大陸の妖精


 

・オリ主設定・

 
前書き
主人公の設定です、都合良く随時追加予定 

 
[ アルトレア・ウィルダント ]


通称・愛称は「アルト」


ナツと同じくフェアリーテイルの問題児の一人だが、基本的に性格はおだやかで優しい


ギルドの仲間は皆家族と同じだと思っており、ギルドメンバー全員と仲がいい


特に仲がいいのはナツ、エルザ、ミラの3人


また、ナツとは違って「ギルド内最強」や「S級魔導士」になりたいわけではない
※密かに負けず嫌いなのでまったく興味がないわけでもない


大食いで食べられるものなら何でも食べる


色気や恋愛には疎いのでカナのようなノリについていけなかったり、女性からの告白には困ってしまう事もしばしばある
※ただし嫌がってるわけではない


本気で怒ると超怖い・・・らしい(ナツ、エルザ談)


大地系の魔法を使う(主に大地の重力や地震の衝撃波、岩石の操作など)


魔法、技については「オリ主の技辞典」にて掲載


 
 

 
後書き
技や能力が他の漫画のキャラと被ってますね、でもそれ言うとキリないんで勘弁してください 

 

・仲間たちの設定 1・

 
前書き
随時追加予定、今回はナツ・グレイ・エルザの3人
 

 
[ ナツ・ドラグニル ]


通称、愛称は特にないが一部では「サラマンダー」と呼ばれて恐れられている


昔イグニールという火の竜に育てられ、滅竜魔法を習得する


超人級の嗅覚をもち、アルトと同じく体術に自信がある


乗り物にめっぽう弱く、酒にも弱い




小説オリジナルの設定――

・アルトとは出会ったころから意気投合して、チームを結成するほど仲が良い


・アルトの怒った姿を見たことある数少ない人物、本気で怒ったアルトを見て本人は「本気で怒らせたらエルザより怖いかも」といったらしい










[ グレイ・フルバスター ]


通称、愛称は特になし


アルトやナツと同じく実力はフェアリーテイル内トップクラス


氷の造形魔法が得意でナツとは犬猿の仲


昔した修行の影響で「すぐ服を脱ぐ癖」がある




小説オリジナルの設定――

・ナツと仲が悪い割にはナツと仲良くしてるアルトとは仲がいい










[ エルザ・スカーレット ]


通称、愛称は「妖精女王」(ティターニア)


「騎士」(ザ・ナイト)と呼ばれる魔法を使う


アルトと同じく怒ったらものすごく怖い、ギルドメンバーの大半はエルザを恐れている


甘いものが好き


小説オリジナルの設定――

・アルトを実の弟のように可愛がっている


・アルトの本気で怒った姿を見たことがある数少ない人物、本気で怒ったアルトを見た本人は「怒ったアルトと勝負するようなことがあったら勝てるかどうか微妙」らしい


・昔は好戦的な性格だったミラとよく「アルトはどっち側のしもべ」かで争っていた

 
 

 
後書き
5話を区切りに他のキャラの設定も載せようと思います



 

 

・仲間たちの設定 2・

 
前書き
仲間たちの設定、今回はミラ、エルフマン、カナの3人 

 
[ ミラジェーン・ストラウス ]


通称、愛称は「ミラ」


フェアリーテイルの看板娘と呼ばれる女性


悪魔の力を取り込む「接収」という魔法を得意とする


元はS級魔導士であったが、依頼中に妹を死なせてしまった事がきっかけで現役を引退する



小説オリジナルの設定――

・アルトの事を弟のように可愛がっている


・アルトの事が気になる様子だがそれが信頼故の「友情」か、恋する故の「愛情」かは不明


・昔はアルトの事をしもべのように扱っており、遊びや面白そうな事が起きた時には常にアルトを連れまわしていた










[ エルフマン・ストラウス ]


通称、愛称は特になし、だが「ビーストアームのエルフマン」と呼ばれている


漢気あふれるガタイの良い大男


野獣の力を取り込む「接収」を得意とする


全身接収が苦手、そのきっかけは姉と同じく妹を死なせてしまった事である



小説オリジナルの設定

・最近ミラがアルトの話しばかりするようになったのでアルトを「姉に近づく危険人物」としてマークしている










[ カナ・アルベローナ ]


通称、愛称は特になし


昼間から酒を飲む、カードを使った魔法を得意とする魔導士


いつも露出の多い服を着ている


酒に強く、いつも酒樽をがぶ飲みしている



小説オリジナルの設定――

・下着姿でアルトを酒に誘うと顔が真っ赤にして断られた為、反応が面白いという理由でアルトをからかうのが楽しみの一つとなっている


 
 

 
後書き
リサーナの設定についてはまた今度

 

 

・仲間たちの設定 3・

 
前書き
今回はチームシャドウギアのみなさん 

 
[ レビィ・マクガーデン ]


通称、愛称は特になし


ジェットとトロイを率いるチーム「シャドウ・ギア」のリーダーを務める少女


背と胸が小さいことにコンプレックスを抱いている


本を読むのが大好きでルーシィの小説もしばしば読ませてもらっている



小説オリジナルの設定――

・小さい頃からアルトの事が好きで告白した事もあるが3秒で断られる、その時アルトは「今は一人前の魔導士になる事に集中したいから・・・ごめんなさい」といったらしい


・アルトが一人前の魔導士になったらもう一度告白するために少しでも女性の魅力を高めようと日々努力を重ねている










[ サルスケ ]


通称、愛称は「ジェット」


チーム「シャドウギア」の一員


自分のスピードを高める魔法「神足」を使う


レビィの事が好きで告白したこともあるが2秒で断られた、ちなみに片想いは今も続いている



小説オリジナルの設定――

・昔、レビィをかけてアルトとかけっこで勝負した(ジェットが一方的に仕掛けた)、魔法を使ったのに負けてひどく落ち込んだ、レビィ本人はこの事を知らない










[ ドロイ ]


通称、愛称は特になし


チーム「シャドウギア」の一員


ジェットと同じくレビィの事が好きで告白したが1秒で断られる、その際にレビィがアルトの事を好きだと知った


レビィへの片想いは今も続いている



小説オリジナルの設定――

・告白を断られた直後、レビィに内緒でアルトに勝負を挑んだが1秒で負けひどく落ち込んだ、ジェットの件同様レビィ本人はこの事を知らない


 
 

 
後書き
レビィがアルトに惚れる展開がどうしても思いつかなかったので元から惚れてる設定にしました

 

 

・仲間たちの設定 4・

 
前書き
今回はルーシィ、ハッピー、ラクサスの三人

 

 
[ルーシィ・ハートフィリア]


通称、愛称は特になし


門の鍵を使って戦う星霊魔導士


小説家を目指している


スタイル抜群で、一応その身体をお色気攻撃などで生かそうとしているが何故か失敗率が高い


ギルド内でも特に仲がいいのはレビィとアルト
※ルーシィの書いた原稿を読んでくれている二人


しかし意外と純情な面もあり、恋愛話や仲間同士の決闘を見るのが苦手である




小説オリジナルの設定――

・最初はアルトの事をただの仲間としてしか見ていなかったが、ファントムの一件以来アルトに恋心を抱くようになる










[ハッピー]


通称、愛称はなし


「翼」(エーラ)で空を飛ぶ青い猫である


アルトと同じく小さい頃からナツと一緒にいる長年の相棒である


ナツが東の森で拾った卵の中から出てきた


魚が大好き




小説オリジナルの設定――

・ハッピーの卵を育てたのはナツとアルトとリサーナ










[ラクサス・ドレアー]


通称、愛称は特になし


雷の魔法を得意とするフェアリーテイルのS級魔導士


フェアリーテイル内『最強』を争える程の実力を持ち、ナツですら歯が立たない


冷酷非道な性格でギルド内ではラクサスをかなり嫌っている者も多い


常にヘッドフォンを付け、それは魔導式音楽プレイヤーと繋がっている、聞いている音楽はロックとクラシックを融合させたもの




小説オリジナルの設定――

・ナツとは違い自分の挑発を軽く受け流すアルトに僅かながら興味を持っている


・アルトとは一度も勝負した事がない

 
 

 
後書き
アルトも表面的にはラクサスを嫌ってますが、心中ではちゃんと仲間として信頼してるという設定で
 

 

・オリ主の技辞典 1・

 
前書き
警告!・この辞典にはオリ主が使う技の元ネタ、つまり「イメージモデル」が記載されています


・「ご自分で想像された技のイメージ」が崩壊する恐れが大いにあり得ますので観覧にはご注意ください 

 
「アルディマ・ルテーム」 初登場は「大地の魔法」より


・両手を地面や壁につけ、大地のエネルギーを魔力と筋力に変換する技


・アルト自身の魔力の関係で、現時点では両手以外を強化する事が出来ない


・使用後のアルトの腕は赤黄色に輝く(溶岩のような色)



イメージモデルは「ONE PIECE」の「ギア・セカンド」より






「メテオ・ウィザスター」 初登場は「大地の魔法」より


・両手で巨大な衝撃波を生成し、相手にぶつける技


・基本、右手の拳と左手の平を合わせる構えをとるが構えをとらなくても打ち出せる



イメージモデルは無し






「砕破掌」 初登場は「風と大地」より


・パンチした後、敵の体内に衝撃波を打ち込み体内で拡散させる技


・体内そのものにダメージを与えるので鎧を纏った敵などには相性が良い



イメージモデルは「ソウルイーター」の「魂威」より






「地龍の咆哮」 初登場は「風と大地」より


・口内から直線的な衝撃波を打ち出す技


・貫通力を持たせる事も可能


・滅竜魔法使いではないアルトがナツの技を見て、見様見真似で作り出した技



イメージモデルは「フェアリーテイル」の「白竜の咆哮」より






「アース・クライツ」 初登場は「ギルドとは強く生きるために」より


・衝撃波を纏った掌底で攻撃する技


・別に掌底である必要はまったく無く、パンチや蹴りでも有効



イメージモデルは「テラフォーマーズ」の「発勁」より






「エストレア・グレイブ」 初登場は「ギルドとは強く生きるため」より


・相手の頭上から巨大な重力と衝撃波の塊を打ち出し、相手を押しつぶす技


・横方向に打ち出す事も出来る



イメージモデルは「金色のガッシュ」の「バベルガ・グラビドン」より






「ギルガ・ファングバイト」 初登場は「村人を守れ アルトvsユウカ」より


・両手から複数の牙を模った衝撃波を生成し、両手を合わせ噛み砕くようにして相手にぶつける技



イメージモデルは「BLEACH」の「デスガロン」より


 
 

 
後書き
現段階での技とそのイメージです

新たな技が出た時は「辞典 2」という形でまとめます

 

 

妖精の尻尾

 
前書き
誤字・脱字がありましたら報告お願いします

あと、経緯をかなり省いてる描写があります 

 
ハルジオンの街



ナツ「うぷ・・・無理だ!もう二度と列車には乗らん!!」


アルト「あははっ、ナツは乗り物はからっきし駄目だなぁ」


ハッピー「情報だとここにサラマンダーがいるハズだよ」


列車から出てきたのは短い黒髪の少年に桜色の髪の少年、そして小さな青猫



アルト「ここに居るのかなぁイグニールって竜は」


ハッピー「うん、サラマンダーって言ったらイグニールしか思い当たらないし」


ナツ「よっしゃ!ちょっと元気になってきたぞ!」


アルト「おっ!あそこにすげー人混みが!」


アルトの指を指す先には大きな人だかりがあった



ナツ「ああ!噂をすればなんたらって!」


ハッピー「あい!!!」


アルト「おっしゃー!俺、生のドラゴン見るなんて初めてだぞ!」


ナツ「イグニール!イグニール!!」


ナツたちが人だかりに入ってく

そこにはどう見ても竜には見えない一人のおっさんが立っていた



アルト「おい、あれがお前の親父か・・・?」


ナツ「いや、知らねぇ・・・誰だオマエ?」


おっさん「!!」ガーン


アルト「どう見ても人間だよなぁ・・・」ガックシ


おっさん「私は・・・サラマンダーと言えば分かるかな?」キリッ



アルト「なぁー、やっぱサラマンダーの情報ウソだったんじゃね?」


ナツ「ちっくしょー、今度こそ見つけたと思ったのに・・・はぁー・・・」


ハッピー「あい」



「ちょっとアンタ達失礼じゃない!?」 「そうよ謝りなさい!!」


アルトたちが自称サラマンダーを無視し、その場を立ち去るのを見て取り巻きの女性たちが怒る



おっさん「まあまあ、彼とて悪気があったわけじゃない・・・許してあげよう」


そう言い残すとおっさんは火に乗ってどこかへ去る


おっさん「夜は船上でパーティーをやるよ、みんな参加してくれるよね」


「もちろんですぅー♡」 「あーん♡」




アルト「なんだったんだ・・・アイツは」


ナツ「さぁ?」


?「本当いけすかないわよね」


綺麗な金髪少女がアルトたちに声をかける



アルト「ん?・・・あんた誰だ?」



ルーシィ「さっきはありがとね」





―――――――――――――――――――――――――――――――――

レストラン 店内


ナツ「あんふぁいいひほがぶぁ(あんた、良い人だ)」ガブガブ


アルト「まったくだ!見ず知らずの俺たちに奢ってくれるなんて!」ガツガツ


ハッピー「うんうん」ホグホグ


ルーシィ「えっと・・・アルトにナツに、ハッピーだっけ・・・?もう少しゆっくり食べなよ・・・」


アルト「それよりもあんた、ギルドに入りたいのか・・・」バグバグ


ルーシィ「うん、大きな仕事たくさんもらえそうだもん!」


ナツ「なぶぼご(なるほど)」ガボボボ


ルーシィ「じゃあ私、そろそろ行くね・・・助けてくれてほんとありがと」


そう言ってお代を机に置く




アルト・ナツ「「・・・・・」」




アルト「ありがとうございますっ!!!」


ナツ「ごちそう様でしたっ!!!」


ハッピー「でしたっ!!!」


アルトたちは綺麗に並んで土下座する



ルーシィ「ちょっとやめてよ!恥ずかしいっ!!」




――――――――――――――――――――――――――――――――


ナツ「美味かったなぁー、あそこのレストランの料理!」


アルト「あぁ!奢ってくれた金髪のねーちゃんに感謝だな!」


ハッピー「あい!」


アルトたちが道を歩いていると女性の会話が耳に入った



「ねー、聞いた!?今夜の船上パーティーのこと!!」


「聞いた聞いた!サラマンダー様が来てるんでしょ!?」


「あの有名なフェアリーテイルの魔導士なのよね!」


アルト・ナツ「「!!!」」


アルト「あのおっさんが・・・」


ナツ「フェアリーテイル・・・?」




――――――――――――――――――――――――――――――――――

船内


おっさん「ようこそ、奴隷船へ・・・君は商品になってもらうよ」


ルーシィ「これがフェアリーテイルの魔導士・・・!!」


おっさん「さて、君の唯一の武器である門の鍵も捨てたことだし・・・まずは奴隷の烙印を押させてもらうよ」


ルーシィ「最低の魔導士じゃない」


その瞬間、船の天井が破られる


ルーシィ「アルト!ナツ!」


アルト「よう、昼飯の借りを返しに来たよ!」


ナツ「フェアリーテイルの魔道士ってのはどいつだ・・!?」


おっさん「昼間のガキどもっ!!?」


ハッピー「逃げよ」


ハッピーがルーシィを持ち上げて空に運ぶ


ルーシィ「えっ・・・ちょっ・・・アルトとナツはどーすんの!?」


ハッピー「三人は流石に無理」


ルーシィ「あら・・・」


おっさん「逃がすかぁっ!」ボゥッ


アルト「おらぁっ!!」バチィィン


おっさんがルーシィたちに放った炎をアルトがはじく



おっさん「チッ、このクソガキが!てめぇら適当に相手してやれぇ!」


数人の大男たちがアルトを取り囲む


アルト「おい、ナツ・・・」


ナツ「うぷ」


アルトが見たときには既にナツは船酔いでダウンしていた



アルト「しょうがねぇな・・・お前はそこで寝てろ」


大男「ガキがっ!死ねぇぇ!!」


大男が大斧を振り下ろす


アルト「」バキィン


・・・が、アルトが斧の刃をこぶしで砕く


アルト「てめぇらは・・・一番やっちゃいけねぇことをした・・・」


大男「ひぃっ!?」ゾクッ


アルト「てめぇら魔道士の風上にもおけねぇネズミ風情が、フェアリーテイルを語ってんじゃねぇーよ!!」ドゴッ


大男「がっっ・・・!!!?」


アルトの強烈な右こぶしが大男を一撃で沈める


おっさん「なっ・・・馬鹿な、あの巨体を一撃で・・・!!!?」


アルト「まだまだぁ!!」


おっさん「ひぃぃっ!」


大男たち「ぶぐっ!」 「ぎゃっ!!」 「げぼぉ!!」


おっさん「て、手に負えん・・・!!」


アルトが大男たちを叩きのめしていくその時


突然船が陸に打ち上げられた



アルト「なんだ、今の衝撃・・・!?」


ルーシィ「大丈夫、二人とも!?」


ルーシィが天井の穴から顔をのぞかせていた


アルト「おおっ!もしかしてあんたが船を陸に!?」


ルーシィ「えへへ、門の鍵の力でね!」


ナツ「揺れが・・・止まった」ムクッ


船酔いしてたナツが起き上がる



ナツ「俺はフェアリーテイルのナツだ!お前の顔なんか見たことねぇぞ」


おっさん「なっ!!?」


大男「本物!?ま、まずいっすよボラさん!」


ボラ「バカ!その名で呼ぶんじゃねぇ!」


大男「じゃあ、こっちのガキも!?」


アルト「そういうことだ、とりあえずてめぇらはぶっ飛ばす!」


ボラ「やってみろよクソガキどもがぁっ!!!」


ボラの生み出した炎がナツを包み込む



ルーシィ「ナツ!」


アルト「ナツなら大丈夫だよ、火の竜に火が効くと思う?」


ルーシィ「えっ!?」


ナツ「まずい、お前本当に火の魔導士かぁ?こんなまずい火は初めだ」


ナツが火を食べながらボラへ近づく



ルーシィ「はァ!?火を食べてる!?」


ハッピー「ナツには火は効かないよ」


ボラ「じゃあ・・・こいつが本物のサラマンダー!?」


ナツ「よーく覚えておけ、これがフェアリーテイルの魔導士だ!」ゴッ


ナツの炎のこぶしがボラをぶっ飛ばす



アルト「自らの体を竜の体質へと変換させる太古の魔法」


ルーシィ「それで炎を食べたり出来たのね!?」


アルト「竜迎撃用の魔法、滅竜魔法(ドラゴンスレイヤー)だよ!」


ルーシィ「なにそれーー!?」


アルト「よーし暴れるぞ、とりあえず奴隷船も割っとくか!」


そう言った後、アルトは拳を床に叩きつけ奴隷船を真っ二つに割る



ルーシィ「ぎゃあああ船がっ!!!」


その後もアルトとナツが暴れまわり港がほぼ壊滅状態に陥る



ルーシィ「フェアリーテイルの魔導士・・・すごいけど・・・やりすぎよぉ!」


アルト「そろそろ軍隊が来そうだな、逃げるぞ!」


アルトがルーシィの手をひっぱり走る


ルーシィ「なんで私まで!?」


アルト「だってあんた、フェアリーテイルに入りたいんだろ?」


ルーシィ「!」


アルト「一緒に行こうぜ!」


ルーシィ「・・・うん!!」



 
 

 
後書き
作者に文章力がないところはスルーでお願いします

 

 

チーム結成!

 
前書き


 

 
フェアリーテイル 入口


ルーシィ「わぁ・・・大っきいね」


ハッピー「ようこそ、フェアリーテイルへ」


ナツがドアを勢いよく開ける



ナツ「ただいまー!!!」


アルト「今帰ったよー!」


ハッピー「ただー」


アルトたちが中に入ると綺麗な白髪の女性が迎えてくれる



ミラ「アルト、ナツ、ハッピー、おかえりなさい」


アルト「ただいまミラさん!」


ミラ「サラマンダーには会えたの?」


アルト「いやぁ、それが・・・」




ナツ「てめぇ!サラマンダーの情報ウソじゃねぇか!」バキッ


アルトの指さすほうにはナツの機嫌の悪い姿が




ミラ「あらら、会えなかったのね・・・」


アルト「おいナツー、あんまり暴れるとお店が壊れるぞー!」


ルーシィ「もう壊れてるけどっ!?」


ミラ「あらぁ?そちらは新入りさん?」


ミラがルーシィに近づく



ルーシィ「ミラジェーン!!!キャー本物!?・・・って、あの喧嘩は止めなくていいんですか?」


ミラ「いつもの事だからぁ、放っておけばいいのよ!それに・・・」


アルト「あ、ミラさん瓶が――」



ガンッ



どこからか飛んできた瓶がミラの頭に当たる



ミラ「それに・・・楽しいでしょ?」ニコッ


頭から出血してるのにもかかわらず笑顔で喋るミラ




?「やめんかぁーバカたれ!!!」


その時、突然巨体のじいさんが現れ、喧嘩してた者たちは一瞬で静まる




?「む・・・新入りかね?」


ルーシィ「は・・・はい・・・」


アルト「そんなにビビらなくてもいいよルーシィ、マスターは優しいから」


ルーシィ「こ、この人がマスター・・・!?」


?「ふんぬぅぅぅぅぅ」


巨体のじいさんがみるみる小さくなる


マカロフ「よろしくネ」


ルーシィ「えええ!?これがもとのサイズ!?」


アルト「ただいま、マスター!」


マカロフ「アルト、お前はナツと一緒になってまたやってくれたようじゃのぉ・・・!」


マカロフがジャンプして2階に上がる



マカロフ「まったく貴様らぁ・・・ワシは評議会に怒られてばっかりじゃぞぉ・・・」


すると手に持っていた書類を燃やし、投げ捨てる


マカロフ「だが、評議員などクソくらえじゃ・・・」


ルーシィ「え?」


マカロフ「上から覗いてる目ん玉気にしてたら魔道は進めん、評議員のバカ共を恐れるな」


「自分の道を進めェい!それがフェアリーテイルの魔導士じゃ!!」




「「「「「オオオオオオオオ!!」」」」」




アルト「あははっ流石マスター!だから俺、フェアリーテイル大好きだ!!」



その後もフェアリーテイル内での笑いは夜まで響いた



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

数日後 ルーシィ宅



シャワーを浴びたルーシィはバスタオルを体に巻きつけ居間へ向かう



ルーシィ「家賃7万Jにしてはいいトコ見つかったなぁ」


ルーシィが居間のドアを開ける




ナツ「よっ」


アルト「ルーシィ、このお菓子のおかわり無いの?」



ルーシィ「あたしの部屋ー!!!なんで入ってきてんのよ!!」



ルーシィの回し蹴りがアルト、ナツ、ハッピーに直撃する



アルト「ミラさんに家決まったって聞いてさ!」


ナツ「遊びに来てやったぞ!」


ルーシィ「超勝手!!」


ハッピー「いいトコだね」ガリガリ


家の柱でハッピーが爪をとぐ



ルーシィ「爪とぐなっ!!!ネコ科動物!!!」


ナツ「それよりもよぉ、奴隷船を陸に打ち上げたのってルーシィなんだって!?」


アルト「そうそう、門の鍵って言ってたけどどんな魔法なんだ!?」


ルーシィ「星霊って言うのよ、私は星霊魔道士で契約数は六体」


アルト「へー、どんなのが居るのか見せてくれよ!」


ルーシィ「じゃあハルジオンで買った仔犬座のニコラの契約がまだだったから、ついでに見せてあげる!」


アルト「よっしゃー!」


ハッピー「血判とか押すのかな?」


ナツ「痛そうだな、ケツ」


ルーシィ「なぜお尻・・・」


ルーシィが鍵を取り出し星霊を呼び出す




ルーシィ「開け、仔犬座の扉!ニコラ!!!」




ニコラ「プーン」


出てきたのは到底戦力になりそうもない小さな星霊だった



アルト・ナツ・ハッピー「「「ニコラー!!!」」」



ナツ「ど・・・・どんまい!!」


アルト「つ、次があるよ、落ち込まないで・・・!!」


ルーシィ「失敗じゃないわよー!!!」


ルーシィはニコラを思いっきり抱きしめる



ルーシィ「あーん、かわいい!」


ナツ「そ、そうか・・・?」


アルト「どっちかって言うと美味しそうだな!」


ルーシィ「食べ物じゃないわよっ!!」


そうして契約が始まったらしいが呼び出していい曜日を聞いていくだけの簡単な契約方法だった



ナツ「地味だな・・・」


アルト「っていうかなんで呼び出しちゃいけない日があるんだ!?」


ハッピー「あい」


ルーシィ「確かに見た目は地味だけど大切なことなのよ、星霊魔導士は契約を重視するの、だから私は絶対約束だけは破らない・・・ってね!」


アルト「名前はニコラでいいの?」


ルーシィ「それは総称、私のニコラの名前は・・・プルーよ!」


プルー「ププーン」


ナツ「すげぇ・・・星霊かぁ」


アルト「面白い魔法だな!」


ナツ「よし、決めた!ルーシィを俺たちのチームに入れよう!」


ルーシィ「チーム?」


ハッピー「あい!!ギルドのメンバーは皆仲間だけど、特に仲のいい人同士が集まってチームを結成するんだよ!一人じゃ難しい依頼でもチームでやれば楽になるしね」


ナツ「今までは俺とアルトとハッピーの3人でチームを組んでたんだ」


ルーシィ「正確にいえば2人と1匹のような気がするけど・・・いいわね、それ!面白そう!!!」


ナツ「よーし決定だぁぁ!」


アルト「これからよろしくなルーシィ!!」


ハッピー「あいさー!!」


アルト「よかった!これでメイド作戦を実行できるな!」


ルーシィ「え?」


アルトの一言にルーシィが固まる



ナツ「エバルーって奴の屋敷から本を一冊取ってくるだけで20万Jだぞ!!」


ナツがルーシィに依頼書を見せる



ルーシィ「エバルー公爵はとにかくスケベで・・・変態・・・金髪メイド募集中!」


ハッピー「これで潜入できるね」


アルト「星霊魔導士は契約を大切にしてるんだって?尊敬しちゃうなぁ・・・」ニヤニヤ


ルーシィ「ハメられたーっ!!!」ガーン




――――――――――――――――――――――――――――――――――

フェアリーテイル 内



レビィ「あれ?本の依頼書無くなってる?あーあ・・・迷ってたのになぁ・・・」


マカロフ「レビィ・・・行かなくてよかったかもしれんぞい」


レビィ「あ!ギルドマスター!」


マカロフ「その仕事・・・ちと面倒になってきた・・・今連絡が入ってな、報酬を200万Jにつり上げる・・・だそうじゃ」


レビィ「10倍!?」


ジェット「本一冊で200万だと!!?」



グレイ「面白そうなことに・・・なってきたな」

 
 

 
後書き


 

 

ルーシィの初仕事

 
前書き
主人公の口調中々決まらないなぁ 

 


馬車内


ルーシィ「馬車の乗り心地はいかがですか?ご主人様?」


ナツ「・・・・・冥土が見える」


アルト「メイドだけに?」


ハッピー「ご主人様役はオイラだよ!!」


ルーシィ「うるさいネコ!アルトも全然笑えないし!!」


アルト「もう少しでエバルーの屋敷だよ!」


ルーシィ「言ってみれば簡単な仕事よねー」


ハッピー「あれ?嫌がってたわりには結構乗り気?」


ルーシィ「トーゼン!あたしの初仕事だもん!ビシッと決めるからね!」


アルト「屋敷に入って本一冊持ってくれば20万Jってボロすぎだよな!」


ルーシィ「言っとくけどこの仕事、あんたたちはやる事ないんだから・・・報酬は7:1:1:1だからね」


ハッピー「ルーシィ1でいいの?」


アルト「いやー悪いなぁ、俺が7も貰っちまって」


ルーシィ「んなわけあるかっ!あたしが7よ!!!」


ナツ「ち、ちょっと・・・待て・・・俺たち・・・も・・・やる事・・・ある」


アルト「捕まったり、危なくなったりすれば助けてやるよ!」


ルーシィ「そんなミスしません」


アルト「でもルーシィってなんだかんだで抜けてるし・・・」


ルーシィ「余計なお世話よっ!!」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――


シロツメの街



ルーシィ「着いた!!!」


ナツ「馬車には二度と乗らん・・・うぷ」


アルト「お腹すいたー、まず腹ごしらえしてから依頼人の元へ向かおうぜ」


ハッピー「ホテルは?荷物置いてこーよ」


ナツ「この先に美味そうな匂いがする・・・」


ルーシィ「えー、私お腹すいてないんだけど・・・ナツは自分の火食べればいいじゃん」


アルト「残念だけどナツは自分で生み出した火は食べられないんだ・・・」


ナツ「お前だって自分で呼び出したプルーや牛は食わねぇだろ?」


ルーシィ「そ、そうなんだ・・・まぁいいや、あたしちょっと街を見てくるから食事は3人でどーぞ!」


ナツ「何だよ・・・皆で食ったほうが楽しいのに・・・」


アルト「しょうがねぇ、俺達で食いに行くか」


ハッピー「あい」




――――――――――――――――――――――――――――――――

レストラン内



ナツ「脂っこいのはルーシィにとっておくか」


ハッピー「脂っこいの好きそうだもんね」


アルト「おおっ!この肉すげぇ脂っこい!」


ナツ「これもなかなか脂っこいぞ!」


ルーシィ「あ、あたしがいつ脂好きになったのよ・・・もう・・・」


ナツ「お!ルー・・・シィ?」



ナツたちが見るとそこにはメイド姿のルーシィが立っていた



ルーシィ「結局あたしって何着ても似合うのよねぇ」


アルト「わぁ!ルーシィすげぇ可愛くなってんじゃん!」


ルーシィ「もうっ!アルトったらぁ、そんなに褒めないで♡」


アルト「これが、あのルーシィだなんて思えないよ!」


ルーシィ「ちょっと、どういう意味よっ!!」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――


依頼主の屋敷 内部


依頼主の元へたどり着いたアルトたちは正面玄関から入ろうとしたのだが、依頼主に裏口から入るように言われ、裏口から中に入ったのであった


主人「先程は大変失礼いたしました、私が依頼主のカービィ・メロンです」


ナツ「美味そうな名前だな!」


ハッピー「メロン!」


アルト「その割には頭が黒いな」


ルーシィ「ちょっと!!失礼よ!!」


カービィ「あはは!よく言われるんですよ、それにしてもまさかあの有名なフェアリーテイルの魔導士さんに受けてもらえるとは・・・」


ナツ「そっか?こんなうめぇ仕事今までよく残っていたと思うけどな」


ルーシィ「(仕事の内容と報酬がつりあってない・・・きっと皆警戒してたんだ)」


カービィ「しかもこんな若いのに・・・さぞかし有名な魔導士さんでしょうな」


ハッピー「ナツとアルトとルーシィって言うんだ」


カービィ「ナツ・・・!?あのサラマンダーと呼ばれる方でしたか!」


アルト「いいなー、ナツだけ名前知れてて」


ナツ「かーっかっかっか!」


カービィ「あぁ!思い出しました、確かそちらの黒髪の方は以前、新聞の一面に顔写真が・・・!」


アルト「ったく!俺も有名になったもんだぜぇ!!」テレテレ


ルーシィ「照れるんかいっ!!!」


カービィ「で・・・えっと・・・そちらのお嬢さんは・・・?」


ルーシィ「あたしもフェアリーテイルの魔導士なんですけどっ!」


カービィ「その服装は趣味か何かで?いえいえ・・・いいんですがね」


ルーシィ「ちょっと帰りたくなってきた」


カービィ「それでは・・・仕事の話をしましょう」


アルト「よっしゃ!待ってたぞ!」


カービィ「私の依頼したい事は一つ、エバルー公爵の持つこの世に一冊しかない本「日の出」の破棄、または焼失です」


ナツ「盗ってくるんじゃねぇのか?」


アルト「まぁ盗むのも燃やすのも一緒だけどな」


ナツ「でも燃やすのなら俺の得意分野だ!屋敷ごと燃やしちまうか!」


ハッピー「楽ちんだね」


アルト「本当にいいのかよおっさん、こんな楽な仕事に20万なんて・・・」


カービィ「いいえ・・・200万Jお払いします、成功報酬は200万Jです」


アルト「にぃひゃくぅ!!?」


ナツ「討伐クエスト並みじゃねぇか!?」


ルーシィ「な、なんで急にそんな・・・200万に・・・!?」


カービィ「それだけどうしてもあの本を破棄したいのです、あの本の存在が許せない」


アルト「っしゃあ!なんだか知らねぇけどワクワクしてきたぞ!」


ナツ「燃えてきたぁ!行くぞアルト!ルーシィ!!」


ルーシィ「(存在が許せないって・・・どーゆー事!?)」







エバルー公爵邸



ルーシィ「すいませーん、誰かいませんかぁ!金髪メイド募集の広告を見てきましたぁ!」



その時、ルーシィの足元からゴリラのようなメイドと見るからにエロそうな親父が出てきた



エバルー「我輩を呼んだかね?」


メイド「メイド募集の広告を見て来たそうですが」


エバルー「ふーん、どれどれ」ジーッ


エバルーがルーシィの体をなめるように見る



ルーシィ「(と、鳥肌が・・・)」ゾワッ




アルト「ふんばれよルーシィ・・・」


ナツ「上手くやれよぉ・・・」



アルトたちが物陰から様子をうかがう




エバルー「いらん!!帰れブス」


ルーシィ「ブ・・・!?」




アルト「あら、今のルーシィならいける思ったのに・・・」




エバルー「我輩のような偉ーい男には・・・」


次の瞬間、地面から顔面崩壊したと思えるほどブスなメイドが次々と出てくる



エバルー「美しい娘しか似合わんのだよ!」



アルト「ただのB専じゃねぇか!!」ガーン




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ルーシィ「しくしく・・・」


アルト「まぁ、しょうがねぇよ・・・」


ナツ「使えねぇな」


ルーシィ「違うのよっ!あのエバルーって奴、美的感覚がちょっと特殊なの!!」


ハッピー「言い訳だ」


ルーシィ「キィー!くやしー!!」


アルト「まあ、真の美人ならどんな男も魅了できるけどな」


ルーシィ「アルトまでっ!!」ガーン


ナツ「こうなったら作戦Tに変更だ!!」


アルト「突撃のTだな!」


ルーシィ「あのオヤジ絶対に許さん!!」



アルト「行くぞぉぉぉおお!!」


 
 

 
後書き


 

 

DAY BREAKを探せ!

 
前書き

 

 
エバルーの屋敷 窓



アルト「なんでこんなとこから侵入するんだ?」


ナツ「そうそう、突撃すりゃ早ぇのに」


ルーシィ「駄目よ、今回は盗賊退治なんかとは違う、あんなむかつくオヤジでも街の有力者なんだから下手したら軍が動くわ!」


アルト「な、なるほど・・・」


ナツ「頭いいなぁー・・・ルーシィ」


ルーシィ「それぐらい想像つくでしょ・・・だからあんたらいっつも騒ぎになるのよ!」


ナツ「そんじゃ、早速」


ナツが窓を熱で溶かし、中の鍵を開ける



ルーシィ「さすが、サラマンダー」


アルト「ここは物置みたいだな・・・」


ルーシィ「くれぐれも騒がないでよあんた達、忍者みたいに格好良く任務を遂行するの」


ナツ「に、忍者かぁ」



アルトたちが物置を出て、部屋を一つ一つ調べていく


すると突然地面が盛り上がり、先程のブスメイドが5人も出てきた



メイド「侵入者発見!」


ルーシィ「み、見つかった!」


アルト「このっ!ぶっ飛ばしてやる!!」


ナツ「忍者ぁっ!」


アルトとナツが協力してメイドたちを片づける



アルト「よし!面倒な事になる前に隠れるぞ!」


ルーシィ「こっちに扉があるわ!」


入ったドアの向こうは図書館のように本がたくさん置いてある部屋だった



アルト「ここにあるかもしれねぇな、依頼主の破棄してほしい本」


ルーシィ「そうかもね、よし探すわよ!」


アルト「探すなんて面倒だ、俺の魔法でここら一帯にある物全部粉々に砕けば・・・―――」


ルーシィ「それはだめー!」


アルトの振り上げる拳をルーシィが必死に止めた



ナツ「おーい!アルト、ルーシィ!見ろよコレ、金色の本だ!」


アルト「マジで!?見たい見たい!!」


ルーシィ「ちょっとアンタら少しは真面目に・・・って」


ナツが持っていた金色の本はまさしく今回の依頼の目的である「日の出(デイ・ブレイク)」だった



アルト「日の出じゃねーか!やったぞナツ!」


ナツ「あぁ!さて、燃やすか」


ハッピー「簡単だったね!」


ナツが本を燃やそうとするとルーシィがそれを止める



「日の出」はケム・ザレオンという作家の作品で、未発表作であるらしく


この世に一つしかないため、ルーシィが燃やす前に読みたいということだった



ルーシィ「ねぇ、いいでしょ!?燃やしたって事にしてよぉ!!この本は私が貰っておくから!!」


アルト「嘘は駄目だろ、その本を破棄するってのが依頼なんだから」


ナツ「あぁ、依頼を達成してないのに報酬は受け取れねえしな」




「なるほど、なるほど・・・貴様らの狙いは日の出だったのか」




アルト「!?」


ルーシィ「なにコイツ、地面から!?」



エバルーが地面から出てくる




アルト「くそっ!おいナツ、さっさと日の出を燃やしちまえ!」


ルーシィ「駄目よ!絶対ダメ!!」


アルト「いや、ふざけんなっ!!」ガーン


ナツ「ルーシィ仕事だぞ!」


ルーシィ「じゃあここで読ませて」


ナツ「ここでかっ!!?」


エバルー「ええいっ!何をゴチャゴチャやっておる!気に食わん!」


アルト「来るなら来いや、だけどアンタ一人で俺たちを潰せんのか?」


エバルー「ボヨヨヨ・・・その点は心配いらぬ、来い!バニッシュブラザーズ!!」




「やっとビジネスのタイムか」



「仕事もしねぇで金だけ貰ってちゃあママに叱られちまうぜ」


奥から2人の男が出てきた




ハッピー「あの紋章!傭兵ギルド南の狼だよ!」


ナツ「こんな奴ら雇ってたのか」


アルト「魔導士か・・・?」


エバルー「バニッシュブラザーズよ!あの本を奪い返せ!そいつらは殺してしまえ!!」


ナツ「おい、ルーシィ!いいかげんに・・・」


ルーシィ「待って、少し時間をちょうだい!この本には何か秘密が隠されてるみたいなの!」


アルト「秘密?・・・っていうかどこ行くんだよ!?」


ルーシィ「どっか別の場所で読ませて!!」


そう言い残しルーシィが部屋から出ていく



アルト「面倒な事になってきたな・・・」


ナツ「ハッピーはルーシィを追ってくれ」


ハッピー「あいさー!」


ハッピーが飛んでルーシィの後を追う




アルト「・・・さて、やるか」


「やれやれ、命知らずな奴はママを悲しませるだけだぜ」




ナツ「ちょうど2対2だな」


「カモン!火の魔導士!」


ナツ「ん?何で火って知ってんだ?」


「フフフ、すべては監視水晶にて見ていたのだよ」


アルト「そんなもんがあったのか・・・」


「あの娘は星霊魔道士、契約数は7体・・・空を飛んだ猫は疑うまでもなく能力系「翼(エーラ)」だろう」


「そして貴様は熱でガラスを溶かした、火の魔導士と見てまず間違いないだろう」



ナツ「よく見てんなぁ・・・じゃあ黒こげになる覚悟はできてんだな!!」


「残念ながらできてないと言っておこう、なぜなら・・・火の魔道士はミーの最も得意とする相手だからな」


そう言うと男は巨大なフライパンを取り出した






「・・・貴様も魔導士のようだな」


アルト「俺はまだ魔法を使ってないからどんな魔法か分からねぇだろ!」


「まぁ、貴様がどんな魔法を使おうと無駄なことだ・・・所詮、魔導士風情ではオレたちには絶対に勝てないからな」


アルト「へぇ・・・じゃあ魔道士「風情」かどうか試してもらおうかぁァア!!?」ムカッ

 
 

 
後書き
先に言っておくと、戦闘描写は苦手です

 

 

魔導士vs傭兵

 
前書き
こうした方が文章見やすいみたいなアドバイスがあれば言ってくれると助かります

 

 
「どうやらフェアリーテイルの魔導士は自分が最強か何かと勘違いしてるようだ」


「魔導士としての地位は認めるが・・・所詮は魔導士、戦いのプロである傭兵には勝てない」



アルト「ゴチャゴチャ言ってないでかかって来いよ」


ナツ「そうそう、ビビってんのか?」



「とうっ!」


「はぁ!」



2人の内、一人はフライパン、もう一人は拳で攻撃してくる




「ふんっ!」ブンッ


アルト「中々いいパンチじゃねぇか!」




「火の魔導士相手なら・・・イージーなビジネスになりそうだ」


ナツ「そういう事は俺を倒してから言うんだな!」





傭兵2人の攻撃をかわしながら部屋を出る




アルト「おい、お前らの攻撃のせいで雇い主の家がメチャクチャだぞ、いいのかよ?」


「貴様らは魔導士の弱点を知ってるかね?」


アルト「弱点・・・?」


ナツ「の・・・乗り物に弱いって事か!!?」


アルト「それはお前だけだろ、俺は別に乗り物酔いしないし」


「肉体だ」


ナツ「肉体!!?」


「魔法とは知力と精神力を鍛錬せねば身につかぬもの」


「結果・・・魔法を得るには肉体の鍛錬は不足する」


傭兵2人は淡々と喋りながら攻撃を続ける


「つまり・・・日々訓練している我々には力もスピードも遠く及ばない」


「昔・・・呪いの魔法を何年もかけて習得した魔導士がいた、俺たちはその魔導士と戦ったのだが・・・一撃で沈めた、俺の拳一発で奴の何年もの努力は崩れ去ったのだ」


ナツ「ふーん」


アルト「さっきから偉そうなこと言ってるわりには攻撃当たってねえぞ」




「なるほど・・・スピードは中々のものだ・・・少しは鍛えているようだな」


「合体技でいこう!」



そう言うと一人の傭兵がでかいフライパンの上に乗る




「我々がバニッシュブラザーズと呼ばれる理由・・・それは消える、そして消すからだ」


「相手の視界から見方を消す・・・天地消滅殺法!!!」



アルト「ナツ下がってろ、時間の無駄だ」


ナツ「あぁ」


アルトとナツは呆れたものを見るような眼で傭兵2人組を見る



「はぁ!」



傭兵の一人がフライパンでもうひとりを打ち上げる




「天を向いたら、地にい――」


アルト「ふんっ!!」バキィッ


「る゛ぅ!!!?」


傭兵がフライパンで攻撃を仕掛けた


アルトは拳でフライパンを砕き、傭兵の一人を殴り伏せる




「い、一撃だと・・・!?バカな、魔法なしでこれ程の攻撃力を!?」


アルト「相手が悪かったなぁ!」ドゴッ


「ぐがぁっ!!」


打ち上げられた傭兵を殴り飛ばす




アルト「魔法使うだけが魔導士じゃねぇんだよ・・・俺達はちゃんと体も鍛えてんだ」


ナツ「かっかっか!」


アルト「魔法を使うだけが魔導士じゃねえんだよ、よく覚えとけ」


ナツ「よーし変な奴らもぶっ飛ばしたし、ルーシィを探すか」


アルト「そうだな」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

下水道


ルーシィ「ケム・ザレオンが残したかった言葉は他にある!本当の秘密は別にあるんだから!!」


ハッピー「なになにー?」


エバルー「なっ・・・なんだと!?」


本の謎を読み明かしたルーシィはハッピーと共にエバルーと対峙していた



どうやらケム・ザレオンは日の出に魔法をかけたらしく魔法を解読すれば隠された文章が読める仕組みになっていたらしい



エバルー「ぬ・・・ぬぉぉぉぉ!我輩の事業を知られるわけにはいかん!」


エバルーも同じく金色の鍵を取り出す



エバルー「開け!!!処女宮の扉・・・バルゴ!!!」


バルゴ「お呼びでしょうか?御主人様」


先程アルトとナツが倒したはずのゴリラメイドが姿を現す



ルーシィ「こいつ・・・星霊だったの!?」


ハッピー「ねぇ!ルーシィ見て!!」


ハッピーが指さす先には・・・


ルーシィ「あっ!!!」


エバルー「あっ!!?」




アルト「え!!?」


ナツ「お!!?」




アルトとナツの姿があった



エバルー「なぜ貴様らがバルゴと一緒に!!?」


ルーシィ「あんたたち・・・どうやって!!?」



アルト「いや・・・このゴリラが急に動きだしたからナツと一緒に捕まえようとしてたら・・・」


ナツ「いきなりなんなんだよっ!訳わかんねー!!」



ルーシィ「まさか・・・人間が星霊界を通過してきたの!?ありえないって!!」


エバルー「ぐっ!バルゴ!!面倒な事になる前にあの女から始末しろ!!」


ルーシィ「そうは行くもんですか、アンタにこの本は渡さない!っていうか持つ資格なし!!」


そう言ってルーシィは鍵を取り出す




ルーシィ「開け!!!巨蟹宮の扉・・・キャンサー!」




光に包まれ、サングラスをかけた星霊が召喚される



アルト・ナツ・ハッピー「「「蟹キターッ!!!」」」


アルト「絶対語尾にカニってつけるよ!」


ナツ「間違いねぇ!」


ハッピー「お約束だもんね!」


ルーシィ「集中したいからちょっと黙っててくれない?(汗)」



キャンサー「ルーシィ・・・」


キャンサーが口を開くと、アルトたちが期待いっぱいの目で見つめる




キャンサー「今日はどんな髪型にするエビ?」




ルーシィ「空気読んでくれるかしら!!?」



アルト「えぇぇ!!まさかのエビかよっ!?」


ナツ「なんだよそりゃ!!」


ハッピー「まさにストレートかと思ったらフックをくらった感じだね・・・」


ルーシィ「だからちょっと黙ってて(汗)」



エバルー「何を遊んでいる無礼な!バルゴ!!」


バルゴがルーシィたちに向かって突進してくる



ルーシィ「アルト!ナツ!そいつをどかして!!」


ナツ「おう!!」


アルト「まかせろ!!」


アルトとナツがバルゴを殴り飛ばす


同時にルーシィは鞭を使ってエバルーの首を締め付ける



ルーシィ「アンタなんか・・・」


鞭を使ってエバルーを空中に浮かせる



ルーシィ「ワキ役で十分なのよっ!!」


キャンサーとの同時攻撃でエバルーを倒す


倒れたエバルーの髪と髭は切られていた



キャンサー「お客様・・・こんな感じでいかがでしょうか?エビ」


アルト「よっしゃ!派手にやったなルーシィ!!」


ナツ「さすがフェアリーテイルの魔導士だな!」


ハッピー「あい!」


 
 

 
後書き
主人公の魔法・・・いつだそう(汗)

 

 

DEAR KABY

 
前書き


 

 
エバルーを倒し、日の出を回収したアルトたちは依頼主であるカービィ・メロンの家に向かった



カービィ「こ、これは一体・・・どういうことですかな?私は本の破棄を依頼したハズです」


ルーシィ「破棄するのは簡単です、カービィさんにだって出来ます」


するとカービィはルーシィから本を乱暴に取る



カービィ「だ・・・だったら私が焼却します、こんな本・・・見たくもない!!」


アルト「おっさんはこの本を読んだことあるの?」


カービィ「いえ・・・話に聞いただけで読んだことは・・・」


アルト「じゃあせめて、父親の最後の作品くらい読んであげたらどうかな?」


カービィ「!!」


アルトの言葉にカービィが驚く



カービィ「な・・・なぜそれを・・・」


アルト「この本の存在が許せないっていうのは・・・父親の誇りを守る為なんだろ?」


カービィ「・・・その通りです・・・この作品は駄作だと父は言っていました」


ナツ「つまんねぇから燃やすってのか!!?父ちゃんの書いた本だろ!!!」


怒るナツをルーシィが止める



ルーシィ「言ったでしょナツ!誇りを守る為だって!!」


カービィ「えぇ・・・父は日の出を書いたことを恥じていました」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――

それからカービィは自らの過去を語った


自分の父親がエバルーに3年間も監禁され無理やり本を書かされていたこと


そして3年たち、家に帰ってきた父は突然作家をやめると言い出し利き腕を切り落としたこと


カービィは家族をほったらかしエバルーの言いなりになって本を書いた父が許せずいたこと


父が自殺した後もずっと憎んでいたこと



すべてを包み隠さず話した



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


カービィ「しかし年月が経つにつれ父への憎しみは後悔へと変わっていった・・・私が「父親なんてつとまらない」なんて言わなければ父は自殺せずに済んだのかもしれない」


アルト「・・・・・」


ナツ「だから燃やすのか?」


カービィ「そうです、せめて父への償いに父の遺作となったこの駄作を・・・父の名誉のためにこの世から消し去りたいと思ったのです」


カービィがマッチ棒に火をつけ本を燃やそうとしたその時




本が光り輝いた




カービィ「な・・・なんだこれは・・・!?」


アルト「これがルーシィの言ってた魔法・・・!?」


ルーシィ「そう、ケム・ザレオン・・いいえ・・・本名はゼクア・メロン、彼はこの本に魔法をかけました」


カービィ「ま、魔法・・・?」



すると日の出の「デイ・ブレイク」のタイトル文字が「ディア・カービィ」へと変化した



ルーシィ「もちろんタイトルだけではなく、中身の文字も全て入れ替わります」


文字が本から飛び出し宙を舞う



アルト「めっちゃ綺麗だな!!」


ハッピー「あい!」


ナツ「おぉぉー!!」


ルーシィ「彼が作家をやめた理由は・・・最低な本を書いてしまった事の他に・・・最高の本を書いてしまった事かもしれません・・・」


アルト「おっさんへの手紙だな!!」


ナツ「いい父ちゃんじゃねぇか!!」


ルーシィ「それがケム・ザレオンが本当に残したかった本です」


カービィ「父さん・・・私は・・・父を・・・理解できてなかったようだ・・・」


目に涙をためながらカービィは呟く



ルーシィ「当然です!作家の頭の中が理解できたら、本を読む楽しみがなくなっちゃう」


カービィ「ありがとう・・・この本は燃やせませんね・・・」


アルト「じゃあ俺たちも報酬はいらねーな!」


ナツ「そうだな!」



カービィ「え?」


ルーシィ「はい?」



アルト「依頼は本の破棄だからな!」


ナツ「依頼達成してねーのに報酬は受け取れねえだろ」


ルーシィ「ええぇぇぇええ!!!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フェアリーテイルに帰る途中、大きな声が響く



ルーシィ「信じらんない!200万をチャラにするかしら普通!!」


アルト「だって依頼達成してないのに報酬貰うなんてズルいだろ」


ナツ「フェアリーテイルの名折れだ」


ルーシィ「はぁー・・・もう」


ナツ「でもよかったな、あのおっさん」


アルト「あぁ、今頃自分の本当の家でゆっくり本を読んでるんじゃないかな」


ルーシィ「え?どういう事・・・?本当の家?」


ナツ「あいつらの臭いと家の臭いが違った」


アルト「ナツの嗅覚は獣並みだからねー」


ルーシィ「なにそれー!!?」


アルト「しかし30年間も魔法がかかってたなんてなぁ・・・」


ナツ「あの小説家、すげぇ魔導士だよな!」


ルーシィ「若いころは魔導士ギルドにいたみたいでそこでの数々の冒険を小説にしたの・・・憧れちゃうなぁ」




アルト「くくっ、ところでさぁ・・・ルーシィ」


アルトがルーシィの近くに寄り耳元で話す



アルト「俺さぁ、この前ルーシィの家に行った時ルーシィが自分で書いたと思われる小説の原稿を見たんだよねぇ・・・」


ルーシィ「っ!!?//////」カァァァ


一気に顔が紅潮するルーシィ



ルーシィ「ちょっ・・・えっ・・・!?//////」


アルト「やたら本に詳しいと思ったら、自分で書いてるわけだぁ・・・」


アルトはニヤニヤしながらルーシィを弄る



ルーシィ「あ、アルトっ!誰にも言わないでよ!!//////」


アルト「えー・・・いいじゃん別に」


ルーシィ「まだヘタクソなの!!//////」


悪魔のような笑い顔をしてアルトは言う



アルト「じゃあ、そうだなぁ・・・ルーシィの書いた小説を毎回見せてくれるなら言わないでおいてあげる」


ルーシィ「えぇぇ・・・//////」


アルト「ふーん嫌なのかぁ・・・ナツとハッピーが近くにいるのになぁ・・・」


ルーシィ「わ、分かった!分かったから誰にも言わないでぇ!!//////」

 
 

 
後書き


 

 

鎧の魔導士

ルーシィ「うーん・・・」


リクエストボードを睨んで依頼を選んでいるルーシィ


そこには面白そうな依頼がたくさんあった



ルーシィ「へぇー・・・依頼っていろいろあるんですね」


ミラ「気に入った仕事があったら私に言ってね、今はマスターいないから」


ルーシィ「あれ?ほんとだ」


いつもはカウンターに座っているマスターの姿が見当たらない



ミラ「定例会があるからしばらくいないのよぉ」


ルーシィ「定例会?」


ミラ「地方のギルドマスターたちが集って定期報告をする会よ、評議会とはちょっと違うんだけど・・・リーダス、ちょっと光筆貸してくれる?」


ミラが空中に文字が書ける魔法アイテム「光筆」を使用し、図で魔法界の組織図を説明する




ルーシィ「知らなかったなぁー、ギルド同士のつながりがあったなんて」


ミラ「ギルド同士の連携は大切なことなのよ、これをおそまつにすると・・・ね」


ルーシィ「?」


アルト「黒い奴らが来るぞォォォオ」バッ


ルーシィ「ひいいいっ!」ゾクッ


背後からルーシィを驚かすアルト



ナツ「うひゃひゃひゃ「ひいいいっ」だってよ!」


アルト「あははっ、ルーシィビビりすぎ!」


ルーシィ「もォ!!驚かさないでよ!!」


ハッピー「ビビるルーシィ略してビリィーだね」


ルーシィ「変な略称つけんなっ!!」


驚いたルーシィを面白おかしく笑うナツとハッピー




ミラ「でも黒い奴らは本当にいるのよ」


アルト「闇ギルドって言われるギルド連盟に属さないギルドの事だよ」


ナツ「あいつ等、法律無視だからおっかねーんだ」


ハッピー「あい」


ルーシィ「じゃあいつかアンタたちにもスカウト来そうね」


アルト「え?なんで俺も入ってるんだ?」


ルーシィ「アンタも十分街壊してるでしょ!!」ガンッ



ナツ「つーか早く選べよ仕事」


アルト「そうそう、この前は俺たちが勝手にきめちゃったからね」


ハッピー「今度はルーシィの番!」


ルーシィ「冗談!チームなんて解消に決まってるでしょ!」プイッ


アルト「えーっ!?」


ナツ「なんで?」


ルーシィ「だいたい金髪の女だったら、誰でも良かったんでしょ!」


アルト「ううん、そんな事ないぞ!」


ルーシィ「え?」


アルト「ルーシィと俺たちは仕事先で偶然出会っただけなのに今はこうしてお互いフェアリーテイルの仲間になってる!これはもう運命としか考えられない!」


ナツ「だからルーシィを選んだんだ、いい奴だしな!」


ルーシィ「アルト、ナツ・・・」




「なーに、無理にチームなんか決める事ァねぇ」




アルトたちの会話に上半身裸の男が入ってくる



グレイ「聞いたぜ大活躍だってな、きっとイヤってほど誘いがくる」


ロキ「それにしても君ってホントに綺麗だよね、サングラスを通してもこの美しさだ・・・肉眼で見たらきっと目が潰れちゃうな」


ロキがルーシィに近づき口説こうとする



ルーシィ「潰せば」


呆れた様子でルーシィは答える



アルト「ん?でもロキって星霊魔導士苦手じゃなかったっけ?」


ロキ「えっ!?き・・・君!!星霊魔導士!!?」


アルトの言葉を聞いた後、ルーシィの腰の鍵を見てロキは驚く



ロキ「ゴメン!僕たちここまでにしよう!!」


ルーシィを見て逃げるロキ



アルト「それ以前に何か始まってたのか・・・?」


ルーシィ「ていうか・・・何で星霊魔導士が嫌いなのかしら?」


ミラ「どうせ昔女の子がらみで何かあったのよ」




ナツ「てめっ!」


グレイ「この!」


アルト「ナツたちはまた喧嘩してるし・・・」




アルトがナツたちの喧嘩を眺めているとロキが慌てた様子で戻ってくる



ロキ「ま、マズイぞ!!二人とも!!」


ナツ・グレイ「「あ?」」



ロキ「エルザが帰ってきた!!!!」



ナツ・グレイ「「あ゛!!!?」」




アルト「おおっ!本当かロキ!?」


アルト以外のギルドメンバーが「エルザ」の名を聞いた途端、一瞬で静まる



しばらくして、突然ギルドの扉が開く


大きな角を抱えた長い赤髪の綺麗な女性が入ってきた




アルト「おかえり!エルザっ!!」


エルザ「あぁ、今戻ったぞアルト、マスターはおられるか?」


アルト「マスターなら定例会でいないよ」


エルザ「そうか・・・」


アルト「それよりも、そのでかい角はどうしたんだ!?」


エルザ「討伐した魔物の角だ、地元の物が飾りを施してくれた・・・綺麗だからここへの土産にしようかと思ってな・・・」


アルト「すげぇ・・・こんなでかい魔物を倒してきたのか!?」


エルザに会い、子供のようにはしゃぐアルト




「討伐した魔物の角かよ・・・」


「こわっ・・・」


エルザに会い、恐怖に包まれるギルドメンバー



エルザ「それよりもアルト、また問題を起こしているようだな・・・マスターが許しても私は許さんぞ」コツッ


アルト「う゛・・・」


エルザに小突かれバツが悪そうな顔をする




ルーシィ「な・・・なに、この人!?」


ハッピー「エルザ!!とっても強いんだ」


エルザ「他の者たちもだ」


そう言うとエルザはギルドメンバーひとりひとりに注意していく



エルザ「ところで・・・ナツとグレイはいるか?」


グレイ「や、やあエルザ・・・オ・・・オレたち今日も仲良し・・・良く・・・やってるぜぃ・・・」


ナツ「あ゛い」


さっきまで喧嘩してたグレイとナツが冷や汗をかきながら慌てて肩を組む




ルーシィ「ナツがハッピーみたいになった!!!!」


アルト「あははははっ!!お前ら面白すぎっ!!」


エルザ「そうか・・・親友なら時には喧嘩もするだろう・・・しかし私はそうやって仲良くしてるところを見るのが好きだぞ」


グレイ「あ・・・いや・・・いつも言ってっけど・・・親友ってわけじゃ・・・」


ナツ「あい」


ルーシィ「こんなナツ見た事ないわっ!!」


ミラ「ナツもグレイもエルザが怖いのよ」クスッ


ルーシィ「ええっ!?」


ミラが光筆で絵を描き、ギルドの力関係を説明する



ルーシィ「てか図にする必要あるのかしら・・・しかも絵超ヘタだし・・・」


ミラ「!?」ガーン


ルーシィの声が聞こえたらしくミラが顔を抑え泣き出す



ルーシィ「あっ・・・聞こえちゃった・・・」


アルト「あーあ、ミラさんを泣かしたー」


ルーシィ「ご、ごめんなさい・・・」


アルト「だ、大丈夫だよミラさん!俺はこの絵味があって好きだよ!」


ミラ「うぅ・・・ありがとうアルト」


慰められたミラはアルトに泣きつく



ミラ「じゃあ・・・説明を続けるわね・・・」


ミラは空中にエルザ、ナツ、グレイの絵を書き説明を続ける



アルト「え・・・?誰この3人・・・闇ギルドの人たち・・・?」


あまりの下手さにアルトが口を滑らす



ミラ「えーん・・・アルトのバカぁ・・・」グスッ


アルト「わー!ごめんなさい!」


ルーシィ「結局エルザさんって何者なの・・・?」


アルト「ギルドの中でも最強を争う魔導士だよ」


ハッピー「あい!ナツは昔エルザに勝負を挑んでボコボコにされちゃったんだ」


ルーシィ「まさかぁ!!あのナツがぁ!!?」


アルト「グレイは裸でうろついてるところを見つかってボコボコに・・・」


ミラ「ロキはエルザを口説こうとして半殺しにされちゃったのよ」


アルト・ルーシィ「「(立ち直り早っ)」」




エルザ「二人とも仲が良さそうでよかった・・・実はアルト、ナツ、グレイ・・・お前たちに頼みたい事がある」


アルト「えぇっ!あのエルザがぁ!?」


ナツ「俺たちに頼みごとォ!?」


エルザ「仕事先で少々厄介な話を耳にしてしまった、本来ならマスターの判断をあおぐトコなんだが早期解決がのぞましいと私は判断した」


次にエルザが口にした言葉は普段なら考えられないような内容だった




エルザ「お前たちの力を貸してほしい、ついてきてくれるな?」




エルザの発言にギルド内がざわつく



「ど・・・どういう事・・・!?」


「エルザが誰かを誘うトコなんか初めて見たぞ!!」



ハッピー「何事なんだ・・・!?」


エルザ「出発は明日だ、準備をしておけ・・・詳しいことは移動中に話す」


ミラ「アルトと・・・ナツと・・・グレイに・・・エルザ・・・・!?」


ミラが震えながら何かを考える



ルーシィ「どうしたんですか?」


ミラ「今まで想像したこともなかったけど・・・これってフェアリーテイルの最強チームかも・・・」


ルーシィ「えぇっ!?」

 
 

 
後書き
ハーレム要因増えた・・・全然イチャついてないけど

 

 

謎の影男

 
前書き
基本原作沿いでいきたい

 

 
マグノリア駅


ナツ「なんでエルザみてーなバケモンがオレたちの力を借りてえんだよ」


グレイ「知らねーよ、つーか助けなら俺とアルトで十分なんだよ」


ナツ「じゃあお前だけ行けよ!!」


グレイ「じゃあお前だけ来んなよ!後でエルザに殺されちまえ!!」


駅の中央でナツとグレイが喧嘩を始める




ルーシィ「迷惑だからやめなさいっ!!」


ルーシィの一言で喧嘩が止まる



アルト「放っとけよルーシィ、エルザが来たら大人しくなるよ」


ルーシィ「もおっ!!なんでアンタたちそんなに仲が悪いのよぉ」


ナツ「てかルーシィなんでいるんだよ?」


グレイ「何しに来たんだ?」


ルーシィ「ミラさんに頼まれたのよっ!!」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

昨日 ギルド内



ミラ「エルザたち四人が組めば素敵だけど仲がギクシャクしてるのが不安なのよねぇー」


コップを拭きながらミラが呟く


ミラ「ルーシィついてって仲をとりもってくれる?」


ルーシィ「えぇー!?アルトでいいんじゃないですか!?」


ミラ「確かにアルトは普段落ち着いてるけど・・・バトルで熱くなったらナツと大して変わらないのよねぇ・・・ふふっ、そこが可愛いんだけどね!」


ルーシィ「そんなぁー・・・」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ルーシィ「ミラさんの頼みだから仕方なくついてってあげてるの!」


ハッピー「本当は一緒に行きたいんでしょ?」


ルーシィ「てか、三人の仲とりもつならアンタがいたじゃない!!うわーかわいそっ!!ミラさんに存在忘れられてるしー」


ハッピー「あい」




エルザ「すまない・・・待たせたか?」


ルーシィ「荷物多っ!!」


大きな荷物をしょって来たエルザにルーシィが驚く



エルザ「ん?君は昨日フェアリーテイルにいたな・・・」


ルーシィ「新人のルーシィといいます、ミラさんに頼まれて同行することになりました、よろしくお願いします」


ルーシィが丁寧に頭を下げて挨拶する



エルザ「私はエルザだ・・・そうか、ギルドの連中が騒いでいた娘は君の事か、傭兵ゴリラを倒したとかなんとか・・・頼もしいな」


ルーシィ「それ・・・アルトとナツだし・・・事実と少し違ってる」


エルザ「今回は少々危険な橋を渡るかもしれないが、その活躍ぶりなら平気そうだな」


ルーシィ「危険!!!?」


ナツ「フン」


機嫌の悪そうなナツがエルザに話しかける



ナツ「何の用事か知らねェが今回はついてってやる・・・条件付きでな」


エルザ「条件?」


グレイ「バ・・バカ・・・!!俺はエルザの為なら無償で働くぜっ!!」


アルト「俺もエルザには世話になってるから褒美はいらないよ!」


エルザ「・・・その条件とやらを言ってみろ」


ナツ「帰ってきたらオレと勝負しろ、あの時とは違うんだ」


ルーシィ「!!!」


グレイ「オ・・オイ!!はやまるな!!死にてぇのか!!?」


アルト「あははっ、そりゃ面白そうだな!!」


エルザ「確かにおまえは成長した・・・私はいささか自信がないが・・・いいだろう受けて立つ」


ナツ「自信がねぇって何だよっ!!本気で来いよな!!!」


エルザ「分かっている・・・だが、お前は強い・・・そう言いたかっただけだ」


ナツ「おしっ!!!燃えてきたァ!!!やってやろうじゃねーかっ!!!」


エルザ「グレイ・・・お前も私と勝負したいのか?」


グレイは慌てて首を横に振る



エルザ「そういえばアルトとは勝負した事が一度もないな・・・」


アルト「俺はいーや、同じギルド内で勝負とか誰が最強とか疲れるし、興味ないし」


エルザ「ふふっ、お前らしいな」


ルーシィ「アンタって暴れるときは暴れるのに性格は温厚よね・・・」


アルト「んな褒めんなってば・・・へへっ!」テレテレ


ルーシィ「しかも分かりやすいし・・・」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――

電車内



ナツ「うっ・・・・うぷっ・・・・」


電車内のためナツは酔っておとなしくなる



グレイ「なっさけねえなぁナツはよォ」


アルト「毎度の事だから慣れてるけどね」


ルーシィ「今回もつらそうね・・・」


エルザ「まったくしょうがない奴だ・・・私の隣に来い」


ナツ「あい・・・」


エルザの隣に座っていたルーシィが退け、ナツがエルザの隣に座る


ナツが座った瞬間、エルザはナツの腹を殴り気絶させる



エルザ「これで少しは楽になるだろう」


ルーシィ「そ・・・そういや私・・・フェアリーテイルでナツ以外の魔法見たことないかも」


アルト「そういえばそうかもな・・・日の出の依頼のときは俺の魔法見せてなかったし」


ルーシィ「アルトはどんな魔法を使うの?」


アルト「俺は大地系の力を操る魔法を使うんだ」


ルーシィ「へー・・・大地の力ねぇ・・・」


アルト「地震の圧力とか地割れとか衝撃波とかそういうの」


ルーシィ「うーん・・・いまいち具体的なイメージがわかないけど強そうね・・・」


ハッピー「アルトは魔法を使うとすっごく強いんだよ!」


アルト「おいハッピー!その言い方じゃまるで俺は魔法使わなきゃ弱いって言われてるみたいじゃねえか!」



その後ルーシィはエルザとグレイの魔法を聞いた


エルザはハッピーいわく相手の血がいっぱい出る魔法、グレイは氷の魔法を使うらしい



エルザ「そろそろ本題を話しておこう・・・」


アルト「エルザが力を借りたいなんて・・・よっぽどの相手なんだろうね」


それから数分間、エルザは本題を話す


仕事先で「ララバイ」という何やら強力な魔法の封印を解こうとしている連中を見つけ、その連中が「エリゴール」という名を口にしていた


そして「エリゴール」というのは闇ギルド「鉄の森」(アイゼンヴァルト)のエースであったのを思い出したという話であった




エルザ「鉄の森は6年前に追放され解散したハズだった・・・しかし解散命令を無視して今も活動し続けているれっきとした闇ギルドだ」


エルザたちが話をしながら列車を降りる



ルーシィ「・・・・・帰ろっかな」


ハッピー「出た」


エルザ「不覚だった・・・あの時エリゴールという名に気づいていれば・・・全員血祭りにしてやったものを・・・!」


ルーシィ「ひぃっ!」


すさまじい殺気を放つエルザにビビるルーシィ



ハッピー「ルーシィ、汁いっぱい出てるよ!!」


ルーシィ「汗よ!!」


グレイ「エルザ一人ならその場にいた連中だけなら何とかなったかもしれねえが・・・ギルド一つまるまる相手となると・・・」


エルザ「奴らはララバイなる魔法を入手し何かを企んでいる・・・私はこの事実を看過できないと判断した・・・鉄の森に乗り込むぞ」


グレイ「面白そうだな・・・で、鉄の森の場所は知ってるのか?」


エルザ「それをこの町で調べるんだ」


ルーシィ「・・・あれっ!?やだ・・・嘘でしょ・・・!!?」


エルザ「どうかしたかルーシィ?」


ルーシィ「アルトとナツがいないんだけどっ!!!」


エルザ「なにぃ!!?」


ルーシィ「ナツはともかくなんでアルトまで・・・!?」


グレイ「そういやアイツ・・・途中で寝てたっけ・・・」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

電車内


アルト「いやー・・・まいったなぁ、ナツ」


ナツ「あ・・・あい・・・うぷっ」


アルト「完全に寝てた・・・おかげで乗り過ごしちゃったよ」


眠りから覚めたアルトはナツの隣座りながら冷静に話しかける



アルト「まぁ、次の駅で降りればいいか」


その時、アルトたちに話しかける一人の男性がいた



「ねぇ、お兄さんがた・・・ここ空いてる?」



アルト「ん?・・・あぁ・・・空いてるよ」


カゲヤマ「座らせてもらうよ・・・僕はカゲヤマ」


アルト「フェアリーテイルのアルトだ、こっちの酔ってるやつはナツ」


カゲヤマ「フェアリーテイル・・・正規ギルドかぁ・・・うらやましいなぁ」


アルト「そういうあんたも魔導士みてぇだけど・・・どこのギルドだ?」


カゲヤマ「フェアリーテイルって言えばさぁ、ミラジェーン有名だよね・・・たまに雑誌とか載ってるし綺麗だよね」


アルト「・・・無視すんなよ、あんたのギルドの名前はなんていうんだ?」


カゲヤマ「正規ギルドは可愛い子も多いのかぁ・・・うらやましいなぁ・・・うちのギルドまったく女っ気なくてさぁ・・・少し分けてよ」


アルト「おいお前いい加減に・・・――――」


無視をし続けるカゲヤマにイラついたアルトが立ち上がろうとした時、突然カゲヤマが蹴りを繰り出す



カゲヤマ「キーック」


アルト「おっと!」ヒョイ


アルトはカゲヤマの蹴りを軽くかわす



カゲヤマ「いやぁ・・・フェアリーテイルって随分目立ってるらしいじゃない?正規ギルドだからってハバきかせてる奴ってムカツクんだよね」


アルト「俺も人の話を無視する奴はムカツクよ」


カゲヤマ「うちらフェアリーテイルの事何て呼んでるか知ってる?ハエだよハエ・・・ぷぷっ」


アルト「あっそ・・・さぞかし気分が悪いだろうな・・・そのハエにぶっ飛ばされる奴は」ムカッ


カゲヤマ「ぶっ飛ばす?君たちみたいなハエがうちらをぶっ飛ばすだって?ぷぷっ・・・そんな事出来るわけないだろ!?」


カゲヤマが魔法を使い、自らの影を伸ばし拳の形を作り打ち出した



アルト「おっそ!!」スッ


しかし、またもやアルトはカゲヤマの攻撃を軽くかわし反撃する



アルト「うらぁァア!!」ゴッ


カゲヤマ「ごぶぅっ!!?」ゴキッ


殴り飛ばされたカゲヤマが車内の椅子を貫通していき、やがて壁に激突した



アルト「ハエパーンチ!!ぶーんぶぶーん」


カゲヤマ「て・・・て゛めェ・・・」


カゲヤマは折れた鼻から血を噴き出しながら立ち上がる


同時に電車が急停止する



カゲヤマ「うおっ!」


アルト「おっと!!急停止かよ・・・ってなんだあれ・・・?」


アルトはカゲヤマのバッグからはみ出た髑髏の杖を見る



カゲヤマ「み・・・見たな!!」


ナツ「うるせぇなぁ・・・」ヨロッ


ナツがよろめきながら立ち上がる



アルト「あ、ナツ!」


ナツ「ぐっ・・・い、今のうちに出るぞアルト・・・また動き出す前に・・・!」


ナツがアルトの手をひっぱり窓から脱出を試みる



カゲヤマ「に、逃がすかぁ!鉄の森に手ェ出したんだ!ただで済むとは思うなよぉ!!」


アルト「鉄の森!?おいナツ、列車から出るのちょっと待て!!」



「先程の急停車は誤報と確認されました、間もなく発車いたします、大変ご迷惑をおかけしました」


アナウンスが終わると同時に列車が再び動き出す



ナツ「うぷっ・・・!待てん・・・!!」


ナツが電車の窓を割り、アルトを連れて脱出する



アルト「おわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

その呪歌の名はララバイ

 
前書き


 

 
列車を飛び出したナツとアルトは空中を舞っていた


エルザ「あれは・・・アルトとナツ!?」


グレイ「なんで列車から出てくるんだよォ!!」


ルーシィ「どーなってんのよォ!?」


アルト「グレイ!なんとか酔ったナツを受け止めてくれぇ!!」


グレイ「がっ!」ゴチンッ


受け止めようとしたグレイは見事にナツと激突した



アルト「だ、大丈夫か二人とも!?」


アルトが上手い具合に着地する



エルザ「アルト!ナツ!よかった・・・無事で何よりだ!」グイッ


エルザがアルトを胸に引き寄せる



アルト「エルザ・・・胸の鎧が硬くて痛いんだけど」ゴンッ


エルザ「さて、全員そろったところで鉄の森の場所を探すか」


アルト「あ!そういえば列車内に鉄の森を名乗る男がいた!」


ルーシィ「えぇっ!本当!?」


エルザ「そうと分かればすぐに追うぞ!!どんな特徴をしていた?」


アルト「コレといった特徴は見当たらなかったけど・・・三つ目のドクロの笛を持ってたなぁ」


グレイ「何だそりゃ趣味悪ィ奴だな」


アルトの話を聞いたルーシィが突然震えだす



ハッピー「どうしたのルーシィ?」


ルーシィ「思い出した・・・きっとその笛が呪歌(ララバイ)だ!!・・・死の魔法!!」


アルト「呪歌?」


ルーシィ「禁止されてる魔法の一つに「呪殺」ってあるでしょ?」


エルザ「ああ・・・その名の通り対象者を呪い「死」を与える黒魔法だ」


ルーシィ「ララバイはもっと恐ろしいの・・・」


アルト「呪殺よりもっと恐ろしい・・・!?」


ルーシィ「私も本で読んだことしかないんだけど・・・確か、笛の音を聴いた者全てを呪殺する・・・「集団呪殺魔法」ララバイ!!」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

電車内


乗客全員を強制的に降ろし、列車を奪ったエリゴールは笛を握っていた


エリゴール「おいカゲヤマ・・・どうしたよその顔はァ・・・」


カゲヤマ「さ、先程この列車に乗っていたハエ(妖精)にやられまして・・・」


エリゴール「ハエだぁ?そんな雑魚に鼻と歯を数本へし折られたってのか?」


台詞と同時にカゲヤマの耳が数ミリ切り裂かれる



カゲヤマ「いぎぃぃぃっ!!!」


エリゴール「勘付かれたところでどうにかなるわけじゃねぇが・・・邪魔されるのも癪だ」


カゲヤマ「っ・・・!!」


エリゴール「ハエ(妖精)か・・・飛び回っちゃいけない森もあるんだぜぇ」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ララバイの発動を止めるためエルザ達は魔動四輪車を使い猛スピードで鉄の森を追っていた



アルト「うおぁ、エルザ!!飛ばしすぎだっ!!いくらエルザでも魔力が無くなる!!」


エルザ「構わん、いざとなれば棒切れでも持って戦うさ、それに・・・今はお前たちがいるだろう」


エルザがアルトの方を向く



アルト「お・・・おう!任せとけ!!」




そうしてオシバナ駅へ到着する


しかし遅かったようで駅は既にパニック状態に陥ってしまっていた




エルザ「駅内の様子は?」サッ


駅員「は?」


エルザ「ふんっ!」


駅員「ぎゃっ!!?」


エルザは駅員に駅内の状況を次々聞いていく


即答できなかった者は容赦ない頭突きを喰らわされる



ルーシィ「即答できる人しかいらないって事なのね」


グレイ「だんだんわかってきたろ?」


アルト「ていうかナツ起きろよ・・・重い!」



その後、エルザの無茶な方法でなんとか話を聞き出した


鉄の森は駅のホームにいるらしく、そこに軍の小隊が向かったらしい




ルーシィ「な・・・なにこれ・・・」


ハッピー「全滅!!!」


アルトたちが駅のホーム前の階段に駆け付ける、その先には軍の小隊が全員横たわった姿だった



アルト「相手は闇ギルドだ、やっぱ軍の小隊じゃ勝てないか・・・」


グレイ「急げ!!駅のホームはこっちだ!!」



エルザたちは駅のホームの階段を上がる


そこには鉄の森メンバー率いるエリゴールが立っていた




エリゴール「待ってたぜぇ・・・フェアリーテイル」


エルザ「奴がエリゴールか・・・」


ルーシィ「な、何この数・・・」


アルト「ざっと100はいるな」


カゲヤマ「よォー!また会ったなハエがっ!!」


アルト「なんだお前か、随分と素敵なお顔になってんなぁ・・・ぷぷっ!」


カゲヤマ「て・・・てめぇー!ハエのくせに生意気なんだよっ!!」


魔法でカゲヤマの影が伸び、アルトを襲う



ナツ「おらぁぁァァア!!」


しかしナツが拳の炎で実体化した影を焼きちぎる



カゲヤマ「なにぃ!?」


アルト「やれやれ、ようやく復活か・・・!」


ナツ「てめぇ・・・電車の時から聞いてたぞ・・・フェアリーテイルを散々バカにしやがって・・・許さねェ!!」


エルザ「エリゴール、貴様の目的は何だ?返答次第ではただでは済まんぞ」


エリゴール「仕事も無ェし暇だからよォ・・・遊びてぇんだわ」


エルザ「遊びだと・・・!?」


エリゴール「まだ分かんねえのか?」


そう言いながらエリゴールは空中を飛び、スピーカーの前に立つ



ルーシィ「飛んだっ!?」


ハッピー「風の魔法だっ!!」


アルト「スピーカー・・・まさかアイツ!!!」


エルザ「呪歌(ララバイ)を放送するつもりか!!!」


グレイ「何だと!!?」


エリゴール「ふははははっ!!この駅の周りには何千人ものヤジ馬どもが集まっている・・・いや、音量を上げれば町中に死のメロディが響く」


エルザ「大量無差別殺人だと!?」


エリゴール「これは粛清だ、権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者へのな」


ルーシィ「元々悪いのはアンタたちでしょーがっ!!自分の事棚に上げて!!」


エリゴール「この世の不公平を知らずに生きることは罪だ!よって死神が「死」という名の罰を与えに来た」


ルーシィ「そんな事したって権利は戻ってこないのよォ!」


エリゴール「ここまで来たら欲しいのは権利じゃなくて「権力」だ、権力さえあれば全ての過去を流し未来を支配することだって出来る」


アルト「救いようのないクズだなお前ら、そんな事はさせねぇよ」


エリゴール「フン、貴様らハエには到底分からん事だ・・・」


エリゴールが風に乗って立ち去ろうとする



エルザ「逃げる気か!?エリゴール!!」


エリゴール「俺は笛を吹きに行く、後は任せたぞお前ら・・・身の程知らずのハエに鉄の森の恐ろしさを思い知らせてやれぃ」


そう言い残しエリゴールは駅の窓を割って逃げる



エルザ「ナツ!!グレイ!!今すぐ二人でエリゴールを追うんだ!!」


ナツ・グレイ「「む」」


エルザ「お前たちが力を合わせればエリゴールにだって負けるハズがない」


ナツ・グレイ「むむ・・・」」


エルザ「ここは私とアルトでなんとかする」


ルーシィ「あ、私は戦力に含まれてないんだ・・・」


エルザ「エリゴールを放っておけばララバイが放送される・・・なんとしても阻止せねばならない」


アルト「あ・・・またナツたち喧嘩してる・・・」


ナツとグレイが睨みあい喧嘩している様子をアルトがじっと見つめる



エルザ「聞いているのか!?」


ナツ・グレイ「「も・・・もちろん!行ってきまーす!!」」


そう言って肩を組みながら二人はエリゴールを追う



ルーシィ「最強チーム解散!!」



「二人逃げたぞ!」


「エリゴールさんを追う気か!?」


レイユール「まかせな、オレが仕留めてくる」


カゲヤマ「俺も行くぜ!この俺に喧嘩売ったあの桜頭をぶっ倒してくる!」


鉄の森の幹部らしき二人がナツたちを追う



ビアード「レイユールもカゲも好戦的だのう・・・あんなの放っておいてお姉ちゃんたちと遊んでればいいのに」


カラッカ「作戦の為だよ、オマエよりずぅーっとエライ」


「それにしても二人ともいい女だなぁ・・・」


「殺すにはおしい・・・」


「とっつかまえて売っちまおう」


「その前に妖精の脱衣ショー見てからだ!」



アルト「流石闇ギルド・・・下種の集まりってわけだ」


ルーシィ「可愛すぎるのも困りものね・・・」


アルト「おーい、ルーシィー帰ってこーい」


自惚れているルーシィをアルトが引き戻す



エルザ「さて、始めるか・・・」


アルト「おう!全員まとめてかかって来いやぁ!!」

 
 

 
後書き
戦闘描写嫌いだけど書いてて楽しいという矛盾 

 

大地の魔法

 
前書き
技のネーミングセンスを磨いていきたい

 

 
ララバイを止めるためエルザとアルト、ルーシィは鉄の森と対峙していた



エルザ「これ以上フェアリーテイルを侮辱してみろ、貴様らの明日は保証できんぞ」


ルーシィ「魔法剣!?」


「珍しくもねえ!」


「こっちだって魔法剣士はぞろぞろいるぜえ!」


「その鎧ひんむいてやらぁ!!」


鉄の森の魔法剣士たちが一斉にエルザにきりかかる


しかしエルザは攻撃される前に一瞬で魔法剣士たちを切り捨てる



ルーシィ「いぃ!?」


「くそっ!遠距離攻撃だ!!」


「飛び道具を喰らえ!!」


エルザ「!!」


エルザは一瞬で武器を魔法剣から槍に変化させる



「おごぉ!」


「ぐあぁ!!」


ルーシィ「槍!!」


続いて槍を双剣に変化させる



ビアード「今度は双剣!!?」


さらに双剣を斧に変化させる



「こ・・・この女、なんて速さで換装するんだ!?」


ルーシィ「換装?」


アルト「うん、魔法剣ってのはルーシィの星霊と似てて別空間にストックされている武器を呼び出すって原理で・・・」


ハッピー「あい!その武器を持ち帰ることを換装っていうんだ」


ルーシィ「へぇー!・・・すごいなぁ」


アルト「ま、こんなのエルザからすればまだ序の口だけどな」


ハッピー「エルザがすごいのはここからだよ」


ルーシィ「え?」


エルザ「まだこんなにいたのか・・・面倒だ、一掃する」


光に包まれたエルザの鎧の形状が変化していく



アルト「魔法剣ってのは通常「武器」を換装しながら戦う、だけどエルザは自分の能力を高める「魔法の鎧」にも換装しながら戦う事が出来るんだ!」


ハッピー「それがエルザの魔法・・・」





「騎士(ザ・ナイト)」





エルザは新たな鎧を換装する



ルーシィ「わぁ!綺麗!!」


アルト「いつ見てもカッコいいなぁ!!」


エルザ「舞え、剣たちよ」


エルザの周りにあった剣が円を描くように宙を舞い


鉄の森の魔導士たちを一掃していく




エルザ「循環の剣(サークルソード)」




ビアード「こんのヤロォ!!オレ様が相手じゃあ!!」


カラッカ「思い出した!コイツぁフェアリーテイル最強の女・・・妖精女王(ティターニア)のエルザだっ!!」


突撃してくるビアードをエルザは一太刀で切り捨てる



ビアード「ふごっ!」


カラッカ「ビアードが一撃かよっ!!?ウソだろ!!?」


ルーシィ「すごぉぉーい!!」


「しかし油断はいけねェな!!」


「ぶっ殺してやらぁ!!」


ルーシィ「!!」


ルーシィたちの後ろには先程の同じ数の鉄の森メンバーが立っていた


そのうちの二人がルーシィに斬りかかる



カラッカ「おぉ!お前たち待っていたぞ!」


エルザ「しまった!援軍か!!」


ルーシィ「ちょっ・・・待っ・・・!!」


アルト「ふんっ!!」


「ぐがっ!」


「ぎゃっ!!」


鉄の森の魔導士二人がルーシィに迫ったその時


アルトがルーシィを引き寄せ、敵二人を殴り飛ばす



アルト「ふぅー・・・危なかったなルーシィ!」


ルーシィ「あ、アルト・・・ありがと」


アルト「礼なんかいらねえよ、仲間だからな!」


そう言ってアルトが一歩前へ出る



アルト「エルザは手を出すなよ、俺一人で十分だ」


エルザ「そうか・・・ならば頼む」


エルザが換装を解く


魔動四輪車を飛ばして魔力を消耗したせいか、エルザの少し息が上がっている



ルーシィ「アルトの魔法・・・一体どれくらい強いんだろう・・・」





アルト「アルディマ・ルテーム」


アルトが地面に手をつき、呪文を唱える


すると大地が乾き、ちょっとした地割れが起きた



ルーシィ「!!?」


見るとアルトの手は溶岩のように赤黄色に輝いていた



アルト「この両腕は今・・・「大地」の力を身に付けた!」


ルーシィ「な・・・なにアレ・・・?」


エルザ「アルトの魔法だ・・・アルトは大地の潜在パワーを吸い取り自らの筋力と魔力に変換する」


ルーシィ「そ、それって・・・!?」


エルザ「つまり、今のアルトの両腕には大規模な「地震」に相当するエネルギーとパワーが宿っている」


アルト「逃げるなら今のうちだ!」


「チッ、なめんなハエがぁぁ!!」


「相手は素手だ!やっちまえぇぇ!!」



アルト「せいっ!!」ブアッッ


アルトが拳を構え、打ち出すと鉄の森の魔導士は後方へ吹っ飛ぶ



「ぐぁっ!!」


「な、何をしやがったあのカギぃ!?」


ルーシィ「今のって・・・衝撃波!?」


エルザ「いいや、今のはただの拳圧だ・・・アルトの衝撃波の威力はこんなものではない」


ルーシィ「えぇぇ!?拳圧で人をぶっ飛ばすって・・・どんな腕力してんのよォ!?」


エルザ「元々、アルトの肉体は魔導士とは思えないほど鍛え上げられている・・・そこに大地の力をプラスすれば・・・」


ハッピー「まさに鬼に金棒ってやつだね!」


アルト「おらおらぁ!そらどうした!?かかって来いよ!!」


アルトは鉄の森の軍勢に接近しながら拳圧でどんどん魔導士を後方へ飛ばしていく


そして鉄の森メンバー全員を上手く一箇所に集める




アルト「一応死なないように加減してやるつもりだけど・・・今から打ち出すのは地震の圧力だ・・・ちょっとばかし痛ぇぞ!!」



そう言ってアルトは右手の拳と左手の平を合わせ衝撃波を生み出す



アルト「砕け散れっ・・・!!」ゴォッッ


エルザ「まずいっ!ルーシィ伏せろっ!!」バッ


ルーシィ「きゃっ!!」グンッ


危ない雰囲気を察したエルザは急いでルーシィを伏せさせる




アルト「メテオ・ヴィザスター!!!」




右こぶしで大きな衝撃波の塊を打ち出す



「ぐぁぁァアアっ!!」


「ぎゃぁぁぁああっ!!」


衝撃波に押しつぶされ、駅のホームが一部崩壊する



ルーシィ「す・・・すっご・・・!!」


アルト「これでとりあえずアイツら全員動けないだろ」


ルーシィ「あっ!!幹部の太った男がいない!」


エルザ「カラッカが!?マズイ・・・エリゴールのところへ向かったのかもしれん、急いで追いかけてくれルーシィ!」


ルーシィ「えっ・・・あ、あたしがっ!?」


エルザ「頼む」ギロッ


ルーシィ「はいいっ!!」


ものすごい顔で睨まれたルーシィは素直に言うことを聞いた




エルザ「私たちは町の住人を避難させるぞ!」


アルト「おう!分かった!!」


そうして二人は駅の外へ走った


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


中の様子が気になり、ざわついてるヤジ馬たちの前にエルザとアルトが現れる



エルザ「命が惜しい者はすぐに逃げよ!駅は邪悪なる魔導士どもに占拠されている!そしてその魔導士たちはここにいる人間全てを殺せる魔法を放とうとしている!」


拡声器を持ち、エルザが大声で叫ぶ



エルザ「できるだけ遠くに避難するんだ!」


エルザの叫びに住人がかたまる


そして数秒たった後、町の住人達はパニック状態になり急いでこの町から避難した




駅員「な、なぜそんなパニックになるような事を・・!!?」


アルト「放っておけば人が大勢死ぬんだ!それよりは多少パニックになっても急いで逃げてもらった方がいいだろ!」


エルザ「それに私が言ったことは全て事実だ、もちろん私たちは全力で阻止するつもりだが・・・万が一ということもある、君たちも急いで避難した方がいい」


駅員はエルザの言葉を聞いた後、急いで逃げだした



アルト「これでとりあえず大量殺人は阻止できたかな・・・?」


エルザ「あぁ・・・これだけ人がいなければララバイを放つ意味がないだろう」


アルト「っていうか、外はやけに風が強いな・・・」


エルザ「言われてみれば・・・・・っ!!?」


エルザが周りを見渡してある事に気づく



エルザ「こ・・・これは・・・!?」


アルト「どうしたんだよ・・・・・ってなんじゃこりゃ!?」


エルザに続いてアルトもおかしな現象に気づく



エルザ「駅が風に包まれている!!」


驚くエルザとアルトの前にエリゴールが姿を現す



エリゴール「ん?なぜハエが外に二匹も・・・そうか・・・ヤジ馬どもを逃がしたのはてめぇらか」


エルザ「エリゴール!!」


アルト「てめぇ!降りてこいや!!」


エリゴールは自分の魔法で宙に立ち、話を続ける



エリゴール「女王様・・・てめェとは一度戦ってみたかったんだが・・・残念だ今は相手をしているヒマがねぇ」


そう言うとエリゴールはエルザを魔法で突き飛ばし、風の檻の中に入れる



アルト「エルザ!!」


エルザ「しまった!」


エルザが風の檻に触れようとするが弾かれる



エリゴール「やめておけ・・・この魔風壁は外からの一方通行だ、中から出ようとすれば風が体を切り刻む」


アルト「卑怯だぞてめぇ!!ちゃんと勝負しろ!!」


エリゴール「女王様を封じてしまえば後は楽なもんだ、オレはこれで失礼させてもらうよ」


エルザ「待て、エリゴール!まだ話は終わってないぞ!!」


エリゴールはエルザとアルトの話を無視し、風に乗って遠くへ消え去る



アルト「くそっ、どうなってんだよ!奴はどこに行った!!この駅が標的じゃねェのか!?」


エルザ「アルト!よく聞け!」


風の壁越しからエルザの声が響く



エルザ「今、私たちの中で外に出ている魔導士はお前だけだ!お前はエリゴールを追って足止めを頼む!私たちも後ですぐに向かう!」


アルト「・・・よし、分かった!任せろ!!」


エルザ「頼んだぞ!」


アルト「よっしゃぁぁぁ!!待ってろエリゴール!!」



アルトはエリゴールが消えた方向に向かって走って行った


 
 

 
後書き
なんかカッコいい技名を思いついたら遠慮なく感想板、またはメッセージで言ってください

技の効力とかも込みだと嬉しいですが名前だけでも構いません

常に募集しています

 

 

