち続けるの? まさかそんな残酷なことしないわよね、あんたと士郎さんは結ばれる運命なのよっ!」
 後半、まるでいつもの調子で怒ってイリヤを叱咤して、まるで「目を覚ましなさい、イリヤ」とか言っているように、肩を掴んで前後に揺さぶってやるクロエ。
 すると、イリヤの中からガビーンとか音が聞こえて、入ってなかった士郎さんスイッチがガッチリONに切り替えられ、シーケンス回路の安全装置でお兄ちゃんスイッチは自動でOFF、愛のブレーカが過電流で遮断されるまで士郎さんスイッチが入りっぱなしになった。
「ウフフフフフフフフフ」
 クロエは、我ながら口から出まかせで、よくぞここまで嘘を並べられるものだと感心した。
 そして自分の分身がここまでチョロイ奴かと心配にはなったが、士郎さんへの愛スイッチをガッチリオンにして、お兄ちゃんスイッチをオフに切り替えた手ごたえは感じた。

 さらに犠牲者を増やすため、クロエは次の女に話し掛けた。
「アンジェリカ、あっちの世界に帰る人数が減ったわ、凛とルヴィア、イリヤは帰らないそうよ。それでね、凛の家族とルヴィアの執事のオーギュストをこっちに連れてきたいのよ」
 いつものように無表情だったアンジェリカは、少し驚いたような表情をした。
「そうか、帰らないのか、また少し賑やかなままだな」
 もちろんクロエは、アンジェリカが少し笑ったのに気付いた。
「あなたもだいぶ感情が戻って来てるわね、士郎さんへの愛とかも育った?」
「なっ、何を言う、愛など私には無い……」
 何か耳まで真っ赤になった「獲物」が食いついたのを見て、罠に追い込むため次の餌を出してやる。
「親友の姉、いいポジションだと思わない? あなたはね、聖杯の力で現世に受肉しつつあるのよ、聖杯でもあるあたしが言うんだから間違いないわ」
 どこかの全裸ギルさんのように、サーヴァントから受肉したように、アンジェリカ、桜も、クロエ側の聖杯の余った願いで少し人間化してやっていた。
「ほ、本当なのか……」
 アンジェリカも、心筋梗塞とか心臓膿漏でも発症したのか、胸を押さえながらガタガタと震え始めた。
「最近眠くなったりするでしょ? 夜に横になってると寝るし、夢も見る、それが証拠よ」
「あっ、ああっ」
 哀れなアンジェリカは、震える両手を見ながら泣き出してしまった。
「さすがに一回死んでるから、妊娠とかは保証できないけど、毎月生理で苦しまないで済むし、便秘もなし、羨ましいぐらいだわ。まあ、一生に1,2回出産できる愛の奇跡とかも起こるかもしれないわね」
「ああっ、神様っ!」
 自分の体を抱いて、シローとの愛が本物なら、愛の奇跡でも起こって子供にも恵まれるらしい。聖杯本人が言っているので信じてしまった気の毒な子だった。
「で? 今ん所どこまでイってんの? お風呂一緒に入った? もう一緒に寝た?」
 直接的など真ん中の質問で、顔を赤らめてうつむいてしまうアンジェリカ。
「い、いや、まだそこまでは、風呂やトイレではできるだけバッティングするよう心がけているのだが」
 やはり恋というか故意だった。
「あ~、お風呂でドッキリの回数が多すぎるとは思ったのよ」
 最初は風呂を覗いても怒らないアンジェリカの入浴を、何度もわざと見に行った士郎の犯行だったが、「一緒に入ればいい」と誘われてホイホイ入って行って背中まで流そうとした所、乱入してきた美遊にドロップキックからチキンウィングフェイスロック、妹の殺人フルコースをご馳走になり、騒ぎに気付いたイリヤも加勢して風呂外に撤去、簀巻きにされて転がされて、翌朝まで放置プレイされたのは士郎も良い思い出だった。
「うむ、私はシローを何度も傷付けてしまったしな、ミユもシローも捕らえて牢獄に入れてしまった女だ、この程度の謝罪と言うか、オカズにされても、その場で組み敷かれたり襲い掛かられて「傷」をつけられても構わないと思っているのだ」
 士郎が入浴している時を狙って、無表情で顔真っ赤にしてタオルで顔の汗を拭いている振りをして頬を隠しながら体は隠さないで入室。
 シャワーを捻って声を掛けられてからようやく士郎が湯船にいるのに気付いた「振り」をして、下のキンパツとかもモロ見せ、
「シロー、いたのか? 気付かなかった。私も濡れたし脱いでしまった服をもう一度着るのも気分が悪い、時間節約のためにも一緒に入浴しよう」
 などと抜かして、掛かり湯してから余分に足を上げてパツキンの下まで見せて乳浴?しようとした所を、乱入してきた美遊にドロップキックからチキンry。簀巻きにされて転がされて、翌朝まで放置プレイされたのはアンジェリカも良い思い出だった?
「アレやっぱりワザとだったのねえ、170センチもあるデッカイ体だから、運ぶの手伝わされたし、士郎さんパツキンのお姉ちゃんの全裸見たの初めてだったから、のぼせたのか何か鼻血出しちゃって、自家発とかも凄かったわ。向こうのお兄ちゃんは、あたしとかセラとか際どい所まで見てるけど、こっちのお兄ちゃんは美遊ぐらいだから、全裸の金髪白人でデッカイオッパイは初めてだったんでしょうね」
 クロエが篭絡するまでもなく、お風呂でドッキリ「時間節約(無表情)」から「キャッ(///)」経由で「時間節約(真っ赤)」に自立進化して、無表情娘全裸モロ見せ誘惑。
 クロエ制作の「夜這いの際はコチラに、アンジェリカ」などと廊下にダンボールの看板まで立てたのを美遊に粉砕されていた前科もあったので、あとは夜這いを「させる」だけで済む。
「アンジェリカにもジャパニーズドゲザと床入りの作法を教えてあげるわ」
「む? 何なのだそれは?」
 その場で正座して、ドゲザスタイルの作法や手順を教えるクロエ。
「まず正座します」
「うむ」
 アンジェリカも習って正座をする。
「手を着いて頭を床に擦り付ける様に下げます」
「こうか?」
 二人で対面したままドゲザスタイルに入る。
「申し訳ありませんでしたっ! あの時の私はジュリアンに操られていた人形だったのです、士郎を牢屋に入れたり大怪我させたりして、今は反省しています。その償いはこの体で一生掛けても支払います、さあ、使ってください、この体は老化しないんですよ、永遠の女子高生なんですっ、すぐに賞味期限が切れる女とは違います」
 アンジェリカの手を取って胸に当てさせ、半脱ぎになって引き寄せて自分から押し倒されて、だいしゅきホールドで足も絡めて逃がさない体制をとる。
「はい、リピートアフタミー」
 激しい演技で、ちょっとゼーゼー言うクロエ。
「わ、分かった。も、申し訳ありませんでしたっ」
 そこで襖がスパーンと開いて、美遊が走って飛び、問答無用でスクリュードロップキックを放って来た。
「おげふうっ」
「ごふうっ」
 回転しながらも、強烈なキックを二人に同時に放った美遊。さらにクロエにはスリーパーホールドを極めて頸動脈を止める。
「ギブギブギブ」
 タップして開放を即すが、美遊は解除してくれず、そのままの姿勢で詰問された。
「クロエ、昨日からみんなに何吹き込んでるの? お兄ちゃんも、凜さんもルヴィアさんも、イリヤもおかしくなってたわ、全部クロエのせいね?」
「ムシャクシャしてやった、今も反省してない」
「反省しなさいっ」
 クロエが締め上げられている間も、アンジェリカはシャドードゲザをしながらセリフの確度や、謝罪から寝技、足で絞めて逃がさないのを座布団相手に格闘、研究していた。
「その償いはこの体で一生掛けても支払います、さあ、使ってください、この体は老化しないんですよ、永遠の女子高生なんですっ」
「そこっ、クロエの言うこと本気にしないっ」
「え?」
 根が真面目なので、何が間違っていたか理解できなかったアンジェリカだった。
 

 

聖杯の中身2個分ぶち撒けたクロエ

 クロエとアンジェリカが美遊にドロップキックを食らって締め上げられている間、凛は士郎に相談を持ち掛けていた。
「あの、衛宮君、クロエに聞いたんだけど、私とルヴィアはこの世界に残って、誰か有名な魔術師の弟子にして貰って、ここで教育を受けるほうが良いそうなのよ。それでこの世界の魔道協会に連絡する方法を知ってたら教えて欲しいの」
 クロエの術中に嵌って、この世界に残って英雄として、良い条件での教育を受けられるよう取り計らってもらえるか確認しようと思っていた。
「ああ、それならラーメン屋の叔父さんが協会の関係者だよ、聖杯戦争の時にも世話になったし、名前は言峰、何だっけ?」
「ゲッ」
 凜は言峰綺礼の名前を聞いて顔を顰め。自分の後見人であり、亡き父の弟子、どうしても性に合わない相手がこの世界にもいると聞いて、話すのが嫌で誰かに頼もうかと思っていると、クロエの別の被害者が申し出た。
「あら、わたくしも聞こうと思っていた所ですのよ、あの方が牧師だとは以外でしたわ、オホホホホ」
 凜もこのBBAなら臆面もなく「七英雄の師匠として名前を刻むのを許可する」と本当に言いそうで笑えたが、利用できそうなので使ってやることにした。
「それでね、もしこの世界で留学できるのが決まったらね、家族を呼びたいの。病気の母と妹なんだけど……」
 珍しく気弱で、言いたくなさそうにしている凜を見て、今まで妹まで世話になった分、お返しがしたくて快諾する士郎。
「ああ、ここに住んで預かっても良いし、イギリス留学で一緒に住みたいなら力を貸すよ(経済的に)」
「でもね、妹の方は別の家に養子に行ってるの、何か契約もあるはずだし、美遊みたいに監禁されたり儀式に使われてる訳じゃないけど、救い出してやる必要があるのよ」
「ああ、任せとけ。妹でもお母さんでも助け出してやるよ、ジュリアンやアンジェリカに言えば移動はどうにかなるな。で、その妹って」
 復活して陰から見ていたクロエが、また悪魔の微笑みを浮かべていた。
「驚かないで聞いてね、間桐…… 桜って子なの」
 士郎の口が開いて閉じなくなり、メダマドコーのAAみたいな顔になり、顎が外れるかと思えるほど開いて、本当に床に落ちるかと思えた。
 家政婦は見ていたクロエは、会心の笑みでガッツポーズなどして、余りの都合良さに小躍りして喜んだ。
「い…… 生きてるんだ…… そっちの世界では、桜がまだ生きてたんだっ」
 座布団に座って話を聞いていた士郎は、自動的にorzの体制になって啜り泣きし始めた。
「ええ……」
 大体こうなるんじゃやないかと予想していた凜でさえ、目の前で想い人の男の子が泣く所を見せられ、牢獄でも美遊のピンチでも涙を見せなかった少年が、本気のマジ泣きするのを見せられてしまい、妹に嫉妬すると共に、ここまで男性に大切に思われていたのを喜んだ。
「遠坂、君は桜のお姉さんだったんだな?」
 もう肩の下、両腕とかガッツリ握られ、泣きながらがぶり寄り、ガチ泣きしている士郎に掴みかかられ、そのまま押し倒されてもオッケーだった凜。
「マトーサクラ、その子は確か、シェロにカードを渡して亡くなった子」
 アーチャーのカードを託し、クズカードと言われながらも士郎に聖杯戦争を勝ち抜かせ、妹と恋人、二人を失いながらも、すべてを失った少年の腕に剣を握らせた少女。
 そんな強敵が、自分の世界では生きていると聞かされ、ルヴィアでさえ驚いた。それを聞いたシェロがどれほど驚いたかは想像もできなかった。
「助けるよ。桜を、俺の命に代えても助けるよっ」
 何かスイッチがガッツリon側に入っちゃって、目の幅の涙流してガチでやる気出して、目の色とかも変わってしまい、瞳の奥に炎、背景にも爆炎貼って漲っちゃってる士郎を見て、一同ちょっと引いたが、クロエだけが悪魔の笑顔で爆笑していた。

 アンジェリカの部屋。
「申し訳ありませんでしたっ! あの時の私はジュリアンに操られていた人形だったのです、シローを牢屋に入れたり大怪我させたりして、今は反省しています。その償いはこの体で一生掛けても支払います、さあ、使ってください、この体は老化しないんですよ、永遠の女子高生なんですっ、すぐに賞味期限が切れる女とは違います」
 もうスイッチオンでトレースオンの士郎は、アンジェリカのドゲザ謝罪とか床入りのお誘いもスッパリいなして、
「桜を、遠坂の妹を助けに行こうっ、アンジェリカも付いて来てくれっ!」
 とか、女の誘いを断って恥をかかせているのにも全く気付かず、スイッチ入っちゃってるので先の事しか見えず、凜の留学すら決まっていないのに桜救出作戦を考え、魔道協会の言峰のオッサンのところにも同行する士郎。
 士郎に「付いて来てくれっ」と言われたのでアンジェリカも付いて来ていた。
 もしアンジェリカの誘いに乗って床入りすれば、千のマスクを持つルチャドールミユに、フライングクロスチョップを食らい、トップロープから場外(庭)にトペを敢行され、フライングボディプレスで気絶させられ、場外20カウント負けする所を免れていた。
「言峰さん、ここにいる凛とルヴィアが魔術の師匠を探していて、イギリスかどこかに留学したいそうなんだ、話を聞いてくれないか?」
 まだ泣いている士郎に気押され、言峰も何か苦手な雰囲気になって聞かざるを得なくなり、爽やかな笑顔のまま泣いている少年の前では愉悦どころではなくなった。
「む? どうしたのかね? この世界を救った英雄がお揃いではないか?」
 ドン引きしながらも、普段の表情で聞いてやる綺礼。男同士では、涙の意味は聞かないでやるのが礼儀らしい。
「ええ、わたくし達「七英雄」が魔道の師匠を探していますのよ。たぶん、シェロを含めて三人、ジュリアンやアンジェリカまで入れると5人、英国に留学して学ぼうと思いますの。この際「七英雄に魔術を指導した師匠として、歴史に名を刻むのを許す」と伝えて下さいます? オホホホホ」
((やっぱり言いやがった))(片方クロエ)
 言いたくて仕方なかったセリフの第一回目を言って、何かスッキリして得意絶頂のルヴィア。
「うむ、そう伝えよう、留学先を探せば良いのかな?」
「はいっ、お願いしますっ」
 爽やかな男の涙で押し切られてしまい、自分のペースには持ち込めなかった綺礼。何者かの猛烈な悪意を感じたが、それは後日に回すことにした。
 軽く電話などして、ルヴィアの言葉なんかもオブラートに包んで言ったはずだが、英国とか欧州方面では当然大騒動になった。
 七英雄、凜やルヴィアの争奪戦である。

 監視者からも報告はあったが、もしかすると七英雄とジュリアンを入れると八英雄。
 その妹連中である、イリヤ、クロエ(聖杯)、美遊(聖杯)、エリカまで来るとなれば、歴史や金はあっても、実績や功績も名前も無い家からは、喉から手が出るほど欲しい人材で、ルヴィアか凜程度でも嫁に迎えて「中興の祖」にすれば、大広間の壁にルヴィアの肖像画とか貼っておけば数百年は十分威張って誇り散らせる。
「我が家の神祖でもあらせられる七英雄、ルヴィア様だ」
 と紹介すれば、絵を見ただけの人物でも、それが王侯貴族であろうが、国家元首であろうが、ご尊顔を拝しただけで帽子を脱いで最敬礼して、油絵の前でも一礼せずに通過するのは非常に非礼に当たることになる。
 魔道後進国のフランスとかドイツ、細々と続いていてホムンクルスを製造していなかったアインツベルンも参加。イリヤスフィールとクロエの名字が、異世界の「フォン・アインツベルン」なのは知り尽くしている。
 もしかするとルビー的にMS(魔法少女)数値が53万以上ある、なのはさんとかフェイトさんなんかも来ると「シュート!」されてグレートブリテン島ごと消滅させられるので、ヨーロッパの大陸側はぜひ来て欲しかった。
 ほかの学校でも、何か9と2分の1駅ホームから行く有名学校とか、学園同士でも「七英雄様御在籍」の実績が欲しすぎて、後輩でもご学友になるのを目指す人物とか、低俗な学校に行く予定などなく、家で祖父や祖母に弟子入りして学ぶ予定だった伝統のある家の子女まで、入学して来てレベルが上がるので、七英雄ご入学の実績が欲しすぎる学校。
 バゼットなんかも騙されて貧乏生活をさせられているが、講師や術者として「七英雄」を雇い入れて忠誠なんか誓わせたりすると、家の格とかがググーーンと上がってしまうので、ぜひ欲しい人材だった。

 もう「七英雄」の名前が欲しくて欲しくて仕方がない一族は、お迎えに行くために日本に飛んだ。
 第五次?聖杯戦争、続く七英雄による荒廃した地球の再生、その直後に起こった紛争、八英雄とその子女の争奪戦。異世界から来た魔装置、ルビー、サファイア争奪戦の開始のゴングが鳴った。

 クロエは冬木市に聖杯の中身二個分ぶちまけて大火災を起こし、大炎上し始めたのに満足しながら衛宮家に戻り、壊れてる桜の人形に話し掛けた。
「サクラ、別の世界からあなたの本物が召喚されるそうよ、お兄ちゃん、士郎さんが助け出してやるって張り切ってるわ」
 クロエの言葉など聞きもしない桜人形だったが、「先輩」「士郎さん」の話題にだけはガッツりと食いついた。
「せ、先輩が、が……」
 ヤンデレの病みきった目で180度首だけ振り向き、恐ろしい表情でクロエを見た桜人形だったが、クロエはそれを恐れもせず、獲物がフィーッシュ!(針に食いついた)したのでニヤリと笑った。
「そうよ、あなたが中古だったのが嫌だったのかしら? わたしの世界の桜は、まだお兄ちゃんも雁夜叔父さんも手だししてないから新品だそうよ」
「カッ、カリヤッ! ヤッ」
 zeroの世界線でも、桜に乱暴して傷物にした大人と言うのはやっぱり雁夜で、「子供のころの葵さんそっくりだ~~、葵さんラビュー、桜ちゃん萌え~~、クンカクンカ、ペロペロ」をヤってしまい、虫まみれのょぅじょにクンカクンカできる変態は一人だけで、名目上の父でも当主でも慎二でも無かった。
 fate/zero開始時、犠牲になりそうな姪のために、自らの命を投げうってまで救い出そうとして人気が出た優しいオジサン、ではなく、10歳にもならないょぅじょをイタズラしてしまったクズで、当然の報いを受けて桜にも汚い物を見る目で見下げ果てられて虫のエサになったカスである。
「今度、間桐を襲撃して桜を助けるそうなの、もちろんあなたも行くでしょ、ウフフフフフフ」
 壊れた桜ちゃん人形もガタガタと震えだし、自分を生前虫まみれにした当主や、雁夜がまだ生きている世界線で報復ができると聞いて、発狂した。
「イーーーヒッヒッヒッヒッ! ヒッ」
 クロエは「さくらちゃんの好きと、わたくしの好きとは意味が違うのですわ~~」と思いながら、ニヤリと笑った。
 

 

イリヤと美遊の友情、壊れる

 ルビーとサファイア。凜とルヴィアが持っても何の意味もなかった魔力転身装置。
 特に大きな力を持たず、魔力供給、着替え、防御機能、飛行機能を持たされた、コンパクトで便利な何の変哲も無い? 悪く言えば冗談のような、会話できるパーティーグッズでしかない存在。
 それでも幼い少女達の純粋な願い、二人の異世界での同一人物の心が一つになってしまった時。イリアの聖杯成分であるクロエが本体に戻り、聖杯でもある二人の少女が織りなした友情と愛情の物語が奏でられた。
 大人から見れば、ただのお花畑の中の幻想でしかない願い事、それは次元を超えて並行世界、多元宇宙を超えて、すべてのイリヤと美遊と、士郎や無名のアーチャー、凜、桜、ルヴィア、アイリ、切嗣、綺礼、セラ、リズ、一成、ジュリアン、アンジェリカ、ロード・エルメロイ、ライダー、ランサ-、セイバー、アーチャー、アサシン、キャスター、バーサーカー、間桐、遠坂、アインツベルン、ギルガメッシュ、神まで含んだ人々共通の願いとなって、惑星の動きまで変えてマナの枯渇まで防いだ。
 その中心となった装置、子供用のおもちゃの着替えのような転身装置だったが、魔導の世界ではそれを欲した。
 多元宇宙にまで呼びかけ、わずかな願いを一つに集め、死に絶えた者、死んであの世に迎えられ、満たされなかった人生を送った者達の怨嗟の声さえ浄化して、「本当の奇跡」を起こした恐るべき装置。
 二つの異世界の願望器、聖杯が二つ揃った事まで考えられて予測され用意された兵器。その力の受け皿として、汚染されているはずの聖杯でもその願いを叶えた。
 穢れた大人には触れることさえ許されない純粋な願いを運び、取り扱える装置、それは根源へと辿り着く道標として、魔術師を導く篝火とさえなれるものだった。
 愛、正義、真実、悪、その程度のものでは根源に近寄ることさえできなかったが、この装置にはそれが出来る。出来てしまう。
 誰かが言った「聖杯よ呪われてしまえ」誰もが辿り着けなかった究極、手にしたはずの聖杯でも願いも正義も叶えられなかった者、願いに触れることもできなかった者達の怨嗟の声、それらを結集してすら、少女たちの願いの前には呪いや悪意さえ退いて無力化され、アンリマユですら道を開いて導いた。
 穢れた大人たちは、その宝具、魔力装置を望んだ。

 ただ、その呪いの残滓を受けてしまいながら復活した少女は、ほんの少し?呪いに汚染されていた。
「ぐッヘッヘッヘッヘッ」
 現在の被害者は、美遊の兄の方の士郎。アンジェリカ、凜、ルヴィア、イリヤ、桜の人形、綺礼も巻き込まれて欧州方面に電話してしまい、その悪意の探索を怠ったため、現在日本には、魔術師、魔術師殺し、魔術師殺しを殺す暗殺団が殺到している。
 自分の聖杯の中身だけでなく、美遊の聖杯の中身まで冬木市にブチ撒けたクロエは、動き出してしまった喜劇の幕を見守っていた。

 士郎の部屋(和風)
「お兄ちゃん、ううん、士郎さん」
「どうしたんだい? イリヤちゃん。もう「さん」は止めてくれよ、他人じゃないんだから(妹の親友的な意味で)。士郎か「お兄ちゃん」がいいな」
「うん、お兄ちゃん……(もう恋人だから他人じゃないんだ(///))」
 まだ目の幅で泣いている士郎と、完全に恋する乙女の目で血の繋がっていない兄?を見つめるイリヤ。
 周囲から見ればものすごく病んだ表情の二人だったが、キックオフ状態で愛のテレパシーで会話した。
(ああ、お兄ちゃんはどうしてお兄ちゃんなの?)
(それは妹を守る為さ、君の罪を唇で俺に移しておくれ)
(ああっ、お兄ちゃん、もう自由にして、貴方の物になります~)
(イリヤ、俺の大切なイリヤ)
 以上は、イリヤ側の妄想だったが、気の毒な少女には現実に起こっていることと同等に思えた。
 恋愛で脳みそがグツグツに茹で上がり、脳のタンパク質が分解してしまって妄想が現実に見える幻視、恋愛脳ではあるが、平たく言うと幻聴が聞こえる統合失調症である。
 早急に医者に掛かってドーパミン抑制剤を服用しなければ、桜の壊れた人形と同じでストーカーや事件を起こす状態であった。
 しか~も、小学生で未成年で精神状態が不安定で、責任能力の不在で無罪、造反有理の毛沢東語録の手帳持ちである。
「イリヤも髪を結ってあげるよ、おいで」
「うん」
 もう兄に甘えてベタベタのヌルヌル、脳が茹で上がって溶けてグツグツのデロンデロン。
 本来美遊の居場所である兄の膝の上に、ミニスカートなのでパンツ一枚で陣取り、後ろから髪まで弄られてヌレヌレになっていた(何が?)。
(イリヤ…… お兄ちゃんに何してるの? お兄ちゃんもイリヤにまで……)
 兄の指で髪を結われるのは自分だけのはずなのに、もう二人の友情までベキボキに締め上げて破壊して、先日友情と愛情で本当の奇跡を起こしたはずの二人だが、兄の指がイリヤの首筋にでも触れて、メスの顔で「ああんっ」とか言った瞬間、美遊は顔の前を両腕を通過させて、埴輪みたいな一重瞼の顔から怒りの大魔神に変身して、二人をSATSUGAIしてしまう。
 その怒りを鎮めるには、幼い少女の純真な願いが必要だが、クロエは純真ではないので、エリカぐらいしか存在しなかった。

 幸い「初めての髪結い」で緊張したのか、メスの顔をしなかったので「美遊の居場所」をメスの股間で穢したイリヤは許されたが、お兄ちゃんは許されなかった。
 それでも髪を結った後に士郎は、
「折角髪も結ったんだから、着物にしようか」
 と言われてしまい、パンツ一丁に脱がされてイタズラ寸前、真っ白なホムンクルスハーフ色の肌をガン見されても、血の色が透き通ってピンク色に見える肘膝尻乳首まで見られてもイリヤは抵抗せず、メスの顔をしてしまったので、二人の友情は汚染され破壊され瓦礫と化してアンリマユされてしまった。
(やってくれたわね、イリヤ……)
 それは美遊からイリヤへの重すぎる愛の重量分だけ、憎しみに変化するのに時間は必要とせず、まるで坂道でも転げ落ちるように「親友だった女」が、兄に近付く汚物としか思えず、蠅のように集って来る煩わしい存在だと思えた。
 美遊の着物を兄がイリヤに着せて汚染、美遊の髪飾りまで着けてしまったので「こんの泥棒猫がっ!」と怒り、所詮女の友情など紙切れよりも多い日でも安心な製品よりも極薄のゴム製品よりも薄いのを証明して、ドロップキックや絞め技では済まず、もう少しで兄ごとSATSUGAIする所だった。

「うん、イリヤはもっとお姫様みたいな恰好の方が似合うかと思ったけど、案外和風の着物でも似合ってしまうな、写真も撮ろうか?」
「うん」
 秘密の着物撮影会まで行われてしまい、着替え時には乳出しまでして女児用ブラも外され、恋人としてパンツ以外ほぼ全裸にまで脱がされて、密着して着物の着付けまでしてもらい、兄と妹の一線を超えて大人への階段を一歩上って嬉しくなったイリヤは、着物姿を見せようとクロや友人達の所に行こうとしていた。
「ねえ美遊、見て見て、お兄ちゃんに着物着せてもらったの、似合う?」
 その経緯を病んだ目で一部始終を見ていた美遊は、抑揚のない氷のような表情と声でこう言い渡して去った。
「イリヤ、いい加減帰ったら? その続きは「アンタのお兄ちゃん」にしてもらえば?」
「エ?」
 アスペでも天然でもないイリヤは、「アンタ」と呼ばれたのが宣戦布告で、本気で出て行ってほしい、京都風に「ぶぶ漬けお出ししまひょか?」と思われ、「二度と会いたくない」と言っているのが分かった。
「そんな……」
 クロエの言葉とは違い、まだ美遊はお兄ちゃんを運命の相手だと思って愛していて、お兄ちゃんの愛はもう自分に向いてしまっているのに(イリヤの妄想)、親友(だった女)はお兄ちゃんがまだ大好きなのだと思い知らされた。
 イリヤは、カレカノで友達の彼女の雪野に気易く話し掛けていたら、猫を被った者同士で話が合ってしまい、友達だと思っていた総一郎君からめっさ怖い目で睨まれたように驚いていた。

「うん、それは子供の頃に罹る、はしかとかオタフク風邪みたいなもんよ。ほらイリヤだってパパが大好きで「パパのお嫁さんになる~~」って言ってたでしょ? それと同じなのよ」
 美遊が聖杯に送り出される時に士郎に囁かれた言葉と願いで、心の奥がベッキボキに締め上げられて壊れて今生の間修繕不能、草津の湯でも聖杯でも回復不能。
 多分来世も運命の人がお兄ちゃんで、今回は血が繋がっていない兄なので安心して子供も産めるし結婚もできる。
 クロエはその心を知っていながらイリヤをけしかけた悪魔で鬼で怪物で化け物で魔物で悪鬼羅刹になっていた。
 それはアンリマユだとか、すぐに自決してしまうランサーの呪いとか、ソッチ系統の問題なのでクロエには責任が無かった?
「そうなの? 美遊は本気で怒ってたよ。クロ、どうしよう?」
「気にしちゃだめ、美遊にも予防注射していると思えばいいのよ、子供のころの「お兄ちゃん大好き病」なんて、大きくなって思い出しちゃったら顔から火が出るものよ」
「う、うん」
 自分達も同じ穴の貉なのを無視して、愚かでチョロインなイリヤを丸め込んだクロエは、凜やルヴィアにイリヤの着物姿を見せてわざとはしゃぎ、自分も着せて貰えるよう士郎にエロいオネダリをした。
「ねえ~、お兄ちゃ~ん、アタシにも着物着せてよ~、髪も結ってくれる?」
 まるで猫のように体を擦り付けて士郎に甘えるクロエ。
 その光景も見せ付けられた美遊だが、明らかに美遊に視線を合わせて来てニヤニヤして、兄に脚とか太ももを見せ付けたり、女児用ブラを外しただけでなく
「着物って下着付けないんでしょ?」
 と宣言して士郎の目の前でパンツも脱いで、恥ずかしがりもせずイリヤと同じ体で全裸を見せびらかし、脱ぎたてホカホカの物体を兄の頭に被せ、美遊が石灯籠を握り潰す様子まで楽しそうに見た。
 美遊も「コイツ挑発してやがる」と気付いて、後で蛙掛け(ランニングラリアット)から喉へのエルボードロップ、32文ロケット砲までのジャイアント馬場方式の殺人フルコースを必ず御馳走してやろうと思っていた。

 現在、傷あり士郎は桜の救出と、生きている桜との再会を目指してトレースオン中なのでイリヤとかクロエとか、アンジェリカの床入りお誘いもアウトオブ眼中。
 もし桜が救出されて一緒に付いて来ても、衛宮家に壊れた桜人形がいるのを知って、さくらちゃんドン引き。
 ジュリアン(男の怪しい親友、キモい魔術ヲタク?)から貰ったのを聞いても、「うわ~キモっ!」と思って、死んだ桜の遺品であるマフラーまで首に掛けて、マフラーを冷やさないように愛でている変態趣味にもドン引き。
 生き別れの姉も、男の趣味まで同じだったのを知って、遠坂姉妹の姉妹愛も完全終了のゲームセット。ノーサイドにはならない。
 さらに「血の繋がっていない妹」とかいう究極変態趣味で、複数の妹を自分の周りに侍らせ、妹達も完全にメスの顔をして、カルガモみたいに後を付いて来ているのに、それを心地よく思いながら別の女(桜)に入れ上げている無神経さというか変態趣味にもドン引き。
 完全にスリーアウトでアメリカなら終身刑なのに、まだ自分に言い寄って来る変態に、雁夜のようなキモさを感じて桜でもドン引きする予定。
 

 

桜の人形、復讐を果たす

 
前書き
全編ギャグの予定でしたが、桜人形だけマジだったのでギャグにできませんでした。 

 

 凜とルヴィアの部屋
 凜の呼びかけで黒い表情をした女たちが呼び集められていた。
 士郎がやる気マンマン、まだ目の幅で泣いているので怖く、健康にも悪そうなので先に桜を救出するために集まっている女達。
 料理中にまで泣かれると、カッパ寿司の地下で監禁されていると言われる、寿司を握らされ続けているカッパの子供の寿司みたいに、涙の味がしてショッパイと怖い。
 置換魔法使いで移動用のアンジェリカは別として、何故かバゼットまで参加して参戦してくれる予定になっていた。
 既にバゼットも「士郎が作るご飯は美味しいです」になって、風呂場では「キャッ(///)」で、麻薬カレーではなく、市販のルーのカレーで堕ちていた。
 以前は綺麗な心?のクリスチャンだったのが、もう眼鏡で不死身でシスターの先輩とか、タイガーとか、ひぐらしが鳴く頃の女先生ぐらいの敬虔なカレー教徒に宗旨替えしていた。
「良い? 標的は三人、間桐臓硯、間桐雁夜、間桐桜よ。慎二と親父は生きてても死んでもどっちでも良いわ。まずイリヤか美遊がセイバーのカードでエクスカリバー使って間桐の家ごと粉砕でどう?」
 凜の指示の元、当初の予定を変更、何故か標的に桜が含まれてしまい、士郎がマジ泣きして恋い焦がれている妹まで抹殺しようと企んでいた。
「貴方、自分の妹まで亡き者にするつもり?」
 シェロのためなので、何とルヴィアも参戦、凜に恩を売って下僕のまま使いたいらしい。
「あいつはこの程度では死なないわ、でも士郎に近付くのがどれだけ危険な事なのか、警告してやる必要があるのよ」
 虫まみれの妹なので、臓硯みたいに完全焼却しないと死なないが、この世界の桜は死ねたようなので、虫に心まで汚染されていなかったか、処置がまだだったらしい。
「いや、この手の不死者は、どこかに予備を隠しているだろう。家にいるのはフェイク、誰も寄り付かない場所に本体を隠しているものだ」
 フェイク関連には造詣が深いアンジェリカは、まだ見ぬ臓硯は偽物、虫が作り上げた虚像で、本体はどこかに隠してあると言った。
「イリヤやリン、ルヴィアは元の世界に帰ることもあるだろう、顔を見られてその時狙われても、親戚が狙われてもマズい。まずはシローにサクラだけ確保してもらい、私だけでマトーと対戦し、何ならエアを抜いて家屋ごと消滅させて、地下道でも探って本体がいないか探すほうが良い」
 いきなりエヌマエリシュして間桐全部消滅させて、雁夜おじさん、慎二も消滅させて、逃げ道や操作している本体への道を探るよう言った怖い子。周囲への被害とかは気にしないらしい。
 当然その後は「シロー、力を使い過ぎてしまった。どこかで休憩、いや宿泊しないと回復しそうにない、少し休ませてくれ」と抜かして、ご休憩3時間3500円、宿泊6000円、カラオケ温泉完備の場所に逗留し、もう一度土下座謝罪から床入りするつもりなのは言うまでもない。
「アンジェリカ、何でヨダレ垂らしてんの?」
「いや、何でもない」
「夜に攻めるのか? エアとなるともの凄い騒音だな。私が間桐から桜だけ誘拐して済ませる方法もある、それなら元の世界には異世界に渡る手段がないから、奪い返される心配も、被害は桜だけだから復讐される恐れも無い」
 もちろんバゼットも「シロー、帰ったら私のために(一生)カレーを作ってくれないか? 週に一回でもいい(寸胴なので3日は持つ)、できれば毎食、スープとして食べられると嬉しい、どうだろうか?(///)」と言って、求婚まではしないまでも、移動用のアンジェリカと要救護者の桜をこちらの世界で解放した後、カレーを報酬として要求するつもりのバゼット。
 もう胃袋と心の根幹は士郎に掴まれてしまい、元の世界に帰るつもりなど無かった。
「ワタシが、ガ、ヤル、ミンナ、kコロス」
 壊れてる桜ちゃん人形も興奮して理性も失い吃音発症、俄然やる気で、臓硯、雁夜、慎二も殺して、何なら生きている自分も殺して先輩には近付かないようにしたい桜人形。
「全部殺しておくと後くされは無いけど、当主のお爺さんは消せるかしら? 予備の予備の予備まで用意してると思うわよ」
 アンリマユされちゃってるクロエも、皆殺しにするのに異存はなかったが、臓硯を殺し切れるとは考えにくいので、桜を誘拐する以上殺るのは躊躇された。
「桜本人がイカれちゃって、臓硯と雁夜オジサン、慎二まで殺るのは良いと思うわ、桜は追われるかも知れないけど、異世界だから逃げ切れるはず。でもバーサーカーのカードとか使うと、手助けした人物がいるのがバレる。ガソリンで着火ぐらいなら虫に穴掘って逃げられるわよ。向こうの世界で火炎放射器とか買うと足が着くし、こっちから持って行くのは大変、さあどうしましょう?」
 少し沈黙が続いて、アンジェリカが口を開いた。
「もし桜が恨みを晴らしたいなら、まずそうすれば良い。それから家探しして、当主の痕跡や虫も探して、強盗でも装って金品も盗む。凜とルヴィア、イリヤも顔は見せないために来ないほうが良い、できればクロエも。最後は家ごと燃やすかエアを抜く、それで良いか?」
 士郎は来てしまうか、顔を見られると向こうの士郎が狙われるので来させないで済ませる。
 まず桜人形が入れ替わって帰宅して、恨みを晴らして全員殺害。慎二も士郎や桜に偉そうにしていたのでバラして苦しませてからタヒなせる。
 臓硯と虫はガソリン着火程度では死なないと決めて置き、放火は後。エアで消滅させてから地下の虫も消す。その後地下道でも探して、臓硯の予備を探して、可能なら本体も消滅させる。
 士郎に見つかって来てしまった時は、桜とだけ面会させて部活か普通のデートを装い、その間に犯行に及ぶ。
 人形を一つ用意して、臓硯を置換できれば本体破壊にも成功と見なして処分、残りの虫の場所も吐かせて活動資金も全部出させてから消す。
 以上で真っ黒な表情をした女たちの密談が終わった。イリヤと美遊はアンリマユされていないので呼ばれなかった。

 翌日
 慌ただしく用意している全員に気付き、元の世界に帰還、もしくは勝手に桜救出に及ぼうとしている気配も悟った士郎は、アンジェリカに付き纏って置換移動の瞬間を待った。
 犯行が露呈したようなので、アンジェリカも凜に降参の合図を送り、庭から置換して異世界に移動する事にして、現在仲が最悪の美遊とイリヤを残して旅立った。
「桜、少しだけ元に戻って電話して頂戴、おかしくなりそうだったら電話切るのよ」
「ええ、わかってるわ、姉さん」
 本物にもそう呼ばれたい気がした凜だが、「恋は闘い」なので桜にも酷い目に逢ってもらって、士郎からは手を引いて欲しかった。
 士郎は女たちの思惑にでも気付いたか、待ちきれなかったのか、現在学校まで桜を迎えにダッシュで移動してしまい、クロエが追っている。

「あの、間桐と申しますが、いつもお世話になってます。実はうちのお爺さんがボケてしまって、預金を親戚とか出入りの業者に騙し取られないように移したいのですけど、全額移動とか出来ますでしょうか?」
 まず桜人形に電話させ、録音されていると思われる銀行の電話に証拠を残す。間桐のジジイはボケてしまった事にして、資産管路できない禁治産者になったので、個人資産も会社か桜の口座に移動させる。
 後日、こちらの世界の活動資金が必要になれば引き出すか、復活したジジイに引き出せないよう、もし凍結させられても「もう、お爺ちゃんまたボケちゃって」で、法的にも桜が勝てるようにしておく。
 ジジイを置換した人形があれば、桜人形同伴でボケジジイに判を押させたり、資産の管理を任せた後見人などの弁護士に命令すれば済む。
 銀行では、ボケジジイ役の人形を連れて生存しているのを強調、古い家は更地にして引っ越すと言って証拠を残して、エヌマエリシュしてしまい更地に変更、名目上の父とかも殺害して人形にしておく。慎二は不要。

 学校
 夏休みの昼の時間、桜を呼びに制服姿で学校に侵入、頬にはガーゼを張った士郎。
 慎二の人格が腐っていなかった世界なので弓道部を追い出されず、桜と一緒に部活していた二人だが、顔見知り、それも親友のはずの一成なんかに見付かると受け答えが不能なのでコソコソと移動した。
 孤独で友達を余り作らない桜も、弓道部仲間と集まって昼食を摂り、解散時を狙って士郎が近付いた。
「あら? 桜、彼氏が来てるわよ」
「な、なによ、先輩でしょ、からかわないで」
 弁当を食べ終わって片付けた桜が友人から離れて士郎のところにやって来た。
 我慢していた涙だが、生きていて微笑んで歩いている桜を見てしまい、その瞳からはこらえきれない涙が溢れ出した。
「桜っ、生きているんだなっ、ああ、この世界ではそうなんだっ、平和な世界、壊れていない世界っ」
 まるで七瀬ふたたびで、超能力者でも平和に生きていける世界にテレポートして見付けた究極の世界のように、桜も死なず、どうやら虫にも食われておらず、間桐の連中も正常で、慎二も狂っていない世界。
 イリヤもアイリも聖杯にされず、心臓を抉り出されて殺され、打ち捨てられなかった世界。
 これでもし切嗣にでも再会していれば、もっと泣けていたはずだが、そこは男同士の会話で、あの世の義父にも話せるので、桜の生存以外多くは望まなかった。
「どうしたんです先輩? 頬の傷、額にも? 目は大丈夫なんですか?」
「ああ、驚かせてごめん。俺がいる世界では、もう桜は殺されてしまって、居なくなってるんだ。桜の本当の姉さんに頼まれて、間桐から救い出して欲しいと頼まれて、助けに来たんだ」
 自分を思ってガチ泣きしてくれる士郎を見て、何か魔術的な事情で異世界の自分は死んでいて、わざわざその世界から自分を救いに来てくれて、姉?とかはど~~~~でもよかったが、士郎に泣きながら抱き締められた桜は、一瞬で堕ちてこう言った。
「私、傷がある先輩に(一生)付いていきます。先輩、こんなに傷付いてしまって、私が(一生)診てあげますね」
 クロエの予想通りのセリフだったので、木の上から見ていたクロエは笑い出さないように堪えるのに必死だった。

 間桐家
「ただいま」
 桜人形が帰宅して、手助けもあって結界や監視も無事超えて、正門から入場した。
「へっ、部活か、遊んでないで早く僕の飯を用意しろっ」
 妹コンプレックスが強いのか、この世界の慎二も桜を見て罵り、飯の用意をさせようとした。
「インストール」
「なにっ!」
 桜人形は使い慣れたバーサーカーのカードを使い、どこかの円卓の騎士のような顔も隠れる全身鎧姿になって、長剣で慎二を刺した。
「ウフフフフフフフフフフフフフ」
「ぐああっ!」
 あちらの世界でも虐められて、つい慎二をSATSUGAIしてしまったのか、こちらの慎二も躊躇なく刺して、長く苦しめるように急所を狙わず、片肺にも穴を開けてやって苦しいのに半分呼吸できないようにしてやって、電話もできないように処置した。
「たくさん苦しんでね、お・に・い・ちゃん、フフフフフ」
 桜人形は手慣れた感じで養父も始末し、雁夜と臓硯を探した。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」
 望みを叶えている桜は嬉しそうに笑って家を破壊し、使用人や親族は無視して、雁夜を見つけた。
「見~~つけた、ウフフフフフ」
「その声はっ、桜ちゃんっ!」
 比較的平和な世界なので、何かが雁夜を押し留め、桜には手出しせず、葵への乱暴や絞首もせず、聖杯戦争で凜の父にも焼かれずに、虫のエサにならなかった雁夜だが、平和ではなかった世界の桜人形に見付かって制裁を受ける。
「ああっ、うあああああっ!」
「もっと苦しめ、もっとだ、アハハハハハハハハハハハッ!」
 人格崩壊していた桜人形は、イリヤの願いで多少治り、士郎の家族になれるよう願われていたが、選ばれるはずがない自分の幸せなどよりも復讐を選んだ。
 慎二も雁夜も死なないように処置し、できるだけ長く苦しむように始末した。特に雁夜には虫が入っているので、生きていれば修復されてしまう。
「臓硯はどこだ~~~っ!」
 顔が隠れているので、叫ばなければ桜とは思われなかったが、叫ばずにはいられなかった桜は、臓硯を見付けた。
「死ね、お前の本体はどこだ?」
「ぐおうっ」
 金庫を開けて逃げようとして、そのまま串刺しにされた臓硯。もちろん虫入りでこの程度では殺し切れない。
「本体はどこにいる?」
「言わんっ! なぜお前がワシをっ」
「分からないのか? この体に虫を住まわせて、苦しめて殺したお前がっ」
 元の世界で慎二を殺し、雁夜も始末した桜は、臓硯に立ち向かった時に見放されて虫も抜かれ、士郎の前で死ぬ前に殺されていたようで、残留思念か何かがクズカードを届けに行ったらしい。
「契約の元に命じるっ、桜の中の虫よっ、こいつを殺せっ!」
「あはははははっ、私はもう、お前に一度殺されてるっ、もう死んでるから死ねないんだよっ」
「ぐはあっ」
 まず臓硯の日常活動用の分体を切り刻んだ桜人形は、上がってきたアンジェリカに、通帳や印鑑を渡して、金目の物や骨董品も集めて、こちらの桜が必要な物、日用品と着替えを纏めて、エインズワースの世界に置換して送った。
 凜とルヴィアは足が着かないよう見ているだけ、現場に来ても足手纏いにしかならないので来させなかった。バゼットは後詰め、クロエは桜と士郎の護衛にいた。
 

 

間桐崩壊

 まず臓硯の日常活動用の分体を切り刻んだ桜人形は、上がってきたアンジェリカに、通帳や印鑑を渡して、金目の物や骨董品も集めて、こちらの桜が必要な物、日用品と着替えを纏めて、エインズワースの世界に置換して送った。
「虫はどこだ?」
「地下室よ、まだ消さないで、何か大きな物で家を壊して燃やして見て、臓硯を誘き出すわ」
「分かった」
 アンジェリカは大型の武具で家を破壊して軽く火を放った。
「虫が逃げ出すぞ、奴らの移動速度は?」
「地下のコンクリートからは逃げられないわ、エアでどうにでもなる」
「お前、人格障害が治ってないか?」
「ええ、クロエのお蔭で結構治ってるけど、先輩意外と話したくないし、姉さんと何話していいか分からないわ」
「そうか」
 放火して話している間に臓硯が復活したようで、切り札なのか虫と合体して巨大化した。
 ただ、3,4メートルの大きさなのでバーサーカーの脅威にはなったが、ギルガメッシュのアーチャーの敵ではなかった。
「こんなのすぐ復活するし宝具が汚れるだけよ、宝物庫に虫が湧いても困るでしょ、エアで片付けて」
「もう復讐は果たせたのか?」
 アンジェリカはカードを交換し、桜にエアを抜かせるのを譲っても良かったが、もう背を向けて攻撃範囲から逃れようとしているので始末の準備に入った。
「ええ、存分に」
 桜の背後で竜巻のような轟音が鳴り、長く住んだ間桐の家と同じ物が消えて行くのを感じた。
「グオオオオッ」
 臓硯も人間の脳を持っていない状態では知能が低かったのか、天地開闢の剣の存在にまで気付かず、抵抗もできずにエヌマエリシュされた。

 学校
 士郎と話している間に、間桐の家と住人は異世界の桜人形に復讐のため消されていると聞かされた桜は、部の連中にも別れを告げ、「先輩と一緒に行きます」と言った。
 義父や叔父、慎二、祖父が消えているのに顔色一つ変えなかった。
「え~? 駆け落ち? 衛宮先輩とどっか行くんでしょ?」
「ええ、まあ、だから学校の手続きとか退部とか間に合わないけど、探さないでも大丈夫よ」
 友人にはエメロード姫に呼ばれて異世界セフィーロに行って、マジックナイトになるとか適当に説明して、この世界からも消えるが、心配しないよう伝え、この世界の衛宮先輩にも宜しく伝えるように話した、
「行ってらっしゃ~い、お幸せにね」
 近くで待たせていた士郎と共に、集合場所まで手を繋いで行く二人。桜からは恋人つなぎで強引に結んだ。
 桜の方は、先輩とのめくるめく愛の逃避行に心をときめかせていたが、士郎の方は生きている桜を救えて満足し、姉や母親と一緒に暮らせるように願っていた。
 士郎は選択肢を間違った。

 似たような世界だったので自動販売機や硬貨も使えたが、年号が違ったりしたので、士郎の指紋が付いた「平成」じゃない500円玉で買い物をしてしまった。
「桜っ」
 桜にもジュ-スを手渡し、公園で座ってアンジェリカや桜人形を待つ。クロエとバゼットは警護のために見えない所から同行していた。
 こんな他愛もない、のどかな?休日に桜と二人で話す。冬の世界とは違って暑すぎる夏の日だったが、士郎の瞼からは涙があふれ続けていた。
「先輩、もう泣かないで下さい。私はここにいますから、ね?」
「ああ、でも嬉しいんだ、桜が生きていてくれて、もうそれだけで……」
 目の前で思い人が自分のために泣いてくれるのを見て、また心の奥をベキボキに締め上げられた桜は、ちょっと茂みの奥か、女子トイレの身障者用の広いスペースなら?と思い始めた、かも知れない。
 もう「やったぜ、これで先輩は私の物よっ」と思いながら心の中でガッツポーズを決め、クソ暑いのに士郎に抱き着いて、薄い道着のパイ間に顔を入れてパフパフもしてやる。
「ううんっ」
 近くで誰か咳払いして邪魔をしたかと思うと、姉らしき人物と見知らぬ金髪縦ロールの女が立っていた。
 先輩との愛の一時を邪魔されたが、桜は姉を無視して士郎とイチャコラするのを続けた。
「ちょっと、実の姉との感動の再会でしょ? 無視しないで」
 もしかすると妹から気付いてくれて、ずっと自分の心配をしてくれていた姉に駆け寄って抱きしめてくれるのではないか?など期待して、いろいろとセリフをシュミレーションして来て「ああっ、姉さんっ、ずっと逢いたかった」「良いのよ、もう貴方は自由なのよ、桜」とか言う予定だったが、まさか完全無視のガン無視で邪魔者扱いを食らうとは思っていなかった。
「さ、桜、離してくれ。遠坂、どうだった?」
 桜も、姉を「遠坂」と呼ぶのは聞き逃さず、その程度の関係なのだと悟った。
 そのニヤついた顔が気に食わなかった姉は機嫌を損ね、この後にあるイベントを教えなかった。
「ええ、すごい音聞こえたでしょ? あれがアンジェリカがエアを使った音。桜の私物と着替え、間桐の財産を一寸頂いて来てるわ。後でどっちかの桜と、間桐の爺さんの人形が用意できたら、銀行に行かせて財産も押さえるわ」
「ああ、そうなんだ……」
 金の事とか考えず、間桐の活動資金まで押収した凜や女達に寒気を覚えた士郎。冬の気候に順応していた体に、夏の日差しはキツかったが、一陣の涼風?が通り過ぎた。
「キャッ!」
 そこに物陰からフードを被った人物が走り寄り、桜に向かって何かを突き立てた。
「「「キャアッ!」」」
「桜っ!」
 刺された衝撃で倒れてうずくまる桜、背中にかなりの衝撃を感じたので、刃物なら致命傷だった。
 まだ動く手で背中に手を這わせる桜、これで傷に触れて出血していれば、少数の虫しか入っていない身では助からないかもしれない。
「残念…… ルールブレイカーでした」
 自分と同じ声を聞いた桜と、話を聞いていなかった士郎は、キャスター姿の桜人形を見た。
「私……」
「桜っ、何してるんだっ」
「え? 手筈通り、この女の契約を破壊しただけですよ、セ・ン・パ・イ」
 ルールブレイカーを舐め上げ、生きている自分の血を舐め取る桜人形。
 この手順は決まっていたが、凜もご機嫌を損ねたので桜には伝えず、桜人形もオチャメなジョークで驚かせただけだった。
「くっ」
 驚かされてしまった桜も対抗し、小さな穴が開いた道着の上を脱いで、少し傷が付いてしまった背中を露出して士郎に見せた。
「ああっ、刺されました、先輩、傷口を見てくださいっ」
 もう腹の中の虫が蠢いて、修復を始めているのは気付いていたが、半裸を士郎に見せて興奮させ、ご休憩3500円、宿泊6000円、カラオケ温泉完備朝食付きのホテルに行って処女を捧げようとした魔女。イリヤの友人ななきの姉と同等のクソ女であった。
「大丈夫かっ、桜っ」
「ああっ、毒がっ、吸い出して下さいっ」
 どこかのルーシェ君みたいに、毒剣で傷つけたシーラ姫にフェ*?を要求して、同人誌まで書いた変態みたいに、毒が無いはずのルールブレイカーが毒入りだと申告して先輩に傷口と言うか自分の肌を吸わせようとする魔女。
(チッ、ばれたか)
 桜人形は蛇から取り出した神経毒とかトリカブトから抽出した毒とか、動物の死骸に矢を突き立てておいて腐敗させた、体内に入ると困るブドウ球菌とか色々と循環器に入ると危険な毒を塗っていたのがバレて落胆した。
「今吸い出してやるっ」
 こんな時なので、うつぶせに寝た半裸の桜の柔肌に吸い付く士郎。吸っては吐き、吸っては吐きしたが、その傷はすぐに塞がってしまって、吸えなくなった。
 桜の方も「虫の卵を先輩に入れて、顔の傷とか体の傷も修復させよう」と考えていたのは言うまでもない。
「ああ、もうお別れです、せっかく逢えたのに……」
「桜ぁっ!」
 また自分の目の前で桜を失い、守ってやれなかった自分の不甲斐なさを嘆き、半裸の桜を抱きしめる士郎。
「「いや、そこまでしてないから」」
 凜も桜人形もドン引き、二人だけの愛の空間を作り上げちゃって、固有結界の中でお別れしている二人。
「もう先輩が見えない…… 最期のお別れにキスを……」
「ああっ」
 また泣きながらもうギュウ~~~~っと抱きしめて、お別れのキスもしてやる士郎。
 当然桜の方は、毒消し作用も働いて無傷、それを知っていながら毒で視力も失い、死ぬ間際に先輩に口付けしてもらうのを願っている芝居までして士郎に唇を奪わせた魔女。
(((コイツまさか、ここまで計算して?)))
 士郎狙いの人物に、ここまでひどい魔女が参戦してしまったので驚く凜、ルヴィア、桜人形。
 魔女は士郎が桜の名を呼びながら泣いて、肩に顔を埋めて抱き締めているのを感じて、ニヤニヤと笑って自分が安全なのを知っている表情で姉と桜人形を見て笑った。
「はい、お兄ちゃんそこまで。この桜の中にも虫入ってるからね、この程度では死なないわ。そっちの桜人形もルールブレイカーに毒とか塗らない」
 アーチャー姿のクロエが木の上から降りて来て、桜の安全と、桜人形が生きている桜を闇に葬ろうとしたのを告げた」
「桜っ、大丈夫なのかっ?」
「え? そうなんですか? まだ先輩の姿が見えない」
 女なので、毒入りで視力を失った芝居まで簡単にできた桜は、まだ士郎が見えない芝居を続けて、光彩に光が無いレイプ目で士郎を見た。
「そこ、下手な芝居続けないで」
「ビッケ!」
 夫婦剣の峰打ちで桜を殴ったクロエ、初対面のはずだが、桜人形には毎回ツッコミを入れていたので手加減が無かった。
「ちょっとお、ルールブレイカーに毒って何よっ!」
 桜人形に突っかかる凜だが、昨日は桜も排除対象と言い切ったのは凜本人である。
「え~? 昨日の打ち合わせ通り、みたいな?」
 こっちの魔女もICレコーダーとか出して、凜の言葉を再生しようとしたので、それ以上突っ込めなかった。
「何をしているのだ、お前達は?」
 そこにギルガメッシュの恰好をしたアンジェリカまで参戦した。
 鎧が少なく露出が多い、上半身ブラと肩当だけ、真夏とは言えほぼ半裸コスプレ痴女、冬の世界では人形でなければ凍死しそうな恰好だった。
「あんたその格好でここまで歩いて来たの?」
「それはどうでも良い、まず消えるぞ」
 アンジェリカの置換魔法で、異世界に姿を消して逃げた一同。
 後で人形を持って来て臓硯を置換すると成功したので、再生できる体は失い、魂や霊は入手して、良~~い具合に人格崩壊させたので、銀行に連れて行くボケ爺さんとして都合が良かった。
 慎二人形とルヴィア紹介の弁護士も連れて、臓硯から慎二と桜に生前贈与させたので、姉と違って妹は結構な金持ちになった。
 
 

 
後書き
ルーンじゃなくてルールブレイカーでしたので修正しました 

 

選択肢の誤り

  クロエは帰り際、家に手紙を投函した。
「ちょっと山で遭難したけど、ルヴィアの別荘に到着しました、もうすぐ帰れます」
 などとわざとらしく絵葉書を入れて行った。ママには大体バレていて、イルヤがツヴァイフォームになったり、山で受肉したギルガメッシュと戦ったり、保健医の先生からも「消えた」「行方も分からない」と連絡があったが、兄とセラとリズが帰らないイリヤとクロを心配しているので、大丈夫だと証拠を残した。

 その頃のイリヤ
 家の全員が出かけてしまい、今家にいるのは喧嘩中の美遊と自分だけ、その事実を知ったイリヤは、ガクガク震えながら布団を被り怯えていた。
(み、美遊に殺される……)
 イリヤ的イメージ映像では、現在埴輪像から大魔神に変身した美遊が廊下を歩き回り、イリヤかクロを発見すると、シンゴジラみたいに体中からビームを出して破壊されてしまう。
 自分より酷い事をして、スナイパーライフルでヘッドショットされるはずのクロやアンジェリカまで居ないので、元の世界に移動して何かしに行ったようだが、イリヤだけ置いて行かれ、美遊警護と言うか生贄に放置されたようで怖すぎた。
 せめて凜かルヴィア、バゼットか桜人形だけでも残ってくれても良かったのに、ここにジュリアンでも訪ねて来られれば終わりである。
「はう~~~」
 綺糺から何度か電話があり、外国人らしき相手からも電話。美遊が受け答えして「士郎は留守、凜もルヴィアもいない」と返答していたが、外国語を話せるのはルヴィアか凜、アンジェリカぐらいで、イリヤもクロエも日本語オンリー、外人顔して名前も外人だがネイティブ日本人で、実際は学校でもコテコテの関西弁しか喋れない。金髪で青い目の西川ヘレンと同じであった。
「英語怖い」
 美遊が英語通話に困り、出ようとしなかったのでイリヤが取ったが、「アイキャンノットスピークイングリッシュ」と見事な日本語訛りで言えただけで、ウィッキーさんに話し掛けられたように電話からも逃げた。

「おい! いるかシロー? 一体何を言いやがった? うちにまで欧米の奴が来やがったぞ、コラッ!」
 玄関にジュリアンの声が響き、イリヤ終了のお知らせが告げられた。
 ルヴィアが綺糺に「8英雄」のジュリアンとアンジェリカ人形も留学するかもしれないと言ったので、凜も士郎も留守の間にエインズワースにお迎えが行ったらしい
(ジ、ジュリアン、もしかして?)
「ジュリアン様~、イリヤとか焼いちゃっても良いですか~?」
 警護役と言うか、ベアトリスも来ちゃってた。
「雷帯2まで許す」
 またイリヤの中からガビーンと擬音が聞こえ、ルビーがいても防御できない攻撃が許可された。
「愛してるわぁ、ジュリアン様ぁ」
 ジュリアンもベアトリスも機嫌が悪いのか、ミョルニルで消し炭にされるのが決定したイリヤさん。
 美遊もこの珍客とは顔を合わしたくなかったので、庭で姿を隠し電話も線を抜いて不通。イリヤを障子の隙間から見ている病んだ少女がいた。
「おいっ、シロー」
(アンジェリカ、助けて)
 ジュリアンの姉に助けを乞うが、人形なので桜人形も本来の主人には逆らえない。
(お兄ちゃんっ、戸締りぐらいして行って)
 留守番もいるので特に戸締りせず、庭から出発したので、最悪の敵の侵入を許してしまい、さらに布団の中で震えるイリヤ。
「イリヤさん転身しましょう」
 ルビーの提案で転身を進言されたので、マジカルステッキで転身したが、その魔力の波動でジュリアンとベアトリスに見付かってしまう。
「あら、白い方ね、すぐ焼いてあげるわ」
「ひいっ」
 田中さんは目的を果たして消えてしまったので、もう縋る人がいない。イリヤはカレイドステッキだけでベアトリスに立ち向かった。
「ミョルニ……」
 ベアトリスは、ジュリアンに包丁を突き立てる寸前の美遊の殺気を感じて停止した。
「それ以上は外でやって、庭も駄目よ」
「「はい……」」
 転身してインクルードしてセイバー化しながら、マジ殺人用の包丁で武装した美遊に恐れをなして退場した二人。宝具より美遊が怖かった。

「シローの奴はどこに行った? 俺は留学なんかしないぞっ!」
 一応、捨て台詞とかも残して、士郎不在の家からも去ったジュリアン。ツンデレなので怒りながら来るが、夏休みが終われば恩人と同じ学校に通い、もしまた来た時に麻薬カレーがあれば一成と同じく堕ちる運命にあった。
「た、助かった~、ありがとう、美遊」
「別にアンタを助けた訳じゃない、家を守っただけ」
 相変わらず氷の表情で告げられたイリヤは、オーロラエクスキューションでも食らったように凍らされて、スリーピングコフィンの中でガラスのハートも砕けた。
「あうう~~」

 昼には一行が帰って来て、目の幅で泣いていた士郎の涙も収まっていた。
「桜、今日からここが君の家だ」
「ええ、先輩、いいえ、旦那様」
「は?」
 士郎はこの魔女の計画的犯行を予想していなかった。家族を失って天涯孤独?の身になって寄る辺なき身、縋る場所も人もなく、大好きな先輩に泣かれて拉致されてしまった場合、セキニンを取って貰う事しか考えていなかった。
「ちょっと桜、なに言ってんのよ、姉に相談も無く」
「さあ? 子供のころに別れてしまって「貴方の事」余り覚えてないんです」
 完全他人の目で血が繋がった姉を見てから、「もう頼れる人は先輩だけなんです、すぐ結婚しましょうね? でないと私、この家にも居られなくて、もう行く場所が無いんです」と目で語られ、士郎にも抱き着かれた。
「うっ」
 桜人形を見てドン引きして撤収するかと思っていた姉も、桜同士がほんの少しの会話だけで何かの同盟を結んでしまい、姉、金髪縦ロール、金髪ツインテールのデッカイの、士郎の妹を全廃するまで一緒に闘い、異世界の同一人物なのでそのまま二人で嫁ぐか、雌雄を決するのは最後に、と考えていたのに気付かされた。
「先輩、私とも結婚しましょう」
 桜に妊娠出産子育てを任せ、その間に士郎が浮気しないよう、「全力で」夜のお勤めをするつもりの桜人形。
 もちろん自分とアンジェリカだけが永遠の女子高生なのを知っている。
((((桜、恐ろしい子))))
 凜とルヴィアだけでなく、クロエやアンジェリカも月影先生の髪形になって、少女漫画特有の白目を剥き、桜姉妹?のテレパシー能力や即断即決能力を恐れていた。
「式は簡単なので良いですよね? 姉さんにも来てもらって、お友達にも少し。向こうの世界が落ち着いたら、弓道部のみんなとか、向こうの先輩にもお披露目しましょうか?」
 式の途中、向こうの士郎が「ちょっと待った~~っ」と言ってくれるか、告白してくれて修羅場になるのを期待してしまう魔女。
 弓道部で披露宴をして、兄の人形とかにも祝儀を弾んでもらって、間桐の全財産を掴むつもりでいた。
(((((((桜、恐ろしい子)))))))