風と大地

線路上 クローバー駅近く


エリゴール「見えてきた・・・あの町がクローバー・・・魔風壁で使った魔力も回復した事だし・・・とばすか」


エリゴールのすぐ目の前にはクローバーの町が見える


クローバーの町を確認すると、エリゴーは風に乗って飛ぶ



エリゴール「我らの仕事と権利を奪った老いぼれどもめ・・・待っていろ、ララバイの音色で全員殺してやる!」


アルト「そんな事させねえって言ったろ!」


エリゴール「!?」


アルトがエリゴールの背後から声をかける




アルト「よう、死神」


エリゴール「キサマ・・・このオレのスピードに追い付いて来やがったのか!?」


アルト「俺の足の速さをなめんなよっ!これでも昔からフェアリーテイルいちの逃げ足の速さと言われてきたんだぜ!」


エリゴール「ハッ・・・バカな野郎だ!わざわざ殺されに来やがったのか!」


アルト「やってみろよ!そよ風野郎!!」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ルーシィの星霊「バルゴ」に穴を掘ってもらい魔風壁を突破したエルザたちは鉄の森一味であるカゲヤマを連れてエリゴールとアルトを追っていた


ナツ「・・・うぷっ」


ルーシィ「やっぱりこうなるのねぇ・・・」


カゲヤマ「な・・・なぜ僕をつれていく・・・?」


グレイ「なんでって・・・お前仲間から裏切られて重傷負ってんじゃねえか」


ルーシィ「そうよ!しょうがないじゃない、町には誰もいなかったんだから・・・クローバーのお医者さんに連れてってあげるって言ってんの、感謝しなさいよ」


カゲヤマ「違う!何で助ける!敵だぞ!!」


グレイ「そんなに死にてえなら殺してやろうか?」


ルーシィ「ちょっとグレイ!?」


グレイ「生き死にだけが決着の全てじゃねえだろ?もう少し前を向いて生きろよオマエ等全員さ・・・」


カゲヤマ「・・・・・」


グレイの一言にカゲヤマは黙り込む



ナツ「・・・・・うぷっ」



エルザ「ぐっ・・・目がかすむ・・・魔力を消耗しすぎたか・・・?」


魔動四輪車は最高スピードを保ちながら進む

いかにフェアリーテイル最強の女戦士エルザといえど魔力消耗は避けられない



エルザ「アルト・・・エリゴールを止めてくれ・・・!!私たちが行くまで頼んだぞ、奴を止めなければこの辺りのマスターは全滅する!!」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



アルト「かかって来いよ!そのクソみてぇなデザインの笛ごと砕いてやる!!」


エリゴール「まったくうっとおしいハエどもだぜ!!」


刀印を結んだエリゴールの指先から突風が吹き荒れる



アルト「!!」


ひるむアルトにエリゴールは追加で風の塊をぶつける


アルト「ぐおっ!!」


エリゴール「ザコが・・・消えろ」


アルト「てめぇがだっ!!」


アルトは突風の中を突き進みエリゴールに接近する



エリゴール「速い!!!」


アルト「砕破掌!!」


アルトの拳から放たれた衝撃波がエリゴールの体内で拡散する



エリゴール「う゛ぶっ・・・!!?」


アルト「まだまだァア!!」


エリゴール「ぐがぁぁぁあああ!!」


ラッシュとアッパーでエリゴールを空中へ殴り上げる



エリゴール「ち・・・調子にのるなハエがっ!!」


再び印を結ぶエリゴール



エリゴール「ストーム・ブリンガー!!!」


大きな竜巻がエリゴールの両腕から放たれ、アルトに直撃する



アルト「ぐっ・・・!!」


エリゴール「終わりだ」


アルト「誰がだよっ!!」


エリゴールは大鎌を取り出し、アルトの首めがけて振り下ろす


しかし、アルトは自らの拳で鎌の刃を砕き、その後鎌をへし折る



エリゴール「バカなっ・・・刃を素手で・・・!?」


アルト「さっきの攻撃は中々の威力だったぜ・・・お返しだっ!!」


大きく息を吸い込むアルト



エリゴール「まさか・・・口から魔法だと!?」


アルト「地龍の・・・咆哮ォォオ!!」


エリゴール「!!?」


アルトの口からは直線的な衝撃波が放たれるが、エリゴールは飛んでよける


よけられた咆哮は線路上近くの大きな岩を貫通し破壊する



アルト「あ、やべっ・・・」


エリゴール「チッ・・・随分な魔法使いやがる・・・」


アルト「やっぱ見様見真似じゃ上手くいかねぇな・・・」


エリゴール「見様見真似・・・!?」


アルト「あぁ、俺はドラゴンスレイヤーじゃねぇからな・・・今の技は俺の仲間の技を真似ただけだ」


エリゴール「(なんて野郎だ・・・やる事全部デタラメじゃねぇか・・・これがフェアリーテイルの魔導士か・・・)」


アルト「おい、それよりもてめェ!さっきから手を抜いて戦ってるだろ・・・本気だせよ!」


エリゴール「あぁ、確かに俺は貴様の力・・・少々侮っていたようだ・・・ここからは本気でいこうか・・・「お互いに」・・・な」


アルト「・・・・・!」


エリゴール「ストームメイル」


呪文と同時に突風がエリゴールの身を包む



エリゴール「いくぞ」


アルト「あぁ・・・」










カゲヤマ「あの小僧死んだな・・・」


ルーシィ「なーんでそんな事言うかなァ」


カゲヤマ「肉弾戦の魔導士じゃエリゴールさんには絶対勝てない!ストームメイルがある限りね!」










エリゴール「死ねぇ!」


回転しながら蹴りを繰り出すエリゴールから離れるアルト



アルト「このぉっ!!」


アルトが拳を繰り出すがエリゴールの身にまとっている風によって弾かれる



アルト「ちっくしょー・・・ダメか・・・」


エリゴール「それだけじゃないぜぇ・・・弾かれた腕をよく見てみろ」


アルト「なにっ・・・!!」


見ると、風に弾かれた右こぶしには無数の斬り傷が刻まれていた



エリゴール「ストームメイルは常に外に向かって風が吹いている・・・さらにこの風はただの風じゃねえ・・・刃の威力を持つかまいたちだ!」


アルト「手を出すとコッチがダメージを負うのか・・・!」


エリゴール「力だけじゃ風には勝てねえんだ」


アルト「すげェ風だ!・・・まるで台風だな!!」


エリゴール「これではオレを殴れまい!」


エリゴールが刃を模った風を放つ



アルト「危ねっ!斬れる!!」


風の刃を器用によけていく



アルト「おらぁぁぁ!!」


アルトがエリゴールに急接近する



エリゴール「無駄だ!」


更に風が強くなる



アルト「ぐっ・・・このぉ・・・!」ゴッ


エリゴール「!!」バッ


風に吹き飛ばされるのを耐え、エリゴールに拳を振るう


しかしエリゴールはその拳を受け止める



アルト「ぐあっ!!」ブシャッ


エリゴール「バカめ!手を出せば貴様の腕が切れるだけだ!」


アルト「もういっちょっ!」ドゴ


アルトは更に力を込めてエリゴールを殴る



エリゴール「っ!?(このガキ・・・よくこの突風に逆らって殴ってこられるもんだ・・・)」グッ


アルト「はぁっ!!」バゴッ


エリゴールはかろうじて拳を防ぐ、しかし力負けして後方に吹き飛ぶ



エリゴール「くっ・・・!無駄だと言っているのが分からんのかっ!?」


アルト「くっそー・・・これでもダメかぁ・・・なら!」


アルトがエリゴールに向かって走り出す



アルト「これならどうだぁぁぁあああ!!」


エリゴール「チッ、うっとおしい!ストームアロー!」


矢の形をした複数のかまいたちがアルトを襲う



エリゴール「攻撃を避ければ再びオレの攻撃するチャンスが来る!攻撃を受ければ貴様の拳の勢いがなくなる!」


アルト「うぉぉぉォォオオ!!」ブシャァァッ


アルトは急所を上手く守りながらかまいたちの中を進む



エリゴール「(まともに喰らった!これで奴の勢いは無くなるハズ!)」


アルト「ォォォオオオオ!!」


アルトの服は破け、かまいたちの矢が深く突き刺さっていく


しかしアルトはひるむどころか加速していく



エリゴール「(無くなる・・・ハズ・・・!!?)」


アルト「おらぁぁぁ!!」バキィィッ


アルトの強烈な一撃がエリゴールを殴り飛ばす



エリゴール「ぐぉぉぉァァア!!」


アルト「そんなそよ風じゃ・・・俺の拳は止められねえよ!」ブシュゥゥッ


エリゴールを殴った腕から血が噴き出す



エリゴール「(コイツ・・・正気か!?攻撃をまともに喰らって後退するどころか加速して殴って来やがった!しかもストームメイルを突き破って・・・!!)」


アルト「でも、ようやく分かったぜ・・・どの程度の力で踏み込めばそのそよ風の鎧を突き破れるかって事がな」


エリゴール「(まさか・・・このガキ、最初からそのつもりで・・・!?)」



アルト「よーし、準備運動はここまでだ・・・今度は俺も本気で行くぜ!!」


 
 

 
後書き
エリゴールのストームメイルは原作じゃかまいたちじゃないらしいですね

あとストームアローって魔法も出てきませんね

まぁ・・・そこらへんは見逃してください

 

 

ギルドとは強く生きるために

アルト「アルディマ・ルテーム」


線路にヒビが入り、アルトの両腕が赤黄色に輝く



アルト「覚悟はいいか?」


エリゴール「チッ、いきがるなよっ!ハエが!!」


両手の刀印から突風を打ち出すエリゴール



アルト「はぁっ!!」


しかしアルトは拳を振るい拳圧で突風を相殺する



エリゴール「はっ!!?」


アルト「言ったろ?そよ風じゃ俺の拳は止められない」


アルトは両足から衝撃波を打ち出し、目にも止まらぬスピードでエリゴールの前に立つ



エリゴール「!!」


アルト「はぁぁぁああ!!」ドドドドド


強化された拳でラッシュを放つ



エリゴール「(ぐっ・・・強ぇっ・・・!!)」


アルト「メテオ・ヴィザスター!!」バゴォォォン


エリゴール「がぁ・・・っ・・・!!!」ミシッ


アルト「心身ともに改めるんだな・・・!」


掌に魔力を溜める



アルト「アース・クライツ!!」ドンッッ


衝撃波の掌底を繰り出す



エリゴール「がっ・・・!!!」グシャァァアア


技をくらったエリゴールは岩場まで吹っ飛ぶ



アルト「・・・終わりか?」


エリゴールが吹っ飛んだ先に声をかけたが返事がない



アルト「まぁいいや・・・もうすぐエルザたちが来るだろうし・・・」


エリゴール「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」


アルト「!?」


粉々になった岩場からエリゴールが立ちあがってくる



エリゴール「このオレがこんなハエに負けるハズねぇぇ!!」


そうして再びストームメイルを纏う



エリゴール「くらえ!全てを切り刻む風翔魔法・・・エメラ・バラム!!」


アルト「全てを切り裂く突風かっ・・・!」


そのあまりの突風にアルトの体が浮く



アルト「やべっ!」


エリゴール「死ねぇェ!ハエ小僧ぉぉ!!!」


エメラ・バラムが線路もろともアルトを飲み込む



エリゴール「はぁ・・・はぁ・・・クソガキが・・・手間かけさせやがってぇ・・・」


よほどダメージが大きかったのか息切れしながら呟く



アルト「そりゃ悪かったな・・・余計な手間かけさせちまって」


エリゴール「!!!?」


エメラ・バラムの突風から出てきたのは平然と立っているアルトの姿だった



エリゴール「ば・・・バカな・・・あれをまともに食らって生きているなど・・・あり得ない・・・!!」ブルッ


アルト「へぇ・・・死神でも人を恐れることがあるのか・・・安心しな、次の一撃で決めてやるよ」


エリゴール「・・・あ・・・あぁ・・・」ガタガタ


アルト「だぁぁぁぁぁぁぁ!!」


アルトが魔力を一気に放出する



エリゴール「ま・・・待てっ・・・!!」





アルト「エストレア・グレイブッッ!!」





巨大な衝撃波と重力がエリゴールを押しつぶす




エリゴール「ォォォオオオ!!」


岩場に沈み込んだエリゴールはそのまま気絶した




アルト「おし!終わったな」


気絶したエリゴールを線路上まで連れて行く


同時にエルザたちが乗った魔動四輪車が到着する



ルーシィ「アルトー!!」


アルト「今来たのか・・・遅かったじゃねえか!」


エルザたちが気絶しているエリゴールに気づく



エルザ「エリゴールを倒したのか・・・流石だな」


カゲヤマ「嘘だろ!?あのエリゴールさんが負けたのか!!?」


グレイ「服がボロボロじゃねえか・・・上半身裸でみっともねえぞ」


アルト「お前に言われたくねーよ」


ナツ「くそー!俺がエリゴールをぶっ飛ばしたかったのに!!」



エルザが魔動四輪車の運転席から降りる



エルザ「何はともあれ見事だアルト、これでマスターたちは守られた」


アルト「あの趣味悪い笛はどうする?」


エルザ「ついでだ・・・定例会の会場へ行き、事件の報告と笛の処分についてマスターに仰ごう」


アルト「そうだな」


アルトが落ちている笛を取ろうとした時、カゲヤマが魔動四輪車を動かし魔法を使って笛を取る



アルト「あっ・・・てめっ!!」


エルザ「カゲ!!」


グレイ「動かすなら動かすって言えよ危ねーな!!」


カゲヤマ「油断したなハエどもめ!ララバイはここだ!!ざまあみろー!!」


ナツ「あんのヤロォォォ!!」


ルーシィ「何なのよー!せっかく助けてあげたのに!!」


アルト「んな事言ってる場合かー!!」


エルザ「すぐ追うぞ!!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


カゲヤマを追いかけたアルトたちはクローバーにたどり着いた


そして定例会の会場でマカロフに向かって笛を吹こうとしているカゲヤマを見つけた



グレイ「いた!」


ナツ「じっちゃん!」


アルト「アイツ笛を吹こうとしてるぞ!!」


茂みの中から飛び出そうとするアルトたちをボブとゴールドマインが止める



ルーシィ「こ・・・この人たちは!?」


エルザ「ブルーペガサスとクアトロケルベロスのマスター!」


ボブ「今 イイトコなんだから見てなさい♡」


ゴールド「黙ってろ、面白ェトコなんだからよ」


笛を吹くのをためらうカゲヤマにマスターが言う



マカロフ「笛を吹いたところで何も変わらんよ、弱い人間はいつまでたっても弱いまま・・・」


カゲヤマ「・・・・・!!」


マカロフ「しかし弱さの全てが罪ではない、人間なんて弱い生き物じゃ・・・一人じゃ不安だからギルドがある、仲間がいる」


カゲヤマの表情が変わっていく



マカロフ「何があろうと明日を信じて踏み出せばおのずと力は湧いてくる、強く生きようと笑っていける・・・そんな笛に頼らなくても・・・な」


笛をその場に落とし、膝をつくカゲヤマ



カゲヤマ「お見通しだったのか・・・参りました」



茂みの中に隠れて見ていたアルトたちが一斉にマカロフに駆け寄る



アルト「流石はマスターだ!」


エルザ「さすがです!目頭が熱くなりました!!」


ナツ「じっちゃんスゲェなァ!」


ナツがマカロフの頭をペシペシ叩く



マカロフ「そう思うならペシペシせんでくれ」


グレイ「一件落着だな」





その時、ララバイの笛から煙が立ち上る





笛「カカカ・・・どいつもこいつも根性のねェ魔導士どもだ」


ルーシィ「笛がしゃべった!!」


笛「もうガマンできん・・・ワシが自ら食ってやろう」


ハッピー「あの煙・・・形になってくよ!!」


ララバイの笛から出てきた煙からは巨大な悪魔のような怪物が出てきた





ララバイ「貴様らの・・・魂をな・・・」





エルザ「なっ・・・!!」


アルトたち「「「「「怪物ー!!!」」」」」


 

 

ララバイを砕け!

 
前書き
やっとララバイ編終了・・・予想以上に長かったなぁ 

 
アルト「どうなってんだこりゃあ!!」


カゲヤマ「な・・・何だ!?こんなのは知らないぞ!!」


ゴールド「こいつァ、ゼレフ書の悪魔だ!!」


ララバイ「腹が減ってたまらん・・・貴様らの魂を喰らわせてもらうぞ」


ナツ「なにーっ!!魂って食えるのかー!?」


グレイ「知るかっ!!」


アルト「もしかして美味いのか!?ルーシィ、魂くれーっ!!」


ルーシィ「あげるかぁっ!!」ビシッ





エルザ「まさか・・・魔法が生きているとでもいうのか・・・!?」


ゴールド「そう、あの怪物がララバイそのものなのさ・・・生きた魔法、それがゼレフの魔法だ」


グレイ「ゼレフ!?ゼレフってあの大昔にいた歴史上最も凶悪だった魔導士の事!?」





ララバイ「貴様ら全員の魂をまとめていただく事にしたぞ」


ルーシィ「ひぃっ!!」


ララバイが口を開け呪歌を放とうとする


それを見てルーシィや他のマスターが一斉に耳をふさぐ



アルト「させるかぁっ!!」ゴキィ


ジャンプしたアルトがララバイの顎を殴り口を閉じさせる



ララバイ「んぐっ!!?」


「おおっ!口を閉じさせたぞ!!!」


「何と!!魔法なしであの巨体を!!!」


「てか本当に魔導士かアイツ!!?」


エルザ「はぁっ!」


ナツ「おりゃあっ!!」


アルトに続き、エルザがララバイの足を斬り、ナツが顔を蹴る



ララバイ「小癪なっ」


ララバイがエネルギーの塊を打ち出す



グレイ「アイスメイク・・・盾(シールド)!!」


それをグレイが造形魔法で作った盾で防ぐ



「速い!一瞬でこれだけの造形魔法を!?」


ルーシィ「造形魔法?」


ハッピー「造形魔法は魔力に「形を与える魔法」だよ、そして「形を奪う魔法」でもある」




グレイ「アイスメイク・・・槍騎兵(ランス)!!」



ララバイ「ごあっ!!」


グレイの魔法がララバイの左腕を破壊する



ルーシィ「なんて破壊力なの!?」


グレイ「今だっ!!」


エルザ「換装!黒羽の鎧!!」


攻撃力の高い鎧と剣を換装し、攻撃するエルザ




ナツ「右手の炎と左手の炎を合わせて・・・火竜の煌炎!!」




両手で爆炎をぶつけるナツ





アルト「砕け散れ・・・エストレア・グレイブ!!」





そしてアルトが重力と衝撃波で周りの建物や木々もろとも、ララバイの体を跡形も無く破壊した




マカロフ「見事」


「ゼレフ書の悪魔がこうもあっさり・・・」


「こ・・・こりゃたまげたわい・・・」


カゲヤマ「す・・・すごい・・・これがフェアリーテイルの最強チーム!!!?」



マカロフ「どうじゃー!すごいじゃろぉぉぉ!!」


ルーシィ「すごーい!超かっこいい!!」


ゴールド「いやぁ、過程はよく分からんがフェアリーテイルには借りが出来ちまったな」


マカロフ「なんのなんのー!ふひゃひゃひゃ・・・・は・・・は・・・!!」


マカロフは突然笑うのを止め、静かにその場を立ち去ろうとする


他の者が振り返ると定例会の会場が見事に粉々になってしまっていた



「定例会の会場が・・・粉々じゃー!!」


ナツ「はははっ!見事にぶっ壊れちまったなァ!!」


「捕まえろーっ!!!!」


ナツ「おし、任せとけ!」


「お前は捕まる側だー!!」




グレイ「お前が範囲考えないで大技出すからだぞアルト!!」


アルト「なんで全部オレのせいなんだよっ!!」


ルーシィ「まぁでも実際、会場壊したのアルトの魔法だけだし・・・」


エルザ「マスター・・・申し訳ありません」


マカロフ「いーのいーの、どうせもう呼ばれないでしょ?」




こうしてアルトたちはフェアリーテイルに帰ったのであった




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

風の森のテロ事件が解決して数日・・・


今日、フェアリーテイルの前には大きな人だかりがあった

その理由は約束通りナツとエルザが決闘するからであった


ルーシィ「ち・・・ちょっと本気なの!?二人とも!!」


ミラ「あら、ルーシィ」


人だかりを避けながら前へ来たルーシィ



エルフマン「本気も本気、本気でやらねば漢では無い!!」


ミラ「エルザは女の子よ」


マックス「どっちかって言うと怪物のメスさ」


ルーシィ「だって・・・最強チームの二人が激突したら・・・」


グレイ「最強チーム?何だそりゃ?」


ルーシィ「あんたとアルトとナツとエルザじゃないっ!!フェアリーテイルの最強4人組みでしょ」


グレイ「はぁ?くだんねェ!!誰がそんな事言ったんだよ」


ミラ「」グスッ


グレイ「あ・・・ミラちゃんだったんだ・・・」


グレイにくだらねえと言われたミラが手で顔を覆い泣く



アルト「おい、グレイ!何があったか知らねえけどミラさんを泣かすなよ!」


ルーシィ「あ、アルト!」


人だかりを避け、アルトが出てくる



ミラ「アルトぉ・・・グレイがひどい事言うのよ・・・!」


ミラはまたもやアルトに泣きつく



アルト「グレイてめぇ!ミラさんに謝れよ!」


ルーシィ「ねぇ、アンタとナツとグレイとエルザがフェアリーテイルの最強チームって聞いたんだけど本当?」


アルト「はぁ?そんなわけないじゃん!誰だよそんなバカみてえな事言ったのは」


ミラ「えーん!もう、アルトなんか嫌い・・・!!」


アルト「ミラさんだったのか!?ごめんなさいっ!!」


エルフマン「確かにアルトやナツ、グレイの漢気は認めるが・・・「最強」と言われると黙っておけねえな、フェアリーテイルにはまだまだ強者が大勢いるんだ」


レビィ「最強の「女」はエルザで間違いないと思うけどね」


ジェット「最強の「男」となるとミストガンやラクサスがいると・・・「あのオヤジ」も外す訳にはいかねえな」


ミラ「私はただアルトとナツとグレイとエルザの4人が一番相性がいいと思ったのよぉ・・・」


ルーシィ「あれ、仲が悪いのが心配って言ってませんでしたっけ?」


ミラ「それなのに・・・バカみたいな事だなんて・・・うぅ・・・」


アルト「いやっ・・・あの、さっきのはつい心にも無い事を言ってしまっただけでして・・・決してミラさんがバカみたいとかそういうんじゃ無くて・・・」


ミラ「えーん!!」


アルト「うわぁぁ!本当にごめんなさい!!」


ルーシィ「あれは止めなくていいの?」


グレイ「まぁ、いつもの事だ」


ルーシィ「いつもなんだ・・・アルトも大変ね」


エルフマン「なんにせよ、面白い戦いになりそうだな」


グレイ「そうか?オレの予想じゃエルザの圧勝だが」


ミラ「でもナツも強くなったわ」←立ち直った


アルト「うん、今のナツならもしかして・・・」





エルザ「こうしてお前と魔法をぶつけ合うのは何年ぶりかな・・・」


ナツ「あの時はガキだった!!今は違うぞ!!今日こそお前に勝つ!!」


エルザ「私も本気でいかせてもらうぞ、久しぶりに自分の力を試したい」


そう言ってエルザが換装したのは対火能力用の鎧である「炎帝の鎧」




グレイ「炎帝の鎧か・・・ナツの野郎終わったな」


アルト「これでナツの攻撃力は半減・・・手加減する気ゼロだな」


ハッピー「・・・エルザにかけるね」


ハッピーは賭けをしていたカナにお金を渡す



ルーシィ「なんて愛のないネコなの!!」


ナツ「炎帝の鎧かぁ・・・そうこなくっちゃ!これで心おきなく全力が出せるぞ!!」


ルーシィ「あたしこーゆーのダメ!!どっちも負けてほしくないもん!!」


アルト「ルーシィって意外と純情だよね」





マカロフ「始めいっ!」


審判のマスターが勝負開始を宣言する




ナツ「だりゃっ!!!」


殴りかかるナツをかわし、斬りかかるエルザ


しかしナツもそれを見事にかわしエルザに蹴りを繰り出す



エルザ「」ガッ


ナツ「ぐっ!」


エルザに足を払われたナツは体勢を崩す


ナツはすかさず口から炎を吐いて反撃するがかわされる




ルーシィ「すごい!」


エルフマン「な?いい勝負してるだろ?」


グレイ「どこが」


アルト「いいぞー!ナツ、エルザ!!」




二人が拳と剣を交えようとしたその時


パァンという拍手とともに評議員の使者を名乗る者が現れる




使者「そこまでだ、全員その場を動くな」


レビィ「評議員の使者!!?」


ジェット「何でこんなところに!?」


ルーシィ「あれっ!?もっとすごい突っ込みどころがあるよね!?」


アルト「顔が・・・カエルだ・・・」


ルーシィ「アルト正解っ!!」



使者「先日の鉄の森のテロ事件において、器物損害罪、他11件の罪の容疑で・・・エルザ・スカーレットを逮捕する」


エルザ「え?」


アルト「何だとぉぉぉぉ!!?」


 

 

罪と罰

 
前書き
次章突入です 

 
エルザが連行され、静まった雰囲気のフェアリーテイル



「出せっ!!ここから出せっ!!」


「早くしねえとエルザが牢屋に行っちまうよ!」


その中、2人の声だけはいつも通り騒がしい


トカゲの姿に変えられ、逃げられぬようコップの中に閉じ込められたナツとアルトだ



「ここから出せぇぇ!」


「早く出せぇぇ!!」



ミラ「アルト・・・ナツ・・・うるさいわよ」



「「出せーっ!!!」」



ミラ「出したら暴れるでしょ?」



「暴れねえよ!!」


「つーか元の姿に戻してくれよ!」



ミラ「元の姿に戻したらアルトもナツもエルザを助けに行く!って言うでしょ?」



「言わねえよ!」


「そーだそーだ!誰がエルザなんかっ!」



グレイ「今回ばかりは相手が評議員じゃ手の打ちようがねえ・・・」



「出せーっ!俺たちが一言いってやるんだ!」


「評議員だか何だか知らねえが、間違ってんのはあっちだろ!!」



グレイ「白いモンでも評議員が黒って言えば黒になるんだ、ウチらの言い分なんか聞くモンか」


エルフマン「しっかしなァ・・・今まで散々やってきた事が何で今回にかぎって」


ロキ「ああ・・・理解に苦しむね」


ルーシィ「絶対何か裏があるのよ・・・やっぱり放っておけないわ!証言をしに行きましょ!!」


マカロフ「まあ・・・待て」


立ち上がるルーシィをマカロフが止める



ルーシィ「これは不当逮捕よ!!判決が出てからじゃ間に合わないわ!!」


マカロフ「今からではどれだけ急いでも判決には間に合わん」



「出せーっ!俺を出せーっ!!」


「何言ってんだナツ!俺を出せー!!」




マカロフ「本当に出してもよいのか?」



「出せーっ!早く出せーっ!!」


「う゛・・・・・」




マカロフが問うとアルトの方と思われるトカゲが黙り込む



マカロフ「どうしたアルト?急に元気がなくなったな」


そう言うとマカロフは二人の魔法を解き、元の姿へ戻す


すると元の姿に戻って出てきたのはナツと、もう一人の方はマカオだった



レビィ「マカオ!!!?」


ジェット・ドロイ「「えぇぇぇぇ!!!?」」


マカオ「すまねぇ・・・アルトとナツには借りがあってよォ・・・」


そう、以前アルトとナツは雪山でクエスト失敗したと思われるマカオを助けたことがあったのだった



マカオ「アルトかナツのどっちかに見せかける為に自分でトカゲに変身したんだ」


ルーシィ「じゃあ本物のアルトは!?」


グレイ「まさかエルザを追って・・・!?」


マカオ「あぁ・・・たぶん」


ナツ「ちくしょー!なんで俺に行かせてくれなかったんだよマカオ!!」


マカオ「お前が行けば評議会がメチャクチャになっちまうだろうが!」


エルフマン「いや、アルトが行っても同じだと思うぞ・・・仲間のためなら評議員すら殴り飛ばしそうだ」


レビィ「た、確かに・・・」



マカロフ「全員黙っておれ、静かに結果を待てばよい」


ルーシィ「・・・・・」


マカロフの一言でギルドメンバー全員が静まった




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

評議院 フィオーレ支部



裁判長「被告人、エルザ・スカーレットよ」


評議会のメンバーに囲まれている仲、裁判長の思念体が12件の罪名を全て読み上げる




裁判長「目撃証言によると・・・犯人は鎧を着た女魔導士であり・・・」


裁判長が話している途中、裁判所の壁が何者かによって破壊される



裁判長「何事!?」



破壊された壁から現れたのはエルザに変装したアルト


アルト「俺が・・・いや、私が鎧の魔導士だぁぁぁ!!捕まえられるものなら捕まえてみやが・・・みなさいっ!!」


慣れない口調で喋りながら裁判所の奥へ踏み込む



アルト「わ・・・私がエルザだぁぁ・・・エルザよ!何の罪だか言ってみ・・・みなさい!」


エルザ「・・・・・」


評議員一同「「「「「・・・・・」」」」」


アルトの思いがけない行動にエルザはため息をつき、評議員は全員ポカンとした顔をする



アルト「それぁギルドマスターの命より重てぇ罪なんだ・・・なんでしょうねぇ!!」


数秒の沈黙・・・そして裁判長がため息を一つつき、口を開く




裁判長「ふ・・・二人を牢へ」


エルザ「も・・・申し訳ありません・・・」


アルト「おいエルザ!こんな奴らに謝る事なんかねぇぞ!!あ、違う!俺がエルザだった・・・!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


牢内


結局、牢内に入れられたアルトとエルザは今日一晩、牢内で過ごすことになった



エルザ「おまえにはあきれて言葉もない、これはただの「儀式」だったんだ」


アルト「儀式!!?」


エルザ「形だけの逮捕だ 魔法界全体の秩序を守る為、評議会としても取り締まる姿勢を見せておかねばならないのだ」


アルト「い、意味分かんねぇー・・・どういう事だよ」


エルザ「つまり 有罪にされるが罰は受けない、今日中にでも帰れたんだ・・・おまえが暴れなければな」


アルト「えーっ!!?」


エルザ「まったく・・・それと、ちょくちょく直そうと努力していたようだが・・・私はあんな口調ではない!」


アルト「う゛・・・」


グダグダだった口調の事を突っ込まれ申し訳なさそうな顔をするアルト



エルザ「直した口調ですら違うとはどういう事だ・・・?」


アルト「ごめん・・・エルザの口調ってよく分からなくて・・・一応、俺なりに「女」を意識した口調だったんだけど・・・」


エルザ「・・・女か」


アルト「う、うん・・・」シュンッ


エルザ「・・・ふふっ、可愛い奴め!」ガシャ


エルザがアルトを抱き寄せる・・・が、抱き寄せられたアルトの頭がエルザの胸の鎧に勢いよく当たる



アルト「痛ぁっ!!だから、いつも言ってるけど引き寄せるなら胸の鎧外してからにしてくれねえかなァ!!」


エルザ「助けに来てくれて嬉しかったぞ、アルト」


そう言った後、アルトの頭を優しく撫でる



アルト「・・・そう・・・なら、良かった!」



その後もエルザはしばらくアルトを傍に置き、一晩を過ごした


そんな二人を遠くから見つめる男がいた





ジークレイン「なるほど・・・ナツ・ドラグニル同様、フェアリーテイルにいたのか・・・アルトレア・ウィルダント」

 
 

 
後書き
イチャイチャできる場面がないな・・・

 

 

S級クエスト

アルト「やっぱり自由ってのは素晴らしい!!」


牢から出られたアルトとエルザはいつも通りフェアリーテイルで騒がしい日を過ごしていた



アルト「フリーダァーッム!!」


ナツ「なぁ、おいアルト!牢獄ってどんな感じだったんだ!?」


アルト「いやぁ、それがさぁ――」



「やかましいっ!」


「2人共おとなしくしてろよ」


ルーシィ「ナツと一緒にもう少し入ってくれればいいのに・・・」


エルフマン「・・・で、エルザとの漢の勝負はどうなったんだよナツ」


ナツ「そうだ!!忘れてたっ!!この前の続きをやるぞエルザー!!」


エルザ「よせ・・・疲れてるんだ」


ナツ「行くぞー!!」


再勝負に燃えるナツはエルザの言葉を無視し殴りかかる


しかし、エルザがナツを一撃でふっ飛ばしナツは戦闘不能となる



グレイ「ぎゃはははっ!だせーぞナツ!!」


ルーシィ「あーあ・・・また店壊しちゃってぇ」


エルザとナツの壮絶な戦いが終わった


その頃アルトはカウンターに座りミラと楽しそうに喋っていた



ミラ「ふふっ、勝負はエルザが勝ったみたいよ」


アルト「ん・・・あぁ・・・?」トローン


ミラ「あら?どうしたのアルト、眠いの?」


アルト「んー、なんか急に眠くなって・・・なんでだ・・・??」ゴシゴシ



マカロフ「ふぬ・・・恐らく奴が近くにいるのじゃ」


ミラ「あ」カクン


マカロフが台詞を言い終えると同時にミラが深い眠りに落ちる




エルフマン「!」


グレイ「これは!!」


エルザ「くっ・・・」


ルーシィ「」パタン


ミラだけではない、フェアリーテイルのほとんどの魔導士が眠りにつく



アルト「ぐっ・・・あぁ・・・Zzz・・・」


アルトも皆と同じく眠りについた


マカロフ以外の魔導士が眠りについたころ、ギルドの扉を開けて入ってきた男がいた



マカロフ「ミストガン」


ミストガン「・・・・・」


顔を布で覆っている男、ミストガンは依頼板の前に立ち依頼書を取る



ミストガン「行ってくる」


マカロフ「これっ!!眠りの魔法を解かんかっ!!!」


ミストガン「伍・・・四・・・参・・・弐・・・壱」


カウントダウンと共にミストガンはギルドをあとにする



アルト「っ!!」パチッ



ミストガンがいなくなると同時にギルドのメンバーは全員目を覚ます



ナツ「Zzz・・・」


アルト「ナツは相変わらず一度眠ったら起きないね」


ナツだけはミストガンの眠りの魔法が解けても眠ったままだ




「この感じはミストガンか!!?」


「相変わらずスゲェ強力な眠りの魔法だ!!」


ルーシィ「ミストガン?」


アルト「フェアリーテイル最強候補の一人だよ」


ルーシィ「最強候補って・・・エルザと同じくらい強いって事!?」


アルト「うん、どういう訳か誰にも姿を見られたくないらしくて、仕事をとる時はいつもこうやって全員を眠らせていくんだよなぁ・・・」


ルーシィ「何それ怪しすぎっ!!」


アルト「あー!今回こそ寝ないでミストガン見ようと思ったのによォ!!」


グレイ「だからマスター以外誰もミストガンの顔を知らねえんだ」




「いんや・・・オレは知ってっぞ」


2階から声が響く




「ラクサス!!」


「いたのか、めずらしいなっ!!」


ナツ「!」ピクッ


ラクサスの声を聞き、目を覚ますナツ



ルーシィ「誰・・・?」


グレイ「もう一人の最強候補だ」




ラクサス「ミストガンはシャイなんだ、あんまり詮索してやるなよ」


ナツ「ラクサスーッ!!オレと勝負しろーっ!!」


目が覚めたナツはいつものようにラクサスに喧嘩を売る



ラクサス「やめとけ、エルザごときに勝てねえようじゃオレには勝てねえよ」


エルザ「それはどういう意味だ」ゴゴゴゴ


挑発的な言葉に腹を立てるエルザ、それを他のメンバーがなだめる



ラクサス「俺が最強って事さ」


ナツ「降りてこい!コノヤロウ!!!」


ラクサス「お前が上がってこい」


ナツ「上等だ!!」


ナツが急いで2階に上ろうとするが、マカロフに止められる



マカロフ「2階に上がってはならん・・・まだな」


ラクサス「ははっ!!怒られてやんの」


マカロフ「ラクサスもよさんか」


ラクサス「なんならてめェも仕掛けてきていいんだぜェ?アルトレア!!」


ラクサスは突っかかる相手をアルトに変える



ラクサス「てめェはナツと違ってオレに喧嘩を仕掛けてきた事ねぇよな?」


アルト「俺は別に最強とか興味ないからな」


カウンターに座ったままアルトは冷静に答える



ラクサス「同じギルドの仲間と戦うなんて僕にはできましぇーん・・・ってか?」


アルト「・・・そんなとこ」


ラクサス「ははっ!とんだ腰ぬけだな!!」


アルト「そうだな」


ラクサスの挑発を軽く聞き流す



ラクサス「フェアリーテイル最強の座は誰にも渡さねえよエルザにもミストガンにも・・・あのオヤジにもな!オレが・・・最強だ!!!」















ラクサスの一件から少したって・・・


ルーシィ「さっきマスターが言ってたでしょ?2階には上がっちゃいけないってどうゆう意味ですか?」


ミラ「ルーシィにはまだ早い話だけどね、2階の依頼板にはS級のクエストと呼ばれる難しい仕事が貼ってあるのよ」


ルーシィ「S級!!?」


ミラ「一瞬の判断ミスが死を招くような危険な仕事よ、その分報酬も高いけどね」


ルーシィ「うわ・・・」


ミラの話を聞いてルーシィは絶句する



ミラ「S級の仕事はマスターに認められた魔導士しか受けられないの、資格があるのはたった5人、その中でも代表的なのはエルザとミストガンと・・・ラクサスね」


ルーシィ「そういえばラクサスって人、あんまり良い人じゃ無さそうだったわね・・・聞いたことある名前だからすごい魔導士なんだろうけど」


アルト「まぁ、ラクサスもS級魔導士だからな・・・実力は間違いなくフェアリーテイル内「最強」を争えると思うぞ」


ルーシィ「だいたい、アンタもスカしてないで少しは言い返したら良かったじゃない!」


アルト「うーん・・・俺、ラクサスは昔からどうも苦手なんだよなぁ・・・だからあんまり長く話したくないって言うかさ・・・」


ミラ「とにかく、S級なんて目指すものじゃないわよ 本当に命がいくつあっても足りない仕事ばかりなんだから」


ルーシィ「みたいですね」















夜中の道を2人の男女が並んで歩く


ルーシィ「で・・・なんで帰り道にアルトがついてくるわけ?」


アルト「だって小説の続き書いたんでしょ?なら見せてもらわなきゃな」


ルーシィ「言っとくけど、今度こそ真面目に見てよ!?」


アルト「俺はいつでも真面目に読んでるよ!前回のは書かれてあったシーンを想像したら笑っちゃっただけで・・・くくっ・・・!」


ルーシィ「もうっ!笑わないでってばぁ!//////」


アルト「分かった分かった!もう笑わないよ」





ルーシィ宅のドアを開ける


ナツ「おかえり」


ハッピー「おかー」


ルーシィとアルトを筋トレしてたナツとハッピーが迎える



ルーシィ「きゃああああっ!汗くさーい!!」


ナツ「ふんごっ!」


筋トレしてるナツにルーシィがとび蹴りをかます



ルーシィ「筋トレなんかじぶん家でやりなさいよ!」


アルト「よっしゃー俺もやるぜっ!ふんっ!ふんっ!」


ナツたちと一緒にアルトも筋トレを始める



ルーシィ「ナツたちは帰ってよ!アルトまで一緒になってやらなくてもいいっ!!」


ナツ「俺たちはチームじゃねぇか ホラ、お前の分」


そう言ってナツはピンク色の鉄アレイを渡す


アルト「良かったなルーシィ!お前ピンク好きだろ!?」


ルーシィ「それ以前に鉄アレイに興味ないしっ!!」


ナツ「エルザやラクサスを倒すにはもっと力をつけねえとな!」


ハッピー「あいさー」


アルト「俺ももっと強くなって早く一人前の魔導士になるぞー!!」


ルーシィ「あたし関係ないし・・・ってかアルトも小説読まないなら帰ってよ!!」


ナツ「今日は修行でオールだ」


アルト「というわけで今日はルーシィん家泊まりだな」


ルーシィ「誰か助けてぇぇぇっ!」


ナツ「オレ決めたんだ」


ルーシィ「?」


アルト「何を?」


ナツの突然の言葉にアルトたちは問う




ナツ「S級クエストに行くぞアルト、ルーシィ!!!」


ハッピーがS級の依頼書をアルトたちに見せる




アルト「すっげぇぇ!S級クエストっ!?」


ルーシィ「どうしたのよ、それぇぇぇぇ!!」


 
 

 
後書き
アルトはラクサスの挑発を流していましたが実際はかなりイラついてるという設定で

アルトも密かに負けず嫌いなんです

 

 

悪魔の島

 
前書き
デリオラ編長くなりそうだなぁ

 

 
ミラ「たいへーん!!!」


アルトたちのいないフェアリーテイル内にミラの叫び声が響く



ミラ「マスター!!2階の依頼書が一枚なくなっています!!!」


マカロフ「ぶぶぅっ!」


話を聞いたマカロフが口に含んでいた酒を噴き出す



ラクサス「オウ、それなら昨日の夜どろぼう猫がちぎっていったのを見たぞ・・・羽のはえた・・・な」


ミラ「ハッピー!!?」



「つー事はナツとアルト・・・ルーシィまで一緒か!?」


「何考えてんだあいつ等!!」


「S級クエストに行っちまったのか!!?」



ラクサス「これは重大なルール違反だ・・・じじい!奴らは帰り次第・・・破門だよな」


マカロフ「・・・・・」


ラクサス「つーか、あの程度の実力でS級に挑むたァ・・・帰っちゃこないだろうがな、ははっ!」


ミラ「ラクサス!!知ってて何で止めなかったの?」


ラクサス「俺にはどろぼう猫が紙キレくわえて逃げてった風にしか見えなかったんだよ、まさかあれがハッピーでアルトとナツがS級行っちまったなんて思いもよらなかったなァ」


ミラ「・・・・・」


ラクサスを見るミラの顔はいつものような穏やかな雰囲気ではなかった



ラクサス「お?アンタのそんな顔久しぶりだなァ」


マカロフ「マズイのう・・・消えた紙は?」


ミラ「呪われた島、ガルナ島です」


マカロフ「悪魔の島か!!!!」



悪魔の島という言葉にギルドのメンバーが全員ざわつく




マカロフ「ラクサス!!連れ戻して来い!!」


ラクサス「冗談・・・オレはこれから仕事なんだ、てめぇのケツをふけねえ魔導士はこのギルドにはいねえ・・・だろ?」


マカロフ「今ここにいる中でオマエ以外誰がナツとアルトの2人を力ずくで連れ戻せる!!?」


マカロフがラクサスに頼み込む


すると突然座っていたグレイが立ちあがった



グレイ「じーさん・・・そりゃあ聞き捨てならねえなァ」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ハルジオン 港


アルト、ナツ、ルーシィ、ハッピーの4人は「呪われた島 ガルナ島」へ行くために港町ハルジオンに来ていた



アルト「ルーシィって意思弱いよねー・・・最初はS級が怖いだの、ギルドのルールを守れだの言ってたのに・・・」


ルーシィ「い、いいじゃない別に!黄道十二門の鍵なんて滅多に手に入らないのよ!!」


ルーシィは最初、S級クエストに行くナツを止めようとした


しかし、報酬の中に黄道十二門の鍵が含まれているのを聞いてついてきたのであった



ルーシィ「それにしても懐かしいわねー!」


アルト「俺たちがルーシィと初めて出会った町だよな」


ナツ「懐かしい・・・って、そんな昔の事でもねえだろ」


ハッピー「ルーシィばーちゃん・・・ぷっ」


ルーシィ「いい?まずはガルナ島に行く船を探すの」


ナツ「船だと!?無理無理!!泳いでいくに決まってんだろ」


船が苦手なナツはルーシィの提案を拒否した



ルーシィ「そっちの方が無理だから」


結局ルーシィの案に決まり、アルトたちはガルナ島まで乗せてくれる船乗りを探す



「ガルナ島?冗談じゃねえ、近寄りたくもねーよ」


「勘弁してくれ・・・名前も聞きたくねえ」


「この島の船乗りはあの島の話はしねえ」


「呪いだ・・・何だって縁起が悪ィったらありゃしねえ」



しかし、ハルジオンの船乗りたちはことごとくガルナ島の話を避ける




おじさん「何しに行くか知らねえが・・・あそこに行きたがる船乗りはいねえよ、海賊だって避けて通る」


ルーシィ「そんなァー・・・」


ナツ「決定だな、泳いで行くぞ」


アルト「えー・・・離れた島まで泳ぐの疲れそうだなぁ・・・」


おじさん「泳ぐ?それこそ自殺行為だ、巨大ザメが怖くねえなら別だがな」


ナツ「オウ!怖かねえや!!黒こげにしてやるよ」


アルト「海じゃ火の魔法は使えないだろ」


アルトたちが口論してる最中、アルトの背後に一人の男が近づく



グレイ「みーつけた」



アルト・ナツ・ルーシィ「「「!!!」」」


ルーシィ「グレイ!!?」


ナツ「何でここに!!?」


グレイ「つれ戻してこいっていうじーさんの命令だよ」


アルト「もうバレてたのか!?」


グレイ「あぁ、ミラちゃんがメチャメチャ心配してたぞアルト」


アルト「え゛・・・!?」


グレイ「今ならまだ破門をまぬがれるかもしれねえ、戻るぞ」


ルーシィ「破門!!!」ガーン


ナツ「やなこった!!オレはS級クエストやるんだ!!」


アルト「そうだ!こんな面白そうな冒険滅多にできないんだからな!!」


グレイ「お前らの実力じゃ無理な仕事だからS級って言うんだよ!!!」


アルト「それでも俺たちはなァ――」


グレイ「よく考えろよお前等・・・!この事がエルザに知られたらオメェ・・・」


アルトたち「「「「エルザに知られたらァ・・・!!!」」」」


グレイの一言に一同かたまる



ハッピー「グレイー助けてー・・・オイラこの3人に無理やり・・・」


エルザの名を聞いた途端ハッピーはグレイ側へつく



ルーシィ「この裏切り者ォ!!」


アルト「ここまで来たら引き返すワケにはいかねえんだ!行かせてくれよグレイ!!」


グレイ「駄目だ、マスター直命だ!!てめぇら全員ひきずってでも連れ戻してやらァ!!」


ナツ「なにぃ!?上等だコラァ!!」


グレイ「ケガしても文句言うなよ!!」


ナツとグレイが魔法を使い、喧嘩を始める



ルーシィ「ち・・・ちょっとアンタたち・・・!!」


おじさん「あんたら・・・魔導士だったのか・・・?」


アルトたち「「「「「!!!」」」」」


アルトたちに声をかけたのは、先程ガルナ島まで乗せてほしいという頼みを断った船乗りだった




おじさん「ま・・・まさか島の呪いを解く為に・・・」


ナツ「オウ!!」


ルーシィ「い・・・一応・・・(自信なくなってきたけど)」


アルト「もしかして乗せてってくれるのか!?」


グレイ「行かせねーよ!!!」


アルトたちがそういうと船乗りは少し考えた



おじさん「乗りなさい」


ナツ「おおっ!よっしゃ!!」


アルト「へへっ!そうと決まれば・・・!」


グレイ「あ?」


突然、アルトがグレイの腹を殴り気絶させる



グレイ「ふんごっ!!?」


アルト「悪いな、グレイ」


ナツ「よし!船に乗せろ!!」


気絶したグレイの体を縛り、アルトとナツが協力して船に乗せる



ルーシィ「ちょっとグレイも連れてくの!?」


アルト「当たり前だろ!グレイがギルドに戻ったらエルザが来るぞ!!」


ルーシィ「ひぃぃぃっ!!」



ナツ「S級の島へ出発だ!!」








―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


船に乗せてもらったアルトたちはガルナ島に向かっていた



ナツ「うぷ・・・」


ルーシィ「今さらなんだけどさ・・・ちょっと怖くなってきた」


グレイ「てめ・・・人を巻き込んで何言ってやがる」


アルト「それにしても・・・何で急に船を出してくれたんだ?」


グレイ「そうだオッサン!何でコイツらなんかに船を出した!?いい迷惑だぜ」


おじさん「オレの名はボボ・・・かつてはあの島の住人だった・・・」


グレイが質問した後、ボボが話し始める



ボボ「逃げだしたんだ、あの忌まわしき呪いの島を」


ハッピー「ねえ、その呪いって・・・?」


ボボ「禍は君たちの身にもふりかかる、あの島に行くとはそういう事だ・・・本当に君たちにこの島の呪いが解けるかね?」


ハッピーの質問を受け、ボボが今までマントで隠していた左腕を見せる



ボボ「悪魔の呪いを」



見ると、ボボの左腕は悪魔の腕のような禍々しい形であった




グレイ「オッサン・・・その腕・・・」


ルーシィ「呪いって・・・まさか・・・その・・・」


アルト「・・・・・!」


ボボ「見えてきた、ガルナ島だ」


目の前には不気味な雰囲気が漂うガルナ島が見える


アルトたちは全員ガルナ島の方を向いた



アルト「あれが・・・ガルナ島・・・」


ルーシィ「ねぇ・・・オジさん」


ルーシィたちが後ろを振り返る


しかしボボの姿はそこにはなかった



ルーシィ「あ・・・あれ?いない?」


アルト「消えたっ!?」


グレイ「落ちたのかっ?」


グレイが水面に向かって叫ぶ、ハッピーは海に潜ってボボを探す


だが、海の中に人らしき影はなかった



ハッピー「いないよ」


ルーシィ「うそ?どうなってんの?」


アルト「透明人間かぁっ!?」


アルトたちがボボを探していると、突然大きな音がした


その音はやがて大きくなり、こちらに近づいてくるようだ



ルーシィ「きゃあああ!!!大波!!!」


アルト「グレイ!今すぐこの波を凍らせろっ!」


グレイ「こんな大波無理だ!つーか体縛られてんのに出来るわけねえだろ!!」


アルト「でもこのままじゃのまれるぞ!!」


ルーシィ「ハッピー!!船を持ち上げて飛ぶのよ!!」


ハッピー「無理だよォ!!!」


ナツ「うぷ・・・」


グレイ「つーかコレほどけ!!死ぬ!!!」


そうこう言ってるうちに船は大波にのまれる



ルーシィ「きゃああああ!!」


グレイ「くそっ!!!てめぇらのせいで!!!」


アルト「あああぁぁぁぁ!!!」




船はバラバラに崩壊し、アルトたちは波に流されてしまった


 
 

 
後書き
だんだん更新ペース落ちてくテンプレ小説

 

 

ガルナ島の呪い

大波にのまれたアルトたちはガルナ島の海辺に打ち上げられていた



ルーシィ「ここは・・・みんな無事!?」


倒れていたルーシィが起き上がり、辺りを見渡す



アルト「あ・・・あぁ、とりあえず全員無事だ・・・」


ナツ「おおっ!!着いたのか、ガルナ島!!」


ルーシィ「どうやら昨日の大波で海辺に押し寄せられたみたいね」


アルト「いやー、死ぬかと思ったわ」


ルーシィ「ていうかあんたの魔法でどうにか出来なかったのアルト?」


アルト「あ・・・おっさんが消えた衝撃で忘れてたわ」


ルーシィ「そっか・・・それもそうよね、何だったんだろ?あの腕・・・悪魔の呪い?」


アルト「まぁ、悪魔の呪いに関しては依頼主に聞けば全部わかる事だ、依頼主の家はどこにあるんだ?」


ルーシィ「この島には一つ村があるらしいの、そこの村長さんが今回の依頼主よ」


アルト「じゃあ、まずはその村に行くか」


ナツ「よっしゃー!燃えてきたぁ!!」




グレイ「待ちな」


アルトたちが歩き出すとグレイが声をかける




アルト「なんだグレイ?」


ナツ「ここまで来たらもう連れ戻せねーぞ!!」


グレイ「いや・・・オレも行く」


アルト「え・・・?」


グレイ「やっぱりお前らだけ先に二階に行くのシャクだし、破門になったらそれはそれでつまらん」


ルーシィ「グレイ・・・!」


グレイ「行こうぜ」


アルト「よっしゃっ!じゃあ早速出発だ!!」






アルトたちがたどり着いた村の門には「KEEP OUT」という文字が書かれていた




グレイ「立ち入り禁止・・・ってどんな村なんだよ」


ルーシィ「すいませーん!!開けてください!!」


ナツ「まいったな」


アルト「しょうがない・・・壊そう」


ルーシィ「ダメ!!!」



門番「何者だ」


ルーシィ「!」


そんなやりとりをしていると門の上から声がかかる


どうやらこの村の門番らしい




ルーシィ「フェアリーテイルの魔導士です、あの・・・依頼を見て来たんですけど・・・」


門番「フェアリーテイル?依頼が受理されたという報告は入っていない」


ルーシィ「いや・・・あの・・・」


グレイ「何かの手違いで遅れたんだろ、村に入れねえなら帰るけど」


返答に困るルーシィをグレイがフォローする




門番「全員、紋章を見せろ」



門番に言われた通り、アルトたちは全員フェアリーテイルの紋章を見せる




門番「・・・では、その女の服を脱がしなさい」


ルーシィ「何でよ!!?関係ないでしょ!!!」


門番「うむ・・・すまん、調子こいた・・・入りなさい」



門番が村の門を開ける


村に入ると同時に村長らしき人物がアルトたちを迎える



村長「よくぞ来てくださった、魔導士の方々・・・さっそくですがこれを見て頂きたい・・・皆の者、布をとりなさい」


村長の言葉を聞いた村人は次々と布をとっていく


村長と村人たちの体の一部はボボ同様、悪魔のような形になっていた



グレイ「やはり・・・」



ナツ「スゲェモミアゲ!!」


村長「いや・・・見てほしいのはこっちじゃ・・・」


アルト「やっぱり、これが悪魔の呪いってやつなのか・・・」


村長「その通りです、そしてこの島にいる者全て・・・犬や鳥まで例外なく、この呪いにかかっております」


グレイ「言葉を返すようだが何を根拠に「呪い」だと?はやり病とは考えねえのか?」


村長「何十人という医者に見てもらいましたが、このような病気はないとの事です」


アルト「呪いの原因とかは分かるのか?」


村長「はい・・・恐らくですが、こんな風になってしまったのは「月の魔力」が関係しておるのです」


ルーシィ「月の魔力?」


村長「元々この島は古代からの月の光を蓄積し、島全体が月のように輝く美しい島でした・・・しかし、何年か前に突然月の光が紫色に変わり始めたのです」


アルト「紫色の月!?」


ナツ「聞いたことねーぞ」


村長「外から来た者は皆そう言うのです・・・だが、現にこの島の月は紫になった・・・そして紫の月が現れてからワシ等の姿が変わりだした」


村長が話している内に、月が空に浮かび上がる


その色は今まさに話していたとおり「紫色」だった



ルーシィ「本当だ・・・紫・・・」


グレイ「気味悪ィな・・・コイツは・・・」


村長「これは月の魔力の呪いなのです・・・・・う゛っ!!」


月が完全に現れたと同時に村長と村の人たちが叫び、苦しみ始める


やがて叫び声が止み、村長たちを見るとその姿は完全に「悪魔」に似たものだった



アルト「な、なんだ・・・こりゃ・・・」


ルーシィ「ど、どうしちゃったの・・・」


村長「驚かせて申し訳ない・・・紫の月が出ている間・・・ワシ等はこのような醜い悪魔の姿へと変わってしまう」


アルト「た、確かにこれは呪い・・・だな」


村長「朝になれば皆、元の姿に戻ります・・・しかし、中には元に戻れず心まで失ってしまう者が出てきたのです」


ルーシィ「そんな・・・」


村長「心まで悪魔になってしまった者を放っておけば皆がその悪魔に殺される・・・幽閉しても牢など壊してしまうので、心を失い悪魔と化してしまった者は殺す事に決めたのです」



そう言うと村長は懐から一枚の写真を取り出す



村長「だから・・・ワシも息子を殺しました・・・心まで悪魔になってしまった息子を
・・・」


その写真に写ってる男性は昨日突然消えた船乗りのボボだった



アルト「な、なんだとっ・・・!?」


ルーシィ「で、でも・・・あたしたち昨日・・・」


グレイ「ようやく消えちまった理由が分かった・・・そりゃあ・・・うかばれねえわな」


ルーシィ「幽霊・・・!!」


村長「さぞ高名な魔導士方とお見受けします、どうかこの島を救ってください・・・このままでは全員・・・心が奪われ・・・悪魔に・・・」


アルト「そんな事にはさせねぇ!!」


村長「私たちの呪いを解く方法は一つ・・・月を破壊するしかないのです」









――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


依頼を遂行するため今日一日ガルナ島の村に泊まることになったアルトたちは、月を破壊する方法をなんとか考えていた



ハッピー「見れば見るほど不気味な月だね」


ルーシィ「ハッピー早く窓閉めなさいよ、村長さんの話聞いてなかったの?」


ハッピー「なんだっけ」


ルーシィ「月の光を浴びすぎるとあたしたちまで悪魔になっちゃうのよ」


村長さんの話によると月の魔力を浴びすぎると悪魔になってしまうようである



アルト「それにしてもどうしようか・・・」


ナツ「まいったな」


グレイ「あぁ、さすがに月を壊せってのはな・・・」


アルト「何発も殴れば壊せるんじゃねえか?」


ナツ「でも相手は月だ、何発殴れば壊れるか見当もつかねえ」


グレイ「壊す気かよ!!!」


ルーシィ「でも、どんなすごい魔導士でも月を壊せる人なんていないと思うんだけど・・・」


グレイ「そうだ、月を壊すなんて無理なんだよ」


アルト「でも出来なきゃS級クエストを達成したことにならねえ、何よりフェアリーテイルの名折れだ」


グレイ「第一、月までどうやって行くつもりだ」


ナツ「そこはハッピーだろ」


ハッピー「流石に無理」


ルーシィ「月を壊せっていうのはきっと被害者の観点から出てくる発想じゃないかしら」


アルト「つー事は他に呪いの解く方法があるってわけか?」


ルーシィ「うん・・・多分だけどね」


グレイ「だといいんだがな」


大きな欠伸をするグレイ、ナツも疲れが出たのかシーツの上に転がる



アルト「じゃあひとまず今日のところは寝るか、呪いを解く方法は明日探そう」


ナツ「おう!なら明日は島を探検だ!」


ハッピー「あいさー!」


ルーシィ「そうね、あたしも眠いし・・・寝よ」


アルトたちは全員並んで眠りに就く



ナツ「ぐがぁぁ・・・ぐごぉぉ・・・」


グレイ「すかー・・・すかー・・・」



ルーシィ「・・・って、こんな獣と変態の間でどーやって寝ろと!!?」


ルーシィはナツとグレイに挟まれているため、左側ではナツのうるさいイビキが響く


さらに右側を見ればグレイはパンツを履かずに全裸で寝ていた



アルト「Zzz・・・」


そんな中、まともに寝ているアルト



ルーシィ「あーもう、ナツとグレイの隣で寝るの不安だからアルトの隣に行こ・・・」


枕をもったルーシィがアルトの隣で寝る



ルーシィ「ふぅー・・・これでやっと安らかに眠れそう・・・」


ふと見るとすぐ傍にはアルトの顔がある


普段の騒がしい感じとは違って、静かに眠っているアルトはどことなく可愛げがあった



ルーシィ「・・・・・/////」カァァ


アルト「Zzz・・・」


ルーシィ「な、なんであたしがアルトのすぐ隣で寝なきゃいけないのよっ!!/////」バシッ


アルト「痛ぁっ!急に何すんだ!おとなしく寝ろよっ!!」


 

 

厄災の悪魔デリオラ

 
前書き

更新は三日に一回が平均ペースになりそう・・・?

 

 


ガルナ島に到着してから一日たち・・・


ナツ「早ェよ」


グレイ「まだめっちゃ朝じゃねえか」


アルト「ルーシィが隣りに来たせいで狭くてよく寝れなかったよ・・・」


ルーシィ「し、仕方ないじゃない!ナツとグレイの横じゃうるさくて眠れなかったんだから!/////」


朝早いため、アルトたちは寝不足気味だ



門番「早いですね、辺りが悪魔だらけじゃ眠れませんでしたか?」


ルーシィ「そうじゃないの、気にしないで」


「月を壊す前に島を調査したい」という理由で門番に許可を得た後アルトたちは島の調査の為、森へ向かった




ナツ「何だよォ!!!昨日あれだけ月を壊すのは無理とか言ってたのによォ!!」


グレイ「無理だよ、村の人の手前壊すって言ったんだよ」


アルト「たとえ壊せたとしても俺は月を壊したくないなぁ・・・フェアリーテイル特製の月見定食が食えなくなる」


ナツ「そっか月見ステーキも無くなっちまうのか!!」


ハッピー「オイラ月見塩魚なくなると困るよ」



「ちょっとアンタたち、何がいるか分からないんだから大声出さないでくれる?」



ホロロ「・・・と申しております」


島の呪いが怖いルーシィは時計座の星霊である「ホロロギウム」の中に入り、身を守っていた



アルト「やっぱ星霊ってすげぇな」


ナツ「自分で歩けよ」



「だ、だって相手は呪いなのよ・・・実体がないものって怖いじゃない」



ホロロ「・・・と申しております」


アルト「なぁに、安心しろよルーシィ!呪いなんて俺がぶっ飛ばしてやる!」


グレイ「いいや、俺が凍らせてやる」


ナツ「さすがS級クエスト!燃えてきたぁ!!」



「ほんっとアンタらバカね・・・」



ホロロ「・・・と申しております」


そして森の中を進むこと数分、突然木々が揺れだした



グレイ「ん?」


アルト「なんだ?」


音がする方向に振り返ると同時に女物の服を着た巨大なネズミが現れた


その大きさは周りの木々を遥かに凌ぐ大きさだ



ネズミ「チュー」


ナツ「ネズミー!!」


グレイ「でかーっ!!」



「あんたたち早くやっつけて!!」



ホロロ「・・・と申しております」



「あい!」



ホロロ「・・・と申しております」


アルト「ていうかハッピー、いつの間にその中に・・・」


巨大ネズミは突然大きく息を吸う



ナツ「何か吐き出す気だぞ!!」


グレイ「んにゃろォ!オレのアイスメイク「盾」(シールド)で・・・」



ネズミ「ぶはァーっ!!!」


吐き出したのは巨大ネズミの吐息、気体であるためグレイの盾では防げずアルトたちは吐息を浴びる



グレイ「もげっ」


ナツ「んがっ」


アルト「うぇぇぇぇ、くっさァ!!」


その吐息はとてつもない悪臭を放っていた


あまりの臭さに鼻がいいナツはダウン


星霊のホロロギウムも倒れ、ルーシィとハッピーは外に放り出される



アルト「くっそぉ!・・・げほ、このヤロっ・・・げほっ!」


ネズミ「チュー!」


巨大ネズミはアルトに噛みつこうと襲いかかってくる



アルト「うらァ!!」バコォォンッ


ネズミ「ヂューッ!!!?」


アルトは素手で巨大ネズミを殴り飛ばす


殴り飛ばされたネズミは数百メートル先へ吹き飛んだ



アルト「これ以上臭い口を近付けんじゃねえよ!・・・げほっ」


グレイ「よし、流石だな」


ナツ「ナイス!アルト!!」


ルーシィ「ねぇ、見て!何か建物があるわ!」


ルーシィの指さす先には石で出来た古そうな遺跡が建っていた



アルト「すごい古そうな建物だ・・・」


ルーシィ「広いね・・・」


グレイ「いつの時代のモンだコリャ」


アルトたちはルーシィの見つけた遺跡の中を探検する



ナツ「見ろよ、何か月みてえな紋章があるぞ」


グレイ「この島は元々月の島って呼ばれてたって言ってたしな」


アルト「そういえば呪いも月が原因だったよな・・・」


ルーシィ「月の島に、月の呪いに、月の紋章・・・この遺跡はなんか怪しいわね」


ハッピー「ルーシィ見てー」


ハッピーがどこからか取ってきた骨を自慢する



ルーシィ「あんたは犬か!!」


アルト「それにしてもボロいな・・・」


ナツ「これ地面とか大丈夫なのか・・・?」


地面の強度を確かめるためナツが地面を思いっきり踏みつける


すると地面はナツが踏みつけた場所から崩れていき、アルトたちは全員遺跡の底へ落ちる



ルーシィ「バカー!」


ナツ「なんて根性のねえ床だ!」


グレイ「床に根性もくそもあるかよ」


ハッピー「・・・・!!!」


アルト「大変だー!ハッピーが喉に骨を詰まらせてる!!」


遺跡の地下に落ちたアルトたちは全員の安否を確認しあう



ナツ「おい・・・みんな大丈夫か」


グレイ「てめェ!何でいっつも後先考えねえで行動しやがる!!」


アルト「んー・・・っと」ゴソゴソ


ハッピー「あが・・・ふが・・・」


ルーシィ「どうアルト?骨とれそう?」


アルト「とれたっ!」スポッ


ハッピー「神っ」


アルトがハッピーの喉に詰まってた骨を取る



アルト「それで・・・ここは何処だ?」


グレイ「さっきの遺跡の地下みてーだな」


ナツ「秘密の洞窟だーっ!!せっかくだからちょっと探検しよーぜ」ワクワク


期待と好奇心に目を輝かせるナツ



グレイ「オイ!これ以上暴れまわるんじゃねえ!!」


ナツ「うおおおっ!!・・・・・お?」


ナツがあるものに気づく



グレイ「どうした?」


ナツ「な・・・何だ?あれ・・・」


ルーシィ「な・・・!!!」


アルト「えぇぇぇ!!!」




「「「「「でけぇ怪物が凍りついてる!!!」」」」」




驚いたナツの目線の先にあったのは氷に包まれた超巨大な怪物だった




グレイ「デリオラ・・・!!!?」


怪物に驚いた様子のグレイが大きな声で叫ぶ



グレイ「バカな!!!デリオラが何でここに!!!?」


アルト「デリオラ・・・?」


ナツ「知ってんのか?この怪物の事」


グレイ「あり得ねえ!!!こんな所にある訳がねえんだ!!!」


アルトたちの言葉を無視するグレイ、取り乱しているようだ



ルーシィ「ちょっと・・・落ち着いてグレイ!!」


グレイ「・・・・・」


ルーシィの一言で正気に戻るグレイ



アルト「で・・・?何なんだこの怪物は!?」


グレイ「デリオラ・・・厄災の悪魔・・・」


ナツ「厄災の悪魔・・・?」


グレイ「あの時の姿のままだ・・・どうなってやがる」


その時、地下に何者かの足音が響く



ルーシィ「誰か来たわ!ひとまず隠れましょ!!」


アルト「そうだな」


アルトたちが岩陰に隠れる



ユウカ「人の声したのこの辺り」


トビー「おおーん」


現れたのは太い眉毛をもつ男と獣のような顔をした男だった



ユウカ「昼・・・眠い・・・」


トビー「おおーん」


ユウカ「オマエ「月の雫」(ムーンドリップ)浴びてね?・・・耳とかあるし」


トビー「浴びてねえよっ!飾りだよ!!わかれよ!!!」


ユウカ「からかっただけだバカ」


トビー「おおーん」




ルーシィ「ムーンドリップ?呪いの事かしら?」




シェリー「ユウカさん、トビーさん、悲しい事ですわ」


ユウカ「シェリー」


トビー「おおーん」


男2人の前に赤髪の女性が現れた



シェリー「アンジェリカが何者かの手によってやられていました、しかも傷跡を見る限り一撃で・・・」


トビー「ネズミだよっ!!」




アルト「あの巨大ネズミの事か・・・!?」




シェリー「ネズミじゃありません・・・アンジェリカは闇の中を駆ける狩人なのです、そして愛」




ルーシィ「強烈にイタイ奴が出てきたわね」


ナツ「あいつらこの島のモンじゃねぇ・・・ニオイが違う」


ハッピー「うん、呪われてる感じがないよ」


岩陰からナツが奴らのニオイを嗅ぎとる


どうやら本当にガルナ島の人間ではないらしい






ユウカ「侵入者・・・か」


シェリー「もうすぐお月様の光が集まるというのに・・・何て悲しい事でしょう・・・零帝様のお耳に入る前に駆逐いたしましょう」


ユウカ「だな」


トビー「おおーん」


シェリー「デリオラを見られたからには生かしては帰せません、侵入者に永遠の眠り・・・つまり愛を」


トビー「死だよっ!!殺すんだよ!!」






アルト「何だってんだ・・・アイツら一体・・・!?」




怪しい三人組が洞窟内から立ち去った後、アルトたちは岩陰から出て話し合う




ナツ「何だよ、とっつかまえて色々聞きだせばよかったんだ」


ルーシィ「まだよ、もう少し様子を見ましょ」


アルト「なーんかややこしい事になってきたなァ」


ハッピー「何なんだろうねあいつ等」


グレイ「くそ・・・あいつ等、デリオラを何のためにこんな所に持って来やがった」


デリオラを見てから動揺しっぱなしのグレイ



グレイ「つーか、どうやってデリオラの封印場所を見つけたんだ・・・」


ルーシィ「封印場所?」


グレイ「こいつは北の大陸の氷山に封印されていた」


ルーシィ「え?」


グレイ「10年前・・・イスバン地方を荒らしまわった不死身の悪魔・・・オレに魔法を教えてくれた師匠ウルが命をかけて封じた悪魔だ」


アルト「グレイの師匠が封じた悪魔・・・!?」


グレイ「この島の呪いとどう関係してるかわからねえが、これはこんな所にあっちゃならねえモノだ・・・零帝・・・何者だ・・・ウルの名を汚す気ならただじゃおかねえぞ!!」



グレイの拳からは冷気が溢れ、零帝への怒りに燃えていたのであった


 
 

 
後書き

余談ですが作者が初めてフェアリーテイルのアニメを見たときはデリオラ編の時でした

 

 

月の雫

アルト「じゃあ元々北の大陸にあったモノがここに運ばれたって事か?」


グレイ「あぁ、そういう事だ」


ルーシィ「もしかして島の呪いってこの悪魔の影響なのかしらね」


グレイ「考えられなくもねえ、この悪魔はまだ生きてるんだしな」


ナツ「そーゆー事なら、この悪魔ぶっ倒してみっか」


腕をまわしながらナツがデリオラに近づく


しかしグレイが突然振り返り、デリオラに近づくナツを殴り飛ばす



ナツ「どぅおっ!!!」


殴られたナツはそのまま地面に倒れる



アルト「おいグレイ!いきなり何してんだよ!?」


ナツ「そうだ!凶暴な奴だな!!」


ルーシィ「ナツがそれ言う?(汗)」


するとグレイが緊迫した表情で言う



グレイ「火の魔導士がこれ以上近付くんじゃねえ、氷が溶けてデリオラが動き出したら誰にも止められねえんだぞ」


ナツ「そんな簡単に溶けちまうものなのかよっ!!」


グレイ「!!・・・いや」


ナツの言葉に視線を落とすグレイ



ルーシィ「大丈夫?」


ナツ「オイ!殴られ損じゃねえか!!」


アルト「ちゃんと説明してくれねえと俺たちも分かんないぞ」


グレイ「師匠のウルはこの悪魔に「絶対氷結」(アイスドシェル)っつー魔法をかけた」


取り乱していた自分を落ちつけ、冷静に話しだすグレイ



グレイ「それは溶ける事のない氷、いかなる爆炎の魔法をもってしても溶かす事の出来ない氷だ」


アルト「じゃあなんで奴らは溶けない氷で包まれたデリオラを持ち出したんだ?」


ルーシィ「氷が溶けないって知らないのかもね、何とかして溶かそうとしてるのかも」


グレイ「何の為にだよっ!!!」


ルーシィ「し・・・知りませんけど・・・(泣)」


苛立つグレイはルーシィの発言に対して怒鳴る



アルト「だから落ち着けってグレイ、ルーシィに八つ当たりするのは筋違いだ」


グレイ「そ・・・そうだな、悪ィ・・・」


アルト「それにしても誰がデリオラを運んだんだろうな・・・」


グレイ「分からねェ・・・くそっ!・・・調子でねえな」


アルトたちが話しているとナツがある提案をする



ナツ「簡単だ、さっきの奴ら追えばいい」


ルーシィ「そうね」


グレイ「いや」


ナツの提案にルーシィも賛成するが、グレイがその案を否定する



グレイ「月が出るまで待つ」


アルト「俺もグレイの案に賛成だ」


月が出るまで待つという案にアルトは賛成する



ナツ「月・・・ってまだ昼だぞ!!無理無理!!ヒマ死ぬ!!!」


ルーシィ「グレイ、どういう事?」


グレイ「島の呪いもデリオラも全ては月に関係してると思えてならねえ、奴等も「もうすぐ月の光が集まる」とか言ってたしな」


ルーシィ「そっか・・・確かに何が起こるか、あいつ等が何をするか・・・気にはなるわね」


ナツ「オレは無理だ!!追いかける!!」


ナツは先程の3人組みを追いかけようとする


しかしその数分後、ナツは眠たくなったらしく寝てしまった



ルーシィ「本当・・・こいつって本能のままに生きてるのね」


アルト「まぁ、結果オーライで良かったけどな」


ハッピー「あい」


その後、ヒマを持て余したルーシィが琴座の星霊「リラ」を呼び出し音楽を歌ってもらっていた


リラの綺麗な歌声とハープの音色を聞きながらアルトたちは月が出てくるのを待ったのであった















アルト「もう月が出てるんじゃないか?」


ルーシィ「そうね・・・結構時間たったし・・・」


外の様子を見ようとアルトたちが洞窟から出ようとした時、大きな地鳴りが起きた



ルーシィ「な、何の音!?」


ナツ「夜か!!」


大きな地鳴りの音でナツが目覚める



アルト「おい、あれ見ろ!!」


グレイ「天井が・・・!!」


洞窟の天井に大きな穴が開き、その穴から紫色の月の光がデリオラの氷に降り注ぐ



アルト「月の光がデリオラの氷に当たってるぞ!」


ナツ「偶然なんかじゃねえぞコリャ」


グレイ「行くぞ!光の元を探すんだ!!」


グレイたちは月の光の元へ行くために急いで洞窟の外へ出ることを試みた


洞窟内の階段を上り、遺跡の頂上へ辿り着いたアルトたちは妙な覆面をつけた集団が何かの儀式を行っている光景を目にした



アルト「アイツら月の光を集めてるのか!?」


ルーシィ「それをデリオラに当てて・・・どうする気!?」


リラ「ベリア語の呪文・・・月の(ムーンドリップ)ね」


ルーシィ「アンタ・・・まだいたの?」


アルトたちの横から出てきたのは先程ルーシィが召喚した星霊、リラだった



リラ「こいつ等は月の雫を使って、あの地下の魔物を復活させる気なのよ!!」


アルト「復活だと!?」


グレイ「バカな・・・絶対氷結(アイスドシェル)は絶対溶けない氷なんだぞ!!!」


リラ「その氷を溶かす魔法が月の雫なのよ、一つに集束された月の魔力はいかなる魔法をも解除する力を持ってるの」


ハッピー「そんな・・・」


グレイ「あいつ等・・・デリオラの恐ろしさを知らねえんだ!!」


封印を解除できる事を知ったグレイはデリオラへの恐怖と怒りで震える



リラ「この島の事が呪いだと思ってる現象は月の雫の影響だと思うわ、一つに集まった月の魔力は人体をも汚染する、それほど強力な魔力なのよ」


アルト「あいつ等ぁ・・・!上等だコラァ!!」


ルーシィ「待って!誰か来たわ!!」


岩陰から飛び出そうとするアルトをルーシィが止める


見ると、仮面をつけた男が先程の3人組みを引き連れて現れた



シェリー「悲しい事ですわ、零帝様・・・」


赤髪の女性が零帝に近づく



シェリー「昼に侵入者がいたようなのですが・・・とり逃がしてしまいました、こんな私には愛は語れませんね」


零帝「侵入者・・・」


グレイ「!」


零帝の声を聞いた時、わずかにグレイが反応する



ナツ「あいつが零帝!?」


アルト「って事はアイツが主犯格か」


ルーシィ「えらそーな奴ね、変な仮面つけちゃって」


ハッピー「そっかなぁ、かっこいいぞ」




零帝「デリオラの復活はまだなのか」


シェリー「この調子だと今日か明日には・・・と」


トビー「どっちだよ!!」


零帝「いよいよなのだな・・・」




グレイ「・・・・・」


零帝の声を聞いた時から先程までの苛立ったグレイの姿はなくなり、静かになっていた


それどころか心なしか少し震えているように見えた



零帝「侵入者の件だが、ここにきて邪魔はされたくないな」


シェリー「ええ」


零帝「この島は外れにある村にしか人はいないハズ・・・」


零帝は少し考えた後片手をあげ3人組みに命令を下す



零帝「村を消してこい」



シェリー「はっ!!」


ユウカ「了解!!」


トビー「おおーん!!」


命令を下された3人組みは村がある方角に向かって走りだした



ナツ「何!!?」


ルーシィ「村の人たちは関係ないのにっ!!!ど・・・どうしよう!!!」


グレイ「この声・・・オイ・・・ウソだろ・・・」


村を消せという命令に動揺するナツとルーシィ、そし何か恐ろしいことに気がついた素振りを見せるグレイ




アルト「仕方ねェ、ここで食い止めるしかねえだろっ!!」


ナツ「よし!もうコソコソするのはゴメンだ!!」


そう言ったナツは空に向かって火を吹きながら大声で叫んだ




ナツ「邪魔しに来たのはオレたちだァ!!!」




ナツの声に零帝たちが気づく


正体を明かしたアルトたちは戦闘隊形をとる



アルト「かかってこい!お前ら全員まとめて相手してやる!!」


ルーシィ「もう・・・なるようにしかならないわね!!」



シェリー「あの紋章!フェアリーテイルですわ!!」


ユウカ「なるほど・・・村の奴らがギルドに助けを求めたか」



零帝「何をしている、とっとと村を消してこい」


しかし零帝は侵入者の正体が分かったにもかかわらず「村を消せ」という命令を下す



アルト「オイ、侵入者の正体は俺たちだ!村のやつらは関係ないぞ!!」


零帝「邪魔をする者、それを企てた者、全て敵だ」


グレイ「てめえぇぇっ!!」


零帝が台詞を言い終えると同時にグレイが零帝に向かって走り出す



グレイ「その下らねえ儀式とやらをやめやがれぇぇ!!」


氷の造形魔法で攻撃するグレイ



零帝「フン」


しかし、零帝も氷の造形魔法を使いグレイの攻撃を相殺した


砕け散った氷越しにグレイは零帝を睨みつける



グレイ「リオン・・・てめぇ自分が何やってるかわかってんのか?」


ナツ「え?」



アルト「グレイと零帝が・・・知り合い・・・!?」


 
 

 
後書き
デリオラ編本当に長くなりそうだ・・・

 

 

夢の続き グレイvs零帝リオン



リオン「ふふ、久しいなグレイ」


零帝の名は「リオン」と言うらしい、グレイの知り合いのようだ



ルーシィ「グレイの知り合いだったの!?」


ハッピー「ええっ!?」


グレイ「何の真似だよコレぁ!!」


リオン「村人が送り込んできた魔導士がまさかお前だったとは・・・知ってて来たのか?それとも偶然か?まぁ、どちらでもいいが・・・」


ユウカ「零帝リオンの知り合いか?」


トビー「おおっ!?」


どうやら向こうの3人組みもグレイと零帝リオンが知り合いだというのは知らなかったらしい



零帝「早く行け、ここは俺一人で十分だ」


シェリー「はっ!!」


トビー「おおーん!!」


リオンの命令で再び3人組みは村に向かって走り出した



ナツ「行かせるかっての!!」


グレイ「よせ、ナツ!!動くなっ!!」


ナツ「うおっ!!」


3人組みを追いかけようとしたナツを冷気が取り囲み動きを止める



アルト「くそっ!おいハッピー!お前はルーシィを連れて村を守ってくれ、俺たちも後からすぐに行く!!」


ルーシィ「なっ・・・アルトたちを見捨ていくなんて出来ないよ!!」


躊躇うルーシィの肩を掴み、アルトは真剣な表情で言う



アルト「いいかルーシィ!あの零帝って奴は強い!オレとナツでも止められるか分からないんだ!!」


ルーシィ「で、でも・・・」


アルト「お前までやられちまったら誰が村を守るんだ!!!」


ルーシィ「アルト・・・」


アルトの一言でルーシィはおとなしく空を飛ぶハッピーに掴まった



ルーシィ「無事に帰ってきてよね・・・!」


アルト「おう、分かってる!!」


アルトが返事した後、ハッピーとルーシィは飛んで空を目指した



零帝「女と猫を逃がしたか・・・まぁいい・・・奴らごときじゃシェリーたちは止められんだろう」


アルト「あんまりルーシィを甘く見ない方がいいぜ」


ナツ「そうだ!フェアリーテイルの魔導士を甘く見るんじゃねえぞコラァ!!」


そう叫んだナツを見ると、大きな氷の球体に体が埋まってしまっていた



アルト「おい、それでどう戦うつもりだよナツ」


するとグレイが突然ナツを蹴り、斜面に転がしてしまう



ナツ「どぅおわぁあああ!!何しやがるグレーイ!!!!」


氷の球体に覆われたナツはボールのようにコロコロと斜面を転がっていった



アルト「えぇええ!?何してんだよグレイ!?」


グレイ「アレはその気になれば氷ごと中身を破壊できる魔法だろ」


リオン「なるほど、それでオレの魔力が届かない所へやった訳か、やればできるじゃないか」


グレイ「いい加減先輩ヅラすんのやめてくんねえかな、リオン・・・お前はもうウルの弟子じゃねえ」


偉そうに語るリオンに苛立ちを感じるグレイ



リオン「お前もさ、グレイ・・・ウルはもうこの世にいないのだからな」


そう言いながらリオンは仮面を外す



グレイ「デリオラを封じる為に命を落としたんだ!!ウルの残したものをてめえは壊そうとしてるんだぞ!!!!」


リオン「記憶をすりかえるな・・・ウルはお前が殺したんだ、グレイ」


アルト「え!?」


リオンの一言に驚いたアルトは真偽を確かめるためにグレイの表情を窺う


グレイの顔は汗だくだった



リオン「よくおめおめと生きていられたものだな」


グレイ「・・・・・」


グレイは固まって動かない



リオン「ウルを殺したのはお前だ、グレイ」


グレイ「・・・・・」


リオン「名前を口に出すのもおこがましい」


リオンの氷の魔法がグレイを吹き飛ばす



グレイ「リ・・・リオン・・・」


アルト「なっ・・・てめぇっ!!」


グレイが吹き飛ばされたのを見て、リオンに掴みかかろうとするアルト



グレイ「待てアルト!手を出すな!!」


アルト「なにぃ!?」


グレイ「こいつは・・・俺が止める・・・!!」


アルト「・・・!」


グレイの一言でアルトは手を出すのをやめた



アルト「分かった・・・でもやるからには勝てよ!」


グレイ「あぁ・・・分かってる!」


リオン「・・・邪魔をしないでほしいな、オレはデリオラを復活させる」


グレイ「させねえよ」


リオン「それでいい、久しぶりに手合わせをしよう」


そう言ってリオンは仮面を床に捨てる



リオン「アイスメイク 大鷲(イーグル)


グレイ「アイスメイク (シールド)


グレイはリオンの攻撃を防ぐために盾を展開する


しかし、リオンの造形魔法はグレイの盾を器用に避けて動く



グレイ「!!」


アルト「氷が動いたぁ!?」


リオン「おまえは物質の造形が得意だった「静」のアイスメイク、オレの造形は生物・・・「動」のアイスメイク、動き回る氷だと忘れたか」


グレイ「ぐはぁっ!!」


大鷲を模った造形魔法がグレイに襲いかかる


しかしグレイは攻撃を受けきった後、転がりながら構えをとる



グレイ「アイスメイク 大槌兵(ハンマー)


リオンの頭上に巨大な氷のハンマーが現れた



リオン「アイスメイク 大猿(エイプ)


しかしリオンは大猿を模った造形魔法でグレイの攻撃を防いだ


大猿と共にハンマーが砕け散る



リオン「話にならん、造形魔法に両手を使うのも相変わらずだ」


グレイ「ウルの教えだろ、片手の造形は不完全でバランスもよくねえ」


リオン「オレは特別なんだ、ウルの力もとうの昔に超えてしまった」


グレイ「うぬぼれんなよ・・・」


リオン「その言葉おまえに返そう、一度でもオレに攻撃を当てた事があったかな」


グレイ「あの頃と一緒にするんじゃねえ!!!!」


叫ぶグレイは両手で構えをとる




グレイ「氷欠泉(アイスゲイザー)!!!!」




地面に両手をつけるとリオンの下から巨大な氷の山が現れた



アルト「すげぇ威力!!」


氷欠泉がリオンを完全に飲み込んだ



リオン「一緒だ」


グレイ「!!」


しかし、リオンの声がすると同時に氷の山が砕かれてしまった



リオン「オレはお前の兄弟子であり、お前より強かった・・・オレは片手で造形魔法を使えたが、お前はできなかった・・・」


砕かれた氷の冷気の中からリオンがほぼ無傷の状態で現れた



リオン「何も変わらん・・・互いの道は違えど、オレたちの時間はあの頃のまま凍りついている」


グレイの立っていた地面から氷の竜が現れ、グレイに襲いかかる



グレイ「ぐぁあああ!!」


リオン「だからオレは氷を溶かす、塞がれた道を歩き出すために」


グレイ「がはっ」


そのまま地面に倒れるグレイ



リオン「ウルはオレの目標だった、ウルを超えるのがオレの夢だったんだ・・・しかしその夢をお前に奪われた・・・もう二度とウルを超えることはできないと思っていた」


怒りに震えるリオンは拳を握りしめた



リオン「だが一つだけ方法はあった・・・ウルでさえ倒す事ができなかった、あのデリオラを倒すことができたら・・・オレはウルを超えられる、夢の続きを見られるんだよ」


アルト「・・・・・」


グレイ「正気か・・・!?そんな事が目的だったのか!?デリオラの・・・恐ろしさはお前もよく知ってるハズだ!!」


グレイの一言にリオンがピクリと反応する



グレイ「や・・・やめろ・・・無理だ・・・!!!」


リオン「やめろ、無理だ・・・だと?」


「無理だ」の一言でキレたリオンは、グレイを魔法で攻撃する



グレイ「がはっ」


リオン「あの時・・・オレたちも同じ言葉をかけた・・・忘れたわけではあるまいな・・・お前がデリオラなんかに挑んだからウルは死んだんだぞ!!」ゴォッ


そう叫んだリオンはとてつもなく強力な冷気をグレイに向かって放つ



アルト「やめろォォオ!!」ドォォンッ

しかし、アルトがその冷気を衝撃波で相殺する



グレイ「アル・・・ト・・・!!?」


アルト「悪いなグレイ・・・お前の戦いに首突っ込んじゃいけねえと思って今まで手を出さなかったんだけど・・・限界だ」


そう言った後、アルトはリオンを睨みつけた



リオン「なんだお前は・・・関係ない奴がでしゃばるなよ」


アルト「あぁ、確かに俺はお前らの事情はよく分かんねえ・・・だけどお前は俺の仲間を・・・グレイを傷つけたんだ・・・」


静かに怒るアルトは拳に衝撃波の塊を纏わせた



アルト「それだけで十分、テメェをぶっ飛ばす理由になるぞ!!」


 

 

アルトvsリオン



リオン「フン・・・どんな奴であろうとオレの邪魔をする者は生かしておけん!」


リオンが氷の魔法でアルトを攻撃する



アルト「仲間を傷つける奴はただじゃおかねぇ!」


氷の魔法をかわしたアルトはリオンに向かって突撃する



リオン「アイスメイク 白狼(スノーウルフ)


造形魔法によって作られた2頭の氷の狼がアルトに襲いかかる



アルト「アース・クライツ!!」


しかしアルトは両手から衝撃波を打ち出し、造形魔法を砕いた



リオン「バカなっ・・・俺の氷がっ・・・!?」


アルト「歯ァ、食いしばれ!」バキィッ


リオン「ぐはぁっ!?」


アルトの強烈な拳がリオンに炸裂する


続いてアルトは、畳みかけるようにリオンの腹を蹴り飛ばした



リオン「チッ、調子に乗るな!アイスメイク 大鷲!」


アルト「速っ・・!!」


リオンの作りだした氷の鷲の軍勢がアルトを襲う



アルト「ぐっ・・・痛てぇっ!!」ブシュッ


アルトの傷口からは血が噴き出した



リオン「アイスメイク 大猿!」


アルト「スパー・クラッグ!!」


両手を地面にかざしたアルトは、下から衝撃波を発生させ造形魔法に向かって走らせた


そして、衝撃波が当たると同時に造形魔法は真っ二つに斬れた



リオン「オレの造形魔法を斬っただと・・・!?」


斬れた氷の大猿を見上げながら驚くリオン



アルト「余所見してんじゃねぇ!!」ブンッ


リオン「っ!!」バッ


リオンの背後に回って蹴りを繰り出すアルトだが、紙一重で避けられた



アルト「逃げんじゃねえ!」ブオッ


リオン「くっ・・・」スッ


アルト「メテオ・ヴィザスター!!」ドンッ


リオン「アイスメイク 白虎(スノータイガー)!!」ドンッ


両者の技がぶつかり合い、相殺された



グレイ「す・・・すげぇ・・・」


アルト「くっそー、もうちょっとだったのに・・・」


リオン「フッ・・・中々やるじゃないか・・・だが、この程度では俺には勝てん」


アルト「よく言うぜ、俺の力の半分も見てねえくせによォ!」


そう言った後、アルトは地面に手をついた



アルト「アルディマ・ルテーム!」


アルトの腕が赤黄色に輝く



リオン「っ!?(なんだ、この魔力は・・・!?)」


アルト「いくぜっ!!」


リオン「!!」


アルトは足の裏から衝撃波を打ち出しリオンに急接近する



アルト「そりゃあ!!」バゴォォン


リオン「ぐごっ!!」メキッ


魔力を纏った拳でリオンを攻撃する


攻撃を受けたリオンがひるむと、後退するヒマを与えずにひたすら殴っていく



アルト「だぁぁぁ!!」ドドドドド


リオン「ぐぁ゛っ・・・!」メキィッ


続いてアルトは両手で構えをとる



アルト「メテオ・ウィザスター!!」ドゴォッ


リオン「ごふっ・・・!!!」


衝撃波を打ち出す魔法が炸裂する



アルト「とどめだ!アース・クライツ!!」ドンッッ


リオン「ぐわぁぁァァアア!!」


更にアルトは衝撃波の掌底を繰り出す、リオンはその衝撃で後方に吹き飛んだ



アルト「よしっ!!」


リオンが吹き飛んだ方向を見ると砂煙が上がっていた



グレイ「や・・・やったのか・・・!?」


アルト「さぁ、無事ではないと思うけど・・・」



アルトたちが喋っているとリオンの声が聞こえた



リオン「この程度で・・・!!」



アルト・グレイ「「!!!!」」




砂煙の中からリオンが現れた、頭からは血が流れていた



リオン「この程度で・・・オレを倒せると思うなよっ・・・!」


グレイ「アレを喰らっても・・・まだ、戦えるのか・・・」


アルト「このヤロォ!まだ懲りてねえのか!!」


リオン「オレは・・・デリオラを倒せる唯一の魔導士・・・零帝リオンだ!!」


叫ぶリオンはアルトに向かって片手をかざす



リオン「お前のような、いち魔導士ごときに負けるハズが無いっ!!」


アルト「効かねえって言ってんだろ!!」


リオンが放った凄まじい冷気を衝撃波で相殺する



リオン「アイスメイク 白蛇(スノースネーク)!」


アルト「遅せぇ!」


リオンの攻撃をかわし、すかさず反撃に出る



アルト「アース・クライツ!!」


リオン「アイスメイク 大猿!」


アルトの衝撃波を造形魔法で防ぐ



アルト「あれっ、壊せねえぞ!?」


リオン「造形魔法は魔力を込めれば込めるほど強度も増すのだ!」


そう言った後、アルトから距離をとったリオンが印刀を結ぶ



リオン「アイスメイク 大鷲!!」


アルト「メテオ・ウィザスター!!」


巨大な衝撃波の塊が氷の大鷲を破壊していく


しかし、数で勝っていたリオンの造形魔法を破壊しきれなかった



グレイ「数が多すぎる!破壊しきれてねェぞ!!」


アルト「ぐわぁっ!!」ブシュッ


リオン「まだだ!アイスメイク 白竜(スノードラゴン)!!!」ゴォッ


呪文を唱えたリオンの横から巨大な氷の竜が現れた



アルト「なんつー魔力だ!!」


リオン「終わりだっ!!」


氷の竜がアルトに襲いかかる



アルト「ぐっ・・・メテオ・ヴィザスター!!!」ドンッ


リオン「そんな魔法、無駄だ!!」


アルトは即座に衝撃波を放つが氷の竜を止めきれなかった



アルト「止めきれねェ!!」


リオン「グレイ共々消え失せろ!!」


氷の竜はアルトだけではなく、グレイも飲み込んだ


そして竜に飲み込まれると同時にアルトたちは意識を失った




















アルト「いっ・・・痛てて・・・」ズキッ


グレイ「うっ・・・」ズキ


傷だらけのアルトとグレイが目覚める



アルト「くっそぉー・・・負けたァ・・・」


グレイ「・・・・・」


アルト「完全に倒したと思ったのに、まさかあんな反撃してくるとはなァ・・・」


グレイ「・・・・・」


敗北に悔しがっているとそこにナツがやってきた



ナツ「やっと戻ってこれた・・・」


アルト「ようナツ、無事だったか!」


ナツ「おう!途中道に迷って大変だったけどな」


アルト「俺たちは零帝にやられちまったよ」


ナツ「だせえな・・・ハデにやられやがって」


アルト「へへっ、こんなもん痛くもかゆくも・・・痛っ!」ズキッ


ナツ「とにかく村に戻るぞ、ルーシィがいじめられてたらオレたちのせいだ」


アルト「それもそうだ、グレイ行くぞ」


そう言った後、アルトがグレイを背負う


するとグレイは突然涙を流し始めた



グレイ「アルト・・・ナツ・・・」


アルト「ん?」


グレイ「オレにはお前らの事・・・言えねえ・・・」


ナツ「・・・・・」


グレイ「何も言えねえ・・・」


弱気なグレイの言葉を聞いたアルトはグレイをその場に投げ捨てた



アルト「一度負けたぐらいでメソメソしてんじゃねえよ・・・お前らしくもない!!」


グレイ「!」


アルト「俺だってお前と同じく負けたんだ!悔しい気持ちだってある!!」


グレイ「・・・・・」


アルト「でも負けたってまた何度でも挑めばいい、それだけの事だろうが!!」


グレイ「でも・・・俺は・・・」


アルト「俺たちはフェアリーテイルだ!止まる事を知らねえギルドだ!!走り続けなきゃ生きてられねぇんだよ!!!」


落ち込んでるグレイを一喝した後、もう一度グレイを背中に背負う



アルト「よし!村に急ぐぞ!!」


ナツ「おう!」


そうしてアルトとナツは村に向かって走り出した


 
 