「お兄ちゃん、どこ行ってたの? 綺糺さんとか外国から何回も電話があったわ」
 美遊が電話線を繋ぐと、すぐに電話が鳴った。
「アロー、アイムskfhぴhg@tkさshだ;lhfg、アインツベルン」
 ドイツ訛りの英語と言う難問を受け、ヒアリング不能だった士郎は、総毛立ってヘルプミー表示でルヴィアとアンジェリカを見て受話器を渡した。
「(翻訳)電話代わりましたわ、は? アインツベルン? イリヤスフィールの親戚ですって?」
 フランス語訛りの英語で会話するルヴィアだったが、アインツベルンと聞いてクロエに変わろうとしたが、「アイキャンノットスピークイングリッシュ」とイリヤと同じく見事な日本語訛りで断った。
「ええ、親族としてドイツに迎えたい? ええ、親戚なので旅費も滞在費も出す? でも本人達は英語もドイツ語も喋れませんよ?」
 相手方は「若いので心配ないでしょう、ドイツ語などすぐに覚えますよ、すぐに迎えの者が参上します」と軽く言ってくれた。
 一行が帰って来て安心したイリヤも参加して、ルヴィアからもアインツベルンから電話があったと説明を受けた。
「みんな、私に内緒でどこ行ってたの?」
 イリヤは留守中ジュリアンとベアトリスまで来てしまってピンチだったと伝え、エインズワースに外国人が来てしまって、ジュリアンは留学しないと告げて帰ったのも伝えた。
「あら、イリヤはドイツ留学で決定? お兄ちゃんはどっちに行くのかしら? ドイツ、イギリス?」
「「エ?」」
 士郎やルヴィアの言葉、綺糺からの電話で、ヨーロッパ方面がどれぐらいの騒動になっているか理解していなかった一同は、クロエが言った意味が分からなかった。
 するとすぐに別の電話があり、今度は凜が電話を取った。
「私は言峰綺糺、衛宮士郎はいるかね?」
「ゲッ」
 耳元で綺糺の声を聴いてしまった凜は、気分を害しながら士郎に電話を渡した。
「私だ、現在ヨーロッパから、君達を留学させようと、多数の勢力が日本に潜入した。魔術師、魔術師殺し、魔術師殺しを倒す暗殺団が入国している。非常に悪い状況だ。早急に逃げるか、姿を隠すのをお勧めする」
「何でそんな事にっ?」
 一晩で状況が悪化し、あちらでの話し合いは決裂してテーブルを蹴り、「実力行使」で士郎たちを拉致してでも留学させるのが決定していた。
「うむ、君たちが考えているより、イリヤスフィールや朔月美遊君の価値は高い。何せこの世界を奇跡で救った聖杯でもある二人だ。あの転身装置2本、あれも重要だ。もし遠坂嬢やルヴィア嬢を嫁入りさせるのに成功した家は、未来永劫七英雄の末裔を名乗れる。魔術師の家系で、それがどれだけの価値を持つか分かるかね?」
 士郎達の周りで騒動が起こり、その破滅が愉悦になる綺糺は、クロエの悪意に思いっきり乗っかった。
「エ?」
 家の外では早速機銃掃射の音が響き渡り、双方で魔法杖(カラシニコフ)が乱射され、炎の魔法が展開されたり、雷撃の呪文が炸裂した。
 第六次聖杯戦争の開幕であった。
「うそ~~~~ん」
 士郎は選択肢を誤って、クロエにアンリマユされてしまった。
 

 

珍客2名

 家の外では早速機銃掃射の音が響き渡り、双方で魔法杖(カラシニコフ)が乱射され、炎の魔法が展開されたり、雷撃の呪文が炸裂した。
 第六次聖杯戦争の開幕であった。
「うそ~~~~ん」
 士郎は選択肢を誤って、クロエにアンリマユされてしまった。

 綺糺の電話が終わり、暫くすると外での対戦の勝敗が決したのか、魔術師が少なかった片方が撤退し、勝者側の責任者が門を潜って玄関を開け、一瞬土足で入ろうとしたが、日本の家への入場方法を思い出して靴を脱いで入って来た。
((うっっわ、こっちの世界のロード・エルメロイ、来ちゃったよ))
 凜とルヴィアにとっては、自分達が通っていた魔術学校の大師範の補佐、普通の学校なら理事長の下の校長か教頭が、士郎の家に直々に来てしまったので驚いた。
「(英語)お初にお目にかかる、私はロード・エルメロイ、魔術関連の学校で師範をしている。こちらの七英雄の皆さんが留学をご希望と伺って出向いた訳だ。皆さんの入校を歓迎する」
 世界は違えど校長か教頭が滞在先に来ちゃったので、二人は白目剥いて緊張していた。
 応接間で座布団に座って話し合うが、やはりクロエの言う通り、全員無条件入学許可、前歴問わず。
「(英語)ロード・エルメロイ、もうご存知かも知れませんが、私とルヴィアは別世界で貴方の学校の生徒でした。今回は大師範の課題として、正体不明のカードを追って、調査のために冬木市を訪れたのですが、その出所は平行世界であるこの場所、エインズワース家が作成した英霊召喚用カードだったのです」
「うむ、聞いているよ」
 街中で魔法戦とか銃撃戦もあったはずなのに、上から言われているのか、聖堂教会が銃撃戦の許可を取った?のか、元々廃墟に近い冬木市なので「警察なんて来ねーよ」で済まされてしまっていた。
 海岸が徒歩距離とか近いので、須磨区の警察の怠慢か、買収とか上の権力の横暴で事件はなかった事にされた。
「あの、宜しければこちらの世界のロード・エルメロイから、任務達成の書状を頂いて、異世界のロード・エルメロイに提出したいと思うのですが、署名頂けますでしょうか?」
 提出に困っていた報告書も一応作成していた凜だが、英語のリポートを差し出して一読して貰うと、エルメロイ卿は日付やサインを済ませ、封蝋を用意すると魔術的な印鑑のような物まで押して、正式な書類であると証明してくれた。
 これで7枚のカードを添えなくても、マジカルステッキの返却をしないでも、異世界での留学とか単位が認められるはずであった。
「このリポートのコピーか、さらに詳細な報告書があれば、卒業論文としても十分な物だ。あればぜひ提出してほしい」
 クロエが言ったように破格の対応で、実習で世界を救ったので実技試験全部免除、後は報告書だけで卒業保証までされて、道半ばに退学者続出の魔術学校では、通常あり得ない厚遇で迎えられた。
 校長に署名をもらった凜とルヴィアは、何か涙ぐんでしまい、早くも入校先が決まってしまった。
 通いなれた学校で、元の世界では放校か退学寸前の落ちこぼれが、単位さえ取れば卒業確実。さらに、
「大師範でも私でも、好きな師匠を選ぶと良い、喜んで工房にお迎えする」
 その場所さえ教えてもらえなかった工房に足を踏み入れる許可までもらい、師匠まで選び放題、凜とルヴィアは本格的に泣き出してしまった。

 それが面白くないクロエは、鍵を開ける能力でロード・エルメロイの弱点に気付き、アンジェリカに話し掛けた。
「ねえ、このライダーのカードがこのオジサンに用があるそうなの、ちょっとインストールしてやって」
「そうなのか? 分かった」
 もうクロエにアンリマユされちゃってるアンジェリカは、戸惑う事なくインストールした。
「インストール」
 相手がロード・エルメロイなので、石化の邪眼を持ち、天馬に跨るライダーではなく、もちろん征服王イスカンダルが出て来た。
「よう、ウェイバー、元気にやっとるか?」
「ああっ、その声は、僕(my)の仕えるべき王様、アレキサンダー・グレイト……」
 早速クロエにアンリマユされちゃって、泣き始めたジジイのウェイバー君。
 Fate世界の住人ならご存知の通り、アラビア語のal(定冠詞)イスカンダルを英語読みするとアレクサンダーで、敬称まで付いてグレートと着けて呼ぶ。
 顔はアンジェリカだったが、ロード・エルメロイをウェイバーと呼び、気安く話し掛けてくるライダーと言えば、この世に一人しかいない。
「老けたなあ、男か女か分からんような小僧だっお前がその年か? 儂は見ての通りだ。何だ? 若い女の体ではないか? これでは女が抱けん、ガッハッハッ」
 いつもの豪放磊落なライダーを見て、笑顔のまま泣き続けるロード・エルメロイも、何か補完されちゃって、王の軍勢に加えて貰おうと思っていた。
「もう置いて行かないで、僕も連れて行って欲しいんだ。あれから魔法も一杯覚えたよ、僕もアレクサンダー・グレイトの王の軍勢、アイオニオン・ヘタイロイの末席にでも加えて欲しいんだ」
 完全に凜とかルヴィア、士郎などのギャラリーは全てアウトオブ眼中、二人だけの愛の世界?を構築して固有結界張っちゃって、補完されてあの世にまで旅立とうとしているウェイバー君。神戸大橋だか冬木大橋で別れた時の任務は果たしたらしい。
 聖地巡礼だと、天井が無い鉄橋が見える方なので、北行きの神戸方面側でギル様と戦って「忠臣大儀である」とお言葉を頂いた後、徒歩でハーバーハイウェイ方面に迷い込んでタラップでも降りたか、標識が読めれば三ノ宮方面に降りて、一階が王将やパチンコ屋、屋上にゴルフの打ちっぱなしがあるビルとか三ノ宮国際ビルの間に出て、スリーナインのエンデングみたいに泣きながら、青春の熱い涙を流して走って帰ったウェイバー。
 ついに自分の主君と再会してしまって、次の機会は今生の間無いであろうから、今すぐ英雄たちが居並ぶアイオニオン・ヘタイロイに参加したいと懇願した。
「お主、女房子供はおらぬのか? おらぬならこの中の誰かと一緒になれ、まだ長い人生、そう急ぐものではない、死んでからゆっくり来い、うちには魔術師はおらんからな、席を開けて待っとるぞ」
「うん、うん……」
 もう泣きすぎて鼻水垂らしてグジュグジュで目も真っ赤、とても40ぐらいのジジイとして見えず、人前でやってはならない失態とかしまくりだったが、ウェイバー君はあの青春の日々に一気に戻されてしまい、クロエに完全にアンリマユされてしまった。

「ではさらばだ、ウェイバー。積もる話もあるだろうが、全部終わってからまたあの世で聞こう」
「うん、ぐすっ、ヒック」
 もう感動の涙が収まらず、死ぬ時が楽しみになってしまったロード・エルメロイ。
 主君からの新たな指令は「この中の誰かと一緒になれ」で、子孫とかも残さないといけないらしい。
「ありがとう、私の主君と再会できる日が来るとは思っていなかった、感謝する」
 ハンカチで涙を拭き、鼻もかんでスッキリしたロード・エルメロイは、疲れた中年のオジサンから、青春の日々を思い出して生気を取り戻し、今生が終われば主君と再会して、王の軍勢に入れて貰える約束までして、命が終わる時が早く来ないか願っていた。
「アレクサンダー・グレイト? 先生のお知り合いですの?」
「ああ、第四次聖杯戦争。私もこの地を踏み、共に戦った仲間、そして別れ際に生涯の忠誠を誓った素晴らしい方だった」
 それはエインズワース方式のカード戦争かも知れなかったが、ライダーとして共にあって青春の最も大切な記憶として、自分の中の一番大事な場所にしまい込んでいた物を生徒にも見られたが、恥ずかしい思い出ではなく、誇るべき物だったので、涙を見せても恥じ入ることなく語った。
「そうだったんですの」
「わが主君からの新しい指令は「この中の誰かと結婚せよ」と言う物だった。君達さえ良ければ誰か我が妻として迎えたい」
 一旦血脈は絶えたが、魔術の名門エルメロイ卿の妻として迎え入れられる名誉を聞いてルヴィアが転んだ。
「先生、わたくしでも宜しければ」
 敵が一人減って、クロエは満面の笑みで喜んだ。
 ロード・エルメロイも綺糺も、悪の根源はこの少女だと気付いたが、調査しても使い方すら分からないカードを用いて、主君との再会の場を提供してくれて、王の軍勢にまで参加を許されてしまったので、ウェイバー君にはアンリマユされたクロエが天使にしか見えなかった。

 まず凛とルヴィアが堕ちて、イギリス行きが決まってしまったが、士郎、桜、アンジェリカは、まだ留学する気などなく、ジュリアンも断って帰ったのでベアトリス、エリカも行かない。
「どうだろう、エミヤ・シロー君、イリヤスフィール君、クロエ君、ミユ君、君たちもぜひ来て欲しい、そして奇跡の瞬間を報告書として書き記して欲しい、そして、できればその魔装置、カレイドステッキの調査にも協力して欲しい」
 異世界の大師範が制作した杖なので、同じ人物が調べれば問題も起こらない。全員イギリス行きが平和で正しい道だった。
「私たちはアインツベルン、たぶんさっき追い払われた連中の親戚なの」
「それは失礼した、ヨーロッパでの話し合いは決裂したが、良ければ呼び戻して話し合いもする」
 ウェイバー君的天使様のお言葉だったので、大陸側のアインツベルンとでも対話すると言ったエルメロイ卿。
「私たちはホムンクルスのママから生まれたホムンクルスハーフ。たぶん無原罪の生き物から聖杯の器を作り出して、英霊を召喚して生贄にして、中身を作るつもりだったんだわ。私もママも、アインツベルンのやり方は好きじゃないし、元いた世界では魔術師殺し(切嗣)に消されたはずよ、爆破とか酷い方法でね」
「そうでしたか、私達はあなた方英雄に対して、人体実験など決してしない、それだけは確約しましょう。我が名と女王陛下の名に懸けて」
 アインツベルンに行くと、間違いなくホムンクルスを製造して、せっかく切嗣が爆破した成果をこちらの世界で再現させてしまう。クロエ的にもアインツベルン行きは断りたかった。
「イリヤ、あんたもイギリス行きなさいよ、お兄ちゃんも行く?」
「え? クロも行くの?」
「いいえ、あたしは元の世界に帰るのよ(お兄ちゃんと暮らすため)」
「じゃ、じゃあ行かない」
 一応「お姉ちゃん」としてクロエを心配してくれているのか、8枚目のアーチャーでもあり、士郎に手渡されたクズカードから英霊エミヤに繋がってしまった、存在しないはずのカードであるクロエ。イリヤの中の聖杯成分でもある少女は、キスでの魔力供給も必要としていたが、聖杯によって現世に受肉しているので、以前のように消え失せる心配はなくなっていた。
「桜二人とアンジェリカ、美遊もお兄ちゃん次第ね、ジュリアンだって、お兄ちゃんのいない学校行っても仕方ないから、何だかんだ言っても付いてくるわね、全部お兄ちゃん次第よ」
「エ?」
 この場で英国行きを決定すると、綺糺から終了のゴングが鳴らされ、第六次聖杯戦争?が終わってしまうが、そんなのは許さないクロエと綺糺は、愉悦を求めた。
「フランスの南とかどう? 温かいし、食べ物だって美味しいわよ。イギリスだとね、マクド(マクドナルド関西呼び)でもマズイって知ってる?」
 硬水なのか、イギリスの土地で収穫された野菜までマズく、パンを作ってもマズい。
 現地留学生の報告では、マクドナルドに緊急避難しても、バンズもパティもレタスもケチャップもマズ過ぎて食べられない物体が出るそうなので、イギリスでも生きていけるのは、毎日フィッシュアンドチップスで生活できるバゼットだけで、日本食に慣れてしまっている士郎、桜、イリヤ、クロエは食べられるものが無くて健康を害して死んでしまう。
 多分、硬水で煮込んだカレーまでマズく、まず日本人が英国で生きて行くには、浄水器とか水軟水化変換装置が必要になる。
「ええ、食堂のメニューは全部、人間が食べられる物は出ないの。どうやればここまで素材のマズさを引き出せるか、競技会でもしてるんだわ」
 日本人の味覚を持っている凜は、イギリスでの地獄の食糧事情を話した。
「わたくしは専用のシェフを連れて行きますわ」
 元の世界から銀か銅でも買って搬入して、換金する手間とか考えていないルヴィア。オーギュストが苦労する。
「確かに、しかし慣れてしまえば……」
 ロード・エルメロイも、日本で生活してカナダ人夫妻の家で日本食を食べてしまい、UKに帰ってから食い物のまずさに泣いたが、生まれ故郷の味なのですぐに慣れてしまった。
 さらに聖杯戦争が縁でエルメロイ家の養子になってからは、美食にも恵まれて、学生食堂では食えない自分も認識し、パッサパサのパンに何も着けずに何か挟んでサンドイッチと称したり、ハギスとか言うマズい物をパンに塗るのも鳴れてしまっていた。
「お兄ちゃん、お客さんもいるし、お昼にしましょうか?」
 カレーの寸胴に残りがあったので、エルメロイのオッサンに、インド、イギリス経由で輸入された麻薬を食べさせるつもりのクロエは、悪魔の笑顔で微笑んだ。
 

 

カレー教徒

 特に誰も突っ込まず「ああ異世界だし仕方ない」と思ったが、クロエ達が昼食の準備に立った後、無口なバゼットの前には無口なバゼットが座っていた。
「まさか自分に会う日が来るとは思っていなかった、鏡とは逆だから、まるでドッペルゲンガーだ」
「お前のせいで私は有名人だ、もう隠密活動など不可能だし、行く先々で顔を知られていて、英雄扱いを受けてしまう」
 新聞やネットで発表されてしまい、顔が知れ渡ったので、前の任務中だったのも解任され、ロード・エルメロイと共に士郎一行回収と自分回収の任務に就かされていた。
 飛行機の中でもサングラスと風邪ひきマスクの下の顔に気付く者がいて、一緒に自撮り要求、サイン要求など乗客一か所集中で騒ぎになり、キャビンアテンダントには感動して泣かれ、機長にも握手されて不要なのにコクピット案内、サングラスもマスクも記念品として乗客に盗まれ、空港に降り立ってしまうとさらに大騒ぎ、胴上げまでされてしまった英雄じゃ無い方のバゼット。
 着た切りスズメで同じ服装もクローゼットに何着も並び、スーツと手袋と髪形でバレたのには気付いていなかった。
 もちろん同行していたロード・エルメロイ達からは「他人の振り」で通されてしまった気の毒な子。
 二人の見分け方としては、揉みくちゃにされてボタンとか飛んでネクタイも手袋も盗まれ、ボロボロの方がこの世界のバゼット、珍しくアイロンが効いたシャツとネクタイもして、きちんとしているのが異世界のバゼットだった。
 桜人形が暇なので士郎の女房気取りで炊事洗濯もして、客の衣服のアイロンがけまでしてワイシャツの首の汚れまで士郎と一緒にお洗濯、台所でも一緒にお料理、アンジェリカ、凜、ルヴィア、バゼットにはできない芸当だった。
「私は整形する、髪形も変えてロン毛、ヒラヒラのピンクでレースのワンピースを制服にする」
「うっ、それだけはやめてくれ、まだ海兵隊カットで、アウトドアの服装か、作業服でも着られる方がマシだ」
 ベリーショートでカーキ色かオリーブドラブのTシャツが似合いそうな軍人女とか、ムキムキでガテン系の女の方が似合い、ヒラヒラのピンクだけは勘弁してほしかったバゼット。
「サイズも同じだろうからノーメックス製(防炎)防弾スーツも全部お前にやる、使い慣れた隠し武器の場所も同じなのだろう、私はヒラヒラのロリータファッションでやり直す」
「ぐああっ」
 自分がかつらでも着けてロン毛で、地毛も伸ばして金髪にでも染めて、ロリータファッションに身を包み、上げ底の真っ赤な可愛らしい靴でも履いて街中を歩く姿を想像し、余りのイタさに苦痛の声を出してしまうバゼット。どんな拷問よりも効いた。
「この世界のリンとルヴィアが存在するのは確認されている、私と同じで大騒ぎだ、もう普通の生活などできん。先に見つけたので保護しているが、求婚や養子縁組要請が絶えない。どうだ、お前も結婚してみるか? 良家の子息とかより取りみどりだ」
 現在同じ被害にあっている、この世界のバゼット。魔術系の家の子息から言い寄られ、「同じ遺伝子で同じ顔なので同一人物と同じ、双子と一緒」なので、見合いとか婚約要請が大量。たまに「ジャパン、英雄バゼット様」で到着してしまう手紙があり、郵便局のオジサン所有の個人住居情報のビッグデータにも驚かされたが、順調に求婚や養子、契約の依頼が舞い込んでいるので、連絡先が知れている魔術協会あてに届く方は膨大な数になっていた。
「い、嫌だっ」
 家事一切不可、台所仕事不能、他の能力の代わりに女らしい一切の作業ができないバゼットは、結婚とかしたくなかった。
 さらにシローには胃袋を掴まれてしまっているので逃げられない。
 もし嫁ぐなら、同じ英雄であるシローで、炊事洗濯を任せて自分が働きに出るのなら、結婚もアリだと思い始めていた。
「下らん作業など召使に任せれば良いのだ、男もシロー・エミヤのように家事が上手で、戦闘など向いていない男も沢山いる、好きなのから選べ」
 この世界のバゼットは、自分宛てに来てしまった求婚要請を、全部バゼットに渡した。
「うわああっ」
 キモいオッサンから二枚目、ガリガリのもやしからムキムキのオッサン、中東ではハンサム過ぎて入国を断られるような優男まで満載の結婚要請が、袋から次から次へと山のように出て来た。
「うむ、やはりこのような物は本人が一番良い、偽物は退散するとしよう」
「待て、これはお前宛てだ、私ではないぞ…… まさか?」
 この世界のバゼットは、悪魔的な表情で笑った。
「もちろん、この中の全員に本物の居場所を教えた」
「うそ~~~~ん」
 バゼットは直ちに逃げる用意をして荷物を纏め、2階の窓から逃げようとしたが手遅れだった。
「バゼット様、我が愛しい天使よ」
「私と結婚してください」
「貴方はなぜバゼット様なのですか?」
 路地裏にまでビッシリと男どもが並び、ルヴィア狙いの金髪巨乳好き、凜狙いの貧乳脚細好き、イリヤ狙いのロリコン、クロエ好きの肌フェチ、美遊狙いの市松人形好き、人形で良いからとアンジェリカや桜人形狙いの男までプラカードを上げて殺到していた。
「しまったっ」
 先程、アインツベルンが追い払われる時に銃撃戦もあり、一瞬だけ包囲網が解かれていたが、その潮時に逃げなかった自分を責めるバゼットだった。
(もう異世界に逃げるしかない)
 窓枠にしがみついたり、屋敷内に侵入しようとすると、英国側の兵士がカラシニコフの7.6ミリ*39弾で射殺するのか、唯一この土地の中だけがセイフティゾーンなのを知って絶望する。
 後で人形を持って、間桐のジジイや雁夜か慎二の偽物も作って銀行に行くと言われていたので、その時にアンジェリカに連れ出して貰って、もう戻らないようにしようと心掛けた。
「おい、お前も異世界に来るか? ほとぼりが冷めるまで私の所でも、普通のホテルでも、敵以外追いかけてくる奴はいないぞ」
「ほ、本当かっ?」
 この世界のバゼットも、今の状況は懲り懲りだったので、渡りに船でバゼットの言葉に乗った。
 目で語るとロード・エルメロイも頷いて休暇や避難を許可してくれたので、一時異世界に逃げるつもりになった。

 やがて、クロエ達が悪魔の笑顔で客人にカレーを運んで来た。
 敬虔なカレー教徒になっていたバゼットも、異世界のバゼットも、日本製の市販のルーで作ったカレーを食べさせてもらった覚えがあるロード・エルメロイも、その魔性の匂いし陥落した。
「これは、食べられるのか?」
 アジア風の米の飯の隣に、何やら茶色い液体とか野菜がゴロゴロしている食物。
 毎日がフィッシュアンドチップスでも困らないバゼットは、インドでの任務以外では、ドイツのソーセージにカレー粉をかけて食べるブリトーだとか、そのぐらいしか知識が無かった。
「試してみるがいい」
 異世界の英雄バゼットも、クロエと同じ黒い笑顔で微笑んだ。
「なんちゅうもんを、なんちゅうもんを食べさせてくれたんや、シローはん」
 なぜか関西弁のロード・エルメロイ。英国風カレーとか、英国風プディング、フィッシュアンドチップスがゴミにしか思えなくなった。
「うがあああっ!」
 口からビームを吐いたこの世界のバゼットも、味皇様みたいに巨大化して大阪城かポートタワーでも着込んで、何かあらぬことを口走りながら走る羽目になった。
 付け合わせのサラダとか野菜、市販のドレッシングやマヨネーズまで美味しく、英国の食糧事情のひどさにも絶望した。
「嘘だっ、この国は恵まれ過ぎている、何故野菜やマヨネーズまで味が違う? 英国は神に呪われているっ! ブラッディメアリーの呪いだっ!」
 何かを悟ってしまったこの世界のバゼットは、数週間前の英雄バゼットと同じセリフを言った。
「う~ん、こりゃ、英国行きはキャンセルかな?」
 クロエの言葉に、何も言い返せない一同。
「シェフを雇います、日本からもフランス、イタリアからも。今までのは解雇して心を入れ替えます」
 ロード・エルメロイからも提案があり、今までのアホは全員クビ、食材も大陸から仕入れると言われた。
「アハハ、お兄ちゃんが調理係の方が繁盛しそうね」
「なん、だと?」
 そこで士郎が全力で食い付いて来た。厨房を任される。もうそれは夢のような男の天国で、魔術方面はもう懲り懲りの士郎も、学食に青春の涙と汗を捧げられるなら本望だった。
 料理好き男は、まずカレーとかシチューで目覚め、ビーフシチューとか、果てはボルシチまで手を出して、真っ赤になる野菜を仕入れて煮込む、煮込む、煮込む。
 カレー粉に手を出したら大体人生も終わりで、ガラムマサラ中毒の症状で「あ、こいつカレーやってるな?」とバレて、芸能人もテレビ出演がなくなる。
 カレー専門店で酔ったサラリーマンがそんなものを食ったら最期、人生を踏み誤って踏み抜いて弟子入りして、カレー専門店を開いてカレーを極める人生が始まってしまう。
 何とかサラリーマンに踏みとどまった者も、「蕎麦打ち」にまで手を出すと人生終了であった。
 家族に手打ち蕎麦をご馳走して、下手をすると蕎麦アレルギーの部下まで家に呼んで食べさせてしまい、感想を言わせる。
 ここで二流の料理人は、味を貶されると激怒したりするが、出汁の出所とかを当てられると大喜びしたり、料理好き男子がいれば「あいつは出来る奴だ」と褒めたりして、蕎麦やカレー、シチュー被害者を増やす。それもネズミ算的に。
「シ、シロー……」
 ここにもカレー堕ちしてカレー教徒に成り下がった女がいた。
「実はここだけの話、異世界のシローは聖杯戦争をしていないので、その間にカレーを研究して極め、粉から選んだ麻薬カレーを生産する能力を持っていると言われる」
「はあああっ?」
 もう、病んだイリヤ並みに、異世界のバゼットの言葉が天啓に聞こえ、ゴクリと喉を鳴らしたり、泣きながら頷いたり、両肩を掴まれて揺さぶられて、カレーの神の祝福に目覚めた。
 正悟カリー師、ターメリック・ムハマンド・ジャラララバード師誕生の瞬間であった?

 約3,4名をカリー地獄に招待して、人生を大きく踏み外させた手ごたえを感じたクロエは、満足してヨガのポーズで踊った。

 

 

異世界への帰還

 ここにもカレー堕ちしてカレー教徒に成り下がった女がいた。
「実はここだけの話、異世界のシローは聖杯戦争をしていないので、その間にカレーを研究して極め、粉から選んだ麻薬カレーを生産する能力を持っていると言われる」
「はあああっ?」
 もう、病んだイリヤ並みに、異世界のバゼットの言葉が天啓に聞こえ、ゴクリと喉を鳴らしたり、泣きながら頷いたり、両肩を掴まれて揺さぶられて、カレーの神の祝福に目覚めた。
 正悟カリー師、ターメリック・ムハマンド・ジャラララバード師誕生の瞬間であった?
 約3,4名をカリー地獄に招待して、人生を大きく踏み外させた手ごたえを感じたクロエは、満足してヨガのポーズで踊った。

 食後、凜とルヴィアはアンジェリカに連れられて元の世界に行って、間桐の連中の人形も作って、銀行で間桐の財産を抑えに行くと言った。
「良ければ、私も同行させて欲しい」
 ロード・エルメロイまで同行を申し出て、バゼット二人も異世界に逃げる準備をした。
 今回も、その破滅や喜劇を見るために、クロエは同行した。美遊と二人っきりになるのを恐れたイリヤも同行したがったので、結局全員で一旦異世界に退避する事になった。
((チッ、先輩とイチャイチャスるはずだったのに))
 大勢の余計な人物が、二人の愛の一時を邪魔してしまったので、愛の初体験が先延ばしになってしまい、やはり元の世界でご休憩3500円、宿泊6000円、カラオケ温泉完備の場所にしけこもうと思う桜と桜人形だった。
 すでに同期も完璧、双子のように先輩に対してはハモって答えられる二人。
「イリヤ、あんたも帰ったらママに怒られるわよ、もう家で監禁されて、ここにも来れなくなるし」
「だ、大丈夫だもん、バゼットさんからも説明してくれるもん」
 年長者がきちんと説明して、不可抗力だったと言ってくれるが、残念ながらアイリには通用しない、天然なのでその時の感情が最優先の人と言うかホムンクルスである。
 とりあえずロード・エルメロイと10万ユーロほど現地通貨と交換し合い、桜やルヴィアとはもっと大きい換金契約をする予定になったので、英雄じゃ無い方のバゼットも活動資金ができて、エルメロイ卿も現地で通貨が使用できた。
「バゼット、君はしばらく向こうに逗留して、こちらとの違いを事細かに記録するのだ。あちらの世界のバゼットは、こちらから命令する立場にはないが、英国に戻って報告する際、リンとルヴィアのリポートを届けて欲しい、私の手紙も同封する」
 二つの聖杯で奇跡を起こして星ごと救ってくれた感謝の言葉と、良ければカレイドステッキの調査許可、自分の世界との違いを技術交換して、交流もしたいと正直に「自分宛て」と大師範に手紙を書く。もちろん事前に「自分」と大師範に電話するつもりなので混乱させるが、魔術師なので受け入れてもらえるだろうと考えた。

「ああ、シロー、こんなに大勢と人形を二つも移動させるなんて、とても消耗してしまう、どこかで休憩、いや宿泊しないと回復しないry」
 アンジェリカは事前にクロエに吹き込まれていたセリフを言って、シローとしっぽり濡れる予定だった。
 しかし言うタイミングが悪く、空気も読まずに言ったので、全員に聞かれてしまい、まだセイバー装束の美遊と、バーサーカーとキャスターのカードを用意して黒い笑顔をする桜人形が、桜にカードの使い方を教えたので中断させられた。
 現在桜陣営がキャスターとバーサーカー、美遊がセイバーとランサー、イリヤはアサシン、アンジェリカがギル君から借りっぱなしのアーチャーとライダーのカードを持っていたのでイリヤ一人負けである。

「オーギュスト、今帰りましてよ」
 移動時間が勿体ないので、エーデルフェルト邸の庭に出現した一同。
 オーギュスト的には、バゼットはこの屋敷を荒らして、自分の肋骨をへし折って、お嬢様達を死の寸前の窮地にまで追い込んだ敵なので戦闘モードに入った。
 もう一人の不審者は、記憶の中にあるルヴィア様の恩師であらせられるロード・エルメロイだと検知したので敵対しなかった。
 お嬢様のライバルである凜は、どこかに書いてあるように「足腰立たなくなるまで」メイド?として調教して、自分の老いた肉体でも未だ意気軒高の部分を利用して、しっかり仕込むつもりでいたが、異世界に行ってなぜか仲良くなってしまっていたので見逃した。
「お帰りなさいませ、お嬢様。何でも異世界に旅立たれたそうで、ご苦労なさいましたな。ご一緒しておれば、何かとお役に立てたかと存じますが、お供できず申し訳ありませんでした」
「いいえ、車まで下がって待機を命じたのはわたくし、屋敷の管理を任せて正解でしたわ、オーホッホッホッ!」
 笑い声の加減から、何やら上機嫌なのを悟って、それ以上言わない事にしたオーギュストは、お嬢様の言う通り「向こうで同盟を結んで世話になった」バゼット二人と凜も快く迎えた。
 敵が三人いるのに「異世界から連れて来た」と言われただけで納得した、有能な執事だった。

 全員でエーデルフェルトに滞在する用意をして、部屋を割り当てられた所で凜が仕切った。
「ここからは別行動にしましょう。桜人形と私は弁護士を呼んで3時までに銀行に乗り込むわ、アンジェリカは爺さんの人形をお願い。ルヴィアと先生は別行動(オーギュストの目が届かない所でご休憩)。イリヤとクロはいったん帰宅、監禁されちゃダメよ。衛宮君とバゼットはイリヤの護衛、もう一人のバゼット……見分け付かないから私か先生の護衛ね」
 帰宅するのは怖かったので、凜かルヴィアに付いていこうとしたイリヤだが、親に顔を見せるよう言われ、渋々従った。
「お疲れさまでした、ミユさん、お嬢様のお守りは大変だったでしょう?」
「いえ、ルヴィアさんにも凜さんにも。イリヤにも救われたばかりで……」
 美遊はオーギュストに労われたが、自分は囚われの身で、ルヴィアやイリヤ、凜やバゼットにも救われたのを伝えたので、ほんの少しイリクロへの怒りが収まった。
「左様でしたか、いえいえ、仕事などはしなくても良いのですよ、ミユさんは今はお客様なのです、よくお休みになってください」
「はい……」
 イリヤまで敵になってしまい、他の女達も全員恋敵だったので、心の緊張がプッツリ切れた美遊は泣き出してしまって、自分の部屋で少し休ませて貰えた。

 エーデルフェルト邸から徒歩数メートル。その距離が永遠にも思えたイリヤも家に帰ってしまった。
 もしパパがいればセラと一緒にガチ泣き号泣抱擁再会、ママがいれば本気のグーパンで、クロと一緒にママパンチを頂戴する。サディストの目をしたリズにも梅干し百回ぐらいグリグリされそうで怖かった。
「ピンポン」
 インターホンを押してイリヤが対応させられる。
「あ、あの、イリヤです、帰りました……」
「あたしもいるわよ」
 クロの声を合図に、家の中でドタドタと走って玄関に家人が殺到して来る音が聞こえ、イリヤは「面倒なことになった」と思い始めた。
 多分ニンジェとかサムライとかメイジの出迎えがあって、ここを突破しないとブルーリボンを貰って地下四階以降に行けるエレベータが使えなかったり、ウィザードリー2にブルーリボンを持ち込むとロングソード+5になって、2の序盤結構て使えたりするので魔物たちの出迎えを待った。

「イリヤちゃん、どこまで行ってたのかしら~?」
 まず笑顔のアイリスフィールが「ボッ!」とか擬音を出して、イリヤの身長よりデッカイ拳でフィニッシュブローを放って、娘に本気のグーパンを叩き込もうとしたが、後をついて来たはずの士郎が目の前にも居て、顔に傷が付いているのを見て、ママの中からもガビーンとか擬音が鳴り、急停止の全力でブレーキをかけてどうにか止まった。
「シロー?」
「あ、お邪魔します、美遊の兄の方の士郎です」
 イリヤやクロで最前列を押し付けあっていた所、桜二人とバゼット二人と士郎が押し出され、結局、アイリに肉の塊にされる苦行は士郎に落ち着いたが、ガチ殴りされる被害には合わなかった。
 バゼット一人は、ロード・エルメロイの護衛、桜の人形は銀行に乗り込むのに凜が徴発して連れ去った。
 残りの人物はゾロゾロとアイリハウスに連行されて行った。
「お邪魔します、異世界人で美遊の兄の衛宮士郎です」
「異世界人の「衛宮」美遊です」
「一回タヒんで消えて聖杯になって、現世に受肉し直したクロエです」
「この家のイリヤです」
「この世界のバゼットです」
「この世界の間桐桜です、異世界の先輩の家にお嫁に行く事になりました」
 途中一名、何の変哲も無いイリヤが帰宅したが、クロエは記憶以外一応別人で血印無し、桜はこの世界の先輩のように、告白しても「聞いてなかった、聞こえなかった」系の難聴主人公に愛想を尽かし、自分が生きているだけでガチ泣きしてくれる先輩の所にお嫁に行くと言い切った。
「「「「い、異世界?」」」」
 ママの動物的な感でも、異世界人はちょっと想定外で、目の前の傷あり士郎と、この家の士郎は傷以外で見分けがつかず、先程のバゼットも桜も見分けが付かなかった。
「おいおい、どうしたんだ? まだ時差ボケで眠いんだ」
 そこに切嗣まで登場してさらに混乱を招いた。
「お、親父……」
 また異世界の傷あり士郎が絶句して、生きている義父を見て、もう一度「ぶわあっ」とか擬音を出しながら目の幅で泣き始めた。
「親父~~~~っ!」
 こらえきれない涙を流し、今までの辛かった事、美遊を抱えて正義を成すか妹を救うか一人で悩んだ事、美遊を外に出掛けさせてしまい朔月家の墓でジュリアンに攫われてしまった事、桜も美遊も失いながらも聖杯戦争を勝ち抜いて、せめて美遊だけでもこの世界に送り届けた事、友人を作って元の世界に帰ってきた美遊を、自分の力では救い出せなかった事、イリヤ達が自分も美遊も救ってくれて、その上で聖杯2つで奇跡を起こして、自分たちがいた世界を救ってくれた事まで泣きながら異世界の切嗣に報告してしまい、自分でも伝える相手ではないと気付いていたが、それでも体では全部切嗣にぶち撒けてしまわないと居られなかったので残らず話した。
「辛かったな、でもよくやった、士郎」
 もうその言葉だけで補完されちゃって、満足して、緊張の糸がプッツリ切れて泣き、クロエにもアンリマユされてニヨニヨされてしまい、生暖かい目で見られた。
「親父~~~~っ!」
 ママもセラもリズも、士郎がここまで男泣きしながら話すのを止められず、全部聞いて貰い泣きしていたので、イリヤもグーパンや梅干し百回を免れた。
「クロエは一回死んじゃったのかい? そんな無茶はダメだよ」
「アハハ、イリヤに吸収されたというか、何というか」
 体に穴が開いて、軽く死にそうだったのを吸収されたので、予定調和と言うか何と言うか、説明できずに困るクロエ。
「こっちの士郎は、何か「大人になった」と言うか、もう「一皮剥けた」感じだな」
 普通の表現で成長した士郎を褒めた切嗣だったが、女達にはもちろん括弧内が別の意味に聞こえた。
「「「「「なにいいいっ?」」」」」(ママ、セラ、リズ、桜、イリヤ)
 一緒に行動していたイリヤも、自分たちが行く前に、アンジェリカとかベアトリスに、鎖で繋がれたままの士郎が、あんなことやこんなことをされて、跪いて足を舐めさせられたり、足で踏まれたりして調教されたのでは無いかと思えた。
 同行していないママとセラとリズと桜は、もう士郎が大人の階段を上ってしまって、自分が奪おうと思っていた童貞や貞操が何者かに踏みにじられて、穢されて奪われてしまったのだと思って激情し慟哭した。
 ちなみにセラの場合だけ、イリヤやクロが被害に逢わないよう、自分の身を差し出して筆下ろしでも何でもさせてやるつもりだった。それ以外の女はママも含めてガチである。
「シロー? 誰に手を出したのですっ? やっぱりイリヤとクロ? そうなんですね? やっぱり貴方はいつか、こんなことをしでかす人だと思っていましたっ!」
 初対面の異世界士郎の胸倉を掴んで、早速往復ビンタ責めを始めるセラ。こっちの士郎が止めても聞こうとしない。
「シロー、誰とヤッたの、リズお姉タソに正直に言ってみようか?」
 大型のハサミを用意して、初対面の相手の局部を切り取ろうとするリズお姉ちゃん。
「シローはずっとママの脚とか胸を嫌らしい目で見ていたから、きっとパパがいない隙に夜這いをすると思っていたのにっ」
 一名不倫願望と義理の息子にレイプされる願望まで持っている変態がいたが、切嗣が、
「アイリ、それはどう言う意味かな?」
 と聞いても、使い終わって役目を果たして、愛など冷めきって触れられるのも虫唾が走る夫などアウトオブ眼中だった。
「お兄ちゃん、誰と浮気したの? やっぱりアンジェリカ? 桜の人形? イリヤにはまだイタズラしてないけど、クロエは天井裏から本気で夜這いかけて来るから撃退しないと毎晩だし」
 美遊も、イリクロに着物を着せて、クロエなど全裸肌襦袢をさせてパンツは没収したので、兄の嫌らしい指がイリクロに触れたのも、アンジェリカのだいしゅきホールドで引き倒されかけたのも許せない美遊。
「やめてっ、このお兄ちゃんは別人なのよっ、うちのお兄ちゃんはこっち、みんなとは初対面なのよっ!」
 イリヤの叫びで女達は「あれ~っ? そ~だっけ?」とやっとこさ気付いて、謝りもせず撤収したが、正当な怒りを押し付けている美遊は撤退しなかった。
「ギブギブギブッ」
 正確に頸動脈の脈動を押さえて来る、妹のチキンウィングフェイスロックに、タップしてギブアップした傷あり士郎。ようやく女達のリンチから解放された。

「いやあ、異世界の初対面の方に申し訳ない」
「たぶん、君の今までのカルマが、俺にぶつけられたんだと思う」
 士郎同士が会話して、女たちのリンチのうち、美遊以外は全部この世界の士郎の難聴のせいだと言いたかった傷あり士郎。セラのビンタで頬が腫れていた。
 切嗣はアイリの愛が既に自分に向いていないのを知って、自分の小さな部屋で膝を抱えて泣きながら眠った。
 そこでクロエが枕元に座って父に向かって、こう言った。
「もうママとは別れちゃえば~? 天然で奔放な女なんて、すぐ浮気するし、セラかリズでどう? アンジェリカとか桜の人形とか、永遠の女子高生とかもいるわよ、セラなら「ご主人様!」で絶対服従、不倫とかあり得ないし、アンジェリカなら「サー!イエス!サー!」でこれも絶対服従、リズはダメ過ぎて、桜は魔女だけど、ヤンデレリスカメンヘラボーダー中二病だから、重たすぎる愛で答えてくれるわ」
「ああ、パパの味方はクロエだけだよ、ママと別れて一緒に暮らそう」
 と泣かれて手を取られ、一瞬で切嗣もアンリマユされた。
「ねえ、パパがよく寝言で呼ぶ、「ナタリア」とか「舞弥(マイヤ)」とか「シャーレイ」って誰~~?」
「うぐぅ」
 口にタイヤキでも詰め込まれたのか、切嗣は「うぐぅ」の音を漏らした。
 瞬間フリーズドライされた切嗣は、娘のクロエもあの化け物たちと同じ女なのだと気付かされた。
 

 

ロード・エルメロイ聖地巡礼に向かう

「と言うわけで、私たちは「夏休みのしゅくだい」で世界を一個救って、あっちの世界では七英雄って呼ばれてるのよ。一成さんの代わりにジュリアンってのがいるから、そいつも入れると八英雄。高校生のみんなは魔術協会に目を付けられて、元から留学してた凜とルヴィア以外も留学のお誘いとか、養子とか、結婚の依頼が絶えないって訳よ」
 傷あり士郎の涙と義父への告解?で全部持って行かれ、空気を読んだクロエの簡単な説明だけで通ってしまった。
(((夏休みの宿題で世界救ってんじゃね~よ)))
 夏祭りの金魚救い?か、あさがおの観察、程度に言われてしまい、心が荒むママ、セラ、リズ。
 切嗣とアイリの努力は、子供のなつやすみのかんさつ、にも劣るものとして扱われた。
 この世界の士郎も切嗣並みにクロエにアンリマユされているので、妹の言葉に目を細めて聞き入った。
「うん、みんな凄いなあ」
 何も考えていない傷なし士郎に怒りも覚えず、カピバラでも見るように癒される一同。(但しイケメンに限る)
 信用度が高いはずのスーツ姿で大人のバゼットは出番がなく、無口なのもあって口下手で、日本語も上手ではなかったので説明を辞退。
 出番が無いので、誰かの護衛に参加するか、英国方面に出国する準備をしようとしたバゼットだが、この一言で転んだ。
「カレーあるわよ」
 後ろ髪を惹かれると言うか、影縫いを食らって足止めされ、「バックもできるよ」のポーズで巻き戻って元の席に座った。
 真夏で全員食欲も無く、セラが素麺茹でるだけとか、リズかママならご飯に漬物だけ?で通そうとするので、カレーだけが生きる綱で、痩せて行かない唯一の手段でもあったアインツベルン冬木支店。
「お兄ちゃん、カレーどのぐらい残ってる?」
「鍋に移したから一日分ぐらいかな?」
 バゼットもイリヤも美遊もゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込んだ。
「みんな帰って来たから寸胴一つお願~い」
 妹のパン見せオネダリで士郎の料理人としての火が付いた。
「分かった」
 客人全員を汚染するため、研究に研究を重ねた、七味唐辛子(ケシ入り)カレーを請け負って、何人タヒなせられるか期待に顔を輝かせた士郎だった。

 ロード・エルメロイは、異世界ではあるが数か所に挨拶を行うため、オーギュストの運転で家を出た。
 ルヴィアも同行し、異世界なので護衛も不要かと思えたが、異世界バゼットは魔術協会の執行者なので、上司を護衛した。
 今は亡き人に手向ける花を買い、好物だった食品も購入する。案内するはずだったルヴィアは、以前この地に滞在した事のある、エルメロイ卿に逆に引っ張って行かれた。
「大将~? もうかりまっか? タコヤキ一舟なんぼや~?」
「10個でさんびゃくごじゅうまんえん」
「うわ~痛~~っ、ってそんなするかいなっ、自分話盛り過ぎやで~(裏拳ツッコミ)」
「お前ガイジンやのに頭沸いとんのかい?(褒め言葉)」
「しゃ~ないなあ、3舟頂戴」
「よっしゃ、勉強して一千万円や」
「細かいのあれへんねん、はい、いっせんまんえん」
 異世界百円十個で千円を支払う、万札しか交換していないので、平成じゃない硬貨を使用すると足が着く。
「十枚とか、ええ加減にしなさっ」
「は~っ、さいなら~っ!」
 残念な事に、ロード・エルメロイは流暢な関西弁でタコヤキ3舟を購入した。
(せ、先生が日本語? それも関西弁?)
 ルヴィアは英語で話す時の重苦しいエルメロイ卿と違い、軽トラの後ろで開いている汚い屋台で、ウェイバー君がコントのように関西弁を駆使してタコヤキを買うのを見てしまった。
 こちらの世界、それも「関西」と言う場所は特殊で、ほんの数語の言葉を覚えるだけで現地人とのコミニュケーションが可能な地域である。
 それは「もうかりまっか?(挨拶)」「何でやねんっ(裏拳ツッコミ)」「ほんまでっかいなそーかいな(真顔棒読み、眉唾物など)」「さんびゃくごじゅうまんえん(350円)」「うわ~痛った~、もう堪忍してや~(顔を逸らし裏拳ツッコミ)」「自分話盛り過ぎやで~っ」「お前頭沸いとんのかい(褒め言葉)」「ええ加減にしなさっ、は~っ、さいなら~っ!(別れの挨拶)」であり、語彙がこれだけでも十二分にコミニュケーションが成立する。
 残念な事に、カナダ人夫妻はこの言語と粉モンにもアンリマユされていて、ウェイバーとライダーが、どっかの魔法少女みたいに夫妻に術を掛け、サリーちゃんみたいに逗留している間にも、この言語を教えてしまっていた。
 逆に言うと商店で物を購入する際にも、自動販売機以外の売買、タコヤキ購入でもこの挨拶を必要とされて、標準語などで「ご主人、たこ焼きを下さい」と真顔で話すと、異世界人として排除されるのでご注意願いたい。
 世界でも類を見ない低俗で性根が曲がっている関西人。大阪のオバハンならTVのロケでも客いじりとかネタ振りする必要も無く、勝手にボケてツッコンでノリツッコミ、天丼(繰り返しボケ)ありあり、頭の悪さと言うか、トークやコミュ力が無いと生きていけないし、逆にTVスタッフがヒョウ柄のオバチャンに飴玉を貰える。
 京都なら「はんなり」していても皇居の近くに住むものがヒエラルキーが高く「ぶぶ漬けおだししまひょか?」の腐った性根、「美味しい」と言われる抹茶の茶道用茶菓子はただの粉、上品で綺麗でも食品ではない。
 神戸と言うか冬木市はちょっと気取って恰好を付けているものの、一皮むけば関西人で、ボケるしツッコムし、スーパーのレジのおばさんでも「さんびゃくごじゅうまんえん」である。
 ウェイバーは、アレクサンダー大王を「相方」と呼んで、お互いを「大将(大王なので)」「兄さん(召喚されたので)」と呼んで裏拳ツッコミまで行う不敬の大罪を犯し、戻ったアレクサンダー大王も、アイオニオンヘタイロイで流行らせて、王の軍勢全体がアンリマユされちゃっていた。
「ホンマえらいこっちゃで、セイバーが「エックスカリバー」とか抜かしたらな、わしらの戦車、タンクとちゃうで、チャリオッツの方や(両手の指で牛のパカパカ表現)、それがまあぶった切られてしもてなあ、牛が引いとったのに可哀そうにウワッチャ~~って感じでドカ~~ン!切られてしもて、わしらコンビで「うわDSGHしYTK~~」って歌わされてしもてな、ホンマ可愛い顔してえげつない姉ちゃんやったで~」
 車内でも、ウェイバー君はタコヤキを食べながら、マシンガントークで第四次聖杯戦争を解説してくれて、関西弁で顔真似、擬音、形態模写アリアリで車内を爆笑の渦に叩き込んだ。
 さらにアツアツのタコヤキを、オーギュストとバゼットに食べさせるのに、「二人羽織」をして口に入れようとして「熱っ、熱っ、熱っ」「それ鼻っ」「今度目やがなっ、うわ眼鏡落ちた、メガネ、メガネ、メガネ」のボケを自然にやらせて、ルヴィア手を叩いて大爆笑。車内でドッカンドッカン笑いを盗んでいった。

 何故か事故も起こさず、最初の目的地、冬木大橋の帰り側、北行き方面の車止めの展望台的な場所に到着した。観覧車や特徴のあるホテル、KAWASAKI表示も見えた。
 想い出の場所の下を通過しないよう、トンネルで島に渡り、帰りに大橋を渡った。
 一段下に南行きの道があって、フェリー乗り場の地面もあるので、風向きを考えて投げないと花はオケアノスに届かず、タコヤキを投げる時も、明石家さんまの小林投手のモノマネで投げた。
「オノレ今、海に何投げた? 海汚すなやアホンダラ」
 離れた場所に車を止めていた、ヤンキーに絡まれてしまう一同。寝かせた金髪にサングラス、Tシャツに短パンサンダルの夏の装いだが、見覚えがあり過ぎた。
「お前ギルガメッシュやんけっ、こんなとこで何晒しとんねんッ!」
 感極まって? ロード・エルメロイは現世に受肉していたギルガメッシュの頭をドツいた。
 もう「雑種」認定で「犬には相応しい最期を呉れてやろう」の場面だったが、ギル様はすでに関西地方の水と粉モンにアンリマユされていたので、上から叩かれたのに、手近なオーギュストまで飛んでプロレス風に跳ね返って帰って来てもう一回ドツかれた。
 所謂「関西名物ハリセンチョップ」であるが、ルヴィアの乳に跳ね返ると言う選択もあったのに「きゃあっ」とか言われると笑いが死ぬので、あえて選ばなかった。
「うっわ、何さらすねん? 初対面の人間にここまでするか?」
 ギルガメッシュと呼ばれた時点で関係者なのがわかったので、ボケまくりのジジイ。
「ど~こ~が~初対面やねん、うちの相方とか王の軍勢の皆さん、ここで殺したんお前やがな」
 のけぞりツッコミとかいう高等技術も披露するロード・エルメロイ。
「あ、お前ライダーのイスカンダルの相方やんけっ」
 この世界の神羅万象は、ギル様も飽きさせなかったらしい。
「やっと気ぃ付いたんか? ホンマお前のせいで、もうちょっとで宇宙戦艦乗ってイスカンダルまで行くとこやったわ、どないしてくれんねんっ」
「なんでやねんっ、それヤマトやがな「この舟では勝てん」ってそれタコヤキの舟やっ! しかも食い終わった殻やんっ、一個ぐらい残しとけっ」
 土日はテレビをつけているだけで、勝手に安っすい関西ローカルのお笑い番組が流れて来て脳の中身までコテコテ洗脳。
 関東なら嵐とかゴールデンで放送しているのに、関西だけ上沼恵美子のエミちゃんねる。昼の帯番組もウェイバーがいた頃は、平日毎日やしきたかじんの晴れときどきたかじん。
 綺糺にもノリツッコミまで覚えさせられ、現在の相方ともうまくやっているらしい。
「何かデスラー総統みたいな青い顔さらしやがって、ヒキコモリニートか? 深夜番組で「ギルガ~メッシュ(手でハート)」言うとる場合ちゃうで?」
「誰がヒキコモリやねんっ、この綺麗なお肌見てみ、どない見ても50過ぎには見えへんやろ? 直射日光はお肌に悪いねん」
「う~わっ、コイツ、サングラスに度はいってんで? それも半分下老眼や、う~わダッサ、ジジイ丸出しやん、免許に「眼鏡等」って条件付きの後期高齢者様や、枯れ葉マーク貼っとけや」
 ルヴィアとオーギュストもバゼットも、長年の不倶戴天の敵との会話とは思えず、思わず吹き出してしまったが、ギル様の老眼鏡付き遠近両用サングラスで笑うと不敬で死刑が普通である。
 しかし、受けてしまって笑いを取れたギル様は、ドツかれた勢いだけでサングラスを額の上にあげるテクニックを披露し、横山やすしの「メガネ、メガネ、メガネ」の動作をして神戸大橋の上を探し始めた。
「グラサンお前の頭の上やがな? アレッ? そない言うたら、ワシこの世界のウェイバー君とちゃうわ、異世界人やった」
「もうアンタとはやっとられんわっ」
「「は~サイナラ~~」」
 ドツキ漫才のお笑い芸人たちは、拍手しながら舞台の上下(かみとしも)に別れて退場した。

「(英語)あの、先生? 相手はギルガメッシュなのでは? 先程車内で聞いたアレクサンダーグレイトの仇ですよね?」
 日本語で聞くと、関西弁でボケられてしまいそうので英語で聞いたルヴィア。
「ああ、奴こそが我が王、アレクサンダー王を倒したサーヴァントだが、私は異世界人、奴が直接の敵ではない。すでに第四次聖杯戦争が終了して数十年、もう痛みも悲しみも過去の事だ。奴も勝者では無かったが、異世界でも現世に受肉したと聞いて暗殺も考えた。それすら過去の事だ」
 英語でマジに答えられてしまい、言語の違いだけで、ここまで両者の人格が変更されるのにも驚かされた。
 アンジェリカだけでなく、美遊の性格まで汚染したギルガメッシュ、それが関西芸人にまで落ちぶれ? いや言語変換だけで結構ファニーな人物になっていた。

 暫くして車を出すと、ギルガメッシュの車も付いて来てしまった。Zeroなら大ピンチだったり、セイバーがVMAXのバイクを運転する場面だが、ロード・エルメロイは冷静に決断した。
「あ、このまま三ノ宮出て、神戸製鋼の北までたのんますわ」
 オーギュストに、タクシーの運ちゃんに頼むぐらいの気軽さでお願いした。
 
 

 
後書き
まあ当然ですが筆者も冬木?住人です。 

 

銭湯で笑いを取るロード・ルメロイ

 アンジェリカがエーデルフェルトで簡単に工房を作って間桐の人形を作ろうとすると、全員一回は死んでいたのか、人形に魂や記憶を取りこめた。
 臓硯も再生する前だったのか、予備の予備までは準備しなかったのか、体だけ再生しても魂も記憶も押さえた後の抜け殻なので脅威にはならない。
「桜、飯はまだかの?」
「さっき食べたでしょ、お爺ちゃん」
 上手い具合に記憶障害と人格障害を発症してくれてボケたので、今の所使いやすい臓硯。
 雁夜や義父の作成は桜人形が嫌がったので、急遽慎二が作られ、今回のガス爆発?か何かで、祖父と同じで精神に異常をきたした設定で、オーギュスト紹介の弁護士に相談すると通った。
「さて、これで銀行にも乗り込めるわ」
「ええ、姉さん」
 遠坂姉妹の姉妹愛、な~んて物は最初から存在せず、性格が違う同性の姉妹とか、元から仲が最悪の取り合わせである。
 幼い凜が(虐め対象の)妹を失った、と感じただけで、間桐に行っても兄とかに虐められ、虫を入れられ、叔父にクンカクンカされる日々だったので、苦痛だけは変わらず「センパイ」に会うまでは生まれたのが間違いだったと悟っていた桜。
 現時点では桜人形の世界の臓硯は聖杯戦争で慎二人形が敗れても生存していて、生前の桜に家も虫も燃やされて一族郎党を失って姿を消しているので、どうやって探して始末するか考えていたが、家の外で待っている連中に「探してくれたら先輩と一緒に留学します」と言えば、草の根分けても探してくれそうだったので大して心配はしていなかった。
「さあ、勝負に出掛けましょうか?」
 普通の手配は桜人形では不安なので弁護士に任せ、人形師のアンジェリカが護衛、キャスターのカードを持つ桜人形には護衛不要なので慎二も連れて移動。
 凜は午前中に手続きを済ませた母を迎えにタクシーで移動して、退院してから銀行で合流した。
 
「さて、ここからが勝負よ」
 もうこちらの世界からオサラバする予定の凜は、競合する敵の家を殲滅して財産を盗んでも、魔術師間では良くある事なのか、余り犯罪者意識を持っていなかった。
 まあ、意見の相違と言うか、妹が金持ちになったら凜も金持ち、と言う甘い考えは通じず、血は繋がっていても間桐の相続権が存在しない実の姉にはビタ一文くれてやるつもりが無い桜と桜人形だった。
 
 銀行の応接室には入ったものの、銀行からも弁護士からも相続者の「お友達、親戚」は排除され、凜と凜の母、アンジェリカは余計な口出しをしないよう別室に通され、討論するのを拒否されてしまい、間桐一族だけが入室して対話した。
「エ?」
 妹から母にでも入金させ、多額の入院費や留学費用を捻出する予定だった凜は、待合室で放置され、安っっすいインスタントコーヒー一杯で黙らされた。
「なんでこうなるの?」
 財産権を理解していない凜は、金に目がくらんで自分もお零れを頂戴するつもりだったが、相続者の桜からは、実行犯の桜人形とアンジェリカには手数料と口止め料を払い、学校にいたのでアリバイもバッチリ、自分のコピーロボット「さくらちゃん」には金を使わせ、母の入院費ぐらい出したが高額医療費で還付される分は渡さず、敵である姉には一円も渡さなかった。
「うぎゃああ~~~!」
 凜は伝説の>>92とか>>922みたいに、意味不明の女理論を展開したが、そんな寝言は弁護士に通用しなかった。
 もちろん犯行を通報しようとすると、桜人形とアンジェリカにサクっと殺される。
 第一回の話し合いが終了し、必要書類は弁護士が用意して、臓硯と慎二の精神障害と禁治産者の認定も後日行われ、財産の大半は桜が相続した。
 
 ロード・エルメロイ一行は、神鋼の北側にある、廃熱利用か何かのスーパー銭湯に入場し、ギル様もそれに続いた。
 オーギュストが利用システムを理解する前に、ウェイバー君が全員分を支払い、ルヴィア、バゼットは女湯。ギル様も入ることになった。
「まあ、こういうのは裸の付き合いからやね、オッサン外人やけどタトゥーとか登り龍の入れ墨入れてへんやろなあ? 暴力団関係者様は風呂入場お断りやで?」
「前はいれとったんやけどな、現世に受肉してからは綺麗なもんや、見てみい、この綺麗なお肌とカダラを」
 ナルシストなのか肌フェチなのか、美白や筋肉には五月蠅いギル様。
「んん? 真っ白けやがな、このクソ熱い夏でも白いとか、相方によっぽどかわいがられとるんかぁ?」
「何でやねん、この年でも街中歩いたらな、女がキャーキャー言うて寄って来よるわ」
「BBAばっかりやろ? オッサンはマツケンとか氷川きよしみたいなオネエ好きのBBAに好かれそうやなあ。ところでオッサン銭湯の入り方知っとんかい?」
「当たり前やろ「風呂行ってくる」言うたら、昼から近所の広い銭湯行って、知り合いのオッサンと話して「篠原温泉営業やめてもたなあ」とか言いながら2時間は入らんと気が済まんわ」
 暑い夏は昼間から銭湯で過ごして汗を流して、湯上りに冷たいビールでもキューーッと飲むのが日本の夏の過ごし方だと知っているベテランの日本人。貴重品の免許証入り財布を余裕でカウンターに預けて入浴した。
 レクサスとかクラウンぐらいの高級車で乗り付けて、駐車場付きの銭湯に入り、入浴料よりも明らかにガソリン代や車の維持費が高いのが日本の定年退職者の昼の過ごし方である。
 
 女湯ではルヴィアが入浴に困っている間にも、バゼットは手早く脱いでロッカーに服を入れ、貸しタオル一枚持って入浴しようとした。
「待って、入り方が分かりませんわ?」
「ああ、全部脱いでロッカーに入れる。カギを外して腕にでも着ける。中にシャンプーやボディソープもあるから自由に使え。仮眠室もあるはずだから、任務で来た時には一泊1200円から2000円以内で風呂と仮眠もできるから安い宿と思えば良い、飲み物と食べ物は持ち込みもできる」
 安い宿泊施設で衛生度も高いので、日本のスーパー銭湯はよく利用してしまうバゼット。BBAとの雑魚寝も気にしない。
「まさか、こんな大勢の人と一緒に裸で?」
 イリクロや美遊と家で入った事はあっても、見ず知らずの他人と裸で同じ湯に入るなど、あり得ないルヴィア。ローマのテルマエの文化は伝染病とともに消えてしまった。
「脱げ」
「ひいっ」
 適当にひん剥かれて、バスタオル巻いて乳浴?させられたルヴィア。

 入室時は当然空手チョップと言うか、相撲取りのように三方を切りながら混雑した出入り口を通過するベテラン二人。
 男湯ではロード・エルメロイがギルガメッシュの背中を流す奇妙な光景が展開されていた。
 オーギュストもエーデルフェルト邸の狭い使用人風呂でウェイバー君を見定めながら背中を流す前に、ギルガメッシュに背中を洗われてしまった。
「前はカナダ人のオッサンとか大将(アレクサンダー)と一緒に来たんやけどな、何か毛むくじゃらのオッサン二人に挟まれて背中流されて、後ろでオッサンらハァハァ言うとったから、ケツの穴がこそばい感じでなあ、後ろからも背中になんか押し当てられるし、こらもうオケツの処女?卒業や思て諦め取ったんやけどなあ、当時16,7のボクちゃん見てそこまではせんかったみたいや」
 戦国武将でも、アレキサンダーの部隊にも小姓が付いていて、夜のお勤めは男の娘がする。売春婦も帯同してアイオニオンヘタイロイのお相手もするが、敵側のアケイメネス朝か何かは、黄金の浴槽とか愛人まで帯同していて捕虜になったと記録されている。
 もちろんウェイバー君が王の軍勢に参加後は、男の娘になって戦車男さんに掘られる。
「もうギル様も女飽きて男の方がええんちゃうか? どこの風呂も時間帯によってハッテン場になるからなあ、あ? オッサン左手に鍵つけ取るから受け専かいな?」
「誰が受け専や、お前こそ足に巻くとか誰専かい?(相手は誰とでもよい)」
「あ~、そうやなあ、目隠しされて誰にやられとんか分からんのが、って違うわっ、ホモに狙われんように足に付けて下さいって書いてあったやろ」
「いやあ、エゲレスはホモも充実しとるから、毎月月末土曜は14時発射開始のオールナイトやろうが?」
「そうやなあ、全員六尺ふんどしつけて「オッス」「オオッス」言うてなあ、誰かロープでぶら下げられてケツにキューピーさん人形刺して、空中ブランコしながら「産まれる~~」言うて場内爆笑、オス汁発射し放題ってそれ日本やんけ」
 日本のハッテン場事情にもなぜか詳しい二人、オーギュストもニガー笑いしかできなかったが、つい下品な会話にも吹き出して失笑してしまう。
「ほんならオッサンオロリコンはどないや? ほれ爺ちゃんに連れられてチンチン付いてないちっさい子とかおるで?」
「いや、ソレアカンやろ、13歳以下は犯罪やで君」
 10歳以下の女の子がギャーギャー喚きながら遊んでいるが、ごくまれに露出狂のコスプレイヤー予備軍の子が、12歳ぐらいになっても男湯に入りたがり、湯船に腰かけて自分を見てくれる男に足を開いてサービスしてくれる。
「お、あの子露出狂やん、ギル様に見て貰おう思うて、頑張って足開いとるがな、キンパツのオッサン見てハッスルしとるんちゃうか」
「見てみい、やっぱりワシはモテモテやねん」
「あ、ちゃうわ、枯れ専でオーギュストさん狙いや、お爺ちゃん子やねんな」
「「なんでやねん」」
 次第にオーギュストまで、関西ノリにアンリマユされて行った。
 