 
後書き

アルトはタフという追加設定

 

 

村人を守れ アルトvsユウカ


リオンに敗北したアルトとグレイは体の大部分を氷漬けにされたナツと共に村へ向かって走っていた



アルト「村の門が見えた!」


ナツ「でも門が閉まってんぞ!」


すると村に近づくアルトたちに村の人たちが気付いたのか、突然門が開いた


中にはルーシィと村の人たちが待ちかまえていた



アルト「みんな無事かぁー!ルーシィ!!ハッピー!!」


ルーシィ「アルト!ナツ!来ちゃダメー、ストーップ!!」


村に入ろうとするアルトたちを何故か拒否するルーシィ



アルト「え?」


ルーシィの必死の呼びかけに何事かと疑問を持ちつつも立ち止まるアルトとナツ



ナツ「何だこれ」


アルト「ここの地面だけふかふかだ!」


アルトとナツが足を踏み出したその時




アルト・ナツ「「えばっ」」




二人は落とし穴に落ちた


どうやら敵を陥れる為の罠のつもりだったらしい



ナツ「オイオイオイ・・・こんな時にオチャメした奴ァ誰だコラァ・・・」


アルト「可愛いだけじゃ許されないこともあるんだぞコラァ・・・」


ハッピー「ルーシィに決まってるじゃないかー」


アルト・ナツ「「やっぱりか!!」」


ルーシィ「違うのよーっ!!!」


二人は落とし穴を作った張本人であるルーシィとその星霊であるバルゴを睨みつける



ルーシィ「よかった!!アルトもナツもグレイも無事で」


ナツ「よかねえよ」


アルト「あぁ、グレイはあの仮面の奴にやられてダウンだ」


倒れているグレイを指して言う、すると突然アルトはある事に気がついた



アルト「あれっ!?ナツの体の氷が割れてるぞ!!」


見るとナツの体を凍らせていた氷の球体が割れて無くなっていたのだ



ナツ「本当だ!火でもダメだったのに!!」


ルーシィ「さ・・・作戦通りだわ」


バルゴ「おそらく、術者との距離が離れた為、魔法の効果が弱まったのかと」


アルト「それよりアイツ等はまだ来てないのか?」


ルーシィ「そ・・・そういえば遅いわね、アルトたちより先に村に向かってたハズなのに・・・アルトたちの方が先に着くなんて・・・」


ナツ「オウ・・・一回山に登ったり、走りづらかったりで結構時間くったと思ったんだけどな」


ハッピー「確かに変だぞ、遅すぎる」


アルト「迷ったんじゃねえか?」


ルーシィ「ううん、遺跡の頂上からは村の位置が分かってたわ」


敵の行方についてアルトたちが話し合っていると、突然村の人々が空を指差した



「な・・・何だアレは!!?」



アルト「あれって・・・」


村人が指さす先には今朝森の中で遭遇した巨大ネズミ(アンジェリカ)が村へ向かった三人組みを乗せて、尻尾をヘリのように回しながら飛んでいる姿があった



「ネズミが飛んでる!!!」


「何だあのバケツは!!?」


よく見ると巨大ネズミは何やら多くの液体が入った大きなバケツを持っていた



シェリー「毒毒ゼリーの準備に時間がかかってしまいましたわ」


ユウカ「しかしちょうどよかった、例の魔導士どもも村に集まってる」


トビー「おおーん」


シェリー「デリオラを滅ぼさないかぎり私たちの望みは達せられないのです、邪魔する者には「死」あるのみですわ」


そのとき、バケツの中に入っていたゼリーが一滴零れる



ルーシィ「ゼリー?」


アルト「触るなルーシィ!!」


ルーシィ「きゃああ!!」


ルーシィが零れたゼリーに触れようとした時、アルトがルーシィを抱きかかえて飛んだ


ゼリーはそのまま地面に落ち、生えていた草と共に地面を溶かしてしまった



ルーシィ「ひっ!!!」


アルト「得体の知れない物に触れるな!!」


ルーシィ「ご、ごめん・・・ありがと、助けてくれて・・・」


ナツ「何だこのアブネェ臭いは」


アルト「猛毒に決まってんだろ、まさかアレをばらまく気か!?」


シェリー「アンジェリカ、おやりになって」


アルトの予想通り、毒毒ゼリーが村全体にばらまかれる



ルーシィ「こんなのどうやって防げばいいのよ!!!」


それを見てパニックになる村人たちとルーシィ



アルト「俺がやる、みんな村の真ん中に集まれ!」


そう言った後、アルトは足元から衝撃波を発し空を飛ぶ



アルト「喰いつくせぇぇぇ!!」


アルトが両手を広げる



アルト「ギルガ・ファングバイト!!」



両手から発生させた複数の牙を模った衝撃波がゼリーを噛み砕くようにして、村の端の方へ拡散させた



ユウカ「バカなっ!?あれだけの量を拡散させた!!?」


トビー「あり得ねえだろっ!!」


毒毒ゼリーの効力で村の中心以外の地面が溶けて無くなっていく



アルト「くそっ・・・破壊しきれなかった」


ルーシィ「怪我人はいないみたいだし、大したもんじゃない!」


アルト「でも・・・」チラッ


アルトが村長の方を見ると、溶けてしまったボボの墓を見て悲しんでいる村長の姿があった



村長「ボボの墓が・・・」


ルーシィ「ひどいわね・・・」


アルト「ごめん、じーさん・・・」


すると、アンジェリカの上に乗っていた三人組がボボの墓を蹴り壊しながらアルトたちに近づいてくる



村長「あぁ・・・!!」


アルト「てめぇらっ!」



シェリー「零帝様の敵は全て駆逐せねばなりません」


ナツ「あ?」


シェリー「せめてもの慈悲に一瞬の死を与えてやろうとしたのに・・・どうやら大量の血を見ることになりそうですわ」


アルト「あぁ、そうだな・・・ただしその血はてめぇらの血だ!!」


怒りに燃えるアルトがシェリーたちを睨みつける



ユウカ「村人約50、魔導士3・・・・・15分ってとこか」



ハッピー「オイラもいるぞ!!魔道士4だ!!」



村長「あいつ等・・・よくも・・・よくもボボの墓を・・・許さんぞぉ!!!」


暴れる村長を村人たちが鎮める


村人たちは倒れているグレイを連れて遠くへ避難していった



シェリー「逃がしませんわ、零帝様の命令は皆殺し・・・アンジェリカ」


巨大ネズミ「チュー」


逃げていく村人たちを追うためアンジェリカはシェリーを乗せて飛ぶ



アルト「くっ」


ナツ「うおっ」


アンジェリカが飛んだため強い風が吹いた、アルトたちは吹き飛ばされないように体勢を低くした



アルト「・・・あれ、ルーシィは?」


すぐに周りの安否を確認するアルト、するとルーシィが消えていることに気付いた



ルーシィ「あれぇ!!?なんか勢いでしがみついちゃったぁ!!!」


アルト「えぇぇ、アホかーっ!!」ガーン


見ると、ルーシィが村人たちを追うのを止めさせようとアンジェリカの脇をくすぐる


するとアンジェリカの尻尾の動きが止まり、墜落した



アルト「あぁぁ・・・大丈夫かなぁ、ルーシィのやつ・・・」


ハッピー「オイラちょっと見てくる」


ナツ「おう!頼んだぞハッピー!!」


翼を出したハッピーが空を飛び、ルーシィを追いかけた



ナツ「こっちはオレたちが、かたづけておくか!」


アルト「そうだな・・・じゃあ、俺が墓を蹴飛ばした眉毛の奴をやる!」


そう言ったアルトはユウカに向かって猛突進する



アルト「よくも村をメチャクチャにしやがったなァ!メテオ・ウィザスター!!」


ユウカ「波動!!!」


アルトの衝撃波をユウカの波動がかき消す



アルト「俺の魔法が!?」


ユウカ「なんて強力な魔法だ・・・フェアリーテイルにはあの「サラマンダー」と並ぶ同年代の凄腕魔導士がいると聞いてたが・・・もしや貴様の事か!!?」


アルト「・・・まぁな」


ユウカ「だが、オレたちもかつては名のあるギルドにいた魔導士・・・そう簡単にはいかんよ」


ナツ「お前等も魔導士か!?」


ユウカ「そうだ、魔導士ギルド「蛇姫の鱗」(ラミアスケイル)と言えば分かるかな?・・・そうさ・・・あの岩鉄のジュラがいた・・・」


アルト「ふんっ!!」


ユウカ「ぐぁっ!?」


話している途中だったユウカを殴り飛ばすアルト



ユウカ「き・・・貴様・・・最後まで人の話を聞かんか!!」


アルト「くだらねえ御託はいいからかかって来いよ、てめぇらがどこのギルドだろうがぶっ飛ばすまでだ!」


ナツ「あぁ、フェアリーテイルの敵・・・戦う理由はそれで十分だ」



ユウカ「トビー、お前は桜色の髪の奴を仕留めろ・・・この黒髪は俺がかたづける」


そう言ったユウカはアルトに向かって右手を突き出す



ユウカ「波動!!!」


右手から放たれ波動がアルトに襲いかかる



アルト「はァァア!!」バチィィン


迫りくる波動を拳で弾くアルト



ユウカ「ほう・・・波動を素手で弾くとは・・・驚いた」


アルト「この波動に魔法は使えねえみたいだからな」


ユウカ「そうだ、我が手により作り出す振動は全ての魔法を中和する・・・すなわち魔法を通さぬ魔法」


アルト「だったら魔法を使わずに勝てばいいだけだっ!!」


そう言ったアルトはユウカに殴りかかる



ユウカ「波動!!!」


アルトの繰り出す拳を波動で防ぐ



アルト「っ!・・・うぉォおぉオ!!?」


ユウカ「波動とは、魔力の渦で出来ている・・・弾くだけならまだしも素手をつっ込むなど無謀すぎる・・・消しとぶぞ」


アルト「なら、これでどうだ!?」ニヤッ


するとアルトは波動に拳のラッシュを叩きこむ



アルト「うらぁぁぁあああ!!!」ドドドドド


ユウカ「なにぃ!?」


何発ものパンチで波動がかき消される



ユウカ「バカなっ!?オレの波動が素手で!?」



アルト「砕けろっ!アース・クライツ!!」



ユウカ「ぐぁぁぁあああ!!!」


衝撃波の掌底でユウカを吹き飛ばす



ナツ「ォォオ!火竜の炎肘!!」


トビー「お゛お゛お゛お゛お゛・・・!!!」


同時にナツもトビーをぶっ飛ばす




アルト「終わったか?」


ナツ「あぁ・・・」


アルトとナツが壊れた墓の前に立つ



ナツ「ひでー事するよな、こいつ等・・・」


アルト「あぁ・・・一番悪いのは零帝だ・・・絶対許せねェ・・・!!」


ナツ「でも村も皆も元通りになる・・・絶対だ!」




アルト・ナツ「「オマエの仇は俺たちがとってやるから」」


 

 

ガルナ島 最終決戦



激闘から一夜が明け、空には太陽が浮かんでいる


村を失った村人とグレイは村から少し離れた資材置き場に避難していた


グレイ「・・・・・」


エルザ「・・・・・」


資材置き場のテントの中でエルザとグレイが向かい合う


足を組んで椅子に座っているエルザの横には縄で縛られたルーシィとハッピーがいた




グレイ「エルザ・・・どうやってここに・・・」


エルザ「海賊船を乗っ取って来た・・・話をそらすな」


怒るエルザはグレイを睨みつけた



エルザ「だいたいの事情はルーシィから聞いた、お前はアルトとナツを止める側ではなかったのか?グレイ」


グレイ「・・・・・」


エルザ「あきれて物も言えんぞ・・・」


グレイ「ア・・・アルトとナツは?」


エルザ「それは私が聞きたい、ルーシィ・・・アルトとナツはどうした?」


ルーシィ「わ・・・わからない・・・村で零帝の手下と戦ってたハズなんだけど・・・」


問われたルーシィは緊張気味に話す



ルーシィ「そいつ等は片づけられてたのにアルトとナツの姿は見当たらなかったの」



エルザ「つまりアルトとナツはこの場所が分からなくてフラフラしてる訳だな」


状況を把握したエルザは椅子から立ち上がる



エルザ「グレイ、アルトたちを探しに行くぞ・・・見つけ次第ギルドに戻る」


グレイ「な・・・何言ってんだエルザ・・・事情を聞いたならこの島の出来事知ってんだろ」


エルザ「それが何か?」


グレイ「・・・・・!?」


エルザ「私はギルドの掟を破った者を連れ戻しに来ただけだ・・・それに依頼書は各ギルドに発行されている、正式に受理された魔導士に任せるのが筋だ」


グレイ「・・・見損なったぞエルザ!」


グレイの一言を聞いたエルザは剣を抜き、グレイの首元に突きつける



エルザ「お前までギルドの掟を破るつもりか・・・ただではすまさんぞ」


するとグレイは首元に突きつけられた剣を握りしめる


グレイの手からは血が噴き出す



グレイ「勝手にしやがれ!!!これはオレが選んだ道だ!!!」


エルザ「・・・!」


グレイ「やらなきゃならねえ事なんだ・・・最後までやらせてもらう、斬りたきゃ斬れよ」


そう言ったグレイは剣から手を離し、テントを出ていく




エルザ「・・・・・」


ルーシィ「ちょ・・・エルザぁー、おおお・・・落ち着いて・・・!!」


ハッピー「そうそう、グレイは昔の友達に負けて気が立ってんだよぉー・・・」


エルザ「・・・・・」ギロッ


エルザはルーシィとハッピーを睨みつけた後、剣を振りかぶる




ルーシィ「エルザぁー!!アルト助けてぇー!!」


ハッピー「ナツー!!助けてー!!」




エルザ「・・・行くぞ」


そのまま剣を振り下ろし、ルーシィたちの縄を切った



ルーシィ「・・・え?」


エルザ「これでは話にならん、まずは仕事を片づけてからだ」


ルーシィ・ハッピー「「エルザ・・・!!」」










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その頃遺跡では、トビーがリオンに戦果報告を行っていた



リオン「情けない・・・残ったのはお前だけか」


トビー「おおーん」


リオン「フェアリーテイルめ・・・中々やるな」




「これではデリオラ復活も危ういかもしれませんな」




リオンたちの前に現れたのは仮面をつけた男だった



リオン「いたのかザルティ」


ザルティ「今宵・・・月の魔力は全て注がれ、デリオラが復活する・・・しかし月の雫の儀式を邪魔されてしまえばデリオラは氷の中です」


リオン「くだらん・・・最初からオレが手を下せばよかっただけの事」


トビー「おおーん、面目ない」


ザルティ「相手はあのサラマンダーとティターニア・・・そしてサラマンダーと互角の実力を持つと言われるアルトレアですぞ」


リオン「そのアルトレアというのは昨日戦った黒髪の事だろう・・・あいつは既に倒した、最早歯向かう気力も湧かないだろう」


ザルティ「ほほぅ・・・」


リオン「そのサラマンダーとティターニアとやらもオレには勝てん・・・ウルを超える氷の刃にはな」


ザルティ「それはそれは頼もしいかぎりですな・・・では、私めも久しぶりに参戦しますかな」


トビー「お前も戦えたのかよっ!!!」


ザルティ「はい・・・「失われた魔法」(ロスト・マジック)を少々・・・」


リオン「フン・・・不気味な奴だ」





その時、遺跡全体が大きく揺れる





リオン「こ・・・これは・・・!?」


トビー「地震!?」


遺跡の揺れは次第に大きくなり、後に遺跡が傾いた



トビー「遺跡が傾いた!!!」


ザルティ「早速やってくれましたな・・・ほれ、下にいますぞ」


リオン「何!!?」


ザルティが指さす方向をリオンとトビーが慌てて覗き込む



トビー「アイツら!!!」





アルト「こんなデカい建物、傾けるの大変かと思ったが・・・」


ナツ「俺とアルトが組めば大したことねーな」






リオン「貴様等・・・何のマネだ・・・」


青筋を浮かべるリオンがアルトたちを睨みつける




アルト「建物曲がったろ?」


ナツ「これで月の光は地下の悪魔に当たんねーぞ」




リオン「なんて事しやがる・・・フェアリーテイルめ・・・」


トビー「何がどうなったってんだよ!!?」


ザルティ「この遺跡を傾けて月の光をデリオラまで届かせない作戦でしょう・・・見かけによらず、両方キレ者にございますな」



アルト「よォ、昨夜ぶりだな零帝」


リオン「バカが・・・またやられに――」


リオンが台詞を言っている最中


アルトが衝撃波を使いジャンプし、リオンの目の前まで迫る



アルト「ォォォォオオオラァァ!!!」バゴォォォン


リオン「っ!!!?」


アルトに思い切り殴り飛ばされるリオン



リオン「――っ!貴様っ!!」


アルト「ウォォォ!!」ドガァァ


リオン「う゛ぐっ・・・!!?」


吹き飛ぶリオンを追いかけ、すかさず腹に蹴りをかます


そのまま勢いに乗ってリオンを殴りづけるアルト



リオン「がっ・・・ア、アイスメイク 白虎!!」


リオンは吹き飛ばされながら慌てて造形魔法を繰り出した



アルト「」ガッ


しかしアルトは白虎を片手で受け止め、そのまま持ち上げ地面に叩きつけた



リオン「片手でっ!!!?」


アルト「砕破掌!!」ドゴッ


リオン「ぐぁっ!!!!」


リオンの体内で衝撃波が拡散する



アルト「地龍の咆哮ォ!!」ドンッ


リオン「っ!!!」


続いてアルトは直線的な衝撃波を放ち、リオンを地面に叩き伏せる



アルト「メテオ・ヴィザスター!!」ドドォッ


リオン「がぁぁぁぁぁ!!!」


巨大な衝撃波の塊がリオンを押しつぶす、同時にリオンの足場が崩れた





トビー「つ、強すぎんだろっ!!!」クワッ


ザルティ「これはこれは、恐ろしい・・・」


ナツ「アルトの野郎っ!一人で突っ走りやがって!!」





リオン「(バカなァ・・・コイツ、昨夜に戦った時とパワーもスピードも比べ物にならん・・・!!!)」


足場が崩れて下に落ちたリオンが血まみれの状態で立ちあがり、アルトを見上げる



リオン「・・・貴様っ・・・生きて帰れると思うなよ!!」ギロッ


アルト「それはコッチの台詞だ・・・関係ねえ村の人たちを巻き込みやがって・・・てめぇだけは許すワケにはいかねぇ!!」ギロッ



互いに睨みあった後、リオンはジャンプしてアルトたちの階へ上がる



リオン「昨夜の痛み、もう一度思い出させてやろう・・・アイスメイク 大鷲!!」


アルト「アース・クライツ!!」


リオンが生み出した複数の大鷲を衝撃波の掌底ですべて破壊する



リオン「この技を破壊しきった・・・!!?」


アルト「てめぇの造形魔法と同じだ、魔力を込めれば込めるほど俺の衝撃波はより強く、より広範囲に広がる!!」


アルトが大鷲を破壊しきるとリオンに向かって殴りかかる



アルト「オラァ!!」ブンッ


リオン「くそっ・・・がっ!!」バキィッ


リオンはそれをかわそうとするが、かわしきれず殴り飛ばされた



リオン「くっ・・・調子に乗るなよ!!」


そう言ったリオンは魔力を集中させる



アルト「今度は負けねェ!!」


アルトも同じように魔力を集中させた





リオン「アイスメイク 白竜!!」





アルト「エストレア・グレイブ!!」





巨大な白竜と重力を込めた衝撃波がぶつかり合う



アルト「だぁぁぁあああ!!!」ゴオオオオッ


リオン「なっ!!?」ピキッ


衝撃波に押しつぶされ、白竜にヒビが入る



アルト「砕けやがれぇぇぇぇ!!!」


リオン「(バカなっ・・・オレの本気の魔法が・・・押し負け・・・っ!!?)」


白竜が砕ける寸前になった時、突如アルトの足場が割れる



アルト「なにっ!?」


足場が割れ、集中が途切れたアルトの魔法は白竜を破壊しきったところで解けた



アルト「な、なんだ!?足場が・・・」


割れた足場から下に落ちないよう、上手く飛び退いたアルト



リオン「・・・ザルティ、何をした?床が崩れ落ちたのは貴様の魔法だろう」


鋭い目つきでザルティを睨むリオン



ザルティ「さすが零帝様、お見通しでしたか・・・ですが分かってくだされ、デリオラを復活させるまであなたを失う訳にはいかないのです」


リオン「くだらん・・・先程は一度倒した相手と油断しただけだ・・・オレが奴に負けるとでも?」


そう言うとリオンはすさまじい冷気を放ち、遺跡の床を一瞬で凍らせる



ザルティ「!!!」


リオン「出ていけ、こいつはオレ一人で片づける・・・オレはデリオラを倒せる唯一の魔導士リオンだ!」


アルト「・・・・・」


リオン「名を名乗れ・・・少しは認めてやるぞ、お前の実力」


アルト「・・・アルトレア・ウィルダント」ザッ


リオン「リオン・バスティアだ・・・」スッ


互いに名乗りあった後、二人が構える





すると突如、遺跡の壁がひび割れた


リオン「!」


アルト「な、なんだ・・・!?」



壁を砕いて出てきたのはグレイだった



ナツ「グレイ!」


アルト「なんでここに!?」


グレイ「アルト・・・こいつとのケジメはオレにつけさせてくれ」


アルト「!」


身体中傷だらけのグレイはリオンとの勝負を望んだ



アルト「でも、お前・・・」


グレイ「俺なら大丈夫・・・これで決着だ」


リオン「大した自信だな」


グレイ「10年前・・・ウルが死んだのはオレのせいだ・・・だが、仲間をキズつけ、村をキズつけ、あの氷を溶かそうとするオマエだけは許さねえ」


するとグレイが両手を交差させた



グレイ「共に罰を受けるんだ・・・リオン」


リオン「そ・・・その構えはっ!!?」


 

 

絶対氷結

 
前書き
いつもより文少なめです 

 


リオン「その構え・・・絶対氷結(アイスドシェル)!!!?」


アルト「アイスドシェル・・・って、まさか・・・」


「絶対氷結」という言葉を聞いた瞬間、アルトは今までの言葉を思い出した




「ウルはこの悪魔にアイスドシェルっつー魔法をかけた」


「ウルが命をかけて封じてくれた悪魔だ・・・」


「お前がデリオラなんかに挑んだからウルは死んだんだぞ!!」



今までの言葉から察するに、絶対氷結(アイスドシェル)は命を失う魔法だということが分かっていた



アルト「グレイ・・・まさかお前・・・」


グレイ「止めんなよ、アルト・・・」


アルト「っ・・・!!」


リオン「き・・・貴様・・・血迷ったか!!?」


グレイ「今すぐ島の人の姿を元に戻せ、そして仲間をつれて出ていけ・・・これはお前に与える最後のチャンスだ」


グレイの言葉を聞いたリオンが微かに笑った



リオン「なるほど、その魔法は脅しか・・・くだらん」


笑みを浮かべるリオンの一言を聞いた瞬間、グレイは魔力を一気に放出する



リオン「ぐっ・・・!!」


アルト「!!」


ナツ「ぬおおっ!!」



グレイ「本気だ」


あまりの魔力にグレイの周りにいる全ての人間が吹き飛ばされた



グレイ「この先何年経とうが・・・オレのせいでウルが死んだという事実は変わらねえ、どこかで責任をとらなきゃいけなかったんだ」


アルト「責任・・・だと・・・!?」ギリッ


グレイ「それをここにした、死ぬ覚悟は出来ている」


リオン「本気・・・なのか・・・!!?」


魔力を放出するグレイの体が白く染まり始めた



グレイ「答えろリオン!!!共に死ぬか、生きるかだ!!!」


グレイがリオンに向かって叫ぶ


リオン「・・・」ニヤッ


しかしリオンは笑いながら言った



リオン「やれよ、お前に死ぬ勇気はない」


グレイ「・・・残念だ」


アルト「・・・・・」


グレイ「これで全て終わりだ!!!アイスド・・―――」


覚悟を決めたグレイがリオンに向かって魔法放とうとした時



アルト「バカヤロォ!!!」ゴンッ


グレイ「!!!」


アルトがグレイを思い切り殴る



グレイ「アルト・・・」


アルト「やっぱコイツ俺が倒すわ」


グレイ「なっ・・・ふざけんな!!」


立ちあがったグレイはアルトの胸倉を掴んだ



グレイ「あいつとの決着はオレがつけなきゃならねえんだよ!!死ぬ覚悟だってできてんだ!!!」


その一言を聞いたアルトは胸倉を掴むグレイの腕を掴み、睨みつけた



アルト「死ぬことが決着だってのか あ? 逃げんのもいい加減にしろよテメェ」


グレイ「・・・!!」


アルトの一言に絶句するグレイ



すると突然、遺跡全体が再び大きく揺れ始めた



アルト「!!」


リオン「な・・・何だ!?」


揺れは次第に治まり、傾いていた遺跡が元に戻ってしまっていた



アルト「嘘だろ・・・傾いてた遺跡が・・・元に戻っちまった・・・!?」


ナツ「くそっ!どーなってんだ!!?」


グレイ「こ・・・これじゃ月の光がまたデリオラに・・・」


ザルティ「お取り込み中失礼」


遺跡に開いた穴から先程の仮面の男が出てきた



ザルティ「ほっほっほ、そろそろ夕日が出ますので・・・元に戻させてもらいましたぞ」


リオン「ザルティ、お前だったのか」


グレイ「な、何者だコイツ」


ナツ「女の香水のニオイがするぞ!」



アルト「そんな事よりお前・・・どうやって遺跡を元に戻した!!?」


ザルティ「ほっほっほ」


アルトの問いを無視し、ひたすら笑っているザルティ



アルト「どうやって戻したーっっ!!!!」クワッ


ザルティ「さて・・・月の雫の儀式を始めに行きますかな」


アルト「・・・シカト」カチーン


アルトが怒りに身体を震わせる



アルト「上等じゃねーかあのクソ仮面野郎ッ!!待てコラァー!!!」


ザルティ「ほっほっほ」


怒るアルトがザルティを追いかける



ナツ「アルト!!」


アルト「俺はあの仮面野郎をぶっ飛ばす!!お前は遺跡の頂上に先回りしてろ!!」


ナツ「おっしゃー!燃えてきたぁー!!」



アルト「グレイ、こっちはお前に任せる!!絶対に死ぬんじゃねえぞ!!!」


グレイ「」コクン


アルトの言葉にグレイは静かにうなずく



アルト「それに、負けたままじゃ名折れだろ?」


ナツ「・・・言っとくけどオメーのじゃねえぞ、グレイ」


グレイ「わかってる」




「「「フェアリーテイルのだ!!!!」」」




三人同時に台詞を言い終えるとアルトはザルティを追いかけ、ナツは遺跡の頂上に向かって走って行った





リオン「やれやれ・・・騒がしい奴等だ」


自分の血を拭いながらリオンは言う



グレイ「おまえ・・・さっきオレが絶対氷結(アイスドシェル)を使おうとした時、アルトが止めるのを計算にいれてやがったのか」


リオン「いや・・・まさか奴があの魔力に近づけるとは・・・正直俺自身も驚いている」


グレイ「じゃあ本気でくらう気だったのか」


リオン「そうだ、たとえオレが氷に閉じ込められようとオレには仲間がいる・・・そしてここは月の雫で絶対氷結を溶かせる島だ」


グレイ「やはり、気づいていたのか・・・うかつだった・・・これで絶対氷結は無力だな」


リオン「それでもオレとの決着を望むと?お前はオレには勝てな――」



グレイ「もうやめよう」


喋るリオンの言葉を遮り、グレイは言う



リオン「何!?」


グレイ「デリオラの復活は諦めるんだ」


リオン「何をバカな事を・・・脅しの次は説得だと?」


グレイ「リオン・・・よく聞いてくれ」


するとグレイはリオンの顔を見据える



グレイ「ウルは生きてるんだ」


グレイの一言を聞いたリオンは言葉を失う



グレイ「絶対氷結は自らの体を氷に変える魔法だったんだ、あの時デリオラを封じた氷・・・つまり、今お前が溶かそうとしている氷はウルなんだ」


リオン「・・・・・」


グレイ「ウルは・・・氷となって・・・今も生きている・・・」


リオン「・・・・・」


グレイ「今まで黙っていたのは・・・悪かった・・・ウルとの約束だったんだ」


リオン「・・・・・グレイ」


黙っていたリオンはゆっくりとグレイに近づく



グレイ「リオン・・・だからもうこんな事は・・・やっ――」


グレイが話している途中、リオンの作りだした氷の刃がグレイの腹を貫いた



リオン「知ってるさ、そんなくだらん事・・・」


グレイ「がっ・・・!!?」


リオン「あれはもはやウルではない・・・ただの氷クズだ」

 

 

時のアーク アルトvsザルティ

 
前書き
そろそろデリオラ編終わりそう
 

 
デリオラ復活を止める為、アルトは月の雫の儀式を行おうとするザルティを追っていたのであった


アルト「待てやこのクソシカト仮面ー!!!」


ザルティ「ほっほっほ」


アルト「『ほっほっほ』じゃねぇー!どうやって戻したか答えろォー!!」


ザルティ「」サッ


逃げていたザルティは遺跡の天井に手をかざす


すると遺跡の天井が砕け、その砕けた岩がアルトの頭上に降りかかる



アルト「こんなもん・・・効かねーよ!!」


ジャンプしたアルトは降りかかる岩を蹴り砕いた



ザルティ「ほっほっほ」クイッ


今度は砕けた岩に手をかざすザルティ


すると岩が浮き上がり、砕けた天井が元通りに修復された



アルト「えっ!!?」


その様子をアルトはかなり驚いた表情で見据えた



ザルティ「ご覧の通り、こうやって遺跡を元に戻したのです」


アルト「すげぇ・・・なんだ、この魔法」


ザルティ「失われた魔法(ロスト・マジック)の一種でございますな、その強力さと副作用の深刻さにより歴史より抹消された魔法」


アルト「歴史から・・・!?」


ザルティ「サラマンダーの滅竜魔法も然り」


そう言ったザルティは突然姿を消した



アルト「えっ・・・消えたーっ!!ちくしょー、どこ行きやがったー!!」








その頃、遺跡内


グレイ「オラァ!!」


リオン「ぐっ・・・!!?」


怒るグレイがリオンを殴り飛ばす



リオン「な・・・バカな!!そのキズでなぜ動ける!!?」


グレイ「限界だ・・・」


リオン「あ!?」


グレイ「助けてやりたかったが、もう限界だ」


そう言ったグレイは氷の弓矢をリオンに向かって放つ



リオン「がっ!!!」


氷の矢がリオンの体を貫いた



グレイ「はぁっ!!」


リオン「ぐはぁ!!?」


キズを負い、動きが鈍くなったリオンをグレイが殴り続ける



リオン「がっ・・・はァ!!!」


ふらつきながらも立ちあがるリオン



リオン「このオレが、グレイごときに血を流すなど・・・あってはならんのだ!!!」


グレイ「っ!?」


リオン「アイスメイク 白竜!!!!」


グレイ「ぐあぁっ!!!」


リオンの攻撃がグレイを遠くに吹き飛ばした



リオン「無駄な魔力は使わせんでほしいな・・・ただでさえアルトレアとの勝負で体力、魔力共に消耗しているんだ・・・この後のデリオラ戦に差し支える」


息切れしながらリオンが言った



グレイ「させる・・・かよ・・・」


リオン「どうあがいたところでデリオラは間もなく復活する、もう誰にも止められんぞ・・・」


グレイ「絶対・・・止めてやる」


リオン「お前がこんな所ではいつくばってる今まさに・・・ザルティは月の(ムーンドリップ)を行っているというのにか?」


グレイ「アルトとナツをナメんなよ」















ザルティ「いよいよか・・・」


アルト「見つけたぞ!クソ仮面!!」


アルトが空中からザルティに向かって突撃する



アルト「とりあえずぶっ飛べ!!」


ザルティ「ほっほーう」


しかしザルティは突撃してくるアルトを軽やかに避ける



ザルティ「驚きましたな、なぜここがおわかりに?」


アルト「お前の目的がデリオラって事は分かってんだ、という事はデリオラの所に向かえばお前に会えると思ってな」


ザルティ「ほっほっほっ、(わたくし)はねぇ・・・どうしてもデリオラを復活させねばなりませんのですよ」


アルト「そいつは無理だ、やめときな」


ザルティ「おや?なぜに無理と?」


アルト「グレイがリオンをぶっ飛ばす、そして俺がお前をぶっ飛ばす、それでカタがつくだろ?」


ザルティ「そうでしょうかねぇ?」


そう言うとザルティは上を見上げた



アルト「!!!」


上を見ると月の光がデリオラに当たっていた



アルト「そんなっ・・・ウソだろ!?誰かが上で儀式やってるってのか!?」


ザルティ「たった一人では月の雫の効果は弱いのですが、実はすでに充分な量の月の光が集まっております」


するとデリオラの氷が光の当たってる箇所を中心に徐々に溶けだした



ザルティ「キッカケさえ与えればこの通り・・・」


アルト「やべぇ!!デリオラの氷が溶けてきた!!ナツの奴は何やってんだ、まさか道に迷ったりとかしてんじゃねえだろうな!?」


焦るアルトが急いで頂上に向かおうとするが、ザルティに足場を無くされ邪魔される



ザルティ「おや?逃げる気ですかな?しかしそうはいきませんぞ」


アルト「っ・・・!!」


ザルティ「私を追ってきたのはミスでしたね、アルトレアくん」


アルトたちが話している間にもデリオラの氷は溶けていく




アルト「くそっ・・・!!」ダッ


アルトがザルティに殴りかかる



アルト「はァ!!」ブンッ


ザルティ「ほーっほっほ」


しかしアルトの拳をジャンプしてかわすザルティ



アルト「とらえたぜ!!」ゴォッ


ザルティ「!!」


アルト「アース・クライツ!!」


空中に飛んだ状態のザルティをアルトが狙い撃つ


しかしその時、アルトの頭上から巨大な岩石が落ちてくる



アルト「なにっ!?」


アースクライツの軌道を変え、落石を砕くアルト



アルト「危ねぇ・・・」


ザルティ「ほっほぅ、この程度ですかな?」


アルト「はっ、この程度なわけねえだろ!!」


そう言ったアルトは拳から巨大な衝撃波を放つ


しかし衝撃波は避けられ、後ろのデリオラの氷に当たる



アルト「くそっ!また避けやがって」


ザルティ「よいのですかな?こんな状態で破壊力のある魔法を使って・・・溶けて柔らかくなったデリオラの氷を一気に砕いてしまいますぞ?」


アルト「フンッ!!」バゴォッ


ザルティ「!!」


ザルティの言葉に反応することなく、強力な魔法を使うアルト



アルト「俺の魔法なんかで氷が溶けたらお前等も苦労しねぇハズだ、とっととお前を潰して頂上の奴をナツが倒せば全ては終わる」


ザルティ「ほっほぉーう・・・やはり貴方はキレるようですな」


そうしている内に、デリオラの両腕を覆っていた氷が完全に溶けていた










遺跡内部


グレイとリオンの戦いは続いていた


グレイ「氷となったウルを溶かすって事はウルを殺すのに等しい・・・そんな事を兄弟子がやってたと思うとガッカリだよ」


リオン「師が死んだ今、残された弟子が何を持って師を超えられるかよーく考えてみろ!!」


造形魔法を放ちながらグレイに突進するリオン



リオン「デリオラだ!!師が唯一倒せなかったデリオラを葬る事でオレは師を超える!!」


放たれた造形魔法を避けるグレイ



グレイ「何も見えてねえ奴がウルに勝つだと!?100年早ェよ、出直してこい!!」


グレイが造形魔法で剣を作り、リオンを斬る


しかし斬られたリオンは氷で作られたダミーだった



グレイ「!!」


リオン「アイスメイク・・・白虎!!!!」


背後に回ったリオンが造形魔法を使う


巨大な氷の虎がグレイに襲いかかる



グレイ「アイスメイク 牢獄(プリズン)!!!!」


グレイが作りだした氷の檻が虎を閉じ込めた



リオン「!!」


グレイ「これはお前の姿かリオン、世界を知らない哀れな猛獣だ」


リオン「くだらん!!貴様の造形魔法などぶっ壊・・・」


そう言ったリオンは白虎に魔力を込める、しかし氷の檻はビクともしなかった



リオン「・・・・!!!」クイックイッ


グレイ「片手の造形はバランスが悪い、だから肝心な時に力が出せねぇ」


リオン「!」


グレイが両手で氷の大砲を作り出す




グレイ「氷雪砲(アイス・キャノン)!!!!」




リオン「ぐぉああぁぁぁあああ!!!」



氷の砲弾がリオンを貫き、吹っ飛ばした



グレイ「ウルの教えだろ」


リオン「グ・・・グレ・・・イ・・・ごあっ!!」


グレイの一撃をくらったリオンはそのまま後ろへ倒れこむ



グレイ「ぐっ・・・痛ぇ!!」


リオンが倒れた瞬間、グレイのわき腹から血が噴き出す



グレイ「先に止血しておくんだった・・・」


自分のわき腹を凍らせ、止血するグレイ




「オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ」




その時、遺跡の地下から大きな雄たけびが響く



アルト「ぐっ・・・うるせぇっ!!」


ザルティ「来たぁ!!」


デリオラの上半身を覆っていた氷が完全に溶けた






グレイ「この声・・・忘れようがねぇ・・・」


リオン「デリオラ・・・」










アルト「くそっ!!グズグズしてらんねぇ!!一気に叩きのめす!!」


そう言ってアルトがザルティの方を向く


すると水晶玉がアルトに向かって飛んできた



アルト「っ!?」


水晶玉を紙一重で避けるアルト



ザルティ「こちらも、そうさせていただきますぞ・・・アルトレアくん」


アルト「おもしれぇ!!」


アルトがザルティに向かって突撃する



ザルティ「ほっ!!」


アルト「うらぁ!!」


水晶玉を砕くアルト


しかし砕かれた水晶玉はすぐにまた元の形に戻ってしまう



アルト「キリがねぇな・・また直りやがって」


ザルティ「私は物体の時を操れます、すなわち水晶を壊れる前の状態に戻したのです」


アルト「時!?」


ザルティ「『時のアーク』は失われた魔法(ロスト・マジック)の一種ですからね」


ザルティが砕かれた岩を宙に浮かせ操る



ザルティ「もちろん、物体ですから水晶以外の時も操れます」


複数の岩を自在に操りアルトを攻撃するザルティ



アルト「ギルガ・ファングバイト!!!」


両手から巨大な衝撃波を発生させ、全ての岩をかき消すアルト



アルト「おもしれーな、その魔法・・・俺も使ってみようかな」


ザルティ「は!?」


アルト「予言だ」


そう言ったアルトは右手の三本指をザルティに突き立てた



アルト「てめぇが立ってられるのは残り3分・・・1R(ラウンド)でケリをつけてやる!!」


ザルティ「・・・ほっほっほっ・・・それは楽しみですなぁ」


 

 

BURST


デリオラ復活の儀式を阻止するため、アルトはザルティと対峙していた



アルト「オラぁ!!」


ザルティが操る水晶を砕き割るアルト


しかしザルティは「時」を操り、すぐに水晶を壊れる前の状態に直してしまう



アルト「やっぱ何度やっても同じか・・・」


ザルティ「次は水晶の時を未来へと進めてみましょうか?」


そう言ったザルティは水晶の時を進めた


すると水晶の動きが加速し、もの凄い速さでアルトの周りを飛び交う



アルト「ぐはぁァ!?」


水晶がアルトを様々な角度から飛んでくる



ザルティ「ほっほっほ」


アルト「ぐっ、このやろォ!!」


アルトが再び水晶を砕き割ろうとする


しかし水晶はアルトのパンチを避けるかのように、拳の前で静止した



アルト「止まった・・・!?」


ザルティ「それはもう・・・時を止める事もできますぞ」


ザルティの言葉を聞いたアルトはしばらく考え、ある事に気づく



アルト「その魔法、人間には効かねーんだな」


ザルティ「おやおや、よい所に目をつける・・・正確には「生物」には効きません、だからこそ「ウル」であるデリオラの氷の時間も元には戻せないのです」


アルト「・・・一つ聞いていいか?」


ザルティ「?」


アルト「お前の目的はなんだ?」


ザルティ「・・・デリオラを復活させる事ですが?」


アルト「デリオラを復活させてリオンがそれを倒す、リオンはそれでいいかもしれねぇがお前やあの三人組には何の得があるんだ?」


ザルティ「・・・・・」


アルト「わざわざ苦労してデリオラの復活に協力するって事は、それ相応の理由があるだろ」


ザルティ「いやはや・・・かないませんなぁ、ほっほっほっ」


にやりと笑うザルティ



ザルティ「零帝様・・・いいえ・・・あんな小僧ごときにはデリオラはまず倒せませぬ」


アルト「それじゃー大変じゃねえか!!誰がデリオラを倒すんだよ!!?」


ザルティ「倒すなど初めから考えておりませぬ・・・ただ我がものにしたい」


アルト「我がもの・・・!!?」


ザルティ「たとえ不死身の怪物であろうと操る術は存在するのです、あれほどの力を我がものにできたら・・・さぞ楽しそうではございませぬか」


アルト「・・・くだんねェ!!」


呆れた表情のアルト



アルト「お前、そんな事のために関係ないこの島の人たちを巻き込んだってのか?」


ザルティ「ほっほっほっ・・・貴方にはまだ分かりますまい、「力」が必要な時は必ず来るという事が・・・」


アルト「そん時は自分と仲間の力を信じる・・・フェアリーテイルの皆が居てくれりゃ怖いモンなしだ!!」


ザルティ「うぬぼれは身を滅ぼしますぞ・・・天井よ、時を加速し朽ちよ」


ザルティが天井に手をかざすと天井が朽ち、岩石が落ちてくる


そして落ちてきた岩石を操り、アルトに向かって放つ



アルト「島を荒らした責任はとってもらうぞ!もう容赦しねぇ!!」


アルトがザルティに襲いかかる



ザルティ「その強力な衝撃波は我が「時のアーク」をとらえられますかな」


アルト「アークだろうがポークだろうが興味ねぇよ、この島から出ていけ!!!」


広範囲の衝撃波を打ち出し、岩石をすべて破壊する



ザルティ「ぬぅ!!!」


あまりの威力に周りの岩石までも砕き、砂煙を巻き起こした



ザルティ「いない!!」


アルト「ちょうど3分だな」ニヤッ


ザルティ「は!!?」



アルト「アース・クライツ!!!!」



ザルティ「きゃあぁわぁぁあ!!!」


頭上から現れたアルトがザルティを盛大に殴り飛ばす



アルト「10カウントは・・・数えるまでもねェか」










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ナツ「火竜の鉄拳!!」


トビー「おおーん!!」


遺跡の頂上で儀式をしていたトビーを殴り飛ばすナツ



エルザ「ナツ!」


エルザとルーシィ、ハッピーもそこへ到着する



ナツ「エルザー!!?」グモッ


エルザ「月の儀式は止まったようだな」


ナツ「あ・・・あ゛い」


ハッピー「てか・・・コイツ一人でやってたんだ(汗)」


ルーシィ「ねぇ、ナツ!アルトとグレイは一緒じゃないの!?」


ナツ「あぁ、アイツ等なら―――」


ナツがセリフを言おうとした時、デリオラの叫び声が響く




「オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ」




エルザ「デリオラが復活した!?」


ルーシィ「そ・・・そんな!!儀式は止まったはずじゃ・・・」


トビー「遅ェんだよ!!わかれよっ!!!儀式は終わったんだよ!!!!」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


アルト「やべぇ!!復活しちまった!!」


アルトがデリオラを見上げていると、グレイが遺跡の上から下りてくる



グレイ「(ウル・・・)」


アルト「グレイ!いたのか!!」


グレイ「アルト」


アルト「こうなったらやるしかねぇ!!俺達でデリオラをブッ倒すぞ!!」



リオン「ククク・・・」


傷だらけのリオンが身体を引きずりながらデリオラに近づく



リオン「おまえ・・ら・・には、無理だ・・」


グレイ「リオン!!」


リオン「アレは・・オレが・・ウルを超えるために・・オレが・・・ハハハ・・・」


アルト「今のお前じゃ何の役にたたねェよ!!ひっこんでろ」



「オ オ オ オ オ オ オ」



リオン「やっと・・・会えたな・・・デリオラ」


そう言ったリオンはゆっくりと立ち上がる



リオン「あの・・ウルが・・唯一・・勝てなかった怪物・・今、オレが・・この手で・・倒す・・オレは・・・ウルを超える!!」


するとグレイがリオンの首に手刀をかます



リオン「・・・!!!」


ツボを突かれたリオンはその場に倒れる



グレイ「もういいよリオン、あとは俺に任せろ」


デリオラに近づいたグレイは腕を交差させる



グレイ「デリオラはオレが封じる!!」


リオン「絶対氷結(アイスドシェル)!!!!」


グレイの身体が白く輝く



リオン「よ・・・よせグレイ!!あの氷を溶かすのにどれだけの時間がかかったと思ってるんだ!!」


グレイ「これしかねぇ・・・」


リオン「同じ事の繰り返しだぞ!!いずれ氷は溶け・・・再びこのオレが挑む!!!」


グレイ「それでも、今・・・奴を止められるのはこれしかねえ」



アルト「下がってろグレイ」


アルトがグレイの前に立つ



グレイ「アルト!!!」


アルト「オレがアイツを倒す」


グレイ「どけっ!!邪魔だよ!!!」


アルト「死んでほしくねぇからあの時止めたのに・・・オレとお前の師匠の思いは届かなかったんだな」


グレイ「ウルの・・・!?」


アルト「なんでお前の師匠は自分の身を犠牲にしてまでお前らを助けたのか・・・お前が死ぬ事でその答えは出るのか?」


リオン「!!」


グレイ「・・・・・」


アルト「出ると思うなら・・・やれよ、その魔法」


グレイ「アルト・・・」



「ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア」



デリオラが右手を大きく振りかぶる



グレイ「よけろォオォー!!!」


アルト「俺は最後まで諦めねぇぞ!!!」


アルトがデリオラに突撃しようとしたその時


デリオラの動きが止まり、振りかぶっていた右手が砕けた



リオン「え!?」


グレイ「な・・・」


見るとデリオラの身体がひび割れ、砕けていく



アルト「な・・・なんだ・・・!?」


リオン「バ・・・バカな・・・」


デリオラの全身が砕け、崩壊した



リオン「そんな・・・まさか・・・!!!」


グレイ「デリオラは・・・すでに死んでいた・・・!?」


アルト「粉々になっちまったぞ・・・」


リオン「10年間・・・ウルの氷の中で命を徐々に奪われ・・・」


グレイ「・・・・・」


リオン「オレたちは・・・その最後の瞬間を見ているというのか・・・」


リオンが地面に拳を打ち付ける



リオン「かなわん・・・オレにはウルを超えられない」



グレイ「これが・・・答えか・・・」


アルト「あぁ、お前の師匠は二人に死んでほしくないから、その身を犠牲にデリオラを倒してくれたんだろ?」


グレイ「・・・・・あぁ」


グレイが右手で顔を覆う、一筋の涙が頬を伝う




グレイ「ありがとうございます・・・師匠・・・」


 

 

月を破壊せよ

 
前書き
次回でデリオラ編終了、そして新章突入
 

 


アルト「よーし!これで一件落着ってわけだな!!」


グレイ「あぁ・・・」


リオンを肩に背負うグレイ



ナツ「おーい!アルト!グレイー!!」


ナツ達が遺跡の上から降りてくる



アルト「おうナツ!無事だったか!!」


ナツ「いやー終わった、終わったーっ!!」


ハッピー「あいさー!!」


アルト「これでS級クエスト達成だな!!」


ナツ「これで2階にいけるぞーっ!!」


子供のようにはしゃぐアルトたち



ルーシィ「本当・・・一時はどうなるかと思ったよ・・・すごいよね、ウルさんって」


グレイ「・・・・・」


戦いが終わり安堵するルーシィとグレイ



エルザ「・・・・・」ゴゴゴゴ



そんな中エルザ一人だけが顔に青筋を浮かべ、アルトたちを見据える



アルト「え゛っっ!!?エルザー!!?」ガーン


エルザの姿に気づき、一人驚くアルト



アルト「エ、エルザも来てたんだ・・・(汗)」


ルーシィ「そうだ、お仕置きが待ってたんだ!!」


エルザ「その前にやることがあるだろう、悪魔にされた村人を救う事が今回の仕事の目的ではないのか」


ルーシィ「え!!?」


アルト「そういえばそうだった・・・デリオラのせいで忘れてた」


エルザ「S級クエストはまだ終わっていない」


ルーシィ「だ、だって・・・デリオラは死んじゃったし、村の呪いだってこれで・・・」


エルザ「いや・・・あの呪いとかいう現象はデリオラの影響ではない」


アルト「じゃあやっぱり月の雫ってやつの影響で・・・?」


エルザ「恐らくな・・・だからデリオラが崩壊したからといって事態が改善する訳がないだろう」


ルーシィ「そんなぁー」


ガックリと肩を落とすルーシィ



グレイ「リオン・・・お前が何か知ってんじゃねえのか?」


グレイは岩にもたれかかっているリオンに目を向ける



リオン「オレは知らんぞ」


しれっとした顔で答えるリオン



ナツ「何だとォ!?」


ハッピー「とォ!?」


ルーシィ「だって、あんたたちが知らなかったら他にとうやって呪いを・・・」


リオン「3年前、この島に来た時、村が存在するのは知っていた・・・しかしオレたちは村の人々には干渉しなかった・・・奴らから会いに来る事も一度もなかったしな」


エルザ「3年間一度もか?」


ルーシィ「そういえば遺跡から毎晩のように月の雫の光がおりていたハズだよね、なのにここを調査しなかったのはおかしな話よね」


アルト「ていうかさ、お前らってこの島に3年間いたんだよな?」


リオン「あぁ」


アルト「なんでこいつらの身体は悪魔になってないんだ?」


ナツ「!」


ルーシィ「た、たしかに!!!」



リオン「それは俺も疑問に思っていた・・・気をつけな、奴らは何かを隠してる・・・ま、ここからはギルドの仕事だろ」



そうして、リオンの話を聞いたエルザたちはすぐさま村へ向かった



アルト「おい」


リオン「・・・なんだ?」


アルトがリオンに声をかける



アルト「お前はこれからどうすんだ、目標が無くなっちまったんだろ?」


リオン「フン・・・貴様には関係のないことだ」


アルト「もしお前にその気があるなら、どっかのギルドに入れよ・・・仲間がいて、ライバルがいて、きっと新しい目標が見つかる」


リオン「・・・・・」


アルト「そうなったら・・・いつの日にか、勝負の決着つけようぜ」


リオン「く・・・くだらん・・・さっさと行け」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



アルト「どうなってんだこりゃ・・・」


ナツ「村が戻ってるーっ!!?」


見ると、毒毒ゼリーの影響でボロボロになった村が元に戻っていた



ナツ「どーなってんだ!!まるで時間が戻ったみてーだ!!」


アルト「時間・・・!?」


「時間」という言葉を聞き、アルトは仮面をつけた魔導士を思い浮かべる



アルト「まさか・・・アイツか・・・?」


ルーシィ「どうしたのアルト?」


アルト「いや・・・なんでもない・・・それよりも荷物をとってこようぜ」


ルーシィ「そうだった!あたしたちの荷物っ!!」


アルトとルーシィが荷物を取りに向かう


その途中、元に戻ったボボの墓の前に座る村長の姿があった


村長はアルトたちに気づくと立ち上がり、ゆっくりと近づく



村長「村を元に戻してくれたのはあなた方ですかな?」


ルーシィ「あ・・・いや・・・そーゆー訳じゃ・・・」


村長「それについては感謝します・・・が、しかし!!」


興奮気味の村長がアルトたちを怒鳴る



村長「魔導士どの!!一体・・・いつになったら月を壊してくれるんですかな!!!」


ルーシィ「ひぇー!!」


アルト「そんな事言われたってなァ・・・(汗)」


アルトたちが困り果てているとエルザがやってきて答えた



エルザ「月を破壊するのはたやすい」


アルト「えっ!!?」


グレイ「オイ・・・とんでもない事しれっと言ってるぞ」


ハッピー「あい」


エルザ「しかしその前に確認したい事がある、皆を集めてくれないか」


エルザの呼びかけに村の人たちが一か所に集まった




エルザ「整理しておこう、君たちは紫の月が出てからそのような姿になってしまった・・・間違いないな」


「まぁ、正確に言うとあの月が出ている時だけこのような姿に・・・」


エルザ「話をまとめると、それは3年前からということになる・・・」


「確かに・・・その通りだ・・・」


エルザ「しかし・・・この島では三年間、月の雫の儀式が行われていた・・・遺跡には一筋の光が毎日のように見えていたハズ」


エルザが説明しながら村の入り口の前を歩く



エルザ「きゃあ!!!」


すると、以前ルーシィが入口の前に仕掛けた落とし穴に落ちてしまった



ハッピー「お・・・落とし穴まで復活してたのか・・・」


ナツ「きゃ・・・きゃあって言った・・・ぞ」


グレイ「か・・・かわいいな・・・」


アルト「・・・ルーシィのせいだよ」


ルーシィ「わー!わー!あたしのせいじゃない!!あたしのせいじゃない!!」



エルザ「つまり、この島で一番怪しい場所ではないか」


エルザが何事もなかったかのように落とし穴を這い上がる



アルト「エルザ、大丈夫?」


エルザ「あぁ、問題ない」


「何事もなかったかのようだぞ・・・」


「問題ないだってよ・・・たくましい」


エルザ「なぜ、調査しなかったのだ」


エルザの問いかけに村人たちは口を濁す



エルザ「・・・本当の事を教えてくれないか?」


すると村長が答えた



村長「そ・・・それが、ワシらにもよく・・・分からんのです・・・正直、あの遺跡は何度も調査しようといたしました」


アルト「なら月の雫の儀式にも気づけたんじゃないのか?」


村長「それが・・・近づけないのです、遺跡に向かって歩いても・・・気がつけば村の門・・・我々は遺跡に近づけないのです」


アルト「そんな事が・・・!?」



グレイ「・・・!!」


ルーシィ「ど・・・どーゆう事?近づけない?」


ナツ「俺たちは中に入れたぞ、ふつーに」



エルザ「やはり・・・か」


アルトたちが驚く中、一人頷くエルザ



エルザ「アルト・・・ついて来い」


そう言ったエルザは鎧を換装する



エルザ「これから月を破壊する」


アルト「え゛っ・・・!!?」


ナツ「おおーっ!!」


ルーシィたち「「「えーっ!!!」」」





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

月の破壊を目論むエルザとアルトは村の高台に上っていた


「これから月を壊すのか・・・」


「おお・・・」


「やっと元の姿に戻れるんだ」


そしてエルザとアルトに期待の眼差しを向ける村人たち



グレイ「月を壊すってのは・・・さすがのエルザでもそれは・・・無理だよな?」


ルーシィ「な・・・何をするつもりだろ・・・?」


ナツ「楽しみだなぁー!!」


ハッピー「ドキドキするね」



エルザ「この鎧は巨人の鎧、投擲力を上げる効果を持つ」


さらにエルザは一本の槍を取り出す



エルザ「そしてこの槍は闇を退けし破邪の槍」


アルト「まさかそれを投げて月を壊すのか・・・?」


エルザ「いや、それだけではあそこまでは届かんだろう・・・だからお前の衝撃波でブーストさせたい」


アルト「・・・??」


エルザ「石突きを思いっきり殴るんだ、巨人の鎧の投擲力とお前の衝撃波を合わせて月を壊す」


アルト「お、おう・・・分かった」


エルザ「いくぞ」



グレイ「エルザのノリにアルトがついていけてないな・・・」


ルーシィ「まさか本当に月が壊れたりしないよね・・・」


ナツ「壊れたらすっげーぞ!」


エルザが思いっきり振りかぶる



エルザ「アルト!!」


アルト「おう!」



エルザ「届けェェえええええっ!!!!」



アルトが衝撃波を纏った拳で槍の石突きを殴り、エルザがその勢いに乗って槍を月へ向かって投げる


投げられた槍は空に刺さり、紫色に輝く月にヒビが入った


しばらくすると紫色の月と共に空が割れ、その奥から本物の月と空があらわれた



アルト「えっ!?」


ナツ「月!?」


ルーシィ「割れたのは月じゃない・・・空が割れた・・・?」


グレイ「どーなってんだ・・・!?」


エルザ「この島は邪気の膜で覆われていたんだ」


アルト「膜!?」


エルザ「あぁ、月の雫によって発生した排気ガスだと思えばいい・・・それが結晶化して膜をはっていたんだ、その為月は紫色に見えていたという訳だ」


本物の月があらわれると、村人たちの身体が輝き始める



ルーシィ「わぁあ・・・きれい」


アルト「これで村の人たちは元の姿に戻れるのか・・・」


しばらくすると村人たちの輝きは消え、姿は悪魔のままだった



グレイ「・・・元に戻らねえのか・・・?」


ナツ「どーすんだよっ!!?」


エルザ「いや・・・これで元通りなんだ、邪気の膜は彼らの姿ではなく彼らの記憶を冒していたのだ」


アルト「記憶?」


エルザ「『夜になると悪魔になってしまう』・・・という間違った記憶だ」


アルト「えっ・・・じ、じゃあ・・・ここの村人たちは・・・!!」


エルザ「そういう事だ、彼らは元々悪魔だったのだ」



「「「「「えぇぇぇぇぇぇっっ!!?」」」」」



村人たちの正体に驚くアルトたち



グレイ「ま・・・・・マジ?」


村長「う・・・うむ・・・まだちょいと混乱してますが・・・」


エルザ「彼らは人間に変身する力を持っていた、その人間に変身している自分を本来の姿だと思い込んでしまった・・・それが月の雫による記憶障害」


ルーシィ「でも・・・それじゃあリオンたちは何で平気だったの?」


エルザ「奴らは人間だからな、どうやらこの記憶障害は悪魔だけに効果があるらしい」


アルト「じゃあ何で村の人たちは遺跡に近付けたんだ?」


エルザ「それは恐らく彼らが悪魔だからだ・・・聖なる光をたくわえたあの遺跡には闇の者は近付けない」



「さすがだ・・・君たちに任せてよかった」


エルザの説明が終わると、一人の悪魔がアルトたちに声をかける



ボボ「魔導士さん、ありがとう」


その悪魔とは死んだと思われていたボボだった



村長「ボ・・・ボボ・・・」


ルーシィ「幽霊!!」


グレイ「船乗りのおっさん!?死んだハズじゃなかったのか!!?」


ボボ「俺たち悪魔は胸を刺されたくらいじゃ死なねェさ!!」


ボボが笑顔で答える



アルト「じゃあ・・・あんた今までどこにいたんだ!?」


するとボボが背中から羽を生やし、空を飛ぶ



ボボ「あの時は本当の事が言えなくてすまなかった」


ナツ「おおっ」


アルト「飛んだっ!?」


ボボ「オレ一人だけ記憶が戻っちまってこの島を離れてたんだ、自分たちを人間だと思い込んでる村の皆が怖くて怖くて・・・」


村長「ボボー!!!!」


村長が目に涙を溜めながらボボに抱きつく



ボボ「やっと正気に戻ったな親父!」


すると村の悪魔たちも空を飛び、ボボの無事を祝福する



エルザ「ふふ・・・悪魔の島・・・か」


ナツ「でもよ・・・みんなの顔見てっと・・・悪魔ってより天使みてーだな」


アルト「よかったなぁー!村長のじーさん」


「ボボが生きてたー!」


「めでたいぞー!」


「今夜は悪魔の宴だー!」


ルーシィ「なんかすごい響きね・・・それ」


ハッピー「あい」


その後、ガルナ島では悪魔たちと数人の人間の笑い声が響いていたらしい





そんな中、ガルナ島の森からアルトたちを眺める人物が一人



ザルティ「ご覧になりました?」


「ああ」


ザルティの横にある水晶から声が発せられる



「なぜ村を元通りに?」


ザルティ「サービス♡」


「やれやれ・・・しかし・・・思いのほかやるようだな」


評議員の一人、ジークレインが呆れた様子で水晶越しのザルティを見る



ジークレイン「フェアリーテイル、オレたちの邪魔にならなければいいがな」


するとザルティが仮面をとり、煙に包まれた


煙の中からは長い黒髪の美しい女性が現れた


ウルティア「そうね」

 

 

TEAR(涙)

 
前書き
デリオラ編終了、長かったなぁ・・・

 

 


アルト「しっかし、デカイ傷跡つくったよな・・・」


ルーシィ「んー・・・」


グレイ「・・・」パックリ


ルーシィが四つん這いになりグレイの顔の傷口を見る



ルーシィ「キズ・・・残っちゃいそうね」


グレイ「あ? 別にかまわねーよ」


ルーシィ「顔よ」


グレイ「キズなんてどこに増えようがかまわねーんだ、目に見える方はな」


ルーシィ「お うまい事言うじゃん」


ナツ「はぁ?見えないキズって何?」


アルト「俺にもよくわからん」





村長「な・・・なんと!?報酬は受け取れない・・・と!?」


エルザ「あぁ・・・気持ちだけで結構だ、感謝する」


エルザが報酬の受け取りを拒否する



村長「ほが・・・しかし・・・」


エルザ「昨夜も話したが、今回の件はギルド側で正式に受理された依頼ではない・・・一部のバカ共が先走って遂行した仕事だ」


村長「それでも我々が救われた事にはかわりません、これはギルドへの報酬ではなく友人へのお礼という形で受け取ってくれませぬかの?」


村長が笑顔で言った


するとエルザは諦めたように首を横に振った



エルザ「そう言われると拒みづらいな」


アルト・ナツ・グレイ「「「700万J!!!!」」」


エルザ「しかし、これを受け取ってしまうとギルドの理念に反する・・・追加報酬の鍵だけありがたく頂く事にしよう」


アルト・ナツ・グレイ「「「いらねーっ!!!」」」


ルーシィ「いるいる!!!!」


ボボ「では、せめてハルジオンまで送りますよ」


エルザ「いや、船は用意できてる」


そう言ったエルザの視線の先にはボロボロの海賊船が一隻あった



アルト「すっげーな!!こんなデカイ船を用意したのか!?」


グレイ「海賊船!!?」


ハッピー「まさか・・・強奪したの!?」


ルーシィ「イヤよ!!!こんなの乗りたくない!!」


ナツ「泳ぐならつきあうぞ」


アルト「あー、ナツとルーシィが泳ぐなら俺も泳ごうかな」


ルーシィ「無理!」


しばらくしてアルトたちはガルナ島を出港する



ボボ「みなさん!!!ありがとうございます!!!」


ガルナ島からボボたちが叫ぶ



アルト「お前らも元気でなー!!!」


アルトたちがそれにこたえる



「また悪魔のフリフリダンス踊りましょー!」


「仕事頑張れよー!」


「フェアリーテイル、サイコー!!」


「いつでも遊びに来いよー!」


悪魔たちが見送る中、船はハルジオンに向かっていった





そして、島の上でアルトたちの船を見送る者たちがもう一組


ユウカ「行っちまったな」


トビー「な・・・泣いてなんかないモンね!!」


ユウカ「てか・・・なぜ泣く」


シェリー「いいんですの?せっかくわかりあえた弟弟子さん・・・すなわち愛」


リオン「いいんだ」


その時リオンはアルトに言われた言葉を思い出す


「仲間がいて、ライバルがいて、きっと新しい目標が見つかる」



リオン「なぁ・・・ギルドって楽しいか?」













魔法評議会会場 ERA


ウルティア「デリオラの件は残念だったわ、ごめんなさいねジークレイン様・・・まさかあの女の魔力があそこまで強大だとは・・・」


ジークレイン「まぁ、仕方ねえさ・・・さすが既に死んでるとは思いもしなかった・・・それに・・・あまりそんな言い方をするもんじゃねえぞ」


ジークレインが胸の称号を持ち上げて言う



ジークレイン「俺はオマエの母を尊敬してるんだ、ウルの涙ウルティアよ・・・生きていれば間違いなく『聖十大魔道』の一人となっていただろう」


ウルティア「かいかぶりすぎよ、母は魔の道にとりつかれすぎて父に見捨てられたみじめな女」


ジークレイン「失ったものが大きければ大きいほど手に入る力は強大なものとなるんだぜ」


ウルティア「私は母の中では小さな存在よ」


ジークレイン「どうかな・・・幼い弟子を育てたのも――」


ウルティア「その話はおしまい♡」


するとウルティアがジークレインの口に指をあて、口を封じる



ウルティア「それより次の段階へ進みましょ」


ジークレイン「てか・・・おまえ・・・」


その時、ウルティアの頬が大きく腫れる



ウルティア「きゃああああっ!!!何コレェ!!?」


ジークレイン「はっはっはっ、今頃ハレてきやがった」


腫れたウルの頬を見て笑うジークレイン



ジークレイン「そういえば、アルトレアと戦った感想は?」


ウルティア「私は半分も力を出してないとはいえ見事だったわ・・・あの子はサラマンダー同様、もっともっと強くなるわよ」


ジークレイン「だろうな・・・アルトレア・・・俺の理想のために・・・強くなるがいい」













マグノリアの町――――――――――――――――――――――――



ナツ「帰って来たぞー!!!」


ハッピー「来たぞー!!!」


グレイ「しっかし、あれだけ苦労して報酬が鍵一コか・・・」


アルト「たしかに・・・労力に見合ってないかもなー」


報酬内容に文句を言グレイとアルト



エルザ「正式な仕事ではなかったんだ、これくらいがちょうどいい」


ルーシィ「そうそう、文句言わないの!!」


ルーシィは鍵を貰って上機嫌だった



アルト「で、今回もらった鍵はどんなのなんだ?」


ルーシィ「人馬宮のサジタリウス♡」


グレイ「人馬だと!?」


グレイが上半身は馬、下半身は人である生物を想像する



ルーシィ「いや、逆じゃない・・・?」


ナツ「・・・・・」


ナツはわけわからん怪物を想像する



ルーシィ「馬でも人でもないよ」


アルト「へぇ・・・人馬かぁ・・・」


アルトなりの人馬宮の星霊を想像する


すると何を思ったのか、人が四つん這いになってボンテージを着た女に鞭打ちされてる図が思いついた



アルト「・・・呼び出すの怖いな」


ルーシィ「言っとくけど、アルトが想像してるのとは全然違うから」



エルザ「さて・・・さっそくだがギルドに戻ってお前たちの処分を決定する」


アルト「げっ・・・」


ナツ「うお!!」


グレイ「忘れかけてた!!」


エルザ「私は今回の件について概ね海容してもいいと思っている・・・しかし判断を下すのはマスターだ、私は弁護するつもりはないからそれなりの罰は覚悟しておけ」


ハッピー「まさかアレをやられるんじゃ!!?」


グレイ「ちょっと待て!アレだけはもう二度とやりたくねぇ!!」


ルーシィ「アレって何ーっ!?」


ひどく怯えるハッピーとグレイ


その半端じゃない怯えようにルーシィが得体のしれない恐怖心を抱く



ナツ「気にすんな、『よくやった』って褒めてくれるさ!じっちゃんなら」


アルト「そうそう、マスターは案外優しいからな!」


エルザ「いや・・・アレはほぼ決定だろう・・・ふふ、腕が鳴るな」


エルザの一言にアルトとナツの表情が曇っていく



アルト「あぁぁぁ!!ごめんなさーい!!!!」


ナツ「いやだぁー!!アレだけはいやだー!!!!」


ルーシィ「だからアレって何ー!!?」


エルザに引きずられていく二人、その横には項垂れているグレイとハッピーがいた





フェアリーテイルに近づくにつれ、町民がアルトたちを見て何やらひそひそと話しているのが見えた


アルト・ナツ「「?」」


エルザ「何だ・・・?ギルドの様子がおかしい・・・」


するとエルザが目の前にあるフェアリーテイルの建物を見て、異様な雰囲気を感じ取る



ルーシィ「な・・・なに?」


グレイ「これは・・・」


ナツ「!?」


アルト「なんでだよ・・・!?」


アルトたちもギルドの異変を見て感じる





「オレたちのギルドが!!!」





そこには数本の鉄の柱が差し込まれ、半壊しているフェアリーテイルがあった



ナツ「誰が・・・!!!」


怒りに震えるナツの目にはうっすらと涙が浮かんでいた



アルト「誰だよ・・・こんな事しやがったのは!!?」


エルザ「何があったというのだ・・・」

 
 

 
後書き

次回からファントムロード編開始です


一段落したところでオリジナルエピソードを試験的に作ってみようと思います

 

 

・Original Episode 1・

 
前書き
記念すべき最初の間話!

今回はご要望通りミラさんの話を作ってみました

即興作品なので少しグタグタなところがあるかもしれませんが、最後まで読んでいただけると幸いです
 

 
今日も笑い声が絶えず賑やかなギルドのフェアリーテイル


ナツ「ざけんな!この変態野郎!!」


グレイ「それはコッチのセリフだ!クソ炎!!」



「またナツたちが喧嘩始めてるぞー!」


「誰か止めろー!落ち着いて酒も飲めやしねェ!!」


「いいぞー、もっとやれェー!!」



そこにナツやグレイ等の問題児たちが騒ぎたてる事で周りはいっそう盛り上がる


そんな中、カウンター席に座る黒髪の少年とカウンター越しに少年を見据える白髪の女性



アルト「またナツたちか・・・少しは仲良くできないのかねぇ・・・」


ミラ「あら、私はあれはあれで面白いと思うわよ」


アルト「そーだけどさぁ・・・こう毎日だとなァ」


呆れた様子でナツたちを見ていたアルトはため息をひとつつく



ミラ「でも、アルトだって昔はナツたちと喧嘩してたじゃない」


アルト「あれはナツたちが最初に仕掛けてきたんだよ、『勝負しろー!』ってさ」


ミラ「そうだったの・・・それにしても昔のアルトは可愛かったわよねぇ、今も可愛いけどっ!」


アルト「あ、あんまりそういう事いわないでよ・・・俺は男だ、可愛いって言われても嬉しくない!」


『可愛い』と言われて恥ずかしいのか、若干頬を染めて抗議するアルト


そんなアルトを見て『ふふっ』っと笑みを溢すミラ



ミラ「ねぇアルト・・・今日、これから時間ある?」


アルト「ん?・・・あるけど」


アルトが答えたあと、ミラがいつも通りの笑顔で言う



ミラ「じゃあ、これからちょっと買い物に付き合ってくれない?」


アルト「え!?」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

マグノリアの町


時刻は午後を少しまわったところ


ミラとアルトはマグノリアの町まで買い出しにやってきた



アルト「・・・・・」


ミラ「・・・♪」


子供のような笑みを浮かべて楽しそうに歩く綺麗な女性


その横には少し緊張気味・・・いや、警戒気味の少年


その二人が並んでいる姿はまさに仲のいい姉弟そのものだった



アルト「き、急に買い物だなんて・・・一体何を企んでるんだミラさん?」


ミラ「もうっ、失礼ね・・・偶にはいいじゃない、二人で出掛ける事があっても」


アルト「まぁ・・・確かに最近は仕事で忙しかったから、誰かと出掛けるなんて久しぶりだよ」


ミラ「それに、昔はよく一緒に出かけてたじゃない♪」


アルト「・・・・・」


ミラの笑顔でいう一言にアルトは不信感を抱く


そしてふと小さい頃の事を思い出した





子ミラ「アルトォー!いるかーっ!!」バンッ


子アルト「!!?」ビクゥッ


子ミラが勢いよくギルド内の扉を開く



子アルト「な・・・なーに?ミラさん・・・」


イヤな予感を察したのか、小さい声で呼び出しに応じる子アルト



子ミラ「エルザがどこに行ったか知らないか!?」ズイッ


子アルト「うーん・・・あ、そういえば街に入荷した新しい武器を一緒に見に行かないかって今朝誘われたよ・・・」


子ミラ「街か・・・そうと分かりゃ話は早い!ついてこいアルト!!」ガシッ


子ミラが子アルトの首根っこを掴み強引に連れ出す



子アルト「え゛っ・・・な、なんで・・・おれまで・・・!!」


子ミラ「しもべは黙ってアタシについて来りゃいいのさっ!あははははっ!!」


子アルト「あぁぁ・・・!!」ズリズリ





アルト「・・・出掛けたってより、連行されたって方が言葉的に正しいような・・・」


幼きころの出来事を思い出したアルトは青ざめた表情で呟く



ミラ「ん?何か言った、アルト?」


アルト「いや、別に・・・」


ミラ「あ!見てアルト、新しいお店が出来てるわ!!」


ミラがとある服屋を指さして言う


新しく出来たお店らしく、客もそこそこ集まっており賑わっている



アルト「色んな服があるんだなぁ・・・」


アルトもミラと一緒に店内をまわり様々なデザインの服を見る



アルト「おっ、これナツに似合いそうだ・・・あ、こっちの衣装はルーシィに・・・ぷぷっ」


ミラ「アルト!」


服を見るアルトにミラが元気よく声をかける



アルト「なーに、ミラさ・・・んっ!?」


声に応じて振り返ったアルトは数秒硬直する


なぜならアルトの目の前には普段の衣装とは違う感じで、しかしとても似合っていて可愛い格好のミラが立っていたからだ



ミラ「どう、アルト?この服すごく素敵だと思うんだけど」


ミラジェーンはただでさえグラビアアイドルを担う美貌の持ち主である


それに加えていつもとは違う格好をしたミラは新鮮でとても美しく見えた



アルト「あ・・・あぁ、よく似合ってると思う・・・/////」


面食らったアルトは自分でも顔が赤くなるのを感じ取った


そして、それをごまかす為にあえてミラから視線をそらす



ミラ「じゃあ、次はあそこに行きましょ!!」


その後もミラが行きたい場所を次々と指名した


新しい店に入るたび、アルトの持つ荷物が増えていく



ミラ「・・・大丈夫アルト?ごめんね、ちょっと買いすぎちゃったかも」


流石に両手両脇が塞がっているアルトを見て心配したのか


ミラは申し訳なさそうな表情でアルトの顔を覗き込む



アルト「これくらいは大丈夫だよ・・・それより、もう日が暮れちゃったね」


ミラ「えっ!?」


アルトが言って初めて気づくミラ、すでに空には綺麗な月が浮かんでいた



ミラ「ほんとね・・・じゃああそこで最後にしましょう!」


ミラが最後に選んだ店は喫茶店


店内と外に円卓が並べられており、ミラとアルトは外の席に向かい合うようにして座った



アルト「ふぅー・・・」


席に座ったアルトは両脇に挟んでいた荷物をそーっと隣の空席の椅子に下ろす



ミラ「ふふっ、お疲れ様アルト」


アルト「これぐらい平気、平気・・・それより小腹がすいたよ」


ミラ「へぇ、ここの店はケーキがお勧めだって!」


アルト「じゃあ、せっかくだから食べようかな」


そうしてミラとアルトはケーキと飲み物を頼んだ


しばらくしてウェイターが注文した品を丁寧に運んでくる


アルトはそのまま、綺麗なデザインの皿にのったケーキを口に運ぶ



アルト「・・・うん、美味い!」


口の中でとろとろのクリームがゆっくりと溶け、スポンジはこの上ない柔らかさだった



ミラ「本当に美味しいわ!ギルドに戻ったら挑戦してみようかな!!」


アルトとは違う味のケーキを味わい、満足そうな顔をするミラ



ミラ「ねぇアルト、そっちのケーキも一口頂戴♪」


互いに違う味のケーキを食べているため、ミラは別の味も楽しもうとケーキの一口交換を提案した



アルト「いいよー」


アルトもそれに応じてケーキを一口サイズに切り、フォークで持ち上げミラに差し出す




ミラ「ん♪」パクッ


アルト「!!?」


ミラが身体を乗り出し、アルトの差し出すフォーク諸共ケーキを口に咥える



ミラ「わぁ、とっても美味しい!!」


アルト「えっ・・・!?」


違う味を味わい感激するミラ


そんなミラとは対称に困惑するアルト



アルト「(か・・・間接キス・・・!?)」


優れた魔導士といえど思春期の男子、綺麗な女性との間接キスには何か思う事がある



ミラ「はい、私のもあげるね♪」


ミラが同じようにケーキを一口サイズに切ってアルトに差し出す



アルト「あぁ・・・うん・・・」


アルトが差し出されたケーキをフォークで受け取ろうとする


しかしフォークを突き刺そうとした瞬間、ミラの差し出すケーキが後退する


アルト「あれ・・・くれないの?」


ミラ「せっかくだから、あーん♪」


アルト「えーっ!?」グモーッ


楽しそうに再びケーキを差し出すミラ


アルトは仕方ないと言わんばかりの表情でそれを食したのであった










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



アルト「ただいまぁー・・・」


ミラ「ただいま、皆!」


満足そうな表情のミラと少し疲れた様子のアルトがギルドに帰還する



ルーシィ「あ、おかえりー二人とも!」


エルザ「街に出ていたそうだな」


するとルーシィたちが出迎えてくれた



ナツ「ずりぃーぞ、アルト!俺も連れてけよ!!」


キズだらけのナツがアルトに抗議する


恐らく傷の原因は今朝のグレイとの喧嘩だろう



アルト「いやだって・・・ナツ、その時グレイと喧嘩してたから」


ナツ「出掛けると分かってりゃ、グレイなんかすぐにぶっ飛ばしたのによォ!!」


グレイ「よく言うぜ、返り討ちにしてやるよ」


ナツと同じく、傷だらけのグレイがアルトたちに近づく



アルト「それで、今回はどっちが勝ったの?」


ナツ「そりゃおめェ・・・」


グレイ「聞くまでもねぇだろ」



ナツ・グレイ「「俺だ」」



見事に台詞がシンクロした二人は睨みあう


数秒の沈黙の後、二人はいつものように殴りあった



ナツ「俺だろ!変態野郎!!」


グレイ「俺だっつってんだろクソ炎!!」


二人は再び喧嘩を始めた



ミラ「ふふっ、ナツたちはいつも通りね」


アルト「あーあ・・・聞かない方が良かったか」


アルトはいつも通りカウンター席に座る



ミラ「甘いもの食べた後だし、コーヒーでも飲む?」


カウンター席越しに立つミラがアルトに話しかける



アルト「うん、あんま苦すぎるのはやめてくれよ」


ミラ「はいはーい!」


それから間もなく、アルトの目の前には砂糖がたっぷり注がれたエスプレッソが置かれた



ミラ「今日はありがとねアルト、とっても楽しかったわ♪」


アルト「そうだね・・・また二人でどこか出掛けようか」


ミラ「あら、アルトから誘ってくれるなんて嬉しいわ!」


アルト「今日はミラさんの荷物持ちでしか無かったからな、次は俺の用事にも付き合ってもらうよ」


ミラ「えぇ!次に行く時を楽しみにしてるわね、アルト♪」


嬉しそうに笑顔で頷くミラ


心なしか若干、頬も赤く染まっていた





しかし、鈍感なアルトがミラの真意を理解するのはまだまだ先の話になりそうだった


 
 

 
後書き
とりあえす終了、駄文ですいません(汗)

これからもっとうまく書けるよう努力を重ねていくつもりなのでこれからも読んでいただけると嬉しいです

誤字・脱字・変な表現等あれば指摘してください

できればその際、正しい表現を教えていただけると助かります

 

 

幽鬼の支配者

 
前書き
新章突入!

楽しみにしてたので更新速度上がるかもしれないです!

 

 
ナツ「オレたちのギルドを・・・」


アルト「誰がやったか知らねえが許せねェ!!」



ミラ「ファントム」


半壊したギルドを見て動揺しているアルトたちの後ろから声がかかる



ミラ「悔しいけど・・・やられちゃったの・・・」


振り返るとそこには、暗く沈んだ表情のミラが立っていた









フェアリーテイル 地下一階


上が半壊しているため、ギルドの皆は地下で活動していた


見たところ負傷者はいないようだった



「お!エルザが帰って来たぞ!!」


「アルトやナツたちも一緒だ!」



マカロフ「よっ、おかえり」


酒樽の上に座って酒を飲み、いつも通りの表情を見せる



ナツ「じっちゃん!!酒なんか呑んでる場合じゃねえだろ!!」


マカロフ「おー、そうじゃった」


づかづかとマカロフに近づくナツ



マカロフ「お前たち!!勝手にS級クエストなんかに行きおってからにー!!」


アルト「えっ!?」


グレイ「はァ!?」


マカロフの見当違いの一言に全員愕然とする



マカロフ「罰じゃ!!今から罰を与える!!覚悟せい!!!」


アルト「なぁ、マスター!そんな事より――」


マカロフ「めっ!」


アルト「う゛っ!」


罰と称して、アルトたちの頭に一回ずつチョップをかましていくマカロフ



マカロフ「めっ」


ルーシィ「きゃっ」


ミラ「マスター!!ダメでしょ」


ルーシィだけは何故かお尻を叩かれた



エルザ「マスター!!!今がどんな状況か分かっているんですか!!!」


ナツ「ギルドが壊されてんだぞ!!!」


マカロフ「まあまあ、落ち着きなさいよ・・・騒ぐことでもなかろうに」


ルーシィ「!!」


グレイ「何!!?」


マカロフの一言にまたもや全員が驚愕する



マカロフ「ファントムだぁ?あんなバカタレ共にはこれが限界じゃ、誰もいねえギルド狙って何が嬉しいのやら」


そう言って酒を飲み続けるマカロフ



エルザ「誰もいないギルド?」


ミラ「襲われたのは夜中らしいの」


アルト「そっか、じゃあケガ人はいないのか・・・よかった」


ケガ人0と聞き、安堵するアルト



マカロフ「不意打ちしかできん奴等にめくじら立てる事はねえ、放っておけ」


ナツ「納得いかねえよ!!!オレはあいつら潰さなきゃ気が済まねえ!!!」


マカロフ「ナツぅ!!!いい加減にせんかぁ!!!」


またしてもルーシィのお尻を叩くマカロフ



マカロフ「この話は終わりじゃ、上が直るまで仕事の受注はここでやるぞい・・・つーか、ちょっと待て・・・漏れそうじゃ」


そう言ったマカロフは小走りで去っていった



アルト「なんであんな余裕なんだよ・・・マスターは悔しくないのかなぁ・・・」


ミラ「アルト・・・悔しいのはマスターも一緒なのよ、だけどギルド間の武力抗争は評議会で禁止されてるの」


ナツ「先に手を出したのは、あっちじゃねーか!!!」


ミラ「そういう問題じゃないのよ」


アルト「でもまぁ・・・ケガ人がいないなら・・・」


エルザ「あぁ、それに・・・これはマスターのお考えだ・・・仕方ないな」


エルザの一言が決め手となり、この場は鎮まる一同


しかし全員まだ納得してないようだった





ルーシィの家への帰り道、ルーシィとアルトが並んで歩いていた



ルーシィ「なーんか、大変な事になっちゃったなぁ・・・」


アルト「まぁ、ファントムとは昔っから仲悪かったからな」


ルーシィ「でもあたし本当はどっち入ろうか迷ってたんだー、だって こっちと同じくらいぶっとんでるらしいし」


アルト「それならフェアリーテイル入って正解だな」


ルーシィ「うん、あたしもそう思う!だってフェアリーテイルは―――」


ルーシィが自分の家のドアを開ける



グレイ「おかえり、二人とも」


ハッピー「おかー」


エルザ「いい部屋だな」


ナツ「よォ」


ルーシィ「サイコーーーー!!!!?」


ナツたちが既に家にいる事に驚くルーシィ



アルト「やっぱ皆も来てたんだ!いらっしゃーい!!」


ルーシィ「ここあたしの家ー!!」


エルザ「ファントムの件だが、奴等がこの街まで来たという事は、我々の住所も調べられてるかもしれないんだ」


ルーシィ「え?」ゾゾッ


グレイ「まさかとは思うが一人の時を狙ってくるかもしれねぇだろ?」


ハッピー「だからしばらくは皆でいた方が安全だ・・・ってミラが」


ルーシィ「そ・・・そうなの!?」


エルザ「お前も年頃の娘だしな・・・アルト、ナツ、グレイの三人だけが泊まるのは私としても気がひける、だから私も同席する事にしたという訳だ」


ルーシィ「アルトたちが泊まるのは確定なんだ(汗)」


話によると、他のギルドメンバー全員が各自、ファントム対策にお泊まり会を開いているらしい


アルトたちはというとルーシィの部屋を物色している



ナツ「おお!!プルー!!何だその食モン!?俺にもくれ」


アルト「見ろよグレイ、これルーシィの書いた小説だぜ」


グレイ「へー、どれどれ・・・」


ハッピー「エルザ見てー、エロい下着見つけた」


エルザ「す・・・すごいな・・・こんなのをつけているのか」



ルーシィ「清々しいほど人ん家エンジョイしてるわね」


エルザ「それにしてもお前たち・・・汗くさいな、同じ部屋に寝るんだから風呂くらい入れ」


アルト「えー、もう今日は疲れて入る気しないよ」


ナツ「やだよ、めんどくせぇ」


グレイ「オレは眠ーんだよ」



エルザ「仕方ないな・・・昔みたいに一緒に入ってやってもいいが・・・」


エルザがナツとアルトを引き寄せてそう言った



ルーシィ「アンタらどんな関係よ!!!!」


エルザ「もちろん、アルトもいいぞ」


そう言ってアルトの方を向くエルザ



アルト「エルザと入るの疲れるからやだよ」


アルト何気ない顔で答えた



ルーシィ「アンタも一緒に入ったことあるのー!!?」


エルザ「あぁ、アルトはミラともよく入っていたな」


ルーシィ「えぇぇ!?あのミラさんとっ!!?」


アルト「遥か昔の話だけどね・・・ていうか、一緒に入ったってより・・・引きずり込まれたっていうか・・・」





そう言ったアルトは昔、好戦的だったミラと一緒に風呂に入り色々されたのを思い出しながらシャワーを浴びたとさ





そして、少し時が経ち





ルーシィ「ねぇ・・・例のファントムって何で急に襲って来たのかなぁ?」


エルザ「さぁな・・・今まで小競り合いはよくあったが、こんな直接的な攻撃は初めての事だ」


ナツ「じっちゃんもビビってねえでガツンとやっちまえばいいんだ」


イラついてるナツが呟く



グレイ「じーさんはビビってる訳じゃねえだろ、あれでも一応『聖十大魔道』の一人だぞ」


ルーシィ「聖十大魔道?」


エルザ「魔法評議会議長が定めた大陸で最も優れてた魔導士10人につけられた称号だ」


アルト「そういえば、ファントムのマスターも聖十大魔道じゃなかったか?」


ハッピー「マスター・ジョゼだよ」


ナツ「ビビってんだよ!ファントムって数多いしさ!!」


机を叩いて立ち上がるナツ



グレイ「だから違ぇーだろ、マスターは二つのギルドが争えばどうなるかわかってるから戦いを避けてんだ・・・魔法界全体の秩序のためにな」


グレイの一言に生唾を飲み込むルーシィ



ルーシィ「そんなにすごいの?ファントムって」


ナツ「大したことねーよ、あんな奴ら」


エルザ「いや・・・実際に争えば潰し合いは必至・・・戦力は均衡している」



「マスター・マカロフと互角の魔力をもつと言われている聖十大魔道のマスター・ジョゼ」


「そして向こうでのS級魔導士にあたるエレメント4」


「一番やっかいだとされるのが『黒鉄のガジル』、今回のギルド強襲の犯人と思われる男・・・『鉄の滅竜魔導士』だ」



ルーシィ「滅竜魔導士!!!?ナ・・・ナツ以外にもいたんだ・・・」


アルト「炎の滅竜魔導士は炎を食べるって事は・・・ガジルって奴は鉄を食べるって事になるんだよな・・・」


ルーシィ「う・・・うそぉ・・・」


鉄を食べると聞いて顔を青くするルーシィ



エルザ「まぁ、ともかく考えても仕方ない・・・今回は仲間全員が無事だっただけ良しとしよう」


ナツ「納得いかねえ・・・」


ナツは相変わらず不貞腐れていた



アルト「じゃあ、今日は全員同じ部屋で寝るって事で・・・おやすみ」


エルザ「そうだな、おやすみ」


こうして、アルトたちは全員床に就いたのであった










翌日


マグノリアの街、南口公園


いつもは人気のない公園だが、今日に限って何故か大きなひとだかりが出来ている



エルザ「すまん通してくれ、ギルドの者だ」


グレイ「!!!」


ルーシィ「う・・・」


ナツ「ぐっ・・・!!!」


アルト「・・・・・」


公園にかけつけたアルトたちが怒りに身を震わせる


そこで目にしたものとは、公園の巨木に鉄で縛られ磔にされたレビィたちの姿だった



ルーシィ「レビィちゃん・・・」


グレイ「ジェット!!ドロイ!!」


ボロボロのレビィたちの姿を見たルーシィが目に涙を浮かべている


ナツとエルザは言葉にならないほど怒り、その場に固まっている



その時、巨木に縛り付けられていたレビィの身体が地面に落ちる



グレイ「やべぇ!落ちるぞ!!」


ルーシィ「レビィちゃん!!」


しかしアルトが落ちてきたレビィの身体を抱きとめ、地面への激突を避けた



アルト「・・・・・」


アルトが傷ついたレビィの身体をじっと見据える



アルト「すぐにマスターに連絡をとれ・・・建物ならまだしも、仲間がこんな目に会ったっていうのに黙ってられねェ・・・」


そう言ったアルトは魔力を一気に放出する


するとアルトの立っていた地面が割れ、顔には青筋がくっきりと浮かんでいた




アルト「戦争だ」ゴオオオッ


 

 

妖精の殴りこみ

 
前書き
筆が進む!(笑)

少しの間ですが2日に1回の更新になりそうです

 

 
マグノリア病院


公園の騒ぎの後、真っ先に病院に運ばれたレビィたち


そしてベットの前にはルーシィが苦悶の表情を浮かべている



ルーシィ「ヒドイ事するんだなぁ・・・ファントムって・・・」


自分の小説を読んでくれる親友レビィが傷つき、傷心するルーシィ



ルーシィ「許せないよ、あいつら・・・」










フィオーレ王国 北東 オークの街


魔導士ギルド『幽鬼の支配者』(ファントムロード)がある街だ



「だっはー!最高だぜー!!」


「妖精のケツはボロボロだってよ!!」


中からは大きな笑い声とともにフェアリーテイルを罵倒する声が響いていた



「あ!いけね、こんな時間だ」


「女かよ」


「まあまあいい女だ、依頼人だけどな・・・脅したら報酬2倍にしてくれてよォ」


高笑いしながら男が扉に手をかけた


その時、爆炎と共に扉と男が吹き飛んだ





マカロフ「フェアリーテイルじゃあああ!!!!」


爆炎が晴れ、現れたのはフェアリーテイルのメンバーほぼ全員



ナツ「おおおああ・・・らぁ!!!」ドォォ


先陣切って飛びだしたナツが拳の炎でファントムのメンバーを次々と焼き払う



ナツ「誰でもいい!!かかってこいやぁぁ!!」


「調子に乗るんじゃねえぞコラ!!」


「やっちまえー!!」


アルト「どけっ!!!」ドドォ


ナツに続いて、アルトは次々と襲いかかってくるファントムメンバーを蹴散らしていく



「つ・・・強ぇ!!」


「何者だ、こいつ!!?」


アルト「ギルドを襲った野郎はどいつだぁぁぁ!!!」


「ひっ・・・!!」ゾクッ


「くっ・・・マスター・マカロフを狙えー!!!」



マカロフ「かあーっ!!!!」


大人数で襲いかかる者たちを巨大化したマカロフが押しつぶす



「ぐあぁぁあ!」


「ばっ・・・バケモノ!!!」


マカロフ「貴様等は そのバケモノのガキに手ェ出したんだ・・・人間の法律で自分を守れるなどと夢々思うなよ」


「つ、強ぇ・・・」


「兵隊どももハンパじゃねえ!!!」


「こいつらメチャクチャだよ!!!」



マカロフ「ジョゼー!出てこんかぁっ!!!」


エルザ「どこだ!!ガジルとエレメント4は どこにいる!?」


マカロフの戦闘により、士気が上がるフェアリーテイル





そしてそんな戦いを上から見下ろすガジル


ガジル「あれがティターニアのエルザ・・・ギルダーツ、ラクサス、ミストガンは参戦せずか・・・なめやがって」


自分たちが追い込まれているというのにニヤリと笑うガジル



ガジル「しかし・・・これほどまでマスター・ジョゼの計画通りに事が進むとはな・・・せいぜい暴れまわれ、クズどもが」





エルフマン「ぬぁぁぁ!!漢!漢!!漢ォ!!!」


片腕を接収させて、ファントムの者たちを殴り飛ばしていくエルフマン



エルフマン「漢なら・・・漢だぁああぁあっ!!!!」


「ぐぁああ!!」


「な、何言ってんだアイツ!?」


接収(テイクオーバー)だ!!あの大男、腕に魔物を接収させてやがる!!」



それに続き、グレイやエルザたちも兵隊を蹴散らしていく


マカロフ「エルザ!!ここはお前に任せる・・・ジョゼはおそらく最上階、ワシが息の根を止めてくる」


エルザ「お気をつけて」


マカロフが最上階目指して階段を上っていく






ガジル「へへっ・・・一番やっかいなのが消えたトコで・・・ひと暴れしようかね」


マカロフがいなくなった後、ガジルは上から下へ飛び降りる


そして地面に着地すると、無差別に攻撃を仕掛ける



ガジル「いくぜぇ、クズども!!この鉄の滅竜魔導士ガジル様が相手だ!!!」


アルト「!」


そう言ったガジルはアルトめがけて突撃する



ガジル「鉄竜棍!!!」


アルト「ぐっ!!」ドゴォォン


ガジルの鉄竜棍がアルトの頭に直撃する


技をまともに食らったアルトの頭からはひとすじの血が流れる



アルト「鉄・・・!」ガシッ


一撃を耐え踏みとどまったアルトは、棍棒に変形させたガジルの腕を掴む



ガジル「ギヒッ、そうだ!俺は鉄の滅竜魔導士・・・―――!?」


するとガジルは異変に気づく



ガジル「(な・・・何だ!?奴に掴まれた腕が・・・ピクリとも動かねェ・・・!!?)」ググッ


次の瞬間 アルトが掴んでいた鉄の腕を強く握り、ヒビを入れた



ガジル「なにっ!!?」ピキィッ


アルト「てめェか・・・レビィたちをやったのは・・・!!!」ゴォッ


アルトが思い切り拳を握りしめ



アルト「らぁぁああァ!!!!」バコォォン


ガジル「ぐっっ!!?」


鉄の鱗ごとガジルを殴り飛ばした



アルト「オラぁあァ!!」ドゴッ


ガジル「ごぁっ!!!」



アルト「だぁああァァ!!!」ドォォ


ガジル「(がっ・・・こ、コイツ・・・俺の鋼鉄の鱗を平気で殴ってきやがる・・・!!)」



アルト「砕けやがれぇぇぇ!!!」ズドォ


ガジル「ぐあぁあっ!!!」


ガジルに猛攻撃を仕掛けるアルト


吹っ飛ばされたガジルは空中で回転しながら体制を立て直し、即座に反撃する



アルト「まだまだァァ!!」


ガジル「チッ・・・調子に乗るんじゃ・・・―――」


ガジルは拳に鋼鉄の鱗を纏わせる



ガジル「――ねェよ!!」バキィ


アルト「!!」


ガジルのすさまじい拳がアルトを殴り伏せた



アルト「それはァ・・・コッチのセリフだぁぁ!!」ドォォ


ガジル「がっ・・・!!」


殴り伏せられたアルトはひるむことなく、即座に反撃する



アルト「レビィたちをあんな目にあわせやがって!テメェだけは、ぜってーぶちのめすっっ!!!」


ガジル「鉄竜剣!!」


アルト「スパー・クラッグ!!」


ガジルの攻撃を衝撃波で相殺する



アルト「砕破掌!!」


ガジル「ごふ゛っ・・・!!?」


すかさずアルトがガジルの腹部に魔法を打ち込む


衝撃波がガジルの体内で拡散する、ガジルの口からは血が噴き出す



アルト「メテオ・ヴィザスター!!!」


ガジル「ぐぉおおォォお!!!」


アルトの魔法が直撃し、遥か後方に吹き飛んだガジル


周りのファントムメンバーはその光景に驚き、開いた口が塞がらないでいる



ナツ「やるなァ、アルトのやつ!」


エルザ「さすがだな」


フェアリーテイルメンバーも、流石と言わんばかりの表情で見ていた





ガジル「・・・で、それが本気か?アルトレア」


しかし、ガジルが口から噴き出た血をぬぐいながら現れる


余裕そうな表情を見る限り、致命的なダメージは受けていない様子だ



アルト「顔、見てみろ」


ガジル「!?」パリン


突然ガジルの顔を覆っていた鉄の鱗が割れ、その箇所から血が流れる



ガジル「っ・・・!!」


割れた鱗から流れでる血を見て、驚きの表情を見せるガジル



アルト「おい・・・本気ださねェならそのままぶち砕くぞ、黒鉄のガジル・・・次からは加減しねェからな」


ガジル「ギヒッ・・・思った以上に楽しめそうだな・・・かかってこいよ、アルトレア」

 
 

 
後書き
書いてて気づいた、前哨戦なのにお互い本気になっとる・・・(汗)

 

 

前哨戦 アルトvsガジル

 
前書き
相変わらず戦闘シーンが上手く書けない(汗)

 

 

ファントムロードに殴りこみを仕掛けたフェアリーテイル一同


最上階にてマカロフの凄まじい魔力を感じながらも、アルトは『黒鉄のガジル』と対峙していた




アルト「いくぞ・・・!」


ガジル「来いよ」


ガジルが言葉を言い終えると同時に、アルトはガジルに向かって殴りかかる



ガジル「鉄竜剣!!」


アルト「っ!」


腕を剣に変形させたガジルがアルトに斬りかかる


アルトは攻撃を器用によけ続ける



ガジル「逃げてるだけか?」


アルト「そんなワケねえだろ!!」ドォォン


ガジル「ギヒッ!」ググッ


アルトは、まわし蹴りを繰り出すが鋼鉄の腕によって防がれる



ガジル「鉄竜棍!」


アルト「アース・クライツ!!」


衝撃波の掌底で攻撃を防ぐアルト




ガジル「コイツなら、どうだ!?」ブオッ


アルト「うおっ!?」


ガジルが鋼鉄の脚で繰り出した蹴りを紙一重でよけるアルト


すると、蹴りの風圧で後ろにあった机や椅子が全て吹き飛んだ


ガジル「鋼鉄で強化された蹴りだ、よく避けたな」



アルト「どらぁァ!!!」ドンッ


ガジル「!!」


アルトが先ほどよりも強力なパンチでガジルを殴り飛ばす



ガジル「(!? コイツ・・・さっきよりも攻撃力が・・・!!)」


アルト「レビィたちの敵は討たせてもらうぞ!!」


ガジル「鉄竜槍!!」


ガジルが腕を槍に変形させ、襲いかかる


しかし、アルトはそれを片腕で受け止める



ガジル「はっ・・!!?」


アルト「はぁぁァァア!!!」バゴォ


ガジル「ごっ・・・!!」


拳を強く握り締めたアルトは、渾身の力でガジルを殴り飛ばす



アルト「今のはジェットの分だ!」


ガジル「がっ!!」ドゴォ


アルトは足裏から衝撃波を発生させ、ガジルに急接近した後、もう一度殴り飛ばした



アルト「これはドロイの分!!」


ガジル「この・・・調子に乗りやがってぇぇ!!」ゴォッ


ガジルが鋼鉄の拳でアルトに殴りかかる


しかしアルトは同じく拳をぶつけて、ガジルのパンチを防ぐ




ガジル「(ヤロウ・・・俺の鋼鉄の拳を・・・素手で・・・!!!)」




アルト「そしてこれが・・・―――」


ガジル「うっ・・・!?」


アルト「レビィの分だぁぁァ!!!」ズドォォ


ガジル「ぐぉぉおォオ!!!」


吹き飛んだガジルは石造りの壁にめりこみ、レビィたちと同じ磔状態になった



ガジル「ぐぁっ・・・!!」


殴られた箇所から手があふれ出すガジル


めりこんだ壁から脱出し、片膝をつく


ガジル「テメェ・・・いい気になってんじゃねぇぞ・・・」ギロッ



アルト「まだ、立てんのか・・・あきれた硬さだな」



ガジルが立ちあがり、再びアルトと向かい合ったその時――







ズドッという音とともに最上階へ向かったマスター・マカロフが落ちてきた







アルト「なにっ!!?」


ナツ「え!?」


エルザ「マ・・・マスター!?」



マカロフ「あ・・あ・・う・・あ・・ワ、ワシの・・・魔力が・・・」


地面に横たわったマカロフの姿を見たフェアリーテイルメンバーは驚愕する



エルザ「マスター!!しっかり!!」


「ど・・・どうなってんだ!?あのマスターからまったく魔力が感じねェ!!」


「それじゃあ、ただのじーさんになっちまったのか?」


エルザたちの呼びかけにも応じないマカロフ



「ありえねぇ!!どうやったらマスターがやられるんだ!?」


「一体・・・上で何があったんだ・・・」


マスターがやられた事で動揺するフェアリーテイル



「いけるぞ!!これで奴らの戦力は半減だ!!」


「今だ、ぶっ潰せー!!」


その隙を狙って、ファントムロードの兵士たちが攻め立てる




エルザ「(いかん・・・!戦力だけではない・・・士気の低下の方が深刻だ)」


状況を把握したエルザはフェアリーテイルメンバー全員に向かって大声で叫ぶ



エルザ「撤退だー!!!全員ギルドへ戻れー!!!」


ナツ「!!!」


グレイ「バカな!!!」


エルフマン「漢は退かんのだー!!!」


「オレはまだやれるぞ!!」


「私も!!」



エルザ「マスターなしではジョゼには勝てん!!撤退する!!命令だ!!!」





ガジル「あらあら、もう帰っちゃうのかい?」


アルト「あぁ、帰る・・・テメェをぶちのめしてからな!!」


ガジル「フン!」


アルトは再び拳を振るうが、ガジルはそれをいともたやすく防いだ



ガジル「どうした、さっきまでのパンチとはまるで威力が違うぜ?動揺してんのか?」ニヤッ


アルト「ぐぁっ・・・!!」


鋼鉄の鱗で防がれたため、アルトの拳からは血が噴き出す



アルト「このヤロォ・・・」ギリッ



「悲しい・・・」


ガジルを鋭い目つきでにらむアルトの前に一人の大男が現れる



アルト「な、なんだコイツ!?どっから現れやがった!!?」


ガジル「アリア・・・相変わらず不気味なヤローだ、よく あのじじいをやれたな」


アリア「全てはマスター・ジョゼの作戦・・・素晴らしい!!!」ドバッ


ガジル「いちいち泣くな」


アリアと呼ばれた大男は大げさに涙を流す



ガジル「で・・・ルーシィとやらは捕まえたのかい?」


アリア「本部に幽閉している」


アルト「なにっ!?ルーシィ!!?」



ガジル「いずれ決着はつけようぜアルトレア・・・サラマンダーによろしくな」


アルト「ちょっと待てテメェらぁぁぁぁ!!!」


ルーシィが攫われた事に怒るアルトがアリアたちに襲いかかる



アルト「ルーシィをかえせぇぇぇ!!」


アリア「さらば」


アルトが蹴り飛ばす前に、アリアとガジルは目の前から姿を消した





アルト「くそ!・・・あの野郎、本部に幽閉って言ってたな・・・」


「くたばれぇぇ!フェアリーテイ――――」


アルト「おい、お前」ガシッ


「ルぅ!?げふっ!!」


襲いかかって来たファントムロードの一人を捕らえる


そのまま頭を鷲掴んで持ち上げる



アルト「お前らのギルド本部はどこだ!?」


「ぐっ・・・ふ、フェアリーテイルごときが生意気な・・・ぐぁっ!!」メキィ


アルトは握る強さを更に強める


アルト「さっさと吐け・・・早くしねェと怒りでテメェの頭、握りつぶしそうなんだよ!!」ググッ


「わ、分かった!分かったから離してくれ!!本部はココを出た先の丘にある!!」



アルト「よし・・・待ってろよルーシィ!!」

 
 

 
後書き
これは○○の分!(バキィッ って展開ちょっとやってみたかったんです(笑)

レビィの分だけパンチの威力高くないかって?

気のせいですよ・・・多分

 

 

ルーシィ・ハートフィリア

 
前書き
今回は話進みませんね

 

 

ファントムロード ギルド本部



ルーシィ「・・・ん?」


冷たい石の上でルーシィは目を覚ます



ルーシィ「ちょ・・・何コレ!?どこぉ!!?」


両手を縛られ、石造りの牢に幽閉されてると気付いたルーシィは、ひどく動揺していた



「お目覚めですかな?ルーシィ・ハートフィリア様」


ルーシィ「誰!!?」


ルーシィの前に現れたのは少し背が高い、羽の生えた男



ジョゼ「ファントムロードのギルドマスター ジョゼと申します」


ルーシィ「ファントム!!?(そっか・・・私、エレメント4に捕まって・・・)」


ジョゼ「このような不潔な牢と拘束具・・・大変失礼だと思いましたが、今はまだ捕虜の身であられる理解のほどをお願いしたい」


ルーシィ「これほどきなさい!!何が捕虜よ!!よくもレビィちゃんたちを!!」


ジョゼ「貴方の態度次第では『捕虜』ではなく、『最高の客人』としてもてなす用意もできてるんですよ」


ルーシィ「何それ・・・な、何であたしたちを襲うのよ」


ジョゼ「私たち?・・・あぁ、フェアリーテイルの事ですか」


するとジョゼは見下した態度をとり答える



ジョゼ「ついでですよ・・・ついで」


ルーシィ「!?」


ジョゼ「私たちの本当の目的は『ある人物』を手に入れる事です、その人物がたまたまフェアリーテイルにいたので・・・ついでに潰してしまおう・・・とね」


ルーシィ「ある人物?」


イヤな予感を察しながらもルーシィは問う



ジョゼ「あなたの事に決まってるでしょう・・・ハートリフィア財閥 令嬢 ルーシィ様」


ルーシィ「な・・何でそれ知ってんの?」


ジョゼ「理由はただ一つ・・・あなたをつれてくるように依頼されたのです・・・」


ルーシィ「なっ・・・そんな事・・・一体誰に!?」


ジョゼ「決まってるでしょう・・・依頼されたのは、他ならぬ貴方の父親なのです」


ルーシィ「!!?」


依頼したのが自分の父親だと知り、放心状態に陥るルーシィ



ルーシィ「・・・そんな・・・ウソ・・・なんで、あの人が・・・」


ジョゼ「それはもちろん、かわいい娘が家出をしたら捜すでしょう普通」


ルーシィ「あたし絶対帰らないから!!!!あんな家には帰らない!!!!」


ジョゼ「おやおや、困ったお嬢様だ」


ルーシィ「今すぐあたしを解放して」


ジョゼ「それはできません」


ルーシィ「・・・・・」


ルーシィの必死の頼みごとも空しく却下される


するとルーシィはしばらく考え込み、何かを思いついた顔をする



ルーシィ「てか トイレ行きたいんだけど」


ジョゼ「これはまた、ずいぶん古典的な手ですね」


ルーシィ「いや・・・マジで・・・うぅ・・・助けてー」


ルーシィが身体をくねらせながら頼み込む



ジョゼ「どうぞ」


ルーシィ「!!!」


するとジョゼはバケツを用意し、そこで用をたすように言った



ジョゼ「ほほほ・・・古典的ゆえに対処法も多いのですよ」


ルーシィ「バケツかぁ・・・」


ジョゼ「するんかいっ!!!」


ルーシィは何のためらいもなく、バケツの前に立った



ジョゼ「な・・・なんてはしたないお嬢様なんでしょう!!」


ルーシィ「意外と紳士なのね♪」


ルーシィから背を向けるジョゼ


するとルーシィは後ろを向いたジョゼの股間を思い切り蹴り上げた



ルーシィ「えい!」


ジョゼ「オパァー!!」


ルーシィ「古典的な作戦もまだまだ捨てたもんじゃないわね」


ジョゼ「ぬぽぽぽぽ」


股間を蹴られた痛みでその場に倒れ、悶絶するジョゼ



ルーシィ「それじゃ!お大事に♡」


その隙に牢から出ようと試みたルーシィだっだが・・・





ルーシィ「え!!?」


外を見てはじめて気づく


ルーシィが居た牢は高い塔の最上階で、とても飛び降りれる高度ではなかった



ジョゼ「残念・・・だったねぇ・・・ここは空の牢獄」


ルーシィ「・・・・・」


ジョゼ「よくも・・・やってくれましたねぇ・・・」


立ちあがったジョゼがゆっくりとルーシィに近づく


ジョゼ「さぁ・・・こっちへ来なさい・・・お仕置きですよ・・・幽鬼の怖さを教えてやらねばなりませんね」


ジョゼが手を伸ばす






しかし次の瞬間、ルーシィが空の牢獄から飛び降りた






ジョゼ「な!」


飛び降りたルーシィに驚きながらも追いかけようとするジョゼ


しかし、蹴り上げられた股間の痛みで思う通りに動けなかった



ルーシィ「(声が聞こえた・・・助けに来てくれたんだ!!)」


ルーシィが精一杯の大声で叫んだ



ルーシィ「アルトーーー!!!!」








アルト「うぉぉぉぉぉ!!!」


全速力で走って来たアルトがルーシィを地面スレスレで受け止める




アルト「ま・・・間に合ったぁー・・・」


ルーシィ「やっぱり!・・・いると思った」


アルト「あんな高さから飛び降りるなんて・・・ルーシィも肝っ玉すわってるな」


ルーシィ「そ、そんなこと・・・!!」


ルーシィがアルトの身体を見て驚く


アルトの身体はガジルとの戦いによってボロボロだったからだ



ルーシィ「ど・・・どうしたの!?そのキズ・・・!!」


アルト「ん、あぁ・・・これはファントムとの戦いでついた傷だ、心配すんな・・・大したことねぇよ」


ルーシィの両手を縛ってる縄を引きちぎりながらアルトは答えた



アルト「大丈夫?立てるか?」


ルーシィに手を差し伸べるアルト


しかしルーシィは差し伸ばされた手を受け取らず、苦悶の表情を浮かべる


ルーシィ「ごめん・・・」


アルト「?」


ルーシィ「ごめんね・・・全部・・・あたしのせいなんだ・・・」


涙を流し、震えた声で必死に声を絞り出すルーシィ



アルト「何だよそれ・・・何でルーシィのせいなんだよ!?」


ルーシィ「それでも あたし・・・ギルドにいたいよ・・・フェアリーテイルが大好き」


アルト「いればいいって!!どうしたんだよ、ルーシィ・・・」



涙が止まらずに泣き続けるルーシィと共にアルトはギルドへ帰還した

 

 

巨影


フェアリーテイル 地下一階


負傷した者の手当てや、ファントム戦のための作戦会議を行っている



「まさかオレたちが撤退するハメになるとは!!!」


「悔しいぜえ!!!」


「ギルドやレビィたちの仇もとれてねェ!!!」


「ちくしょォ!!」



アルト「マスターは大丈夫なのか?」


グレイ「あぁ、アルザックたちがマスターを治癒魔導士のところへ連れてったよ」


アルト「なら良かった」



ルーシィ「・・・・」


アルトたちの会話をルーシィは申し訳なさそうな顔で聞いていた



ナツ「まだそんな顔してんのかよ」


俯くルーシィにアルトやナツが声をかける


グレイ「どーした?まだ不安か?」


ルーシィ「ううん・・・そういうんじゃないんだ・・・なんか・・・ごめん」


エルフマン「まぁ、金持ちのお嬢様は狙われる運命よ、そしてそれを守るのが漢」


グレイ「そういう事いうんじゃねえよ」


ハッピー「それにしてもオイラ驚いちゃったな・・・ルーシィ、なんで隠してたの?」


ルーシィ「隠してたわけじゃないんだけど・・・家出中だからね・・・あまり話す気にもなれなくて・・・」


アルト「それにしても、家出をしてから今までずっと無関心だったんだろ?なんで急に連れ戻そうとしたんだろうな・・・」


ルーシィ「分からない・・・分からないけど、パパがあたしを連れ戻すためにこんな事したんだ・・・最低だよ」


ルーシィはただただ自分を責めるばかりだった



ルーシィ「でも、元を正せば、あたしが家出なんかしたせいなんだよね・・・」


エルフマン「そ・・・そりゃ違うだろ!!!悪いのはパパ――」


グレイ「バカ!!」


エルフマン「――あ、いや・・・ファントムだ!!!」


ルーシィ「あたしの身勝手な行動で・・・まさか みんなに迷惑かけちゃうなんて・・・本当にごめんね・・・あたしが家に戻ればすむ話しなんだよね」


アルト「なんで?」


曇った表情のルーシィにアルトが問いかけた



アルト「わざわざ戻りたくない場所に戻る必要なんてないよ」


ルーシィ「え・・・!!?」


アルト「それにしても、ルーシィが『お嬢様』って変な響きだよな」


ルーシィ「!」


アルト「騒ぎながら冒険して、賑やかな場所で笑ってる方がルーシィって感じがするよ」


ルーシィ「アルト・・・!!」


アルト「フェアリーテイルのルーシィだろ!!だからここがお前の帰る場所だ」


笑顔で言葉を伝えるアルト


それを見たルーシィは思わず泣き出した



グレイ「泣くなよォ、らしくねえ」


ナツ「アルトが泣かせた」


ハッピー「泣かせたー!」


アルト「なんで俺が悪いみたいになってんの?」










カナ「・・・・・」


カナはテーブルの上に並べられたカードをじっと見つめている


そして中央のカードをめくる



カナ「・・・ダメだ!!ミストガンの居場所はわからないっ」


どうやらカードでミストガンの居場所を探っていたようだが見つからなかったらしい



ミラ「そう・・・残念ね」


通信用ラクリマの前に立つミラが残念そうに呟いた



カナ「ルーシィが目的だとすると奴等はまた攻めてくるよ・・・ケガ人も多いし・・・ちょっとマズイわね」


ミラ「マスターは重傷、ミストガンの行方は分からない、頼れるのはあなたしかいないのよ・・・ラクサス」


ミラの目の前のラクリマにはラクサスが映っていた



ラクサス『あ?』


ミラ「お願い・・・戻ってきて、フェアリーテイルのピンチなの」


ラクサス『あのクソジジイもザマぁねえなァ!!!!はははっ』


戦果を聞いたラクサスは高笑いしながらミラを見る



ラクサス『オレには関係ねえ話だ、勝手にやってちょうだいよ』


カナ「ラクサス!!!あんた!!!」


ラクサス『だってそうだろ?じじいの始めた戦争だ、何でオレたちがケツを拭くんだ?』


ミラ「ルーシィが・・・仲間が狙われてるの」


ラクサス『あ?誰だそいつァ・・・ああ・・・あの乳のでけェ新人か』


するとラクサスは再び笑いだした



ラクサス『オレの女になるなら助けてやってもいいと伝えとけ、それとジジイには さっさと引退してオレにマスターの座をよこせとな』


カナ「あんたって人は・・・」ギリッ


ラクサス『オイオイ・・・それが人にものを頼む態度かよ、とりあえず脱いでみたら?オレはお色気には弱―――』パリィィン


ミラはラクサスを黙らせるかのように通信用ラクリマを砕いた



カナ「ミラ・・・」


ミラ「信じられない・・・こんな人が・・・本当にフェアリーテイルの一員なの・・・?」


涙を流すミラはラクサスに対する怒りに満ちていた



ミラ「こうなったら、次は私も戦う!!!」


カナ「な・・・何言ってんのよ!!!」


ミラ「だって、私がいたのにルーシィがさらわれちゃって・・・」


カナ「ダメよ、今のアンタじゃ足手まといになる・・・たとえ元・S級魔導士でもね」


ミラ「・・・・・」グスッ





しばらくして、突然大きな揺れがギルドを襲った


「な、何だ!?」


エルザ「何事だっ!?」


シャワーを浴びていたエルザがタオルを巻いた状態で現れる



「外だー!!」


アルト「な・・・なんだよ・・・アレは!!?」


アルトたちが慌てて外へ飛び出す


現れたのは、六本の足が生えたファントムの本部だった


ファントム本部は歩くたびに揺れを引き起こし、ゆっくりとフェアリーテイルに向かって迫ってくる



「ギルドが歩いて・・・!?」


「ファントム・・・か!?」


歩くギルドを見て、アルトたちは驚愕と絶望の表情を隠せずにいた



エルザ「想定外だ・・・こんな方法で攻めてくるとは・・・」


グレイ「ど、どうすんだよ!?」




ジョゼ「魔導集束砲『ジュピター』用意」



ジョゼがギルドに指令を言い渡す


動いていたファントムギルドが静止し、中央から巨大な大砲が現れる



「まさかアレ・・・魔導集束砲か!?」


「ギルドをぶっ飛ばすつもりかぁぁ!?」



エルザ「マズイ!!全員ふせろォオォ!!!」


エルザは叫んだ後、急いでファントムギルドへ向かって走った


大砲には魔力が蓄えられ、発射の準備が行われる



エルザ「ギルドはやらせん!!!」


すると、エルザは防御力の高い『金剛の鎧』を換装する



「金剛の鎧!!?」


「まさか・・・受け止める気か!?」


ルーシィ「うぁ・・・」


アルト「エルザ!一人でやる気か!!?」


ナツ「エルザ!!!」


グレイ「アルト!!ナツ!!ここはエルザを信じるしかねぇんだ!!」


エルザを止めようとするアルトとナツを必死に抑えるグレイ



ジョゼ「消せ」


ジュピターが放たれた


海を割りながら向かってくるジュピターを体で受け止めるエルザ



アルト「エルザァァ!!」


ナツ「エルザ!!」


金剛の鎧が粉々に砕け散り、エルザは後方へ吹き飛んだ


それと同時にジュピターの魔力が消えた



「すげえ・・・アレを止めちまった・・・」


「た・・・助かった・・・」


アルト「エルザ!!しっかりしろ!!」


アルトたちが倒れているエルザに駆け寄る





ジョゼ「マカロフ・・・そしてエルザも戦闘不能・・・もう貴様等に凱歌は上がらねぇ」


ファントム本部からジョゼの声が響く



ジョゼ「ルーシィ・ハートフィリアを渡せ、今すぐだ」


ジョゼの言葉に対し、ギルドの皆が言いかえす



「ふざけんな!!」


「仲間を敵にさしだすギルドがどこにある!!」


「ルーシィは仲間なんだ、帰れ!!」


ジョゼ「渡せ」


さらに怒気に満ちた声でジョゼは言った




エルザ「仲間を売るくらいなら死んだほうがマシだ!!」



ナツ「オレたちの答えは何があっても変わらねえっ!!お前らをぶっ潰してやる!!!」



ルーシィ「みんな・・・あたし・・・」


ルーシィは震えながらエルザたちに声をかけようとする


しかしアルトがルーシィの肩をつかみ、それを止めジョゼに向かって叫ぶ



アルト「ざけんなっ!!てめぇらなんかに仲間のルーシィを渡してたまるか!!!」



アルトたちの一言にギルド全員が士気を上げた


それを見たルーシィは口元を押さえて涙を流す



ジョゼ「ほう・・・ならば さらに特大のジュピターをくらわせてやる!!!装填までの15分恐怖の中であがけ!!!」


すると、ジュピターに再び魔力が込められる


さらにジョゼは自分の魔法で『幽兵』という兵士を作り出し、アルトたちの元へ向かわせる



ジョゼ「地獄を見ろ、フェアリーテイル・・・貴様らに残された選択肢は二つ・・・我が兵に殺されるか、ジュピターで死ぬかだ」



ジュピター発射まであと15分――



フェアリーテイルのメンバーは幽兵と激戦を繰り広げていた



「くそっ!どうすりゃいいんだ!!」


「このままじゃ、勝ち目はねえぞ!!」


カナ「ジュピターをなんとかしないとね・・・」


ジュピター発射まで時間がない


ギルドの皆の焦りが募る



アルト「俺がぶっ壊してくる」


ナツ「それ、俺も付き合うぞアルト」


カナ「アルト、ナツ!」



アルト「15分だろ?上等じゃねえか」


ナツ「おう!」


アルトたちの言葉にカナは静かに頷いた



アルト「よし、いくぞ!」


ナツ「よっしゃー、燃えてきたぁ!!」


アルトは足裏から衝撃波を発生させて飛び、ナツはハッピーに掴まってファントム本部へ向かった


 
 

 
後書き
誤字・脱字・おかしな表現があれば指摘お願いします

 

 

ナツvs大火の兎兎丸

本部に着いたアルトたちは砲台の上に乗り、破壊を試みる



アルト「はぁぁぁあ!!」


ナツ「うらぁア!!」


しかし、アルトたちがいくら殴ろうと砲台は傷一つ付かない



ナツ「くはー!ビクともしねえ!!!」


アルト「硬い・・・砲台を直接破壊するのは無理だな・・・」


ハッピー「やっぱり内部から壊さなきゃダメじゃないかな」


アルト「よし、なら砲台の発射口から中に入るぞ!」




アルトたちはジュピターの発射口から本部の内部へ侵入する


発射口から抜け出た先には、黒い巨大なラクリマがあった



アルト「でけぇ!!」


ナツ「何じゃコリャ!!」


ハッピー「魔力を集めるラクリマみたいだね・・・こんな大きいラクリマは初めて見た!!」


アルト「魔導集束砲ってのはその名の通り魔力を圧縮して打ち出す兵器なんだな」


ナツ「よく分かんねーけど、ここを壊せばいいんだな」



「そうは・・・させない・・・」



アルト・ナツ・ハッピー「「「!!!」」」


アルトたちの行く手には侍の格好をした男が立っていた



アルト「やっぱ、見張りがいるな」


ナツ「どうでもいいさ!!!邪魔な奴は消すだけだ!!!」


ナツが侍に向かって殴りかかる



「させないよ・・・」


ナツ「時間がねえんだ!!どいてろや!!!」


ナツが炎の拳を侍に放つ瞬間、拳がナツ自身を襲った



ナツ「ぐぼっ!?」



アルト「はっ!?」


ハッピー「ナツ!!!何やってんの!!?」



ナツ「いや・・・体が勝手に・・・!!!」


ナツは地面に転げる



アルト「誰だお前は!?」


アルトが侍の方を向く


兎兎丸「私はエレメント4の一人、兎兎丸・・・邪魔は・・・君たちの方だ」


アルト「エレメント4だと!?」


ハッピー「ナツ!気をつけて!!」


ナツ「へへっ!面白そうな相手じゃねえか!!」


倒れたナツがゆっくり起き上がる



ナツ「アルト!こいつは俺が押さえる、その間にお前が大砲をぶっ壊せ!!」


アルト「よし、分かった!!」


ハッピー「あのラクリマを壊せばジュピターは撃てないハズだよ!」


兎兎丸「そうは・・・させない・・・と言ったろ?」


アルト「だったら力づくで止めてみろ!!」


アルトがラクリマに向かって走り出す



ナツ「うおおォらぁぁアア!!」


ナツは口から炎を撃ちだし、兎兎丸を攻撃する


兎兎丸「無駄だ・・・」


兎兎丸は炎の軌道を自分からアルトに向けた


そして軌道を変えられた炎は、そのままアルトに直撃する



アルト「あちぃぃぃ!!!」


ナツ「何ィ!!」ガーン


アルト「何すんだ、このやろーっ!!」


ナツ「わ、悪ィ・・・オレの炎が勝手に動いて・・・!!?」


兎兎丸「私は火のエレメントを操りし兎兎丸・・・全ての炎は私によって制御される」


ナツ「何だとォ!?」


ナツはもう一度炎を拳に纏って、兎兎丸に襲いかかる



兎兎丸「はっ!!」


しかし兎兎丸が再びナツの炎を操り、ナツの拳の炎を暴走させる



アルト「ぅ熱っちち!!」


ナツ「どぅおっ!!!」


ハッピー「ナツ!アルト!そんな奴かまってるヒマないよっ!!早く砲撃を止めなきゃ!!」


兎兎丸「敵であろうと自然であろうと全ての炎は私のものだ!!!」


ナツ「オレの炎はオレのもんだ!!!」


兎兎丸「相性が悪かったね・・・火の魔導士くん」


アルト「おいナツ!選手交代だ、俺があいつを止めとく!」


ナツ「なーに、心配すんなって!こんな奴すぐに片づけて―――」ボォ


次の瞬間、ナツの炎がアルトを襲う



アルト「あっちゃぁぁアア!!」


ナツ「悪ぃ、アルトー!!」ガガーン


アルト「な、ナツ・・・後で・・・覚えてろ」プスプス


ナツ「クソ、思い通りに炎が動かねェ」



その時、巨大なラクリマが輝きだした


アルト・ナツ「「!!」」


ハッピー「ジュピターが動き出したー!!」



ジュピター発射まであと5分――



兎兎丸「青い(ブルーファイア)!!!」


ナツ「んがっ!!」


兎兎丸の繰り出す青い炎に包まれるナツ



アルト「残念、ナツに炎は効かねえぞ!」


兎兎丸「!?」


見ると、ナツは青い炎をもしゃもしゃと食べていた



ナツ「うほっ、冷てぇ!!こんな火は初めて食ったぞ!!」


兎兎丸「なるほど・・・君が噂の滅竜魔導士だったのか・・・相性の悪さはお互い様という訳か」


ナツ「はァ?」


兎兎丸「お互いに炎が効かないのだからね」


ナツ「勝手に決めんなよ、まだくらってもねえだろ」


兎兎丸「だから、私に炎は当たらないのだよ」


ナツ「・・・・・!!」


兎兎丸の言葉にナツはしばらく考え、何か思いついたようだ



ナツ「この魔法ならどうだ?」


兎兎丸「どんな魔法でも『炎』である限り私は制御できる」


ナツ「火竜の・・・・・つば!!!」


兎兎丸「!!」ベチャ


口から炎を吐くと予想していた兎兎丸に、ナツの不意に吐いた唾が直撃する



ナツ「あっはっはっは!」


兎兎丸「おのれ!!騙したな!!!橙の(オレンジファイア)!!!」


ナツ「火の魔法はオレの食いモンだ、今度は何味かなっ」


ナツが橙色の炎に包まれる



ナツ「!!!」


するとナツは地面に倒れ、転げ回った



ナツ「な・・何だコリャ!!くせぇ!!」


兎兎丸「はははっ、クソの臭いの炎さ」


ナツ「鼻がもげるぅぅぅ!なんて下品な奴なんだ、てめぇは!!」


兎兎丸「さ、先にやったのは君だろ!!」



ジュピター発射まであと2分30秒


ハッピー「どうしようアルトー!ジュピターが発射しちゃうよ!!」


アルト「早いトコ ぶっ壊してぇけど、アイツを倒さない限りまたナツの炎に邪魔されちまう・・・」


ナツ「・・・・・」プルプル


橙色の炎を払い、立ち上がるナツ



ナツ「あったまきたぞ!!!」


そういったナツは兎兎丸に向かってかなり巨大な炎を放つ



兎兎丸「学習能力のない人だね・・・」


攻撃を避けた兎兎丸がナツの炎に手をかざす



兎兎丸「・・・なに!!?う・・・動かんぞ、あの炎!!!」


しかし、ナツの炎は操られる事なく燃え続けていた



ナツ「ぬぉおおぉおぁぁああ!!」


兎兎丸「(ま、まさか・・・制御返しだと!!?戦いの最中に会得したというのか!!?)」


ナツ「オレの炎だ!!!!勝手に動かすな!!!!」


そう叫んだナツは炎の軌道を変え、兎兎丸に直撃させた



兎兎丸「ぐぁぁあああ!!!」


ナツ「今だ、アルトォォ!」


アルト「任せろっ!!」


アルトが両手に衝撃波を纏いながらラクリマに向かって走る




アルト「ギルガ・ファングバイトォォオ!!!!」バリィィ




巨大なラクリマを後ろの壁ごと衝撃波で破壊した



兎兎丸「しまっ・・・!!」


ハッピー「わぁ!!」


ラクリマと共に砲台そのものも海へと崩れ落ちる



アルト「さぁて、これでジュピターはぶっ壊したぞ!!」


ナツ「次はおまえたちを潰す番だ、ファントム!!!!」

 

 

アルトvs大海のジュビア

 
前書き
だんだん展開の運び方が雑になってきてるような・・(汗)

 

 
ジュピターを破壊したアルトたち


砲台が崩れていく様子はフェアリーテイルメンバーたちも見て取れた



「よっしゃー!!ジュピターは壊れたぞ!!」


「はっはー!アルトとナツのコンビをなめんなよーっ!!」


カナ「さすがね・・・」


ジュピターが海へ落ちていく様子を見たカナは安堵の笑みを浮かべる





ジョゼ「・・・クソガキどもが・・・!!!」





ナツ「もうお前の魔法は見切ったぞ」


アルト「ジュピターの心配も無くなった」


兎兎丸「くっ・・・」


次の瞬間、ファントムの本部が激しく揺れる



アルト「なんだ・・・!?」


兎兎丸「ま・・・まさかアレをやる気か!?ここは水平維持の機能が無い部屋なんだぞ!!!!」


ナツ「水平!?」


時間が経つにつれ、揺れが一層激しさを増していく


揺れ始めて間もなく、ファントム本部の形状が変わっていく



兎兎丸「終わったな・・・これぞ、我がギルドの最終兵器・・・」


やがて、ファントム本部は巨人のような形に変形した



「超魔導巨人 ファントムMk2」



ファントム本部はフェアリーテイルのギルドがある方向へ歩き出した


一歩歩くごとに激しい揺れがアルトたちを襲う



アルト「あ・・・やば」


ナツ「お・・お・・おぷ・・」


乗り物に弱いナツはファントム本部が引き起こす揺れによってダウンした



兎兎丸「ど・・・どうしたんだコイツ!?」


アルト「あー・・・ナツはただの乗り物酔いだ、代わりに俺が相手になるぜ」


兎兎丸「いいだろう面白い、あの巨大なラクリマを破壊した君も相当やり手なのだろう・・・?」


そう言った兎兎丸は両腕から七色の炎を生み出した



兎兎丸「受けてみろ!我が最強の魔法、七色の(レインボーファイア)!!」


アルト「おぉ・・・すげー綺麗だな」


兎兎丸「くらえ!!」


アルトめがけて七色の炎を撃ちだそうとしたその時



兎兎丸「え?」ピキィ


突如、兎兎丸の両腕が凍りついた



アルト「これは・・・!」


グレイ「アイスメイク 大槌兵!!」ドォン


兎兎丸「ぎゃああァア!!!」ガクッ


グレイの造形魔法によって押しつぶされた兎兎丸はそのまま気絶したようだ



アルト「グレイ!エルフマン!」


ナツ「お・・お前ら・・オイシイとこだけ持ってきやがって・・・うぷぷっ」


グレイ「情けねえなァ、ナツさんよォ」


エルフマン「しかしジュピターをここまで破壊するとは・・・漢だな」



ハッピー「大変だー!!」


突然ハッピーが叫びだす



アルト「どうしたんだよ、ハッピー?」


ナツ「揺れが止まった・・・」


ハッピー「ギルドが巨人になって魔法を唱えてるんだ!!」


ナツ「ウソつけ!!!」


アルト「なるほど、さっきまでの揺れはギルドが巨人に変形してたからか」


ハッピー「カルディア大聖堂まで消えちゃう魔法だって!!」


グレイ「街の半分じゃねえか!!!」


ナツ「そんな魔法ありえねーだろ!!!」


アルト「確かに、信じがたいけど・・・」


エルフマン「ぬぅ・・・」


アルトたち4人と1匹が顔を見合わせる


一時沈黙し、4人と1匹が一斉に口を開く



ナツ「止めるぞーー!!!」


ハッピー「あいさー!!!」


アルト「早くしねェと、街半分ぶっ飛んだらエラい事になる!!!」


グレイ「手分けしてこの動くギルドの動力源を探すんだ!!!」


エルフマン「次から次へと、とんでもねェことしてからにィ!!!


アルトたちは四手に分かれ、それぞれギルドの動力源を探した












アルトはギルドの動力源を見つけ出すために一旦ファントム本部の外へ出た


アルト「もしかしたら、ギルドの動力源は外にあったりしてな・・・」


アルトが窓から外に出る


しかし外に出た瞬間、ある異変に気付く



アルト「雨・・・?」


先ほどまで晴れていた空は雨雲に覆われ、ポツポツと雨が降っていた



アルト「どうなってんだ・・・雨なんか降ってなかったぞ・・・!?」



「しんしんと・・・」



アルト「!!」


空を見上げるアルトのもとに、傘を差した女性が現れる


女性がアルトに近づくにつれ、雨は大降りになっていく



ジュビア「そう・・・ジュビアはエレメント4の一人にして雨女・・・しんしんと・・・」


アルト「エレメント4・・・!」


ジュビア「まさか火のエレメントが倒されるとは思わなかったわ、しかしジュビアとアリアは甘くみない事ね」


アルト「甘くなんてみてねェよ・・・仲間を傷つける奴はどんな奴だろうと全力でぶちのめすだけだ」


ジュビア「・・・・・」


アルト「・・・・・」


ジュビア「・・・・・/////」ポッ


心なしか、ジュビアの頬がほんのり赤く染まる



ジュビア「そ・・・そう・・・私の負けだわ・・・ごきげんよう」


アルト「えぇぇっ!?待て待て待て!!どういう事だよっ!?」


ジュビア「(はぁ・・・ジュビア・・・どうしちゃったのかしら・・・この胸のドキドキは・・・/////)」


アルト「なんのつもりか知らねェが、逃がさねえぞ!巨人を止めろォォ!!」ダッ


ジュビア「!!/////」キュン♡


アルトがジュビアに殴りかかる



ジュビア「(私のものにしたい・・・!!ジュビア・・・もう止まらない・・・!!)」


アルト「巨人の動力源、どこにあるのか教えてもらうぞ!!」ググッ


ジュビア「水流拘束(ウォーターロック)!!!」ザパァ


アルト「ごぽっ!!?」


走るアルトを水状の球体が捕らえる



アルト「う゛っ・・・!!」


水に浸かったためガジル戦での傷口が開き、血が噴き出す



ジュビア「まあっ!!ケガをしていらしたなんてっ!!ど・・・どうしましょっ!!はやくとかなきゃっ!!」


アルト「うぅ・・・らぁァァア!!」


アルトは全身から衝撃波を拡散させ、水を吹き飛ばす




ジュビア「!!」


アルト「残念だったな、俺は大地の圧力を衝撃波に変えて打ち出せる・・・俺に拘束技は効かねえぞ!」


ジュビア「・・・(し、衝撃波で吹き飛ばした・・・ジュビアの水流拘束は決して破られないと思っていたのに・・・大地と雨・・・なんて運命的な出会いなの・・・!!?/////)」



アルト「痛っ・・・傷口が開いちまったか・・・よくもやってくれたなコノヤロォ!!」


ジュビア「はぅあっ/////」キュン


アルト「雨で服が張りついちまって動きにきィ・・・脱いだ方がマシだな」バサッ


ジュビア「(ふ、服をお脱ぎに・・・!!?わ・・わわ・・私・・・まだ心の準備が・・・)」


アルト「地龍の咆哮!!」ドンッ


服をその場に抜き捨てたアルトは、直線的な衝撃波を放つ


しかし、衝撃波はジュビアの体をすり抜けてしまった



アルト「なにっ!?」


ジュビア「ジュビアの体は水でできているの・・・しんしんと・・・」


アルト「水っ・・・!?」


ジュビア「(今のは攻撃・・・そう・・・彼は敵!!!ジュビアはくじけない・・・!!!これが戦争!!!)」


驚いているアルトにジュビアが攻撃を仕掛ける



ジュビア「さよなら小さな恋の花!!!水流斬破(ウォータースライサー)!!!」


アルト「小さな鯉の鼻っ!?何言ってんだコイツ!!?」


アルトはジュビア攻撃を避け、同じ斬撃の魔法で反撃する



アルト「スパー・クラッグ!!」スパッ


しかし、またもや攻撃は相手の体をすり抜けるだけ



アルト「クソッ・・・!!」


ジュビア「あなたはジュビアに勝てない、今ならまだ助けてあげられる」


アルト「!!」


ジュビア「ルーシィをここに連れてきて頂戴、そうしたら私がマスターに話して退いてもらうわ」


アルト「オイ、なめたこと言ってんじゃねえぞ!俺がお前に勝てないだと・・・!?そんなのお前が勝手に決めんな!!」


ジュビア「!!(あ、圧倒的不利な状況なのに諦めないなんて・・・素敵!/////)」


アルト「あーあ、助けてあげられるって言うから良い奴だと思ったのに・・・何を言い出すかと思えばルーシィを差しだせだぁ?冗談じゃねえ!!」


ジュビア「!!」


アルト「ルーシィは俺たちの仲間だ、命にかえても絶対守る」



アルトの言葉を聞いた瞬間、ジュビアは持っていた傘を落とす


ジュビア「(命にかえても・・・命にかえても・・・恋・・・恋・・・恋敵!!!)」


アルト「・・・あれ?」


ジュビア「」グスン


アルト「!!?」


何事かと思いアルトがジュビアの様子をうかがう


気がつくとジュビアの頬には一筋の涙が伝っていた



ジュビア「キイイイイイイイイイイ!!!!」


数秒震えた後、帽子を脱ぎ捨てたジュビアが叫びだす



ジュビア「ジュビアは許さない!!!!ルーシィを決して許さない!!!!」


怒るジュビアの体は水から熱湯へと変わり、湯気が噴き出ている



アルト「あちっ!沸騰した・・・!?・・・てか、なんでルーシィにキレてんだ??」


 
 

 
後書き
一応ジュビアもハーレム要因なのでグレイとの接触は無しです


グレイとジュビアのカップリングが好きな方、ごめんなさい

 

 

交わる大地と雨

 
前書き
ここから話し進むの早いです

 

 
ファントムの最終兵器を止めるため、アルトはエレメント4の一人、大海のジュビアと対峙していた



ジュビア「ジュビアは許さない!!!!ルーシィを決して許さない!!!!」


アルト「あっつ!熱湯!!?」


怒るジュビアは身体を液状に変化させアルトに襲いかかる



ジュビア「シエラァ!!!!」


アルト「ぐぁっ!!」ジュウ


ジュビアの突進をかわそうとしたアルトだったが、あまりの早さに避けきれず熱湯が身体をかすめた



アルト「なんて速さだ!避けきれねェ!!」


ジュビア「シエラァァ!!!!」


アルト「うぉおっ・・・!!」


再び突進してくるジュビアをかろうじて避ける



アルト「とにかく、時間をかせいでアイツを倒す策を立てねえと!」


アルトは窓を突き破ってファントム本部の内部に逃げ込む



アルト「メテオ・ウィザスター!!!」


追ってくるジュビアを巨大な衝撃波の塊が襲う


しかし、ジュビアは大量の熱湯をぶつけ衝撃波を相殺する



アルト「ウソだろ!?俺の衝撃波がかき消されるなんて!!」


ジュビア「ジュビアのジェラシーは にえたぎっているの!!!」


アルト「はぁ!?なんじゃそりゃァ!!」


ジュビア「シエラァァァ!!!」


アルト「ぐおぉぉォオオ!!!」


ジュビアの熱湯をまともに食らい、そのあまりの高温にアルトの身体はかなり重度な火傷を負う


ジュビアはアルトを熱湯に包んだまま、屋外へ放り出す



アルト「熱ちち・・・このやろォ、調子に乗るなよ!!」


ジュビア「!?」


アルト「ウィブラル・バイン!!」ブォォン


アルトの拳から放たれる強烈な振動波がジュビアを襲う



ジュビア「う゛ぁっ・・・!!!」ブルッ


アルト「いくら液状でも振動は受け流せねえだろ!!」


あまりのダメージにジュビアの身体が液状から元に戻る



アルト「もらったぁァ!!」


ジュビア「!!」


ひるんでいるジュビアをそのまま地面に押し伏せる



ジュビア「そ、そんな・・・水で出来ているジュビアにダメージを・・・」


アルト「残念だったな、おとなしく観念―――――・・・?」ムニュン


アルトは左手に感じる柔らかな感触に気付く



ジュビア「しかも・・・/////」


アルト「あ゛っ・・・!!!」




押し伏せるときにジュビアの胸を鷲掴みにしていたようだ




アルト「待っ・・・これはっ・・・ごめん!!わざとじゃないんだ!!」


ジュビア「(ジュビア・・・恥ずかしい・・・いっそこのまま・・・あなたの手で・・・/////)」


慌てるアルトは急いでジュビアの上から飛びのいた



アルト「と、とにかく本当ごめん!!」


ジュビア「!!(私にとどめを刺さなかった!?・・・なぜ!!?やさしすぎる!!!)」


アルト「し・・・仕切りなおしだ!!」


ジュビア「ダメよ・・・」


アルト「!?」


戦いを続けようとするアルトにジュビアがゆっくりと口を開く



ジュビア「ジュビアにはあなたを傷つける事はできない」


アルト「?・・・どういう事だ?負けを認めちまうって事か・・・?」


ジュビア「ジュビアはルーシィより強い・・・ジュビアならあなたを守ってあげられる」


アルト「守る・・・って、俺はアンタらにとって敵だぜ?それなのになんで俺を・・・?」


ジュビア「そ・・・・・それは・・・あの・・・/////」


赤く染まった顔を隠すように俯きながら言い淀む



ジュビア「あ・・・あなたの事が・・・す・・・好・・・」


アルト「・・・ていうか、雨がさっきよりも強くなってる気が・・・」


ジュビア「ジュビアじれったい!!!」


ジュビアは気恥ずかしさでうまく想いを伝えることが出来ないでいた





アルト「ったく、うっとおしい雨だなぁ」




アルトの一言でジュビアの表情が一変する



ジュビア「(この人も・・・今までの人と同じ・・・)」


アルト「普段降る雨だったら嬉し―――」


ジュビア「同じなのねーっ!!!!」


アルト「えぇぇ!!急にどうした!?」


再び湯気を吹きだし、身体を熱湯へと変化させるジュビア



アルト「やるならやってやるぞ!!」


ジュビア「(ジュビア・・・もう恋なんていらないっ!!!)」


アルト「ぐおっ!!」


先ほどよりも高温の熱湯がアルトを包む



アルト「もう一度食らわせてやる!ウィブラ―――熱ちっ!!」


ジュビア「(いらないっ!!)」


アルト「ぐっ・・・さっきよりも熱い・・・!!」


そのまま熱湯の渦に流されるアルト



アルト「うわぁああぁ!!」



ジュビア「(ジュビアは雨女・・・)」


「ジュビアちゃんは遠足休んでほしいよな」


「アイツがいるといつも雨降るし」




ジュビア「(ジュビアはエレメント4!!!)」


「何でいつも雨なんだよ!!!」


「君とは釣りにもキャンプにもいけないじゃないか!!もう別れてくれないかな」




ジュビア「(ファントムの魔導士!!!)」


アルト「くっ・・・!!」


熱湯の渦を抜け出し、その場に転がるアルト


しかし、熱湯のジュビアが再びアルトに襲いかかる



アルト「負けられねェ・・・こんなとこで負けてられるかァァ!!!」


ジュビア「シエラァァァァ!!!」


アルト「うぉぉぉ!!!」


アルトが振動と衝撃を混ぜ合わせた波動を拳に纏う


そして拳を襲いかかってくるジュビアにぶつける



アルト「ォォオオオ!!」ドォッ


アルトの魔力により、周りの雨粒が弾ける



ジュビア「雨を吹き飛ばして・・・なんて魔力!!?」


アルト「吹き飛べぇぇぇ!!!」ゴォォォォ


ジュビア「ああああああああっ!!!!」


アルトが打ち出す波動の拳はジュビアを殴り飛ばし、その余波で雨雲を吹き飛ばした


雨雲が消え去り、まぶしい太陽の光が差し込む





ジュビア「ジュビアは・・・負けた!?」


アルト「どーよ、熱は冷めたか?」


ジュビア「あれ・・・?」


仰向けで倒れたジュビアの目に飛び込んできたのは綺麗で壮大な青空



ジュビア「雨・・・やんでる・・・」


アルト「よーし、やっと晴れたか・・・!!」


ジュビア「(これが・・・青空・・・きれい・・・)」


アルト「やっぱ、雨もいいけど晴れが一番だな!!」


ジュビア「!!」


アルトの一言にジュビアがピクリと反応する



ジュビア「今・・・雨がいいって・・・!?」


アルト「あぁ 戦ってる時の雨はうっとおしいけど、普段降る雨なら大歓迎だ!」


ジュビア「ど・・・どうして・・・?」


アルト「うちのギルドは気楽な奴が多いから雨の日とかは仕事行く奴少ないんだ」


アルトが柔らかな表情で話す



アルト「だから雨の日は皆そろってギルドで騒いだりしてさぁ・・・楽しいんだよこれが」


ジュビア「でも・・・雨の日は・・・デートにいけない・・・」


アルト「デート?」


ジュビア「釣りにも、キャンプにも・・・いけない」


暗い表情を浮かべるジュビアが細々とした声で話す



アルト「いいじゃねえか別に、本当に好きな人となら何処だろうと一緒にいるだけで嬉しいもんさ」


ジュビア「!!!」


アルト「つっても、俺 恋人とか出来たことねえからよく分かんないけどな」


照れたように笑うアルト


一方でジュビアはアルトの言葉に胸打たれ目に涙を浮かべていた



アルト「さて・・・晴れた事だし、続きやんのか?」


得意げな表情で問いかけるアルト


太陽の光がうまい具合に差し込み、アルトの表情がより鮮明に窺える



その姿を見たジュビアは


ジュビア「♡」キャピン♡ キュー・・・


目をハートにした後、その場に倒れこむのであった




ファントムの最終兵器発動まで あと「3分」

 
 

 
後書き
一応ジュビア攻略。

 

 

救出劇

 
前書き
かなりシーン端折ってます

何が起きた!?ってシーンがあると思いますのでその際は原作をご覧ください(汗)

 

 

アルト「早くギルドの動力源を探さねえと・・・」



エルフマン「アルトー!!」


ジュビアを撃破したアルトの元にミラ、エルフマン、グレイの三人が駆け寄る



アルト「グレイ!エルフマン!ミラさんまで・・・!」


グレイ「どうやらお前も勝ったらしいな、アルト!」


エルフマン「こいつは三人目のエレメント4か!?」


アルト「あぁ、何故か急に幸せそうな顔でぶっ倒れたんだ」


ミラ「これで煉獄砕破(アビスブレイク)の阻止にまた一歩近づいたわ」


アルト「アビスブレイク!?巨人が描いてる魔法陣の事か・・・!?」


エルフマン「そうだ、この魔法や巨人はエレメント4が動力源だったんだ」


アルト「じゃあ、あと一人残ってるエレメント4を倒せば・・・!」





アルトが張りのある声でそういった次の瞬間



ファントム本部の巨人が激しい揺れと共に足元から崩れさる


同時に、巨人の描いていた魔法陣も消え去った





アルト「なんだっ!!?」


グレイ「急に揺れが・・・!」


エルフマン「まさか、ナツの奴がやったのか!?」


ミラ「止まったのよ!!!アビスブレイクは消滅したんだわ!!!!」


アルト「さすがだな、ナツ!」


しかし喜んだのも束の間、ファントム本部からジョゼの声が響く



『フェアリーテイルの皆さん、我々はルーシィを捕獲しました』



エルフマン「なにィ!!?」


アルト「ジョゼの声だ!!」


グレイ「捕獲した・・・って・・・」


ミラ「そんな!隠れ家がバレたの!!?」



『一つ目の目的は達成されたのです』



『きゃああああ!!!!』


ジョゼの言葉とともにルーシィの叫び声があたり一面に響き渡る




グレイ「ルーシィの声!!!」


ミラ「やめて・・・!!」



『我々に残された目的はあと一つ、貴様等の皆殺しだ・・・クソガキども』



そう言い残し、ジョゼの声が途絶える



グレイ「ジョゼの野郎、好き勝手言いやがって!!」


アルト「くそっ!!」ダッ


ミラ「アルト!どこ行くの!?」


アルト「決まってんだろ、ルーシィを見つけだして取り返す!!」


ミラ「一人でなんて無茶よ!!」


アルト「バラけた方が見つけやすいだろ!!」


ミラ「ちょっ・・・待ちなさい!!」


叫ぶミラを無視し、アルトがファントム本部へ入っていった



エルフマン「行っちまった・・・」


ミラ「そんな・・・ルーシィがいる場所にはジョゼもいるのよ!?」


グレイ「こうしちゃいられねェ!!俺たちも早くルーシィを見つけ出さねえと!!」


グレイたちもアルトに続くように、再びファントム本部の中へ乗り込む










その頃、ファントム本部内のとある部屋


ルーシィはレビィたちと同じように石造りの壁に貼り付けられていた


ルーシィ「んっ」タク


鉄製のナイフがルーシィの顔面スレスレの場所に突き刺さる



ガジル「あっぶねー、今のは当たっちまうかと思ったぜ!ギャハハ!!」


「あ・・・う・・・」


「ガジル・・も・・もうやめとけよ・・・本当に当たっちまうぞ」


ガジル「あ?だってヒマなんだモンよ」


そう言って新たなナイフを生成するガジル



ガジル「次はどの辺にしよっかなー」


「よ・・よせって・・」


ガジル「うるせぇよ」ゴッ


「ぇぽぉ!!」


止めに入るファントムのメンバーにガジルの頭突きが炸裂する



ガジル「この女がどこのお嬢だろうがオレにとっては尻尾(ケツ)のクズヤロウだ、死んじまってもどうって事ねえ」


「そ、そんな事言ったらマスターに怒られる・・・ますよ!!!」


ガジル「いいよ・・・お前らのせいにするから」


「そんなぁー!!」



ルーシィ「・・・・・」クスッ


そんなガジル達のやり取りを見ていたルーシィは憐みの視線を向けてクスリと笑う



ガジル「んー?なんか言ったか?女ァ」


ルーシィ「アンタたちって本当にバカね、かわいそうで涙が出てくるって言ったのよ」


ガジル「へぇー・・・この状況で虚勢がはれるとは大したタマだ」


ルーシィ「アンタたちなんか少しも怖くな―――」


ルーシィが言葉を喋ってる途中でまたもやナイフが飛んでくる


かろうじて当たらなかったが、ルーシィの体はビクビクと震えていた



ガジル「何だって?」


ルーシィ「あたしが死んだら困るのはアンタたちよ・・・フェアリーテイルはアンタたちを許さない!!そういうギルドだから」


震えるルーシィはガジルを見据える



ルーシィ「世界で一番恐ろしいギルドの影に毎日脅える事になるわ、一生ね」


ガジル「そいつは面白そうだな、ちと試してみるか?」


そう言ったガジルはルーシィの体のど真ん中にナイフを投げつける



「ガジル!!!何を!!!」


「当たるーーーっ!!!」


ナイフが凄まじいスピードでルーシィの体に迫る




しかし、そのナイフは下から放たれた衝撃波によってかき消された





ルーシィ「!!」


「ガジルの鉄が跡形もなくなった・・・!!」


「な、なにが起きたんだ!?」



ガジル「やはりな、匂いで気づいてたぜ」



ルーシィ「あ・・・ぁ・・・」グスッ


ルーシィは自分を助けてくれた張本人の姿を見て涙ぐんだ



「やっと、見つけた!元気そうで良かったぜルーシィ!!」



ルーシィ「アルトォォ!!!!」


自分に微笑みかけるアルトに精一杯の声で叫んだ



ガジル「ギヒッ、やっと面白くなってきたなァ!!」


ニヤリと笑うガジルがアルトに襲いかかった



アルト「邪魔だぁァア!!!」バゴォォン


ガジル「ぐぉっ!!?」


しかしアルトはガジルの攻撃を簡単に避け、真横へと殴り飛ばす



「ガジルが殴り飛ばされたァ!?」


「ウソだろ!?鋼鉄だぞ!!」



アルト「ったく、ルーシィは本当に攫われてばっかしだな」ググ・・・


アルトはそう言いながらルーシィの拘束具をはずす



ルーシィ「そ、そんな事言ったって・・・ごめん・・・」


アルト「まあ、何度でも取り戻すだけだからいいんだけどさ」キュポン


ルーシィ「!!/////」




ガジル「調子に乗りやがって!!」


アルト「下がってろよ、ルーシィ!!」


ルーシィ「うん!」



ガジル「ギヒッ!!」


アルト「っと!!」


アルトがガジルの飛び蹴りを避ける


避けられた蹴りの風圧は、後ろにいるルーシィまで届いた



ルーシィ「(嘘でしょ!?これがけりの風圧!!?)」



アルト「はぁァア!!」


ガジル「鉄竜棍!!」


互いの拳がぶつかりあう



アルト「アース・クライツ!!」


ガジル「ぐっ!!」


アルトは小回りを利かせて、ガジルを衝撃波を纏わせた蹴りで吹き飛ばした



ガジル「ギヒッ・・・どうしたアルトレア?殴りこみに来た時はこんなもんじゃなかったハズだぜ?」ニヤッ


アルト「やっぱ、鉄の鱗はそう簡単に砕けねえな」





アルトとガジルが再び向かい合ったとき、中央の地面が盛り上がる



アルト「!!」


ガジル「この匂いは・・・!!」





ナツ「ガジルーーーーー!!!!」


中央の地面から爆炎を噴き出して現れたのはナツ



アルト「ナツ!!」


ガジル「サラマンダー!!」


ナツ「ォォオオオ!!」


ガジル「!!」


ナツはガジルを睨みつけると、懐に入り込み思い切り殴り飛ばす



ガジル「この・・・!」


ナツ「まだまだァァアァア!!!」ドォォン


ガジル「ぐぁっ!!」


ナツ「だらぁ!!!」バゴォオ


ナツは休むことなく、ガジルに猛攻撃を加える



ガジル「鉄竜棍!!」


ナツ「オラァ!!」


反撃するガジルを捕らえ・・・



ナツ「火竜の鉤爪!!!!」


爆炎纏った蹴りを叩き込む


しかしガジルに大したダメージは無く、再び反撃する



ガジル「鉄竜剣!!」


ナツ「うぎぃ!!」



アルト「まともに食らった!!」


ハッピー「鉄の滅竜魔法!!」



ナツ「どらァア!!」


ガジル「ギヒッ!」ドガッ


ナツ「がっ・・・!!」


ガジルの凄まじい蹴りを食らい、後退するナツ



ルーシィ「な、なんて戦い・・・なの・・・!?」



ガジル「やっと決着をつけれるな、サラマンダー」


ナツ「燃えてきたぞ、鉄クズ野郎」


ナツが再び拳に炎を灯す




ナツ「アルト、こいつは俺がケリをつける!」


アルト「ナツ・・・!?」


ナツ「他にぶっ飛ばしてえ奴がいるんだろ?行ってこいよ!!」


アルト「!!」


ナツがアルトをじっと見据える


お互い言葉を交わさずとも考えてる事が分かるようだ



アルト「あぁ!任せたぜナツ!!」


ナツ「おうよ!!」


ルーシィ「アルト!!」


ナツたちに背を向け部屋を飛び出そうとしたアルトをルーシィが呼びとめた



アルト「・・・なんだ、ルーシィ?」


ルーシィ「あ、あの・・・えっと・・・」


何か言いたげだが、瞳を下げて口ごもる


呼びとめたはいいが、かける言葉が見つからないようだ



ルーシィ「ま・・・負けないで・・・!!」


アルト「!!」


ルーシィ「必ず・・・無事に帰ってきて!!」


アルトを真っすぐ見据え、途切れ途切れに言葉を発するルーシィ


その瞳には「無事に戻ってきてほしい」という気持ちだけが込められていた



アルト「・・・心配すんな!俺が負けるか!!」


親指を立て、ニヤリと笑いながら言うアルト


そして再びルーシィたちに背を向け、部屋を飛び出す


その姿を見たルーシィは安堵の笑みを浮かべて静かに頷いた










ハッピー「・・・できてる」


ルーシィ「で、できてないっ!仲間なんだから心配するのは当然でしょ!!/////」

 
 

 
後書き
今日が今年最後の投稿ですね、皆さんよいお年を


いつも大陸の妖精をご覧いただきありがとうございます。
 

 

大地の怒り

 
前書き
今回も話があまり進みません 

 

グレイ「エルザーーー!!?」


エルザ「!!」


瓦礫にもたれ掛かっているエルザにグレイたちが声をかける



グレイ「な、何でこんな所に・・・!!?」


ミラ「!!」


ミラがエルザの隣で倒れているアリアの姿に気づく



エルフマン「まさか・・・そのケガで戦ったのか・・・!?」


グレイ「ナツの野郎が倒したんじゃなかったんだな」


ミラ「あなたがアリアを・・・」


エルザ「お前たちにこんな情けない姿を見られるとはな・・・私もまだまだだな・・・」


その時、エルザ達は凄まじい魔力を感知する


決して良い者ではない、体が凍りつくような邪悪な魔力だ



グレイ「な・・・何だこの感じは!!?」


エルフマン「ぬぉぉ!!漢にあるまじき寒気がっ!!!」


ミラ「なに・・・コレ・・・」



「いやいや・・・見事でしたよ皆さん」


悪寒が走る魔力を帯び、拍手をしながらエルザたちに近づく人物



ジョゼ「まさか ここまで楽しませてくれるとは正直思っていませんでしたよ」


ファントムロードのマスター・ジョゼだった



グレイ「(こいつが・・・)」


エルフマン「(ファントムのマスター・・・)」


ミラ「(なんて邪悪な魔力なの・・・!?向かい合ってるだけで吐き気がする)」


ジョゼを前にしたグレイたちの体が硬直する



ジョゼ「さて・・・楽しませてくれたお礼をしませんとなァ、たっぷりとね・・・」


エルザ「よけろォ!!!!」




グレイ「がはっ!!!!」


エルフマン「ぬぁあっ!!!!」


凄まじい魔力の攻撃を受けたグレイとエルフマンは一撃でダウンする



ミラ「エルフマン!!グレイ!!」


エルザ「くっ・・・」


倒れるグレイとエルフマンの姿を見たエルザは最後の力を振り絞りジョゼに斬りかかる



攻撃を避けたジョゼはエルザの足首を掴んで投げ飛ばす


しかしエルザはひるむ事無く空中で回転しながらうまい具合に着地した



エルザ「ハァ・・・ハァ・・・」


ジョゼ「貴様・・・確かジュピターをまともにくらったハズ」


エルザ「仲間が私の心を強くする、愛する者たちの為ならこの体などいらぬわ」


ジョゼ「強くて気丈で美しい・・・なんて殺しがいのある娘でしょう・・・」


剣を構えるエルザに対し、不敵な笑みを浮かべるジョゼであった










ガジル「ハァッ!!」


ナツ「!!」


襲いかかってくるガジルの拳を素手で受け止めたナツ



ナツ「ぐあぁぁっ!!!」


しかし、ボキッという鈍い音とともにナツの悲鳴が響き渡る



ルーシィ「折れ・・・!!」


ハッピー「あの鋼鉄の鱗が攻撃力を倍加させているんだ!!」



ナツ「どらぁっ!!!!」


ガジル「無駄だ!」ドンッ


ナツ「うぁああぁっ!!!!」


ナツが爆炎の拳で反撃するが、ガジルの鋼鉄の鱗によって防がれる


鋼鉄を殴ったため、ナツの腕は更なるダメージを受けた



ガジル「ギヒッ、鋼鉄の鱗は全ての攻撃を無効化する」


ナツ「がぁ!!!!」


ガジルの頭突きによってナツは地面に倒れこむ


立て続けに攻撃が行われたが、ナツはそれを素早くかわし体制を立て直す



ナツ「火竜の・・・」


ガジル「鉄竜の・・・」


そして双方同時に魔力を蓄えた



ハッピー「あいつも(ブレス)が使えるのか!!!!」


「伏せろォー!!」


「ひぃぃっ!!!」




ナツ・ガジル「「咆哮!!!!」」


互いの咆哮がぶつかり合って爆発を引き起こす


そのとてつもない魔力と爆風によって部屋の壁や天井は破壊され、周りにいた人間は全て吹き飛ばされた




ガジル「・・・お互いの竜の性質の違いが出来ちまったなぁ、サラマンダー」


爆発後の煙の中に平然と立っていたのはガジルのみ



ガジル「たとえ炎が相手を焼き尽くす(ブレス)だとしても、鋼鉄にはキズ一つつけられん」


ナツ「う・・ぐ・・」


ガジル「逆に鉄の刃の(ブレス)は、貴様の体を切り刻む」


ナツの体には無数の切り傷がつけられていた



ガジル「テメェがこの程度なら、俺の鋼鉄を砕いたアルトレアと戦った方がよっぽど楽しかったぜ」


ナツ「・・・あ?」


ガジル「!!!」バリンッ


笑うガジルの顔に一筋の血が流れる



ナツ「オレの炎もただの炎じゃねえぞ・・・火竜の炎は全てを破壊する」


ガジル「う・・・」


ナツ「次からは本気で行くぞ黒鉄のガジル・・・さぐり合いはもう十分だ」



ルーシィ「え?」ゾゾッ


「さぐり合い・・・て・・・」


「お互い本気じゃなかったのかー!?」


「こいつらバケモンだー!!!」


ガジル「この空に竜は二頭もいらねえ、堕としてやるよ・・・火竜のナツ」


二頭の竜が再び向かい合う


互いの表情は真剣で冷徹、しかしどこか笑っているようにも見えていた










ジョゼ「クク・・・よく暴れまわる竜だ・・・所詮、ガジルさんには敵わないでしょうが」


エルザ「ハァ・・・ハァ・・・」


キズだらけのエルザと恐らくノーダメージであろうジョゼが対峙していた


エルザの後ろにはグレイ、エルフマン、そしてミラまでもが気を失って倒れている



エルザ「ナツの戦闘力を甘く見るなよ・・・わ・・・私と同等か、それ以上の力を持っている」


ジョゼ「謙遜はよしたまえティターニア・・・君の魔力は素晴らしい、現にこの私と戦い・・・ここまでもちこたえた魔導士は初めてだ」


エルザ「くっ・・・」


ジョゼ「ジュピターのダメージさえなければ・・・もう少しいい勝負をしていた可能性もある・・・そんな強大な魔導士がねぇ・・・」


魔力を帯びた右手をエルザに向けるジョゼ



ジョゼ「マカロフのギルドに他にもいたとあっては気に食わんのですよ!!!」


エルザ「うあぁぁぁっ!!!!」


ジョゼの魔力で吹き飛ばされたエルザは壁に激突する



ジョゼ「なぜ私がマカロフを殺さなかったかおわかりですか?」


エルザ「!!」


ジョゼ「絶望・・・この世に絶望を与えるためです」


エルザ「なんだとっ!?」


ジョゼ「目が覚めた時、愛するギルドと仲間が全滅していたら・・・くくく、悲しむでしょうねぇ・・・あの男には絶望と悲しみを与え、苦しませてから殺すのだぁぁ!!」


エルザ「下劣な・・・・・!」


エルザはジョゼの攻撃をうまくかわしながら反撃するが、ジョゼもまたエルザの攻撃をいともたやすく受け止める



ジョゼ「ファントムロードはずっと一番だった、この国で一番の魔力と人材があった・・・だが、ここ数年でフェアリーテイルは急激に力をつけてきた」


エルザ「それがどうしたっ!!」


ジョゼ「気に入らんのだよ、もともとクソみてーに弱っちぃギルドだったくせにィ!!」


エルザ「この戦争はその下らん妬みが引き起こしたというのか?」


ジョゼ「妬み?違うなぁ・・・我々はものの優劣をハッキリさせたいのだよ」


エルザ「そんな・・・そんな下らん理由で・・・!!」


ジョゼ「黙れ!」


ジョゼの魔力がエルザを縛り付ける



エルザ「うっ」


ジョゼ「この戦争の引き金は些細な事だった、ハートフィリア財閥のお嬢様を連れ戻してくれという依頼さ」


エルザ「う・・く・・(ルーシィ!?)」


ジョゼ「この国有数の資産家の娘がフェアリーテイルにいるだと!!?キサマらはどこまで大きくなれば気が済むんだ!!!」


エルザ「ぐっ・・ぁ・・!!」


エルザを縛り付けているジョゼの魔力の綱が徐々に圧力を増していく



ジョゼ「ハートフィリアの金をキサマらが自由に使えたとしたら・・・間違いなく我々よりも巨大な力を手に入れる!!それだけは許してはおけんのだァ!!!」


エルザ「がっ・・・ぁぁあああ!!!」


ジョゼの綱がエルザを握りつぶそうとしたその時



衝撃波が綱を斬り裂き、同時にジョゼを遥か後方に吹き飛ばす


綱から解放されたエルザはそのまま倒れ落ちそうになったが、ある人物がそれを抱きとめた



ジョゼ「な、何だ今のは・・・!!?」


エルザ「!!」


エルザは自分を抱き上げている人物を見て驚く



アルト「悪いエルザ、遅くなった・・・後は俺に任せてくれ」


エルザ「アルト!!何故ここに!?」


アルトは抱き上げていたエルザを地面に下ろした後、ゆっくりとジョゼに歩み寄る



エルザ「俺に任せろって・・・まさかジョゼと戦う気つもりか!?」


アルト「あぁ」


エルザ「駄目だアルト!いくらお前といえど今回ばかりは相手が悪―――」


アルト「何回も言わせんな」


そう言ったアルトはエルザの方に向き直る



アルト「後は俺に任せて下がってろ」


エルザ「!!」


アルトの瞳には今までとはとごか違った雰囲気の『闘志』がしっかりと刻まれていた



エルザ「(この感じ・・・!!)」


アルトの闘志の目を見たエルザはふと思い出す


昔、一度だけ本気で怒ったアルトの姿を見て感じた事を



アルト「ギルドの建物だけじゃなく、マスターやルーシィ・・・エルザまで傷つけやがって・・・」ギリッ


ジョゼ「誰かと思えば貴方でしたか、アルトレア・ウィルダント・・・随分と粋がって―――!?」


言葉の途中で何かを感じ取ったジョゼの表情が一変する



アルト「グレイ・・・エルフマン・・・そして戦えないミラさんまで・・・よくも・・・絶対に許さねェぞ・・・!!!」ゴゴゴゴゴ


アルトの感情を表すかのように大地が小刻みに揺れ、壁や地面の所々に小さな亀裂が入る



ジョゼ「(な、なんだ・・・この魔力は・・・!!?)」


エルザ「(こ・・・これほどとは・・・!!)」


そして次の瞬間、アルトの身体から膨大な魔力が爆発的に噴き出した




アルト「ジョゼェーーーーーーー!!!!」ドォォオオオオ


 
 

 
後書き
もう少しでファントム編も終わりですね

誤字・脱字ありましたらご報告お願いします

 

 

聖十との激闘 アルトvsジョゼ

 
前書き
戦闘シーンが・・・(泣)

 

 


アルト「アルディマ・ルテーム!!」ゴォッ



ジョゼ「ほう・・・中々の魔力だ!!」


エルザ「(なんて魔力だ・・・これならもしかして・・・)」



アルト「後悔しろ!」シュッ


ジョゼ「は!?」


アルト「オラァァアアア!!!」バキィィ


ジョゼ「ごぉっ!!?」


目にも止まらぬスピードでジョゼを殴り飛ばすアルト



ジョゼ「くっ、この―――」


アルト「どっち向いてんだ?」


ジョゼ「!!」


アルトは体制を立て直すジョゼの背後に素早く回り込み・・・



アルト「アース・クライツ!!!!」


ジョゼ「ぐぁぁあああ!!?」


衝撃波の掌底で殴り飛ばす



アルト「まだだァァアアア!!!」


ジョゼ「調子に乗るなよ小僧ォオ!!」


アルト「!!」


ジョゼが邪悪な魔力を拳に集める



ジョゼ「デッドウェイブ!!」ブォッ


アルト「メテオ・ファントム!!」ガガガガ


ジョゼが放った邪悪な魔力を巨大な左腕を模った衝撃波で受け止めるアルト



エルザ「あの魔力を・・・!!」


ジョゼ「受け止めただとォ!!?」


アルト「こんなもん・・・・・効くかァアア!!!」


そのまま衝撃波で模られた巨腕でデットウェイブを握りつぶした



ジョゼ「!!」


アルト「メテオ・マグナム!!」


ジョゼ「がぁぁあああ!!!」


右腕を模った巨大な衝撃波の塊がジョゼを殴り飛ばす



アルト「砕破掌!!」


ジョゼ「ぉ・・・ごぉ!!」コ゚ハァ



アルト「メテオ・ウィザスター!!」バゴォ


ジョゼ「がはぁぁァ!!!」



アルト「ギルガ・ファングバイトォオオ!!!!」ズドォォン


ジョゼ「グァアアアアア!!!!」


怒るアルトの猛攻撃が続く


ジョゼは反撃する暇もなくアルトの攻撃によって吹き飛ばされた




エルザ「強い!!衝撃波で自身をブーストしているのか・・・!?なんて速さだ!!」



ジョゼ「がっ・・・はァ・・・!!」


吹き飛ばされた後、瓦礫の中から膝をついた状態で姿を現すジョゼ



アルト「こんなもんじゃねえぞ・・・マスターやルーシィが受けた痛みは・・・」


ジョゼ「貴様ァ・・・!!!」


アルト「さっさと立て、この程度じゃ済まさねェ」


そう言ったアルトの身体からは再び凄まじい魔力があふれ出した



ジョゼ「なるほど・・・手加減はしなくて良さそうですねェ・・・」















ガジル「どうなってんだ、コイツァ・・・!?」


大地をも揺るがすほどのアルトの魔力はガジルたちのいる部屋にも届いていた



「マスター・ジョゼの他にもうひとつ巨大な魔力が・・・!!」


「でも・・・一体誰だよ!?」


「まさか、マスター・マカロフが復活したのか!?」


「地面が揺れてるぞ・・・!!」




ルーシィ「(なんだろう・・・この魔力・・・すごいけど・・・ジョゼとは違う・・・どこか温かい・・・!?)」


ハッピー「ナツ!!」


魔力を感じたハッピーが嬉しそうにナツに駆け寄る



ナツ「あぁ!じっちゃんがいない今、こんなすげぇ魔力を出せる奴はアイツ以外考えられねえよ!!」


ルーシィ「ねぇ、ナツ!それってもしかして・・・」


ナツ「アルトの奴だ!!」















アルト「覚悟はできたか・・・?」


ジョゼ「フフッ・・・不意打ちが決まった程度で調子に乗ってくれますねェ・・・いいでしょう、見せて差し上げましょう聖十大魔道の実力を・・・」


アルト「メテオ・ウィザスター!!」


ジョゼ「デッドウェイブ!!」


互いの魔法が衝突し、激しい爆発を生む



アルト「うらぁァアアア!!!」


ジョゼ「はァッ!!」


アルトの衝撃波を邪悪な魔力で防ぐジョゼ



ジョゼ「デッドドライブ!!!」


アルト「ぐっ・・・うわぁぁあああ!!!」


無数の邪悪な魔力の塊がアルトを襲う



アルト「このっ・・・スパー・クラッグ!!」


ジョゼ「デッドウォール!!」


アルト「メテオ・ウィザスター!!!」


ジョゼ「!!」


巨大な衝撃波がジョゼの防御壁を打ち破る



アルト「アース・クライツ!!」


ジョゼ「がふっ!!!」



アルト「メテオ・マグナ―――」


ジョゼ「デッドウィップ!!」


アルト「ぐぁああ!!」


アルトとジョゼの攻防が続く



ジョゼ「どうしました?・・・先ほどの勢いが消えていますが・・・?」ニヤッ


アルト「あ゛?どっちがだ!?」ムクッ



エルザ「(くっ・・・駄目だ、わずかだがジョゼが押している・・・!!)」



アルト「この程度じゃまだまだ倒れねえぞ」


ジョゼ「フッ、貴様がいくら粘ったところで無駄だ・・・見ろ!」


ジョゼがフェアリーテイルのギルドを指差して叫ぶ



エルザ「なっ・・・!」


アルト「!!」


見ると、ギルドの建物はジョゼの創り出した「幽兵」により粉々に破壊されていた



エルザ「私たちのギルドが!!!」


アルト「何してんだテメェエエ!!」ギロッ


ジョゼ「ギルドは崩れた・・・だが安心しろ、帰る場所が無くなった貴様等をオレが跡形もなく消し去ってやる」ニヤッ



アルト「オオオオオオ!!」ダッ


ジョゼ「デッドウェイブ!!」


アルト「ウラァァアア!!」ブシュゥゥ


叫びながら走るアルトはジョゼの凄まじい攻撃をモロに食らう



エルザ「無茶だアルト!!」



アルト「こんな奴に・・・負けてたまるかよォオ!!」


ジョゼ「(走る勢いが止まらない・・・!?)」


アルト「ウィブラル・バイン!!」


ジョゼ「がは・・・ぁああ!!」


アルト「このままたたみ掛ける!!」


ジョゼ「させるかァ!デッドドライブ!!」


ジョゼが打ち出す無数の魔力の塊を食らい、後方に吹き飛ぶアルト



ジョゼ「このまま終わると思うなよ、デッドドライブ!!!」


アルト「ぐぁあああ!!」


飛んでくる魔力の塊がアルトに全弾命中する



ジョゼ「とっとと消え失せろ!フェアリーテイル!!」


アルト「こ・・・こんなもん、痛くもかゆくもねぇぞ!!」ガガガガ


アルトは攻撃を食らいながらもジョゼに接近する



ジョゼ「デッドウェイブ!!」


アルト「その技はもう見切ったァ!!」


ジョゼ「ごぶぅっ!!?」バキィィ


攻撃を相殺したアルトはジョゼを思い切り蹴り飛ばした



アルト「身をもって受けた攻撃の軌道は身体に染みついてるんだよ!!」


ジョゼ「くっ・・デッドウィップ!!」シュッ


アルト「スパー・クラッグ!!」スパンッ


ジョゼ「(バカな・・・オレの魔法がかき消され・・・!!?)」


アルト「アース・クライツ!!」ドンッ


ジョゼ「ぐぁぁああ!!!」


衝撃波に吹き飛ばされ、石造りの壁にめり込むジョゼ



アルト「メテオ・ウィザスター!!」


ジョゼ「ごがぁぁあああ!!!!」


更に攻撃を続けるアルト



アルト「これでとどめだ!エストレア・―――!!?」ガクッ


しかし、魔法を放とうとしたアルトが地面に倒れこむ



エルザ「アルト!?」


アルト「あ・・・れ?変だな・・・アイツの攻撃なんか・・・効きゃ、しねえのに」


ジョゼ「クク・・・血を流しすぎたのさ」


アルト・エルザ「「!!」」


壁に打ち付けられていたジョゼがゆっくりとアルトに歩み寄る



ジョゼ「いくら強がっても聖十大魔道の攻撃をあれだけ食らったんだ、今まで立ってられたのが奇跡だ」


アルト「へ・・・へへっ・・・あの程度の魔法で聖十大魔道?笑わせんな、怪我してる腹筋がもっと痛くなるぜ・・・」


ジョゼ「貴様!!」バゴッ


アルト「がはっ!!!」


ジョゼは倒れているアルトの腹を蹴り上げる



アルト「ハァ・・・げほっ・・・」


ジョゼ「どんなに生意気な口たたこうが貴様はここで終わりだ、所詮クソガキ風情がこのオレに勝てるわけがねえんだよ」


アルト「う・・うるせぇよ・・・クソガキはテメェだ・・・」


ジョゼ「フンッ!!」ドゴォ


アルト「ごはっ!!!」



ジョゼ「デッドウェイブ!!」ドォォオオ


アルト「ぐぁあああああ!!」


動けないアルトはジョゼの魔法で後方へ吹き飛ぶ



アルト「ハッ・・・ガハッ・・・!!」


ジョゼ「さぁて、サラマンダーは直にガジルが片つける・・・オレは残りのフェアリーテイルを片づけに行くか」


アルト「!! ま・・・待てよ!」


アルトがかろうじて立ちあがり、ジョゼを睨みつける



アルト「皆には手をださせねェぞ・・・」


ジョゼ「しつこい奴だ・・・何故そこまで戦う?」



アルト「・・・仲間が・・・『負けないで』って祈ってくれるからだ!」

 
 

 
後書き
ごめんなさい、忙しくなりそうなので更新が3日に1回とダウンしそうです

 

 

終戦を告げる叫び

 
前書き
ジョゼって原作だとあっさりやられちゃったからなぁ

バトルの構想ねるのに時間かかりました(笑)
 

 


ジョゼ「ハッ、立ってるのがやっとの死にぞこないが・・・そんなに死にたきゃ望み通りにしてやろう!!」


アルト「ぐっ!!」


ジョゼが放った魔力波を回避するアルト



ジョゼ「はぁぁぁ!!」バゴォォ


アルト「だぁあああ!!」ドォォン


両者の拳が激しくぶつかり合う



アルト「うぐっ・・・ォォオオオ!!」ググッ


ジョゼ「(コイツ・・・まだこんなパワーが・・!!?)」ミシッ


アルト「ウオオオオオ!!!!」


アルトがジョゼの拳を押し切る



ジョゼ「クソガキがぁ・・・デッドドライブ!!!」


アルト「砕破掌!!」ドドドド


砕破掌を連続で打ち込み、無数の魔力弾を全て撃ち落とすアルト



ジョゼ「あの技を防いだ!!?」


アルト「エストレア・グレイブ!!!!」


ジョゼ「くっ、聖十大魔道をなめるなよォオ!!!!」


ジョゼが頭上から降り注ぐ重力と衝撃波の塊を魔力の壁を張って受け止める



アルト「ぐっ・・・ぐぐ・・・!!」


ジョゼ「ぬぉぉおおお!!!」


互いに動けない状態が続く


しかし、しばらくするとジョゼが徐々にアルトの魔法を押し返してかき消した



アルト「(エストレア・グレイブが・・・負けた!!?)」


ジョゼ「これで終わりだ!跡形もなく消え去れェ!!」ゴォオ


アルト「(くっ・・・魔力を使いすぎた・・・身体が動かねぇ・・・!!)」



ジョゼ「デッドブラストォオ!!!!」


アルト「がぁあああああ!!!!」


ジョゼの攻撃がアルトを飲み込み、超爆発を引き起こす



エルザ「ぐっ・・・ぁあ!!!」


凄まじい爆風により、周りにいたエルザや倒れているミラたちも吹き飛んだ





爆煙が晴れ、そこに立っていたのはジョゼ


アルトは仰向けに倒れ、ピクリとも動かない



ジョゼ「ハァ・・・ハァ・・・!!」


アルト「・・・ぅ・・・ぐ!」


ジョゼ「まだ意識があるとは・・・ハァ・・・呆れた小僧だ」


アルト「・・・は・・・ぁ」



エルザ「アルトの・・・負け・・・!?」



ジョゼ「かなり魔力を消費したが・・・フェアリーテイルの残りカスを掃除するぐらいワケはない・・・」


アルト「ぁ・・・待・・て!!」ガシッ


歩き出すジョゼの足を掴むアルト



ジョゼ「失せろ、敗北した貴様に用は無い」ズドォ


アルト「がっ・・・!!!!」


ジョゼがアルトを思い切り蹴り飛ばす


そして、追い打ちをかけるかのようにアルトの頭を踏みつけた



ジョゼ「ハートフィリア財閥の令嬢に手を出さなければ・・・貴様もこんな地獄を見なくて済んだだろうに・・・」


アルト「ぐっ・・・」


ジョゼ「ハートフィリアが戦争の引き金だ、あの金を貴様らが使う事だけは許しておけん」


アルト「は・・はっ・・ルーシィは・・家出してきたんだ・・・家の金なんか・・・使えるわけ・・ねェだろ」


ジョゼ「何?」


アルト「テメェら・・の・・勝手な勘違いさ・・・ルーシィは・・・家賃7万の家に住み・・俺たちと共に行動して・・・共に戦い・・共に笑い・・共に泣く・・・同じギルドの仲間だ!」


アルトが自分の頭を踏みつけているジョゼの足を握りしめる



アルト「戦争の引き金・・・? 財閥の令嬢・・・? テメェらがそういう風に縛り付けるから・・・ルーシィは涙を流すんだろうが・・・!」


ジョゼ「!!」


アルト「テメェらなんかに・・・涙を流すルーシィの何が分かる!!!!」


ジョゼ「・・・これから知っていくさ」


不敵な笑みを浮かべるジョゼがアルトを見下した様子で答える



ジョゼ「ただで父親に引き渡すと思うか? 金が無くなるまで飼い続けてやる、ハートフィリアの財産全ては私の手に渡るのだ!!」


アルト「・・・テメェ!!」


ジョゼ「あの小娘はただの家畜さ、用が無くなればすぐに捨てといてやる」


アルト「!!!!」


ジョゼの言葉を聞いたアルトの目の色が変わる


ジョゼはアルトに背を向け歩き出す



ジョゼ「さて、今度こそフェアリーテイルの殲滅だ」



エルザ「おのれ・・・!!」


ジョゼ「チリとなって消滅しろ!!フェアリィィテイィィル!!!!」


ジョゼが外に居るフェアリーテイルの仲間に攻撃を仕掛ける


しかしジョゼの後頭部に衝撃波が炸裂し、攻撃を止めた



ジョゼ「なっ・・・!!」


急いで後ろを振り返るジョゼ


そこには倒れて動けないハズのアルトが立っていた



ジョゼ「き・・・貴様ァ・・・!!」


ジョゼが驚愕と怒りが入り混じった表情でアルトを見据える


当のアルトは言葉を発せず、ただただ怒りの表情でジョゼを睨みつけていた



ジョゼ「どこまでオレの邪魔をする気だぁァア!!!」


ジョゼが巨大な魔力の渦を発生させ、アルトに向けて放つ



アルト「勝ってルーシィを取り戻すまでだ!!!」


放たれた魔力の渦に突っ込でいくアルト



ジョゼ「ハートフィリアは我がファントムロードのモノだ!!」


アルト「っ・・・ざけんなあああ!!!!」


ジョゼ「!!!」


アルトはジョゼの攻撃を振り払い、懐に入り込む




アルト「よーく覚えとけぇぇぇクソ魔導士ィィ!!!!」


アルトは怒りに満ちた声で叫んだ


ファントム本部の外まで響くような大声だ



アルト「ルーシィは俺たちの仲間だああああああ!!!!」ズドンッ


ジョゼ「がっ・・・!!!!」メキィ


ジョゼの腹部にアルトの衝撃波を纏った拳がめり込む



アルト「フェアリーテイルの怒りをその身に刻んで、心身ともに悔い改めやがれええええ!!!!」



ジョゼ「ぐああああああああああ!!!!」



アルトはそのままジョゼを突き上げるように殴り飛ばす


吹き飛んだジョゼは本部の天井を突き抜け、遥か上空の彼方へ飛んでった


その光景は外にいるカナや、同時刻にガジルを打ち取ったナツたちにも見えていた








「な、なんだったんだよ・・・今の叫び声は・・・!?」


「お、おい・・・空を見てみろ!誰かが血まみれで吹き飛んでやがる!!」


「あれって・・・マスタージョゼじゃねえか!!?」


「ウソだろ!?じゃあなんだよ・・・聖十大魔道がやられたって言うのかよォ!?」



ガジル「マスター・ジョゼが・・・負けた!?」


ハッピー「アルトが叫んだ後、ジョゼが空に飛んでった・・・」


ナツ「って事は・・・」


ナツとハッピーが同時に顔を見合わせ



ナツ・ハッピー「「アルトが勝ったんだァ!!!!」」


アルトの勝利を確信した二人が子供のようにハシャいだ



ルーシィ「アルト・・・」


ルーシィは空に吹き飛ぶジョゼを見ながら口元を押さえ、アルトの名前を呟いた



『ルーシィは俺たちの仲間だああああああ!!!!』



アルトの叫んだ言葉が何度もルーシィの心に深く突き刺さる


ルーシィは一筋の涙で頬を濡らしながら心の中で強く思った



ルーシィ「(ありがとう・・・!!)」

 

 

同志

アルト「ハァ・・・ハァ・・・」


エルザ「勝った・・・やったぞ、アルト!!」


エルザがアルトの傍に駆け寄る



アルト「へへっ・・・どんなもんだ・・・!」



ミラ「アルトー!」


アルト「ミラさん!目が覚めたのか!?」


更に倒れていたミラ、グレイ、エルフマンも目が覚めたらしくアルトの元へ駆け寄る



ミラ「アルト!!無事で良かったわ!!!」


アルト「がふっ!!」


ミラが血にまみれたアルトに抱きつく


その際 少し傷にしみたが、ミラの豊満な胸が当たっていたので黙ってる事にした



アルト「み、ミラさん・・・(胸が・・・/////)」


グレイ「にしても、マスター・ジョゼを倒すとはな!」


エルフマン「漢だぜアルト!!」


エルザ「よく頑張ったな、アルト!!」


アルトの勝利にエルザたちが喜ぶ最中、打ち上げられたジョゼが天井を突き破って落ちてくる



エルザ「!!」


ミラ「マスター・ジョゼ・・・!!」


グレイ「大丈夫さ・・・あんな傷で動けるワケが・・・」



ジョゼ「・・・残念だったなぁ・・・クソガキ共!!」


アルト「!!!」


その場に倒れてピクリとも動かなかったジョゼが突然目を開き、ゆっくりと立ち上がる



ジョゼ「よくも・・・やってくれたなァ、小僧・・・!!」


無理やり立つジョゼの傷口からは血が噴き出す



アルト「ま・・・まだ立てたのか・・・!」


ジョゼ「消してやる・・・今すぐ消してやるぞフェアリーテイル!!」


ジョゼが残りの魔力を全て込める


それを見たアルトはエルザ達の前に立ち構える



グレイ「駄目だ、アルトには魔力が残ってねえ!!」


アルト「それでも・・・やるしかねぇ!!」



ジョゼ「消え去れぇぇぇ!!!!」


ジョゼがアルトたちに向かって魔力を放つ



しかしジョゼの攻撃は突如現れた何者かの魔力によってかき消された


ジョゼ「魔法!?一体誰が・・・!!」


「いくつもの血が流れた・・・子供の血じゃ」


煙の中からは怒りを秘めた声が聞こえる



アルト「(この温かい魔力は・・・!!!)」


「できの悪ィ親のせいで子は痛み、涙を流した・・・互いにな・・・」



マカロフ「もう十分じゃ・・・終わらせねばならん!!!!」


ジョゼの攻撃をかき消した正体はマカロフだった




エルザ「マスター・・・」


ミラ「マスター!容体が戻ったのね!!」


アルト「これで・・・もう大丈夫だな・・・」



マカロフ「大したモンじゃ、その若さでその魔力・・・聖十の称号を持つだけの事はある」


ジョゼ「マカロフか・・・こうして直接会うのは6年ぶりですね、ギルドに殴り込みに来た時の私は思念体でしたから」


マカロフ「その魔力を正しい事に使いさらに若き世代の儀表となっておれば魔法界の発展へとつながっていたであろう」


ジョゼ「説教・・・ですかな?」


マカロフ「フェアリーテイル審判のしきたりにより、貴様に三つ数えるまでの猶予を与える」


凄まじい魔力があふれ出すとともにマカロフの身体が巨大化する



マカロフ「ひざまずけ」


ジョゼ「は!?」



マカロフ「一つ」


ジョゼ「ははっ、何を言い出すのかと思えば・・・ひざまづけだと!?」



マカロフ「二つ」


ジョゼ「王国一のギルドが貴様に屈しろだと!!?冗談じゃない!!」



マカロフ「三つ」


ジョゼ「私もかなりの手負いだが、アリアにやられた貴様を倒す事などわけないわ!!ひざまづくのは貴様らの方だあああ!!」



マカロフ「そこまで」


マカロフが両手を合わせ、猶予終了の合図を行う


天が渦を巻き、輝かしい光がファントムギルド全体に降り注ぐ




マカロフ「妖精の法律 発動」



ジョゼ「!!!」


マカロフの言葉と共にファントムギルドが光に包まれる


その光がジョゼの創り出した幽兵を粉々に粉砕し、ジョゼ本人をも飲み込んだ



アルト「すげぇ・・・温かさが体の芯にまで伝わってくる・・・!!」


エルザ「フェアリーロウだ」


グレイ「フェアリーロウ?」


エルザ「聖なる光をもって闇を討つ、術者が敵と認識したものだけを討つ もはや伝説の一つに数えられる超魔法だ」


妖精の法律を食らったジョゼはその場に立ち尽くし動かなくなった



マカロフ「二度とフェアリーテイルに近づくな・・・これだけハデにやらかしちゃ評議院も黙っておらんじゃろ、これからはひとまずてめえの身を心配する事だ・・・お互いにな」


アルト「マスター!!」


アルトたちがマカロフの元へ駆け寄る



マカロフ「アルト、こんなになるまでよく戦ってくれたの・・・全てのガキ共に感謝する、フェアリーテイルである事を誇れ」


アルト「へへっ・・・」テレテレ


エルザ「マスター・・・」


そしてマカロフがもう一度ジョゼの方を向き、言い放つ



マカロフ「ギルド同士のケジメはつけた、仲間をつれて帰れ・・・今すぐに」


そう言いきったマカロフはアルトたちと共にファントム本部をあとにした










マカロフ「こりゃあ また・・・ハデにやられたのう・・・」


マカロフが崩れたギルドを見てそう呟く



ルーシィ「あ・・・あの・・・マスター・・・」


マカロフ「んー?おまえも随分大変な目にあったのう」


穏やかな顔で言うマカロフだったが、ルーシィの顔は暗いままだった



レビィ「そんな顔しないのルーちゃん」


そんなルーシィの元に傷後だらけのレビィたちが声をかける



レビィ「みんなで力を合わせた大勝利なんだよ」


ドロイ「ギルドは壊れちゃったけどな」


ジェット「そんなのまた建てればいいんだよ」


リーダス「ウィ」



ルーシィ「レビィちゃん・・リーダス・・ジェット・・ドロイ・・」


レビィ「心配かけてゴメンね、ルーちゃん」


ルーシィ「違・・う・・・それはあたしの・・・」


リーダス「オレ・・護衛・・役に立てなくて・・・あの・・・ゴメン」


リーダスたちの言葉に対し、必死に口元を押さえて首を横に振るルーシィ



マカロフ「ルーシィ、楽しい事も悲しい事も全てとまではいかないがある程度までは共有できる・・・それがギルドじゃ」


ルーシィ「・・・!!」


マカロフ「一人の幸せは皆の幸せ、一人の怒りは皆の怒り・・・そして一人の涙は皆の涙、自責の念にかられる必要はない・・・君にはみんなの心が届いているハズじゃ」


ルーシィ「・・・・・」グスッ


マカロフ「顔をあげなさい、君はフェアリーテイルの一員なんだから」


マカロフの言葉を聞いたルーシィはその場に膝をつき、泣き崩れた





アルト「でもゴメンなマスター」


マカロフ「何がじゃ?」


アルト「また俺たちがハデに暴れたせいで・・・今回の有り様じゃ禁固刑になったりするんだろ?」


マカロフ「!!」ガーン


アルトの言葉を聞いたマカロフはその場に膝をつき、泣き崩れた

 
 

 
後書き
次回で一応ファントムロード編終了のつもりです

ルーシィの閉話も同時進行で書きます

 

 

さよなら

 
前書き
場面転換描写が難しいと実感させられました・・・(汗)

 

 

日差しが窓から差し込む中、机に向かって手紙を書くルーシィ


その表情は戦いが終わって安堵しているというよりも、何かを考え込んでいる様だった




『ファントムとの戦いが終わって一週間


やっとあたしたちも落ち着きを取り戻してきたの



・・・って言うのもファントムを倒した後、すぐに評議院の軍隊ルーンナイトに取り囲まれちゃって自称聴取の為に軍の駐屯所に連行されちゃったのね



毎日取り調べを受けて、一週間たった今やっと落ち着いてきたてわけ


フェアリーテイルに対する処分は評議会の後、後日下されるらしいの・・・・・はぁ


でも心配しないでねママ、ファントムの襲撃は立証されてるからそんなに重たい処分にはならないと思うんだ



・・・ねぇ、ママ・・・これは本当に裏で『あの人』が操ってた事なのかな?