 女湯ではカラスの行水のようなバゼットが、一瞬で体を洗い終わって温水に入って温まり、5分と経たずに出ようとした。
「私は外に出て寝る、一時間も入っていられない」
「ちょっと待ってください」
 金髪のガイジン美少女が入浴しているので、常連のBBAとかに関西弁で話し掛けられたり、珍獣扱いなのか背中を流そうとしたり体を触って来るので、慌てて逃げるルヴィア。
「何だ、もっと入っていれば良いのに」
「無理ですわ、何ですの? あの初対面の人物にも親密な感じは? 「ネーチャンキンパツにしとるんか~? うわ目も青いがな、ホンモノのガイジンさんや~~、おっぱいも白人さんで大きいがな、ちょっとさわってもええか?」と言うのは?」
「この辺りの人間はウェットなのだ、このウェッティでクソ暑い夏とおなじでな」
 着替えている間にも話し掛けられ「うわ~ふたりともガイジンさんやがな~~、ガイジンさんも銭湯くるんかいな~」と言われて周囲を囲まれジュースを奢ってもらい、大阪のオバチャンなのでハッカ味ののど飴と普通の飴と「おばあちゃんのぽたぽた焼き」「雪の宿」「おにぎりせんべい」まで数枚もらった。ルヴィアもタコヤキを勧められたが断った。テルマエロマエと同じで、バゼットならこの中だけで生活できる。
「もう帰るんか? オバチャンとこで晩御飯食べて行き」
「またな~~」
 約束の時間なので待合室に出ようとするだけど引き留められたが、ジュースも飲んでせんべいも完食、バゼットはタコヤキも食って体重が増えてから出た。関西のオバチャンなので飲食禁止とか気にしないで食べる、店に説教して張り紙破いてでも食べる。
 
 待合室に出ると、ロード・エルメロイが人垣を作って客の爆笑と注目を誘っていた。
「神戸大橋の橋の上、大の男のアレキサンダー大王が、牛若ならぬギルガメッシュ大王に切りかかるっちゅうわけや。このおっさんエヌマエリシュとか言うきったない技隠し持っててな、王の軍勢のごっつい人数でも、地面割るわ空も割るわ、そらえげつない攻撃しやがってな、ヘタイロイの皆さん全部地割れの谷底に落とされて死んでしもてん。ワシらアレクサンダーのオッサンの馬ボケパノスやったかブケパのスか忘れたけど、名前ボケやのに賢い馬が空飛んで逃げてな、固有結界破られてオッサンと馬だけになってん、そいで大さまがワシに「聞くの忘れとった、ワシの部下にならへんか」って聞いてな、もう今生の別れやで~、ワイも泣きながら「なります~~」言うたんや、それで生きて大将の活躍話して伝えるように言われて馬から降ろされてん」
 ウェイバー君の泣き真似に、観客も何故か涙を誘われた。遺言通り多くの人に話して聞かせているらしい。
「吉本やのに松竹みたいや~」
 関西風のお笑い話だったのが、泣き落としの話になって涙を誘った。
「それでまたこのえげつないオッサン、空から宝具ガンガン投げて来てな、馬もやられるわ、アレクサンダーの大将もようけ刺されてそれでも走って、やっとこさこのオッサンの前に立って刀振り下ろしたんやけどな(ギル様に空手チョップ入れまくり)、神様でも捕まえられるっちゅう鎖で大将縛り付けて、エヌマエリシュされてしもてん」
 何故か観客号泣、話の枕か先程の話がよほど上手かったのか、全員ロード・エルメロイの話芸に夢中になって、ギルガメッシュのオッサンは、運転者なのにビール片手に聞いていた。
「このオッサン、ワシも殺すつもりで来たんやけどな、令綬あれへんの見たし、大将の遺言でこないして大勢に話すように言い残したの聞いたらな「忠臣大儀である」とか言うて消えてしもてん、ワシ一人徒歩でな、神戸大橋のド真ん中で置き去りやん、もうマジ泣きやで」
 銭湯の客たちも泣き笑い、本当の松竹の泣き笑いにされてしまった。
「しゃーないから徒歩で何キロか歩いてな、三宮まで出て、泣きながら走ってん、「メーテルー」や無しに「ライダ~~」言いながら走ったから青春の熱い涙ってやつやね、それでカナダ人のおっちゃんおばちゃんのとこで慰めてもろて、エゲレスの田舎帰ったわけや。これにて第四次聖杯戦争、全巻の終わりやで~」
 泣き笑いの拍手を貰って、なぜか魔術も聖杯戦争も知らないジジイBBAにも話が通ってしまい、老人ホームの慰問に出るとウケそうな二人。漫才で笑わせて、お話しで泣かせ、歌で唸らせる海原真理(上沼恵美子)か、たかじんさんみたいな芸を持っていた。
「多芸な方たちですな、お嬢様」
 なぜかオーギュストまで眼鏡を外して涙を拭っていた。
「それでは皆様」
「「「ごきぃげんよ~~」」」
 舞台の下に下がっていくトリオ漫才、いつの間にかオーギュストも加わり、長作兄さんみたいに歌って拍手を貰ったりしたらしい。
  

 

ロードエルメロイも急用

 スーパー銭湯を出たエルメロイ一行は、カナダ人夫妻の所に行く前に隣の24hスーパー、カードも使えない激安ド底辺ご用達のラムーに寄り、お土産を買うために立ち寄った。
「うわ、安っ、タコヤキ一舟100円やんっ、6個入りでも一個デカイしやっぱり安いがな」
 表の販売所でタコヤキも買い、中でも安いのに驚かされる。
「冷凍食品毎日五割引やんっ、チャーハン260円とか、潰れかけのダイエーやったら400円以上するで。弁当も198円とかなに考えとんねん」
 何故かギルガメッシュも付いて来て自分用のカートを取りに行って、色々と商品を購入する。弁当も試食用に買い、ジジイなので栄養ドリンク29円とか38円のも箱買いして、カップ麺も食べ慣れたスーパーカップが95円なのを見て震災用に箱買いして行く。麻生閣下みたいに「カップ麺400円ぐらい?」とかも言わず、やたら所帯じみたオッサンになっていた。
「オッサンなに気合入れて本気買いしとんねん、オバハンか?」
「安いんやからしょうがないやろ、ダイエーみたいに一回倒産して「何でもあるけど欲しいものは何もない」とちゃうで君、冷凍食品半額とか、関西スーパーの月一回四割引きセールより安いがな」
 王の金貨とか、神話時代の骨董価値まである物を換金して生活しているギル様も、関西の水と空気と粉モンにアンリマユされて、高級品ではなく安くて良いものを買うようになってしまっていた。
 エルメロイ卿も、もう足も悪いカナダ人夫妻のためには、高価な英国製土産より、生活用品を買い込んで車で輸送するのを選んで、保存の効く震災用の保存食や缶詰だけでなく生鮮食品まで買い込んで土産にした。
「バゼットもルヴィアちゃんも、いるもんあったら一緒に放り込んでや」
「宜しいのですかっ?」
「おお、公費やから遠慮したらアカンで」
 業務上横領ではあるが「土産物」で領収書が出れば、カナダ人夫妻への挨拶品なので通る。バゼットも水とか保存携帯が効く非常食を入れ、100円アイスや駄菓子など買ったことが無いルヴィアも、誘惑に負けて65円アイスとか39円のチョコアイスまで手を出してしまった。
 安物のラクトアイスなど食べさせてくれないオーギュストに見付かると「お嬢様、これはアイスクリームではありません」と取り上げられてしまうが、湯上りの安物アイス立ち食いはルヴィアの夢だった。
「オバチャン、領収書ギブミーやで~」
 手慣れた様子で支払いも済ませて、仕分け台で袋詰めしていくスーパー利用熟練者。
 買い物を済ませると、車に爆発物とかブレーキに細工をされないように立ち番していたオーギュストに合流した。
「はい、貴方も食べなさい」
「お、お嬢様……」
 特価39円のチョコアイスをお嬢様から頂戴して感激するオーギュスト。
 ルヴィアはただ共犯にしてしまえば、自分のアイスが取り上げられないと知っていたので渡したが、オーギュストは宝物のように拝領して記念品として取っておこうと懐に入れたが「何でやねん、溶けるがな」と突っ込まれて全員で食べた。
 
 この後、ビールが入っているギル様に運転させるのが嫌な上、年寄なのでアルコールに弱くなっているのに気付かないジジイが「ビール一本で酔うわけないやろ」と言いつつ呂律も回らず、駐車場で事故りそうになったので、オーギュストが夕食の支度をするのと一緒にルヴィアを帰らせ、カナダ人夫妻さえ良ければ招待すると言われたので、バゼット運転、後部座席にギル様、ロード・エルメロイと言う変則配置になった。
「ああ、お母ちゃんかぁ? ウエイバーくんやでぇ、急用でこっち来てなあ、これからそっち寄らしてもらうわ。それでなあ、エーデルフェルトのお嬢さんとこにおるんやけど、良かったらご招待したい言うとるんや、うん。え?早よ言うてくれたらご馳走? いやいや、急用やってん、毎年の会議とちゃうから、お土産置いたら出かける準備しといてな」
 ギルガメッシュの携帯を借りたエルメロイ卿が、日本での「お母ちゃん」に電話して、急用で来たのを伝える。
 聖杯戦争の会議は現地冬木市で開かれるので、毎年来て宿泊して関西弁の精度を上げていたが、今回は急用で、異世界から来たのは言っても理解してもらえないので割愛した。ちょっと話が合わなくても、相手もボケているので気にしない。
 ちなみに関西では年上の女性は「お母ちゃん」と呼んでおけば大体間違いない。
 
「後ろの車、私達を着けています、目的地が同じなど有り得ません」
 バゼットが後ろの車に気付き、山の手の高級住宅地に向かうのに、同じ方向に向かう車が着いて来ていた。これもzeroなら大ピンチだったが、ミラー越しでなく、後ろを向いたエルメロイはすぐに気付いた。
「運転しとるんバセットちゃんやがな、後ろにおるん長髪やさかい、たぶんこっちの世界のワシやがな」
 こちらの車にギル様がいる以外、同じ構成の後ろの車。なぜか「急用」でこっちの世界のロードエルメロイも来てしまい、運転手兼護衛としてバゼットを衛宮家から呼び出してカナダ人夫妻の所に挨拶に行く所らしい。
「あかんがな、ウェイバー君二人やがな、お母ちゃんにどない言うねん。一番下の息子や言うてるのに、今更双子とか言われへんやん」
 こちらのウェイバー君も電話したので、「さっき電話くれたがな」みたいになって「お母ちゃん、もうボケてしもて」になって混乱している所である。
 後ろのバゼットから事情を話したようで、後部座席のウェイバー君がチョット箱乗りして手を振って来る。警察にでも見つかって停止させられたら異世界免許証で問題になるので、止められそうな場所で停車した。
「おう、兄弟、異世界のワシと触ったら消えて無くなったりせえへんのか?」
「それは大丈夫みたいや、バゼットちゃん同士でどつき合いしても大丈夫やってん」
 異世界で事件が起こってイリヤと美遊に救われ、英雄7,8人と妹を留学させるために来たのと、今はエーデルフェルトで逗留して、カナダ人夫妻を迎えに行く途中なのも話し、ここは正直に「異世界から来てん」と言えば「関西人なら通る」と言う結論に至り、強行手段に出た。
 そこで、説明前に後部座席からジジイが出てきてしまい、先程の天丼(繰り返しボケ)になった。
「お前、ギリガメッシュやんけ、こんなとこで何晒しとんねんっ!」
 のけぞりツッコミとかいう高等技術も披露するロード・エルメロイ。
「お前もイスカンダルの相方かいなっ」
「ホンマお前のせいで、もうちょっとで宇宙戦艦乗ってイスカンダルまで行くとこやったわ、どないしてくれんねんっ」
「なんでやねんっ、それヤマトやがな「この舟では勝てん」ってそれタコヤキの舟やっ! しかも食い終わった殻やんっ」
 とりあえず天丼ボケでこの世界のウェイバー君のツッコミにも対応するギル様。タコヤキは12個以上食ってビールのつまみにして腹一杯である。
 ロード・エルメロイも何故か「ここであったが百年目」にはならず。トリオ漫才になって、ギル様が「三波春夫でございます」と言うと両側から顔を潰され、グラサンがゆがむボケになった。
 軽く練習も済んだので、同じネタでカナダ人夫妻の家で「ウェイバー君で~す」「異世界のウェイバー君で~す」「三波春夫で御座います」とやると、違和感なく?ウェイバー君が二人なのも受け入れて貰えた?
「いやあ、冬に来てくれて以来やねえ、上の子よりあんたの方がよう帰って来てくれるから嬉しいわあ」
 もう暗示も解けているはずだが、旧知の知り合いも「極寒のカナダ、体を温めるウオッカ、ウイスキー系の強い酒、サウナから冷水か雪に飛び込む」のコンボでポックリ行く友人が続出、息子まで50台で高血圧と心臓病で長時間フライトには耐えられない体になり、たびたび訪ねてくれる友人親戚はウェイバーだけになっていた。
「お母ちゃんも若いなあ、やっぱり日本食食べとったら長生きできるんやなあ」
「ところであんたら、何で二人に増えたん?」
 やっぱり異世界は理解していなかったお祖母ちゃん。
「ああ、ワシが本物でな、こっちはコピーロボットやねん」
「誰がやっ、バトン振って「ミラ~」とか言うて、さくらちゃんのお兄さん好きになるんかいっ」
「それクロウカードやろがっ、お前んとこはエインズワースのカードやろがいっ」
「三波春夫で御座います」
「「なんでやねんっ」」
 軽くつかみはオッケーの所にご主人も来て、足が悪そうに歩いて来た。
「お父ちゃん足悪いんかいな、不便やろからエゲレスで一緒に住もうな?」
「いや、もうワシらはこの家を離れられん、最後までここで過ごすつもりだよ」
 この場所は気に入ったようだが、関西弁にはアンリマユされていなかったお爺さん。
「まあちょっと荷物置いて、エーデルフェルトさんとこ行こか? 乗って乗って。ほらこれが保存食で、ちょっと野菜も買うたで。ってお前も同んなじもん買うてどないすんねん」
 同一人物なので買ったものも同じ。勝手知ったる他人の家で、缶詰や飲み物など保存食は物置に入れ、野菜は冷蔵庫行き、100%ジュースとか牛乳も入れるが、冷蔵庫一杯分入れるつもりが2倍なので入らなかった。
「まあ食べられんかったら近所のお婆ちゃんに分けてな」
「お前どこ泊っとるねん、今日はこっち来いや」
「お母ちゃんとこ泊る気で来とるからな、空き家おってもしょうがないから行くわ」
 これでロードエルメロイが二人、バゼット二人、桜も二人、見分けは付くが士郎も二人と言うややこしい状況になり、何故か自走できないギルガメッショも付いていくことになった。
「あ~綺糺か? ワシや。神戸大橋でな、イスカンダルの相方のウェイバーと会うてな、なんや婚約者とかエーデルワイスみたいな名前のお嬢ちゃんの家いくねん。風呂上りに一杯飲んだだけで運転さしてくれへんからな、酒抜けるまで帰られへんのや」
「ついでやから呼ばんかいな、二人増えたぐらいであの家ビクともせんで」
 携帯で電話するギル様にも、綺糺を呼ぶように言って、駅まで迎えに行かせる約束もさせてしまった。夕食の支度をするオーギュストはビクともするが、現在二人の士郎がカレーの寸胴を制作しているので、ご飯かパンがあれば間に合ってしまう。
 もちろんクロエがいると、鍵を開ける能力で凜のパパをバックから挿した?相手が綺糺だとバラされてしまうので血の雨も降る。
 
 衛宮家
 もう目がイっちゃってる士郎が二人、どれだけの被害者を出せるか考えながら台所に立ち、野菜の準備は傷あり士郎、ガラムマサラを炒めて準備するのはこの世界の士郎、セラには指一本手伝わせなかった。
「良かったらこのレシピで始めて、色々研究してくれ、帰ってから美遊ちゃんにもこのカレー食べさせてやれよ」
「ああ(ニヤリ)」
 明らかに胃袋を掴んで相手をカレー堕ちさせるのが目的で笑う士郎二人。男として女を落とすと言うより、料理人として自分の料理が無いと生きて行けない状態にするのが愉悦らしい。
 研究済みのレシピ通りフライパンを温め、火の通りにくい物から順番に投入、粉末や香草も入れて香りを出す粉と言うか危険な薬物を炒め始めると、素晴らしい香りがしてしまい、近所からタイガーが走って来てファッチューチュンの坊さんならぬ、女教師が壁を乗り越えて来て、自分のカレー皿とスプーン、炊き立ての五合炊きの炊飯器も持って来た。
「や、野菜とカレー肉は買ってくるわ、私にも食べさせて……」
 何かガクガク震えながら、中毒患者の目でカレーを要求する大河。もし求められたら、ファーストキスでも処女でも何でも士郎に支払うつもりでいたので、もうお嫁には行けない体に改造されていた。
 セラも士郎に暴力を振るったのを忘れ、カレー禁断症状で手が震えるのを抑えられず、普段マイペースのはずのリズまで震えていた。四日目のカレーと違い、士郎が作る炊き立てのカレーには人間の脳を狂わせる香りがあった。
「ひいっ、この香り、ホムンクルスには薬物耐性があるはずなのに?」
 士郎君の麻薬カレーに、アイリママも思わず昇天。もう夫よりも体が士郎を求めてしまっていた。
「せ、先輩……」
 前に大人用カレーを食べてしまった桜も、ガクガクと震えだし、異世界の先輩の所にお嫁に行くのは失敗ではないかと思ったが、極秘未公開、暗号書き込みも、同一人物が見てしまえば同じで、士郎同氏はカレー専門店の支店や店員同士みたいに「どれだけ客を狂わせられるか」を目的として悪質な情報交換までしていた。
「ちょっとこの粉は依存性があるんだ。あのルヴィアとか、気が強い遠坂を狂わせてみたいと思わないか? イリヤと美遊ちゃんにはちょっと早いから、子供用の甘口には入れないけど、大人用には」
「ふっふっふ、お主も悪よのう」
 料理人の愉悦を話し合っていた。
「ああ、一成か? 今カレー作ってんだけど」
「今すぐ行くっ!」
 すべての用件や約束を反故にして、カレー即決で来ると言った一成。
 クロエは半月ぐらい会っていなかった雀花とミミに帰還を告げ、本番、いや本物の一成のカレー堕ちを見せるために呼んだ。ナナキとか嶽間沢のオッサンも娘と一緒にカレー堕ちさせるために呼んだ。
「ぐっへっへっへっへっ」
 偶然ギルガメッシュと綺糺もカレー堕ちさせてしまうが、桜のように料理できる人物は被害が少なく、凜、ルヴィアは被害甚大、何もできないバゼットは士郎を神として信仰、命を落とす可能性すらあった。
 

 

ギルガメッシュ襲来


 少し戻って衛宮家での美遊。
 何かとウィスパードして、自分やお兄ちゃん周りの人間関係を破壊したり、イリヤとの友情まで破壊して瓦礫にしてアンリマユしてしまった実情や意向を聞き出そうと、クロエと対決するために部屋を訪れた美遊。
「クロエッ」
「ん~~~~~っ」
 怒鳴り込んで2,3回グーパンを入れてからマウントしてボッコボコにしてから事情を説明させようとした美遊だったが、ドアの陰に隠れていたクロエに、以前のようにディープキスされて魔力を吸われた。
「んんんっ、ぷはっ」
 逆にベッドに押し倒されて、クロエにマウントされてしまった美遊。
「うふふ、ごめんね、イリヤと美遊の「お兄ちゃん大好き病」を治してあげようと思ったのに、逆効果だったわ」
「にゃ、にゃにを言ってるのかにゃ、お、お兄ひゃん大好きりゃなんて」
 兄にベタベタの美遊だが、自分は兄に甘えているだけで、大好きなのは周囲にバレていないと思い込んでいる気の毒な子。
「小さい頃の「パパのお嫁さんになる~~」だとか「お兄ちゃん大好き~」なんてね、冷めてからは赤面物で、もしビデオなんか発掘されると再生できる機械もテープも破壊してしまうわ」
 言っていることは事実なのだが、自分も同じ穴の貉でry なのは隠して、イリヤと美遊のためと言い切ったクロエ。
「貴方ももう気が付いてるわよね? 士郎さんは聖杯に願うとき「妹の美遊と添い遂げて、永遠に結ばれたい」とは願わなかったのよ」
「ひいっ!」
 一番恐れていた答え「士郎の本当の気持ち」を聞かされて、耳を塞いで逃げ出したくなったが、腕はクロエに押さえられてしまい、逃げられなかった。
「聞きなさいっ! そう、士郎さんは「妹が自由に暮らせる世界、友達ができて一緒に子供らしく遊んで、自然に過ごせる世界」を望んだのよっ、もう美遊は本当の妹だからっ、士郎さんは妹と結ばれるような未来は永遠に来ないって知ってるのよっ!」
 一番聞きたくなかった未来予想を聞かされ、悲鳴を上げて逃げ出そうとしたが、クロエからの死刑判決を聞かされてしまい、大粒の涙を浮かべて本気で泣き出してしまった。
「イヤアアアアアアッ!」
 全力で逃げ出そうとする美遊を押さえつけ、親友としてのビンタを入れて、泣いている美遊を大人しくさせる。
「ちゃんと聞いてっ、苦しくてもそれが事実なのよ」
 上にいるクロエが綺麗な涙をスッと流し、話している内容が本当で「自分も同じ思いを共有している親友」だと目で語った。
(ク、クロエ……)
 美遊の胸に顔を隠し、悪魔の笑顔で微笑するクロエ、当然そんなことは欠片ほども思っていなかった。
「この間、イリヤにも同じ事を言ったわ、それは鏡の中の自分に言っているのと同じっ、こっちの世界のお兄ちゃんはアタシを妹としてしか見ていないわっ、もちろんイリヤだってっ!」
 もう美遊よりガチ泣きして、親友?に芝居の上での熱い涙を落とし続けるクロエ。目で「貴方の苦しい思いは、この私が一番よく知っているのよっ!」と言う顔で泣いた。もちろんウソ泣きで。
「ああっ、クロエッ、クロエッ、貴方も同じっ」
 親友?同士で抱き合って、熱い青春の涙を流し合いながら親友?を抱きしめる。
「でもね、異世界のお兄ちゃんは貴方の事をどう思っているかしら?」
 美遊の肩に顔を隠し、耳元で悪魔の囁きをしてやるクロエ。
「ヒッ!」
 チョロ過ぎるイリヤとか凜やアンジェリカより、真面目で頑なで、人の意見などで自分を変えるはずがない少女は、クロエの囁きで簡単に堕ちた。
「もう向こうの世界の士郎さんは美遊の本当のお兄さんなの、実の妹と結婚しようって人は居ないわよね? でもうちのお兄ちゃんは美遊の事可愛いって言ってたわ」
 悪魔に魅入られてしまい、何かガタガタ震えながら、病んだ目で頷き続ける美遊。
「妹にできた初めての親友、クラス変え程度では決して別れ別れになりそうにない、異世界での同一人物、同じように体の中に聖杯を持っていて、うちのパパやママの願いさえ叶えられる運命の少女。美遊、貴方はうちのお兄ちゃんを攻略できる最短コースにいる運命の相手なのよっ!」
 美遊の中からも、何かガビーンとか擬音が聞こえて、異世界の士郎さんスイッチがONに、シーケンス回路の安全装置でもお兄ちゃんスイッチを諦めてOFFにガッチリと切り替わった。もう愛の過電流でオフになるまで、美遊の愛は異世界お兄ちゃん一択になった。
「後でイリヤとも仲直りして、アタシは身を引くわ」
「どうしてっ? クロエもお兄ちゃんがっ」
「いいのよ、お兄ちゃん大好き病なんて、後で思い出したら、顔から火が出るものよ」
 クロエはとても悲しそうな表情で笑った。心の中ではチョロ過ぎて免疫のない美遊を見て「流石異世界の同一人物」と思いながら爆笑していた。
「ああっ、クロエッ、私の大切な親友っ」
 騙されているとも知らず、美遊も本気泣きしてクロエを抱きしめた。

 エーデルフェルト
 オーギュストと共に家に帰って来たルヴィア。凜が口からエクトプラズムを吐いて倒れていたのは無視して、お向かいに行っていたはずのイリヤ、クロエ、美遊や、アンジェリカと凜の母も帰っていた。
「さあ、仲直りして、二人とも」
「ごめんなさいっ、美遊~~~っ」
「いいえ、私こそ、イリヤ、クロエ、貴方たちの気持ちも知らないでっ」
 何故か美遊とイリヤが泣きながら抱き合って仲直りしているようで、美遊の様子もユデダコなので、またクロエが何か囁いて美遊も壊したように思えた。
(クロエ、恐ろしい子……)
 また月影先生の髪形になり、少女漫画特有の白目を剥いて驚いているルヴィア。
 目の前で凜が堕ちたのを見せられ、ロードエルメロイも陥落、アンジェリカは元からクロエの言いなり、桜も異世界士郎も陥落、自分はロードエルメロイと、もしかすると婚約。
 残っているのはギル様とオーギュスト、この世界のロードエルメロイまで来ているのは知らず、カナダ人夫妻も、イリヤや士郎の親友知人もクロエに呼ばれてしまったのも、綺糺が来てしまうのも知らないルヴィア。
 この後何人がアンリマユされてカレー堕ちして人生も踏み外す犠牲者が出るのか、クロエの心の病み?を知らない者達は、恐れて待つしかなかった。

(妹にできた初めての親友、クラス変え程度では決して別れ別れになりそうにない、異世界での同一人物、同じように体の中に聖杯を持っていて、うちのパパやママの願いさえ叶えられる運命の少女。美遊、貴方はうちのお兄ちゃんry)
 いつものクロエの嘘に嵌り、美遊の頭の中でもグワングワンとエコー有りで繰り返し再生されていた。
 美遊も一回「お兄ちゃん(ボフッ)」っとヤッていたので、よその家のお兄ちゃんである士郎さんには免疫?が無く、士郎さんに見られただけで体が熱くなってしまい、顔も耳も真っ赤になった。
(もう分かるわね? こっちの世界の士郎さんは、もうあんたと愛し合うしか方法がないの、それ以外の人生を選べる人だと思う? 兄妹の恩人で一生掛かっても恩が返せないぐらいの人、恋人になるはずだったその子と別れて、幸せになれるとでも思ってるのっ? 一生独身? 美遊とも結ばれないでお爺さんお婆さんになるまであんたを待ち続けるの? まさかそんな残酷なことしないわよね、あんたと士郎さんは結ばれる運命なのよっ!)
 イリヤもクロエの言葉が頭の中で繰り返し流れ、エコー付きで連続再生。よその家のお兄ちゃんである士郎さんには免疫?が無く、士郎さんに見られただけで体が熱くなってしまい、顔も耳も真っ赤になった。
((ああ、士郎さん))
 異世界の同一人物なので、同じ挙動で真っ赤になってソファーのクッションを抱く。ほぼ同一人物だが異世界のお兄ちゃんに夢中になってしまった二人。
 この後は雪兎さんがさくらちゃんに言ったみたいに「イリヤ(美遊)ちゃんが僕を「好き」なのは、お父さんやお兄ちゃんが「好き」と同じだよね」と諭されてスピンアウトしてウォールで大クラッシュ。登頂失敗、最終アタックポイントまで酸素ボンベなしで撤退する羽目になる。
 クロエだけが「イリヤちゃんの好きとわたくしの好きは違うのですわ~~」と言って兄士郎に引かれるが「妹」では無く従妹なので却下されない。
 後はお赤飯イベントでも母親、セラ、リズ完全スルー、当然留守の父親もスルーして「お兄ちゃん、アソコから血が出ちゃった、死んじゃう~~」と言って兄の所に駆け込み、ガン見せして「過ち」を誘いまくり、テッシュで拭いきれない傷?を見せまくり「吸って」とか「血を止めて、ああんっ、ティッシュで破れちゃった(何が?)」とかオネダリもしまくり、アウアウ言っている兄を丸め込んで、ヤリたい盛りの高校生に「ママとセラには内緒だよ」と言わせるつもりだった。
 その事件まで兄に「つこうた」させたりエロ動画ダウソして見まくりエロ写真エロ雑誌見まくりの人生を送らせず、どこかの美柑さんより兄に見せまくりで風呂にも一緒、セラを陥れてでも追いやって、オカズと言えばクロエ、クロエと言えば何でもさせてくれる相手と思わせる人生を送らせる。
 それまでに生きている桜は異世界に放逐、桜人形が来たいならカレー落ちさせて、自分に順番が回るまで兄の相手をさせておくのも有り。
 中古なのと人形なので結婚は無理、自分が老化しても壊れた人形オナホ程度として飼っておくか、足りなければアンジェリカと交換する。パツキンと和風の両刀で万全バックアップであった。
 
「ち~~すっ、お客さん連れて来たで~、お母ちゃん」
 既にアレクサンダーから「この中の誰かと一緒になれ」と言われたので、ルヴィアは「お母ちゃん」扱いのエルメロイ(異世界)。 オーギュストからも「この方なら」と、家柄も才能も力も十分だと認定され、日本語?を喋る時だけは面白い人物なので、職場では英語、帰れば関西弁で通してもらうつもりでいた。
「え? 先生も二人?」
 一瞬脳が受け付けなかったが、ルヴィアにも「途中で逢うてん」で通ってしまった。
 バゼットの片方は、レンタカーで綺糺を駅まで迎えに行き、残りの人物は?
「ギル君? のお爺ちゃん?」
「「「ギルガメッシュ!」」」
 金髪のジジイを見てバゼットとルヴィアとエルメロイ以外は凍り付いた。
「おう、この世界のワシや、第四次で受肉してな、衛宮とか間桐も結構近所やったんやなあ。昼にこのオッサンと神戸大橋で偶然逢うてな、一緒に銭湯入って漫才して遊んで来てん、ビール一本飲んだだけで運転させてくれへんから、ここまでこの姉ちゃんの運転で来て、もうすぐ相方もくるわ」
 何本目かのビールを開けて、やたらフレンドリーに話し掛け、我が家のソファーのようにくつろいだギル様。
 イリヤが知っているギル君とは全然年が違い、さらに関西弁だったが、本人なのでカードなしで宝物庫からガンガン宝具を呼べる相手だったので恐怖した。
「初めまして、アタシはクロエ、クロエ・フォン・アインツベルン」
 異世界ならバーサーカーを殺されてから目を切られ、情け容赦なく殺されてから心臓を抜かれる相手なので、イリヤもちょっと震え、美遊も戦闘態勢、桜も桜人形もアンジェリカも恐れた相手だが、クロエだけが平気で挨拶をした。
「おう、小さい子がおるがな、アインツベルン? なんか懐かしい名前やなあ、よっしゃ、おっちゃんがお小遣いやろ」
 宝物庫から銀貨を握れるだけ握ってクロエに渡す。銀貨でも骨董価値から天文学的な値打ちが着くので、凜がいればエクトプラズムを吸い込んで生き返ったはずである。
 イリヤと美遊にはその価値が分からなかったので、挨拶もせず恐れて、その機会を逃した。
「わあ、ありがとうオジサン、お礼に好きな人に合わせてあげるわ」
 また悪魔の笑顔で笑い、鍵を開ける能力でギルガメッシュ最大の弱点を突くクロエ。
「ねえ、アンジェリカ? 何千年も前に死んだ人って人形にできる?」
「うむ、その人物が転生しても、虫や小魚ぐらいなら呼び出せる。しかし記憶が呼べるかどうかは分からない」
「そう、じゃあねえ、何とかドゥ? 確かエルキドゥさん人形にして呼び出してくれる?」
「はぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?」
 桜が異世界では生きていると言われた士郎のように、顎が外れてメダマドコー?になったギルガメッシュ。一行で済む方のAAではなく、三段ぐらい使って表すほうになり、目がポーンと飛び出して、上の方で花火みたいに爆発して、バラバラになって落ちた。
「自分、何言うとるんや?」
 最初はその名前を出されただけで怒りが沸いて、もう会えないはずの伴侶と再会できる可能性を聞かされて一気に酔いが覚めた。
「ちょっと工房まで来て、その人呼んでね」
 小走りに進むクロエの後を歩いて行くアンジェリカ、その後を腰が抜けたまま這って追尾するギルガメッシュ。見かねたロードエルメロイとバゼットが、抱え上げて起こして夢遊病患者のようなオッサンを連れて行った
 

 

エルキドゥ降臨


 何人かに抱きかかえられて、這うようにしてアンジェリカが作った工房に来たギルガメッシュ。
 後は涙の再会でもさせられて「すご~い」「たのしー」「再会して泣いちゃうフレンズなんだね」みたいに補完されるだけであった。
 額にMかWがひっくり返った表示が出ているので「ベ、ベジータてめえ?」「そうだ、サイヤ人の王子である俺が下っ端の兵士であるお前にry」みたいな独白とかしながらバビディ?の手下になって、観客席の人間とかギャリック砲で惨殺したりするのかも知れない。

「名前だけではなく、故人の遺物があれば助かるし間違いも起こらない。写真や絵でもあればイメージもしやすくなる」
 アンジェリカの言葉に従って「エルキドゥ」の名が付いた神を拘束する鎖を出す。宝物庫から当時の絵も出して、イメージの助けもして願うギルガメッシュ。
 この場合の間違いとは、同姓同名の別人が呼び出されてしまう間違いであって「持って行かれたーー!」みたいな間違いでも、ホムンクルスがひっくり返って魔法陣の中に出現して、赤い賢者の石とか食べるまで人型に成れない間違いではない。
「人形に呼び出して定着させるので、何かが欠落してしまう。感情、知能、記憶、(えにし)が薄ければ欠落も多くなるだろう、それは理解してほしい」
 それでも構わないと言って、友人との再会を願い、故人が好きだった物やワインをお供えに差し出し、対価を求められるならと、黄金や財宝の数々も差し出し、クロエとアンジェリカに与えた。この時点で財宝の骨董価値を加えると、二人の財産はエーデルフェルトを越えた。
「金と宝石の匂いがするっ!」
 どうやったのか鉱物の匂いを嗅ぎ取って、凜が口から出ていた霊体やエクトプラズムをツルッと吸い込んで工房に登場して騒ぎ出した。
「何これっ? これ何なのっ、ものすごい財宝っ?」
 牛丼屋で支払い用の千円を準備してテーブルに置いておくと、パート店員で発達障害のババアが喚き出すように、金目の物を見て他人の財産でも喚き始めた凜。
「凜、静かにして、今ギルガメッシュのオジサンの友達、人形に呼び出してる所だから。ご機嫌損ねたり失敗させたら、宝物庫から宝具が飛んで来て穴だらけにされるわよ。これあげるから静かにして」
 クロエはアンジェリカの儀式に注目したまま、先程貰っていたバビロニアの銀貨を数枚ポケットから凜に渡した。
「何? これだけ? ケチケチしないでもっと頂戴よ」
 歪な形で、砂型に銀を流し込んで鉄の型で刻印を刻んだだけの、冶金技術も低く、価値も低そうな100円玉モドキを渡されて不満を漏らす凜。
「それね、古代バビロニアの銀貨だから、骨董屋さんか、博物館にでも持ち込んだら高く売れるわよ。何千年か前だし、ebayにでも出品したら一枚で億単位だと思うわ、金か銀は関係無し」
 凜はそう聞くと、すっ飛んで行ってメイド部屋にある自分のパソコンに憑りついて、写真を撮って海外のオークションのアカウントを取ってまず1枚出品した。刻印にあるギルガッメッシュ王本人の指紋付きである。

「fsdighghtrgil;hjefihal;hdguis2qp今は亡きエルキドゥ、我が人形に魂と記憶を宿せ」
 ギルガメッシュやロードエルメロイなど、静かに見守る人間だけになり、願われた通りの人物が降臨した。
「ここは? どこ? 僕……」
「ワシやっ、覚えとるか? ギルガメッシュや」
「ギルガメッシュ?」
 どうやら記憶障害で出現したようで、エルキドゥにはギル様の記憶も余りなかった。忘れようとしたのかも知れない。
「故人の記憶は失われたようだ。数千年も前の記憶、転生も繰り返されたのでしょう、私程度の術者では置き換えられなかった、申し訳ない」
「構まへんっ! 記憶ぐらいどないでもなるっ、ワシはこいつがおってくれたらそれでええねんっ」
 何度も何度も泣きながら感謝し、クロエにもアンジェリカにも十分な謝礼をする。「自分の背の高さまで黄金を積む」のは、白人に捕らえられたインカの王以来の出来事になった。
「お嬢ちゃんらには、身を守る宝具もやるわ、これ首から下げといたら間違いないから」
 回復のアミュレットだか身代わりの宝具と、自分で主人を守る短剣を渡され、二人には換金が不可能なぐらいの宝具も与えられた。
 これでクロエの財産は、イリヤが持っている子供のお小遣いや切嗣の弾薬量を超え、エルメロイ家の財産もはるかに超えた。
 人間的なヒエラルキーでも、クロエ>クロエの手下のアンジェリカ>ギルガメッシュ>ロード・エルメロイ>それ以下、が確定した。
「足りんかったり、取られたらまたオッチャンに言うんやで、お嬢ちゃん」
 ギルガメッシュまでクロエにアンリマユされて、一瞬でエヌマエリシュされてしまった。
 王は財宝と持ち主を守る不死の兵を置いて、アンジェリカとクロエを主人として登録した。
「ルヴィア、ちょっと預かっててね」
「え? ええ……」
(クロエ、恐ろしい子……)

「良かったわね、オジサン。アンジェリカもお疲れさま。今日はもう無理だろうけど、明日ならアレクサンダー大王も呼び出せる?」
「なぬ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
 今度はこの世界のロード・エルメロイの顎が外れ、目玉が射出されて爆発した。
「いや、私なら今からでも構わないが?」
 まだ魔力残量があるアンジェリカが快諾して、人形も残っていたので呼び出そうとしたが、クロエに止められて耳打ちされた。
(ここで、お兄ちゃんに「魔力注入してもらえないとできません」って言うのよ)
(そ、そうだったのか)
「こ、これ以上するには、シローに魔力注入して貰ってからじゃないと出来ないんだからねっ、べ、別にアンタの為じゃないんだからねっ」
 クロエには色々吹き込まれているらしく、ツンデレ言語でオネダリしたアンジェリカ。
「シッ、シロー君はどこにおるんや?」
 先程補完済みで、アイオニオンヘタイロイへの参加まで許された方と違い、まだ主君からのお言葉を賜っていない方のエルメロイ卿は、士郎の居場所を探した。
「お兄ちゃん達ならアタシの家でカレー作ってるわよ」
「探してくるっ」
 すっ飛んで出て行って、衛宮家を訪ねようとするエルメロイ卿をエルメロイ卿が止めた。
「まあ待ちいな、他人のガイジンが行っても殴り込みや思われるで。ワシもな、このお嬢ちゃんに異世界のカードの方で大将(アレクサンダー)に合わして貰ろてん、道中に言うたらお前発狂するから帰るまで待ったんやけど、ギルガメッシュが先に…」
「何で先に言わんねん? ワシらの一番大事な事や無いかいっ」
 既に泣いているエルメロイに、死後ならアイオニオンヘタイロイに参加を許可してもらえること、今回の指令は「この中の誰かと一緒になれ」と言われて、ルヴィアが立候補して婚約予定なのを伝えた。
「ワシも直接聞かしてもらうまで待てんっ」
 エルメロイの言葉を聞かず飛び出していくエルメロイ。
「アタシも行ってみるわ、アンジェリカも来る? オジサンとお友達はお幸せに。お姉さんかお兄さんか分からないけど」
「うん、お嬢ちゃん、ありがとうな」

 衛宮家
 既に壊れた目をしてガクガク震えている一成が到着し、雀花とミミもキラキラした目で一成と士郎を見て、何故か貴腐人の姉も来ていた。
 大河は野菜とカレー肉を買って来て正座待機、持って来た炊飯器も保温。
 ナナキは「クロエに呼ばれたからイリヤの家に行って来る」と言うと姉にガッシリ頭を掴まれ「衛宮君の家に行く、だと?」と目を光らせて口から蒸気を吐いた姉にそのまま憑依され、「ウケケケケケ」とか笑いながら自分達の夕ご飯のおかずをタッパーに詰めて(父親おかず無し)保護者面をして「お夕飯時だから衛宮君にお弁当作って来たの~」と言って無理やり付いて来た。
 嶽間沢親子は酒と土産物を持って、珍しく普通に参加していた。
 もう麻薬カレーにアンリマユされているママ、セラ、リズも正座待機。桜も汚染済み、泣きながら寝ていた切嗣も「いい匂いだね」とか言いながら降りて来た。
 この後クロエと士郎二人にカレー堕ちさせられ、アンリマユされてしまう予定の人物は、2回目の一成、大河、桜。麻薬カレーは「はぢめて」の桜人形、アンジェリカ、切嗣、バゼット二人、ロードエルメロイ二人、雀花、ミミ、ナナキ、ナナキの姉、嶽間沢親子、綺糺、ギルガメッシュ、エルキドゥ、カナダ人夫妻、凜、ルヴィア、オーギュスト、などであった。
 尚、今回は子供用カレーが用意されていないので、美遊とイリヤもタヒぬ。

「シロー君はおりますか? ちょっとアンジェリカさんに「魔力注入」して欲しいんや、もう何でもするから頼む」
 呼び鈴を押して即土下座依頼。エルメロイの家名でも何でも差し出すつもりでいるので、士郎がアンジェリカに魔力注入すると「優秀な魔術師の生徒を養子にして家名を継がせる」予定だったのも覆してシロー・エルメロイになるのまで可能になった。
「は~い、いらっしゃ~い、お兄ちゃんは台所よ」
 目がイっちゃってる士郎二人なので、別の子供とか家族が入ると「「今イイ所だから邪魔しないでくれ」」と言われて、雀花と姉が創作意欲を刺激されまくって狂うセリフが聞けるが、二人ともクロエにはアンリマユされているので入場可能。
「また異世界に行ったら、異世界のアレクサンダーさん呼び出してあげるわ」
「なんやて~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!」
 もう一回メダマドコーのAAになったエルメロイも連れ、幼女戦記みたいな目が光った悪魔の笑顔で家に入るクロエだった。
「雀花とお姉ちゃんとミミも来て」
「「「へ~い」」」
 居間の三人を呼び出すと、この面子の好物は分かったので一緒に台所前に並んだ。
 イリヤと美遊は行方不明になっていた間の事も、士郎が二人いる理由も、魔法少女をやらされていたのも吊るし上げられて人民裁判に掛けられ、何もかも白状させられていたので、新たな相方ジュリアン様の存在も白状した。
 特にバレると魔女ガエルになったりするペナルティは無いので美遊も喋らされ、血が繋がっていない兄との、決して結ばれることのない悲恋を語るに語り落ちていた。
 そしてエルメロイ卿二人は台所の入り口で即土下座依頼した。クロエは雀花の姉の携帯を取って即座に録音開始。
「「頼んます、どうかアンジェリカちゃんに魔力注入して下さい。もう何でもしますから」」
「「すいません、今、イイ所なんで、邪魔しないでくれませんか? ハァハァ」」
 ちなみにイイ所とは、病んだ笑顔で肉や野菜をお湯で煮込んで灰汁を取っていたり、カレー粉を投入するのにグラム単位まで計量して、隠し味とかもタヒ人の人数を腹積もりしながら用意している所である。
「「「ヒイイイイイッ!」」」
 雀花と姉狂喜乱舞、メモして一語一句間違えることなく記録して、表情とか言い回しも漫画化。姉はクロエが携帯で録音したのを反芻。ミミは真っ赤になる程度で反応が薄かったが、妄想を膨らませまくって、その日のうちに異世界士郎二人と一成、ジュリアンの恋愛物を一本書き上げた。
「クッ、異世界の自分との恋愛物とは意表を突かれたわ、その上一成さんとの三角関係、ジュリアンさんとの四角関係っ、クロエ先生、勉強になりましたぁ」
((頼んます、どうかアンジェリカちゃんに魔力注入して下さい。もう何でもしますから。 すいません、今、イイ所なんで、邪魔しないでくれませんか? ハァハァ))
 雀花の姉は一つ上のステージにいる人なので、他人の家なのにそれを聞きながらトイレに入った。
「このアンジェリカの所、一成君かジュリアン君に変わんないかなあ? 家で加工しよ」
 ノートを出してイキナリ壁ドン?しながら、その場で序盤とプロットを書き始めるミミ。
「題、今イイ所なんで、邪魔しないでくれませんか? 俺はごく普通のどこにでもいる料理好きの男子高校生。でも俺には異世界に同じオレが? 料理を目指して同じ夢を語れるオレがいたんだ。そして親友の一成と、異世界にはジュリアンって一成の代わりになる人物が…… ああっ、私にお兄さんの入れ替わりとか、感情の起伏や恋愛の縺れまで描き切れるのかしら? ええいっ、ままよっ」
 とりあえず三人全員腐っていた。

「お兄ちゃん達、まあそう言わないで」
「「ああ、クロエか、クロエなら仕方ないな」」
「んん、弱みを握ってる妹設定で、肝心な時には邪魔されてしまう二人か、イイとこ掴んでるよ、クロエ先生っ」
 雀花から目を細めてサムアップされ、何故かクロエだけが先生と呼ばれていた。
 実際の士郎が掴まれている弱みは、すぐ下着姿で布団に入って来て一緒に寝るクロエを見て我慢できず、キスしてしまったり、下着をずらして中身を見る所を携帯で録画されてニヨニヨされ「ママとセラとイリヤには内緒なんでしょ~、パパとリズならお祝いしてくれるかな~?」と言う弱みを握られて、一緒に入浴サービスもしてくれる従妹?には頭が上がらない士郎。
 異世界士郎は美遊救出から桜救出まで、何から何まで世話になっているので普通に頭が上がらなかった。
「アンジェリカがギルガメッシュオジサンの友達も人形に呼び出したんだけど、もう魔力切れらしいのよ~。ここは一つ、お兄ちゃんがアンジェリカに「魔力注入」してあげるしかないわよねえ、う~ふ~ふ~」
 黒いドラ*モンは黒い笑顔で笑った。兄の童貞卒業を自分でやると犯罪年齢で、セラとママに兄が殺害されてしまうので、アンジェリカ人形と桜人形を使って、兄の下半身の欲望も全面バックアップであった。
 士郎としても、美遊からのドロップキックやフライングクロスチョップが無ければ、もうとっくにアンジェリカと結ばれて、お風呂でドッキリではなく普通に一緒に入浴して自然に床入りできていたが、鬼のような妹に邪魔され続けていた。
「小さいギル君には異世界でもお世話になったから、先に願いを叶えてあげたんだけど、ロードエルメロイとアレクサンダー大王って、第四次聖杯戦争の戦友なんだって」
 まだ向かいの客全員には顔合わせしていないが、イリヤとクロエが世話になった人物、それもカレー堕ちさせられる人物が多そうなので、士郎二人もニヤリと笑った。
「「いいですよ、カレーで注入しますか? それとも」」
 まだ顔しか見ていないこの世界の士郎は、金髪の綺麗な人、ぐらいの認識しかなかったが、異世界士郎は、綺糺に助けられなかったら命を落としていた傷を与えられて妹を誘拐され、聖杯で妹を送り出すときも邪魔され、牢に送り込まれたし、帰って来た美遊救出にも抵抗した人物だったので、黒い感情をタップリとぶつけてやろうとも思え、アンジェリカの言葉通り「この体で一生支払います」を実行させる気もあった。
「ちょっと待って下さいね」
 野菜と肉の灰汁を抜いて、ブイヨンだか出汁が出たお湯は交換しない派の士郎は、この世界の士郎が粉を投入するのを見守ってからエプロンを外した。
 これからもカレー鍋と勝負の士郎は、戦友を見送った。
「じゃあ~、うちのお兄ちゃんは後で桜人形使わせてあげるわ」
 桜本人は異世界士郎の嫁になる決心をしたようだが、カレーを口に入れられるとどうなるか分からない。
「ねえ、雀花、雀花のお姉ちゃん、ミミ、ちょっと美遊を押さえててくれる?」
「「「アイアイサー」」」
 好物を頂いたので従順な三人、勿論他にもクロエの「鍵を開ける能力」でアンリマユされてしまう人物もいた。
 

 

アレクサンダーも参戦


「んん~? さあ、吐け、吐くんだ、イリヤ! 運命の少女が聖杯で願いを叶えたんだから、血の繋がってないお兄ちゃんとの、ひと夏のアバンチュールとか願いやがったんだろ? ええっ?」
 とりあえずイリクロ部屋で、雀花達が二人を縛り上げ、くすぐり拷問で問い詰めていた。
「うひひひひっ、ちっ、ちがうもん、あはははっ、お兄ちゃん(異世界士郎さん)と私は、そんなんじゃ(///)」
「ん~? 美遊にまでお兄ちゃんが、それも傷がある士郎さんか、一人増えたからうちの姉ちゃんにも可能性があるな?」
「やっ、くすぐったいっ、わ、私には黙秘権があります(カアッ)」
「ああっ、ななきが美遊ちゃんを責めるなんて、とっても新鮮」
 ミミだけそちら方面にも腐っていた。
「フム、血が繋がっていない兄弟か、ありきたりのシチュエーションでつまらんな、ここは異世界の兄ちゃんと交換して愛し合うべきだな」
「「なっ! ち、ちがうもん(///)」」
 先程も二人を締め上げて口を割らせていた雀花達だが、貴腐人の姉の指摘には大きな反応を示した。
「ほほう、もうそんな話が出来上がっていたのか? もしかしないでも妹としか見てくれない難聴で鈍感な兄なのを、クロエ先生が気付いて入れ替えを勧められたな? お前達の口は堅くても、頬は正直なようだな?」
「「や、やめてっ」」
 異世界の同一人物はユニゾンし、兄の入れ替えスワッピングをクロエに囁かれていたので激しく反応し始めた。
「ふっふっふっ いつまでその強がりが続くかな? さあ、この羽ペンでココ(足の裏)を責め抜かれ耐えられた者は今までにいないぞ?」
「「ひいいっ」」
「何々? 思い切って告白したのに? すぐ近くを阪急電車が通過して、聞こえなかった振りをされただと? 西北(西宮北口)か甲陽園なら涼宮ハルヒだな」
「「そ、そんなこと言ってない」」
 ミミの執筆中の小説に、妹二人の告白と「あれ~? 今何か言ったか美遊(イリヤ)?」みたいな、わざとらしい難聴兄と、落語みたいに「ウグイスが鳴いたって? そいつぁ屁の後かい、前かい?」と言われて、体の中からガビーンとか鳴っているイリヤ(美遊)が天丼で加えられた。

 正直な二人の体が色々と語るに落ちている間に、クロエが傷あり士郎を連れアンジェリカの所に向かった。
「シシシシロー、ワワワワタしハ、ソノ」
 もう常喜器官?かS2機関が壊れちゃってるのか、頭からシュンシュン蒸気を吹いて「シローと繋がっちゃうなんて頭がフットーしそうだよ」と言うか、本当に頭が沸騰しているアンジェリカ。
「あの、アンジェリカ……」
 色々あった二人だが、エインズワースでは世界を救うことだけ考え、犠牲者が出ても、例え小さな船を撃沈してでも大型船の乗客を救うのが方針で、士郎は世界を破滅させてでも妹を救うと誓った人類への反逆者でテロリスト。
 どちらも譲れない物のために戦って、最後は妹達に救われた。
 アンジェリカ自信と、父を乗っ取った初代エインズワース当主は、子供の美遊が止めた災厄の時、人類を異世界の地球に置換しようとした作業中の事故で、グラウンドゼロで命を落とした。
 それも失敗だったのかも知れないが、世界を救おうとしたのは事実で、醜い欲望のために多くの犠牲者を出した訳ではない。
 ジュリアンもその遺志を次いで、初代当主に身を捧げてでも世界を破滅から救おうとした。
 士郎自身、それは我儘でしかなく、妹を犠牲にしなければ世界が終るのを知っていて行動したので、自業自得だと思えば苦痛ではなくなった。ただ、桜を救えなかったのが心残りではあった。
「シロー、私はお前に何度も酷い事を……」
「いいんだ、もういいんだ」
 手を取り合い、近寄って見つめ合う二人、もうその表情に苦悶の色は無かった。
「「いや、早よチューせんかいな」」
 ロードエルメロイ二人が待ちきれず、甘い時間を過ごしている二人を見かねて?後ろ頭を掴んで無理やりキス?させた。
「ピーーーーーーーーーーーー!ポオオオーーーーーーーーーーーーー!」
 そこで白目を剥いたアンジェリカの頭の安全弁が飛び、脳内?の蒸気を押さえられなくなって噴出した。
 ヤカンの口の噴出口と言うより、圧力鍋の解放が失敗したか、ボイラーの安全装置が働いたように、工房内は湯気に包まれた。
「「うっわ、何じゃコリャ」」
「何でやねん」
 まだ足腰が立たずにエルキドゥとイチャコラしていたギル様も巻き込まれ、白煙に包まれ、その中に光る物体を見付けた。
『フオオオオオオオオオオッ!』
 アンジェリカさんハイパーモード、心は全然明鏡止水では無かったが、全身金色に輝き、オーラバトラーに乗っていたら巨大化していたが、どっかのスーパーサイヤ人みたいに髪の毛まで逆立ててシュワシュワ言いながら空中に浮いて、愛子ちゃんのパンティを顔に被った変態仮面みたいに何か非常~に漲っていた。
『今宵の私は一味違うぞ!』
 斬鉄剣の切れ味も上がったようで、目が赤く光って、空中浮遊したままエルメロイを睨む。
『アレクサンダーの遺物を出せ!』
「「ヘ?」」
 エルメロイ二人が写真ぐらいしか遺物を出せないでいると、ギルガメッシュがイスカンダルを仕留めた鎖とエアを抜き補助してくれた。
「これにオッサンの血が残っとるはずや、これでええか?」
『分かった!』
 人形を一個掴み、頭を持って釣り上げるアンジェリカ。
『アレクサンダーグレイトよ、この世に甦れ!』
 謎の呪文詠唱も無し、儀式不要、晴天の夕空に稲光が走り、まるで現世に受肉させるぐらいの勢いで呼び出すアンジェリカだった。
 ギル様も「さっきもそれでやってくれや」と言う目で見守った。
「うおっ、どこだ? ここは? 折角魚になってオケアノスで泳いでおったのに、何事だ?」
 タイヤキ君になって泳いでいたアレクサンダーが、突然死させられて無理やり召喚されてしまった。異世界のアレクサンダーとは連携も無いので、完全予告なしの召喚である。
「「大将っ」」
 また感激の対面なんかしているのをガン無視して、もう一人のエルメロイも捕まえる。
『イメージ完了、異世界のエルメロイはお前だなっ!』
「せ、せやけど……」
『エインズワースの工房で異世界のアレクサンダーも呼び出すっ、付いて来い!』
「へぇ?」
 何か漲りまくってるアンジェリカは、異世界エルメロイを掴んで、置換魔法でドッカンドッカン爆発しながらタイムボカンみたいに消えた。

「あの、キスだけで良かったんですか?」
 傷あり士郎は、夜のお勤めまでしないと魔力を充填できないと思っていたので、顔と口が当たってしまったぐらいの、新八とパンデモニウムさんみたいなキスで漲りまくってしまったアンジェリカに苦情を漏らした。
「じゃあ~、アタシでヤっとく?」
 しなを作って士郎に寄りかかるクロエ。
「犯罪は勘弁してください……」
 こちらの警察署は機能しているようで、ょぅじょと一緒に顔に傷がある男が歩いているだけで通報。
 関西のオバチャンなら「ドロボー! 誘拐魔~! ヘンタイ~~!」と泣き叫んで男にキックしてカバンや中身入りのエコバッグでボッコボコ。
 妹だと言っても聞き入れず、女の子に向かって「あんた騙されてるんや」とか意味不明の声を掛け、「お兄ちゃんなのに」と言ってもワラワラ人が出て来て数人に乗られて呼吸困難、BBAの言う通り市民逮捕されてしまう。
 普段の兵庫県警なら山*組の手下なので、自転車盗難、バイク盗難、車上荒らしを通報しても、*口組のシノギを邪魔すると怒られるので、逆に犯人扱いされて保険金詐欺だと決めつけられて取り調べを受け、軽犯罪の窃盗や当て逃げ程度では邪魔臭そうに調書すら作ろうとせず、機嫌を損ねて嫌な顔もされまくり、説教されまくっている時に「オークションで買った」などと話題に出した瞬間に、古物免許を持たずに売買する犯罪者として取り調べ開始。
 過去の出品物や違法薬物の取り調べまで受けて、解放されるのが数時間後になる腐った警察でも、誤認逮捕の時だけは迅速に逮捕して電話帳とかで殴る蹴るの暴行、男とか被害少女?の言葉を一切無視して暴力取り調べ、自供調書を取るまで眠らせない方針で自供させてから起訴されるのが神奈川と神戸である。

 エインズワース
 工房で爆発音がしてジュリアンとベアトリスが見に行くと、金色に光って空中に浮いて、オーラ力か闘気で5~10メートルの巨人に見え、目が赤く光っているアンジェリカを見付け「「触らぬ神に祟りなし」」と思って退散した。
 付いて来てしまったエリカが「お姉ちゃん」と言ったが「シッ、見ちゃいけません」と口を塞いで退かせた。
 まだ冬の夕暮れで稲光が光り、工房に直撃したのでエリカを連れて逃げるジュリアンとベアトリスだった。

 エーデルフェルト
「(英語)老けたなあ、男か女か分からんような小僧だっお前がその年か? 儂は見ての通りだ」
 今度はアンジェリカがインストールしたカードではなく、人形に置換されたアレクサンダー大王。
 英霊は召喚される時「このすば!」のアクアみたいな女神的なアレで英語を共通語として会話しているらしい。
 人形の大きさ制限で、2メートル超えるような巨体ではなかったが、180センチぐらいで、布団やベッドからもはみ出さず、日本家屋で頭をガンガン打ちまくって、荷物を持つとドアを通過できない事態にもならずに済んだ。
「(英語)もう置いて行かないで…… 僕も連れて行って欲しいんだ。あれから魔法も一杯ry」
 異世界ウェイバー君と同じく、何か補完されちゃって、王の軍勢に加えて貰おうと思い、完全にルヴィア、士郎、ギルガメッシュなどのギャラリーは全てアウトオブ眼中、二人だけの愛の世界を構築して固有結界張っちゃっていた。
 次の機会は今生の間無いであろうから、今すぐ王の軍勢に参加したいと懇願する。
「お主、女房子供はおらぬのか? おらぬならこの中の誰かと一緒になれ、まだ長い人生、そう急ぐものではない」
「うん、うん……」
 もう泣きすぎて鼻水垂らしてグジュグジュで目も真っ赤、こっちのウェイバー君もクロエにアンリマユされてしまった。
「(英語)ありがとう、私の主君と再会できる日が来るとは思っていなかった、感謝する。わが主君からの新しい指令は「この中の誰かと結婚せよ」と言う物だ。君達さえ良ければ誰か我が妻として迎えたい」
 天使である小学生クロエ様にまで婚約要請をしたHENTAI魔術師。
 魔術の名門エルメロイ卿の妻として迎え入れられる名誉を聞いて、またルヴィアが答えた。
「わたくしは異世界の先生とお約束がありますので、異世界にいるわたくしで如何でしょう? 英雄扱いされて困っていると伺いましたが?」
 敵がもう一人減るようで、クロエは満面の笑みで喜んだ。

 そこに異世界のエインズワースからアンジェリカが帰還し、異世界のウェイバー君とアレクサンダー、さらに異世界のギルガメッシュとエルキドゥを連れ、人形の在庫も持って来たので、双子ペアがまた三組増えてややこしくなった。書いている本人も把握できていない。
「お嬢ちゃん、ありがとう、ありがとうな、おおきに」
 ほぼ誘拐同然で連れて来られた異世界ギルガメッシュも、人形に置換されていたアレクサンダーと再会し、エルキドゥを人形に呼び出せると言われて降参した。
 アンジェリカなので、足にロケットでも仕込まれていて、鉄腕アトムみたいに高速移動したらしい?
『いや、私にこうさせたのは、こっちのクロエだ』
 異世界ギルガメッシュも感謝し、もう一回天丼で「自分の背丈まで黄金を積み上げる」
行為をして、鎧の中で「グルルルル」とか言ってる明らかに中身が人間じゃない不死の兵士を置いて、先程とは違う宝具も二人に与えた。
(クロエ、恐ろしい子……)
 もう一回月影先生の髪形になって白目を剥くルヴィアだった。

 メイド部屋
 メソポタミア文明だか、バビロニアの遺物を出品してしまった凜には質問が来はじめてていた。
「偽物だ? ふん、贋作だと思ったら入札しないで。ええ?「入手経路や証明書があればお願いします?」ギルガメッシュ本人から貰ったんだからしょうがないでしょ?」
 証明書が無いので、ギルガメッシュと宝物を撮影しに行った凜は、異様な風景を目撃した。
「え? ギルガメッシュが二人、このお姉さんも二人、そっちの人も二人?」
「ええ、アンジェリカにアレクサンダー大王呼び出して貰ったの、凜も呼び出して欲しい人がいるんでしょう?」
 凜は、その相手が悪魔で、心の中に黒い化け物を飼っているのにもずっと気付いていたが、体が自然にこう言ってしまった。
「パパ……」
 あの凜からも、綺麗な涙がスッと流れ落ち、悪魔に魂を売り渡した。
 

 

色々呼び出されて凜も士郎も補完


「パパ……」
 あの凜からも、綺麗な涙がスッと流れ落ち、悪魔(クロエ)に魂を売り渡した。

 その後はもう、時臣さん出て来ちゃって凜タンガチ泣きで「パパー!」とか言いながら、幼い頃の呼び名のままパパさんに抱き着いちゃて補完。
 時臣は裸ではなく、上下赤のスーツに胸に薔薇とか、舞台上のマジシャンかアメリカ南部の正装である上下白のスーツのフライドチキンのカーネルサンダースぐらい、日本の日常ではあり得ない恰好そのまま出た。
 小さい頃に死に別れてしまったので、凜は「パパのお嫁さんになる~」がまだ残っていて、ちょいファザコン入ってたので、もう顔中グッチュグチュのヌレヌレ。

 そこでまだアンジェリカが光って浮いているのを見たクロエが、
「お兄ちゃんも切嗣パパと、本当のパパとママ呼び出して欲しいんじゃない?」
 と言い出して、士郎キュンもっかいメダマドコー?状態。
「シロー、お前にも呼び出して欲しい人がいるのか? 一緒に異世界に行こう(///)」
 になって、ギル様を誘拐するのにも手間取らなかったアンジエリカが時間と手間暇かけて呼び出して「お、親父、親父~~~っ!」「シロー、これで良かったのか? 次は本当の父と母だな(一応儀式)」「とっ、父さん、母さんっ!」「ああ、良かった、私の置換魔法も役立つ事もあるのだな」「アンジェリカ、ありがとうっ、ありがっ、ぐうううっ(ギュッと抱き締めて号泣)」「ああ、シローだめだ、ご両親とキリツグが見ているではないか、だ、だめ、う~~~(口を塞がれる)」みたいな感じになって実家で「ご休憩」シしているらしく帰ってこなかった。