あたしを連れ戻そうとする意味が分からない・・・あたしに興味ないくせに・・・


フェアリーテイルには迷惑かけちゃったなぁ・・・ママ・・・『あの人』ならまたやるよね


同じ事を・・・お金の力で・・・



それだけはあたし・・・』










ナツ「おーもぉーてーえぇー・・・」


ナツが大きな木材を何本を背負って歩く



グレイ「一度にそんな持つからだよ、バカじゃねーの?」


効率よく木材を一つだけ持って運んでいるのはグレイ



ナツ「ははっ!!おめえは軟弱だからそれが限界なんだろーなァ」


グレイ「ア? オレがその気になればてめえの倍はいけるっての!!」



二人のやりとりを影から見つめる少女が一人


ジュビア「(あぁ・・・今日もアルト様の姿は見えない・・・ジュビア寂しい)」




エルザ「喋ってるヒマがあったらさっさと運ばんか、一刻も早くギルドを修復するんだ」


作業着を着たエルザが喋っているナツとグレイの元に寄る


マカロフ同様、ギルド再建にかなり気合が入っていた



ナツ「それよりもアルトはまだ寝込んでんのかよォ!もう一週間だぞ!!」


グレイ「仕方ねえだろ、聖十大魔道と張り合う程の魔力を使ったんだ」


エルザ「治癒魔導士が言うには心配ないらしいが・・・」


ミラ「あら?アルト来てないの?」


ミラが不思議そうな表情でナツたちに問う



ナツ「あぁ、アルトは今も寝込んでるんだろ?」


ミラ「えっ?今朝お見舞いに行った時は家に居なかったわよ?」


ナツ「何ィー!!!?」


エルザ「もう動けるようになってたのか!?」


グレイ「じゃあ一体どこに行ったっていうんだよ」


ハッピー「きっとルーシィの家だよ!!」


ナツ「よっしゃー!!そうと分かりゃルーシィん家に行くぞー!!」










ナツ「ルーシィ、アルト元気かぁ!!!!」


ハッピー「元気かぁ」


ナツとハッピーが勢いよく家のドアを開ける


しかしそこにはアルトの姿もルーシィの姿もなかった



ナツ「・・・・・」


ハッピー「あれ?いないのかな」


グレイ「いや、もしかしたら風呂かもしれねえ!!!お約束の展開が―――」


ナツ「いねえ」


グレイ「風呂のチェックはえぇよ!」



エルザ「む、あの机の上に置いてある手紙の山は何だ?」


ナツ「手紙だぁ?」


辺りを見渡すエルザは机の上に置かれた大量の手紙が気になった


無断で申し訳ないと思いつつナツたちは手紙を読んでいく



『ママ・・・あたしついに憧れのフェアリーテイルに入ったの』



『ママ・・・今日はエルザさんって人に会ったの!!かっこよくてキレーで・・・あのアルトやナツがね・・・』


エルザ「む・・」



グレイ「これ全部ママへの手紙か?」


ナツ「何でこんな机の上に出してんだ?」


エルザ「・・・私たちの前に誰か来ていたんだろう」


グレイ「誰かって・・・もしかしてアルトか?」


エルザ「その可能性が高いな・・・だとしたら、アルトが今どこに居るのかも想像がつく」


ナツ「どういう事だ?」


するとエルザが手紙の下から一枚の小さな紙を取り出し、ナツたちに見せる


どうやらルーシィの書き置きらしい



エルザ「・・『家に帰る』だ そうだ」


ナツ・ハッピー・グレイ「「「何ィィ!!!?」」」


エルザ「アルトはこの書き置きを見た後、急いでルーシィを追いかけていったハズだ」


ナツ「何考えてんだアイツはァア!!」


エルザ「とにかく今から急いで追うぞ!ルーシィの実家だ!!!!」





ナツたちがルーシィの書き置きに気づいたのと同時刻


線路に沿った道を自動車並みのスピードで走り抜ける黒髪の少年がいた


額には滝のような汗が流れており、険しい表情で走っていた



アルト「ルーシィ・・・俺はっ・・・お前の口から聞くまで・・・納得しねえぞ!!」










それから数分後


ハートフィリア邸


綺麗なドレスで着飾ったルーシィが複雑な表情でとある大部屋へと入っていく


扉を開けたそこには高価なスーツを着た男が立っていた



ジュード「よく帰ってきたなルーシィ」


ルーシィ「何も告げず家を出て申し訳ありませんでした、それについては深く反省しております」


ジュード「賢明な判断だ、あのままお前があのギルドにいたのなら、私はあのギルドを金と権威の力をもって潰さねばならないトコだった」


偉そうな口ぶりでそう話すジュード

ルーシィはうつむき、ジュードの話を黙って聞いていた



ジュード「やっと大人になったなルーシィ、身勝手な行動が周りにどれだけの迷惑をかけるのかいい教訓になったであろう」


ルーシィ「・・・・・」


ジュード「お前はハートフィリアの娘だ、住む世界が違うんだよ・・・今回お前を連れ戻したのは他でもない、縁談がまとまったからだ」


ルーシィ「!!」


ジュード「ジュレネール家の御曹司であるサワルー公爵、以前からお前に興味があると言ってただろう」


ルーシィ「・・・言ってましたね」


ジュード「ジュレネール家との婚姻によりハートフィリア鉄道は南方進出の地盤を築ける、これは我々の未来にとって意味のある結婚となるのだ」


ジュードの言葉を黙って聞いていたルーシィは拳を握りしめる



ジュード「そしてお前にはハートフィリアの跡継ぎとして男子を産んでもらう・・・話は以上だ、部屋に戻りなさい」


ルーシィ「・・・―――」


背を向けたジュードに対しルーシィが何かを言いかけたその時




アルト「ルーシィィイ!!!!」


扉を勢いよく開けたアルトが部屋に入り込んできた



ジュード「!!」


ルーシィ「えっ!?アルトォ!!?」


見るとアルトの恰好はボロボロで、大量の汗により服がその身に張り付いていた



ジュード「な、なんだ貴様は!!」


アルト「フェアリーテイルのアルトレア・ウィルダントだ、ルーシィを迎えに来た!」


ルーシィ「えっ・・・迎えにって・・・!?」


アルト「書き置き見たぞルーシィ、どういうつもりなんだ!?」


慌ててルーシィに詰め寄って問うアルト



アルト「お前がこの家に戻りたくなったって事なら別に止めやしない!だけど居たくない家に無理に戻る必要はないって言ったろ!!」


ルーシィ「ちょっ・・・アルト、ひとまず落ち着いて!!」


アルト「これが落ち着いてられるかぁ!!おい、アンタがルーシィの父親だなぁ!?」


ジュード「!!」


アルトは感情の矛先をジュードに向ける



アルト「あんたなァ、もうちょっと自分の娘の事考えたらどうなんだよ!?」


ジュード「お・・大きなお世話だ!ルーシィと私は親子だ、他人の貴様が口をはさむな!!」


アルト「確かにアンタとルーシィは切っても切れねぇ縁がある!!でもだからこそ自分の傍に無理やり縛り付ける必要は無いんじゃねえのか!!?」



ジュード「何ィ!?」


ルーシィ「アルト・・・」



アルト「俺たちフェアリーテイルはどんな状況になろうとルーシィの見方だ!!ルーシィがアンタを拒み続ける限り俺たちもアンタを敵とみなす!!」


ジュード「っ!!」


アルト「金だろうが権力だろうがまとめてかかってきやがれ!!俺たちフェアリーテイルはそんなもんに絶対屈したりはしない!!!」


ジュード「き・・・貴様・・・!!」


ジュードとアルトが睨みあう中、ルーシィがアルトの肩を掴んで言う



ルーシィ「ありがとう、アルト・・・ここからは私に言わせて」


アルト「!!」



ルーシィ「お父様・・・今日私が戻ってきたのは自分の決意をお伝えするためです、いつまでも家出のままでは逃げ出した事と何も変わらないですから」


ジュード「・・・ルーシィ?」


ルーシィ「今回はきちんと自分の気持ちを伝えて家を出る・・・あたしはあたしの道を進む!!結婚なんて勝手に決めないで!!そしてフェアリーテイルには二度と手を出さないで!!」


そう言うと同時にルーシィはその身に纏ったドレスを破り捨てる



ルーシィ「今度フェアリーテイルに手を出したら、あたしが・・・ギルド全員が貴方を敵とみなしますから!!!!」


その姿をみたジュードは驚愕の表情を浮かべ、その場に立ち尽くす



ルーシィ「フェアリーテイルはもう一つの家族・・・あたしという人格を認めてくれる・・・あたし一人の為にこんなに汗だくになってまで迎えに来てくれる人だっている・・・ここよりずっとあたたかい場所なの」


ジュード「なっ・・・!!」


ルーシィ「ママと過ごしたこの家を離れるのはとてもつらいけど・・・でも・・・もしママがまだ生きていたら・・・あなたの好きな事をやりなさいって言ってくれると思うの、だから・・・さよならパパ」


ルーシィが決意ある表情でジュードにそう伝える


それを聞いたアルトはにやりと笑みを浮かべた後、突然ルーシィを抱き上げた



ジュード「なっ・・・!!」


ルーシィ「えっ・・・アルト!?/////」


アルト「そういう事だ、俺たちはこの辺でおいとまさせてもらうぜ」


そう言ったアルトはルーシィを抱えながら急いで部屋を飛び出した





屋敷の外を飛び出すとナツたちがこちらへ向かってきた


ナツ「ルーシィ!!」


ルーシィ「何でここにいるのー!?」


エルザ「やはりアルトはルーシィの元に行ってたか」


グレイ「それよりも、お前なんでそんなに汗だくなんだよ」


アルト「走ってきたからに決まってんだろ、急いでたから列車なんて待ってられねえよ」


グレイ「相変わらず無茶苦茶なやつだな・・・(汗)」


ルーシィはナツたちに実家に帰ったのは母親の墓参りの為だと伝えた


それを聞いたナツたちは安堵の笑みをこぼした



ルーシィ「みんな・・・心配かけてごめんね」


エルザ「気にするな、早合点した私たちにも非はある」


ナツ「ハッピーなんかずっと泣いてたぞ」


ハッピー「な・・・泣いてないよ!!」


グレイ「それにしてもでけー街だな」


グレイがあたりを見渡しながらそう呟く


するとルーシィが遥か向こうの山を指して言った



ルーシィ「あ・・・ううん、ここは庭だよ!あの山の向こうまでがあたしん家」


ルーシィのさりげない一言に四人と一匹は驚愕する



ナツ「お嬢様キター!」


グレイ「さりげ自慢キター!」


アルト「お約束の『ここからここまでがあたしん家』って台詞キター!」


ハッピー「ナツとアルトとグレイがやられました!エルザ隊長、一言お願いします!!」


エルザ「空が・・・青いな・・・」


ハッピー「エルザ隊長が壊れたぞー!!」





『天国のママへ


あたしはね、皆と一緒でなきゃ生きていけないと思う


だって妖精の尻尾は、もうあたしの一部なんだから!』



ルーシィ「アルト・・・」


アルト「んー?どうしたルーシィ」


ルーシィ「あのっ・・・迎えに来てくれてありがとう!すごく・・・安心した/////」


赤く染まった頬を見せないように俯きながら話すルーシィ


その様子を見たアルトは微かに微笑んでルーシィの頭を撫でる



アルト「お礼なんかいいって、『家族』を助けるのに理由はいらねえだろ」


ルーシィ「・・・/////」


ルーシィはしばらくアルトに撫でられ続けていた

 
 

 
後書き

ファントムロード編終了です、これでルーシィの設定が書ける・・・!

閉話はただいま執筆中ですのでもう少し待ってほしいです 

 

・Original Episode 2・

 
前書き
更新遅れてすみませんでしたぁ!!


ルーシィの閉話です、駄文注意ですが読んでくれるとありがたいです

 

 
時刻は昼過ぎ、太陽が空に照り続けている頃


ハルジオンの街を歩くアルトとルーシィの姿があった


街中を行き交う人々の中、二人が並んで歩いている姿は傍から見れば恋人同士に見えないわけではないだろう



ルーシィ「(よ、よく考えたらこれってデート・・・って事になるのかなぁ・・・/////)」


緊張したルーシィの白い頬がうっすらピンク色に染まる


自分でもやかましく感じるほど心臓の鼓動が高鳴っている


ルーシィは自分をファントムの脅威から守ってくれたアルトを少なからず一人の「男」として意識しているようだ



ルーシィ「(うぅ・・・どうしよぉ、緊張してる・・・やっぱり私、アルトの事が・・・/////)」


自分たちはすれ違って行く街の人々にどう見られているのだろうか


もしかしたら仲のいい恋人同士に見られているのかもしれない



ルーシィ「(・・・って、何考えてんのよ私ー!)」


自分の桃色脳内で作り上げた妄想を必死に振り払う


そしてルーシィはアルト自身に気付かれないように視線を向ける


焦りと興奮が入り混じった自分とは違い、平常運転で歩いているアルト


そんなアルトを見て、悔しさと落胆の気持ちがこみ上げていた



ルーシィ「(もうっ・・・やっぱりアルトの方はあたしの事なんてなんとも・・・)」


晴れ渡っている空とは真逆に、ルーシィの心は曇りきってしまったようだ



アルト「いやー、楽しみだなぁ新しい小説!」


今日、アルトとルーシィが歩いているのは二人が読んでいる小説の続編が発売されていたからなのであった



ルーシィ「言っておくけど、私が買うんだから私が先に読むからね!」


アルト「分かってるって!早く買って帰って読むとしようぜ!」


ルーシィ「あ、ちょっと急に走らないでよーっ!!」










途中から走るアルトを追いかけるような形になったが、二人は本屋に到着した


昔からある本屋らしく、外観は少し古いが店内の内装は整っていて品ぞろえも豊富だ


特に恋愛話をテーマとした小説を多く扱っているように見てとれた、そのせいか店内にいる客も男女の組が多い気がした



アルト「へぇー、同じ作者でもこんなにたくさんの小説書いてんのかぁ・・・」


ルーシィ「そうよ、面白い話を書く作者は売れるし需要もあるでしょ」


アルト「あっ、この小説はおもしろそうだな・・・!!」


ルーシィ「(よかった、楽しんでくれてるみたいで・・・♪)」


気になる小説を見つけては取り出して表紙を眺めるアルトの姿に自然と頬が緩むルーシィ


自分が今もこうして笑っていられるのは、アルトとフェアリーテイルの皆のおかげだと思うと感謝の気持ちでいっぱいになる


自分の事を命をかけて守ってくれる仲間が今、目の前にいることに幸せを感じていた



ルーシィ「アルト、ありがとね!」


アルト「えっ・・・俺、何かしたっけ?」


ルーシィ「うん、ファントムの事も・・・お父さんの事も・・・アルトが守ってくれたから、今もこうして笑っていられるんだ」


整った顔立ちから放たれる満面の笑みは、思わず見惚れてしまうほどの破壊力を有していた



アルト「お、おぉ・・・/////」


普段は女性に疎いアルトでもルーシィの心の底から引き出された笑顔には敵わないようだ


緊張した様子でルーシィの感謝の言葉に応えた



ルーシィ「・・・?どうかしたのアルト?」


アルト「いや・・・別に・・・/////」


紅潮した頬をごまかすように再び視線を本棚の方へ移した



ルーシィ「(あれっ・・・もしかして・・・少しは意識してくれてる・・・?/////)」


アルト「・・・・・/////」


普段の様子とは違うアルトにルーシィは微かな期待を抱く



アルト「そ、それよりも早く買って帰ろうぜ!」


ルーシィ「そ、そうだよね!早く買って――」


二人は同時に目当ての小説に手を伸ばす


焦りのせいか、お互いに自分以外の手が見えていなかった


そして、ほんの数秒・・・二人の指先が触れあい、重なる



アルト「あっ・・・!!」


ルーシィ「えっ!?」


アルトの指がルーシィの指を包み込むような形で重なり合っていた


指が触れ合ったことに気付いた瞬間、二人は瞬時に手を引っ込めて目を合わせる


数秒の沈黙が訪れた後、お互いにたった今起こったアクシデントに対し気恥ずかしい気持ちが込みあがる



ルーシィ「えっと・・・その・・・ごめん!/////」


アルト「いや、俺の方こそ・・・すまん/////」


先ほどのルーシィの笑顔を見てから心が乱れっぱなしのアルト


普段はこんなことが起きても通常運転でいられるはずだが、心が乱れた状態ではどうも
そうはいかないらしい



アルト「か、完売してなくて良かったな!」


ルーシィ「そうだね!買えて良かったよ!/////」


互いに視線を合わせず話す


アルトは少々慌て気味に、ルーシィは気恥ずかしげな様子だった













本を購入し、ギルドに戻ったルーシィとアルト



ルーシィはそのまま家に戻り、夕食を終えてから購入した小説を一人で静かに読んでいた



ルーシィ「うわぁ・・・後半は結構過激なシーンもあるんだ・・・/////」


今開いているページはいわゆる「濡れ場」のシーンである


女の部屋に男が上がり込み強引に・・・という純情なルーシィには少々強烈なシチュエーションであった



アルト「なんだー夕食は終わった後か・・・ルーシィ、このお菓子もらうな」


ルーシィ「うーん・・・分かったー・・・」


アルト「ほほぅ・・こりゃ美味い」


ルーシィ「・・・って、何でアルトがここに居るのよー!!?/////」


自分から少し離れたソファに座り茶菓子を口に放り込むアルトの姿を見たルーシィはかなり驚いた様子を見せる



アルト「何でって・・・いつも通り窓からだけど?」


ルーシィ「ここあたしの家ーっ!!!」


アルト「わ、悪かったよ・・・いつもなら怒らないのに・・・」


ルーシィ「!!」


アルトの一言でルーシィは我に帰る


平静を取り戻したルーシィは改めてアルトの方を向くが、やはり変に緊張してしまう



ルーシィ「(駄目だ・・・アルトの事、完っ全に意識してる・・・/////)」



アルト「それよりもルーシィ、聞きたい事があるんだけど」


アルトはおどけた表情から真面目な表情に切り替え、ルーシィに歩み寄る



ルーシィ「ちょっ・・・ちょっと待って!それ以上近寄んないで!!/////」


アルト「えっ、なんで?」


ルーシィは慌ててアルトから離れる


その様子を見たアルトは歩み寄る足を止め、怪訝そうにルーシィを見つめる



ルーシィ「と、とにかくそこから話して!それ以上近寄っちゃだめっ!!/////」


頬を思い切り紅潮させたルーシィが叫ぶ


それもそのはず、男が一人身の女の家に上がり込みゆっくりと歩み寄る


この展開は先ほどまで読んでいた小説とまったく同じであったからだ



アルト「別に近寄ったっていいじゃんか、何かするわけじゃないし」


そう言ったアルトは再びルーシィの傍に寄る


またもや小説と似たような展開、小説内に出てきた男は「何もしない」と言って女に歩み寄った後、そのまま濡れ場の場面になったのだ



ルーシィ「(ど、どうしよー・・・このままさっき読んでた小説みたいになったら・・・あたしってば押しに弱いのに・・・/////)」


歩み寄るアルトを避けるかのようにそのまま後退するルーシィ


しかし、やがて後ろの壁に激突し、逃げ場を失ってしまった



アルト「ねぇ、ルーシィ・・・」


ルーシィ「(へ、平常心よあたし・・・/////)」


逃げ場を失ったルーシィの目の前にアルトが立つ


するとアルトはルーシィの頬に手を当てて、数回撫でた



ルーシィ「っ・・・/////」


目をうるかせ、頬を染め、静かにアルトを見据えるルーシィ


部屋は物音一つせず静寂を貫いている








アルト「今日の晩ご飯、スパゲティだった?」


ルーシィ「・・・は?」


アルトのあまりに間抜けな一言に部屋の空気が一瞬凍りついたような気がした



するとアルトはルーシィの頬を親指でグッと拭い、見せる


アルト「ほら、ミートソース付いてたぜ」


二カッと笑うアルトだったが、ルーシィの表情は曇りきっていた


冷や汗まみれで目を丸くして、口はUの字を画いていた



ルーシィ「それで・・・聞きたい事って・・・?」


アルト「いや、スパゲティだったら俺も食べたいなーと思って」


ルーシィ「・・・・・」


アルト「・・・ルーシィ?」


ルーシィ「キィイイィイイイ!!」


その夜、ルーシィの家からとても良いビンタの音がしましたとさ




ルーシィ「信っじられない!アルトのバカバカ!!二度と勝手に入ってくるなっ!!!/////」


アルト「な、何でそんなに怒ってるんだ、ルーシィ??」



おしまい

 
 

 
後書き
一応構成は練ったつもりです

ミラさんの閉話よりはクオリティが上がってる事を信じてます(笑)

 

 

NEXT GENERATION


ミラ「みんなー!!今日から仕事の受注を再会するわよー!仮設の受付カウンターだけどガンガン仕事やろーね!!!」


「うおぉおおぉっ!!!!」


「仕事だ仕事ー!!!」


仮設ギルドのカウンター前でミラが笑顔で皆に呼び掛ける


すると大勢のギルドメンバー達が一斉に依頼盤へ向かって走り出す



ルーシィ「何アレぇ、普段はお酒飲んでダラダラしてるだけなのにィ」


アルト「皆、仕事が恋しくなったんでしょ」


ミラ「あはは」


カウンターに座っているルーシィとアルトがその光景を見て呆れかえる



ルーシィ「そういやロキいないのかなぁ」


ミラ「あーあ・・・ルーシィもとうとうロキの魔手にかかっちゃったのね」


ルーシィ「違います!!」


ミラ「じゃあ、アルトの方だった?」


アルト「ぶぶーっ!!!」


ルーシィ「なっ・・ちちち違いますっ!!/////」


ミラの一言にアルトは驚き口に含んでいた飲料水を噴き出す


ルーシィは顔を真っ赤にしながら否定する



ミラ「あら・・・ロキの時とは随分反応が違うわね」


アルト「何言ってんのさミラさん!俺がいつルーシィを魔の手にかけたって言うんだよ!!」


ルーシィ「そ、そうですよ!私、あ、アルトの事なんか別に・・・/////」


両手を横に振りながら否定し続けるルーシィの耳にミラが顔を寄せて呟く



ミラ (アルトの事が好きなら素直になった方がいいわよ・・・ライバル多いし♪)


ルーシィ (ら、ライバルって・・・!?)




レビィ「アルト」


ルーシィとミラが話しているとアルトの元にレビィ率いるチーム・シャドウギアが現れた



アルト「ようレビィ、傷は治ったみたいだな」


レビィ「う、うん・・・/////」


アルト「俺に何か用か?」


レビィ「あっ、・・・え・・・えーっと・・・/////」


頬を紅潮させたレビィがモジモジした様子で言い淀む


アルトはその姿を不思議と思う表情で見つめていた



レビィ「わ、私が縛り付けられてた木から落ちそうになったとき・・・アルトが助けてくれたって聞いたから・・・その・・・/////」


アルト「あー・・・公園の広場の事か」


レビィ「あ・・あり・・・ありが・・・/////」


アルト「・・・蟻?」




レビィ「ありがとー!それが言いたかっただけ!!/////」


そう言ったレビィはすぐさま紅潮した顔を隠すようにその場を走り去った




アルト「逃げちゃった・・・??」


お礼を言ったかと思うとすぐさま逃げてしまったレビィの姿を見て頭に?マークを浮かべるアルト



ミラ (ね? アルトって人気あるのよ♪)


ルーシィ (へぇー・・・レビィちゃんってアルトの事好きだったんだ・・・)


ミラ (まぁ、確かにアルトは可愛さとカッコよさを持ち合わせてるからモテるのも納得ね・・・♪)


ルーシィ (も、もしかしてミラさんも・・・!?)


ミラ (さぁ、どうかしら・・・♪)



アルト「ミラさーん、ジュースおかわり」


ミラ「おっけー♪」





エルザ「もう一ぺん言ってみろ!!!!」


楽しげな雰囲気の中、エルザの叫び声がギルド内に響く


ギルドメンバー達は何事かと一斉にエルザの方を向いた



ルーシィ「エルザ?」


アルト「げっ・・・」


ルーシィたちも慌ててエルザの方を向く


見ると、エルザはある男と言い争いをしているようだ



ラクサス「この際だ、ハッキリ言ってやるよ・・・弱ェ奴はこのギルドに必要ねェ」


ある男とは、フェアリーテイルのS級魔導士であるラクサスの事だ



エルザ「貴様・・・」


ラクサス「ファントムごときになめられやがって・・・恥ずかしくて外も歩けねーよ」



ハッピー「ラクサス・・・帰ってきてたのか」


グレイ「あんにゃろ、帰ってくるなり好き放題言いやがって」



ラクサス「オメーだヨ、オメー」


レビィ「!」


ラクサスはチームシャドウギアを指差す



ラクサス「元はと言えァ、オメーラがガジルにやられたんだって?つーか、オメーら名前知らねえや誰だよ?」


レビィ「っ・・・」


ラクサス「情けねえなァ、オイイ」



ルーシィ「ひどい事を・・・」


ラクサス「これはこれは、さらに元凶のねーちゃんじゃねーか」


ミラ「ラクサス!!!」


カウンター席を叩いたミラがラクサスに向かって言い放つ


ミラ「もう全部終わったのよ、誰のせいとかそういう話だって初めからないの!戦争に参加しなかったラクサスにもお咎めなし、マスターはそう言ってるのよ」


ラクサス「そりゃそうだろ、オレには関係ねえ事だ・・・ま、オレがいたらこんな無様な目にはあわなかったがな」


ナツ「ラクサスてめえ!!!」


エルザ「ナツ!!!」


ナツがラクサスに殴りかかる


しかし、ラクサスは自分の身体を雷に変え、ナツの攻撃をかわした



ナツ「ラクサス!!オレと勝負しろォ!!この薄情モンがァ!!」


ラクサス「あははっ、オレをとらえられねえ奴がなんの勝負になる」


ルーシィ「ナツの攻撃を簡単に・・・!」


ラクサス「オレがギルドを継いだら弱ェモンは全て削除する!!そしてはむかう奴も全てだ!!!!そして誰にもなめられねえ史上最強のギルドをつくりだす!!!!」


そう言ったラクサスは高笑いしながら去って行った



ルーシィ「継ぐ・・・って、何ぶっとんだ事言ってんのよ」


ミラ「それがそうでもないのよ・・・」


アルト「ラクサスはマスターの孫だ」



ルーシィ「え・・・・えーっ!!!?」


ラクサスがマスターの孫だと聞いて驚愕するルーシィ



ミラ「だからマスターが引退したら次のマスターはラクサスの可能性はすごく高いの」


ルーシィ「そ・・・そんな・・・あたしはいやだな・・・仲間の事を悪く言うマスターなんて・・・」


アルト「ナツたちとも仲悪いしな」



ナツ「あのヤロォ・・・」


エルザ「もういい・・・あいつに関わると疲れる」


エルザたちもラクサスの挑発的な言葉を聞いて心中穏やかではないようだ



エルザ「それよりどうだろう、仕事にでも行かないか?もちろんアルト、グレイ、ルーシィも一緒にだ」


ナツ「え!?」


グレイ「え!!?」


アルト「おおっ!!」


ルーシィ「はい!!?」



エルザ「鉄の森の件から常に一緒にいる気がするしな、この際チームを組まないか?私たち5人・・・いや、ハッピーもいれて6人か」


ルーシィ「わぁ♪」


アルト「やったぁー!!」


エルザの一言でアルトたちはチームを組むことになった


周りのギルドメンバーもチームの結成を喜んでくれている



ナツ・グレイ「「こ・・・こいつと・・・」」


そんな中、ナツとグレイだけは仲悪そうに互いを睨みあっている



エルザ「早速仕事だ・・・ルピナス城下町で暗躍している魔法教団をたたく!!行くぞ」


アルト「よっしゃー!」


ナツ「燃えてきたぁー!!」


グレイ「おおおおっ!!」


ルーシィ「(な、なんか嫌な予感がしてきた・・・)」










数時間後


仮設ギルドの上で酒を飲みながら物思いにふけるマカロフ



マカロフ「ギルドも新しくなる、ならばマスターも次の世代へ・・・」


しかし、今ギルド内にいるS級魔導士たちは皆、マスターになるには今一つといったところだった



マカロフ「ラクサス・・ギルダーツ・・ミストガン・・は無理として・・・こうなると・・・まだ若いが・・・エルザ・・・」


ミラ「マスターこんなトコにいたんですかぁー」


マカロフ「ん?」


下の方からミラの声がする



ミラ「またやっちゃったみたいです」


マカロフ「は?」


ミラ「エルザたちが仕事先で街を半壊させちゃったみたい」


マカロフ「!!!」


ミラ「評議院から早々に始末書の提出を求められてますヨー」


ミラの言葉を聞いたマカロフは数秒震えた後、月に向かって叫んだ



マカロフ「引退なんかしてられるかぁー!!!」


 

 

波乱の幕開け

 
前書き
すいません、都合上、ロキエピソードは省きます

 

 
仮設ギルドになってから数週間


ギルドの再建設も進み、仕事も上手くいっていたある日



ナツ「星霊だぁ!!?」


ロキ「んー・・・まぁ、そーゆー事」


ナツがロキをじろじろと見続ける




先日の仕事の最中にルーシィはロキが星霊だと気づいたらしい


ロキはかつて青い天馬所属の「カレン」と契約していたが、カレンはロキの他に契約していた星霊「アリエス」を奴隷のように扱っていた


アリエスを救うため、自分とアリエスの契約を解除して欲しいと頼むが、カレンは契約を解除する事はなかった


自分の仲間であるアリエスをどうしても救いたかったロキは契約を解除するまで星霊界に戻らないという手段をとった


しかし、星霊がいつまでも人間界に留まっていられるはずもなく、ロキは月日が経つにつれどんどん衰弱していった


そして数ヵ月後、ロキはある話を耳にする・・・契約者のカレンが仕事先で亡くなったという話だ


ロキが人間界に留まっている間、カレンは魔力の関係で他の星霊を呼び出すことが出来なかったらしい


間接的に契約者を殺した罪で星霊界から追放され、命の限界を悟ったロキをルーシィが助け、自分を助けてくれたルーシィを守りたい思いから、契約を結んだそうだ



アルト「それにしても星霊界に帰れなくなる星霊なんていたんだ」


ロキ「うん、直接的でも間接的でも契約者を殺せば星霊界に帰る事を禁じられる・・・ボクが星霊界に帰れるようになったのもルーシィのおかげだよ」


ナツ「ちょっと待て!!お前牛でも馬でもねーじゃねーか」


ロキ「ナツの知ってるバルゴだって人の形だろ?」


ルーシィ「ロキは獅子宮の星霊よ」


アルト・ナツ「「獅子ー!!?」」


ロキが獅子の星霊だと聞いたアルトたちが声を合わせて驚く



ハッピー「獅子って大人になった猫でしょ!?」


ロキ「そうだね」


ルーシィ「違ーう!!!」



グレイ「つーか、お前これまで通りで大丈夫なのか?」


ロキ「これからはそうはいかないね、ルーシィが所有者(オーナー)になってくれたからね・・・ルーシィのピンチに現れる白馬の王子様役ってとこかな」


するとロキがルーシィを抱き上げる



ルーシィ「王子様なら間にあってるわよ!下ろしなさい!!」


ロキ「つれないなぁ、二人の今後について話し合おうよ♪」




アルト「いいなぁー、俺も星霊ほしいぞ」


ナツ「だよなぁー」


アルトたちがロキとルーシィを呟く



ハッピー「二人ともどんな星霊がほしいの?」


ナツ「そりゃドラゴンだろ!!せっかく滅竜魔法覚えたのに本物の竜と闘えねーのは甲斐がねえってモンだ!」


アルト「俺は力比べ甲斐がある虎とか象がいいなぁ」


ルーシィ「星霊は力比べの為に呼び出すものじゃないの!!」


ロキ「そうそう、星霊は愛を語る為に・・――」


ルーシィ「あんたももう帰りなさい」


ルーシィは強制閉門する為、ロキにカギを向ける



ロキ「ちょっと待って」


鍵を向けられたロキがコートのポケットからチケットを取り出し、ルーシィに渡す



ルーシィ「何コレ?」


ロキ「リゾートホテルのチケットさ、ガールフレンドたちを誘って行こうと思ってたんだけど・・・君たちにはいろいろ世話になったし、これ・・・あげるから行っといでよ」


ルーシィ「海!!」


チケットを見て、満面の笑みをこぼすルーシィ



アルト「すっげぇ!!」


ナツ「おおおっ!!!」


グレイ「こんな高ェホテル泊まった事ねえ」



ロキ「エルザにもさっき渡しておいた、楽しんでおいで」


そう言ったロキは星霊界へと帰って行った


ルーシィたちは先ほどから浮かれっぱなしだ



エルザ「貴様等、何をモタモタしている・・・おいていかれたいのか」


喜ぶナツたちの前を大きな荷物を引きずるエルザが横切る


それを見たアルトたちは声を合わせて言った


アルトたち「「「「気ィ早ェよ!!!!」」」」















砂浜に足跡を刻む5人組み


水着に着替えたアルトたちはアカネビーチに遊びに来ていた



ナツ「見ろよこの水!!めっちゃ透明だぞ!!」


グレイ「スゲェ!!!」


ハッピー「グレイ、海パンはこーよ」


海に浸かってはしゃぐナツたち




その頃、他の観光客に混ざってビーチバレーに参加していたアルト


アルト「よーし、行くぞー!!」


男「おう、あんちゃん!いつでもいいぜー!!」


女「頑張ってー♪」



アルト「名付けて・・・デストロイ・サーブ!!」


アルトがジャンピングサーブをかます


するとボールがとんでもない速さで地面に激突し、周りの砂や海水を打ち上げ巨大な水柱を作りだした



ルーシィ「うわぁー・・・少しは手加減しなさいよ、アルト・・・」


エルザ「ふふっ・・・容赦がないのは良い事だ」















それから時が経ち、時刻は夜


暗い空には月が浮かび輝いている頃



アルトたちはリゾートホテルの内部にあるカジノで遊び呆けていた



ナツ「ふぅー・・ふぅー・・!!」


ディーラー「お・・お客様困ります!!」


ナツ「だって17に入ってたぞ、オレは見たんだ!!」


ハッピー「あい!!」


ディーラー「そんな事あるわけないでしょー・・・」


ナツのクレームに困るディーラー



そんな光景を横目にダーツボードの正面に立ち、スタンスを確認するアルト


そして握っていた三本のダーツを次々と投げる


投げられた三本のダーツはリズムよく真中に全弾命中し、周りからはたくさんの歓声がとぶ



アルト「よっしゃっ!!」


ジュビア「素敵です、アルト様ー!!/////」


アルト「おう、ありが・・・って、ええっ!!?」


観客に交じって黄色い声援を送るのはかつてファントムロードの魔導士だったジュビア


突然姿を現したジュビアに対し、アルトは驚愕の表情を浮かべる



アルト「えっ・・お前って確か・・雨の魔導士・・・何でここに!?」


ジュビア「はい、アルト様に会うために・・・ジュビア来ちゃいました!」






ナツ「見たんだって!!オレの目はごまかせねーぞ!!!」


今だ引き下がらずにをつけるナツ


すると、ナツたちに一人の男の声がかかる



「ボーイ、大人の遊び場はダンディにたしなむものだぜ」


ナツ・ハッピー「「か・・かくかく!!!?」」


ナツたちの前に現れたのは全身ポリゴンのような形をした男



「ボーイ 一ついいコトを教えてやるぜ、男には二つの道しかねえのサ」


すると男は回転式の椅子を回しはじめる



「ダンディに生きるか・・・止まって死ぬか だゼ」


男はそういうと、いきなりナツを地面に押し伏せ、口内に銃口を突き付けた



ナツ「がわ゛っ・・・」


ハッピー「な・・何するんだー!!」


「二ィ・・・」


ハッピーの問いに答えず、不敵な笑みをこぼす男



ナツ「が(な)・・・がんがごいぐ(なんだこいつ)・・・」







同時刻、アルトは先ほど再会したジュビアとバーのカウンター席に座っていた


アルト「ふーん・・じゃあファントムは解散したんだ」


ジュビア「はい、ジュビアはフリーの魔導士になったのです」


そう言ったジュビアの首にはフェアリーテイルのギルドマーク型の首飾りがぶら下がっていた



アルト「なるほど・・それでフェアリーテイルに入りたいのか」


ジュビア「ジュビア入りたい!」


アルト「俺は大歓迎だけど・・一応元ファントムだし、マスターがなんて言うか」


ジュビア「ジュビア何でもします!!」


アルト「よーし、俺からも頼んでみるよ」


ジュビア「あ、ありがとうございます!アルト様ー!!/////」


アルト「だーっ、いちいちくっつくなよ!!」


その時、一人の巨漢がアルトたちに近づく



アルト「ん?」


アルトが巨漢に気づき、振り向いた瞬間



ジュビア「あひぃ!!」


巨漢の平手がジュビアをぶっ飛ばす



アルト「なっ・・ジュビア!!大丈――」


アルトが急いでジュビアに駆け寄ろうとするが、巨漢の男に道を塞がれる



「アルトレア・ウィルダントだな」


アルト「・・・あ?」


道を塞ぐ巨漢を思い切り睨みつけるアルト



「エルザはどこにいる?」



アルト「・・・その問いに答えるつもりはねェよ・・・とりあえずジュビアの分、殴らせろ」

 

 

楽園の塔



ポーカーテーブルの上には5枚のカードが並べられている


カードは全て♠で統一されており、10からAの数字が綺麗にそろっている


いわゆるロイヤルストレートフラッシュというやつだ



ルーシィ「すごーいエルザ!!」


エルザ「ふふ・・・今日はついてるな」


賭け金を何倍にも増やすエルザに思わず歓声をあげるルーシィと周りの観客たち




そんな中、褐色肌の男がエルザの目の前に立つ



「ディーラーチェンジだ」


エルザ「今なら誰が相手でも負ける気はせんぞ」


ルーシィ「だね」


「だったら特別なゲームを楽しまないか?賭けるものはコインじゃない」


そう言った褐色男はカードをシャッフルした後、テーブルに5枚のカードを並べた


そのカードには数字ではなくD、E、A、T、Hの文字が記されていた



エルザ「・・・?」


「命 かけて遊ぼ・・・エルザ姉さん」


エルザ「・・・ショウ・・・!?」


エルザは声を震わせながら褐色男の名前をぼやいた



ルーシィ「姉さん?・・・え?」


いまいち状況が飲み込めずにいるルーシィ



ショウ「久しぶりだね、姉さん」


エルザ「無事・・・だったのか?」


ショウ「無事?」


エルザ「あ・・・いや・・・」


ショウの声を聞くたび、エルザはその身を震わせていた










その頃、ジュビアをぶっ飛ばした巨漢と対峙していたアルト


「エルザはどこだ?」


アルト「知らねえよ」


「どこだ?」


アルト「知らねえって言ってんだろ、何者なんだお前は・・・」


同じ質問を繰り返す巨漢と「知らない」という返答を繰り返すアルト



すると突然、吹っ飛ばされたジュビアがその身を液状に変えてアルトの前に立つ



ジュビア「アルト様には指一本ふれさせない、ジュビアが相手します」


アルト「ジュビア・・!!」


ジュビア「エルザさんの元へ・・・危険が迫ってます」


ジュビアがそう言った直後、突然巨漢の男が自分の頭に指をかざしあてる



巨漢「もう見つかっただと?ほう・・・そうか・・・じゃ、片つけていいんだな?」


次の瞬間、巨漢の「了解」という言葉と同時に辺りが暗闇に包まれる


暗さは徐々に増していき、やがて周りがまったく見えないほど真っ暗になった



ジュビア「えっ!?」


アルト「なんだこりゃ!?何も見えねえぞ!!?」


巨漢「闇の系譜の魔法・・闇刹那」


アルト「くっ・・・!!」






ナツ「が(な)・・・がんが(なんだ)!?こんごわ(こんどは)!!!」


ハッピー「ナツー!!ドコー!!」


「グッナイ、ボーイ」


かくかく男がそう言った後、一発の銃声音が響いた






ルーシィ「な・・何コレ!?暗っ!!!」


エルザ「何が起きた!!?」


エルザ達が慌てて辺りを見渡す


ある程度の時間が経った後、辺りが徐々に明るくなる



エルザ「ショウ!?」


ショウ「こっちだよ、姉さん」


辺りが完全に明るくなった後、ショウがエルザの前に姿を現しその場にカードをパラパラと落とす



ルーシィ「ええっ!?人がカードの中に!?」


落とされたカードの中には先ほどまでその場に居た観客やカジノ従業員が閉じ込められていた



ショウ「不思議?オレも魔法を使えるようになったんだよ」


エルザ「魔法!?・・・おまえ一体・・・」


ショウ「ククク・・・」


怪訝そうな表情でショウを見つめるエルザ


すると突然ルーシィの背後からチューブのような縄が伸びてきて、ルーシィの身体を強く縛り付ける



ルーシィ「うっ・・な・・何これぇ!!?」


「みゃあ、元気最強?」


チューブを操っていたのは猫耳をつけた少女だった



エルザ「ミリアーナ!?おまえも魔法・・を!?」


ミリアーナ「久しぶりー、エルちゃん」


エルザ「何をしている!?ルーシィは私の仲間だ!!!」


ミリアーナ「みゃあ、仲間?」


ショウ「僕たちだって仲間だったでしょ?姉さん」



エルザ「う・・ああ・・・」




ショウ「姉さんがオレたちを裏切るまではね」




ショウが生気のない目でエルザに言い放つ


するとエルザは震えながら無言で自身を抱き締める



「そうエルザをいじめてやるな、ショウ・・・ダンディな男は感情をおさえるモンだぜ」


エルザたちの前に先ほどナツと争っていたかくかくの男が現れる



「すっかり色っぽくなっちまいやがってヨ」


エルザ「そ・・その声は・・・ウォーリー?」


ウォーリー「気づかねえのも無理はねえ、狂犬ウォーリーと呼ばれていたあの頃にくらべて、オレも『まる』くなったしな」


エルザ「お前も・・・魔法を・・・」



巨漢「驚く事はない、コツさえつかめば誰にでも魔法が使える・・・なあエルザ」


エルザ「シモン!?」


今度は先ほどアルトたちと争っていた巨漢が姿を現す



ルーシィ「エルザ・・・こいつら何なの!?姉さんってどういう事!?」


エルザ「本当の弟じゃない、かつての仲間たちだ」


エルザの一言にルーシィは驚く



ルーシィ「仲間・・・って、エルザは幼い頃からフェアリーテイルにいたんでしょ!!」


エルザ「それ・・以前という事だ・・・おまえたちが何故ここに・・・」


ウォーリー「あんたを連れ戻しにサ」


ミリアーナ「みゃあ」


エルザ「ルーシィを解放してくれ」


ショウ「帰ろう姉さん」


脅えるエルザの言葉を無視し、ウォーリーはルーシィに向かって銃を突きつける



ウォーリー「言う事聞いてくれねえとヨォ」


ルーシィ「ひぃい」


エルザ「よ・・・よせ!!頼む!!やめてくれ!!」


叫ぶエルザの背後にウォーリーの右腕だけが出現する


そして素早くエルザを撃ち抜いた



エルザ「あ・・・」


撃たれたエルザは意識を失い、その場に倒れ込んだ



ルーシィ「エルザー!!!」


ウォーリー「睡眠弾だゼ」


シモン「目標確保、帰還しよう」


そう言って、眠っているエルザを抱きかかえるシモン



ルーシィ「ちょっと!!エルザをどこにつれていくのよ!!!返しなさいよ!!!」


ミリアーナ「みゃあ」


ルーシィがチューブを解こうと地面の上で暴れまわる


そんなルーシィをみたミリアーナはチューブの縛る強さを更に強めた



ルーシィ「うぐ・・・ああああっ」


ミリアーナ「あと5分くらいで死んじゃうよー君ィー」


冷徹な表情で言うミリアーナ



ウォーリー「そういやミリアーナ、君にプレゼントだゼ」


そう言ってウォーリーが取り出したのはナツの相棒ハッピーだった



ミリアーナ「みゃあ!!ネコネコー、もらっていいのー!!?」


シモン「ミリアーナ、エルザを拘束しろ」


ミリアーナ「みゃあ、ネコネコー」


ウォーリー「ミリアーナ頼むゼ」


ミリアーナ「みゃあ♡」


ハッピーを受け取りかなりご機嫌なミリアーナ



ショウ「姉さん・・・帰ってきてくれるんだね」


目に涙を浮かべているショウは、嬉しそうに言った




ショウ「〝楽園の塔〟へ・・・きっとジェラールも喜ぶよ」


エルザは薄れゆく意識の中で思った



エルザ「(楽園の塔!!?か・・完成していたのか!!?)」

 

 

ジェラール

 
前書き
楽園の塔編は苦手な場面転換描写が多い・・・(汗)

 

 

謎の巨漢たちの襲撃により静まり返ったカジノ



アルト「・・・もう出ても大丈夫か?」


ジュビア「はい、恐らく・・・あの巨大な男は居なくなりました」


その場に倒れ込んでいたジュビアが起き上がる


するとジュビアの身体の中からアルトが現れた



アルト「ぷはーっ・・ありがとなジュビア、庇ってくれて」


ジュビア「アルト様が望むなら一生私の中に・・・/////」


アルト「いや、怖ェよ」


アルトにお礼を言われたジュビアは身体をくねらせて喜ぶ



アルト「さて、エルザを探さなきゃな」


そう言ったアルトはジュビアと共にエルザを探しまわる


しばらくして、ある方向から女性のうめき声が聞こえた



ジュビア「アルト様、あちらの方から何か聞こえます!!」


アルト「あぁ、行こう!!」


アルトたちはうめき声のする方向へと走り出す


すると、そこにはチューブのような紐でキツく縛られているルーシィの姿があった


ルーシィは苦しそうに唸る



アルト「ルーシィ!何やってんだ、こんなところで!?」


ルーシィ「あ、アルト!!詳しい話は後にして、これほどいてー!!!」


自分を縛り付けるチューブを主張するかのように胸を張って助けを求めるルーシィ


しかし、胸を張れば張るほどチューブよりもルーシィの豊満な胸が一際存在感を引き立てる


チューブが身体に食い込んでるせいでその主張力は更に増す



アルト「よし、今ほどくから待ってろ!」


ルーシィ「で、出来るだけ急いでー・・・この縄、どんどんキツくなっていくのよぉ」


アルトは急いでルーシィを縛り付けている縄をほどこうと試みる


しかしチューブの縛る力は中々強く、アルトの筋力でも直ぐに切る事は出来ないようだ



アルト「う・・おぉ・・な、中々手ごわいぞ・・・この縄」


ルーシィ「んぁっ.../////」


アルト「お、おい・・・あんま変な声だすなよ・・・!」


ルーシィ「だって...アルトがそんなトコ触るから...んっ.../////」


アルト「仕方ねえだろ、お前の胸が・・・その・・・デカいんだからさぁ・・・」


ルーシィ「っ・・・せ、セクハラっ!変態!!/////」


アルト「うるさいっ!!!/////」


それから数秒後、アルトがチューブを引きちぎる事に成功する



縄を解いた瞬間 ルーシィが顔を赤くして睨んできたが、アルトは必死に目をそらした


ちなみに、ジュビアが殺気立った目でルーシィを睨んでいた事からも目をそらした



アルト「それより、ナツやエルザはどこだ!?」


ルーシィ「それが・・・エルザはどこかに連れてかれちゃったみたいなの」




グレイ「そんなら早く追いかけるぞ」


アルトたちが話しているとグレイがこちらに向かって歩いてくる



アルト「グレイ!良かった、無事だったんだ」


グレイ「辺りが突然暗くなったから氷の身代わりを造って様子を見てたんだ、それにしても・・・どうなってんだコリャ!?」


グレイがカードに閉じ込められた人たちを見て驚く



ルーシィ「私も詳しくは分からないけど・・・エルザの昔の仲間を名乗る人たちが現れて―――」


ルーシィはエルザが攫われる前の出来事をアルトたちに説明する



グレイ「なるほど・・・そいつらにエルザは連れてかれちまったわけか・・・」


アルト「とにかくエルザに会って話がしたい、あいつらを追うぞ!!」


ルーシィ「追う・・・って言ってもどこにいるのか・・・」



アルト「その点は心配いらない、まずはナツを探―――」


アルトが何かを言いかけた時、突然一本の火柱が上がる



ナツ「痛えーーーっ!!!!」


ルーシィ「ナツ!!」


飛び上がるナツは大口を開けて叫ぶ



ナツ「普通 口の中に鉛玉なんかぶち込むかヨ!!? ア!? 痛えだろ!!ヘタすりゃ大ケガだぞ!!!」


ルーシィ「普通の人間なら完全にアウトなんだけどね・・・」


アルト「相変わらずナツは化け物じみてるな」


グレイ「お前が言うなよ、アルト」



アルト「ナツ!エルザが攫われた、お前の鼻でエルザの匂いを探ってくれ!!」


ナツ「何ィ!?エルザが攫われたァ!!?あんの四角野郎ォォ」


するとナツが勢いよくカジノを飛び出す



アルト「よし、追うぞ!」


ルーシィ「本当にナツに任せて大丈夫なの!?」


アルト「大丈夫さ、ナツの鼻の良さは獣並みだからな!!」











海の真ん中に一隻の船が浮かんでいる


その船のドックの柱にエルザは縛り付けられていた



エルザ「くっ・・・ここはどこだ!?」


眠りから覚めたエルザは慌てて辺りを見渡す



ショウ「船の中だよ、姉さん」


するとショウが階段を使って甲板から下りてくる



エルザ「船・・・?」


ショウ「そう・・・楽園の塔へと向かう船さ」


エルザ「・・・そうか・・・そうだったな」


そしてエルザは少し考えた後、ショウに向かって言う



エルザ「この縄をほどいてくれないか?抵抗する気はない」


ショウ「そうはいかないよ、姉さんは裏切り者だからね」


エルザ「くっ」


頼みが聞き入れてもらえなかったエルザは、自分で縄をほどこうとする


しかし、縄は締まるばかりで一向に緩む様子はない



ショウ「無駄だよ、ミリアーナのチューブは魔法を封じる力がある、自分の力じゃどうにもならないよ・・・いくら姉さんでもね」


エルザ「わ、分かった・・・じゃあ、せめて鎧に換装させてくれないか・・・怖いんだ、あの塔に戻るのが・・・」


エルザは震えた声で言う



エルザ「鎧をまとってないと・・・不安で・・・」


ショウ「その服も似合ってるよ、姉さん」


ショウは柔らかな笑みでそう言うと、縛り付けられているエルザに抱きついた



エルザ「ショウ・・・」


ショウ「本当はこんな事したくなかったんだよ」


エルザ「・・・・・」


ショウ「会いたかったんだ、本当に・・・」


抱きしめているショウの腕の力が強まる


気がつくとショウは涙を流していた



ショウ「姉さん・・なんで・・オレたちを・・・ジェラールを裏切ったァ!!!!」


額に青筋を浮かべ、目を見開いたショウがエルザに向かって叫ぶ




エルザ「(ジェラール・・・)」










その頃、島に浮かぶ一つの高い塔があった


そこの最上階の一室にある玉座に座るフードを被った青年


その青年の前には、地面に届くほど長い黒髪を生やした男が立っていた



「ジェラール様、エルザの捕獲に成功したとの知らせが・・・今、こちらに向かってるようです」


男の知らせを聞いたジェラールが口角を吊り上げる



「しかし・・・なぜ今更あの裏切り者を・・・あなたほどの魔力があれば始末するのはたやすかったハズだ」


ジェラール「ははは・・・それじゃあダメだ・・・この世界は面白くない」


「はぁ・・?」



ジェラール「しかし、楽園の塔が完成した今、コレ以上生かしておくと面倒な事になりかねん・・・時は来たのだ」


するとジェラールは不気味な笑みを浮かべたまま言った



ジェラール「オレの理想(ゆめ)の為に生贄となれ、エルザ・スカーレット」











シモン「儀式は明日の正午、それまでそこにいろ」


エルザ「(儀式・・・Rシステムを作動させるのか!!?)」


楽園の塔に連れられたエルザは地下の牢獄に幽閉されていた



ショウ「しょうがないよね、裏切った姉さんが悪いんだ・・・ジェラールは怒っている」


すると、ショウが牢獄の入り口を開けて中に入る



ショウ「儀式の生贄は姉さんに決まったんだよ」


エルザ「・・・・・」


ショウ「もう姉さんには会えなくなるね、でも全ては楽園のため」


淡々と話すショウは、途中でエルザの縛られている腕が震えているのに気づく



ショウ「震えてるの?生贄になるのが怖い?それともここが「あの」場所だから・・・?」


そう言われたエルザは昔、ショウを庇って懲罰房に入れられた時の事を思い出した



ショウ「あの時はごめんよ姉さん・・ここから抜け出そうとした立案者はオレだった」


エルザ「・・・・・」


ショウ「でも怖くて言い出せなかった・・・本当・・・ズルいよね」


エルザ「そんな事はもういい、それよりお前たちはRシステムで人を蘇らせることの危険性を理解しているのか?」


ショウ「へぇ・・・Rシステムが何なのか知っていたのか、意外だね」


エルザはショウを鋭い眼差しで見つめながら話す



エルザ「リバイブシステム・・・一人の生贄の代わりに一人の死者を蘇らす、人道を外れた禁忌の魔法」


ショウ「魔法に元々人道なんてないよ、全ての魔法はヒューマニズムを衰退させる」


エルザ「黒魔導術的な思想だな、まるで『奴等』と同じだ」


ショウ「奴等はRシステムをただの反魂の術、『生き返りの魔法』としか認識してなかったんだよ・・・だけどジェラールは違う」


不気味な笑みを浮かべるショウはエルザに顔を近づけて言う



ショウ「その先の楽園にオレたちを導いてくれる」


エルザ「楽園?」


ショウ「ジェラールが『あの方』を復活させる時、世界は生まれ変わるんだよ・・・オレたちは支配者となる」


よく見るとショウの目の色が変わっていた




ショウ「自由を奪った『奴等』の残党に・・・オレたちを裏切った姉さんの仲間たちに・・・何も知らずにのうのうと生きてる愚民どもに・・・評議院の能無しどもに・・・全てのものに恐怖と悲しみを与えてやろう!!!!そして全てのものの自由を奪ってやる!!!!オレたちが世界の支配者となるのだァァァああアァあァーーー!!!!」


ショウが狂ったように笑い、叫び出す


それを見たエルザはショウの顎にひざ蹴りをかます



ショウ「がっ・・・」


蹴られたショウは気を失いその場に倒れ込む


その隙にエルザは自分の腕を縛り付けている紐を噛みちぎる



エルザ「何をすれば人はここまで変われる!!?」


昔のショウの無邪気な笑顔を思い浮かべたエルザが怒り震える


そして素早くいつもの鎧に換装した



エルザ「ジェラール・・・貴様のせいか・・・」


そう言ったエルザの声には怒りが込められていた


 

 

潜入



グレイ「どこだよここはよォ!!!」


海のど真ん中からグレイの叫び声が響く


エルザを攫われた夜から一夜が明け、アルトたちは海のど真ん中を小舟で漂流していた



アルト「完全にエルザを見失ったな」


ジュビア「ジュビアたち迷ってしまったんでしょうか?」


ルーシィ「ねぇ・・ナツ、本当にこっちであってるの?」


ナツ「お・・・おお・・おお・・」


ナツは完全に乗り物酔いしていた



グレイ「オメーの鼻を頼りに来たんだぞ!!しっかりしやがれ!!!」


アルト「まぁ、こればっかりは仕方ねえな」


ジュビア「(あぁ、アルト様・・・期待を裏切られたというのに、なんてお優しい・・・/////)」



グレイ「くそっ!!よりによってオレたちがのされてる間にエルザとハッピーがつれてかれたなんてヨ・・・」


アルト「我ながら情けない話だよな・・・」


ジュビア「本当ですね・・エルザさんほどの魔導士がやられてしまうなんて・・・」


グレイ「やられてねえよ、エルザの事知りもしねえくせに・・・」


グレイはジュビアを鋭い目つきで睨みつけて言った


ジュビアの何気ない一言がグレイの気に障ったようだ



ジュビア「ご・・ごめんなさい」


アルト「よせよグレイ、ジュビアに当たるのは筋違いだ」


ルーシィ「グレイ!!落ち着いて!!」


ビクビクと脅えるジュビアを庇うようにアルトとルーシィが荒れるグレイを宥める



ルーシィ「あいつらエルザの昔の仲間って言ってた・・・あたしたちだってエルザの事、ぜんぜんわかってないよ」


ルーシィの言葉にアルトたちは言葉を失う


するとその時、船の針路先に孤島にそびえ立つ高い塔が見える



ルーシィ「あ・・・塔だ!!」


グレイ「あれが楽園の塔か・・・?」


アルト「恐らくそうだろ、とりあえず乗り込もう!」





アルトたちは小舟を孤島に近づけて、上陸する


しばらく歩くと塔に続く階段が見えた、階段にはたくさんの見張りがついている



グレイ「見張りの数が多いな」


ナツ「気にする事ァねえ!!突破だ!!」


アルト「ちょっと待って、ナツ・・・今すぐ出て行くのは危険じゃないか?」


ルーシィ「そうよ、エルザとハッピーが捕まってる・・・ヘタな事したらエルザたちが危険になるのよ」


グレイ「しかも塔らしきものはずっと先の方だ、ここでバレたら分が悪いな」


岩陰に潜み、潜入方法を考えるアルトたち


すると突然、海の水面からジュビアが顔を出す



ジュビア「ジュビアは水中から塔の地下への抜け道を見つけました」


グレイ「本当か!?」


アルト「よっしゃ!ナイスだ、ジュビア!!」


アルトがジュビアを褒めたたえる


すると褒められたジュビアは誇らしげな表情を浮かべ、ルーシィに歩み寄る



ジュビア「アルト様にほめられました、あなたではなくジュビアが・・・です」


ルーシィ「むむっ・・・」


ジュビアの得意げな一言にルーシィは頬を膨らませ、不満げな表情を見せた



アルト「じゃあ、早速行こうぜ!」


ジュビア「水中で10分ほど進みますが、平気でしょうか?」


ナツ「10分くれえ何ともねーよ」


グレイ「だな」



ルーシィ「無理に決まってんでしょ!!!」


ルーシィが反発の声を出す


するとジュビアは手のひらの上に水の球体を作りだした



ジュビア「これをかぶってください、酸素を水で閉じ込めてあるので水中でも息が出来ます」


ナツ「ほぉー、つーかオマエ誰だ?」


そう言いながらもナツは水の球体を頭に被り、水に飛び込む


アルトたちもナツに続くように水の中へ飛び込んだ










アルト「どうやら・・ここがあの塔の地下らしいな」


アルトたちが水面から陸地に上がる



ルーシィ「へー、便利ねコレ・・・マヌケだけど」


そう言ったルーシィは頭に被っていた球体を外す



ジュビア「ルーシィさんだけちょっと小さめに作ったのに、よく息が続きましたね」


ルーシィ「オイオイ!!」



グレイ「塔の地下と分かりゃ話は早い、とっとと乗り込もうぜ」


ルーシィ「エルザとハッピーがこのどこかに・・・」


アルトたちが辺りを見渡していると・・




「何だ貴様等はーーー!!!」


たくさんの見張り兵に見つかってしまった




ルーシィ「やば」


グレイ「ここまで来たらやるしかねえだろ」


ナツ「何だ貴様等はァ・・だと!?上等くれた相手も知らねえのかヨ!!!」


アルト「知らねえなら教えてやるよ!!そんでもって後悔しやがれ!!」




アルト・ナツ「「フェアリーテイルだバカヤロウ!!!!」」



ナツとアルトが叫びながら兵たちが立っていた木材の橋をへし折る


そして、それを手始めにグレイやルーシィたちも戦闘を開始する



ルーシィ「開け!!!巨蟹宮の扉!!!キャンサー!!!」


キャンサー「久しぶりエビ!!」


兵士「ぐあっ!!」




兵士「何だコイツ!?」


兵士「槍が刺さらねえ!!?」


ジュビア「水流斬破(ウォータースライサー)!!!!」


兵士たち「「ぎゃああああ!!!」」




グレイ「アイスメイク 大槌兵(ハンマー)!!」


兵士「ぎゃああ!」


兵士「ぐはっ」


兵士「ぐげぇ!?」




アルト「うおおお!!エルザはどこだぁああ!!」


兵士「がはっ!」


兵士「くそっ・・なんて強さだ!!」


兵士「引くな、数ではこちらの方が有利だ!!」



アルト「邪魔だ退けェ!エストレア・グレイブ!!」


兵士たち「「「ぐぎゃああああああ!!!」」」


アルトたちの猛攻を前に、兵士たちは次々と倒れていく


たった数分で兵士たちはほぼ壊滅状態に陥いった




ナツ「おい!上見ろ!!」


ナツが指差す方向には、上の階へと続く通路が見えた



アルト「あの通路、さっきまで閉じてたぞ」


グレイ「上へ来いってか?」










楽園の塔 最上階


「ジェラール様、一体何を!!?侵入者をひき入れるなんて!!!」


ジェラール「これはゲームだ、奴等はステージをクリアした・・それだけの事」


フードを被った青年はニヤリと笑ってそう言った



ジェラール「面白くなってきやがった、ははは」


「しかし、儀式を早めなくてはいずれ評議院に感づかれますぞ」


ジェラール「ウィダルダス・・まだ そんな事を心配してるのか?止められやしない、評議院のカスどもにはな」










アルト「エルザー!助けに来たぞー!!」


ルーシィ「ちょっと!ここは敵の本陣なんだから、大声出さないの!!」


アルト「も、もがもが(わ、分かった)・・・」


叫ぶアルトの口を手で覆うルーシィ



ナツ「四角ーどこだーーっ!!」


ルーシィ「ナツ・・話聞いてた?」



グレイ「下であれだけハデにやったんだ、今さらこそこそしても仕方ねえだろ」


アルト「気づいてない・・・ってセンは無いよな、流石に・・・」


ジュビア「はい、この扉 誰かが開けたものじゃありません、魔法の力で遠隔操作されています」


ジュビアが通ってきた通路の扉を見ながら言った




アルト「・・という事は完全に気づかれてるってわけか」


ルーシィ「だったら扉を開く意味が余計に分かんないじゃない」


グレイ「挑発してんのか」



アルト「・・・ていうかルーシィ、その服どうしたんだ?」


全員が頭を悩ませる中、アルトがルーシィの服装が先ほどと違っている事に気づく


水着姿ではなく、豪華なドレスを着ていたのだ



ルーシィ「星霊界の服!濡れたままの服着てんのも気持ち悪いし、さっきついでにキャンサーに頼んだの」


得意げな表情のルーシィ



ルーシィ「水になれるジュビアはおいといて、アンタら よく濡れたままの服着てられるわね」


アルト「ナツ、準備いい?」


ナツ「おう!」


グレイ「こうすりゃすぐ乾く」


炎を見に纏ったナツの周りで服を乾かすアルトとグレイ



ルーシィ「あら!!こんな近くに乾燥機が!!!」




「いたぞー!侵入者だー!!」


先ほどと同じ格好をした兵士たちが流れ込むようにアルトたちに押し寄せる



アルト「しつこいなァ!」


ナツ「こりねぇ奴らだな」


それを見たアルトたちは再び戦闘態勢に入る



兵士「ぐほぉ!!」


兵士「がぁっ!!?」


しかし、兵士の大群は一瞬で全滅した


その背後には綺麗な赤髪をなびかせて、自慢の双剣を振っていたエルザが立っていた



アルト「エルザ!!」


ルーシィ「良かった!!無事だったんだね!!!」


ジュビア「か・・・かっこいい」



エルザ「!!」


アルトたちに気づいたエルザがゆっくりと歩み寄る



エルザ「お・・お前たちが何故ここに・・・!?」


 

 

FIND THE WAY



エルザ「アルト・・ナツ・・何故ここに・・・!?」


ナツ「何故もくそもねえんだよ!!なめられたまま引っ込んだらフェアリーテイルの名折れだろ!!」


アルト「エルザを助けに来たんだよ」


荒ぶるナツがエルザに歩み寄る


するとエルザは視線をナツからジュビアに移す



ジュビア「!!」


エルザの視線を感じたジュビアはビクッと身体を震わせる



ジュビア「あの・・・ジュビアはその・・・」


エルザ「帰れ」


エルザはジュビアを含め、この場にいる全員に冷たい言葉を吐き捨てた



アルト「エルザ・・!!?」


エルザ「ここはお前たちの来る場所ではない」



ルーシィ「でもね、エルザ・・・」


ナツ「ハッピーまで捕まってんだ!!このまま戻る訳にはいかねー」


エルザ「ハッピーが?まさかミリアーナ・・」


ナツ「そいつはどこだ!!」


ナツはエルザが呟いた人物の居場所を聞く



エルザ「さ・・・さあな」


しかし、エルザは質問に答えず俯いた



ナツ「よし!とりあえずハッピーが待ってるって事は分かった!!」


そう叫んだナツは一目散に駆けだした


それを見たアルトたちはナツを追いかけようとするが、エルザに剣を突き付けられ止められる



エルザ「ダメだ、帰れ」


グレイ「エルザ!!」


エルザ「ミリアーナは無類の愛猫家だ、ハッピーに危害を加えるとは思えん・・・ナツとハッピーは私が責任をもって連れ帰る、お前たちはすぐにここを離れろ」


ルーシィ「そんなの出来るわけない!!エルザも一緒じゃなきゃイヤだよ!!」


エルザ「これは私の問題だ、お前たちを巻き込みたくない」


グレイ「もう十分巻き込まれてんだよ、あのナツを見ただろ」


ルーシィ「エルザ・・・この塔は何?ジェラールって誰なの?」


ルーシィの問いにエルザは答えず、黙っていた



エルザ「・・・・・」


アルト「・・・ま、言いたくないなら言わなくていいけどさ」


アルトはエルザに近づきながら言う



アルト「あいつらがエルザの昔の仲間だろうが、俺たちは今の仲間だ」


エルザ「・・・・・」



アルト「どんな時でも、俺たちはエルザの味方だよ」



エルザ「か・・・帰れ・・・」


アルトの優しい声掛けにエルザは声を震わせて応える



グレイ「らしくねーな、エルザさんよォ・・・いつもみてーに四の五の言わずついて来いって言えばいーじゃんヨ」


アルト「誰が敵だろうと俺たちは力を貸す、エルザにだって怖いと思う時があってもいいじゃないか」


アルトたちがそう言うと、エルザが目に涙を浮かべながら振り返る



エルザ「この戦い・・勝とうが負けようが、私は表の世界から姿を消す事になる・・」


涙を拭いながら話すエルザ



アルト「!?」


グレイ「ど・・どういうこった!!?」


エルザ「これは抗う事のできない未来、だから・・・私が存在しているうちに全てを話しておこう」


エルザは少し考えた後、微笑を浮かべながら語り始めた



エルザ「この塔の名は〝楽園の塔〟・・・別名、〝Rシステム〟・・・10年以上前だ、黒魔術を信仰する魔法教団が〝死者を蘇らす魔法〟の塔を建設しようとしていた」


ルーシィ「死者を蘇らす魔法!!?」


エルザ「政府も魔法評議会も非公認の建設だった為、各地からさらってきた人々を奴隷としてこの塔の建設にあたらせた・・・幼かった私もここで働かされていた一人だったのだ」


アルト「えっ・・!?」


グレイ「なにっ!?」


エルザが元奴隷だった事を知り、驚愕するアルトたち



エルザ「ジェラールと私はその時知り合った・・奴隷だった私を助けてくれたのがジェラールだった・・・」


ジェラールは当時、拷問を受けていたエルザを庇い、身代わりとなって懲罰房へ入ったらしい


その後、ジェラールを救うため、幼きエルザは当時の奴隷仲間のシモンたちを率いて、反乱を起こしたのであった



エルザ「あの頃のジェラールは皆のリーダーで正義感が強くて・・・私の憧れだった・・・」


過去を語るエルザの表情がだんだん暗くなっていく



エルザ「しかし・・・ある日を境にジェラールは別人のように変わってしまった・・・もし人を悪と呼べるなら、私はジェラールをそう呼ぶだろう」


エルザは自分の過去を語り続けた



反乱を起こしたエルザたちは見事ジェラールの救出に成功した


しかし、救出されたジェラールの性格には以前のような正義感は欠片も残っていなかった


この世の全てに激しい憎悪を抱き、『黒魔導士〝ゼレフ〟を復活させる』と言いだした後、自分らを支配していた魔法教団を壊滅させたのだった



エルザはジェラールに反発したが、実力差で敵わず、塔の外へと放り出されてしまった



もし楽園の塔の事が政府や魔法評議会に知られたり、エルザ自身がこの塔に近づけば、奴隷仲間のショウたちを殺すという指示が下され、エルザは今までずっと仲間の命を背負って生きてきた



そして、8年の月日が経ち、再びこの塔に戻ってきたエルザはある事を決心したらしい



エルザ「私は・・・ジェラールと戦うんだ・・・」


そう言ったエルザの左目からは大粒の涙が流れていた




アルト「エルザ・・・」


エルザの過去を知り、言葉を失っていたアルトたち


そんな中、グレイがエルザに問いかける



グレイ「ちょっと待てよエルザ・・・話の中に出てきたゼレフって・・・」


エルザ「ああ・・・魔法界の歴史上、最凶最悪と言われた伝説の黒魔導士」


涙を拭ったエルザは、表情を切り替えた



ルーシィ「た・・確か呪歌(ララバイ)から出てきた怪物も『ゼレフ書の悪魔』って言ってたよね」


エルザ「それだけじゃない・・・恐らくあのデリオラもゼレフ書の悪魔の一体だ」


グレイ「!!」


アルト「あんな化け物を造りだせるなんて・・・どんだけすげえ魔力を秘めてるんだよ」


ジュビア「ジェラールはそのゼレフを復活させようとしてるって事ですか」


エルザ「動機はわからんがな・・・ショウ・・・かつての仲間の話ではゼレフ復活の暁には〝楽園〟にて支配者になれるとかどうとか・・・」


顔を俯かせながらエルザは言った



ルーシィ「そういえば、あのかつての仲間たちの事って どうしてもふに落ちないんだけど・・・」


ルーシィが怪訝そうな表情を浮かべる



ルーシィ「あいつ等はエルザを裏切り者って言ってたけど・・・裏切ったのはジェラールじゃないの?」


エルザ「私が楽園の塔を追い出された後、ジェラールに何かを吹き込まれたんだろうな」


ルーシィ「そんな・・・」


エルザ「しかし私は8年も彼等を放置した、裏切った事にはかわりはない」


ルーシィ「でも、それはジェラールに仲間の命を脅されてたから近づけなかったんじゃない!!それなのにあいつら・・・」


エルザ「もういいんだ、ルーシィ・・・私がジェラールを倒せば全てが終わる」



アルト「(エルザ・・・エルザは本当にそう思ってるのか・・・!?)」



『この戦い・・勝とうが負けようが、私は表の世界から姿を消す事になる・・』



アルト「(この言葉・・・エルザはジェラールに勝っても姿を消すことになる・・・まさかとは思うけど、全てが終わるって意味は・・・)」


アルトが思考を巡らせていると、ショウがよろめきながら近づく



ショウ「姉さん・・・その話・・・ど・・どういう事だよ?」


エルザ「ショウ・・・」



ショウ「そんな与太話で仲間の同情をひくつもりなのか!!ふざけるな!!真実はぜんぜん違う!!」


ショウが血相を変えて、怒鳴り散らす


奴隷だったショウたちがジェラールから聞かされた話はまったくの作り話


八年前、エルザはショウたちの船に爆弾を仕掛けて一人で逃げたという話だった



ショウ「ジェラールは言った!!姉さんは魔法の力に酔ってしまってオレたちのような過去を全て捨て去ろうとしてるんだと!!」


グレイ「ジェラールが・・・〝言った〟?」


ルーシィ「あなたの知ってるエルザはそんな事する人だったのかな?」


アルト「エルザがお前らの船に爆弾を仕掛ける現場でも〝見た〟なら話は別だけどな」



ショウ「お・・・お前たちに何が分かる!!オレたちの事何も知らないくせに!!」


一瞬言葉に詰まったショウだったが、再びエルザたちに向かって言い放つ



ショウ「オレにはジェラールの言葉だけが救いだったんだっ!!だから8年もかけてこの塔を完成させた!!ジェラールの為に!!」


エルザ「・・・・・」


ショウ「その全てが・・ウソだって?正しいのは姉さんで、間違っているのはジェラールだと言うのか!!?」



「そうだ」


ショウの叫びに答える声


その正体はカジノでアルトたちと対峙した巨漢の男、シモンだった



エルザ「シモン!?」


アルト「お前は・・・」


シモン「カジノの件はすまなかった、アルトレア・ウィルダント」


アルト「その事はもういい・・・だってお前はあの時暗闇の魔法を出した後、わざと俺たちを見逃してくれたんだからな」


グレイ「何っ!!じゃあ俺の氷の身代わりを攻撃したのもわざとか!?」


シモン「あぁ・・誰も殺す気はなかった、オレの目的はショウたちの目を欺くためだったからな」


ショウ「お・・オレたちの目を欺くだと!?」


シモン「お前も、ウォーリーもミリアーナも・・・皆ジェラールに騙されているんだ・・・機が熟すまで・・・オレも騙されているフリをしていた」



エルザ「シモン・・・お前・・・」


シモン「オレは初めからエルザを信じてる・・・8年間ずっとな」


気恥ずかしそうに頬を掻き、微笑みながら言うシモン


エルザはそんなシモンの姿を見て、歓喜の笑みを浮かべた



シモン「会えて嬉しいよ、エルザ・・・心から」


エルザ「シモン・・・」


二人は抱き合い、共に再会を喜び合った



ショウ「なんで・・みんな・・・そこまで姉さんを信じられる・・・何でオレは姉さんを・・・信じられなかったんだ」


その光景を見たショウは、その場に泣き崩れる



ショウ「くそぉおおおおっ!!!!うわぁああぁああ!!!!」


ショウが悲痛な叫び声を上げる



ショウ「何が真実なんだ!!?オレは何を信じればいいんだ!!!」


エルザ「今すぐに全てを受け入れるのは難しいだろう、だがこれだけは言わせてくれ」


泣きわめくショウに目線を合わせ、エルザが言う



エルザ「私は8年間、お前たちの事を忘れた事は一度もない」


エルザがショウの頭を抱く



エルザ「何もできなかった・・・私はとても・・・弱くて・・・すまなかった」


シモン「だが・・今ならできる、そうだろ?」


シモンの呼びかけにエルザは静かに頷く



シモン「ずっとこの時を待っていたんだ、強大な魔導士がここに集うこの時を」


ルーシィ「強大な魔導士?」




シモン「ジェラールと戦うんだ、オレたちの力を合わせて!!」

 

 

楽園ゲーム

 
前書き
都合によりナツとウォーリー戦は省きます

 

 


アルトたちがエルザの過去を聞いていた同時刻


ナツはハッピーを救うべくミリアーナの部屋を訪れ、ウォーリー、ミリアーナの二人と激戦を繰り広げ、見事勝利していた






しかし、喜ぶのも束の間、楽園の塔最上階では・・・


ジェラール「ショウとシモンは裏切った・・・ウォーリーとミリアーナは火竜(サラマンダー)が撃墜・・・と」


そう言いながらチェスの駒をナツたちに見立てて動かすジェラール



ジェラール「やはりゲームはこうでないとな、一方的な展開ほどつまらないゲームはない」


「ジェラール様、はやくエルザを捕らえ〝儀〟を行いましょう、もう遊んでる場合じゃありませんぞ」


ジェラール「ならばお前が行くか?ヴィダルダス」


長髪の男に対し、ジェラールは微笑を浮かべ言った



「よろしいので?」


ジェラール「次は・・・こちらのターンだろ?」


ヴィダルダスはニカッと笑い、全身に魔力を込め、変身した



ジェラール「暗殺ギルド『髑髏会』特別遊撃部隊・・・三羽鳥(トリニティレイヴン)


次の瞬間、ジェラールの前には三人の戦士が立っていた



ヴィダルダス「ゴートゥへール!!!地獄だ!!!最高で最低の地獄を見せてやるぜェーーー!!!」


梟「ホーホホウ」


斑鳩「散りゆくは、愛と命の、運命(さだめ)かな・・・今宵は祭りどす」



ジェラール「お前たちの出番だ」















一方その頃、ジェラールのいる最上階を目指していたアルトたち



シモン「くそっ!!!ウォーリーもミリアも通信を遮断してやがる!!!これじゃどこにいるのか分からねェ」


ルーシィ「通信?」


ジュビア「思念伝達魔法ですね」


そう言いながら階段を駆け上がる


その中でショウ一人だけが皆よりワンテンポ遅れて階段を上る



エルザ「大丈夫か?ショウ」


ショウ「うん・・・姉さんがいてくれるから・・・」


ショウの言葉を聞いたエルザが笑みを浮かべた



グレイ「なァ・・・あいつ、本当に信用していいのか?確かにオレたちを殺そうとしなかったのは認めるが・・・あの時、ナツとルーシィは死んでもおかしくねぇ状況だった」


シモン「言い訳をするつもりはない、あの程度で死んでしまうような魔導士ならば到底、ジェラールとは戦えない」


グレイ「ナツたちを試したってわけか・・・」


グレイがため息をつきながら言った



アルト「どうせなら俺たち全員を試せばよかったのに」


シモン「いや お前は試す必要は無い、アルトレア・・・」


アルト「なんでだよ・・・!?」


シモンの一言にアルトが怪訝そうな表情を浮かべる



シモン「オレには確信があった・・・お前ならジェラールと戦える!!」


ルーシィ「なんでそこまでアルトの事を・・・!?」


シモン「お前たちはアルトレアの本当の力に気づいていないんだ」


アルト「俺の・・・本当の力?」



シモン「アルトレアに聖なる大地の力が宿る時、邪悪は呑まれ滅びゆく」


アルト「聖なる大地の力・・・って、とういう事だよ!?」


アルトがシモンに問いかけた次の瞬間


楽園の塔の壁から至る所に口が生える



ジェラール「ようこそみなさん、楽園の塔へ」


生えてきた口からはジェラールの声がした



アルト「何だこの口!?気持ち悪ィ!!」


ジュビア「しゃ・・しゃべりましたよ!!!」


シモン「ジェラールだ、塔全体に聞こえるように話している」



ジェラール「オレはこの塔の支配者ジェラールだ、互いの駒はそろった、そろそろ始めようじゃないか・・・楽園ゲームを」



アルト「楽園ゲーム・・・!?」



ジェラール「ルールは簡単だ、オレはエルザを生贄としゼレフを復活の儀を行いたい・・・すなわち楽園への扉が開けばオレの勝ち、もしお前たちが阻止できればそちらの勝ち」



グレイ「ふざけやがって」


ショウ「ジェラール・・・」


ジェラールのふざけた提案に、アルトたちは怒りをあらわにする



ジェラール「ただ・・・それだけでは面白くないのでな、こちらは三人の戦士を配置する」


シモン「三人の戦士?・・・何者だ?」



ジェラール「そこを突破できなければオレにはたどり着けん、つまりは3対8のバトルロワイヤル」



アルト「バトルロワイヤルねぇ・・・」



ジェラール「最後に一つ特別ルールの説明をしておこう、評議院が衛星魔法陣(サテライトスクエア)でここを攻撃してくる可能性がある・・・全てを消滅させる究極の破壊魔法エーテリオンだ」


エーテリオンという言葉にアルトたちが驚く



ジェラール「残り時間は不明、しかしエーテリオンが落ちる時、それは全員の死・・・勝者なきゲームオーバーを意味する」


するとジェラールは楽しそうな声で言う


ジェラール「さあ、楽しもう」



ルーシィ「そ・・そんな・・・何考えてんのよジェラールって奴・・・自分まで死ぬかもしれない中で・・・ゲームなんて・・・」


エルザ「エーテリオンだと?評議院が?あ・・・ありえん!!だって・・・」


ビクビクと脅えているエルザ


そんなエルザを突然カードの中に閉じ込めるショウ



グレイ「エルザ!!」


シモン「ショウ!!おまえ何を!!!」


ショウ「姉さんには誰にも指一本触れさせない、ジェラールはこのオレが倒す!!!」


そう言ってショウは塔の最上階目指して走りだした



シモン「よせ!!一人じゃ無理だ!!」


シモンは走り去っていくショウを追いかける



グレイ「だー!!どいつもコイツも!!」


グレイも半ばヤケクソ状態になり、その場を去って行った



アルト「・・・よし、エルザの事は一旦あいつらに任せて・・・とりあえず俺たちはナツを探そう」


ルーシィ「そうね、強い味方は多い方がいいし!!」


ジュビア「ではジュビアはアルト様と向こうへ、ルーシィさんはあっちね」


ルーシィ「ちょっと!!抜け駆・・・じゃなくて・・・一番弱っちいの一人にする気!!?」



アルト「なんで喧嘩してんだよ・・・」


睨みあうルーシィとジュビアを呆れた目で見るアルト



すると突然、激しいギター音が辺り一帯に鳴り響いた


アルト「!!?」


ルーシィ「な・・何この騒音!?・・・ギター!!?」


ギター音が徐々に大きくなる



ルーシィ「てか、うるさっ!!!」


ジュビア「ジュビアは上手だと思うわ」


ルーシィ「本当・・・ズレてるわね、アンタ」



アルト「ルーシィ、ジュビア・・・気を抜くなよ、来るぞ!」


ルーシィ「!!」


アルトが音のする方を見据える


するとギターを弾きながら頭をグルグルと回し、こちらに歩み寄ってくる長髪の男が見えた



ヴィダルダス「ヘイ!!!!ヤー!!!!ファッキンガールアンドボーイ!!!!」


舌を出してアルトたちを見るヴィダルダス



ヴィダルダス「地獄のライブだ、デストローイアーウッ!!!!」


ルーシィ「うわっ、髪ながっ!!」


アルト「なんだコイツは?」


ジュビア「ジェラールの言ってた三人の戦士?」



ヴィダルダス「暗殺ギルド、髑髏会!!!オイ!!!スカルだぜ!!!イカした名前だろ、三羽鳥の一羽・・・ヴィダルタス・タカとはオレの事よ!!!」


そう言った後、ヴィダルダスの髪が伸びてアルトたちに襲いかかる



ヴィダルダス「ロックユー!!!!」


ルーシィ「ひぃ」


アルト「あぶねっ!」


ルーシィとアルトが髪の毛による攻撃を避ける


しかし、ジュビアだけは攻撃を避けず、その身を水に変えて受け流す



ヴィダルダス「おもしれえボディしてんなァオイ!!!キャハハハハ!!!」


ジュビア「ジュビアの体は水で出来ている・・・しんしんと」


ルーシィ「すごい!!」


アルト「やるじゃねーか、ジュビア!」



ジュビア「は、はい!!ここはジュビアにお任せください!!(やった・・・アルト様に褒められた・・・/////)」


アルトの一言を聞いたジュビアが顔を真っ赤に染め、身体をくねらせて喜ぶ



ヴィダルダス「キャハハハハ!!次のロック行くぜぇー!!!」


ヴィダルダスが再びギターに手をかける



ジュビア「ジュビアにはいかなる攻撃も効かない」


表情を切り替え、ヴィダルダスに攻撃を仕掛けるジュビア



ジュビア「水流拘束(ウォーターロック)!!!!」


ヴィダルダス「ロック!!?お前もROOKか!!?」


あっという間に水の球体に閉じ込められたヴィダルダス



ジュビア「口ほどにもない」


ルーシィ「さすが元エレメント4」


アルト「いや、待て・・・なんか変だぞ!?」


ジュビア「!!!」


アルトが慌てて水の球体を指差す


見ると、球体の水がヴィダルダスの髪に全て吸収されていた



ヴィダルダス「ふっ・・・」


ヴィダルダスは自慢気に髪をなびかせる



ジュビア「ジュビアの水流拘束(ウォーターロック)が・・・消えた!!?」


ルーシィ「そしてキモい!!!」


ヴィダルダス「寝グセには水洗いがいいんだぜ、朝シャンは良くねえ・・・髪をいためる」


ジュビア「貴様・・・どうやって水流拘束(ウォーターロック)を・・・」



ヴィダルダス「オレの髪は液体を吸収する、油やアルコールはごめんだぜ?髪が痛んじまう」


ジュビア「水が・・・効かない?」


アルト「ジュビアの魔法のほとんどが効かないって事か・・・」


ルーシィ「そんな・・・」



ヴィダルダス「それにしてもい女だな、二人とも・・・へへっ」


ルーシィ「出たよ!!いつもの!!」


ヴィダルダスの視線を感じ取ったルーシィは即座にアルトの背中に隠れる



ルーシィ「かわいいってのもトラブルのもとよね」


アルト「何言ってんだよ、ルーシィ・・・」



ヴィダルダス「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な―――」


ヴィダルダスがジュビアとルーシィを交互に指差す



ヴィダルダス「じ・ご・く・の・あ・く・ま・の・い・う・と・お・り!!」


最後に指先が止まったのはジュビアの方だった



ヴィダルダス「決めたぜ!!お前が今日のサキュバスだ!!!」


ジュビア「サキュバス?」


ヴィダルダス「ロック オブサキュバス!!」


そう叫んだヴィダルダスはギター音を響かせた



ジュビア「ああ・・あ・・な、何!?この音!?」


音を聞いたジュビアが突然苦しみ出す



ルーシィ「ジュビア!!どうしたの!!?」


アルト「音の魔法か!!」



ジュビア「イヤ!!やめて!!入ってこないで!!!」


悲痛な叫びをあげながら、ジュビアは謎の光に包まれた



ルーシィ「ジュビア!!」


ヴィダルダス「トリコになりな」


そして謎の光に包まれたジュビアが再び姿を現す




ジュビア「地獄地獄地獄ゥ!!!!最高で最低の地獄を見せてやるよメスブタがァ!!!!」




ルーシィ「ジュ・・・ジュビア・・?」


アルト「え・・・一体どうなってんだ!?」


 