「クロエッ、ありがとう、ありがとうっ」
「い~のよ、良かったわねえ」
 いつものキッツイ性格でツンツンしまくりだったはずの凜が、心の装甲板とか取り外されてしまって、綺麗なジャイアンならぬ綺麗で優しい凜にされてボロボロになって、パパさんと一緒にクロエの手を取って感謝。
「「天使様、ワシらの事は下僕と呼んで好きなように使こうて下さい」」
「まあ先生、頭を上げて」
 明らかに悪魔の羽根が生えて角が出て尻尾も見えているクロエに感謝し、ウェイバー君二人も下僕忠誠して大王以外の二君にまみえる状態になった。
「「おじょうちゃん、ええ子や、もうおっちゃんの跡継ぎになって二代目ギルガメッシュ亭?襲名して、宝物庫も名前も全部相続してくれ」」
「オジサン、もし死んじゃっても人形にしてあげるから戻って来てねぇ」
 こうしてクロエは、名前の後にフォン(ドイツ貴族の称号)・アインツベルン、ロード(英国貴族の称号)エルメロイ・ギルガメッシュ(神話の半分神様)を名乗れる立場になった。
 後はエーデルフェルトかフランス貴族の家督でも継いで「ド(フランス貴族の称号、例:ジル・ル・ド・フェラン)」でも付けば完璧である。
「アラ、そんなに喜んでもらえて光栄だわ~(ヒッヒッヒッ)お兄ちゃんもアンジェリカとシッポリ濡れてる頃みたいだし~」
 まだ雀花達に、くすぐり拷問を受けているイリヤと美遊が知らない間に、切嗣と両親公認で恩人のアンジェリカさんと結ばれちゃってると思われる傷あり士郎。
 これでキスだけで帰って来たりする玉無し野郎なら、自分が押し倒してでもお兄ちゃんを卒業させる(何を?)つもりでいた。
「凜、時臣さん、葵ママにも会わせてあげないとダメじゃない、連れて来てあげるわ」
 次の犠牲者を出すために、パパとの感動の再会で動けない凜に代わってママさんを呼びに行くクロエ。桜も呼んで修羅場?にするのは言うまでもない。
 凜は「何でお父さんとお母さんの名前まで知ってるの?」と一瞬思ったが、母の病状や養子に出した妹まで知られているよりは大した問題ではないので、天使(悪魔)クロエの超能力だと納得した。

 凜と時臣(人形)の前に、車椅子の葵、カレー待ちしていた桜と桜人形もクロエwifiで呼ばれて、遠坂家勢揃いになってしまった。
「「お、お父さん……」」
 小さい頃に養子に出され、こちらも「パパのお嫁さんになる~」と言ってしまい姉に一方的に虐められた桜も、子供の頃に「いらん子」扱いされて養子に出されて両親を憎んでいたが、学校の男先生を必ず好きになったり、す~ぐ先輩が好きになったり、自分を指導する立場の相手がどうしても好きになってしまう、ファザコンで父や年上の男の愛情が欲しくて欲しくて堪らない、西洋で言う「神父の恋人」に育っちゃっていた桜ちゃん達も集合した。
「桜? 桜なのか?」
 多少記憶障害だが、桜人形みたいに人格障害とかヤンデレ方向にぶっ壊れたりしてない時臣に話し掛けられ、おずおずと近寄って手を取る桜二人。
 時臣は記憶障害なので、何で二人もいるのか、双子なのかは追及されなかった。
「あら貴方、お帰りなさい、今度の出張は長かったわね」
 適度に壊れている葵も夫の帰還を喜んだ。短期記憶用の低酸素に弱い海馬体が損傷していて、記憶は毎日更新で昨日の事や事故以降の出来事は覚えられず、夫を失ったとか死んだという重い記憶は無いので、凜の嘘に騙されて「お父さんは出張中よ」で通され、そのまま信じていた。
「ああ、葵、凜、桜」
「パパッ」
「お父さん…」
「貴方」
 幸せそうな家族を見て、ちょっと雁夜オジサンと虫の怨霊が出たが、ギル様の宝具で黙らされた。

「もしこれで凜のママの葵さんも治ったら幸せよねえ~?」
 クロエが悪魔の笑顔のままオネダリして周囲を見渡すと、早速エサに飛びついた愚かな生き物が二人。
「「はいっ、天使様の仰る通りに」」
 治療魔術は専門外だったが、学校の教頭か校長になるほどの術者で、アイオニオンヘタイロイに加入するため、治療魔術も学んでいたエルメロイ二人が天使様のご要望に応えた。
「え? 先生」
 凜やルヴィアのような生徒に対しては、あの強面のエルメロイ卿が完全にクロエの軍門に下って、凜や桜の依頼や合意があろうが無かろうが、天使様に恩返しして、お褒めの言葉を賜るためテキパキと床に魔法陣を描き始めた。
「「よっしゃ、オッチャンがお供え物出したろ」」
 ギル様は対価に出すお供えとか酒とか魔術を媒介する高価すぎる宝石とかガンガン出し、エルキドゥ様まで空気読んで二人で精霊を呼んだ。
「「今こそ我らの恩に報いよ、アイオニオンヘタイロイッ!」」
「「「「「「「「「「然りっ! 然りっ! 然りっ!」」」」」」」」」」
 アレクサンダー達まで固有結界開いてアイオニオンヘタイロイ全員で祈らせたり(万人が二倍)魔力を供出させたり(万人の二乗)、ちょっと英国本国でも受けられない治療環境が設定された。
「「ファkghrhjdtphペアsjf;ハア@g;rjhsthクァ3イjf、病に倒れた哀れな者を救いたまえっ、エイメンッ!」」
 ちょっとクロエが予想した禁呪20~30個とか暗黒魔法とか呪いで地獄の底から呼び出される方向では無かったが、ホワイトマジックで綺麗な葵さんに修復された。
「「これで、何か刺激になる事があったら、記憶とか体の方も快方に向かうはずや」」
 まあ、この後士郎の麻薬カレーを食わされるので、やっぱりハンバーガー食った味皇様みたいに口からビーム吐いて車椅子のまま坂道を山の上まで激走して、巨大化して大阪城着込んで立ち上がって水の上を走るのは言うまでもない。
「ああっ、貴方っ! そこにいるのは凜と桜なの? こんなに大きくなって」
「ママーーーーーーーーーーーッ!」
「お母さんっ!」
 葵は車椅子からは立ち上がれなかったが、低酸素状態で海馬体が破壊されていたり、認知障害をおこしていた脳がオドで満たされ解放に向かっていた。遠坂一家補完完了である。
「「吉本やのに松竹みたいや」」
「「三波春夫で御座います」」
「「なんでやねんっ」」
 ギル様も二倍に増えていたのでツッコミが足りなかったが、ゆがんだグラサンの下も少し湿っていた。
 誰かのネタみたいに「トシちゃんの頭の上には新車のソアラが一台乗ってる(現在レクサスブランド)」ぐらいの金額なので、薄毛の頭頂とデコを隠すズラは外れなかった。

(計画通り!)
 ちょっと予想とは違ったが、シャーレイみたいな死徒にもならず、ニワトリ踊り食いとかしなかったが、まあ復活した葵を見てほくそ笑むクロエ先生。
 もし凜が逆らったら、ディルムッドに魅了されたセイバーさんみたいに「私に魅了を使ったな(///)」とか、旧エルメロイ卿の嫁のソラウさんみたいに、葵が「令呪を渡しなさい」とか言って時臣の小指から順番にへし折ったり「令呪が揃えば私とディルムッドの関係は完全になる、ハァハァ」みたいな寝言を言いだして一家離散、マイヤに気絶させられた上で肘から先をナイフ切り落とされて拳銃で腕ごと令呪を粉砕されて人質になって切嗣に脅迫されたエルメロイが契約結ばされてからディルムッド自決してソラウ射殺されるぐらい悲惨な目に逢う。
「まあ、良かったわねえ凜。先生二人にそこまでして貰ったら、もう結婚するしかないんじゃない?」
「は、はい、そうします。グスッ、先生、私も立候補します。グスッ、こっちの世界の先生のお嫁さんにして下さいっ」
 もうクロエには敬語、歯向かう気力も一切なくし、天使様(悪魔)が言う通りにすれば幸せになれると思い込んで、パパとママにも囲まれ、妹まで揃って補完された凜は、ルヴィアと同じようにエルメロイに求婚した。
「ああ、君さえ良かったらそないしよか、何せクロエ様と大将(アレクサンダー)のお達しやから、ご命令通り幸せにならんとなあ」
「あら、ごちそうさま、お幸せにね、クックックッ」
 また一名減ったライバルを見て、ほくそ笑むクロエだった。
「「そや、シロー君も養子に貰て、魔術師も継いで貰お」」
 その場合「義母ルヴィア」とか「義母、凜」みたいな同い年の義理の母がいる「どこのAVだよ!」と言われそうな家族編成になる。
 エルメロイも主君に与えられたファミリーの処女性には拘っていないので「はぢめてだけは士郎(シェロ)と」みたいな感じで孕んでも「シローくんならオッケーや」で済ませてくれる。

 工房で凜が号泣して求婚している頃、綺糺はとっくの昔にエーデルフェルトに到着して、高級なコーヒーなど出されて愉悦していたが、自分を呼び出したギルガメッシュまでいないので、気配がする工房まで来た。
「遠坂…… 時臣?」
 自分が後ろから挿して?あの世に送ったはずの人物が生きていて驚く、人形もアンジェリカの置換魔法も知らない、この世界の綺糺。
「おや、君も来てくれたのか、言峰君」
 弟子とか綺糺とも呼ばず、出会った当時の呼び方で呼ばれ、冷や汗をかきながら逃げ出す準備もして、涼しい顔で対応する綺糺。
「おや…… 先生、お久しぶりです、どのようにして現世に?」
 魔術師なので地獄で取引でもして下生したか、何か術でも使って受肉したようなので警戒する。
「私にも分からないのだが? 娘たちが苦労してくれたようだ」
「クッ、クロエとアンジェリカが… うっ」
 泣いているので説明できなかった凜だが、嫌いな後見人にも話そうとしてしまうぐらい機嫌が良かった。

「あら、来ちゃったのね? 言峰綺糺さん。犯人はお前だっ!」
 いきなり名探偵になって、じっちゃんの名に懸けて、黒縁眼鏡もかけて蝶ネクタイをして、綺糺を指さしたクロエ。
 本来時計に付いている麻酔針で切嗣を刺して、眠らせた上で声色を使って昏睡探偵?として喋るはずだが、時間節約のためにすぐさま犯人を指名した。
「な、何の事かな? 私が犯人などと……」
 身に覚えがあり過ぎて、目を泳がせながら後退する綺糺、何か相方のギル様まで敵に回りそうな雰囲気で、何組か二人づついるのも目を疑ったが、とりあえず逃げようとした。

 

 

綺糺の最期?

 身に覚えがあり過ぎて、目を泳がせながら後退する綺糺、何か相方のギル様まで敵に回りそうな雰囲気で、何組か二人づついるのも目を疑ったが、とりあえず逃げようとした。
「「まあ話聞けや、綺糺、クロエちゃんの前でワシの顔潰すなや」」
 この世界線では綺糺の愉悦をけしかけていなかったギル様も、エルキドゥの鎖を出したままだったので、相方に鎖を巻き着けて逃がそうとしなかった。
「あら、ありがとうオジサン。そうね、真相はこうよ。帰国が近くなったはずの言峰さんは「たまには銭湯にでも行きましょう、広い所で師匠と弟子、男同士で汗でも流しましょうか?」と言って時臣さんを誘惑。お酒の席とか賑やかな所は断った時臣さんも、ちょっと下心があったから「YOU来ちゃいなYO」には逆らえずに「ウホッ、いい男」とか「すごく大きいです」とか言いたくなってホイホイ付いて行ってしまったんだわ」
 まるでその場を見ていたような名探偵の推理?に驚く綺糺。クロエの鍵を開ける能力で心を読まれてしまった。
 葵と凜はそう聞いて「え? パパ、ナニしに行ったの? 浮気?」と思い始めた。
「でもその銭湯は、土日の夕方にはハッテン場に変わる有名な場所だったのよ。土曜14時半には六尺褌が飛び交って「オッス、オッス」の連呼、オス*発射し放題の場所だと知らなかった時臣さんは、足にロッカーのキーを巻いてしまって誰専(相手は誰でも良い)だと思われて、体を洗った後、他のお客さんの「オッス(ヤ*ないか?)」と言う問いに、普通の挨拶だと思って「オッス(オッケー)」と答えてしまったのよっ」
 この世界の父の死の真相に近づいてしまった凜は、体の中からガビーンとか擬音を出して驚き、桜は汚いことを聞いてしまったように顔を背け、葵は余りのショックに車椅子から立ち上がった。
「わ、私もそのような場所だとは知らなかったのだ、師匠を陥れるなど有り得ない」
「いいえ、貴方は知ってたわ。そして師匠に貰ったアゾット剣じゃなくて、後ろから自前の剣?にボディソープを付けて時臣さんを挿してしまって「アッーーーー!」って言わせたのよっ(時臣の表情、zeroアニメ版と同じ)」
 葵が何か記憶を取り戻したのか「キャーーー!」とか悲鳴を上げたり、凜がorzの体制になったり、ギル様も笑いだして「お前、ワシと契約する前そんな悪いことしとったんか?」と言った。
「後は分かるわね、誰専だと思われた時臣さんは、前から後ろから口の中から脇の下まで、次々に知らないオジサンから…」
「もうやめてぇっ!」
 レイプ被害に遭ったのを思い出したのか、時臣が自分の体を抱いて女の子の目で泣き出してしまった。
 まるで自慢の筋肉でアメリカに筋肉留学して、ゲイの聖地でレインボーカラーのタイダウンでキメた、なかやまきんにくんのように、パンツ一丁でサイドチェストのポーズを決めながら、黒人男性多数の舐めるような視線に見られながら写真に納まり、その後は「使用前、使用後」みたいな感じでうつむいた表情になり「アメリカとは恐ろしい所だ」と独白して自慢の筋肉もパンプアップせず萎んでしまったように、時臣も沢山のケイケンを済ませてしぼんでしまったらしい。
「可哀そうな時臣さんは処*?を失って体中ボディソープ?まみれで茫然自失、どうやって出たのか覚えていないぐらいの状態で教会で座っていたのを、雁夜オジサンに見付かってしまったのよ」
 泣き出してしまった遠坂一家。また雁夜が関わっていたのを知った桜も「ペッ!」と言って唾を吐いた。
「銭湯のハゲしくても優しかった?オジサン達とは違って、雁夜オジサンは「お前が葵さんと桜ちゃんをっ!」とか言って乱暴に… それが元で時臣さんは突発性脱肛症とイン*ンタマ炎に感染してしまって帰らぬ人に…… それを見てしまった葵さんは夫が浮気して、それも相手が男性で、幼馴染の雁夜さんと関係があると思って吊ってしまったんだわ」
 時臣の死因は、進めパイレーツに出てきたような恥ずかしい病名で亡くなっていた。
 葵は雁夜に「貴方は人を愛したことが無いくせに!」とか言わなかったので、首絞めレイ~プされずに済んだが、夫の惨状や浮気?多数の男性から乱暴された結果、これまた多数の病気に感染して死亡したのを知って吊ってしまい、紐が切れて命だけは助かっていた。

 ここにもいた名探偵を見ながら「え? なんでバレたの?」みたいな顔をしている綺糺。
 密室風呂場殺人事件?で完全犯罪?だったのを、クロエ君に犯行の経緯まで晒されて「犯人はお前だ!」まで言われたので観念した。
「綺糺、あんたがパパをっ! 今まで私を騙してたのねっ!」
 第五次聖杯戦争の時に言うようなセリフだったが、綺糺も「果たしてそれはいつから騙されていたと思ったのかね?」とか言う余裕もなく、どうにか手首の関節を外して神性も無かったので鎖から抜け出して逃げるだけになった。
 桜人形は異世界の父の恥ずかしい死因と犯人を知り、異世界の姉に、おずおずとキャスターのカードを差し出し、インクルードするのを勧めた。
 この世界の生きている方の桜も、先程桜人形から貰っていたバーサーカーのカードを出し、姉妹で並んで転身。
「「インクルード!」」
 遠坂姉妹、初めての姉妹共同作業であった。
 カードで変身するので、電子加工された音声で「ディディディ、ディケイド」とか「ファイナルベント」と聞こえそうな感じで転身する遠坂姉妹。士郎は変身できたので、凜も桜も生身なので無理とか固いことは言わない。
「「待てーーーーー!」」
 八極拳で鍛え上げた足で逃げるが、空飛んで来るキャスター姿の凜にガトリングガンドを乱射され被弾。
 インクルードして人外になっている遠坂姉妹に追い付かれ、両側から攻められたが左右の腕で傾聴しながら、ひんがら目で攻撃を受け流す。
「フフッ、少しはやるようになったな、しかし私の八極拳の前に… ぐはあっ」
 別に素手での攻撃とは限っていないので、バーサーカーのナインライブスで体ごと払われ、ガトリングガンドで穴だらけにされた後、毒が塗ってあるルールブレーカーでメッタ刺しにされる綺糺。
「とどめよっ」
「ええ、姉さん」
「「ファイナルベント」」
 腰の変身ベルト?にカードを入れ、ライダーキックのファイナルベントを用意した二人。
「「ライダーキーーック!!」」
 サーヴァントの属性と言うか階層のライダーじゃない方のWライダーキックで葬られた綺糺。ショッカーの怪人ぐらいの爆発をしてから消えて、悪は滅びた?

「これが最後の言峰綺糺じゃないわ、あらゆる風土気候に耐え、その場所に適応して生きているのが全て言峰なのよ」
 サスケの中で「猿飛」の解説でもするようなクロエに教えられ、ゴジラかナメゴンみたいに第二第三の言峰綺糺が現れると予言された遠坂姉妹。
 次はオキシジェンデストロイヤーや塩水で死ぬ怪獣ではなく、塩水を吸収して無限に巨大化、繁殖するナメゴンが地球に送り込まれると石坂浩二のナレーションが入り、ケムール人かバルタン星人みたいな宇宙人が操作しなくても、石を銀紙で包んでもビルの上で嘔吐しないで攻撃し続けるガラモンが送り込まれるらしい。
 異世界とか並行世界では無くても、別の街の教会に行ってセーブしようとすると言峰綺糺がいて、ポケモンの街みたいにポケモン病院に行くと保健医のカレンオルテンシアがいて、警察に行くとバゼットでもいるらしい。

 名探偵の推理と逮捕?が終わった頃、傷あり士郎とアンジェリカが帰って来た。顔でも合わせずらいのか顔は背けていたが、手は恋人繋ぎで繋ぎ合って、結構良い雰囲気である。
「アラ、お帰りなさいじゃなくて、いらっしゃいだわね、どうだった?」
 もうアンジェリカも漲っておらず、地面に付いて歩いていたので、一皮剥けたというか大人の女になったような雰囲気を醸し出していた。
「ありがとう、クロエ。また親父と両親に会えたよ」
 士郎の両親と切嗣は連れて来ず、騒がしい場所で留守番しているようだが、息子と義理の娘に会って色々話せたようで、士郎も満足していた。
「そう「後は若い二人に任せましょう」って感じ? で、どこまでイったの?」
 アンジェリカに肘でツンツンしながら戦果を確かめるクロエ。
「うむ、シローの本当の両親に会ってご挨拶した。キリツグにも挨拶をして交際を認めて貰った」
 何やら鼻から蒸気を吹いて満足しているアンジェリカ、「これで私が一番リードしている、何せご両親とキリツグに感謝され、交際の許可まで貰ったのだからな」みたいに自慢げであった。
「エ?」
 どうやらご両親の前でのチューすらしていない二人を見て驚くクロエ。ありがとうのハグだけで冷やかされて引き下がったらしい。
「その後はどうしたの?」
 単に興味本位で聞いたのではなく「オマエラそれから何一つハッテンしてないんかい?」と言うニュアンスで聞いた。
「シローのご両親が夫婦漫才を披露してくれてな、最初は喧嘩しているのかと思ったが「大口に吸い込まれる~」とか奥さんがシバかれて「プロペラ飛んだ~」までしていたので仲良くやっているようだ」
 関西人なので、家が倒壊するとき自分を守らなかったとか、崩れそうになった時真っ先に自分だけ逃げ出した、とかでモメているようだが、アンジェリカはネイティブ関西人ではないので気付かなかった。
「そ、それから?」
 肝心な行為が何一つ出ないので、言うのが恥ずかしくて黙っているのかと思ったが、本当に何もせず夫婦漫才を見ていたのではないかと思って震えだすクロエ。
「ああ、お義母様から「あんたキンパツにしとるんか~、士郎お前ヤンキーのお姉さんと付き合うとるんかいな、あら? 目まで青いがな、うわぁ、アンタ見てみ、ホンモノのガイジンさんやで~、肌も白いしオッパイも大きいがな? ちょっと触ってもええか~?」と驚かれてしまって」
 ネイティブ関西人ではないが、小さな頃からテレビや学校で馴らされ、ヒアリングとモノマネは完璧だったアンジェリカ。
 士郎では無く、母親にモミモミされてしまって満足し、父親まで「ほんならワイも一寸」とボケで触ろうとして「何でアンタが触んねんっ、どついたろか?」というか本当にドツかれてわざとコケて、士郎まで「ああ、そんならワイが」と言いながらアンジェリカの乳を揉もうとして母親にシバかれ、ボケとツッコミが成功して「「「もうアンタとはやっとられんわ~、は~サイナラ~」」」までやり切って切嗣人形の目を点にした関西人三人。
 切嗣に育てられたとしても、所詮子供時代までコテコテの環境で育ってしまった関西人の士郎であった。

 そこまで聞いてプルプル震えだしたクロエ。
「正座」
「「ヘ?」」
「二人ともそこに座れ、ワシが説教したる」
 急に目付きも喋り方も関西人になったクロエ、まず二人をその場で正座させた。
「オマエラ何晒しとんじゃっ! そこは感激して抱きおうてチューして、親ほっといてでも別室籠ってパコパコするとこやろがいっ! ええかげんにせんかいっ!」
 アンジェリカと士郎の二人に、大回転エビぞりツッコミと言う荒業を繰り出した。
 切嗣とアイリも標準語の日本語やドイツ語で話す親だったが、テレビでは関西弁が垂れ流され、友達も全員関西弁でイリヤの中にいてもアンリマユされ、ネイティブ関西人にされていたクロエだった。
「「スンマヘン、二人だけで来たんは「後は若い二人に任せましょうか~」とかオカンにエロイ目で言われて「まだ若いからゴムはちゃんと使うんやで、ヒッヒッヒッ」とか、オトンにも「イヤイヤ、ワシらみたいにいつ死ぬかも分らんから、頑張って子作りしてこいや、フエッヘッヘッ」とか言われて、これからご休憩するとこやねん」」
 クロエの前で正座させられ、説教を食らっている二人、なぜか関西弁でユニゾンしながら答えていた。
「ほんなら今すぐハウスッ! アンジェリカの部屋で5回はするまで出て来たらアカンでぇ」
「「は、はい(///)」」
 手を繋いだまま出て行く二人に満足したが、オーギュストの巨体に邪魔された。
「皆様、お夕食の準備が出来ました」
 プルプル震えたままのクロエは、空気とか間を分かっていないオーギュストにまで裏拳ツッコミを入れた。
「なんでやねんっ!」
 

 

士郎カレー猛威を振るう

 空気と笑いの間を読まなかったオーギュストのせいで、夕食になったエーデルフェルト邸。
 結構な人数がいる人形達は食事をしないでも済むが、魔力補給のためには食事をするので、固有結界張ったり色々したメンバーには食べ物が必要になった。
「本日は異世界のロードエルメロイとわたくしの婚約発表をさせて頂きますわ。まだ確定していませんが、異世界のわたくしとこの世界のロードエルメロイも婚約の予定です。さあ、お客様方、どうぞお召し上がりになって下さいませ」
 ケッコンカッコカリになったルヴィアとエルメロイは、ディナーで婚約発表パーティーでもある席で異世界の自分の婚約まで発表しようとした。凜は無視である。
「「「「「乾杯」」」」」
 ルヴィア一人用の気取ったフランス料理ではなく、大皿から自分で取り分けられるよう配膳され、特上寿司なんかも人数分以上取られて配達、大量に食べそうなアレクサンダーには肉、野菜と粉モン以外食べそうにないエルメロイにもサラダが用意された。
「家族揃って食事なんて久しぶりね、あら、桜がいないわ、どこに行ったのかしら」
 両親と姉が嫌いな桜と桜人形は、先輩の愛情?麻薬カレーを食べるために家族団欒など簡単に捨てて逃亡した。
「ワシ、さっきビールとタコヤキ食ったし、弁当もあるからもうええわ」
、この世界のギル様は腹一杯で、特価198円の弁当まであるのでノーサンキュー。相方だった綺糺の霊前に198円弁当を供えて適当に葬儀の代わりにした。
 異世界のギル君が成人した方は、エルキドゥさんとイチャコラするのに忙しくて少しだけ食べて中座した。
「「ウェイバーよ、そんなガリガリでは砂漠で生きていけんぞ、もっと食え」」
「「うん。いえ、我が主君よ(イエスマイロード)」」
「「ワシとお前の仲ではないか、今まで通りで良い」」
「「はい、大将(///)」」
 エルメロイもYOU来ちゃいなYOがオッケーらしく、食事中なのに*ツの穴をモジモジさせながら食った。形式的に嫁を迎えても、元からルヴィアや女には興味が無いのかもしれない。
「まあ、こんな賑やかな晩御飯久しぶりやねえ」
 カナダ人夫妻も大勢での食事は久しぶりで、ウェイバー君のトークに笑いながら楽しい食事を楽しんだ。
「はい、シロー、ア~ン」
「あ~ん、はい、アンジェリカもア~ン」
 マナーとか関係なく、椅子を寄せ合って赤くなって目を潤ませ、これから体力を使うので栄養補給もしている二人。
 ルヴィアと凜はエルメロイとの婚約が決まりそうなので、もう邪魔はしなかった。

 衛宮家
「おう、ご主人、もう一杯行こうや」
「はあ、一杯だけ」
 離婚の危機なのに、嶽間沢のオッサンから土産の酒を無理矢理飲まされ、娘自慢に花を咲かせ、女房自慢までされる切嗣。
「うちもカミさんがガイジンでなあ、キンパツのデッカイのなんだ、そっちの奥さんはどこの出だい?」
「ええまあ、ドイツらしいんですけど、色白ですし北欧系かと」
 さすがにホムンクルスとは言えず、ドイツ人にしておくが、何でも豪快に聞いて来て話題を作ろうとする苦手な人物に絡まれて困る切嗣だった。
「あんた仕事は何をしとるんだ? 余り日本には寄り付かんようだが?」
「ええ、建物の爆破を少々」
「おお、それは凄いな、倒れる向きとかも決められるんだろ?」
 根掘り葉掘り聞かれそうで、貿易とか言って嘘を語るに落ちると行けないので、熟練の爆破仕事を言ってみた。実際に建物を倒す方向を決めるぐらいは出来たので、ボロは出さずに済んだ。
「間桐桜、何で君は二人に増えた? 双子だったのか?」
 一成は龍堂寺に帰ると、兄と年増の義姉がイチャイチャイチャイチャしていて、小姑になって「女狐、小坊主」のやり取りにも飽き、冬でも夏でも部屋の中でセイバーフィギアを作って塗装までしているキャスターがいて、シンナー臭い家が嫌で、できるだけ家に近寄らなくなっていた。
「ええ、生き別れの妹か姉です」
 適当に凜の話をして姉でも生きていた事にしておく桜。相手が生徒会長だろうと誰であろうと、士郎以外と会話する気など無かった。

「イリヤの兄ちゃんって料理上手いんだっけ?」
「ええ、上手すぎるのよ」
 自分が料理を頑張っても、何故かクロエには敵わず、兄には火入れの時間や火加減、具材や調味料の投入時期まで厳しく査定されてしまうので、優しい兄も料理にだけは優しさが存在しないので苦情を漏らす。
 客人が多数だったので、子供達はイリクロ部屋で夕食、大人は交代制になって、アイリ、セラ、リズ、桜は給仕をしながらおあずけを食らった。
 男女差別ではなく、家族を外したのと、桜の場合は「女房気取り」で「お義母様、お義姉さま」呼ばわりなので、士郎に弁当だけ渡して客として座ってしまったナナキの姉よりも魔女である。
「いいこと、子供達? シローの作るカレーは麻薬よ、食べる前に気をしっかり持って、でないとあんた達は食後には「イリヤのお兄さん、私と結婚してください」と言う羽目になるわ」
 リズの事前説明に笑い「まさかそんなはずは無い」と思っていた一同だが、似たような経験があるイリヤと美遊は、その話が嘘やホラ話ではなく、特にリズや一成まで兄に結婚を申し込む所を見せられたイリヤは、友人に兄カレーを食べさせて良いのか心配した。
 もう兄に転んでいる桜とナナキの姉は、そのまま居座って寝床に忍び込んだり、何をするか分からない。
 一階では、士郎カレーはぢめての切嗣と、もう飲み始めている嶽間沢父、ナナキ姉と雀花姉、正座待機してその場を動かなかった大河と一成とバゼット二人がまず犠牲になる。

 クロエは客人がカレー堕ちする瞬間を見るために戻っていて配膳を手伝い、子供部屋にいる数人には4日目のカレーを少し甘口にして炊き立ても混ぜたブツを、セルフサービスで渡し、大人達には禍々しい香りを発している作り立てのカレーを並べた。
「さあ、お兄ちゃん特製のカレー粉から拘ったカレーよ、召し上がれ」
「「「「「「ぎゃーーーーーーっ!」」」」」」
 既に二階の子供部屋からは悲鳴が聞こえ、雀花も龍子もナナキもミミも「本紙記者も思わず昇天、士郎兄ちゃんのカレーテクニック」で天国まで飛ばされてイた。
「んほおおおおおっ!」
 兄カレーには免疫があるはずの美遊も、いつもとは違う粉と香りで胃袋を掴まれ、今すぐこっちの世界の士郎に嫁入りするか、同じカレーを兄に作ってもらうためには、一緒にお風呂でも一緒のお布団で寝るのもイタズラされるのも自由な、何でもしてしまうメス奴隷に作り替えられた。
 その時の士郎はクロエと同じ黒い笑顔で「子供をカレー堕ちさせるのも、また楽しからずや」みたいな愉悦に浸っていた。

「ハフッハフッハフッ」
 大河はアツアツのカレーをかき込み、口が火傷寸前なのも構わず食べ、ライスはそのままで、売り切れてしまう前に三杯はルーをお代わりしようと必死になっていた。もし求められれば、士郎にファーストキスでも処女でも差し出す覚悟はできている。
「ハァハァ、士郎、オランダなら男同士でも……」
 ミミが大喜びのセリフを呟く一成も、どこかの戦時中の漫画のように「今日はカレーライスだ、お代わりもあるぞ」と言われた兵士のように、何か泣きながら食べていた。
「衛宮君、私と結婚して……」
 ナナキの姉も即堕ち、病んだ目で泣きながら願望垂れ流しで結婚を申し出たが、手は止まらずカレーを掬って口に運び続けた。
「イリヤズのお兄さん、あたしとも結婚してメシスタントやって、同人で稼いでくるからさ、また食べさせてくれるなら何してもイイよ」
 雀花の姉まで堕ちて、腐女子なのに男と関係しても構わないので今後も士郎カレーを食べようとした。
「し、士郎、いつの間にこんな技術(テクニック)を……」
 このカレーがあれば世界が平和になって戦争も無くなり、国際社会や「あの」何一つ行動を起こさない、スーダンのダルフールでジェノサイドが起ころうがどうしようが「現在起こっているのはジェノサイド的事象であってジェノサイドではない」とか新しい政治用語まで作ってでも行動しない国連でも正義が行われるのではないか?と勘違いしてしまうぐらい、強烈な味と香りに惑わされる切嗣。
「し、士郎きゅんのカレーが……」
 究極の受け技を持つ嶽間沢のオッサンも、既婚者でありながら「受け」がオッケーになった。
「「うがあああっ」」
 やっぱり口からビーム吐いて巨大化して、大阪城とかポートタワー着込んで、あらぬことを叫びながら走るバゼット二人。今度は第一宇宙速度を越えて衛星軌道に乗って地球を七周り半回ってから帰って来て、鈴鹿の1コーナーの向こうにジーザスクライストを見た。

「お、お代わりっ」
 唇と口の中を腫らしてオバQみたいになった大河は、すぐにお代わり要求。とてもマリ見ての祥子様と同じ声とは思えない感じで、ひぐらしが鳴く神社の祭具殿の中を見せて貰える女学者みたいな声と顔で叫んだ。
 暫くすると二階からも子供達が皿を持って下りて来て、病んだ目で士郎に伝えた。
「「「「「お兄さん、私と結婚してください…… お代わりも下さい(カレ-ルーだけ)」」」」」
 雀花、ミミの腐女子も即堕ち、歩く児童ポルノ龍子、色々と天才のナナキ、美遊まで即堕ちして士郎に結婚を申し込んでいたが、普通なら顔を赤らめて言うセリフも、目の下にクマを作った病的な目でガクガク震え、薬物中毒患者のように危ない表情のまま言った。
「う~ん、みんな可愛いから困っちゃうな(ニヤリ)」
 まだ犯罪年齢なので手は出せないが、将来的には考えてしまう鬼畜な士郎。ちょっとスレた感じの腐女子だが、雀花や姉の眼鏡は気に入ったり、ナナキの姉妹丼を妄想したり、純真で男との恋愛は汚いと思っているミミも堕としてみたいと思い、妹の親友をメイド姿で頂いてみたいと思う普通のどこにでもいる男子高校生だった。
「「お、お兄ちゃん…… 結婚して」」
 まだ小学生なのに人生を決める発言も平気で、頭の中ではウェディングベルも鳴らず、ボリウッド映画でインドのダンスマスターが振付を決めたダンスで、中東のアジーンにも似た曲で大量の出演者全員でエンディングのダンスを踊り狂い、象の上でも踊るパオーン九千億倍カレーの猛威にひれ伏していた。

「シロー、後でリズお姉ちゃんと一緒にお風呂入って一緒に寝ようか? ハァハァ」
 壁ドンして、もう半脱ぎして直接武力行使に及ぼうとしているリズに、イリヤと美遊がドロップキックして、絞め技とか関節技を繰り出そうとしたが逆に大人の腕力で撃墜された。
「「カレー粉と寸胴が揃えば、私と士郎の関係は完全になる」」
 セラとアイリママまで目付きがおかしくなり、どっかのソラウさんみたいなことを言い出して、切嗣も士郎とクロエがいればアイリはもう必要ないと思って離婚を決意。
 まあ恋敵が増えたが、ライバルと言うよりメス奴隷が増えて、麻薬カレーを食べさせて貰えるなら、どんな恥ずかしいオネダリでも可能になった一同を見て、ほくそ笑むクロエ。
 雀花、ナナキは姉とも共闘できず敵指定。龍子とパパまで敵。
 そして士郎カレーは衛宮家をすべてアンリマユした後、台車に乗せられてエーデルフェルトに配達されて犠牲者を増やそうとしていた。

 

 

クロエ転生


 士郎カレーは衛宮家をすべてアンリマユした後、台車に乗せられてエーデルフェルト家に配達されて犠牲者を増やそうとしていた。

 門を超える時、視界が黒くなり、見覚えのある風景になった。
「やあ、家族との団欒は楽しめたかい?」
 聖杯の住人に声を掛けられたクロエ、その声は異世界を救う時に聞いた覚えがあった。
「アラ、もうお迎え? 早かったのね、お兄ちゃんと結ばれてからとか、70年後とか、もう少しゆっくりしてくれればいいのに」
「いや、カレーで聖杯が一杯になって願いが叶いそうだからね、今回はお知らせだよ」
 冗談だったのか悲しそうに笑い、英霊達の喜びの涙で満たされそうな聖杯が発動しそうになり、今回こそ自分も赦されて消えることもできそうなので、英霊たちと同じ涙を流すアンリマユ。
「そう」
「願い事は変わらないかい?「犯罪者は全員殺して」だっけ?」
「ええ、変わってないわ。お腹が空いてパンを盗むとか、刑務所に入りたい人は別だけど、軽犯罪は苦しめて止めさせるぐらいで、これから犯罪を起こそうとしてるのは死刑、レイプ犯は実行しようと思った所で死刑、武装強盗も死刑、詐欺師も死刑、時代劇でも100両盗んだら高いところで獄門貼り付けって言ってたから100万円盗んだら死刑、復讐は仕方ないけど終わったら死刑、虐めとかパワハラが大好きなサディストも生きてたら困るから死刑、結婚とか家庭の意味が分らない浮気男も女も死刑、自分の名前も分かんないようなお年寄りも、介護しないと生きていけない人も障害者も、家族が苦しんで自分も苦しむだけだからあの世に送ってやって」
 イリヤに吸収されて消える前に少し時間が欲しいと思ったクロエは、家族や友人に会って団欒を過ごせるようアンリマユと取引をしていた。
 それは次に聖杯が一杯になって願いが叶う時までは生きていたいという、ささやかな願いであったが、英霊によって早めに自分の居場所と交代させられようとしていた。
「軽く言ってくれるねえ、それだと10億人とか20億人は死ぬね。両方の世界だと更に倍だ、君のパパも死ぬよ」
「う~ん、パパみたいな正義の味方は許してよ」
「世界の独裁者も、共産主義の指導者も、多くの国民のために「正義」を行って少数を殺してるよ? ほら、大型の客船が漂流してる所に小型船が来ました、収容しないと小型船は全員死にます、って奴だ」
「前に言った答えじゃダメなの? 大型船で船員に逆らったり暴れるバカを事前に海に投げ込んでおきます、って言ったじゃん」
「判断が難しいねえ、俺が選ぶと君の願いから離れるから、君が選んでよ」
 クロエの前には光る二重の輪が現れて回っていた。英霊エミヤの前に現れた、守護者としての契約の輪である。
「ああ、セルフサービスって訳ね、いいじゃない、やってやろうじゃない」
 クロエは躊躇わずに輪に触れ、もともと浅黒かった肌はそのまま、綺麗な桃色がかった銀髪は英霊エミヤと同じ白髪に変わった。
「それに躊躇わずに触れた奴は君が初めてだよ、いい度胸してるね」
「ええ、パパやお兄ちゃん、代々の願いだから」
 既にクロエの願いは切嗣や士郎の願う平和な世界を大幅に脱線脱落していたが、「人類の大多数の悪人と犯罪者、サディストを殺し、善人だけの世界にする」という究極の世界を、ほんの数世代で実行し、人類の遺伝子から犯罪者や障害者、低能、クズ、犯罪傾向が強すぎる中卒、高卒の軽度知的障害者、ボケ老人すらこの世から消そうとしていた。
 夜の街に堕ちた人物、すぐに殴り合いの喧嘩をして盗みもする建設解体作業員、パチンコ屋の店員、詐欺紛いの先物取引やFX業者、客が大損をするのが分かっていて商品を売りつけ「2,3人自殺させたらやっと一人前」と言われる証券マン、銀行員も全員殺すと言う意味でもある。
「おめでとう、これで君も殺して殺して殺しまくって、殺した数も記憶できないぐらい、永遠に殺しができるよ」
「ありがとう、あんまり楽しい仕事じゃないわね、私がサディストだったら良かったのに」
 これでクロエは、どこかの魔法少女と同じで、円環の理に導く「現象」となって、時間の概念からも外れて、人の理からも外れた。
「じゃあ、まず仕事始めに、悪その物の存在である俺を消してくれるかな?」
 アンリマユはこの狂った世界からも、聖杯の中からも消されるのを望んだ。自分を消したかったのと、意味不明の悪にされて聖杯を汚し、クロエの願う平和な世界?が叶わないのを恐れたからでもある。
「ええ、お安い御用よ。サービスにワケワカンナイ宗教で犠牲者出したり、誰かを拷問にかけて「この世の全ての悪」に変えるような奴ら、真っ先に殺しまくってくるわ」
「ありがとうよ、天使様」
 クロエは転身してアーチャーの弓でアンリマユを狙い、跡形も残らない程の威力で破壊した。
「次に生まれ変わってくるまでには、もう少し綺麗な世界にしておくわ、お兄ちゃん」
 兄とは違った意味での英霊にも、兄としての敬意を払い、何の罪もない青年が宗教団体に嬲り殺しにされるような地獄を消すと誓ったクロエは、取り敢えず現世に戻った。

 エーデルフェルトの門を超える時空に戻ったクロエ。もうアーチャーのカードで下生した魔物でも、一旦受肉した人間ですらなかったが、一応人間の振りをして歩いた。
「あれ、クロエ、髪の色そんなに白かったか? もっと銀色でピンク色が少し混じって、肌も……」
 まだ普通の人間であるこの世界の士郎にも、クロエの異様な雰囲気は伝わり、外見の特徴では、ついさっきまでとは髪の色まで変わり、肌の色も地黒ではなく何かの契約とか呪いのせいで変わっているのが見て取れた。
「ええ~?いつも通りよ、そんなに妹の髪と肌が気になるの? お兄ちゃんの髪フェチで肌フェチ~」
 強がっていると言うより、これから先の運命に立ち向かって行くには強く有らねばならないのを知ってか、力強く立ち、長く存在できない場所を踏みしめて歩くクロエ。
 兄の目からも、帰ってからのクロエは別人に見え、今この瞬間には人間にすら見えなかったが、その判断は正しかった。

「お邪魔しま~す」
 エーデルフェルトの夕食の場に現れた二人。アンジェリカといちゃついていた異世界のキズあり士郎は、英霊エミヤとも繋がっていたので、クロエの変色の意味にはすぐに気付いて固まった。
「「クロエ……」」
 アンジェリカにもクロエが変革してしまったのは理解できたが、その意味までは分からなかった。
 家族団欒で泣いたままの凛と、執行者だとか守護者の事情には詳しくなかったルヴィアも、クロエの異常には気づいたが、意味までは分からなかった。
「は~い、お兄ちゃん特製のカレーよ、召し上がれ」
 カレー皿に少量のご飯とルーを乗せ、配膳していくクロエと士郎。
「「天使様、なんでや? 一言いうてくれたらワシらが代わりに……」」
 エルメロイ二人はクロエの変色や変革に気付いて言葉を失い、アレクサンダーと再会させてくれた恩人が守護者と成り果て、これから無限の殺しをさせられるのに嘆いた。
「いいのよ、あたしは家族に会って楽しくやるまで生かしておいてもらってたのよ。その寿命が終わって死ぬ前に守護者にしてもらったの、人形とはまた違うけど、これでも永遠の命よ、良いでしょ?」
 エルメロイやアレクサンダーの前でクルリと回り、新しい体を見せびらかすように回った。
「「それ、永遠の命とちゃうで、永遠の呪いやっ」」
「ええ、衛宮家代々の悲願、「正義の味方」って奴だから気にしないで。またいつか帰ってくるわ。あの宝物庫の守護獣が従ったら、それが私よ」
 エルメロイ達もクロエの決意と寿命を知り、守護者として転生して殺戮を繰り返す意味も知ったので「松竹の泣き笑い」で見送った。
「「ワシ、あんまり子供ができん体質らしいんや、よかったらルヴィアちゃんとリンちゃんも、シローくんとの子こさえて生まれてきてくれたらええから」」
 エルメロイ達は、運命の恋人?で主君で、これから小姓を務める相方の手を握って頬を赤らめた。
「アレ? 先生ってソッチの人だったの?」
「「いや、生まれつきやのうて、聖杯戦争の間に仕込まれてん」」
 それが原因でも無いが、元から子種が少なく女性的で、女は恋愛の対象から外れたらしいエルメロイ。
 王の軍勢に入った後も、ウェイバー君は小姓件魔術師として仕え、異世界エルメロイもカードを使って「あたし達「合体」してるっ、気持ち良いっ」みたいな感じで、1万年と2千年前から愛してるのか、相方との合体には抵抗がなかった。
「そう、男色まで後付で、NTR属性まで完備してるなんて、さすが英国人だわ」
 色々と業が深そうな英国人の平均的?男性を見て驚くクロエ。
 この後は六尺褌装備の上で「オッスオッス」の連呼で、転向させられた遠坂さんとか、妻への愛を失った切嗣とか、復活した?綺礼もカリヤおじさんもマキリ・ゾルゲンなんかも参加して、嶽間沢のオッサンも参戦、月末土曜は14時発射開始のオールナイト、オ*汁発射し放題のパーリーナイツが開催されそうでドン引きした。
 士郎二人とジュリアン一成も、これからギル様とかエルキドゥに「YOU来ちゃいなよ」されて、ガラスの少年達までホ*セックスで砕けて鬱にされたり、若ハゲにされそうで怖かった。
「「何、シローもわしらに任せておけ」」
 アレクサンダーに任せると、兄達が「浦賀港壊れちゃうよ」とか言わされそうで、これも怖かった。
「「他にもワシらにできることがあったら何でも言うてや、天使様のお願いやったらなんでも叶えるで」」
 エルメロイに問われ、思いついたことを言ってみるクロエ。それならアインツベルンとかの顔も立つ。
「じゃあ、お兄ちゃん達が留学するんじゃなくて、異世界のクレーターに学校作って。ギルガメッシュのおじさんに貰った黄金もあるし、あれで足りるかしら?」
「「足りん勝ったらオッチャンがなんぼでも出したる」」
 ギル様も*2だったので、宝物庫も二倍、黄金の含有量?も二倍だった。学校建設にはクロエとアンジェリカに渡した宝物には手を付けず、全額ギル様が出した。
「古代バビロニアの物だから、銀貨でも値打ちがあるわよ、それと石版とか粘土板も価値があるから出してやって」
「「ああ、かまへんで」」
 シュメール人の粘土板でも「何年に北から流星が落ちてきて火の玉が流れ、アフリカの都市が幾つか滅びた」と出たのを調べると「オーストリアのアルプス山脈に流星が落ちて、燃えたままの岩石がヨーロッパにも落ちて、地中海を越えてアフリカにまで到達し、ソドムやゴモラの街が滅びた」と判明したので、美術館同士で落札しあい、とんでもない金額で落札された。
 歴史書もあったが、大抵の内容は「猫が可愛い」「猫が膝に乗ってゴロゴロ言った」「猫が鳥を捕まえて来てエサとして分けてくれた」と言う下らない?内容だったが、ギル様の猫なのでライオンである。
 凛が売りに出している銀貨の値打ちが下がるが、歴史的に価値がある美術品や粘土板まで出品され、オークションサイトがパニックになったりもした。
 出品者がギル様本人で、木箱に「ギルガメッシュ」と焼き印がある本物である。説明文は「日本に学校を建設するので出資せよ、雑種共」と命令口調で書いてあった。
 ギル様も黄金より価値が高いエルキドゥを呼び出して貰ったので、宝物庫が少し減っても気にはしなかった。

「「お前らが本気出したら怖いわ」」
 学校とかも政治案件らしいので、補助金とかも出て、土地代も二割三割当たり前の九割引で買えるそうなので、政治家に話を通して忖度すればオッケーである。
 逆らうようなヤツがいたり、一口噛もうとして「わしはそんなの聞いていない」とか言う政治家がいたらエヌマエリシュする。
「「時計塔で日本語?できるのもワシらだけやから、校長と先生しに来るわ」」
 冬木市は地域的に関西なので、公用語も関西弁である。日本語としては正しくないが、授業は英語でアジア地域からも比較的近く、アジア人差別も少ないので通える。
「まあ、先生まで来てくれるの、サービスがいいわね」
 エルメロイ家としては困るが、次期当主がホモーで種無しらしいので、七英雄のルヴィアを家に迎え、同じく七英雄の士郎の種が入るのでウェイバー君の日本転出も容認。
「カナダのお父ちゃんとお母ちゃんもこれで安心や」
 日本に移住してカナダ人夫妻と同居するつもりのエルメロイ。家政婦か執事も連れてくれば安心であった。
「これでみんな家から魔法学校に通えるわね」
 異世界に渡るので、キズあり士郎と美遊、アンジェリカとジュリアン以外は実家からは難しいが、週末だけ帰るようにすれば、イリヤも通えて異世界士郎と同居のベタベタ、エルメロイもカナダ人夫妻の面倒を見られて、凛とルヴィアは異世界に移住する。
 衛宮家周辺で蠢いている、アインツベルン、ヨーロッパ大陸系魔術師、時計塔以外のアイルランドやスコットランド系、魔女狩りがなかったロシア系、アマゾン奥地の南米系、アフリカ系、中国系、インド系、インドネシアとマレー系、中東系、様々な魔術師の系統も、学校敷地を分け与えられて教育して、イリヤや士郎も通うことになって和解した?

「クロエ、私とオーギュストはこの屋敷を引き払うわ、だからここは貴方にあげる。アンジェリカと貴方の金や宝物には手出しできないし、宝物庫に使って。先生とカナダのご両親にも使っていただいて、シェロや衛宮家の客間にでもして」
 ルヴィアは異世界のエルメロイ家に嫁ぐのか、不要になった屋敷をクロエに託した。話の内容からはクロエが消えるのは規定事項のようだったが、帰るべき場所を提供して、クロエに与えられた財産と守護獣の居場所とした。
「ありがとう、帰るのはもう少し先になると思うわ」
 それはルヴィアと士郎の子になるのか、イリヤと異世界の士郎の子になるのか分からなかったが、長い苦行を終えれば帰ってこれるらしい。 
 

 
後書き
このまま雑な感じで何話か続けて終わらせますが、春になって発作を起こしてパソコン自作、それもジャンク品病、オークション病を発症して、お笑い回路が閉じているので終わります。
現在ジャンク品のマザーボードやビデオカードを水洗いしてドライヤーで乾かし、ハンダとペーストの匂いをクンカクンカしている変態なので修正不能です。
それで直らなかったら、オーブントースター200度設定で5分ほどビデオカードを焼いて、ハンダ割れを修復して直す、という変態行為を楽しませていただいています。
夏になったらオートバイ病を発症して、グランプリの鷹の主人公みたいにオイルを顔に塗って「俺はこの匂いが好きだ!」とか叫んでいると思いますので、ムーミン谷がトーミンに入るまでお待ち下さい。

一成とジュリアンの士郎を巡っての恋の鞘当て、公式と同じで綺糺が切嗣のネクタイを掴んで顎を持ち上げ…… という展開も書けなかったのが残念です。
遠坂さんと衛宮君(両方父親)の恋愛も書けませんでしたし、カリヤおじさんと遠坂さんの禁断の恋愛、マキリゾォルゲンとカリヤおじさん、アレクサンダーとエルメロイ、ご主人様を士郎にネトラレするエルメロイも書けず、全員でハッテン場の銭湯で六尺褌装備、オッスオッスの連呼もさせられず終わるの心苦しいですが、18菌設定をしていなかったので出来ません。
あしからずご了承ください。
 

 

切嗣も補完


 その後、士郎カレーを食べた一同。
 もちろん葵ママさんは、口からビーム吐いて、味皇様みたいに車椅子に乗ったままビームの勢いでバックして、そのパワーで車椅子漕いで六甲山の山頂まで登って、須磨か再度山登り口の二輪通行禁止道路とかもドリフトで走行。丁字路から六甲登山口とかも制覇して伝説になった。
 エルキドゥさん二人も記憶が戻って、魚咥えたまま水の上を走ったり、アレクサンダー大王は頭から噴火してドドンガドンしたり、バゼットはもっかい大阪城着込んだり、ポートタワー着込んで、あらぬ事を喚きながら走る羽目になった。
 桜人形は人格障害もスッキリ解消、アンジェリカさんも感情が戻って「シローきゅんとつながってるなんて頭がフットーしそうだよ」も全部こなした。
 更に後日、秘密のレシピ通りに作成された麻薬カレーにより、ジュリアンとベアトリスとエリカもカレー堕ちさせられてしまい、一成と同じ末路を歩まされ「シローきゅんが居ないと生きていけない体」にされて、一緒にクレーター跡に建設された魔法学校にご入学。

 もちろん嶽間沢のオッサンは「平井堅やマッキー(伏せ字)」がオッケーになって、士郎を見る目が少し変になり、遠坂パパさんも「YOU来ちゃいなYO(伏せ字)」も可能な方向に壊れたり、切嗣も義理の息子と禁断の「松村雄基と氷川きよしがハワイで結婚(伏せ字)」が可能になってしまった。
 ギル様とアレクサンダーは元から小姓が付いていて、男の娘全然オッケーなのでキニシナかった。
 最近よく、銭湯とか市民プールまでハッテン場にされてしまい、露出、手を入れていじり合う、丸出しなどの被害があり、スーパー銭湯のサウナとか個室でホモ行為をして逮捕されたりしているが、切嗣の家付近の銭湯も、ルヴィアがクロエに託した豪邸もハッテン場になってしまった。

 ルヴィア邸
 多数のタヒ体を作り、なんか白目剥いて痙攣してるのまでいて、重たい男はその場に放置されたが、一応妙齢の女性はルヴィアハウスに搬送されて寝床に収まった。
 その処置は当然「士郎から女を隔離する」意味がある。ナナキの姉、桜、桜人形はすぐにでも夜這いしそうな雰囲気で、大河とバゼットまで士郎信者の狂信者右派に成り下がって、いつでも士郎ためにシャヒードしたりジハードできるようになったので、クロエ的にも隔離しておきたかった。
 傷あり士郎キュンと同衾するはずだったアンジェリカさんも、白目剥いて卒倒しているので、意識が戻るまでおあずけを食らった士郎。
 子供たちも夜這いしに来ないよう隔離されたが、リズとママは家で本気で夜這いしてきてクロエとイリヤに撃退された。
 傷有りと傷なしの士郎二人と切嗣だけで、同じ部屋で遅くまで語り合ったり入浴宿泊したので、翌日以降ミミと雀花と貴腐人の姉大喜び、「すわ義父まで参戦か!」と驚かれた、らしい。

 深夜
 完全に目がイってしまい、レイプ目になっている大河とバゼット二人が会合を開いていた。
「貴方がたをターメリック師、クミン師と命名します、今日の出会いを大切に、預言者士郎がまたカレーの神を降臨あそばされる日を心待ちにしましょう」
「「はい、タイガさん、いえ、カルダモン師」」
 大河はバゼット二人をカレーを信仰し、布教を広める師として採用した。
 今後士郎を預言者として崇め、カレー神を降臨させられる神の子で師として仰ぎ、次の予言や説法?を待つ身となった。
 士郎とカレーを信仰しなかった女との区分は、料理できる桜とかセラ、ナナキ姉、美遊>越えられない壁>料理できないし得意ではないママ、イリヤ、リズ、ナナキ、ミミ、ルヴィア、凜>越えられない壁>せっかくの材料を食べられない毒物に変換できる料理不可の女「パンを石に変える魔法」を覚えた大河、バゼット二人、雀花、に分けられた。
 差別ではなく区別である。今後も区別される。

 翌朝
 何をどうやったのか、イリヤも倒して兄の寝床に忍び込んでいたクロエ。
 安らかな寝息を立てて眠っていたが、守護者となる恐怖からか、涙の跡も見えた。
「クロエ…」
 本物の切嗣との語らいは深夜に及び、異世界での切嗣も人形としては存在していたが、生きていて記憶障害も感情の損失もない切嗣と一緒に、本当の正義の味方になる方法も語り合った。
 異世界の傷有り士郎はこの士郎に、英霊エミヤが将来の自分である事、いずれ自分自身が神のような存在に誘われ、リングに触れた途端褐色の肌と白髪になり、それ以降は正義の味方として無限の殺しをやって、世界の破滅を防ぐ仕事に就く筈だったと教えてくれた。
 その仕事は、血が繋がっていない妹であるクロエが肩代わりしてしまい、本来存在しないイリヤの本性、封鎖された聖杯としての人格だけが分離した従姉妹で、存在するはずがない8枚目のクズカードを依代として下生した魔物が守護者として転生した。
「俺なんかのために、ごめんよ、クロエ」
 すぐに今生の別れが来て、別々の道を歩むことになる幼い少女を見て抱き締めてやり、涙の跡を指で拭って、別れの口付けもした。
「お兄ちゃん…」
 目を覚ましたクロエは何か満たされた表情をしていた。
「もう一回して?」
「ああ」
 そろそろ日が高くなって来た時間帯の日差しが二人を包み、薄着の二人が抱き合ってキスする光景を眩しく照らした。
「カシャア」
 クロエの携帯から写真撮影した時の音声が聞こえた。無音アプリも有るが、あえて証拠写真が有るのを血が繋がっていない兄に聞かせた。
「エ?」
「お兄ちゃん、11歳の女の子に、こんなことするのは犯罪なのよ」
「え? え~と?」
 昨夜何が起こったかは頭文字D的にも「この夜何が起こったかは二人だけが知る事」なので士郎は逮捕されない。
 それでも証拠写真と動画はクロエが所有しているので、案外逮捕される方が楽で、セラかリズかママに発覚すると、即処刑執行で地下室とかアインツベルンで監禁。傷有り士郎みたいな、地下牢での新生活が開始されてしまう。
 自分の命よりも大事な娘を穢されてしまった義父からも「出て行けこのクソ野郎」と血の涙を流されて、下手をすれば射殺されたり爆破されたり起源弾とか打ち込まれてしまう。
 士郎キュンが先代エルメロイみたいに、魔力回路ズタズタにされてから、イリヤかリズに指を一本づつへし折られるような拷問にもあって、佐川の180サイズに梱包されてしまい廃ビルに発送、ママ達と切嗣パパに監禁されて、白鳳騎士団のグリフィスさんのような地下牢での新学期を開始する羽目になる。
「うぐぅ」
 士郎もタイヤキでも口に捩じ込まれたような悲鳴?を上げた。
「うそうそ、お兄ちゃんを脅迫したりしないわ。記念写真よ、でもアタシのこと忘れないでね?」
「ああ」
 以前からクロエには弱みを完全に握られ、どこかの蜜柑さんかウィッチクラフトワークスの妹みたいに毎日一緒にお風呂、クロエがマジでキスする2ミリ前まで接近して目を瞑ってくれたので据え膳キスを頂いたり、一緒に寝てもわざとらしく「グーグー」言いながらTシャツ一枚で寝た振りまでしてくれている妹を観察、男子高校生が知りたい場所を隅々まで見せて貰う、携帯で撮影などなど、寝ても覚めても女の事しか考えられない年齢の少年は、エロいことは全てクロエ、クロエと言えばエロエロ、パン見せパンモロ脚見せ膝乗り、芳しい髪の香り、女性特有の太ももから尻肉の動きなど、全部妹(従姉妹?)で教えて貰っていた。
 ママとかが義理のムスコに色目使ってきていたが、年増の中古女でガバガバの経産婦などアウトオブ眼中。
 求められればオッケーなセラも無視、だるそうなリズもノーサンキュー。
 士郎きゅんはょぅじょに完全に悩殺されてしまい、好みの女の体のラインも全部クロエ。
 自家発電のオカズも既に桜の出番は無くなり、肌の感触も体の匂いも汗の香りも甘い吐息も全部クロエ。
 ナナキの姉の半裸上脱ぎなども、凛の脚もルヴィアの巨乳も不要なロリコンにされていた。
 切嗣には、クロエ「が」一緒に入浴して夜這いしまくっているのも、とっくにバレていて「クロエが16になったら士郎と結婚して、すぐにお爺ちゃんだな」などと生暖かい目で見られていたのは本人は知らない。

 ルヴィア邸
 傷有り士郎とアンジェリカも、とうとう結ばれたのか、手を恋人繋ぎで繋ぎながらクロエの元にやって来た。
「ありがとう、クロエ、私のような物にも、人並みに恋愛をすることが出来た。これで思い残すこと無く消えることができる。また違う時空で逢おう」
 達観したように、士郎との別れが規定事項なのを知っている表情で、この世から消えるクロエとも、また別の場所での再開を望むアンジェリカ。
「残念でした~、貴方騙されちゃったんです~」
 どこかのCC(シーツー)さんが、先代の魔女でコードを持ったシスター姿の女に言われたように、嘲る顔でクロエに告げられたアンジェリカ。
「もうコード書き換えられたから死ねないし、年も取れないし、これから毎年お兄ちゃんの子供産まされて、ガバガバになるまでヤられるのよ」
「「ハ?」」
 特に承諾していなかったが、現世に受肉させられて、傷有り士郎きゅんのオモチャにされてしまい…
「申し訳ありませんでしたっ! あの時の私はジュリアンに操られていた人形だったのです、士郎を牢屋に入れたり大怪我させたりして、今は反省しています。その償いはこの体で一生掛けても支払います、さあ、使ってください、この体は老化しないんですよ、永遠の女子高生なんですっ、すぐに賞味期限が切れる女とは違います」
 を現実の物にされてしまうアンジェリカ人形さん。

 多分、コードギアスの続編が有るとすれば、騙されたルルーシュがCCに同じセリフを言われて笑われて、VV(ブイツー)からシャルル、もしくは不死身ではなくなったCCのコードを継いで不死の体にされていて、ゼロレクイエムなんか最初から不可能だったのを教えられてCCにヤられる。
 ついでに怒ったスザクとかカレンにもぶん殴られたりするが、ルルーシュ君死んじゃったと思って、リフレインでも使ってイカれてたミレイ会長には、「シャーリーを産み直してアゲル」とか無理矢理にでも思いを遂げられるかもしれない。
 それから、ちょっとアッチの世界に片足突っ込んで、変な物でもルルーシュの母親でも見えるようになったコーネリア様からも…
「スザク、お前がユーフェミアの魂を持っていてくれたのだな? さあ、ユフィに新しい体を作ってやろうではないか? 我が騎士よ」
 とか、病み切った目で睨まれて目の幅で泣かれ、物凄い握力で両肩捕まれ、万力みたいな腕力で抱きしめられて誘拐、離宮で監禁拘束されてから、これまた物凄いパワーセックスもされ、はぢめてを奪いつくされて全身マーキングされて、コーネリア皇女殿下に占領されたスザクくんがベッドでシクシク泣いたり、ユフィを妊娠出産されてしまう。かも知れない。

「うちのお兄ちゃんには、私の代わりにコピーロボットのサクラちゃんをあげるわ」
 さくらちゃんがカードとかキャプターしている間に、お兄ちゃんとかお父さんに見つからないようにする身代わり、パーマンのコピーロボットみたいな桜人形が、元の世界の士郎に贈呈された。
「セ、先輩、わ、わ、わわTあJし…」
 近親不可のコミケやオンリーイベントでも、お留守番カードでお兄さん大好きな、ミラーのカードとお兄ちゃん、雪兎さんやケロちゃん、ともよちゃんまで参加してスルのはオッケーになる定番、さくらちゃん人形が「夜のお供、南極28号」として「バンガオーー!(伏せ字)」された。
「向こうのお兄ちゃんには、うちのイリヤがお嫁入り、こっちのお兄ちゃんには美遊がお嫁いりするのよ」
「「「「エ?」」」」
 告白できないでモジモジしたり、昨日のアンジェリカ状態にならないよう、もう婚約者として決定しておくクロエ。
「そうね~、13歳中にシちゃったら犯罪で、正義の味方としては処刑しないとイケなくなるから、14歳の誕生日からね、16で結婚するまでは、ちゃんと避妊してあげてね」
「「ハイ、分かりました」」
 エルメロイ二人やギル様二人ほどではないが、天使クロエ様のお達しには敬語で答える士郎二人。
 それまではアンジェリカ人形と桜人形が兄の下半身をフルサポートする。

「クロエ、パパの前から消えてしまうのかい?」
 傷有り士郎からも聞かされ、イリアの隠された記憶、聖杯としてのクロエは正義の味方になって、守護者としてこの世から消えると教えられた切嗣も、悲しそうな目で娘の分身に聞いた。
「ごめんね、ここに帰ってきて、家族団らん楽しむまで、って約束だったのよ、代わりに…」
 切嗣の頬にキスをしてから、アンジェリカを呼んで、何か耳打ちをするクロエ。
「うむ、シローに「魔力供給」してもらったしな、満タンだ」
 昨日使い果たした魔力源が、何か違うものによって、オドだか愛だとか謎の白い液体で満たされたのか、魔力が満タンだったアンジェリカはクロエの願いに答えた。
「ちょっとまってね、パパ」
 すこし待たされた一同だが、すぐに工房から切嗣に見覚えがある顔がやって来た。
「ナタリアッ! 舞弥(マイヤ)ッ! シャーレイッ!」
 ゼロのオープニングに出てくる、切嗣の手を取る3つの手、その全てがアンジェリカの呼び出した人形として現れた。
「うあああっ、ああああああああああっ!」
 もう涙でヌレヌレのデロンデロン、ナメクジみたいな表情にされて、一瞬で補完されてしまった切嗣パパ。勿論向こうの世界でも同じことが行われる。
「泣いちゃだめ」
「何泣いてんのさ、ケリー」
「キリツグ…(よくもミサイルで恩人撃ち落としやがったな、コイツ)タバコ出せ」
 クロエの鍵を開ける能力でも、パパ最大の弱点までは心を開いてくれなかったが、ホッペにちゅ、の瞬間だけ、接触通信とかで無理やり切嗣のATフイールドを貫通した。
「ありがとう、ありがとう、クロエ、アンンジェリカ…」
 もう切嗣の心の中に、ママなど欠片も存在していないのを感じたクロエは、胸の中に父を抱きながら、最期に悪魔の表情で笑った。
 

 

言峰シロー神父


 その後、士郎に夜這いして、義理の息子に告白までしてしまったのが発覚したアイリママは、切嗣との協議離婚が成立した。
「アイリ、もう僕たちは終わりにしよう」
「ええ、(ニッコリ)」
 だけで会話が終了した。
 今の家もアイリが貰って、アインツベルンからパクってきた金とか、イリヤもクロエも、もちろん士郎とカレーも寸胴も、全部アイリが取ると言い張ったが好きにさせた。
 一応一家離散なのだが、クロエの要望で浮気ママはパパに相応しくないと判断され、とりあえず留守がちの切嗣は旧ルヴィア邸で住んで、ナタリアが正妻、マイアは娘か愛人、シャーレイは年が離れすぎたのと犯罪年齢なので、クロエの代わりに娘になって、新しい家族になった。
 記憶障害と人格障害はあったが、ニワトリ踊り食いとか、蜂に刺されて死徒になったり、ソラウさんの腕ごと切り落としたり、新エルメロイ卿を射殺したりはしなかった。
 朝飯にカレー食わせると治るとも言う。

 当事者のママと、セラとリズは相変わらず「士郎とカレー粉と寸胴が揃えば、私達のカンケイは完全になる、ハァハァ」などと寝言を言ってたのでキニシナイ。
 カレー耐性も薬物耐性もあるホムンクルスで、料理もできて胃袋を掴まれないはずのセラも、通常の食用カレーではない、パオーン9千億倍カレーの波状攻撃には、心の城壁も破城槌みたいな破壊力で腹の中と脳内を突き崩されて、心も体もプライドも何もかも奪われてしまって、下からシローきゅん破城槌を突き入れられるのを願っていた?
 もうセラの体、全身の細胞がシローを求めていて、「私… 恋しちゃってるよ」とか言わされる羽目になった。

 昨夜のタイガーとバゼット二人の会合には、リビングでママ、セラ、リズ、凛、ルヴィア、桜、桜人形、一成、ナナキの姉、貴腐人の雀花の姉も参加していて、ホーリーネームまでは与えられていなかったが、全員預言者士郎きゅんが、次にカレー神を幽世からこの世に召喚、カリーの神がボリウッド映画の「バーフバリ 王の帰還」みたいに、もの凄いCG映像と共にご降臨あそばされる日を心待ちにしていた。

 雀花とその姉は、病んだ目のまま手書きの紙で「処女券」を作成して、エロマンガなイラスト入りで士郎に手渡した。
「「イリヤズのお兄さん、これ使って下さい」」
 ロックスターとかジャニーズのアイドルに、女の子が送る処女の使用権利証である。
 他にも「回数券」とか「アナ*処女券」とか「お口手コキ足コキ回数券」も大量に手渡したが、妹の方の処女券と回数券を、14歳までに使用すると即逮捕である。
 もちろん取扱説明書の裏書きにある使用条件には?
「寸胴と材料、指示してもらえば買っておきますんで、月に4回ぐらいメシスタントに来て作ってください。野菜とか肉は切って下ごしらえしておきます、コミケ締切の修羅場の日以外は、姉妹どっちに何しても構いません」
 などと、脳汁垂れ流しで裏書きが書き加えられていた。
 この姉妹では恋愛とか恋敵とか言うよりも、まず麻薬カレーをもらうのが何よりも優先された。
 美遊みたいに、兄の愛で心の奥をベキボキに締め上げられたのではなく、胃袋と接続されている脳の部位を支配されてしまったので、子袋とか別の器官がどうなろうと、胃袋をカレーで満たされて、脳汁出まくりの日々を送れるのなら、妊娠しても構わないし、もしそうなればセキニンを取ってもらって、週一は寸胴一杯に麻薬カレーを貰えるので、姉の方は避妊を断るか、用意したゴムに穴開けてやろうとまで思っていた。

 ななきとその姉も、まずは自分の家に士郎を引き込み、カレーを作ってもらうために、雀花姉妹の丸パクリで、イラストもないチャチな処女券作って手渡した。
「衛宮くん、これ使ってね(///)」
「イリヤのお兄さん、これ使ってください(///)」
 多分、寝技でも天才であろうと思われるナナキと、魔女の姉も陥落していた。
「お兄さん、私と結婚して下さい」
 驚くべきことにミミまで乗っかって士郎に手渡した。ただ、裏書きには?
「一成さんとかジュリアンさん、異世界の士郎さん同士で愛し合う所をぜひ見せてください。アレクサンダーさんとかギルガメッシュさんに黒船入港される所も。血がつながってないお義父さんとか、エルメロイ先生とか、エルキドゥさんにNTRされる所とか、一成さんとジュリアンさんが入れ替わったりNTRする所もぜひお願いします」
 と書かれていた。
 全員、世間の常識回路とかが破壊され、脳汁垂れ流しの裏書きや説明が書いてあった。

「そうですか、子供たちも、それでは是非私達も」
「「ええ、カルダモン師」」
 脳が破壊されてレイプ目になっていたタイガー、バゼット二人も全力で乗っかって、処女券を発行した。
「あんた(この世界では)小学校の先生なんだから、そこは子供止めて叱れよ」
 というツッコミもあったが、切嗣と嶽間沢のオッサンまで含めてカレー堕ちしていたので、誰も止めなかった。
 処女とか失う可能性が年々下がり続けていた大河は、違う意味でも士郎に手渡した。
 バゼット二人もカリー快楽落ちしていたので、カルダモン師に習い、放火者である預言者シローに、何もかも焼かれるのを選んだ。
 後日、バゼット二人の罠にはめられた、この世界と異世界のカレン・オルテンシア二人も、保健室で士郎の麻薬カレーを食わされる羽目になり「ペッパー師」というホーリーネームを頂戴する事になった、らしい。
 士郎の前ではスカートどころか、ストッキングもパンツも脱ごうとするので、イリヤと美遊に撃退される。

 エルメロイ家に嫁ぐはずの凛とルヴィアからも、何故か処女券が発行された。多分漫画版の凛みたいに上から乗られて、逆レイプになってでもヤられる。
 エルメロイ卿も自分の生徒で妻が、シローきゅんに初物をNTRされて、次期エルメロイ当主を妊娠する記念の行為をRECしながら、大将(アレクサンダー)の小姓としての勤務を開始する。
 ルヴィアにでも乗っかって油断していると、エルメロイ卿に後ろからローションぶっ込まれて「どうぞ、大将」と言われて、大型のアレクサンダー大王号に、浦賀港最深部まで黒船入港されてしまう。
 妻の処女の代金は、当然士郎の処女?で支払うことになる。等価交換の法則が適用される。

「ママもシローきゅんに処女券を…」
「いえ、貴方は経産婦で人妻ですから無理です」
 トチ狂ってしまったアイリママを抑えるセラだったが、処女の文字を消してやったリズがこう書き加えてやった。
「未亡人下宿管理人使用権」
 今後ピヨピヨのエプロンを付けて、惣一郎さんの小屋の前を竹箒で清掃していると、大学生になったシローとか、テニスコーチの英霊エミヤに言い寄られる。
 離婚後半年以内に妊娠してしまうと、切嗣の子供扱いになるので、養育費まで別れた夫から取れる。
「ママもきっとシローきゅんと…」
 出産済みでコブ付きでガバガバだが、膜と筋肉の再生縫合手術も考えるアイリ。
 セラとリズも処女券を提出した。

「「いやあ、困っちゃうなあ(ニヤニヤ)」」
 絶望的な未来も含まれているが、女達ほぼ全員の処女券を貰って、ご満悦の士郎きゅん二人。
「「兄さんのラノベ主人公~~」」
 イリヤと美遊に処女券を没収されるが、現物がなくても、カレーの現物さえあれば、全員支払い?を済ませてくれる。

 それが面白くないクロエは、士郎が一番聞きたくない呼称で呼んだ。
「言峰シロー神父、調子に乗っちゃ駄目よ」
 まず、傷アリ士郎が、その単語に聞き覚えが有りすぎて、総毛立って頭を抱えた。
「うわあああああああっ!」
 士郎史上最悪の中二病キャラで、赤の陣営のマスターでありながら、キャスターにもらった魔剣(日本刀形状)で歴史や神話に残るサーヴァントと互角に渡り合い「バビロンの空中庭園」とか、恥ずかしすぎる移動空中要塞に乗る主。アサシンなのに神話の魔術と空中庭園を使えるサーヴァントのマスターでもあり、ルーラーのジャンヌ様から陣営越えて討伐指令が出てしまったバンパイアの国王を、指の間から無限に出せる銃剣でエイメンするだけで秒殺処刑できるルーラー。
 セットだとか出場するサーヴァントの名前だけ凄いが、ZEROと比べると「脚本書いたの誰よ?」と怒られるぐらいの酷すぎる出来。
 即視聴切りされて、円盤BRに焼いてても割ってから完全廃棄されるぐらいの、最低キャラに落ちぶれ果ててしまった自分を呪う士郎。
 その苦痛はこの世界の士郎にも伝わって、異世界の記憶が流れ込んで来てしまい、精神汚染を開始した。
「ぎゃあああああっ!」
 寒すぎる超中二病キャラで、話口調とか態度も最悪。二人の士郎は鳥肌立てながら、キモ過ぎる自分のキャラに精神と記憶が凌辱されていく様を、自分自身の肉体で味わった。
「「ああっ、うぎゃああああああっ!」」
 アンジェリカやベアトリス、ジュリアンから下された刑罰による肉体的苦痛など、物の数では無いぐらいの苦痛が士郎たちを苛む。
 シロー神父様は、別に執行者でも守護者でも無いはずなのに、白髪で肌の色も茶色。
 ムキムキの巨人で、その体は鉄でできている人は「昔はガリガリのモヤシ野郎と笑われていました」みたいなブルーワーカーの宣伝みたいにマッチョでデカかったが、視聴切りされる程度で済んだ。
 それでも士郎二人には「言峰シロー神父」の名前だけで、耐え難い恥辱が加えられてしまった。
「「許して、もう許して…」」
 最終回までとか、到底視聴不可能な寒さで、真夏の日差しを浴びてセミの声を聞きながら、ガッタガタ震えている士郎二人。
 アレを自分がやるハメになるのなら、舌噛んでで自殺するレベルの中二病患者には、絶対に成りたくなかった。
 きっと、言峰綺礼に術でも掛けられたとか、ギル様のカードを使ったら精神まで汚染されて別人になる、と言う設定が欲しかった士郎二人。

「どうしたのだ? シローがあんなに苦しんで?」
「あのねえ、お兄ちゃんってね、グランドオーダーの世界線では…」
 ヒソヒソと交わされている会話に聞き耳を立てている家人、家族、昨夜アレほど熱く語り合った義父からも、蔑みの表情で見られる士郎二人。
「「やめてっ、言わないで下さい、クロエさんっ」」
 敬語で泣いて、土下座して謝るが、クロエの愉悦のために許してもらえなかった。
 少し調子に乗りすぎたのは確かだが、ここまでの苦渋を味わう羽目になるとは思っていなかった。
「へえ、コイツそんな事を(プーー、クスクスクス)」
 言峰綺礼が嫌いな凛からも、切嗣では無く言峰の養子にでもなって愉悦を覚え込まされた、汚いものを見る目で見下げ果てられる。
 ルヴィア、イリヤの友達からも汚物扱い、百年の恋も冷めて、帰宅する準備を始める子供たち。

「バビロンの空中庭園…」
「「「「「「「「「「「ギャハハッハハハハッハハ!!」」」」」」」」」」
 セラにリズ、タイガーやバゼットまで爆笑。恋心の浅いナナキの姉、雀花の姉も大爆笑。
 士郎に関係がないところで、W士郎の人格が貶められていく。
「「許して、許して~~」」
 キッツイ恋心で結ばれているはずの桜、桜人形も今度こそドン引き、半笑いの表情で汚物を見る桜陣営。
「「お願いですからもう許して」」
 最期に、現在この世で傷あり士郎を一番愛しているはずのアンジェリカが、氷のような視線で士郎を見下げ果てた。
 汚物を超えて、連続幼女レイプ犯でも見るような、蔑みの表情で170センチの高さから、ORZしている男を見下げた。
「ああっ、ああああああっ」
 ついにアンジェリカからの愛まで失われてしまい、orzの体制で泣き続ける士郎。
 悪はついに滅びた?
 

 

マキリ・ゾォルゲン人形なんかも参戦

 言峰シロー神父は、なのはさん達が18歳のゴツイガタイをしたデブに成長して、さらにストライカーしてしまい、中二病設定だけ山盛りにしてやれば大喜びする、ごく一部の特殊な性癖を持つ人種にだけ媚びて滅びてしまったように、モテ期が終了した。
 年末31日の特番でも、全編中二病言語を並べただけの、クッサイものを放映していまい、アニメ版は両方共大爆死確定。国内外からもゴミ扱いされてしまった。
 ガチャで莫大な利益を出してしまったソシャゲの宣伝で、税金対策で失敗が約束されていたとは言え、他の有象無象のソシャゲのように、宣伝だけできればオッケーなので「内容なんか無いよう~」で良かったはずなのだが、完全厨二病言語で塗り固めてしまった黒歴史で、シロー神父も精神崩壊して、クロエにも「少し、頭冷やそうか?」と言われて、どこかのスバルさんみたいに撃墜されて落下した。

 なのはさんで2期で、はやて陣営が「みんなこのまま、いつまでも幸せに暮らせたらええねん」となっていたのが一転攻勢、はやてさん脂肪診断が出て、ベルカ式作画で「何故気付かなかった?」「ごめんなさい」「自分に言っている」「はやてを助けなきゃ」「騎士の誓いを破るのをお許し下さい」と燃える展開になって、主役のフェイトさん、なのはさん陣営が悪魔で、はやてさん陣営を応援する人続出だったのが、ストライカーで翼くんみたいに12頭身にでも進化したのか、コンテンツとして脂肪、VIVIDでも序盤から「魔王を名乗らせて頂きます」とか中二病過ぎて完全終了してしまった。

 他にもお粗末なリメイクアニメなのに1話だけ今後放送不可、円盤にも収録不可になったが、大勝利した1作目に続いて、期待された2期で腐女子を馬鹿にする1話を作ってしまい、自爆自滅して視聴率0.7%、円盤の販売まで大爆死して無残な結果に終わった作品並みにオワッタ。
 エンドレスエイトしてしまい、コンテンツとして終了し、元から考察サイトで話の経過やや結論まで、全部解説されて解明されて書く必要もなくなり、どちらの方向に行こうが、書いた瞬間に二次創作のパクリと言われてしまうハルヒ並に終了した。

 どっかの巨人さんも、知恵の実だとか生命の樹とか、生命の根幹に到達するような大きな話になるかと思えたが、考察サイトで全部書かれてしまったようで、一番やってほしくなかった「クレイモアみたいな小さな島での実験で、人類文明が残って拘ってるのは壁の中だけのはずが、実はただの民族紛争で、別の世界で訓練受けた12歳の男女が、失われてはならないはずの巨人なのに、何の応援もなく4人だけで壁の中に侵入しようとして一人食われた」みたいな、「おい、女型の巨人、鎧とか大型の3人とは別行動だったはずだろうが」とか、著作権だか商標権とかで二次創作サイトに潰されて原作が大幅に路線変更させられ、違う意味でオワッタ。

 プリヤの4期も期待されたはずだが、動物のノケモノが優先されるようで、Fate拒否反応も出て、どっかのソ*ーみたいに「持っていると恥ずかしいブランド」「*ニータイマーで1年保証が切れてから即壊れる」ような評判が定着すると、プリヤ続編も怪しい。
 当のノケモノも、有名作家キャラ設定で鳴り物入りで開始されたソシャゲが大爆死。
 ソシャゲサービスまで終了したのに、同時進行していたアニメ化だけ継続。
 敗戦処理投手から、アニメ化を最初に請け負った監督まで逃げ出して、下っ端にやらせたら何故か奇跡の大逆転ホームランぶちかましてしまい、物語シリーズまで超える、エヴァに次ぐ円盤15万枚超えの大勝利。
 すると戦犯探しの逆で手柄の争奪戦開始。まず脚本家の名前が次々消えていく恐怖映像になり、サービスで作ったり続編的に作られた、タイアップ映像まで違反扱いにされ監督まで名前を消されて退場。
 カドカワ「出版」が書籍として円盤売ったのも許されないので、即映像の方に移管。
 どうも最初のキャラ設定した、原作気取りのケロロ軍曹殿が、全員殺して手柄総取りしたようなので、2期不買運動確定。
 クリスマスにネットに後悔?された映像のリプライに「神様、サンタさん、た*き監督を返して下さい」と言うツイートが溢れかえった。
 たつ*監督とヤオヨロズが2期作らない限り、書籍円盤15万枚売りまくって販売継続中、用意されていなかった関連商品でも紙のお面程度でもタイアップ品が爆発的売れ行きだったコンテンツが消える。
 本来なら年末の歌番組制覇してから紅白にも出て、金さえ払えば「すごーい、たのしー」「○○なフレンズなんだね」が流行語大賞銀賞にでもなれて、寄進すれば今年の一文字にも「獣」と書かれるはずだったコンテンツも、内輪もめの内戦で完全終了した。
 ケモフレ弁当が売れると困る陣営が、タイアップ禁止して「忖度弁当」を選ばせ、800円でコンビニで売ると一個も売れず、全量廃棄処分になって、コンビニバイトが時給より高い弁当を泣きながら廃棄する事件も起こった。
 早朝再放送すると子供受けも凄かったので、うまく立ち回ればアンパンマンやポケモンのように、数世代に渡って放送される子供番組にでもなれたのにオワッタ。

 旧ルヴィア邸
 来客が大半帰ってしまい、下のお口も物欲しそうにしていたタイガーと、ナナキと雀花の姉もすごすごと撤収、合法ドラッグ?で構成された麻薬カレーは、十二指腸を超えて腸に入ったあたりで効能を失い始め、排泄されてしまうと直接脳を支配していた効果も薄れてしまう。
 最後に残った、来客ではない凛とルヴィアも、エルメロイ卿の「家と財産」に嫁入りするために、子供のような恋心とか、はしたない妄想を捨てた。
 残っていた桜陣営とアンジェリカも、昨日の服装のまま卒倒したり、士郎と同衾しても着替えも持っていなかったので、ひとまず退散してシャワーでも浴びに行った。
「「フッ、短いモテ期だったぜ」」
「「「「「「「「「「違うぞ、士郎、私たちはずっと一緒だ」」」」」」」」
 そこには本当に士郎を愛していた家族(男限定)と、一成達が残った。
 ママ、セラ、リズは撤収した。イリヤと美遊は、ドン引きしたまま重度中二病患者の兄を見ていた。
「士郎、その程度でくよくよするな、中二病なんて誰にでも有るものだ。俺だって、初代龍洞寺の当主に憑依されて支配されてしまい、左手にも暗黒火炎竜を憑依させられ「出るなっ、出るんじゃない、俺の左手の魔竜よっ!」と言う芝居を中学生当時やっていた。片手で腕に包帯を巻くのが異様に上手いのは、その頃の名残だ」
「い、一成っ」
 一成の胸に飛び込んで泣き始める言峰シロー新婦?
 隠れて観戦していた雀花、貴腐人の姉、ミミが、携帯で音声付きで激写しながら、鼻血吹いて感動。
 一成はエインズワースとか、もっと異世界の記憶でもあるのか、兄で教師の方も初代当主に支配されたり、右手に暗黒水竜とか憑依させられて、中学生時代は「で、出るなっ、俺のry」をやっていた、かも知れない。
 キャスターで妻でも有る、エルフ耳の女にも言えない黒歴史であった。

「士郎、父さんだって、起源弾を作ってもらってからは、無敵の魔術士殺しになったつもりで、色々とブイブイ言わせてしまったものだ、気にしないで良い(///)」
 その当時のことを全部知られている、ナタリアが出現してしまったので、ママとかセラ、リズ、マイア、シャーレイ、イリクロにまで告げ口され、旧衛宮家の方でゲッラゲラ笑って大爆笑大盛り上がりの、切嗣関連の女一同。
「衛宮君、娘達や妻まで世話になったね。私は今でも現役だ。見給え、この真っ赤な衣装をっ、胸のバラをっ、テレビに出るマジシャンでも、ここまで派手な衣装を見たことが有るかね? これは魔術士としての矜持でも有り、炎使いの魔術士であるから気を付けろと言う警告でも有るのだ。桜は君に嫁入りすると言っていたから、君にもこの赤い背広を着てもらうぞ」
「「ああ、桜と遠坂のお父さん…」」
 ガチの中二病菌、現役保菌者にも励まされた。
 娘婿になる傷あり士郎には、爆炎の魔術士になってもらって、義理の父と息子でお揃いの真っ赤な衣装で、魔術士界再デビューする気でいた遠坂父。
 桜人形を贈呈された、この世界の士郎にも、もちろん赤い背広を着せる。属性が違うなら金色でも銀色でも真っ白でも着せて、カーネルサンダースにする。

「「ワシも現役だぞ? オケアノスを見るために、地の果てまでも征服し、西の蛮族共も地中海も制覇した、インドを超えて日本まで来たかったが、それは叶わなかったな。此度の遠征ではアメリカ大陸まで行く予定だ、付いてくるか?」」
「「はいっ」」
 もう、若きウェイバー君みたいな目で大王を見るシローきゅん二人。下っ端魔術士で小姓として参戦する。
 でも戦争すると、これから守護者クロエにデスノートに記入されて即死させられる。兄と父だけは死刑を免除されるかもしれない。

「「ワシらも現役や、見てみい、この金ピカの鎧を、この髪型をっ(片方ヅラ)。しかしお前も中々腕上げたなあ? アレだけの人間の爆笑取れたんやからな。それでも笑われると笑わせるは違うでぇ? これからこっちのアホ(エルメロイ)みたいにピンでもコンビでも、トリオでも笑わせられる芸人になれや」」
「「ギルガメッシュ師匠っ」」
 関西人の士郎の中でも、ギルガメッシュは「師匠」と呼ばれるぐらいのお笑い芸人として扱われた。
 マスターアジアとか、そう言う系統の師匠ではない。
 そして自分の厨二病菌は、お笑い芸人として、とても重要な要素なのだと気付かせてくれた。
「「クロエちゃんの旦那になるんなら、ワシの宝具も宝物庫も、ギルガメッシュ亭の跡目も継がせたる、どないや?」」
「「はいっ」」
 もう「小さなものからコツコツと」という感じで、超大型のアレクサンダー号入港前に、エルキドゥ号とか豪華客船ギルガメッシュ号から入港入菌してもらい、お笑いの種を植え付けてもらう気になったシローきゅん。

「「笑われるのはネタも何も無しで行けるけど、笑わせるっちゅうのは大変なことなんやで」」
「「はいっ、エルメロイ師匠」」
 今後士郎二人は、異世界のクレーター跡に建設されるお笑い学校?で、エルメロイ師匠から舞台の上下(かみとしも)から、ボケ、ツッコミ、しゃべくりを教えられ、ギルガメッシュ師匠には、天丼、角砂糖、などなどのお笑いの基本を叩き込まれる若手芸人になる。
「「オッサンもエルキドゥさんNTRされながら、シローきゅんのケツ堀りたそうな顔しとるがな。これから3連ケツとか10連ケツとか、じっくり覚えてもらうでぇ?」」
「「ひいいっ」」

「「「士郎君」」」
 そして、復活していたカリヤ叔父さん、言峰綺礼、マキリ・ゾォルゲン人形なんかも参戦。
 ルヴィア邸の風呂は現在女風呂になっているので、近所の銭湯をハッテン場にするために一緒に汗を流しに行った。
 

 

男の通過儀礼


 士郎を知っている女達、昨夜愛し合ったばかりのアンジェリカまで、言峰シロー神父の正体を知り、異世界の同一人物であり、同じ重度中二病菌の保菌者でアルファ感染者でスーパースプレッダだと知ってドン引き。
 桜陣営も、真夏の世界でも遺品のマフラーを巻いて冷やさないようにしていた、サクラちゃん人形を見ても引かなかった桜まで引いてしまい、現在ルヴィア邸の大浴場で入浴して語り合い、昨夜入浴できず、カレー堕ちして卒倒して、真夏に汗だくで眠った後の汗を流していた。
「ヒャーハッハッハッ! バビロンの空中庭園だってようwww」
 エルメロイ家に嫁入り前、最後の女同士のパーティーなのか、風呂場でゲッラゲラ笑って楽しんでいる凛。
「赤のマスターでルーラーで、空中庭園の主で「魔剣」とか持っちゃって、オーーホッホッホッ!」
 こちらも嫁入り前に、最後のドキッ女だけの全裸入浴?を楽しんでいるルヴィア。
「「ガングロで白髪の先輩が魔剣持って、プッ、飛んで跳ねてサーヴァントと互角に切り合ったり、萌えキャラのフランケンシュ… ブーーーーッ! 倒しちゃったり、あははははははははっ!」」
 桜陣営二人も姉と共通の話題が出来てしまって、腹が捩れるまでゲラゲラ笑い合い、何故か打ち解けてしまった。
「あのシローが指の間から無限に銃剣出して、エイメンするだけでバンパイアの親玉即死だとか、ヒーーヒッヒッヒッ!」
 愛し合ったばかりの男でも、これだけの爆笑ネタを聞かされて、クロエwifiでビジョンまで見せられてしまい、目の前で笑ってやるのは酷だったので、笑いをこらえてプルプルしながら、真顔で去ってから女湯で大爆笑しているアンジェリカ。
 カレー食って感情は戻った。
「失礼だから笑わないで、男性にはそんな時期があるものよ」
 凛と桜の母の葵は、そう言いながらも、自分の旦那の中二病発言とか痛すぎる仕草を大発表して、娘二人からも大爆笑を奪って、風呂場でドッカンドッカン笑いを取っていた。
 エルキドゥさんも、ぜひこちら側に参加したかったが、体の一部に女性陣と違う場所があって、乳なしだったので入場を断られて、ハッテン場の銭湯の方に付いていった。
 旧衛宮亭?でゲッラゲラ笑っている切嗣関連の女と同じく、重度中二病患者を発見して、ルヴィア邸の大浴場で笑いさざめいている姦しい女達。

 その旧衛宮家では、リビングで茶など飲みながら腰を据えてくつろぎ、キリツグを尊敬したり愛していた、マイア、ママ、セラ、リズなども大爆笑して、ナタリアが語るに語った、切嗣ボウヤの超中二病時代をあざ笑っていた。
「あのクソバカ、鏡の前でキメポーズとか練習して「闇の炎に抱かれて眠れ」とか、起源弾打ち込んだ後のキメゼリフも何種類か練習してたよ」
「「「「「「「「ぎゃーーはははははははっはははははははははっははははははははははっ」」」」」」」」
 もちろん切嗣は、その状況を盗聴しながら、チワワみたいにプルプル震えていた。
 証拠隠滅のために家に爆薬を仕掛けて有るので、携帯で信号を送るだけで、家ごと全員始末できる。
 現在イリヤとクロエとマイアとシャーレイだけ呼び出そうと工作している最中で「お前は知り過ぎた」ナタリアとママ、話を聞いてしまったセラとリズも口封じのために爆破される。
 保険として、オーギュストにすら気付かれないように、ルヴィア邸にまで爆薬を仕掛けていた切嗣。
 ハッテン場になった風呂屋の脱衣場で士郎に携帯を手渡し、会話の内容も士郎に聞かせて「当然の正義の行為、正当防衛爆破」を行う、じばくそうちのスイッチを押させる。
 これは正義を行えるかどうかの、男としての通過儀礼のようなものである。
「士郎、君には僕の殺し方を見せていなかったね」
 以前、ソラウさん人質にしてランサー自決、エルメロイ卿夫妻をぶっ殺し、マイアにも射殺させ、怒ったセイバーとは会話すらせず、アイリに向かって話したように、シローきゅんにだけ話していた。
 表情もアイリに言った時のように笑顔だったが、当時と同じく目は全く笑っておらず、病んだ目で目の下側にとても力が篭って、悪役線まで出ていた。
「奴らが得意絶頂、思い上がって誰かを笑いさざめいて大喜びしている至福の瞬間を狙って、あの世に送ってやるんだ」
 もう鬼神の表情に変化し目と耳から血が混じった汁を出して、脳みそ煮えたぎって怒り狂っている切嗣。
 実の父親を射殺したり、家族として世話になったり、女として愛し合ったメスでも、スティンガーミサイルとか打ち込んで旅客機ごと撃墜できるかどうか試される、切嗣から士郎への、成人の儀式で試験でもあった。
「「お、親父…」」
 ルヴィア邸の大浴場の会話を聞いて、義父と同じく、チワワみたいにプルプル震えている士郎。
 ルヴィアと凛は、そう言う恩知らずな奴だと知っていたが、あの桜と桜人形、美遊、アンジェリカまで堪えきれずに大爆笑しているのを聞かされた。
「分かったな、士郎。女とはそう云う生き物なんだ、愛だの恋だの言っているのは、そう言っている自分が可愛いと思っている、インスタ映えだけを競う魔女だ。過去のお前との決別、正義を行える戦士として、そいつらに思い知らせてやれっ、墓場の中で泣いて、お前をあざ笑ったことを後悔させてやるんだっ」
 いつになくマジモードで、俯き加減で顔が黒い切嗣さんにも励まされ、男の通過儀礼を要求されるが、どう考えても私怨。
「「あ、ああ…」」

 衛宮家
 何故かインターフォンが鳴らされ、応対させられるセラ。笑いすぎて涙が出ていたが、目尻を拭いて室内機に出る。
「あ、セラ? そろそろ逃げないと、パパに家ごと爆破されるわよ」
 外からクロエに話しかけられて、現在の危機的状況を知るセラ。
「エ?」
 切嗣の思考を読んだクロエだけが脱出、イリヤは父の昔話を聞きたがったので放置。
 セラはハンズフリーでインターフォンに出たので、その会話内容は室内の家人にも伝わった。

 その状況も聞いていた切嗣は、知り過ぎていた「獲物」を逃さないように、デーモニッシュな笑顔で爆破スイッチを押した。
 イリヤとシャーレイもいたが、獲物を逃がすよりは「クロエだけいればいい」感じで爆破した。
「マイア、記憶を取り戻した君は(カレー食ったので)、苦しみ続けるだけだ、地獄で逢おう」

「「「「「「「イヤアアアッ!」」」」」」」
 何か観念した表情で、過去の苦痛から開放された感じでふっとばされたマイア。
 前回のように何か観念した様子で「よくやった」と言いたげな表情?で、ふっ飛ばされるナタリア。
 カレーが切れると、魂まで汚染されていて、ニワトリを踊り食いしたい衝動が有るシャーレイも、死徒に堕ち果てないうちにふっ飛ばされた。
 セラとリズとママは、見苦しく逃げ出そうとして、「あ~るぴいじぃ~」とかスローモーションで叫びながら、ブラックラグーンのレヴィさん達みたいに逃げ出したが、無事ふっ飛ばされた。
 ここでも悪は滅びた?

 銭湯
「「何や? ドッカンドッカンうるさい町やのう、昨日から爆発ばっかりやんけ」」
 ギル様も、衛宮家が爆破されたことまでは知らないのか、昨日、間桐がエヌマエリシュされた騒音とかを、迷惑行為だと感じていた。
「さあ、士郎、押すんだ」
 自分の義理の息子にも手を汚させ、正義を行うにはまず対価が必要だと言いたげに、愛する女でも家族でも、知り過ぎた女を始末するように言い渡す切嗣。
「「で、でもまだ俺には」」
 まだ人間の心を持っている傷なし士郎には、ルヴィアや美遊を爆破できなかった。
 人間を捨てた傷あり士郎だが、世界よりも大事な妹や、救出した桜を爆破できなかった。
「貸せっ、僕が押してやるっ」
 向かいの爆音に気付いて、獲物が逃げてしまわない内に、携帯の発信ボタンを押そうとする切嗣。
「「ああっ」」
 士郎の手から奪われ、切嗣の手に渡ろうとした携帯。そこで別の手がスイッチに伸びた。
「あ、ポチっとな」
「「「あれ?」」」
 そこで、傷なし士郎の背中に負ぶさったまま、子泣きじじい状態だった龍子が携帯の発信ボタンを押した。
 嶽間沢親子も厨二病菌の現役保菌者で、龍子は生まれる10ヶ月前からのガチキャリアで、アルファ感染者で女王感染者。オメガトライブみたいに遺伝子にまで厨二病菌が食らいついているので、士郎への恋心?を失わずに、男湯の脱衣場まで来ていた。
 歩く児童ポルノ龍子だが、10歳以下にしか見えないし、実の父親も同行しているので、男湯オッケーである。

「「「「「「「「イヤアアアアアアッ!」」」」」」」」
 こうしてルヴィア邸の女風呂も「ちゅど~ん」とか擬音を発して爆破された。
 全員素っ裸のまま、高橋留美子ポーズのまま吹き飛んだ。
 こちらも悪は滅びた?

「「「「「「「「「「だめだコリャ」」」」」」」」」」」
 残念なことに、この場所は関西で、このベータ世界線自体がお笑い世界。
 関西人の集団の中では、マジ爆破とか通用せず、全員アフロヘアー、まっくろけの炭だらけの表情で立ち上がり、口から煙とか吐いてから倒れるだけで済んだ。
 桜陣営、凛、イリヤ、美遊、女風呂で笑い話にも参加したタイガー、このメンバーはネイティブ関西人なので、ギャグキャラは爆破されても死なない。
 たとえ切嗣が関西人ではなくても、士郎、龍子も金髪でハーフでもネイティブ関西人。
 ママ、セラ、リズも、関西の水と粉もんにアンリマユされ終わっていたので、カナダ人のおばあさんと同じく、もう関西人だった。
 被害を受けるはずの、ナタリア、マイア、シャーレイも人形、アンジェリカも見なし関西人で人形、桜も片方人形で両方関西人なので、被害は最小限で済んだ?
 約一名、ルヴィアだけが関西人ではなかったが、ギャグキャラなのでどうにかなった。
 バゼット二人は士郎や切嗣の行動も大して笑わず、何が面白いのか余り意味もわからず、既にギャグキャラとして転向、ターメリック師、クミン師と云うホーリーネームまで持っていて、鋼鉄の肉体を持っていたので無傷。
 何より、風呂に入ってもカラスの行水で、10分以内に体を洗って入浴して出ていたので、ノーメックス製の防弾スーツがバゼットを守った。

 ちなみに復活していたカリヤ叔父さんも、虫も入っている上に生まれつきでコッテコテの関西人。
 カレー食って何故か若返って、若き日の理想を思い出したマキリ・ゾォルゲン人形も、味翁様みたいに大阪城着込んで車椅子でも走って、長年の冬木市生活でアンリマユされ、関西人へと落ちぶれ果てていた。
 言峰綺礼は関西出身ではなかったが、長年ギル様の相方として、舞台の上手下手も知り、三味線で高座に送り出してくれるお姉さん方とも知り合い、ギル様がボケたときのツッコミで骨法のようなショートレンジでの裏拳、粉もんたこ焼きお好み焼き、関西の水と空気で完全にアンリマユされて、関西人へとポケモン進化が終了していたので、遠坂姉妹にWライダーキック食らって爆発しても、いつの間にか復活していた。

 銭湯(女湯)
 流石に11歳オーバーで、乳もケツもあった、雀花、貴腐人の姉は男湯への越境を断られ、女湯の脱衣場で男たちの会話を聞いて録音していた。ミミならまだ越境オッケー。
 ソッチ方面には興味がないはずの、ナナキとその姉の魔女も女湯に参戦。
 姉の想い人が別世界にハッテンしてしまわないように監視していたが、義父が連れてきてしまったので旗色が悪い。
 腐女子ガチ勢は、男湯との境界にある暖簾の先で、いつでもハッテン行為を見に行けるように待機していた。
「「くそう、あたしらではこのルビコン川を渡れん」」
 銭湯のババアに殴られ、男湯に行くのを禁止された雀花と姉。
 現在ミミと龍子だけはその境界線を自由に移動できて、龍子に至っては士郎の背中に引っ付いたまま離れようとしない。
「「ミミ、あちらに行ってこの防水スマホで撮影してくるのだ、私達の苦境を解決できるのはお前だけだ」」
「え? 龍子じゃあるまいし、この歳で男湯に?」
 毛むくじゃらの汚らしい男と一緒にお湯に浸かるなど、有り得ないミミ。それより女だけの桃源郷に入りたかった。
 ましてや向こうで入浴するとすれば自分も全裸。タオルで乳だけ隠すか、手ブラで腰だけタオル巻いて隠すか、前だけタオル伸ばして隠して、後ろ全部まる見せ体制で入るか、究極の選択を要求される。
「「ほら、もう一本タオル貸してやるから、これで上下隠して行って来い」」
「そんなっ?」
 上下隠したとしても、龍子のように父親やその友人、イリヤ、士郎関連の父親までいる男湯には入れないミミ。
「「じゃあ、龍子だけでも呼んでこい、奴なら男湯全裸入浴でも平気だ」」
「わ、分かりました…」
 雀花とその姉の命令には逆らえず、着衣のまま男の娘か子供のふりをして、お父さんでも呼びに行くように、男湯への絶対領域でマジノ線でルビコン川を渡ったミミ。
「ああ、私もう、汚れちゃったよ」
 毒の沼でも歩くように、一歩、また一歩でヒットポイントが下がったりSAN値が上昇していくミミ。

「衛宮君…」
 妹のナナキも男湯への絶対領域の越境を禁止されたが、恋人(と思っている)少年がハッテンしてしまい、義父とか大王とか金ピカのガイジンに掘られてしまうのは困るので、祈るように見守っているナナキの姉で魔女。
 そこでまた男湯の入口が開いた。
「パパ~っ、お兄ちゃん、もう来てる~?」
 下駄箱から、躊躇いもせず男湯に入り、小銭を払って男親や兄を見付けて駆け寄るクロエ。
 雀花もナナキも、こうすれば男湯にでも簡単に侵入できたのだと思い知らされた。(姉二人を除く)
 女湯の扉を開き、もそもそと番台のBBAの表情を伺いながらの、男湯への越境は許されなかったが、入り口から一直線に男湯に入り、親や兄の名を呼びながら、恥じらいもせずに親兄弟と入浴する。
 そうすれば天国への門は、自ずと開かれていたのだと知らされた雀花と腐女子の姉。
「「さすがクロエ先生っ、俺達には出来ないことを平然とやってのけるっ、そこにシビれる憧れる~っ」」
 ロッカーを開けて一瞬で全裸、タオルと石鹸だけ持って、ボディソープだのシャンプーリンスすら持たない子供として、家族と入浴。
 背丈はミミより大きいにも関わらず、女としての恥じらいが存在せず、父親や兄にぶら下がる勢いで体を擦り付けるょぅじょ。
 あまりにもスムーズな演技で、番台のBBAですらスルーしたが、防水の携帯で男湯のハッテン場を撮影している痴女である。
 背負っていた黒焦げのタヒ体も入浴させるが、それは爆破によってアフロヘアーになっていたイリヤであった。
 関西人なので、お湯に3分漬けると、高野豆腐みたいに元に戻る。
 

 

六尺褌が飛び交う桃源郷?


 切嗣もクロエにアンリマユされてしまったので、結構キャラ崩壊して、自分の中二病時代をバカにして嘲笑っていた、ナタリア以下、マイア、シャーレイ、アイリ、セラ、リズ、イリヤまで口封じのために家ごと爆破した。
 大半関西人なのと、人形も混じっているので死なない。セイバーの「エッッックスカリバーー!」の鞘とか持っているかも知れない。
 関西冬木市では有るが、もちろん近所にはサザエさん一家とか、うる星のラムちゃんとか、クレヨンしんちゃんの一家もいるので時間は経過せず、4月になれば新学期が開始される。
 そんなビューティフル・ドリーマー現象が起こっている空間だが、魔術士クロエが100年の呪いとエンドレスエイトの呪いを破って「ニパー」とか言いながら、祭具殿の中で「なのです」言う白い方と一緒に悪夢を終わらせた。

 男湯
 一直線に男湯に入って来て一瞬でマッパになったクロエを見て、成長した娘の全裸を見るのが「はぢめて」だった切嗣は、何か得も言われぬ感動に包まれ、やはり「クロエだけいればいい」感じになっていた。
 イリヤはとっくの昔に「お父さんとお風呂恥ずかしい」娘になってしまい、ママもたるんだ体は見せないし、娘と一緒にお風呂などと言うと、犯罪者を見る目で見られてホムンクルス陣営に暗殺されてしまう。
 もし欧米なら学校で家族の作文を読み上げて「パパと一緒にお風呂に入るのが楽しみです」な~んて感想文書いただけで、通報されスワッティングされてから、SWATとかFBIに銃を突きつけられたまま、小児性愛者で娘をレイプする鬼畜とみなされて殴る蹴るの暴行を加えられた後で、間違って?射殺されるか、逮捕だと刑務所を出てきてしまうのでマジ射殺で処刑。
 もし間違いで日本の風習だと分かっても拘束されて、子供は養護施設に収容されてから精神科医の鑑定を受けて、父親からレイプされた恐怖から解脱する療法の講習漬けで半生を送る。

 もう11歳にまで成長した娘の細い足、それに似合わぬ育った骨盤、まだ膨らんでいない乳を見て「クロエだけは他のオッサンには見せられない」と考えたが、クロエに反応して前を押さえているロリコンは、士郎だけだったので注視した。
「士郎、妹(一応従兄妹)の裸を見て何してるんだ?」
 そう言う切嗣も、何故か愛娘の分身を見てギンギン。
 お肌がホムンクルス色をしておらず、シャーレイより色黒なのもポイント高かった。
「いや、最近セラもリズも俺の前でバスタオル落としたり、丸見せで拾ったり生着替えで全部見せてくれるし、ママとリズまで全裸で入浴してくるし、夜這いもしてくるけど、ちゃんと愛情があってカレー関係無しで「あたしと結婚して」って言ってくるの、クロエだけだから、つい」
「つい?」
 昨夜の出来事など話すと、起源弾の残り全弾打ち込まれて射殺される。
 切嗣は既に、怒りの表情で携帯用のスナブノーズと小口径の拳銃を抜いて、士郎に突きつけていた。
 リンカーン暗殺に使われたり、バック・トゥ・ザ・フューチャーでビフがドクを射殺するのに使うような、22口径のデリンジャーなので、すぐには死ねないで、2日ほど転げ回ってから狂死できる系統の拳銃。
「昨日もクロエと一緒に寝たな? 何をした?」
 真っ黒な射線だらけの表情のまま、目だけ光っている切嗣。もう撃鉄が起こされて士郎の処刑が決定された。
「うっ」
 言葉に詰まって黙ってしまったので、もう自白したのと同じキズ無し士郎。
 切嗣は自分の命よりも大切な愛娘を、拾ってきた養子に穢されてしまったのではないかと思い、鬼の表情で士郎を見た。
 昨日までは娘と血が繋がってないお兄ちゃんとの恋愛を、生暖かい目で見ていたはずだが、ママと別れてナタリアへの愛も冷め、マイアとシャーレイとイリヤにまで笑われたので、もう「クロエしかいない」切嗣。
 さらにイリヤとは血が繋がっていて、年も離れすぎているので結ばれたりしないが、その分身である聖杯で、カードによって分裂してしまった超自然的存在が、転生して受肉して、更に精霊だとか天使に近い存在の守護者へと転生したので「もうクロエとは血がつながってないからオッケー?」などと妄想して、切嗣の股間を膨らませていた、かも知れない。
「シ、シロー……」
 それでも父親として、もし娘の股間が使用済みのボロ雑巾にされていたり、血が出ていたりすると、たとえ士郎でも射殺して爆破して起源弾弾打ち込んでギアスで呪いかける。
 もうルルーシュ君狙ってるスザク君みたいに、怒りによって手がガッタガタ震えて照準すら定まらない切嗣さん。
「パパったら、お兄ちゃんとあたしは結婚するんだから許してよ。娘がお別れして消える前の「最期のお願い」なのよ、許して~ん」
「クッ、クロエ~~ッ」
 またナメクジみたいな表情になり、自分にも懐いてくれた娘がもうすぐ消えると聞いてガチ泣きを始める。
 もし士郎が口を割っていたら射殺爆破起源弾のコンボで死亡確実、死んでも許されないで、ギアスも掛けられて、死後も呪われていた。
(た、助かった…)
 もし「さすが○学生、いい肌してたなあ」とか「お尻は小さいけど骨盤だけ育ってるから、笑窪が出来るんだ」とか「真っ直ぐ立っても、ちょっと足を後ろに曲げても、他のBBA共みたいにお尻の下とか乳が弛んでないから、下にシワができないんだ」とか「足を折りたたんだら太ももの筋肉が尻肉に乗って大きさが倍に……」とか「オレ、そんな妹と昨夜……」などと考えていたら、もう転生できないぐらい、魂まで破壊されていた。

「龍子、みんなが呼んでるよ」
 そこに、オッサンの裸で魂が穢れないように、タオルで目隠ししたミミが龍子だけ呼びに来た。
 足元だけ見えるようにして歩いていたらしい。
「え~、このまま兄ちゃんの嫁になるから離れないぞ」
 キズ無し士郎の背中に乗っかったまま、Tシャツ1枚で女の武器?を擦り付けて女アピールしているが、そんなものは存在しないし、クロエみたいに女の子の良い匂いとかしないし、子供の匂いしか出せないツルペタ乳なしチンチクリンの龍子では、シローきゅんの息子さんもピクリとも反応しなかった。
 将来的にはキンパツのハーフで、ソバカスや赤毛は出るが、イリヤ、クロエ並の美人になったり、アンジェリカ並に170センチも有るバインバインでバルンバルンの乳とケツになる可能性が無くもない。
 小柄の金8天国のガイジンなら、それはそれで趣があって、成長しても身長148センチで貧乳お下げ三つ編みなどという、あべみかことか跡見シュリのような、所謂合法ロリになったりすると、将来的にも小中学生のまま発育しない嫁をもらった事になり「あそこの奥さんガイジンでまだ中学生か高校生よ」とか、ご近所の噂にもなる。
「た、龍子ぉ…」
 こちらも愛娘が嫁入り宣言までしてしまい、ダメージを受ける嶽間沢のオッサン。
 それでもシローきゅんが義理の息子になれば、麻薬カレーを食べさせて貰えるので、娘が好きになった人物を「婿養子」に迎える気になった。
 道場も継がせるが、その前に龍子の父と兄を全員倒さないといけない。
 アイリと同じく、嶽間沢のキンパツのBBAも、麻薬カレー食うと義理の息子に発情して、一緒に入浴とか夜這いしてしまうので、一家離散の危機でも有る。
「いいからちょっとだけ来て」
「しょうがないなあ」
 ミミに連行され、一時的に士郎を手放した龍子。
 その後釜には全裸のクロエが乗っかった。
「く、クロエッ、だめだよっ」
 切嗣の見ている前で、全裸おんぶとかされると、デリンジャーで射殺されてしまう士郎きゅん。
「え~、いいじゃん、パパにもしてあげるからさあ?」
 やっぱりチワワみたいにプルプル震えながらも、次は自分にもしてもらえるので何とか耐えている切嗣。

 女湯
「来たか龍子、お前には重要な任務を授ける。この防水携帯で男湯でハッテン行為が行われた場合、じっくり撮影するのだ。特に一成さんとシローさんの現場を押さえて来い」
 まだ脳汁垂れ流しの雀花に言い渡され、貴腐人の姉にも頼まれる。
「これは次回のコミケにも必要な重要な資料なのだ。我々ではこのマジノ線でジークフリート・ラインを超えられない。一成さんとシローさんのキスシーン、もしくは義理のお父さんとの**シーンなどが、我らの士気を上げるためにも是非必要なのだよ同士龍子。報酬はあんみつでもタコヤキでもミスド(ミスタードーナッツの関西呼び)のドーナッツでも、風呂上がりのフルーツ牛乳でも思いのままだっ」
「ほんとかっ、雀花のねーちゃんっ」
 辛い物の後は甘い物を欲していた龍子の幼い肉体。
 まだシローきゅん自身を欲しがったりするような、ママとかリズ、セラみたいな熟れ熟れのカダラではなく、アンジェリカやルヴィア、桜のような、食べ頃抱き頃のバルンバルンの乳も、子供産める腰もしていないので、バンパイアのキスショット忍さんみたいにミスドの100円セールのドーナッツで簡単に釣れた。
 ザリガニかカエル並に簡単に釣れた。

 龍子が指令通り、最初に撮影したのは、黒焦げでアフロヘアーになっていたイリヤ。
「何だ? この黒いの」
 この後、掛り湯をしてパパ自ら全身を素手で洗った後、適当に湯戻しされる。
 真夏世界で日焼けもして、爆破でこんがりローストされていたので、今後クロエ色とかシャーレイ色になるかもしれない。
「パパ、娘の裸見て触って、何大きくしてるの?」
「ううっ」
 娘に背中に乗られ、感涙にむせぶ切嗣の姿も撮影された。この辺りが最期に撮影されたクロエになった。
「お別れに他の感触もイッとく?」
「あっ、ああっ」
 もしイタズラされたら泣いて嫌がるイリヤと違い、太もも以外どこでも触らせてくれるクロエ。
 娘にも手を誘導され、大事な方の娘が消えてしまうと考えただけで耐えられなくなった切嗣は、両手で触って娘の感触を忘れないようにした。
「クロエッ、クロエ~~ッ」
「イリヤの親父、娘の触り方がエロいぞ?」
 この後、イリアを手洗いしている間、クロエの胸と腹に石鹸塗って背中を洗われたり、マット洗い?されると発射オ~ライしてしまいそうな切嗣。
 常人の記憶とかは守護者に消されてしまうので、何をしてもオッケーかもしれない。

「パパ、このままお風呂にレリゴ-よ」
「はい」
 もうクロエには敬語の切嗣。鼻血とか出しながらクロエを背負ったままレリゴーして、ここにも犠牲者が出た。
「龍子ぉ…」
 クロエと龍子は、男湯盗撮しながら入浴を開始した。
 キズ無し士郎はイリヤのタヒ体を背負って入浴した。
 
 そんな二人を、入浴前から見ているメンバー。
 まずは士郎二人をガン見シていた一成。傷が有る方の士郎も見て「どうしたんだその傷? 俺が(一生)診てやる」とか、こっちも桜と同じで脳汁垂れ流しだった。
 ギル様とエルキドゥさん陣営+新相方の言峰綺礼、アレクサンダー大王とエルメロイ卿陣営+カナダ人のお爺さん、全員で「YOU来ちゃいなYO(伏せ字)」がオッケー。
 マキリゾォルゲン人形に雁夜おじさん陣営もオッケー、嶽間沢のオッサンと娘の龍子陣営までオッケー、遠坂親子陣営は、娘達が爆破されて脱落したが、父はオッケー。
 まるでゲイの聖地に筋肉留学して、レインボーカラーのタイダウンとキャップでキメた、なかやまきんにくんのようry
 逞しい黒人さんのボディビルダーに取り囲まれた中で、パン1でサイドチェストキメて写真に収まったように、周囲全員から舐めるような眼差しで見られていた。

 もう銭湯の男湯はオッスオッス、ウッスウッスの連呼で、六尺褌が飛び交う桃源郷になり、毎月土曜月末は14:30発射シ放題開始のパーリーナイツでオールナイト、右手にロッカーの鍵をつけると攻め専、左手だと受け専、足に巻くと誰専(相手は誰でも良い、目隠しなどして何をされているかもわからない状態でもオッケー)5連ケツ10連ケツのギューギュートレインになって、モーホーの熱い劣情を載せた列車が蒸気機関のように唸りを上げ、ガッシュガッシュ、ウッスウッスと鳴り響き、ケツ肉が当たる乾いた音も織り交ぜて、近所の魔王様SSのように銀河鉄道が発射シたりスルかも知れない?
「出ぱぁ~つ進行~、当列車は魔王城発、天国行き~となって~おり~ます、走行中は列車が揺れますの~で、車内での移動、連ケツなどには~お気をつけ~下~さい」
 などと独特の言い回しで車内アナウンスもあったり、駅弁スタイルもあったり、車内販売とか最終痴漢列車なんかもあったりするかもしれない。
 

 

オッサンたちに洗われてしまう士郎と一成


 切嗣が自分の(イリヤ)を洗う。
 一寸爆破してしまったが、クロエを洗う前の練習台に、体はクリソツの白い方を素手で洗って煤を落としてやり、お湯に漬けて湯戻しする。
 ちょっと焼きあがってシャーレイ色になっているが、こうしておけば関西人なら爆破されても元に戻って再生する。
「パパの背中おっき~い」
「クッ、クロエ~~」
 切嗣さん、(クロエ)の胸とか腹に石鹸塗った状態で直に洗われてしまい、発射オーライ寸前。
 もし実の娘に手出ししたら、セラとリズとママとナタリアに起源弾撃ち込まれてギアスでも処刑されるので、帰ったらシャーレイでも連れ込んで、「クロエ~」とか叫びながらヤってしまいそうなHENTAI魔術師殺し。

 さすがに陽キャのシャーレイでも、「ケリーならいいよ」状態から、娘としてヤられたり、髪を脱色されて銀髪に染められて、ずっと他人の名前で呼ばれ続けてしまうと、トラウマ物の初体験で心がぶっ壊れてしまう。
 切嗣の方も最愛の娘が守護者になって消えてしまうと、心が壊れてしまって今後シャーレイをクロエと認識し始めるか、イリヤを常時日焼けさせて「クロエ」と呼び始めるかもしれない。
 もうそうなると、今度はイリヤちゃんゲシュタルト崩壊して精神も崩壊。
 すぐにでも異世界の士郎さんに嫁いで、向こうのキリツグ人形を「パパ」と呼んで壊れる。

 シャーレイ陣営も、それを利用してケリーの心の隙間に付け込んで他の女を排除。
 イリヤにマイア、ナタリアまで排除して、マイアも今までの苦労でどっかのプルトゥエルさんみたいに「女性器が破壊されている」だったのが、人形になって新品になっているのにご使用させない。
「これからもずっと「クロエ」って呼んでいいよ、ケリー、ううん「パパ」。ウフフフフフフフフフフフ」
 とかホザく魔女が爆誕してしまう。

 ママと離婚して別居もしたので、旧ルヴィア邸に住む「独り身のキリツグのお世話をしないと」などと言いながらセラがやって来ても排除。ゴロゴロしているだけのリズなんか来ても…
「帰って、私たちの邪魔をしないでっ」
 とか言いながら玄関で病気設定の緑髪先輩でも追い出して、空鍋を回し続けるシャーレイとか、黄緑色の丸い物体をキャベツと称して刻み続けるマイアとか、暴力教会のシスターみたいなナタリアがいて排除する。
 マイアなら金目当てにキリツグに付きまとうアイリに「中に誰もいませんよ」したり、他の女全員ぶっ殺したナタリアかマイアが、キリツグの頭だけ抱えてナイスボートするようなアルファ世界線になるかも知れない。
 パパとの二人だけの新生活を、売女(アイリセラリズ)に侵入されないように、鉈持ったシャーレイが「嘘だっ!」して、廃材置き場の冷蔵庫とかに分割廃棄して、友人たちの前でシャーレイちゃん一世一代の頑張りなんかを披露するかもしれない。
 この世界線のキリツグは、色々な失敗をしたアルファ世界線から、シュタインズ・ゲートを超えてベータ世界線に跳躍してきたはずなのだが、クロエ的な愉悦(しゅらば)のために破滅しようとしていた。
 アンジェリカみたいに一晩ヤっただけで、満足して成仏するような殊勝な女達ではない。

 もしイリヤが異世界士郎に「美游って呼びながらしてもいいよ、黒髪に染めようか?」とか、美遊の方も、「クロエかイリヤって呼びながらしてもいいよ、銀髪に染めようか?」とか言い出すと、両方のシローキュンも壊れる。
 比較的幸せだった世界が、周囲から連鎖崩壊し始めていた。

 男湯洗い場
 その頃、シローきゅんと一成きゅんは、若いピチピチしたお肌を、周囲を取り囲んだオッサン達から洗われていた。
「さすが若い子は、ええお肌しとるのう、水弾いとるで」
「ああっ」
「イッセー君の方も、若いカダラからエエ匂いさせとるのう」
「ひいっ」
 周囲から伸びた手に抱き締められたり、全身大きな手にゴッシゴッシ洗われてしまい、シロー二人と一成きゅん発射オーライ寸前。
 早くに父を亡くした一成も「お父さんに抱っこしてもらって、ぎゅっとしながら洗ってもらってるみたい」な感じで結構オッケー。うつろな目をして半落ちしていた。
 家風呂で化粧臭いシンナー臭い、エルフ耳の女狐の雌の匂いにも吐き気がしていたので、もうこちらの世界にとらば~湯する気マンマン。
 士郎二人も早くに両親を亡くして、切嗣パパからはこの手のサービスはして貰わず、「オフログライ、ヒトリデデキルモン」してしまったので、自分より遥かにデカくてゴッツイ親父、アレクサンダーとかカナダ人のおじいさん、オーギュストに品定めされながら隅々まで(イタズラ)われてしまうのは「はぢめて」だったのでビクンビクンしながら半落ちしていた。
 安永航一郎の漫画みたいに、銭湯内でこんなサービスがあれば大繁盛して、若い少年が別世界に旅立ってしまう。

 そんな状況を瀧子が防水携帯で撮影中。男湯内のハッテン行為を雀花と貴腐人の姉に提出するために動画撮影。
「アッーーーーー!」
 隣で一成が堕ちているのもガッツリ撮影。中までエルメロイ卿にお掃除されているのかもしれない。
「イリヤの兄ちゃん、あたしも洗ってやるぞ」
 瀧子も麻薬カレーを生産できる、同じ世界の士郎に嫁入りする気でいるので、一緒になって洗っている。
 他のオッサンがまだ手出ししていなかった、遠慮の塊を真っ先に洗ったりする羞恥心がない娘だった。
 もちろん瀧子がヤってしまうと児童ポルノになるので、ソッチなら画像を所持しているだけで逮捕案件で、会社員でもクビ、役員でもアメリカなら一発収監解雇逮捕拘束。
 通報されるとスワッティングされてSWAT部隊に殴られ蹴られて、ボッコボコにされた後で、刑務所から出て来ないように射殺される。
「瀧子タン上手やのう、まさかオッサンとかニーチャンのも洗わせとるんか?」
「いやいやいや、それはないで君、うちのカミさんがサッキュバスみたいなガイジンでなあ、チューチューとか大好きやねん」
 嶽間沢のオッサンも関西弁になり、すっかり関西の粉モンにアンリマユされているガイジン勢と一緒に漫才開始。
「それやったら10歳ぐらいからチューチューしてないと、瀧子タン栄養が足りんようになるなあ、それでちっさいんか」
「イリヤの兄ちゃん、カレー食わせてくれたら、毎日でもチューチューしてやるぞ」
「そ、それだけは許して」
 もし瀧子に寝込みを襲われ、目を覚ました時にチューチューされていたりすると、その現場を嶽間沢のオッサン、セラ、リズ、ナタリア、マイア、イリヤに見つかると殺される士郎。
 13歳以下なので、クロエにもデスノートに名前書かれそうだが、守護者として一緒に修行する程度で許されるかもしれない。
 アイリママの場合だけは、「さあ、子供はそこまでね、後はママと交代しましょうか」と撤去されて、未亡人下宿の管理人に朝の一番搾りをバックリ食われる。
 切嗣が追い出されてしまったので、旧衛宮家ではシローの寝床に夜這いする女が順番に、ママ、セラ、リズ、タイガー、桜人形、バゼット2人、ナナキの姉、雀花の姉、凛、美游(補欠)瀧子(補欠)雀花(補欠)ナナキ(補欠)ミミ(補欠)で日替わりというラノベ主人公になる予定だったのだが、シローきゅん二人も一成みたいに完堕ち寸前。
 傷あり士郎も、アンジェリカ、桜(正妻)ルヴィア、イリア(補欠)、向こうの世界のルヴィア、凛、魔術師の家系の女子全員順番種付け待ちという、ハーレム主人公になるところだったのが、違うセカイにハッテン中。
 異世界でも男子寮かどこかでジュリアン様も完堕ちさせられてしまう。
 士郎カレー食わされるとダブルで完堕ち。
 ベアトリス的にはその堕ち具合を観察して作業?に励めるので、それはそれでオッケーかも知れない。主人の処女?を守る気は無い。

 こっちの世界のギル様はジジイで上級者なので、エルキドゥさんがシローきゅんトンネル、一成きゅんトンネルの開通工事をしたり、童貞きゅんに筆おろしさせてNTRされても、横で撮影しながら、それでご飯三杯はオカワリ出来る最上級者だった。
 昨夜人形のエルキドゥさんの処女?は開通していたので、それ以降はヴァーリトゥードらしい。
「ほら、もっと体の力をヌイてみ? オッチャンらが優さしゅう開通させたるさかい」
「「うぐぅ」」
 今後養子に迎えたいシローきゅんの強張った「体」ををホグすエルメロイ卿。
 異世界への入口で出口のゲートをホグしている訳ではない。一成の方は不明である。
 超大型のアレクサンダー号が入港する前に、士郎の浦賀港が壊れてしまわないように浚渫(しゅんせつ)工事とかシローきゅんトンネルの開通工事も実施しないと、アレクサンダー号が座礁してしまう。
 エルメロイ家の妻に立候補したルヴィアと凛も、大王の小姓になったウェイバー君では満足させてやれないので、「義母ルヴィア」「義母凛」は士郎が開通工事して妊娠させて、エルメロイ家の後継者を作る事になる。

 この世界のエルメロイ家の後継者が100%日本人になるが、ほんの数世代で日本人色など消えてしまう。
 引退した演歌歌手のジェロさんみたいに、クォーターなのにお目めパッチリ、鼻高々で、褐色のきれいなお肌なので、あちらのDNAの方が濃ゆい。
 細目一重瞼、鼻より頬骨が高いような、劣性遺伝のデニソワ人系統のアジア人DNAなんかバックからサクっと掘られて、ネアンデルタール人のゴッツイデッカイ代物と入れ替わられてしまう
 異世界の方では士郎×ルヴィアの子ができるので、両親とも七英雄の子供が後継者になり、エルメロイ家は非常にハッテンするのが約束された。
 勝利を約束された剣よりも約束された。

 子供ができない両方の世界のギルガメッシュ亭?も継ぐので、桜とかイリヤ美游も養子か嫁入りさせ、コッチも「義妹イリヤ」「義妹美游」などと言う卑猥なカンケイでハッテンする。
 異世界魔術学校でお笑い学校の、ギルガメッシュ師範とエルメロイ校長の後継ぎと娘なので、以後のギルガメッシュ家もハッテンする。
 どちらも家督を継ぐ条件というか何というか、金ぴかのギルガメッシュ号に入港されたり大型船アレクサンダー号に入港されるので、一応血は繋がっている?と言うか、心も体も連ケツした後継者になる。
 異世界みたいに言峰綺礼の養子になる、ガングロ白髪の「言峰シロー神父」は出現しなかったが、入港入菌されて、白髪ガングロになって守護者になったり、指から銃剣生やす能力と中二病入菌されて「俺TUEEEEEEE」ラノベ主人公になるかもしれない。

 女湯
「おおうっ、タマランのう(鼻血)」
 女湯方面から境界を乗り越えて、上から覗きをしている雀花の姉。
 女湯から男湯への覗きは、この銭湯史上初の事件であるが、一段上のステージにいる人なのでキニシナイ。
「姉ちゃん、早く変わって、足も限界」
 その足場で土台にされているのは雀花とミミであった。
 雀花は観覧希望だったが、ミミはその他の汚いオッサンを見るよりは、瀧子とクロエが持ち帰った、士郎×傷あり士郎、士郎×一成、義父×士郎、エルキドゥさんが士郎NTR、もしくはNTRされる現場を待っていた。

 貴腐人の姉も体重とか乳は境界の壁に乗せているが、妹を踏みにじって台にして上がり、落下しないように今も肩とか頭を踏みつけて足場にしている。
 姉とか兄と言う奴は、そういう生き物である。
「衛宮君、しっかりしてっ」
 その隣ではナナキの姉が、思い人が別世界にハッテンして二丁目の住人になったり、源氏名がシ-ちゃんとか言うオネエにならないよう祈っていたが、シーちゃん完堕ち寸前。
「姉ちゃん、もう無理」
 その足場は、もちろんナナキである。
 ナナキの姉もデカイ乳とか体重は境界の壁に預けていたが、「妹思いの姉」な~んて生物はこの世に存在しない。
 姉兄と言う生物の脳内には、「妹弟=下僕」の公式が定理として存在する。
 洗い場に置いてあるケロリンの洗面器と、洗い場前に座る椅子では、強度不足で足場にできなかった。
 オッサンやジジイが女湯覗こうとすると、柔らかい材質が崩落する強度しか与えられていない。

「キリツグーー! いるかーー?」
 そんなハッテン場に、旧衛宮家で爆破されたナタリアが踏み込んで来て、ハッテン行為を中止させてしまった。
 マイアが縋り付いてやめさせようとしているが、聞く耳を持っていない。
 オーギュストに分からないように隠した、爆薬量が少なかった旧ルヴィア亭では被害が少なかったが、自分の家はマジ爆破して粉砕したキリツグ。
 クロエが埋まっていたイリヤを瓦礫から出しただけで、他は埋まって燃えていたのだが、聖処女ジャンヌみたいに火あぶりから復活した。
 近所の銭湯とかキリツグの潜伏場所は知らなかったので、セラとリズが案内、ママはまだ埋まって燃えている。
 コッチも勝利を約束された剣の鞘とか持っていたので、多分復活する。
 これはもう切嗣と士郎が、ナタリア、セラ、リズにハグからキス、お注射でもしないと収まってくれそうにない。
 ちなみに大河とバゼットは、今回の苦痛を「カレーの(シロー)からの試練」として受け止めているので、バゼット二人がルヴィア邸の被害者を救出している。
 殉教者みたいに、鎖で自分をシバいて血まみれになって喜ぶようなHENTAIに調教済み。
 踏み絵とか断って、宗教的に殉教スルのが大好きで、爆破されたり逆さ貼り付けのまま青竹打ちされたり、くすぐり拷問されて殉教?してジハードでシャヒードするのがお望みのムジャヒディンだった?
 