 

アルトvsロック オブ サキュバス



ジュビア「ヒャハハハ!!!!地獄につれてってやんよー!!!!メスブタどもがああァァァ!!!!」


舌を出してアルトたちに向かって叫ぶジュビア



ルーシィ「な・・何よコレぇ・・・ジュビア・・・しっかりしてよ・・・」


アルト「これがお前の魔法か?」


ヴィダルダス「そう、サキュバスのトリコになった女はオレの命令しかきかねぇ」



ルーシィ「じゃあ、あのギター音でジュビアが・・・あれ?何であたしは大丈夫なのかしら?」


ヴィダルダス「ヒヒッ、いいコトに気がつくねぇ」


ルーシィの問いにヴィダルダスが高笑いして答える



ヴィダルダス「二人ともトリコにしちまったらゲームの面白みがねえ!!!!オレが見てえのは女同士のキャットファイトよ!!!!『服が破けてポロリもあるよ』ってやつさ!!!!」


ルーシィ「最低ね」



ヴィダルダス「〝最低〟こそ最高の賛辞だぜー!!!!イヤー!!!!」


ジュビア「ロックも知らないネンネは死んどきなー!!!」



アルト「ルーシィ!下がってろ!!」


ルーシィ「う、うん!!」


アルトが前へ出ると同時にルーシィが後ろへ下がる



ジュビア「ヒャッハー!!!」


ジュビアは身体を水に変え、大きな波を引き起こす



アルト「くっ・・!!」


ルーシィ「せっかく着替えたのに!!!」


波によって全身が濡れるアルトとルーシィ


すると、ルーシィの足元の水から、ジュビアが飛び出してきた



アルト「やべっ、突破された!!」



ジュビア「どこから食いちぎってやろうかね!!!」


ルーシィ「ちょっと!!!ジュビア本気!!?」


ジュビアはすかさずルーシィの服に手を伸ばす



ジュビア「その無駄にでけぇチチだなっ!!!!」


そしてルーシィの服を胸元から思い切り破った



ルーシィ「ひいいいっ!!!/////」


ヴィダルダス「ヒャーッホウ!!!!コレだよコレ!!!!」


アルト「ルーシィ!!大丈夫か!?」


ルーシィ「ちょっ・・アルトは見ちゃダメッ!!/////」


自分の胸を片手で隠しながら、走り寄るアルトを近づけまいと叫ぶルーシィ



ルーシィ「見ないで助けて!!/////」


アルト「無茶言うなっ!!」



ジュビア「ヒャハハハー!!!!」


再びジュビアが身体を水に変え、波を引き起こした



ルーシィ「きゃあ!!」


アルト「くそっ・・・おい、やめろジュビア!!」


水を弾きながらジュビアに近づくアルト



ジュビア「ロックの邪魔だ!!!!水流烈鞭(ウォーターカーネ)!!!!」


両手を鞭に変化させ、アルトを攻撃する



アルト「痛っ・・・なんだコレ!?ロックと関係あるか!!?」


ジュビア「変態ドM男!!!ジュビアの中で砕け散りな!!!!」


身体を水に変え、襲いかかってくるジュビア



アルト「ぐわぁぁあああ!!!」


ジュビアが造りだした水流がアルトに激突し、その身を包みこんだ



アルト「(ダメだ、こりゃ完全に操られてる・・・どうする・・・せっかく仲間になったジュビアに攻撃なんて・・・)」


『アルト様』


その時、水流の中にいるアルトの心にジュビアの声が響いた



アルト「(ジュビアの声!!?)」


ジュビア「キャハハハッ、苦しめ苦しめぇ!!!」


『こんなのはジュビアじゃないです!!!』



アルト「(そうか ここはジュビアの中だから、ジュビアの心の声が聞こえるんだ!!)」


『ジュビアは仲間をキズつけたくない・・・やっぱり仲間なんて・・・おこがましいですか・・・!?』



アルト「(ジュビア・・・)」


『ジュビアはフェアリーテイルが大好きになりました、アルト様が教えてくれた通り・・・仲間想いで、楽しくて、あたたかくて・・・雨が降っててもギルドの中はお日様が出てるみたい・・・』


すると、ジュビアの心の声が震えだして言った



『せっかく皆さんと仲良くなれそうだったのに・・・ジュビアはやっぱり不幸を呼ぶ女』


水流の中に、大粒の涙が浮き出した



アルト「(涙・・・!!)」




ヴィダルダス「ジュビアちゃん!!!そろそろトドメさしちゃって!!!」


ヴィダルダスの声とともに、アルトがジュビアの中から放り出される


アルトはそのまま立てずに、地面に転がった



アルト「ぐっ・・!!」


ルーシィ「アルト!大丈夫!?」



ジュビア「キャハハハ!!」


アルト「へへっ・・・確かに聞こえたぞジュビア・・・雑音の中でも綺麗に響くお前の雨音(こえ)が」


倒れていたアルトがゆっくり立ち上がる



アルト「仲間の為に涙を流せる人を、フェアリーテイルが拒むハズねぇ!!」


ジュビア「・・・!!」


アルト「お前の気持ちは分かったぜジュビア!!安心しろ、フェアリーテイルの仲間であるお前は必ず俺が助けてやる!!」


ジュビア「(アルト様・・・!!)」



ヴィダルダス「くだんねぇ!!とっとと男イカして、女の方を楽しもうぜジュビアちゃんよォ!!!!」


ジュビア「水流激鋸(ウォータージグソー)でバラバラになりなァ!!!!(アルト様、よけてぇ!!!!)」


ルーシィ「そんな・・いくらアルトでもあんなの食らったら・・!!」


アルト「来い!最後まで受け止めてやる!!」


ジュビアがその身に水と鋸刃を纏い、アルトに襲いかかる


アルトは両手を広げ、ジュビアの突撃を受け止めた



ジュビア「死ね死ねぇぇぇ!!」


アルト「ぐっ・・う゛っ・・!!」


アルトの腕や身体には無数の切り傷が刻まれる



ルーシィ「アルト!!」


ヴィダルダス「キャハハハ!!!!バカが、何故よけなかった!!!?」


アルト「な・・仲間から逃げる必要が・・・あるか!?」


ヴィダルダス「何ィ!!!?」



アルト「同じ目線から正々堂々ぶつかり合う・・・それが仲間ってモンだろうがぁぁあああ!!!!」



ジュビア「!!」


そう叫んだアルトは、鋸の刃が身体の奥深くに突き刺さりながらも、更に両腕に力を込める


するとジュビアの攻撃は徐々に威力を失い、やがて元のジュビアの身体に戻った



ジュビア「あ・・・アルト様!!」


アルト「やっと戻ってきたか、ジュビア!!」


元に戻ったジュビアの身体を抱き、笑顔でジュビアに語りかけるアルト



ジュビア「はい・・・ありがとうございます、アルト様・・・!!」


ジュビアはアルトの胸元に顔を埋め、目に浮かんだ涙を隠しながらそう言った



ルーシィ「やったァ!!ジュビアが元に戻った!!」


ヴィダルダス「ば・・バカな!?オレのロックオブサキュバスが破られたァ!!!?」


アルト「お前の洗脳より、俺たちの絆の方が強かったみたいだな!!」


ニヤリと笑顔を浮かべるアルト



ヴィダルダス「クソッ!!こうなったら今度はそっちの金髪をトリコにしてやるヨォ!!!」


アルト「させねぇ!!お前の雑音(ロック)はもう終わりだ!!」


アルトがウィダルダスに向かってもう突進する



ヴィダルダス「速ェ!!!」


アルト「メテオ・マグナム!!!」


右腕に巨大な衝撃波を纏い、ギターごとヴィダルダスを殴り飛ばす



ヴィダルダス「スパーキング!!!」


殴られたヴィダルダスの髪が全て抜け落ち、ギターは粉々に砕け散った



アルト「腕を磨いて出直してきな、ミュージシャン」


ルーシィ「やった!!アルトの勝ちね!!」


ジュビア「流石です!アルト様ー!!/////」


ルーシィとジュビアが思わず抱き合い、アルトの勝利を喜ぶ



アルト「よっしゃ!とりあえず三人の内の一人は倒したな!!」


ルーシィ「うん、ジェラールの思い通りになんかならないわよ」


ジュビア「はい・・・アルト様には・・・本当にご迷惑をおかけして・・・」


暗い表情でジュビアが言い淀む



アルト「何言ってんだ、仲間を助けるのが迷惑なもんか!」


ジュビア「!!」


アルト「お前は俺たちの為に戦ってくれた、それだけでもうジュビアはフェアリーテイルの仲間だぜ!!」


ルーシィ「うん、ありがとうジュビア!!」


ジュビア「アルト様・・・ルーシィさん・・・」


微笑むアルトたちを見て、ジュビアは目に涙を浮かべる



ルーシィ「『さん』付けなんかしなくていいよ、仲間なんだし」


ジュビア「・・・あれ・・・ジュビア・・・目から雨が降ってきました」


アルト「目から雨!?」


ルーシィ「あははっ、面白い表現ね!!」
















ジェラール「ヴィダルダスを一撃で・・・流石じゃないか、アルトレア・・・」


ギターを模ったチェス駒を倒し、呟くジェラール



ジェラール「こちらも、もう一歩駒を進めよう」

 

 

決意の装束 エルザvs斑鳩


アルトたちが三羽鳥の一角を打ち取った時と同時刻


ショウはカードに閉じ込められたエルザと共にジェラールの元へ向かおうとしていた



ショウ「ジェラール・・・くそォ・・・くそォっ!!!!」


エルザ「ショウ!!落ち着け!!」


ショウ「よくもオレたちを騙して・・・姉さんをキズつけて・・・」


エルザ「いいから落ち着くんだ!!!私をここから出せ!!!」


血相を変えて走るショウを必死で止めようとするエルザ


しかしショウはエルザの言う事をまるで聞こうとしない



ショウ「大丈夫だよ、姉さんはオレが守る・・・絶対に」


エルザ「ショウ!!」


すると突然ショウが走る足を止める


ショウの前方には桜色の髪をなびかせ、綺麗な着物を着た女性が立っていた



斑鳩「うちは斑鳩と申しますぅ、よしなに」


ショウ「どけよ、何だこのふざけた奴は」


斑鳩「あらぁ・・・無粋な方やわー」


ショウ「てめぇなんかに用はねえ!!!」


ショウが斑鳩に向かってカードを投げつけ攻撃する


それを見た斑鳩は手に持っていた刀を抜き、飛んでくるカードを全て斬り裂いた



ショウ「バカな・・・」


斬られ、地に落ちるカードを見てショウが驚く



斑鳩「うちに斬れないものはありません」


ショウ「がはぁ!!!?」


斑鳩がそう言った瞬間、ショウの身体に切れ込みが入る


そして切り口から血が噴き出し、ショウはその場に倒れ込む



ショウ「い・・・いつの間に・・・」


エルザ「ショウ!!!」


ショウ「姉さん・・・」


斑鳩「あらぁ、そんな所におりましたん?エルザはん」


ショウのポケットからエルザが閉じ込められたカードが飛び出す



エルザ「今すぐ私をここから出せ!!!おまえの勝てる相手じゃない!!!」


ショウ「安心して・・そのカードはプロテクトしてある・・絶対に外からキズつける事はできないんだ」


斑鳩「へぇ・・」


ショウの言葉を聞いた斑鳩が笑みを浮かべて、剣を構える



エルザ「ショウ!!!私を出せ!!!奴の剣ただ者じゃない!!!」


ショウ「大丈夫・・・信じて」


斑鳩がカードに向かって斬撃を放つ


斬撃はカードに直撃し、弾かれた



ショウ「ホラ・・」


斑鳩の攻撃を弾くのを見たショウが安心した表情で言う


しかし、次の瞬間ショウは驚愕の表情を浮かべた



ショウ「カードの中を・・・空間を超えて斬ったァ!!?」


見ると、斬撃がカードの中に入り込み、中に閉じ込められているエルザを襲っていた


斑鳩の攻撃を弾いたのはカードの力ではなかった


カードの中に閉じ込められているエルザ自身が剣を使って弾いていたのだった



斑鳩は遠慮なく、動きが制限されているエルザに向かって次々と斬撃を放つ


しかし、しばらく攻撃が続いた後、エルザがカードの中から飛び出してきた



ショウ「え・・!!?」


エルザ「貴様のおかげで空間に歪みができた、そこを切り開かせてもらった」


ショウ「(すごい・・・空間を超える剣を利用してカードから脱出するなんて・・・見事すぎて言葉が見つからない・・・)」


ショウが目に涙を浮かべながら、エルザを見る



エルザ「貴様に用は無い、消えろ」


斑鳩「・・・クスッ」


エルザの言葉の後、斑鳩がクスリと鼻で笑った


するとエルザの纏っていた鎧が粉々に砕けた



エルザ「なにっ・・!!?」


斑鳩「あいさつ代わりどす・・・あれ?もしかして見えてませんでした?」


鎧が砕けるのを見て、エルザとショウは驚いた様子で斑鳩を見ていた



ショウ「(ど・・どんな速さの剣なんだよ・・姉さんにも見えてなかった?)」


斑鳩「見つめるはー、霧の向こうのー、物の怪かー♪・・・ジェラールはんを探すあまり、今・・・自分が見えない剣閃の中にいる事に気づいていない」


するとエルザは表情を切り替え、本気の眼差しで斑鳩を見据える



斑鳩「そうそう、その眼」


ショウ「(姉さんも本気になった)」


斑鳩「うちは路傍の人ではありませんよ」


エルザ「そのようだな、敵だ」


そう言ったエルザは戦闘用の鎧を換装する



斑鳩「参ります」


エルザ「天輪・循環の(サークルソード)!!!!」


斑鳩「無月流・・夜叉閃空(やしゃせんくう)!!!!」


エルザが操っている剣を全て切り刻む斑鳩



エルザ「くっ・・・剣が全部・・・!!」


同時に、エルザが換装していた鎧もボロボロに砕かれてしまった



エルザ「かはっ」


ショウ「姉さん!!」



斑鳩「無月流、迦楼羅炎(かるらえん)!!!!」


エルザ「換装!!!炎帝の鎧!!!」


斑鳩の放つ炎の太刀を耐火能力の鎧で防ぐ



斑鳩「耐火能力の鎧どすか?よく、あの一瞬で換装できたものどす」


エルザ「うあっ」


しかし、またもやエルザの纏った鎧はボロボロに崩れ去った



斑鳩「どうです?そろそろ最強の鎧をまとってみたら」


ショウ「バ・・バケモノめ・・・」



エルザ「この姿を見て立っていた者はいない、後悔するがいい・・・『煉獄の鎧』換装!!!!」



斑鳩「それが最強の鎧どすか?」


そう言った斑鳩は目にも止まらぬスピードでエルザの横を通り過ぎた


するとエルザの換装していた鎧は粉々に砕け、エルザはその場に倒れ込む



斑鳩「おわかりになったでしょう?」


ショウ「(勝てない・・・姉さんじゃ勝てない・・・)」


斑鳩「どんな鎧をまとおうが、うちの剣には勝てませんよ・・・あきらめなさい」


しかしエルザは、よろめきながらも立ち上がる



そして今度はぶ厚い鎧ではなく、薄い装束衣装を換装した



斑鳩「・・・何のマネどす?その装束からは何の魔力も感じない・・・ただの布きれどす」


ショウ「布きれ!!?」


斑鳩「あれだけの剣閃を見せてあげたのに、うちもなめられたものどす」


ショウ「姉さん、どうしたんだよ!!まだ強い鎧はたくさんあるだろ!!!姉さんはもっと強いんだろ!!!!」


装束をまとったエルザに向かってショウが叫ぶ



エルザ「私は強くなどない」


エルザは落ち着いた声でそう言った



エルザ「弱いから、いつも鎧をまとっていた・・・ずっと脱げなかったんだ・・・」


斑鳩「たとえ相手が裸だろうと、うちは斬りますよ」


エルザ「鎧は私を守ってくれると信じていた、だがそれは違った・・・人と人との心が届く隙間を・・・私は鎧でせき止めていたんだ」


ショウ「(姉さん・・・)」


エルザ「フェアリーテイルが教えてくれた、人と人との距離はこんなにも近く、温かいもなのだと」



エルザはアルトの顔を思い浮かべ思った


エルザ「(そして、その温かさを何よりも大切にしている男を・・・私は知っている)」



斑鳩「覚悟ォ!!!!」


エルザ「もう迷いはない!!!!私の全てを強さにかえて討つ!!!!」




二人は同時に走り出し、互いの身体を斬り裂いた




しばらくの沈黙が訪れる




斑鳩「勝負あり」


エルザ「・・・ぐっ・・・!!」


エルザの腕から血が噴き出した



斑鳩「・・・ごぷっ!!?」


しかし、斑鳩からは更に大量の血が噴き出した


斑鳩は絶叫しながら、地面に倒れる



ショウ「すごい!!やっぱ姉さんはすごいよ!!」


斑鳩「み・・見事・・・どす・・・」


エルザ「ハァ・・・ハァ・・・」



斑鳩「うちが・・負けるなんて・・ギルドに入って以来・・初めてどす・・」


倒れた斑鳩は途切れ途切れに言葉を発する



斑鳩「しかし・・あなたもジェラールはんも・・負けどすわ・・・15分・・・」


エルザ「!!」


斑鳩「落ちてゆくー、正義の力はー、皆殺しー・・・ひどい(うた)・・・」


そう言い残し、気絶した



エルザ「15分!?エーテリオンの事か!!?」


ショウ「ね、姉さん・・・」


エルザ「ショウ、ケガは平気か?」


ショウ「う・・うん・・・なんとか・・・」


ショウは心配そうな表情でエルザを見ていた



エルザ「今すぐシモンたちや私の仲間たちを連れて、この塔を離れるんだ」


ショウ「えっ・・・で・・でも・・・」


エルザ「私の言う事が聞けるな、ショウ」


微笑みながらショウに言うエルザ


そんなエルザの姿を見たショウはただ黙って頷くしかなかった



ショウ「姉さんは?」


エルザ「決着をつけてくる」


そう言ったエルザの瞳には死への覚悟と決意が宿っていた


 
 

 
後書き
今回アルトが一度も出てこない・・・(汗) 

 

運命と聖なる光

 
前書き
私情により、今日から2月の終わりまで更新できません、申し訳ないです。

せめてもの気持ちとして今日は数話連続投稿とします

感想や質問の返信はさせていただきます。

 

 
エルザが斑鳩を討ち取った同時刻




同じく三羽鳥を討ち取ったアルトとナツたちが合流していた


シモン「アルトレア!!」


アルト「よう、お前らも無事だったか」


シモン「三羽鳥はどうした!?」


アルト「まだ一人倒しただけだ、残る二人はまだ見つかってねえ・・・」


するとアルトがシモンに負ぶさっているナツを見て言う



アルト「ナツがやられたのか!!?」


シモン「いや、グレイと二人がかりで三羽鳥の一人を倒した後、気を失っただけだ」


アルト「じゃあ、グレイはどこにいるんだ?」


シモン「グレイも相当なダメージを負っちまってな・・・青い猫に塔から連れ出してもらってるんだ」


そう言ったシモンが突然腹を押さえて苦しみだす



アルト「お前、ケガしてんのか!?」


シモン「ぐっ・・オ・・オレの事はいい・・・よく聞けアルト」


シモンがアルトを見据えて言った



シモン「さっきショウから通信があった、エルザが三羽鳥の一人を討ち取ったとな」


アルト「じゃあ、俺たちとナツたちがそれぞれ一人ずつ仕留めたから・・・」


ルーシィ「三羽鳥は全滅ね!!」



シモン「ルーシィとジュビアはナツを連れてこのまま脱出しろ、ウォーリーとミリアにもこの塔から脱出しろと指示を出しておいた」


シモンに指示されたルーシィとジュビアは気を失っているナツを二人で抱える



シモン「残る敵はジェラール一人、そこにはエルザが向かっている・・・あいつは全ての決着を一人でつけようとしてるんだ」


ルーシィ「えっ・・全ての決着って・・・!?」


アルト「(やっぱり・・・か)」


シモン「あの二人には8年にわたる因縁がある、戦わなければならない運命なのかもしれない・・・だが、ジェラールは強大すぎる・・・頼む、エルザを助けてくれ」


アルト「断る」


シモン「!!?」


アルトの冷静な言葉を聞き、シモンが驚愕する



アルト「俺が口をはさむ問題じゃねえよ・・・エルザならジェラールを倒してくれる、そしてきっとジェラールを改心させて連れ戻してくれるよ」


シモン「それこそ無理だ!!エルザではジェラールに勝てない!!」


アルト「何だと!?お前もエルザを信じてねえのか!!?」


シモン「違う!!!倒す倒せない以前の問題なんだよ!!!あいつは未だにジェラールを救おうとしているんだ!!!オレにはわかる、あいつにジェラールを憎む事などできないから!!!」


アルト「だからこそ、エルザがジェラールを改心させてくれる事を信じるべきじゃねえのかよ!?」


互いに熱くなり、檄を飛ばし合うアルトとシモン


傍にいるルーシィたちは驚いた表情で二人を見ていた



シモン「・・・お前はジェラールという男を何も分かっていない・・・あいつは狡猾な男だ、エルザのそういう感情をも利用してくる」


アルト「!!」


シモン「状況はさらに悪い、評議員がここにエーテリオンを落とそうとしているのは知っているな・・もちろんそんなものを落とされたら塔の中の人間は全滅だ・・・ショウの話ではあと15分・・・いや、あと10分か」


アルト「何だと!?」


ルーシィ「そんな・・・!!」


シモン「エルザは全員逃がせと言って一人で向かった、エルザの事だ・・エーテリオンを利用してジェラールを道づれにする気かもしれん」



アルト「・・・考えたくは無かったけど・・・やっぱりそうだったのか・・・!!」


『この戦い・・勝とうが負けようが、私は表の世界から姿を消す事になる・・』


アルト「自分の命と引き換えに・・・ジェラールを・・・」


震えるアルトは、怒号交じりに叫びだす




アルト「エルザはどこだぁァア!!!!」















楽園の塔最上階ではジェラールが三羽鳥に見立てた駒を倒し、不気味に微笑む


ジェラール「やれやれ、ゲームはもう終わりか」


エルザ「人の命で遊ぶのがそんなに楽しいか?」


階段を上りきって最上階へと入り込んだエルザは、怒りを込めた声でジェラールに問う



ジェラール「楽しいねぇ、生と死こそが全ての感情が集約される万物の根源、逆にいえば命ほどつまらなく、虚しいものもない」


エルザの問いに対し、ジェラールは楽しそうな声で答えた



ジェラール「久しぶりだな、エルザ」


エルザ「ジェラール」


ジェラール「その気になればいつでも逃げ出せたハズだが?」


エルザ「私はかつての仲間たちを解放する」


ジェラール「かまわんよ、もう必要ない・・・楽園の塔は完成した」


エルザ「あと10分足らずで破壊されるとしてもか?」


ジェラール「エーテリオンの事か?・・・クク」


笑いながらエルザに近づくジェラール



エルザ「その余裕・・やはりハッタリだったか」


ジェラール「いや・・・エーテリオンは落ちるよ」


刀を握る腕の力を更に強く込め、エルザはジェラールを睨みつける



エルザ「それを聞いて安心した!!!!10分、貴様をここに足止めしておけば全ての決着がつく!!!!」


ジェラール「いや・・オマエはゼレフの生贄となり死んでいく、もう決まっている・・・それが運命(デスティニー)だ」


エルザに対しジェラールは被っていたフードを取り、冷静に言った



ジェラール「正確に言えばあと7分だ・・あと7分でエーテリオンはここに落ちる、この7分間を楽しもう、エルザ」


エルザ「今の私に怖れるものは無い、たとえあと何分でエーテリオンが落ちようと、貴様を道づれにできれば本望」



ジェラール「行くぞ!!!」


剣を構えるエルザにジェラールが怨念のようなものをぶつけて攻撃する


しかしエルザはそれを華麗にかわし、怨念を斬り捨てる



ジェラールは飛び上がるエルザの腹部を狙い、衝撃波で吹き飛ばす



吹き飛ばされたエルザは、塔の壁を突き抜けて落下するが、一緒に落ちてくるガレキを足場にして再びジェラールに斬りかかる



エルザ「せっかく建てた塔を自分の手で壊しては世話がないな」


ジェラール「柱の一本や二本、ただの飾りにすぎんよ」


エルザ「その飾りを造る為にショウたちは8年もお前を信じていたんだ!!!!」


怒りを込め、剣をふるうエルザ



ジェラール「いちいち言葉のあげ足をとるなよ、重要なのはRシステム・・・その為の8年なんだよ」


そう言ったジェラールは右腕に魔力を込める



ジェラール「そしてそれは完成したのだ!!!!」


エルザ「ぐっ・・!!」


ジェラールの放った怨念がエルザの体にまとわりつく



ジェラール「!!」


しかしエルザは自慢の剣技で怨念を全て斬り払う



エルザ「はぁ!!」


ジェラール「ぐあ」


エルザの攻撃がジェラールの腹部をとらえた



ジェラール「(これが・・・あのエルザだと!!?)」


攻撃を受け、ひるんだジェラール


エルザはその隙をついてジェラールを取り押さえ、首元に剣を突き付ける



ジェラール「くっ」


エルザ「お前の本当の目的は何だ?本当はRシステムなど完成してはいないのだろう?」


ジェラール「!!!」


エルザ「私とて8年間何もしてなかった訳ではない、Rシステムについて調べていた・・・確かに構造や原理は当時の設計図通りで間違っていない・・・しかしRシステムの完成には肝心なものが足りてない」


ジェラール「言ったハズだ・・・生贄はお前だと・・・」


エルザ「それ以前の問題さ、足りてないものとは魔力・・・この大がかりな魔法を発動させるには27億イデアもの魔力が必要になる・・・これは大陸中の魔導士を集めてもやっと足りるかどうかというほどの魔力」


確信づいた事を言われ、冷や汗を流すジェラール



エルザ「人間個人ではもちろん、この塔にもそれほどの魔力を蓄積できるハズなどないのだ・・・そのうえお前は評議院の攻撃を知っていながら逃げようともしない・・・お前は何を考えているんだ」


ジェラール「・・・エーテリオンまで・・・あと3分だ」


エルザ「ジェラール!!!お前の理想(ゆめ)はとっくに終わっているんだ!!!!」


ジェラールの手首を握りしめるエルザ



エルザ「ならば共にいくのみだ!!!!私はこの手を最後の瞬間まで放さんぞ!!!!」


ジェラール「あ・・ああ・・・それも悪くない・・・」


半ば観念したような表情を浮かべ、言ったジェラール



ジェラール「オレの体はゼレフの亡霊にとり憑かれた、何も言うことをきかない・・・ゼレフの肉体を蘇らす為の人形なんだ」


エルザ「とり憑かれた?」


ジェラール「オレはオレを救えなかった・・・仲間も誰もオレを救える者はいなかった・・・楽園など・・・自由など、どこにもなかったんだよ」


エルザ「!!」


ジェラール「全ては始まる前に終わっていたんだ」


ジェラールがそう言った瞬間、空に一筋の光が生まれ、その中から巨大な魔法陣が現れた


同時に楽園の塔全体が大きく揺れ始める



エルザ「Rシステムなど完成するハズがないと分かっていた・・でも、ゼレフの亡霊はオレをやめさせなかった・・もう・・止まれないんだよ、オレは壊れた機関車なんだ・・・」


するとジェラールはエルザを見据え、その瞳に決意を浮かべて言った



ジェラール「エルザ・・おまえの勝ちだ・・オレを殺してくれ・・その為に来たんだろ?」


エルザ「・・・私が手を下すまでもない・・この地鳴り・・すでに衛星魔法陣(サテライトスクエア)が塔の上空に展開されている」


そう言ったエルザは握っていた剣を捨てて、言う



エルザ「終わりだ・・・お前も、私もな」


ジェラール「不器用な奴だな・・・」


更にエルザは握っていたジェラールの手首を放す


ジェラールは体の上半身だけを起こす



エルザ「お前もゼレフの被害者だったのだな」


ジェラール「これは自分り弱さに負けたオレの罪さ・・・理想(ゆめ)現実(げんじつ)のあまりの差にオレの心がついていけなかった」


エルザ「自分の中の弱さや足りないものを埋めてくれるのが・・・仲間という存在ではないのか?」


ジェラール「エルザ・・・」


エルザ「私もお前を救えなかった罪を償おう」


ジェラール「オレは・・・救われたよ」


そう言ったジェラールは強引にエルザを抱き寄せた




そしてその直後、眩い光が塔全体に降り注ぐ




シモン「この光・・・間に合わなかったか・・・」



アルト「エルザぁァアア!!!!」



そしてついに衛星魔法陣(サテライトスクエア)から


裁きの光、エーテリオンが発射された


 
 

 
後書き
リサーナとの番外編も出来上がったので投稿したいと思います

 

 

眠れる塔の女騎士


エーテリオンが楽園の塔に直撃した


楽園の塔が崩れ、辺りが煙に包まれている



その光景を見たルーシィたちはアルトたちの安否を気にかけていた



ナツ「うぷっ・・・な、なんだ今の爆発・・・」


グレイ「エーテリオン・・・!!」


ハッピー「アルトぉ・・・エルザぁ・・・」



ジュビア「な・・何・・あれ!?」


煙が徐々に晴れ、中から現れたものにジュビアたちが驚愕の表情を浮かべる



グレイ「外壁が崩れて・・・中から水晶?」


晴れた煙の中から現れたのは巨大な水晶の塔だった



ルーシィ「ねえ・・無事だよね?アルトもエルザもシモンって人も」











アルト「いってぇ・・・今のがエーテリオンってやつか!?」




シモン「エーテリオンは落ちた・・・な・・なぜオレは生きてる?」















エルザ「え・・・生きてる・・・?」


自分の体を見て、生きている事を確認するエルザ


そんなエルザの姿を見たジェラールは不気味な笑い声を上げていた



ジェラール「ついに・・ついにこの時が来たのだァ!!!!」


エルザ「お前・・・」


ジェラール「くくく・・・驚いたかエルザ、これが楽園の塔の真の姿・・・巨大な魔水晶(ラクリマ)なのだ」


そう言ったジェラールは両手を広げ高笑いする



ジェラール「そして評議院のエーテリオンにより、27億イデアの魔力を吸収する事に成功した!!!!ここにRシステムが完成したのだァ!!!!」


ジェラールの真の目的は塔にエーテリオンの魔力を吸収させ、Rシステムを完成させる事だったのだ



エルザ「だ・・・騙したのか・・・」


悔しみの念を込め、ジェラールを見るエルザ



「かわいかったぞ、エルザ」


その時、エルザの背後から、青年らしき者の声がかかる



エルザ「え!?」


ジークレイン「ジェラールも本来の力を出せなかったんだよ、本気でやばかったから騙すしかなかった」



エルザ「ジークレイン!!?」


エルザの前に現れたのはジェラールと瓜二つの魔導士


聖十大魔道であるジークレインだった



エルザ「な・・なぜ貴様がここに!!?」


ジークレイン「初めて会った時の事を思い出すよエルザ、マカロフと共に始末書を提出しに来た時か・・・ジェラールと間違えてオレに襲いかかってきた・・・まあ、同じ顔だし無理もないか・・・」



エルザ「・・・・・」


エルザはいまいち状況が飲み込めないのか、茫然とした様子でジークレインの話を聞く



ジークレイン「双子と聞いてやっと納得してくれたよな・・・しかしお前は敵意を剥き出しにしていたな」


エルザ「当たり前だ!!!貴様は兄のくせにジェラールのやろうとしている事を黙認していた!!!や・・・それどころか私を監視していた!!!」


ジークレイン「そうだな・・そこはオレのミスだった・・あの時は「ジェラールを必ず見つけ出して殺す」とか言っておくべきだった」


そう言ったジークレインはジェラールと顔を見合わせる



ジークレイン「しかし・・せっかく評議院に入れたのにエルザに出会ってしまったのが一番の計算ミスだな」


ジェラール「とっさの言い訳ほど苦しいものはないよな」



エルザ「やはり・・・お前たちは結託していたのだな・・・」


エルザがジェラールたちを睨みつけながら言う



ジークレイン「結託?それは少し違うぞエルザ」


すると次の瞬間、驚くべき事がエルザの目の前で起きた



ジェラール「オレたちはひとりの人間だ」


ジークレイン「最初からな」


ジークレインの身体が薄れ、ジェラールの身体に取り込まれてしまったのだ



エルザ「そ・・そんな・・まさか・・思念体!!!?」


ジェラールとジークレインの体が一つになるのを見たエルザが驚きながら言う



ジェラール「そう、ジークはオレ自身だよ」


エルザ「バカな!!!な・・ならばエーテリオンを落としたのも自分自身!!!その為に評議院にもぐり込んだと!!?」


するとジェラールは先ほどとはまったく違う冷徹な表情を浮かべ、エルザに言う



ジェラール「かりそめの自由は楽しかったかエルザ、全てはゼレフを復活させる為のシナリオだった」


エルザ「貴様は一体どれだけのものを欺いて生きているんだァ!!!!」


エルザの叫びにも応えないジェラールは戻ってきた自分の魔力を静かに解き放ち始める



ジェラール「フフ・・・力が・・・魔力が戻ってきたぞ」













その頃、魔法評議員ERAでは


突然、建物が老朽化し、足場や柱が崩壊し始めていた



「何だこれは!!?」


「建物が急速に老朽化してる!!?」


「失われた魔法・・・時のアークじゃと!!?」


評議員たちが崩壊する建物から脱出する中


評議員の一人、ヤジマが建物の中心に佇んでいるウルティアを見つける



ヤジマ「ウルティア」


ウルティア「全てはジーク様・・・いえ、ジェラール様の為・・・あの方の理想(ゆめ)は今ここに・・・叶えられるのです」













Rシステム、楽園の塔最上階


エルザ「くあぁっ」


真の力を発揮したジェラールの圧倒的な魔力を前に吹き飛ばされるエルザ



ジェラール「さっきまでの威勢はどうした?斑鳩との戦いで魔力を使い果たしたか?」


ニヤけた笑いを浮かべるジェラールに向かってもう一度攻撃を仕掛けるエルザ


素早く剣を換装し、ジェラールに斬りかかる



エルザ「ジェラァアァアァァル!!!!」


しかしジェラールはエルザの攻撃をいとも簡単に捌く



ジェラール「今頃、評議院は完全に機能を停止している、ウルティアに感謝しなければな・・・あいつはよくやってくれた」


エルザの猛攻をかわしながらジェラールはしゃべり続ける



ジェラール「楽園にて全ての人々が一つになれるのなら死をも怖れぬと・・・まったく、バカな女である事に感謝せねばな」


エルザ「貴様が利用してきた者たち全てに呪い殺されるがいい!!!!」


エルザがジェラールに言い放った瞬間、エルザの剣を握る手の動きが停止する



エルザ「な・・何だこれは!!?」


ジェラール「拘束蛇(バインドスネーク)、さっき抱き合った時につけておいたものだ」


見ると、エルザの全身には蛇のような模様が刻まれていた



エルザ「う・・あ・・・体が・・・動かん!!!」


エルザは握っていた剣を地面に落とす



ジェラール「Rシステム作動の為の魔力は手に入った、あとは生贄があればゼレフが復活する・・・もう お前と遊んでいる場合じゃないんだよエルザ」


エルザ「う・・あぁ・・・」


ジェラール「この27億イデアの魔力を蓄積した魔水晶(ラクリマ)にお前の体を融合する、そしてお前の体は分解され、ゼレフの体へと再構築されるのだ」


するとエルザの体が塔の魔水晶(ラクリマ)に引き込まれ始める



エルザ「が・・うあ」


ジェラール「お前の事は愛していたよ、エルザ」


エルザ「ああああああ」


エルザの体半分が魔水晶(ラクリマ)に飲み込まれる



エルザ「くそっ!!!くそっ!!!」


ジェラール「偉大なるゼレフよ!!!今ここに!!!この女の肉体を捧げる!!!」


両手を空に広げ、高らかに叫ぶジェラール


エルザは悔しさの涙を流しながらジェラールに向かって叫ぶ



エルザ「ジェラァーーールゥゥーーー!!!!」


エルザの体が完全に魔水晶(ラクリマ)に飲み込まれる寸前



アルト「おっと」


エルザの腕をつかみ、魔水晶(ラクリマ)から引っこ抜くアルト




ジェラール「!!」


アルト「エルザはフェアリーテイルの魔導士だ、お前なんかに絶対渡さん」


冷静な口調でジェラールに言い放つアルト



エルザ「アルト・・・!?」


アルト「こんなとこで何してんだよエルザ、早く帰っていつもみたいに皆で仕事行こうぜ」


にこやかな表情で言うアルト



エルザ「ス・・スマン・・体が・・・動かなくて」


アルト「へぇ・・・」


何時に無くしおらしい態度のエルザを見て、アルトはイタズラ心溢れる表情を浮かべる



アルト「こんなに女らしいエルザって珍しいな・・・なんか可愛い・・・ぷぷっ」


エルザ「なっ・・お前はこんな時に何言ってるんだ!!/////」


アルト「エルザ可愛いエルザ!!!」


エルザ「お、おいやめろ!からかうなっ・・・/////」


エルザが頬を染め、抗議する



エルザ「アルト・・・今すぐここを離れるんだ・・・」


アルト「やだよ、エルザを見捨てて俺だけ帰るなんて出来るか・・・それに」


そう言ったアルトはジェラールを睨みつける



アルト「エルザをこんな目に遭わせたアイツを俺は絶対に許せねえ、このふざけた塔ごとぶちのめす!!」


エルザ「よせ・・相手が悪い・・・お前はあいつを知らなすぎる」


アルト「知らなきゃ勝てないもんなのか?」


エルザ「頼む・・・言うことを聞いてくれ」


目に涙を浮かべ、弱々しい声で言うエルザ



アルト「エルザ、ごめん・・・今だけはエルザの言うこと聞けないわ」


そう言ったアルトはエルザを持ち上げ



エルザ「!!?」


エルザの腹を殴り、気絶させた



アルト「だって・・・今から俺がお前の悪い夢、全部ぶっ壊さなきゃならねえからさ」


気絶したエルザをその場に丁寧に寝かせ、ジェラールと向かい合うアルト



ジェラール「火竜(サラマンダー)に並ぶ傍若無人ぶりだな・・身動きできねー仲間を痛めつけて満足か」


アルト「・・・エルザが泣いてた」


その身を震わせ、拳の甲に青筋を浮かべるアルト



アルト「弱音を吐いて声を震わせていた・・・エルザが悲しんで流す涙なんか、もう二度と見たくねぇんだよ・・・」


するとアルトは憤怒の感情を込めた瞳でジェラールを思いっきり睨みつけた




アルト「エルザを泣かせるモンは全部俺がぶっ壊す!!悪い夢から目が覚めた時、いつものエルザでいてほしいからだ!!」



ジェラール「面白い、見せてもらおうか大陸の魔導士の力を」



アルト「うぉおおおおお!!!!」


次の瞬間、強大な二つの魔力が塔の最上階でぶつかり合った


 

 

流星

ジェラール「来い、アルトレア・ウィルダント」


アルト「うぉぉおおお!!!!」


雄叫びを上げながらジェラールにもう突進するアルト


衝撃波をまとった拳をふるうがジェラールに受け流された



アルト「まだまだァ!!」


ジェラール「!!」


しかしアルトは即座に体制を立て直し、ジェラールの顔面を思い切り蹴り上げる


そのまま猛攻を続ける



アルト「メテオ・ウィザスター!!」


巨大な衝撃波がジェラールに直撃する


そしてアルトは、宙に吹き飛ぶジェラールに狙いを定めた



アルト「エストレア・グレイブ!!!!」


強力な重力波と衝撃波が同時にジェラールを押しつぶした


地面の水晶が少しばかり砕け、粉塵が舞う




ジェラール「それが本気か?」


煙の中からほぼ無傷の状態で現れたジェラールは、ボロボロになったコートを脱ぎ捨てて言った



アルト「今の攻撃でも・・・ほぼ無傷か・・・!!」


自分の最高の攻撃を受けてもなお、余裕の表情を見せるジェラールに対し、さすがのアルトも驚きを隠せないようだ



ジェラール「この手で消滅させちまう前に、お前の実力をこの手で試してみたかったんだが・・・〝大陸魔法〟を使えないんじゃ話にならんな」


アルト「〝大陸魔法〟・・・!!?」



ジェラール「そう、俺が使う天を司る〝天体魔法〟に匹敵する超魔法・・・それが地を司る〝大陸魔法〟だ」


煙を払いながらそう言ったジェラール



ジェラール「〝大陸魔法〟は真の力を引き出せば滅竜魔法以上の力を発揮する魔法だ・・・〝ウィルダント〟の血を引いているお前なら使えるかもしれないと警戒していたが・・・どうやら俺の思い過ごしだったようだな」


アルト「くっ・・ゴチャゴチャ言ってんじゃねえー!!」


そう叫んだアルトは再びジェラールに殴りかかる



ジェラール「よくも儀式の邪魔をしてくれたな、オレの〝天体魔法〟のチリにしてやるぞ」


するとジェラールの体が金色に光り輝く



ジェラール「流星(ミーティア)!!!!」


アルト「!!?」


ジェラールはすさまじい速さでアルトの背後へ回り込み、ひじ打ちをかます


そしてもう一度背後に回り込み、連続攻撃をたたき込む



アルト「くそっ・・速すぎる!!!」


アルトの周りには金色の光を纏ったジェラールが、かなりのスピードで飛び交っている



アルト「こういう時は目で追ってちゃ駄目だ・・感覚・・角度・・音・・タイミング・・全ての要素からジェラールが攻撃してくる場所を・・・」


目を閉じたアルトが集中し、ジェラールの攻撃タイミングを探る



アルト「そこだ!!!!」


察知したアルトがジェラールめがけて拳をふるう


しかし金色の光は更にスピードを増し、アルトのパンチを避ける



アルト「なっ・・まだ速くなれんのか!!?」


ジェラール「お前の攻撃など二度と当たらんよ」


アルト「ぐぁぁあああ!!」


再びジェラールの猛攻を浴び続けるアルト



アルト「ぐっ・・・こ・・こうなったらァァア!!」


ジェラール「何をしようと無駄だ、この俺のスピードをとらえる事は出来ない!!」


アルト「ぐっ・・うっ・・」


ジェラール「死ね!!」


ジェラールが背後からアルトに拳を直撃した瞬間


目にもとまらぬ速さで伸びてきたアルトの腕がジェラールの手首を掴む



ジェラール「!!?」


アルト「や・・やっと捕まえたぞ・・・ジェラール!!」


にやりと笑い、アルトが言った



ジェラール「(こいつ・・俺に殴られた瞬間を狙って・・・!!?)」


アルト「ォォオオおおお!!!」


そのままジェラールを振り回し、空中へ投げ飛ばす



アルト「ギルガ・ファングバイト!!!!」


双方の衝撃波がジェラールに直撃する


衝撃波が弾け飛び、大きな爆風を生み出す



アルト「どうだ、少しはダメージが・・・」


ジェラール「甘いな」


アルト「っ!!?」


爆風を消し飛ばして現れたジェラールは、ほとんどダメージを受けていなかった



ジェラール「分かったか?所詮、貴様程度の魔導士ではエルザを救うどころか、俺を倒す事すら出来んのだ」


アルト「!!!」


ジェラールの言葉を聞いたアルトがこの上ない怒りを感じる



アルト「このやろォォオ!!」


ジェラール「とどめだ、お前に本当の破壊魔法を見せてやろう」


そう言ったジェラールは自分に襲いかかってくるアルトに狙いを定める



ジェラール「七つの星に裁かれよ・・・七星剣(グランシャリオ)!!!!!」


すると七つの光が降り注ぎ、アルトに直撃した


その威力は水晶の塔の地面をいとも簡単に破壊してしまうほどだった



ジェラールの超魔法を喰らい、その場に倒れ込むアルト




ジェラール「隕石にも相当する破壊力を持った魔法なんだがな・・・よく体が残ったもんだ」


そして自分の魔法でえぐられた塔を見て言う



ジェラール「それにしても少しハデにやりすぎたか、これ以上Rシステムにダメージを与えるのはマズイな、魔力が漏洩しはじめている・・・急がねば・・・なあエルザ」


そう言ったジェラールが後ろを振り向きエルザの方を見ようとしたその直後



アルト「あ゛ぁ!!!」


アルトの拳がジェラールを遥か後方へとぶっ飛ばす



ジェラール「ぐぁあっ!!?」


水晶がぶっ飛ばされたジェラールの体と激突し、派手に砕け散る



ジェラール「(な・・なんだ今のパンチは・・・先ほどとは威力がまるで・・・!!!)」


アルト「誰がテメェに勝てないって!?・・・誰がエルザを救えないだと!!?」


魔力を噴き出させ、アルトは憤怒の表情を露わにした



ジェラール「き・・・貴様ァ・・・!!」


鼻から流れ出す血を拭い、アルトを睨みつけるジェラール



アルト「当たったな・・・攻撃」


大量の血を流しながらも、眦を決っしてジェラールを見据えるアルト



ジェラール「これ以上この塔の水晶を壊す事は許さん!!」


アルト「言っただろ!!!」


そう叫んだアルトは地面の水晶を殴り、砕く



アルト「エルザを泣かせるモンは全部壊す!!テメェも!!このバカげた塔も全部だ!!!」


アルトは衝撃波を発生させ、周りの水晶を全てたたき割る



ジェラール「よせ!!!!」


怒りを込め、身体を震わせながらアルトに向かって叫ぶジェラール



アルト「壊すのは得意なんだよ、エルザも含めフェアリーテイルの魔導士はな」


そう言ったアルトは再びジェラールと向かい合う



アルト「止めたきゃかかって来いよ星クズ野郎!!この塔ごと海に沈めてやる!!!」


ジェラール「このガキがぁ・・・・!!!!」


怒気の籠った表情を浮かべるジェラール


顔には複数の青筋が浮かび上がっており、とてつもない魔力が溢れ出ていた


 

 

・番外編・ X778 アルトとリサーナ

 
前書き
リサーナが死んだ場面にアルトも立ち会ってたという設定にします

その方がエドラス編の時、何かと都合が良いので(笑)

 

 
ここは日差しが差し込む森の中


その森の中にある巨大な湖のほとりに一人座る黒髪の少年



そして、その数メートル後ろの木の陰には桜色の髪をもつ少年一人と、空を飛ぶ青い猫が一匹、隠れていた


アルト「・・・・・」


黒髪の少年、アルトは水面に映る空を見ながら一人物思いにふけていた


どうやらこの森の中に来ると思いだす仲間の女性がいるらしい




ナツ「いいかハッピー、絶対に〝リサーナ〟の名前は出すなよ!あくまでも自然にアルトを釣りに誘うんだ」


ハッピー「あい!分かってるよナツ」


二人はひっそりと話し合った後、笑顔でアルトに話しかける



ナツ「アルトー!一緒に釣りに行こうぜー!!」


ハッピー「おいしいお魚釣ろう!!」


アルト「ナツ、ハッピー・・・!」


アルトは二人の登場にいささか驚きながらも、笑顔で答える



アルト「ごめん、今日は遠慮しとく・・・今は一人にしてほしいんだ」



ナツ「なーに言ってんだよ!!今日みたいな天気こそ絶好の釣り日和じゃねえか!!」


アルト「いや、でも・・・」



ハッピー「あい!いつまでもリサーナの事で塞ぎ込―――むぐっ」


ナツ「バカっ!!」


アルト「!」


〝リサーナ〟という女性の名前を聞いたアルトがピクッと肩を震わせる


その光景を見たナツが急いでハッピーの口を手で塞ぐ



ハッピー「むぐぐっ!!」


ナツ「あ、アルト!今のは・・・!!?」


咄嗟に言い訳しようとしたナツが黙りこむ


無表情のアルトの背後に見える負のオーラを感じ取ったからだ



アルト「ナツ・・・ハッピー・・・」


座り込んでいたアルトがゆっくりと立ち上がる



ナツ「あ゛・・・あ゛い」


ハッピー「むぐっ・・むぐぐ・・・」



アルト「今は一人にしてくんねえかなァ!?」


静かな怒りを声にのせ、ナツたちに言い放つアルト



ナツ「お、おおおう、分かった!!じゃあまたあとでなー!!」


ハッピー「むぐーっ!!(今のアルト怖いよー!!)」


恐怖に包まれたナツたちはそそくさとアルトの前から去って行った



アルト「・・・はぁ、バカだ俺・・・せっかくナツたちが励まそうとしてくれたのに・・・」


誰もいなくなった後、再びアルトは湖のほとりに座る



アルト「・・・・・」


アルトはリサーナの最期を思い出していた



昔、ミラに半ば強引に手伝わされた仕事の依頼


リサーナとエルフマンもミラの仕事の手伝いをするためアルトと同じくミラに同行した





◆◇◆◇◆◇◆◇



鉛色の空の下、依頼を遂行するため深い森の中に入っていたアルトたち


視界の悪い雨の中でアルトとリサーナがエルフマンと対峙していた


全身接収に失敗したエルフマンが暴走し、敵味方の区別がつかない状態になっていたのだ



アルト「リサーナ、危険だ!今の暴走したエルフマンじゃお前を攻撃しかねない!!お前は下がってろ!!!」


リサーナ「ううん、あたしなら戦わずにエルフ兄ちゃんを正気に戻せるかもしれない!ここはあたしに任せて!!」


アルト「っ・・リサーナ!!」


叫ぶアルトがリサーナの腕を掴む



リサーナ「大丈夫、あたしを信じて!!」


アルト「!!」


かつて自分が言ったセリフをなぞるかのように言うリサーナ



アルト「・・・信じるぞ、リサーナ!!」


リサーナ「うん、アルトは先にミラ姉と合流して!!」


目から互いの気持ちを読み取ったアルトとリサーナは背を向けあった



アルトはミラの元へ走り出し、リサーナはエルフマンとの接触を試みた



それから少し経ち、アルトは急いでミラをその場に連れてきたが遅かった


エルフマンの攻撃によって、リサーナの身体は完全に消え去ってしまったのだ



◆◇◆◇◆◇◆◇





アルト「あの時・・・俺が無理やりにでもリサーナを止めていれば・・・」


後悔の念に苛まれるアルト



アルト「・・・あれから2年・・・お前は俺を許してくれるか?リサーナ」


アルトが誰も居なくなった森の中で一人問う


答えの代わりに心地良いそよ風が吹いた















今日も愉快な笑い声が飛び交うギルド、その名もフェアリーテイル


そんなフェアリーテイルの書庫の中から可愛らしい悲鳴が響く



ルーシィ「痛ーーーーーっ!!!」


悲鳴の正体はギルドメンバーの一人、ルーシィ


書類の整理をしていたルーシィがはしごの上から足を滑らせ、転落したようだ



ミラ「大丈夫?ルーシィ」


隣のはしごからミラが急いで降りてくる



ルーシィ「あはは、すみません・・・こーゆーの慣れてなくて」


ミラ「ごめんね・・・書類の整理手伝わせちゃって」


ルーシィ「ぜんぜん手伝いますよ!」


笑顔で答えるルーシィ


地面から立ち上がり、もう一度整理を始めようと一枚の小さな紙を取る



ルーシィ「ん?」


ルーシィは手に取った紙に違和感を覚える


見るとそれは書類ではなく、一枚の綺麗なスケッチ絵だった



ルーシィ「なんだろ、この絵」


ミラ「わぁ!なつかしい!!」


ルーシィが持つ絵を覗き込むミラ



そこには幼き頃のアルトたちが描かれていた



ミラ「子供の頃の私たちよ、リーダスが描いてくれたの」


ルーシィ「えええっ!!?」


絵に移っている人物がミラたちと聞いて驚くルーシィ



ルーシィ「じゃあ・・この裸の男の子がグレイで・・髪にウェーブがかかってる女の子がカナで・・・」


ルーシィが絵に移ってる人物を片っ端から言い当てていく



ルーシィ「この黒髪の男の子って・・・もしかしてアルト!?」


正面を向いて照れくさそうに笑っている少年を指さすルーシィ



ミラ「そう、この子がアルトよ」


ルーシィ「へぇー・・・!!」


少年の正体がアルトだと知ったルーシィは、絵の中に描かれているアルトを無意識に見つめていた



ミラ「・・・目の色が変わってるわよ、ルーシィ」


ルーシィ「!!」


ミラに声をかけられ、初めて我に返るルーシィ



ミラ「小さい頃のアルトも可愛いでしょ?」


ルーシィ「ええっ・・・!?いや・・・あの・・・私、別にアルトを見ていたわけじゃ・・・/////」


ミラ「いいのよ隠さなくて、好きな人の事なら気になって当たり前だし♪」


ルーシィ「うぅ・・・/////」


その時、ルーシィは絵に描かれているアルトの隣にいる一人の女の子に視線を移す


アルトの右腕にしがみつき、満面の笑みを浮かべてる白髪の女の子



ルーシィ「(この女の子・・・誰だろう?白い髪だけど、ミラさんじゃないし・・・)」


ルーシィが考え込んでいると、ミラが話し出す



ミラ「ちなみに、中央に描かれてるのがナツとハッピーね」


ルーシィ「えええっ!?マフラーしてるからナツは分かるけど・・・これがハッピー!?」


絵に描かれてるナツとハッピーも見たルーシィが驚いた


それもそのはず、絵に描かれたハッピーは青い猫ではなく、青い竜だったのだ



ルーシィ「ていうか、ナツとハッピーの出会いってどんな風だったんですか?」


ミラ「うーん・・そうね、あれは私がフェアリーテイルに入ってすぐの頃だから・・・今から6年くらい前の話ね」


そう言ったミラはルーシィに昔の出来事を話し出した










6年前


ナツ「アルトー!アルトどこだー!!」


アルト「なーに、どうしたのナツ?」



ナツ「卵だー!!!!卵ひろったー!!!!」


同時 まだ幼かったナツが、自分の身体よりふた回りほど小さな卵を抱えてギルドに帰ってきた




マカロフ「卵だぁ?そんなもん一体どこで」


ナツ「東の森でひろったんだ」



アルト「おっきい卵だな!」


ナツの抱える卵の大きさに目を丸くするアルト


卵の事を聞きつけたグレイたちもやってくる



ナツ「孵すためにもってきたんだ!」


アルト「何の卵だろう?」


ナツ「決まってるじゃねーか!ドラゴンだよ!ドラゴンの卵!!」


アルト「ドラゴン!?」


ナツ「見ろよ、この辺の模様とか竜の爪みてーだし」


ナツが嬉しそうに卵の模様を指さした



アルト「う・・うーん・・・そう・・だね」


グレイ「いや、どう見たって違げーだろ」



ナツ「とりあえず孵してみれば分かるんだよ!!つー訳で、じっちゃん!ドラゴンを誕生させてくれ」


アルト「マスターお願い!」


マカロフ「何を言うか、ばかもん」


目を輝かせるナツとアルトにマカロフが丁寧に語る



マカロフ「この世界に生命を冒瀆する魔法など無いわ、生命は愛より生まれるもの、どんな魔法もそれには及ばぬ」


アルト・ナツ「「・・・・・」」


マカロフの言葉を聞き、ナツとアルトが顔を見合わせ、口を開く



ナツ「何言ってるかぜんぜん分かんねえ」


アルト「強くなるには魔法より愛を鍛えればいいの?」


マカロフ「ガキには早すぎたか」



エルザ「つまり、孵化させたければ一生懸命自分の力でやってみろという事だ」


頭にハテナマークを浮かべるアルトたちにエルザが歩み寄る



エルザ「普段 物を壊す事しかしてないからな、生命の誕生を学ぶにはいい機会だ」


ナツ・グレイ「「エルザ!!」」


ナツ「い・・いたのか」


グレイ「オ・・オレたち、今日も仲良くやってるぜ」


エルザの姿を見たナツとグレイが素早く肩を組み、エルザから離れる



アルト「エルザ、おかえりなさい!」


エルザ「あぁ、ただいまアルト・・・少し暑いな、水を持ってきてくれ」


アルト「あ、うん・・分かった!」


エルザの頼みを聞き入れたアルトが水を持ってこようとカウンター席に向かう途中



「待ちな、アルト!!」


綺麗な声がアルトの足を引きとめた



アルト「み、ミラさん・・・」


ミラ「アルト、お前はいつからエルザ派になったんだぁ?お前はアタシのしもべだと何度言ったら・・・」


ミラが文句を言いながらアルトに歩み寄る



エルザ「その辺にしないかミラ、アルトはお前のしもべじゃない」


ミラ「エルザか・・・ふっ・・・確か、前もこの話で勝負になったっけねぇ・・・」


エルザ「あぁ・・・そういえば、まだ決着がついてなかったな」


そう言ったミラとエルザは向かい合う



ミラ「アタシが勝ったらアルトはアタシの好きにするよ」


エルザ「いいだろう、私が勝てばアルトを解放してもらおう」



アルト「あれっ・・・オレの意思は?」


アルトが二人に気づかれぬようボソッと呟いた



二人は互いに数秒睨みあい、同時に殴りかかる



ミラ「くたばれエルザァ!!!!」


エルザ「泣かすぞミラジェーン!!!!」


凄まじい殴り合いの空気に耐えられず、アルトは二人の前からそーっと逃げ出した



アルト「ふぅー・・・もうっ、二人ともいい加減にしてほしいなぁ」


リサーナ「ふふっ、いつも大変だねアルト」


ため息をつくアルトの前に白髪の少女が現れる



アルト「あ、リサーナ!」


リサーナ「ねぇ アルト、あたしたちでナツが卵を育てるのを手伝おうよ!」


楽しそうに、笑顔で話すリサーナ



アルト「卵を育てる・・・かぁ」


アルトは少し考え、リサーナと同じく笑顔で答える




アルト「うん ナツに頼んでみようか、卵育てるのって楽しそうだし!」


リサーナ「というわけでナツ、あたしたちも一緒に育てていい?」



ナツ「アルト、リサーナ、手伝ってくれんのか!!」


リサーナ「うん!!なんか面白そうだし!!卵育てんの」


用意した柔らかいクッションの上に卵を置くナツたち



アルト「って言ったものの・・・どうすれば孵るの?」


リサーナ「昔・・・あっためたら孵るって本で読んだことあるよ」


アルト「あっためる!?それならナツの出番じゃん!!」


ナツ「おーともよ!オレの得意分野じゃねーか!!!!」


そう言ったナツが炎を吐いて卵をあっためる・・・というか焼く



リサーナ「きゃああーーーーー!!!!!」


その光景を見たリサーナが悲鳴を上げる



アルト「いいぞーナツ!!」


リサーナ「よくなーい!!」


リサーナは慌てて火を吐くナツを止める



リサーナ「ダメだよ!!そんなにそんなに強くしたらコゲちゃう」


ナツ「そ・・そうか?」



アルト「火がダメならどうやってあたためればいいの?」


リサーナ「ここはあたしにの魔法に任せて!接収(テイクオーバー)・アニマルソウル!!!!」


魔法を使ったリサーナが、鳥の身体に変化した



アルト「おお!!鳥かぁ!!」


リサーナ「これであっためてみたらどうかな?こうやって」


鳥となったリサーナが卵をやさしく包み込む



ナツ「頭いいな!!」


アルト「やるな、リサーナ!!」


リサーナのアイデアに感心するアルトとナツ


そしてそんな様子を遠くから見つめるエルフマン



エルフマン「・・・・・」


カナ「どうしたの、エルフマン」


エルフマン「リサーナも姉ちゃんも全身接収使えんのにオレだけ使えねーんだ・・・漢なのに」


カナ「ああ・・・あんたら三人とも同じ魔法使うんだっけ?」


エルフマン「俺にも何か出来ることねーかなぁ・・・」


エルフマンは卵を見つめながら、そう呟いたのであった

 
 

 
後書き
アニメ要素も取り入れたので結構長いです

一旦区切ります

 

 

・番外編・ X778 アルトとリサーナ2

 
前書き
書いてて初めて気付きました

これ、ナツが不憫な小説だ・・・(泣)

 

 


東の森の中にあるちょっとした草むらに卵を運んだナツたち



ナツ「オラァ!!オラオラオラァ!!」


ナツは自分の身体に不釣り合いなほどデカい岩を積み上げて、家を建てようとしていた



アルト「危なっかしいなぁ、ナツは・・・」


リサーナ「これ・・すぐに崩れちゃわないかな?」


ナツ「よし!出来たぞお前らー!!」


今にも崩れてきそうな岩の家を自慢げに指さすナツ


それを見たアルトたちはどこか不安げな表情を浮かべていた



ナツ「どうだー!かっこいいだろ!?」


アルト「うん・・・かっこいい・・・のかな?」


リサーナ「かっこいいって必要なのかしら・・・」



ナツ「何ひそひそ話してんだ、早く入ってみろよ!」


アルト「じゃあ俺から入ってみる」


アルトが岩の家に入ろうとしたその時


天井が崩れ、やがて岩の家全体が無残に崩壊した



ナツ「ありゃ?」


リサーナ「危なっ!!」


アルト「は・・入る前でよかったぁー・・・」


崩れた家のガレキを見ながら安堵するアルト



ナツ「家造んのって、難しいのなぁ」


アルト「よし・・・今度は俺が造ってみるよ!」


アルトは崩れたガレキをかき集め始める



ナツ「そ・・そっか・・・じゃあ俺は腹減った時の為に、何か食いモン取ってくる!」


リサーナ「じゃあ私はアルトを手伝うよ!ちゃんと家造れるか不安だし」


アルト「微妙に傷つくよ、リサーナ」


そう言った三人はそれぞれ各自の仕事に取り掛かる




それからしばらくして・・・


岩と木材で造られた家は崩れることもなく、ほぼ完成していた



アルト「うーん・・・もう少し岩を削った方がいいかな・・・」


家の中に入り、でっぱった岩を撫でながら呟くアルト



リサーナ「アルトー!!藁を持ってきたよ!!」


アルト「ありがとう、そこに敷き詰めといてー」


地面いっぱいに藁を敷くリサーナ


そのあと、数秒間アルトを見つめた後、クスッと笑う



岩を削るのに真剣だったアルトはリサーナの笑顔に気づかないままだった



アルト「それにしても、ナツ遅いね」


リサーナ「うん・・卵ほったらかして、どこまで行っちゃったんだろ?」


すると次の瞬間、岩と藁で造った家の前に大きな足音が響く



アルト「あ、ナツが帰ってきたのかな?」


リサーナ「そうかもね、ちょっと見てくる!」


そう言ったリサーナがゆっくりと家の外へと出ていった



しかし、そのあとすぐに、リサーナの悲鳴が響いた



アルト「えっ、リサーナ!!?」


悲鳴を聞いたアルトが急いで家を飛び出す



アルト「どうしたの、リサーナ!!?」


リサーナ「アルト!!」


見ると、リサーナの目の前には巨大な森バルカンが立っていた



森バルカン「うほっ!!」


森バルカンは、家の中にある卵を見て興奮している様子だった



アルト「こいつ、卵を狙ってるのか!!」


森バルカン「卵ぉー!オレ様の好物だ、よこせぇ」


アルト「誰がお前なんかにあげるか!これはナツの大切な卵なんだ!!」


森バルカン「なら奪っていくまでだァ」


そう言った森バルカンがアルトたちに襲いかかる



アルト「リサーナ、下がってて!」


リサーナ「で・・でも!」


アルト「大丈夫、俺を信じろ!!」


リサーナ「!!」


ニヤリと笑いながら言うアルトに対し、力強くうなづくリサーナ



森バルカン「うほぉぉ!!」


アルト「危なっ・・!!」


森バルカンの拳をかろうじて避けるアルト



アルト「くそぉー、これでもくらえっ!!」


攻撃を避けたアルトはそのままパンチで反撃するが、森バルカンには効いてないないようだ



森バルカン「うほほ、かゆいかゆい♪」


アルト「こんにゃろーっ!!」


その後も、ポカポカと殴り続けるアルトだったが、森バルカンに傷一つ負わすことが出来ない



森バルカン「邪魔だァ!!」


アルト「ぐはっっ!!!」



リサーナ「アルトー!!」


森バルカンの拳をくらい、吹き飛ばされるアルト


それを見たリサーナは倒れているアルトの元に駆け寄る



リサーナ「大丈夫、アルト!?」


アルト「へ、平気だよ・・・それより・・・早く下がって・・・」



森バルカン「うほほ、今度は女か?」


リサーナ「!!」


笑みを浮かべながらリサーナに近づく森バルカン



リサーナ「あ・・あぁ・・・」


リサーナは震えてその場を動けず、表情は青ざめていた



森バルカン「さぁて、早いトコぶっ飛ばして卵食べよ♪」


アルト「!!」


そう言った森バルカンは拳を振りかぶり、リサーナに向けて振りおろした



リサーナ「きゃあああ!!」


リサーナの大きな悲鳴が響く中、アルトは即座に立ち上がり、森バルカンの拳を受け止めた



森バルカン「うっ・・!!?」


リサーナ「ア・・アルト・・・!?」


森バルカンの拳をかなりの力で握りしめ、睨みつけながらアルトは言った



アルト「ねぇ・・・今、リサーナを殴ろうとしたよね?」


バルカン「!!!」


アルトの鋭い眼孔に一瞬ひるむ森バルカン



次の瞬間、アルトがバルカンの顔面と同じ高さまで飛び上がる



アルト「リサーナに手ぇ出すなっ!!!」


憤然と叫んだアルトは、バルカンを森の奥深くまで殴り飛ばした



リサーナ「やったぁ!!やった、やった!!」


地面を飛びはね、アルトの勝利に大喜びするリサーナだった





それから少し時が経ち


自分で造った家の中で、卵を見守りながらナツの帰りを待つアルトとリサーナ



リサーナ「ねぇアルト、今なんか音がしなかった?」


アルト「ご、ごめん・・・たぶん、俺のお腹の音・・・」


申し訳なさそうに呟くと同時に、アルトの腹の虫の音が鳴る



リサーナ「そーいえばアルトって一人暮らしでしょ?」


アルト「うん」


リサーナ「ごはんとかどうしてるの?」


アルト「ギルドで食べてるよ」


リサーナ「お金払って!?」


アルト「うん・・・そりゃまぁ・・・」


アルトの話を聞き、複雑な表情を浮かべるリサーナ



リサーナ「なんか、かわいそー」


アルト「そ、そう・・・?ナツも同じようなモンだけど・・・」


するとリサーナがアルトに近づいて言う



リサーナ「今度あたしが何か作ってあげようか?料理」


アルト「えっ!リサーナって料理出来るんだ!!」


リサーナ「うん、ミラ姉には負けるけどねー」


アルト「あー・・ミラさん・・」


以前、ミラに無理やり手作り料理を食わされた事を思い出すアルト


味は確かに絶品だったが、何よりも包丁を持ったミラに未だかつてない恐怖を覚えたことがアルトの中では一番印象に残っていた



リサーナ「エルフ兄ちゃんもやるよ」


アルト「エルフマンも!?・・・でも、なんとなく想像出来るよ」


アルトの脳裏にはやさしい笑顔で料理を作るエルフマンが浮かび上がった



リサーナ「それにしても・・・本当にその傷、大丈夫?」


リサーナはアルトの腕に刻まれた打撲跡と擦り傷に視線を向けて言う


先ほどの森バルカンとの戦いでついた傷だ



アルト「大丈夫だよ!2、3日すれば治ると思う」


元気そうに肩を回すアルト


それを見たリサーナは優しげな笑顔を浮かべる



リサーナ「ふふっ・・・さっきのアルト、すごくカッコよかったよ!」


アルト「えっ・・!?」


リサーナ「〝リサーナに手ぇ出すなっ!!!〟って叫んでくれた時とか・・・」


アルト「!!/////」


先ほど、カッとなって叫んだ言葉を覚えられてしまった気恥ずかしさで顔が真っ赤になるアルト



リサーナ「あと〝大丈夫、俺を信じろ!!〟って言った時とか!!」


アルト「も、もうやめて・・・/////」


リサーナ「アルトって普段は可愛かったり、優しいイメージあるけど・・・カッコいい時もあったり・・・なんかそういう男の子って素敵だなー」


アルト「はぁっ!!?/////」


リサーナは更にアルトと距離をつめ、笑顔で言った



リサーナ「大きくなったらあたし・・・アルトのお嫁さんになってあげようか」


アルト「な・・・なっ・・・!!/////」


頬を紅潮させ、口をパクパクさせるアルト



リサーナ「アルトって子供とか大切にしそうだし、頼れるしぃ・・・さっきだってあたしと卵を守ってくれたし」


アルト「なな何言ってんのさ、リサーナ!!/////」


リサーナ「そんなに大声出さなくても、冗談に決まってるじゃない」


アルト「!!!/////」


からかわれた恥ずかしさで更に顔を赤めるアルト



そんな時、家の表からナツの声がした


ナツ「おーい!!三人分の飯とってきたぞー!!」



リサーナ「あ、ナツが帰ってきたみたい」


ナツが完成された家を見て、感心しながら中へ入ってくる



リサーナ「卵はあたためておいたよ!」


ナツ「おっ サンキュー、リサーナ!」


取ってきた食糧を地面に置いたナツはアルトの方に視線を移す



ナツ「アルト、顔赤くしてどうしたんだ?」


アルト「何でもないっ!!/////」


そう言ったアルトはもの言いたげな視線をリサーナに向ける


アルトの視線に気づいたリサーナが勝ち誇ったような笑顔で応える



その時、卵から〝ごろごろ〟という音がした



ナツたち「「「!!!」」」


ナツたちが一斉に卵の方に視線を向ける



ナツ「なんか音がした!!」


アルト「うん、もうすぐ生まれるんじゃないかなぁ」


リサーナ「楽しみだね」


その夜は卵を見守る為、三人は岩と木材で造られた家で泊まったそうだ





ナツは一晩中、卵に寄り添って寝ていた














翌日


小鳥のさえずりが聞こえる朝


ナツたちが気づいた頃には、あったはずの卵が姿を消していた



それを見て怒ったナツはフェアリーテイルに戻り、犯人捜しを試みた


ナツ「誰だー!!盗んだのーっ!!!」


グレイ「卵が消えたって?」


カナ「私は知らないよ」



ナツ「ラクサスおまえかーっ!!」


ラクサス「興味ねえ」




アルト「エルザ、お願いだから吐きだしてよー!」


エルザ「オイ・・・少し飛んでないか?話が」




リサーナ「ミラ姉、卵知らない?」


ミラ「知らないわよ・・・ナツが自分で食ったんじゃないの?」


ミラの一言に怒ったナツが暴れだす


グレイやエルザも巻き込み、そのまま乱闘になってしまった



アルト「でも・・本当、卵どこ行っちゃったんだろう・・」


リサーナ「卵・・・」


喧嘩に参戦しなかったアルトたちが卵の行方を心配する



エルフマン「ナツ、アルト、リサーナ・・・ごめん!盗んだ訳じゃねーんだ」


するとそこに、卵を抱えたエルフマンが現れる



ナツ「あ、卵!!」


アルト「エルフマンが見つけてくれたのか!?」


エルフマン「いや 三人だけじゃ、あたためるの大変かなって思って・・・夜、冷えるし・・・でもオレ、魔法うまく使えねーから恥ずかしくて一人でこっそりやってたんだ」


ナツ「そうだったのかー!!」


リサーナ「ありがとう、エルフ兄ちゃん!!」


卵が見つかって喜ぶナツたち


そして、エルフマンからナツが卵を受け取った瞬間、卵に大きなヒビが入った



ナツ「ヒビが入った・・・!!」


アルト「ついに生まれるのかー!!」


「おおっ!!」


「おいっ、どけよ!!」


「バカッ、あまり押すなっ!!」


他のギルドメンバーも卵の前に集まる



少しずつ殻が割れ、中から出てきたのは羽の生えた青い猫だった



ナツ「おおっー!!」


アルト「猫!?」


リサーナ「わあっ!!」


青い猫はよろよろと飛びながら、ナツの頭の上に乗る



リサーナ「かわいー!!」


「あい」


元気な声でそう言った猫は、ナツに抱きかかえられ、ギルドメンバーたちの注目の的となった



リサーナ「見て・・・アルト」


アルト「?」


リサーナがギルドの皆を指さす



リサーナ「ナツもエルザも皆さっきまでカリカリしてたのに・・・あんなに嬉しそう、なんか幸せを呼ぶ青い鳥みたい」


アルト「うん、そうだね・・・みんな笑ってる!!」



ナツ「よーし、こいつは幸せを呼びそうだから・・・名前は『ハッピー』だ」


ハッピー「あい」


ナツ「ドラゴンのハッピーだ」


ハッピー「あい」



アルト「ドラゴンなのか・・・!?」


リーダス「えへへ・・・ドラゴンの絵にしちゃえ」


そう呟いたリーダスがナツとハッピーを中心に皆が笑っている絵を描いた











ミラ「・・・って事があったのよねぇ」


ルーシィ「へぇ・・・ハッピーって卵から生まれたんですか・・・」


ハッピーの誕生が卵からと聞いて驚いたルーシィ



ミラ「じゃあ私、あっちの書類整理してくるわね」


ルーシィ「あ、はーい!分かりました」


ミラが遠くにある山積みの書類を整理しようと歩き出した



ルーシィ「(ていうか・・・話に出てきたリサーナって誰なんだろ・・・??)」


かすかに残る疑問を持ちながらも、ルーシィは再び書類整理を開始した






その夜、アルトは東の森からギルドに帰還する


アルト「・・・・・」


うかない顔で歩くアルト



ルーシィ「おかえり、アルト!今日の昼間はギルドに顔出さなかったね・・・どこいってたの?」


何も知らないルーシィがいつもの調子でアルトに問う



アルト「・・・東の森だ」


アルトがルーシィを見据える



すると年が近いせいか、雰囲気が似ていたのか分からないが、ルーシィの姿がかつてのリサーナと重なって見えた



アルト「ルーシィ・・・」


ルーシィ「えっ・・あ、アルト!?/////」


気がつくとアルトは、ルーシィの頭に手を置いていた



アルト「お前は必ず俺が守るよ・・・いや、お前だけじゃない・・・ナツもグレイもエルザも・・・ギルドの仲間は全員守る」


ルーシィ「!!?/////」


いつもとは違う雰囲気のアルトに、頬を赤めるルーシィ



アルトはそのままルーシィの頭を2、3回撫でるといつも通り、ナツたちが座っている席に向かった



ルーシィ「な、何今の!?なんかいつもと雰囲気違う・・・!?/////」


アルト「(フェアリーテイルの仲間は全員守る・・・リサーナの時のような思いをしないためにも・・・!!)」


そう思ったアルトの瞳には確かな決意が宿っていた


 
 

 
後書き

一応番外編終了です

なんか後半グダグダになってしまった感がありますが・・・(汗)

 

 

命の盾

 
前書き
私情が無事終了しましたので、今日からいつも通り三日に一度のペースで更新したと思います!

 

 


ジェラール「一瞬で終わらせてやる、立ち上がった事を後悔しながら地獄へ行け」


アルト「やれるモンならやってみろ」



ジェラール「つぇあっ」


挑発を聞いたジェラールは、アルトに向かって魔法を放つ


アルトはジェラールの魔法を全てたたき落とし、突撃する



ジェラール「くそっ!!」


アルト「はぁぁああ!!」


突撃してくるアルトめがけて巨大な魔力の塊をぶつけるジェラール


しかしアルトはその塊を衝撃波で砕き、そのままジェラールを殴り飛ばす



アルト「アース・クライツ!!!」


ジェラール「ごはっっ!!」


衝撃波の拳を受けたジェラールが倒れ込む


同時に地面の水晶も砕け散った



ジェラール「貴様っ・・・塔を・・・!!」


アルト「オラァアア!!」


塔が壊れることに気が引けていたジェラールの隙をつき、アルトが思い切り蹴り飛ばす



アルト「どうした?・・所詮、貴様程度の魔導士じゃ、塔が壊されるのを阻止するどころか・・・俺を倒す事すら無理だな」


肩で息をしながら、そう言ったアルト



ジェラール「いつまでも調子に乗ってんじゃねえぞガキがっ!!!」


アルト「ぐっ・・・!!!」


ジェラールが放つ、凄まじい魔力をなんとか受け止めるアルト



エルザ「・・・・!!」


そして目の前の激闘に気が付き、目を覚ますエルザ



ジェラール「貴様ごときがオレに勝てるハズがねえ!!!」


アルト「ぐあっ・・!!」


ジェラール「塔を壊すだと!?ふざけるのも大概にしろよクソガキがぁ!!!」


アルト「う・・・おおおおお!!」


アルトは徐々にジェラールの魔力に押されていた



エルザ「アルト!!」


目を覚ましたエルザがアルトに向かって叫ぶ



アルト「!!・・・うォォおおお!!!!」


エルザの叫びを聞いたアルトが両腕に衝撃波をまとい、ジェラールの魔力をかき消した



ジェラール「ば・・バカなっ!!?」


アルト「メテオ・マグナム!!!」


かなりの速さで走りだしたアルトは、衝撃波の拳でジェラールを殴り飛ばした



アルト「メテオ・ウィザスター!!!!」


そのままジェラールに向かって巨大な衝撃波を放つアルト


周りの水晶が砕け、ジェラールに大ダメージを与えた



しかし、ジェラールは傷だらけの身体にもかかわらず、アルトを睨みつけ、立ち上がる


ジェラール「オレが・・8年かけて築き上げてきたものを・・・貴様ァ・・・!!!!」



アルト「ハァ・・・ハァ・・・」


魔力と体力を消耗しているアルトは肩で息をしながら目が覚めたエルザを見る



アルト「エルザ・・・目ェ・・・覚めたのか・・・」


エルザ「(アルト・・・おまえ・・・立っているのもやっとじゃないか)」



ジェラール「許さんぞォ!!!!」


そう叫んだジェラールは腕を交差させ、上に向けた


すると凄まじい量の魔力が溢れだし、アルトたちを包み込んだ



アルト「うわっ・・!!」


エルザ「くっ・・!!」


ジェラールの魔力を受けて、後退するアルトとエルザ



アルト「な・・何だよこの魔力は・・・!!?気持ち悪ィ・・・!!!」


エルザ「影が光源と逆に伸びている!!?この魔法は!!!」



ジェラール「無限の闇に落ちろォォオ!!!!アルトレアァァア!!!!」


魔力が解放され、アルトに向かって放たれる瞬間



エルザ「貴様に私が殺せるか!!!?」


エルザがアルトを庇うように、ジェラールの前に立った



アルト「エルザ!!何を・・!!?」


エルザ「ゼレフ復活に必要な体なのだろう!!?」


ジェラール「ああ・・・おおよその条件は聖十大魔道にも匹敵する魔導士の体が必要だ、しかし今となっては別にお前でなくてもよい」


エルザ「!!」



ジェラール「二人そろって砕け散れ!!!」


声を張り上げるジェラールの頭上には、巨大な黒い球体が現れる


邪悪な魔力の塊であり、球体の中には宇宙空間のような景色が広がっていた



アルト「エルザ!!退いてろ、アレを食らったら・・・!!」


エルザ「お前は何も心配するな、私が守ってやる」



アルト「やめろォーーーーー!!!」


その身を盾にしようとするエルザを止めるために、走り出したアルト


しかし、それと同時に黒い球体がエルザに向かって放たれた



ジェラール「天体魔法、アルテアリス!!!!」


邪悪な魔力がその場を包み、大爆発を引き起こした



アルト「エルザーーー!!!!」


アルトの叫びが夜空に木霊する


しかし、爆発後の爆煙から出てきた人物・・・すなわち、魔法を食らった人物はエルザではなかった



エルザ「シモン・・・」


シモン「エル・・・ザ」


弱々しい声でエルザの名を呼んだシモンはその場に倒れる



エルザ「シモーン!!!」


倒れたシモンに走り寄るエルザ



ジェラール「まだうろうろしてやがったのか、虫ケラが」


アルト「!」


ため息をつき、冷めた声で言うジェラールの言葉に、アルトはピクリと眉を動かす



エルザ「何でお前が!!!逃げなかったのか、シモン!!!」


シモン「よ・・・よかっ・・・た・・」


自分の身も構わずに、エルザの無事を見て安堵するシモン



シモン「い・・いつか・・・お・・・お前の・・・役に・・・立ち・・ゲホォ」


必死に言葉を紡ぐシモン



エルザ「わかった!!!いいから もうしゃべるな!!!」


そんなシモンの姿を見たエルザは目に涙を浮かべながら必死に声をかける



しかし、シモンは喋ることを止めなかった


倒れてなお、言葉を残すシモンはまるで自分の最期を覚悟しているようだった


シモン「おまえは・・・いつも・・・やさしくて・・・やさしくて・・・」


エルザ「シモン・・・」



シモン「(大好き・・・だった・・・)」


涙を流し、シモンは静かに息を引き取った



エルザ「イヤァァァアァァアァ!!!!」


二度と目を覚ますことはないと理解したエルザは大粒の涙を流し、天に向かって叫んだ



そんな光景を目の当たりにしたジェラールは、かつて見たことのないほどの笑みを浮かべ、大口を開けて高らかに笑った



ジェラール「くだらん!!!実にくだらんよ!!!」


アルト「・・・」


ジェラール「そういうのを無駄死にって言うんだぜ!!!シィモォォーン」


アルト「・・・おい」


死んだシモンに嘲罵を浴びせるジェラールに対し、アルトが怒り混じりの声で言う



アルト「何がそんなにおかしい?」


するとアルトはゆっくりとシモンに近づき、片膝をついて、その亡骸に触れる



アルト「シモンが・・・かつてお前の仲間だった奴が、お前の攻撃で死んだんだぞ・・・それなのに・・・」


ジェラール「まったく笑いが止まらん!!!ハーッハッハ!!!」



アルト「何 ヘラヘラ笑ってんだァァア!!!!」


辺り一帯に響くアルトの怒鳴り声


アルトは自らの拳を塔の地面に打ち付け、地面の魔力を吸い上げた



アルト「ジェラァアァアアル!!!!」


ジェラール「!!?」


地面の魔力を吸い上げたアルトの全身が翠色の光に包まれる




エルザ「ア・・アルト・・・おまえ・・・何を・・!?」



ジェラール「(バカな・・・コイツ・・・エーテリオンを取り込んでやがる!!!!)」



アルト「ォ ォ オ オ ォ オ ォ オ オ オ!!!!」

 
 

 
後書き
文字数が少ないですが、区切りがいいのでここで終えます

 

 

大陸魔法

アルトの体全体を翠色の光が覆い、明るく光らせる


エーテリオンの魔力を吸収したアルトは未だかつてない程の凄まじい魔力を放出していた




エルザ「(なんだこの魔力は・・・いつもの〝アルディマ・ルテーム〟じゃないのか!?)」


ジェラール「(バカな・・・ありえん・・・本当にエーテリオンを吸収したのか!!?)」



アルト「ごばァ!!」


エルザ・ジェラール「「!!」」


突然、首元を押さえ苦しみ出すアルト


それを見たエルザは不安の表情を浮かべ、ジェラールは額に冷や汗をかきながらもニヤリと笑みを浮かべた



アルト「がっ・・・うがァ・・・!!」


エルザ「やはり無茶だアルト!エーテルナノには〝地〟以外の属性も融合されているんだぞ!!」



アルト「がふっ・・・ぐはァあ!!」


ジェラール「(大地の魔力を吸収する魔法か・・・〝地属性の魔力〟の代わりに〝強力な魔力〟そのものを吸い上げればパワーアップするとでも思ったか!?)」


血を吐きながら、片膝をついたアルトは苦悶の表情を浮かべる


身体が小刻みに震え、かなり苦しそうだ



エルザ「アルト!!」


ジェラール「(その短絡的な考えが自滅をもたらした)」




アルト「オ オ オ オ オ オ!!!!」


しかしその時 翠色の光がより一層強くなり、アルトは塔全体が震えるほど大きな雄たけびを上げる



ジェラール「(なに!!?)」


叫んだアルトは再び立ち上がり、ジェラールを睨みつける



ジェラール「(バカな・・・ありえん!! 魔力を取り込み、自身の力に変えるなど・・・!!)」



エルザ「(そういえば・・・シモンがあの時言っていた言葉・・・)」


『アルトレアに聖なる大地の力が宿る時、邪悪は呑まれ滅びゆく』


エルザ「(シモンはアルトの中に眠る力に気づいていたのか・・・!!)」



ジェラール「(この戦いの最中に習得したと言うのか!!?この感じはまさしく・・・大陸魔法の一つ、〝豊穣(セレスティア)〟!!!!)」


驚愕の表情を隠せずにいるジェラール


アルトは目にも止まらぬ速さでジェラールを殴り飛ばす



アルト「お前がいるからエルザは涙を流すんだァァア!!!」


ジェラール「ぐはァ!!」


そのまま塔の地面にジェラールを叩きつけるアルト


その勢いは塔の地面を突き破り、魔力の漏洩と共にジェラールは地へと下がっていく



アルト「俺は約束したんだ!!」


そういったアルトは脳裏に優しい笑顔を浮かべるシモンを思い浮かべる


『アルトレア、エルザを頼む』


シモンと最後にかわした言葉がアルトの心に突き刺さる



アルト「シモンのために!!エルザのために!!俺がテメェをぶちのめすんだァァアア!!!」


ジェラール「ぐっ・・・こざかしい!!〝流星(ミーティア)〟!!!」


ジェラールは輝かしい光をその身に纏い、アルトの拳から脱出した



ジェラール「この魔法にはついてこれまい!!!」


アルト「はァアアア!!!」


上に逃げるジェラールを見たアルトは両足に力を加え、自身にストップをかける


そして流星(ミーティア)にも劣らぬ速さでジェラールの首筋に手を伸ばす



ジェラール「バカな!?この速さについてきた!!?」


驚くジェラールの首をつかみ上げるアルト


そしてもう片方の腕で、再び塔の下へと殴り飛ばす



ジェラール「ぐあァ!!」


アルト「まだだァアア!!」


凄まじいスピードで落ちていくジェラールの下へと周りこんだアルト


今度は塔の上に向かってジェラールの身体を蹴り上げた



ジェラール「(流星(ミーティア)をも上回るスピードだと!?やはり今のアルトレアが使っているのは間違いなく大陸魔法!!)」


アルト「オ オ オ オ オ オ オ オ!!!」


蹴り飛ばされたジェラールは床を突き破り、再び塔の最上階へと到達した


それを追うようにアルトが最上階へと登り詰める



ジェラール「オレは負けられない!!!自由の国をつくるのだ!!!!」


吹き飛びながらも上手く体制を立て直すジェラール



ジェラール「痛みと恐怖の中でゼレフはオレにささやいた、真の自由がほしいかとつぶやいた!!そうさ・・・ゼレフはオレにしか感じる事ができない!!」


アルト「テメェだけは自由を語る資格はねェよ!!」


ジェラール「オレは選ばれし者だ!!!!オレがゼレフと共に真の自由国家をつくるのだ!!!!」


アルト「それは人の自由を奪って つくるもんなのかァァーっ!!!」


邪悪な笑みを浮かべるジェラールと怒りで青筋を浮かべるアルト


互いの闘気がぶつかり合い、大気が震える



ジェラール「世界を変えようとする意志だけが歴史を動かす事ができる!!貴様等にはなぜ それが分からんのだァ!!!!」


そう叫んだジェラールは空中に魔法陣を描く



エルザ「煉獄消滅(アビスブレイク)!!!?塔ごと消滅させるつもりか!!!」


ジェラール「また8年・・いや・・次は5年で完成させてみせる・・・ゼレフ、待っていろ」


アルト「〝次〟などねぇー!!!!」


アルトはスピードを加速させ、ジェラールに近づく



ジェラール「!!!」


一方のジェラールは、煉獄消滅(アビスブレイク)を放とうとした瞬間、エルザに斬られた傷が痛み、一瞬動きを止める



アルト「何が自由国家だ!!お前のくだらねェ夢物語のせいで涙を流す奴が何人いると思ってんだァアア!!」


ジェラール「くっ・・(傷が・・・!!)」


アルト「テメェは自由になんかなれねぇ!!!亡霊に縛られてる奴に自由なんかあるわけがねェ!!!」


輝かしい威光を放ちながら、アルトは拳を握りしめる


目を見開き、ジェラールに己の魔力全てを込めた全身全霊の攻撃を放とうとしている



ジェラールの瞳には絶世の光を纏うアルトがしっかりと映っていた



アルト「自分を解放しろォォ!!!!!ジェラァアァァアァァル!!!!!」



己の拳を振りおろし、ジェラールを塔の中心へと叩きつける


水晶の塔が粉々に砕け、蓄えられていた魔力と共に水晶が粉塵と共に散る


その光景は海の上にいるルーシィたちにもハッキリと見えた、美しい水晶の塔が大破し、爆発と共に轟音が響いていた




エルザ「(これが・・アルトの真の力・・・)」


塔の最下部まで落ちたジェラールを上から鋭い眼光で見下ろすアルト


エルザはその光景をただただ驚いて眺めていた



エルザ「(あのジェラールを倒した・・・私の・・・8年にわたる戦いは終わったんだ これで・・みんなに本当の自由が・・・)」


するとアルトは緊張の糸が切れたのか、翠色の光を失い、両膝を地面につける



エルザ「アルト!!!」


それを見兼ねたエルザは急いでアルトの元へ駆け寄り、アルトの身を抱きとめる



アルト「エルザ・・シモン・・俺は・・・勝ったぜ・・・!!」


エルザ「あぁ・・・お前はすごい奴だ、本当に」


アルトの無事を確かめるように、静かに抱きしめる力を強めた



しかし、突如、塔の損傷部分から大量の魔力が溢れる


魔力は外に放出され、夜空に何本もの光線を描いている





ルーシィたちは、その様子を海の上から見ていた


ジュビア「塔が・・・何アレ!!?」


グレイ「ま・・まさかエーテリオンが暴走しているのか!!?」


ルーシィ「暴走!!?」


グレイの言葉を聞いたルーシィは声を張り上げ驚く



ハッピー「元々、あれだけの大魔力を一か所に留めとく事自体が不安定なんだ」


ジュビア「行き場をなくした魔力の渦が・・・はじけて大爆発を起こす」


ウォーリー「ちょ・・・こんな所にいたらオレたちまで」


ショウ「中にいる姉さんたちは!!?」


ナツ「ア・・アルトは無事なのか!?・・・うぷっ」



グレイ「誰が助かるとか助からねえとか以前の話だ、オレたちを含めて・・・全滅だ」


 

 