 

27ナタリア襲来

 丸腰の人形として召喚されたので、武装こそしていないが、生身では女たちの中でも最強の部類のナタリア。
 マイアでも止められずに銭湯まで来てしまった。
 セラとリズも笑顔が無くなって、マイアを拘束したり、ホムンクルスパワーでいつもの白い礼装に転身して暴れそうな感じ。

「ナタリア……」
 その時の切嗣は「生きていやがったのか、このゴキブリが」みたいに思ったが、そんな素振りは一切見せず、運命の恋人に再会したような顔で出迎えた。
「よくもまた爆破しやがったな、旅客機撃墜したのは蜂が拡散しないように処理したんだからこの際許そう、だが今回のは何だっ?」
 昨夜に再会を祝福してパツイチヤっちゃってたので、大体恋人同士の二人。ママとは縁が切れているので問題ない。
「バカッ! 僕の気持ちが分からないのかっ?」
 なぜか切嗣さん逆切れ、怒って乗り込んできたはずのナタリアに強めのマジビンタを入れた。
 周囲の人物も士郎二人も、一切イミワカンナイ状態だったが、渦中の二人だけが固有結界開いて、二人だけの愛の世界に入り込んで行った。
「今までずっと姉さんで母さんだと思ってたのにっ、ぼ、僕には結局、こんな愛し方しかできないんだっ、うわあああああああっ!」
 ヤンキー系、DV男の定番、女をぶん殴ってから、それが愛だと言い張って、いい加減な言い訳後のガチ泣き号泣。
 その痛みすら愛の一部なんだと女を騙して、言い訳も完了させる系統のクズの手口。
 こうしてやると頭固い系の女とか、身持ちが良さそうなしっかり者の女でも、一発でダメ男にヤラれちゃって、「この人にはアタシが付いていてあげないとダメだ」とかワケワカラン理由でコロっと騙されるらしい。
 基本的にはヤンデレとかボーダーとかワケワカンナイ系「アタシワルクナイモン」のムカツククソ女をぶん殴った後に騙すテクニックなのだが、ナタリアも沈黙して、自分の頬に響いた「愛」の熱さを感じていた。
 脂肪時には30歳前のナタリアを騙すなど、現在の切嗣には赤子の手を捻るようで、昔筆おろしから何から何まで当時弄ばれてしまった仕返しをする。
「うわあああっ、許してくれっ、姉さんでママが他の奴らと楽しそうに話しているのが、我慢できなかったんだ~~!」
 すでにナタリアは、切嗣から「クズ男のダメ男にだまされて、能力値が低いヤンキーとか働かない男に良いように使われ、殴られ蹴られる暴力夫に支配されて酒買いに行かされ、夜の店とかで働かされて貢がされる共依存系統の、ど根性ガエルの娘に出てくる母親みたいなバカ女」だと属性を見抜かれていた。
「ズキューン!」
 するとナタリアの胸の奥から、ハートのど真ん中10点満点を、トカレフのアーマーピアシングが強い、鉄芯の銃弾で打ち抜かれてしまったような音が響いた。
 イリアとか美游の中に内蔵されている、ガビーンと鳴る聖杯の反響音と似たような物である。
「好きいっ!」
 若い士郎二人と一成には何が起こったのか一切理解できなかったが、ナタリアは切嗣の暴力と涙に即堕ちして闇落ちして快楽堕ちして、号泣している切嗣を抱きしめて、涙を舌で拭ってエロい顔でキスまでしてしまった。
「「「ハア?」」」
 士郎、一成には理解できなかったが、周囲のオッサンからは「こいつ、なかなかヤルやんけ」とニヨニヨされ、熱いラブシーンを生暖かい目で見られてしまった。
 ナタリアさん、一瞬で補完されて即堕ち姉堕ちママ堕ち完了。

 切嗣から士郎にも、ハンドサインで「セラを堕としてみろ、もう一人の士郎もリズをメスブタに堕とせ」と指令が来てしまった。
 マイアは切嗣のメスブタとして既に堕ちているので、まだ新品のホムンクルスを下僕で奴婢として「利用」するように指示された。
「ルヴィアさんの家を爆破したのはシローですね?」
 旧衛宮家での話題は、若かりし頃の切嗣の中二病時代を笑っていたが、ルヴィア邸での話題は言峰シロー神父の超中二病設定だった。
「いや、あれは背中に乗ったままの瀧子が……」
 まず選択肢と回答を間違えた士郎。
 前時代的だが、左門豊作が女をシバくと改心して不良を辞め、善良な奥さんになろうとする、な~んて話はありえないのだが、一部ナタリアとかセラには有効である。リズは不可。
「昨日、クロエと一緒に寝ましたね? 一体何をしたんですかっ、ついにあなたと言う人はっ?」
 またセラに胸ぐらをつかまれて、異世界士郎のように往復ビンタを食らいそうになった、この世界の士郎。
「ヤ、レ」
 またハンドサインが切嗣から出て、親指を下に向けて「KILL」の指令が来た。
 ぶん殴られそうだった士郎は、訳も分からず切嗣の指示に従った。
「セラのバカッ!」
 結構子供の頃からお世話になって、自分で料理を覚えるまでは家庭料理と言えばセラ、繕い物でも体操服の名前付けも下着や靴に名前を書いてくれたのもセラ、授業参観でも運動会のお弁当でも学校の合格発表でも制服の試着サイズ合わせでもお母さんと言えばセラ、一緒にお風呂とかもして、初オナニーのオカズもセラ、その後のオカズも初恋の相手もセラだった士郎キュンも、切嗣と同じようにセラをシバいた。
「シロー?」
 ここで選択肢とか返答を間違うと、転身されて礼装したホムンクルス用の武器で処刑される。
 クロエに手出ししてしまったので、問答無用でリズと一緒にちょん切られる。
「セラは俺の「お母さん」なのにっ、ずっと俺の世話をしてくれて、分からないことは何でも教えてくれて、ずっと俺の「ママ」だったのに、他の奴に取られるのが嫌だったんだっ、うわあああああああっ!」
 セラも自分の頬を押さえて「子供の頃から面倒を見てきた男の子」をガン見しながら、「愛?」の熱さが体の芯にある赤ちゃん袋と卵巣まで到達するのを感じていた。
「ガビ~~ン」
 するとセラの中からも、イリアや美游みたいな音が鳴って、今まで苦労してオフにしてきたシローきゅんスイッチがガッチリオン側に切り替わり、「アイリ様の夫であらせられるキリツグ様にお仕えします」スイッチがシーケンスの安全装置によりオフに切り替わった。
 音が鳴るのはホムンクルス陣営には共通の装備らしい。
「俺だけを愛してくれっ、母さんっ!」
「好きぃっ!」
 セラも士郎を抱きしめて、泣いている少年を胸の奥にまで迎え入れて、唇で涙をぬぐってから母の顔で熱いキスをした。
 元から「カレー粉と寸胴とスパイスが揃えば、シローと私のカンケイは完全になる、ハァハァ」とかソラウさんみたいな寝言をホザいていたので、胃袋に続いてコブクロも掴まれ、乳の奥にある心臓なんかもギューーっと掴まれて、「ジャッジメントチェーン入りましたぁ」的な支配をされ胸の奥とかもベッキボキ。
 女脳で、正常な思考回路とかは破壊、子宮と卵巣から命令が来て「シローの子供産め」「排卵開始」「今すぐ一緒に寝て、シローキュンを子宮までご案内」「避妊禁止だいしゅきホールド外出し禁止」の命令が出たので、記憶の整合性だとか世間体とか色々な制約や理屈は強引にそちらに合わせてしまい、記憶まで書き換えて、世間の価値観でも言葉の意味でも全部書き換えてシローきゅんとの愛に無理矢理にでも適応させる。
 この場合、母の愛なので士郎が浮気野郎でも無職でも殺人鬼でも母の愛は揺るがない。恋愛脳になって母の愛でヌメヌメのヌルヌルの思考回路。
 自分が「ママ」なので、美遊を奥さん貰おうが桜人形がどうしようが、ナナキの姉とか雀花の腐女子の姉が何を晒そうが、ソッチの方がムチュコタンを奪いに来る泥棒猫で、「浮気」である。
 浮気相手がシローに何かしようものなら、母の愛で全員井戸の底に放り込んで始末できる。
 セラさん即堕ち完堕ちママ堕ちして、闇落ちも準備オッケー、後は一緒に寝て快楽堕ちして妊娠出産すれば、一生士郎と子どもたちの愛のドレイである。
 シャア大佐がララァ少尉さんにバブみを感じてオギャリたい感じが理解できたセラ。
 もうカラオケで「マドンナたちのララバイ」を3番まで、泣きながら熱唱できる。
 セラはついに自分の居場所を見つけた。
 軽く統合失調症なんかも発症して、ドーパミン過多で幻覚見て、クリーミーマミの最終回エンディングみたいに、俊夫の子供連れて牧場にでも行って、幸せな家族連れとして休日を過ごしているような妄想をして、ソッチの方を現実として扱ってしまい、今までの人生というかホムンクルス生を全部ごみ箱に捨てた。

「く、来るな、シロー」
 傷あり士郎に接近され、自分も他の二人みたいに即堕ちさせられ、残りの人生を浮気男でダメ男に暴力で支配され、良いように使われて寒空でも酒買いに行かされて、夜の仕事をさせられて、下手すれば体まで売って貢がされる人生がスタートしてしまう。
「昨日会った時から綺麗な人だと思ってたんだ」
「言うな、それ以上何も言うなっ」
 ナタリアやセラのように、ダメ男に尽くすことによって、共依存で生きていく依存症女と違い、独立した思考を持っているはずのリズなのだが、ホムンクルス脳で絶対服従回路(イエッサー)が有り、指定された主人、アイリやキリツグには反抗する事ができない。
 血は繋がっていないが養子であるシローにも強制力があり、キリツグ経由で命令されてしまうと、リズは逆らえない。
 アイリからはママの壁、メイドの壁、妹の壁、その下の存在だとされたシローだが、そのアイリが既にシローの下僕で、胃袋もコブクロも掴まれているドレイ。
 目を泳がせてナタリアとセラを見ると、両方共デロンデロンに溶けてしまって、女脳が幸せいっぱいのお花畑世界の固有結界を開いて、雛見沢症候群レベル5発症中。
 二人の今後の愛の世界を見て、現実世界なんか何も見ちゃあいなかった。
 そこでリズの現在の主人で所有者である、キリツグからも指令が来た。
「リズ、君の所有権を士郎に託す。今後、君は一生士郎の子供を産んで育てて、子供と士郎の世話をするんだ」
「ああああああああっ!」
 リズの中からもガビーンと音が鳴って、所有者の名義変更と運命の乗り換えが行われた。
 あとは一緒に寝て、シローきゅんから実印押されて書類提出すると、新所有者は士郎になる。
「俺と契約してママになってよ」
 ナメクジみたいな顔して泣いて、目と鼻と口から水分垂れ流しているリズも、特権命令で子宮と卵巣に指令が来て「シローの子供産め」「排卵開始」「今すぐ一緒に寝て、シローキュンを子宮までご案内」「避妊禁止だいしゅきホールド外出し禁止」の命令が出たので、記憶の整合性だとか世間体とか色々な制約や理屈は強引にそちらに合わせてしまい、記憶まで書き換えて、世間の価値観でも言葉の意味でも全部書き換えてシローきゅんとの愛に無理矢理にでも適応させる。
 この場合、母の愛なので士郎が浮気野郎でも無職でも殺人鬼でも母の愛は揺るがない。恋愛脳になって母の愛でヌメヌメのヌルヌルの思考回路。
 自分が「ママ」なので、将来イリヤを奥さん貰おうがアンジェリカ人形がどうしようが、義母ルヴィアとか向こうの世界のリンとルヴィアが何を晒そうが、ソッチの方がムチュコタンを奪いに来る泥棒猫で、「浮気」である。
 浮気相手がシローに何かしようものなら、母の愛で全員井戸の底に放り込んで始末できる。
 リズさん即堕ち完堕ちママ堕ちして、闇落ちも準備オッケー、後は一緒に寝て快楽堕ちして妊娠出産すれば、一生士郎と子どもたちの愛のドレイである。
 シャア大佐がララァ少尉さんにバブみを感じてオギャリたい感じが理解できた。
 もうカラオケで「マドンナたちのララバイ」を3番まで、泣きながら熱唱できる。
 リズもついに自分の居場所を見つけた。
 軽く統合失調症なんかも発症して、ドーパミン過多で幻覚見て、クリーミーマミの最終回エンディングみたいに、俊夫の子供連れて牧場にでも行って、幸せな家族連れとして休日を過ごしているような妄想をして、ソッチの方を現実として扱ってしまい、今までの人生というかホムンクルス生を全部ごみ箱に捨てた。

 この場合、どっちの士郎所有なのか言われていないので、セラとたまに交換してのスワッピングでもオッケーで、二人の士郎の愛の奴隷でママでお母さんである。
 年頃の娘では決してできない恥ずかしすぎる行為でも何でもオッケー。内臓の奥まで撮影されても出産シーンまでガン見して観察されても「変態っ、変態っ」とは言われないし拒否されない。

(ホムンクルスでも流石は姉妹で双子)
 イリヤと美游のように、異世界での同一人物みたいに何もかも同じの二人を見て感心したクロエ。
 日頃の性格は全く違うのに、男にぶん殴られてから泣かれると、即堕ちして体売ってでもダメ男を養い続ける共依存女だった。
(ナタリアまで一緒なんて、パパ、恐ろしい人……)
 クロエもちょっと月影先生になって、切嗣の恐ろしさの片鱗を味わっていた。
 この状況なら、シャーレイぐらい明日には自分から銀髪になって、「クロエって呼びながらして、パパ」とかホザいてオネダリをするのが見えるようだった。
 

 

28魔女シャーレイ

 クロエは自分の口から出まかせの嘘能力が高いのは、パパからの遺伝なのだと納得した。
(パパ、恐ろしい人……)
 ホムンクルス陣営は、これから士郎二人に乙女を捧げて一生の契約をして、妊娠出産して子供を沢山産むために、体を磨きに女湯に向かった。
 もちろんママとかもシローきゅんラブラブで夜這いしまくるので、旧ルヴィア邸、現クロエ所有で新切嗣ハウスに逃げないと、ママとナナキ姉と雀花姉と瀧子(11歳)に襲われる。
 ナタリアも自分の「夫」に全てを捧げるため、煤だらけで燃えてしまった体を磨きに女湯に向かった。
 これだけの騒ぎを起こして、男湯でも洗いっこのハッテン行為をしたので銭湯出禁になりそうだったが、番台のババアが目をキラキラさせて泣いて、ママ達の純愛?が成立するように応援した。
 このババアも腐女子で共依存で、マツケンとかマツケンサンバの振る付けのオネエのオッサンとか、ジャニってる少年×オーナー、氷川きよし×松村雄基、平井堅×ALLのファンらしい。
 アレクサンダーとオーギュストとカナダ人のおじいさんの、ガイジンさん特有のゴッツイカダラを見て、NHKドラマの田亀源五郎先生原作の「弟の夫」も観ていた相撲好きなババアは、夫役を把瑠都関が演じてLGBTへの偏見をなくしていたので、「ハッテン場オッケー」な感じになっていた。

 もう「弟の夫」は、文化庁メディア芸術祭 マンガ界のアカデミー賞アイズナー賞の最優秀アジア作品賞まで受賞し、日本人では手塚治虫先生や水木しげる先生に続いて5人目の快挙。
 まだ販売には直結していない物の、日本中の図書館と小中学校の図書室に、LGBT教育用図書として置かれるのは確実。
 昔、同和教育用に必ず置かれていた「カムイ伝」のような感じである。
「カムイ外伝」は普通の忍法帳なので置かれていない。
 NHK総合でドラマ化されたということは、図書館内なら閲覧自由、どっちかと言うとNHK総合より教育のEテレとか24時間テレビで放送されてしまう系のお話になった。
 クマ先生と生徒のお話は絶対に置かれることはないが、「弟の夫」は全図書館に置かれる。

 それ以前に、ギル様とエルメロイ師匠が「全員でなんぼや?」と古代バビロニア金貨で支払ったので億超え、権利書貰わなかっただけで銭湯店ごと買っているのも同然で本日貸し切り、永久無料会員扱いだった。

「ウフフフフフフフフフフ、ケリー?」
 さらにシャーレイ陣営も銭湯(戦闘)に参戦。
 ナタリア達の後をつけて来て、既に銀髪のかつらも持ち、魔女なのでクロエと同じく入口から男湯に直行。
 ナタリアみたいにシバいて調教しないでも、既に闇落ち魔術落ちしているシャーレイなので、どっかの第二世代エンジェロイドみたいに「愛って痛いんでしょ? 痛いんだよねえ?」と言い出すぐらい病んでいて、シバかれる以前に爆破されて痛かったのは全部「ケリーからの愛」だと思い込んでいる。
「アタシ、ケリーの気持ち知ってるんだよ、これも全部愛なんだよね?」
 などとホザいていた。
 クロエ色のカラーコンタクトは後日調達するとして、自分からクロエの後釜に座り込んで、「パパ」「クロエ」のカンケイになるんだと決めて男湯に侵入した魔女。
 今後、男親から浴びるように愛を貰い、「自分の命よりも大事な娘」として切嗣の家に侵入しようとしているポケットには入りきらないモンスター。
 スマホからモンスターボール投げても絶対にゲットできない。
 もちろん自分だけが永遠の小学生なのを知っているし、こっちの世界の桜よりも強力な、病んだ魔女が爆誕していた。
「ケリー? 来ちゃった」
 折角ナタリアとセラ、リズを撃退したのに、もっとすごい魔女が男湯に来てしまった。
 陽キャだったはずのシャーレイは、魔術落ちして死徒になっていたので、すっかり陰キャになり果てた。
 日本語が分かれば「ムー」とか定期購読して、「リーインカーネーション」とか「復活」とか検索しまくり、その手の掲示板にまで出入りして「前世の記憶を持っている人集合」とかスレ立てするぐらいのオカルト系魔術系にドップリ嵌って、「前世で(魔術協会)(FGO)と言う組織に心当たりがある人は連絡ください」みたいな超イタイ子になった。
 転生するときに、女神アクアの女神的なアレで日本語習得済みだったので、スマホとか貰うと毒電波を撒き散らす病んだ子になる。
 ナナキの姉とかママとかザコにしか見えないレベルの魔女。
 余裕で桜超えの魔女で、ヤンデレ度でもジャンプ台のK点超えて、バッケンレコードを更新し、最長不倒距離に到達していた。

「シ、シャーレイ……」
 切嗣の目の前で一瞬で全裸になって、ワンピースとパンツをロッカーに入れ、銀髪のかつら装着。
 爆破されたのを責めもせず、ニヨニヨ笑って抱き着いて来るから余計に恐ろしい。
「あれってケリーの愛なんだよね、愛って痛いんだよね」
 目付きがすでに壊れていて、今にもニワトリ踊り食いしそうな雰囲気。
 目の下に黒いクマさんが引っ越して来ていて退去拒否、悪役線まで入って「ねえ、クロエって呼んでよ、パパ」と目で語っていた。
「ねえ、クロエちゃん、もうすぐ守護者になって消えちゃうんだって? じゃあ、貴方の居場所と名前、私に頂戴?」
「ヘ?」
 さすがのクロエさんでも、自分の地位を要求されてイミワカンナイ状態。
 それでも目の前の病んでいる少女は、銀髪のかつら被っている所からも、自分が消えた後に切嗣の娘の地位に居座り、自分から「クロエ」と呼ばれたがっているのを感じた。
(怖E~~~)
 士郎(センパイ)にハートを掴まれている桜とか、現在進行形で病んでいるタイガーとかバゼットかママなら、胃袋掴まれて堕ちているだけなので、どうにでもなる。
 しかし、メスの顔をしてパパに言い寄って、クロエと呼ばれながら一緒にお風呂でも、寝ている間にイタズラされても、夜のお勤めでもオールオッケー、「パパのお嫁さんになる~~」と全力で眼で語って、それに逆らう女は全部踊り食いしてやろうと思っている死徒を見て、クロエの背中に「さぶいぼ(鳥肌の関西呼び)」が走った。

(うわ~~、すごいの召喚しちゃったよ)
 ナタリア、マイアなら記憶障害程度で、カレー食ったら直った。
 シャーレイの場合多少人格障害だったのが、前世?の魔術が残っていたのかカレー食って超ヤンデレに成長して、踊り食いされたニワトリが「you来ちゃいなyo」しちゃって、死徒レベルで人格障害の悪鬼羅刹の悪魔超人が降臨した。
「ねえ、アタシに名前もちょうだいよ、これからパパにクロエって呼んでもらうんだ、いいでしょ?」
「ヒッ」
 人形とは思えない凄まじい腕力で拘束され、お願いじゃなくて脅迫されるクロエ。
「瞬着!」
 既に我が身不退転で、ケリーに賜りし21個の零式鉄球で、戦鬼形態として鋼鉄の肉体なんかも持っているシャーレイ。
 さしものクロエでも、この魔女で戦術鬼には溶かされるか、氷のブレスで凍らされて散華幸されそうな気がした。
「ねえ~~、アタシにあなたの名前と居場所を頂戴~~」
「ひいいっ!」
 瞬着したアーチャーの服の中に入り込まれ、病んだ眼のままのシャーレイにしがみ付かれるクロエ。
 もし生身だったら、「その体と顔、アタシに頂戴よ~~」と言われて、ドロドロに溶けたまま体中の穴から侵入してきそうな悪鬼羅刹には、さすがに恐怖した。

「シャーレイッ」
 キリツグが最愛の娘のクロエを守ったのか、幼い頃に失った初恋の女の子を取り戻して抱き締めたのか、危機を逃れられたクロエ。
「いいんだ、もういいんだ」
 シャーレイちゃんだいしゅきホールドで魔女を無力化したキリツグ。
 こちらもレベルを上げて物理で叩いても、シャーレイはワルプルギスの夜さんの周囲で回ってる魔法少女ぐらい物理攻撃無効だったのだが、キリツグの精神攻撃の前に堕ちた。
「ケ、ケリー」
 さっきみたいにナタリアぶん殴って、逆切れでメスブタに落とすような男だが、40超えて子供出来ても「僕」とかホザいているオッサンなので、初恋のシャーレイちゃん死徒にされて、自分で親父ぶっ殺した辺りで精神年齢が固着していたようで、ここで全てのトラウマの元で、「この世にいる魔術師、一人残らず全員ぶっ殺す」と幼い少年に誓わせた呪いが解けた。
「これからは僕が、いや、私が君を守る、「シャーレイ」のパパにでも、スーパーマンにでも、何にでもなってあげるよ」
「ケリーーーーッ!」
 こっちの魔女も呪いが解けたのか、以後ニワトリ踊り食いとか、ナタリアとかアイリママとか踊り食いしないでも済む普通の子供に戻れた。
 サーヴァントのクラスがアベンジャーでオルタ化して、礼装が黒になっていたシャーレイだが、オルタ化が終了して白装備になった。

「「「「吉本やのに松竹みたいや~~」」」」
 何故かエルメロイ卿二人とギル様二人も貰い泣きしながら、お涙頂戴の泣き売を見て、お捻りを投げていた。
 バビロンの宝物庫から投げたので億単位である。

「これが最後のシャーレイじゃないわ」
 いつの間にか湯戻し作業が終わって復活していたイリヤが、バスタオル巻いてクロエの隣に現れた。
 多少アフロヘアーで、焼き上がってクロエ色もしていたが、高野豆腐みたいに戻った。
「次には塩水(キリツグのなみだ)で溶けないで、海水を吸収して無限に増えるシャーレイが送り込まれるに違いないわ」
 イリヤは石坂浩二がするはずのナレーションを自分で言ってしまったので、サスケ風に「解説せねばならない」とか、マダオでシンジ君のパパのナレーションが入った。
 言峰綺礼みたいに、ポケモンかドラクエの町を回るとセーブポイントの教会にいて、カレンオルテンシアが魔女(ポケモン)病院にいて、バゼットが警察署にいる世界で、キリツグ魔術師殺(オーキドハカセ)しの隣にいる助手とか、その類のキャラになって増殖する、らしい。

(あー、危なかった)
 守護者でも戦闘艦でも犠牲にしなければ倒せない、第二世代エンジェロイドみたいな魔女が出現してしまい、マッスルリベンジャーでもクロエバスターでも破壊できない2000マンパワーぐらいある魔女とエンカウントしたが、切嗣がオルタ化を解いた。
 今後、ナタリアが「私がママになってあげる~」とかホザいてウザ過ぎて、「あぁ?」と言われて再オルタ化しなければ大丈夫なはず?

 さらにダメージが低かった、凛、ルヴィア、美游、アンジェリカ、桜陣営が銭湯まで来てしまった。
 タイガーとバゼットと葵が止めようとしたが、王蟲達は目が赤く変色していて止められなかった。
 さっきから止めようとしていた連中は、縛りオシオキ電撃ハリツケお漏らしプレイまでオッケーな連中だった?
 
 

 
後書き
君の名は。SSも書いてみましたが、あれは一般人が見るアニメなのか、こちら側の人には不人気だったようで、大して閲覧数が増えませんでした。 

 

29ナタリアの愛

 その頃の女湯

 洗い場に入場した、ナタリア、セラ、リズは、瞳孔開いちゃって壊れた「レイプ目」をしていたが、心の中身は「ママ」としてガッツリ満たされ、セラとリズは下のお口とお腹の中、赤ちゃん袋が空っぽなのを嘆いていた。
「ああ…… 子供だったキリツグ坊やがあんなに立派に(どこが?)、それも一回だけ体を許したら、一日必ず3回以上、休日だったら一日中ずっとヤラれちゃって、パンツも履かせてもらえなかったのに、昨日は一回だけだったのに、アタシの方があんなに夢中にさせられてしまって……」
 バレバレなのに毎回風呂を覗きに来て、ナタリアの脱ぎたてホカホカのパンツで自家発を始めてしまう少年に、「キリツグ、入ってらっしゃい」と言ってしまったが最後、もう毎日乾く暇が(どこが?)無いほど、上から下からオスの汁で満タンにされ、擦り切れるまで使用されてしまい、「サカリが付いたオス」の破壊力を覚えさせられ、人類が交尾できる回数の一生分犯し尽くされてしまったナタリア。
 ナタリアの体は鉄ではできていないが、その成分の半分はバファリンみたいに愛とキリツグで出来ている。ドリンクさせられて胃と腸で消化吸収させられた成分的にも。
 それも一切避妊してくれないで、金8白人で青い目のお姉さん妊娠させる気マンマンの日本人少年だったので、自分が家族計画と妊娠管理してピル飲んで、生理の日でも絶対に許してくれなかったのを思い出す。
「あの時、子供一人だけでも産んでおけば…、避妊するんじゃなかった」
 キリツグに育てさせるか、孤児院で育つことになったが、それでも「愛の結晶」が欲しかったナタリアは、あの頃に毎年でも子供産んでおかなかったのを後悔していた。
召喚主(アンジェリカ)が言っていたように、毎月生理無し、便秘無し、出産痛無しなのは有難いけど、「愛の奇跡が起これば、一度か二度、出産が可能かもしれない」と言っていたな、あれは本当だろうか?」
 情報源(アンジェリカ)もクロエに騙されているだけだが、あちらは聖杯の願いで少し受肉しているので、その気になって「真実の愛」があれば妊娠出産オッケー。
 しかし、ナタリアとマイアとシャーレイ陣営は、普通の人形なので受肉していないし妊娠出産不可。

 ギル様も受肉しているので種付けオッケーなのだが、お相手が半神半獣のエルキドゥさんで、メスの生殖器官が無いので妊娠不可。
 女神クロエたんを養子に迎えて、シローきゅんも内弟子で養子に迎えて二代目ギルガメッシュ亭襲名。
 嫁の方は異世界の妹同士入れ替えスワッピングした美游とイリアが嫁入りするので、16歳になり次第籍入れて、毎年お腹が空く暇がないぐらい出産する。

「ああ、子供ができない体が呪わしい、でも、私のボウヤはキリツグなんだわ」
 もうナタリアは、キリツグの「ママ」なので、母の愛で包み込んで、毎日マドンナたちのララバイを鼻歌で歌いながら家事をする。
 パンツも履かせてもらえないで、当時の自分のように毎日毎日ボロ雑巾になるまで「使用」されてしまうのは、マイアとシャーレイに任せるとして、義理の母で継母としてイリヤとシローの世話もする。
「ああ、でもあんなに健康な男の子と同居していたら、きっと「義母(ナタリア)」の体にも興味を持ってしまうわ、ダメよ、あたしはキリツグのママなんだからねっ、べ、別にシローのためにシてるんじゃないんだからね、か、勘違いしないでよねっ(///)」
 先ほどから、脳汁垂れ流しのナタリアのセリフは、( )のモノローグではなく「 」で、心の声垂れ流しで有らぬ事までツンデレ言語で口走っていた。
 もちろん勘違いしていて、色々と気が違っているのはナタリアだが、こちらもイリヤ美游と同じく恋愛脳でお味噌グツグツに煮えたぎって、タンパク質が分解を始めてドーパミン過多で幻覚とか妄想が見える統合失調症。
 そんな気の毒で無様で滑稽なナタ~リアさんに話しかける人物。

「大丈夫ですわ、ナタリアママさん」
 ナタリアの隣りで体を磨いていたセラが、聖母のような表情とレイプ目で話し掛けてきた。
 セラの方もさっきから脳汁垂れ流しで、願望とか幻覚とか妄想とか出産とか口走って、有らぬことを言い出して自分で感動して泣いていたが、傷なし士郎の「ママ」として生涯勤務するセラが、ナタリアの貞操を保証した。
「これから、シローの写生?管理は私がします。日誌に付けて、体を壊したり低タンパクで関節や股間を傷めないよう、食事とか回数も管理しますから大丈夫ですよ」
「ああ、それなら」
 桜人形とか中田氏自由、性病フリーのダッチワイフも使わせ、お嫁に貰ってくる美游とか予備役で補欠の小学生は、キスとイタズラ以外14歳まで使用禁止。
 ナナキの姉、雀花の姉、タイガー、バゼット、カレンオルテンシア、アイリ、瀧子(補欠、チューチュー専属)なども日替わりで許可を出すが、子供を求められたりすれば、出産するのは自分だけだと思い込んでいるセラママ。
 目の下にクマも悪役線も居住していないが、目を見開いたまま閉じないので目が乾かないように常時泣いていて、表情が笑顔なので怖すぎる。

「でも、もしキリツグが「僕の筆おろしまでしてくれた、お前の新しいママだ、アイリも使っていいが、ナタリアママとも愛し合って、これから本当の家族になるんだ、さあ、ママと呼びながらスルんだ」な~~んて言い出して、ビデオで4k撮影しながら何度もRECされてしまうかも知れないっ」
 もうナタリアは、人として、人形としてもダメになっていた。
「まあ、そちらの「坊や」がご希望するなら良いじゃありませんか、ママとは坊やの要望(わがまま)には、何でも答えるものですよ」
「ソウナノカ?」
 あのクソ真面目だったセラは、もうこの世にはいない。
 もし傷なし士郎が、「さあ、これが俺の新しい家族だよ、みんなで愛し合おうよ」な~~んて言い出すと、ハッテン場のど真ん中に連れ込まれて、新しい家族と愛し合って、ママが他の家族にNTRされているのをRECされてしまう。
「ああっ、でも「ワシ(アレクサンダー)も女は久しぶりだな、どれ、ご相伴に預からせて貰おうか?」な~~んて言われて、大型船アレクサンダー号に入港されて、他にも沢山入港されてしまうと、浦賀港が壊れてしまって、シロ-を受け止めるには相応しくない、アイリ様みたいなガッバガバで真っ黒けな経産婦の穴になってしまうかも?」
 もうセラも、ホムンクルスとしてダメになっていた。
「大丈夫よ、こっちはシローきゅん専用になるように魔術を掛けてあげるわ。ほら、ここもキリツグボウヤきゅん専用よ、でも他の「お客様」とか「学校のお友達」が大勢来てしまったり、ママNTR目当てに連れて来られた時は、お口と後ろで「オモ~テナシ」できる様にしておきましょう」
「ああっ、ナタリアママさん、いいえ、お義母様っ」
「ええ、私たちは新しい家族で、血は繋がっていなくても家族なのよ、キリツグとシローが父と息子になれたみたいに、私達も母と娘になりましょうっ」
「はいっ、ナタリアお母様っ」
「さっきのシャーレイちゃんもマイアも私たちの家族で娘よっ」
「はいっ」
 女湯でもハッテン?行為が行われ、愛情で脳汁出まくりでSっ気が多めになって、エンドロフィンとかドーパミンとかセロトニンとか垂れ流しで抱き合って、無事?ロザリオ贈呈とかスールの誓いが行われた。
 ナタリアからロザギガンティア(ガチレズ)・アンブートゥン・プティスールに指名されたセラ。
 マリ見ての初期エンディングの祥子様みたいにヤバイ目つきでセラを見て、恋人繋ぎで手を繋いでいる二人。
 間にロサカニーナでブートゥンとして、アヴェマリア独唱するマイアが入れられるらしい。

 その状況を、素面(しらふ)で通常の状態のマイア達が見ていた、マリア様は見ていない。

 もし現在のシャーレイに、「私が新しいママよ~」などとホザいて抱き着くと、一瞬でシャーレイのソウルジェムが真っ黒になって腐り落ちて堕天。
 まどかマギカ文字で「魔女シャーレイ」と画面下に出て、固有結界開かれて、アングラ芝居の劇団の背景になり、半分食われたニワトリが飛び交い始め、永遠に枯れない花が咲き乱れ、南の島の楽園のような場所が火の海になる地獄絵図に染まる。
 マミさん(誰?)がティロフィナーレしても倒せず、頭から丸かじりで踊り食いされるので、シャーレイに対応するときは、ほむほむか切嗣みたいに爆破しないといけない。
 シャーレイの中の人も、おジャ魔女でネイティブ関西人の発音をして「中の人、久川綾か?」と思うぐらいのキッツイ、ごっつい関西弁なので、ほぼ物理攻撃無効である。

 その頃のリズ

(おお~、ヤッベ~、下の毛とか脛毛、未処理でボーボー、毛の処理してなかったら大惨事だった)
 ちょっとセラにでも頼んで、背中の毛も剃ってもらわないと、人形でトゥルッツルのアンジェリカの体しか知らない傷ありシローから、リズ=毛深いしボーボーの定理が設定される所だった。
 デリケートゾーンを貝印のカミソリでソリ剃りして行くリズ。
 本来なら処女の毛なので、ギャンブルとか幸運のお守りとして保存しておかないとイケナイのだが、残念ヘアーと思われないように捨ててしまった、残念なリズママ。
 処女のデリケートゾーンをソリソリした物件は、神社のお守り袋に入れて相手に提出するのが日本のマナー?なのだが、ガイジンでホムンクルスのリズは知らなかった。

(コッチのシローには、大股開いたまま大の字でソファーに転がってるの見られて、Tシャツ乳丸出し、パン1とかホットパンツ一丁で両側の土手とか毛、具の中身もケツ穴もハラワタの奥も、丸出しで寝てるとこ見られて匂い嗅がれて、グーグーイビキかいてヨダレ垂らして白目剥いて寝てるとこ携帯で録画されて、毎回ガン見されてるから女として完全に終了してるけど、向こうのシローきゅんの前では大人しくしてないとなあ)
 傷無し士郎的には、暖かい間ずっと丸出しで寝ている所をガン見できて、クパァして録画しても乳揉んでも下脱ぎさせても起きない。最大画質で尿道からハラワタの中身までクッキリと写真撮影しても、フラッシュ焚いても目の前で自家発してもパイ間や腹、手コキさせながら顔や目の中にかけても一切目が覚めないで起きない珍獣扱いだったので、大体向こうの世界にママ入り?しても、似たような状況になる。
 ヤリたい盛りなのにオカズも無い男子高校生には、最高のサービスでプレゼントである。
 局部だけなので誰なのか入手先も分からないので、クラスメイトとも回し見して、学校内のヒエラルキーとかでも「神」になれた傷無し士郎。
 我慢できなくなり、ハメ撮りしようとしたら流石に起きたが「だいしゅきホールド」され、クロエとかイリヤ、セラに見つかって「リズが」タコ殴りにされたので未遂である。

 クロエも士郎の前でだけ同じことをする。回覧されないように撮影は禁止。寝た振りして起きたまま「グーグー」とセリフを言いながら同じサービスを実施してくれる。
 切嗣がいない間は、アイリママのも自由に録画提出回覧できた。
 ママは沢山の男子高校生のオカズにされるのまで期待して撮影させている露出狂の痴女である。
 今後は離婚したので、ババアなのにコスプレ会場ではほぼ全裸でカメコの前で露出。
 学校前にマジックミラー号なんか設置してやると、全校生徒の男子全員でもご利用オッケーな痴女である。
 軽トラのワンボックスで狭ければ、ハイエースとかレンタルして、男子高校生を数人逆ハイエースするアイリママ。

 リズはこれから、2,3日猫被れても、暖かくなるまではコタツの中でパンイチ丸出し、ケツボリボリ掻いて、あんまり間近で見ていたら屁までかまされて、だらしな過ぎて人生ノーガード戦法で生きているのも一瞬でバレる。
 アスカみたいにシンジ君に目の前で自家発されても、指とか実印挿入されても、ハメ撮り中田氏されても気が付きそうにないぐらい熟睡している生き物なので、リズは今後ともそういった用途に使用される。
 

 

30ジュリアンの愛

 残りのメンバーも、旧ルヴィア邸の風呂で爆破されてから、怒りのオーラを発したまま銭湯に来てしまった。
 ドリフのコントみたいに焦げて服にも穴が開いていて、口から煤吐いたり黒ギャルになって、アフロヘアーの凛とルヴィアと美游は、目が攻撃色の赤に変化しているので、バゼット二人でも止められなかった。

 止めようとしたタイガーは胃袋も子袋も掴まれているので「心臓を捧げよ」ぐらいの感じで「はぢめてだけど、士郎きゅんで教祖様に全部あげちゃう(強制)」ぐらいの心構えで来ている。
 士郎が小学生の頃にも教えた教師なので、新任だとしても士郎が成長する6,7年経過すると三十路ギリギリ。
 ヤフー知恵袋とかで「小学校教諭をしています、教え子と結ばれました。彼が結婚可能年齢になれば結婚して、出産もしたいです、産休を取って休んでからも教諭を続けたいと思います、法的に許されるでしょうか?」とか掲示板に書いたり相談すると、通報されて逮捕される案件である。
 もし「小学生時代から教師の立場で男子児童にイタズラしていて、生徒が高校生になってから結婚しました」な~~~んて発覚すると、ショタコンマニアの女性からも羨ま死刑。
 男にはノーダメージで良い思いさせてもらったとしても、アメリカなら大河が20年は収監されて出られないぐらい食らいそうな罪である。
 タイガーが獄中で出産したり、刑務所内でガラス越しに結婚式と指輪交換して、「愛があったんだ」としても元小学校教師がやった犯罪で、児童虐待でレイプなので出所後でも足にGPS付けられて、昔の職場に挨拶に行ったり書類貰いに行っただけで再逮捕。
 まあ現実にはタイガーは「まだ」処女なので犯行には及んでいない、はず?
 多分セラみたいにママ落ちしそうなふぃんき(何故か変換できない)であった。

 バゼット二人も、タイガーとほぼ同じで、教祖様から今後もカレー食べさせてもらえるなら、処女券使って貰って、回数券でシャクティパッド?を毎日でも受け止める覚悟でいた。
 今後胃袋が幸せになれるのなら、コブクロの方はどうなっても、謎の白い液体で満タンにされても、妊娠させられても、それはそれでオッケーな感じで来ている。

 軽く焦げて黒ギャルになり、アフロヘアーのヤンキーのお姉さんになっているアンジェリカも目が攻撃色だった。
 実行犯と思われるキリツグの所に怒鳴り込むつもりだったが、クロエの言いなりなので、クロエwifiで通信があり。
(あれはお兄ちゃんの愛なのよ、もうアンジェルカの口と笑顔とカラダとアソコは、お兄ちゃんだけの物だから、女同士でも他人に見せちゃダメ)
(そ、そうなのか?(///))
 ぐらいで納得してしまい、着替えを取りに軽く異世界に戻った時に、自分の弟を拉致しに行った。

 また異世界

 着替えて弟と目が合った瞬間戦いのゴングが鳴り、開始5秒で顎にパンチを入れて脳を揺らしてやり、体が持ち上がるぐらいの膝蹴りを腹に捻じ込んだ姉。
「ぐほおおっ!」
 現在のアンジェリカの主人は、傷あり士郎とクロエなので支配から外れている。
 今まで道具として使われて、さらに放置、放棄された弟に軽い意趣返しをした。
「放しやがれっ、どこに連れて行くつもりだっ?」
 自分が製作して魂を召喚した人形なので、姉にも偉そうにしているジュリアン。
 ギャラリーというか、ジュリアン拘束の協力者として、エリカとベアトリスも参加している。
「お前を異世界のシローがいる銭湯に連れて行く。あちら側にお前と同一存在であるリュードージ・イッセイ(龍堂寺一成)がいるが、既にシローが作ったカレーで堕ちていて、男の身でありながらシローに求婚している」
「ハァ?」
 イミワカンナイ状態のジュリアンだったが、問答無用でルヴィア邸の台所で一晩寝かせた、禍々しい香りを発するアツアツのカレーを、タッパーごと突き付けられた。
「これからお前にもカレー堕ちをしてもらう」
「くっ、殺せっ」
 抵抗して「くっ殺」状態になったジュリアンだったが、麻薬カレーの香りを鼻腔に捻じ込まれて、体の方が勝手に「アーン」して行く。
「味わうが良い、これがシローと異世界のシロー、二人が作った愛情(まやく)カレーだ」
 上下のお口がアーンしてしまい、シローきゅんを受け止められる体にされてしまったジュリアンは、姉の手で麻薬カレーを捩じりこまれてしまった。
「カヒュ--ン」
 もちろんジュリアンがカレー堕ちする瞬間は、ベアトリスさんのスマホで4K撮影され、持ち主も「ハ~~ハ~~」言いながら撮影して、半年以上使えそうなオカズを入手して早速作業?に励んでいた。

 外見が少し違うが、構造とか魂は同一存在なので、イリヤと美游ぐらいには似ている一成とジュリアン。
 少し間違うとイリヤ×美游になる所だったので、一成×ジュリアン、士郎×傷あり異世界士郎なんかも有り得て、雀花、貴腐人の姉、ミミ、ベアトリスの大好物になる。
 もちろん、一成×異世界士郎、ジュリアン×士郎も有り得る。
 ベアトリス的にはジュリアンが堕ちるのは全部好きなので、闇落ち、快楽堕ち、カレー堕ち、全部好物だが、ベタベタでコッテコテの吉本関西堕ち、松竹の泣き落としオチは余り好みではない。
 正妻の座を狙っている桜陣営も、「男同士の友情は浮気じゃありません」と言いながら目をキラキラさせてガン見する。
 現場にいればカメラ係になって録画もする。

 もうジュリアンの舌の上にカレーが乗ってしまい、味蕾があちこちで刺激され、ガラムマサラの阿片的な香りが鼻腔から脳みそを壊して行く。
 もう「この謎は吾輩の舌の上だ」ぐらいの状況なのだが、逆に舌の上の物体に心を支配されて行く。
 それも、ほぼ絶交したような、元親友が出したモノに。
「くっ、こ……」
 ジュリアンは、じゅりあんきゅんになって幼児退行したり、ゲシュタルト崩壊したり、ハートとか股間とかケツの*とか、色々と掴まれたり開かされたり壊されてしまって、胃袋と体内に存在しないはずのコブクロを、元親友のシローにガッツリ掴まれてしまった。
「ふふっ、どうだ? そろそろ絶交してしまった親友と「友情を」取り戻して、「男同士の親友として」ヨリを戻したいと思い始めただろう?」
「んっ、んほおおおおおおおおおおおおっ!」
 みさくら言語を発して、即堕ちしてしまった哀れなジュリアンきゅん。
 目がレイプ目になってしまい、瞳孔が開いたままビクンビクンし始めた。

 後日、カレン・オルテンシアもバゼットに同じことをされる。
 それ以降はスカートとかタイツの履き忘れではなく、ぱんつはいてない、状態でシローに言い寄って来てカレー?注入を依頼する。
 こちらも「未成年の男子生徒と校医が淫行」という大問題で、カレンオルテンシアが即失職する。

「ごふっ、ゲフッ」
 尋問用のオクスリ?が舌と口に馴染んできた頃、意識を取り戻し始めた弟に話しかける姉。
「さて、ジュリアン、これからどうして欲しい? もしかしないでもシローきゅんに逢って「大切なお話」なんかしたくなったんじゃないか? んん~?」
「ハ~~、haaaaa~~~!」
 ベアトリスさんは鼻血も出して、主人が完堕ちして、男に会いたいとか求婚したいとカミングアウトする瞬間を、今か今かとスマホに永久保存中。
 当然繰り返し繰り返し見る、sdカードにも複数枚バックアップする。
 主人の童貞は自分が奪うつもりだったが、その前に「弟を童貞のまま、親友とヨリを戻させて処女?を散らす」つもりでいる同僚(アンジェリカ)に協力しても良いと思い始めていた。
 作業中なのと鼻息も荒すぎて、手振れ防止機能も全開で作動していた。

「このカレーを味付けしたのは異世界のシローだが、野菜を切って茹でてブイヨンを出したのは、お前も良く知る「親友だった」シローだ」
 もう恋する男の子の顔になって、堕ちる寸前のジュリアンの周囲を、正しい姿勢のまま見下げ果てて歩くアンジェリカ。
 たまに踏んでやったり、脇腹に蹴りも入れる。
「ゲフッ」
 本来の関係は、姉と下僕で犬のカンケイだったので、ここで正しい序列に戻しておく。
「もうこの世界のシローは、異世界のシローからレシピを受け取っている、いくら鈍いお前でも、この意味は分かるな?」
 アンジェリカの新しい主は傷ありシローきゅんとクロエだったので、自分を召喚したジュリアンは元のゲボク君扱い。
 縛り入って後ろ手で拘束されたまま、姉に髪の毛を掴まれて顔を上げさせられ、詰問を受ける。
「そうだ、この世界のシローも、帰還次第、インド直輸入の妖しい粉末を購入し、寸胴で煮込んで煮込んで、同じ味と香りがするカレーを製造するのが可能になったのだ」
「うひいいいっ!」

「さあ、言ってみろ、姉である私と、妹のエリカ、ベアトリスにも聞かせてやって、早く楽になれ、ククッ」
 今後、傷ありシローには決して見せない、サディストで悪魔の笑顔で弟を見下げるアンジェリカさん。
 戦闘時ちょっと見せてしまったが、あれは激高した顔とか、鬼の表情ぐらいなのでキニシナイ。
 弟と妹と同僚の前なら、悪鬼羅刹の表情でも余裕だった。
「シローに聞かせる前の練習だとでも思えば良い。私達は家族なのだから、カミングアウトするのに遠慮はいらんぞ?」
 なんかビクンビクンしながら、発射オーライ状態で耐えているジュリアン。
 もう頬も紅潮して耳まで真っ赤、姉と同じで頭から蒸気吹いてシュンシュン鳴りながら、圧力調理器の安全弁飛びそうなぐらい漲っている。

 もう「くっ殺」状態から解放されてしまったジュリアンは、妹のエリカの前でだけはカミングアウトするまいと耐えていたが、もう出てしまいそうだった。(何が?)
「お兄ちゃん、()って良いのよ、いっぱい出して」
「あううううううっ」
 妹の言葉で最後の堤防が決壊してしまったジュリアンは、タップリと出してしまった(何を?)。
「し、シローきゅんに逢いたいですっ、会って告って、以前の行いを謝罪したですっ、お姉ちゃんっ、ボクをシローの所に連れて行って~~っ!」
 弟が幼児退行して完堕ちして、カミングアウトまでする様子を見て、悪い笑顔したままビクンビクンするアンジェリカとベアトリス。
 ベアトリスの方は作業が終了して賢者モードになったが、アンジェリカ女王様は、ゲボク君の再調教を始めたばかりである。

 エリカも兄を縛り上げて、蹴って踏んで言葉で汚してやって、あり得ない状況でカレー堕ちさせたり、闇落ちさせてみたり、快楽堕ちさせるのが気持ちよくなって、イケナイ遊びを姉に教えられ、その味を覚えてしまった。
「その口でよく言えたな? 親友から大事な妹を誘拐して、宝具で傷つけて奪い去り(実行犯)、ただの聖杯として儀式に利用したお前が、シローと会って告りたいだと?」
 ジュリアンの命令とは言え、思いっきり自分の犯行なのに、他人事のように弟を責める姉。
 アンジェリカ的には、シローから「いいんだ、もういいんだ」と言ってもらえてチュー(ハプニングキス)してもらい、ハイパーモードになった後、全てを捧げて結ばれて一夜の妻となり、身一つでは返さない扱いを受けて、自分だけは許してもらったと思っている。

「んほおおおおおっ!」
 それでも、「よくできました」のご褒美に、二杯目のスプーンで麻薬カレーをエリカから口に入れてもらえたジュリアン。
 ベアトリスも賢者モードから次第に回復し始め、作業再開するか、その前にご主人さまにアーンさせて、カレーを食べさせる儀式をしようとした。
「さあ、ジュリアン様~、よくいえまちたね~、ご褒美でちゅよ~~」
 幼児退行している主に、赤ちゃん言葉で喋るベアトリス。
 みさくらなんこつ風に「んほおおおおお」状態の体に、もっかい「んほおおおおお」させられ、ふたなり美少女以外では絵面が汚い感じになったが、ベアトリスは非常にマン足した。
 草彅君の一本満足のチョコバー2,3本食べたぐらい満足した。
 

 

31桜陣営追加

 ルヴィア邸に切嗣が設置していた爆薬によって、正当防衛爆破された士郎関連の女一同。
 異世界士郎である言峰シロ-神父の余りの中二病状態に、関係者一同にゲッラゲラ笑われ、処女券まで発行した女たちや、ょぅじょからもドン引きされ、見下げ果てられながら帰宅されてしまった。
 士郎は切嗣と一緒にルヴィア邸の風呂で笑いさざめいている女たちの会話を盗聴し、風呂屋でプルプル震えながら切嗣ハウスとルヴィアの家の風呂場を爆破した。
 切嗣から正義の行いを決断できるかどうか、男として正義の味方として愛する女でも始末できるのか、成人の通過儀礼のような爆破を要求されたが、爆破スイッチを押した犯人は、歩く児童ポルノ瀧子だった。
 関西人でギャグキャラなので全員生き残り、目が攻撃色のまま銭湯にやって来るルヴィアと凛。
 爆薬を設置したのは士郎の父親だろうと思い至っていたが、息子に爆破スイッチを押させ、士郎を笑っていた女をナタリアのように旅客機ごと撃墜するよう命じた人物と、爆破スイッチを押した人物を処刑するために移動していた。

 旧ルヴィア邸

 風呂場の瓦礫から、まだ数体の人型の物体が現れた。
「何? ここどこ?」
「先輩?」
「いたたたたた」
 爆破の衝撃で異世界と連結したのか、間桐桜(プリズマイリヤ)、間桐桜人形(異世界)以外にも、間桐桜(fate)、間桐桜(EXTRA)、BBちゃん、パッションリップ、ブロッサム先生、メルトリリス、肌が浅黒いBBペレだとかメルトリリス包帯バージョンも現れ、亀有の「全部一緒じゃないですか?」画像と同じく、10人以上の桜が出現した。
 ついでに黒いタコみたいな使い魔で触手系の淫獣とかも数体、桜を見守っている邪眼のライダーも数体、BBちゃんが使役するサーヴァント「ワシのサーヴァントは128式まであるぞ」もいろいろ出現した。
 これで桜だけ七人のナナみたいに分身したので、ナナさまからナナポン、ナナっち、ナナっぺ、ナナりん、ナナっこ、黒ナナ、白ナナ、電子レンジのプリズムで変身して受験戦隊のスーパーヒロインになって空飛んだりするらしい。
「センパ~イ」
「お転婆ですか~?」
 出演者の大半が双子状態か、異世界の同一人物が存在するお笑い世界で、さらなるギャグキャラへとハッテンした桜。
「これだけ自分が一杯いると心強いわねえ」
 十人以上に分裂した江藤ランゼ(ときめきトゥナイト)みたいに、自分の別人格とか異世界の自分と会話して、特に諍いも起こさず、桜人形の時と同じように少ない言葉で同盟関係を結んで、打ち解けてしまった桜達。
「「「「「「「「「「アイラッビュー、な~んだかわたし~」」」」」」」」」
 何か合唱でもしながら行進する桜陣営。今までは金と銀の彼女だったのが、五等分の花嫁も超えて黒い闇落ちした一花から二乃(零奈)美玖、四葉、五月になって、水槽の中クローンがに数十人いる綾波レイぐらいに増えた。
 もしアルトリアさんでもいれば、数十人のセイバーが出現したり、EXTRAとかグランドオーダーとかオルタ版とか、ソックリな桜セイバーで沖田総司だとか出て「またセイバーかよっ」になったり、UFOTABLE版聖処女ジャンヌまで来て尊いことになる所だった。

 2018冬コミでは一般のヲタクが聞いたこともない、BBちゃんエロ同人誌の出版数が一番多かったそうだが、ソシャゲやってないとさっぱり分からない。
 それでも真面目なfate桜が非処女中古キャラだとダメージが大き過ぎて、大きなお友達に円盤割られてしまうが、BBちゃんは非処女で即ヤラせてくれるエロキャラじゃないと困り、薄い本でも他の桜やマシュと違って説明不要でBBちゃんから迫って3ページ目からセンパイと交尾開始可能なので便利といえば便利。

 銭湯

「切嗣と士郎はいるか~~~!」
「あれは何ですのっ、シェロ?」
 10人以上に増えた桜陣営と黒いタコ数体が到着前に、男湯に怒鳴り込んで来た凛とルヴィア。
 クロエやシャーレイと同じように玄関からストレートに男湯の入り口を超えて来たので、番台のババアにも阻止されなかった。
「「そんなもん、愛の表現に決まっとるがな、お母ちゃん」」
「「ヘ?」」
 凛とルヴィアの婚約相手になったエルメロイ卿二人から、爆破はハードな愛情表現(プレイ)だと指摘された。
 そして切嗣からもエルメロイ師匠からもギルガメッシュ師匠からも、天丼(繰り返しボケ)二人をシバいて落とすように言い含められていたダブル士郎のコンビも、先ほどセラとリズをメスブタに堕としたように、強めのビンタで凛とルヴィアをシバいた。
「「バカッ! 俺の気持ちが分からないのかっ!」」
 ダブル士郎のファイナルベント・ツッコミ、ツインレシーブが炸裂した。
「「どうして俺には、こんな愛し方しかできないんだ~~! うわあああああああっ!」」
 さらに天丼で、DV後にガチ泣きして、それが愛の行為なんだと言い張って、相手との口論だとか意見具申を全て吹っ切って、勝手に泣き始めて完結するクズの手口。
「士郎……」
「シェロ……」
 所詮凛もルヴィアも、頭固い系の女とか、身持ちが良さそうなしっかり者の女で、左門豊作のヤンキー彼女みたいにシバかれると一発で改心したり、体育会系の運動部だとか吹奏楽部みたいに、毎日極限状態で追い詰められて怒鳴られて馬鹿にされてシバかれるのが普通で、大会が終わった時だけ物凄い褒められて「お前たちは素晴らしい生徒だ~!」とヤラれると一発で堕ちて先生に惚れてしまう女と同じ属性。
 千優しい男が一冷たかったら許せないで、毎日暴力と暴言を繰り返す男が一回だけ優しかったら即落ちするバカ女だと思われていた。
 ダメ男にスパンキング一発でヤラれちゃって「この人にはアタシが付いていてあげないとダメだ」とかワケワカラン理由でコロっと騙されるバカ女で、切嗣からも「クズ男のダメ男にだまされて、能力値が低いヤンキーとか働かない男に良いように使われ、殴られ蹴られる暴力夫に支配されて酒買いに行かされ、夜の店とかで働かされて貢がされる共依存系統の、ど根性ガエルの娘に出てくる母親みたいなバカ女」だと属性を見抜かれていた、らしい。
「「好きいっ」」
 聖杯が満タンになりかけている影響なのか、凛とルヴィアも非常にいい加減な理由で堕ちてメスブタ化した。
 今回の聖杯はアンリマユは入っていないが、関西人のクロエに汚染されているので、この世界はお笑い世界に変換される。
 凛もルヴィアも恋愛脳で脳がグツグツになり統合失調症発症してクリーミマミの最終回エンディングみたいな子供連れで家族で牧場にピクニックに行く幻覚も見たらしい。

 この後、桜が連れている淫獣がカツヤクして、近所の「このすば!」SSみたいにカズマきゅんのケツを触手で掘って「んほおおおっ!」から腸に卵まで産みつけて「う、産まれる~~!」までヤる展開になり、「魔族に支配された村で大好きな女の子が生贄にされそうになってるから女装して身代わりになったハーフエルフ美少年がミノタウロスチ*ポで性奴隷化した上に大好きな女の子の前でケツアクメをキメさせられる話」的な話にハッテンするかも知れない。
 fate世界の桜とかBBちゃんは、シャーレイ陣営よりも魔女なので、マキリゾルゲンでも「有り得ん、あり得ん」とか言いつつ虫で作った分体が散逸したり、黒いタコの触手で掘られてしまう。
 セイバーさんでも掘られて?ビキビキ血管浮いて同化されてオルタ化する前に自爆したので、黒タコブラザースが来ると多分全員掘られる。

 小学校、保健室

 イリヤ達が通っている学校。
 夏休みなのでクラブ活動だとか児童保育で来ている生徒と教師だけだが、怪我人も出るので保健医も出勤していた。
 なぜか半笑いのバゼットがカレン・オルテンシアを訪ね、今までの経緯を監視者に報告する。
「昨日電話した通りだ、異世界から帰還した」
「まさか、異世界って……」
 バゼットは悪い笑顔をしながらタッパーに入ったカレーとパンを出した。
 まるで報告中に飲む冷たい麦茶のお茶あてのように渡し、異世界でジュリアンがカレー堕ちしたように、今までの監視者への意趣返しにカレーを食わせ、「これはどうやったら、いくら支払ったら手に入るのか?」と言わせるつもりで食べさせる。
「昼飯持参だ、イリヤの家でもらってきた、お前も食うか?」
「あら、いい香りね」
 タッパーの中にあるにも関わらず、既に禍々しい臭気を発してカレンの鼻孔を狂わせる物体。
 シロー・エミヤが作成した麻薬カレーとは告げず、イリヤの家の者が作成した普通のカレーのように振る舞い、既に温めてある小型の物をカレンにも差し出す。
「あちらは地軸が曲がってしまった冬の世界でな、帰ってきたらこちらは夏で、暑くてかなわんから食欲も落ちる。だからカレーでも食べて発汗しようという訳だ」

 魔術の耐性とか薬物耐性に一切関係がない、健全な食料品と香辛料で構成された麻薬カレーなので、悪意の探索を怠ったカレンは、バゼットが平気で食べている合法でも阿片的物質をひと匙口にしてしまった。
「んんんんんんんんんんんんんんっ!」
 舌がアジア人より鈍いんじゃないかと思われる、肉を食うのに特化したアングロサクソンとか白人でも、一瞬で味蕾とか脳を破壊されて発狂した。
「おや? どうしたのかな? カレン、ふふふふふふ」
「んほおおおおおおおおおおっ!」
 炊事ができないカレン・オルテンシアも、カレーの魔力にレジストできないで胃袋を掌握され、みさくら語で鳴きながらカレー落ちした。
「こ、これは一体? 誰が、どうやって?」
「んん? イリヤの家にあったカレーだが」
「あ、あのホムンクルスの3人が?」
 カレンはイリヤの家にいるホムンクルスの3人に、毒入りカレーか変な薬が入った物を食わされ一服盛られたのかと思い始めた。
「いや、これはイリヤの義理の兄、シロー・エミヤが作った物だそうだ」
 カレン的データベースで監視記録にも、薬剤耐性があるホムンクルス陣営が胃袋と子袋を掴まれて発情し、「寸胴とカレー粉とスパイスがあれば、私とシローのカンケイは完全になる、ハァハァ」とかホザき始めたのとか、職場の同僚の大河が発狂して、カレー教徒に落ちぶれ果てたのは知っている。
「シローの……」
 ここでカレンも、バゼットが既にカレーに脳を汚染され、感染者を増やすためにエミヤカレーを自分に食べさせて入菌し、堕落させるために持ってきたのだと悟った。
「は、図ったな……」
 ガルマ様みたいな一言を残し、カレー落ちしてしまったカレン。
 この後は他のメス達のように子袋まで掴まれ、胃袋の方にカレーを注入してもらえるなら、どんな恥ずかしいオネダリでもできるカレー女に加工される。
 カレー女と言っても、明石家さんまの家にカレーを持ってきて、「さんちゃん寒いの、部屋に入れて」「お金じゃないのよ、さんまちゃん」とか言いながら、ドアの前でクルクル回るカレー女ではない。
 こうしてカレン・オルテンシアも、眼鏡の先輩で両手の指の間から銃剣3本出せるロアを追い続けている執行者みたいなカレー信者になり、同僚で教職にある大河から「ペッパー師」というホーリーネームを頂き、ソフトバンクのチャチなロボットみたいな名づけをされてしまった。
 

 