妖精女王の明日

場所は塔の内部


エルザとアルトは塔の外への脱出を試みていた



エルザ「うあっ」


アルト「エルザ!大丈夫か!?」


塔の大きな揺れで転んだエルザを優しく起こすアルト



エルザ「だ・・・大丈夫だ」


アルト「それにしても見ろよアレ・・・あの硬い魔水晶(ラクリマ)がグニョグニョに曲がってる・・・」


アルトが指さす先にはかなりの高度を持つ魔水晶(ラクリマ)がまるで粘土のように曲がったり、凹んでたりしていた



エルザ「(器・・魔水晶(ラクリマ)を変形させるほどの魔力か・・・想像以上の魔力を秘めているようだな・・・これでは外に出ても暴発に巻き込まれてしまう・・・このままじゃ・・・)」


アルト「くそぉ・・・こうなったら爆発そのものを阻止するしかねえよ!!」


そんなアルトの表情を見たエルザはある決意を固める



エルザ「(いや・・・あきらめるものか・・・今度は私がお前を救う番だ、アルト・・・)」


半ば諦めかけていた表情から、いつもの凛とした表情に切り替えるエルザ


その刹那、先ほど聞いたジェラールのセリフが脳裏によぎる




『この27億イデアの魔力を蓄積した魔水晶(ラクリマ)にお前の体を融合する、そしてお前の体は分解され、ゼレフの体へと再構築されるのだ』




エルザ「(融合!!?私とエーテリオンを融合できれば・・・この魔力を私が操り、暴発を止められるか!!?)」


そしてエルザは魔水晶(ラクリマ)の前に立った



アルト「エルザ・・・?」


エルザ「(これにかけるしかない!!!!)」


アルトが怪訝そうに見守る中、エルザは右腕を魔水晶(ラクリマ)に通す



アルト「!!?」


エルザ「うう・・・(よし!!魔水晶(ラクリマ)は まだ私を受け付けている!!!)」


アルト「な・・何してんだよエルザ・・・体が水晶に・・・」


エルザ「エーテリオンを止めるにはこれしかない」


エルザがそう言ったのと同時に、塔の天井の破片が上から降り注ぐ



エルザ「じきに この塔はエーテリオンの暴走により大爆発を起こす・・・しかし、私がエーテリオンと融合して抑える事ができれば」


アルト「何言ってんだよ!!そんな事したらお前が!!!」


徐々に身体を水晶に埋めていくエルザ


それを見たアルトは止めようと、エルザへと向かって走る



エルザ「何も心配しなくていい、必ず止めてみせる・・・」


アルト「やめろーーー!!!」


体半分が魔水晶(ラクリマ)に埋まりながらも、エルザは走ってきたアルトの頬へと手を伸ばす



エルザ「アルト・・・」


アルト「やめろってエルザ!!頼むからぁ!!」


頬に添えられたエルザの腕を握るアルト



エルザ「私はフェアリーテイルなしでは生きていけない、仲間のいない世界など考える事もできない・・・私にとってお前たちは、それほどに大きな存在なのだ」


アルト「エルザ・・・」


エルザ「私が皆を救えるのなら何も迷う事はない、この体など・・・くれてやる!!!!」


握るアルトの腕を払い、両手を広げ水晶の中へ全身を放り込むエルザ



アルト「エルザ!!!!出てこいエルザ!!!!」


エルザ「アルト・・皆の事は頼んだぞ」


水晶を叩くアルトだったが、エルザはどんどん水晶の奥へと進む


そして、片目にわずかな涙を溜め、優しい表情で言った





エルザ「私はいつもお前たちの傍にいるから」



アルト「エルザーーーーー!!!!!」


夜空にアルトの叫びが木霊する


次の瞬間、エーテリオンは凄まじい暴風を引き起こし、爆発を起こすことなく空の彼方へ消え去った




竜巻のように渦を巻いて、エーテリオンの魔力は消滅したのだった





◆◇◆◇◆◇◆◇


エルザが次に目覚めた場所は真っ白で何も無い世界だった


先ほどまで身にまとっていた装束とは違い、とても清楚な白いドレスを着ている



エルザ「(ここは・・・!!?)」


天も地も見当たらない世界にいささか戸惑いつつも、冷静に自分がおかれた状況を見つめなおす



エルザ「(エーテリオンの中!!?・・いや・・違う・・・もっとあたたかくて・・・)」


ふと、足元に目を向けるエルザ


そこには冷たい雨に打たれ、重苦しい雰囲気ただよう葬式が行われていた



エルザ「!!」


黒い喪服を身にまとい、葬式に参列しているのはフェアリーテイルのメンバーたちだった



エルザ「(そうか・・・私は・・・死んだのか・・・)」


全てを悟ったエルザは申し訳なさそうに目を細めた


自分の墓の前に立ち、涙を流している仲間の姿を見るのはとても辛い事だ



マカロフ「彼女・・エルザ・スカーレットは・・・神に愛され、神を愛し・・・そして我々友人を愛しておった・・・」


雨に打たれながらも、平静を装い、言葉を並べるマカロフ



マカロフ「その心は悠久なる空より広く、その剣は愛する者の為に気高く煌めき、妖精のごとく舞うその姿は山紫水明にも勝る美しさだった・・愛は人を強くする・・・そしてまた人を弱くするのも愛である」


感情を押し殺すマカロフだったが、徐々に言葉に込められた覇気が薄れていく



マカロフ「ワシは・・・彼女を本当の家族のように・・・」


涙が止まることなく溢れだす


マカロフが涙を流す姿は、雨の中に紛れていた




エルザ「(マスター・・・)」




「・・・彼女が・・・安らかなる事を祈る・・・」


黒いコートを着た評議員たちが、エルザの墓の目の前に立つ



「魔法評議会は満場一致で空位二席の一つを、永久的にこの者に授与することを決定した」


評議員たちの中心に立つオーグ老師が祈りを捧げ、言葉を発した



オーグ「エルザ・スカーレットに聖十大魔道の称号を与える」


すると、マカロフやフェアリーテイルの皆も目を瞑り、祈りを捧げた



アルト「・・・・・」


しかし、眉をひそめ墓を見据える黒髪の少年、アルトレアだけは目を瞑ることも祈りを捧げる事もなかった




エルザ「(アルト・・・)」




ナツ「ふざけんなァっ!!!!」


突如、墓の前に立つ桜色の髪をした少年


ナツ・ドラグニルは声を荒げて叫び出す



ナツ「なんなんだよ みんなしてよォ!!!!」


すると、墓の前に添えられた花を蹴って散らかすナツ



ルーシィ「ナツ・・・やめて・・・」


グレイ「てめえ!!」


他の者たちは、生気のない目でナツを見る



ナツ「エルザは死んでねえ!!!」


ルーシィ「お願いナツ・・・やめて・・・」



ナツ「死ぬわけねえだろォォ!!!!」


ルーシィ「現実を見なさいよォオォッ!!!!」


互いに、互いの話などまるで聞かずに無意味な良い争いが始まる


ナツは力いっぱいに暴れ、エルザの墓を荒らす



ナツ「エルザは生きてんだァ!!!!」


アルト「いい加減にしろよナツ、テメェ!!!!」


暴れるナツの上にのしかかり、頭と体を取り押さえるアルト



ナツ「アルト!!!」


アルト「これ以上ここで暴れる事は許さねェぞ!!!」


そう言ったアルトは歯を食いしばり感情を必死に抑えている表情をしていた



ナツ「アルトォ!!お前までエルザが死んだって言うのかよォオ!!!!」


アルト「バカ言うな!!!!俺だってエルザが死んだなんて思ってねェよ!!!!」


ナツ「嘘つけェ!!だったら何でこんなくだらねェモンに黙って参加してんだァア!!!!」


アルト「じゃあ聞くがなァ、ナツ!!!!」


声を震わせ、ナツのマフラーと胸倉を両手で掴み上げるアルト


ナツの顔を自分の正面におき、怒号じみた声で言い放つ



アルト「ここで暴れればエルザは戻ってくんのかァ!!!!」


ナツ「!!!」


アルト「ここで派手に暴れて!!そこに建てられた墓ぶっ壊せば!!!エルザは帰って来てくれんのかよォオ!!!!」


叫ぶアルトの目には徐々に涙が浮かびあがる



アルト「本当は皆もお前と同じ気持ちなんだ・・・エルザの無事信じてんなら・・・こんな見苦しい真似すんじゃねェよ」


ナツ「アルト・・・」


アルトの叫びを聞いたナツは全身の力が抜けたように、ダランと手足を垂らす


そしてアルトが胸倉から手を離すと、ナツはその場に座り込む




そんな光景を涙を流しながら見つめるエルザ




エルザ「(私は・・アルトの・・皆の未来の為に・・・なのに・・・これが皆の未来・・・残された者たちの未来・・・)」


エルザの目の前にはアルトたちが大粒の涙を流す光景が広がっていた



エルザ「(頼む・・もう泣かないでくれ・・私はこんな未来が見たかったのではない・・・私はただ・・・みんなの笑顔の為に・・・)」


顔を覆い、泣き崩れるエルザ




『やめてくれ・・・私は・・・こんなの・・・』





◆◇◆◇◆◇◆◇


エルザ「!!」


エルザの意識が覚醒する


目の前には満天の星空が果てしなく広がっていた



エルザ「ここは・・・!?」


状況が飲み込めず動揺するエルザ


しかし、そんな感情はこちらに近づいてくる声と足音にかき消された



ナツ「エルザーーーーー!!!!!」


ルーシィ「よかったぁ!!!無事だった!!!!」


グレイ「どれだけ心配したと思ってんだよ」


ショウ「姉さーーーん!!!!」



エルザ「ど・・・・どうなってるんだ?生きているのか?私は・・・」


すぐさま手のひらを天に掲げ、自分の体が本当にあるのかを確かめるエルザ


同時に、エルザは自分がある男に抱きかかえられている事に気づく



エルザ「アルト・・・お前が私を・・・?」


アルトは押し黙ったまま、エルザの問いに答えなかった



エルザ「(あの魔力の渦の中から私を見つけたと・・・?な・・なんという男なんだ・・・)」


するとアルトは抱きかかえていたエルザをそっと水の上に置く


そして俯いたまま話す



アルト「同じだよ・・・」


エルザ「え・・・?」


アルト「俺たちだって・・・エルザと同じなんだ・・・俺は・・・仲間であるエルザにずっと生きててほしい、ずっと傍にいてほしい」


自然と声が震えるアルト


そんなアルトを見たエルザは左目に涙を浮かべていた



アルト「二度とこんな事するな・・・」


エルザ「アルト・・・」


アルト「するな!!!!」


エルザ「・・・うん」


エルザはしばらくアルトを見つめ、やがて柔らかな笑みを浮かべて自分の額をアルトの額にくっつけた



エルザ「アルト・・ありがとう」


そっとアルトの濡れた頬を撫でる



エルザ「(そうだ・・・仲間の為に死ぬのではない、仲間の為に生きるのだ)」


そしてエルザはアルトと共に顔を上げ、立ち上がる



そして自分の仲間達に向かって微笑みかけた



エルザ「(それが幸せな未来につながる事だから)」


そんなエルザの右目からは本来出るはずの無い涙が流れていた


 
 

 
後書き
多分、後1話で楽園の塔編も完結ですね

それと、エルザの右目が義眼っていうくだり省いちゃいました・・・「なんでエルザの右目からは涙が出るハズないの?」って思った方は申し訳ありませんが、原作をご覧ください(汗) 

 

強く歩け

 
前書き
長い間更新できずに本当に申し訳ありませんでした。

三連休の休みの間に閉話と本ストーリーの方を少し書いたので投稿します 

 


楽園の塔が崩れて三日が経過した・・・



アルトはアカネビーチの一室にあるベッドの上に横たわっていた




ルーシィ「はい、あーん」


スプーンに食べ物を乗せ、アルトの口元へと運ぶルーシィ




アルト「くっ・・・」


アルトは少しの抵抗心を持ちながらも、やむをえず、スプーンをくわえた




グレイ「ハハッ、赤ん坊みたいで可愛いじゃねえか」


アルト「あー、うるさいなぁ!」


その光景を見て、笑いだすグレイ



何故ルーシィに食べさせてもらっているかというと、アルトの両腕がパンパンに腫れあがり、細かい指の動きが状態なのである



それゆえ、スプーンやフォークを持つことができず、結果的にトイレ以外の食事や着替えは他人にやってもらうハメになった




エルザ「だがまぁ、無理もない・・・仕方ない状況だったとはいえ、毒を身体に取り込んだに等しい」


グレイ「エーテリオンを取り込んだんだっけか?だんだんアルトも化け物じみてきたな」


ルーシィ「元々素質あったと思うけど・・・」


アルト「そんな事ない」


不満顔のアルトが言った




エルザ「今回の件では皆にも迷惑をかけたな・・・本当に、何と言えばいいのか・・・」


ルーシィ「もう・・そのセリフ何回言ってるのよォ」


すると、エルザがある事に気がついた



エルザ「そういえば、あのエレメント4の娘は?」


アルト「ジュビアなら帰ったよ、フェアリーテイルに一刻も早く入りたいからマスターに頼みに行くんだって」


エルザ「そうか・・・聞けば世話になったようだし、私からマスターに稟請してもよかったのだがな」


ルーシィ「ホント、あの子行動力あるよね」


アルトたちが話し合っている中、突如部屋のドアが開いた


そこからは大きな魚を抱えたナツとハッピーが現れた



ナツ「アルトー!!」


アルト「ナツ!!今までどこに居たんだ?」


驚くアルトに近づいたナツは、すかさず手に抱えていた魚をアルトの口に押し付ける



アルト「むぐっ!?」


ルーシィ「ちょっ・・何してんのよナツ!?」


ナツ「魚を捕ってきた、これ食って早く元気になれよアルト!」


ハッピー「あい!」


騒ぐアルトたちを横目に、グレイが言う



グレイ「つーかエルザ・・・お前は寝てなくていいんかよ?」


エルザ「ん・・・見かけほど大したケガではない、エーテリオンの渦の中では体は組織レベルで分解されたハズなのだがな」


グレイ「分解・・て・・・本当に奇跡の生還だったんだな」


グレイの言葉を聞いたエルザは目を閉じて再びエーテリオンの渦の中で起こったことを思い出していた



エルザ「(正直・・・何が起こったかはよく分からない・・・だが、今は生きている事を喜びたいな)」


アルト「奇跡だろうがなんだろうが生きててくれて嬉しいよ、流石エルザだな!」


グレイ「フクロウのエサになったどっかのマヌケとはエライ違いだ」


鼻で笑いながらそう言ったグレイをナツが睨みつける


グレイの方もナツの視線を感じ取ると、小馬鹿にした様子で笑みを浮かべる



ナツ「今なんつったァ!!!!グレーイ!!!!」


グレイ「火の竜は食物連鎖の底辺ですねって言ったんだよバーカ」


そこから間もなく二人の喧嘩が始まる


いつもは怒るエルザも今回は呆れた様子で首を左右に振り、喧嘩している二人に目を向ける



しばらくして、アカネビーチの宿全体に楽しそうな笑い声が響いた















アカネビーチ浜辺



ウォーリー「あ・・あのよ・・すまなかったゼ、エルザ」


ミリアーナ「ごめんなさい、エルちゃん」


申し訳なさそうに俯く二人がエルザに向かって謝罪する



エルザ「私の方こそ・・8年も何もできなかった・・本当にすまない」


ショウ「姉さんはジェラールに脅されてたんだ、オレたちを守る為に近づけなかったんじゃないか」


エルザ「今となってはそんな言い訳もむなしいな・・もっと早くに何とかしていればシモンは・・・」


沈んだ表情のエルザがそう言った



ウォーリー「シモンは真の男だゼ!!だって・・だってよぅ・・エルザを守りたかったんだ・・・あいつは・・ずっと・・」


ミリアーナ「ウォーリー!!!」


ウォーリーの言葉を遮るように、ミリアーナが叫ぶ


エルザは静かに頷いた後、言う



エルザ「あいつの気持ちはよく分かるし・・・残された者の気持ちも今はよく分かる・・・だけど私たちは進まねばならない、シモンの残してくれた未来を」


ショウ「うん」


ミリアーナ「とても悲しい事だけど、シモンはずっと私たちの中にいるんだね」


ウォーリー「そう信じてなきゃやっていけねえゼ、チクショウ・・・一体オレたちは何の為に・・・」


ショウたちはエルザの言葉を聞き、受け入れつつも表情はどこか寂しげであった



エルザ「過去は未来に変えて歩きだすんだ、そして今日の一歩は必ず明日へとつながる一歩となる」


ウォーリー「今日の一歩か・・・」


ミリアーナ「私たちはこれからどうすればいいんだろうね」


するとエルザは優しげな表情で三人に言った



エルザ「行くあてがないのならフェアリーテイルに来ればいい、お前たちなら大歓迎だ」


ショウ「!!」


ウォーリー「フェアリーテイル!!?」


ミリアーナ「みゃあ!?私たちが!!?」


エルザの思いもよらぬ提案に三人とも驚いた様子だった



エルザ「お前たちの求めていた自由とは違うかもしれんが、十分に自由なギルドだ、きっと楽しいぞ」


ウォーリー「そういや、サラマンダーもそんな事言ってたゼ!!!」


ミリアーナ「元気最強のギルドだぁー」


エルザ「それに、お前たちともずっと一緒にいたいしな」


ショウ「・・・・・」


ウォーリーたちが喜ぶ中、ショウは何かを考えているようだった



エルザ「さぁ・・・もう戻ろう、皆にお前たちをきちんと紹介せねばな」


ウォーリー「オレの事は世界一ダンディな男って言ってくれヨ」


ミリアーナ「私はハッピーちゃんとお友達になるー」


楽しげに会話しながらホテルへと向かうエルザたち





―――強くなったな、エルザ・・・





エルザ「(ジェラール!!?)」


海岸の方からジェラールの声が聞こえたような気がしたエルザ


急いで振り向くが、そこにはただ広い海が広がっているだけだった



エルザ「(・・・そんな訳ないか・・・)」


エルザは自分にそう言い聞かせ、ホテルへと戻っていったのであった
















その夜、ホテルの男子部屋



ものすごいイビキをかいて寝ているナツの横に座るアルト




アルト「グレイ・・飲み物のフタ・・・開けてくれ」


指先が動かないアルトは飲み物のフタが開けられず、グレイに頼み込んだ



グレイ「ほらよ」


グレイはフタを開けた飲み物をアルトへと手渡す


するとハッピーがアルトの元へやってきて、ニヤケながら言った



ハッピー「アルトー、ルーシィかエルザに飲ませてもらわなくていいの?」


アルト「飲み物は両手で挟めば飲めるわっ!」


ハッピー「えー、でも女の子に食べさせてもらったりするなんて滅多に無いチャンスだし」


アルト「人事だと思って、このやろー」


そんなやりとりをしている最中、ルーシィが扉を開け、中に入ってきた



ルーシィ「アルト、ナツ、グレイ!エルザが〝花火〟の用意をしてって言ってた!」


グレイ「花火!?」


アルト「何かあったの?」


ルーシィ「ショウたちが居なくなっちゃって・・今、エルザが探しに行ってるの!」


ルーシィの言葉を聞いたアルトとグレイが顔を合わせる


二人はエルザが何をしようとしているのか分かっているようだった



アルト「分かった、すぐに準備する」


グレイ「そこのうるせえクソ炎を叩き起こさねえとな」


ハッピー「あい!」


アルトたちはナツを起こした後、すぐに海岸の方へと向かった















その頃、アカネビーチの夜の海岸ではショウたち三人が小舟を用意していた



ウォーリー「本当にオレたちやっていけるのかナ、外の世界でヨ」


ミリアーナ「みゃあ」


ショウ「やっていけるかどうかじゃないよ!やっていかなきゃ、これ以上姉さんに迷惑をかけられない」


海岸と小舟を繋いでいた縄をほどく



ショウ「行こう!!姉さんたちがオレたちに気づく前に出発するんだ」


ウォーリー「だな!!何とかなるゼ!!」


ミリアーナ「元気最強ー!!!」


小舟を海へと押し出し、出港しようとしたその時



エルザ「おまえたち!!」


エルザの大声が、三人の足を止める



ショウ「姉さん!!」


ミリアーナ「エルちゃん・・」


ウォーリー「くうぅ・・噂をすれば何とか・・だゼ」


こちらへと近づくエルザを見据える三人


するとウォーリーが叫んだ



ウォーリー「と・・止めるつもりなら無駄だゼ、オレたちは自分で決めたんだ・・」


エルザは足を止め、静かに三人へと視線を向ける


そんなエルザを見たショウが拳を握りしめながら言った



ショウ「オレたちはずっと塔の中で育ってきた、これから初めて〝外〟の世界に出ようとしてる・・・わからない事や不安な事が一杯だけど、自分たちの目でこの外の世界を見てみたい」


エルザ「・・・・・」


ショウ「もう誰かに頼って生きていくのはイヤだし、誰からの為に生きていくのもごめんだ・・・これからは自分自身の為に生きて、やりたいことは自分で見つけたい」


そう言ったショウは真っ直ぐな瞳でエルザを見る



ショウ「それがオレたちの自由なんだ」


決意を固めた様子のショウ


その姿を見たエルザは笑みを浮かべて言った



エルザ「その強い意志があればお前たちは何でもできる、安心したよ・・・だが、フェアリーテイルを抜ける者には三つの掟を伝えねばならない、心して聞け」


するとエルザは鎧を換装する



ウォーリー「ちょ・・!!抜けるって・・入ってもねェのに」


ショウ「・・・・・」


鎧姿に換装したエルザは、フェアリーテイルのマークが描かれている旗を持っていた



エルザ「一つ!!!フェアリーテイルの不利益になる情報は生涯他言してはならない !!! 二つ!!!過去の依頼者に濫りに接触し、個人的な利益を生んではならない!!!!」


ウォーリー「ギルドの不利益になる情報なんて持ってねえゼ」


ミリアーナ「依頼者って何?」


ショウ「姉さん・・・」


エルザが言うギルドの掟を聞き、首を傾げる三人


じわじわと目に涙が溜まっていたエルザは、最後の掟を叫ぶ



エルザ「三つ!!!たとえ道は違えど、強く・・・力の限り生きなければならない!!! 決して自らの命を、小さなものとして見てはならない!!!」


堪え切れず、涙を流すエルザ




エルザ「愛した友の事を忘れてはならない!!!!!」


エルザが言い放つ言葉に、ショウたちは涙を流す



そして旗を掲げたエルザが高らかに叫んだ




エルザ「フェアリーテイル壮行会!!!!始めェ!!!!」




ナツ「おまえらー!!また会おーなーっ!!!」


ナツたちが現れて、魔法の玉を空中へ放つ


すると空で盛大に弾け飛び、綺麗な花火を作り上げた



グレイ「氷もあるんだぜ」


ルーシィ「じゃあ、あたしは星霊バージョン!」


グレイやルーシィも魔法を使い、綺麗な花火を作る



アルト「拡散花火だ!!」


残ったアルトは衝撃波を使い、ナツたちの花火を更に大きく弾けさせた



フェアリーテイルが作り出す花火を、ショウたちは涙を流しながら見上げる




エルザ「私だって本当は、お前たちとずっといたいと思っている・・・だが、それがお前たちの足枷になるのなら・・・この旅立ちを、私は祝福したい」


ミリアーナ「逆だよぉぉ、エルちゃぁん」


ウォーリー「オレたちがいたら、エルザはつらい事ばかり思い出しちまう」


ウォーリーとミリアーナは、顔をくしゃくしゃに歪ませて言った



エルザ「どこにいようとお前たちの事を忘れはしない、つらい思い出は明日への糧となり私たちを強くする、誰もがそうだ人間にはそうできる力がある」


フェアリーテイルの旗を空へと掲げるエルザ


その顔は、涙を流しながらも笑っていた


かつての友を笑顔で見送る為に



エルザ「強く歩け、私も強く歩き続ける・・・この日を忘れなければまた会える・・・元気でな」


ショウ「姉さんこそ・・・」


ミリアーナ「バイバイ、エルちゃーん」


ウォーリー「ゼッタイまた会おうぜ!!!約束だゼ!!!」



エルザ「約束だ」


再開を約束し、エルザたちはショウたちの出航を見送った




こうして楽園の塔に囚われていた三人は、外の世界で強く生きていく事を誓ったのだった

 
 

 
後書き
本ストーリーの進行が大分遅れてますね・・・今年中に大魔闘演舞編まではかなり厳しいかも(汗)

恐らくこれからも三日に一度ペースはできませんが、なんとか書いていくのでよろしくお願いします 

 

・Original Episode 3・

 
前書き
アニメをご覧になっている方は気付くと思います

この閉話はアニメの「413DAYS」の一部をパクッてます(汗) 

 


ある雨の日の出来事である


いつも騒々しい笑い声が飛び交うフェアリーテイルだが、今日は特別騒がしい


何故なら外は生憎の雨であり、皆 仕事に行かずにギルド内で騒いでいるのだ



ジュビア「アルト様!」


木造の長椅子に座っていたアルトは、自分の名を呼ぶ声がする方に視線を向ける


視線の先には恥ずかしげに頬を染め、パンが乗っかっている大皿を差し出すジュビアの姿があった



ジュビア「ジュビアが作った〝アルパン6号〟が焼きあがりました♡」


目を輝かせ、アルトの隣へ座るジュビア


期待を込めた視線を浴びながらもアルトは机の上に置かれたパンに視線を向ける


〝アルパン〟というのはジュビアが作る料理にして、ジュビアのアルトに対する愛情表現の一つである



アルト「(毎度の事ながらすごいなぁ・・・)」


〝アルパン〟には毎回パンの上にアルトの顔が描かれている


ジュビアとしては好きな男性の顔が描かれた品を作るのだから楽しい事この上ないのかもしれない


しかし、アルトとしては自分の顔が描かれた品を食べる事は いささか気が引けるらしい



ジュビア「はい、あーん…♡」


アルト「はぁ!!?」


パンを手に乗り、自分の口に近付けてくるジュビア


流石にギルドメンバーのほとんどが揃っている前で、自分と同い年の女性に食べ物を食べさせてもらうという行為には抵抗がある



アルト「(は、恥ずかしい・・・けど)」


ジュビア「……♪」


期待と感激が入り混じったような満面の笑みを浮かべられると、どうしても自分から断れないのはアルトの性分なのであろう


アルトは周りに救援を求めるように視線を送った



まずはグレイに視線を向ける、しかしアルトの視線を感じ取ったグレイは万が一のとばっちりに備えて他の机に移動した



次にルーシィへと視線を向けるが、同情の色に染まった瞳を向けられるだけで助けてくれそうには無かった



〝今度こそ〟という念を込めエルフマンへと視線を向ける、するとそこには親指を突き立てニヤリと笑みを零すエルフマンの姿があった



まるで〝漢なら食うべし〟と訴えかけているようだった




アルト「・・・あ・・・あーん」


観念したように、気恥ずかしげに口を開くアルト


ジュビアは手作りパンをアルトの口に優しく押し込み、アルトがそれを咀嚼する



ちなみに その光景を見て、ジュビアを羨んでいたミラとレビィには気づかないアルトであった




ジュビア「あ~ん、ジュビア幸せ♡」


アルト「そ、そう・・・おめでと」


身体をくねらせ、幸せそうに満面の笑みをこぼすジュビア


そんなジュビアを見ていると、呆れながらも自然と頬が緩むアルトだった



ジュビア「アルト様、他に何か食べたいもの等はございますか?」


アルト「他に食べたいもの・・・?」


ジュビア「はい、ジュビアはアルト様の為なら何でも作って見せます・・・♡」


アルト「う・・うーん・・・食べたいものかぁ・・・」


いつもはナツと同じぐらい食い意地はってるアルトだが、いざ改めて食べたいものを聞かれるとパッとすぐには思い浮かばなかった



アルト「じゃあ・・・ケーキが食べたいかなぁ」


ジュビア「ケーキですか・・・?」


アルト「うん、しばらく食べてなかったし・・・作ってくれるって言うなら、お願いしてみようかな」


アルトが邪気一つない笑みで言うと、ジュビアは目を光らせ勢いよく立ちあがった



ジュビア「はい!!ジュビアにお任せ下さい、アルト様!!」


決意を瞳に宿し、そう叫んだジュビアは軽い足取りで厨房へと向かった
















ジュビア「待っていてくださいアルト様、ジュビア頑張ります!」


ケーキを作るための材料と調理道具を用意したジュビアは、エプロンに着替えて調理場に立つ


恐らく手作りであろうアルトのデフォルメされた人形を傍に置き、調理を開始した




ジュビア「まず砂糖と卵をボウルに入れてかき混ぜて・・・よく泡立てる」


片手に握る調理本を丁寧に読み上げ、その通りの手順で作業する



生地を作るため、泡立て器でボウルの中身を慎重にかき混ぜるジュビア


しかしどれだけかき混ぜようと、何故か一向に泡立つ気配がない




ジュビア「あ・・あれ・・・全然泡立たない・・・?」


中々上手くいかずに、ムキになっていたジュビアの力が徐々に強まる


力強くかき混ぜたため、ボウルの中身は飛び散り、気がついた頃には調理台がひどく汚れてしまっていた




ジュビア「はぁー・・・まさか最初から躓くなんて・・・」


落ち込むジュビアは、ゆっくりとアルトの人形に目を向けた



自分の愛しき男性が、今の状況を見たらなんて思うだろうか



そんな思考がジュビアの脳内をよぎった




◆◇◆◇◆◇◆◇



『ごめん、ジュビア・・・俺、料理できない人とは結婚したくないな』


『そんな・・・!』


『やっぱり女の子は料理が上手くないと、その点で言えばルーシィやミラさんは俺の理想的な女性だ』


『ま、待って!!アルト様!!』


『じゃあな・・・永遠にさよならだ、ジュビア』


『アルト様ー!!』



◆◇◆◇◆◇◆◇




ジュビア「そんなの嫌ぁぁああ!!!!!」


自分なりのビジョンを妄想したジュビアは悲しみに暮れる



ジュビア「どうしよー!!そんな事になったらジュビアもう生きていけなーい!!!」


再びボウルを取り、必死に中身をかき回す


その瞳に冷静さなど欠片も感じられず、ただただケーキの完成を急ごうと、がむしゃらになっているようだ



ジュビア「こうなったら最後までやるしかないっ!!」


焦るあまり次へ次へと作業を進める


きごちない包丁さばきでバターを切り分ける、すると一瞬手元がグラつき、包丁の刃を自分の指にかすめてしまった



ジュビア「痛ぁ!!」


見ると、ジュビアの白く綺麗な指から、赤い血が一本の線を描くように流れていた



ジュビア「うぅ・・アルト様・・・」


自分の指の血を拭い、弱々しい声で呟くジュビア


いっそ、自分一人で作るのは諦めて、ルーシィやミラジェーンのような料理になれた人物に教えてもらった方が良いか


しかしそれでは自分だけの料理にはならない



そう思い悩んでいた時、ジュビアの脳裏に浮かんだアルトの姿


その姿が〝自分一人で作る〟という決意を再び作りだしたのであった




ジュビア「そうよ・・他人に頼ってちゃダメ・・ジュビア一人で完成させるのよ!!そうすればきっと・・・」




◆◇◆◇◆◇◆◇



『アルト様!これ・・・受け取ってください!!』


『おおっ!すごいじゃないかジュビア、一人で作ったのか?』


『はい、アルト様の為に・・・/////』


『ジュビア・・・そこまで俺の事を・・・よし、結婚しよう!!!!』


『はい、喜んで!!!!』



◆◇◆◇◆◇◆◇




ジュビア「なんて事になったら・・・もー、ジュビアどうしましょう♡」


妄想により調理意欲を掻き立てたジュビアは再び調理台の前に立つ


指の傷の痛みなどすっかり忘れていたのであった



ジュビア「よーし、もう一回始めから!!」


「ジュビア?」


意気込んだジュビアの後ろから自分の名前を呼ぶ声がした


その声は最も聞き覚えのある声であり、最も聞きたい声でもあった



ジュビア「アルト様!!?」


アルト「うぉっ!!」


凄まじいスピードで振り返り、アルトの近くへ駆け寄ったジュビア



ジュビア「どうしてここに!?」


アルト「いや・・そこら変歩いてたらジュビアの〝痛ぁ〟って声がしたから・・・」


少し照れた様子で話すアルト


そんなアルトの言葉を聞いたジュビアが目の奥にハートマークを浮かべ、喜んだ



ジュビア「それで心配してわざわざジュビアに会いに!?」


アルト「いや、心配ってわけじゃないけどさ・・・元々、俺が原因でこんな事してくれてるんだし・・・ちょっとだけ様子を見にね」


そしてアルトは調理場に目を向ける


ひどく汚れた調理場に、ジュビアの指の傷を見る限り、あまり上手くいってなさそうだった



アルト「・・・良かったら、一緒に作ろっか」


ジュビア「えっ!?」


アルトの意外な発言に目を丸くするジュビア




アルト「俺も料理は得意な方じゃないけど、二人なら作業も早くなるだろうし」


ジュビア「で、でも・・・私が言いだしたことですし・・・」


アルト「それに、二人で作る方が楽しそうじゃないか」


ジュビア「!!!!」


材料を手に取ったアルトが、満面の笑みをジュビアへぶつけた


それは、ジュビアの〝自分一人で作る〟という使命感に似た感情をも簡単に溶かしたのであった




ジュビア「アルト様・・・そこまでジュビアの事を・・・」


アルト「う゛・・!?」


感動でその身を震わせるジュビアを見て、アルトは妙な胸騒ぎを感じた


次の瞬間、ジュビアが何をしてくるか・・・今までの経験上、簡単に推測できた



ジュビア「アルト様ー、愛してます!!」


アルト「げふっ!!?」


ダイブしてきたジュビアをなんとか受け止め、調理の準備をするアルト



その後ジュビアはアルトの身体から離れず、結果的にアルト一人の調理作業となったのは言うまでもない

 
 

 
後書き
ごめんなさい、エルザの閉話がまだ製作途中なので先にジュビアの方を投稿させていただきました 

 

HOME

 
前書き
新章突入です

これを機に台詞の横に名前書くのやめてみようと思います

読みずらければ遠慮せずに指摘していただけるとありがたいです

 

 

楽園の塔の一件から数日後、アカネビーチからフェアリーテイルへと帰還したアルトたちは、自分たちのギルドを見て驚いていた



「こ・・・これは・・!!」


「うわぁ!!」


「おおっ」


「驚いたな・・・」


「すげー!!!」


「完成してたんだ!!」


感嘆の声を上げるアルトたちの目の前には、昔とは似ても似つかないほど大きくて豪華な建物があった



「新しいフェアリーテイル!!!!」


「大きい・・」


ファントムロードによって壊されたギルドの建物が建て直されていたのであった


その大きさにアルトたち全員が目を丸くしていた



「よォ、お帰りィ」


「ビックリしたろ?これがオレたちの新しいギルドだぜ」


ギルドメンバーが誇らしげに言う


ナツとアルトは以前とは違うギルド内を見て、言葉を失っていた



「何だよ、お前ら言葉も出ないほど驚いてんのか?」


半ば放心状態のアルトとナツにグレイが声をかける



「だ・・だってさ、前のギルドと全然違うし・・・何か落ち着かないよ」


「そりゃそうだ、新しくしたんだし」


アルトたちは驚きながらもギルドの中へ行こうと進んでいく



「オープンカフェもあるのかよ」


「入口にはグッズショップまで!!?」


グッズショップの方を見ると、そこにはギルドメンバーの一人、マックスが立っていた



「いらっしゃい!!つーかオマエらか、おかえりー」


「マックスが売り子やってるのか」


マックスが商品を丁寧に説明していく中、ハッピーがある商品を手に取り、アルトに向けて言う



「見てアルトー!ルーシィのフィギュアがあるよー!!」


「おおっ、ソックリじゃん!」


「えーーっ!!?」


それを見たルーシィが自分のフィギュアを手に取り、まじまじと見つめる


そして少し肩を落とし言った



「勝手にこーゆーの作らないでよォ・・恥ずかしい」


「オイラはよく出来てると思うけど」


「へー、服の素材も本格的に作って・・―――」


そう言いながら、ルーシィフィギュアの洋服をいじるアルト


すると突然、フィギュアの来ていた服が弾け飛んだ



「イヤーーー!!」


自分のフィギュアの服が弾け飛ぶのを見たルーシィが顔を紅潮させ悲鳴を上げる



「な、何これ!?」


「キャストオフだ、フィギュアなら当然の機能だろ?」


「当然・・・なの!?」


マックスの笑みに苦笑するアルト


すると、後ろからカナがやってきて、アルトに声をかけた



「あんたら帰ってきたのかい?」


「あ、カナ!ただいまー」


「早く中に入んなよ、中は特別広く作ってるんだ」


カナに案内され、ギルドの中に入る



「おおっ!!!」


「わぁー、キレぇー」


「うん・・・素晴らしいじゃないか」


ギルド内を見て、再び感嘆の声を上げるルーシィたち


アルトは早くもギルドの新しい雰囲気になれたのか、色んなところを見て回りたそうだ



「・・・・・」


「どうしたんだよ、ナツ?」


「前と違う」


ナツだけは気に入らないのか、一人ムスッとした顔を浮かべていた



「ハァーイ、フェアリーテイルへようこそー」


可愛らしいウェイトレス服を着た女性がアルトたちを笑顔で出迎える



「ウェイトレスの服が変わってる」


「可愛くていいじゃないか」


「マスターの趣味かしら・・ていうか、ミラさんも着るのかしら」


「新しいギルドはそれだけじゃないよ、なんと酒場の奥にはプールが!!!」


カナの目線の先には大きくて広いプールがあった



「ルーちゃん、おかえりー!」


水着姿でビーチボールを抱えるレビィが言った



「地下には遊技場!!」


「リーダスってビリヤードやるんだ・・・」


ビリヤードに真剣な眼差しで挑むリーダスを見たアルトが意外そうに言う



「そして一番変わったのは2階!!誰でも2階へ上がっていい事になったのよ、もちろんS級クエストに行くにはS級魔導士の同行が条件だけどね」


「2階に行ってもいいのー!?」


「本当、根本的な事まで変わったんだなぁ・・・」


盛り上がるアルトたちの元に、マカロフがやってきた



「帰ってきたかバカタレども」


「あっ!!」


アルトはマカロフの方に視線を向け、驚きの声を上げる


マカロフの隣には見覚えのある女性も立っていたからである



「新メンバーのジュビアじゃ、かわえーじゃろォ」


「よろしくお願いします」


髪を切り、服を新調して気持ちを新たにした様子のジュビア



「入ることが出来たんだ、やったなジュビア!」


「はい、これでいつでもアルト様と一緒に・・・/////」


「ジュビア・・・アカネでは世話になったな」


「みなさんのおかげです!!ジュビアは頑張ります!!!」


ジュビアは満面の笑みでそう言った


フェアリーテイル一同はジュビアを快く仲間に迎え入れたようだ



「よろしくね」


「恋敵・・・」


「うっ・・・」


ただし、ジュビアはルーシィに対してだけは敵意を向けていた



「知り合いじゃったか・・・ならば知ってると思うが、こやつは元々ファントムの・・・」


「ええ・・心配には及びません、今は仲間です」


「ほーかほーか。ま・・仲良く頼むわい」


エルザに耳打ちし、事情を知っているのを聞いて安心した様子のマカロフ



「それならもう一人の新メンバーも紹介しとこうかの、ホレ!!挨拶せんか」


「他にもいるの!!?」


マカロフはテーブル席に座っている男に声をかける


その男は何やら硬い物を食べた後、ゆっくりと振り返る



「え!!?」


「オ・・オイ、嘘だろ!!?」


「マジか・・・」


アルトたちがその男を見て驚く


その男はフェアリーテイルに壊滅的な被害を与えたことのある男だったからだ



「ガジル!!?」


「何でコイツが!!!」


「きゃあぁああ!!!」


カジルを見て、騒ぎ立てるルーシィたち



「マスター!!こりゃ一体どういう事だよ!!!」


「ジュビアはともかく、コイツはギルドを破壊した張本人だ」


グレイとエルザはガジルに対し、敵意ある視線を向けていた



「何でよりにもよってフェアリーテイルに・・・!?」


「それはその・・・ジュビアが紹介したんです」


疑問を漏らすアルトにジュビアが言った



「まぁまぁ、あん時はジョゼの命令で仕方なくやった事じゃ、昨日の敵は今日の友ってゆーじゃろうが」


「うん・・・・・私もぜんぜん気にしてないよ」


「レビィちゃん」


影から顔を覗かせるレビィ


気にしてないと言いつつも、身体は恐怖で震えていた



「冗談じゃねえ!!こんな奴と仕事できるかぁ!!」


「安心しろ、慣れ合うつもりはねえ」


ガジルとナツが睨み合う


ファントム戦で互いに戦った仲であるため、敵意識が強く残っているようだ



「オレは仕事がほしいだけだ、別にどのギルドでもよかった・・・まさか一番ムカツクギルドで働くことになるとは、うんざりだぜ」


「んだとォ!!?」


「ガジルくんっていつも孤独でジュビアは放っておけなくて・・・あ・・あの・・・好きとかそーゆーんじゃないんです!!」


「えっ・・あ、うん・・知ってるけど・・・」


何故か聞かれてもないような事を必死に説明するジュビアに対し、アルトは怪訝そうな表情を浮かべていた



「道を間違えた若者を正しき道に導くのもまた老兵の役目・・彼も根はいい奴なんじゃよ・・・と信じたい」


「それがマスターの判断なら従いますが、しばらくは奴を監視してた方がいいと思いますよ」


「はい」


「(エルザ、既にマスターとしての風格が見える・・・)」


エルザとマカロフのやり取りを見てそう感じたアルト


すると不意に、カナがアルトの背中を押して長椅子の上に座らせた



「座っときなさいアルト、そろそろメインイベントよ」


「メインイベント?」


すると部屋一体の明かりが消え、暗闇に包まれた


すると前方にある大きなステージにスポットライトが当てられる


ステージ幕が開けられると、そこにはギターを構え、座っていたミラの姿があった



「ミラさん!!」


アルトが驚愕の声を上げると同時に、周りにいたギルドメンバーたちからの歓声が部屋一帯に響き渡る




「待ってたぞー!ミラー!!」


「ミラちゃーん!!!」


「ミラジェーン!!!」



「あなたのいない机をなでて・・・影をおとす今日も一人・・・♪」


綺麗な音楽を奏でながら歌うミラジェーン


スポットライトにより美しい容姿が一層際立ち、世の男性を虜にするような魅力を十分に秘めていたのが分かった




「いい歌ー!」


「仕事に出る魔導士への歌よ」



ミラが歌を歌い終えると、拍手喝采が起こった



「ミラちゃーん!!」


「最高ー!!」


「いいぞー!!」



「すっげぇ!上手だなミラさん!!」


「本当ね!」


アルトたちも笑顔で精一杯の拍手を送る


そんな中、無言で歌を聴いていたガジルが、隣に座っていたナツの足を踏みつける



「痛てぇー!!」


「ギヒッ」


「何すんだてめぇ!!!わざと足踏んだろォ!!!」


「ア?」


その時、荒立てるナツとその横にいるガジルに向かってどこからかカップが飛んでくる



「うっせえ!!ミラちゃんの歌の最中だろォがよ!!!」


「うご!!」


カップが見事に命中し、ナツの怒りは更に増す



「今物投げたの誰だコラァ!!」


目の前のテーブルをひっくり返し、ナツが叫ぶ



「ナツ!!てめぇ暴れるんじゃねえ!!」


そう言って、突然立ちあがったグレイの肩が、隣にいたエルザの肩とぶつかる


その衝撃でエルザは持っていたケーキを落としてしまった



「私の・・・いちごケーキ・・・」


「てめぇら!!漢なら姉ちゃんの歌聞きやがれっ!!」


「やかましいっ!!!!」


叫ぶエルフマンに怒るエルザの蹴りが炸裂する


騒ぎが騒ぎを呼び、いつの間にかナツとガジルの喧嘩が部屋全体を巻き込んだ大乱闘になっていた



「やれやれ・・この分じゃ、しばらく乱闘は続くな」


「これじゃあ前と全然変わらないじゃない・・・」


流れ弾に当たらないよう、身をかがめるルーシィとアルト



「でもこれでいいんじゃない?こーゆー方がフェアリーテイルって感じだし」


「それもそうよね!!」


ルーシィとアルトは目を合わせ、笑い合う



その一方で、乱闘の隅で肩を震わせるマカロフがいた



「な・・なぜあと一日、我慢できんのじゃ・・・クソガキども・・・明日は取材で記者が来る日なのにィー!!!!」


そう泣き叫んだマカロフ



「取材!?」


取材という言葉に反応したルーシィが力強く立ち上がる



「やめんかバカタレども!!!片づけーい!!!」


「オイ!!!じーさん!!!巨大化すんなァ」


「ショップやウェイトレスはその為だったのか・・・」


皆が騒ぎ立てる中、アルトが呆れた様子で呟いた

 
 

 
後書き
久しぶりに書くのでアルトのキャラが掴めない・・・(汗)

誤字・脱字・おかしな表現があればご指摘ください 

 

BEST ERIEND



週刊ソーサラー


毎週水曜日に発売される魔法専門誌の名称であり


毎回、新しい魔法商品やホットなギルドの紹介、美人魔導士などのグラビアなどで人気を博している


フェアリーテイルのミラジェーンも週刊ソーサラーのグラビアモデルを何度かやった事がある


そのおかげもあって今ではミラジェーンはフェアリーテイルの看板娘として知られるようになった



今回はフェアリーテイル大特集って事でギルドに取材が入る


つまりこの取材で目立つことが出来れば自らの存在を世界中にアピールする事が出来るのである




「うわー、ありえないくらいゴチャゴチャしてんじゃん・・・」


「皆取材なんて気にしてないんじゃない?・・・ていうか、気合入ってるねルーシィ」


目一杯のオシャレを施しているルーシィに目を向けるアルト


すると横にいるエルザが騒がしい光景を見て微笑みながら言った



「まぁ、この方がフェアリーテイルらしくていいんじゃないか?」


「・・・・・」


ルーシィがエルザに向かって笑みを向ける



「エルザ、変わったね」


「そうか?」


「だって前のエルザなら、こんな様子を見たら『片つけろー』とか『仕事行けー』とか言ってたハズだもん」


「今は新装パーティー中のようなものだろう?少しくらいハメをはずすのも若者の特権だ」


その時、アルトがエルザを見てある事に気づく



「その鎧・・・」


「うん・・・やはりこの方が落ち着くんだ、ハートクロイツ製の新しいモデルだ」


「へぇ、前の鎧よりオシャレで良いな」


「ふふっ、そうだろう」


そう言ったエルザが誇らしげに鎧の説明をし始める


その最中、突然何やら騒がしい男がエルザに声をかける



「Ohー!!!ティターニア!!!」


カメラを首にかけながら、地面を滑り来る男



「ヤッベ・・本物だ・・クール!COOL!!クゥール!!!本物のエルザじゃん!!!クゥゥゥール!!!!」


かなり興奮した様子のこの男こそが週刊ソーサラーの記者、ジェイソンであった



「週ソラの人?テンション高っ!!」


「今、木材の床を〝滑って〟きたぞ!?」


「もう来ていたのか・・・申し訳ないな、こんな見苦しい所を」


「ノープログレム!!!こーゆー自然体を期待してたんですヨ!!!」


目を輝かせるジェイソン



「あたしルーシィって言いまーす♪ エルザちゃんとはお友達でぇー」


「よかったら二、三質問答えてくれないかい?」


「かまわないが・・・」


ルーシィの売り込みを無視してエルザへの取材に集中するジェイソン



「・・・・・」


「ま・・まぁ、エルザはフェアリーテイル内でもかなり有名だし、しょうがないよ!」


落ち込むルーシィをアルトが必死に励ましていた




「換装できる鎧は全部でいくつあるんです?」


「100種類以上だ」


「COOL!!!」


エルザの換装できる鎧の数を聞き、ジェイソンは更に声を荒立てる



「一番お気に入りは?」


「バニーガールだな」


「バ・・・バニー!!?」


「あの耳が可愛いんだ」


「COOOOOOOOOOOL!!!!」


その後しばらくしてエルザの取材を終えたジェイソンは取材を続ける



「こ、今度こそ・・・」


ルーシィは再びジェイソンの元へと飛び出す



「グレイだー!!!本物のグレイがいるー!!!」


しかし、見事に無視されるルーシィであった



「くぅぅ・・・あたしの知名度ってやっぱ こんなモンか」


それを見ていたアルトは同情の眼差しを向け、ハッピーは小馬鹿にした様子で笑っていた



「ぷっ・・」


「アンタに笑われたくないわ!!!」


笑うハッピーを見たルーシィが怒鳴る



「オー!!!ハッピー!!!君は何故青いんだい?」


「ネコだからです」


「負けた!!!」


魔導士ですらないハッピーに先を越され、がっくりと肩を落とすルーシィ


そんな様子を見たアルトが、にこやかな顔で言う



「げ、元気出しなよルーシィ・・俺もエルザと一緒に居たのに取材されてないし」


「アルト・・ありがとう」


「Oh!!!アルトレアァァア!!!サラマンダーのナツと肩を並べる相棒!!!やっべ、超超超COOOOOOOOOOL!!!!」


「うわっ・・ど、どうも・・」


「アルトの裏切り者ぉ!!」


自分を励ました直後に取材を受けるアルトを見て思わず叫ぶルーシィ


その後アルトの取材を終えると同時に、ナツが大声で叫びだした



「だーーーらぁーーーっ!!!記者ってのはどいつだーーー!!!」


テーブルをひっくり返しながらの派手な登場を果たすナツ


それを見たジェイソンの興奮は最頂点に達し、急いでナツの元へ駆けつける



「ナツ!!!サラマンダーのナツ!!!!オレが一番会いたかったまどうひびがぼぁクォーーール!!!!」


「コーフンしすぎ」


ジェイソンを見て的確なツッコミを入れるルーシィであった



「やいやい!!!!いっつもオレの事悪く書きやがって!!!!」


「YES!!!」


「オレが何か壊したとか、壊したとか、壊したとか!!!!」


「COOL、COOL、COOL!!!!」


ナツが言葉を発するたびにテンションを上げるジェイソン



「会話が成り立ってない」


ナツとジェイソンのやり取りを見ていたアルトがそう言う



「ヤッベ・・・本物だ・・・超カッケェ!!!!あ・・握手してください!!!」


「うっせぇ!!!!!」


ナツに握手を求めるジェイソンだったが、豪快に殴り飛ばされて終わった



「ヤッベ!!!カッコよすぎ、さすがヒーロー!!!『こんなクールな握手は初めて』・・・と」


ジェイソンは吹き飛びながら今の自分の心境を書き留める



「プロね」


「いやすげぇな、この人」


そんなジェイソンの姿をルーシィが呆れた様子で見つめ、アルトが感心した様子で見ていた



「あ・・あの・・記者さん?あたしに質問とか・・」


「エルフマンだー!!!!COOL!!!!」


「ああん」


負けじと記者に直接取材を求めるルーシィ


しかし、またもや無視され、ルーシィはあまりのショックにその場に座り込んだ


その間、ジェイソンはエルフマンを始め、ほとんどのギルド主要メンバーに取材を求めた




「エルフマン、あなたにとって漢とは?」


「漢だな」


「そんなくだらない質問と答えよりあたしは下なの!!?」


ジェイソンに向かって必死に叫ぶルーシィ





「カナー!!!今度グラビア出てよー」


「いいからここ座って呑め!!!」


「カナ、記者に酒を呑ますなよ・・・」


「なんならアルトが付き合ってくれてもいいんだよ?」


注意するアルトの頬を撫でて言うカナ



「エンリョしまーす」


アルトは嫌な予感を察し、冷や汗を流しながら逃げるようにカナから離れた





「チームシャドウギア!!!リーダーのレビィがアルトに片思いしてるって本当!?」


「えぇっ!?いや・・あの・・そ、それは・・・/////」


「「ノーコメントだ!!」」


顔を赤くし、戸惑うレビィの横からジェイソンを怒鳴り散らすジェットとドロイ





「マスター!!!新しいギルドの抱負を」


「あ・・えーと・・愛と正義を胸に日々精進」


「うわっ・・・マスター、嘘くさいよ」



「うわーん、ぜんぜんあたしになんか かまってくれないー!!やるしかない!!恥ずかしいけどアレやるしかない!!」


まったく相手にされないルーシィは泣き出した後、ギルドの裏部屋へと入った





そして、その数分後・・・



「みんな注目ー♪あたし歌いまーす!!!!」


バニーガール姿のルーシィがステージの上に立つ



「ルーシィ!!?」


「ええ!!?」


「バニーちゃん!!?」


突然登場したルーシィの姿を見て驚くフェアリーテイルのメンバーたち



「(バニーちゃん萌えなのは調査済みよ、フフフ)」


ルーシィが歌おうと準備をすると、ギルド全体の照明が落ち、辺りが暗くなる


そしてステージの幕が開け、そこにはギターを構えた人の影が見えた



「何?何ー!?」


「ミラちゃんだ!!」


「ミラちゃんの歌が始まるぞ!!!」


ギルドにいるほとんどの人間がステージに視線を向ける


そしてステージの真ん中にいる人物に照明が当てられる



「えっ・・!!?」


ステージに注目していたアルトが驚愕の表情を浮かべる



スポットライトに照らされて現れたのは白いスーツを身に纏い、オシャレなギターを構えたガジルだったからだ



「ガジルーーー!!?」


「ええーーー!!?」


誰も予想してなかった事態だけに、ギルドメンバー全員が驚く



「ぶぶっ」


「・・・・・」


あまりの驚きにナツは食していた物を吹き出し、エルザは大好きなケーキを床に落とした




「オレを雇ってくれるギルドは少ねえ♪」


「うわ!!!何か語りだしたぞ!!!」



「飢えた狼だって拾われたらなつくモンだぜ♪ たとえかつての敵だとしても友と思い歌ってみせよう♪」


「ギター下手いけど何気にいい事言ってるじゃねーか」


「あははは!!!ガジルってこんなに面白いヤツだったのか!!?」


「がんばれガジルくん」


部屋一帯が白ける中、アルトだけは腹を抱えて笑っていた



「オレが作った曲だ、『BEST FRIEND』聴いてくれ」


聞き入れがたいギター音を鳴らすガジルは、曲名を言い終えるとそのまま歌いだした



「カラフル カラフル シュビドゥバー♪」


意味不明な歌詞と共に、ガジルは不条理な音楽を奏でる


ギターの下手さも然る事ながら、ガジル本人の歌唱力もひどく、歌を聴いたギルドメンバーはもれなく硬直状態に陥った


運悪くガジルの傍に立っていたルーシィは踊り子を強要され、挙句の果てにはハモリまでやらされる始末であった



「COOOOL!!!不条理な詩にスキャットが響く!!!今年最大のヒットソングだ!!!」


「あんた大丈夫か?」


ガジルの歌でテンションを上げるジェイソンを呆れた様子で見るマックス



「サイコーだフェアリーテイル!!!」



その後日、週刊ソーサラーが発売された訳だが・・・


予想通り、フェアリーテイルの名をさらに悪名高くする結果になったのであった

 

 

休息


週ソラの取材が終了して数日たったある日の夜


肩を落とし、落ち込んでいるルーシィは星霊のプルーと共に帰路を歩いていた



「あーあ、いい仕事見つからなかったなー・・・」


ルーシィは昼間の出来事を思い出しながら呟く


今日は運悪く、ルーシィと仕事に出かける仲間が全員不在であった


アルトはしばらくジュビアの面倒をみる為二人だけで仕事に出かけ、エルザは新調した鎧に不具合があったらしく、ハートクロイツ社へ抗議しに行った


グレイは氷の魔導士専門の仕事を受け一人で仕事に向かい、ナツとハッピーは週ソラの取材の後、ハッピーが選んだ低額報酬のクエストへ行ってしまったらしい



「このままじゃ今月の家賃払えないよぉ・・・明日、アルトに仕事行こうって誘ってみようかな・・・」


前向きに事を考えるルーシィだが、途中である事に気づく



「あ、でもアルトはジュビアの面倒を見なきゃいけないからしばらく空いてないのかぁ・・・」


「プーン」


大きめ溜め息をつき、頭を悩ませるルーシィ


プルーは自分の頬に手を当てて初々しいものを見る目でルーシィを見ていた



「だ、だけどまぁ・・別にアルトじゃなきゃ駄目ってわけじゃないし/////」


「プーン?」


「チームの中では一番頼りになりそうってだけよ!!本当にそれだけ!!」


「プンプーン♪」


「本当だってばぁ!!/////」


プルーの意味深な仕草に気づいたルーシィは必死に自己弁護していた


そうしている内にルーシィは自分の家へと到着した




家の鍵を開け、警戒しながらそっと部屋の中を覗く


辺りを見渡し、誰もいないことを確認して初めて部屋の中へと入る




「誰もいない・・・か、何で自分ん家帰るのにこんなドキドキするのかしら」


ルーシィは自分の行いに呆れつつ、『仕方ない』と自分に言い聞かせる


アルトやナツの度重なる不法侵入のせいで、今となっては警戒する『癖』がついてしまったのだ



「さーて、お風呂入ろー!!」


「プーン!!」


誰もいない事を確認して安心したルーシィは風呂に入る


そして、いつものようにやりたい事を一通り終えた後、歯を磨き、寝る支度を進めた



「ふぁー」


大きなあくびを漏らし、ベッドに潜り込み目を瞑るルーシィ



「おやすみなさーい」


誰もいない部屋で一人呟き、寝ている自分の隣にある大きな物体に抱きつく



「(・・・ん?あたし抱き枕なんて持ってたっけ?)」


両手いっぱいに広がる人肌の感触に違和感を持ったルーシィはそーっと瞑っていた目を開く


そして徐々に視線を上へと上げる



「ぎゃあーーーーーっ!!!!」


そこには安らかな寝息を立てているアルトの顔があった



「な、なな何してんのよこんなとこで!!/////」


「ん・・・何って、ただ寝てただけだよ」


「ここあたしん家ー!!てかあたしのベッド!!」


意識を覚醒させ起き上がるアルトに対し、ルーシィが大声で叫ぶ



「何でアルトがここで寝てるの!?」


「ジュビアと仕事に行ったら疲れちゃってさ・・・」


「・・・想像できるかも」


ルーシィの脳内には仕事中、片時もアルトから離れないジュビアの姿が映った



「ここから俺の家まで遠いから近くのルーシィん家で泊めてもらおうと思って」


「超勝手!!」


ルーシィがベッドから離れ、近くのソファに座りこむ


そしてアルトの方に視線を向けると、両腕に巻かれている包帯に意識が集中した



「その両腕、まだ治ってないんだ・・・大丈夫なの?」


「あぁ、魔法が出せるくらいまで回復した!まだ少し腫れてるから包帯巻いてるだけでもう痛くも何ともないよ」


アルトが腕を振り回しながら元気そうに言う


その姿を見たルーシィがアルトに気づかれないよう、良かったと呟いた



「ナツがラクサスの雷を食べた時よりは軽傷だ」


「ラクサスって・・あのS級魔導士!?」


「うん、あの時のナツはそりゃあもう大変だったよー、食欲なくなって炎も食べないし、無気力になって仕事も行かなかったし・・・」


昔を思い出し、溜め息をつくアルト



「てか、何でラクサスの雷を?」


「昔、ナツがラクサスに勝負を挑んだんだ・・・結果は瞬殺されて、ナツの完敗だったけど」


「そ・・そんなに強いの?ラクサスって・・・」


ナツが瞬殺されたと聞き、怯えて体を震わせるルーシィ



「多分、ギルダーツさんを抜かせばラクサスがフェアリーテイル最強じゃないかな・・・あ、ギルダーツさんって皆が『オヤジ』って言ってる人ね」


そう言ったアルトが再び考え出す



「あー・・でもエルザも十分強いしなぁ・・ミストガンもあんなに凄い眠りの魔法使えるんだから間違いなく強いし・・」


「そういえばフェアリーテイルのS級って5人いるはずよね?ラクサスとエルザとミストガンとギルダーツって人・・・あと一人は誰?」


ルーシィが何気ない質問をアルトにぶつける


アルトは体を小刻みに震わせ、額から冷や汗を流しながら言う



「ミラさんだ・・・昔は『魔人』って言われるくらい強くて、絶対怒らせちゃいけない人だったんだ」


「ま、魔人!?あのミラさんが・・・!?」


アルトの一言に驚きを隠せずにいるルーシィ


するとアルトは話題を逸らそうと、ポケットの中の紙を取り出す



「そういえばナブに聞いたんだけどルーシィ今、金欠なんだって?」


「そうなのよ!アルト、明日もジュビアとクエスト行くならあたしも連れてって!!」


「あぁ、それはもちろん良いけど、それよりもうまい話があるんだ」


そう言ったアルトが取り出した紙をルーシィに渡す



「仕事?」


「・・・じゃないんだけど。来週マグノリアの収穫祭があってフェアリーテイルも祭りに参加するんだ。右下の方を見て」


そう言われたルーシィはチラシの右下へと視線を向ける



「ミス・フェアリーテイル!!?」


「うん、フェアリーテイルの女のコたちの美人コンテストで優勝賞金は50万J」


「50万J!!?家賃七カ月分!!!そしてなんてあたし向き!!!」


「ジュビアは出るって言ってたし、恐らくミラさんやカナも出場するだろうけど、ルーシィも十分対抗できるよ」


「えーーーっ!!?ミラさんも!!?だって週ソラのグラビアやってる人よ!!!」


「でもルーシィだってこの前の週ソラの取材で少し有名になったじゃないか」


元気づけるように言うアルト


するとルーシィがアルトに視線を向けて言う



「そういえばアルト・・このコンテスト見に来るの?」


「見に行くよ、ジュビアに絶対見に来てほしいって言われた事だし」


その一言を聞いたルーシィが気合の入った笑みを浮かべる



「よし!ミス・フェアリーテイル絶対優勝してやるんだからっ!!」


アルトが見に来るのを知り、より一層やる気になったルーシィ


さっそく鏡の前に立ち、ポーズの練習をしていた



「ふわあぁ・・とにかく俺は寝る、おやすみー」


そう言って再びルーシィのベッドの上に寝転がるアルト



「ちょっと!!寝るんだったらせめて床に寝てー!!」


「もー・・分かったよルーシィ、ほら」


面倒くさそうな表情を浮かべるアルトは、ベッドの端に身をよせ、空いたスペースをポンポンと叩く


ここで寝ろと言う意味らしい・・・



「ふざけないでっ!!/////」


「痛っ、ごめん!!」


結局アルトはルーシィの部屋のソファで眠った


すぐ傍にいるアルトの寝息を聞き、緊張したルーシィはその夜よく眠れなかったらしい

 
 

 
後書き
アルトは基本、天然たらしの鈍感少年

しかしいざ攻められると照れてしまうよく分からない性格です 

 

収穫祭

 
前書き
収穫祭・・出番の少ないレビィとイチャつかせる絶好の機会だ・・!! 

 


収穫祭当日


マグノリアの街全体がお祭り騒ぎといった雰囲気に包まれている


屋台を出す者、路上で音楽を奏でる者、どの人たちも祭りを大いに楽しんでいた




そんな中フェアリーテイル内では、ミス・フェアリーテイルの会場設営が行われている



「ごめんねアルト、せっかくのお祭りなのに手伝わせちゃって」


「いいよ、祭りは一日中やってるからね」


ミラが申し訳なさそうに言うと、アルトは笑顔で応える


最初はナツと共に祭りの屋台を周るはずだったのだが、突如ミラに会場設営の手伝いを頼まれて、了承したのである



「しっかし本当に大掛かりだなぁ、何人エントリーしたんだろう?」


床を掃きながら綺麗に装飾された会場を見渡すアルト


そんなアルトの元にレビィがゆっくり歩いてきた



「アルト!」


「よう、レビィ・・・!?」


アルトはレビィの姿を見て愕いた


目の前に立っていたのは普段のようにラフな格好をしたレビィではなく、可愛らしい服を完璧に着こなしたレビィだったからである



「どうかなこの服・・・似合ってるといいんだけど・・・/////」


「あぁ!すごく似合ってるぞ、正直驚いた!!」


素直に感心した様子を見せるアルト


するとレビィは少し照れたように軽くはにかみながら微笑む



「あ、あのねアルト・・・私、今日ミス・フェアリーテイルに出るんだ」


「なるほど、それで今日はその格好を・・・」


「それで・・・アルトはミス・フェアリーテイル見に来るの?」


「もちろん行くよ、会場設営したからには最初から最後まで見ないとな」


「本当!?」


次の瞬間、緊張した様子のレビィの顔が明るくなり、満面の笑みを見せた



「!!」


その姿にアルトはわずかだが自分の胸が熱くなるのを感じる


この感覚は昔、レビィに想いを告げられた時のそれと同じであった



「それじゃアルト、また後でね!」


嬉しそうに言うレビィは、手を振りながら去っていく


アルトは去っていくレビィの後ろ姿を見送った後、気合いを入れ直して会場設営に臨んだ
















それから数時間がたったフェアリーテイルのギルド内



大きなステージの前には室内の床を埋め尽くすくらいの人だかりができていた


皆、ミス・フェアリーテイルの観客のようだ



「マグノリア町民の皆さん、及び近隣の皆さん、え?このイベントを見るために死者の国から来たって人もいるの?終わったら墓に帰ってね」


話し上手なマックスが、冗談交じりの司会進行を進める



「お待たせしました!!!!我がフェアリーテイルの妖精たちによる美の競演!!!!ミス・フェアリーテイルコンテスト開催でーーーす!!!!」


マックスが熱狂的な声を上げ開催を宣言すると同時に、会場全体が歓声に包まれた



「司会は このオレ、砂の魔導士マックスが務めます!!」


「あいつ・・売り子やったり色々大変だな」


「もしゃもしゃ」


「ナツはまったく興味なさそうだね」


グレイの隣でパンを食べるナツを見たアルトがそう言った



「アルトは誰が優勝すると思うー?」


羽をはためかせアルトの元にやってきたハッピーが言う



「えっ・・うーん、難しいけど・・・やっぱり名が知れ渡ってるミラさんあたりじゃないかなぁ」


「やっぱミラだよね」


「まぁ、結局はやってみないと分からないけどさ」


そう言ったアルトとハッピーは再びステージへと視線を移す




「エントリーNo.1、異次元の胃袋を持つエキソジックビューティー!!!カナ・アルベローナ!!!」


ステージの上には魅惑的なポーズを決めたカナが立っていた



「さぁ・・魔法を使ったアピールタイムだ!!」


マックスの紹介が終わると同時に、カナは魔法札(マジックカード)をばら撒く


するとカードが宙を舞い、カナの身体全体を隠すように覆っていく



「おおっと!!カードがカナの姿を隠して・・」


次の瞬間、全てのカードがはじけ飛ぶと同時に水着姿のカナが登場する



「水着に着替えたー!!!!」


カナの姿を見た観客たちが一斉に歓声を上げる



「50万・・・いいえ・・・酒代は頂いたわ」


自信ありげにそう言ったカナはステージ裏へと戻る



「うわ、すごい歓声・・・さっきエルザも出るって言ってたし、ルーシィ大丈夫かなぁ・・・家賃確保できるといいけど・・・」


カナの演技を見て、そう言ったアルト


戻っていくカナと入れ替わるように、ジュビアがステージ上へ現れる




「エントリーNo.2 新加入ながらその実力はS級、雨もしたたるいい女、ジュビア・ロクサー」


アピールタイムで体を水に変えるジュビア



「うわぁ!!体が水になった!!」


「すげぇ!!」


それを見た観客たちは感嘆の声を上げる


水に変えたジュビアの体が元に戻るとカナと同様、水着に着替えていた



「アルト様、見てますか!!!」


膝下辺りで波を作り、観客席にいるアルトへと笑顔を向ける



「またしても色仕掛けか!!」


ステージ裏で演技を覗いていたルーシィが叫んだ




「エントリーNo.3 ギルドが誇る看板娘!!!!その美貌に大陸中が酔いしれた!!!!ミラジェーン!!!!」


「待ってましたー!!!」


「優勝候補ー!!!」


「本物だぁ!!!」


「本で見るより可愛いなぁ」


ミラジェーンの登場と共に、観客たちは今までで一番の声援を送る



「やっぱりミラだね」


「どんなアピールするんだろ、ジュビアたちと同じグラビア系だったらミラさんが圧勝しちゃうかも・・・」


ハッピーとアルトも真剣にミラのアピールタイムに期待を込める



「さあ、アピールタイム!!」


「私・・・変身の魔法が得意なんで変身しまーす」


そう言うや否やミラは自分に変身魔法をかける



「顔だけハッピー」


「えーーーーーーーーーー!!!?」


胴体はそのまま、顔だけがハッピーの姿をしたミラ


期待していただけにショックが大きかったようで、会場中に驚愕した観客たちの叫びが響く



「顔だけガジルくん」


「ぶーっ」


「ぶふっ」


顔だけがガジルの姿をしたミラを見て、遠くから見ていたガジルとアルトが吹き出した



「あはははっ」


「ガ、ガジル・・・やべぇ、面白過ぎだぜミラさん!あははははっ!!」


「喜んでんのオマエらだけだぞ」


「姉ちゃん・・・」


皆がしらける中、ハッピーとアルトだけが大笑いする


いつもはミラを支持するワカバとエルフマンも今回だけはミラの姿に気を落としたようだ



「(優勝候補が自滅した!!!)」


その光景を舞台裏から見ていたルーシィは可愛らしくも悪い笑みを浮かべていた




「エントリーNo.4 〝最強〟の名の下に剛と美を兼ね備えた魔導士、妖精女王(ティターニア)のエルザ・スカーレット!!!」


「キター!!!」


「エルザー」


「かっこいいーーーっ!!!」


「あれがフェアリーテイル最強の女か」


ハートクロイツ製の鎧を纏ったエルザを見た観客たちはミラの時と同じくらいの大歓声を上げる



「すごい人気」


「流石だな」


舞台裏のルーシィと観客席にいるアルトは歓声の大きさに驚いていた



「私のとっておきの換装を見せてやろう・・・とーーーっ!!!」


透き通った叫び声とともに、エルザは服を換装する


次の瞬間、換装を終え現れたのは可愛らしいゴスロリ服を着たエルザであった



「ゴスロリ!!!?」


「フフ・・・・決まった!」


誇らしげな表情を浮かべるエルザ



「あいつもだいぶキャラが変わったな・・・」


「ウィ」


マカオやリーダスは、とても驚いた様子でエルザを見ていた



「(今のエルザ、すごく楽しそうだ・・・)」


得意げな様子でステージ上に立つエルザを見たアルトは思わず顔をほころばせる



エルザの予想外のアピールによって会場の歓声と熱気が増していく




「エントリーNo.5 小さな妖精、キューティー&インテリジェンス!!レビィ・マクガーデン!!!」


「「いいぞーレビィ!!!」」


レビィの立体文字(ソリットスクリプト)を使ったアピールを見たジェットとドロイの二人が大歓声を上げる



途中、誰にも気づかれないようチラチラとアルトを見ていたレビィ


その視線に気づいたアルトもまた、誰にも気づかれないように小さなグットサインを送る



「・・・・・/////」


アルトのサインに気づいたレビィは顔を真っ赤に染めながら、演技を終え舞台裏へ捌ける




「エントリーNo.6 西部からのセクシースナイパー、ビスカ・ムーラン!!!」


「か・・・かわいい!!!」


ステージ上のビスカに熱い視線を向けるアルザック



「エントリーNo.7 我らがギルドのスーパールーキー、その輝きは星霊の導きか・・・ルーシィ・ハ―――」


「だーー!!!ラストネームは言っちゃダメェ!!!」


自分がハートフィリア財閥の令嬢だと知られたくないルーシィは、マックスの紹介を慌てて止めた



「何だ?」


「?」


「かわいいなあの()・・・」


「えーと・・・あたし、星霊と一緒にチアダンスします」


上着を脱ぎ、ルーシィは着ていたチアガール衣装を露にした



「エントリーNo.8」


「!」


その時、ルーシィの背後から聞きなれぬ女性の声が聞こえた



「ち・・・ちょっと、あたし まだアピールタイムが・・・」


突然の乱入者に困り果てるルーシィ



「妖精とは私の事、美とは私の事、そう・・全ては私の事・・」


会場がざわつく中、乱入者はお構いなしといった様子でステージ上に立つ




「優勝は このエバーグリーンで決定ー!ハーイ、くだらないコンテストは終了でーす!!」


フェアリーテイルの魔導士、エバーグリーンは自分で自分に優勝宣言した

 

 

バトル・オブ・フェアリーテイル


「優勝は このエバーグリーンで決定ー!ハーイ、くだらないコンテストは終了でーす!!」


エバーグリーンの姿を見たマカロフやアルトたちは驚愕の表情を隠せずにいた



「エバーグリーン!!」


「帰ってたのか!?」


「(エバーグリーンって確か、ラクサスの・・・収穫祭に無関心だった奴が何故よりによって この時期に帰ってきたんだ・・・!?)」


一瞬、最悪のイメージがアルトの頭を過ぎった



「邪魔しないでよ!!あたし・・・生活がかかってんだからね!!」


「ルーシィ!!今すぐエバーグリーンから離れろ!!」


「え?」


アルトがルーシィに向かって叫ぶ


しかし、エバーグリーンはメガネを上にずらした後、瞬時にルーシィと目を合わせる


するとルーシィの身体が一瞬で石になってしまった



「な・・何だアレ!!?」


「石!!?」


「アピールか!?」


「マズイぞ!!町民の皆は早く逃げて!!!」


石になったルーシィを見て不安の表情を浮かべる観客たち


マックスが観客の安全を確保するため、会場の外へと誘導する



「何をするエバーグリーン!!祭りを台無しにする気か!?」


「お祭りには余興がつきものでしょ?」


そう言って舞台裏を隠していた幕を燃やし始めるエバーグリーン


すると現れたのは、ミス・フェアリーテイルに出場した女性魔導士たちが石化した姿だった



「なっ・・!?」


「控え室にいた奴等が全員 石に!?」


その光景に驚くフェアリーテイルの魔導士たち



「バカタレが!!!今すぐ元に戻さんかっ!!!」


マカロフがエバーグリーンへ怒鳴る


すると、ステージのど真ん中に激しい雷が落ちた



「よォ・・・フェアリーテイルのヤロウども・・・祭りはこれからだぜ」


落ちた雷の中からラクサスが姿を現す


その傍らには腰に刀をさげた長髪の男と仮面をつけた長身の男が立っていた



「ラクサス!!!」


「フリードにビックスローも!!?」


「雷神衆!!!ラクサス親衛隊だ!!!」



「遊ぼうぜ、ジジィ」


「バカな事はよさんか!!こっちはファンタジスタの準備も残っとるんじゃ、今すぐ皆を元に戻せ」


「ファンタジスタは夜だよな、さぁて何人が生き残れるかねぇ・・・」


そう言ったラクサスは、石化ルーシィの頭上めがけて雷を落とした



「よせぇ!!!!」


マカロフが叫んだ瞬間、衝撃波が雷を弾く



「アルト!!」


雷が逸れるのを見たマカロフが振り返り、衝撃波が飛んできた方向を見る


そこには真剣な表情でラクサスを見据えるアルトがいた



それを見たラクサスはわざとアルトに視線を向け、言う



「この女たちは人質に頂く、ルールを破れば一人ずつ砕いていくぞ、言ったろ余興だと」


「冗談ですむ遊びとそうはいかぬものがあるぞ、ラクサス」


「もちろんオレは本気だよ」


マカロフの言葉にもまったく動じないラクサス



「ここらでフェアリーテイルの最強は誰なのかをハッキリさせようじゃないか」


「―――つう遊びだヨ」


そう言ったのは雷神衆の二人、長髪の男フリードと仮面をつけた男ビックスロー



「ルールは簡単、最後に残った者が勝者、バトル・オブ・フェアリーテイル」


ラクサスが口角を上げ、そう宣言すると同時にギルド内にある机が一つ、弾け飛ぶ


ギルドにいる全員の視線が集まる、そしてそこに立っていたのは・・・



「いいんじゃねえの?わかりやすくて、燃えてきたぞ」


「ナツ!!!」


今まで食事をとっていたナツだった



「ナツ・・・オレはお前のそういうノリのいいとこは嫌いじゃねえ」


机を飛ばしたナツを見てラクサスが言った



「ナツ」


「祭りだろ?じっちゃん、行くぞ!!!」


腕を捲り、気合十分のナツはラクサスに向かって走り出す



「オメェ・・・昔、ラクサスにどれだけひどくやられたか覚えてねーのかよ!!!」


「ガキの頃の話だ!!」


「去年くれえの話だよ」


「去年はガキだったんだァ!!!」


周りの忠告を無視し、ナツは走る足を更に速める



「・・・だが・・・そういう芸のねえトコは好きじゃねえ、落ちつけよナツ」


殴りかかったナツはラクサスの雷を浴び、返り討ちにあった


黒こげになったナツはその場に倒れこみ、動かなくなる



「このコたちを元に戻したければ私たちを倒してごらんなさい」


「オレたちは4人、そっちは100人近くいる、うっわぁ!!こっちの方が不利だぜ、ぎゃはははっ」


「制限時間は三時間ね、それまでに私たちを倒さないとこのコたち・・・砂になっちゃうから」


「何!!?」


「本気かよ!!?」


エバーグリーンの言葉に体を震わせるフェアリーテイルの魔導士たち



「バトルフィールドはこの街全体、オレたちを見つけたらバトル開始だ」


笑みを浮かべながらそう言ったラクサス


すると、突如アルトがマカロフの前に立ち、ラクサスと向かい合う



「よォ、アルトレア・・楽しみだぜぇ、お前と戦うのは」


「皆を元に戻せ、ラクサス」


真剣な眼差しを向けるアルト



「だから言ったろ?これは祭りの余興だ、オレたちを見つけ出してからバトル―――」


ラクサスが喋る最中、アルトが衝撃波を使った加速でラクサスに接近し、殴りかかる



「いいから戻せ!!」


「慌てんなって・・・楽しもうぜ、アルトレア」


次の瞬間、激しい閃光がアルトたちを包む



「バトル・オブ・フェアリーテイル開始だ!!!!」


そう言い残し、ステージから姿を消したラクサスと雷神衆



「消えた!?」


「この街で鬼ごっこをやろうってのかラクサス!!!」


「あんのバカタレめぇっ!!」


ラクサスが辺りにいない事を知ったギルドメンバーは急いでラクサスたちを探しにマグノリアへと出る



「くそォオオッ!!!!姉ちゃんたちを助けねえと!!!!」


「あいつらぁぁーーーっ!!!」


「ラクサスを捕まえろォ!!」


「なめやがってぇっ、ぶっ潰してやるァ!!」


怒りを燃やし、次々とギルド内を出ていく魔導士たち



「ビスカ・・僕が必ず助けてあげるからね」


石化したビスカに向かって言うアルザック



「ワシが・・ワシが止めてやるわ!!!!クソガキがっ!!!!」


マスターであるマカロフもラクサスを探そうとする



「!!!」


しかし、見えない何かにぶつかって出ることが出来なかった



「何やってんだ、じーさん!!」


「何じゃコレは!!?進めん!!!見えない壁じゃ!!!」


「こんな時にどーしちまったんだよ、見えない壁なんかどこにもねーだろ」


グレイがマカロフに対して言う


しかし、マカロフがどんなに力を入れようとギルドの外に出ることが出来なかった



「どうなってんだ!!?」


「本当にマスターだけ見えない壁が!!?」


グレイがマカロフを引っ張るが、外に出る事は出来ない



すると突如、空中に文字が浮かび上がる



「これは・・・・フリードの術式か!?」


「術式!?」


「結界の一種じゃ、踏み込んだ者を罠にはめる設置魔法、おそらくこのギルドを囲むようにローグ文字の術式が書かれておる!!」


そして浮かび上がった文字を指さすマカロフ



「術式に踏み込んだ者はルールを与えられる、それを守らねば出る事はできん、見よ」



【ルール・80歳以上を超える者と石像の出入りを禁止する】



「何だよこの言ったモン勝ちみてーな魔法は!!?」


術式のルールを見たグレイが叫ぶ



「術式を書くには時間がかかる・・・ゆえにクイックな戦闘には向いておらんが、罠としては絶大な威力を発揮する」


「こんな魔法のせいでここからじーさんだけ出られねえってか!?壊せねえのかよ!?じーさんでも」


「術式のルールは絶対じゃ!!『年齢制限』と『物質制限』の二重の術式とは・・・フリードめ・・・いつの間にこんな強力な・・・」


「初めからじーさんは参加させる気はねえって事か、周到だな」


そう言ったグレイはマカロフに背を向け走り出す



「グレイ!!」


「あんたの孫だろうが容赦しねえ、ラクサスをやる!!!!」


走り去るグレイの背中をただ見ることしかできないマカロフは頭を悩ませる



「(ラクサス・・何を考えておる!!?あんなバカタレだが強さは本物じゃ・・・ラクサスに勝てる者などおるのか・・・?)」


そう思ったマカロフは辺りを見渡し考える



「(エルザならもしかしたら・・・しかし・・・今の状態では・・・)」


すると、マカロフは影に隠れていたリーダスの存在に気づく



「ご・・ごめ・・・オ・・オレ・・・ラクサス怖くて・・・」


「リーダスか」


太った絵描きの魔導士、リーダスはゆっくりと影から姿を現す



「よい、それより東の森のポーシュリカの場所は分かるな?」


「ウィ」


「石化を治す薬があるかもしれん、行ってこれるか?」


「ウィ!!!そーゆー仕事なら!!!」


マカロフの頼みを聞き、引き受けたリーダス



「ナツー!!!!とっとと起きろォオオオ!!!!」


「ごあーーーっ!!!」


何度起こしても起きないナツの体をアルトが揺らし、無理やり目覚めさせる



「あれ、アルト!?ラクサスはどこだ!!?」


「ラクサスどころか、ここには誰も居ないよ」


「本当だ!!じっちゃん、何だコレ!!?」


気絶していて事情を知らないナツはマカロフに尋ねる



「(本気のアルトとナツが組めば・・・もしかして・・・)」


そう閃いたマカロフがナツとアルトに向かって言う



「祭りは始まった!!!!ラクサスはこの街の中におる!!!!倒してこんかい!!!!」


「おっしゃああああっ!!!まってろォラクサスゥゥ!!!」


やる気に満ちた叫びを上げ、勢いよく走り出すナツ




しかし、見えない壁がナツの行く手を阻む




「なにコレ?」


「えええええっ!!!?」


ルールに引っかかっていないハズのナツも術式の外に出ることができなかった



「どーなってんだ!?俺は普通に出入りできるぞ!?」


見えない壁を挟み、行ったり来たりを繰り返すアルト



「何でだ畜生ォー!!!」


ナツが出れない事を知ったマカロフが、術式の外にいるアルトに話しかける



「こうなれば仕方ない・・・頼むアルト、ラクサスを止めてくれ!!」


「・・・いいのかよ、マスター?」


「ギルドを危険にさらす奴を野放しにしておけん・・・」


マカロフの姿を見たアルトが決意を固めた様子で言った



「分かった、行ってくる!!」


そう言い残し、ラクサスを探しにマグノリアへと駆けて言ったアルト



「(頼んだぞ・・・アルト)」


「ぐぐぐ・・・俺も戦いてぇーーー!!!」


ナツとマカロフはアルトの後ろ姿を見送る事しかできずにいた

 
 

 
後書き
B・O・F編はオリジナル要素強めです

 

 

仲間を踏み越えて進め


ナツたちが術式にはまっている一方


マグノリアの街に出たフェアリーテイルの魔導士たちはラクサスたちを探すため、街中を歩きまわっていた



「手がかりなしか・・くそォ・・あいつ等・・・よくもビスカを・・・」


銃弾魔法を使う魔導士アルザックはラクサスたちを見つけるため、マグノリアの街をでたらめに探しまわっていた



「アルザック」


同じく、ラクサスを探すアルトがアルザックに声をかける



「ラクサスの居場所は?」


「いや・・・まだ見つからない」


怒りに燃えるアルザックは近くの木箱を蹴飛ばす



「許せねえ!!!ラクサス!!!」


「落ち着けよアルザック、焦ってもラクサスは見つからない」


「落ち着いてられるかよっ!!!3時間以内にラクサスを倒さねえと!!!」


次の瞬間、地面と空中に文字が現れる



「何だ!?」


「これは・・フリードの術式!!」


そう言ったアルトが空中に浮かびあがる文字を見る



【ルール・この中で一番強い魔導士のみ術式の外へと出る事を許可する】



「一番強い魔導士・・・!?」


「要するに仲間同士で戦えって事か・・・」


ルールを読んだアルトが首を横に振りながら言う



「バカバカしい、何か他の手を考え―――」


「ごめん、アルト」


アルザックがアルトに銃を向け、言う



「僕はビスカを助けたい、こんなトコでじっとしてる訳にはいかない」


「アルザック・・・!?」
















同時刻、フェアリーテイルのギルド内



「どーなってんじゃあ、ナツ!!お前80歳か!!?石像か!!?」


「知るか!!何で出れねえんだよォォォ」


マカロフとナツが術式に悪戦苦闘していた最中、空中に新たな文字が浮かび上がった



「バトル・オブ・フェアリーテイル途中経過?・・・ん?」


浮かび上がった文字を読み取るマカロフは驚愕の表情を浮かべる



【ジェットvs.ドロイ 相討ちにより両者戦闘不能 フェアリーテイル残り82人】



「な・・何じゃこれは!?」


「何でこいつらが戦ってんだ?」


すると、ジェットたちの結果に続くように次々と新たな文字が浮かび上がる



【マックスvs.ウォーレン 勝者 ウォーレン】



【クロフvs.ニギー 相討ちにより両者戦闘不能】



【ワンvs.ジョイ 勝者 ワン】



【ミキィ4人抜き!】



【ワカバvs.マカオ 戦闘開始】



「よせ!!!やめんかガキども!!!」


「街中に術式の罠がはってあるんだ・・・それにかかった皆が戦いを強制されて・・・これがラクサスの言ってたバトル・オブ・フェアリーテイル」


「くっ・・・!!」


マカロフが黙って文字を見ていると、更に新しい文字が浮かび上がる



【アルトレアvs.アルザック 戦闘開始】



「アルト!!?」


「アルトも同じように戦わされてるんだ・・・」


浮かび上がるアルトの文字を見たマカロフが考え込む



「(マズい・・・こんな状況でアルトは自分の仲間を倒すことが出来るのか・・・下手すれば攻撃せずに黙ってやられるかもしれん・・・!!)」


「オレも混ざりてえっ!!!何なんだよ!!!この見えねえ壁は!!!」


マカロフの隣で見えぬ壁に顔を張り付けるナツ


いくら力を入れようと壁を通ることが出来ないようだ



「まざってどうする気じゃ、バカタレ!!!」


「最強決定トーナメントだろ これ!!!」


「どこがトーナメントじゃ・・・仲間同士で潰し合うなど・・・」


「ただのケンカだろ?いつもの事じゃねーか」


「これのどこがいつも通りじゃ、仲間の命がかかっておる!!!皆 必死じゃ!!!正常な思考で事態を把握できておらん!!!このままでは石にされた者たちが砂になってしまい二度と元には戻らん・・・」


深刻な表情のマカロフが言う言葉を黙って聞いていたナツ


するとナツは笑みを浮かべて言う



「いくらラクサスでもそんな事はしねーよ、ムカつく奴だけど同じギルドの仲間だ、ハッタリに決まってんだろ?」


「ナツ・・・」


マカロフは意外そうな目でナツを見た



「これはただのケンカ祭りー・・・っつーか何で出れねえんだ!?」


「オイラはフツーに通れるよ」


「80歳超えてたのか・・・オレ」


「そんな訳ないと思うけど・・・」


「(お前はあのラクサスを仲間だというのか?そこまではやらない・・・と、信じられるのか・・・?ワシは・・・)」


ナツの言葉を聞き、深く考えるマカロフ


ふと、空中に浮かび上がる文字に目を向ける


そこにはバトル・オブ・フェアリーテイルの参加人数と残り時間が書かれていた



【残り時間 2:18 残り人数 42人】



「(42人!!?仲間同士の潰し合いで・・・もう人数が半分以下に・・・)」
















その頃マグノリアの街の一角


アルザックがアルトへ一方的な攻撃を仕掛けていた



次々と発射される魔法弾をかわすアルト


一方でアルザックは、攻撃の手を休めようとはしない



「銃弾魔法(ガンズ・マジック)!!」


「くっ・・!!」


魔法弾がかなりの速度で飛んでくるのを見たアルトは横へと飛び退いてかわす



「おい、やめろよアルザック!俺たちが戦う必要なんてないぞ!!」


「君を倒すことで僕は術式から出られる!そうすればビスカを助けることができる!それが僕の戦う理由だ!!」


魔法弾を連射しながらアルザックが叫ぶ



「ここで俺たちが戦えばそれこそラクサスの思う壺だ!」


「それでもいい、ビスカを助けるためならば何だってする!!」


アルザックの怒涛の攻撃をかわすアルト


しかし、一向に魔法弾の弾が切れる様子はない



「(くそっ・・どうすればいい!?石化した皆を助けるには早くラクサスを見つけなきゃならねえのに・・・かといって、味方のアルザックを倒すなんて・・・)」


「どうしたアルト!?戦わないのか!!?」


「俺はお前と戦いたくねえ!!」


「ならこのまま制限時間が無くなるまでずっと何もしないって言うのか!!」


目を見開いたアルザックは攻撃の手を止め、アルトへ叫ぶ



「君なら分かるはずだ・・・大切な人が死ぬかもしれない不安と怒りが・・・」


「!!」


不意に、アルトの脳内にルーシィやエルザの姿が過ぎる


どちらも死ぬかもしれない境地に陥った二人であり、その度にアルトはナツたちと共に不安と怒りを抱きながらも助けてきた


今、アルザックもその時の自分と同じ気持ちなのだろう



「僕と戦えアルト!皆を助けるためにも!!」


再び放たれた魔法弾をかわしたアルトは、鋭い眼光を向ける


その瞳に一瞬ひるみながらもアルトへ銃口を向けるアルザック



「・・・分かったよ、アルザック・・・この戦いどっちが勝っても恨みっこなしだ!」


「行くぞ!!!銃弾魔法・台風弾(トルネードショット)!!!」


旋風の魔法弾が一直線に放たれる


アルトは魔法弾の中へ飛び込み、両腕を思いきり振って旋風をかき消した



「風の魔法弾が・・かき消された!!?」


「うぉおおお!!!」


自分の魔法が素手で弾かれ、驚くアルザック


それを見たアルトは即座にアルザックをその場に殴り倒した



「ぐほっ!?」


アルザックが吐血し、倒れこむと同時に術式が解除された



術式が解除された事を確認したアルトは倒れているアルザックの元へ歩み寄る



「アルザック・・・」


「ま・・まいったよ・・・僕の魔法が・・・素手で防がれるなんて・・・」


倒れているアルザックがアルトに視線を合わせて言う



「頼む・・ビスカを・・・助けてくれ・・・」


「あぁ、約束するよ!石化した皆は必ず助ける!!」


アルトはそう言って頷くと、アルザックに背を向け走り出す


ラクサスを見つけ出すため、再びマグノリアの街を探しまわったのであった



【アルトレアvs.アルザック 勝者 アルトレア】


 
 

 
後書き
アルザックとアルトレアって名前の出だしが「アル」だから二人のバトルは書きにくいと感じた

 

 

投了



マグノリアの街にて、アルトがアルザックを倒した同時刻


術式が張られているギルド内では、ナツとマカロフが次々と浮かび上がる文字を見ていた



「また新しい文字が!!」


ハッピーが空中に浮かぶ文字を指さして言った



【アルトレアvs.アルザック 勝者 アルトレア】



「アルトが勝ったようじゃな・・・」


「当然だろ!アルトがそう簡単にやられるわけねえ!!」


文字を読んだマカロフとナツが言う


そしてその直後に複数の文字が同時に浮かび上がった



【エバーグリーンvs.エルフマン 勝者 エバーグリーン】



【グレイvs.ビックスロー 戦闘開始】



「まさかエルフマンがやられるなんて・・・」


「ぬうぅ・・・グレイはビックスローと戦ってやがる」


「雷神衆が動き出したんだ!!!」


主力であるエルフマンがやられ、焦りを募らせるマカロフたち


すると追い打ちといわんばかりに、絶望的な文字が浮かび上がる



【リーダスvs.フリード 勝者 フリード】



「リーダスがやられた!!」


驚きながら文字を見るハッピー


石化を解く希望が断たれ、マカロフは苦悶の表情を浮かべる



「くぅ・・・やるなァ、フリード!!!」


「のんきな事言ってる場合じゃないよ!!!リーダスは石化を治す薬を取ってくるハズだったんだ」


「治す事ねえよ、どうせハッタリだから」


ナツがそう言うと、背後からラクサスの声が聞こえた



『ハッタリだと思ってんのか?ナツ』


「ラクサス!!!」


見るとそこには、笑みを浮かべるラクサスの思念体があった



「思念体だ」


『つーか、何でオメーがここにいんだよナツ』


「うっせぇ!!!出れねえんだ!!!」


「ラクサス・・・貴様・・・」


ラクサスを鋭い眼で睨みつけるマカロフ



『仲間・・いや、アンタはガキって言い方してたよな・・ガキ同士の潰し合いを見るに堪えられんだろ?』


するとラクサスは石化した魔導士たちを見て言う



『あーあ・・・ナツもエルザも参加できねえんじゃ雷神衆に勝てる兵は残ってねえよなァ』


「まだアルトがおる・・・」


『アルトレアか・・・確かにあいつはナツやエルザと互角の実力を持つが、雷神衆全員を倒せると思うか?仮にできたとして、その直後に俺と戦って勝てるのか?』


「・・・・・」


黙りこむマカロフ



『降参するか?』


「くぅ・・・」


言葉につまるマカロフの横からハッピーが言う



「まだグレイだっているよ!!ナツと同じくらい強いんだ!!雷神衆なんかに負けるもんか!?」


「オレと同じだァ!?アイツが?」


「だってそうじゃん」


グレイと互角に扱われて気に入らない様子を見せるナツ


するとラクサスが挑発的な笑みを浮かべて言う



「グレイだぁ?ククッ、あんな小僧に期待してんのかヨ」


「グレイをみくびるなよ、ラクサス」


しかしその直後、空中に新たな文字が浮かび上がる



【グレイ戦闘不能 残り28人】



目の前に表示された文字を見て絶句するマカロフたち



『ふははははっ!!!だーから言ったじゃねーか』


「嘘だっ!!!絶対なんか汚い手使ったんだよ!!!」


「ぬうぅ・・」


グレイがやられたのを見て小さく唸るナツ



『あとは誰が雷神衆に勝てるんだ?クク・・・』


「ガジルだっ!!!」


『残念!!奴は参加してねーみてーだぜ、元々ギルドに対して何とも思ってねえ奴だったしな』


「オレがいるだろーが!!!」


『ここから出れねーんじゃ、どうしようもねーだろナツ』


マカロフは覚悟したように目を閉じた



「もうよい、わかった」


そしてゆっくりと目を開き、ラクサスに向かって言う



「降参じゃ、もうやめてくれラクサス」


「じっちゃん!!!!」


降参を宣言したマカロフ


しかしそれを聞いたラクサスが口角を吊り上げて、マカロフを見下した態度をとる



『ダメだなぁ・・・天下のフェアリーテイルのマスターともあろう者がこんな事で負けを認めちゃあ、どうしても投了(リザイン)したければフェアリーテイルのマスターの座をオレに渡してからにしてもらおう』


それを聞いたマカロフが目を見開いて驚く



「汚ねーぞラクサス!!!オレとやんのが怖えのか!!?ア!!?」


「貴様・・・初めからそれが狙いか・・・」


『女の石像が崩れるまであと一時間半、リタイアしたければギルドの拡声器を使って街中に聞こえるように宣言しろ、フェアリーテイルのマスターの座をラクサスに譲るとな』


するとラクサスの思念体が薄れ、消えていく



『よーく考えろよ、自分の地位が大事か、仲間の身が大事か』


そう言い残し、思念体は完全に消え去った



「くそっ!!!オレと勝負もしねえで何が最強だ!!!何がマスターの座だ!!!」


「マスターの座など正直どうでもよい」


「いいのかよ!!」


「だが・・・ラクサスにフェアリーテイルを託す訳にはいかん、この席に座るにはあまりにも軽い・・・信念と心が浮いておる」


険しい眼差しでそう言い切るマカロフ


いくら強かろうと、信念と心が弱ければマスターの座に就くことはできないようだ



「でも、このままじゃ・・・みんなが砂になっちゃう・・・」


ハッピーが石像になったエルザたちを見てつぶやく



「えーい!!!誰かラクサスを倒せる奴はおらんのかっ!!!」


「オレだよオレ!!!!」


「ここから出れんのじゃどうしようもなかろう」


ナツたちが言い争っていると、どこからか食器が落ちる音がした



「誰!?」


ハッピーが食器が落ちた音の方を向く


するとそこに現れたのは、食器を銜えるガジルであった



「ガジルー!!」


「食器を食べんなー」


力強く立ち上がるガジルを見て、マカロフが言う



「も・・もしや・・・行ってくれるのか」


「あの野郎には借りもある、まあ・・・任せな」


「おおっ!!!」


ガジルは笑みを浮かべながら街へ出ようとするが・・・


ゴチーンと何かにぶつかる音がした



「・・・・・」


ナツと同じく、ガジルまでもが見えない壁にぶつかって行く手を阻まれる



「「「おまえもかーーーっ!!!!」」」


「な・・何だこれはー!!!」


マカロフたちの叫びがギルド一帯に響いた
















その頃、マグノリアの街


「ラクサスー!!どこだぁー!!」


アルトがラクサスを探し出すため、マグノリアの街を走り回っていた



「ん・・何だアレ!?」


走るアルトの目の前には大男の石像があった


アルトは足を止め、石像を見つめる



「まさかコレ・・・エルフマンか!?」


石像と化した大男には鋭い爪と大きな角があり、接収(テイクオーバー)のような魔法を使っていたようだ


フェアリーテイルの魔導士で、これほど完璧な野獣の接収を使えるのはエルフマンしかいなかったので、石像の正体はすぐに分かった



「どうなってんだ・・・これもエバーグリーンの仕業か・・・?」


アルトが驚いた様子で石化したエルフマンを見つめる


すると、背後にある建物の屋根の上から、一人の足音が聞こえた



「!!」


足音を察知したアルトは、ゆっくりと後ろを向き屋根の上に立つ人間を鋭い目つきで睨みつける



「うふふ・・いいわね、その表情・・・やっぱり貴方は戦ってる時の顔の方が素敵よ、アルト♪」


屋根の上には扇子を口元に当て妖艶な雰囲気を醸し出すエバーグリーンの姿があった



「そんな事はどうでもいい・・・石にしたエルフマンとエルザたちを元に戻せよ」


「もちろんいいわよ、私に勝てたらね」



【アルトレアvs.エバーグリーン 戦闘開始】


 
 

 
後書き
やばい・・・エバーグリーンを惚れさせる方法が思いつかないぞ・・・(汗)

 

 

アルトvs.エバーグリーン


アルトがエバーグリーンと対峙していた同時刻




フェアリーテイルギルド内



【バトル・オブ・フェアリーテイル 残り3人】



「残り三人だけじゃと!!?」


マカロフが空中に現れた文字を見て驚く


最初は100人以上いた魔導士もわずか一時間半で残り3人となっていたからである



「三人・・・アルトを除くとあと二人か・・・」


「何でオマエまで出れねーんだよ、マネすんじゃねー!!」


「知るか」


「ハラ減ってきたじゃねーかコノヤロウ!!!」


「それは本当に知らんわ!!!」


激しい言い争いをするナツとガジル


それを見たマカロフが冷や汗を流しながら呟く



「・・・二人?」


「「!?」」


二人に視線を移すマカロフが叫びだす



「こいつ等の事かぁーーーっ!!!?」


「オイラは頭数に入ってなかったのかーーー!!!」


人数に数えられてなかったハッピーは、かなりのショックを受けた



「(同士討ちや雷神衆の手によってフェアリーテイルの魔導士がアルトを残して全滅したというのか・・・流石のアルトも雷神衆全員と戦った後、ラクサスを倒す事などほぼ不可能・・・)」


そしてマカロフは石化したエルザたちに目を向ける



「(せめて石化したエルザたちが目覚めてくれれば・・・)」


そんな事を考えていると、空中に新たな文字が浮かび上がる



【アルトレアvs.エバーグリーン 戦闘開始】



「!!」


その文字にマカロフたちが注目する



「アルトとエバーグリーンが戦ってるんだ・・・!!」


「なーに、アルトなら楽勝だっつーの」


「だがもし負けちまえば、その時は もう戦う奴がいなくなっちまうんだろ?」


ガジルが文字を見上げながら言う


それを聞いたナツが石化したエルザたちに目を向ける



「仕方ねえ、エルザを復活させるか!!!」


「「「何!!!?」」」


「あーあ、せっかくエルザを見返すチャンスだったのになァ」


「ちょ・・ちょっと待たんかいっ!!おまえ・・・どうやって・・・!!?」


マカロフが焦りながらナツに問う


するとナツはしれっとした顔で言った



「燃やしたら溶けんじゃね?石の部分とか」


「やめーーーい!!!!」


ナツのとんでもない提案に思わず叫ぶマカロフ



「やってみなきゃわかんねえだろ」


「わかるわい!!!よせっ!!!エルザを殺す気か!!!」


マカロフの言葉を聞かずに、ナツはエルザの体全体を火でこすり始める



「ナツ!!!火でこするでないっ!!!」


「つーか・・・てめ・・・手つきエロいぞ・・・」


しばらくこすると、とんでもない事が起きた


パキッという音と共にエルザの額にヒビが入ったのだ



「・・・・・!!!!」


この事態にナツたち全員が驚愕の表情を浮かべる



「しまったー!!割れたー!!ノリだノリ!!ハッピーノリー!!」


「あいさー!!」


「バカヤロウ!!そんなんでくっつくか!!?オレの鉄をてめぇの炎で溶かして溶接するんだ!!」


「貴様らーーーっ!!!」


ナツとガジルが慌てて応急処置を試みる


だが、どの案もグットアイデアとは言えず、その光景を見たマカロフが呆れた様子で怒鳴る



そうこうしている内にも、エルザのヒビは大きくなり、広がっていく



「ひぁーーーっ!!!!ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい!!!!」


今にも砕けそうなエルザに対し、必死に謝罪し続けるナツ


両手のひらを合わせ何度も頭を下げていた


次の瞬間、石像と化したエルザの体は完全に砕け散った




・・・かのように見えたが違った


エルザの石化が解け、何事もなかったかの様に上体を起こした



「熱い・・おまえかナツ」


怒りに満ちた視線をナツにぶつけるエルザ



「何をするかーーー!!!!」


「ぐほぉ」


「ギヒャ」


その直後、近くに立っていたガジルを含め、ナツを殴り飛ばした



「エルザが復活したーーー!!!!」


石化前と変わらず元気なエルザを見たハッピーが笑顔で叫ぶ


するとマカロフが怪訝そうな表情で言う



「エルザ・・・しかし何故・・・」


「それが私にも・・・もしかしたらこの右眼のおかげかもしれませんが・・・」


エルザは現在、ポーシュリカが作った義眼を右眼に埋め込んでいる


その眼のおかげで「石化眼(ストーンアイズ)」の魔力を半減する事が出来たのだろう



「エルザ・・今の状況わかる?」


「ああ・・・全て耳に入っていた」


魔力を半減していたおかげか、エルザは石像になっても意識があったようだ



「(いける!!!反撃の時じゃ!!!)」


希望を持ったマカロフが握り拳をつくって笑みを浮かべる



「私が復活した事で残り人数も律儀に変わるという訳か、凝った事を・・・」


エルザは空中に書かれた文字を見ながら言う



【残り4人】



「この4人はアルトとナツ、エルザとガジルの事だね」


ハッピーがそう言った時、残り人数が一人増えた



【残り5人】



「!」


「増えた」


「誰だ!!?」


マカロフは慌てて辺りを見渡す



「皆・・・石のままじゃ、一体・・・」


辺りに復活した人間がいない事を確認するマカロフ


すると何かに感づいたエルザが口元を吊り上げ、笑みを浮かべる



「どうやらあの男も参戦を決めたか・・・」




フェアリーテイルもう一人の最強候補 ミストガン。



















その頃、マグノリアの街では爆撃音が鳴り響いていた



「メテオ・ウィザスター!!」


アルトの攻撃を軽くかわしたエバーグリーン


体を一回転させ、アルトの体全体に粉を振り掛ける



「何だこの粉・・・!?」


「妖精爆弾グレムリン!!!!」


その直後、粉が大爆発を引き起こし、アルトを完全に飲み込んだ



「はぁっ!!」


「!!」


衝撃波を拡散させ、粉と爆撃を同時に吹き飛ばすアルト



「アース・クライツ!!」


拳を握り、エバーグリーンへと放つが、またもや簡単によけられる


避けられた拳は民家の煙突に激突し、煙突は跡方もなく砕け散った



「やるわね、アルト」


「それよりもいいのかよ?もし俺がお前を倒せば石化した皆を元に戻せるぞ」


「できるかしら?」


メガネを上げ、アルトに目線を合わせようとするエバーグリーン



それを見たアルトは急いで目を瞑る


更に両腕を顔の前に当て、エバーグーリンの視線を完全に遮断する




「目を瞑ったまま私に勝つつもり?」


「!?」


目を瞑ったアルトの体の周りに先ほどと同じ粉が振りかかる



「妖精爆弾グレムリン!!」


「ぐぁあああ!!」


すさまじい爆撃がアルトを襲う



「悪いけど、このままいかせてもらうわよ!」


エバーグリーンが宙からアルトへ急接近する



「そう簡単にいくかよ!!」


「!!?」


しかしアルトはエバーグリーンの接近をかわし、そのまま蹴り飛ばした


蹴り飛ばされたエバーグリーンは驚きながらも体制を立て直し、アルトに視線を向ける



「な・・何故、目を瞑っているのに私の居場所が・・・!?」


「ウィブラル・バイン・・・今の俺の周りにはごく微量の振動波が発せられている」


「振動!?」


「振動波が不自然に曲がった場所がお前の居場所だ!!」


そう言ったアルトは、目を瞑ったままエバーグリーンへ向かいまっすぐに走っていく



「砕破掌!!」


「妖精爆弾グレムリン!!」


走ってくるアルトの行く手を爆弾で遮るエバーグリーン


しかし、アルトはそれを上手くかわし徐々に距離を詰めていく



「うらぁっ!!」


「くっ・・!!」


エバーグリーンはアルトの拳を扇子で受ける


しかし当然ながら力に押され、後方へ吹き飛ぶ



「メテオ・マグナム!!!」


「マズい・・!!」


拳を模った衝撃波を放つアルト


それを見たエバーグリーンは慌てて宙へと飛びあがり、アルトの攻撃をかわした



「(くっ・・純粋な格闘じゃアルトの方が一枚上手・・!!?)」


焦っていたエバーグリーンだが、すぐに冷静さを取り戻す


そして目を瞑ったアルトを見て笑みを浮かべる



「だけど魔法の技術なら私の方が何枚も上手(うわて)よ!!」


両腕をクロスさせ、アルトの方に体を向ける



「妖精機銃レブラホーン!!!!」


「!!」


エバーグリーンが放った魔法を振動により察知するアルト



「(振動の乱れが複数・・50・・100・・200・・って何だこの数!!?)」


飛んでくる魔法の数に驚愕したアルトは、慌てて後ろへ下がる



「うぉおおおわぁあああ!!?」


次々と周りの建物を破壊する音が聞こえる


屋根の上から建物の上に飛び退き、魔法をかわすアルト



「どこまで逃げ切れるかしら?」


うすら笑みを浮かべながら、逃げるアルトを観察するエバーグリーン



「くそっ・・・よけきれねぇ数だ!!」


すると不意に、魔法針の一つがアルトの右足を貫く



「痛っ・・・!!」


動きが鈍ったアルトを無数の針が襲った



「この無数の針・・・かわしきれなかったようね♪」


エバーグリーンが扇子を広げ、勝利を確信した様子で笑う


しかし、途中である事に気づき、焦りの表情を見せる



「!!!?」


アルトを襲う無数の針は、刺さっているのではなく、弾かれていたからである



「アース・クライツ!!!!」


目を見開いたアルトが衝撃波で全ての針を弾き、撃ち落とす



「やっぱ目が見える方が戦いやすい!」


ニヤリと笑みを浮かべるアルト


その光景を目にしたエバーグリーンも同じく笑みを浮かべて言う



「あの数の針を弾いて防ぎきるなんて、流石じゃない♪」


そう言うと、再び両腕をクロスさせる



「でも・・『倍』ならどうかしら?」


「!!」


次の瞬間、先ほどの倍数の魔法針が放たれる



「ちっ!!」


アルトはそれを弾きながらエバーグリーンへ向かって走り出す



「うぉおおおおお!!!」


「そぉれっ」


接近してくるアルトから逃げるように、他の建物へと飛び移るエバーグリーン


同時に更に魔法針の数を増やして放つ



「ぐあっ・・!!」


エバーグリーンを追いかける最中、魔法針がアルトの腕や足をかすめる


先ほど貫かれた右足のダメージと合わせ、徐々にアルトの走力が失われていく



「このっ・・!!」


「あはははっ!!!私の勝ちよ、アルト!!!」


針に埋め尽くされていくアルトを見て、高笑いするエバーグリーン



「ギルガ・ファングバイトォ!!!!」


「!!!!」


牙を模る巨大な衝撃波が無数の魔法針のほとんどを飲み込み、打ち砕く



「バ・・バカな・・!!!」


エバーグリーンは、その光景に驚愕の表情を浮かべる



「エバァアアアグリィイイイン!!!!」


「ひっ・・いやあああ!!!」


アルトは残った針を拳で撃ち落とし、エバーグリーンを壁に追いやる


そして真剣な眼差しを向け言う



「お前でもフェリーテイルの仲間である事に変わりはない・・・取って食うような真似はしないさ」


「っ・・・・!!」


「だから早く石に変えた皆を戻してくれ、お前にとってもエルザたちは大切な仲間のはずだ」


アルトが石化の解除を要求する



「うふふ・・・ちょっと甘いんじゃないの?」


エバーグリーンは追いつめられているというのに何故か笑みを浮かべていた



「私の石化眼(ストーンアイズ)にはもう一つの力があるのよ」


「もう一つの力・・・?」


「遠隔操作」


口角を吊り上げ、能力を口にするエバーグリーン


すると目を見開き、アルトを威嚇するように叫ぶ



「服を脱ぎなっ!!素っ裸で私の前に跪いて私の下僕になると誓うんだよ!!さもないと今すぐ石化してる女どもを粉々に砕いてやるよ!!」


「・・・そっか」


アルトは呆れた様子で首を左右に振る


そして次の瞬間、とてつもなく大きな魔力がアルトの体から噴き出した



「どうやら口で言っても分からねェみたいだな」


「え・・・?」


そう言ったアルトは右拳に衝撃波を集中させる


その際、アルトから溢れだす魔力によって建物の地盤が揺れ、大きな亀裂ができていた



「今すぐ皆の石化を解け・・・これ以上くだらねェ真似するんなら、いくら同じギルドの仲間といってもただじゃおかねえ!!」


拳を構え、まっすぐ前を睨みつけるアルト


それを見たエバーグリーンは滝のような冷や汗を流した



「きゃあああああ!!!!」


マグノリア中に悲鳴が響き渡る



「遠隔操作なんて見え見えの嘘は意味ないよ」


「ま・・参りました」


放たれたのは超巨大な衝撃波・・・ではなく、ただのデコピン


腰を抜かしたエバーグリーンはその場に座り込んだ



【アルトレアvs.エバーグリーン 勝者 アルトレア】




 
 

 
後書き
とりあえずエバとの絡みは後回しという事で・・・(汗)

 

 

雷鳴殿



「これは・・!!」


ギルド内にいるマカロフたちが驚愕した様子で石像を見ていた


アルトがエバーグリーンを撃破したおかげで、女性魔導士たちの石化が次々と解けていったのである



「あれ?何これ」


「ジュビア、どうしたのでしょう?」


ルーシィやジュビアも石化が解け、何事もなかったかのように動く



「おおっ!!」


「元に戻ったーーーっ!!!」


それを見たナツたちは歓喜の声を上げていた


同時に、空中に新たな文字が浮かび上がる



【アルトレアvs.エバーグリーン 勝者 アルトレア】



「(よくやったアルト!!人質は解放された・・さぁ、どうするラクサス)」


マカロフは一安心した様子で笑みを浮かべていた















アルトレアがエバーグリーンを倒した同時刻


マグノリアの中心部にあるカルディア大聖堂ではラクサスが一人、怒りをたぎらせていた



「なんでアルトレアごときにエバがやられんだよ!!ア?いつからそんなに弱くなったァ、エバァ!!」


怒りで柱を殴りつけるラクサス


すると背後からフリードがやってきて、ラクサスに言う



「アルトが強くなったんだ、オレかビックスローが行くべきだった」


「なぜ戻ってきたフリード」


「ゲームセットだからな、人質が解放されたらマスターは もう動かない」


冷静に言い放つフリード


すると、その言葉を聞いたラクサスは目を見開き、フリードのすぐ横に雷撃を放つ



「ラクサス・・・」


「終わってねえよ」


そう言って冷たい瞳をフリードにぶつける



「ついてこれねえなら消えろ、オレのフェアリーテイルには必要ねえ」
















「バトル・オブ・フェアリーテイル!?」


「ラクサスがそんな事を?」


石化から解放されたルーシィたちがマカロフにより、現状の説明を受ける



「・・・が、それももう終わりじゃ、お前たちが石から戻ればラクサスのくだらん遊びに付き合う事もあるまい」


「でも・・・フリードの罠にかかってキズついた皆は・・・」


「そうよ!!ラクサスをこらしめないと しめしがつかないわ」


俯くミラと怒るビスカが言う



「わーっとるわい、後でワシが最大級の仕置きをする、ラクサスめ・・今回ばかりはただではすまさんぞ」


「ちょっと待ってくれ」


腹を立てるマカロフの横からナツが手を伸ばす



「確かにアレだ・・仲間同士 無理やり戦わなきゃならねーって状況はどうかと思ったが・・・フェアリーテイル最強を決めるってラクサスの意見には賛成するしかねえだろ」


「いや・・・そうでもないけど」


頷きながら喋るナツに対し、レビィが苦笑しながら言った



「まぁ・・あまりラクサスを怒らねーでくれって事だ、じっちゃん」


「(ナツ・・・お前という奴わー・・・)」


ナツの言葉に感激するマカロフ



「つー訳で、今から第2回 バトル・オブ・フェアリーテイル開始だぁー!!!全員かかってこいやー!!!」


「「「はいい!!?」」」


「やめーい!!!」


拳を振るい、やる気満々のナツ


マカロフの感激は長く続かなかったようだ



「だってオレたち何もしてねーじゃん!!!ホラ!!!バトルしよーぜ!!!」


「やめてよ・・・あんたが言うと冗談に聞こえないから」


「どうしてもってんなら相手にならなくもないよ」


「カナ、のらないの」


ルーシィが呆れ果てた様子でナツを見る


笑いながらナツの戦い相手になろうとしたカナをビスカが止めた



「ナツ・・・女のコ相手にバトルとかはないと思うよ」


「女とか男とか関係ねーし!!」


「うわっ、すげームカツク顔」


挑発的な顔をするナツに対し、ハッピーが正直な感想を述べる



「ホラ、行くぞルーシィ!!」


「いやぁあ」


両手を大きく振り上げたナツは威嚇するようにルーシィを追いかける


それを見ていた他の魔導士たちは声を上げて笑う




「どうしたのガジルくん」


「別に・・・」


楽しそうにしているナツたちを黙って見つめていたガジル


それを見たジュビアが声をかけるも無愛想な様子で答える



「楽しいギルドだよね」


「イカれてるぜ」


そんなやり取りをしていると、ギルドの入り口を情報ボードが浮かび上がるのが見えた



「あれ?何かしら」


「ん?」


それに気づいたミラたちが一斉に入り口の方を向く


見ると、入り口は髑髏マークが描かれている情報ボードで塞がれていた



「何だ!?」


「術式の情報ボードがギルド中に!?」


情報ボードは激しい警戒音と共にギルド一帯を埋め尽くす



『聞こえるかジジィ、そしてギルドの奴等よ』



「ラクサス」


聞こえてきたラクサスの声にナツが反応する



『ルールが一つ消えちまったからな・・・今から新しいルールを追加する』


「新しいルール・・・?」


『バトル・オブ・フェアリーテイルを続行する為に、オレは〝神鳴殿〟を起動させた』


「神鳴殿じゃと!!?」


ラクサスの言葉を聞き、マカロフが冷や汗を流す



『残り1時間10分、さぁ・・オレたちに勝てるかな?それともリタイアするか?〝マスター〟、はははははっ』


そう言い残した後、高笑いしながらラクサスの声は消えていく



「何を考えておるラクサス!!!!関係のない者たちまで巻き込むつもりかっ!!!!」


額に青筋を浮かべ、怒り叫ぶマカロフ



「んぐっ」


しかし突如、マカロフが自分の心臓を押さえ苦しみだす


痛みに耐えきれず、小さく唸りながらその場に倒れこんだ



「大変!!いつものお薬!!」


それを見たミラは急いで薬を取りに行く



「じっちゃん!!」


「こんな時に・・・」


「マスターしっかりしてください!!」


その場にいたレビィたちはマカロフの介抱をする


ナツはマカロフに駆け寄り、声を荒げて言う



「神鳴殿って何だよ!!?じっちゃん!!!」


ナツが問うも、マカロフは答える事ができなかった


そんな時、薬を取ってきたミラが慌てた様子で外を指さす



「大変・・・みんな!!!外が・・・!!!」


ナツたちはギルドの屋上へと上がり、空に浮かんでいる物体に目を向ける



「何だあれ」


(いかずち)魔水晶(ラクリマ)・・・?」


「あんなものが・・・」


「街中に浮かんでる」


ナツたちの目の前には黄色に光る魔水晶がマグノリアの街を囲むようにして浮かんでいる光景が広がっていた



「一つ一つの魔水晶(ラクリマ)にものすごい魔力の雷が帯電している」


「まさか神鳴殿て・・・雷の宮殿とかそういう意味?」


「それをマグノリアに見立てて・・・」


するとルーシィが空に浮かぶ魔水晶(ラクリマ)を指さして言う



「てか、あれが放電したらどうなっちゃう訳?」


「街中に無数の落雷が・・・」


カナが深刻そうな表情で言うと、それを聞いた魔導士たちの脳裏に最悪のイメージが流れる


神鳴殿に蓄えられている強力な雷が街中に落ちれば、どれだけの者が傷つくのか想像するだけでも恐ろしい



「そんな事はさせないわ!!!スナイパーライフル換装!!!」


別次元にストックしていたライフルを取りだしたビスカは、即座に浮かんでいる魔水晶(ラクリマ)を狙い撃つ


放たれた弾丸は見事 魔水晶(ラクリマ)に命中し、粉々に砕いた



「やった!!!!」


「やるじゃないビスカ」


ルーシィたちは歓喜の声を上げる



「こんなの全部 私が・・―――」


そう言って次の魔水晶(ラクリマ)を狙おうとしたその時


ビスカの体に激しい電撃が流れる



「ああああああっ!!!!」


「おい!!しっかりしろ!!ビスカ!!」


「なにコレ!?どうなってんの!?」


焼け焦げ、倒れこむビスカ



「生体リンク魔法!!?」


カナが魔水晶(ラクリマ)を見て叫ぶ



「あの魔水晶(ラクリマ)は攻撃してきた者と自分のダメージを連結させる魔法がかけられている」


「え?」


「つまり攻撃を与えればそのダメージがそのまま自分に返ってくる仕組みよ」


「そんな!!?」


驚きながら神鳴殿を見上げる魔導士たち



「このままじゃ街の人まで」


「ラクサスをやるしかない!!行くよっ!!」


「あたし・・・できるだけ街の人 避難させてみる!!」


「雷神衆もまだ二人いる!!気をつけるんだよ!!」


戦う事が出来る魔導士たちは、ラクサスを探すためマグノリア全体に散って行った



一方で、術式から出られないナツは、ラクサスの行いに怒りを燃やしていた



「くそっ!!いい加減にしろよラクサス!!!」


「ナツ・・・落ち着いて」


頭をぶつけ、無理矢理 脱出しようとするナツをレビィが止める



「これが落ち着いてられっかよ!!ぐっ、こんなトコにも見えねー壁がっ!!」


「いいから上がってきて」


そう言ったレビィは自信ありげに話し続ける



「術式でしょ?文字魔法の一種だから、私なんとかできるかもしれない」


「本当かレビィ!!?」


「私・・あなたたちならラクサスを止められるって信じてるから」


読書家で文字魔法に詳しいレビィは術式を解除できる術を知っていたのであった
















カルディア大聖堂



「(神鳴殿・・・そこまでやるのか・・・?ラクサス)」


神鳴殿の発動には流石のフリードも戸惑っていたようだ


フリードは頬に一筋の冷や汗を流しながらラクサスの背中を見ていた



「何をしているフリード・・ビックスローは まだ妖精狩りを続けているぞ」


背を向けたまま話すラクサス



「ジジィの希望のエルザは俺がやる、ミストガンもだ・・・お前はカナとファントムの女をやれ、どっちもオレのフェアリーテイルにはいらねえ、殺してもいい」


「殺す!!?今は敵でも同じギルドの・・」


「オレの命令が聞けねえのかァ!!!!」


青筋を浮かべ、雷を散らすラクサスの怒号が聖堂中に響き渡る


その様子を見たフリードは一瞬 躊躇う様子を見せるが、目を閉じて落ち着きを取り戻す



「ここまでやってしまった以上、どの道 戻れる道はない・・オレはあんたについていくよ、たとえ そこが地獄だとしても」


そう言って、冷徹な表情を見せるフリードはゆっくりと大聖堂を出ていく



「任務を遂行しよう、本気で殺る。後悔するなよ」


「それでいい、暗黒のフリードよ。お前の本当の力、今こそ見せてやれ」


 
 

 
後書き
今回は原作をなぞっただけなのでアルト出てきませんね・・(汗)

 

 

サタン降臨

 
前書き
久々に書いたので誤字等ありましたら報告していただけるとありがたいです。 

 


マグノリアの街


祭りを楽しむ人たちの中を必死に走るアルト


ラクサスを探すのを中断し、マグノリアの街を駆け抜ける



「エルフマン、元に戻ってるかなぁ」


先程、エバーグリーンを倒したアルトは石化が解除されたことを確かめるため、エルフマンがいた場所まで戻っていた



「エルフマン!!」


アルトが倒れているエルフマンに声をかける


どうやら石化は完全に解除されたようだ



「おい、しっかりしろ!!目を覚ませ!!」


エルフマンの頬を軽く叩いて意識を呼び覚まそうとするアルトだが、一向に目覚める気配がない


その身体中には無数の焦げ跡や刺し傷が刻まれていた



「くそ、死ぬなよエルフマン!!」


そう言ったアルトは倒れているエルフマンを背負って歩きだした



「アルト!」


「!」


すると、アルトの目の前の方からミラジェーンが歩み寄る


その表情は青ざめていて、今にも泣きそうな感じであった



「ひどいケガ・・・」


「俺はなんとか大丈夫だ・・それより、エルフマンが・・・」


背負うエルフマンに視線を向けて言うアルト


傷ついたアルトとエルフマンの姿を見たミラはじわじわと目に涙を浮かべる



「ごめんねアルト・・エルフマン・・ごめんね」


「な・・何でミラさんが謝るんだよ!?」


「私・・ファントムの時も・・今回も・・・何もできなくて・・・それで・・・」


涙を流し、俯くミラ


そんなミラを見たアルトが笑みを浮かべて言う



「何もしなくていいんだよ、ミラさんは・・・このくだらねえ喧嘩が終わったら、笑顔でみんなを迎えてくれればいい」


「うっ・・うえ・・ひっ・・」


両手で顔を覆い、ミラは嗚咽を漏らしていた



「だからお願いだミラさん・・・泣かないで」


ミラの気持ちを察し、優しく声をかけるアルト


アルトの言葉を聞いたミラは静かに頷いた











フェアリーテイルギルド内



【バトル・オブ・フェアリーテイル 結果速報】



【ビックスローvs.ルーシィ 勝者 ルーシィ】


空中にルーシィが勝利したと表示される


それを見たナツとガジルは驚きの声を上げ、術式を解いていたレビィは感心していた



「マジか!!?あのバニーガール戦えたのかよ!!?」


「ルーシィは強えぞ、きっと」


「ウソだろ!?だってバニーだぞ!!!」


文字を見上げ、驚き叫びっぱなしのガジル


どうやらガジルはバニー=弱い、戦えない的な偏見を持っているようだ



「さすがルーちゃん!!私も負けてられない!!!」


メガネをかけ、術式を解くのに専念するレビィ



「あとはここさえ解ければ・・・」


「バニーは強いんだよ!!」


「そんな話聞いたことねえヨ」


レビィが術式解読する後ろで騒がしい口論を繰り広げるナツとガジル


とても計算や読解を落ち着いて取り組める環境ではない



「おまえウサギと亀の競争の話知らねーのか?」


「ウサギ負けてんだろそれっ!!」


「最初の一回はな、この後 何百回競争してもウサギの連勝だ」


「な・・なるほど、教訓を活かして・・・」


「それだっ!!!!」


突然 顔を上げて叫ぶレビィ


ナツとガジルのやかましい口論の中に術式解読のヒントを見つけたようだ



「そうだよ!!二つの文法を違う速度で解読していくんだ、一周して同期した文字の整数をギール文法に変換してさらにローグ言語化・・・」


最後の難関を攻略したレビィは休まず文字を書き続ける


やがて紙の右端まで綺麗に書きそろえ、嬉しそうに言う



「解けたっ!!!!」


「「おおっ」」


術式の解読に成功したことを知り、顔をほころばせるナツとガジル



「待ってて、術式を書き換えてくる」


書きあげた紙を持ち、二人に視線を向けるレビィ



「準備はいい?バトル・オブ・フェアリーテイル参戦だよ」


「おう!!!!」


「ひと暴れしてやんよ」


痺れを切らした様子で闘志を燃やす二頭の竜


神鳴殿を止めるため今、凄まじい戦いが始まろうとしていた















ミラとアルトがマグノリアの街を歩く


気を失っているエルフマンに気をつけながら、ギルドの医務室まで運んで行こうとしていた



「神鳴殿・・・あれが・・・!!」


「そう・・しかもあの魔水晶(ラクリマ)には生体リンク魔法が掛けられていて手を出すことも出来ないのよ」


マグノリアを囲む黄色の球体を見上げるアルト


ミラから神鳴殿の事を聞き、驚いていた



「ラクサスの奴・・いくら何でもやりすぎだ・・」


「早く神鳴殿を止めなきゃ、大変な事に・・・」


二人が石橋の前を歩く



すると突然 石橋が音を立てて崩れる


石橋の瓦礫と共に、傷だらけのカナが絶叫しながら落ちてきた



「あぁあああぁあぁぁ!!!」


「カナ!!」


「どうしたんだ!?」


「ぐうぅう!!」


ミラとアルトが倒れているカナに駆け寄る


小さな呻き声を上げ、のたうちまわるカナ



「しぶとい、さすがギルドの古株といったところか」


崩れた石橋の上に立つフリードは、カナたちを見下ろす


右手にはレイピアが握られていた



「取り消しなさい・・・ジュビアを『ファントムの女』と言った事を取り消しなさい!!!!」


カナは涙を流し、枯れたような声でフリードに怒鳴った


鋭い目つきで睨むが、フリードは意に介さない様子だ



「う・・あぎっ・・ばはっ!!」


カナの体中から骨が軋み、折れる音が聞こえる


苦しそうに喉を押さえ、血反吐を吐いたカナはそのまま白目をむいて気絶した



「カナ!!」


「くっ・・ミラさんは下がってて!!」


背負っていたエルフマンを壁に凭れさせ、アルトはフリードの方へと走り出す



「次の相手はお前かアルト・・・エバを倒した実力、見せてもらうぞ!」


「!!」


フリードはレイピアを振り、何かの文字を書いて放つ


それを見たアルトは飛んでくる文字をかわし、崩れた石橋の端に立つ



「いい加減にしろよフリード・・俺たちは仲間だろうが!!」


「かつては。しかし、その構造を入れ替えようとしているこのゲーム内では、その概念は砕ける・・ラクサスの敵は俺の敵だ」


レイピアの先をアルトへ向け、冷静に言い放つフリード



「これでもまだ仲間と言えるか?」


「!?」


冷たい声でそう言ったフリードはレイピアに魔力を込め、ミラへと視線を向ける



「まさか・・!!」


フリードがやろうとした事に察しがついたアルト


急いで石橋から降り、ミラの方へ走る



「闇の文字(エクリテュール)〝痛み〟」


「!!」


書かれた文字がミラへと放たれる


カナとエルフマンは気を失っており、助けに入る事は出来なさそうであった



「(間に合えーー!!!)」


文字がミラに直撃する寸前、アルトが間を割って入った


すると、アルトの胸元にはフリードが書いた文字が記されていた



「ア・・アルト・・・!?」


「良かった・・怪我は―――――!!!?」


言葉の話す途中、激しい激痛がアルトを襲う


体中を駆け巡る堪えがたい激痛に、アルトが苦しみ膝をつく



「ぐ・・が・・ぁ・・・!!!」


「アルト!!」


「その文字は現実となり、お前の感覚となる・・・闇の文字(エクリテュール)〝恐怖〟!!!」


新たな文字をアルトに刻むフリード



「うがぁああぁあああ!!!!」


まるでこれ以上ない恐怖を味わったかのように絶叫するアルト



「そんな・・・アルト!!」


その光景を見ていたミラがアルトの名を叫ぶ



「ぐあぁああがぁああぁぁあ!!!」


「(私のせいで・・・私を庇ったせいで・・・)」


頭を抱え、涙を流し続けるミラ



「闇の文字(エクリテュール)〝苦しみ〟!!!」


「お願いフリード!!!何でもするからもう助けて!!!」


フリードに向かってそう叫ぶが、攻撃の手は休まらない


それどころか徐々に強さを増していた



「闇の文字(エクリテュール)〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟!!!!」


「がぁああああぁああぁぁあ!!!!」


アルトの体中から凄まじい破壊音が響く


あまりの激痛に身動き一つとれず、アルトはただただフリードの攻撃を食らい続ける


その光景から目を逸らすかのように、目を閉じて頭を抱えてるミラ


大粒の涙を流しながら叫んだ




「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


「いやぁーーーーーっ!!!」


アルトの絶叫と共鳴するかのようにミラの悲痛な叫びが響く



「闇の文字(エクリテュール)・・・」


「はぁ・・・はぁ・・・」


かろうじて意識を保っていたアルト


しかし、次の攻撃を避ける事は出来そうにない



「やめてぇーーーーーっ!!!!」


ミラの叫びが一帯に響く


しかしフリードはミラの叫びなど聞かず、凄まじい輝きを放ったレイピアを構えた




「〝死滅〟」


その言葉を聞いた瞬間、ミラの表情が変わった






(死・・・!!?)


綺麗な瞳を見開き、半ば放心状態に陥る


その最中、ミラの脳裏に焼き付く〝悲しい記憶〟が甦る




『ミラ・・姉・・』


苦しそうに息を切らし、自分に手を伸ばす少女


自分がもっと早く助けてあげられれば死ぬはずのなかった妹の姿―――




「!!?」


「!!!」


妙な魔力を感じ、攻撃を止めるフリード


同じくその魔力を感じたアルトは驚愕の表情を浮かべていた



「な・・何だ、この魔力は!?」


魔力を察知したフリードは慌てふためく


それほど強力な魔力が発生しているのだ



「ああ・・・あああ・・・」


体を小刻みに震わせ、呻き声を上げるミラ



「ミラジェーン!?」


冷や汗を流すフリードがミラジェーンの名を呼ぶ




その刹那、ブチッという音と立て、ミラの中にある何かが切れた






「ああぁあああぁああ!!!」


発狂するミラの体からは凄まじい魔力が溢れだす


地面を抉り、綺麗な銀色の髪を逆立て、まるで悪魔の腕と尻尾を持っていたミラ


いつものような柔らかい雰囲気はまるで無く、覇気と怒気が入り混じった目つきでフリードを睨みつける



「あ・・はは・・・やっぱ・・・すげェなぁ」


魔人化したミラの姿を見て、歓喜の声を上げるアルト






魔人と化したミラは、その鋭い爪でフリードに襲いかかる


「くっ!!!闇の文字(エクリテュール)〝翼〟!!!!」


名を刻んだ背中からは双方 綺麗な翼が生え、ミラの一撃を飛んでかわす


しかし、悪魔の力を得たミラの背中にも禍々しい翼が生えており、超スピードでフリードに追いついた



「ぐはあっ」


ミラの右拳がフリードの頬を打ち抜く


空中を三回転し、自身の動きを止めるフリード



「消す」


鋭い眼光を放ち、フリードをまっすぐ見据えるミラ



「(こ・・これが魔人ミラジェーンのテイクオーバー・・・サタンソウル!!!!)」


目の前の魔人を見たフリードは歯を食いしばる


その瞳には焦りが映っていた

 
 

 
後書き
ルーシィとビックスローのバトルは省きました。 

 

やさしい言葉



「・・・ぐっ・・ここは・・!?」


傷だらけのエルフマンの意識が戻った


辺りを見渡し、壊れた石橋と自分の近くに座っているアルトに目を向ける



「よかった、目が覚めたかエルフマン」


「アルト・・?ここは、どこだ・・姉ちゃんは・・無事なのか・・・!?」


「ミラさんなら今、フリードと戦ってる」


「何、だと・・!!?」


アルトの言葉を聞いてエルフマンは目を見開いて驚いた


今となっては力を失ってしまった姉が、よりによって雷神衆と戦っていると聞いて居ても立ってもいられない様子だ



「何・・のんきに座ってやがるアルト!!姉ちゃんを・・助けねえと!!」


自由が利かないはずの体を無理に動かし、なんとか立ちあがろうとするエルフマン


それを見たアルトがエルフマンの肩を掴んで止める



「今のお前が行ったところで無駄だ、座ってろ」


「俺とお前が・・行かねえで、誰が・・姉ちゃんを守るんだよ!!?」


エルフマンがかすれた声で怒鳴りつける


しかしアルトは至って冷静な表情で言う



「ミラさんなら心配いらない」


「・・・!?」


再び、そこらへんに転がっている瓦礫に腰を下ろすアルト


歓喜と恐怖が入り混じった複雑な表情で笑う



「かわいそうにな・・・フリード」


同情めいた声でそう呟いた
















バトル・オブ・フェアリーテイルが始まり数時間たった今


マグノリアの街の一部では壮絶かつ一方的な戦いが繰り広げられていた



「ぐほぁっ」


サタンソウルを解放したミラの蹴りを腹部に食らい、フリードは苦しそうな声を漏らした


レイピアが右手から離れ、宙を舞う


攻撃は止むことなく叩き込まれ、痛ましい効果音と共にフリードの体は地上へと押し込まれる



「くっ」


背に生えた羽を使い、体を旋回させ崩れた石橋の中をくぐる


それを見たミラはフリードが通った道をなぞるように追いかけた



「禁じ手だが仕方あるまい」


徐々に距離を詰められているのを見て、フリードは焦った様子でそう呟いた


すると、指二本で刀印を結び、ミラの方へと視線を向ける



「〝魔〟には〝魔〟をもって制す、闇の文字(エクリテュール)・・・」


刀印を胸の前あたりで動かし、文字を描く



「〝暗黒〟!!!!」


胸に〝暗黒〟という文字が刻んだフリードの姿が一変した


長髪が逆立ち、鋭い爪と禍々しい角が生えている


変身を遂げたフリードは体の向きを変え、ミラの方へと飛ぶ



次の瞬間、超高速で突進を仕掛けるミラとフリードの左拳が激突した


互いの凄まじい闘気がぶつかり合い、一進一退の攻防が続く



ゴッ――という鈍い音を立て、フリードの拳がミラの顔面を打ち抜く


しかし、すぐさま体制を立て直したミラのひざがフリードの顎を蹴りあげた



互いに一歩も引かぬ空中戦だったが、フリードがとうとうミラの尻尾を捉えた



「つあっ!!!!」


力の籠った声を上げ、ミラを川の方へと投げ飛ばす


すると突如、川の水が巨大な渦を巻きはじめる



「(川の水をまとって・・・!!?どれだけの魔力なんだ!!?)」


その光景を見たフリードは驚愕の表情を浮かべる


鋭い目つきで狙いを定めたミラは、まとった川水の渦を一気にフリードへとぶつけた



「ごあぁぁっ」


吹き飛ばされたフリードをミラは頭突きで追いこむ


更に両腕に魔力を込め、無慈悲な眼光を向ける


フリードの表情は徐々に恐怖で塗り替えられ、戦意を失っていく



ミラは無言で魔力の球を放つ


爆撃音が辺り一帯に響き、魔力に呑まれたフリードの姿が徐々に消え、見えなくなっていく




「がはっ!!」


あまりのダメージに文字が剥がれて通常の姿へと戻るフリード


背に生えた翼も消え、地上へと勢いよく落ちる



「ひっ」


戦意を完全に失っているフリードは、目の前に立つミラを見て後ずさる


ミラは口元の牙を覗かせ、倒れているフリードの首元を掴む



「(か・・勝てる訳がない!!これが魔人の真の力!!)」


恐怖に顔を歪ませるフリードが体を震わせ息をのむ



「(こ・・・殺される!!!)」


ミラの振り上げられた拳がフリードへと放たれた、その時





拳はフリードの鼻先直前で動きを止める


その行為の真意が掴めずにいたフリードは見開いた目でミラを見据える



ミラは拳を納めるとテイクオーバーを解いた


悲しげな表情を浮かべ静かに口を開く



「こんな戦い・・・むなしいわね」


「勝者の驕りかミラジェーン・・・とどめをさせ・・・」


震えながらも決着をつけようとするフリードにミラは優しげな視線を向けて言う



「私たちは仲間よ・・同じギルドの仲間・・・一緒に笑って、一緒に騒いで・・・一緒に歩いて・・・」


青色の瞳を伏せ、寂しさを感じさせる笑みを浮かべるミラ



「う・・・うるさい!!オレの仲間はラクサス一人だ!!!!」


ミラの言葉をかき消すかのように声を荒げるフリード


意地を張るフリードに対し、ミラは優しい声で言った



「一人じゃないでしょ?あなたはとっくに気づいているわ」


その言葉に目を大きく見開いたフリード


ミラの言葉によって、今までのフェアリーテイルで過ごしてきた日々がフリードの脳裏に次々と浮かび上がった



「一人の人物に依存する事の全てを悪だとは思わないけど、あなたのまわりにはたくさんの人がいる」


ミラが言葉を紡ぐたび、フリードの口元が震えていく


そんなフリードの手を両手で包み、優しく微笑んだミラが言う



「ほら、手を伸ばせばこんなに近くに・・・一人が寂しいと気付いた時、人は優しくなれるの」


ミラの青い瞳には涙が浮かんでいた


先ほど感じた恐怖とは違う、その涙には優しさと温かさが込められていたのだ



フリードの目が潤む


歯を食いしばり、見開いた瞳でミラを見据える




「あなたはそれに気づいている」


そう言われた次の瞬間、フリードの瞳からは涙がこぼれおちる



「うぐっ・・・うぅ・・・」


嗚咽を漏らし、手で瞳を塞ぎ泣き始めたフリード



「こんな事・・・したくなかっ・・・たんだ・・・」


「うん・・・わかってるよ・・・来年こそは一緒に収穫祭を楽しもっ」


魔人の時の強面からは想像もつかない程の柔らかな笑顔をフリードへ向ける


そんなミラを遠くから見ていたアルトたちは笑顔を浮かべて言った



「かなわねぇなぁ・・・」



【フリードvs.ミラジェーン 共に戦意喪失】
















「ラクサスの居場所を教えてくれ」


涙を流すフリードにアルトが近付いて言う



「ラクサスなら・・・カルディア大聖堂にいる」


涙を拭いたフリードが立ち上がってそう言った


それを聞いたアルトが拳を合わせ、カルディア大聖堂の方へ体を向けると、不意にミラがアルトの腕をつかむ



「・・・ミラさん?」


「駄目よアルト・・・今のあなたがラクサスと戦ったら・・・本当に死んじゃうかもしれないわ・・・」


不安そうな表情のミラが声を震わせていう


アルトの身体には、エバーグリーンとの激戦で負った怪我に加え、ミラを庇いフリードに一方的につけられた傷が痛々しく刻まれていた



「今、ラクサスの元にはエルザたちが向かっているわ・・・アルトはこのままギルドに戻って傷を治した方が―――」


ミラが言葉を発する途中、アルトがミラの手を優しく払って言う



「ミラさん・・・俺はここに来るまで色んな人と戦ってきた、仲間同士で戦うなんて馬鹿げた事だと思ってた・・・だけど皆、仲間を助ける為にやむ負えず、必死で戦ってたんだ」


「!!」


アルトの言葉にミラが大きく反応する



「フェアリーテイルの強さは個々じゃなくて絆にあるんだってマスターが言ってた、俺もそう思う・・・だからこそ、その絆を利用して戦いを仕掛けたラクサスを簡単に許すわけにはいかない」


「で、でもっ・・!!」


「ミラさんたちは先にギルドに戻ってて・・・」


ミラ達に背を向け、再び歩き出すアルト


そのまま少し歩いたところで立ち止まると、身体に力を込めた


次の瞬間、アルトの身体からは大量の魔力が溢れる



「(あれだけの傷を負って・・・まだこれほどの力を・・・!!!)」


その光景を目にしたフリードがあまりの驚きに口を開け、目を見開きアルトを見る



「・・・心配しなくていい」


アルトが短く言葉を発する


その声をきいたフリードは体中の毛が逆立つような感覚に見舞われた



「ラクサスは俺が止める」


めいいっぱいの怒気がこもった声で言うアルト


先ほどのおだやかな表情とは打って変わって鋭い視線をカルディア大聖堂の方へ向けていた






【バトル・オブ・フェアリーテイル 残る敵はラクサスただ一人!!!!】


 
 

 
後書き
アルトよ・・もうこれタフってレベルじゃないよなぁ・・・(汗) 

 

激突!カルディア大聖堂

 
前書き
またアルトが出てこない回・・・(汗) 

 


「神鳴殿、街中を襲う雷の魔水晶、雷神の裁き・・・もう時間がない」


ギルドに残っていた魔導士、レビィがそう呟いた


床には術式解除に用いられた本が無造作に散らかっている



「残り10分、本気なのかしらラクサスは」


レビィは真剣な表情で考え込む


街中に浮かぶ魔水晶やバトルに参加したルーシィたちを心配していた



「でも、なんとかなるよね・・こっちにはまだエルザとナツ、ガジルにミストガン・・・何よりアルトがいるんだもんね!」


拳を握り、アルトたちに期待の念を込めるレビィ


するとギルドの入り口から少し老いた女性がレビィに向かって歩いてきた



「こんな時に誰かしら」


そう言って歩いてくる女性に視線を向ける


その女性はフェアリーテイルに馴染みの深い人物だった



「マカロフはどこ?」


「ポーシュリカさん!?」


女性の正体はフェアリーテイルの顧問治癒魔導士のポーシュリカであった


その姿を見たレビィは驚き、目を見開いた


ポーシュリカは素っ気ない口ぶりで言葉を発した



「どこかって聞いてんだよ」


「お・・奥の医務室です」


「フン」


おどおどと答えるレビィにかまいもせず、ポーシュリカは奥の医務室へ向かう



「あ・・あのっ!!ちょっと今は・・・」


「知ってるよ!だから来たんだ」


「え?」


予想外の返答に目を丸くするレビィ



「もしかして治療しに来てくれたんですかっ!!」


歓喜の笑みを浮かべポーシュリカに目を向ける



「・・・・・」


しかし、ポーシュリカはそれを無視してマカロフが眠っているベッドに歩み寄る


すると複雑な表情を浮かべ言った



「ラクサスをつれてきなさい」


「え?」


「祖父の危篤も知らずに遊び回っているあの子をつれてきなさい」


その言葉を聞いたレビィが顔を引きつらせる



「き・・危篤って・・そんなおおげさな・・・」


無理やり口元を吊り上げ、震えた声で言う


すると、ポーシュリカは振り返って真剣な表情をレビィに向ける




「いいからお願い、この人はもう長くない」


ポーシュリカの瞳には涙が浮かびあがっていた



レビィは血の気が引いた表情を見せた
















カルディア大聖堂


大聖堂の柱の根元に腰をかけ、ラクサスは俯いていた



『ラクサス・・・おまえはファンタジアには参加せんのか?』


昔、マカロフが言った言葉が頭をよぎる



『ジジィ・・・どの口が言ってやがんだ・・・? ア?』


暴力的な言葉をぶつけるラクサス



『オレは ガキの頃から〝アンタの孫〟ってだけで周りから色メガネで見られてんだぞ!!何をやってもマカロフの孫だから、フェアリーテイルのマスターの孫だからと正当な評価はもらえねえ!!!』


怒りまかせにマカロフを怒鳴りつけるラクサス


それを黙って聞いていたマカロフは頬を数回掻き、困ったように呟く



『そりゃあ おまえ、気の持ちようじゃろう・・・世の中に正当な評価を得てる者などはたしているものか・・・』


『ただでさえ居心地悪ィってのに、さらに〝あんな恥〟かかせやがって』


『それは・・・』


『アンタには情ってものがねえのかよ』


ラクサスから視線を外し、ため息をつくマカロフ



『・・・・・』


『なんで親父を破門にしやがったァ!!!!』


自分の父親がギルドから破門され、ラクサスは怒りを露わにしていた


するとマカロフは少し考えた後言った



『・・・奴はギルドに害をもたらす』


『確かにバカな事ばっかやってる奴だがな、それでもあんたの息子だろ!!!!家族だろ!!!!』


『たとえ家族であっても仲間の命をおびやかす者は同じギルドにおいてはおけん、先代もそうやってギルドを守ってきた、それがフェアリーテイルじゃ』


真剣な様子で答えるマカロフにラクサスはさらに怒鳴る



『だったらオレもクビにするのかヨ?そしたらオレは親父の立ち上げたギルドに入ってアンタを潰す』


『ギルドを立ち上げた? 』


ラクサスの言葉にマカロフは小さい反応を見せる



『お・・おまえ、奴が今どこにいるのか知っておるのか?』


『興味もないくせに・・・今さらしらじらしい』


そう言うとラクサスはマカロフに背を向けて、部屋の外へと向かう


それを引き留めるかのように、マカロフが声を上げる



『ま・・待て!!奴はこのフェアリーテイルの不利益になる情報を持ったまま ここを出た!!!!見つけ出さねばフェアリーテイルが危ないんじゃ!!!!』


『自分で追い出しておいてよく言う・・・』


『ラクサス!!』


『オレはいずれアンタを超える、親父の為じゃねえ、オレがオレである為に・・・』


そして振り返ったラクサスがマカロフを睨みつけ言う




『一人の男である為にだ』
















【神鳴殿 発動まであと6分】


「降参する気はねえってか・・・相変わらずの頑固ジジィめ」


空中に浮かびあがる文字を見て、ラクサスが呟く


それと同時に、カルディア大聖堂内に武器を背負って顔を布とマスクで隠した一人の男がやってきた



「来たか」


ラクサスはその男を見て口元を吊り上げる


武器を背負った男はラクサスの前に立ち、対峙する



「ミストガン、まさかお前がこのゲームに参加するとは思ってもいなかったぜ・・・」


「今すぐ神鳴殿を解除すればまだ余興の範疇でおさまる可能性もある」


ミストガンは冷静な口調で言った


それを聞いたラクサスは笑いながらミストガンに近付く



「おめでたいねぇ・・・知ってんだろ?フェアリーテイル最強は誰か・・・オレか お前か噂されてる事は」


「興味はないが、私はギルダーツを推薦しよう」


「あいつはダメだ、帰ってこねぇ・・・同じくエルザもいい線いってるが、まだ弱い」


すると、ミストガンは鼻で笑って答えた



「エルザが弱い? とんだ節穴だな、お前の目は」


「オレはお前を認めてんだよミストガン、今 このフェアリーテイル最強の座はオレかお前のどちらかなんだ」


鋭い眼光でミストガンを睨むラクサス


何がどうあってもミストガンとの勝負を臨んでいるようだ



「そんな事にしか目がいかんとは・・・おめでたいのはどっちだ」


「白黒つけようぜ、最強の座をかけて・・・ミストガン・・・いや・・・」


ラクサスはミストガンの名を口にした後、それを否定した



「アナザー」


「!!!」


次の瞬間、ラクサスが言葉を発すると同時に驚いた様子のミストガンが背中の武器をとり、ラクサスに攻撃を放つ


一方のラクサスも右手から雷撃を放ち、ミストガンの攻撃を相殺する


双方の魔法のぶつかり合いは凄まじい爆発を生み、大聖堂の窓ガラスは全て砕け散った



「その事をどこで知った」


「さあね・・オレに勝てたら教えてやろうか?」


ラクサスは余裕の表情でミストガンを挑発する


それを聞いたミストガンは武器を構え、鋭い視線をラクサスにぶつける



「後悔するぞラクサス、お前は未だかつて見た事のない魔法を見る事になる」


「来い、格の違いを見せてやる」


 

 

ミストガン

 
前書き
超亀更新で復活します、更新速度は徐々に戻していきたいと思っています

 

 

カルディア大聖堂で対峙するのはフェアリーテイルの最強候補である二人


ラクサスとミストガンであった



先に動いたのはミストガン、背中に差していた武器をとると それを五本、地面に突き立てる



「摩天楼」


ミストガンがそう呟くと同時に、大聖堂の床は輝かしい光を放つ



「!!!」


するとラクサスの足元が波状にうねり、光の柱が何本も現れる



「何!!?」


次の瞬間、大聖堂は光の柱によって粉々に砕かれ、ラクサスは宙を舞っていた


驚いた様子のラクサスが砕かれた教会を見降ろして言う



「バカな!! 教会を・・」


すると突如、足元からとてつもなく大きな光が差し込みラクサスを完全に飲み込む



「うおお」


次にラクサスがいたのは真っ黒な宇宙空間のような世界であった


何が起きているのか分からないラクサスは慌ててあたりを見渡す


するとラクサスの頭上に、空間の裂け目が現れる


裂け目からは鋭い爪をもつ怪物のような手が現れ、裂け目を徐々に広げていく




「!!!」


慌てるラクサスを何本もの太いベルトが縛りつける


完全に拘束されたラクサスは大きくなっていく裂け目をただ見上げているしかなかった




「なんだこの魔法は!!!?」


顔を青くしたラクサスが目の前の光景に恐怖し、声を荒げる




裂け目からは巨大で得体のしれない怪物が現れた


恐ろしい叫びを上げ、ラクサスに手を伸ばして牙をむける




「うおおおおおおおっ!!!!!」



ラクサスが叫びをあげた刹那―――――――










―――――――目の前の光景に亀裂が入った



「!!!」


「はははははははっ!!!! くだらねぇなァ!!!!」


高笑いしながら無傷のラクサスが姿を現す



「こんな幻覚でオレをどうにかできるとでも思ったか!? ミストガン!!」


左手で幻覚の破片を振り払い、ミストガンに視線を向ける



「さすがだな、だが気づくのが一瞬遅かった・・お前はすでに私の術の中」


ラクサスの頭上には五つ重なった魔法陣が展開されていた



「眠れ!!!! 五重魔法陣 御神楽(みかぐら)!!!!」


「気づいてねえのはどっちだ?」


頭上の魔法陣を気にも留めずに、笑みを浮かべるラクサス


するとミストガンの足元から激しい雷光が生じる



「ぐぁあああっ」


「うおおお」


ラクサスの雷撃を足元から食らったミストガンが空中に吹き飛ぶ


しかし、互いの魔法を食らった双方、平気な顔をして敵に視線を向ける




ミストガンは空中に飛んだまま、刀印を結び魔法を放つ


歪んだ足場がラクサスの体を捕らえようと襲いかかる


ラクサスは自身の体を雷に変え、ミストガンの魔法から逃れた




「抜けた!!?」


「はァ!!!!」


雷は壁を伝ってミストガンへと襲いかかった


しかし、ミストガンは体を煙状にしてそれをかわす



「チッ、やるじゃねーか」


再び双方対峙し、ラクサスが呟いた



その時――――――――




「「「ラクサス!!!」」」


アルト、ナツ、エルザの三人が同時に大聖堂へ到着した


するとミストガンは目を見開いてエルザを見据える



「ナツ、エルザ!!」


「よう、アルト」


「出られたのか、ナツ」


アルトたちが顔を合わせる


そして三人同時に、ミストガンの方へ視線を向けた



「誰だアイツ・・・」


「ミストガンか・・・?」


「ミストガン!? 初めて見た!!」


目を輝かせミストガンを見るアルト


一方、ミストガンはエルザと視線を合わせぬよう、俯く



「スキあり!!!」


笑みを浮かべ、一瞬の隙をついたラクサスがミストガンの顔に向けて雷撃を放つ


雷撃は命中し、ミストガンの顔を覆っていた布やマスクを焼き消す



「え!?」


「・・・・・」


ミストガンの素顔を見たアルトとエルザは言葉を失った


何故ならその顔は、以前エルザとアルトが闘った相手だったからだ




「ジェラール・・・」


目を丸くしたエルザが呆然と呟く



「何でお前が・・・」


アルトもただただミストガンの素顔を呆然と眺めていた



「ジェラールだと・・・」


ジェラールという聞き覚えのある名前を聞いたナツは少し考えた後、怒りの形相を浮かべミストガンを怒鳴る



「ジェラール!!? エルザを泣かした・・・あの・・・っ!!」


拳を握り、今にもミストガンに飛びかかりそうなナツ




「生きて・・」


潤わせた目でミストガンを見るエルザは震えた声でそう呟いた



「お? 知ってる顔だったのか?」


事情を知らないラクサスは笑みを浮かべてエルザたちを見ていた



「ど・・・どうなってんだ!!? ミストガンがジェラール!!?」


怒りと動揺が入り混じったナツが叫ぶ


するとアルトがナツの肩を優しく掴んでいった



「いや・・・ミストガンがジェラールなわけねェ・・・楽園の塔で会ったジェラールとは雰囲気がまるで違う」


そう言ったアルトも額に冷や汗を浮かべ、動揺していた


ミストガンはエルザに視線を合わせないまま言った



「エルザ・・・〝あなた〟にだけは見られたくなかった」


「え?」


「私はジェラールではない、その人物は知っているが私ではない」


動揺で震えたままのエルザはミストガンの言葉をただ聞いていた


頭が真っ白になり、口を開く気になれなかったのだ



「すまない、後は任せる」


「おい、ちょっと・・!!」


その場を去ろうとしたミストガンを止めようとアルトが動く


しかし、体を霧状に変えたミストガンは音もなく消えてしまった



「ど・・どういう事なんだ・・・?」


「だーーーっ、ややこしいっ!! 後回しだ!!! ラクサス勝負しにきたぞ!!! アルト、エルザいいよな オレがやる!!」


アルトたちの動揺を振り払うかのように、ナツが大声で事を進める


しかし、ナツの声など届かずに、エルザは震えたままミストガンの消えた跡を黙って見つめていた



「エルザ、避けろ!!」


「!!」


アルトがエルザに向かって声を上げる


「ぐはぁああぁっ」


ハッとしたエルザであったが向かってくるラクサスの雷を避ける事は出来ず、地面に飛ばされた



「似合わねえツラしてんじゃねーよ、ホラ!! 来な」


拳に雷を纏わせ、エルザたちを挑発するラクサス



「ラクサスーーーーーっ!!!!」


痺れを切らしたナツがラクサスの名を叫ぶ



「俺が相手するって言ってんだろ!!!! このやろォ!!!!」


ラクサスに指をさし、言い放つナツ


しかしラクサスは面倒くさそうな表情をナツに向けて言う



「ん? いたのか、ナツ」


次の瞬間、ナツの闘志に完全に火がついた

 
 

 
後書き
この小説をご覧になっている皆様、お久しぶりです

私情が無事終了しましたので、更新を再開させていただきます

相も変わらず稚拙な文章ですが、これからも大陸の妖精をよろしくお願い致します。 

 

てっぺんとるチャンスだろ!



「ん? いたのか、ナツ」

「な、なにぃぃぃいい!!?」

ナツはラクサスの言葉に腹を立てる

そして炎を拳に纏い、ラクサスに襲いかかった



「オレと勝負しろやあァ!! ラクサス!!」

「ナツ!!」

「てめぇのバカ一直線もいい加減煩わしいんだよ」

そう言ったラクサスは左手に雷撃を溜め、ナツに向けて放つ



「うせろザコがっ!!!!」

その雷撃を飛んで避けたナツ

体を空中で回転させ、ラクサスの顔に向けて蹴りを放つ



「火竜の鉤爪!!!!」

ナツの蹴りを右腕でガードしたラクサスは雷撃を放ち、ナツを吹き飛ばす



「んがっ!!」

慌てて地面に着地したナツだが、ラクサスが素早いひざ蹴りを食らい、再び宙を舞う

吹き飛ぶナツの手首を強く握り、再び自分の元へ引き寄せるラクサス



「逃がさねえぞコラ」

休む間もなく繰り出されるラクサスの拳がナツの顔を襲う



しかしナツも負けじとラクサスの手首を強く握る

そして笑みを浮かべて言う



「逃げるかよ、てっぺんとるチャンスだろ!!!!」

次の瞬間、炎の拳がラクサスの顔面を打ち抜いた



ラクサスは火傷を負った顔をしかめながらナツの手首を握る腕の力を強める

ナツの手首に電撃を走らせながらもう一度ナツの顔を殴る

殴られたナツはすかさずラクサスの顔を殴り返す



「フン」

しばらく互いに殴りあった後、ラクサスがナツの腕を引っ張り、ナツの体勢を崩す



「うおっ」

体勢を崩したナツはその場に倒れ込んだ

雷を拳に纏い、ナツに打ち込もうとするラクサス



「らぁっ!!」

ラクサスの雷が放たれる直前、ナツが体を回転させ炎の蹴りを繰り出す

それを飛んで避けたラクサスはナツの手首をがっしりと掴む

そしてナツが顔を上げた瞬間、雷を込めた右足でナツを強く踏みつけた



「ごべっ」

更に雷を纏った腕でナツを盛大に殴り飛ばした



「まずはお前から始末してやるよ、ナツ」

両腕に強い雷を溜め、ナツに視点を置くラクサス



「させるかよっ!」

「!!」

ラクサスの頭上からアルトが拳を振るう

同時に武装したエルザが正面からラクサスに斬りかかる

しかしラクサスは溜めていた雷を拡散させ、アルトとエルザを弾き飛ばした



「ぐあっ・・!!」

「くっ・・!!」

弾き飛ばされた二人はナツの目の前で着地する



「(エルザ・・・)」

アルトが心配そうにエルザを見つめる

その視線に気づいたエルザはフッと笑いながら言った



「安心しろアルト・・・ミストガンの事はひとまず忘れる、今はラクサスだ」

その一言を聞き、アルトは安心して頷いた

そして剣を構えたエルザがラクサスを睨みつけながら言う



「あの空に浮いているものは何だ、ラクサス!!」

「神鳴殿・・・聞いたことあるだろ?」

エルザの問いに口元を吊り上げるラクサス

『神鳴殿』という言葉を聞いたエルザは焦りの表情を浮かべる



「まさか街を攻撃するつもりか!?」

「はははっ!! 新しいルールさ、オレも本当は心が痛むよ」

「貴様!!!!」

高笑いするラクサスに腹を立てたエルザが蹴りを打ち込む

しかしラクサスはその蹴りを軽く受け止め落ち着いた口調で言った



「あと2分だ」

ラクサスの言葉を聞いて焦るエルザは、ナツとアルトに視線を向けて言う



「アルト! ナツ! 全て破壊するんだ!!!」

「壊せねーんだよ!!てか 違うな・・・壊したらこっちがやられちまうんだよ!!」

「あの魔水晶には生体リンク魔法がかかっているらしいんだ」

「生体リンク魔法!!?」

驚いたエルザの声が響いた



「そう・・・アレは誰にも手出しはできない魔水晶」

「卑劣な!!!」

「フン!!!」

がっしりとエルザの足を掴んでいたラクサスは、エルザが叫ぶのと同時に雷撃を打ち込む

凄まじい輝きを放つ雷はエルザの身体を直撃し、エルザは後方へ弾き飛ばされた



雷撃は煙を起こし、後方へ飛ばされたエルザは煙を裂きながら体勢を立て直す

再びラクサスと対峙したエルザの姿は先ほどと異なったものだった



「雷帝の鎧!!?」

エルザの姿を見たラクサスが鎧の名称を言い当てる

そしてその鎧を見た途端、鼻で笑いながら言った



「フン・・・そんなものでオレの雷を防ぎきれるとでも?」

するとエルザの後ろからナツが少々怒り気味に言う



「なにラクサスとやる気マンマンになってやがる!!! こいつはオレがやるんだ!!!」

我が侭な態度でエルザに近づくナツの身体をアルトが腕を伸ばして静止させる

そして少し笑みを浮かべて言う



「悪いなナツ、今回はお前一人に任せられねえ・・・ラクサスは俺が倒す」

「!?」

その言葉にラクサスの眉が動く

普段から自分を避けているアルトからは想像していなかった言葉だったからだ



「いーや、いくらアルトでも今回だけは譲れねえ!! ラクサスは俺が倒すんだ!!」

ナツがいつもの我が侭な態度で自身を静止していたアルトの腕を払いのける

そしてラクサスに向かって走り出そうとするがアルトの腕がナツの肩を掴み、またしてもナツを静止させた



「俺も譲れないね、今回だけは!!!」

真っすぐラクサスに視線を向け、強く言い放つアルト

その姿を見たナツはうっすらと笑って言う



「しょーがねー奴だなァ・・・じゃあ先に倒したモン勝ちだ、どっちが倒しても恨みっこなしだからな!!」

「あぁ、分かった」

ナツの提案を承諾したアルトは後方に立つエルザへと身体を向けて言う



「そういうわけだから、エルザの出番は無いよ」

そう言われたエルザの視線はアルトを捉えていた

するとエルザの口元が和らぎ、問いかけるように言った



「信じていいんだな?」

その問いかけに対し、アルトは笑って答えた



「まかせろ!」

アルトの返事を聞いた瞬間、エルザは大聖堂の外へと向かって走り出す

ラクサスは特に止める様子もなくエルザを見ていた



「オ・・オイ! どこ行くんだよ!!」

背を向けて走るエルザに向かって叫んだナツであったが、エルザの表情と走り去る方向を見て何をするつもりなのかを感じ取った



「まさか・・お前、神鳴殿を止めに・・・」

ナツが抑えた声でそう言うと、ラクサスが後方から笑い声を飛ばして言う



「ははははっ! 無駄だァ!! 一つ壊すだけでも生死にかかわる!! 今・・・この空には300個の魔水晶が浮いているんだぞ!!! 時間ももう無いっ!!!」

「全て同時に破壊する」

ラクサスの言葉を跳ね除けて、エルザが決意ある表情で言った

しかしラクサスはそんなエルザの言葉をも否定し、強い声で言った



「不可能だ!! できたとしても確実に死ぬ!!!!」

「だが街は助かる」

走りながら答えるエルザはまったく足を止める様子はない

エルザの決意は本物だと思ったラクサスは密かに頬に冷や汗を浮かべた



「ラクサスを止めておけアルト!! ナツ!!」

大聖堂の階段を下り、街の方へと走っていくエルザ

だんだん小さくなるエルザの背中から、アルトは叫んだ



「俺も信じてるからなァ、エルザ!!」

背後からかかるアルトの声に、エルザは黙って頷く



「可能か不可能かって事じゃねえぞ!!」

アルトは更に大きな声で叫ぶ



「お前が無事に帰ってくるって事をだ!!!!」

自分の身を案じてくれているアルトの叫びを聞き、若干頬を染めたエルザが心の中で思う



「(おまえに救われた命だ、粗末にする気はない・・・それに―――)」

その時、エルザは楽園の塔での出来事を思い出す

それは自分が塔の爆発に巻き込まれて、アルトが助け出してくれた時の事だった



(俺は・・・仲間であるエルザにずっと生きててほしい、ずっと傍にいてほしい)



あの時アルトが言った言葉は、エルザ自身の生きる意味を気づかせてくれた

あの言葉があったからこそ自分は生き続けて幸せな未来を作ろうと決意できたのだ




「(私も・・・生きてずっとお前の傍に居たいと思っている)」

少しの気恥ずかしさを含みながら、エルザは心中でそう呟いた



「くそっ」

エルザが止まらないと知ったラクサスは急いで止めに向かおうとする




「火竜の・・咆哮!!!!!」

「ぐっ・・!!」

ナツが放った業火がラクサスの体を包み込む

燃え盛る炎がラクサスの動きを止めた



「チッ・・こんなもので、この俺が・・・!!」

身に纏わりつく炎を腕で振り払い、再びエルザの背後を追おうとするラクサス

しかしラクサスの目に飛び込んできたのは逃げるエルザの背後ではなく、アルトが腕を振り上げている姿だった



「うらァ!!」

「ぐはっ」

ラクサスの顎めがけてアルトが拳を振り抜いた

脳を揺らされたラクサスの足元がグラつく、アルトはその隙を見逃さず、両腕に衝撃波を込めて放つ



「メテオ・ウィザスター!!!」

凄まじい衝撃波が重い音を立てて、ラクサスの体に直撃した

砂煙が巻き上がると同時にラクサスの体は後方へ吹き飛び、アルトはその場に着地する

ナツは後方からゆっくりと歩み寄り、アルトと肩を並べた



「お前の相手はオレたちだ!! ラクサス!!」

ナツが意気揚々といった様子で言い放つ

砂煙が晴れて中から現れたのは口を曲げて怒りをあらわにするラクサス



「お前は・・・俺たちが倒す」

アルトがナツより一歩前へ出てそう言い切った

この一言によりラクサスはより一層怒りを滾らせる



「このガキどもが・・・!!」

ラクサスはわずかに拳を震わせて言った


 
 

 
後書き
一気に書き溜めようと思っていましたが出来なかったのでちまちま更新する事にしました(笑)

来週までにはせめてラクサスとの戦いを終われたらいいなぁ・・・。 

 

孤独な雷鳴




神鳴殿と言われるマグノリアの上空に浮かぶ300個の魔水晶

それを破壊しに向かったエルザはマグノリアの街の中で多くの剣を用意していた



「このマグノリアの地を守る為に・・・剣たちよ、私に力を貸してくれ」

剣を宙に浮かせ、神鳴殿へと向けたエルザは祈るようにそう言った











一方、マグノリアの中心部に位置するカルディア大聖堂ではアルトとナツがラクサスを倒すため、二人協力して戦っていた



「どらあっ!!!!」

ナツが炎の拳を放つがラクサスはそれを容易く避ける

ラクサスが避けた方向にアルトが衝撃波を放つがそれは雷で防がれた

アルトとナツの怒涛の攻撃をかわすラクサスは目を見開いて叫んだ



「テメェらにだってわかるだろ アルトレア!! ナツ!! 今、このギルドがどれだけふぬけた状況か!!!」

そう叫びながら拳を振り仰ぐラクサス

するとアルトたちの近くに強烈な光と共に凄まじい雷撃が放たれた



「オレはこのギルドを変える!!! その為にマスターにならなきゃいけねェんだよ!!!」

そう言い放ったラクサスは横目で空中に表示されている文字を見た

そこには【神鳴殿発動まで あと1分30秒】と書かれていた



「何してやがんだジジィは!!! 街がどうなってもかまわねえのかよ!!!」

先ほどよりも少し声を荒げて叫ぶラクサス

その表情には少々焦りの色が窺えた



「そう焦るなよ、ラクサス」

雷撃から逃れたアルトがラクサスに向けて言う



「神鳴殿なら必ず止まるから」

大聖堂についた時とは一変して少しの笑みを含んだ表情のアルト

その様子はラクサスとはまったく逆、安心して闘いに臨んでいるようだ



「何だと?」

アルトの発言と妙に落ち着いている態度にラクサスは疑問を隠せずにいた



「ギルドのマスターになりたいのなら街を壊したって意味はない、今さら引けに引けなくなっちまって焦ってるんだろ?」

アルトの的を射た言葉にラクサスの表情が固まる



「男には意地を通さなきゃいけない時もあるもんなァ・・・だがな、家族相手にいつまでも意地通したって後から自分が空しくなるだけじゃねえか?」

笑ってそう言ったアルトは勢いよく地面を蹴りだしてラクサスとの距離を詰める



「だから意地張ってねえで戻って来いよ!! ラクサス!!!!」

アルトが左腕に衝撃波を込め、ラクサスに向かって振り上げる



「てめえが知ったような口を・・・!!!!」

一方ラクサスも右腕に雷撃を纏わせ、勢いよく放つ

双方の魔力がぶつかり合い、巨大な渦を巻く

その渦によって生み出された気流にラクサスもアルトもナツも同時に吹き飛ばされた



「(バカな、アルトレアごときにオレの雷撃が・・・!?)」

完全に相手を消し飛ばすつもりで放った雷撃が相殺され、驚愕の表情を浮かべるラクサス

その間にも神鳴殿の発動時間が進んでいく、空中に浮かぶ文字には【あと45秒】と書かれている

ラクサスは時間が経つにつれ徐々に焦りを募らせていく



「何も起きねえ!!」

そう叫ぶナツの蹴りがラクサスの顔面を打ち抜く

しかしナツの顔にも焦りの色が見られる



「大丈夫だ、エルザが何とかしてくれる!!」

アルトはラクサスの腹部を殴りつける



「黙れ・・・」

二人の攻撃を受けても平然としているラクサス

しかし額に冷や汗を浮かべ、表情から焦っている事が分かる











その同時刻、マグノリアの街中にいるエルザは魔力が続く限りの剣を出現させていた

宙に浮かぶ剣の数はおよそ200、それほどの剣を出現させるにはとてつもない量の魔力を消費する



「あと100・・・はあ、はあ」

息を切らし、地に片膝をつけたエルザがそう言った



「あと100本の剣がなければ同時には・・・」

そうしている間にも神鳴殿に雷が溜まっていく

エルザが空を見上げると神鳴殿の魔水晶には凄まじい量の雷が蓄電され、眩い光を放っていた

顔をしかめて神鳴殿を見上げるエルザだったが、その時エルザの頭の中に「声」が響いた



(おい!! みんな聞こえるか!!? 一大事だ、空を見ろ!!!)



「ウォーレン!?」

エルザが辺りを見渡す

頭の中に響いた声の主はウォーレンというフェアリーテイルの魔導士であった

バトル・オブ・フェアリーテイルに参加してリタイヤしてしまったハズだったが、どうやら目が覚めたらしい



念話(テレパシー)か・・・」

頭に声が響くのは「念話(テレパシー)」という魔法の一種であった、ウォーレンの得意な魔法である



(ケンカしてる奴はとりあえず中止だ!!! よく聞けお前ら!!!)


どうやら念話を聞いているのはエルザだけではなく、倒れていたフェアリーテイルの仲間にも通じているようだ



(あの空に浮かんでいる物をありったけの魔力で破壊するんだ!!! 一つ残らずだ!!! あれは この街を襲うラクサスの魔法だ!! 時間がねえ、全員でやるんだ!!)


「何だとォ!?」

「あれがラクサスの・・・」

ウォーレンの言葉を聞いたフェアリーテイルの魔導士たちは一斉に空を見上げて、神鳴殿に気づいた



「ウォーレン、おまえ・・・何故神鳴殿の事を・・・?」

エルザが念話を通してウォーレンに問う



(その声はエルザか!? 無事だったか!?)


しかし返ってきたのはウォーレンの声ではなく、倒されたはずのグレイの声



「グレイ!? そうか、お前が・・・」

神鳴殿の事をウォーレンに伝えたのはグレイであった

ウォーレンを偶然見つけて念話を使い神鳴殿の事を皆に教えるようウォーレンに指示したらしい



(すまねえ、オレの念話はギルドまでは届かねえ・・・とにかく聞こえている奴だけでいい!! あの空に浮いているものを・・・)


「ウォーレンてめぇ・・・オレに何したか忘れたのかよ」

マックスの声がウォーレンの言葉を遮った、その声には怒りの感情が込められていた

何故ならマックスはバトル・オブ・フェアリーテイルでウォーレンと戦い、そのまま倒されてしまっていたからだ

マックスの言葉が火種となり、次々と念話を通じてのケンカが始まる

するとグレイがウォーレンの耳元向かって叫ぶ



「喧嘩なら後でやれ!!!!」

「お前が言うな!!!!」

声が混じり合い誰とも分からぬ者から返事が聞こえる

しかしグレイはひるまずに叫び続けた



「今は時間がねえ!! 空に浮いているのを壊せ!!」

「よ・・よせ、あれには生体リンク魔法が・・・」

神鳴殿の説明をせずにただ壊せと叫ぶグレイに対し、エルザが止めようとする

しかし喧嘩や言い合いで興奮している魔導士たちにエルザの声が聞こえるはずもなく、各々が魔水晶に視線を移す



「決着はあれを壊した後だー!!」

「ビジター、てめえそこを動くなよォ!!」

「マカオ、おめえにゃ無理だ寝てな!!」

「んだとォ、ワカバ!! ジジィのくせにハシャぎすぎだヨ!!」

それぞれ好き勝手な会話が飛び交いつつも皆が魔水晶を壊すため、自身に魔力を集中させる



「行くよハッピー!!」

「ルーシィ本気? 痛いよ?」

「痛くてもやるのっ!!」

ルーシィとハッピーも魔水晶に向けて構える



「おまえたち・・・」

その様子を念話を通じて理解したエルザは口元を綻ばせ呟いた

そして左手に持った剣を振り上げ、高らかに叫んだ



「北の200個は私がやる!!! 皆は南を中心に全部撃破!!!」

「一コも残すなよォ!!!!」

エルザとグレイの叫びを合図に魔導士たちが神鳴殿に向かって一斉に魔法を放つ

すると次の瞬間、空に浮かんでいた300個の魔水晶は一度に全て破壊され神鳴殿の機能は完全に停止した



「何だ何だ!?」

「オオッ」

「花火かしら・・・?」

「フェアリーテイルも年々やる事がハデになってきたな」

マグノリアの人たちは神鳴殿の破壊を花火と勘違いし、特に騒がれる様子もなかった



「や・・やったか」

神鳴殿の魔水晶が全て砕け散ったのを見たエルザは歓喜の表情を浮かべる

しかしその後、生体リンク魔法の効果で自身を貫くひどい痛みが走り思わず地面に倒れた

更に、それと同じ痛みを味わう仲間たちの悲鳴が念話を通して聞こえた



(み、みんな・・・無事・・・か?)


ウォーレンが念話で皆に呼びかける



「まったく・・・おまえたちは何という無茶を」

地面に倒れたエルザが言う



「お互い様・・・って事で」

同じく、地面に伏したグレイが笑みを作って口を開く

他の仲間たちの会話も聞こえる、他者を気遣うものや仲直りする者、それぞれが違う行動をとっているが皆同じギルドの輪にいる事を感じさせる出来事であった











カルディア大聖堂には驚いて動かないラクサスと笑みを浮かべるアルトたちが向き合っていた



【神鳴殿 機能停止】

空中に書かれていた言葉はラクサスの想像を大きく上回るものだった



「だから言ったろ、エルザが何とかしてくれるってな」

アルトがラクサスに語りかける

その直後、ビビッ と音を立て空中に文字が次々と浮かび上がる

神鳴殿の魔水晶を破壊した者の名前とその個数だ



「ギルドを変える必要なんかねえ、皆同じ輪の中にいるからこそどんな困難も乗り越えて行けるんだ」

自身を持ってそう言い放つアルトはそのまま続けて言う

ラクサスは俯き、その体が震えだす



「その輪にも入ろうとしないお前が一体どうやったらマスターになれんだよ、ラクサス」

そう言い放った直後の事である



「オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ!!!!」

野太い咆哮と共にラクサスの体から天に向かって雷撃が放たれる

雷鳴が轟き、アルトとナツは驚愕の表情を浮かべる



「支配だ」

雷を身に纏い、鋭い眼光で二人を睨みつけるラクサスはゆっくり口を開けて言い放った


 

 

共闘



神鳴殿を停止させられ、追いつめられたラクサスは逆上して一気に魔力を解放した

あまりの雷の威力にラクサスの耳につけていたイヤホンが粉々に砕けた

迸る雷を身に纏い、光るその眼に映るのはアルトとナツの二人のみ

その威圧感は先ほどまでの比では無かった



「いい加減にしろよラクサス、フェアリーテイルはもうお前のものにならねえ」

雷の威圧感に圧されて顔を腕で庇いながらも、重い口を開くナツ



「なるさ・・・そう、かけひきなど初めから不要だった」

そう言ったラクサスの目の焦点は合っていなかった

全てを自分の力だけに任せ、フェアリーテイルを乗っ取ろうとする意志の表れだ

ラクサスの目や口からも雷が放たれていて、その化け物じみた姿に思わずアルトたちも表情を強張らせた



「全てをこの力に任せておけばよかったのだ!!!! 圧倒的なこの力こそがオレのアイデンティティーなのだからなァ!!!!」

叫ぶラクサスが全身から雷を放出すると地面が砕け、アルトたちはその場の空気が重くなるのを感じた



「だったら俺がそいつをへし折ってやる!! そうすりゃ諦めもつくんだろラクサス!!!!」

アルトが衝撃波を込めて突進する



「アース・クライツ!!」

振り上げた拳をラクサスの左頬に叩きこむアルト

しかし拳を食らったラクサスはまったくダメージを受けてないような素振りを見せる

それどころか剛毅な口元を吊り上げてひっそりと笑う



「まずは貴様からだ・・・くくく」

「(まるで効いてない・・・!?)」

あまりの手ごたえの無さに、アルトが驚愕の表情を見せる

するとラクサスは右腕を勢いよく前に突き出し強力な雷撃をアルトに打ち込んだ



「かかってこいフェアリーテイル!!!! オレが全てを飲み込んでやる!!!!」

「ぐはぁああぁあ!!」

雷撃に押され、後方へと吹き飛ばされるアルト



「フハハハハハハッ!!!!」

ラクサスはすかさずアルトを追う

倒れているアルトに向かって次の一打を叩きこもうとしたその時



「オレを忘れてんじゃねえー!! ラクサス!!!」

荒々しい炎を拳に宿したナツが頭上からラクサスに突撃する



「火竜の鉄拳!!」

「ハァ!!」

ナツの拳をラクサスが雷撃で弾いてガードする



「くくく・・・そんなに相手して欲しいなら貴様から葬ってやろう!!」

不気味に笑うラクサスは自身の体に雷を纏わせた

そして弾かれて宙を舞うナツに接近し、ひざ蹴りをかます



「がっ・・!!」

攻撃を喰らったナツは反撃の暇を与えられることなく、ラクサスの攻撃を受け続ける

顔を殴られ、腹部を蹴られてその場に叩きつけられた



上手く体勢を立て直し、大聖堂の柱に着地したナツ

しかしすぐさまラクサスの雷撃が柱ごとナツの体を貫いた



「つ・・強ェな・・・やっぱり・・・」

地面に倒れたナツが、息を切らしながらそう呟いた

すると壊れた柱の残骸の上に立つラクサスがナツを見降ろし、左腕を天に掲げる



「鳴り響くは召雷の轟き・・・」

次の瞬間、大聖堂中の空気が震えだす

ラクサスを中心に凄まじい魔力と風が渦を巻く



「やべぇ・・・体が・・・」

なんとか攻撃をかわす体勢をとろうとするナツだったが、その場から動こうとするも体が言う事をきかない



「天より落ちて灰燼と化せ」

雷がラクサスの体を走り、徐々に威力を高めていく



「くそ・・・」

ナツは動かない体を地面に伏せたまま、ただラクサスを見上げるだけであった

ラクサスが目を見開いて高らかに叫ぶ



「レイジングボルト!!!!」

ナツの頭上にとてつもなく規模の大きい雷撃が振り落とされる

避ける事の出来ないナツはあまりの悔しさに目を瞑り、拳を握りしめる



「ギルガ・ファングバイトォ!!!!」

ラクサスの巨大な雷撃を衝撃波が包むように受け止める

見るとナツのすぐ近くには、先ほどまで倒れていたハズのアルトが立っていて両手で衝撃波を打ち出していた



「アルトレア、余計な真似を・・・だが」

「う・・ぎぎぎ・・・!!」

苦悶の表情を浮かべ、頭上から降る雷をなんとか受け止めているアルト

しかし時間が経つにつれ衝撃波が雷に押し負けている



「いつまで持つかなァ・・・!!」

その様子を厭わしい顔つきで見上げるラクサス

しかも徐々に魔力を込めて、雷撃の威力を上げてきている



「フハハハハ!! アルトぉ、このギルド最強は誰だ?」

押されていくアルトを見て眉を吊り上げるラクサスが問う

しかしアルトはラクサスを睨みつけているだけだった



「(な・・なんつー魔力だ・・・このままじゃ・・・潰される!!)」

アルトが倒れているナツの方を見て思う



「(せめてナツだけでも・・・逃がせれば・・・)」

すると次の瞬間、一瞬ナツに気がそれたアルトの魔法に隙ができ、ラクサスはそれを見逃さず一気に魔力を込めた



「(しまった・・!!)」

ついにアルトの衝撃波がラクサスの雷撃にかき消される

衝撃波のおかげで雷撃の威力は随分減っていたが、それでもボロボロになったナツとアルトを倒す程度の力を持っていた



「フハハハハハ、これで終わりだァ!!」

雷撃がアルトたちの頭上から襲いかかる



「鉄竜の咆哮!!」

しかしその雷撃は他方から飛んできた攻撃によって相殺された



「ア?」

「この技・・・!!」

飛んできた鉄の破片を手に取り、やってきた魔導士の正体を掴むアルト



「仲間・・・じゃなかったのか?」

雷を相殺させた魔導士がゆっくりアルトたちの方へ歩み寄る



「それを消して喜んでるとァ、どうかしてるぜ」

そう言い切った魔導士、ガジルがアルトたちの前に立ってラクサスと対峙した



「まあ消させねーがな、コイツらを消すのは俺の役目だからよォ」

「「ガジル!!」」

アルトとナツが口を揃えてそう言った



「また獲物が一匹・・・ククク」

しかしラクサスは目の前に現れたガジルに対し、臆する様子もなくそれどころか余裕の態度を見せる



「消えろ消えろォ!! オレの前に立つ者は全て消えるがいいっ!!」

両手を広げ、威勢よく叫ぶラクサス

ようやく体が動くようになったナツがゆっくりと上半身を上げ、ガジルに向かって言う



「ラクサスはオレがやる・・・ひっこんでろ」

「コイツには個人的な借りがあるんだヨ、だが奴の強さは本物のバケモンだ・・・マカロフの血を引いてるだけの事はある」

ナツの言葉に対して、ガジルは引く様子を見せない

そしてガジルの口から思わぬ一言が飛び出す



「気に入らねえがやるしかねえだろ・・・共闘だ」

「「!!!」」

ガジルの言葉にアルトとナツは表情を固める

かつての強敵であり、フェアリーテイルの事をよく思っていなかったガジルが自分から共に戦おうと言いだした

この発言にはアルトも目を丸くする



「じょっ・・・!! 冗談じゃねえ!! アルトはともかく・・・お前なんかと組めるかよ!!」

ナツが声を荒げて抗議する



「よく見ろ、あれがてめえらの知ってるラクサスか?」

ガジルがラクサスに視線を移して冷静に言う



「ハハハ・・・消えろ・・・消えろ!!」

アルトとナツの目に映ったのは口を大きく開けて狂ったように笑うラクサス

二人は絶句してその様を見ていた



「あれはギルドの敵だ!! ギルドを守る為にここで止めなきゃならねえ!! 他の奴らは神鳴殿で動けねえ、今ここで奴を止めねえとどうなるか分かってんのか!?」

ガジルの正しい言い分にナツも理解した様子の表情を浮かべる

すると横からアルトがガジルに対して言う



「お前がギルドを守るとか・・・」

「うるせえ!! 守ろうが壊そうがオレの勝手だろーが!!」

アルトの言葉に少々決まりの悪い様子でガジルは言い放つ

その直後、アルトはからかうような表情を笑みに変えて言った



「だが、お前の提案には賛成だぜガジル・・・正直、俺もここまでラクサスが底なしだとは思ってなかった」

アルトがそう言うと、ナツがゆっくりと立ちあがる



「この空に竜は二頭いらねえんじゃなかったか?」

「いらねえな・・・だが、こうも雷がうるせえと空も飛べねえ」

笑みを浮かべて言うナツに対し、ガジルも口角を上げて言った



「今回だけだからな」

「当たり前だ!! てめえとはいずれ決着をつける!!」

ナツに向かってそう宣言したガジルはアルトの方にも体を向ける



「もちろん、てめえとの決着も忘れちゃいねーぞ!!」

「あぁ・・分かってる」

鋭い目つきのガジルが言う

アルトはその視線をしっかり受け止めると、ラクサスに拳を向ける



「行くぞ!!!!」

気合の入ったアルトの声が大聖堂に響き、本人は突進してラクサスとの距離を詰める

ナツとガジルも同時に地面を蹴りだし、ラクサスに攻撃を放った