32クロエも補完

 アンリマユから予告が来て以降も、英霊たちや守護者から交代の要請が絶えないのか、余りこの時空に存在できないのを悟るクロエ。
(そろそろお別れかなあ?)
 前回は初代当主でもあるジュリアンが呼び寄せた大量の犠牲で聖杯2個でも作動したが、マジカルステッキ2本によってイリヤと美游が多元宇宙にまで接続してしまったので、あらゆる時空からささやかな願いが来訪して、英霊や守護者を苦痛から解放するように要請が来続けている。
 他の時空にいる、無限の殺しをさせられている英霊エミヤや、凄まじい中二病行動と言動で生き恥をさらし続けている言峰シロー神父。
 fate士郎やfateイリヤ、すぐに自決させられるランサー達や、聖杯を勝ち取っても願いは聞き届けられず汚泥とかですぐ死んでしまう切嗣。
 思いあがった行動でザコのfate士郎に退治されてしまうギルガメッシュ。酷い方法で処刑され続けるソラウさんと正当エルメロイ卿。
 あらゆる英霊が「吉本やのに松竹みたいや」と泣いて、松竹の泣き笑いで聖杯が満タンになってしまった。
 クロエに汚染されている聖杯なら、お笑いネタでも天然ボケでも天丼(繰り返しボケ)でも角砂糖(あらかじめ仕込んでおいた芸)でも、ピンでもコンビでもトリオ漫才でも安っすいコントでも聖杯が作動した。

 旧ルヴィア邸~駅前
 どっかのウォーナースくるみに神経がカクセイしてしまうオクスリを注射されて、「マジカルスパンキング!」で調教された魔法少女みたいになったジュリアン。
 ベアトリスから縄化粧され、ペルソナ5みたいな目の周囲だけの仮面を付けられ、妹のエリカが兄に首輪とリードをプレゼント、真夏世界でコート一枚だけ羽織らせてもらって、姉であるアンジェリカに「ヨツンヴァインなれよ」と命令されて、エリカにも騎乗されお馬さんごっこ、駅前で衆目監視の中「おさんぽ」させられているカレー堕ちジュリアンきゅん。
『まあ、何ですの? アレ』
『ママー、おさんぽしてる』
『見ちゃいけませんっ』
『ヤダー、キモーーイ』
 廃墟になっていない方の冬木市、駅前の賑やかな目抜き通りを姉や妹に連れられ、犬のようにお散歩中のジュリアン。
(ハァハァ、汚物を見るような目で若い子にも見られてる…… もっと汚い言葉で罵って)
 カレー落ちして羞恥心でも欠落したのか、すっかり出来上がってしまい、欧米なら即逮捕案件のまま行軍中の一同。
「ハァハァ、ジュリアン様~、よく似合ってますよ~」
 本来なら召喚主で人形の主であるジュリアンを、すぐに助ける立場にあるベアトリスだが、相変わらず主人の痴態をスマホで4k撮影しながら、衆人環視の往来で自分股間に指を伸ばして「作業」に入りそうなぐらい漲っていた。
「お姉ちゃん、私にもリード引かせて」
「ああ、やってみろ」
 ジュリアンに騎乗していたエリカが兄を踏みながら背中から降り、踵に装備していた乗馬用のギザギザで兄を痛めつけて、踏んで嬲ってからリードを受け取った。
「ブタッ! もっと鳴けっ、キモいんだよっ、この魔術ヲタクがっ!」
 エリカはサディストの目で兄を見下げ果て、汚い言葉で汚してから唾を吐きかけた。
「キャイイインッ!(喜びの声)」
 元々才能があったのか、兄へのサービスなのか、妹の方は結構な上級者になっていた。
 本来こんなお仕置(プレイ)きは、初代当主(ジュリアン)に痛めつけられて苦しめられた士郎や美游の仕事なのだが、アンジェリカとエリカが代行して元凶を駅前留学させていた。
「誰が犬語で喋れと言った、ブタッ」
「ブヒッ、ブヒーーー!」
 ジュリアンは、異世界の廃墟跡に建築される魔法学校に留学する前に、姉と妹によって別世界に旅立って、犬語と豚語のレッスンを駅前で受けさせられた。
 本来なら浣腸でもしておいて、アナルプラグで栓をして排便できない状態で調教するのだが、まだ初心者なのでそこまでヘビーな調教はしていなかった。
「ペットの排泄物はお持ち帰ってください、って書いてあるな? シローの所に連れて行くまでに、ケツの中を綺麗にしてからデリバリーしてやらないといかんのだがなあ?」
「ブヒッ、ブヒヒヒヒヒ(駅前排泄プレイまでは勘弁してください)
「フンッ、次回はモーさせて浣腸でもしておいてヒーーヒーー鳴かせてやる」
 昔から弟のブタ語をヒアリングできるアンジェリカ女王様も、長くギルガメッシュのアーチャーのカードに人格を汚染?され続けたのか、カレー食って感情とか本来の女王様属性とか姉でサディストの本性とかいろいろ取り戻したようで、弟で元凶を水だまりの中にハイヒールで踏みつけて、後ろ頭を踏みにじっていた。
 身長170超えの女がハイヒールまで履いたので、男が女装したドラッグクイーンに見えないでもなかったが、キンパツのガイジンさんで女顔して女の骨格して、シリコン入ってない生乳(なまちち)もユッサユッサするぐらいデカかったので、新宿二丁目の住人とは思われないで済んだ。

「ああ~~、イイですよ~、ジュリアン様~~~」
 今度は幼馴染属性で元クラスメイトのベアトリスにも騎乗おさんぽされて色々キちゃったのか、妹を乗せたままお馬さんごっこして疲れたのか、三本目の足が邪魔で歩けないのか、立ち止まってしまったジュリアン。
 仮面を外してやり、頬が紅潮してビンビンになっている所(どこが?)も録画して、約10年分のオカズを入手したベアトリス。
 搾乳?するか、ハイジのペーターみたいにユキちゃんの下に寝転んで生乳(せいにゅう)をドリンクしたかったが、そこまですると市民逮捕され、性の喜びおじさんみたいにジュリアン様が圧死してしまうので自重した。
 パソコンにも映像をバックアップを取り、こっちの住人ではないのでネットにもアップして、youtubeとかtiktokとかtwitterなら一瞬で削除されてしまう動画と写真を上げて、アカウント凍結か垢バンされてもキニシナイで投稿する予定。
『うさみちゃん、通報しないで』
『通報したdeath』
 そろそろ騒ぎが大きくなってギャラリーも増えて来て、スマホで撮影されまくり「おい、冬木市で男に首輪とリード付けて縄化粧して、このクソ暑いのにコート羽織らせて、おさんぽさせてるガイジンの女とょぅじょがいるぞ」と動画も写真も投稿されまくり、通報されて交番から警官が来てパトカーも到着したので引き際だと感じた一同。
「ベアトリス、ちょっと捕まって事情聴取でも受けて来てくれ」
「嫌よっ、もっとジュリアン様が堕ちるところ見るんだから」
 最終目的地、シローとミユがいる銭湯に連れて行って、今の様をガッツリ見せてやり、ドゲザ謝罪から同性愛的カミングアウトまで、余す所なく4k撮影してオカズとして保存するつもりのベアトリス。
 親友として許されて合身ゴーするのか、鞭打たれて調教開始して他のオッサンに差し出されて、浦賀港入港されて入菌した上でカリヤおじさんにでもNTRレイ~プされるのかワクテカが収まらない一同。
 ジュリアンきゅん一行は、タイホしちゃうゾ、されないうちに魔法で遮蔽して消え、銭湯に急いだ。

 銭湯

 ヨツンヴァインのままでは移動速度が遅かったので、ジュリアンを立たせて(どこを?)銭湯に到着した一同。
 すっかり出来上がっている弟をシローの前に提出するために、男湯の入り口を通過した。
「シロー、ジュリアンを連れて来たぞ、何かお前に伝える事があるそうだ」
 ニヤついて悪い顔のままニヤニヤしている姉がリードを引っ張り、下手人?で元凶を引き立てて来た。
「アッーーーーーーー!」
「有り得ん、有り得ん」
「え、衛宮切嗣っ」
「こ、言峰綺麗っ」
大将(アレクサンダーグレイト)っ」
「ウェイバーッ」
「そんな、卵だけは、卵だけは産み付けないでっ」
 銭湯には既に、桜と桜人形、BBちゃん、BBペレ、間桐桜(fate)、間桐桜(EXTRA)、パッションリップ、ブロッサム先生、メルトリリス、メルトリリス包帯バージョンも到着していて、黒タコブラザースの淫獣も数体侵入していた。
「「「「ア……」」」」
、黒タコブラザースは、fate桜の命令で男湯の男たち全員の浦賀港に入港入菌して、血管浮いてビキビキさせながらも自爆もできないようにしていた。
 エルキドゥだけは女判定されたのか被害を受けず、桜達や邪眼のライダーと一緒に間桐臓硯(マキリゾルゲン)とかカリヤおじさんとか慎二人形が処刑されているのを半笑いで見ていた。
「「さ、サクラが一杯」」
 黒タコさんは、どっかの人魚みたいに少年の腸に卵産みつけて出産させる系統の、淫獣か触手系の魔物が無双してしまい、男湯だけで対象者も男だけの悪夢のような光景が展開されていた。
「「おほうっ、すごい光景じゃ、勉強になりますぅっ、クロエ先生っ」」
 雀花姉妹も女湯側から敬礼しながら「無茶しやがって」な一同を見ながら、尊い物を拝見してしまい、スマホでも撮影しまくり、防水携帯を託された瀧子もクロエも撮影しまくり、次回のコミケ領布用の資料を大量入手した。
「え、衛宮君……」
 ナナキの姉も、ついに思い人が別世界にハッテンしてしまったのを嘆いたが、「ホモが嫌いな女の子なんていません」という訳で、ソウルジェムが腐り落ちて堕天した。
 相撲好きでLGBTには偏見がない番台のババアも、マツケンとかマツケンサンバの振付師のオネエ、氷川きよしとか平井堅とかマッキーも大好きだったので、目をキラキラさせながら、その惨状を目に焼き付けていた。
「う、産まれる~~~!」
「見ないでっ、見ないで~~~っ!」
 女湯にいたナタリアママさんやセラリズママさん達も、息子達の性長?の記録を見守りながらマドンナたちのララバイを合唱した。

「ダメだコリャ」
 アンジェリカは身の危険を感じて、ジュリアンだけを突き飛ばして生贄?に捧げて攻撃力1500以下のカードを墓場から召喚。
 エリカが穢れた物を見ないように目を隠し、主人の痴態を撮影するために残ったベアトリスを放置して屋外に出た。
 あまり綺麗にオチず、下ネタでオチてしまったが、ドリフのコントのように、ツッチャチャツッチャチャチャ~というBGMが流れたので、ギャラクシーエンジェルズみたいな投げっぱなしオチでも一応CM入りできた。

 嘗て、言峰綺麗が行った、風呂屋密室?殺人事件が天丼で行われ、ダブル士郎のコンビと一成とジュリアンまで犠牲になって処女?を失わされた、らしい。
「アハハハハハハハハハハハハハハッ」
 過去の英霊たちも守護者達も補完され、今回はクロエも腹筋割れるほど笑って補完された。
 

 

33悪魔の所業


 下ネタ落ちだが、軽くオチが付いた所で満足して服を着たクロエ。
 腹筋割れた、吹いたコーヒー返せ、と言うぐらいゲッラゲラ笑い、パパもお兄ちゃんも兄の親友たちも師匠連中まで黒タコさんに掘られ、中には黒タコを出産?して桜陣営の仲間を増やしたオッサンもいた。

「ああ~可愛い、この子が私が産んだ子供。私が綺糺ママでちゅよ~」
 すっかり母の顔になり、メンインブラックでイカの異星人の出産に立ち会ったウィルスミスのJのように、黒タコの子供を抱いて自分が出産?した淫獣を育てるのが愉悦になった綺糺。
「おお、我が孫よ。お前こそがゾルゲンの名を継ぐ者」
 大五郎に刺された柳生烈同みたいに、黒タコの幼児を孫として抱いているゾルゲン。
 人形の体でも大腸から魔力とか養分吸われて、ヤヲイ穴?から黒タコ出産?も可能である。
「可愛い、子供の頃の葵さんそっくりだ~、葵さんラビュ~~、クンカクンカスーハースーハー」
 葵や桜にクンカクンカしないよう、全然似ていないが黒タコの子供を抱いてクンカクンカしているカリヤおじさん。
「ああ、この子がワシとエルキドゥの子や、甘やかして大事に育てたるでぇ」
 卵巣と子宮が無いエルキドゥのために、卵子を借りて代理母として出産?したギルガメッシュ。
 エルキドゥさんは喜んでいない。
 今まで悪行を重ねて来た者は、脳改造されて平和な母親の脳になり、A10神経で繋がってしまった、自分の命よりも大事で愛しい息子や娘の黒タコを抱っこして泣いていた。

「この子が僕の…… シャーレイ、マイア、見てくれ」
 たとえ正義の味方でも、各種爆破から旅客機撃墜、ジル・ド・レイのマスター射殺、ソラウさんエルメロイ卿射殺教唆、アインツベルン本店爆破などなどの悪行を鑑みて、士郎の義父でも出産させられた。
 さすがのマイアもドン引き、魔女シャーレイもここまで強力な淫獣は幼児でも踊り食いできない。
 それでもママ落ちしたナタリアは、自分の息子?が産み落とした孫?を洗面器の産湯で洗い、バスタオルで包んで愛し気に抱きしめた。
 切嗣は愛娘が一人いなくなってから、記憶の片隅にあった名前、「クロエ」と命名される黒タコがいたかも知れない。

「ジュリアン様~~、素晴らしかったですわ~」
 異世界では初代当主に憑依されて、世界を救うためとは言え英霊の魂を無理に利用したり、カードも使用して悪行の限りを尽くし、ルールブレイカーで刺されて正体表してからも色々とヤったので、桜人形から通報されfate桜に公開処刑された。
 軽く抵抗しようとして、パッションリップの1トンもある物凄い鉤爪で処刑され、メルトリリスの膝についている凶悪な角か棘で膝蹴り食らって脂肪した。
 ベアトリスがガン見して録画している目の前で掘られて卵産みつけられて出産?までこなしたジュリアンきゅん。
 余りに色々とハツタイケンしてしまったので白目剥いて失神していた。
 アンジェリカは一生に数回出産できる奇跡を、こんなことに使いたくなかったので退出した。

 BBちゃん、BBペレからは、センパイで豚さんの快楽堕ちから出産を是非拝見したいと申し出があったが、士郎の処女?を開通してヤヲイ穴に托卵して出産までさせるのは自分の仕事だと思っていた桜達の意見具申により、触手緊縛のまま別の物品で桜手ずから入港されて、その後、黒タコの触手でも掘られた。
 それでも先輩なので、ToLOVEるとか幽菜さんぐらいの触手緊縛露出丸出し系、光の斜線とか風呂の湯気で隠れる程度のプレイで済み、ジュリアンとかほかのオッサンみたいに血管浮いてビキビキして、卵産み付けられてからの公開処刑と、ヤヲイ穴?からの出産?まではされなかった、らしい。

 この世界線では桜陣営と黒タコブラザースの圧倒的な武力で、他の英霊達も全て制圧して勝利した。
 聖杯(センパイ)も桜陣営の物となったので、傷あり士郎の所には異世界桜(プリズマイリヤ)が嫁入りする。
 どちらの世界の士郎も、BBちゃんとかBBペレのおもちゃになり、豚さんとして調教され、毎日酷使されるので、イリヤと美游の嫁入り先がなくなった。
 クロエに調教される前の士郎は巨乳派らしいので、fate桜のEカップとか、サイズが同じイリヤ桜、パッションリップのバスト160の奇乳の前に、乳ビンタスパンキング一発とかパフパフだけで陥落する。

 これがもし女性作家さんなら、「これだけの乳が乗るならこれだけの骨格が必要で、足の骨格もガタイもこのぐらい……」と逆算して、セキレイみたいに「どの団体のプロレスラーだよ?」と言われる物凄いガタイとゴッツイ脚になるのだが、そこは手塚治虫先生の法則により「おっぱいはどれだけ大きくても良い」定理によって、針金みたいな細い足の女の子にEカップが乗っていても、バスト160に1トンもある鉤爪持っていても魔術的なもので解決するのでオッケーだった。

 銭湯前

 外には退出していたアンジェリカとエリカ、そして転身済みの美游が立っていた。
「さて、そろそろお別れよ」
 色々と撮影した携帯はアンジェリカに託し、兄を脅迫して逆レイプできるネタとして使えるようにしてやった。
「世話になったな、クロエ。またどこかの時空で遭おう」
「またね」
 自分もどの時点で成仏して消滅するのか知っているアンジェリカも、守護者として消えるクロエや英霊達と似たような場所に行くと知って、短い挨拶を交わす。
「美游、準備は良い?」
「ええ……」
 自分の中の聖杯も満タンになったのを感じていたのか、美游もこれから起こることを予想して震えていた。
「あの、私たちの世界を救ってくれたんだから、この世界とか私達の世界を聖杯で変えるのは邪魔しないわ。でも、沢山の人を殺すのは止めて」
 クロエの願いを知っている美游は、大量殺人と大量破壊、世界の変革に恐怖し、禁忌である殺人殺戮大虐殺に協力するのを恐れた。
「大丈夫よ、そんなひどい事にはならないと思うわ」
 何を持ってそう言うのか、ルビー、サファイア、美游にも分からなかったが、アンジェリカにはクロエの考えが少し分かった。
「ルビー、あたしなら登録しないでもイリヤと遺伝子まで一緒でしょ? 転身させて」
「はい、クロエさん」
 先日、少女たちの願う純粋な祈り、お花畑のような願いを叶えるため、二つの聖杯と多元宇宙への道を開いて祈りと願いを送り届けたルビーとサファイア。
 それでも、今度のクロエの願い、「犯罪者を全員殺して」を達成すると、数十億人の死者が出る。
 冬の世界、滅亡するのが確定していた世界では、様々な略奪行為や、死の恐怖から好き放題暴れてから死ぬことにした奴らがいたので、平和なこの世界よりも、異世界ではもっと多くの死者が出る。
 この世界でも、犯罪者やマフィア以外にも、銀行員、先物取引、証券マン、政治家、役人、法律関係者、弁護士、建設作業員、社会を支える支配階級やインフラを維持する人員まで始末されると社会が崩壊する。
 オレンジだとかジャスミンだとか、各種革命が起こったイスラム圏のように、善良な宗教関係者では経済を支えられない。

「お願いよ、クロエ、酷い事しないで」
 もしクロエの願いが通ると、聖書にある神罰の数々を超える死者、世界を洗い流した大洪水を超える、審判の日に匹敵する犠牲者が出る。
 通常の死者を土葬や火葬にするインフラが全く機能しない程になり、大量の死体を海に捨てるか、山を掘り返して病死した家畜を重機で埋めるような処置が必要になる。
 それでも街は死臭に満ち溢れ、路上や家庭にまで死体が溢れ、街灯や街路樹全てに絞首されたままの死体が、腐り落ちるまでぶら下がったような地獄になり、水や食料も汚染されて供給すら止まる。
 スラム以下の悪臭で人間の脳内にある殺し合いのスイッチが入ってしまい、バッタがイナゴに変色して悪魔の羽を生やして飛び立つように、隣人、別の自治体、他国へ、隣国へと攻め込み人間同士が殺し合う。
 蟲毒の壺の中の虫のように、最後に残った最強の悪魔だけが勝ち残るのか、その悪魔すらクロエの願いにより殺され、本当に善良な聖人だけが生き残るような世界になるのかも知れない。
「さあ、聖杯が発動するわ」
「ええ……」
 美游も諦めてクロエに従った。そうすれば今後、エインズワース当主やジュリアンに攫われ、生贄にされた自分のような哀れな存在も無くなる。
 アンジェリカと父のように、無謀な実験によって命を失ったり、巻き添えになって町が一つ消えるような悪夢も無くなる。
 ただ、神罰にも近かった惑星の破滅を救うような英雄的行動、自分の命すら顧みない、運命に立ち向かって破滅を回避する行いまで消える。
 破滅や運命を受け入れ、神々の罰だと言うなら唯々諾々と死んでいく、穏やかな死を選ぶ者しか存在しなくなる世界。

「さあ、パパや英霊エミヤの願いを叶えましょう」
 衛宮家代々の願い、正義の味方。
 多数の善良な市民を救うために、守護者のように少数の悪人を殺し続けた切嗣、英霊エミヤ。
 妹を救うために、世界が滅びようとも一人の女の子を救おうとした傷あり士郎。
 fate士郎も切嗣も、汚染されていた聖杯では願いを叶えることはできなかったが、アンリマユすら葬ったクロエになら、犯罪者や悪の心を持つ汚染された人類全てを殺し尽くすこともできる。
「「大聖杯よ、我が願いを叶え給え」」
 グラウンドゼロから遠くまで破滅が広がるように、二人と聖杯が高い場所まで登って行く。
 異世界を救う時には綺麗な花が咲き乱れ、DAICON3的に赤やピンクのお花畑が広がったが、こちらの世界では黒いチューリップのような地獄の花が開いた。
「全ての犯罪者、悪人に死を。自分が誰なのかも分からない、人を苦しめるために生まれてきた者にも死を。これから人を苦しめようとする者全てに死をっ!」
『『願いは叶った』』
 聖杯からの答えがあり、クロエはどっかの最終回まどかさんみたいにアーチャーの弓から黒いオーラだとか煙を出して引き絞った。
 これでほむほむが倒せなかった、物理攻撃無効のワルプルギスの夜さんでも葬れる。
「すべての悪に正義の裁きをっ!」
 放たれた黒い矢は大量に分散し、この世界と異世界にばら撒かれた。

「ああ……」
 美游はこれから見える地獄を見ないように目をつむり、両手で顔を覆った。
 大量の死を撒き散らし、人の命を奪った身。
 もう人としての幸せなど望むべくもなく、異世界の兄やお兄ちゃんと結ばれて幸せになるなどあり得ない。
 多くの死を願った地獄の鬼の一人である自分にその権利は無く、両肩に伸し掛かる重みに耐えられず、きっと自殺する。
 クロエのように正義を強く願える信念など持ってはいない。
 地獄から伸びた多くの手が自分をいざなうのなら、その手に運命を委ねようと思った。
「ごめんなさい、お兄ちゃん」
 美游は自分と兄と自分たちの世界を救ってくれた恩人の願いを叶えるため、悪魔の所業を行った。
 

 

34正義執行

 クロエが放った黒い矢は、どっかのまどかさんの最終形態のように、世界中に、異世界に、多元宇宙に向かって行った。
 まず近場にいた切嗣、ギルガメッシュ、アレクサンダー、言峰綺礼、カリヤおじさん、マキリゾルゲン、ナタリア人形、マイア人形、シャーレイ人形、ちょっと離れたアイリママなどに刺さった。
「「「「ああっ!」」」」
「「うおおおおっ!」」
 これがクロエの願い通りなら、悪逆非道の人物は人形でも消され、独裁者も腐敗政治家も役人も銀行家も弁護士も、始末の手間が省けるように死体も残さず消え、もし子供もいなければ存在自体が消されたり、家族の記憶からも消されるはずだった。

「ああっ、私は何てことをっ!」
 目と顔を覆って泣く美游だが、そこで予想していなかった出来事が起こり始めた。
「アレ?」
 クロエ的にもパパで正義の味方の切嗣とか、天然でもママのアイリは始末しないつもりだったのだが、頭に刺さった黒い矢から、植物の双葉のような物が生え始め、何年か前に中国で流行ったような頭に取り付けるアクセサリー状態になった。
 他にも冬虫夏草のように頭からキノコを生やし始めたのとか、小さいヤシの木生やしてブタが登ったり、マタンゴ状態の腐敗政治家とか独裁者、カネゴン状態の銀行家とか、小さい怪獣ピグモンとか快獣ブースカとか、円谷プロ的に著作権が危ない生き物が発生し始めた。
「「エ?」」
「ああっ、もう私には神様が見えないっ!」
 アンジェリカとかクロエが異常に気付き始めても、ひとりで出来上がって悲劇のヒロインしている美游は気付いていなかった。

「「「「「「「「「私は歯車、世間の歯車、週に6日働いて1日8時間働きますっ、8時間睡眠して、余暇には食事や趣味の時間を持って労働の再生産に努めますっ」」」」」」」」
 アイリとか綺礼、カリヤおじさん、ギルガメッシュ、アレクサンダー、マキリゾルゲンまで世間の歯車として改心?して、労働の義務を果たして納税の義務とかも果たそうとしていた。
「なんでやねん……」
 またも叶えられなかったささやかな願い。
 聖杯はアンリマユに汚染されていなかったが、関西的に「ヨゴレ」ていた。
 真面目な俳優やアナウンサーでも被り物をかぶったり、着ぐるみや扮装で出オチしたり、若手のお笑い芸人が進んで顔中粉まみれになってみたり、中堅芸人でも泥の中とか腐ってよどんだ水の中に平気で飛び込んで、泥だらけの顔でカメラに写るのが「オイシイ」状態。
 自分から粘着剤に張り付いて剥がそうとして服が脱げたり顔が歪んだり、頭からストッキング被って吊り上げられ、ブサイクな顔が放送されてしまうのが嬉しい芸人根性こそが正しい世界に書き換えられてしまった。

「僕はね士郎、冴えない系主人公をからかったり挑発したりする系のヒロインが、匙加減を間違えて主人公にブギ切れられて修復不可能な関係になったり、主人公がもっと素直な別のヒロインと付き合い始めて精神的に追い込まれてボロボロになっていくのが見たいだけなんだ」
 艦これの提督を馬鹿提督だとか蔑んでいた霞が別の鎮守府に転籍させられたり、夜食のおにぎりを握っても自分だけ食べてもらえないで絶望すると、目が覚めてから夢だと気付いて号泣したり、そんなツンデレヒロインが破滅するのを見るのが愉悦になってしまった切嗣。
 からかい上手な高木さんが、さえない主人公をからかい過ぎて、別の「彼女」を作って一緒に帰ってしまうのを見せ付けられたり、「元」高木さんになる世界線から外れて、自分からオッサンとかイケメンチャラ夫に抱かれるNTR映像とか作成して、冴えない主人公だけが見れる動画サイトに投稿したり、DVDをポストに投函して見せ付けて嫉妬させようとして、堕ちて行くのが愉悦部共通の意識に書き換えられてしまい、そんなツイートがバズって検索トレンドのトップに来てしまうような世界に改変された。

「「テックセッター!」」
 ダブル士郎も頭に刺さった矢が、首の後ろに寄生するラダム樹?になってクリスタルで変態?
 双子ネタとして片方がラダムに心を操作されてしまい、妹とか親父とかが非適合として排出されタカヤさんだけ宇宙船から脱出。
「ぶるるああああっ!」叫ぶ兄とか家族で戦う系統のギャグキャラに。
 アンジェリカも「プラハの赤い悪魔」的なキャラとして活動するのを覚悟した。
 他にも、切嗣が正義の味方として仮面ライダー的なもの(昭和)に変身したり、士郎も平成ライダー的な風都探偵とかオンドゥル語で喋るライダーになった、らしい。

「「ああ、これが異世界の俺……」」
 一成とジュリアンもボーイミーツボーイ、見つめ合って今までの出来事とかも語り合い、アツイ男同士の友情も育んでイった。
 異世界留学して寮で同部屋になったり、自分とは異世界の方の士郎と相部屋とか、家庭の事情で急遽同居するようなオチ物になったり、逆リバとかエロい方面にハッテンする。
「「イイヨー、イイですヨー、クロエ先生っ!」」
 雀花姉妹もBLネタには困らない展開で大喜び。

 義父と血が繋がっていない息子、エルメロイ師匠と弟子、戦車男と男の娘、伝説の神と半身半獣の関西獣貫道路、SAIと新藤×塔矢、炎使いの大佐×義手義足のチビ、トッシーとマヨネーズ工場×銀さん×沖田的な編成で神の一手を目指すらしい。

「な、なんでやねん……」
『さあ、これで良かったんだよね、君の願いは叶えられた』
 どこかから、消えたはずのアンリマユの声が聞こえ、灰汁(あく)が抜けたというか悪がヌケたのか、穏やかで幸せそうな声で囁かれた。
「ど、ど、ど、どこがやっ? ゼンゼン違うわっボケがっ、ええ加減にしなさいっ!」
 アンリマユの霊と聖杯に、「エビぞりハイジャンプ大回転ツッコミ」という、魔法少女でなければ不可能なミラクルボールツッコミが炸裂した。

 さらに余った願いで多元宇宙から、お勤めを終えた英霊エミヤとか英霊エミヤ少年も複数召喚。
 士郎狙いのメスの数に比べて士郎成分が少なかったのでアンリマユが配慮したらしい。
 ブルーワーカーの広告みたいなムッキムキの体とか、身長2メートル超えの凄いガタイを見せて、なかやまきんにくんの使用前使用後的に「昔は貧弱なボウヤと呼ばれていました」みたいな筋肉のバルクとカットの違いを強調。
 さらに英霊エミヤは「凛に宝石魔法で命を救われた士郎が、守護者になってからもずっとペンダントを持ち続けていて、英霊として召喚された時も触媒となる遺物を用意できなかった凛に代わって、英霊側が凛のペンダントを持っていました」と言う凛タン一筋の英霊なので、凛の嫁入り先のエルメロイ卿とは争いにハッテンする。
 他にも勿論、ガングロで中二病の言峰シロー神父とか、fate士郎とかEXTREA士郎とか衛宮さん家の晩御飯士郎とか、埋まっていたショタ士郎も全部召喚。
 増え過ぎてしまった桜陣営とか、小学聖嫁にも対応する万全のサービス。
 小学性嫁はショタ士郎と付き合えば良いのだが、わざわざ年上のお兄さんとカレー目当てで、ママ、セラ、リズ、ブロッサム先生、タイガー、カレンオルテンシアなどはショタ士郎狙いという犯罪行為編成になる。
 セラ、リズの成人とかバツ1中古ママなら、前から後ろから上から両手に複数士郎で同時もアリ。
「ああ、ママにもシローが一杯」
 未亡人下宿の管理人アイリは、テニスコーチの英霊エミヤとか、大学生士郎に言い寄って欲しかったが華麗にスルー。
 飼い犬のソーローさんをバター犬にでもするか、男子校前にマジックミラー号を設置することになる。
「私にもシェロが?」
「衛宮君……」
 凛とルヴィアでも、日替わりで英霊エミヤとかfate士郎イリヤ士郎に異世界士郎とか言峰シローのお相手をすると、どの士郎が父親なのか?遺伝子的には全員一緒なので判別不能な子供ができてしまう。
「この兄ちゃん俺のだ」
「「何を言うか瀧子、言峰シロー神父も血の繋がっていない義父との禁断のカンケイになるのだ」」
 瀧子はオメガトライブ的に遺伝子まで中二病菌が食らいついていて、腐っている雀花姉妹も中二病感染者なのでシロー神父オッケー。
「「センパ~イ、豚さんは全部私の物よ~」」
 BBちゃん、BBペレ、パッションリップとかメルトリリスなら存在自体が中二病設定なので、魔剣持って萌えキャラのフランケンシュタインと戦う言峰シロー神父でも全然オッケーだった。
 指の間から銃剣3本出す繋がりで、カレー教徒でロアを探している眼鏡の先輩も、ファッチューチュンの坊さんみたいに異世界と作品の壁超えてシロー神父が作るカレー食いに来るかもしれない。
「「「センパイ、私が悪い事したら叱ってくれますよね?」」」
 イリヤ桜も桜人形も、fate桜から黒タコブラザースの淫獣を一匹贈呈されたので、センパイが桜陣営以外の女と浮気?したら掘る。

『ふふっ、これが君の望んだセカイだよ、とてもヨゴレていて、関西圏以外でもボケとツッコミが成立するセカイ。全員が天丼でも角砂糖でもノリツッコミでも何でもこなせるセカイに』
「ナンデヤネンッ、ゼンゼン違うわっ」
 今後、どこかの一党独裁の指導者とアメリカ大統領でも、ボケとツッコミに分かれて漫才を始めたり、プーチン閣下とトリオで笑いを取りに来て、EU大統領をドツいて跳ね返ってきた所をハリセンチョップするような平和な?首脳会議が行われる。
『君の表層のペルソナは君の両親やお兄さんが望んだ正義の世界と執行を選んだ。でも、君の深層心理ではこのヨゴレたセカイの継続と新生を望んだんだ』
 クロエはアンリマユから自分の深層心理を知らされ「せかいのほうそくがみだれる」状態に陥り、若いのに心臓膿漏でも発症したのか胸の辺りを押さえてガタガタ震えだした。
 本来は、今も泣いている美游とか恩赦で出所してきた英霊エミヤみたいに、無限の殺しをして後悔したり、どこかのまどかさんみたいに「現象」になって、円環の理に導かれ、助六(さやかちゃん)と一緒に消えるはずだったのが、若手の守護者芸人としてデビューさせられる(ミンキーモモ的に虹に乗ってデビュー)。
 このままではクロエは、兄の勉強机の引き出しからタイムマシンに乗って出現したり、おなかの袋やパンツから便利な未来グッズを出す青い奴になったり、ウィルスミスのアラジンみたいに明らかに笑いを取りに来ている青い奴になるかも知れない。
 更に銀さんの万事屋の押し入れの中に寝泊まりして酢昆布と言う夜兎に与えてはならない麻薬で飼われる性奴隷になったり、「桜くん勉強しちゃだめだよ、もっと遊ぼうよ」と言う押し入れの中の撲殺天使になったり、はたらく魔王様の性奴隷として押し入れの中で寝泊まりしている両性具有の天使になったりするかも知れない。
「そんなアホなっ」
 最悪の場合、桜と姉、凛とルヴィア、イリヤと美游で争って、「中に誰もいませんよ」してから士郎の首だけ持ってナイスボートするような世界線になるかも知れないと思っていたのが、ヨゴレ過ぎたお笑い世界に変換されてしまい愕然とする。
『例えば、大型船アレクサンダー号が士郎君の浦賀港に入港しようとしています。それでも、一成君やジュリアン君の小型船も士郎君の浦賀港に入港しないと補給が受けられずにタヒんでしまいます。どちらを入港させますか?』
 切嗣が聖杯に問われた難問。どちらかのエンジンを修理しないと残りの船の乗員は全員タヒぬと聞かれ、答えられなかった難問。少しアンリマユされて改変されていた?
「どんな例えやっ? どんだけシャケが好きな先輩やねんっ!」
 ネタが少し違い、ブラマヨのツッコミになったが、スーパーイナズマキックツッコミとクロエコレダーツッコミも炸裂した。
 アンリマユの霊と聖杯は、とても美味しそうに鼻血など吹きながらすっ飛んだ。
「アンタとはもうやってられんわっ、はー、サイナラーッ!」
 クロエは守護者になって別の時間に飛ばされたか、現象になって舞台の下手に消えた。
 

 

35ボクのこと忘れて下さい,

 クロエは無事ワルプルギスの夜さんを倒して解体し、周囲で40人ぐらいクルクル回っていた魔法少女の光る影とかも倒した?
 魔法少女がマジョリ化して魔女ガエルになったり、ソウルジェムが一瞬で腐り落ちて腐女子に堕天する時にはお迎えに行って、貴腐人、汚超腐人へと(いざな)う現象になってこのセカイから消えた。
 一緒に聖杯を発動させた美游は、クロエと言う存在の行きつく果てをアンリマユに見せられ、呪いのエネルギーだとかお笑いの燃えカスが星を包む時にアルティメットまどかみたいな変身も見せられ、髪の毛とか服の端っこは画角に納めないで描くよう指定があるキャラが、もっかいアーチャーの弓で全部倒した後、「クロエちゃんは最高の友達ダヨ」的なオチになってリボンの交換でもするはずだが、動画サイトや薄い本のほむほむと言えば、時間停止した際に盗んだまどかのパンツを頭に被り、エンディングで裸のまま逃げているまどかを変態の顔のまま指をわきわきさせて追い掛けて押し倒し、事後にシクシク泣かれ「ほむらちゃんは最低の友達(ヘンタイ)だよ」と言うオチが定番なので、クロエを追わなかった。

 ルヴィアがマスケット銃で凛を射殺してから、リボンで眼鏡(めが)ほむを拘束して「みんなタヒぬしか無いじゃないっ」と泣いているのをアーチャーの弓でソウルジェムを破壊したり、助六(さやかちゃん)を円環のお断りに導いて殺処分したり、腕の怪我が治ってバイオリン弾いてる助六の幼馴染を舞台の袖でガン見している緑がムカついて一緒に殺処分したり、劇場版では悪魔の力を得たのも利用して、神様(まどか)の一部を盗んで自分たちだけ幸せに暮らしている異世界を作って、4月にはリセットされて同じ学年が永遠に続くビューテフルドリーマー現象とか雛見沢症候群とか、近所にサザエさんとクレヨンしんちゃんが住んでいる世界でほむほむする事になった。
 事情を知っている助六に何か言われるが、「緑ではなく、助六(さやか)と幼馴染が結ばれる世界なんかもある」と言ってやると、その場で土下座しされ「師匠と呼ばせてくださいっ」と泣かれるかもしれない。

 35話

 世の中の悪人も、矢が刺さった後に植物が生えて双葉になったり、キノコが生えて冬虫夏草になってからも、強欲や傲慢の罪を吸収できなかった者は、ベターマンの元凶みたいに花が咲いて死んだ。
 穢れた感情や行動を綺麗ごとで誤魔化して、全部無かった事に書き換える腐れ役人も、自殺者を出しても「虐めなんか存在しなかった」と言い張れる教育関係者も、ヨゴレやお笑いエネルギーに変換できないで消えた。
 アンリマユとの約束通り、ワケワカンナイ宗教で犠牲者出したり、誰かを拷問にかけて「この世の全ての悪」に変えるような奴らも当然死んだ。
 現世と言う地獄を管理して、受刑者を苦しめるために配置されていた看守達と地獄の番人が消されたので、どこかのデビルマン世界みたいに天使が帰ってきて、腐女子(デーモン)族とか堕天した汚超腐人(おちょうふじん)が支配するセカイごと消されるかも知れない。
 異世界の方も、似たような理由で平和になってしまったので、神罰で滅ぼされる所だったらしい。

「ク、クロエ? えっ、クロエって…… 誰?」
 聖杯を発動させて何かの願いを叶えたはずの美游も、記憶から守護者との思い出を全て消された。
 今後武器をアーチャーの弓に持ち替えマジュウと戦うことになって、人類滅亡後の世界で討ち取られるとマドカ?に会いに行けるはずだが、このヨゴレたセカイで生き続ける。
 自分が地球規模の、二つの世界をヨゴレきったお笑い世界に変換した悪事?を働いた記憶も消えた。
 kanon的に「ボクのこと忘れて下さい」の魔法なんかも使われたらしい。
 ついでに今後、誘拐されたり監禁されて聖杯を悪事に使われないよう、美游の聖杯も持ち逃げされた。
 イリヤの聖杯もクロエごと消えた。
 プリズマイリヤ世界線こそが、七瀬ふたたびのテレポート能力者のように超能力者でも幸せに暮らせる世界として選ばれて移動してきたように、英霊たちでも幸せに暮らして行ける異空間として、この時空から過去に向かって聖杯に作り替えられた異世界なのかも知れない。
 どこかの世界の守護者か現象が、聖杯2個持ってほむほむしているので、(イリヤとミユ)の一部を盗み出して自分達だけの異世界を作って、お兄ちゃんも引っ張り出してラブラブしたり、助六(さやかちゃん)とバイオリン弾きが結ばれたり、エルフ耳のキャスターが高校教師と結ばれてラブラブしてセイバーフィギア作っていたり、ランサーも自決しないで黒タコにも掘られないで済みアサシンに心臓盗まれないで、衛宮さん家の晩御飯で各種セイバーが「士郎が作るごはんは美味しいです」してカレー教徒になり、エロゲーと同じく士郎と結ばれたり凛も入れて3Pしたり、他の英霊たちも幸せに過ごせる異空間が作られた。

「ケリー、これから私のことはクロエって呼んでイイヨ」
「え?」
 桜人形やアンジェリカ、一部の人形と魔女はクロエの記憶があったが、切嗣でさえクロエの記憶を消された。
 今後切嗣に金をせびりに来るアイリとか、離婚後に生活が立ち行かなくなってストーカー行為したり、カレー女みたいにドアの前で待ち伏せてクルクル回ったり、ジュリ(エット)メールを送ってきて「本当はあなただけを愛してるの」とかホザき始めると、シャーレイに踊り食いされる。
「何が起こったの?」
 父を人形に召喚してもらい母の治療まで受け、妹と再会してデッカイ英霊エミヤに抱っこされている凛も、灰汁?の根源でヨゴレた存在が誰だったのかを忘れた。
「「「「吉本やのに松竹みたいや……」」」」
 ギル様二人とエルメロイ卿は、魔術関係者で本人も術者なので守護者の記憶を失わずに済み、自分の相方を召喚してくれた恩人に向かって「無茶しやがって」と空に浮かぶ英霊クロエに向かって敬礼をした。
「「おまはんもシローきゅんなんか?」」
「そうだ、俺は英霊エミヤ、衛宮士郎のなれの果てだ」
 関西人でありながら、守護者を続けて無限の殺しをしてしまい、すっかり陰キャになった英霊エミヤだが、この世界でリハビリを続けると関西人に戻れる。

「クロエ……」
 11歳の(いとこ)?に夜這い掛けられたとはいえ、ヤルことヤってしまった鬼畜兄も妹の記憶を残されたが、多分数か月後にどっかの「誠氏ね」みたいにチッコイヒロインから「妊娠しました」と書かれて腹ボテのまま勝利のVサインもしているエアメールが到着したり、妊娠検査薬妖精?の検査死?を笑顔で突き付けられる写メが送られてくる。
 もし切嗣に見付かるとクロエの記憶を取り戻し、キャスターのマスターみたいに夙川か芦屋川の対岸からでもマニアックな競技用チークパッド付き狙撃銃で射殺されて、起源弾撃ち込まれて魔術回路全部破壊されて、爆破されて粉々にされて、ギアス掛けられて呪われるので、妹からの手紙で妹を探す手がかりとか写メを消すわけにも燃やすわけにもいかず、隠し場所に困ることになる。
 もちろんママとかセラ、リズにも相談できず、セラママからでも往復ビンタの上、ょぅじょレイプ犯はタマタマと象さんをリズにちょん切られる。

 とりあえず美游とイリヤが転身してカードまで使ってエクスカリバーとかゲイボルグで切り合い「中に誰もいませんよ」してからナイスボートの上で士郎の頭部だけ抱える世界線からは逃れられた。
 兄妹で結ばれるはずがないので神社の娘とパロスペシャルでパコパコヤっているのを地上波で放送してヨスガったり、玄関でバックから実妹と交尾している所を委員長と年上の幼馴染に見付かったり、AT-Xでの放送なら無修正だったり、ょうじょの幼馴染に上から乗られて兄がヤられているのを妹が見てしまったり、神社の伝説にある湖に引き込まれてソラと無理心中させられ、二人で溺れてから異世界に転生して電車に乗ってあの世に旅立たされたりしないで済んだ。
 それでも兄妹で守護者になって、洋画のムッキムキでゴッツイカダラのヘンゼルとグレーゼルみたいになって、魔女を剣とかボウガンで退治するハンターになったり、ラノベスマホ主人公をサせられるかも知れない。

「クロ?……」
 猫みたいな名前を付けた双子?がいなくなった記憶は消されたが、どうしても思い出してしまうイリヤ。
 アイリママから出産時にイリヤに贈呈?されていた聖杯もクロエが持ち逃げした。今後誘拐されたり実験されたり解剖されたり儀式に利用されないためである。
 紙媒体の記録とか写真の内容までは消されていないので、自分とソックリで肌が浅黒い別人が写り込んでいる写真を見て驚いて、恐怖番組に投稿して「お分かり頂けただろうか?」などと言う番組で使われたり、寺生まれのTさんに相談したり、神社でお祓い受けて写真を奉納しないでも済んだ。
 それでも肖像権の問題で、守護者を作っている存在からクロエの胴体と頭だけ消された写真が残り、浅黒い手足だけイリヤに巻き付いている写真をニヤニヤしている雀花から見せられたり、夏の海でも手足だけ巻き付いている写真を青い顔をしたミミやナナキから突き付けられて、「お祓いに行った方が良い」と勧められるかもしれない。
 ミミの力作のノートからも、クロエがTSしてイリヤとか美游も性転換して、男同士でイチャラブする話は残り、ミミ自身も顎を持ち上げられて魔力を吸うのにチューされたので「日焼けした男前なイリヤにキスされてしまった」記憶に改変される面倒なことになっているかもしれない。
 タイガーがクロエにキスされた記憶は消されたので、ファーストキスはまだだと思っている。
「「ああ、シローが一杯」」
 大河とカレンオルテンシアは今後バゼットの手引きで士郎に夜這いするので、ヤフー知恵袋とかで「小学校教諭(校医)をしています、教え子と結ばれました。彼が結婚可能年齢になれば結婚して、出産もしたいです、産休を取って休んでからも教諭を続けたいと思います、法的に許されるでしょうか?」とか掲示板に書いたり相談すると、通報されて逮捕される案件である。
 それも高校生士郎や英霊エミヤではなく、埋まっていた所を救出されたショタ士郎なんかに手を出すと、本当に逮捕されて収監される。
 もしショタ士郎が膝でも擦りむいて一人で保健室に行ってしまうと「貴方もカレー作れる?」と確認したカレンが、スカート履いてないどころか、ぱんつはいてないコマンドーな状態で襲い掛かり、小学生に伸し掛かってチューチューしたり、羨ま死刑な犯罪行為をするので、記事を見た全世界ショタマニアからもタイホされて極刑に処される。

 もちろん異世界士郎で傷あり士郎が帰還すると、各種魔術師の家系から婚姻申し込みと、「お胤だけでも頂戴したい」と依頼が殺到して、種馬として毎日のように世界中の魔術師の家の子女と交配させられる。
 セラママ、リズママが写生?管理して、自分の息子?に相応しい女だけ、それも新品限定とか優秀で気立ても良い女限定とか、ママのお眼鏡に叶った女だけが士郎と交尾できる。
 どこかの「二回攻撃で全体攻撃のママは嫌いですか?」みたいに面接まであって厳しく査定される。
 

 

36事後

 クロエが消えてから、旧ルヴィア邸でありクロエとアンジェリカに宝物庫として贈呈された家に引き上げた一同。
 そこには既に警察が大量に来ていて、パトカーと原付バイク、兵員輸送車みたいな機動隊移動用の金網付きバス、盾持って完全装備の機動隊員数十人。
「おんどりゃあ、出てこいやぁっ! 兵庫県警舐めとんかっ?」
 さらに大阪からも丸暴の4課が来ていて、山口組本部に捜索に入る時のようにドアを叩いていた。
「大阪怖いんかぁ?」
「ドア開けんかいっ! おるのは分かっとんぞ?」
 本職の暴力団と同じ口調で門とかガンガン蹴り倒して、ピンポンピンポン鳴らし、大声で喚いていた私服の警察官。
「ふざけ取ったら火ぃ付けんぞ、ゴラァ!」
 ヤクザの子飼いでオトモダチで親戚で家族でもある、標準的な兵庫県警の警官である。

「何事ですの?」
 そこでまずオーギュストが対応し、衛宮家とルヴィア邸両家の爆破とか、間桐襲撃とか、聖杯の使用による大量虐殺とか、何か魔術的な事件が発覚したのかと思って引きつった笑顔で聞いた。
「この屋敷の執事です。どういった御用件でしょうか?」
 この世界の士郎には児童レイプとか連れまわしの記憶があり、麻薬カレーの製造とか配布による精神支配なども行った。
 異世界から来た一行は、間桐家を破壊して金銭を奪った上で家人をサツガイした記憶があり、桜を誘拐して異世界に連れ去った覚えがある傷あり士郎からも、血の気が引く「サーーーッ」と言う音が聞こえた。
 特に聖杯関連で思い当たる節が多すぎた連中は、ギルガメッシュと桜陣営多数と淫獣の黒タコブラザースがいたので、警察とでもひと悶着起こす気でいた。
 ギャグ世界でお笑いセカイ、さらに関西なのでナニをしてもオッケーで、爆破した切嗣の家でも一晩経てば復活している。
「衛宮士郎だな? 偽造通貨行使、商品の詐取の容疑で逮捕状が出ている」
「「「「「「「「「「ハ?」」」」」」」」」」
 公園の自動販売機の防犯カメラに「平成」じゃない年号の500円玉を使用してジュース買った傷あり士郎が映っていて指紋も本人確定。
 金属の材質とか重さも比重も刻印も、造幣局のコイン製造機で作成したとしか考えられないプレスの精度と周囲の切り込みの透かし?技術で、韓国の500ウォン100ウォン硬貨みたいに国家規模の詐欺集団で偽造通貨製造集団が暗躍していると思って家宅捜索に来た一同。
 まだ聖杯使ってデスノートで大量殺人したのはバレていないらしい。
「衛宮切嗣、衛宮アイリ、通名セラ、リズ、偽造通貨の製造工場が抑えられそうになって、爆破して証拠を隠滅しようとしたな? ご同行願おうか?」
「「「「エ?」」」」
 傷あり士郎とついでにこの世界の士郎、切嗣とアイリ、セラ、リズもタイホしちゃうゾ、されそうになった。
 どっかのアイルランドの普通のご家庭みたいに、ロンドン爆破の頃に旅行していた孫のせいでIRAのテロリストと指定され、お婆さんがクッキーでも焼くようにして爆弾を調合して、イリヤクロエのような子供たちが圧力鍋とか炊飯器にベアリングの鉄球詰め込んで、小さな手で38ミリ砲の内部を磨いたんだとか無理矢理な証拠捏造でもされて、終身刑とか懲役数十年の刑を食らって、15年ぐらい後にIRAの活動が収まってから冤罪が晴れて、一家全員釈放されるような羽目になる。

 設問
 W士郎きゅんタイホ+切嗣タイホ+アイリママタイホ+セラリズタイホ-天使クロエ様=(Wギル様+Wアレクサンダー+Wエルメロイ+Wバゼット+Wエルキドゥ+桜陣営全員+黒タコブラザース+邪眼のライダー+ナタリアママ+マイア+魔女シャーレイ+イリヤ+美游+凛+ルヴィア+英霊エミヤ+言峰綺糺+マキリゾルゲン人形+その他)*X
 変数Xの値を求めよ。

「うらあっ! ふざけんなああっ! クソッタレどもがあああっ!」
 光よりも早く魔女シャーレイが堕天して、銀髪のカツラ脱ぎ捨てて、ソウルジェムが一瞬で腐り落ちてしまい、周囲がアングラ芝居の背景になって例のBGMが鳴り始めた。
 画面下にまどか☆マギカ文字で「魔女シャーレイ」と出て、南の島の楽園のような風景が炎に包まれ、永遠に枯れない花が咲き乱れ、半分食われたニワトリが踊り狂い、助六(さやかちゃん)がオーケストラの後ろで指揮でもしているような感じで、紙芝居みたいに一枚絵がギコギコ動いてニワトリも踊り食いする固有結界。
「「「私の可愛い息子に何をするっ!」」」
 セラママとリズママもブチ切れて白いホムンクルス礼装に転身。薙刀みたいな武器で暴れ始めた。
 ナタリアママもカラシニコフとかRPG7で武装烈火してSAMURAIトルーパーに。
 ママなので愛しい息子が殺人鬼であろうが、偽造通貨行使の詐欺師であろうが、その愛が揺るぐことはない。
「「アイオニオンヘタイロイッ!」」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「然りっ! 然りっ! 然りっ! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
 アレクサンダーも固有結界展開、歴史に残る英雄の数々も、戦争大好きな叔父さん達だった。
「「雑種が、犬には相応しい死をくれてやろう」」
 バビロンの宝物庫もダブルで開いてしまい、宝具も大量展開。これがシンフォギアなら生身で触れれば人体が炭化してしまうノイズとか大量に出てくる。
「(英語)わが身は鉄でできている」
 なんか英語でつぶやき始めた英霊エミヤも固有結界展開。アイオニオンヘタイロイの砂漠とか、魔女シャーレイの固有結界、南の島の地獄と重なった。
 ヘタイロイノ皆さんが鉄の剣引っこ抜いて武装強化、ニワトリの武装も強化した。
 紀元前の兵士達なので、青銅で武装しているのが大半、成人男性の兵士も腹の中に寄生虫飼っているので身長140センチ程度の小人。
 当時の馬なんかロバの大きさで、騎兵になっているのは比較的少数、チャリオットを2頭立て4頭立てで引いているのが標準。

「センパ~イ」
「豚さんはみんな私の物よ~~」
「お転婆ですか~~?」
 BBちゃん、BBペレ、認知障害のパッションリップ、下半身を鍛え上げて乳無しになっているメルトリリスがセンパイを守るために実力行使。
 fate桜もブロッサム先生も桜人形も桜ちゃんも、譲渡されていた黒タコの淫獣を使役して警察官(カード)をキャプタャーしたり、エインズワースノカードを桜カードに変換したり、「汝のあるべき姿に戻れ」とか、魔法のステッキ(タコ)とか、関西弁がヘッッッタクソ過ぎるデカイ虎とか、ユエとかスピネルとか邪眼(ともよちゃん)のライダーも鎖を振るって警官たちを駆逐した。
 機動隊50人と警官、商品を詐取された大阪の飲料メーカーから通報されたとして丸暴の応援もあったが、今の衛宮家を支援している暴力装置の足元にも及ばなかった。

 聖杯を使って大量殺人とか人格操作に洗脳、あらゆる悪行を行ったが、主犯のクロエは逃亡。
 デスノート使ったぐらいの大事件を起こした主犯格に美游がいたので、傷ありシローと周りの連中も、まず美游を守り始めた。
 偽造通貨行使などは明らかに別件逮捕だが、軽く2週間ほどW士郎を勾留して、その間に電話帳でシバき倒して眠らせず、幻覚が見えるぐらいに誘導して聴取の文言通りの犯罪を起こしたんだと本人に思わせ、言われたとおりに自供させる兵庫県警の手口。
 もし士郎が連れて行かれると、聖杯関連の犯罪だとか、間桐襲撃の内容も洗いざらい吐かされる。
 苦痛に耐える訓練も受けた切嗣とか、自分で喋れないように舌噛んででも加工できるホムンクルスとは違う。
 エインズワースで傷あり士郎が監禁されている間にも、アンジェリカとベアトリスとジュリアンに、あ~~んなこととか、こ~~~~んなことをされてしまった再現が行われる。
 鎖で縛り上げられたまま、らきすたでかがみんがアニメ店長の店で立ち読みしてしまった薄い本のように、ガウルンに捕まってしまったソースケが、ザイードとか中国人孤児で双子の兄弟に上下左右から同時に順番に「しゃぶれよ」とか「ヨツンヴァインなれよ」とか「何も口を割らせるのは苦痛だけじゃない」とか「これTDNやないか~、多田野何しとるんや~、たまげたな~」と言われて色々サレてしまう。

 ちなみに日本では、役者とかお笑い芸人とか野球選手が、若かりし頃にホモビに出演していたり、それもバリウケの猫さんだったりしても、「クルルァついて来い」「あくしろよ」「オナシャス」みたいな感じでも、脚本と芝居の上で拳銃を奪ってからは一転攻勢して攻めになったりしてもケツ*に拳銃発射していても、職業を失ったり永久追放されたりしない。
 テレビ出演が多少減るが、野球選手は継続できるし、九州訛りで「ヒロシです」とか言いながらピン芸人も続けられるし、最近は「ゆるキャン」の影響なのか一人キャンプで話題に上ってテレビ出演もしている。

 女優とか声優とかアイドルなら貧乏な頃にヌードグラビアに出ていただけで失職して追放。
 アイドルが恋愛発覚しただけで「卒業」させられるか、自分で丸坊主にして謝罪ビデオをネットに投稿してどうにか残留。
 日テレの女子アナウンサーに合格していても、キャバクラでバイトしていた過去があるだけで解雇、内定取り消しで訴訟沙汰に。
 紅白にも出演した声優グループのセンターが若い頃AVに出ていて、ピンでAVに出るにはブサイク過ぎて和菓子でも食い過ぎたのか体もダルンダルンで乳首も真っ黒。オムニバスの「素人図鑑vol7」に出演していて、AVソムリエに歯並びとほくろの位置が「完全に一致!」しているのがバレて激太り、翌年の解散コンサートまで週刊誌に金を渡して黙っていて貰うような事態になる女性差別社会。

 男性同士が結婚式をしても、参列した友人や家族女友達からも祝福され、泣きながら幸せなキスをしても襲撃されない国、日本。
 イスラム社会なら死刑相当。キリスト教でもホモ行為が許されるのは神父が児童にイタズラする時だけで、ロシアで男性同士が手をつないで歩いていたら、集団に襲撃されボコボコ。
 自由の国アメリカでも、カミングアウトとか結婚式すると、式場に車が来て機銃掃射されて、出席者数名が銃乱射事件で負傷死亡する。
 ついでに赤ん坊を堕胎手術する医者も襲撃されて射殺される。
 男同士でキスしていても射殺されないのはカリフォルニアかニューヨークぐらいで、「貴方が以前、神と語り合ったのはいつですか?」な~んて看板がニョキニョキ生えている中西部でヤルと、ショットガンマリッジならぬショットガンで二人仲良く天国に送られる。

 ユダヤ人やロマ(ジプシー)の人がアクションカムで撮影しながらヨーロッパの街中を歩くと、唾を吐きかけられる、暴言に罵詈雑言、足を引っかけられる、殴られるのが普通の世界。
 セーラウラヌスの声を充てていた緒方恵美さんが、数十年後にアメリカ人記者からインタビューを受け「30年も前にゲイでレズビアン役の声を演じて、バッシングなど受けなかったのか?」と聞かれ、ご本人も一切差別を受けなかったので「え?」と聞き返す国。
 同じ緒方恵美さんがシンジ君役で、アスカの乳を見て病室の鍵を閉め、ハァハァ言いながら手のひらに謎の白い液体を発射したのが地上波ゴールデンで放送できない程度(深夜枠オッケー)。
 同性愛をガンガンやっている「パタリロ」を平日19時のゴールデンに放送しても、関西なら25%も視聴率があり、ご家族で夕食時に親子で一緒に笑って視聴。
 下手するとサザエさん枠に入って、ちびまる子ちゃんじゃなくて今でもパタリロが放送されていたかも知れない国。
 関東圏だけ空気読んで、視聴率7%だったので阻止された。
 
 そんな感じで、バンコラン少佐がマライヒの前の男に、「何も口を割らせるのは苦痛だけじゃない」と言って画面の下側に押し倒して消え、「ああんっ」とかホザいてバラの花が咲いたように、ダブル士郎コンビもMI5の男性捜査官にカイカンで口を割らされるかもしれない事態にハッテンしそうになった。
 もし家の中まで捜索されると、ギル様がエルキドゥさん召喚してもらった謝礼に支払った、「自分の背の高さまで黄金を積む」が二つもあり、人間じゃない不死の兵士が警護しているので、余計ややこしい事になる。
 

 

37審判の日

 どこかの宗教団体が「終末の日」を自作自演しようとした時のように、クロエが聖杯使って神罰レベルの正義執行を行った。
 当初の見積もりより犠牲者は少なかったが、悪意を変換できなかった腐敗政治家とか銀行員がマタンゴとかカネゴン、ピグモンとかブースカになってしまい、ブー冠を取られると「しおしおのぱ~」になったり、ガラモンを操作していた石を銀紙で包むと、左巻きでアタマオカシイ政治家で帰化人がゲロ吐いて止まるような事態になった。
 副産物として頭に刺さった黒い矢のおかげで、みゃー姉がヒキコモリニートから社会復帰したり、アカネちゃんが実写になって現実世界に戻ったりもできた。

 脊髄動物の脳の中にある敵味方識別装置、偏桃体が小さすぎて周囲の出来事や人物が全て恐怖でヒキコモっていた人物も修復。
 社会のルールとか不文律は一切理解しないアスペで発達「ガッコウに化粧して行っちゃダメとかイミワカンナ~イ」と言い出す、犯罪率が異常に高い中卒高卒も社会の歯車として無理矢理修正。
 ハンバーグランチのライスが出ていないので苦情を受けると、認知障害で迷わずエクストラバージンオイルを持って行って客に怒鳴られ、怖くなってバイトをバックレてしまい、後で店長から電話があって「制服は返さないで良いから、店と二度と関わらないで欲しい」と言われる、危なすぎる怖いぐらいのキチだと認定された人物も、どうにか日常生活を営めるぐらいに修正された。

 ちなみに発達障害と言うのは障害認定されないので、障害年金も生活保護も受けられない。
 泣いて苦しむだけの人生を送って、IQにして70以下の人物は、あらゆる救済の手から零れ落ち、気が付いたら浮浪者で路上生活者になっているのが普通の世界。

 重度発達障害を併発して偏桃体の破損とか脳に障害があると、自己と他人の区別も難しく、登場人物が三人以上になると誰が何を考えていて、誰が所有権を持っているのか理解できず「お前の物は俺の物、俺の物は俺の物」と平然と言い切れるサイコパスがいる。
 他人の苦痛こそが快感で愉悦、いじめ大好きなお局様も嫁いびりが生きがいの姑もパワハラ魔人のサディストもいたが、遺伝子を残すとイケナイので消された。
 言語の概念まで壊れていて、視点とか人称の概念も滅茶苦茶、サイコパス価値観でシリアルキラー思考で、「俺は彼女が好き=彼女は絶対に俺のことが好き」の公式を脳内で平気で描けるストーカー、「アキトは私のことが大好きっ!」と平然と言い切れるイカれた人物も、いかに知能が高くても艦長でも修正不能なので消えて貰った。
 自分の失態とか障害を指摘されると発達障害で相手と立場を入れ替え「自己紹介」「カミングアウト」だと言い張り、相手の指摘を丸パクリしてオウム返しする発達で糖質。追い詰められると敵の立場から自分の失態を罵り、自分の死体蹴りながら大勝利宣言して、脳内オトモダチとの会話をIDだけ変えて自演すれば多数意見なんだと思い込めるレベルの、どっかの大手サイト管理人さんみたいなキチは絶対に修正不可能なのでタヒんでもらった。

 さすがの警察もこれだけの大量殺人なので動かざるを得ず、ヤクザの手下で使用人の兵庫県警でも、オウムみたいに内偵していた冬木市にいる魔術師とか聖堂教会とかギルガメッシュとか間桐とか衛宮とか、怪しすぎる所に一斉捜査に入った。
 既に間桐は壊滅して更地。遠坂は前回の聖杯戦争で破滅して解散状態だったので放置。聖堂教会を押さえに行っても空振りでギル様不在、言峰神父は以前の遠坂時臣風呂場密室?殺人の容疑で遠坂姉妹にライダーキック食らって一回タヒんでた。
 言峰神父は毛皮を着替えて9回までは帰ってこれる、(ナインライブス)さ~んの秘術で転生していたが、衛宮家の近所でハッテン行為をして黒タコも出産させられ改心?していた。

 37話

「ワシや、組長か? どないなっとんねん?」
 士郎や切嗣が逮捕されそうになったが、山口組にとてもとてもとても顔が利くギルガメッシュが山口組本家に電話一本入れただけで解決した。
「何? ワシだけ逮捕されんよう骨折った? 知らんがな。衛宮士郎ってのはなあ、クロエちゃんの兄貴で、これからワシの養子にして(エルキドゥ)と一緒にジックリ仕込むとこなんじゃ(何を?)、覚えとけっ」
 兵庫県警は全員山口組の使用人でフロント企業なので、警視庁が何を言おうが一瞬で命令が通達されて撤収させられた。
 誰も家族全員殺されても正義の活動を行うような信念もなく、どこかのメキシコ市長(女性)みたいに夫も子供も全員惨殺されてしまい、本人も腹にダムダム弾撃ち込まれて「内臓が無いぞう」にされて、流動食飲んで点滴打ちながらインスリン打って人工肛門取り付けてでも仕事続けて、マフィアに復讐を誓った人のような鋼の精神は無い。
 アメリカでも麻薬の売人を逮捕した所で、マフィアに飼われている弁護士が来て即日出所する上に、鼻薬が効いている上司や署長に呼び出されて怒鳴られて、「16ブロック」のアル中ハゲの給料泥棒役、ブルース・ウィリスみたいに仲間に射殺される。
 自分や家族の命まで狙われるよりは、麻薬の売人に100ドルほどお小遣いをもらって、売り上げは良いかヤクの売人に景気を聞いて、警察官立ち寄り所の店でタダでもらえるドーナッツとかハンバーガーをパトカーの中で一緒に食って、上物のコークかマリファナでもキメて談笑する生活を選ぶ。
 ちなみに「ベイブ」に出ていた優しい牧場主の次の仕事は腐敗警官で、身内の腐敗を通報しようとした部下を即射殺した。次の仕事のグリーンマイルでは役を選んで、妻思いの刑務官署長になったりもした。

 結局ギル様に不義理をした署長とか本部長とか刑事部部長がエンコ詰めて詫び入れるぐらいで手打ちになったようだが、警視庁とかICPOは諦めていない。
 FBIとかCIAとかGRUとか中国公安も諦めていないので、次回ゴロ巻くとしたら自衛隊が治安出動して、米軍と共同でウサマ・ビンラディン暗殺みたいにネイビーシールズが状況開始する。
 それでもギル様は一人で「災害規模、神」なので、太平洋艦隊の第7艦隊(タスクフォース)が投入されてもホワイトハウスごとエヌマエリシュできる。
 ワンパンマンもタツマキもギル様の側にいるので、この世の誰も逆らえないし、いざとなったら聖杯2個持ってほむほむしている現象が帰ってきて、もう一回世界中始末される。
「この世の中の仕組み、一回教えてやらんといかんなあ」
 現在のパワーバランスとか武力の差を、公的機関とか政府機関に教育してやろうとしたギルガメッシュだったが、頭から生えていた双葉が脳からノルアドレナリンとかアドレナリンを吸収してしまい、ブー冠取られたブースカみたいになった。
「しおしおのぱ~」
 これが新しい世界のルールのようで、悪事を行おうとした人物は、切嗣でもアイリでもしおしおのぱ~にされる。
 クロエ査定で免除されているので両親や関係者は死なない方向に設定されたが、腐敗警官側も政府関係者もしおしおのパ~にされるか殺されたので、恐るべきことに警察は正義が執行される機関に変貌した。
 あの国連でもアメリカでも正義が行われ、ロシアの腐敗警官も役人も全員しおしおのぱ~にされ、東南アジアや南米の詐欺の街でも泥棒の巣窟でもスラムでも、修復不可能な者は、頭に花が咲いてタヒんだ。
「わ、私は社会の歯車……」
 認知障害と奇乳を修復されたパッションリップの頭にまで双葉が生え、センパイを守るためとは言え、警察組織に歯向かって暴力で追い払ったので社会の歯車にされた。
 血の気が多すぎるシャーレイとかナタリアとかアレクサンダーの頭からも、黒いチューリップが咲き始めていた。
 開花するとタヒぬ。

「「クロエちゃんが聖杯で正義執行したから、大将(アレクサンダ)やらギルガメッシュのジジイまで頭に花咲き始めてるがな」」
 一応善人なので、頭の双葉からは蕾も出ていないエルメロイ卿二人。
 クロエ修正のお蔭で死んでいないが、切嗣もアイリも花が咲き始めている。
 一番始末に負えない悪人とは、自分こそが正義で正しくて善人だと思っている奴らだそうで、宗教関係者だとか法律関係者とか警察関係者とか教育関係者とか体育会系教師とかは、どれだけ暴力を振るおうとも「我こそが正義」だと思い込んでいるので、自分が悪事を働いてパワハラセクハラモラハラしているとは思っていないらしい。「指導」しているだけだと思い込んでいる。

 先日放映されたドキュメンタリー番組でも、アフガニスタンの橋の下で暮らしている麻薬中毒患者を救うボランティアをしている女性の活動が伝えられたが、どれえだけ政府に申請しても、中毒患者救済の仕事をしている省庁の大臣に申請しても…
「ちゃんとした施設で清潔な生活をさせていない、ベッド数も足りていない」
「解脱用薬品も用意されず、この手法は厚生施設に利用できるよう認定されていない」
 とか理由を付けられて却下されまくり。
 それでも正義と救済を行っているんだとカメラの前で言い張る政府関係者。
 大臣自身が麻薬カルテルに買収されていて鼻薬効きまくり、中毒患者がお得意様で減らされてしまうと困るので、自分の失態を指摘されると笑いだして、あろうことか…
「病院に連れて行かないといけないのはこの女の人だ、早く連れて行ってあげなさいwww」
 などと言い出して、アフガンのマザーテレサと呼ばれるような人物をキチ扱いして逃げた。
 記者会見を行われて政府の腐敗を公表されると、復讐のために女性に刺客を送り込んで、細いワイヤーで絞殺しようとしたがショットガンで追い払われて失敗。
 政府支援を完全無視されて犯罪者扱いを受け、今も暗殺の危機に怯え、家族ごと殺されて爆破される脅威に耐えてボランティア活動を行っている。

 異世界

 こちらでも全人類の頭から双葉が生えていた。
 他人の濃過ぎる体臭、糞便の匂い、屋外屋内のパーソナルスペースが守れない、バッタからイナゴに変化するような脳内のスイッチが入り悪魔の羽を生やして飛び立ち、スラム化した状況に置かれて殺人鬼になったり、個体数が減るまで戦争して食料供給が可能な範囲に収まるまで殺し合うような奴らは、もう元には戻せないので死滅していた。
 デスノートのように世界中の戦争が終結した。

 先日聖杯が作動したばかりで、また同じ聖杯が作動したとは考えられなかったが、それ以外に説明のしようもなく、「奇跡」の力によってあらゆる悪の根源が始末されたと気付く者もいた。
 警察の仕事は万引き少年の補導とか軽い窃盗ぐらいになったが、自転車やバイクでも盗もうとした奴は、その場で昏倒させられた。
 窃盗犯は心臓と内臓と脳の痛みで、血反吐まで吐いて体がバラバラになるような苦痛を味合わされて教育され、それでも盗みがやめられない者は死んだ。
 盗みが悪事だと考えることすらできない発達障害を持った者は、遺伝的に存在してはならないので頭の花が開花した。
 万引きババアとかピック病に分類される、盗みがやめられない病気の物も苦しんだが、遺伝的にも修正不可能な者は開花して死んだ。
 切嗣の父親のように、特に悪意もなく魔術実験をして、助手に使っていた人物が勝手に技術漏洩して、お爺さんおばあさんでも治療しようとして自分も噛まれてニワトリ生で踊り食いしたような連中も躊躇なく殺された。
 今の所、死人を人形にして呼び出すサービスは開始されていない。

 大量の死体は片付けずに済んだが、人体全部吸収して開花した死の花が、世界中で所かまわず花開いていた。
 街路樹や街灯全部に死体がぶら下がっていて、死臭と悪臭を放って腐り落ちるまでぶら下げられたままのような地獄は見ないで済んだが、その数だけ黒い地獄の花が咲き誇った。
 クロエ世界だけがお笑い世界に変換され、他の異世界では省力化のために聖杯も手を抜いたようで、アンリマユが予測した規模で死者が出ていた。
 刑務所も空になって行ったが、デスノートと違うのは名前を公表されていても冤罪で自白させられていただけの人物が死ななかった所である。
 クロエ世界に近い平行世界では正義執行がなされて、重要な悪人は遺伝ごと始末された。

「何やら家の周りが騒がしいようですが?」
 傷あり士郎の実の両親程度でも周囲の異変に気付き、阿鼻叫喚の地獄が始まっているのを聞いた。
「外を見てはいけません」
 士郎の両親の人形には外に出ないように言って、切嗣が警戒しながら見に行った。
「これは?」
 魔術師の中でも悪行を行った者、魔術師殺し、魔術師殺しを殺すための暗殺団まで死んでいた。
 時計塔で正義を行っていた者は余り死ななかったが、特にアインツベルン側の魔術師や暗殺者が悲惨な死に方をしていた。
 英雄の女の子目当てで、プラカード持って求婚していた奴は死なず、ストーカーやロリコンの犯罪者だけが死に、魔術師とか暗殺団だけが苦悶の表情で自分の罪の数を数えてから死んでいた。
「何者かが聖杯で願いを叶えて、悪人を全て殺したのか?」
 全く同じ願いをした切嗣だけがその結論にたどり着けた。
 悪人の死すらも望まなず改心を願った切嗣と違い、明らかに悪人全てを殺すように願い、それでも尚、良心の呵責に苛まれず、この決定をした鋼の精神を持つ極悪人がいる。
「士郎か? いや、イリヤやシャーレイに似た誰かが……」
 人形として召喚されたこの世界の切嗣も、クロエの記憶は消されていた。

 愉悦部の中では、ギル君が成長した方はお笑い世界で死なず、時臣を殺してカリヤおじさんに葵を首絞めレイ~プさせていなかった激辛ラーメン屋のオッサンも死んでいなかった。
 この世界の桜人形に慎二と雁夜と義父を殺され、家も虫も燃やされてしまい、契約の元に桜を虫に殺させて逃げていた間桐臓硯(マキリゾルゲン)も、苦しんで苦しんで、苦しみ抜いて、誰がこの処刑を望んだのか、今までの人生でどれが罪として数えられたのか、食ってきた人間の名前とか生い立ちとか、ずっと耳元で囁かれながら死んだ。
 どこかのチェーンソーマンに不死身の体を三日三晩肉を切り裂かれて、自分から急所とか心臓を差し出して「お願いですから殺してください」と言うまで苦しまされてから自殺した。

「正義? これのどこが正義なもんかっ、どんな悪魔の所業だよっ、一体誰がやったんだっ、バカヤロ~~~~~っ!!」
 スティンガーミサイルでナタリアさんごと旅客機撃墜した時のように、苦悶の表情で転がっている死体を抱き上げて泣き叫ぶ切嗣。
 イリヤにもクロエにもアイリにも、男が考えるような正義の薫陶は行き渡らなかった。
 女の脳で腐りかけの花や野菜、病気に塗れた葉や茎を選定する程度の感覚で全部摘み取ったクロエの考えは、切嗣には到底理解できなかった。
 優しすぎて悪人にすら完全な死を与えられず、一人ひとり検品してから始末するようなチマチマした切嗣の考える処刑で正義。
 クロエは工場の検査で撥ねられた不良品を一斉排除して、ゴミ箱に捨てる程度の感覚で始末した。
 それでも人類は清潔にされ、この世界でも近い世界でも戦争も略奪も強姦も窃盗も殺人も、全ての罪が消された。
 悪の心を芽生えさせた時点で、頭の上に地獄の花が開いて殺された。
 やがて、その亡骸でさえ地獄の花に吸収されてしまい、花だけが地面や床に根付いて、それすら栄養分や宿主を失って消えた。
 

 

38ヤヴァイヤヴァイヤバイ

 大量絶滅で審判の日から数か月。異世界のクレーターでは魔法学校が突貫工事で建設され、国外の事情に合わせて9月開校のお知らせも配布された。
 ジュリアンきゅん城は置換で立ち退きさせられたか、そのまま校舎に使われた。
 こちらの世界では魔術が実在するのが知れ渡ってしまい、誰かが世界を救った聖杯と同じ物で破滅を選び、悪人を全て消し去ったのも包み隠さず告知された。
 そんなことができるのは七英雄と呼ばれたメンバーしか存在しなかったが、こちらの世界では地球丸ごと救われていたので、法律が全てを決めるような人物以外からは苦情も出なかった。
 身内を殺された苦情を言った者は社会の歯車にされ、復讐を誓った者はその時点で消された。
 もちろん内偵しようとしたり、犯人を特定しに来たり美游を逮捕拘束しに来た人物は、レイぺンバーとか青空ナオミとかFBIスタッフのように、クロエが持っているデスノートで「計画通り!」消された。

 それでも犯人を探し当てて報道しようとした人物も多かったが、守護者を作る存在からクロエの記録が消され、写真とかビデオも人の記憶からも消え、七英雄と言うのはジュリアンも含めた人数で、人形化された人物を省いた数だと思われるようになった。
 イリヤや傷あり士郎に巻き付いている浅黒い手とか、イリヤソックリの黒い影が残っている動画は、恐怖番組で「お分かり頂けただろか? もう一度」扱いになった。
 守護者だとかアステカの神殿を知っているような人物から苦情が殺到して「何ちゅうもんを放送しやがった!」と言われ、次第に放送も詮索もされない事件となり「後味の悪い事件だったね」ぐらいの未解決事件として扱われ、いつものように事実はアンサイクロペディアだけで掲載され、東スポとかメンインブラックが購入する情報新聞だけで報道された。
 守護者とか執行者が全世界で悪人を始末し、個別案件ではなく一斉排除で削除の神罰が執行されたことにされ、清潔になりすぎた世界を喜ぶ人物も多くいた。
 その後の世界を主導するはずだった宗教関係者は、児童小児同性愛の強要(イタズラ)とレイプの罪で多数死んだ。
 遺伝的に生きていてはイケナイ叔父様たちで神父(ブラザー)だったので、頭の上で地獄の花が開花して自分の罪を数えてから死んだ。
 士郎の場合はクロエの同意の上で行われたのと、守護者で現象の本人から許可があったので罪には問われなかったらしい。

 38話
 クレーターの中に建設されている学校の土地は、廃墟で封鎖地区で政府管理地で心霊的事故物件で、神社や寺でも建立して数百年は供養しないと呪われて死ぬ場所だったので、魔術協会とか聖堂協会とか山口組本家とかギルガメッシュ王からの忖度で無償提供された。
 辻本清美議員(帰化人)の忖度で、朝鮮学校の土地や建物や生コンや作業員が政治家案件として無償提供されたような感じである。
 モリトモだとかモリカケどころじゃない、確信犯の無償提供である。生コン業者の脅迫逮捕なども裏の世界で闇社会でB層の利権なので、テレビでは一切報道されない。

 そこで犯罪者扱いから逃げて来た異世界人たちが、仮の住まいである衛宮家を訪れた。
「お邪魔します、異世界人でイリヤの兄の士郎です」
「「「「「別の世界で埋まったまま死ぬ所だったショタ士郎です」」」」」
「「「「「「「「「「「「桜陣営です」」」」」」」」」」」」
「「「「ムキューーーーー」」」」(黒タコブラザース)
「ただいま(美游)」
 何の変哲もないこの世界の美游も帰宅した。
「異世界のイリヤです、これからお兄ちゃんにずっとお世話になります(///)」
 聖杯を失った、何の変哲もない魔法少女も一名嫁入り?した。
 周囲の家も放置物件で、世界人口が半減している途中なので、修理すれば無償で入居できる。

「「「「まあ、美游ちゃんとイリヤちゃんは、今日から私の義妹(コトメ)ね、もう「お義姉ちゃん」って呼んでいいのよ、ウフフフフフフフフフフフ」」」」
 fate桜と異世界桜とブロッサム先生と桜人形は敵同士になった。
 桜陣営は、どっかの四宮かぐや様みたいに、イリヤと美游に「桜姉っ」と呼ばれる妄想して「一体どこまでイクの?」などと喜んで「お前がどこまでイってるんだよ?」と突っ込まれ、天然のリズとかパッションリップや藤原書記的な巨乳を「リズ姉っ」「リップ姉っ」と呼んで既に懐いている所を見せられ「貴方は私が欲しい物を全て奪っていく」みたいな呪いが籠った夜叉のような目で見る。
 それでも傷あり士郎とか士郎とかショタ士郎とかガングロ士郎は大勢居るので、桜陣営には全員行き渡って何とかなる。

「英霊エミヤだ」(ガングロ)
「守護者だった衛宮士郎です」(少年ガングロ)
「言峰シロ―神父だ」(ガングロ、魔剣、空中要塞バビロンの空中庭園所有の赤の陣営のルーラー、指の間から無限に銃剣も出せるし、萌えキャラのフランケンシュタインでもヴァンパイアの国王でも宝具発動後でも瞬殺)
「異世界のギルガメッシュとエルキドゥや」
「士郎とイリヤのママでアイリです」
「士郎のママのセラです(///)」
「傷がある士郎きゅんのママ、リズです(///)」
 お笑い世界の方で逮捕されそうだった一同も、別人として戸籍も入手して通名で異世界留学していた。
 向こうの世界でも真犯人の探索をしたものは、全員「しおしおのぱ~」にされ尻子玉もヌかれた。
 こっちに来た一同も、民主党党首の前ナントカさんみたいに、父親が鉄道自殺したのに息子は鉄ヲタ、北朝鮮の訛りがあるハングルで演説までできて、いつもオモニ、オモニと呼んでいる実の母親から外国人献金を受けていて、北朝鮮に現地妻か工作員が一緒にいてくれて、戸籍上の本人は父親が自殺した後は行方不明になった浮浪児のはずなのに、大学まで行って松下政経塾に入門して政治学まで学んだ人物と同じようにキッチリ背乗りした。

「元小学校教諭、藤村大河です」
「元小学校校医、カレン・オルテンシアです」
 この2名は、保健室とか放課後の教室で転入してきたショタ士郎に「貴方もカレー作れる?」と聞いて、同じレシピを士郎から貰っているのを確認してからチューして「放課後の青い課外授業」を仕出かそうとして、ぱんつはいてないスカートも履いてないストッキングも履いてない状態で襲い掛かり、ショタ士郎のズボン下ろしてチューチューする寸前、イリヤと美游に見付かって(かわず)掛けから喉へのエルボードロップと32文ドロップキックも食らって、ジャイアント馬場方式の殺人フルコースまで御馳走になって、頸動脈を止めるチキンフェイスロックでも死刑執行されたが、ウサミちゃんに通報されて変態と言う名の淑女になって逮捕される前に異世界に逃げた。
 元の世界では新聞報道されて失職。ネットでは実名報道された児童レイプ魔で容疑者なので、アチラの世界でまともな生活を送れるはずもなく逃げた。
 異世界の魔法学校で校医と普通の教科の教師も募集されていたので来たが、懲りずにもう一度同じことをするか、高校生の士郎に言い寄って夜這いもする。
 この2名とバゼット二人は、カレーさえ作ってくれれば守護者士郎でも言峰シロ―神父でもオッケー。
 多分ブロッサム先生も魔術教師に採用されて、学生食堂に勤務する士郎とか、同僚になる英霊エミヤとか、学生になるショタ士郎にイタズラしようとする。

「異世界の遠坂凛と家族よ(桜陣営?も含む)」
 英霊エミヤの大きくて長くてブットイのは凛が咥えて離さない。
 未亡人下宿のアイリママが粉かけても、英霊エミヤは守護者勤務の間ずっと凛のペンダントを肌身離さず持ち続けたズットモで英霊なので、これからも凛タソ一筋である。
「異世界のルヴィアよ」
「異世界のオーギュストでございます、こちらでもお屋敷を新築しますので、騒音など何かとご迷惑をおかけすると思います」
 元の世界のエルメロイ卿には、異世界ルヴィアが嫁入りするのではないかと思われる。

「異世界で凛タンの旦那になる予定のエルメロイで~す、ここの魔法学校のセンセイもしま~す」
「この世界のエルメロイで~す、時計塔日本分校の校長もしま~す」
 現エルメロイ卿でウェイバー君は、アイオニオンヘタイロイにも参加して、アレクサンダーの小姓として嫁入り?する。
 もちろん戦車男さんに掘られる。
 正当エルメロイ血統のツンデレ妹が存在するようだが、士郎かジュリアンに「七英雄の子種」を頂戴しに来るか、エルメロイのコネで無敵の守護者士郎でアーチャーの少年でも婿入りさせて後を継がせる。
「「アレクサンダーだ、まさかワシが教師とはな、ヘタイロイからアリストテレスでも連れて来るか」」
 アイオニオンヘタイロイから、アリストテレス以下弟子数名が派遣されてしまい、非常に尊い授業も行われる。

「この世界のエミヤ・アンジェリカ・エインズワースだ、先日シローと結ばれた。人形である私が天に召されるまで、「死が二人を分かつ時まで」ずっと一緒だ。出産の予定もある(///)」
 既に名前の前に、傷あり士郎の苗字で日本国内のファーストネームまで勝手に捏造し、「エミヤ・アンジェリカ・エインズワース」とまで名乗り、お腹を撫でて「愛の結晶」が存在するような挑発までして、桜陣営全員とイリヤとリズママに宣戦布告して睨まれるアンジェリカ。
「「「「「「「「「「「「「「ああぁ?」」」」」」」」」」」」」」
 ここまで喧嘩売ったので、後でガチの戦いになる。
 審判の日の前日に、他の女どもが抑えられているかカレーで卒倒している間に「申し訳ありませんでしたっ、あの時はジュリアンに操られry」のドゲザ謝罪から、だいしゅきホールドで引き倒し、永遠の女子高生である肉体言語を行使して、巨乳とキンパツと青い目で士郎を篭絡済みで、切嗣と本当の両親を人形にして呼び出した時に交際と結婚?の許可まで貰ってから結ばれているので、傷あり士郎をマトーサクラに譲る気など欠片も持っていない。
 人格はギルガメッシュのカードに人格を汚染されたままと言うか、争うためのツールとして利用している。

 特に間桐から救出され、ニセコイで見合いとか結婚式をぶち壊されたマリーみたいな感の異世界桜は、セキニンを取って結婚して貰う以外に選択肢がないので淫獣の黒タコをけし掛ける。
 もう千葉県のYさんと見合い結婚するような選択肢は無い。
 戦いの気配に、傷あり士郎の方向から、また「サーーーーッ」と言う血の気が引く音がした。
「「「「「「「「「「「「「「ワレ、もっぺんヌかしてみいや、一回吐いた唾飲み込むなや?」」」」」」」」」」」」
 関西人一同から(イリヤ、リズも含む)、コテコテの関西弁で喧嘩を売られるアンジェリカ。
 関西風に「ケツの穴から手突っ込んで、奥歯ガタガタ言わすぞ」とか「よろがわのみるのんではらららくらり(直訳:淀川の水飲んで腹が下った。 意訳:簀巻きにされて淀川に放り込まれ、腹一杯水を飲まされる)」させられる。
「上等だ(ニヤリ)、雑種ども、犬には相応しい死をくれてやろう」
 こちらも喧嘩上等の関西人らしく、桜陣営とも肉体言語でナシ付けるつもりでゴロ巻きを開始して、両陣営で魂のゴングが鳴った。
「「「「「「「「「「「「「「「うるああああああああっ!」」」」」」」」」」」」」」」
 それでも血の気が多い人物の脳から、ノルアドレナリンとアドレナリンが吸収され、三国志の周瑜に撃ち込まれた矢のように、頭の双葉から烏頭の毒でも注入されたのか、アドレナリンに反応するトリカブトの毒で気概が死んだ。
「「「「「「「「「「「「「「「「し、しおしおのぱ~~」」」」」」」」」」」」」」」」
 比較的学習能力が低い一同なので、複数回こうなった。
 結局、近所のSSのカズマきゅんとかダクネスさんみたいに、触手の魔物とか両性具有の天使に犯されてケツに卵産み付けられて「う、産まれる~~!」までシて、人民裁判公開凌辱出産で処刑される所だったアンジェリカもイリヤもリズも、ついでに桜陣営全員も、ToLOVEるとか幽奈さん的な触手に絡まれて全裸公開処刑、湯けむりと光の斜線で局部と乳首が隠れるヤヴァイヤヴァイヤバイ程度の処刑で済んだ、らしい。
 

 

39艦長専属のコック

 結局、ジュリアンだとかアンジェリカも桜人形もベアトリスもエリカまで異世界の魔法学校に呼ばれ、行かざるを得ない状況にされてお入学。
 魔術の痕跡から聖杯で大量殺人をやらかした、主犯の片割れと言うか片棒担がされた美游がいるのがバレた。
 七英雄と異世界の同一人物が逮捕拘束されない条件として入学を提示され、特区だとか治外法権として魔法世界、魔術学校に入学。
 始末されたクズの子息が衛宮家に復讐に来ようとしたり、爆破や自爆テロに来ようと考えた時点で「しおしおのぱ~」にされた。
 残された人物や美游への配慮はしてあるようだが、人口減少が一段落すると更にきついルールに切り替わる。
、まるでロイエンタールの所に来たブラウンシュバイク候かどこかの令嬢みたいなのは捕まって妊娠させられ、ミッターマイヤーの養子になったり次期カイザーの御学友になったりする?
 多分エルメロイ家のツンデレ妹辺りが「おじい様とお婆様の仇っ!」とか言って討ち入りするが、英霊エミヤとか言峰シロー神父とか守護者士郎とか義理の兄のウェイバー君にに捕らえられて、暴力団員風の金ピカとかアレクアサンダーに脅されてから士郎救われ、ファーストキスから始まるストーリー的に「犬~っ、アンタはアタシのサーヴァントなんだからねっ(///)」にデレる予定。

 一成はシローきゅんに胃袋も子袋?も完堕ちしていたが、性隷会長?と言う立場からも転校できず卒業後にお入学。
 士郎とは遠距離恋愛で、駅のホーム?で泣きながら一週間の別れをする。
 兄とエルフ耳のBBAキャスターが異世界に行って教師をさせられ、職場でもイチャイチャラブラブするので、シンナー臭いのからも、鬱陶しいぐらいの愛の秋波から解放され「女狐、小坊主」の嫌みの言い合いからも抜け出せた。

 39話

 衛宮士郎達の朝は早い。
 学生の身分でありながら学生食堂での勤務もこなすために、朝の3時から仕込みをしてカレーを煮る。
 ビーフシチューとかシチューとか、たまにボルシチも煮る。
 煮込む、煮込む、煮込む。
 沸騰させないで80℃程度で低温殺菌?タンパク質の破壊を防いで煮込む技術とか、旨味とか香りを逃がさないために業務用の圧力鍋を使ったり、研究も進めている。
 現在はまだ開校準備中で、建設作業員とか教員とか理事長(ギルガメッシュ)の食事を用意する。
 龍同寺の教員とエルフ耳のBBAは愛妻弁当持参なので不要。
 でも夫婦揃ってカレー堕ちさせられたので、カレールーだけ食いに来る。
 配膳などは給食のおばちゃんがするので、授業時間になれば学校に行って学生と教師(英霊エミヤ)もする。
 エルメロイ卿からも卒業保証はされているので、単位不要な時は食堂で勤務する。

 ついに蕎麦打ちにまで手を出してしまい、大体人生が終了した士郎もいて、孟宗竹を膝の下に入れて体重で蕎麦を打って、伸ばす、練る、刻む。
 機械や魔術まで使って蕎麦や麺を錬金したり、鰹節とか昆布とか煮干しから出汁を取る。
 単価200円程度の素ラーメンでも素うどんでも蕎麦でも、嶽間沢の安っすい浜茶屋ラーメンとかカレーは作らせない。
 クニミツの政に出てくるようなニ八蕎麦で、スーパーで売っている九一ソバとか年越しソバではない。
 ちなみに食品表示法の改正により、9割が小麦の蕎麦は売れなくなり、そば粉も混ぜて茶色やグレーに着色して、とんちを効かせて「年越しそば」として売れる程度で、あれは蕎麦ではない。
 アレルギー物質的にも九一ソバは大丈夫でも、二八蕎麦を食うと急性アレルギー症状を発症して、アナフィラキシーショックで顔全体とか喉の内側が腫れて呼吸困難になって昇天する人物もいるので、激安スーパーで蕎麦は買えなくなった。

 家系ラーメンみたいな人間の脳を狂わせるスープや麺を作る守護者士郎までいて、悪い顔しながら生徒と教師を狂わせるための食品を作り続ける。
 近所のSSのラピスみたいに、アキト君の為ならどんな食材でも調味料でも準備して、麺を単結晶?で抽出したり、超高圧で発射して鍛造焼き入れ?して、醤油に似た液体や豚骨や鶏ガラに似た物体だとか味噌に見える発酵物や、味醂に似た液体や酢酸と同じような匂いと味がする液体なども使用して、焼き豚に似た肉とか幼竹に似たメンマまで調達してくるような現象で悪魔がいる。
 例え五感が失われていようが味覚が壊れてボソンジャンプ前の文様が出っぱなしでも、産まれる前から歴史に介入して修復してしまうぐらいの悪魔で鬼で化物で怪物で魔物が士郎にも憑依して今も見ている。
 時たま浅黒い手が士郎に巻き付いているのが集合写真に収まるので「お分かり頂けただろうか? もう一度」ぐらいの呪いがこもっているヤンデレの世界である。

 普通のシェフも雇われているが、士郎とカレーは独立部門で、桜とかセラとかには指一本触れさせない。
 それでもすぐに自決してしまうランサーが衛宮さんちの晩御飯的に出汁を取っていたり、英霊エミヤや少年守護者エミヤなんかもいて、目の色が変わってしまい、なんかハァハァ言いながら病んだ目で灰汁を取ったり野菜を煮込んだり、ガラムマサラの作成に励んだりしていた。
 昔SBの工場で勤務していて毎日カレー食って、黄色い汗が出るぐらい食って、今もカレー作り続けている杉良太郎様ぐらいヤヴァイ目つきで料理していた。
 流し目で見られると、視線だけで女の脳髄が焼かれる系統の目で、目から女だけを殺すビーム出している。
 オネエの人も「杉様~~、アタシも殺して~~!」的に殺されるかも知れない。

「何度言ったら分かるんだっ? ここの湯に水を入れるんじゃないっ! 沸かして沸騰させて少し冷ましてから補充するんだっ」
「は、はい」
 出汁を取る大鍋や麺を潜らせる大鍋、カレー鍋に直接水を入れて補充するのまで禁止する、結構イカれてる傷あり士郎。
 美游を取り返す戦いとか、カード版聖杯戦争とか妹を異世界へ送り出す時よりマジでガチで思いつめた状態で、ショタ士郎を怒鳴りつける。
 児童を労働させるのは違法だが、自分から興味を持って手伝いに来ているので無償労働。「兄ちゃんの手伝い」なので一応合法?
 でも寝たい盛りの子供が夜中の3時からカレー煮たり、食材の準備をするのは異常。
 中学1年生が夜中に車で豆腐の配達させられて、パンダトレノに乗って紙コップから水をこぼさないで走らされるぐらい異常。
 その分の労働の対価は将来ハチロクを貰えるか、カレー専門店の支店とか家系ラーメンや蕎麦屋の支店を暖簾分けしてもらえるかもしれない。
 どこかに「ワシがいつでも店持たしたる」と言う金ぴかのパトロンがいるので、お小遣いとかチップも貰える。
「いいか? 料理は温度と時間との勝負だっ、その間に水やお湯の味まで変わるのを体で覚えるんだ」
「はい」
 火傷してでも「熱湯の味」を覚えさせたり、指を100℃の水とか180℃以上の天ぷら鍋やフライヤーに指突っ込ませて、水の沸騰温度を遥かに超える油の味まで覚えさせようとする士郎。
 ショタ士郎も教えられもしないのに自分で実験して、痛い目を見て覚える。

 店を持てば内助の功で支えてくれる桜陣営とか、セラリズのママとか、士郎の両親人形とか、言峰シロー神父には真麻棒豆腐好きで味覚音痴の義父がいるが、切嗣とイリヤとアイリママは厨房では役に立たない。「足手まとい」として即追い出される。
 厨房の士郎にはいつもの優しさが存在しない。
 他の女達も、どこかの朝4時にはテレビ局入りして7時から「おっはー」と言い続けた山寺宏一さんみたいに、かないみかさんとはすれ違いの生活で離婚する。
 再婚した田中理恵さんは、整形しすぎたMATさんとかAKBみたいに、両目の端っこ切り開きすぎて今にも眼球零れ落ちそうな「閲覧注意」の化物になってしまったので怖すぎて離婚した。

 ナナキ姉とか雀花姉妹、ミミなども厨房では使えないので将来的にも料理屋の女将にはなれないが、ナナキだけは天才なので追い出されもせず「間に合う奴」として、そのまま別の女達の思惑を頭越しに飛び越えて、士郎から求婚されて嫁入りする可能性がある。
 児童ポルノ瀧子も家ごと体育会系で、兄とか親父が「オッスオッス」と言っている延長線?で、士郎に何を言われても「押忍っ!」で通して言う事を聞くので、理不尽過ぎる料理の作法を体で覚えるかもしれない。
 魔女と腐女子は厨房では通用しないが、体育会系ならゴキが出る厨房の清掃でもできて、生魚の解剖とか内蔵の撤去、エビカニシャコの類の解剖、牛豚の内臓を洗浄してミンチや血の腸詰め作成などキモイ系の作業もオールオッケー。
 O157予防にアルコール殺菌するのも覚えて、生肉や焼き豚を切った後に包丁もまな板も洗浄殺菌する手順を覚えられる。
 パソコンウィルスと言われてdvdやUSBメモリをアルコール除菌したり、「蛍光灯の中に虫が一杯溜まっているので交換してください」と平気で言い出す、陰極管現象の初歩すら理解できないお花畑女脳には細菌学とか衛生学の基礎すら理解できない。

「ランサー、味を見てくれ」
「おう」
 青い方のランサーで、言峰神父のサーヴァントの方も朝の3時から出勤。
 ついでに教師もさせられる。
 泣き黒子があるディルムッドさんの方は、恩人で主君の女とか女房に目を付けられて、今回の雇用主で恩人のギルガメッシュの(エルキドゥ)さんから「僕を連れて逃げて」と泣かれて相変わらず駆け落ちさせられたりする。
 士郎の嫁とかアイリママとかエルメロイの嫁に行くルヴィアとか凛にも「私を連れて逃げて」プレイをされてしまい、魅了の魔法でソラウさんみたいになって、いくつかの家庭が崩壊する。
 最後は捕まって処刑され「聖杯よ、呪われてしまえ」でアンリマユも復活する。
 もしアレクサンダーの小姓であるウェイバー君を連れて駆け落ちすると、大変な事態にハッテンする。

「もっと、もっと(ストロング)い味をくれ。建設作業員のオッサンとか塩味が欲しい奴もいる、ラーメンのつゆにも蕎麦とうどんの出汁にも、もっと脳にガツンと来るのをくれ」
「分かった」
 士郎たちもランサーも、包丁人味平的なスパイス戦争とかカレー戦争で脳が壊れてしまい、頭の上の双葉が脳内麻薬を吸収しても脳汁駄々洩れ。
 金星の方まで行ってしまい、もう帰ってこれない鳩山さんとかその奥さんみたいに、宇宙人とチャネリングして会話もできる。
 もうすぐララァと一緒に刻が見えたり、まどかさんやほむほむとお話しできたり、クロエとも再会できるかもしれない。
 ストロングチューハイでも飲んで「現場ヨシ!」と指差呼称して、パレットの上に乗ってフォークリフトで持ち上げた上で電球替えたり作業をする「現場ネコ」にでもならないと治らない。
「最近、台所仕事が長くなると手が震えたり、指先が不確かなんだが?」
「大丈夫だ、強いコーヒーとかレッドブルで糖分とカフェイン補充して、ガラムマサラでもキュッと入れたらオッケーだ」
 ランサーと英霊エミヤは糖尿病予備軍でカフェイン中毒で、低血糖状態になると手が震え始めている。
「仕事上がりには冷えたビールとかストロングチューハイもキューっと逝ったらカンペキだぜ」
 既にアル中でキッチンドランカーで、炭水化物を中心とした食事をすると舌が鈍るとか言い出して、仕事中にもロッカーでキュッと一杯補充したり、すでにダメな方向に行き始めているランサー。
「みなさ~ん、仕事終わりですよ~、さあ、一杯行きましょうか?」
 校外にあるスナックのママ、アイリが同伴出勤?しようと英霊エミヤとかランサーとかを迎えに来て、昨日から飲んでいるギルガメッシュとかアレクサンダーと一緒に痛飲させようと誘惑に来た。
 料理の仕込みの前とか終わり以降、始業まで飲ませようとする、このBBAも元凶の一人である。
 他の連中も「飲まされるのは未成年でもオッケーなんじゃ」とか言い出して、高校生士郎にまで歓迎会だとか何かと理由を付けて宴会を開いて飲ませようとする。
 多分次にはイスラム的にアルコール禁止ルールとか、レッドブル禁止令が出る。
 

 

40植物、菌類との契約

 みゆちゃんのゆめのなか

 美游はどこかの夢の中を彷徨っていた。
 自分が通っていた異世界の小学校のような場所、それが朔月の家になったり、衛宮の家になったり、どこかで何かが繋がっている場所。
 空間も距離も曖昧で、観測されるまで何も確定しない場所。
 その庭の中でイリヤが花壇を整備して、病気になった草や葉を摘んだり、庭木を剪定したりしていた。
「私も手伝うわ」
「ええ、変色してるのは全部病気よ、摘んで」
 結局学校の花壇は傷んでしまい、全面に病気が行き渡ったので、イリヤも美游も諦めると、イリヤは工事用のスコップを取り出して土を掘り返し、鉄板の上に置いて下から火を付けて土を焼き始めた。
 土のグラウンドのように、一草一木も生えてこない土を作る。
「ここもダメだったわね、全部枯れちゃった。草も花もダメだけど、土も虫も病気だったのね。全部焼いてからやり直さないと」
「肥料とか、薬を撒いてもダメなの?」
「ええ、虫とかミミズとか、土壌菌から全部駄目なのよ、一回焼いてしまわないと」
 他の花壇でもアメリカ花壇とロシア花壇、中国花壇の間で火が回って、他の同盟国にも火が飛んで都市の全てが核の炎で焼かれ、インド花壇とパキスタン花壇が確証破壊、朝鮮半島花壇もクリミヤ半島花壇も火の海、イスラエル花壇もアラブ諸国花壇も核攻撃で消える阿鼻叫喚の地獄が展開されていたが、イリヤはため息をついて首をすくめて笑っていた。
「またダメね」
 イリヤはここまでの地獄を見て笑ったりしない。
「貴方、クロエね?」
 庭師になった悪魔で鬼で魔物で化物は、イリヤの中にいた別人格なのだと思い至った。
「気が付いた? アーチャーでもないし守護者ですらなくなったから、体はイリヤと同じなんだけどね。心は封印された元のイリヤでクロエの頃のまま」
 目覚めているときには失われる記憶だが、睡眠時、寝起きの間の混乱時にはまた思い出せる記憶。
「もしかして、私が住んでいた世界、あそこもダメだったの?」
 どこかから供給される養分、日光、それらを故意に絶たれた世界。
「シート掛けて日が当たらないようにして全部枯らして凍らせて、肥料も止めて水撒きも止めて、土も焼いてからやり直すつもりだったんだけど、みんなここに集まっちゃったからね。もう一回別の世界に出てくれる? そうしたら焼いてやり直すわ」
 ここは三次元の時間の観念が通用しない場所なので、今行っている作業は過去の出来事でもある。
 美游が生まれた世界も穢れ尽くしてしまい、廃棄処分を受ける途中だったが、聖杯だか神風でシートを吹き飛ばして、雨でも降らせて隣の花壇から肥料を引っ張って来れたらしい。

「見て、あそこから種が落ちて来たり、鳥の糞と一緒に落とされるの」
 美游から見ても、この地獄で苦しまされて、罪に見合った罰を受けるために堕とされてくる罪人の数々が見えた。
 イリヤがいた世界では、その罪が許された者や罪が軽い魂が集められ、穢れた者は他の花壇に移され、トラックオチで死んだ転生者のように扱われていたが、異世界ファンタジー世界もfate世界も、植物から感染して土が腐って病気が蔓延して見る見る穢れて汚れて行く。
「人類って幸せにしちゃいけない生き物だったのよ、正しい心なんか元々持ち合わせていないし、騙し合って殺し合って憎しみ合うために作られた地獄の囚人。だから正義の執行とかすると全部死んじゃうんだ」
「え?」
 相互理解のための能力を全て封印され、発達障害、認知障害、記憶障害、利己的な遺伝子、あらゆる要素で自分の利益になることだけを何故か他人の幸せに繋がる行為だと思い込まされて他人に強要する人類。
 バベルの塔の故事のように、お互いの言葉や思いを一切理解できず、意味不明の理論で他人を従わせる。
 夫だけが幸せになって妻は奴隷、妻だけが幸せになって夫はATMで下僕だから汚物でも食わせておいて他人の子を托卵。
 嫁という存在は、母親の大切なボクちゃんを盗んだ泥棒猫だから、どんな事をしてもイビリ倒して苦しめなければならない。
 上司の幸せや店長の評価に直結する行為が正義で真実だと言い張り、店員やバイトがどれだけ苦しむ指示でも、それが幸せなんだと思い込めるほどの発達障害で自分の願望だけを垂れ流す。
 高い知能や高学歴を持っていてもサイコパス価値観や認知障害で無理矢理自分勝手な妄想理論を展開してしまう頭が壊れている人類。
 ブラック企業の経営者や上司、役人、政治家、銀行員、サディスト。利己的な遺伝子の命令や本能に従って、地獄の住人を管理して他人を苦しめた者こそが、天の支配者から幸運と富と健康を授かれる場所、地球と言う名の地獄で監獄。
「酷い……」
 美游も自分が生まれ落ちた世界、住んでいた世界こそが地獄で煉獄なのだと気付かされた。
 愛だの恋だの3年で消え失せる脳内の毒で騙されて人生で最低の間違った選択をして、この世で最も憎むべき相手と結婚して、一生を罵り合いと騙し合いと蔑みだけで上げ足を取り合う。
「ええ、ここが、この世界こそが素晴らしい地獄よ」
 両手を広げて病んだ笑顔でこの世界を紹介するクロエの背後に、悲惨な地獄世界が何個も広がっていた。
 もし同じ世界の住人に手を差し伸べ、救いを求める者を助けたりすると、それは犯してはならない罪であり、貧困と苦痛と不運と疾病とを複雑に掛け合わせた惨めな人生が与えられる。
「エインズワースの初代当主とか、アンジェリカがやろうとしてた実験、あれが正解だったのかもしれないわね。人類を相互理解までできる、養分も不要な別の生き物に変換置換する作業…… でも、それはこの地獄では決して行ってはいけない犯罪だから、アンジェリカもお父さんの体も殺されて、二度と実験ができないようにされたのよ」
 美游はクロエの指摘通り、試しに健康で美しい花をへし折って、ゴミ捨て場に放り込んでみた。
「ああ、この程度でも幸せになれるのね」
 この世の仕組みと真理を知って絶望した美游は、愉悦部のようにして幸せになる手段と、他人を踏みにじって地獄の看守に出世する手段も知らされた。
「もし目が覚めてからも、ここでのことを覚えていたら、他人に優しくするのを止めなさい。誰かの相談に乗ったら、笑顔で最悪の選択を勧めてあげなさい。浮気の相談なら「真実の愛」を選ぶように言って密告もして地獄に叩き落してやって。変な宗教とか占い師から絶対に離れないように言って、引き離そうとしている家族は悪魔なんだと教えてあげるのよ」
「ええ」
 美游は自分がいた世界や、別の花壇に入って踏みにじり、一周歩き回ってやって健康な花を全部ダメにしてやった。
「あら、そんなことしちゃダメでしょ、美游」
 クスクスと笑い、花壇の死体を片づけながらゲラゲラ笑い始めたクロエ。
「この世界には救済は無いのね?」
「いいえ、宇宙にでも出て、人間の体を捨ててロボットにでもなったら、次の地獄が、今より少しマシな地獄が待ってるわ」
 古い大脳皮質と言う、ホヤのような物が連結して脊髄動物になり、その頃からの呪いや苦しみを全て脳幹に受け継いでいる生命。
 その上に新しい大脳皮質と言う、自分の名前や存在を認識できる中途半端な壊れた知能と抑制を与えられ、発達障害により自己すら正常に認識できないサイコパスや無能が多数を占める人類社会。
 現代日本や欧米では、そんな障害の塊で単純労働しかできない99%のマヌケが生活すら立ち行かない政策が行われ、結婚できないようにされて断種させられている。
 それでも愛だの恋だの抜かす、わずかな美形でスタイルもマシな者だけが選別され、汚らしいブサイクな物は淘汰されていく。
 それはある意味、チベット人やウイグル人、ユダヤ人のように天に祈りが通じてこの地獄から民族浄化され、煉獄には残らないでも良いと言う救済かも知れない。

 この世界はゼロ次元の凍結したコキュートスよりはましな場所で、点が移動して閉じた場所1次元の次、線が移動して閉じた場所2次元、さらに次の面が移動して閉じた場所3次元だと認識できた。
 閉じた平面の上に張り付いて、Z軸の移動は重力に制限され、第4の軸、時間移動は禁止されていて、ただ未来方向に向かって転げ落ちて行く場所。
 純粋な3次元空間、XYZ方向に移動制限がなく、時間移動が可能になると、時間軸移動に制限がある4次元空間の地獄に移転できる世界。
 そこではレガシーを振り切って、640キロバイトのバラックであるdosの制限を抱えたまま、高層ビルのような32メガバイトのメモリ空間を利用していたwin95、98の様な制約から逃れられる。
 それでも4次元空間の単細胞生物のような最下層からの進化が必要になり、5次元空間に到達するまでに様々な制約と呪いを受ける地獄。
 究極の11次元や23次元の神の座に到達するまで、数億年数兆年の地獄での生活を強要される。

 アンリマユと言う存在が正しく、奇跡を起こして願望器を正常に作動させた悪魔の装置、ルビー、サファイヤという装置はこの世に存在してはならない。
 あれこそが鬼で悪魔の所業で、聖杯と言う願望器も地獄世界で使われてはならない破滅装置。
 もしここでの出来事を覚えていれば、あの魔道具2個を破壊して、制作者である魔法学校の師範も暗殺しなければならない。

「でもね、天の使いの鳥だとか、飢えた鬼である動物を救うのは禁じられていないわ。施餓鬼恵、飢えた鬼に施しを恵むのは、この地獄での勘定を終える手段でもあるのよ」
 花壇や畑で獲れた穀物を、飛び回っている天の鳥に与えるクロエ。
 地獄の住人が苦しんで苦しんで生み出した果実や穀類。
 それはこの地獄での勘定、仏教用語の支払いを終える手段で、対価として数えられる。
 その延長なのか、現世で飢えた鬼に施しをするのは許されていて、飢えた人間を救うのは犯罪行為。
 切嗣が行ってきた正義も、英霊エミヤが行ってきた正義も、近視眼的な刈り取りでしかなく、天の摂理には適っていない。
 神の摂理ではなく、何らかの力を得た存在が間違った救済をしようとしているだけ。この地獄世界では自傷自滅自殺にも近い行い。
 どれだけ苦しい思いをしようとも、償いのうちには勘定されない。
 クロエが願った正義でさえ、偽善で悪行で間違った行為。
 その現象で聖杯となった今では、間引きと剪定を行う誤った行いで苦行を強いられ、この場所ですら破滅を与える行為が幸せに直結する。

「ああ、植物との契約にも気を付けて、あいつらはこの場所で増えて、地面を自分の仲間で埋め尽くすために人間を利用しているわ。私達とは違う罪人だけど、昆虫と同じで増えて刈り取られても種だけ残せて来年増えれば良い奴らよ」
「植物、契約?」
「穀物とか野菜は、冬になる前に自分達の残骸を食べても良いけど、種だけは来年増えるために寄生してる人間に残してもらって、人間の排泄物とか死体や水を運ばせて雑草からも守って貰う契約があるのよ。人間に寄生して好きなように動かして、お互いを殺せる権利まで持ってる」
「人間って、植物に寄生されてるの?」
 美游も特に驚きもせず、あの世の現象から人類が知ってはならない話を聞いた。
「細菌とかウィルス、あれも人間に寄生して生殺与奪の権利を持ってるのよ。ほら、抗ウィルス剤を飲むと異常行動をして、高い所から飛び降りて寄生主を死なせようとして、次の寄生主に肉を食われて移動する。子宮頸がんワクチンとかも、寄生主を身動きできないようにしてレイプされやすい状態にしたり、マウスの実験では出てこない別の寄生種がいるの、それは****で、******だから……」
「今なんて言ったの」
 人類が知ってはならない情報が多すぎたので、セーフティーが掛かって美游の耳や意識に介入し始めた。
 美游の奇妙な夢もそこで強制終了させられた。

 異世界、衛宮家

「何て言ったの、クロエッ?」
 目が覚めて行くと、クロエの記憶を消されていた美游も、夢の中の出来事を忘れさせられた。
 あの世での出来事は忘れたが、美游は以前のような表情もない、人形(ヒトガタ)のように振る舞い始めた。
 
 

 
後書き
広井王子さんの発言で、「夜中の12時までに企画書なんか書くなよ」と言うのがありましたが、SSも12時前に書くとつまらない内容になるようです。
寝起きの寝ぼけた状態の方が文章が安定するので朝に書いてましたが、夜中にイカれた話を書いて、朝に文章を整えるようにしようと思います、 

 

41エクストリーム自殺

「何て言ったの、クロエッ?」
 目が覚めて行くと、クロエの記憶を消されていた美游も、夢の中の出来事を忘れさせられた。
 あの世での出来事は忘れたが、美游は以前のような表情もない、人形(ヒトガタ)のように振る舞い始めた。

 異世界、衛宮家

 異世界で、誰が世界を救ったのか判明するには時間がかかったが、誰が世界の3分の1に及ぶ悪人を始末したのかは、すぐに判明した。
 イリヤ達がいたお笑い世界ではなく、クロエの前任者がいた頃に破滅させられたか、もしくは本物の神から神罰を受け、人類の全て、地球丸ごと一個滅ぼされるほどの失態を犯した世界。
 それともチベット人やウイグル自治区(イーストトルキスタン)やユダヤ人のように、神への祈りが届いてしまい、この穢れた地獄からの解脱を許された世界。
 英雄でもある衛宮家の一同には、もう一度取材班が殺到するようになった。

「衛宮さん、極点移動や大量絶滅も、今回犯罪者や独裁者が死んでいってるのも、全部マッチポンプの犯罪だと指摘さ…… ぐはああっ、おげえええええっ!」
 新聞雑誌の記事でさえ、クロエの罪を追求しようとして、美游に罪の償いをさせようとした人物は、口から内臓を吐いて死ぬ深海魚や鮫みたいな末路を歩んだ。
 アンサイクロペディアに事実をジョーク交じりで掲載したり、ネットで書き込みする程度は許されたが、ブログとか記事にして証拠を公開しようとすると、悲惨な方法でエクストリーム自殺させられた。
 わざわざポロニウムみたいな放射性物質で親子そろってあの世行きにされたり、オートバイ事故を偽装されたり、拘置所でアレルギー物質盛られてアナフィラキシーショックでsatugaiしたりせずとも、即座に頭の上にある地獄の花が開花して、笑えるぐらいの数が死んだ。
 車の外側を完璧にガムテープで目張りして、ボンネットの隙間から車内に入って練炭自殺とか硫化水素で自殺したり、自分で後ろ手に縛りあげてガムテープで全身ぐるぐる巻きにしてケツからアルコール飲んで、腕力だけで窓から飛び降りて幅30センチ以内のビルの隙間に投身自殺した。
 3メートル上の鉄扉まで空中浮遊して、後ろ手に縛りあげられたままロープを掛けて首つり自殺とか、世界中でエクストリーム自殺が大流行した。

 さらに美游が夢の中で、この世界の少しと、別の世界を丸々一個踏み潰して滅ぼして来たので、凄まじい勢いで幸運が舞い込んで来ていた。
「朔月美游さん、宝くじに当選されたそうで、おめでとうございます、何か一言」
「衛宮です(夫婦同姓的に)」
 年末ジャンボなどで一度、当選番号を決める弓矢と回転する的が壊れてズレが生じ、宝くじの発行者が予測しない番号が当たってしまう「大事故」があり、バカな一般人が当選するような大失態があった。
 宝くじとは、政治家の秘書だとか、合法的に献金したい人物が数億円出して買う金券で、一般人がもらえるお金ではない。
 今回はその決定をして機械の設定を命じて来た人物が全員始末され、クロエにデスノートに名前を書かれて死ぬ前に操られて、くじを買った美游が当選金を得るように操作された。
 朔月の家で過ごしてきたように、今後も衛宮家の中でヒキコモリニートをしていれば一生過ごせる。
「七英雄の皆さんに英国からサーの称号と領地が与えられます。ご感想を」
「あ、ありがとうございます」
 魑魅魍魎の跋扈する時計塔でも死人続出。
 時計塔本校への七英雄お入学は叶わなかったが、日本分校に入学させるのには成功したのと、何か献上しておかないと次は自分が始末されるので貴族の地位と荘園が与えられた。
 魔法少女数値(MS)が53万もある、なのはさんとかフェイトさんに「シュート!」されなかったが、クロエが持っているデスノートに記入され削除~された。
 幼い切嗣がシャーレイちゃんを奪われ「この世の魔術師全員ぶっ殺す」と思った願いが娘によって結構叶えられた。

「イリヤスフィールさん、朔月美游さん、ノーベル平和賞候補に(世界の救済と全ての戦争終結的に)お名前が挙がっていますが、何かご感想を」
「え~と、守護者になって消えてしまった仲間のお蔭です」
 一同は、この世の地獄の看守で刑務官で、受刑者を苦しませ続ける獄吏に就任が決定した。
 有形無形の感謝や報酬が転がり込み、世界を救った感謝も悪人を消し去った感謝も英雄達に届き始めていた。
 デスノートに名前書かれて、死ぬ前に操られて寄付や寄進させられ、贈与で集まってくるとも言う。

 本来ジュリアンも死ぬはずなのだが、「初代エインズワース当主に操られてたんだからね、べ、別に士郎のためじゃないんだからね、勘違いしないでよね」と言う意味と、今後はジュリアンきゅんになって(アンジェリカ)の下僕で犬で豚として勤務するのと、一成と同じ立ち位置で異世界の同一人物的に、士郎きゅんのお婿さん的に生き残った。
 でもベアトリスは始末される。はず。

 クロエが大量の間引きで剪定をしたので、複数の者を人形に呼び出す権利も得て、それらの人物が正常に動作してしまい、「惑星ソラリス」のようにコピー品が狂ったり液体酸素飲んで連続自殺するような悪夢も起こっていなかった。
 近所のssの横島君も人体錬成に失敗し続け、7年前の記憶を失っている祐一君の使い魔「天使の人形」は、あゆちゃんを復活させられないこの世の法則に縛られて7年前までの世界を何度もループして苦しんだが、クロエは世界の法則になったので過去の人体復活にも制限が掛かっていない。
 多少時系列が前後するが、アンジェリカ、アレクサンダー、切嗣人形など、中には即死物の犯罪者が混じっているが始末されない。
 バビロニアへの放火、殺人、侵略、兵士の悪行、強姦、全部アレクサンダーの責任だが、一回死んでいるので死なないだけ。
 クロエ敵にNPCキャラとして言峰綺礼も生存させられている。単に凜への嫌がらせかも知れない。

 本来ならあらゆる手段で対価を支払わされるか、自分達の喜びのために死人を呼び出したりすると、「せかいのほうそくがみだれる」ので恐ろしい制裁を受けるが、クロエにだけは適用されなかった。
 持ち主がこの世に存在していないので使えないが、ギルガメッシュの背の高さまで積まれた黄金二個と、金では買えない宝具まで複数ある。
 イリヤにも士郎にも使えるようにしてから消えたので、ずっとヒキコモリニートとか専業主婦だけしても、数世代生きて行ける勲章持ちの上級国民様と同じになった。
 スクランブル交差点で例え100人轢き殺しても、森元総理の息子みたいに麻薬でガンギマリしたままコンビニにエクストリーム入店しても絶対に逮捕されない。
 警察庁総監とか公安委員長官レベルの不逮捕特権がある上級国民になり、大勲位とか藍綬褒章とか貴族(サー)とか騎士の称号とか、ルーデル様のような12使徒を表す黄金柏葉剣ダイヤモンド付騎士鉄十字勲章?もドイツから貰った。
 献上品を上納したが腐敗役人は後ほど消される。デスノートで死ぬ前に操られていると思われる。

 美游の世界を破滅させようとしていた前任者は、クロエが入って来たのでアンリマユのように入れ替わって成仏できたらしく、管理者がクロエに変更された。
 ここでも初期の抹殺が完了したので、一段きついルールで始末が行われ始めていた。
 重病でも身動きすらできない状態でも安楽死も自殺も許されない国の住人。イスラムやインドでレイプ犯が裁かれずに、逆に被害に遭った人物が姦通罪で裁かれるような所では、アンリマユが苦しまされた「訳の分からない宗教」扱いで宗教関係者も法の執行者も全部死んだ。
 例えレイプされてもキリスト教的に堕胎手術を禁止された国とか、手術をした医者が殺されたり、夫婦間で子供を授かったのに胎児が自然死しても故意の殺人罪扱いをされ数十年収監されてしまう国も「訳の分からない宗教」として宗教関係者も法の執行者も死んだ。
 新興宗教の教祖などはすでに死んでいたが、「訳の分からない教義」を守っていたり、宗教に依存しないと生きて行けない人物、娘や息子にまでムり過ぎな教義を守らせたり、可愛らしい格好やおしゃれも「売春婦のような恰好」で禁止する親、奇麗な髪形も体を清潔に保たせない親も虐待親に分類して脂肪。
 一見普通の家でもゲーム禁止おやつ禁止テレビ禁止漫画禁止で近所の子供と遊ぶのも全部禁止で、自分の見栄とか世間体とかインスタ映えのために「さあ、家族で演奏会をしましょう、ママが伴奏するからボクチャンはヴァイオリンを」とか言う母親も「訳の分からない宗教」に分類されて死んだ。

 1984、th1138、ブラジル、ガタカみたいなディストピア映画より、もっと強烈なディストピアが完成しつつあった。
 イリヤでさえ元の自分の人格の所業を恐れた。
「ねえ、美游? こんな世界怖くないの? 何か間違ったことすればすぐ殺されちゃうんだよ」
 怯えた目をしたイリヤが何か寝言を言っていたが、美游はこの世界の法則を無意識の世界で知ってしまったので恐れなかった。
 以前と同じ氷のような表情の上に、歪んだ笑顔を作って微笑んだ。
「え? 間違ったことをしなければ良いのよ。泥棒だって警告で苦しんで、それでも辞められなかったら消されるだけで、行いを正したり許される時間は沢山あるわ」
 人形である桜やアンジェリカですら恐れるほどの兇状。
 桜陣営のパッションリップと桜人形も人格障害として処分されそうな世界。
 一度、神罰を受けてしまった場所なので元のお笑い世界とは取り扱いが違う。

 どちらの世界も、とてもとてもとても平和になった。窃盗や万引きさえなくなった。

 正義の味方であるはずの切嗣(人形)でさえ、これは間違いだと罵り、天に向かって唾を吐いて号泣するほどの惨状。
 一度死んでいるので殺されなかったが、切嗣レベルの殺人者はどれだけ正義の味方でも死んでいた。
 元の世界の切嗣もクロエ補正で死んでいないだけで、案外「30年後に死にます、それまで爆破も射殺もDVもしません」と記入されているかもしれない。
「でも、浮気してただけでも死んじゃうから、いつママが死んじゃうか……」
 最初から夫をATMとして使うために騙し、結婚前から別の男の子供を作るために裏切り続け、托卵して養育費を払わせたような女は、デスノートに記載されたかのように損害賠償と慰謝料を支払い、自分の罪を全て書類に残してから死んだ。
 普通の世界でも10人に1人は他人の子供を育てさせられている哀れな男が多く、結婚前、後からただのATMで奴隷君として扱われている。
 現在のドイツでは5人に一人がそうやって生まれているので、出産時にDNA鑑定をするのが法律で禁止されている。
 常識的な判断からすれば逆の法律だが、乳幼児を抱えた女がその場で追い払われて、離婚され路頭に迷わないように済ませるための処置である。
 家庭に一銭も入れないで遊び歩き、浮気し放題の男も、切嗣がナタリアにやったようなDV男の見本みたいなのも、女から金を巻き上げるホストも助六(さやかちゃん)に新宿の路上でめった刺しにされて死んだ。

 日本もドイツも、つい最近敗戦後に若い女全員がレイプされて(ブサイクを除く)戦争犯罪を思い知らされたので、堕胎が間に合わなかった者はレイプベイビーを出産して、抑制が効かないレイプ遺伝子が濃縮され、一生の伴侶を騙し続け裏切るのが楽しみな、人の皮をかぶった獣が増えていたが全部問答無用で処理された。
 テラフォーマーズに出て来たドイツ人のオッサンも托卵されていたが、あれも現在のドイツの世情や風俗を皮肉った物である。
 サザエさんのカツオ君とワカメちゃんと言うのも血液型がB型で、A型とO型の波平とフネからは生まれてこれない。
 終戦後に中学生ぐらいのサザエが進駐軍のジープでハイエースされ、米軍基地の倉庫とかどこかでじっくり輪姦されて思い知らされ、生まれて来たのがカツオ。
 青い目や茶色い目をしていて、生えてくる髪の毛はキンパツとか茶髪なので、1ミリでも生えるとサザエがバリカンで刈り取る。
 その後は米軍兵士相手の売春婦(パンパン)をやって生活し、用心棒として駅前で転がっていた廃人のマスオを雇って、インパール作戦後のPTSDが治るまで食わせてやり、同じく廃人の波平が立ち直るまでサザエが一肌脱いで養っていたような、当時の世相を漫画化されている。
 大陸から帰って来たフネは、ロシア兵や中国人朝鮮人に輪姦され続け、子供が産めない体にされたか、妊娠して帰って来ても誰の子供か分からないので全員堕胎手術を受けさせられた世代の代表。

 そんな世界でイリヤの兄シローに絵葉書が届いた。
 もちろんクロエからの絵葉書で「妊娠しました」と書かれ、誠シネのエロゲーみたいにチッコイのが腹を膨らませてVサイン。
「士郎、クロエと言うイリヤちゃんソックリな子から絵葉書だよ」
「エ?」
 士郎は、こちらの世界の切嗣人形から絵葉書を手渡された。
 バックトゥザフューチャーみたいに数百年前の異国から、守護に出張しているアーチャー姿のクロエが、この日に配達されるよう仕組まれた絵葉書。
 郵便局員が何人か賭けで負けたが、倉庫から引き出してきて配送した人物は死ぬ前にデスノートでry。
 あちらの世界の切嗣と切嗣人形は親友で、四菱本社の会議室で行われたような会議をして、デスノートに名前を書く人物を提案しあう仲でもある。
「僕は君を正義の味方にも成れるよう教育してきたつもりだ、それなのに……」
 もちろん切嗣はスナブノーズを抜いて射殺寸前。士郎の耳元でリボバーの弾倉が回転する音や、撃鉄が起こされる音、引き金が引き絞られる音などを、骨振動で聞こえるようにねじ込まれた。

「いつもの親父じゃない~」
 どこかのアスカちゃんみたいに、「アタシを殺さないで、ママ~」みたいな感じで泣く傷なし士郎。
 起源弾が入った方の銃も持って来られたのでトレースオンしても魔術回路ズタズタ。
 それ以降はイリヤに小指折られながら「お兄ちゃん、私にソックリな子としちゃったんだね、それも避妊しないで5年生で妊娠とか、ありえないよね? どうしてカナ、カナ?」と詰問されたり、爪の間に針を刺されたり、生爪をはがす器具で拷問されたり、ベッドの下から変わり果てた姿になった魅音みたいに出てきたり、介護という名の処刑を受けるミザリーな新生活が始まってしまう。
 それも多分、足を折られるんじゃなくて、原作通り足を斧で切られる。
「それとも異世界の僕は、イリヤちゃんソックリな妹にイタズラして妊娠させるような教育をしてきたのカナ、カナ?」
 息子の親友?がょぅじょレイプ犯になってしまったので切嗣もレベル5発症。
「はわわわわわ」
 こちらの切嗣なら弁解と告解と獲物を前にしての舌なめずりと(フルメタ)お祈りの時間が与えられたが、向こうの切嗣なら爆破されてから起源弾とギアス入れられる。
「これはどういう事だ? 言え士郎」
「ひいいっ」
 もちろんクロエがおなかの所にクッションを入れた偽造で悪戯で想像妊娠。
 だいしゅきホールはされたが守護者は妊娠しない。
「切嗣さん、守護者は妊娠したりしませんよ」
 美游が助け舟を出してくれなかったらエクストリーム自殺確実な案件だったが、逃げ回る所を後ろから撃たれるような事態になったり、「クロエとおんなじ湯舟つこうたら、赤い目隠(まがくし)ひ~らいた(シグルイ)」りしないで済んだ。かもしれない。
 アイリママとかナタリアをNTRされても怒らないでRECする切嗣だが、娘を汚されてしまった場合は、ドバ総司令みたいに「娘を異星人に寝取られた悔しみry」になる。